前記(1)に記載の発明によれば、虚像表示位置変更手段は、画像表示装置の表示画面と透過性反射部材との間に設けられた光学レンズ部材を備えているので、画像表示装置の表示画面の表示画像うちで光学レンズ部材を介して透過性反射部材で反射される画像についての、透過性反射部材の背後側の虚像の位置を当該光学レンズ部材によって変更することができる。
前記(2)に記載の発明によれば、光学レンズ部材は、画像表示装置の表示画面と透過性反射部材との間で、且つ、表示画面を正面視した状態での単数または複数箇所に設けられているので、その表示画面の単数または複数箇所の表示画像についての透過性反射部材の背後側の虚像の位置を当該光学レンズ部材によって変更することができる。
前記(3)に記載の発明によれば、レンズ法線方向移動手段は、単数の光学レンズ部材または複数個のうちの少なくとも一つの光学レンズ部材を、画像表示装置の表示画面と透過性反射部材との間で、且つ、表示画面の少なくとも法線方向に移動させるので、その表示画面の単数または複数箇所の表示画像についての透過性反射部材の背後側の虚像の位置を、光学レンズ部材の移動に従って変更することができる。なお、レンズ法線方向移動手段は、表示画面の法線方向のみに移動させるもののみを指すのではなく、少なくとも法線方向成分を持って移動させるものを含む意である。
前記(4)に記載の発明によれば、レンズ平行方向移動手段は、単数の光学レンズ部材または複数個のうちの少なくとも一つの光学レンズ部材を、画像表示装置の表示画面と透過性反射部材との間で、且つ、表示画面に対して少なくとも平行方向に移動させるので、表示画面での光学レンズ部材の位置する表示画像の虚像位置を変更することができ、表示画面のうちで光学レンズ部材の位置する画像の虚像位置と、光学レンズ部材の位置しない画像の虚像位置とを相対差をつけることができる。なお、レンズ平行方向移動手段は、表示画面に対して平行方向のみに移動させるもののみを指すのではなく、少なくとも平行方向成分を持って移動させるものを含む意である。
前記(5)に記載の発明によれば、単数または複数個の光学レンズ部材は、画像表示装置の表示画面の単数または複数箇所で、且つ、その表示画面側に固定されているので、その表示画面の単数または複数箇所の表示画像についての虚像を、それ以外の箇所の表示画像についての虚像と異なる位置に固定的に変更した状態とすることができる。つまり、表示画面での光学レンズ部材の位置する画像の虚像位置と、光学レンズ部材の位置しない画像の虚像位置とを相対差をつけた状態で固定することができる。
前記(6)に記載の発明によれば、光学レンズ部材を光軸方向視した状態での外周部は外周部材で覆われているので、光軸方向視した状態での光学レンズ部材のレンズ領域と、その外側の領域である外部領域とを、外周部材で区分けすることができ、レンズ効果による空間の歪があるレンズ領域と、そのような歪の無い外部領域との境界を外周部材の存在によって明確に遊技者に示すことができ、レンズ領域の違和感を低減することができる。
前記(7)に記載の発明によれば、移動制御手段は、虚像を透過性反射部材の背後側で奥行き方向に移動させるに際して、虚像が被合成物と関連して移動するように虚像表示位置変更手段を制御するので、虚像を遊技者にとって近づける方向あるは遠ざかる方向に移動させるに際して、実在する被合成物と関連して虚像を移動させることができ、例えば、虚像が被合成物の影響を受けて移動させるようにしたり、虚像が被合成物に影響を与えて移動させるようにしたりすることができ、より自然な動きで虚像を前後移動させることができる。したがって、さらなるリアルな3次元空間画像となり、興趣に富んだ合成画像を提供できる。
前記(8)に記載の発明によれば、被合成物駆動制御手段は、虚像を透過性反射部材の背後側で奥行き方向に移動させるに際して、被合成物が虚像と関連してその被合成物の少なくとも一部が駆動するように被合成物駆動手段を制御するので、虚像を遊技者にとって近づける方向あるは遠ざかる方向に移動させるに際して、実在する被合成物が虚像と関連してその被合成物の少なくとも一部が駆動させるようにでき、例えば、実在する被合成物が虚像の影響を受けて移動させるようにしたり、実在する被合成物が虚像に影響を与えて移動させるようにしたりすることができ、前後移動する虚像と関連して、実在する被合成物を駆動させるようにでき、さらなるリアルな3次元空間画像となり、興趣に富んだ合成画像を提供できる。
なお、パチンコ機では、被合成物として球状体(例えば、遊技球など)を採用してもよく、被合成物が所定の条件を満たしたときに当該パチンコ機の遊技状態を変更するものとしてもよい。例えば、虚像が球状体を押していくような表示態様をし、その球状体が入賞口(例えばVゾーン)に入球することで前記所定の条件が満たされ、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するものが挙げられる。
前記(9)に記載の発明によれば、被合成物の奥行きは、虚像の奥行き方向移動範囲を少なくとも含む長さを有する。移動制御手段は、虚像を透過性反射部材の背後側で奥行き方向に移動させるに際して、当該虚像が被合成物の奥行き方向の形状に従って移動するように制御する。したがって、被合成物の奥行き方向の形状に沿って虚像が移動する画像を提供できる。
前記(10)に記載の発明によれば、枠体は、透過性反射部材の背後側に所定大きさの奥行き空間を持たせた状態で当該透過性反射部材の背面側を囲う部材であって、その内部に被合成物を有する。照明制御手段は照明手段の点灯を制御する。照明手段は枠体内部を照らす。したがって、照明手段によって枠体内部が照らされることで、透過性反射部材による画像のうちで被合成物の画像をより明るくして提供できるし、それとは反対に、照明手段を消灯することで、枠体内部を暗くすることができ、透過性反射部材による画像を主として虚像のみとして提供(例えば、暗い背景に虚像のみが映し出された画像を提供)することができる。
前記(11)に記載の発明によれば、照明手段は、複数色の照明が可能なものであり、照明制御手段は、照明手段での照明色を変更制御する。したがって、枠体内部を所定の照明色で照らすように変更することができ、透過性反射部材による画像のうちで被合成物の画像を種々の照明色で提供でき、照明色を変えることで被合成物の実像と虚像との合成画像のバリエーションを増加させることができる。
前記(12)に記載の発明によれば、画像表示装置が第1の位置にある時には当該画像表示装置が直接的な表示主体となり、遊技者に当該画像表示装置の表示画面を直接的に見せる画面画像を提供することができる。これに対して、画像表示装置が第2の位置にある時には当該画像表示装置は間接的な表示主体となり、透過性反射部材が直接的な表示主体となるため、遊技者に画像表示装置による画像が透過性反射部材の背後側の所定虚像位置に位置する虚像となって提供される。つまり、この透過性反射部材による画像は、当該透過性反射部材の背後側空間に存在するかのような虚像となって提供されることから、この画像は立体感のある3次元的な画像(3次元空間画像)となる。
したがって、画像表示装置の表示画面を直接的に見せる画面画像と、透過性反射部材の背後側空間を利用した3次元空間画像との選択的な提供が可能となり、遊技者を驚嘆させる画像表示を実現することができ、表示演出の興趣性を向上させることができる。
