JP6244289B2 - クドア・セプテンプンクタータの検出方法 - Google Patents

クドア・セプテンプンクタータの検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、ミクソゾア門多殻目に属するクドア・セプテンプンクタータの検出方法に関するものである。
近年、生鮮魚介類の食後、数時間後に一過性の嘔吐、下痢、腹痛、発熱など食中毒症状を発症するが、食中毒の原因として既知である物質(バクテリア、ウイルス、生物毒、毒性化学物質など)が検出されない原因不明の食中毒事例が増加しており、問題視されていた。これらの事例では、ヒラメを生食した例が多く、国立研究所、大学、自治体等が協力して解明に取り組んできたところ、ヒラメの遺伝子解析によってクドア属の寄生虫であるクドア・セプテンプンクタータ(Kudoa Septempunctata)が寄生していることが確認された(非特許文献1参照)。そして、厚生労働省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒・乳肉水産食品合同部会における審議の結果、平成23年に、上記原因不明食中毒事例のうちヒラメを食することに起因する事例については、原因物質としてクドア・セプテンプンクタータの関与が強く示唆されると結論された。
クドア・セプテンプンクタータは、ミクソゾア門多殻目に属する粘液胞子虫の一種であり、ヒラメ体側筋の筋細胞内に寄生する。クドア属の粘液胞子虫は、内部にコイル状の極糸を有する極嚢と、胞子原形質を包含する胞子殻からなる形態を有するが、クドア・セプテンプンクタータは大きさが約10μmで、極嚢の数が5〜7であり花弁状を呈している。クドア・セプテンプンクタータの生活環は不明であるが、生活環が判明しているクドア属は、ゴカイ等の環形動物と魚類とを交互に宿主とする二相性生活環を持つことが分かっている。環形動物では放線胞子虫ステージをとり、環形動物から放出された放線胞子虫が魚と接触すると、皮膚感染により魚体内に侵入し粘液胞子虫ステージを取る。つまり、この種のクドア属は、魚から魚へ感染することはなく、クドア・セプテンプンクタータについても同様であると考えられている。
他のクドア属の粘液胞子虫には、その寄生により魚体の筋肉組織が軟化・融解するジェリーミート化と呼ばれる現象を起こしたり、細胞体が厚い皮膜で被覆され休眠状態となったシストを形成したりするものがあるが、クドア・セプテンプンクタータの場合は、ジェリーミート化も起きずシストも形成しない。そのため、ヒラメがクドア・セプテンプンクタータに感染していても、調理の段階ではそのことに気付くことができないという問題がある。
そこで、クドア・セプテンプンクタータが寄生したヒラメを原因とする食中毒を防止するために、以下のことが重要であると考えられている。
(1)養殖場にクドア・セプテンプンクタータが寄生した種苗(稚魚)を導入しない。
(2)飼育環境を清浄化し、ヒラメへの寄生を仲介する環形動物を排除する。
(3)出荷前の成魚について、クドア・セプテンプンクタータが寄生していないことを確認する。
従って、上記(1)及び(3)のために、ヒラメの稚魚及び成魚について、クドア・セプテンプンクタータが寄生していないかを判別する適正な検査方法の確立が要請されている。現在、厚生労働省及び水産省は、それぞれクドア・セプテンプンクタータが寄生したヒラメの検査方法に関する通知を行っている。いずれの省が通知している検査法も、検体からDNAを抽出し、PCR反応を行わせた後にrDNAの増幅産物を検出するPCR検査法、筋肉組織を染色した標本を顕微鏡観察し、極嚢が花弁状となった粘液胞子虫を視認により検出する顕微鏡検査法の何れか、または併用して行うものである。
しかしながら、PCR検査法は、DNAの抽出にも、数十サイクルの反応を異なる温度で行う工程数が多いPCR自体にも手間や時間がかかり、検査の手順も複雑でその技術の習得が必要であるという問題がある。一方、顕微鏡検査法は、標本の作成時に試料を染色した後、試料を流さないように洗浄するなど標本作成の作業が煩雑であり、微小な視野を移動させながら標本の全面を漏れなく観察する必要があることに加えて一度に一標本しか観察できないため、検査に時間がかかり労力負担が大きいという問題があった。そのため、より簡易にクドア・セプテンプンクタータを検出することができる検出方法が望まれていた。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、より簡易にクドア・セプテンプンクタータを検出することができる検出方法の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるクドア・セプテンプンクタータの検出方法(以下、単に「検出方法」と称することがある)は、「4.7テスラ〜10テスラの静磁場に置いた試料に電磁波を照射し、プロトンの共鳴周波数の化学シフトが、水におけるプロトンの共鳴周波数の化学シフトより1.2±0.3ppm大きい電磁波の放射に基づく核磁気共鳴信号の受信の有無により、前記試料にクドア・セプテンプンクタータが存在するか否かを検出する」ものである。
