JP6221897B2 - 合成繊維の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同一溶融紡糸装置で多品種の合成繊維を製造するに際し、複雑な装置変更等の作業を伴わずに、良好な品質・操業性を得るために、紡糸口金下面から冷却装置の上端まで長さ(以下、口金面深度と記す)を容易に変更可能な製造装置に関するものである。
さらに詳しくは、単糸繊度の太細、単糸数の多少、紡糸温度の高低、引取速度の遅速、ポリマー粘度の高低、共重合の有無、添加剤の多少等の紡糸条件やポリマーの基質が変更されても、これらの要因に影響を受けることのない適正な口金面深度を、簡単に設定可能な可変機構を有する合成繊維の製造装置に関するものである。
近年、合成繊維、とりわけポリエステル繊維は品種の多様化が進み、同一溶融紡糸装置での少量多品種による高付加価値品種の生産が必須となってきた。このような多品種を生産する場合には、自ずと品種毎に適正条件が存在し、操業性、品質に見合った条件とするためには、品種切り替え時に条件を適正化するため、取り分け、口金面深度の適正化には装置の入れ替え、取り付け等々の改造で多大な時間と労力を余儀なくされていた。
ここで、口金面深度について説明する。口金面深度とは、ポリマーが吐出する口金下面から糸条を冷却するための冷却風が吹き出される冷却装置の上段までを指す。この口金面深度領域は所定のポリマーが口金孔から吐出され、糸条化される領域で、溶融紡糸の中でも製糸性、品質に大きな影響を与える極めて重要なゾーンの一つである。
例えば、単孔当たりの吐出量が多く、単糸繊度の太い品種であれば、糸条が冷却固化するまでの距離は長い距離が必要で、この場合は口金深度が深い装置が必要である。
逆に、単糸繊度の細い品種は糸条の冷却固化が早く終了するので口金面深度は浅い方が好ましい。
また、例えば、高粘度ポリマーで紡糸温度の高い品種では、吐出されてから糸条が冷却固化するまでには長い距離が必要となり、この場合は口金面深度の深い装置が必要である。
逆に低粘度で紡糸温度の低い品種では、糸条の冷却固化が短距離で終了するので口金面深度は浅い方が好ましい。
すなわち、口金吐出孔から吐出されたポリマーが糸条化するときの持ち込む熱量が多ければ、冷却固化するまでの距離は長くなり、逆に少なければその距離は短くなるのである。
そして、従来技術においては、品種切り替えをするたびに、口金面深度を適正化する装置の入れ替え、取り付けが頻繁に行われていた。
このように品種切り替え時の人手による煩雑な作業を簡素化し、装置化する提案もなされている。例えば、特許文献1には「高速紡糸法により、合成繊維を製造するに際し、紡糸口金より、溶融紡出された糸条を均一でかつ安定した冷却を行うとともに、紡糸口金および紡糸口金近傍の温度低下を起こすことなく紡糸することができ、単糸切れやたるみ糸のない良好なパッケージとして巻き取れ、繊度斑がなく、品質バラツキのない合成繊維を得ることができる合成繊維の溶融紡糸装置とそれを用いた溶融紡糸方法。」が開示されている。そしてその効果は「高速紡糸法により、ポリエステルマルチフィラメント糸を繊度斑、およびバラツキがなく、安定して製造することが可能となるポリエステルマルチフィラメント糸の溶融紡糸装置と溶融紡糸方法。」とされている。
しかしながら、上記の提案は「紡糸口金を備えた溶融押し出し装置および該紡糸口金より紡糸された合成繊維を冷却する冷却風の吹き出し部を有する環状冷却装置を有する合成繊維の溶融紡糸装置。」であり、口金面深度の可変に関しては何ら検討も示唆もなされていない。
また、特許文献2には、「従来の複雑な機械構成と人手による調整を簡素化し、安価な昇降給油計量吐出ノズル装置を備えた合成繊維の製造装置を提供する。」技術が開示されている。その効果は、「冷却風での糸張りに対し、計量吐出ノズル位置の前後調整が不要となり、昇降装置のフレーム本体を冷却装置の下方で納め、昇降装置を2重スライダーに構成することで、中太糸の場合は冷却ゾーンが全て生かせ、極細糸の場合は冷却ゾーンの中央まではみ出し、生産品種の冷却と油剤付与が適切である。」としている。これは、「合成繊維を吐出する口金と、該吐出された繊維を冷却する冷却装置と、該冷却糸条に油剤を付与し、上下方向に昇降可能に設けられた油剤付与装置を備えた合成繊維の製造装置において、該油剤付与装置が口金中心と該油剤付与装置の最下降位置の口金中心からのオフセット量とを結ぶ線に沿って昇降可能に油剤付与装置昇降手段」であり、油剤の付与に関しては効果を発揮できる。しかしながら、口金面深度の可変に関しては何ら検討も示唆もなされていない。
