[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の正面図であり、図3は、パチンコ機の右側面図である。また、図4は、パチンコ機の平面図であり、図5は、パチンコ機の背面図である。更に、図6は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
本例のパチンコ機1は、図示するように、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5が夫々上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、夫々の左右方向の横幅が略同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うように夫々が配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
このパチンコ機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域1100が望むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠3の後側には、各種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖するカバー体1250備えられている。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図16は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機1における外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、夫々の枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。本例の外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されており、左右両端の前後方向の略中央に、上下に貫通し左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部15が備えられている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、その他の一般面よりも窪んだ取付段部10aが形成されており、この取付段部10aに後述する上支持金具20が取付けられるようになっている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされており、外側側面は略平坦面とされていると共に、内側側面は後端部に内側へ突出し上下方向(押出方向)に貫通する空洞を有した突出部16を備えており、強度剛性が高められている(図9及び図106を参照)。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を保持し易くすることができるようにっていると共に、外観の意匠性を高められるようになっている。なお、便宜上、側枠板12,13の側面に形成された複数の溝を省略して示した図面もある。
本例の外枠2における連結部材14は、所定厚さの金属板をプレス成型等によって屈曲塑性変形させることで形成されたものであり、上枠板10又は下枠板11に固定され左右方向へ延びた板状の水平片17と、水平片17の外側端部から上下方向の一方側へ延び側枠板12,13に固定される板状の垂直片18と、垂直片18とは反対方向へ延び上枠板10又は下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合可能な板状の係合片19と、を有している。なお、本例では、上枠板10と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、上枠板10と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右非対称の形状に形成されていると共に、垂直片18が前後に分かれて形成されている。一方、下枠板11と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、下枠板11と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右対称の形状に形成されている。
この連結部材14は、水平片17の上面及び下面が上枠板10及び下枠板11の下面及び上面と当接すると共に、係合片19が上枠板10及び下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合された状態で、水平片17及び係合片19を貫通して所定のビスが上枠板10及び下枠板11にねじ込まれることで、上枠板10及び下枠板11に固定されるようになっている。また、上枠板10に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠体12,13の上端内側側面に当接した状態で、側枠体12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、上枠板10と側枠板12,13とを連結することができるようになっている。なお、上枠板10に固定された連結部材14における後側の垂直片18は、側枠板12,13の突出部16内に挿入された状態で、側枠板12,13へ固定されるようになっている。更に、下枠板11に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠体12,13の下端内側側面に当接した状態で、側枠体12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、下枠板11と側枠板12,13とを連結することができるようになっており、四つの連結部材14により、上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を枠状に組立てることができるようになっている。
本例の外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。この上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。
まず、上支持金具20は、上枠板10に固定される板状の固定片20aと、固定片20aの前端から上枠板10の前端よりも前方へ突出する支持突出片20bと、支持突出片20bにおける前端付近の右側端から先端中央部へ向かって屈曲するように切欠かれて形成された支持鉤穴20cと、固定片20及び支持突出片20bの左端から下方へ垂下し左側の側枠板12における外側側面と当接する板状の垂下固定片20d(図14(A)を参照)と、垂下固定片20dと連続し支持突出片20bの外側縁に沿って垂下する垂下壁20e(図14を参照)と、垂下壁20eと連続し支持鉤穴20cの入口端部で内側へ向って傾斜した停止垂下部20f(図15を参照)と、を備えている。この上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン633(図63を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。また、上支持金具20は、固定片20aと垂下固定片20dとによって、上枠板10と左側の側枠板12とを連結することができるようになっている。
この上支持金具20は、支持突出片20bの外側縁から垂下する垂下壁20eによって、支持突出片20bの強度が高められていると共に、詳細は後述するが、正面から見た時に支持突出片20bの裏面に配置されるロック部材27が遊技者側から視認できないように隠蔽することができ、外観の見栄えを良くすることができるようになっている。また、支持突出片20bに形成された支持鉤穴20cは、垂下壁20eが形成されない反対側(右側)の側方から先端中央部に向かって傾斜状となるようにく字状に屈曲した形状とされていると共に、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の幅寸法は、軸支ピン633の直径よりもやや大きな寸法とされている。
一方、下支持金具21は、補強金具22上に載置固定される水平固定片21aと、水平固定片21aの左端から上方へ立上がり左側の側枠板12の内側側面に固定される垂直固定片21bと、水平固定片21aの前端から上枠板10及び下枠板11よりも前方へ突出する板状の支持突出片21cと、支持突出片21cの前端付近から上向きに突設されたピン状の支持突起21dと、を備えている。この下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644(図66等を参照)に形成された本体枠軸支が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具644の支持穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、本例の外枠2は、図示するように、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25が取付固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されており、下側に配置される閉鎖板25には、前後方向に貫通する矩形状の開口25aを有している(図9を参照)。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図93を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
更に、本例の外枠2は、補強金具22の右端上面に固定される案内板26を更に備えている。この案内板26は、外枠2に対して本体枠3を閉止する際に、本体枠3をスムーズに案内するためのものであり、交換可能に装着固定されている。
また、本例の外枠2は、図14等に示すように、上支持金具20における支持突出片20bの裏面に支持されたロック部材27を更に備えており、リベット28によって支持突出片20bに対して回動可能に軸支されている。このロック部材27は、合成樹脂により形成されており、リベット28により軸支される位置から前方へ突出するストッパ部27aと、リベット28により軸支される位置から右方向へストッパ部27aよりも短く突出する操作部27bと、操作部27bに対してリベット28により軸支される位置とは反対側から突出する弾性片27cと、ストッパ部27aの先端に前方側へ膨出するように形成された円弧状の先端面27dと、を備えている。このロック部材27は、図示するように、ストッパ部27aと操作部27bとで、略L字状に形成されている。また、ロック部材27の弾性部27cは、ストッパ部27aや操作部27bよりも狭い幅に形成されていると共に、ストッパ部27aから左方へ遠ざかるに従って前方へ延びだすように形成されている。
このロック部材27は、図14(B)や図15に示すように、上支持金具20の支持突出片20bに支持した状態(通常の状態)では、弾性片27cの先端当接部が垂下壁20eの内側面と当接しており、ストッパ部27aが支持鉤穴20cの傾斜状穴部を閉塞するようになっていると共に、ストッパ部27aの先端部分が、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態とはならず、支持鉤穴20cの先頭空間部分に本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本例の上支持金具20とロック部材27とを用いた軸支ピン633の支持機構は、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパ部27aの先端側方が入口端部の停止垂下部20fに対向している状態(この状態ではストッパ部27aの先端側方と停止垂下部20fとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン633とストッパ部27aの先端面27dとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン633が支持鉤穴20cの先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン633からストッパ部27aの先端面27dへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材27の弾性片27cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ストッパ部27aの先端に円弧状の先端面27dを備えているので、ロック部材27を回動させるために操作部27bを回動操作した時に、ロック部材27がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、先端面27dの円弧中心が、リベット28の中心(ロック部材27の回転中心)とされている。
従って、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面27dに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン633と円弧状の先端面27dとの当接部分に作用する分力F1(先端面27dの円弧の法線方向)と、軸支ピン633と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット28の中心(ロック部材27の回転中心)を向くため、ロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン633がロック部材27のストッパ部27aの先端部と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン633の作用力がロック部材27にかかった状態でも、ロック部材27の弾性片27cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片27cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン633の支持鉤穴20cからの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパ部27aの先端部の一側方が停止垂下部20fに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ないようになっている。
なお、ストッパ部27aの先端面27dの形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材27をその先端部が支持突出片20bの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材27の回転中心(リベット28により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材27の弾性片27cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材27が回転してもストッパ部27aの先端一側方が停止垂下部20fに当接するだけであるため、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
本例のロック部材27の作用について図16を参照して具体的に説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の本体枠軸支金具644(図63を参照)に形成される本体枠軸支穴(図示しない)に下支持金具21の支持突起21dが挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633をロック部材27のストッパ部27aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材27が弾性片27cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン633を支持鉤穴20cに挿入することができる。そして、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン633とストッパ部27aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材27が弾性片27cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材27のストッパ部27aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20cの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパ部27aの先端部分が軸支ピン633と対向して軸支ピン633が支持鉤穴20cから抜け落ちないようになっている。
そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片20bの裏面に差し入れてロック部材27の操作部27bを反時計方向に回動することにより、ロック部材27が弾性片27cの弾性力に抗して回動し、ストッパ部27aの先端部分が支持鉤穴20cから退避した状態となるため、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、本体枠軸支金具644に形成される本体枠軸支穴と下支持金具21の支持突起21dとの係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取外すことができるようになっている。
上述したように、本例の外枠2は、外枠2の外郭を構成する上枠板10と下枠板11とを従来と同じく木製とすると共に、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、パチンコ機1を遊技場に列設される島設備に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くすることができ、既存の島設備に本パチンコ機1を問題なく設置することができるようになっている。また、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、従来の木製の外枠と比較して強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することが可能となり、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の周壁部605(図63等を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができると同時に、遊技盤4の遊技領域1100を大きく形成することができるようになっている。
また、外枠2の外郭を構成する上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結部材14で連結するようにしており、連結部材14が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材14と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、外枠2の組付け強度を高くすることができ、頑丈な方形状の枠組みとすることができるようになっている。また、連結部材14によって上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取付けたときに、図10に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材が存在しないので、パチンコ機1を図示しない遊技ホールの島設備に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸機)と密着して取付けることができるようになっている。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図25を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面から見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。また、図24は、扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して前から見た分解斜視図であり、図25は、扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取付けられる左サイド装飾ユニット240と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取付けられる上部装飾ユニット280と、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端下側に配置され扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる一対のサイドスピーカカバー290と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット100の後面に取付けられる球送りユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図26乃至図30を参照して説明する。図26(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図27は扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図28は扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図29は扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図であり、図30は扉枠と本体枠とを電気的に接続するの配線の様子を拡大して示す斜視図である。
本例の扉枠ベースユニット100は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の上部中央に取付けられ上部装飾ユニットを固定するための上部ブラケット120と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に配置される一対のサイドスピーカ130と、サイドスピーカ130を扉枠べース本体110へ固定するためのスピーカブラケット132と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケット140と、を備えている。
なお、扉枠ベースユニット100は、正面視で右側のサイドスピーカ130の外側には、サイドスピーカ130の側面と、右サイド装飾ユニット200等へ接続される配線136(図24を参照)の前側とを覆い扉枠ベース本体110の前面に取付けられるカバー部材134を更に備えている(図22及び図24等を参照)。このカバー部材134は、配線136をスピーカ取付部111の外周に沿って案内させることができると共に、サイドスピーカ130を取付ける際や取外す際に、配線136が邪魔にならないように配線136を保持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取付けられる防犯カバー180と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取付けられるガラスユニット係止部材190と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取付けられる発射カバー191と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取付けられハンドル装置500の回転位置検知センサ512と主制御基板4100との接続を中継するハンドル装置中継基板192と、ハンドル装置中継基板192の後側を被覆するハンドル装置中継基板カバー193と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル装置中継基板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体の後面に取付けられる扉枠ベース基板194と、扉枠ベース基板194の後側を被覆する扉枠ベース基板カバー195と、扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支され扉枠5側と本体枠3側とを接続する配線コード196の一部を保持する配線保持部材197と、を備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強ユニット150が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、各装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
この扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカ222,262と接続されると共に、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備えている。なお、本例では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432c、ハンドル装置中継基板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板4110や周辺制御部4140等とを接続する配線コード196が、扉枠ベース基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で、詳細は後述するが、配線保持部材197に保持されて後方へ延出し、本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子板882に接続されるようになっている(図1及び図30を参照)。
本例の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図27及び図28等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、図示するように、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口544aを挿通可能な方形状101aの切欠部が形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域1100を容易に形成することができるようになっている。
この扉枠ベース本体110は、遊技窓101の他に、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取付固定するためのスピーカ取付部111と、球送りユニット580を取付固定するための球送りユニット取付凹部112(図28を参照)と、球送りユニット取付凹部112の所定位置で前後方向に貫通し皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を球送りユニット580へ供給するための球送り開口113と、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケット140を取付けるためのハンドル取付部114と、ハンドル取付部114の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口115と、ハンドル取付部114の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116と、を備えている。
また、扉枠ベース本体110は、図28に示すように、球送りユニット取付凹部112に下側にハンドル装置中継基板192を取付けるための中継基板取付部117と、背面視で扉枠ベース本体の下部右側(軸支側)に配置され扉枠ベース基板194を取付けるための基板取付部118と、遊技窓101の下端の背面視左側(開放側)でスピーカ取付部111よりも中央寄りの配置から後方へ突出し防犯カバー180の装着弾性片185を装着するための防犯カバー装着部119と、扉枠ベース本体110は、その後側に、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット590の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の外周の所定位置から後方へ突出しガラスユニット係止部材190を回動可能に支持するための四つの係止部材取付部110bと、を更に備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110cを備えており、この扉枠突片110cは、後述する本体枠3の係合溝603内に挿入されるようになっている。これにより、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止することができると共に、扉枠5と本体枠3との下辺の隙間からピアノ線等の不正な工具をパチンコ機1内に挿入しようとしても、係合溝603と係合した扉枠突片110cによって工具の侵入を阻止することができ、パチンコ機1の防犯機能が高められている。また、扉枠ベース本体110の後側には、背面視で錠穴116よりもやや右下の位置から後方へ突出し本体枠3の嵌合溝612と嵌合する位置決め突起110dを、備えており、この位置決め突起110dが嵌合溝612と嵌合することで、扉枠5と本体枠3とが正しい位置に位置決めされるようになっている。
また、扉枠ベース本体110は、図27に示すように、その前面に、装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110eが備えられていると共に、上部ブラケット120、ハンドルブラケット140等を取付けるための取付穴が適宜位置に多数形成されている。また、扉枠ベース本体110は、サイドスピーカ130を取付けるスピーカブラケット132を取付けるための取付部110g(図24を参照)や、サイドスピーカカバー290を取付けるための取付孔110h(図18、図24及び図25等を参照)が、適宜位置に夫々形成されている。
なお、サイドスピーカカバー290では、図25に示すように、左右夫々一つずつ、ガラスユニット590が後側から嵌め込まれるガラスユニット支持段部110aを貫通するように配置されており、扉枠ベース本体110(扉枠5)からガラスユニット590を取外した状態で、取付孔110hを介して所定のビスにより脱着することができるようになっている。更に、サイドスピーカカバー290を取付けるための取付孔110hは、図18に示すように、扉枠ベース本体110に防犯カバー180を固定することで後側が被覆されるようになっている。従って、サイドスピーカカバー290を取外すには、まず始めに防犯カバー180とガラスユニット590とを、扉枠ベース本体110から取外さなければならないようになっている。これにより、サイドスピーカカバー290の取外しに若干時間がかかるようにすることで不正行為等を行おうとする者に対して取外作業を手間取らせることができると共に、比較的大きなガラスユニット590を取外すことで取外し作業を目立たせることができ、サイドスピーカ130に対する盗難行為や、遊技領域1100内等に対する不正行為等を躊躇させて、不正行為等に対する抑止力(安全性)を高めることができるようになっている。
また、扉枠ベース本体110には、球送りユニット取付凹部112と基板取付部118との間で、後述する皿ユニット300の皿ユニットベース310における下皿球供給口310g及びファールカバーユニット540の第二球出口544bと対応する位置に、前後方向に貫通する矩形状の球通過口110fを備えている。
次に、扉枠ベースユニット100における上部ブラケット120は、扉枠ベース本体110の前面上部中央に固定されるものであり、詳細な図示は省略するが、扉枠ベースユニット100に取付けられた左右のサイド装飾ユニット200,240の間に形成される上部の隙間を隠蔽すると共に、左右両端が夫々サイド装飾ユニット200,240によって支持されるようになっている。また、上部ブラケット120は、その先端の一部が上部装飾ユニット280内へ挿入されるようになっており、扉枠5が組立てられた状態では、上部装飾ユニット280を上側から支持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における一対のサイドスピーカ130は、詳細な図示は省略するが、その中心軸の交点が正面視で遊技領域1100の中央から前方へ所定距離(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ機1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサイドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピーカ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力することができるようになっている。
これらサイドスピーカ130は、その外周が、前側に配置された略円環状のスピーカブラケット132と、後側に配置された扉枠ベース本体110のスピーカ取付部111とによって挟持されることで、扉枠ベース本体110に取付けられるようになっている。なお、スピーカブラケット132は、所定のビスによって、前側から扉枠ベース本体110の取付部110gに取付けられるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板カバー195は、図27乃至図29等に示すように、前側が開放された薄い箱状に形成されていると共に、後側の後面に、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置で前方へ窪んだ段部195aを備えている。この扉枠ベース基板カバー195の段部195aに、配線保持部材197が回動可能に取付けられている。
一方、扉枠ベースユニット100における配線保持部材197は、図29及び図30等に示すように、横方向へ長く延びた板状に形成されていると共に、断面がI字状に形成されており、比較的、硬質の合成樹脂によって形成されている。また、配線保持部材197は、図示するように、上下両端に長手方向へ沿って所定間隔で複数(本例では、上下に夫々三つずつ)の保持孔197aを備えている。この配線保持部材197は、扉枠5を組立てた状態で扉枠5が本体枠3に軸支される側の端部が、扉枠ベース基板カバー195における後面の段部195aに、上下方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支されており、詳細な図示は省略するが、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195側へ回動することで、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195の段部195a内へ収容することができるようになっている。
この配線保持部材197は、その後面側に扉枠5と本体枠3とを電気的に接続するための配線コード196を沿わせた状態で、上下で対になった保持孔197aに所定の結束バンド198を挿通させて、その結束バンド198により配線保持部材197ごと配線コード196を締付けることで、配線コード196を保持することができるようになっている(図1及び図30を参照)。
本例の配線保持部材197は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる方向へ回動させると、配線保持部材197の自由端側が、配線コード196における自由端側から本体枠3へ延びた部分により前方へ押されて扉枠ベース基板カバー195側へ近付く方向へ回動することとなる。これにより、扉枠5が閉まるに従って、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195へ接近すると共に、配線保持部材197の自由端から本体枠3側へ延びだした配線コード196が自由端付近で折れ曲りが大きく(鋭く)なる。そして、本体枠3に対して扉枠5が閉じられた状態となると、配線コード196が配線保持部材197の自由端側で横方向へ二つに折り畳まれたような状態となる。
一方、本体枠3に対して閉じられた扉枠5を開ける場合では、本体枠3と扉枠5とが相対的に遠ざかることとなるので、本体枠3側に接続された配線コード196によって配線保持部材197の自由端側が後方へ引っ張られることとなり、自由端側が扉枠ベース基板カバー195から遠ざかる方向(本体枠3の方向)へ移動するように配線保持部材197がスムーズに回動する。これにより、配線保持部材197の自由端側で折り畳まれた配線コード196が真直ぐに延びるように展開し、配線コード196によって阻害されること無く扉枠5を開くことができるようになっている。
このように、本例によると、配線保持部材197における扉枠5が軸支された側と同じ側の端部を、自由端側が本体枠3側へ移動するように扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支させると共に、扉枠5と本体枠3とを電気的に接続する配線コード196の一部が上下方向へ移動しないように保持するようにしているので、本体枠3に対して扉枠5を開閉させる際に、配線保持部材197の自由端側で配線コード196を横方向へ折り畳んだり、展開したりすることができ、扉枠5の開閉時に配線コード196が引っ掛かったり挟まれたりして不具合(配線コード196の断線、接続コネクタの外れ、等)が発生するのを防止することができるようになっている。
また、本例によると、配線保持部材197を比較的硬質で剛性の高い合成樹脂によって形成するようにしているので、扉枠5の開閉時に、配線コード196を介して力が作用しても、上下方向へブレ難くすることができ、配線コード196を確実に横方向へ折り畳んで不具合の発生を防止することができるようになっている。
更に、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を開閉させると、配線保持部材197によって本体枠3と扉枠5との間に橋が掛けられたような状態となり、配線196の一部が配線保持部材197によって架橋された状態となるので、扉枠5を開閉させても配線196が垂れ下がるのを防止することが可能となり、配線196が垂れ下がることで他の部材に引っ掛かって断線したり扉枠5を閉じることができなくなったりする不具合が発生するのを防止することができ、本体側電気機器としての主制御基板4100、周辺制御部4140、払出制御基板4110等、と扉側電気機器としての各装飾基板214,216,254,256,286,320,430,432、スピーカ130,222,262、貸球ユニット360、ハンドル装置500等、とを接続する配線196に不具合が発生するのを可及的に低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、配線196の一部を回動可能な配線保持部材197で保持するようにしており、扉枠5を開ける時に、配線196が無理に引っ張られても、配線保持部材197が回動することでその力を逃がすことができるので、配線196が引っ張られるのを防止することができ、配線196が引っ張られて断線したり接続コネクタが外れたりするような不具合が発生するのを防止することができる。また、配線保持部材197によって配線196の一部を保持しており、配線196は配線保持部材197の回動に伴って単に部分的に曲がるだけなので、従来のもの(例えば、特開2009−213675)のように配線196が摺動することは無く、配線196が擦れて漏電や断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線保持部材197では、長手方向へ所定間隔で複数配置された貫通する保持孔197aに結束バンド198を挿通し、その結束バンド198によって配線196を保持するようにしているので、配線196を保持した結束バンド198が保持孔197aによって配線保持部材197の長手方向へ移動(スライド)するのを防止することができ、配線保持部材197から結束バンド198ごと配線196が脱落するのを確実に防止することができる。
また、本体枠3や扉枠5から配線196が延びだす位置を、扉枠5を軸支した側辺から離れた位置に配置しても、上述したように、配線保持部材197によって配線196をガイド(案内)して扉枠5を開閉する際に配線196が垂れ下がるのを良好に防止することができるので、扉枠5おける軸支された側辺側の強度・剛性を高めた本体枠3や扉枠5とすることができ、不正行為に対する防犯性の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、配線保持部材197に、長手方向に対して直角方向両端から少なくとも配線196が沿う側へ突出した突条を備えるようにしているので、一対の突条と配線保持部材197の板面によって配線196の三方を囲むことができ、配線保持部材197に沿って配線196を保持し易くすることができる。また、配線保持部材197に突条を備えているので、板状の配線保持部材197の曲げ剛性を高めることができ、扉枠5を開閉する際に配線保持部材197が撓むのを防止して、良好な状態で扉枠5を開閉させることができる。
また、配線保持部材197の基端から先端までの長さを、扉枠5の軸心から基端の軸心までの距離と略同じ長さとすると共に、配線196における本体枠3の延出した所定位置を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197の先端よりも扉枠5の軸心側の位置としており、扉枠5の軸心と、配線保持部材197の軸心と、配線保持部材197の先端と、本体枠3における配線196が延出した位置とで、パンタグラフ状のリンクが形成されることとなるので、扉枠5を開閉する時の配線保持部材197や配線196等の動きをスムーズにすることができ、開閉作業を行い易くすることができると共に、配線196等に無理な力が作用するのを低減させて断線等の不具合が発生するのを防止することができる。また、パンタグラフ状のリンクを形成するようにしており、扉枠5を閉じる時に、配線196における配線保持部材197の先端から延出した部位が、配線保持部材197と沿うように先端側で折返されるので、扉枠5を閉じた状態では配線196を折り畳んでコンパクトに纏めることができ、配線保持部材197や配線196に係るスペースを小さくすることができる。
また、配線保持部材197を軸支した扉枠5の扉枠ベース基板カバー195に、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、本体枠3側へ向かって開口するように凹み、配線保持部材197を収納可能な段部195aを備えるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195に備えられた段部195a内へ収納されるので、扉枠5側から本体枠3側への配線保持部材197の突出を殆ど無くすことができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196をコンパクトに纏めることができ、配線196が他の部材に引っ掛かるのを抑制して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線196を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197における本体枠3側を向いた面に沿って保持させるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、配線保持部材197を扉枠5側(扉枠ベース基板カバー195側)へ可及的に近づけることができるので、これによっても、扉枠5からの配線保持部材197の突出を少なくすることができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196に係るスペースを可及的に小さくすることができる。
また、配線保持部材197を移動(開閉)する扉枠5側に備えているので、扉枠5を開閉させる慣性力や衝撃力等によって配線保持部材197を回動させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、配線保持部材197を扉枠5に備えており、本体枠3に配線保持部材197を備えるためのスペースを確保する必要が無いので、相対的に本体枠3における遊技盤4を保持するスペースを大きくしてより大きな遊技領域1100を有した遊技盤4を保持させることができ、大型の遊技盤4を有して遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140は、図27及び図28等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部141と、筒部141の後端から筒部141の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部142と、筒部141内に突出し筒部141の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条143と、筒部141の外周面とフランジ部142の前面とを繋ぎ筒部141の周方向に対して複数配置された補強リブ144と、を備えている。このハンドルブラケット140は、フランジ部142の後面を、扉枠ベース本体110におけるハンドル取付部114の前面に当接させた状態で、所定のビスによってハンドル取付部114に取付けられるようになっており、図示は省略するが、ハンドル取付部114に取付けた状態で、筒部141の軸が配線通過口115と略一致するようになっている。
このハンドルブラケット140は、筒部141内の上側に一つ、下側に二つの突条143が備えられており、これら突条143はハンドル装置500におけるハンドルベース502の円筒部の外周に形成された三つの溝部502aと対応する位置に配置形成されている。そして、ハンドルブラケット140の三つの突条143と、ハンドル装置500の三つの溝部502aとが一致した状態でのみ、筒部141内にハンドル装置500の円筒部を挿入させることができるようになっている。従って、ハンドルブラケット140に挿入支持されたハンドル装置500のハンドルベース502は、ハンドルブラケット140に対して相対回転不能の状態に支持されるようになっている。
なお、このハンドルブラケット140は、斜めに傾斜したハンドル取付部114に取付けることで、筒部141の軸が正面視で前方へ向かうに従って右側(開放側)へ向かうように延びるように取付けられ、この状態でハンドルブラケット140に支持されたハンドル装置500の軸も、同様に斜めに傾いた状態となるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150は、主に図27及び図28に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金151と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金152と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金153と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金154と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
この補強ユニット150は、図27に示すように、軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157(図18を参照)を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、補強ユニット150の下側補強板金154は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁に前方へ向って折曲した下折曲突片159と(図27を参照)、上方長辺端縁の正面視右側(開放側)部に前方へ向って折曲した上折曲突片160と、上方長辺端縁の中央部分に後方へ折曲した上で垂直方向に延設された垂直折曲突片161と、を備えている。この下側補強板金154は、下折曲突片159や上折曲突片160等によって強度が高められている。また、この下側補強板金154の垂直折曲突片161は、後述するガラスユニット590のユニット枠592の下端に形成された係止片592bと係合係止するように形成されており、ガラスユニット590を扉枠5の裏面側に固定した時に、垂直折曲突片161がガラスユニット590におけるユニット枠592の係止片592bが係止されることで、ガラスユニット590の下端が左右方向及び後方へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、下側補強板金154には、扉枠ベース本体110の切欠部101aと略対応した切欠部162が形成されている。
また、補強ユニット150の開放側補強板金153は、上側補強板金151と下側補強板金154との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片163と、開放側内折曲突片164とを備えており、図示するように、開放側外折曲突片163よりも開放側内折曲突片164の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、開放側補強板金153の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。更に、軸支側補強板金152には、その長辺の外側端に後方へ延び出すと共に軸支側の外側に開口したコ字状の軸支側コ字状突片166を備えている(図106を参照)。また、上側補強板金151は、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片167を夫々備えている。
この補強ユニット150の軸支側補強板金152は、本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなって不正行為を行い易くなる虞があるが、本例の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166を備えているので、軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。また、軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166は、そのコ字内に後述する本体枠3における側面防犯板950における前端片952bが挿入されるようになっており(図106を参照)、工具の挿入を阻止することができると共に、軸支側補強板金152のみが曲がるのを防止することができ、パチンコ機1の防犯機能を高めることができるようになっている。
次に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の防犯カバー180について、主に図27及び図28を参照して説明する。この防犯カバー180は、上記したガラスユニット590の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金152,153の間に配されるガラスユニット590の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部に遊技盤4の内レール1112の下方円弧面に略沿って円弧状に形成された当接凹部181と、当接凹部181の上端に沿って後方に向って突出する防犯後突片182と、を備えている。また、防犯カバー180の左右両端には、その端部形状に沿って後方へ突出する防犯後端部突片183が夫々備えられている。なお、背面視で右側(軸支側)の防犯後端部突片183は、反対側(開放側)の防犯後端部突片183よりも後方へ長く延びだした形態となっている。一方、防犯カバー180の前面には、防犯カバー180を取付けた状態でガラスユニット590におけるユニット枠592の下方形状に沿って突設する防犯前突片184と、防犯前突片184の外側で左右の下部端に前方へ突出するU字状の装着弾性片185と、を備えている。
この防犯カバー180は、正面視で右側(開放側)の装着弾性片185を扉枠ベースユニット100の防犯カバー装着部119に装着すると共に、反対側(軸支側)の装着弾性片185を皿ユニット300の防犯カバー装着部364に装着することで、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられるようになっている。この防犯カバー180を、扉枠5に取付けた状態では、詳細な図示は省略するが、防犯前突片184がガラスユニット590のユニット枠592の下部外周と嵌合するようになっていると共に、ユニット枠592の下端部後面が垂直折曲突片161と当接するようになっている。また、後方へ突出した防犯後突片182は、扉枠5を閉じた時に、軸支側の半分が遊技盤4に固定された内レール1112の下側面に挿入され、開放側の半分が前構成部材1110における内レール1112のレール防犯溝1118に挿入された状態となるようになっている。これにより、遊技盤4の遊技領域1100に不正な工具を侵入させようとしても、内レール1112の下側に挿入された防犯後突片182によりその侵入を阻止することができるようになっている。
なお、防犯カバー180は、その裏面によって、扉枠5を閉じた状態で外レール1111と内レール1112とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うことができるようになっているので、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板594への衝突を防止することができるようになっている。
これにより、本例では、防犯カバー180で扉枠5におけるガラスユニット590(遊技窓101)の後側下部外周を覆うようにしているので、扉枠5の前側から遊技窓101とガラスユニット590との間に可撓性の高い工具を挿入してパチンコ機1内(遊技領域1100内)に対して不正行為を行おうとしても、防犯カバー180によって工具の侵入を阻止することができ、不正行為等に対してより安全性の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における四つのガラスユニット係止部材190は、扉枠ベース本体110から後方へ突出する係止部材取付部110bに対して回動可能に嵌合する嵌合部190aと、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向へ延出しガラスユニット590の係止突片451fを係止する係止片190bと、を備えている。このガラスユニット係止部材190は、嵌合部190aに対して扉枠ベース本体110の係止部材取付部110bが貫通した状態で、係止部材取付部110bの先端に抜止め用のビスを固定することで、係止部材取付部110bに対して回転可能に軸支されるようになっている。
このガラスユニット係止部材190の係止片190bは、詳細な図示は省略するが、後側に後方へ突出した突条を有しており、この突条がガラスユニット590の着脱時において、回転操作する際の指掛りとなっている。なお、四つのガラスユニット係止部材190のうち、背面視で右下に取付けられるガラスユニット係止部材190の係止片190bには、突条が形成されておらず、後面が平坦面となっている。
また、扉枠ベースユニット100における発射カバー191は、補強ユニット150における下側補強板金154の後側に固定されるようになっている。また、ハンドル装置中継基板カバー193及び扉枠ベース基板カバー195は、夫々扉枠ベース110の後側の所定位置に固定されるようになっている。なお、扉枠ユニットベース100に対して発射カバー191、ハンドル装置中継基板カバー193、及び球送りユニット580を取付けた状態では、それらの後面が略同一面状となるようになっており、それらによって本体枠3に取付けられる打球発射装置650の前面を被覆することができるようになっている。
[1−2B.右サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図31乃至図33を参照して説明する。図31(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図32は、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図33は、右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の右サイド装飾ユニット200は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く右側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されている。この右サイド装飾ユニット200は、右サイド装飾ユニット200の骨格を形成するサイド装飾フレーム202と、サイド装飾フレーム202の上辺に沿って配置されるサイド上部装飾部材204と、サイド上部装飾部材204に対して後側から嵌合するサイド上部装飾レンズ206と、サイド装飾フレーム202及びサイド上部装飾部材204の上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ206を挟むようにサイド上部装飾部材204が前側に取付けられるサイド上部カバー208と、サイド上部カバー208の下部を支持すると共にサイドフレーム202に対して後側から嵌合固定されるサイドレンズ210と、サイドレンズ210の裏側に嵌合されるサイドインナーレンズ212と、を備えている。
また、右サイド装飾ユニット200は、サイドインナーレンズ212の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED214a(フルカラーLED),214b(白色LED)が実装された右サイド上装飾基板214と、下側でサイドインナーレンズ212の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED216a(フルカラーLED),216b(白色LED)が実装された右サイド下装飾基板216と、右サイド上装飾基板214の後側を覆い右サイド上装飾基板214を挟むようにサイドインナーレンズ212に取付けられる右サイド上装飾基板カバー218と、右サイド下装飾基板216の後側を覆い右サイド下装飾基板216を挟むようにサイドレンズ210及びサイド装飾フレーム202に取付けられる右サイド下装飾基板カバー220と、を備えている。
更に、右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202の正面視で左上部に配置される右上部スピーカ222と、右上部スピーカ222を支持しサイド装飾フレーム202の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット224と、上部スピーカブラケット224とサイド装飾フレーム202との間に挟持される上部スピーカカバー226と、サイド上部カバー208における側面の所定位置に内側から取付けられるサイドサブレンズ228と、を備えている。サイドサブレンズ228の後側には、右サイド上装飾基板214のLED214cが配置されており、LED214cによって発光装飾されるようになっている。
この右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202、サイド上部装飾部材204、右サイド上装飾基板カバー218、及び右サイド下装飾基板カバー220が不透光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム202及びサイド上部装飾部材204の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、右サイド装飾ユニット200のサイド上部装飾レンズ206、サイド上部カバー208、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、上部スピーカカバー226、上部スピーカブラケット224、及びサイドサブレンズ228は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバー208の略全体が乳白色に、サイド上部装飾レンズ206、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、上部スピーカブラケット224、上部スピーカカバー226、及びサイドサブレンズ228が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ210及び上部スピーカカバー226の裏面側と、サイドインナーレンズ212及び上部スピーカブラケット224の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ210及びサイドインナーレンズ212の後側に配置された右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の表面(前面)に実装されたLED214a,214b,216a,216b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の前面は、白色とされており、実装されたLED214a,214b,216a,216b等の光によって右サイド装飾ユニット200を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED214a,214b,216a,216bが非点灯時に各装飾基板214,216が目立たないようになっている。なお、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED214a,214b,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光装飾させることができるようになっている。
本例の右サイド装飾ユニット200におけるサイド装飾フレーム202は、図示するように、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓101の外周に沿った円弧状の内側枠202aと、内側枠202aに対して外側へ離反した位置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿った直線状とされると共に続く上部が内側枠202aの上端縁へ向かって湾曲するように円弧状に形成された外側枠202bと、外側枠202bと内側枠202aの上端縁同士を連結する上端枠202cと、外側枠202bと内側枠202aの下端縁同士を連結する下端枠202dと、内側枠202a及び外側枠202bの周方向に沿って複数箇所(本例では四箇所)に配置され内側枠202aと外側枠202bとを連結すると共に所定幅のスリット202eを有した隔壁枠202fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム202の内側枠202aは、前後方向に対して略同じ位置で遊技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠202bは、扉枠5の側面に沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠202aの後端と略同じ位置で直線状に形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成されている。また、外側枠202bの直線状に上下に延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されている。また、サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fは、内側枠202aと外側枠202bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。この隔壁枠202fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム202は、図示するように、複数の隔壁枠202fによって内側枠202aと外側枠202bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっており、分割された夫々の開口が発光装飾開口202gとされ、後述するサイドレンズ210の周レンズ部210aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠202fのスリット202eには、後側からサイドレンズ210の放射レンズ部210bが嵌め込まれるようになっている。更に、隔壁枠202fによりスリット202eと発光装飾開口202gとを仕切ることができ、夫々の発光態様を異ならせることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部装飾部材204は、図示するように、サイド装飾フレーム202における外側枠202bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に貫通する複数の開口部204aが形成されている。このサイド上部装飾部材204は、列設された開口部204aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ206は、サイド上部装飾部材204の窪んだ後面内に嵌合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材204の後側から開口部204aを通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部206aを備えている。この導光部206aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材204の開口部204aに挿入嵌合させることで、開口部204aに恰も宝石が嵌め込まれているように見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ204の導光部206aによって後側に配置された右サイド上装飾基板214からの光をサイド上部装飾部材204の開口部204aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導光部206aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部カバー208は、その上面及び右側面(正面視で)が扉枠5(扉枠ユニットベース100)の外周と略沿った形状とされていると共に、下面(下端)がサイド上部装飾部材204と略沿った形状とされている。このサイド上部カバー208は、前面下部に、サイド上部装飾部材204を収容可能となるように、下方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部208aが形成されており、取付段部208aの後端面にサイド上部装飾部材204等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成されている。また、サイド上部カバー208の右側面には、上下に配置された二つの切欠部208bが形成されており、この切欠部208bを介して内部に取付けられるサイドサブレンズ228が表面側へ望むようになっている。サイド上部カバー208の切欠部208bにサイドサブレンズ228が嵌め込まれることで、この部位のみ異なる態様で発光させることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202と略沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム202の発光装飾開口202gに後から挿入される周レンズ部210aと、サイド装飾フレーム202のスリット202eに後から挿入される放射レンズ部210bと、を備えている。なお、図示するように、このサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202の上端枠202cに接する発光装飾開口202gと対応する周レンズ部210aを備えておらず、該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部210cとされている。この収容段部210c内には、後述する右上部スピーカ222や上部スピーカブラケット224等が収容されるようになっている。また、サイドレンズ210は、収容段部210cの上面を形成しサイド上部カバー208における取付段部208aの後側に固定される取付部210dを備えている。
このサイドレンズ210は、周レンズ部210a及び放射レンズ部210bの前面が、サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部210aの裏面(内面)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レンズ部210aの板厚が不均一となることで、周レンズ部210aを透過する光が乱屈折するようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部210aがキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ210における周レンズ部210a及び放射レンズ部210bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体部212aと、本体部212aの後端から連続し本体部212aよりも前方へ突出すると共に放射レンズ部210b(サイド装飾フレーム202のスリット202e)と対応した位置に配置される板状の導光部212bと、を備えている。このサイドインナーレンズ212の本体部212aは、その前面がサイドレンズ210の内面に対して所定距離控えた状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212における本体部212aの一方の面には、サイドレンズ210の周レンズ部210aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部212aの板厚が不均一となることで、本体部212aを透過する光が乱屈折するようになっている。
このサイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210と組合わせることで、周レンズ部210a及び本体部212aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ210(周レンズ部210a)の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200の右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム202の発光装飾開口202g(サイドレンズ210の周レンズ部210a)と対応する位置に配置されたLED214a,216aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド装飾フレーム202のスリット202e(サイドレンズ210の放射レンズ部210b)と対応する位置に配置されたLED214b,216bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。なお、サイドサブレンズ228を発光装飾させる右サイド上装飾基板214のLED214cは、本例では、赤色のLEDとされている。
右サイド装飾ユニット200の右上部スピーカ222は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット224により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この右上部スピーカ222を支持する上部スピーカブラケット224は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部224aを備えている。そして、上部スピーカブラケット224におけるホーン部224aの上端裏側に、右上部スピーカ222が固定されるようになっており、正面視では、ホーン部224aによって右上部スピーカ222が遊技者側から見えないようになっている。
本例の右上部スピーカ222は、上部スピーカブラケット224のホーン部224aによって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカブラケット224もまた、その前面が、サイドレンズ210の周レンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部212aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカブラケット224を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット224の前面側を覆う上部スピーカカバー226は、サイド装飾フレーム202における上端枠202cに接する発光装飾開口202gを閉鎖するようにサイド装飾フレーム202の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレンズ210の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカバー226の表面には貫通孔226aが複数形成されており、右上部スピーカ222からの音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー226もまた、その内面側が、サイドレンズ210の周レンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部212aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー226を透過する光が乱屈折するようになっている。従って、上部スピーカカバー226及び上部スピーカブラケット224において、光が乱屈折することで、遊技者側から右上部スピーカ222や上部スピーカカバー226に形成された貫通孔226aを視認し難くすることができると共に、サイドレンズ210の周レンズ部210aと同様の見栄えの外観とすることができるようになっている。
[1−2C.左サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図34乃至図36を参照して説明する。図34(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図35は、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図36は、左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の左サイド装飾ユニット240は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く左側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されており、右サイド装飾ユニット200と略対称に形成されている。この左サイド装飾ユニット240は、左サイド装飾ユニット240の骨格を形成するサイド装飾フレーム242と、サイド装飾フレーム242の上辺に沿って配置されるサイド上部装飾部材244と、サイド上部装飾部材244に対して後側から嵌合するサイド上部装飾レンズ246と、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材244の上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ246を挟むようにサイド上部装飾部材244が前側に取付けられるサイド上部カバー248と、サイド上部カバー248の下部を支持すると共にサイドフレーム242に対して後側から嵌合固定されるサイドレンズ250と、サイドレンズ250の裏側に嵌合されるサイドインナーレンズ252と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED254a(フルカラーLED),254b(白色LED)が実装された左サイド上装飾基板254と、下側でサイドインナーレンズ252の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED256a(フルカラーLED),256b(白色LED)が実装された左サイド下装飾基板256と、左サイド上装飾基板254の後側を覆い左サイド上装飾基板254を挟むようにサイドインナーレンズ252に取付けられる左サイド上装飾基板カバー258と、左サイド下装飾基板256の後側を覆い左サイド下装飾基板256を挟むようにサイドレンズ250及びサイド装飾フレーム242に取付けられる左サイド下装飾基板カバー260と、を備えている。
更に、左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242の正面視で右上部に配置される左上部スピーカ262と、左上部スピーカ262を支持しサイド装飾フレーム242の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット264と、上部スピーカブラケット264とサイド装飾フレーム242との間に挟持される上部スピーカカバー266と、を備えている。
この左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242、サイド上部装飾部材244、左サイド上装飾基板カバー258、及び左サイド下装飾基板カバー260が不透光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材244の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、左サイド装飾ユニット240のサイド上部装飾レンズ246、サイド上部カバー248、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカカバー266、及び上部スピーカブラケット264は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバー248の略全体が乳白色に、サイド上部装飾レンズ246、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカブラケット264、及び上部スピーカカバー266が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ250及び上部スピーカカバー266の裏面側と、サイドインナーレンズ252及び上部スピーカブラケット264の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ250及びサイドインナーレンズ252の後側に配置された左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の表面(前面)に実装されたLED254a,254b,256a,256b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の前面は、白色とされており、実装されたLED254a,254b,256a,256b等の光によって左サイド装飾ユニット240を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED254a,254b,256a,256bが非点灯時に各装飾基板254,256が目立たないようになっている。なお、左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED254a,254b,256a,256bを適宜発光させて、左サイド装飾ユニット240を発光装飾させることができるようになっている。
本例の左サイド装飾ユニット240におけるサイド装飾フレーム242は、図示するように、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓101の外周に沿った円弧状の内側枠242aと、内側枠242aに対して外側へ離反した位置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿った直線状とされると共に続く上部が内側枠242aの上端縁へ向かって湾曲するように円弧状に形成された外側枠242bと、外側枠242bと内側枠242aの上端縁同士を連結する上端枠242cと、外側枠242bと内側枠242aの下端縁同士を連結する下端枠242dと、内側枠242a及び外側枠242bの周方向に沿って複数箇所(本例では四箇所)に配置され内側枠242aと外側枠242bとを連結すると共に所定幅のスリット242eを有した隔壁枠242fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム242の内側枠242aは、前後方向に対して略同じ位置で遊技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠242bは、扉枠5の側面に沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠242aの後端と略同じ位置で直線状に形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成されている。また、外側枠242bの直線状に上下へ延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されている。また、サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fは、内側枠242aと外側枠242bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。この隔壁枠242fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム242は、図示するように、複数の隔壁枠242fによって内側枠242aと外側枠242bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっており、分割された夫々の開口が発光装飾開口242gとされ、後述するサイドレンズ250の周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠242fのスリット242eには、後側からサイドレンズ250の放射レンズ部250bが嵌め込まれるようになっている。更に、隔壁枠242fによりスリット242eと発光装飾開口242gとを仕切ることができ、夫々の発光態様を異ならせることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部装飾部材244は、図示するように、サイド装飾フレーム242における外側枠242bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に貫通する複数の開口部244aが形成されている。このサイド上部装飾部材244は、列設された開口部244aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ246は、サイド上部装飾部材244の窪んだ後面内に嵌合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材244の後側から開口部244aを通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部246aを備えている。この導光部246aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材244の開口部244aに挿入嵌合させることで、開口部244aに恰も宝石が嵌め込まれているように見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ244の導光部246aによって後側に配置された左サイド上装飾基板254からの光をサイド上部装飾部材244の開口部244aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導光部246aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部カバー248は、その上面及び左側面(正面視で)が扉枠5(扉枠ユニットベース100)の外周と略沿った形状とされていると共に、下面(下端)がサイド上部装飾部材244と略沿った形状とされている。このサイド上部カバー248は、前面下部に、サイド上部装飾部材244を収容可能となるように、下方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部248aが形成されており、取付段部248aの後端面にサイド上部装飾部材244等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成されている。また、サイド上部カバー248は、その外側側面(正面視で左側側面)に、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150の上軸支部156を前側から被覆する被覆部248bを備えている。
左サイド装飾ユニット240のサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242と略沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム242の発光装飾開口242gに後から挿入される周レンズ部250aと、サイド装飾フレーム242のスリット242eに後から挿入される放射レンズ部250bと、を備えている。なお、図示するように、このサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242の上端枠242cに接する発光装飾開口242gと対応する周レンズ部250aを備えておらず、該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部250cとされている。この収容段部250c内には、後述する左上部スピーカ262や上部スピーカブラケット264等が収容されるようになっている。また、サイドレンズ250は、収容段部250cの上面を形成しサイド上部カバー248における取付段部248aの後側に固定される取付部250dを備えている。
このサイドレンズ250は、周レンズ部250a及び放射レンズ部250bの前面が、サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部250aの裏面(内面)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レンズ部250aの板厚が不均一となることで、周レンズ部250aを透過する光が乱屈折するようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部250aがキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ250における周レンズ部250a及び放射レンズ部250bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体部252aと、本体部252aの後端から連続し本体部252aよりも前方へ突出すると共に放射レンズ部250b(サイド装飾フレーム242のスリット242e)と対応した位置に配置される板状の導光部252bと、を備えている。このサイドインナーレンズ252の本体部252aは、その前面がサイドレンズ250の内面に対して所定距離控えた状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ252における本体部252aの一方の面には、サイドレンズ250の周レンズ部250aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部252aの板厚が不均一となることで、本体部252aを透過する光が乱屈折するようになっている。
このサイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250と組合わせることで、周レンズ部250a及び本体部252aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ250(周レンズ部250a)の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240の左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム242の発光装飾開口242g(サイドレンズ250の周レンズ部250a)と対応する位置に配置されたLED254a,256aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド装飾フレーム242のスリット242e(サイドレンズ250の放射レンズ部250b)と対応する位置に配置されたLED254b,256bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。
左サイド装飾ユニット240の左上部スピーカ262は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット264により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この左上部スピーカ262を支持する上部スピーカブラケット264は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部264aを備えている。そして、上部スピーカブラケット264におけるホーン部264aの上端裏側に、左上部スピーカ262が固定されるようになっており、正面視では、ホーン部264aによって左上部スピーカ262が遊技者側から見えないようになっている。
本例の左上部スピーカ262は、上部スピーカブラケット264のホーン部264aによって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカブラケット264もまた、その前面が、サイドレンズ250の周レンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部252aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカブラケット264を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット264の前面側を覆う上部スピーカカバー266は、サイド装飾フレーム242における上端枠242cに接する発光装飾開口242gを閉鎖するようにサイド装飾フレーム242の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレンズ250の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカバー266の表面には貫通孔266aが複数形成されており、左上部スピーカ262からの音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー266もまた、その内面側が、サイドレンズ250の周レンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部252aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー266を透過する光が乱屈折するようになっている。従って、上部スピーカカバー266及び上部スピーカブラケット264において、光が乱屈折することで、遊技者側から左上部スピーカ262や上部スピーカカバー266に形成された貫通孔266aを視認し難くすることができると共に、サイドレンズ250の周レンズ部250aと同様の見栄えの外観とすることができるようになっている。
[1−2D.上部装飾ユニット]
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図37乃至図40を参照して説明する。図37は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図38は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図39は上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における上部装飾ユニット280は、図17等に示すように、扉枠5の前面中央上部で、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における中央側の上端縁同士の間に取付けられ、それらの間を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、図示するように、正面視で全体の外形形状が略逆二等辺三角形状とされ、中央に大きく貫通する中央開口部281a、及び中央開口部281aの左右両側に貫通する一対の側開口部281bを有し中央開口部281aの上側に扉枠ベースユニット100における上部ブラケット120の先端が挿入される前面装飾部材281と、前面装飾部材281の中央開口部281a内に後側から嵌め込まれる中央レンズ282と、中央レンズ282の後端に配置されるインナーレンズ283と、前面装飾部材281の側開口部281bに後側から嵌め込まれる一対の側レンズ284と、正面視の外形が前面装飾部材281と類似した形状とされ中央レンズ282、インナーレンズ283、及び一対の側レンズ284を前面装飾部材281とで挟持するように前面装飾部材281の後側に取付けられる本体部材285と、本体部材285の後側に配置され前面に複数のカラーLED286a,286bが実装された上部装飾基板286と、正面視の外形が本体部と略同じ形状とされ上部装飾基板286を後側から覆うように本体部材285の後面に取付けられる基板カバー287と、を備えている。
また、上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281の下端から連続するように屈曲しながら後方へ延出し前端上部が前面装飾部材281に支持されると共に後端が扉枠ベースユニット100に取付けられ下方へ向かって貫通する一対の下開口部288aを有した下面装飾部材288と、下面装飾部材288の下開口部288aに上側から嵌め込まれ下面装飾部材288及び基板カバー287に固定される下レンズ289と、を備えている。なお、本例では、前面装飾部材281及び下面装飾部材288の表面に金属的な光沢を有したメッキ層が形成されている。なお、上部装飾基板286のLED286aは、中央レンズ282と対応した位置に配置されていると共に、LED286bは、側レンズ284及び下レンズ289と対応した位置に配置されており、中央レンズ282と、側レンズ284及び下レンズ289とを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。また、本例では、LED286aがフルカラーLEDとされていると共に、LED286bが高輝度の白色LEDとされている。
本例の上部装飾ユニット280における前面装飾部材281は、その中央開口部281aの内周形状が、正面視で中央上端が左右へ延びた辺とされ中央下端が頂点とされ各辺が緩い円弧状に延びた変五角形状に形成されており、上辺両側の上側辺の略中央と下端頂点から中央開口部281a内へ延びだした三つの突出部を有している。また、前面装飾部材281は、中央開口部281aの上側辺の外側に、斜め外側上方へ向かって延びる複数の筋彫りが形成されており、この筋彫りによって前面装飾部材281は中央開口部281aから羽根が延びだしたような形状に形成されていると共に、筋彫りに沿うように側開口部281bが形成されている。
この前面装飾部材281の中央開口部281a内に嵌め込まれる中央レンズ282は、その外形が、中央開口部281aと略同じ形状とされており、前方へ膨出した形状とされていると共に、その前面が互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されいる。本例の中央レンズ282は、透明(無色透明、有色透明)な樹脂によって形成されている。この中央レンズ282を前面装飾部材281の中央開口部281aに嵌め込むことで、中央レンズ282がトリリアントカットされたような宝石に見えると共に、前面装飾部材281が宝石の台座に見えるようになっている。
