以下、画像形成システムの一実施形態について、図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、画像形成システム11は、インク(液体)を噴射する液体噴射装置の一例としてのインクジェット式プリンター12及び原稿G(媒体)を読み取る読取装置13を有する画像形成装置14と、インクジェット式プリンター12にインクを供給する液体供給装置の一例としてのインク供給装置15とを備えている。読取装置13は、インクジェット式プリンター12上に配置されている。
読取装置13は、その上端に原稿Gを読み取る読み取り面13aを有している。読取装置13上には、読み取り面13aを開閉可能にオートドキュメントフィーダー16が配置されている。オートドキュメントフィーダー16は、積層された複数の原稿Gを一枚ずつ反転させながら読み取り面13a上に順次給送する。
図2及び図3に示すように、インク供給装置15は、インクジェット式プリンター12の左側に配置されている。すなわち、インク供給装置15は、インクジェット式プリンター12(画像形成装置14)の左横に、当該インクジェット式プリンター12と左右方向に並ぶように配置されている。
インク供給装置15は、インクが収容された液体収容体の一例としての複数(本実施形態では4つ)の略矩形状のインク収容体17と、各インク収容体17を収容する液体収容体収容容器の一例としてのケース18とを備えている。ケース18は、上端に各インク収容体17を収容するための開口部19を有した前後方向に長い有底矩形箱状の容器本体20と、開口部19を開閉自在に覆う蓋体21とを備えている。容器本体20及び蓋体21は、いずれも合成樹脂材料によって構成されている。
容器本体20内には、4つのインク収容体17が前後方向に並んで配置されている。そして、これら4つのインク収容体17には、後側から前側に向かって順に、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクがそれぞれ収容されている。この場合、使用頻度の高いブラックインクのインク収容体17が容器本体20内の最も前側に配置される。
ケース18は、蓋体21が閉じた状態において当該ケース18の上面が読み取り面13aと高さが揃うように、インクジェット式プリンター12(画像形成装置14)の左側面に対して着脱自在に取り付けられている。ここで、本明細書において、「高さが揃う」とは、高さが同じであることに加えて、高さの差が2センチメール以内の場合も含むものとする。そして、本実施形態では、ケース18の高さは、読み取り面13aの高さよりも5ミリメートルだけ低くなっている。
図1及び図3に示すように、インクジェット式プリンター12は、左右方向に長い略直方体状の本体ケース25を備えている。本体ケース25内の中央部には、後述するターゲットの一例としての用紙Pを支持する支持台26が設けられている。支持台26の上方には、主走査方向である左右方向に往復移動可能なキャリッジ27が設けられている。
キャリッジ27内には、キャリッジ27の下面から露出するように液体噴射ヘッドの一例としての記録ヘッド28が支持されている。記録ヘッド28は、支持台26と対向している。そして、記録ヘッド28は、キャリッジ27が左右方向に移動しながら支持台26上を後側から前側に向かって搬送される用紙Pに対して複数のノズル(図示略)からインクを噴射することで、用紙Pの印刷を行う。
また、本体ケース25内における支持台26の下側には、複数の用紙Pが積層状態で収容可能な用紙カセット29が、本体ケース25の前面中央下部に設けられた開口部30から本体ケース25に対して着脱自在に装着されている。用紙カセット29内の用紙Pは、紙送り機構(図示略)により、一枚ずつ反転されながら支持台26上へ後側から給送される。
そして、支持台26上で印刷された用紙Pは、開口部30における用紙カセット29よりも上側の領域によって構成される排紙口31から順次排紙される。なお、用紙カセット29の上側には、排紙口31から順次排紙される用紙Pを順次支持する排紙トレイ32が前後方向において伸縮自在に設けられている。
図3及び図4に示すように、本体ケース25内における左端部には、前側が開口した矩形箱状をなすホルダーケース34と、ホルダーケース34内の底壁(後壁)に設けられた左右方向に並ぶ複数(本実施形態では4つ)の中空のインク供給針35とを備えている。
各インク供給針35は、前後方向に延びるとともに、ホルダーケース34の側壁を貫通している。各インク供給針35の後端部には可撓性のインク供給チューブ36の一端側が接続され、インク供給チューブ36の他端側は記録ヘッド28に接続されている。本実施形態のインクジェット式プリンター12では、これら4つのインク供給針35には、左側から右側に向かって順に、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクがそれぞれ供給される構成になっている。
そして、インクの色を基準とした場合において、ホルダーケース34における左側から右側に向かう各インク供給針35の並び順は、容器本体20内における後側から前側へ向かう各インク収容体17の並び順と同じになっている。さらに、各インク収容体17と各インク供給針35とは、供給される各色のインクが対応するように、インク供給装置15の一部を構成する流路部材の一例としての可撓性の接続チューブ37によって接続されている。
したがって、インク供給装置15の各インク収容体17から各接続チューブ37を介して各インク供給針35に供給された各インクは、各インク供給チューブ36を介して記録ヘッド28へと供給される。
次にケース18の構成について詳述する。
図2及び図3に示すように、ケース18の蓋体21は、容器本体20側に開口部40を有した前後方向に長く且つ容器本体20よりも浅い有蓋矩形箱状をなしている。蓋体21は、ヒンジ部41を介して容器本体20の後面における上端部に連結されている。したがって、蓋体21は、開閉動作される場合、ヒンジ部41を支点として回動する。すなわち、蓋体21は、容器本体20の前側から開かれ、容器本体20の前側で閉じられる。なお、蓋体21は、容器本体20の開口部19を閉塞した状態では開口部40が開口部19に合わせられる。
図3及び図5に示すように、有底矩形箱状の容器本体20は、インクジェット式プリンター12と対向する壁となる右側壁45と、右側壁45と対向する左側壁46と、右側壁45及び左側壁46と直交する後側壁47及び前側壁48と、右側壁45、左側壁46、後側壁47及び前側壁48と直交する底壁49とを備えている。
そして、底壁49と対向する側に開口部19が設けられている。すなわち、開口部19は、底壁49と対向し重力方向において底壁49よりも上方に形成されている。そして、本実施形態では、右側壁45、左側壁46、後側壁47及び前側壁48は、それぞれ第1側壁、第2側壁、第3側壁及び第4側壁を構成している。また、容器本体20における右側壁45と左側壁46との間の距離は、インク収容体17の上端側(一端側)の幅よりも短くなっている。
容器本体20は、底壁49を形成する有底矩形箱状の底壁形成部材50と、側壁の右側半分を形成するとともに略U字状に湾曲した板状の右側壁形成部材51と、側壁の左側半分を形成するとともに略U字状に湾曲した板状の左側壁形成部材52と、開口部19の周縁部を構成する下側が開口した中空で矩形枠状をなす縁部材53とを備えている。
そして、容器本体20は、分割部材の一例としての右側壁形成部材51と、分割部材の一例としての左側壁形成部材52とを組み合わせることによって構成される。すなわち、容器本体20の側壁は、左右に分割された2つの分割部材である右側壁形成部材51及び左側壁形成部材52を組み合わせることによって構成される。
