JP6264161B2 - ジェットエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、ジェットエンジンに関するものである。
例えば、特許文献1に示すように、航空機には推力発生装置としてジェットエンジンが搭載されている。このようなジェットエンジンは、最大出力時に必要な空気が取り込めるようにインテークの径やファンが設計されており、出力増加時にはファンの回転数を上げてインテークから大量の空気を取り込み圧縮してノズルから高速で排気することで必要な推力を発生させている。
特開2012−62801号公報
ところで、航空機の巡航時には、加速時と比較してジェットエンジンの推力は抑えられるため、エンジンが吸い込む空気量が減少する。このため、従来のジェットエンジンでは、加速時と比較して巡航時においてはファンの回転数を低下させている。ところが、上述のようにインテークが加速時に必要な空気量を取り込むための径とされていることから、ファンの回転数を落とした場合であっても、大量の空気がインテークから流入する。この結果、取り込まれた空気がインテークから溢れだし、いわゆるインテークスピレージ抵抗が発生する。
航空機を巡航速度に維持するためには、このようなインテークスピレージ抵抗による速度の低下を打ち消すようにジェットエンジンの推力を発生させる必要がある。このため、インテークスピレージ抵抗は、ジェットエンジンの燃費を悪化させる。
このようなインテークスピレージ抵抗による燃費の悪化を抑制するため、例えば、通常のコア流路とバイパス流路の外側にさらに第2のバイパス流路を設け、この第2のバイパス流路に流す流量を加速時と巡航時とで変化させることで、巡航時においてもジェットエンジンに取り込まれる全体としての空気の流量を変化させることなく、推力のみを変更する改良エンジンが提案されている。
しかしながら、提案されている改良エンジンは、第2のバイパス流路への流入量を調整するために、コア流路の入口、低圧圧縮機、高圧圧縮機、高圧タービン及び低圧タービンに対して可変静翼を設置したり、空気が流れる流路を切り替えるための切替板を設置したり、第2のバイパス流路の流量調整弁を設置したりする必要がある。このため、これらを駆動するための駆動機構を多数必要とする。このような、改良エンジンは、第2のバイパス流路を設けることによる重量増加、及び、多数の駆動機構を設けることによる重量増加及び信頼性低下を招くことになる。また、このように改良エンジンでは、重量の増加が大きくなり、結果として十分な燃費の改善が図れないおそれがある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ジェットエンジンにおいて、第2のバイパス流路を設けることなく、また多数の駆動機構を必要とすることなく、インテークスピレージ抵抗を減少させて燃費の改善を図ることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
第1の発明は、複数段の動翼を有するファンと、該ファンから送り込まれる空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で生成された圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器と、上記燃焼ガスから回転動力を生成するタービンと、上記燃焼ガスを噴射するノズルとを備えるジェットエンジンであって、上記ファンにおける2段目以降の動翼の上流に配置されると共に上記動翼への空気流の流入角を調整する可変ガイドベーンと、上記ノズルにおける流体抵抗を調整する流体抵抗調整手段と、巡航時において、加速時に対して上記流入角が小さくなるよう上記可変ガイドベーンを制御し、かつ、上記流入角の減少に伴うファン出口の体積流量増加による流体抵抗増加を抑制するよう上記流体抵抗調整手段を制御する制御手段とを備えるという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記流体抵抗調整手段が、上記ノズルの開口面積を調節する開口面積可変機構であるという構成を採用する。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記可変ガイドベーンの上流に配置された動翼よりも、当該可変ガイドベーン以降の上記動翼が、当該動翼の回転中心寄りに配置されているという構成を採用する。
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記制御手段が、巡航時において、上記ファンの回転数を最大とするという構成を採用する。