また、中央レンズ282の後側に配置されるインナーレンズ283は、中央レンズ282の後側の開口を閉鎖するように透明な樹脂で形成されていると共に、表面に微細なレンズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの光を中央レンズ282側へ広く拡散させることができるようになっている。一方、前面装飾部材281の側開口部281b内に嵌め込まれる側レンズ284は、側開口部281bへ嵌め込んだ状態で、その前面が前面装飾部材281の前面と略連続するよう透明な樹脂によって形成されている。なお、側レンズ284の裏面側には、インナーレンズ282と同様に、微細なレンズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの照射される光によって側レンズ284全体が略均一に発光することができるようになっている。
なお、インナーレンズ283及び側レンズ284は、表面に形成された複数の微細なレンズ等によって、白濁したような感じとなっており、インナーレンズ283及び側レンズ284を通して後側が明確に見えないようになっている。
上部装飾ユニット280の本体部材285は、前面装飾部材281の中央開口部281aの形状に略沿った外形で前後方向へ筒状に延び前端開口が斜め下方へ向かって傾斜すると共に閉鎖された後端が斜め上方へ向かって傾斜する中央部285aと、中央部285aの両側に配置され閉鎖された後端が中央部285aの後端と略同じ位置とされると共に前端が中央部285aよりも短く延びた凹陥状の側部285bと、中央部285a及び側部285bの後端面を貫通し上部装飾基板286に実装されたLED286a,286bと対応する位置に形成された複数の開口部285cと、を備えている。この本体部材285は、後側に上部装飾基板286を配置すると、上部装飾基板286のLED286aが開口部285c内に挿入配置されるようになっており、LED286aからの光が後側へ漏れないようになっている。また、本体部材285の中央部285a及び側部285bは前側から後側へ窪んだ形状となっており、夫々に対応したLED285a,286bからの光が側方へ影響しないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の下面装飾部材288は、後方へ向かうに従って細くなるように形成されており、その左右の側面形状が、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における上部スピーカカバー226,266の上端枠202c,242c寄り側の端部形状と略一致した形状とされていると共に、上部スピーカカバー226,266の上端枠202c,242c寄り側の端部が載置固定されるようになっている。なお、下レンズ289は、下面装飾部材288と上部スピーカカバー226,266との間に挟持されるようになっている。また、下レンズ289へは、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部スピーカブラケット224,264を介して、右サイド上装飾基板214及び左サイド上装飾基板254からの光が供給されて発光するようになっている。
[1−2E.サイドスピーカカバー]
次に、扉枠5における一対のサイドスピーカカバー290について、主に図22乃至図25を参照して説明する。このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130の前面を被覆して装飾するものであり、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と、皿ユニット300との間に配置されるものである。
このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130の前面を覆うように湾曲した円盤状で複数の孔を有したカバー体291と、カバー体291の外周を前側から支持する円環状の開口部を有し右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と連続するように形成された本体部材292と、本体部材292の下側に配置され皿ユニット300の下皿カバー328における左右後端と連続するように形成された下部部材293と、を備えている。なお、本例では、カバー体291が、所定のパンチングメタルによって形成されているので、表側から押されたり、叩かれたりしても、変形し難いようになっており、サイドスピーカ130を可能な限り保護することができるようになっている。
このサイドスピーカカバー290は、本体部材292の表面に金属的な光沢を有したメッキ層が形成されている。また、下部部材293は、後述する皿ユニット300における下皿カバー328と同様の乳白色をした透光性の部材により形成されている。
本例のサイドスピーカカバー290は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240や、皿ユニット300とは独立して扉枠ベースユニット100の前面に取付けられるようになっており、扉枠ベース本体110の所定位置に形成された取付孔110h(図18を参照)を通して、扉枠ベース本体110の後側から挿通された所定のビスにより扉枠ベース本体100へ固定されるようになっている。
これにより、扉枠5における防犯カバー180を外した上で、扉枠5の後側からサイドスピーカカバー290を取付けているビスを外すことで、サイドスピーカカバー290を前側へ取外すことができ、更に、扉枠5の前側からスピーカブラケット132を取外すことで、サイドスピーカ130を取外すことができるようになっている。従って、何らかの理由によりサイドスピーカ130を交換する必要が生じた場合でも、扉枠5から右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240や、皿ユニット300等を取外さなくてもサイドスピーカ130の前面を覆うサイドスピーカカバー290のみを簡単に取外すことができ、サイドスピーカ130を容易に交換することができるようになっている。
このように、本例では、扉枠5における扉枠ベース本体110の前面で右サイド装飾ユニット200,左サイド装飾ユニット240と皿ユニット300との間に取付けられたサイドスピーカ130を交換するには、まず、サイドスピーカカバー290におけるスピーカの前側に配置された本体部材292が扉枠ベース本体110に対して後側から脱着可能に取付けられているので、本体枠3の前面を閉鎖している扉枠5を前側へ開き、扉枠5の後側から扉枠ベース本体110に対する本体部材292の取付けを外した上で、本体部材292及びカバー体291を扉枠ベース本体110(扉枠5)の前側へ移動させて扉枠5から取外すと、扉枠5の前側からサイドスピーカ130が臨むようになる。このサイドスピーカ130は、扉枠ベース本体110に対して前側から取付けられたスピーカブラケット132によって挟持されているので、本体部材292を取外した後に、扉枠5の前側から扉枠ベース本体110に対するスピーカブラケット132の取付けを外してサイドスピーカ130の挟持を解除し、更にサイドスピーカ130を前側へ移動させることで、左右のサイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300を扉枠5(扉枠ベース本体110)から取外さなくても扉枠5からサイドスピーカ130を取外すことができると共に、扉枠5に取付けられたサイドスピーカ130を簡単に交換することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、遊技中に遊技者等が扉枠5(サイドスピーカカバー290)を叩いたりしてサイドスピーカ130が破損した場合でも、上述したように、扉枠5に取付けられたサイドスピーカ130を簡単に交換することができるので、サイドスピーカ130の交換による遊技の中断時間を可及的に短くすることができ、中断が長引くことで遊技者が苛付いたり関心が薄れたりして興趣を低下させてしまうのを抑制することができる。
また、サイドスピーカ130を、スピーカブラケット132と扉枠ベース本体110とで挟持するようにしており、サイドスピーカ130に取付けるための取付片や取付孔等が無くてもサイドスピーカ130を扉枠5(扉枠ベース本体110)へ取付けることができるので、サイドスピーカ130に取付片や取付孔等を備える必要が無く、サイドスピーカ130にかかるコストを低減させることができ、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、サイドスピーカ130の前面を被覆するカバー体291を複数の貫通孔を有した金属板(パンチングメタル)で形成しているので、遊技者等がカバー体291を叩いても、カバー体291が変形したり破損したりするのを可及的に低減させることができ、サイドスピーカ130を充分に保護して不具合の発生を抑制することができると共に、パチンコ機1の耐久性を高めることができる。
また、左右のサイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間にサイドスピーカ130を覆うサイドスピーカカバー290を備えるようにしているので、サイドスピーカ130が比較的遊技者から近い位置に位置することとなり、遊技者等によって叩かれたりして破損する頻度が高くなる虞があるが、上述したように、サイドスピーカ130を簡単に交換することができ、遊技の中断時間を可及的に短くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、サイドスピーカ130を遊技者に対して可及的に近い位置に配置しているので、サイドスピーカ130から出力されるサウンドをより効率良く遊技者に聴かせることができ、迫力あるサウンドを提供することができると共に、サウンド演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、サイドスピーカ130を左右のサイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間に配置しているので、サイド装飾ユニット200,240による装飾の連続性を維持することができると共に、サイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間を違和感無く繋ぐことができ、サイドスピーカカバー290によって見栄えが悪くなるのを防止して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。また、サイドスピーカカバー290における本体部材292の表面形状を、サイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300の表面形状と連続するように形成しているので、サイドスピーカカバー290をサイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300と一体的な感じに見せることが可能となり、サイド装飾ユニット200,240等とは別にサイドスピーカ130を前面側に備えても遊技者に対して違和感を与え難くすることができ、扉枠5(パチンコ機1)の前面の意匠性を良好なものとすることができる。
更に、扉枠5からサイドスピーカカバー290の本体部材292を取外す際には、始めに扉枠5の後側に取付けられた防犯カバー180とガラスユニット590とを取外す必要があるので、本体部材292の取外しに若干時間がかかるようになり不正行為等を行おうとする者に対して取外作業を手間取らせることができると共に、比較的大きなガラスユニット590を取外すことで取外し作業を目立たせることができ、盗難行為や不正行為等を躊躇させて不正行為等に対する抑止力(安全性)の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2F.皿ユニット]
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図41乃至図44を参照して説明する。図41は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。また、図43は、皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図44は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えていると共に、上皿301に貯留した遊技球を球送りユニット580を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。本例の皿ユニット300は、図43及び図44等に示すように、扉枠ベースユニット100の下部前面に固定される左右方向延びた略板状の皿ユニットベース310と、皿ユニットベース310の前面略中央に固定され上方及び後方が開放され正面視左側(軸支側)が大きく前方へ膨出した皿状の上皿本体312と、上皿本体312の上部外周を覆うと共前端が正面視で左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に形成された上皿上部パネル314と、上皿上部パネル314の上側前端縁に取付けられ上下方向に貫通した複数の開口部316aを有する上皿前部装飾部材316と、上皿前部装飾部材316と上皿上部パネル314との間に配置され上皿前部装飾部材316の開口部316a内に嵌め込まれる複数の導光部318aを有した左右一対の上皿上部レンズ318と、上皿上部レンズ318とは上皿上部パネル314を挟んで反対側に配置されると共に上皿上部パネル314の下面に取付けられ上面に複数のカラーLED320a,322aが実装された上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322と、上皿上部レンズ318と上皿上部パネル314との間に配置され上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322からの光を上皿上部レンズ318側へ拡散させる複数の微細プリズムを有した上皿上部インナーレンズ319と、を備えている。
また、皿ユニット300には、上皿本体312の下側で皿ユニットベース310の前面に固定され上方及び後方が開放されると共に正面視で左右方向中央が前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って低くなるように形成された皿状の下皿本体324と、下皿本体324の上部に固定され正面視で左右方向中央が下皿本体324と略同様に前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って高くなるように湾曲した板状の下皿天板326と、下皿天板326及び下皿本体324の前端に沿った開口部328aを有すると共に開口部328aの外周を覆う下皿カバー328と、下皿カバー328の左右両側に配置され前後方向に貫通した開口部330aを有する皿サイド中カバー330と、皿サイド中カバー330の開口部330aに後側から嵌め込まれる皿サイド中カバーレンズ332と、皿サイド中カバー330の左右両外側に配置され扉枠ベースユニット100の左右両端と対応する位置まで左右方向へ延びた皿サイド外カバー334と、を備えている。なお、正面視で右側に配置される皿サイド中カバー330には、その右端部に後述する錠装置1000のシリンダ錠1010が臨む錠孔330bが形成されている。また、正面視で右側の皿サイド外カバー334には、前方からハンドル装置500が挿入されるハンドル挿通孔334aが形成されている。
更に、皿ユニット300には、皿ユニットベース310及び上皿本体312に取付けられ上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿本体324の下面に取付けられ下皿302に貯留された遊技球を下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、皿ユニットベース310の正面視で左側上部に取付けられパチンコ機1に隣接して設置された球貸し機(CRユニット6とも称す、図186を参照)を作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
本例の皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、上皿本体312、及び上皿上部パネル314等によって遊技球を貯留可能な上皿301を構成している。また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、下皿本体324、下皿天板326、及び下皿カバー328等によって遊技球を貯留可能な下皿302を構成している。
この皿ユニット300における皿ユニットベース310は、図43に示すように、左右方向へ延びた略板状に形成されており、左右へ延びた上端縁には所定形状の形成された装飾部310aが備えられている。この装飾部310aの左端に前後方向へ貫通し貸球ユニット360を取付けるための貸球ユニット取付部310bが形成されている。この皿ユニットベース310は、貸球ユニット取付部310bの下側(正面視で左上隅部近傍)に配置され横長の矩形状で前後方向に貫通する上皿球供給口310cと、上皿球供給口310cよりも下側(皿ユニットベース310の高さ方向の略中間)で装飾部310aの右端近傍の下側に前後方向へ貫通し上下方向へ延びた上皿球排出口310dと、上皿球排出口310d及び上皿球供給口310cの直下に配置され前方へ突出すると共に上面が同じ高さとされた一対の下皿支持部310eと、を備えている。なお、上皿球排出口310dは、直下に配置された下皿支持部310eの上面の前後方向中間位置まで連続して形成されている。
また、皿ユニット300は、一対の下皿支持部310eの間に配置され下皿本体324及び下皿天板326の後端と嵌合し正面視で横長の矩形環状に形成された下皿支持溝310fと、下皿支持溝310fによって囲まれた部位の中央右寄りの下部に配置され前後方向に貫通する矩形状の下皿球供給口310gと、を備えている。更に、皿ユニットベース310は、図44に示すように、下皿球供給口310gと連続するように後方へ筒状に延びた下皿球供給樋310hと、下皿球供給樋310hの開放側側面に形成され遊技球が通過可能な大きさの切欠部310iと、を備えている。
この皿ユニットベース310の上皿球供給口310cは、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110及び補強ユニット150の切欠部101a,162を介して扉枠ベースユニットの後側に取付けられるファールカバーユニット540の第一球出口544aと連通するようになっている。この上皿球供給口310cの前端には、正面視右方向へ長く延び後方へ窪んだ誘導凹部310jを備えている。この誘導凹部310jは、左右方向に対しては正面視右端側が若干低くなるように傾斜していると共に、前後方向に対しては前端側が低くなるように傾斜している。これにより、誘導凹部310jの前端と上皿本体312の底面との高低差は、誘導凹部310j右端へ向かうほど高くなるようになっており、誘導凹部310jの右端では、上皿本体312の底面との高低差が遊技球の外径よりも若干高くなるようになっている。
従って、本例では、上皿301内に貯留された遊技球によって上皿球供給口310cの前側が閉鎖された場合、ファールカバーユニット540を介して賞球装置740から払出された遊技球が、上皿球供給口310cから直線的に前方の上皿301内に出ることができなくなるので、払出された遊技球は上皿球供給口310cの前側を閉鎖した遊技球に当接してその転動方向が変化し、誘導凹部310j内を正面視右方向へと転動するように誘導され、誘導凹部310jの右端付近から上皿301内に貯留された遊技球の上側へと放出されることとなる。これにより、上皿301内において遊技球を自動的に上下二段に貯留させることができるので、上皿球供給口310cの前を遊技球が塞いだ時に遊技者が手で遊技球を寄せなくても払出された遊技球を上皿301内に供給(放出)し続けることが可能となり、上皿301への遊技球の貯留に対して遊技者が煩わしく感じてしまうのを抑制することができ、遊技者を遊技球の打込操作や打ち込まれた遊技球による遊技に専念させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301における遊技球の貯留量を多くすることができるようになっている。
皿ユニットベース310の上皿球排出口310dは、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の開口部344a、及び扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113、を介して扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっている。更に、下皿球供給口310gは、その後側から後方へ延びた下皿球供給樋310hが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球通過口110fを貫通して後方へ延出した上で、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられるファールカバーユニット540の第二球出口544bに接続されていると共に、下皿球供給樋310hの切欠部310iが、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の球抜き流路344cと接続されている。
なお、本例では、図示するように、下皿球供給口310gの前端には、正面視で左方向へ広がった拡口部310kを備えており、この拡口部310kによって下皿球供給口310gの前端が左右方向へ広がった状態となっている。これにより、下皿球供給口310gの前側に溜まった下皿301内の遊技球により下皿球供給口310gにおいて早期に球詰りが発生してしまうのを抑制することができ、より多くの遊技球を下皿301内へ供給することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿本体312は、正面視で中央よりも左側(軸支側)が前方へ膨出し、底面が全体的に左端側(開放側)及び後端側が低くなるように形成されている。この上皿本体312の底面は、軸支側の後端が皿ユニットベース310における上皿球供給口310cの底辺付近に、開放側の後端が皿ユニットベース310における上皿球排出口310dの上下方向中間位置付近に、夫々位置するように形成されており、上皿球供給口310cから上皿本体312(上皿301)に供給された遊技球が、上皿球排出口310dへ誘導されるようになっている。
なお、上皿本体312は、底面の後端で左右方向中央から開放側に遊技球と接触可能な金属製の上皿レール312aが取付けられている。この上皿レール312aは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿上部パネル314は、上皿本体312の上端から扉枠5の左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に延びだしており、上皿本体312の開放側よりも外側に上下方向へ貫通し後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341が取付けられる取付孔314aが形成されている。この上皿上部パネル314は、前端に上皿本体312の上部前端よりも一段下がった段状に形成され上皿前部装飾部材316を取付けるための装飾取付部314bと、左右方向の中央で上皿本体312よりも前側の位置で装飾取付部314bよりも更に下がった段状に形成され後述する操作ユニット400を取付けるための操作ユニット取付部314cと、を備えている。
なお、詳細な説明省略するが、上皿上部パネル314の装飾取付段部314bには、下面に取付けられる上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLED320a,322aと対応した位置に上下方向に貫通する開口部や切欠部が形成されていると共に、操作ユニット取付部314cには、操作ユニット400と周辺制御部4140とを接続する配線コードが通過可能な開口部等が形成されている。
上部前部装飾部材316は、上皿上部パネル314の前端に沿って左右方向へ湾曲状に延びた形状とされ、その複数の開口部316aに下側から上皿上部レンズ318の導光部318aが嵌め込まれるようになっていると共に、上皿上部パネル314の装飾取付部314bに取付けることで上皿上部レンズ318を上皿上部パネル314とで挟持することができるようになっている。また、上皿上部レンズ318の下側には、表面に微細なレンズ(プリズム)を複数有した上皿上部インナーレンズ319が配置されており、上皿右装飾基板320や上皿左装飾基板322からの光を充分に拡散させて、上皿上部レンズ318全体を略均一に発光装飾させることができるようになっている。なお、図示するように、上皿前部装飾部材316における開口部316aの内周形状が洋梨状に形成されており、開口部316aに嵌め込まれる上皿上部レンズ318の導光部318aも同様の形状とされ、この導光部318aを嵌め込むことで、上皿前部装飾部材316の開口部316aに、ペアシェイプカットされたような宝石が嵌め込まれたような外観を呈するようになっている。
皿ユニット300の下皿本体324は、平面視で前方へ扇状に広がり後端が左右方向へ直線状に形成され上面の略中央が最も低くなるように形成された底板324aと、底板324aの中央に上下方向へ貫通するように形成された下皿球抜き孔324bと、底板324aの後端を除く前端及び側端から上方へ立上がる側板324cと、を備えている。この下皿本体324の側板324cは、底板324aの側端から上方へ立上がった上端が、前側が最も低く後側へ向かうに従って高くなるように曲線状に形成されていると共に、底板324aの側端から上方へ立上がった上端が直線状に形成されており、上端の直線状の部分に下皿天板326の左右両端が載置接続されるようになっている。
この下皿本体324は、底板324a及び側板324cの後端が、皿ユニットベース310の前面に形成された下皿支持溝310f内に挿入支持されるようになっている。また、下皿本体324の下皿球抜き孔324bは、底板324aの裏面側に配置される下皿球抜き機構350の開閉シャッター352によって閉鎖されるようになっている。
下皿カバー328は、正面視の外形が下側へ膨出し各辺が円弧の逆三角形状に形成されており、中央に前後方向へ貫通する開口部328aを備えている。この開口部328aの内形は、下皿本体324及び下皿天板326の前端により形成される形状と一致した形状とされており、下皿302の開口を形成するものである。また、下皿カバー328は、透光性を有した乳白色の樹脂によって形成されていると共に、図示は省略するが、裏側にカラーLEDが所定間隔で配置されており、下皿カバー328全体を発光装飾させることができるようになっている。
皿サイド中カバー330は、正面視で下皿カバー328の左右両外側に配置され、正面視で左右方向の略中央から扉枠5の側面まで下皿カバー328の下側側辺に沿って所定幅で延びており、扉枠5の側面まで延びた上部後端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっている。この皿サイド中カバー330は、前後方向に貫通する開口部330aを備えており、開口部330a内に後側から皿サイド中カバーレンズ332が嵌め込まれるようになっている。更に、正面視で右側(開放側)の皿サイド中カバー330には、その外側端部(右側端部)付近で錠装置1000のシリンダ錠1010と対応した位置に前後方向に貫通する錠孔330bが形成されており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、この錠孔330bからシリンダ錠1010の錠穴が臨むようになっている。
この皿サイド中カバー330は、その前端下部から後方へ延出する底板部330cを更に備えており、この底板部330cの後端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっている。また、皿サイド中カバー330の底板部330cによって下皿本体324の下側の一部が被覆されるようになっている。
皿サイド外カバー334は、正面視で皿サイド中カバー330の左右両外側に配置され、正面視が扉枠5の側辺及び底辺に沿った略三角形状とされており、後方及び上方に開放された箱状に形成されている。本例では、右側(開放側)の皿サイド外カバー334に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140のと対応した位置に前後方向へ貫通するハンドル挿通孔334aが形成されている。この皿サイド外カバー334は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっていると共に、一部が皿ユニットベース310に取付けられるようになっている。また、皿サイド外カバー334及び皿サイド中カバー330によって下皿本体324の中央部を除く下側が被覆されるようになっている。
皿ユニット300における上皿球抜き機構340は、上皿上部パネル314の取付孔314aに対して上下方向へ進退可能に取付けられる上皿球抜きボタン341と、上皿球抜きボタン341の操作に対して上皿球抜きボタン341の上下動よりも大きく上下動し皿ユニットベース310の前面側に支持される作動片342と、作動片342の上下動によって上下方向へスライドし後述する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cと当接する当接片343aを備え皿ユニットベース310の後側に配置される上皿球抜きスライダ343と、上皿球抜きスライダ343を上下方向へスライド可能に支持し皿ユニットベース310の後側に取付けられる上皿球抜きベース344と、を備えている。
この上皿球抜き機構340は、詳細な図示は省略するが、上皿球抜きボタン341が上側の移動端に位置するように、上皿球抜きボタン341と伴に上下動する作動片342がコイルバネによって上方側へ付勢されている。また、上皿球抜きスライダ343は、上皿球抜きベース344との間に備えられたコイルバネによって上方側へ付勢された状態となっている。
上皿球抜き機構340の上皿球抜きベース344は、皿ユニットベース310の上皿球排出口310dを閉鎖すると同時に上皿球排出口310dと連絡し前方へ向かって開口する開口部344a(図43を参照)と、上皿球抜きベース344の裏面側で開口部344aと連通し開口部344aを通過した遊技球を下方へ誘導した後に後方へ誘導する球誘導流路344b(図42及び図44を参照)と、球誘導流路344bの下側から下方へ延出した後に上皿球抜きベース344の下辺に略沿って背面視で右側(軸支側)の端部へ向かって延出し遊技球が流通可能とされた球抜き流路344cと、を備えている。
上皿球抜きベース344は、開口部344aが上皿球排出口310dと連通すると共に、開口部344aと連通する球誘導流路344bの下端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して扉枠ベース本体110の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっており、上皿301内に貯留された遊技球を、球送りユニット580へ供給することができるようになっている。
また、上皿球抜きベース344の球抜き流路344cは、球誘導流路344bと隣接した上端が扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して球送りユニット580の球抜口581bと連通していると共に、軸支側へ延びた下端が皿ユニットベース310における下皿球供給樋310hの切欠部310iと連通しており、球送りユニット580の球抜口581bから排出された遊技球を下皿302へ誘導することができるようになっている。なお、球抜き流路344cの後端下部は上皿球抜き流路カバー345によって閉鎖されている。
この上皿球抜き機構340は、コイルバネの付勢力に抗して上皿球抜きボタン341を下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ343が下方へスライドすると共に後方へ突出した当接片343aも下方へ移動する。そして、当接片343aの上面と当接する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cは、当接片343aが下方へ移動することで球抜き部材583の仕切部583aが所定方向へ回動し、仕切部583aによって仕切られた進入口581aと球抜口581bとの仕切りが解除されて進入口581aと球抜口581bとが連通した状態となる。これにより、上皿301に貯留された遊技球は、上皿球排出口310dから上皿球抜きベース344の開口部344a及び球誘導路344bを介して、球送りユニット580の進入口581aへ進入した上で球抜口581bから上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、皿ユニットベース310の下皿球供給樋310hを介して下皿球供給口310gから下皿302へ排出することができるようになっている。
なお、球送りユニット580の球抜き部材583は、その作動棹583cがコイルバネによって上方へ付勢された上皿球抜きスライダ343における当接片343aの上面と当接しているので、球抜き部材583の仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
皿ユニット300における下皿球抜き機構350は、下皿本体324の下側で正面視左右に配置された皿サイド中カバー330の底板部330同士の間に配置される下皿球抜きベース351と、下皿球抜きベース351の上面に回動可能に軸支され下皿本体324の下皿球抜き孔324bを開閉可能な板状の開閉シャッター352と、開閉シャッター352を回動させると共に下皿球抜きベース351の上面に前後方向へスライド可能に支持された下皿球抜きスライダ353と、下皿球抜きスライダ353の前端に取付けられる下皿球抜きボタン354と、を備えている。
この下皿球抜きベース351は、下皿本体324の下皿球抜き孔324bと対向する位置に上下方向に貫通したベース球抜き孔351aを備えている。また、開閉シャッター352は、下皿球抜き孔324bを閉鎖可能な閉鎖部352aと、閉鎖部352aの前側に配置され下皿球抜き孔324bと略一致可能な上下方向に貫通したシャッター球抜き孔352bと、を備えており、下皿球抜きベース351との間でコイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aを閉鎖する位置となるように付勢されている。
なお、詳細な図示は省略するが、開閉シャッター352は、下皿球抜きスライダ353と当接可能な当接ピンを備えており、この当接ピンが下皿球抜きスライダ353と当接することで、下皿球抜きスライダ353によって閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動させられたり、コイルバネの付勢力により下皿球抜きスライダ353を前方側へスライドさせたりすることができるようになっている。
また、下皿球抜きボタン354は、図示するように、皿ユニット300における下皿カバー328の左右方向中央下側で、左右の皿サイド中カバー330に挟まれた位置に配置されるようになっており、その表面形状が下皿カバー328や皿サイド中カバー330の表面形状に対して滑らかに連続するような形状とされている。
また、下皿球抜き機構350は、開閉シャッター352のシャッター球抜き孔352bが、下皿本体324の下皿球抜き孔324b及び下皿球抜きベース351のベース球抜き孔351aと略一致した回動位置に保持するために、下皿球抜きスライダ353を所定位置に保持する保持機構355を、更に備えている。
この下皿球抜き機構350は、下皿球抜きボタン354の表面形状が下皿カバー328等の表面形状と連続したような状態では、下皿球抜きボタン354が前方端へ移動した閉状態であり、開閉シャッター352の閉鎖部352aによって下皿本体324の下皿球抜き孔324bが閉鎖された状態となっている。この状態で、下皿本体324(下皿302)内に遊技球を貯留することができるようになっている。閉状態の下皿球抜きボタン354を、後方へ押圧しすると、下皿球抜きボタン354と下皿球抜きスライダ353とが後方へスライドすると共に、下皿球抜きスライダ353の後方へのスライドによって開閉シャッター352がコイルバネの付勢力に抗してその閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動することとなる。
そして、開閉シャッター352が後方へ回動することでシャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aと重なるようになり、やがて、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが一致し、下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して皿ユニット300の下方へ排出することができる。なお、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが略一致する位置へ下皿球抜きスライダ353が後方へ移動すると、下皿球抜きスライダ353が保持機構355によってスライドが保持されるようになっており、下皿球抜きスライダ353のスライドがロック(保持)されることで下皿球抜きボタン354が後方へ後退した開状態のままとなると共に、シャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔3324bと一致した状態で保持され、下皿球抜きボタン354を押し続けていなくても、下皿302に貯留された遊技球を下方へ排出することができるようになっている。
一方、下皿球抜き孔324bを閉鎖する場合、後退した開状態の下皿球抜きボタン354を更に後方へ押圧すると、保持機構355による下皿球抜きスライド353の保持が解除されて、下皿球抜きスライド353がスライドすることができるようになり、コイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bを閉鎖する方向へ付勢された開閉シャッター352が、その付勢力によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bの方向(前方)へ移動する方向へ回動することとなる。そして、開閉シャッター352の前方への回動に伴って下皿球抜きスライド353が前方へスライドし、閉鎖部352aによって下皿球抜き孔324bが閉鎖されると共に、下皿球抜きボタン354が下皿カバー328等の前面と略一致した閉状態の位置に復帰し、下皿302内に遊技球を貯留することができるようになる。
なお、下皿球抜き機構350の保持機構355は、上記の機能を有した公知の技術を用いており、その詳細な機構については、説明を省略する。
皿ユニット300における貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えていると共に、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に貸出残表示部363を備えている。この貸球ユニット360は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363には、球貸し機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
この貸球ユニット360は、皿ユニットベース310における上端の装飾部310aに形成された球貸ユニット取付部310bに対して、後側から取付けられるようになっている。また、球貸ユニット360には、後面から後方へ突出し防犯カバー180における軸支側(正面視で左側)の装着弾性片185を装着係止する防犯カバー装着部364を備えている。
本例の皿ユニット300は、上皿301と下皿302とを備えており、貯留皿を二つ備えた従前のパチンコ機と同様な感じのパチンコ機1とすることができるので、昔ながらのパチンコ機を髣髴とさせることができ、新しいパチンコ機1(新機種のパチンコ機)でも遊技者に与える不安感等を低減させて遊技するパチンコ機として選択し易いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2G.操作ユニット]
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図45乃至図50を参照して説明する。図45は、扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、図46は、扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。また、図47は、操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図であり、図48は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。更に、図49は、操作ユニットの断面図であり、図50は、操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。
この操作ユニット400は、円環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の円環内に挿入される円柱状の押圧操作部405と、ダイヤル操作部405の下端と連結される円環状の従動ギア410と、従動ギア410と噛合する円盤状の駆動ギア412と、駆動ギア412が回転軸に固定されるダイヤル駆動モータ414と、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416a、及び押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持する円筒状のボタン支持筒416bを有した操作部保持部材416と、操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に配置され押圧操作部405を上方へ付勢するバネ418と、操作部保持部材416のギアレール416a及びボタン支持筒416bが通過可能な開口420aを有し操作部保持部材416とダイヤル駆動モータ414とが下面に固定されるベース部材420と、ベース部材420の上面を覆いダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口422aを有した上カバー422と、上カバー422の下側にベース部材420を挟むように取付けられベース部材420及びダイヤル駆動モータ414の下面を覆う下カバー424と、を主に備えている。
また、操作ユニット400は、上カバー422の上側を覆うようにベース部材420に固定されダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口426a、及び開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300における操作ユニット取付部314cへ固定するための固定部426bを有したカバー本体426と、カバー本体426の上面を覆う表面カバー428と、ベース部材420の上面に取付けられ操作部保持部材416のボタン支持筒416b及びダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口430aを有し上面におけるダイヤル操作部401の円環と対応した位置に複数のカラーLED430bが実装されたダイヤル装飾基板430と、ベース部材420の下側に固定され、ダイヤル操作部401の回転を検知する一対の回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432c、及び押圧操作部405の直下の上面に実装されたカラーLED432dを有したボタン装飾基板432と、を備えている。
本例の操作ユニット400におけるダイヤル操作部401は、透光性を有した素材により形成されており、上下方向へ延びた筒状の内筒部401aと、内筒部401aの上端から外方へ延出し表面に所定の装飾が施された円環状の天板部401bと、天板部401bの外周端から下方へ筒状に延出し内筒部401aよりも短い外筒部401cと、外筒部401cの下端から外側へ環状に延出する鍔部401dと、を主に備えている。このダイヤル操作部401における鍔部401dの外径は、上カバー422における開口422aの内径よりも大径とされている。また、ダイヤル操作部401は、内筒部401aの下端に連結係止部(図48を参照)を備えており、従動ギア410の連結係止爪410bが係止されることで、ダイヤル操作部401と従動ギア410とを連結することができるようになっている。
更に、ダイヤル操作部401は、上端から所定距離下がった位置に内筒部401aの内壁から中心方向へ突出した突出部401fを更に備えている。ダイヤル操作部401の突出部401fは、内筒部401aの内周に沿って環状に形成されている。この突出部401fは、詳細は後述するが、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aと当接することができるようになっており、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fと当接することで、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入するのを防止することができるようになっている(図50を参照)。
なお、図示するように、ダイヤル操作部401の突出部401fと、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aは、互いの当接面が、ダイヤル操作部401の中心へ向かうに従って低くなるような傾斜面とされており、互いが当接した時の接触面積が大きくなるようになっている。これにより、押圧操作部405からの荷重をダイヤル操作部401側へより多く分散させる(逃がす)ことができると共に、ダイヤル操作部401からの振動を押圧操作部405側へ伝え易くすることができるようになっている。
また、操作ユニット400における押圧操作部405は、上端が閉鎖された円筒状に形成されており、有底筒状のボタン本体406と、ボタン本体406の上端を閉鎖するボタンキャップ407と、ボタンキャップ407の内側に配置されボタン本体406の上端とボタンキャップ407の間に挟持されるキャップインナ408と、を備えている。この押圧操作部405のボタン本体406は、底部下面が下方へ向かうに従って窄まる円錐台形状とされており、この円錐台形状の下面にコイル状のバネ418の上端が挿入されるようになっていると共に、円錐台形状の下端面中央に上下方向に貫通する貫通孔406aを備えており、この貫通孔406aを通してボタン装飾基板432のLED432dからの光がボタンキャップ407及びボタンインナ408へ照射されるようになっている。
また、ボタン本体406は、外周下部から下方へ向かって延出し下端が軸直角方向外方へ突出した一対の係止爪406bを有しており、この係止爪406bが操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に形成された係止凸部416f(図49及び図50を参照)と係止することで、ボタン本体406がボタン支持部416bから抜けないように、上方への移動端を規制することができるようになっている。また、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416におけるボタン支持筒416b内には、ボタン本体406の係止爪406bが周方向へ移動するのを阻止する当接部を備えており、ボタン本体406(押圧操作部405)が、ボタン支持筒416b内で回転しないようになっている。なお、ボタン本体406の係止爪406bと、ボタン支持筒416b内の当接部との間には、周方向へ所定量の隙間が形成されており、その隙間によって、ボタン本体406が所定角度範囲内で回動することができるようになっている。
また、ボタン本体406は、係止爪406bとは外周下部の異なる位置から下方へ延出しボタン装飾基板432の押圧検知センサ432cによって検知可能な押圧検知片406cを備えている。この押圧検知片406cは、バネ418の付勢力に抗してボタン本体406(押圧操作部405)が下方へ移動すると、押圧検知センサ432cによって検知されるようになっている。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407は、図示するように、上下方向の略中央よりも下側の外径が上側よりも小径とされており、上側と下側との間に段部407aが形成されている。このボタンキャップ407(押圧操作部405)は、段部407aよりも下側が、ダイヤル操作部401における突出部401fの内径よりも小径とされていると共に、段部407aよりも上側が、ダイヤル操作部401の内筒部401aの内径よりも小径で突出部401fの内径よりも大径とされている。これにより、ボタンキャップ407(押圧操作部405)を、ダイヤル操作部401の上側から内筒部401a内へ挿入すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fに当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入することができないようになっている(図50を参照)。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407及びキャップインナ408は、透光性環有した素材によって形成されている。キャップインナ408の上面には「Push」の文字が表示されており、その文字がボタンキャップ407を通して外側から視認することができるようになっている。
操作ユニット400における従動ギア410は、円環状の外周に駆動ギア412と噛合する複数のギア歯を備えている。この従動ギア410は、その内径が操作部保持部材416におけるボタン支持筒416bの外径よりも若干大径とされていると共に、下面に操作部保持部材416のギアレール416aと当接する円環状の摺動面410aを備えている。この摺動ギア410をボタン支持筒416bへ挿入すると共に、摺動面410aをギアレール416a上に当接させることで、摺動ギア410がボタン支持筒416bと略同心状に摺動回転することができるようになっている。
また、従動ギア410は、上端の対向する位置から上方へ延出した上で内側へ向かって突出する一対の連結係止爪410bを備えており、この連結係止爪410bがダイヤル操作部401における内筒部401aの連結係止部401eと係止することで、従動ギア410とダイヤル操作部401とが一体回転可能に連結されるようになっている。
また、従動ギア410は、下端から下方へ突出し周方向に一定間隔で列設された複数の回転検知片410cを備えている。これら回転検知片410cは、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bによって検知されるようになっており、詳細は後述するが、回転検知片410cと回転検知片410c同士の間に形成されたスリット410dとにより、回転検知片410cに対する各回転検知センサ432a,432bの検知パターンによって従動ギア410すなわちダイヤル操作部401の回転方向を検知することができるようになっている。なお、本例では、回転検知片410cとスリット410dにおける周方向の長さが、略同じ長さとされている。
また、操作ユニット400における駆動ギア412は、図示するように、従動ギア410と噛合する平歯車とされており、ダイヤル駆動モータ414の回転軸と一体回転可能に固定されている。また、ダイヤル駆動モータ414は、回転方向、回転速度、及び回転角度を任意に制御可能な公知のステッピングモータとされており、ダイヤル駆動モータ414によって回転軸を介して駆動ギア412を回転駆動させることで、従動ギア410を介してダイヤル操作部401を回転させることができるようになっている。また、ダイヤル駆動モータ414によって駆動ギア412(回転軸)を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができる。また、回転検知センサ432a,342bからの検知信号等に基づいて所定回転角度毎にダイヤル駆動モータ414の回転を短時間停止させるようにすることで、ダイヤル操作部401の回転操作に対して、クリック感を付与することができるようになっている。
更に、操作ユニット400における操作部保持部材416は、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416aと、ギアレール416aの内側から上方へ筒状に突出し内部に押圧操作部405のボタン本体406を上下方向へ摺動可能に支持するボタン支持筒416bと、ボタン支持筒416b内の底部近傍の内周面に形成されボタン本体406の係止爪406bと係止可能な係止凸部416f(図49及び図50を参照)と、ボタン支持筒416b内の底部中央を貫通しボタン装飾基板432に実装されたLED432dからの光をボタン支持筒416b内(押圧操作部405)へ送る貫通孔416cと、ボタン支持筒416bよりも外側の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた回転検知センサ432a,432bが通過可能な開口部416dと、ボタン支持筒416b内の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた押圧検知センサ432cが上側から望む開口部416eと、下面から下方へ延出しボタン装飾基板432を係止保持するための一対の基板保持爪416fと、を備えている。
また、操作部保持部材416は、詳細な図示は省略するが、ボタン支持筒416b内に配置され、ボタン本体406の係止爪406bに対して周方向へ所定量の隙間を形成すると共に係止爪406bと当接可能とされた複数の当接部を更に備えている。この当接部によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が、所定角度範囲内で回動することができると共に、ボタン支持筒416b内でグルグルと回転しないようになっている。更に、操作部保持部材416は、詳細な説明は省略するが、ベース部材420へ固定するためのビス孔や、ベース部材420やボタン装飾基板432との位置決めをするための位置決めボス等が適宜位置に備えられている。
この操作部保持部材416は、ボタン支持筒416bの外周に従動ギア410を挿通させてギアレール416a上に載置することで、従動ギア410(ダイヤル操作部401)を所定の回転軸を中心として摺動回転可能に支持することができるようになっている。また、ボタン支持筒416b内に押圧操作部405のボタン本体406を挿入することで、ボタン本体406を介して押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持することができるようになっている。なお、ボタン支持筒416b内の底部とボタン本体406の円錐台状の下面と間に、コイル状のバネ418が配置されるようになっており、このバネ418によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が上方へ向かって付勢された状態となっている。
操作ユニット400におけるベース部材420は、アルミ合金等の金属により形成されており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を強く叩いても操作ユニット400が破損し難いようになっている。このベース部材420は、操作保持部材416の外周が嵌合可能とされ上方へ向かって窪んだ下部凹部420bと、下部凹部420bの底部(天井部)を上下方向に貫通し操作部保持部材416のギアレール416aが通過可能な内形とされた開口420aと、開口420aを挟んで下部凹部420bとは反対側に配置され少なくとも従動ギア410を収容可能な下方へ向かって窪んだ上部凹部420cと、を備えている。また、ベース部材420は、図48に示すように、下部凹部420bの外側に下方へ向かって開放されダイヤル駆動モータ414を取付けるためのモータ取付部420dと、下部凹部420bの外側から下方へ向かって所定量突出する複数(本例では四つ)の脚部420eと、各脚部420eの下端に下方へ向かって開口する位置決め孔420fと、を備えている。
また、ベース部材420は、上部凹部420cの外側に上方に配置されるカバー本体426を固定するための複数のカバー固定部420gと、カバー固定部420gとは上部凹部420cの外側の異なる位置から上方へ突出しダイヤル装飾基板430を取付けるための複数の基板取付ボス420hと、を備えている。更に、ベース部材420は、詳細な説明は省略するが、その上面及び下面の適宜位置に、各部材の位置決めをするための位置決めボスや、取付孔等が形成されている。
このベース部材420は、中央の開口420aに対して、下側からボタン支持筒416b及びギアレール416aが通過するように下部凹部420b内に操作部保持部材416を嵌合挿入した上で、所定のビスを上側から下部凹部420bの天井部を通して操作部保持部材416にねじ込むことで、操作部保持部材416を支持することができるようになっている。ベース部材420は、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416を支持した状態では、ギアレール416aの上端が下部凹部420bの天井部の上面、つまり、上部凹部420cの底面よりも僅かに上方へ突出した状態となるようになっており、ギアレール416a上に載置される従動ギア410が、上部凹部420c内で問題なく摺動回転することができるようになっている。
また、ベース部材420の脚部420eは、その下端に形成された位置決め孔420fが、後述する下カバー424における底部の上面に形成された位置決め突起424aと嵌合するようになっており、ベース部材420と下カバー424とが互いに決められた位置に位置決めすることができるようになっている。また、ベース部材420の基板取付ボス420hは、上部凹部420c内に収容配置された従動ギア410よりも上方の位置まで突出しており、基板取付ボス420h上に取付けられたダイヤル装飾基板430が、従動ギア410と接触しないようになっている。
更に、ベース部材420は、モータ取付部420dにダイヤル駆動モータ414を取付けることで、ダイヤル駆動モータ414の上面と面で接触するようになっており、ダイヤル駆動モータ414からの熱をベース部材420側へ充分に伝達させることができ、ダイヤル駆動モータ414の熱を、ベース部材420によって放熱させることができるようになっている。これにより、ダイヤル駆動モータ414の過熱を抑制させることができ、過熱によりダイヤル駆動モータ414等に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
操作ユニット400の上カバー422は、下方が開放された箱状で、その天板にダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能で鍔部401dが通過不能とされた内径の開口422aを備えている。この上カバー422は、平面視で、押圧操作部405(従動ギア410)の軸心と、ダイヤル駆動モータ414(駆動ギア412)の軸心とを結ぶ方向(パチンコ機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てることができるようになっている。
また、上カバー422は、短軸方向(パチンコ機1における前後方向)の一方(パタンコ1における前側)の外周から下方へ延出した上で下端が外側へ突出した爪状の係止片422cを備えている。この係止片422cは、皿ユニット300における上皿前部装飾部材316と係止することができるようになっており、係止片422cを上皿前部装飾部材316に係止させることで、操作ユニット400が操作ユニット取付部314cから上方へ抜けるのを阻止することができるようになっている。
この上カバー422は、ベース部材420に、操作部保持部材416、従動ギア410、ダイヤル装飾基板430、及びダイヤル部材401等を取付けた状態で、開口422aに対して下側からダイヤル操作部401が通るようにベース部材420の上方を覆うことで、開口422aによってダイヤル操作部401が上方へ抜けるのを防止することができるようになっている。
一方、操作ユニット400の下カバー424は、上方が開放された箱状で、外周形状が上カバー422の外周と略一致した形状とされており、底部上面の所定位置にベース部材420における脚部420d下端の位置決め孔420fと嵌合可能な位置決め突起424aを備えている。この下カバー424は、長軸方向(パチンコ機1における左右方向)両端の上部に、上カバー422の係合爪422bと係合可能な係合部424bを備えており、この係合部424bに係合爪422bを係合させることで、下カバー424に上カバー422を取付けることができるようになっている。
操作ユニット400におけるカバー本体426は、図示するように、中央に上下方向に貫通しダイヤル操作部401(鍔部401dを除く)が通過可能な開口426aと、開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに固定される固定部426bと、開口426aの外周下面から下方へ延出しベース部材420のカバー固定部420gに固定される固定ボス426cと、を備えている。
本例の操作ユニット400は、カバー本体426の固定部426bを介して皿ユニット300に取付けられるようになっており、詳細な図示は省略するが、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに取付けた状態では、操作ユニット400(下カバー424)の下面が操作ユニット取付部314cの上面よりも若干浮いた状態(例えば、0.5mm〜2.0mm)で取付けられるようになっており、操作ユニット400を押圧操作した場合や叩いた場合に、カバー本体426が弾性変形して衝撃を緩和させることができるようになっている。
なお、この操作ユニット400は、表面カバー428を外した状態で、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して、カバー本体426の固定部426bを所定のビスで取付け、その後、カバー本体426の上面に表面カバー428を取付けるような構造となっている。
本実施形態の操作ユニット400は、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検知片410cが、隣接する回転検知片410c同士の間のスリットにおける周方向の長さと、回転検知片410cの周方向の長さが同じ長さとされている。また、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401に対応した周方向の間隔が、回転検知片410の周方向における長さの2.5倍の間隔とされている。これにより、詳細は後述するが、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作することで、一対の回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知・非検知にタイムラグが発生し、各回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知パターンから、ダイヤル操作部401が何れの方向に回転しているのかを検知することができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、詳細は後述するが、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計周りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。更に、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、図50に示すように、押圧操作部405を下方へ押圧すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fへ当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入することができないようになっているので、押圧操作部405へ加えられた荷重を、段部407a及び突出部401fを介してダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405(操作ユニット400)が壊れ難いようになっている。
更に、本例の操作ユニット400は、押圧操作部405を押圧してボタンキャップ407の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが当接した状態で、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401と共に押圧操作部405も振動させるようにすることができ、押圧操作部405の振動によって遊技者を驚かせて遊技や演出を楽しませることができるようになっている。
本例の操作ユニット400によると、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と押圧操作可能な押圧操作部405とを、金属製のベース部材420によって支持するようにしており、操作ユニット400の強度を高めることができるので、遊技者等が操作部401,405を強く叩いても、操作ユニット400が破損するのを防止することができ、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができると共に、操作部401,405の操作性を向上させることができ、操作部401,405を用いた演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、円環状のダイヤル操作部401の中心に押圧操作部405を配置するようにしており、押圧操作部405を強く叩こうとすると、蓋然的に、ダイヤル操作部401も叩くこととなり、操作部401,405を叩く力をダイヤル操作部401と押圧操作部405とに分散させることができ、叩いた衝撃が集中するのを抑制して、操作ユニット400や皿ユニット300が破損するのを防止することができるので、操作ユニット400の操作部401,405を強打に耐え得るものとすることが可能となり、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができ、操作部401,405の操作性を向上させることができると共に、操作部401,405を用いた演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、操作ユニット400のベース部材420等を皿ユニット300の凹んだ操作ユニット取付部内314cに収容すると共にベース部材420の下端と操作ユニット取付部314cの底面との間で所定量の隙間が形成されるように、ベース部材420に取付けられたカバー本体426を皿ユニット300の上面に固定しており、操作ユニット400の操作部401,405を叩いて衝撃をかけたり、荷重をかけたりした場合、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接するまでは、カバー本体426の弾性変形によって衝撃や荷重を吸収することができ、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接した後には、操作ユニット取付部314cの底部(皿ユニット300)によって衝撃や荷重を受けることができるので、操作部401,405からの衝撃等を分散させて衝撃等が集中するのを回避させることができ、操作ユニット400及び皿ユニット300による耐衝撃性や耐荷重性を高めることができる。
更に、操作部401,405を支持する位置から離れた位置に下方へ突出した複数の脚部420eをベース部材420に備えるようにしており、ベース部材420の脚部420eが皿ユニット300における操作ユニット取付部314cの底面と当接して、操作部401,405からの衝撃がベース部材420にかかっても、衝撃の直下に脚部420eが配置されていないので、ベース部材420における操作部401,405を支持した部位が衝撃によって撓むこととなり、ベース部材420が撓む(弾性変形する)ことで操作部401,405からの衝撃をある程度吸収することができ、ベース部材420から皿ユニット300へかかる衝撃を減少させて皿ユニット300が破損するのを防止することができる。
また、ベース部材420に下側から取付けられる操作部保持部材416によって、ダイヤル操作部401の一部が平面視でベース部材420と重なるようにダイヤル操作部401を保持するようにしているので、ダイヤル操作部401を上側から強打した時に、ダイヤル操作部401を保持する操作部保持部材416がベース部材420から外れて下方へ移動しても、ベース部材420の上面にダイヤル操作部401が当接してベース部材420によりダイヤル操作部401の下方への移動を規制することができ、ダイヤル操作部401が落ち込んでしまうのを良好に防止することができる。
更に、中心に押圧操作部405を配置したダイヤル操作部401を、遊技状態に応じてダイヤル駆動モータ414により回転させるようにしているので、勝手に回転(振動も含む回転駆動)するダイヤル操作部401によって、遊技者を驚かせて操作部401,405による演出に注目させることができ、遊技者を楽しませることができると共に、ダイヤル操作部401をダイヤル駆動モータ414によって適宜駆動させることで、ダイヤル操作部401(押圧操作部405)を用いた演出をより多様なものとして飽き難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ダイヤル操作部401を従動ギア410及び駆動ギア412を介してダイヤル駆動モータ414によって回転させるようにしており、蓋然的に、ダイヤル駆動モータ414の回転軸の位置をダイヤル操作部401(従動ギア410)の回転軸の位置に対して偏芯した位置とすることができるので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405が強く叩かれても、その衝撃がダイヤル操作部401の回転軸を介して直接ダイヤル駆動モータ414にかかるのを回避させることができ、ダイヤル駆動モータ414(操作ユニット400)が破損するのを防止することができる。
更に、ベース部材420の開口420aをダイヤル操作部401よりも小径とした上で、その開口420aを通して操作部保持部材416のギアレール416aによりダイヤル操作部401を支持するようにしているので、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重によってギアレール416a(操作部保持部材416)が下方へ移動しても、ダイヤル操作部401がベース部材420の開口420a上面に当接することができ、ダイヤル操作部401がベース部材420よりも落ち込んでしまうのを確実に防止することができる。また、ダイヤル操作部401を円環状のギアレール416aによって支持するようにしているので、ダイヤル操作部401と操作部保持部材416(ギアレール416a)との接触面積を増加させることができ、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重を分散させて操作部保持部材416が破損するのを防止することができる。
また、ダイヤル操作部401を回転駆動させるダイヤル駆動モータ414を金属製のベース部材420に取付けるようにしているので、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を頻繁に回転駆動させたり、ダイヤル駆動モータ414により回転駆動させられているにも関わらず遊技者によってダイヤル操作部401の回転が強制的に停止させられていたりすることで、ダイヤル駆動モータ414に対する過度の負荷により発熱量が多くなっても、ダイヤル駆動モータ414から発生する熱を、ベース部材420を介して良好に発散・放熱させることができ、過熱によってダイヤル駆動手段414に不具合が発生するの防止することができると共に、ダイヤル駆動手段414を高い負荷に耐えられるようにすることが可能となり、上述したようなダイヤル駆動手段414を用いたダイヤル操作部401の演出を十分に具現化することができ、遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、ダイヤル操作部401の回転を検知する回転検知センサ432a,432bと、押圧操作部405の押圧を検知する押圧検知センサ432cと、を備えるようにしており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の回転操作や押圧操作を検知することができるので、その検知信号に基いて遊技者の操作に応じた演出を行うことが可能となり、操作部401,405を操作する遊技者に対してより一体感の有る演出を提供することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、操作部401,405を発光装飾させるためのダイヤル装飾基板430やボタン装飾基板432を備えるようにしており、操作部401,405を発光装飾させることができるので、操作部401,405を発光させることで、遊技者の関心を操作部401,405に引付けることができ、遊技者に対して操作部401,405を操作させ易くすることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405を押圧した時に、押圧操作部405の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが互いに接触するようにしているので、遊技者が押圧操作部405を押圧した時に、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を所定角度範囲内で正転・逆転を繰返させて振動させることで、ダイヤル操作部401の突出部401fと接触した段部407aを介して押圧操作部405も振動させるができる。従って、押圧操作部405を振動させるためのバイブレータ等を別途備えなくても、遊技者に対して押圧操作405に対する操作感を付与することができるので、操作ユニット400を用いた演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、押圧操作部405を押圧操作した時に押圧操作部405が振動するので、勝手には動かないと思っていた押圧操作部405が動くことで遊技者を大きく驚かせることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。従って、従来の操作部と違ってダイヤル操作部401や押圧操作部405が勝手に動くことで遊技者の関心を操作ユニット400へ強く引付けることができ、操作ユニット400を用いた演出へ参加させ易くすることができると共に、遊技者に対して操作ユニット400を積極的に操作させることができ、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、押圧操作部405を押圧操作した時に、押圧操作部405とダイヤル操作部401とが互いに接触するようにしているので、押圧操作部405からの力をダイヤル操作部401側へ伝達させることが可能となり、押圧操作部405を強打された場合でも、押圧操作部405にかかった荷重や衝撃をダイヤル操作部401側にも分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性を高めることができる。従って、押圧操作部405を強打しても、押圧操作部405が破損するのを防止することができるので、押圧操作部405(操作ユニット400)の破損によって遊技が中断してしまうのを回避させることができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、押圧操作部405を、上下方向へ延びた軸心周りに対して所定角度範囲内のみ回動可能に支持するようにしており、遊技者が押圧操作部405を押圧操作した時に、ダイヤル駆動モータ414によってダイヤル操作部401を回転駆動させても、押圧操作部405がダイヤル操作部401と一緒に回転しようとするのを防止することができるので、遊技者に対して操作ユニット400におけるダイヤル操作部401と押圧操作部405の夫々の役割を確実に認識させることができ、遊技者に対して操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができると共に、押圧操作部405の上面に案内された「PUSH」の文字が回ったり大きく傾いたりすることがなく遊技者側から読み易くすることができ、遊技者に対して押圧操作部405が押圧操作するものであることを確実に認識させることができる。
また、ダイヤル操作部401における内筒部401aの内周から軸心側へ突出した突出部401fを備えると共に、押圧操作部405の外周面に上下方向の所定位置よりも下側を小径とすることで形成する段部407aを備えるようにしているので、操作ユニット400の上端ではダイヤル操作部401の内筒部401aの内周面と押圧操作部405の外周面とを可及的に近付けることができ、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を可及的に小さくして見栄えを良くすることができると共に、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を介して操作ユニット400内へゴミや埃等の異物の侵入をし難くすることができ、異物の侵入によってダイヤル操作部401が回動し難くなったり、押圧操作部405を押圧し難くなったりする不具合の発生を防止することができる。
更に、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を円環状に形成しており、押圧操作部405を押圧操作した際に、ダイヤル操作部401に対して周方向のどの位置でも接触することができるので、押圧操作部405が傾くような感じで押圧(押圧操作部405の中心よりも外周へ偏った位置を押圧)されても、確実にダイヤル操作部401と接触させることができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの回動駆動を押圧操作部405へ確実に伝達させることができる。また、ダイヤル操作部401と押圧操作部405とが円環状に接触するので、押圧操作部405からの荷重を広くダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を、ダイヤル操作部401の回転軸心の方向へ向かって低くなるように傾斜させているので、傾斜していない場合と比較して相対的に接触面積を増やすことができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの駆動力を押圧操作部405側へ伝達させ易くすることができる。また、押圧操作部405からの荷重を、回転軸心の延びた方向に対して直角方向の外側方向へ放射状に分散させることができ、荷重が集中するのを防止して、操作ユニット400における耐荷重性や耐衝撃性を確実に高めることができると共に、操作ユニット400の耐久性を高めることができ、遊技中に不具合が発生するのを可及的に低減させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414を、正転・逆転可能なステッピングモータとしているので、ダイヤル操作部401を単に回転させるだけでなく、簡単に所定位置で停止させたり、正転、逆転の繰返しにより簡単に振動させたりすることができ、上記の作用効果を奏する操作ユニット400(パチンコ機1)を確実に具現化することができる。
また、遊技球を貯留する上皿301を備えた皿ユニット300に操作ユニット400を支持させるようにしているので、蓋然的に、多数の遊技球を貯留するために皿ユニット300の強度剛性が高くなっており、操作ユニット400(押圧操作部405)への強打に対しても充分に対応することができ、操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができる。
[1−2H.ハンドル装置]
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図51を参照して説明する。図51は、扉枠におけるハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。本実施形態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における皿サイド外カバー334のハンドル挿通孔334aを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベース502と、ハンドルベース502に対して相対回転可能にハンドルベース502の前側に配置される環状の回転ハンドル本体後504と、回転ハンドル本体後504の前面に固定され回転ハンドル本体後504と一体回転可能とされた回転ハンドル本体前506と、回転ハンドル本体前506の前面に配置されると共にハンドルベース502に固定され、ハンドルベース502と協働して回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後504を回転可能に支持する前端カバー508と、を備えている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前の回転中心に前側から後側へ突出するように取付固定され後端に非円形の軸受部510aを有した軸部材510と、軸部材510の軸受部510aと嵌合し回転可能とされた検知軸部512aを有しハンドルベース502の前面に回転不能に嵌合される回転位置検知センサ512と、回転位置検知センサ512をハンドルベース502とで挟むようにハンドルベース502の前面に固定され回転位置検知センサ512の検知軸512aが通過可能な貫通孔514aを有したセンサ支持部材514と、センサ支持部材514の後面に取付けられるタッチセンサ516と、タッチセンサ516とはセンサ支持部材514の後面の異なる位置に取付けられる発射停止スイッチ518と、センサ支持部材514に対して回転可能に軸支され発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタン520と、軸部材510の外周を覆うように配置され回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後504を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰するように付勢するハンドル復帰バネ522と、を備えている。
本例のハンドル装置500のハンドルベース502は、図示するように、前端側は前側へ広がった半球状に丸く膨出した形状とされていると共に、後端側は後端が開放された円筒状に形成されており、後端側の円筒状の外周に、軸方向へ延びた三つの溝部502aが形成されている。ハンドルベース502の三つの溝部502aは、ハンドルブラケット140における筒部141内の三つの突条143と対応するように、上側に一つ、下側に二つ、周方向に対して不等間隔に配置されている。このハンドルベース502は、溝部502aが突条143と嵌合するように、ハンドルブラケット140の筒部141内に挿入することで、回転不能な状態で支持されるようになっている。
ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前506に、その回転軸と同心円状に配置された円弧状のスリット506aが形成されていると共に、前端カバー508に、後方へ突出する三つの取付ボス508aが形成されており、これら取付ボス508aが回転ハンドル本体前506のスリット506aを通してハンドルベース502の前面に固定されるようになっている。これにより、回転ハンドル本体前506におけるスリット506aの周方向端部が、前端カバー508の取付ボス508aに当接することで、回転ハンドル本体504,506の回転範囲が規制されるようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前506に、後方へ突出する係止突部506bが形成されており、この係止突部506bにコイル状のハンドル復帰バネ522の一端側(前端側)が係止されるようになっていると共に、ハンドル復帰バネ522の他端側(後端側)がセンサ支持部材514に係止されるようになっており、ハンドル復帰バネ522によって回転ハンドル本体504,506が正面視で反時計周りの方向へ回動するように付勢されている。
本例のハンドル装置500は、扉枠ベース本体110のハンドル取付部114に対して、ハンドルブラケット140を介して取付けられるようになっている。この扉枠ベース本体110のハンドル取付部114は、上方から見た平面視において、その取付面が、外側(開放側)を向くように傾斜しているので、ハンドルブラケット140を介して取付けられるハンドル装置500も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されるようになっている。これにより、遊技者がハンドル装置500を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行い易いようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転位置検知センサ512が可変抵抗器とされており、回転ハンドル本体504,506(ハンドル装置500)を回転させると、軸部材510を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aが回転することとなる。そして、検知軸部512aの回転角度に応じて回転位置検知センサ512の内部抵抗が変化し、回位置検知センサ512の内部抵抗に応じて後述する打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動力が変化して、ハンドル装置500の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技領域1100内へ打ち込まれるようになっている。
なお、回転ハンドル本体504,506や前端カバー508の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者が回転ハンドル本体504,506等に接触することでタッチセンサ516が接触を検出するようになっている。そして、タッチセンサ516が遊技者の接触を検出している時に、回転ハンドル本体504,506が回動すると、その回動に応じた強さで発射ソレノイド654の回転駆動が制御されて、遊技球を打ち込むことができるようになっている。つまり、遊技者がハンドル装置500を触らずに、何らかの方法でハンドル装置500を回転させて遊技球の打ち込みを行おうとしても、発射ソレノイド654は駆動されず、遊技球を打ち込むことができず、遊技者が本来とは異なる遊技をすることを防止してパチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができるようになっている。
また、遊技者がハンドル装置500を回転操作中に、単発ボタン520を押圧すると、発射停止スイッチ518が単発ボタン520の操作を検知し、発射制御部4120によって発射ソレノイド654の回転駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハンドル装置500の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン520の押圧操作を解除することで、単発ボタン520を操作する前の打込強さで遊技球を発射することができるようになっている。
本例のハンドル装置500は、回転ハンドル本体504,506の回転操作を回転位置検知センサ512によって電気的に検知した上で、その回転位置検知センサ512からの回転位置の検知に基いて、発射制御部4120で発射ソレノイド654の回転駆動強さを制御するようにしているので、従来のパチンコ機のように、扉枠5に備えられるハンドル装置500と、本体枠3に備えられる打球発射装置650とを、扉枠5の閉鎖時には互いに連係し、扉枠5の開放時には連係が解除されるように機械的(例えば、ジョイントユニット)な機構を備える必要が無く、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができると共に、ジョイントユニットでの不具合の発生をなくすことができ、遊技球の打込不具合によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2I.ファールカバーユニット]
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図52乃至図54を参照して説明する。図52は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図53は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図54は、ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。
扉枠5におけるファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における遊技窓101よりも下側の後面に取付けられ、後述する賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。本例のファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベース542と、カバーベース542の前端を閉鎖する前カバー544と、を備えている。
このファールカバーユニット540のカバーベース542は、図53に示すように、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、第一球入口と連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路542bと、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球通路542dと連通しカバーベース542の内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球入口542cと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776と夫々対向する位置に形成されている。なお、カバーベース542における第二球通路542dは、図示するように、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間546が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路542dの下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路542fと、を備えている。また、カバーベース542は、第二球入口542cの下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片542gを、備えている。この開閉作動片542gは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランク793の球状の当接部793dと当接することで、開閉クランク793を回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバー544は、カバーベース540の前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベース540の第一球通路542bと連通し前後方向に貫通した第一球出口544aと、正面視右下隅に配置されカバーベース540の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口544bと、を備えている。前カバー544の第一球出口544aは、扉枠ベースユニット100の切欠部101aを通して皿ユニット300の上皿球供給口310cと接続されるようになっている。また、第二球出口544bは、扉枠ベース本体110の球通過口110fを通して皿ユニット300における下皿球供給樋310hの後端が接続されるようになっている。
本例のファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿球供給口310cを介して上皿101へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿球供給樋310h及び下皿球供給口310gを介して下皿302へ供給することができるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、詳細は後述するが、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そして、ファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路542f及び第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿302へ排出(供給)することができるようになっている。
また、本例のファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間546内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベース542に軸支された揺動部材548と、揺動部材548の揺動を検知する満タン検知センサ550と、揺動部材548が満タン検知センサ550によって非検知状態となる方向へ付勢するバネ552と、を備えている。この揺動部材548は、図54に示すように、カバーベース542に対して下端が回動可能に軸支されていると共に、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間546の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材548は、バネ552によって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、動揺部材548は、収容空間546側とは反対側の側面に外側へ突出する検知片548aが形成されており、この検知片548aが満タン検知センサ550よって検知されるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の底部に配置されるアースレール554と、カバーベース542の背面視で右端と、左端を夫々被覆する板状のアース金具556と、を備えており、遊技球の流通による転動抵抗によって発生する静電気を除去することができるようになっている。
本例では、賞球ユニット700から払出された遊技球が満タン分岐ユニット770の通常球出口774からファールカバーユニット540を介して皿ユニット300の上皿301へ供給されるようになっており、上皿301内が満杯となっても更に遊技球が賞球ユニット700から払出されると、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、更に満タン分岐ユニット770における通常球出口774の上流の通常通路773内も一杯になると、満タン分岐ユニット770の分岐空間772を介して満タン通路775側へ遊技球が流通するようになり(図79を参照)、満タン分岐ユニット770の満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになる。
そして、皿ユニット300の下皿302内が遊技球で一杯になると、ファールカバーユニット540の第二球出口544bから遊技球が出られなくなり、第二球通路542d内の収容空間546内に滞った遊技球が貯留されることとなる。更に、賞球ユニット700から遊技球が払出されて収容空間546内に遊技球が多く貯留されるにつれて、遊技球の貯留圧が揺動部材548に作用し、バネ552の付勢力に抗して揺動部材548の上端が左方へと移動することとなる。そして、揺動部材548の検知片548aが、満タン検知センサ550によって検知されると、払出制御基板4110において賞球ユニット700から遊技球の払出しが停止されると共に、遊技者に対して皿ユニット300内の遊技球を外部へ排出するのを促す通知を行うようになっている。
