次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技媒体としてパチンコ球(遊技球)を用いて遊技が行われるよう構成されたパチンコ機10を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤30を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤30の裏側に、所定の判定条件の成立(後述する始動入賞部50へのパチンコ球の入賞)を契機として、演出用の図柄(以下演出図柄という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出表示手段としての図柄表示装置25が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤30の遊技領域31と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護部材が窓口13aを覆うよう配設されており、遊技盤30を前側から透視可能な状態で保護している。また、前記前枠13における窓口13aの下方位置には、パチンコ球を貯留可能な球受け皿14,15が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上下の位置関係で2つの球受け皿14,15が組み付けられている。なお、前記上下の球受け皿14,15の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、中枠12や前枠13に、1つの球受け皿14のみを備える構成とすることもできる。
実施例のパチンコ機10の前面右下部(実施例では前枠13の前面右下部)には、図2に示すように、前記中枠12に配設された打球発射装置17を作動させる操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置17が作動されて、前記上側の球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤30に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置17によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域31へのパチンコ球の打ち出し位置を任意に変更し得るようになっている。すなわち、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤30に形成された第1の流下領域31a(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「左打ち遊技」と称される遊技形態、該遊技盤30に形成された第2の流下領域31b(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「右打ち遊技」と称される遊技形態とに切り替えて遊技を行い得るようになっている。
また、前記前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の上部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置25での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。ここで、実施例の図柄表示装置25としては、複数の演出図柄を周面に形成した複数(例えば3つ)のドラム(表示部)25aを回転自在に備え、各ドラム25aを回転することで各種演出図柄の組合せを表示可能なドラム式の図柄表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、液晶式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の演出図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
図2に示すように、前記パチンコ機10(実施例では中枠12)の後面上部には、パチンコ球を貯留可能な球タンク(図示せず)が配設されており、遊技店の図示しない球補給機構から補給されるパチンコ球を球タンクに貯留し得るように構成されている。前記球タンクが前記球受け皿14に対して図示しない球通路を介して連通するよう構成されると共に、当該球通路の経路途中に、払出制御基板(払出制御手段)310に接続する払出装置312(図7参照)が配設されている。すなわち、前記払出制御基板310の制御に基づいて払出装置312を作動することで、球タンクに貯留されたパチンコ球が賞球や貸球として球受け皿14に供給されるようになっている。なお、実施例では、球タンクを中枠12の後側上部に配設しているが、外枠11に球タンクを配設してもよく、また球タンク等を配設する部材を中枠12や外枠11とは別に設ける構成としてもよい。
また、実施例のパチンコ機10には、機前面側において遊技者が操作可能な位置に、操作手段としての操作ボタン22が設けられている。操作ボタン22は、前記図柄表示装置25で行われる演出を制御する演出制御基板302(図7参照)に接続されており、当該操作ボタン22の操作(押下)に応じて操作信号を演出制御基板302の演出制御CPU302aに出力するよう構成される。そして、操作信号が演出制御CPU302aに入力されることで、後述するように累積払出数の表示および非表示を切り替え得るよう構成される(図14参照)。なお、実施例では、前記上球受け皿14の上面に操作ボタン22が設けられている。
(遊技盤30について)
前記遊技盤30は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤30の裏面側に前記図柄表示装置25が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤30の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール33が配設されており、該案内レール33により画成された遊技領域31に、前記中枠12に配設された打球発射装置17から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤30には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品が配設されている。実施例の遊技盤30には、遊技盤設置部品として、枠状装飾部材40や各種入球部(始動入賞部50、特別入賞部55、普通入賞部58、ゲート部59等)を設置する装着口が形成されている。そして、前記遊技盤30において遊技領域31の最下部位置に、該遊技領域31の最下部位置まで流下したパチンコ球を外部に排出するアウト口35が開設されている。すなわち、前記打球発射装置17から発射されて遊技領域31を流下するパチンコ球が前記遊技盤30に設けられた入球部(始動入賞部50、特別入賞部55、普通入賞部58、ゲート部59等)に入球(入賞)することにより、入球した入球部に応じた賞球の払い出しや図柄変動演出の実行等の所定の遊技が行われ、遊技領域31の最下部まで流下したパチンコ球がアウト口35を介して機外に排出されるよう構成される。なお、前記装着口は、遊技盤30に対して取り付けられる遊技盤設置部品の配設位置や配設数等に応じて適宜に形成される。
(枠状装飾部材40)
実施例の前記遊技盤30には、図2に示すように、前記案内レール33で囲まれた遊技領域31の略中央で開口する装着口に、センター役物とも称される装飾部材40が取り付けられている。前記装飾部材40には、前後に開口する表示窓部41が形成されており、当該表示窓部41を介して前記図柄表示装置25のドラム25aを遊技盤30の前側から目視し得るようになっている。なお、以下の説明では、表示窓部41が設けられた装飾部材を枠状装飾部材40と指称するものとする。なお、枠状装飾部材40の表示窓部41は、透明パネルにより開口の全体または一部を塞ぐようにすることも可能である。
前記枠状装飾部材40は、図2に示すように、前記遊技盤30の前面より前方に突出する庇状部44と、該庇状部44の後縁から外方に延出する薄板状の台板部45とを備える。そして、前記台板部45を遊技盤30の前面に当接した状態で、該台板部45をネジ等の固定手段で遊技盤30に固定することで、枠状装飾部材40が遊技盤30に取り付けられて、該枠状装飾部材40の外側、具体的には庇状部44と案内レール33との間にパチンコ球が流下可能な遊技領域31が画成されるようになっている。なお、枠状装飾部材40を遊技盤30に取り付けた状態において、前記台板部45の前側をパチンコ球が通過可能に構成されている。
すなわち、遊技盤30に画成された前記遊技領域31は、前記枠状装飾部材40の左側に形成される第1の流下領域31aと、当該枠状装飾部材40の右側に形成される第2の流下領域31bとに区画されており、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することにより、パチンコ球を第1の流下領域31aに流下させる遊技形態(左打ち)およびパチンコ球を第2の流下領域31bに流下させる遊技形態(右打ち)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。そして、前記遊技領域31は、前記枠状装飾部材40の下方位置において第1および第2の流下領域31a,31bが合流するようになっており、当該第1および第2の流下領域31a,31bが合流する合流領域に前記アウト口35が形成されており、枠状装飾部材40の左側および右側を流下したパチンコ球がアウト口35まで流下し得るよう構成されている。
また、前記枠状装飾部材40には、図2に示すように、前記表示窓部41の下側(枠状装飾部材40の内周下縁部)にステージ46が配設されると共に、当該表示窓部41の左側部(第1の流下領域31a側の側部)を形成する庇状部44に、前記遊技領域31に開口すると共にステージ46に連通する球導入部47が設けられ、前記遊技領域31(第1の流下領域31a)を流下するパチンコ球を、当該球導入部47の枠状装飾部材40の内側(ステージ46)に取り込み得るよう構成されている。そして、球導入部47からステージ46に取り込まれたパチンコ球は、ステージ46の上面を左右に転動した後に、前記始動入賞部50の上方で遊技領域31に排出されるようになっている。すなわち、第1の流下領域31aを流下するパチンコ球を球導入部47およびステージ46を介して始動入賞部50の配設位置の上方まで誘導することで、球導入部47に取り込まれずに第1の流下領域31aを流下したパチンコ球よりも始動入賞部50に入賞し易くなるようにしている。
(第1の補助表示部70について)
また、実施例のパチンコ機10は、遊技盤30の前側から目視し得る位置に第1の補助表示部(第1の表示手段)70が配設されている。実施例では、前記枠状装飾部材40における前記表示窓部41(ドラム25a)の上方位置に、前記第1の補助表示部70が配設されている。前記第1の補助表示部70は、前記演出制御基板302に接続されており、前記始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機としてメイン制御CPU301aにおいて特図当り判定が行われた場合に、当該特図当り判定の結果に関する演出を実行可能に構成されている。ここで、特図当り判定の結果に関する演出としては、始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機として行われる図柄変動演出の結果として当り表示が表示される可能性を示唆する演出であったり、図柄変動演出において特定のリーチ演出が行われる可能性を示唆する演出である。また、前記第1の補助表示部70は、入賞口51,52,56,58aへの入賞を契機として行われる後述する払出演出を表示可能に構成されている。なお、払出演出は後に説明するものとし、ここでの説明は省略する。なお、第1の補助表示部70は、後述する表示制御用の表示制御基板303に接続するよう構成して、演出制御基板302からの制御信号に基づいて表示制御基板303が第1の補助表示部70の表示内容を制御するようにしてもよい。
実施例の第1の補助表示部70は、図8に示すように、略円形状に形成された左右に離間する複数(実施例では2つ)の表示部71,72が設けられると共に、当該左右の表示部71,72の下方に、左右横並びに設けられた複数の表示部73が設けられて、全体としてパチンコ機10がモチーフとする人形の頭部を模した形態として把握される形状に形成されている。なお、左右に離間する表示部を左表示部71および右表示部72と指称し、その下方に位置する表示部を分割表示部73と指称する場合がある。ここで、第1の補助表示部70に設けられた左右の表示部71,72は、個別に発光制御される点状の発光部(図示せず)を縦横に等間隔で複数備えたドットマトリックス状の表示部として形成されており、演出制御CPU302aの制御に基づいて各発光部における点灯位置および消灯位置を変化することで、適宜の図柄を表示し得るようになっている。また、前記各分割表示部73は、左右方向に隣接して複数設けられると共に、各演出制御CPU302aの制御に基づいて個別に発光制御し得るよう構成されており、前記払出演出において分割表示部73を発光させることで、パチンコ球の払出数を表し得るようになっている。なお、第1の補助表示部70の構成としては、実施例に示すものに限られ得ものではなく、液晶等の各種の図柄を表示可能な表示装置等を採用してもよく、また第1の補助表示部70に1つの表示部のみを備える構成とすることもできることは当然である。すなわち、第1の補助表示部70としては、当り判定手段による当り判定の結果に関する演出を表示し得ると共に、所定の払出演出を表示し得るものであれば、任意の構成の表示装置を採用できる。
(第2の補助表示部80について)
また、実施例のパチンコ機10は、遊技盤30の前側から目視し得る位置に第2の補助表示部(第2の表示手段)80が配設されている。実施例では、前記枠状装飾部材40における前記表示窓部41(ドラム25a)の下方位置に、前記第2の補助表示部80が配設されている。前記第2の補助表示部80は、図9に示すように、前記演出制御基板302に接続されると共に、数字を表示可能な複数の表示領域81を備えており、累積基準時以降に払い出されたパチンコ球の累積払出数を表示し得るよう構成されている。なお、累積払出数の表示に関しては後に説明し、ここでの説明は省略する。実施例の第2の補助表示部80は、左右横並びに複数(実施例では8個)の前記表示領域81が設けられると共に、各表示領域81に7セグメント表示器が設けられており、演出制御基板302に設けられた演出制御CPU302aの制御に基づいて最大で8桁の数値を表示し得るよう構成されている。なお、後述するように、第2の補助表示部80に累積払出数を表示する際には、累積払出数を表示する表示領域81の左右に隣接位置する表示領域81に識別表示を表示するよう構成されており、最大で6桁の累積払出数を第2の補助表示部80に表示し得るようになっている。なお、第2の補助表示部80としては、実施例に示すものに限られ得ものではなく、液晶式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の数値を表示可能な表示装置を採用できる。また、第2の補助表示部80は、表示制御用の表示制御基板303に接続するよう構成して、演出制御基板302からの制御信号に基づいて表示制御基板303が第2の補助表示部80の表示内容を制御するようにしてもよい。
また、前記遊技盤30には、前記遊技領域31内に多数の遊技釘37が設けられると共に、前記枠状装飾部材40の側方(実施例では左側方)に、遊技領域31を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材38が回転自在に支持されており、遊技釘37や回転案内部材38との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。なお、前記回転案内部材38は、回転中心から放射状に複数の接触片(図示せず)を有する所謂「風車」とも称される部材であって、接触片に対するパチンコ球の接触に伴って回転案内部材38が回転することでパチンコ球を弾くように左右方向へ放出するようになっている。
(始動入賞部50について)
前記始動入賞部50は、図2に示すように、前記枠状装飾部材40の下方位置(アウト口35の上方位置)に設けられて、パチンコ球が入賞可能な入賞口(始動入賞手段)として2つの始動入賞口51,52を上下の位置関係で備えている。上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)51は、遊技領域31内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、遊技領域31を流下するパチンコ球が一定の確率で第1始動入賞口51に入賞し得るようになっている。また、下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段)52は、開閉部材53により開放可能に閉鎖されており、駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL1(図7参照)の駆動に伴って開閉部材53が作動されることで、第2始動入賞口52が開放されるようになっている。すなわち、第2始動入賞口52は、始動入賞ソレノイドSL1の駆動によりパチンコ球の入賞確率を可変し得る可変始動入賞口となっている。なお、実施例の始動入賞部50は、前記第2始動入賞口52を挟む左右両側に、上端部が近接および離間するよう揺動可能な一対の開閉部材53が設けられ、当該一対の開閉部材53が始動入賞ソレノイドSL1の駆動に伴って動作することで、第2始動入賞口52を開閉するようになっている。
前記始動入賞部50は、前記第1および第2始動入賞口51,52に入賞したパチンコ球の排出経路に、パチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサSE1,SE2(図7参照)が設けられている。ここで、実施例では、各始動入賞口51,52に対応するよう前記始動入賞検出センサSE1,SE2が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口51に対応するセンサを第1始動入賞検出センサSE1と指称し、第2始動入賞口52bに対応するセンサを第2始動入賞検出センサSE2と指称するものとする。この始動入賞検出センサSE1,SE2は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板301(図7参照)に配線接続されている。
そして、何れかの始動入賞検出センサSE1,SE2からの球検出信号がメイン制御基板301のメイン制御CPU(メイン制御手段)301aに入力されること(すなわち第1および第2始動入賞口51,52へのパチンコ球の入賞)を判定条件として、当該判定条件の成立を契機としてメイン制御基板301のメイン制御CPU301aが特典遊技(大当り遊技や小当り遊技)を生起させるか否かを判定する特図当り判定(当り判定)を行うようになっている。具体的には、実施例のパチンコ機10では、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出に伴って各種情報(乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて特図当り判定が行われると共に、特図当り判定の結果に基づいて前記図柄表示装置25において図柄変動演出が実行されるよう構成されている。そして、特図当り判定の判定結果が当りの判定結果となった場合に、該図柄表示装置25での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置25のドラム25aに所定の当り表示となる組合せ(例えば同一演出図柄の3つ揃い等)で演出図柄が確定停止表示されることを条件(特典遊技生起条件)として、遊技者に有利な特典遊技(大当り遊技や小当り遊技等の特別遊技)が生起されるようになっている。ここで、前記メイン制御基板301には、前記図柄表示装置25を制御する演出制御基板302が配線接続されており、当該メイン制御基板301から入力される制御信号に基づいて演出制御基板302が図柄表示装置25を制御することで所定の図柄変動演出が実行されるようになっている。
また、何れかの始動入賞検出センサSE1,SE2からの球検出信号がメイン制御基板301のメイン制御CPU301aに入力されること(すなわち第1および第2始動入賞口51,52へのパチンコ球の入賞)を遊技媒体であるパチンコ球の払出条件として、該メイン制御CPU301aが所定数のパチンコ球を賞球(入賞特典)として払い出すことを決定するよう構成されている。すなわち、始動入賞検出センサSE1,SE2からの球検出信号の入力に基づいてメイン制御CPU301aがパチンコ球の払い出しを指示すると共にパチンコ球の払出数(賞球数)を指示する信号(払出指示信号)を払出制御基板310に対して出力するよう構成されており、当該払出指示信号に基づいて払出制御基板310が払出装置312を作動制御することで、前記球タンクに貯留されたパチンコ球が払出指示信号により指示された数のパチンコ球の払い出しを行うようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU301aは、払出条件の成立に基づいて遊技媒体(パチンコ球)の払い出しを指示する信号を払出制御手段に出力する指示手段として機能するよう構成されている。ここで、第1および第2始動入賞口51,52へのパチンコ球の入賞を契機として払出条件が成立した場合には、パチンコ球の入賞が発生した始動入賞口51,52の種類に応じた払出数を指示する払出指示信号をメイン制御CPU301aが払出制御基板310に出力するようになっている。実施例では、第1始動入賞口51へのパチンコ球の入賞を契機として、1個のパチンコ球(賞球)の払い出しを指示する払出指示信号を出力すると共に、第2始動入賞口52へのパチンコ球の入賞を契機として、2個のパチンコ球(賞球)の払い出しを指示する払出信号を出力するよう構成されている。なお、パチンコ球の入賞が発生した始動入賞口51,52の種類に関わらず、同じ数(例えば1個)の賞球払い出しを指示する払出信号をメイン制御CPU301aが出力するようにしてもよい。
また、実施例のパチンコ機10では、遊技媒体であるパチンコ球の払出条件が成立した場合に、払出指示信号に基づいて払い出されるパチンコ球の払出数を識別可能な払出数信号がメイン制御CPU301aから演出制御CPU302aに入力されるよう構成されて、当該払出数信号の入力に基づいて、当該演出制御CPU302aが前記第1の補助表示部70において払出演出を実行可能に構成されると共に、前記第2の補助表示部80において累積払出数の更新演出を実行可能になっている。ここで、パチンコ球の払出条件は、前記第1および第2始動入賞口51,52へのパチンコ球の入賞の他に、後述するように特別入賞部55や普通入賞部58へのパチンコ球の入賞により成立するようになっている。なお、払出数信号の入力に基づいて演出制御CPU302aで行われる制御処理に関しては、後に詳述する。
(特別入賞部55について)
実施例の特別入賞部55は、図2に示すように、前記枠状装飾部材40の下方位置(始動入賞部50の下方位置)に設けられている。前記特別入賞部55は、遊技領域31に開口する特別入賞手段としての特別入賞口56を開閉自在に閉成する開閉部材57を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイドSL2(図7参照)の駆動に伴って開閉部材57が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例の特別入賞部55の開閉部材57は、下端部側において左右に延在する回転軸(図示せず)を中心として回転可能に支持された扉状に形成されており、当該開閉部材57が特別入賞ソレノイドSL2の駆動に伴って回動することで、特別入賞口57を開閉するようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイドSL2は、前記始動入賞部50へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部55を開放する特図当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板301によって駆動制御される。
