JP6264045B2 - 音声通信装置および音響補正プログラム - Google Patents

音声通信装置および音響補正プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6264045B2
JP6264045B2 JP2014001387A JP2014001387A JP6264045B2 JP 6264045 B2 JP6264045 B2 JP 6264045B2 JP 2014001387 A JP2014001387 A JP 2014001387A JP 2014001387 A JP2014001387 A JP 2014001387A JP 6264045 B2 JP6264045 B2 JP 6264045B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer function
function
learning
difference
echo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014001387A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015130606A (ja
Inventor
祥吾 中村
祥吾 中村
土永 義照
義照 土永
周作 伊藤
周作 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2014001387A priority Critical patent/JP6264045B2/ja
Publication of JP2015130606A publication Critical patent/JP2015130606A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6264045B2 publication Critical patent/JP6264045B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Telephone Function (AREA)

Description

本開示の技術はたとえば、ステレオ信号を用いる音声通信のエコー抑圧技術に関する。
スマートフォンなどの多機能端末やPCの音声通信ではIP電話システムが実用化されている。この電話システムでは、音声コーデックを利用してステレオ信号を処理する高品質な通信が普及している。このような音声通信では、スピーカのステレオ再生出力がマイクロフォンを通して送話側に回り込むことによる音響エコーを生じ、この音響エコーが通話品質を低下させる。
このようなステレオ通話システムに関し、2つのスピーカの再生音が混合されて収音されるマイクロフォンからの入力信号に対し、エコー抑圧処理を施すことが知られている(たとえば、特許文献1)。
特開2012−44609号公報
ところで、ステレオ信号による音響エコーを抑圧する場合、チャンネル毎にスピーカからマイクロフォンまでの伝達関数を推定し、各伝達関数を用いて推定エコーをチャンネル毎に推定し、この推定エコーを入力信号から減算する処理が行われる。
このエコー抑圧処理では、通信開始から終了までの継続した通信中の各信号について個別に伝達関数を算出し、この算出に基づいて推定エコーを算出している。一方で、このような伝達関数の算出を利用するエコー抑圧処理では伝達関数の推定処理が処理の大半を占める。このため、各音響信号から伝達関数を推定し、各伝達関数を用いて推定エコーを推定することは、処理量が増大するという課題がある。
そこで、本開示の技術の目的は上記課題に鑑み、エコー抑圧のための処理量を削減することにある。
上記目的を達成するため、本開示の一側面によれば、エコー抑圧処理を行う処理部が提供される。この処理部では、第1および第2のチャンネル毎に推定される伝達関数からチャンネル間の伝達関数差が決定される。この伝達関数差を前記第1または前記第2のチャンネルのいずれか一方の推定された伝達関数に適用して前記第1または前記第2のチャンネルのうちの他方のチャンネルの伝達関数が決定される。前記伝達関数差を適用した一方のチャンネルの推定された伝達関数と前記他方のチャンネルの伝達関数を用いてエコー抑圧処理が行われる。
本開示の技術によれば、音声通信に実施されるエコー抑圧の処理量を削減することができる。
第1の実施の形態に係る音響補正装置の一例を示す図である。 エコー抑圧処理機能の一例を示す図である。 エコー抑圧の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る音声通信装置の一例を示す図である。 音声通信装置のハードウェアの一例を示す図である。 エコー抑圧処理機能の一例を示す図である。 学習モードから適用モードへのモード切替えの一例を示す図である。 モード切替え機能の一例を示す図である。 学習機能の一例を示す図である。 伝達関数差計算機能の一例を示す図である。 伝達関数差の計算処理内容の一例を示す図である。 伝達関数差学習機能の一例を示す図である。 適用機能の一例を示す図である。 伝達関数差読込み機能の一例を示す図である。 伝達関数差適用機能の一例を示す図である。 伝達関数差の適用処理内容の一例を示す図である。 伝達関数の決定から推定エコーの決定およびエコー減算の各機能の一例を示す図である。 入力信号のエコー抑圧処理を示す図である。 エコー抑圧処理の処理手順を示すフローチャートである。 処理学習時間判定機能、伝達関数差算出機能および伝達関数差学習機能の実施例を示す図である。 伝達関数差読込み機能および伝達関数適用機能の実施例を示す図である。 実施例に係るエコー抑圧の処理手順を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る音声通信装置の出荷前の処理手順の一例を示すフローチャートである。 音声通信装置の出荷後の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第4の実施の形態に係る音声通信装置の一例を示す図である。 エコー抑圧処理機能の一例を示す図である。 学習機能の一例を示す図である。 環境変化検出機能の一例を示す図である。 環境変化学習判定機能の一例を示す図である。 環境変化学習モードを含むモード切替えの一例を示す図である。 環境変化処理の処理手順を示すフローチャートである。 他の実施の形態に係る音声通信装置の一例を示す図である。 他の実施の形態に係るカラオケ用音声通信装置を示す図である。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る音響補正装置の一例を示している。この音響補正装置2は、本開示の音声通信装置の一例である。この音響補正装置2では、入力信号に含まれるエコーを抑圧により音響補正を行う。
この音響補正装置2には、第1のチャンネル4−1、第2のチャンネル4−2およびエコー抑圧処理部8が含まれる。
チャンネル4−1には第1のスピーカ10−1が接続されている。このスピーカ10−1にはチャンネル4−1から音響信号A1が出力され、音響信号A1の音響変換出力A1outが再生される。この音響信号A1がステレオ信号のたとえば、左チャンネル信号であれば、左チャンネルの音響変換出力が再生される。
チャンネル4−2には第2のスピーカ10−2が接続されている。このスピーカ10−2にはチャンネル4−2から音響信号A2が出力され、音響信号A2の音響変換出力A2outが再生される。この音響信号A2がステレオ信号のたとえば、右チャンネル信号であれば、右チャンネルの音響変換出力が再生される。つまり、この実施の形態では第1および第2のスピーカ10−1、10−2を用いて2つのチャンネルの音響信号が再生される。各再生音響信号は異なってもよいし同一でもよい。