また、特許文献3には「ポリエステル繊維、なかでも共重合ポリエステルポリマーを使用した紡糸工程において、口金表面に塗布したシリコーン油の流動性を長期間維持するとともに口金吐出孔付近の汚れ付着を抑制し、修正間隔を著しく延長して安定して連続運転可能な溶融紡糸方法」が開示されている。これは、口金吐出孔の汚れ抑制の技術に関するものであり、口金面深度の可変に関しては何ら検討も示唆もなされていない。
以上の通り、口金面深度の可変装置は、重要な技術であるにもかかわらず研究、開発が遅れているのが実情である。これらの技術が生産に適用されれば画期的なことで、生産機会の損失を最小限に食い止めることが可能となるばかりか、製糸性、品質の安定した製品を供給することが可能となる。
特開2006−225792号公報 特開2005−281902号公報 特開2009−155770号公報
本発明の目的は、同一溶融紡糸装置で多品種の合成繊維を製造するに際し、複雑な装置変更等の作業を伴わずに、良好な品質・操業性を得るために、口金面深度を容易に変更可能な製造装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、合成繊維を溶融押し出しする押出機、押出機より押し出されたポリマーを計量分配する加熱ボックス、加熱ボックス内に設けられ、かつ計量分配されたポリマーを所望の繊維状に形成する口金を備えたパック、該口金より紡糸された複数の糸条を冷却風によって冷却する冷却装置、冷却装置を口金面に対して直角方向に移動可能とする冷却装置、該紡糸口金下面から冷却装置の上端までにある糸条を囲設するフードを備えた溶融紡糸装置において、該フードが口金下面から冷却装置の上端までの間で任意に伸縮かつ保持できることを特徴とする合成繊維の製造装置により達成できる。
本発明の合成繊維の製造装置によれば、同一溶融紡糸装置で多品種の合成繊維を製造するに際し、口金面深度変更のための複雑な装置変更等の作業を伴わずに、良好な品質・操業性を得ることが可能となる。
本発明の合成繊維の製造装置の一実施態様を示す概略工程図である。 本発明の口金面深度可変装置の一実施態様を示す概略正面図である。 本発明の口金面深度可変装置のフード内へ水蒸気を含んだ空気を流入させるための水蒸気供給装置の一実施態様を示す横断面図である。 本発明の口金面深度可変装置のフードを加熱するためのフードヒータの一実施態様を示す横断面図である。 本発明の口金面深度可変装置の口金面深度を任意の位置に設定する場合での一実施態様を示す概略正面図である。 本発明の口金面深度可変装置の最下端位置での一実施態様を示す概略正面図である。
本発明の合成繊維の製造装置、すなわち口金面深度可変装置は、ポリマーが吐出する口金下面から糸条を冷却するための冷却風が吹き出される冷却装置の上段までの長さ、すなわち口金面深度を任意に可変する装置である。
可変する手段について一例を挙げると、案内機構としてシリンダーを有したスライドレールを用い、位置決め部にはクランプ式のストッパーを用い、周囲空間との遮断手段としては2重筒状のフードにOリングシールを設けたものがある。また一例を挙げたもの以外でも案内機構として、サーボモータとボールネジを用い、位置決め部には駆動源を任意の位置で停止し位置を決める位置検出センサーを用い、周囲空間からフード内を遮断する手段として、伸縮可能なベローズフードを用いたりすることができる。したがって、口金面深度を可変する手段については上記の一例であげたものに限定されるものではない。
また、口金面深度可変装置にはフード内への水蒸気供給装置が組み込まれていてもよい。この水蒸気供給装置について簡単に説明する。
一般に熱可塑性ポリマーの溶融紡糸においては、ポリマー中に含まれる低分子物質や、ポリマーの熱分解によって生じる物質、更には重合段階で添加される触媒や艶消し剤などの無機粒子等が紡出糸から遊離して、口金吐出孔付近に付着して劣化し口金汚れとなる。この口金汚れが増加すると、紡出糸条がピクついたり、曲がったり、最終的には糸切れとなり紡糸トラブルを引き起こす。ポリエステルについても同様であり、特にイソフタル酸やポリアルキレングリコールを共重合させたポリエチレンテレフタレートを紡糸した場合や、添加剤を多量に含有したポリマーを紡糸する場合は口金吐出孔の汚れが顕著に現れる。