また、前記特別入賞部55には、前記特別入賞口56に入賞したパチンコ球を排出する排出経路に、パチンコ球を検出する入賞検出手段としての特別入賞検出センサSE3(図7参照)が設けられて、当該特別入賞検出センサSE3が前記メイン制御基板301に配線接続されるようになっている。そして、特別入賞検出センサSE3からの球検出信号がメイン制御基板301のメイン制御CPU301aに入力されること(すなわち特別入賞口56へのパチンコ球の入賞)を遊技媒体であるパチンコ球の払出条件として、該メイン制御CPU301aが所定数のパチンコ球を賞球(入賞特典)として払い出すことを決定するよう構成されている。すなわち、特別入賞検出センサSE3からの球検出信号の入力に基づいてメイン制御CPU301aが前記払出指示信号を払出制御基板310に対して出力するよう構成され、当該払出指示信号に基づいて払出制御基板310が払出装置312を作動制御することで、前記球タンクに貯留されたパチンコ球が払出指示信号により指示された数だけ払い出されるようになっている。ここで、実施例では特別入賞口56へのパチンコ球の入賞を契機として払出条件が成立した場合には、所定数(例えば15個)のパチンコ球(賞球)の払い出しを指示する払出指示信号を出力するよう構成されている。すなわち、特図当り遊技生起されて特別入賞部55の開閉部材57が作動されることで、特別入賞口56へのパチンコ球の入賞に伴い遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるようになっている。なお、特別入賞口56へのパチンコ球の入賞を契機として払い出される払出数は、これに限られないことは当然であり、適宜に定めることができる。
(普通入賞部58について)
前記普通入賞部58は、図2に示すように、前記遊技領域31の左右下部位置において、パチンコ球が入賞(入球)可能な普通入賞口58aが上方に常時開口するよう前記遊技盤30に設けられており、遊技領域31を流下するパチンコ球が一定の確率で普通入賞口58aに入賞し得るようになっている。実施例では、遊技領域31の左下部位置に3つの普通入賞部58が設けられると共に、当該遊技領域31の右下部位置に1つの普通入賞部58が設けられている。
また、前記普通入賞部58には、前記普通入賞口58aに入賞したパチンコ球を排出する排出経路に、パチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサSE4(図7参照)が設けられて、当該普通入賞検出センサSE4が前記メイン制御基板301に配線接続されるようになっている。なお、普通入賞検出センサSE4は、普通入賞部58毎に個別に設けても良く、また複数の普通入賞部58に共通する排出経路を設けて、当該共通の排出経路を通過するパチンコ球を1つの普通入賞検出センサSE4で検出するようにしてもよい。そして、普通入賞検出センサSE4からの球検出信号がメイン制御基板301のメイン制御CPU301aに入力されること(すなわち普通入賞口58aへのパチンコ球の入賞)を遊技媒体であるパチンコ球の払出条件として、該メイン制御CPU301aが所定数のパチンコ球を賞球(入賞特典)として払い出すことを決定するよう構成されている。すなわち、何れかの普通入賞検出センサSE4からの球検出信号の入力に基づいてメイン制御CPU301aが前記払出指示信号を払出制御基板310に対して出力するよう構成され、当該払出指示信号に基づいて払出制御基板310が払出装置312を作動制御することで、前記球タンクに貯留されたパチンコ球が払出指示信号により指示された数だけ払い出されるようになっている。ここで、実施例では普通入賞口58aへのパチンコ球の入賞を契機として払出条件が成立した場合には、所定数(例えば8個)のパチンコ球(賞球)の払い出しを指示する払出指示信号を出力するよう構成されている。なお、普通入賞口58aへのパチンコ球の入賞を契機として払い出される払出数は、これに限られないことは当然であり、適宜に定めることができる。
(ゲート部59について)
前記ゲート部59は、図2に示すように、上下に貫通するよう普図始動口59aが形成されており、遊技領域31を流下するパチンコ球がゲート部59の上方から下方へ通過し得るようになっている。また、ゲート部59には、当該ゲート部59(普図始動口59a)を通過するパチンコ球を検出するSE5が設けられている。このSE5は、前記メイン制御基板301(図7参照)に配線接続されているに配線接続されており、該SE5からメイン制御基板301への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って始動口開放判定条件が成立するようになっている。そして、始動口開放判定条件の成立に伴って始動口開放動作を行うか否かに関する始動口開放判定が行われ、該始動口開放判定の結果に応じて前記始動入賞部50の始動入賞ソレノイドSL1が駆動制御されて、当該開閉部材53が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、SE5によるパチンコ球の検出を契機として行われる始動口開放判定が始動口を開放する判定結果である場合に、前記始動入賞部50の第2始動入賞口52を所定の開放条件で開放する始動口開放動作が行われ、当該第2始動入賞口52へパチンコ球を入賞させ得る機会が与えられるようになっている。
(遊技情報表示部Dについて)
前記遊技盤30の所定位置(実施例では、遊技領域31の外側の右下部位置)には、前記メイン制御CPU301aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Dが設けられており、当該遊技情報表示部Dを目視することで、遊技に必要な遊技情報を遊技者が適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Dには、遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部D1,D2、特図保留表示部D3,D4、普図表示部D5および普図保留表示部D6等が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Dの前面は、光透過性のカバー体Daにより覆蓋保護されており、カバー体Daを介して遊技情報表示部Dに表示された遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部D1,D2について)
前記特図表示部D1,D2は、前記第1または第2始動入賞口51,52への入賞を契機として行われる特図当り判定の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図7に示すように、特図表示部D1,D2は、前記第1始動入賞口51への入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示部D1と、第2始動入賞口52への入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示部D2とからなり、各特図表示部D1,D2の何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1および第2始動入賞口51,52へのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定が行われることで、対応する第1および第2特図表示部D1,D2の発光表示部が順次点灯・消灯する変動表示(以下、特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。なお、実施例に係る各特図表示部D1,D2の各発光表示部は、識別可能な特定の文字や数字等を表示不能な形態で複数個のLEDを配列することにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、小数点表示可能な7セグメント表示部や、ドットマトリックス表示部、小型の液晶表示部、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。すなわち、特図表示部D1,D2は、特図当り判定の判定結果を示す特別図柄を変動および停止表示する特別図柄表示手段である。
具体的には、各特図表示部D1,D2において表示し得る特図としては、特別遊技の当選を認識し得る特図当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、特別遊技の非当選(はずれ)を認識し得る特図はずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部D1,D2に対応して夫々設定されて、特図当り判定の結果に基づいて決定された1つの特図が、特図変動表示の結果として、各特図表示部D1,D2に確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部D1,D2において表示し得る大当り図柄やはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部D1,D2の何れかに、特図当り表示としての特図が表示されることで、特図当り表示に対応した特別遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部D1で行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部D1に確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部D2で行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部D2に確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部D3,D4について)
前記特図保留表示部D3,D4は、前記第1または第2始動入賞口51,52にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM301c)に特図始動保留情報として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図7に示すように、前記特図保留表示部D3,D4は、前記第1始動入賞口51にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM301cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部D3と、第2始動入賞口52にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM301cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部D4とからなり、各特図保留表示部D3,D4の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部D3が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部D4が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部D3,D4の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部D3で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口51へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。また、前記第2特図保留表示部D4で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口52の何れかへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部D3,D4の夫々は、上下に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部D3,D4が上から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部D3,D4が上から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部D5について)
前記普図表示部D5は、前記SE5のパチンコ球の検出(ゲート部59のパチンコ球の通過)を契機として行われる始動口開放判定の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図7に示すように、普図表示部D5では、SE5のパチンコ球の検出(ゲート部59のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を表示するようになっている。具体的には、上側のLEDだけが点灯する発光態様および下側のLEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。そして、前記普図表示部D5の最終的な点灯結果から始動口を開放することを示す普図当りまたは始動口を開放しないことを示す普図はずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合には、普図表示部D5の上側のLEDが点灯表示され、普図はずれの場合には普図表示部D5の下側のLEDが点灯表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、普図はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。すなわち、普図表示部D5は、始動口開放判定の判定結果を示す普通図柄を変動および停止表示する普通図柄表示手段である。
(普図保留表示部D6について)
前記普図保留表示部D6は、前記ゲート部59をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(始動口開放判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM301c)に普図始動保留情報として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部D6は、図7に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部D6の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部D6で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部59をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部D6は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部D6が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部D6が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(図柄表示装置25について)
前記図柄表示装置25には、図2に示すように、前記演出図柄を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記始動入賞口51,52への入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの演出図柄が変動開始されるようになっている。また、図柄表示装置25には、各図柄列26a,26b,26c毎に組合せの対象となる演出図柄が確定停止表示される組合せ図柄位置27が設定されて、図柄変動演出の結果として当該組合せ図柄位置27の夫々に停止表示された演出図柄の組合せが予め定められた当り表示となる場合に特図当り判定が当りの判定結果であることが報知されるよう構成されている。実施例の図柄表示装置25には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に演出図柄の組合せ図柄位置27が1箇所ずつ定められており、3列の演出図柄からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例では、3列の図柄列26a,26b,26cに対応した3つの演出図柄の組合せで当りか否かを報知し得るよう構成されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置25の各図柄列26a,26b,26cにおける演出図柄の表示範囲は、第1特図表示部D1および第2特図表示部D2に比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して演出図柄が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置25の組合せ図柄位置27に確定停止表示された図柄組合せから当りやはずれを認識できる。
前記図柄表示装置25には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って演出図柄が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている演出図柄が各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で演出図柄が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する演出図柄の変動タイミングを基本として、図柄表示装置25で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて演出図柄の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。なお、特定演出モードにおける演出図柄の表示制御に関しては、後に詳述する。
また、前記図柄表示装置25では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置27に演出図柄が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの演出図柄が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる演出図柄(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。ここで、演出図柄の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて組合せ図柄位置27に演出図柄が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、第1始動入賞検出センサSE1の検出に基づく図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間として600ms(ミリ秒)が設定され、第2始動入賞検出センサSE2の検出に基づく図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として600msが設定されている。また、演出図柄の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて組合せ図柄位置27に留まるよう表示された演出図柄が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、演出図柄の仮停止には、組合せ図柄位置27において演出図柄がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。また、「演出図柄の変動」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、組合せ図柄位置27に演出図柄が認識可能な状態で表示されていない状態であって、組合せ図柄位置に表示される演出図柄が所定順序で変化したり、組合せ図柄位置に演出図柄が表示されていない状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部D1と図柄表示装置25では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と演出図柄とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部D2と図柄表示装置25では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と演出図柄とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部D1,D2において特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部D1,D2で特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM301cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る図柄表示装置25には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の演出図柄として設定されており、該基本の演出図柄が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、演出図柄としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各演出図柄を区別して識別し得る形態とされる。実施例の演出図柄は、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる演出図柄の中から適宜に設定しても、基本となる演出図柄以外に定めた特別な演出図柄を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置25における各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置27に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの演出図柄が当りの図柄組合せであった場合に、当り遊技(大当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組合せとして、各図柄列の組合せ図柄位置27に同じ演出図柄が確定停止表示される図柄組合せ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる演出図柄の図柄組合せが、図柄表示装置25に表示される大当り表示(当り表示)となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、図柄表示装置25で変動表示される前述した基本の演出図柄とは別に、特殊演出図柄(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の組合せ図柄位置27の何れか(例えば中図柄列26bの組合せ図柄位置C)に特殊演出図柄が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技が発生する可能性を認識できる演出図柄の図柄組合せが、図柄表示装置25に表示される大当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置25の組合せ図柄位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組合せ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる演出図柄の図柄組合せが、図柄表示装置25のはずれ表示となる。但し、このような3列の演出図柄が全て同一でない図柄組合せのうち、特定の図柄組合せを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組合せとは、当該図柄組合せから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組合せの具体例としては、3列の演出図柄が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組合せ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの演出図柄が同一で、右図柄列26cの演出図柄の値が1つずれた図柄組合せ(例えば、「778」)、3列の演出図柄が所定の語呂合せとなる図柄組合せ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組合せは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る演出図柄の図柄組合せとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ演出図柄が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ演出図柄が停止表示された図柄組合せ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の演出図柄は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)の演出図柄が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の演出図柄が確定停止表示されるようになっている。
