JP6202725B2 - 画像差分量算出装置、画像符号化装置及びプログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、一系統と他の一系統の受信信号との差分信号の分散値を測定し、二つの分散値と、原画と受信画像のSN比との対応テーブルを参照することにより、受信画像の原画に対する品質を評価する客観品質評価装置について記載されている。
特許文献2には、入力画像信号の予め定められた周波数成分に不可視マーカを埋め込み、埋め込まれた不可視マーカと同じ不可視マークの正検出率又は誤検出率を基に画質評価値を推定する画像処理装置について記載されている。
(4)本発明のその他の態様は、コンピュータを、(2)の画像符号化装置として機能させるためのプログラムである。
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る画像差分量算出装置1の構成を示す概略ブロック図である。
画像差分量算出装置1は、周波数分析部101、視覚特性補正部102及び差分算出部103を含んで構成される。
周波数分析部101は、入力された原画像信号と評価画像信号それぞれについて空間周波数毎の周波数成分を分析し、分析した原画像の周波数成分、評価画像の周波数成分をそれぞれ視覚特性補正部102に出力する。以下の説明では、空間周波数を単に周波数と呼ぶことがある。
差分算出部103は、その指標として、例えば、差分二乗和(SSD:Sum of Squared Differences)、差分絶対和(SAD:Sum of Absolute Differences)等、を用いてもよい。
図2は、本実施形態に係る周波数分析部101が分析した周波数成分の一例について説明する図である。
図2は、3階離散ウェーブレット変換を用いて得られた周波数成分の例を示す。図2の縦軸、横軸は、それぞれ垂直方向周波数、水平方向周波数を示す。
kx1、ky1は、それぞれ第1階の水平方向、垂直方向の離散ウェーブレット変換における分割周波数である。kx1、ky1は、それぞれkx0/2、ky0/2である。kx2、ky2は、それぞれ第2階の水平方向、垂直方向の離散ウェーブレット変換における分割周波数である。kx2、ky2は、それぞれkx1/2、ky1/2である。kx3、ky3は、それぞれ第3階の水平方向、垂直方向の離散ウェーブレット変換における分割周波数である。kx3、ky3は、それぞれkx2/2、ky2/2である。このように、各階層において分割された低域成分の上限周波数、即ち分割された高域成分の下限周波数が分割前の上限周波数の半値になるように帯域分割が行われる(オクターブ分割)。
なお、水平方向、垂直方向ともに低域成分を含む周波数成分を低周波成分と呼ぶことがある。
なお、上述では、水平方向の階層数と垂直方向の階層数が等しい場合を例にとって説明したが、本実施形態では、水平方向の階層数と垂直方向の階層数が異なっていてもよい。
図3は、コントラスト感度特性の一例を示す図である。
図3の縦軸、横軸は、それぞれコントラスト感度、空間周波数を示す。コントラスト感度は、輝度の空間変化の感度を示す指標であり、その値が大きいほど感度が高いことを示す。コントラスト感度は、輝度の空間変化の知覚可能な最小値を平均輝度で正規化した値である。
これにより、第1の画像と第2の画像との差分を視覚特性における周波数依存性で補正した画像差分量が算出される。即ち、本実施形態によれば、第1の画像との比較で第2の画像の主観画質を反映した客観的な画質量として画像差分量を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係る画像差分量算出装置1aの構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態に係る画像差分量算出装置1aは、差分画像生成部104及びブロック歪検出部105を含んで構成される。
差分画像生成部104は、原画像信号の画素毎の信号値、評価画像信号の画素毎の信号値をそのまま用いる代わりに、それらの信号値をr(rは、1よりも大きい実数、例えば2)乗じた値を用いて差分値を算出してもよい。算出された差分値は、その値が大きくなるほど、その変化率が大きくなる。
差分画像生成部104は、算出した画素毎の差分値を示す差分画像信号をブロック歪検出部105に出力する。
ブロック歪検出部105は、差分画像信号について例えば、それぞれ水平方向、垂直方向への1次元のケプストラム解析を行い、主規制の度合いを示す指標として水平方向、垂直方向のケプストラムを算出する。ケプストラム解析を行う際、ブロック歪検出部105は、それぞれの方向について空間領域の差分値についてDFTを行って周波数領域の差分値を算出し、算出した周波数領域の差分値の絶対値をとる。ブロック歪検出部105は、得られた絶対値の対数値を算出し、算出した対数値について位相アンラッピング(unwrapping)を行い、位相アンラッピングが行われた対数値についてDFTを行ってケプストラムを算出する。
