夏場など気温の高い日に密閉された室内で掃除機を使用すると,該掃除機のモータから発生する熱が該掃除機から排出されるため,該室内の空気の温度が上昇する。さらに,掃除機をかける動作は体を多く動かす動作を伴うため,体温を上昇させ,大量の発汗を誘発し,熱中症などの危険性を増加させる。
請求項1に記載の発明で解決しようとする1番目の課題は,「掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置を提供すること」である。
請求項1に記載の発明で解決しようとする2番目の課題は,「知識のない人であっても,掃除機に正しく着けることができる専用の扇風機を提供すること」である。
請求項1に記載の発明で解決しようとする3番目の課題は,「着け外しを繰り返しても,毎回正しく,再現性をもって,確実かつ簡単に着けることができる扇風機を提供すること」である。
請求項1に記載の発明で解決しようとする4番目の課題は,「掃除機と扇風機の組み合わせにおいて,安全面でメーカが許容できる組み合わせのみに限定して着けることを可能とし,ユーザが誤って重心や電源容量の適合しない組み合わせを着けてしまう危険性を排除すること」である。
以上の4つの課題が,請求項1に記載の発明で解決しようとする課題である。
請求項2に記載の発明で解決しようとする1番目の課題は,「着け外しにかかる作業の負担が少ない扇風機を提供すること」である。
請求項2に記載の発明で解決しようとする2番目の課題は,「掃除機のハンドルの近くに無理なく装着できる扇風機を提供すること」である。
以上の2つの課題が,請求項2に記載の発明で解決しようとする課題である。
請求項3に記載の発明で解決しようとする課題は,「掃除機に扇風機を確実に着けて落下を防ぐことができ,かつ,外すときは簡単に外すことができる離脱防止機構を有する扇風機を提供すること」である。
請求項4に記載の発明で解決しようとする課題は,「電池がなくても使用できる扇風機を提供すること」である。
請求項5に記載の発明で解決しようとする課題は,「通気パイプに着けたときに,台座や支柱などの余計な付属部品がついていない軽い扇風機を提供すること」である。
請求項6に記載の発明で解決しようとする課題は,「床面等に自立させて安定的に使用できる据置型扇風機でありながら,掃除機に着けても手首に負担がかかりにくい扇風機を提供すること」である。
請求項7に記載の発明で解決しようとする課題は,「据置型扇風機を簡単な操作で掃除機に着け替えることができ,着け替え作業中に誤って扇風機を落下させることなく,かつ,扇風機のファンガードに触れることなく,掃除機のハンドルを握った状態で安全かつ確実に着け替えることができ,さらに,掃除機から扇風機を外して据置型扇風機に着け替え戻す作業においても同様の安全性を確保できる扇風機を提供すること」である。
請求項8に記載の発明で解決しようとする課題は,「掃除機の通気パイプに装着された扇風機の送風方向を,人体の様々な部位に向けて送風できる扇風機を提供すること」である。
請求項9に記載の発明で解決しようとする課題は,「掃除機に着ける扇風機において,掃除機の通気パイプをひねった際に,該扇風機が振り回されて壁などに激突する恐れが少ないコンパクトな扇風機を提供すること」である。
請求項10に記載の発明で解決しようとする課題は,「掃除機に着ける扇風機において,安価な小型の扇風機を利用しつも,身体の広い範囲に向けて送風できる扇風機を提供すること」である。
請求項11に記載の発明で解決しようとする課題は,「掃除機に着ける扇風機において,扇風機のメーカに対して,製造コストを下げることができる扇風機を提供すること」である,
請求項12に記載の発明で解決しようとする課題は,「掃除機に着ける扇風機において,ユーザに対して,扇風機が搭載された掃除機として一括購入できる製品を提供すること」である。
請求項13に記載の発明で解決しようとする課題は,「扇風機のユーザに対して,掃除機を買い替えたときの扇風機の購入コストを下げることができる扇風機を提供すること」である。
請求項14に記載の発明で解決しようとする課題は,「扇風機のユーザに対して,扇風機が壊れたときの扇風機の購入コストを下げることができる扇風機を提供すること」である。
請求項15に記載の発明で解決しようとする課題は,「据置型扇風機から支柱を外して掃除機に着け替える作業中に,該扇風機を直接手で支える動作が一切必要なく,該掃除機のハンドルを握った状態でも着け替えることができる方法を提供すること」である。
請求項16に記載の発明で解決しようとする課題は,「扇風機の着け替え作業中に,誤って該扇風機を落下させることなく,安全かつ確実に着ける方法を提供すること」である。
本発明者は,市販の扇風機を掃除機に着ける研究を重ねた結果,扇風機を着ける最良の配置方法として,掃除機のハンドルの近くの通気パイプに扇風機を着けて人体に向けて送風させる配置方法が,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却するために効果的であることを見出した。
本発明者は,汎用の取付器具を用いて扇風機を掃除機に着ける実験を重ねた結果,掃除機の通常の操作において,掃除機のゴミ吸引口のある先端部分(以下,「ヘッド」という)の向きを変えるために掃除機の通気パイプのハンドルをひねる回転動作が多発するため,掃除中の激しい動きに,挟持手段等を用いたほとんどの取付器具は耐えきれず,実験では扇風機が繰り返し脱落した。
よって,汎用の取付器具を用いる方法では,既存の掃除機の通気パイプに扇風機を安定的に着けることは大変難しいという結論に至った。
さらに,本発明者は実施例7に示す実験を行うことによって,「汎用の扇風機を掃除機の通気パイプに着けて使用したときに,通気パイプに扇風機を着ける向きによっては,ヘッドを滑走させたときに該通気パイプがロール回転して,手首にかかるストレス(SHIRストレス)が誘発される場合がある」という未発表の知見を得るに至った。
たとえ小型の軽い扇風機であっても,前記のSHIRストレスを手首に受け続けた状態で掃除機を操作した場合,腱鞘炎や母指CM関節症などのリスクを高める恐れがある。一般の人は上記の危険性を知らないで使うことが多いため,知識がない人が従来技術の扇風機をそのまま掃除機に着けて使用するのは大変危険であるという結論に至った。
以上の知見に基づいて,本発明者は鋭意研究を続けた結果,さらに,前記の複数の課題を見出し,そして,前記課題を解決するための手段を見出すに至った。以下に開示する発明は以上の研究に基づいて得られたものである。
本明細書において,「掃除機」は,「電動機により羽根車を駆動して掃除機内に陰圧を発生させ,その陰圧を利用して吸引したものを集める装置」である。
本明細書において,「扇風機」は,「電動機により羽根車を駆動して送風する装置」又は,「電力を利用して回転するモータにより羽根車を回して送風する装置」である。
本明細書に記載の発明にかかる扇風機の主たる用途は人体に向けて送風して体温調節に資することにあるため,該扇風機から送風される空気は衛生的であることが好ましい。
掃除機の排気流はゴミ吸引口から吸入された空気であり,フィルターに穴があいていたりするとゴミが漏れ出る恐れがあり,この排気流を人体に向けて送風することは衛生的ではない。
よって,上記の扇風機の定義に当てはまるものであっても,掃除機が稼働することにより陰圧になる掃除機内の空間に設置されたものは,本明細書に記載の発明にかかる扇風機には該当しない。掃除機内で陰圧を発生させるための羽根車は本明細書に記載の発明に係る扇風機の羽根車に該当しない。掃除機のゴミ吸引口から吸入された空気であって,かつ,掃除機から排出されていない空気を送風するための装置は,上記の扇風機の定義に当てはまるものであっても,本明細書に記載の発明にかかる扇風機には該当しない。
また,扇風機は掃除機に該当しない。
本明細書において,「装着」とは,2以上の部品を相互に「着いた状態」にすることをいう。
「形状適合部位」とは,前記2以上の部品において,前記「着いた状態」において相互に接触する部分である。
「装着手段」は,前記形状適合部位を有する部品であって,装着できる部品である。
「装着部位」は,装着できる前記形状適合部位であって,着いた状態にある前記形状適合部位である。
「離脱」とは,前記装着された状態にある部品を「離れた状態」にすることをいう。
「離脱手段」は,前記形状適合部位を有する部品であって,離脱できる部品である。
「離脱部位」は,装着できる前記形状適合部位であって,離れた状態にある前記形状適合部位である。
「着脱できる」とは,装着と離脱の両方ができることをいう。
「着脱手段」は,前記装着手段かつ前記離脱手段である部品である。
「着脱部位」は,着脱できる前記形状適合部位であって,着いた状態又は離れた状態のいずれかの状態にある前記形状適合部位である。
前記「装着手段」であって,「形状適合部位の一方を他方に差込むことで装着できる装着手段」を利用することができる(以下,「差込による装着手段」とよぶ)。
前記「離脱手段」であって,「形状適合部位の一方を他方から引抜くことで離脱できる離脱手段」を利用することができる(以下,「引抜による離脱手段」とよぶ)。
前記「差込による装着手段」であって,前記「引抜による離脱手段」である着脱手段を利用することができる(以下,「差込による着脱手段」とよぶ)。
前記「装着手段」であって,「形状適合部位の一方をねじりながら他方に差込むことで装着できる装着手段」を利用することができる(以下,「ねじる装着手段」とよぶ)。
前記「離脱手段」であって,「形状適合部位の一方をねじりながら他方から引抜くことで離脱できる離脱手段」を利用することができる(以下,「ねじる離脱手段」とよぶ)。
前記「ねじる装着手段」であって,前記「ねじる離脱手段」である着脱手段を利用することができる(以下,「ねじる着脱手段」とよぶ)。
前記「差込による装着手段」であって,前記「ねじる装着手段」ではない装着手段を利用することができる(以下,「ねじらない装着手段」とよぶ)。
前記「引抜による離脱手段」であって,前記「ねじる離脱手段」ではない離脱手段を利用することができる(以下,「ねじらない離脱手段」とよぶ)。
前記「ねじらない装着手段」であって,前記「ねじらない離脱手段」である着脱手段を利用することができる(以下,「ねじらない着脱手段」とよぶ)。
前記のいずれかの「着脱手段」であって,「装着によって,一方の部品が他方の部品から支持される状態になる着脱手段」を利用することができる(以下,「装着によって支持される着脱手段」とよぶ)。本明細書に記載の発明に用いる着脱手段は,前記「装着によって支持される着脱手段」であって,装着した状態で掃除機を使用して動かしても意図しない離脱をしない着脱手段である。
本明細書において,「通気パイプ」とは,「掃除機が有する部品に着脱できる部品であって,空気が通過できる穴を有する部品」又は,「掃除機が有する部品に着脱できる部品であって,筒状体を有する部品」又は,「掃除機稼働時に陰圧の空気が存在する空間を大気圧の空気が存在する空間から仕切る筒状の壁を有した部品」をいう。ただし,本明細書において,前記通気パイプが有する「空気が通過できる穴」および「筒状体」は直径5ミリメートルの球が侵入できる大きさ以上の大きさであるものとする。
請求項1に記載の発明にあたっては,「通気パイプ着脱手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できることを特徴とする扇風機」である。
請求項1に記載の発明に係る扇風機が有する通気パイプ着脱手段を,「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」とよぶ。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,「前記扇風機が有する部品であって,1以上の通気パイプの開口部を着脱できる部品」である。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,前記「差込による着脱手段」である。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,前記「ねじらない着脱手段」である。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,前記「装着によって支持される着脱手段」である。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「前記開口部を空気の漏れ出る隙間なく装着できる通気パイプ着脱手段」である。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「ふたつの通気パイプの間の着脱部位を着脱できる通気パイプ着脱手段」である。これにより,前記通気パイプ着脱手段と通気パイプの間の着脱部位の利用可能な形態は,公知の「ふたつの通気パイプの間の着脱部位」のあらゆる形態である。
前記「ふたつの通気パイプの間の着脱部位」の別の利用可能な形態は,公知の「掃除機が有するふたつの通気パイプの間の着脱部位」のあらゆる形態である。
前記「ふたつの通気パイプの間の着脱部位」の形態の例は,ふたつの通気パイプにおいて,ひとつの通気パイプの開口部の幅を狭くしてこれをオス開口部とし,もうひとつの通気パイプの開口部の幅を広くしてこれをメス開口部とし,該ひとつの通気パイプのオス開口部を該もうひとつの通気パイプのメス開口部に差込んだときに空気の漏れ出る隙間なく装着できるように形状適合した部位を双方に設けることで,該開口部を前記「ふたつの通気パイプの間の着脱部位」とすることができる(以下,「オス開口部とメス開口部における差込による着脱手段」ともよぶ)。ただし,前記ふたつの通気パイプの間の着脱部位の利用可能な形態は該例に限定されない。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「1以上の通気パイプのオス開口部又はメス開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」,「1以上の通気パイプのオス開口部およびメス開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」,「1以上の通気パイプのオス開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」,「1以上の通気パイプのメス開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」のいずれかである。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「筒状体を有することを特徴とする通気パイプ着脱手段」,「筒状体を有し,該筒状体の開口部を着脱部位とする通気パイプ着脱手段」,「筒状体を有し,該筒状体の開口部に通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」のいずれかである。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「通気パイプを有することを特徴とする通気パイプ着脱手段」,「通気パイプを有し,該通気パイプの開口部を着脱部位とする通気パイプ着脱手段」,「通気パイプを有し,該通気パイプの開口部に通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」のいずれかである。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「1以上の通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「掃除機稼働時に陰圧の空気が存在する空間を大気圧の空気が存在する空間から仕切る筒状の壁を有することを特徴とする通気パイプ着脱手段」である。
請求項1に記載の発明に係る別の扇風機は,請求項1に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機であって,「前記扇風機の重心が前記扇風機に装着された通気パイプの軸近傍空間又は前記通気パイプ着脱手段の軸近傍空間に位置することを特徴とする扇風機」である。
「軸近傍空間」は,本明細書に記載の発明に係る扇風機を掃除機の通気パイプに装着して掃除機を稼働させた時に陰圧の空気が存在する空間からの距離が5センチメートル以下の空間である。また,前記軸近傍空間において,前記距離が4センチメートル以下の空間を軸近傍空間とすることで,前記重心が前記通気パイプの中心軸により近づき,より手首に負担がかかりにくい効果を得ることができる。さらに,前記軸近傍空間において,前記距離が3センチメートル以下の空間を軸近傍空間とすることで,前記重心が前記通気パイプの中心軸にさらに近づき,さらに手首に負担がかかりにくい効果を得ることができる。さらに,前記距離を2センチメートル以下,1センチメートル以下,0センチメートル以下と,より狭くしていくことで,より負担が軽減されて安全性が高まる効果を得ることができる。なお,「本明細書に記載の発明に係る扇風機の重心」は,該扇風機に通気パイプおよび支柱を一切装着しない状態で決定した重心である。
請求項2に記載の発明にあたっては,「前記通気パイプ着脱手段に2以上の通気パイプを着脱できることを特徴とする請求項1に記載の扇風機」である。請求項2に記載の発明に係る扇風機が有する通気パイプ着脱手段を,「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」とよぶ。
請求項2に記載の「請求項1に記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項1に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項2に記載の発明に係る別の扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項2に記載の発明に係る別の扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「掃除機が有する2つの通気パイプの間に挿入できる通気パイプ着脱手段」である。
請求項2に記載の発明に係る別の扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「2つの開口部を有する筒状体を有する前記通気パイプ着脱手段であり,該2つの開口部のそれぞれに通気パイプを装着できる通気パイプ着脱手段」である。
請求項2に記載の発明に係る別の扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「装着された2つの通気パイプが直線状に配置されることを特徴とする通気パイプ着脱手段」である。
請求項2に記載の発明に係る別の扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「2つの開口部を有する筒状体を有する通気パイプ着脱手段であって,相互に着脱できる2つの通気パイプの一方を該2つの開口部の一方に装着でき,かつ,該相互に着脱できる2つの通気パイプの他方を該2つの開口部の他方に装着できる通気パイプ装着手段」である。
請求項2に記載の発明に係る別の扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「2つの開口部を有する筒状体を有する前記通気パイプ着脱手段であり,該2つの開口部の間の距離が30センチメートル以下である通気パイプ着脱手段」である。
請求項2に記載の発明に係る別の扇風機が有する「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの「2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段」であって,「掃除機稼働時に通気パイプの一部として使用できることを特徴とする通気パイプ着脱手段」である。
請求項3に記載の発明にあたっては,「前記通気パイプ着脱手段に離脱防止機構を有する請求項1又は2に記載の扇風機」である。請求項3に記載の発明に係る扇風機が有する通気パイプ着脱手段を,「離脱防止機構を有する通気パイプ着脱手段」とよぶ。
請求項3に記載の「請求項1又は2に記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項1又は2に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項3に記載の発明に係る別の扇風機が有する「離脱防止機構を有する通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「離脱防止機構を有する通気パイプ着脱手段」であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
「離脱防止機構」とは,離脱を防止する特徴を有する可動部品を利用した機構である。
請求項3に記載の発明に係る「離脱防止機構を有する通気パイプ着脱手段」が有する離脱防止機構としては,掃除機が有するふたつの通気パイプの間の着脱部位において利用できる公知の離脱防止機構のあらゆる形態を利用することができる。
例として,前記の「オス開口部とメス開口部における差込による着脱手段」において,一方に凸部分を設け,他方に凹部分を設け,完全に差込まれた状態下で一方の凸部分が他方の凹部分に嵌合することで抜けにくくした着脱手段は,離脱を防止する特徴を有する。ここで,指圧で前記凸部分又は凹部分を動かせる可動部品を用いて離脱を防止し,また,指圧で該可動部品を動かすことで離脱の防止の解除又は,離脱の容易化を可能にしたものは,請求項3に記載の発明に係る離脱防止機構の手段の一つである。ただし,請求項3に記載の発明に係る離脱防止機構の利用可能な手段は該例に限定されない。
形態の例としては,前記の「オス開口部とメス開口部における差込による着脱手段」において,オス開口部又はメス開口部の付近に凸部分としての「ツメ」を設け,さらに,前記通気パイプのオス開口部又はメス開口部の付近に該ツメが引っかかる凹部分としての「くぼみ」を設け,通気パイプのオス開口部を別の通気パイプのメス開口部に差込んだ時に該ツメが該くぼみに引っかかるようにして抜けないようにした着脱手段も離脱を防止する特徴を有する。ここで,該着脱手段において,該通気パイプに指圧で動く「ボタン」を設け,該ボタンを指で押すと前記ツメ又は前記くぼみが引っ込む仕組みを施すことで,該ボタンを押しながら装着部位を両手で引っ張ると簡単に引抜くことができる機構も請求項3に記載の発明に係る離脱防止機構の可能な形態の一つである。また,離脱防止機構をさらに強固にする目的で,可動部品であるネジを前記凸部分として用いる機構も請求項3に記載の発明に係る離脱防止機構の利用可能な形態の一つである。ただし,請求項3に記載の発明に係る離脱防止機構の利用可能な形態は前記の形態に限定されない。
また,掃除機のゴミ吸引口の付近にモータを有してブラシを回転させるタイプの掃除機においては,通気パイプの中に該モータに電気を供給するための電気伝導体が存在している。
請求項4に記載の発明にあたっては,「前記通気パイプが有する電極と接触可能な電極を前記通気パイプ着脱手段に有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の扇風機」である。請求項4に記載の発明に係る扇風機が有する通気パイプ着脱手段を,「通気パイプが有する電極と接触可能な電極を有する通気パイプ着脱手段」とよぶ。
請求項4に記載の「請求項1から3のいずれかに記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項1から3のいずれかに記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項4に記載の発明に係る別の扇風機が有する「通気パイプが有する電極と接触可能な電極を有する通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「通気パイプが有する電極と接触可能な電極を有する通気パイプ着脱手段」であって,前記のいずれかの扇風機が有する「通気パイプ着脱手段」である。
請求項4に記載の発明に係る別の扇風機が有する「通気パイプが有する電極と接触可能な電極を有する通気パイプ着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する「通気パイプが有する電極と接触可能な電極を有する通気パイプ着脱手段」であって,「2以上の通気パイプが有する電極を接続する電気伝導体を有する通気パイプ着脱手段」である。
請求項4の発明に係る別の扇風機は,請求項4に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機であって,「前記通気パイプが有する電気伝導体を経由して供給される電気を利用して送風することを特徴とする扇風機」である。
請求項5に記載の発明にあたっては,「羽根車と,前記羽根車を駆動する電動機と,前記電動機を支持する枠と,前記枠を支持又は着脱手段とする前記通気パイプ着脱手段を有する請求項1から4のいずれかに記載の扇風機」である。
前記「枠」は,前記電動機が前記枠からこぼれおちないように支持できる枠であれば,形状はどのようなものを用いてもよく,1以上の部品からなる枠であってもよく,該枠内に0以上の可動部を有する枠であってもよく,該枠内に1以上の可動部を有する枠であってもよく,該枠内に可動部を有しない枠であってもよい。
前記「前記枠を支持又は着脱手段とする前記通気パイプ着脱手段」は,「前記枠を支持する前記通気パイプ着脱手段」又は「前記枠を着脱手段とする前記通気パイプ着脱手段」である。「前記枠を支持する前記通気パイプ着脱手段」とは,「前記通気パイプ着脱手段が前記枠を支持している」ということである。「前記枠を着脱手段とする前記通気パイプ着脱手段」とは,「前記枠そのものが,枠であって,かつ,前記通気パイプ着脱手段でもある」ということである。
請求項5に記載の「請求項1から4のいずれかに記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項1から4のいずれかに記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項5に記載の発明に係る別の扇風機は,請求項5に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機であって,「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間に着脱部位を有さない扇風機」である。
請求項5に記載の発明に係る別の扇風機は,請求項5に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機であって,「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間に挟持部位を有さない扇風機」である。
請求項5に記載の「請求項1から4のいずれかに記載の扇風機」が有する通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項1から4のいずれかに記載の扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項5に記載の発明に係る別の扇風機は,前記のいずれかに記載の扇風機であって,「前記枠を支持又は着脱手段とする支柱着脱手段を有し,台座によって立設された支柱を前記支柱着脱手段に着脱できることを特徴とする請求項5に記載の扇風機」である。
請求項5に記載の発明に係る別の扇風機は,前記のいずれかに記載の扇風機であって,「前記枠を支持又は着脱手段とする支柱着脱手段を有し,挟持手段を備えた支柱を前記支柱着脱手段に着脱できることを特徴とする請求項5に記載の扇風機」である。
請求項6に記載の発明にあたっては,「前記枠を支持又は着脱手段とする支柱着脱手段と,台座によって立設された支柱を有し,前記支柱着脱手段に前記支柱を着脱できることを特徴とする請求項5に記載の扇風機」である。
前記「前記枠を支持又は着脱手段とする支柱着脱手段」は,「前記枠を支持する支柱着脱手段」又は「前記枠を着脱手段とする支柱着脱手段」である。「前記枠を支持する前記支柱着脱手段」とは,「前記支柱着脱手段が前記枠を支持している」ということである。「前記枠を着脱手段とする支柱着脱手段」とは,「前記枠そのものが,枠であって,かつ,支柱着脱手段でもある」ということである。
請求項6に記載の発明に係る別の扇風機が有する「支柱着脱手段」は,前記のいずれかの扇風機が有する支柱着脱手段であって,「台座によって立設された支柱を着脱できる着脱手段を有する部品」である。
請求項6に記載の「請求項5に記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項5に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項6に記載の「請求項5に記載の扇風機」が有する通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項5に記載の扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項7に記載の発明にあたっては,「前記支柱を装着した状態で前記通気パイプを着脱でき,かつ,前記通気パイプを装着した状態で前記支柱を着脱できることを特徴とする請求項6に記載の扇風機」である。
請求項7に記載の「請求項6に記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項6に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項7に記載の「請求項6に記載の扇風機」が有する通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項6に記載の扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項7に記載の「請求項6に記載の扇風機」が有する支柱着脱手段として利用できる別の支柱着脱手段は,請求項6に記載の扇風機が有する支柱着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する支柱着脱手段である。
請求項8に記載の発明にあたっては,「前記枠,前記枠と前記電動機の間,前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間,前記通気パイプ着脱手段,のいずれかにおいて可動部を有する請求項5から7のいずれかに記載の扇風機」である。
請求項8に記載の「請求項5から7のいずれかに記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項5から7のいずれかに記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項8に記載の「請求項5から7のいずれかに記載の扇風機」が有する通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項5から7のいずれかに記載の扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項8に記載の「請求項5から7のいずれかに記載の扇風機」が有する支柱着脱手段として利用できる別の支柱着脱手段は,請求項6から7のいずれかに記載の扇風機が有する支柱着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する支柱着脱手段である。
請求項8に記載の発明に係る別の扇風機が有する「可動部」は,請求項8に記載の可動部であって,「前記可動部に回転軸又は軸受を有する可動部」である。
請求項9に記載の発明にあたっては,「前記羽根車又は前記電動機に中空部を有し,前記中空部に前記通気パイプ又は前記通気パイプ着脱手段を通過させた状態で前記羽根車を駆動できることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」である。
