以下に本発明の実施の形態を回胴式遊技機たるスロットマシンの基本的な構成例について、図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2はスロットマシンを前方右上から見た斜視図、図3は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図4(a)はコネクタ部分の横断面拡大図、図4(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す横断面拡大図、図5は前面開閉部材を開放した状態の遊技ユニットを前方右上から見た斜視図、図6は遊技ユニットの分解斜視図、図7は遊技ユニットを後方右上から見た斜視図、図8(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図9は配線中継部材の分解斜視図、図10は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図11,図12はコネクタホルダーからコネクタを分解した状態を示す分解斜視図、図13はコネクタホルダーを後方左下から見た斜視図、図14はコネクタ部分の縦断面拡大図、図15はコネクタ部分を移動させた状態を示す縦断面拡大図、図16(a)はコネクタの連結保持状態を示す斜視図、図16(b)はその際用いられる結束バンドの斜視図、図17はコネクタの連結保持状態を示す縦断面拡大図、図18は前面開閉部材及び演出表示装置を分解した状態を前方右上から見た斜視図、図19は前面開閉部材を前方右上から見た拡大斜視図、図20は前面開閉部材及び演出表示装置を組合せた状態の縦断面図及び金具の斜視図、図21は図柄変動表示装置を前方右上から見た斜視図、図22は図柄変動表示装置を後方右上から見た斜視図、図23は図柄変動表示装置の分解斜視図、図24はリールを分解した状態を前方右上から見た分解斜視図、図25はリールを分解した状態を前方左上から見た分解斜視図、図26はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図27は他の形態を示すストッパーの斜視図、図28はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図29はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図30はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図31は図30の分解斜視図、図32はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図33は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図34は電源装置を前方左下から見た斜視図、図35は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図36は透明板を装着した扉形前面部材の要部断面図、図37はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図38はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図39は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図40は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図41は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図42(a)は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図42(b)は連結具の突出状態を示す断面斜視図、図43は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図44は図43の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図である。
本発明のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取付けた縦長矩形状の扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。また、図18に示すように、画像表示体500は、樹脂製の前面開閉部材501と、その前面側に取付けられた演出表示装置590とを具備して構成されている。
[遊技ユニット]
本発明のスロットマシン1は、図1に示すように、外本体100内に着脱交換可能な状態で収容される遊技ユニット50を含んで構成される。また、図5に示すように、遊技ユニット50は、外本体100の内部に対して着脱自在であって、前面の少なくとも一部が開口されたケース部材400と、ケース部材400の前面に設けられ、扉形前面部材200の回動方向と同方向に回動可能で、閉位置と開位置との間で遊動可能に支持された前面開閉部材501とを有する。そして、図柄変動表示装置300がケース部材400の内部上部に組付けられると共に、主制御基板409が内部に装着され(図3及び図6参照)、前面開閉部材501の上部に、閉位置において図柄変動表示装置300を視認可能とする開口部516が設けられ、前面開閉部材501の前面の開口部516(図6では装飾部材591の開口部591a)の下方に演出表示装置590が装着され(図6参照)、前記前面開閉部材501の裏面に周辺制御基板510が装着されている。
さらに、遊技ユニット50は、図5に示すように、図柄変動表示装置300や演出表示装置590とを含むケース側電気部品につながった遊技ユニット側配線類が主制御基板409につながった主制御系配線類424と周辺制御基板510につながった周辺制御系配線類426とに分割されると共に、図8に示すように、主制御系配線類424に取り付けられた主制御系配線類接続用コネクタ425と、周辺制御系配線類426に取り付けられた周辺制御系配線類接続用コネクタ427とを一括支持するコネクタホルダー428を備えている。
[外本体]
外本体100は、図1〜図3に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟(図示しない)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口(図示しない)が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201(図2参照)に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨んでいる。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
電源装置112は、図30〜図34に示すように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の電源基板112s(図34参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図34参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には、図31に示すように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図35は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先を溝102cに嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への電源基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに電源基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図34参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図30において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図30において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたりスロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し本例の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本例のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを本例のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらに、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースにはケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図2に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述する主制御基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1ベットボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAXベットボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、主制御基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留メダル解除ボタン209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、図柄変動表示装置300と画像表示体500における演出表示装置590とが上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって図柄変動表示装置300と演出表示装置590との領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、図柄変動表示装置300と演出表示装置590との双方をカバーする大きさに設定しておけば、図柄変動表示装置300と演出表示装置590との配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IRD30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように図柄変動表示装置300と演出表示装置590との双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。なお、縁部材214bは、扉形前面部材200の上端にて左右方向を長手方向として配置される部材と、この左右方向に配置される部材(縁部材214b)の両端部から下方に向かう一対の部材(縁部材214b)と、で構成される。つまり、左右方向に伸びる縁部材214bは、一対の縁部材214bを跨っている。なお、左右方向に伸びる縁部材214bおよび一対の縁部材214bは一体成型されているが、これは別部材で構成されていても良い。
縁部材214bは、図36に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
また、図36において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217aの光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図1参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図36は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図36から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300について、図21〜図25を基に説明する。図21に示すように、図柄変動表示装置300は、リール回転式表示装置であって、個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301c(以下各リール301とする)と、該各リール301を組込み・収容する装置ケース302とを有し、各リール301の周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行うものである。
装置ケース302は、図23に示すように、底部板304と、天部板305と、右側の右側板306と、左側の左側板307と、後面を覆う一部円弧形状の後部板308とで囲った箱形であり、各リール301の円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。なお、装置ケース302は、底部板304のみが金属板で形成され、他の部分は樹脂で形成されている。
右側板306及び左側板307の前側上端部分には、左右外側に向って突出する取付耳部306a,307aが夫々形成され、取付耳部306a,307aの略中央にはネジ(図示しない)を挿通可能とする透孔306b,307b(図21参照)が前後方向に貫通して穿設されている。また、図示していないが、底部板304には、垂直下方に折り曲げられた垂下片が左右方向に複数(例えば3つ)並設されており、それらの垂下片にも、前後方向に貫通する透孔が穿設されている。そして、取付耳部306a,307aを、ケース部材400の前面上端に設けられた補強部材407(図6参照)にネジで固定し、さらに、垂下片を、ケース部材400の中央よりも上側に横設された補強桟402にネジで固定することにより、図柄変動表示装置300がケース部材400に取付けられる。また、図23に示すように、装置ケース302の前縁には、各リール301を固定するためのネジ313a,313bが螺合される複数のネジ孔302aが所定の間隔で形成されている。なお、下側のネジ313bは通常の雄ネジであるが、上側のネジ313aは螺合対象物が樹脂成形物であることからタッピングビスが用いられる。
また、装置ケース302の前面側には、カバー体309が組みつけられている。カバー体309は、装置ケース302の前面縁部に沿って形成された額縁状の枠部310と、枠部310の上端及び下端の間に架設され、装置ケース302に組み込まれた各リール301を仕切るように左右方向に所定の間隔で配置された区画部311とから構成されている。なお、区画部311の前面は、上下方向の中央部分が遊技者側に向って最も突出するように略円弧状に形成されている。つまり、各リール301間の隙間を前方から塞ぐとともに、各リール301の円周面に対し連続した面となるように円弧状に形成されている。なお、左右両側に配置された区画部311には、左右外側から両側リール301a,301c内の機構を遮蔽する遮蔽部311aが一体的に形成されている。また、枠部310における区画部311の上側及び下側には、ネジ313a,313bを挿通させることが可能な取付孔312が穿設されている。
また、図22乃至図23に示すように、装置ケース302の左側板307には、基板ケース314によって覆われたリール主中継基板315並びにバックライト中継基板318が配置されており、リール主中継基板315によって中継された駆動信号により各リール301が個別に駆動制御されるようになっている。なお、リール主中継基板315には基板ケース314の開口を通して突出する2つのコネクタ316a,316cが設けられ、バックライト中継基板318には基板ケース314の開口を通して突出する2つのコネクタ316b,316dが設けられている。
リール主中継基板315にあっては、基板ケース314の左側面下側から突出するコネクタ316aを介して、各リール301を駆動制御するための信号やモータ用電源が中継入力されるとともに、各リール301に収容されたフォトセンサ325から送られる検出信号を主制御基板409に中継出力するようになっている。また、基板ケース314の底面から突出するコネクタ316cには、後述するリールモータ中継基板326に設けられたコネクタ317(装置ケース302の後部板308から突出するコネクタ317)に接続されたコネクタ付きハーネス(図示しない)が連結されており、各リール301内に収容されたリールモータ321に対して駆動信号及びモータ用電源を供給するとともに、フォトセンサ325から検出信号を受け取ることが可能になっている。
また、バックライト中継基板318にあっては、基板ケース314の上面から突出するコネクタ316bに、後述するバックライト322に接続され且つ後部板308に形成された透孔308aを通して配線されたコネクタ(図示しない)が連結されるようになっている。つまり、このコネクタ316bを介して、バックライト322に作動用電源を付与するように構成されている。なお、この作動用電源は、基板ケース314の左側面中央に設けられたコネクタ316dを介してバックライト中継基板318に供給される。
なお、前記のコネクタ付きハーネスには、各リール301ごとに、被覆材の色が互いに異なる一本または複数本の電線が含まれており、また、各リール301内に収容された夫々のバックライト322には、コネクタ付きハーネスに含まれる電線の色と同系色の電線が接続されている。つまり、各リール301ごとにハーネス及び電線の色が異なるように設定されている。これによれば、リールモータ321に電力を供給する電線及びフォトセンサ325から検出信号を受け取る電線を含むハーネスと、バックライト322に電力を供給する電線との色合わせが可能になり、ひいては、ハーネス及び電線と、各リール301との照合(すなわち誤配線の有無の確認)が容易になるとともに、各リール301の配置位置を電線の色に基づいて確認させることが可能になる。すなわち、スロットマシン1の組付工程において、左中右の各リール301の配置順は、間違ってはいけない極めて重要な項目であるが、このように電線の色を異ならせることにより、上記の配置が正しく行われたか否かを容易に視認することが可能となり、スロットマシン1の品質を確保することができる。
また、左側板307における基板ケース314の上方には、左側板307を貫通するコ字形のスリット333が形成されており、コネクタ316bに連結される電線を、結束バンド(図示しない)を用いて左側板307とともに結束させることを可能にしている。特に、下側が開いた横転コ字形のスリット333によって下端のみが連結された掛止部333aが左側板307と一体に形成されるため、結束バンドの一部を撓ませた状態で掛止部333aの上方に挿入すれば、極めて容易に結束バンドを掛止部333aに引掛けることが可能になる。つまり、左側板307に対して結束バンドを掛止させるために、左側板307に二つの孔を穿設したものでは、結束バンドの先端を二つの孔に対して順に挿通させなければならないため、結束作業が困難になる虞があるが、コ字形のスリット333を設けるようにすれば、掛止部333aの上部側から電線を引掛けることが可能になり、作業性が向上する。また、左側板307から外方に突出するようにフックを形成することも考えられるが、これによれば、構成が複雑になり、金型費等の製造費が高くなるため好ましくない。
図23乃至図25に示すように、装置ケース302内には、各リール301と、夫々のリール301を回転可能に支持するとともに回転力を付与するリールモータ321と、各リール301の右側に配置されリールモータ321を固定するモータ取付板320と、モータ取付板320に固定状態で取付けられるとともに、各リール301の周面内側、特に遊技者側の面に沿って配置され各リール301を通して遊技者側に光を放射する略円弧状のバックライト322とが設けられている。
さらに詳しく説明すると、リールモータ321は、正転及び逆転可能な直流ステップモータであり、回転軸321aの先端にフランジ323が固着されている。フランジ323は、略円板状の部材であって、周面の一部には径方向に切欠かれた嵌合部323aが形成されるとともに、周面に雄ネジ部が設けられた突起323bが形成されている。これに対応し、リール301aは、右側の側面(図25では奥側の面)が全体的に開放されているが、左側の面(図25では前側の面)には、略十字形の側面部材330が設けられ、リールモータ321のフランジ323を取付けることが可能になっている。具体的には、図25に示すように、側面部材330の中心部分には、フランジ323の突起323bが挿通する貫通孔330aを有するとともに、フランジ323を内側に収容可能とする円形収容部330bが形成されており、特に、図24に示すように、円形収容部330bには、リール301の内側に向って突出するとともに、フランジ323の嵌合部323aに嵌め合わせ可能な回転防止突部330cが形成されている。そして、貫通孔330aを挿通し円形収容部330bから外部へ突出する突起323bに対して、ロックネジ324が螺合されており、これにより、リールモータ321のフランジ323がリール301aの側面部材330に固定状態で取付けられる。つまり、リールモータ321の回転軸321aがリール301の側面部材330に直結されている。なお、各リール301は、ロックネジ324によって軸心上で固定されるため、直径方向の力が作用せず、ひいては回転軸321aのブレを防止することが可能になる。
図25に示すように、モータ取付板320は金属板から形成され、リールモータ321を取付けるためのモータ取付部位320aと、バックライト322を取付けるためのライト取付部位320bとを有して構成されている。また、モータ取付板320の上端及び下端における正面側(遊技者側)の部分には、垂直方向に折り曲げられた取付片320cが形成され、取付片320cの略中央には、前後方向に貫通する透孔320dが穿設されている。特に、これらの透孔320dは、図23に示すように、カバー体309に形成された取付孔312、及び装置ケース302に形成されたネジ孔302aと前後方向で合致する位置に設けられている。つまり、カバー体309の前方から、カバー体309の取付孔312及びモータ取付板320の透孔320dを通して、ネジ313a,313bを装置ケース302のネジ孔302aに螺合させることにより、装置ケース302に対してモータ取付板320及びカバー体309が固定状態で組付けられている。すなわち、カバー体309とモータ取付板320とが装置ケース302に対して共締めされる。このため、装置ケース302に対してカバー体309とモータ取付板320とを別々に固定するものに比べ、作業工程を低減させるとともに、三つの部材、すなわちカバー体309、モータ取付板320、及び装置ケース302における相互の位置決めを正確にしかも簡単に行うことができ、ひいては各リール301に対するカバー体309のクリアランスを少なくすることができ、各リール301間の隙間を精度よく塞ぐことができる。すなわち、装置ケース302の内部構造を一層見え難くし、見栄えの低下を抑制することができる。
また、モータ取付板320における下部後端側には、後方に向って延出された延設下部320eが形成されており、延設下部320eとモータ取付部位320aとからなるコーナー部分にリールモータ中継基板326が取付けられている。このリールモータ中継基板326は、リールモータ321に接続された電線(図示しない)及びフォトセンサ325に接続された電線(図示しない)と、リール主中継基板315に接続されるコネクタ付きハーネス(図示しない)とを中継するためのものであり、コネクタ317(図22参照)等を搭載している。また、モータ取付板320の上部後端側には、延設下部320eと同方向に延出された延設上部320gが形成されており、延設上部320gには、バックライト322に接続された電線(図示しない)を案内するための溝部(図示しない)と、溝部に配線された電線が溝部から逸脱することを防止する電線押え327とが取付けられている。電線押え327は、透明で弾性変形可能な薄板状の樹脂部材からなり、一端側がネジ327aによって固定されている。
このように溝部と電線押え327との協働によって電線を適宜の位置に保持することにより、リールモータ中継基板326のような基板を設けることなく、電線の遊動状態を防止することができ、ひいては電線が障害となって各リール301の回転が制動されたり、回転の際に電線を巻き込んだりすることを回避できる。なお、電線押え327の前方には、リールモータ321に接続された電線、及びバックライト322に接続された電線を纏めた状態で保持する結束部材328がモータ取付板320に取付けられている。
また、モータ取付板320の中央後端側には、断面L字形の取付片320fが、各リール301内に向って立設されており、フォトセンサ325を支持している。フォトセンサ325は、互いに対峙する発光部と受光部とを有し、発光部から発光される光が受光部に到達するか否かに応じた信号を出力するものである。そして、図24に示すように、各リール301における側面部材330の内面側には、リール301が一回転するごとに、フォトセンサ325における発光部と受光部との間を通過する遮光片331が内方に向って突出している。つまり、リール301を一回転させるごとに、発光部から放射された光が遮光され、それに応じた信号が出力するようになっている。
ところで、遮光片331は発光部から放射された光を遮るものであるため、不透明な部材、例えば黒色の部材から形成されることが好ましく、一方、リール301aの側面部材330は、リール301aと一体に成形されることから光透過性の部材、例えば透明部材から形成されることが好ましい。このため、遮光片331と側面部材330とは一体成形することはできず、側面部材330に対して遮光片331を取付けるための手段が必要となる。しかし、ネジ等の締結部材を介して取付けるものでは、遮光片331を含むリール301全体の重心が回転軸から偏心する程度が高くなり、リール301aの回転速度にムラが発生するおそれがある。また、接着剤によって遮光片331を接着するものでは、側面部材330に対する遮光片331の位置決めが困難となり、ひいては各リール301の回転位置を正確に検出できなくなるおそれがある。
そこで、本例では、遮光片331をインサート成形によって成形している。つまり、予め形成された遮光片331を金型に入れ、リール301a及び側面部材330を射出成形することにより、遮光片331と側面部材330とを一体的に形成している。これによれば、比較的簡単に形成することができるとともに、側面部材330に対する遮光片331の位置決め精度を高めることが可能になる。
バックライト322は、略円弧状の外観を呈しており、モータ取付板320のライト取付部位320bに当接する側には、所定の間隔で配置された三つのLED322aが、側面部材330側に向って光を放射するように配置されている。また、各リール301の内面側には、夫々のLED322aから放射された光をリール301の図柄列(図示しない)側に向って反射させる白色の反射部322bが形成されている。このため、リール301aの内側において面発光させることが可能になり、略均一な光によって、遊技者側に位置する図柄、特に三つの図柄を、略均一な光によって光らせることが可能になる。
[ケース部材]
ケース部材400は、外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、図5及び図6に示すように、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が演出表示装置590の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が図柄変動表示装置300の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板である主制御基板409が装着され、さらに主制御基板409以外の制御基板等(例えば後述する周辺制御基板510)も配線作業空間408内に配置されている。ここで、主制御基板409は、操作部202の操作等に基づいて遊技の進行を制御するものである。また、周辺制御基板510は、遊技の進行に準じて所定の演出制御を実行するものである。
ケース部材400の天板406には、図7に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が外本体100の貫通孔132,132…(図1参照)を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。なお、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には、図7に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114(図1参照)に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図7に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が仕切板105の突段部106(図1参照)に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106との嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図28に示すように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図29に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図26に示した揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1に示すように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図26実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図26想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図27に示すように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、ケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
[画像表示体]
画像表示体500における演出表示装置590は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材501(図18参照)の前面側に取付けられている。図18に示すように、前面開閉部材501は、下側から2/3の領域が演出表示装置590を収容する部分で、上側から1/3の領域が図柄変動表示装置300の前方に配置される部分となっている。つまり、前面開閉部材501の前面側には、周囲に周壁515aが形成された収容部515が設けられており、下側から2/3の領域に演出表示装置590が収容され、上側から1/3の領域に装飾部材591が収容される。なお、前面開閉部材501及び装飾部材591には、遊技ユニット50の前方から、ケース部材400内に配置された図柄変動表示装置300を視認させるための開口部516,591aが夫々形成されている。なお、前面開閉部材501の正面側における開口部516の右側方には、スロットマシン1に関する遊技状態(ベット数やクレジット数、エラー等)を表示するための各種LEDを備えた遊技状態表示基板450が設けられている。
また、図18に示すように、前面開閉部材501の裏面側には、周辺制御基板510を収容する基板ケースユニット551、及び小基板ケース554等が組付けられている。基板ケースユニット551は、透明な樹脂部材からなり、周辺制御基板510の底面側(すなわち前面開閉部材501側の面)を覆う基板ケース下部552と、周辺制御基板510の上面側を覆うとともに基板ケース下部552に対して着脱可能な基板ケース上部553とから構成されている。このため、前面開閉部材501が開かれると、周辺制御基板510を収容する基板ケースユニット551がケース部材400内から飛び出すように出現するため、周辺制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。また、演出表示装置590と周辺制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるととに、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。
ところが、上記のように、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590を配置し、前面開閉部材501の背面側に基板ケースユニット551を配置する構成を採用すると、演出表示装置590の背面側が前面開閉部材501によって覆われるため、演出表示装置590に対するノイズ対策として、アースを取ることが困難となったり、アース線等によって見栄えを低下させたりする虞がある。
そこで、本例では、図19及び図20に示すように、演出表示装置590が収容される前面開閉部材501の収容部515に対し、前後方向に貫通する横長四角形状の開口部520を形成するとともに、その開口部520を通して前面開閉部材501の表裏に跨るように、断面が略コ字形である電導性の金具522が設けられている。この金具522は弾性の金属片からなり、前面開閉部材501の表側に位置する前側部分523が演出表示装置590の裏面の金属板521(シールド板)に当接するようになっており、前面開閉部材501の裏側に位置する後側部分525がアース線527に接続されている。つまり、アース線527及び金具522を介して、演出表示装置590の裏面の金属板521が電気的に接地された状態となっており、演出表示装置590に対してのノイズの侵入を抑制している。このように、前面開閉部材501の前面側に取付けた演出表示装置590に対し、前面開閉部材501の背面側でアース線527に接続することから、演出表示装置590を前面開閉部材501に取付けた後にアース線527を接続することが可能になるとともに、アース線527が前面開閉部材501と周辺制御基板510(基板ケースユニット551)との間に配線されることから、アース線527の露出による見栄えの低下を抑制することが可能になる。
また、前面開閉部材501には雄ネジ530を螺合可能とするネジ孔529が設けられており、前面開閉部材501の後方から雄ネジ530がねじ込まれると、前面開閉部材501の前面から突出し、さらに雄ネジ530の先端部分によって、金具522の前側部分523を背面側から押圧する。すなわち、雄ネジ530の推進力によって金具522の前側部分523を弾性変形させ、演出表示装置590の裏面の金属板521に向って付勢する。このため、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590を取付けた後、雄ネジ530を螺合させるだけで、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に圧接させることができ、ひいては金具522と金属板521とを確実に接触させることが可能になる。
また、金具522の後側部分525には、雄ネジ530が挿通可能な透孔526が設けられており、この透孔526を通して、雄ネジ530が前面開閉部材501のネジ孔529にねじ込まれると、金具522が前面開閉部材501に固定された状態となる。換言すれば、金具522を前面開閉部材501に固定させるための雄ネジ530を用いて、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に向って弾性変形させることが可能になる。このように雄ネジ530を兼用することにより、構成が簡単になるとともに、作業工程が少なくなるため、低廉化を図ることが可能になる。
また、アース線527の先端にはY形端子528が圧着されており、Y形端子528を金具522に取付けることにより金具522の後側部分525に対してアース線527が接続される。特に、本例では、雄ネジ530が後側部分525の透孔526を通して前面開閉部材501のネジ孔529にねじ込まれる際、後側部分525との間でY形端子528を挟持した状態でねじ込まれる。すなわち、一つの雄ネジ530をねじ込むことにより、金具522の取付け及び前側部分523の弾性変形に加え、Y形端子528を固定させることも可能にしている。このため、全体の構成が一層簡単になるとともに、作業工程をさらに少なくすることができる。
また、金具522には、前側部分523の裏面に凹状の受止部524が形成されており、雄ネジ530が前面開閉部材501にねじ込まれると、雄ネジ530の先端が受止部524に当接するようになっている。このため、雄ネジ530をねじ込む際に金具522の前側部分523が雄ネジ530の推進方向(軸方向)から逃げることを防止でき、前側部分523を演出表示装置590に向って確実に押圧することが可能になる。なお、前側部分523の受止部524を凸状に形成し、雄ネジ530の先端に凹状の窪みを設けるようにしてもよく、このように構成しても、前側部分523の逃げを効果的に防止することができる。
また、断面コ字形の金具522は、開放部分を下方に向け、開口部520の下縁に掛止された状態で固定される。このため、金具522を前面開閉部材501に取付ける際に、金具522を手で支えなくても、掛止された状態で保持することが可能になる。したがって、例えば片手で作業を行うことが可能となる。特に、金具522を開口部520の下縁に掛止した際に、金具522に穿設された取付用の透孔526と前面開閉部材501に形成されたネジ孔529とが重なるように位置が設定されているため、透孔526とネジ孔529との位置合せを極めて容易に行うことができ、作業性を向上させることができる。
さらに、前面開閉部材501の裏面側に凹凸面550が形成されており、金具522は凹凸面550の中の低くなっている部分、すなわち後方に向って突出していない部分に配置されている。このため、金具522や雄ネジ530の頭部によって基板ケースユニット551の組付けが困難となることを防止できる。なお、図18に示すように、周辺制御基板510は、合成樹脂等で形成された非導電性の基板ケースユニット551に収容されているため、たとえ金具522が前面開閉部材501の裏面側に突出した状態で配置されても、金具522と周辺制御基板510との接触を防止でき、電気的な故障を抑制することが可能となる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図37は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図37の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図38の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図38(a)〜(c)に示すように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構に相当しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図5〜図7に示すように、ケース部材400の縦の補強部材407のうちヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図6において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図6の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と前面開閉部材501を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。つまり、本例のスロットマシン1では、各リール301a〜301cに付された図柄が臨む前面の開口部516(図6では装飾部材591の開口部591a)の下方に演出表示装置590が装着されており(図6参照)、このような構成のスロットマシンにおいて、遊技ユニット50を扉形前面部材200側に取り付けると、扉形前面部材200側の重量が大きくなってしまい、外本体100に対して扉形前面部材200を軸支するヒンジを強固なものにしたりする必要があり、設計負荷が増大する。そこで、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにすることで、設計負荷の軽減を図りつつ、遊技ユニット50の内部(例えば例えば主制御基板409の配線等)を視認できるようにしてメンテナンスの容易化や不正の防止を図っている。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図41及び図42に示すように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図40のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図41において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパーであって、止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることによりストッパー704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図41において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図6に示したように、補強桟402には、係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部(図示していない)が設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図43,図44に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えば主制御基板409や周辺制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
[前面開閉部材−照明装置]
図3に示すように、前面開閉部材501の前側に収容された装飾部材591の背面側には、下方に向って光を放射する複数の照明装置502aと、該照明装置502aの下方に配置され照明装置502aから放射された光を遊技者側に向って反射させる反射部材502bとが配設されている。特に反射部材502bは、下側ほど装飾部材591に近づくように湾曲した白色の反射面を前面に有しており、装飾部材591の略全域に対して光を略均等に照射している。なお、装飾部材591は光透過性の部材からなり、反射部材502bによって反射された光は、装飾部材591を通して外部(遊技者側)に放射される。つまり、照明装置502a及び反射部材502bによって装飾部材591を面発光させることが可能となっている。
[配線手段]
外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各ベットボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えば主制御基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、遊技ユニット50(外本体100の内部に対して着脱自在に設けられたケース部材400及び前面開閉部材501に、図柄変動表示装置300や任意の画像を表示する画像表示体500と含むケース側電気部品を組み付けてなる。この実施形態では図5及び図6に示されている)が外本体100に対し着脱自在であるため、遊技ユニット50の交換等に際して本体側電気部品とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図9に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図3に示したように、ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、図9に示すように、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながる遊技ユニット側配線類423(図11参照)とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)即ち、主中継基板122,周辺中継基板123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図9,図10において左側に位置する大きい方のコネクタ基板である主中継基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記主制御基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。つまり、コネクタ425をコネクタ124に連結することにより、主制御基板409に作動用電力を供給するとともに、ケース部材400の外部に配置された本体側電気部品に対し、主制御基板409から制御用の信号を送信することが可能になる。
