JP6262668B2 - 帯域幅拡張パラメータ生成装置、符号化装置、復号装置、帯域幅拡張パラメータ生成方法、符号化方法、および、復号方法 - Google Patents

帯域幅拡張パラメータ生成装置、符号化装置、復号装置、帯域幅拡張パラメータ生成方法、符号化方法、および、復号方法 Download PDF

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    • G10L21/038Speech enhancement, e.g. noise reduction or echo cancellation using band spreading techniques

Description

本発明は、音信号の符号化装置および復号装置等に関し、特に、音信号の符号化および復号における帯域幅拡張技術に関する。
一般的に、音信号(スピーチ信号およびオーディオ信号)の符号化には、コア符号化ツールとパラメトリック符号化ツールの2種類のツールが用いられる。
パラメトリック符号化ツールの1つである帯域幅拡張ツール(BWEツール)として、MPEG USAC(非特許文献2)などの技術では、コピーアップ方法と、ハーモニック方法とが知られている。
Carot, Alexander, et al "Networked Music Performance: State of the Art", AES 30th International Conference, 2007 March 15−17 Neuendorf, et al, "MPEG Unified Speech and Audio Coding - The ISO/MPEG Standard for High−Efficiency Audio Coding of all Content Types", AES 132nd Convention, 2012 April 26−29. Sinha, et al, "A Novel Integrated Audio Bandwidth Extension Toolkit (ABET)", AES 120th Convention, 2006, May 20−23. Shuixian Chen, et al, "Estimating Spatial Cues for Audio Coding in MDCT Domain", IEEE International Conference on Multimedia and Expo, 2009, June 28−July 3 Daudet, Sandler, "MDCT Analysis of Sinusoids: Exact Results and Applications to Coding Artifacts Reduction", IEEE Transactions on Speech and Audio Processing, Vol. 12, No. 3, May 2004.
コピーアップ方法は、低周波数部分のスペクトルをコピーして高周波数部分のスペクトルを生成するシンプルな方法である。コピーアップ方法においては、2つのスペクトル間のハーモニック関係を正確に保てない点が課題である。つまり、音質が課題である。
一方、ハーモニック方法は、低周波数部分のスペクトルをハーモニックに伸長し、切り出すことで、高周波数部分のスペクトルを生成する方法である。ハーモニック方法においては、処理が複雑であるため、遅延時間が大きい点や大きなメモリを必要とする点が課題となる。
そこで、本発明は、新たな帯域幅拡張方法を用いた帯域幅拡張パラメータ生成装置等を提供する。
本発明の一態様に係る帯域幅拡張パラメータ生成装置は、入力音信号の高域部分を示す高域信号を抽出する抽出部と、前記高域信号のうちのトーン成分のエネルギーの大きさを示すトーンパラメータと、前記高域信号のうちの前記トーン成分が除かれた成分であるフロア成分のエネルギーの大きさを示すフロアパラメータとを算出する算出部とを備える。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明の帯域幅拡張パラメータ生成装置等によれば、遅延時間および使用メモリを抑制し、かつ高音質な帯域幅拡張が可能となる。
図1は、コピーアップ方法(図1の(a))と、ハーモニック方法(図1の(b))とを説明するための模式図である。 図2は、USACのデコーダにおける2つのBWEモードを示すブロック図である。 図3は、実施の形態1に係る符号化装置の機能構成を示すブロック図である。 図4は、実施の形態1に係る符号化装置の動作のフローチャートである。 図5は、タイムスロットとパラメータスロットとの関係、および、サブバンドとパラメータ帯域との関係を示す図である。 図6は、実施の形態2に係る復号装置の機能構成を示すブロック図である。 図7は、実施の形態2に係る復号装置の動作のフローチャートである。 図8は、実施の形態3に係る符号化装置の機能構成を示すブロック図である。 図9は、実施の形態3に係る符号化装置の動作のフローチャートである。 図10は、フレーマーのフレーミング動作および窓処理動作を示す図である。 図11は、MDCT領域、MDST領域、および、複素領域のそれぞれにおける純粋なトーンのエネルギーを示す図である。 図12は、実施の形態4に係る復号装置の機能構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態4に係る復号装置の動作のフローチャートである。
(本発明の基礎となった知見)
一般的に、音信号(スピーチ信号およびオーディオ信号)の符号化には、パラメトリック符号化ツールとコア符号化ツールとの少なくとも2種類のツールが用いられる。まず、パラメトリック符号化ツールについて説明する。
パラメトリック符号化ツールは、入力音信号(以下、入力信号、原信号または符号化対象の信号と記載する場合がある)の知覚的特徴を維持して再構成することを目的とする符号化を行う。この符号化によって、入力信号の知覚的特徴は、低ビットレートで符号化された少数のパラメータにより示される。
パラメトリック符号化ツールにより符号化された信号を復号した信号である再構成信号は、知覚的には入力信号の品質を維持しているが、再構成信号の波形と入力信号の波形とは類似しない。パラメトリック符号化ツールとしては、帯域幅拡張ツールとマルチチャンネル拡張ツールが挙げられる。
帯域幅拡張ツールは、信号の高周波数部分の低周波数部分とのハーモニック関係を利用することにより、信号の高周波数部分をパラメトリックに符号化する。帯域幅拡張ツールの符号化により生成されたパラメータ(帯域幅拡張パラメータ)の例としては、サブバンドエネルギーとトーン・ノイズ比とが挙げられる。
帯域幅拡張パラメータは、スペクトル的に拡張された高周波数部分の信号の振幅の形成に用いられる。高周波数部分の信号は、デコーダにおいてパッチングまたは伸長により低周波数部分が拡張されることで形成される。なお、デコーダでは、フロア・ノイズおよび音質等が適宜補われる。結果として得られる出力信号の波形は、入力信号の波形とは類似しないが、出力信号は、知覚的には入力信号に似ている。
HE−AACは、このような帯域幅拡張ツールおよびスペクトル帯域複製(SBR)を含むコーデックである。SBRでは、直交ミラーフィルタバンク(QMF)を用いて生成された時間・周波数ハイブリッド領域でパラメータ算出が行われる。ITU−T G.718も帯域幅拡張ツールを有するコーデックであるが、ITU−T G.718では、パラメータ算出は、修正離散コサイン変換(MDCT)領域で行われる。
マルチチャンネル拡張ツールは、マルチチャンネル信号を符号化用のチャンネルサブセットにダウンミックスする。この結果、個々のチャンネル間の関係がパラメトリックに符号化される。マルチチャンネル拡張ツールの符号化により生成されたパラメータの例としては、チャンネル間レベル差、チャンネル間時間差、および、チャンネル間相関が挙げられる。デコーダでは、復号済みのダウンミックスチャンネルと、人工生成した「非相関」信号とをミキシングすることにより、個々のチャンネルを合成する。ミキシングの重みは、前述のパラメータに基づいて算出される。MPEGサラウンド(MPS)は、マルチチャンネル拡張ツールの適例である。
次に、コア符号化ツールについて説明する。コア符号化ツールは、パラメトリック符号化ツールとは対照的に、入力信号の波形の特徴を維持して再構成することを目的とする符号化を行う。コア符号化ツールは、通常、人間の耳が最も敏感に反応するスペクトラムの低周波数部分に適用される。コア符号化ツールは、大きくは、オーディオコーデックとスピーチコーデックの2つに分類される。