水蒸気供給装置とは、これら、口金面の汚れを防止し、安定した製糸を行うためのもので、口金吐出面直下域に適量の水蒸気を含んだエアーを供給する装置であり、こうすることで口金表面に塗布したシリコーン油の流動性を長期間維持するとともに口金吐出孔付近の汚れ付着を抑制し、口金修正間隔を延長し、作業の要員、生産ロスの減少を図るとともに、安定した連続運転を可能とするものである。
また、口金面深度可変装置にはフードヒータが組み込まれていてもよい。このフードヒータについて簡単に説明する。口金面深度を浅くすると紡糸室の雰囲気温度の影響を受け易くなり、口金面温度が低下する。ここで、通常のポリエステルの紡糸温度は270℃〜300℃が一般的である。これに対して紡糸室内の雰囲気温度は50℃以下が一般的である。従って、口金面深度が浅くなれば浅くなるほど口金面は外気温度、すなわち、紡糸室内温度の影響を受け、口金面が冷やされることになり、極端な場合には低温紡糸となり、曳糸性が低下し、糸切れが多発する。このような状態を回避するために、口金面深度を浅くしても口金面温度が低下しないように、本発明の口金面深度可変装置にはあらかじめフードヒータを組み込んだものである。このようにフードヒータを組み込むことで吐出孔の出口近傍の温度を自由にコントロールでき、該当品種に最適な口金面温度を採用することが可能となるのである。
本発明の口金面深度可変装置は、口金面深度を簡単に変更することができ、水蒸気供給装置とフードヒータを備えているので紡出糸条の単糸繊度の太細、単糸数の多少に影響を受けることが少なく、単糸繊度であれば延伸糸換算で0.1デシテックス〜20デシテックスの範囲が好ましく製造できる。
また、単糸数であれば1フィラメント〜200フィラメントまでの生産が可能である。
また、ポリマーの固有粘度(以下IV)は0.45〜1.20まで広範囲のIVに対応可能である。これらは紡糸温度の高低に関係なく口金面深度を適正化し、口金面温度を最適温度に保つことができるためである。
また、共重合ポリマー、添加剤の多少に関しても広範囲に生産適用が可能である。これは、口金面深度を適正化させた条件で水蒸気供給装置が適用できることに起因しており、ポリエステルであれば、ほぼ例外なしに好ましく生産適用が可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で製造し得る合成繊維は、ポリエステルやポリアミドなどの溶融紡糸できる合成繊維であれば、特に、限定されるものではない。
例えば、上述の如くホモポリマー、共重合ポリマー、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を含んでいてもよい。
本発明で用いられる合成繊維は、単成分紡糸でも、複合紡糸でもよく、複数成分紡糸の場合には、例えば、芯鞘、サイドバイサイド、海島複合、混繊等の構成が挙げられる。また繊維の断面形状は、丸、三角、扁平等の異形状や中空であってもよい。
本発明において対象とする合成繊維、単繊維繊度、フィラメント数は、目的に応じて適宜選択することが可能となる。
以下、本発明の合成繊維の製造装置、製造方法の一実施例について、図面により説明する。
図1は、本発明の合成繊維の製造装置の一実施態様を示す概略工程図である。
図1において、合成繊維の製造装置は、加熱ボックス1、パック2、口金3、水蒸気供給装置4、フードヒータ5,口金面深度可変装置6,口金面深度領域7,冷却装置8,油剤付与装置9、引き取りローラー10、11および巻き取り装置12を備えている。また、Lは口金面深度、Yは紡出された糸条を示している。
図1において、水蒸気供給装置4から吹き出される水蒸気を含んだエアーで口金面を湿潤し、フードヒータ5で口金面を適正に加熱された状態にある口金3の吐出孔から紡出された糸条Yは、口金面深度領域7を通過する。この口金面深度領域7には、加熱ボックス1の下端に水蒸気供給装置4、フードヒータ5を備えた口金面深度可変装置6が取り付けられている。