なお、収容空間546(下皿302)内の遊技球が排出されて、揺動部材548がバネ552の付勢力によって略垂直な状態に復帰すると、満タン検知センサ550による検知片548aの検知が非検知となり、賞球ユニット700からの遊技球の払出しが再開されるようになっている。
[1−2J.球送りユニット]
続いて、扉枠5における球送りユニット580について、主に図55及び図57を参照して説明する。図55は、扉枠における球送りユニットの正面斜視図である。図56は、扉枠における球送りユニットの背面斜視図である。また、図57は、球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図である。図58は、球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。扉枠5における球送りユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
この球送りユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、皿ユニットベース310の上皿球排出口310d、扉枠ベース本体110の球送り開口113を通して供給され前後方向に貫通した進入口581a、及び進入口581aの下側に開口する球抜口581bを有し後方が開放された箱状の前カバー581と、前カバー581の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー581の進入口581aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバー582と、後カバー582及び前カバー581の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー581の後側で進入口581aと球抜口581bとの間を仕切る仕切部583aを有した球抜き部材583と、球抜き部材583の仕切部583a上の遊技球を一つずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバー581と後カバー582との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材584と、球送り部材584を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。本例では、図示するように、正面視で、球送り部材584が進入口581aの右側に配置されており、この球送り部材584の左側に球抜き部材583が右側に球送ソレノイド585が夫々配置されている。
この球送りユニット580の前カバー581は、正面視で球抜口581bの左側に、球抜き部材583の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット581cを備えており、このスリット581cから後述する球抜き部材583の作動棹583cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー581は、進入口581aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠ベースユニット100へ組立てた際に、上皿球抜きベース344における球誘導流路344bの後端開口を閉鎖するように形成されている。
また、球抜き部材583は、進入口581aよりも下側で進入口581aと球抜口581bと間を仕切り上面が球送り部材584の方向へ向かって低くなる仕切部583aと、仕切部583aの球送り部材584とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口581bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部583bと、回動棹部583bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹583cと、作動棹583cよりも下側で回動棹部583bの側面から仕切部583aとは反対側へ突出した錘部583dと、を備えている。この球抜き部材583の作動棹583cは、前カバー581に形成された円弧状のスリット581cを通して前方へ突出するように形成されており(図55を参照)、扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接するようになっている。
更に、球送り部材584は、進入口581a及び球抜き部材583の仕切部583aの方向を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部584aと、遮断部584aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部584bと、球保持部584bの後端から下方へ延出する棒状の棹部584cと、を備えている。この球送り部材54における遮断部584aと球保持部584bは、夫々回転軸芯を中心とした約90゜の角度範囲内に夫々形成されている。また、球送り部材584の球保持部584bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。この球送り部材584は、球送ソレノイド585の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部584cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動するようになっている。
球送り部材584は、遮断部584aが仕切部583aの方向を向くと同時に球保持部584bが打球供給口582aと連通した方向を供給位置と、球保持部584bが仕切部583aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。この球送り部材584が供給位置の時には、球保持部584bに保持された遊技球が、打球供給口582aから打球発射装置650へ供給されると共に、進入口581aから仕切部583a上に進入した遊技球が、遮断部584aによって球保持部584b(打球供給口582a)側への移動が遮断されて仕切部583a上に留まった状態となる。一方、球送り部材584が保持位置へ回動すると、球保持部584bが仕切部583aの方向を向くと共に、球保持部584bの棹部584c側の端部が打球供給口582aを閉鎖した状態となり、仕切部583a上の遊技球が一つだけ球保持部584b内に保持されるようになっている。
また、球送りユニット580は、球送ソレノイド585の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿586と、球送り作動桿586における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材584を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク587と、を備えている。この球送りクランク587は、球送り作動桿586の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部587aと、係合部587aの球送り作動桿586と係合する側とは反対側に配置され前カバー581と後カバー582との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部587bと、軸部587bから上方へ延出し球送り部材584における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部584c(図57を参照)と係合する伝達部587cと、を備えている。なお、本例では、球送ソレノイド585と球送り作動桿586とが一体的に形成されたフラッパーソレノイドを用いている。
本例の球送りユニット580は、球送り作動桿586及び球送りクランク587によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド585の駆動により揺動する球送り作動桿586の動きを伝達させて球送り部材584を回動させることができるようになっている。なお、球送ソレノイド585の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となるようになっており、この状態では球送り部材584が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド585の駆動時では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端に吸引され揺動する先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材584が保持位置へ回動するようになっている。つまり、球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と球送り部材584が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。この球送りユニット580における球送ソレノイド585の駆動は、発射制御部4120により発射ソレノイド654の駆動制御と同期して制御されるようになっている。
また、本例の球送りユニット580における回動可能に軸支された球抜き部材583は、錘部583cによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹583cが皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接することで、その回動が規制されるようになっており、通常時では、球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと球抜口581bとの間を仕切って、球抜口581b側へ遊技球が侵入しないようになっている。そして、遊技者が、皿ユニット300における上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ343が当接片343aと共に下方へスライドして、当接片343aの下方への移動に伴って作動棹583cも相対的に下方へ移動することとなる。
このように、上皿球抜き機構340の当接片343aと共に作動棹583cが下方へ移動することで、球抜き部材583が正面視反時計周りの方向へ回動して仕切部583aによる進入口381aと球抜口381bとの間の仕切りが解除され、進入口381aから進入した遊技球が、球抜口381bから皿ユニット300の上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、下皿302へ排出(供給)されるようになっている。
なお、球抜き部材583の作動棹583cが当接する上皿球抜きスライダ343の当接片343aは、コイルバネによって上方へ付勢されているので、仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
上述したように、本例によると、上皿301内に遊技球を貯留させて球送りユニット580へ遊技球を供給した上で、扉枠5の前面に備えられたハンドル装置500を遊技者が操作すると、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動によって遊技球が打球発射装置650へ送られ、打球発射装置650によって遊技球が遊技領域1100へ打ち込まれることで、扉枠5の遊技窓101を介して視認可能とされた遊技領域1100内で遊技が行われることとなり、遊技者を楽しませることができると共に、扉枠ベースユニット100の後面に送り機構(球送り部材584や球送ソレノイド585等)と排出機構(球抜き部材583)とを備えた球送りユニット580を配置しているので、球送り部材584と球抜き部材583だけでなく球送り部材584と打球発射装置650も可及的に接近した状態となり、上皿球抜きボタン341の操作によって上皿301内の遊技球を排出させた時に、球送り部材584側に残存する遊技球の数を可及的に低減させることができ、遊技者が損した気分となるのを回避させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、球抜き部材583を備えた球送りユニット580を扉枠ベースユニット100の後面に配置しているので、皿ユニット300における上皿301の容量を大きくすることが可能となり、遊技球の打込操作によって上皿301内の遊技球が早期になくなったり、上皿301内が遊技球で早期に満タンとなってしまったりするのを抑制することができ、上皿301内の遊技球に対して遊技者が煩わしく感じるのを低減させて興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301の容量を維持した状態で皿ユニット300を小型化することができるので、相対的に遊技領域1100を大きく(広く)して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、球送りユニット580に球抜き部材583を備えるようにしているので、球送り部材584と球抜き部材583とを別々にしたものと比較して、球送りユニット580を取付けるだけで球送り部材584と球抜き部材583を取付けることができ、組立てに係る手間を簡略化することができると共に、送りユニット580を容易に交換することができ、球送り部材584や球抜き部材583に不具合が発生しても、球送りユニット580を交換することで簡単に不具合を解消させることができる。
更に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の後面に球送りユニット580を配置するようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにしたものと比較して、上皿球抜きボタン341の操作を球送りユニット580の球抜き部材584へ伝達させる伝達機構(上皿球抜き機構340)を開閉可能な扉枠5と本体枠3とに跨るように構成する必要がなく、伝達機構にかかる構成を簡略化することができる。また、球送りユニット580を扉枠5側に備えるようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにした場合と比較して、扉枠5を開放する度に伝達機構(上皿球抜き機構340)が遮断されることで伝達機構が早期に消耗して誤作動したり破損したりする虞を回避させることができ、伝達機構や球送りユニット580等の作動に対する信頼性や耐久性を高めることができる。
また、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作するものとしているので、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧するだけで上皿301から遊技球を下皿302へ排出させたり、上皿301からの遊技球の排出を停止させたりすることができ、遊技者に対して上皿球抜きボタン341による上皿301内の球抜き操作を楽に操作させることができる。
また、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上下方向へスライドする上皿球抜きスライダ343の動きによって、球抜き部材583の仕切部583aを可動させるようにしており、上皿球抜きスライダ343と共に仕切部583aも上下方向へ可動するので、上皿球抜きスライダ343や仕切部583aに係る水平方向の移動範囲を可及的に小さくすることが可能となり、上皿球抜き機構340や球送りユニット580を小型化することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、上皿球抜きスライダ343を上方へ付勢すると共に、上皿球抜きスライダ343が上昇位置の時に球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと打球供給口582aとを連通させるようにしているので、上皿301から遊技球が勢い良く仕切部583aに当接しても、その衝撃を上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって緩和させることができ、仕切部583a(球抜き部材583)の耐久性を高めることができる。また、上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって仕切部583aに係る衝撃を緩和させることができるので、遊技球が仕切部583aに衝突しても撥ね難くすることができ、遊技球の撥ねにより球送りユニット580等が破損して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、仕切部583aを回動させるようにしているので、仕切部583aをスライドさせるようにした場合と比較して、仕切部583aに遊技球の荷重がかかった時の仕切部583aの移動に係るフリクションロスを低減させることができ、上皿球抜きボタン341の操作を軽くして操作性を向上させることができると共に、平面投影において仕切部583aの移動範囲を小さくすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、仕切部583aを、自重によって進入口581aと球抜口581bを連通する方向へ回動させるようにしているので、仕切部583aや上皿球抜き機構340に不具合が発生した場合、仕切部が自重によって回動することで進入口と排出口とを連通させた状態となり、排出操作部を操作していないのにも関わらず貯留皿内の遊技媒体が送り機構(投入装置)側へ送られずに遊技者側へ排出されることとなるため、遊技者に対してパチンコ機1に不具合が発生していることを認識させることができ、不具合の無いパチンコ機1へ移動させて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、球抜き部材583において仕切部583aを屈曲した回動棹部583bを介して回動させるようにしているので、遊技球が仕切部583aに衝突した場合、その衝撃を屈曲した回動棹部583bによって分散させたり、回動棹部583bの撓りによって吸収させたりすることで、回動軸へ直線的に衝撃が伝達されるのを防止することができ、球抜き部材583の耐久性を高めることができる。
また、上皿301側と連通する進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、上皿301内の遊技球を排出させる際に、球送りユニット580内での遊技球の左右方向の動きを最小限とすることができ、球送りユニット580内での遊技球の通りを良くして遊技球を良好に排出させることができる。また、進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、球送りユニット580内における遊技球の排出経路を可及的に短くすることができ、球送りユニット580に排出機構としての球抜き部材583を備えても、球送りユニット580が不必要に大型化するのを抑制することができる。
[1−2K.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照して説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板594(図106を参照)と、を備えている。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両端に上下方向へ離反して配置され外方へ板状に延出した四つの片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出した板状の係止片592bと、を備えている。
このガラスユニット590は、下端の係止片592bを、扉枠ベースユニット100の補強ユニット150における下側補強板金154の垂直折曲突片161に対して後上方から係合するように係止させた上で、ユニット枠592の外周縁を扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に嵌め込み、ガラスユニット係止部材190によってユニット枠592の止め片592aを係止させることで、扉枠ベースユニット100に対して脱着可能に取付けられるようになっている(図23、図28等を参照)。
このように、本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、縦長楕円形状の遊技窓101の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を、遊技窓101を閉鎖する透明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット2200、及び上部装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニット300がサイドスピーカカバー290を挟んで右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット220の下端と連続するように配置されており、各ユニット200,220,280,300の外観が丸みを帯びた連続した一体化の有る外観となっている。
また、扉枠5は、各ユニット200,220,280,300に備えられた装飾基板214,216,254,256,286,320,322等に実装されたLEDを発光させることで、遊技窓101及び下皿カバー328の開口部328aを囲むように任意の発光色で発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット220に備えられた装飾基板214,216,254,256に実装されたLEDのうち、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bの後側に配置されたLED214b,216b,254b,256を点灯したり消灯したりすることで、遊技窓101を囲んだ発光装飾の態様を変化させることができるようになっている。
具体的には、サイドレンズ210,250における周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aの発光態様と、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bの発光態様とを、同一の発光態様(発光色と発光パターンとが同じ)とすると全体が略均一の発光装飾とすることができ、周レンズ部210a,250aを強調するようにそれらの発光態様を異ならせると周方向に途切れができたような発光装飾とすることができ、放射レンズ部210b,250bを強調するようにそれらの発光態様を異ならせると遊技窓101の中央を中心とした放射状に輝く発光装飾とすることができ、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
また、扉枠5は、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401や押圧操作部405を支持するベース部材420を、ダイキャストによるアルミ合金製としていると共に、カバー本体426によってベース部材420を皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して吊持させるようにしているので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を叩いた場合、カバー本体426が撓るように弾性変形した上で、ベース部材420が下カバー424を介して操作ユニット取付部314cの上面に当接することとなり、ダイヤル操作部401や押圧操作部405等にかかる衝撃を緩和させることができ、操作ユニット400が破損するのを防止することができるようになっている。
更に、扉枠5における操作ユニット400は、押圧操作部405を円環状のダイヤル操作部401に挿入した状態としており、遊技者等が押圧操作部405を強く叩こうとしてもダイヤル操作部401も一緒に叩いてしまうこととなるので、ダイヤル操作部401によって叩いた衝撃を分散させることができ、衝撃が集中するのを防止して破損し難くすることができるようになっている。また、ダイヤル操作部401を回転可能に支持する操作部保持部材416のギアレール416aを、金属製のベース部材420における開口420aに対して下方から上面より僅かに突出するように取付けており、ダイヤル操作部401を叩いた衝撃が従動ギア410を介して操作部保持部材416(ギアレール416a)へ伝わって、操作部保持部材416が下方へ撓むと、従動ギア410の下面が金属製の開口420aの外周上面と当接し、その衝撃をベース部材420に受けさせることができるので、操作部保持部材416に係る負荷を軽減させることができると共に、ギアレール416aが衝撃によって潰れてしまうのを防止することができ、操作ユニット400の耐久性を高めることができるようになっている。
また、扉枠5における操作ユニット400は、皿ユニット300に対して上側から取付けられるようにしているので、万が一、操作ユニット400が破損しても、操作ユニット400を簡単に取替えることができ、操作ユニット400の取替えによりパチンコ機1の稼働率が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2L.扉枠における発光装飾]
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図59及び図60を参照して説明する。図59は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図60は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,286,320,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240は、上述したように、遊技窓101の下辺を除く外周の殆どを囲うように形成されており、サイドレンズ210,250における複数の周レンズ部210a,250aが遊技窓101の外周に沿うように配置されていると共に、放射レンズ部210b,250bが遊技窓101の左右方向中央の下部付近を中心とした放射状の軸線に沿って延びるように隣接した周レンズ部210a,250a同士の間に配置されている。これらサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bは、不透光性(本例では、表面にメッキ層を有している)のサイド装飾フレーム202,242によって外周が囲まれた状態となっている。
これらサイドレンズ210,250の後側には、サイドインナーレンズ212,252が配置されており、サイドインナーレンズ212,252は、その本体部212a,252aが周レンズ部210a,250aの後面に対して所定距離離間した位置となるように形成されていると共に、板状の導光部212b,252bが放射レンズ部210b,250bの後面に対して可及的に接近した位置まで延出するように形成されている。このサイドインナーレンズ212,252の本体部212a,252aには、詳細な図示は省略するが、その表面に微細なプリズムが複数形成されており、後側に配置された装飾基板214,216,254,256からの光を拡散させることができるようになっている。
サイドインナーレンズ212,252の後側に配置される右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、左サイド下装飾基板256には、周レンズ部210a,250aと対応する位置に配置されたLED214a,216a,254a,256aと、放射レンズ部210b,250bと対応する位置に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを備えている。本例では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aがフルカラーLEDとされており、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが白色LED(上部装飾ユニット280における上部装飾基板286のLED286bよりも低い通常の輝度)とされている。また、右サイド上装飾基板214におけるサイドサブレンズ228と対応し上下に配置された二つのLED214cは、赤色LEDとされている。
なお、本例では、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256の表面が、白色のフォトレジスト、白色印刷(例えば、シルク印刷)、白色塗装、等によって白色とされている。これにより、装飾基板214,216,254,256での反射率を高めることができるので、各LED210a,210b等が非点灯時に遊技者側からの光を装飾基板214,216,254,256によって反射させることで、サイドレンズ210,250が暗くなりすぎて見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、発光する各LED210a,210b等からの光を基板によって遊技者側へ反射させることで、サイドレンズ210,250をより明るく発光装飾させることができるようになっている。
次に、扉枠5の上部装飾ユニット280は、上述したように、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部における扉枠5の左右方向中央側を向いた端部同士の間を接続するように形成されており、遊技窓101の上部中央を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、中央に宝石状に形成された大型の中央レンズ282と、中央レンズ282の斜め上左右両側に羽根状に形成された側レンズ284と、中央レンズ282の下左右両側に配置された下レンズ289とを備えている。上部装飾ユニット280の中央レンズ282は、青味を帯びた透明な部材により形成されており、側レンズ284及び下レンズ289は、透光性を有した白色(乳白色)の部材により形成されている。これにより、中央レンズ282の後側に配置されたインナーレンズ283が、遊技者側から視認することができるようになっている。
この上部装飾ユニット280のインナーレンズ283は、表面に複数の微細なレンズ(プリズムを含む)が形成されており、光を乱反射させたり乱屈折させたりすることができるので、透明な中央レンズ282を通してインナーレンズ283を見ると、中央レンズ282に深味があるように見えると共に、あたかも中央レンズ282自体がキラキラ輝いているように見えるようになっている。また、遊技者側からは、インナーレンズ283の後側に配置された上部装飾基板286が見えないようになっている。
上部装飾ユニット280における上部装飾基板286には、中央レンズ282と対応しインナーレンズ283の後側に配置された複数(本例では、六つ)のLED286aと、側レンズ284及び下レンズ289の後側に配置された複数(本例では、側レンズ284用に二つ、下レンズ289用に一つずつ、左右夫々に配置されている)のLED286bとを備えている。なお、本例では、中央レンズ282と対応したLED286aは、フルカラーLEDとされており、側レンズ284及び下レンズ289と対応したLED286bは、高輝度の白色LEDとされている。また、上部装飾基板286の前面もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
続いて、皿ユニット300では、左右のサイド装飾ユニット200,240の下端同士を結ぶように、上皿301の前端に沿って上皿上部レンズ318における宝石状の複数の導光部318aが上皿前部装飾部材316の開口部316aを通して露出した状態で列設されており、正面から見ると、図示するように、上皿前部装飾部材316及び上皿上部レンズ318によって遊技窓101の下辺外側(下側)が装飾させるようになっている。この上皿上部レンズ318の下側には、各導光部318aと対応する突出部を有した上皿上部インナーレンズ319が配置されている。皿ユニット300の上皿上部レンズ318は、青味を帯びた透明な部材で形成されており、上皿上部インナーレンズ319は、透明な部材で形成されている。
皿ユニット300の上皿上部インナーレンズ319は、上皿上部レンズ318の導光部318aと対応する表面(上面)に、複数の微細なプリズムが形成されており、光を乱反射させたり乱屈折させたりすることができるようになっているので、上部装飾ユニット280の中央レンズ282と同様に、上皿上部レンズ318の導光部318aに、深味を付与すると共にキラキラした輝きを付与して、導光部318aがあたかも宝石のように見えるようになっている。また、上皿上部インナーレンズ319によって遊技者側から導光部318aを通して、下側に配置された上皿右装飾基板320や上皿左装飾基板322が見えないようになっている。
この皿ユニット300における上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の上面には、上皿上部レンズ318の導光部318aと対応するように、複数(本例では、夫々六つ)のLED320a,322aが備えられている。本例では、上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLED320a,322aは、フルカラーLEDとされている。また、上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の表面(上面)も、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
次に、皿ユニット300に取付けられる操作ユニット400は、透光性を有した環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の内側に配置された透光性を有した円柱状の押圧操作部405とを備えており、ダイヤル操作部401及び押圧操作部405の下側にはダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432が夫々配置されている。ダイヤル装飾基板430には、ダイヤル操作部401と対応するように周方向へ複数(本例では、四つ)配置されたLED430bが備えられている。また、ボタン装飾基板432には、押圧操作部405と対応するように一つのLED432dが備えられている。本例では、ダイヤル装飾基板430のLED430bが高輝度の白色LEDとされており、ボタン装飾基板432のLED432dがフルカラーLEDとされている。また、ダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432の表面(上面)もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
ところで、本例の扉枠5では、遊技窓101の下辺よりも上側の外周を覆う右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aが、遊技窓101に近い第一環状グループ102(図59及び図60においてハッチの範囲内)と、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103(図59及び図60においてクロスハッチの範囲内)とに分けられており、第一環状グループ102と第二環状グループ103のLEDを適宜発光させることで、遊技窓101を囲むように略同心円状に複数(本例では二つ)発光装飾させることができるようになっている。つまり、第一環状グループ102のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101に近いハッチの範囲が環状に発光装飾され、第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101から遠ざかったクロスハッチの範囲が環状に発光装飾されるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103を周方向へ分割するように遊技窓101(遊技領域1100)の左右方向中央下部を中心として放射状に延びた放射状グループ104(図59及び図60において網掛けの範囲内)とされている。この放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを適宜発光させることで、遊技窓101の外側を放射状に発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ分割するように発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200における上部右側面のサイドサブレンズ228と対応したLED214cは、上部右サイドグループ105とされており、このLED214cを適宜発光させることで、扉枠5の上部右側面の一部(サイドサブレンズ228)を発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の上側中央を装飾する上部装飾ユニット280における中央レンズ282と対応したLED286aが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の上部中央を発光装飾する上部中央グループ106とされている。この上部中央グループ106のLED286aを適宜発光させることで、遊技窓101の上部中央を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾の基準点となるような発光装飾をさせることができるようになっている。また、上部装飾ユニット280における側レンズ284及び下レンズ289と対応したLED286bは、上部中央グループ106の左右両側を発光装飾させる上部中央サイドグループ107とされている。この上部中央サイドグループ107のLED286bを適宜発光させることで、第一環状グループ102及び第二環状グループ103と上部中央グループ106との境界を発光装飾させたり、遊技窓101の上側(上部も含む)でV字状に発光装飾させたりすることができるようになっている。
更に、扉枠5では、遊技窓101の下辺を装飾する皿ユニット300における上皿前部装飾部材316の複数の開口部316aに嵌め込まれた上皿上部レンズ318の導光部318aと対応したLED320a,322aが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の左右の下端同士を連結するように遊技窓101の下辺外周を発光装飾する下部グループ108とされている。この下部グループ108のLED320a,322aを適宜発光させることで、遊技窓101の下辺や上皿301の前縁を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aと連動させることで、遊技窓101の外周全体を環状に発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の下側中央で皿ユニット300の上部中央に配置された操作ユニット400のダイヤル操作部401及び押圧操作部405と対応したLED430b,432dが、操作ユニット400を発光装飾させる操作部グループ109とされている。この操作部グループ109のLED430b,432dを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を発光装飾させることができ、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作タイミングや操作方向等を遊技者に知らせることができるようになっている。
本実施形態における扉枠5における発光装飾について、更に、詳述すると、本例では、扉枠5に備えられた各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが、夫々が属するグループ102,103,104,106,107,108,109内で制御系統に対応して更に細分化されている。具体的には、図60に示すように、第一環状グループ102に属する20個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に102a〜102jの10系統に分けられており、第二環状グループ103に属する26個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に103a〜103jの10系統に分けられている。
また、放射状グループ104に属する20個のLED214b,216b,254b,256bは、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b毎に104a〜104hの8系統に分けられている。また、上部右サイドグループ105に属する2個のLED214cは、上側105aと下側105bの2系統に分けられている。更に、上部中央グループ106に属する6個のLED286aは、下部106a、右上部106b、左上部106cの3系統に分けられている。また、上部中央サイドグループ107に属する6個のLED286bは、右側107aと左側107bの2系統に分けられている。
更に、下部グループ108に属する12個のLED320a,322aは、正面視右側から三つずつに108a〜108dの4系統に分けられている。また、操作グループ109に属する5個のLED430b,432dは、ダイヤル操作部401と対応した4個のLED430bが押圧操作部405を挟んで対角線状に配置されたLED430bを一組として左右109aと前後109bの2系統、押圧操作部405と対応した1個のLED432cが1系統、の3系統に分けられている。このように、本例の扉枠5では、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが、42の系統に分けられている。
ところで、扉枠5では、上述したように、LED214a,216a,254a,256a,286a,320a,322a,432dがフルカラーLEDとされており、それらLED214a,216a,254a,256a,286a,320a,322a,432dの属する28の系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109cでは、フルカラーで発光させるためにRGBの独立した3つの系統を更に備えており、実際の発光制御では3倍の84系統となっている。また、LED286b,430bは高輝度の白色LEDとされており、それらLED286b,430bが属する4つの系統107a,107b,109a,109bでは、高輝度で発光させるために多くの電流を必要とするので、夫々2つの系統が接続されており、実際の発光制御では2倍の8系統となっている。
なお、LED214b,216b,254b,256bは通常の輝度の白色LEDとされており、8つの系統104a〜108hに属している。また、LED214cは赤色LEDとされており、2つの系統105a,105bに属している。これらLED214b,216b,254b,256b,214cによる10の系統104a〜108h,105a,105bは、各系統で充分に制御することができるので、実際の発光制御でも同数の10系統となっている。
従って、扉枠5における発光制御での実際の系統数は、102系統となっており、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが属した系統毎に、点灯・点滅等がダイナミック点灯により制御されていると共に、階調(色や明るさ)がPWM制御(パルス幅変調制御)により制御されるようになっている。これにより、表情豊かな発光演出をすることができるようになっている。
扉枠5における発光演出としては、例えば、第一環状グループ102から第二環状グループ103へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101を中心として外側へ広がるような発光演出や、逆に、第二環状グループ103から第一環状グループ102へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101へ向かって外側から収束するような発光演出、或いは、第一環状グループ102と第二環状グループ103とを同時に発光させることで遊技窓101の外周全体を広く発光させるような発光演出等をすることができるようになっている。
また、遊技盤4の前面や表ユニット2000等に備えられたLED(詳細な図示は省略する)と協調することで、遊技盤4のLEDと、遊技窓101に近い第一環状グループ102のLEDと、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103のLEDとによって、更に表情豊かな発光演出を行うことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一環状グループ102、第二環状グループ103や、下部グループ108において、各系統102a〜102j,103a〜103j,108a〜108dを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出をしたり、遊技窓101の外周に沿って上部装飾ユニット280の中央レンズ282へ向かって光が移動するような、或いは、中央レンズ282から光が遊技窓101の外周に沿って移動するような発光演出をしたりすることができる。なお、本例では、第一環状グループ102や第二環状グループ103を周方向へ10系統102a〜102j,103a〜103jに分割(10分割)したものを示したが、これに限定するものではなく、8系統程に分割(8分割程)されていれば遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出を良好に行うことができる。
更に、放射状グループ104のみを発光させることで遊技窓101を中心に放射状に発光する発光演出をしたり、放射状グループ104と同時に第一環状グループ102、第二環状グループ103、及び下部グループ108を発光させることで遊技窓101の外周全体を略均一に発光させる発光演出をしたり、第一環状グループ102や第二環状グループ103の発光中に放射状グループ104を発光(点灯・点滅)させることで環状の発光装飾に対してアクセントを付与する発光演出をしたりすることができる。また、放射状グループ104の各系統104a〜104hを夫々個々に発光させることで、放射レンズ部210b,250bが周回するような発光演出もすることができる。
また、上部中央グループ106の各系統106a〜106cを同時に発光させることで中央レンズ282全体が発光する発光演出や、各系統106a〜106cを順次発光させることで中央レンズ282内において光が回転するような発光演出を行うことができる。また、上部中央サイドグループ105を発光させることで、側レンズ284や下レンズ289を高輝度に発光装飾させて遊技者に対してチャンスの到来や特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、確変時短遊技状態、等)を示唆する発光演出を行うことができる。なお、下レンズ289は、遊技者の頭上から遊技者へ向かって光を照射するように配置されており、高輝度なLED286bの発光を遊技者に気付かせ易くすることができるようになっている。
更に、下部グループ108の各系統108a〜108dを適宜発光させることで、上皿301の前縁を発光装飾させる発光演出をしたり、操作グループ109と関連させて発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す発光演出をしたりすることができる。また、操作グループ109におけるダイヤル操作部401と対応した系統109a,109bを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401の操作を促したり、ダイヤル操作部401の回転操作方向を案内したりする発光演出をすることができる。更に、操作グループ109における押圧操作部405と対応した系統109cを発光させることで、押圧操作部405の操作を促す発光演出をすることができる。
なお、第一環状グループ102、第二環状グループ103、上部中央グループ106、下部グループ108、及び操作グループ109の系統109cは、フルカラーLEDとされているので、各グループ102,103,106,108,109毎や、各系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109c毎に、発光色や明るさ等の階調を異ならせた発光演出を行うことができ、多彩で表情豊かな発光演出を行うことができる。
このように、本例の扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aを、遊技窓101に近い第一環状グループ102と、第一環状グループ102の外側で遊技窓101から遠い第二環状グループ103とに分けて発光させることができるようにしているので、遊技窓101(遊技領域1100)の外側を複数の略同心円状に発光装飾させることができ、遊技窓101の外周を光が囲うことでこれまでのパチンコ機には無い発光演出を行うことができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、一つの周レンズ部210a,250aにおいて、略同心円状配置された二系統のLEDを備えるようにしており、外観状は一つに見えても、二系統の各LEDを夫々発光させることで、略同心円状に発光装飾させることができるので、発光装飾の態様を外観からは想像し難くすることが可能となり、発光装飾による周レンズ部210a,250a(右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240)の変化を大きくすることができ、発光装飾によるインパクトを高くして遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、遊技領域1100の前面を閉鎖する透明な遊技窓101の外側に、扉枠5における左右の装飾ユニット200,240の装飾基板214,216,254,256に、放射状に配置したLED214b,216b,254b,256bと、LED214b,216b,254b,256bにより周方向に分割され略同心円状に配置された第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aと、を備えるようにしているので、遊技状態に応じて第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを発光させることで、遊技窓101の外周を複数の環状に発光装飾させることが可能となり、これまでのパチンコ機では見たことも無いような発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠5における各装飾基板214,216,254,256のLED214a,216a,254a,256aから構成された環状の第一環状グループ102及び第二環状グループ103を略同心円状に配置(図60を参照)しているので、外側から内側へ向かって第二環状グループ103、第一環状グループ102の順に発光させることで、遊技窓101つまり遊技領域1100へ向かって光が収束するような発光演出を行うことができ、遊技者の関心を遊技領域1100へ向けさせることができると共に、遊技領域1100内で何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。更に、内側から外側へ向かって第一環状グループ102、第二環状グループ103の順に発光させることで、遊技窓101つまり遊技領域1100から外側へ向かって広がるような発光演出を行うことができ、外側へ広がる発光演出により遊技者に対して何か良いことがあるような期待感を抱かせることが可能となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技窓101(遊技領域1100)よりも外側で上述したような発光演出を行うことができるようにしているので、本パチンコ機1で遊技する遊技者だけでなく、パチンコ機1を設置した遊技ホール内の遊技者に対しても、上述のような発光演出を見せることができ、他の遊技者の関心を強く引付けて、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、環状に延びた第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを周方向へ分割するように放射状に配置された放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを備えており、これら放射状グループ104を発光させることで第一環状グループ102及び第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ区切ることができるので、発光装飾にアクセントを付与することができ、発光装飾の変化によって遊技者の関心を強く引付けることができる。また、放射状に配置された放射状グループ104によって第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aをサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと対応するように周方向へ系統102a〜102j,103a〜103jに分割しているので、各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aを夫々系統102a〜102j,103a〜103j毎に独立して発光させることで光が周方向へ移動するような発光演出も行うことができ、より多彩な発光演出を提供することで飽き難いパチンコ機1とすることができる。
更に、サイドレンズ210,250に、LED214a,216a,254a,256aと対応した周レンズ部210a,250aと、LED214b,216b,254b,256bと対応した放射レンズ部210b,250bとを備えるようにしており、放射レンズ部210b,250bを周レンズ部210a,250aに含ませて一体的なものとした場合と比較して、蓋然的にサイドレンズ210,250の外観に変化を付与することができるので、発光装飾していない時でも、サイドレンズ210,250の外観の意匠性を高めることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。なお、サイドレンズ210,250を周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bとに分けるようにしても、環状に配置されたLED214a,216a,254a,256aと放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを同じ発光態様で発光させることで、周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bとが一体となったように錯覚させることが可能となり、遊技窓101の外周を一体的に環状に発光装飾させることができ、上述した作用効果も充分に奏することができる。
また、サイドレンズ210,250における一つの周レンズ部210a,250aに、放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bによって周方向へ仕切られた第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを、対応させるようにしており、外観状は一つに見えても、第一環状グループ102及び第二環状グループ103に対応したLED214a,216a,254a,256aを夫々発光させることで、略同心円状に発光装飾させることができるので、発光装飾の態様を外観からは想像し難くすることが可能となり、発光装飾によるサイドレンズ210,250の変化を大きくすることができ、発光装飾によるインパクトを高くして遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
更に、サイドレンズ210,250と装飾基板214,216,254,256との間に装飾基板214,216,254,256からの光を拡散させてサイドレンズ210,250に照射するサイドインナーレンズ212,252を備えているので、サイドレンズ210,250の発光装飾にムラが発生するのを抑制することができ、発光装飾の見栄えを良くすることができる他に、点状に発光するLED214a,216a,254a,256aを用いてもサイドレンズ210,250を面状に発光装飾させることができるので、線状に発光する発光体(例えば、冷陰極管(蛍光管)、ネオン管、有機EL、等)を用いた場合と比較して、各LED214a,216a,254a,256aを個々に発光させることで第一環状グループ102や第二環状グループ103での発光を周方向にも変化させることが可能となり、より多様な発光演出を提示することができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、サイドインナーレンズ212,252によって光を拡散させることができるので、サイドレンズ210,250の透明度を高くしても、サイドインナーレンズ212,252における乱屈折によりサイドインナーレンズ212,252の後側に配置された装飾基板214,216,254,256を見辛くすることができ、遊技者側から装飾基板214,216,254,256等が直に見えて、見栄えが悪くなるのを防止することができる。
更に、サイドインナーレンズ212,252の導光部212b,252bによりLED214b,216b,254b,256bからの光を導いてサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bに照射するようにしているので、LED214b,216b,254b,256bからの光を確実に放射レンズ部210b,250bへ導いて発光装飾させることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。また、サイドインナーレンズ212,252の導光部212b,252bによってサイドレンズ210,250とLED214b,216b,254b,256bとの距離が遠くてもサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bを確実に発光装飾させることができるので、第一環状グループ102や第二環状グループ103によってサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aを広く照射するためにサイドレンズ210,250との間に充分なスペースを確保したLED214a,216a,254a,256aと同じ基板に、放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bを実装することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができる。
また、サイド装飾フレーム202,242によってサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bの外周を囲うようにしているので、周レンズ部210a,250aからの光が放射レンズ部210b,250bへ、或いは、放射レンズ部210b,250bからの光が周レンズ部210a,250aへ影響するのを可及的に低減させることができ、夫々の発光装飾が互いに干渉し合うのを防止して見栄えの良い発光演出を行うことができる。
[1−3.本体枠の全体構成]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図61乃至図67を参照して説明する。図61は、本体枠の正面図であり、図62は、本体枠の背面図である。また、図63は、本体枠の正面斜視図であり、図64は、本体枠の背面斜視図である。更に、図66は、本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図65は、本体枠の左側面図であり、図67は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保持することができるようになっている。
本例の本体枠3は、本体枠3の骨格を形成すると共に前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側端部の上端及び下端に夫々取付けられ外枠2に軸支されると共に扉枠5を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部前面に取付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース600の後側に取付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[1−3A.本体枠ベース]
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図68及び図69を参照して説明する。図68は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図69は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向へ略一定の奥行きDを有するように形成されている(図65を参照)。これにより、本体枠ベース600に対して、その後側に賞球ユニット700、基板ユニット800、裏カバー900、及び錠装置1000等の取付作業時において、本体枠ベース600を伏せた状態で作業する際に、本体枠ベース600の後面が本体枠ベース600における奥行きDの高さで略平らな状態となり、賞球ユニット700等を容易に載置することができ、本体枠3の組立てに係る作業性を良くすることができるようになっている。
本体枠ベース600は、図示するように、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167及び開放側補強板金153の後方へ突出した開放側外折曲突片163が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部604と、前端枠部601よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を形成する周壁部605と、を備えている。この周壁部605によって、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝1156と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部608(図61を参照)と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベース600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝1156と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部608は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)の後面に上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けるための金具取付部610を備えている(図69を参照)。この金具取付部610は、図68等示すように、その前側が上下及び左右に延びた複数のリブによって補強されており、充分な強度で上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けることができるようになっている。また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴611と、シリンダ錠貫通穴611の正面視左下に形成され扉枠5における扉枠ベース本体110から後方へ突出する位置決め突起110dと嵌合するU字状の嵌合溝612と、嵌合溝612の正面視左下に形成され打球発射装置650の発射ソレノイド654を収容するソレノイド収容凹部613と、を備えている。
本例の本体枠ベース600は、上述したように、下部後壁部604が前端枠部602の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部613内に収容されるように前側から打球発射装置650が取付けられるようになっている。この下部後壁部604の前面に打球発射装置650を取付けた状態では、図63や図98等に示すように、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本例では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542eが位置するようになっており、ファール空間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部614と、開口部614の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開口部614は、前側から中継端子板カバー692(図66等を参照)によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604の後面に取付けられた基板ユニット800の主側中継端子板880と周辺側中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。また、複数の透孔615は、基板ユニット800のスピーカボックス820からの音を、本体枠ベース600の前側へ伝達させるためのものである。なお、開口部614の左右両側に配置された透孔615は、前側に衝壁を有したベンチレーション型の孔とされている。
また、本体枠ベース600は、開口部614の上側で下部後壁部604の前面上端付近に遊技盤4を脱着可能に固定するための遊技盤固定具690を回転可能に支持する固定具支持部616と、固定具支持部616の正面視右下から前方へ突出し遊技盤固定具690の回転位置を規制するストッパ617と、を備えている。
ここで、遊技盤固定具690は、図61等に示すように、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支される軸心を中心に扇状に広がる固定片690aと、固定片690aにおける周方向一端側(正面視で時計回りの方向へ回転させた時に後端となる側)から外方へ延出する操作片690bと、を備えている。この遊技盤固定具690は、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支させた上で、操作片690bを操作して遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、固定片690aが遊技盤載置部606よりも上方へ突出し、遊技盤載置部606に載置された遊技盤4の固定凹部1121内に挿入されるようになっており、遊技盤4が前側へ移動するのを阻止することができるようになっている。また、遊技盤固定具690は、操作片690bがストッパ617と当接するようになっており、ストッパ617と当接することで、正面視反時計周りの方向への回動端が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、シリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検知するための扉枠開放スイッチ618が取付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検知することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ618が取付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検知するための本体枠開放スイッチ619が取付けられており(図69を参照)、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検知することができるようになっている。
また、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602における正面視で右側(開放側)辺の係合溝603よりも内側(軸支側)に、前後方向へ縦長に貫通する三つの扉用フック穴620と、下端の扉用フック穴620の下側に前後方向へ貫通し左右方向に二つ並んだ錠係止穴621と、を備えている。これら三つの扉用フック穴620は、上下方向の上下両端付近と、上下方向の略中央に夫々形成されている。この上側と中央の扉用フック穴620と錠係止穴621には、錠装置1000の上下両端に備えられた係止突起1004が係合係止されるようになっており、前端枠部602における正面視右辺の後側で周壁部605の外壁に沿って錠装置1000が本体枠ベース600に取付けられるようになっている。そして、本体枠ベース600に錠装置1000を取付けた状態では、錠装置1000の三つの扉枠用フック部1041が、三つの扉用フック穴620から前方へ突出すると共に、錠装置1000のシリンダ錠1010がシリンダ錠貫通穴611から前方へ突出した状態となるようになっている(図63を参照)。
更に、本体枠ベース600は、下部後壁部604の後面に、背面視で、右側上端から左右方向略中央へ向かって緩く斜めに下降した上で、左右方向の略中央で下部後壁部604における上下方向の中間からやや上寄りの位置まで垂下し遊技球が流通可能とされた本体枠ベース球抜通路622を備えている。この本体枠ベース球抜通路622は、基板ユニット800における基板ユニットベース810によって後側が閉鎖されようになっており、詳細は後述するが、賞球装置740における球抜通路741dを流通した遊技球が流通するようになっている。
また、本体枠ベース600は、周壁部605における背面視左辺の後端に、上下方向へ所定間隔で複数配置され裏カバー900の軸支ピン906を回動可能に軸支する裏カバー軸支部623と、下部後壁部604の前面で開口部614の正面視斜め左上に球出口開閉ユニット790を取付けるための取付部624と、周壁部605の正面視右側(開放側)側面に錠装置1000を取付固定するための錠取付部625と、を備えている。
なお、詳細な説明は省略するが、本体枠ベース600には、上記の他に、打球発射装置650、賞球ユニット700、及び基板ユニット800等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[1−3B.上軸支金具及び下軸支金具]
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図66及び図67を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用いて夫々取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
まず、上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634(図63等を参照)と、前方延出部632の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ635(図65及び図107を参照)と、を備えている。この上軸支金具630は、取付部631、前方延出部632、及びストッパ635が、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
一方、下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具644と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部642aと、取付部642aの下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157が挿入される扉枠軸支穴642cと、前方延出部642aの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取付部642a、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部644aと、取付部644aの下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴(図示は省略する)と、を備えている。この本体枠軸支金具644もまた、取付部644a、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
本例の下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部642aと本体枠軸支金具644の取付部644aとが前後方向に重なった(接した)状態とされると共に、扉枠軸支金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部610に取付けられるようになっている。
この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の図示しない本体枠軸支穴とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21dに嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21c上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支金具642cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具642の扉枠軸支穴642cに、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部158を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本例では、扉枠5の上側の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴634へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようになっている。
[1−3C.打球発射装置]
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図70及び図71を参照して説明する。図70は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図71は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠5の球送りユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。
本実施形態の打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の前面所定位置に取付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
また、打球発射装置650の発射レール660は、遊技盤4の外レール1111の下端延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされている(図98を参照)と共に、前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌656によって打球された遊技球を発射レール660に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるようになっている。この発射レール660は、金属板を屈曲成形することで形成されている。
また、打球発射装置650は、打球槌656における打球位置側への回動端を規制可能なストッパ664の前面を被覆するストッパカバー666と、打球槌656における打球位置とは離れた位置の回動端(正面視で時計回りの方向の回動端)を規制するストッパ668と、を備えている。本例の打球発射装置650は、ストッパ664,668の表面がゴムで覆われており、打球槌656が当接した時の衝撃を吸収することができると共に、当接による騒音の発生を抑制することができるようになっている。
本例の打球発射装置650は、図63や図98等に示すように、本体枠ベース600の下部後壁部604に取付けた状態とすると、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4における外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。そして、本例の打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
また、打球発射装置650は、発射ソレノイド654が、発射制御部4120によりハンドル装置500の回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動と同期するように駆動させられるようになっている。具体的には、打球発射装置650へ遊技球を供給する球送りユニット580では、球送ソレノイド585が駆動(ON)すると球送り部材584が遊技球を受入れ、その状態から球送ソレノイド585の駆動が解除(OFF)されると球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっているので、この球送りユニット580の球送ソレノイド585と略同時に発射ソレノイド654を駆動(ON)することで、球送りユニット580から発射レール660の後端へ遊技球を円滑に供給することができ、打球槌656の回動により遊技球を確実に発射することができるようになっている。
[1−3D.賞球ユニット]
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図72乃至図79を参照して説明する。図72は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図73は、本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図74は、賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図75は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図76は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図77は、賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。図78は、賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図79は、賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。
本実施形態の本体枠3における賞球ユニット700は、パチンコ機1を設置する遊技ホールにおける島設備において、島設備側からパチンコ機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基いてパチンコ機1の上皿301へ払出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取付けられ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基いて払出す払出装置740と、払出装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710に形成された賞球通路715の後側開口を閉鎖する賞球通路蓋780と、タンクレールユニット730や賞球装置740を接地するためのアース金具782と、賞球ベース710の後面に取付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。賞球ユニット700における賞球通路蓋780は、その後面に裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝780aと、裏カバー係合溝780aの背面視左側に裏カバー900を締結固定するための裏カバー締結孔780bとが形成されている(図73及び図75等を参照)。
この賞球ユニット700は、賞球ベース710が、正面視で本体枠ベース600の上辺と左辺に沿うような逆L字状に形成されており、上辺に賞球タンク720及びタンクレールユニット730が配置されていると共に、左辺に縦長の賞球装置740が配置されており、賞球装置740の下側に満タン分岐ユニット770が配置されている。また、賞球装置740の直上でタンクレールユニット730よりも上側に賞球タンク720と隣接するように外部端子板784及び外部端子板カバー786が配置されている。
次に、賞球ユニット700における賞球ベース710は、図示するように、本体枠ベース600の上辺と正面視で遊技盤保持口601の左辺と略対応するような正面視逆L字状に形成されており、透明な合成樹脂によって一体的に成形されている。この賞球ベース710は、逆L字状の外側外周に略沿って後方へ延出した周壁部710aと、周壁部710aの後端から内側へ所定幅で延出し略同一面状に配置された後壁部710bと、を備えている。本例では、図75に示すように、周壁部710aの上辺側が、賞球ベース710の上端よりも一段下がった位置から後方へ延出するように形成されている。この賞球ベース710は、後壁部710bが前端よりも奥まった位置に位置しており、本体枠ベース600に取付けた時に、遊技盤4を収容可能な空間を形成することができるようになっている。
また、賞球ベース710は、周壁部710aの上辺上側に賞球タンク720を取付けるタンク取付部711と、タンク取付部711の横(背面視で右側)に配置され外部端子板784及び外部端子板カバー786を取付けるための外部端子板取付部712と、後壁部710bの上辺下端後側にタンクレールユニット730を取付けるための複数の取付係止部713と、後壁部710bの垂直辺後側に賞球装置740を取付けるための賞球装置取付部714と、賞球装置取付部714に隣接して賞球装置740から払出された遊技球を下方へ誘導する賞球通路715と、後壁部710bの下端に満タン分岐ユニット770を取付けるための取付係止部716と、を備えている。
更に、賞球ベース710は、後壁部710bの賞球装置取付部714の位置に前後方向へ貫通し賞球装置740から前方へ突出した払出モータ744等を逃がすための逃し穴717と、裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝718と、を備えている。また、賞球ベース710には、詳細な説明は省略するが、賞球タンク720や賞球装置740等を取付けたり、本体枠ベース600に取付けたりするための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
続いて、賞球ユニット700における賞球タンク720は、図76にも示すように、上方が開放された横長箱状に形成されており、平面視が横長の略矩形状とされた底壁部721と、底壁部721の外周から上方へ立上ると共に平面視で右側後部(開放側の後部)のみが矩形状に底壁部710よりも後方へ突出した外周壁部722と、外周壁部722における右側後部の底壁部721よりも後方へ突出した部位によって形成され下方へ開口した排出口723と、排出口723の平面視左側(軸支側)から賞球タンク720の左端まで板状に延びた庇部724と、庇部724の平面視左端下側から後方へ延出する棒状の軸部725と、軸部725の基端付近及び外周壁722の前側両端に形成され賞球タンク720を賞球ベース710における賞球タンク取付部711へ取付けるための取付部726と、を備えている。
この賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、図示するように、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を流通する遊技球をならして整列させることができるものである。また、賞球タンク720の庇部724は、タンクレールユニット730の上側の略半分を覆うように形成されており、タンクレールユニット730内から遊技球が溢れるのを防止することができると共に、タンクレールユニット730内に埃等が侵入するのを防止することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、賞球タンク720の底壁部721の上面は、平面視で左側(排出口723から遠い側)が右側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、平面視で右側(排出口723に近い側)が後側の排出口723へ向かって傾斜するように形成されている。これにより、遊技球の流れをスムーズにすることができ、賞球タンク720内で球詰まりが発生するのを抑制することができるようになっていると共に、排出口723からタンクレールユニット730側へ遊技球をスムーズに排出することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700におけるタンクレールユニット730は、図76にも示すように、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。このタンクレール731は、左側(軸支側)端部に下方へ開口する排出口731a(図79を参照)と、前後方向の略中央で底部から上方へ延出した仕切壁731bと、前端下面より下方へ突出し賞球ベース710の取付係止部713に上側から係止される複数の係止突片731c(図74を参照)と、を備えている。
このタンクレール731は、正面視右側(開放側)端部が賞球タンク720における排出口723の直下に位置するようになっており、賞球タンク720の排出口723から排出された遊技球を受取った後に左方向へ転動させて排出口731aから賞球装置740側へ受け渡すことができるようになっている。また、タンクレール731の係止突片731cを賞球ベース710の取付係止部713に係止させることで、タンクレール731つまりタンクレールユニット730を賞球ベース710に取付けることができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口731a上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口731a側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、タンクレール731内に配置されタンクレール731内の遊技球と接触可能とされたアース板736と、を備えている。整列歯車732は、図示するように、タンクレール731の仕切壁731bによって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。また、球押え板734は、上部に球止片735が取付けられる取付部734aと、上下方向に貫通し球止片735の突片735aが挿通可能な二つのスリット734bと、を備えている。
このタンクレールユニット730内には、賞球タンク720に軸支された二つの球ならし部材727が上方から球押え板734の上流側(開放側)に挿入されるようになっており、この球ならし部材727によって賞球タンク720の排出口723からタンクレール731内に排出された遊技球が、一段となるようにならすと共に、仕切壁731bに沿って二列に整列させるようにすることができるようになっている。また、球押え板734は、球ならし部材727によって一段とならなかった遊技球を強制的に一段とするためのものであり、排出口731a側へ向かうに従ってタンクレール731の底部との隙間が狭くなるようにタンクレール731に取付けられている。
タンクレールユニット730の整列歯車732は、図示するように、外周に複数の歯が形成されており、一対の整列歯車732における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるように軸支されている。これにより、タンクレール731を流下してきた遊技球の上部が整列歯車732の歯と噛み合いながら下流側の排出口732へ流下する時に、二列に整列された遊技球が交互に一つずつ賞球装置740へ送られるようになっている。
なお、タンクレール731の底部には、上下に貫通する細溝が形成されており、タンクレール731内を遊技球と一緒に転動する埃等の異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板736と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、球押え板734の取付部734aに回動可能に取付けられた球止片735を回動させて、球止片735の突片735aをスリット734aを通してタンクレール730内へ挿入することで、突片735aによってタンクレール731内の二列の流路を閉止することができ、賞球装置740側へ遊技球が供給されるのを停止させることができるようになっている。
更に、タンクレールユニット730は、タンクレール731が透明な合成樹脂によって形成されており、外部からタンクレール731内の遊技球等の状態を視認することができるようになっている。
続いて、賞球ユニット700における賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口731aから排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基いて皿ユニット300の上皿301へ払出すためのものである。この賞球装置740は、図77乃至図79等に示すように、賞球ベース710における賞球装置取付部714に取付けられる上下方向へ延びたユニットベース741を備えている。賞球装置740におけるユニットベース741は、図示するように、後面側に、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路741aと、供給通路741aの下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間741bと、振分空間741bの背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路741cと、振分空間741bの背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路741dと、を備えている。このユニットベース741の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dは、後方へ開放された状態で形成されている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に取付けられユニットベース741よりも上下方向の長さが短い裏蓋742と、裏蓋742の下側に配置される板状のモータ支持板743と、モータ支持板743の前側に配置され回転軸744aがモータ支持板743よりも後方へ突出するようにユニットベース741に固定される払出モータ744と、払出モータ744の回転軸744aに一体回転可能に固定されモータ支持板743の後側に配置される第一ギア745と、第一ギア745と噛合しユニットベース741に軸支される第二ギア746と、第二ギア746と噛合しユニットベース741に軸支される第三ギア747と、第三ギア747と共に一体回転しユニットベース741の振分空間741c内に配置される払出回転体748と、払出回転体748とは第三ギア747を挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本例では三つ)の検出スリット749aを有した回転検出盤749と、を備えている。
また、賞球装置740は、ユニットベース741に取付けられ供給通路741a内の遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750と、ユニットベース741に取付けられ賞球通路741c内を流通する遊技球の数を計測するための計数センサ751と、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の検出スリット749aを検出する回転角センサ752と、回転角センサ752を保持し裏蓋742の後面に取付けられるセンサ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数センサ751、及び回転角センサ752と払出制御基板4110との接続を中継し裏蓋742の後面に取付けられる賞球中継基板754と、を備えている。
更に、賞球装置740は、賞球中継基板754を後側から覆い裏蓋742の後面に取付けられる基板カバー755と、第一ギア745、第二ギア746、第三ギア747(回転検出盤749)、及びセンサ基板753を後側から覆い裏蓋742を挟んでユニットベース741の後面に取付けられるギアカバー756と、ユニットベース741の供給通路741a内を流通する遊技球と接触可能な供給通路アース金具757と、モータ支持板743を挟んで払出モータ744をユニットベース741へ固定すると共に払出モータ744をアース接続するためのビス758と、裏蓋742をユニットベース741に対して着脱可能に支持する着脱ボタン759と、を備えている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に裏蓋742が取付けられることで、供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dの開放された後端が閉鎖されるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける上端よりも下の位置が、一旦、後方へ膨出した形状とされており、タンクレールユニット730から排出落下してきた遊技球の勢いを緩和させることができるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける後方へ膨出した位置よりも下側の一方(背面視左側)の側面が部分的に切欠かれていると共に供給通路741aの切欠かれた位置の外側に球切れスイッチ750を取付けるためのスイッチ取付部741eと、賞球通路741cの途中に計数センサ751を取付けるためのセンサ取付部741fと、賞球通路741aよりも下側で前後方向へ貫通するように形成され払出モータ744を挿通可能なモータ挿通孔741gと、を備えている。
このユニットベース741のスイッチ取付部741eに球切れスイッチ750を取付けることで、球切れスイッチ741eの作動片が供給通路741aの側壁の一部を形成するようになっており、供給通路741a内に存在する遊技球によって作動片が押圧されることで球切れスイッチ741eによって供給通路741a内の遊技球の有無を検知することができるようになっている。この球切れスイッチ741eにより供給通路741e内の遊技球が検知されていない状態(球切れの状態)では、払出モータ744が回転しないようになっていると共に、球切れであることが遊技者やホール側に報知されるようになっている。
また、ユニットベース741は、第二ギア746、及び第三ギア747(払出回転体748)を軸支するための軸受部741hと、供給通路741aにおけるスイッチ取付部741eと振分空間741bとの間に配置され供給通路アース金具757を取付けるためのアース金具取付部741iと、ユニットベース741の上部に配置され裏蓋742を着脱支持するための着脱ボタン759が支持されるボタン支持孔741jと、を備えている。このユニットベース741は、アース金具取付部741iに供給通路アース金具757を取付けることで、供給通路アース金具757の後面が供給通路741a内の遊技球と接触することができるようになっていると共に、供給通路アース金具757の前面がコ字状のアース金具782の下端後面と接触するようになっており、供給通路アース金具757を介して供給通路741a内を流通する遊技球の静電気を除去することができるようになっている。
賞球装置740の裏蓋742は、全体が縦長の板状とされ上端が後方へ膨出した形態とされている。裏蓋742の上部には、着脱ボタン759を挿通させるボタン挿通穴742aと、上下方向の略中央後面に賞球中継基板754及び基板カバー755を取付けるための中継基板取付部742bと、中継基板取付部742bの下側に配置されセンサ基板753を取付けるためのセンサ基板取付部742cと、払出回転体748が通過可能な貫通孔742dと、を備えている。裏蓋742の中継基板取付部742bは、ユニットベース741のアース金具取付部741iの後側に位置するように形成されている。
また、賞球装置740のモータ支持板743は、本例では、アルミ板とされており、払出モータ744の金属製のモータハウジングと接触するようになっており、払出モータ744で発生する熱を放熱し易くすることができるようになっている。