オーディオコーデックは、局所化されたスペクトル成分を含む定常信号(例えば、トーン信号や高調波信号)を符号化するのに適している。オーディオコーデックでは、符号化は主に周波数領域で行われる。
オーディオコーデックのエンコーダは、時間・周波数変換およびMDCTを用いて信号を周波数(スペクトル)領域に変換する。MDCTに際しては、部分的に重なり合うフレームが窓処理される。
フレームの部分的な重なりは、デコーダにおいて隣接するフレーム間の平滑化メカニズムを実施するために設けられている。窓処理には、平滑化のため高分解スペクトルを生成するとともにフレームの境界をぼかすという2つの目的がある。
フレームの部分的重なりにより生じる重要でないサンプリング効果を補うため、MDCTに際し、時間領域サンプルは、より少数の符号化用のスペクトル係数に変換される。この変換によりエイリアシング成分が生じ、エイリアシング成分はデコーダにおいて重ね合わされることで相殺される。
オーディオコーデックでは、音響心理学的モデルを容易に適用することができる点が利点である。具体的には、オーディオコーデックでは、より多くのビットをマスクする音(マスカー)に、より少ないビットをマスクされる音(マスキー)に割り当てることができる。マスキーは、他の音によってマスクされ、人間の耳では感知できない音である。
このように、音響心理学的モデルを適用することにより、オーディオコーデックでは、符号化効率と音質とを大幅に向上することができる。MPEGアドバンスドオーディオ符号化(AAC)は、純粋なオーディオコーデックの適例である。
スピーチコーデックは、声道のピッチ特性を利用するモデルに基づくコーデックであるため、人間の音声(スピーチ信号)の符号化に適している。
スピーチコーデックのエンコーダにおいては、スピーチ信号のスペクトル包絡線を取得するために線形予測(LP)フィルタが用いられ、スピーチ信号は、LPフィルタ係数に符号化される。次に、LPフィルタにより、スピーチ信号は逆フィルタリングされて(スペクトル的に分離されて)、スペクトル的にフラットな励起信号が生成される。生成された励起信号は、通常、「コードワード」で励起信号を示すベクトル量子化(VQ)スキームで離散的に符号化される。
スピーチコーデックでは、線形予測の他に、長期間の音声を取得するため長期予測(LTP)も組み入れることができる。また、スピーチコーデックでは、線形予測の前に音声信号に白色化フィルタを適用することにより、音響心理学的な側面を考慮することができる。
スピーチコーデックでは、励起信号の離散的な符号化により、低ビットレートで良い音質が得られる。しかしながら、スピーチコーデックでは、音楽のようなコンテンツの複素スペクトルの取得はできないため、このようなコンテンツの符号化には適していない。ITU−Tの適応マルチレート広帯域(AMR−WB)は、純粋なスピーチコーデックの適例である。
3つめのコーデックとして、変換符号化励振(TCX)と呼ばれるコーデックが知られている。TCXは、LP符号化と変換符号化とを組み合わせたようなコーデックである。
TCXでは、まず、信号の線形予測フィルタから導出した知覚フィルタで知覚的に信号が重み付けされる。次に、重み付けされた信号は、スペクトル領域(スペクトル係数)に変換され、VQスキームでスペクトル係数が符号化される。
TCXは、ITU−Tの適応マルチレート広帯域+(AMR−WB+)コーデックで見られる。なお、AMR−WB+で用いられる周波数変換は、離散フーリエ変換(DFT)である。
ところで、近年、高精細化(HD)技術の発展にともない、通信装置は、通信用途のみならず、マルチメディアやエンターテイメントなど多目的に使用されている。また、これに応じて、スピーチおよびオーディオの両方に対応できる統合コーデックに対する需要が高まっている。
例えば、MPEGでは、統合音声音響符号化(USAC)が標準化されている(非特許文献2)。USACは、上記の全てのツール(AAC、LP、TCX、SBR、および、MPS)のうち最適なツールを組み合わせることが可能な、低ビットレートのコーデックである。また、USACは、スピーチおよびオーディオの符号化に広範囲のビットレートで対応することができる。
USACのエンコーダは、MPSツールを作動させてステレオ信号をモノラル信号にダウンミックスする。また、USACのエンコーダは、SBRツールを作動させて全帯域のモノラル信号を狭帯域のモノラル信号に圧縮する。そして、USACのエンコーダは、狭帯域のモノラル信号を符号化するため、信号選別器を用いて入力信号の特徴を分析し、どのコアコーデック(AAC、LP、TCX)を作動させるべきかを決定する。
ここで、最近では、ソーシャル・ネットワーク文化の台頭により、テレビ会議や音響映像を用いた双方向のエンターテイメントなどの社会活動に参加する、インターネットに精通した人々が増加している。今後、普及が予想される活動の1つとしては、例えば、異なる場所にいるユーザがインターネットを介して集まり、楽器を演奏したり合唱したりアカペラで歌ったりするネットワーク上の音楽演奏が挙げられる。
このようなネットワーク上の音楽演奏等を想定した場合、人間の耳が知覚する「音ずれ」を防ぐため、信号処理およびネットワークによる遅延との合計が30ミリ秒未満でなければならない(非特許文献2参照)。
例えば、エコー除去およびネットワークによる遅延が20ミリ秒の遅延となる場合、符号化および復号において許容される遅延は、約10ミリ秒である。したがって、符号化および復号において用いられるBWEツールも、低遅延であることが望ましい。
USACでは、BWEツールとして、コピーアップ方法と、ハーモニック方法とが知られている。2つの方法の相違点は、高周波スペクトルが低周波スペクトルから導出される方法にある。なお、ハーモニック方法は、USACで新たに提示された方法であり、強いハーモニック構造で信号の符号化を改善する。
図1は、コピーアップ方法と、ハーモニック方法とを説明するための模式図である。図1の(a)に示されるように、コピーアップ方法では、低周波数部分のスペクトルが直接高周波数部分のスペクトルとしてコピーされる。コピーアップ方法の動作の複雑度は非常に低いが、コピーアップ方法の動作は2つのスペクトル間のハーモニック関係を正確に保てない。
一方、図1の(b)に示されるように、ハーモニック方法では、低周波数部分のスペクトルをハーモニックに伸長し、切り出すことで、高周波数部分のスペクトルを生成する。この動作原理はフェーズボコーダの動作原理と似ており、時間的伸長および再サンプリングのサブプロセスを複数含む。したがって、ハーモニック方法の動作の複雑度は高くなる。
USACにおいて、この2つの方法は2つのBWEモードとして存在する。以下、USACのデコーダの基本的な構成について説明する。図2は、USACのデコーダにおける2つのBWEモードを示すブロック図である。
まず、コアデコーダから得られる狭帯域信号にQMF分析200が行われ、32帯域のサブバンド信号が生成される。理論上は、32帯域のサブバンド信号には、高周波(HF)調整206前にBWEモードフラグに応じて、コピーアップモード207またはハーモニックモード208の処理が行われればよい。
しかしながら、フィルタリング動作のフレーム間の連続性を維持するため(つまり、フィルタメモリバッファを連続的に維持するため)、両方のモードが常に作動していなければならない。これにより、大きなメモリ(ROMおよびRAM)が必要となる。
また、ハーモニックモード208では、複雑度が高く大きなメモリを必要とすることに加えて、32帯域のサブバンド信号を64帯域のサブバンド信号に変換するために、臨界サンプリング202がさらに必要となる。
具体的には、32帯域のサブバンド信号を時間領域に変換するQMF合成203を行い、続いて、QMF合成203後の時間領域の信号にQMF分析204を行うことにより64帯域のサブバンド信号が生成される。生成された64帯域のサブバンド信号は、時間的伸長および再サンプリング205され、高周波数部分が生成される。
ハーモニックモード208では、このように、臨界サンプリング202におけるQMFフィルタバンク処理によって、復号処理にさらに遅延が生じる。
一方、コピーアップモード207においてコピーアップ201が行われる場合、トーン成分が広範囲に広がる(トーン性が弱い)信号に対しては、ハーモニック方法と同様の効果が得られる。なぜなら、このような場合人間の耳は、高周波数部分のトーン成分を区別することができないからである。
