以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。なお、図1では、後述する演出可動機構50を破線で示している。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下側)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、メイン画像表示装置5MAが設けられている。メイン画像表示装置5MAは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。メイン画像表示装置5MAの画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、メイン画像表示装置5MAの表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、それぞれに対応した飾り図柄が可変表示される。この場合、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、メイン画像表示装置5MAの画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)を含んで構成されていればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
メイン画像表示装置5MAの画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
メイン画像表示装置5MAの右側には、メイン画像表示装置5MAとは別個に複数種類の演出画像を含む各種画像の表示を行うサブ画像表示装置5SUが設けられている。なお、メイン画像表示装置5MAとサブ画像表示装置5SUの設置箇所は、遊技盤2における遊技領域の中央付近に限定されず、例えばメイン画像表示装置5MAは遊技領域の中央付近に設置される一方、サブ画像表示装置5SUは遊技領域の外部や遊技機用枠3の前面上部、前面下部、前面側方といった、パチンコ遊技機1における任意の位置に設置されてもよい。
メイン画像表示装置5MAの下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図4に示す普通電動役物用となるソレノイド27によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド27がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド27がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図4に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図4に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図4に示す大入賞口扉用となるソレノイド28によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図4に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車や多数の障害釘などが設けられている。第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技盤2には、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出を実行可能な可動部材として、演出可動機構50が設けられている。演出可動機構50は、複数(例えば4つ)の可動部材を有している。演出可動機構50は、複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの画面上下に分かれて位置する退避状態と、複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの画面前方に位置する進出状態とに変化することができる。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右前後方向を説明する。
図1に示された演出可動機構50は、退避状態となった場合のものである。この実施の形態では、例えば樹脂などで構成される図示しない透明板によって遊技盤2の遊技領域が構成されており、演出可動機構50は、この透明板の後方に配置されて、遊技球は演出可動機構50の前方を流下する。ただし、こうした例に限定されず、演出可動機構50の複数の可動部材の少なくとも1つが、遊技領域を形成する透明板の前方に配置されてもよい。
図2は、演出可動機構50に設けられた複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの前面に位置する進出状態となった場合を示している。図3は、演出可動機構50の動作例を示している。演出可動機構50は、退避状態においてメイン画像表示装置5MAの画面上側に位置する2つの可動部材51、52を備えた上側機構と、退避状態においてメイン画像表示装置5MAの画面下側に位置する2つの可動部材53、54を備えた下側機構とに分離可能である。すなわち、演出可動機構50は、互いに離間または近接して配置可能な上側機構と下側機構とを含んで構成される。上側機構と下側機構とが互いに離間することで、第1状態としての退避状態となる。一方、上側機構と下側機構とが互いに近接することで、第2状態としての進出状態となる。演出可動機構50の上側機構や下側機構には、退避状態と進出状態とに変化させる駆動手段が設けられている。可動部材51、52は、それぞれ左端が装飾部材57により軸支され、装飾部材57に対して回動可能に構成されている。装飾部材57は、可動部材51に可動用モータ(図4に示す可動用モータ60に含まれる)からの動力が出力されることにより、可動部材51の動作に伴って上下に移動する。可動部材53、54は、所定のリンク機構などに連結され、可動用モータからの動力がリンク機構に係合した動力伝達部などを介して伝達されることで、上下に移動しつつ左端を中心に回動することができる。
可動部材51、52のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材51にて整列配置された複数の発光体は、図4に示す発光体ユニット71〜74のうちの発光体ユニット71を構成する。可動部材52にて整列配置された複数の発光体は、図4に示す発光体ユニット71〜74のうちの発光体ユニット72を構成する。このように、可動部材51、52は、それぞれマトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。
発光体ユニット71、72を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材51と可動部材52は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット71と発光体ユニット72にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット73および発光体ユニット74は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材51、52が備える発光体ユニット71、72にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材51、52の区画体の前面には、可動部材51、52を装飾する前面板が設けられている。
可動部材53、54は、可動部材51、52のそれぞれと同様に、それぞれマトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。すなわち、可動部材53、54のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材53にて整列配置された複数の発光体は、図4に示す発光体ユニット71〜74のうちの発光体ユニット73を構成する。可動部材54にて整列配置された複数の発光体は、図4に示す発光体ユニット71〜74のうちの発光体ユニット74を構成する。
発光体ユニット73、74を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材53と可動部材54は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット73と発光体ユニット74にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット73および発光体ユニット74は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材53、54が備える発光体ユニット73、74にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材53、54の区画体の前面には、可動部材53、54を装飾する前面板が設けられている。
なお、複数の発光体としては、フルカラーLEDを用いるものに限定されず、例えば単色または複数色のLEDを用いてもよいし、LED以外の発光体を用いてもよい。区画体は、立体的に格子状に形成された部材により構成されてもよいし、例えば格子状の模様が印刷や切込みなどで透明または半透明な板材に形成されることで構成されてもよい。区画体は、複数の発光体を1つずつ区画するように構成されるものに限定されず、複数の発光体を所定数ずつ区画するように構成されてもよいし、所定方向(例えば横方向および縦方向)に沿って区画するように構成されてもよい。さらに、こうした区画体を備えなくてもよい。
図3(A)に示すように、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが互いに離間した退避状態では、可動部材51〜54がメイン画像表示装置5MAの表示画面(表示領域)に重ならない。このとき、可動部材51、52のそれぞれがメイン画像表示装置5MAの上方に位置するとともに、可動部材52が可動部材51の後方に位置して、遊技者は可動部材52を視認不可能あるいは視認困難となる。また、可動部材53、54のそれぞれがメイン画像表示装置5MAの下方に位置するとともに、可動部材53が可動部材54の後方に位置して、遊技者は可動部材53を視認不可能あるいは視認困難となる。このように、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが退避状態であるときには、メイン画像表示装置5MAの表示画面が視認可能となる。
図3(B)に示すように、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが互いに近接した進出状態では、可動部材51〜54がメイン画像表示装置5MAの表示画面(表示領域)に重なる。退避状態から進出状態へと変化するときに、可動部材52は可動部材51の裏側から回動を伴って下方に移動し、可動部材53は可動部材54の裏側から回動を伴って上方に移動する。また、可動部材51は可動部材52の移動を伴って下方に移動し、可動部材54は可動部材53の移動を伴って上方に移動する。こうして、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが進出状態であるときには、メイン画像表示装置5MAの表示画面が視認困難または視認不可能となる。
演出可動機構50の上側機構と下側機構とが退避状態であるときには、図3(A)に示すように、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致しない。一方、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが進出状態であるときには、図3(B)に示すように、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致する。このように、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが進出状態であるときには、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が揃うことで、可動部材51〜54のそれぞれにおける表示演出に一体感をもたせることができる。特に、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが進出状態であるときに複数の可動部材51〜54で一体の表示演出を実行することにより、演出の興趣を向上させることができる。また、複数の可動部材51〜54の位置によってメイン画像表示装置5MAの表示画面に対する視認性が変化するので、演出が単調になることを防止して、演出の興趣を向上させることができる。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、メイン画像表示装置5MAの周縁部に配置されたフレーム部材など)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が検出された場合、図4に示す演出制御基板12によってメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示演出が変更されたり、演出可動機構50における動作やスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)が行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに代えて、あるいは、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bとともに、遊技者の動作を検出するためのセンサなどが設けられてもよい。例えば回動操作が可能なジョグダイアル、接触操作や押圧操作が可能なタッチパネルのように、遊技者の動作を直接的に検出する構成を備えてもよいし、赤外線センサ、超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者の動作を間接的(遠隔的)に検出する構成を備えてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手などの被写体を撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、任意の動作を検出できるようにしてもよい。すなわち、任意対象物の動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成を備えていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、可動機構制御基板16といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。図4に示す主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド27、28に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドに基づいて、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SU、発光体ユニット71〜74、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、可動用モータ60に連結された可動部材51〜54、その他の演出装置といった、各種の演出用電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体における点灯、発光体ユニット71〜74とは異なる遊技効果ランプ9および装飾用LEDを構成する発光部材における点灯、可動部材51〜54を移動させる可動用モータ60の駆動動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。図4に示す演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、画像データメモリ121と、表示制御部122とが搭載されている。
演出制御基板12には、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに対して映像信号を伝送するための配線や、発光体ユニット71〜74に対して点灯データを示す情報信号としての点灯信号を伝送するための配線、音声制御基板13に対して音データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、可動機構制御基板16に対して可動用モータ60の駆動により可動部材51〜54を移動させるための指令や制御データを示す情報信号としての駆動制御信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線も接続されている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、音出力装置となるスピーカ8L、8Rから音を出力させるための各種回路が搭載されている。例えば、音声制御基板13には、入出力ドライバ、音声信号処理を実行する処理回路となる音声合成用IC、増幅回路、ボリュームなどが搭載されていればよい。このような音声制御基板13において、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音データは、入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅する。増幅回路によって増幅された音声信号は、スピーカ8L、8Rに出力される。効果音信号に示される音データは、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131がROM132や画像データメモリ121から読み出して、音声制御基板12へと伝送されてもよい。あるいは、効果音信号による指定に従って音声制御基板13に搭載された音声合成用ICがROM132や画像データメモリ121にアクセスして、効果音信号に示された音データを読み出してもよい。あるいは、表示制御部122のVDP141が音データの処理機能を備え、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131からの指定に従ってVDP141がROM132や画像データメモリ121にアクセスして、音データを読み出してもよい。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行う各種回路が搭載されている。例えば、ランプ制御基板14には、入出力ドライバやランプドライバ回路などが搭載されていればよい。このようなランプ制御基板14において、演出制御基板12から伝送された電飾信号は、入出力ドライバを介してランプドライバ回路に入力される。ランプドライバ回路は、電飾信号を増幅して、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体ユニット71〜74とは異なる発光部材に供給する。
可動機構制御基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられた演出可動機構制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、可動部材51〜54の移動動作制御を行うためのモータドライバ回路などが搭載されている。例えば、可動機構制御基板16において、演出制御基板12から伝送された駆動制御信号は、モータドライバ回路に入力される。モータドライバ回路は、駆動制御信号に従ってパルス信号の出力期間(パルス幅)を設定し、生成したパルス信号を可動用モータ60に供給する。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンド、演出可動機構50の動作などを制御するために用いられる可動機構制御コマンドなどが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。なお、乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものに限定されず、遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付されるものであってもよい。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図5は、演出制御基板12に搭載された各種回路の構成例を示している。図5に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU131と、ROM132と、RAM133と、I/O134とを備えている。CPU131は、演出制御用のプログラムに従って制御処理を実行する。ROM132は、CPU131が制御処理を実行するために読み出される演出制御用のプログラムや固定データなどを記憶する。RAM133は、CPU131のワークエリアを提供する。I/O134は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。なお、CPU131とは独立して演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路が、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵(または外付)されてもよい。演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。あるいは、演出用乱数となる乱数値を示す数値データは、RAM133の所定領域などに設けられた演出用ランダムカウンタを用いて、ソフトウェアにより更新されてもよい。この場合、ハードウェア回路としての乱数回路は、演出制御基板12に搭載されなくてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131がROM132から読み出した演出制御用のプログラムに従って、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、CPU131がROM132から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU131がRAM133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU131がRAM133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU131がI/O134を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU131がI/O134を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。また、CPU131は、I/O134から表示制御部122のVDP141と共通のバス12BUを介して、画像データメモリ121にアクセスし、記憶データの読み出しなどを行うことができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のROM132には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM132には、CPU131が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された画像データメモリ121は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。例えば、画像データメモリ121が記憶する画像データには、メイン画像表示装置5MAにおいて可変表示される複数種類の飾り図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データが含まれている。その他、画像データメモリ121は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号など、および背景画像の画像データをあらかじめ記憶している。また、画像データメモリ121に記憶されている画像データを用いて、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を点灯制御するためのデータ(点灯データ)が作成される。画像データメモリ121は、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、NAND−ROMといったフラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するためのデータは、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の画像データに付加されて、画像データメモリ121に予め記憶されてもよい。あるいは、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するためのデータは、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の画像データとは別個の画像データとして画像データメモリ121に予め記憶され、表示制御部122のVDP141が描画処理を実行するときに、点灯データの作成に用いられる表示データが、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データに付加されてもよい。
図6(A)は、演出制御用マイクロコンピュータ120のROM132および画像データメモリ121におけるアドレスや記憶内容などの設定例を示している。ROM132には、先頭アドレスとなるアドレスMA00から最終アドレスとなるアドレスMA20までの連続するアドレスが付与されている。画像データメモリ121には、先頭アドレスとして、ROM132の最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA20+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA40までの連続するアドレスが付与されている。このように、ROM132と画像データメモリ121とに連続するアドレスが付与され、ROM132における最終アドレスの次アドレスが画像データメモリ121の先頭アドレスとなっている。