本発明者らは、種々の検討を重ねた結果、4.7テスラ〜10テスラという高い磁束密度の静磁場に試料を置いてH−NMRスペクトルを測定することにより、化学シフトが水のプロトンより1.2±0.3ppm大きいピークを、水などプロトンを有する他の分子のプロトンに起因するピークと分離可能に検出することができ、このピークがクドア・セプテンプンクタータのプロトンに起因することを見出し、本発明に至ったものである。
静磁場内にある原子核は、共鳴する周波数の電磁波(ラジオ波領域)を与えられると、そのエネルギーを吸収して励起し、電磁波が絶たれると同一周波数の電磁波を放射することによりエネルギーを放出して基底状態に戻る。このとき放射された電磁波を検知し、フーリエ変換した電気信号が「核磁気共鳴信号」である。原子核が共鳴する周波数は、本来その原子に固有の周波数(ラーモア周波数)であるが、同一の原子であっても構成している分子が異なれば、化学結合している相手原子との共有電子による遮蔽効果の相違によって、実際の共鳴周波数はラーモア周波数から僅かにずれる。この周波数のずれは静磁場(外部磁場)の強度に依存するため、次式により外部磁場の強度が影響しない値の化学シフトとして表される。
化学シフト(ppm)=((試料の共鳴周波数−基準物質の共鳴周波数)/基準物質の共鳴周波数)×10
NMRスペクトルの測定では、上述のPCR検査法や顕微鏡検査法とは異なり、被検体(試料とする前の検査対象物)に対して前処理を行う必要はなく、通常は少量の被検体を溶媒に溶解させるのみで試料を作製することができる。従って、本構成の検出方法によれば、極めて簡易に、クドア・セプテンプンクタータを検出することができる。
本発明にかかるクドア・セプテンプンクタータの検出方法は、上記構成に加え、「前記静磁場に線形傾斜磁場を重畳させ、前記核磁気共鳴信号を受信した場合に、これに基づく核磁気共鳴画像により、前記試料におけるクドア・セプテンプンクタータの分布を検出する」ものとすることができる。
本構成の検出方法は、核磁気共鳴現象を応用した核磁気共鳴画像法を使用するものであり、試料をスライスした断層画像を得る。静磁場に線形傾斜磁場を重畳させると、共鳴周波数は磁場が傾斜した方向に線形に変化する。このような磁場に置かれた試料に、ある周波数帯域の電磁波を照射すると、共鳴周波数が一致したスライス厚の領域のみにおいてプロトンが励起される。これにより、受信する核磁気共鳴信号に位置の情報を付与することができる。従って、本構成の検出方法によれば、クドア・セプテンプンクタータの存在の有無を検出することができることに加え、核磁気共鳴信号を受信した場合に、この信号に基づく核磁気共鳴画像に対応して、試料におけるクドア・セプテンプンクタータの二次元的な分布を検出することができる。また、スライス位置の異なる核磁気共鳴信号の受信に基づき、核磁気共鳴画像を複数得ることにより、試料におけるクドア・セプテンプンクタータの三次元的な分布を検出することができる。
また、核磁気共鳴画像装置は、被検体の全体を試料とできる構成とすることが、断層画像を得る目的にかなっている。その場合は、被検体の全体を試料として非破壊で検査することが可能であるため、より簡易な検出方法とすることができる。
本発明にかかるクドア・セプテンプンクタータの検出方法は、核磁気共鳴画像法を使用する上記構成において、「前記試料は、生きているヒラメである」ものとすることができる。
ヒラメは刺身として食すことが好まれることもあり、活魚として出荷することが前提とされる魚である。上述した従来の検査方法であるPCR検査法や顕微鏡検査法では、DNAを抽出するために筋肉をすりつぶしたり、筋肉細胞を採取したりする必要がある。そのため、従来は、統計的な基準に則り母集合から一定数を取り出して検査する標本検査にならざるを得ず、全数検査を行うことは不可能であった。これに対し、本構成では生きているヒラメを検査対象としているため、出荷前のヒラメについて全数検査することが可能である。これにより、消費者が安心して食することができるヒラメを出荷することが可能となる。加えて、養殖場に導入する前の稚魚についても全数検査が可能であるため、標本検査に比べて、クドア・セプテンプンクタータが寄生していないことを確実にすることができる。これにより、クドア・セプテンプンクタータを原因とする食中毒の防止対策が、より有効なものとなる。また、検査のために失われる個体をなくすことが可能であるため、資源を有効に活用することができる。