請求項9に記載の「請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項5から8のいずれかに記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項9に記載の「請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」が有する通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項5から8のいずれかに記載の扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項9に記載の「請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」が有する支柱着脱手段として利用できる別の支柱着脱手段は,請求項6から8のいずれかに記載の扇風機が有する支柱着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する支柱着脱手段である。
請求項9に記載の「請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」が有する可動部として利用できる別の可動部は,請求項8に記載の扇風機が有する可動部であって,前記のいずれかの扇風機が有する可動部である。
請求項10に記載の発明にあたっては,「前記枠が支持する電動機が2以上であることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」である。
請求項10に記載の「請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項5から8のいずれかに記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項10に記載の「請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」が有する通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項5から8のいずれかに記載の扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項10に記載の「請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」が有する支柱着脱手段として利用できる別の支柱着脱手段は,請求項6から8のいずれかに記載の扇風機が有する支柱着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する支柱着脱手段である。
請求項10に記載の「請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」が有する可動部として利用できる別の可動部は,請求項8に記載の扇風機が有する可動部であって,前記のいずれかの扇風機が有する可動部である。
請求項11に記載の発明にあたっては,「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間にさらに着脱部位を有し,前記通気パイプ着脱手段と前記枠を相互に着脱できることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載の扇風機」である。
請求項11に記載の発明に係る別の扇風機は,請求項11に記載の扇風機であって,「前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において標準規格の端子を用いる扇風機」,「前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位においてユニバーサルシリアルバス規格の端子を用いる扇風機」,「前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において標準規格ではない端子を用いる扇風機」のいずれかを利用することができる。
請求項11に記載の発明に係る別の扇風機は,請求項11に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機であって,「前記通気パイプ着脱手段を離脱した前記枠には通気パイプの開口部を直接着脱できない扇風機」である。
請求項11に記載の「請求項5から10のいずれかに記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項5から10のいずれかに記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項11に記載の「請求項5から10のいずれかに記載の扇風機」が有する通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項5から10のいずれかに記載の扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項11に記載の「請求項5から10のいずれかに記載の扇風機」が有する支柱着脱手段として利用できる別の支柱着脱手段は,請求項6から10のいずれかに記載の扇風機が有する支柱着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する支柱着脱手段である。
請求項11に記載の「請求項5から10のいずれかに記載の扇風機」が有する可動部として利用できる別の可動部は,請求項8から10のいずれかに記載の扇風機が有する可動部であって,前記のいずれかの扇風機が有する可動部である。
請求項12に記載の発明にあたっては,「請求項1から11のいずれかに記載の扇風機を有する掃除機」である。
請求項12に記載の「請求項1から11のいずれかに記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項1から11のいずれかに記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項12に記載の「請求項1から11のいずれかに記載の扇風機」が有する通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項1から11のいずれかに記載の扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項12に記載の「請求項1から11のいずれかに記載の扇風機」が有する支柱着脱手段として利用できる別の支柱着脱手段は,請求項6から11のいずれかに記載の扇風機が有する支柱着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する支柱着脱手段である。
請求項12に記載の「請求項1から11のいずれかに記載の扇風機」が有する可動部として利用できる別の可動部は,請求項8から11のいずれかに記載の扇風機が有する可動部であって,前記のいずれかの扇風機が有する可動部である。
請求項13に記載の発明にあたっては,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において前記枠に着脱できる通気パイプ着脱手段」である。ただし,請求項13に記載の発明に係る通気パイプ着脱手段は,離脱時には前記枠を支持していなくてもよい。
請求項13に記載の発明に係る別の通気パイプ着脱手段は,「請求項11に記載の扇風機が有する前記通気パイプ着脱手段」,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において標準規格の端子を用いて前記枠に着脱できる通気パイプ着脱手段」,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位においてユニバーサルシリアルバス規格の端子を用いて記枠に着脱できる通気パイプ着脱手段」,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において標準規格ではない端子を用いて前記枠に着脱できる通気パイプ着脱手段」のいずれかである。
請求項13に記載の「請求項11に記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項11に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項13に記載の発明に係る通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において前記枠に着脱できる通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項14に記載の発明にあたっては,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において前記通気パイプ着脱手段に着脱できる扇風機」である。
請求項14に記載の発明に係る別の扇風機は,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記電動機と前記羽根車からなる扇風機」,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において標準規格の端子を用いて前記通気パイプ着脱手段に着脱できる扇風機」,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位においてユニバーサルシリアルバス規格の端子を用いて前記通気パイプ着脱手段に着脱できる扇風機」,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において標準規格ではない端子を用いて前記通気パイプ着脱手段に着脱できる扇風機」のいずれかである。
請求項14に記載の「請求項11に記載の扇風機」として利用できる別の扇風機は,請求項11に記載の扇風機であって,前記のいずれかの扇風機である。
請求項14に記載の発明に係る通気パイプ着脱手段として利用できる別の通気パイプ着脱手段は,請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において前記枠に着脱できる通気パイプ着脱手段であって,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段である。
請求項1に記載の発明によれば,「通気パイプ着脱手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できることを特徴とする扇風機」が提供される。これにより,掃除機に装着された通気パイプを該通気パイプ着脱手段に装着することによって,「該扇風機を該掃除機の通気パイプにしっかりと装着して利用できる効果」を得ることができる。
(しっかり装着できる効果)
請求項1に記載の発明の特筆すべき効果は,「扇風機を着けることを想定せずにすでに販売されている掃除機であっても扇風機をしっかりと装着できる効果」である。掃除機の通気パイプの開口部は他の通気パイプが装着されることを想定した形状適合部位を有しているが,扇風機が装着されることは本来は想定されていない。これに対し,請求項1に記載の発明は,該開口部の該形状適合部位を扇風機の装着に利用することで,「通気パイプどうしの装着と同じレベルの確実性でしっかりと扇風機を掃除機の通気パイプに装着できる効果」を得ることができる。
よって,「掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置を提供する」という課題をしっかりと解決することができる。
これに対し,もし,通気パイプの開口部の着脱部位を利用しないで,汎用の取付器具を使って扇風機を掃除機に着けた場合には,前記の効果を得ることができない。すでに販売されている掃除機の通気パイプは扇風機を着けることなど全く想定されていない。ほとんどの掃除機の通気パイプの表面はひっかかりの少ない滑らかな形状をしてるため,つるつる滑る。実際,本発明者は,汎用の取付器具を用いて扇風機を掃除機に取りけることを試みたが,掃除中の激しい動きに,ほとんどの取付器具は耐えきれず,扇風機の脱落を繰り返した。汎用の取付器具を用いる手段は,掃除機の通気パイプに扇風機をしっかりと着けることが難しく,請求項1に記載の発明と比較して遥かに不安定であり,前記の課題を解決することができない。
(向きを正しく装着できる効果)
本明細書において,「扇風機を通気パイプに着ける向き」及び「通気パイプの向き」は,ロール回転角(図5のロール回転軸140における角度)の向きである。
実施例7に記載の実験によれば,「重心が通気パイプの中心軸付近に位置しない扇風機を着けるときは,該扇風機と該通気パイプの向きを正しく着ける必要がある」という知見が得られている。
しかし,前記「向きを正しく着ける必要がある」という注意書きを取扱説明書に記載したとしても,掃除機や扇風機を購入するユーザのほとんどは,該取扱説明書を読まずに,機器の使用を開始してしまう傾向がある。このため,知識のない人であっても,掃除機に正しく着けることができる「専用の扇風機」を提供することが課題となっている。
請求項1に記載の発明によれば,「通気パイプ着脱手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できることを特徴とする扇風機」が提供される。これにより,該扇風機が有する通気パイプ着脱手段と掃除機の通気パイプの間の着脱部位において,以下に述べる「掃除機が有するふたつの通気パイプの間の着脱部位が有する効果」のすべてを継承できる効果を得ることができる。
最近のほとんどの掃除機が有するふたつの通気パイプの間では,相互に通気パイプの向きをそろえて装着しやすいように,通気パイプの表面が複数の色で塗り分けてあるなど,通気パイプの向きが分かりやすいように視覚的な工夫が施されている。また,目の不自由な人にも通気パイプの向きが分かるように,通気パイプの一方向の側面が盛り上った形にしてあるなど,形状的にも工夫が施されている。また,ほとんどの掃除機では,ふたつの通気パイプの間の向きが一致するまでは完全に装着されず,一致したときにだけ離脱防止機構が働いて完全に装着され,「カチッ」という音と感触によって完全に装着されたことが分かるように工夫が施されている。このため,取扱説明書を読まない人であっても,ふたつの通気パイプの間の着脱部位では「相互に向きをそろえて正しい方向で装着できる効果」を得ることができ,さらに,「着け外しを繰り返しても,毎回正しく,再現性をもって,確実かつ簡単に着けることができる効果」を得ることができている。これらの効果は,「掃除機が有するふたつの通気パイプの間の着脱部位が有する効果」である。
請求項1に記載の発明によれば,「通気パイプ着脱手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できることを特徴とする扇風機」が提供されることにより,「請求項1に記載の発明に係る扇風機が有する効果」として,前記「掃除機が有するふたつの通気パイプの間の着脱部位が有する効果」を継承することができ,前記「相互に向きをそろえて正しい方向で装着できる効果」を継承できる効果を得ることができる。このため,請求項1に記載の発明に係る扇風機は「正しい方向で該扇風機を通気パイプに装着できる効果」を得ることができる。よって,「知識のない人であっても,掃除機に正しく着けることができる専用の扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
(再現性をもって装着できる効果)
汎用の取付器具を用いて扇風機を通気パイプに着けた場合は,着ける位置が決まっていないために,着ける位置や着ける向きが毎回変動する。着ける向きが傾いていると見栄えが悪くなり,工業製品としての価値も下がる。また,着ける向きが変動することで重心の位置が毎回変動すると,該掃除機を操作する手にSHIRストレスをかける原因にもなる。このため,着け外しを繰り返しても,毎回正しく,再現性をもって,確実かつ簡単に着けることができる扇風機を提供することが課題となっている。
請求項1に記載の発明によれば,「通気パイプ着脱手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できることを特徴とする扇風機」が提供されることにより,「請求項1に記載の発明に係る扇風機が有する効果」として,前記「掃除機が有するふたつの通気パイプの間の着脱部位が有する効果」を継承できる効果を得ることができる。よって,着け外しを繰り返しても,毎回正しく,再現性をもって,確実かつ簡単に着けることができる扇風機を提供するという課題を解決することができる。
(適合性チェック効果)
さらに,請求項1に記載の発明では,「通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できること」を特徴とすることにより,「適合性チェック効果」という特筆すべき効果を得ることができる。この効果は,通気パイプの開口部の着脱部位を利用しない他の方法では得られない効果であることを以下に述べる。
通気パイプの開口部における「着脱」は,形状の相補性によって,「着脱相手でないものは装着しにくい特徴」がある。着脱相手でないものは,差し込むことができないか,差し込んでも隙間があいて空気が漏れることにより掃除機として機能しなくなるなど,掃除機に特有の制限が働くことで,無理な装着をユーザに断念させる効果を得ることができる。
通気パイプの形状には統一された規格はなく多様である(以下,「通気パイプの形状多様性」とよぶ)。このため,異なる製造業者の通気パイプの開口部を相互に着脱できることは稀である。特に,最近の掃除機は,通気パイプの開口部に離脱防止機構や電極を備えており,異なる製造業者の製品の開口部が偶然に形状適合してしまうことは皆無である。また,同じ製造業者の掃除機であっても,異なるタイプの掃除機の通気パイプの開口部の形状は異なっており,間違った装着がされにくい状況にある。
すなわち,「通気パイプの開口部を着脱できること」を特徴とすることによって,「開口部が形状適合する通気パイプのみを着脱できること」という特徴が必然的に付与される。
請求項1に記載の発明では,「通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できることを特徴とする」ことにより,この「通気パイプの形状多様性」を積極的に利用して,掃除機と扇風機の間の「適合性チェック効果」を働かせることが可能となる。
この効果を利用することにより,「扇風機と掃除機のあらゆる組み合わせのうちから,安全面でメーカが許容できる組み合わせのみに着脱を限定することが可能になる効果」を得ることができる。
よって,「掃除機と扇風機の組み合わせにおいて,安全面でメーカが許容できる組み合わせのみに限定して着けることを可能とし,ユーザが誤って重心や電源容量の適合しない組み合わせを着けてしまう危険性を排除する」という課題を解決することができる。
以上の効果により,請求項1に記載の発明で解決しようとする4つの課題はすべて解決することができる。
さらに,請求項1に記載の発明では,「通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できること」を特徴とすることにより,前記の(1)しっかり装着できる効果,(2)向きを正しく装着できる効果,(3)再現性をもって装着できる効果,(4)適合性チェック効果,に加えて,以下に述べる(5)重心制御効果,(6)離脱防止効果,(7)電源制御効果,(8)安全性担保効果,という8つの特筆すべき効果が付与される。これらの効果は,通気パイプの開口部の着脱部位を利用しない他の方法では得られない効果であることを以下に述べる。
(重心制御効果)
実施例7に記載の実験によれば,SHIRストレスの解消方法として,「扇風機全体の重心の位置をハンドルからロール回転角180度の方向に位置させる方法」と,「重りを用いて扇風機全体の重心の位置を通気パイプの中心軸付近に位置させる方法」の2つの方法が有効であるという新規の知見が得られている。また,「重心が通気パイプの中心軸付近に位置しない扇風機を着けるときは,該扇風機と該通気パイプの向きを正しく着ける必要がある」という別の新規な知見も得られている。
請求項1に記載の発明によれば,「通気パイプ着脱手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できることを特徴とする扇風機」が提供される。これにより,「前記扇風機が前記通気パイプにより支持される効果」,「前記扇風機が有する電動機が前記通気パイプにより支持される効果」,「前記扇風機の重心の位置が前記通気パイプにより支持される効果」,及び,「前記扇風機の重心の位置が前記通気パイプから相対的に固定される効果」を得ることができ,以下,これらを「重心制御効果」とよぶ。
前記「重心制御効果」によって,「前記扇風機が前記通気パイプにより支持されることを特徴とする扇風機」,「前記扇風機が有する電動機が前記通気パイプにより支持されることを特徴とする扇風機」,「前記扇風機の重心の位置が前記通気パイプにより支持されることを特徴とする扇風機」,及び,「前記扇風機の重心の位置が前記通気パイプから相対的に固定されることを特徴とする扇風機」を提供することができる。
特筆すべき相乗効果として,前記「重心制御効果」と前記「再現性をもって装着できる効果」の間の相乗効果により,ユーザが該扇風機を通気パイプに装着するときは,毎回確実に,該扇風機の重心の位置が前記通気パイプから相対的に固定されて装着できる効果を得ることができる。これに対し,請求項1に記載の発明を用いない「汎用の取付器具」による手段は,ユーザの着け方に大きく依存するため,前記の相乗効果を確実に得ることは困難である。
また,ユーザによる掃除機の通常の操作において,掃除機の先端に着けられたヘッドの向きを変えるために,掃除機のハンドルをひねる「回転動作」が多発する。そして,このときの回転動作の回転軸は,前記ヘッドと前記ハンドルの間に位置する通気パイプの中心軸とほぼ重なる傾向にある。しかし,実際に回転させやすい回転動作の回転軸は,慣性モーメントが最小となる回転軸であり,「前記通気パイプと前記扇風機を合わせた全体の重心を通り,かつ,前記ひねる回転動作に力を与える手が握るハンドルを通る直線」を通る回転軸である。このため,前記通気パイプの中心軸と実際に回転させやすい回転軸は必ずしも一致しない。
扇風機を装着した通気パイプの慣性モーメントが最小となる回転軸は,前記ヘッドを床面から離して回転させたときの回転軸であることから,該回転軸を計測することは当業者にとって容易に実施できる。また,扇風機が有する通気パイプ着脱手段の位置を該扇風機内で動かすことで該扇風機の重心の位置を動かすことも当業者にとって容易に実施できる。よって,該位置を動かして,実際に回転させやすい回転軸が前記通気パイプの中心軸(より厳密には「前記ヘッドの回転可動部と前記ハンドルを握る手の手首を結ぶ軸又は通過する直線」)と一致するように調整することは当業者にとって容易に実施できる。そして,請求項1に記載の発明によれば,前記「適合性チェック効果」によって,該扇風機を着けることができる掃除機の機種が限定されるため,「前記調整に用いた扇風機の機種と掃除機の機種の組み合わせと同じ組み合わせでユーザに装着させる効果」を得ることができる。このため,「掃除機の機種に合わせて,該扇風機と該通気パイプの全体の重心が前記ひねる回転動作の回転軸に正確に位置するように調整された扇風機を提供できる効果」を得ることができる。
前記「掃除機の機種に合わせて,該扇風機と該通気パイプの全体の重心が前記ひねる回転動作の回転軸に正確に位置するように調整された扇風機を提供できる効果」によって,実施例7より得られた知見に基づき,SHIRストレスを発生させにくい扇風機を提供することができる。すなわち,請求項1に記載の発明の効果により,「前記通気パイプの中心軸とハンドルを通過する平面に前記扇風機の重心が位置することを特徴とする扇風機」,「前記通気パイプの中心軸付近に前記扇風機の重心が位置することを特徴とする扇風機」,「前記通気パイプの軸近傍空間に前記扇風機の重心が位置することを特徴とする扇風機」の少なくともいずれか1つを容易に提供することができる。
すなわち,請求項1に記載の発明を利用することで,前記「SHIRストレスを発生させにくい扇風機」を提供することは,当業者にとって容易に実施可能である。
よって,請求項1に記載の発明に係る「通気パイプ着脱手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できることを特徴とする扇風機」を利用することによって,「手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機を提供することができる効果」を得ることができる。
さらに,請求項1に記載の発明では,「通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できることを特徴とする」ことによって,請求項3の効果で述べる「離脱防止効果」を得ることができ,また,請求項4の効果で述べる「電源制御効果」を得ることができる。
以上の効果よって,ユーザの間違った利用によって発生する事故のリスクを最小化できるため,扇風機を製造販売するメーカにとっても,「扇風機をつけた掃除機」という新しい事業分野に事業を拡大しやすくなる効果を得ることができる(本明細書では,この効果を「安全性担保効果」とよぶ)。
よって,扇風機と掃除機を別々の製品として提供してきた家電メーカにとって,新たな「扇風機付き掃除機」の事業を展開できるようにすることで,扇風機事業と掃除機事業の相乗効果を生み出せる製品を提供できる効果を得ることができる。
以上の効果は,通気パイプの開口部の着脱部位を利用しない汎用の取付器具を使った装着から得られる安全性よりも遥かに高いレベルの安全性を提供する。
すなわち,通気パイプの開口部の着脱部位を利用した着脱手段の効果は,他の手段を利用した場合の効果を遥かに超えるものであるから,仮に,汎用の取付器具等で扇風機を通気パイプに着ける先行事例があったとしても,本発明の新規性と進歩性を喪失させるものではない。
なお,請求項1に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例1と2と4と5と6と10で説明する。
また,市販されている掃除機では,ひとつの掃除機に複数の通気パイプが付属していることがほとんどである。さらに,ひとつの掃除機に付属する通気パイプであれば,いかなる部分のパイプであっても相互に着脱して利用できるように,機種内で通気パイプの着脱部位の形状が共通化されていることがほとんどである(以下,「通気パイプの機種内共通性」とよぶ)。
請求項2に記載の発明によれば,「前記通気パイプ着脱手段に2以上の通気パイプを着脱できることを特徴とする請求項1に記載の扇風機」が提供される。これにより,前記の「通気パイプの機種内共通性」を積極的に利用して,掃除機が有する通気パイプの間の任意の着脱部位に対して,請求項2に記載の発明に係る扇風機が有する通気パイプ着脱手段を挿入できる効果を得ることができる。
これにより,掃除機を操作するためのハンドルを備えた通気パイプの近くの着脱部位に,請求項2に記載の扇風機を挿入して使用することができ,掃除中は,常に,人体の近くで扇風機を稼働させることが可能になる効果を得ることができる。よって,掃除機のハンドルの近くに無理なく装着できる扇風機を提供するという課題を解決することができる。
さらに,以下の例に示すように,通気パイプを交換しながら使用しても,手首への負担をほとんどかけずに済む効果を得ることができる。
例えば,「ハンドルを有する通気パイプA」と,「先端の長い通気パイプB」があり,これらを相互に装着したA+Bの状態で使用されている掃除機において,請求項2に記載の発明に係る扇風機が有する通気パイプ着脱手段Xを挿入して,A+X+Bの状態で使用することができる(ただし,本明細書においてアルファベットの間における「+」はその間において装着または支持している状態にあることを示す)。ここで,通気パイプBの代わりに,「先端の短い通気パイプC」を装着して使用する場合,該扇風機を残した状態で通気パイプCを使用したければ,XからBを離脱させてからXにCを装着することでA+X+Cとすることができ,また,該扇風機を外した状態で通気パイプCを使用したければ,AからXを離脱させてからAにCを装着することでA+Cとすることができ,いずれの場合でも,離脱操作1回と装着操作1回の,合計2回の着脱操作だけで完了する。
以上の効果により,着け外しにかかる作業の負担が少ない扇風機を提供するという課題を解決することができる。
これに対し,もし,汎用の取付器具を使用して,扇風機を通気パイプBに直接着けていたならば,AからBを離脱させてからAにCを装着する合計2回の着脱操作に加え,さらに,通気パイプBから該扇風機を外し,通気パイプCに着ける操作が発生する。このとき,通気パイプCが短すぎて着けられない恐れもあり。また,着ける際に重心がずれて手を痛める恐れもある。
すなわち,2以上の通気パイプを着脱できることを特徴とする通気パイプ着脱手段を利用した効果は,他の手段を利用した場合の効果を遥かに超えるものである。
よって,請求項2に記載の発明で解決しようとする2つの課題はすべて解決することができる。
さらに,特筆すべき効果としては,「扇風機を装着しても,掃除機の本来の機能を損なわない効果」である。掃除機が有する2つの通気パイプの間に請求項2に記載の発明に係る扇風機が有する通気パイプ着脱手段を挿入した状態でも,前記通気パイプ着脱手段を挟んで装着される該2つの通気パイプが直線状に配置されることにより,掃除機を操作する手首への負担をほとんど増加させることなく利用できる効果を得ることができる。よって,「掃除機に扇風機を着けても,手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機を提供できる効果」を得ることができる。
なお,請求項2に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例1と2と6と10で説明する。
(離脱防止効果)
また,掃除機の通気パイプには離脱防止機構が設けられているものが主流になりつつある。前記離脱防止機構は,同じ掃除機の通気パイプであれば,いかなるパイプであっても相互に利用できるように,機種内で共通化されていることがほとんどである(以下,「離脱防止機構の機種内共通性」とよぶ)。
請求項1の発明に係る通気パイプ着脱手段は,通気パイプの開口部を装着できることを特徴とするため,通気パイプの開口部に位置する離脱防止機構と接触して,これを利用することが可能である。
請求項3に記載の発明によれば,「前記通気パイプ着脱手段に離脱防止機構を有する請求項1又は2に記載の扇風機」が提供される。これにより,掃除機が有するふたつの通気パイプの間のいかなる着脱部位においても,請求項3に記載の発明に係る扇風機が有する通気パイプ着脱手段を装着でき,かつ,通気パイプとの間で離脱防止機構を働かせることが可能となる効果を得ることができる。よって,掃除機に扇風機を確実に着けて落下を防ぐことができ,かつ,外すときは簡単に外すことができる「離脱防止機構」を有する扇風機を提供するという課題を解決することができる。
これに対し,もし,汎用の取付器具を使用して,扇風機を通気パイプBに着けていたならば,通気パイプBと該扇風機の間で前記離脱防止機構を働かせることができない。また,離脱を防止する目的で,前記汎用の取付器具をきつく締めて固定するなどした場合は,外すことが困難になり,通気パイプBから通気パイプCに交換することが大変な作業となってしまう。さらに,交換によって,前記汎用の取付器具の締め付けをうっかり弱くしてしまった場合,使用中に落下してしまう恐れもあり,危険である。
すなわち,通気パイプ着脱手段に離脱防止機構を有することを特徴とする通気パイプ着脱手段を利用した効果は,他の手段を利用した場合の効果を遥かに超えるものである。
なお,請求項3に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例1と3と4で説明する。