ROM132および画像データメモリ121には、記憶内容に応じた複数の記憶エリアが設けられている。図6(A)に示す設定例において、ROM132には、プログラム等管理エリアR01と、音データ第1記憶エリアR11とが設けられている。画像データメモリ121には、音データ第2記憶エリアR12と、画像データ記憶エリアR21とが設けられている。プログラム等管理エリアR01には、演出制御用のプログラムや各種の管理データが記憶される。CPU131が各種の判定や決定、設定を行うために用意された各種テーブルのテーブルデータや、演出制御パターンを構成するパターンデータなどは、管理データとしてプログラム等管理エリアR01に記憶されていればよい。音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12には、スピーカ8L、8Rによる音出力を制御するために用いられる音データが記憶される。画像データ記憶エリアR21には、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける演出画像の表示を制御するために用いられる画像データや、発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体における点灯制御のために用いられる画像データが記憶されている。
ROM132には、音データ第1記憶エリアR11が設けられて、少なくとも音データが記憶される。したがって、ROM132は、少なくともスピーカ8L、8Rから音を出力させる音制御に用いられる第1制御データとしての音データを記憶する第1領域を提供する。画像データメモリ121には、画像データ記憶エリアR21が設けられて、画像データが記憶される。したがって、画像データメモリ121は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに画像を表示させる表示制御あるいは発光体ユニット71〜74に配置された複数の発光体を点灯させる点灯制御に用いられる第2制御データとしての画像データを記憶する第2領域を提供する。
この実施の形態では、音データを記憶する記憶エリアとして、第1領域を提供するROM132の音データ第1記憶エリアR11だけでなく、第2領域を提供する画像データメモリ121の音データ第2記憶エリアR12が設けられている。そして、音データ第2記憶エリアR12は、画像データメモリ121の先頭アドレスとなるアドレスMA20+1からアドレスMA30までの連続するアドレスが付与されている部分に割り当てられている。このように、第2領域を提供する画像データメモリ121には、第1領域を提供するROM132の最終アドレスMA20の次アドレスMA20+1からアドレスMA30までの連続する特定アドレス範囲に対応する音データ第2記憶エリアR12が割り当てられている。第2領域を提供する画像データメモリ121において、第1領域を提供するROM132の最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する音データ第2記憶エリアR12には、第1制御データとしての音データが記憶されている。すなわち、第1制御データとしての音データは、第1領域を提供するROM132に設けられた音データ第1記憶エリアR11となる領域だけでなく、第2領域を提供する画像データメモリ121において、ROM132の最終アドレスMA20の次アドレスMA20+1からアドレスMA30までの連続するアドレスが付与された音データ第2記憶エリアR12となる領域にも、記憶されている。
図6(B)は、ROM132に設けられた音データ第1記憶エリアR11と、画像データメモリ121に設けられた音データ第2記憶エリアR12とに記憶される音データの構成例を示している。図6(B)に示す例では、複数の楽曲に対応して、それぞれの音データが記憶されている音データ第1記憶エリアR11や音データ第2記憶エリアR12における開始アドレスと終了アドレスとが設定されている。例えば楽曲A−1に対応する音データは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である通常時のBGMを再生するために用いられ、開始アドレスMA10+1から終了アドレスMA11までの区間に記憶されている。楽曲A−2に対応する音データは、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ演出時における演出音を再生するために用いられ、開始アドレスMA11+1から終了アドレスMA14までの区間に記憶されている。これらの楽曲A−1、楽曲A−2に対応する音データは、いずれも音データ第1記憶エリアR11に記憶されていればよい。
図6(B)の楽曲B−1に対応する音データは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態である確変中のBGMを再生するために用いられ、開始アドレスMA19+1から終了アドレスMA21までの区間に記憶されている。ここで、楽曲B−1の開始アドレスMA19+1は、ROM132の最終アドレスとなるアドレスMA20よりも小さいアドレス値となり、第1領域を提供するROM132に設けられた音データ第1記憶エリアR11に含まれている。これに対し、楽曲B−1の終了アドレスMA21は、ROM132の最終アドレスとなるアドレスMA20よりも大きいアドレス値となり、第2領域を提供する画像データメモリ121に設けられた音データ第2記憶エリアR12に含まれている。このように、楽曲B−1に対応する音データは、ROM132に設けられた音データ第1記憶エリアR11と、画像データメモリ121に設けられた音データ第2記憶エリアR12との双方に、跨がって記憶されている。楽曲B−2に対応する音データは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態である時短中のBGMを再生するために用いられ、開始アドレスMA21+1から終了アドレスMA23までの区間に記憶されている。楽曲Xに対応する音データは、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態である大当り中における演出音を再生するために用いられ、開始アドレスMA27+1から終了アドレスMA30までの区間に記憶されている。楽曲B−2、楽曲Xに対応する音データは、いずれも音データ第2記憶エリアR12に記憶されていればよい。
図6(B)に示す楽曲B−1に対応する音データは、ROM132に設けられた音データ第1記憶エリアR11と、画像データメモリ121に設けられた音データ第2記憶エリアR12との双方に、跨がって記憶されている。この場合でも、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12は、ROM132と画像データエリア121において連続するアドレスが付与された部分に設けられているので、楽曲B−1を再生するときには、他の楽曲を再生するときと同様に、音データの開始アドレスと終了アドレスを指定して、開始アドレスから順次に読出アドレスを更新するとともに音データを読み出すことで、楽曲B−1に対応する音データを適切に読み出すことができる。
画像データメモリ121は、本来、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示制御などに用いられる画像データを記憶するための記憶領域を提供する。一方、多様な楽曲に対応する音データを用意する必要などから、ROM132などにおいて各種の演出装置による演出を制御するために記憶すべき制御情報のデータ量が増大し、記憶容量が不足してしまう場合がある。この場合に、別個の新たな記憶装置を用意すると、パチンコ遊技機1の製造コストが増大する。そこで、画像データメモリ121に画像データとは異なる制御に使用されるデータの記憶エリアを設けることで、パチンコ遊技機1の製造コストを低減することができる。音データの記憶エリアを設ける場合には、ROM132における音データの記憶エリアに付与された最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する記憶エリアを、画像データメモリ121に割り当てる。これにより、ROM132の記憶エリアと画像データメモリ121の記憶エリアとの双方に跨がって記憶されている音データであっても、他の音データと同様にアドレスを更新(インクリメント)しつつ読み出すことで、音データを適切に読み出すことができる。
図4に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部122は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部122は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。この実施の形態において、表示制御部123は、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体が構成する発光体ユニット71〜74の点灯態様による表示演出を実行させるための制御も行う。
図5に示すように、表示制御部122は、VDP(Video Display Processor)141と、VRAM(Video RAM)142Aと、フレームバッファ142Bと、メインLCD駆動回路143Aと、サブLCD駆動回路143Bと、発光体制御回路144とを備えている。なお、VDP141は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。
VDP141は、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131から伝送された表示制御指令に従い画像データ処理を実行する画像プロセッサである。VDP141は、演出制御用マイクロコンピュータ120と共通のバス12BUを介して、画像データメモリ121にアクセスし、画像データの読み出しなどを行うことができる。画像データメモリ121に記憶されている画像データは、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を点灯制御するためのデータ(点灯データ)を作成するときに用いられることがある。
VRAM142Aは、画像データメモリ121から読み出された画像データを一時記憶して、VDP141が画像データ処理を実行するためのワークエリアを提供する。VRAM142Aの記憶領域には、例えばパレットデータが配置されるパレット領域、画像データメモリ121から読み出されたキャラクタ画像データが格納されるキャラクタ用バッファ、CG用バッファなどの各領域が割り当てられている。CG用バッファは、VDP141による描画処理が実行されるときにキャラクタの表示色が定義されたパレットデータを一時的に保存したり、描画処理により作成される演出画像の表示データを一時的に保存したりするために用いられる。
フレームバッファ142Bは、VDP141による描画処理などにより作成される演出画像の表示データなどが展開記憶される仮想表示領域を提供する。フレームバッファ142Bに展開記憶される表示データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)などに基づいてVDP141が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。なお、フレームバッファ142Bには、例えばメイン画像表示装置5MAの画面上に表示される各種画像の表示データを記憶する実表示領域と、メイン画像表示装置5MAの画面上には表示されない各種画像の表示データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。あるいは、フレームバッファ142Bの仮想表示領域にてメイン画像表示装置5MAの表示画面と同じ大きさの画面表示を行うための表示データが作成され、VDP141により読み出された仮想表示領域の表示データがメインLCD駆動回路143Aへと供給されることで、メイン画像表示装置5MAの側に出力されるようにしてもよい。VRAM142Aとフレームバッファ142Bは、同一の半導体メモリ(SDRAMなど)における別個の記憶領域として確保されたものであってもよいし、別個の半導体メモリを用いて構成されたものであってもよい。
フレームバッファ142Bの記憶領域には、画像表示領域と、画像描画領域とが割り当てられる。画像表示領域には、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。画像描画領域には、描画処理により作成された各演出画像の表示データが格納される。画像表示領域と画像描画領域は、Vブランクが発生するごとに互いに切り替わるようにしてもよい。Vブランクは、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが開始されるごとに、VDP141から演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131に対してVブランク割込信号が出力されるとともに、その他各種割込信号が、VDP141からCPU131に対して出力される。
Vブランクが発生するごとに画像表示領域と画像描画領域とを切り替えることで、あるVブランク周期(第1描画表示期間)において画像描画領域として割り当てられた記憶領域では各演出画像の表示データを作成する描画処理が行われるとともに、次のVブランク周期(第2描画表示期間)おいては、この記憶領域が画像表示領域に切り替わる。したがって、第1描画表示期間における描画処理で作成された表示データは、第2描画表示期間にてメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに向けて出力され、また、第2描画表示期間にて画像描画領域が割り当てられた記憶領域では、描画処理で作成された表示データの格納が行われることになる。
フレームバッファ142Bにおいて画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられてもよい。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置5MAの画面上に演出画像を表示させるための表示データなどが格納される。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置5SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データと、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するための表示データとが格納される。このように、サブフレームバッファに格納された表示データの一部を用いて、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を点灯制御するための点灯データが作成される。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、例えばVDP141が備えるCPUインタフェースを介して、VDP141に内蔵されたシステムレジスタやアトリビュートレジスタにアクセスする。そして、演出制御パターンに含まれる表示制御データなどのプロセスデータに従ってシステムレジスタおよびアトリビュートレジスタに各種指令やデータを格納する。こうして、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUにおける表示動作や、発光体ユニット71〜74における点灯動作を、間接的に制御する。
プロセスデータには、Vブランクが発生するごとに演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131がVDP141のシステムレジスタやアトリビュートレジスタに対して行う設定内容が示されている。システムレジスタの設定内容としては、描画、データ転送の指令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタの設定内容は、演出画像の描画処理に使用されるパラメータとしてのアトリビュートを示していればよい。プロセスデータでは、Vブランクが発生するごとに画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。これにより、画像の更新を、Vブランクが発生するごとに行うことができる。
メインLCD駆動回路143Aは、VDP141から出力された表示データに応じた色信号(階調制御信号)を作成するとともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)をメイン画像表示装置5MAに出力することなどにより、メイン画像表示装置5MAの画面上に各種画像を表示させる回路である。サブLCD駆動回路143Bは、発光体制御回路144を介してVDP141から伝送された表示データに応じた色信号(階調制御信号)を作成するとともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)をサブ画像表示装置5SUに出力することなどにより、サブ画像表示装置5SUの画面上に各種画像を表示させる回路である。
発光体制御回路144は、VDP141がフレームバッファ142Bのサブフレームバッファから読み出した表示データを分離した一部のデータを用いて、発光体ユニット71〜74における複数の発光体による点灯態様を制御する回路である。発光体制御回路144は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)といった、専用ICを用いて構成されたものであればよい。あるいは、発光体制御回路144は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)といったプログラム可能な集積回路を用いて構成されたものであってもよい。発光体制御回路144によって分離した表示データのうち、発光体ユニット71〜74の点灯制御に用いられない残りの表示データは、サブLCD駆動回路143Bへと出力される。
VDP141は、表示データを出力するためのデータ信号出力系統として、メイン表示出力系統と、サブ表示出力系統といった、2系統の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。この2つのデータ信号出力系統のうち一方の出力系統であるメイン表示出力系統は、メインLCD駆動回路143Aを介してメイン画像表示装置5MAに接続され、メイン画像表示装置5MAの画面表示に使用される表示データのデータ信号を伝送する。2つのデータ信号出力系統のうち他方の出力系統であるサブ表示出力系統は、発光体制御回路144を介して発光体ユニット71〜74とサブLCD駆動回路143Bとに接続され、サブLCD駆動回路143Bからは、さらにサブ画像表示装置5SUへと接続されている。こうしたサブ表示出力系統では、サブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示に使用される表示データのデータ信号が伝送されるとともに、発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される表示データのデータ信号が伝送される。発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される表示データは、発光体制御回路144において点灯データへと変換される。なお、メインLCD駆動回路143AやサブLCD駆動回路143B、発光体制御回路144は、演出制御基板12とは異なる別個の基板に搭載されてもよい。
図7は、発光体制御回路144の構成例を示している。発光体制御回路144は、VDP141から出力された表示データの一部に基づき点灯制御情報に応じた制御信号を生成することなどにより、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体を点灯制御する。発光体制御回路144は、信号分離回路150と、バッファメモリ151と、点灯データ生成回路152と、シリアル出力回路153と、発光体駆動部154とを備えている。
信号分離回路150は、VDP141から出力された表示データのうち、発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される一部の表示データを分離して、バッファメモリ152に一時記憶させる。発光体制御回路144には、VDP141から出力された表示データのうち、サブ表示出力系統に対応して出力された表示データが入力される。信号分離回路150は、発光体制御回路144に入力された表示データのうちで、さらに発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される一部の表示データを分離する。例えば信号分離回路150は、所定の同期信号(水平同期信号または垂直同期信号)やクロック信号(ドットクロック信号)に基づいて、点灯制御に使用される表示データを特定する。こうして特定した表示データを、バッファメモリ151における先頭の記憶領域(バッファメモリエリア)から所定順序で書き込んで一時記憶させる。
点灯データ生成回路152は、バッファメモリ151に一時記憶されている表示データを読み出し、所定の変換処理を実行することで、点灯制御情報を構成する点灯データを生成する。バッファメモリ151にはVDP141からサブ表示出力系統に対応して出力された表示データの一部が記憶される。したがって、点灯データ生成回路152は、VDP141によって作成された表示データの一部を点灯データに変換する。点灯データ生成回路152によって生成される点灯データには、発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データと、発光体の各発光色に対応した輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データとが、含まれていればよい。
点灯データ生成回路152は、可動部材51〜54のそれぞれにおいて複数の発光体が配置された領域を複数のブロックに分割し、それらのブロックごとに発光体の点灯データを作成する。この実施の形態では、複数のブロックとして、発光体ブロックB01〜B42が予め設定されている。点灯データ生成回路153は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応する点灯データを生成する。
図8は、可動部材51における複数の発光体が整列配置された領域について、複数のブロックに分割する設定例を示している。可動部材51にて複数の発光体が配置された領域は、図8(A)に示すような発光体ブロックB01〜B06と、図8(B)に示すような発光体ブロックB07〜B15とに分割される。可動部材51以外の可動部材52〜54についても、可動部材51と同様に、複数の発光体が配置された領域を複数のブロックに分割するように設定する。これにより、可動部材51〜54のそれぞれに設けられた発光体ユニット71〜74の全体では、発光体ブロックB01〜B42に分割されている。なお、発光体ブロックの分割数は、演出可動機構50を構成する可動部材の数や、複数の発光体が配置された領域の大きさなどに基づいて、任意に設定されたものであればよい。
発光体ブロックB01〜B42のそれぞれは、長方形または正方形といった方形状を基本形状としている。そのため、可動部材51〜54の形状などによって、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて複数の発光体が配置された領域のうちには、方形状の発光体ブロックに収まりきれず、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域が生じることがある。また、複数の発光体ブロックのうちには、方形状の一部に発光体が配置されていない空き領域が生じることがある。そこで、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域を、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含めることで、複数の発光体に対する点灯制御の処理負担を軽減させる。
シリアル出力回路153は、点灯データ生成回路152が生成した点灯データに対応する点灯制御情報を含む制御信号を、シリアル信号方式で発光体駆動部154に出力する。点灯データに応じた制御信号には、駆動制御データに応じた駆動制御信号と、階調データに応じた階調データ信号とが含まれていればよい。シリアル出力回路153は、制御信号を出力するためのシリアル出力系統として、例えば21系統といった、複数の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。シリアル出力回路153には、21系統のシリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに対応するシリアル信号配線が接続され、各配線にシリアル信号方式で、点灯制御情報を含む制御信号を出力する。このように、シリアル出力回路153は、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で複数系統のシリアル信号配線に出力する。
図9は、シリアル出力系統と発光体ブロックとの接続設定例を示している。図9に示す接続設定例では、シリアル出力系統K01〜K21ごとに、発光体ブロックB01〜B42のうち2つの発光体ブロックが割り当てられるように接続されている。例えば、シリアル出力系統K01には、シリアル信号配線を介して、発光体ブロックB01および発光体ブロックB02を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。シリアル出力系統K02には、シリアル信号配線を介して、発光体ブロックB03および発光体ブロックB04を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。シリアル出力系統K03以降についても、1のシリアル出力系統に対して2つの発光体ブロックを点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。1のシリアル出力系統に割り当てられた発光体ブロックに含まれる発光体の点灯制御を行う複数の発光体ドライバは、シリアル信号配線を介したシリアルバス方式で接続されていればよい。なお、シリアルバス方式で接続されるものに限定されず、複数の発光体ドライバが直列接続(デイジーチェーン方式で接続)されてもよい。
図7に示す発光体駆動部144は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を点灯制御する複数の発光体ドライバを含んで構成される。各発光体ドライバは、シリアル信号配線を介してシリアル出力回路153から伝送された制御信号で示される点灯制御情報に基づいて、複数の発光体の点灯制御を行う。各発光体ドライバは、例えばシフトレジスタを含んで構成され、シリアル信号方式で伝送されたデータをパラレル信号方式のデータに変換して、複数の信号線に出力する。複数の発光体ドライバはそれぞれ、駆動制御信号で示される駆動制御データに応じて発光体の駆動制御を行う駆動制御回路となるストローブ側の発光体ドライバと、階調データ信号で示される階調データに応じて発光体の階調制御を行う階調制御回路となるデジット側の発光体ドライバとのうち、いずれかに分類される。発光体ブロックB01〜B42のそれぞれでは、ストローブ側の発光体ドライバと、デジット側の発光体ドライバとを用いて、発光体ブロックごとに複数の発光体のダイナミック点灯制御が行われる。