しかしながら、上述のように、コピーアップモード207では、低周波数部分のスペクトルと、コピーされた高周波数部分のスペクトルとの間の調和関係を保つことができない。このため、強いハーモニック構造の(トーン性が強い)信号に適用された場合、コピーアップ201はうまくいかない。なお、トーン性が強い信号では、トーン成分は、通常、高エネルギーのトーン成分と、その高調波とが支配的となる。
そこで、発明者らは、このような知見に基づき、コピーアップ方法およびハーモニック方法における複雑さ、遅延、および、メモリ等の問題を解決するために、新たな帯域幅拡張技術を発明した。
具体的には、本発明の一態様に係る帯域幅拡張パラメータ生成装置は、入力音信号の高域部分を示す高域信号を抽出する抽出部と、前記高域信号のうちのトーン成分のエネルギーの大きさを示すトーンパラメータと、前記高域信号のうちの前記トーン成分が除かれた成分であるフロア成分のエネルギーの大きさを示すフロアパラメータとを算出する算出部とを備える。
本発明の一態様に係る符号化装置は、上記帯域幅拡張パラメータ生成装置と、前記高域部分が除かれた前記入力音信号を示す信号をコアパラメータに符号化する符号化部と、前記トーンパラメータ、前記フロアパラメータ、および、前記コアパラメータを含むビットストリームを生成して出力するビットストリーム・マルチプレクサとを備える。
また、さらに、前記高域部分が除かれた前記入力音信号である狭帯域信号を生成するフィルタ部と、前記入力音信号をサブバンド信号に変換するQMF(Quadrature Mirror Filter)分析部とを備え、前記符号化部は、前記狭帯域信号を前記コアパラメータに符号化し、前記抽出部は、前記サブバンド信号の高域部分であるHFサブバンド信号を前記高域信号として抽出してもよい。
また、さらに、前記入力音信号をMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)処理したMDCT信号を生成するMDCT部と、前記入力音信号をMDST(Modified Discrete Sine Transform)処理したMDST信号を生成するMDST部とを備え、前記符号化部は、前記入力音信号の前記高域部分に対応する部分が除かれた前記MDCT信号をコアパラメータに符号化し、前記抽出部は、前記MDCT信号および前記MDST信号から複素信号を生成し、生成した前記複素信号の高域部分を前記高域信号として抽出してもよい。
本発明の一態様に係る復号装置は、ビットストリームを復号する復号装置であって、前記ビットストリームには、符号化された入力音信号の低域部分であるコアパラメータと、前記入力音信号の高域部分を示す高域信号のうちのトーン成分のエネルギーの大きさを示すトーンパラメータと、前記高域信号のうちの前記トーン成分が除かれた成分であるフロア成分のエネルギーの大きさを示すフロアパラメータとが含まれ、前記復号装置は、前記コアパラメータを復号することによって復号済み狭帯域信号を生成する復号部と、前記復号済み狭帯域信号のトーン成分を示す信号である低域トーン信号と、前記復号済み狭帯域信号のフロア成分を示す信号である低域フロア信号とを生成する分割部と、前記低域トーン信号を用いて前記高域信号のトーン成分に対応する信号である高域トーン信号を生成するトーン拡張部と、前記低域フロア信号を用いて前記高域信号のフロア成分に対応する信号である高域フロア信号を生成するフロア拡張部と、前記トーンパラメータを用いて前記高域トーン信号を調整した調整済みトーン信号を生成するトーン調整部と、前記フロアパラメータを用いて前記高域フロア信号を調整した調整済みフロア信号を生成するフロア調整部と、前記コアパラメータから得られる信号、前記調整済みトーン信号、および、前記調整済みフロア信号を加算した帯域幅拡張信号を生成する加算部とを備える。
また、前記トーン拡張部は、前記低域トーン信号に含まれるトーン成分の高調波成分を示す信号を前記高域トーン信号として生成してもよい。
また、さらに、前記復号済み狭帯域信号をサブバンド信号に変換するQMF分析部を備え、前記分割部は、前記サブバンド信号を分割することによって、前記低域トーン信号と、前記低域フロア信号とを生成し、前記加算部は、前記コアパラメータから得られる信号である前記サブバンド信号、前記調整済みトーン信号、および、前記調整済みフロア信号を加算した前記帯域幅拡張信号を生成してもよい。
また、前記トーン拡張部は、前記低域トーン信号におけるサブバンドの中から、トーン成分のエネルギーが(1)隣接するサブバンドのトーン成分のエネルギーの所定倍よりも大きく、かつ、(2)当該サブバンドのフロア成分のエネルギーの所定倍よりも大きいサブバンドを選択し、選択したサブバンドの整数倍のサブバンドに、当該選択したサブバンドの前記低域トーン信号を複製することによって前記高域トーン信号を生成してもよい。
また、さらに、前記ビットストリームから、前記トーンパラメータ、前記フロアパラメータ、および、前記コアパラメータを生成するビットストリーム・デマルチプレクサと、前記帯域幅拡張信号を時間領域に変換するQMF合成部とを備えてもよい。
また、前記復号部は、(1)前記コアパラメータを復号してMDCT信号を生成し、(2)前記MDCT信号をMDST領域に変換したMDST信号を生成し、(3)生成した前記MDCT信号および前記MDST信号から得られる複素信号を前記復号済み狭帯域信号として生成し、前記加算部は、前記コアパラメータから得られる信号である前記MDCT信号、前記調整済みトーン信号、および、前記調整済みフロア信号を加算した前記帯域幅拡張信号を生成してもよい。
また、前記トーン拡張部は、前記低域トーン信号における周波数ビンの中から、トーン成分のエネルギーが隣接する周波数ビンのトーン成分のエネルギーの所定倍よりも大きい周波数ビンを選択し、選択した周波数ビンの整数倍の周波数ビンに、当該選択した周波数ビンの前記低域トーン信号を複製することによって前記高域トーン信号を生成してもよい。
また、さらに、前記ビットストリームから、前記トーンパラメータ、前記フロアパラメータ、および、前記コアパラメータを生成するビットストリーム・デマルチプレクサと、前記帯域幅拡張信号を時間領域に変換するIMDCT(Inverse Modified Discrete Cosine Transform)部とを備えてもよい。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明の帯域幅拡張技術を用いた符号化装置について説明する。図3は、実施の形態1に係る符号化装置の機能構成を示すブロック図である。図4は、実施の形態1に係る符号化装置の動作のフローチャートである。
図3に示されるように、実施の形態1に係る符号化装置100aは、フィルタ部300と、符号化部301と、QMF分析部302と、抽出部303と、算出部304と、ビットストリーム・マルチプレクサ305とを備える。
なお、抽出部303と、算出部304とを帯域幅拡張パラメータ生成装置306とも記載する。つまり、帯域幅拡張パラメータ生成装置306は、抽出部303と、算出部304とを備える。
フィルタ部300(ローパスフィルタ)は、入力信号x(n)から、入力信号x(n)の高域部分(高周波数部分)を除いた狭帯域信号xNB(n)を生成する(S101)。ここで、nはサンプル指標である。狭帯域信号xNB(n)は、言い換えれば、入力信号x(n)の低域部分(低周波数部分)であり、符号化部301で符号化される。一方、入力信号x(n)の高域部分は、算出部304により符号化される。
符号化部301は、狭帯域信号xNB(n)(高域部分が除かれた入力信号x(n)を示す信号)をコアパラメータに符号化する(S102)。AAC、LP、および、TCXなど先行技術のコアエンコーダは全て符号化部301において用いられる。例えば、符号化部301がスピーチおよびオーディオハイブリッド符号化に対応している場合には、符号化部301においては、上記のコアエンコーダのうち2つ以上が用いられる。
符号化部301は、1つのコアコーダから別のコアコーダへの切り替えにおいて、滑らかでアーチファクトのないフレーム移行を行うための追加パラメータを生成するコーデック切り替えハンドラをさらに備えてもよい。
QMF分析部302(QMF分析フィルタバンク)は、入力信号x(n)を2M帯域表示のサブバンド信号X(ts、sb)に変換する(S103)。