本発明によれば、巡航時において、2段目以降のファンの動翼の上流に配置された可変ガイドベーンが、下流側の動翼への流入角が加速時と比較して減少するように制御される。これによって、可変ガイドベーンの下流に配置された動翼の空気流に対する仕事量が減少してファンにおける圧縮率が低下し、ノズルから排気される空気の圧力が低下する。この結果、取り込む空気の流量を低下させることなく、ノズルからの排気の流速を低下させ、推力を抑えることが可能となる。また、ファン出口の空気の圧力が低下することによって、ノズル入口の圧力も低下し、排気の体積流量が増加するが、流体抵抗調整手段によってノズルによる流体抵抗の増加が抑制される。このような本発明によれば、ジェットエンジンにおいて、第2のバイパス流路を設けることなく、また多数の駆動機構を必要とすることなく、インテークスピレージ抵抗を減少させて燃費の改善を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態であるジェットエンジンを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態であるジェットエンジンが備えるファンの拡大図である。 本発明の一実施形態であるジェットエンジンが備えるファンが有する翼を模式的に示す図である。 スロットルレバー角度による本発明の一実施形態であるジェットエンジンの変化を示すグラフであり、(a)がスロットルレバー角度とファンの回転数との関係を示すグラフであり、(b)がスロットルレバー角度とノズルの開口面積との関係を示すグラフであり、(c)がスロットルレバー角度と可変ガイドベーンの姿勢との関係を示すグラフであり、(d)がスロットルレバー角度と推力増強装置からの燃料供給量との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明に係るジェットエンジンの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態のジェットエンジン1を模式的に示す断面図である。この図に示すように、本実施形態のジェットエンジン1は、ケーシング2と、ファン3と、低圧圧縮機4と、高圧圧縮機5と、燃焼器6と、高圧タービン7と、低圧タービン8と、シャフト9と、推力増強装置10と、可変排気ノズル11(ノズル)と、制御部12(制御手段)とを備えたターボファンエンジンである。
ケーシング2は、ファン3、低圧圧縮機4、高圧圧縮機5、燃焼器6、高圧タービン7、低圧タービン8、シャフト9及び推力増強装置10を収容する円筒部材である。このケーシング2は、一端側(図1の左側)の開口がジェットエンジン1の内部に空気を取り込むためのインテーク2aとされており、他端側(図1の右側)に可変排気ノズル11が設けられている。
また、ケーシング2の内部には、ケーシング2の半径方向内側に設けられる流路であるコア流路2bと、半径方向外側に設けられる流路であるバイパス流路2cとが形成されている。コア流路2b及びバイパス流路2cは、図1に示すように、ファン3の下流側においてケーシング2の内部が半径方向に区画されることにより設けられている。コア流路2bは、燃焼器6に空気を案内すると共に燃焼器6から排出される燃焼ガスを高圧タービン7及び低圧タービン8を介して推力増強装置10に向けて案内する流路である。バイパス流路2cは、ファン3から圧送される空気を、低圧圧縮機4、高圧圧縮機5、燃焼器6、高圧タービン7及び低圧タービン8をバイパスして推力増強装置10に向けて案内する流路である。
ファン3は、ケーシング2の内部における最も上流側に配置されている。図2は、図1におけるファン3の拡大図である。また、図3は、ファン3が備える翼の一部を図示した模式図である。これらの図に示すように、ファン3は、インレットガイドベーン機構3aと、一段目動翼列3bと、一段目静翼列3cと、二段目動翼列3dと、二段目静翼列3eと、可変ガイドベーン機構3fと、三段目動翼列3gと、三段目静翼列3hとを備えている。
インレットガイドベーン機構3aは、ケーシング2に対して固定されると共にケーシング2の周方向に複数配列されたインレットガイドベーン3a1と、これらのインレットガイドベーン3a1の角度を調整する不図示のアクチュエータとを備えている。このようなインレットガイドベーン機構3aは、制御部12の制御の下、インレットガイドベーン3a1の角度が調節され、ファン3に取り込まれた空気を整流する。