一方、図9,図10において右側に位置する小さい方のコネクタ基板(周辺中継基板)123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図10拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、後述の周辺制御基板510につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。さらに、本発明では、遊技ユニット側配線類が遊技制御基板につながった主制御系配線類424と周辺制御基板につながった周辺制御系配線類426とに分割される(図11参照)。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図10拡大図に示すように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、主制御基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427(図11参照)と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125とコネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。つまり、コネクタ427をコネクタ125に連結することにより、周辺制御基板510から、扉形前面部材200の裏側に設けられた扉装飾駆動基板860(後述)やLスピーカ201a,Rスピーカ201b(後述)に駆動信号が送られ、これらを動作させることが可能となる。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、後述する本体側ガイド部453とを有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、配線ダクト129の内部を通り、外本体100(図1参照)の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口(図示しない)を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口とは無関係にそのまま接続される。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400の主制御基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、周辺制御基板510につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図11に示すように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有しホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、後述するユニット側ガイド部452とからなり、図4に示すように配線中継部材113の支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり遊技ユニット50単体で工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
仮止め棚418は、図4及び図8に示したようにケース部材400の内側から配線窓411(図7参照)に向かわせた棚板状の部材であり、コネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図4(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。
しかして、仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,425の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図4(b)→図4(a)に示すように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材400から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と遊技ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。すなわち、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有する。そして、遊技ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、遊技ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする。
上記のスロットマシン1は、遊技ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば遊技ユニット50に直接コネクタを取り付け、遊技ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな遊技ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、上記のスロットマシン1は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を遊技ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し上記のスロットマシン1は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し遊技ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、遊技ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425及びコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し本例の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。すなわち、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
以上の遊技機(スロットマシン1)は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと遊技ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、遊技ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と遊技ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、遊技ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、本例では、コネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部のテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図12に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔469aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔469aを遊嵌させ、座金付きのネジ469をもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔469aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2つ以上でもよい。
また、本例では、コネクタ124とコネクタ425、及びコネクタ125とコネクタ427との連結作業をさらに容易にするために、コネクタホルダー428の挿入方向を案内する機構を備えている。具体的に説明すると、図4(b)及び図9に示すように、外本体100の背板104において、コネクタ基板122及びコネクタ基板123を覆うように樹脂製のカバー体121が設けられていることは、前述した通りであるが、このカバー体121には、コネクタホルダー428側に向って突出する本体側ガイド部453が形成されている。本体側ガイド部453は、開口126の下側に配置されており、横倒した四角柱状の外観を呈する突出部462と、左右方向の中央部分において上下方向に貫通するスリット状の本体側透孔461とから構成されている。なお、この本体側ガイド部453は、カバー体121と別々に形成し接着するようにしてもよいが、本例では、カバー体121と一体に成形されている。
一方、図4(b)及び図13に示すように、コネクタホルダー428の底面には、本体側ガイド部453と対向するようにユニット側ガイド部452が形成されている。ユニット側ガイド部452は、本体側ガイド部453の突出部462が挿入可能な穴部463を有する穴部形成部材464を備えている。つまり、カバー体121に形成された本体側ガイド部453と、コネクタホルダー428に設けられたユニット側ガイド部452との協働によって、外本体100側(配線中継部材113側)のコネクタ124,125(以下、「本体側コネクタ124等」という)と、コネクタホルダー428に組み付けられたコネクタ425,427(以下、ユニット側コネクタ425等)という)との連結作業を一層容易なものとしている。すなわち、配線中継部材113に固定された本体側コネクタ124等に対してユニット側コネクタ425等の嵌合方向が案内されるように構成されている。具体的には、図15に示すように、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とを対向させた場合、穴部形成部材464における穴部463の開口部分と突出部462との距離mは、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との距離nよりも短くなっており、突出部462の先端が穴部463に挿入され穴部463の周面に沿って相対的に摺動する途中で、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが当接し、さらに、図14に示すように突出部462の先端が穴部463の奥側まで挿入されると、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが連結されるようになっている。したがって、円滑に且つ容易に連結させることが可能になり、作業性を大幅に高めることができる。なお、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが完全に連結された状態でも、突出部462は穴部463の最も奥の壁には達しないようになっている。このため、突出部462の長さまたは穴部463の深さに製造上の誤差が生じても、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結を確実に行うことが可能となる。また、コネクタホルダー428にユニット側ガイド部452を形成することから、一つのユニット側ガイド部452によって、複数のユニット側コネクタ425等の嵌合をまとめて案内することができる。
ところで、カバー体121に形成された突出部462とコネクタホルダー428に形成された穴部463とによって、ユニット側コネクタ425等の嵌合方向を案内するものでは、少なくとも突出部462の先端が本体側コネクタ124とユニット側コネクタ425との連結部分よりも前方に突出することになる。このため、突出部462がコネクタ124よりも上方に配置されたものでは、コネクタ124とコネクタ425との連結部分が突出部462によって部分的に遮られることになり、例えばコネクタ124とコネクタ425との間に異物が挟まっていても気づかない虞がある。また、コネクタ同士の連結状態を視認させることが困難となる場合もある。これに対し、本例では、穴部463を形成するブロック状の穴部形成部材464をコネクタホルダー428の底面に配置しているため、突出部462または穴部形成部材464によってコネクタ124とコネクタ425との連結部分が遮蔽されてしまうことを防止でき、連結状態の目視確認を容易に行わせることが可能となる。
ところで、本体側コネクタ124等と、ユニット側コネクタ425等とを互いに分離可能な状態で連結するものにおいては、コネクタ124とコネクタ425、またはコネクタ125とコネクタ427とが互いに分離され、いずれかのコネクタに不正な制御手段や不正な部品が取り付けられるおそれ、すなわち不正な信号に基づいた遊技が行われるおそれがある。なお、この問題を解決するため、ユニット側コネクタ425等を、本体側コネクタ124等に連結した後、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とを分離不能な状態で固着させることも考えられるが、これによれば、遊技ユニット50の取外しが極めて困難になり、遊技ユニット50を交換可能とした利点がなくなる。
そこで、本例では、遊技ユニット50が外本体100内に収容され、且つユニット側コネクタ425等が本体側コネクタ124等に連結された後、図16(a)に示すように、結束バンド454によってユニット側ガイド部452と本体側ガイド部453とを結束し、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態を保持するようにしている。特に、この結束バンド454は、痕跡生成部材からなり、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が解除されると(すなわちユニット側コネクタ425等に対して別の不正部材を連結させることが可能な状態になると)、痕跡が残されるようになっている。
さらに詳しく説明すると、図15に示すように、ユニット側ガイド部452またはコネクタホルダー428の少なくともいずれか一方にはユニット側透孔460が設けられ、本体側ガイド部453には、連結した際にユニット側透孔460に重ね合わすことが可能な本体側透孔461が設けられているため、ユニット側透孔460及び本体側透孔461を通して結束バンド454を結束させることにより、本体側ガイド部453に対してユニット側ガイド部452を固定させることができ、ひいてはユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が保持される。結束バンド454は、図16(b)に示すように、鋸歯状列歯を片面側に設けたバンド部455と、バンド部455の一端側に設けられバンド部455を挿入させることが可能な挿通孔を有する頭部456と、その頭部456における挿通孔の内部に形成され、バンド部455の鋸歯状列歯を係止可能で且つ係止後の解除操作が不能な係止爪457と、バンド部455の延長上に形成されロゴが刻印されたロゴ表示部458とを具備して構成されている。このため、図16(a)及び図17に示すように、ユニット側透孔460及び本体側透孔461に結束バンド454のバンド部455を通し、その後、そのバンド部455を頭部456の挿通孔に挿入させると、バンド部455の片面側に形成された鋸歯状列歯が、挿通孔の内部に形成された係止爪457に係止され、本体側ガイド部453とユニット側ガイド部452とが結束される。
そして、挿通孔に対しバンド部455を深く挿入するほど環状の部分(結束部分)が収縮され、締付力が強くなる。特に、係止爪457は、鋸歯状列歯を一旦係止させると、その後の解除操作ができないように構成されているため、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が保持され、不正行為を防止することが可能になる。また、結束バンド454が切断された場合には、本体側コネクタ124等からユニット側コネクタ425等を外すことが可能になるが、この場合には、結束バンド454が切断されたという痕跡が残ることから、不正な行為が行われたか否かを把握することが可能になる。なお、遊技店舗において旧機種の遊技ユニットを取外す際には、結束バンド454を鋏等で切断するだけでよいことから、交換時における作業者の負担を軽減することができる。
なお、本例の結束バンド454は、ロゴ表示部458に特定のロゴが刻印されているため、例え、不正行為が行われた後に別の結束バンドを用いて元の状態に戻したとしても、結束バンドの種類が異なることから、不正行為が行われたことを把握させることができる。また、この結束バンド454は、蛍光色の部材からなるため、ケース部材400の中に配置された他の部材よりも目立たせることができ、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が解除されたか否かを明瞭に認識させることが可能になる。また、ケース部材400は透明部材から形成されているため、画像表示体500によってケース部材400の前面が閉鎖された状態でも、結束バンド454の状態を、ケース部材400の外部から視認することができる。
また、図13に示すように、ユニット側透孔460は、穴部形成部材464の後端側に形成された切欠状の溝部460aと、その溝部460aに連通するとともにコネクタホルダー428に穿設された貫通孔460bとからなる。このため、図14に示すように、穴部形成部材464の中に、本体側透孔461を有する本体側ガイド部453を挿入させると、これらの貫通孔460b及び溝部460aと本体側透孔461とを通して結束バンド454を上下方向に挿通させるとともに、穴部形成部材464の外周面に沿って結束バンド454を締め付けることが可能になる。特に、コネクタホルダー428だけではなく穴部形成部材464の後端側にも結束バンド454が通される切欠状の溝部460aが形成されているため、穴部形成部材464をコネクタ425の奥側(連結部分側)に形成した場合でも、結束バンド454の挿通位置を前方側(作業者側)に近づけることができ、作業性を向上することが可能になる。また、穴部形成部材464の厚みが比較的大きな場合でも、穴部形成部材464に形成された溝部460aは後端が開放された形状であることから、穴部形成部材464に対し結束バンド454を容易に挿入させることができる。
また、穴部形成部材464に形成された溝部460aの横幅寸法が、結束バンド454の横幅に略一致しているため、溝部460aに挿入された結束バンド454の動き、特に左右方向の遊動を防止することができる。つまり、穴部形成部材464によって結束バンド454の位置決めが行われるため、適切な位置に安定した状態で結束させることが可能になる。
また、図14に示すようにコネクタホルダー428の上面側には、ユニット側透孔460(特に貫通孔460b)に向って下り傾斜した進入ガイド部465が形成されており、結束バンド454を取着させる際、コネクタホルダー428の前側から貫通孔460bに向って結束バンド454の進入方向が案内される。このため、貫通孔460bがコネクタホルダー428の奥側に形成されている場合でも、結束バンド454の先端を比較的容易に貫通孔460bに到達させることが可能となり、ひいては作業性をさらに高めることができる。
また、図13に示すように、穴部形成部材464の底面及び前面には送出ガイド部466が形成されており、ユニット側透孔460を挿通した後の結束バンド454の先端が、穴部形成部材464の前方に向って案内される。このため、貫通孔460bに挿通した結束バンド454を引き出す等の作業を行わなくても、自然に前方に向って送り出され、穴部形成部材464を囲むように環状に配設させることが可能になる。したがって、結束作業を一層容易に行わせることが可能になる。なお、送出ガイド部466は、略円弧状の誘導面467と、その誘導面467に沿って形成された堤部468とを具備して構成されている。このため、略円弧状の誘導面467に沿って結束バンド454を滑らかに送り出すことが可能になる。
なお、ユニット側コネクタ425等に接続されたハーネス424(図11参照)は、ユニット側透孔460の穿設方向と略平行に配線されている。具体的には、ハーネス424が、ユニット側コネクタ425等の取付方向に対して垂直である上方に向って繰出されている。このため、ユニット側透孔460に挿入される結束バンド454とハーネス424とが交差することを回避でき、ひいては結束バンド454による結束作業がハーネス424の存在によって困難となることを防止できる。
ところで、結束バンド454によってユニット側ガイド部452と本体側ガイド部453とが合致された状態に保持されていても、ユニット側ガイド部452が形成されたコネクタホルダー428に対してユニット側コネクタ425等が着脱可能に取り付けられている場合には、結束バンド454を切断することなく、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から外すことが可能になる。
これに対し、本例によれば、図11に示すように、複数のユニット側コネクタ425等が、ネジ469によってコネクタホルダー428に取付けられているが、このネジ469は、図4に示すように、コネクタホルダー428において本体側コネクタ124等と対向する面にねじ込まれているため、本体側コネクタ124等とユニット側コネクタ425等とを分離させない限り、ネジ469を緩めることができなくなる。したがって、「本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から抜き取ること」が防止される。
一方、図9に示すように、外本体100では、本体側ガイド部453を形成したカバー体121が、コネクタ基板122等を覆っているため、カバー体121を外すことなく、コネクタ基板122等を外本体100から取り外すことができなくなる。したがって、防犯効果をさらに高めることができる。特に、カバー体121は、コネクタ基板122等に対しネジ(図示しない)を用いて取付けられているが、そのネジは、コネクタホルダー428と対向する位置に穿設された透孔134aを通してねじ込まれているため、本体側コネクタ124等とユニット側コネクタ425等とを分離させない限り、ネジを緩めることができなくなる。つまり、ユニット側コネクタ425等が本体側コネクタ124等に連結された状態では、ネジがねじ込まれた部分に対してドライバー等の工具を挿入させることができないようになっている。したがって、「本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、カバー体121をコネクタ基板122等から外すこと」が防止される。
また、図4に示すように、遊技ユニット50におけるケース部材400内に棚状の仮止め棚418が形成されていることは前述した通りであるが、仮止め棚418におけるベンチ部433とベンチ側板434とによってコネクタホルダー428の可動範囲が制限されるようになっている。このため、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等に連結させる際に、まず、ベンチ部433及びベンチ側板434によってコネクタホルダー428の大まかな位置決めがなされ、その後、本体側ガイド部453及びユニット側ガイド部452によって精度の高い位置決めがなされる。したがって、本体側ガイド部453及びユニット側ガイド部452が視認し難い位置に配置されていても、これらを容易に合致させることが可能となり、ひいてはユニット側コネクタ425等の嵌合方向を円滑に案内することが可能となる。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟(図示しない)とを木ねじ等の固定部材で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに木ネジ(図示しない)を挿通させ、さらにドライバー等の工具で天窓部443越しに固定部材を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟(図示せず)の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟の同じ位置に固定部材の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図3に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133(図1参照)に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
続いて、連結具の他の例について、図45乃至図49に基づき説明する。ここで、図45は連結具80の作動状態を示す斜視図、図46は連結具80における要部の構成を示す斜視図、図47は連結具80の分解斜視図、図48は連結具80を裏側から見た背面図、図49は連結具80の作動状態を示す図48のA−A線相当断面図である。
図45乃至図47に示すように、連結具80は、画像表示体500の裏面に形成された溝状の収容部500b内に、大部分が埋込まれた状態で配置されている。つまり、画像表示体500の背面からあまり突出することない状態で設けられている。また、この連結具80は、ケース部材400が外本体100内に装着され、しかもケース部材400の開口が画像表示体500によって閉じられた状態では操作できないように、画像表示体500の回動外縁部分に設けられている。このため、画像表示体500を開いた状態で連結具80を止め軸703に連結することが必要となり、ひいてはロック片421の解除を忘れたまま連結具80を連結すること、すなわち扉形前面部材200及び画像表示体500が開けられなくなる事態が発生すること、を未然に防ぐことができる。
連結具80は、連結具700と同様、画像表示体500の回動外縁から突出し、先端側が止め軸703に対して回転自在に連結される樹脂製の連結杆800と、その連結杆800を、画像表示体500における回転軌跡の径方向に沿って摺動可能に支持する摺動案内部材801とを具備して構成されている。つまり、連結杆800を突出方向に対して出没可能に支持することにより、扉形前面部材200の回動に伴って扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が変化しても、連結杆800の摺動によって連結状態を保持することを可能にしている。
また、本例の連結具80には、画像表示体500と連結杆800との間に伸縮アーム820が介在されている。伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されており、伸縮アーム820が伸びると、図45(b)及び図49(b)に示すように、連結杆800が突出方向に飛び出した状態となり、一方、伸縮アーム820が縮むと、図45(a)または図49(a)に示すように、連結杆800が没入した状態となる。
次に、連結杆800、摺動案内部材801、及び伸縮アーム820の構成について詳細に説明する。連結杆800は、図47に示すように、全体的に略棒状の形状を呈し、基部800a側には円形の軸孔部800dが穿設され、先端側には長手方向が長径となる長孔形状の軸孔部800cが穿設されている。なお、基部800a側と先端側では上面の高さが等しいが、基部800a側から長手方向の略中央部分にわたって、高さ方向の厚みが約1/2となっており、底上げした形態となっている。つまり、基部800aの下部に空間を形成することにより、伸縮アーム820の一部をもぐり込ませることを可能にし、ひいては伸縮アーム820が折れ曲がった際に伸縮アーム820と基部800aとが部分的に重なりあっても、高さ方向の厚みが大きくなり過ぎないようになっている。特に、基部800aの側面(図49(b)では下側の面)には、半円状の切欠部800eが形成されており、後述する第二腕部820bの先端側に形成された連結部分の一部を収容可能としている。
また、連結杆800の先端側には、連結杆800の側面から回転軌跡の周方向に向って突出した突出補強部材800bが形成されている。この突出補強部材800bは、扉形前面部材200が開放位置から閉鎖位置に回動する際、すなわち扉形前面部材200を閉じる際、止め軸703(図41参照)が支持されたベース部材215aに当接し回転中心方向に押圧される位置に形成されている。このため、扉形前面部材200を閉じる際に、止め軸703のみによって連結杆800を押圧するものに比べ、止め軸703及び連結杆800に加わる荷重を分散することができ、荷重の集中による止め軸703または連結杆800の破損を抑制することができる。
一方、摺動案内部材801は、連結杆800を回転軌跡の径方向に案内するための部材であり、樹脂で形成され、画像表示体500に対向する面が開放された断面略コ字形の形状を呈するガイド部分801aと、その先端側の裏面縁部から上下方向に延出された一対のフランジ部801bとを具備して構成されている。なお、フランジ部801bは、図45に示すように、溝状の収容部500bからはみ出した状態で画像表示体500の裏面に取付けられており、夫々の中央部分には、取付けネジを挿通させるための貫通孔が穿設されている。
また、図47及び図49に示すように、摺動案内部材801の側面には、伸縮アーム820が貫通する長方形状の開口部801cが長手方向に沿って形成されており、特に、その中央部分には、伸縮アーム820の連結部分を収容可能とする半円形の切欠801dが底面にまで及んで形成されている。なお、この切欠801dは、連結杆800が没入状態となった場合に、連結杆800に形成された切欠800eと上下方向において合致する位置に形成されており、その重なった状態において連結部分が挿入されるようになっている。
伸縮アーム820は、画像表示体500の裏面に固定された支持軸830(図45参照)に対し一端側が軸支された第一腕部820aと、両端側が第一腕部820aの先端側及び連結杆800の基部800aに夫々軸支された第二腕部820bとからなり、「く」の字形に折れ曲がるように構成されている。さらに詳しく説明すると、第一腕部820aは、基端側に平面視C字形の支持環820cを備えており、支持軸830に対し回動可能に外嵌されている。なお、支持軸830の位置は、連結杆800の摺動直線上(すなわち摺動案内部材801の内部)から後側に逸脱した位置に設定されており、連結杆800が最も突出した状態(図49(b)参照)では連結杆800の長手方向と第一腕部820aの長手方向とが略平行となり、一方、連結杆800が没入した状態(図49(a)参照)では、第一腕部820aの先端側が連結杆800に食い込んだ状態となる。なお、第一腕部820aの先端側には、支持環820cと略同径の連結部分が形成され、その内部に軸孔部820dが形成されている。
第二腕部820bは、平面視が眼鏡形の形状を呈しており、その両端側には、軸孔部820dと同径の軸孔部820e,820fを有する連結部分が形成されている。そして、第一腕部820aの軸孔部820dと第二腕部820bの軸孔部820eとが回転軸821aを介して互いに回転可能に連結され、第二腕部820bの軸孔部820fと連結杆800の軸孔部800dとが回転軸821bを介して互いに回転可能に連結されている。なお、第二腕部820bの高さ方向の厚みは第一腕部820aよりも薄くなっており、連結杆800の下部に形成された空間に潜り込むことが可能になっている。
このように、伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されているため、折り畳まれると連結杆800の長手方向における寸法を短くすることが可能になる。特に、支持軸830が連結杆800の摺動直線上から外れた位置に配置されているため、伸縮アーム820を没入させる際、すなわち伸縮アーム820が折り畳まれる際、連結杆800を摺動案内部材801の一番奥まで挿入させることが可能となる。
ところで、連結杆800は、回転軸821bを中心として、画像表示体500の回転軌跡と同方向に所定範囲内で揺動可能に支持されている。また、図49に示すように、摺動案内部材801における内幅Mは、連結杆800の横幅Wよりも幾分大きくなるように設定されている。このため、揺動規制部805によって制限された回動範囲内で連結杆800を揺動させることができ、連結杆800の突出方向を変化させることが可能となる。したがって、扉形前面部材200の回動中に、画像表示体500の回動外縁に対する扉形前面部材200の相対位置が変化しても、連結杆800に無理な力が加わることを抑制でき、回動中における連結杆800の反りや破損を防止することができる。
なお、揺動規制部805は、摺動案内部材801の先端側に設けられており、連結杆800の突出長さが短くなるほど、揺動可能範囲が狭くなるように構成されている。つまり、画像表示体500の回動外縁側と扉形前面部材200の回動外縁側との距離は、扉形前面部材200の開放角度が大きくなるほど長くなる傾向にある(換言すれば、扉形前面部材200の開放角度が小さくなるほど短くなる傾向にある)が、これに対し本例では、扉形前面部材200が閉鎖位置に近づくほど揺動可能範囲が狭くなるため、夫々の開度状態に応じた適切な範囲内の揺動のみを許容することとなる。このため、扉形前面部材200の回動中における画像表示体500のガタツキを極力抑え、安定した状態で回動させることができる。
また、図45に示すように画像表示体500の回動外縁には、外方向に突出した制動部材500cが形成されている。また、連結杆800の側面には、突出補強部材800bとは反対側に突出した突出部800fが形成されており、図49(a)に示すように、画像表示体500が閉鎖位置になると(すなわち連結杆800が没入位置になると)、制動部材500cと突出部800fとが互いに当接するように位置が設定されている。これにより、画像表示体500が閉じられた際に連結杆800の揺動を阻止することが可能になり、ひいては画像表示体500が閉じられた使用可能状態では、画像表示体500を定位置に保持することができ、遊技中の振動による異音の発生を防止することができる。
また、図46に示すように、摺動案内部材801の基部側面には、弾性的な片持ち梁式のストッパー801sが形成されている。ストッパー801sは止め軸703から外した連結杆800を摺動案内部材801の内部に納めて保持するためのものであり、連結杆800の基部800a側の円形部分に係合して連結杆800の盲動を防止する。
このように、本例のスロットマシン1によれば、機種を変更する場合、外本体100及び扉形前面部材200をそのまま利用し、主制御基板409と周辺制御基板510とを含む、必要最小限の構成のみを交換することが可能になる。したがって、機種変更にかかる費用の負担を軽減するとともに、交換部分の小型化及び軽量化が図れることから運搬や設置における作業性が向上する。特に、ユニットごと交換することから、取扱いが容易となり、遊技店舗においても速やかに交換することが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、主制御基板409及び周辺制御基板510に接続された複数のユニット側コネクタ425等が配置されており、本体側コネクタ124等に着脱可能に連結させることが可能になっている。特に複数の本体側コネクタ124等は、外本体100内で1箇所に集められて配置されており、一方、複数のユニット側コネクタ425等は、一つのコネクタホルダー428によって纏めて支持されているため、一回の操作によって、複数組のコネクタを同時に連結させることが可能となり、連結に関する作業性を高めることができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、外本体100に固定された本体側コネクタ124等に対してユニット側コネクタ425等の嵌合方向が案内されるように構成されているため、円滑に且つ容易に連結させることが可能になり、作業性を大幅に高めることができる。なお、コネクタホルダー428にユニット側ガイド部452を形成することから、一つのユニット側ガイド部452によって、二つのユニット側コネクタ425,427の嵌合を案内することができ、夫々のユニット側コネクタ及び本体側コネクタにガイド部を形成するものに比べ、比較的簡単な構成で実現することが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態を結束バンド454によって保持することから、結束バンド454の状態を視認させることにより、本体側コネクタ124等からユニット側コネクタ425等が外されたことを遊技店舗等において把握させることが可能になる。したがって、不正な行為によって制御の内容が変更されることを抑制でき、主制御基板409等における信頼性を確保することができる。特に、ユニット側透孔460及び本体側透孔461を通して結束バンド454を結束させることにより、本体側ガイド部453に対してユニット側ガイド部452を固定させることから、極めて簡単な構成で連結状態を保持することができるとともに、結束バンド454の状態によって不正な行為を容易に把握させることができる。なお、遊技店舗において旧機種の遊技ユニット50を取外す際には、結束バンド454を鋏等で切断するだけでよいことから、交換時における作業者の負担を軽減することができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、コネクタホルダー428だけではなくユニット側ガイド部452となる穴部形成部材464の後端側にも結束バンド454が通される切欠状の溝部460aが形成されているため、穴部形成部材464をコネクタホルダー428の奥側に形成した場合でも、結束バンド454の挿通位置を作業者側に近づけることができ、作業性を向上することができる。また、穴部形成部材464の厚みが比較的大きな場合でも、穴部形成部材464に対し結束バンド454を容易に挿入させることができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、コネクタホルダー428の上面に進入ガイド部465が形成されているため、ユニット側透孔460がコネクタホルダー428の奥側に形成されている場合でも、結束バンド454の先端を比較的容易にユニット側透孔460に到達させることが可能となり、ひいては作業性をさらに高めることができる。また、穴部形成部材464に送出ガイド部466が形成されているため、ユニット側透孔460に挿通した結束バンド454を引き出す等の作業を行わなくても、自然に前方に向って送り出され、穴部形成部材464を囲むように環状に配設させることが可能になる。したがって、結束作業を一層容易に行わせることが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、コネクタホルダー428に対してユニット側コネクタ425等を固定するネジ469が、コネクタホルダー428において本体側コネクタ124等と対向する面にねじ込まれているため、本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したままユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から抜き取る、という不正操作が防止される。
また、本例のスロットマシン1によれば、カバー体121に本体側ガイド部453を形成することから、専用の本体側固定部部材を別途設けなくても、ユニット側コネクタ425等の嵌合方向を案内することができ、全体の構成を一層簡単にすることができる。また、カバー体121は、コネクタ基板122等を覆っているため、カバー体121を外すことなく、コネクタ基板122を外本体100から取り外すことができなくなる。したがって、防犯効果をさらに高めることができる。また、カバー体121を固定するネジは、コネクタホルダー428と対向する位置にねじ込まれているため、本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、カバー体121をコネクタ124から外すことが防止される。
また、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材501の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にし、扉形前面部材200の横開き動作を前面開閉部材501に伝達する連結具80を備えているため、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部、特に結束バンド454の状態までも視認させることが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、ケース部材400の後面板内面に主制御基板409が組付けられ、その前方に配線作業空間408が形成されているため、ケース部材400の内部に組付けられた主制御基板409に対しての配線作業が容易となる。特に、配線作業空間408とユニット側コネクタ425等とを隣接させた状態で配置することが可能となるため、これらを繋ぐハーネスの長さが短くなるとともに、配線作業空間408内で容易に連結作業を行うことが可能になる。
さらに、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590が設けられているため、表示画面を比較的大きく形成し、迫力のある画像を明瞭に視認させることが可能になる。また、演出表示装置590に所定の演出を導出する周辺制御基板510が、前面開閉部材501の背面側に組付けられているため、演出表示装置590と周辺制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、ひいては取扱いが容易になるとともに、ケース部材400内での煩雑さを抑制できる。
上記実施形態では、本体側コネクタ及びユニット側コネクタとして、二組のコネクタを連結させるものを示したが、三組以上のコネクタを連結させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本体側ガイド部453に突出部462を形成し、ユニット側ガイド部452に穴部463を形成するものを示したが、突出部と孔部との関係が逆になってもよい。つまり、本体側ガイド部に孔部を形成し、その孔部に挿入される突出部をユニット側ガイド部に形成するようにしてもよい。また、上記実施形態では、ユニット側ガイド部452及び本体側ガイド部453を一組のみ形成するものを示したが、二組形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、連結状態保持手段として結束バンド454を用いるものを示したが、コネクタ同士の連結状態が解除された際に痕跡の残るもの、すなわち、破壊や切断しなければ連結状態を解除できない部材であれば、採用することができる。例えば、封印シールを用いることも可能であり、これによれば、極めて簡単な構成で連結状態を保持することが可能になる。ただし、封印シールを用いると、遊技ユニット50を交換する場合に、コネクタに封印シールの痕跡が残ることから再利用が困難となる。
また、上記実施形態では、前面開閉部材501に演出表示装置590を組付けるもの、すなわち演出表示装置590を遊技ユニット50の一部として、交換可能に組込むものを示したが、演出表示装置590を扉形前面部材200に組付けるようにしてもよい。これによれば、演出表示装置590を共通部品として扱うことが可能になる。なお、同じ演出表示装置590を採用しても、演出表示装置590に表示される演出(より詳しくは演出表示装置590の表示領域に表示される演出のことであり、以下、演出表示装置590に表示されるという)を変化させることにより、コンセプトの異なった遊技機を提供することが可能になる。
また、上記実施形態の連結具700,80では、ロッド702及び連結杆800を、回転軌跡の径方向に摺動可能に支持し、扉形前面部材200の回動外縁と前面開閉部材501の回動外縁との距離の変化に応じて出没させるものを示したが、前面開閉部材501の回動軌跡を扉形前面部材200の回転軸を回転中心とする回転軌跡に確実に一致させるように構成した場合には、扉形前面部材200及び前面開閉部材501の回動外縁同士を、摺動することのない連結杆によって連結するようにしてもよい。
[遊技ユニットの交換]
遊技内容を変更する場合や、遊技機種を変更する場合には、外本体100及び扉形前面部材200に配設されている部材や電気部品を残してそのまま継続使用すると共に、遊技ユニット50のみを本体側(外本体100及び扉形前面部材200)に対して取り外し、新たな遊技ユニット50を外本体100の内部に収納固定することになる。以下、遊技ユニット50を交換する場合の具体的な作業手順を説明する。
[遊技ユニットの外本体100からの取り外し]