以上のように、本発明の効果として、より簡易にクドア・セプテンプンクタータを検出することができる検出方法を、提供することができる。
クドア・セプテンプンクタータの懸濁液について測定したH−NMRスペクトルである。 図1の懸濁液について、(a)4.6ppm、(b)5.8ppm、及び(c)1.0ppm、の周波数を含む周波数帯域で選択励起させた核磁気共鳴画像である。 クドア・セプテンプンクタータが寄生したヒラメを模した試料について、(a)4.6ppm、及び(b)5.8ppm、の周波数を含む周波数帯域で選択励起させた核磁気共鳴画像である。 図3のスライス位置を示すスカウト画像である。
以下、本発明の具体的な一実施形態であるクドア・セプテンプンクタータの検出方法について、図1乃至図4を用いて説明する。
本実施形態の検出方法は、4.7テスラ〜10テスラの静磁場に置いた試料に電磁波を照射し、プロトンの共鳴周波数の化学シフトが、水におけるプロトンの共鳴周波数の化学シフトより1.2±0.3ppm大きい電磁波の放射に基づく核磁気共鳴信号の受信の有無により、前記試料にクドア・セプテンプンクタータが存在するか否かを検出するものである。加えて、本実施形態の検出方法は、静磁場に線形傾斜磁場を重畳させ、核磁気共鳴信号を受信した場合に、これに基づく核磁気共鳴画像により、試料におけるクドア・セプテンプンクタータの分布を検出するものである。
まず、クドア・セプテンプンクタータのプロトンの共鳴周波数の化学シフトが、水におけるプロトンの共鳴周波数の化学シフトより1.2±0.3ppm大きいことを説明する。クドア・セプテンプンクタータの胞子を含む液を、不連続密度勾配遠心法により精製し、胞子の濃度が5.0×10個/mlの懸濁液を得た。具体的には、次の手順で精製を行った。
・パーコール(登録商標)液を組織培養用培地(MEM)で希釈し、25%、36%、56%、60%の密度勾配液を調製する。
・重篤感染が確認されたヒラメの筋肉約10gを、リン酸緩衝液20ml中で約5mm角に切断する。
・100μmメッシュのフィルターで濾過し、濾過液を50ml遠心管に入れる。
・回転速度2500rpmで20分間遠心した後、上清を廃棄して沈殿したクドア・セプテンプンクタータの胞子を回収し、リン酸緩衝液2mlに懸濁させる。
・15ml遠心管に60%密度勾配液1mlを入れ、25%密度勾配液3ml及び胞子懸濁液を重層させる。
・回転速度2500rpmで30分間遠心した後、胞子の層を回収し、リン酸緩衝液2mlに懸濁させる。
・15ml遠心管に56%密度勾配液1mlを入れ、36%密度勾配液3ml及び胞子懸濁液を重層させる。
・回転速度2500rpmで20分間遠心した後、胞子の層を回収し、リン酸緩衝液2mlに懸濁させる。
・スイングロータを使用し、回転速度2500rpmで10分間遠心した後、上清を廃棄して沈殿した胞子を回収し、リン酸緩衝液100μlに懸濁させる。
精製されたクドア・セプテンプンクタータの懸濁液に対して重水を体積基準で6(懸濁液)対1(重水)の割合で混合し、クドア・セプテンプンクタータの胞子の濃度が3.0×10個/mlであり、胞子がガラス管の底部に沈殿している試料を得た。得られた試料について、下記の条件でH−NMRスペクトルを測定した。
装置:アジレントテクノロジー社製MRI装置
静磁場:9.4テスラ
パルス系列:シングルパルス
TR(繰返し時間):3sec
PW(パルス幅):10μsec
NP:4000
測定されたH−NMRスペクトルは、図1に示すように、化学シフトの異なる複数のピーク、すなわち、(a)化学シフトが4.6±0.2ppmの大きなピーク、(b)化学シフトが5.8±0.1ppmの小さなピーク、(c)化学シフトが1.0±0.1ppmの小さなピーク、を有していた。
そこで、周波数帯域にそれぞれ4.6ppm、5.8ppm、1.0ppm、の周波数を含む電磁波を試料に照射し、次の条件で核磁気共鳴画像を得た。
装置:アジレントテクノロジー社製MRI装置
静磁場:9.4テスラ
スピンエコー法
TR(繰返し時間)/TE(エコー時間):3sec/0.01sec
PW(パルス幅):50000μsec(励起幅約50Hz)
スライス厚:2mm
FOV(撮影視野):2cm×2cm
その結果、周波数帯域に4.6ppmの周波数を含む場合は、図2(a)に示すように、上清部分が可視化され、重水中のプロトンが選択励起されていると考えられた。周波数帯域に5.8ppmの周波数を含む場合は、図2(b)に示すように、沈殿部分が可視化されクドア・セプテンプンクタータのプロトンが選択励起されていると考えられた。なお、周波数帯域に1.0ppmの周波数を含む場合は、図2(c)に示すように、可視化された像は確認できなかった。