入力系統6にはマイクロフォン12が接続されている。マイクロフォン12は入力音響を電気信号に変換する。このマイクロフォン12からの入力信号Sinが入力系統6に加えられる。
このマイクロフォン12がスピーカ10−1、10−2と共通の音響空間に設置された場合、マイクロフォン12と各スピーカ10−1、10−2には音響伝送路14−1、14−2が形成される。各音響伝送路14−1、14−2は空間だけでなく、スピーカ10−1、10−2およびマイクロフォン12を備える筐体などの音響伝達媒体が含まれる。音響伝送路14−1の持つ伝達関数H1に応じて音響エコーE1がマイクロフォン12に入る。同様に、音響伝送路14−2の持つ伝達関数H2に応じて音響エコーE2がマイクロフォン12に入る。
したがって、マイクロフォン12の入力信号Sinは、音声信号Sに音響エコーE1、E2が加わり、
Sin=S+E1+E2 ・・・(1)
となる。
エコー抑圧処理部8は本開示の処理部の一例であり、入力信号Sinにエコー抑圧処理を施し、出力信号Soutを出力する。
図2は、エコー抑圧処理部8が果たすエコー抑圧処理機能16の一例を示している。このエコー抑圧処理機能16には第1の伝達関数決定機能18−1、第2の伝達関数決定機能18−2、伝達関数差決定機能20、伝達関数差適用機能22、エコー決定機能24およびエコー減算機能26が含まれる。
伝達関数決定機能18−1では、チャンネル4−1側において、音響信号A1および入力信号Sinから推定される伝達関数H1’を決定し、伝達関数差決定機能20に提供する。伝達関数決定機能18−2では、チャンネル4−2側において、音響信号A2からおよび入力信号Sinから推定される伝達関数H2’を決定し、伝達関数差決定機能20に提供する。伝達関数差決定機能20は、伝達関数H1’、H2’からチャンネル4−1、4−2間の伝達関数差ΔH’を決定する。
伝達関数差適用機能22では、一方のチャンネル4−1の伝達関数H1’に伝達関数差ΔH’を適用して推定される伝達関数H2’’を決定する。
エコー決定機能24では、伝達関数H1’を用いて推定エコーE1’を決定し、伝達関数H2’’を用いて推定エコーE2’’を決定する。
そして、エコー減算機能26では、入力信号Sinから推定エコーE1’、E2’’を減算し、出力信号Soutを出力する。この出力信号Soutは、
Sout=Sin−(E1’+E2’’)
≒S ・・・(2)
となる。これにより、入力信号Sinに含まれる音響エコーE1、E2が抑圧された出力信号Soutが得られる。
図3は、エコー抑圧処理の処理手順の一例を示している。この処理手順はたとえば、既述の音響補正装置2に搭載されるコンピュータによって実行される本開示の音響補正プログラムの一例である。
この処理手順では、チャンネル4−1、4−2毎に推定される伝達関数H1’、H2’が決定され(S101)、各伝達関数H1’、H2’を用いてチャンネル4−1、4−2間の伝達関数差ΔH’が決定される(S102)。
この伝達関数差ΔH’を一方のチャンネルたとえば、チャンネル4−1の伝達関数H1’に適用し、他方のチャンネル4−2の伝達関数H2’’が決定される(S103)。
伝達関数H1’により推定される推定エコーE1’が決定され、伝達関数H2’’により推定される推定エコーE2’’が決定される(S104)。
エコー抑圧処理(105)では、入力信号Sinから推定エコーE1’、E2’’が減算され、音響エコーE1、E2が抑圧された出力信号Soutが得られる。
<第1の実施の形態の効果>
(1) 各チャンネル4−1、4−2間の伝達関数差ΔH’を決定し、この伝達関数差ΔH’を一方のチャンネル4−1の伝達関数H1’に適用することで他方のチャンネル4−2の伝達関数H2’’を決定する。この伝達関数H1’により推定された推定エコーE1’、伝達関数H2’’により推定された推定エコーE2’’を用いてエコー抑圧処理を行う。つまり、このような推定エコーE2’’を用いるエコー抑圧処理では、常時、伝達関数H2’から推定エコーE2’を決定する処理を省略できる。
(2) 伝達関数差ΔH’を適用して決定される伝達関数H2’’から推定エコーE2’’を決定し、これをエコー抑圧処理に用いるので、従前のエコー抑圧処理に比較し、処理量を片チャンネル分だけ削減できる。
(3) このようなエコー抑圧処理では、2チャンネルの処理量をモノラルの場合とほぼ同等の処理量まで削減できる。
なお、上記実施の形態の伝達関数H2’’、推定エコーE2’’の決定に代え、伝達関数差ΔH’をチャンネル4−2の伝達関数H2’に適用し、チャンネル4−1の伝達関数H1’’、推定エコーE1’’を決定してもよい。
〔第2の実施の形態〕
図4は、第2の実施の形態に係る音声通信装置の一例としてノート型パーソナルコンピュータ(以下単に「PC」を称する)を示している。
このPC28では本体部30および表示筐体32が備えられる。本体部30はたとえば、机上に静置される。この本体部30にはヒンジ部34を介して開閉可能に表示筐体32が支持されている。この表示筐体32は図4に示すように、本体部30に対してたとえば、90度以上の開角度を以て拡開状態に維持される。
この表示筐体32の中央には表示画面36が設置されている。この表示画面36は一例として表示筐体32の前面中央に配置されている。この表示画面36の下側とヒンジ部34との間には、放音孔38−1、38−2および収音孔40が設置されている。各放音孔38−1、38−2は、表示画面36の下方の左右に配置されている。放音孔38−1には左側のスピーカ10−1が配置され、放音孔38−2には右側のスピーカ10−2が配置されている。各放音孔38−1、38−2の間には間隔Wが設けられている。この間隔W内の中央には収音孔40が配置され、この収音孔40にはマイクロフォン12が配置されている。この収音孔40の配置は一例であり、表示筐体32の下縁左側、下縁右側、上縁中央、上縁左側、上縁右側のいずれであってもよい。
一方のスピーカ10−1から音響信号A1の音響変換出力が得られる。他方のスピーカ10−2から音響信号A2の音響変換出力が得られる。ユーザの入力音声がマイクロフォン12に収音され、音声信号Sが得られる。その際、マイクロフォン12にはスピーカ10−1からの音響エコーE1、スピーカ10−2からの音響エコーE2が収音される。
図5は、PC28のハードウェアの一例を示している。図1と同一部分には同一符号を付してある。このPC28には、プロセッサ44、メモリ46、ネットワーク送受信部48、オーディオ出力部50、オーディオ入力部52が含まれる。
プロセッサ44は、メモリ46に格納されているOS(Operating System)や各種の情報処理を実行する。この情報処理には、本開示の音響補正プログラムの実行などの音声処理が含まれる。音響補正プログラムの実行では、入力信号Sinのエコー抑圧処理が行われる。
メモリ46にはプログラム記憶部54、データ記憶部56、RAM(Random-Access Memory)58が含まれる。このメモリ46にはハードディスク装置や半導体メモリなど、情報の記録媒体が用いられる。プログラム記憶部54には、OSや音響補正プログラムが格納される。データ記憶部56には各種のデータが格納され、データベースが構築される。RAM58はプロセッサ44で実行されるプログラムの展開など、各種の情報処理のワークエリアとしての記憶領域を有する。