図2に示す扉形前面部材200の自由端側の一側の錠装置215にキー(鍵)を挿入して右回りに回すと錠が外れ、扉形前面部材200を外本体100から開放させることができる。扉形前面部材200を外本体100に対して手前に引くと、扉形前面部材200が回転軸100a(図1,図40参照)を中心として外本体100に対して内部を開放する方向に回動する。このとき、画像表示体500は、連結具700(図40及び図41参照)により、扉形前面部材200の支持片215bに支持された止め軸703の下端部分が、画像表示体500の固定鞘部材701内を摺動するロッド702に連結されていることにより、画像表示体500がヒンジ金具420(図39及び図40参照)を中心に扉形前面部材200と一体となって回動する。これにより、ケース部材400の開口部401が露出した状態となる。
次に、ケース部材400の開口部401に手を入れ、その奥の配線作業空間408内のコネクタホルダー428(図4参照)を配線中継部材113から外す。図4に示すように、コネクタホルダー428は左右のボタン形パネルファスナー432,432により配線中継部材113の支持筒128,128に固定されている。左右のボタン形パネルファスナー432,432を摘み、手前方向に5mmほど引くと、左右のボタン形パネルファスナー432,432と支持筒128,128との結合が外れる。そして、コネクタホルダー428の左右の取着片431,431を手で支持して手前方向に引くことにより、配線中継部材113のコネクタ124とコネクタホルダー428のコネクタ425とのコネクタ結合が外れると共に、配線中継部材113のコネクタ125とコネクタホルダー428のコネクタ427とのコネクタ結合が外れることにより、両コネクタ425,427を抜くことができる。配線中継部材113から取り外したコネクタホルダー428は、仮止め棚418のベンチ部433に配置するようにする(図8参照)。これにより、遊技ユニットを輸送中にコネクタホルダー428が移動したりすることがない。
次に、図1及び図26に示されている上部左右のストッパー117を遊技ユニットの内部から手で回してケース部材400の係止孔442(図7参照)に係合しない位置に回動させる(ケース部材400の前方向への移動規制の解除)。また、下部のストッパー117を図26で2点鎖線で示される位置に回動させて倒す(ケース部材400の前方向への移動規制の解除)。
次に、図41における拡大図に示す連結具700の止め軸703をスプリング703aの付勢に抗して上方に持ち上げることにより、止め軸703とロッドとの係合を解除した状態としまま、画像表示体500をヒンジ金具420を中心にケース部材400の開口部401を閉鎖する方向に回動させる。そして、画像表示体500でケース部材400の開口部401を閉鎖した状態とし、図6に示すロック片421を時計回りに回動させて、その先端を画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500をケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックする。これにより、遊技ユニット50が外本体100の仕切板105(図1参照)に載っただけの状態となる。
次いで、前述のように、ケース部材400の開口部401上縁と、閉じた状態の画像表示体500の上縁との間の隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出すことにより、遊技ユニット50をケース部材400と共に外本体100に対して手前方向に引き出す。以上のようにして、遊技ユニット50を外本体100から取り外す。なお、新たな遊技ユニット50を外本体100の開口の内部に収納固定する手順は逆となる。
[スロットマシンに配備される電気系統]
次に、スロットマシン1に配備される電気系統について説明する。スロットマシン1の制御構成は、図50乃至図52に示すように、遊技ユニット50側に配備された主制御基板409及び周辺制御基板510から構成されており、各種制御が分担されている。図50は遊技ユニット50(図5に示されているように図柄変動表示装置300+ケース部材400+画像表示体500よりなる)側に配備された主制御基板409(図3及び図6参照)及び本体側(外本体100の背板104に配設された配線中継部材113)に配備された主中継基板122のブロック図である。また、図53は、配線中継部材113に収納される主中継基板122及び周辺中継基板123の正面図である。
[主中継基板122]
主中継基板122は、図53に示すように、電源基板112sとの接続用のコネクタCN1(以下、主中継基板122のコネクタCN1という)と、主制御基板409に繋がっているハーネス付きコネクタ425(図11参照)と接続されるコネクタ124(図9参照、以下、主中継基板122のコネクタCN2という)と、後述の扉形前面部材200の裏面に配備される主扉中継基板850と接続されるコネクタCN3(以下、主中継基板122のコネクタCN3という)と、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータ(図示せず)に対してスロットマシン1の遊技情報を出力するために中継する外部中継端子板131(図1参照)と接続されるコネクタCN4(以下、主中継基板122のコネクタCN4という)と、メダル放出装置110と接続されるコネクタCN5(以下、主中継基板122のコネクタCN5という)と、メダル用補助収納箱111の内部に配設されたメダル補助収納庫スイッチ111aと接続されるコネクタCN6(以下、主中継基板122のコネクタCN6という)と、扉開放検知スイッチ220と接続されるコネクタCN7(以下、主中継基板122のコネクタCN7という)とを備えている。主中継基板122は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。なお、以下の説明では、基板毎にコネクタがあるので、符号「CN」は異なる基板で重複することがある。
図50の電源基板112sは、AC24V(2つの端子)を入力として、主制御基板409のメモリーのバックアップ電源や各種の直流作動電源(+30V電源、+12V電源、+24V電源)を生成し、主中継基板122のコネクタCN1に供給する。なお、符号FG(1つの端子)は、図示しない電源ハーネスを介して遊技島設備のアースに接続される。また、筐体FG端子(1つの端子)は、遊技機本体の金属部分にアースとして接続される。
図54は、主中継基板122のコネクタCN1、CN4、CN5、CN6及びCN7のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図50及び図54に示すように、主中継基板122のコネクタCN1(対電源基板112s)は12ピンで構成されている。コネクタCN1の1番ピン〜5番ピンは何れもグランドGNDの中継入力である。6番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の中継入力であり、7番ピン及び8番ピンはいずれも+30V電源の中継入力であり、9番ピン及び10番ピンはいずれも+12V電源の中継入力であり、11番ピンは+24V電源の中継入力であり、12番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の中継入力である。
主中継基板122のコネクタCN4(対外部中継端子板131)は10ピンで構成されている。コネクタCN4の1番ピンは外部信号5の中継出力、2番ピンは外部信号4の中継出力、3番ピンは外部信号3の中継出力、4番ピンは外部信号2の中継出力、5番ピンは外部信号1の中継出力である。また、コネクタCN4の6番ピンはメダル払出信号の中継出力であり、7番ピンはメダル投入信号の中継出力である。さらに、コネクタCN4の8番ピン〜10番ピンは何れも+24V電源の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN5(対メダル放出装置110)は5ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはS+5V(センサ用+5V電源を意味する、以下、センサ用+5V電源という)の中継出力であり、2番ピンは遊技メダル払出カウントスイッチ信号の中継入力であり、3番ピンはグランドGNDであり、4番ピンは遊技メダル払出ドライブ1の中継出力であり、5番ピンは遊技メダル払出ドライブ2の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN6(対メダル補助収納庫スイッチ111a)は2ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはオーバーフロースイッチ(メダル補助収納庫スイッチ111a)の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。また、主中継基板122のコネクタCN7(対扉開放検知スイッチ220)は2ピンで構成されている。コネクタCN7の1番ピンは扉開放検知スイッチ220の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。
図55は、主中継基板122のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図50及び図55に示すように、主中継基板122のコネクタCN3は30ピンで構成され、主扉中継基板850に接続されている。図50において一点鎖線で囲われている「ドアブロック」で示されるように、主扉中継基板850及び主扉中継基板850にコネクタ接続されているメダルセレクタ207、貯留メダル精算ボタン209、MAXベットボタン206、1ベットボタン205、始動レバー210、リール停止ボタン211(211a〜211c)及び打止め解除/エラー解除スイッチ215cは扉形前面部材200に配設されている(図59参照)。
図59は、スロットマシン1の扉形前面部材200の裏面図である。扉形前面部材200は、スロットマシンの外本体100(図1参照)の前面に横開きの扉状に回動可能に取り付けられている。つまり、扉形前面部材200は外本体100の前面一側の軸を回動軸として、回動可能となっている。図59に示すように、扉形前面部材200の裏面の略中央には、内部に主扉中継基板(図示せず)と扉装飾駆動基板(図示せず)を収納した扉基板収納ケース900が配設されている。また、扉形前面部材200の裏面下部の左右にはLスピーカ(左スピーカ)201aとRスピーカ(右スピーカ)201bとが配設されている。
また、図60は扉基板収納ケース900の斜視図である。図60に示すように、扉基板収納ケース900は、内部に扉装飾駆動基板860(符号のみ図示)を収納した四角形状をなした扉装飾駆動基板収納部分901の側部に、扉装飾駆動基板よりも小型の四角形状で、内部に主扉中継基板850(符号のみ図示)を収納した主扉中継基板収納部分902が一体に形成されている。
図50に示すように、主扉中継基板850にはメダルセレクタ207、貯留メダル精算ボタン209、MAXベットボタン206、1ベットボタン205、始動レバー210、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、打止め解除/エラー解除スイッチ215cが接続されている。
図60において、符号903は扉基板収納ケース900の上面全体を覆う収納ケースカバーであり、主扉中継基板収納部分902の収納ケースカバー903の外面に、メダルセレクタ207に接続されたハーネス付きコネクタを接続するメダルセレクタ用接続コネクタ851(図50に示すように10ピンで構成)と、貯留メダル精算ボタン209に接続されたハーネス付きコネクタを接続する貯留メダル精算ボタン用接続コネクタ852(図50に示すように2ピンで構成)と、MAXベットボタン206に接続されたハーネス付きコネクタを接続するMAXベットボタン用接続コネクタ853(図50に示すように4ピンで構成)と、1ベットボタン205に接続されたハーネス付きコネクタを接続する1ベットボタン用接続コネクタ854(図50に示すように2ピンで構成)と、始動レバー210に接続されたハーネス付きコネクタを接続する始動レバー用接続コネクタ855(図50に示すように3ピンで構成)と、リール停止ボタン211に接続されたハーネス付きコネクタを接続するリール停止ボタン用接続コネクタ856(図50に示すように8ピンで構成)と、打止め解除/エラー解除スイッチ215cに接続されたハーネス付きコネクタを接続する打止め解除/エラー解除スイッチ用接続コネクタ857(図50に示すように2ピンで構成)と、主として主扉中継基板850から本体側の主中継基板122へ各信号を送出する対本体接続コネクタ部材858(30ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
主扉中継基板850と主中継基板122との接続は、主扉中継基板850の対本体接続コネクタ部材858(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えたハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、主扉中継基板850の対本体接続コネクタ部材858(CN1)にハーネス付きコネクタの一端を接続し、主中継基板122のコネクタCN3(図50及び図53参照)にハーネス付きコネクタ910(図9参照)の他端を接続する。
図55に示すように、主中継基板122のコネクタCN3の1番ピンは+24V電源の中継出力であり、2番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の中継出力であり、3番ピンはグランドGNDである。4番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ用+5V電源の中継出力であり、5番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ(メダル投入スイッチ1)信号の中継入力であり、6番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ(メダル投入スイッチ2)信号の中継入力であり、7番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチの信号の中継入力であり、8番ピンはグランドGNDである。
9番ピンは貯留メダル精算ボタン209(貯留メダル精算スイッチ)のスイッチ信号の中継入力であり、10番ピンはグランドGNDである。11番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、12番ピンはMAXベットボタン206(貯留メダル投入スイッチ2)のスイッチ信号の中継入力であり、13番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の中継出力であり、14番ピンはグランドGNDである。15番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、16番ピンは1ベットボタン205(貯留メダル投入スイッチ1)のスイッチ信号の中継入力であり、17番ピンはグランドGNDである。18番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサのセンサ用+5V電源の中継出力であり、19番ピンはグランドGNDであり、20番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサ信号の中継入力である。
21番ピンは第1回胴に対応した左リール停止ボタン211aの信号の中継入力であり、22番ピンは第2回胴に対応した中リール停止ボタン211bの信号の中継入力であり、23番ピンは第3回胴に対応した右リール停止ボタン211cの信号の中継入力であり、24番ピンはグランドGNDである。25番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、26番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の中継出力であり、27番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の中継出力であり、28番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の中継出力である。29番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、30番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の中継入力である。
[主中継基板122と主制御基板409とのコネクタ接続]
図50に示すように、主中継基板122のコネクタCN2は主制御基板409のコネクタCN1と接続される(図53のコネクタ124と図11のハーネス424付きのコネクタ425との接続を介して接続される)。主中継基板122のコネクタCN2及び主制御基板409のコネクタCN1は、64ピンで構成されている。
図56は、主中継基板122のコネクタCN2のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図であり、図57は、主制御基板409のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。なお、図56の主中継基板122のコネクタCN2のピン番号と図57の主制御基板409のコネクタCN1のピン番号とは同一の番号同士が対応している。
主制御基板409のコネクタCN1の1番ピンは外部信号5の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の1番ピンは外部信号5の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の2番ピンは外部信号4の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の2番ピンは外部信号4の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の3番ピンは外部信号3の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の3番ピンは外部信号3の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の4番ピンは外部信号2の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の4番ピンは外部信号2の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の5番ピンは外部信号1の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の5番ピンは外部信号1の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の6番ピンはメダル払出信号出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の6番ピンはメダル払出信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の7番ピンはメダル投入信号出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の7番ピンはメダル投入信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の8番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の8番ピンもグランドGNDである。主制御基板409のコネクタCN1の9番ピンは遊技メダル払出カウントスイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の9番ピンは遊技メダル投払出カウントスイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の10番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の10番ピンもグランドGNDである。
主制御基板409のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ1の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の11番ピン及び12番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ1の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ2の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の13番ピン及び14番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ2の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の15番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の15番ピンもグランドGNDである。主制御基板409のコネクタCN1の16番ピンはオーバーフロースイッチ信号(メダル補助収納庫スイッチ111aのスイッチ信号)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の16番ピンはオーバーフロースイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の17番ピンは扉開放検知スイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の17番ピンは扉開放検知スイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の18番ピン〜23番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の18番ピン〜23番ピンも何れもグランドGNDである。
主制御基板409のコネクタCN1の24番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の24番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の25番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ1信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の25番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ1信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の26番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ2信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の26番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ2信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の27番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の27番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の28番ピンは貯留メダル精算スイッチ信号(貯留メダル精算ボタン209)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の28番ピンは貯留メダル精算スイッチ信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の29番ピンは貯留メダル投入スイッチ1信号(1ベットボタン205)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の29番ピンは貯留メダル投入スイッチ1信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の30番ピンは貯留メダル投入スイッチ2信号(MAXベットボタン206)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の30番ピンは貯留メダル投入スイッチ2信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の31番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の31番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサ信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の32番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の32番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の33番ピンは第1回胴に対応した左リール停止ボタン211aの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の33番ピンは第1回胴に対応した左リール停止ボタン211aの信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の34番ピンは第2回胴に対応した中リール停止ボタン211bの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の34番ピンは第2回胴に対応した中リール停止ボタン211bの信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の35番ピンは第3回胴に対応した右リール停止ボタン211cの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の35番ピンは第3回胴に対応した右リール停止ボタン211cの信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の36番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の36番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の37番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の37番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の38番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の38番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の39番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の39番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の40番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の40番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の41番ピンはS+5V(センサ用+5V電源)の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の41番ピンはS+5V(センサ用+5V電源)の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の42番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の42番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の43番ピン〜49番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の43番ピン〜49番ピンも何れもグランドGNDである。また、主制御基板409のコネクタCN1の50番ピン〜56番ピンは何れも+12V電源の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の50番ピン〜56番ピンは何れも+12V電源の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の57番ピン〜60番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の57番ピン〜60番ピンも何れもグランドGNDである。また、主制御基板409のコネクタCN1の61番ピン〜64番ピンは何れも+30V電源の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の61番ピン〜64番ピンは何れも+30V電源の中継出力である。
[主制御基板]
図51は遊技ユニット50に配備された主制御基板409及び周辺制御基板510のブロック図である。図50に示すように、主制御基板409には、前述の主中継基板122が接続される他、12ピンで構成されるコネクタにより遊技状態表示基板450が接続され、24ピンで構成されるコネクタを介してリール主中継基板315(図23参照)が接続され、1個が8ピンで構成されるコネクタ2個により機能分離中継端子板441が接続されている。なお、図示されていないが、遊技状態表示基板450にはクレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ等が設けられている。リール主中継基板315には、左リールモータ321aに対応したリールモータ中継基板(図25の符号326)が9ピンで構成されるコネクタを介して接続され、中リールモータ321bに対応したリールモータ中継基板が9ピンで構成されるコネクタを介して接続され、右リールモータ321cに対応したリールモータ中継基板が9ピンで構成されるコネクタを介して接続されている。
主制御基板409は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての主制御MPU、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート、上述した、左リールモータ321a、中リールモータ321b及び右リールモータ321cに駆動信号を出力するドライブ回路、スロットマシン1の設定(例えば、設定1〜6)を変更する設定キー(鍵穴)、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ等を備えて構成されている。主制御MPUには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMとが内蔵されており、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPUは、上述した、1ベットボタン205、MAXベットボタン206、貯留メダル精算ボタン209、始動レバー210、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、メダルセレクタ207(ロックアウトソレノイド、通過センサ、レバーセンサ)、扉開放検出スイッチ220、メダル放出装置110の遊技メダル払出カウントスイッチ及びメダル用補助収納箱111のメダル補助収納庫スイッチ111aからの検出信号が主制御I/Oポートを介して入力されており、これらの検出信号に基づいて、ロックアウトソレノイド、クレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ及びメダル放出装置110の駆動手段への駆動信号を、主制御I/Oポートを介して、出力する。
また、主制御MPUは、主制御I/Oポート及びリール主中継基板315、各リールモータ中継基板を介して左リール301a、中リール301b及び右リール301cをそれぞれ回転させる左リールモータ321a、中リールモータ321b及び右リールモータ321cへの駆動信号を出力したり、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの原位置をそれぞれ検出する左リール位置センサ(図25の符号325)、中リール位置セン及び右リール位置センサからの検出信号が入力されたりする。
主制御MPUは、主制御I/Oポートを介して、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ、打止め解除/エラー解除スイッチ215cからの信号が入力されたり、メダル払出信号、メダル投入信号や遊技ステータス等を外部中継端子板131に出力したりする。
「設定スイッチ/エラー解除」
設定スイッチ/エラー解除は設定キーの状況によって役割が変わる。設定キーがOFFのときは(遊技可能状態)、エラー解除スイッチとして機能する。一方、設定キーがONのときは(設定変更状態)、設定スイッチとして機能する。
[設定キーと設定スイッチ/エラー解除]
次に、スロットマシン1の設定の変更手順について説明する。まず、スロットマシン1を電源OFFの状態とし、その状態で設定キースイッチを操作する。詳しくは、設定キースイッチに所定のキーを差し込んでキーを右へ90度回転させる。次に、設定キースイッチにキーが差し込まれた状態でスロットマシン1を電源ONにする。電源ONは、電源ユニットの電源スイッチを操作することによって行なう。電源ONにすると、現在のスロットマシン1の設定がクレジット表示部に表示される(例えば、設定1の場合にはクレジット表示部に「1」が表示される)。次に、設定スイッチを操作する。設定スイッチを操作すると、クレジット表示部に表示されていた設定値に1が加算された数値が表示される。但し、表示されている数値が6の場合は、加算されずに表示される値が1に戻る。このように設定スイッチを操作して、クレジット表示部に所望の設定の値が表示されると、始動レバー210を操作する。始動レバー210を操作することによって、設定が確定する。キーを左へ90度回転させ、設定キースイッチに差し込まれているキーを抜く。そして、次に電源投入されたときには、先ほど設定した設定値で遊技機が動作する。
[打止め有無スイッチ]
まず、「打止め」とはボーナスゲームが終了した後にメダルを受け付けない状態にすることである。打止め有無スイッチはボーナスゲームが終了した後に「打止め」にするか、それとも継続してゲームを行うことを許容するかを決定するスイッチである。
[精算有無スイッチ]
「精算」とはボーナスゲームが終了した後にクレジットを精算、つまりクレジット分のメダルを払い出すことを意味する。精算有無スイッチは、ボーナスゲームが終了した後に「精算」にするか、それとも「精算」しないかを決定するスイッチである。
外部中継端子板131(図50参照)は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、メダル投入信号によりスロットマシン1に投入されたメダルの枚数を把握し、メダル払出信号によりスロットマシン1が払い出したメダルの枚数を把握し、遊技ステータスによりスロットマシン1の遊技状態等を把握することによって、計数管理を行っている。
図51において、主制御基板409には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより機能分離中継端子板441が接続されている。また、機能分離中継端子板441には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより後述する周辺制御基板510が接続されている。なお、矢印のついていない8ピンで構成されるコネクタは電源中継用であり、グランドGNDが4ピン、+12V電源が2ピン、+30V電源が2ピンで構成されている。また、主制御基板409→機能分離中継端子板441→周辺制御基板510というように、矢印付きで示される8ピンで構成されるコネクタは遊技に関する各種コマンド送信用であり、パラレルデータ(コマンド)D0〜D3の4ピン、SEL(セレクト信号)が1ピン、WR(ライト信号)が1ピン、停電予告信号が1ピン、グランドGNDが1ピンで構成されている。主制御MPUは、遊技に関する各種コマンドを、主制御I/O及び機能分離中継端子板441を介して、後述する周辺制御基板510に送信するようになっている。
[周辺制御基板510]
周辺制御基板510は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM、一時的にデータを記憶する周辺制御RAM、高音質の演奏を行う音源IC、この音源ICが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMを備えて構成されている。前記周辺制御MPUは、パラレル入出力ポート及びシリアル入出力ポート等の各種入出力ポートを内蔵している。本実施形態では、周辺制御基板510に画像表示体500を表示制御するVDP等を備えた液晶制御基板がコネクタ同士で直接接続(基板対基板コネクタで接続)され、さらに図示していないが、液晶制御基板に、液晶モジュール(演出表示装置)590に表示する各種画像を記憶する画像ROMを備えた液晶データROM基板と液晶モジュール(演出表示装置)590に対するドライバを備えた液晶出力基板とがコネクタ同士でそれぞれ直接接続(各々が基板対基板コネクタで接続)されている。
周辺制御基板510には、前述の機能分離中継端子板441が2個の8ピンで構成されたコネクタで接続される他、24ピンで構成されるコネクタによりパネル装飾中継基板594が接続され、さらに本体側に配設されている後述の周辺中継基板123と、20ピンで構成されるコネクタ接続により接続されている。
周辺制御基板510と基板対基板コネクタで接続された上述の液晶制御基板には、30ピンで構成されるコネクタにより液晶モジュール590(実施形態における演出表示装置を構成)が接続され、3ピンで構成されるコネクタにより液晶インバータ基板592が接続され、2ピンで構成されるコネクタにより画像表示体500のファンモータ593が接続されている。また、液晶制御基板には、1ピンで構成されるコネクタにより、液晶モジュール590の裏面の金属板521に接触する金具522に接続されたアース線527(図20参照)の他端が接続され、電気的に接地された状態となっている(グランドGNDに接続されている)。さらに、液晶インバータ基板592は、液晶モジュール590に対して1つが2ピンで構成されるコネクタ4個によって接続され、液晶インバータ基板592は+30V電源を入力として+200V程度のバックライト用作動電圧を昇圧生成し、液晶モジュール590に与える。
パネル装飾中継基板594には、2ピンで構成されるコネクタにより上パネル照明LED基板595が接続され、5ピンで構成されるコネクタによりバックライト中継基板318(図23参照)が接続されている。そして、バックライト中継基板318には、1つが2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して、左リール301a(第1回胴)に対応したバックライト基板(図25のバックライト322aが配置された円弧状の基板)が接続されている。同様に、バックライト中継基板318には、中リール301b(第2回胴)に対応したバックライト基板が2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して接続され、右リール301c(第3回胴)に対応したバックライト基板が2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して接続されている。
[周辺制御基板510と周辺中継基板123とのコネクタ接続]
図52は遊技ユニット50側に配備された周辺制御基板510及び本体側(外本体100の背板104に配設された配線中継部材113)に配備された周辺中継基板123のブロック図である。周辺制御基板510と周辺中継基板123とは、20ピンで構成されるコネクタ接続により接続されている。また、周辺中継基板123は、先に示した図53に示されている。
[周辺中継基板123]
周辺中継基板123は、図53に示すように、周辺制御基板510に繋がっているハーネス付きコネクタ427(図11参照)と接続されるコネクタ125(図9及び図53参照、以下、周辺中継基板123のコネクタCN1という)と、後述の扉形前面部材200の裏面に配備される扉装飾駆動基板860と接続されるコネクタCN2(以下、周辺中継基板123のコネクタCN2という)と、低音スピーカ(図1の外本体100内部の下部に配置されているメダル放出装置110の後方位置において背板104に配設されているスピーカ、図30参照)と接続されるコネクタCN3(以下、周辺中継基板123のコネクタCN3という)とを備えている。周辺中継基板123は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。
図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN1は周辺制御基板510のコネクタCN3と接続される(図53のコネクタ125と図11のハーネス426付きのコネクタ427との接続を介して接続される)。周辺中継基板123のコネクタCN1及び周辺制御基板510のコネクタCN3は、20ピンで構成されている。
図58は、周辺制御基板510のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN2並びにコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号とを示す図である。
周辺制御基板510のコネクタCN3の1番ピンは−SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の1番ピンは−SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の2番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の2番ピンは+SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の3番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の3番ピンは−SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の4番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の4番ピンは+SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の5番ピンは−SPK−Lであり(Lスピーカ201aのマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の5番ピンは−SPK−Lの中継入力である(Lスピーカ201aのマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の6番ピンは+SPK−Lであり(Lスピーカ201aのプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の6番ピンは+SPK−Lの中継入力である(Lスピーカ201aのプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の7番ピンは−SPK−Rであり(Rスピーカ201bのマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の7番ピンは−SPK−Rの中継入力である(Rスピーカ201bのマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の8番ピンは+SPK−Rであり(Rスピーカ201bのプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の8番ピンは+SPK−Rの中継入力である(Rスピーカ201bのプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の9番ピン及び10番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンもグランドGNDである。周辺制御基板510のコネクタCN3の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の出力であり、周辺中継基板123のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の中継入力である。