左側壁形成部材52の上下方向の幅は、右側壁形成部材51の上下方向の幅よりも若干広くなっている。したがって、縁部材53の下端部及び底壁形成部材50の上端部における左側壁形成部材52と右側壁形成部材51との接触部分と対応する位置には、それぞれ段差54が形成される。
また、左側壁形成部材52は、透明な合成樹脂材料によって構成されている。したがって、容器本体20の内部に収容された各インク収容体17は、容器本体20の外部から左側壁形成部材52を通して視認可能になっている。なお、本実施形態では、左側壁形成部材52により、視認部が構成されている。
図3及び図5に示すように、縁部材53の右内側面には、内側(左側)に突出する右突出部55がインク収容体17の数に応じて形成されている。なお、本実施形態では、インクが4色であり、一番後側に配置されるインク収容体17には、右突出部55が不要となるため、右突出部55が3つ形成されることになる。各右突出部55は、前後方向において等間隔となるように配置されている。各右突出部55は、後述する各舌片部70〜72の形状と合わせ、下側が開口した略有蓋三角箱状をなしている。この場合、各右突出部55は、上側から見て略三角形状をなしており、突出した三角形の2つの辺は前側のものよりも後側のものの方が短くなっている。
縁部材53の上面における各右突出部55の前側で重なる位置と右後のコーナー部とには、インク収容体17を後述する支持部材92において支持する支持部の一例としての右凹部56がそれぞれ形成されている。これら4つの右凹部56は、前後方向において等間隔に配置され、支持部材92の一部の形状に合わせた形状をなしている。各右凹部56の底面における中央部には、切欠凹部56aが形成されている。
また、各右突出部55における後側の面と縁部材53の右内側面における右前のコーナー部近傍には、下端から上方に向かって延びる挿通部の一例としての切欠部57が形成されている。これら4つの切欠部57には、各インク収容体17側の接続チューブ37がそれぞれ挿通可能とされている。なお、各切欠部57は、前後方向において等間隔に配置されている。
縁部材53の左内側面には、内側(右側)に突出する左突出部58がインク収容体17の数に応じて形成されている。なお、本実施形態では、インクが4色であり、一番前側に配置されるインク収容体17には、左突出部58が不要となるため、左突出部58が3つ形成されることになる。各左突出部58は、前後方向において各右突出部55よりも少し前側にずれた位置に配置されている。各左突出部58は、前後方向において等間隔となるように配置されている。各左突出部58は、下側が開口した略有蓋三角箱状をなしている。この場合、各左突出部58は、上側から見て略三角形状をなしており、突出した三角形の2つの辺は前側のものよりも後側のものの方が長くなっている。
縁部材53の上面における各左突出部58の後側で重なる位置と左前のコーナー部とには、インク収容体17を後述する支持部材92において支持する支持部の一例としての左凹部59がそれぞれ形成されている。これら4つの左凹部59は、前後方向において等間隔に配置され、支持部材92の一部の形状に合わせた形状をなしている。各左凹部59の底面における中央部には、切欠凹部59aが形成されている。そして、各左凹部59は、左右方向に対して90度未満の角度(本実施形態では30度)で交差する方向において各右凹部56と対向している。
図6及び図7に示すように、右側壁形成部材51の内側面の上端部における前寄りの位置には、各接続チューブ37を挿入可能な挿入部の一例としての容器側挿通孔61が形成されている。右側壁形成部材51は、本体ケース25の左側壁25aに容器本体20の内側から複数(本実施形態では6本)のねじ62によって取り付けられている。
この場合、図7及び図8に示すように、右側壁形成部材51は、左側壁25a及び左側壁25aの内側に前後方向に間隔を置いて配置された2つの矩形状の板金部材63と一緒に6本のねじ62によって共締めすることで、本体ケース25の左側壁25aに取り付けられている。
図9に示すように、本体ケース25の左側壁25aにおける容器側挿通孔61と対応する位置には、各接続チューブ37が挿通される本体ケース側挿通孔64が形成されている。そして、図4及び図6に示すように、下流端側が各インク供給針35に接続された各接続チューブ37は本体ケース側挿通孔64及び容器側挿通孔61に挿通され、当該各接続チューブ37の上流端側は容器本体20内に配置される。
図10及び図11に示すように、右側壁形成部材51の内側面における容器側挿通孔61の下側から前側にかけての位置には、容器側挿通孔61に挿通された各接続チューブ37のうちのブラックインクに対応する1つを支持するL字板状の第1チューブ支持部65が容器側挿通孔61と隣接するように設けられている。また、右側壁形成部材51の内側面の上端部における容器側挿通孔61の後側には、互いに前後方向に平行に延びる4つの板状のリブが上下方向に等間隔となるように左へ向かって水平に突設されている。
これら4つのリブは、それらの前端が互いに揃っており、下から上に向かって順に、第1リブ66、第2リブ67、第3リブ68、第4リブ69とされている。前後方向において第1リブ66の長さは第2リブ67の長さよりも短く、前後方向において第2リブ67の長さは第3リブ68の長さよりも短くなっている。また、前後方向において第3リブ68の長さと第4リブ69の長さとは同じになっている。
第1リブ66、第2リブ67、及び第3リブ68の後端には、これらのリブ66〜68よりも内側(左方)に向かって大きく水平に突出する板状の支え部の一例としての第1舌片部70、第2舌片部71、及び第3舌片部72がそれぞれ一体に設けられている。第1〜第3舌片部70〜72は、各接続チューブ37における各インク収容体17側の端部を支えることで各接続チューブ37が垂れ下がることを抑制する。各舌片部70〜72は、前後方向において互いに等間隔となるように配置され、後方に向かうほど左右方向の幅が広くなっている。この場合、各舌片部70〜72は、縁部材53の各右突出部55(図5参照)と対応するように配置されている。なお、各舌片部70〜72は、上述した各右突出部55によってカバーされる。
第1リブ66と第2リブ67との間に形成される溝は、各接続チューブ37のうちのイエローインクに対応する1つを支持する第2チューブ支持部73とされている。第2リブ67と第3リブ68との間に形成される溝は、各接続チューブ37のうちのマゼンタインクに対応する1つを支持する第3チューブ支持部74とされている。第3リブ68と第4リブ69との間に形成される溝は、各接続チューブ37のうちのシアンインクに対応する1つを支持する第4チューブ支持部75とされている。
したがって、図3、図10、及び図11に示すように、第1〜第4チューブ支持部65,73〜75は、容器側挿通孔61と容器本体20内に収容された各インク収容体17との間で各接続チューブ37をガイドする。すなわち、第1〜第4チューブ支持部65,73〜75を通った接続チューブ37は、容器側挿通孔61を介して容器本体20の外部に出る。なお、本実施形態では、第1〜第4チューブ支持部65,73〜75によってガイド部が構成されている。
また、第1〜第4チューブ支持部65,73〜75の長さは、ガイドする各接続チューブ37が接続されるインク収容体17から容器側挿通孔61までの距離に応じて互いに異なっている。すなわち、第1〜第4チューブ支持部65,73〜75のそれぞれの長さは、第4チューブ支持部75が最も長く、次に第3チューブ支持部74が長く、その次に第2チューブ支持部73が長く、第1チューブ支持部65が最も短くなっている。
第3チューブ支持部74における長さ方向の一部には、第3チューブ支持部74内に引き回されて支持された接続チューブ37が第3チューブ支持部74から脱落することを抑制するための脱落抑制部の一例としての上下一対の突起76が設けられている。