ネットワーク送受信部48は基地局装置などのネットワーク装置に対する信号送信、ネットワーク装置からの信号受信を行う。この実施の形態では、ネットワーク送受信部48に無線通信手段の一例としてネットワークハブ60が無線により接続されている。これにより、ネットワーク装置との信号の送受信はネットワークハブ60を介して行われる。
このネットワークハブ60はPC28の外部機器であり、外部のネットワークと無線通信により接続される。この場合、無線通信手段としてネットワークハブ60を外部機器として備えているが、PC28の内部装置として無線通信部を備えることにより、基地局やネットワークとの無線通信を行ってもよい。場合によっては、無線だけでなく、有線により外部のネットワークと接続してもよい。
オーディオ出力部50にはステレオスピーカとしてスピーカ10−1、10−2が接続されている。オーディオ出力部50は、プロセッサ44の情報処理に基づき、無線通信により得られるステレオ信号の音響信号A1、A2の出力処理を行う。この出力処理では、プロセッサ44からのデジタル信号のアナログ変換の後、出力信号を増幅して出力する。音響信号A1がスピーカ10−1に加えられ、スピーカ10−1から音響変換出力として再生される。同様に、音響信号A2がスピーカ10−2に加えられ、スピーカ10−2から音響変換出力として再生される。
オーディオ入力部52にはマイクロフォン12が接続されている。マイクロフォン12は収音入力を電気信号に変換する。オーディオ入力部52には、プロセッサ44の制御によりマイクロフォン12からの入力信号Sinが取り込まれ、デジタル信号に変換される。
<エコー抑圧処理機能16>
図6は、PC28のエコー抑圧処理機能16の一例を示している。この図6に開示されるエコー抑圧処理機能16には、モード切替え機能62、学習機能64および適用機能66が含まれる。モード切替え機能62はたとえば、通信開始から一定時間の経過前に学習機能64に維持し、該一定時間経過により適用機能66に切り替える。学習機能64は、PC28の起動時、出荷時または環境変化時から一定時間に実行してもよい。
学習機能64ではたとえば、通信開始から一定時間Tでチャンネル間の伝達関数差を推定し、その伝達関数差の値を学習する。
適用機能66では、学習機能64で得られた伝達関数差を一方のチャンネルの伝達関数に適用して他方のチャンネルの伝達関数を決定する。この伝達関数を用いて推定エコーを決定し、この推定エコーを用いてエコー抑圧処理を行う。
<モード切替え機能62>
図7は、モード切替え機能62の一例を示している。このモード切替え機能62では、時間監視機能68、初期学習時間判定機能70および判定結果保持機能72が含まれる。
時間監視機能68では、起動開始から既述の一定時間tの経過監視として時間計測を行う。起動開始から一定時間t=Tが経過したとき、時間監視機能68からその計測出力が得られ、この出力が初期学習時間判定機能70に提供される。
初期学習時間判定機能70はたとえば、起動から既述の一定時間t=Tまでの一定時間Tに初期学習判定を行い、その判定結果を出力する。この初期学習時間判定機能70では通話開始からの経過時間t〔sec〕を取得する。通話開始t=0からの一定時間t=Tが初期学習時間に設定される。これにより、初期学習時間判定機能70ではその判定結果を出力する。この判定結果は判定結果保持機能72により保持される。
図8は、モード切替えの一例を示している。学習モードM1では、時刻ts=0の通話開始により、学習機能64が開始される。時刻ts=0から所定時間Tが経過した時点tcでモード切替え機能62により、学習モードM1から適用モードM2に切り替えられる。適用モードM2では既述の適用機能66が実行される。この適用モードM2は、通話終了の時刻teまで継続する。
<学習機能64>
図9は、学習機能64の一例を示している。この学習機能64には高速フーリエ変換機能74−1、74−2、74−3、伝達関数決定機能76−1、76−2、学習処理機能78、乗算機能80−1、80−2、推定エコー加算機能82、エコー減算機能84、逆高速フーリエ変換機能86が含まれる。
高速フーリエ変換機能74−1は、音響信号A1の周波数成分に対する分布を抽出する手段の一例である。この高速フーリエ変換機能74−1は、離散フーリエ変換をプロセッサ44により高速に計算する公知のアルゴリズムである。この高速フーリエ変換機能74−1では、音響信号A1の伝達関数H1を推定する前提処理として、音響信号A1にいずれの周波数成分がどれだけ含まれているかを演算により求め、周波数成分に対する振幅分布を抽出する。この高速フーリエ変換機能74−1により音響信号A1から効率的な周波数成分の抽出処理が行われる。高速フーリエ変換機能74−2においても、音響信号A2に対して同様の処理が行われる。高速フーリエ変換機能74−3では、入力信号Sinに対して同様の処理を行う。
伝達関数決定機能76−1では、高速フーリエ変換機能74−1、74−3の各高速フーリエ変換出力を用いてスピーカ10−1からマイクロフォン12に至る伝送路14−1の伝達関数H1’を決定する。伝達関数決定機能76−2では、高速フーリエ変換機能74−2、74−3の各高速フーリエ変換出力を用いてスピーカ10−1からマイクロフォン12に至る伝送路14−2の伝達関数H2’を決定する。この伝達関数決定機能76−2では伝達関数決定機能76−1と同様の処理により伝達関数の推定処理を行い、推定された伝達関数を決定する。したがって、学習機能64の実行時、伝達関数決定機能76−1および伝達関数決定機能76−2から、伝達関数H1’、H2’が学習処理機能78に提供される。
この学習処理機能78は、既述の学習モードM1で、伝達関数差を計算して学習し、その伝達関数差を蓄積する処理機能である。この学習処理機能78には伝達関数差計算機能88、伝達関数差学習機能90および伝達関数差学習データベース92が含まれる。
伝達関数差計算機能88は、伝達関数決定機能76−1から提供された伝達関数H1’、伝達関数決定機能76−2から提供された伝達関数H2’の差である伝達関数差ΔH’を計算する。
伝達関数差学習機能90は、伝達関数差計算機能88で一定時間Tに計算される伝達関数差ΔH’を学習し、その学習値を伝達関数差学習データベース92に格納する。
伝達関数差学習データベース92は、データ記憶部56に構築されている。この伝達関数差学習データベース92には伝達関数差ΔH’から伝達関数差学習機能90で求められる学習データが格納される。つまり、RAM58からデータ記憶部56へ学習データの読込みが行われる。一定時間Tの経過後、この伝達関数差学習データベース92から伝達関数差の学習データが適用機能66に提供される。
学習モードM1において、乗算機能80−1には、高速フーリエ変換機能74−1のフーリエ変換出力および伝達関数H1’が提供される。乗算機能80−1では、フーリエ変換出力と伝達関数H1’の乗算により推定エコーE1’が求められ、推定エコー加算機能82に提供される。
同様に、乗算機能80−2には、高速フーリエ変換機能74−2のフーリエ変換出力および伝達関数H2’が提供される。乗算機能80−2では、フーリエ変換出力と伝達関数H2’の乗算により推定エコーE2’が求められ、推定エコー加算機能82に提供される。
推定エコー加算機能82では、推定エコーE1’、E2’を加算し、この加算結果をエコー減算機能84に提供する。
エコー減算機能84はエコー抑圧処理機能の一例である。このエコー減算機能84では高速フーリエ変換機能74−3による入力信号Sinのフーリエ変換出力に対し、推定エコーE1’、E2’の減算処理を行う。つまり、入力信号Sinの推定エコーE1’、E2’の減算によるエコー抑圧処理が実行される。この処理結果が逆高速フーリエ変換機能86に提供される。
逆高速フーリエ変換機能86にはエコー減算機能84の出力が提供される。これにより、エコー抑圧処理が施された出力信号Soutが学習機能64から出力される。
