JP6270127B2 - ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出する方法 - Google Patents

ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出する方法 Download PDF

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Description

本発明は、光プローブを用いたニコチンアデニンジヌクレオチドを検出する方法に関する。
ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体、中でも、NADHおよびNADPHは、電子伝達体として細胞内のエネルギー回路に関与している。NADHは、TCAサイクル(クエン酸回路とも呼ばれる)において、1サイクルで3分子生産される。NADHは、アルツハイマー病、うつ病、パーキンソン病、疲労、無気力および慢性疲労症候群等の患者に投与した場合に、認知能力、知的能力、運動能力、活力あるいは意欲を向上させることができる。また、NADHは、肝臓の合成作用および解毒作用を促進するが、アルコール代謝によりNADHが過剰に蓄積されるとアルコール性肝障害が生じ得るとされる。
一方、NADPHは、NADHのリン酸化体であり、光合成あるいは解糖系のエントナー・ドウドロフ経路において使われる。すなわち、NADPHは、補酵素の1つであるが、細胞内にある種々の物質の還元あるいは細胞内物質移送における重要な役割を担っており、代謝経路の多くがNADPHに依存している。
細胞内のNADHあるいはNADPH(以降ではこれらを総称してNAD(P)Hと称する)を、自家蛍光によりイメージングする方法がある(例えば、非特許文献1を参照)。非特許文献1によれば、NAD(P)HによるUV発光を検出するため、感度が低いという問題がある。さらに、この蛍光は、Na、K、Ca、Mg、グルタチオン等の妨害物質の影響を受けやすく、高精度な検出に向かない。
タンパク質ベースの蛍光プローブを用いてNAD(P)Hをイメージングする方法がある(例えば、非特許文献2を参照)。非特許文献2によれば、細胞内でのNAD(P)Hの検出に限られており、細胞外においても検出できれば好ましい。
一方、NAD(P)Hは、イリジウム錯体によって活性化し、キノンを還元することが知られている(例えば、非特許文献3を参照)。しかしながら、このような技術を利用して、細胞内のNAD(P)Hを検出した報告はない。
Raluca Niesnerら,CHEMPHYSCHEM,2004,Vol.5,Issue 8,pp.1141−1149 Yin Pun Hungら,Cell Metabolism,2011,Vol.14,Issue 5,pp.545−554 Zhe Lin ら、Angewandte Chemie Internatinonal Edition,2013,Vol 52,pp1−5
以上から、本発明の課題は、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体(NAD(P)H等)を容易に検出する蛍光プローブを用いたニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出する方法を提供することである。
本発明による蛍光プローブは、式(1)で表されるキノン誘導体からなり、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出する。


ここで、Xは、エーテル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、スルホニルエステル基、および、アルキル基からなる群から選択される架橋構造であり、Y1は、=NR’または=Oのいずれかであり、Y2は、−NR’または−OHのいずれかであり、R’は、水素または同一若しくは別異のアルキル基であり、Zは、−O−、−S−、−NH−、−SiMe−、−GeMe−、−Se−、および、−CH−からなる群から選択され、Rは、同一または別異のアルキル基である。
前記ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NAD(P)H)またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)であってもよい。
Xはエステル基であり、Y1は=Oであり、Y2は−NR’(R’はアルキル基)であり、Zは−O−であってもよい。
RおよびR’はメチル基であってもよい。
本発明によるニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出する方法は、式(1)で表されるキノン誘導体からなる蛍光プローブ(ここで、Xは、エーテル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、スルホニルエステル基、および、アルキル基からなる群から選択される架橋構造であり、Y1は、=NR’または=Oのいずれかであり、Y2は、−NR’または−OHのいずれかであり、R’は、水素または同一または別異のアルキル基であり、Zは、−O−、−S−、−NH−、−SiMe−、−GeMe−、−Se−、および、−CH−からなる群から選択され、Rは、同一または別異のアルキル基である)を被検体に接触させるステップと、前記蛍光プローブが接触した被検体に励起源を照射するステップとを包含し、これにより上記課題を解決する。

前記接触させるステップは、10秒〜6時間の間、前記蛍光プローブと前記被検体とをインキュベートしてもよい。
前記接触させるステップは、イリジウム錯体または酵素のいずれかの触媒をさらに接触させてもよい。