図10は、具体的な一例として、発光体ブロックB11に対応する発光体ドライバの構成例を示している。図10に示す構成例では、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバとして、ストローブ側の発光体ドライバ411Sと、デジット上側の発光体ドライバ411DUと、デジット下側の発光体ドライバ411DDとが設けられている。図9に示すシリアル出力系統K06のシリアル信号配線は、シリアル出力回路153から発光体ブロックB11に対応するストローブ側の発光体ドライバ411S、デジット上側の発光体ドライバ411DU、デジット下側の発光体ドライバ411DDの順に接続され、続いて発光体ブロックB12に対応して設けられた発光体ドライバへと接続されていればよい。
発光体ドライバ411S、発光体ドライバ411DU、発光体ドライバ411DDのそれぞれには、互いに異なるアドレス情報が割り当てられている。シリアル出力回路153は、アドレス情報を付加した点灯制御情報を示す制御信号を、シリアル出力系統K06に含まれるシリアル信号配線に出力することで、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバのいずれかに点灯制御情報を伝達する。
シリアル信号配線には、シリアルクロックSCが伝送されるシリアルクロック配線と、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDが伝送されるシリアルデータ配線とが含まれていればよい。シリアル信号配線に接続された発光体ドライバは、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDとして伝送される駆動制御データまたは階調データを取り込んで、複数の発光体の点灯制御を行う。
発光体ブロックB11は、デジット上側の発光体ドライバ411DUによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Uと、デジット下側の発光体ドライバ411DDによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Dとの組合せで構成されている。このように、各発光体ブロックは、その発光体ブロックよりも小さいモジュールとなるハーフブロックの組合せで構成されていればよい。なお、複数の発光体ブロックは、2つのハーフブロックの組合せで構成されたものに限定されない。例えば、複数の発光体ブロックのうちには、2つのハーフブロックを組み合わせて構成された発光体ブロックの他に、1つのハーフブロックのみで構成された発光体ブロックが含まれていてもよい。発光体ブロックB11が1つのハーフブロックのみで構成される場合には、ストローブ側の発光体ドライバ411Sと、デジット上側の発光体ドライバ411DUとを備える一方、デジット下側の発光体ドライバ411DDを備えない構成とすればよい。このように、各発光体ブロックは、ストローブ側の発光体ドライバを1つ備えるとともに、デジット側の発光体ドライバを1つまたは2つ備えるように構成されればよい。
ハーフブロックB11UとハーフブロックB11Dはそれぞれ、発光体の数が同数となるように構成されていればよい。例えば、ストローブ側の発光体ドライバ411Sは、12本のストローブ信号線が接続され、12列に整列配置された複数の発光体を駆動制御するための駆動制御信号となるストローブ信号を出力する。デジット上側の発光体ドライバ411DUとデジット下側の発光体ドライバ411DDはそれぞれ、8本のデジット信号線が接続され、8行に整列配置された複数の発光体を階調制御するための階調データ信号となるデジット信号を出力する。したがって、デジット上側に対応するハーフブロックB11Uとデジット下側に対応するハーフブロックB11Dはいずれも、ストローブ側の12列およびデジット側の8行からなる合計96個の発光体を含むように形成されている。発光体ブロックB11以外の発光体ブロックを構成するハーフブロックについても同様に、合計96個の発光体を含むように形成されていればよい。このように、発光体ブロックを構成するモジュールとしてのハーフブロックは、いずれも同数の発光体を点灯制御できるように構成されていればよい。
なお、1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、合計96個に限定されず、発光体ドライバの仕様や設計などに基づいて予め定められた任意の個数であればよい。例えば、ストローブ信号線を8本構成として、8列に整列配置された複数の発光体を駆動制御する場合には、ストローブ側の8列およびデジット側の8行からなる合計64個の発光体が、1つのハーフブロックに含まれるように形成すればよい。また、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数と、実際に1つのハーフブロックに含まれている発光体の数とは、必ずしも常に一致していなくてもよい。例えば、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数が96個である一方、実際に1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、発光体ユニット71〜74における発光体の配置などにより、96個よりも少なくなる場合があってもよい。このように、複数の発光体が配置された領域を分割した複数のブロックよりも小さいモジュールとしてのハーフブロックごとに、所定数以下の発光体を点灯制御するように構成されていればよい。
点灯データ生成回路152は、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御するための点灯データを生成する。例えば発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データとして、ストローブ信号線ごとに異なるタイミングで複数の発光体を時分割駆動するための制御データを生成する。また、各デジット信号線に接続された複数の発光体に応じたPWM(Pulse Width Modulation)制御により発光色ごとの輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データを生成する。なお、デジット側の発光体ドライバは、PWM制御方式のようにパルス信号の出力期間に応じて発光体の階調制御を行うものに限定されず、例えば一定期間内に出力するパルス信号の数(パルス数)や、パルス信号の振幅(駆動電流値)といった、パルス信号の物理量(パルス量)に応じて発光体の階調制御を行うものであればよい。
シリアル出力回路153は、点灯データ生成回路152によって生成された点灯データをシリアル信号方式で、点灯制御の対象となる発光体ブロックが接続されたシリアル出力系統のシリアル信号配線に出力する。各発光体ブロックに対応して設けられたストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データに基づくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。各発光体ブロックに対応して設けられたデジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データに基づくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、発光体ユニット71〜74のそれぞれでは、整列配置された複数の発光体が、ストローブ信号がオンとなる発光駆動期間にてデジット信号に応じたデューティ比で発光して、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、ダイナミック点灯方式(パルス点灯方式、デューティ点灯方式、時分割点灯方式ともいう)により点灯態様を変化させることができる。このように、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとにダイナミック点灯制御を行うように構成することで、発光体駆動部154では、複数の発光体ドライバを用いた点灯制御の並列実行が可能になる。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図4に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどに基づいて第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて第1開始条件が成立する。こうして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
遊技領域に向けて発射された遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図4に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて、第2開始条件が成立する。こうして、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。なお、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bでは、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づいて、電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。開放制御や拡大開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態としての拡大開放状態であるときに、第2始動入賞口を遊技球が通過容易または通過可能になる。普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件は、通過ゲート41を通過した遊技球が図4に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて成立する。普図始動条件が成立した後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図4に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、メイン画像表示装置5MAの画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、メイン画像表示装置5MAにおいて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、メイン画像表示装置5MAの画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、大入賞口スイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて遊技状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(「有利遊技状態」ともいう)となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
メイン画像表示装置5MAにおいて、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出が含まれる可変表示をリーチ可変表示という。リーチ態様は、飾り図柄の変動パターンなどに対応して予め複数種類が用意されており、リーチ態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。リーチ演出のうちには、ノーマルのリーチ演出と、ノーマルのリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ演出とが含まれていればよい。そして、メイン画像表示装置5MAの画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
メイン画像表示装置5MAの画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる。加えて、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定と変動パターンの判定結果などに基づいて報知画像を表示するような演出も実行される。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出)される。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
図4に示す演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120において、図5に示すような演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵されるROM132には、演出制御用のプログラムや固定データが記憶され、大容量のものが必要になることがある。大容量の記憶装置は、通常、高価格であるため、ROM132をリサイクルすることで、パチンコ遊技機1の製造コストや廃棄物を低減することができる。なお、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のROM101や、演出制御基板12に搭載された画像データメモリ121についても、ROM132と同様の手法でリサイクルが行われるようにしてもよい。
ROM132としては、例えばNAND−ROMが用いられ、データ書込装置であるROMライタにより、記憶内容を書き換えることができる。NAND−ROMは、読み出しや書き込みを繰り返すことで不良領域(不良エリア)が発生する。こうした不良領域によるデータ損失を防止するために、NAND−ROMにはECC(Error Correction Code)機能を設けることで、データエラーの訂正を可能にしている。また、通常の記憶領域とは別に冗長領域を設け、データエラーが発生した領域を冗長領域で代用する。
ROM132を対象としたリサイクルの一例について説明する。パチンコ遊技機1は、市場に出荷された後、店舗において使用期間が終了して使用済みになると、回収事業者によって回収され、リサイクルに必要とされる単位のパーツに分解される。この分解により回収されたROM132は、新たなパチンコ遊技機1に搭載するために、記憶しているプログラムやデータの書き換えが行われる。例えばデータ書込装置であるROMライタは、所定の書込処理を実行することで、ROM132に記憶されたプログラムやデータを書き換える。書き換えが完了したROM132は、新たなパチンコ遊技機1に搭載され、市場に出荷される。
ROM132で用いられるNAND−ROMは、読み出しや書き込みを繰り返すことにより劣化が生じる。劣化したNAND−ROMをROM132として使い続けた場合には、パチンコ遊技機1の動作に支障が生じるおそれがある。このような支障がないように、ROM132の稼働実績を適切に把握し、リサイクル可能か否かを判断できるようにする。そのために、ROM132に対する書込処理を実行するときには、ROM132の冗長領域に履歴情報を書き込むようにする。NAND−ROMの冗長領域は、データ領域における不良エリアに代えて使用される領域であるため、通常のROMライタでは書き込みを行うことができない。そこで、専用のデータ書込装置を使用して、ROM132の冗長領域に対して履歴情報を示すデータの書き込みを可能にする。専用のデータ書込装置を使用することで、ROM132のリサイクルに関連する事業者以外の者が、むやみに冗長領域を使用することが防止される。こうして、履歴情報の信頼性を担保し、適正なリサイクルを可能にする。
なお、ROM132における履歴情報の書き込みは、新たなパチンコ遊技機1にて使用されるプログラムやデータの書き込みに伴って行われる場合に限定されず、ROM132が使用済みのパチンコ遊技機1より回収されてから、新たなパチンコ遊技機1に搭載されるまでの期間において、適宜行うことができればよい。
図11は、リサイクルの対象となるROM132における記憶領域の構成例を示している。ROM132の記憶領域は、データ領域、制御領域、冗長領域といった、3つの領域を含んで構成されている。データ領域は、ROM132において通常アクセス可能に使用される領域である。パチンコ遊技機1の各種機能を実現するためのプログラムやデータは、アクセス等に支障がなければ、データ領域に書き込まれて記憶される。冗長領域は、データ領域における書き込みや読み出しに支障があるエリア(不良エリア)を代替するための領域である。データ領域においてアクセス等に支障があると判断された不良エリアは使用禁止とされる。不良エリアに記憶すべきデータは、冗長領域のエリア(代替エリア)に記憶される。制御領域は、データ領域の不良エリアと冗長領域の代替エリアとの関係を示す対応関係情報が記憶される領域である。対応関係情報には、例えばデータ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとを対応付ける配置情報が含まれていればよい。データ領域のアドレスと冗長領域のアドレスは、それぞれ開始アドレスと終了アドレスにより指定されてもよい。あるいは、データ領域のアドレスと冗長領域のアドレスは、ページやブロックにより指定されてもよい。例えばページにより指定される場合には、開始ページを示すアドレスとページ数を指定することで、不良エリアと代替エリアの位置を指定することができればよい。
図11に示す例では、データ領域に、3つの不良エリアA、B、Dが存在している。これら不良エリアA、B、Dを代替するために、代替エリアA、B、Dが冗長エリアに設けられる。制御領域には、不良エリアA、B、Dと代替エリアA、B、Dとの関係を示す配置情報A、B、Dが記憶される。不良エリアA、B、Dと、代替エリアA、B、Dと、配置情報A、B、Dとにおいて、同一のアルファベットは、それぞれが対応関係にあることを示している。各配置情報A、B、Dは、データ領域における不良エリアのアドレスと、冗長領域における代替エリアのアドレスとを特定可能に構成されている。
ROM132の記憶領域に記憶されているデータの読み出しは、ROM132の外部に設けられた制御手段(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131)、あるいは、ROM132の内部に設けたメモリ制御部によって行われる。CPU131は、制御領域に記憶されている配置情報を参照して、データ領域に記憶されているデータを読み出すか、冗長領域にて代替エリアに記憶されているデータを読み出すかを判定する。例えば、読み出し対象となるデータが配置情報Aに示されるデータである場合、本来であれば、データ領域の不良エリアAに記憶されているデータを読み出す。しかし、配置情報Aにより不良エリアAからの読み出しは不適切と判断して、不良エリアAに代えて、冗長領域の代替エリアAに記憶されているデータを読み出す。このように、ROM132に冗長領域を設けたことで、データ領域に不良エリアが発生した場合でも、信頼性の高いデータ読み出しが可能になる。
ROM132の冗長領域は、本来、データ領域に発生した不良エリアの代用となる代替エリアとして使用される領域である。これに対し、この実施の形態に係るROM132の冗長領域には、履歴情報が書き込まれる。履歴情報は、ROM132のリサイクルに関する情報である。例えば、履歴情報は、日付情報、使用されたパチンコ遊技機1などの機種識別情報を含んで構成される。その他、パチンコ遊技機1が導入された店舗の識別情報、あるいは、パチンコ遊技機1が導入された地域の識別情報などを含んでいてもよい。パチンコ遊技機1がリサイクルされるときには、この履歴情報を読み出して参照することで、ROM132を再利用することが可能(記憶するデータを書き換えて使用する)か、あるいは、再利用できない(廃棄対象とする)かを判定することができる。
図11に示す例では、冗長領域に履歴情報Cが記憶されている。また、制御領域には、履歴情報Cに対応して配置情報Cが記憶されている。配置情報Cは、不良エリアと代替エリアの関係を示す他の配置情報とは異なり、履歴情報に関する配置情報であることを示す履歴フラグと、履歴情報を記憶している冗長領域のアドレスとを含んでいればよい。冗長領域のアドレスは、開始アドレスと終了アドレスで指定されてもよいし、開始アドレスとページ数(あるいはブロック数)で指定されてもよいし、その他、各種形態を採用することができる。履歴情報を読み出す場合には、制御領域にて履歴フラグがオンとなっている配置情報を特定し、この配置情報に含まれる冗長領域のアドレスを参照することで、冗長領域から履歴情報を読み出すことができる。
こうして、代替エリアが設けられる冗長領域に履歴情報を記憶させることで、データ領域に変更を加えることなく、ROM132のリサイクル管理を行うことができる。したがって、ROM132の外部にバーコードを貼付するといった、煩雑な管理を行う必要がなく、ROM132に記憶させる履歴情報として正確にリサイクル管理を行うことができる。また、データ領域には履歴情報が記憶されないため、同一機種のパチンコ遊技機1では、データ領域に記憶するプログラムやデータの同一性を維持することができる。これにより、ROM132やパチンコ遊技機1の出荷時には、同一機種について、データ領域のプログラムやデータの同一性を検査することで、公正な製品であることを確認できる。
この実施の形態では、ROM132の記憶領域に制御領域を設け、この制御領域に配置情報を記憶させることで、不良エリアと代替エリアの配置関係と、冗長領域における履歴情報の配置を管理している。これに対し、制御領域は、ROM132の記憶領域以外で管理するようにしてもよい。例えば、ROM132の記憶領域とは別個に設けられたメモリ制御部にて管理するようにしてもよい。また、冗長領域に記憶させた履歴情報の配置を示す配置情報を、制御領域に記憶させるものに限定されない。例えば、履歴情報にヘッダ情報を付与して管理してもよい。このヘッダ情報は、履歴情報であることを示す情報であり、履歴情報を読み出すときには、冗長領域にてヘッダ情報を探すことで、履歴情報の読み出しが可能になればよい。
図12は、ROM132に対してプログラムやデータの書き込みが可能なデータ書込装置500の構成例を示している。データ書込装置500は、ROM132の再利用対象となるパチンコ遊技機1のプログラムやデータとともに、リサイクルに関する履歴情報を、ROM132に書き込んで記憶させる。
データ書込装置500は、CPU541、ROM542、RAM543、計時部544、コネクタ547、548、操作部551、表示処理部545、表示部554を備えている。CPU541は、データ書込装置500の全体を統括制御する。ROM542は、書込処理などの各種処理を実行するために必要なプログラムやデータを記憶する。RAM543は、各種処理を実行するときにデータを一時的に記憶する。計時部544は、計時による日付情報を生成する。コネクタ547は、書き込み対象となるROM132が接続される。コネクタ548は、外部記憶媒体552が接続される。操作部551は、データ書込装置500に対して使用者が指示を入力するための操作を検出する。表示処理部545は、視覚的な情報を形成するための画像処理などを実行する。表示部554は、視覚的な情報を出力する。
外部記憶媒体552には、新たに再利用対象となるパチンコ遊技機1のプログラムやデータが記憶されている。また、ROM132の稼働実績を判定するために、市場データである機種稼働情報が外部記憶装置552に記憶されている。機種稼働情報は、所定期間(例えば1週間毎)にパチンコ遊技機1の稼働状況を機種別に集計した情報であり、市場調査を行う事業者から店舗に配布される情報である。店舗では、機種稼働情報に基づいて、パチンコ遊技機1の機種の入れ替えなど、機種毎の台数管理を行う。機種稼働情報は、遊技機の機種毎の市場稼働台数、集計対象期間における稼働時間、打ち込んだ球数(アウトとも称される)、売上などを示している。店舗では、機種稼働情報に基づいてパチンコ遊技機1の人気度合い、集客度合いを判定し、店舗におけるパチンコ遊技機1の台数管理を実施することができる。図12に示す例では、外部記憶媒体552を使用して、外部から必要な情報(プログラムやデータ、機種稼働情報など)を取得している。これに対し、例えば、通信回線を介して情報取得を行うなど、各種形態で情報を取得することができればよい。
図13は、データ書込装置500により実行される書込処理の一例を示すフローチャートである。データ書込装置500では、プログラムやデータの書込対象となるROM132をコネクタ547に接続し、外部記憶媒体552の記憶内容に基づいて、新たなパチンコ遊技機1に対応するプログラムやデータを選択することで、ROM132に対する書込処理が実行される。
図13に示す書込処理の実行が開始されると、CPU541は、まず、ROM132の冗長領域に記憶されている履歴情報を読み出す(ステップST1)。次に、外部記憶媒体552から機種稼働情報を読み出す(ステップST2)。こうして読み出された履歴情報と機種稼働情報とに基づいて、稼働実績情報を算出する(ステップST3)。続いて、算出結果としての稼働実績情報が許容範囲内か否かを判定する(ステップST4)。これにより、ROM132が再利用に耐え得るか否かが判定される。算出結果の稼働実績情報が基準となる稼働時間を超過して許容範囲内ではないと判定された場合には(ステップST4;No)、表示部553にて、新たなプログラムやデータの書き込みが不可能であることを表示する(ステップST12)。
ステップST4にて算出結果の稼働実績情報が基準となる稼働時間を超過しておらず許容範囲内であると判定された場合には(ステップST4;Yes)、操作部551に対する操作による書込指示があったか否かを判定する(ステップST5)。使用者が操作部551を操作することにより書込指示がなされた場合には(ステップST5;Yes)、新たなパチンコ遊技機1に対応するプログラムやデータがROM132のデータ領域に書き込まれる(ステップST6)。このとき、データ領域の不良エリアは、冗長領域の代替エリアに代えて使用される。その後、ROM132のデータ領域に記憶させた新規プログラムとデータについて、データ書込装置500の外部記憶媒体552に記憶しているマスタープログラムやマスターデータと照合する(ステップST7)。そして、照合結果が一致したか否かを判定する(ステップST8)。一致していない場合には(ステップST8;No)、表示部553にて、エラー表示を行ってから(ステップST11)、書込処理を終了する。