また、画像表示装置を第1の位置及び第2の位置で移動させることにより、一つの画像表示装置で画面画像と3次元空間画像との双方が表示可能となり、複数個の画像表示装置を用いる必要がなく、コストの低減が図れる。
前記(13)に記載の発明によれば、第2の位置とした画像表示装置を透過性反射部材に対して近づける方向または離れる方向に移動させることで、画像表示装置の表示画像に対応する虚像を透過性反射部材の背後空間の奥行き方向に移動させることができ、リアルな3次元空間画像となり、興趣に富んだ合成画像を提供できる。
前記(14)に記載の発明によれば、収納体は、内部に画像表示装置を収納する部材であって、第1の位置とした画像表示装置をその両側から挟むようにして保持する両側壁部を有している。駆動手段は、画像表示装置を鉛直または略鉛直姿勢とした状態での当該画像表示装置の両側面上部箇所にそれぞれ設けられた両軸部と、この両軸部をそれぞれ軸支する両軸受け部と、両軸部のうちの一方の軸部に回動軸心が連結されたモータとを備え、モータによる回動によって画像表示装置を鉛直または略鉛直姿勢とした状態を第1の位置とし、かつ、モータによる回動によって画像表示装置を水平または略水平姿勢とした状態を第2の位置とするものである。表示装置移動手段は、第2の位置とした画像表示装置の鉛直または略鉛直方向への移動を案内する溝であって、両軸受け部がそれぞれ内部に位置させて両側壁部に形成された両案内溝と、軸受け部を鉛直または略鉛直方向へ移動するアクチュエータとを備えている。したがって、第1の位置(鉛直姿勢)と第2の位置(水平姿勢)とに変移する画像表示装置をさらに上下方向への移動も可能となる構成を好適に提供することができる。
前記(14)に記載の遊技機によれば、虚像を遊技者にとって近づけた位置あるは遠ざけた位置に変更することができ、虚像と被合成物の前後相対位置が単一位置で固定表示される場合に比べて、虚像と被合成物の前後相対位置を変化させることができ、さらにリアルな3次元空間画像となり、興趣に富んだ合成画像を提供でき、表示演出の興趣性を向上させることができるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記(15)に記載の遊技機によれば、虚像を遊技者にとって近づけた位置あるは遠ざけた位置に変更することができ、虚像と被合成物の前後相対位置が単一位置で固定表示される場合に比べて、虚像と被合成物の前後相対位置を変化させることができ、さらにリアルな3次元空間画像となり、興趣に富んだ合成画像を提供でき、表示演出の興趣性を向上させることができるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記(16)に記載の遊技機によれば、虚像を遊技者にとって近づけた位置あるは遠ざけた位置に変更することができ、虚像と被合成物の前後相対位置が単一位置で固定表示される場合に比べて、虚像と被合成物の前後相対位置を変化させることができ、さらにリアルな3次元空間画像となり、興趣に富んだ合成画像を提供でき、表示演出の興趣性を向上させることができる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース(図示省略)の前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J1を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの裏面側に着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、図示省略のベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、図1に示すように、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が図2に示す遊技盤30の遊技領域30aに打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の真上位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101を備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。ガラスユニット(図示省略)は、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部300および第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板でその左側の両角部が取れたような形状としており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第1の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第1の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。なお、上部側の第1の始動口33aと下部側の第1の始動口33bとは、図2に示すように、単一の始動入賞装置33で構成されている。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。図2には、多数の釘が図示されているが、図面の見易さを優先することを理由に釘について符合を付すのを省略している。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する2個の第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図2に二点鎖線で示す部材)が位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図2に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部60(図2に破線で示す)が位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14の図示省略の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台(図示省略)に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を他方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
第1制御基板ユニット201は、例えば略矩形状の取付台(図示省略)を有し、この取付台(図示省略)を遊技盤30の裏面側から見た状態での手前側に主制御装置261が搭載され、この取付台(図示省略)の奥側(裏側)にサブ制御装置262が搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース(図示省略)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(図示省略)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは、封印ユニット(図示省略)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス(図示省略)が封印されている。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路等を通じて上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について説明する。