掃除機の通気パイプに存在する電気伝導体は,人の手に接触して感電させることがないように配慮されており,通気パイプの内部に埋没して存在している。このため,通気パイプの外に位置する扇風機に対して,該通気パイプに流れる電気を供給することは通常は困難である。
これに対し,請求項1の発明に係る通気パイプ着脱手段は,通気パイプの開口部を装着できることを特徴とするため,通気パイプの開口部に位置する電極と接触可能である。
(電源制御効果)
請求項4に記載の発明によれば,「前記通気パイプが有する電極と接触可能な電極を前記通気パイプ着脱手段に有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の扇風機」が提供される。これにより,以下に述べる「給電機能」と「通電機能」と「安全機能」と「制御機能」の4機能を兼ね備えた前記通気パイプ着脱手段が提供される。
「給電機能」は,請求項4に記載の発明に係る扇風機に電気を供給する機能であり,該通気パイプに存在する電気伝導体に流れる電気を,前記通気パイプ着脱手段の電極を介して該扇風機に供給することで該扇風機に電池等の独立電源がなくても使用できる扇風機を提供できる効果を得ることができる。よって,「電池がなくても使用できる扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
「通電機能」は,請求項2に記載の特徴と,請求項4に記載の特徴との間の相乗効果によってもたらされる効果であり,前記「2つの通気パイプの間に挿入できる通気パイプ着脱手段」が「通気パイプが有する電極と接触可能な電極を通気パイプ着脱手段に有することを特徴とする」ことにより,該通気パイプ着脱手段が挿入された2つの通気パイプの間を流れる電流を絶縁させずに通電状態を維持したまま使用できる効果を得ることができる。
すなわち,前記の給電機能と通電機能により,前記通気パイプ着脱手段を2つの通気パイプの間に挿入した場合であっても,それら2つの通気パイプの間の通電を絶縁させることなく,かつ,前記扇風機にも電気を供給できるようになる効果を得ることができる。
「安全機能」は,請求項1に記載の特徴と,請求項3に記載の特徴と,請求項4に記載の特徴との間の相乗効果によってもたらされる効果である。すなわち,通気パイプを装着することで,該通気パイプの開口部にある電極は前記通気パイプ着脱手段の形状適合部位によって覆い隠されるため,該電極は外部に露出せず,手に触れることなく,感電の恐れがない。そして,この装着状態が離脱防止機構によって維持されるため,安全に使用することができる効果を得ることができる。
「制御機能」は,扇風機の電源のオンオフを掃除機の電源のオンオフと連動させる機能であり,手作業で電源を操作する負担を軽減させる効果を得ることができる。これは,通気パイプを経由してパワーブラシに供給される電気のオンオフが,掃除機の電源のオンオフと連動していることから,請求項4に記載の電極を介して扇風機に給電される電気も掃除機の電源のオンオフに連動するという特徴を利用したものである。よって,掃除機に扇風機を着けても,手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機を提供するという効果を得ることができる。
以上の4つの機能である「給電機能」,「通電機能」,「安全機能」,「制御機能」は,請求項1から4に記載の特徴によって得られる相乗効果であるため,これらを総括して,本明細書では「電源制御効果」とよぶ。
なお,請求項4に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例1と2と3と6と11で説明する。
請求項5に記載の発明によれば,「羽根車と,前記羽根車を駆動する電動機と,前記電動機を支持する枠と,前記枠を支持又は着脱手段とする前記通気パイプ着脱手段を有する請求項1から4のいずれかに記載の扇風機」が提供される。これにより,該扇風機の羽根車を駆動する電動機を支持する枠を支持又は着脱手段とする通気パイプ着脱手段に装着された通気パイプを装着した掃除機によって,扇風機全体が掃除機によって支持されるため,それ以外の付属品を使用しないで済む効果を得ることができる。よって,「通気パイプに着けたときに,台座や支柱などの余計な付属部品がついていない軽い扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
請求項6に記載の発明によれば,「前記枠を支持又は着脱手段とする支柱着脱手段と,台座によって立設された支柱を有し,前記支柱着脱手段に前記支柱を着脱できることを特徴とする請求項5に記載の扇風機」が提供される。これにより,台座によって立設された支柱を請求項6に記載の発明に係る扇風機の支柱着脱手段に装着することで,該扇風機の羽根車を駆動する電動機を支持する枠を支持又は着脱手段とする支柱着脱手段を支持する支柱を立設する台座によって,扇風機全体が支持されるようになり,該扇風機を床面等に自立させて利用できる「据置型扇風機」として提供できる効果を得ることができる。さらに,掃除機に装着するときは支柱と台座を離脱させて装着できるため,該扇風機全体の重量を軽くすることができ,手首に負担がかかりにくい効果を得ることができる。よって,「床面等に自立させて安定的に使用できる据置型扇風機でありながら,掃除機に着けても手首に負担がかかりにくい扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
なお,請求項6に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例3と4で説明する。
請求項7に記載の発明によれば,「前記支柱を装着した状態で前記通気パイプを着脱でき,かつ,前記通気パイプを装着した状態で前記支柱を着脱できることを特徴とする請求項6に記載の扇風機」が提供される。
これにより,前記支柱に装着されて「据置型扇風機」として使用されている前記扇風機に対し,最初に,掃除機の通気パイプを装着し,次に,前記支柱を離脱させることで,前記扇風機を安全に掃除機に装着することができる効果を得ることができる。
また逆に,前記通気パイプに装着されて「掃除機に装着された扇風機」として使用されている前記扇風機に対し,最初に,前記支柱を装着し,次に,前記通気パイプを離脱させることで,前記扇風機を安全に据置型扇風機に戻すことができる効果を得ることができる。
例えば,「電動機を支持する枠F」と,「支柱着脱手段Y」と,「支柱S」があり,YにSを装着した状態の扇風機F+Y+Sが,据置型扇風機として床面に自立して使用されている状況を想定する(請求項5,6に記載の手段を使用)。
この状況に対し,ユーザは,前記扇風機を「掃除機のハンドルを有する通気パイプA」に装着して使用するためには,次の2ステップの着脱操作を行えばよい。
最初に,ユーザはAのハンドルを握った状態で,これに「前記扇風機の通気パイプ着脱手段X」を差込むことで装着し,A+X+F+Y+Sの装着状態を形成する(請求項1に記載の手段を使用)。このとき,AとXの間の装着において,前記離脱防止機構が自動的に働き,扇風機がAから離脱することを防止する(請求項3に記載の手段を使用)。
次に,ユーザはYからSを離脱させ,ハンドルを握ったまま引抜くことで,「掃除機のハンドルを有する通気パイプに装着された扇風機A+X+F」を得ることができ,目的の装着を完了することができる(請求項1に記載の手段を使用)。
そして,もしユーザが望めば,さらに,これに「先端の長い通気パイプB」をXのもうひとつの開口部に装着してA+X+BかつX+Fとすることもできる(請求項2に記載の手段を使用)。また,このとき,扇風機への給電を掃除機から行うことができる(請求項4に記載の手段を使用)。
また,逆に,掃除機に装着された扇風機を,据置型扇風機に戻すときは,次の2ステップの着脱操作を行えばよい。
最初に,ユーザは,「掃除機のハンドルを有する通気パイプに装着された扇風機A+X+F」のハンドルを持って,A+X+FのFを支持する支柱着脱手段Yに支柱Sを差込むことで装着し,A+X+F+Y+Sの装着状態を形成する(請求項6に記載の手段を使用)。
次に,ユーザは,前記ハンドルの近くに設置されたボタンを押して,A+Xの間の離脱防止機構を解除し,前記ハンドルを握ったままAを引抜くことで,据置型扇風機F+Y+Sを得ることができる(請求項3に記載の手段を使用)。
以上の操作は,請求項1から6に記載の手段を連携させて実現されており,「差込む」「引抜く」「ボタンを押す」などの簡単な操作のみで完了する。このため,扇風機そのものを直接手で持つ必要なく,扇風機の着け替えを完了できる効果を得ることができる。さらに,請求項7に記載の特徴によって,SとAが干渉することなく,A+X+F+Y+Sの装着状態を形成できるため,扇風機の着け替えをより一層安全に完了できる効果を得ることができる。
よって,「据置型扇風機を簡単な操作で掃除機に着け替えることができ,着け替え作業中に誤って扇風機を落下させることなく,かつ,扇風機のファンガードに触れることなく,掃除機のハンドルを握った状態で安全かつ確実に着け替えることができ,さらに,掃除機から扇風機を外して据置型扇風機に着け替え戻す作業においても同様の安全性を確保できる扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
さらに,これにより,据置型扇風機を簡単な操作で掃除機に着ける方法が提供される。すなわち,
「支柱と通気パイプのそれぞれを着脱できる扇風機を用いて,支柱を装着した該扇風機に,通気パイプを装着して,支柱と通気パイプの両方を装着した扇風機を得る方法」,
「支柱と通気パイプのそれぞれを着脱できる扇風機を用いて,通気パイプを装着した該扇風機に,支柱を装着して,支柱と通気パイプの両方を装着した扇風機を得る方法」,
「支柱と通気パイプのそれぞれを着脱できる扇風機を用いて,支柱と通気パイプの両方を装着した該扇風機から,支柱を離脱させて,通気パイプを装着した扇風機を得る方法」,
「支柱と通気パイプのそれぞれを着脱できる扇風機を用いて,支柱と通気パイプの両方を装着した該扇風機から,通気パイプを離脱させて,支柱を装着した扇風機を得る方法」が提供され,
さらに,「支柱と通気パイプのそれぞれを着脱できる扇風機を用いて,支柱を装着した該扇風機に,通気パイプを装着して,支柱と通気パイプの両方を装着した扇風機を得て,次に該扇風機から支柱を離脱させて,通気パイプを装着した扇風機を得る方法」,
「支柱と通気パイプのそれぞれを着脱できる扇風機を用いて,通気パイプを装着した扇風機に,支柱を装着して,支柱と通気パイプの両方を装着した扇風機を得て,次に該扇風機から通気パイプを離脱させて,支柱を装着した扇風機を得る方法」が提供され,
さらに,「前記通気パイプと前記扇風機の着脱おいて,離脱防止機構を有する着脱手段を使用する前記に記載のいずれかの方法」が提供される。
これにより,着け替え作業中に誤って扇風機を落下させることなく,かつ,扇風機のファンガードに触れることなく,掃除機のハンドルを握った状態で安全かつ確実に着け替える方法が提供され,さらに,掃除機から扇風機を外して据置型扇風機に着け替え戻す作業においても同様の安全性を確保できる方法が提供される。
なお,請求項7に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例4で説明する。
請求項8に記載の発明によれば,「前記枠,前記枠と前記電動機の間,前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間,前記通気パイプ着脱手段,のいずれかにおいて可動部を有する請求項5から7のいずれかに記載の扇風機」が提供される。また,前記のいずれかの扇風機が有する可動部であって,「前記可動部に回転軸又は軸受を有する可動部」を有する前記のいずれかの扇風機も提供される。これにより,該扇風機を掃除機の通気パイプに装着して使用している状態において,該通気パイプと該電動機の間で可動部が動くことにより,該電動機が駆動する羽根車の向きを変えることができるため,該扇風機の送風方向を,該通気パイプに対して相対的に変えることができる効果を得ることができる。よって,「掃除機の通気パイプに装着された扇風機の送風方向を,人体の様々な部位に向けて送風できる扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
なお,請求項8に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例1と2と5で説明する。
請求項9に記載の発明によれば,「前記羽根車又は前記電動機に中空部を有し,前記中空部に前記通気パイプ又は前記通気パイプ着脱手段を通過させた状態で前記羽根車を駆動できることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」が提供される。これにより, 該扇風機の中心を通気パイプが通過しているため,該通気パイプから最も飛び出している部分までの距離が短くなる効果を得ることができる。よって,「掃除機の通気パイプをひねった際に,扇風機が振り回されて壁などに激突する恐れが少ないコンパクトな扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
なお,前記中空部に通気パイプを通過させることにより,該扇風機の重心を該扇風機に装着された通気パイプの軸近傍空間に位置させることができる効果を得ることができ,掃除機に扇風機を着けても,手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機を提供するという効果を得ることができる。
なお,請求項9に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例1と2で説明する。
請求項10に記載の発明によれば,「前記枠が支持する電動機が2以上であることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の扇風機」が提供される。これにより,実施例5に示すように,小型の安価な単扇風機を組み合わせて,より大きな扇風機を構成することができる。また,各単扇風機に可動部を持たせることで,各単扇風機を様々な方向に向けて送風できる効果を得ることができる。よって,「安価な小型の扇風機を利用しつも,身体の広い範囲に向けて送風できる扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
なお,電動機が2以上の場合において,実施例5に記載の配置方法を用いることにより,扇風機の重心を該扇風機に装着された通気パイプの軸近傍空間に位置させることができる効果を容易に得ることができる。よって,掃除機に扇風機を着けても,手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機を容易に提供できる効果を得ることができる。
なお,請求項10に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例5,13,15,16で説明する。
請求項11に記載の発明によれば,「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間にさらに着脱部位を有し,前記通気パイプ着脱手段と前記枠を相互に着脱できることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載の扇風機」が提供される。これにより,扇風機のメーカは各掃除機の種類に合わせてアダプタ(請求項11に記載の着脱部位で離脱された通気パイプ着脱手段を有する部品)を用意すれば,同じ扇風機を再利用して,各掃除機に専用の扇風機を提供することができる効果を得ることができる。よって,「扇風機のメーカに対して,製造コストを下げることができる扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
なお,請求項11に記載の発明による特筆すべき効果については,実施例10で詳しく説明する。また,請求項11に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例6で説明する。
請求項12に記載の発明によれば,「請求項1から11のいずれかに記載の扇風機を有する掃除機」が提供される。これにより,掃除機のメーカにとっては,該掃除機に装着できる扇風機を該掃除機と一緒に販売できる効果を得ることができ,掃除機の付加価値をより一層高める効果を得ることができる。また,これまで,扇風機と掃除機を別々の製品として提供してきた家電メーカにとって,扇風機事業と掃除機事業の相乗効果を生み出せる製品を提供することができる効果を得ることができ,新たな「扇風機付き掃除機」の事業を展開していくことができる効果を得ることができる。よって,「ユーザに対して,扇風機が搭載された掃除機として一括購入できる製品を提供する」という課題を解決することができる。
請求項13に記載の発明によれば,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において前記枠に着脱できる通気パイプ着脱手段」が提供される。これにより,扇風機のメーカは各掃除機の種類に合わせた該通気パイプ着脱手段をアダプタとして別途販売すれば,各掃除機に専用の扇風機を提供することができる効果を得ることができるため,ユーザが,旧掃除機とは異なる種類の新掃除機に買い替えたときに,ユーザは前記アダプタを新掃除機に適合したものに買い替えるだけで,旧掃除機で使用していた扇風機を新掃除機に装着して使用できるようになる効果を得ることができる。よって,「扇風機のユーザに対して,掃除機を買い替えたときの扇風機の購入コストを下げることができる扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
なお,請求項13に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例6と10と11で説明する。
請求項14に記載の発明によれば,「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において前記通気パイプ着脱手段に着脱できる扇風機」が提供される。これにより,扇風機のメーカは該扇風機と該通気パイプ着脱手段を別々の製品として販売できる効果を得ることができる。ユーザが,該扇風機が壊れたときに,請求項14に記載の扇風機の部分だけ買い替えるだけで,請求項13に記載の通気パイプ着脱手段は買わなくて済む効果を得ることができる。よって,「扇風機のユーザに対して,扇風機が壊れたときの扇風機の購入コストを下げることができる扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
なお,請求項14に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例6と10で説明する。
請求項15の発明によれば,「支柱と通気パイプのそれぞれを着脱できる扇風機を用いて,支柱を装着した該扇風機に,通気パイプを装着して,支柱と通気パイプの両方を装着した扇風機を得て,次に該扇風機から支柱を離脱させて,通気パイプを装着した扇風機を得る方法」が提供される。これにより,該扇風機を常に床面に立設された支柱又は通気パイプのハンドルで支えることができ,扇風機を直接支えることなく着け替え作業を行うことができる。よって,「据置型扇風機から支柱を外して掃除機に着け替える作業中に,該扇風機を直接手で支える動作が一切必要なく,該掃除機のハンドルを握った状態でも着け替えることができる方法を提供する」という課題を解決することができる。また,逆の手順を踏むことで,掃除機から扇風機を外して支柱をつけた据置型扇風機に着け替え戻す作業中に,該扇風機を直接手で支える動作が一切必要なく,該掃除機のハンドルを握った状態でも着け替えできる方法を提供する効果を得ることもできる。
なお,請求項15に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例4で説明する。
請求項16の発明によれば,「前記通気パイプと前記扇風機の着脱おいて,離脱防止機構を有する着脱手段を使用する請求項15に記載の方法」が提供される。これにより,実施例4に記載の「扇風機の着け替え」を安全に行うことができる。よって,「扇風機の着け替え作業中に,誤って該扇風機を落下させることなく,安全かつ確実に着ける方法を提供する」という課題を解決することができる。
なお,請求項16に記載の発明を実施するための形態ついては,実施例4で説明する。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「差込による着脱手段」である手段によれば,差込むだけで毎回正しく着けることが簡単に装着できる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「ねじる着脱手段」である手段によれば,ねじることで確実に装着できて離脱を防止する特徴を有し落下しにくい装着を得る効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「ねじらない着脱手段」である手段によれば,ねじる必要なく毎回正しく着けることが簡単にできる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「装着によって支持される着脱手段」によれば,前記扇風機を前記通気パイプに支持させる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「前記開口部を空気の漏れ出る隙間なく装着できる通気パイプ着脱手段」によれば,前記開口部と該通気パイプ着脱手段の間の装着部位において空気が漏れ出る隙間がないため,掃除機の通気パイプとして装着して使用できることが明確に分かる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「ふたつの通気パイプの間の着脱部位を着脱できる通気パイプ着脱手段」によれば,掃除機のふたつの通気パイプを相互に装着する方法と同じ方法で装着できる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「1以上の通気パイプのオス開口部又はメス開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」,「1以上の通気パイプのオス開口部およびメス開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」,「1以上の通気パイプのオス開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」,「1以上の通気パイプのメス開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」のいずれかである着脱手段によれば,ふたつの通気パイプを相互に装着する方法と同じ方法で装着できる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「筒状体を有することを特徴とする通気パイプ着脱手段」,「筒状体を有し,該筒状体の開口部を着脱部位とする通気パイプ着脱手段」,「筒状体を有し,該筒状体の開口部に通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」のいずれかである着脱手段によれば,掃除機の通気パイプが有する特徴を有する着脱手段であるため,ふたつの通気パイプを相互に装着する方法と同じ方法で装着できることが分かりやすい効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「通気パイプを有することを特徴とする通気パイプ着脱手段」,「通気パイプを有し,該通気パイプの開口部を着脱部位とする通気パイプ着脱手段」,「通気パイプを有し,該通気パイプの開口部に通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段」のいずれかである着脱手段によれば,掃除機の通気パイプを有する着脱手段であるため,ふたつの通気パイプを相互に装着する方法と同じ方法で装着できることがよりはっきりと分かりやすい効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する通気パイプ着脱手段であって,前記「掃除機稼働時に陰圧の空気が存在する空間を大気圧の空気が存在する空間から仕切る筒状の壁を有することを特徴とする通気パイプ着脱手段」である着脱手段によれば,掃除機の通気パイプとして装着して使用できることが明確に分かる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機であって,「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間に着脱部位を有さない扇風機」によれば,前記通気パイプ着脱手段が前記枠から離脱しないため,前記通気パイプ着脱手段だけを紛失して使えなくなるということが起きない効果を得ることができる。また,着脱部位がないため,該着脱部位で電極が露出することがなく,安全性が高まる効果を得ることができる。また,部品が少ない分だけ,軽量化できる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機であって,「該扇風機の重心が該扇風機に装着された通気パイプの軸近傍空間又は通気パイプ着脱手段の軸近傍空間に位置することを特徴とする扇風機」によれば,重心が通気パイプの軸近傍空間に位置する効果を得ることができる。よって,掃除機に扇風機を着けても手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機を提供できる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段であって,「掃除機が有する2つの通気パイプの間に挿入できる通気パイプ着脱手段」,「2つの開口部を有する筒状体を有する前記通気パイプ着脱手段であり,該2つの開口部のそれぞれに通気パイプを装着できる通気パイプ装着手段」,「2つの開口部を有する筒状体を有する通気パイプ着脱手段であって,相互に着脱できる2つの通気パイプの一方を該2つの開口部の一方に装着でき,かつ,該相互に着脱できる2つの通気パイプの他方を該2つの開口部の他方に装着できる通気パイプ装着手段」,「掃除機稼働時に通気パイプの一部として使用できることを特徴とする通気パイプ着脱手段」のいずれかである着脱手段によれば,掃除機を操作するためのハンドルを備えた通気パイプの近くの着脱部位に,請求項2に記載の発明に係る扇風機を挿入して使用することができ,掃除中は,常に,人体の近くで扇風機を稼働させることが可能となる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段であって,「装着された2つの通気パイプが直線状に配置されることを特徴とする通気パイプ着脱手段」によれば,掃除機が有する2つの通気パイプの間に該通気パイプ着脱手段を挿入した状態でも,該通気パイプ着脱手段を挟んで装着される該2つの通気パイプが直線状に配置されることにより,掃除機を操作する手首への負担をほとんど増加させることなく利用できる効果を得ることができる。
また,前記のいずれかの扇風機が有する2以上の通気パイプを着脱できる通気パイプ着脱手段であって,「2つの開口部を有する筒状体を有する前記通気パイプ着脱手段であり,該2つの開口部の間の距離が30センチメートル以下である通気パイプ着脱手段」によれば,短いために2つの通気パイプの間に挿入しやすくなる効果を得ることができる。
(温風機)
また,冬場など気温の低い日には,掃除機が排出する気流によって空気が移動するため,人体は寒さをより感じやすくなる。該掃除機内のモータから発生する熱によって,該掃除機は吸引した空気よりもわずかに高い温度の空気を排出口から排出するものの,冬場に人体を温めるための温風としては温度が低すぎる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に温める装置を提供することも別の課題である。該課題の解決にあたっては,前記のいずれかの扇風機であって,「さらに発熱手段を有し,温風を送風することができることを特徴とする扇風機」を利用することができる。これにより,温風を送風できる効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に温める装置を提供するという課題を解決することができる。
(イオン発生手段,加湿手段)
また,湿度が低い日には,静電気が発生しやすくなり,人体にゴミが付着しやすくなる。このため, 掃除機をかけながら移動し続ける人体の周囲において静電気を抑える装置を提供するということも課題である。該課題の解決にあたっては,前記のいずれかの扇風機であって,「空気を加湿する加湿手段を有する扇風機」を利用することができる。これにより,加湿によって静電気を抑える効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体の周囲において静電気を抑える装置を提供するという課題を解決することができる。さらに,前記のいずれかの扇風機であって,「イオン発生手段を有し,イオンを含む空気を送風できる扇風機」を利用することができる。また,前記のいずれかの扇風機であって,「プラスイオンを発生するプラス放電部とマイナスイオンを発生するマイナス放電部とを備えたイオン発生素子を有する扇風機」を利用することができる。また,前記のいずれかの扇風機であって,「空気を加湿する加湿手段と,放電電極と,前記放電電極を放熱フィンで冷却して水分を結露させる電極冷却手段と,前記放電電極に高電圧を印加してイオンミストを発生させるイオン発生手段を有する扇風機」を利用することができる。また,前記のいずれかの扇風機であって,「パナソニック社のナノイー発生手段(特開2012−235862,他),又は,SHARP社のプラズマクラスター発生手段(特開2012−196467,他)で用いるイオン発生手段を搭載した扇風機」を利用することができる。前記のいずれかのイオン発生手段によって発生するイオンにより,静電気を抑える効果を得ることができ,さらに空気浄化や脱臭の効果を得ることができ,さらに通気パイプのハンドル付近から人体に向けてイオンを送風できるため肌保湿効果を効果的に得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体の周囲において静電気を抑える装置を提供するという課題をさらに効果的に解決することができる。
請求項11に記載の発明に係る「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間の着脱部位」であって,「標準規格の端子を前記着脱部位として用いる着脱部位」又は「ユニバーサルシリアルバス規格の端子を前記着脱部位として用いる着脱部位」は,前記通気パイプ着脱手段に着脱できる扇風機を他の標準規格の端子又はユニバーサルシリアルバス規格の端子に装着して使用できる効果を得ることができる。よって,掃除機につけることができる扇風機であって,掃除機を使用しないときでも利用できる扇風機を提供するという効果を安価に得ることができる。
請求項11に記載の発明に係る「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間の着脱部位」であって,「標準規格ではない端子を前記着脱部位として用いる着脱部位」は,前記通気パイプ着脱手段に装着できる前記枠を限定することができるため,前記通気パイプ着脱手段と前記枠との間の組み合わせにおいて「適合性チェック効果」を得ることができる。よって,ユーザが誤って重心や電源容量の適合しない組み合わせを着けてしまう危険性を排除する効果を該着脱手段においても得ることができる。
請求項11に記載の発明に係る「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間の着脱部位」であって,「挟持手段を用いない着脱部位」は,「挟持手段のデメリット」を除外できる効果を得ることができる。