ステップST8にて一致したと判定された場合には(ステップST8;Yes)、ROM132の冗長領域に履歴情報を書き込む(ステップST9)。その後、表示部553にて、書込終了の表示を行ってから(ステップST10)、書込処理を終了する。このように、新たなパチンコ遊技機1に対応するプログラムやデータを書き込むとともに、履歴情報を書き込んだ後に、書込終了の表示を行うことにより、ROM132に履歴情報を確実に書き込むことができ、履歴情報に基づくROM132のリサイクル管理を高い精度で行うことができる。
図14は、ROM132の冗長領域に記憶される履歴情報の構成例を示している。図14に示す履歴情報は、書込処理が行われた日付を示す日付情報とともに、使用されたパチンコ遊技機1の機種を示す機種識別情報と、パチンコ遊技機1が導入された店舗識別情報とを、含んで構成されている。データ書込装置500では、履歴情報に基づいて、ROM132がパチンコ遊技機1のどの機種に使用されたかを判定することができる。また、日付情報から特定される日付の間隔により、各機種の使用期間を特定することもできる。例えば、図14に示す履歴情報では、2013年10月1日に機種Aのプログラムとデータが書き込まれ、2013年12月15日に機種Bのプログラムとデータが書き込まれたことが示されている。これにより、機種Aに使用された期間は、2013年10月1日から2013年12月15日までの期間であることが特定できる。また、日付情報で示される直近の日付から現在までの期間は、直近の使用対象となった機種における使用期間であることが特定できる。
図15は、外部記憶媒体552に記憶される機種稼働情報の構成例を示している。図15に示す機種稼働情報は、機種識別情報を含み、集計期間、稼働時間を示している。稼働時間は、集計期間毎の稼働状況を示している。稼働時間は、全国平均の稼働時間としてもよいし、地域毎あるいは店舗毎の稼働時間としてもよい。
図13に示すステップST3の処理にて算出される稼働実績情報は、ROM132がパチンコ遊技機1に搭載されて使用された稼働時間を示している。図14に示す履歴情報には、ROM132がこれまでに使用された機種を示す機種識別情報が含まれている。また、図15に示す機種稼働情報は、パチンコ遊技機1について集計期間毎の稼働時間を示している。データ書込装置500のCPU541は、履歴情報に基づいて、ROM132が使用されたパチンコ遊技機1の機種や使用期間を特定することができる。また、機種稼働情報に基づいて機種毎の使用期間における稼働時間を累計することで、対象としているROM132の稼働時間(稼働実績情報)を算出することができればよい。パチンコ遊技機1は、同時期に同じ機種が出荷、回収されることが多いため、パチンコ遊技機1の機種を特定することで、おおよその使用期間を推定することができればよい。これにより、履歴情報には、少なくとも機種識別情報を含めることで使用期間を特定することができる。
図13に示すステップST6の処理により新たなプログラムやデータが書き込まれた後には、間違いなく書き込まれたことを確認するベリファイ処理が実行されてもよい。図13に示すステップST7の照合処理は、ROM132の記憶領域におけるデータ領域に記憶させたプログラムやデータを対象として、外部記憶装置552に記憶されているマスタープログラムやマスターデータとの照合が行われる。この照合処理を実行することにより、パチンコ遊技機1における公正な運用が担保される。照合処理では、冗長領域における代替エリア以外の部分が照合の対象とされない。そのため、冗長領域に記憶されている履歴情報は、照合処理の対象にならない。
図13に示すステップST9の処理では、データ書込装置500の計時部544で計時した現在の日付を使用して、日付情報を含む履歴情報が書き込まれるようにすればよい。なお、日付情報は年月日を示すものに限定されず、より詳細に時分を含むものであってもよい。日付情報は、履歴情報を書き込む時点での日付を示すものに限定されず、実際に店舗で使用開始となる日付を示すものであってもよい。この場合には、例えば操作部551に対する使用者の操作に応じて日付を入力してもよいし、外部記憶媒体552に予め記憶されている日付情報を使用してもよい。ステップST9の処理を実行することで、新たに使用対象となるパチンコ遊技機1に対応するプログラムやデータがROM132に書き込まれるとともに、履歴情報が書き込まれる。CPU541は、ROM132に書き込むプログラムやデータが選択されたときに、それらに対応する機種識別情報を自動選択して、履歴情報に含めて書き込むことができればよい。このように、ROM132に対してプログラムやデータが書き込まれるときに、履歴情報に含まれる機種識別情報を書き込むことで、両者の整合性を保つことができる。なお、履歴情報に含まれる機種識別情報は、操作部551に対する使用者の操作に応じて入力されてもよい。
ROM132の使用対象となるパチンコ遊技機1が導入される店舗は、ROM132に対してプログラムやデータが書き込まれるより前に、予め決められていればよく、その店舗を示す店舗識別情報が含まれる履歴情報を、ステップST9の処理により書き込むようにすればよい。店舗識別情報は、例えば操作部551に対する使用者の操作に応じて入力されてもよいし、外部記憶媒体552に予め記憶されていてもよい。
図16は、書込処理の実行内容に応じたデータ書込装置500の表示部553における表示例を示している。図13に示すステップST4にて算出結果の稼働実績情報が許容範囲内であると判定されたときには、図16(A)に示すようなメッセージとともに、書き込み指示のカーソルが表示部553に表示される。このときには、例えば操作部551に対する使用者の操作に応じた書き込み指示の入力を受け付ける。図13に示すステップST12の処理では、図16(B)に示すような「書き込み不可。廃棄対象のROMです。」のメッセージが表示部553に表示されることで、データ書き込み不可であることを報知できればよい。図13に示すステップST10の処理では、図16(C)に示すような「書き込み完了。ROMを取り外して下さい。」のメッセージが表示部553に表示されることで、データ書き込み終了であることを報知できればよい。図16(C)に示すような表示を行うことにより、ROM132に確実に履歴情報を書き込むことができ、履歴情報に基づくROM132のリサイクル管理を高い精度で行うことができる。
なお、新たなプログラムやデータの書き込みと、履歴情報の書き込みは、別個の書込処理として実行されてもよい。パチンコ遊技機1をリサイクルするときには、例えば機種のバージョンを変更する場合のように、ROM132に新たなプログラムやデータが書き込まれない場合がある。パチンコ遊技機1が新作される段階で機種のバージョン変更が予定されていた場合などには、機種のバージョン変更に必要なプログラムやデータが、予めROM132に記憶された状態となっている。そして、リサイクルするときには、遊技盤2の絵柄を変更するなどの変更が行われ、ROM132に対する新たなプログラムやデータの書き込みは行われない。このような機種のバージョン変更を行う場合でも、ROM132の冗長領域に対する履歴情報の書き込みを行うようにしてもよい。パチンコ遊技機1のバージョンが変更された場合、稼働実績情報においては異なる機種として取り扱われることがある。このような場合、履歴情報にバージョン変更された機種識別情報が含まれるようにすることで、ROM132の稼働実績をより正確に把握し、適切なリサイクル管理を行うことができる。
図13に示すステップST3の処理では、店舗識別情報を用いて稼働実績情報を算出してもよい。この場合、機種稼働情報についても店舗別の集計期間、稼働時間を示すものとすればよい。店舗識別情報を使用することで、さらに高い精度で稼働実績情報を算出することができる。店舗単位で稼働実績情報を算出するものの他に、パチンコ遊技機1が導入された地域毎に稼働実績情報を算出するものであってもよい。この場合、履歴情報には、パチンコ遊技機1が導入される地域に関する情報が含められ、機種稼働情報は、導入地域毎の集計期間、稼働時間を示すものとすればよい。
図13に示すステップST3の処理に代えて、例えばROM132から履歴情報を読み出して表示部553に表示させてもよい。このとき表示されている履歴情報に基づいて、データ書込装置500の使用者が再利用可能か否かを判断できるようにしてもよい。あるいは、データ書込装置500の外部装置により稼働実績情報が算出され、その稼働実績情報をデータ書込装置500の使用者が認識して再利用可能か否かを判断できるように出力してもよい。
こうして、リサイクル対象となるROM132では、本来、不良エリアに代替してデータを記憶するための冗長領域を使用して、履歴情報を記憶させる。これにより、履歴情報を記憶させてもROM132のデータ領域における記憶内容が影響を受けることがなく、データ領域における記憶内容の同一性を維持して、ROM132のリサイクルを適切に行うことができる。パチンコ遊技機1では、遊技の公正を保つ観点から、同じ機種間においてROM132が記憶するプログラムやデータの同一性が要求される。そこで、ROM132の利用状況に応じて変化する履歴情報を、データ領域とは異なる冗長領域に記憶させることで、通常であればプログラムやデータが記憶されるデータ領域の記憶内容が変化することを防止して、ROM132のリサイクルを適切に管理することができる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、遊技制御プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる遊技制御プロセス処理では、RAM102に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図17は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶されればよい。
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、ステップS13の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図18は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、メイン画像表示装置5MAにおいて可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131が演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の起動時処理を実行する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。こうしたタイマ割込みフラグをオン状態にする割込みは、演出制御用のタイマ割込みとなる。CPU131は、演出制御用のタイマ割込みが発生するまで待機する。
演出制御用のタイマ割込みが発生してタイマ割込フラグがオンになったときには、これをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。なお、CPU131は、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを、I/O134の入力ポートから取得できればよい。このとき取得した演出制御コマンドは、例えばRAM133の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させればよい。演出制御用のタイマ割込処理において、CPU131は、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。CPU131は、受信コマンドバッファの記憶内容を確認して、新たな演出制御コマンドの受信があったか否かを判定できればよい。コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上における演出用の画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体における点灯、発光体ユニット71〜74とは異なる遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった各種発光部材における点灯、可動部材51〜54を移動させる可動用モータの駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵(または外付)された乱数回路を用いて、ハードウェアにより更新される演出用乱数については、演出用乱数更新処理では更新されなくてもよい。あるいは、ハードウェアにより更新される乱数値を示す数値データを用いて、ソフトウェアにより演出用乱数が更新されてもよい。
図19は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、BGM変更タイミングであるか否かを判定する(ステップS151)。例えば、CPU131は、主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づいて、予め定められたBGM変更条件が成立したときに、BGM変更タイミングであると判定すればよい。一例として、BGM変更条件は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のいずれかに変更されたときに、成立するように設定されていればよい。
ステップS151にてBGM変更タイミングであると判定された場合には(ステップS151;Yes)、BGMとして再生する楽曲に対応する音データの開始アドレスと終了アドレスを特定する(ステップS152)。例えば、ROM132の所定領域には、パチンコ遊技機1における遊技状態ごとにBGMとして再生する楽曲に対応する音データについて、音データ第1記憶エリアR11あるいは音データ第2記憶エリアR12における開始アドレスと終了アドレスを特定可能に示すデータを含むBGM設定テーブルが予め記憶されていればよい。CPU131は、主基板11から伝送された演出制御コマンドに基づいて特定された遊技状態に応じて、BGM設定テーブルを参照することで、音データの開始アドレスと終了アドレスを特定すればよい。
ステップS152の処理に続いて、BGMとなる楽曲を繰り返し再生させるループ再生を開始するためのループ再生開始制御を行う(ステップS153)。例えばCPU131は、ステップS152の処理により特定された音データの開始アドレスと終了アドレスとともに、ループ再生を行うことが示される効果音信号を、I/O134における出力ポートから音声制御基板13に対して伝送する。この場合、音声制御基板13では、音声合成用ICがROM132や画像データメモリ121にアクセスして、効果音信号に示された開始アドレスと終了アドレスの区間から音データを読み出すことができればよい。そして、ループ再生を行う指定に従って、音データに応じた楽曲を先頭から順次に再生し、楽曲の末尾が再生されると、再び先頭に戻って楽曲の再生を繰り返すようにすればよい。
こうしたステップS153の処理によるループ再生開始制御により、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるときには、図6(B)に示す通常時BGMとしての楽曲A−1を、繰り返し再生することができる。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、図6(B)に示す確変中BGMとしての楽曲B−1を、繰り返し再生することができる。パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときには、図6(B)に示す時短中BGMとしての楽曲B−2を、繰り返し再生することができる。
ステップS151にてBGM変更タイミングではないと判定された場合や(ステップS151;No)、ステップS153の処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じた処理が実行される。このとき、CPU131は、RAM133の所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS170〜S176の処理が含まれている。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、メイン画像表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、メイン画像表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、CPU131は、RAM133の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU133は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像をメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させたり、発光体ユニット71〜74による表示演出を実行させたりすること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態に対応した大当り中演出を実行可能にする。大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、CPU131は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行される大当り終了演出(エンディング演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像の表示や果音の出力、各種発光部材の点灯/消灯/点滅、その他の演出動作を制御して、大当り遊技状態の終了に対応した大当り終了演出を実行可能にする。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図20は、図19のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す可変表示開始設定処理において、CPU131は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。ステップS401の処理として、CPU131は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU131は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。CPU131は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵(または外付)された乱数回路あるいはRAM133の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより更新される演出用乱数のうち、左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出用乱数のうちで右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出用乱数のうちで中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU131は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。CPU131は、演出用乱数のうちで左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出用乱数のうちで中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。CPU131は、演出用乱数のうちで大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM132に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS401の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS402)。ステップS402の処理では、例えば予めROM132の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出決定テーブルを用いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様などが決定されればよい。予告演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や演出態様の決定結果に、割り当てられていればよい。CPU131は、演出用乱数のうちで予告演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無や演出態様を決定すればよい。
ステップS402の処理に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS403)。例えば、CPU131は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、CPU131は、ステップS402の処理による予告演出の決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS403の処理を実行した後、CPU131は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM133の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS404)。そして、メイン画像表示装置5MAにおける飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS405)。このときには、例えばステップS404にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部122のVDP141に対して伝送させることなどにより、メイン画像表示装置5MAの画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図21(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。図21(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM133の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミングなどを示すデータが設定されていてもよい。このような演出制御パターンを構成するパターンデータは、管理データとして、ROM132に割り当てられたプログラム等記憶エリアR01に予め記憶されていればよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。この実施の形態では、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体による点灯態様を制御する点灯データの作成に用いられる表示データが、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データに付加されている。したがって、表示制御データによりサブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定すれば、発光体ユニット71〜74を構成するように整列配置された複数の発光体による点灯態様も指定することができる。なお、表示制御データにより発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯態様を指定するものに限定されず、表示制御データとは別個の制御データを用いて、複数の発光体における点灯態様が指定されてもよい。
音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。例えば、音声制御データは、ROM132に割り当てられた音データ第1記憶エリアR11や画像データメモリ121に割り当てられた音データ第2記憶エリアR12において、楽曲などに対応する音データの開始アドレスと終了アドレスに加え、ループ再生を行うか否かといった、各種の設定を示すものであればよい。
ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体ユニット71〜74以外の各種発光部材における点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、各種発光部材の点灯動作を指定するデータである。可動部材制御データには、例えば可動部材51〜54を回動させたり移動させたりする可動用モータ60の駆動態様を示すデータといった、可動部材51〜54の動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、可動部材制御データは、可動部材51〜54の回動動作や移動動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタンに対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図21(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像をメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる制御を行う。この実施の形態では、表示制御データにより指定される態様で発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体を点灯させて表示演出を実行する制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の各種発光部材を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM131から読み出してRAM133の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM132における記憶アドレスを、RAM133の所定領域に一時記憶させて、ROM132における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、CPU131は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(メイン画像表示装置5MA、サブ画像表示装置5SU、発光体ユニット71〜74、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9を含む各種発光部材、可動部材51〜54など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、可動部材制御データ#1〜可動部材制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131からI/O134における出力ポートを介して、表示制御部122や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令を受けた表示制御部122では、例えばVDP141がその指令に示される画像データ(画像要素データ)を画像データメモリ121から読み出してVRAM142Aに一時記憶させる。また、VDP141は、VRAM142Aに記憶されている画像データから、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示画面に応じた画像データを選択し、選択した画像データをピクセルデータに変換するなどしてフレームバッファ142Bの所定位置(メイン画像表示装置5MAなどの表示領域における表示位置を示す情報等によって示される位置)に配置する。これにより、フレームバッファ142Bに1画面分の表示データを作成する。このとき、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データには、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するために使用される表示データが付加される。その他、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音データを取得して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図22は、図19のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示中演出処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、スーパーリーチ演出開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS452)。スーパーリーチ演出開始タイミングは、スーパーリーチにおけるリーチ演出の実行を開始させるタイミングであり、例えば図20に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。スーパーリーチ演出開始タイミングである場合には(ステップS452;Yes)、BGMオフ設定を行う(ステップS453)。例えば、CPU131は、I/O134における出力ポートから音声制御基板13に対して効果音信号を伝送させ、BGMを再生する音声チャンネルのボリュームをオフに設定させる。音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがBGMのボリュームを変更して出力オフにすればよい。なお、BGMがオフの期間では、BGMのボリュームがオフに設定されるだけで、BGMに対応する楽曲の再生は継続して行われるようにしてもよい。あるいは、BGMがオフの期間では、BGMに対応する楽曲の再生が一時停止されるようにしてもよい。ステップS453にてBGMオフ設定を行った後には、スーパーリーチ演出用の楽曲オン設定を行う(ステップS454)。例えば、CPU131は、I/O134における出力ポートから音声制御基板13に対して効果音信号を伝送させ、図6(B)に示す楽曲A−2のような、スーパーリーチ演出用の楽曲に対応する音データの開始アドレスと終了アドレスを通知する。音声制御基板13では、効果音信号により通知された音データの開始アドレスと終了アドレスに基づいて、例えば音声合成用ICがスーパーリーチ演出用の楽曲に対応する音データを取得する。そして、スーパーリーチ演出用の楽曲を再生する音声チャンネルのボリュームをオンに設定するとともに、音データに応じた楽曲A−2などを先頭から順次に再生すればよい。
ステップS452にてスーパーリーチ演出開始タイミングではない場合や(ステップS452;No)、ステップS454の処理を実行した後には、スーパーリーチ演出終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS455)。スーパーリーチ演出終了タイミングは、スーパーリーチにおけるリーチ演出の実行を終了させるタイミングであり、例えば図20に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。スーパーリーチ演出終了タイミングである場合には(ステップS455;Yes)、スーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定を行う(ステップS456)。例えば、CPU131は、I/O134における出力ポートから音声制御基板13に対して効果音信号を伝送させ、スーパーリーチ演出用の楽曲を再生する音声チャンネルのボリュームをオフに設定させる。音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがスーパーリーチ演出用の楽曲のボリュームをオフに設定するとともに、楽曲A−2などの再生を終了すればよい。ステップS456にてスーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定を行った後には、BGMオン設定を行う(ステップS457)。例えば、CPU131は、I/O134における出力ポートから音声制御基板13に対して効果音信号を伝送させ、BGMを再生する音声チャンネルのボリュームをオンに設定させる。音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがBGMのボリュームを変更して出力オンにすればよい。
ステップS455にてスーパーリーチ演出終了タイミングではない場合や(ステップS455;No)、ステップS457の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップS458)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS459)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS459;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS459にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS459;Yes)、例えば表示制御部122のVDP141に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS460)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS461)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS462)、可変表示中演出処理を終了する。
図22に示す可変表示中演出処理では、ステップS456にてスーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定を行った後、直ちにステップS457にてBGMオン設定を行っている。これに対し、ステップS456の処理を実行した後に所定期間が経過してからBGMオン設定が行われるようにしてもよい。例えばステップS460にて最終停止図柄を導出表示させる制御を行った後に、BGMオン設定が行われるようにしてもよい。あるいは、図19に示すステップS170の可変表示開始待ち処理が実行されるときに、BGMオン設定が行われるようにしてもよい。特に、可変表示結果が「大当り」となる場合には、スーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定に続いて、可変表示結果が「大当り」となったことを報知するファンファーレ演出用の楽曲を再生し、その後に遊技状態が大当り遊技状態となることに対応して、図6(B)に示す楽曲Xのような大当り中演出用の楽曲を再生してもよい。なお、スーパーリーチ演出用の楽曲は、そのまま大当り中演出用の楽曲となり継続して再生されることがあってもよい。こうして可変表示結果が「大当り」となった場合には、大当り遊技状態が終了した後、図19に示すステップS170の可変表示開始待ち処理が実行されることに対応してBGMオン設定を行えばよい。これにより、可変表示結果が「大当り」となった場合に、BGMとなる楽曲の再生を円滑に開始させることができる。
図22に示す可変表示中演出処理では、図20に示すステップS403の処理で決定された演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンなど)から演出制御プロセスタイマ値に基づいて取得したプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われる。図19に示すステップS175の大当り中演出処理やステップS176の大当り終了演出処理などにおいても、CPU131がROM132から演出制御パターンを読み出し、演出制御プロセスタイマ値に基づいて取得したプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われるようにすればよい。
こうした演出制御を行うために、CPU131は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判定を行い、タイムアウトしたらプロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う。すなわち、図21(A)に示すようなプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている表示制御データに基づいて、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示制御と、発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体の点灯制御とが行われる。また、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている音声制御データに基づいてスピーカ8L、8Rの音声出力制御が行われる。さらに、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されているランプ制御データに基づいて遊技効果ランプ9や装飾LEDの点灯制御が行われる。プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている可動部材制御データに基づいて可動用モータ60の駆動制御が行われる。その他にも、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている操作検出制御データに基づいてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bによる指示操作の検出制御が行われる。
CPU131は、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示制御と、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体の点灯制御を行うために、I/O134における出力ポートから、表示制御部122のVDP141に対して各種の表示制御指令を送信する。CPU131がVDP141に対して送信する表示制御指令には、例えば転送指令、展開指令、出力指令が含まれていればよい。
転送指令は、画像データメモリ121に記憶されている複数種類の画像データ(画像要素データ)から、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUでの画面表示に用いられる画像データと、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる画像データとを読み出して、VRAM142Aに一時記憶させることを示す。例えば、転送指令は、図6(A)に示す画像データ記憶エリアR21における画像データの読出位置や、画像データを展開記憶させた場合の画像サイズなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいればよい。ここで、画像データ記憶エリアR21における画像データの読出位置は、画像データメモリ121における読出アドレスであってもよいし、読出対象となる画像データに対応する画像要素に付された特定情報(例えば画像要素データに対応するキャラクタ画像のキャラクタ番号)などといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
展開指令は、VRAM142Aに一時記憶されている画像データから、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示領域に応じた画像データと、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体に応じた画像データとを選択し、選択した画像データに基づく描画処理を実行して、表示データをフレームバッファ142Bの画像描画領域に作成することを示す。例えば、展開指令は、VRAM142Aに一時記憶されている画像データを指定するためのデータや、フレームバッファ142Bにおける画像要素の配置(設定位置)を指定するためのデータを含んでいればよい。ここで、VRAM142Aに一時記憶されている画像データを指定するためのデータは、VRAM142Aにおける読出アドレスを指定するデータであってもよいし、選択対象となる画像データに対応する画像要素に付された特定情報などといった任意の情報を示すデータであってもよい。
出力指令は、フレームバッファ142Bの画像描画領域と画像表示領域とを切り替え、画像表示領域となった記憶領域に格納されている表示データをメイン表示出力系統やサブ表示出力系統に供給して、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUおよび発光体ユニット71〜74の側に出力することを示す。VDP141は、出力指令を受信するごとに、フレームバッファ142Bから読み出した1画面分の表示データを出力するとともに、垂直同期信号を供給して、垂直同期信号と同じ周期でVブランク割込みを発生させてもよい。この場合、CPU131は、VDP141からのVブランク割込みの発生に同期して、描画に関わる処理を実行すればよい。
CPU131は、転送指令や展開指令、出力指令の他にも、各種の表示制御指令を表示制御部122のVDP141に対して送信できればよい。例えば、表示データを出力するために設定されたフレームバッファ142Bの画像表示領域における記憶内容をVRAM142Aに複写することを示す複写指令や、フレームバッファ142Bの画像描画領域における内容とエフェクト用画像に応じた画像データとの間で演算(例えば加算や減算、半透明化処理を実現するための演算など)を行うことを示す描画指令などが、I/O134における出力ポートから表示制御部122のVDP141に対して送信されてもよい。
表示制御部122のVDP141は、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された表示制御指令を用いて画像データ処理を実行する。この画像データ処理において、VDP141は、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された表示制御指令が転送指令、展開指令、出力指令のいずれであるかを判定する。転送指令である場合には、画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21から読み出した画像データを、VRAM142Aに書き込んで一時記憶させる。展開指令である場合には、VRAM142Aにおける指定された記憶領域の画像データを選択してフレームバッファ142Bの画像描画領域に書き込む。こうしてフレームバッファ142Bの画像描画領域に画像データが書き込まれることなどにより、演出画像の表示や点灯データの生成に用いられる表示データが作成される。VRAM142Aに一時記憶されている画像データを選択するときには、1の画像要素に対応する画像データ(画像要素データ)のうち、一部の画像データだけを抽出(クリッピング)してフレームバッファ142Bに書き込むようにしてもよい。出力指令である場合には、フレームバッファ142Bにおける画像描画領域と画像表示領域とを切り替えて、切替後の画像表示領域から表示データを読み出し、メインLCD駆動回路143Aを含むメイン表示出力系統、またはサブLCD駆動回路143Bと発光体制御回路144とを含むサブ表示出力系統に、読み出された表示データを出力する。
このような画像データ処理を実行することにより、VDP141は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に基づいて、演出画像の表示に必要なキャラクタ画像データといった各種の画像データを画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21から読み出し、VRAM142Aの所定領域に配置する。演出画像を表示するときには、何度も同じキャラクタ画像が繰返し表示されることがある。画像データメモリ121に記憶されている画像データが圧縮されている場合には、これを読み出した後に伸長するための時間を要する。そこで、演出画像の表示を開始する段階で、必要なキャラクタ画像データなどをVRAM142Aの記憶領域に配置することで、各フレームに対応して画像データメモリ121から読出しを行うのに比較して、描画に要する時間を短縮することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出画像の表示が開始された後、Vブランクが発生するごとに、VDP141のアトリビュートレジスタにアトリビュートを設定してから、アトリビュートの読込実行を指示する。これに応じて、VDP141は、アトリビュートを読み込む。この読込みが完了すると、VDP141からCPU131に対して読込終了割込信号が出力される。CPU131は、読込終了割込信号を受けると、描画処理の実行を指示する。こうして、VDP141は、読み込んだアトリビュートに従ってフレームバッファ142Bに表示データを書き込むことによる描画処理を実行する。
フレームバッファ142Bにおいて画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる複数の記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられている。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置5MAの画面上にて画像表示するための表示データが格納される。例えば、メインフレームバッファには、横方向(X軸方向)に800ドット、縦方向(Y軸方向)に600ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置5SUの画面上にて画像表示するための表示データと、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる表示データとが格納される。例えば、サブフレームバッファには、横方向(X軸方向)に480ドット、縦方向(Y軸方向)に885ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。
図23は、VDP141の描画処理などによる表示データの作成例と出力例を示している。演出画像の表示や表示演出が実行されるときに、VDP141は、スプライト画像の画像データをVRAM142Aから読み出して、メインフレームバッファとサブフレームバッファに表示データを書き込む描画処理を実行する。画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21から読み出されてVRAM142Aに一時記憶されるスプライト画像の画像データのうち、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる画像データは、例えば図23(A)に示すように、横方向(X軸方向)に320ドット、縦方向(Y軸方向)に320ドットの画像サイズに対応している。
VDP141は、点灯データ作成用の画像データを、横方向(X軸方向)に80ドット、縦方向(Y軸方向)に80ドットの画像サイズに縮小する。縮小された画像サイズは、複数の発光体が整列配置された発光体ユニット71〜74の解像度に対応している。このように、点灯データ作成用の画像データは、発光体ユニット71〜74の解像度よりも高い解像度を有している。一例として、スーパーサンプリングといったアンチエイリアシング処理を行う。他の一例として、画像データにおける縦横が4ドット×4ドットの矩形範囲ごとに、左上のドットに対応するRGB値を取得して表示データとすることで、縦方向と横方向がそれぞれ1/4に縮小された表示データを作成してもよい。こうして、複数の発光体による表示の解像度よりも高い解像度を有する画像データを用いて、点灯データに変換される表示データを作成する。これにより、例えばキャラクタ画像などの輪郭に発生するジャギーを抑制して、発光体ユニット71〜74における表示の円滑性を高めることができる。特に、キャラクタ画像などの演出画像を移動表示させるときには、輪郭部分を円滑に表示して、発光体ユニット71〜74における表示演出の興趣を向上させることができる。なお、画像サイズの縮小は、VDP141による画像データの変形処理や表示データの描画処理において行われてもよいし、所定のスケーラ回路を用いて行われてもよい。スケーラ回路は、フレームバッファ142Bから読み出した表示データの画素数を変換することで、所定の縮小率(例えば1/4)で画像サイズを縮小できればよい。このように、表示データのサイズ変更は、ハードウェア回路によって実現されてもよいし、ソフトウェアとしての所定プログラムを実行することで実現されてもよい。
VDP141がVRAM142Aから読み出した画像データは、サブフレームバッファにおける所定領域(発光体点灯用データ領域)に書き込まれることで、点灯データの作成に用いられる。一方、VDP141がVRAM142Aから読み出した画像データは、メインフレームバッファに書き込まれることで、メイン画像表示装置5MAの画面上における画像表示に用いられる。また、VDP141がVRAM142Aから読み出した画像データは、サブフレームバッファにおける発光体点灯用データ領域以外の領域に書き込まれることで、サブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示に用いられる。このように、VRAM142Aに一時記憶されている同一の画像データであっても、フレームバッファ142Bにおける書込位置に応じて、用途を異ならせることができればよい。こうして、画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21から読み出されてVRAM142Aに一時記憶される画像データは、メイン画像表示装置5MAまたはサブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示用、あるいは、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成用として、兼用することができればよい。したがって、画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21に記憶されている画像データは、メイン画像表示装置5MAまたはサブ画像表示装置5SUにおける演出画像の表示制御と、発光体ユニット71〜74の点灯制御とのうち、少なくともいずれかの制御に使用することが可能である。
VDP141は、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて複数の発光体が配置された領域を複数の発光体ブロックに分割したことによる各発光体のブロック割当設定に応じて、表示データの一部移動といった変形処理を行う。例えば図23(B)に示すように、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域に含まれる発光体が、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含められることに対応して、表示データの一部(図23(B)に示す例では「A」を示す画像の上端部分)を切り取り、他の画像位置に移動させる。高機能な描画処理を実行可能なVDP141を用いて表示データの変形処理を実行することにより、発光体制御回路144における点灯データの処理負担を軽減することができる。
フレームバッファ142Bに割り当てられたサブフレームバッファには、例えば図23(C)に示すような表示データが格納される。この表示データは、サブ画像表示用のデータと、発光体制御用のデータとを含み、1フレーム分の画像表示に対応している。サブ画像表示用のデータは、横方向(X軸方向)に480ドット、縦方向(Y軸方向)に800ドットの画像サイズ(サブ画像表示装置5SUの解像度と同一)に対応して、サブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示に用いられる。発光体制御用のデータは、横方向(X軸方向)に80ドット、縦方向(Y軸方向)に80ドットの画像サイズに対応して、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる。
サブフレームバッファに格納される表示データにおいて、サブ画像表示用のデータと、発光体制御用のデータとの間には、例えば5ドットといった、所定のライン数に相当する境界データが設けられている。こうした所定データ量の境界データを設定して、サブ画像表示用のデータと発光体制御用のデータとを離間する。これにより、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示される演出画像の表示データと、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データに変換される表示データとを、容易に分離可能として、点灯データの生成に伴う処理負担を軽減させることができる。
VDP141は、こうしてサブフレームバッファに格納された表示データを、所定順序で読み出してサブ表示出力系統へと出力する。一例として、図23(C)における左上端のドットから水平方向に右上端のドットまで読み出し、続いて1ドット下のデータを同様に読み出す読出動作を、右下端のドットに達するまで繰り返す。こうして表示データを読み出した順にサブ表示出力系統へと出力することで、例えば図23(D)に示すように、まずは所定の第1表示出力期間にてサブ画像表示用のデータが出力され、続いて第1表示出力期間より後の第2表示出力期間にて発光体制御用のデータが出力される。サブ画像表示用のデータと発光体制御用のデータとの間には境界データが設定されているので、サブ画像表示用のデータが出力される第1表示出力期間と、発光体制御用のデータが出力される第2表示出力期間との間に、所定のインターバル期間が設けられる。