前述したように本実施例のパチンコ機10は、図2を用いて前述したように、遊技盤30の略中央箇所に第3図柄表示装置42(液晶表示装置)が設けられているが、この第3図柄表示装置42は以下に説明する表示演出装置400(表示演出ユニット)を構成する一構成物品となっている。つまり、第3図柄表示装置42を備えた表示演出装置400は、遊技盤30の略中央箇所でその背後側に設けられている。また、表示演出装置400の正面にはこの表示演出装置400を保護する透明板480が設けられている。以下、表示演出装置400の構成について図6〜図10を用いて説明する。
図6は、表示演出装置400の概略構成図である。図7は、第3図柄表示装置42が変移途中の状態である表示演出装置400を示す図である。図8は、第3図柄表示装置42が第2の位置に変移したときの表示演出装置400を示す図である。図9は、ハーフミラー420を移動させる機構の概略斜視図である。図10は、表示演出装置400による3次元空間画像の表示原理の説明図であって、(a)は絵X1aが表示されている場合を示し、(b)は模型X1bおよび被合成物X2が表示されている場合を示す。
<表示演出ユニット>
表示演出装置400は、図6に示すように、液晶表示装置(以下、適宜にLCDという)である第3図柄表示装置42と、ハーフミラー420と、を備える画像表示ユニットを構成している。表示演出装置400は収納部401を有する。収納部401はその天井部、一対の側部、背部及び底部を構成する、天板402、一対の側板403、背板404及び底板405を備え、正面が開放した中空の略直方体形状をなしており、その内部に第3図柄表示装置42やハーフミラー420等が収納されている。収納部401の正面には扉451を有するシャッタユニット450が設けられており、これは第3図柄表示装置42及びハーフミラー420による表示画像を視認者から遮蔽可能な遮蔽手段として機能するものである。
第3図柄表示装置42は、表示画面42aに電子画像を表示可能な画像表示装置である。本実施形態では第3図柄表示装置42としてLCDを採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)でもよい。第3図柄表示装置42の上面にはコネクタ部408が形成されており、第3図柄表示装置42の表示制御回路のケーブルが天板402に設けられた穴406を通してここに接続されることになる。第3図柄表示装置42の左右側面にはそれぞれ軸412が設けられており、この軸412は側板403の後述する案内溝446に設けられた軸受け407に軸支される。第3図柄表示装置42は軸412及び軸受け407を介して側板403に支持されている。
軸412は第3図柄表示装置42の上面側の端部近傍に設けられており、第3図柄表示装置42の左右側面の中央から偏心した位置に設けられている。このため、第3図柄表示装置42は軸412回りに回動可能となっている。一対の軸受け407のうち、一方の軸受け407にはモータ430が配設されている。モータ430の出力軸は軸412に接続されており、モータ430を回転させると第3図柄表示装置42を回動させることができる。つまり、モータ430は第3図柄表示装置42を移動させる駆動機構411として機能する。モータ430は例えば減速歯車機構が内蔵されたDCモータである。モータ430にはロータリエンコーダ431が取付けられており、モータ430の出力軸の回転位置が検出される。なお、このDCモータに替えて、ステップモータやソレノイドなどを採用してもよい。
モータ430の駆動による第3図柄表示装置42の回動により、第3図柄表示装置42は図6に示す第1の位置と、図8に示す第2の位置との間で移動する。図6に示す第1の位置において、第3図柄表示装置42はその表示画面42aが略鉛直な状態(鉛直な状態でもよい)にあり、収納部401の正面に表示画面42aが露出した状態にある。また、この第1の位置は、ハーフミラー420が第3図柄表示装置42の背後に隠れる位置であり、表示演出装置400の表示面は第3図柄表示装置42の表示画面42aとなる。換言すれば、第3図柄表示装置42が直接的な表示主体となる。
一方、図8に示す第2の位置において、第3図柄表示装置42は図6の位置から略90度回動してその表示画面42aが略水平な状態(水平な状態でもよい)にあり、ハーフミラー420が収納部401の正面に露出した状態にある。この第2の位置において第3図柄表示装置42はハーフミラー420に画像を投影し、ハーフミラー420が表示演出装置400の表示面となる。換言すれば、第3図柄表示装置42は間接的な表示主体となり、ハーフミラー420が直接的な表示主体となる。
次に、ハーフミラー420について説明する。ハーフミラー420は例えば光の透過率が例えば50%程度のミラーであり、本実施形態の場合、支持体421により水平面から略45度の角度で支持されている。図6に示すように第3図柄表示装置42が第1の位置にある時に表示演出装置400を正面から見ると、手前から第3図柄表示装置42、ハーフミラー420の順に並んで配設されており、ハーフミラー420が第3図柄表示装置42の存在により隠れるように配設されている。
図6に示すように、支持体421はその天井部、背部、底部、を構成する天板422、背板423、底板424を備え、ハーフミラー420は天板422と底板424との間で支持されている。支持体421とハーフミラー420とは、両側部が開放した中空台形状をなし、その内部空間は後述する被合成物X1,X2の収納部を形成することになる。
ここで、本実施形態では支持体421と共にハーフミラー420が移動可能となっている。図9に示すように、支持体421の底板424にはその底面の両側端に一対の案内部材425が固定されている。この案内部材425は収納部401の底板405表面に設けられ、表示演出装置400の奥行き方向に延びる3本の溝427のうち、両側の2本の溝427にそれぞれ嵌る。支持体421は案内部材425と両側の2本の溝427とに案内されて表示演出装置400の奥行き方向に平行移動可能となっている。
収納部401の底板405表面に設けられた中央の溝427にはボールネジ442が配設されている。ボールネジ442はその一方の端部が溝427の端部に、他方の端部がモータ440の出力軸に接続され、その場回転が可能となっている。モータ440は適当な方式にて収納部401の背板404に固定され、例えばDCモータである。モータ440にはロータリエンコーダ441が取付けられており、モータ440の出力軸の回転位置が検出される。