前記イリジウム錯体は、次式のいずれかで表されるイリジウム錯体であってもよい。

ここで、RはHまたはフェニル基のいずれかである。
前記酵素は、キノンリダクターゼであってもよい。
前記照射するステップにおいて、前記被検体からの蛍光強度が、前記接触させる前の前記蛍光プローブのそれと比較して低下する場合、前記被検体中に少なくとも前記ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在すると判定し、前記被検体からの蛍光強度が、前記接触させる前の前記蛍光プローブのそれと比較して変化しない場合、前記被検体中に前記ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在しないと判定してもよい。
前記蛍光プローブ中の前記キノン誘導体の濃度は、1nM以上1mM以下であってもよい。
前記励起源は、波長400nm以上500nmの以下の範囲にピークを有する可視光であってもよい。
前記照射するステップに続いて、前記被検体からの蛍光特性を測定するステップをさらに包含してもよい。
前記測定するステップに続いて、前記蛍光特性に基づいて、前記被検体中の前記ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の含有量を算出するステップをさらに包含してもよい。
前記ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体は、ニコチンアデニンジヌクレオチドリン酸(NAD(P)H)であってもよい。
本発明による蛍光プローブによれば、上述の式(1)で表されるキノン誘導体は、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体と反応し、自身を還元するとともに、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を活性化する。これにより、励起源を照射すると、還元によって蛍光プローブの蛍光強度が低減するので、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を容易に検出することができる。
本発明の方法によれば、被検体に上述の式(1)で表される蛍光プローブを接触させ、これに励起源を照射し、その際の被検体から発せられる蛍光の強度を観察する。蛍光強度の低下が観察されれば、被検体中にニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在すると判定できる。
式(1)で表されるキノン誘導体の還元反応を示す図 本発明の式(1)で表されるキノン誘導体の製造方法の一例を示す図 本発明によるニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出するステップを示すフローチャート 本発明によるニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を定量的に検出するステップを示すフローチャート 本発明のキノン誘導体の合成スキームを示す模式図 参考例1によるUQ−Rhの還元前後の励起・蛍光スペクトルの変化を示す図 実施例2〜実施例4における蛍光強度の変化を示す図 実施例4におけるNADPHの濃度と蛍光強度の変化との関係を示す図 実施例4〜比較例6におけるUQ−Rhの各化学種に対する蛍光強度の変化を示す図 実施例7におけるHeLa細胞内にUQ−Rhを導入した様子を示す図 実施例7におけるUQ−RhのHeLa細胞に対する蛍光の様子を示す図 実施例7におけるUQ−RhのHeLa細胞に対する蛍光強度の変化を示す図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本願発明者らは、式(1)に示すキノン誘導体が、細胞内のニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を活性化させ、自身を還元し、その際の蛍光特性の変化に着目することにより、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を蛍光イメージングにより検出できることを発見した。
本発明による蛍光プローブは、式(1)で表されるキノン誘導体(以降では本発明のキノン誘導体と呼ぶ)からなる。
式(1)において、Xは、エーテル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、スルホニルエステル基、および、アルキル基からなる群から選択される架橋構造である。Y1は、=NR’または=Oのいずれかであり、Y2は、−NR’または−OHのいずれかであり、R’は、水素または同一または別異のアルキル基である。Zは、−O−、−S−、−NH−、−SiMe−、−GeMe−、−Se−、および、−CH−からなる群から選択され、Meはメチル基である。Rは、同一または別異のアルキル基である。なお、RおよびR’のアルキル基は、好ましくは、炭素数6以下のアルキル基である。炭素数が7以上になると、水や生理食塩水等の水系溶媒への溶解性が低下し、取扱いが困難になり得る。RおよびR’のアルキル基は、より好ましくは、メチル基である。一般的な有機化合物(例えば、長波長で正対応用可能な蛍光団であるロドール等)を原料に用いることができるので、製造が容易となる。
より好ましくは、式(1)において、Xがエステル基であり、Y1は=Oであり、Y2は−NR’であり、Zは−O−である。このようなキノン誘導体を用いれば、500nm以上550nm以下の範囲の波長にピークを有する緑色の蛍光強度の変化を利用して、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出することができる。