サブフレームバッファに格納された表示データは、例えば1フレーム分が1/60秒(約16.7ミリ秒)で出力される。これにより、サブ画像表示装置5SUは、1/60秒のフレーム周期で表示画像を更新することができる。発光体制御用のデータも、サブ画像表示用のデータに付加されていることから、1/60秒の周期で出力される。発光体制御回路144では、サブ表示出力系統へと出力された表示データに含まれる発光体制御用のデータを、信号分離回路150にて分離してバッファメモリ151に一時記憶させる。したがって、バッファメモリ151には、VDP141が1フレーム分の表示データを出力する1/60秒の周期で、表示データのうちから分離された発光体制御用のデータが格納される。
図23(D)に示すように、サブフレームバッファに格納された表示データが出力される期間のうちで、発光体制御用のデータが出力される期間(第2表示出力期間)は、1フレーム分の表示データが出力される全期間(1/60秒間)よりも十分に短くなる。点灯データ生成回路152は、バッファメモリ151に格納されたデータを、例えばサブ画面表示用のデータが出力される期間(第1表示出力期間)といった、バッファメモリ151に対するデータ書込みが行われない残余期間にて読み出し、点灯データへの変換を行うようにすればよい。
点灯データ生成回路152は、例えばサブ画像表示装置5SUといった、LCD(液晶表示装置)を用いた画像表示装置のフレーム周期(1/60秒など)よりも、短い周期で複数の発光体を点灯制御するための点灯データを生成する。具体的な一例として、点灯データ生成回路152は、1/120秒(約8.3ミリ秒)の周期で発光体を点灯制御するための点灯データを生成する。このように、点灯データ生成回路152は、VDP141による表示データの出力周期(1/60秒)よりも短い周期(1/120秒)で発光体の点灯データを生成して、シリアル出力回路153により点灯データに基づく制御信号を出力させる。この場合、バッファメモリ151は、VDP141から出力される1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータ、すなわち、80ドット×80ドットの発光体制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。また、比較的に短い周期で発光体を点灯させることで、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体で実行される表示演出におけるフリッカー(ちらつき)を抑制して、表示演出の興趣を向上させることができる。発光体の点灯制御は、表示データの出力周期に対して1/2の周期で行われるものに限定されず、例えば、より短い周期(例えば1/3の周期など)といった、表示データの出力周期よりも短い任意の周期で行われるものであればよい。
シリアル出力回路153は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータがバッファメモリ151に書き込まれる所要時間よりも長い周期で、点灯データ生成回路152によって生成された点灯データに対応する制御信号の出力を行うように設定されてもよい。このように、点灯データに対応する制御信号が出力される周期よりも短い時間で、1フレーム分に対応する発光制御用のデータをバッファメモリ151に一時記憶させる。これにより、1フレーム分に対応する発光制御用のデータを一時記憶できる記憶データ容量のバッファメモリ151を使用した場合でも、点灯データに対応する制御信号の出力周期よりも短い時間で、点灯データの生成を完了させることができる。
なお、バッファメモリ151は、例えば2フレーム分の画像表示に対応した表示データといった、複数フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していてもよい。この場合、バッファメモリ151の記憶領域には、複数のバッファ領域が割り当てられる。各バッファ領域は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。
そして、点灯データ生成回路152は、複数のバッファ領域のうち、1のバッファ領域にてデータ書込みが行われているときに、他のバッファ領域に格納されているデータを読み出し、点灯データへの変換を行うようにしてもよい。具体的な一例として、バッファメモリ151が、2フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを格納できる記憶データ容量を有しているものとする。この場合、バッファメモリ151の記憶領域を2つの領域に分割し、それぞれ第1バッファ領域と第2バッファ領域に割り当てる。そして、VDP141から複数フレームのうちの第1フレームに対応する表示データが出力されている第1フレーム期間では、信号分離回路150にて分離された発光制御用のデータを、第1バッファ領域に書き込んで一時記憶させる。次に、第1フレームに続く第2フレームに対応する表示データが出力される第2フレーム期間では、信号分離回路150にて分離された発光制御用のデータを、第2バッファ領域に書き込んで一時記憶させる。この第2フレーム期間において、点灯データ生成回路152は、第1期間にてデータ書込みが完了した第1バッファ領域に格納されているデータを読み出し、点灯データへの変換を行う。さらに次のフレーム期間では、第1バッファ領域と第2バッファ領域とを切り替えて、データの書込みと、読出データを用いた点灯データの生成(変換)とが行われるようにすればよい。このように、バッファメモリ151は、ダブルバッファ方式で発光制御用のデータを一時記憶して、点灯データへの変換を可能にするものであってもよい。ただし、この場合にはバッファメモリ151の記憶データ容量が増加することに伴い、製造コストも増加するという問題が生じる。一方、発光体制御用のデータが出力される期間を表示データの全出力期間よりも十分に短い時間に設定するとともに、点灯データ生成回路152がVDP141による表示データの出力周期よりも短い周期で発光体の点灯データを生成する場合には、バッファメモリ151の記憶データ容量を低減して、製造コストの増加を防止することができる。
点灯データ生成回路152は、表示データから分離された発光制御用のデータを記憶しているバッファメモリ151の記憶位置(読出アドレスなど)に応じて、そのデータを複数のデータ範囲に区分けする。例えば、バッファメモリ151の記憶領域は、その記憶アドレスなどに応じて、複数のバッファメモリエリアに分割される。点灯データ生成回路152は、いずれのバッファメモリエリアに格納されているデータを読み出したかに基づいて、複数の発光体ブロックB01〜B42のうち、いずれの発光体ブロックに含まれる発光体の点灯データに変換するかを特定する。
図24は、バッファメモリエリアの設定例を示している。図24に示す設定例では、バッファメモリ151の記憶領域を、横方向(X軸方向)にエリアインデックスBX0〜BX7が付与された8つのエリアと、縦方向(Y軸方向)にエリアインデックスBY0〜BY7が付与された8つのエリアとに、区分けしている。点灯データ生成回路152は、バッファメモリ151の読出アドレスなどに基づいて、横方向のエリアインデックスBX0〜BX7と、縦方向のエリアインデックスBY0〜BY7を、1つずつ組み合わせたエリア指定情報(BXi,BYj)として、バッファメモリ151の記憶データがいずれのデータ範囲に属するかを特定できればよい。なお、エリア指定情報(BXi,BYj)における添字i、jは、「0」〜「7」のいずれかであることを示している。
バッファメモリ151に一時記憶された表示データは、複数に区分けされたデータ範囲ごとに、発光体ブロックB01〜B42のいずれかに割り当てられる。点灯データ生成回路152は、予め用意された変換設定情報となるアドレス特定テーブルを参照することで、各発光体ブロックB01〜B42に割り当てられたデータ範囲を特定することができる。この特定結果に基づいて、各発光体ブロックB01〜B42に対応して設けられた発光体ドライバのアドレス情報を指定することができる。アドレス特定テーブルは、点灯データ生成回路152に内蔵(または外付)されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。
図25は、点灯データ生成回路152によって参照されるアドレス特定テーブルTA1の構成例を示している。アドレス特定テーブルTA1では、各シリアル出力系統K01〜K21に割り当てられた発光体ブロックB01〜B42ごとに、1のエリア指定情報または2のエリア指定情報で特定されるバッファメモリエリアが割り当てられている。例えば図25に示された発光体ブロックB01〜B12のうち、発光体ブロックB01〜B08は、デジット上側の発光体ドライバを備える一方、デジット下側の発光体ドライバを備えておらず、1つのハーフブロックのみで構成されている。これに対して、図25に示された発光体ブロックB01〜B12のうち、発光体ブロックB09〜B12は、デジット上側およびデジット下側の発光体ドライバの双方を備えており、2つのハーフブロックの組合せで構成されている。このような発光体ブロックの構成に対応して、発光体ブロックB01〜B08のそれぞれには、1のエリア指定情報で特定される1つのバッファメモリエリアが割り当てられている。1のエリア指定情報は、横方向(X軸方向)のエリアインデックスBX0〜BX7と、縦方向(Y軸方向)のエリアインデックスBY0〜BY7とを、それぞれ1種類ずつ組み合わせて構成される。一方、発光体ブロックB09〜B12のそれぞれには、2のエリア指定情報で特定される2つのバッファメモリエリアが割り当てられている。2のエリア指定情報は、例えば横方向のエリアインデックスBX0〜BX7が1種類と、縦方向のエリアインデックスBY0〜BY7が2種類とを、組み合わせて構成される。
アドレス特定テーブルTA1では、各発光体ブロックに対応して設けられたストローブ側の発光体ドライバやデジット側の発光体ドライバに対して、シリアル出力系統ごとに一意に定められた発光体ドライバアドレスが割り当てられている。一例として、シリアル出力系統K01に割り当てられた発光体ブロックB01、B02のうち、一方の発光体ブロックB01に対応するストローブ側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD1が割り当てられ、デジット上側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD2が割り当てられている。また、シリアル出力系統K01に割り当てられた発光体ブロックB01、B02のうち、他方の発光体ブロックB02に対応するストローブ側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD4が割り当てられ、デジット上側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD5が割り当てられている。他の一例として、シリアル出力系統K05に割り当てられた発光体ブロックB09、B10のうち、一方の発光体ブロックB09に対応するストローブ側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD1が割り当てられ、デジット上側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD2が割り当てられ、デジット下側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD3が割り当てられている。また、シリアル出力系統K05に割り当てられた発光体ブロックB09、B10のうち、他方の発光体ブロックB10に対応するストローブ側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD4が割り当てられ、デジット上側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD5が割り当てられ、デジット下側の発光体ドライバには発光体ドライバアドレスAD6が割り当てられている。
発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応して、ストローブ側の発光体ドライバが1つずつ設けられている。したがって、ストローブ側の発光体ドライバに対しては、複数の発光体ブロックB01〜B42にかかわらず、各発光体ブロックに対応して1の発光体ドライバアドレスを指定するアドレス情報が割り当てられている。このように、駆動制御回路となるストローブ側の発光体ドライバに対して、複数の発光体ブロックにかかわらず同数のアドレス情報が割り当てられている。
一方、デジット側の発光体ドライバは、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれを構成するハーフブロックが1つであるか、2つであるかに応じて、1つの発光体ドライバ(デジット上側のみ)が用いられる場合もあれば、2つの発光体ドライバ(デジット上側およびデジット下側)が用いられる場合もある。したがって、デジット側の発光体ドライバに対しては、複数の発光体ブロックB01〜B42のいずれであるかに応じて、1の発光体ドライバアドレスを指定するアドレス情報または2の発光体ドライバアドレスを指定するアドレス情報が割り当てられている。このように、階調制御回路となるデジット側の発光体ドライバに対して、複数の発光体ブロックに応じた所定数のアドレス情報が割り当てられている。
こうして、1の発光体ブロックに対応して設けられたストローブ側の発光体ドライバおよびデジット側の発光体ドライバのそれぞれに対して、少なくとも1の発光体ドライバアドレスを指定するアドレス情報が割り当てられている。点灯データ生成回路152は、アドレス情報が含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路153により発光体駆動部154へと出力させる。
また、点灯データ生成回路152によって生成される点灯データには、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光素子の階調制御量を示す階調データが含まれている。例えば、階調データは、PWM制御におけるパルス信号の出力期間(パルス幅)を、階調制御量として示すものであればよい。点灯データ生成回路152は、バッファメモリ151から読み出された表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)に基づいて、予め用意された色変換設定情報となる点灯データ生成テーブルを参照することで、階調制御量を示す階調データを生成する。点灯データ生成テーブルは、点灯データ生成回路152に内蔵(または外付)されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。
図26は、表示データで示される各表示色の階調数と、点灯データに含まれる階調データに基づく発光体の階調制御による各発光色の階調数との比較を示している。点灯データ生成回路152によって生成される点灯データは、変換に用いた表示データに基づいて表示される画像の階調数よりも少ない階調数に対応している。VDP141から出力されてバッファメモリ151に一時記憶される表示データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「255」のうちいずれかのレベルとなるように、256段階で階調制御を可能にする。このように、VDP141から出力される表示データに基づいて表示される画像の階調数は「256」である。点灯データ生成回路152によって生成される点灯データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「63」のうちいずれかのレベルとなるように、64段階で階調制御を可能にする。このように、点灯データ生成回路152によって生成される点灯データは、「256」よりも少ない「64」の階調数を示している。
表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)と、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量との対応関係は、各発光色に対応する発光素子の特性(例えば発光効率)やホワイトバランスなどを考慮して、予め決定されていればよい。一例として、各発光体を構成する発光素子となる発光ダイオードは、印加電圧が所定値に達すると、急激に電流量が増加する非線形特性を有している。したがって、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例した階調制御量に変換すると、例えば白飛びや黒潰れといった、複数の発光体による表示演出の不都合が生じてしまうおそれがある。そこで、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光色に対応した発光素子が、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)と同等の発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておいてもよい。
図27は、点灯データ生成回路152によって参照される点灯データ生成テーブルTC1の構成例を示している。点灯データ生成テーブルTC1では、表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)に対応して、点灯データが示す各表示色のレベル(RGB値)が設定されている。ここで、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、いずれも輝度(階調)が「0」〜「10」のうちいずれかのレベルとなる場合には、点灯データが示す各表示色の輝度(階調)が「0」のレベルとなるように、テーブルデータが構成されてもよい。すなわち、1ドットに対応する1の発光体に含まれる各表示色の発光素子について、表示データに示される輝度(階調)がいずれも「10」以下となる場合には、各表示色の輝度(階調)が「0」となる点灯データを生成することで、その発光体を点灯させないように制限を設ける。
一方、点灯データ生成テーブルTC1は、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、少なくともいずれか1の輝度(階調)が「11」以上のレベルとなる場合に、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例したRGB値を示す点灯データが生成されるように、テーブルデータが構成されてもよい。例えば表示データにて示されるB(青)の輝度(階調)が「11」である場合に、点灯データにて示されるB(青)の輝度(階調)は「2」となり、この場合に、表示データにて示されるR(赤)やG(緑)の輝度が「0」〜「3」であれば輝度(階調)が「0」を示す点灯データが生成され、「4」〜「7」であれば輝度(階調)が「1」を示す点灯データが生成され、「8」〜「11」であれば輝度(階調)が「2」を示す点灯データが生成されるように、点灯データ生成テーブルTC1のテーブルデータが構成されている。
表示制御部122にてVDP141が画像データメモリ121から読み出す画像データは、メイン画像表示装置5MAまたはサブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示用と、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成用とに、兼用されることがある。このとき、画像表示に用いられる画像データから作成された表示データで示される各表示色の輝度(階調)がいずれも所定量未満である場合に、所定量以上である場合と同じ比例関係の下で点灯データを生成すると、発光ダイオードにおける非線形特性の影響が顕著となり、不自然な表示演出が行われてしまうおそれがある。そこで、表示データで示される各表示色の輝度(階調)によると発光体の発光量が所定量未満となる場合には、その発光体を点灯させないように、点灯制御に制限が設けられる。こうして、複数の発光体のうち発光量が所定量未満となる発光体と所定量以上となる発光体とでは、点灯制御を異ならせる。特に、この実施の形態では、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設ける一方、発光量が所定量以上となる発光体は、表示データのRGB値と比例関係にある点灯データのRGB値に応じた点灯制御が行われる。このように、発光量が所定量未満であるか否かに応じて点灯制御を異ならせることにより、発光素子の非線形特性による影響などを軽減し、遊技者に表示演出の違和感を与えないようにして、演出の興趣低下を防止することができる。
点灯データ生成テーブルは、予め複数種類が用意され、所定の選択設定に基づいて、いずれかの点灯データ生成テーブルが使用テーブルとして選択されてもよい。この場合には、各発光体に含まれる発光素子の発光色ごとに、異なる点灯データ生成テーブルが選択されてもよい。例えば発光体ブロックB01〜B06の場合に、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR01が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG01が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB01が選択される。これに対し、発光体ブロックB07、B08、B15の場合には、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR02が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG02が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB02が選択される。また、発光体ブロックB09〜B14の場合には、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR03が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG03が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB03が選択される。それぞれの点灯データ生成テーブルは、VDP141が作成した表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)を、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量に変換するテーブルデータなどを含んで構成されていればよい。点灯データ生成回路152は、バッファメモリ151から読み出した表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)に基づいて、選択された点灯データ生成テーブルを参照することにより、点灯データで指定される階調制御量を決定する。
発光素子の特性は、発光色に応じて異なることがある。そこで、発光体を構成する各発光素子の発光色に応じて、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)との対応関係が異なる階調制御量に変換されるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておいてもよい。
各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置に応じて異なる点灯データ生成テーブルを用いて、表示データを点灯データに変換できればよい。発光体ユニット71〜74のそれぞれでは、複数の発光体が整列配置された領域の広さや、各発光体ユニットの前後関係などにより、複数の発光体それぞれの配置に応じて、同一階調で発光させても遊技者には異なる印象を与える場合がある。そこで、各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置によらず、同一の表示色に対応して可能な限り均一に近い印象を与えられる発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておく。
こうして、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)だけでなく、発光体を構成する複数の発光素子ごとの発光特性や、複数の発光体の配置などに応じて、それぞれの発光体に応じた階調制御量を示す階調データが生成される。これにより、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んだ発光体が、発光体ユニット71〜74の所定領域にて整列配置されている場合でも、色の再現性を高めて演出の興趣を向上させる。
なお、すべての点灯データが点灯データ生成テーブルを参照することにより生成されるものに限定されず、少なくとも一部の点灯データは、点灯データ生成回路152が所定のデータ処理プログラムを実行することにより生成されてもよい。例えば表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、発光量が所定量未満となるか否かを判定し、いずれの発光量も所定量未満となる場合には、その発光体を点灯させないように輝度(階調)が「0」となる点灯データを生成する処理が実行されてもよい。
一例として、点灯データ生成回路152が実行する点灯データ生成処理において、1ドット分の表示データを取得し、その表示データにて示されるRGB値がすべて「10」以下であるか否かを判定する。そして、すべて「10」以下である場合には、点灯データにおけるRGB値をすべて「0」に設定する。一方、表示データにて示されるRGB値の少なくともいずれかが「10」以下ではない場合には、発光体ブロックと発光色に応じた点灯データ生成テーブルを選択する。続いて、選択した点灯データ生成テーブルを用いて、表示データに対応する点灯データを生成する。そして、全ドットに対応する点灯データの生成が完了したか否かを判定し、未だ点灯データの生成が完了していなければ、次の1ドットに対応する表示データを取得し、同様の処理を繰り返し実行すればよい。一方、全ドットに対応する点灯データの生成が完了すれば、点灯データ生成処理を終了すればよい。