「挟持手段のデメリット」とは,挟持手段を用いて扇風機を通気パイプに着けることのデメリットであって,「着ける位置が決まっていないために,着ける位置や着ける向きが毎回変動するデメリット」,「着ける向きが傾いていると見栄えが悪くなり,工業製品としての価値が下がるデメリット」,「挟持手段を開閉させるための指圧部を手で押す必要があり,このための部品が大きくなりがちで見栄えが悪くなるデメリット」,「挟持手段で手を挟んで怪我をしやすいデメリット」,「手の力が弱い老人や子供など,一部の人が挟持手段を使えない場合があるデメリット」,「着ける向きが毎回変動することで重心の位置も変動するために,該掃除機を操作する手にSHIRストレスをかける原因になりうるデメリット」などがある。
前記のいずれかの扇風機であって,「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間に挟持部位を有さない扇風機」は,前記「挟持手段のデメリット」を除外できる効果を得ることができる。
(蓄電池)
また,前記のいずれかの扇風機において,「さらに電池又は蓄電池を備え,該電池の電力を利用して電動機を駆動させることを特徴とする扇風機」を利用することもできる。これにより,通気パイプの交換のために掃除機の電源をオフにした状態でも羽根車を駆動できる扇風機を提供できる効果を得ることができる。
(ふたつの通気パイプの間の着脱部位)
図1から5及び図15から23において,掃除機のハンドル側通気パイプ120と,掃除機のゴミ吸引口側通気パイプ126は,市販の三菱電機製の掃除機TC−FXB7Pが有する「ふたつの通気パイプ」である。
TC−FXB7Pのふたつの通気パイプ(120と126)のオス開口部127とメス開口部121は,互いに開口部から約55ミリメートルの部分において空気の漏れ出る隙間なく重なり合う形状適合部位を有しており,「ふたつの通気パイプの間の着脱部位」として,相互に着脱可能となっている。
さらに,TC−FXB7Pの「ふたつの通気パイプの間の着脱部位」は,次に述べる「離脱防止機構」を備えている。
TC−FXB7Pの通気パイプのメス開口部121の内側には,該メス開口部121から約40ミリメートルのとこに高さ約2ミリメートルの「ツメ」を有している。また,TC−FXB7Pの通気パイプのオス開口部127の外側には,該オス開口部127から約15ミリメートルのところに深さ約2ミリメートルの「くぼみ」を有している。
TC−FXB7Pのふたつの通気パイプのオス開口部127をメス開口部121に完全に差込んだときに,前記ツメが前記くぼみに引っかかることで,該ふたつの通気パイプの間の離脱が防止される。
前記ツメは可動部品であり,メス開口部121から約20ミリメートルの位置の外側に,該可動部品の一部がボタンとして露出している。そして,該ボタンを指圧にて押すと,該ツメが引っ込むことで,離脱の防止が解除される仕組みになっている。
本明細書における以下の実施例では,「ふたつの通気パイプの間の着脱部位」として,TC−FXB7Pの「ふたつの通気パイプの間の着脱部位」と同じ構造の着脱部位および同じ離脱防止機構を用いている。
また,本明細書における実施例では,「通気パイプ着脱手段と通気パイプの間の着脱部位」として,TC−FXB7Pの「ふたつの通気パイプの間の着脱部位」と同じ構造の着脱部位および同じ離脱防止機構を用いている。
このため,本明細書の実施例においては,該ボタン等の形状が図面に明記されていない場合であっても,通気パイプを用いる着脱部位では,常に,前記離脱防止機構が自動的に働き,離脱が防止されている。また,該離脱防止機構は,メス開口部の付近にあるボタンを押しながら引抜くことで,容易に離脱させることができる。
(掃除機につける扇風機:中空モータ)
図1,2は「中空モータを用いた扇風機であって,通気パイプ着脱手段に通気パイプを有する扇風機」として実装された扇風機100の正面図と側面図である。扇風機100は通気パイプ着脱手段101を有する。通気パイプ着脱手段101は,掃除機稼働時に陰圧の空気が存在する空間を大気圧の空気が存在する空間から仕切る筒状の壁を有した筒状体の形状をしており,オス開口部102とメス開口部103の2つの開口部を該筒状体の両側に有しており,該筒状体が通気パイプとなっている。また,該2つの開口部の間の距離は30センチメートル以下である。
図3,4に示すように,扇風機100の通気パイプ着脱手段101は,掃除機のハンドル側通気パイプ120のメス開口部121に通気パイプ着脱手段101のオス開口部102を差込むことで,掃除機の通気パイプ120のメス開口部121を装着することができ,また,掃除機の通気パイプ120のメス開口部121の付近にあるボタンを押して離脱防止機構を解除しながら引抜くことで離脱でき,よって,着脱を繰り返すことができる。
扇風機100の通気パイプ着脱手段101は,掃除機のゴミ吸引口側通気パイプ126のオス開口部127を通気パイプ着脱手段101のメス開口部103に差込むことで,掃除機の通気パイプ126のオス開口部127を装着することができ,また,通気パイプ着脱手段101のメス開口部103の付近にあるボタン106を押して離脱防止機構を解除しながら引抜くことで離脱でき,よって,着脱を繰り返すことができる。
オス開口部102をメス開口部121に装着し,同時に,メス開口部103をオス開口部127に装着することで,扇風機100を掃除機の前記2つの通気パイプの間に挿入することができる。また,ハンドル側通気パイプ120の本体側部分125は別の通気パイプを介して該掃除機の本体へと装着されており,掃除機稼働時に扇風機100を装着した状態で掃除機を使用することができる。
図5に示すように,扇風機100を掃除機の前記2つの通気パイプの間に挿入することで,扇風機100を掃除機の通気パイプのハンドル124と掃除機のゴミ吸引口にあるヘッド137の間に装着することができる。この装着において,前記2つの通気パイプは直線状に配置されており,ハンドル124とヘッド137をつなぐ通気パイプの中心軸をロール回転軸140とする。また,これと垂直である,ヨー回転軸141と,ピッチ回転軸142を以下の説明に用いる。
このとき,オス開口部102の電極107は,メス開口部121の電極122と接触し,また,メス開口部103の電極136はオス開口部127の電極128と接触し,また,電極107と電極136は相互に電気伝導体で接続された「電気伝導手段」であるため,電極122と電極128は電気伝導体で接続され,掃除機稼働時において,絶縁することなく,通電した状態で使用することができる。
上記の装着を離脱させたい場合は,オス開口部102からメス開口部121を離脱させ,メス開口部103からオス開口部127を離脱させ,オス開口部127をメス開口部121に装着することで, 扇風機100を掃除機に装着しない状態で該掃除機を使用することができる。
扇風機100は,請求項5から9に記載の枠として,内側固定枠115と外側固定枠116とヨー回転可動部117とピッチ回転可動部118からなる枠を有し,該枠は,中空モータ109を支持し,通気パイプ着脱手段101に支持される。
内側固定枠115はヨー回転可動部117を介して通気パイプ着脱手段101に支持される。ヨー回転可動部は回転できる軸(ヨー回転軸)と軸受を有しており,内側固定枠115が通気パイプ着脱手段101とぶつからない範囲で,扇風機100の向きをヨー回転軸のまわりに回転させることができる。
内側固定枠115はピッチ回転可動部118を介して外側固定枠116を支持しつつ,外側固定枠116を介して中空モータ109を支持する。ピッチ回転可動部は回転できる軸(ピッチ回転軸)と軸受を有しており,外側固定枠116が通気パイプ着脱手段101とぶつからない範囲で,扇風機100の向きをピッチ回転軸のまわりに回転させることができる。
扇風機100は,中空モータ109を有し,中空モータ109の内側中空部に通気パイプ着脱手段101を通過させている。また,中空モータ109のステータ113は,外側固定枠116とピッチ回転可動部118と内側固定枠115とヨー回転可動部117を介して,通気パイプ着脱手段101に支持されている。また,扇風機100は中空モータ109のロータ112に固定された羽根車110を有し,羽根車110は中空モータの内側中空部を内包する中空部を有する。また,電気コード108は,通気パイプ着脱手段101内で電極107に電気的に接続され,ヨー回転可動部117の内側を通り,さらに,内側固定枠115の表面を通り,さらに,ピッチ回転可動部118の内側を通り,さらに,外側固定枠116を通って,中空モータ109に電気的に接続される。これにより,扇風機100は,上記の電気伝導手段を経由して供給される電気を利用して,中空モータ109のロータ112を回転させ,羽根車110を回転させることにより,送風することができる。さらに,扇風機100は回転する羽根車110が人の手にぶつからないようにするためのファンガード111を有する。
扇風機100は,図1の正面図に示されるように,通気パイプ着脱手段101を中心として,これを取り囲むようにほぼ円形に配置されており,扇風機100の重心がほぼ通気パイプ着脱手段101の内部空間(掃除機を稼働させた時に陰圧の空気が存在する空間)にあり,重心が軸近傍空間に位置している。
この形状を基本としつつ,ここから,重心が大きく変わらないように配慮しながら,他の部品を設置することは可能である。例えば,中空モータの回転速度を調整するための電気回路を通気パイプ着脱手段101の表面付近に設置することもできる。
図6は,中空モータ109において,ロータ112がステータ113の外側にある場合の実施例である。また,図7は 中空モータ109において,ロータ112がステータ113の内側にある場合の実施例である。いずれにおいても,ステータ113は通気パイプ着脱手段101が支持する枠(内側固定枠115と外側固定枠116とヨー回転可動部117とピッチ回転可動部118からなる枠)によって支持されており,ロータ112が回転することにより,ロータ112に支持された羽根車110を回転させて送風することができる。また,この実施例は,ボールベアリング114による中空軸受を有している。また,羽根車110はロータ112と一体型の羽根車であって中空部を有し,通気パイプ着脱手段101を該中空部に通過させた状態で,回転して送風することができる。ただし,軸受はボールベアリングに限定されず,スリーブベアリング,スフェリカルベアリング,ローラーベアリング,流体軸受,磁気浮上型軸受,など公知のあらゆる軸受技術を用いることができる。
上記の実施例における中空モータとして,中空のロータと,中空のステータを有し,該ロータと該ステータに磁力を発生させて,該ロータを回転させる中空モータを好適に用いることができる。
図1から7に記載の「中空モータを用いた扇風機であって,通気パイプ着脱手段に通気パイプを有する扇風機」において,通気パイプを有する通気パイプ着脱手段101の直径は2センチメートル以上であり,かつ,5センチメートル以下である。また,中空モータ109の内側中空部の直径は,通気パイプ着脱手段101の直径以上であり,かつ,12センチメートル以下である。また,扇風機100の大きさの特徴として,ファンガード111は直径40センチメートル以下であり,さらに,直径30センチメートル以下にすることによって,よりコンパクトな扇風機を提供することができる。
(掃除機につける扇風機:非中空モータ)
別の実施例としては,図8と図9に「非中空モータを用いた扇風機であって,中空軸受と通気パイプを有する扇風機」の実施例を示す。モータ131が有するロータの回転中心は回転軸132に一致しており,回転軸132は,中空軸受の内側中空部130の外にある。モータ131の回転力は,回転軸132に着けられたピニオンギア133を経由して羽根車110に伝達され,羽根車110は通気パイプ着脱手段101の周囲を回転する。羽根車110は,ボールベアリング114による中空軸受を用いて支持されている。羽根車110は中空部を有しており,通気パイプ着脱手段101を該中空部内に通過させている。モータ131は電気コード108を経由して電極107から供給される電気を利用して回転する。また,電気コード108は充電池ボックス135に格納された充電池にも接続されることで該充電池を充電することもできる。電極107からの電気の供給がない場合は,該充電池からの電気でモータ131を回転させることもできる。
図8に示した「非中空モータを用いた扇風機であって,中空軸受と通気パイプを有する扇風機」は,通気パイプ着脱手段101を中心として,これを取り囲むようにほぼ円形に配置されている。また,モータ131と充電池ボックス135が通気パイプ着脱手段101を挟んで反対に位置することで重心が偏らないように配慮して配置されており,当業者であれば重心が偏らないように充電池ボックス135の位置をファンガード111の上で調整することは容易である。このため,該扇風機の重心がほぼ通気パイプの内部空間(掃除機を稼働させた時に陰圧の空気が存在する空間)にあり,該扇風機の重心が軸近傍空間に位置している。
以上の実施例は,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置である。また,掃除機のゴミ吸引口から吸入していない衛生的な空気を人体に向けて送風する装置である。また,重心が通気パイプの軸近傍空間に位置することから,掃除機に扇風機を着けても,手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機である。また,装着可能な通気パイプの掃除機が限定されることから,安全面でメーカが許容できる組み合わせのみに限定して着けることを可能とし,ユーザが誤って重心や電源容量の適合しない組み合わせを着けてしまう危険性を排除できている。
(据置型扇風機)
図10から12は,台座201に立設された支柱200と,扇風機100と,キャップ206の装着によって構成される据置型扇風機である。
扇風機100の通気パイプ着脱手段101の内側は,支柱着脱手段209を兼ねているため,支柱着脱手段209は内側固定枠115を支持している。また,支柱着脱手段209は,支柱200の先端にある支柱の着脱部位204と着脱できる形状適合部位を有する。支柱着脱手段209は,支柱200を装着することで,内側固定枠115の位置を台座201上に保ち,さらに,外側固定枠116を介して中空モータ109の位置を台座上に保っている。
支柱200は,支柱の長さを伸縮できる伸縮可変部202と,支柱の先端の角度を変えることができる角度可変部203と,支柱着脱部位204と,支柱のメス電極205を有している。
支柱着脱手段209に支柱200の着脱部位204を装着し,さらにキャップ206を通気パイプ着脱手段101のオス開口部102に装着することができる。
キャップ206を装着することで,支柱のメス電極205は,キャップ206の内側にあるキャップのオス電極207と接触し,また,キャップ206のメス電極208は,扇風機が有する通気パイプ着脱手段のオス開口部102の電極107と接触する。キャップ206のオス電極207とメス電極208は,電気伝導体にて接続されているため,キャップ206を装着することで,支柱のメス電極205と扇風機の電極107が電気的に接続され,支柱200の中にある電気伝導体から電極205を介して,扇風機100に電力を供給することができる。
キャップを装着しない状態では,扇風機が有する通気パイプのオス開口部102の電極107は外部に露出しており,手で触ることができるが,通電状態ではないので,感電することはなく,安全である。このように,キャップ206は,安全装置としての役割を担っている。さらに,キャップ206は扇風機への通電をオンオフできるスイッチも表面に備えることで,人が手で操作しやすい高さにスイッチを配置できる。
また,別の実装方法として,キャップ206を介さずに電力を支柱200から扇風機100に供給する場合は,電極136と直接接触できる電極を支柱200の着脱部位204の付近に設置してもよい。また,別の実装方法としては,外側固定枠116に支柱着脱手段を直接設けてもよい。通気パイプ着脱手段と支柱着脱手段は別々の部品として実装してもよい。また,上記の実施例のように通気パイプ着脱手段と支柱着脱手段を兼ねた同じ部品として実装してもよい。通気パイプ着脱手段と枠を同じ部品で実装してもよいし,別の部品で実装してもよい。また,支柱着脱手段と枠を同じ部品で実装してもよいし,別の部品で実装してもよい。
支柱200には,深さ約2ミリメートルのくぼみ210があり,支柱装着手段209に装着したときに,通気パイプ装着手段101のメス開口部103の内側にある離脱防止機構のツメが,くぼみ210に引っかかるようになっている。支柱着脱手段209から支柱200を離脱させたいときは,メス開口部103の付近の表面にあるボタン106を押すことで,該離脱防止機構を解除することができる。
また,キャップ206の開口部の内側にも離脱防止機構のツメがあり,通気パイプ着脱手段のオス開口部102に装着した際に,オス開口部102の表面にあるくぼみ211に該ツメが引っかかるようになっている。このオス開口部102からキャップ206を離脱させたいときは,キャップ206の開口部の付近にあるボタン212を押すことで,離脱防止機構を解除することができる。
上記の離脱防止機構は,TC−FXB7Pの離脱防止機構と同じ仕組みを利用しており,この離脱防止機構により,据置型扇風機が意図しない離脱を起こさないようになっている。
(扇風機の着け替え)
図13から18は,図12の据置型扇風機の状態から,該扇風機を掃除機に装着するまでのステップを細かく説明したものである。ステップ1からステップ4では,扇風機100が支柱200を装着した状態にある。ステップ4からステップ6では,扇風機100が通気パイプ120を装着した状態にある。
ステップ1(図13):キャップ206のボタン212を矢印300の方向に押すことで,離脱防止機構が解除され,キャップ206を矢印301の方向に離脱させることが可能になる。
ステップ2(図14):キャップ206を矢印302の方向に引抜くことで,キャップ206を扇風機から完全に離脱させ,通気パイプ着脱部位101のオス開口部102を露出させる。
ステップ3(図15):掃除機のハンドル側通気パイプ120のハンドル124を手で持ち,矢印303の方向に動かして,メス開口部121に通気パイプ着脱部位101のオス開口部102を差込んで装着する。
ステップ4(図16):扇風機100は掃除機のハンドル側通気パイプ120を装着し,かつ,支柱200を装着した状態を得る。
ステップ5(図17):通気パイプ着脱手段101のメス開口部103の付近にあるボタン106を矢印304の方向に押すことで,離脱防止機構が解除され,扇風機100を矢印305の方向に離脱させることが可能となる
ステップ6(図18):ハンドル124を手に持った状態で,矢印306の方向に引抜くことで,扇風機100から支柱200を完全に離脱させる。
図19から21は,掃除機の通気パイプに装着された扇風機の状態から,据置型扇風機の状態に戻すまでのステップを細かく説明したものである。ステップ7からステップ8では,扇風機100が通気パイプ120を装着した状態にある。ステップ8からステップ9では,扇風機100が支柱200を装着した状態にある。
ステップ7(図19):掃除機のハンドル側通気パイプ120のハンドル124を手で持ち,矢印307の方向に動かして,扇風機100の通気パイプ装着手段101のメス開口部103に支柱200の着脱部位204を差込むことで,通気パイプ着脱部位101の内側にある支柱着脱手段209に支柱200を装着する。
ステップ8(図20):掃除機のハンドル側通気パイプ120のメス開口部121の付近にあるボタンを矢印308の方向に押すことで,離脱防止機構が解除され,通気パイプ120を矢印309の方向に離脱させることが可能となる。
ステップ9(図21):掃除機のハンドル側通気パイプ120のハンドル124を手に持った状態で,矢印310の方向に引抜くことで,扇風機100から掃除機のハンドル側通気パイプ120を完全に離脱させる。
以上のように,扇風機100に支柱200を装着した状態で,ステップ3では通気パイプ120を装着でき,またステップ9では通気パイプ120を離脱でき,よって,扇風機100に支柱200を装着した状態で通気パイプ120を着脱できる。
また,扇風機100に通気パイプ120を装着した状態で,ステップ7では支柱200を装着でき,またステップ6では支柱200を離脱でき,よって,扇風機100に通気パイプ120を装着した状態で 支柱200を着脱できる。
以上は,請求項7に記載の扇風機と,請求項15から16に記載の方法の実施例である。
以上の実施例は,掃除機につけることができる扇風機であって,掃除機を使用しないときでも利用できる扇風機である。また,知識のない人であっても,掃除機に正しく着けることができる「専用の扇風機」であり,掃除機に扇風機を確実に着けて落下を防ぐことができ,かつ,外すときは簡単に外すことができる「離脱防止機構」を有する扇風機である。また,一般の人が着け外しを繰り返しても,毎回正しく着けることが簡単にできるように,専用にデザインされた「掃除機につける扇風機」である。また,据置型扇風機を簡単な操作で掃除機に着けることができ,着ける作業中に誤って扇風機を落下させることなく,かつ,扇風機のファンガード111に触れることなく,掃除機のハンドル124を握った状態で安全かつ確実に着けることができ,さらに,掃除機から扇風機を外して据置型扇風機に戻す際にも同様の安全性を確保できる扇風機である。また,掃除機に扇風機を着けても,手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機である。また,扇風機と掃除機を別々の製品として提供してきた家電メーカにとって,新たな「扇風機付き掃除機」の事業を展開できるようにすることで,扇風機事業と掃除機事業の相乗効果を生み出せる製品を提供することができる。そして,以上の扇風機を掃除機とセットにして販売することで,ユーザに対して,扇風機が搭載された掃除機として一括購入できる製品を提供することができる。
(電動機が2以上ある扇風機)
図22から25は,電動機が複数ある扇風機の実施例である。羽根車を駆動するモータを支持する外側固定枠152は,ファンガードを兼ねた構造をしており,ピッチ回転可動部155を介して,中側固定枠151によって支持されている。中側固定枠151はヨー回転軸154によって支持されており,ここまでを「単扇風機」とよぶ。すなわち,単扇風機は,羽根車と,電動機と,外側固定枠と,ピッチ回転可動部と,中側固定枠と,ヨー回転可動部から構成されている。
単扇風機はヨー回転可動部において,ロール回転可動部153に支持されており,ロール回転可動部は内側固定枠150によって支持されている。内側回転枠150は,通気パイプ着脱手段101によって支持されている。通気パイプ着脱手段101は2つの開口部において,掃除機の通気パイプの開口部と着脱できる。
単扇風機が2以上のN個ある場合は,ロール回転可動部の回転軸,すなわち,通気パイプの中心軸,において,360÷N度ごとに単扇風機を1個ずつ配置することで,扇風機全体の重心を通気パイプの軸近傍空間に位置させることができる。すなわち,Nが2の場合は180度ごと,Nが3の場合は120度ごと,Nが4の場合は90度ごとに配置する。
図22から25は,Nが2の場合の実施例である。また,図47と48はNが4の場合の実施例である。すべての単扇風機は,通気パイプ着脱手段101に装着される通気パイプによって支持されており,重心は通気パイプ着脱手段101の軸近傍空間に位置している。
図22,23に示すように,ロール回転可動部において,単扇風機の位置を回転させることができる。また,ヨー回転可動部とピッチ回転可動部において,単扇風機の向きを変えることができる。
図24に示すように,通気パイプ着脱手段101の内側は支柱着脱手段209を備えており,支柱200を着脱することができる。
図25は,支柱200とキャップ206を装着した扇風機である。支柱200は台座201によって立設され,据置型扇風機として使用できる。2つの単扇風機はロール回転可動部153にて回転させることができ,図25に示すように上下に配置させることで,横幅をとらない据置型扇風機となる。このため,洗面所や台所など,狭いところでの使用に適した形態になっている。また,キャップ206には,扇風機のスイッチがあり,手に届きやすい高い位置にスイッチがあるため,スイッチのオンオフのために台座まで手を伸ばしてかがみ込む姿勢をとる必要はない。
なお,Nが1のときは,図1のように,中空構造を有する扇風機とするか,又は,Nが2の実施例(図22から25)に図示されている扇風機において,一方の単扇風機を「重り」に変えることで,重心バランスを保ったまま,Nが1の扇風機を得ることもできる。
なお,Nが2のときは,図23に示すように,通気パイプの上下の空間に扇風機がないスペースができるため,ソファーの下などの狭い空間に通気パイプを入れて掃除する際に,扇風機が邪魔にならないという効果を特別に得ることができる。
(扇風機と着脱できる通気パイプ着脱手段)
図26,27は,通気パイプ着脱手段と枠の間に着脱手段を有し,該通気パイプ着脱手段を該枠に着脱できる扇風機190の実施例である。
通気パイプ着脱手段180は,標準規格ではない着脱部位181と182を有しており,扇風機190の着脱部位183と184に差込むことで装着することができる。
また,通気パイプ着脱手段180は,電極185を有しており,着脱部位183を着脱部位181の奥まで完全に差込んだときに,電極185は扇風機190の着脱部位183にある電極と接触する。また,電極185は電極186と電気的に接続されている。これにより,通気パイプ180を介して,掃除機の通気パイプの電極から扇風機190に給電することができる。
図26,27の通気パイプ着脱手段180は,三菱電機製の掃除機TC−FXB7Pの通気パイプの開口部と着脱できる構造をしている。この通気パイプ着脱手段180を他の掃除機の通気パイプの開口部と着脱できるものに代えれば,扇風機190を他の掃除機の通気パイプに装着できるようになる。また,掃除機のそれぞれの種類に応じて,扇風機190の重心の位置を各掃除機の通気パイプに対して相対的に調整したい場合は,通気パイプ着脱手段180の構造を各掃除機の通気パイプに合わせて調整することで前記重心の位置を調整しつつ,さらに,通気パイプ着脱手段180の開口部の形状を各掃除機の通気パイプの開口部の形状に適合させることで,前記重心の位置を各掃除機の通気パイプに合わせた通気パイプ着脱手段180を提供することができる。
よって,扇風機190と着脱できる通気パイプ着脱手段180を利用することによって,扇風機のメーカに対しては,製造コストを下げることができる扇風機を提供することができる。また,扇風機のユーザに対しては購入コストを下げることができる扇風機を提供することができる。
以上の発明は,掃除機TC−FXB7Pに適用が限定されるものではなく,市販のあらゆる掃除機に適用可能である。
なお,図1から図27において,掃除機TC−FXB7Pが有する「ふたつの通気パイプ」である掃除機のハンドル側通気パイプ120と掃除機のゴミ吸引口側通気パイプ126は,図面上で構造が見やすいように,ハンドルの一部や通気パイプの一部等を省略して描いてある。
また,以上の発明により,前記のいずれかの扇風機であって,「掃除機の通気パイプを装着した状態で使用できることを特徴とする扇風機」,「掃除機の通気パイプを装着した状態で使用することを特徴とする扇風機」,「掃除機の通気パイプを支持する手にかかる負担を軽減する目的で使用できることを特徴とする扇風機」を提供することができる。
(SHIRストレスの発見,および,SHIRストレス解消方法の発見)
扇風機を通気パイプに着けたときに手首にかかる負担の原因を調査し,かつ,該負担の解消方法を発見する目的で以下の実験を行った。
該実験に使用した掃除機は,三菱電機製の掃除機TC−FXB7Pである。該掃除機のヘッドにあるパワーブラシの回転体を取り外し,木製のフローリング材を敷き詰めた床面に該ヘッドを接触させた状態で,該掃除機のハンドルを手で支持することにより,該掃除機の通気パイプと前記床面の角度を45度に保ちながら以下の実験を行った。
該実験に使用した扇風機は,REMAX社製のF2minifanである。該扇風機の重量は284グラムであった。該扇風機を,前記ハンドルの位置から前記ヘッド方向に向かって150ミリメートルの位置にある通気パイプの表面に固定した。
前記固定によって,該通気パイプの中心軸から85ミリメートル離れた位置に該扇風機の重心が位置することを確認した。
そして,前記固定において,前記重心の位置を,ロール回転角で45度の位置においた条件を実験条件400とし,また,ロール回転角で180度の位置においた条件を実験条件401とした。
ただし,ロール回転角とは,図5のロール回転軸140における角度であり,ハンドル124を基準にした角度である(すなわち,図5において,ハンドル124と同じ方向に描かれているヨー回転軸141は,ロール回転角で0度の方向に描かれており,ピッチ回転軸142はロール回転角で90度の方向に描かれている)。
また,実験条件400において,さらに,284グラムの重りをロール回転角で225度の位置に追加した条件を実験条件402とした。
すなわち,実験条件400は,「284グラムの物体の重心を,通気パイプの中心から85ミリメートルの距離で,通気パイプのハンドルからロール回転角45度の方向の位置においた実験条件」である。
また,実験条件401は,「284グラムの物体の重心を,通気パイプの中心から85ミリメートルの距離で,通気パイプのハンドルからロール回転角180度の方向の位置においた実験条件」である。
また,実験条件402は,「568グラムの物体の重心を,通気パイプの中心軸上の位置においた実験条件」である。
実験条件400において,前記通気パイプの前記ヘッドを床面に接触させ,該ヘッドを床面に滑走させない状態で,前記ハンドルを真上の方向に向けて支持したときは,前記通気パイプが自然にロール回転する現象は観測されなかった。すなわち,前記ヘッドを床面に滑走させないときは,前記ハンドルを支持する手の手首をロール回転方向に回転させるトルクは発生しなかった。
次に,実験条件400において,前記通気パイプと前記床面の角度を45度に保ちながら,前記ハンドルを手で前方に押し出すことにより,前記ヘッドを50センチ以上前方に滑走させたところ,前記通気パイプがロール回転方向に80度以上回転する現象が観測された。
実験条件400において,前記「50センチ前方滑走の試行」を10回繰り返し,前記通気パイプのロール回転方向の回転角を測定したところ,1回目は91度,2回目は95度,3回目は93度,4回目は89度,5回目は97度,6回目は91度,7回目は92度,8回目は96度,9回目は87度,10回目は94度であり,平均は92.5度であった。
すなわち,実験条件400において,前記ヘッドを滑走させないときは発生しない回転運動が,前記ヘッドの滑走に誘発されて毎回発生していることが観測された。
また,実験条件400において,前記滑走を繰り返すためには,該回転運動により回転した前記通気パイプの向きを元の角度(前記ハンドルが真上に向く方向)に戻すために,該回転運動とは反対の方向に前記ハンドルを手でひねり戻す動作を毎回行う必要があった。このひねり戻す動作において,(1)前記ヘッドが前記床面に接触しているために摩擦によって生じる抵抗力と,(2)前記扇風機の重心の位置を元の高さに引き上げる際に重力によって生じる抵抗力の,2つの抵抗力を受けるため,手首に大きなストレスがかかることが分かった。
すなわち,実験条件400において,ユーザは,「ハンドルを押し出す動作」と「ハンドルをひねり戻す動作」の2種類の動作を毎回繰り返していることが観測され,この「ハンドルをひねり戻す動作」のストレスが手首にかかる大きな負担の原因となっていることが分かった。
以上の実験によって発見された手首にかかる前記ストレスを,本明細書では,「ヘッド滑走誘発性ロール回転ストレス」と命名し,英語名としては「Sliding―Head―Induced Rolling Stress」と命名し,この英語名の頭文字をとって,本明細書では,「SHIRS」又は「SHIRストレス」とよぶ。
SHIRSは,ヘッドと床面の間の接触によって発生することを特徴とするストレスであって,手持ち式の扇風機(例として「ドライヤー」など)の通常の手持ち動作では発生することはない。SHIRSは,扇風機を掃除機の通気パイプに着けてヘッドの滑走運動を繰り返す際に現れるストレスであって,掃除機の使用における動作に特有のストレスである。