このように、図柄表示装置25は、図柄変動演出を表示すると共に複数の演出図柄を停止表示する演出表示手段である。そして、演出表示手段としての図柄表示装置25に、組合せの対象となる演出図柄(演出図柄)が停止表示される複数の組合せ図柄位置が設定されて、当該組合せ図柄位置の夫々に停止表示された演出図柄の組合せが予め定められた当り表示となる場合に特図当り判定の判定が当り判定であることが報知されるよう構成されている。
また、前記図柄表示装置25には、第1特図表示部D1および第2特図表示部D2で行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた演出図柄の図柄組合せが表示される。すなわち、第1特図表示部D1および第2特図表示部D2に表示される特図と、図柄表示装置25に表示される演出図柄の図柄組合せとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部D1および第2特図表示部D2に特図が確定停止されると共に、図柄表示装置25の各図柄列26a,26b,26cに演出図柄が確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する演出図柄の図柄組合せは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の演出図柄による図柄組合せの中から1つの演出図柄による図柄組合せが選択されるようになっている。
(確変状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口56へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口56へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りとなる当選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、170/65536)から高確率(実施例では、1700/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの当選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例では、確変状態が付与される大当り遊技の場合には、大当り遊技終了後、所定回数(確変回数)の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。実施例では、大当り遊技終了後、100回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることも可能である。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口52へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口52を開放する開閉部材53の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口52へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口52を開放する開閉部材53の開放時間を増やすに際しては、開閉部材53の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材53の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせてよう設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口52へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
すなわち、実施例では、非変短状態において普図表示部D5で行われる普図変動表示の変動時間が3600msに設定され、変短状態において普図表示部D5で行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い520msの何れかに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部D5で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り判定の当選確率が低確率(実施例では、1125/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り判定の当選確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り判定の当選確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、480msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材53が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、第2始動入賞口52の開閉部材53が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、第2始動入賞口52の開閉部材53は開放してから所定時間(実施例では1140ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を3回行うようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、第2始動入賞口52の開閉部材53の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口52への入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材53を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、開閉部材53を閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が定められている。具体的に、実施例では、変短状態が付与される大当り遊技の場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して変短状態が付与されるよう構成されており、この変短回数は、前述した確変回数と同じ回数に設定されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り遊技終了後、100回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して変短状態が付与されるよう設定してある。なお、変短状態が付与される期間(変短回数)は、これに限られるものではなく、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、確変回数より多い回数あるいは確変回数より少ない回数とすることもできる。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部D1または第2特図表示部D2に大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞部55の開閉部材57が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞部55の開閉部材57を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば4回、16回等)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口56に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉部材57が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部D1に表示可能な200種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄Bの2つのグループに分類されており、第1特図表示部D1に確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部D2に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄bの2つのグループに分類されており、第2特図表示部D2に確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。そして、実施例では、図柄Aには、70種類の特図1が振り分けられており、図柄Bには、30種類の特図1が振り分けられている。同様に、図柄aには、70種類の特図2が振り分けられており、図柄bには、30種類の特図2が振り分けられている。なお、大当り遊技の種類は、これに限られるものではなく、適宜に設定可能である。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aおよび図柄aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU301aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Aまたは図柄a(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では71回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるか、次回の大当り遊技が生起されるまで確変状態および変短状態が継続して付与されるよう設定されている。また、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉部材57が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第1の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、第1の大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「13.0(秒)」が設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bおよび図柄bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU301aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Bまたは図柄b(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では71回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるか、次回の大当り遊技が生起されるまで確変状態および変短状態が継続して付与されるよう設定されている。また、前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉部材57が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第2の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、第1の大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「13.0(秒)」が設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図7に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)301と、該メイン制御基板301からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)302,303,304,305とが設けられている。すなわち、メイン制御基板301では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板302,303,304,305に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板302と、図柄表示装置25での表示内容を制御する表示制御基板303と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板304と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板305とを備えている。すなわち、メイン制御基板301が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板302が表示制御基板303、ランプ制御基板304および音制御基板305を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板303は、演出制御基板302から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置25に表示される図柄(演出図柄)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板304は、演出制御基板302から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板305は、演出制御基板302から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板301について)
前記メイン制御基板301は、図7に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU301a、該メイン制御CPU301aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM301b、当該メイン制御CPU301aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM301c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサSE1,SE2、特別入賞検出センサSE3、普通入賞検出センサSE4、ゲートセンサSE5等の各種センサが前記メイン制御CPU301aに接続されている。また、メイン制御CPU301aには、遊技情報表示部Dの各表示部(第1および第2特図表示部D1,D2、第1および第2特図保留表示部D3,D4、普図表示部D5、普図保留表示部D6等)が接続されて、各検出センサSE1〜SE5の検出を契機としてメイン制御CPU301aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Dの各表示部D1,D2,D3,D4,D5,D6の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU301aには、前記第2始動入賞口52を開閉する開閉部材53に連繋する始動入賞ソレノイドSL1および特別入賞口56を開閉する開閉部材57に連繋する特別入賞ソレノイドSL2が接続されており、該メイン制御CPU301aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイドSL1,SL2を駆動させることで、対応する開閉部材53や開閉部材57が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU301aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で開閉部材57が開閉するよう前記特別入賞ソレノイドSL2を駆動制御するよう構成される。
メイン制御CPU301aは、第1または第2始動入賞口51,52へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1または第2始動入賞検出センサSE1,SE2がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU301aが始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU301aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM301cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出信号がメイン制御CPU301aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU301aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM301cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1または第2始動入賞口51,52にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、特図始動保留情報としてメイン制御RAM301cの所定の始動保留領域(記憶領域)にメイン制御CPU301aが一時的に記憶保持させるよう構成されている。特図始動保留情報は、メイン制御RAM301cに記憶する順序で記憶する始動保留領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、特図始動保留情報をメイン制御RAM301cに記憶した順序でメイン制御CPU301aにより読み出されるようになっている。なお、以下の説明では、第1始動入賞口51にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)に基づく特図始動保留情報を第1特図始動保留情報と指称し、第1および第2始動入賞口51,52の何れかにパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)に基づく特図始動保留情報を第2特図始動保留情報と指称して区別する場合もある。
具体的に、メイン制御RAM301cには、第1始動保留情報を記憶可能な第1始動保留領域と、第2始動保留情報を記憶可能な第2始動保留領域とが設けられており、第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1始動保留領域に記憶され、第2始動入賞検出センサSE2の何れかの検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第2始動保留領域に記憶されるようになっている。また、第1始動保留領域および第2始動保留領域は、第1領域〜第4領域の4つの記憶領域から構成されており、始動入賞検出センサSE1,SE2の1回の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、特図当り判定(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM301cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU301aにより読み出されるようになっている。すなわち、最大で8個の始動保留情報(すなわち4個の第1始動保留情報および4個の第2始動保留情報)をメイン制御RAM301cに記憶させ得るよう構成されており、当該メイン制御RAM301cが記憶する最大で8個の第1および第2特図始動保留情報の内で最も古い情報から順に、メイン制御CPU301aが特図始動保留情報を読み出すよう設定されている。ここで、以下の説明では、第1または第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機として入賞情報を取得した時点でメイン制御CPU301aによりメイン制御RAM301cに記憶された始動保留情報を入賞時始動保留情報と指称し、特図当り判定(特図変動表示)を実行する際にメイン制御RAM301cからメイン制御CPU301aにより読み出された始動保留情報を変動開始時始動保留情報と指称する場合がある。
ここで、前記特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技(大当り遊技)を発生するか否かの特図当り判定(大当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、特図当り判定の結果に応じて第1特図表示部D1に確定停止表示させる特図1または第2特図表示部D2に確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「199」の全200通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図に対応する乱数と、大当りの当選を示す200種類の特図に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部D1に確定停止表示される特図1または第2特図表示部D2に確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部D1に確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサSE2の何れかの検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部D2に確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した特図当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置25に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、1回の図柄変動演出において各図柄列26a,26b,26cの演出図柄を複数回連続的に仮停止させる擬似連続予告演出や、演出図柄の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置25に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における演出時間を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数値は、第1または第2始動入賞口51,52へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1または第2始動入賞検出センサSE1,SE2の何れかがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM301cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU301aが取得するようになっている。ここで、第1始動入賞口51へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口52へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口51,52への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU301aが取得するようになっている。