抽出部303は、入力信号x(n)の高域部分を示す高域信号を抽出する。具体的には、サブバンド信号X(ts、sb)の高域部分であるXHF(ts,sb)を高域信号として抽出する(S104)。高域信号XHF(ts,sb)の開始周波数は、フィルタ部300を構成するローパスフィルタ帯域幅と一致することになる。以後、この開始周波数(所定の周波数)を交差周波数fxoverと記載する。なお、USACにおいては、M=32である。
算出部304は、高域信号XHF(ts,sb)を用いてトーンパラメータとフロアパラメータとを算出する(S105)。トーンパラメータは、高域信号XHF(ts,sb)のうちのトーン成分のエネルギーの大きさを示すパラメータである。フロアパラメータは、高域信号XHF(ts,sb)のうちのトーン成分が除かれた成分であるフロア成分のエネルギーの大きさを示すパラメータである。
トーン成分とは、音信号のうち周波数軸上のピーク成分を意味し、音源の定常的かつ周期的な振動に起因する成分に相当する。言い換えれば、トーン成分は、音信号のうち特定の周波数に偏在する成分であり、符号化対象の音を発する音源の固有の性質を主に示す成分である。「トーン性が強い(高い)」とは、基本的には、トーン成分のエネルギーが大きいことを意味する。
一方、フロア成分とは、音信号のうち、摩擦や乱流など定常的だが非周期的な現象に起因するいわゆる定常ノイズ成分や、打撃や音源状態の急激な変化など非定常的な現象に起因するいわゆる過渡ノイズ成分に相当する。言い換えれば、フロア成分は、音信号のうち周波数に関係なく存在する成分である。
算出部304のトーンパラメータおよびフロアパラメータの算出方法の詳細については後述する。
ビットストリーム・マルチプレクサ305は、トーンパラメータ、フロアパラメータ、および、コアパラメータを組み合わせて、これらのパラメータを含むビットストリームを生成し、復号装置に出力する(S106)。
次に、算出部304の帯域幅拡張パラメータ(トーンパラメータおよびフロアパラメータ)の算出方法の詳細について説明する。
高域信号XHF(ts,sb)は、所定のパラメータスロット(ps)と、パラメータ帯域(pb)とによって定められるパラメータユニット(ps、pb)に区分される。算出部304は、パラメータユニット(ps、pb)ごとに、1つのトーンパラメータと1つのフロアパラメータとを算出し量子化する。
図5は、タイムスロットとパラメータスロットとの関係、および、サブバンドとパラメータ帯域との関係を示す図である。パラメータ帯域およびパラメータスロットの境界や分解能などの関係を規定する情報は、予め定められていてもよいし、このような情報は、動的に算出されてビットストリームの一部を形成してもよい。
実施の形態1では、トーンパラメータは、トーン成分のエネルギー(以下、トーンエネルギーとも記載する)であり、フロアパラメータは、フロア成分のエネルギー(以下、フロアエネルギーとも記載する)である。なお、トーンパラメータは、トーン成分のエネルギーの大きさを示すものであればどのようなパラメータであってもよい。フロアパラメータは、フロア成分のエネルギーの大きさを示すものであればどのようなものであってもよい。
算出部304は、線形予測方法を用いて、以下のようにトーンパラメータおよびフロアパラメータを算出(推定)する。
1.算出部304は、共分散マトリクス要素をサブバンドsbごとに以下のように算出する。言い換えれば、各QMF係数に対して相関係数を算出する。
Figure 0006262668
2.算出部304は、線形予測係数を以下のように算出する。
Figure 0006262668
Figure 0006262668
3.算出部304は、パラメータユニットのトーンエネルギーの合計を以下のように算出する。
Figure 0006262668
4.算出部304は、パラメータユニットのフロアエネルギーの合計を以下のように算出する。
Figure 0006262668
以上のように算出されたトーンパラメータおよびフロアパラメータは、量子化後、ビットストリームとして復号装置に送信される。
なお、トーンエネルギーとフロアエネルギーとを算出する方法は、上記の方法に限定されるものではない。トーンエネルギーとフロアエネルギーとは、先行技術を含むどのような方法で算出されてもよい。
また、非線形量子化および差分符号化など、トーンパラメータおよびフロアパラメータは、どのような方法で量子化(符号化)されてもよい。この場合、先行技術を含む様々な量子化技術(符号化技術)が適用可能である。
また、符号化装置100aが実行する帯域幅拡張方法は、別の構造的に互換性のある帯域幅拡張方法(例えば、コピーアップ方法など)を含む複数の帯域幅拡張方法を選択的に実行することが可能なマルチモード符号化方法の一部として実現されてもよい。このような符号化方法では、BWEフラグは、パラメータユニットごとに好ましい帯域幅拡張方法を示し、ビットストリームの一部として生成される。
以上説明したように、実施の形態1に係る符号化装置100aは、入力信号の高域部分のトーンエネルギーおよびフロアエネルギーを推定し、これらのエネルギーの大きさを示す帯域幅拡張パラメータを生成(符号化)する。帯域幅拡張パラメータを用いることにより、復号装置は、入力信号と同様のエネルギー、トーン・フロア比、および、調和構造の帯域幅拡張信号を生成することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、符号化装置100aに対応する復号装置について説明する。図6は、実施の形態2に係る復号装置の機能構成を示すブロック図である。図7は、実施の形態2に係る復号装置の動作のフローチャートである。
図6に示されるように、復号装置200aは、ビットストリーム・デマルチプレクサ500と、復号部501と、QMF分析部502と、分割部503と、トーン拡張部504と、フロア拡張部505と、トーン調整部506と、フロア調整部507と、加算部508と、QMF合成部509とを備える。
ビットストリーム・デマルチプレクサ500は、ビットストリームをアンパックすることによって、トーンパラメータ、フロアパラメータ、および、コアパラメータを生成(抽出)する(S201)。
復号部501は、コアパラメータを復号し、復号済み狭帯域信号x(n)を生成する(S202)。AAC、LP、および、TCXなど、先行技術のコアデコーダは全て復号部501において用いられる。例えば、復号部501がスピーチおよびオーディオハイブリッド符号化に対応している場合には、復号部501においては上述のコアデコーダのうち2つ以上が用いられる。
復号部501は、1つのコアコーダから別のコアコーダへの切り替えにおいて、滑らかでアーチファクトのないフレーム移行を行うためのコーデック切り替えハンドラをさらに備えてもよい。また、復号部501において、窓処理、重なり部分の追加、エイリアシング除去などのコーデック切り替え技術が用いられてもよい。
QMF分析部502は、復号済み狭帯域信号x(n)をM帯域表示のサブバンド信号X(ts,sb)に変換する。サブバンド信号X(ts、sb)の帯域幅の上限は、fxoverになる。なお、サブバンド信号X(ts、sb)は、コアパラメータから得られる信号である。
分割部503は、復号済み狭帯域信号x(n)のトーン成分を示す信号である低域トーン信号と、復号済み狭帯域信号x(n)のフロア成分を示す信号である低域フロア信号とを生成する。具体的には、分割部503は、サブバンド信号X(ts,sb)を低域トーン信号X(ts,sb)および低域フロア信号X(ts,sb)に分割する。実施の形態2では、線形予測および逆フィルタリングにより、以下のように分割が行われる。
1.分割部503は、サブバンド信号X(ts,sb)に、実施の形態1で説明した式(1)〜(5)を適用し、線形予測係数α(ps、sb)およびα(ps、sb)、トーンエネルギーE(ps、sb)、並びに、フロアエネルギーE(ps、sb)を算出する。
2.分割部503は、サブバンド信号X(ts,sb)に逆フィルタリングを行い、以下のように、低域トーン信号X(ts,sb)および低域フロア信号X(ts,sb)を導出する。
Figure 0006262668
Figure 0006262668
3.分割部503は、トーンエネルギー(低域トーン信号X(ts,sb)のエネルギー)に基づいて、サブバンドsbがトーン性が高い(強い)か否かを評価する。この評価においては、閾値を評価基準とすることができる。例えば、サブバンドsbのトーンエネルギーが、以下の式(8)、(9)、および(10)を満たす場合、当該サブバンドsbのトーン性は高いと評価される。