また、第4チューブ支持部75における長さ方向の一部には、第4チューブ支持部75内に引き回されて支持された接続チューブ37が第4チューブ支持部75から脱落することを抑制するための上下一対の突起76が設けられている。そして、第3チューブ支持部74及び第4チューブ支持部75に引き回された接続チューブ37には、各対の突起76が若干食い込む。各突起76はリブ66〜69と内側方向(左右方向)において同じ幅で略直方体形状となるように形成されている。
右側壁形成部材51の内側面の上端部の前後方向における第1舌片部70と容器側挿通孔61との間には、上下方向において第1〜第4リブ66〜69を挟むように補足部の一例としての一対の貫通孔77が形成されている。右側壁形成部材51の内側面の上端部の前後方向における第1舌片部70と第2舌片部71との間には、上下方向において第2〜第4リブ67〜69を挟むように一対の貫通孔77が形成されている。
右側壁形成部材51の内側面の上端部の前後方向における第2舌片部71と第3舌片部72との間には、上下方向において第3リブ68及び第4リブ69を挟むように一対の貫通孔77が形成されている。そして、第2〜第4チューブ支持部73〜75内にそれぞれ接続チューブ37を引き回した状態で、各対の貫通孔77にワイヤー78を通して環状にして当該ワイヤー78の端部同士を連結することで、第2〜第4チューブ支持部73〜75内にそれぞれ接続チューブ37が確実に保持される。したがって、各対の貫通孔77は、第2〜第4チューブ支持部73〜75内から脱落する接続チューブ37をワイヤー78によって保持する場合に補足する。
図5、図10、及び図11に示すように、第1〜第4リブ66〜69(第2〜第4チューブ支持部73〜75)、第1〜第3舌片部70〜72、第1チューブ支持部65、及び容器側挿通孔61は、縁部材53によって覆われている。第1〜第4チューブ支持部65,73〜75にそれぞれ支持された接続チューブ37は、4つの切欠部57にそれぞれ挿通されている。そして、各接続チューブ37の上流端部は、各切欠部57から容器本体20内に配置された状態となる。
図12及び図13に示すように、各接続チューブ37の上流端側には、先端部に導入孔80aを有する液体導入部の一例としての中空のインク導入針80の基端部80bが接続されている。すなわち、各接続チューブ37の上流端部に各インク導入針80の基端部80bが挿嵌されている。そして、各接続チューブ37におけるインク導入針80の基端部80bが挿嵌された部分は、各接続チューブ37から各インク導入針80が抜けることを抑制するべくねじりばね81によって締め付けられている。
各接続チューブ37におけるねじりばね81よりもやや下流側の位置には、各接続チューブ37を押し潰して各接続チューブ37内のインクの流通を規制する態様と、各接続チューブ37を押し潰さずに各接続チューブ37内のインクの流通を許容する態様との間で切り換え可能なインク流通調整部材82が取着されている。
また、インク導入針80は、その中間部に円形のフランジ部83を有している。フランジ部83における導入孔80a側の面には、フランジ部83よりも若干径が小さい円筒状の針位置決め部84が設けられている。針位置決め部84の外周面には、周方向に等間隔で複数(本実施形態では4つ)の位置決め突起84aが設けられている。
各位置決め突起84aの先端は、フランジ部83の周縁よりも内側に位置している。そして、インク導入針80の外周面におけるフランジ部83よりも若干基端側の位置には、Eリング85が装着可能な円環状のリング溝86が形成されている。
また、インク導入針80には、インク導入針80におけるフランジ部83から先端にかけての部位を収容するように、一方側が開口した有蓋円形箱状をなすキャップ87が取着されている。すなわち、キャップ87の底壁の中心部にはキャップ87の内側からインク導入針80におけるフランジ部83よりも基端側が挿通可能なキャップ挿通孔88が形成され、キャップ87の内周面にはねじ溝89が形成されている。
そして、キャップ87のキャップ挿通孔88にキャップ87の内側からインク導入針80におけるフランジ部83よりも基端側を挿通した状態でインク導入針80のリング溝86にEリング85を装着することで、インク導入針80にキャップ87が取着される。このとき、キャップ87の底壁はフランジ部83とEリング85とによって若干の遊びをもって挟持されるため、インク導入針80とキャップ87とのがたつきが抑制される。さらにこのとき、インク導入針80の先端はキャップ87内に収まるようになっている。
次に、インク収容体の構成について詳述する。
図14及び図15に示すように、各インク収容体17は、インクを収容する液体収容部の一例としてのインク袋90と、インク袋90の上端部にインク袋90の内部に連通するように形成された液体導出部の一例としてのインク導出部91とを備えている。インク導出部91は、インク袋90よりも重力方向において上に位置している。さらに、インク袋90におけるインク導出部91が形成された上端側(一端側)には、容器本体20(図5参照)に支持される液体収容体支持部を構成する支持部材(ハンガー部材)92が取着されている。すなわち、インク袋90は、支持部材92と係合している。
インク袋90は、2つの矩形状の可撓性フィルム90aの周縁に筒状のインク導出部91を挟んだ状態でこれら2つの可撓性フィルムの周縁同士を溶着することによって形成される。すなわち、インク袋90は、対向する2つの可撓性の壁となる可撓性フィルム90aによって構成される袋体であり、内部に収容したインクの消費により対向する2つの可撓性フィルム90aが相互に近づくように形成されている。なお、本実施形態では、インク袋90を構成する2つの可撓性フィルム90aによって可撓性部が構成されている。
また、インク導出部91は、インク袋90の上端部における幅方向の中央部に配置される。インク導出部91は、上端部がインク袋90から露出し、下端部がインク袋90内に配置されている。インク導出部91におけるインク袋90から露出した部分における上端部よりもやや下側には、コーナー部が丸みを帯びた略正方形状をなす導出フランジ部93が設けられている。
インク袋90の厚さ方向において対向する導出フランジ部93の両側縁部には、フランジ凹部93aが対をなすように形成されている。インク袋90の上端部のインクが収容されない溶着部分における幅方向の両端部には、インク袋貫通孔94がそれぞれ形成されている。
図14及び図18に示すように、インク導出部91は、その内部に、インクを導出するインク導出口95aを形成する円環状のパッキン95と、内側からインク導出口95aを塞ぐようにパッキン95に当接する弁体96と、内側から弁体96をパッキン95に向かって付勢するコイルばね97とを備えている。インク袋90内においてインク導出部91の下端部には、円筒状をなす可撓性の接続流路部材98を介して流路99aを形成する流路形成部材の一例としてのインク導出チューブ99の上端側(一端側)が接続されている。接続流路部材98は、例えば、エラストマ―などによって構成される。
インク導出チューブ99の下端側(他端側)は、インク袋90内の下部まで延びている。すなわち、インク導出チューブ99の下端側は、インク袋90内におけるインク導出部91が形成された側とは反対側へ延びている。したがって、インク導出チューブ99内の流路99aは、インク袋90内の重力方向下部まで延在している。
この場合、インク導出チューブ99の長さは、インク導出チューブ99の下端が、インクで満たされた状態のインク袋90内の下端に接触しない長さに設定されている。そして、インク導出チューブ99は、インク袋90内に充填されるインクよりも比重の大きい材料によって構成されている。本実施形態では、インク導出チューブ99はインクに対し耐性のあるフッ素樹脂で構成される。