また、メイン制御CPU301aは、ゲート部59をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサSE5がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU301aがゲートセンサSE5の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU301aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM301cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサSE5の検出信号がメイン制御CPU301aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU301aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM301cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサSE5をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM301cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM301cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM301cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU301aにより読み出されるようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口52を開放(普図当り)するか否かの普図当り判定(始動口開放判定)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン振分用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部59をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサSE5がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM301cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン振分用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU301aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM301bには、図柄変動演出の結果、大当り遊技を発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当り遊技を発生させるか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、特図当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1700個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では170個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM301bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が大当りの場合(大当り遊技に当選した場合)に、第1特図表示部D1に確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部D1,D2に確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した200種類の特図決定用乱数に対応した種類の整数値が設定されている。そして、第1始動入賞口51へのパチンコ球の入賞を契機とした特図始動保留情報に基づいて大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図1の大当り図柄として設定された前記2種類の図柄A〜図柄Bに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄A〜図柄Bの何れかをメイン制御CPU301aが決定するようになっている。同様に、第2始動入賞口52の何れかへのパチンコ球の入賞を契機とした特図始動保留情報に基づいて大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図2の大当り図柄として設定された前記2種類の図柄a〜図柄bに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄a〜図柄bの何れかをメイン制御CPU301aが決定するようになっている。
また、メイン制御ROM301bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、特図当り判定の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置25に表示される可能性を示唆するリーチ演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、最終的にはずれとなるリーチ演出の演出を実行させることをメイン制御CPU301aが決定するようになっている。ここで、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点の遊技状態(確変状態または変短状態)に応じて判定値の設定数が異なっている。具体的に、変短状態が付与されている場合よりも演出実行判定値の数よりも変短状態が付与されていない非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。すなわち、変短状態の場合には、非変短状態の場合に比べてリーチ演出が発生し難くなっている。
(特図変動パターンについて)
また、メイン制御ROM301bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われないリーチなしはずれ用の特図変動パターンとが設けられている。なお、大当り用の特図変動パターンは、特図当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU301aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU301aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチなしリーチなしはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU301aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、図柄表示装置25で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、大当りまたははずれとなる演出図柄の図柄組合せが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
また、メイン制御ROM301bには、変動パターン振分用判定値が記憶されている。変動パターン振分用判定値は、大当り判定および演出実行判定の結果に応じて決定可能な特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する際に用いる判定値であり、特図変動パターン振分用乱数の取り得る数値「0」〜「250」までの全251通りの整数の中から定められている。この変動パターン振分用判定値は、大当り判定および演出実行判定の結果に応じてメイン制御CPU301aが決定可能な特図変動パターンに対して所定数ずつ割り当てられている。すなわち、特図変動パターン振分用乱数に対応する判定値が割り当てられた変動パターンを特定することで、図柄変動演出において実行される特図変動パターン(演出内容や変動時間)が決定される。すなわち、特図変動パターン振分用乱数に基づいて複数の特図変動パターンから特図変動パターンを決定する際に、変動パターン振分用判定値の割当て数に応じて特図変動パターンの選択されやすさを調節している。
また、メイン制御ROM301bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
メイン制御ROM301bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されており、各普図変動パターンに対応して普図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記普図変動パターンは、普図変動表示を開始してから普図が確定停止表示されるまでの普図変動表示の変動時間を特定している。普図変動パターン振分判定値は、前記普図変動パターン振分用乱数を用いて普図変動パターンの決定に用いる判定値であり、普図変動パターン決定用乱数の取り得る数値「0」〜「8」までの全9通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン毎に所定の判定値が割り当てられており、取得された普図変動パターン振分用乱数に対応する普図変動パターン振分判定値が割り当てられた普図変動パターンがメイン制御CPU301aにより特定されるようになっている。ここで、普図変動パターン決定用判定値は、普図当り判定の結果によって、割り当てられる普図変動パターンの種類および割当て数が異なっている。具体的に、実施例では、普図当り判定の結果が肯定(普図当りに当選)の場合に1つの普図変動パターンに対して全ての普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば3600ms)を定めた普図変動パターンが決定されるのに対し、普図当り判定の結果が肯定(普図当りに落選)の場合に別の1つの普図変動パターンに対して全ての普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば520ms)を定めた普図変動パターンが決定されるようになっている。
(演出制御基板について)
前記演出制御基板302には、演出制御CPU302aが備えられている。該演出制御CPU302aには、図7に示す如く、演出制御ROM302bおよび演出制御RAM302cが接続されている。また、演出制御CPU302aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM302cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記演出制御ROM302bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU301aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU302aが決定するようになっている。すなわち、演出制御CPU302aは、前記メイン制御CPU301aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記図柄表示装置25で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの演出図柄の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に演出図柄が停止されると共に、該演出図柄の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
ここで、前記演出制御CPU302aが決定可能な演出パターンには、複数種類の大当り用の演出パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の演出パターン(リーチ演出パターン)と、リーチ演出が行われないリーチなしはずれ用の演出パターン(通常演出パターン)とが設けられている。なお、大当り用の演出パターンは、メイン制御CPU301aによる特図当り判定の結果が肯定の場合に演出制御CPU302aが選択可能な演出パターンであり、リーチはずれ用の演出パターンは、メイン制御CPU301aによる演出実行判定の結果が肯定の場合に演出制御CPU302aが選択可能な演出パターンであり、リーチなしリーチなしはずれ用の演出パターンは、メイン制御CPU301aによる演出実行判定の結果が否定の場合に演出制御CPU302aが選択可能な演出パターンである。また、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して1つまたは複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応した演出パターンの中から1つの演出パターンを演出制御CPU302aが決定するよう構成されている。
また、演出制御ROM302bには、表示制御基板303、ランプ制御基板304および音制御基板305を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU302aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板303について)
次に、表示制御基板303について説明する。表示制御基板303には、表示制御CPU303aが備えられている。該表示制御CPU303aには、表示制御ROM303bおよび表示制御RAM303cが接続されている。また、表示制御基板303(表示制御CPU303a)には、図柄表示装置25が接続されている。表示制御ROM303bには、図柄表示装置25の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM303bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM303cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、始動入賞口51,52の何れかへの入賞を契機として入賞情報を取得する入賞情報取得手段、判定条件の成立(入賞情報取得手段による入賞情報の取得)を契機として当り遊技を生起させるか否かを判定する当り判定手段、当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU301aが備えている。またメイン制御CPU301aは、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。メイン制御CPU301aは、始動入賞口51,52の何れかへの入賞を契機として、前記図柄表示手段で行わせる図柄変動演出の変動時間を特定する変動パターン(特図変動パターン)を記憶手段としてのメイン制御ROM301bが記憶する複数の変動パターンの中から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU301aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する第1遊技状態決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する第1遊技状態付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU301aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。またメイン制御CPU301aは、当り判定手段の判定結果に応じた特別図柄を特別図柄表示手段に停止表示させるよう前記特別図柄表示手段の表示を制御する特別図柄表示制御手段として機能している。
更に、前記メイン制御CPU301aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、可変始動入賞口(第2始動入賞口52)へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを決定する第2遊技状態決定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する第2遊技状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU301aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態の付与期間として決定するようになっている。また、メイン制御CPU301aは、入賞率向上状態の付与期間として複数種類の期間を、決定された当り遊技の種類に応じて決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU301aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口51,52への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM301cは、図柄表示装置25で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部D1,D2で特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置25や第1特図表示部D1)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置25や第2特図表示部D2)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサSE2の何れかの検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
また、演出制御CPU302aは、当り判定手段としてのメイン制御CPU301aの判定結果に基づいて前記演出表示手段としての図柄表示装置25に停止表示させる演出図柄を決定する演出図柄決定手段とて機能すると共に、決定された演出図柄を停止表示させるよう演出表示手段表示としての図柄表示装置25を制御する演出表示制御手段として機能している。また、演出表示制御手段としての演出制御CPU302aは、当り判定手段による当り判定の結果に関する演出を表示可能な第1の表示手段としての第1の補助表示部70および当該第1の補助表示部70とは別に設けた第2の補助表示部80の表示を制御するよう構成されている。また、演出制御CPU302aは、入賞情報取得手段による入賞情報の取得((判定条件の成立)を契機として、前記図柄表示手段で行わせる図柄変動演出の演出内容を特定する演出パターンを複数種類の中から1つ決定する演出パターン決定手段としての機能を有している。また、演出パターン決定手段としての演出制御CPU302aは、メイン制御CPU301aが決定した特図変動パターンに基づいて演出パターンを決定するようになっている。そして、前記演出パターン決定手段としての演出制御CPU302aが決定可能な演出パターンとして、各組合せ図柄位置に仮停止させた演出図柄の組合せにより前記図柄変動演出の結果として当り表示が表示される可能性を示唆する仮停止演出パターンが含まれており、仮停止演出パターンが決定された場合に、前記演出図柄決定手段としての演出制御CPU302aが仮停止させる仮停止の演出図柄を決定するよう構成されている。
次に、メイン制御基板301のメイン制御CPU301aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図4」に示すように、第1始動入賞口51にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU301aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU301aは、第1始動入賞口51に対応する第1始動入賞検出センサSE1がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU301aは、メイン制御RAM301cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU301aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM301cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM301cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU301aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM301cにおける第1始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口52の何れかにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU301aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU301aは、第2始動入賞口52に対応する第2始動入賞検出センサSE2の何れかがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU301aは、メイン制御RAM301cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定し(ステップA16)、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM301cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM301cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU301aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM301cの第2始動保留領域の第1〜第4領域に設定し(ステップA18)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。特図開始処理は、図柄変動演出(特図変動表示)が行われる直前に実行されて、該特図開始処理の処理結果に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)が実行される。メイン制御CPU301aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU301aは、特図表示部D1,D2および図柄表示装置25において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU301aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、メイン制御RAM301cが記憶する第1および第2特図始動保留情報を合計した記憶数(保留数)を読み出し(ステップB12)、当該合計の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合(第1および第2特図始動保留情報の合計の記憶数=0の場合)には、メイン制御CPU301aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU301aは、特図開始処理を終了する。