また、賞球装置740の払出回転体748は、図78に示すように、周方向に等間隔で夫々一つの遊技球を収容可能な大きさの三つの凹部748aを備えており、払出回転体748が回転することで、供給通路741aから供給された遊技球が一つずつ凹部748aに収容されて、賞球通路741c又は球抜通路741d側へ払出すことができるようになってい。また、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の三つの検出スリット749aは、払出回転体748の凹部748a間と対応する位置に夫々形成されており、検出スリット749aを回転角センサ752によって検出することで、払出回転体748の回転位置を検出することができるようになっている。
本例の賞球装置740は、払出制御基板4110に、主制御基板4100からの払出コマンドやCRユニット6からの貸出コマンド等が入力されたり、球抜スイッチ860bが操作されたりすることで払出モータ744が回転して、所定数の遊技球を遊技者側(上皿301)へ払出したり、遊技ホール側(パチンコ機1の後側)へ排出したりすることができるようになっている。この払出モータ744の回転軸744aを回転駆動させると、回転軸744aに固定された第一ギア745を回転すると同時に、第一ギア745と噛合する第二ギア746が回転し、更に第二ギア746と噛合する第三ギア747が回転するようになっている。この第三ギア747には、前側に払出回転体748が、後側に回転検出盤749が、夫々一体回転可能に固定されており、第三ギア747と共に払出回転体748及び回転検出盤749が回転するようになっている。
この賞球装置740は、図78に示すように、振分空間741bの略中央に払出回転体748が回転可能に軸支されている。そして、払出モータ744によって払出回転体748が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が、賞球通路741c側へ払出されるようになっており、払出回転体748の回転によって賞球通路741c側へ払出された遊技球は、計数センサ751によって一つずつ数えられた上で賞球ベース710の賞球通路715へ受け渡されるようになっている。一方、払出モータ744によって払出回転体748が背面視時計回りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が球抜通路741d側へ払出されるようになっており、払出回転体748によって球抜通路741d側へ払出された遊技球は、球抜通路741dの下端から後述する満タン振分ユニット770の球抜通路778、本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622、基板ユニット800における基板ユニットベース810の開口部812、及び電源基板ボックスホルダ840の排出通路842を介してパチンコ機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
なお、本例の賞球装置740におけるユニットベース741は、透明な合成樹脂によって形成されており、本体枠3に組立てられた状態でも、透明な賞球ベース710を通して本体枠3の前側から、賞球装置740の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、球抜通路741d等の内部を視認することができ、球詰り等の不具合を簡単に発見することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770について、主に図74、図75及び図79を参照して説明する。賞球ユニット700における満タン振分ユニット770は、賞球ベース710の下端に取付けられるものであり、賞球ユニット740の賞球通路741c側へ払出された遊技球を、皿ユニット300へ誘導することができると共に、皿ユニット300の上皿301において遊技球が満タンになると、皿ユニット300の下皿302に対して遊技球を払出すように振分けることができるものである。
この満タン分岐ユニット770は、前後方向の略中央上部に賞球ベース710の取付係止部716に係止される係止部770aと、後端上部に賞球ベース710の下端裏面に固定される固定部770bと、を備えている。満タン分岐ユニット770は、係止部770aを賞球ベース710の取付係止部716に、後側から係止させることで取付係止部716に対して吊持ちされた状態となり、賞球ベース710に対して固定部770bを所定のビスで固定することで、満タン分岐ユニット770を賞球ベース710の下端に取付固定することができるようになっている。
また、満タン分岐ユニット770は、図示するように、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球ベース710の賞球通路715を流下してきた遊技球を受ける賞球受口771と、賞球受口771の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間772(図79を参照)と、分岐空間772における賞球受口771の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路773(図79を参照)と、通常通路773を流通した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間772における賞球受口771の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路775(図79を参照)と、満タン通路775を流通した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
更に、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路741dを流下してきた遊技球を受ける球抜受口777と、球抜受口777に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路778(図79を参照)と、球抜通路778を流通した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口779と、を備えている。
本例の満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、夫々扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542cと対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口779は、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路622の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口779から放出された遊技球が本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622へ受け渡されるようになっている。
この満タン分岐ユニット770は、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球が、賞球ベース710の賞球通路715を介して賞球受口771で受取られるようになっており、賞球受口771へ進入した遊技球は、通常の状態では、分岐空間772を垂下して賞球受口771の直下に配置された通常通路773内へと流下する。そして、通常通路773内へ流下した遊技球は、通常出口774からファールカバーユニット540の第一球入口542aに進入し、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿301へ供給されることとなる。
ところで、皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口544aから上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路773内も一杯になる。この状態で、賞球受口771から分岐空間772内へ進入した遊技球は、通常通路773内へ進入することができず、分岐空間772内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路775内へ進入して、満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
なお、本例の満タン分岐ユニット770は、全体が透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部を視認することができるようになっている。これにより、満タン分岐ユニット770内に侵入した埃やゴミ等の異物や、球詰りの発生等を、満タン分岐ユニット7700を分解しなくても簡単に発見することができるようになっている。
このように、本例の満タン分岐ユニット770は、上皿301内で遊技球が満タンとなると、その満タンが解消されるまでは、賞球装置740から払出された遊技球を、自動的に下皿302へ供給させることができるので、従来のパチンコ機のように上皿が満タンとなって上皿の球抜ボタンを操作することで遊技球が打球発射装置に供給されなくなって遊技球の打込が中断してしまうのを回避させることができ、遊技中の煩わしさを解消させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の満タン分岐ユニット770は、上述したように、上皿301が満タンとなると、賞球装置740の直下、つまり、パチンコ機1の後部で払出される遊技球の通路を分岐させるようにしており、満タン分岐ユニット770の通常通路773内で滞留した遊技球は上皿301へ払出されるので、上皿301内の遊技球と通常通路773内の遊技球が打球発射装置650によって直接打ち込むことができる遊技球となり、上皿301における遊技球の貯留量は、実質的には、上皿301の容量と通常通路773の容量とを合わせた量となる。つまり、上皿301の容量を、従来のパチンコ機における上皿の容量よりも小さくしても、通常通路773の容量が加えられるので、従来と同等量の遊技球を上皿301で貯留することができる。従って、上皿301を小さくすることで相対的に扉枠5における遊技窓101を大きく(広く)することが可能となり、より広い遊技領域1100を備えたパチンコ機1とすることができ、遊技する遊技者に対して訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、広い遊技領域1100により遊技者を楽しませることができるようになっている。
更に、満タン分岐ユニット770の二つの通常球出口774と満タン球出口776とを左右に並べて配置しているので、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにして受入口(第一球入口542a及び第二球入口542c)を一つのみとした場合でも、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、扉枠5側へ遊技球を送ることができる。従って、本体枠3における遊技球の流路(満タン分岐ユニット770)を変更しなくても、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5を備えたパチンコ機1のラインナップにかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、上述したように、扉枠5に備えられた貯留皿の数を変更しても、本体枠3を変更することなく対応させることができるので、扉枠5の変更にかかるパチンコ機1全体のコストを低減させることができ、多様なパチンコ機1を低コストで提供することができるようになっている。
更に、通常通路773を通って通常球出口774から扉枠5側へ送られる遊技球が、優先的に遊技領域1100内へ打ち込まれるようにしており、貯留皿を一つのみ備えた扉枠5に交換しても、賞球装置740から払出された遊技球を通常通路773及び通常球出口774を介して直ちに貯留皿へ送ることができるので、払出しから貯留までのタイムラグを少なくすることができ、打ち込むための遊技球が不足して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5に対して充分に対応することができるようになっている。
また、上皿301が満タンでない限りは、賞球装置740から払出された遊技球が上皿301へ送られるので、下皿302に貯留された遊技球を上皿301へ移す頻度を低減させることが可能となり、遊技球の打込操作等に遊技者を専念させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、満タン分岐ユニット770の通常球出口774と満タン球出口776とを、左右に並んで配置しており、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにした場合でも、第一球入口542a等に相当する受入口の下端の位置を、貯留皿を二つ備えた扉枠5の上皿301と対応した第一球入口542a等と同じ高さとすることができるので、貯留皿の深さが浅くなるのを回避させることが可能となり、貯留皿を深くして充分な遊技球の貯留量を確保することができ、遊技者に対して頻繁に貯留量を気にさせることなく遊技を行わせることができると共に、本体枠3側を変更することなく、異なる数の貯留皿を備えた扉枠5に対応させることができ、パチンコ機1の機種変更等にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、満タン分岐ユニット770における満タン通路775が通常通路773から分岐する位置を、賞球装置740に可及的に近い位置で分岐させるようにしており、上皿301が遊技球で満タンとなり通常球出口774から遊技球が出られなくなっても、通常球出口774から満タン通路775の分岐位置までの間の通常通路773内に貯留される遊技球の量を可及的に多くすることができ、上皿301に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。なお、扉枠5に一つのみ貯留皿を備えるようにした場合では、貯留皿が遊技球で満タンとなって通常球出口773や満タン球出口776から遊技球が出られなくなっても、通常通路773から満タン通路775が分岐する位置を、賞球装置740に対して可及的に近い位置に配置しているので、通常通路773だけでなく満タン通路775にも多くの遊技球を貯留させることができ、貯留皿に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。従って、扉枠5側に備えられた貯留皿の数が異なっていても、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、夫々の扉枠5における遊技球の貯留量を最大限に多くすることができ、異なる扉枠5に対して充分に対応することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770における通常通路773及び満タン通路775を、複数列で遊技球を流通可能な広さとしており、満タン分岐ユニット770内での遊技球の停留量(貯留量)をより多くすることができるので、扉枠5に備えられた貯留皿の数が異なっていても、満タン分岐ユニット770内の遊技球を合わせた実質的な貯留量が少なくなるのを回避させることができ、本体枠3における遊技球の流路を変更することなく、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770を透明樹脂で形成することで通常通路773及び満タン通路775の内部を、外部から視認可能としているので、満タン分岐ユニット770内で遊技球が詰まって不具合が発生した際に、満タン分岐ユニット770の外部から球詰りの箇所を容易に発見することができ、不具合を早期に解消させてパチンコ機1の稼働率を高めることができる。
[1−3E.球出口開閉ユニット]
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図80乃至図82を参照して説明する。図80は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。また、図81は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図82は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断することができるものである。
この球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に下部後壁部604の上端よりも突出しないように取付けられるシャッターベース791と、シャッターベース791に上下方向へスライド可能に保持される板状の開閉シャッター792と、開閉シャッター792を上下方向へスライドさせる開閉クランク793と、開閉クランク793を介して開閉シャッター792が上昇するように付勢する開閉バネ794と、を備えている。
球出口開閉ユニット790のシャッターベース791は、開閉シャッター792がシャッターベース791の上端よりも上方へ突出するように上下方向へスライド可能に保持するための上下方向へ延びた一対のスライド溝791aと、一対のスライド溝791aの間で前後方向に貫通した矩形状の開口部791bと、正面視で左側端部前面に配置され開閉クランク793を前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持するクランク支持部791cと、開閉バネ794の一端(上端)を係止するバネ係止部791dと、を備えている。シャッターベース791のクランク支持部791cは、開口部791bの正面視左側に配置されていると共に、バネ係止部791dは、正面視で左右方向中央から左寄りの上部付近に配置されている。
また、球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792は、平板状のシャッター本体792aと、シャッター本体792aの前面から突出しシャッターベース791のスライド溝791a内を摺動する一対の摺動突部(図示は省略)と、一対の摺動突部の間でシャッターベース791の開口部791bから臨む位置に配置され前後方向へ貫通した横長矩形状の駆動孔792bと、を備えている。
更に、球出口開閉ユニット790の開閉クランク793は、シャッターベース791のクランク支持部791cにより前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される軸部793aと、軸部793aの正面視右側外周から右外方へ延出し先端が開口部791bの左右方向中央付近まで延出した駆動棹793bと、駆動棹793bの先端から後方へ突出し開閉シャッター792の駆動孔792b内に摺動可能に挿入される駆動ピン793cと、軸部793aの正面視下側外周から下方へ延出し先端が球形状とされた当接部793dと、駆動棹793bの途中上面に形成され開閉バネ794の他端(下端)を係止するバネ係止部793eと、を備えている。
なお、本例の球出口開閉ユニット790は、シャッターベース791及び開閉シャッター792が、透明な合成樹脂によって形成されており、開閉シャッター792が上昇した状態でも、開閉シャッター792を通して後側に配置された満タン分岐ユニット770における通常球出口774や満タン球出口776等が視認できるようになっている。
本例の球出口開閉ユニット790は、開閉クランク793が前後方向へ延びた軸回りに回動することで、開閉クランク793の駆動ピン793cが円弧状に上下方向へ回動すると同時に、駆動ピン793cが挿入された駆動孔792bを介して開閉シャッター792が上下方向へスライドするようになっている。この球出口開閉ユニット790は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態では、開閉クランク793の当接部793dが扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gと当接して、当接部793dが正面視で時計回りの方向へ開閉バネ794の付勢力に抗して回動させられるようになっており、当接部793dと共に駆動ピン793cが正面視時計回りの方向へ回動することで、開閉シャッター792が下降して満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを開放させることができるようになっている。
この状態から本体枠3に対して扉枠5を開くと、開閉クランク793の当接部793cと、扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gとの当接が解除され、開閉クランク793が開閉バネ794の付勢力によって正面視反時計周りの方向へ回動すると同時に、開閉シャッター792が上昇して、満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖することができるようになっている。
このように、本体枠3に対する扉枠5の開閉に応じて、球出口開閉ユニット790により賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを自動的に開閉させることができるので、満タン分岐ユニット770内に遊技球が残っている状態で扉枠5を開いても、通常球出口774や満タン球出口776から遊技球がこぼれてしまうのを防止することができるようになっている。
[1−3F.基板ユニット]
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図83乃至図89を参照して説明する。図83は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図84は、本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図85は、基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図86は、基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図87は、基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。図88(A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。また、図89(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。
本体枠3における基板ユニット800は、本体枠ベース600の下部後壁部604の後面に取付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の正面視右端後面に取付けられる発射電源基板ボックス830と、発射電源基板ボックス830を後側から囲うように基板ユニットベース810の後面に取付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成された電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取付けられる端子基板ボックス840と、基板ユニットベース810の前面に取付けられる主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882と、を備えている。
本例の基板ユニット800における基板ユニットベース810は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされ、左右方向の略中央部が下方へ一段下がり左右両端へ向かうに従って緩やかに上側へ傾斜し前面から前方へ突出した壁状の遮蔽壁部811と、遮蔽壁部811における左右方向中央の一段下がった位置の上側に配置され前後方向へ貫通した開口部812と、遮蔽壁部811の下側で正面視左端近傍の前面に形成され主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付けるための基板取付部813と、基板取付部813の正面視左側で前後方向へ横長の矩形状に貫通した筒状のダクト部814と、後面に固定されるスピーカボックス820のスピーカ821と対応する位置で前後方向に貫通する縦長スリット状の複数の透孔815と、背面視左側(正面視右側)上部の後面に後方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の前側を収容可能なボックス収容部816と、を備えている。
この基板ユニットベース810は、遮蔽壁部811が、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622の下側に沿うように形成されており、本体枠ベース球抜通路622から遊技球が下方へ脱落するのを防止することができると共に、基板ユニットベース810の強度を高めることができるようになっている。また、基板ベースユニット810は、前後方向に貫通した開口部812を通して、本体枠ベース球抜通路622を流下してきた遊技球を基板ユニットベース810の後側に配置された電源基板ボックスホルダ840へ送ることができるようになっている。
また、基板ユニットベース810は、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付ける基板取付部813が、本体枠ベース600における矩形状に開口した開口部614と対応した位置に配置されており、基板取付部813に主側中継端子板880と周辺側中継端子板882を取付けた状態では、本体枠ベース600の開口部614から主側中継端子板880と周辺側中継端子板882が前側へ臨むようになっている。また、基板ユニットベース810は、ダクト部814及び複数の透孔815によってスピーカボックス820のスピーカ821からの音を前側へ良好に伝達させることができるようになっている。
更に、基板ユニットベース810は、ボックス収容部816が後側に配置される電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
基板ユニット800におけるスピーカボックス820は、文字通り、前側を向いて取付けられたスピーカ821を備えている。このスピーカボックス820は、スピーカ821の後側を密閉状に覆うと同時に、正面視でスピーカ821の左側に横長矩形状の開放口822が形成されている。この開放口822は、詳細な図示は省略するが、所定の迷路状の通路を介してスピーカ821の後側の空間と連通することで、スピーカ821の後側の音の位相を反転させて前方へ放射するようにしており、スピーカ821の口径に対してより重低音を発することが可能なバスレフ型のスピーカボックスとされている。なお、基板ユニットベース810におけるダクト部814は、スピーカボックス820の開放口822と対応する位置に形成されており、開放口822から放射される音を前方へ良好に伝達させることができるようになっている。
基板ユニット800における発射電源基板ボックス830は、後方が開放された箱状に形成されており、その後端開口を閉鎖するように取付けられた発射電源基板831を備えている。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に取付けられた各種電子部品が内部に収容されるようになっており、上面及び下面に形成されたスリット830aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。
この発射電源基板ボックス830は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と、後述する電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部844とによって形成される上方へ開放された収容凹部内に、上方から脱着可能に収容されるようになっている。これにより、本体枠3を組立てた状態では、発射電源基板ボックス830に不具合が発生した場合、本体枠3の前側から発射電源基板ボックス830を簡単に脱着して交換したり修理したりすることができるようになっている(図63を参照)。
更に、発射電源基板ボックス830を詳述すると、図89にも示すように、発射電源基板831には、DC/DCコンバータ831aと、DC/DCコンバータ831aからの電力を充電及び放電する電解コンデンサSC0と、を備えており、DC/DCコンバータ831aからの電流と電解コンデンサSC0からの放電による電流とを併合した併合電流を打球発射装置650の発射ソレノイド654に電流を流して駆動している。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に実装されるDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が発する熱を外部へ放出するために、その上面及び下面に放熱孔としてのスリット830aが形成されている。
また、発射電源基板831の電解コンデンサSC0はDC/DCコンバータ831aと比べて熱によって破損しやすい電子部品であるため、電解コンデンサSC0が配置される発射電源基板ボックス830の側面には放熱孔としてのスリット830aが形成されている。また発射電源基板ボックス830には、その内部空間を、DC/DCコンバータ831aを収容するための空間と、電解コンデンサSC0を収容するための空間と、の2つの空間に仕切る仕切壁830bが上面内壁と下面内壁とを接続するように底面から端開口縁まで一体に形成されている。これにより、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831を取付けて発射電源基板ボックス830の内部空間を閉鎖すると、発射電源基板ボックス830の内部空間が仕切壁830bによって、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の2つ空間が形成されるため、仕切壁830bは、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の熱の出入りを遮断する断熱壁として機能している。
電解コンデンサSC0が収容された収容空間830c内の熱は、つまり、電解コンデンサSC0が発する熱は、収容空間830cと外気とを連通する上面、側面、及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱をDC/DCコンバータ831aが収容される収容空間830dへ入り込ませないようにすることができる。従って、電解コンデンサSC0が発する熱をDC/DCコンバータ831aへ伝えないようにすることができる。また、DC/DCコンバータ831aが収容された収容空間830d内の熱は、つまり、DC/DCコンバータ831aが発する熱は、収容空間830dと外気とを連通する上面及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱を電解コンデンサSC0が収容される収容空間830cへ入り込ませないようにすることができる。従って、DC/DCコンバータ831aが発する熱を電解コンデンサSC0へ伝えないようにすることができる。
本実施形態では、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより発射電源基板831のサイズを電源基板851のサイズと比べて小さくすることができる。従って、発射電源基板831の小型化により取り扱え易くなって発射電源基板831の交換作業が容易となりその交換作業に費やす時間の短縮化に寄与することができる。この交換作業では、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831が取付けたままの状態、つまり発射電源基板ボックス830ごと、交換することもできる。
またパチンコ遊技機1が稼働されて電解コンデンサSC0がその寿命を迎え、発射ソレノイド654による駆動発射が突然発射不能となって遊技を中断せざるを得なくなっても、発射電源基板831の交換作業が容易に行えることにより遊技の中断を早い段階で解消することができる。したがって、電解コンデンサSC0の寿命による発射不能を極めて簡単に解消することができるとともに、その発射不能による遊技の中断を早い段階で解消して遊技を再開することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、発射電源基板831の電解コンデンサSC0は、発射ソレノイド654による駆動発射が行われるごとに、例えば、1分当たりに100回という頻度において、充放電が繰り返し行われることにより劣化して寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、遊技ホール等の島設備の交流電源から直流電源を作成するものの、発射電源基板831の電解コンデンサSC0と同様の頻度で充放電が繰り返し行わるものではないため、発射電源基板831と比べると、その寿命は極めて長い。換言すると、発射電源基板831は、電解コンデンサSC0の充放電にともなう劣化によって寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、経年変化によって寿命を迎える。発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品を電源基板851に集中させることができる。これにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品が寿命の短い電解コンデンサSC0と一緒に交換されることを防止することができる。
また、打球発射装置650を制御する電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を、遊技盤4を保持する遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能としているので、打込特性を変化させるために容量の異なる電解コンデンサSC0に変更する不正を行おうとしても、発射電源基板831を脱着させるには遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があり、発射電源基板831を交換し辛くして不正を行い難くすることができ、発射電源基板831が不正改造されて最適化されている打込強さを故意に変化させる不正を抑止することができると共に、不正を行い難くすることで苛立ち等を覚えた遊技者が不正行為等の不正へ発展するのを抑止することが可能なパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、発射電源基板831を脱着可能として交換できるようにしているので、仮に、発射電源基板831の電解コンデンサSC0等に対して不正が行われても、発射電源基板831を直ちに交換して不正を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、打球発射装置650を制御する発射制御部4120における電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831が、遊技盤4を保持する本体枠3の遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能とされており、機種変更等により遊技盤4を交換する際に、発射制御部4120の発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)も簡単に交換することができるので、交換する新機種のコンセプト等にマッチした打込特性を実現できる電解コンデンサSC0やDC/DCコンバータ831aを備えた発射電源基板831に交換することで、本体枠3に以前から備えられている打球発射装置650の打込特性を、新しい遊技盤4にマッチしたものとすることができる。従って、遊技球の打込特性を遊技盤4のコンセプトに簡単に合わせることができるので、新機種の遊技盤4による遊技を充分に楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発射制御部4120の発射電源基板831を前側から脱着できるようにしているので、発射電源基板831を交換する際に、遊技ホール等の島設備に対して本体枠3を開ける必要がなく、交換にかかる手間を簡略化することができると共に、短時間で交換することができ、遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。また、発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を脱着可能として交換できるようにしているので、発射制御部4120(払出制御基板4110)全体を交換する場合と比較して、打込特性の変更にかかるコストを低減させることができ、ホール側等の負担を軽減させることができる。
更に、機種等を変更する際に、遊技盤4のみを交換して扉枠5や本体枠3等は以前のものをそのまま使用できるようにしているので、長期間の使用によって発射制御部4120の発射電源基板831の電解コンデンサSC0等が劣化した場合、上述したように、発射電源基板ボックス830を前側から簡単に交換することができるので、劣化によって不具合が発生して発射電源基板831を直ちに交換して不具合を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本体枠3の遊技盤保持口601を通して発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を支持させるようにしており、発射電源基板831を脱着させるには、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があるので、扉枠5と本体枠3との隙間から不正行為を行うための工具を侵入させても、遊技盤4によって不正な工具が発射電源基板831に到達するのを阻止することができ、発射電源基板831に対して不正行為が行われるのを防止することができると共に、不正行為に対する防御力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技盤保持口601を通して発射電源基板ボックス830を支持させるようにしており、蓋然的に、発射電源基板ボックス830を支持する位置が本体枠3の前面よりも後側となるので、発射電源基板ボックス830を支持するためのスペースを確保し易くすることができ、発射電源基板ボックス830を支持して上記の作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしており、発射電源基板831を本体枠3の前側から簡単に脱着することができるので、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給することで電解コンデンサSC0にかかる負荷が大きくなって電解コンデンサSC0が劣化し易くなっても、電解コンデンサSC0(発射電源基板831)を簡単に交換することができ、不具合を早期に解消させて遊技の中断時間を可及的に短くすることができると共に、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
また、基板ユニット800における電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部1161から排出された下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の後側を収容可能な前ボックス収容部843と、電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能な後ボックス収容部844と、を備えている。
この電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっていると共に、基板ユニットベース810の開口部812が排出通路842へ望む位置に形成されており、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622を流通して基板ベースユニット810の開口部812を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、詳細は後述するが遊技盤4のアウト球排出部1161から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球とを、排出通路842を通してパチンコ機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
更に、基板ユニット800における電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、図86に示すように、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
また、電源基板ボックス850は、電源基板851における電源スイッチ852の下側に取付けられた電源端子853(図84及び図86を参照)が後側へ臨む開口の下辺に沿って後方へ突出した立壁部850bと、立壁部850bの後端の両側から後方へ突出した突起部850cと、立壁部850bよりも前側且つ下側に配置され電源基板ボックス850の外周との間で配線コード854を挿通可能な隙間を形成する配線ガイド部850dと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、電源基板851に実装された電源端子853は、コネクタ端子855の係止爪と係止する係止片を有しており、それら係止爪と係止片とを係止させることで、電源端子853からコネクタ端子855が外れないようになっている。
この電源基板ボックス850は、立壁部850bが、図87に示すように、電源基板851の電源端子853に配線コード854のコネクタ端子855を接続した状態で、コネクタ端子855の後端よりも若干後方へ突出するように形成されている。本例の電源基板ボックス850では、配線コード854が電源基板ボックス850の前方下側から立壁部850bの後端に引っ掛かるように後側へ回り込んだ状態で、電源基板851の電源端子853にコネクタ端子855が接続されるようになっている。
ところで、基板に取付けられた接続端子に対して、配線コードが延びだしたコネクタ端子を接続した上で、その配線コードを基板側へ引っ張った状態とすると、配線コードから係る張力によってコネクタ端子が接続端子側へ押し付けられるような状態となるので、接続端子からコネクタ端子を外し難くなる問題がある。しかしながら、本例の電源基板ボックス850によると、配線コード854の先端側(電源端子853と接続されたコネクタ端子855側とは反対側)が電源基板851側(本体枠3に対して前側)へ引っ張られても、コネクタ端子855よりも後方へ突出した立壁部850bによって、配線コード854がコネクタ端子855よりも後側へ回り込む(折返す)ように取り回されているので、配線コード854からコネクタ端子855が電源端子853側へ押し付けられるような力が作用するのを防止することができ、電源端子853に接続されたコネクタ端子855を簡単に外すことができるようになっている。
また、電源基板ボックス850は、立壁部850bの後端両側に後方へ突出した突出部850cを備えているので、配線コード854が立壁部850bの後端に沿ってスライドしても、後端の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止することができるようになっている。
また、電源基板ボックス850の配線ガイド部850dに配線コード854を挿入させることで、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化することができるようになっている。
なお、電源基板ボックス850及び電源基板ホルダ840は、互いに組付けた状態における前後方向の寸法が、スピーカボックス820の前後方向の寸法と略同じとなるように形成されており、基板ユニットベース810に取付けると、電源基板ボックス850の後面と、スピーカボックス820の後面とが略同一面状となるようになっている。
また、本例では、電源基板851を覆う電源基板ボックス850の開口から臨む電源端子853にコネクタ端子855を接続した上で、コネクタ端子855の後端よりも後側へ突出した立壁部850bによってコネクタ端子855の後端から延出した配線コード854を折返させるようにしているので、配線コード854が引っ張られることでコネクタ端子855に作用する張力を、係止爪等により接続が固定された電源端子853との接続を解除するような方向へ作用させることが可能となり、配線コード854によってコネクタ端子855が外せなくなるのを回避させることができ、電源基板851の電源端子853に接続されたコネクタ端子855を外し易くして基板の交換等のメンテナンスを簡単に行うことができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bによって配線コード854を折返させるようにしており、立壁部850bが無い場合と比較して、配線コード854の折曲がり具合を緩くさせることができるので、配線コード854自体に無理な力が作用するのを回避させることができ、無理な力により配線コード854が断線して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、電源端子853が臨む電源基板ボックス850の開口の近傍に立壁部850bを備えるようにしており、蓋然的に、立壁部850bが電源端子853と隣接した位置となるので、電源端子853に接続されたコネクタ端子855から延びた配線コード854を、コネクタ端子855に対して可及的に真直ぐ後側へ延びださせることが可能となり、コネクタ端子855と配線コード854との繋ぎ目が折れて無理な力が作用するのを防止することができ、断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板851を被覆する電源基板ボックス850に立壁部850bを備えるようにしているので、電源基板851に立壁部850bを備える必要が無く、電源基板851の組立作業を容易にすることができる。また、電源基板ボックス850で電源基板851を覆うようにしているので、電源基板851に不具合の発生原因となる埃やゴミ等が付着するのを防止することができると共に、電源基板851に実装された電子部品(例えば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、IC、CPU、メモリー、等)に対して触れ難くしたり交換し難くしたりすることができ、不正行為に対する防御力を高めることができるようになっている。
また、電源基板851における電源端子853にコネクタ端子855を接続する方向を、基板面に対して略直角方向(前後方向)としており、電源基板851に実装された電源端子853に対して、コネクタ端子855を接続したり取外したりする時にかかる力を電源基板851の面に作用させ易くすることができるので、電源端子853におけるリード部に剪断力が作用するのを防止することが可能となり、リード部が破断して通電不良が発生したり電源基板851から電源端子853が外れてしまったりするのを防止することができ、不具合が発生し難いパチンコ機1とすることができる。
更に、コネクタ端子855と電源端子853との接続を係止爪と係止片とによる固定手段によって固定するようにしているので、配線コード854が立壁部850bによって折返されることで配線コード854を介してコネクタ端子855に電源端子853との接続を解除するような方向へ力が作用しても、コネクタ端子855と電源端子853との接続が解除されてしまうのを防止することができ、コネクタ端子855と電源端子853との接続を確実に維持して接触不良や通電不良等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bにおける配線コード854が折返される後端の両端に、後方へ突出する突起部850cを備えるようにしているので、配線コード854が立壁部850bにおける折返される辺に沿ってスライドしても、辺の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止して上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、電源基板ボックス850に備えられた配線ガイド部850dによって、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せるようにしているので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏するようにすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることが可能となり、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化してコストが増加するのを抑制することができる。
また、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取付けられカバー862によって後面が覆われる払出制御基板4110(図183を参照)と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。従って、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本例では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
この払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取付けられたエラー解除スイッチ860a、球抜スイッチ860b、検査用出力端子860c、等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている(図62を参照)。また、払出制御基板ボックス860は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。
更に、基板ユニット800における端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取付けられ、背面視左側上部後面に形成された基板取付部871a、及び背面視右端後面に形成された基板カバー取付部871bを有した基板ベース871と、基板ベース871の基板取付部871aに後側から取付けられ後面に周辺パネル中継端子872aが取付けられた周辺パネル中継端子板872と、基板ベース871の基板カバー取付部871bに後側から取付けられ後壁部873aに上下方向へ延びた開口部873bを有する接続端子板カバー873と、接続端子板カバー873の開口部873aから後方へ臨むCRユニット接続端子874aが後面に取付けられた接続端子板カバー873内に支持されるCRユニット接続端子板874と、接続継端子板カバー873と共に基板ベース871の後側を覆う基板ボックスカバー875と、を備えている。
この端子基板ボックス870における周辺パネル中継端子板872は、パチンコ機1を設置する島設備側に備えられたパチンコ機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と本パチンコ機1とを接続するためのものであり、CRユニット接続端子板874は、パチンコ機1と隣接して設置される球貸し機(CRユニット6とも称す)と本パチンコ機1とを接続するためのものである。なお、端子基板ボックス870における基板ベース871、接続端子板カバー873、及び基板ボックスカバー875は、夫々透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部の周辺パネル中継端子板872やCRユニット接続端子板874等を視認することができるようになっている。また、基板ボックスカバー875の後面には、パチンコ機1において球詰り等の不具合が発生した場合に、島設備側に設置された度数表示器やCRユニット6等に表示されるエラーコードの内容が表示された状態表示シール876が貼り付けられている。
この端子基板ボックス870における基板ベース871は、図88に示すように、基板取付部871aが、後端が開放された薄い箱状に形成されている。この基板ベース871は、基板取付部871aの内側上部に形成され周辺パネル中継端子板872の上端を固定する固定片(図示は省略する)と、基板取付部871aの内側下部に形成され周辺パネル中継端子板872の下端を係止する係止爪871cと、を備えており、固定片と係止爪871cとによって周辺パネル中継端子板872を後側から脱着可能に保持することができるようになっている。
また、基板ベース871は、基板カバー取付部871bが、後側へ開放された薄い箱状に形成されており、その内周の大きさが接続端子板カバー873の外周が挿入可能な大きさとされていると共に、その内周壁が前後方向へ延びた外片部871cとされている。基板ベース871は、背面視右側の外片部871cを左右方向へ貫通する一対の固定孔871dと、基板カバー取付部871bの底壁から後方へ延出しCRユニット接続端子板874の前面と当接する上下方向へ延びた二つの突条871eと、基板カバー取付部871bの背面視左外側に配置され前後方向へ貫通する係止孔871fと、を備えている。この基板ベース871における突条871eは、後方への突出量が外片部871cよりもやや控えた状態となっていると共に、図示するように、CRユニット接続端子板874の両側端に可及的に近い位置となるように配置されている。
更に、基板ベース871は、基板カバー取付部871bの背面視右側後面に上下方向へ離反して配置され基板ボックスカバー875を回動可能に軸支するための一対の軸受部871gと、背面視左端部付近の後面に配置され前後方向へ延びた角筒状の係止部871hと、を備えている。
端子基板ボックス870における接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板872の外周を囲うと共に基板ベース871の外片部871cで囲まれた基板カバー取付部871b内へ挿入可能とされた外壁部873cと、外壁部873cの後端を閉鎖する後壁部873aと、後壁部873aを貫通し上下方向へ延びた矩形状の開口部873bと、開口部873bの内周に略沿って後壁部873aから前方(基板ベース871側)へ延出する内壁部873dと、内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の前面と当接するようにCRユニット接続端子板874を保持し上下の外壁部873cに形成された鉤爪状の一対の基板保持部873eと、を備えている。
また、接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874に取付けられた複数の内部接続端子874bと対応する位置に配置され後壁部873aを貫通した複数の開口部873fと、上下方向の略中央に配置された開口部873fの後側を覆い背面視左側が開放された箱状の保護部873gと、外壁部873cにおける背面視右側端部から外方(右方向)へ延出し基板ベース871の固定孔871d内へ挿通可能とされた一対の固定片873hと、外壁部873cにおける背面視左側端部に形成され基板ベース871の係止孔871fへ係止可能とされた弾性爪状の係止爪片873iと、を備えている。なお、図示は省略するが、保護部873gを備えた中央の開口部873fにおける内周の上下にも前方へ延出した内壁部873dが形成されている。
この接続端子板カバー873は、外壁部873cと後壁部873aとによって、前側が開放された薄い箱状となっている。また、接続端子板カバー873は、開口した前側からCRユニット接続端子板874を内部へ挿入することで、内壁部873dの前端によってCRユニット接続端子板874が後方へ移動するのを規制することができると共に、一対の基板保持部873eによってCRユニット接続端子板874が前方へ移動するのを規制することができ、而して、CRユニット接続端子板874を脱着可能に保持することができるようになっている。更に、接続端子板カバー873は、その固定片873hを基板ベース871の固定孔871d内へ挿入した上で、係止爪片873iを基板ベース871の係止孔871fへ係止させることで、基板ベース871の基板カバー取付部871bへ脱着可能に取付けることができるようになっている。
端子基板ボックス870におけるCRユニット接続端子板874は、その表面側(後面側)に、パチンコ機1と遊技ホールの島設備側に設置されたCRユニット6とを接続するためのCRユニット接続端子874aの他に、払出制御基板4110や、貸球ユニット360等と接続するための複数の内部接続端子874bが備えられている。なお、本例のCRユニット接続端子板874では、図示するように、CRユニット接続端子874aが係止機能を有したD−subコネクタとされており、内部接続端子874bが角形ツーピースコネクタとされている。
また、端子基板ボックス870における基板ボックスカバー875は、基板ベース871の後面全体を略覆う大きさで全体が前側へ開放された薄い箱状に形成され、背面視右側面に配置され基板ベース871の軸受部871gに回動可能に軸支される一対の軸部875aと、接続端子板カバー873における開口部873bと対応し前後方向へ貫通した貫通口875bと、貫通口875bの左右両側端から前方へ延出する衝壁875cと、基板ベース871の係止部871hに係止される係止片875dと、を備えている。
この基板ボックスカバー875は、一対の軸部875aを基板ベース871の軸受部871gに軸支させることで、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後面を開閉可能に覆うことができるようになっている。また、基板ボックスカバー875は、軸部875aに近い側(軸支された側)の衝壁875cが基板ベース871の後面まで延出する長さとされており、軸部875aから遠い側の衝壁875cが接続端子板カバー873の後面まで延出する長さとされている。つまり、本例の端子基板ボックス870では、基板ボックスカバー875を閉じた状態とすると、夫々の衝壁875cの前端が、基板ベース871や接続端子板カバー873の後面に略当接した状態となるようになっている。
本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874のCRユニット接続端子874aをD−subコネクタとしているので、図88に示すように、CRユニット接続端子板874の後面に対してCRユニット接続端子874aの本体が浮いた状態となっており、CRユニット接続端子874aから延びたリード部がCRユニット接続端子板874の後面側でも外部に露出した状態となっている。また、CRユニット接続端板874の内部接続端子874bは、角形のツーピースコネクタとされており、図示するように、後方から嵌合接続できるように取付けられている。
そして、本例の端子基板ボックス870は、図88に示すように、組立てた状態では、CRユニット接続端子板874の前面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部871cとが、また、CRユニット接続端子板874の後面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の軸部875a側の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となるようになっている。従って、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aに対する不正行為を確実に防ぐことができるようになっている。
また、この端子基板ボックス870は、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようになっているので、CRユニット接続端子874aとして取付けられたCRユニット接続端子板874との間に隙間が形成されるD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、端子基板ボックス870は、基板ベース871の後面に回動可能に軸支された基板ボックスカバー875に、CRユニット接続端子874aが臨む貫通口875bの軸部875a側に、一対の軸部875a間に跨る長さの衝壁875cを備えており、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで一対の軸部875aの間に隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができるようになっている。
更に、本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874の中央付近の内部接続端子874bの後側を接続端子板カバー873の保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、ツーピースコネクタとされた内部接続端子874bに配線コード側の接続端子が嵌合接続された状態で接続端子のコネクタ本体と配線コードとの隙間を通して針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、保護部873gと基板ボックスカバー875とによって電極の挿入を阻止することができ、内部接続端子874bに対する不正行為も防止することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の後面にCRユニット接続端子板874を収容した端子基板ボックス870を取付けるようにしているので、パチンコ機1の表側から外枠2と本体枠3との間等を介して不正な工具を挿入して、パチンコ機1の裏面側へ不正な工具の先端を侵入させても、端子基板ボックス870によって、収容されたCRユニット接続端子板874を保護することができ、CRユニット接続端子板874に対する不正行為を確実に防ぐことができる。
また、端子基板ボックス870内にCRユニット接続端子板874を収容した状態では、CRユニット接続端子板874の前面(基板の裏面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部と871cが、また、CRユニット接続端子板874の後面(基板の表面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となり、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aや内部接続端子874bに対する不正行為を確実に防ぐことが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようにしているので、CRユニット接続端子874aとして基板との間に各リード部が露出するようなD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
更に、端子基板ボックス870に、基板ベース871の後面に一方の端部が回動可能に軸支されて接続端子板カバー873の後面を開閉可能に覆うと共に、接続端子板カバー873の開口部873bと対応した貫通口875bにおける軸支された側の側端から前方へ基板ベース871の後面まで延出する板状の衝壁875cを有した基板ボックスカバー875を更に備えるようにしているので、基板ボックスカバー875における基板ベース871に対して軸支された部位同士の間に、ドライバー等を差し込んで隙間を形成して不正な工具を侵入させようとしても、衝壁875cによって不正な工具が接続端子板カバー873(CRユニット接続端子板874)側へ到達するのを阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができる。
また、端子基板ボックス870内のCRユニット接続端子板874を取出すには、基板ボックスカバー875を開けた上で接続端子板カバー873を開けなければならず、CRユニット接続端子板874を取出し難くすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。また、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができる。
更に、CRユニット接続端子板874のC内部接続端子874bに接続された配線コード側の端子における被コネクタ本体と配線コードとの隙間を通して、針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、対応した開口部873fの後側、すなわち、被コネクタ本体の配線コードと沿った隙間の開口の後側を保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、端子基板ボックス870の外側(後側)から被コネクタ本体の隙間へ針状の電極を挿入することができず、接続された配線コードの端子に対して不正行為が行われるのを防止することができ、防犯能力の高いものとすることができる。
また、接続端子板カバー873の外壁部873cに、CRユニット接続端子板874を保持する基板保持部873eを備えると共に、外壁部873cをCRユニット接続端子板874よりも前側へ延出させているので、不正行為を行うために接続端子板カバー873と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させても、CRユニット接続端子板874が接続端子板カバー873と共に後側へ移動するため、接続端子板カバー873における外壁部873cの前端とCRユニット接続端子板874との位置関係は変化することが無く、CRユニット接続端子板874の外周が外壁部873c(接続端子板カバー873)で保護されたままとすることができ、CRユニット接続端子板874の後面のCRユニット接続端子874a等に対して不正行為を行うことができず、CRユニット接続端子板874やCRユニット接続端子874a等を狙った不正行為を防止することができる。
更に、端子基板ボックス870を、透明樹脂によって形成しており、外側から端子基板ボックス870内を視認することができるので、端子基板ボックス870を分解しなくても、端子基板ボックス870の外側から、内部に収容されたCRユニット接続端子板874や周辺パネル中継端子板872等に対して不正な工具が挿入されていないか、CRユニット接続端子板874等自体が不正なものに交換されていないか、或いは、CRユニット接続端子板874等に実装された電子部品(例えば、ROM、IC、抵抗器、コンデンサ、等)が不正なものと交換されていないか、等を簡単に点検することができ、不正行為を発見し易くすることができると共に、不正行為が発見し易くなるので、不正行為を行うものに対して不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、本体枠5の裏面側に、CRユニット接続端子板874等の表面が後側を向く方向となるように端子基板ボックス870を取付けているので、メンテナンス等の際に外枠2に対して本体枠5を前側へ回動させて本体枠5の後側が現れると、端子基板ボックス870に収容されたCRユニット接続端子板874等が作業者側(遊技者側)を向いた状態となり、CRユニット接続端子板874等や端子基板ボックス870を点検し易くすることができる。
基板ユニット800における主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3に取付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御部4140や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3側や扉枠5側へ接続するための複数の接続端子を備えており、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部813に取付けることで、それら接続端子が本体枠ベース600の前面から前側を向くようになっている。
なお、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、図61及び図63等に示すように、本体枠ベース600の前面に取付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっていると共に、中継端子板カバー692の開口692aを通して、扉枠5側と接続するための接続端子のみが前側へ臨むようになっており、それらの接続端子に配線コード196が接続されるようになっている(図1及び図30を参照)。
また、主側中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500の回転位置検知センサ512、タッチセンサ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タン検知センサ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。また、周辺側中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、及び操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432cと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御部4140との接続を中継するためのものである。
[1−3G.裏カバー]
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図90乃至図92を参照して説明する。図90(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。また、図91は、裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図であり、図92は、裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。本例の裏カバー900は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠3内を視認することができるようになっている。
本体枠3における裏カバー900は、本体枠3における遊技盤4を保持するための遊技盤保持口601(本体枠3に取付けられた遊技盤4)の後側を開閉可能に被覆するものである。この裏カバー900は、遊技盤保持口601の後側開口を閉鎖する板状の本体部902と、本体部902の正面視右辺から前方へ延出する側部904と、側部904の前端に上下方向へ並んで複数配置され下方へ向かって突出し本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支される軸支ピン906と、本体部902の正面視左辺上部と下部に夫々形成され賞球ベース710の裏カバー係合溝718と賞球通路蓋780の裏カバー係合溝780aとに夫々係合する係合片908と、下側の係合片908の近傍に裏カバー900を本体枠3に対して開閉不能に締結するための締結機構920とを備えている。
裏カバー900における締結機構920は、図91及び図92等に示すように、裏カバー900の本体部902における下側の係止片908の背面視で左側に前後方向へ貫通した円形の挿通孔921と、挿通孔921の背面視で左側に所定距離はなれて配置され前後方向へ貫通した縦長矩形状の係止口922と、係止口922に対して後側から弾性係止される係止片923aを一端側に有すると共に他端側に挿通孔921と対応した横長の長孔923bを有する板状のガイド部材923と、ガイド部材923の長孔923bへ後側から挿通され本体部902の挿通孔921を介して賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bへ螺合される雄ねじ部924aを有した締結部材924と、締結部材924の雄ねじ部924aにガイド部材923を挟むように取付けられる保持部材925と、を備えている。なお、締結機構920におけるガイド部材923は、軟質の合成樹脂によって形成されており、曲がり易くなっている。
また、締結機構920は、ガイド部材923の係止片923aが、本体部902の係止口922に対して遊嵌状態で係止されるようになっており、ガイド部材923が所定の範囲内で遊動することができるようになっている。また、締結機構920は、締結部材924の雄ねじ部924aに取付けられた円盤状の保持部材925によって、締結部材924が長孔923bを通してガイド部材923に支持された状態となり、長孔923bに沿って左右方向へスライドすることができると共に、長孔923bから脱落しないようになっている。この締結機構920は、本体部902の係止口922へ後側からガイド部材923の係止片923aを係止させると、ガイド部材923の長孔923bを介して前側へ突出した締結部材924の雄ねじ部924aが、本体部902の挿通孔921へ挿通された状態となるようになっている。
本例の裏カバー900は、軸支ピン906を本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支させることで、本体枠3における遊技盤保持口601の後側開口を開閉することができ、係合片908を本体枠ベース600及び賞球通路蓋780の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、閉じた状態とすることができるようになっている。なお、裏カバー900を閉じた状態とすると、締結機構920における挿通孔921と賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bとが略一致した状態となるようになっている。
この裏カバー900を閉じた状態では、挿通孔921へ後側から前側へ挿通された締結部材924の雄ねじ部924aが、裏カバー締結孔780b内へ自然と螺合されることがないので、裏カバー900を閉じても雄ねじ部924aの先端が裏カバー締結孔780bの後端で止まった状態となり、締結部材924が裏カバー900の本体部902から後方へ突出することとなる。ところで、本例では、締結部材924が裏カバー900の本体部902の係止されたガイド部材923の長孔923b内に支持されているので、締結部材924が裏カバー900から脱落することなく、本体部9002の後側に位置した状態が維持されるようになっている。
そして、この状態から締結部材924の雄ねじ部924aの先端を裏カバー締結孔780bへ挿入して締結部材924を回転させることで、雄ねじ部924aが裏カバー締結孔780b内へとねじ込まれて(螺合されて)、裏カバー900を締結固定することができるようになっている。なお、本例の締結機構920は、締結部材924を裏カバー締結孔780bへねじ込む時に、締結部材924を支持するガイド部材923が本体部902に対して斜めになっていても、締結部材924を長孔923bで支持しているので、締結部材924(雄ねじ部924a)を裏カバー締結孔780bの軸心に対して真直ぐに位置させることができ、締結部材924を裏カバー締結孔780bへ良好にねじ込むことができるようになっている。
また、本例では、裏カバー900を、一箇所の締結機構920によって本体枠3側へ締結固定するようにしているので、一箇所の締結部材924を操作するだけで簡単に締結したり締結を解除したりすることができ、裏カバー900の開閉に係る手間を簡略化してメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902の正面視右側下端で上方へ矩形状に切欠かれた接続用切欠部910と、接続用切欠部910の正面視上側で矩形状に貫通した確認用開口部912と、本体部902の正面視左下隅部に矩形状に切欠かれた確認用切欠部914と、を備えている。
この裏カバー900は、図5に示すように、本体枠3に対して閉じた状態で、接続用切欠部910を通して遊技盤4における主制御基板ボックス1170のRAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f等が後側へ臨むようになっている。また、裏カバー900は、確認用開口部912を通して、主制御基板ボックス1170の後面に貼り付けられた基板管理シール1178(図101を参照)が後側へ臨むようになっていると共に、確認用切欠部914を通して主制御基板ボックス1170の封止部1176が臨むようになっている。これにより、裏カバー900を本体枠3に対して開かなくても、主制御基板ボックス1170及び主制御基板4100の作動確認や外観確認、管理状態確認等を行うことができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902及び側部904に細長く貫通した複数のスリット916が形成されており、これらスリット916を通して遊技盤4等で発生した熱を本体枠3(パチンコ機1)の後側外部へ排出することができるようになっている。なお、図示するように、中央から正面視でやや左寄りの位置に、幅広で上下方向へ長く延びた左右方向へ所定間隔で列設された複数の透孔918を備えている。これら透孔918は、裏カバー900を本体枠3に対して閉じた状態とすると共に、本体枠3内に遊技盤4を収容保持させた状態で、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側に備えられた周辺制御部4140や液晶制御部4150を冷却するための冷却ファンの後側に位置するようになっており、周辺制御部4140等からの熱を良好に排気することができるようになっている。因みに、透孔918の幅は、遊技球の外径よりも小さい幅とされており、透孔918を通してパチンコ機1内へ遊技球が侵入しないようになっている。
これにより、本例では、本体枠3に保持された遊技盤4の後側を閉鎖する裏カバー900を本体枠3へ締結する締結部材924を、裏カバー900に取付けられたガイド部材923に対して遊動可能に保持させているので、本体枠3に遊技盤4を保持した状態で、本体枠3の後側から裏カバー900を開いて遊技盤4の後側をメンテナンス等を行う際に、本体枠3に対して裏カバー900を締結固定している締結部材924の締結を解除して本体枠3の裏カバー締結孔780bから締結部材924を分離させても、締結部材924がガイド部材923を介して裏カバー900に保持された状態となり、締結部材924を紛失してしまったり、パチンコ機1内に取残してしまったりするのを防止することができ、裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、開いた裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することができるので、メンテナンス等の際に、締結を解除した締結部材924を所定位置に保管する必要が無く、ガイド部材923を介して裏カバー900の挿入孔921の近傍に保持することができ、メンテナンスを行い易くすることができる。
また、ガイド部材923の長孔923bを、少なくとも係止口922側とは反対側へ延びるようにしているので、ガイド部材923が裏カバー900の面に対して傾いた状態となっていても、締結部材923の雄ねじ部924aを裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ真直ぐに位置させることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを正しい状態で確実に締結させることができる。従って、本体枠3に裏カバー900をきちんと締結させることができ、裏カバー900による防犯効果を確実に発揮させることができる。
更に、締結部材924の頭部と協働して締結部材924をガイド部材923に対して遊動可能に保持させる保持部材925を締結部材924の雄ねじ部924aに取付けるようにしているので、締結部材924の頭部と保持部材925とでガイド部材923が挟まれた状態となり、締結部材924の雄ねじ部924aがガイド部材923の長孔923bから抜けるのを確実に防止することができると共に、保持部材925との隙間と長孔923bによってガイド部材923に対して締結部材924を遊動可能に保持させることができる。
また、裏カバー900における挿通孔921の周囲に保持部材を収容可能な収容凹部を備えるようにしており、締結部材924の雄ねじ部924aを、裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ締結させる際に、締結部材924の頭部とでガイド部材923を挟んだ保持部材925を、収容凹部内へ収容することができるので、裏カバー900とガイド部材923とを密着させて裏カバー900からの突出を可及的に少なくすることができ、ガイド部材923や締結部材924の突出した部位に他の部材が当接する可能性を低くして不具合が発生するのを低減させることができると共に、見栄えを良くすることができる。
また、本体枠3の裏カバー締結孔780bを雌ねじ部として、締結部材924の雄ねじ部924aとねじ結合するようにしているので、単なる係止爪による係合と比較して、引っ張っただけでは締結を解除することができず裏カバー900を取外し難くすることができ、裏カバー900による防犯効果をより高めることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、可撓性を有したガイド部材923としており、ガイド部材923が撓むことができるので、裏カバー900(挿通孔921)に対する締結部材924の動きの自由度を更に高めることが可能となり、締結部材924の雄ねじ部924aを本体枠3の裏カバー締結孔780bに対して真直ぐな位置に位置させたり、雄ねじ部924を裏カバー締結孔770bに対して真直ぐに移動させたりするのをし易くすることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを確実に締結させることができる。
また、ガイド部材923の係止片923aが、裏カバー900の係止口922における挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた内壁に沿って当接した状態で、係止口922へ弾性係止されるようにしているので、遊動可能に取付けられたガイド部材923の先端側(長孔923b側)を、挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた軸心周りを回動するように動かすことができ、係止口922に対して係止片923aが軸支されたようにすることができる。従って、ガイド部材923の先端側の長孔923bに保持された締結部材924を、裏カバー900の挿通孔921、すなわち、本体枠3の裏カバー締結孔780bを開閉するように回動させることができるので、挿通孔921や裏カバー締結孔780bに対して締結部材924の雄ねじ部924aを挿入し易くすることができ、締結部材924による締結作業を行い易くすることができる。
更に、本体枠3における裏カバー締結孔780bとは異なる位置に複数の裏カバー係合溝718,780aを更に備えた上で、裏カバー900に裏カバー係合溝718,780aと夫々弾性係合する複数の係合片908を更に備えるようにしており、裏カバー900の係合片908を本体枠3の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、締結部材924による締結とは別に、裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、締結部材924を用いて締結する箇所を一箇所のみとして締結作業を可及的に少なくすることができ、組立てやメンテナンス等の作業性を高めることができる。また、上述したように、締結部材924とは別に係合片908と裏カバー係合溝718,780aとの係合によって裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、閉鎖範囲の広い裏カバー900でも締結部材924による締結箇所を増やすことなく良好な状態で本体枠3における遊技盤保持口601の後側(遊技盤4の後側)を閉鎖させることができる。
また、本体枠3(本体枠ベース600)の裏カバー軸支部623に裏カバー900の軸支ピン906を軸支させることで、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支できるようにしているので、裏カバー900を閉じる方向へ回動させて本体枠3における遊技盤保持口601の後側を閉鎖するだけで、裏カバー900の挿通孔921と本体枠3の裏カバー締結孔780bとを簡単に一致させることができ、挿通孔921を通して裏カバー900に保持された締結部材924を簡単に裏カバー締結孔780bへ締結させることができる。また、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支するようにしているので、メンテナンス等の際に、締結部材924による締結を解除して裏カバー900を開けた場合でも、裏カバー900を本体枠3に軸支させた状態のままとすることができ、裏カバー900を本体枠3から取外す必要が無く、裏カバー900の開閉にかかる手間を簡略化することができる。
[1−3H.側面防犯板]
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図66及び図67を参照して説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体952と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けられる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と係合する位置決め部材956と、を備えている。
この側面防犯板950の本体952は、本体枠ベース600の高さと略同じ長さで上下方向へ延びると共に前後方向が略一定奥行きとされた側板片952aと、側板片952aの前端から正面視右方向へ延出した前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように配置され前端片952bよりも突出量の少ない中片952cと、側板片952aの後端から正面視右方向へ前端片952bよりも長く延出した後端片952dと、を備えている(図106を参照)。この本体952は、側板片952a、前端片952b、及び後端片952dによって浅いコ字状に形成されており、中片952cと後端片952dとの間に遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150との正面視左側側部が挿入されるようになっている(図106を参照)。
本例の側面防犯板950は、取付金具954が本体枠ベース600の前面に取付けられると共に、本体952の後端片952dが本体枠ベース600の後面に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、本体952の前端片952bが、扉枠5の補強ユニット150における軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166のコ字内に挿入されるようになっており、正面視左側において本体枠3と扉枠5との間に不正行為を行うための工具が挿入されるのを防止することができるようになっている(図106を参照)。また、側面防犯板950の本体952は、金属(例えば、アルミ合金)の押出型材とされていると共に、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dを備えているので、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の前面を扉枠5で閉鎖した状態とすると、防犯側面板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるので、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bに当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することが可能となり、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠3における金属により形成された防犯側面板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、パチンコ機1における防犯性能を高めることができる。また、遊技盤4を支持する本体枠ベース600を合成樹脂により形成した上で、扉枠5を軸支する側(軸支側)の防犯側面板950を金属により形成するようにしているので、本体枠3全体を金属によって形成するようにした場合と比較して、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、本体枠3に対して扉枠5を施錠する錠装置1000の扉枠用フック部1041を、上下両端と上下両端の間の一箇所で扉枠5における補強ユニット150のフックカバー165と係止させるようにして、錠装置1000側(開放側)における扉枠5と本体枠3との間を三つの扉枠用フック部1041によって係止するようにしているので、開放側がバール等の不正な工具によって抉られても扉枠5と本体枠3との間が広がるのを良好に防止することができ、扉枠5が無理やり抉じ開けられるのを防止することができる。
また、防犯側面板950における側面片952aの後端を、遊技盤4の前面(遊技領域1100)よりも後方へ延出させるようにしており、側面片952aの前後方向の寸法が長くなることで前後方向へかかる荷重に対する曲げ剛性が強くなるので、防犯側面板950全体の強度・剛性をより高めることができ、防犯側面板950が無理やり曲げられて不正行為が行われるのを防止することができる。
また、金属製の押出型材によって本体枠3の防犯側面板950を形成するようにしているので、前端片952bや中片952cを有した所定断面形状の防犯側面板950(本体952)を簡単に形成することができ、パチンコ機1の防犯性能を高めてもコストが増加するのを抑制することができると共に、金属板を屈曲させた場合と比較して、加工時に生ずる強度低下等の欠陥を可及的に少なくすることができ、耐久性や強度の高い防犯側面板950とすることができる。
[1−3I.錠装置]
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図93乃至図97を参照して説明する。図93(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。また、図94(A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図95は、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図96は、錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図97は、錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。
本体枠3における錠装置1000は、本体枠3の本体枠ベース600における周壁部605の開放側の外側側面に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図68に示すように、本体枠ベース600における前端枠部602の正面視右側(開放側)辺の上部に形成された扉用フック穴620及び下部に形成された錠係止穴621と、本体枠ベース600における周壁部605の正面視右側側面に複数形成された錠取付部625と、に取付られるようになっている。
図93乃至図95に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、を備えている。
錠装置1000におけるコ字状基体1001は、所定の金属板を断面コ字状となるように折曲成形したものであり、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが摺動可能に配置されるようになっている。なお、コ字状基体1001は、その横幅寸法が従来の断面L字状に成形された基体に集約された錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これにより、錠装置1000の左右方向の寸法を可及的に薄くすることが可能となり、相対的に本体枠3における遊技盤保持口601の左右方向の寸法を大きくすることができ、より遊技領域1100の広い遊技盤4を備えることができるようになっている。
このコ字状基体1001は、断面コ字状の開放側が本体枠ベース600の裏面と対面した状態で取付けられるようになっており、錠装置1000を本体枠3に取付けた状態では、コ字状基体1001の開放側が本体枠ベース600に閉鎖されるようになっている。これにより、コ字状基体1001の内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となり、外部から錠装置1000に対して不正行為を行い難い不正防止構造となっている。
また、錠装置1000におけるコ字状基体1001は、その開放側(後側)と反対の閉塞側(前側)上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通可能な長方形状のフック貫通開口1002と、前側における本体枠ベース600の周壁部605と接する側面1001b(図95を参照)の上部と中程に外方へ向かって突設されたビス止め部1003と、ビス止め部1003が突設された側面1001bとは反対側の側面1001a(図95を参照)の開放側(前側)の上端部と中間部、及び開放側の両側面1001a,1001bの下端部から前方へ突出した係止突起1004と、を備えている。
コ字状基体1001のビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に後側から挿入した上で、上方へ移動させると、ビス止め部1003と本体枠ベース600の錠取付部625とが一致するようになっており、ビス止め部1003を介して図示しないビスを錠取付部625へ螺着することで、錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と、シリンダ錠貫通穴611の上方近傍に形成された錠取付部625と、においても図示しないビスで本体枠ベース600に止着されるようになっており、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前側)の上中下の3箇所に形成された係止突起1004を、上中の扉用フック穴620と錠係止穴621とに挿入して位置決め係止すると共に、コ字状基体1001のビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前側及び後側の係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前側の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設した上で、後側の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と密する側面1001bから周壁部605側へ突設した構造としているので、前側の係止構造が周壁部605と密する側面1001bに形成した場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるようになっている。
また、コ字状基体1001は、その両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に左右方向へ貫通した挿通穴1005を備えており、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることで、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を上下方向へ摺動自在に取付けることができるようになっている。
つまり、図94(C)に示すように、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されたリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通していると共に、図94(B)に示すように、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々一つずつ形成されたリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、扉枠用摺動杆1040を上方に、本体枠用摺動杆1050を下方に移動させることができるようになっている。