点灯データ生成処理では、点灯データ生成テーブルを参照することにより点灯データの生成するものに限定されず、所定の演算処理プログラムを実行することにより点灯データが生成されてもよい。例えば各表示色について256段階で階調制御を可能にする表示データは、2進数表示とした場合に各表示色の輝度(階調)が8ビットで表される。一方、各表示色について64段階で階調制御を可能にする点灯データは、2進数表示とした場合に各表示色の輝度(階調)が6ビットで表される。そこで、表示データにて示されるRGB値の少なくともいずれかが「10」以下ではない場合には、表示データにおける各表示色の輝度(階調)を示す8ビットデータの下位2ビットを切り捨てる数値処理を行うことにより、点灯データが生成されるようにしてもよい。あるいは、予め設定された演算式に従って、表示データに対応する点灯データが生成されるようにしてもよい。表示データから点灯データへの変換に使用可能な複数種類の演算処理プログラムを予め用意しておき、点灯データ生成回路152は、発光素子の表示色や配置(発光体ブロックなど)に応じていずれかの演算処理プログラムを選択して実行することで、表示データを点灯データに変換してもよい。
表示データを1ドット分ずつ取得して点灯データの設定や生成を行うものに限定されず、例えば所定のマスクデータを用いることにより点灯データの設定や生成が一括して行われてもよい。この場合には、バッファメモリ151に一時記憶されている1フレーム分の表示データに対して、RGB値がすべて「10」以下であるドットを検知し、検知されたドットに対応する点灯データにおけるRGB値をすべて「0」に設定するためのマスクデータを予め用意してもよい。
なお、1ドット分の表示データにて示されるRGB値がすべて「10」以下である場合に点灯データにおけるRGB値がすべて「0」となるように設定するものに限定されず、1ドット分の表示データにて示されるRGB値のうち、いずれかの値が「10」以下である場合には、その表示色に対応する点灯データのみが「0」となるように設定してもよい。一例として、表示データにて示されるR(赤)の輝度(階調)が「100」、G(緑)の輝度(階調)が「8」、B(青)の輝度(階調)が「2」である場合には、点灯データにて示されるR(赤)の輝度(階調)は「25」となる一方、G(緑)およびB(青)の輝度(階調)は「0」となるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されてもよいし、点灯データ生成回路152が所定の演算処理プログラムを実行してもよい。このように、発光体における各表示色の発光素子ごとに、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設けてもよい。ただし、1ドット分の表示データのうちでRGB値が「10」以下となる表示色がある場合に、その表示色のみ点灯データでのRGB値を「0」に設定すると、発光色の色味が変化してしまうおそれがある。そのため、1ドット分の表示データにて示されるRGB値がすべて「10」以下となる場合に、点灯データにおけるRGB値がすべて「0」となるように設定することが望ましい。
あるいは、1ドット分の表示データにて示されるRGB値を加算して、合計値が所定値未満となる場合に、点灯データにおけるRGB値がすべて「0」となるように設定してもよい。一例として、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の輝度(階調)を加算した合計値が「30」以下である場合には、点灯データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の輝度(階調)がすべて「0」となるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されてもよいし、点灯データ生成回路152が所定の演算処理プログラムを実行してもよい。この場合には、たとえ表示データにて示されるR(赤)の輝度(階調)が「11」であっても、G(緑)、B(青)の輝度(階調)が「0」であれば、点灯データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の輝度(階調)はすべて「0」となる。このように、1の発光体を構成する複数の発光素子による発光量の合計(総量)が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設けることで、遊技者に表示演出の違和感を与えないようにして、演出の興趣低下を防止することができる。
なお、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設けるものに限定されず、例えば発光素子の非線形特性による影響などを考慮して、任意の制限が設けられるようにしてもよい。一例として、表示データにて示される各表示色の輝度(階調)が「0」〜「8」であれば輝度(階調)が「0」を示す点灯データが生成され、「9」または「10」であれば輝度(階調)が「1」を示す点灯データが生成されるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されてもよいし、点灯データ生成回路152が所定の演算処理プログラムを実行してもよい。このように、表示データで示される各表示色の輝度(階調)が所定量未満である場合に、所定量以上である場合の比例関係とは異なる対応関係で点灯制御が行われるように制限を設けてもよい。また、発光体の発光量が所定量未満となるか否かの閾値は、表示データにおけるRGB値で「10」となるものに限定されず、発光素子の非線形特性による影響などを考慮して、任意の値が設定されたものであればよい。発光素子の発光色(表示色)に応じて、発光量が所定量未満となるか否かの閾値を異ならせるように設定したものであってもよい。
画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21に記憶されている画像データは、表示制御と点灯制御とに兼用されるものに限定されず、点灯データを作成するために専用の画像データが用意され、予め画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21に記憶されてもよい。この場合には、表示データと比例関係の下で点灯データを生成すると発光量が所定量未満となってしまう発光体は点灯制御が行われない無点灯となるように、画像データが予め設定されるようにしてもよい。
点灯データ生成回路152は、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバに割り当てられたアドレス情報を付加した階調データが含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路153により発光体駆動部154へと出力させる。さらに、点灯データ生成回路152によって生成される点灯データには、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御する駆動制御データが含まれている。点灯データ生成回路152は、ストローブ側の発光体ドライバに割り当てられたアドレス情報を付加した駆動制御データが含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路153により発光体駆動部154へと出力させる。
シリアル出力回路153は、図10に示すシリアルクロックSCとして、複数のシリアル出力系統K01〜K21に対し、それぞれに共通のクロック信号を出力する。シリアル出力回路153から出力されたシリアルクロックSCは、シリアル信号配線を介して、発光体駆動部154に含まれる複数の発光体ドライバのそれぞれに供給される。各発光体ドライバは、シリアルクロックSCに同期して伝送されたシリアルデータSDを受信する。
一方、シリアル出力回路153は、シリアルデータSDとして、シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに応じて異なるタイミングで、駆動制御データや階調データを含んだ制御信号を出力してもよい。シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに対して同一のタイミングで制御信号を出力した場合には、発光体駆動部154に含まれる多数の発光体ドライバによって、同一のタイミングで多数の発光体の点灯制御が開始されることがある。この場合、短期間で大量の駆動電流が突入電流となって流れることで、雑音電波などによる電波障害が発生するおそれがある。また、大量の駆動電流を生成するための電源回路が必要となることに伴い、製造コストが増加する場合もある。これに対して、シリアルデータSDとなる制御信号を、複数のシリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに応じて異なるタイミングで出力することにより、突入電流の発生を抑制して、雑音電波の発生や製造コストの増加を防止することができる。
発光体駆動部154において、各発光体ドライバは、受信したシリアルデータSDに含まれるアドレス情報で示される発光体ドライバアドレスと、自分に割り当てられた発光体ドライバアドレスとが合致するか否かを確認する。このとき、合致していれば駆動制御データや階調データとなるシリアルデータSDを取り込んで、パラレルデータに変換し、これに基づく発光体の点灯制御を行う。例えばストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データに基づくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。また、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データに基づくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体のダイナミック点灯制御を行い、演出可動機構50を構成する可動部材51〜54が備える発光体ユニット71〜74のそれぞれにて、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が行われる。
演出可動機構50による具体的な表示演出の一例として、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが離間してメイン画像表示装置5MAの表示画面が視認可能な退避状態(第1状態)では、遊技者が視認可能な可動部材51〜54に配置された複数の発光体を用いた表示演出を、メイン画像表示装置5MAによる表示演出に連動させて実行する。退避状態のときには、可動部材51、52が上方に位置するとともに可動部材53、54が下方に位置している。このように可動部材51〜54が回動動作していない退避状態のとき(停止しているとき)には、複数の発光体のうちで、パチンコ遊技機1の前方から視認可能な発光体のみを点灯制御する。これにより、電力消費を低減することができる。こうした発光体の点灯制御による表示演出としては、例えば文字やシンボルを表示させたり、複数の発光体における点滅や発光色を所定順序で移動させて、メイン画像表示装置5MAによる可変表示に合わせた可変表示演出などが実行されてもよい。また、リーチ演出が実行されるときには、可動部材51〜54の少なくとも1つを可動(振動、進出など)させたり、複数の発光体を用いて「リーチ」などの文字やシンボルを表示してもよい。
一方、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが近接してメイン画像表示装置5MAの表示画面が視認困難または視認不可能な進出状態(第2状態)では、可動部材51〜54に配置された複数の発光体をすべて用いた表示演出を、メイン画像表示装置5MAによる表示演出に連動させて、あるいはメイン画像表示装置5MAによる表示演出とは別個独立に、実行する。進出状態のときには、演出可動機構50の上側機構における装飾部材57の下方への移動に伴って可動部材51、52が回動するとともに下側機構の可動部材53、54が上方に位置している。このように可動部材51〜54が回動動作している進出状態のとき(動作しているとき)には、複数の発光体をすべて点灯制御する。
図28は、演出可動機構50による「7」の数字を象った表示演出の実行例を示している。このように、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが近接した進出状態(第2状態)のときには、可動部材51〜54のそれぞれで複数の発光体の配列方向が同一方向に一致する。したがって、可動部材51〜54で一体の表示演出を実行するときに、表示形式の円滑性を高めて表示演出を実行することができる。可動部材51〜54における一体の表示演出としては、可動部材51〜54にて複数の発光体が整列配置された領域をすべて用いて、例えば文字、図形、記号などのシンボル、キャラクタやそのシルエットなどの表示をすることができる。
可動部材51〜54における一体の表示演出は、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが退避状態から進出状態へと変化する前または変化している最中に、開始されてもよい。このように、可動部材51〜54が回動しているときには、パチンコ遊技機1の前方から視認可能か否かにかかわらず、複数の発光体をすべて点灯させて表示演出を実行すればよい。これにより、可動部材51〜54の回動動作の演出効果を大きくすることができる。また、パチンコ遊技機1の前方から視認可能か否かにかかわらず複数の発光体をすべて点灯させることで、簡易な制御によって、点灯制御を行っていない発光体が遊技者に視認されてしまうのを抑制できる。
このように、発光体制御回路144は、VDP141により作成された表示データの一部を用いて、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて整列配置された複数の発光体を点灯制御する点灯データを生成し、発光体ブロックB01〜B42ごとにダイナミック点灯制御を行う。したがって、VDP141は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上における演出画像の表示データと同様に、汎用の表示データを作成して出力することで、演出可動機構50による表示演出の実行内容を設定できるので、回路構成が複雑化することを抑制しつつ、多様な演出の実行による興趣を向上させることができる。
図29は、パチンコ遊技機1において楽曲を再生する動作例を示すタイミング図である。このうち、図29(A)は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行中である「実行」と停止している「停止」の期間を示している。図29(B)は、パチンコ遊技機1における遊技状態を示している。図29(C)は、図6(B)に示すような音データを用いて再生可能な複数の楽曲のうちで、再生の対象となる楽曲を示している。図29(C)は、図6(A)に示すような音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12とのうちで、音データの読み出し対象となる記憶エリアを示している。
図29に示す例において、タイミングT01となるより前に、図29(A)に示す可変表示の実行が開始される。このとき、図29(B)に示すパチンコ遊技機1における遊技状態は、通常状態となっている。こうした通常状態における飾り図柄の可変表示中に、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されなければ、図6(B)に示す通常時BGMとしての楽曲A−1がループ再生されるように、開始アドレスMA10+1から終了アドレスMA11までの区間から、楽曲A−1に対応する音データが読み出される。開始アドレスMA10+1から終了アドレスMA11までの区間は、図6(A)に示す音データ第1記憶エリアR11に含まれている。したがって、図29に示すタイミングT01となるまでは、図29(C)に示すように再生の対象となる楽曲A−1のループ再生が行われ、図29(D)に示すように音データ第1記憶エリアR11が音データの読み出し対象エリアとなる。
図29に示すタイミングT01では、スーパーリーチにおけるリーチ演出が開始される。このとき、図22に示すステップS452の処理にてスーパーリーチ演出開始タイミングであると判定されることで、ステップS453の処理によりBGMオフ設定が行われる。そして、ステップS454の処理によりスーパーリーチ演出用の楽曲オン設定が行われる。このように、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行される期間では、図6(B)に示すスーパーリーチ演出用の楽曲A−2が再生されるように、開始アドレスMA11+1から終了アドレスMA14までの区間から、楽曲A−2に対応する音データが読み出される。開始アドレスMA11+1から終了アドレスMA14までの区間は、図6(A)に示す音データ第1記憶エリアR11に含まれている。したがって、図29に示すタイミングT01にてスーパーリーチ演出開始タイミングとなってから、タイミングT02にてスーパーリーチ演出終了タイミングとなるまでは、図29(C)に示すように楽曲A−2が再生の対象となり、図29(D)に示すように音データ第1記憶エリアR11が音データの読み出し対象エリアとなる。
図29に示すタイミングT02では、図22に示すステップS455の処理にてスーパーリーチ演出終了タイミングであると判定される。このときには、ステップS456の処理によりスーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定が行われ、ステップS457の処理によりBGMオン設定が行われる。その後、タイミングT03では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、図29(B)に示すように、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御される。なお、可変表示結果が「大当り」となる場合などには、タイミングT02からタイミングT03までの期間にて、例えば可変表示結果が「大当り」となることを報知する専用の楽曲が再生されてもよい。可変表示結果が「ハズレ」となる場合でも、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されたことに対応する専用の楽曲が再生されてもよい。あるいは、タイミングT03となるまで、スーパーリーチ演出用の楽曲A−2が継続して再生されてもよい。あるいは、可変表示結果を明確に報知するために、楽曲の再生が一時停止されてもよい。
タイミングT03にて大当り遊技状態になれば、図6(B)に示す大当り中演出用の楽曲Xが再生されるように、開始アドレスMA27+1から終了アドレスMA30までの区間から、楽曲Xに対応する音データが読み出される。開始アドレスMA27+1から終了アドレスMA30までの区間は、図6(A)に示す音データ第2記憶エリアR12に含まれている。したがって、図29に示すタイミングT03にて大当り遊技状態となってから、タイミングT04にて大当り遊技状態が終了するまでは、図29(C)に示すように楽曲Xが再生の対象となり、図29(D)に示すように音データ第2記憶エリアR12が音データの読み出し対象エリアとなる。
タイミングT04では、大当り遊技状態が終了して、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御される。このときには、図19に示すステップS151にてBGM変更タイミングであると判定される。そして、ステップS152、S153の処理により、図6(B)に示す確変中BGMとしての楽曲B−1がループ再生されるように、開始アドレスMA19+1から終了アドレスMA21までの区間から、楽曲B−1に対応する音データが読み出される。開始アドレスMA19+1から終了アドレスMA21までの区間は、図6(A)に示す音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12の双方に含まれている。したがって、確変状態にて楽曲B−1をループ再生するときには、音データの読み出し対象エリアがROM132の音データ第1記憶エリアR11となる期間と画像データメモリ121の音データ第2記憶エリアR12となる期間とがある。例えば図29に示すタイミングT04からタイミングT08までの期間では、図29(C)に示すように再生の対象となる楽曲B−1のループ再生が行われる。この期間のうち、タイミングT04からタイミングT05までの期間と、タイミングT06からタイミングT07までの期間では、図29(D)に示すように音データ第1記憶エリアR11が音データの読み出し対象エリアとなる。これに対し、タイミングT05からタイミングT06までの期間と、タイミングT07からタイミングT08までの期間では、図29(D)に示すように音データ第2記憶エリアR12が音データの読み出し対象エリアとなる。図29に示すタイミングT08以後の期間でも、確変状態が終了するまでの期間、あるいは、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるまでの期間において、確変中BGMとしての楽曲B−1がループ再生されるようにすればよい。
このように、確変状態において確変中BGMとなる楽曲B−1をループ再生するときには、音データの読み出し対象エリアがROM131に割り当てられた音データ第1記憶エリアR11と画像データメモリ121に割り当てられた音データ第2記憶エリアR12とで切り替わる。画像データメモリ121における音データ第2記憶エリアR12は、ROM132における音データ第1記憶エリアR11の最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応している。したがって、CPU131は、楽曲B−1の開始アドレスMA19+1と終了アドレスMA21を指定すれば、他の楽曲を再生する場合と同様にアドレスを更新(インクリメント)しつつ音データを読出可能となり、楽曲B−1に対応する音データを音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12の双方から円滑に読み出して、楽曲B−1を再生させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示された全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、演出可動機構50を構成する複数の可動部材51〜54に設けられた複数の発光体ユニット71〜74にて整列配置された複数の発光体による点灯が、画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21から読み出した画像データを用いて行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば発光体ユニット71〜74を備えないパチンコ遊技機1において、画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21から読み出した画像データを用いて、メイン画像表示装置5MAまたはサブ画像表示装置5SUにおける演出画像の表示制御が行われるものであってもよい。また、サブ画像表示装置5SUを備えないパチンコ遊技機1において、画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21から読み出した画像データを用いて、メイン画像表示装置5MAにおける演出画像の表示制御が行われるものであってもよい。
上記実施の形態では、ROM132に音データ第1記憶エリアR11が割り当てられるとともに、画像データメモリ121に音データ第2記憶エリアR12が割り当てられ、楽曲B−1に対応する音データのように、音データがROM132と画像データメモリ121の記憶エリアに跨がって記憶されることがあるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、音制御とは異なる制御に用いられるデータが、ROM132と画像データメモリ121の記憶エリアに跨がって記憶されるものであってもよい。一例として、ROM132に画像データ第1記憶エリアが割り当てられるとともに、画像データメモリ121に画像データ第2記憶エリアが割り当てられ、画像データがROM132と画像データメモリ121の記憶エリアに跨がって記憶されることがあるものとしてもよい。この場合には、ROM132における画像データ第1記憶エリアの最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する記憶エリアとして、画像データメモリ121における画像データ第2記憶エリアにアドレスが付与されるようにすればよい。言い換えると、画像データメモリ121における画像データ第2記憶エリアの先頭アドレスまで連続した特定アドレス範囲に対応する記憶エリアとして、ROM132における画像データ第1記憶エリアにアドレスが付与されるようにすればよい。
上記実施の形態において、ROM132は少なくとも音制御に用いられる第1制御データとしての音データを記憶する第1領域を提供し、画像データメモリ121は表示制御や点灯制御に用いられる第2制御データとしての画像データを記憶する第2領域を提供するものとして説明した。しかしながら、この発明は音制御、表示制御、点灯制御に限定されず、複数種類の制御のうち、1の制御に用いられる第1制御データを記憶する第1領域と、他の制御に用いられる第2制御データを記憶する第2領域とが提供されるものであればよい。一例として、第1領域に記憶される第1制御データは演出可動機構50とは異なる演出用の可動部材を動作させるソレノイドやモータの駆動制御に用いられ、第2領域に記憶される第2制御データはスティックコントローラ31Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン31Bに対する操作検出制御に用いられるものであってもよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120のROM132が第1領域を提供し、画像データメモリ121が第2領域を提供するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば主基板11に搭載された記憶装置が第1領域と第2領域とを提供するものであってもよい。より具体的に、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のROM101が第1領域を提供し、ROM101とは別個に第2領域を提供する制御データメモリが設けられたものであってもよい。この場合、例えばROM101が提供する第1領域には演出制御基板12に対する演出制御コマンドの送信制御に用いられる演出制御コマンドテーブルのテーブルデータが記憶され、ROM101とは異なる制御データメモリが提供する第2領域には第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示制御に用いられる制御データが記憶されていればよい。そして、ROM101が提供する第1領域の最終アドレスから連続した制御データメモリの特定アドレス範囲に対応する記憶エリアにも、演出制御コマンドテーブルのテーブルデータが記憶されてもよい。各種制御に用いられるデータは、制御用のプログラムによって参照されるテーブルやパターンを構成するテーブルデータやパターンデータであってもよいし、制御用のプログラムを構成するモジュールなどであってもよい。ROMとは異なる制御データメモリがマイクロコンピュータに内蔵(または外付)される場合のように、複数の記憶装置を備える構成において、1の記憶装置が第1領域を提供するとともに他の記憶装置が第2領域を提供するものに限定されず、例えば1チップのマイクロコンピュータに内蔵(または外付)された単一の記憶装置において、記憶内容に応じた複数の記憶エリアが設けられることで、第1領域と第2領域とが提供されてもよい。この場合でも、本来であれば第2制御データが記憶される第2領域にて、第1領域の最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する領域には、第1制御データが記憶されるようにすればよい。