図10は、伝達関数差計算機能88の一例を示している。伝達関数差計算機能88には、伝達関数決定機能76−1から伝達関数H1’、伝達関数決定機能76−2から伝達関数H2’が提供される。これら伝達関数H1’、H2’は複素スペクトルである。伝達関数差計算機能88では、伝達関数H1’、H2’から伝達関数差ΔH’が算出される。この伝達関数差ΔH’はたとえば、伝達関数H2’からH1’を減算することにより求められる。この算出式は次の通りである。
ΔH’=H2’−H1’ ・・・(3)
このような計算により求められた伝達関数差ΔH’は、伝達関数差学習機能90に提供される。
図11は、伝達関数差計算機能88の処理内容の一例を示している。図11のAは、横軸に周波数、縦軸に電力をとり、伝達関数H1’の変化を示している。図11のBは、同様に伝達関数H2’の変化を示している。図11のCは、伝達関数H2’から伝達関数H1’を減算して求められた伝達関数差ΔH’を示している。この伝達関数差ΔH’は周波数に対する電力レベルの変化として表される。
図12のAは、伝達関数差学習機能90の一例を示している。伝達関数差計算機能88から提供される伝達関数差ΔH’は瞬時値である。伝達関数差学習機能90ではこの瞬時値と、伝達関数差学習データベース92から既存の学習データである伝達関数差
Figure 0006264045
を読み込み、学習処理を行う。この学習処理では、式(4) に示す通りである。
Figure 0006264045
このように伝達関数差学習機能90では、伝達関数差計算機能88で計算されるフレームごとの瞬時値である伝達関数差ΔH’を更新係数αにより学習する。この学習処理により得られた学習データがメモリ46の伝達関数差学習データベース92に格納される。なお、伝達関数差学習データベース92から既存の学習データがない場合には、初期値の伝達関数差
Figure 0006264045
が学習データに用いられる。
図12のBは、伝達関数差学習データテーブル920の一例を示している。この伝達関数差学習データテーブル920は伝達関数差学習データベース92に構築される。この伝達関数差学習データテーブル920には、伝達関数H1’、H2’、更新係数α、瞬時値である伝達関数差ΔH’およびその学習値が格納される。更新係数αは一定値であり、他の値は学習モードM1で更新される。
<適用機能66>
図13は、適用機能66の一例を示している。この適用機能66は適用モードM2で実行され、学習機能64で得られた伝達関数差の学習データを適用する。この適用機能66において、図9の学習機能64と同一部分には同一符号を付し、その説明を割愛する。
この適用機能66は適用処理機能94を備える。この適用処理機能94には伝達関数差学習データベース92、伝達関数差読込み機能96および伝達関数差適用機能98が含まれている。
図14は、伝達関数差読込み機能96の一例を示している。この伝達関数差読込み機能96では、伝達関数差学習データベース92から伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を読み込み、この伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を伝達関数差適用機能98に提供する。
図15は、伝達関数差適用機能98の一例を示している。この伝達関数差適用機能98には、伝達関数差読込み機能96からの伝達関数差学習値
Figure 0006264045
と、伝達関数決定機能76−1から伝達関数H1’が提供される。この伝達関数差適用機能98では伝達関数H1’に伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を適用し、伝達関数H2’’を演算により決定する。この伝達関数H2’’は、
Figure 0006264045
で表すことができる。
図16は、伝達関数差適用機能98の処理内容を示している。図16のAは、横軸に周波数、縦軸に電力をとり、伝達関数H1’の変化を示している。図16のBは、同様に伝達関数差学習値
Figure 0006264045
の変化を示している。図16のCは、伝達関数H1’に伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を加算して求められた伝達関数H2’’を示している。
図17は、乗算機能80−1、80−2、推定エコー加算機能82およびエコー減算機能84を示している。
乗算機能80−1では、音響信号A1の周波数変換出力および伝達関数H1’の提供を受け、これらを乗算し、推定エコーE1’が算出される。
乗算機能80−2では、音響信号A2の周波数変換出力および伝達関数H2’’の提供を受け、これらを乗算し、推定エコーE2’’が算出される。
推定エコー加算機能82では、各推定エコーE1’、E2’’の提供を受け、両者を加算し、推定エコー〔E1’+E2’’〕が得られる。
そして、エコー減算機能84では、この推定エコー〔E1’+E2’’〕の提供を受け、入力信号Sinから推定エコー〔E1’ +E2’’〕を減算する。
このエコー減算機能84のエコー減算出力をSnとすれば、このエコー減算出力Snは、
Sn=Sin−(E1’ +E2’’) ・・・(6)
となる。つまり、入力信号Sinが推定エコー〔E1’ +E2’’〕で抑圧されたエコー減算出力Snが逆高速フーリエ変換機能86に提供される。
図18は、エコー減算機能84の処理内容の一例を示している。図18のAは入力信号Sinの周波数変換出力である。この入力信号Sinには音響エコーE1、E2が含まれている。図18のBは、推定エコー〔E1’+E2’’〕を示している。入力信号Sinから推定エコー〔E1’ +E2’’〕を減算すると、図18のCに示すように、音響エコーE1、E2が抑圧され、入力信号Sinの音声信号Sに等しい出力信号Soutが得られる。
<エコー抑圧処理>
図19は、エコー抑圧処理の処理手順の一例を示している。この処理手順は、本開示の音響補正プログラムの一例である。
この処理手順ではたとえば、起動開始により学習モードに移行し、学習機能64が実行される。この起動開始により、信号の取得が行われる(S201)。この信号の取得により、音響信号A1、A2および入力信号Sinが取得される。音響信号A1、A2および入力信号Sinには、周波数変換として個別に高速フーリエ変換が行われる(S202)。この高速フーリエ変換により、信号の周波数成分毎のレベルが求められる。
この高速フーリエ変換の後、伝達関数決定機能76−1により伝達関数H1’の決定が行われる(S203)。この伝達関数H1’を用いて推定エコーE1’が決定される(S204)。
そして、学習モードか否かの判定を行い(S205)、学習モードであれば(S205のYES)、伝達関数H2’の決定が行われる(S206)。伝達関数H1’、H2’を用いることにより、チャンネル4−1、4−2間の伝達関数差ΔH’が算出される(S207)。伝達関数差学習機能90では、伝達関数差ΔH’の学習が行われる(S208)。この伝達関数学習値は、伝達関数差学習データベース92に格納される(S209)。
この学習モードでは、伝達関数H2’を用いることにより推定エコーE2’が決定される(S210)。推定エコーE1’、E2’の加算が行われ(S211)、入力信号Sinから推定エコー(E1’+E2’)が減算される(S212)。この減算結果には逆高速フーリエ変換が行われ(S213)、出力信号Soutが出力される。