周辺制御基板510のコネクタCN3の13番ピン及び14番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンもグランドGNDである。
周辺制御基板510のコネクタCN3の15番ピンはS−LATCHの出力であり(ラッチ信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の15番ピンはS−LATCHの中継入力である(ラッチ信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の16番ピンはS−MODEの出力であり(モード信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の16番ピンはS−MODEの中継入力である(モード信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の17番ピンはS−CLKの出力であり(クロック信号の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の17番ピンはS−CLKの中継入力である(クロック信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の18番ピンはS−DATAであり(シリアルの点灯データの出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはS−DATAの中継入力である(シリアルの点灯データの中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の19番ピンはSEL1であり(セレクト信号1の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはSEL1の中継入力である(セレクト信号1の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の20番ピンはSEL0であり(セレクト信号0の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の20番ピンはSEL0の中継入力である(セレクト信号0の中継入力である)。
また、図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は20ピンで構成され、扉装飾駆動基板860に接続されている。図52において一点鎖線で囲われている「ドアブロック」で示されるように、扉装飾駆動基板860、トップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ(左スピーカ)201a、Rスピーカ(右スピーカ)201b及び下パネル照明点灯基板876に接続されている下パネル照明877は、扉形前面部材200に配設されている。
図52に示すように、扉装飾駆動基板860にはトップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ201a、Rスピーカ201bが接続されている。このように、扉形前面部材200に配設された扉側装飾発光体(後述)の点灯駆動を行う扉装飾駆動基板860が周辺制御基板510とは別体とされて扉形前面部材200に配設されている。
図60に示すように、扉基板収納ケース900の扉装飾駆動基板収納部分901の収納ケースカバー903の外面に、トップ装飾基板871に接続されたハーネス付きコネクタを接続するトップ装飾基板用接続コネクタ861(図52に示すように12ピンで構成)と、左上装飾基板872に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左上装飾基板用接続コネクタ862(図52に示すように13ピンで構成)と、左下装飾基板873に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左下装飾基板用接続コネクタ863(図52に示すように6ピンで構成)と、右上装飾基板874に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右上装飾基板用接続コネクタ864(図52に示すように13ピンで構成)と、右下装飾基板875に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右下装飾基板用接続コネクタ865(図52に示すように6ピンで構成)と、下パネル照明点灯基板876に接続されたハーネス付きコネクタを接続する下パネル照明点灯基板用接続コネクタ866(図52に示すように2ピンで構成)と、Lスピーカ201aに接続されたハーネス付きコネクタを接続するLスピーカ用接続コネクタ867(図52に示すように2ピンで構成)と、Rスピーカ201bに接続されたハーネス付きコネクタを接続するRスピーカ用接続コネクタ868(図52に示すように2ピンで構成)と、扉装飾駆動基板860から本体側の周辺中継基板123へ各信号を送出する対本体接続コネクタ部材859(20ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
[周辺中継基板123と扉装飾駆動基板860とのコネクタ接続]
図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は周辺制御基板510のコネクタCN1と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN2及び周辺制御基板510のコネクタCN2は、20ピンで構成されている。
扉装飾駆動基板860と周辺中継基板123との接続は、扉装飾駆動基板860の対本体接続コネクタ部材859(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えたハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、扉装飾駆動基板860の対本体接続コネクタ部材859(CN1)にハーネス付きコネクタの一端を接続し、周辺中継基板123のコネクタCN2(図53参照)にハーネス付きコネクタ920(図9参照)の他端を接続する。
図58においては周辺中継基板123のコネクタCN2のみを示し、扉装飾駆動基板860のCN1は図示を省略している。周辺中継基板123のコネクタCN2の1番ピンはSEL0の中継出力であり(セレクト信号0の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の1番ピンはSEL0の入力である(セレクト信号0の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の2番ピンはSEL1の中継出力であり(セレクト信号1の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の2番ピンはSEL1の入力である(セレクト信号1の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の3番ピンはS−DATAの中継出力であり(シリアルの点灯データの中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の3番ピンはS−DATAの入力である(シリアルの点灯データの入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の4番ピンはS−CLKの中継出力であり(クロック信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の4番ピンはS−CLKの入力である(クロック信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の5番ピンはS−MODEの中継出力であり(モード信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の5番ピンはS−MODEの入力である(モード信号の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の6番ピンはS−LATCHの中継出力であり(ラッチ信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の6番ピンはS−LATCHの入力である(ラッチ信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の7番ピン及び8番ピンはグランドGNDであり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の7番ピン及び8番ピンもグランドGNDである。周辺中継基板123のコネクタCN2の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の中継出力であり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の入力である。周辺中継基板123のコネクタCN2の11番ピン及び12番ピンはグランドGNDであり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンもグランドGNDである。
周辺中継基板123のコネクタCN2の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの中継出力であり(Rスピーカ201bのプラス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの入力である(Rスピーカ201bのプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの中継出力であり(Rスピーカ201bのマイナス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの入力である(Rスピーカ201bのマイナス入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの中継出力であり(Lスピーカ201aのプラス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの入力である(Lスピーカ201aのプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの中継出力であり(Lスピーカ201aのマイナス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの入力である(Lスピーカ201aのマイナス入力である)。
[周辺中継基板123と低音スピーカ221とのコネクタ接続]
図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3は低音スピーカ221と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN3は4ピンで構成されている。図58に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3の1番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の2番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、同コネクタCN3の3番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の4番ピンは−SPK−W2である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力である)。
[扉形前面部材200の各装飾基板の配置]
上述のトップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876の各配設位置を図2において示す。トップ装飾基板871は、扉形前面部材200の前面上半部に配されている透明板214aの左右方向に向いた上辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。左上装飾基板872は、透明板214aの上下方向に向いた左辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。左下装飾基板873は、各リール停止ボタン211a〜211cの下方に配置された意匠板230(透明な樹脂製の板に遊技機種を象徴させるキャラクタ等が印刷されている部材)の左側方に位置する略三角形状の装飾パネルの内部に嵌め込まれている。右上装飾基板874は、透明板214aの上下方向に向いた右辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。右下装飾基板875は、意匠板230の右側方に位置する略三角形状の装飾パネルの内部に嵌め込まれている。下パネル照明点灯基板876及び下パネル照明877は、意匠板230の背後に配置されている。なお、下パネル照明点灯基板876はインバータで構成され、下パネル照明877は冷陰極管で構成され、意匠板230を背後から照明する。
[周辺制御基板510による制御]
図51に示されているサブ制御ブロックは、図51において点線で区切られている部分及び図52に記載されている周辺中継基板123に接続されているドアブロック部分と低音スピーカ221で構成されている。図52の周辺制御基板510の周辺制御MPUは、主制御基板409から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、前述の上パネル照明LED基板595やバックライト基板(第1回胴〜第3回胴)の発光ダイオードを点灯する点灯信号を出力したり、前述の左上装飾基板872に配設された発光体及び左下装飾基板873に配設された発光体で構成された左発光体217A(後述)、右上装飾基板874に配設された発光体及び右下装飾基板875に配設された発光体により構成された右発光体217B(後述)を階調点灯する階調点灯信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、扉形前面部材200の裏面に配置した、周辺制御基板510と別体に設けた扉装飾駆動基板860を介して出力したり、上述したトップ装飾基板871に配設された上発光体217C(後述)を点滅する点滅信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、扉装飾駆動基板860を介して出力したりする。
なお、左発光体217A及び右発光体217Bへの点滅信号や上発光体217Cへの階調点灯信号は、前述の周辺制御MPUのシリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期して出力されたシリアルデータS−DATA(点灯制御用データに相当する)と、パラレル入出力ポートから出力されたモード信号S−MODE、ラッチ信号S−LATCH及びセレクト信号SEL0,SEL1と、に基づいて、扉装飾駆動基板860が左発光体217A、右発光体217B及び上発光体217Cに出力するようになっている。
周辺制御基板510と基板対基板コネクタで接続された液晶制御基板のVDPは、周辺制御MPUから出力された制御信号に基づいて画像ROMから画像を読み出して液晶モジュール590の表示制御を行う。液晶モジュール590にはバックライト(冷陰極管)が内蔵されており、液晶インバータ基板592によって点灯されている。
周辺制御基板510の音源ICは、周辺制御MPUから出力された制御信号に基づいて音ROMから音情報を読み込み、周辺中継基板123を中継して接続された低音スピーカ221と、扉装飾駆動基板860を介して扉型前面部材200のLスピーカ201a,Rスピーカ201bとから各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[扉装飾駆動基板860]
次に、扉装飾駆動基板860について説明する。図61は扉装飾駆動基板の簡易的な回路図である。扉装飾駆動基板860は、図61に示すように、セレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cを備えて構成されており、ここでは、まず扉装飾駆動基板860に入力される各種信号について説明し、続けてセレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cについて説明する。なお、図61では、セレクト回路860a等に供給される制御電圧である直流+5ボルト(V)や左発光体217A等に供給される駆動電圧である直流+12Vの図示を省略した。
[扉装飾駆動基板860に入力される各種信号]
扉装飾駆動基板860は、図61に示すように、周辺制御基板510の周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)からクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAが入力されている。クロック信号S−CLKは、本実施形態では1秒(s)あたり250kb(キロビット)の情報が出力できるように設定されている。
シリアルデータS−DATAは、データの形式の異なる、左発光体217A及び右発光体217Bを階調点灯する階調点灯データと、上発光体217Cを点滅する点滅データとが含まれている。ここで階調点灯データは、階調データ及び点灯データから構成されている。なお、これらの点滅データ及び階調点灯データは、周辺制御基板510の周辺制御ROMに予めテーブルとして別々に複数記憶されており、周辺制御MPUが必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、扉装飾駆動基板860に出力するようになっている。
扉装飾駆動基板860には、クロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATAのほかに、周辺制御MPU(パラレル入出力ポート)からセレクト信号SEL0,SEL1、モード信号S−MODE及びラッチ信号S−LATCHが入力されている。セレクト信号SEL0,SEL1は、周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力されているシリアルデータS−DATAが点滅データであるか階調点灯データであるかをスイッチ回路860bに伝える信号であり、モード信号S−MODEは、階調点灯データが階調データであるか点灯データであるかを駆動回路860cに伝える信号であり、ラッチ信号S−LATCHは、駆動回路860cが取り込んだシリアルデータS−DATAに基づいて、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたり、上発光体217Cに点滅信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたりする信号である。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間の配線は、両端に接続用のコネクタ(20ピン)を有するハーネス付きコネクタの一端が周辺制御基板510のコネクタCN3(20ピン)に接続され、図11に示すように前記ハーネス(426)付きコネクタの他端427がコネクタホルダー428に取り付けられると共に(以上の構成が遊技ユニット側)、配線中継部材113に収められた周辺中継基板123のコネクタ125(図52及び図53ではCN1、20ピン)(外本体100側)と接続されている。そして、図9に示すように、両端に接続用のコネクタ(20ピン)を有するハーネス付きコネクタ920の一端が、周辺中継基板123のコネクタCN2(20ピン)に接続され、ハーネス付きコネクタ920の他端が、扉形前面部材200に引き伸ばされて扉装飾駆動基板860のコネクタCN1(20ピン)と接続されている(図60では符号859、図52参照)。これらのハーネスを介して、周辺制御MPUからのクロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATA、セレクト信号SEL0,SEL1、モード信号S−MODE及びラッチ信号S−LATCHが扉装飾駆動基板860に伝わるようになっている。
[セレクト回路860a]
セレクト回路860aは、図61に示すように、インバータIC1A,IC1B(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC14)、論理積IC2A,IC3A(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC08)を備えて構成されている。
インバータIC1A,IC1Bの各々は、8つの反転回路を備えており、その2つ(IC1A,IC1B)にセレクト信号SEL0,SEL1がそれぞれ入力されている。論理積IC2A,IC3Aは、4つの論理積回路を備えている(なお、後述のIC2B〜IC2D、IC3B〜IC3Dも同様)。インバータIC1Aの入力端子1に入力されたセレクト信号SEL0は、入力された論理を反転して出力端子2から反転セレクト信号SEL0′として出力され、論理積IC2Aの入力端子2に入力されている。論理積IC2Aの入力端子1にはセレクト信号SEL1が入力されており、論理積IC2Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
インバータIC1Bの入力端子3に入力されたセレクト信号SEL1は、入力された論理を反転して出力端子4から反転セレクト信号SEL1′として出力され、論理積IC3Aの入力端子2に入力されている。論理積IC3Aの入力端子1にはセレクト信号SEL0が入力されており、論理積IC3Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
[スイッチ回路860b]
セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されるスイッチ回路860bは、図61に示すように、論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dを備えて構成されている。論理積IC2B,IC3Bの入力端子4にはシリアルデータS−DATAが入力され、論理積IC2B,IC3Bの入力端子5にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2B,IC3Bは論理積回路であるため、入力端子4,5の論理積をとってその演算結果が出力端子6から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを駆動回路860cに出力することがなくなる(意図しないシリアルデータS−DATAが駆動回路860cに出力されることを防止する)。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2C,IC3Cの入力端子9にはクロック信号S−CLKが入力され、論理積IC2C,IC3Cの入力端子10にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2C,IC3Cは論理積回路であるため、入力端子9,10の論理積をとってその演算結果が出力端子8から駆動回路800cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路800cに出力せず、かつ論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路800cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたクロック信号S−CLKを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はクロック信号S−CLKのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2D,IC3Dの入力端子12にはラッチ信号S−LATCHが入力され、論理積IC2D,IC3Dの入力端子13にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2D,IC3Dは論理積回路であるため、入力端子12,13の論理積をとってその演算結果が出力端子11から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたラッチ信号S−LATCHを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はラッチ信号S−LATCHのノイズ対策としての役割も担っている。
[駆動回路860c]
スイッチ回路860bの論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dによる演算結果が入力される駆動回路860cは、図61に示すように、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6を備えて構成されている。
[点滅制御IC4]
点滅制御IC4は、本実施形態では、東京芝浦電気製のTB62709を用いている。このTB62709は、定電流ドライバであり、発光ダイオード等を直接駆動することができる。点滅制御IC4のDATA−IN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、点滅制御IC4のCLOCK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、点滅制御IC4のLOAD端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。なお、点滅制御IC4で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、点滅データとなるようになっている。
このように、点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATA(点滅データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(点滅データ)に基づいて、OUT−a端子〜OUT−g端子から上発光体217Cに点滅信号を出力する。この点滅信号は定電流であり、この定電流が上発光体217Cに流れて上発光体217Cが点灯又は点滅する。
[左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6]
左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、本実施形態では、テキサス・インスツルメント(TI)製のTLC5922を用いている。このTLC5922には16チャンネルの出力があり、各出力チャンネルは個別のON/OFF制御に加え、チャンネルごとに、0〜80ミリアンペア(mA)の範囲でプログラム可能な定電流を流すことができる(これらの設定はMODE信号に基づいて行われる)。また、1個の外付け抵抗(図示しない)により最大出力電流を設定し、この最大出力電流に対して、0〜127の128段階で出力電流を、チャンネルごとに出力することができる。
左側用階調制御IC5のSIN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のSCLK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のXLAT端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。また、左側用階調制御IC5のSOUT端子と右側用階調制御IC6のSIN端子とが電気的に接続されており、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6がデイジーチェーン接続されている。これにより、左側用階調制御IC5のSIN端子に入力されたシリアルデータS−DATAはSOUT端子から右側用階調制御IC6のSIN端子に入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6はシリアルデータS−DATAを取り込むことができる。左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のMODE端子には、モード信号S−MODEが入力されている。なお、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、階調データ及び点灯データから構成された階調点灯データとなるようになっている。
このように、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATA(階調点灯データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(階調点灯データ)に基づいて、左側用階調制御IC5はそのOUT0端子〜OUT15端子から左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6はそのOUT0端子〜OUT15端子から右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。この階調点灯信号は、設定された階調データに基づいて最大出力電流に対して0〜127段階の電流が左発光体217A及び右発光体217Bに流れて左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
[点滅データ及び階調点灯データの出力シーケンス]
次に、上述した周辺制御基板510の周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力するシリアルデータS−DATAの出力シーケンスについて説明する。このシリアルデータS−DATAは、上述したように、点滅データ及び階調データにより構成されており、周辺制御基板510の周辺制御ROMに予めテーブルとして複数記憶されている。周辺制御MPUは、必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、扉装飾駆動基板860に出力する。
図62はシリアルデータの出力シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。周辺制御基板510の周辺制御MPUは、図62に示すように、パラレル入出ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIにして出力するとともに、セレクト信号SEL1の論理をLOWにして出力する(タイミングT0)。セレクト信号SEL0の論理をHI、セレクト信号SEL1の論理をLOWにすることでシリアルデータS−DATAが点滅データであることを扉装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT0の後、点滅データの出力シーケンスを開始し(タイミングT1)、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである点滅データを扉装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図61に示した、扉装飾駆動基板860の点滅制御IC4が点滅データを取り込む。その後、シリアル入出力ポートから点滅データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力することによって、点滅制御IC4は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力し、上発光体217Cが点灯又は点滅する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をLOWからHIにして出力する(タイミングT2)。これにより、点滅データの出力シーケンスが完了する。
タイミングT2の後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIからLOWにして出力し、階調点灯データの出力シーケンスを開始する(タイミングT3)。セレクト信号SEL0の論理をLOW、セレクト信号SEL1の論理をHIにすることでシリアルデータS−DATが階調データであることを扉装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT3の後、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである階調データを扉装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図61に示した扉装飾駆動基板860の左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6が階調点灯データを取り込む。このとき、モード信号S−MODEの論理がHIとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち階調データを取り込む。
シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち階調データをすべて出力すると、図示しないが、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWからHIにして出力し、その後、ラッチ信号S−LATCHの論理をHIからLOWにして出力する。そしてパラレル入出力ポートからモード信号S−MODEの論理をHIからLOWにする。このとき、モード信号S−MODEの論理がLOWとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち点灯データを取り込む。シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち点灯データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をLOWからHIにすることによって、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ階調データに基づいて、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を力し、左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をHIからLOWにして出力する(タイミングT4)。これにより、階調点灯データの出力シーケンスが完了する。
以上説明した本実施形態のスロットマシン1は、周辺制御基板510、扉装飾駆動基板860を備えている。周辺制御基板510は、シリアル入出力ポート及びパラレル入出力ポートが内蔵されたマイクロプロセッサである周辺制御MPUを実装する。扉装飾駆動基板860は、周辺制御基板510と別体に設けられており、周辺制御MPUのシリアル入出力ポートから出力されたシリアルデータS−DATAに基づいて、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
扉装飾駆動基板860は、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6、セレクト回路860aを備えている。点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATAの点滅データを取り込み、かつ、上発光体217Cに点滅信号を出力する。左側用階調制御IC5は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、左発光体217Aに階調点灯信号を出力する。右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから出力されたセレクト信号SEL0,SEL1に基づいて、シリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替える。
シリアルデータS−DATAは、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データとから構成されており、点滅データと階調点灯データとの形式が異なっている。
このように、シリアルデータS−DATAは、データの形式が異なる、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データと、から構成されており、セレクト回路860aが、そのシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替えている。したがって、取り込むシリアルデータS−DATAの形式が異なる、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6を備えても、1つのシリアルデータS−DATAとして取り扱うことができる。
点滅制御IC4は、点滅データを取り込み、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調データ及び点灯データから構成された階調データを取り込み、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
シリアルデータS−DATAは、形式の異なる、点滅データ及び階調点灯データから構成されており、セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから2本のセレクト信号SEL0,SEL1が入力されており、セレクト信号SEL0の論理がHIであり、かつ、セレクト信号SEL1の論理がLOWであるときには点滅データを点滅制御IC4に出力する一方、セレクト信号SEL0の論理がLOWであり、かつ、セレクト信号SEL1がHIであるときには階調点灯データを、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力する。
こうすれば、1つのシリアルデータS−DATAで、点滅制御IC4に点滅データ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に階調点灯データを、セレクト回路860aに入力された、セレクト信号SEL0,SEL1によって出力することができる。これにより、点滅制御IC4は取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力することができ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は取り込んだ階調点灯データに基づいて、左側用階調制御IC5が左発光体217Aに階調点灯信号を出力することができ、右側用階調制御IC6が右発光体217Bに階調点灯信号を出力することができる。
更に、セレクト回路860aに入力されるセレクト信号SEL0,SEL1の論理が共にHI又はLOWであるとき、つまり同論理であるときには、スイッチ回路860bによる点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6へのシリアルデータS−DATA、クロック信号S−CLK及びラッチ信号S−LATCHの出力は行われない。セレクト信号SEL0,SEL1にノイズが侵入すると、その論理が同一(同論理)になる性質がある。この性質を利用して、セレクト回路860aに入力されたセレクト信号SEL0,SEL1の論理が同論理になると、スイッチ回路860bが、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力しなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
以上に説明したように、遊技ユニットを外本体100の開口109の内部に着脱交換するに際し、コネクタホルダー428を配線中継部材113に着脱可能に結合することにより、コネクタホルダー428のコネクタ425(主制御系配線類接続用コネクタ)と主中継基板122のコネクタ124(主中継用コネクタ)とが接離可能に接続され、かつコネクタホルダー428のコネクタ427(周辺制御系配線類接続用コネクタ)と周辺中継基板123のコネクタ125(周辺中継用コネクタ)とが接離可能に接続されるので、接続に供するコネクタの数が2つで済むから、接続に供するコネクタの数を減らすことができ、機種交換に際して、機種に依存しない本体部分に対して機種に依存する部分としての遊技ユニットの分離/結合の作業を容易に行うことができる。
周辺制御基板510のマイクロプロセッサ(周辺制御MPU)のシリアル出力ポートから点灯制御用データをシリアルデータで出力し、扉装飾駆動基板860の駆動回路860cへシリアル通信により送信する構成としたので、周辺中継基板123から扉装飾駆動基板860に至るまでのハーネスの本数を減らすことができ(点灯制御用データを伝達するに要する信号線をS−DATAの1つとすることができる結果)、扉形前面部材200が回動可能に外本体100の前面一側に取り付けているヒンジ近くの屈曲する部分のハーネスの本数を減らすことになり、扉形前面部材200と外本体100との間にハーネスが挟み込まれる虞を低く抑えることができ(ハーネスを傷めてしまうというトラブルを激減でき)、信頼性が向上する。
以上、スロットマシン1の基本的な内部構成例を説明した。かかる構成を有するスロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、後述する有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
以下では、上記のスロットマシン1によって行なわれるゲームの遊技性を、より特徴的に具現化するための基本的な構造および制御について、より詳細に説明する。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、複数種類(この図では、合計9種類のうちいずれか)の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から14番までで示した合計14個の図柄)が表記された各リール帯(図柄帯)351a,351b,351cが付されている。図63では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯351a,351b,351cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部591a(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓591aとして統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図64参照)。
また、図柄の種類には、図63に示すように、「赤7」図柄(以下では赤7図柄といい、リール帯351a,351b,351cそれぞれの配列番号3番の3つが該当する)、「青7」図柄(以下では青7図柄といい、リール帯351c配列番号6番が該当する)および「白7」図柄(以下では白7図柄といい、リール帯351cの配列番号9番が該当する)があり、これらは他の図柄に比べて大きい。また、「赤7」図柄は内側が赤で塗りつぶされており、「青7」図柄は内側が青で塗りつぶされており、「白7」は内側が白で塗りつぶされている。このように、赤7図柄、青7図柄および白7図柄を他の図柄に比べて大きく且つ比較的目立ちやすい色が施されていることから、他の図柄に比べて視認しやすくなっている。
また、「アヤメ」を形どった図柄(以下ではアヤメ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号1番等)、「キリ」を形どった図柄(以下ではキリ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号2番等)、「ヤナギ」を形どった図柄(以下ではヤナギ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号5番等)、「ウメ」を形どった図柄(以下ではウメ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号6番等)、「モミジ」を形どった図柄(以下ではモミジ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号11番等)、「マツ」を形どった図柄(以下ではマツ図柄といい、例えば、リール帯351bの配列番号2番等)、「キク」を形どった図柄(以下ではキク図柄といい、例えば、リール帯351cの配列番号2番等)。