図1は、式(1)で表されるキノン誘導体の還元反応を示す図である。
図1を参照し、本発明のキノン誘導体からなる蛍光プローブがニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出するメカニズムを説明する。本発明のキノン誘導体(図1の左)は、それ自身が励起源による照射により、500nm以上550nm以下の範囲の波長にピークを有する緑色の蛍光を発する。本発明のキノン誘導体は、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体と反応し、ヒドロキノン誘導体に還元される(図1の右)。
このような酸化還元(キノン還元)により、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体は活性化される(すなわち、NAD(P)HがNAD(P)になる)。これにより、本発明のキノン誘導体の500nm以上550nm以下の範囲の波長にピークを有する緑色の蛍光が消光し、蛍光強度が低下する。蛍光強度の低下は、ヒドロキノン誘導体におけるフェノール性水酸基が、光電子移動型の相互作用をすることにより、誘導体における蛍光団を消光するためである。
本発明者らは、本発明のキノン誘導体が、細胞内に存在する物質のうちニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体以外とは何ら反応せず、酸化還元(キノン還元)を生じないことを見出した。このような本発明のキノン誘導体は、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出するための蛍光プローブとして有利である。特に、本発明の蛍光プローブは、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の中でも、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸であるNADH、および、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドであるNADPHの検出に優れている。
図2は、本発明の式(1)で表されるキノン誘導体の製造方法の一例を示す図である。
本発明の式(1)で表されるキノン誘導体は、出発原料としてロドール等の蛍光団として機能する化合物(A)(ここで、Xは、エーテル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、スルホニルエステル基、および、アルキル基からなる群から選択され、Y1は、=NR’または=Oのいずれかであり、Y2は、−NR’または−OHのいずれかであり、Zは、−O−、−S−、−NH−、−SiMe−、−GeMe−、−Se−、および、−CH−からなる群から選択され、R’は水素または同一若しくは別異のアルキル基である)と、キノン誘導体である化合物(B)(ここで、Pはハロゲン元素であり、Rはアルキル基である)との縮合合成により得られる。これらの化合物を、塩基として例えば炭酸カリウムとジメチルホルムアミド(DMF)との存在下で加熱・縮合反応させると、本発明の(1)で表されるキノン誘導体が得られる。
なお、本発明の蛍光プローブは、赤色の粉末状の固体であるが、取扱いの観点から、本発明のキノン誘導体が溶解した溶液であってもよい。このような本発明のキノン誘導体が溶解する溶媒は、水、生理食塩水に代表される水系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロホルム、あるいは、メタノール、エタノールに代表されるアルコール等の有機溶媒があるが、中でも、極性溶媒が好ましく、具体的には、水、DMSO等である。これらは、本発明のキノン誘導体を容易に溶解するとともに、市販されており安価である。
次に、本発明の蛍光プローブを用いて、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出する方法を詳述する。
図3は、本発明によるニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出するステップを示すフローチャートである。
ステップS210:被検体と、本発明の式(1)で表されるキノン誘導体からなる蛍光プローブとを接触させる。
ここで、被検体は、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在するか否かを調べたい任意の検体であり、固体、液体等の形態を問わない。また、被検体は細胞内に限らず細胞外であってもよい。
本発明の蛍光プローブは、上述したとおりであるため、説明を省略する。蛍光プローブは、本発明のキノン誘導体を上述したDMSO、水等の溶媒に溶解させて用いると、被検体への均一な接触が容易になるため好ましい。好ましくは、蛍光プローブ中のキノン誘導体の濃度は、1nM以上1mM以下がよい。キノン誘導体の濃度が1nM未満であると、被検体中のニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体との反応が進まず、キノン誘導体が還元しない場合がある。キノン誘導体の濃度が1mMを超えると、キノン誘導体が溶媒に溶解しない場合がある。
ステップS210において、用語「接触」とは、被検体と蛍光プローブとが互いに接触する任意の手段を意図している。接触させるステップは、具体的には、粉末状の蛍光プローブと被検体とを混合する、溶液状の蛍光プローブと被検体とを混合する、溶液状の蛍光プローブを被検体に滴下する、溶液状の蛍光プローブを被検体にスプレーする等である。