S205において、適用モードであれば(S205のNO)、伝達関数差学習データベース92から伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を読み込む(S214)。この伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を適用し(S215)、推定された伝達関数H2’’を決定する(S216)。
この伝達関数H2’’の決定の後、この伝達関数H2’’を用いて推定された推定エコーE2’’を決定する(S217)。
S204で決定された推定エコーE1’と、S217で決定された推定エコーE2’’が加算される(S218)。これにより、推定エコー(E1’+E2’’)が得られる。入力信号Sinから推定エコー(E1’+E2’’)が減算され(S219)、その減算結果に逆高速フーリエ変換が行われ(S220)、出力信号Soutが出力される。
<第2の実施の形態の効果>
(1) 第2の実施の形態においても、第1の実施の形態で述べた機能を実現しており、第1の実施の形態と同様にエコー処理の処理量を削減でき、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
(2) 既述したように、この実施の形態では通話開始からの所定時間Tの学習モードM1で伝達関数差ΔH’を学習し、その学習値を適用モードM2で適用している。このため、実際の音響信号A1、A2および入力信号Sinから算出された伝達関数H1’、H2’を用いて伝達関数差ΔH’を求めており、正確な伝達関数差ΔH’が得られる。適用モードM2では、斯かる伝達関数差ΔH’を適用するのでエコー処理の処理量が低減される。
(3) 通話開始など、起動の度に学習モードM1で新たに伝達関数差ΔH’を推定し、学習して決定するので、現状に則した伝達関数差ΔH’により求めた推定エコーによってエコー抑圧を行うことができる。
(4) 学習モードM1では、適用モードM2と異なり、伝達関数差の学習に用いられる伝達関数H1’、H2’を用いて推定エコーE1’、E2’が決定され、この推定エコーE1’、E2’を用いてエコー抑圧が行われる。このため、学習モードM1から適用モードM2まで間断なくエコー処理を行うことができる。
<実施例>
図20は、初期学習時間判定機能70、伝達関数差計算機能88および伝達関数差学習機能90の実施例を示している。
この実施例の初期学習時間判定機能70では図20のAに示すように、初期学習時間Tの間、初期区間フラグInitFlagを1に設定する。この間初期区間フラグInitFlagを数式で表現すれば、
Figure 0006264045
となる。初期区間フラグInitFlagが既述の判定結果保持機能72に提供されて保持される。この一定時間Tはたとえば、T=10〔sec〕である。この一定時間Tの長さは、音響信号A1、A2から伝達関数HL’,HR’を推定し且つその値を決定できる時間であればよい。
伝達関数差計算機能88では図20のBに示すように、ステレオ信号の左音響信号をAL、右音響信号をARとすれば、複素スペクトルの伝達関数HL’(w),HR’(w)を定義できる。伝達関数差計算機能88では伝達関数HL’(w),HR’(w)から左右チャンネル間の伝達関数差ΔH’(w)が算出される。この伝達関数差ΔH’(w)は、
ΔH’(w)=HR’(w)−HL’(w) ・・・(8)
から求められる。
伝達関数差学習機能90では図20のCに示すように、伝達関数差ΔH’(w)を更新係数αで伝達関数差学習値
Figure 0006264045
として学習する。更新係数αは0.0<α<1.0の範囲で任意に設定すればよく、たとえば、α=0.9とする。また、伝達関数差学習値の初期値は0.0とすればよい。これを数式で表現すれば、
Figure 0006264045
となる。この学習値は、伝達関数差学習データベース92に格納されて保存される。
図21は、実施例に係る伝達関数差読込み機能96および伝達関数差適用機能98の一例を示している。
伝達関数差読込み機能96は図21のAに示すように、伝達関数差学習データベース92から伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を読み込み、伝達関数差適用機能98に提供する。
伝達関数差適用機能98では図21のBに示すように、伝達関数HLと伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を適用して計算し、伝達関数HR’が決定される。
この処理を数式で表現すれば、
Figure 0006264045
となる。
図22は、実施例に係るエコー抑圧の処理手順の一例を示している。
この処理手順ではたとえば、起動開始により学習モードに移行し、学習機能64が実行される。この起動開始により、信号の取得が行われる(S301)。この信号の取得により、入力信号Sin(S301)およびステレオ信号の音響信号AL、AR(S302)が取得される。音響信号AL、ARおよび入力信号Sinには、周波数変換として個別に高速フーリエ変換が行われる(S303)。
この高速フーリエ変換の後、伝達関数決定機能76−1により推定された伝達関数HL’の決定が行われる(S304)。この伝達関数HL’を用いて推定される推定エコーEL’が決定される(S305)。
そして、学習モードか否かの判定を行い(S306)、学習モードであれば(S306のYES)、伝達関数HR’の決定が行われる(S307)。伝達関数HL’、HR’を用いることにより、各チャンネル間の伝達関数差ΔH’が算出される(S308)。伝達関数差学習機能90では、伝達関数差ΔH’の学習が行われる(S309)。この伝達関数学習値は、伝達関数差学習データベース92に格納される(S310)。
この学習モードでは、伝達関数HR’を用いることにより推定エコーER’が決定される(S311)。推定エコーEL’、ER’の加算が行われ(S312)、入力信号Sinから推定エコー(EL’+ER’)が減算される(S313)。この減算結果には逆高速フーリエ変換が行われ(S314)、出力信号Soutが出力される。
S306において、適用モードであれば(S306のNO)、伝達関数差学習データベース92から伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を読み込む(S315)。この伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を適用し(S316)、伝達関数HR’’を決定する(S317)。
この伝達関数HR’’の決定の後、この伝達関数HR’’を用いて推定エコーER’’の決定が行われる(S318)。
S305で決定された推定エコーEL’と、S318で決定された推定エコーER’’が加算される(S319)。これにより、推定エコー(EL’+ER’’)が決定される。入力信号Sinから推定エコー(EL’+ER’’)が減算され(S3320)、その減算結果に逆高速フーリエ変換が行われ(S321)、出力信号Soutが出力される。
<実施例の効果>
(1) この実施例においても、第2の実施の形態と同様の処理を行っているので、第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
(2) この実施例では、左右チャンネルのステレオ信号を処理し、エコー抑圧処理を行っているので、ステレオ音響の再生により高品位な通話品質が得られる。
〔第3の実施の形態〕
図23は、第3の実施の形態に係る音声通信装置の一例としてPC28の出荷前の処理手順の一例を示している。この実施の形態においてもPC28は既述のエコー抑圧処理機能16を備えている。この処理手順では、出荷前の処理として第2の実施の形態における学習モードが実行される。