口金面深度領域7を通過した糸条は、冷却装置8から吹き出される冷却風により冷却され、油剤付与装置9で油剤を付与された後、一対の引き取りローラー10、11を介して巻き取り装置12により巻き取られる。
以下、本発明の合成繊維の製造装置である水蒸気供給装置、フードヒータを備えた口金面深度可変装置について、図2を参照しつつ詳細に説明する。
図2は、本発明の口金面深度可変装置の一実施態様を示す概略正面図である。
図2において、13はスライドレール軸、14はスライダープレート、15はシリンダー、15’はシリンダーピストン、16はブラケット、17は上側クランプ式ストッパー、17’は下側クランプ式ストッパー、18は上側フード、19は下側フード、20はOリング、Lは口金面深度を示している。
本発明の口金面深度可変装置は次の3つの機構より構成される。
(1)案内機構
加熱ボックス下面に口金面に対して直角方向に取り付けられた円柱状のスライドレール軸13に、スライダー軸受けとその軸受けを係合したスライダープレート14がはめ込まれており、スライドレール軸13に沿ってスライダー軸受けとともにスライダープレート14が口金面に対して水平方向にずれることなく、直角方向に可動することができる。さらにこのスライダープレート14には、本装置の可動位置に干渉しない位置に設けられたシリンダー15のシリンダーピストン15’がスライダープレート14に係合されているブラケット16を介して締結されており、シリンダーピストン15’が昇降することによって、ブラケット16を介してスライダープレート14を口金面に対して直角方向に昇降させる。これにより、口金下面から冷却装置上端すなわちスライダープレート14下面が可変することで口金面深度Lを可変する。このスライダープレート14の下面には前記のとおり冷却装置8の上端が密着するため、密着部に隙間ができないようゴム製のパッキン等を挟んで接着させることが好ましい。また、シリンダー15の駆動源については、圧空、油圧、電動などが考えられるが、装置の昇降に必要な力や装置の設置環境によってそれぞれの駆動源を選定すればよく、特に特定の駆動源は規定しない。
また、案内を行うスライド機構についても、リニアガイドやボールスプライン等のスライド機構を用いてもよい。
(2)位置決め機構
スライドレール軸13にはスライダープレート14を挟んだ上側・下側の2箇所にクランプ式ストッパー17、17′が設けられている。これらのストッパー17、17′はスライドレール軸13に沿って口金面に対して直角方向に可動しつつ、スライドレール軸13を挟み込むようにクランプすることでストッパー17、17′をスライドレール軸13に沿った任意の位置で固定することができる。任意の位置で固定された上側のストッパー17は、スライダープレート14が上昇した際、ストッパー17の本体にスライダープレート14が押し当たることで、スライダープレート14のスライド上端位置を規制する。このスライダープレート14の規制された上端位置が口金3下面からスライダープレート14下面までの口金面深度Lを規定するものとなる。また、同様に下側のストッパー17’はスライドレール軸13の最下端に固定されており、スライダープレート14が下降した際、スライドプレート14のスライド下端位置を規制する。下側のストッパー17’は、スライダープレート14の落下防止および、上側ストッパー17の位置変更時のスライダープレート待機位置として利用される。したがって、これらのストッパー17をスライドレール軸13の任意の位置に移動し固定することで、口金面深度Lを任意の位置に可変することが可能となる。ストッパーの固定方法は、ストッパーの位置変更が簡素化できるようスライドレール軸に開けた穴にストッパーピンを差し込む方法やセットビスによる締め付け固定などを用いてもよい。
(3)周囲空間との遮断手段
加熱ボックス下面とスライダープレート14の上面にそれぞれ内径の異なった筒状のフード18、19を設け、上側フード18の内径部に下側フード19を差し込むように2重の筒形状で取り付けられている。上側フード18の内面には円周方向全周にわたり溝を設け、その溝に沿ってOリング20をはめ込むことで、下側フード19がスライダープレート14とともに口金面に対して直角方向に可動しても、二つのフードの間をOリング20がシールするため、フード両端面以外の周囲空間からフード内を遮断するよう糸条Yを囲設できる。