一段目動翼列3bは、シャフト9の後述する低圧軸9aに固定されると共にシャフト9の周方向に複数配列された動翼3b1から構成されており、インレットガイドベーン3a1の下流に配置されている。これらの動翼3b1は、シャフト9の回転に伴って回転し、インレットガイドベーン3a1を通過した空気を下流側に圧送する。
一段目静翼列3cは、ケーシング2に対して固定されると共にケーシング2の周方向に複数配列された静翼3c1から構成されており、一段目動翼列3bの下流に配置されている。これらの静翼3c1は、一段目動翼列3bから吐き出された空気を整流する。
二段目動翼列3dは、シャフト9の低圧軸9aに固定されると共にシャフト9の周方向に複数配列された動翼3d1から構成されており、一段目静翼列3cの下流に配置されている。これらの動翼3d1は、シャフト9の回転に伴って回転し、一段目静翼列3cを通過した空気を下流側に圧送する。
二段目静翼列3eは、ケーシング2に対して固定されると共にケーシング2の周方向に複数配列された静翼3e1から構成されており、二段目動翼列3dの下流に配置されている。これらの静翼3e1は、二段目動翼列3dから吐き出された空気を整流する。ここで、静翼3e1は、空気がシャフト9と平行な流れ(軸流)となるように空気を整流する。
可変ガイドベーン機構3fは、ケーシング2に対して固定されると共にケーシング2の周方向に複数配列された可変ガイドベーン3f1と、これらの可変ガイドベーン3f1の角度を調整する不図示のアクチュエータとを備えている。このような可変ガイドベーン機構3fは、制御部12の制御の下、可変ガイドベーン3f1の角度が調整され、下流に配置される三段目動翼列3gの動翼3g1への空気の流入角を変更する。
ここで、流入角とは、動翼3g1の前縁と後縁とを結んだ線である翼弦に対する相対的な空気流の角度である。この流入角が大きい場合には、動翼3g1が空気に対して行う仕事量が増加する。この結果、空気の圧力が大きく上昇する。一方、流入角が小さい場合には、動翼3g1が空気に対して行う仕事量が減少する。この結果、空気の圧力の上昇が抑えられる若しくは圧力変化が生じない。すなわち、動翼3g1に対する相対的な流入角が小さくなることによって、動翼3g1が空回りすることになり、空気の圧力の上昇が抑えられる。なお、例えば、可変ガイドベーン3f1によって流れがファン3の回転方向の旋回を強めるように動いた場合(図3の実線で示す姿勢である場合)に流入角は大きくなり、可変ガイドベーン3f1によって流れがファン3の回転方向の旋回を弱めるように動いた場合(図3の二点鎖線で示す姿勢である場合)に流入角は小さくなる。
また、図2に示すように、可変ガイドベーン機構3fは、下流側に向けてケーシング2の半径方向内側に向けて湾曲した中間流路2dを挟んで、二段目静翼列3eの下流に配置される。本実施形態においては、可変ガイドベーン3f1が当該可変ガイドベーン3f1の上流に配置された動翼3g1よりも当該動翼3g1の回転中心寄りに配置されており、中間流路2dは、空気が流れる領域をケーシング2の半径方向外側から可変ガイドベーン3f1が配置された半径方向内側に変更する。この中間流路2dは、流路断面積を変化することがないまま湾曲されている。このような中間流路2dを持つことで、回転中心寄りに配置された動翼の周速度が低下する。この結果、中間流路2dがない場合と比較して、可変ガイドベーン3f1によって空気の流れ方向を変更したときの衝撃波の発生を抑制でき、圧力損失の上昇を抑えることができる。
三段目動翼列3gは、シャフト9の低圧軸9aに固定されると共にシャフト9の周方向に複数配列された動翼3g1から構成されており、可変ガイドベーン機構3fの下流に配置されている。これらの動翼3g1は、シャフト9の回転に伴って回転し、空気の相対的な流入角が大きいときには可変ガイドベーン機構3fを通過した空気を下流側に圧送し、空気の相対的な流入角が小さいときには可変ガイドベーン機構3fを通過した空気を昇圧することなく下流側に通過させる。
三段目静翼列3hは、ケーシング2に対して固定されると共にケーシング2の周方向に複数配列された静翼3h1から構成されており、三段目動翼列3gの下流に配置されている。これらの静翼3h1は、三段目動翼列3gから吐き出された空気を整流する。
図1に戻り、低圧圧縮機4は、コア流路2bにおいて最も上流側に配置されている。この低圧圧縮機4は、シャフト9の低圧軸9aに固定される動翼からなる動翼列と、ケーシング2に固定される静翼からなる静翼列が複数段に交互に配列されてなる。このような低圧圧縮機4は、シャフト9の回転に伴って動翼が回転され、コア流路2bに取り込まれた空気を静翼で整流しつつ動翼で圧縮する。