具体的には、サブバンドsbのトーンエネルギーが、隣接サブバンドのトーンエネルギーのC(C>0)倍よりも高い場合であって、かつ、当該サブバンドsbのフロアエネルギーのC(C>0)倍よりも高い場合、当該サブバンドsbのトーン性は高いと評価される。なお、変形例として、分割部503は、高調波の分布が密集しすぎないように、所定の周波数より上の帯域のサブバンドのみをハーモニック拡張に用いてもよい。
Figure 0006262668
Figure 0006262668
Figure 0006262668
4.上記の基準を満たす全てのサブバンドsbから、互いにハーモニックス関係ではないサブバンドsb(つまり、相互に最重要であるサブバンドsb)をトーンエネルギーが高い順にN個(例えば、3個)選択する。以下、選択されたサブバンドsbをトーンサブセットsbと記載する。
なお、サブバンド信号X(ts,sb)を低域トーン信号(トーン成分)と低域フロア信号(フロア成分)とに分割する方法、および、トーンエネルギーの高いサブバンドsbを選択する方法は、上記のような方法に限定されるものではなく、どのような方法が用いられてもよい。
また、上記サブバンドの評価および選択は、トーン拡張部504が行ってもよい。つまり、トーン拡張部504は、低域トーン信号におけるサブバンドsbの中から、トーンサブセットsbを選択してもよい。トーンサブセットsbは、上述のように、トーン成分のエネルギーが隣接するサブバンドのトーン成分のエネルギーの所定倍よりも大きく、かつ、当該サブバンドのフロア成分のエネルギーの所定倍よりも大きいサブバンドである。
フロア拡張部505は、低域フロア信号X(ts,sb)を用いて高域信号XHF(ts,sb)(=入力信号の高域部分)のフロア成分に対応する信号である高域フロア信号を生成する(S205)。具体的には、フロア拡張部505は、低域フロア信号X(ts,sb)を高周波数部分にパッチした高域フロア信号(パッチ済みフロア信号)X’(ts,sb)を生成する。
実施の形態2では、高域フロア信号X’(ts,sb)の生成には、HE−AACにおいて用いられているコピーアップ方法が用いられる。関数map()を、map(sb)のサブバンドを高周波数領域のサブバンドsbにコピーするパッチング関数とした場合、パッチング動作は、以下の式で示される。
Figure 0006262668
トーン拡張部504は、低域トーン信号X(ts,sb)を用いて高域信号XHF(ts,sb)(=入力信号の高域部分)のトーン成分に対応する信号である高域トーン信号(拡張済みトーン信号)を生成する(S206)。具体的には、トーン拡張部504は、低域トーン信号X(ts,sb)を高周波数領域にハーモニックに(=基本波と高調波との関係性を維持して)拡張した高域トーン信号X’(ts,sb)を生成する。
実施の形態2では、トーン拡張部504は、以下のハーモニック拡張方法を用いる。
1.トーン拡張部504は、整数ハーモニック比(例えば、2、3、4)に応じて、トーンサブセットsbに位置するトーン性の高いトーン成分を高周波数領域に複製(コピー)する。以下の擬似コードは、複製動作を示す。なお、以下の式では、最大ハーモニック比(例えば、4)を設定することができる。
Figure 0006262668
なお、ここでのハーモニック拡張方法は、図2で説明したハーモニックモードにおけるハーモニック方法とは異なり、QMFフィルタバンク処理(QMF合成203およびQMF分析204)、および、時間的伸長および再サンプリング205が行われない。このため、ここでのハーモニック拡張方法は、図2のハーモニック方法よりも低遅延である。
2.トーンエネルギーの低い(トーン性の高いトーン成分を有しない)サブバンドsbには、フロア拡張部505が使用するものと同一のmap(sb)関数を用いたコピーアップ方法が適用される。
このとき、トーンサブセットsbに位置するトーン成分は、既に上述のハーモニック拡張方法によって高周波数領域に複製されているため、コピーアップ方法によって再度パッチングされることはない。
Figure 0006262668
高域トーン信号X’(ts,sb)および高域フロア信号X’(ts,sb)は、M帯域より大きく2M帯域未満であることが予測される。
以上のように、トーン拡張部504は、低域トーン信号に含まれるトーン成分の高調波成分を示す信号を高域トーン信号として生成する。
トーン調整部506は、トーンパラメータを用いて高域トーン信号X’(ts,sb)を調整した調整済みトーン信号X”(ts,sb)を生成する(S207)。実施の形態2では、トーンパラメータは、パラメータユニット(ps、pb)ごとに定められたトーンエネルギーE(ps、pb)であり、高域トーン信号X’(ts,sb)は、以下のように調整される。
Figure 0006262668
言い換えれば、トーン調整部506は、トーンパラメータが示すトーンエネルギーにエネルギーが調整された高域トーン信号X’(ts,sb)である調整済みトーン信号X”(ts,sb)を生成する。
サブバンド信号X(ts,sb)自体のトーン性が低いときには、高域トーン信号X’(ts,sb)は、パラメータ帯域pb内でトーン成分を有しない場合がある。このような場合、トーン調整部506の調整動作の前に、人工的な高調波ハーモニックがパラメータ帯域pbの中心に注入されてもよい。以下に例を示す。
Figure 0006262668
フロア調整部507は、フロアパラメータを用いて高域フロア信号X’(ts,sb)を調整した調整済みフロア信号X”(ts,sb)を生成する(S208)。実施の形態2では、フロアパラメータは、パラメータユニット(ps,pb)ごとに定められたフロアエネルギーE(ps,pb)であり、高域フロア信号X’(ts,sb)は、以下のように調整される。
Figure 0006262668
言い換えれば、フロア調整部507は、フロアパラメータが示すフロアエネルギーにエネルギーが調整された高域フロア信号X’(ts,sb)である調整済みフロア信号X”(ts,sb)を生成する。
なお、パラメータスロットとパラメータ帯域間の境界は、予め定められていてもよいし、ビットストリームに含まれる情報を用いて動的に生成されてもよい。
加算部508は、サブバンド信号X(ts,sb)、調整済みトーン信号X”(ts,sb)、および、調整済みフロア信号X”(ts,sb)を加算した帯域幅拡張信号X”(ts,sb)を生成する(S209)。
Figure 0006262668
QMF合成部509(QMF合成フィルタバンク)は、帯域幅拡張信号X”(ts,sb)を時間領域の信号x”(n)に変換(逆変換)する(S210)。
なお、トーンエネルギー(トーンパラメータ)およびフロアエネルギー(フロアパラメータ)には、使用前に、共通の前処理が行われてもよい。例えば、タイムスロット方向およびサブバンド方向のいずれか一方、または、両方において、ローパスフィルタによって、トーンエネルギーおよびフロアエネルギーが補間および(または)平滑化されてもよい。
また、逆フィルタリングの度合いは、線形予測係数に一定の「チャープ関数」を乗じることにより調整されてもよい。
また、復号装置200aが実行する帯域幅拡張方法は、別の帯域幅拡張方法(例えば、コピーアップ方法など)を含む複数の帯域幅拡張方法を選択的に実行することが可能なマルチモード復号方法の一部として実現されてもよい。このような復号方法では、BWEフラグは、パラメータユニットごとに好ましい帯域幅拡張方法を示し、ビットストリームから抽出される。
以上説明したように、実施の形態2に係る復号装置200aは、トーン性の強いトーン成分をハーモニックに拡張し、単純複製したフロア成分と合成することにより、入力信号(原信号)のハーモニックな音質を保つことができる。
また、復号装置200aが実行する帯域幅拡張方法は、先行技術のハーモニック方法で用いられる臨界サンプリング、時間的伸長および再サンプリング(ダウンサンプリング)が必須でない。したがって、復号装置200aが実行する帯域幅拡張方法によれば、複雑さ、遅延、および、メモリに関する要件を軽減することが可能である。
(実施の形態3)
本発明の帯域幅拡張技術は、MDCT処理を行う符号化装置にも適用可能である。実施の形態3では、このような符号化装置について説明する。図8は、実施の形態3に係る符号化装置の機能構成を示すブロック図である。図9は、実施の形態3に係る符号化装置の動作のフローチャートである。
図8に示されるように、実施の形態3に係る符号化装置100bは、フレーマー600と、MDCT部601と、符号化部602と、MDST部603と、抽出部604と、算出部605と、ビットストリーム・マルチプレクサ606とを備える。