支持体421の底板405表面には更にボールネジ442に螺合するボールナットを有するボールナット部材426が底板405の中央前後端部にそれぞれ設けられている。そして、モータ440を回転させるとボールネジ442が回転し、これによって支持体421及びハーフミラー420が表示演出装置400の奥行き方向に平行移動することになる。つまり、モータ440とボールネジ442並びにボールナット部材426はハーフミラー駆動手段として機能する。そして、ハーフミラー420は図8に示す表示位置と、図7に示す退避位置との間で移動する。
図8に示す表示位置では、表示演出装置400の表示面として視認性がよくなるようにハーフミラー420は表示演出装置400の正面側に位置している。一方、図7に示す退避位置では、移動途中にある第3図柄表示装置42との干渉を回避すべく、ハーフミラー420は表示演出装置400の背面側に位置している。なお、本実施形態の場合、第3図柄表示装置42が第1の位置にある時(図6参照)、ハーフミラー420は表示位置に位置している(前述したようにハーフミラー420は第1の位置の第3図柄表示装置42に隠れて見えない)。また、ハーフミラー420を移動させる機構は上記のものに限られず、種々の機構を採用することができる。
次に、支持体421とハーフミラー420との内部空間に収納される被合成物X1,X2及び表示演出装置400の画像表示態様について図10を参照して説明する。図10(a)及び(b)は表示演出装置400による3次元空間画像の表示原理の説明図である。各図の右側の図は表示演出装置400の要部を側方から見た図であり、各図の左側の図は第3図柄表示装置42が第2の位置にあるときに遊技者から見える表示画像を示している。
ここで、ハーフミラー420の背後には被合成物X1,X2が配置されている。被合成物X2は建物を模した立体的な模型であり背板423の内側に固定されている。一方、被合成物X1は板状体の一方の側面に平面の絵X1aが、他方の側面に階段を模した立体的な模型X1bがそれぞれ設けられている。
図10(a)に示すように被合成物X1の下部には軸460が設けられており軸460回りに回動可能となっている。この軸460にはモータ461(例えばステッピングモータ)の出力軸が接続されており、モータ461の回転により被合成物X1は図10(a)に示す、略垂直に向いた倒立位置から、図10(b)に示す、略水平に向いた傾倒位置へ(あるいは図10(b)に示す傾倒位置から図10(a)に示す倒立位置へ)90度回動可能となっている。つまり、モータ461は被合成物X1を動作させる動作手段として機能する。そして、第3図柄表示装置42が第2の位置にある場合であって、被合成物X1が図10(a)に示す倒立位置にあるときには、遊技者からはハーフミラー420を透過して絵X1aが見え、その背面に存在する模型X1b及び被合成物X2は見えない。被合成物X2が図10(b)に示す傾倒位置にあるときには、遊技者からはハーフミラー420を透過して模型X1bと被合成物X2とが見えるが絵X1aは見えない。
さて、第3図柄表示装置42が図10(a)及び(b)の破線の位置(第1の位置)にある場合、上述した通り、第3図柄表示装置42の表示画面42aが収納部401の正面に露出した状態にあり、遊技者からは表示画面42aは見えるが、ハーフミラー420や支持体421並びに被合成物X1及びX2は第3図柄表示装置42の背後に隠れて見えない。表示演出装置400からは第3図柄表示装置42による2次元画像が遊技者に提示されることになる。
一方、第3図柄表示装置42が同図の実線の位置(第2の位置)にある場合、第3図柄表示装置42の表示画面42aは略水平となるので遊技者からは表示画面42aが直接見えない。そして、第3図柄表示装置42からハーフミラー420に投影された画像(虚像K)が遊技者に提示されることになる。この虚像Kは遊技者から見ると、ハーフミラー420の背後に浮かんでいるように見え、立体的感のある3次元的な画像となる。虚像Kの位置は第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間の距離(L1、L2)と第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間の角度(本例では略45度)とによって定まり、本実施形態の場合、ハーフミラー420から奥行き方向にL1、L2だけ離れた位置(虚像位置)に虚像Kが見えることになる。
更に、遊技者からは虚像Kと共に被合成物X1、X2が見えることになり、これらが重なった、いわば合成画像が遊技者に提示されることになる。図10(a)の例では被合成物X1が倒立位置にあるので、箒に跨って飛んでいる魔女らしき少女の虚像Kと、被合成物X1の絵X1aとの合成画像が遊技者に提示されることになる。同図の例では魔女らしき少女が都会を飛行している画像を示している。一方、図10(b)の例では被合成物X2が傾倒位置にあるので、魔女らしき少女の虚像Kと、被合成物X1の模型X1b及び被合成物X2との合成画像が遊技者に提示されることになる。同図の例では魔女らしき少女が階段の下から一段目に立っている画像を示している。
また、図10(b)の例ではハーフミラー420の背後であって、虚像Kの位置よりも遊技者の視認方向の手前側に模型X1bが、虚像Kの位置よりも遊技者の視認方向の奥側に被合成物X2が配置されている。このため、遊技者から見ると、模型X1b→虚像K(魔女らしき少女)→被合成物X2の順にこれらが位置しているように見える。このように本実施形態では被合成物X1,X2の存在により奥行き感が高まり、より一層3次元的な画像となる。更に、被合成物X1を動作させて、遊技者から見える画像を切り替えることができ、興趣に富んだ合成画像を提供できる。
なお、図10での虚像K(例えば、魔女らしき少女)の画像の色として濃い色を用いたり、その画像の表示ドット密度を上げたり、その画像の輝度を上げたりすることなどにより、その虚像Kの背後に存在する模型が透けて見え難くなる。これとは逆に、虚像K(例えば、魔女らしき少女)の画像の色として薄い色を用いたり、その画像の表示ドット密度を下げたり、その画像の輝度を下げたりすることなどにより、その虚像Kの背後に存在する模型が透けて見える。
さらに、この表示演出装置400は、図6に示すように、第2の位置とした第3図柄表示装置42に表示される画像についてのハーフミラー420の背後側の虚像の位置を、そのハーフミラー420の背後空間の奥行き方向に変更する虚像移動機構444を備えている。
具体的には、この虚像移動機構444は、図6に示すように、第2の位置とした第3図柄表示装置42をハーフミラー420に対して近づける方向の範囲および離れる方向の範囲の両範囲で移動する上下移動機構445と、後述する凸レンズ491を移動させるレンズ移動機構492とを備えている。
まず、上下移動機構445の構成について図11〜図15を用いて説明する。図11は、上下移動機構445によって第2の位置とした第3図柄表示装置42を上下動させる様子を示す図である。図12は、虚像Kが階段最上段に対応する奥位置に位置するように、第2の位置とした第3図柄表示装置42を所定高さまで引き上げた状態を示す図である。図13は、虚像Kが階段を一段下がった所に対応する手前位置に位置するように、第3図柄表示装置42を所定高さ分引き下げた状態を示す図である。図14は、虚像Kが階段をさらに一段下がった所に対応する手前位置に位置するように、第3図柄表示装置42を所定高さ分引き下げた状態を示す図である。図15は、表示制御装置45と表示演出装置400との構成を示すブロック図である。