フッ素樹脂は、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,比重:2.12〜2.17)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化),比重:2.14〜2.20)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化),比重:2.12〜2.17)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体,比重:1.70〜1.76)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化),比重:2.10〜2.20)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド(2フッ化),比重:1.75〜1.78)等から選ばれる。
インクは水性インクの場合、比重は略1であるため、インク導出チューブ99が上記のような材料で構成されれば、インク袋90内のインク中での浮き上がりが防止される。このため、インク袋90内の底部のインクも円滑に導出されるので、インク袋90内に残留するインクが低減される。
また、インク導出部91におけるインク袋90内に延出する部分には、インク導出部91の内部とインク袋90の内部とを連通する連通孔100が形成されている。そして、インク袋90の内部の上端部における幅方向の両端部には、連通孔100に向かって上昇するように傾斜する案内部の一例としての傾斜部101が形成されている。
連通孔100の孔径は、インク導出チューブ99の下端(インク導出部91側と反対側)のインクの入口の口径よりも小さく形成される。インクが顔料インクの場合、インク袋90内の底部に顔料が沈降し、先に供給されるインクと後から供給されるインクに濃度差が生じるという課題が生じるが、上記の構成により、上部の濃度の薄いインクが連通孔100から導入され、インク導出チューブ99からは下部の濃度の濃いインクが導入されることにより、濃いインクと薄いインクとが混じって適度な濃度のインクがインク導出部91に送られるという効果がある。
図16及び図17に示すように、各インク収容体17の支持部材92は、インク袋90の上端部に対して当該上端部を互いに挟むように取り付けられる第1支持部材105及び第2支持部材106を備えている。第1支持部材105は、インク袋90の幅方向に沿って延びる略矩形状をなす天板部107と、天板部107の下面における短手方向の中央部に長手方向に沿って延びるように垂直で且つ一体に設けられた側板部108とを備えている。
図16及び図20に示すように、第1支持部材105の天板部107の両端部は略円弧状をなしており、天板部107の長手方向の中央部にはインク導出部91が挿入される円筒状の導出部挿入部109が貫通するように形成されている。導出部挿入部109の外周面には、キャップ87のねじ溝89と螺合可能なねじ山110が形成されている。したがって、導出部挿入部109にはキャップ87が螺着可能になっている。
導出部挿入部109の外径は、インク導入針80のフランジ部83の外径とほぼ同じになっている。導出部挿入部109の内径は、インク導入針80の針位置決め部84の外径よりも大きくなっている。針位置決め部84の内径は、インク導出部91の上端部の外径よりも若干大きくなっている。
図18及び図19に示すように、第1支持部材105の側板部108における導出部挿入部109と対応する部分には、導出部挿入部109の一部に沿う半円弧面111が形成されている。導出部挿入部109における半円弧面111側の端部には、インク導出部91の導出フランジ部93が挿嵌可能な挿嵌孔112が設けられている。挿嵌孔112は、導出フランジ部93と対応するようにコーナー部が丸みを帯びた略正方形状をなしている。
半円弧面111の中央部から挿嵌孔112にかけての部位には、上下方向に延びる凸条113が形成されている。挿嵌孔112の上端部には、上下方向においてインク導出部91の導出フランジ部93と係合する段差部114が形成されている。そして、インク導出部91を導出部挿入部109に挿入した場合には、導出フランジ部93が挿嵌孔112に挿嵌されるとともに、導出フランジ部93のフランジ凹部93aが凸条113と嵌合することで、インク導出部91の位置決めがなされる。
図16及び図17に示すように、第1支持部材105の側板部108における半円弧面111を挟んだ両側には、位置決め孔120がそれぞれ形成されている。さらに、側板部108における両位置決め孔120を挟んだ両側には、ねじ孔121がそれぞれ形成されている。第1支持部材105の天板部107の両端部における下面には、側板部108と一体形成された板状の突片部122が設けられている。また、側板部108における半円弧面111側の面における両端部には、インク袋90の両インク袋貫通孔94に挿通される円柱状の凸部123がそれぞれ突設されている。
第2支持部材106は、略L字板状をなしており、インク袋90の幅方向に沿って延びるとともに第1支持部材105の天板部107の下面と対向する矩形板状の水平部124と、第1支持部材105の側板部108と対向する矩形板状の垂直部125とを備えている。
第2支持部材106における第1支持部材105の側板部108の半円弧面111と対応する位置には、インク導出部91における導出フランジ部93のすぐ下側の部分(インク導出部91におけるインク袋90から露出した部分における導出フランジ部93よりもインク袋90側の部分)が挿入される支持凹部126が設けられている。支持凹部126の幅は、インク導出部91の導出フランジ部93の幅よりも狭くなっている。
第2支持部材106の垂直部125における第1支持部材105の両位置決め孔120と対応する位置には、両位置決め孔120に挿入される位置決め突起127がそれぞれ突設されている。第2支持部材106の垂直部125における第1支持部材105の両ねじ孔121と対応する位置には、両ねじ孔121にそれぞれ螺入されるねじ128が挿通されるねじ挿通孔129がそれぞれ形成されている。
第2支持部材106の垂直部125における第1支持部材105の両凸部123と対応する位置には、両インク袋貫通孔94に挿通された両凸部123と係合する係合切欠凹部130が形成されている。
次に、インク導出部91が固着されたインク袋90に支持部材92を取り付ける際の作用について説明する。
さて、図16及び図17に示すように、インク導出部91が固着されたインク袋90に支持部材92を取り付ける場合には、まず、第2支持部材106の支持凹部126にインク導出部91を挿入する。続いて、第1支持部材105の両凸部123をインク袋90の両インク袋貫通孔94にそれぞれ挿通する。続いて、第2支持部材106の両位置決め突起127を第1支持部材105の両位置決め孔120にそれぞれ挿入する。これにより、第1支持部材105と第2支持部材106との位置決めがなされる。
続いて、両ねじ128を、第2支持部材106の両ねじ挿通孔129にそれぞれ挿入してから第1支持部材105の両ねじ孔121にそれぞれ螺入する。これにより、インク導出部91が固着されたインク袋90に支持部材92が取り付けられる。このとき、支持部材92は、上下方向において、インク導出部91の導出フランジ部93と係合するとともに、インク袋90におけるインク導出部91を挟んだ両側のインク袋貫通孔94と係合する。すなわち、支持部材92は、インク導出部91を支持するとともに、インク袋90におけるインク導出部91を挟んだ両側でインク袋90を支持する。