また、メイン制御CPU301aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第1および第2特図始動保留情報の合計の記憶数>0)の場合には、メイン制御RAM301cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU301aは、メイン制御RAM301cにおける第2始動保留領域に記憶されている第1および第2特図始動保留情報の内で、最も早く記憶した(すなわち最も古い)特図始動保留情報に対応した記憶数を1減算して(ステップB14)、当該最も古い第1または第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)を、変動開始時始動保留情報としてメイン制御CPU301aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU301aは、変動開始時始動保留情報としての第1特図始動保留情報(乱数)を取得する場合には、最も早く記憶した(すなわち最も古い)第1特図始動保留情報が記憶されている第1始動保留領域の第1領域から情報を取得する。そして、メイン制御CPU301aは、変動開始時始動保留情報としての第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第1始動保留領域の第2領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、第1特図始動保留情報に基づく次の変動開始時始動保留情報として前記第1始動保留領域の第1領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU301aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第1始動保留領域の第3領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第1始動保留領域の第2領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第1始動保留領域の第3領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第1始動保留領域の第3領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU301aは、変動開始時始動保留情報としての第2特図始動保留情報(乱数)を取得する場合には、最も早く記憶した(すなわち最も古い)第2特図始動保留情報が記憶されている第2始動保留領域の第1領域から情報を取得すると共に、第2始動保留領域の第2〜第4領域に記憶されている第2特図始動保留情報を順次繰り上げて記憶させる。このように、メイン制御RAM301cに記憶された第1および第2特図始動保留情報は、当該メイン制御RAM301cに記憶された順序(第1〜第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出に伴い入賞情報を取得した順序)でメイン制御CPU301aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU301aは、減算後の第1または第2特図始動保留情報の記憶数に対応するように第1特図保留表示部D3または第2特図保留表示部D4の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により変動開始時始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU301aは、変動開始時始動保留情報としての特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM301bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に特図当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、170/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1700/65536に設定されている。そして、ステップB22における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りを生起させる場合には)、大当りを生起させる変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU301aは、変動開始時始動保留情報としての特図決定用乱数の値に基づき、第1または第2特図表示部D1,D2に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1または特図2)を決定する(ステップB24)。すなわち、第1特図始動保留情報に基づいた変動開始時始動保留情報の場合には、第1特図表示部D1に確定停止表示される大当り図柄(特図1)をメイン制御CPU301aが決定し、第2特図始動保留情報に基づいた変動開始時始動保留情報の場合には、第2特図表示部D2に確定停止表示される大当り図柄(特図2)をメイン制御CPU301aが決定する。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1または特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU301aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1または特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。
そして、大当り図柄(特図1または特図2)が決定されると、メイン制御CPU301aは、大当り演出用の変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。具体的には、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて、大当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンをメイン制御CPU301aが決定する。
一方、ステップB22の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りが生起されない場合には)、メイン制御CPU301aは、演出(リーチ)を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU301aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM301cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU301aは、第1または第2特図表示部D1,D2にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1または特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU301aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてリーチはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には、メイン制御CPU301aは、第1または第2特図表示部D1,D2にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1または特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU301aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1または特図2)を決定したメイン制御CPU301aは、演出制御基板302に対し、所定の変動開始制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU301aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU301aは、特図変動表示を開始させるように第1または第2特図表示部D1,D2を制御する。すなわち、当り判定が行われた変動開始時始動保留情報が第1特図始動保留情報に基づく場合には、第1特図表示部D1で特図変動表示を開始させるようメイン制御CPU301aが制御し、当り判定が行われた変動開始時始動保留情報が第2特図始動保留情報に基づく場合には、第2特図表示部D2で特図変動表示を開始させるよう制御する。また、メイン制御CPU301aは、最終停止図柄となる特図1または特図2を指示するための特図指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU301aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU301aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1または第2特図表示部D1,D2の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU301aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、演出図柄の変動停止を指示し、図柄組合せを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力するようになっている。
(演出制御について)
次に、演出制御基板302で実行される処理について説明する。演出制御基板302では、前記変動開始制御コマンドが入力された際に、図柄変動演出の変動開始に関わる処理が行われる。演出制御基板302の演出制御CPU302aは、前記メイン制御CPU301aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板303やランプ制御基板304、音制御基板305等に出力する。すなわち、演出制御CPU302aは、決定された変動パターンに基づいた図柄変動演出を実行させる演出実行制御制御手段として機能する。ここで、演出制御CPU302aが選択可能な演出パターンは、特図変動パターン毎に1つまたは複数のパターンが対応づけられており、特図変動パターンに対応した演出パターンの内から1つの演出パターンが選択される。
また、演出制御CPU302aは、特図指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置25に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの演出図柄(最終停止演出図柄)を決定する。すなわち、演出制御CPU302aは、特図指定コマンドで指定された特図1または特図2が大当り図柄の場合には、大当り表示となる演出図柄の図柄組合せとなるよう各図柄列26a,26b,26cの演出図柄を決定する。そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの演出図柄の最終停止タイミングにおいて、各列の演出図柄を指定する指定コマンドを表示制御基板303やランプ制御基板304、音制御基板305等に出力する。具体的には、演出制御CPU302aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段により時間の計測を開始し、左図柄列26aの演出図柄の最終停止タイミングおいて左演出図柄指定コマンドを出力し、右図柄列26cの演出図柄の最終停止タイミングおいて右演出図柄指定コマンドを出力し、中図柄列26bの演出図柄の最終停止タイミングおいて中演出図柄指定コマンドを出力する。
また、演出制御CPU302aは、特図指定コマンドで指定された特図1または特図2がはずれ図柄の場合、はずれを認識可能な演出図柄の図柄組合せとなるよう各図柄列26a,26b,26cの演出図柄を決定する。また、演出制御CPU302aは、リーチはずれ用の特図変動パターンが入力されている場合には、リーチ表示を含むはずれを認識可能な組合せとなるよう各図柄列26a,26b,26cの演出図柄を決定する。一方、演出制御CPU302aは、リーチなしはずれ用の特図変動パターンが入力されている場合には、リーチ表示を含まないはずれを認識可能な組合せとなるよう各図柄列26a,26b,26cの演出図柄を決定する。また、演出制御CPU302aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板303やランプ制御基板304、音制御基板305等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板303では、演出制御基板302からコマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU303aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置25を制御する。そして、表示制御CPU303aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置25に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU303aは、各図柄列26a,26b,26cの演出図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置27に演出図柄指定コマドで指定された演出図柄を仮停止させ、全演出図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置27に演出図柄停止コマンドで指示された演出図柄を図柄表示装置25に確定停止表示させるように図柄表示装置25の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。
(電源基板400について)
また、前記パチンコ機10には、遊技店から供給される電源電圧(例えば、AC24V)を、パチンコ機10が備える電気的に作動する各種構成部材(各制御基板301〜305,310や、駆動用のモータやソレノイド、LED等)に供給する電源基板400が備えられている。この電源基板400には、図7に示す如く、パチンコ機10に対する電源供給(電源のON−OFF)を切り替える電源スイッチ401を備えており、当該電源スイッチ401の操作に伴ってパチンコ機10への電源投入が行われることでメイン制御基板301や演出制御基板302が所定の起動プログラムに基づいて起動処理を実行し、遊技を行い得る遊技待機状態となるよう構成されている。ここで、前記電源基板400には、コンデンサや電池等のバックアップ電源405が設けられており、パチンコ機10の電源OFFや停電等の電源断時に、バックアップ電源405からの電源供給に基づいてメイン制御RAM301cや演出制御RAM302cに記憶されている各種情報をバックアップ情報として保持し得るようになっている。そして、電源投入に伴って起動処理が行われる際には、前記バックアップ情報に基づいて電源断時の状態に復帰し得るようになっている。
また、前記電源基板400には、メイン制御RAM301cおよび演出制御RAM302cを初期化(クリア)するためのクリアスイッチ402が設けられており、当該クリアスイッチ402と電源スイッチ401とを同時に操作した際にメイン制御基板301および演出制御基板302にラムクリア信号が出力されるようになっている。そして、ラムクリア信号が入力されることで、メイン制御CPU301aおよび演出制御CPU302aが対応するメイン制御RAM301cおよび演出制御RAM302cを初期化するクリア処理を行うと共に、初期情報に基づいて起動処理を行うよう構成されている。
(払出演出について)
実施例のパチンコ機10は、前記入賞口51,52,56,58aの何れかへのパチンコ球の入賞により遊技媒体であるパチンコ球の払出条件が成立した場合に、パチンコ球の払い出しが行われることを識別可能な払出演出を前記第1の補助表示部70で実行可能に構成されている。すなわち、第1および第2始動入賞口51,52に対応する始動入賞検出センサSE1,SE2、特別入賞口56に対応する特別入賞検出センサSE3および普通入賞口58aに対応する普通入賞検出センサSE4の何れかがパチンコ球を検出して、メイン制御基板301のメイン制御CPU301aに球検出信号が入力された場合に、演出制御CPU302aが第1の補助表示部70において払出演出を実行し得るよう構成される。なお、以下の説明では、各入賞口51,52,56,58aに対応する入賞検出センサSE1〜SE4を区別することなく、単に入賞検出センサSEと指称する場合がある。
実施例では、前記入賞検出センサSEの検出を契機として球検出信号が入力された場合に、当該パチンコ球の入賞を契機としたパチンコ球の払出数を識別可能な信号(払出数信号)を前記演出制御CPU302aに対してメイン制御CPU301aが出力するよう構成され、当該払出数信号が入力されることを契機として、演出制御CPU302aが前記第1の補助表示部70を制御することで払出演出が行われるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサSE1の検出に基づく球検出信号が入力された場合には、第1の払出数(実施例では1個)の賞球の払い出しが行われることを特定可能な払出数信号が演出制御CPU302aに入力され、第2始動入賞検出センサSE2の検出に基づく球検出信号が入力された場合には、第2の払出数(実施例では2個)の賞球の払い出しが行われることを特定可能な払出数信号が演出制御CPU302aに入力され、特別入賞検出センサSE3の検出に基づく球検出信号が入力された場合には、第3の払出数(実施例では15個)の賞球の払い出しが行われることを特定可能な払出数信号が演出制御CPU302aに入力され、普通入賞検出センサSE4の検出に基づく球検出信号が入力された場合には、第4の払出数(実施例では8個)の賞球の払い出しが行われることを特定可能な払出数信号が演出制御CPU302aに入力されるようになっている。
なお、メイン制御CPU301aから演出制御CPU302aに対して出力される払出数信号は、前記払出制御基板310に対して出力される払出指示信号と同じ信号であってもよく、また当該払出指示信号とは別に生成した信号であってもよく、払出条件の成立を契機として払い出されるパチンコ球の払出数を少なくとも特定可能な信号であればよい。すなわち、実施例のメイン制御CPU301aは、払出条件の成立に基づいて払い出される遊技媒体(パチンコ球)の払出数を演出制御手段としての演出制御CPU302aに出力する指示手段として機能している。
前記演出制御ROM302bには、図10に示すように、前記第1の補助表示部70に表示される払出演出の演出パターンを定めた払出演出パターンが複数種類設定されており、払出数信号に基づいて演出制御CPU302aが払出演出パターンを決定することで、決定した払出演出パターンに基づいて払出演出を実行するようになっている。ここで、前記払出演出パターンは、前記払出指示信号に基づいて前記払出制御基板310により作動制御された払出装置312により払い出されるパチンコ球の払出数を識別可能な払出演出が第1の補助表示部70で行われるように設定されたデータである。実施例では、前記払出演出パターンとして、単数(1個)のパチンコ球が払い出されることを識別可能な単数払出演出を特定する所定数の払出演出パターンと、複数個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な複数払出演出を特定する所定数の払出演出パターンとが演出制御ROM302bに設定されている。
実施例では、図10に示すように、単数払出演出を特定する払出演出パターンが1種類設定され、複数払出演出を特定する払出演出パターンが5種類設定されている。なお、以下の説明では、演出制御ROM302bに設定された6種類の払出演出パターンについて、第1〜第6の払出演出パターンP1〜P6として区別する場合がある。第1の払出演出パターンP1は、1個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な払出演出(単数払出演出)を実行するよう設定され、第2の払出演出パターンP2は、2個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な払出演出(複数払出演出)を実行するよう設定される。また、第3の払出演出パターンP3は、15個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な払出演出(複数払出演出)を実行するよう設定され、第4の払出演出パターンP4は、2個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な払出演出(複数払出演出)と、3個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な払出演出(複数払出演出)と、10個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な払出演出(複数払出演出)とを実行するよう設定されている。そして、第5の払出演出パターンP5は、8個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な払出演出(複数払出演出)を実行するよう設定され、第6の払出演出パターンP6は、2個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な払出演出(複数払出演出)を実行すると共に6個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な2回の払出演出(複数払出演出)を実行するよう設定される。すなわち、実施例では、第3の払出演出パターンP3に基づいて行われる払出演出が、1回の払出条件の成立に伴って払い出し可能なパチンコ球の最大数(実施例では15個)を識別可能な特定の複数払出演出となっている。
このように、第4の払出演出パターンP4は、パチンコ球の入賞を契機として複数回(実施例では3回)の払出演出を実行することで、合計で15個のパチンコ球が払い出されることを識別可能に設定されている.同様に、第6の払出演出パターンP6は、パチンコ球の入賞を契機として複数回(実施例では2回)の払出演出を実行することで、合計で8個のパチンコ球が払い出されることを識別可能に設定されている。なお、実施例のパチンコ機10では、前述したように、入賞検出センサSEによる1回のパチンコ球の検出を契機として、15個のパチンコ球が払い出されるよう構成されており、第3の払出演出パターンP3に設定された払出演出が、1回の払出条件の成立に伴って払い出し可能なパチンコ球の最大数を識別可能な特定の複数払出演出となっている。
すなわち、第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機とした払出数信号が入力された場合に、演出制御CPU302aが前記第1の払出演出パターンP1を決定し、第2始動入賞検出センサSE2の検出を契機とした払出数信号が入力された場合に、演出制御CPU302aが前記第2の払出演出パターンP2を決定するよう設定される。そして、特別入賞検出センサSE3の検出を契機とした払出数信号が入力された場合に、演出制御CPU302aが前記第3の払出演出パターンP3および第4の払出演出パターンP4の何れかを決定するよう設定されている。また、普通入賞検出センサSE4の検出を契機とした払出数信号が入力された場合に、演出制御CPU302aが前記第5の払出演出パターンP5および第6の払出演出パターンP6の何れかを決定するよう設定される。すなわち、実施例の演出制御CPU302aは、払い出されるパチンコ球の払出数に応じて1つの払出演出または複数の払出演出の組合せを決定する払出演出決定手段として機能するようになっている。