図6を用いて前述したように、表示演出装置400は、その内部に第3図柄表示装置42を収納する部材であって、第1の位置とした第3図柄表示装置42をその両側から挟むようにして保持する両側板403(側壁部)を有する収納部401を備えている。また、駆動機構411は、第3図柄表示装置42を略鉛直姿勢とした状態での当該第3図柄表示装置42の両側面上部箇所にそれぞれ設けられた両軸412と、この両軸412をそれぞれ軸支する両軸受け407と、この両軸412のうちの一方の軸412に回動軸心が連結されたモータ430とを備え、モータ430による回動によって第3図柄表示装置42を略鉛直姿勢とした状態を第1の位置とし、かつ、モータ430による回動によって第3図柄表示装置42を略水平姿勢とした状態を第2の位置とするものである。
また、上下移動機構445は、図11に示すように、第2の位置とした第3図柄表示装置42の略鉛直方向への移動を案内する溝であって、両軸受け407がそれぞれ内部に位置させて両側板403に形成された両案内溝446と、軸受け407を略鉛直方向へ移動するアクチュエータ447とを備えている。この実施例では、アクチュエータ447のロッド447aが進出することで軸受け407を略鉛直下方向へ移動することになるし、逆にロッド447aが後退することで軸受け407を略鉛直上方向へ移動することになる。このアクチュエータ447としては、例えば、電動式シリンダーなどが挙げられる。
具体的には、図6に示すように、モータ430の本体部(回転軸を除く非回転構成部分)は、両軸受け407の本体部(回転軸を受ける軸穴に内周回りに配設されたベアリングを除く構成部分)と固定されており、両軸受け407の本体部の外周所定箇所にアクチュエータ447のロッド447aの先端部分が固定されており、アクチュエータ447は両側板403に固定されているので、モータ430の回転軸の回動によって第3図柄表示装置42が第1の位置(略鉛直姿勢)と第2の位置(略水平姿勢)とに回動可能であり、モータ430の回転軸の回動によってそのモータ430の本体部やアクチュエータ447が回動されるようなことはない。
また、本実施例のパチンコ機10は、図15に示すように、虚像Kをハーフミラー420の背後側で奥行き方向に移動させるに際して、当該虚像Kが被合成物X1と関連して(具体的には、被合成物X1の形状に沿って)移動するように上下移動機構445を制御する移動制御部448(図15参照)を備えている。この移動制御部448は、虚像Kをハーフミラー420の背後側で奥行き方向に移動させるに際して、当該虚像Kが被合成物X1の奥行き方向の形状に従って移動するように制御する。この実施例では、虚像Kが階段の奥行き方向の形状である段差形状に従って移動する、つまり、虚像Kが階段を所定段ずつ(この実施例では一段ずつ)下りていくあるいは上がっていくように移動するように制御されている。
具体的には、駆動機構411によって、図6に示す第1の位置(略鉛直姿勢)の第3図柄表示装置42が図8に示す第2の位置(略水平姿勢)に変移された後に、上下移動機構445によって、図11,図12に示すように、第2の位置とした第3図柄表示装置42を所定高さまで引き上げた状態とする。
図12に示すように、第2の位置とした第3図柄表示装置42を所定高さまで引き上げた状態では、階段(立体的な模型X1b)の最上段部分に対応する奥行き方向の位置に、虚像Kが位置する。このとき、虚像Kは、第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間の距離(L3、L4)の位置となっている。また、第3図柄表示装置42の表示画面42aでの虚像Kに対応する画像の表示位置をその表示画面42aの縦方向の所定の表示位置(第3図柄表示装置42と被合成物X1との幾何学的関係から計算により求めることができる)にすることで、虚像Kの高さ位置を階段の最上段位置とすることができる。よって、虚像Kが階段の最上段高さに表示される。
続いて、第2の位置とした第3図柄表示装置42を図12に示す所定高さから、図13に示す高さ位置まで引き下げた状態では、階段(立体的な模型X1b)の最上段から一つ下がった段部分に対応する奥行き方向の位置に、虚像Kが位置する。このとき、虚像Kは、第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間の距離(L5、L6)の位置となっている。また、第3図柄表示装置42の表示画面42aでの虚像Kに対応する画像の表示位置をその表示画面42aの縦方向の所定の表示位置にすることで、虚像Kの高さ位置を階段の最上段から一つ下がった段位置とすることができる。よって、虚像Kが階段の最上段から一つ下がった段高さに表示される。
続いて、第2の位置とした第3図柄表示装置42を図13に示す高さから、図14に示す高さ位置まで引き下げた状態では、階段(立体的な模型X1b)の最上段から二つ下がった段部分に対応する奥行き方向の位置に、虚像Kが位置する。このとき、虚像Kは、第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間の距離(L1、L2)の位置となっている。また、第3図柄表示装置42の表示画面42aでの虚像Kに対応する画像の表示位置をその表示画面42aの縦方向の所定の表示位置にすることで、虚像Kの高さ位置を階段の最上段から二つ下がった段位置とすることができる。よって、虚像Kが階段の最上段から二つ下がった段高さに表示される。
つまり、第2の位置(略水平姿勢)の第3図柄表示装置42を上方向に移動させることで、虚像Kが奥行き方向で奥方向に移動することになるし、第2の位置(略水平姿勢)の第3図柄表示装置42を下方向に移動させることで、虚像Kが奥行き方向で手前方向に移動することになるし、第3図柄表示装置42の表示画面42aでの虚像Kに対応する画像の表示位置をその表示画面42aの縦方向の表示位置を変更することで、虚像Kの高さ位置を変更することができる(最上段の高さ位置や最下段の高さ位置に立たせることができる)。
また、本実施例のパチンコ機10は、図10を用いて前述したように、ハーフミラー420の背後側に所定大きさの奥行き空間を持たせた状態で当該ハーフミラー420の背面側を囲う部材であって、その内部に被合成物X1,X2を有する支持体421を備えている。
また、本実施例のパチンコ機10は、図10に示すように、支持体421の内部を所定色の照明光で照らす照明部455と、この照明部455の点灯を制御する照明制御部456(図15参照)とを備えている。
この照明部455としては、例えば、天板422での底板424と対向する側の所定箇所に、単数または複数個の発光ダイオードを配置した構成や、棒状のランプを配置した構成が挙げられるし、発光ダイオードやランプなど各種の照明装置あるいは照明デバイスを採用することができる。