ブロック歪検出部105は、水平方向、垂直方向の各周期について抽出したケプストラムを各方向の周期間で合算し、合算して得られた合計値をブロック歪量として算出する。ブロック歪検出部105は、算出したブロック歪量を画像差分量として出力する。
図5は、ブロック歪の例を示す概念図である。
ブロック歪は、ブロック単位で処理を行う非可逆の画像符号化方式で符号化された符号化データを復号した復号画像に現れる信号値の誤差である。これは、非可逆の画像符号化方式で符号化した符号化データを復号しても、完全に原画像が復元されないことによる。そのような画像符号化方式には、例えば、MPEG−2、MPEG−4 AVC、等がある。ブロック歪は、表示されている画像にその一部である四角形のブロックの輪郭として観測されることがある。ブロック歪は、ブロックノイズとも呼ばれる。
図6は、算出したケプストラムの例を示す概念図である。
図6において、縦軸、横軸は、それぞれケプストラム、ケフレンシを示す。横軸に示されているbxは、水平方向のブロックサイズを示す。
図6が示すケプストラムは、ブロック歪検出部105が算出した水平方向のケプストラムである。この例では、MPEG−4 AVCを用いて原画像信号を符号化して符号化データを復号した復号画像信号を評価画像信号として生成した差分画像信号が用いられている。このケプストラムは、bx、2bx、3bx、…と、bx間隔でピークを有する。これらのピークは、原画像には表れていない水平方向のブロック歪みの度合いを示す。ブロック歪検出部105は、これらのピーク値を合計して水平方向のブロック歪量を算出する。ブロック歪検出部105は、垂直方向についても同様に、垂直方向のブロック歪量を算出する。
従って、本実施形態によれば、第1の画像と第2の画像との差分画像における画像ブロックの大きさに応じた周期を有するブロック歪の大きさを示すブロック歪量を客観的な画質量である画像差分量の一種として得ることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を援用する。
図7は、本実施形態に係る画像差分量算出装置1bの構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態に係る画像差分量算出装置1bは、周波数分析部101、視覚特性補正部102、差分算出部103、差分画像生成部104、ブロック歪検出部105、乗算部106及び加算部107を含んで構成される。即ち、画像差分量算出装置1bは、画像差分量算出装置1(図1)の各構成と、画像差分量算出装置1a(図4)の各構成を並列して備え、更に乗算部106と加算部107を備える。
加算部107には、差分算出部103から画像差分量が入力され、乗算部106から重み付けブロック歪量が入力される。以下では、乗算部106から入力された重み付けブロック歪量と区別するために、差分算出部103から入力された画像差分量を視覚特性補正差分量または略して視覚差分量と呼ぶ。加算部107は、入力された重み付けブロック歪量と視覚差分量とを加算して画像差分量を算出し、算出した画像差分量を出力する。
ここで、視覚差分量にはブロック歪による寄与が反映されるが、視覚差分量を算出する際に、上述したように各周波数成分内で平均化されたコントラスト感度特性が用いられることがある。他方、ブロック歪の周波数特性は、入力画像によって大きく異なりうるため、視覚差分量だけでは、ブロック歪に対する視覚への影響が十分に反映されないことがある。そこで、本実施形態では、視覚特性とブロック歪による影響を考慮して客観的に画像差分量を算出することができる。
重み設定部は、例えば、予め定めた画像の特徴を示すパターンデータと重み係数αとを対応づけて設定しておいてもよい。ここで、重み設定部は、公知の画像認識処理(例えば、Adaboost法)を行って原画像信号が示す原画像に適合したパターンデータを定め、定めたパターンデータに対応する重み係数αを選択する。
また、重み設定部は、原画像信号の平均輝度が低いほど、より大きい重み係数αを定めてもよい。原画像信号の平均輝度は、原画像信号が示す各画素の輝度値の平均値である。これにより、ブロック歪に係る誤差量を雑音とみなして得られる信号雑音比(SN比)が同一であっても画像全体の輝度が低いほどブロック歪が目立ちやすいという視覚特性を活用することができる。
従って、本実施形態によれば、第1の画像との比較で第2の画像の主観画質に近似する画像差分量とブロック歪量とを重み付け加算した画像差分量が得られる。そのため、得られた画像差分量を用いて第2の画像の主観画質とブロック歪量とを総合した主観的な画質を客観的に評価することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を援用する。