以上のように各リール帯351a,351b,351cに表記される図柄の種類は合計10種類となっている。そして、リール帯351aには6種類(アヤメ、キリ、赤7、ヤナギ、ウメ、モミジ)、リール帯351bには4種類(キリ、マツ、赤7、ウメ)、リール帯351cには8種類(キリ、キク、赤7、ヤナギ、青7、白7、モミジ、ウメ)の図柄が表記されている。
[有効ライン]
図64は、図柄表示窓591aを中心として、装飾部材591を部分的に拡大したところを示している。図柄表示窓591aからは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」、「中段(または中段位置)」、「下段(または下段位置)」という。
上記のことから、図柄表示窓591a内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。本実施形態のスロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より、図柄表示窓591a内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
装飾部材591(表示パネルともいう、以下では表示パネル591として統一する)における右側部分(図柄表示窓591aから見て右側)には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(掛け数のこと、掛けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(掛けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(掛けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、掛けたメダルの枚数は3枚)に対応している。
そして、ベット数に応じて有効となる並び(直線型)が、予め決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓591a内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄が一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このような場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断される。
次に、ベット数に対応する有効ライン、および、有効ラインの数についての一般的事項を説明する。1ベットに対応する有効ラインは、各リールの中段位置を繋いだ「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)のみである。これを「1BETライン」という。
2ベットでは、前述の1BETラインのほかに、各リールの上段位置を繋いだ「上段−上段−上段」となる並びの有効ライン622a(上段ライン622a)、および、各リールの下段位置を繋いだ「下段−下段−下段」となる並びの有効ライン622b(下段ライン622b)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この上段ラインと下段ラインの2つの有効ラインのことをまとめて「2BETライン」という。従って、2ベットの場合は合計で3つ有効ラインがあることになる。
3ベットでは、前述の1BETライン、2BETラインのほかに、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623b(右下がりライン623b)、および、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623a(右上がりライン623a)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この右上がりラインと右下がりラインの2つの有効ラインのことをまとめて「3BETライン」という。従って、3ベットの場合は合計で5つ有効ラインがあることになる。
上記は一般的なスロットマシンに代表される回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記のような直線型の並びに限られることはない。さらに、上記のようにベット数が増えるごとに対応する有効ラインを増やす態様に限られない。なお、本実施形態のスロットマシン1では3枚を投入することによって初めて遊技を実行することが可能であり、その場合の有効ラインは、「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)である。なお、有効ラインに並んだ図柄は、内部抽選により何に当選したのか一見しただけでは遊技者には把握し難くなっている。
[遊技状態表示部]
その他、表示パネル591には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類などの表示器が設けられている。そして、これらの表示器が配置された領域が、遊技者がスロットマシン1に関する各種状態を把握するための遊技状態表示部を構成する。なお、遊技状態表示部における各種表示器の点灯(あるいは点滅)制御は、先述の遊技状態表示基板450によって実行される。
遊技状態表示部には、図64における上側から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604および「OFF」という文字の描かれた打止めランプ605、上記BETランプ614のすぐ下に位置して「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
打止めランプ605は、先述の打止めスイッチがONにセットされており、ボーナスゲームが終了した後にメダルを受け付けない打止め状態となったときに、その打止め状態の発生を遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを掛けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[入賞役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役および入賞役と、それに対応する図柄の組み合わせについて、図65を用いて具体的に説明をする。図65は、スロットマシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典(払い出し枚数等、以下では遊技特典という)を示したものである。なお、この図65の図柄組み合わせと払出枚数は、遊技者に向けた配当表(各入賞役の遊技特典の簡単な説明を表記したもの)として表示パネル591等に表記するものとしてもよい。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯351a,351b,351cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の入賞役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓591a内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓591a内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓591a内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の入賞役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓591a内で前述の有効ラインのいずれか1つのラインに所定の入賞役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。本実施形態のスロットマシン1では有効ラインは1つ(1のライン)である(複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓591a内に表示されない)。
以下では、所定の入賞役に対応する図柄の組み合わせ態様が「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン上に表示されることを、(所定の)入賞役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは、入賞役図柄が揃うと称する。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」、「アヤメ図柄」、「キリ図柄」、「ヤナギ図柄」、「モミジ図柄」、「ウメ図柄」、「マツ図柄」、「キク図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「青7図柄」および「白7図柄」は、他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「赤7図柄」は、各リール301a,301b,301cに1つしかなく、加えて色彩も赤と他の図柄に比べて視認しやすい。また「青7図柄」および「白7図柄」は右リール301cのみにしかなく、しかもその数は各1つである。また、加えて色彩も青または白であることから、他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
また、「アヤメ図柄」、「キリ図柄」、「ヤナギ図柄」、「モミジ図柄」、「ウメ図柄」、「マツ図柄」、「キク図柄」(つまり、ボーナス図柄の一部となっていない図柄)は、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」と比べると、図柄は目立たない色合いで構成されている。これは「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」をこれらの図柄よりも目立たせることにより、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」を目押ししやすくしている。
ボーナス図柄を揃えるためには、必ず目押しを必要とするが、ボーナス図柄を上記のようにすることにより、遊技の技量の低い遊技者(初心者)であっても極力目押しのしやすい仕様となっている。
また、これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより入賞役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。以下、図65に示された各当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
[ビッグボーナス(BB)]
図65に示すように、BBと示されている入賞役が、ビッグボーナス(以下ではBBと呼称する)である。このBBには、対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が予め決められている。つまり、BBに当選し、全て「赤7図柄」からなる図柄の組み合わせが「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン上に揃うと、BB図柄が揃ったということになる。なお、BBに当選するとは、内部的にBBのフラグが成立したことを意味し、BBのフラグが成立したことを「BBの条件装置が作動した」と称する場合もある。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、規定枚数のメダル(例えば、400枚)を賞として払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、このスロットマシン1では、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、メダルは付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を果たすことになる。また、BB図柄は各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図63参照)、BB図柄を図柄表示窓591a内に正確に狙って(後述する引き込む制御可能な範囲で)停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
さらに、BBゲームが終了すると、その後は通常ゲーム状態となるのではなく、後述する制御により特殊状態に移行する。ここでの特殊状態は、いわゆるART状態であり、ART状態におけるARTゲームでは、リプレイの当選確率が通常ゲーム状態よりも高く制御するとともに、押し順によって払い出し枚数が異なる小役のフラグが成立した場合に、払い出し枚数が最大となる小物(図柄揃い)を入賞させる押し順(以下「正しい押し順」ともいう)をナビゲートしてアシストする。ARTゲームについての詳細は後述する。
[レギュラーボーナス(RB)]
次に、RBと示されている入賞役には、RB1、RB2があり、これらはレギュラーボーナス(以下ではRB)と称される。RB1またはRB2に当選すると、「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」(後述するRB1)または「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」(後述するRB2)の図柄の組合せ態様が有効ライン上に揃えることができる。RB1に当選するとは、内部的にRB1のフラグが成立したことを意味し、有効ライン上にRB1の図柄が揃ったことを「RB1の条件装置が作動した」と称する場合もある(RB2についても同様)。
なお、RBゲームは、「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」に入賞した場合にはRB1とし、「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」に入賞した場合にはRB2というように記載を異ならせているが、以下では、単に「RB」と称するときは、RB1およびRB2の両方を指すものとする。
RB1図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB1ゲームという)という遊技特典が付与される。このRBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、BBゲームが実行される場合よりも少ない規定枚数のメダル(例えば、120枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RB1ゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ(例えば8回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RB1ゲームを終了させるものとしてもよいし、あるいは、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、のいずれかの条件が満たされた場合にRB1ゲームを終了させるものであってもよい。また、RB1ゲームが規定のゲーム回数(例えば12回)に到達するか、当該RB1ゲーム期間中に規定の入賞回数に到達するか(例えば、何れかの当選役に8回当選する等)、のいずれかの条件が満たされた場合にRB1ゲームを終了させるものであってもよい。
RB1図柄が揃った場合も当該ゲームではメダルの付与はされず、RB1ゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB1図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄、青7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図63参照)、目押しが必要な図柄となる。
さらに、RB1ゲームが終了すると、BBゲームが終了した場合と同様に、通常ゲーム状態となるのではなく、ART状態に移行する。
RB2図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB2ゲームという)という遊技特典が付与される。このRBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、BBゲームが実行される場合よりも少ない規定枚数のメダル(例えば、120枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RB2ゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ(例えば8回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RB2ゲームを終了させるものとしてもよいし、あるいは、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、のいずれかの条件が満たされた場合にRB2ゲームを終了させるものであってもよい。また、RB2ゲームが規定のゲーム回数(例えば12回)に到達するか、当該RB2ゲーム期間中に規定の入賞回数に到達するか(例えば、何れかの当選役に8回当選する等)、のいずれかの条件が満たされた場合にRB2ゲームを終了させるものであってもよい。
RB2図柄が揃った場合も当該ゲームではメダルの付与はされず、RB2ゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB2図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄、青7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図63参照)、目押しが必要な図柄となる。
RB1ゲームが終了すると、BBゲームが終了した場合と同様に、通常ゲーム状態となるのではなく、ART状態に移行する。
このように、スロットマシン1ではBBゲーム、RB1ゲーム、RB2ゲームという3つのボーナスゲームにより遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられている。ただし、遊技者が大量のメダルを獲得することが可能なものはBBゲームだけである。また、スロットマシン1では、1回のゲームで払い出されるメダルの最大枚数(例えば、15枚)が予め決められており、1回のゲーム結果として払い出されるメダルの枚数はこの最大枚数を超えないものとなっている。このことから、RBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能なメダルの枚数は、1回のゲームで獲得可能な最大枚数(15枚)に比べれば多いものの、BBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能なメダルの枚数に比べると相当に少なくなっている(約1/4程度)。
[アシストリプレイタイム(ART)]
スロットマシン1では、所定条件が成立したことに応じてART(アシストリプレイタイム)ゲームが開始される。ここで、ARTゲームとは、RTゲームとATゲームとを同時に進行させるゲームである。RTゲームは、リプレイの当選確率を通常ゲームに比べて当選しやすくした状態を、所定のゲーム回数(ゲーム期間)にわたって継続させるゲームであり、主制御基板409によって制御される。RTゲームは、内部抽選において主としてリプレイ(再遊技役)に当選する状態のことをいい、通常遊技状態における内部抽選においては、主としてハズレ(60%以上はハズレ)に当選する確率が高いのに対し、RTゲームにおける内部抽選では、リプレイに当選する確率が50パーセント以上であることが好ましい(ハズレは10%以下であることが好ましい)。
一方、ATゲームは、3個のリール停止ボタン211a,211b,211cが正しい押し順で操作された場合に入賞する小役(普通小役1〜3、以下「押し順有り小役」という)が成立した場合に、正しい押し順を遊技者に報知して進行されるゲームであり、周辺制御基板510によって制御される。通常ゲームでは、押し順有り小役が成立した場合でも、遊技者は正しい押し順を知ることができないので、正しい押し順以外の押し順でリール停止ボタン211a,211b,211cを操作してしまい、押し順有り小役を取りこぼすことがある。これに対して、ATゲームでは、押し順有り小役の押し順をナビゲートしてアシストするので、遊技者が正しい押し順を知ることができる。その結果として、遊技者がナビゲートされた押し順に従ってリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、押し順有り小役の取りこぼしをなくすことができる。その結果、遊技者は、ATゲーム中に、通常遊技状態よりも多くのメダルよりも多くのメダルを獲得することができる。周辺制御基板510は、第2〜第4ARTゲームにおける残りゲーム数をカウントする残りゲーム数カウンタを備えており、ARTゲームの規定ゲーム数から消化したゲーム数を減算して残りゲーム数を算出し、残りゲーム数カウンタに記憶している。また、周辺制御基板510は、残りゲーム数カウンタに記憶しているARTゲームの残りゲーム数を液晶制御基板に出力し、液晶モジュール(演出表示装置)590に表示させる。遊技者は、液晶モジュール590に表示される残りゲーム数を視認することにより、ARTゲームの残りゲーム数を認識することができる。
本実施形態のスロットマシン1には、ARTゲームとしてリプレイ等の当選確率がそれぞれ異なる第1ARTゲーム、第2ARTゲーム、第3ARTゲーム、第4ARTゲーム、第5ARTゲーム、第6ARTゲームおよび特別ARTゲームの計7つのARTゲームを有している。このうち、第1〜第4ARTゲーム、および特別ARTゲームでは、互いにリプレイの当選確率が同じとされ、第5、第6ARTゲームでは、互いにリプレイの当選確率が同じとされている。なお、第1ARTゲーム〜第6ARTゲーム、および特別ARTゲーム中は、それぞれ第1RTゲーム〜第6RTゲーム、および特別RTゲームとともに第1ATゲーム〜第6ATゲーム、および特別ATゲームが実行されている。
これら7種のARTゲームの開始条件および終了条件はそれぞれ異なっている。なお、第5ARTゲームおよび第6ARTゲームについては、第1〜第4ARTゲームと比較して、内部抽選により再遊技役に当選する確率が低く、ハズレが選び出される確率が概ね50%と高く設定されている。具体的に、第5ARTゲームおよび第6ARTゲームにおける内部抽選により再遊技役に当選する確率は25〜30%に抑えられ、ハズレが選び出される確率が概ね50%と高く設定されている。これは、内部抽選によりボーナス役が選び出された際に、ボーナス入賞しうる機会を遊技者に与えるためである。すなわち、第5ARTゲームおよび第6ARTゲームは、内部抽選によりボーナス役が選び出されてからボーナス入賞するまでの遊技状態であり、再遊技役とボーナス役とでは再遊技役がボーナス役よりも優先して入賞するので、再遊技役の当選確率を抑制しつつハズレが選び出されうるようにすることで、ボーナス入賞しうるようにしたものである。
また、本実施形態におけるARTゲームは、第1ARTゲーム〜第6ARTゲーム、および特別ARTゲームのうちいずれかのARTゲームのことである。
[第1ARTゲーム]
第1ARTゲームの開始条件は、第2ARTゲーム、第3ARTゲーム、または第4ARTゲームの規定ゲーム数を消化したことである。また、第1ARTゲームの終了条件は、後述する第5ARTゲームの開始条件が成立したとき(BBのフラグが成立したとき)、第6ARTゲームの開始条件が成立したとき(RBのフラグが成立したとき)、再遊技0に当選して、特定のリプレイ(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」、以下「特殊リプレイ1」という)に入賞したとき、または再遊技6に当選して他の特定のリプレイ(「アヤメ図柄−マツ図柄−ウメ図柄」、以下「特殊リプレイ2」という)に入賞したときである。第5ARTゲームの開始条件が成立したときには第5ARTゲームに移行し、第6ARTゲームの開始条件が成立したときには第6ARTゲームに移行する。また、特殊リプレイ1に入賞したときには通常遊技状態に移行し、特殊リプレイ2に入賞したときには第2ARTゲームに移行する。
[第2ARTゲーム]
第2ARTゲームは、BBボーナスゲームが終了すると必ず付与される遊技特典である。言い換えれば、BBゲームの終了が第2ARTゲームの開始条件となっている。また、第1ARTゲームにおいて、特殊リプレイ2に入賞することも第2ARTゲームの開始条件となっている。それに対して第2ARTゲームの終了条件は、特殊リプレイ1に入賞したとき、第5ARTゲームの開始条件が成立したとき(BBの条件装置が作動したとき)、第6ARTゲームの開始条件が成立したとき(RBの条件装置が作動したとき)、または規定ゲーム数を消化したときである。ここで、第5ARTゲームの開始条件が成立したときには、第5ARTゲームに移行し、第6ARTゲームの開始条件が成立したときには、第6ARTゲームに移行する。さらに、規定ゲーム数を消化した時には、第1ARTゲームに移行する。
また、第2ARTゲームに移行した際に、規定ゲーム数は50Gに設定される。第2ARTゲームでは、ゲームが進行するごとに残りゲーム数が減算されていき、残りゲーム数が0となった時点で第1ARTゲームに移行し、特殊リプレイ1が入賞したときには通常遊技状態に移行する。第2ARTゲーム中は、特定の小役の入賞に基づいて、残りゲーム数の上乗せ抽選および特別ARTゲームへの移行抽選を行っている。この上乗せ抽選に当選した場合、当選の態様に応じたゲーム数が上乗せされる。ゲーム数の上乗せが発生した場合には、その分のゲーム数が残りゲーム数に上乗せされる。さらに、第2ARTゲーム中に、特別ARTゲームへの移行抽選に当選して上乗せ特化ゾーン移行条件を満たすと、残りゲーム数の上乗せに特化した上乗せ特化ゾーンとなる特別ARTゲームに移行する。上乗せ特化ゾーン移行条件については後に説明する。また、上乗せ特化ゾーンに移行した場合には、残りゲーム数の減算が中断される。
[第3ARTゲーム]
第3ARTゲームは、RB1ボーナスゲームが終了すると必ず付与される遊技特典である。言い換えると、RB1ゲームの終了が第3ARTゲームの開始条件となっている。また、第3ARTゲームの終了条件は、特殊リプレイ1に入賞したとき、第5ARTゲームの開始条件が成立したとき(BBの条件装置が作動したとき)、第6ARTゲームの開始条件が成立したとき(RBの条件装置が作動したとき)、または規定ゲーム数を消化したときである。ここで、第5ARTゲームの開始条件が成立したときには、第5ARTゲームに移行し、第6ARTゲームの開始条件が成立したときには、第6ARTゲームに移行し、規定ゲーム数を消化したときには第1ARTゲームに移行する。
また、第3ARTゲームに移行した際に、規定ゲーム数は30Gに設定される。第3ARTゲームでは、ゲームが進行するごとに残りゲーム数が減算されていき、残りゲーム数が0となった時点で第1ARTゲームに移行し、特殊リプレイ1が入賞したときには通常遊技状態に移行する。第3ARTゲーム中は、特定の小役の入賞に基づいて、規定ゲーム数の上乗せ抽選を行っている。この上乗せ抽選に当選した場合、当選の態様に応じたゲーム数が上乗せされる。ゲーム数の上乗せが発生した場合には、その分のゲーム数が残りゲーム数に上乗せされる。さらに、第3ARTゲーム中に所定の上乗せ特化ゾーン移行条件を満たすと、残りゲーム数の上乗せに特化した上乗せ特化ゾーンとなる特別ARTゲームに移行する。上乗せ特化ゾーン移行条件については後に説明する。また、上乗せ特化ゾーンに移行した場合には、残りゲーム数の減算が中断される。
[第4ARTゲーム]
上記第4ARTゲームは、RB2ボーナスゲームが終了すると必ず付与される遊技特典である。言い換えれば、RB1ゲームの終了が第4ARTゲームの開始条件となっている。また、第4ARTゲームの終了条件は、特殊リプレイ1に入賞したとき、第5ARTゲームの開始条件が成立したとき(BBの条件装置が作動したとき)、第6ARTゲームの開始条件が成立したとき(RBの条件装置が作動したとき)、または規定ゲーム数を消化したときである。ここで、第5ARTゲームの開始条件が成立したときには、第5ARTゲームに移行し、第6ARTゲームの開始条件が成立したときには、第6ARTゲームに移行する。さらに、規定ゲーム数を消化したときには第1ARTゲームに移行し、特殊リプレイ1に入賞したときには通常遊技状態に移行する。
また、第4ARTゲームに移行した際に、規定ゲーム数は100Gに設定される。第4ARTゲームでは、ゲームが進行するごとに残りゲーム数が減算されていき、残りゲーム数が0となった時点で第1ARTゲームに移行し、特殊リプレイ1が入賞したときには通常遊技状態に移行する。第4ARTゲーム中は、特定の小役の入賞に基づいて、規定ゲーム数の上乗せ抽選を行っている。この上乗せ抽選に当選した場合、当選の態様に応じたゲーム数が上乗せされる。ゲーム数の上乗せが発生した場合には、その分のゲーム数が残りゲーム数に上乗せされる。さらに、第4ARTゲーム中に所定の上乗せ特化ゾーン移行条件を満たすと、残りゲーム数の上乗せに特化した上乗せ特化ゾーンとなる特別ARTゲームに移行する。上乗せ特化ゾーン移行条件については後に説明する。また、上乗せ特化ゾーンに移行した場合には、残りゲーム数の減算が中断される。
[第5ARTゲーム]
第5ARTゲームの開始条件は、BBゲームの条件装置が作動(BBのフラグが成立)したときである。言い換えると、第1ARTゲーム、第2ARTゲーム、第3ARTゲーム、第4ARTゲーム、または通常ゲーム中に、内部的にBBに当選した場合に第5ARTゲームに突入する。これに対して第5ARTゲームの終了条件は、BBが作動したときである。言い換えると、遊技者の目押し操作によって、BBに対応する図柄(BB図柄)である「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が、有効ラインである「中段−中段−中段」に揃えられたときに、第5ARTゲームは終了する。
[第6ARTゲーム]
第6ARTゲームの開始条件は、RBゲームの条件装置が作動(RBのフラグが成立)したときである。言い換えると、第1ARTゲーム、第2ARTゲーム、第3ARTゲーム、第4ARTゲーム、または通常ゲーム中に、内部的にRBに当選した場合に第6ARTゲームに突入する。これに対して第6ARTゲームの終了条件は、RBが作動したときである。言い換えると、遊技者の目押し操作によって、RBに対応する図柄(RB図柄)である「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」または「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」が、有効ラインである「中段−中段−中段」に揃えられたときに、第6ARTゲームは終了する。
[特別ARTゲーム]
特別ARTゲームは、第2ARTゲーム〜第4ARTゲームのいずれかのARTゲームを実行中に所定の上乗せ特化ゾーン移行条件を満たすことで付与される遊技特典である。言い換えると、第2ARTゲーム〜第4ARTゲームのいずれかのARTゲーム中における上乗せ特化ゾーン移行条件の成立が特別ARTゲームの開始条件となる。また、特別ARTゲームの終了条件は、上乗せ特化ゾーン終了条件が成立したときである。上乗せ特化ゾーン終了条件は、規定ゲーム数、例えば5Gが消化したとき以後にゲーム数の上乗せではなくポイントの上乗せが行われたことである。上乗せ特化ゾーン終了条件が成立して特別ARTゲームが終了すると、特別ARTゲームに移行する直前のARTゲームに移行(復帰)する。
本実施形態では、上乗せ特化ゾーンは、5Gの消化した後にゲーム数の選択が行われた場合に終了するが、そのゲーム数をランダムに設定することもできるし、他のゲーム数とすることもできる。あるいは、所定の継続条件、例えば特別ARTゲームの最終ゲームにリプレイ以外の小役に当選した場合に、さらに5ゲームが再セットされるようにすることもできる。
ここで、第1ARTゲームの開始条件である再遊技0および第2ARTゲームの開始条件である再遊技6が「単独で当選する」確率は0である。言い換えれば、第1ARTゲーム中、再遊技0,6は、常に再遊技1〜5と重複して当選する。再遊技0,6と再遊技1〜5とが重複して当選した場合、特定の押し順で停止ボタン211a,211b,211cを操作すると特殊リプレイ1,2が入賞し、上記特定の押し順以外の押し順で停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、特殊リプレイ1,2以外のリプレイ(以下「通常リプレイ」という)が入賞する。特殊リプレイ1が入賞すると、第1ARTゲームが終了して通常ゲームに移行してしまうところ、再遊技0と再遊技1〜5とが重複して当選した場合でも特定の押し順以外の押し順で停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、特殊リプレイの入賞を回避できる。このため、遊技者は、再遊技0と再遊技1〜5とが重複して当選したときに、停止ボタン211a,211b,211cの押し順を予想して特殊リプレイの入賞を回避することにより、第1ARTゲームを継続させることができる。このため、遊技者にとっては、再遊技0と再遊技1〜5とが重複して当選したときに、どのリール停止ボタンから操作するかハラハラドキドキしながら遊技を進めることができる。また、再遊技6と再遊技1〜5とが重複して当選した場合でも特定の押し順で停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、特殊リプレイ2を入賞させることができる。このため、遊技者は、再遊技6と再遊技1〜5とが重複して当選したときに、停止ボタン211a,211b,211cの押し順を予想して特殊リプレイ2の入賞を目指すことにより、第2ARTゲームに復帰させることができる。このため、遊技者にとっては、再遊技6と再遊技1〜5とが重複して当選したときに、どのリール停止ボタンから操作するかハラハラドキドキしながら遊技を進めることができる。また、第2〜第4ARTゲーム中に再遊技0に当選した場合には、特殊リプレイ1が入賞する押し順以外の押し順をナビゲートする。こうして、第2〜第4ARTゲーム中における特殊リプレイ1の入賞を防止することができる。したがって、遊技者は、ナビゲーとされた押し順にしたがって停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、第2〜第4ARTゲームから通常遊技状態に移行することを回避できる。
なお、主制御基板409により制御される遊技状態としては、通常遊技状態、リプレイタイム(第1RTゲーム〜第6RTゲーム、特別RTゲーム)およびボーナスゲーム(BB、RB)があり、これらのうちいずれかの遊技状態に制御される。これらの遊技状態のうちいずれの遊技状態に制御されるかについては、主制御基板409により実行される制御プログラム上の処理により決定される(例えば、ステップS376、ステップS386等の処理により遊技状態が移行制御される)。ここで、通常遊技状態は、リプレイタイムおよびボーナスゲームのいずれでもない遊技状態であり、通常遊技状態、リプレイタイムおよびボーナスゲームのうち最も滞在期間が長くなりうる。本発明の遊技状態制御手段は、本実施形態の主制御基板409により制御されるプログラム上の処理(例えばステップS376等)が相当する。
[リプレイ(再遊技役)]
図65に示すように、本実施形態には、7種類のリプレイ(再遊技0、再遊技1、再遊技2、再遊技3、再遊技4、再遊技5、再遊技6)を設けており、対応する図柄の組み合わせ態様として再遊技0は「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」、再遊技1は「アヤメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」、再遊技2は「アヤメ図柄−マツ図柄−ヤナギ図柄」、再遊技3は「アヤメ図柄−マツ図柄−モミジ図柄」、再遊技4は「ウメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」、再遊技5は「アヤメ図柄−ウメ図柄−キリ図柄」、再遊技6は「アヤメ図柄−マツ図柄−ウメ図柄」が予め決められている。
各種リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく(自動的にベットされる)、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できる。
ここで、再遊技1〜再遊技5の図柄が揃った場合には、リプレイゲームが行なわれてもその後の遊技状態を変化させることがなく、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。一方、再遊技0の図柄が揃ってリプレイゲームが行なわれたのちは、第1ARTゲームに移行する(詳細は後述する)。さらに、第1ARTゲーム中に再遊技6の図柄が揃ってリプレイゲームが行なわれたのちは、第2ARTゲームに移行する(詳細は後述する)。このように、7種類のリプレイ(再遊技0〜再遊技6)は、次回のゲームを再遊技として実行できる点において同様であるものの、その後に第1ARTゲームに移行するか否か、あるいは第1ARTゲームから第2ARTゲームに移行するか否かといった点で存在意義が異なっている。
なお、本明細書において、「当選」は抽選に当選したことを意味し、当該抽選に当選したことを条件に、当該当選役図柄が有効ライン上に揃って入賞することとなる。また、本実施形態では、上記のように当選種別としての「リプレイ」に7種類(再遊技0〜再遊技6)を設けているため、以下では、単に「リプレイ」と称するときは、再遊技0〜再遊技6のすべてを指すものとする。
このように、リプレイ図柄が揃った際にはメダルは付与されず、リプレイゲームといった特典を付与する役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(ベット操作する)必要がないことである。また再遊技(リプレイ)はメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、再遊技(リプレイ)という当選役を設けることで、ゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができる。
ここで、特殊リプレイ1に入賞した場合には、リプレイゲームを付与するだけでなく、遊技状態が第1ARTゲーム〜第4ARTゲームであれば、当該を終了して通常遊技状態に移行する。さらに、第1ARTゲーム中に特殊リプレイ2に入賞した場合には、リプレイゲームを付与するだけでなく、遊技状態が第1ARTゲームであれば、当該を終了して通常遊技状態に移行する。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄とは異なる種類の図柄のこと)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。
[小役]
図65に示すように、小物1と示されている入賞役には、対応する図柄(小物1図柄)の組み合わせ態様として「アヤメ図柄−マツ図柄−キク図柄」が予め決められている。小物1には、普通小役1が当選した場合に入賞可能とされている。
小物1図柄が揃うと、規定枚数(例えば、9枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームが終了したときに行われる。つまり、小物1図柄が揃うと9枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。小物2〜小物7についても、小物1と同様、9枚のメダルが払い出される入賞役となっている。さらに、小物8〜小物10については、小物1払い出し枚数が異なり、1枚のメダルが払い出される入賞役となっている。ここで、小物1と小物8は、当選役として普通小役1に当選した場合に入賞可能とされている。普通小役1に当選した場合には、停止ボタン211a,211b,211cのうち、第1停止ボタン211aを最初に操作した場合に小物1に入賞し、第2停止ボタン211bまたは第3停止ボタン211cを最初に操作した場合に小物8に入賞する。同様に、小物2と小物9は、当選役として普通小役2に当選した場合に入賞可能とされ、小物3と小物10は、当選役として普通小役3に当選した場合に入賞可能とされている。普通小役2に当選した場合には、停止ボタン211a,211b,211cのうち、第2停止ボタン211bを最初に操作した場合に小物2に入賞し、第1停止ボタン211aまたは第3停止ボタン211cを最初に操作した場合に小物9に入賞する。さらに、普通小役3に当選した場合には、停止ボタン211a,211b,211cのうち、第3停止ボタン211cを最初に操作した場合に小物3に入賞し、第1停止ボタン211aまたは第2停止ボタン211bを最初に操作した場合に小物10に入賞する。
また、小物11と示されている入賞役には、対応する図柄(小物11図柄)の組み合わせ態様として「キリ図柄−マツ図柄−キリ図柄」が予め決められている。
小物11図柄が揃ったときは、規定枚数(例えば、10枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しも当該ゲームにて行われる。つまり、小物11図柄が揃うと10のメダルの払出しという遊技特典が付与される。小物11〜小物19についても、小物11と同様、10枚のメダルが払い出される入賞役となっている。
このように、小物(小役)はゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする入賞役(当選役)であるといえる。ただし、小役に当選して小物に入賞する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となってしまい(BBやRBに当選しなくともメダルが増加してしまう虞がある)、スロットマシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。これらのことから、小役という当選役には、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、小物図柄についても、前述のリプレイ図柄と同様、各リール301a,301b,301cに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題ない。
[ハズレ]
図65に示された当選役(入賞役)のいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[毎ゲーム演出]
本実施形態のスロットマシンでは、周辺制御基板510により1回のゲーム毎に行われる内部抽選により選び出された役に応じて、1回のゲーム毎に所定の演出態様が演出表示装置590に表示される。つまり、内部抽選により選び出された役に応じて演出態様が異なるので、演出表示装置590に表示された演出態様を視認することで、遊技者は、内部抽選にて何れの役に当選したかを把握しうる。例えば、内部抽選により小物1が選び出された場合には、図柄表示窓591aを介して視認しうる有効ライン上には「アヤメ図柄−マツ図柄−キク図柄」の図柄組み合わせが表示されるが、演出表示装置590の図柄表示領域5901bには「手形―手形―手形」の演出態様が表示される。本発明の毎ゲーム演出制御手段は、本実施形態の周辺制御基板510により行われる1回のゲーム毎に所定の演出態様を演出表示装置590に表示する処理が相当する。
[特典演出]
本実施形態では、第1〜第4ARTゲーム中に、内部成立したフラグ(主に小役)に対する図柄等を報知(ナビゲート)する、いわゆる特典演出を実施する。以下に、本実施形態の特典演出について説明する。
本実施形態においては、第1ARTゲーム〜第4ARTゲームが行われているときに、内部抽選で当選した小役について、最も多くの払い出し枚数を得ることができるようにナビゲートするART演出を特典演出として実施する。また、ART演出は、演出表示装置590に表示される演出画像およびスピーカ(Lスピーカ201a,Rスピーカ201b)から発生される音声によって、停止ボタン211a,211b,211cのうち、最初に操作するものをナビゲートして、内部抽選にて当選した小役について、最大の払い出し枚数を得ることができるようにする演出である。