SHIRSは,ヘッドを滑走させなければ現れないストレスである。また,SHIRSは,扇風機を装着した時点では現れず,ヘッドを滑走させることで現れるストレスであるため,ユーザはこのストレスに気づきにくいという特徴がある。ユーザは,SHIRSに気づかないまま,ヘッドの滑走を繰り返すことで,手首に毎回ストレスをかけ続けることになるため,SHIRSは大変危険なストレスであるといえる。
次に,実験条件401において,前記「50センチ前方滑走の試行」を10回繰り返し,前記通気パイプのロール回転方向の回転角を測定したところ,1回目は3度,2回目は―2度,3回目は―5度,4回目は2度,5回目は―7度,6回目は4度,7回目は1度,8回目は5度,9回目は2度,10回目は―4度であり,平均は,―0.1度であった。
よって,前記滑走を繰り返す際に「ハンドルをひねり戻す動作」はほとんど発生せず,実験条件401では,SHIRストレスはほとんど発生しないことが分かった。これにより,「掃除機に着けた扇風機の重心と通気パイプのハンドルの間のロール回転角がSHIRSの発生に影響する」という新規の知見を得ることができた。
次に,実験条件402において,前記「50センチ前方滑走の試行」を10回繰り返し,前記通気パイプのロール回転方向の回転角を測定したところ,1回目は―5度,2回目は8度,3回目は―12度,4回目は7度,5回目は8度,6回目は−1度,7回目は11度,8回目は9度,9回目は−10度,10回目は12度であり,平均は,―2.7度であった。
よって,前記滑走を繰り返す際に「ハンドルをひねり戻す動作」はほとんど発生せず,実験条件402では,SHIRストレスはほとんど発生しないことが分かった。
また,被験者5人に,実験条件400と,実験条件402のそれぞれで,前記「50センチ前方滑走の試行」を50回繰り返してもらった後に,手首の疲労度について聞き取り調査を行ったところ,全員が実験条件402よりも実験条件400の方により大きな疲労を感じたと回答した。
このことは,実験条件402では扇風機の重量が2倍になっているにも関わらず,該扇風機の重心の位置を通気パイプの中心軸上に位置させることにより,疲労度は実験条件400よりも大きく軽減されることを示唆するものである。
以上の実験から,SHIRストレスの解消方法として,「扇風機全体の重心の位置をハンドルからロール回転角180度の方向に位置させる方法」と,「重りを用いて扇風機全体の重心の位置を通気パイプの中心軸付近に位置させる方法」の2つの方法が有効であるという新規の知見が得られた。
また,「掃除機に着けた扇風機の重心と通気パイプのハンドルの間のロール回転角がSHIRSの発生に影響する」という知見から,「重心が通気パイプの中心軸付近に位置しない扇風機を着けるときは,該扇風機と該通気パイプの向きを正しく着ける必要がある」という別の新規な知見も得られた。
なお,前記SHIRストレスの発見は未発表であり,本明細書にて初めて開示されるものである。また,前記SHIRストレスの解消方法も本明細書にて初めて開示されるものである。
(通気パイプを挟持できる扇風機)
図28から30に記載の扇風機500は,「通気パイプを挟持できる扇風機」ではあるが,通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段を有していない。よって,扇風機500は請求項1に記載の発明に係る扇風機ではない。
挟持手段を使用して扇風機を掃除機へ着ける場合は,前記の「挟持手段のデメリット」がある。このデメリットの一つとして,挟持手段では「着ける向きが毎回変動することで重心の位置も変動するために,該掃除機を操作する手にSHIRストレスをかける原因になりうるデメリット」がある。このデメリットを解消することを,実施例8において解決すべき課題とし,以下の発明を開示する。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するにあたり,実施例7で開示された前記SHIRストレスの解消方法を利用した扇風機を利用することができる。すなわち,実施例8において解決すべき課題を解決するための手段としては,「通気パイプ挟持手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ挟持手段に1以上の通気パイプを挟持できることを特徴とする扇風機であって,前記通気パイプ挟持手段に標準パイプを挟持したときの重心が前記標準パイプの内部空間に位置するように前記標準パイプを挟持できることを特徴とする扇風機」を利用することができる(以下,これを「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」とよぶ)。
前記「通気パイプ挟持手段」としては,「開口部の直径が30ミリメートル以上かつ50ミリメートル以下である通気パイプを挟持できる手段」であれば,いかなる手段を用いてもよい。
前記「標準パイプ」としては,「開口部の直径が45ミリメートルであって長さが200ミリメートルであって壁の厚さが1ミリメートル以上かつ3ミリメートル以下であるプラスチック製の円筒」である。ただし,実施例9に示すように,前記「標準パイプ」を糸で吊るすための突起が複数あってもよい。また,前記標準パイプの「長さ」は,該標準パイプの2つの開口部の間の距離に等しい。
前記「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」の通気パイプ挟持手段が掃除機の通気パイプを挟持することにより,該扇風機の重心が該通気パイプの中心軸付近に位置する効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置を提供するという課題を解決することができ,また,前記SHIRストレスを発生させない扇風機を提供するという課題を解決することができる。ただし,「中心軸付近」とは,中心軸からの距離が22.5ミリメートル以下の空間である。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「羽根車と,前記羽根車を駆動する電動機と,前記電動機を支持する枠と,前記枠を支持又は挟持手段とする前記通気パイプ挟持手段を有する扇風機」である。
「前記枠を支持又は挟持手段とする前記通気パイプ挟持手段」は,「前記枠を支持する前記通気パイプ挟持手段」又は「前記枠を挟持手段とする前記通気パイプ挟持手段」である。「前記枠を支持する前記通気パイプ挟持手段」とは,「前記通気パイプ挟持手段が前記枠を支持している」ということである。「前記枠を挟持手段とする前記通気パイプ挟持手段」とは,「前記枠そのものが,枠であって,かつ,前記通気パイプ挟持手段でもある」ということである。
前記「枠」は,前記電動機が前記枠からこぼれおちないように支持できる枠であれば,形状はどのようなものを用いてもよく,1以上の部品からなる枠であってもよく,該枠内に0以上の可動部を有する枠であってもよく,該枠内に1以上の可動部を有する枠であってもよく,該枠内に可動部を有しない枠であってもよい。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「重りを有する扇風機」を利用することができる。前記重りを利用して前記扇風機全体の重心の位置を制御することにより,前記扇風機の重心が通気パイプの中心軸付近に位置する効果をより容易に得ることができる。よって,前記SHIRストレスを発生させない扇風機を提供するという課題をより容易に解決することができる。前記「重り」としては,質量のあるものならいかなるものを用いてもよく,前記扇風機と分離可能な部品であってもよく,前記扇風機と分離不可能な部品であってもよい。より好ましくは,前記「重り」として,金属製の部品,鉄製の部品,銅製の部品,金属を含む部品,金属製の部品を有する部品,などを用いることができる。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「重りを有し,かつ,前記重りと前記電動機の間において前記標準パイプを挟持できることを特徴とする扇風機」,「重りを有し,かつ,前記標準パイプの中心軸を通る平面の1つを挟んで前記重りと前記電動機が互いに前記平面の反対側に位置することを特徴とする扇風機」,「重りを有し,かつ,前記重りと前記電動機を結ぶ線分の1つが前記標準パイプの内部空間を通過することを特徴とする扇風機」のいずれかを利用することができる。これにより,前記扇風機の重心が通気パイプの中心軸付近に位置する効果をより効率的に得ることができる。よって,前記SHIRストレスを発生させない扇風機を提供するという課題をより効率的に解決することができる。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「電池を有する扇風機」を利用することができる。これにより,前記扇風機は通気パイプから給電を受けなくても該扇風機の羽根車を駆動させることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置を提供するという課題をさらに広範囲に解決することができる。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「電池を有し,かつ,前記電池と前記電動機の間において前記標準パイプを挟持できることを特徴とする扇風機」,「電池を有し,かつ,前記標準パイプの中心軸を通る平面の1つを挟んで前記電池と前記電動機が互いに前記平面の反対側に位置することを特徴とする扇風機」,「電池を有し,かつ,前記電池と前記電動機を結ぶ線分の1つが前記標準パイプの内部空間を通過することを特徴とする扇風機」のいずれかを利用することができる。これにより,前記電池を電源として利用することで,通気パイプから給電を受けなくても前記扇風機の羽根車を駆動させることができ,かつ,前記電池を重りとしても利用することで前記扇風機全体の重心の位置を制御することができ,前記扇風機の重心が通気パイプの中心軸付近に位置する効果をより効率的に得ることができる。よって,前記SHIRストレスを発生させない扇風機を提供するという課題をより広範囲かつ効率的に解決することができる。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「前記重りが,電池である扇風機」を利用することができる。これにより,前記電池を電源として利用することで,該扇風機は通気パイプから給電を受けなくても該扇風機の羽根車を駆動させることができ,かつ,前記電池を重りとしても利用することで前記扇風機全体の重心の位置を制御することができ,該扇風機の重心が通気パイプの中心軸付近に位置する効果をより効率的に得ることができる。よって,前記SHIRストレスを発生させない扇風機を提供するという課題をより広範囲かつ効率的に解決することができる。前記電池は,乾電池,充電可能な電池,太陽電池,などを好適に利用できる。前記充電可能な電池を前記扇風機に入れた状態で充電するための端子(ユニバーサルシリアルバス規格の端子など)をさらに備えた前記扇風機は,好適な実施形態の1つである。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「前記通気パイプ挟持手段にバネを有する扇風機」を利用することができる。これにより,前記バネにより生じる圧力によって前記扇風機が通気パイプを容易に挟持することができる効果を得ることができる。よって, 通気パイプを挟持できる「通気パイプ挟持手段」を有する扇風機を提供するという課題をより容易に解決することができる。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「前記通気パイプ挟持手段にネジ又はクランプを有する扇風機」を利用することができる。これにより,前記ネジ又はクランプにより生じる圧力によって前記扇風機が通気パイプを挟持することができる効果を得ることができる。よって, 通気パイプを挟持できる「通気パイプ挟持手段」を有する扇風機を提供するという課題を解決することができる。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「前記枠が支持する電動機が2以上であることを特徴とする扇風機」を利用することができる。これにより,N個の電動機を配置するにあたり,実施例5に示したように,通気パイプの中心軸の周りに360÷N度ごとに電動機を配置することによって,前記扇風機の重心を通気パイプの中心軸付近に位置させることが容易にできる効果を得ることができる。よって,該扇風機に掃除機の通気パイプを挟持させた状態で該掃除機を使用しても,前記SHIRストレスを発生させない扇風機を提供するという課題を容易に解決することができる。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「掃除機の通気パイプを挟持した状態で使用できることを特徴とする扇風機」又は「掃除機の通気パイプを挟持した状態で使用することを特徴とする扇風機」を利用することができる。
前記「実施例8において解決すべき課題」を解決するための別の手段としては,前記のいずれかの「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」であって,「掃除機の通気パイプを支持する手にかかる負担を軽減する目的で使用できることを特徴とする扇風機」を利用することができる。
実施例8で開示した以上の手段のいずれにおいても,実施例8で解決すべき課題を全て解決することができる。
なお,「通気パイプ着脱手段を有する扇風機」では,重心の位置を通気パイプの軸近傍空間としていたのに対し,「通気パイプを挟持できる扇風機」では,重心の位置を標準パイプの内部空間とすることで,より狭い範囲に限定している。この理由としては,「通気パイプ着脱手段を有する扇風機」では,通気パイプの着脱部位において該扇風機の向きや位置を制御できるに対し,「通気パイプを挟持できる扇風機」では,通気パイプの挟持部位において該扇風機の向きや位置を制御できないため,ユーザがどの向きで挟持させた場合であっても,該扇風機の重心が通気パイプの内部空間に位置する効果を得るためである。
図28から36は,挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機500であり,図37のみが挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機ではない扇風機である。
扇風機500の羽根車501は電動機502によって駆動され,電動機502は外側固定枠503によって支持されている。外側固定枠503はピッチ回転可動部505を介して中側固定枠504によって支持され,中側固定枠504はヨー回転可動部506を介して通気パイプ挟持手段507によって支持されている。
通気パイプ挟持手段507は,回転軸508と回転軸受509による可動部と,手持部510と,指圧部511を有し,指圧部511を手持部510の方向に指圧することで,通気パイプ挟持手段507が開き,通気パイプ126又は標準パイプ515を通気パイプ挟持手段507の間に導き入れることが可能になる。
通気パイプ挟持手段507は,バネ512を有し,標準パイプ515に圧力をかけて標準パイプ515を挟持することができる。通気パイプ126又は標準パイプ515を通気パイプ挟持手段507が安定して挟持できるように,通気パイプ挟持手段507の表面には,滑り防止効果のある素材(ゴム,ウレタン,スポンジ,樹脂など)が張り付けられている。
通気パイプ挟持手段507によって,通気パイプ126を挟持することにより,通気パイプ126によって通気パイプ挟持手段507が支持される。これにより,扇風機500が掃除機の通気パイプ126を挟持した状態で扇風機500および該掃除機を使用することができる。
図28から33において,扇風機500は電池を有しており,電動機502と一緒に,外側固定枠503の内部に該電池を格納している。
手持部510の内部には,重り513がある。扇風機500が標準パイプ515を挟持したときに,扇風機500及び標準パイプ515の全体の重心が,標準パイプ515の内部空間520に位置するように重り513の重さと位置が調整されている。
図31から32において,扇風機500は,重り513と電動機502の間において標準パイプ515を挟持できている。また,扇風機500は,標準パイプ515の中心軸518を通る平面519を挟んで重り513と電動機502が互いに平面519の反対側に位置するように重り513が配置されている扇風機である。また,扇風機500は,重り513と電動機502を結ぶ線分が標準パイプ515の内部空間520を通過するように重り513が配置された扇風機である。
通気パイプ挟持手段507は,通気パイプを挟持しやすいように通気パイプの表面と類似した曲率(曲率半径が15ミリメートルから25ミリメートル)の曲面524によって離脱防止効果を高めた形状適合部位を備えている。また,図33に示すように,通気パイプ挟持手段507の一部に平面部523を備えることで,通気パイプ以外に,机などの平らな物体を安定的に挟持できるようにすることもできる。
図34は,扇風機500の電池521を,通気パイプ挟持手段507の手持部510に設けた電池ボックスに配置したものであり,電池521と電動機502は電気コードにて接続されている。電池521を電源として利用することで,掃除機の通気パイプから給電を受けなくても扇風機500の電動機502が羽根車501を駆動することができる。
また,図34に示すように,扇風機500は,電池521と電動機502の間において標準パイプ515を挟持できている。また,標準パイプ515の中心軸518を通る平面519を挟んで電池521と電動機502が互いに平面519の反対側に位置するように電池521が配置されている。また,電池521と電動機502を結ぶ線分522が標準パイプ515の内部空間520を通過するように電池521が配置されている。これにより,電池521が重り513と同じ役割を担うため,重り513を軽くする又は無くすことが可能になり,扇風機500を軽くする効果を得ている。よって,扇風機500が掃除機の通気パイプを挟持した状態で該掃除機を使用しても,前記SHIRストレスを発生させないようにするという課題を効率的に解決できている。
(重心判定法)
通気パイプを挟持できる扇風機が,前記「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」に当てはまるかどうかを判定する方法としては,以下に述べる「重心判定方法」を利用することができる。
まず,図35に示すように,標準パイプ515を用意する。通気パイプ515は糸で吊るしやすいように,両端の開口部にそれぞれ8か所ずつ突起516が等間隔に設けられている。ただし,標準パイプ515の2つの開口部が重なる方向から眺めたときに,両端の突起516も重なるように配置されており,重なりあう2つの突起どうしを1つのペアとすることで,標準パイプ515には合計で8つのペアが存在している。
図35に示すように,同じペアの突起525のそれぞれに糸をつけて吊り下げる。また,突起を使わない別の吊り下げ方法としては,突起の代わりに穴をあけて,該穴に糸を通して吊り下げてもよい。
そして,標準パイプ515の中央付近を,扇風機500の通気パイプ挟持手段507にて挟持し,2つの糸517で扇風機500を吊り下げる。このとき,全体の重心は,糸でつりさげたペアの2つの突起525を結ぶ直線526の真下に存在する。
次に,標準パイプ515にある8つのペアのそれぞれを,糸517で吊り下げて同様に重心の位置を調べていく。もし,8つの全てのペアにおいて,図36に示すように,糸でつりさげたペアの2つの突起525を結ぶ直線526の真下に標準パイプ515の内部空間520が位置するように吊り下げることができた場合は,求める重心の位置は標準パイプ515の内部空間520にあると判定することができ,その扇風機は,「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」に当てはまると判定することができる。また,「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」は,「扇風機の重心が該扇風機に挟持された通気パイプの中心軸付近に位置することを特徴とする扇風機」,「扇風機の重心が該扇風機に挟持された通気パイプの軸近傍空間に位置することを特徴とする扇風機」にも当てはまる。
一方,もし,8つのペアの少なくとも1つ以上のペアにおいて,図37に示すように,糸でつりさげたペアの2つの突起525を結ぶ直線526の真下に標準パイプ515の内部空間520が位置しないように吊り下げることができるペアが存在する場合は,求める重心の位置は標準パイプ515の内部空間520にないと判定することができ,その扇風機は,「挟持する標準パイプの内部空間に重心が位置する扇風機」に該当しないと判定することができる。
以上が,本明細書に記載の発明が提供する「重心判定方法」である。
(通気パイプ取付手段を有する扇風機)
実施例10では,通気パイプの開口部以外の部位において通気パイプを着ける手段について詳細に記載する。また,請求項11に記載の発明が有する特筆すべき効果について説明する。
実施例10では,前記通気パイプ着脱手段との混同を避けるため,「通気パイプ取付手段」という名称を用いる。すなわち,前記通気パイプ取付手段は,「1以上の通気パイプを着脱できること」を特徴とする。これに対し,前記通気パイプ着脱手段は,「1以上の通気パイプの開口部を着脱できること」を特徴としている。
よって,「前記通気パイプ取付手段は,通気パイプの開口部を着脱できない手段であってもよい」。 包含関係として,「前記通気パイプ取付手段は, 前記通気パイプ着脱手段を含む概念」である。
図26と27において,通気パイプ着脱手段180を枠(183と184)に着脱できる扇風機190は,請求項14に記載の「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において前記通気パイプ着脱手段に着脱できる扇風機」に係る扇風機である。
図26と27に記載の扇風機190に着脱できる通気パイプ着脱手段180は,通気パイプとしての特徴を有しているため,扇風機190は前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」である。
扇風機190は,通気パイプの開口部を直接着脱できる手段を有していないため,前記「通気パイプ着脱手段を有する扇風機」ではない。よって,扇風機190だけでは,請求項1に記載の発明に係る扇風機ではない。
扇風機190は,通気パイプ着脱手段180と併せて用いることで,前記「通気パイプ着脱手段を有する扇風機」となり,請求項1および請求項11に記載の発明に係る扇風機となる。
また,通気パイプ着脱手段180は,開口部において他の通気パイプを着脱できるため,前記「通気パイプ取付手段」でもある。
図26と27に記載の前記「扇風機190と通気パイプ着脱手段180を併せて用いる扇風機」は,前記「通気パイプ着脱手段を有する扇風機」であって,前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」でもあるが,以下の説明では,通気パイプ着脱手段180の開口部以外の着脱部位での着脱に注目して説明するため,通気パイプ着脱手段180にあたっては「通気パイプ取付手段」という名称を使い,前記「扇風機190と通気パイプ着脱手段180を併せて用いる扇風機」にあたっては,「通気パイプ取付手段を有する扇風機」という名称を使って,以下の説明をする。
前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」は,「前記通気パイプ取付手段に1以上の通気パイプを着けることができることを特徴とする扇風機」である。これにより,前記通気パイプ取付手段を利用して該扇風機に着けた通気パイプをさらに掃除機に装着することにより,該掃除機に該扇風機を着けて使用することができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置を提供するという課題を解決することができる。
前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」は,「羽根車と,前記羽根車を駆動する電動機と,前記電動機を支持する枠と,前記枠を支持又は着脱手段とする前記通気パイプ取付手段と,を有する扇風機」である。
ただし,前記「前記枠を支持又は着脱手段とする前記通気パイプ取付手段」は,「前記枠を支持する前記通気パイプ取付手段」又は「前記枠を着脱手段とする前記通気パイプ取付手段」である。「前記枠を支持する前記通気パイプ取付手段」とは,「前記通気パイプ取付手段が前記枠を支持している」ということである。「前記枠を着脱手段とする前記通気パイプ取付手段」とは,「前記枠そのものが,枠であって,かつ,前記通気パイプ取付手段でもある」ということである。
図26と27に記載の請求項11の発明に係る前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」は,「前記枠と前記通気パイプ取付手段の間に着脱部位を有する扇風機」である。これにより,前記通気パイプ取付手段(図26の180)を掃除機の通気パイプ(図3の120)に常時着けておき,前記枠(図27の183と,図26の184)と前記通気パイプ取付手段(図26の180)の間の該着脱部位にて該扇風機の着脱を行うことで,毎回の着脱操作をより簡単に行うことができ,かつ,着脱を繰り返しても毎回同じ位置に該扇風機を装着できる効果を得ることができる。
つまり,図3において,扇風機190を装着した通気パイプ取付手段180を通気パイプ120と通気パイプ126の間に挿入している状態において,扇風機190を外すときに,枠(183と184)の着脱部位で扇風機190を離脱させれば,1回の離脱操作で完了する。逆に扇風機190を元通りに装着するときも1回の装着で完了する。以下,前記枠と通気パイプ取付手段180の間の着脱部位で着脱する手段(183,184)を「開口部を用いない通気パイプ取付手段」とよぶ。
これに対し,前記状態において,扇風機190を外すときに,通気パイプ取付手段180の両側の開口部から通気パイプ120と通気パイプ126を離脱させてから,通気パイプ120と通気パイプ126を相互に装着すると,2回の離脱操作と1回の装着操作の,合計3回の着脱操作が必要になる。逆に扇風機190を元通りに装着するときも,1回の離脱操作と2回の装着操作の,合計3回の着脱操作が必要になる。以下,前記通気パイプ取付手段の開口部の着脱部位で着脱する手段180を「開口部を用いる通気パイプ取付手段」とよぶ。
このように,請求項11に記載の発明によれば,「開口部を用いる通気パイプ取付手段」と「開口部を用いない通気パイプ取付手段」の「2種類の通気パイプ取付手段を有する扇風機」が提供される。そして,ユーザが利用するときの状況に応じて,前記2種類の通気パイプ取付手段のいずれかから,手間のかからない方の通気パイプ取付手段を選んで利用できることは,請求項11に記載の発明による特筆すべき効果である。
請求項11に記載の発明によって提供される前記「開口部を用いない通気パイプ取付手段」(183と184)は,既に掃除機の通気パイプを装着した通気パイプ取付手段180の着脱部位(181と182)を着脱するため,毎回の着脱操作をより簡単に行うことができ,かつ,着脱を繰り返しても毎回同じ位置に該扇風機を装着できる効果を得る。よって,汎用の取付器具よりも遥かに安定した装着を実現することができる。
前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」は,「前記通気パイプ取付手段に1以上の通気パイプの開口部を着けることができる扇風機」,「前記通気パイプ取付手段に掃除機のハンドルを着けることができる扇風機」,「前記通気パイプ取付手段に掃除機のハンドルと通気パイプの間に位置する部品を着けることができる扇風機」のいずれかである。これにより,前記掃除機のハンドルを持つ手のすぐ近くに前記扇風機を位置させて利用できる効果を得ることができる。
前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」は,「前記通気パイプ取付手段にハンドルを有する通気パイプの開口部を着けることができる扇風機」である。これにより,前記掃除機のハンドルを持つ手のすぐ近くに前記扇風機を位置させて利用できる効果を得ることができる。
前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」は,「前記扇風機の重心が前記扇風機に着けられた通気パイプの軸近傍空間に位置することを特徴とする扇風機」である。これによりSHIRストレスを解消できる効果を得ることができる。よって,前記SHIRストレスを発生させない扇風機を提供するという別の課題を解決することができる。
前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」は,「掃除機の通気パイプを着けた状態で使用できることを特徴とする扇風機」又は「掃除機の通気パイプを着けた状態で使用することを特徴とする扇風機」である。
前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」は,「掃除機の通気パイプを支持する手にかかる負担を軽減する目的で使用できることを特徴とする扇風機」である。
前記「通気パイプ取付手段を有する扇風機」は,実施例14に記載の「送風制御装置を有する扇風機」として利用することもできる。
実施例11では,請求項13に記載の発明に係る「通気パイプ着脱手段」として使用できる「給電可能な端子を有する通気パイプ」についてより詳細に説明する。
図38は,請求項11に記載の「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間にさらに着脱部位を有し,前記通気パイプ着脱手段と前記枠を相互に着脱できることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載の扇風機」に係る扇風機の実施例であり,該扇風機を,前記通気パイプ着脱手段606と前記枠602の間の着脱部位(604と605)で離脱させた状態の図である。