図8は、本実施形態に係る画像符号化装置2の構成を示す概略ブロック図である。
画像符号化装置2は、画像縮小部201、符号化部202、復号部203、超解像部204、パラメータ選択部205及び符号化データ生成部206を含んで構成される。
図9は、本実施形態に係る画像縮小部201の構成の一例を示す概略ブロック図である。
画像縮小部201は、周波数分析部211及び低周波成分抽出部212を含んで構成される。
周波数分析部211は、画像符号化装置2の外部から入力された原画像信号について空間周波数毎の周波数成分を分析し、分析した原画像信号の周波数成分を低周波成分抽出部212に出力する。周波数分析部211は、周波数成分を分析する際、例えば、上述の1階の離散ウェーブレット変換を行って対角高周波成分、水平高周波成分、垂直高周波成分、低周波成分を取得してもよい。
なお、画像縮小部201は、上述した他、例えば、入力された原画像信号が有する画素毎の信号値のうち、水平方向、垂直方向について1画素おきに信号値を抽出し、抽出した画素毎の信号値からなる縮小画像信号を生成してもよい。
図10は、本実施形態に係る超解像部204の構成の一例を示す概略ブロック図である。
超解像部204は、周波数分析部221、拡張水平高周波成分生成部222−1、拡張垂直高周波成分生成部222−2、拡張対角高周波成分生成部222−3、分散値設定部223及び帯域合成部224を含んで構成される。
図11は、本実施形態に係る拡張水平高周波成分生成部222−1が行う処理を説明する図である。
図11(a)〜(c)において、縦軸、横軸は、それぞれ垂直方向周波数、水平方向周波数を示す。図11(a)の左下、右下、左上、右上に示されている長方形の領域LL、LH、HL、HHは、それぞれ周波数分析部211から入力された低周波成分、水平高周波成分、垂直高周波成分、対角高周波成分の周波数帯域を表す。図11(b)の左下に示されている領域LH、その他の3つの領域には、周波数分析部211から入力された水平高周波成分が低域成分に割り当てられ、その他の帯域の周波数成分に0が割り当てられたことを示す。図11(c)に示されている四角形の領域Ex.LHは、ウェーブレット再構成によって生成された拡張水平高周波成分を示す。同様にして、拡張垂直高周波成分生成部222−2、拡張対角高周波成分生成部222−3は、それぞれ周波数分析部211から入力された垂直高周波成分、対角高周波成分について拡張垂直高周波成分、拡張対角高周波成分を生成する。
図12は、本実施形態に係る帯域合成部224が行う処理を説明する図である。
図12において、縦軸、横軸は、それぞれ垂直方向周波数、水平方向周波数を示す。図12の左下、右下、左上、右上に示されている四角形の領域S、Ex.LH、Ex.HL、Ex.HHは、復号縮小画像信号の周波数成分、拡張水平高周波成分、拡張垂直高周波成分、拡張対角高周波成分を示す。即ち、これらの周波数成分が低域成分、水平高周波成分、垂直高周波成分、対角高周波成分として合成に係る処理が行われる前に割り当てられたことを示す。帯域合成部224は、各周波数成分が割り当てられた係数群について1階のウェーブレット再構成を行って復号画像信号を生成する。
図13は、本実施形態に係るパラメータ選択部205の構成の一例を示す概略ブロック図である。
パラメータ選択部205は、画像差分量算出部231及びパラメータ判定部232を含んで構成される。
画像差分量算出部231には、画像符号化装置2(図8)の外部から原画像信号が入力され、超解像部204(図8)から縮小復号画像1フレームについて複数通りの復号画像信号が入力される。また、画像差分量算出部231には、分散値設定部223(図10)から超解像パラメータが入力される。入力された複数通りの復号画像信号のそれぞれは、入力された超解像パラメータからなる組に対応する。
これにより、原画像に主観的な画質が最も近似する復号画像を示す復号画像信号に対応した超解像度パラメータが選択される。
図14は、本実施形態に係る画像復号装置3の構成を示す概略ブロック図である。
画像復号装置3は、パラメータ抽出部301、復号部302及び超解像部303を含んで構成される。
画像復号装置3は、画像符号化装置2(図8)が符号化した符号化データを取得する。ここで、画像復号装置3は、画像符号化装置2からネットワークを介して当該符号化データを受信してもよいし、当該符号化データを予め記憶させておいた記憶部を備えてもよい。当該ネットワークは、有線でも無線であってもよいし、複数の送信先に一斉にデータを送信する放送伝送路の一部又は全部であってもよい。