さらにこのとき、図21に示すように、インク袋90の上端部は、第1支持部材105の側板部108と第2支持部材106の垂直部125との間に形成される隙間に配置される。このため、側板部108及び垂直部125は、インク袋90が内部のインクの消費に伴って変形した場合でも、当該変形を妨げない。
次に、内部にインクが充填された各インク収容体17をケース18にセットする際の作用について説明する。
さて、図3及び図22に示すように、各インク収容体17をケース18にセットする場合には、まず、蓋体21を開けてからインク収容体17を容器本体20の開口部19を介して容器本体20内に収容する。このとき、各インク収容体17の第1支持部材105の両端部を、左右方向に対して30度の角度で斜めに交差する方向において対向する右凹部56及び左凹部59に支持させる。
すると、第1支持部材105の両突片部122(図16参照)は、切欠凹部56a(図5参照)及び切欠凹部59a(図5参照)にそれぞれ挿入される。これにより、各インク収容体17は、容器本体20に左右方向に対して30度の角度で斜めに交差するように着脱可能に支持された状態で互いに前後方向に並んで収容される。この場合、各インク収容体17は、上端側(一端側)に位置する支持部材92において容器本体20の右凹部56及び左凹部59に吊り下げられた状態になっている。
このため、各インク収容体17は、容器本体20の内底面から浮いた状態になっている。そして、各インク収容体17が容器本体20に吊られた状態では、支持部材92は、インク導出部91(図16参照)の導出フランジ部93を支持するとともに、インク袋90をそのインク導出部91を挟んだ両側のインク袋貫通孔94において支持する。
また、各インク収容体17は、インク袋90内のインクの消費に伴ってその厚さが小さくなった分だけインク袋90の下端が下がる(図22の2点鎖線で示す)が、インク袋90内のインクが空になった場合でも容器本体20の内底面から浮いた状態は維持される。
続いて、図12、図18及び図20に示すように、上述のように容器本体20に収容された各インク収容体17のインク導出部91にインク導入針80を接続する。すなわち、インク導出部91にインク導入針80を接続する場合には、各接続チューブ37の上流端側が接続されたインク導入針80に取着されたキャップ87を、各インク収容体17の導出部挿入部109に被せる。
続いて、図20に示すように、キャップ87を回転させてキャップ87のねじ溝89を導出部挿入部109のねじ山110に螺合させる。この螺合に伴い、インク導入針80は、インク導出口95aからインク導出部91の内部に挿入される。そして、キャップ87を更に回転させてキャップ87が導出部挿入部109に対して完全に螺着されると、インク導入針80がコイルばね97の付勢力に抗して弁体96をパッキン95から離間するように押し下げる。
すると、弁体96がパッキン95から離間した開弁位置に移動されてインク袋90内とインク導入針80内とが連通する。したがって、インク袋90内は、インク導出部91内及びインク導入針80内を介して接続チューブ37内と連通する。このとき、インク導入針80の針位置決め部84が導出部挿入部109の内側に挿入されるとともに、各位置決め突起84aが導出部挿入部109の内周面に適宜当接することで、インク導入針80の位置がインク導出部91の中心位置に位置決めされる。
そして、図3に示すように、キャップ87を導出部挿入部109に螺着した後は、蓋体21を閉じることで、各インク収容体17のケース18へのセット作業が完了する。ケース18に各インク収容体17がセットされると、各インク収容体17のインクは、各接続チューブ37から各インク供給針35及びインク供給チューブ36を介して記録ヘッド28へと供給される。記録ヘッド28へ供給された各インクは、記録ヘッド28の各ノズル(図示略)から用紙Pに噴射されて印刷が行われる。
そして、用紙Pの印刷により各インク収容体17のインクが消費されると、このインクの消費に伴って各インク収容体17のインク袋90が徐々に萎んでいく。このとき、ケース18の容器本体20を構成する左側壁形成部材52は透明であるため、蓋体21を開けなくても左側壁形成部材52を通してケース18外からケース18内の各インク収容体17のインク袋90の萎み具合(変位状態)が視認できる。
この場合、特に、左側壁形成部材52は、容器本体20の左側面の大部分だけでなく、容器本体20の前側面及び後側面における左側半分の大部分を占めている。加えて、各インク収容体17は、ケース18内において左側の方が右側よりも前側に位置するように斜めにした状態で互いに平行となるように前後方向に並んで配置されている。
したがって、ケース18外からケース18内の全てのインク収容体17のインク袋90の萎み具合をケース18の前側から視認することができる。このため、各インク収容体17のインク袋90の萎み具合から各インク収容体の交換時期を認識できる。
また、各インク収容体17のインク袋90内のインク導出チューブ99の下端は、インク袋90内の重力方向下部まで延びている。このため、インク袋90内のインクは、インク導出チューブ99を介してインク袋90内の下端部から吸い上げられて消費される。
この場合、インク導出チューブ99は、インク袋90内のインクよりも比重の大きい材料によって構成されているため、インク袋90内で浮き上がることはない。このため、インク導出チューブ99の下端の位置は、常にインク袋90内の重力方向下部に維持されるので、使用後のインク袋90内の残留インクを低減できる。
また、インクがなくなったインク収容体17を交換する場合の作業は、交換したいインク収容体17と対応する接続チューブ37に取着されたインク流通調整部材82(図13参照)を、当該接続チューブ37を押し潰して当該接続チューブ37内のインクの流通を規制する態様にしてから行われる。このようにすることで、キャップ87を交換したいインク収容体17の導出部挿入部109から外してインク導出部91からインク導入針80を引き抜いたときにインク導入針80の導入孔80aからインクが垂れ落ちることが抑制される。
次に、画像形成システム11の読取装置13によって読み取り面13aよりも大きい原稿Gを読み取る場合の作用について説明する。
さて、図2に示すように、読取装置13によって読み取り面13aよりも大きい原稿Gを読み取る場合には、まず、オートドキュメントフィーダー16を開いて読み取り面13aを露出させる。続いて、読み取り面13a上に原稿Gにおける読み取りたい領域が収まるように且つ当該原稿Gにおける読み取り面13a上からはみ出した部分の一部がケース18上(蓋体21上)に位置するように、原稿Gを載置する。
このとき、ケース18の高さは、読み取り面13aの高さと揃っている。すなわち、ケース18の高さは、読み取り面13aの高さよりも5ミリメートルだけ低くなっている。このため、原稿Gの一部がケース18の側面に引っ掛かることなくケース18上で支持される。そして、オートドキュメントフィーダー16を閉じた状態で、読取装置13を作動させると、原稿Gにおける読み取り面13a上の領域が読み取られる。
このように、読み取り面13a上からはみ出した原稿Gの一部がケース18によって支持されるため、原稿Gの位置が安定し、読取装置13によって原稿Gを精度よく読み取ることができる。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)インク供給装置15において、インク収容体17は、インク導出部91がインク袋90よりも重力方向において上に位置するように、ケース18の右凹部56及び左凹部59に対して着脱可能に支持される。このため、目視で確認しながらインク導出部91とインク導入針80とを容易に確実に接続することができる。また、通常、インクは自重でインク袋90の下部に溜まるため、インク導出部91がインク袋90の下部にある場合、インク導出部91とインク導入針80との接続不良が起きたときにインクの漏れ量が増えるおそれがある。この点、この構成によれば、インク導出部91がインク袋90よりも重力方向において上に位置するため、インク導出部91とインク導入針80との接続不良があったとしても、インクの漏れ量を抑制することができる。