図38の通気パイプ606は,請求項13に記載の「請求項11に記載の扇風機が有する前記枠と前記通気パイプ着脱手段の間の前記着脱部位において前記枠に着脱できる通気パイプ着脱手段」に係る通気パイプ着脱手段であって,前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」である。実際は,通気パイプ606は掃除機の本体に装着されたホース式の通気パイプに繋がっているが,図38では見やすくするために,該ホース式の通気パイプをハンドル付近で切断して図38に記載している。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記給電可能な端子が前記通気パイプの開口部以外にあることを特徴とする通気パイプ」である。該通気パイプの給電可能な端子に,前記のいずれかの扇風機であって前記給電可能な端子を装着できる端子を有する前記通気パイプ取付手段を有する扇風機(例えば,図38に記載の「給電可能な端子605を装着できる端子を有する通気パイプ取付手段604を有する扇風機600」)を着けることで,簡単に着けることができ,さらに,該掃除機から電気を前記給電可能な端子を介して該扇風機に供給することができる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記給電可能な端子が,前記通気パイプ側から電気を供給する端子である通気パイプ」である。これにより,該掃除機から電気を前記給電可能な端子を介して該扇風機に供給する効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記通気パイプが開口部に有する電極と前記給電可能な端子を接続する電気伝導体を有する通気パイプ」である。これにより,該通気パイプの開口部を経由して掃除機から供給される電気を前記端子を経由して扇風機に供給できる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記給電可能な端子に着けられた扇風機を支持できる通気パイプ」である。これにより,前記給電可能な端子に扇風機を着けて支持できる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「掃除機が有する電動機を含む部品から離脱できる通気パイプ」である。これにより,該通気パイプは,電動機を有しない部品であるため安価に製造でき,オプションの部品として掃除機の通気パイプに装着できる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記給電可能な端子にフタを有する通気パイプ」である。ユニバーサルシリアルバス規格のプラグ型端子604を離脱させたポート型端子605には,スライド式のフタがついている。これにより,前記端子に扇風機を着けないときは,前記フタを閉めておくことで,該端子に塵埃が侵入することを防ぐことができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「ハンドルを有する通気パイプ」である。これにより,前記ハンドルを持つ手のすぐ近くに扇風機を着けることができる効果を得ることができる。よって,前記ハンドルを持って掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置を提供できる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記給電可能な端子から300ミリメートル以内の距離に前記ハンドルを有する通気パイプ」である。この場合,図38に示すようにハンドルの近くに扇風機を着けることができ,該扇風機の重心が通気パイプの外側に位置する扇風機であっても,該重心の位置する方向を前記ハンドルのある方向に一致させることによって,該重心を前記ハンドルを持つ手と前記ヘッドの間に位置させることができ,前記ハンドルをひねる手にかかる負担を軽減させることができる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記通気パイプの前記給電可能な端子の向きと前記ハンドルの付け根の向きが同じであることを特徴とする通気パイプ」である。これにより, 図38に示すように,該扇風機の重心が通気パイプの外側に位置する扇風機であっても,該重心の位置する方向を前記ハンドルのある方向に一致させることが容易になり,該重心を前記ハンドルを持つ手と前記ヘッドの間に位置させることが容易にでき,前記ハンドルをひねる手にかかる負担を軽減させることができる効果を容易に得ることができる。ただし,前記「給電可能な端子の向き」及び前記「ハンドルの付け根の向き」は,ロール回転角(図5のロール回転軸140における角度)の向きである。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記ハンドルの付け根とゴミ吸引口側の開口部の間に前記給電可能な端子が位置することを特徴とする通気パイプ」である。これにより, 図38に示すように,ハンドル607を持つ手と前記ヘッドの間に前記扇風機が位置するように該扇風機を前記通気パイプに着けることが容易にできる効果を得ることができる。ただし,通気パイプ606は,図3から5に示す通気パイプ126を装着し,さらに通気パイプ126はヘッド137を装着しているものとする。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記通気パイプの手持部とゴミ吸引口側の開口部の間に前記給電可能な端子が位置することを特徴とする通気パイプ」である。ただし,前記手持部は,前記通気パイプを手で支持するために設けられた部品である。これにより, 図38に示すように,手持部607を持つ手と前記ヘッドの間に前記扇風機が位置するように該扇風機を前記通気パイプに着けることが容易にできる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記給電可能な端子が標準規格の端子である通気パイプ」である。これにより,前記標準規格の端子を装着できる標準規格の端子を有する市販の扇風機を該通気パイプに着けることができる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記給電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格の端子である通気パイプ」である。これにより,図38に示すように,前記ユニバーサルシリアルバス規格の端子605を装着できるユニバーサルシリアルバス規格の端子604を有する市販の扇風機600を該通気パイプに着けることができる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記給電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格のポート型端子である通気パイプ」である。これにより,図38に示すように,前記ユニバーサルシリアルバス規格のポート型端子605を装着できるユニバーサルシリアルバス規格のプラグ型端子604を有する市販の扇風機600を該通気パイプに着けることができる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「給電を制御する手段を有する通気パイプ」である。これにより,該通気パイプに着けた扇風機への給電を制御できる効果を得ることができる。
前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,「前記給電可能な端子が標準規格ではない端子である通気パイプ」として別の形態で実装することもできる。これにより,前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」に着けることができる扇風機を限定することができるため,前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」と扇風機との間の組み合わせにおいて「適合性チェック効果」を得ることができる。
図38において,扇風機600は,羽根車601を駆動する電動機603を支持する枠602にユニバーサルシリアルバス規格のプラグ型端子604を有している。通気パイプ606のユニバーサルシリアルバス端子のポート型端子605に扇風機600のプラグ型端子604を挿入して,扇風機600に通気パイプ606を着けることにより,扇風機600が通気パイプ606によって支持される。また,通気パイプ606が有する電気伝導体からの電気をユニバーサルシリアルバス端子のポート型端子605とプラグ型端子604を介して扇風機600の電動機に伝えることで羽根車601を駆動させることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置を提供できる効果を得ることができる。
図38において,掃除機の通気パイプ606の上方向(図面において上の方向)にハンドル607が位置しており,同じく通気パイプ606の上方向にユニバーサルシリアルバス規格のポート型端子605が位置している。すなわち,ユニバーサルシリアルバス規格のポート型端子605はハンドルの付け根608と同じ向きある。扇風機600の重心は,通気パイプ606の外側にあって端子605の上方向に位置しているが,ハンドル607も通気パイプ606の外側にあって端子605と同じ上方向に位置している。このため,扇風機600の重心がハンドル607とヘッド137を結ぶ直線上にほぼ位置している(ただし,ヘッド137は,通気パイプ606のゴミ吸引口側の開口部609に開口部127を装着した通気パイプ126の開口部129に装着されているものとする)。この特別な配置により,掃除機600の重心が通気パイプ606の外側に位置していても,通気パイプ606をロール回転させるトルクがほとんど発生しない効果を得ることができる。また,扇風機600は端子604を介して流れる電気で電動機を駆動させるため,扇風機600は電池を有さない。このため扇風機600を軽量にする効果を得ることができる。よって,掃除機に扇風機を着けても,手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機を提供できる効果を得ることができる。
さらに,前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,実施例13に記載の「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」(図39から43)と組み合わせて用いることにより,実施例13に記載の非常に顕著な効果を得ることができる。
さらに, 前記「給電可能な端子を有する通気パイプ」は,実施例14に記載の「送風制御装置」を有することで,実施例14に記載の非常に顕著な効果を得ることができる。
実施例12では,「扇風機を有する掃除機」についてより詳細に説明する。
図5は,請求項12に記載の「請求項1から11のいずれかに記載の扇風機を有する掃除機」にかかる掃除機であって,前記「扇風機を有する掃除機」である。ただし,通気パイプ120は掃除機の本体に装着されたホース式の通気パイプに繋がっているが,図5では見やすくするために,該ホース式の通気パイプをハンドル付近125で切断して図5に記載している。
図43は,請求項12に記載の「請求項1から11のいずれかに記載の扇風機を有する掃除機」にかかる掃除機であって,前記「扇風機を有する掃除機」である。ただし,通気パイプ606は掃除機の本体に装着されたホース式の通気パイプに繋がっているが,図38では見やすくするために,該ホース式の通気パイプをハンドル付近で切断して図43に記載している。また,通気パイプ606はゴミ吸引口側の開口部609に通気パイプ126の開口部127を装着し,さらに通気パイプ126の開口部129にヘッド137を装着しているものとする。
前記「扇風機を有する掃除機」は,「前記扇風機と前記掃除機の間に着脱手段を有する掃除機」である。これにより,前記扇風機を必要としないときは,前記扇風機を前記掃除機から離脱しておくことができ,前記扇風機が必要とされるときは,前記扇風機を前記掃除機に装着することができる効果を得ることができる。さらに,前記扇風機と前記掃除機の間に着脱手段があることにより,装着すべき位置が明確になる効果を得ることができ,毎回の着脱操作をより簡単に行える効果を得ることができ,毎回同じ位置に該扇風機を装着できる効果を得ることができる。
前記「扇風機を有する掃除機」は,「前記掃除機が有する通気パイプが前記扇風機を支持する掃除機」,「前記掃除機が有するハンドルが前記扇風機を支持する掃除機」,「前記掃除機が有する通気パイプとハンドルの間に位置する部品が前記扇風機を支持する掃除機」のいずれかである。これにより,前記掃除機のハンドルを持つ手のすぐ近くに前記扇風機を位置させて利用できる効果を得ることができる。
前記「扇風機を有する掃除機」は,「前記通気パイプと前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機」,「前記ハンドルと前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機」,「前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品と前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機」のいずれかである。これにより,前記扇風機を必要としないときは,前記扇風機を前記掃除機から離脱しておくことができ,前記扇風機が必要とされるときは,前記扇風機を前記掃除機に装着することができる効果を得ることができる。さらに,前記扇風機と前記掃除機の間に着脱手段があることにより,装着すべき位置が明確になる効果を得ることができ,毎回の着脱操作をより簡単に行える効果を得ることができ,毎回同じ位置に該扇風機を装着できる効果を得ることができる。
前記「扇風機を有する掃除機」は,「前記通気パイプと前記扇風機の間に給電可能な端子を有する掃除機」,「前記ハンドルと前記扇風機の間に給電可能な端子を有する掃除機」,「前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品と前記扇風機の間に給電可能な端子を有する掃除機」のいずれかである。これにより,該掃除機から電気を前記給電可能な端子を介して該扇風機に供給することができる効果を得ることができる。
前記「扇風機を有する掃除機」は,「前記給電可能な端子にフタを有する掃除機」である。これにより,前記端子に扇風機を着けないときは,前記フタを閉めておくことで,該端子に塵埃が侵入することを防ぐことができる。ユニバーサルシリアルバス規格のプラグ型端子604を離脱させたポート型端子605には,スライド式のフタがついている。これにより,前記端子に扇風機を着けないときは,前記フタを閉めておくことで,該端子に塵埃が侵入することを防ぐことができる。
前記「扇風機を有する掃除機」は,「前記給電可能な端子が標準規格の端子である掃除機」である。これにより,前記標準規格の端子を装着できる標準規格の端子を有する市販の扇風機を該掃除機に着けることができ,より安価に該掃除機を提供できる効果を得ることができる。
前記のいずれかの「扇風機を有する掃除機」であって,「前記給電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格の端子である掃除機」である。これにより,図42と43に示すように,前記ユニバーサルシリアルバス規格の端子を装着できるユニバーサルシリアルバス規格の端子を有する市販の扇風機を該掃除機に着けることができる効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する掃除機をより安価に提供することができる。
前記のいずれかの「扇風機を有する掃除機」であって,「前記給電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格のポート型端子である掃除機」である。これにより,図42と43に示すように,前記ユニバーサルシリアルバス規格のポート型端子を装着できるユニバーサルシリアルバス規格のプラグ型端子を有する市販の扇風機を該掃除機に着けることができる効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する掃除機をより安価に提供することができる。
前記のいずれかの「扇風機を有する掃除機」であって,「前記給電可能な端子が標準規格ではない端子である掃除機」として別の形態で実装することもできる。これにより,前記掃除機に着けることができる扇風機を限定することができるため,前記掃除機と扇風機との間の組み合わせにおいて「適合性チェック効果」を得ることができる。
図38において,ユニバーサルシリアルバス端子のポート型端子605を,ハンドル607の位置に設けた通気パイプ606を扇風機600に装着し,通気パイプ606の開口部609を通気パイプ126の開口部127に装着し,さらに,通気パイプ606を装着した掃除機は,前記「扇風機を有する掃除機であって,前記掃除機が有するハンドルが前記扇風機を支持する掃除機であって,前記ハンドルと前記扇風機の間に通気パイプ取付手段を有する掃除機であって,前記ハンドルと前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機であって,前記ハンドルと前記扇風機の間に給電可能な標準規格のユニバーサルシリアルバス規格の端子を有する掃除機」の実施例である。
図38において,ユニバーサルシリアルバス端子のポート型端子605を,ハンドル607の付け根608の位置に設けた通気パイプ606を扇風機600に装着し,通気パイプ606の開口部609を通気パイプ126の開口部127に装着し,さらに,通気パイプ606を装着した掃除機は,前記「扇風機を有する掃除機であって,前記掃除機が有する通気パイプとハンドルの間に位置する部品が前記扇風機を支持する掃除機であって,前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品と前記扇風機の間に通気パイプ取付手段を有する掃除機であって,前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品と前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機であって,前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品と前記扇風機の間に給電可能な標準規格のユニバーサルシリアルバス規格の端子を有する掃除機」の実施例である。
図1から27に記載の扇風機が装着した通気パイプを装着した掃除機は,前記「扇風機を有する掃除機であって,前記掃除機が有する通気パイプが前記扇風機を支持する掃除機であって,前記通気パイプと前記扇風機の間に通気パイプ取付手段を有する掃除機であって,前記通気パイプと前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機」の実施例である。
図28から36に記載の扇風機が挟持した通気パイプを装着した掃除機は,前記「扇風機を有する掃除機であって,前記掃除機が有する通気パイプが前記扇風機を支持する掃除機であって,前記通気パイプと前記扇風機の間に通気パイプ取付手段を有する掃除機であって,前記通気パイプと前記扇風機の間に挟持手段を有する掃除機」の実施例である。
前記のいずれかの「扇風機を有する掃除機」であって,「前記通気パイプと前記扇風機の間に給電可能な端子を有する掃除機」,「前記ハンドルと前記扇風機の間に給電可能な端子を有する掃除機」,「前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品と前記扇風機の間に給電可能な端子を有する掃除機」のいずれかである扇風機は,実施例13に記載の「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」と組み合わせて用いることにより,実施例13に記載の非常に顕著な効果を得ることができる。
さらに, 前記「扇風機を有する掃除機」は,実施例14に記載の「送風制御装置」を有することで,実施例14に記載の非常に顕著な効果を得ることができる。
図38において扇風機600に通気パイプ606を装着し,さらに通気パイプ606を装着した掃除機は,前記「扇風機を有する掃除機であって,前記掃除機が有する通気パイプが前記扇風機を支持する掃除機であって,前記通気パイプと前記扇風機の間に通気パイプ取付手段を有する掃除機であって,前記通気パイプと前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機であって,前記通気パイプと前記扇風機の間に給電可能な標準規格のユニバーサルシリアルバス規格の端子を有する掃除機」の実施例である。
(受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機)
図43は,請求項11に記載の「前記通気パイプ着脱手段と前記枠の間にさらに着脱部位を有し,前記通気パイプ着脱手段と前記枠を相互に着脱できることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載の扇風機」に係る扇風機であり,通気パイプ606と枠701(マルチポートハブ701を用いた枠)の間に着脱部位706を有している。着脱部位706は,「給電可能な端子であるユニバーサルシリアルバス規格のポート型端子605」と「受電可能な端子であるユニバーサルシリアルバス規格のプラグ型端子702」を着脱手段とする着脱部位である。
着脱部位706で離脱させた扇風機700は,「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」である。
図41において,前記「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」の重心は,該「受電可能な端子の先端」の真下に位置する。このため,該「受電可能な端子」と着脱できる「給電可能な端子」を上面に備えた掃除機の部品(前記通気パイプ,前記ハンドル,前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品など)に,該「受電可能な端子」を装着することにより,該重心を該掃除機の該部品の内部空間に位置させる効果を得ることができる。よって, 掃除機に扇風機を着けても,手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機を提供できる効果を得ることができる。
図39から43は,「受電可能なプラグ型端子702の先端708で円柱709の円柱面上に立つことができる扇風機700」の実施例である。扇風機700は,ユニバーサルシリアルバス規格のマルチポートハブ701と,2つの扇風機600から構成される。プラグ型端子604とポート型端子703の装着によって,扇風機600はマルチポートハブ701から支持される。
図40と41に示すように,「受電可能なプラグ型端子702の先端708で円柱709の円柱面上に立つことができる扇風機700」の重心707は,「受電可能な端子702の先端708」の真下に位置する。このため,図41に示すように,円柱709の上面に受電可能な端子702の先端708のみを接触させた状態で,「やじろべえ」のように立つことができる。
図42と43に示すように,扇風機700の受電可能なプラグ型端子702を,掃除機の通気パイプ606の給電可能なポート型端子605に装着することにより,扇風機700は通気パイプ606によって支持される。また,掃除機のポート型端子606からプラグ型端子702を介して扇風機700へ供給される電気によって,扇風機600の電動機を駆動させて送風することができる。
すなわち,扇風機700は,実施例11に記載の「給電可能な端子を有する通気パイプ」又は実施例12に記載の「給電可能な端子を有する掃除機」のいずれかの手段と組み合わせて用いることによって,「掃除機に扇風機を着けても,手にかかる負担を増加させにくい扇風機および該扇風機を搭載した掃除機を提供する」という効果を得ることができる。また,「掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置を提供する」という課題を解決することもできる。
さらに,掃除機を使用しないときは,扇風機600をマルチポートハブ701から離脱させて,プラグ型端子604を別の機器(パソコンなど)のポート型端子に装着することで,扇風機600を使用することができる。
すなわち,前記「受電可能な端子」が,「標準規格の端子」でもあることによって,「掃除機につけることができる扇風機であって,掃除機を使用しないときでも利用できる扇風機を提供する」という効果を得ることができる。
さらに,図42と43に示すように,扇風機700は,電源を分岐させる汎用部品(マルチポートハブ701)を工夫して用いることで,扇風機700に着けた通気パイプの軸近傍空間に重心707を位置させる効果を得ている。このため,掃除機を使用しないときは扇風機700を分解してマルチポートハブ701を「電源を分岐させる部品」として汎用的に使うことができ,また,掃除機を使用するときは扇風機700を即座に組み立てて使うことができる。
すなわち,前記「受電可能な端子」を,「ユニバーサルシリアルバス規格の端子」とすることで,電源を分岐させる汎用部品を工夫して用いることができ,これにより扇風機700を安価に製造できる効果を得ることができる。よって,掃除機に着ける扇風機において,扇風機のメーカに対しては,製造コストを下げることができる扇風機を提供するという課題を解決することができ,さらに,扇風機のユーザに対しては購入コストを下げることができる扇風機を提供するという別の課題も解決することができる。
前記「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」は,「前記受電可能な端子が標準規格の端子である扇風機」である。
前記「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」は,「前記受電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格の端子である扇風機」である。
前記「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」は,「前記受電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格のプラグ型端子である扇風機」である。
前記「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」は,「2以上の電動機を有する扇風機」である。これにより,図39から43に示すように,2つの電動機でバランスをとることができ,重心の位置を制御しやすくなる効果を得ることができる。
前記「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」は,「前記受電可能な端子と前記扇風機が有する電動機の間に着脱手段を有する扇風機」である。これにより,掃除機に装着しないときには離脱させて使用できる効果を得ることができる。よって,掃除機を使用しないときでも該扇風機を利用できる効果を得ることができる。
前記「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」は,「前記受電可能な端子と前記扇風機が有する電動機の間に可動部を有する扇風機」である。これにより,前記扇風機の重心の位置を調整しやすくなる効果を得ることができる。
なお,前記「受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機」を立たせる前記円柱面としては,直径が40ミリメートルの木製の円柱で,長さが200ミリメートル以上のものを使用する。前記円柱の円柱面に立つことができる扇風機は,前記「実施例13において解決すべき課題」を解決するための手段として開示された発明に係る扇風機である。
実施例14においては,「掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置をより高度に提供すること」を課題とし,該課題を解決するための手段として「送風制御装置」,「前記送風制御装置を有する扇風機」,「前記送風制御装置を有する掃除機」,および,それらの手段の効果を詳細に説明する。
本明細書において,「送風制御装置」とは,
「電源又は受電可能な端子と,コンピュータと,センサーと,給電制御手段と,電動機と,羽根車を備え,
前記センサーは信号データを生成し,
前記信号データを前記コンピュータは入力し,
前記コンピュータは前記信号データから制御データを生成し,
前記制御データを前記給電制御手段は入力し,
前記給電制御手段は前記制御データに基づいて前記電源又は受電可能な端子から前記電動機への給電を制御し,
前記電動機は前記羽根車を駆動すること,
を特徴とする送風制御装置」
である。
前記「送風制御装置」として利用できる別の「送風制御装置」は,「前記センサーが,モーションセンサー,加速度センサー,ジャイロセンサー,GPSセンサー,磁気センサー,照度センサー,トルクセンサー,圧力センサーの少なくともいずれか1つであって,前記センサーが生成する信号データを入力する前記コンピュータが,前記信号データに基づいて前記送風制御装置の動的状態を反映する動的データを生成し,前記動的データに基づいて,前記制御データを生成する前記のいずれか送風制御装置」である。
これにより,前記動的データが反映する前記送風制御装置の動的状態に基づいて送風を制御することができる効果を得ることができる。例えば,前記送風制御装置が移動しているときは,前記送風制御装置を有する機器が使用されているときであることから,送風を行う制御を行うことができる。また,前記送風制御装置が移動していないときは,前記送風制御装置を有する機器が使用されていないときであることから,送風を止める制御を行うことができる。
前記送風制御装置を有する扇風機を有する掃除機を用いることにより,ユーザの動きに合わせて該扇風機の稼働を制御できる効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置をより高度に提供するという課題を解決することができる。
前記「送風制御装置」として利用できる別の「送風制御装置」は,「前記センサーが温度センサー,湿度センサー,温湿度センサー,気圧センサーの少なくともいずれか1つであって,前記センサーが生成する信号データを入力する前記コンピュータが,前記信号データに基づいて前記送風制御装置の環境状態を反映する環境データを生成し,前記環境データに基づいて,前記制御データを生成する前記のいずれか送風制御装置」である。
これにより,前記環境データが反映する前記送風制御装置の環境状態に基づいて送風を制御することができる効果を得ることができる。例えば,前記送風制御装置の周囲の環境の気温が高い時は送風を行う制御を行うことができる。また,前記送風制御装置の環境の気温が低い時は,送風を止める制御を行うことができる。
前記送風制御装置を有する扇風機を有する掃除機を用いることにより,ユーザの環境に合わせて該扇風機の稼働を制御できる効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置をより高度に提供するという課題を解決することができる。
図44は,電源800から電動機802への給電を給電制御手段801で制御する送風制御装置の例である。
給電制御手段801,電動機802,コンピュータ803,カメラ804,センサー805,通信装置806は,いずれも電源800から供給される電気を利用する手段である。図44には,前記電気を利用する手段の間の通信,給電,及び/又は,制御を線で示している。
カメラ804は,画像データを前記信号データとして定期的に生成する。カメラ804は前記信号データをコンピュータ803に定期的に送信し,コンピュータ803は前記信号データを定期的に入力する。
センサー805は,モーションセンサー,加速度センサー,ジャイロセンサー,磁気センサー,GPSセンサー,照度センサー,トルクセンサー,圧力センサーなどの「センサーが設置された部品の動きを反映した信号データを生成するセンサー(以下,「動的センサー」とよぶ)」の他,温度センサー,湿度センサー,温湿度センサー,気圧センサーなどの「周囲の環境を反映した信号データを生成するセンサー(以下,「環境センサー」とよぶ)」のいずれか,又はそれらの複数の組み合わせである。センサー805は前記信号データをコンピュータ803に定期的に送信し,コンピュータ803は前記信号データを定期的に入力する。
通信装置806は,ネットワーク回線等を通じて,外部の情報機器からデータを取得できる。例えば,インターネットのいずれかのサイトに接続して,気象情報などのデータを取得することができる。
通信装置806はコンピュータ803と接続されており,コンピュータ803からのリクエストに応じて必要なデータを外部の情報機器から取得することができる。例えば,GPSセンサー805が生成する位置情報を反映した信号データを入力したコンピュータ803が該信号データが反映する位置情報を通信装置806に送信し,通信装置806が該位置情報を外部の情報機器に送信することで,外部の情報機器から現在位置における気象情報などのデータを取得することもできる。
コンピュータ803は,カメラ804から定期的に入力する信号データの比較をするための差分データを計算する。コンピュータ803は該差分データに基づいてカメラ804が設置された部品の動きの程度を反映した動的データを生成する。コンピュータ803は該動的データ及び/又は該信号データに基づいて制御データを生成し,給電制御手段801へ該制御データを送る。給電制御手段801は該制御データを入力し,該制御データに基づいて,電源800から電動機802に給電する電圧を変化させる。
コンピュータ803は,動的センサーを含むセンサー805から定期的に入力する信号データの比較をするための差分データ又は動的状態を反映する積分データを計算する。コンピュータ803は該差分データ又は積分データに基づいてセンサー805が設置された部品の動きの程度を反映した動的データを生成する。コンピュータ803は該動的データ及び/又は該信号データに基づいて制御データを生成し,給電制御手段801へ該制御データを送る。給電制御手段801は該制御データを入力し,該制御データに基づいて,電源800から電動機802に給電する電圧を変化させる。