PC28の出荷前には、学習機能64が実行される。起動開始により、入力信号Sinの取得(S401)、音響信号A1、A2の取得(S402)が行われる。入力信号Sinおよび音響信号A1、A2には、周波数変換として個別に高速フーリエ変換が行われる(S403)。
この高速フーリエ変換の後、伝達関数決定機能76−1により伝達関数H1’の決定が行われる(S404)。この伝達関数H1’を用いて推定エコーE1’が決定される(S405)。また、伝達関数決定機能76−2により伝達関数H2’の決定が行われる(S406)。伝達関数H1’、H2’を用いることにより、チャンネル4−1、4−2間の伝達関数差ΔH’が算出される(S407)。伝達関数差学習機能90では、伝達関数差ΔH’の学習が行われる(S408)。この伝達関数差学習値は、伝達関数差学習データベース92に格納される(S409)。
図24は、PC28の出荷後の処理手順の一例を示している。この処理手順では、第2の実施の形態における適用モードが実行される。
この処理手順では、起動開始により、入力信号Sinの取得(S501)、音響信号A1、A2の取得(S502)が行われる。入力信号Sinおよび音響信号A1、A2には、周波数変換として個別に高速フーリエ変換が行われる(S503)。
この高速フーリエ変換の後、伝達関数H1’の決定が行われ(S504)、この伝達関数H1’を用いて推定エコーE1’が決定される(S505)。
そして、伝達関数差学習データベース92から伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を読み込み(S506)、この伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を適用し(S507)、伝達関数H2’’が決定される(S508)。
この伝達関数H2’’の決定の後、この伝達関数H2’’を用いて推定エコーE2’’の決定が行われる(S509)。
S505で決定された推定エコーE1’と、S509で決定された推定エコーE2’’が加算される(S510)。これにより、推定エコー(E1’+E2’’)が決定される。入力信号Sinから推定エコー(E1’+E2’’)が減算され(S511)、その減算結果に逆高速フーリエ変換が行われ(S512)、出力信号Soutが出力される。
<第3の実施の形態の効果>
出荷前の学習処理で得られた伝達関数差を出荷後の適用処理で適用するので、出荷後の学習処理を削減でき、エコー処理の処理量を削減できる。
なお、この実施の形態においても、適用モードM2の処理の後、新たな起動の際に伝達関数差の学習を行ってもよい。
〔第4の実施の形態〕
図25は、第4の実施の形態に係る音声通信装置の一例としてPC28のハードウェアの一例を示している。図25において、図5と同一部分には同一符号を付してある。
この実施の形態のPC28では、周囲の環境変化を検出し、環境変化が生じたと判断した場合には伝達関数差ΔH’を再学習する。斯かるPC28には加速度変化を検出する加速度センサ100が含まれる。この加速度センサ100は加速度変化によりPC28の設置環境の変化を検出する環境変化検出手段の一例である。
この実施の形態のPC28においても、既述のエコー抑圧処理機能16(図6)が実現される。このエコー抑圧機能16には図26に示すように、モード切替え機能62、学習機能64’および適用機能66’が含まれる。学習機能64’では、環境変化を検出したことによる伝達関数差ΔHを学習する。適用機能66’では、学習機能64’で学習した伝達関数差ΔHを推定エコーの決定に適用する。
図27は、加速度センサ100を備えるPC28のプロセッサ44の学習機能64’の一例を示している。図27において、図9と同一部分には同一符号を付し、その説明を割愛する。
この学習処理機能78には、環境変化検出機能102および環境変化学習判定機能104が含まれる。環境変化検出機能102は、既述の学習モードM1と同様に環境変化学習モードを実行し、加速度センサ100により環境変化を表す加速度を検出する。環境変化学習判定機能104は、環境変化検出機能102から提供される環境変化を用いて伝達関数差ΔHを学習し、その学習値を伝達関数差学習データベース92に格納する。
モード切替え機能62および適用機能66’は第2の実施の形態と同様であるので、その説明を割愛する。この場合の適用機能66’では、環境変化に対応する伝達関数差が推定エコーの推定に用いられる。
図28は、環境変化検出機能102の一例を示している。この環境変化検出機能102には、加速度センサ100の検出値aと経過時間tが提供される。
この環境変化検出機能102において、加速度検出値aから加速度の絶対値|a|が計算され、その絶対値が一定の閾値A以上であれば、検出開始からの環境変化検出時間t[sec]=tacc [sec]としてデータ記憶部56に記憶される。
この環境変化検出時間tacc [sec]を数式で表現すると、
Figure 0006264045
となる。閾値Aは、環境変化が予想される一定値たとえば、5〔m/sec2 〕とすればよい。
図29は、環境変化学習判定機能104の一例を示している。
環境変化学習判定機能104では、通話開始から経過時間t[sec]を取得し、環境変化検出時間tacc [sec]から一定時間T[sec]以上経過しているかどうかが判定される。その判定結果として学習フラグaccFlag が設定される。
この学習フラグaccFlag を数式で表現すると、
Figure 0006264045
となる。ただし、T[sec]は環境変化を伝達関数の変化に反映させる際の基準時間としてたとえば、10[sec]とする。
図30は、環境変化学習モードを含むモード切替えの一例を示している。この環境変化学習モードは適用モードM2から切り替えられる。
図30に示すように、適用モードM2が実行されている際に時刻t1で環境変化が検出されると、環境変化学習モードM3に切り替えられる。この環境変化学習モードM3では時刻t1から時刻t2の一定時間Tで実行される。この一定時間Tの経過後、環境変化学習モードM3から適用モードM2に切り替えられる。この適用モードM2では、環境変化学習モードM3で得られた伝達関数差ΔHを適用し、伝達関数H2’’を推定し、この伝達関数H2’’が適用されて推定エコーE2’’が決定される。これに基づき、推定エコーE2’’を用いたエコー抑圧処理が実行される。
図31は、第4の実施の形態に係るエコー抑圧処理の処理手順の一例を示している。この処理手順には、環境変化処理を含む本開示の音響補正プログラムの一例である。
この処理手順ではたとえば、起動開始により学習モードに移行し、学習機能64が実行される。この起動開始により、入力信号Sinが取得され(S601)、音響信号A1、A2が取得される(S602)。音響信号A1、A2および入力信号Sinには、周波数変換として個別に高速フーリエ変換が行われる(S603)。この高速フーリエ変換により、信号の周波数成分毎のレベルが求められる。
この高速フーリエ変換の後、伝達関数推定機能76−1により伝達関数H1’の決定が行われる(S604)。この伝達関数H1’を用いて推定エコーE1’が決定される(S605)。
そして、学習モードか否かの判定を行い(S606)、学習モードであれば(S606のYES)、伝達関数H2’の決定が行われる(S607)。伝達関数H1’、H2’を用いることにより、チャンネル4−1、4−2間の伝達関数差ΔH’が算出される(S608)。伝達関数差学習機能90では、伝達関数差ΔH’の学習が行われる(S609)。この伝達関数学習値は、伝達関数差学習データベース92に格納される(S610)。