本発明の口金面深度可変装置に組み込まれた水蒸気供給装置について説明する。
水蒸気供給装置とは、口金面の汚れを防止し、安定した製糸を行うためのもので、口金吐出面直下域に適量の水蒸気を含んだエアーを供給する装置であり、こうすることで口金表面に塗布したシリコーン油の流動性を長期間維持するとともに口金吐出孔付近の汚れ付着を抑制し、口金修正間隔を延長して安定した連続運転を可能とするものである。
図3は本発明の口金面深度可変装置のフード内へ水蒸気を含んだ空気を流入させるための水蒸気供給装置の一実施態様を示す横断面図である。図3において、1は加熱ボックス、2はパック、3は口金、18は上側フード、21はフードに気体を流入させるための気体流入管、22は気体流出筒、Aは含水気体、Yは紡出された糸条である。
溶融紡糸されたポリマーは、加熱ボックス1に装着されたパック2の下部に取り付けられた口金3の細孔より押し出される。紡出された糸条Yはフード、冷却装置により徐冷されながら通過し巻き取られる。この際、フード内には予め混合した水蒸気を含んだ空気Aを気体流入管21と上側フード18を通して気体流出筒22の上部より流入させ、フード内の雰囲気を調整する。フード内の雰囲気を均一化するためには気体流入管21の形状は環状であることが望ましい。
本発明の口金面深度可変装置に組み込まれたフードヒータについて説明する。
口金面深度を浅くすると紡糸室の雰囲気温度の影響を受け易くなり、口金面温度が低下する。これは、通常のポリエステルの紡糸温度は270℃〜300℃が一般的である。これに対して紡糸室内の雰囲気温度は50℃以下が一般的である。従って、口金面深度が浅くなれば浅くなるほど口金面は外気温度、すなわち、紡糸室内温度の影響を受け、口金面が冷やされることになり、極端な場合には低温紡糸となり、曳糸性が低下し、糸切れが多発する。このような状態を回避するために、口金面深度を浅くしても口金面温度が低下しないように口金面深度可変装置にはあらかじめフードヒータを組み込むものである。その結果、口金吐出孔の温度をフードヒータによって自由にコントロールでき、該当品種に最適な口金面温度を採用することが可能となる。
図4は本発明の口金面深度可変装置のフードを加熱するためのフードヒータの一実施態様を示す横断面図である。図4において、1は加熱ボックス、2はパック、3は口金、5はフードヒータ、18は上側フード、19は下側フード、23は温度検出部、A’は加熱気体を示している。
フードヒータ5にはアルミの鋳込みヒータを用い、上側フード18の外周部に鋳込みヒータを固定することで上側フード18の加熱を行う。フードヒータ5には温度検出部23が設けられており、この温度検出部23から検出された温度をもとにフードヒータ5の温度コントロールを行う。フードヒータ5による上側フード18の加熱によって、フード内空気の温度を任意の温度にコントロールする。フードヒータ5によって加熱されたフード内加熱空気Aは口金3面に接触することで、口金吐出孔の温度を任意の温度にすることが可能となる。フードヒータについてはアルミ鋳込みヒータ以外にも真鍮鋳込みヒータやバンドヒータ等が考えられるが、使用温度に合わせて適宜選定すればよく、特に特定のヒータは規定しない。
本発明は合成繊維の製造装置で、紡糸機本体の加熱ボックス下端に取り付けられ、水蒸気供給装置、フードヒータを備えた口金面深度可変装置で、口金面深度を品種毎の適正値に合わせ可変可能とした合成繊維の製造装置である。
図1に示すように、口金面深度可変装置6は冷却装置8の直上の位置に配置されている。口金面深度可変装置6に組み込まれているスライダープレートは30〜200mmの範囲で口金面に対して直角方向に昇降可能であり、この昇降と連動し2重筒状の伸縮するフードがフード両端面以外の周囲空間からフード内を遮断するよう糸条を囲設したまま、口金面深度Lをスライダープレートの昇降と同等の30〜200mmの範囲で可変を可能としている。また、冷却装置8についても口金面深度を可変する際には同様に冷却装置8の上段位置を可変する必要があるため、口金面深度可変装置6と同様の範囲で昇降するになっている。
図5は本発明の口金面深度可変装置の口金面深度を任意の位置に設定する場合での一実施態様を示す概略正面図である。