高圧圧縮機5は、コア流路2bにおいて低圧圧縮機4の下流に配置されている。この高圧圧縮機5は、シャフト9の後述する高圧軸9bに固定される動翼からなる動翼列と、ケーシング2に固定される静翼からなる静翼列が複数段に交互に配列されてなる。このような高圧圧縮機5は、シャフト9の回転に伴って動翼が回転され、低圧圧縮機4で圧縮された空気を静翼で整流しつつ動翼でさらに圧縮する。
燃焼器6は、コア流路2bにおいて高圧圧縮機5の下流に配置されている。この燃焼器6は、不図示の燃料ノズル及び着火装置を備えており、高圧圧縮機5で生成された圧縮空気と燃料とからなる混合気を燃焼することによって燃焼ガスを生成する。
高圧タービン7は、コア流路2bにおいて燃焼器6の下流に配置されている。この高圧タービン7は、シャフト9の高圧軸9bに固定される動翼からなる動翼列と、ケーシング2に固定される静翼からなる静翼列とが複数段に交互に配列されてなる。このような高圧タービン7は、燃焼器6で生成された燃焼ガスを静翼で整流しつつ動翼で受けることによって動翼が回転し、これによってシャフト9の高圧軸9bを回転させる。
低圧タービン8は、コア流路2bにおいて高圧タービン7の下流に配置されている。この低圧タービン8は、シャフト9の低圧軸9aに固定される動翼からなる動翼列と、ケーシング2に固定される静翼からなる静翼列とが複数段に交互に配列されてなる。このような低圧タービン8は、高圧タービン7を通過した燃焼ガスを静翼で整流しつつ動翼で受けることによって動翼が回転し、これによってシャフト9の低圧軸9aを回転させる。
シャフト9は、半径方向内側の低圧軸9aと、半径方向外側の高圧軸9bとを備え、これらの低圧軸9aと高圧軸9bとが個別に同軸回転可能な二重軸構造を有している。低圧軸9aには、低圧タービン8の動翼と、低圧圧縮機4の動翼と、ファン3の動翼(動翼3b1、動翼3d1及び動翼3g1)とが固定されている。このような低圧軸9aは、低圧タービン8の動翼が燃焼ガスを受けて回転されることによって生成される回転動力を低圧圧縮機4の動翼と及びファン3の動翼に伝達し、これらの低圧圧縮機4の動翼と及びファン3の動翼を回転させる。高圧軸9bには、高圧タービン7の動翼と、高圧圧縮機5の動翼とが固定されている。このような高圧軸9bは、高圧タービン7の動翼が燃焼ガスを受けて回転されることによって生成される回転動力を高圧圧縮機5の動翼に伝達し、この高圧圧縮機5の動翼を回転させる。
推力増強装置10は、低圧タービン8の下流に配置されている。この推力増強装置10は、低圧タービン8を通過した燃焼ガス、及び、バイパス流路2cを通過した空気の混合気に含まれる酸素を用いて燃料を再燃焼させることにより推力を増強させるものであり、燃料噴射装置10a、保炎器10b及び不図示の着火装置等を備えている。
可変排気ノズル11は、ケーシング2の下流側の端部に設けられており、コア流路2bから排気される燃焼ガスと、バイパス流路2cから排気される空気流とをジェットエンジン1の後方に噴射する。この可変排気ノズル11は、燃焼ガス及び空気流を噴射する開口端であるノズル11aと、このノズル11aの開口面積を変化させる可動部11b(流体抵抗調整手段、開口面積可変機構)とを備えている。この可動部11bは、ノズル11aの周方向に配列されたフラップや当該フラップの角度を調整するアクチュエータ等を備えており、ノズル11aの開口面積を変化させることによってノズル11aにおける流体抵抗の調整を行う。
制御部12は、本実施形態のジェットエンジン1の全体を統括制御するものである。例えば、制御部12は、スロットルレバーからの指示(スロットレバー角度)に基づいて、ファン3の回転数、可変ガイドベーン3f1の角度、ノズル11aの開口面積(スロート面積)、及び推力増強装置10における燃料供給量等を制御する。この制御部12は、本実施形態においては、巡航時において、加速時と同様にファン3の回転数を最大とし、加速時に対して流入角が小さくなるよう可変ガイドベーン3f1の角度を制御し、かつ、流入角の減少に伴う体積流量増加による流体抵抗増加を抑制するよう可変排気ノズル11を制御する。
このような本実施形態のジェットエンジン1では、ファン3の駆動によってケーシング2のインテーク2aを通じて外部から空気が取り込まれ、取り込まれた空気がコア流路2bと、バイパス流路2cとに分配される。コア流路2bを流れる空気は、低圧圧縮機4及び高圧圧縮機5によって圧縮されてから燃焼器6に供給され、燃料と共に燃焼される。これによって燃焼ガスが生成され、この燃焼ガスがコア流路2bを流れて可変排気ノズル11から噴出される。また、バイパス流路2cを流れる空気は、低圧圧縮機4、高圧圧縮機5、燃焼器6、高圧タービン7及び低圧タービン8をバイパスして流れ、可変排気ノズル11から燃焼ガスと共に噴射される。このように可変排気ノズル11から燃焼ガス及びバイパス流路2cを流れる空気が噴出されることによって推力が得られる。