接触せるステップにおいて、10秒〜6時間の間、蛍光プローブと被検体とをインキュベートしてもよい。特に、被検体が細胞の場合、インキュベートによって細胞内に蛍光プローブが確実に導入されるので、蛍光プローブを確実にニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体と反応させることができる。
さらに、接触させるステップにおいて、触媒を用いるとよい。これにより、被検体中にニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在する場合には、蛍光プローブ中のキノン誘導体のキノン還元反応を促進できる。触媒は、イリジウム錯体または酵素であり得る。酵素としてキノンリダクターゼを用いることができる。イリジウム錯体は、次式で示されるイリジウム錯体が好ましい。これらのイリジウム錯体は、本発明のキノン誘導体にもっとも適合する触媒であり、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の存在下において、酸化還元反応を確実にする。なお、式中のRはHまたはフェニル基のいずれかである。なお、これらのイリジウム錯体は、PF 、BF 、ClO などの一般的なカウンターアニオンと錯体を形成している。
ステップS220:蛍光プローブが接触した被検体に励起源を照射する。これにより、被検体中にニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在する場合には、蛍光プローブ中のキノン誘導体がヒドロキノン誘導体に還元され、キノン誘導体自身の蛍光の強度が減少する。
上述したように、本発明のキノン誘導体は、ロドールに基づく波長500nm〜550nmの範囲にピークを有する緑色の蛍光を発するが、ヒドロキノン誘導体に還元されると、その蛍光が消光する。
ここで、励起源は、好ましくは、波長400nm以上500nm以下を有する可視光である。このような励起源は、例えば、青色LED発光素子である。
ステップS220によれば、上記式(1)で表されるキノン誘導体からなる蛍光プローブと被検体とを接触させ、励起源を照射した際の蛍光の様子を観察することによって、被検体中にニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の存在を目視にて容易に確認できる。
すなわち、ステップS220において、被検体からの蛍光強度が、接触させるステップ(ステップS210)の前の蛍光プローブのそれと比較して低下する場合、被検体中に少なくともニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在すると判定し、被検体からの蛍光強度が、接触させる前の蛍光プローブのそれと比較して変化しない場合、被検体中にニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在しないと判定することができる。このような判定は、簡易的に目視にて行ってもよいし、蛍光光度分光計を用いて、蛍光特性を測定してもよい。
次に、本発明の蛍光プローブを用いて、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を定量的に検出する方法を詳述する。
図4は、本発明によるニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を定量的に検出するステップを示すフローチャートである。
ステップS310:ステップS310は、図3のステップS220に続いて行われる。被検体における蛍光特性を測定する。具体的には、ステップS220において励起源を照射した際の、被検体からの発光スペクトルを、蛍光光度分光計等を用いて測定する。
ステップS320:ステップS310に基づいて、被検体中のニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の含有量(濃度)を算出する。具体的には、本発明の蛍光プローブの蛍光強度は、被検体中に含まれるニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の含有量に応じて、減少する。すなわち、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の含有量が少ないと、蛍光強度の減少が小さく、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の含有量が多いと、蛍光強度の減少が大きくなる。ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の含有量(濃度)と、蛍光強度との間には線形の関係がある。
予め、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の濃度を変化させ、発光スペクトルを測定し、濃度と蛍光強度との関係をメモリ等に格納しておけば、中央演算処理装置を用いて、含有されるニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の濃度を算出することができる。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことは言うまでもない。実施例、参考例および比較例の説明に先立って、実施例、参考例および比較例で用いる本発明のキノン誘導体を合成した。
図5は、本発明のキノン誘導体の合成スキームを示す模式図である。