(2)インク袋90は、対向する2つの可撓性フィルム90aによって構成される袋体であり、内部に収容したインクの消費により対向する2つの可撓性フィルム90aが相互に近づくように形成されている。このため、インク袋90内のインクの消費による可撓性フィルム90aの変位状態を視認することで、インク袋90内のインクの消費状態を容易に認識することができる。
(3)ケース18は、底壁49と、底壁49と対向し重力方向において底壁49よりも上方に形成された開口部19と、開口部19を開閉自在に覆う蓋体21とを有し、インク収容体17は、開口部19を介して着脱可能にケース18内に収容される。この構成によれば、インク収容体17は、ケース18における重力方向の上方に形成された開口部19を介してケース18に着脱されるため、ケース18に対するインク収容体17の着脱作業を容易に行うことができる。加えて、ケース18内にインク収容体17を収容した後、開口部19を蓋体21で覆うことができるため、インク収容体17や接続チューブ37を破損させたり、インク導出部91とインク導入針80との接続を誤って外したりすることを抑制することができる。このため、インクの供給不良やインクによる汚染を抑制することができる。さらに、インク導出部91とインク導入針80との接続作業及び取り外し作業を、底壁49を有するケース18上で行うことができるため、インクが垂れたとしてもこの垂れたインクをケース18内で受け止めることができる。このため、ケース18の外部がインクで汚染されることを抑制することができる。
(4)ケース18は、インク収容体17内のインクの消費に伴うインク袋90の萎み具合を視認可能な透明な左側壁形成部材52を有している。このため、ケース18外からケース18内のインク収容体17のインク袋90の萎み具合を視認することができる。すなわち、ケース18外からケース18内のインク収容体17のインクの消費具合を確認することができる。
(5)ケース18における右側壁45と左側壁46との間の距離は、インク収容体17の幅よりも短くなっている。このため、ケース18内に各インク収容体17を斜めにして収容することで、ケース18の小型化に寄与できる。
(6)インク収容体17のインク導出部91は、インク袋90の上端側に形成されており、インク収容体17は、インク導出部91が形成された上端側に当該上端側と係合する支持部材92を備え、支持部材92を介してケース18の右凹部56及び左凹部59に支持される。この構成によれば、インク収容体17は、インク導出部91が形成された上端側がケース18の右凹部56及び左凹部59に支持されるため、インク導出部91とインク導入針80との接続を容易に行うことができる。また、インク収容体17が支持部材92を備えることにより、支持部材92を把持してインク収容体17を取り扱うことができるので、インク収容体17のケース18の右凹部56及び左凹部59に対する着脱作業を容易に行うことができる。
(7)インク収容体17は、インク導出部91が形成された上端側がケース18の右凹部56及び左凹部59に支持されて吊り下げられる。この構成によれば、インク収容体17が吊り下げられることにより、インクが自重によりインク収容体17の下部に溜まるので、インク袋90に張力がかかる。このため、インク袋90内のインクの消費に伴ってインク袋90がしわやよじれの無い状態できれいに伸びるようになるので、インクを安定的にインクジェット式プリンター12に供給することができる。また、本実施形態ではインクジェット式プリンター12が記録ヘッド28を搭載したキャリッジ27が移動するタイプのプリンターであるため、インクジェット式プリンター12の振動がインク収容体17に伝搬してインク収容体17の下部が揺動する。さらに、インク収容体17の上端側の支持部材92が、平面視でキャリッジ27の移動方向(主走査方向)と交差する方向に配置されるため、支持部材92が主走査方向と平行な方向に配置される場合と比べ、キャリッジ27の移動による振動がインク収容体17に伝搬しやすい。このため、インク袋90内のインクがインク中で沈降しやすい顔料を含む顔料インクである場合には、このインク収容体17の下部の揺動によって顔料インクを撹拌することができる。したがって、顔料インク内での顔料の濃度差を抑制することができる。
(8)インク収容体17の支持部材92は、インク収容体17におけるインク導出部91を支持している。このため、インク収容体17のインク袋90内のインクの消費に伴ってインク袋90がしわやよじれの無い状態できれいに伸びるようになるので、インクを安定的にインクジェット式プリンター12に供給することができる。
(9)インク収容体17の支持部材92は、インク導出部91を挟んだ両側でインク袋90を支持している。このため、インク袋90を支持部材92によってバランスよく安定して支持することができる。
(10)インク収容体17は、インク導出部91と連通し、インク袋90の重力方向下部まで延在する流路99aを有している。この構成によれば、インク導出部91がインク袋90の上部に位置していても、インク袋90内の下部から流路99aを介してインクを吸い上げることができるので、インク袋90内のインクをインクジェット式プリンター12側へ安定的に供給することができる。
(11)インク収容体17のインク導出チューブ99は、インク袋90に収容されるインクよりも比重が大きい材料によって構成されている。このため、インク袋90内のインク中でインク導出チューブ99が浮き上がることを抑制することができる。したがって、インク袋90内におけるインク導出部91とは反対側の下端側に位置するインクをインク導出チューブ99によってインク導出部91に円滑に導くことができるので、インク袋90内に残留するインクを低減することができる。
(12)インク収容体17のインク導出部91は、インク袋90内に延出する部分にインク袋90の内部と連通する連通孔100を有している。この構成によれば、インク袋90における鉛直上方に位置するインク導出部91からインクをインク袋90内に注入したときに、インク袋90内のインクに混入した気泡をインク導出部91の連通孔100からインク収容体17の外部へ排出することができる。
(13)インク収容体17のインク袋90内におけるインク導出部91側には、連通孔100に向かって上昇するように傾斜する傾斜部101が形成されている。このため、インク袋90における鉛直上方に位置するインク導出部91からインクをインク袋90内に注入したときに、インク袋90内のインクに混入した気泡を傾斜部101によって連通孔100側へ案内することができる。この結果、インク袋90内のインクに混入した気泡を連通孔100から円滑にインク収容体17の外部へ排出することができる。
(14)インク収容体17のインク導出チューブ99は、可撓性の接続流路部材98を介してインク導出部91に接続されている。このため、接続流路部材98によってインク導出チューブ99をインク導出部91に容易に接続することができる。
(15)ケース18の容器本体20の内側面には、容器本体20内に収容された各インク収容体17に接続される各接続チューブ37をガイドする第1〜第4チューブ支持部65,73〜75が設けられている。このため、第1〜第4チューブ支持部65,73〜75により、各接続チューブ37を容器本体20内でガイドすることができるので、容器本体20内で各接続チューブ37を容易に引き回すことができる。