ところで、最大の払い出し枚数を得る方法の一つとして、ある特定の図柄を「目押し」することによって小物を入賞させるスロットマシンが挙げられる。このようなスロットマシン場合、特定の図柄を目押しすることができないと、最大の払い出し枚数を得ることができず、獲得できるメダルの数が減少してしまう。言い換えると、遊技者の目押しの技量いかんによって、獲得できるメダルの数が増減してしまうことがありうる。そのような技術介入性の高いスロットマシンは、「目押し」の技量の低い遊技者や遊技に未熟な遊技(初心者)等には、敬遠される傾向にあるのが一般的である。
また、目押しの技量の高い遊技者(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)であっても、長時間遊技を行っていると、集中力が低下してくることがあるので、目押しを毎回成功させることができるとは限らない。目押しに失敗すると、途端に遊技者にとって有利な遊技状態が終了することなどがあるため、興趣が低下するおそれがある。何より、小役を入賞させることができたのにという悔しさを拭い去るのは容易なことではない。
また、目押しを必要としないスロットマシンとしては、スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止順をナビゲートし、特定の小役に当選した場合に最大の払い出し枚数を得ることができる特典演出機能を搭載したスロットマシンが挙げられる。このようなスロットマシンにおいては、遊技者はナビゲートされる停止順に従ってリール停止ボタンを押すことで、最大の払い出し枚数を得ることができる図柄揃いを入賞させてメダルを獲得することができる。
しかしながら、上記のような特典演出が行われるスロットマシンでは、ナビゲートされたリール停止ボタン211の停止順を一つでも間違えると、払い出し枚数が少ない図柄揃いが入賞し、獲得できるメダルが少なくなる。このようなスロットマシンは、目押しが必要でない分、「目押し」の技量の低い遊技者や遊技に未熟な遊技(初心者)等にとっても遊技しやすいものの、ナビゲートされる毎にリール停止ボタン211の停止順を間違えないように押さなければならない緊張感が特典演出中は消えることがない。そうすると、遊技者は特典演出中の遊技を気軽に楽しむことができない。したがって、遊技者が気軽に特典演出中の遊技を楽しむには、スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタンの停止順をナビゲートする特典演出機能を搭載しているスロットマシンよりも、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきボタンをナビゲートする本実施形態のような特典演出機能を搭載しているスロットマシンの方がより好ましい。
スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタンの停止順をナビゲートする特典演出機能を搭載しているスロットマシンにおいて、特典演出が生起しない演出態様中では、遊技者は、全てのリール停止ボタンの停止順を、己の勘だけを頼りにしてリール停止ボタンを操作しなければならない。スロットマシンに備え付けられたリール停止ボタンが3つであった場合、遊技者の勘が当たって正しい停止順で停止操作できる確率は6分の1である。そのような状況が長時間続くと、遊技者は特典演出が生起しない演出態様中を苦痛に感じてきてしまう。
これに対して本実施形態のように、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきボタンをナビゲートする本実施形態のような特典演出機能を搭載しているスロットマシン(リール停止ボタンは3つとする)においては、特典演出が生起しない演出態様中においても、少なくとも最初に停止操作すべきボタンが正解であればいいので、遊技者にとって気軽に遊技することができる。このようなスロットマシンにおいても、やはり遊技者の勘が頼りになるが、遊技者の勘が当たって正しく停止操作できる確率は3分の1であり、前述の6分の1よりは負担が軽いものとなっている。
したがって、遊技者が気軽に特典演出中の遊技を楽しむには、スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタンの停止順をナビゲートする特典演出機能を搭載しているスロットマシンよりも、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきボタンをナビゲートする本実施形態のような特典演出機能を搭載しているスロットマシンの方がより好ましいといえる。
本実施形態における特典演出は、第1ARTゲームでは、特殊リプレイの入賞により終了する。また、第2ARTゲーム〜第4ARTゲーム中、規定ゲーム数の消化により、第2ARTゲーム〜第4ARTゲームは終了するものの、第2ARTゲーム〜第4ARTゲームで行われていた特典演出は、引き続き第1ARTゲームで行われる。
このように、本実施形態における特典演出の基本的事項については説明したが、特典演出中の具体的な演出態様としての上乗せ演出や上乗せ特化演出については後述する。
[押し順報知演出]
本実施形態では、第5ARTゲームおよび第6ARTゲーム中に、内部成立したフラグ(主に小役)に対する図柄等を報知(ナビゲート)する、いわゆる押し順報知演出を行う。以下に、本実施形態の押し順報知演出について説明する。
本実施形態においては、第5ARTゲームおよび第6ARTゲームが行われているときに、内部抽選で当選した小役について、最も多くの払い出し枚数を得ることができるようにナビゲートするナビゲート演出を実施する。また、ナビゲート演出は、演出表示装置590に表示される演出画像およびスピーカ(Lスピーカ201a,Rスピーカ201b)から発生される音声によって、停止ボタン211a,211b,211cのうち、最初に操作するものをナビゲートして、内部抽選にて当選した小役について、最も多くの払い出し枚数を得ることができるようにする演出である。
このように、第5ARTゲームおよび第6ARTゲームにおいて押し順報知演出を行うことにより、BBまたはRB1(RB2)に当選した後、有効ライン上にBB図柄またはRB1(RB2)図柄が揃うまでのメダルの減少を抑制することができる。したがって、遊技者はBBまたはRB1(RB2)によって、多くのメダルを確実に獲得することができる。ただし、第5ARTゲームおよび第6ARTゲームでは、第1〜第4ARTゲームよりもリプレイの当選確率が低くされている。このため、第5ARTゲームおよび第6ARTゲーム中に払い出される単位ゲーム回数あたりメダルは、第1〜第4ARTゲーム中よりも少なくなる設計とされている。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、主制御基板409(主に、主制御MPU)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。なお、第1ARTゲーム〜第6ARTゲームが行われている間に、主制御基板409において行われるRTゲームを、それぞれ第1RTゲーム〜第6RTゲームと称する。
図66は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAXベットボタン206(あるいは1ベットボタン205)の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール301a,301b,301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBBやRB、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図67は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1ベットボタン205、MAXベットボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる1枚ベットボタン205、MAXベットボタン206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドが主制御基板409(主制御MPU)に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー210の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグのほか、RB1ゲーム中フラグ、RB2ゲーム中フラグ、第1RTゲーム中フラグ、第2RTゲーム中フラグ、第3RTゲーム中フラグ、第4RTゲーム中フラグ、第5RTゲーム中フラグ、第6RTゲーム中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図66のステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BBに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BBに当選した」ということになり、BBの内部抽選フラグ(成立フラグ、この場合は前述の当選フラグともいう)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBBに対応する乱数値から、BBの当選確率(BBが内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(BB)でいえば、
〔 BBに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、BBの当選確率は1/16384であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており(設定されており)、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(BB)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBBに対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BBの当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BBの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「BBに当選した」ということになる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図68では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板409(主に、主制御MPU)に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「逆押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができる。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「逆押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に右リール停止ボタン211cが押下されたとすると、ステップS202、S210の判定が満たされず、ステップS217に移る。そして、ステップS217以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に右リール停止ボタン211cが押下されているので、ステップS217,S218の判定は満たされ、右リール301cについて第1リール停止処理が行われる(ステップS219)。そして、残りの左リール301a、中リール301bのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS221)、第1リール停止フラグおよび右リール停止フラグRFがONにセットされる(ステップS222,S223)。
その後は、ステップS221で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および中リール停止処理(ステップS213)が、左リール停止ボタン211aおよび中リール停止ボタン211bの押下操作順に従って実行される。なお、「逆押し」の停止操作手順では、「順押し」の停止操作手順のときと同様に、右リール301cのみが停止状態となり、上段位置および下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
ところで、「中押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「中押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に中リール停止ボタン211bが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされず、ステップS210に移る。そして、ステップS210以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に中リール停止ボタン211bが押下されているので、ステップS210,S211の判定は満たされ、中リール301bについて第1リール停止処理が行われる(ステップS212)。そして、残りの左リール301a、右リール301cのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS214)、第1リール停止フラグおよび中リール停止フラグMFがONにセットされる(ステップS215,S216)。
その後は、ステップS216で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および右リール停止処理(ステップS220)が、左リール停止ボタン211aおよび右リール停止ボタン211cの押下操作順に従って実行される。ここで、「中押し」の場合は、「順押し」におけるステップS206(あるいは、「逆押し」におけるステップS221)とは異なり、この時点でまだ4つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。つまり、第1停止リール(この場合は中リール301b)の停止目のうちで中段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(左リール301a、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓591a内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれ、所定のコマ数を上限として図柄の引き込みを行う)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓591a内に停止させることが可能な範囲(以下、引き込み制御可能範囲と称する)として例えば3コマを予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓591a内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込み制御可能範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向に移動が可能な最大コマ数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で3コマとすれば、所定の位置(例えば中段)には、当該リールの停止操作が受け付けられたときの位置からリール回転方向に3個目の図柄まで表示可能となる。つまり、最大で3コマ未満の範囲(より詳しくは、3コマから1ステップ差し引いた範囲)で図柄の引き込みが可能となる。なお、一の図柄からリールの回転方向に隣接する他の図柄までが1コマである。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓591a内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓591a内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓591a内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
ここで、各リール停止ボタン211a〜211cを操作したときの各リール301a,301b,301cのリール停止制御について説明する。なお、本実施形態のスロットマシン1では、各リール帯351a,351b,351cに14個の図柄が表記されており、3図柄を上限として図柄の引き込み制御が行われる。
ここで、各リール帯351a,351b,351cに表記されている図柄のうち引き込み可能となる図柄は、以下のとおりである。
図柄表示窓591aに表示される有効ライン上の位置が複数あるとき、当該有効ライン上の一の位置と他の位置との間の最大コマ数をMとし(有効ライン上の位置が一つのときはM=0)、引き込み制御可能なコマ数をNとすると、停止操作したときのリール帯351a,351b,351cの位置から(N+M)コマを上限として図柄の引き込みが可能となる。ここで、「最大コマ数」とは、上段および下段の両方が有効ライン上に位置する場合には2コマ(中段が有効ライン上に位置したとしても2コマ)であり、上段および中段が有効ライン上に位置する場合には1コマとなる。同様に、中段および下段が有効ライン上に位置する場合にも1コマとなる。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓591a内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図69では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓591a内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S303では、それぞれ、RBゲーム中であるか、BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS380に移る。また、BBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS303の判定が満たされ、ステップS370に移る。
RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S303の判定がいずれも満たされず、ステップS310に移る。
ステップS310で、RTゲーム終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS320,S330,S340,S350,S360のいずれかに移る。
ステップS320では、BB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、RB図柄が揃っているかを判定する。有効ライン上にRB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」または「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。
次のステップS332では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
次のステップS340では、リプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。本実施形態では、ステップS340において、再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)、再遊技1(「アヤメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」)、再遊技3(「アヤメ図柄−マツ図柄−ヤナギ図柄」)、再遊技4(「ウメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」)、再遊技5(「アヤメ図柄−ウメ図柄−キリ図柄」)、再遊技6(「アヤメ図柄−マツ図柄−ウメ図柄」)のいずれかが揃った場合に、リプレイ図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドを主制御基板409(主制御MPU)に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344で、RTゲーム移行判定処理(詳細は後述する)を実行した後、ステップS346では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。RTゲーム移行判定処理では、RTゲーム中にリプレイに入賞したときの遊技状態の移行に関する処理を行う。
ステップS350では、小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。本実施形態では、ステップS350において、例えば小物1(「アヤメ図柄−マツ図柄−キク図柄」)、例えば小物11(「キリ図柄−マツ図柄−キリ図柄」)等(詳細は図65を参照)が揃った場合に、小役図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS352では、上乗せ特化ゾーン移行判定処理を行う。上乗せ特化ゾーン移行判定処理については後に説明する。その次のステップS354では、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。その後、ステップS356では、小役当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
次に、有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS320,S330,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
また、当該当選フラグがBBフラグ及びRBフラグのいずれかに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、RBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、RBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(あるいはRB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記のステップS310からステップS360までの処理は、通常ゲーム、RTゲームの場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム及びRBゲームの場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、小物(小役)に加えて、ボーナスゲーム専用役を含めたBBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS376に移り、RTゲーム開始処理(第2〜第4RTゲームが行われる際のRTゲームを開始する処理、詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。本実施形態では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称である。そして、有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、RTゲーム開始処理(第2〜第4RTゲームのうちいずれかのRTゲームを開始する処理)を実行する。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図69のステップS320の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図70を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図69のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図71を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図69のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数が400枚を超えたかを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS456に移る。
ステップS456では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にする。それから、ステップS458において、BBゲームフラグの成立が、RTゲーム中であったかを判断する。その結果、BBゲームフラグの成立がRTゲーム中でない場合には、ステップS460において、第2RTゲーム開始フラグをON(=1)する。一方、BBゲームフラグの成立がRTゲーム中である場合は、ステップS462において、BBフラグが成立したときのRTゲームに相当するRTゲーム中フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図69のステップS330の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図72を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図69のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図73を用いて説明する。本実施例においてはRB1の場合を例に挙げて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図69のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS552では、累計払出枚数が20枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RB1ゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にする。それから、ステップS558において、RBゲームフラグの成立が、RTゲーム中であったかを判断する。その結果、RBゲームフラグの成立がRTゲーム中でない場合には、ステップS560において、第3RTゲーム開始フラグをON(=1)する。一方、RBゲームフラグの成立が、RTゲーム中である場合は、ステップS562において、RBフラグが成立したときのRTゲームに相当するRTゲーム中フラグをON(=1)にして処理を終了する。
なお、本実施形態におけるRBゲームについては、例としてRB1について説明をしたが、RB2ゲームの場合もRBゲーム開始処理およびRB終了処理は同様のステップを経るものである。ただし、ステップS558の「第3RTゲーム」を「第4RTゲーム」と読み替えることとする。
[RTゲーム開始処理]
RTゲーム開始処理について、図74を用いて詳細に説明する。まず、ステップS601では、第1RTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS602では、RTゲーム中フラグをON(=1)にする。次に、ステップS604では、第1RTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。この処理により、次ゲームからRTゲームが開始される。
一方、ステップS601が満たされない場合、ステップS606に移り、第2〜第4RTゲーム開始フラグ、または特別RTゲーム開始フラグのいずれかのフラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS608では、フラグに応じたゲーム数をセットする。このときのフラグが第2RTゲーム開始フラグである場合には、ゲーム数を「50回」にセットし、第3RTゲーム開始フラグである場合には、ゲーム数を「30回」にセットする。また、第4RTゲーム開始フラグである場合には、ゲーム数を「100回」にセットする。さらに、特別RTゲーム開始フラグである場合には、ゲーム数を「5回」にセットする。
それから、ステップS610では、ONとされているRTゲーム開始フラグが第2RTゲーム開始フラグ〜第4RTゲーム開始フラグのいずれかであるかを判断する。ここで、ONとされているRTゲーム開始フラグが第2RTゲーム開始フラグ〜第4RTゲーム開始フラグのいずれかである場合には、ステップS612で規定回数RTゲーム中フラグをON(=1)にする。
一方、ONとされているRTゲーム開始フラグが第2RTゲーム開始フラグ〜第4RTゲーム開始フラグのいずれかでない場合、ONとされているRTゲーム開始フラグは特別RTゲーム開始フラグである。この場合、ステップS614において、特別RTゲーム中フラグをON(=1)にする。そして、ステップS616において、ONとされていたRTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。この処理により、次ゲームからRTゲームが開始される。
また、ステップS606が満たされない場合、ステップS618に移り、第5RTゲーム開始フラグまたは第6RTゲーム開始フラグのいずれかのフラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS620では、ボーナス前RTゲーム中フラグをON(=1)にし、ステップS622では、第5RTゲーム開始フラグおよび第6RTゲーム開始フラグのうち、ONとされていたフラグをOFF(=0)にする。この処理により、次ゲームからRTゲームが開始される。
また、上記のステップS618の判定が満たされない場合、そのまま処理を終了する。
[RTゲーム終了判定処理]
次にRTゲーム終了判定処理について、図75を用いて詳細に説明する。前述の図69の判定処理において、ステップS301、S303のいずれの判定も満たされない場合、このRTゲーム終了判定処理が実行される。
まず、ステップS651では、RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS652では、BB、RB1、RB2のいずれかに当選したかを判定する。この判定が満たされない場合、このまま処理を終了する。また、ステップS652の判定が満たされると、ステップS654では、RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。そして、ステップS656では、当選したボーナスの種類に応じて、第5RTゲーム開始フラグおよび第6RTゲーム開始フラグのいずれかをON(=1)にする。こうして処理を終了する。
また、ステップS651の判定が満たされない場合、ステップS658では、規定回数RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS660では、BB、RB1、RB2のいずれかに当選したかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS662では、規定回数RTゲーム中フラグをOFF(=0)にして、ステップS656に移行する。
一方、ステップS660の判定が満たされない場合、ステップS664では、RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS666に移る。ステップS666では、残りゲーム回数が「0」であるかを判定する。残りRTゲーム回数が「0」であれば、この判定が満たされ、次のステップS668に移行し、第1RTゲーム開始フラグをON(=1)にし、ステップS670では、規定回数RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。こうして、処理を終了する。
さらに、ステップS658の判定が満たされない場合、ステップS672では、特別RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS674では、規定RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS676に移行する。ステップS676では、残り特別RTゲーム回数が「0」であるかを判定する。残り特別RTゲーム回数が「0」であれば、この判定が満たされ、次のステップS678に移行し、特別RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。一方、この判定が満たされない場合には、そのまま処理を終了する。
ステップS678で特別RTゲーム中フラグをOFF(=0)にしたら、ステップS680では、BB、RB1、RB2のいずれかに当選したかを判定する。この判定が満たされない場合、、ステップS682において、規定回数RTゲーム中フラグをON(=1)にする。こうして、特別ARTゲームからARTゲームに移行(復帰)する。換言すれば、上乗せ特化ゾーンが終了する。また、ステップS680の判定が満たされると、ステップS684では、当選したボーナスの種類に応じて、第5RTゲーム開始フラグおよび第6RTゲーム開始フラグのいずれかをON(=1)にする。こうして処理を終了する。
さらに、ステップS672の判定が満たされない場合、ステップS686では、ボーナス前RTゲーム中フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS688では、BB,RB1,RB2のいずれかに入賞したかを判定するBB,RB1,RB2のいずれかに入賞すると、ボーナスゲームが開始されるので、ステップS690では、ボーナス前RTゲーム中フラグをOFF(=0)にして、処理を終了する。また、ステップS686、S688の判定が満たされない場合にも、そのまま処理を終了する。
[RTゲーム移行判定処理]
次にRTゲーム移行判定処理について、図76を用いて説明する。前述の図69の判定処理におけるステップS342においてリプレイゲーム処理が行われた後にこのRTゲーム移行判定処理が実行される。
まず、ステップS701では、上乗せ特化ゾーン移行判定処理を行う。上乗せ特化ゾーン移行判定処理については、後に説明する。次に、ステップS702において、RTゲーム中フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS703では、入賞したリプレイが特殊リプレイ1であるかを判定する。この判定が満たされた場合、RTゲーム中フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。この処理の後、RTゲームが終了して通常ゲームに移行する。
一方、ステップS703の判定が満たされない場合、ステップS704において、入賞したリプレイが特殊リプレイ2であるかを判定する。この判定が満たされない場合、入賞したリプレイは通常リプレイであるので、そのまま処理を終了する。また、ステップS704の判定が満たされた場合、ステップS706では第2RTゲーム開始フラグをON(=1)にし、ステップS708ではRTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。こうして、処理の終了後、RTゲームを第1RTゲームから第2RTゲームに移行させる。
また、ステップS702の判定が満たされない場合、ステップS710では、規定回数RTゲーム中フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされない場合、第1RTゲーム〜第4RTゲーム以外の遊技状態であるので、そのまま処理を終了する。また、ステップS710の判定が満たされた場合、ステップS712では、入賞したリプレイが特殊リプレイ1であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS714において規定回数RTゲーム中フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。この処理により、遊技状態がRTゲームから通常ゲームに移行する。さらに、ステップS712の判定が満たされない場合、そのまま処理を終了する。この場合には、処理の終了後、RTゲームが継続する。
[上乗せ特化ゾーン移行判定処理]
次に上乗せ特化ゾーン移行判定処理について、図77を用いて説明する。上乗せ特化ゾーン移行判定処理は、前述の図69の判定処理におけるステップS350において当選した図柄が小役図柄であると判断された場合に実行される。また、図76のRTゲーム移行判定処理に移行した場合にも上乗せ特化ゾーン移行判定処理が実行される。
まず,ステップS721では、規定回数RTフラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされない場合、そのまま上乗せ特化ゾーン移行判定処理を終了する。次に、当選した図柄がリプレイ(再遊技4)、レア役1,レア役2のいずれかであるかを判定する。この判定が満たされない場合、そのまま上乗せ特化ゾーン移行判定処理を終了する。
一方、ステップS722を満たした場合、ステップS724では、上乗せ特化ゾーン移行抽選を行う。上乗せ特化ゾーン移行抽選については、後に説明する。続いて、ステップS726では、上乗せ特化ゾーン移行抽選に当選したかを判断する。その結果、上乗せ特化ゾーン移行抽選に当選しない(落選した)場合には、そのまま上乗せ特化ゾーン移行判定処理終了する。一方、上乗せ特化ゾーン移行抽選に当選した場合には、ステップS728では、特別RTゲーム開始フラグをON(=1)にする。その後、ステップS730では、規定回数RTフラグをOFF(=0)にして、上乗せ特化ゾーン移行判定処理を終了する。
[通常ゲーム]
通常ゲームは、BBゲームおよびRBゲームが行われていない状態であって、かつ第1〜第6RT、特別RTが行われていない状態を示す。
本実施形態のスロットマシン1は、扉形前面部材200の略上半部に形成される透視窓214の上端部の上端領域に変動表示装置300(ミニリール)が配置されており、さらに、透視窓214のうち上端領域を除く略全域に画像表示体500(液晶)が配置されている。また、本実施形態おける当選役に対応する図柄の組合せは、ミニリール上でバラケ目で停止表示されるため、この停止表示された図柄の組合せを遊技者が見ても、一見何の役が当選しているかが分かりにくくなっている。これに対して、液晶上では、何の役が揃ったかが表示される。また、成立したフラグに対応する役図柄の組合せは、最初にどのリール停止ボタンを押すかだけに注意すれば、リール停止ボタンを押すタイミングに拘らず、ミニリール上に表示される。ここで、変動表示装置300(ミニリール)に停止表示された内部抽選の結果と、液晶上に表示される演出画像(演出役画像の組み合わせ)とは、基本的には1対1で対応しているため、遊技者は、ミニリールを見ることなく、液晶上の演出に集中して遊技を行うことができる。また、ミニリール上に停止表示される図柄の組合せについても、ゲームを繰り返すうちに経験的に判別することが可能である。
なお、本実施例におけるスロットマシン1は、ボーナスを除く入賞役については、正しい停止操作手順でリール停止ボタン211a〜211cの停止操作を行なう限り、小役等が取りこぼされない。ただし、例えば誤った停止操作手順でリール停止ボタン211a〜211cの停止操作を行なった場合には、変動表示装置300(ミニリール)が停止した際に、ハズレに対応する図柄の組み合わせが小窓部としての開口部591aに表示されるとともに、液晶上に表示される演出役画像の組み合わせも、ハズレに対応する図柄の組み合わせが表示される。
このように、本実施形態の係る遊技における回動表示体の良さ(ミニリールに表出された図柄の組み合わせから内部抽選の結果を把握しうる面白み)と演出上(演出画像表示装置)の良さ(演出画像表示領域に表示される演出役画像から内部抽選の結果を把握しうる面白み)との双方を最適に保ちうることで、これら双方を設けた意義を保つことができる。すなわち、本遊技機は、ミニリールに表出された図柄の組み合わせからは内部抽選の結果を外観上把握し難いものの、当該小窓部に表出された図柄の組み合わせ(内部抽選の結果)は、演出画像表示領域に表示される演出画像により遊技者に示唆される。これにより、回動表示体が停止した際の図柄の組み合わせから抽選結果を把握したい遊技者、および、演出画像表示領域に表示された演出画像から内部抽選結果を把握したい遊技者の双方の要望に応えることが可能となる。
また、第1〜第4RTゲーム、特別RTゲームにおける特典演出および第5、第6RTゲームにおける正しい押し順のナビゲートを大きな液晶に表示されるようにすると、液晶内で指示された内容を遊技者が視認しやすいため、指示されたリール停止ボタン211の停止順のミスなどを極力抑えることができる。
なお、特典演出および押し順報知演出中は、上記のように第1〜第6RTゲーム、および特別RTゲームにおける正しい押し順をナビゲートする。遊技者は、ナビゲートされた押し順どおりにリール停止ボタンを停止操作すればよく、上記のように目押しを必要としない。換言すると、ナビゲートされた通りにリール停止ボタンを停止操作することにより、第1〜第6RTゲームにおける最大払い出し枚数の小物を入賞させることができる。このように、リプレイタイム中は一切目押しをすることなく、第1RTゲームにおける特典演出が行われている際に再遊技6に当選した場合に特殊リプレイ2を入賞させることができ、第2〜第4RTゲームにおける特典演出が行われている際に再遊技0に当選した場合に、特殊リプレイ1の入賞を回避できる。さらに、小役に当選した場合には、最大払い出し枚数となる小物を入賞させることができるので、遊技者に与えうる疲労感を軽減することができる。
また、本実施形態では目押しをする必要がないことから、長時間の遊技で疲れてしまい、目押しに失敗して第2〜第4RTゲームを不本意に終了させてしまったり、最大払い出し枚数となる小物ではなく払い出し枚数が少ない小物を入賞させてしまったりといった目押しを必要とする場合に発生する弊害がない。また、目押しの際に酷使される目力もほとんど使用しなくてもよい。これにより、遊技者は気軽に遊技することができるとともに、長時間の遊技となっても疲れにくくなる。
〔簾(すだれ)役物を使用した演出〕
本実施形態のスロットマシン1の演出表示装置590と可動簾役物5903との関係について説明する。演出表示装置590である液晶画面上には、演出画像を表示する演出表示領域5901aと、内部抽選の抽選結果およびリール停止操作に基づいて表示される図柄を表示する図柄表示領域5901bとが区画されている(例えば、図79の(a)参照)。区画の内訳は、演出表示領域5901aが液晶画面(演出表示装置590)の上部から約3分の2を占めており、図柄表示領域5901bが残りの約3分の1を占めている。この割合は上記に限定されるものではなく、表示される位置についても、上記に限定されるものではない。したがって、演出表示領域5901aが液晶画面(演出表示装置590)の左側の約9割を占め、図柄表示領域5901bが残りの約1割を占めるといった区画形成も考えられ得る。
一方、可動簾役物5903は、画像表示体500の後面側であって、演出表示装置590の前面側に設けられている(図示せず)。可動簾役物5903を可動させると、簾をかけるようなかたちで、演出表示装置590における演出表示領域5901aを全体的に覆うことができる(例えば、図79の(b)参照)。また、図柄表示領域5901bまで覆う場合、つまり演出表示装置590における液晶画面全体を覆う場合があってもよい。この可動簾役物5903が演出表示装置590における演出表示領域5901aを覆うことにより、演出表示領域5901aで表示されている演出表示を、遊技者から視認できないようにすることができる。
もっとも、可動簾役物5903は半透明の材料等から形成されていることから、演出表示領域5901aを可動簾役物5903で覆いつつ演出表示装置590に演出画像を表示することで、可動簾役物5903の向こう側(つまり演出表示装置590で表示される演出画像)を遊技者に視認させるような演出を行うことも可能である。なお、可動簾役物5903を可動させない場合には演出表示装置590で表示される演出画像などの邪魔にならないように、可動簾役物5903が収納されている。