なお、抽出部604と、算出部605とを帯域幅拡張パラメータ生成装置607とも記載する。つまり、帯域幅拡張パラメータ生成装置607は、抽出部604と、算出部605とを備える。
フレーマー600は、MDCT処理およびMDST処理の前処理として、入力信号をフレームに分割し(フレーミング)、所定数のフレームごとに窓処理する(S301)。図10は、フレーマー600のフレーミングおよび窓処理を示す図である。
図10の(a)に示されるように、フレーマー600の窓処理においては、入力信号x(n)の連続する2つのフレーム700ごとに窓関数701が適用される。窓関数が適用されたフレーム700は、その後符号化装置100b側でMDCT処理702され、図10の(b)に示されるように復号装置側でIMDCT処理703された後、窓処理704される。
窓処理には、符号化のためのより優れた周波数分解能の提供、および、復号装置で逆変換されたフレームの結合の際にフレーミングアーチファクトを防ぐ平滑化メカニズムの提供という2つの目的がある。フレーマー600は、前処理(フレーミングおよび窓処理)後の入力信号x(n)を窓処理済み信号x’(n)として出力する。
MDCT部601は、前処理後の入力信号をMDCT処理したMDCT信号X(k)を生成する(S302)。具体的には、MDCT部601は、窓処理済み信号x’(n)をMDCT領域に変換し、MDCT信号X(k)を生成する。なお、kは周波数ビン指標(以下、単に、周波数ビンとも記載する)である。
符号化部602は、入力信号x(n)の高域部分に対応する部分が除かれたMDCT信号X(k)(高域部分が除かれた入力信号x(n)を示す信号)をコアパラメータに符号化する(S303)。つまり、符号化部602は、fxoverより下の帯域のMDCT信号X(k)をコアパラメータに符号化する。AACなどで用いられている先行技術のMDCT符号化方法は、符号化部602で用いられる。
MDST部603は、前処理後の入力信号をMDST処理したMDST信号X(k)を生成する(S304)。具体的には、MDST部603は、窓処理済み信号x’(n)をMDST領域に変換し、MDST信号X(k)を生成する。
抽出部604は、MDCT信号X(k)およびMDST信号X(k)から複素信号X(k)を生成し、生成した複素信号の高周波数部分(高域部分)を高域信号X(k)(k>fxover)として抽出する(S305)。また、抽出部604は、MDCT信号X(k)およびMDST信号X(k)の高周波数部分を抽出し、それらの部分を合わせることで複素信号を生成してもよい。
Figure 0006262668
抽出部604は、MDCT信号またはMDST信号自体からトーンエネルギーを正確に取得できないため、複素信号を算出する。これについては、図11を用いて説明する。図11は、5kHzの純粋なトーン成分のトーンエネルギーを示す図であり、図11の(a)は、MDCTエネルギー、図11の(b)は、MDSTエネルギー、図11の(c)は、複素エネルギーをそれぞれ示す。
図11の例では、フレームサイズが1024サンプルであり、サンプリング周波数は48kHzである。図11の(a)および図11の(b)から分かるように、いくつかのフレームにおけるトーンエネルギーは、他のいくつかのフレームにおけるトーンエネルギーより実質的に小さくなる。したがって、複数のスペクトルのうち1つのみがトーン成分の抽出に用いられる場合、トーン性の高いトーン成分が見逃される可能性がある。
一方、図11の(c)に示されるように、複素信号では、全てのフレームにおいて同一のトーン成分のトーンエネルギー(複素エネルギー)は一定である。
算出部605は、高域信号X(k)(k>fxover)を用いてトーンパラメータおよびフロアパラメータを算出する(S306)。トーンパラメータは、高域信号X(k)(k>fxover)のうちのトーン成分のエネルギーの大きさを示すパラメータである。フロアパラメータは、高域信号X(k)(k>fxover)のうちのトーン成分が除かれた成分であるフロア成分のエネルギーの大きさを示すパラメータである。
算出部605のトーンパラメータおよびフロアパラメータの算出方法の詳細については後述する。
ビットストリーム・マルチプレクサ606は、トーンパラメータ、フロアパラメータ、および、コアパラメータを組み合わせて、これらのパラメータを含むビットストリームを生成し、復号装置に出力する(S307)。
次に、算出部605の帯域幅拡張パラメータ(トーンパラメータおよびフロアパラメータ)の算出方法の詳細について説明する。
高域信号X(k)(k>fxover)は、所定のパラメータ帯域pbに区分される。このときの区分は、実施の形態1で図5を用いて説明した区分に類似しており、相違点は、MDCT領域においては、タイムスロット次元が存在しないことである。算出部605は、パラメータ帯域pbごとに、1つのトーンパラメータと1つのフロアパラメータとを算出し量子化する。
実施の形態3では、トーンパラメータは、トーンエネルギーであり、フロアパラメータは、フロアエネルギーである。算出部605は、以下のようにトーンパラメータおよびフロアパラメータを算出(推定)する。
1.算出部605は、各周波数ビン指標kのエネルギーを以下のように算出する。
Figure 0006262668
2.算出部605は、以下の式を満たす周波数ビン指標k(k)を探す。
Figure 0006262668
3.算出部605は、各周波数ビン指標kのトーンエネルギーE(k)およびフロアエネルギーE(k)を以下のように算出する。
Figure 0006262668
Figure 0006262668
4.算出部605は、パラメータ帯域pbのトーンエネルギーの合計を以下のように算出する。
Figure 0006262668
5.算出部605は、パラメータ帯域pbのフロアエネルギーの合計を以下のように算出する。
Figure 0006262668
以上のように算出されたトーンパラメータおよびフロアパラメータは、量子化後、ビットストリームとして復号装置に送信される。
なお、MDCT領域においてトーン成分を識別する上述の方法は、単なる例にすぎずこのような方法に限定されない。MDCT領域においてトーン成分を識別するより高度な技術が先行技術の中に存在する。
例えば、信頼度を高めるため、現在のフレームにおいて識別されたトーン成分は、過去のフレームにおいて見られるトーン成分と比較されてもよい。この場合、現在および過去の両方のフレームの同一の周波数ビン指標において現れるトーン成分のみが「確定した」トーン成分とみなされる。
また、例えば、周波数ビンkにおけるトーン成分の判定基準には、隣接する周波数ビン指標k−1およびk+1だけでなく、周波数ビン指標k−2およびk+2などが含まれてもよい。
以上説明したように、実施の形態3に係る符号化装置100bによれば、MDCT領域においてもトーンエネルギーおよびフロアエネルギーの大きさを示す帯域幅拡張パラメータを生成(符号化)することができる。帯域幅拡張パラメータを用いることにより、復号装置は、入力信号と同様のエネルギー、トーン・フロア比、および、調和構造の帯域幅拡張信号を生成することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、符号化装置100bに対応する復号装置について説明する。図12は、実施の形態4に係る復号装置の機能構成を示すブロック図である。図13は、実施の形態4に係る復号装置の動作のフローチャートである。
図12に示されるように、復号装置200bは、ビットストリーム・デマルチプレクサ900と、復号部911(コア復号部901および複素信号生成部902)と、分割部903と、トーン拡張部904と、フロア拡張部905と、トーン調整部906と、フロア調整部907と、加算部908と、IMDCT部909と、フレーマー910とを備える。
ビットストリーム・デマルチプレクサ900は、ビットストリームをアンパックすることによって、トーンパラメータ、フロアパラメータ、および、コアパラメータを生成(抽出)する(S401)。
復号部911は、コアパラメータを復号し、復号済み狭帯域信号X(k)を生成する(S402)。
具体的には、まず、コア復号部901は、コアパラメータを復号してMDCT信号X(k)を生成する。つまり、MDCT信号は、コアパラメータから得られる信号である。AACなどで用いられている先行技術のMDCT復号方法は、コア復号部901で用いられる。
そして、複素信号生成部902は、MDCT信号X(k)をMDST領域に変換したてMDST信号X(k)を生成する。MDCT信号X(k)をMDST領域に変換してMDST信号X(k)を生成する方法としては、先行技術のMDCT・MDST変換方法(例えば、非特許文献4)が適用できる。