図5に示すように合成繊維の製造時には、口金面深度可変装置のスライダープレート14は、シリンダーピストン15’の上昇とともに、スライドレール軸13の任意の位置で固定された上側のクランプ式ストッパー17に押し当たり停止しつつ、スライダープレート14の上昇と連動した二重筒状のフード18、19がフード両端面以外の周囲空間からフード内を遮断するよう糸条を囲設したまま縮むことで、任意の口金面深度Lを保持する。また、冷却装置8についても同様にスライダープレート14下面に冷却装置8の上端を密着するまで上昇させることで、スライドプレート14下面との隙間をなくし、任意の口金面深度Lを保持したまま、糸条の冷却を行う。
図6は本発明の口金面深度可変装置の最下端位置での一実施態様を示す概略正面図である。
図6に示すように合成繊維の製造時以外や、口金面深度Lを可変する際には、口金面深度可変装置のスライダープレート14は、シリンダーピストン15’の下降とともに、スライドレール軸13の最下端の位置で固定された下側のクランプ式ストッパー17’にのしかかり停止しつつ、スライダープレート14の下降と連動した二重筒状のフードが伸び、スライドレール軸13の最下端の位置で待機する。この待機位置の状態で、上側のクランプ式ストッパー17のクランプを解除し、スライドレール軸13に沿った任意の位置に変更することで、口金面深度Lを可変することができる。
本発明は、更には加熱ボックス下端に取り付けられた口金面深度可変装置のフード内に水蒸気供給装置を備えたものである。合成繊維の製造時にはフード内に適量の水蒸気を含んだエアーを供給し、口金表面に塗布したシリコーン油の流動性を長期間維持するとともに口金吐出孔付近の汚れ付着を抑制し、口金修正間隔を延長して安定した連続運転を可能とするものである。
本発明は、また加熱ボックス下端に取り付けられた口金面深度可変装置のフードにフードヒータを備えたものである。合成繊維の生産時には、二重筒状のフードでフード両端面以外の周囲空間からフード内を遮断することで、室内温度による影響を最小限にしつつ、フードヒータでフードを加熱することで、口金面温度を任意の温度にコントロールし、低温度紡糸による糸切れを防ぎ安定した連続運転を可能とするものである。
1:加熱ボックス
2:パック
3:口金
4:水蒸気供給装置
5:フードヒータ
6:口金面深度可変装置
7:口金面深度領域
8:冷却装置
9:油剤付与装置
10:引取ローラー(前側)
11:引取ローラー(後側)
12:巻き取り装置
13:スライドレール軸
14:スライダープレート
15:シリンダー
15′:シリンダーピストン
16:ブラケット
17:上側クランプ式ストッパー
17′:下側クランプ式ストッパー
18:上側フード
19:下側フード
20:Oリング
21:気体流入管
22:気体流出管
23:温度検出部
A:含水気体
A′:加熱気体
L:口金面深度
Y:糸条

Claims (4)

  1. 樹脂を溶融押し出しする押出機、押出機より押し出されたポリマーを計量分配する加熱ボックス、加熱ボックス内に設けられ、かつ計量分配されたポリマーを所望の繊維状に形成する口金を備えたパック、該口金より紡糸された複数の糸条を冷却風によって冷却する冷却装置、冷却装置を口金面に対して直角方向に移動可能とする移動装置、該紡糸口金下面から冷却装置の上端までにある糸条を囲設するフードを備えた溶融紡糸装置において、該フードが口金下面から冷却装置の上端までの間で任意に伸縮かつ保持できることを特徴とする合成繊維の製造装置。
  2. 前記フードは筒状とし、筒の上端面全周は、加熱ボックス、パック、口金のいずれかに接触し、他方の筒の下端面は冷却装置に接触しており、口金面に対して直角方向に伸縮せしめる案内機構と、フードの伸縮長さを任意の長さで保持する位置決め部を有し、かつ伸縮するフード内をフード両端面以外の空間から遮蔽する手段を有したこと特徴とする請求項1記載の合成繊維の製造装置。
  3. 前記フード内に水蒸気を含んだ空気を供給する手段を有したことを特徴とする請求項1または2記載の合成繊維の製造装置。
  4. 前記フード外周にヒータを設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の合成繊維の製造装置。
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