更に、コ字状基体1001は、その下部の閉塞側面に形成された不正防止切欠部1007と、開放側の本体枠ベース600における周壁部605と接する側面1001bの前端から側方へ向かって突設されシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008と、周壁部605と接する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022と、が夫々形成されている。コ字状基体1001の不正防止切欠部1007は、詳細は後述するが、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が進退するようになっている。また、コ字状基体1001の錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けた状態で、遊技盤保持口601の下端辺よりも下方の位置となるように側面1001bの前端部から側方に向かって突設されており、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009と、シリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成された取付穴1013をビス1012で取付けるため上下2箇所に穿設された取付穴1014と、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるために穿設されたビス止め部1003と、が形成されている。
また、コ字状基体1001は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入する挿入縦開口1020と、第二不正防止部材1032を上方へ付勢するバネ1035を係止するためのバネ係止片1021と、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を形成する逃げ横穴1022と、を備えている。
錠装置1000におけるシリンダ錠1010は、コ字状基体1001における錠取付片1008に取付けられるものである。このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体の後端に錠取付片1008へ取付けるための錠取付基板1011が固定されており、錠取付基板1011の後面からシリンダ錠本体の錠軸1015が延びだしていると共に、錠軸1015の後端にビス1019によって係合カム1016が固定されている。この係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017とされていると共に、他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018とされている。
このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠取付片1008に形成された錠挿通穴1009に後側から挿通した上で、錠取付基板1011の上下2箇所に形成された取付穴1013を通して錠取付片1008の取付穴1014へビス1012を螺着することで、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができるようになっている。
錠装置1000のコ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動させずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。この不正防止部材1023,1032は、図95に示すように、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、縦長の板状で上端の揺動軸穴1025を中心にしてコ字状基体1001に揺動自在に支持されるようになっている。具体的には、この第一不正防止部材1023は、その揺動軸穴1025を通して、コ字状基体1001の内部に配置される扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050と共に最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられるようになっている。
また、第一不正防止部材1023は、その板状面にコ字状基体1001の挿入縦開口1020と重複する位置で縦長に開口し係合カム1016の第二係合突片1018が挿入可能とされた突片挿入穴1026を備えている。この突片挿入穴1026と挿入縦開口1020とを、係合カム1016の第二係合突片1018が貫通することで、コ字状基体1001の内部に設けられた扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の前斜め上方の外辺に、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接可能な斜めに傾斜した傾斜部1024を備えており、この傾斜部1024が、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と当接することで、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図97(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の斜め後下方の外辺からコ字状基体1001側へ向かって突出したストッパ片部1027と、ストッパ片部1027が突出した位置から更に下方へ突出した規制突片1031と、規制突片1031の前側に左右方向へ貫通し上下に配置されたピン穴1029及び連結穴1030と、を備えている。この第一不正防止部材1023のストッパ片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に、不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合させることで、本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにすることができるようになっている。また、第一不正防止部材1023の規制突片1031は、バネ1035によって上方へ付勢された第二不正防止部材1032と当接することで、第二不正防止部材1032が上方(付勢方向)へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、第一不正防止部材1023のピン穴1029は、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側から挿入固定されるようになっており、ピン穴1029に固定されたガイドピン1028を、コ字状基体1001における挿入縦開口1020の最下端部に形成された横長状開口部に係合させることで、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内することができるようになっている。更に、第一不正防止部材1023の連結穴1030は、連結ピン1034によって、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを回動可能に連結するためのものである。
一方、第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033と、上部他端にバネ係止穴1036とが夫々穿設されていると共に、下方端部に当接部1037が備えられている。第二不正防止部材1032は、連結穴1033を第一不正防止部材1023の連結穴1030と合わせた上で連結ピン1034を挿入することで第一不正防止部材1023と相対回転可能に連結することができるようになっている。また、第二不正防止部材1032は、バネ係止穴1036に、上端(一端)がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されたバネ1035の下端(他端)を係止させることで、バネ1035によって上方へ付勢されるようになっている。更に、第二不正防止部材1032は、当接部1037が、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定された閉鎖板25と当接するようになっている。
次に、錠装置1000における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の内部に摺動自在に支持され、縦長の金属製の板状部材によって形成されている。この扉用摺動杆1040は、その一側縦辺の上中下の3箇所に前方へ向かって突出する扉枠用フック部1041を備えている。扉用摺動杆1040の扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に扉用摺動杆1040を収納した状態で、コ字状基体1001の開放側から前方に突出するようになっており、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に固定した時に、本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620(図63及び図68等を参照)から前方に突出して、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー165(図18を参照)に係止することができるようになっている。なお、扉枠用フック部1041は、図示するように、下向きの係合爪形状となっており、これにより、扉枠用摺動杆1040を上昇させることで扉枠用フック部1041とフックカバー165との係止状態を解除することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上中下の側面中央に穿設されリベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042と、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端に扉枠用摺動杆1040の面に対して直角方向へ突出したガイド突起1043と、を備えている。この扉用摺動杆1040のリベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が挿通されるようになっていると共に、リベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。なお、通常状態では、リベット用長穴1042の上端部に貫通したリベット1006が当接した状態となっている。また、扉枠用摺動杆1040は、ガイド突起1043が、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成された突片移動穴1056,1064に挿通されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上端部にスプリング1048の一端を係止するスプリングフック部1046が形成されている。このスプリングフック部1046に係止されたスプリング1048の他端は、本体枠用摺動杆1050における上フック部材1051のスプリングフック部1057に係止されており、スプリング1048によって、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されるようになっている。また、扉枠用摺動杆1040は、上下方向の中程に凸状に形成された当接弾性片1047を備えており、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレス成形により打ち出して凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、コ字状基体1001の内側面に当接するようになっており、コ字状基体1001の内部で扉枠用摺動杆1040がガタ付くのを抑制することができるようになっている。
更に、扉枠用摺動杆1040は、下方部分の側面に縦長な遊び穴1044と、上昇係合穴1045と、を備えている。この遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動可能な空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040は、縦辺下部後方に、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きく切欠いた逃げ切欠部1049を備えている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が、確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合するように、扉枠用摺動杆1040が邪魔にならないように該当部分を切欠いたものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、を備えている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されておらず、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。これにより、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができるようになっている。
この本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051は、上端部に後方に向かって形成されたフック部1054と、フック部1054に隣接した板面部に左右方向へ貫通したリベット用長穴1055と、リベット用長穴1055の下方に左右方向へ貫通した突片移動穴1056と、突片移動穴1056の前方の縦辺下端部に形成されたスプリングフック部1057と、スプリングフック部1057の下側に穿設された連結穴1058と、上フック部材1051の上辺及び下辺に形成された当接部1059と、を備えている。この上フック部材1051のフック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に備えられた閉鎖板24に係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。
また、上フック部材1051のこのリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されたリベット用長穴1042に対応する位置に配置されており、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通した通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となり、上フック部材1051が下方へ向かって移動することができるようになっている。上フック部材1051の突片移動穴1056は、扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、上フック部材1051のスプリングフック部1057は、スプリング1048の他端が係止されるようになっている。また、上フック部材1051の連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるようになっている。更に、上フック部材1051の当接部1059は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、上フック部材1051の摺動動作においてガタ付きがなくスムーズに摺動することができるようになっている。
一方、本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052は、下端部から後方に向かって突設されたフック部1065と、下フック部材1052の板面部の上端付近で左右方向へ貫通したリベット用長穴1061と、リベット用長穴1061の下側に配置された下降係合穴1062と、下降係合穴1062の下部後側から下方へ延出した遊び穴1063と、遊び穴1063の下方で下端付近に形成された突片移動穴1064と、下フック部材1052の縦辺上端部の前端側に穿設された連結穴1060と、下フック部材1052の後方の縦辺下部に形成された係合切欠部1066と、下フック部材1052の上辺及び下辺に形成された当接部1067と、を備えている。
この下フック部材1052のフック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に形成された閉鎖板25と係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。また、下フック部材1052のリベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されたリベット用長穴1042と対応する位置に形成されており、このリベット用長穴1061にリベット1006を貫通させた通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となるようになっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。
また、下フック部材1052の下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、下フック部材1052の遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動可能な空間を形成することができるようになっている。また、下フック部材1052の突片移動穴1064は、扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、下フック部材1052の連結穴1060は、連結線杆1053の折り曲げられた下端が挿入されるようになっている。更に、下フック部材1052の当接部1067は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、コ字状基体1001に対して下フック部材1052が摺動動作する際に、ガタ付きがなくスムーズに摺動させることができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の組立てについて説明する。この錠装置1000を組付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を、上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とを、コ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入した後に、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
このリベット1006を挿入する際に、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。なお、最下端のリベット1006を差し込む時には、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。また、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し、且つ、ガイドピン1028を、ピン穴1029に図示しないビスで止着してから、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片1021とバネ係止穴1036とに掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009に、シリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、この時、係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入されると共に、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入された状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
このように、組立てた錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるには、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003を錠取付部625に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と接する側面1001bから水平方向に突設形成される構造とされているので、前方部の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成された場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠ベース600に固定することができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の作用について、図96及び図97を参照して説明する。図96に示すように、本体枠ベース600(本体枠3)が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図96(A)に示すように、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー165とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図96(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。これにより、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065との係止状態が解除され、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図96(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖板24,25の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖板24,25とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻るようになっている。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図96(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー165と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるので、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図96(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているので、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー165の上端部と当接して扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、更に、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー165とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているので、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠を確実に行うことができ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないようになっている。
このように、本実施形態の扉枠3の錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。また、本例の錠装置1000は、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させるような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図97を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態では、図97(A)に示すように、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパ片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパ片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。これにより、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパ片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができないようになっている。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図97(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパ片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。これにより、ストッパ片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。この時、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖板24,25との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じる時には、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているので、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図97(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図97(A)に示す状態となる。これにより、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが、本体枠3を閉じる時に邪魔にならないようになっている。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
このように、本実施形態の錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤4の下端辺よりも下方となる位置としているので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。
また、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるので、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっており、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができないようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を扉用フック穴620や錠係止穴621に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)に強固に固定することができるようになっている。
なお、本例の錠装置1000では、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴611の上部近傍に形成した錠取付部625とを螺着する構造としたものを示しているが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴611の上下に形成する構造としても良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付部625との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)の裏面に、充分に強固に固定することができる。
また、本例の錠装置1000では、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものを示したが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を周壁部605に接しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、周壁部605に接する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としても良く、上述した錠装置1000と同様の作用効果を奏することができる。
上述したように、本例の本体枠3によると、本体枠ベース600の後側に後方(前後方向)へ延出した周壁部710aを有する透明な賞球ベース710と、賞球ベース710の上側に本パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備側から供給された遊技球を貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720から排出された遊技球を整列させ賞球ベースの後壁部710bの後側に取付けられる透明なタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730から放出された遊技球を所定の払出指示に基いて扉枠5の上皿301へ払出し賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる一部が透明の賞球装置740と、本体枠ベース600の後端へ延出した側部904を有し後面がタンクレールユニット730や賞球装置740の後面と略同一面状に配置された透明な裏カバー900とを備えているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して本体枠ベース600の遊技盤保持口601に保持された遊技盤4の後側と後側側面とを視認することができ、遊技盤4の後側を覆う裏カバー900を開けなくても簡単に遊技盤4の後側を点検(目視点検)することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側(後面)だけでなく遊技盤4の後側側面も視認することができるので、本体枠ベース600の遊技盤保持口601へ前側から遊技盤4を脱着した際に、遊技盤4と裏カバー900との間にドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側からは簡単に発見することができ、残留物によって何らかの不具合が発生するのを防止することができる。
更に、上述したように、遊技盤4の後面や後側側面を外側から視認することができるので、遊技盤4の後側や側面等に不正行為を行うための不正な装置や工具等が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができると共に、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置等の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、遊技盤4の後側を賞球ベース710や裏カバー900で覆うようにしているので、遊技機4を設置した島設備内の他の部材が遊技盤4と接触したり、遊技盤4の後側にゴミや埃等の異物が付着したりするのを防止することができ、遊技盤4を良好な状態に維持して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、賞球タンク720の後面が本体枠ベース600の奥行きDに対して、本体枠ベース600の前端から約2倍の奥行きの位置となるようにしている、つまり、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側や後側側面をより見易くすることができ、上記した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、本体枠ベース600を伏せた時の高さを可及的に低くして平坦な形状とすることができ、本体枠ベース600の後側へ賞球ベース710や裏カバー900、タンクレールユニット730、賞球装置740等を取付ける取付作業を行い易くすることができる。
更に、透明な裏カバー900の後面(本体部902)を、賞球ベース710に取付けられた賞球タンク720、タンクレールユニット730、及び賞球装置740等の後面と、略同一面状となるようにしているので、パチンコ機1の後面を略フラットな面とすることができ、後方への突起物を無くすことで設置される島設備内の他の部材に引っ掛かったり当接したりするのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。また、パチンコ機1の後面が略フラットとなるので、パチンコ機1を搬送する際に、単純な形状の緩衝材を用いることができると共に、集積効率(収納効率)を高くすることができ、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
また、裏カバー900に、複数のスリット916や透孔918を備えるようにしており、スリット916等を介して遊技盤4の後側や後側側面等を直接視認することができるので、遊技盤4の後側等を更に見易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600に保持された遊技盤4の後側を裏カバー900で覆っても、裏カバー900のスリット916等を介して遊技盤4からの熱を外部へ放出することができるので、遊技盤4からの熱が蓄積されるのを防止することができ、熱によって遊技に関する制御が不安定になったり、合成樹脂等の部材が変形したりして不具合が発生するのを抑制することができる。更に、裏カバー900のスリット916や透孔918を、遊技球が通過不能な大きさとしているので、例えば、島設備内でパチンコ機1の後側に遊技球がこぼれても、スリット916等を通して遊技球がパチンコ機1内へ侵入するのを阻止することができ、遊技球の侵入によって不具合が発生するのを防止することができる。
[1−4.遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について、図98乃至図105を参照して説明する。図98は、パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。また、図99は、遊技盤の正面図であり、図100は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図101は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図102は、パチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図である。また、図103は、図100等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図104は、図103を後から見た遊技盤の分解斜視図である。また、図105は、図103の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図98乃至図105での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(図108乃至図113等を参照)。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[1−4A.前構成部材]
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、図98等に示すように、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球発射装置650における発射レール660の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間626を落下することとなり、ファール空間626の下部に位置する扉枠5におけるファールカバーユニット540のファール球入口542eに受入れられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠3と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域1100内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片182とでも、本体枠3と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域1100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯版950の内側に取付けられた位置決め部材956と嵌合させることで、遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部608に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690aが挿入されるようになっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に満タン分岐ユニット770の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
[1−4B.遊技パネル]
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図101を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、図示は省略するが、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域1100の最下端に位置するように形成されており、遊技盤4に組立てた状態では、前構成部材1110における遊技領域1100の最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤4の後側へ排出されるようになっている。
[1−4C.基板ホルダ]
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル11520の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図101に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[1−4D.主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1171の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図101等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、四つの封止部1176の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f、周辺制御基板4010や払出制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む試験用端子4100fに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−4E.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図102に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第一始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第一始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第二始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、第二特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部2401の通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2401を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶表示ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2401を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2401を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDからなる2ラウンド表示ランプ1190aと、15ラウンド表示ランプ1190bとを備えており、夫々のランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図102に示すように、遊技盤4をパチンコ機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板1191(図183を参照)の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット300に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
[1−4F.遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図103乃至図105を参照して説明する。なお、図103乃至図105における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したもの同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
この遊技パネル1200パネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、図示しない障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図104に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における裏箱3001のフランジ状の固定部3001a(図112を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3001aがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤4を本体枠3(パチンコ機1)の遊技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱3001における前面のフランジ状に形成された固定部3001aから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図103に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図104を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入保持させると、本体枠3(本体枠ベース600における遊技盤載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、アウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠3に対して遊技盤4が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにしているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100の後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−5.パチンコ機の防犯構造]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図106及び図107を参照して説明する。図106は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。また、図107は、遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。
まず、本例のパチンコ機1における軸支側の防犯構造は、図106に示すように、本体枠3における合成樹脂によって形成された本体枠ベース600の軸支側(正面視で左側)の側面に取付けられる金属製の防犯側面板950と、扉枠5における合成樹脂によって形成された扉枠ベース110の後面に取付けられる金属製の補強ユニット150とによって構成されている。
本体枠3の防犯側面板950は、上述したように、金属(例えば、アルミ合金)製の押出型材によって形成されており、上下方向の寸法が本体枠ベース600の上下方向の寸法と略同じ寸法とされると共に、前後方向の寸法が遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150とを合せた前後方向の寸法よりも大きい寸法とされている。この側面防犯板950は、上下方向へ延びると共に前後方向へ延び本体枠3の側面を形成する板状の側面片952aと、側面片952aの前端から略直角方向内側(開放側)へ延びた前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように側面片952aから前端片952bに沿って延びた中片952cと、側面片952aの後端から略直角方向内側へ延びた後端片952dとを備えている。これにより、防犯側面板950の前端は、前端片952bと中片952cとによって内側(開放側)に開口する断面が略コ字状に形成されている。
また、側面防犯板950(本体952)は、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dにより、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
一方、扉枠5の補強ユニット150は、上述したように、複数の長尺状の金属板をスポット溶接やリベット等を用いて扉枠5における遊技窓101の外周を囲うように枠状に形成したものであり、軸支側の軸支側補強板金152の外側辺には外側(軸支側)に開口した断面が略コ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。この補強ユニット150の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166によって軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。
ところで、本例では、扉枠5が本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなりその隙間を介して不正行為が行われる虞がある。これに対して、本例の防犯構造は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、防犯側面板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952aを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるようになっている。これにより、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bの後面側に当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することができるので、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、本体枠3における金属により形成された防犯側面板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正な工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、防犯性能を高めることができるようになっている。
更に、防犯側面板950における側面片952aの後端が遊技盤4における遊技パネル1150よりも後方へ延出するようにしているので、仮に側面片952aの後端よりも後側の本体枠ベース600が破壊されても、側面片952aの後端から遊技盤4(遊技パネル1150)の前面の遊技領域1100内へピアノ線等の不正な工具を侵入させることができず、不正行為が行われるのを確実に防止することができるようになっている。なお、図106に示すように、防犯側面板950の外側を覆うように外枠2の側枠板12が接しているので、堅牢な側面を有したパチンコ機1となっており、側面側からの破壊行為に対して充分に対抗できるようになっている。また、一般的に、パチンコ機1を設置する遊技ホールでは、パチンコ機1の側面がパチンコ機1を設置するための島設備の枠内に挿入固定されるようになっているので、遊技者側(前側)からは側面片952cの後端よりも後側へ不正工具を侵入させることはほとんど不可能な状態となり、パチンコ機1の防犯性能をより高められた状態となるようになっている。
続いて、本例のパチンコ機1における後方側からの防犯構造としては、図107に示すように、遊技盤4を収容する本体枠3における賞球ベース710、タンクレール731、賞球装置740のユニットベース741、満タン分岐ユニット770、及び裏カバー900が、透明な合成樹脂によって形成されているので、本体枠3内に収容された遊技盤4の後側や側面側を、遊技盤4を本体枠3から取外したり裏カバー900を開けたりしなくても、本体枠3の後側から視認することができるようになっている。これにより、遊技盤4の後側等に不正な装置が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。また、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができるようになっている。
また、本体枠3の後側から遊技盤4の後側や側面側を、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して視認することができるので、メンテナンスや機種の変更を行うために本体枠3に対して遊技盤4を脱着した際、本体枠3と遊技盤4との間に、ドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から簡単に発見することができ、それらによって何らかの不具合が発生するのを防止することができるようになっていると共に、パチンコ機1に対するメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図108乃至図113を参照して説明する。図108は遊技盤の正面図であり、図109は遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図110は遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。図111は遊技盤を斜め後から見た斜視図である。更に、図112は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図113は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画形成する枠状の前構成部材1110と、前構成部材1110の正面視右下隅部でパチンコ機1へ取付けた時に扉枠5の遊技窓101から遊技者側へ視認可能となる位置に配置された機能表示ユニット1180と、前構成部材1110の後側に遊技領域1100を閉鎖するように取付けられ遊技領域1100と対応する位置に所定形状で前後方向へ貫通した複数の開口部1158(図112を参照)を有し遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、を備えている。
また、遊技盤4は、遊技パネル1150の開口部1158に対して前側から取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1900と、裏ユニットの下部を後側から覆うように遊技パネル1150の後面下部に取付けられる基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
本例の遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の下部でアウト口1151の上側に配置されたアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左側で遊技領域1100の外周に沿って配置されたサイド入賞口部材2200と、サイド入賞口部材2200の上側で遊技領域1100の外周に沿って配置されたサイド誘導部材2300と、サイド誘導部材2300の上側で遊技領域1100内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置されたゲート部材2400と、遊技領域1100の略中央部分に配置された枠状のセンター役物2500と、を備えている。
また、遊技盤4における裏ユニット3000は、前側が開放された箱状の裏箱3001と、裏箱3001内の前面付近に取付けられ表ユニット2000からの遊技球を下方へ誘導する球誘導ユニット3100と、裏箱3001内の左側で前面付近に取付けられる裏左可動演出ユニット3200と、裏箱3001内の上側で左右の略中央に取付けられる裏上中可動演出ユニット3300と、裏上中可動演出ユニット3300の左右両側に取付けられる裏上サイド可動演出ユニット3400と、球誘導ユニット3100及び裏左可動演出ユニット3200と裏箱3001の後壁3001bとの間で下側に取付けられる裏下可動演出ユニット3500と、裏下可動演出ユニット3500と裏箱3001の後壁3001bとの間に取付けられる裏右可動演出ユニット3600と、を備えている。
この裏ユニット3000における裏箱3001には、後壁3001bに前後方向へ貫通した略矩形状の開口3001cを有しており、この開口3001cから表示画面が前方(遊技者側)へ臨むように、液晶表示装置1900が裏箱3001の後壁3001bの後側に脱着可能に取付けられている。
更に、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側には、詳細は後述するが、周辺制御部4140及び液晶制御部4150からなる周辺制御基板4010を収容した周辺制御基板ボックス1910が備えられている。
[2−1.表ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の表ユニット2000について、図114及び図115を参照して説明する。図114は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、図115は遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の左右方向略中央下部でアウト口1151の上側に配置され遊技パネル1150の前面に支持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左側で遊技領域1100の外周に沿って配置され遊技パネル1150の前面に支持されるサイド入賞口部材2200と、サイド入賞口部材2200の上側に配置され遊技領域1100の外周に沿って上下方向の中央付近まで延びたサイド誘導部材2300と、サイド誘導部材2300の上側で遊技領域1100内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置され遊技パネル1150の前面に支持されるゲート部材2400と、遊技領域1100の略中央部分に配置され遊技パネル1150に支持される枠状のセンター役物2500と、を備えている。
この表ユニット2000のアタッカユニット2100には、遊技球が常時受入可能とされた第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置されゲート部材2400におけるゲート部2401を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選される特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる大入賞口2103と、を備えている。
また、表ユニット2000のサイド入賞口部材2200には、遊技球が常時受入可能とされた一般入賞口2201を備えている。なお、本例では、サイド入賞口部材2200に、四つの一般入賞口2201が備えられている。更に、表ユニット2000のゲート部材2400には、遊技球が一つの通過可能なゲート部2401を備えている。
また、表ユニット2000のセンター役物2500には、遊技パネル1150の前面と当接するフランジ部2502と、遊技領域1100内を流下してきた遊技球が枠内へ侵入するのを阻止する周壁部2503と、周壁部2503の所定位置に開口するワープ入口2504と、ワープ入口2504に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後に遊技領域1100内へ放出して還流させるステージ2510と、が備えられている。
更に、表ユニット2000のセンター役物2500は、センター役物2500の略全体を装飾するセンター装飾部材2520と、センター装飾部材2520の後側を支持しする枠状のベース部材2530と、ベース部材2530の右枠後側に取付けられる右枠後装飾部材2540と、ベース部材2530の左枠後側に取付けられるワープ通路部材2550と、ベース部材2530の右下前側に取付けられる右下可動案内ユニット2560と、ベース部材2530の上枠後側に取付けられる上枠可動装飾ユニット2580と、ベース部材2530の下枠後側に取付けられるステージ背後装飾部材2600と、を備えている。なお、詳細は後述するが、センター役物2500のステージ背後装飾部材2600には、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を夫々表示することができるようになっている。
[2−2.アタッカユニット]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のアタッカユニット2100について、図116乃至図118参照して説明する。図116はアタッカユニットを前から見た斜視図であり、図117はアタッカユニットを後から見た斜視図である。また、図118は、アタッカユニットを後下から見た斜視図である。
本例の表ユニット2000における遊技盤4のアタッカユニット2100は、遊技パネル1150における左右方向中央の下部に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有しており、具体的には、左右方向の略中央に配置された第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第一始動口2101や第二始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた矩形状の大入賞口2103と、を備えている。
このアタッカユニット2100の第一始動口2101は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。一方、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102は、図示するように、第二始動口2102の左右両側に略直立状態で配置された一対の羽根状の可動片2105によって第一始動口2101との間が閉鎖された状態となっており、図示の状態では遊技球が第二始動口2102へ受入不能な状態となっている。この第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105は、下端側が回動可能に軸支されており、上端側を互いに離反する方向へ回動させて拡開させることで、第二始動口2102へ遊技球が受入可能な状態となるようになっている。つまり、第二始動口2102は、一対の可動片2105により可変入賞口となっている。
また、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2106によって開閉可能とされている。この開閉部材2106は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口2103を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。つまり、大入賞口2103は、開閉部材2106により可変入賞口となっている。
このアタッカユニット2100は、第一始動口2101の左右方向の幅が遊技球の外形より若干大きい幅とされ、遊技球が一つずつ受入れられるような大きさ(幅)となっている。また、アタッカユニット2100の第二始動口2102は、一対の可動片2105の上端同士が互いに離反する方向へ回動させて拡開させた時の左右方向の幅が、遊技球の外形の3倍〜5倍の幅とされている。更に、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、開閉部材2106を開状態とした時の左右方向の幅が、遊技球の外形の5倍〜8倍の幅とされている。これにより、各入賞口2101,2102,2103が受入可能となった状態では、下側の入賞口ほど遊技球が受入れられ易くなるようになっている。
本例のアタッカユニット2100は、更に詳述すると、遊技パネル1150の前面に取付けられ、左右方向中央に第一始動口2101及び大入賞口2103を有し、第二始動口2102、及び一般入賞口2104を形成可能な板状の台板2110と、台板2110における第一始動口2101の下側前面に取付けられ一対の可動片2105を回動可能に軸支すると共に第二始動口2102を形成し上側及び後側が開放された中央受部材2111と、台板2110の後側に取付けられ、大入賞口2103を開閉する開閉部材2106を回動可能に軸支すると共に、一対の可動片2105及び開閉部材2106を回動駆動させるアタッカ駆動ユニット2120と、を備えている。
アタッカユニット2100の台板2110は、左右方向へ延びた板状に形成されており、表面に浅いレリーフ状の装飾が施されている。この台板2110は、第二始動口2102と対応した位置に前後方向へ貫通する開口2110aを有している。また、台板2110は、第一始動口2101から後方へ延出し遊技球を誘導可能な樋部2110bを備えている。
アタッカユニット2000における台板2110の前面に取付けられる中央受部材2110は、前面にパチンコ機1のコンセプトに沿った所定のロゴがレリーフ状に施されている。なお、詳細な図示は省略するが、この中央受部材2110は、台板2110における開口2110aの左右の幅よりも広い間隔で前板の後面から後方へ延出した一対の軸部を備えており、これら軸部によって可動片2105を回動可能に軸支することができるようになっている。
更に、アタッカユニット2100におけるアタッカ駆動ユニット2120は、第二始動口2102を開閉する一対の可動片2105を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2121と、始動口ソレノイド2121を支持し台板2110の後側に取付けられる始動口駆動機構ベース2123と、大入賞口2103を閉鎖する開閉部材2106を開閉駆動させるためのアタッカソレノイド2124と、アタッカソレノイド2124を支持すると共に開閉部材2106を回動可能に軸支し、始動口駆動機構ベース2123の下側で台板2110の後側に取付けられるアタッカ駆動機構ベース2126と、アタッカ駆動機構ベース2126の所定位置に支持され第二始動口2102に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2127と、第二始動口センサ2127とは異なる位置に支持され大入賞口2103に受入れられた遊技球を検知するカウントセンサ2128と、アタッカ駆動機構ベース2126の上面に支持され始動口ソレノイド2121、アタッカソレノイド2124、第二始動口センサ2127、及びカウントセンサ2128と主制御基板4100との接続を中継するためのアタッカユニット中継基板2130と、を備えている。
始動口ソレノイド2121は、図示は省略するが、通電によって進退可能とされると共にコイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャを有しており、第一始動口2101の下側で第二始動口2102の後方位置に、プランジャが前方へ向かって突出するように始動口駆動機構ベース2123に支持されている。本例のアタッカユニット2100は、始動口ソレノイド2121へ通電すると、始動口ソレノイド2121のプランジャがコイルバネの付勢力に抗して後退し、プランジャの先端と係合した伝達部材を介して一対の可動片2105の上端同士が互いに離反した方向へ回動するようになっており、第二始動口2102が開状態となるようなっている。
また、始動口駆動機構ベース2123は、始動口ソレノイド2121を前側から収容支持することができるように箱状に形成されていると共に、上面に第一始動口2101へ受入れられて台板2110の樋部2110bを流通した遊技球を正面視で右方向へ誘導する第一誘導部2123aと、始動口ソレノイド2121を支持する部位よりも下側に形成され第二始動口2102へ受入れられた遊技球を下方へ遊動する第二誘導部(詳細な図示は省略する)と、を備えている。
アタッカ駆動ユニット2120におけるアタッカソレノイド2124は、図示は省略するが、始動口ソレノイド2121と同様に、通電によって進退可能とされると共に、コイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャを有している。本例のアタッカユニット2100は、アタッカソレノイド2124に通電すると、アタッカソレノイド2124のプランジャが没入し、プランジャの先端に係合された伝達部材を介して開閉部材2106の上端が相対的に前方へ移動するように回動するようになっており、大入賞口2103が開状態となるようになっている。
本例のアタッカユニット2100は、第一始動口2101及び一般入賞口2104が常時遊技球を受入可能な状態となっている。一方、第二始動口2102では、後述するゲート部材2400において遊技球がゲート部2401を通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2121が通電駆動されることで一対の可動片2105が拡開して受入可能となるようになっている。また、大入賞口2103では、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(例えば、特別抽選結果が「大当り」の時に)、アタッカソレノイド2124が通電駆動されることで開閉部材2106が所定パターンで開閉して受入可能となるようになっている。
また、アタッカユニット2100は、図示は省略するが、アタッカ駆動機構ベース2126の下部に支持され上面に複数のLEDが実装された第一大入賞口装飾基板を備えており、大入賞口2103内を発光装飾させることができるようになっている。
また、アタッカユニット2100では、第一始動口2101へ受入れられた遊技球は、後述する、裏ユニット3000の球誘導ユニット3100のにおける右球誘導部材3106の右球排出通路3106bへ送られるようになっている。また、第二始動口2102へ受入れられた遊技球は、アタッカ駆動機構ベース2126に支持された第二始動口センサ2127により検知された後に下方へ排出されるようになっている。更に、大入賞口2103へ受入れられた遊技球は、カウントセンサ2128により検知された後に下方へ排出されるようになっている。
本実施形態のアタッカユニット2100は、アタッカソレノイド2124を、プランジャ2124aの進退方向が左右方向となるように配置すると共に、アタッカソレノイド2124を可及的に開閉部材2106へ近付けた位置に配置するようにしているので、アタッカユニット2100における前後方向の寸法を、従来品と比較して、5〜30%短くすることができ、アタッカユニット2100の後方空間をより広く確保することができるようになっている。
[2−3.サイド入賞口部材]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のサイド入賞口部材2200について、主に図119乃至図121を参照して説明する。図119はサイド入賞口部材を斜め右前から見た斜視図であり、図120はサイド入賞口部材を斜め左前から見た斜視図である。また、図121は、サイド入賞口部材を後から見た斜視図である。
遊技盤4におけるサイド入賞口部材2200は、遊技パネル1150における左右方向中央から左寄りの下部で、アタッカユニット2100が挿入固定される開口部1158よりも左側に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものであり、遊技領域1100の内周に沿うように形成されている。このサイド入賞口部材2200は、斜め上方へ向かって開口し遊技球を常時受入可能とされた四つの一般入賞口2201を備えており、四つの一般入賞口2201が、二つずつ互いに背向するように配置されている。
また、本例のサイド入賞口部材2200は、更に詳述すると、遊技パネル1150の前面に取付けられ各一般入賞口2201と対応した位置に形成された球通過孔2210aを有すると共に前面に透光性を備えたレリーフ状の装飾を有する板状の本体ベース2210と、本体ベース2210における球通過孔2210aの前側に取付けられ一対の一般入賞口2201を背向した状態で形成する二つの受入口部材2211と、二つの受入口部材2211の前端同士を結ぶと共に本体ベース2210の前面との間で遊技球が通過可能な隙間を形成する板状の前飾り2212と、本体ベース2210の後側に配置される透光性を有したレンズ部材2213と、レンズ部材2213の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたサイド入賞口装飾基板2214と、サイド入賞口装飾基板2214の後側を覆う基板カバー2215と、を備えている。
サイド入賞口部材2200における本体ベース2210は、各球通過口2210aから後方へ延出し球通過口2210aを通過した遊技球を後側へ誘導する樋部2210bをさらに備えている。また、受入口部材2210は、前面に所定の装飾が施されていると共に、背向配置された一対の一般入賞口2201の上側に右側が低くなった短い棚部2211aを備えており、棚部2211aに落下した遊技球を右方向へ誘導することができるようになっている。更に、レンズ部材2213は、詳細な図示は省略するが、プリズム状のレンズを複数備えており、サイド入賞口装飾基板2214のLEDからの光をキラキラと多方向へ拡散させることができるようになっている。
このサイド入賞口部材2200は、サイド入賞口装飾基板2214のLEDを発光させることで、本体ベース2210(サイド入賞口部材2200)を発光装飾させることができるようになっている。
[2−4.サイド誘導部材]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のサイド誘導部材2300について、主に図114及び図115を参照して説明する。遊技盤4におけるサイド誘導部材2300は、遊技パネル1150における左右方向中央よりも左側で上下方向中央から下寄りの位置でサイド入賞口部材2200が挿入固定される開口部1158よりも上側に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものである。
本例のサイド誘導部材2300は、遊技パネル1150の前面に取付けられ上下方向の中央よりも下寄りの位置に前方へ突出し右端が低くなった棚部2301aを有すると共に透光性を備えたレリーフ状の装飾を有した略板状の本体部2301と、本体部2301の後側に配置され透光性を有したレンズ部材2302と、レンズ部材2302の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたサイド誘導装飾基板2304と、サイド誘導装飾基板2304の後側を被覆する基板カバー2305と、を備えている。
このサイド誘導部材2300は、棚部2301aにより、遊技領域1100の左端に沿って流下してきた遊技球を右方向へ誘導することができるようになっている。また、図示は省略するが、レンズ部材2302には、プリズム状のレンズを複数備えており、サイド誘導装飾基板2303のLEDからの光をキラキラと多方向へ拡散させることができるようになっている。このサイド誘導部材2300は、サイド誘導装飾基板2304のLEDを発光させることで、本体部2301を発光装飾させることができるようになっている。
[2−5.ゲート部材]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のゲート部材2400について、主に図114及び図115等を参照して説明する。遊技盤4におけるゲート部材2400は、遊技パネル1150における左右方向中央よりも左側で上下方向中央からやや上寄りの位置に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものである。このゲート部材2200は、遊技球が一つのみ通過可能な幅のゲート部2401を有しており、このゲート部2401内に配置されたゲートセンサ2402によりゲート部2401を通過した遊技球を検出することができるようになっている。
なお、本例のゲート部材2400は、従来のゲート部材と比較して、前後方向の長さが短く形成されており、遊技パネル1150の前面よりも後側の部分が、遊技パネル1150の厚さ内に収まるようになっている。つまり、遊技パネル1150の後面からはゲートセンサ2402に接続された配線コードのみが延びだすようになっている。
[2−6.センター役物]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図122乃至図126を参照して説明する。図122はセンター役物の正面図であり、図123はセンター役物を前から見た斜視図であり、図124はセンター役物を後から見た斜視図である。また、図125はセンター役物を主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図126はセンター役物を主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本例のセンター役物2500は、板状の遊技パネル1150の略中央を貫通するように大きく形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域1100の大半を占める大きさの枠状で前後方向へ貫通した大きな窓部2501を備えている。なお、センター役物2500における窓部2501は、遊技領域1100(遊技パネル1150)の高さの約0.35倍の高さとされている。
このセンター役物2500は、上枠外周の形状が、正面視で左右方向の略中央から左側では、急な角度で直線状に傾斜して所定量下がった上で、更に、左側へ向かうに従って緩やか傾斜した複数の段形状とされている。一方、センター役物2500の上枠における右側の外周形状は、遊技領域1100の内周に略沿った湾曲形状(円弧形状)とされている。
また、センター役物2500は、左枠の外周形状が、下方へ垂下した略直線状に形成されていると共に、右枠の外周形状が、湾曲状の上部と連続すると共に左枠よりも下方へ延出し遊技領域1100の内周に略沿った円弧形状とされている。更に、センター役物2500は、下枠の形状が、左枠の下端から左右方向中央が最も低くなるような緩やかな湾曲状に形成されていると共に、左端から全体の約3/4の位置から右枠の下端へ向かって円弧状に垂下した形状とされている。
このセンター役物2500は、上枠右側の外周と右枠の外周とが、上述したように、遊技領域1100の内周に略沿った形状とされており、遊技パネル1150に取付けた状態では、センター役物2500の右側の外周に、遊技球の外形よりも若干大きい隙間が形成されるようになっている。また、センター役物2500は、上枠左側と左枠と下枠とが上述したような形状とされており、遊技パネル1150に取付けた状態では、センター役物2500の左側の外周に、遊技領域1100の内周との間で所定幅の領域が形成されるようになっている。
このセンター役物2500は、遊技パネル1150の前面と当接する板状のフランジ部2502と、フランジ部2502から前方へ膨出し左右方向の略中央を境として遊技領域1100内を流下してきた遊技球を左右へ誘導すると共に枠内への遊技球の侵入を阻止する周壁部2503と、センター役物2500は、遊技パネル1150の前側に位置する周壁部2503の左側の外周面に開口し遊技領域1100を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2504(図110を参照)と、ワープ入口2504に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2100の上側の遊技領域1100内へ放出して還流させ窓部2501の下内縁の下側に配置されたステージ2510と、を備えている。
このセンター役物2500におけるステージ2510は、詳細な説明は後述するが、ワープ出口2505から放出された遊技球が供給される第一ステージ2511と、第一ステージ2511の直下に配置され第一ステージ2511から遊技球が供給されると共に遊技領域1100内へ遊技球を放出可能とされた第二ステージ2512と、を備えている。この第一ステージ2511は、全体的に左右方向の両端が高くなるような湾曲形状とされていると共に、遊技領域1100の左右方向の略中心が若干高くなるような波状に形成されている。また、第二ステージ2512は、遊技領域1100の左右方向の略中心が低くなるような湾曲面状に形成されている。
センター役物2500のステージ2510には、第一ステージ2511における遊技領域1100の左右方向略中央の後側に前方へ向かって開口し遊技球が進入可能なチャンス入口2513と、チャンス入口2513へ進入した遊技球が放出され第二ステージ2512の下側でチャンス入口2513の直下に配置され前方へ向かって開口したチャンス出口2514と、を備えている。このチャンス入口2513チャンス入口2513へ進入した遊技球は、チャンス出口2514から遊技領域1100内へ放出されるようになっている。また、このチャンス出口2514は、図108等に示するように、アタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に配置されており、チャンス出口2514から放出された遊技球は、高い確率で第一始動口2101へ受入れられる(入賞する)ようになっている。
更に詳述すると、本例のセンター役物2500は、周壁部2503とワープ入口2504及びチャンス出口2514を有すると共にセンター役物2500の略全体を装飾し立体的に形成されたセンター装飾部材2520と、センター装飾部材2520の後側を支持しフランジ部2502と第一ステージ2511及び第二ステージ2512を有した枠状のベース部材2530と、ベース部材2530の右枠後側に支持される右枠後装飾部材2540と、ベース部材2530の左枠後側に支持されワープ出口2505を有したワープ通路部材2550と、ベース部材2530の右下前側に支持される半円形状の右下可動案内ユニット2560と、ベース部材2530の上枠後側に支持される横長の上枠可動装飾ユニット2580と、ベース部材2530の下枠後側に支持されチャンス入口2513を有したステージ背後装飾部材2600と、を備えている。
また、センター役物2500は、センター装飾部材2520やステージ2510等を発光装飾させるための装飾基板を複数備えている。具体的には、センター役物2500は、センター装飾部材2520の後側で右下可動案内ユニット2560の右側面に沿ってベース部材2530の前側に支持される円弧状の右サイド下装飾基板2611と、センター装飾部材2520の後側でベース部材2530の左下前側に支持されるセンター左下装飾基板2612と、を備えている。
更に、センター役物2500は、ベース部材2530の右下後側で右下可動案内ユニット2560よりも上側に支持され枠に沿って略L字状に形成された右サイド中装飾基板2613と、右サイド中装飾基板2613の上側に連続するように円弧状に形成されベース部材2530の後側に支持される右サイド上装飾基板2614と、ベース部材2530の左枠後側に支持され上下方向へ延びたセンター左装飾基板2615と、ベース部材2530の上枠後側で上枠可動装飾ユニット2580よりも上側に支持され左右方向へ延びた上装飾基板2616と、を備えている。また、センター役物2500は、ベース部材2530の下枠後側でステージ2510の下側に支持されるステージ右装飾基板2617及びステージ左装飾基板2618を、更に備えている。
[2−6A.センター装飾部材]
次に、センター役物2500におけるセンター装飾部材2520について、主に図125及び図126を参照して説明する。このセンター役物2500におけるセンター装飾部材2520は、複数の装飾部材によって枠状に形成されており、窓部2501の一部を形成することができるようになっていると共に、正面視右下に右下可動案内ユニット2560が臨むことが可能な略半円形状の右下窓部2521を形成することができるようになっている。本例のセンター装飾部材2520を構成する各装飾部材は、渦巻く波をモチーフに線状に造形し表面に所定色(ここでは、金色)の金属光沢を有したレリーフ部材2520aと、レリーフ部材2520aの後側に配置され透光性を有するレンズ部材2520bと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、レンズ部材2520bは、表面に凹凸のある流線模様が施されていると共に、流線模様に沿って無色透明部と有色透明部(ここでは、青色透明部)とが適宜配置されており、水の流れが表現されている。
また、センター装飾部材2520は、周壁部2503、ワープ入口2504及びチャンス出口2514の他に、上枠可動装飾ユニット2580よりも上側の位置となる正面視中央の上部に配置されアーチ状の天窓を模した中央上部装飾部2522と、中央上部装飾部2522の後側に取付けられ前面にLEDが実装された中央上部装飾基板2523と、ステージ2510の下側の位置となる正面視中央の下部に配置され唐草と波をモチーフとした装飾を有し前後方向へ貫通したチャンス出口2514が形成された板状の中央下部装飾部2524と、を備えている。中央上部装飾部2522は、全体が乳白色の部材で形成されており、表面に金属光沢(ここでは、金色)を有したメッキ層によって所定の装飾が施されている。また、中央下部装飾部2524は、全体が金属光沢(ここでは、金色)を有したメッキ層に覆われており、後側が見えないようになっている。
更に、センター装飾部材2520は、中央上部装飾部2522の下側に、下方が開放された横長矩形状の凹部2525を備えており、詳細は後述するが、この凹部2525内に上枠可動装飾ユニット2580の上枠可動装飾体2581が配置されると共に、凹部2525の後端が上枠可動装飾ユニット2580の上枠可動装飾体駆動機構2582の前面によって閉鎖されるようになっている。
また、センター装飾部材2520は、周壁部2503における右下窓部2521に沿った部位の後端から右下窓部2521とは反対側の外方へ延出し遊技パネル1150の前面と当接可能なフランジ部2526と、周壁部2503の前端側からフランジ部2526と対抗するように外方へ延出する板状の延出片2527と、を備えている。このフランジ部2526における延出片2527と対向した位置に遊技領域1100の中央を中心として放射状に延びた複数の突起2526aが形成されている(図123を参照)。また、図示は省略するが、延出片2527におけるフランジ部2526と対向した面にも突起2526aと互い違いになる位置に放射状に延びた突起が形成されている。これにより、周壁部2503に沿って流下してきた遊技球が突起2526a等に当接することで、遊技球の速度を減速させることができ、遊技領域1100の右側内周に沿って流下した遊技球が勢い良くアタッカユニット2100、サイド入賞口部材2200、アウト口1151等に当ってそれらが破損してしまうのを防止することができるようになっている。
本例のセンター役物2500は、センター装飾部材2520における中央上部装飾部2522の後側に中央上部装飾基板2523が位置するようになっており、中央上部装飾基板2523の前面に実装されたLEDを発光させることで、中央上部装飾部2522を適宜発光装飾させることができるようになっている。また、センター役物2500は、センター装飾部材2520におけるレンズ部材2520bの後側に、右サイド下装飾基板2611、センター左下装飾基板2612、右サイド中装飾基板2613、右サイド上装飾基板2614、センター左装飾基板2615、及び上装飾基板2616が位置するようになっており、各装飾基板に実装されたLEDを適宜発光させることで、センター装飾部材2520を発光装飾させることができるようになっている。
[2−6B.センター役物のベース部材]
次に、センター役物2500におけるベース部材2530について、主に図125及び図126を参照して説明する。このセンター役物2500のベース部材2530は、遊技パネル1150の前面に取付けられる枠状のベース本体2531と、ベース本体2531の枠内下縁に取付けられ第一ステージ2511を有した第一ステージ部材2532と、第一ステージ部材2532の下側でベース本体2531に取付けられ第二ステージ2512を有した第二ステージ部材2533と、ベース本体2531の外周の所定位置に取付けられ前面に装飾が施された板状の装飾部材2534と、を備えている。
ベース部材2531におけるベース本体2531は、ワープ入口2504へ進入した遊技球が通過可能な前後方向へ貫通した球通過孔2531aと、チャンス入口2513へ進入しステージ背後装飾部材2600によって下方へ誘導された遊技球をチャンス出口2514へ案内する球案内通路2531bと、右下可動案内ユニット2560を収容固定する凹状の取付部2531cと、を備えている。
このベース本体2531は、全体が略無色透明な部材により形成されており、後側に右サイド中装飾基板2613、右サイド上装飾基板2614、センター左装飾基板2615、及び上装飾基板2616が配置される後面にはプリズム状のレンズ部が複数形成されており、各装飾基板のLEDからの光を拡散させるとともに、センター装飾部材2520の透明なレンズ部材2520bを通して後側が見え難くなるようになっている。
ベース部材2530における第一ステージ部材2532及び第二ステージ部材2533は、夫々透明な部材によって形成されている。また、ベース部材2530における装飾部材2534は、不透明な部材によって形成されており、ベース本体2531の前面に取付けることで、ベース本体2531の外周から延出した部位が遊技パネル1150の前面と当接するフランジ部2502となるようになっている。
[2−6C.右枠後装飾部材]
次に、センター役物2500における右枠後装飾部材2540について、主に図125及び図126を参照して説明する。このセンター役物2500の右枠後装飾部材2540は、左側面側がセンター役物2500の窓部2501における左内縁を形成するようになっており、窓部2501の中心側(左側)へ向けて配置され金属光沢(ここでは、金色)を有した線状のレリーフ部材2541と、レリーフ部材2541の右側に配置され透光性を有したレンズ部材2542と、レンズ部材2542の右側に配置されたレンズ部材2542側へ光を照射可能なLEDが複数実装された右枠後装飾基板2543と、右枠後装飾基板2543の右側に配置されると共にレリーフ部材2541、レンズ部材2542及び右枠後装飾基板2543を支持しベース部材2530の後側に取付けられる湾曲状の取付ベース2544と、を備えている。
右枠後装飾部材2540のレリーフ部材2541は、詳細な図示は省略するが、ハート形状の開口を上下方向に複数備えた形態とされている。また、右枠後装飾部材2540のレンズ部材2542は、全体が透明な部材で構成されており、レリーフ部材2541におけるハート形状の開口と対応した部位が、磨りガラス状に形成されていると共に、その他の部位が、無色透明な部位と有色透明な部位とで形成され裏側(レリーフ部材2541とは反対側)にプリズム状のレンズ部が複数形成されている。この右枠後装飾部材2540は、右枠後装飾基板2543に実装されたLEDを適宜発光させることで全体を発光装飾させることができるようになっている。
[2−6D.ワープ通路部材]
次に、センター役物2500におけるワープ通路部材2550について、主に図125及び図126を参照して説明する。このセンター役物2500のワープ通路部材2550は、ワープ入口2504へ進入しベース部材2530におけるベース本体2531の球通過孔2531aを通過した遊技球を下方へ案内し後側が開放された通路本体2551と、通路本体2551の後側を閉鎖しベース部材2530の後側に取付けられる板状の通路カバー2552と、を備えている。ワープ通路部材2550の通路本体2551は、無色透明の一部が有色透明(ここでは、青色)とされた透明な部材により形成されており、案内する遊技球が外部から視認できるようになっている。また、通路本体2551の上端には、ベース部材2530におけるベース本体2531の球通過孔2531aの後側と対向する開口2551aが形成されていると共に、下端にワープ出口2505が形成されている。なお、通路カバー2552は、無色透明な部材によって形成されている。
[2−6E.右下可動案内ユニット]
次に、センター役物2500における右下可動案内ユニット2560について、図127乃至図132を参照して説明する。図127はセンター役物における右下可動案内ユニットの正面図であり、図128は右下可動案内ユニットを前から見た斜視図である。また、図129は右下可動案内ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図130は右下可動案内ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図131は、図127における右下可動案内ユニットをA−A線で切断して示す断面図である。また、図132は、右下可動案内ユニットを右下可動装飾基板と共に示す正面図である。
本例の右下可動案内ユニット2560は、正面視の外観が船舶に備えられた伝令機を模した形態とされており、後方へ延出した軸部2561a及び軸部2561aを中心に正面視の外形が扇状で前後方向へ貫通した案内窓2561bを有する枠状の可動枠2561と、可動枠2561の後側に配置されると共に可動枠2561の軸部2561aを軸心とした略半円形状に形成され可動枠2561の案内窓2561bと略同じ大きさの案内部2562aが周方向に複数列設された案内盤2562と、案内盤2562の後側を支持し各案内部2562aと対応する位置に前後方向へ貫通した複数の区画窓2563aを有するベース部材2563と、ベース部材2563の後側に取付けられると共に回転軸に可動枠2561の軸部2561aが取付けられ可動枠2561を回動駆動させる可動枠駆動モータ2564と、を備えている。
右下可動案内ユニット2560の可動枠2561は、案内窓2561bの半径方向外側に配置され前後方向へ貫通した円弧状の外窓2561cと、外窓2561cと案内窓2561bとの間に配置され外形が六角形状とされた透光性を有するレンズ部2561dと、を更に有している。この右下可動案内ユニット2560は、枠状の部位の表面全体に金属光沢(ここでは、銀色)を有したメッキ層が形成されている。また、可動枠2561におけるレンズ部2561dは、前面側が凸型の曲面状に形成されていると共に、後面側が複数のプリズム状に形成されている。
右下可動案内ユニット2560の案内盤2562は、全体が透光性を有した乳白色の部材で形成されており、複数の案内部2562aよりも半径方向外側が外方へ向かうに従って後方へ延出した円錐状に形成されている。この案内盤2562の前面には、可動枠2561の案内窓2561bと同形状で同じ大きさの案内部2562aが複数(ここでは、四つ)周方向に列設されており、下側から「SLOW」「HALF」「FULL」「SOS」の文字が白抜きの状態(黒の縁取りをした状態)で案内表示されている。また、案内盤2562は、各案内部2562aにおける軸心から遠ざかった周方向へ延びた外縁の略中央に可動枠2561のレンズ部2561dよりも小さく前後方向へ貫通した六角形状の透光部2562bを有している。
右下可動案内ユニット2560のベース部材2563は、案内盤2562の案内部2562aと夫々対応した各区画窓2563aの周壁が、図129等に示すように、後方へ延出した板状に形成されており、右下可動装飾基板2565における所定の案内部2562aと対応したLED2565aが他の案内部2562a等を照射して発光装飾(発光案内)させてしまうのを防止することができるようになっている。
また、右下可動案内ユニット2560は、ベース部材2563の後側に配置され、案内盤2562における各案内部2562aと対応したLED2565aと、各透光部2562bと対応したLED2565bと、案内部2562aよりも半径方向外側に配置されたLED2565cと、が前面に複数実装された扇状の右下可動装飾基板2565を、更に備えている(図132等を参照)。この右下可動装飾基板2565は、各LED2565a,2565b,2565cを適宜発光させることで、案内盤2562の各案内部2562aや透光部2562b等を夫々独立して発光装飾させることができるようになっている。また、本例では、「SOS」の案内部2562aと対応した透光部2562bの後側に配置されたLED2565bが、超高輝度LEDとされており、閃光を発することができるようになっている。
また、右下可動案内ユニット2560は、案内盤2562とベース部材2563との間で案内盤2562における案内部2562aよりも半径方向外側の位置に配置され、右下可動装飾基板2565のLED2565bからの光を前方へ案内し前端が案内盤2562の透光部2562bへ挿入される導光部2566aを有した複数のレンズ部材2566を、備えている。
更に、右下可動案内ユニット2560は、可動枠2561における軸部2561aの後端に固定され軸心に対して直角方向へ延出した検知片2567aを有する検知部材2567と、ベース部材2563の所定位置に取付けられ検知部材2567の検知片2567aを検知する可動枠位置検知センサ2568と、を備えている。この可動枠位置検知センサ2568によって検知片2567aを検知することで、可動枠2561が最も下側の「SLOW」の案内部2562aに位置したことを検知することができるようになっている。
なお、図中、符号2569は、案内盤2562の外周に配置されベース部材2563の前面に取付けられる円弧状の飾り部材であり、表面に金属光沢(ここでは、銀色)を有したメッキ層が形成されている。
本例の右下可動案内ユニット2560は、可動枠駆動モータ2564によって可動枠2561を所定角度範囲内で回動させることができるようになっており、可動枠2561の案内窓2561bが、案内盤2562の「SLOW」「HALF」「FULL」「SOS」の文字が書かれた各案内部2562aと正面視で一致するように、可動枠2561が回動・停止するようになっている。また、右下可動案内ユニット2560は、可動枠2561を回動させて、案内窓2561bを案内盤2562の案内部2562aと一致させると、可動枠2561のレンズ部2561dが、案内盤2562の透光部2562bと一致するようになっている。
この右下可動案内ユニット2560は、遊技状態(例えば、始動入賞により抽選された特別抽選結果)に応じて、所定の文字が書かれた案内部2562aと対応した右下可動装飾基板2565のLED2565aを発光させると共に、その発光する案内部2562aの位置へ可動枠2561を回動させて、遊技者に対してチャンスの到来等の予告演出を行うことができるようになっている。
また、右下可動案内ユニット2560では、案内部2562aを発光させる際に、その案内部2562aと対応する透光部2562bの後側に配置されたLED2565bを、発光させるようにしている。このLED2565bからの光は、レンズ部材2566の導光部2566aによって前方へ導かれ、案内盤2562の該当する透光部2562bを通って前方へ照射されると共に、更に、透光部2562bの前側に位置した可動枠2561のレンズ部2561dによって前方側(遊技者側)へ広く拡散されるようになっている(図131を参照)。これにより、遊技者に対してLED2562aの発光(可動枠2561におけるレンズ部2561dの発光)を気付かせ易くすることができ、遊技者の視線を遊技領域1100の右端に配置された右下可動演出案内部材2560へ向けさせることができるので、可動枠2561の案内窓2561bと案内部2562aの発光とによる案内を認識させて、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができるようになっている。