この学習モードでは、伝達関数H2’を用いることにより推定エコーE2’が決定される(S611)。推定エコーE1’、E2’の加算が行われ(S612)、入力信号Sinから推定エコー(E1’+E2’)が減算される(S613)。この減算結果には逆高速フーリエ変換が行われ(S614)、出力信号Soutが出力される。
S606において、学習モードでなければ(S606のNO)、環境変化の検出を行う(S615)。この環境変化の検出に基づき、環境変化学習モードかを判定する(S616)。環境変化学習モードであれば(S616のYES)、環境変化の検出に基づき、学習モードと同様の処理であるS607、S608、S609、S610、S611、S612、S613、S614を実行する。
S616において、適用モードであれば(S616のNO)、伝達関数差学習データベース92から伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を読み込む(S617)。この伝達関数差学習値
Figure 0006264045
を適用し(S618)、伝達関数H2’’を決定する(S619)。
この伝達関数H2’’の決定の後、この伝達関数H2’’を用いて推定エコーE2’’の決定が行われる(S620)。
S605で決定された推定エコーE1’と、S620で決定された推定エコーE2’’が加算される(S621)。これにより、推定エコー(E1’+E2’’)が決定される。入力信号Sinから推定エコー(E1’+E2’’)が減算され(S622)、その減算結果に逆高速フーリエ変換を行われ(S623)、出力信号Soutが出力される。
<第4の実施の形態の効果>
(1) 環境変化に則して伝達関数差を再度学習し、推定エコーを決定し、エコー抑圧処理を行うので、環境に対応したエコー抑圧効果を得ることができる。
(2) 環境に応じた通話品質を得ることができる。
(3) 第4の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様の処理を行うので、第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
なお、この実施の形態では通話開始から環境変化検出モードを実行しているが、適用モードM2の実行中に環境変化を監視し、環境変化学習モードM3に移行し、伝達関数差を再度学習してもよい。その際、第2の実施の形態で述べたように、環境変化学習モードM3では実際に得られる音響信号A1、A2および入力信号Sinから推定される伝達関数差を用いて推定エコーを決定し、エコー抑圧処理を実行すればよい。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、伝達関数差ΔH’を用いてH1’から伝達関数H2’’を決定しているが、H2’から伝達関数H1’’を決定し、推定エコーE1’’をエコー抑圧に用いてもよい。この場合、伝達関数H1’は、伝達関数H2’からΔH’を減算すればよい。これを数式で示すと、
H1’=H2’−ΔH’ ・・・(13)
となる。
(2) 上記実施の形態では、第1および第2のチャンネルや、左右チャンネルを備えるステレオ信号の処理を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。本開示の技術は5.1チャンネルなど2チャンネルを超える多数チャンネルの音声通信や音響処理に用いてもよい。
(3) 上記実施の形態では、PC28がエコー抑圧処理機能を備えているが、本開示の技術はこれに限定されない。図32に示すように、PC28の外部装置としてエコー抑圧処理装置106を備える音声通信装置108としてもよい。この場合、エコー抑圧処理装置106には既述のプロセッサ44やメモリ46と同様にプロセッサ144やメモリ146を備えればよい。メモリ146はプログラム記憶部154、データ記憶部156およびRAM158を備える。そして、プロセッサ144は入出力部110によりPC28と連係し、第2の実施の形態に係る既述のエコー抑圧処理機能16を実現すればよい。
斯かる構成とすれば、通信機能を備える既存のPC28にエコー抑圧処理装置106を接続すれば、既述のエコー抑圧処理を実行することができる。
(4) 上記実施の形態では、音声通信装置としてPC28や音声通信装置108を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。図33に示すように、既述のエコー抑圧機能を備えるPC28がカラオケ用音声通信装置112に適用してもよい。
(5) 上記実施の形態では、音声通信装置としてPC28を例示したが、本開示の技術はスマートフォンなどの多機能端末のほか、電話会議システム、放送装置や拡声装置などの通信技術に適用してもよい。
以上説明したように、本開示の技術に関し、好ましい実施の形態等について説明した。本開示の技術は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された技術の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本開示の技術の範囲に含まれることは言うまでもない。
2 音響補正装置
4−1、4−2 チャンネル
6 入力系統
8 エコー抑圧処理部
10−1、10−2 スピーカ
12 マイクロフォン
14−1、14−2 音響伝送路
16 エコー抑圧処理機能
18−1 第1の伝達関数決定機能
18−2 第2の伝達関数決定機能
20 伝達関数差決定機能
22 伝達関数差適用機能
24 エコー決定機能
26 エコー減算機能
28 PC
30 本体部
32 表示筐体
34 ヒンジ部
36 表示画面
38−1、38−2 放音孔
40 収音孔
44 プロセッサ
46 メモリ
48 ネットワーク送受信部
50 オーディオ出力部
52 オーディオ入力部
54 プログラム記憶部
56 データ記憶部
58 RAM
60 ネットワークハブ
62 モード切替え機能
64 学習機能
66 適用機能
68 時間監視機能
70 初期学習時間判定機能
72 判定結果保持機能
74−1、74−2、74−3 高速フーリエ変換機能
76−1、76−2 伝達関数決定機能
78 学習処理機能
80−1、80−2 乗算機能
82 推定エコー加算機能
84 エコー減算機能
86 逆高速フーリエ変換機能
88 伝達関数差計算機能
90 伝達関数差学習機能
92 伝達関数差学習データベース
94 適用処理機能
96 伝達関数差読込み機能
98 伝達関数差適用機能
A1、A2 音響信号
H1、H2 伝達関数
ΔH’ 伝達関数差
S 音響入力
E1、E2 音響エコー
E1’、E2’、E2’’ 推定エコー
Sin 入力音響信号(入力信号)
Sout 出力音響信号(出力信号)
100 加速度センサ
102 環境変化検出機能
104 環境変化学習判定機能
106 エコー抑圧処理装置
108 音声通信装置
110 入出力部
112 カラオケ用音声通信装置
144 プロセッサ
146 メモリ
154 プログラム記憶部
156 データ記憶部
158 RAM

Claims (4)

  1. 第1および第2のチャンネル毎に推定した伝達関数からチャンネル間の伝達関数差を決定し、この伝達関数差を前記第1または前記第2のチャンネルのいずれか一方の推定された伝達関数に適用して前記第1または前記第2のチャンネルのうちの他方のチャンネルの伝達関数を決定し、前記伝達関数差を適用した一方のチャンネルの推定された伝達関数と前記他方のチャンネルの伝達関数を用いてエコー抑圧処理を行う処理部を備えることを特徴とする音声通信装置。
  2. 前記処理部は、通信開始から所定時間または通信中の所定時間に前記伝達関数差を決定する学習処理と、前記所定時間の経過後、前記学習処理で決定した前記伝達関数差を前記第1または前記第2のチャンネルのいずれか一方に適用して伝達関数を決定する処理を含む適用処理とを行うことを特徴とする請求項1に記載の音声通信装置。