なお、コア流路2bを流れる燃焼ガスが高圧タービン7を通過するときに、高圧タービン7の動翼が回転駆動されて回転動力が生成される。この回転動力がシャフト9の高圧軸9bを通じて高圧圧縮機5に伝達され、これによって高圧圧縮機5の動翼が回転する。また、コア流路2bを流れる燃焼ガスが低圧タービン8を通過するときに、低圧タービン8の動翼が回転駆動されて回転動力が生成される。
また、大きな推力が必要な場合には、制御部12の制御の下、推力増強装置10が、高圧タービン7及び低圧タービン8を通過した燃焼ガスに対して燃料を供給すると共に再燃焼させ、これによって推力の増強が図られる。このときは、燃焼ガスの再燃焼により排気の体積流量が増加するため、ノズル11aにおける流体抵抗が増加しないように、可動部11bによってノズル11aの開口面積が広げられる。
ここで、本実施形態のジェットエンジン1においては、航空機の巡航時において、可変ガイドベーン3f1が、下流側の三段目動翼列3gを形成する動翼3g1への流入角が加速時と比較して減少するように制御される。これによって、可変ガイドベーン3f1の下流に配置された動翼3g1の空気流に対する仕事量が減少してファン3における圧縮率が低下する。これによって、ノズル11aに供給される空気の圧力が低下するため、インテーク2aから取り込む空気の流量を低下させることなく、ノズル11aから排気される燃焼ガスの流速を低下させ、推力を抑えることが可能となる。
また、この場合には、ノズル11aに供給される空気の圧力が低下することによって、燃焼器6の後流の圧力が減少して排気の体積流量が増加するが、この排気の体積流量の増加によってノズル11aにおける流体抵抗が増加しないように、可動部11bによってノズル11aの開口面積が広げられる。つまり、本実施形態のジェットエンジン1においては、推力増強装置10を動作させない巡航時にも、可動部11bによってノズル11aの開口面積が広げられる。これによって、ノズル11aによる流体抵抗の増加が抑制されるため、排気流をスムーズに排出することができ、圧力損失の増加を抑制することができる。
このような本実施形態のジェットエンジン1によれば、巡航時にファン3の吸気量を変化させることなく推力のみを加速時に対して低下させることができるため、第2のバイパス流路を設けることなく、また多数の駆動機構を必要とすることなく、インテークスピレージ抵抗を減少させて燃費の改善を図ることが可能となる。
図4は、スロットルレバー角度(すなわち推力)によるジェットエンジン1の変化を示すグラフであり、(a)がスロットルレバー角度とファン3の回転数との関係を示すグラフであり、(b)がスロットルレバー角度とノズル11aの開口面積との関係を示すグラフであり、(c)がスロットルレバー角度と可変ガイドベーン3f1の姿勢との関係を示すグラフであり、(d)がスロットルレバー角度と推力増強装置10からの燃料供給量との関係を示すグラフである。なお、図4においては、従来型のエンジンにおける関係を示すグラフを破線で指名している。また、図4において「DRY MAX」は、推力増強装置10を用いない状態での最大推力を発揮するスロットルレバー角度を示し、「AB MAX」は、推力増強装置10を用いた状態での最大推力を発揮するスロットルレバー角度を示している。
図4(a)及び図4(b)に示すように、本実施形態のジェットエンジン1では、巡航状態において、従来のエンジンと異なり、ファン3の回転数が100%となり、ノズル11aの開口面積が大きくなっている。一方で、本実施形態のジェットエンジン1では、図4(c)に示すように、巡航状態において、可変ガイドベーン3f1閉まった姿勢(流入角を小さくする姿勢)とされている。ここで、可変ガイドベーン3f1が閉まるとは、ファン3の回転軸方向から見た可変ガイドベーン3f1の面積が見かけ上広い状態を示している。このような本実施形態のジェットエンジン1によれば、巡航状態において、ファン3の回転数が100%であることから、エンジンの吸込み流量が高く維持され、インテークスピレージ抵抗の増加を防ぎ、燃費が改善されることが分かる。