そして、複素信号生成部902は、MDCT信号X(k)と、MDST信号X(k)とを用いて、以下のように複素信号を生成する。
Figure 0006262668
なお、複素信号X(k)は、帯域幅の上限がfxoverの復号済み狭帯域信号である。
分割部903は、復号済み狭帯域信号X(k)のトーン成分を示す信号である低域トーン信号と、復号済み狭帯域信号X(k)のフロア成分を示す信号である低域フロア信号とを生成する(S403)。具体的には、分割部503は、復号済み狭帯域信号X(k)を低域トーン信号X(k)および低域フロア信号X(k)に分割する。実施の形態4では、この分割は以下のよう行われる。
1.分割部903は、実施の形態3で説明した式(19)〜(22)を用いて、トーン成分k、全体エネルギーE(k)、トーンエネルギーE(k)、および、フロアエネルギーE(k)を周波数ビン指標kごとに算出する。
2.分割部903は、低域トーン信号X(k)および低域フロア信号X(k)を以下のように導出する。言い換えれば、分割部903は、復号済み狭帯域信号X(k)をエネルギーの大きさに応じて分割することによって低域トーン信号X(k)および低域フロア信号X(k)を生成する。
Figure 0006262668
Figure 0006262668
3.分割部903は、周波数ビン指標kの中から、トーンエネルギーが高い順にN個のトーンサブセットkT2を選択する。なお、変形例として、分割部903は、高調波の分布が密集しすぎないように、所定の周波数より上の周波数ビン指標のみをハーモニック拡張に用いてもよい。
また、上記トーンサブセットの選択は、トーン拡張部904が行ってもよい。つまり、トーン拡張部904は、低域トーン信号における周波数ビンkの中から、トーン成分のエネルギーが隣接する周波数ビンのトーン成分のエネルギーの所定倍よりも大きい周波数ビンk(kT、T2)を選択してもよい。
フロア拡張部905は、低域フロア信号X(k)を用いて高域信号(=入力信号の高域部分)のフロア成分に対応する信号である高域フロア信号を生成する(S404)。フロア拡張部905は、低域フロア信号X(k)を高周波数部分にパッチした高域フロア信号(パッチ済みフロア信号)X’(k)を生成する。具体的には、例えば、HE−AACにおいて使用されるコピーアップ技術などが適用可能である。
関数map()を、map(k)の周波数ビン指標を高周波数領域の周波数ビン指標kにコピーするパッチング関数とした場合、パッチング動作は、以下の式で示される。
Figure 0006262668
トーン拡張部904は、低域トーン信号X(k)を用いて高域信号(=入力信号の高域部分)のトーン成分に対応する信号である高域トーン信号(拡張済みトーン信号)を生成する(S405)。具体的には、トーン拡張部904は、低域トーン信号X(k)を高周波数領域にハーモニックに拡張した高域トーン信号X’(k)を生成する。
実施の形態4では、トーン拡張部904は、以下のハーモニック拡張方法を用いる。なお、以下の説明では周波数ビン指標kに対してハーモニック拡張方法が適用されるが、トーンサブセットkT2にハーモニック拡張方法が適用されてもよい。
1.トーン拡張部904は、整数ハーモニック比(例えば、2、3、4)に応じて、トーンサブセットkに位置するトーン性の高いトーン成分を高周波数領域に複製(コピー)する。つまり、トーン拡張部904は、選択した周波数ビン(トーンサブセットk)の整数倍の周波数ビンに、当該選択した周波数ビンの低域トーン信号を複製することによって高域トーン信号を生成する。以下の擬似コードは、複製動作を示す。なお、以下の式では、コピー動作は、最大ハーモニック比ratiomax(例えば、4)が限度となる。
Figure 0006262668
2.トーン成分のない周波数ビン指標には、フロア拡張部905が使用するものと同一のmap(k)関数を用いたコピーアップ方法が適用される。
このとき、トーンサブセットkのトーン成分は、既に上述のハーモニック拡張方法によって高周波数領域に複製されているため、コピーアップ方法によって再度パッチングされることはない。
Figure 0006262668
以上のように、トーン拡張部904は、低域トーン信号に含まれるトーン成分の高調波成分を示す信号を高域トーン信号として生成する。
トーン調整部906は、トーンパラメータを用いて高域トーン信号X’(k)を調整した調整済みトーン信号X”(k)を生成する(S406)。実施の形態4では、トーンパラメータは、パラメータ帯域pbごとに定められたトーンエネルギーE(pb)であり、高域トーン信号X’(k)は、以下のように調整される。
Figure 0006262668
言い換えれば、トーン調整部906は、トーンパラメータが示すトーンエネルギーにエネルギーが調整された高域トーン信号X’(k)である調整済みトーン信号X”(k)を生成する。
復号済み狭帯域信号X(k)自体のトーン性が低いときには、高域トーン信号X’(k)は、パラメータ帯域pb内でトーン成分を有しない場合がある。このような場合、トーン調整部906の調整動作の前に、人工的な高調波成分をパラメータ帯域の中心に注入することができる。以下に例を示す。
Daudetらの文献(非特許文献5)には、純粋な正弦波トーンのMDCTスペクトルは、シフト済みsinc()関数と、シフト済みコサイン変調との積であることが記載されている。この分析に基づき、周波数ビン指標kの中心に正弦波トーンを注入するため、以下のような信号を周波数ビン指標の区間[k−2,k+2]に注入しなければならない。ここで、frはフレーム指標である。
Figure 0006262668
なお、複雑さを軽減するため、k−2およびk+2への注入は省略されてもよい。これにより、音質は少し低下することになるが、k−2およびk+2は、低振幅であるため音質への影響は限定的である。
フロア調整部907は、フロアパラメータを用いて高域フロア信号X’(k)を調整した調整済みフロア信号X”(k)を生成する(S407)。実施の形態4では、フロアパラメータは、パラメータ帯域pbごとに定められたフロアエネルギーE(k)であり、高域フロア信号X’(k)は、以下のように調整される。
Figure 0006262668
言い換えれば、フロア調整部907は、フロアパラメータが示すフロアエネルギーにエネルギーが調整された高域フロア信号X’(k)である調整済みフロア信号X”(k)を生成する。
加算部908は、MDCT信号X(k)、調整済みトーン信号X”(k)の実数部分、および、調整済みフロア信号X”(k)の実数部分を加算した帯域幅拡張信号X”(k)を生成する(S408)。
Figure 0006262668
IMDCT部909は、帯域幅拡張信号X”(k)を時間領域の信号x”(n)に変換(逆変換)する(S409)。
フレーマー910は、時間領域の信号x”(n)に対して窓処理と、重なり部分の追加処理とを行い、復号信号x’’’(n)を生成する(S410)。実施の形態3で説明した図10の(b)はフレーマー910の動作を示す図である。
以上説明したように、実施の形態4に係る復号装置200bは、トーン性の強いトーン成分をハーモニックに拡張し、単純複製したフロア成分と合成することにより、入力信号(原信号)のハーモニックな音質を保つことができる。
また、復号装置200bが実行する帯域幅拡張方法は、先行技術のハーモニック方法で用いられる臨界サンプリング、時間的伸長および再サンプリング(ダウンサンプリング)が必須でない。したがって、復号装置200bが実行する帯域幅拡張方法によれば、複雑さ、遅延、および、メモリに関する要件を軽減することが可能である。
(その他の実施の形態)
本発明は、帯域幅拡張パラメータ生成装置として実現されてもよい。
上記実施の形態において説明した各フローチャートのステップの順序は、一例であり、実行可能な範囲で変更されてもよい。また、並列処理が可能なステップについては並列処理されてもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
(まとめ)
上記実施の形態に係る帯域幅拡張パラメータ生成装置および符号化装置は、入力信号の高域部分のトーンエネルギーおよびフロアエネルギーを推定し、これらのエネルギーの大きさを示す帯域幅拡張パラメータを生成する。
上記実施の形態に係る復号装置は、復号した狭帯域信号からトーン性の高いトーン成分を選択および抽出し、抽出したトーン成分を用いてハーモニックに高周波数領域に拡張する。そして、復号装置は、残りのフロア成分、つまり、抽出したトーン成分を復号した狭帯域信号から差し引いた成分が、コピーアップ方法により、高周波数領域として複製される。