前記演出制御CPU302aは、所定の乱数取得契機において払出演出パターン決定用乱数を取得するよう設定されると共に、入力された払出数信号に基づいて決定可能な払出演出パターン毎に所定数の払出演出パターン決定用判定値が割り当てられている。そして、演出制御CPU302aは、入力された払出数信号に基づいて決定可能な払出演出パターンの中から、取得した払出演出パターン決定用乱数に対応する判定値が割り当てられた払出演出パターンを決定するようになっている。具体的には、実施例では演出制御CPU302aが取得可能な払出演出パターン決定用乱数として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されると共に、払出演出パターン決定用判定値として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されている。なお、実施例では、払出数信号の入力を契機として演出制御CPU302aが払出演出パターン決定用乱数を取得するよう構成されている。
ここで、図10に示すように、図第1および第2の払出演出パターンP1,P2の夫々に対して払出演出パターン決定用判定値が全て割り当てられており、第1または第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機として払出数信号が入力された場合には、取得する払出演出パターン決定用乱数に関わらず対応する第1の払出演出パターンP1または第2の払出演出パターンP2が決定されるようになっている。また、第3および第4の払出演出パターンP3,P4の夫々に対しては、100個の払出演出パターン決定用判定値が所定の割合で割り当てられており、特別入賞検出センサSE3の検出を契機として払出数信号が入力された場合には、当該判定値の割当て数に応じた割合で第3の払出演出パターンP3または第4の払出演出パターンP4が決定されるようになっている。なお、実施例では、第3払出演出パターンP3に対して70個の払出演出パターン決定用判定値が割り当てられ、第4払出演出パターンP4に対して30個の払出演出パターン決定用判定値が割り当てられている。同様に、第5および第6の払出演出パターンP5,P6の夫々に対しては、100個の払出演出パターン決定用判定値が所定の割合で割り当てられており、普通入賞検出センサSE4の検出を契機として払出数信号が入力された場合には、当該判定値の割当て数に応じた割合で第5の払出演出パターンP5または第6の払出演出パターンP6が決定される。なお、実施例では、第5払出演出パターンP5に対して70個の払出演出パターン決定用判定値が割り当てられ、第6払出演出パターンP6に対して30個の払出演出パターン決定用判定値が割り当てられている。
すなわち、第3の払出演出パターンP3や第5の払出演出パターンP5に対する判定値の割当て数を多くした場合には、一度の払出演出を行うことによりパチンコ球の払出数を識別することができ、スピード感のある演出が可能となる。また、第4の払出演出パターンP4や第6の払出演出パターンP6に対する判定値の割当て数を多くした場合には、複数回の払出演出を行うことによりパチンコ球の払出数を識別することができるようになるから、払出演出の実行に伴って徐々に識別可能になるパチンコ球の払出数に対する関心を高めることが可能となる。ここで、第2、第4および第6の払出演出パターンP2,P4,P6は、一部の払出演出(すなわち、2個のパチンコ球が払い出されることを識別可能な払出演出)が共通するよう設定されているから、当該共通した払出演出が行われている間はパチンコ球の払出数を確定的に識別できないことから、実行される払出演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
ここで、払出演出の具体例について説明する。図8(a)〜図8(g)に示すように、実施例では、前記第1の補助表示部70における左表示部71において、パチンコ機がモチーフとするキャラクタがパチンコ球を製造する様子を表示すると共に、当該キャラクタにより製造されたパチンコ球を第1の補助表示部70の右表示部72に表示するよう設定されており、パチンコ球の製造により賞球の払出が行われることを識別し得るようになっている。また、払出演出パターンには、キャラクタにより製造されたパチンコ球の数(右表示部72に表示されたパチンコ球の数)に応じて、分割表示部73を右側から点灯させるよう設定されている。なお、分割表示部73の数以上のパチンコ球が払い出される場合には、全ての分割表示部73を点灯するよう設定されている(図8(g)参照)。なお、払出演出の内容としては、これに限られるものではなく、「○個のパチンコ球を製造中」のように文字を第1の補助表示部70に表示するようにしてもよい。
具体的には、第1の払出演出パターンP1を決定した場合には、左表示部71にキャラクタを表示しながら右表示部72に1個のパチンコ球を表示すると共に、右端部から1個の分割表示部73を点灯するよう演出制御CPU302aが第1の補助表示部70の表示を制御し、第2の払出演出パターンP2を決定した場合には、左表示部71にキャラクタを表示しながら右表示部72に2個のパチンコ球を表示すると共に、右端部から2個の分割表示部73を点灯するよう演出制御CPU302aが第1の補助表示部70の表示を制御するよう構成される。また第3の払出演出パターンP3を決定した場合には、左表示部71にキャラクタを表示しながら右表示部72に15個のパチンコ球を表示すると共に、全ての分割表示部73を点灯するよう演出制御CPU302aが第1の補助表示部70の表示を制御するよう構成される。そして、第4の払出演出パターンP4を決定した場合には、1回目の払出演出において左表示部71にキャラクタを表示しながら右表示部72に2個のパチンコ球を表示すると共に、右端部から2個の分割表示部73を点灯させ、2回目の払出演出において左表示部71にキャラクタを表示しながら右表示部72に3個のパチンコ球を表示すると共に、右端部から3つの分割表示部73を点灯させ、3回目の払出演出において左表示部71にキャラクタを表示しながら右表示部72に10個のパチンコ球を表示すると共に、右端部から10個の分割表示部73を点灯するよう演出制御CPU302aが第1の補助表示部70の表示を制御するよう構成される。また第5の払出演出パターンP5を決定した場合には、左表示部71にキャラクタを表示しながら右表示部72に8個のパチンコ球を表示すると共に、右端部から8個の分割表示部73を点灯するよう演出制御CPU302aが第1の補助表示部70の表示を制御するよう構成される。そして、第6の払出演出パターンP6を決定した場合には、1回目の払出演出において左表示部71にキャラクタを表示しながら右表示部72に2個のパチンコ球を表示すると共に、右端部から2個の分割表示部73を点灯させ、2回目の払出演出において左表示部71にキャラクタを表示しながら右表示部72に6個のパチンコ球を表示すると共に、右端部から3つの分割表示部73を点灯するよう演出制御CPU302aが第1の補助表示部70の表示を制御するよう構成される。
(累積払出数の更新演出について)
また、実施例のパチンコ機10は、所定の累積基準時以降に払い出されたパチンコ球の払出数を累積した累積払出数を表示するよう演出制御CPU302aが第2の補助表示部80の表示を制御可能に構成されている。ここで、前述したように、前記入賞口51,52,56,58aの何れかへのパチンコ球の入賞により遊技媒体であるパチンコ球の払出条件が成立して、払出数信号が演出制御CPU302aに入力された際には、入力される払出数信号に応じて決定した払出演出を第1の補助表示部70で実行するよう演出制御CPU302aにより制御され、当該払出条件の成立に伴って払い出されるパチンコ球の払出数を、第1の補助表示部70で実行される払出演出から識別し得るよう構成されている。そして、前述したように、前記第1の補助表示部70で行われる払出演出により特定される払出数は、払出条件の成立に伴って払い出されるパチンコ球の払出数と一致している。すなわち、演出制御CPU302aは、前記入賞口51,52,56,58aの何れかへのパチンコ球の入賞により遊技媒体であるパチンコ球の払出条件が成立した場合に、所定の累積基準時以降に前記第1の補助表示部70で表示される払出演出により特定されるパチンコ球の払出数を累積した累積払出数を第2の補助表示部80に表示する累積払出数の更新演出を実行可能に構成されている。
このように、累積払出数の更新演出は、前述した払出演出と同様に、前記入賞検出センサSEの何れかがパチンコ球を検出して、メイン制御基板301のメイン制御CPU301aに球検出信号が入力されること(すなわち遊技媒体であるパチンコ球の払出条件の成立)に伴って実行し得るよう構成される。なお、実施例の累積基準時は、後述するように、前記特典遊技(大当り遊技や小当り遊技)が行われる期間とは異なったタイミング(実施例では起動処理およびクリア信号の入力に伴うラムクリア処理が行われたタイミング)となるよう設定される。すなわち、実施例の演出制御CPU302aは、累積基準時以降に第1の補助表示部70で表示される払出演出により特定されるパチンコ球の払出数を、当該払出演出が実行される前(払出条件の成立前)のパチンコ球の累積払出数に加算して新たなパチンコ球の累積払出数を算出する累積払出数算出手段として機能するようになっている。
実施例では、図9に示すように、累積基準時以降に払い出されたパチンコ球の累積払出数を記憶する累積払出数憶領域(記憶領域)が演出制御RAM302cに設定されている。そして、前記入賞検出センサSEの検出を契機として前記演出制御CPU302aに払出数信号が入力される毎に、当該払出数信号の入力時点で累積払出数憶領域に記憶された累積払出数を演出制御CPU302aが読み出して、当該払出数信号により特定されるパチンコ球の払出数を累積払出数に加算して新たな累積払出数を算出すると共に、当該新たな累積払出数を累積払出数憶領域に記憶保持させるよう構成されている。すなわち、払出数信号が入力される毎に累積払出数憶領域に記憶保持する累積払出数を更新することで、累積基準時以降に払い出されたパチンコ球の総数を演出制御CPU302aが参照し得るようになっている。
ここで、前記演出制御RAM302cの累積払出数記憶領域に記憶される値(累積払出数)は、パチンコ機10への電源供給の開始(電源投入時や復電時)に伴ってリセット信号が演出制御基板302に入力され、当該演出制御CPU302aにおいて起動処理が行われる場合に、演出制御CPU302aが初期値(「0」)に戻すよう設定されている。また、パチンコ機10への電源供給の開始時以外に、前記クリア信号が演出制御基板302に入力されてラムクリア処理が行われる場合に、前記演出制御CPU302aが前記演出制御RAM302cの累積払出数記憶領域に記憶される値を初期値(「0」)に戻すよう設定されている。このように、実施例のパチンコ機10は、電源投入に伴う起動処理やクリア信号の入力に伴うラムクリア処理が行われてメイン制御CPU301aや演出制御CPU302aが所定の遊技処理を実行可能となった時点が累積基準時として設定されており、当該基準時以降に入賞検出センサSEの何れかがパチンコ球を検出することにより払い出されたパチンコ球の累積払出数を演出制御CPU302aが算出するよう構成されている。すなわち、パチンコ機10では、前記特典遊技であるかに関わらず遊技可能期間全体で払い出されたパチンコ球の総数を演出制御CPU302aが算出するようになっている。
ここで、演出制御RAM302cには、前記累積払出数憶領域として、図9(b)に示すように、払出条件の成立(払出数信号の入力)に伴って払い出されるパチンコ球の払出数を加算する基準となる値(累積払出数)を記憶する基準記憶領域と、払出条件の成立時点(払出数信号の入力時点)で基準記憶領域に記憶された値に払出数信号により特定されるパチンコ球の払出数を加算した値(新たな累積払出数)を記憶する更新記憶領域と、1回の払出条件の成立(1回の払出数信号の入力)に伴って複数回の払出演出が行われる場合に各回の払出演出により特定されるパチンコ球の払出数を払出演出の実行前の値に累積した値(中間払出数)を記憶する中間記憶領域とが設定されている。すなわち、演出制御CPU302aは、基準記憶領域に記憶された値を演出制御CPU302aが参照することで、累積基準時以降に払い出されたパチンコ球の累積払出数を第2の補助表示部80に表示し得ると共に、払出条件の成立に伴って更新記憶領域に記憶させた値を演出制御CPU302aが参照することで、当該払出条件の成立に伴って払い出される払出数を加算した新たな累積払出数を第2の補助表示部80に表示(更新)し得るようになっている。また、中間記憶領域に記憶された値を演出制御CPU302aが参照することで、払出条件の成立に伴って払出演出が行われる毎に、当該払出演出により特定されるパチンコ球の払出数を加算した中間払出数を第2の補助表示部80に表示(更新)し得るようになっている。
すなわち、演出制御CPU302aは、基準記憶領域に記憶された値に基づいて第2の補助表示部80に累積払出数を表示すると共に、払出数信号が入力された際に、前記第1の補助表示部70において払出演出が行われた後に前記更新記憶領域または中間記憶領域に記憶された値に基づいて第2の補助表示部80に新たな累積払出数または中間払出数を表示することで、第2の補助表示部80に表示する累積払出数の更新演出を実行するよう構成され、更新記憶領域に記憶した値を表示することで累積払出数の更新演出を終了するようになっている。そして、払出数信号の入力に伴って行われる累積払出数の更新演出が終了(更新記憶領域に記憶した値を表示)した場合には、前記演出制御RAM302cにおける基準記憶領域の値を更新記憶領域の値(新たな累積払出数)に書き換えると共に、更新記憶領域および中間記憶領域の値を消去(クリア)するよう演出制御CPU302aが処理を行うようになっている。すなわち、払出条件が成立する毎に演出制御RAM302cの基準記憶領域に記憶する値を更新することで、累積基準時以降に払い出されたパチンコ球の累積払出数を演出制御CPU302aが算出し得るようになっている。
ここで、実施例では、1回の払出数信号の入力に伴って最大で3回の払出演出が行われるよう構成されていることから、前記演出制御RAM302cに2つの中間記憶領域が設定されており、払出数信号の入力に伴って3回の払出演出が行われる際に、中間の2回の払出演出毎のパチンコ球の払出数を累積した中間払出数を記憶し得るようになっている。なお、以下の説明において、2つの中間記憶領域について第1中間記憶領域および第2中間記憶領域と指称して区別する場合がある。ここで、第1中間記憶領域には、払出条件の成立時点(払出数信号の入力時点)で基準記憶領域に記憶された値に、1回目に行われる払出演出により特定されるパチンコ球の払出数を加算した値(第1の中間払出数)を記憶するよう構成されると共に、第2中間記憶領域には、第1中間記憶領域に記憶された値に2回目の払出演出により特定されるパチンコ球の払出数を加算した値(第2の中間払出数)を記憶するよう構成されている。
(払出演出と累積払出数の更新演出の実行タイミングについて)
また、前記演出制御CPU302aは、前記入賞検出センサSEの何れかがパチンコ球を検出して払出条件が成立した場合に、前記第1の補助表示部70において払出演出を実行した後に、実行された払出演出により特定される払出数を、払出演出の実行前に第2の補助表示部80に表示された累積払出数に加算した値を前記第2の補助表示部80に表示して累積払出数の更新演出を実行するよう構成されている。すなわち、遊技盤30の遊技領域31に打ち出されたパチンコ球が何れかの入賞口51,52,56,58aへの入賞(入賞検出センサSEによる検出)を契機として払出数信号がメイン制御CPU301aから演出制御CPU302aに入力された場合に、当該払出数信号に基づいて前記払出演出パターンP1〜P6の何れかを決定して、決定した払出演出パターンP1〜P6に基づいた払出演出を第1の補助表示部70で行わせると共に、払出演出パターンP1〜P6に基づいた払出演出が行われる毎に第2の補助表示部80の表示を演出制御CPU302aが更新するようになっている。
すなわち、1回の払出演出が行われる払出演出パターン(実施例では第1〜第3の払出演出パターンP1〜P3、第5の払出演出パターンP5の何れか)が演出制御CPU302aにより決定された場合には、当該払出演出パターンP1〜P3,P5に基づいた払出演出が行われた後に、払出条件の成立に伴って払い出される払出数を、当該払出条件の成立前(払出演出の実行前)に第2の補助表示部80に表示された累積払出数に加算した値(新たな累積払出数)を前記第2の補助表示部80に表示して累積払出数の更新演出を実行するよう構成されている。そして、複数回(2回または3回)の払出演出が行われる払出演出パターン(実施例では第4の払出演出パターンP4、第6の払出演出パターンP6の何れか)が演出制御CPU302aにより決定された場合には、当該払出演出パターンP4,P6に基づいた各回の払出演出が行われた後に、実行された払出演出により特定される払出数を、当該払出演出の実行前に第2の補助表示部80に表示された累積払出数に加算した値(中間払出数)を第2の補助表示部80に表示(中間更新)すると共に、最終回の払出演出が行われた後に、払出条件の成立に伴って払い出される払出数を、当該払出条件の成立前に第2の補助表示部80に表示された累積払出数に加算した値(新たな累積払出数)を前記第2の補助表示部80に表示(最終更新)して累積払出数の更新演出を実行するよう構成されている。
ここで、払出条件の成立に伴う累積払出数憶領域に記憶される値の更新に関して、図11を参照して具体的に説明する。なお図11(a)は、累積基準時以降に払い出されたパチンコ球の累積払出数として3335個が演出制御RAM302cの基準記憶領域に記憶されて、当該基準記憶領域に記憶された値が第2の補助表示部80に表示された状態を示している。この状態で入賞検出センサSEによるパチンコ球の検出を契機として払出数信号が演出制御CPU302aに入力されて、1回の払出演出が行われる払出演出パターン(実施例では第1〜第3の払出演出パターンP1〜P3、第5の払出演出パターンP5の何れか)が演出制御CPU302aにより決定された場合には、演出制御RAM302cの基準記憶領域に記憶された値(3335個)に、該払出数信号により特定されるパチンコ球の払出数(1個、2個、15個または8個)を加算して新たな累積払出数を算出して、当該新たな累積払出数を演出制御RAM302cの更新記憶領域に記憶する。ここで、図11(b)は、特別入賞検出センサSE3の検出を契機として第3の払出演出パターンP3が決定された場合に、演出制御RAM302cの累積払出数記憶領域に記憶される値の変化を示してある。その後、決定された払出演出パターン(図11の例では第3の払出演出パターンP3)に基づく払出演出が前記第1の補助表示部70において行われた後に、当該更新記憶領域に記憶された値(3350個)を前記第2の補助表示部80に表示するように前記演出制御CPU302aが第2の補助表示部80の表示を更新することで累積払出数の更新演出が行われるようになっている。そして、更新記憶領域に記憶された値に基づいて第2の補助表示部80の表示を更新した場合には、演出制御CPU302aが更新記憶領域に記憶された値(3350個)を基準記憶領域に記憶すると共に、更新記憶領域に記憶された値をクリアするようになっている。このように、1回の払出数信号の入力に伴って1回の払出演出が行われる場合には、払出演出により特定される払出数を累積した値を第2の補助表示部80に表示することができ、累積払出数の更新演出を多様化して遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、図12A、図12Bに示すように、入賞検出センサSEによるパチンコ球の検出を契機として払出数信号が演出制御CPU302aに入力されて、複数回(実施例では2回または3回)の払出演出が行われる払出演出パターン(実施例では第4の払出演出パターンP4または第6の払出演出パターンP6)が演出制御CPU302aにより決定された場合には、演出制御RAM302cの基準記憶領域に記憶された値(3335個)に、該払出数信号により特定されるパチンコ球の払出数(15個または8個)を加算して新たな累積払出数を算出して、当該新たな累積払出数を演出制御RAM302cの更新記憶領域に記憶する。ここで、図12A、図12Bは、特別入賞検出センサSE3の検出を契機として第4の払出演出パターンP4が決定された場合に、演出制御RAM302cの累積払出数記憶領域に記憶される値(3350個)の変化を示してある。また、3回の払出演出が行われる第4の払出演出パターンP4が決定された場合は、演出制御RAM302cの基準記憶領域に記憶された値(3335個)に、1回目の払出演出により特定されるパチンコ球の払出数(2個)を加算して第1の中間払出数(3337個)を算出して、当該第1の中間払出数を演出制御RAM302cの第1の中間記憶領域に記憶すると共に、当該第1の中間記憶領域に記憶された値(3337個)に、2回目の払出演出により特定されるパチンコ球の払出数(3個)を加算して第2の中間払出数(3340個)を算出して、当該第2の中間払出数を演出制御RAM302cの第2の中間記憶領域に記憶する(図12A(b))。
そして、図12A(c)に示すように、第4の払出演出パターンP4に基づいて1回目の払出演出が前記第1の補助表示部70において行われた後に、当該第1の中間記憶領域に記憶された値(3337個)を前記第2の補助表示部80に表示するように演出制御CPU302aが第2の補助表示部80の表示を更新(1回目の中間更新)する。その後、図12B(a)に示すように、引き続いて2回目の払出演出が第1の補助表示部70において行われた後に、当該第2の中間記憶領域(3340個)に記憶された値を第2の補助表示部80に表示するように演出制御CPU302aが第2の補助表示部80の表示を更新(2回目の中間更新)する。更に、引き続いて3回目の払出演出が第1の補助表示部70において行われた後に、更新記憶領域に記憶された値(3350個)を第2の補助表示部80に表示するように演出制御CPU302aが第2の補助表示部80の表示を更新(最終更新)することで、一連の累積払出数の更新演出が行われる(図12(b)参照)。そして、第2の補助表示部80の表示を更新記憶領域に記憶された値に更新した場合には、演出制御CPU302aが更新記憶領域に記憶された値(3350個)を基準記憶領域に記憶させると共に、更新記憶領域および各中間記憶領域に記憶された値をクリアするようになっている。このように、1回の払出数信号の入力に伴って複数回の払出演出が行われる場合には、払出演出により特定される払出数を累積した値を、払出演出が行われる毎に第2の補助表示部80に表示することができ、累積払出数の更新演出を多様化して遊技の興趣を高めることが可能となる。なお、2回の払出演出が行われる第6の払出演出パターンP6が決定された場合は、前述した3回の払出演出が行われる第4の払出演出パターンP4が決定された場合と基本的に同じであるが、第2の中間記憶領域に記憶されることはない。
(累積払出数の表示禁止)
また、実施例の演出制御ROM302bには、パチンコ球の払出条件の成立に伴って累積払出数の更新演出を行う際に第2の補助表示部80への表示を禁止する特定の累積数(以下、特定累積数という)が設定されている。すなわち、パチンコ球の払出条件の成立(払出数信号の入力)に伴って累積払出数の更新演出を行う際に、累積払出数または中間払出数が前記特定累積数となる場合に、当該特定累積数を跨いで第2の補助表示部80の表示を更新するよう演出制御CPU302aが制御するようになっている。ここで、累積払出数または中間払出数として表示が禁止される特定累積数としては、第2の補助表示部80に表示されることで、図柄変動演出の結果や図柄変動演出の演出内容に関連する演出として誤解される可能性がある表示となる値が設定される。具体的には、特典遊技(大当り遊技)が生起されることを認識できる演出図柄の組合せ(当り表示)と同じ表示結果となる数値が特定累積数として設定され、当り表示と同じ数値が第2の補助表示部80に表示されないようになっている。すなわち、実施例では、「222」や「777」等の同じ数値が3つ揃った値が特定累積数として設定されている。また、3列の演出図柄が全て同一でない図柄組合せのうち、特定の演出図柄組合せを特定の演出(例えば、特殊なリーチ演出)が実行される契機として用いるよう設定されている場合には、当該特定の演出図柄組合せと同じ表示結果となる数値が特定累積数として設定される。この特定の演出図柄の組合せとは、前述のように当該演出図柄の組合せから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものであり、例えば3つ数値が連続した昇順または降順で並ぶ値(例えば、「123」、「321」)や、2つの値が同一で、当該同値の2つの間の値が1つずれた数値(例えば、「778」)、3つの数値が所定の語呂合せとなる組合せ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。すなわち、特定累積数が第2の補助表示部80に表示されるのを防止することで、特典遊技(大当り遊技)や特定の演出が生起されるとの誤解を与えるのを防止している。