ところで、本実施形態におけるスロットマシン1にはミニリールを搭載し液晶上の演出(演出表示装置590内における演出表示領域5901aの演出)を邪魔しないようにしていることにより、遊技者は、ミニリールの停止表示を気にすることなく、液晶上の演出(演出表示装置590内における演出表示領域5901aの演出)に集中することができる。また、演出表示装置590内に設けた図柄表示領域5901bでは、内部抽選の抽選結果およびリール停止操作に基づいて表示される図柄などを確認することができるため、これによっても遊技者はミニリールの停止表示を気にする必要がなく、液晶上の演出(演出表示装置590内における演出表示領域5901aの演出)と内部抽選の抽選結果(演出表示装置590内における図柄表示領域5901bに表示される図柄)とを、一の液晶上(演出表示装置590)で確認することができる。これにより遊技者は、通常遊技状態中は目線を演出表示装置590以外に移動させる必要がないため、長時間の遊技であっても、疲労感を感じにくい。
次に、可動簾役物5903の可動態様と演出表示装置590との演出態様について説明する。上述のように、可動簾役物5903は常には演出表示装置590で表示される演出画像などの邪魔にならないよう収納されているが、演出表示領域5901aでの演出を効果的に遊技者に見せるために、演出表示領域5901aの一領域だけを可動簾役物5903で覆ったり、覆った部分の向こう側で何かが行われているような演出(詳細は後述する)を行ったりすることができる。
このように可動簾役物5903の上げ下げを液晶上の演出と絡めることにより、演出表示領域5901aでの演出をより一層面白いものとすることができる。また、可動簾役物5903の可動が頻繁に行われると、遊技者に「超チャンスモード」の演出が開始されるのではないかと思わせることができる。これにより遊技者は探究心をかきたてられ、遊技を簡単にやめることができないため、ホールにとっては稼働率アップにつながる可能性がある。
ここで、図78を参照して、的あて演出を例に挙げて、可動簾役物5903を用いた演出について説明する。的あて演出は、複数のゲームにまたがって関連性のある一連の演出が表示される連続演出であって、リール停止ボタン211の停止操作を遊技者が選択したことに関連して表示される遊技者参加型の演出となっている。図78に示すように、演出表示領域5901aには、3つの的が並んでいる。左側に位置する的(左画像表示位置)を5902a、真ん中に位置する的(中画像表示位置)を5902b、右側に位置する的(右画像表示位置)を5902cとする。内部抽選にてボーナス役が選び出されると、第5RTゲームが行われ、リプレイ役の当選確率が高められる。ここで、ボーナス図柄よりもリプレイ図柄が優先して停止制御されるので、ボーナス役とリプレイ役とが重複して同時に成立していると、ボーナス入賞が困難となる。すなわち、内部抽選にてボーナス役が選び出されたとしても、ボーナス入賞が困難となる第5ARTゲームまたは第6ARTゲームが行われると、所定ゲーム数にまたがってボーナス入賞できないことがある。連続演出は、このボーナス入賞が困難なゲーム期間を利用して行われる。
的あて演出を行うと決定されると、決定された1ゲーム目に、3つの的のうち少なくとも1つの的に、当たりを示す文字「当」が表示される(図78の(a)参照)。この「当」の文字は、例えば大当たり確定表示として、全ての的に表示されていてもよい。また、この「当」の文字が表示された的の数に応じて、内部抽選にてボーナス役が選び出された期待感を表すようにしてもよい。
そして、上記の1ゲーム目が終了すると、2ゲーム目には可動簾役物5903が演出表示領域5901aの的を覆い隠すように下りてくる(図78の(b)参照)。そうすると遊技者には、可動簾役物5903の存在によって的のシルエットしか見えない状態となる。そして3ゲーム目には、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)で的の入れ替えが動きを伴ってランダムに行われ、「当」の文字が表示された的の位置が、簾が下りてくるまえの位置から変更したように見える。
なお、この的あて演出では、図78の(c)に示すように、3つの的のうち、当たり(ガセを示してもよい)を示す一つに「?」が表示される(全ての的に表示してもよい)。遊技者はこの「?」が表示された次のゲームにおけるリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作で、一の的を選択(いずれのリール停止ボタンから停止操作するかを選択)することにより、「当」と記載されている的はどれかを選択することになる。遊技者は「?」と示された的(図78においては左画像表示位置5902a)に該当するリール選択ボタン211を選択してもよいし、己の勘を信じて、左画像表示位置5902a以外のリールを選択してもよい。
遊技者がリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作をすると、最初に停止したリール停止ボタン211の延長線上に存する的に向かって、演出表示領域5901a内に表示されたキャラクタが花札を投げる演出が行われる(キャラクタが投げるものは花札に限らず、ダーツやトランプ、バラの花等であってもよい)。投げられた花札は、遊技者がリール停止ボタン211の停止操作によって最初に停止操作した的に刺さるようになっているため、この演出により、遊技者は、どの的を選択したのかを、演出表示領域5901aを介して表示上でも確認することができる。
本実施形態においては、遊技者によるリール停止ボタン211の停止操作に連動させてキャラクタが花札を投げる動作をさせる例を示しているが、この態様には限られない。他に、リール停止ボタン211を停止操作すると同時にキャラクタがしゃべったかのように何らかのセリフをスピーカから出力させたり、遊技者が一の的を選択したとしても、「当」と記載された的がどこにあるのか「さっぱり分からない」といった態度をキャラクタが示したり、選択した的がはずれであった場合には「はずれやないかーい」というセリフとともに、遊技者につっこみを入れるかのような自由な動作をキャラクタに行わせてもよい。当該演出の都度キャラクタの動作が異なることにより、遊技者は毎回キャラクタの反応を楽しみながら遊技することができる。
その後、可動簾役物5903が上げられる(もとの位置に収納される)ことにより、遊技者が選択した的が「当」と記載された的と一致するか否かを、遊技者に確認させる(図78の(d)参照)。この例では、はじめは中画像表示位置5902bにあった「当」の的が、簾(可動簾役物5903)の奥でランダムに入れ替えられたことにより、最終的に左画像表示位置5902aの位置に移動したことを示すと同時に、左画像表示位置5902aの的には演出表示領域5901a内に表示されたキャラクタが投げた花札が刺さっていることにより、遊技者が左画像表示位置5902aに該当するリール停止ボタン211aから停止操作をしたことを示している。
なお、上記の演出は、主制御基板409の内部抽選における抽選の結果を受けて周辺制御基板510において行う演出であるので、実際は、遊技者による停止操作によって当たり外れが決定されるわけではない。従って、本実施形態におけるスロットマシン1の内部抽選における抽選結果が当たりである場合には、上記の演出で遊技者がいずれの的を選んでも(いずれのリール停止ボタンから停止操作をしても)「当」と記載された的を選択するように制御したり、内部抽選の結果がハズレである場合には、いずれの的を選んでも「当」の的を選択することができないように制御したりすることも可能である。このように制御した場合に、遊技者は可動簾役物5903の存在によって、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)を覗き見ることができないため、自己のリール停止操作によってハズレを引いてしまったのか、そもそも内部抽選がハズレだから当たりを引くことができなかったのかについて知る術がない。
上記的あて演出等の連続演出は、以下のような場合に演出のヴァリエーションとして用いることができるので有用である。例えば、内部抽選の結果が当たり(ボーナス役に当選)であったとしても、内部抽選により当該ボーナス役とは異なる他の役が選び出されている場合には、当該他の役の入賞を終えてからでなければボーナス役を入賞させることができない。このような場合に、単に複数ゲームにわたってボーナス役とは異なる他の役が選び出される状態が続くと、遊技者は内部的にボーナス役に当選していることを予測してしまい、ボーナス入賞に対する喜びが半減しかねない。
そこで、内部的にボーナス役に当選しているが、ボーナス役とは異なる他の役が選び出されていることを外観上把握困難となるように、ボーナス役に対応するボーナス演出役画像に代えて他の役(リプレイゲームの役)に対応する演出役画像に決定し、内部抽選によりボーナス役が選び出された場合には、上記的あて演出などの複数のゲームにわたる一連の連続演出画像を、演出画像表示領域に表示することにより、ボーナス役当選に対する期待感を高めるとともに、例え内部抽選によりボーナス役が選び出されなかったとしても、いかにもボーナス役が選び出されたかのように、複数のゲームにわたる一連の連続演出画像を、演出表示装置590に表示しうる連続演出として行うことができる。
なお、ボーナス役とリプレイゲームの役とが同時に重複して成立しているときには、ボーナス役に対応する図柄の組み合わせよりも、リプレイゲームの役に対応する図柄の組み合わせが優先して入賞するように回動表示体が停止制御される。リプレイゲームの役が成立しているときは、リプレイゲームの役に対応する図柄組み合わせを取りこぼすことがないので、ボーナス役とリプレイゲームの役とが同時に重複して成立しているときは、ボーナス役に対応する図柄の組み合わせが入賞することはない。
内部的にボーナス役に当選しているが、ボーナス役とは異なる他の役が選び出されている状態では、内部抽選によりリプレイゲームの役が選び出される確率が通常遊技状態よりも高められる。つまり、内部抽選によりボーナス役が選び出されたときには、内部抽選によりリプレイゲームの役が選び出される確率が通常遊技状態よりも高められることによって、ボーナス役とリプレイゲームの役とが同時に重複して成立しうる状態となり、内部抽選によりリプレイゲームの役が選び出されなかったゲームに限りボーナス役に対応する図柄の組み合わせの入賞が可能となり、その結果、ボーナス役に対応する図柄の組み合わせの入賞が遅延される。
なお、的あて演出は、内部抽選にてボーナス役が選び出された場合に限られず、内部抽選にてボーナス役が選び出されなかった場合(例えばハズレの場合)にも行われうることは言うまでもないない。これにより、的あて演出が行われると、遊技者にボーナス入賞の期待感を与えることができ、興趣の低下を抑制できる。
[花札演出]
本実施形態におけるスロットマシン1には特典演出機能を搭載しており、ボーナス終了後に開始される特典演出を特に「金さんTIME」と呼ぶ(詳細は後述する)。ボーナス終了後に金さんTIMEに入るか否かをボーナス中に遊技者に知らせる役目をしている演出が、「花札演出」である。
花札演出について図79を用いて説明する。「花札演出」は、ボーナスゲームの後半に係る数ゲームを用いて行われる演出である(ボーナスゲームの前半に行われても差し支えはない)。「花札演出」は、上述の的あて演出の「的」に該当する図柄が「花札」に変わったものであるので、演出態様は「的当て」演出と同様である。遊技者はこの演出の結末を自ら参加しながら見届けることにより、ボーナスゲーム終了後の第2〜第4ARTゲームにおいて特典演出が開始されるか否かを、ボーナスゲームの消化と並行して知ることができる。
花札演出の詳細について説明する。最初に演出表示装置590における演出表示領域5901aに、花札が3枚並んでいる。花札の図柄は、左側に位置している花札(左画像表示位置)5902a、真ん中に位置している花札(中画像表示位置)5902b、右側に位置している花札(右画像表示位置)5902cとする。本実施形態において、左画像表示位置5902aには「銭屋図柄」、中画像表示位置5902bには「町娘図柄」、右画像表示位置5902cには「金さん図柄」が表示されている(図79(a)参照)。花札演出においては、最終的に「町娘図柄」又は「金さん図柄」を選択することができた場合には回数に上限のある特典演出である「金さんTIME」(後述する)、「銭屋図柄」を当てた場合にはハズレ(金さんTIMEには入らない)となる。
次に可動簾役物5903が演出表示領域5901aの的を覆い隠すように下りてくる(図79の(b)参照)。そうすると遊技者には、可動簾役物5903の存在によって花札のシルエットしか見えない状態となる。そして可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)で花札の入れ替えが動きを伴ってランダムに行われた後に、いずれの花札が当たりであるか(つまり、「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札はどれか)を遊技者に選択させるために、可動簾役物5903に写る各的のシルエット上に「?」を表示する(図79の(c)参照)。
そして遊技者がいずれかの花札を選択するようにリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作を行った後、可動簾役物5903が上げられる(もとの位置に収納される)。これにより、リール停止ボタン211の停止操作によって選択された結果が正しいか否か(一番最初に停止操作したリール停止ボタン211に対応する位置に「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札があるか否か)を遊技者に確認させる(図79の(d))。
図79の(d)に示すように、遊技者によって一の花札が選択された後は、選択された花札のみを表示させる(中画像表示位置5902b)。選択されなかった花札が位置していた左画像表示位置5902aおよび右画像表示位置5902cは、表示されないため白色二点鎖線で示している(図79の(d))。中画像表示位置5902bには「金さん図柄」が表示されていることから、遊技者がリール停止ボタン211bから停止操作したことにより中画像表示位置5902bを選択した結果、「金さん図柄」を選択することができたことが示されるとともに、当該ボーナスゲームの終了後に、上限となる回数まで継続する特典演出(金さんTIME)に移行することが示される。また、同様の手順により「町娘図柄」を選択することができたことが示された場合には、当該ボーナスゲームの終了後に、上限となる回数まで継続する特典演出(金さんTIME)に移行することが示される。この結果を見ることにより、遊技者は、「このボーナスゲーム終了後に、上限となる回数まで継続する特典演出に移行する」ということを予め認識することができる。ここでの上限回数は、BBの場合には50回、RB1の場合には30回、RB2の場合には100回となる。ただし、後述するゲーム数の上乗せが発生した場合は、上限回数が上乗せされる。
前述のように、花札演出で見事「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札を選択することができれば、ボーナス終了後に特典演出が開始されることになるが、花札演出で「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札を選択することができなかった(つまり、選択した図柄が「銭屋図柄」であった)としても、ボーナス終了後に特典演出が一切開始されないというわけではない。なぜなら、ボーナスゲーム中にも特典演出抽選を行っており、花札演出中であっても特典演出抽選に当選する可能性があるからである。
特典演出抽選の抽選結果が当たりである場合には、花札演出で遊技者がいずれの花札を選んでも(いずれのリール停止ボタンから停止操作をしても)「町娘図柄」又は「金さん図柄」と記載された花札を選択するように制御し、遊技者に特典演出抽選の結果が当たりであることを知らせる。言い換えると、特典演出を開始させるか否かの抽選結果がハズレである場合には、いずれの花札を選択したとしても、ハズレ図柄の「銭屋図柄」を選択するように制御する。このように制御したとしても、遊技者は可動簾役物5903の存在によって、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)を覗くことができないため、自己のリール停止操作によって「銭屋図柄」を引いてしまったのか、そもそも特典演出を開始させるか否かの抽選結果がハズレであったがために「町娘図柄」又は「金さん図柄」を引くことができなかったのか、については知る術がない。
[特典演出の態様]
本実施形態におけるスロットマシン1には、上述の通り特典演出機能が搭載されている。特典演出としては、基本ART演出、継続ART演出および上乗せ特化ART演出が行われる。これらの基本ART演出および継続ART演出は、周辺制御基盤510によって実行される。
基本ART演出は、ボーナス(BB、RB)終了後のARTゲーム(第2〜第4ARTゲームのいずれか)において実行される。基本ART演出では、そのRTゲームが終了して通常ゲームに移行しないように、リール停止ボタン211の停止操作手順をナビゲートする。この停止操作手順のナビゲートにより、再遊技0に当選した場合に、特殊リプレイ1の入賞が回避される。
また、基本ART演出では、主制御基板409における内部抽選にて再遊技役が選択される確率が通常の遊技状態と比較して高い第2〜第4ARTゲーム中に、内部抽選にて成立した小役について、停止ボタン211a,211b,211cの正しい押し順をナビゲートする。
継続ART演出は、第2〜第4ARTゲームが終了した後の第1ARTゲームにおいて実行される。継続ART演出では、基本ART演出と同様、主制御基板409における内部抽選にて再遊技役が選択される確率が通常の遊技状態と比較して高い第2〜第4ARTゲーム中に、内部抽選にて成立した小役について、停止ボタン211a,211b,211cの正しい押し順をナビゲートする。
さらに、継続ART演出では、再遊技0に当選した場合に、特殊リプレイ1に入賞する可能性があることを遊技者に報知する演出を行う。また、後述する特典演出ストックが有る場合には、特殊リプレイ1には入賞しない停止ボタン211a,211b,211cの押し順をナビゲートする。再遊技6に当選した場合には、第2ARTゲームに復帰する可能性があることを遊技者に報知する復帰演出を行う。このときに、後述する特典演出ストックがある場合には、特殊リプレイ2に入賞する停止ボタン211a,211b,211cの押し順をナビゲートする。
ところでボーナス終了後に特典演出が開始されるか否かは、主制御基板409における内部抽選においてボーナスに当選した旨の情報を受けた周辺制御基板510が、特典演出抽選を行うことにより決定される。そして、当該特典演出抽選に当選したか否かについては、上述の花札演出(ボーナスゲーム中の演出)のほか、ボーナスゲーム中に遊技機に設けられたスピーカから予告音を発生させ、その直後のリール停止操作において図柄表示領域5901bに「七−七−七」図柄または「金−金−金」図柄等が揃う等の演出により遊技者は確認することができる。なお、上記の図柄を遊技者の技量によって揃えさせるようにしてもよいし、フリー打ちで消化して当該図柄が揃うように制御してもよく、揃えられなかった(揃わなかった)からといって特典演出抽選に当選しなかったということを明示するものではない。
特典演出抽選では、ボーナス終了後に特典演出を開始させるか否かを決定する抽選を行う他、特典演出を何セット継続させるかの抽選(特典演出セット回数抽選)および特典演出をストックさせるか否かを決定する抽選(特典演出ストック加算抽選)を行う。特典演出セット回数を「P」で表示する。特典演出ストック加算抽選についての詳細は後述する。
ここで、本実施形態における基本ART演出の演出態様について、具体的に図80〜図82を用いて説明する。図80の(a)は、ボーナスゲームの終了を示す図である。ボーナスゲームの終了が表示された当該遊技の後、始動レバー210を操作すると、演出表示領域5901aは図80の(b)に示す画像に切り替わる。また、当該始動レバー210を操作した際に、基本ART演出の残り回数が表示される。基本ART演出の残り回数は、図80の(b)に示す演出表示領域5901aの上部(残り回数表示領域5904)に、手形(小役)図柄の中に表示される。残り回数は、BB後には「50」、RB1後には「30」、RB2後には「100」と表示される。
基本ART演出では、残り回数が50である場合、50ゲームを消化するまで、上記したリール停止ボタン211a,211b,211cの押し順を遊技者にナビゲートする。また、基本ART演出は、基本演出、ナビゲート演出、上乗せ演出、および上乗せ失敗演出を備えて構成されている。このうち、上乗せ演出および上乗せ失敗演出については後に説明する。基本演出では、図80の(b)に示すように、主人公である金さん5905と、その相手役である悪党5906A,5906Bとが向き合う画像が表示され、金さん5905および悪党5906A,5906B等がわずかに動く演出が実行される。
ナビゲート演出は、リール停止ボタン211a,211b,211cのナビゲートは、リール停止ボタン211における複数のリール停止ボタンのうち最初に停止操作すべきリール停止ボタンを、遊技機に設けられたスピーカから「左」、「中」、「右」と音声で知らせたり、停止操作すべきリール停止ボタンの位置を演出表示領域5901aに表示させたりすることにより行われる。遊技者はナビゲートに従ってリール停止ボタン211の停止操作をすることにより、第2〜第4ARTゲーム中に再遊技0に当選した場合でも、特殊リプレイ1への入賞を回避して第1ARTゲームを継続させることができ、また成立した小役について、最大枚数となる図柄を揃えて入賞させることができる。
図80の(c)は、小役の成立に基づき、当該小役を最大枚数の払い出しとなる図柄を揃えて入賞させるために、左側に位置するリール停止ボタン211(リール停止ボタン211a)を最初に停止操作すべきことをナビゲートしていることを示す。このとき、例えば左側に位置するリール停止ボタン211(リール停止ボタン211a)から停止操作させる場合には演出表示領域5901aの左側に、右側に位置するリール停止ボタン211(リール停止ボタン211c)から停止操作させる場合には演出表示領域5901aの右側に大きく表示することにより、遊技者に右側に位置するリール停止ボタン211aを停止操作すべきなのか、左側に位置するリール停止ボタン211cの停止操作をすべきなのかを視認しやすくしている。
再遊技0が当選して特殊リプレイ2の入賞を回避する場合についても基本的なナビゲート態様は同様である。しかし、特殊リプレイ1の入賞を回避するナビゲートに際しては、図80の(e)に示すように、小役のナビゲートの場合よりも深刻な警告音とともに、停止操作すべきリール停止ボタンを遊技者に知らせる。なぜなら、上述の小役成立のナビゲートに従わなくとも払い出し枚数が数枚減少するに留まるが、特殊リプレイ1に入賞した場合には、特典演出が終了するからである(図80の(f)参照)。
上記深刻な警告音とは、例えばサイレンやヒトの叫び声などが突如聞こえてくるような、思わず遊技を中断または躊躇してしまう程のインパクトのある音等が挙げられ、始動レバー210を操作した際に突如発せられることが好ましい。また、警告音の他に、演出表示領域5901aには、正しい停止操作を行わなければ特殊リプレイ1が入賞し、基本ART演出が終了し、通常遊技ゲームに移行する旨を示す画像を表示させることができる(図80の(d))。このような態様にすることにより、遊技者には当該ゲームはリール停止ボタンの停止操作いかんによってリプレイタイムのパンク役に入賞しうることを的確に知らせることができ、遊技者がうっかり特殊リプレイ1を入賞させてしまうのを抑制することができる。
上記のように、基本ART演出においては、小役の成立に際し、容易に最大の払い出し枚数となる図柄を揃えて入賞させることができるように、正しい停止操作手順がナビゲートされることにより、ナビゲートに従ってさえいれば確実に最大枚数のメダルを獲得することができる。また、基本ART演出中に再遊技0に当選した場合に、小役の成立とは異なる、思わず遊技するのをためらうほどの警告音等で特殊リプレイ1の入賞が回避される押し順がナビゲートされることにより、遊技者には小役の成立の際とは異なる適度な緊張感を与えられるとともに、当該ナビゲートに従いさえいれば、基本ART演出を不本意に終了させることなく遊技を続けることができるという安心感をもって遊技者は遊技を続けることができる。
図80の(d)は、基本ART演出が進み、残り回数が30回となった状態を示す図である。その後、残りゲーム数が0となるまで、図81の(a)〜(d)まで、上記(図80の(b)〜(d))と同様のゲームが繰り返される。残りゲーム数が0となると、演出表示領域5901aに可動簾役物5903が下りてくる(演出表示領域5901aには浅黄幕が閉められたような表示を行う)ことにより、基本ART演出は一旦終了する(図82の(a))。これが基本ART演出の1セットの一連の流れとなる。
図82の(a)のように、基本ART演出が終了した後、MAXベットボタンの操作をした際、もしくは始動レバー210を操作した際に、継続ART演出が行われる。継続ART演出では、図80の(b)に示す画像と同様の画像が表示されるが、残り回数表示領域5904の中には「?」の文字が表示される。それから、ボーナス終了後における始動レバー210の操作により行われた特典演出のセット回数の抽選(特典演出セット回数抽選)により決定された特典演出のセット回数(P)が「0」より大きければ(P>0)、再遊技0に当選した場合に、特殊リプレイ1の入賞が回避される押し順がナビゲートされる。また、再遊技6に当選した場合に、特殊リプレイ2への入賞がなされる押し順がナビゲーとされ、基本ART演出に復帰する。その一方、ボーナス終了後における始動レバー210の操作により行われた特典演出のセット回数の抽選(特典演出セット回数抽選)により決定された特典演出のセット回数(P)が「0」であれば、再遊技0に当選した場合に、特殊リプレイ1に入賞する押し順がナビゲートされる。また、再遊技6に当選した場合に、特殊リプレイ2への入賞が回避される押し順がナビゲートされ、継続ART演出が継続する。
特殊リプレイ2が入賞して基本ART演出に復帰する際には、MAXベットボタンの操作をした際、もしくは始動レバー210を操作した際に「まだまだぁ」という掛け声とともに、基本ART演出がまだ継続することを示す演出が表示される(図82の(b))。しかし、特殊リプレイ1が入賞して通常演出状態に移行する場合には、継続ART演出は終了し、通常演出状態に戻ることになる(図82の(b’))。
基本ART演出に復帰する場合には、第2ARTゲームとなり、残りゲーム数は「50」となる。このため、次の基本ART演出の1セットにおいては、図82の(c)に示すように、残り回数表示領域5904に「50」の数字が表示される。
[特典演出ストック]
本実施形態において特典演出ストック加算抽選は、次の(1)〜(4)のうちいずれかの条件を満たしたときに行われる。(1)通常遊技状態またはリプレイタイムにおいて主制御基板409による内部抽選によりボーナス役が選び出されたこと、(2)ボーナスゲーム中において主制御基板409による内部抽選によりハズレが選び出されたこと、(3)特典演出実行中のリプレイタイムにおいて主制御基板409による内部抽選によりハズレが選び出されたこと、(4)その他所定の条件を満たすこと。なお、上記抽選は、主制御基板409における内部抽選の結果を受けて周辺制御基板510が行う抽選であり、上記の条件以外で特典演出ストック加算抽選が行われても差し支えない。ストックされる特典演出は、基本ART演出(金さんTIME)のストックである。
また、ボーナスゲーム中に行われる特典演出ストック加算抽選は、内部抽選によりハズレが選び出された場合に限って行われる。ボーナスゲームは、賞としての遊技媒体が付与される役が複数のゲームにわたって連続的に入賞するゲームであるが、本実施形態では、ボーナスゲーム中であったとしても10〜20ゲームに1回程度は内部抽選によりハズレが選び出されるようになっている。ビッグボーナスゲームは概ね40ゲーム行われるので、ビッグボーナスゲーム中の内部抽選によりハズレが数回選び出される可能性がある。これにより、短時間当たりの出玉速度を抑制できるので、徒に遊技者の射幸心を煽ることが抑制できる。ただし、ビッグボーナスゲーム中であるにもかかわらず内部抽選によりハズレが選び出されると、遊技者に落胆を与えかねない。そこで本実施形態のスロットマシンでは、ボーナスゲーム中は、内部抽選によりハズレが選び出された場合に限り、特典演出ストック加算抽選を行うようにしている。これにより、ボーナスゲーム中に、短時間当たりの出玉速度の抑制と内部抽選によりハズレたことに起因する遊技者の落胆の緩和(むしろ内部抽選によりハズレを望むこともありえる)とを図っている。
ところで、主制御基板409による内部抽選によりボーナス役が選び出されると、第5RTゲームまたは第6RTゲームに制御される。したがって、遊技者に有利度合いが高い第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第ARTゲームに制御されている場合であっても、内部抽選によりボーナス役が選び出されると、より有利度合いが低い第5RTゲームまたは第6RTゲームに移行する。これは、再遊技役とボーナス役とが重複して成立していると、ボーナス役よりも再遊技役が優先してリールの停止制御が行われ、ボーナス役がなかなか入賞しなくなるからである。そこで、これを回避すべく、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームよりも、内部抽選により再遊技役が選び出される確率が低く設定されかつ内部抽選によりハズレが選び出される確率が高く設定されている第5RTゲームまたは第6RTゲームに移行するようにしたのである。
すなわち、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれに制御されている場合に、たとえ金さんTIMEが行われていたとしても、内部抽選によりボーナス役が選び出されると、これらRTゲームとともに金さんTIMEも終了してしまう。このように、内部抽選によりたとえボーナス役が選び出されたとしても、遊技者にとって有利なRTゲームが強制的に終了してしまうと、遊技者に落胆を与えかねない。
そこで、本実施形態では、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかに制御されている場合に、金さんTIMEが行われている場合には、内部抽選によりボーナス役が選び出されたときは必ず、ボーナスゲームが終了した後、現在のRTゲームに復帰するようにした。これにより、内部抽選によりボーナス役が選び出されたことを起因として金さんTIMEを伴ったRTゲームが終了したとしても、ボーナスゲームが終了したのちにTIMEが再開されるので、遊技者に与える落胆を軽減できる。さらには、金さんTIMEがループしうることとなり、興趣の向上を図ることができる。
また、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかに制御されている場合に、金さんTIMEが行われているときは、内部抽選によりハズレが選び出された場合にも、特典演出ストック加算抽選が行われる。第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームは、上述したとおり、内部抽選により再遊技役が主として選び出され、金さんTIMEが実行中であれば、内部抽選により小物1,8に同時当選した場合には、9枚の払い出しがある小物1が入賞するようにナビゲートされるので、遊技媒体としてのメダルが漸増することとなる。ただし、本実施形態のスロットマシンでは、大量の遊技媒体が付与されるビッグボーナスゲームの他に、メダルが漸増する第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかのゲームが行われることによる遊技者の射幸心を徒に煽ることを抑制すべく、例えば10〜25ゲームに1回程度はハズレが選び出されるようになっている。
ところが、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかに制御されていながらも内部抽選によりハズレが選び出されると、メダルを投入することなくゲームを実行できる再遊技役が選び出されることを期待している遊技者に落胆を与えかねない。しかも、金さんTIMEの実行中であれば、本来、メダルが漸増しうるにもかかわらず、内部抽選によりハズレが選び出されるとそのショックは大きいものである。そこで、金さんTIMEが行われている第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかのゲームでは、内部抽選によりハズレが選び出された場合にも、特典演出ストック加算抽選(金さんTIMEの実行にかかる抽選)を行うことにより、遊技者の射幸心を抑えつつも遊技者に与えかねない落胆を軽減し、興趣の低下を抑制している。
ただし、第2RTゲーム〜第4RTゲームのいずれかに制御されており、さらに金さんTIMEが実行されているとき、内部抽選によりハズレが選び出されたことによって特典演出ストック加算抽選に当選したとしても、特殊リプレイ1の入賞を回避するリール停止ボタン211の停止操作順に反した順序でリール停止ボタン211の停止操作を行うことによって特殊リプレイ1を入賞させてしまった場合には、制御されているRTゲーム(第2RTゲーム〜第4RTゲームのいずれか)を終了し、通常遊技状態に移行する。このとき、特典演出も併せて終了する。これにより、上記特典演出ストック加算抽選に当選したとしても、特殊リプレイ1の入賞を回避するリール停止ボタン211の停止操作順に反した順序でリール停止ボタン211の停止操作を行うことによって特殊リプレイ1を入賞させてしまって通常遊技状態に移行した場合には、当該通常遊技状態における内部抽選によりボーナス役が選び出されない限り、ストックされた金さんTIMEが実行されないことになる。これには、制御されているRTゲーム(第2RTゲーム〜第4RTゲームのいずれか)が終了する特殊リプレイ1の入賞を回避するリール停止ボタン211の停止操作順をせっかくナビゲートしたにもかかわらず、遊技者がこれに反する手順でリール停止ボタン211の停止操作順で停止操作したことに対するペナルティ的な意味合いが含まれる。これにより、金さんTIME実行中の第2RTゲーム〜第4RTゲームでは、再遊技0が当選した場合に特殊リプレイ1が入賞しないようにリール停止ボタン211の停止操作を行わなければならないといった緊張感を遊技者に与え、金さんTIMEにおけるゲームが単調となることを軽減でき、興趣の低下を抑制できる。
なお、本実施形態のスロットマシンでは、金さんTIMEが行われている第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかのゲームにおいては、内部抽選によりハズレが選び出された場合にも特典演出ストック加算抽選を行うようにしているが、「ハズレが選び出された場合」に代えて、「1ゲームの実行に供するメダルの量に相当する価値の役が選び出された場合」に、特典演出ストック加算抽選を行うようにしてもよい。ここで、1ゲームを実行するために必要なメダルが3枚であるから、2枚以下のメダルしか付与されないような入賞役に入賞した場合に、特典演出ストック加算抽選を行うようにしてもよい。このような場合であっても、遊技者の射幸心を抑えつつ遊技者に与えかねない落胆を軽減できるからである。
また、金さんTIME中の第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかのゲームにおける内部抽選によりハズレが選び出された場合に行われた特典演出ストック加算抽選のうち、金さんTIMEの抽選に当選して金さんTIMEの実行にかかる権利がストックされた場合には、リール停止ボタン211の停止操作順を誤って金さんTIMEを途中で終了させてしまったとしても、ストックされていた金さんTIMEが開始されるようにした。ただし、この場合にも、制御されているRTゲーム(第2RTゲーム〜第4RTゲームのいずれか)を終了し、第1RTゲームに移行するとともに、併せて特典演出を終了するようにしてもよい。
特典演出ストック加算抽選は、上記(1)〜(4)の条件を満たしたのちに始動レバー210を操作したタイミングによって行われる。通常は特典演出ストック加算抽選が行われているか否かを遊技者に視認させないが、視認させる場合があってもよい。本実施形態においては、ボーナスゲーム中に特典演出ストック加算抽選が行われた場合には、ボーナスゲーム中であるにもかかわらず、図柄表示領域5901bには所定の入賞役は表示されず(メダルも払い出されない)に所定のハズレ目が表示される。したがって、遊技者は当該ハズレ目を視認することにより、今ゲームで特典演出抽選が行われたということを認識することができる。特典演出ストック加算抽選の当選確率は、スロットマシン1の設定によって段階的に異ならせているほか、特典演出ストック加算抽選を行う際の当該ゲームの抽選状態によっても異ならせている。抽選状態については後述する。なお、通常遊技状態またはリプレイタイムにおいて主制御基板409による内部抽選によりボーナス役が選び出されたこと(上記(1)の条件)によって行われる特典演出ストック加算抽選は、ボーナス役が選び出された当該ゲーム、ボーナス役が選び出されたゲームの次ゲーム、ボーナス役が入賞したゲームおよびボーナスゲーム中のいずれで行うようにしてもよい。ボーナスゲーム中に行う場合には、ボーナスゲームの最終ゲームにおいて最後のリールを停止させるべくリール停止ボタンを操作したとき(停止ボタンから指を離したとき)であってもよい。
本実施形態には、天井機能を搭載している。具体的にはボーナス終了に1079ゲームを超える遊技が行われた際にフラグが成立し(天井フラグという)、主制御基板409における内部抽選においてボーナスに当選するまで、小役の最大払い出し枚数となる図柄を揃える押し順をナビゲートする(「無限ATナビ」という)。ナビゲートは音声やランプなどで行う他、液晶(演出表示装置590における演出表示領域5901aや図柄表示領域5901b)の表示などで遊技者にナビゲートするものであってもよい。ここで、1079ゲームに到達したときに当該遊技状態が金さんTIME中であった場合には、1079ゲームを超えた時点で天井フラグは成立する。
上記の基本的な構成のほか、本発明の実施形態に特徴的な構成や動作等について説明する。本発明に係るスロットマシン1は、例えば以下のように構成することができる。
遊技媒体を投入することによって行われるゲーム毎に、入賞役とハズレとを含む役の中からいずれかの役を選び出しうる内部抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段によって前記入賞役が選び出されたときに、前記ゲームの結果として、賞としての遊技媒体を付与しうる遊技媒体付与手段と、備える遊技機であって、
遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特典付与手段によって付与される特典が大きな特典である期待感を高めうる所定の表示態様で前記特典の内容を表示させる表示制御を実行する表示制御手段と、
前記大きな特典に比して小さな特典を遊技者に付与する小特典付与手段と、
前記小特典付与手段によって前記小さな特典を付与する場合にも、前記表示制御手段によって前記所定の表示態様を表示させることにより、前記小さな特典を付与するにもかかわらず、大きな特典が付与されるという期待感を遊技者に与えうる制御を実行しうる小特典抑制制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
この態様では、所定の表示態様を表示させることにより、小さな特典を付与するにもかかわらず、大きな特典が付与されるという期待感を遊技者に与えうる制御を実行しうる制御を行っている。このため、例えばゲーム数上乗せがされる場合に、実際に上乗せされるゲーム数が小さい場合でも、所定の表示態様、例えば大きなゲーム数の上乗せを思わせる所定の表示態様を表示している。したがって、所定の表示態様が表示される機会が多くなることから、小さな上乗せゲーム数が続けて表示される機会を少なくすることができ、遊技意欲の減退を抑制することができる。
本発明における特典付与手段によって付与される特典としては、例えば「上乗せ特化ゾーンにおけるARTゲーム数の上乗せ」を挙げることができる。また、例えば、直接ARTゲームのゲーム数の上乗せを行う際のARTゲーム数の上乗せや、ARTゲームにおけるメダルの単位ゲームあたりの純増枚数とすることもできるし、ARTゲーム中における所定の小役のナビ回数とすることもできる。あるいは、ランクごとに上乗せ確率などが上下する場合などにおけるランクとすることもできるし、ARTがループ式である場合のループ数とすることもできる。さらには、天井短縮、強制高確移行、強制ART、特典画像(特典映像)などを特典とすることができる。
天井短縮とは、天井ゲーム数を短縮することをいう。天井とは、所定のゲーム数が経過した場合に、遊技状態がボーナスゲームやARTなどの有利遊技状態に移行することをいい、このときの所定のゲーム数が天井ゲーム数となる。したがって、天井短縮は、天井に到達するゲーム数を短くすることを意味する。
強制高確移行とは、強制的に高確状態に移行することをいう。高確状態とは、有利遊技状態への移行確率が非高確状態よりも高い状態をいう。また、強制ARTとは、通常遊技状態から強制的にARTゲーム状態に移行させることをいう。特典画像(特典映像)とは、通常時には表示される割合が非常に低く、あるいは表示されない画像または映像をいう。また、このような特典画像を取得するためのQRコード(登録商標)などの二次元コードなどとすることもできる。
また、「所定の表示態様」とは、例えば遊技者に与える満足感が大きくなると想定される程度の大きさの表示態様とすることができる。例えば、所定の表示態様でARTゲーム数の上乗せゲーム数を表示する場合に、遊技者が大きな上乗せが発生したと感じられるゲーム数とすることができる。ここでの遊技者が大きな上乗せが発生したと感じられるゲーム数とは、上乗せされる際の最小のゲーム数に相当する数値より大きい数値とすることができる。また、例えば3桁のゲーム数を想起させる「100」などの数字とすることができる。あるいは、数値に限らず、数値の大きさを示す概念とすることができる。その例としては、「大小」のいずれかを決定することもできるし、「BIG−SMALL」のいずれかを決定することもできる。さらには、数字を示唆する図柄、例えば花札などを用いることもできる。花札では、その1月から12月の季節に応じた花などの種類が描かれており、これらの花を数値に置き換えて見立てて用いることできる。
「大きな特典に比して小さな特典」としては、特典の質または種類として所定の表示態様に相当する特典と共通する特典であって、その数値等が小さいものや、特典の質や種類自体の価値が小さいものとすることができる。特典の質または種類が共通する場合の例としては、「所定の表示態様」が上乗せゲーム数における「100」などの3桁の数字であるのに対して、「大きな特典に比して小さな特典」が「10G」となるものが挙げられる。また、特典が天井短縮であり、短縮されるゲーム数が表示される場合には、「所定の表示態様」として大きな数値を表示し、「大きな特典に比して小さな特典」として、当該大きな数値より小さい短縮ゲーム数を表示するものが挙げられる。
あるいは、「大きな特典に比して小さな特典」として、数値等に付与される単位などを変更させることもできる。さらには、これらの単位等によって表される総量に基づいて、変更前の単位によって表される特典を付与するようにすることもできる。例えば、変更前の単位がゲーム数上乗せの際のゲーム数であり、変更後の単位が所定のポイントであった場合、ポイントの数値に応じて上乗せされるゲーム数をあらかじめ定めておき、ポイントに応じたゲーム数を特典として付与することもできる。ここでは、ゲーム数に対してポイントの例を挙げているが、ポイント以外であってもよい。
また、所定の表示態様が数値を用いて表される場合などには、その数値に0より大きく1未満の数値、例えば1/2、1/10などの分数、0.5、0.1などの小数を乗じるなどして、「大きな特典に比して小さな特典」を表すこともできる。あるいは、所定の数値を減算するようにすることなどもできる。
さらに、特典の質や種類自体の価値が小さいものとしては、例えばARTゲームのゲーム数上乗せという特典に対して、特典画像の付与という特典が挙げられる。この場合、ゲーム数上乗せを想起させる「100」などの数値の表示や「100G」などの単位を付した表示「所定の表示態様」とすると、「大きな特典に比して小さな特典」の例としては、特典画像などを付与することが挙げられる。特典の質や種類自体の価値の大きさは、スロットマシン1の仕様等により変化するが、例えば通常ゲーム中では「特典画像(映像)」<「天井短縮」<「強制高確」<「強制ART」とすることができる。
その他の態様としては、通常ゲーム中に適宜付与されるポイントの加算値が所定の数値に到達した場合に、ARTゲームに移行したり、上乗せ特化ゾーンに移行する場合のポイントARTゲーム中に適宜付与されるポイントの加算値が所定の数値に到達したりした場合に、上乗せ特化ゾーンに移行する場合のポイントなどとすることができる。また、ポイントが所定の数値に到達した場合に遊技者に与えられる利益は、上乗せ特化ゾーンの移行以外の利益とすることもできる。例えば、所定ポイントに到達した場合に、天井短縮としたり、強制高確率移行としたりことなどもできる。さらには、所定ポイントに到達した場合に、特典画像が付与される利益とすることもできる。また、獲得したポイントに応じて、特典の大きさを変えることもできる。