このように、本例の右下可動案内ユニット2560は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102へ受入れられて特別抽選結果が抽選されると、その抽選された特別抽選結果に応じて遊技領域1100内の右下隅に配置されたセンター役物2500の右下可動案内ユニット2560における案内盤2562の任意の案内部2562aが右下可動装飾基板2565の対応するLED2562aによって発光すると同時に、可動枠駆動モータ2564によって発光案内されている案内部2562aへ枠状の可動枠2561が移動すると共に対応した右下可動装飾基板2565のLED2565bが発光して可動枠2561のレンズ部2561dが輝くので、遊技者に対して案内部2562aの発光案内に気付かせ易くすることができ、右下可動案内ユニット2560による案内演出に注目させることができる。従って、右下可動案内ユニット2560による案内演出を見逃してしまうのを可及的に低減させて損した気分になってしまうのを回避させることができると共に、発光案内させた案内部2562aを確実に視認させて案内部2562aの表記を認識させることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、異なる案内表記が施された複数の案内部2562aを有した案内盤2562を備えており、遊技者に対してどのような内容の案内部2562aが有るのかを予め認識させることができるので、始動入賞による特別抽選結果に応じて右下可動装飾基板2565と可動枠2561とによって任意の案内部2562aが発光案内される前に、遊技者に対して、所望の内容の案内表記が施された案内部2562aが発光案内されるか否かでワクワクさせることができ、遊技者の期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、案内部2562における複数の案内部2562aを夫々同一区画、つまり、同一外形(ここでは、扇形)としているので、各案内部2562aに対して一つの可動枠2561で対応することができ、複数の可動枠や変形可能な可動枠を用いる必要がなく可動枠2561(パチンコ機1)に係るコストが増加するのを抑制することができる。
また、演出画像を表示可能な液晶表示装置1900を備えているので、始動入賞による特別抽選結果の内容を案内する案内演出を、液晶表示装置1900で行ったり、右下可動案内ユニット2560で行ったり、或いは、両方で行ったりすることができ、演出のバリエーションを増やして飽き難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、複数の案内部2562aを有した案内盤2562を遊技領域1100内の右下隅に配置しているので、右下可動案内ユニット2560が遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球の妨げとなるのを可及的に回避させることができ、遊技領域1100内で遊技球の動きを確実に楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
また、案内盤2562の前側で可動枠2561が移動(回動)できるようにしており、蓋然的に、案内盤2562と可動枠2561との間にある程度の隙間が形成された状態となっているので、右下可動装飾基板2565のLED2565bと可動枠2561のレンズ部2561dとの間に所定の距離を有した状態となり、LED2565bからの光をレンズ部2561dでより広く拡散させることができ、遊技者と右下可動案内ユニット2560との相対的な位置に関わらずレンズ部2561dの輝きに気付き易くすることができる。
更に、複数の案内部2562aを円弧状に配置しているので、可動枠2561を円弧の軸心を中心として回動させれば良く、可動枠2561を回動させる駆動機構としての可動枠駆動モータ2564の回転を直接用いることができ、駆動機構に係る構成を可及的に簡素化することができると共に、駆動機構を小型化することが可能となり、相対的に案内盤2562等を大きくすることができるので、案内部2562aや可動枠2561等を大きくして見易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。また、複数の案内部2562aを円弧状に配置しており、案内盤2562をコンパクトに纏めることができるので、遊技領域1100内において右下可動案内ユニット2560を配置するスペースを確保し易くすることができ、右下可動案内ユニット2560を備えたパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、可動枠2561を案内盤2562の案内部2562aの外周を囲う枠状に形成しているので、右下可動装飾基板2565により発光案内させた案内部2562aの外周を枠状の可動枠2561で囲うことで、発光案内している案内部2562aに施された案内表記を引き立たせて目立たせることができ、右下可動案内ユニット2560による案内演出に気付かせ易くして上述した作用効果を確実に奏するものとすることができる。
また、可動枠2561を枠状として案内盤2562の案内部2562aの外周を囲うことで発光案内された任意の案内部2562aを指し示すようにしているので、可動枠2561を配置するために必要な案内部2562aの外側のスペースを可及的に小さくすることができ、右下可動案内ユニット2560全体の大きさが大きくなるのを抑制して遊技領域1100内に配置し易くすることができる。また、案内部2562aの外側のスペースが大きくなるのを抑制することができ、右下可動案内ユニット2560全体に対する各案内部2562aの割合を相対的に大きくすることができるので、案内部2562aを見易くすることができ、案内部2562aの案内演出に気付かせ易くすることができると共に、遊技者に案内演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することが可能なパチンコ機1とすることができる。
[2−6F.上枠可動装飾ユニット]
次に、センター役物2500における上枠可動装飾ユニット2580について、図133乃至図139を参照して説明する。図133はセンター役物の上枠可動装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図134は上枠可動装飾ユニットを後から見た斜視図である。図135は上枠可動装飾ユニットを上枠可動装飾体と上枠可動装飾体駆動機構とに分解して前から見た分解斜視図であり、図136は上枠可動装飾ユニットを上枠可動装飾体と上枠可動装飾体駆動機構とに分解して後から見た分解斜視図である。また、図137は上枠可動装飾体駆動機構を分解して前から見た分解斜視図であり、図138は上枠可動装飾体駆動機構を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図139は、センター役物における上枠可動装飾ユニットの動きを正面から示す説明図である。
本例のセンター役物2500の上枠可動装飾ユニット2580は、センター役物2500におけるベース部材2530の上枠後側に後側から支持されており、下端がセンター役物2500における窓部2501の上内縁の一部を形成するようになっている。この上枠可動装飾ユニット2580は、正面視で横長矩形状に形成されパチンコ機1のコンセプトに沿った所定のロゴを備えた上枠可動装飾体2851と、上枠可動装飾体2581を上下方向へスライド移動させる上枠可動装飾体駆動機構2582と、を備えている。
上枠可動装飾ユニット2580の上枠可動装飾体2581は、透光性を有した所定のロゴ(詳細な図示は省略する)がレリーフ状に形成されると共にロゴ部が透光性を有したロゴ部材2581aと、ロゴ部材2581aの後側に配置されロゴ部材2581aの外周を装飾し表面が金属光沢を有する飾り部材2581bと、飾り部材2581bの後側支持する可動装飾体ベース2581cと、可動装飾体ベース2581cの後側に取付けられ前面に複数のLEDが実装された上枠可動装飾基板2581dと、上枠可動装飾基板2581dの後側を被覆する基板カバー2581eと、を備えている。
また、上枠可動装飾体2581は、基板カバー2581eの後側の左右両端付近から後方へ突出し上枠可動装飾体駆動機構2582におけるスライダ2584の支持片2584bに支持される支持部2581fと、各支持部2581fの下側から下方へ向かうに従って後方へ湾曲状に延出した延出片2581gと、を備えている(図136を参照)。この基板カバー2581eの延出片2581gは、後述する上枠可動装飾体駆動機構2582における前ベース2583、前装飾部材2595、及び下装飾部材2596の各スリット2583a,2595a,2596aやスライダ2584の下側を被覆するものである。
また、図示は省略するが、上枠可動装飾体2581は、ロゴ部材2581aと飾り部材2581bとの間に配置され表面に複数の微細なプリズムを有したシート状のレンズ部材を備えており、上枠可動装飾基板2581dのLEDからの光を拡散させてロゴ部材2581aのロゴ部を略均一に発光装飾させることができるようになっている。
更に、本例の上枠可動装飾体2581は、可動装飾体ベース2581c及び基板カバー2581eが、有色透明(ここでは、青色)の部材によって夫々形成されており、ロゴ部材2581aの周りが青い海で囲まれたようなイメージを想起させることができるようになっていると共に、上枠可動装飾基板2581dのLEDを発光させることで、ロゴの周りが青く光るようになっている。また、図示は省略するが、ロゴ部材2581aでは、ロゴ部の外周が複数の多面体状の突起によって囲まれていると共に、ロゴ部を除いた部位の表面に金属光沢を有するメッキ層が形成されている。
また、上枠可動装飾体2581は、飾り部材2581bの外形がセンター装飾部材2520における凹部2525の内形と略一致する形状とされていると共に、飾り部材2581bに施された装飾がセンター装飾部材2520における凹部2525付近に施された装飾と連続するような(同じような)装飾とされている。
一方、上枠可動装飾ユニット2580における上枠可動装飾体駆動機構2582は、左右方向へ延びた板状の前ベース2583と、前ベース2583の後側で左右方向へ所定距離離間して配置され上下方向へスライド可能に支持され後面にラックギア2584aを有した一対のスライダ2584と、一対のスライダ2584における夫々のラックギア2584aと噛合する一対のピニオンギア2585と、各ピニオンギア2585に対して同軸上で左右方向の中央側に配置される一対の第一伝達ギア2586と、第一伝達ギア2586と隣接したピニオンギア2585とを一体回転可能に夫々連結する第一連結軸2587と、各第一伝達ギア2586と噛合し第一伝達ギア2586の前側に配置される一対の第二伝達ギア2588と、一対の第二伝達ギア2588同士を一体回転可能に連結する長尺状の第二連結軸2589と、左右方向へ夫々離反して配置されるピニオンギア2585、第一伝達ギア2586、及び第二伝達ギア2588を夫々被覆すると共に前ベース2583と共同して一対のスライダ2584を上下方向へスライド可能に夫々支持する右後ベース2590及び左後ベース2591と、右後ベース2590に取付けられ正面視右側のピニオンギア2585を回転駆動させる上枠可動駆動モータ2592と、を備えている。
また、上枠可動装飾体駆動機構2582は、右後ベース2590及び左後ベース2591に夫々取付けられ第一連結軸2587及び第二連結軸2589を夫々前後方向へ所定距離離間した状態で支持する軸押え2593と、右後ベース2590の所定位置に取付けられスライダの移動位置を検知する位置検知センサ2594と、上枠可動装飾体駆動機構2582は、前ベース2583の前側を略覆い前面にレリーフ状の装飾が形成された無色透明で板状の前装飾部材2595と、前装飾部材2595の下端と連続すると共に後方へ延出し上枠可動装飾体機構2582の下面を被覆形成する透明な下装飾部材2596と、を備えている。
この上枠可動装飾体駆動機構2582の前ベース2583は、左右両端におけるスライダ2584を夫々上下方向へスライド可能に支持する部位に、下端が開放されると共に前後方向に貫通し上下方向へ延びたスリット2583aが夫々形成されている。この前ベース2583は、全体が無色透明な部材によって形成されており、前面に所定のレリーフ状の装飾が形成されている。
また、上枠可動装飾体駆動機構2582のスライダ2584は、後面に上下方向へ延びたラックギア2584aと、前面の下部から前方へ突出し上枠可動装飾体2581を支持するための支持片2584bと、正面視右側のスライダ2584の上部に備えられ外方へ延出し位置検知センサ2594によって検知される検知片2584cと、を備えている。このスライダ2584は、支持片2584bの先端に上枠可動装飾体2581の支持部2581fが取付けられるようになっている。なお、このスライダ2584は、不透明(ここでは、黒色)の部材によって形成されている。
更に、上枠可動装飾体駆動機構2582の前装飾体2595には、前ベース2583のスリット2583aと対応した位置に、前後方向へ貫通すると共に下方が開放されたスリット2595aを備えている。また、後装飾部材2596には、前装飾部材2595のスリット2595aと対応する位置に、上下方向へ貫通すると共に前方が開放されたスリット2596aを備えている。これにより、前ベース2583等に支持されたスライダ2584の支持片2584bが、前ベース2583、前装飾部材2595、及び下装飾部材2596の各スリット2583a,2595a,2596aを通して前方へ突出すると共に、スライダ2594の下端が、下装飾部材2596のスリット2596aを通して下方へ突出することができるようになっている。
また、上枠可動装飾体駆動機構2582の前装飾部材2595は、左右方向中央の装飾の前面が磨りガラス状に形成されていると共に、その他の部位の後面にはプリズム状の微小なレンズ部が複数形成されており、それらの乱屈折により後側が見難くなるようになっている。また、下装飾部材2596は、水の流れを模して無色透明な部位と有色透明(ここでは、青色)の部位とが左右方向へ交互に形成されていると共に、後面にプリズム状の微小なレンズ部が複数形成されており、後側が見難くなるようになっている。この下装飾部材2596は、図示するように、右後ベース2590及び左後ベース2591と対応した部位が後方へ大きく延出した形態となっており、遊技者側から右後ベース2590や左後ベース2591の下側を隠すことができるようになっている。
また、上枠可動装飾体駆動機構2582は、センター役物2500の上部に取付けた状態では、前装飾部材2595によってセンター装飾部材2520における前後方向へ貫通した凹部2525の後端を閉鎖することができるようになっており、凹部2525と前装飾部材2595とで囲まれた空間内に上枠可動装飾体2581が配置されるようになっている(図139等を参照)。
続いて、上枠可動装飾体駆動機構2582の動きについて説明する。この上枠可動装飾体機構2582は、上枠可動駆動モータ2592によって正面視右側のピニオンギア2585を回転駆動させると、このピニオンギア2585と噛合した右側のスライダ2584のラックギア2584aによって、右側のスライダ2584が上下方向へスライドすることとなる。
一方、上枠可動駆動モータ2592の回転は、右側のピニオンギア2585の回転駆動と同時に、右側のピニオンギア2585と一体回転する右側の第一連結軸2587により右側の第一伝達ギア2586を回転駆動させるようになっており、この右側の第一伝達ギア2586と噛合した右側の第二伝達ギア2588が右側の第一伝達ギア2586(右側のピニオンギア2585)とは逆方向へ回転することとなる。この右側の第二伝達ギア2588が回転することで、第二連結軸2589によって連結された左側の第二伝達ギア2588も同じ方向へ一体回転することとなり、左側の第二伝達ギア2588と噛合した左側の第一伝達ギア2586が左側の第二伝達ギア2588とは逆方向、つまり、右側のピニオンギア2585と同じ方向へ回転することとなる。そして、左側の第一伝達ギア2586が回転することで、左側の第一連結軸2587によって一体回転可能とされた左側のピニオンギア2585が回転し、このピニオンギア2585と噛合した左側のスライダ2584のラックギア2584aによって、左側のスライダ2584も右側のスライダ2584と上下方向の同じ方向へスライドすることとなる。
これにより、上枠可動装飾体駆動機構2582は、上枠可動駆動モータ2592を回転駆動させると、左右に離間した一対のスライダ2584を夫々同時に同じ方向へスライドさせることができるようになっており、左右のスライダ2584の支持片2584bに上枠可動装飾体2581を支持させることで、横長の上枠可動装飾体2581を真直ぐスムーズに上下方向へスライド(昇降)させることができるようになっている。
また、上枠可動装飾体駆動機構2582は、一つの上枠可動駆動モータ2592によって左右に離間した一対のスライダ2584を上下方向へスライドさせるようにしているので、夫々のスライダ2584を夫々独立した駆動モータでスライドさせるようにした場合と比較して、左右のスライダ2584を同時にスライドさせることができ、スライダ2584の支持片2584bを介して上枠可動装飾体2581を真直ぐにスライドさせることができるようになっている。
更に、上枠可動装飾体駆動機構2582は、左右のピニオンギア2585同士を一体的に回転させるための左右方向へ延びた長尺状の第二連結軸2589を、第一伝達ギア2586及び第二伝達ギア2588によってピニオンギア2585の回転軸心よりも前方へ配置するようにしているので、左右に離間した右後ベース2590及び左後ベース2591の間の後端を可及的に前側へ位置させて空きスペースを確保することができ、上枠可動装飾ユニット2580の後側に他の部材(ここでは、裏ユニット3000の裏上中可動演出ユニット3300)を良好に配置することができるようになっている。
この上枠可動装飾ユニット2580は、図139(a)に示すように、通常の状態(通常位置)では、上枠可動装飾体2581がセンター役物2500におけるセンター装飾部材2520の枠内上部に形成された凹部2525内へ収容された状態となっている。この通常状態では、図示するように、上枠可動装飾体2581の外形と凹部2525の内形との間に殆ど隙間がない状態となっていると共に、上枠可動装飾体2581の飾り部材2581bの装飾がセンター装飾部材2520における凹部2525周りの装飾と同様で連続したような装飾となっており、遊技者に対して上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520とが一体的な装飾部材であるように錯覚させることができるようになっている。
また、上枠可動装飾ユニット2580は、遊技状態(例えば、始動入賞により抽選される特別抽選結果)に応じて上枠可動駆動モータ2592を回転駆動させると、上枠可動装飾体2581が上昇した通常状態から、下降して一部が液晶表示装置1900の前面へ位置した出現状態(特別位置)(図139(b)等を参照)へとスライド移動するようになっている。これにより、遊技者の関心を上可動装飾体2581へ引付けることができるようになっている。なお、図示するように、上枠可動装飾体2581が下降すると、後側に配置された上枠可動装飾体駆動機構2582の前ベース2583や前装飾部材2595等が現れるようになっており、見栄えが悪くなるのを防止することができるようになっている。
従って、本例のセンター役物2500における上枠可動装飾ユニット2580は、上枠可動装飾体駆動機構2582によって、真直ぐに上下方向へスライド移動させることができるので、上枠可動装飾体2581の外形と、上枠可動装飾体2581が収容されるセンター役物2500におけるセンター装飾部材2520の凹部2525との隙間を可及的に小さくすることができる。これにより、遊技者に対して上枠可動装飾体2581とセンター役物2500のセンター装飾部材2520とが一体の装飾部材であるかのように錯覚させることができるので、上枠可動装飾体2581を可動(下降)させた時、動かないと思っていた上枠可動装飾体2581が動くことで遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、チャンスの到来を意識させて遊技に対する期待感を高めることができ、興趣の低下を抑制することができるようになっている。
また、上枠可動装飾ユニット2580は、上枠可動装飾体2581における飾り部材2581bの装飾を、隣接したセンター装飾部材2520におけるレリーフ部材2520a等の装飾と連続するような装飾としているので、上枠可動装飾体2581を上昇させてセンター装飾部材2520の凹部2525内へ収容した通常状態とすると、上枠可動装飾体2581があたかもセンター装飾部材2520と一体の装飾部材であると錯覚させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
このように、本例では、遊技領域1100内の略中央に配置された液晶表示装置1900よりも前側で正面視前面よりも外側の通常位置に配置されたセンター役物2500の上枠可動装飾体2581と、上枠可動装飾体2581の外周の一部に接するセンター役物2500のセンター装飾部材2520とに夫々同じ装飾を形成し、上枠可動装飾体2581の後側に一部が遊技者側から見えるように裏ユニット3000の裏上中可動装飾体3330や裏上サイド可動装飾体3410を配置しているので、遊技者の関心を液晶表示装置1900の演出画像や一部が見える裏上中可動装飾体3330等へ引付けて、相対的に上枠可動装飾体2581への関心を低くすることができ、上枠可動装飾体2581やセンター装飾部材2520を遊技者が注視せずに漫然と見ることで、同じ装飾が形成された上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520とが一体の部材であると錯覚させて上枠可動装飾体2581が可動しないものと思わせることができる。そして、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102へ受入れられることで抽選される特別抽選結果に応じて、上枠可動装飾体駆動機構2582により上枠可動装飾体2581をセンター装飾部材2520と一体的に見える通常位置から、センター装飾部材2520と分離し液晶表示装置1900の前面内側へ位置した特別位置へ下降させるようにしているので、遊技者が動かないものと思っていた上枠可動装飾体2581が動くことで、上枠可動装飾体2581の移動に対して強いインパクトを与えることができ、上枠可動装飾体2581の移動を楽しませることができると共に、遊技者が強いインパクトを受けることで上枠可動装飾体2581の移動により何か良いことがあるのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上枠可動装飾体2581を、通常位置と特別位置との間で直線移動させるようにしており、円弧移動させる場合と比較して、上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520との間の隙間を可及的に狭くすることができるので、上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520との一体感を高めて一体的な部材であるように遊技者を錯覚させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1を具現化することができる。
更に、上枠可動装飾体2581の後側に裏上中可動装飾体3330や裏上サイド可動装飾体3410の一部が見えることで、何だろうと思わせて裏上中可動装飾体3330等への関心を強くすることができると共に、裏上中可動装飾体3330等の一部が見えることで、全部が見えるように裏上中可動装飾体3330等が可動するものであると瞬時に認識させることができるので、遊技者に対して裏上中可動装飾体3330や裏上サイド可動装飾体3410等が何時動くのかを期待させることができ、裏上中可動装飾体3330等へ遊技者の関心を強く引付けることができると共に、裏上中可動装飾体3330等の前側に配置された上枠可動装飾体2581へは、相対的に遊技者の関心が低くなることとなり、上枠可動装飾体2581がセンター装飾部材2582と一体となった動かないものであると錯覚させることができるので、上枠可動装飾体2581が動いた時のギャップを大きくすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏上中可動装飾体3330や裏上サイド可動装飾体3410等を可動させた後で、上枠可動装飾体2581を通常位置から特別位置へ移動させると、遊技者の眼中になかった上枠可動装飾体2581が移動するので、遊技者に対して更に強いインパクトを与えることができ、上枠可動装飾体2581に注目させて上枠可動装飾体2581の動きを楽しませることができると共に、上枠可動装飾体2581の移動によりチャンスが到来したと遊技者に思わせることができ、遊技者の期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上枠可動装飾体2581の後側に液晶表示装置1900を配置しており、上枠可動装飾体2581が通常位置から特別位置へ移動すると、液晶表示装置1900の前面に位置して表示された演出画像の一部が上枠可動装飾体2581によって遮られることとなるので、動かないものと思っていて上枠可動装飾体2581に無関心だった遊技者等に対して上枠可動装飾体2581の移動(下降)に気付かせることができ、遊技者を驚かせることができると共に、上枠可動装飾体2581に注目させてその動きを楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、センター装飾部材2582における少なくとも上枠可動装飾体2581と接する部位に透光性を有した透明なレンズ部材2520bを備えており、上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520との間に隙間があっても、透明なレンズ部材2520bによって隙間を認識し難くすることができるので、遊技者に対して同じ装飾が形成された上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520とが一体的な部材であると錯覚させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができるパチンコ機1とすることができる。
また、上枠可動装飾体2581における少なくともセンター装飾部材2520と接する部位に金属光沢を有した飾り部材2581bを備えており、飾り部材2581bで反射した光が遊技者の視野に入ることで光が反射していない飾り部材2581b周りが暗く見えて、上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520との間を見辛くすることができるので、上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520との間の隙間を認識し難くすることができ、同じ装飾が形成された上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520とが一体的な部材であると錯覚させ易くすることができると共に、上述したような作用効果を確実に奏することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、通常位置における上枠可動装飾体2581の後側に透光性を有した上枠可動装飾体駆動機構2582の前装飾部材2595を配置しているので、後側から前装飾部材2595を介して上枠可動装飾体2581へ光が入ることで、上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520との間(隙間)を明るくすることができ、上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520との境を判り辛くして繋がっているように錯覚させることができる。従って、遊技者に対して、同じ装飾が形成された上枠可動装飾体2581とセンター装飾部材2520とが一体の部材であると錯覚させることができるので、動かないと思っていた上枠可動装飾体2581が動いた時のギャップを大きくして遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、通常位置における上枠可動装飾体2581の後側に前装飾部材2595を備えているので、上枠可動装飾体2581が液晶表示装置1900の前面の特別位置へ移動すると、前装飾部材2595が遊技者側から見えることとなり、前装飾部材2595の装飾によって遊技領域1100内の見栄えが悪くなるのを抑制することができる。
[2−6G.ステージ]
続いて、センター役物2500におけるステージ2510について、主に図140乃至図144を参照して説明する。図140は、センター役物におけるステージのみを示す斜視図である。また、図141は図140のステージの平面図であり、図142は図140のステージの正面図である。更に、図143は、図141におけるステージのA−A断面図である。また、図144は、図140のステージを正面上側から見た斜視図である。
本例のセンター役物2500のステージ2510は、図示するように、上面に左右方向へ大きく延びた第一ステージ2511を有する第一ステージ部材2532と、第一ステージ2512の直下に配置される第二ステージ2512を有した第二ステージ部材2513と、第一ステージ2511及び第二ステージ2512の後側に配置されるステージ背後装飾部材2600と、を備えている。なお、ステージ背後装飾部材2600は、第一ステージ2511の上側を覆うと共に、後端側を閉鎖する透明な保護カバー2601を備えており、ステージ2510へ供給された遊技球がステージ2510よりも後方へ脱落するのを防止することができるようになっている(図123等を参照)。
この第一ステージ2511は、全体的に左右方向の両端が高くなるような湾曲形状とされていると共に、遊技領域1100の左右方向の略中心が若干高くなるような扁平なW字状の波状に形成されている。この第一ステージ2511は、前端に遊技球が前方へ落下するのを防止する前端壁2511aと、中央(遊技領域1100の左右方向の略中心)で高くなった位置に形成され後方へ向かうに従って低くなると共に左右方向へ広がるチャンス誘導部2511bと、中央両側の最も低くなった位置の前端に下方へ貫通した落下孔2511cと、各落下孔2511cの左右方向外側に形成され前方へ向かうに従って低くなると共に落下孔2511cに係るように左右方向へ広がる落下誘導部2511dと、を備えている。なお、第一ステージ2511における左右方向略中央のチャンス誘導部2511bの後側には、前方へ向かって開口したチャンス入口2513が配置されている。
この第一ステージ2511は、詳細な図示は省略するが、左右両端から落下孔2511cまででは前端側よりも後端側が低く形成されていると共に、落下孔2511cから中央のチャンス誘導部2511bまででは、チャンス誘導部2511bの位置において前端側が後端側よりも低くなるように前後方向の傾斜が徐々に変化するようになっている。
また、第一ステージ2511は、図141に示すように、落下孔2511c同士の間の前端壁2511aが、左右両端が落下孔2511cの前後方向中央付近へ位置するように前後方向に湾曲した形態となっており、夫々の落下孔2511cの互いに対向する側(左右方向の中央側)に第一ステージ2511の前後方向の幅が狭くなる段部2511eが形成されている。なお、詳細な図示は省略するが、第一ステージ2511の後側端部は保護カバー2601によって仕切られている。また、第一ステージ2511における前後方向の幅(奥行き)は、遊技球の外径に対して1.2倍〜2.0倍の範囲内とされている。
この第一ステージ2511では、ワープ出口2505から第一ステージ2511へ供給された遊技球が、いきなり左側の落下孔2511cへ落ちないようになっていると共に、落下孔2511c同士の間へ転動した遊技球も、転動の勢いがある状態では簡単に落下孔2511cへ落ちないようになっており、第一ステージ2511上での遊技球の滞在時間を長くすることができるようになっている。また、落下孔2511cは、遊技球の外形よりも若干大きな径の孔とされており、遊技球が落下孔2511cへ落下することで遊技球に係る前後及び左右方向の運動量を可及的に低減させた状態で第二ステージ2512側へ落下させることができるようになっている。また、第一ステージ2511の中央に配置されたチャンス誘導部2511bによって遊技球が後方へ誘導されると、チャンス入口2513へ進入するようになっている。
一方、第二ステージ2512は、中央(遊技領域1100の左右方向の略中心)が低くなるような湾曲面状に形成されており、左右方向の両側約1/3の範囲の前端に形成され上方へ突出すると共に後方へ向かって滑らかに低くなるように傾斜した前縁部2512aと、左右方向中央に配置され前方へ向かうに従って低くなる溝状の中央誘導部2512bと、中央誘導部2512bの左右両側で左右の前縁部2512a同士の間に配置され前方へ向かうに従って低くなると共に左右方向へ広がるサイド誘導部2512cと、後端から第一ステージ2512の下面付近まで上方へ立上った板状の後壁部2512dと、を備えている。なお、第二ステージ2512における前後方向の幅(奥行き)は、遊技球の外径に対して1.2倍〜2.0倍の範囲内とされている。
また、第二ステージ2512は、中央誘導部2512bがアタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に位置するようになっている。また、左右の前縁部2512a同士の間の幅が、アタッカユニット2100における第二始動口2102を開閉する一対の可動片2105が拡開した時の左右方向の幅と略同じ幅とされている。
この第二ステージ2512は、第一ステージ2511から落下孔2511dを介して供給された遊技球を、左右方向へ転動させることができると共に、後壁部2512dによって遊技球が後方へ脱落するのを防止することができるようになっている。また、第二ステージ2512は、供給された遊技球を、高い確率で二つのサイド誘導部2512cの何れかから前方へ放出して遊技領域1100内へ還流させることができると共に、低い確率で中央の中央誘導部2512bから前方へ放出することができるようになっている。また、第二ステージ2512は、転動する遊技球の勢いによっては、前縁部2512aを乗越えて前縁部2512aからも前方へ放出することができるようになっている。
また、ステージ2510におけるステージ背後装飾部材2600は、第一ステージ2512の上側全体を覆うと共に第一ステージ2511の後端を閉鎖する透明な保護カバー2601と、第一ステージ2511及び第二ステージ2512の後側に配置されると共に第一ステージ2511よりも上方へ膨出した略半円形状の背後飾り部材2602と、背後飾り部材2602の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された保留表示基板2603と、を備えている(図125及び図126等を参照)。
このステージ背後装飾部材2600の背後飾り部材2602は、左右方向の略中央に、前側が開放されると共に上下方向へ延び遊技球が流通可能とされた通路部2602aを有しており、通路部2602aの上部前面がチャンス入口2513とされていると共に、下部前面がベース部材2530における球案内通路2531bの後端開口に臨むようになっている。これにより、チャンス入口2513へ進入した遊技球は、通路部2602aによって第一ステージ2511や第二ステージ2512の後側で下方へ案内された上で、通路部2602aの下部から前方に配置されたベース部材2530の球案内通路2531bを通ってチャンス出口2514から前方へ放出されるようになっている。
なお、通路部2602aにおける上部と下部との間の前面は、第二ステージ2512の後壁部2512dによって閉鎖されるようになっており(図142等を参照)、上部と下部からのみ遊技球が出入りすることができるようになっている。
また、背後飾り部材2602は、表面に金属光沢を有したレリーフ状の装飾が形成されており、装飾の外側が前後方向へ貫通した状態となっていると共に、円弧状の外形に略沿って複数(本例では、八つ)の透光部2602bが形成されている。具体的には、背後飾り部材2602における複数の透光部2602bは、左右方向の中央を挟んで左右両側に夫々四つずつ配置された状態となっている。
これら背後飾り部材2602における各透光部2602bの後側に、保留表示基板2603のLED2603aが夫々実装されて配置されており、LED2603aの点灯数によって第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れに係る保留数を表示することができるようになっている。具体的には、チャンス入口2513を挟んで左側に配置された四つは、第一始動口2101に係る保留数を表示し、チャンス入口2513を挟んで右側に配置された四つは、第二始動口2102に係る保留数を表示するようになっており、裏下可動演出ユニット3500の裏下可動装飾体3510が上昇して液晶表示装置1900の前側を覆っても、遊技者に対して保留数を案内することができるようになっている。
本例のステージ2510は、遊技領域1100内でセンター役物2500の周壁部2503の外周に開口したワープ入口2504へ進入した遊技球が、センター役物2500の枠内のワープ出口2505から第一ステージ2511の左端部へ供給されると、中央よりも左側の落下孔2511c側へ向かって低くなった第一ステージ2511の形状に沿って右方向へ転動する。そして、遊技球は、左側の落下孔2511cの後側を通り過ぎた上で、その勢いにより滑らかに高くなった左右方向の略中央を越え、右側の落下孔2511c側へ向かって転動し、更に、右側の落下孔2511cの後側を通り過ぎて滑らかに高くなるように形成された第一ステージ2511の右端側を上るように転動すると共に転動速度が減衰し、第一ステージ2511の右端に到達する前に右方向への移動が停止する。その後、遊技球は、右側の落下孔2511cよりも右側では左側が低くなった第一ステージ2511の形状に沿って折り返すように左方向へ転動を開始し、上記と同様に夫々の落下孔2511cを通り過ぎて左側の落下孔2511cよりも左側では左側が高くなった第一ステージ2511の左端側を上るように転動することとなり、左右方向へ長く延びた第一ステージ2511上を、遊技球が左右方向へ行ったり来たりすることとなる。
この第一ステージ2511では、一対の落下孔2511cの間では段部2511eの存在によって前後方向の幅が狭くなっているので、一対の落下孔2511cに位置した遊技球が何れの落下孔2511c側へ転動しても落下孔2511cへ落ちることなく落下孔2511cを通り過ぎて左右両端部側に転動することができるようになっている。また、第一ステージ2511における一対の落下孔2511cよりも左右方向外側に位置した遊技球は、落下孔2511cと接した前端壁2511aに沿って落下孔2511c側へ転動すると、その転動路上に落下孔2511cが位置しているので落下孔2511cへ落下し易いようになっており、落下孔2511cを通して直下の第二ステージ2512へ供給されるようになっている。一方、一対の落下孔2511cよりも左右方向外側に位置した遊技球が、第一ステージ2511の後端の保護カバー2601に沿って落下孔2511c側へ転動すると、落下孔2511cに落下することなく落下孔2511cの後側を越えて中央側へ転動することとなり、引き続き左右方向の転動が継続されることとなる。
なお、第一ステージ2511上の遊技球が、第一ステージ2511の左右方向略中央(一対の落下孔2511c同士の中央)で滑らかに若干高くなった略頂上付近に配置されたチャンス入口2513へ進入すると、第二ステージ2512の下側で第一始動口2101の直上に開口したチャンス出口2514から遊技領域1100内へ放出されるようになっており、極めて高い確率で第一始動口2101へ受入れられるようになっている。
一方、第一ステージ2511の落下孔2511cを通って第二ステージ2512へ供給された遊技球は、水平方向の運動量が可及的に小さくされた状態で第一ステージ2511から受け渡されるので、第二ステージ2512から転落することなく左右方向の略中央が最も低くなるように緩やかに湾曲した第二ステージ2512の形状に沿って左右方向へ転動することとなり、第二ステージ2512上を左右方向へ転動した後に略中央に配置された中央誘導部2512bかその横のサイド誘導部2512cの何れかから遊技領域1100内へ放出されるようになっている。そして、遊技球が、第二ステージ2512の中央誘導部2512bから遊技領域1100内へ放出されると高い確率で第一始動口2101へ受入れられるようになっている。
このように、本例のステージ2510によると、第一ステージ2511に供給された遊技球がチャンス入口2513へ進入するか否かで遊技者をワクワクさせることができ、チャンス入口2513に遊技球が進入しなかった場合でも、落下孔2511cを通して直下の第二ステージ2512へと供給され、第二ステージ2512の中央誘導部2512bから遊技領域1100内へ放出されるか否かで再び遊技者をワクワクさせることができるので、遊技者に対して確実に遊技球の動きを楽しませることができるステージ2510とすることができ、遊技球の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例のステージ2510は、第一ステージ2511及び第二ステージ2512の前後方向の奥行き(幅)が、遊技パネル1150の厚さと略同じ大きさとされていると共に、第一ステージ2511の直下に第二ステージ2512を配置しているので、ステージ2510全体における前後方向の奥行きを、従来のパチンコ機のステージと比較して、可及的に小さくすることができ、遊技パネル1150の後面からの突出量を可及的に少なくすることができるようになっている。従って、遊技パネル1150よりも後側のスペースを相対的に広くすることができ、後述する裏ユニット3000の裏下可動演出ユニット3500や裏下右可動演出ユニット3600等を良好な状態で配置することができるようになっている。
更に、ステージ2510は、第一ステージ2511の落下孔2511cを通して遊技球を第二ステージ2512へ供給するようにしており、落下孔2511cによって第一ステージ2511上を転動した遊技球の動きを整えて前後及び左右方向の運動成分を可及的に低減させた状態で第二ステージ2512へ供給することができるので、第二ステージ2512へ供給された遊技球の動きを可及的に均一化することができ、遊技球を前方へ放出する中央誘導部2512bやサイド誘導部2512cからの放出確率を安定させることができると共に、第二ステージ2512上を転動する遊技球の動きを意図した動きとさせることができるようになっている。
また、上述したように、落下孔2511cを通すことで水平方向の運動量を可及的に小さくして第二ステージ2512へ遊技球を受け渡すようにしているので、第二ステージ2512では遊技球を設計者が意図したように左右方向へ転動させて中央誘導部2512bやサイド誘導部2512cから遊技球が放出される確率を安定させることが可能となり、意図した遊技球の転動演出を確実に遊技者に見せることができ、ステージ2510上を転動する遊技球の動きを楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、上述したように、第二ステージ2512に受け渡された遊技球が前後方向へ大きく移動するのを抑制して第二ステージ2512から落ち難くすることができるので、第二ステージ2512の前後方向の幅を可及的に狭くすることができ、第二ステージ2512(第二ステージ部材2533)の前後方向の寸法を小さくすることができると共に、第一ステージ2511の幅を遊技球の外径に対して1.2倍〜2.0倍の範囲内としているので、第一ステージ部材2532及び第二ステージ部材2533の前後方向の寸法を比較的小さくすることが可能となり、第一ステージ部材2532及び第二ステージ部材2533の後側に所定広さのスペースを確保することができ、確保したスペースに裏下可動演出ユニット3500を配置してより遊技者を楽しませることが可能なパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、第一ステージ2511の前後方向両端に板壁状の前端壁2511a及び保護カバー2601を備えており、第一ステージ2511上に供給された遊技球が、第一ステージ2511の前後方向両端から脱落してしまうのを防止することができるので、遊技球を確実に第一ステージ2511上で左右方向へ転動させることができると共に、落下孔2511cから落下させたりチャンス入口2513へ進入されたりすることができ、上述したような作用効果を確実に奏することができるようになっている。
更に、第一ステージ部材2532(第一ステージ2511)では、左右方向に離間した一対の落下孔2511cに夫々接すると共に左右方向の略中央側が狭くなるように段部2511eを形成した上で、前端壁2511aにおける一対の段部2511e間を結ぶ部位を、第一ステージ2511の左右方向の略中央における前後方向の幅が段部2511eにおける幅よりも広くなるように前後方向へ湾曲させるようにしており、第一ステージ2511における一対の落下孔2511cの間へ転動した遊技球は、段部2511eの存在によってその前後方向の幅が狭くなっているので、この位置から遊技球が落下孔2511c側へ転動しても落下孔2511cへ落ちることなく落下孔2511cを通り過ぎて端部側に転動することができ、第一ステージ2511上で遊技球を左右方向へ行ったり来たりさせることができる。一方、第一ステージ2511における一対の落下孔2511cよりも外側に位置した遊技球は、落下孔2511cと接した前端壁2511aに沿って落下孔2511c側へ転動すると、落下孔2511cへ落下し易いようになっており、落下孔2511cを通して直下の第二ステージ2512へ遊技球を供給することができる。なお、第一ステージ2511における一対の落下孔2511cよりも外側に位置した遊技球が、落下孔2511cと接した側とは反対側の保護カバー2601に沿って落下孔2511c側へ転動すると、落下孔2511cに落下することなく落下孔2511cを越えて中央側へ転動することとなり、引き続き左右方向の転動を継続させることができる。従って、第一ステージ2511上で遊技球を左右方向へ確実に転動させることができ、遊技球の動きを楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、第一ステージ2511における一対の落下孔2511cよりも外側に位置した遊技球が、落下孔2511cと接した前端壁2511aに沿って転動すると落下孔2511cへ落下する可能性が高くなり、反対側の保護カバー2601に沿って転動すると遊技球の転動が継続されるので、落下孔2511cよりも外側に遊技球が転動して位置すると、遊技球が落下孔2511cと接した側の前端壁2511aに沿って落下孔2511c側へ転動するか否かで遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、中央誘導部2512b及びサイド誘導部2512cを除いた第二ステージ2512の前端に上方へ突出した前縁部2512aを備えているので、第一ステージ2511から第二ステージ2512へ供給された遊技球を、極めて高い確率で誘導部2512b,2512cから遊技領域1100内へ放出させることが可能となり、第二ステージ2512の形状に沿って遊技球を転動させた上で誘導部2512b,2512cから放出させることができ、設計者の意図した遊技球の転動演出を確実に遊技者に見せて楽しませることができるようになっている。
[2−7.裏ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の裏ユニット3000について、図145乃至図150を参照して説明する。図145は遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図であり、図146は遊技盤における裏ユニットを後から見た斜視図である。また、図147は裏ユニットから液晶表示装置及びモータ駆動基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図であり、図148は図147の分解図を後から見た分解斜視図である。更に、図149は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図150は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット300は、遊技パネル1150の後側に取付けられ前側が開放された箱状で後壁3001bに液晶表示装置1900の表示画面が臨む開口3001cが形成された裏箱3001と、裏箱3001内の前面付近に取付けられ表ユニット2000における第一始動口2101、及び一般入賞口2201に受入れられた遊技球を下方の所定位置へ誘導する球誘導ユニット3100と、裏箱3001内の開口3001cよりも左側で裏箱3001の前面付近に取付けられ遊技状態に応じて可動する裏左可動演出ユニット3200と、裏箱3001内の開口3001cよりも上側で左右方向の略中央に取付けられ遊技状態に応じて可動する裏上中可動演出ユニット3300と、裏上中可動演出ユニット3300の左右両側に取付けられ遊技状態に応じて可動する裏上サイド可動演出ユニット3400と、球誘導ユニット3100及び裏左可動演出ユニット3200と裏箱3001の後壁3001bとの間で開口3001cの上部よりも下側に配置され遊技状態に応じて可動する裏下可動演出ユニット3500と、裏下可動演出ユニット3500の裏下可動装飾体3510と裏箱3001の後壁3001bとの間で開口3001cの右端付近に配置され遊技状態に応じて可動する裏右可動演出ユニット3600と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後壁3001bの後面に、背面視で左下隅に取付けられ主制御基板4100と表ユニット2000のカウントセンサ2128等との接続を中継するパネル中継基板3012と、パネル中継基板3012の背面視で右側に取付けられ表ユニット2000や裏ユニット3000の装飾基板に実装されたLED等を制御するランプ駆動基板4160を収納したランプ駆動基板ボックス3014と、開口3001cの背面視左側に取付けられ表ユニット2000や裏ユニット3000の各駆動モータを制御するモータ駆動基板4165を収納したモータ駆動基板ボックス3016と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後壁3001bの後面に、背面視で左上隅に取付けられランプ駆動基板4160及びモータ駆動基板4165と裏上サイド可動演出ユニット3400の裏上サイド中継基板3429との接続を中継する右上中継基板3018と、背面視で右上隅に取付けられランプ駆動基板4160及びモータ駆動基板4165と裏左可動演出ユニット3200の裏左装飾基板3214、裏左駆動モータ3224、裏左位置検知センサ3227や裏下可動演出ユニット3500の裏下左駆動モータ3561、昇降位置検知センサ3567等との接続を中継する左上中継基板3020と、開口3001cの上側で左右方向の略中央に取付けられ裏箱3001の後面に液晶表示装置1900を脱着可能に保持するためのロック部材3022と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3001の後面3001bの前面(裏箱3001内)に、開口3001cよりも下側に取付けられる裏下中継基板3024を備えている。この裏下中継基板3024は、ランプ駆動基板4160と後述する裏下可動演出ユニット3500の裏下装飾基板3514との接続を中継するものである。また、裏ユニット3000は、裏箱3001内で開口3001cの上部中央に取付けられ透明な部材により形成された上部装飾体3026と、裏箱3001内で開口3001cの右側に取付けられ、後述する裏下可動演出ユニット3500の裏下右駆動機構3530の上部前面を被覆すと共に、裏右可動演出ユニット3600の後側を装飾する右上装飾体3028と、を備えている。この右上装飾体3028における裏下右駆動機構3530の裏下右駆動モータ3541の前側に位置する部位には、前後方向へ貫通した複数の円弧状のスリットからなる通気孔3028aが形成されている。
また、裏ユニット3000は、球誘導ユニット3100におけるユニット本体3110の上部前面に取付けられ前面に複数のLEDが実装された横長のステージ中装飾基板3030を備えている。このステージ中装飾基板3030のLEDを発光させることで、センター役物2500のステージ2510の略中央(第二ステージ2512)を発光装飾させることができるようになっている。
この裏ユニット3000における裏箱3001は、後壁3001bの前後の適宜位置に、球誘導ユニット3100、裏左可動演出ユニット3200、裏上中可動演出ユニット3300、裏上サイド可動演出ユニット3400、裏下可動演出ユニット3500、裏右可動演出ユニット3600、パネル中継基板3012、ランプ駆動基板ボックス3014、モータ駆動基板ボックス3016、右上中継基板3018、左上中継基板3020、及びロック部材3022等を取付けるための取付孔や取付ボスを備えている。
また、裏箱3001は、前端から外方へ延出したフランジ状の固定部3001aを備えており、この固定部3001aを介して遊技パネル1150の後側に固定されるようになっている。また、裏箱3001は、図148等に示すように、後壁3001bの後面側に開口3001cを含む開口3001cの外周全体が前側へ浅く段状に凹み液晶表示装置1900を挿入可能とされた取付段部3001dと、取付段部3001dの底部に形成され液晶表示装置1900の下面から下方へ延出した一対の固定片1902が挿入される下方へ凹んだ取付凹部3001eと、を備えている。
[2−8.球誘導ユニット]
続いて、裏ユニット3000における球誘導ユニット3100について、主に図151を参照して説明する。図151は、遊技盤の裏ユニットにおける球誘導ユニットを前から見た斜視図である。本例の球誘導ユニット3100は、裏ユニット3000における裏箱3001内の前面付近に配置されると共に、開口3001cよりも下側に配置され、正面視左右方向中央よりも右寄りの位置から裏箱3001の左端付近まで広がった形態とされている。この球誘導ユニット3100は、遊技盤4を組立てた状態では、前ユニット2000におけるアタッカユニット2100及びサイド入賞口部材2200の後側に位置すると共に、前端が遊技パネル1150の後面と略接するようになっている。
この球誘導ユニット3100は、ユニット全体を形成するユニット本体3110を備えており、このユニット本体3110の右側前面に形成されアタッカユニット2100の第一始動口2101に受入れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する右誘導路3111と、ユニット本体3110の左右方向略中央前面に配置されサイド入賞口部材2200における正面視右側に配置された一対の一般入賞口2201における右側の一般入賞口2201へ受入れられて本体ベース2210の樋部2210bにより後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する中第一誘導路3112と、下流側が中第一誘導路3112と合流しサイド入賞口部材2200における正面視右側に配置された一対の一般入賞口2201における左側の一般入賞口2201へ受入れられて樋部2210bにより後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する中第二誘導路3113と、を備えている。
また、ユニット本体3110は、ユニット本体3110の左側前面に配置されサイド入賞口部材2200における正面視左側に配置された一対の一般入賞口2201における右側の一般入賞口2201へ受入れられて樋部2210bにより後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する左第一誘導路3114と、下流側が左第一誘導路3114と合流しサイド入賞口部材2200における正面視左側に配置された一対の一般入賞口2201における左側の一般入賞口2201へ受入れられて樋部2210bにより後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する左第二誘導路3115と、を備えている。
これら右誘導路3111、中第一誘導路3112、中第二誘導路3113、左第一誘導路3114、及び左第二誘導路3115によって下方へ誘導された遊技球は、基板ホルダ1160の底壁部上に排出され、基板ホルダ1160のアウト球排出部1161から遊技盤4の下方へ排出されるようになっている。
この球誘導ユニット3100は、第一始動口2101に受入れられて右誘導路3111内を流通する遊技球を検知する第一始動口センサ3102を備えている。また、球誘導ユニット3100は、各一般入賞口2201に受入れられた遊技球を検知する複数(ここでは、四つ)の一般入賞口センサ3104と、ユニット本体3110における左右方向略中央の上部に取付けられる磁気検出センサ3106と、を備えている。この磁気検出センサ3106によって、アタッカユニット2100付近に作用する磁気を検出することができ、磁石を用いた不正行為を検出することができるようになっている。
また、複数の各一般入賞口センサ3104は、中第一誘導路3112と中第二誘導路3113とが互いに合流した位置よりも下流側と、中第一誘導路3112と中第二誘導路3113とが互いに合流するよりも上流側の中第二誘導路3113内と、左第一誘導路3114と左第二誘導路3115とが互いに合流した位置よりも下流側と、左第一誘導路3114と左第二誘導路3115とが互いに合流するよりも上流側の左第二誘導路3115内と、に夫々配置されている。これにより、サイド入賞口部材2200における一対の一般入賞口2201において、右側の一般入賞口2201へ受入れられた遊技球は一つの一般入賞口センサ3104のみに検知され、左側の一般入賞口2201へ受入れられた遊技球は二つの一般入賞口センサ3104によって検知されるようになっており、遊技球が何れの一般入賞口2201に受入れられたのかが判るようになっている。
なお、符号3120は、左第一誘導路3114と左第二誘導路3115とが互いに合流した部位よりも下流側の前端を被覆する左誘導路カバーである。また、ユニット本体3110及び左誘導路カバー3120は、透明な部材によって形成されている。
[2−9.裏左可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏左可動演出ユニット3200について、図152乃至図154を参照して説明する。図152は、遊技盤の裏ユニットにおける裏左可動演出ユニットを示す斜視図である。また、図153は裏左可動演出ユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図154は裏左可動演出ユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット3000の裏左可動演出ユニット3200は、裏箱3001内における開口3001cよりも左側の位置に取付けられるものであり、氷山を模した裏左可動装飾体3210と、裏左可動装飾体3210を遊技状態(例えば、始動入賞により抽選される特別抽選結果)に応じて左右方向へ可動させる裏左駆動機構3220と、裏左駆動機構3220の後側に配置され裏箱3001内における開口3001cよりも左側を装飾する裏左装飾部材3230と、を備えている。
裏左可動演出ユニット3200における裏左可動装飾体3210は、図示するように、左右方向の右側前面が氷山を模した立体的な形状に形成された板状で透光性を有する前面装飾部材3211と、前面装飾部材3211の後側に配置され微細なプリズムを複数有した透光性を有する拡散シート3212と、拡散シート3212の後側に配置され微小な不定形のプリズムを複数有した透光性を有するレンズ部材3213と、レンズ部材3213の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された縦長の裏左装飾基板3214と、裏左装飾基板3214の後側を支持すると共に前面装飾部材3211と協働して拡散シート3212及びレンズ部材3213を挟持する透明板状の装飾体ベース3215と、を備えている。
この裏左可動装飾体3210における前面装飾部材3211は、図示は省略するが、氷山状に形成された前面が磨りガラス状に形成されていると共に、白色塗料が左方へ向かうに従って薄くなるように塗布されており、外観が氷山のように見えるようになっている。また、裏左可動装飾体3210は、拡散シート3212に複数(ここでは、三つ)の筋状の前後方向へ貫通したスリット3212aが形成されていると共に、レンズ部材3213の拡散シード3212と対応した位置にも前後方向へ貫通した筋状のスリット3213aが形成されている。本例の裏左可動装飾体3210は、拡散シーと3212やレンズ部材3213のスリット3212a,3213aによって、裏右装飾基板3214のLEDを発光させると、前面装飾部材3211に表面のスリット3212a,3213aに沿った部位が明るく発光し、ヒビ割れが入ったように見せることができるようになっている。
一方、裏左可動演出ユニット3200の裏左駆動機構3220は、前方へ突出し前端が裏左可動装飾体3210における装飾体ベース3215の後面上部に取付けられる取付ボス3221a及び取付ボス3221aの上側に形成され左右方向へ延びたラックギア3221bを有するスライダ3221と、スライダ3221の取付ボス3221aが後側から挿通されると共に摺動可能に支持し左右方向へ延びた案内孔3222aを有しスライダ3221の前側を被覆する板状の機構カバー3222と、機構カバー3222によって左右方向へスライド可能に支持されたスライダ3221のラックギア3221bと噛合するピニオンギア3223と、ピニオンギア3223を回転駆動させ機構カバー3222の前面に取付けられる裏左駆動モータ3224と、スライダ3221及びピニオンギア3223を挟むように機構カバー3222の後側を支持し裏左装飾部材3230の前面における上下方向の略中央に取付けられる板状の機構ベース3225と、機構ベース3225の前面下端に取付けられ装飾体ベース3215の下端を左右方向へ案内するレール部材3226と、機構ベース3225の所定位置に取付けられスライダ3221のスライド位置を検知する裏左位置検知センサ3227と、を備えている。
この裏左駆動機構3220のスライダ3221は、図示するように、取付ボス3221aが左右方向に離間して一対備えられていると共に、下端に下方へ延出した検知片3221cを備えている。このスライダ3221の検知片3221cを裏左位置検知センサ3227で検知することで、スライダ3221すなわち裏左可動装飾体3210のスライド位置を検知することができるようになっている。なお、本例では、裏左可動装飾体3210が最も左側へ位置すると、検知片3221cが裏左位置検知センサ3227によって検知されるようになっている。
また、裏左可動演出ユニット3200の裏左装飾部材3230は、図示するように、上下方向へ長く延びた形態とされており、後述する裏下可動演出ユニット3500における左側の裏下左駆動機構3550の前面を被覆することができるようになっている。この裏左装飾部材3230は、裏左駆動機構3220を取付ける部位よりも上側に、立体的に造形された装飾部3231を備えていると共に、装飾部3231の左側に前後方向へ貫通した複数の円弧状のスリットからなる通気孔3232が形成されている。この通気孔3232の後側に裏下可動演出ユニット3500における裏下左駆動機構3550の裏下左駆動モータ3561が位置するようになっている。なお、裏左装飾部材3230は、無色透明の部材によって形成されている。
本例の裏左可動演出ユニット3200は、通常の状態では、裏左可動装飾体3210が最も左側へ位置した状態となっており、この状態では、裏左可動装飾体3210が正面視でセンター役物2500の窓部2501の左外側に位置しており、遊技者側からほとんど見えない状態となっている(図108等を参照)。この通常の状態から、裏左駆動モータ3224によってピニオンギア3223を所定方向(正面視で反時計周りの方向)へ回転駆動させると、ピニオンギア3223と噛合したラックギア3221bによってスライダ3221が右方向へと移動し、スライダ3221の取付ボス3211aの先端に取付けられた裏左可動装飾体3210も右方向へ移動することとなる。
そして、裏左可動装飾ユニット3200の裏左可動装飾体3210は、裏左駆動モータ3224の駆動によって右方向へスライド移動すると、センター役物2500における窓部2501の左内縁から窓部2501内へと現れ、遊技者から視認できるようになり、所定位置(最大出現位置)まで右方向へ移動する(図180(b)を参照)。
この時、出現した裏左可動装飾体3210によって液晶表示装置1900の表示画面に表示された演出画像の一部(ここでは、左端)が遮られるので、遊技者に対して裏左可動装飾体3210の出現に気付かせることができ、裏左可動装飾体3210の可動演出を楽しませることができると共に、裏左可動装飾体3210の可動により示唆されるチャンスの到来に対して期待感を高められるようになっている。
また、裏左可動演出ユニット3200は、裏左可動装飾体3210(前面装飾部材3211)と共にスライドする裏左装飾基板3214を備えているので、例えば、通常位置の状態で裏左装飾基板3214のLEDを発光させると、前面装飾部材3211等を介してセンター役物2500における窓部2501の左内縁外側を発光装飾させることができ、窓部2501の左内縁側へ遊技者の視線を向けさせることができると共に、裏左可動装飾体3210の可動の開始を遊技者に認識させることができ、裏左可動装飾体3210に対する期待感を高めさせて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[2−10.裏上中可動演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏上中可動演出ユニット3300について、図155乃至図163を参照して説明する。図155は遊技盤の裏ユニットにおける裏上中可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図156は裏上中可動演出ユニットを後から見た斜視図である。また、図157は裏上中可動演出ユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図158は裏上中可動演出ユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。更に、図159は裏上中可動演出ユニットにおける裏上中可動装飾体ユニットを前から見た斜視図であり、図160は裏上中可動装飾体ユニットを後から見た斜視図である。また、図161は裏上中可動装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図162は裏上中可動装飾体を裏上中装飾基板と共に示す正面図である。また、図163は、裏上中可動演出ユニットの動きを示す説明図である。
本例の裏上中可動演出ユニット3300は、裏箱3001内における開口3001cよりも上側で左右方向の略中央に取付けられるものであり、外形がハート型の宝石を模した裏上中可動装飾体3330を有する裏上中可動装飾体ユニット3301と、裏上中可動装飾体ユニット3301を昇降させる昇降駆動機構3310と、を備えている。また、裏上中可動装飾体ユニット3301は、裏上中可動装飾体3330の他に、裏上中可動装飾体3330を上下方向へ延びた軸周りに回転させる回転駆動機構3340を備えている。
まず、裏上中可動演出ユニット3300における昇降駆動機構3310は、図157及び図158等に示すように、裏箱3001c内に取付けられ前方及び下方が開放された箱状の昇降ベース3311と、昇降ベース3311の前面で左右両側に配置されると共に裏上中可動装飾体ユニット3301を上下方向へ案内し上下方向へ延びた円柱状の一対の昇降レール3312と、昇降レール3312の上下両端を保持すると共に昇降ベース3311の前面に取付けられるレールホルダ3313と、を備えている。
また、昇降駆動機構3310は、昇降ベース3311内の後壁から前方へ突出すると共に回転可能に支持される軸部材3314と、軸部材3314の前端に取付けられると共に所定の直径とされ後面に外径よりも小径のギア部3315aを有した円盤状の回動部材3315と、回動部材3315の周端前側から前方へ突出し裏上中可動装飾体ユニット3301(回転駆動機構3340)の左右方向へ延びた昇降溝3349内に挿入可能とされた円筒状の昇降ピン3316と、回転部材3315のギア部3315aと噛合する駆動ギア3317と、駆動ギア3317が回転軸の先端に固定され昇降ベース3311の後側に取付けられる裏上中昇降駆動モータ3318と、更に備えている。
また、昇降駆動機構3310は、上端が昇降ベース3311に下端が裏上中可動装飾体ユニット3301の回転駆動機構3340に夫々取付けられ裏上中可動装飾体ユニット3301を上昇させる方向へ付勢する一対のコイルスプリング3319と、で裏上中可動装飾体ユニット3301の昇降位置を検知する昇降位置検知センサ3320と、昇降ベース3311の後側に取付けられ、ランプ駆動基板4160やモータ駆動基板4165と、裏上中昇降駆動モータ3318、裏上中回転駆動モータ3347、及び裏上中装飾基板3334との接続を中継する裏上中中継基板3321と、を備えている。
この昇降駆動機構3310は、回動部材3315に円盤状の周端後側から後方へ延出した板状の検知片3315bを備えており、この検知片3315bを昇降位置検知センサ3320で検知することで、回動部材3315の回動位置すなわち回動部材3315の回動によって昇降する裏上中可動装飾体ユニット3301の昇降位置を検知することができるようになっている。
また、昇降駆動機構3310は、一対のコイルスプリング3319が、夫々昇降レール3312へ可及的に近い位置に配置されており、裏上中可動装飾体ユニット3301に対して付勢力を作用させた時に、裏上中可動装飾体ユニット3301がガタ付難くいようになっていると共に、付勢力により裏上中昇降駆動モータ3318に係る負荷を低減させることができるようになっている。
裏上中可動演出ユニット3300の裏上中可動装飾体ユニット3301は、図159乃至図161等に示すように、ハート型の宝石を模した裏上中可動装飾体3330と、裏上中可動装飾体3330を上下方向へ延びた軸周りに回転させると共に裏上中可動装飾体3330上側に配置され昇降駆動機構3310によって昇降される回転駆動機構3340とを備えている。この裏上中可動装飾体ユニット3301の裏上中可動装飾体3330は、図示するように、前面と後面とが略同形状とされている。この裏上中可動装飾体3330は、有色透明(ここでは、紺碧)の部材でハート型の宝石状に形成され互いに離間して背向配置された一対の表面部材3331と、各表面部材3331の外側を夫々装飾し表面が金属光沢(ここでは、銀色)を有する枠状で互いに接した状態で背向配置される枠部材3332と、を備えている。
また、裏上中可動装飾体3330は、詳細な図示は省略するが、一対の表面部材3331同士の間に配置されると共に各表面部材3331の後側に配置され大きさの異なるハート型のレンズ部が同心円状に複数形成された透明なレンズ部材と、レンズ部材同士の間に配置され両面に複数のLED3334aが実装された裏上中装飾基板3334(図162を参照)と、を備えている。また、裏上中可動装飾体3330は、上部に回転駆動機構3340と接続するための連結部3335を備えている(図161を参照)。
この裏上中可動装飾体3330は、ハート型の表面部材3331が透明で深い碧色の部材で形成されており、裏上中装飾基板3334のLED3334aを発光させることで、あたかも光り輝くブルーダイアモンド(碧洋のハート)のように見えるようになっている。また、裏上中可動装飾体3330は、上下方向の高さが、センター役物2500における窓部2501の高さの約1/2の高さとされており、窓部2501内へ下降して出現した時に、遊技者側から目立つようになっている。また、この裏上中可動装飾体3330は、扉枠5における上部装飾ユニット280の宝石状に形成された中央レンズ282と略同じ大きさとされており、遊技者に対して中央レンズ282と同じ装飾体であると錯覚させることができるようになっている。
一方、裏上中可動装飾体ユニット3301の回転駆動機構3340は、昇降駆動機構3310の昇降レール3312が挿通される上下方向へ延びた一対の昇降支持孔3341a、一対の昇降支持孔3341aが両端に配置され上下方向へ延びた板状の立壁部3341b、及び立壁部3341bの下端から後方へ延出した板状の底壁部3341cを有した回転ベース3341と、回転ベース3341の昇降支持孔3341aの両端に夫々挿入され昇降レール3312を昇降支持孔3341aの軸心に支持するブッシュ3342(図159等を参照)と、各ブッシュ3342が昇降支持孔3341aの両端から抜けるのを阻止し回転ベース3341の立壁部3341bに取付けられる抜止め部材3343と、を備えている。
また、裏上中可動装飾体ユニット3301の回転駆動機構3340は、回転ベース3341における底壁部3341cの下側に取付けられ上下方向に貫通した回転支持孔3344aを有した下部ベース3344と、下部ベース3344の回転支持孔3344aに対して上側から回転可能に挿入支持され下端に裏上中可動装飾体3330の連結部3335に連結される連結片3345aを有したジョイント部材3345と、ジョイント部材3345の上端に接続されると共に回転可能に支持されるジョイント部3346aを有し下部ベース3344の上面に取付けられる伝達ユニット3346と、伝達ユニット3346の上部に取付けられジョイント部3346aを回転駆動させる裏上中回転駆動モータ3347と、下部ベース3344の上面に取付けられ、裏上中装飾基板3334及び裏上中回転駆動モータ3347と裏上中中継基板3321との接続を中継する回転部中継基板3348と、を備えている。
また、回転駆動機構3340は、図158及び図160に示すように、回転ベース3341と下部ベース3344とを組立てた状態で、その後面に、左右方向へ延びると共に後方へ開口した長孔状の昇降溝3349が形成されるようになっており、この昇降溝3349内に昇降駆動機構3310における回転部材3315から突出した昇降ピン3316が左右方向へ摺動可能に挿入されるようになっている。
また、詳細な図示は省略するが、回転駆動機構3340の伝達ユニット3346内には、裏上中回転駆動モータ3347からの回転を伝達させるための複数の伝達ギアと、回転位置を検知する回転位置検知センサと、を備えており、裏上中可動装飾体3330を回転させることができると共に、裏上中可動装飾体3330を所定位置で回転停止させることができるようになっている。また、伝達ユニット3346は、ジョイント部3346aに極性が異なると共にジョイント部材3345を介して裏上中可動装飾体3330り裏上中装飾基板3334と接続される複数の電気的接続部と、ジョイント部3346aと共に回転する各電気的接続部に対して回転部中継基板3348からの配線を電気的に接続するための電気接続機構と、を備えており、回転する裏上中可動装飾体3330の裏上中装飾基板3334と回転部中継基板3348とを確実に接続させて裏上中可動装飾体3330を発光装飾させることができるようになっている。
本例の裏上中可動演出ユニット3300は、図163(a)に示すように、通常の状態(通常位置)では、裏上中可動装飾体3330(裏上中可動装飾体ユニット3301)が上昇した状態となっており、この状態では、正面視でセンター役物2500における上枠可動装飾体ユニット2580における上昇位置の上枠可動装飾体2581の下側から下端がわずかに遊技者側から視認できる状態となっている(図108等を参照)。これにより、通常位置でも裏上中可動装飾体3330の下部が遊技者側から視認できるので、遊技者に対して裏上中可動装飾体3330の存在に気付かせることができると共に、裏上中可動装飾体3330が可動するものであると認識させることができ、裏上中可動装飾体3330の可動に対する期待感を高めさせて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
この裏上中可動演出ユニット3300は、通常の状態では、昇降駆動機構3310における回動部材3315に取付けられて公転する昇降ピン3316が、正面視で回動部材3315の回転軸よりもやや左寄りの上部に位置していると共に、昇降ピン3316が裏上中可動装飾体ユニット3301における昇降溝3349の左端と当接した状態となっている。これにより、裏上中可動装飾体ユニット3301の荷重によって昇降ピン3316を下方へ移動させようとする力が作用しても、昇降ピン3316が昇降溝3349の左端に当接しておりこれ以上左方向へは相対的に移動することができない状態となっているので、昇降ピン3316は公転することができず、裏上中可動装飾体ユニット3301が下方へ移動するのを阻止することができると共に、通常位置において裏上中昇降駆動モータ3318に負荷が係らないようになっている。
この通常の状態から、裏上中昇降駆動モータ3318を駆動させて駆動ギア3317を所定方向(ここでは、正面視で反時計回りの方向)へ回転させると、駆動ギア3317と噛合したギア部3315aによって回動部材3315が時計回りの方向へ回動することとなり、回動部材3315の回動によって昇降ピン3316が時計回りの方向へ公転することとなる。この昇降ピン3316が時計回りの方向へ公転することで、昇降ピン3316が昇降溝3349内を右方向へ摺動することとなると共に、回動部材3315の軸心の直上に位置するまではわずかに上昇し、軸心を越えて右側へ公転すると下降するようになり、昇降ピン3316の上下動に追従して裏上中可動装飾体ユニット3301もわずかに上昇した後に下降することとなる。
なお、裏上中可動装飾体ユニット3301が下降する場合は、両端が昇降ベース3311と裏上中可動装飾体ユニット3301の回転ベース3341とに取付けられた一対のコイルスプリング3319の付勢力に抗して裏上中可動装飾体ユニット3301が下降するようになっている。
そして、昇降ピン3316が回動部材3315の軸心の直下に位置すると、裏上中昇降駆動モータ3318の駆動が停止して、裏上中可動装飾体ユニット3301が最も下降した状態(出現位置)となる(図163(b)を参照)。この出現位置の状態では、裏上中可動装飾体3330が、正面視でセンター役物2500における上枠可動装飾体ユニット2580における上昇位置の上枠可動装飾体2581よりも下方に位置した状態となり、全体が遊技者側から視認できるようになっている(図178を参照)。
また、本例の裏上中可動演出ユニット3300は、裏上中可動装飾体3330が下降して出現位置の状態となると、回転駆動機構3340の裏上中回転駆動モータ3347の駆動により裏上中可動装飾体3330がその中心を通り上下方向へ延びた軸心周りに回転させることができるようになっている。
これにより、ハート型の宝石を模した裏上中可動装飾体3330が、センター役物2500における窓部2501の上側から窓部2501内へ液晶表示装置1900に表示された演出画像を遮るように出現するので、裏上中可動装飾体3330を出現させることで、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。また、裏上中可動装飾体3330を上下方向へ延びた軸周りに回転させると共に、裏上中装飾基板3334によって発光装飾させることができるので、裏上中可動装飾体3330をミラーボールのように見せることができ、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
一方、下降して出現位置に位置した裏上中可動装飾体ユニット3301を上昇させる場合は、裏上中昇降駆動モータ3318を逆方向へ回転駆動させて回動部材3315つまり昇降ピン3316を正面視で反時計回りの方向へ公転させることで、昇降ピン3316が昇降溝3349内を左方向へ摺動すると共に、裏上中可動装飾体ユニット3301が上昇することとなる。この時、裏上中可動装飾体ユニット3301には、一対のコイルスプリング3319によって上昇する方向へ付勢力が作用しており、裏上中昇降駆動モータ3318に係る負荷を軽減させることができるようになっている。そして、反時計回りの方向へ公転した昇降ピン3316が回動部材3315の軸心の直上を通過してやや左寄り位置に到達すると、裏上中昇降駆動モータ3318の駆動が停止し、裏上中可動装飾体ユニット3301が上昇した通常位置へ復帰することができるようになっている。
[2−11.裏上サイド可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏上サイド可動装飾ユニット3400について、図164乃至図167を参照する。図164は遊技盤の裏ユニットにおける裏上サイド可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図165は裏上サイド可動演出ユニットを後から見た斜視図である。また、図166は、裏上サイド可動縁出ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図167は、裏上サイド可動演出ユニットの動きを示す説明図である。
本例の裏上サイド可動演出ユニット3400は、裏箱3001内における開口3001cよりも上側で裏上中可動演出ユニット3300の左右両側に取付けられており、裏上中可動演出ユニット3300を挟んで略対象に形成された右ユニット3400Rと左ユニット3400Lとを備えている。また、裏上サイド可動演出ユニット3400は、シャンデリア状の装飾を有した裏上サイド可動装飾体3410と、裏上サイド可動装飾体3410の後側に配置され裏上サイド可動装飾体3410を所定軸周りに回動させる裏上サイド駆動機構3420と、を備えている。
この裏上サイド可動演出ユニット3400の裏上サイド可動装飾体3410は、滑らかに曲がった複数の線状部によりフレーム状に形成されると共に方向へ突出した複数の軸部3411aが形成され表面が金属光沢(ここでは、銀色)を有した前面部材3411と、前面部材3411の軸部3411aに夫々軸支され透明部材により流滴状に形成された複数の揺動部材3412と、揺動部材3412の後側に配置されると共に前面部材3411を支持し前後方向へ貫通した不定形の開口部3413aを有した装飾体ベース3413と、装飾体ベース3413の後側に配置され前面に複数のLED3414aが実装された裏上サイド装飾基板3414と、を備えている。なお、符号3417は、前面部材3411における軸部3411aの後端に取付けられ、軸部3411aから揺動部材3412が抜けるのを防止する押え部材である。この押え部材3417には、揺動部材3412の揺動範囲を規制する突起状の規制部3417aが備えられている(図167(c)を参照)。
裏上サイド可動装飾体3410の装飾体ベース3413は、図166における互いに対向した側面の下端側に形成された回動軸受部3413bと、上端側に形成された案内軸受部3413cと、を備えており、無色透明な部材によって形成されている。この装飾体ベース3413の回動軸受部3413b及び案内軸受部3413cには、夫々後方へ延出する回動軸3415及び案内軸3416が取付けられるようになっている。また、裏上サイド装飾基板3414は、前面が白色とされ目立ち難いようになっている。
一方、裏上サイド可動演出ユニット3400の裏上サイド駆動機構3420は、裏上サイド可動装飾体3410の後側に配置され回動軸3415を挿通可能な軸孔3421a、及び軸孔3421aを中心とした所定半径の円弧状に延びると共に前後方向へ貫通し案内軸3416を挿通可能な案内溝3421bを有し後側が開放された浅い箱状の駆動ベース3421と、駆動ベース3421の後側を閉鎖する駆動カバー3422と、駆動カバー3422と駆動ベース3421との間に配置され回動軸3415の後端に固定される扇状のベースギア3423と、ベースギア3423と噛合する第一伝達ギア3424と、第一伝達ギア3424と噛合する小径の第一ギア部3425a及び第一ギア部3425aの後側に一体形成され第一ギア部3425aよりも大径の第二ギア部3425bを有した変速ギア3425と、変速ギア3425の第二ギア部3425bと噛合する第二伝達ギア3426と、第二伝達ギア3426と噛合する駆動ギア3427と、駆動ギア3427が回転軸に固定され駆動カバー3422の後面に取付けられる裏上サイド駆動モータ3428と、裏上サイド駆動モータ3428及び裏上サイド装飾基板3414とランプ駆動基板4160やモータ駆動基板4165との接続を中継する裏上サイド中継基板3429と、駆動ベース3421の後側から案内軸3416の後端に挿入され駆動ベース3421の案内溝3421b内を摺動可能とされたブッシュ3430と、裏上サイド可動装飾体3410の回動位置を検知する回動位置検知センサ3431と、を備えている。
裏上サイド駆動機構3420の駆動ベース3421は、無色透明な部材によって形成されており、案内溝3421bが軸孔3421aの直上から約90度の角度範囲で円弧状に延びている。また、駆動ベース3421における案内溝3421bの両端は、裏上サイド可動装飾体3410の案内軸3416(ブッシュ3430)と当接するストッパ部3421cとされている。また、ベースギア3423は、不透光性(ここでは、黒色)の部材によって形成されており、ギア歯が約135度の角度範囲に形成されていると共に、半径方向外方へ延出した検知片3423aを有している。このベースギア3423の検知片3423aを、回動位置検知センサ3431で検知することで、裏上サイド可動装飾体3410の回動位置を検知することができるようになっている。
本例の裏上サイド可動演出ユニット3400は、通常の状態(通常位置)では、図167(a)に示すように、左右の各裏上サイド可動装飾体3410が、回動軸3415の直上に案内軸3416が位置した状態となっており、裏上サイド可動装飾体3410の一部がわずかに駆動ベース3421の下端から下方へ突出した状態となっている。この通常の状態では、裏上サイド可動装飾体3410の下端が、正面視でセンター役物2500における窓部2501よりもわずかに上側に位置しており、裏上サイド可動装飾体3410が遊技者側から殆ど見えないようになっている(図108等を参照)。
裏上サイド可動装飾体ユニット3400は、通常の状態から各裏上サイド駆動モータ3428によって駆動ギア3427を所定方向へ回転駆動させると、駆動ギア3427からの回転が第二伝達ギア3426、変速ギア3425、及び第一伝達ギア3424を介してベースギア3423へ伝達され、ベースギア3423が夫々所定方向(右ユニット3400Rでは時計回りの方向、左ユニット3400Lでは反時計回りの方向)へ回動することとなり、ベースギア3423と一体回転する回動軸3415を介して左右の裏上サイド可動装飾体3410も夫々所定方向へ回動することとなる。
また、裏上サイド可動装飾体ユニット3400では、裏上サイド駆動モータ3428の駆動により裏上サイド可動装飾体3410を回動させると、装飾体ベース3413の案内軸受部3413cに取付けられた案内軸3416の後端のブッシュ3430が、駆動ベース3421の案内溝3421bに沿って下方へ移動する。
この裏上サイド可動装飾体3410は、回動に伴って、センター役物2500における上内縁から窓部2501内へと降下し、遊技者側から徐々に視認できるようになる。そして、裏上サイド可動装飾体3410の回動に伴って案内溝3421b内を移動するブッシュ3430が、案内溝3421cの下端のストッパ部3421cに当接すると、ブッシュ3430の移動が強制的に停止され裏上サイド可動装飾体3410の回動が停止すると共に、裏上サイド駆動モータ3428の駆動が停止するようになっている(図167(b)を参照)。この状態(出現位置の状態)では、裏上サイド可動装飾体3410の略全体が、正面視でセンター役物2500における窓部2501内に位置した状態となる(図178を参照)。
裏上サイド可動装飾体3410が回動して窓部2501内に出現した状態で、裏上サイド装飾基板3414のLED3414aを発光させることで、裏上サイド可動装飾体3410を発光装飾させることができ、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
また、本例の裏上サイド可動演出ユニット3400は、裏上サイド可動装飾体3410が遊技者側から視認できるように回動させて出現させると、上述したように、案内軸3416に支持されたブッシュ3430が案内溝3421bの下端のストッパ部3421cに当接して急激に回動が停止するので、裏上サイド可動装飾体3410に大きな慣性力が作用し、その慣性力によって軸支された複数の揺動部材3412が左右方向へ揺れるようになっている。そして、揺動部材3412が揺れている状態で裏上サイド装飾基板3414のLED3414aを発光させると、LED3414aの前を揺動部材3412が行ったり来たりすることで、LED3414aからの光をユラユラと揺らめかせたり、揺動部材3412を通した屈折方向を様々な方向へ変化させたりすることができ、裏上サイド可動装飾体3410をキラキラさせて装飾性が高くなるようになっている。
一方、裏上サイド可動装飾体3410をセンター役物2500における窓部2501内に位置させた状態から、最初の通常の状態へ戻すには、裏上サイド駆動モータ3428を夫々逆方向へ回転駆動することで、左右の裏上サイド可動装飾体3410を夫々逆方向へ回動させることができ、夫々の回動軸3415の後端に固定されたベースギア3423の検知片3423aが、回動検知センサ3431によって検知されるまで裏上サイド駆動モータ3428を駆動すると、夫々の回動軸3416の後端に支持されたブッシュ3430が案内溝3421bの上端に位置し、裏上サイド可動装飾体3410が窓部2501よりも上側に位置した通常の状態に復帰させることができるようになっている。
このように、本例では、始動入賞により抽選された特別抽選結果に応じて裏上サイド駆動機構3420の裏上サイド駆動モータ3428により駆動ギア3427を回転駆動させると、駆動ギア3427の回転が第二伝達ギア3426、変速ギア3425、第一伝達ギア3424、及びベースギア3423を介して裏上サイド可動装飾体3410の回動軸3415に伝達されて、裏上サイド可動装飾体3410が回動移動することとなる。そして、回動する裏上サイド可動装飾体3410の案内軸3416が裏上サイド駆動機構3420のストッパ部3421cに当接すると、裏上サイド可動装飾体3410が急激に停止し、揺動部材3412に対して強い慣性力を作用させることができる。従って、裏上サイド可動装飾体3410における前面部材3411の軸部3411aに軸支された複数の揺動部材3412が大きく揺動し、裏上サイド可動装飾体3410全体の外観が各揺動部材3412の動きや動いた位置等によってその都度変化することとなり、裏上サイド可動装飾体3410の装飾を変化させることができ、多彩な装飾によって見飽き難い裏上サイド可動装飾体3410とすることができると共に、揺動部材3412の揺動を目立たせることができ、裏上サイド可動装飾体3410による装飾や動きを楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、揺動部材3412を多面体状としているので、裏上サイド可動装飾体3410が移動したり揺動部材3412が揺動したりして揺動部材3412の向きが変化すると、揺動部材3412の見え方も変化することとなり、これによっても裏上サイド可動装飾体3410の外観を変化させることができ、裏上サイド可動装飾体3410の装飾を見飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者に対して裏上サイド可動装飾体3410の装飾の変化を楽しませることができる。
更に、裏上サイド可動装飾体3410を、始動入賞による特別抽選結果に応じて裏上サイド駆動機構3420により移動させるようにしているので、裏上サイド可動装飾体3410が移動することで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、特別抽選結果に対する期待感を高めさせて興趣が低下するのを抑制することができると共に、裏上サイド可動装飾体3410が移動することで遊技者を裏上サイド可動装飾体3410へ注目させることができ、裏上サイド可動装飾体3410の動きや装飾の変化を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、揺動部材3412を前面部材3411によって軸支するようにしているので、例えば、左右方向へ直線的にスライドさせて揺動させるようにした場合と比較して、揺動部材3412を重力によって揺動する前の状態(通常の状態)に復帰させ易くなるため、通常の状態と揺動している状態とで裏上サイド可動装飾体3410の装飾の変化にメリハリを付けることができ、揺動部材3412を揺動させた時の見た目のインパクトを高めることができると共に、裏上サイド可動装飾体3410に対して遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、揺動部材3412を軸支するようにしており、裏上サイド可動装飾体3412の移動を停止させた後でも揺動部材3412を揺動し続けさせることができるので、遊技者の関心を長い間、裏上サイド可動装飾体3410へ引付けて装飾の変化や揺動部材3412の動き等を楽しませることができ、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、裏上サイド可動装飾体3410に、正面視で揺動部材3412にかかるように配置された複数のLED3414aを有する裏上サイド装飾基板3414を、備えており、遊技状態に応じてLED3414aを発光させると共に裏上サイド可動装飾体3410を移動させて揺動部材3412を揺動させると、透光性を有した多面体状の揺動部材3412がLED3414aの前側で揺動するので、LED3414aからの光が揺動部材3412で遮られたり、揺動部材3412により様々な方向へ屈折させられたりして、裏上サイド可動装飾体3410をキラキラと煌かせることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な発光装飾を行うことができると共に、裏上サイド可動装飾体3410をキラキラと光らせて綺麗に見せることができるので、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと強く期待させることができ、遊技者の期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏上サイド装飾基板3414のLED3414aを発光させることで裏上サイド可動装飾体3410を発光装飾させることができるので、裏上サイド可動装飾体3410の可動や揺動部材3412の揺動による可動演出に加えて、LED3414aによる発光演出も遊技者に提示することができ、多彩な演出を楽しませて飽き難いパチンコ機1とすることができる。また、LED3414aの発光と揺動部材3412の揺動により裏上サイド可動装飾体3410をキラキラと煌かせることができるので、遠くからでも裏上サイド可動装飾体3410の発光装飾を目立たせることが可能となり、遊技者に対する訴求力を高くすることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることができると共に、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
更に、揺動部材3412の揺動範囲を規制する規制部3417aを備えているので、揺動する揺動部材3412同士が接触したり、揺動部材3412が他の部材に接触したりするのを回避させることができ、接触によって揺動部材3412等が破損するのを防止することができると共に、揺動部材3412等の破損によって遊技が中断してしまうのを防止することができ、遊技の中断によって遊技者に苛立ちを与えてしまい興趣を低下させてしまうのを防止することができる。
また、裏上サイド可動装飾体3410の回動端を規制するストッパ部3421cを備えているので、裏上サイド可動装飾体3410が他の部材に接触するのを回避させることができるので、接触により破損して遊技の中断の原因となるのを防止することができ、遊技が中断して遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
また、駆動ベース3421の案内溝3421bによって裏上サイド可動装飾体3410の案内軸3416を案内するようにしているので、裏上サイド可動装飾体3410を回動軸3415と案内軸3416とで支持することが可能となり、裏上サイド可動装飾体3410を大きくしてもスムーズに回動移動させることができ、大型化して遊技者の関心を強く引付けられる裏上サイド可動装飾体3410とすることができる。また、案内溝3421bによって裏上サイド可動装飾体3410の案内軸3416を案内しており、案内軸3416を確実にストッパ部3421cへ案内することができるので、案内軸3416をストッパ部3421cに確実に当接させて揺動部材3412に強い慣性力を作用させることができ、揺動部材3412を大きく揺動させて遊技者に対して目立たせることができる。