  3. 前記処理部は、前記音声通信装置の起動時、出荷時または環境変化時に前記学習処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の音声通信装置。
  4. コンピュータに実行させるための音響補正プログラムであって、
    第1および第2のチャンネル毎に計算される伝達関数からチャンネル間の伝達関数差を決定し、
    前記伝達関数差を前記第1または前記第2のチャンネルのいずれか一方の推定された伝達関数に適用して前記第1または前記第2のチャンネルのうちの他方のチャンネルの伝達関数を決定し、前記伝達関数差を適用した一方のチャンネルの推定された伝達関数と前記他方のチャンネルの伝達関数を用いてエコーを抑圧する
    処理を前記コンピュータに実行させるための音響補正プログラム。
JP2014001387A 2014-01-08 2014-01-08 音声通信装置および音響補正プログラム Active JP6264045B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001387A JP6264045B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 音声通信装置および音響補正プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001387A JP6264045B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 音声通信装置および音響補正プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015130606A JP2015130606A (ja) 2015-07-16
JP6264045B2 true JP6264045B2 (ja) 2018-01-24

Family

ID=53761046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014001387A Active JP6264045B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 音声通信装置および音響補正プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6264045B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7000752B2 (ja) 2017-09-08 2022-01-19 ヤマハ株式会社 カラオケ装置及びカラオケシステム
CN108206023A (zh) * 2018-04-10 2018-06-26 南京地平线机器人技术有限公司 声音处理设备和声音处理方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3625325B2 (ja) * 1995-10-31 2005-03-02 株式会社東芝 拡声通話装置およびエコーキャンセラ
FR2793629B1 (fr) * 1999-05-12 2001-08-03 Matra Nortel Communications Procede et dispositif d'annulation d'echo stereophonique a filtrage dans le domaine frequentiel
JP5034920B2 (ja) * 2007-12-13 2012-09-26 ヤマハ株式会社 エコーキャンセル装置、カラオケ装置、エコーキャンセル方法およびプログラム
JP5662232B2 (ja) * 2011-04-14 2015-01-28 日本電信電話株式会社 エコー消去装置、その方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015130606A (ja) 2015-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106664473B (zh) 信息处理装置、信息处理方法和程序
EP2567554B1 (en) Determination and use of corrective filters for portable media playback devices
EP2761617B1 (en) Processing audio signals
US10075142B2 (en) Facilitation of headphone audio enhancement
JP5699844B2 (ja) 残響抑制装置および残響抑制方法並びに残響抑制プログラム
KR102045600B1 (ko) 이어폰 능동 노이즈 제어
CN112770214B (zh) 耳机的控制方法、装置及耳机
JP2014045507A (ja) 複数のマイクからの信号間で知的に選択することによって音質を改善すること
WO2016034454A1 (en) Method and apparatus for enhancing sound sources
CN105491495B (zh) 基于确定性序列的反馈估计
US11238880B2 (en) Method for acquiring noise-refined voice signal, and electronic device for performing same
KR20130130547A (ko) 잡음을 제거하는 장치 및 이를 수행하는 방법
JP2013153254A (ja) 残響抑制装置、残響抑制方法及び残響抑制用コンピュータプログラム
US10535363B2 (en) Audio processing apparatus and control method thereof
JP6264045B2 (ja) 音声通信装置および音響補正プログラム
US11398242B2 (en) Electronic device for determining noise control parameter on basis of network connection information and operating method thereof
JP2013250548A (ja) 処理装置、処理方法、プログラム及び処理システム
CN109375893A (zh) 音频播放方法及装置
WO2020035158A1 (en) Method of operating a hearing aid system and a hearing aid system
JP6638248B2 (ja) 音声判定装置、方法及びプログラム、並びに、音声信号処理装置
CN111147655B (zh) 模型生成方法和装置
JP6361360B2 (ja) 残響判定装置及びプログラム
KR20190107902A (ko) 주변 환경에 기초하여 안내 음성의 음량을 제어하는 시스템, 방법 및 컴퓨터 프로그램
KR20140013606A (ko) 음성 처리장치 및 방법
CN111615036B (zh) 一种数据处理方法、装置及电子设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6264045

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533