具体的に、演出制御CPU302aは、パチンコ球の払出条件の成立(払出数信号の入力)に伴って累積払出数の更新演出を行う際に、累積払出数または中間払出数が前記特定累積数となる場合に、当該特定累積数を表示しないように更新演出を行うよう演出制御CPU302aが第2の補助表示部80の表示を制御する。例えば、設定された特定累積数に「777」および「778」が含まれる場合に、前記第2の補助表示部80に「775」が表示された状態で特別入賞検出センサSE3の検出を契機としてパチンコ球の払出条件が成立して、累積払出数の更新演出に伴って第2の補助表示部80の表示を「790」まで更新する際は、当該第2の補助表示部80の表示を「776」→「779」→「780」→「781」→・・・→「790」のように変更するよう演出制御CPU302aが制御する。このように、累積払出数の更新演出に伴って第2の補助表示部80の表示を更新する際に、特定累積数(「777」や「778」)を表示しないことで、当該第2の補助表示部80の表示により遊技者が誤解するのを防ぐことができる。
(更新遅延について)
また、演出制御CPU302aは、パチンコ球の払出条件の成立に伴って累積払出数の更新演出を行う際に、新たな累積払出数または中間払出数が前記特定累積数となる場合に、第2の補助表示部80における累積払出数の更新を遅延(停止)することを決定可能に構成されている。具体的に、払出数信号の入力を契機として前記更新記憶領域に記憶した新たな累積払出数が前記特定累積数と一致する場合に、演出制御CPU302aが第2の補助表示部80における累積払出数の更新(最終更新)を遅延することを決定するよう構成される。すなわち、更新記憶領域に記憶する新たな累積払出数と、前記特定累積数とが一致することにより演出制御CPU302aが累積払出数の更新(最終更新)の遅延を決定した場合には、当該遅延を決定する契機となった払出数信号の入力に伴う累積払出数の更新演出を行わないようになっている。すなわち、払出条件の成立前の表示を維持するように演出制御CPU302aが当該第2の補助表示部80を制御するようになっている。実施例では、前記演出制御RAM302cに補助記憶領域が設定されており、更新記憶領域に記憶する新たな累積払出数と前記特定累積数とが一致する場合には、払出条件の成立前に基準記憶領域に記憶する値を当該補助記憶領域に記憶すると共に、当該補助記憶領域の値に基づいて第2の補助表示部80を表示させることで、払出条件の成立前の表示を維持し得るようになっている。
(新たな累積払出数が特定累積数と一致する場合)
具体的に、実施例では、払出数信号の入力を契機として前記更新記憶領域に記憶した新たな累積払出数が前記特定累積数と一致する場合に、演出制御CPU302aが第2の補助表示部80における累積払出数の表示の更新を遅延することを決定するよう構成される。例えば、図13Aに示すように、特定累積数に「777」および「778」が含まれる場合に、前記第2の補助表示部80に「775」が表示された状態(すなわち基準記憶領域に記憶された値が775個である状態)で、第2始動入賞検出センサSE2の検出を契機としてパチンコ球の払出条件が成立した場合には、当該入賞を契機とする払出数信号の入力時点で基準記憶領域に記憶された値(775個)に払出数信号により特定されるパチンコ球の払出数(2個)を累積した値(777個)が前記更新記憶領域に記憶する新たな累積払出数となることから(図13A(b)参照)、累積払出数の表示の更新を遅延する(すなわち累積払出数の更新演出を行わない)ことを演出制御CPU302aが決定する。そして、払出数信号の入力時点で基準記憶領域に記憶された値(775個)を補助記憶領域に記憶(移行)すると共に、払出条件の成立前の表示「775」のまま維持されるよう演出制御CPU302aが当該第2の補助表示部80の表示を制御するようになっている(図13A(c)参照)。このように、実施例の演出制御CPU302aは、前記払出条件の成立を契機として前記第2の補助表示部80における累積払出数の更新の実行および当該更新の遅延の何れかを決定する更新決定手段としての機能を有しており、累積基準時以降の累積払出数が特定の累積数となる場合に、第2の補助表示部80に表示する累積払出数の更新の遅延を決定するように構成されている。
また、累積払出数の表示の更新を遅延する(すなわち累積払出数の更新演出を行わない)ことを演出制御CPU302aが決定した場合には、当該決定の契機となった払出数信号の入力に伴う払出演出を第1の補助表示部70で行うことを演出制御CPU302aが決定するよう構成される。すなわち、更新記憶領域に記憶する新たな累積払出数と、前記特定累積数とが一致することにより演出制御CPU302aが累積払出数の更新(最終更新)の遅延を決定した場合には、第1の補助表示部70における払出演出および第2の補助表示部80における累積払出数の更新演出の何れも行われないよう構成され、一方の演出だけが行われることによる違和感が生じないようになっている。
また、累積払出数の表示の更新を遅延する(すなわち累積払出数の更新演出を行わない)ことを演出制御CPU302aが決定した場合には、次回以降の払出条件の成立を契機として、所定の累積基準時以降における払出数の累積払出数を前記第2の補助表示部80に表示するよう当該演出制御CPU302aが制御するよう構成される。実施例では、図13A(c)に示すように、第2の補助表示部80における累積払出数の表示の更新を遅延することを演出制御CPU302aが決定した場合には、払出条件の成立に伴って算出した更新記憶領域に記憶する値(新たな累積払出数)を基準記憶領域の値とするよう構成されており、次回の払出条件が成立した場合には、この基準記憶領域に記憶された値に払出数信号により特定されるパチンコ球の払出数が累積されることで、累積払出数の表示の更新を遅延した払出数を含む累積基準時以降の累積払出数を第2の補助表示部80に表示し得るようになっている。具体的に、前述した図13Bに示す例では、累積払出数の表示の更新を遅延する(すなわち累積払出数の更新演出を行わない)ことを決定した場合に、払出数信号の入力時点で基準記憶領域に記憶された値(775個)に払出数信号により特定されるパチンコ球の払出数(2個)を累積した値(777個)を基準記憶領域の値として記憶することで、次に払出条件が成立した場合(例えば第2始動入賞検出センサSE2が検出した場合)には、当該基準記憶領域の値(777個)を基準として更新記憶領域に記憶する新たな累積払出数(779個)を算出することで、累積払出数の更新演出を行うことができる(図13B(b),(c)参照)。
(中間払出数が特定累積数と一致する場合)
また、払出数信号の入力を契機として前記第1または第2中間記憶領域に記憶する中間払出数が前記特定累積数と一致する場合に、演出制御CPU302aが第2の補助表示部80における累積払出数の表示の更新(中間更新)を遅延することを決定するよう構成されている。すなわち、第1の中間払出数が特定累積数と一致する場合に、第1中間記憶領域に記憶された値に基づいた第2の補助表示部80における累積払出数の表示の更新(中間更新)を遅延することを演出制御CPU302aが決定すると共に、第2の中間払出数が特定累積数と一致する場合に、第2中間記憶領域に記憶された値に基づいた第2の補助表示部80における累積払出数の表示の更新(中間更新)を遅延することを演出制御CPU302aが決定するよう構成されている。すなわち、中間記憶領域に記憶する中間払出数が前記特定累積数と一致する場合には、中間記憶領域に記憶された特定累積数と一致する値に基づいた第2の補助表示部80の表示の更新を行わないようになっている。また、演出制御CPU302aが累積払出数の更新(中間更新)の遅延を決定した場合には、第1の補助表示部70における払出演出を実行するよう構成されている。なお、中間記憶領域に記憶する中間払出数および更新記憶領域に記憶する新たな累積払出数の両方が特定累積数と一致する場合は、前述のように払出演出および累積払出数の更新演出の夫々を行わないことを演出制御CPU302aが決定するよう構成されている。
例えば、特定累積数に「777」および「778」が含まれる場合に、図14A、図14Bに示すように、前記第2の補助表示部80に「775」が表示された状態(すなわち基準記憶領域に記憶された値が775個)において特別入賞検出センサSE3の検出を契機としてパチンコ球の払出条件が成立し、第4の払出演出パターンP4が決定された場合は、第1中間記憶領域に第1の中間払出数として記憶される値は777個となり、第2中間記憶領域に第2の中間払出数として記憶される値は780個となり、更新記憶領域に新たな累積払出数として記憶される値は790個となる(図14A(b)参照)。すなわち、第1中間記憶領域に記憶する第1の中間払出数が特定累積数と一致することから、当該第1中間記憶領域に記憶された値に基づく累積払出数の表示の更新(中間更新)を遅延する(行わない)ことを演出制御CPU302aが決定する。
この場合には、第4の払出演出パターンP4に基づいて1回目の払出演出が前記第1の補助表示部70において行われた後に、当該第1の中間記憶領域に記憶された値(777個)を第2の補助表示部80の表示を更新することなく基準記憶領域に記憶された値(775個)を第2の補助表示部80に表示する(図14A(c)参照)。そして、引き続いて2回目の払出演出が第1の補助表示部70において行われた後に、当該第2の中間記憶領域に記憶された値(780個)を表示するように第2の補助表示部80の表示を更新すると共に(図14B(a)参照)、更に引き続いて3回目の払出演出が第1の補助表示部70において行われた後に、更新記憶領域に記憶された値(790個)を表示するように第2の補助表示部80の表示を更新することで、一連の累積払出数の更新演出が行われるよう構成されている(図14B(b)参照)。なお、第2中間記憶領域に記憶する第2の中間払出数が特定累積数と一致する場合には、同様に第2中間記憶領域に記憶された値に基づく累積払出数の表示の更新(中間更新)を遅延する(行わない)ことを演出制御CPU302aが決定する。このように、実施例の演出制御CPU302aは、前記払出条件の成立を契機として前記第2の補助表示部80における中間更新の実行および当該中間更新の遅延の何れかを決定する中間更新決定手段としての機能を有しており、中間記憶領域に記憶する中間払出数が特定累積数と一致する場合には、一連の累積払出数の更新演出において特定累積数と一致する値が第2の補助表示部80に表示されるのを回避しつつ、累積基準時以降における払出数の累積払出数を、当該累積払出数の更新演出の結果として第2の補助表示部80にリアルタイムに表示し得るようになっている。
(第2の補助表示部80における演出の実行について)
実施例に係るパチンコ機10では、前記始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機としてメイン制御CPU301aにおいて特図当り判定が行われた場合に、当該特図当り判定の結果に関する演出を前記第2の補助表示部80で実行可能に構成されている。ここで、特図当り判定の結果に関する演出としては、始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機として行われる図柄変動演出の結果として当り表示が表示される可能性を示唆する演出であったり、図柄変動演出において特定のリーチ演出が行われる可能性を示唆する演出である。以下の説明では、第2の補助表示部80で行われる特図当り判定の結果に関する演出を単に予告演出と称するものとする。実施例では、メイン制御CPU301aが決定した特図変動パターンに基づいて第2の補助表示部80での予告演出を実行するか否かを演出制御CPU302aが決定するよう構成され、第2の補助表示部80での予告演出の実行を決定した場合に、当該第2の補助表示部80に表示する表示内容を、前記払出演出により特定されるパチンコ球の払出数を累積した累積払出数の表示から予告演出に切り替えるよう構成されている。
実施例では、前記メイン制御CPU301aにより決定される特図変動パターンに、演出制御CPU302aが予告演出の実行を決定可能な特図変動パターンと、予告演出の実行を決定不能な特図変動パターンとが含まれており、当該予告演出の実行を決定可能な特図変動パターンをメイン制御CPU301aが決定することで、演出制御CPU302aが予告演出の実行を決定し得るよう構成されている。ここで、特図当り用の特図変動パターンがメイン制御CPU301aにより決定された場合(特図当り判定が肯定の判定結果の場合)に、はずれ変動用の特図変動パターンが決定された場合(特図当り判定が否定の判定結果の場合)と比べて、第2の補助表示部80における予告演出の実行を演出制御CPU302aが決定し易くなるよう構成されている。このように、実施例の演出制御CPU302aは、始動入賞口51,52へのパチンコ球の入賞を契機として、当り判定の結果に関する演出を前記第2の表示手段で表示することを決定可能な演出決定手段として機能するよう構成されており、当該決定に基づいて第2の補助表示部80に表示する表示内容を、累積払出数の表示と予告演出の表示とに切り替えるようになっている。
具体的に、実施例の演出制御ROM302bには、図15に示すように、予告演出の実行(肯定判定)および予告演出の不実行(否定判定)に対して所定数の予告演出実行可否判定値が割り当てられた予告演出の実行決定テーブルが設定されており、演出制御CPU302aが取得した予告演出実行可否判定用乱数に基づいて、予告演出を実行するか否かを決定するよう構成されている。すなわち、演出制御CPU302aが取得した予告演出実行可否判定用乱数の値が予告演出の実行に割り当てられた判定値と一致する場合に、予告演出を実行することを演出制御CPU302aが決定し、当該予告演出実行可否判定用乱数の値が予告演出の不実行に割り当てられた判定値と一致する場合に、予告演出を実行しないことを演出制御CPU302aが決定するようになっている。なお、予告演出の実行(肯定判定)および予告演出の不実行(否定判定)に対して割り当てられる予告演出実行可否判定値の重複はない。なお実施例では、予告演出実行可否判定用乱数および予告演出実行可否判定値として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されている。また、予告演出実行可否判定用乱数は、所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値を演出制御RAM302cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成されており、特図変動パターン指定コマンドが演出制御基板302(演出制御CPU302a)に入力されることを契機として、演出制御RAM302cに記憶されている乱数値を演出制御CPU302aが取得するよう構成されている。
例えば、図15に示すように、実施例に係る予告演出の実行決定テーブルでは、第1のはずれ特図変動パターンに対しては、予告演出の不実行(否定判定)に全ての予告演出実行可否判定値が割り当てられており、メイン制御CPU301aがこの特図変動パターンを決定した場合には予告演出が実行されないよう設定されている。また、第2のはずれ特図変動パターンに対しては、予告演出の実行(肯定判定)に10個の予告演出実行可否判定値が割り当てられ、予告演出の不実行(否定判定)に90個の予告演出実行可否判定値が割り当てられており、メイン制御CPU301aがこの特図変動パターンを決定した場合には10%の割合で予告演出の実行を演出制御CPU302aが決定し得るよう構成されている。また、当り特図変動パターンに対しては、予告演出の実行(肯定判定)に30個の予告演出実行可否判定値が割り当てられ、予告演出の不実行(否定判定)に70個の予告演出実行可否判定値が割り当てられており、メイン制御CPU301aがこの特図変動パターンを決定した場合には30%の割合で予告演出の実行を演出制御CPU302aが決定し得るよう構成されている。このように、実施例では、図柄変動演出の結果として当り表示が表示される(すなわちメイン制御CPU301aにより当り特図変動パターンが決定された)場合に、演出制御CPU302aが予告演出の実行を決定し易くなるよう設定され、予告演出が第2の補助表示部80において行われることへの関心を高めている。
また、演出制御CPU302aは、前記第2の補助表示部80での予告演出の実行を決定した場合に、当該予告演出が終了するまでの間、パチンコ球の払出条件が成立した際(払出数信号が入力された際)に少なくとも累積払出数の更新演出を第2の補助表示部80で行わないことを決定するよう構成されている。すなわち、前記予告演出の実行を演出制御CPU302aが決定した場合には、累積払出数の更新演出に優先して予告演出が第2の補助表示部80で行われるようになっている。従って、第2の補助表示部80において予告演出が行われている間に入賞検出センサSEがパチンコ球を検出した際には、予告演出が継続して行われることで、予告演出と累積払出数の更新演出とが遊技者に混同されるのを防止し得る。
また、前記第2の補助表示部80での予告演出の実行を決定した場合に、当該予告演出が終了するまでの間、パチンコ球の払出条件の成立(払出数信号の入力)に伴って第1の補助表示部70において払出演出を実行することを演出制御CPU302aが決定し得るよう構成されている。すなわち、第2の補助表示部80において予告演出が行われている間に入賞検出センサSEがパチンコ球を検出した際に、第1の補助表示部70において払出演出が行われることで入賞が発生したことを遊技者が把握することができる。ここで、前記第2の補助表示部80において予告演出が行われている間、パチンコ球の払出条件の成立(払出数信号の入力)に伴って第1の補助表示部70において払出演出を実行しないことを演出制御CPU302aが決定するよう構成することも可能である。このように、第2の補助表示部80において予告演出が行われている間は第1の補助表示部70において払出演出が行われないようにすることで、第2の補助表示部80で行われる予告演出を、払出演出に引き続いて行われる累積払出数の更新演出と遊技者が誤認することを防止できる。
また、前記第2の補助表示部80で予告演出が行われている間に、パチンコ球の払出条件が成立した際(払出数信号が入力された際)には、払出数信号が入力される毎に累積払出数憶領域の基準記憶領域に記憶保持する値を演出制御CPU302aが更新するよう構成されている。すなわち、前記第2の補助表示部80での予告演出の実行を決定して当該予告演出が終了するまでの間に、パチンコ球の払出条件が成立(払出数信号が入力)した場合には、当該予告演出が終了することを契機として、所定の累積基準時以降における払出数の累積払出数を前記第2の補助表示部80に表示するよう当該演出制御CPU302aが制御するようになっている。具体的には、前述した累積払出数または中間払出数が前記特定累積数となる場合と同様に、払出数信号が入力される毎に、当該払出数信号により特定されるパチンコ球の払出数を累積した値(新たな累積払出数)を基準記憶領域にその都度記憶することで実現される。このように、第2の補助表示部80において予告演出が行われる間にパチンコ球の払出条件が成立(払出数信号が入力)した場合には、前記演出制御RAM302cにおける基準記憶領域の値を、払出条件の成立に伴う新たな累積払出数に書き換えることで、予告演出が行われる間に払い出された払出数を含む累積基準時以降の累積払出数を、予告演出の終了に伴って第2の補助表示部80に表示し得るようになっている。
(識別表示について)
また、実施例のパチンコ機10は、前記第2の補助表示部80における前記累積払出数の表示と予告演出の表示とを区別する識別表示を当該第2の補助表示部80に表示するよう構成される。実施例では、第2の補助表示部80に累積払出数を表示する場合に、当該累積払出数を表示していることを示す第1の識別表示として、累積払出数を表示している表示領域81を挟む左右の表示領域81に2本の横線(図11等参照)を表示すると共に、第2の補助表示部80において予告演出を表示する場合には、当該第1の識別表示を表示しないよう設定されている。すなわち、演出制御CPU302aは、予告演出の実行および不実行の決定に基づいて第2の補助表示部80に表示する表示内容を累積払出数の表示と予告演出の表示とに切り替えると共に、累積払出数を表示する場合には、累積払出数の表示と併せて識別表示を表示するように第2の補助表示部80の表示を制御している。
ここで、累積払出数を表示していることを示す第1の識別表示と区別可能な第2の識別表示(予告演出を表示していることを示す識別表示)を設定して、第2の補助表示部80において予告演出を表示する場合に、当該予告演出と併せて第2の識別表示を表示するように演出制御CPU302aが第2の補助表示部80の表示を制御するようにしてもよい。なお、第2の識別表示としては、例えば第2の補助表示部80を構成する左右両端の表示領域81に2本の縦線を表示する等により実現できる。なお、予告演出と併せて第2の識別表示を表示する場合には、累積払出数を表示していることを示す第1の識別表示の表示を省略してもよい。すなわち、演出制御CPU302aは、前記累積払出数の表示と予告演出の表示とを区別する識別表示を、当該累積払出数および予告演出の少なくとも何れかの表示に併せて第2の補助表示部80に表示するよう制御するよう構成される。このように、第2の補助表示部80に識別表示を表示することで、当該第2の補助表示部80に表示される累積払出数の表示と予告演出とを混同することなく明確に区別して遊技者が理解することが可能となる。
(操作ボタン22の操作に伴う累積払出数の表示切り替えについて)
また、実施例のパチンコ機10では、遊技者が前記操作ボタン22を操作することで、前記第2の補助表示部80における累積払出数の表示および当該累積払出数の非表示を切り替え得るよう構成されている。実施例では、前記操作ボタン22からの操作信号が演出制御CPU302aに入力されことを契機として、前記第2の補助表示部80における累積払出数の表示および当該累積払出数の非表示を演出制御CPU302aが決定するように構成されている。そして、操作信号の入力に基づいて演出制御CPU302aが累積払出数の表示を決定することで、第2の補助表示部80に累積払出数を表示すると共に、累積払出数の非表示を決定することで、第2の補助表示部80に累積払出数が表示されないようになっている。すなわち、実施例の演出制御CPU302aは、遊技者が操作可能に設けられた操作手段の操作に基づいて累積払出数の表示および当該累積払出数の非表示を決定可能な表示決定手段として機能し、当該決定に基づいて第2の補助表示部80での累積払出数の表示および非表示が切り替わるよう構成されている。
実施例では、図16に示すように、所定の切替操作有効期間が設定されており、当該切替操作有効期間における操作ボタン22の操作に伴って操作信号が演出制御CPU302aに入力される毎に、累積払出数の表示および当該累積払出数の非表示を演出制御CPU302aが交互に決定するよう構成されている。すなわち、切替操作有効期間に操作ボタン22を操作する毎に、前記第2の補助表示部80における累積払出数の表示および非表示が交互に切り替わるようになっている。ここで、切替操作有効期間としては、デモ演出が行われるデモ演出期間や、図柄変動演出の開始から所定時間経過するまでの期間、特典遊技が行われる期間等を設定することが可能であり、またこれらの期間以外を任意に設定することも可能である。