また、裏上サイド駆動モータ3428からの回転駆動を、駆動ギア3427、第二伝達ギア3426、変速ギア3425、第一伝達ギア3424、及びベースギア3423を介して裏上サイド可動装飾体3410の回動軸3415へ伝達させるようにしているので、裏上サイド駆動モータ3428の位置を回動軸3415から可及的に遠い位置に配置することができ、裏上サイド駆動モータ3428を遊技者側から目立ち難い位置に配置して裏上サイド可動装飾体3410等の装飾性が損なわれるのを防止することができる。また、駆動ベース3421と裏上サイド駆動モータ3428が取付けられる駆動カバー3422との間に駆動ギア3427やベースギア3423等を配置しており、蓋然的に、駆動ギア3427やベースギア3423等が駆動ベース3421と駆動カバー3422とで覆われた状態となるので、駆動ギア3427等に外部から埃等が付着するのを防止することが可能となり、埃等がギア歯に噛んで駆動ギア3427等が回らなくなったり回り難くなったりするのを防止することができ、裏上サイド駆動モータ3428からの回転駆動を確実に伝達させて裏上サイド可動装飾体3410を回動移動させることができる。
[2−12.裏上中可動演出ユニットと裏上サイド可動演出ユニットとの関係]
次に、裏ユニット3000における裏上中可動演出ユニット3300と裏上サイド可動演出ユニット3400との関係について、図168を参照して説明する。図168(a)は裏上中可動演出ユニット及び裏上サイド可動演出ユニットの正面図であり、(b)は(a)において裏上中可動装飾体と裏上サイド可動装飾体を出現位置に位置させた状態を示す正面図であり、(c)は(b)の底面図である。
本例の裏ユニット3000における裏上中可動演出ユニット3300及び裏上サイド可動演出ユニット3400は、裏上中可動演出ユニット3300の左右両側に裏上サイド可動演出ユニット3400が配置されており、正面視では、裏上中可動演出ユニット3300と裏上サイド可動演出ユニット3400とが一体となった演出ユニットに見えるようになっている。そして、裏上中可動装飾体3330と左右の裏上サイド可動装飾体3410を夫々出現位置に位置された状態とすると、図168(b)に示すように、正面視で、裏上中可動装飾体3330の左右両側に裏上サイド可動装飾体3410が位置した状態となり、一体感のある装飾部材となるようになっている。
また、裏上中可動演出ユニット3300及び裏上サイド可動演出ユニット3400は、図168(c)に示すように、裏上中可動装飾体3330よりも後側に裏上サイド可動装飾体3410が配置されており、互いに前後方向の異なる位置に配置されている。これにより、左右の裏上サイド可動装飾体3410を正面視で可及的に裏上中可動装飾体3330へ近付けることができ、各可動装飾体3330,3410同士の一体感を高めることができると同時に、裏上中可動装飾体3330を上下方向へ延びた軸周りに回転させた時に、可動装飾体3330,3410同士を接触し難くすることができ、裏上中可動装飾体3330を確実に回転させることができるようになっている。
また、上述したように、裏上中可動装飾体3330よりも後側に裏上サイド可動装飾体3410を配置しているので、裏上サイド可動装飾体3410における裏上サイド装飾基板3414のLEDを発光させると、その光の一部によって裏上中可動装飾体3330の側面を照らすことが可能となり、裏上中可動装飾体3330を外側に配置され金属光沢を有する枠部材3332で反射させてキラキラと輝かせることができ、発光装飾による装飾効果を高めることができるようになっている。
このように、本例の裏上中可動演出ユニット3300及び裏上サイド可動演出ユニット3400は、遊技領域1100内に打ち込まれた遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102へ受入れられることで抽選される特別抽選結果に応じて、裏上中可動演出ユニット3300の昇降駆動機構3310により遊技者側から視認不能な位置から視認可能な位置へ裏上中可動装飾体3330が下降して出現した上で、裏上サイド可動演出ユニット3400の裏上サイド駆動機構3420により遊技者側から視認不能な位置から一対の裏上サイド可動装飾体3410が視認可能となる裏上中可動装飾体3330の両側に可及的に接近した位置へ移動して、遊技領域1100の正面に位置した遊技者に対して裏上中可動装飾体3330と裏上サイド可動装飾体3410とが合体したように錯覚させることができ、更に、回転駆動機構3340により裏上中可動装飾体3330が回転するような一連の可動演出を行うことができるので、単に合体するだけの従来のパチンコ機に見慣れた遊技者に対して、強いインパクトを与えることが可能となり、遊技者の関心を裏上中可動装飾体3330や裏上サイド可動装飾体3410に強く引付けることができ、可動装飾体3330,3410による可動演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏上中可動装飾体3330よりも後側に裏上サイド可動装飾体3410を配置しており、裏上サイド可動装飾体3410を裏上中可動装飾体3330に対して可及的に接近させた位置で裏上中可動装飾体3330を回転させても、裏上中可動装飾体3330と裏上サイド可動装飾体3410とが接触するのを回避させることができるので、裏上中可動装飾体3330を良好に回転させることができ、上述した可動演出を確実に行うことが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技者側から視認可能となる位置に出現させた裏上中可動装飾体3330に対して、遊技者側より視認不能な位置から裏上サイド可動装飾体3410を可及的に接近した位置へ移動させて合体したように見せた上で、更にその状態で裏上中可動装飾体3330を回転させることができるようにしており、裏上中可動装飾体3330及び裏上サイド可動装飾体3410による可動演出を多段階で行うことができるので、裏上中可動装飾体3330及び裏上サイド可動装飾体3410が合体した後でも次の可動演出に期待させることができ、遊技者の関心を引続き引付けることができると共に、飽き難い可動演出とすることができ、合体したように見える可動装飾体3330,3410を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏上中可動装飾体3330の回転軸を挟んで両側から裏上サイド可動装飾体3410が接近するようにしており、蓋然的に、裏上中可動装飾体3330が遊技領域1100の左右方向略中央に配置されることとなるので、裏上サイド可動装飾体3410を裏上中可動装飾体3330に接近する方向へ移動させる前の状態では裏上中可動装飾体3330を充分に目立たせることができ、遊技者を裏上中可動装飾体3330へ注目させ易くすることができると共に、裏上サイド可動装飾体3410を接近する方向へ移動させて合体したように錯覚させることで可動装飾体3330,3410全体の見え方を大きく変化させることができるので、合体後のインパクトを高めて遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、裏上サイド可動装飾体3410を、裏上中可動装飾体3330の回転軸に対して略直角方向から裏上中可動装飾体3330へ接近させるようにしており、回転する裏上中可動装飾体3330の前後方向に対して裏上サイド可動装飾体3410を可及的に近付けることができるので、裏上サイド可動装飾体3410を裏上中可動装飾体3330へ接近した位置へ移動させた時に、遊技領域1100の正面に位置した遊技者に対して裏上中可動装飾体3330と裏上サイド可動装飾体3410とがより一体的に合体したように錯覚させることができ、裏上中可動装飾体3330及び裏上サイド可動装飾体3410による可動演出を楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏上サイド可動装飾体3410を、裏上中可動装飾体3330よりも後側に配置しているので、遊技者が裏上中可動装飾体3330に注目した状態で、裏上サイド可動装飾体3410を裏上中可動装飾体3330へ接近した位置に移動させても、無意識に裏上サイド可動装飾体3410へ焦点を合せてしまうのを抑制することができ、その後に裏上中可動装飾体3330が回転しても裏上中可動装飾体3330へ再び焦点を移動させる必要性を可及的に低減させることができる。従って、頻繁に焦点移動するのを低減することができるので、早期に眼球疲労が発生するのを抑制することができ、眼球疲労によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、裏上サイド可動装飾体3410を裏上中可動装飾体3330よりも後側に配置しているので、裏上サイド可動装飾体3410を裏上中可動装飾体3330へ接近する位置に移動させても、裏上中可動装飾体3330を引続き目立たせて注目させ続けることが可能となり、その後に続く裏上中可動装飾体3330の回転演出を確実に見せることができ、裏上中可動装飾体3330等による可動演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、裏上サイド可動装飾体3410に裏上サイド装飾基板3414を備えているので、裏上サイド装飾基板3414のLED3414aを適宜発光させることで、裏上サイド可動装飾体3410を発光装飾させることができ、裏上サイド可動装飾体3410を目立たせることができると共に、裏上サイド可動装飾体3410が裏上中可動装飾体3330よりも後側に配置されているので、裏上サイド装飾基板3414のLED3414aからの光によって裏上中可動装飾体3330を両側から照らすことができ、裏上中可動装飾体3330を明るく照らして裏上中可動装飾体3330も目立たせることができる。従って、裏上サイド装飾基板3414からの光によって裏上中可動装飾体3330及び裏上サイド可動装飾体3410を共に発光装飾させることができるので、裏上中可動装飾体3330等に遊技者の関心を強く引付けることができ、可動演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏上中可動装飾体3330の表面の一部に金属光沢を有した枠部材3332を備えているので、裏上サイド装飾基板3414のLED3414aからの光、遊技領域1100内の他の光源からの光、パチンコ機1外に配置された光源からの光、等を枠部材3332によって遊技者側へ反射させることができ、裏上中可動装飾体3330をキラキラと輝かせることができると共に、輝く裏上中可動装飾体3330により遊技者の関心を引付けることができ、裏上中可動装飾体3330等による可動演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、裏上中可動装飾体3330に金属光沢を有した枠部材3332を備えているので、裏上中可動装飾体3330を回転させることで、枠部材3332が様々な方向へ向くこととなり、枠部材3332によって様々な方向へ光を反射させてキラキラした感じを増幅させることができ、裏上中可動装飾体3330を目立たせて遊技者の関心を強く引付けることができると共に、裏上中可動装飾体3330によるキラキラした発光装飾を楽しませて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏上中装飾基板3334のLED3334aを発光させることで裏上中可動装飾体3330を内側から発光装飾させることができるので、裏上中可動装飾体3330をより目立たせることが可能となり、遊技者の関心を裏上中可動装飾体3330へ引付けて裏上中可動装飾体3330の発光装飾(発光演出)や可動演出等を確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、裏上中装飾基板3334により裏上中可動装飾体3330を発光装飾させることができるので、裏上中可動装飾体3330を回転させることで、裏上中装飾基板3334のLED3334aからの光を様々な方向へ照射したり裏上サイド可動装飾体3410等を照らしたりすることが可能となり、裏上中可動装飾体3330や裏上サイド可動装飾体3410等をキラキラと綺麗に輝かせることができ、裏上中可動装飾体3330等の発光演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[2−13.裏下可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏下可動演出ユニット3500について、図169乃至図174を参照して説明する。図169は遊技盤における裏ユニットの裏下可動演出ユニットと裏右可動演出ユニットとを前から見た斜視図であり、図170は裏下可動演出ユニットと裏右可動演出ユニットとを後から見た斜視図である。また、図171は裏下可動演出ユニット及び裏右可動演出ユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図172は裏下可動演出ユニット及び裏右可動演出ユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。更に、図173は、裏下可動演出ユニットの主要な構成を示す正面図である。また、図174は、裏下可動演出ユニットの動きを示す説明図である。
本例の裏下可動演出ユニット3500は、前方から見た豪華客船の舳先部分を模した平板状の裏下可動装飾体3510と、裏下可動装飾体3510の右端を昇降可能に支持し裏箱3001内における開口3001cよりも右側に取付けられる裏下右駆動機構3530と、裏下可動装飾体3510の左端を昇降可能に支持し裏箱3001内における開口3001cよりも左側に取付けられる裏下左駆動機構3550と、を備えている。この裏下可動演出ユニット3500は、左右の駆動機構3530,3550によって裏下可動装飾体3510の左右を夫々別々に昇降させることができ、裏下可動装飾体3510を真直ぐ昇降させたり、傾けたりすることができるようになっている。
この裏下可動演出ユニット3500の裏下可動装飾体3510は、大型の豪華客船の舳先を模したものであり、左右方向の中心に対して舳先が左側へオフセットした状態となっている。これにより、真正面から見た位置よりもやや右寄り(左舷寄り)の位置から見た豪華客船を模したものであるように思わせることができるようになっており、後述の裏右可動演出ユニット3600の裏右可動装飾体3610が違和感なく豪華客船のブリッジに見えるようになっている。また、この裏下可動装飾体3510は、左右方向の幅がセンター役物2500における窓部2501の左右方向の幅よりも大きく形成されていると共に、上下方向の高さが窓部2501の高さの約3/4の高さとされており、遊技者に対して従来のパチンコ機に備えられた可動体に比べてかなり大きなものである印象を与えることができるようになっている。
裏下可動演出ユニット3500の裏下可動装飾体3510は、無色透明な部材で形成され左右両端が裏下右駆動機構3530及び裏下左駆動機構3550に夫々支持される板状の装飾体ベース3511と、装飾体ベース3511の前側に取付けられ全体が前方から見た豪華客船の舳先を模した不透明な前装飾部材3512と、前装飾部材3512の上端付近から後方へ延出し甲板を模した不透明な上装飾部材3513と、を備えている。
この裏下可動装飾体3510の装飾体ベース3511は、右端上部に形成され裏下右駆動機構3530の右スライダ3544の上支持軸3545が挿入される円形状の右上支持孔3511aと、右上支持孔3511aの下側に配置され右スライダ3544の下支持軸3546が挿入される左右方向へ延びた長孔状の右下支持孔3511bと、左端上部に形成され裏下左駆動機構3550の左スライダ3564の上支持軸3565が挿入される左右方向へ延びた長孔状の左上支持孔3511cと、左上支持孔3511cの下側に配置され左スライダ3564の下支持軸3566が挿入される左右方向へ延びた長孔状の左下支持孔3511dと、を備えている。
また、裏下可動装飾体3510の前装飾部材3512は、図示するように、豪華客船の舳先を模したものであり、左右方向中央に対して左寄りの位置に上下方向へ延びる水舳を模した装飾と、水舳を模した装飾を挟んで両側下部に碇を模した立体的な装飾と、上端に左右方向へ延びた柵状の装飾とが形成されていると共に、碇を模した装飾の夫々上側に船名の形状で前後方向へ貫通した第一開口部3512aと、船体に形成された円形の窓を模し前後方向へ貫通した複数の第二開口部3512bと、を備えている。前装飾部材3512の第一開口部3512a及び第二開口部3512bは、夫々装飾体ベース3511によって閉鎖されている。
更に、裏下可動装飾体3510の上装飾部材3513は、左右方向の右端から約1/3を残した左側の位置で前装飾部材3512の上部の柵を模した装飾の下側から後方へ一定の奥行きで延出している。
また、裏下可動装飾体3510は、図172に示すように、装飾体ベース3511の後側に取付けられ前面に複数のLEDが実装された裏下装飾基板3514と、裏下装飾基板3514における上装飾部材3513の下側に対応した後側を覆う無色透明な基板カバー3515と、を更に備えている。
この裏下可動装飾体3510の裏下装飾基板3514は、詳細な図示は省略するが、裏右可動演出ユニット3600の前側に位置する部位と、前装飾部材3512における正面視右側の第一開口部3512aと略対応した部位と、正面視左側の第一開口部3512aと対応した部位とに、左右方向へ三つに分割された形態となっており、夫々の部位を独立して発光装飾させることができるようになっている。
また、裏下可動装飾体3510の基板カバー3515は、図170及び図172等に示すように、後面に前方へ凹むと共に下方が開放された凹部3515aが形成されており、この凹部3515a内に裏下装飾基板3514と裏下中継基板3024とを接続する図示しないフレキシブルフラットケーブルが収容されるようになっている。
裏下可動演出ユニット3500における裏下右駆動機構3530は、金属板により形成され上下方向へ長く延び矩形状の駆動機構ベース3531と、駆動機構ベース3531の前側で右端付近に配置され円柱状で上下方向へ延びた長尺状の第一レール3532と、第一レール3532の左側に配置され円柱状で上下方向へ延びると共に第一レール3532よりも下端側が短くされた第二レール3533と、第一レール3532及び第二レール3533の上端を夫々支持し駆動機構ベース3531の上部前面に取付けられる上レール支持部材3534と、第一レール3532及び第二レール3533の下端を夫々支持し駆動機構ベース3531の下部前面に取付けられる下レール支持部材3535と、を備えている。
また、裏下右駆動機構3530は、図173に示すように、第二レール3533の上側で前後方向へ延びた軸周りに回転可能に支持され歯付プーリ3536a及び歯付プーリ3536aの後側に一体回転可能とされたギア部3536bを有する駆動プーリ3536と、第二レール3533の下側で前後方向へ延びた軸周りに回転可能に支持された従動プーリ3537と、駆動プーリ3536の歯付プーリ3536aと従動プーリ3537とに巻き掛けられる歯付ベルト3538と、を更に備えている。本例では、図示するように、歯付ベルト3538によって第二レール3533の周りが囲まれた状態となっている。
また、裏下右駆動機構3530は、駆動プーリ3536のギア部3536bと噛合し駆動プーリ3536の上側に配置される駆動ギア3539(図173を参照)と、駆動ギア3539及び駆動プーリ3536の前側を覆い上レール支持部材3534の前面に取付けられるカバー部材3540(図171等を参照)と、カバー部材3540の前面に取付けられ後方へ延出した回転軸の先端に駆動ギア3539が固定される裏下右駆動モータ3541と、を更に備えている。
更に、裏下右駆動機構3530は、従動プーリ3537を回転可能に支持すると共に第一レール3532によって上下方向へスライド可能に支持されたプーリ支持部材3542と、プーリ支持部材3542の下端に上端が取付けられると共に駆動機構ベース3531の下端に下端が取付けられプーリ支持部材3542を下方へ付勢する付勢部材3543と、を備えている。
また、裏下右駆動機構3530は、第一レール3532及び第二レール3533によって上下方向へスライド可能に支持されると共に第一レール3532と第二レール3533との間で歯付ベルト3538に取付けられる右スライダ3544と、右スライダ3544の前面上部から前方へ突出する上支持軸3545と、上支持軸3545の下側に配置され右スライダ3544の前面下部から前方へ突出する下支持軸3546と、右スライダ3544の昇降位置を検知し駆動機構ベース3531に取付けられる複数の昇降位置検知センサ3547と、更に備えている。
この裏下右駆動機構3530の駆動機構ベース3531は、所定厚の金属板の外周を屈曲させて浅い箱状に形成したものであり、上下方向へ延びた矩形状の貫通孔3531aを有している。また、第一レール3532及び第二レール3533は、共に同じ径の金属ロッドとされている。また、右スライダ3544は、後面に方向へ延出した板状の検知片3544aを備えている。この右スライダ3544の検知片3544aは、組立てた状態では駆動機構ベース3531の貫通孔3531a内へ進入するようになっており、駆動機構ベース3531の後側に取付けられた昇降位置検知センサ3547によって検知されることができるようになっている。
裏下右駆動機構3530における右スライダ3544から前方へ突出した上支持軸3545及び下支持軸3546は、夫々裏下可動装飾体3510における装飾体ベース3511の右上支持孔3511a及び右下支持孔3511bに挿入された上で、前端にブッシュ3548が取付けられるようになっている。これにより、下支持軸3546が挿入された長孔状の右下支持孔3511b内において移動できる範囲内で、裏下可動装飾体3510を、右スライダ3544の上支持軸3545周りに回動可能に支持することができるようになっている。
裏下右駆動機構3530は、下側に配置された従動プーリ3537を回転可能に支持するプーリ支持部材3542をコイルスプリングからなる付勢部材3543によって下方へ付勢するようにしているので、従動プーリ3537を駆動プーリ3536から遠ざかる方向へ付勢することができ、駆動プーリ3536の歯付プーリ3536aと従動プーリ3537とに巻き掛けられた歯付ベルト3538に対してテンション(張力)を付与することができ、駆動プーリ3536が歯付ベルト3538に対して空回りするのを防止することができるようになっている。
この裏下右駆動機構3530は、裏下右駆動モータ3541を駆動して駆動ギア3539を例えば正面視時計回りの方向へ回転させると、駆動ギア3539と噛合した駆動プーリ3536のギア部3536bによって駆動プーリ3536が反時計回りの方向へ回転し、駆動プーリ3536の歯付プーリ3536aと従動プーリ3537とに巻き掛けられた歯付ベルト3538が第二レール3533の周りを反時計回りの方向へ周回するように回転することとなり、歯付ベルト3538における第二レール3533の左側の部分が上昇する方向へ移動することとなる。そして、第二レール3533の左側、つまり、第二レール3533と第一レール3532との間で歯付ベルト3538に固定された右スライダ3544が、第一レール3532と第二レール3533とに案内されて歯付ベルト3538と共に上方へ移動することができるようになっている。
一方、裏下可動演出ユニット3500における裏下左駆動機構3550は、金属板により形成され上下方向へ長く延び矩形状の駆動機構ベース3551と、駆動機構ベース3551の前側で右端付近に配置され円柱状で上下方向へ延びた長尺状の第一レール3552と、第一レール3552の左側に配置され円柱状で上下方向へ延びると共に第一レール3552よりも下端側が短くされた第二レール3553と、第一レール3552及び第二レール3553の上端を夫々支持し駆動機構ベース3551の上部前面に取付けられる上レール支持部材3554と、第一レール3552及び第二レール3553の下端を夫々支持し駆動機構ベース3551の下部前面に取付けられる下レール支持部材3555と、を備えている。
また、裏下左駆動機構3550は、図173に示すように、第二レール3553の上側で前後方向へ延びた軸周りに回転可能に支持され歯付プーリ3556a及び歯付プーリ3556aの後側に一体回転可能とされたギア部3556bを有する駆動プーリ3556と、第二レール3553の下側で前後方向へ延びた軸周りに回転可能に支持された従動プーリ3557と、駆動プーリ3556の歯付プーリ3556aと従動プーリ3557とに巻き掛けられる歯付ベルト3558と、を更に備えている。本例では、図示するように、歯付ベルト3558によって第二レール3553の周りが囲まれた状態となっている。
また、裏下左駆動機構3550は、駆動プーリ3556のギア部3556bと噛合し駆動プーリ3556の上側に配置される駆動ギア3559(図173を参照)と、駆動ギア3559及び駆動プーリ3556の前側を覆い上レール支持部材3554の前面に取付けられるカバー部材3560(図171等を参照)と、カバー部材3560の前面に取付けられ後方へ延出した回転軸の先端に駆動ギア3559が固定される裏下左駆動モータ3561と、を更に備えている。
更に、裏下左駆動機構3550は、従動プーリ3557を回転可能に支持すると共に第一レール3552によって上下方向へスライド可能に支持されたプーリ支持部材3562と、プーリ支持部材3562の下端に上端が取付けられると共に駆動機構ベース3551の下端に下端が取付けられプーリ支持部材3562を下方へ付勢する付勢部材3563と、を備えている。
また、裏下左駆動機構3550は、第一レール3552及び第二レール3553によって上下方向へスライド可能に支持されると共に第一レール3552と第二レール3553との間で歯付ベルト3558に取付けられる左スライダ3564と、左スライダ3564の前面上部から前方へ突出する上支持軸3565と、上支持軸3565の下側に配置され左スライダ3564の前面下部から前方へ突出する下支持軸3566と、左スライダ3564の昇降位置を検知し駆動機構ベース3551に取付けられる複数の昇降位置検知センサ3567と、更に備えている。
この裏下左駆動機構3550の駆動機構ベース3551は、所定厚の金属板の外周を屈曲させて浅い箱状に形成したものである。また、第一レール3552及び第二レール3553は、共に同じ径の金属ロッドとされている。また、左スライダ3564は、左方向へ延出した板状の検知片3564aを備えている。この左スライダ3564の検知片3564aは、組立てた状態では駆動機構ベース3551の左端前面に取付けられた昇降位置検知センサ3567によって検知されるようになっている。
裏下左駆動機構3550における左スライダ3564から前方へ突出した上支持軸3565及び下支持軸3566は、夫々裏下可動装飾体3510における装飾体ベース3511の左上支持孔3511c及び左下支持孔3511dに挿入された上で、前端にブッシュ3568が取付けられるようになっている。これにより、裏下可動装飾体3510における左端を、長孔状の左上支持孔3511c及び左下支持孔3511dの範囲内で左右方向へ移動可能に支持することができるようになっている。
裏下左駆動機構3550は、下側に配置された従動プーリ3557を回転可能に支持するプーリ支持部材3562をコイルスプリングからなる付勢部材3563によって下方へ付勢するようにしているので、従動プーリ3557を駆動プーリ3556から遠ざかる方向へ付勢することができ、駆動プーリ3556の歯付プーリ3556aと従動プーリ3557とに巻き掛けられた歯付ベルト3558に対してテンション(張力)を付与することができ、駆動プーリ3556が歯付ベルト3558に対して空回りするのを防止することができるようになっている。
この裏下左駆動機構3550は、裏下右駆動モータ3561を駆動して駆動ギア3559を例えば正面視時計回りの方向へ回転させると、駆動ギア3559と噛合した駆動プーリ3556のギア部3556bによって駆動プーリ3556が反時計回りの方向へ回転し、駆動プーリ3556の歯付プーリ3556aと従動プーリ3557とに巻き掛けられた歯付ベルト3558が第二レール3553の周りを反時計回りの方向へ周回するように回転することとなり、歯付ベルト3558における第二レール3553の左側の部分が上昇する方向へ移動することとなる。そして、第二レール3553の左側、つまり、第二レール3553と第一レール3552との間で歯付ベルト3558に固定された左スライダ3564が、第一レール3552と第二レール3553とに案内されて歯付ベルト3558と共に上方へ移動することができるようになっている。
本例の裏ユニット3000における裏下可動演出ユニット3500は、通常の状態では、裏下可動装飾体3510が最も下降した退避位置に位置しており、この状態では、図108等に示すように、正面視センター役物2500における窓枠2501の下内縁から裏下可動装飾体3510の上端がわずかに上側に位置した状態となっており、裏下可動装飾体3510の上端に形成された柵状の装飾のみが遊技者側から見えるようになっている。
この裏下可動演出ユニット3500は、通常の状態から左右の駆動機構3530,3550の駆動モータ3541,3561を夫々同じ方向へ同じ速度で回転させると、裏下可動装飾体3510の左右両端を夫々支持する左右のスライダ3544,3564が同時に同じ速度で上昇し、裏下可動装飾体3510が略水平を保った状態で上昇することができるようになっており、左右のスライダ3544,3564の検知片3544a,3564aが最も上側に配置された昇降位置検知センサ3547,3567に検知される位置(最大出現位置)まで上昇することができるようになっている(図174(a)を参照)。
この裏下可動装飾体3510が最も上昇した位置の状態では、図179に示すように、センター役物2500における窓部2501の下側(下内縁)から高さ方向の約3/4を覆うことができ、巨大な可動装飾体の出現により遊技者に対して強いインパクトを与えることができるようになっていると共に、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
また、裏下可動演出ユニット3500は、左右の駆動機構3530,3550を夫々独立して駆動させることができる上に、裏下可動装飾体3510の右端では右上支持孔3511aにより右スライダ3544における上支持軸3545の軸心周りに回動可能に支持されていると共に、左端では上下の支持孔3511c,3511dにより左スライダ3564の上下の支持軸3565,3566に対して左右方向へ移動可能に支持されているので、左右の駆動機構3530,3550におけるスライダ3544,3564の昇降位置を異ならせることで、裏上可動装飾体3510を略水平状態から傾かせることができるようになっている(図174(b)を参照)。
これにより、裏下可動装飾体3510に様々な動きをさせることができ、例えば、豪華客船を模した裏下可動装飾体3510が洋上で揺れているような動きをさせることもできるので、遊技者に対して裏下可動装飾体3510による可動演出を楽しませることができるようになっている。また、センター役物2500の窓部2501のほとんどを覆うことができる大型で立体的な裏下可動装飾体3510を備えているので、液晶表示装置1900による平面的な演出画像よりも遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の興趣を高められる効果を期待することができるようになっている。
ところで、例えば駆動プーリ3536,3556を下側に配置した場合、蓋然的に、従動プーリ3537,3557が上側に配置されると共に付勢部材3543,3563によって上方へ付勢された状態となる。この状態で、スライダ3544,3564を介して裏下可動装飾体3510の荷重が作用すると、歯付ベルト3538,3558を介して従動プーリ3537,3557に下向きの力が作用することとなり、この下向きに作用する力(裏下可動装飾体3510の荷重)によりスライダ3544,3564が付勢部材3543,3563の付勢力に抗して従動プーリ3537,3557と共に下方へ移動し、裏下可動装飾体3510が落下してしまう問題がある。しかしながら、本例の裏下可動演出ユニット3500は、左右の駆動機構3530,3550では、歯付ベルト3538,3558を駆動する駆動プーリ3536,3556をスライダ3544,3564に対して上側に配置しているので、歯付ベルト3538,3558におけるスライダ3544,3564と駆動プーリ3536,3556(歯付プーリ3536a,3556a)との間には、スライダ3544,3564を介して係る裏下可動装飾体3510の荷重によって、下方、つまり、歯付ベルト3538,3558が伸びる方向へ力が作用することとなり、駆動モータ3541,3561のブレーキングにより停止している駆動プーリ3536,3556によってスライダ3544,3564が落下するのを防止することができ、裏下可動装飾体3510を所望の位置に昇降させることができるようになっている。
また、本例の裏下可動演出ユニット3500は、裏下可動装飾体3510の左端側では、裏下左駆動機構3550の左スライダ3564に対して、横長の支持孔3511c,3511dによって左右方向へ移動可能な状態で支持しているので、裏下可動装飾体3510の左右を別々の駆動機構3530,3550で昇降させても、駆動機構3530,3550間の駆動の誤差を支持孔3511c,3511d等によって吸収することができ、裏下可動装飾体3510をスムーズに昇降させることができるようになっている。
更に、本例の裏下可動演出ユニット3500は、左右の駆動機構3530,3550では、第二レール3533,3553の周りを周回するように配置された歯付ベルト3538,3558における第一レール3532,3552と第二レール3533,3553との間の位置で、スライダ3544,3564に夫々取付固定するようにしているので、歯付ベルト3538,3558によってスライダ3554,3556を昇降させた時に、第一レール3532,3552及び第二レール3533,3553に対して略均等に力が係るようにスライダ3554,3556をスライド(昇降)させることができ、スライダ3554,3556(裏下可動装飾体3510)をスムーズに昇降させることができるようになっている。
このように、本例では、開口部1158に前側から窓部2501を有する枠状のセンター役物2500が取付けられた遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側でセンター役物2500の窓部2501を通して遊技者側から視認可能とされた液晶表示装置1900との間に、液晶表示装置1900の左右方向の幅よりも大きく半分以上被覆可能な大型の裏下可動装飾体3510を配置すると共に、裏下可動装飾体3510の左右両端を夫々上下方向へスライド移動(昇降)させる一対の裏下右駆動機構3530及び裏下左駆動機構3550を備え、これら駆動機構3530,3550を、裏下右駆動モータ3541及び裏下左駆動モータ3561により回転駆動される駆動プーリ3536,3556を上側に、駆動プーリ3536,3556と対になる従動プーリ3537,3557を下側に夫々配置した上で、駆動プーリ3536,3556及び従動プーリ3537,3557に歯付ベルト3538,3558を巻き掛けると共に付勢部材3543,3563によって従動プーリ3537,3557を下方へ付勢する構成としているので、スライダ3544,3564を介して裏下可動装飾体3510の荷重が歯付ベルト3538,3558に作用しても、その力(裏下可動装飾体3510の荷重)が付勢部材3543,3563の付勢力と同じ方向へ作用することとなり、歯付ベルト3538,3558にかかるテンションが打消されたり弱くなったりするのを回避させて駆動プーリ3536,3556と歯付ベルト3538,3558との間で滑りが発生するのを防止することができ、裏下可動装飾体3510を確実に昇降させることができる。
また、左右の駆動機構3530,3550における夫々のスライダ3544,3564では、裏下可動装飾体3510の右側を回動可能に支持すると共に、左側を左右方向へ移動可能に支持しているので、左右のスライダ3544,3564の移動タイミングがズレても、裏下可動装飾体3510の右側が回動すると共に左側が左右へ逃げることでスライダ3544,3564のズレを吸収することが可能となり、裏下可動装飾体3510の動きがギクシャクしたり動かなくなってしまったりするのを防止することができ、裏下可動装飾体3510を確実に昇降させることができる。また、上述したように、左右のスライダ3544,3564によって移動のズレを吸収することができるので、左右のスライダ3544,3564を互いに同調させて高精度でスライドさせることができる駆動機構3530,3550とする必要がなく、駆動機構3530,3550をスライドの精度が比較的低い安価なものとすることができ、パチンコ機1に係るコストが増加するのを抑制することができる。
更に、上述したように、左右のスライダ3544,3564の昇降位置がズレても裏下可動装飾体3510を問題なく昇降させることができるので、左右のスライダ3544,3564の昇降位置を意図的にずらすことで裏下可動装飾体3510を傾けることができ、裏下可動装飾体3510の動きのバリエーションを増やして飽き難くすることができると共に、遊技者の関心を強く引付けられる裏下可動装飾体3510とすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏下可動装飾体3510の左右両端を夫々異なる駆動モータ3541,3561を有した駆動機構3530,3550によって支持して昇降させるようにしているので、重量のある大型の裏下可動装飾体3510でも充分に昇降させることができ、大型の裏下可動装飾体3510を備えたパチンコ機1とすることができると共に、大型の裏下可動装飾体3510の昇降(可動演出)により遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上下方向に離間する駆動プーリ3536,3556及び従動プーリ3537,3557に巻き掛けられた歯付ベルト3538,3558を備えた駆動機構3530,3550によって裏下可動装飾体3510を昇降させるようにしているので、駆動プーリ3536,3556と従動プーリ3537,3557との間で裏下可動装飾体3510を移動させることができ、駆動機構3530,3550に係るスペースに対して裏下可動装飾体3510の移動範囲を可及的に大きくすることができると共に、駆動機構3530,3550を縦長として液晶表示装置1900の左右両側に配置することができるので、液晶表示装置1900の前面で裏下可動装飾体3510を大きく昇降させることができ、裏下可動装飾体3510によって液晶表示装置1900の演出画像を遮ることで遊技者の関心を強く引付けることができる。
また、大型の裏下可動装飾体3510を支持して昇降させる左右の駆動機構3530,3550における駆動モータ3541,3561を、夫々第一レール3532,3552及び第二レール3533,3553の上側に配置しているので、蓋然的に、裏下可動装飾体3510等が駆動モータ3541,3561よりも下側に位置することとなり、駆動モータ3541,3561からの熱が裏下可動装飾体3510等に対して影響を及ぼしてしまうのを可及的に低減させることができ、熱により裏下可動装飾体3510等が変形して不具合が発生するのを防止することができる。また、駆動モータ3541,3561から熱が多く発生しても熱による不具合の発生を低減させることができるので、駆動モータ3541,3561の負荷が高くなるような駆動を行うことが可能となり、裏下可動装飾体3510に激しい動きをさせてよりインパクトの高い可動演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、液晶表示装置1900の前側に液晶表示装置1900の左右方向の幅よりも大きい裏下可動装飾体3510を配置しているので、液晶表示装置1900の前面で駆動機構3530,3550によって裏下可動装飾体3510を移動させて、液晶表示装置1900に表示された演出画像の一部を隠すことで遊技領域1100内の雰囲気を大きく変化させることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、裏下可動装飾体3510による可動演出と液晶表示装置1900による画像演出とをコラボレーションさせてより多彩な演出を提示したりすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、液晶表示装置1900の左右両外側に配置された各駆動機構3530,3550の第一レール3532,3552と第二レール3533,3553との間に歯付ベルト3538,3558の一部が通るようにすると共に、第一レール3532,3552と第二レール3533,3553との間でスライダ3544,3564を歯付ベルト3538,3558に固定するようにしているので、歯付ベルト3538,3558を介してスライダ3544,3564から第一レール3532,3552及び第二レール3533,3553にかかる力を略均等に分散させることができ、歯付ベルト3538,3558によってスライダ3544,3564を引っ張った時にスライダ3544,3564が傾くのを防止することができる。つまり、スライダ3544,3564が傾くことで、スライダ3544,3564と第一レール3532,3552や第二レール3533,3553との間の摺動抵抗が大きくなり、スライダ3544,3564や第一レール3532,3552や第二レール3533,3553が早期に摩耗して不具合が発生したり、スライダ3544,3564(裏下可動装飾体3510)が動かなくなってしまったりするのを防止することができ、スライダ3544,3564を良好な状態でスライドさせて裏下可動装飾体3510を確実に昇降させることができる。
また、駆動機構3530,3550の従動プーリ3537,3557を、第二レール3533,3553によって上下方向へスライド可能に支持させているので、従動プーリ3537,3557を上下方向へ真直ぐスライドさせることができ、従動プーリ3537,3557の前後及び左右方向の位置が変わることで、従動プーリ3537,3557と伴に歯付ベルト3538,3558が揺れて、従動プーリ3537,3557や駆動プーリ3536,3556から歯付ベルト3538,3558が外れてしまうのを防止することができ、不具合を発生させることなく裏下可動装飾体3510を確実に昇降させることができる。また、第二レール3533,3553によって従動プーリ3536,3556をスライドできるように支持しているので、他の部材で従動回転体をスライドさせた場合と比較して、駆動機構3530,3550にかかる構成を簡略化することができ、パチンコ機1に係るコストが増加するのを抑制することができる。
更に、駆動機構3530,3550の駆動プーリ3536,3556と歯付ベルト3538,3558に、互いに噛合可能な歯を有するようにしているので、互いの歯が噛合することで、駆動プーリ3536,3556と歯付ベルト3538,3558との間で滑りが発生するのを防止することができ、駆動プーリ3536,3556の回転を確実に歯付ベルト3538,3558へ伝達させて、裏下可動装飾体3510を確実に昇降させることができる。また、上述したように駆動プーリ3536,3556を第一レール3532,3552や第二レール3533,3553の上側に配置しており、駆動プーリ3536,3556の回転が停止している時でも、駆動プーリ3536,3556と歯付ベルト3538,3558の歯が互いに噛合することで、スライダ3544,3564を介して歯付ベルト3538,3558にかかる裏下可動装飾体3510の荷重により、歯付ベルト3538,3558と駆動プーリ3536,3556とが滑って裏下可動装飾体3510が落下してしまうのを防止することができるので、裏下可動装飾体3510を所望の位置で停止状態にすることができ、裏下可動装飾体3510による様々な可動演出を行わせることが可能となり、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、金属製の駆動機構ベース3531,3551によって第一レール3532,3552や第二レール3533,3553の両端を支持しており、第一レール3532,3552や第二レール3533,3553をしっかりと支持することができ、第一レール3532,3552や第二レール3533,3553がガタ付いたり揺れたりするのを可及的に抑制することができるので、不要に揺れることなく裏下可動装飾体3510をスムーズに昇降させることができ、裏下可動装飾体3510に違和感のない動きをさせて遊技者を楽しませることができると共に、確実に裏下可動装飾体3510に意図した動きをさせることができ、可動演出による所望の演出効果を発揮させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、枠状のセンター役物2500を備えているので、センター役物2500によって液晶表示装置1900の左右両外側に夫々配置された駆動機構3530,3550を、遊技者側から見え難くすることができ、駆動機構3530,3550が見えることでパチンコ機1の見栄えが悪くなって遊技者に敬遠され易くなるのを抑制することができると共に、駆動機構3530,3550を見え難くすることでパチンコ機1の見栄えを良くすることができ、遊技者が遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、センター役物2500と液晶表示装置1900との間に裏下可動装飾体3510等を配置しているので、駆動機構3530,3550によって裏下可動装飾体3510を移動させることで、センター役物2500の窓部2501内で裏下可動装飾体3510を移動させたり、窓部2501を通して裏下可動装飾体3510を出没させたりすることができ、可動演出を多様化させて遊技者を楽しませることができると共に、液晶表示装置1900の幅よりも大きな裏下可動装飾体3510を出没(出現)させることで遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、箱状の裏箱3001内に左右の駆動機構3530,3550を支持させるようにしており、裏箱3001によって夫々の駆動機構3530,3550の位置を正確に位置決めすることができるので、一つの裏下可動装飾体3510を移動させる左右の駆動機構3530,3550の位置がズレることで裏下可動装飾体3510の動きがギクシャクしたり裏下可動装飾体3510が動かなくなったりするのを防止することができ、裏下可動装飾体3510を確実に移動させて上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。
[2−14.裏右可動演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏右可動演出ユニット3600について、図169乃至図172、及び図175を参照して説明する。図175は、遊技盤における裏ユニットの裏右可動演出ユニットの動きを示す説明図である。
本例の裏右可動演出ユニット3600は、裏箱3001内で、裏下可動演出ユニット3600における裏下可動装飾体3510の後側、且つ、裏下右駆動機構3530の左側で開口3001cの右端下部付近に取付けられている。この裏右可動演出ユニット3600は、豪華客船のブリッジ(艦橋)を立体的に模した裏右可動装飾体3610と、裏右可動装飾体を昇降させる裏右駆動機構3620と、を備えている。
この裏右可動演出ユニット3600における裏右可動装飾体3610は、客室を模した複数層(ここでは、三層)の装飾の上側に煙突を模した装飾を配置することで豪華客船のブリッジを模したレリーフ状の前装飾部材3611と、前装飾部材3611の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された裏右装飾基板3612(図175を参照)と、裏右装飾基板3612及び前装飾部材3611の後側を支持する装飾体ベース3613と、装飾体ベース3613の下端に取付けられ下方へ延出すると共に側面にラックギア3614aを有したスライド部材3614と、装飾体ベース3613の後側から後方へ延出する複数の支持ピン3615と、を備えている。
また、裏右可動装飾体3610の前装飾部材3611は、客室を模した装飾における窓が前後方向へ貫通すると共に透光性を有したレンズ部材が嵌合されており、裏右装飾基板3612のLEDを発光させることで、レンズ部材を介して発光装飾させることができるようになっている。また、裏右可動装飾体3610のスライド部材3614は、後面上部に後方へ延出した板状の検知片3614bを更に備えている。
一方、裏右可動演出ユニット3600の裏右駆動機構3620は、裏右可動装飾体3610の後側で上下方向へスライド可能に支持する駆動機構ベース3621と、駆動機構ベース3621の前側へ回転軸が突出するように駆動機構ベース3621の後側に取付けられる裏右駆動モータ3622と、裏右駆動モータ3622の回転軸に固定されると共に裏右可動装飾体3610におけるスライド部材3614のラックギア3614aと噛合する駆動ギア3623(図175を参照)と、駆動ギア3623の前側を覆い駆動機構ベース3621の前面下部に取付けられる前カバー3624と、駆動機構ベース3621の所定位置に取付けられスライド部材3614の検知片3614bを検知することで裏右可動装飾体3610の昇降位置を検知する昇降位置検知センサ3625と、を備えている。
裏右駆動機構3620における駆動機構ベース3621は、裏右可動装飾体3610における装飾体ベース3611の後側から突出した支持ピン3615が挿入され、前後方向へ貫通し上下方向へ延びた案内孔3621aを有しており、この案内孔3621aに支持ピン3615を挿入することで、裏右可動装飾体36210を上下方向へ案内することができるようになっている。また、この駆動機構ベース3621は、透明な部材によって形成されており、遊技者側から目立ち難いようになっている。
本例の裏右可動演出ユニット3600は、図175に示すように、裏右駆動機構3620の裏右駆動モータ3622によって駆動ギア3623を回転駆動させると、駆動ギア3623と噛合した裏右可動装飾体3610におけるスライド部材3164のラックギア3614aによって上下方向へスライドし、裏右可動装飾体3610を昇降させることができるようになっている。
この裏右可動演出ユニット3600は、通常の状態では、裏右可動装飾体3610が最も下降した通常位置に位置しており、昇降位置検知センサ3625によってスライド部材3614の検知片3614bを検知した状態となっている。裏右可動装飾体3610は、この通常位置の状態では、図108等に示すように、センター役物2500における窓部2501の右下隅において前装飾部材3611における最上層の客室と煙突を模した装飾のみが遊技者側から見えるようになっている。また、裏右可動演出ユニット3600は、裏右可動装飾体3610を最も上昇させた状態では、最下層の客室を模した装飾までが遊技者側から見えるようになっている(図181(d)を参照)。
[2−15.液晶表示装置]
本例の遊技盤4における液晶表示装置1900は、裏ユニット3000における裏箱3001の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。この液晶表示装置1900は、図148等に示すように、上下両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、この固定片1902を介して裏箱3001に取付けられるようになっている。
また、液晶表示装置1900は、図146等に示すように、周辺制御部4140や液晶制御部4150(図183を参照)等を収容した周辺制御基板ボックス1910と、周辺制御基板ボックス1910の下部から後方へ延出したボリューム1912と、を備えている。このボリューム1912を適宜方向へ回転させることで、扉枠5に備えられた各スピーカ130,222,262や本体枠3に備えられたスピーカ821等から出力される音量を調節することができるようになっている。なお、本例の液晶表示装置1900は、バックライトとして複数のLEDを用いているものである。
[2−16.遊技盤における可動演出]
次に、本実施形態の遊技盤4における可動演出について、主に図176乃至図182を参照して説明する。図176は、遊技盤における右下可動案内ユニット2560の動きを示す説明図である。図177は、遊技盤における上枠可動装飾体ユニットの動きを示す説明図である。図178は、遊技盤における裏上中可動演出ユニットと裏上サイド可動演出ユニットの動きを示す説明図である。図179は、遊技盤における裏下可動演出ユニットの動きを示す説明図である。また、図180は遊技盤における裏左可動演出ユニット、裏下可動演出ユニット及び裏右可動演出ユニットの動きを示す説明図であり、図181は図180に続く裏左可動演出ユニット、裏下可動演出ユニット及び裏右可動演出ユニットの動きを示す説明図である。更に、図182は、遊技盤の裏上中可動装飾体を出現させた状態で示すパチンコ機の正面図である。
本例の遊技盤4は、図108等に示すように、通常の状態では、センター役物2500における右下に配置された右下可動案内ユニット2560の可動枠2561が、案内盤2562における「SLOW」の文字が書かれた案内部2562aと一致する位置となっていると共に、センター役物2500の上部中央に配置された上枠可動装飾ユニット2580の上枠可動装飾体2581が、窓部2501の上内縁よりも上側で上端が半円状の中央上部装飾部2522の下端と当接した状態となっている。
また、通常の状態では、裏ユニット3000における裏左可動演出ユニット3200の裏左可動装飾体3210及び裏上サイド可動演出ユニット3400の裏上サイド可動装飾体3410は、正面視でセンター役物2500の窓部2501の外側に位置しており、遊技者側から見えないようになっている。また、裏ユニット3000における裏上中可動演出ユニット3300の裏上中可動装飾体3330は、下端がセンター役物2500における窓部2501の上内縁(上枠可動装飾ユニット2580における上枠可動装飾体2581の下端)よりもわずかに下側に位置した状態となっていると共に、裏下可動演出ユニット3500の裏下可動装飾体3510は、上端が窓部2501の下内縁よりもわずかに上側に位置した状態となっており、遊技者側から夫々の一部のみがわずかに見えるようになっている。更に、裏ユニット3000の裏右可動演出ユニット3600の裏右可動装飾体3610は、センター役物2500における窓部2501の右側下部で全体のおよそ上側半分が窓部2501の下内縁から上側に位置しており、遊技者側から上側の約半分が見えるようになっている。
そして、本例の遊技盤4は、センター役物2500の右下可動案内ユニット2560が、船舶(豪華客船)の伝令機を模していると共に、裏ユニット3000の裏右可動演出ユニット3600が、豪華客船のブリッジを模しており、遊技者に対し一見して船舶(豪華客船)をコンセプトとした遊技盤4(パチンコ機1)であることを認識させることができるようになっている。
また、センター役物2500の上枠可動装飾体2581は、図示するように、通常の状態では、センター装飾部材2520と一体化しているように見え、遊技者に対して可動しないものであると錯覚させることができるようになっている。更に、センター役物2500の上枠可動装飾体2581の下端から裏ユニット3000の裏上中可動装飾体3330の下端がわずかに見えるようになっているので、遊技者に対して上枠可動装飾体2581の後側に配置された裏上中可動装飾体3330が可動するものであると認識させることができ、遊技者の関心を後側の裏上中可動装飾体3330に引付けることができるようになっている。従って、裏上中可動装飾体3330に遊技者を引付けることで、前側の上枠可動装飾体2581に対する遊技者の関心を低くすることができるので、上枠可動装飾体2581を注意深く見ずに上枠可動装飾体2581が可動することに気付き難くすることができ、これによってもセンター装飾部材2520と一体化しているように錯覚させることができるようになっている。
本例の遊技盤4は、図176に示すように、例えば、センター役物2500の右下可動案内ユニット2560の案内盤2562における「FULL」の文字が書かれた案内部2562aの後側に配置された右下可動装飾基板2565のLED2565aを所定色で発光させて「FULL」の文字を発光装飾させると共に、枠状の可動枠2561を「SLOW」の位置からその案内窓2561bと「FULL」の文字の案内部2562aとが正面視で一致するように回動させた上で、更に、「FULL」の位置の透光部2562bの後側に配置された右下可動装飾基板2565のLED2565bを発光させて可動枠2561のレンズ部2561dから遊技者側へ光を照射することができるようになっている。
詳述すると、「FULL」の位置と対応した透光部2562bの後側に配置された右下可動装飾基板2565のLED2565bからの光が、レンズ部材2566の導光部2566aを介して案内盤2562の透光部2562bから可動枠2561のレンズ部2561dの裏面を照射し、更にレンズ部2561dの表面(前面)から前方(遊技者側)へ広く拡散されるようになっている(図131を参照)。これにより、遊技領域1100の中央から離れた位置に配置されていても、レンズ部2561dからの光によって、遊技者の視線をレンズ部2561d側、つまり、右下可動案内ユニット2560側へ向けさせることができ、案内部2562aの発光に気付かせることができると共に、発光した案内部2562aに書かれた文字によって遊技に対する期待感を高めさせることができるようになっている。
また、本例の遊技盤4は、図177に示すように、センター役物2500の上枠可動装飾ユニット2580における上可動装飾基板2581dのLEDを発光させて上可動装飾体2581を発光装飾させると共に、上枠可動装飾体駆動機構2582の上枠可動駆動モータ2592の駆動によって上枠可動装飾体2581を下降させて液晶表示装置1900の前面上部に位置させることができるようになっている。これにより、センター装飾部材2520と一体化しているように見える上枠可動装飾体2581が可動するので、遊技者の予期していなかった部位が可動することで強いインパクトを与えることができ、チャンスの到来を確信させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技盤4は、図178に示すように、例えば、裏ユニット3000の裏上中可動演出ユニット3300における裏上中昇降駆動モータ3318の駆動によって裏上中可動装飾体3330が上昇した通常位置から、その全体がセンター役物2500の窓部2501内に位置する出現位置まで下降させた上で、裏上サイド可動演出ユニット3400における右ユニット3400R及び左ユニット3400Lの裏上サイド駆動モータ3428の駆動によって夫々の裏上サイド可動装飾体3410を回動させて、裏上中可動装飾体3330の左右両側を囲むように窓部2501内の上部へ出現させて液晶表示装置1900の表示画面(窓部2501内)の略上半分を覆うことができるようになっている。また、これら裏上中可動装飾体3330及び裏上サイド可動装飾体3410が窓部2501内へ出現する際には、夫々に備えられた裏上中装飾基板3334及び裏上サイド装飾基板3414のLEDを発光させて、夫々を発光装飾させることができるようになっている。
これにより、センター役物2500における窓部2501内の上半分が、裏上中可動装飾体3330及び裏上サイド可動装飾体3410によって覆われた状態となると共に、それらが発光するので、窓部2501内の印象を大きく変化させることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると同時に、遊技状態の変化に対する期待感を高めさせることができるようになっている。また、裏上サイド装飾体3410では、出現による慣性力でLEDの前を揺動部材3412が行ったり来たりするので、キラキラさせて装飾性を高めることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、本例では、裏上可動演出ユニット3300の裏上中可動装飾体3330を窓部2501内へ出現させた状態で、裏上中可動演出ユニット3300の裏上中回転駆動モータ3347の駆動によって裏上中可動装飾体3330を上下方向へ延びた軸周りに回転させることができるようになっている。これにより、裏上中可動装飾体3330がミラーボールのように見え、遊技者の関心を更に強く引付けることができるようになっている。
なお、裏上中可動演出ユニット3300及び裏上サイド可動演出ユニット3400による可動演出(発光演出)では、夫々の可動タイミングを適宜組み合わせることで、複数パターンの可動演出を行うことができ、飽き難くすることができると共に、遊技者を楽しませられるようになっている。
更に、本例の遊技盤4は、図179に示すように、裏ユニット3000の裏下可動演出ユニット3500における左右の駆動機構3530,3550の駆動モータ3541,3561を夫々駆動することで、センター役物2500における窓部2501の下内縁よりも下側に位置した裏下可動装飾体3510を上昇させて、窓部2501内の略全体を覆うように出現させることができるようになっている。
これにより、豪華客船の舳先を模した大きな裏下可動装飾体3510が出現するので、遊技者に対してこれまでのパチンコ機では見たこともない強いインパクトを与えることができ、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができるようになっている。
また、本例では、遊技者の操作によって遊技領域1100内に打ち込まれた遊技球が、遊技領域1100内の略中央に配置された枠状のセンター役物3500における窓部2501よりも下側に配置されたアタッカユニット2100の第一始動口2101や第二始動口2102へ受入れられると、その始動入賞に係る特別抽選結果に応じて、正面視でセンター役物2500の窓部2501よりも下側の退避位置に配置された一つの大きな裏下可動装飾体3510が、下内縁から窓部2501の高さに対して約3/4の高さの出現位置までスライド移動するので、一つの大きな裏下可動装飾体3510が液晶表示装置1900の前面を覆うように上昇・出現することで、遊技者に対してこれまでのパチンコ機では見たこともない強いインパクトを与えることが可能となり、裏下可動装飾体3510に対して遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、一つの大きな裏下可動装飾体3510によって正面視でセンター役物2500の窓部2501内(液晶表示装置1900の前面)を被覆するようにしているので、従来のパチンコ機のように複数の可動体を適宜組合せて被覆するようにした場合と比較して、組合せの条件よって可動体の形状に制約を受けてしまうのを回避させることができ、裏下可動装飾体3510の形状に係る自由度が高くなり、装飾性の高い裏下可動装飾体3510とすることができると共に、裏下可動装飾体3510を目立ち易くすることができ、遊技者の関心を強く引付けることができる。
また、センター役物2500の窓部2501つまり液晶表示装置1900の前面を覆う大きな一つの裏下可動装飾体3510が出現することで、パチンコ機1全体の見た目の印象を大きく変化させることができるので、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができると共に、遠くからでもパチンコ機1を目立たせることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
更に、センター役物2500における窓部2501の高さを、遊技パネル1150の高さに対して0.35倍の高さとしているので、窓部2501の下内縁よりも下側に裏下可動装飾体3510を退避位置へ位置させるスペースを確実に確保することができると同時に、窓部2501を可及的に大きくすることができ、上述した一つの大きな裏下可動装飾体3510を備えたパチンコ機1を確実に具現化することができる。また、窓部2501の下側に裏下可動装飾体3510を退避させるスペースを確保した上で、遊技領域1100の略中央に窓部2501つまり液晶表示装置1900を配置することができるので、センター役物2500や液晶表示装置1900等の配置構成を従来のパチンコ機と似たような配置とすることができ、従来のパチンコ機を見慣れた遊技者に対して違和感を与えてしまうのを抑制することができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、裏下可動装飾体3510を、豪華客船の舳先を模した装飾を有し一部が透光性を有した前装飾部材3512と、前装飾部材の後側に配置されたレンズ部材としての装飾体ベース3511と、装飾体ベース3511の後側で前側へ光を照射可能な複数のLED(発光部)を有した裏下装飾基板3514と、裏下装飾基板3514の後側を覆う基板カバー3515と、で構成しており、遊技状態に応じて裏下装飾基板3514のLEDを発光させると、裏下可動装飾体3510を発光装飾させることができるので、退避位置から出現位置側へ移動した時に裏下可動装飾体3510を発光装飾させることで、裏下可動装飾体3510を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、動き初めであっても裏下可動装飾体3510に遊技者を注目させることができ、裏下可動装飾体3510の可動演出を楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、レンズ部材としての装飾体ベース3511を備えているので、裏下可動装飾体3510を薄くしてもLEDからの光を広く拡散させることができ、裏下可動装飾体3510をムラなく発光装飾させて遊技者を楽しませることができる。また、光を拡散させるレンズ部材としての装飾体ベース3511により裏下可動装飾体3510を薄くすることができるので、裏下可動装飾体3510を遊技パネル1150と液晶表示装置1900との間に配置し易くすることができ、上述した作用効果を奏する裏下可動装飾体3510を備えたパチンコ機1を確実に具現化することができると共に、パチンコ機1全体の奥行きが大きくなるのを抑制することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホール等の既存の島設備に対して問題なく本パチンコ機1を設置することができる。
更に、裏下装飾基板3514の後側に基板カバー3515を備えているので、裏下装飾基板3514からの光が後側の液晶表示装置1900へ漏れて液晶表示装置1900に表示された演出画像が見辛くなるのを防止することができると共に、万が一裏下可動装飾体3510が液晶表示装置1900に接触しても、LEDを備えた裏下装飾基板3514が液晶表示装置1900に当るのを防止することができ、液晶表示装置1900が傷付いて不具合が発生するのを防止することができる。
また、裏下可動演出ユニット3500における左右の駆動機構3530,3550を、正面視でセンター役物2500における窓部2501(液晶表示装置1900)よりも外側に配置しており、遊技者側からセンター役物2500の窓部2501を通して駆動機構3530,3550が見えてしまうのを可及的に低減させることができるので、駆動機構3530,3550が見えることで遊技領域1100内の見栄えが悪くなって、遊技者によってはガッカリして興趣を低下させてしまうのを回避させることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技領域1100内の見栄えを良くすることができ、裏下可動装飾体3510等による装飾効果を確実に発揮させることができる。また、左右の駆動機構3530,3550をセンター役物2500の窓部2501よりも外側に配置しているので、駆動機構3530,3550が液晶表示装置1900による演出画像の表示の妨げとなるのを防止することができ、液晶表示装置1900の演出画像を見易くして、確実に演出画像による演出効果を発揮させることができる。
また、裏下可動装飾体3510が最も上昇した出現位置を、裏下可動装飾体3510の上端が窓部2501の下内縁から窓部2501の高さに対して1/2〜4/5の範囲内である約3/4の高さとしているので、蓋然的に、裏下可動装飾体3510の高さが少なくとも窓部2501の高さの1/2〜4/5の範囲内となり、正面視で窓部2501における下内縁よりも下側に裏下可動装飾体3510を退避位置へ位置させるスペースを確保し易くすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができると共に、正面視で窓部2051における上内縁よりも上側に裏下可動装飾体3510の上端が入るスペースを確保する必要がないので、少なくとも窓部2501の上部に充分な大きさの裏上中可動装飾体3330や裏上サイド可動装飾体3410等を配置することが可能となり、裏下可動装飾体3510が退避位置の時でもそれらの可動装飾体3330,3410等によって遊技領域1100内全体の装飾性が低下するのを抑制することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上述したように、裏下可動装飾体3510の高さを窓部2501の高さの約3/4としているので、遊技領域1100に対して窓部2501の下内縁を下げることが可能となり、窓部2501(液晶表示装置1900)が高くなるのを防止することができ、窓部2501内や液晶表示装置1900を見易くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上述したように、裏下可動装飾体3510を一つの大きな可動体としており、裏下可動装飾体3510が出現することで遊技者に対して強いインパクトを与えることができるので、裏下可動装飾体3510の上端が窓部2501の上内縁まで到達しなくても遊技者に対して窓部2501(液晶表示装置1900の前面)全体が覆われたように錯覚させることが可能となり、全体を覆った時と同等の演出効果を期待することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技パネル1150の後側に箱状の裏箱3001を備えた上で、裏箱3001の後壁3001bの後側に液晶表示装置1900を脱着可能に支持させると共に、裏箱3001内に裏下可動装飾体3510と左右の駆動機構3530,3550を支持させるようにしているので、裏箱3001によって、遊技パネル1150と液晶表示装置1900との間に裏下可動装飾体3510や駆動機構3530,3550等を配置するスペースを確保することができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができると共に、裏箱3001によって、駆動機構3530,3550(裏下可動装飾体3510)と液晶表示装置1900との相対的な位置を位置決めすることができるので、裏下可動装飾体3510と液晶表示装置1900とが接触して不具合が発生したり、裏下可動装飾体3510と液晶表示装置1900(演出画像)との位置関係がズレて見栄えが悪くなったりするのを防止することができ、裏下可動装飾体3510等による演出を確実に楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、箱状の裏箱3001内に裏下可動装飾体3510や駆動機構3530,3550等を支持させようにしており、裏下可動装飾体3510や駆動機構3530,3550等に対してパチンコ機1の外部から埃やゴミ等が侵入するのを防止することができるので、埃等によって裏下可動装飾体3510が汚れて見栄えが悪くなったり、駆動機構35303550による裏下可動装飾体3510の動きが悪くなったりして不具合が発生するのを回避させることができ、裏下可動装飾体3510等による装飾演出や可動演出等を遊技者に確実に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター役物2500に備えられた第一ステージ2511及び第二ステージ2512を互いに垂直方向へ配置しているので、ステージ2510全体における前後方向の寸法(奥行き)を可及的に小さくすることができ、遊技パネル1150の開口部1158内に前側から挿入されたセンター役物2500における遊技パネル1150の後面からの突出量を可及的に少なくすることができる。従って、裏下可動装飾体3510等を配置する遊技パネル1150と液晶表示装置1900との間のスペースに突出するセンター役物2500のステージ2510の突出量を可及的に少なくすることができるので、相対的に裏下可動装飾体3510等のスペースを広くすることができ、上述したような作用効果を奏する大型の裏下可動装飾体3510を備えることができると共に、ステージ2510が邪魔することなく大型の裏下可動装飾体3510を確実に上昇させることができ、遊技者の関心を強く引付けられる可動体を備えたパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技領域1100内におけるステージ2510の下流側に、遊技球を受入可能な第一始動口2101等を備えるようにしており、ステージ2510から遊技球が遊技領域1100へ還流されると第一始動口2101等へ受入れられる可能性が高くなるので、遊技者に対してワープ入口2504を狙った遊技球の打込操作を行わせることが可能となり、打込操作が単調となって飽き易くなるのを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる他に、ステージ2510上を転動する遊技球がステージ2510から放出・還流されて第一始動口2101等へ受入れられるか否かで遊技者をドキドキさせることができ、遊技球の動きを楽しませられると同時に期待感を高めさせて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター役物2500の窓部2501よりも下側の遊技領域1100内に始動口2101,2102や一般入賞口2201等を有したアタッカユニット2100やサイド入賞口部材2200等を配置すると共に、一般入賞口2201等へ受入れられた遊技球を球誘導ユニット3100で遊技パネル1150の後面に沿って下方へ誘導するようにしているので、遊技パネル1150の後側に配置された球誘導ユニット3100によって入賞口2101,2201へ受入れられた遊技球を遊技者側から見えないように排出することができると共に、遊技パネル1150の後面に沿って遊技球を排出するようにしており、遊技球の排出に係る遊技パネル1150の後面から後方への突出量を可及的に少なくすることができるので、相対的に遊技パネル1150と液晶表示装置1900との間のスペースを広くすることができ、裏下可動装飾体3510を配置するスペースを確保し易くして上述した作用効果を奏する裏下可動装飾体3510を備えたパチンコ機1を確実に具現化することができる。
更に、遊技者の操作によって遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が始動口2101,2102へ受入れられると、その受入れにより抽選される特別抽選結果に応じて退避位置に位置した裏下可動装飾体3510が上昇して窓部2501内(液晶表示装置1900の前面)へスライド移動するので、大きな裏下可動装飾体3510の出現により遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本例の遊技盤4は、図180及び図181に示すように、裏ユニット3000における裏左可動演出ユニット3200、裏下可動演出ユニット3500、及び裏右可動演出ユニット3600が夫々関連しながら可動させることができるようになっている。具体的には、例えば、まず、裏下可動演出ユニット3500における左右の駆動機構3530,3550の駆動モータ3541,3561を駆動させて、裏下可動装飾体3510を最も下降した退避位置から少し上昇させると共に、裏右可動演出ユニット3600における裏右駆動機構3620の裏右駆動モータ3622を駆動させて、裏右可動装飾体3610を上昇位置へ上昇させる(図180(a)を参照)。なお、この際に、裏下可動装飾体3510がわずかに上下動を繰返したり、わずかにローリング(前後方向へ延びた軸周りの回動)を繰返したりするように、左右の駆動機構3530,3550の各駆動モータ3541,3561を適宜駆動することが望ましく、これにより、遊技者に対して裏下可動装飾体3510によって模した豪華客船があたかも洋上を進んでいるように見せることができ、裏下可動装飾体3510(可動演出)に対して遊技者の関心を充分に引付けることができるようになる。
この状態で、裏左可動演出ユニット3200における裏左駆動機構3220の裏左駆動モータ3224の駆動によって裏左可動装飾体3210を、センター役物2500における窓部2501の左内縁の外側から窓部2501内へ出現させる(図180(b)を参照)。これにより、氷山を模した裏左可動装飾体3210が、豪華客船を模した裏下可動装飾体3510の前面左側に出現した状態となるので、遊技者に対して豪華客船が氷山に衝突するのではないかと思わせることができ、遊技者をハラハラさせることができると共に、可動演出を楽しませることができるようになる。
続いて、裏左可動装飾体3210を窓部3501内へ出現させた状態で、裏下可動演出ユニット3500における左右の駆動機構3530,3550の駆動モータ3541,3561を駆動させて、裏下可動装飾体3510を徐々に高く上昇させると共に、裏右可動装飾ユニット3600における裏右駆動機構3620の裏右駆動モータ3622を駆動して裏右可動装飾体3610を徐々に下降させる(図181(c)を参照)。これにより、遊技者に対して、裏下可動装飾体3510としての豪華客船が、裏左可動装飾体3210としての氷山へ、徐々に近付いて行って迫っているように錯覚させることができ、氷山への衝突に対するハラハラ感を高めることができるようになっている。
そして、裏下可動装飾体3210が最も上昇した位置に到達したら、左右の駆動モータ3541,3561の駆動によって裏下可動装飾体3210を大きくローリングさせると共に、裏下装飾基板3514のLEDを点滅させる。これにより、遊技者に対して豪華客船(裏下可動装飾体3510)が、氷山(裏左可動装飾体3210)に衝突したように見せることができる。
なお、裏下可動装飾体3510を上下動やローリングさせる際に、裏右可動装飾体3610を裏下可動装飾体3510の動きに合わせて昇降させるようにする。具体的には、例えば、裏下可動装飾体3510が上昇した時は裏右可動装飾体3610を下降させ、裏下可動装飾体3510が下降した時は裏右可動装飾体3610を上昇させる。これにより、前後方向の異なる位置に配置された裏下可動装飾体3510と裏右可動装飾体3610との動きにより、裏下可動装飾体3510及び裏右可動装飾体3610によって表現された豪華客船が前後に大きくうねっている(ピッチングを繰返している)ように錯覚させることができ、可動装飾体3510,3610を本物の船のように錯覚させて可動演出をより楽しませることができるようになっている。
その後、裏下可動装飾体3210をセンター役物2500の窓部2501内から左方向へ移動させて左内縁よりも外側へ位置させた上で、裏下可動装飾体3510を傾けた状態で下降させると共に、裏右可動装飾体3610を下降させる(図181(d)を参照)。これにより、遊技者に対して、氷山(裏左可動装飾体3210)に衝突した豪華客船(裏下可動装飾体3510)が、沈没して行くように錯覚させることができる。
このように、裏左可動演出ユニット3200、裏下可動演出ユニット3500、及び裏右可動演出ユニット3600を用いて可動演出を行うことで、ストーリー性を有した一連の可動演出を行うことができるので、液晶表示装置1900による演出画像(演出動画)とは異なる立体的な演出を行うことができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣を高めさせることができるようになっている。また、特別抽選結果に対して液晶表示装置1900の表示画面に表示されるリーチ演出画像の代りに、裏左可動演出ユニット3200、裏下可動演出ユニット3500、及び裏右可動演出ユニット3600を用いた可動演出を持いることもできるようになっている。
なお、裏左可動演出ユニット3200、裏下可動演出ユニット3500、及び裏右可動演出ユニット3600を用いた可動演出では、夫々の可動装飾体3210,3510,3610の可動タイミングや、可動パターンを適宜組合せることで、より多彩な可動演出を行うことができ、飽き難くすることができるようになっている。
このように、本例では、互いに形状の異なる裏左可動装飾体3210、裏下可動装飾体3510、及び裏右可動装飾体3610を、前後方向の異なる位置に夫々配置すると共に、裏下可動装飾体3510及び裏右可動装飾体3610がセンター役物2500の窓部2501における下内縁に掛かるように上下方向へ移動可能とされた上で裏下可動装飾体3510が下内縁よりも下側へ移動可能とされているので、例えば、前側の裏下可動装飾体3510よりも上側に位置した後側の裏右可動装飾体3610が、前側の裏下可動装飾体3510に対して相対的に下方へ移動するようにした場合、後側の裏右可動装飾体3610の見える範囲が徐々に狭くなって行くため、遊技者に対して、前後に配置された可動装飾体3510,3610が左右方向へ延びた軸周りに対して前側が上昇する方向へ回動しているように錯覚させたり、裏下可動装飾体3500が近付いてきているように錯覚させたりすることができる。また、前側の裏下可動装飾体3510よりも上側に位置した後側の裏右可動装飾体3610が、前側の裏下可動装飾体3510に対して相対的に上方へ移動するようにした場合、後側の裏右可動装飾体3610の見える範囲が徐々に広くなるので、遊技者に対して、前後に配置された可動装飾体3510,3610が左右方向へ延びた軸周りに対して前側が下降する方向へ回動しているように錯覚させたり、後側の裏右可動装飾体3610が近付いてきているように錯覚させたりすることができる。従って、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102へ受入れられると所定数の遊技球が払出された上で、その受入れにより抽選された特別抽選結果に応じて、各駆動機構3220,3530,3550,3620により各可動装飾体3210,3510,3610が夫々適宜移動すると、遊技者に対して各可動装飾体3210,3510,3610の形状や動きに応じた立体的な錯覚現象を体感させることができ、遠近感や立体感の有る可動演出を楽しませることができると共に、演出画像による演出とは全く異なる印象の演出を行うことができるので、遊技者の関心を可動装飾体3210,3510,3610へ強く引付けることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上述したように、前後方向の異なる位置に夫々配置された三つの可動装飾体3210,3510,3610によって遠近感等の有る可動演出を行うことができるので、液晶表示装置1900による平面的な演出画像と比較して、遊技者の位置が変化しても、奥行き感(立体感)が損なわれるのを可及的に抑制することができ、どの位置からでも可動装飾体3210,3510,3610による可動演出を楽しませることができる。また、センター役物2500の窓部2501内で三つの可動装飾体3210,3510,3610が移動するようにしており、各可動装飾体3210,3510,3610の移動によって窓部2501内の雰囲気を大きく変化させることができるので、一見して他のパチンコ機とは異なることを認識させることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることができると共に、遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
更に、二つの裏下可動装飾体3510及び裏右可動装飾体3610を上下方向へ移動させるようにしているので、遊技者の目の位置が移動しても、前後方向の異なる位置に配置された可動装飾体3510,3610同士の左右方向の重なり具合(左右方向の位置関係)が、真正面から見た時とは異なって見えてしまうのを回避させることが可能となり、可動装飾体3210,3510,3610による可動演出を可及的に意図したように見せることができ、可動演出により遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上下方向へ移動する裏下可動装飾体3510を、下側から窓部2501内へ出現させたり退出させたりすることができるので、可動装飾体3210,3510,3610が窓部2501内でのみ移動するようにした場合と比較して、可動装飾体3210,3510,3610による可動演出をより多彩なものとすることができ、飽き難くすることができると共に、動きのバリエーションによって様々なチャンスの到来等を示唆させることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏左可動装飾体3210が窓部2501の左内縁に、裏下可動装飾体3510及び裏右可動装飾体3610が窓部2501の下内縁に、夫々掛かるようにしており、遊技者側から各可動装飾体3210,3510,3610を比較的見易くすることができるので、遊技者に対し三つの可動装飾体3210,3510,3610による可動演出を確実に見せるて意図した演出効果を発揮させることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、各可動装飾体3210,3510,3610を移動駆動させる各駆動機構3220,3530,3550,3620を、正面視で窓部2501よりも外側に配置しており、遊技者側から駆動機構3220,3530,3550,3620を見難くすることができるので、駆動機構3220,3530,3550,3620が見えることでパチンコ機1全体の見栄えが悪くなるのを抑制することができ、見栄えを良くして遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、遊技者によっては可動装飾体3210,3510,3610を移動駆動させる駆動機構3220,3530,3550,3620が見えることで、可動装飾体3210,3510,3610により表現されたキャラクタやアイテム(ここでは、氷山、豪華客船の舳先、豪華客船の艦橋)等に対して感情移入し難くなってしまい、可動装飾体3210,3510,3610による可動演出を楽しめなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、上述したように、遊技者側から駆動機構3220,3530,3550,3620を見難くしているので、可動装飾体3210,3510,3610に対する感情移入がし難くなるのを可及的に低減させることができ、可動装飾体3210,3510,3610による可動演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、可動装飾体3210,3510,3610及び駆動機構3220,3530,3550,3620の後側に所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1900を、備えているので、液晶表示装置1900に各可動装飾体3210,3510,3610による可動演出と合せた演出画像を表示することで、可動演出をより引立てて、可動演出の迫力を増させたり本物のように錯覚させたりすることができるので、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、従来のパチンコ機と同様に、演出画像による演出によっても遊技者を楽しませることができるので、演出画像による演出と、可動装飾体3210,3510,3610による演出とで多種多様な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませることができると共に、飽き難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
ところで、本例の遊技盤4は、裏上中可動演出ユニット3300における裏上中可動装飾体3300を、センター役物2500における窓部2501内へ下降させて出現させる前に、扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432に実装されたLEDを適宜発光させることができるようになっており、遊技盤4だけでなく扉枠5も用いた演出を行うことができるようになっている。
具体的には、例えば、皿ユニット300の上面中央に配置された操作ユニット400におけるダイヤル装飾基板430やボタン装飾基板432のLEDを発光させて遊技者に対してダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す、そして、ダイヤル操作部401等が操作されると、操作ユニット400の両側に配置された皿ユニット300の上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLEDを、パチンコ機1の中央側から左右外側へ向かうように発光させる。更に、左右のサイド装飾ユニット200,240に備えられた装飾基板214,216,254,256のLEDを、下から上に光が移動するように発光させる。これにより、操作ユニット400から発せられた光が、遊技窓101の外周に沿って左右両側から上部に配置された上部装飾ユニット280の中央レンズ282へと向かうように流れることとなり、この光の流れによって遊技者の視線を操作ユニット400(遊技領域1100の下部)から上部装飾ユニット280の中央レンズ282(遊技領域1100の上部)へと移動させることができる。
そして、扉枠5の上部装飾ユニット280における中央レンズ282の後側に配置された上部装飾基板286のLEDを発光させ、宝石状に形成された中央レンズ282を輝かせて、遊技者の関心を中央レンズ282へ強く向けさせる。その後、扉枠5における各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432のLEDを消灯させ、遊技盤4の裏ユニット3000における裏上中可動装飾体3330を下降させてセンター役物2500における窓部2501内へ位置させると共にその裏上中装飾基板3334のLED3334aを発光させて、裏上中可動装飾体3330を輝かせる。
これにより、遊技者の視線を遊技領域1100よりも上側に配置された中央レンズ282から、遊技領域1100内の略中央に位置した裏上中可動装飾体3330へ移動させることができる(図182を参照)。従って、遊技者に対して、操作ユニット400から裏上中可動装飾体3330までの一連の視線の移動によって、遊技に対する期待感を高めさせることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、図182に示すように、扉枠5における上部装飾ユニット280の中央レンズ282と、遊技盤4における裏上中可動演出ユニット3300の裏上中可動装飾体3330とは、略同じ大きさで同じような形状をしているので、遊技者に対して、上部に備えられた宝石状の中央レンズ282が、遊技領域1100内へ降下したかのように錯覚させることができ、遊技者を驚かせることができると共に、一連の演出を楽しませることができるようになっている。
このように、本例では、遊技者が扉枠5の右下隅に配置されたハンドル装置500(回転ハンドル本体前506)を操作して遊技領域1100内へ打ち込んだ遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102へ受入れられると、所定数の遊技球が払出されると共に遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する可能性のある特別抽選結果が抽選され、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠5における遊技窓101の外周に配置された上部装飾ユニット280、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、及び皿ユニット300が発光装飾すると共に、上部装飾ユニット280の中央レンズ282と類似した遊技盤4における裏上中可動演出ユニット3300の裏上中可動装飾体3330が退避位置から液晶表示装置1900の前面となる出現位置へ下降すると同時に発光装飾して、遊技者側から見えるようになるので、遊技者を、扉枠5の上部に配置された上部装飾ユニット280の中央レンズ282が遊技領域1100内へ移動して出現したような感じに錯覚させることができ、遊技者に対して強いインパクトを与えることができると共に、遊技者に対して扉枠5の各ユニット200,240,280,300による発光装飾(発光演出)と、遊技盤4の裏上中可動装飾体3330の出現(可動演出)とによる一体感のある演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技盤4の裏上中可動装飾体3330と扉枠4の中央レンズ282とを互いに類似した形状としており、遊技盤4全体のデザインと扉枠5のデザインとが異なっていても、中央レンズ282と類似した裏上中可動装飾体3330を出現させることで、遊技者に対して遊技盤4と扉枠5とが同じコンセプトでデザインされているように錯覚させることができるので、扉枠5と遊技盤4との一体感を高めることができ、各ユニット200,240,280,300,3300の発光装飾や移動等による演出効果を充分に発揮させて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、裏上中可動装飾体3330を出現位置へ移動させた時に、裏上中可動装飾体3330を発光装飾させることで、裏上中可動装飾体3330を目立たせることができるので、遊技者を裏上中可動装飾体3330に注目させて裏上中可動装飾体3330を用いた演出を楽しませることができると共に、遊技者に対して非常に良いことが起こるような予感を想起させることができ、遊技に対する期待感を高めさせて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、裏上中可動装飾体3330と上部装飾ユニット280の中央レンズ282とを同じような色で発光装飾させるようにしており、扉枠5の中央レンズ282を発光装飾させた後に、遊技盤4の裏上中可動装飾体3330を出現させて発光装飾させると、形だけでなく色も似ているので、遊技者に対して中央レンズ282と裏上中可動装飾体3330とが同一の部材であると強く錯覚させることができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技窓101の外周下部で左右方向の略中央に操作ユニット400を備えており、第一始動口2101や第二始動口2102への始動入賞に応じて、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405等を発光装飾させて遊技者に操作部401,405の操作を促した上で、遊技者が操作部401,405を操作すると、扉枠5の各ユニット200,240,280,300を発光装飾させると共に、遊技盤4の裏上中可動装飾体3330を出現位置へ下降させて発光装飾させるような演出を行うことができるので、遊技者に対して、操作部401,405の操作により、裏上中可動装飾体3330が出現したように錯覚させることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、始動入賞に応じて遊技者が操作可能となるダイヤル操作部401や押圧操作部405を備えているので、所定の演出の際に、遊技者に操作部401,405を操作させると共に、操作部401,405の操作に応じて演出を変更させることで、遊技者に対し、演出との一体感を高めて演出に参加させ易くすることができ、操作部401,405を用いた演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる共に、飽き難いパチンコ機1とすることができる。