なお、上述した表示演出装置400が本発明における画像表示構成手段に相当し、上述した第3図柄表示装置42が本発明における画像表示装置に相当し、上述したハーフミラー420が本発明における透過性反射部材に相当し、上述した虚像移動機構444が本発明における虚像表示位置変更手段に相当し、上述した駆動機構411が本発明における駆動手段に相当し、上述した移動制御部448が本発明における移動制御手段に相当し、上述した支持体421が本発明における枠体に相当し、上述した照明部455が本発明における照明手段に相当し、上述した照明制御部456が本発明における照明制御手段に相当し、上述した収納部401が本発明における収納体に相当し、上述した軸412が本発明における軸部に相当し、上述した軸受け407が本発明における軸受け部に相当する。
次に、レンズ移動機構492の構成について図16,図17を用いて説明する。図16は、第2の位置とした第3図柄表示装置42を上下移動機構445によって上方位置とし且つ凸レンズ491を上下動させる様子を示す図である。なお、図16では、説明の便宜上の理由により、天板402や紙面手前側の側板403などの図示を省略している。図17は、凸レンズ491を進退および上下移動させるレンズ移動機構492を示す図である。
虚像移動機構444は、図16に示すように、第2の位置とした後に所定高さまで引き上げた状態の第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間で、且つ、当該第3図柄表示装置42からの複数個の画像のうちの第1画像をハーフミラー420に投影する投影経路中に位置された凸レンズ491と、この凸レンズ491をその光軸に沿ってハーフミラー420に対して近づける方向または離れる方向に移動させるレンズ移動機構492(図17参照)と、を備えている。
レンズ移動機構492は、図17に示すように、第2の位置の第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間で、且つ、第3図柄表示装置42からの第1画像をハーフミラー420に投影する投影経路中に位置させるように、凸レンズ491を支持体421の開口部421aを介してこの支持体421の内部に進出させるレンズ進退機構493と、このレンズ進退機構493によって支持体421内の所定位置に位置された凸レンズ491を上下移動させるレンズ上下移動機構494と、を備えている。なお本実施例では、例えば、第3図柄表示装置42の表示画面42aの左側に表示される後述の星形の画像に対して凸レンズ491を作用させることから、支持体421の左側の側板403に開口部421aが形成されている。
例えばこのレンズ進退機構493としては、図17に示すように、凸レンズ491が先端に取り付けられたロッド493aを進退自在なアクチュエータ493b(例えば、シリンダー)を採用している。また、このレンズ進退機構493は、凸レンズ491の進出位置を検出する位置検出器(図示省略)を備えている。この位置検出器としては、凸レンズ491の位置を検出する検出センサや、ロッド493aの進出長さを検出する検出センサなどが挙げられる。
また、レンズ上下移動機構494としては、図17に示すように、モータ494aと、このモータ494aの回転軸に接続されたボールネジ494bと、レンズ進退機構493のアクチュエータ493bの外周所定箇所に設けられた、ボールネジ494bに螺合するボールナットを有するボールナット部材494cとの構成が挙げられる。そして、モータ494aを回転させるとボールネジ494bが回転し、これによってレンズ進退機構493のアクチュエータ493bが上下方向に移動(つまり、凸レンズ491が上下方向に移動)することになる。また、レンズ上下移動機構494のモータ494aにはロータリエンコーダが取付けられており、このモータ494aの出力軸の回転位置が検出されるようになっている。
つまり、表示制御装置45は、上下移動機構445のみならず、レンズ移動機構492を制御可能であり、第2の位置とした第3図柄表示装置42のハーフミラー420に対する上下移動の位置制御、および、凸レンズ491の進退および上下移動の位置制御が可能である。
また、凸レンズ491は、この凸レンズ491を光軸方向視した状態での当該凸レンズ491の外周部を覆う外周被覆部材495を備えている。この外周被覆部材495は、中空で円形環状枠形状とした上枠部と下枠部とで凸レンズ491の外周部を挟持する構成のものであり、所定色に着色されたものを採用している。なお、外周被覆部材495がより明確にハーフミラー420に映し出されるようにこの外周被覆部材495自体が発光するようにしてもよい。また、前述したレンズ進退機構493のロッド493aの先端は外周被覆部材495の外端面所定箇所に取り付けられている。
なお、上述した凸レンズ491が本発明における光学レンズ部材に相当し、上述したレンズ移動機構492が本発明における虚像表示位置変更手段に相当し、上述したレンズ上下移動機構494が本発明におけるレンズ法線方向移動手段に相当し、上述したレンズ進退機構493が本発明におけるレンズ平行方向移動手段に相当し、上述した外周被覆部材495が本発明における外周部材に相当する。
ここで、本実施例での凸レンズ491を用いてハーフミラー420の背後側空間での虚像の奥行き方向移動について、図18〜図20を用いて説明する。
図18は、虚像Kが階段最上段に対応する奥位置に位置するように、第2の位置の第3図柄表示装置42を所定高さまで引き上げた状態を示す図である。図19は、第3図柄表示装置42の第1画像(第3図柄表示装置42左側の星を象った画像)の虚像Kが階段を一段下がった所に対応する手前位置に位置させるために、凸レンズ491を第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間の所定位置に位置させた様子を示す図である。図20は、その星形の画像である虚像Kが階段をさらに一段下がった所に対応する手前位置に位置させるために、凸レンズ491を第3図柄表示装置42に近づけるように所定高さ分引き下げた状態を示す図である。
図18に一点鎖線で示すように、第2の位置とした第3図柄表示装置42の状態では、階段(立体的な模型X1b)の最下段部分に対応する奥行き方向の位置に、星形の虚像Kと少女の虚像Kとが位置する。このとき、両方の虚像Kは、第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間の距離(L1、L2)の位置となっている。
そして、図18に実線で示すように、第2の位置とした第3図柄表示装置42を所定高さまで引き上げた状態では、階段(立体的な模型X1b)の最上段部分に対応する奥行き方向の位置に、星形の虚像Kと少女の虚像Kとが位置する。このとき、両方の虚像Kは、第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間の距離(L3、L4)の位置となっている。また、第3図柄表示装置42の表示画面42aでの虚像Kに対応する画像の表示位置をその表示画面42aの縦方向の所定の表示位置(第3図柄表示装置42と被合成物X1との幾何学的関係から計算により求めることができる)にすることで、虚像Kの高さ位置を階段の最上段位置とすることができる。よって、両方の虚像Kが階段の最上段高さに表示される。