また、上記RTゲーム、ARTゲームといった遊技状態は、有利遊技状態と称され、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態となっている。有利遊技状態とは、上記のRTゲーム、ARTゲーム、あるいはボーナスゲームなどが含まれる。その他の有利遊技状態としては、いずれかのリールを無制御にすることにより、目押しで自由に小役を揃えられる状態である、いわゆる「CT(ChallengeTime)状態」などとすることもできる。
ここで、遊技機がパチンコ機である場合には、「有利遊技状態」は、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなるいわゆる「確変遊技状態」とすることができる。あるいは、普通電動役物の抽選時間を短縮して、単位時間当たりの普通抽選の抽選回数を増やし、結果として大当たり抽選を多く行ういわゆる「時短遊技状態」とすることもできる。
(第1の態様)
まず、スロットマシン1の特徴的な構成や動作等についての第1の態様について説明する。
[残りゲーム数の上乗せ]
このスロットマシン1では、第2ARTゲーム〜第4ARTゲームが実行されている間に、所定の当選役に当選した場合には、ARTゲームの残りゲーム数の上乗せが行われる。また、残りゲーム数の上乗せとしては、第2ARTゲーム〜第4ARTゲームが実行されている間における所定条件の成立によって直接ゲーム数が上乗せされる「直接上乗せ」と、特別ARTゲームが実行されている間のいわゆる上乗せ特化ゾーンにおける「特化ゾーン上乗せ」とがある。上乗せ処理は、周辺制御基板510において行われる。
[直接上乗せの上乗せ抽選]
直接上乗せの態様としては、具体的に、BB、RB1、RB2に当選した場合には、残りゲーム数が必ず上乗せされ、レア役1、レア役2、再遊技4に当選した場合には、上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選すると残りゲーム数の上乗せが行われる。ゲーム数の上乗せが行われることによって、ARTの継続期間が延長され、ARTゲームのゲーム数が付加される。
直接上乗せの際、上乗せ抽選の当選率を意味する上乗せ率は、図83に示す上乗せ率テーブルのように定められている。具体的に、当選役がリプレイ(再遊技役4)の場合の上乗せ率は、全設定共通で0.01%とされている。ここでのリプレイ(再遊技4)の場合の上乗せ率は、リプレイとして再遊技4が入賞した場合のみに対する上乗せ率ではなく、再遊技1〜5のいずれかが入賞した場合に対する上乗せ率である。
また、当選役がレア役1、レア役2の場合、上乗せ率に設定差が設けられており、レア役1での上乗せ率は、設定1〜3で50.0%、設定4〜6で58.8%とされている。さらに、レア役2での上乗せ率は、設定1〜3で40%、設定4〜6で41.8%とされている。なお、当選役がBBやRB(RB1,RB2)である場合には、必ず残りゲーム数が上乗せされるので、上乗せ率はいずれも100%である。
また、上乗せゲーム数は、図84に示す上乗せゲーム数決定テーブルを参照して選択される。上乗せゲーム数決定テーブルは、当選役と上乗せゲーム数との関係を示すテーブルである。図84に示すように、上乗せゲーム数が選択される確率は、当選役がリプレイ(再遊技役4)の場合、全設定共通で50ゲームが100.0%とされている。また、当選役がレア役1,2、BB、RBの場合上乗せゲーム数に設定差が設けられている。当選役がレア役1の場合、例えば設定1では10ゲームが39.6%、20Gが19.8%、30ゲームが15.8%、50ゲームが11.9%、100ゲームが5.9%、150ゲームが4.0%、200ゲームが2.0%、300ゲームが1.0%とされている。また、設定2〜6では、図84に示す数値とされている。
当選役がBBまたはRB(RB1,RB2)の場合には、全設定共通であり、上乗せゲーム数が選択される確率は、当選役がBBの場合、10ゲームが95.8%、30ゲームが3.13%、50ゲームが0.78%、100ゲームが0.20%、150ゲームが0.05%、200ゲームが0.20%、300ゲームが0.02%とされている。当選役がRBの場合、10ゲームが91.6%、30ゲームが6.25%、50ゲームが1.56%、100ゲームが0.39%、150ゲームが0.10%、200ゲームが0.05%、300ゲームが0.05%とされている。
また、当選役がレア役1,2の場合には、上乗せゲーム数に設定差が存在する。この設定差による上乗せゲーム数の傾向としては、おおよその傾向として、設定がよい(設定の数字が大きい)ほど大きいゲーム数が選択される可能性が大きい。さらに、奇数設定の方が偶数設定よりも大きなゲーム数が選択されやすい傾向にある。
[直接上乗せの残りゲーム数上乗せ処理]
次に、直接上乗せの際の残りゲーム数上乗せ処理について、図85を用いて説明する。
まず、ステップS801では、第2〜第4ARTゲームのいずれかが行われているかを判定する。この判定が満たされない場合には、残りゲーム数の上乗せを行うことはないので、そのまま処理を終了する。また、この判定が満たされる場合には、ステップS802において、BBまたはRBに当選しているかを判定する。
ステップS802の判定が満たされる場合、ステップS804では上乗せゲーム数選択処理を実行する。上乗せゲーム数選択処理では、図84に示す上乗せゲーム数決定テーブルを用いて上乗せゲーム数を選択する。ステップS804で上乗せゲーム数を選択したら、ステップS806ではゲーム数上乗せ処理を行う。
ゲーム数上乗せ処理では、残りゲーム数カウンタに記憶されているARTゲームの残りゲーム数に対して、ステップS804で選択された上乗せゲーム数を加算し、新たな残りゲーム数を算出する。例えば、残りゲーム数カウンタに記憶された残りゲーム数が42ゲーム、上乗せゲーム数が30ゲームである場合には、残りゲーム数カウンタに記憶される残りゲーム数を42ゲームから72ゲームに書き換える。
また、液晶制御基板は、液晶モジュール590に対して、ARTゲームの残りゲーム数が加算されて増加したことに伴う上乗せ演出を表示させる。上乗せ演出では、例えば選択された上乗せゲーム数を液晶モジュール590に表示させる。上乗せ演出については、後にさらに説明する。こうして、処理を終了する。
一方、ステップS802の判定が満たされない場合、ステップS808では、リプレイ(再遊技4)またはレア役1,2に当選したかを判定する。この判定が満たされない場合、残りゲーム数の上乗せを行うことはないので、そのまま処理を終了する。また、この判定が満たされる場合、ステップS810では、図84に示す上乗せ率テーブルを用いて、残りゲーム数の上乗せ抽選を行う。
続いて、ステップS812では、上乗せ抽選に当選したかを判定する。この判定を満たさない場合には、残りゲーム数の上乗せを行うことはないので、そのまま処理を終了する。また、この判定を満たす場合にはステップS804に移行し、上乗せゲーム数選択処理によって上乗せゲーム数を決定する。上乗せゲーム数選択処理は、ステップS802から移行した場合と同様の処理が行われる。一方、ゲーム数上乗せがなされない場合における一定割合で、上乗せ失敗演出を液晶モジュール590に表示させる。こうして、処理を終了する。
[上乗せ特化ゾーンへの移行]
第2ARTゲーム〜第4ARTゲームのいずれかが実行されている間に、リプレイ、レア役1、レア役2に当選すると、上乗せ特化ゾーン移行抽選が行われ、上乗せ特化ゾーン移行抽選に当選することにより、上乗せ特化ゾーンに移行する。上乗せ特化ゾーン移行抽選に当選し、上乗せ特化ゾーンに移行する上乗せ特化ゾーン移行率を図86に示す。
図86に示すように、当選役がリプレイ(再遊技役4)の場合の上乗せ特化ゾーン移行率は、全設定共通で0.0001%とされている。ここでのリプレイ(再遊技4)の場合の上乗せ率は、リプレイとして再遊技4が入賞した場合のみに対する上乗せ率ではなく、再遊技1〜5のいずれかが入賞した場合に対する上乗せ率である。
また、当選役がレア役1、レア役2の場合、上乗せ率に設定差が設けられており、レア役1での上乗せ率は、設定1〜3で20.0%、設定4〜6で30.0%とされている。さらに、レア役2での上乗せ率は、設定1〜3で1.0%、設定4〜6で2.1%とされている。
[上乗せ特化ゾーンの上乗せ抽選]
上乗せ特化ゾーンにおいては、ARTゲームのゲーム数の上乗せまたはゲーム数上乗せに関するポイントの加算が毎ゲーム実行される。ここでのゲーム数上乗せに関するポイントとは、上乗せ特化ゾーンのすべてが消化された際に上乗せゲーム数を決定するためのポイントであり、最終的に加算されたポイントの総量に応じて、上乗せゲーム数が変化する。スロットマシン1では、周辺制御基板510においてこのような上乗せゲーム数やポイントを特典として付与しており、周辺制御基板510が、遊技者に特典を付与する特典付与手段となる。
上乗せ特化ゾーンの上乗せ抽選では、ゲーム数上乗せおよびポイント獲得のいずれを実行するかについて、抽選によって決定している。ゲーム数上乗せおよびポイント獲得のいずれを実行するかは、各ゲームにおける当選役を図87の(a)に示すゲーム数/ポイント決定テーブルに参照して決定する。例えば、当選役がリプレイ(RP)の場合、5%の割合でゲーム数上乗せを行い、95%の割合でポイントを獲得し、当選役がハズレの場合、95%の割合でゲーム数上乗せを行い、5%の割合でポイント加算を獲得する。
また、当選役が普通小役または特別小役の場合、5%の割合でゲーム数上乗せを行い、95%の割合でポイントを獲得し、当選役がレア小役の場合、40%の割合でゲーム数上乗せを行い、60%の割合でポイントを獲得する。さらに、当選役がBB(ビッグボーナス)の場合、50%の割合でゲーム数上乗せを行い、50%の割合でポイントを獲得し、当選役がRB(レギュラーボーナス)の場合、90%の割合でゲーム数上乗せを行い、10%の割合でポイントを獲得する。なお、ゲーム数/ポイント決定テーブルは、周辺制御ROMに記憶されている。
ここで、ゲーム数上乗せを行う場合、図87の(b)に示す上乗せゲーム数決定テーブルを用いて上乗せゲーム数を決定する。具体的に、80.0%の確率で上乗せゲーム数が10ゲームとなり、15.0%の確率で上乗せゲーム数が20ゲームとなり、3.0%の確率で上乗せゲーム数が10ゲームとなる。また、1.0%の確率で上乗せゲーム数が50ゲームとなり、0.4%の確率で上乗せゲーム数が100ゲームとなり、0.4%の確率で上乗せゲーム数が200ゲームとなる。さらに、0.1%の確率で上乗せゲーム数が500ゲームとなり、0.1%の確率で上乗せゲーム数が1000ゲームとなる。
一方、ポイント獲得を実行する場合、図87の(c)に示すポイント数決定テーブルを用いて獲得ポイントを決定する。具体的に、100ポイント、200ポイント、300ポイント、500ポイント、1000ポイントがそれぞれ20.0%の割合で獲得ポイントとして決定される。これらの上乗せゲーム数や獲得ポイントは、当選役や設定などによらず一律的に決定しているが、上乗せゲーム数や獲得ポイントに当選役による差や設定差を設けることもできる。
上乗せ特化ゾーンでは、当該上乗せ特化ゾーンで獲得したポイントを加算していき、当該上乗せ特化ゾーンが終了したときの総ポイント数に応じて、当該上乗せ特化ゾーンで上乗せするゲーム数を決定する。このときの上乗せゲーム数は、図87の(d)に示す上乗せ特化ゾーン上乗せテーブルを参照して決定される。例えば、総ポイントが1〜1000、例えば600ポイントである場合には、上乗せゲーム数は10ゲームとなる。また、総獲得ポイントが3001〜5000、例えば3500ポイントの場合は、上乗せゲーム数は30ゲームとなる。
[上乗せ特化ゾーンの残りゲーム数上乗せ処理]
次に、上乗せ特化ゾーンの際の残りゲーム数上乗せ処理について、図88を参照して説明する。上乗せ特化ゾーンの残りゲーム数上乗せ処理は、周辺制御基板510において実行される。
まず、ステップS821では、特別ARTゲームが行われているかを判定する。この判定が満たされない場合には、残りゲーム数の上乗せを行うことはないので、そのまま上乗せ特化ゾーン上乗せ処理を終了する。また、この判定が満たされる場合には、ステップS822において、ハズレを含むいずれかの役に当選したかを判定する。この判定が満たされない場合には、残りゲーム数の上乗せを行うことはないので、そのまま上乗せ特化ゾーン上乗せ処理を終了する。
ステップS822の判定が満たされる場合、ステップS824ではゲーム数上乗せおよびポイントの獲得のいずれを実行するか選択する。この選択は、図87の(a)を参照して行われる。続いて、ステップS826において、ステップS824の選択においてゲーム数上乗せを選択したかを判定する。
ステップS826の判定が満たされる場合、ステップS828では、上乗せゲーム数の抽選を行う。上乗せゲーム数の抽選は、図87の(b)に示す上乗せゲーム数決定テーブルを用いて行われる。上乗せゲーム数を決定したら,ステップS830では、ゲーム数上乗せを行い、処理を終了する。ゲーム数上乗せを行うにあたり、ステップS828で選択した上乗せ数をそのまま上乗せゲーム数としてARTの残りゲーム数に加算する。
また、ステップS826の判定が満たされない場合、ステップS824でポイント獲得が選択されたこととなる。この場合、ステップS832では、獲得ポイントの抽選を行う。獲得ポイントの抽選は、図87の(c)に示すポイント数決定テーブルを参照して行われる。続いて、ステップS834では、獲得したポイントの加算処理を行う。それから、ステップS836では、上乗せ特化ゾーンの最終ゲームであるかを判定する。この判定が満たされない場合、そのまま上乗せ特化ゾーン上乗せ処理を終了する。
一方、ステップS836の判定が満たされる場合、ステップS838では、当該上乗せ特化ゾーンで獲得したポイントの総ポイント数を確認する。そして、ステップS830では、ゲーム数上乗せ処理を行う。ここでのゲーム数上乗せ処理では、上乗せ特化ゾーンで獲得したポイントの総数である総獲得ポイントを図87の(d)に示す上乗せ特化ゾーン上乗せテーブルに参照し、対応する上乗せゲーム数を上乗せする処理を行う。こうして、上乗せ特化ゾーン上乗せ処理を終了する。
[上乗せ特化ゾーンの表示態様抽選]
上乗せ特化ゾーン中に上乗せされるゲーム数や、獲得させるポイント数は、液晶モジュール590に表示させる表示態様としている。このときの表示としては、液晶モジュール590やCRT、ドットパターン、7セグなどを用いた視覚に訴える表示を行うほか、音声を用いた音声表示、その他の感覚に訴える表示を行うこともできる。スロットマシン1では、周辺制御基板510において、大きな特典が得られる期待を高めうる所定の表示態様で前記特典の内容を表示させる表示制御を行っている、周辺制御基板510は、表示制御手段となる。
上乗せ特化ゾーンにおける上乗せゲーム数や獲得ポイントを表示する際には、上乗せゲーム数や獲得ポイントを決定した後、所定の初期表示値を決定し、この初期表示値の表示を変化させることによって、実際に付与する特典の内容を表示する。このとき、最初に表示される所定の表示態様で表示された内容の特典がそのまま遊技者に対して付与される可能性を維持しつつ、所定の表示態様に比して小さい特典を付与しうる。
初期表示値を決定するにあたり、上乗せゲーム数や獲得ポイント数に対応するテーブルがそれぞれ設けられている。そして、上乗せゲーム数や獲得ポイントを決定した後、このテーブルに参照して初期表示値を決定する。例えば、上乗せゲーム数が10Gであると決定された場合の初期表示値を決定する初期表示値決定テーブルを図89の(a)に示す。上乗せゲーム数が10Gであると決定された場合には、90.0%の割合で初期表示値を「100」に決定する。初期表示値が「100」と決定されると、液晶モジュール950には「+100」の文字が表示される。
ここで、実際に付与される特典は「10G」であるので、「+100」の文字を表示した後に倍率を表示する。その倍率は「1/10」となる。このとき、先に「+100」の文字が表示されていることから、「100G」の上乗せゲーム数が決定されることを遊技者に期待させることができる。
同様に、初期表示値として、6.0%の割合で初期表示値を「200」に決定し、3.0%の割合で初期表示値を「500」に決定し、1.0%の割合で初期表示値を「1000」に決定する。これらの場合、表示倍率はそれぞれ「1/20」、「1/50」、「1/100」となる。
一方、ポイントの獲得が決定された場合には、以下のように初期表示値が決定される。ここで、獲得ポイントが100ptであると決定された場合の初期表示値を決定する初期表示値決定テーブルを図89の(b)に示す。獲得ポイントが100ptであると決定された場合には、60.0%の割合で初期表示値を「100」に決定する。
ここで、実際に付与される特典は「100pt」であるので、「+100」の文字を表示した後に倍率を表示する。その倍率は「1/1」となる。同様に、初期表示値として、30.0%の割合で初期表示値を「200」に決定し、8.0%の割合で初期表示値を「500」に決定し、2.0%の割合で初期表示値を「1000」に決定する。これらの場合、表示倍率はそれぞれ「1/2」、「1/5」、「1/10」となる。
ここで、例えば獲得ポイントが500ptであると決定された場合の初期表示値の決定テーブルを図89の(c)に示す。獲得ポイントが500ptであると決定された場合には、90.0%の割合で初期表示値を「100」に決定する。実際に付与される特典は「500pt」であるので、「+100」の文字を表示した後に倍率を表示する。その倍率は「5」となる。同様に、初期表示値として、6.0%の割合で初期表示値を「200」に決定し、4.0%の割合で初期表示値を「500」に決定する。これらの場合、表示倍率はそれぞれ「2.5」、「1」となる。なお、この例では、ポイントの獲得が決定される際、「100pt」の場合には、初期表示値よりも獲得ポイントが必ず小さくなり、「500pt」の場合には、初期表示値よりも獲得ポイントが必ず大きくなるが、初期表示値よりも獲得ポイントが大きくなる場合と小さくなる場合とを混在させることもできる。
さらに、初期表示値の表示を実際に付与する特典の表示に変更するにあたり、初期表示値の倍率を表示する第1ルーレットおよび単位(ゲーム数orポイント)を表示する第2ルーレットを決定する。図94の(a)に示すように、初期表示値が表示された後、図94の(b)に示すように、左上、右上、左下、右下の4つの欄に仕切られた第1ルーレットおよび第2ルーレットが表示される。このときの第1ルーレットおよび第2ルーレットの内容は、上乗せゲーム数や獲得ポイントおよび初期表示値に対応するテーブルがそれぞれ設けられている。
そして、上乗せゲーム数や獲得ポイントを決定した後、このテーブルに参照して第1ルーレットおよび第2ルーレットの内容を決定する。例えば、第1ルーレットの内容を決定するにあたり、上乗せゲーム数が10Gであり、初期表示値が「100」と決定された場合の第1ルーレット表示決定テーブルを図90の(a)に示す。上乗せゲーム数が10G、初期表示値が「100」と決定された場合には、50%の割合でパターン1のルーレットが決定される。パターン1では、左上欄に「×10」、右上欄に「×1」、左下欄に「×1/10」、右下欄に「×1/100」が示される。
また、20.0%の割合でパターン2が決定され、20.0%の割合でパターン3が決定され、10.0%の割合でパターン4が決定される。パターン2では、左上欄に「×20」、右上欄に「×1」、左下欄に「×1/10」、右下欄に「×1/100」が示される。パターン3では、左上欄に「×20」、右上欄に「×10」、左下欄に「×1」、右下欄に「×1/10」が示される。パターン4では、左上欄に「×50」、右上欄に「×20」、左下欄に「×10」、右下欄に「×1/10」が示される。
さらに、獲得ポイントが100ptであり、初期表示値が「100」と決定された場合の第1ルーレット表示決定テーブルを図90の(b)に示す。獲得ポイントが100pt、初期表示値が「100」と決定された場合には、50%の割合でパターン1のルーレットが決定される。パターン1では、左上欄に「×10」、右上欄に「×1」、左下欄に「×1/10」、右下欄に「×1/100」が示される。
また、20.0%の割合でパターン2が決定され、20.0%の割合でパターン3が決定され、10.0%の割合でパターン4が決定される。パターン2では、左上欄に「×20」、右上欄に「×10」、左下欄に「×1」、右下欄に「×1/10」が示される。パターン3では、左上欄に「×20」、右上欄に「×10」、左下欄に「×1」、右下欄に「×1/10」が示される。パターン4では、左上欄に「×50」、右上欄に「×20」、左下欄に「×10」、右下欄に「×1」が示される。
一方、第2ルーレットの内容を決定するにあたり、上乗せゲーム数が10Gであり、初期表示値が「100」と決定された場合の第2ルーレット表示決定テーブルを図90の(c)に示す。上乗せゲーム数が10G、初期表示値が「100」と決定された場合には、40%の割合でパターン1のルーレットが決定される。パターン1では、左上欄に「pt」、右上欄に「G」、左下欄に「pt」、右下欄に「G」が示される。
また、40.0%の割合でパターン2が決定され、15.0%の割合でパターン3が決定され、5.0%の割合でパターン4が決定される。パターン2では、左上欄に「pt」、右上欄に「G」、左下欄に「G」、右下欄に「G」が示される。パターン3では、左上欄に「pt」、右上欄に「pt」、左下欄に「pt」、右下欄に「G」が示される。パターン4では、すべての欄に「G」が示される。
さらに、獲得ポイントが100ptであり、初期表示値が「100」と決定された場合の第2ルーレット表示決定テーブルを図90の(d)に示す。獲得ポイントが100pt、初期表示値が「100」と決定された場合には、40%の割合でパターン1のルーレットが決定される。パターン1では、左上欄に「pt」、右上欄に「G」、左下欄に「pt」、右下欄に「G」が示される。
また、15.0%の割合でパターン2が決定され、40.0%の割合でパターン3が決定され、5.0%の割合でパターン4が決定される。パターン2では、左上欄に「pt」、右上欄に「G」、左下欄に「G」、右下欄に「G」が示される。パターン3では、左上欄に「pt」、右上欄に「pt」、左下欄に「pt」、右下欄に「G」が示される。パターン4では、すべての欄に「pt」が示される。
こうして、周辺制御基板510では、例えば小さなゲーム数の上乗せやポイントの獲得などの小さな特典が遊技者に付与される場合に、小さな特典を付与するにもかかわらず、大きな特典が付与されるという期待感を遊技者に与える制御を実行する。このとき、周辺制御基板510は、遊技者に付与される特典が大きな特典である期待感を高めうる初期表示値で特典の内容を表示制御する。また、周辺制御基板510は、初期表示値で表される大きな特典に比して小さな特典を付与する。周辺制御基板510は、特典付与手段、表示制御手段、小特典付与手段、小特典抑制制御手段となる。
[上乗せ特化ゾーンの表示態様決定処理]
続いて、上乗せ特化ゾーンにおける表示態様を決定する処理について説明する。図91は、上乗せ特化ゾーンにおける表示態様を決定する処理の手順を示すフローチャートである。図91に示すように、上乗せ特化ゾーンの表示態様を決定する際には、まず、ステップS851において、初期表示値を決定する。初期表示値は、図88のステップS828で抽選した上乗せゲーム数またはステップS832で抽選した獲得ポイントを図89の(a)〜(c)に示す初期表示値決定テーブル等を参照して決定する。
次に、ステップS853において、第1ルーレットの表示を決定する。第1ルーレットの表示は、図90の(a)(b)に示す第1ルーレット表示決定テーブル等を参照して決定する。続いて、ステップS854において、第2ルーレットの表示を決定する。第2ルーレットの表示は、図90の(c)(d)に示す第2ルーレット表示決定テーブル等を参照して決定する。こうして、上乗せ特化ゾーン表示態様決定処理を終了する。
[上乗せ特典演出]
特典演出が実行されている基本ARTゲーム中に、ゲーム数上乗せ処理によって、ゲーム数の上乗せが実行される場合、上乗せされるゲーム数を報知する上乗せ演出が実行される。特典演出では、特典演出として基本的に行われる基本演出と、ゲーム数の上乗せを報知する上乗せ演出とが実行される(上乗せ演出を含む特典演出を「上乗せ特典演出」という)。
まず、基本演出が実行される際、液晶モジュール590には、図92の(a)に示すように、主人公である金さん5905と、その相手役である悪党5906A,5906Bとが向き合う画像が表示されている。次に、第1上乗せ演出の一例について説明すると、上乗せ抽選に当選した場合、画像上の金さん5905が、悪党5906Aに斬り掛かり、その後悪党5906Bを切り付ける画像が表示される。続いて、金さん5905が悪党5906Aを切り付けた後、図92の(b)に示すように、悪党5906A,5906Bが倒された画像が表示される。それから、ステップS804で選択された上乗せゲーム数を表示する。例えば上乗せゲーム数が30Gである場合、図92の(c)に示すように、液晶モジュール590の中央に「+30」の文字を大きく表示する。それから、液晶モジュール590に表示されるARTゲームの残りゲーム数を42から72に変更する。このように、第1上乗せ演出が表示されることにより、遊技者は、上乗せされたゲーム数を確認することができ、さらに、上乗せされた残りゲーム数を見て残りのARTゲームが加算されて増加したことを認識できる。この第1上乗せ演出に要する実行時間は、およそ10秒とされている。
また、図示はしないが、第2上乗せ演出としては、町娘が悪党にさらわれる演出が表示され、さらわれた町娘を金さんが救出する演出が表示される。また、第3上乗せ演出として、金さんが修行で大木を刀で切り付け、大木を切断する演出が表示される。第2上乗せ演出に要する実行時間は、およそ20秒とされ、第3上乗せ演出に要する実行時間は、およそ30秒とされている。
一方、上乗せ抽選に当選しなかった場合には、上乗せ失敗演出が表示される場合がある。上乗せ失敗演出としては、上記の第1上乗せ演出〜第3上乗せ演出にそれぞれ対応し、演出の途中まで第1上乗せ演出〜第3上乗せ演出とそれぞれ共通する第1上乗せ失敗演出〜第3上乗せ失敗演出が設けられている。第1上乗せ失敗演出は、金さんが悪党に斬り掛かった後、悪党によけられる演出である。また、第2上乗せ失敗演出は、さらわれた町娘の救出に金さんが失敗する演出である。さらに、第3上乗せ失敗演出は、切り付けた大木が切断されない演出である。これらの第1上乗せ失敗演出〜第3上乗せ失敗演出に要する実行時間は、それぞれ10秒、20秒、30秒とされている。上乗せ演出としては、実行時間が長いほど、遊技者に対して興味を与えられる演出を行うことができる。このため、演出を楽しみたい遊技者は、第1上乗せ演出よりも第2上乗せ演出、第2上乗せ演出よりも第3上乗せ演出の選択を望むことが多くなる。
[上乗せ特化ゾーン演出]
続いて、上乗せ特化ゾーン演出について説明する。上乗せ特化ゾーン演出が実行される際、液晶モジュール590には、図93の(a)に示すように、主人公である金さん5905と、その相手役である悪党5906A,5906Bとが向き合う画像が表示されている。このとき、金さん5905は巨大化しており、金さん5905が覚醒して非常に強い状態であることを表している。
また、上乗せ特化ゾーンでは、直接的に上乗せゲーム数を上乗せする場合と、獲得したポイントを加算し、上乗せ特化ゾーンが終了した時点における総ポイント数に応じて決定される上乗せゲーム数を上乗せする場合がある。上乗せ特化ゾーン演出では、このような直接上乗せゲーム数を上乗せする場合には、上乗せされるゲーム数を表示し、ポイントを加算する場合には、加算されるポイントを表示する。
図93の(a)に示すように、画面の中央上部であって、残り回数表示領域5904の右斜め下の位置には、現時点において加算されているポイントの総数である総加算ポイントを表示する総加算ポイント表示領域5908が形成されている。ここでは、総加算ポイント表示領域5908には、現在の総加算ポイントが100ポイントである例が示されている。上乗せ特化ゾーンでポイントが加算されて増加する総加算ポイントに合わせて、総加算ポイント表示領域に表示される総加算ポイントが順次増加していく。また、上乗せ特化ゾーンが終了すると、総加算ポイント表示領域5908の表示は消去される。
また、1回のゲームの消化中、画像上の金さん5905が、悪党5906Aに斬り掛かり、その後悪党5906Bを切り付ける画像が表示される。続いて、1回のゲームが終了すると、金さん5905が悪党5906Aを切り付けた後、図93の(b)に示すように、悪党5906A,5906Bが倒された画像が表示される。それから、ゲーム数が上乗せされる場合には上乗せされるゲーム数を表示し、ポイントが加算される場合には、加算されるポイントを表示する。
ここで、加算されるポイントを表示する場合と、上乗せゲーム数を表示する場合とについて説明する。ここでは、加算されるポイントが100ポイントの場合と、加算されるゲーム数が10ゲームの場合とについて説明する。どちらの場合でも、例えば最初に、図94(a)に示すように、液晶モジュール590の中央に「+100」の文字を大きく表示する。
この段階では、ポイントが加算されるか、ゲーム数が上乗せされるかについての表示はいまだなされておらず、遊技者は、ポイント加算とゲーム数上乗せのいずれが実行されるか認識できない状態となっている。このため、遊技者としては、比較的価値の低いポイント加算ではなく、比較的価値の高いゲーム数上乗せに対する期待を維持できる。
続いて、図94の(b)に示すように、倍率回転的5907およびゲーム数/ポイント回転的5908の画像が表示される。倍率回転的5907は、4つのスペースに仕切られており、各スペースにそれぞれ「×10」「×1」「×1/10」「×1/100」の文字が表示されている。また、ゲーム数/ポイント回転的5908には、「G」「Pt」の文字が表示されている。それから、回転的5907,5908に対して金さん5905が矢を放ち、回転的5907,5908に矢が刺さった画像が表示される。
図94の(b)において、倍率回転的5907において矢が刺さった的が「×1」であり、ゲーム数/ポイント回転的5908において矢が刺さった的が「Pt」と記入されたスペースである場合には、図94の(c)に示すように、画面の中央に「+100」「×1」「Pt」の文字が大きく表示される。こうして、ポイント加算が行われることを遊技者に対して報知する。その後、図94の(d)に示すように、画面の中央に「100Pt」という文字を表示し、100Ptが加算されたことを遊技者に報知する。
また、図94の(b)において、倍率回転的5907において矢が刺さった的が「×1/10」であり、ゲーム数/ポイント回転的5908において矢が刺さった的が「G」と記入されたスペースである場合には、図94の(e)に示すように、画面の中央に「+100」「×1/10」「G」の文字が大きく表示される。こうして、ゲーム数上乗せが実行されることを遊技者に対して報知する。その後、図94の(f)に示すように、画面の中央に「10G」という文字を表示し、10ゲームの上乗せがされたことを遊技者に報知する。
液晶モジュール590は、ARTゲームのゲーム数上乗せが実行される際に、10Gなどの小さなゲーム数やポイントなどの小さな特典を付与する際にも、初期表示値として3桁以上の大きな数値を所定の表示態様として表示する。このため、小さな特典が付与される場合でも、3桁以上の大きな初期表示値が表示されるので、小さな特典が続けて表示される機会を少なくすることができ、遊技者の遊技意欲の減退を抑制することができる。
また、初期表示値を表示した後に上乗せゲーム数を表示する場合、初期表示値として表示した数値は、実際に上乗せされる可能性がある数値とすることもできるし、実際に上乗せされることはない数値とすることもできる。実際に上乗せされる可能性がある数値とする場合、具体的に、第1の態様では、初期表示値としては、例えば図89の(a)に示すように、「100」「200」「500」「1000」が表示される場合がある。このとき、上乗せゲーム数としては、決定される割合は低いものの、「100G」「200G」「500G」「1000G」のいずれもが決定可能とされている。このとき、初期表示値に示される数値よりも小さなゲーム数が特典として付与されたとしても、小さいながらも実際の利益となる特典が遊技者に付与されることに変わりは無いので、遊技者に大きな不満を与えないようにすることができる。また、初期表示値として表示した数値を、実際に上乗せされる可能性がある数値とすることにより、小さいながらも、初期表示値に対応するゲーム数が上乗せされる期待感を遊技者に持たせることができる。
これに対して、初期表示値として表示した数値を、実際に上乗せされることはない数値とする場合、具体的に、例えば、上乗せゲーム数として「10G」「20G」「30G」「50G」「100G」「200G」「500G」「1000G」が決定可能とされている場合に、初期表示値として「3000」「5000」などの大きな数値を表示することもできる。この場合、例えば初期表示値が「5000」と決定された場合、上乗せされるゲーム数は「5000G」よりも小さくなることを遊技者は予想してしまうものの、初期表示値の「5000」から徐々に数値が減少した場合に、上乗せゲーム数の最大値となる1000Gが上乗せされる可能性は残される。このため、遊技者に対して、最大の上乗せゲーム数が付与される期待感を持たせることができる。
さらに、初期表示値として大きな数値を表示させたとしても、実際に付与される特典は、小さな特典となる。このため、遊技場にとっては、小さな上乗せゲーム数が続けて表示される機会が少なくなり、大きな特典を付与する可能性を遊技者に与える可能性がある大きな初期表示値が表示される機会が多くなったとしても、大きな不利益を被ることを抑制できる。その一方で、遊技者には、大きな初期表示値が表示されるたびに、遊技者には大きな高揚感を与えることができる。
なお、上記の例では、特典付与手段によって付与される特典が上乗せ特化ゾーンにおけるゲーム数上乗せのまたはポイントの付与となる例について説明したが、その他の特典とすることもできる。例えば、特典付与手段によって付与される特典については、上乗せ特化ゾーン以外のARTゲーム中などの上乗せゲーム数またはポイントの付与としたり、通常遊技状態における高確移行、天井短縮、ARTゲーム強制移行、特典画像の付与などとしたりすることもできる。
これらの特典を付与する際、その関連事項について数値を用いて直接的に表すことができる特典、例えば天井短縮の際の短縮ゲーム数、ARTゲーム強制移行の際のARTゲームの初期ゲーム数などを表示する際に、大きな特典が得られる期待を高めうる所定の表示態様で特典の内容を表示させることもできる。また、数値を用いて直接的に表すことが難しい特典、例えば高確移行や特典画像の付与などについては、これらの特典が得られるポイント数などの単位をあらかじめ決定しておき、そのポイント数などの単位を付した数値を表示するようにすることができる。
(第2の態様)
次に、スロットマシン1の特徴的な構成や動作等についての第2の態様について説明する。
第2の態様は、上記の第1の態様と比較して、[残りゲーム数の上乗せ]〜[上乗せ特化ゾーンへの移行]、[上乗せ特化ゾーンの表示態様抽選]〜[上乗せ特化ゾーン演出]の各項目については、上記第1の態様と同様であり、[上乗せ特化ゾーンの上乗せ抽選]および[上乗せ特化ゾーンの残りゲーム数上乗せ処理]が主に異なる。以下、第2の態様について、第1の態様と異なる点を中心に説明する。
[上乗せ特化ゾーンの上乗せ抽選]
第2の態様においても、上乗せ特化ゾーンにおいては、ARTゲームのゲーム数の上乗せまたはゲーム数上乗せに関するポイントの加算が毎ゲーム実行される。ここでのゲーム数上乗せに関するポイントとは、上乗せ特化ゾーンのすべてが消化された際に上乗せゲーム数を決定するためのポイントであり、最終的に加算されたポイントの総量に応じて、上乗せゲーム数が変化する。
上乗せ特化ゾーンの上乗せ抽選では、初期表示値を抽選により決定し、初期表示値を決定した後、ゲーム数上乗せおよびポイント獲得のいずれを実行するかについて、抽選によって決定している。初期表示値は、各ゲームにおける当選役を図95の(a)に示す初期表示値決定テーブルに参照して決定する。例えば、当選役がリプレイ(RP)の場合、「100」を80.0%の割合、「200」を15.0%の割合、「300」を3.0%の割合でそれぞれ決定する。また、「500」を1.8%の割合、「1000」を0.1%の割合、「2000」を0.1%の割合でそれぞれ決定する。
同様に、当選役がハズレ、普通小役、特別小役、レア小役、RB、BBの場合にも、図95の(a)の初期表示値決定テーブルに示す割合で、これらの小役に当選した場合の初期表示値を決定する。なお、図95の(a)に示すゲーム数/ポイント決定テーブルは、周辺制御ROMに記憶されている。
初期値表示値を決定したら、決定した初期表示値を図95の(b)に示すゲーム数/ポイント決定テーブルに参照して、ゲーム数上乗せおよびポイント獲得のいずれを実行するかを決定する。例えば、初期表示値が「100」の場合、ゲーム数上乗せを5.0%の割合で実行し、ポイント獲得を90.0%の割合で実行する。
同様に、初期表示値が「200」の場合、ゲーム数上乗せを10.0%の割合で実行し、ポイント獲得を95.0%の割合で実行する。さらに、初期表示値が「300」の場合、ゲーム数上乗せを2.0%の割合で実行し、ポイント獲得を80.0%の割合で実行する。以下、初期表示値が「500」「1000」「2000」の場合も、図95の(b)に示すゲーム数/ポイント決定テーブルに示す割合でゲーム数上乗せおよびポイント獲得のいずれを実行するかを決定する。
ここで、ゲーム数上乗せを行う場合、図95の(c)に示す上乗せゲーム数決定テーブルを用いて上乗せゲーム数を決定する。上乗せゲーム数決定テーブルは、初期表示値ごとにそれぞれ設けられており、図95の(c)には、初期表示値が200の場合の上乗せゲーム数決定テーブルを示している。具体的に、初期表示値が200の場合、80.0%の確率で上乗せゲーム数が10ゲームとなり、15.0%の確率で上乗せゲーム数が20ゲームとなり、3.0%の確率で上乗せゲーム数が10ゲームとなる。また、1.0%の確率で上乗せゲーム数が50ゲームとなり、0.5%の確率で上乗せゲーム数が100ゲームとなり、0.5%の確率で上乗せゲーム数が200ゲームとなる。
一方、ポイント獲得を実行する場合、図95の(d)に示すポイント数決定テーブルを用いて獲得ポイントを決定する。ポイント数決定テーブルについても、上乗せゲーム数決定テーブルと同様に、初期表示値ごとにそれぞれ設けられている。図95の(d)には、初期表示値が100の場合のポイント数決定テーブルを示している。具体的に、初期表示値が100の場合、100pt、200pt、300ptがそれぞれ20.0%の割合で決定され、500pt、1000ptが15.0%の割合で決定される。さらに、2000ptが10,0の割合で決定される。これらの上乗せゲーム数や獲得ポイントは、当選役や設定などによらず一律的に決定しているが、上乗せゲーム数や獲得ポイントに当選役による差や設定差を設けることもできる。
上乗せ特化ゾーンでは、当該上乗せ特化ゾーンで獲得したポイントを加算していき、当該上乗せ特化ゾーンが終了したときの総ポイント数に応じて、当該上乗せ特化ゾーンで上乗せするゲーム数を決定する。このときの上乗せゲーム数は、第1の態様と同様、図87の(d)に示す上乗せ特化ゾーン上乗せテーブルを参照して決定される。例えば、総ポイントが100〜1000、例えば600ポイントである場合には、上乗せゲーム数は10ゲームとなる。また、総獲得ポイントが3001〜5000、例えば3500ポイントの場合は、上乗せゲーム数は30ゲームとなる。なお、この例においては、上乗せゲーム数は、総獲得ポイントに応じて決定されているが、総獲得ポイントに基づいて抽選等を行って決定することもできる。
[上乗せ特化ゾーンの残りゲーム数上乗せ処理]
次に、上乗せ特化ゾーンの際の残りゲーム数上乗せ処理について、図96を参照して説明する。上乗せ特化ゾーンの残りゲーム数上乗せ処理は、周辺制御基板510において実行される。
まず、ステップS871では、特別ARTゲームが行われているかを判定する。この判定が満たされない場合には、残りゲーム数の上乗せを行うことはないので、そのまま上乗せ特化ゾーン上乗せ処理を終了する。また、この判定が満たされる場合には、ステップS872において、ハズレを含むいずれかの役に当選したかを判定する。この判定が満たされない場合には、残りゲーム数の上乗せを行うことはないので、そのまま上乗せ特化ゾーン上乗せ処理を終了する。
ステップS872の判定が満たされる場合、ステップS873では、初期表示値を決定する。初期表示値は、図95の(a)に示す初期表示値決定テーブルを参照して決定する。続いて、ステップS874ではゲーム数上乗せおよびポイントの獲得のいずれを実行するか選択する。この選択は、図95の(b)を参照して行われる。続いて、ステップS876において、ステップS874の選択においてゲーム数上乗せを選択したかを判定する。
ステップS876の判定が満たされる場合、ステップS878では、上乗せゲーム数の抽選を行う。上乗せゲーム数の抽選は、図95の(c)に示す上乗せゲーム数決定テーブルを用いて行われる。上乗せゲーム数を決定したら,ステップS880では、ゲーム数上乗せを行い、処理を終了する。ゲーム数上乗せを行うにあたり、ステップS878で選択した上乗せ数をそのまま上乗せゲーム数としてARTの残りゲーム数に加算する。
また、ステップS876の判定が満たされない場合、ステップS874でポイント獲得が選択されたこととなる。この場合、ステップS882では、獲得ポイントの抽選を行う。獲得ポイントの抽選は、図95の(d)に示すポイント数決定テーブルを参照して行われる。続いて、ステップS884では、獲得したポイントの加算処理を行う。それから、ステップS886では、上乗せ特化ゾーンの最終ゲームであるかを判定する。この判定が満たされない場合、そのまま上乗せ特化ゾーン上乗せ処理を終了する。
一方、ステップS886の判定が満たされる場合、ステップS888では、当該上乗せ特化ゾーンで獲得したポイントの総ポイント数を確認する。そして、ステップS880では、ゲーム数上乗せ処理を行う。ここでのゲーム数上乗せ処理では、上乗せ特化ゾーンで獲得したポイントの総数である総獲得ポイントを、第1の態様と同様に、図87の(d)に示す上乗せ特化ゾーン上乗せテーブルに参照し、対応する上乗せゲーム数を上乗せする処理を行う。こうして、上乗せ特化ゾーン上乗せ処理を終了する。
第2の態様に係るスロットマシン1では、第1の態様に係るスロットマシン1における上記の作用効果と同様の作用効果を奏する。さらに、第2の態様に係るスロットマシン1では、ゲーム数上乗せとポイント獲得のいずれかを決定するにあたり、まず初期表示値を決定して、続いて、決定した初期表示値に基づいてゲーム数上乗せまたはポイント獲得のいずれかを決定するようにしている。このため、スロットマシン1における抽選処理の手順を把握している遊技者は、特典が付与される際の初期表示値が、ゲーム数上乗せまたはポイント獲得のいずれかが決定された後に決められるものではなく、ゲーム数上乗せまたはポイント獲得のいずれかが決定される前に決められるものであることを認識している。この遊技者は、ゲーム数上乗せまたはポイント獲得のいずれかが決定された後に初期表示値が決められる場合には、「どうせ特典の内容は決まっているのだろう」という認識の元、初期表示値として大きな数値が表示されたとしても、大きな期待を寄せにくい感情を抱くことがある。これに対して、初期表示値が表示された後にゲーム数上乗せまたはポイント獲得のいずれかが決定される場合には、例えば初期表示値として大きな数値が表示されると、この後にゲーム数上乗せ等の抽選が行われるので、上記の遊技者に対して、純粋に大きな特典に対する期待を抱かせることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ゲーム数の上乗せを行うにあたり、上乗せ特化ゾーンが設定されているが、上乗せ特化ゾーンが設定されていない態様とすることもできる。この場合、例えばARTゲーム中の上乗せ抽選におけるポイントの選択と同様の選択をARTゲーム中に行うことができる。具体的には、「30」の表示の後に「G」の文字が表示されて30ゲームの上乗せとする一方、「30」の表示の後に「Pt」の文字が表示されて30ポイントの上乗せとすることができる。そして、1セットの基本ARTにおける残りゲーム数が「0」となったが終了した時点で獲得したポイントの総数に応じて、ゲーム数を上乗せするようにすることができる。
また、本発明のスロットマシン1の一実施形態を説明したが、本発明は本実施形態に限定されることはない。例えば、本発明は、スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機(いわゆるパロット)等に対しても適用することができる。