図5では、式(1)において、Xはエステル基であり、Y1は=Oであり、Y2は−NR’(R’はメチル基)であり、Zは−O−であり、Rはメチル基である、キノン誘導体530(以降では、UQ−Rhと称する)を合成した。出発原料として、化合物510(ロダール)と化合物520とを用いた。化合物510(45.0mg、0.125mmol、1当量)、化合物520(53.8mg、0.233mmol、1.9当量)およびKCO(121mg)に、4mLのジメチルホルムアミド(DMF)を加え、80℃に加熱して、17時間撹拌した。放冷後、水を加えて濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(CHCH:EtOAc:MeOH=1:1:0〜10:10:1)で精製し、赤色固体(8.8mg、15.9μmol、12%)を得た。この生成物が、図5中の物質530:UQ−Rhであることをプロトン核磁気共鳴(H−NMR、300MHz、CDCl、25℃)により確認した。結果を示す。
H−NMR:1.63(s,3H)、3.02(s,6H)、3.60−3.65(m,8H)、6.44−6.54(m,2H)、6.63(d,1H,3Hz)、6.78−6.85(m,2H)、7.28−7.32(m,2H)、7.63−7.70(m,2H)、8.20(d,1H,8Hz)
以降で説明する実施例、参考例および比較例の実験条件を簡単のため表1に示す。
[参考例1]
参考例1では、本発明のUQ−Rhの還元による蛍光特性の変化を調べた。UQ−Rhをリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.2)に溶解させ、紫外可視分光光度計UV−3600(SHIMADZU社製)および分光蛍光光度計FP−8500(JASCO社製)を用いて、吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを測定した。その結果、吸収極大波長および蛍光極大波長は、それぞれ、492nmおよび518nmであり、蛍光量子効率は0.733と極めて明るいことを確認した。ここで、モル吸収係数εは、1.66×10cm−1−1であった。
次に、意図的にUQ−Rhを還元させ、その際の蛍光強度の変化を調べた。10μMのUQ−Rhを、キノンを還元させる亜ジチオン酸ナトリウム(Na)と反応させた後、励起スペクトルおよび蛍光スペクトルを測定した。励起スペクトルは、蛍光波長を520nmに固定し、励起光の波長を走査し、蛍光強度を測定することによって得た。蛍光スペクトルは、励起波長を488nmに固定し、蛍光の波長を走査し、蛍光強度を測定することによって得た。結果を図6に示す。
図6は、参考例1によるUQ−Rhの還元前後の励起・蛍光スペクトルの変化を示す図である。
図6(A)は励起スペクトルであり、図6(B)は蛍光スペクトルである。図6(A)によれば、本発明のUQ−Rhは、400nm以上500nm以下の範囲の波長にピークを有する励起光により励起されることを確認した。図6(B)によれば、本発明のUQ−Rhは、400nm以上500nm以下の範囲の波長にピークを有する励起光により励起され、500nm以上550nm以下の範囲の波長にピークを有する緑色の蛍光を発することを確認した。
一方、還元により、本発明のUQ−Rhの蛍光応答は著しく減少し、蛍光を発しないことが分かった。このような蛍光の消失は、UQ−Rh中のキノンがヒドロキノンに還元され、フェノール性水酸基が、光電子移動型の相互作用をすることにより、蛍光団(ロドール)を消光したと示唆される。
[実施例2]
実施例2では、無触媒下における、UQ−RhのNADPHに対する蛍光特性の変化を調べた。
ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体としてNADPH(1mM)と、PBS中10μMのUQ−Rhとを混合し、被検体に本発明の蛍光プローブを接触させた(図3のステップS210)。次に、NADPHと接触したUQ−Rhに励起源として青色LED発光素子による波長488nmの青色光を当て、被検体に励起源を照射した(図3のステップS220)。分光蛍光光度計を用いて、蛍光強度の変化を測定した(図4のステップS310)。結果を図7に示す。
[実施例3]
実施例3では、触媒として酵素を用いた場合の、UQ−RhのNADPHに対する蛍光特性の変化を調べた。手順は、酵素としてキノンリダクターゼ(2μg/ml)を用いた以外は、実施例2と同様であった。結果を図7に示す。
[実施例4]
実施例4では、触媒としてイリジウム錯体を用いた場合の、UQ−RhのNADPHに対する蛍光特性の変化を調べた。手順は、イリジウム錯体として次式で示される[(η−CMe)Ir(phen)(HO)]2+(0.5mM)を用いた以外は、実施例2と同様であった。結果を図7に示す。なお、イリジウム錯体のカウンターアニオンは、ヘキサフルオロリン酸塩(PF)であった。
さらに、実施例4では、NADPHの濃度と蛍光特性の変化との関係を調べた。NADPHの濃度を0mM、0.25mM、0.5mM、1mM、2.5mM、5mM、5mMおよび10mMと変化させ、各濃度のNADPHに対するUQ−Rhの蛍光特性の変化を調べた。結果を図8に示す。
[実施例5]
実施例5では、触媒としてイリジウム錯体を用いた場合の、UQ−RhのNADHに対する蛍光特性の変化を調べた。手順は、NADH(5mM)と、PBS中10μMのUQ−Rhと、イリジウム錯体[(η−CMe)Ir(phen)(HO)]2+(0.5mM)とを混合し、波長488nmの青色光を照射した。分光蛍光光度計を用いて、蛍光強度の変化を測定した。結果を図9に示す。
[比較例6]
比較例6では、UQ−RhのNAD(P)H以外の化学種に対する蛍光特性の変化を調べた。このような化学種として、細胞内に近いレベルで存在するナトリウム(100mM)、カリウム(100mM)、カルシウム(1mM)、マグネシウム(10mM)およびグルタチオン(1mM)を用いた。手順は、NADHに代えて、上述の化学種を用いた以外は、実施例5と同様であった。結果を図9に示す。