続いて、図19に示すように、第2の位置から所定高さとした第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間で、且つ、当該第3図柄表示装置42からの複数個の画像のうちの星形の画像(第1画像)をハーフミラー420に投影する投影経路中の所定箇所に、凸レンズ491をレンズ移動機構492によって位置させる。このとき、第3図柄表示装置42の左側に表示された星形の画像(第1画像)に対応する虚像Kは、階段(立体的な模型X1b)の最上段から一つ下がった段部分に対応する奥行き方向の位置に位置する。この星形の虚像Kは、凸レンズ491のレンズ効果により距離(L5、L6)の位置となっている。また、第3図柄表示装置42の表示画面42aでの星形の画像の表示位置を図26と同一位置のままとしているので、その星形の虚像Kが図18と略同じ高さ位置で手前方向に拡大表示された状態となっている。
なお、第3図柄表示装置42の高さ位置は図18と同一のままであるので、第3図柄表示装置42の表示画面42aでの右側に表示された少女の画像に対応する虚像Kは、図19に示すように、階段の最上段に位置したままで表示されている。
続いて、凸レンズ491を図19に示す高さから、図20に示す高さ位置まで引き下げた状態とすると、第3図柄表示装置42の表示画面の右側の星形の画像に対応する虚像Kが、階段(立体的な模型X1b)の最上段から二つ下がった段部分に対応する奥行き方向の位置に近づくとともに、さらに拡大されて表示される。
このとき、第3図柄表示装置42による星形の虚像Kは、凸レンズ491のレンズ効果により距離(L1、L2)の位置となっている。第3図柄表示装置42による少女の虚像Kは、第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間の距離(L3、L4)の位置となっている。なお、第3図柄表示装置42の高さ位置は図18,図19と同一のままであるので、第3図柄表示装置42の表示画面42aでの右側に表示された少女の画像に対応する虚像Kは、図20に示すように、階段の最上段に位置したままで表示されている。
なお、図19,図20に示すように、第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間に凸レンズ491を介装させることで、この凸レンズ491によって星形の虚像Kが近づくとともに拡大表示している。つまり、凸レンズ491を介する画像は、凸レンズ491の倍率にも依るが、そのレンズ端縁部分がレンズ効果によってやや歪んで見えることがあるが、レンズ空間とその外部空間とが外周被覆部材495によって区分けして表示されるので、かかる空間の歪みによる違和感を低減できる。
<2次元画像と3次元空間画像との切替例>
上述した通り、本実施形態の表示演出装置400によれば第3図柄表示装置42が第1の位置にある時は2次元画像を、第2の位置にある時およびかかる位置から上下移動した位置では3次元空間画像を遊技者に提供できる。2次元画像は表示内容が分かり易いという利点があり、3次元空間画像は遊技の興趣を盛り上げる演出効果が高いという利点があり、第2の位置から上下移動させることで虚像Kが奥行き方向に移動させることができ、さらに遊技の興趣を盛り上げる演出効果がある。ここでは両者の切替例について説明する。
・遊技状態の設定に応じた切替
第1図柄表示装置40での第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態が発生し、その両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示すことになるが、これらは主制御基板261での大当り抽選の結果に応じて行われており、遊技状態の抽選結果(確変大当りや通常大当りあるいはその一方のみ)に応じて第3図柄表示装置42を第1の位置か第2の位置に移動させることができる。例えば、通常遊技中は第3図柄表示装置42を第1の位置に移動させて2次元画像を表示する一方、確変大当り中や通常大当り中などでは第3図柄表示装置42を第2の位置に移動させて3次元空間画像を表示したり、第2の位置から上下動させて3次元空間画像を表示する。こうすることで遊技者の興趣を一層盛り上げる演出が可能となる。
・演出の種類の設定に応じた切替
演出の種類(例えば、パチンコ機では、スペシャルリーチやスーパーリーチなどのリーチ演出の種類)の設定(抽選)に応じて第3図柄表示装置42を第1の位置か第2の位置に移動させることができる。主制御基板261では、大当り抽選の他に、大当り抽選が外れであり、且つ、あと一つの第3図柄が揃わずに外れとなることを示すリーチ演出の抽選を行う機能も備えている。例えば、スペシャルリーチに当選した場合に、第3図柄表示装置42が第1の位置か第2の位置に移動したり、その第2の位置から上下動するようにしてもよい。
・デモ表示時の切替
パチンコ機10が遊技者に遊技されていない場合(非遊技中の場合)、第3図柄表示装置42を第2の位置に移動させたり、その第2の位置から上下動させたりすることで、第3図柄表示装置42は非遊技中用の画像(いわゆるデモ画面)を表示することができる。例えば、カードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)が挿入されておらず、遊技球発射ハンドル18が遊技者に回動操作されていない状態の時に3次元空間画像によるデモ画面を表示する。パチンコ機10に遊技者が居ない場合に、ホール内の周囲の遊技者の気を引くことができ、パチンコ機10のホールでの稼働率を挙げることができる。
・エラー時の切替
パチンコ機10にエラーが発生していると判定された場合に、第3図柄表示装置42を第2の位置に移動させたり、その第2の位置から上下動させたりすることで、第3図柄表示装置42にエラーに関する情報を表示させることができる。パチンコ機10のエラー報知が行われることは遊技者を落胆させるものであるが、3次元空間画像でエラー報知をすることで遊技者の興味を引くことができる。
・抽選による切替
主制御基板261aにおいて、2次元画像と3次元空間画像との切替抽選を行い、第3図柄表示装置42を第1の位置に移動させた2次元画像のモード(2次元モード)と、第3図柄表示装置42を第2の位置に移動させた3次元空間画像のモード(3次元コード)と、の切替を行うことができる。なお、サブ制御基板262aや表示制御装置45で切替抽選を行うようにしてもよい。
・遊技者の選択による切替
遊技者が選択した位置に第3図柄表示装置42を移動させることができる。この場合、前面枠セット14に設けられた図示省略の選択ボタンを、第3図柄表示装置42の第1の位置と第2の位置とを遊技者が選択するための選択手段として機能させる。遊技者の好みに応じて第3図柄表示装置42を第1の位置に移動させた2次元画像のモード(2次元モード)と第3図柄表示装置42を第2の位置に移動させた3次元空間画像のモード(3次元モード)とを提供できる。
<扉451の開閉例>
シャッタユニット450の扉451は基本的に第3図柄表示装置42を第1の位置と第2の位置との間で移動する時に全閉とし、移動完了後に全開とする。こうすることで2次元画像と3次元空間画像との切り替わりのインパクトを遊技者に与えることができる。しかし、これに限られず扉451の開閉を種々の方式で行うことができる。