また、前記第2の補助表示部80に累積払出数が表示されていない状態(すなわち第2の補助表示部80での累積払出数の非表示を決定してから当該累積払出数の表示を決定するまでの間)で、パチンコ球の払出条件が成立した際(払出数信号が入力された際)には、第1の補助表示部70において払出演出を実行することを演出制御CPU302aが決定するよう構成されている。すなわち、第2の補助表示部80において累積払出数が表示されていない状態で入賞検出センサSEがパチンコ球を検出した際に、第1の補助表示部70において払出演出が行われることで入賞が発生したことを遊技者が把握することができる。ここで、前記第2の補助表示部80に累積払出数が表示されていない状態でパチンコ球の払出条件が成立した際(払出数信号が入力された際)に、第1の補助表示部70において払出演出を実行しないことを演出制御CPU302aが決定するよう構成することも可能である。第2の補助表示部80において累積払出数が表示されていない状態で第1の補助表示部70において払出演出が行われないようにすることで、払出演出から累積払出数の更新演出への繋がりのある演出を維持することが可能となる。
また、前記第2の補助表示部80に累積払出数が表示されていない状態でパチンコ球の払出条件が成立した際(払出数信号が入力された際)には、払出数信号が入力される毎に累積払出数憶領域の基準記憶領域に記憶保持する累積払出数を演出制御CPU302aが更新するよう構成されている。すなわち、第2の補助表示部80に累積払出数が表示されていない状態でパチンコ球の払出条件が成立(払出数信号が入力)した場合には、当該累積払出数の表示に切り替わることを契機として、所定の累積基準時以降における払出数の累積払出数を前記第2の補助表示部80に表示されるよう当該演出制御CPU302aが制御するようになっている。具体的には、前述した累積払出数または中間払出数が前記特定累積数となる場合と同様に、払出数信号が入力される毎に、当該払出数信号により特定されるパチンコ球の払出数を累積した値(新たな累積払出数)を基準記憶領域にその都度記憶することで実現される。このように、第2の補助表示部80に累積払出数が表示されていない状態でパチンコ球の払出条件が成立(払出数信号が入力)した場合には、前記演出制御RAM302cにおける基準記憶領域の値を、払出条件の成立に伴う新たな累積払出数に書き換えることで、累積払出数が表示されていない間に払い出された払出数を含む累積基準時以降の累積払出数を、操作ボタン22の操作に伴って第2の補助表示部80に表示することができる。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記中枠12の前面側に設けられた前記操作ハンドル16を遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置17から発射されたパチンコ球が前記遊技盤30に設けた案内レール33により画成された遊技領域31内に打ち出されて、遊技釘37等に接触して流下方向を変更しながら遊技領域31内を流下する。そして、前記遊技領域31を流下するパチンコ球が前記第1始動入賞口51や第2始動入賞口52への入賞を契機として特図当り判定が行われ、当該特図当り判定の結果に基づいて対応する第1特図表示部D1や第2特図表示部D2において特図変動表示が行われると共に前記図柄表示装置25での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置25に所定の図柄組合せで演出図柄が表示されることで特典遊技が生起される。特典遊技が生起されると、前記遊技盤30に設けられた特別入賞部55が開放されると共に、図柄表示装置25において特図当り演出が行われる。
そして、前記入賞口51,52,56,58aの何れかに入賞したパチンコ球を対応する入賞検出センサSE1〜SE4が検出してパチンコ球の払出条件が成立した場合に、当該入賞検出センサSE1〜SE4球検出信号に基づいて、パチンコ球の払い出しおよびパチンコ球の払出数(賞球数)を指示する払出指示信号をメイン制御CPU301aが払出制御基板310に対して出力し、当該払出指示信号に基づいて払出制御基板310が払出装置312を作動制御することで払出指示信号により指示された数のパチンコ球が払い出される。また、前記パチンコ球の払出条件の成立に伴って払い出されるパチンコ球の払出数を識別可能な払出数信号がメイン制御CPU301aから演出制御CPU302aに入力され、当該払出数信号の入力を契機として、演出制御CPU302aが前記第1の補助表示部70において払出演出を実行する。このように、パチンコ球の払出条件が成立した際に、パチンコ球の払出数に合わせた払出演出を第1の補助表示部70に表示することで、パチンコ球の払い出しが行われることを遊技者に視覚的に認識させることができる。ここで、演出制御CPU302aは、払出数信号に基づいて第1〜第6の払出演出パターンP1〜P6の何れかを決定して、決定した払出演出パターンに基づいて払出演出を実行するようになっているから、入賞口51,52,56,58aを契機として第1の補助表示部70において行われる払出演出を多様化することができ、第1の補助表示部70での演出に対する遊技者の関心を高めることができる。
また、払出条件の成立に伴ってパチンコ球の払い出しが行われる際には、前記第1の補助表示部70で表示される払出演出により特定されるパチンコ球の払出数を、累積基準時から当該払出条件が成立するまでの間に払い出されたパチンコ球の払出数(累積払出数)に累積した新たな累積払出数を表示するよう第2の補助表示部80の表示を更新するよう構成されているから、累積基準時から払い出されたパチンコ球の累計を参照することができ、遊技者の遊技に対する関心を高めることが可能となる。そして、特典遊技とは異なったタイミングを累積基準時として設定して、累積基準時以降のパチンコ球の払出数を累積することで、比較的長い時間間隔でのパチンコ球の払出数の変化を把握することが可能となる。実施例では、電源供給の開始(電源投入時や復電時)に伴う起動処理やクリア信号の入力に伴うラムクリア処理が行われてパチンコ機10での遊技か可能となった時点を累積基準時として、当該累積基準時以降に払い出されたパチンコ球の数(累積払出数)が第2の補助表示部80に表示されるから、当該第2の補助表示部80の表示を参考にして入賞口51,52,56,58aへパチンコ球が入賞する可能性を遊技者が推測しながら遊技するパチンコ機10を選択することが可能となり、遊技を行う意欲を高める効果が期待できる。
また、前記第1の補助表示部70において行われる払出演出として、単数のパチンコ球が払い出されることを識別可能な単数払出演出と、複数個(実施例では2個、3個、8個15個)のパチンコ球が払い出されることを識別可能な複数払出演出とを設定することで、パチンコ機10で発生する任意の払出数に合わせた払出演出を実行することができる。また、複数払出演出を実行可能にすることで、パチンコ球の払出条件の成立に伴って多数のパチンコ球が払い出される場合に、当該複数払出演出を行うことで払い出されるパチンコ球の数を短時間で遊技者に認識させ得ると共に、当該パチンコ球の払出数を速やかに第2の補助表示部80の表示に反映することができる。
また、1回の払出条件の成立に伴って払い出し可能なパチンコ球の最大数を識別可能な特定の複数払出演出を設定することで、特典遊技において短時間に多数のパチンコ球が特別入賞口56に入賞した場合でも、第1の補助表示部70において払出演出を迅速に実行することができる。このため、特典遊技のように短時間に多数のパチンコ球の入賞が生じる状況下においても、パチンコ球の払出条件の成立に伴うパチンコ球の払出数を速やかに第2の補助表示部80の表示に反映することができ、累積基準時から払い出されたパチンコ球の累計を所望のタイミングで遊技者が容易に参照することが可能となる。また、実施例では、特別入賞口56にパチンコ球が入賞した場合に演出制御CPU302aが第3または第4の払出演出パターンP3,P4を決定すると共に、普通入賞口58aにパチンコ球が入賞した場合に演出制御CPU302aが第5または第6の払出演出パターンP5,P6を決定するよう構成されており、払い出されるパチンコ球の払出数に応じて1つの払出演出または複数の払出演出の組合せを決定するようになっている。すなわち、同じ入賞口(特別入賞口56または普通入賞口58a)へのパチンコ球の入賞を契機として、払い出されるパチンコ球の払出数に応じて1回の払出演出が行われたり、複数回の払出演出が行われることで、第1の補助表示部70で行われる払出演出が単調になるのを防いで、払出演出に対する関心を高めることが可能となる。
また、前記第2の補助表示部80の表示を更新する際に、特定累積数を跨いで第2の補助表示部80の表示を更新するよう演出制御CPU302aが制御するよう構成されている。すなわち、第2の補助表示部80に累積払出数を表示する際に、特定の累積払出数を跨いで更新することで、遊技者に誤解を招きかねない特定の累積払出数が第2の補助表示部80に表示されることを防ぐことができる。例えば、特典遊技が生起されるものとして遊技者が誤認しかねない数字(例えば「777」等)を特定の累積払出数として定めた場合に、特定の累積払出数を跨いで(飛ばして)変化するように第2の補助表示部80の表示を制御することで、第2の補助表示部80における累積払出数の更新演出が特図当り判定の判定結果に関する予告演出として誤認されるのを防ぐことができ、当該第2の補助表示部80に表示される数値によって遊技者に無用の混乱を生じるのを防止することができる。
また、第2の補助表示部80に表示する累積払出数が特定の累積払出数となる場合に、累積払出数の更新を禁止して当該特定の累積払出数を表示しないようにすることで、遊技者に誤解を招きかねない特定の累積払出数が第2の補助表示部80に表示されることを防ぐことができる。例えば、特典遊技が生起されるものとして遊技者が誤認しかねない数字(例えば「777」等)を特定の累積払出数として定められた状態において、第2の補助表示部80に表示する累積払出数または中間払出数が特定累積数となる場合に、当該第2の補助表示部80の表示の更新を停止して当該特定の累積払出数が表示されないようにすることで、当該第2の補助表示部80に表示される数値によって混乱を生じるのを防ぐことができる。また、累積払出数の更新を遅延(停止)するか否かに関わらず、払出条件の成立に伴って演出制御RAM302cの基準記憶領域に記憶する累積払出数を演出制御CPU302aが更新するよう構成したことで、累積払出数の更新を遅延(停止)した場合でも次回以降に払出条件が成立することを契機として、第2の補助表示部80に表示させなかったパチンコ球の払出数を含んだ累積払出数を当該第2の補助表示部80に表示される。すなわち、累積基準時以降のパチンコ球の払出数を累積した累積数を第2の補助表示部80に的確に表示することができる。
また、実施例では、第2の補助表示部80において累積払出数の更新演出を実行する他に、当り判定手段による当り判定の結果に関する予告演出を行い得るよう構成されている。このように、累積基準時以降に払い出されたパチンコ球の累積払出数の表示と、当り判定手段による当り判定の結果に関する予告演出の表示とを、同じ第2の補助表示部80において表示し得るようにすることで、当該第2の補助表示部80の表示による演出を多様化することができる。また、累積数の表示および予告演出の表示の少なくとも何れかの表示に伴って第2の補助表示部80に識別表示を表示するよう構成することで、累積払出数が表示されている状態と、予告演出が行われている状態とを遊技者が誤認するのを効果的に防ぐことができる。また、第2の補助表示部80において予告演出を行っている間に各入賞口51,52,56,58aにパチンコ球が入賞して払出条件が成立した場合に、当該払出条件の成立に伴って演出制御RAM302cの基準記憶領域に記憶する累積払出数を演出制御CPU302aが更新するようになっている。このため、予告演出が終了して累積払出数を第2の補助表示部80を表示し得る状況になった場合には、当該予告演出を行っている間の入賞に基づくパチンコ球の払出数を含んだ累積払出数を当該第2の補助表示部80に表示することができ、累積基準時以降のパチンコ球の払出数を累積した累積数を第2の補助表示部80に的確に表示することができる。
また、所定の切替操作有効期間に遊技者が操作ボタン22を操作することで、前記第2の補助表示部80における累積払出数の表示と非表示とを任意に切り替え得るよう構成したことで、遊技者の多様な嗜好に合わせて第2の補助表示部80の表示を切り替えて遊技を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。また、第2の補助表示部80に累積払出数を表示しない状態で各入賞口51,52,56,58aにパチンコ球が入賞して払出条件が成立した場合に、当該払出条件の成立に伴って演出制御RAM302cの基準記憶領域に記憶する累積払出数を演出制御CPU302aが更新するようになっている。このため、遊技者の操作ボタン22の操作に伴って累積払出数を表示する状態に切り替えられた場合には、当該累積払出数が表示されていない状態での入賞に基づくパチンコ球の払出数を含んだ累積払出数を当該第2の補助表示部80に表示することができ、累積基準時以降のパチンコ球の払出数を累積した累積数を第2の補助表示部80に的確に表示することができる。
(変更例)
なお、遊技機としては、実施例に示したものに限らず、種々の構成を採用可能である。
(1) 実施例では、遊技媒体の払出条件が成立した際に払い出される遊技媒体の払出数を識別可能な払出演出を表示する第1の表示手段(第1の補助表示部70)を、演出表示手段(図柄表示装置25)とは別に設けるようにしたが、当該演出表示手段の一部を当該第1の表示手段としての表示部としてもよい。例えば、演出表示手段における表示領域の一部を第1の表示手段としての表示部とすることができる。また、第1の表示手段(第1の補助表示部70)の構成は、実施例に示したものに限られるものではなく、払出条件の成立に伴って払い出される遊技媒体の払出数を直接または間接的に表示して払出演出を実行可能な構成であればよい。例えば、遊技媒体の払出数を直接的に表示して払出演出を実行する構成としては、異なる数値を表示する複数の表示部を第1の表示手段(第1の補助表示部70)に設けて、払出条件の成立に伴って払い出される遊技媒体の払出数に対応する数値が表示された表示部を発光することにより実現できる。また、遊技媒体の払出数を間接的に表示して払出演出を実行する構成としては、異なる発光色で発光可能な1つまたは複数の表示部を第1の表示手段(第1の補助表示部70)に設けると共に、遊技媒体の払出数毎に表示部の発光色を設定(例えば払出数1個の場合は白色発光、払出数2個の場合は青色発光、払出数15個の場合は赤色発光等)して、払出条件の成立に伴って払い出される遊技媒体の払出数に対応した発光色で表示部を発光することにより実現できる。
(2) 実施例では、遊技媒体の払出条件が成立した際に第1の表示手段で表示される払出演出により特定される遊技媒体の払出数を累積した累積数を表示する第2の表示手段(第2の補助表示部80)を、演出表示手段(図柄表示装置25)とは別に設けるようにしたが、当該演出表示手段の一部を当該第2の表示手段としての表示部としてもよい。例えば、演出表示手段における表示領域の一部を第2の表示手段としての表示部とすることができる。
(3) 実施例では、第1の表示手段(第1の補助表示部70)および第2の表示手段(第2の補助表示部80)を個別の表示手段として備えるようにしたが、1つの表示手段に区切って第1および第2の表示手段を構成するようにしてもよい。例えば、表示手段として液晶表示装置を採用する場合に、当該液晶表示装置の前面に区画部材を配設して見かけ上複数の表示手段を備えるよう構成し、区切られた1つの表示領域を、前記払出演出を表示する第1の表示手段とすると共に、区切られた別の表示領域を、前記遊技媒体の払出数を累積した累積数を表示する第2の表示手段とするようにしてもよい。なお、1つの表示手段を複数の表示手段(表示領域)に区画する対象としては、液晶表示装置に限られるものではなく、複数の点光源を2次元状(縦横列)に配列したドットマトリックス式の表示手段としてもよく、その他の従来公知の表示装置を採用することができる。
(4) 実施例では、遊技機において起動処理やラムクリア処理が行われたタイミングを累積基準時として、当該累積基準時以降に第1の表示手段で表示される払出演出により特定される遊技媒体の払出数を累積した累積数を第2の表示手段に表示するよう構成したが、これに限られるものではなく、当り判定が当りの判定結果となることを契機として生起される特典遊技と異なるタイミングを累積基準時に設定することができる。例えば、演出表示手段において特定の演出(例えば特定のリーチ演出)が実行されたタイミングを累積基準時に設定するようにしてもよく、この場合には特定の演出が行われた以降に第1の表示手段で表示される払出演出により特定される遊技媒体の払出数を累積した累積数を表示することができる。また、始動口開放判定条件の成立に伴って行われる始動口開放判定が始動口を開放する判定結果となることを累積基準時としてもよく、この場合には始動口開放判定が開放する判定結果となった以降に第1の表示手段で表示される払出演出により特定される遊技媒体の払出数を累積した累積数を表示することができる。
(5) また、遊技機の起動処理やラムクリア処理が行われたタイミングから所定時間経過したタイミングを累積基準時に定めるようにしてもよい。例えば、遊技機の起動処理およびクリア信号の入力に伴うラムクリア処理が行われたタイミングから所定時間(例えば1時間)の経過毎に累積基準時を再設定するようにすることもできる。なお、累積基準時を再設定する場合には、再設定までの遊技媒体の払出数を累積した累積数をクリアすることが好ましい。また、累積基準時を複数設定して、起動処理やラムクリア処理が行われたタイミング等の所定の累積基準決定タイミングにおいて乱数抽選により遊技媒体の払出数の累積を開始する累積基準時を定めるようにすることもできる。
(6) 遊技媒体の払出数の累積を終了する累積終了時を定めて、累積基準時から累積終了時までの間に払い出される遊技媒体の払出数を累積した累積数を第2の表示手段に表示するようにしてもよい。この場合には、所定期間に払い出される遊技媒体の払出数を累積した累積数を遊技者に識別させることができる。
(7) 実施例では、第2の表示手段において当り判定手段による当り判定の結果に関する演出(予告演出)を表示し得るよう構成したが、当該第2の表示手段において遊技媒体の払出数を累積した累積数のみを表示するようにしてもよい。
(8) 実施例では、第2の表示手段において当り判定手段による当り判定の結果に関する演出(予告演出)を表示し得るよう構成し、当該予告演出が行われている間に払出条件が成立した際には、当該払出条件の成立に伴って払い出される遊技媒体の払出数を内部的に累積するようにしたが、予告演出が行われている間に払い出される遊技媒体の払出数を累積しないようにしてもよい。この場合は、第2の表示手段において予告演出が行われる間、第1の表示手段において払出演出を行わないようにすることで、第1の表示手段で行われる払出演出により特定される遊技媒体の払出数を累積した累積数そのものを第2の表示手段に表示することができ、第1の表示手段で行われる払出演出と、第2の表示手段に表示される累積数との一体性を高めることができる。
(9) 実施例では、第2の表示手段に累積数を表示していない状態で払出条件が成立した際には、当該払出条件の成立に伴って払い出される遊技媒体の払出数を内部的に累積するようにしたが、累積数を表示していない状態で払い出される遊技媒体の払出数を累積しないようにしてもよい。この場合は、第2の表示手段に累積数を表示していない状態で、第1の表示手段において払出演出を行わないようにすることで、第1の表示手段で行われる払出演出により特定される遊技媒体の払出数を累積した累積数そのものを第2の表示手段に表示することができ、第1の表示手段で行われる払出演出と、第2の表示手段に表示される累積数との一体性を高めることができる。
(10) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(11) また、実施例において演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を演出制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、演出制御手段(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における演出制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(12) 実施例では、遊技媒体としての遊技球が始動入賞手段へ入賞することを契機として当り判定が行われ、当りの判定結果となったばあいに所定の特典遊技生起条件が満たされることで特典遊技が生起されるよう構成されたパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機(回胴式遊技機)等の各種遊技機を採用し得る。
例えば、スロットマシン機(回胴式遊技機)は、前方へ開口する箱状の筐体に、当該筐体の前方開口を塞ぐ前扉が開閉可能に備えられ、図柄が配列された複数の回転体が前側から視認し得るように筐体内部に配設されている。そして、遊技媒体としての規定数の遊技メダルを所定の投入口に投入した遊技開始待機状態で遊技者が所定の開始操作手段の操作を行うことを契機として、回転体が回転して図柄が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当否判定(当り判定)を行い、所定の停止操作手段の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止制御を実行するよう構成された遊技機である。そして、当否判定が当りの判定結果となった場合に、停止操作手段の操作に基づいて所定の組合せで図柄が停止すること(特典遊技生起条件が満たされること)で、多数の遊技メダルを獲得可能な特典遊技(ボーナスゲームや特定の入賞役の成立確率が向上した遊技状態等)が生起されるよう制御された遊技機である。このようなスロットマシンは、筐体の内部に遊技メダルを貯留する貯留部材(メダルタンク)を備えており、図柄の組合せに応じた入賞役が定められており、停止した図柄の組合せが入賞役と一致する場合にホッパー(払出装置)が作動されて、入賞役に応じた払出数の遊技メダルが払い出されるようになっている。
またこのようなスロットマシン機では、前記複数の回転体とは別に、各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置等の演出表示装置が1つまたは複数備えられて、当否判定に基づく演出を表示したり、演出用の飾り図柄(飾図)を変動表示させ得るよう構成される。スロットマシン機のより具体的な構成を説明すると、外周部に識別情報としての複数の図柄が表示された複数のリール(回転体)を有する表示装置において、複数のリールに表示されている図柄(特別図柄)を有効ライン上に揃えることにより、所定数の遊技メダルを獲得する遊技が行われる。すなわちスロットマシンでは、操作手段としてのスタートレバーの操作によってリールの回転が開始され、各リールに対応する停止操作手段としてのストップボタンが操作されたタイミングに応じてリールの回転が停止され、全てのリールの回転(図柄の変動)が停止したときに導出された表示結果(有効ライン上の図柄の並び順序等)に従って、当該図柄変動に伴う演出の終了後に各種の遊技利益が付与される。そして、前記リールが回転されている間に、当否判定に応じた各種の演出表示を前記演出表示装置において表示したり、当否判定に応じて決定された演出用の飾り図柄(飾図)を変動および停止表示させるようになっている。
すなわち、このようなスロットマシン機では、遊技開始待機状態で開始操作手段が操作されることを当り判定を行う判定条件として設定されており、当該判定条件の成立を契機として当り判定を実行する制御手段が当り判定手段として機能する。また、外周部に識別情報としての複数の図柄が表示された複数のリール(回転体)が、当り判定手段の判定結果を示す特別図柄を変動および停止表示する特別図柄表示手段として機能し、当り判定手段の判定結果に応じた特別図柄を特別図柄表示手段に停止表示させるよう前記特別図柄表示手段としての複数のリール(回転体)の表示を制御する制御手段が特別図柄表示制御手段として機能している。そして、遊技媒体の払い出しを行う払出手段としてのホッパーの作動を制御する制御手段が払出制御手段として機能する。そして、複数のリール(回転体)とは別に備えられた1つまたは複数の演出表示装置が、当り判定手段による当り判定の結果に関する演出を表示可能な第1の表示手段および第2の表示手段として機能し、当該演出表示装置を制御する制御手段が演出制御手段として機能する。ここで、払出制御手段および演出制御手段は、個別の制御基板として備えるものであってもよく、1つの制御基板により構成されるものであってもよい。