上記実施の形態では、図6(B)に示された確変中BGMとしての楽曲B−1に対応する音データが、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶され、この音データに基づく楽曲B−1は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、複数回の可変表示にわたり連続して再生されるものとして説明した。これに対し、例えば時短中BGMとしての楽曲B−2に対応する音データが、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶されてもよい。この場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶された音データに基づいて、時短中BGMとしての楽曲B−2を複数回の可変表示にわたり連続して再生することができる。あるいは、例えば通常時BGMとしての楽曲A−1に対応する音データが、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶されてもよい。この場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるときに、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶された音データに基づいて、通常時BGMとしての楽曲A−1を複数回の可変表示にわたり連続して再生することができる。その他、確変制御が行われて可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる一方で、時短制御が行われず可変表示時間の短縮や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい普通可変入賞球装置6Bの変化が行われない遊技状態(チャンスゾーン)であるときに、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶された音データに対応する楽曲を複数回の可変表示にわたり連続して再生してもよい。
また、パチンコ遊技機1における遊技状態が特定の遊技状態であるときに実行される複数回の可変表示にわたり楽曲を連続して再生するものに限定されず、パチンコ遊技機1における演出状態が特定の演出状態であるときに実行される複数回の可変表示にわたり楽曲を連続して再生するものであってもよい。例えば、図17に示すステップS12の処理にて抽出された遊技用乱数に基づいて、複数回の可変表示にわたり通常とは異なる演出モードに移行する連続演出が実行される場合に、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶された音データに対応する楽曲が連続して再生されてもよい。
また、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶された音データに基づく楽曲が連続して再生される期間は、複数回の可変表示にわたる期間に限定されず、例えばスーパーリーチにおけるリーチ演出のように、リーチ演出が実行される期間であってもよいし、リーチ演出に限定されない1回の可変表示が実行される期間であってもよい。あるいは、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御されている期間や、デモンストレーション表示が行われるデモ表示期間のように、パチンコ遊技機1において可変表示が実行されていない期間であってもよい。音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶された音データに基づいて再生される楽曲は、末尾に達すると再び先頭に戻って再生を繰り返すループ再生が行われるものに限定されず、末尾に達すると再生が終了する1回再生が行われるものであってもよい。
また、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶された音データに基づく楽曲は、可変表示が実行される期間と実行されない期間とのうち、いずれか一方のみにて連続して再生されるものに限定されず、双方の期間にわたり連続して再生されるものであってもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」となる可変表示中にてスーパーリーチにおけるリーチ演出として再生が開始された楽曲は、可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が開始された後にも継続して再生されてもよい。あるは、大当り遊技状態に制御されている期間にて再生が開始された楽曲は、大当り遊技状態が終了して遊技状態が確変状態や時短状態となった後にも、1回または複数回の可変表示にわたり継続して再生されてもよい。
楽曲を連続して再生することに代えて、あるいは、楽曲を連続して再生するとともに、台詞や効果音のように楽曲とは異なる音声を出力するための音制御、動画像を含めた演出画像を連続して表示するための表示制御、発光体ユニット71〜74に配置された複数の発光体などを連続して点灯するための点灯制御、演出可動機構50を含めた演出用の可動部材を連続して動作させるための駆動制御など、各種の演出制御が連続して行われてもよい。
発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体は、可動部材51〜54のように退避状態と進出状態とに変化する部材に配置されたものに限定されず、パチンコ遊技機1における遊技領域の内部または外部の所定位置にて、移動可能あるいは移動不可能に固定して、配置されたものであってもよい。例えば特別可変入賞球装置7にて大入賞口の周囲または内部に複数の発光体が配置されてもよいし、普通可変入賞球装置6Bにて第2始動入賞口の周囲または内部に複数の発光体が配置されてもよい。遊技領域の内部または外部に、右打ち報知用となる複数または単一の発光体が配置されてもよい。遊技領域の内部または外部に、第4図柄の表示用となる複数または単一の発光体が配置されてもよい。スティックコントローラ31Aが備える操作桿の周囲または内部やプッシュボタン31Bの周囲または内部に複数の発光体が配置されてもよい。遊技機用枠3の所定位置にエラー報知用となる複数または単一の発光体が配置されてもよい。遊技効果ランプ9の全部または一部として複数または単一の発光体が配置されてもよい。パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルの周囲または内部に複数の発光体が配置されてもよい。
また、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーの周囲または内部に複数の発光体が配置されてもよい。確変アタッカーは、確変アタッカー用のソレノイドによって開閉駆動される開閉板を備え、その開閉板によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口(第2大入賞口)を形成する。確変アタッカーにおいて大入賞口(第2大入賞口)に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチによって検出されることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御するための確変制御条件が成立する。確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば「16」)であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化する一方、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化しないようにすればよい。このような確変アタッカーの周囲または内部に配置された複数の発光体を点灯制御することにより、確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)が閉鎖状態から開放状態に変化することを報知してもよい。例えば確変アタッカーが右遊技領域に設けられている場合には、このような複数の発光体を点灯制御することで、右遊技領域に設けられた確変アタッカーに向けて遊技球を発射するように打球操作ハンドルの操作量(回転量)を変更するといった、遊技者による操作を促す報知を実行可能とすればよい。確変アタッカーが開放状態になることを認識可能とするように複数の発光体を点灯制御することで、確変アタッカーにおいて開放状態となった大入賞口(第2大入賞口)に遊技球を入賞(進入)させることによる確変制御条件が成立しやすくなって、遊技者の不利益を低減することができる。このように、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
遊技領域における所定位置に設けられた特定通過ゲートや特定入賞口の周囲または内部に複数の発光体が配置されてもよい。特定通過ゲートや特定入賞口は、特定開閉用のソレノイドによって開閉駆動される開閉板を備え、その開閉板によって特定通過ゲートや特定入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態と通過(進入)不可能もしくは通過(進入)困難な閉鎖状態とに変化してもよい。可変表示結果が「大当り」となることを示す特定の図柄(大当り組合せとなる確定飾り図柄など)が停止表示された後に、特定通過ゲートや特定入賞口(これらに対応するセンサの設置位置)といった、パチンコ遊技機1の遊技領域に設けられた特定の領域を遊技球が通過(進入)したことにより大当り遊技状態が開始されてもよい。そのような構成によれば、大当り遊技状態の開始タイミングを遊技者の意思に基づいて決定(制御)することができる。そして、大当り遊技状態が開始される前に遊技領域へと発射可能な遊技球(いわゆる持ち玉)がなくなってしまった場合でも、例えば玉貸機(玉貸ボタンなど)を操作して持ち玉を補充する時間の余裕を与えることができる。このような大当り遊技状態を開始させるために遊技球を通過(進入)させる特定の領域は、パチンコ遊技機1の遊技領域における複数箇所に設けられてもよい。この場合、遊技領域における複数箇所に設けられた特定の領域のうちでいずれの領域を遊技球が通過(進入)したかに応じて、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技の上限回数を異ならせてもよい。あるいは、特定の領域を通過(進入)した遊技球が検出されたときに、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技の上限回数を、所定割合でいずれかの回数(例えば「2」、「7」、「15」のいずれか)に決定する処理(ラウンド抽選処理)が行われてもよい。また、遊技領域における複数箇所に設けられた特定の領域のうちでいずれの領域を遊技球が通過(進入)したかに応じて異なる割合で、ラウンド遊技の上限回数がいずれかの回数に決定されてもよい。
特定通過ゲートや特定入賞口の周囲または内部に設けられた複数の発光体を点灯制御することにより、特定通過ゲートや特定入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態に変化することを報知してもよい。例えば特定通過ゲートや特定入賞口が右遊技領域に設けられている場合には、このような複数の発光体を点灯制御することで、右遊技領域に設けられた特定通過ゲートや特定入賞口に向けて遊技球を発射するように打球操作ハンドルの操作量(回転量)を変更するといった、遊技者による操作を促す報知を実行可能とすればよい。特定通過ゲートや特定入賞口について開放状態となることを認識可能とするように複数の発光体を点灯制御することで、特定通過ゲートや特定入賞口を遊技球が通過(進入)することによる大当り遊技状態の開始条件が成立しやすくなって、遊技者が遊技の進行に必要な操作を容易に認識することができる。また、特定の領域が複数設けられた場合に、ラウンド遊技の上限回数などが、遊技者にとって有利に決定されやすい領域、あるいは遊技者にとって不利に決定されやすい領域を認識可能とするように、複数の発光体を点灯制御してもよい。これにより、遊技領域における複数箇所に設けられた特定の領域のうちで遊技者にとって有利な決定が行われやすい領域に遊技球を通過(進入)させやすくなって、遊技者の不利益を低減することができる。
特別図柄や飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのうちで特定(単一)のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光(点灯)した状態を維持すること、あるいは消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部または全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、特定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄や確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(停止表示)されるものであってもよい。また、例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、7セグメントLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、「−」を示す記号の表示(点灯)と非表示(消灯)とを繰り返し、他の数字や記号は表示されないようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果としては、「−」を示す記号が停止表示されることはなく、「1」〜「9」を示す数字や、その他の記号などを含む所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果としては停止表示されない図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
上記実施の形態では、可変表示時間や飾り図柄の可変表示態様などを示す変動パターンを演出制御基板12の側に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12の側に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連変動の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用マイクロコンピュータ120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信してもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。この場合、可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させる期間、あるいは、遊技球が特定領域(V入賞口)に進入したことにより大当り遊技状態に制御されることを報知する期間にて、音データ第1記憶エリアR11と音データ第2記憶エリアR12との双方に含まれるように記憶された音データに基づく楽曲が連続して再生されてもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの前面側に設けられた演出可動機構を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、複数の発光体が整列配置された領域を複数の発光体ブロックに分割し、発光体ブロックごとに生成した点灯データを用いた点灯制御が行われるように構成されていればよい。
図30は、スロットマシンの一例として、上記実施の形態における演出可動機構50と同様の演出可動機構650を備えるスロットマシン600を示す正面図である。スロットマシン600は、前面が開口する筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とを備えて構成されている。スロットマシン600の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールRL、RC、RRを水平方向に並設した可変表示装置601が設置されている。リールRL、RC、RRの外周部には、例えば「黒7」、「網7」、「白7」、「白BAR」、「黒BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「オレンジ」、「スイカ」、「チェリー」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールRL、RC、RRの外周部に描かれた図柄は、各々上中下三段に表示されている。
可変表示装置601の左側には、1枚賭けに対応して「1」を表示する1枚賭けランプ621、2枚賭けに対応して「2」を表示する2枚賭けランプ622、3枚賭けに対応して「3」を表示する3枚賭けランプ623、特別役の入賞に対応して「WIN」を表示するウィン表示ランプ624が設けられている。可変表示装置602の右側には、メダルの投入指示に対応して「Insert Medal」を表示する投入指示ランプ631、ゲームが開始可能なことに対応して「Start」を表示するスタート表示ランプ632、ウェイトがかかっていることに対応して「Wait」を表示するウェイト表示ランプ633、再遊技役の入賞(リプレイ入賞)に対応して「Replay」を表示するリプレイ表示ランプ634が設けられている。
各リールRL、RC、RRは、各々対応して設けられたリールモータによって回転させることで、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リールRL、RC、RRの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。また、スロットマシン600の前面扉には、パチンコ遊技機1のメイン画像表示装置5MAと同様の表示機能を有する画像表示装置610が設けられている。そして、スロットマシン600の前面扉における可変表示装置601の下部などには、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル620が設けられている。操作テーブルの上面には、メダル投入口602、BETスイッチ603、MAXBETスイッチ604、精算スイッチ608などが設けられている。例えば操作テーブルの手前側と行った、前面扉の所定位置には、スタートレバー605、ストップスイッチ606L、606C、606Rが設けられている。操作テーブル620の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口607が設けられている。スロットマシン600の上部左右には、効果音を発する2つのスピーカ611L、611Rが設けられている。その他、画像表示装置610の上部には、遊技効果ランプ612が設けられており、画像表示装置610や可変表示装置601の左右には、遊技効果ランプ613、614が設けられている。画像表示装置610の前面側には、演出可動機構650が設けられている。演出可動機構650は、複数の可動部材を有し、各可動部材には、複数の発光体を有する発光体ユニットが設けられ、複数の発光体の点灯態様による表示演出を実行可能とすればよい。
スロットマシン600における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン600では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度が高い遊技状態であればよい。
このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度が高い遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態であるアシストタイム(AT)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ606L、606C、606Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。加えて、リプレイタイムとなった後、所定の転落役に当選して該転落役に対応する終了図柄組合せが導出されることによりリプレイタイムを終了させる場合に、リプレイタイムとなってから終了図柄組合せが導出されることなく所定数のゲームを消化したことを条件として、転落役に当選したときに当該転落役を回避するための情報を報知する報知期間(ART)に制御してもよい。あるいは、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが終了した後、直ちにARTへの制御が開始されてもよい。
スロットマシン600において、演出制御基板に搭載されたROMが少なくとも第1制御に用いられる第1制御データを記憶する第1領域を提供し、ROMとは異なる制御データメモリが第2制御データに用いられる第2制御データを記憶する第2領域を提供するものであればよい。この場合、第1制御データは、第1領域の最終アドレスに連続した第2領域の特定アドレス範囲に対応する領域にも記憶されていればよい。例えば、ROMに音データ第1記憶エリアが割り当てられるとともに、制御データメモリに音データ第2記憶エリアが割り当てられ、特定の音データがROMと制御データメモリの記憶エリアに跨がって記憶されることがあってもよい。音データ第1記憶エリアと音データ第2記憶エリアの双方に記憶された音データに基づく楽曲は、例えばアシストタイム(AT)にて実行される複数回の可変表示にわたり連続して再生されてもよい。あるいは、ビッグボーナスやレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生したときに、音データ第1記憶エリアと音データ第2記憶エリアの双方に記憶された音データに基づく楽曲が連続して再生されてもよい。あるいは、音データ第1記憶エリアと音データ第2記憶エリアの双方に記憶された音データに基づく楽曲は、特別役が内部当選してから特別役の入賞が発生するまでの1回または複数回の可変表示にわたり連続して再生され、特別役の入賞が発生したことにより遊技状態がビッグボーナスやレギュラーボーナスとなった後にも継続して再生されてもよい。あるいは、例えば遊技状態がビッグボーナスとなっている期間にて再生が開始された楽曲は、ビッグボーナスが終了してARTの制御が開始された後にも、1回または複数回の可変表示にわたり継続して再生されてもよい。
楽曲を連続して再生することに代えて、あるいは、楽曲を連続して再生するとともに、台詞や効果音のように楽曲とは異なる音声を出力するための音制御、動画像を含めた演出画像を連続して表示するための表示制御、各種の発光部材などを連続して点灯するための点灯制御、演出可動機構650を含めた演出用の可動部材を連続して動作させるための駆動制御など、各種の演出制御が連続して行われてもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには発光体ユニットや遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、例えば図6(A)に示すようなROM132の音データ第1記憶エリアR11には音制御に用いられる音データが記憶され、画像データメモリ121の画像データ記憶エリアR21には表示制御や点灯制御に用いられる画像データが記憶されるところ、音データ第1記憶エリアR11の最終アドレスから連続した画像データメモリ121の特定アドレス範囲に対応する音データ第2記憶エリアR12にも、音データが記憶されている。こうして、音データのような第1制御データを第1領域の最終アドレスから連続した第2領域の特定アドレス範囲に対応する領域にも記憶させることで、記憶領域を有効に活用して製造コストを低減するとともに、制御データを円滑に読み出して適切な制御を行うことができる。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bでは特別図柄の可変表示が行われ、これに対応して、メイン画像表示装置5MAの飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは飾り図柄の可変表示が行われる。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、例えば可変表示結果が「大当り」となったことに基づいてパチンコ遊技機1の遊技状態を大当り遊技状態に制御することで、遊技者にとって有利な遊技状態に制御することができる。こうして、遊技興趣を向上させるとともに、記憶領域を有効に活用することができる。
第1領域を提供するROM132の音データ第1記憶エリアR11から読み出された音データは、スピーカ8L、8Rなどから音を出力させる音制御に用いられる。そして、音データ第2記憶エリアR12には、音データ第1記憶エリアR11の最終アドレスから連続したアドレスが付与されているので、連続した音出力が可能になるとともに、記憶領域を有効に活用することができる。
例えば図11に示すROM132のように、冗長領域にROM132の履歴情報を記憶することで、ROM132の外部にリサイクル管理のためのバーコード等を貼付する必要がなく、ROM132に記憶している履歴情報に基づいて正確にリサイクル管理を行うことができる。また、冗長領域に履歴情報を書き込むことで、通常利用するデータ領域などに記憶されるプログラムやデータの同一性を確保することができ、遊技の公正を担保することができる。