以上の実施例および比較例の結果を説明する。
図7は、実施例2〜実施例4における蛍光強度の変化を示す図である。
図7によれば、いずれの実施例も蛍光強度の減少を示した。すなわち、本発明のUQ−Rhは、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体としてNADPHと反応し、自身は還元され、蛍光が消光することが分かった。さらに、図7において、10分後の蛍光強度を参照すると、無触媒下に比べて、触媒として酵素であるキノンリダクターゼを用いると、1.45倍早く蛍光が減少し、触媒としてイリジウム錯体を用いると、4.0倍早く蛍光が減少した。イリジウム錯体が、キノンリダクターゼより還元反応を促進させることが分かった。
以上より、本発明の特定のキノン誘導体は、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出する蛍光プローブとして機能し、還元反応は、触媒を用いることが好ましいことが確認された。
図8は、実施例4におけるNADPHの濃度と蛍光強度の変化との関係を示す図である。
図8(A)は、NADPHの各濃度における蛍光強度の変化を示す。図8(A)によれば、NADPHの濃度が0.5mMを超えると、NADPHとUQ−Rhとの間で還元反応が生じ、蛍光強度が減少した。その後、NADPHの濃度の増加に伴い、蛍光強度の減少も増大し、NADPHの濃度が10mMにおいて、最大1/8.6(10分後)まで蛍光強度が減少した。このことからも、本発明の特定のキノン誘導体は、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出する蛍光プローブとして機能し、イリジウム錯体がキノン誘導体の還元に有効であることが示される。
図8(B)は、図8(A)において10分後の蛍光強度とNADPHの濃度との関係を示す。NADPHの濃度が0.5mMから5mMの範囲において、NADPHの濃度の対数と蛍光強度との間に、近似的な直線相関が得られた。直線相関の相関係数Rは、0.9995と極めて1に近い値が得られ、NADPHの濃度と蛍光強度の減少との間には線形の関係があることが分かった。
以上より、予め、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の濃度を変化させ、発光スペクトルを測定し、濃度と蛍光強度との関係(例えば、図8(B)中の式)を有していれば、含有されるニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の濃度を発光強度から算出できることが示唆される。
図9は、実施例4〜比較例6におけるUQ−Rhの各化学種に対する蛍光強度の変化を示す図である。
図9において、PBSは、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)中10μMのUQ−Rhの蛍光強度を示しており、UQ−Rhは還元しないため、蛍光強度が何ら変化しないことを確認した。また、UQ−Rhは、細胞内に近いレベルで存在するナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)およびグルタチオンと、何ら反応せず、蛍光強度が実質的に変化しないことを確認した。一方、UQ−Rhは、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体としてNADPHおよびNADHと反応し、蛍光強度が大幅に減少することを確認した。
以上より、本発明の特定のキノン誘導体は、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体のみを選択的に検出する蛍光プローブとして機能することが確認された。
[実施例7]
実施例7では、細胞内におけるニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の蛍光イメージングについて調べた。細胞には、NAD(P)Hを有するHeLa細胞を用いた。HeLa細胞と、PBS中10μMのUQ−Rhとを混合・30分間インキュベートさせた後、イリジウム錯体[(η−CMe)Ir(phen)(HO)]2+(0.5mM)を添加することにより、被検体(HeLa細胞)に本発明の蛍光プローブを接触させた(図3のステップS210)。ここで、インキュベート後にHeLa細胞内にUQ−Rhが導入されたことを、波長488nmの青色光を照射し、HeLa細胞における蛍光の様子を観察することによって確認した。結果を図10に示す。
図10は、実施例7におけるHeLa細胞内にUQ−Rhを導入した様子を示す図である。
図10は白黒写真なのでこの図自体からはHeLa細胞が明るい色を呈していることが分かるだけだが、実際には、グレースケールで明るく示される部分が緑色の蛍光を示しており、各HeLa細胞の細胞質にUQ−Rhが導入されたことを確認した。
次に、UQ−Rhと接触したHeLa細胞に青色光(波長488nm)を当て、被検体(HeLa細胞)に励起源を照射した(図3のステップS220)。その際の蛍光の様子を観察した。分光蛍光光度計を用いて、蛍光強度の変化を測定した(図4のステップS310)。結果を図11および図12に示す。
図11は、実施例7におけるUQ−RhのHeLa細胞に対する蛍光の様子を示す図である。
図11の上段は、イリジウム錯体を添加後に励起源を照射した際のHeLa細胞の蛍光の変化を示す。観察しているHeLa細胞のそれぞれに番号1〜9を付与した。図10と同様に、図11の上段は白黒写真なのでこの図自体からは各HeLa細胞が時間の経過とともに暗くなることが分かるだけだが、実際には、グレースケールで明るく示される部分が緑色の蛍光を示しており、時間の経過とともに蛍光が消光することを確認した。図11の下段は、微分干渉像を示しており、細胞形態の変化が、イリジウム錯体添加後少なくとも3分までは実質生じないことを確認した。