(16)ケース18の容器本体20の右側壁形成部材51の内側面には、各接続チューブ37を挿入可能な容器側挿通孔61が形成され、第1〜第4チューブ支持部65,73〜75は、容器側挿通孔61と容器本体20内に収容された各インク収容体17との間で各接続チューブ37をガイドする。このため、容器側挿通孔61から容器本体20内に挿入された各接続チューブ37を第1〜第4チューブ支持部65,73〜75によって容器本体20内に収容された各インク収容体17までガイドすることができる。
(17)ケース18における第1〜第4チューブ支持部65,73〜75の長さは、これらがそれぞれガイドする接続チューブ37が接続されるインク収容体17から容器側挿通孔61までの距離に応じて互いに異なっている。このため、各接続チューブ37が間違った各インク収容体17に接続されることを抑制することができる。
(18)ケース18の容器本体20は、各インク収容体17を収容するための開口部19の周縁部を構成する縁部材53を備え、縁部材53は、第1〜第4チューブ支持部65,73〜75を覆っている。このため、縁部材53により、第1〜第4チューブ支持部65,73〜75がガイドする各接続チューブ37を保護することができる。
(19)ケース18の縁部材53には、各接続チューブ37を挿通可能な切欠部57が設けられている。このため、各接続チューブ37を切欠部57に挿通させることで、各接続チューブ37を各インク収容体17に対して容易に接続することができる。
(20)ケース18の縁部材53は、各インク収容体17を支持する各右凹部56及び各左凹部59を備えている。このため、各インク収容体17を各右凹部56及び各左凹部59によって支持することができる。
(21)ケース18の第3及び第4チューブ支持部74,75には、当該第3及び第4チューブ支持部74,75から各接続チューブ37が脱落することを抑制するための各突起76が設けられている。このため、各突起76により第3及び第4チューブ支持部74,75からの各接続チューブ37の脱落を抑制することができる。
(22)ケース18の容器本体20の内側面における第2〜第4チューブ支持部73〜75を挟んだ両側には、貫通孔77がそれぞれ形成されている。このため、貫通孔77にワイヤーを通して環状にして当該ワイヤーの端部同士を連結することで、接続チューブ37を第2〜第4チューブ支持部73〜75内にそれぞれ容易且つ確実に保持することができる。
(23)ケース18の容器本体20の側壁は、左右に分割された右側壁形成部材51及び左側壁形成部材52を組み合わせることによって構成されている。このため、ケース18の容器本体20の側壁を容易に成形することができる。
(24)インク供給装置15は、ケース18と、ケース18内に収容される各インク収容体17と、各インク収容体17に接続される各接続チューブ37とを備えている。このため、ケース18内に収容された各インク収容体17のインクを、各接続チューブ37を介してインクジェット式プリンター12側へ供給することができる。
(25)インクジェット式プリンター12は、インク供給装置15の各接続チューブ37を介して供給されるインクを用紙Pに噴射可能な記録ヘッド28を備えている。このため、インク供給装置15の各接続チューブ37を介して供給されたインクを記録ヘッド28から用紙Pに噴射して当該用紙Pの印刷を行うことができる。
(26)画像形成システム11において、ケース18は、画像形成装置14の横に読み取り面13aと高さが揃うように配置されている。このため、読み取り面13aよりも大きい原稿Gを読み取る場合に、当該原稿Gの一部をケース18によって支持することができる。
(27)画像形成システム11において、ケース18の高さは、読み取り面13aの高さよりも低い。このため、読み取り面13aよりも大きい原稿Gを当該読み取り面13a上に置く際に、当該原稿Gがケース18に引っ掛かることを抑制することができる。
(28)画像形成システム11において、ケース18は、画像形成装置14のインクジェット式プリンター12に対して着脱自在に取り付けられている。このため、ケース18をインクジェット式プリンター12に対して自由に着脱することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・図23に示すように、画像形成システム11において、画像形成装置14の下部に増設用の用紙カセット140を有する増設カセットユニット141を装着するようにしてもよい。この場合、画像形成装置14の高さが高くなるように変化した分だけケース18の高さを高くするように調節する調節部材の一例としての台座142をケース18の下部に装着する。このように、画像形成システム11に、増設カセットユニット141及び台座142をセットで装着することで、ケース18の高さと読み取り面13aの高さとの位置関係を維持することができる。
ここで、台座142の構成について詳述する。
図24及び図25に示すように、台座142は、その下面の中央部に矩形状に窪んだ窪み部143を有する有底矩形箱状をなしている。台座142の内底面の中央部には、窪み部143の窪んだ分だけ隆起した隆起部144が形成されている。隆起部144の上面は、平坦になっている。台座142の内底面における隆起部144の周りには、複数(ここでは10個)の板状の支持リブ145が隆起部144を囲むように適宜間隔を置いて設けられている。そして、台座142をケース18の下部に装着する場合には、ケース18を構成する底壁形成部材50の下面の中央部に隆起部144を両面粘着テープ(図示略)で粘着するとともに、底壁形成部材50の下面の周縁部に台座142の上端の周縁部を係合させる。
・図26に示すように、画像形成システム11において、オートドキュメントフィーダー16を、読み取り面13aを開閉可能な蓋部材146に変更するようにしてもよい。
・図27に示すように、画像形成システム11において、インクジェット式プリンター12がブラックインクのみを使用する単色のプリンターである場合には、インク供給装置15のケース18を、ブラックインクを収容した1つのインク収容体17を収容するサイズのものに変更するようにしてもよい。この場合、インク収容体17は、その幅方向が前後方向となるようにケース18内に収容される。なお、図27ではケース18の開口部19を開閉自在に覆う蓋体21は省略している。
・図28に示すように、インク導出チューブ99の上端部に、当該インク導出チューブ99の内部とインク袋90の内部とを連通する連通孔147を設けるようにしてもよい。このようにすれば、インク導出部91をインク袋90における鉛直上方に位置するように配置してインクをインク袋90内に注入したときに、インク袋90内のインクに混入した気泡を連通孔147からインク収容体17の外部へ排出することができる。この場合、インク導出部91の連通孔100は省略してもよい。
・図28に示すように、インク導出チューブ99におけるインク導出部91とは反対側の端部である下端部に錘148を配置するようにしてもよい。錘148は円筒状をなしており、インク導出チューブ99の下端に嵌入される。この場合、インク導出チューブ99は、必ずしもインク袋90内に充填されるインクよりも比重の大きい材料によって構成する必要はない。このようにすれば、インク袋90内のインク中でインク導出チューブ99が浮き上がることを効果的に抑制することができる。このため、インク袋90内におけるインク導出部91とは反対側の下端部に位置するインクをインク導出チューブ99によってインク導出部91に導くことができるので、インク袋90内に残留するインクを低減することができる。また、錘として円筒状のチューブを用いる場合、当該チューブは、接続流路部材98と同じエラストマ―のような柔軟性のある材料から構成されるものでよい。この場合には、インク導出チューブ99を比較的硬質のものにしてもインク袋90の損傷を防止できる効果がある。