上述したように、本実施例のパチンコ機10によれば、第3図柄表示装置42と、この第3図柄表示装置42に表示される画像を前面側に反射するとともにその裏面側が視認可能なハーフミラー420と、このハーフミラー420の背後に当該ハーフミラー420を透過して視認可能に配置され、ハーフミラー420により表示される虚像Kと合成される被合成物X1,X2とを備えているので、第3図柄表示装置42に表示される画像がハーフミラー420で前面側に反射されて表示されることから、第3図柄表示装置42は間接的な表示主体となり、ハーフミラー420が直接的な表示主体となる。そして、ハーフミラー420により、遊技者に第3図柄表示装置42による画像がハーフミラー420の背後側の所定虚像位置に位置する虚像となって提供される。つまり、このハーフミラー420による画像は、当該ハーフミラー420の背後側空間に存在するかのような虚像となって提供されることから、この画像は立体感のある3次元的な画像(3次元空間画像)となる。また、被合成物X1,X2の存在により、遊技者には当該被合成物X1,X2の実像と虚像Kとの合成画像が提供され、より一層リアルな3次元的な画像となる。さらに、虚像移動機構444は、第3図柄表示装置42に表示される画像についてのハーフミラー420の背後側の虚像Kの位置を変更するので、第3図柄表示装置42に表示される画像についてのハーフミラー420の背後側の虚像Kの位置を変更することができる。つまり、虚像Kを遊技者にとって近づけた位置あるは遠ざけた位置に変更することができ、虚像Kと被合成物X1,X2の前後相対位置が単一位置で固定表示される場合に比べて、虚像Kと被合成物X1,X2の前後相対位置を変化させることができ、さらにリアルな3次元空間画像となり、興趣に富んだ合成画像を提供でき、表示演出の興趣性を向上させることができる。
具体的には、虚像移動機構444は、図16に示すように、第2の位置とした後に所定高さまで引き上げた状態の第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間で、且つ、当該第3図柄表示装置42からの複数個の画像のうちの第1画像をハーフミラー420に投影する投影経路中に位置された凸レンズ491と、この凸レンズ491をその光軸に沿ってハーフミラー420に対して近づける方向または離れる方向に移動させるレンズ移動機構492(図17参照)と、第2の位置とした第3図柄表示装置42をハーフミラー420に対して近づける方向または離れる方向に移動させる上下移動機構445と、を備えている。したがって、第2の位置とした第3図柄表示装置42をハーフミラー420に対して近づける方向または離れる方向に移動させることで、第3図柄表示装置42の複数個の画像に対応する複数個の虚像(少女の虚像Kや星形の虚像K)をハーフミラー420の背後空間の奥行き方向に移動させることができ、第2の位置とした第3図柄表示装置42とハーフミラー420との間で且つ第1画像(星形の画像)の投影経路中に位置された凸レンズ491が、レンズ移動機構492によって、その光軸に沿ってハーフミラー420に対して近づける方向または離れる方向に移動されるので、その第1画像に対応する虚像(星形の虚像K)を他の虚像(少女の虚像K)から独立してハーフミラー420の背後空間の奥行き方向に移動させることができ、リアルな3次元空間画像となり、興趣に富んだ合成画像を提供できる。
また、レンズ上下移動機構494は、凸レンズ491を、第3図柄表示装置42の表示画面42aとハーフミラー420との間で、且つ、表示画面42aの法線方向に移動させるので、その表示画面42aの表示画像についてのハーフミラー420の背後側の虚像の位置を、凸レンズ491の移動に従って変更することができる。
また、レンズ進退機構493は、凸レンズ491を、第3図柄表示装置42の表示画面42aとハーフミラー420との間で、且つ、表示画面42aと平行方向に移動させるので、表示画面42aでの凸レンズ491の位置する表示画像の虚像位置を変更することができ、表示画面42aのうちで凸レンズ491の位置する画像の虚像位置と、凸レンズ491の位置しない画像の虚像位置とを相対差をつけることができる。
また、凸レンズ491を光軸方向視した状態での外周部は外周被覆部材495で覆われているので、光軸方向視した状態での凸レンズ491のレンズ領域と、その外側の領域である外部領域とを、外周被覆部材495で区分けすることができ、レンズ効果による空間の歪があるレンズ領域と、そのような歪の無い外部領域との境界を外周被覆部材495の存在によって明確に遊技者に示すことができ、レンズ領域の違和感を低減することができる。
また、移動制御部448は、虚像Kをハーフミラー420の背後側で奥行き方向に移動させるに際して、虚像Kが被合成物X1と関連して移動するように上下移動機構445を制御するので、虚像Kを遊技者にとって近づける方向あるは遠ざかる方向に移動させるに際して、実在する被合成物X1と関連して虚像を移動させることができ、実施例では虚像Kが被合成物X1の形状に沿って移動させており、より自然な動きで虚像Kを前後移動させることができる。したがって、さらなるリアルな3次元空間画像となり、興趣に富んだ合成画像を提供できる。
また、移動制御部448は、虚像Kをハーフミラー420の背後側で奥行き方向に移動させるに際して、当該虚像Kが被合成物X1の奥行き方向の形状に従って移動するように制御するので、被合成物X1の奥行き方向の形状に沿って虚像Kが移動する画像を提供できる。
また、支持体421は、ハーフミラー420の背後側に所定大きさの奥行き空間を持たせた状態で当該ハーフミラー420の背面側を囲う部材であって、その内部に被合成物X1,X2を有するものであり、照明制御部456は照明部455の点灯を制御し、照明部455は支持体421内部を照らすので、照明部455によって支持体421内部が照らされることで、ハーフミラー420による画像のうちで被合成物X1,X2の画像をより明るくして提供できるし、それとは反対に、照明部455を消灯することで、支持体421内部を暗くすることができ、ハーフミラー420による画像を主として虚像Kのみとして提供(例えば、暗い背景に虚像Kのみが映し出された画像を提供)することができる。
また、表示演出装置400は、内部に第3図柄表示装置42を収納する部材であって、第1の位置とした前記第3図柄表示装置42をその両側から挟むようにして保持する両側板403を有する収納部401を備え、駆動機構411は、第3図柄表示装置42を略鉛直姿勢とした状態での当該第3図柄表示装置42の両側面上部箇所にそれぞれ設けられた両軸412と、この両軸412をそれぞれ軸支する両軸受け407と、この両軸412のうちの一方の軸412に回動軸心が連結されたモータ430とを備え、このモータ430による回動によって第3図柄表示装置42を略鉛直姿勢とした状態を第1の位置とし、かつ、モータ430による回動によって第3図柄表示装置42を略水平姿勢とした状態を第2の位置とするものであり、上下移動機構445は、第2の位置とした第3図柄表示装置42の略鉛直方向への移動を案内する溝であって、両軸受け407がそれぞれ内部に位置させて両側板403に形成された両案内溝446と、軸受け407を略鉛直方向へ移動するアクチュエータ447とを備えているので、第1の位置(鉛直姿勢)と第2の位置(水平姿勢)とに変移する第3図柄表示装置42をさらに上下方向への移動も可能となる構成を好適に提供することができる。