さらに、抽出されたトーン成分と複製されたフロア成分とが入力信号と同一のトーンエネルギーおよびトーン・フロア比になるように、符号化装置が生成した帯域幅拡張パラメータを用いてこれらの成分を調整する。
上記実施の形態に係る帯域幅拡張方法は、基本的には、複雑度の低いコピーアップ方法による単純な拡張であるため、先行技術のハーモニック方法が必要とする臨界サンプリング、時間的伸長、および再サンプリングは必要ない。このため、複雑度、遅延、および、メモリは大幅に改善される。
以上、一つまたは複数の態様に係る帯域幅拡張パラメータ生成装置、符号化装置、および復号装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
なお、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。このため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
本発明は、音信号の符号化および復号に関するアプリケーションに適用することができる。本発明は、例えば、カセットブック、放送システム、携帯用メディア機器、(携帯電話やタブレットを含む)モバイル通信端末、テレビ会議機器、および、ネットワーク上の音楽演奏アプリケーションに適用できる。
100a、100b 符号化装置
200、204 QMF分析
200a、200b 復号装置
201 コピーアップ
202 臨界サンプリング
203 QMF合成
205 時間的伸長および再サンプリング
206 HF調整
207 コピーアップモード
208 ハーモニックモード
300 フィルタ部
301、602 符号化部
302、502 QMF分析部
303、604 抽出部
304、605 算出部
305、606 ビットストリーム・マルチプレクサ
306、607 帯域幅拡張パラメータ生成装置
500、900 ビットストリーム・デマルチプレクサ
501、911 復号部
503、903 分割部
504、904 トーン拡張部
505、905 フロア拡張部
506、906 トーン調整部
507、907 フロア調整部
508、908 加算部
509 QMF合成部
600、910 フレーマー
601 MDCT部
603 MDST部
700 フレーム
701 窓関数
702 MDCT処理
703 IMDCT処理
704 窓処理
901 コア復号部
902 複素信号生成部
909 IMDCT部

Claims (9)

  1. ビットストリームを復号する復号装置であって、
    前記ビットストリームには、符号化された入力音信号の低域部分であるコアパラメータと、前記入力音信号の高域部分を示す高域信号のうちのトーン成分のエネルギーの大きさを示すトーンパラメータと、前記高域信号のうちの前記トーン成分が除かれた成分であるフロア成分のエネルギーの大きさを示すフロアパラメータとが含まれ、
    前記復号装置は、
    前記コアパラメータを復号することによって復号済み狭帯域信号を生成する復号部と、
    前記復号済み狭帯域信号のトーン成分を示す信号である低域トーン信号と、前記復号済み狭帯域信号のフロア成分を示す信号である低域フロア信号とを生成する分割部と、
    前記低域トーン信号を用いて前記高域信号のトーン成分に対応する信号である高域トーン信号を生成するトーン拡張部と、
    前記低域フロア信号を用いて前記高域信号のフロア成分に対応する信号である高域フロア信号を生成するフロア拡張部と、
    前記トーンパラメータを用いて前記高域トーン信号を調整した調整済みトーン信号を生成するトーン調整部と、
    前記フロアパラメータを用いて前記高域フロア信号を調整した調整済みフロア信号を生成するフロア調整部と、
    前記コアパラメータから得られる信号、前記調整済みトーン信号、および、前記調整済みフロア信号を加算した帯域幅拡張信号を生成する加算部とを備える
    復号装置。
  2. 前記トーン拡張部は、前記低域トーン信号に含まれるトーン成分の高調波成分を示す信号を前記高域トーン信号として生成する
    請求項に記載の復号装置。
  3. さらに、前記復号済み狭帯域信号をサブバンド信号に変換するQMF分析部を備え、
    前記分割部は、前記サブバンド信号を分割することによって、前記低域トーン信号と、前記低域フロア信号とを生成し、
    前記加算部は、前記コアパラメータから得られる信号である前記サブバンド信号、前記調整済みトーン信号、および、前記調整済みフロア信号を加算した前記帯域幅拡張信号を生成する
    請求項に記載の復号装置。
  4. 前記トーン拡張部は、前記低域トーン信号におけるサブバンドの中から、トーン成分のエネルギーが(1)隣接するサブバンドのトーン成分のエネルギーの所定倍よりも大きく、かつ、(2)当該サブバンドのフロア成分のエネルギーの所定倍よりも大きいサブバンドを選択し、選択したサブバンドの整数倍のサブバンドに、当該選択したサブバンドの前記低域トーン信号を複製することによって前記高域トーン信号を生成する
    請求項に記載の復号装置。
  5. さらに、
    前記ビットストリームから、前記トーンパラメータ、前記フロアパラメータ、および、前記コアパラメータを生成するビットストリーム・デマルチプレクサと、
    前記帯域幅拡張信号を時間領域に変換するQMF合成部とを備える
    請求項3または4に記載の復号装置。
  6. 前記復号部は、(1)前記コアパラメータを復号してMDCT信号を生成し、(2)前記MDCT信号をMDST領域に変換したMDST信号を生成し、(3)生成した前記MDCT信号および前記MDST信号から得られる複素信号を前記復号済み狭帯域信号として生成し、
    前記加算部は、前記コアパラメータから得られる信号である前記MDCT信号、前記調整済みトーン信号、および、前記調整済みフロア信号を加算した前記帯域幅拡張信号を生成する
    請求項に記載の復号装置。
  7. 前記トーン拡張部は、前記低域トーン信号における周波数ビンの中から、トーン成分のエネルギーが隣接する周波数ビンのトーン成分のエネルギーの所定倍よりも大きい周波数ビンを選択し、選択した周波数ビンの整数倍の周波数ビンに、当該選択した周波数ビンの前記低域トーン信号を複製することによって前記高域トーン信号を生成する
    請求項に記載の復号装置。
  8. さらに、
    前記ビットストリームから、前記トーンパラメータ、前記フロアパラメータ、および、前記コアパラメータを生成するビットストリーム・デマルチプレクサと、
    前記帯域幅拡張信号を時間領域に変換するIMDCT(Inverse Modified Discrete Cosine Transform)部とを備える
    請求項6または7に記載の復号装置。
  9. ビットストリームを復号する復号方法であって、
    前記ビットストリームには、符号化された入力音信号の低域部分であるコアパラメータと、前記入力音信号の高域部分を示す高域信号のうちのトーン成分のエネルギーの大きさを示すトーンパラメータと、前記高域信号のうちの前記トーン成分が除かれた成分であるフロア成分のエネルギーの大きさを示すフロアパラメータとが含まれ、
    前記復号方法は、
    前記コアパラメータを復号することによって復号済み狭帯域信号を生成する復号ステップと、
    前記復号済み狭帯域信号のトーン成分を示す信号である低域トーン信号と、前記復号済み狭帯域信号のフロア成分を示す信号である低域フロア信号とを生成する分割ステップと、
    前記低域トーン信号を用いて前記高域信号のトーン成分に対応する信号である高域トーン信号を生成するトーン拡張ステップと、
    前記低域フロア信号を用いて前記高域信号のフロア成分に対応する信号である高域フロア信号を生成するフロア拡張ステップと、
    前記トーンパラメータを用いて前記高域トーン信号を調整した調整済みトーン信号を生成するトーン調整ステップと、
    前記フロアパラメータを用いて前記高域フロア信号を調整した調整済みフロア信号を生成するフロア調整ステップと、
    前記コアパラメータから得られる信号、前記調整済みトーン信号、および、前記調整済みフロア信号を加算した帯域幅拡張信号を生成する加算ステップとを含む
    復号方法。
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