また、本実施形態のジェットエンジン1では、図4(b)に示すように、推力増強装置10を使用していない巡航状態において、ノズル11aの開口面積を変化させているが、図4(d)に示すように、推力増強装置10を使用時への影響がないことが分かる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、可変排気ノズル11の可動部11bによってノズル11aの開口面積を変化させることによってノズル11aにおける流体抵抗を調整する構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、排気流量が増加した場合に、増加分をノズル11a以外の開口から推力となるように噴出することによって、ノズル11aにおける流体抵抗を調整する機構を設けても良い。ただし、推力増強装置10を備える場合には、一般的にノズルの開口面積を調整する開口面積可変機構を備えることから、この開口面積可変機構を本発明の流体提供調整手段として用いることによって、ノズルの流体抵抗を調整するために新たな構成を追加する必要がなくなる。
また、上記実施形態においては、巡航時にファン3の回転数を最大とする構成について説明した。巡航時にファン3の回転数を最大とすることによって、エンジンの吸込み流量が高く維持され、インテークスピレージ抵抗を最小限に抑えることができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、巡航時にファン3の回転数が最大でない構成を採用することも可能である。
また、上記実施形態においては、ファン3が3つの動翼列を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、2つ以上の動翼列を備えるファンを有するジェットエンジンに適用することが可能である。また、複数の動翼列に対して、各々可変ガイドベーン機構を設置する構成を採用することも可能である。
1 ジェットエンジン
2 ケーシング
2a インテーク
2b コア流路
2c バイパス流路
2d 中間流路
3 ファン
3a インレットガイドベーン機構
3a1 インレットガイドベーン
3b 一段目動翼列
3b1 動翼
3c 一段目静翼列
3c1 静翼
3d 二段目動翼列
3d1 動翼
3e 二段目静翼列
3e1 静翼
3f 可変ガイドベーン機構
3f1 可変ガイドベーン
3g 三段目動翼列
3g1 動翼
3h 三段目静翼列
3h1 静翼
4 低圧圧縮機
5 高圧圧縮機
6 燃焼器
7 高圧タービン
8 低圧タービン
9 シャフト
9a 低圧軸
9b 高圧軸
10 推力増強装置
10a 燃料噴射装置
10b 保炎器
11 可変排気ノズル
11a ノズル
11b 可動部(流体抵抗調整手段、開口面積可変機構)
12 制御部(制御手段)

Claims (4)

  1. 複数段の動翼を有するファンと、該ファンから送り込まれる空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で生成された圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼ガスから回転動力を生成するタービンと、前記燃焼ガスを噴射するノズルとを備えるジェットエンジンであって、
    前記ファンにおける2段目以降の動翼の上流に配置されると共に前記動翼への空気流の流入角を調整する可変ガイドベーンと、
    前記ノズルにおける流体抵抗を調整する流体抵抗調整手段と、
    巡航時において、加速時に対して前記流入角が小さくなるよう前記可変ガイドベーンを制御し、かつ、前記流入角の減少に伴う前記ファンの出口の体積流量増加による流体抵抗増加を抑制するよう前記流体抵抗調整手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするジェットエンジン。
  2. 前記流体抵抗調整手段は、前記ノズルの開口面積を調節する開口面積可変機構であることを特徴とする請求項1記載のジェットエンジン。
  3. 前記可変ガイドベーンの上流に配置された動翼よりも、当該可変ガイドベーン以降の前記動翼が、当該動翼の回転中心寄りに配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のジェットエンジン。
  4. 前記制御手段は、巡航時において、前記ファンの回転数を最大とすることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のジェットエンジン。
JP2014077991A 2014-04-04 2014-04-04 ジェットエンジン Active JP6264161B2 (ja)

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