コンピュータ803は,環境センサーを含むセンサー805から定期的に入力する信号データに基づいてセンサー805が設置された部品の周囲の環境の状態を反映した環境データを生成する。コンピュータ803は該環境データ及び/又は該信号データに基づいて制御データを生成し,給電制御手段801へ該制御データを送る。給電制御手段801は該制御データを入力し,該制御データに基づいて,電源800から電動機802に給電する電圧を変化させる。
コンピュータ803は,カメラ804,センサー805,通信装置806から入力する信号データを統合的に処理することで,より適切な制御データを給電制御手段801に送信し,電動機802をより適切に制御することができる。例えば,気温が高い環境において前記部品が移動した場合には送風を開始し,気温が低い環境で前記部品が移動した場合には送風を開始しない制御を行うこともできる。さらに,実施例16に示す「扇風機による人体動作アシスト機能」というより高度な制御を行うこともできる。
画像処理に基づく高度な制御の例としては,「コンピュータ803はカメラ804から定期的に入力する信号データである画像データの中に人間の顔の画像が含まれているかどうかを判定する処理を行い,人の顔の画像が含まれていたときには,給電制御手段801に制御データを送信し,電動機802への給電を開始して,送風を開始する」こともできる。
画像処理に基づく高度な制御の別の例としては,「コンピュータ803はカメラ804から定期的に受信する撮影画像のデータの中に人間の顔の画像が含まれているかどうかを判定する処理を行い,さらに人の顔の表情を判定する処理を行い,その判定結果に基づいて,給電制御手段801に制御データを送り,電動機802への給電の電圧を変化させることもできる。例えば,不快な表情であるという判定結果に対しては,給電の電圧を高くする制御データを給電制御手段801に送信することで,電動機802をより速く回転させ,送風の量を増やす」こともできる。
前記のいずれかの送風制御装置を有する請求項1から11のいずれか又は請求項14に記載の扇風機を利用することで,該扇風機を掃除機の通気パイプに装着して利用できる効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置をより高度に提供するという課題を解決することができる。
「前記給電制御手段が給電する前記電動機が2以上であることを特徴とする前記のいずれかの送風制御装置」を有する請求項10に記載の扇風機を利用することで,該扇風機の2以上の電動機が駆動する羽根車を前記送風制御装置で制御できる効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置をより高度に提供するという課題を解決することができる。
前記のいずれかの送風制御装置を有する請求項12に記載の掃除機を用いることにより,ユーザの動き又は環境に合わせて前記扇風機の稼働を制御できる効果を得ることができる。よって,掃除機をかけながら移動し続ける人体を恒常的に冷却する装置をより高度に提供するという課題を解決することができる。
前記の手段800から806を配置した形態の例としては,図39から43に記載のマルチポートハブ701に給電制御手段801とコンピュータ803を格納する。さらにマルチポートハブ701にカメラ804とセンサー805と通信装置806を搭載する。
電源800を有する掃除機又は電源800に接続された掃除機が有する給電可能なポート型端子605に,マルチポートハブ701の受電可能なプラグ型端子702を装着することにより,電源800と給電制御手段801が接続される。
さらに,マルチポートハブ701のポート型端子703に扇風機600のプラグ型端子604を装着することにより,給電制御手段801と電動機802が接続される。
以上により,「図44に記載の全ての手段が接続された装置」が提供される。前記「図44に記載の全ての手段が接続された装置」は,関連発明A1からA10に記載の発明に係る掃除機でもある。
前記「図44に記載の全ての手段が接続された装置」において,プラグ型端子702をポート型端子605から離脱させた扇風機700(マルチポートハブ701と2つの扇風機600を有する扇風機)は,関連発明C1からC7及びD1からD7に記載の発明に係る扇風機である。
前記「図44に記載の全ての手段が接続された装置」において,プラグ型端子604をポート型端子703から離脱させた通気パイプ(マルチポートハブ701と通気パイプ606を有する通気パイプ)は,関連発明E1からE16及びE18に記載の発明に係る通気パイプである。
(逆回転トルクを発生させない送風機,上昇/下降気流を発生させる送風機)
送風機を通気パイプに着けて該送風機の羽根車を回転させた場合に,該羽根車の回転方向と反対の回転方向に該通気パイプを回転させるトルク(以下,「逆回転トルク」とよぶ)が発生して,該逆回転トルクが該通気パイプを支持する手に負担をかける場合がある。
実施例15において解決すべき課題は,「通気パイプに着ける送風機であって,該送風機の羽根車の回転によって生じる逆回転トルクが該通気パイプを支持する手の負担にならない送風機を提供すること」である。
前記「実施例15において解決すべき課題」を解決するために利用できる手段としては,「時計回りに回転する羽根車の数と反時計回りに回転する羽根車の数が等しい送風機」である。
すなわち
「電源又は受電可能な端子と,
N個の電動機と,
前記各電動機とは反対方向に回転するN個の電動機と,
N個の羽根車と,
前記各羽根車とは反対方向に回転するN個の羽根車を備え,
前記各電動機は前記各羽根車を駆動し,
Nは1以上であることを特徴とする送風機」
である(以下,「正反回転式送風機」とよぶ)。これにより,「羽根車の回転によって発生する逆回転トルクを前記正反回転式送風機全体としてキャンセルする効果」を得ることができる。
よって,前記「正反回転式送風機」を通気パイプに着けることによって,「通気パイプに着ける送風機であって,該送風機の羽根車の回転によって生じる逆回転トルクが該通気パイプを支持する手の負担にならない送風機を提供する」という課題を解決することができる。
前記「正反回転式送風機」であって,「ハンドルを有する送風機」又は「ハンドルを有する通気パイプを装着した送風機」を「ハンドル付き正反回転式送風機」とよぶ。
なお,「請求項9又は10に記載の扇風機であって,前記正反回転式送風機である扇風機」を提供することにより,「通気パイプに着ける扇風機であって,該扇風機の羽根車の回転によって生じる逆回転トルクが該通気パイプを支持する手の負担にならない扇風機を提供できる効果」を得ることができる。
本明細書において,「時計回り」とは,「ユーザの目線方向から回転軸を見たときに時計回り」に回転する(又はひねる)ということである。また,「反時計回り」とは,「前記ユーザの目線方向から回転軸を見たときに反時計回り」に回転する(又はひねる)ということである。図5において,ユーザの目線方向とは,ハンドル124の側からヘッド137の側に向かってロール回転軸140に平行に見たときの方向である。また,図51において,ユーザの目線方向とは,ハンドル925の側からヘッド932の側に向かってロール回転軸140に平行にみたときの方向である。ただし,前記羽根車の回転軸の方向を変えることができる可動部を有する送風機においては,前記羽根車をユーザに向けて送風する方向(図5においてヘッド137の側からハンドル124の側に向けた方向)に向けてあるものとする。
前記「正反回転式送風機」であって,時計回りに回転する羽根車の数と反時計回りに回転する羽根車の数の合計がMである送風機を,「M型正反回転式送風機」とよぶ。時計回りに回転する羽根車と反時計回りに回転する羽根車を1つずつ有する正反回転式送風機を「2型正反回転式送風機」とよび, 時計回りに回転する羽根車と反時計回りに回転する羽根車を2つずつ有する正反回転式送風機を「4型正反回転式送風機」とよぶ。
前記「正反回転式送風機」であって,「全ての前記羽根車の回転軸が同一直線上にある送風機」を「正反回転式同軸回転式送風機」とよぶ。
前記「正反回転式送風機」であって,「正反回転式同軸回転式送風機ではない送風機」を「正反回転式非同軸回転式送風機」とよぶ。
前記「2型正反回転式非同軸回転式送風機」の特筆すべき効果として,「下降気流を発生させる効果」を得ることができることを以下に説明する。
図22から23に記載の2つの羽根車を有する扇風機において,一方の羽根車を時計回りに回転させ,もう一方の羽根車を反時計回りに回転させた扇風機は,請求項10に記載の扇風機であって,「2型正反回転式非同軸回転式送風機である扇風機」である。該扇風機の構造の一部を断面図で図45に示す。
図45に記載の扇風機が有する左側の単扇風機187は時計回りに回転する羽根車902から左ねじ回転で進む螺旋気流904を発生させる。また,該扇風機が有する右側の単扇風機188は反時計回りに回転する羽根車903から右ねじ回転で進む螺旋気流905を発生させる。螺旋気流904と螺旋気流905は,該2つの螺旋気流の間の境界面906において,気流の方向が一致するため互いに気流を強めあうことができる。このため,ロール回転軸140に沿って進行する気流とともに,下降気流907も発生する。
よって,図45に記載の扇風機を掃除機の通気パイプ120に装着して,左側の単扇風機187に時計回りに回転する羽根車902を配置し,右側の単扇風機188に反時計回りに回転する羽根車903を配置したときに,「ハンドル付近に下降気流を発生させる効果」を得ることができる(以下,前記配置を「下降気流を発生させる配置」とよぶ)。
このため,掃除中に舞い上がる塵埃が少ない上方に存在する空気を,下降気流907によって,ユーザに向けて送風することができる効果を得ることができる。
さらに,図45に記載の扇風機の特筆すべき効果として,ロール回転可動部153において扇風機全体を回転させることで,「前記下降気流だけでなく,上昇気流や横方向気流を発生させることができる効果」を得ることができる。このため,図46に示すように,左側の単扇風機187に反時計回りに回転する羽根車903を配置し,右側の単扇風機188に時計回りに回転する羽根車902を配置したときに,上昇気流908を発生させる効果を得ることができる(以下,前記配置を「上昇気流を発生させる配置」とよぶ)。
図46に示すように,前記「2型正反回転式非同軸回転式送風機である扇風機」を前記「上昇気流を発生させる配置」で用いて,テーブル914の上空を横から送風することにより,テーブル914の上空に上昇気流908を発生させることができ,テーブル914への塵埃の落下を防ぐことができる効果を得ることができる。これにより,食品や展示物を配置したテーブル914への塵埃の落下を防ぐ扇風機を提供できる効果を得ることができる。
よって,請求項10に記載の扇風機であって,前記「2型正反回転式非同軸回転式送風機である扇風機」を提供することよって,掃除中は「下降気流を発生させる配置」で通気パイプに装着して塵埃の少ない気流をユーザに送風するために使用し,掃除中以外は,図24と25に記載の支柱に装着して「上昇気流を発生させる配置」で使用することで,ダイニングテーブル等への塵埃の落下を防ぐことができる効果を得ることができる。
(逆回転トルクを発生させない掃除機)
なお,前記「正反回転式送風機」の特筆すべき効果としては,これを利用した別の関連発明として,前記「正反回転式送風機によって陰圧を発生させる掃除機」がある。
すなわち,
「電源又は受電可能な端子と,
N個の電動機と,
前記各電動機とは反対方向に回転するN個の電動機と,
N個の羽根車と,
前記各羽根車とは反対方向に回転するN個の羽根車を備え,
前記各電動機は前記各羽根車を駆動して陰圧を発生させ,
Nは1以上であることを特徴とする掃除機」である。
以下,前記「正反回転式送風機によって陰圧を発生させる掃除機」を「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」とよぶ。
前記「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」の実施の形態としては,図49から51に記載の「電源又は受電可能な端子と,電動機922と,前記電動機922とは反対方向に回転する電動機923と,羽根車920と,前記羽根車920とは反対方向に回転する羽根車921を備え,前記電動機922は前記羽根車920を駆動し,前記電動923は前記羽根車921を駆動する2型正反回転式非同軸回転式送風機」によって陰圧を発生させることを特徴とする掃除機950である。すなわち,掃除機950は,「2型正反回転式非同軸回転式送風機によって陰圧を発生させる掃除機」である。これにより,「電動機と羽根車の回転によって生じる逆回転トルクをキャンセルすることで,前記掃除機を支持する手に負担をかけない効果」と,「2つの電動機を有することにより,吸引力が強くなる効果」を両方得ることができる。
前記「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」の実施の別の形態としては,特開2011−189132の図1に記載の「スティックバキューム掃除機」において,前記「2型正反回転式非同軸回転式送風機」を,可搬型真空掃除機3の内部に設置して前記羽根車による陰圧を発生させることで,「電動機と羽根車の回転によって生じる逆回転トルクをキャンセルすることで,前記掃除機を支持する手に負担をかけない効果」と,「2つの電動機を有することにより,吸引力が強くなる効果」を両方得ることができる。
前記「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」の実施の別の形態としては,特開2016−112076の図1に記載の「スティック型電気掃除機」において,前記「2型正反回転式非同軸回転式送風機」を,掃除機本体3の内部に設置して前記羽根車による陰圧を発生させることで,「電動機と羽根車の回転によって生じる逆回転トルクをキャンセルすることで,前記掃除機を支持する手に負担をかけない効果」と,「2つの電動機を有することにより,吸引力が強くなる効果」を両方得ることができる。
前記「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」の実施の別の形態としては,特開2015−213632の図4に記載の「電気掃除機」において,前記「2型正反回転式非同軸回転式送風機」を,掃除機本体1の内部に設置して前記羽根車による陰圧を発生させることで,「電動機と羽根車の回転によって生じる逆回転トルクをキャンセルすることで,前記掃除機を支持する手に負担をかけない効果」と,「2つの電動機を有することにより,吸引力が強くなる効果」を両方得ることができる。
前記「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」の実施の別の形態としては,特開2012−090762の図1に記載の「電気掃除機」において,前記「2型正反回転式非同軸回転式送風機」を,掃除機本体1の内部に設置して前記羽根車による陰圧を発生させることで,「電動機と羽根車の回転によって生じる逆回転トルクをキャンセルすることで,前記掃除機を支持する手に負担をかけない効果」と,「2つの電動機を有することにより,吸引力が強くなる効果」を両方得ることができる。
なお,前記「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」の実施の形態のいずれかに記載の掃除機において,前記「2型正反回転式非同軸回転式送風機」の代わりに,「2型正反回転式同軸回転式送風機」を用いる掃除機も実施可能な形態である。具体的には,前記「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」の実施の形態のいずれかに記載の掃除機の内部に設置された前記「2型正反回転式非同軸回転式送風機」において互いに平行逆回転する2つの電動機の回転軸を,同一直線上に前後に配置することによって,「2型正反回転式同軸回転式送風機によって陰圧を発生させる掃除機」の実施の形態とすることができる。
前記「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」の特筆すべき効果は,「特に,電源を入れて電動機が回転し始めた時に顕著に現れやすい逆回転トルクによる手首等へのストレスをキャンセルできる効果」である。従来技術の掃除機では,電源を入れたときに掃除機本体の電動機が強い逆回転トルクを発生するため,該本体を手に下げて移動したり,スティック型掃除機として手で操作する際に,手首への大きな負担となっていた。このため,腱鞘炎や母指CM関節症を抱える患者にとっては,手に負担のかからない掃除機が求められていた。これに対し,前記「逆回転トルクをキャンセルする掃除機」は,逆回転トルクによる手首等へのストレスをキャンセルできる効果を掃除機にもたらすものであり,従来技術にない画期的な進歩を掃除機にもたらすものである。すなわち,特に掃除機において,前記逆回転トルクをキャンセルする効果を利用することに着目した本明細書に記載の発明は,従来技術を著しく発展させる効果を有するものである。
(人体動作をアシストする扇風機と掃除機)
実施例16において解決すべき課題は,「人体動作をアシストする機能を有する扇風機と掃除機を提供すること」である。
前記「正反回転式送風機」の最も特筆すべき効果は,以下に詳しく述べる送風制御装置を追加することで,「時計回りに回転する電動機が発生する反時計回りの逆回転トルク」と「反時計回りに回転する電動機が発生する時計回りの逆回転トルク」の差を「アシストトルク」として利用する制御を行うことができる効果である。これにより,「人体動作アシスト機能を有する送風機」を提供することができる。
ユーザが「ハンドル付き正反回転式送風機を時計回りにひねるハンドル操作」をした際に,前記「反時計回りに回転する羽根車」の回転速度を,前記「時計回りに回転する羽根車」よりも速くすることで,該送風機を時計回りに回転させるトルクが該送風機に発生し,該ユーザの前記「時計回りにひねるハンドル操作」をアシストする効果を得ることができる。また,ユーザが「ハンドル付き正反回転式送風機を反時計回りにひねるハンドル操作」をした際に,前記「時計回りに回転する羽根車」の回転速度を,前記「反時計回りに回転する羽根車」よりも速くすることで,該送風機を反時計回りに回転させるトルクが該送風機に発生し,該ユーザの前記「反時計回りにひねるハンドル操作」をアシストする効果を得ることができる。
前記「アシストする効果」を効果的に利用するための送風制御装置として,実施例14に記載の送風制御装置を追加した前記「正反回転式送風機」を,「正反回転式送風制御式送風機」とよぶ。また,前記「正反回転式送風制御式送風機」であって,「ハンドルを有する送風機」又は「ハンドルを有する通気パイプを装着した送風機」を「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」とよぶ。
図49から51に記載の送風機940は,前記「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」である。また,掃除機950は「送風機940によって陰圧を発生させる掃除機」である(以下,「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機によって陰圧を発生させる掃除機」とよぶ)。
送風機940は,時計回りに回転する羽根車920と反時計回りに回転する羽根車921を有し,羽根車920は時計回りに回転する電動機922によって駆動され,羽根車921は反時計回りに回転する電動機923によって駆動され,電動機922と電動機923は枠924によって支持され,枠924はハンドル925により支持され,ハンドル925はユーザの手によって支持される。
また,枠924は通気パイプ着脱手段を有する枠927からも支持され,枠927は開口部928に通気パイプ929の開口部を装着することにより通気パイプ929から支持され,通気パイプ929は回転可動部931を介してヘッド932によって支持され,ヘッド932は床面に接触することで床面から支持される。
枠927の内部には,ゴミを集積するためのフィルターが備えられており,羽根車920と羽根車921を回転させて枠927の内部に陰圧を発生させることで,ヘッド932からゴミを含む空気を流入させ,該空気を通気パイプ929を経由させて前記フィルターを通過させてから排出することにより,前記フィルター内にゴミを集める。よって,図49から51に記載の装置は掃除機950として機能する。掃除機950は手持部925と接地部932を有する筒状体929を有している。送風機940は,電動機922及び電動機923を支持する枠924とハンドル925の間に前記送風制御装置のトルクセンサー926を有している。トルクセンサー926は圧力センサー(半導体ピエゾ抵抗拡散圧力センサー又は,ひずみゲージ式圧力センサー)を利用してハンドル925と枠924の間のロール回転軸140方向のねじれの力をトルクセンサー926の部品が受ける圧力として計測することによりトルクを計測している。ただし,前記トルクセンサーとして利用可能なセンサーは該圧力センサーに限定されず,公知のあらゆる圧力センサー,回転式トルクセンサー,非回転式トルクセンサー,角加速度センサー,などを利用して実現することができる。
送風機940は,ユーザがハンドル925を時計回りにひねるハンドル操作により,掃除機950全体を通気パイプ929の中心軸140(ロール回転軸140)で時計回りに回転させるトルク(以下,「ユーザトルク」とよぶ)をハンドル925に加えると,トルクセンサー926は該ユーザトルクを反映した信号データを生成し,前記信号データを前記送風制御装置のコンピュータが入力し,前記コンピュータは時計回りに回転する電動機922の電圧を下げて反時計回りに回転する電動機923の電圧を上げる制御データを生成し,該制御データを入力した前記送風制御装置の給電制御手段は電動機921と電動機922への給電を制御する。これにより,送風機940を時計回りに回転させるトルク(以下,「アシストトルク」とよぶ)が発生し,該ユーザトルクと該アシストトルクを合計したトルク(以下,「トータルトルク」とよぶ)を,送風機940及び通気パイプ929を介してヘッド932に伝えることで,掃除機950全体を中心軸140で時計回りに回転させることができる。よって,ユーザトルクよりも大きなトータルトルクで掃除機950を時計回りに回転させることができ,アシスト効果を得ることができる。よって,「人体動作をアシストする機能を有する掃除機を提供する」という課題を解決することができる。
送風機940は,ユーザがハンドル925を反時計回りにひねるハンドル操作により,掃除機950全体を中心軸140で反時計回りに回転させるユーザトルクをハンドル925に加えると,トルクセンサー926は該ユーザトルクを反映した信号データを生成し,前記信号データを前記送風制御装置のコンピュータが入力し,前記コンピュータは反時計回りに回転する電動機923の電圧を下げて時計回りに回転する電動機922の電圧を上げる制御データを生成し,該制御データを入力した前記送風制御装置の給電制御手段は電動機921と電動機922への給電を制御する。これにより,送風機940を反時計回りに回転させるアシストトルクが発生し,該ユーザトルクと該アシストトルクを合計したトータルトルクを,送風機940及び通気パイプ929を介してヘッド932に伝えることで,掃除機950全体を中心軸140で反時計回りに回転させることができる。よって,ユーザトルクよりも大きなトータルトルクで掃除機950を反時計回りに回転させることができ,アシスト効果を得ることができる。よって,「人体動作をアシストする機能を有する掃除機を提供する」という課題を解決することができる。
すなわち,「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機によって陰圧を発生させる掃除機」とは,
「ハンドルと,
電源又は受電可能な端子と,
コンピュータと,
センサーと,
給電制御手段と,
電動機と,
前記電動機とは反対方向に回転する電動機と,
羽根車と,
前記羽根車とは反対方向に回転する羽根車を備え,
前記センサーは信号データを生成し,
前記信号データを前記コンピュータは入力し,
前記コンピュータは前記信号データから制御データを生成し,
前記制御データを前記給電制御手段は入力し,
前記給電制御手段は前記制御データに基づいて前記電源又は受電可能な端子から前記各電動機への給電を制御し,
前記各電動機は前記各羽根車を駆動して陰圧を発生させること
を特徴とする掃除機」
である(以下,「人体動作アシスト機能を有する掃除機」とよぶ)。
これにより,次の数式に基づいてアシストトルクを制御することができる。
「送風機を時計回りに回転させるアシストトルク」
=「反時計回りに回転する電動機の逆回転トルク」
−「時計回りに回転する電動機の逆回転トルク」
「送風機を反時計回りに回転させるアシストトルク」
=「時計回りに回転する電動機の逆回転トルク」
−「反時計回りに回転する電動機の逆回転トルク」
よって,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」の制御において,
「反時計回りに回転する電動機への給電圧」>「時計回りに回転する電動機への給電圧」
とすることで,送風機を時計回りに回転させるアシストトルクを発生させる効果を得ることができる。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」の制御において,
「時計回りに回転する電動機への給電圧」>「反時計回りに回転する電動機への給電圧」
とすることで,送風機を反時計回りに回転させるアシストトルクを発生させる効果を得ることができる。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」であって,「前記センサーが,前記ハンドル操作によるトルクを検出できるセンサーである掃除機」が提供される。これにより,ユーザのハンドル操作によるトルクを検出する効果を得ることができる。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」のいずれかであって,「前記ハンドル操作によるトルクの回転方向と同じ回転方向にアシストトルクを発生するように,前記各電動機への給電を制御する掃除機」が提供される。これにより,ユーザのハンドル操作によるトルクの回転方向と同じ回転方向にアシストトルクを前記電動機から発生させる効果」を得ることができる。よって,「人体動作をアシストする機能を有する掃除機を提供する」という課題を解決することができる。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」のいずれかであって,「前記ハンドル操作によるトルクの回転方向と同方向に回転する前記電動機への給電の電圧を低くする制御を行う掃除機」が提供される。これにより,「ユーザのハンドル操作によるトルクの回転方向と反対の回転方向に発生する逆回転トルクを小さくする効果」と「電力の節約効果」を得ることができる。よって,「人体動作をアシストする機能を有する掃除機を提供する」という課題をより少ない電力で解決することができる。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」のいずれかであって,「前記ハンドル操作によるトルクの回転方向と反対方向に回転する前記電動機への給電の電圧を高くする制御を行う掃除機」が提供される。これにより,「ユーザのハンドル操作によるトルクの回転方向と同じ回転方向に発生する逆回転トルクを大きくする効果」と「吸引力を強める効果」を得ることができる。よって,「人体動作をアシストする機能を有する掃除機を提供する」という課題を吸引力を落とさずに解決することができる。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」のいずれかであって,「スティック型掃除機である掃除機」が提供される。これにより,前記電動機のロータの回転軸を該スティック型掃除機のハンドルとヘッドを結ぶ回転軸にほぼ平行に配置することができる。よって,「人体動作をアシストする機能を有する掃除機を提供する」という課題をより効果的に解決することができる。なお,前記「ほぼ平行」とは,2つの軸の間の角度が0以上20度以下又は160度以上180度以下であることをいう。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」のいずれかであって,「前記センサーが,加速度,角加速度及び/又は角速度を検出できるセンサーである送風機」が提供される。これにより,「摩擦力によって手に瞬間的にかかる大きな力の負荷」を抑える効果を得ることができる。具体的には,人間の手が前記ハンドルに加える力の時間的変化と比較して,前記ヘッドが床面と接触することにより生じる摩擦力の時間的変化は「非常に短い時間内での不規則で大きな変化」であることから,該「非常に短い時間内での不規則で大きな変化」を,前記「加速度,角加速度及び/又は角速度を計測するセンサー」で検出し,該変化を打ち消してスムーズに変化するように前記送風機が発生するアシストトルクを制御することができる。これにより,前記「摩擦力によって手に瞬間的にかかる大きな力の負荷」を抑える効果を得ることができ,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」をより高度に提供できる効果を得ることができる。
より具体的には,前記「加速度,角加速度及び/又は角速度」はヘッド932が床面から受ける摩擦力を反映する信号データを0.1秒以下の間隔で定期的に生成する。前記コンピュータは前記信号データを入力し,前記信号データの時間あたりの差分を計算し,該差分の絶対値が閾値よりも大きい場合は,手の力による変化ではなく,前記摩擦力による変化(すなわち,前記「非常に短い時間内での不規則で大きな変化」)であると判定し,該変化を打ち消す方向にトルクを発生させるための制御データを生成する。前記給電制御手段は前記制御データを入力し,前記各電動機への給電を制御することで, 手に瞬間的にかかる大きな力の負荷を打ち消す方向にトルクを発生させる効果を得ることができる。
また,前記コンピュータを用いて前記信号データから前記制御データを生成する工程においては,機械学習のアルゴリズムを適用することができる。具体的には,ニューラルネットワーク法を適用して,1以上の前記センサーの信号データを入力とし,2以上の前記電動機への給電を制御する制御データを出力とする学習モデルを構築し,前記センサーが検出するトルクの絶対値の時間積分値を評価関数に用いることで,前記評価関数が最小となるように前記学習モデルのパラメタを最適化することができる。これにより,ユーザの手首にかかるトルクの負荷を最小限に抑える制御が可能となる。さらに前記学習モデルを多階層にすることで,深層学習法を適用することもできる。前記パラメタの最適化は機械学習の分野における当業者により容易に実施可能である。
前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」の実施の別の形態としては,特開2011−189132の図1と2に記載の「スティックバキューム掃除機」において,前記「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」を,ハンドル19及び可搬型真空掃除機3として用いて前記羽根車による陰圧を発生させつつ,前記羽根車の回転軸を細長ワンド5の中心軸とほぼ平行になるように配置することで,前記細長ワンド5の中心軸を回転させる方向のトルクを前記「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」に発生させ,該トルクを前記送風制御装置で制御することで,前記細長ワンド5の軸を回転させる人体動作をアシストする掃除機を提供することができる。