・図29に示すように、インク導出チューブ99をカバー部材149によって覆うようにしてもよい。この場合、カバー部材149は、一例としてコイルばねによって構成されている。このようにすれば、カバー部材149の重みにより、インク袋90内のインク中でインク導出チューブ99が浮き上がることを抑制することができる。この場合、インク導出チューブ99を構成する材料とカバー部材149を構成する材料との平均比重は、インク袋90内に充填されるインクの比重よりも大きいことが好ましい。さらにこの場合、インク導出チューブ99の下端部に錘148を取着すれば、インク導出チューブ99は、必ずしもインク袋90内に充填されるインクよりも比重の大きい材料によって構成する必要はない。
・図30に示すように、画像形成システム11において、読取装置13の横に読み取り面13aと上面の高さが揃うようにケース18を配置するようにしてもよい。この場合、インクジェット式プリンター12の側面にケース18を支持可能な延出部12aを延設して当該延出部12aによってケース18を支持するようにしてもよい。
・インク収容体17において、流路99aを形成するインク導出チューブ99を省略してもよい。
・インク収容体17の支持部材92は、必ずしもインク導出部91を挟んだ両側でインク袋90を支持している必要はない。
・インク収容体17の支持部材92は、必ずしもインク収容体17におけるインク導出部91を支持している必要はない。
・インク収容体17は、必ずしもインク導出部91が形成された上端側がケース18の右凹部56及び左凹部59に支持されて吊り下げられる必要はない。すなわち、インク収容体17は、ケース18の内底面上に置いた状態で収容するようにしてもよい。この場合、ケース18の内底面(底壁49)がインク収容体17を支持する支持部として機能する。
・インク収容体17のインク袋90の上端部(インク導出部91側となる一端側)に、ケース18の右凹部56及び左凹部59によって支持可能な形状の硬質の支持部を、液体収容体支持部として支持部材92の代わりに設けるようにしてもよい。このようにすれば、インク収容体17は、支持部を把持して取り扱うことができる。このため、インク収容体17のケース18の右凹部56及び左凹部59に対する着脱作業を容易に行うことができる。
・インク収容体17は、必ずしも支持部材92を介してケース18の右凹部56及び左凹部59に支持する必要はない。
・ケース18における右側壁45と左側壁46との間の距離は、必ずしもインク収容体17の幅よりも短くする必要はない。
・ケース18は、必ずしもインク収容体17内のインクの消費に伴うインク袋90の萎み具合を視認可能な透明な左側壁形成部材52を有している必要はない。
・ケース18の開口部19は、必ずしも容器本体20の上端に設ける必要はなく、容器本体20の側面に設けるようにしてもよい。
・ケース18の蓋体21は、省略してもよい。
・インク袋90は、必ずしも全てを可撓性フィルム90aによって構成する必要はない。すなわち、インク袋90は、一部を可撓性材料からなる可撓性部によって構成するようにしてもよい。また、インク袋90の可撓性部を構成する材料は、透明であってもよいし不透明であってもよい。
・インク収容体17は、必ずしもインク導出部91がインク袋90よりも重力方向において上に位置するように、ケース18の右凹部56及び左凹部59に着脱可能に支持される必要はない。
・インク導入針80を省略し、接続チューブ37の端部が直接インク導出部91に接続されるように構成してもよい。この場合、インク導出部91に接続される接続チューブ37の端部が液体導入部として機能する。
・インク収容体17のインク導出チューブ99は、必ずしも可撓性の接続流路部材98を介してインク導出部91に接続する必要はない。すなわち、インク導出チューブ99は、接着剤や粘着テープなどでインク導出部91に接続するようにしてもよい。
・インク収容体17のインク袋90内には、傾斜部101の代わりに、連通孔100に向かって上昇するように湾曲状の湾曲部を案内部として形成するようにしてもよい。
・インク収容体17のインク導出部91の連通孔100は、省略してもよい。
・インク収容体17のインク導出チューブ99は、必ずしもインク袋90に収容されるインクよりも比重が大きい材料によって構成する必要はない。
・インク収容体17のインク導出チューブ99は、インク導出部91とは反対側となる下端側の一部のみをインク袋90に収容されるインクよりも比重が大きい材料によって構成するようにしてもよい。
・ケース18の容器本体20の側壁は、必ずしも左右に分割された右側壁形成部材51及び左側壁形成部材52を組み合わせることによって構成する必要はない。すなわち、容器本体20の側壁は、分割された3つ以上の部材を組み合わせることによって構成してもよいし、分割されない1つの部材によって構成するようにしてもよい。
・ケース18の容器本体20に形成された貫通孔77は、省略してもよい。
・ケース18の第3及び第4チューブ支持部74,75に形成された各突起76は、省略してもよい。
・ケース18の縁部材53に設けられた切欠部57は省略してもよい。
・ケース18の縁部材53には、切欠部57の代わりに、接続チューブ37を挿通可能な孔を挿通部として設けるようにしてもよい。
・ケース18の縁部材53は、必ずしも第1〜第4チューブ支持部65,73〜75を覆う必要はない。
・ケース18における第1〜第4チューブ支持部65,73〜75の長さは、必ずしもこれらがそれぞれガイドする接続チューブ37が接続されるインク収容体17から容器側挿通孔61までの距離に応じて互いに異なっている必要はない。
・ケース18の第1〜第4チューブ支持部65,73〜75は、必ずしも容器側挿通孔61と容器本体20内に収容された各インク収容体17との間で各接続チューブ37をガイドする必要はない。
・ガイド部は、脱落抑制部(各突起76)だけで構成してもよい。
・ガイド部は、接続チューブ37を容器本体20の内側面に沿わせてインク収容体17にアクセスできるのであればどのような構成でもよい。例えば、ガイド部を、容器本体20の内側面に設けた凹溝によって構成してもよい。
・容器本体20を構成する右側壁形成部材51及び左側壁形成部材52は、L字状に屈曲した板状にしてもよい。
・各突起76は、リブ66〜69の全体に形成されていてもよいし、リブ66〜69の一部に形成されていてもよい。
・各突起76の幅が、接続チューブ37が当たる程度であれば、各突起76の大きさや形状は任意に変更してもよい。
・各キャップ87の色と、各キャップ87と対応する各インク収容体17に収容されるインクの色とを合わせるようにしてもよい。このようにすれば、キャップ87が誤ったインク収容体17に接続されることを抑制することができる。
・画像形成システム11において、ケース18は、必ずしも画像形成装置14のインクジェット式プリンター12に対して着脱自在に取り付けられている必要はない。すなわち、ケース18は、画像形成装置14のインクジェット式プリンター12に固着されていてもよい。
・画像形成システム11において、ケース18の高さは、必ずしも読み取り面13aの高さよりも低くする必要はない。すなわち、ケース18の高さは、読み取り面13aの高さと同じか、読み取り面13aの高さよりも高くするようにしてもよい。
・用紙Pの代わりに、プラスチックフィルムや布、あるいは金属箔などをターゲットとして用いてもよい。
・原稿Gの代わりに、プラスチックフィルムや布、あるいは金属箔などを媒体として用いてもよい。
・上記実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクやインクでの印刷の前または後に被印刷媒体に塗布される液体、液体噴射装置の液体噴射ノズルを加湿またはクリーニングするための液体、液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。