復号部302は、パラメータ抽出部301から入力された符号化画像データを、画像符号化装置2(図8)の符号化部202が用いた符号化方式に対応する復号方式を用いて復号して復号縮小画像信号を生成する。復号部302は、生成した復号縮小画像信号を超解像部303に出力する。これにより、画像符号化装置2の復号部203が生成した復号縮小画像信号が復元される。
超解像部303が行う処理は、画像符号化装置2(図8)の超解像部204が行う処理と同様であってもよい。これにより、画像符号化装置2(図8)のパラメータ選択部205が選択した超解像パラメータに係る復号画像信号が復元される。即ち、符号化の対象となった原画像に主観的な画質が最も近似する復号画像を示す復号画像信号が得られる。
なお、上述では超解像パラメータとして分散値を用いる場合を例にとって説明したが、本実施形態では、これには限られない。超解像に係る処理を特徴付けるパラメータであれば、例えば、フィルタリングに用いるフィルタのサイズ、個々のフィルタを識別するフィルタ識別子、フィルタ係数を特徴づけるモデルを示すモデル識別子であってもよい。
なお、本実施形態は、画像符号化装置2(図8)と画像復号装置3とを備える画像再生システムとして実施されてもよい。
また、上述した実施形態における画像差分量測定装置1、1a、1b、画像符号化装置2及び画像復号装置3の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。画像差分量測定装置1、1a、1b、画像符号化装置2及び画像復号装置3の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
106…乗算部、107…加算部、
2…画像符号化装置、
201…画像縮小部、202…符号化部、203…復号部、204…超解像部、
205…パラメータ選択部、206…符号化データ生成部、
211…周波数分析部、212…低周波成分抽出部、221…周波数分析部、
222−1…拡張水平高周波成分生成部、222−2…拡張垂直高周波成分生成部、
222−3…拡張対角高周波成分生成部、223…分散値設定部、224…帯域合成部、
231…画像差分量算出部、232…パラメータ判定部、
3…画像復号装置、301…パラメータ抽出部、302…復号部、303…超解像部
Claims (4)
- 第1の画像と、前記第1の画像の符号化データを復号して得られる第2の画像のそれぞれの周波数成分を分析する周波数分析部と、
前記第1の画像と前記第2の画像のそれぞれの周波数成分を周波数に応じた視覚特性で補正する視覚特性補正部と、
前記視覚特性で補正した周波数成分における前記第1の画像と前記第2の画像との間の差分量を周波数間で合算する差分算出部と、
前記第1の画像の信号値から前記第2の画像の信号値を画素毎に減算して差分画像の差分値を算出する差分画像生成部と、
前記差分値のケプストラムのうち、符号化の単位であるブロックを構成する画素数の整数倍となる周期に対応するケプストラムを周期間で合算してブロック歪量を算出するブロック歪検出部と、
前記差分算出部が合算した差分量と前記ブロック歪量とを重み付け加算して画像差分量を算出する加算部と、
を備える画像差分量算出装置。 - 入力画像を縮小する画像縮小部と、
前記縮小した画像を符号化して符号化画像データを生成する符号化部と、
前記符号化画像データを復号して復号縮小画像を生成する復号部と、
前記復号縮小画像を複数のパラメータを用いて超解像して復号画像を生成する超解像部と、
前記入力画像と前記復号画像のそれぞれの周波数成分を周波数に応じた視覚特性で補正する視覚特性補正部と、
前記視覚特性で補正した周波数成分における前記入力画像と前記復号画像との間の差分量を周波数間で合算する差分算出部と、
前記入力画像の信号値から前記復号画像の信号値を画素毎に減算して差分画像の差分値を算出する差分画像生成部と、
前記差分値のケプストラムのうち、符号化の単位であるブロックを構成する画素数の整数倍となる周期に対応するケプストラムを周期間で合算してブロック歪量を算出するブロック歪検出部と、
前記差分算出部が合算した差分量と前記ブロック歪量とを重み付け加算して画像差分量を算出する加算部と、
前記複数のパラメータのうち前記画像差分量が最小となるパラメータを選択するパラメータ選択部と、
を備える画像符号化装置。 - コンピュータを、請求項1に記載の画像差分量算出装置として機能させるためのプログラム。
- コンピュータを、請求項2に記載の画像符号化装置として機能させるためのプログラム。
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JP2014230143A (ja) | 2014-12-08 |
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