図12は、実施例7におけるUQ−RhのHeLa細胞に対する蛍光強度の変化を示す図である。
図12に示す番号は、図11に示す各HeLa細胞の番号に一致する。いずれのHeLa細胞においても、イリジウム錯体の添加直後に蛍光強度の増大を示したが、時間の経過とともに、蛍光強度が減少することを確認した。このことから、各HeLa細胞において、イリジウム錯体添加後に、UQ−Rhが還元されるとともにNAD(P)Hが活性化されたことが分かる。なお、イリジウム錯体の添加直後の蛍光強度の増大は、イリジウム錯体による影響であり、本質ではない。
以上より、本発明の特定のキノン誘導体は、細胞内のニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体のみを選択的に検出する蛍光プローブとして機能し、蛍光イメージングが可能であることが確認された。
上述してきたように、本発明による蛍光プローブは、被検体中のニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を活性化し、自身を還元することによって、蛍光を消光する。このような蛍光強度の減少を利用することにより、本発明の蛍光プローブは、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の検出、蛍光イメージングに好適である。また、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の濃度と蛍光強度との間には線形の関係があることからニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の定量的な算出も可能である。本発明による蛍光プローブは、ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を含有すれば細胞外でのアッセイにも使うことができる。また、本発明による蛍光プローブを利用して、動植物細胞の活性あるいは生死の判定にも有効である。

Claims (8)

  1. ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体を検出する方法であって、
    式(1)で表されるキノン誘導体からなる蛍光プローブ(ここで、Xは、エーテル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、スルホニルエステル基、および、アルキル基からなる群から選択される架橋構造であり、Y1は、=NR’または=Oのいずれかであり、Y2は、−NR’または−OHのいずれかであり、R’は、水素または同一若しくは別異のアルキル基であり、Zは、−O−、−S−、−NH−、−SiMe−、−GeMe−、−Se−、および、−CH−からなる群から選択され、Rは、同一または別異のアルキル基である)および次式のいずれかで表されるイリジウム錯体(式中、RはHまたはフェニル基のいずれかである。)である触媒を被検体に接触させるステップと、


    前記蛍光プローブが接触した被検体に励起源を照射するステップと
    を包含する方法。
  2. 前記接触させるステップは、10秒〜6時間の間、前記蛍光プローブと前記被検体とをインキュベートする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記照射するステップにおいて、前記被検体からの蛍光強度が、前記接触させる前の前記蛍光プローブのそれと比較して低下する場合、前記被検体中に少なくとも前記ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在すると判定し、前記被検体からの蛍光強度が、前記接触させる前の前記蛍光プローブのそれと比較して変化しない場合、前記被検体中に前記ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体が存在しないと判定する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記蛍光プローブ中の前記キノン誘導体の濃度は、1nM以上1mM以下である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記励起源は、波長400nm以上500nmの以下の範囲にピークを有する可視光である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記照射するステップに続いて、前記被検体からの蛍光特性を測定するステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記測定するステップに続いて、前記蛍光特性に基づいて、前記被検体中の前記ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体の含有量を算出するステップをさらに包含する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ニコチンアデニンジヌクレオチド誘導体は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NAD(P)H)またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)である、請求項1に記載の方法。
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