以上の結果より、図1に示すH−NMRスペクトルにおいて、5.8±0.1ppmのピークはクドア・セプテンプンクタータのプロトンに起因するピークであり、クドア・セプテンプンクタータのプロトンの共鳴周波数の化学シフトが、水のプロトンの共鳴周波数の化学シフトより1.2±0.3ppm大きいことが判明した。従って、ある試料についてH−NMRスペクトルを測定し、測定されたスペクトルに水のピークより1.2±0.3ppm大きいピークが確認される場合は、その試料中にクドア・セプテンプンクタータが存在していることを検出することができる。
なお、試料を磁束密度2.0テスラの静磁場に置き、その他は上記と同様の条件でH−NMRスペクトルを測定した場合は、クドア・セプテンプンクタータのプロトンに起因するピークを水のプロトンに起因するピークと分離することができなかった。一方、静磁場の磁束密度が4.7テスラの場合は、ピーク高さは小さくなるが上記のピークを判別できることが確認された。
次に、クドア・セプテンプンクタータが存在する試料について、核磁気共鳴画像を撮像することにより、試料におけるクドア・セプテンプンクタータの分布が検出することができることを示す。ヒラメの筋肉の切断片に直径約3mm深さ10mmの穴をあけ、クドア・セプテンプンクタータの胞子濃度が1×10個/mlの懸濁液200μlを注入し、クドア・セプテンプンクタータが寄生したヒラメを模した試料を作製した。この試料について、周波数帯域にそれぞれ4.6ppm、5.8ppmの周波数を含む周波数帯域の電磁波を照射し、次の条件で核磁気共鳴画像を得た。
装置:アジレントテクノロジー社製MRI装置
静磁場:9.4テスラ
スピンエコー法
TR(繰返し時間)/TE(エコー時間):3sec/0.01sec
PW(パルス幅):20000μsec(励起幅約50Hz)
スライス厚:3mm
FOV(撮影視野):3cm×3cm
スライスの方向は穴の方向に垂直な方向とし、得られた複数のスライスに対する核磁気共鳴画像のうち、穴の底部近傍のスライスの核磁気共鳴画像を図3に示す。4.6ppmの周波数を含む周波数帯域では、図3(a)に示すように、穴を除く試料全体が可視化されており、ヒラメの筋肉に含まれる水のプロトンが選択的に励起していることが分かる。5.8ppmの周波数を含む周波数帯域では、図3(b)に示すように、穴の底部における穴の周縁が可視化されており、穴に注入されたクドア・セプテンプンクタータが穴の周縁で筋肉に付着または侵入していることが分かる。従って、クドア・セプテンプンクタータが存在する試料について、核磁気共鳴画像を撮像することにより、試料におけるクドア・セプテンプンクタータの二次元的な分布を検出することができる。そして、スライス位置の異なる複数の核磁気共鳴画像を得ることにより、試料におけるクドア・セプテンプンクタータの三次元な分布を検出することができる。
上記のように、本実施形態の検出方法によれば、試料を9.4テスラという磁束密度の高い静磁場に置き、核磁気共鳴スペクトルまたは核磁気共鳴画像を得ることにより、試料にクドア・セプテンプンクタータが存在するか否かの検出を、極めて簡易に行うことができる。また、核磁気共鳴画像を得た場合は、試料におけるクドア・セプテンプンクタータの二次元的・三次元的な分布を検出することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、ヒラメを生きている状態でコンベア等により搬送し、その搬送路の途中に核磁気共鳴装置または核磁気共鳴画像装置を配置し核磁気共鳴現象に基づく測定を行うことにより、養殖場に導入される前のヒラメの稚魚、または、養殖場から出荷される前のヒラメの成魚の全数について、クドア・セプテンプンクタータが寄生しているか否かを検出することができる。

Claims (3)

  1. 4.7テスラ〜10テスラの静磁場に置いた試料に電磁波を照射し、プロトンの共鳴周波数の化学シフトが、水におけるプロトンの共鳴周波数の化学シフトより1.2±0.3ppm大きい電磁波の放射に基づく核磁気共鳴信号の受信の有無により、前記試料にクドア・セプテンプンクタータが存在するか否かを検出する
    ことを特徴とするクドア・セプテンプンクタータの検出方法。
  2. 前記静磁場に線形傾斜磁場を重畳させ、前記核磁気共鳴信号を受信した場合に、これに基づく核磁気共鳴画像により、前記試料におけるクドア・セプテンプンクタータの分布を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のクドア・セプテンプンクタータの検出方法。
  3. 前記試料は、生きているヒラメである
    ことを特徴とする請求項2に記載のクドア・セプテンプンクタータの検出方法。
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