前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」の実施の別の形態としては,特開2016−112076の図1に記載の「スティック型電気掃除機」において,前記「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」を,把手2及び掃除機本体3として用いて前記羽根車による陰圧を発生させつつ,前記羽根車の回転軸を内管15の中心軸とほぼ平行になるように配置することで,前記内管15の中心軸を回転させる方向のトルクを前記「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」に発生させ,該トルクを前記送風制御装置で制御することで,前記内管15の軸を回転させる人体動作をアシストする掃除機を提供することができる。
前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」の実施の別の形態としては,特開2015−213632の図4に記載の「電気掃除機」において,前記「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」を,持ち手ハンドル13及び掃除機本体1の内部に設置して前記羽根車による陰圧を発生させつつ,前記羽根車の回転軸を延長管4の中心軸とほぼ平行になるように配置することで,前記延長管4の中心軸を回転させる方向のトルクを前記「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」に発生させ,該トルクを前記送風制御装置で制御することで,前記延長管4の軸を回転させる人体動作をアシストする掃除機を提供することができる。
前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」の実施の別の形態としては,特開2012−090762の図1に記載の「電気掃除機」において,前記「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」を,ハンドル体把持部7及び掃除機本体1として用いて前記羽根車による陰圧を発生させつつ,前記羽根車の回転軸をハンドル体把持部7と吸込具3を結ぶ軸とほぼ平行になるように配置することで,前記結ぶ軸を回転させる方向のトルクを前記「ハンドル付き正反回転式送風制御式送風機」に発生させ,該トルクを前記送風制御装置で制御することで,前記結ぶ軸を回転させる人体動作をアシストする掃除機を提供することができる。
前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」の特筆すべき効果は,「ヘッドをひねる動作において,これまで不可避と考えられていた床面との摩擦が手首に及ぼす負担を軽減できる世界初のアシスト機能を有する掃除機を提供できる効果」である。従来技術のスティック型掃除機では,ヘッドの向きを変えるために掃除機全体を手で回転させる必要があり,手首に大きな負担がかかっていた。また,このとき掃除機の吸引力によってヘッドが床面に張り付くため,さらに大きな摩擦力が発生し,これが手首への負担を増加させていた。このため,腱鞘炎や母指CM関節症を抱える患者にとって,スティック型掃除機のように手に大きな負担をかける機器を利用することは大変大きな苦痛となっていた。従来技術では,ヘッドを前後に直進させる動作をパワーブラシの回転力でアシストすることは可能であったが,ヘッドの向きを変えるために掃除機全体をひねる動作をアシストすることは従来技術では不可能であった。これに対し,前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」は,ユーザがもつハンドルの向きに従うように掃除機全体を回転させるアシストトルクを掃除機自体に発生させることができるため,従来技術にない画期的な進歩を掃除機にもたらすものである。そして,SHIRストレスの原因となる「手首を大きくひねる負荷」を大幅に軽減できる可能性がある技術である。すなわち,特に掃除機において,前記アシスト効果を利用することに着目した本明細書に記載の発明は,従来技術を著しく発展させる効果を有するものである。
前記「人体動作アシスト機能を有する掃除機」は,スティック型掃除機に利用しやすいのに対し,ホース型掃除機(前記ハンドルを有する通気パイプと掃除機の電動機の間が可変可能なホースによって流体的に接続されているタイプの掃除機)においては,下記の「人体動作アシスト機能を有する扇風機」を効果的に用いることができる。すなわち,請求項10に記載の扇風機であって,前記「正反回転式非同軸回転式送風制御式送風機」である扇風機を利用することができる。
すなわち,
「ハンドルを有する通気パイプの開口部を着脱できる通気パイプ着脱手段と,
電源又は受電可能な端子と,
コンピュータと,
センサーと,
給電制御手段と,
電動機と,
前記電動機とは反対方向に回転する電動機と,
羽根車と,
前記羽根車とは反対方向に回転する羽根車を備え,
前記センサーは信号データを生成し,
前記信号データを前記コンピュータは入力し,
前記コンピュータは前記信号データから制御データを生成し,
前記制御データを前記給電制御手段は入力し,
前記給電制御手段は前記制御データに基づいて前記電源又は受電可能な端子から前記各電動機への給電を制御し,
前記各電動機は前記各羽根車を駆動すること
を特徴とする扇風機」
である(以下,「人体動作アシスト機能を有する扇風機」とよぶ)。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する扇風機」であって,「前記センサーが,前記ハンドル操作によるトルクを検出できるセンサーである扇風機」が提供される。これにより,ユーザのハンドル操作によるトルクを検出する効果を得ることができる。
該「トルクセンサー」は,前記ハンドルと前記電動機の間に位置する通気パイプにかかる「ねじれの力」(図5のロール回転軸140を中心に回転させるトルク)を計測できるのもであればいかなるセンサーであってもよい。トルクを定量的に計測できるものであってもよいし,トルクを定性的に計測できるものであってもよい。また,図5のロール回転軸140を中心に回転できる可動部を有する通気パイプを用いて,該可動部に接続された両側の通気パイプの向きの違いを検知するセンサー(圧力センサー等)であってもよい。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する扇風機」のいずれかであって,「前記ハンドル操作によるトルクの回転方向と同じ回転方向にアシストトルクを発生するように,前記各電動機への給電を制御する扇風機」が提供される。これにより,「ユーザのハンドル操作によるトルクの回転方向と同じ回転方向にアシストトルクを前記電動機から発生させる効果」を得ることができる。よって,「人体動作をアシストする機能を有する扇風機を提供する」という課題を解決することができる。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する扇風機」のいずれかであって,「前記ハンドル操作によるトルクの回転方向と同方向に回転する前記電動機への給電の電圧を低くする制御を行う扇風機」が提供される。これにより,「ユーザのハンドル操作によるトルクの回転方向と反対の回転方向に発生する逆回転トルクを小さくする効果」と「電力の節約効果」を得ることができる。よって,「人体動作をアシストする機能を有する扇風機を提供する」という課題をより少ない電力で解決することができる。
また,前記「人体動作アシスト機能を有する扇風機」のいずれかであって,「前記ハンドル操作によるトルクの回転方向と反対方向に回転する前記電動機への給電の電圧を高くする制御を行う扇風機」が提供される。これにより,「ユーザのハンドル操作によるトルクの回転方向と同じ回転方向に発生する逆回転トルクを大きくする効果」と「送風力を強める効果」を得ることができる。よって,「人体動作をアシストする機能を有する扇風機を提供する」という課題を送風力を落とさずに解決することができる。
図47と48は「4型正反回転式非同軸回転式送風制御式扇風機」である扇風機901の構造の一部の断面図である。2つの時計回りに回転する羽根車902がロール回転軸140の反対側(ロール回転角で180度回転させた位置)に互いに位置している。また,2つの反時計回りに回転する羽根車903がロール回転軸140の反対側に互いに位置している。すなわち,「時計回りに回転する羽根車と反時計回りに回転する羽根車が互いに隣り合う配置の扇風機」である。
扇風機901に装着された通気パイプ(ロール回転軸140を中心軸とする通気パイプ)が有するハンドルと扇風機901の電動機の間にトルクセンサーを有している。ユーザが該ハンドルを支持する手を時計回りにひねるハンドル操作によって,扇風機901および該通気パイプを中心軸140で時計回りに回転させるユーザトルクを該ハンドルに加えると,該トルクセンサーは該ユーザトルクを反映した信号データを生成し,前記信号データを前記送風制御装置のコンピュータが入力し,前記コンピュータは時計回りに回転する羽根車902を駆動する電動機の電圧を下げて反時計回りに回転する羽根車903を駆動する電動機の電圧を上げる制御データを生成し,該制御データを入力した前記送風制御装置の給電制御手段は該電動機への給電を制御する。これにより,扇風機901を時計回りに回転させるアシストトルクが発生し,該ユーザトルクと該アシストトルクを合計したトータルトルクによって,扇風機901および該通気パイプを中心軸140で時計回りに回転させることができる。よって,ユーザトルクよりも大きなトータルトルクで扇風機901および該通気パイプを時計回りに回転させることができ,アシスト効果を得ることができる。また,同様に,反手時計回りに前記ハンドルをひねる場合にもアシスト効果を得ることができる。また,前記トルクセンサーを安価に実現するために,該ハンドルと該電動機の間のねじれの力を圧力センサーで計測する方法を利用することができる。
さらに,「人体動作アシスト機能を有する送風機」として,
「ハンドルと,
電源又は受電可能な端子と,
コンピュータと,
センサーと,
給電制御手段と,
電動機と,
前記電動機とは反対方向に回転する電動機と,
羽根車と,
前記羽根車とは反対方向に回転する羽根車を備え,
前記センサーは信号データを生成し,
前記信号データを前記コンピュータは入力し,
前記コンピュータは前記信号データから制御データを生成し,
前記制御データを前記給電制御手段は入力し,
前記給電制御手段は前記制御データに基づいて前記電源又は受電可能な端子から前記各電動機への給電を制御し,
前記各電動機は前記各羽根車を駆動すること
を特徴とする送風機」
が提供される。
前記「人体動作アシスト機能を有する送風機」が有するハンドルを手持部として,ドライヤー等の手持式機器や,スティック型掃除機等の杖式機器に利用することができる。ただし,「手持式機器」は手持部を有する機器であり,「杖式機器」は手持部と接地部を有する機器である。
前記「人体動作アシスト機能を有する送風機」の「手持式機器」としての実施の形態の例としては,特開2016−112423に記載の「手持型機器」において,前記「人体動作アシスト機能を有する送風機」を該手持型機器のファンユニット70として用いることで,人体動作アシスト機能を有するドライヤーを提供することができる。
なお,本明細書において開示された以上の発明は,特許請求の範囲にかかる発明以外に,以下の関連発明A1からH18に記載の発明が含まれている。これら関連発明については,発明の単一性に基づいて分類し,分割出願を今後行うものとする。
(関連発明A1)
扇風機を有する掃除機。
(関連発明A2)
前記扇風機と前記掃除機の間に着脱手段を有する関連発明A1に記載の掃除機。
(関連発明A3)
前記扇風機と前記掃除機の間に通気パイプ取付手段を有する関連発明A1又はA2に記載の掃除機。
(関連発明A4)
関連発明A1からA3のいずれかに記載の掃除機であって,「前記掃除機が有する通気パイプが前記扇風機を支持する掃除機」,「前記掃除機が有するハンドルが前記扇風機を支持する掃除機」,「前記掃除機が有する通気パイプとハンドルの間に位置する部品が前記扇風機を支持する掃除機」のいずれかである掃除機。
(関連発明A5)
関連発明A1からA4のいずれかに記載の掃除機であって,「前記通気パイプと前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機」,「前記ハンドルと前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機」,「前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品と前記扇風機の間に着脱手段を有する掃除機」のいずれかである掃除機。
(関連発明A6)
関連発明A1からA5のいずれかに記載の掃除機であって,「前記通気パイプと前記扇風機の間に通気パイプ取付手段を有する掃除機」,「前記ハンドルと前記扇風機の間に通気パイプ取付手段を有する掃除機」,「前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品と前記扇風機の間に通気パイプ取付手段を有する掃除機」のいずれかである掃除機。
(関連発明A7)
関連発明A1からA6のいずれかに記載の掃除機であって,「前記通気パイプと前記扇風機の間に給電可能な端子を有する掃除機」,「前記ハンドルと前記扇風機の間に給電可能な端子を有する掃除機」,「前記通気パイプと前記ハンドルの間に位置する前記部品と前記扇風機の間に給電可能な端子を有する掃除機」のいずれかである掃除機。
(関連発明A8)
前記扇風機への給電を制御する手段を有する関連発明A7に記載の掃除機。
(関連発明A9)
前記給電可能な端子が標準規格の端子である関連発明A7又はA8に記載の掃除機。
(関連発明A10)
前記給電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格の端子である関連発明A7からA9のいずれかに記載の掃除機。
(関連発明A11)
前記給電可能な端子が標準規格の端子ではない関連発明A7又はA8に記載の掃除機。
(関連発明A12)
請求項12に記載の掃除機であって,関連発明A1からA11のいずれかに記載の掃除機。
(関連発明B1)
通気パイプ挟持手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ挟持手段に1以上の通気パイプを挟持できることを特徴とする扇風機であって,前記通気パイプ挟持手段に標準パイプを挟持したときの重心が前記標準パイプの内部空間に位置するように前記標準パイプを挟持できることを特徴とする扇風機。
(関連発明B2)
羽根車と,前記羽根車を駆動する電動機と,前記電動機を支持する枠と,前記枠を支持又は挟持手段とする前記通気パイプ挟持手段を有する関連発明B1に記載の扇風機。
(関連発明B3)
重りを有する関連発明B1又はB2に記載の扇風機。
(関連発明B4)
関連発明B1からB3のいずれかに記載の扇風機であって,「重りを有し,かつ,前記重りと前記電動機の間において前記標準パイプを挟持できることを特徴とする扇風機」,「重りを有し,かつ,前記標準パイプの中心軸を通る平面の1つを挟んで前記重りと前記電動機が互いに前記平面の反対側に位置することを特徴とする扇風機」,「重りを有し,かつ,前記重りと前記電動機を結ぶ線分の1つが前記標準パイプの内部空間を通過することを特徴とする扇風機」のいずれかである扇風機。
(関連発明B5)
電池を有する関連発明B1からB4のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明B6)
関連発明B1からB5のいずれかに記載の扇風機であって,「電池を有し,かつ,前記電池と前記電動機の間において前記標準パイプを挟持できることを特徴とする扇風機」,「電池を有し,かつ,前記標準パイプの中心軸を通る平面の1つを挟んで前記電池と前記電動機が互いに前記平面の反対側に位置することを特徴とする扇風機」,「電池を有し,かつ,前記電池と前記電動機を結ぶ線分の1つが前記標準パイプの内部空間を通過することを特徴とする扇風機」のいずれかの扇風機。
(関連発明B7)
前記重りが,電池である関連発明B3又はB4に記載の扇風機。
(関連発明B8)
前記通気パイプ挟持手段にバネを有する関連発明B1からB7のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明B9)
前記通気パイプ挟持手段にネジ又はクランプを有する関連発明B1からB8のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明B10)
前記枠が支持する電動機が2以上であることを特徴とする関連発明B2からB9のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明B11)
関連発明B1からB10のいずれかに記載の扇風機であって,「掃除機の通気パイプを挟持した状態で使用できることを特徴とする扇風機」,「掃除機の通気パイプを挟持した状態で使用することを特徴とする扇風機」のいずれかの扇風機。
(関連発明B12)
掃除機の通気パイプを支持する手にかかる負担を軽減する目的で使用できることを特徴とする関連発明B1からB11のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明B13)
請求項14に記載の扇風機であって,関連発明B1からB12のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明C1)
通気パイプ取付手段を有する扇風機であって,前記通気パイプ取付手段に1以上の通気パイプを着脱できることを特徴とする扇風機。
(関連発明C2)
羽根車と,前記羽根車を駆動する電動機と,前記電動機を支持する枠と,前記枠を支持又は着脱手段とする前記通気パイプ取付手段と,を有する関連発明C1に記載の扇風機。
(関連発明C3)
前記枠と前記通気パイプ取付手段の間に着脱手段を有する関連発明C2に記載の扇風機。
(関連発明C4)
関連発明C1からC3のいずれかに記載の扇風機であって,「前記通気パイプ取付手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できる扇風機」,「前記通気パイプ取付手段に掃除機のハンドルを着脱できる扇風機」,「前記通気パイプ取付手段に掃除機のハンドルと通気パイプの間に位置する部品を着脱できる扇風機」のいずれかの扇風機。
(関連発明C5)
前記扇風機の重心が前記扇風機に着けられた通気パイプの軸近傍空間に位置することを特徴とする関連発明C1からC4のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明C6)
前記通気パイプ取付手段が通気パイプ着脱手段又は通気パイプ挟持手段である関連発明C1からC5のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明C7)
前記通気パイプ取付手段が通気パイプ着脱手段である関連発明C1からC6のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明C8)
前記通気パイプ取付手段が通気パイプ挟持手段である関連発明C1からC6のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明C9)
関連発明C1からC8のいずれかに記載の扇風機であって,「掃除機の通気パイプを着けた状態で使用できることを特徴とする扇風機」,「掃除機の通気パイプを着けた状態で使用することを特徴とする扇風機」のいずれかの扇風機。
(関連発明C10)
掃除機の通気パイプを支持する手にかかる負担を軽減する目的で使用できることを特徴とする関連発明C1からC9のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明C11)
請求項14に記載の扇風機であって,関連発明C1からC10のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明D1)
受電可能な端子の先端で円柱面上に立つことができる扇風機。
(関連発明D2)
前記受電可能な端子が標準規格の端子である関連発明D1に記載の扇風機。
(関連発明D3)
前記受電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格の端子である関連発明D1又はD2に記載の扇風機。
(関連発明D4)
2以上の電動機を有する関連発明D1からD3のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明D5)
前記受電可能な端子と前記扇風機が有する電動機の間に着脱手段を有する関連発明D1からD4のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明D6)
前記受電可能な端子と前記扇風機が有する電動機の間に可動部を有する関連発明D1からD5のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明D7)
請求項14に記載の扇風機であって,関連発明D1からD6のいずれかに記載の扇風機。
(関連発明E1)
給電可能な端子を有する通気パイプ。
(関連発明E2)
前記給電可能な端子が前記通気パイプの開口部以外にあることを特徴とする関連発明E1に記載の通気パイプ。
(関連発明E3)
前記給電可能な端子が,前記通気パイプ側から電気を供給する端子である関連発明E1又はE2に記載の通気パイプ。
(関連発明E4)
前記通気パイプが開口部に有する電極と前記給電可能な端子を接続する電気伝導体を有する関連発明E1からE3のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E5)
前記給電可能な端子に着けられた扇風機を支持できる関連発明E1からE4のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E6)
掃除機が有する電動機を含む部品から離脱できる関連発明E1からE5のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E7)
前記給電可能な端子にフタを有する関連発明E1からE6のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E8)
関連発明E1からE7のいずれかに記載の通気パイプであって,「ハンドルを有する通気パイプ」,「ハンドルを有する通気パイプと着脱できる通気パイプ」,「ハンドルを有する通気パイプとヘッドの間に挿入できる通気パイプ」のいずれかの通気パイプ。
(関連発明E9)
前記給電可能な端子から300ミリメートル以内の距離にハンドルを有する関連発明E1からE8のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E10)
前記通気パイプの前記給電可能な端子の向きと前記ハンドルの付け根の向きが同じであることを特徴とする関連発明E1からE9のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E11)
ハンドルの付け根とゴミ吸引口側の開口部の間に前記給電可能な端子が位置することを特徴とする関連発明E1からE10のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E12)
前記通気パイプの手持部とゴミ吸引口側の開口部の間に前記給電可能な端子が位置することを特徴とする関連発明E1からE11のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E13)
前記給電可能な端子が標準規格の端子である関連発明E1からE12のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E14)
前記給電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格の端子である関連発明E1からE13のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E15)
前記給電可能な端子がユニバーサルシリアルバス規格のポート型端子である関連発明E1からE14のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E16)
給電を制御する手段を有する関連発明E1からE14のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E17)
前記給電可能な端子が標準規格ではない端子である関連発明E1からE12のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明E18)
関連発明E1からE18のいずれかに記載の通気パイプを有する請求項13に記載の通気パイプ着脱手段
(関連発明F1)
電源又は受電可能な端子と,コンピュータと,センサーと,給電制御手段と,電動機と,羽根車を備え,前記センサーは信号データを生成し,前記信号データを前記コンピュータは入力し,前記コンピュータは前記信号データから制御データを生成し,前記制御データを前記給電制御手段は入力し,前記給電制御手段は前記制御データに基づいて前記電源又は受電可能な端子から前記電動機への給電を制御し,前記電動機は前記羽根車を駆動することを特徴とする送風制御装置。
(関連発明F2)
前記センサーが,モーションセンサー,加速度センサー,ジャイロセンサー,GPSセンサー,磁気センサー,照度センサー,トルクセンサー,圧力センサー,カメラの少なくともいずれか1つであって,前記センサーが生成する信号データを入力する前記コンピュータが,前記信号データに基づいて前記送風制御装置の動的状態を反映する動的データを生成し,前記動的データに基づいて,前記制御データを生成する関連発明F2に記載の送風制御装置。
(関連発明F3)
前記センサーが温度センサー,湿度センサー,温湿度センサー,気圧センサーの少なくともいずれか1つであって,前記センサーが生成する信号データを入力する前記コンピュータが,前記信号データに基づいて前記送風制御装置の環境状態を反映する環境データを生成し,前記環境データに基づいて,前記制御データを生成する関連発明F1又はF2に記載の送風制御装置。
(関連発明F4)
通信装置を有する関連発明F1からF3のいずれかに記載の送風制御装置。
(関連発明F5)
関連発明F1からF4のいずれかに記載の送風制御装置を有する請求項1から11のいずれか又は14に記載の扇風機。
(関連発明F6)
関連発明F1からF4のいずれかに記載の送風制御装置を有する請求項12に記載の掃除機。
(関連発明F7)
関連発明F1からF4のいずれかに記載の送風制御装置を有する請求項13に記載の通気パイプ着脱手段。
(関連発明F8)
関連発明F1からF4のいずれかに記載の送風制御装置を有する関連発明A1からA11のいずれかに記載の掃除機。
(関連発明F9)
関連発明F1からF4のいずれかに記載の送風制御装置を有する関連発明C1からC11のいずれかに記載の掃除機。
(関連発明F10)
関連発明F1からF4のいずれかに記載の送風制御装置を有する関連発明E1からE18のいずれかに記載の通気パイプ。
(関連発明G1)
時計回りに回転する羽根車の数と反時計回りに回転する羽根車の数が等しい送風機。
(関連発明G2)
時計回りに回転する羽根車と反時計回りに回転する羽根車を1つずつ有する関連発明G1に記載の送風機。
(関連発明G3)
時計回りに回転する羽根車と反時計回りに回転する羽根車を2つずつ有する関連発明G1に記載の送風機。
(関連発明G4)
着脱手段を有する関連発明G1からG3のいずれかに記載の送風機。
(関連発明G5)
前記着脱手段が装着した棒状体又は筒状体の中心軸付近に重心が位置することを特徴とする関連発明G4に記載の送風機。
(関連発明G6)
前記着脱手段が通気パイプ取付手段又は通気パイプ着脱手段である関連発明G4又はG5に記載の送風機。
(関連発明G7)
全ての前記羽根車の回転軸が同一直線上にある関連発明G1からG6のいずれかに記載の送風機。
(関連発明G8)
全ての前記羽根車に中空部を有する関連発明G7に記載の送風機。
(関連発明G9)
請求項9に記載の扇風機であって,関連発明G8に記載の送風機を前記扇風機として用いる扇風機。
(関連発明G10)
全ての前記羽根車の回転軸が同一直線上にある送風機ではない関連発明G1からG6のいずれかに記載の送風機。
(関連発明G11)
請求項10に記載の扇風機であって,関連発明G10に記載の送風機を前記扇風機として用いる扇風機。
(関連発明G12)
請求項14に記載の扇風機であって,関連発明G1からG11のいずれかに記載の送風機を前記扇風機として用いる扇風機。
(関連発明H1)
電源又は受電可能な端子と,N個の電動機と,前記各電動機とは反対方向に回転するN個の電動機と,N個の羽根車と,前記各羽根車とは反対方向に回転するN個の羽根車を備え,前記各電動機は前記各羽根車を駆動し,Nは1以上であることを特徴とする送風機。
(関連発明H2)
電源又は受電可能な端子と,時計回りに回転する電動機A1と,反時計回りに回転する電動機A2と,時計回りに回転する羽根車B1と,反時計回りに回転する羽根車B2を備え,前記電動機A1は前記羽根車B1を駆動し,前記電動機A2は前記羽根車B2を駆動することを特徴とする送風機。
(関連発明H3)
電源又は受電可能な端子と,時計回りに回転する電動機A1と,反時計回りに回転する電動機A2と,時計回りに回転する電動機A3と,反時計回りに回転する電動機A4と,時計回りに回転する羽根車B1と,反時計回りに回転する羽根車B2と,時計回りに回転する羽根車B3と,反時計回りに羽根車B4を備え,前記電動機A1は前記羽根車B1を駆動し,前記電動機A2は前記羽根車B2を駆動し,前記電動機A3は前記羽根車B3を駆動し,前記電動機A4は前記羽根車B4を駆動することを特徴とする送風機。
(関連発明H4)
ハンドルと,コンピュータと,センサーと,給電制御手段を備えた関連発明H1からH3のいずれかに記載の送風機であって,前記センサーは信号データを生成し,前記信号データを前記コンピュータは入力し,前記コンピュータは前記信号データから制御データを生成し,前記制御データを前記給電制御手段は入力し,前記給電制御手段は前記制御データに基づいて前記電源又は受電可能な端子から前記各電動機への給電を制御することを特徴とする送風機。
(関連発明H5)
前記センサーが,ハンドル操作によるトルクを検出できるセンサーである関連発明H4に記載の送風機。
(関連発明H6)
前記ハンドル操作によるトルクの回転方向と同方向にアシストトルクを発生するように,前記各電動機への給電を制御する関連発明H4又はH5に記載の送風機。
(関連発明H7)
前記ハンドル操作によるトルクの回転方向と同方向に回転する前記電動機への給電の電圧を低くする制御を行う関連発明H4からH6のいずれかに記載の送風機。
(関連発明H8)
前記ハンドル操作によるトルクの回転方向と反対方向に回転する前記電動機への給電の電圧を高くする制御を行う関連発明H4からH7のいずれかに記載の送風機。
(関連発明H9)
通気パイプ着脱手段を有し,前記通気パイプ着脱手段に1以上の通気パイプの開口部を着脱できる関連発明H4からH8のいずれかに記載の送風機。
(関連発明H10)
前記ハンドルの代わりに通気パイプ着脱手段を有し,前記通気パイプ着脱手段にハンドルを有する通気パイプを着脱できる関連発明H4からH8のいずれかに記載の送風機。
(関連発明H11)
請求項1から11のいずれか又は14に記載の扇風機であって,関連発明H9又はH10に記載の送風機を前記扇風機として用いる扇風機。
(関連発明H12)
関連発明H1からH8のいずれかに記載の送風機を有する掃除機。
(関連発明H13)
関連発明H10又はH11に記載の扇風機を有する請求項12に記載の掃除機。
(関連発明H14)
関連発明H1からH8のいずれかに記載の送風機によって陰圧を発生させることを特徴とする掃除機。
(関連発明H15)
関連発明H1からH8のいずれかに記載の送風機を有する手持式機器。
(関連発明H16)
関連発明H1からH8のいずれかに記載の送風機を有するドライヤー。
(関連発明H17)
関連発明H1からH8のいずれかに記載の送風機を有する杖式機器。
(関連発明H18)
前記掃除機がスティック型掃除機である関連発明H12からH14のいずれかに記載の掃除機。