更に、上述したように、扉枠5の各ユニット200,240,280,300の発光装飾、操作ユニット400の操作、発光装飾や可動、及び遊技盤4の裏上中可動演出ユニット3300における裏上中可動装飾体3330の移動や発光装飾等とを、適宜組合せることで、多様なパターンの演出を遊技者に提示することができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一始動口2101や第二始動口2102等への遊技球の受入れに応じて遊技盤4の裏上中可動装飾体3330が出現位置へ下降すると、裏上中可動装飾体3330が液晶表示装置1900の前面に位置するので、液晶表示装置1900に表示された演出画像が裏上中可動装飾体3330によって遮られることで、遊技者に対して裏上中可動装飾体3330の出現に気付かせ易くすることができ、扉枠5の各ユニット200,240,280,300,400の発光装飾等に続く裏上中可動装飾体3330の出現を確実に楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れ(始動入賞)に応じて、扉枠5の各ユニット200,240,280,300,400と、遊技盤4の裏上中可動装飾体3330等を用いた演出が行われるので、演出が見たい遊技者に対して始動口2101,2102を狙った遊技球の打込操作をさせることができ、パチンコ機本来の遊技球の打込操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技球が始動入賞すると遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する可能性がある特別抽選結果が抽選されるので、扉枠5の各ユニット200,240,280,300,400と、遊技盤4の裏上中可動装飾体3330等の発光装飾や昇降や可動等を、適宜組合せて抽選された特別抽選結果を示唆するような演出を行うことが可能となり、良い特別抽選結果を期待する遊技者に対して扉枠5と遊技盤4とによる一体的な演出に注目させることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[3.各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図183を参照して説明する。図183はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図183に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3102、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2127、及び一部の一般入賞口センサ3104からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2402、一般入賞口センサ3104、カウントセンサ2128及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3106からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3012、及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになっている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル中継基板3012を介して始動口ソレノイド2121及びアタッカソレノイド2124に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3012、センター役物2500の保留表示基板2603、及び機能表示基板1191を介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3102、第二始動口センサ2127、ゲートセンサ2402、及びカウントセンサ2128には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3104には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2401を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3102、第二始動口センサ2127、及びゲートセンサ2402による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3102、第二始動口センサ2127、及びゲートセンサ2402には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2103が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ2128による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ2128にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2201には、一般入賞口センサ3104による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3104には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板4110に送信したり、この払出制御基板4110からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御部4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板4110からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部4140に送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板851から各種電圧が供給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図184参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAM4100eに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、主制御内蔵RAM4100eから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板851から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板4110等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図183に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド654による発射制御を行うとともに、球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部4120と、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞球タンク720、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ遊技機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
[3−2A.払出制御部]
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、図183に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ4111c(以下、「外部WDT4111c」と記載する。)と、賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えている。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4111bを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ550からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ750、計数センサ751及び回転角センサ752からの検出信号が賞球中継基板754を介して入力されたりする。
賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及びベースユニット741に形成された賞球通路741c内を流下する遊技球を検出する計数センサ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。賞球装置740の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角センサ752からの検出信号は、まず賞球装置740のセンサ基板753、そして賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出するた本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ550からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
払出制御MPU4111aは、払出モータ744を駆動するための駆動信号を、払出制御I/O4120b、そして賞球中継基板754を介して払出モータ744に出力したり、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器4130に表示するための信号を、払出制御I/Oポート4111bを介してエラーLED表示器4130に出力したり、パチンコ遊技機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4111bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4111bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨
(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741aと連通する振分空間741bの入口において払出回転体748と遊技球とがその入口近傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主側中継端子板880、そしてCRユニット接続端子板874を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、CRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポート4111bで受信されて払出制御MPU4111aに入力されるようになっている。またCRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、CRユニット接続端子板874、主側中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。
[3−2B.発射制御部]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御部4120は、図183に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されている。またCRユニット6とCRユニット接続端子板874とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されるようになっている。回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調節する回転位置検知センサ512からの信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、回転位置検知センサ512からの信号に基づいて、回転ハンドル本体前506の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド654に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材584が皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになている。このように、発射ソレノイド駆動回路4120dから発射ソレノイド654に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eから球送ソレノイド585に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図184参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺制御基板4010は、図183に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいて液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えている。
[3−3A.周辺制御部]
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図183に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートからランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤4に設けられた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートからモータ駆動基板4165に送信したり、扉枠5に設けられたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データと、扉枠5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力すための扉側発光データと、から構成される扉側モータ駆動発光データを枠装飾駆動アンプ基板用シリアルI/Oポートから周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して扉枠ベース基板194に送信したり、液晶表示装置1900に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶制御部4150に送信したりするほかに、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
遊技盤4に設けられた各種可動体の原位置を検出するための各種原位置検出センサからの検出信号は、モータ駆動基板4165を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。扉枠5に設けられた操作ユニット400のダイヤル操作部401の回転を検出する回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検出する押圧検知センサ432cからの検出信号は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、そして周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。
また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されており、この動作信号に基づいて液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して本体枠3に設けられたスピーカ821から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194を介して扉枠5に設けられたスピーカ130,222,262や、本体枠3に備えられたスピーカ821から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。なお、周辺制御基板4010に実装され周辺制御基板ボックス1910から後方へ突出したボリューム1912を回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。
なお、周辺制御部4140は、周辺制御MPU4140aに内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPU4140aは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPU4140aから液晶制御部4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aからランプ駆動基板4160やモータ駆動基板4165に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
このランプ駆動基板4160は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板2214,2303,2523,2543,2565,2581d,2611,2612,2613,2614,2615,2616,2617,2618,3214,3334,3414,3514,3612のLEDに出力したりする。また、モータ駆動基板4165は、受信した可動体の駆動コマンドに基いて駆動信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられたダイヤル駆動モータ414や、遊技盤4に備えられた各駆動モータ2564,2592,3224,3318,3347,3428,3541,3561,3622に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作を検知する回転検知センサ432a,432bや、操作ユニット400における押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432cからの検知信号が、周辺側中継端子板882及びランプ駆動基板4160を介して入力されたりする。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、ランプ駆動基板4160及び周辺側中継端子板882を介して扉枠5のサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から、或いは、ランプ駆動基板4160を介して本体枠3のスピーカ821から、各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。本例では、上述したように、遊技窓101における下辺の左右両側に配置されたサイドスピーカと、遊技窓101の上側に配置された上部スピーカ222,262と、本体枠3の下部に備えられた低音用のスピーカ821に、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。
[3−4.液晶制御部]
次に、周辺制御基板4010における液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150は、図183に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1900を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1900に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP4160cを制御して液晶表示装置1900の描画制御を行っている。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部4140に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述する実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1900に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1900に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1900に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出して液晶表示装置1900に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1900に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU4150aからの画面データを受け入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPU4150aに出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1900の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1900に出力する方式である。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1900に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1900に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、液晶表示装置1900にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1900に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1900に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1900に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1900は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1900は、液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、液晶表示装置1900は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[3−5.電源システム]
次に、パチンコ遊技機1に供給される電力について説明する。まず、電源基板851について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。図184はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図であり、図185は図184のつづきを示すブロック図である。なお、各種基板のグランドや各種端子板のグランドは、図示しないが、電源基板851のグランドと電気的に接続されている。
[3−5A.電源基板]
電源基板851は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグが島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ852を操作すると、島設備から供給されている電力が電源基板851に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板851は、図184に示すように、全波整流回路851a、力率改善回路851b、平滑化回路851c、+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851gを備えている。全波整流回路851aは、島設備から供給されている交流24ボルト(AC24V)を全波整流して力率改善回路851bに供給している。この力率改善回路851bは、全波整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路851cに供給している。この平滑化回路851cは、入力される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851g、払出制御基板4110、及び周辺パネル中継端子板872にそれぞれ供給している。+5.2V作成回路851dは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.2V(DC+5.2V、以下、「+5.2V」と記載する。)を作成している。
+5.25V作成回路851eは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.25V(DC+5.25V、以下、「+5.25V」と記載する。)を作成している。+12V作成回路851fは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)を作成している。+24V作成回路851gは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)を作成している。+5.2V作成回路851d、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、払出制御基板4110に供給され、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、周辺パネル中継端子板872に供給されている。なお、島設備から供給されているAC24Vは、全波整流回路851aのほかに、電源基板851を介してCRユニット接続端子板874にも供給されている。
また、電源基板851は、キャパシタBC0,BC1を備えている。キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM4100e)のバックアップ電源であり、キャパシタBC1は、払出制御基板4110における払出制御部4111の払出制御MPU4111aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)のバックアップ電源である。
+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vは、後述するように、払出制御基板4110に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。払出制御基板4110に供給される+5.2Vは、払出制御MPU4111aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。主制御基板4100に供給される+5.2Vは、主制御MPU4100aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAM4100eの電源端子に印加されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC1のマイナス端子(以下、「キャパシタBC1の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC1の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、払出制御MPU4111aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。
このように、キャパシタBC1は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が払出制御基板4110に供給されくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4111aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4111aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC0のマイナス端子(以下、「キャパシタBC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC0の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の主制御内蔵RAM4100eの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAM4100eの電源端子と、キャパシタBC0の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、主制御基板4100、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が主制御基板4100に供給されくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAM4100eの電源端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[3−5B.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板4110、主制御基板4100、及び発射電源基板831に供給される電圧ついて説明する。
電源基板851で作成された+5.2V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図184に示すように、払出制御基板4110に供給されるとともに、この払出制御基板4110を介して主制御基板4100にも供給されている。また電源基板851で作成された+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、周辺パネル中継端子板872に供給されるとともに、この周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御基板4010に供給される一方、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧が周辺側中継端子板882に供給されている。周辺制御基板4010に供給される+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、図185(a)に示すように、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧がランプ駆動基板4160のランプ駆動回路4160aに供給されてランプ駆動回路4160aから遊技盤4の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号が出力され、その4種類の電圧がモータ駆動基板4165の駆動源駆動回路4165aに供給されて駆動源駆動回路4165aから遊技盤4のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力している。また、その4種類の電圧のうち、+24V及び+37Vという2種類の電圧が液晶表示装置1900に供給されている。
液晶表示装置1900は、描画制御される液晶モジュール1900aと、この液晶モジュール1900aのバックライト用の電源であるバックライト電源と、を備えており、+24Vが液晶モジュール1900aに供給され、+37Vがバックライト電源に供給されている。これに対して、周辺側中継端子板882に供給される+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図185(b)に示すように、扉枠ベース基板194に供給されており、その3種類の電圧のうち、+12Vが+9V作成回路194aに供給されて直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成している。扉枠ベース基板194は、その3種類の電圧に加えて、+9V作成回路194aで作成される+9Vを合わせた4種類の電圧を扉枠5の各種装飾基板等に供給している。
[3−5C.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板4110は、図184に示すように、払出制御MPU4111a等のほかに、払出制御フィルタ回路4110a、停電監視回路4110bも備えている。この払出制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードPD0を介して電源基板851のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部4111の払出制御MPU4111a等に供給されている。停電監視回路4110bは、電源基板851からの+12V及び+24Vが供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4110bは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御基板4100の主制御MPU4100aに出力する。この停電予告信号は、主制御基板4100を介して、周辺制御基板4010に伝わることにより、この周辺制御基板4010を介して、図185(a),(b)に示すように、液晶表示装置1900のバックライト電源1900bに伝わる一方、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194にも伝わって、扉枠ベース基板194を介して、扉枠5の各種装飾基板等に伝わるようになっている。
なお、+12V及び+24Vは、停電監視回路4110bに供給されるほかに、+12Vは、例えば、払出制御部4111の払出制御入力回路4111e等にも供給され、+24Vは、例えば、払出制御部4111の払出モータ駆動回路4111d等にも供給されている。また、電源基板851からの+37は、払出制御基板4110において何ら使用されずに、払出制御基板4110を介して、そのまま発射電源基板831に供給されている。発射電源基板831は、供給される+37Vから後述する所定電圧を作成して発射制御部4120の発射ソレノイド駆動回路4120dに供給している。
[3−5D.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板4100は、図184に示すように、主制御MPU4100a等のほかに、主制御フィルタ回路4100hも備えている。主制御フィルタ回路4100hは、払出制御基板4110からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100f等に供給され、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100g等に供給されている。
[3−5E.発射電源基板に供給される電圧]
発射電源基板831は、図184に示すように、DC/DCコンバータ831a、電解コンデンサSC0(本実施形態では、静電容量:4700マイクロファラッド(μF))を備えている。DC/DCコンバータ831aは、払出制御基板4110からの+37Vを降圧して直流+35V(DC+35V、以下、「+35V」と記載する。)を作成して払出制御基板4110における発射制御部4120の発射ソレノイド駆動回路4120dに供給している。
電解コンデンサSC0のマイナス端子(以下、「電解コンデンサSC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「電解コンデンサSC0の+端子」と記載する。)は、DC/DCコンバータ831aの+35V出力端子と電気的に接続されている。つまり、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aから出力される+35Vが印加されることで充電されるようになっている。本実施形態では、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dに流れるようになっている。その詳細な説明を後述する。
[3−6.発射ソレノイドの駆動方法]
次に、発射ソレノイド654の駆動方法について説明する。まず、発射ソレノイド654の駆動システムについて説明し、続いてその駆動回路の所定点における、入出力電流、出力電圧、信号の論理及び波形等について説明する。図186は発射ソレノイドの駆動回路を示すブロック図であり、図187はシャントレギュレータ回路、増幅回路、及びオペアンプ回路群を示す回路図であり、図188はDC/DCコンバータの特性を示す図であり、図189は図186の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャートである。
[3−6A.発射ソレノイドの駆動システム]
発射ソレノイド654の駆動システムは、図186に示すように、主として、払出制御基板4110における発射制御部4120の発射制御入力回路4120a、発振回路4120b、発射タイミング回路4120c、発射ソレノイド駆動回路4120d、及び球送ソレノイド駆動回路4120eと、発射電源基板831のDC/DCコンバータ831a、及び電解コンデンサSC0と、電源基板851の力率改善回路851b、及び平滑化回路851cと、により構成されている。
発射制御入力回路4120aは、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110と電気的に接続されると、CRユニット6がパチンコ遊技機1から電力(AC24V)供給を受けている旨を伝える信号が入力されてCR接続信号として発射タイミング回路4120cに出力し、回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516からの検出信号が入力されると、タッチ検出信号として発射タイミング回路4120cに出力し、遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号が入力されると、発射停止検出信号として発射タイミング回路4120cに出力する。
発射タイミング回路4120cは、発射制御入力回路4120aからのCR接続信号、タッチ検出信号、及び発射停止検出信号に基づいて、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可したり、禁止したりする。具体的には、発射タイミング回路4120cは、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110と電気的に接続されていないためにCR接続信号が入力されていないという第1のケース、タッチ検出信号が回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れていない旨を伝えているという第2のケース、発射停止検出信号が遊技球の打ち出しを強制的に停止する旨を伝えているという第3のケース、のうち、1つでも該当するときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを禁止する一方、すべてに該当しないときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可する。
発射タイミング回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号が入力されており、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときには、このクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍(本実施形態では、5倍)した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。発射ソレノイド駆動回路4120dは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、を併合した併合電流により打球発射装置650の発射ソレノイド654を駆動する。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、電源基板851からの+24Vによる球送ソレノイド585を駆動する。
発射ソレノイド駆動回路4120dは、主として、シャントレギュレータ回路4121a、増幅回路4121b、電圧比較回路4121c、スイッチング回路4121dから構成されている。シャントレギュレータ回路4121aは、電源基板851の+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが供給されており、この+5.2Vから安定化された直流+2.5V(DC+2.5V、以下、「+2.5V」と記載する。)を作成して増幅回路4121bに供給している。
シャントレギュレータ回路4121aは、図187(a)に示すように、シャント式安定化電源回路PIC0を主として構成されている。このシャント式安定化電源回路PIC0は、周囲温度による温度ドリフトが低減されたものであり、負荷に対して一定電圧に保持される安定化電源を作成して供給することができる。シャント式安定化電源回路PIC0の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、+5.2Vと抵抗PR2を介して電気的に接続されており、この抵抗PR2によりREF端子に入力される電流が制限されている。K端子は増幅回路4121bに+2.5Vを出力している。この+2.5Vは、グランドと接地されたコンデンサPC0によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC0は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、シャント式安定化電源回路PIC0のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
図186に戻り、増幅回路4121bは、シャントレギュレータ回路4121aからの+2.5を2倍に増幅して直流+5.0V(DC+5.0V、以下、「+5.0V」と記載する。)を作成して主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供給している。
増幅回路4121bは、図187(a)に示すように、オペアンプPIC1を主として構成されている。オペアンプPIC1は、非反転増幅回路として構成されており、オペアンプPIC1の非反転入力端子(+端子)にはシャントレギュレータ回路4121aのシャント式安定化電源回路PIC0からの+2.5Vが印加され、オペアンプPIC1の反転入力端子(−端子)には一端がグランドと接地された抵抗PR3の他端と電気的に接続されるとともに、オペアンプPIC1の出力端子と一端が電気的に接続された抵抗PR4の他端と電気的に接続されている。抵抗PR3,PR4の抵抗値は、オペアンプPIC1の増幅率(平ループ利得)が2倍となるように設定されている。オペアンプPIC1の出力端子は、オペアンプPIC1の非反転入力端子(+端子)に印加された+2.5Vを2倍に増幅した+5.0Vを、上述したように、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供給している。この+5.0Vは、グランドと接地されたコンデンサPC2によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC2は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、オペアンプPIC1の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC1によりリップルが除去されて平滑化されている。
図186に戻り、回転位置検知センサ512は3端子の可変抵抗器であり、両端の一の固定端子が上述した増幅回路4121bからの+5.0Vが供給され、その両端の他の固定端子がハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、払出制御基板4110における発射ソレノイド駆動回路4120dの抵抗PR0と電気的に接続されている。この抵抗PR0の他端は、グランドと接地されている。回転位置検知センサ512の両端の固定端子とは別の端子である可変端子から、可変された抵抗値に従って両端に印加された電圧の分圧を取り出すことができるようになっている。回転位置検知センサ512の可変端子から取り出した電圧は、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dにおける後述する抵抗PR5,PR6(図187(b)参照)で分圧され、この分圧された抵抗PR6が受け持つ電圧が発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加される。
ハンドル装置500の回転位置検知センサ512の可変端子から取り出した電圧は、上述したように、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、図187(b)に示すように、グランドと接地されたコンデンサPC3によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化され(コンデンサPC3は、ローパスフィルタとしての役割も担っている。)、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dのボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加される。このオペアンプ回路群は、図187(b)に示すように、初段のオペアンプPIC2、後段のオペアンプPIC3を主として構成されている。ハンドル装置500からの電圧は、ボルトオーダーの電圧であり初段のオペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加される。初段のオペアンプPIC2の反転入力端子(−端子)には、初段のオペアンプPIC2の出力端子と電気的に接続されている。初段のオペアンプPIC2の出力端子は、オペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりそのままのボルトオーダーの電圧として出力する。この初段のオペアンプPIC2は、ボルトオーダーの電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、ハンドル装置500からの電圧を印加するための初段入力側回路と、電圧を後段のオペアンプPIC3に出力するための初段出力側回路と、の回路分離を実現している。これにより、初段入力側回路から初段出力側回路に向かって電圧が信号として伝達することができ、初段出力側回路の影響を初段入力側回路へ与えなくすることができる。なお、オペアンプPIC2の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC4によりリップルが除去されて平滑化されている。
初段のオペアンプPIC2の出力端子は、自身の反転入力端子(−端子)のほかに、抵抗PR5の一端と電気的に接続され、この抵抗PR5の他端が後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)と電気的に接続されている。後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)は、抵抗PR5の他端のほかに、一端がグランドと接地された抵抗PR6の他端と電気的に接続されている。これにより、初段のオペアンプPIC2の出力端からの電圧は、上述したように、ボルトオーダーの電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているため、ボルトオーダーの電圧であり、抵抗PR5,PR6により分圧され、この分圧された抵抗PR6が受け持つ電圧がミリボルトオーダーの電圧として後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)に印加される。後段のオペアンプPIC3の反転入力端子(−端子)には、後段のオペアンプPIC3の出力端子と電気的に接続されている。後段のオペアンプPIC3の出力端子は、オペアンプPIC2の非反転入力端子
(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりそのままのミリボルトオーダーの電圧が発射強度目標電圧として電圧比較回路4121cに出力する。この後段のオペアンプPIC3は、抵抗PR5,PR6で分圧されたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持つ電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、抵抗PR5,PR6で分圧されたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持つ電圧を印加するための後段入力側回路と、電圧を電圧比較回路4121cに出力するための後段出力側回路と、の回路分離を実現している。これにより、後段入力側回路から後段出力側回路に向かって電圧が信号として伝達することができ、後段出力側回路の影響を後段入力側回路へ与えなくすることができる。なお、オペアンプPIC3の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC5によりリップルが除去されて平滑化されている。
図186に戻り、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流れている電流は、一端がグランドと接地された抵抗PR1を流れることでこの抵抗PR1が受け持つミリボルトオーダーの電圧が発射制御電圧として電圧比較回路4121cに印加される。電圧比較回路4121cには、上述したミリボルトオーダーの電圧である発射強度目標電圧も印加されている。このように、電圧比較回路4121cで比較する発射制御電圧と発射強度目標電圧とは、上述したように、払出制御基板4110(発射ソレノイド駆動回路4120d)においてボルトオーダーの電圧からミリボルトオーダーの電圧へ抵抗PR1,PR6が受け持つ電圧によりそれぞれ降圧されるようになっている。つまり、払出制御基板4110上に形成された配線パターンを介して印加されるため、この配線パターンがノイズの影響を受けにくく、電圧比較回路4121cがミリボルトオーダーの電圧で発射制御電圧と発射強度目標電圧とを比較することができるのに対して、払出制御基板4110と打球発射装置650との基板装置間、及び払出制御基板4110とハンドル装置500との基板装置間においては、配線を介して電気的に接続されているため、配線にノイズの影響を受けやすく、ボルトオーダーの電圧とすることにより基板装置間におけるノイズの影響を抑制している。
電圧比較回路4121cは、発射制御電圧と発射強度目標電圧とを大小比較する反転型の回路であり、その比較結果をスイッチング回路4121dに出力する。電圧比較回路4121cによる比較結果は、HI又はLOWという論理出力となっており、発射制御電圧が発射強度目標電圧より大きいときにはLOW(以下、「L」と記載する。)となる一方、発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さいときにはHI(以下、「H」と記載する。)となる。このように、電圧比較回路4121cによる比較結果によって出力論理がH又はLとなるため、その出力信号がON/OFF信号としてスイッチング回路4121dに入力されることとなる。
スイッチング回路4121dは、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスが入力されるごとに、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従って、発射電源基板831に備える、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す。具体的には、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON信号が入力されると、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す一方、電圧比較回路4121cからのOFF信号が入力されると、発射ソレノイド654に流れている電流を遮断する。つまり、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON信号が入力されて、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流しているときに、この発射ソレノイド654に流れている電流を、抵抗PR1によって分圧された電圧が発射制御電圧として発射強度目標電圧より大きくなると、電圧比較回路4121cの出力論理がLとなり、OFF信号をスイッチング回路4121dに出力し、スイッチング回路4121dが発射ソレノイド654に流れている定電流を遮断する。この遮断により、発射ソレノイド654に電流が流れなくなることによって発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さくなり、電圧比較回路4121cの出力論理が再びHとなり、ON信号をスイッチング回路4121dに出力し、スイッチング回路4121dが、上述したように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このように、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従ってスイッチング回路4121dが、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、発射ソレノイド654に流したり、その定電流を遮断したりするため、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に自励発振して電流を発射ソレノイドに流す制御を行っている。つまり、スイッチング回路4121dは、「自励発振定電流回路」として機能しており、発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけている。これにより、回転ハンドル本体前506が回動操作されて回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
なお、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動していない原回転位置であるときには、回転位置検知センサ512の可変端子から取り出される電圧は、抵抗PR0に印加されている電圧が上述したボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加され、発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加される。この場合には、電圧比較回路4121cからのON信号がスイッチング回路4121dに出力されると、スイッチング回路4121dは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このDC/DCコンバータ831aからの出力される電流が最小出力電流となる。このときの発射ソレノイド654の発射強度は、少なくとも、発射レール660を飛び越えるものとなっている。つまり、抵抗PR0に印加されている電圧が発射強度目標電圧であるときには、その電圧に見合う電流(DC/DCコンバータ831aから出力される最小出力電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流)が発射ソレノイド654に流れると、発射ソレノイド654によって打ち出された遊技球は、発射レール660を飛び越えることができても、遊技盤4の外レール1111に沿って遊技領域1100に達することができないため、ファール球としてファールカバーユニット540で回収されこととなる。換言すると、抵抗PR0に印加されている電圧がボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加され、発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加されるときには、発射ソレノイド654に流れる電流が最小電流となっているものの、この最小電流が発射ソレノイド654に流れても、打ち出された遊技球がすべてファール球として回収されるようになっている。これにより、球送ソレノイド585によって発射レール660に送り出された遊技球と重複することを防止することができるため、発射ソレノイド654がその重複する遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことを防止することができるとともに、発射ソレノイド654への加負荷を防止することができ、故障を防止することもできる。
本実施形態では、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電源回路PIC0を採用することにより、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレータ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4121bで増幅された+5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により分圧されたものとなることによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持されることとなる。これにより、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
また、パチンコ遊技機1が設置される島設備は、複数のパチンコ遊技機から排出された遊技球を研磨して再びパチンコ遊技機に供給するという遊技球の循環システムが構築されている。このため、遊技球の研磨による熱、遊技球同士の衝突や摩擦による熱に加えて、パチンコ遊技機の電源基板や各種電飾による熱等により島設備内の温度は、極めて高くなっている。本実施形態では、上述したように、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電源回路PIC0を採用することにより、パチンコ設備内に熱がこもる環境下にあっても、+2.5Vを安定化させて出力することができるようになっている。これにより、温度による+2.5Vの変動が抑制されることによって回転位置検知センサ512の可変端子から取り出された電圧、つまり発射強度目標電圧の「ゆらぎ」を抑えることができるため、この「ゆらぎ」分の電圧を含めずに、電圧比較回路4121cがスイッチング回路4121dに制御信号を出力することができる。つまり、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置であるときには、遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度に「ムラ」を抑えることができるため、遊技球の「飛びムラ」を抑えることができる。
[3−6B.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧]
次に、DC/DCコンバータ831aの入出力電流及び出力電圧について、図186に示した、TA点における入力電流、TB点における出力電流及び出力電圧について、図188を参照して説明する。TA点は、DC/DCコンバータ831aの入力電流Iinを参照するための点であり、TB点は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutを参照するための点である。なお、この出力電圧Voutは、グランドとの電位差である。
まずTB点の出力電圧Voutと出力電流Ioutとの関係は、図188(a)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であり、出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加し、出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加し、出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加している。なお、+5VからゼロV近傍では、出力電流Ioutはほぼ1010mAとなっている。
TA点の入力電流IinとTB点の出力電流Ioutとの関係は、図188(b)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて、入力電流Iinが減少するとともに出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であるのに対して、入力電流Iinが400mAから320mAまで約80mA減少している。この区間Aでは、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが大きいときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が未だ遊技領域1100に達することが困難な発射強度となっている一方、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが小さくなりだすときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が遊技領域1100に達する発射強度となっている。出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加するのに対して、入力電流Iinが320mAから260mAまで約60mA減少しており、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加するのに対して、入力電流Iinが260mAから210mAまで約50mA減少しており、区間Bと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加するのに対して、入力電流Iinが210mAから175mAまで約35mA減少しており、区間B、及び区間Cと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。
なお、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が360mAであるときには、この360mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最小電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動していない原回転位置であるときに発射ソレノイド654に流れる電流であるのに対して、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1010mAであるときには、この1010mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最大電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を右回りに回動して限界回転位置であるときに発射ソレノイド654に流れる電流である。このように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、最小出力電流の値が360mAとなり、最大出力電流の値が1010mAとなる。DC
/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1000mAを超える場合には、発射ソレノイド654の発射強度は、すでに、外レール1111に沿って遊技領域1100に飛び出した遊技球が衝止部1114に衝突して内周レール1113に沿って下流に向かって転動し、各種入賞口に入球することなく、アウト口1151で回収される程度にまで強くなっている。このため、遊技者が回転ハンドル本体前506を右回りに回動して遊技を行っているときにおけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が取りうる範囲としては、360mAより大きく1000mAより小さく(360mA<出力電流Ioutの値<1000mA)、ミリアンペアオーダーの電流となっている。
[3−6C.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧と発射タイミング回路からの発射基準パルスとの関係] 次に、回転ハンドル本体前506の一定回転位置において、図186に示した、TB点におけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutと、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、について、図189を参照して説明する。TB点は、上述したように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Vout(グランドとの電位差)を参照するための点であり、TC点は、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点である。
発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0は、上述したように、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときにおいて、1分当たり、つまり60000ms当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるように設定されているため、図189(a)に示すように、そのパルス幅が30ms、その周期Tが600msとなる。
ここで、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動して限界回転位置であるときと、回動していない原回転位置であるときと、におけるDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutの波形について説明する。
回転ハンドル本体前506が限界回転位置にあるときには、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図189(b),(c)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最大電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最大電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図189に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が+5Vまで下がり、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最大出力電流である1010mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の出力電圧がゼロV近傍に達するまで放電が進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最大電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、図188に示したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最大電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、ゼロV近傍となっており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである1010mAという電流によって充電を開始し、そしてDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが+35V近傍まで回復してくると、360mAという電流によって充電を継続し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
これに対して、回転ハンドル本体前506が原回転位置にあるときには、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図189(b),(d)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最小電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最小電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図189に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が若干下がるものの、図188に示した区間Aに属し、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最小出力電流である360mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の放電が少し進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最小電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、上述したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最小電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、若干下がるものの、区間Aに属しており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである360mAという電流によって充電を開始し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
このように、発射ソレノイド654に最大電流、最小電流が流れても、DC/DCコンバータ831aの特性によって、今回の発射基準パルスT0が入力されて30msという放電時間内において電解コンデンサSC0が放電した電荷を、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの残りの570msという充電時間内に充電を完了させることができる。
ここで、発射基準パルスT0が入力されて30ms経過するまでの期間内に電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に電流を流す制御方式を採用する場合について考えてみると、この制御方式では、DC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に流す電流が2A〜3.5A程度となるため、この電流が電源基板851から供給されることとなる。発射ソレノイド654を駆動するときには、瞬間的に2A〜3.5Aより大きい大電流が流れる。そうすると、30msという発射基準パルスT0が600msという周期Tで発生するごとに、電源基板への負荷もこの周期Tごとに増えることとなる。つまり、電源基板は、発射ソレノイド654が駆動される際に流れる瞬間的な大電流に加えて電子部品や、装飾に用いる電飾等にも所定電流を供給しているため、これらの総電力が電力供給上限値を超えると、安全のため電力供給を遮断することとなる。
そこで、本実施形態では、発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間において、電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に引き延ばして、DC/DCコンバータ831aと電解コンデンサSC0とによる併合電流で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と、電解コンデンサSC0がDC/DCコンバータ831aからの電力を充電した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第2の電流」と、に分散することができる。これにより、電解コンデンサSC0が存在しない状態で発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、電解コンデンサSC0が存在する状態で発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と「第2の電流」とにより平均化することができる。したがって、発射ソレノイド654の駆動による瞬間的な大電流を供給するための負荷が電源基板851にかからなくすることができる。また、電源基板851の過負荷時の安全装置の作動条件の設計に時間を費やすことも解消することができる。
[3−6D.発射タイミング回路からの発射基準パルスと球送基準パルスとの関係]
次に、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、球送基準パルスT1と、について、図189を参照して説明する。TC点は、上述したように、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点であり、図186に示したTD点は、発射タイミング回路4120cからの球送基準パルスT1を参照するための点である。
球送基準パルスT1は、発射基準パルスT0である30msの5倍である150ms(=T0(30ms)×5)が設定されている。発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図189(a),(e)に示すように、球送基準パルスT1が発射ソレノイド駆動回路4120dの球送ソレノイド駆動回路4120eに入力され(タイミングt0、150ms経過すると、その入力が停止されるようになっている(タイミングt3)。これにより、球送ソレノイド585を駆動して球送ソレノイド585による球送制御を行うことにより、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間に、次に打ち出される遊技球のセットを完了することができ、発射基準パルスT0が入力されるごとに、遊技球を遊技領域1100に向かって連続して打ち出すことができる。
このように、本例では、発射ソレノイド654によって遊技球を打ち込むようにした上で、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ駆動する電源を供給させると共に電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしているので、容量の異なる電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を交換することで、発射ソレノイド654へ供給する電流(最大電流)を変更することができ、打球発射装置650の打込特性を遊技盤4に合わせた特性に変更することができる。
また、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給するようにしているので、遊技球を発射してから次に発射するまでの間に、電源基板851からの電力を電解コンデンサSC0で蓄えて発射ソレノイド654へ供給することで、電源基板851から直接瞬間的に大電流が消費されるのを回避させることができ、発光装飾基板のLEDや演出駆動用のモータやソレノイド等の発光や動き等が不安定になったり遊技球の飛びムラが発生したりするのを防止することができる。
更に、電源基板851は、島設備の交流電源(AC24V)から直流電源(+5.2V、+5.25V、+12V、+24V、及び+37V)を作成して供給しており、打球発射装置650は、ハンドル装置500の回転ハンドル本体前506が回動操作されてその回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
また、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレータ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4121bで増幅された+5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により分圧されたものとなることによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持されることとなる。これにより、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
[3−7.主制御基板での制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について、図190乃至図202を参照して説明する。図190は、主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。図191は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図192はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図193は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。図194は、始動口入賞処理を示すフローチャートである。図195は、変動開始処理を示すフローチャートである。図196は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図197は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。
また、図198は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図199は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図200は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。図201は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。図202は、特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。
メイン処理は、図190に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、主制御MPU4100aは、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM4100eに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM4100eに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM4100eをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM4100eに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM4100eに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAMクリアスイッチ4100cがオンであれば、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理において、主制御基板4100のRAM4100eにバックアップデータが保存されていない場合には、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行した時に周辺制御部4140に、主制御基板4100が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことを周辺制御部4140に通知するものである。なお、パチンコ機1を設置する遊技ホールの閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM4100eにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始した時には電源投入時処理が実行される。
この電源投入時処理が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板851によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板851にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板851に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板851から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板851に供給される電源電圧(この実施の形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM4100eにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ところで、ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
次に、電源断発生時処理は、図191に示すように、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM4100eのチェックサムを算出し、RAM4100eの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM4100eの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、主制御MPU4100aは、RAM4100eの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、RAM4100eへのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなる虞れがある。かかる弊害を回避するため、本実施例の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。これにより、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動するようになっている。
次に、タイマ割込処理は、メイン処理の実行中に主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行されるものであり、図192に示すように、主制御MPU4100aは、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板4110に遊技球の払出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、ステップS14の普通制御処理では、遊技の進行状態に基づいて、普通図柄を変動させると共に、普通電動役物(すなわち始動口ソレノイド2121によって第二始動口2102を開閉する可動片2105)を制御し、第二始動口2102の開閉状態を変化させる処理を実行する。ステップS15の特別制御処理では、遊技の進行状態に基づいて特別図柄表示器1185,1186で第一特別図柄及び第二特別図柄を変動表示させたり、特別電動役物(すなわちアタッカソレノイド2124によって大入賞口2103を開閉する開閉部材2106)を制御し、大入賞口2103の開閉状態を変化させたりする処理を実行する。
続くステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶表示器(図示せず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では、演出コマンドを周辺制御部4140に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処理では、パチンコ機1への電力供給が開始された時に電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御部4140に送信する処理も行われる。ステップS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)および乱数更新処理2(ステップS3)で、主制御基板4100の主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定、大当り抽選とも呼ぶ)に用いられる大当り判定用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定された時に特別図柄の停止図柄を決定(確変大当りか否かの判定(確変判定、確変抽選とも呼ぶ)を含む)するために用いられる大当り図柄用乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定された時にリーチ態様を伴うハズレとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器1185,1186に表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)、第二始動口2102を開閉する可動片2105を開放状態に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。
なお、本例では、大当り判定用乱数を用いて小当り遊技状態を発生させるか否かの抽選(小当り抽選とも呼ぶ)も行われる。また、大当り図柄用乱数を用いて確率変動大当り(特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する)とするか否かの判定も行われる。さらに、大当り判定用乱数を用いて当りと判定された場合には、大当り図柄用乱数を用いて特殊当りとするか否かの判定も行われる。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定すると共に、液晶表示装置1900にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしても良い。また、大当り判定用乱数に基づいて、「大当り抽選」または「小当り抽選」のいずれかで当選しているか否かの判定を行うことを「当り抽選」とも呼ぶ。また、大当り判定用乱数と大当り図柄用乱数とによって行われる判定の全体は、特別抽選に対応する。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、および可動片2105を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および可動片2105を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、可動片2105を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止することができる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生、及び普通抽選に関わらないリーチ判定乱数、及び変動表示パターン乱数等の更新を行う。
次に、特別制御処理において主制御MPU4100aは、図193に示すように、ステップS20からステップS90の処理を実行する。ステップS20の始動口入賞処理では、第一始動口2101や第二始動口2102に遊技球が入賞したか否かを判別し、入賞した場合に抽選の保留状態を更新する処理を実行する。ステップS30の変動開始処理では、夫々の大当り抽選における記憶数(保留数)を確認し、保留数(合計の記憶数)が0でなければ、それに対応する特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。具体的には、大当り遊技状態(利益付与状態)を発生させるか否かの判定を行い(当落判定手段)、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを夫々判定する。ステップS40の変動パターン設定処理では、各特別図柄および各装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。具体的には、夫々の特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器1185,1186にて特別図柄の変動表示を開始してから停止するまでの時間)をタイマにセットする。
ステップS50の変動中処理では、変動表示パターン設定処理(ステップS40)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186(特別図柄表示器1185,1186に相当)における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。この時、変動開始処理(ステップS30)にて何れか一方の大当り抽選で大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、同抽選で小当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当りまたは小当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
ステップS60の大当り遊技開始処理(利益付与状態制御手段)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には後述するが、大当りの種類に応じて開閉部材2106の開放回数や開放時間等の設定を行う。また、ステップS70の小当り遊技開始処理では、小当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には後述するが、小当りにおける開閉部材2106の開放回数や開放時間等の設定を行う。ステップS80の大当り遊技処理では、大入賞口2103を開放させると共に、所定個数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または、所定期間が経過した時開閉部材2106を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、開閉部材2106を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達した時には、処理選択フラグを「5」に更新する。また、ラウンド回数が所定回数に達した後、確率変動状態及び時短遊技状態を発生させる処理を実行する(特別遊技状態制御手段)。
ステップS90の小当り遊技処理では、大入賞口2103を開放させると共に、所定個数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または、所定期間が経過した時開閉部材2106を閉塞状態にするための処理を行う。なお、詳細は後述するが、小当り遊技処理における大入賞口2103の開放は、大当り遊技処理(ステップS80)に比べて、遊技者への利益が極めて低くなるように設定されている。次に、ステップS20〜ステップS90における具体的な処理について説明する。
次に、始動口入賞処理では、図194に示すように、まず、第二始動口センサ2127から検出信号が出力されたか否かを判別し、第二始動口センサ2127から検出信号が出力された場合には、第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別し(ステップS201にてYES)、第二始動口センサ2127からの検出信号が出力されていなければ第二始動口2102に遊技球が入賞していない(ステップS201にてNO)と判別する。ステップS201にて第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別した時には、第二大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、等)を取得し、RAM4100eに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS202)。そして、ステップS202で第二保留数カウンタが4未満であれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップS204)を実行する。なお、ステップS202で第二保留数カウンタの値が4である場合には、第二始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
一方、ステップS201で第二始動口センサ2127から検出信号が出力されていない場合(ステップS201にてNO)、または、第二保留数カウンタの値が4である場合(ステップS202にてNO)には、第一始動口2101に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS205)。具体的には、第一始動口センサ3102から検出信号が出力されたか否かを判別する。ステップS205にて第一始動口2101に遊技球が入賞したと判別した時には(YES)、第一大当り抽選用の各種乱数を取得し、RAM4100eに設けられている第一保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS206)。そして、ステップS206で第一保留数カウンタが4未満であれば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS208)を実行する。なお、ステップS206で第一保留数カウンタの値が4である場合には、第一始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
なお、主制御MPU4100aは、ステップS203、S207において、第一始動口2101または第二始動口2102への遊技球の入賞を通知する入賞通知コマンドを周辺制御基板4010に送信する。入賞通知コマンドは、各種乱数が、何番目の保留として記憶されたかを表している。第一始動口2101または第二始動口2102に遊技球が受け入れられた場合であっても、乱数が保留として記憶されなかった場合には、主制御MPU4100aは、入賞通知コマンドを送信しなくてもよい。周辺制御基板4010は、受信した入賞通知コマンドに応じて、液晶表示装置1900に、保留数を表示してもよい。
また、主制御MPU4100aは、取得された各種乱数に基づく先行判定処理を実行し、入賞通知コマンドとして、更に先行判定処理の結果を表すコマンドを、周辺制御基板4010に送信する場合がある。先行判定処理は、図194のステップS203、S207で記憶された乱数を用いた抽選(例えば、後述の大当り抽選、確変抽選、小当り抽選、変動表示パターンの決定)に先立って行われ、その抽選結果を事前に判定する処理である。先行判定処理では、ステップS203、S207で記憶された乱数と、先行判定テーブルとを用いて行われる。先行判定テーブルは、当該乱数を用いた抽選に利用されるテーブル(例えば、図208、図209の当り判定用テーブル4501、4521、当り図柄用テーブル4502、4522、変動時間設定用テーブル4503、4504、4523、4524)と同様のテーブルである。先行判定処理では、当該乱数と先行判定テーブルとを比較することによって、当該乱数を用いた抽選が行われた場合の抽選結果(大当りまたは小当りの当否と、大当りの種類と、変動表示パターン等)が判定される(このように抽選に先行して行われる判定は、「先読み判定」とも呼ばれる)。周辺制御基板4010は、受信した入賞通知コマンド(先行判定結果)を反映した演出を、当該乱数を利用した抽選が行われるよりも前に、実現してもよい(このような演出は、「先読み演出」とも呼ばれる)。先読み演出は、例えば、先行判定結果が、火をモチーフとした演出が実現されることを表す場合に、その演出が実現されるよりも前の演出において、火を表すキャラクターを表示する演出であってもよい。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、先行判定テーブルの内容は、抽選に利用されるテーブルの内容と同じである。ただし、先行判定テーブルの内容の少なくとも一部が、抽選に利用されるテーブルの内容と異なっていても良い。
また、主制御MPU4100aは、遊技状態が特定の条件を満たしている場合にのみ、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信し、特定の条件を満たしていない場合には、先行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。例えば、第一始動口2101への入賞に起因する変動表示が、入賞後すぐには開始されず保留される場合に、主制御MPU4100aは、当該入賞に関する先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信してもよい。ここで、大当り遊技状態と、時短遊技状態とにおいては、主制御MPU4100aは、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信せずに、先行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。第二始動口2102に関する特定の条件も、同様であってよい。
続いて、変動開始処理では、図195に示すように、まず、処理フラグが「0」か否かを判別し、「0」である場合(ステップS301にてYES)には、ステップS302以降の処理を実行し、「0」でない場合(ステップS301にてNO)には、変動開始処理を終了する。ステップS302では、夫々の特別図柄表示器2390a,2390bに対応する二つの保留数カウンタの値(第一始動記憶数及び第二始動記憶数)がともに「0」であるか否かを判別する。二つの保留数カウンタにおける値の和は、始動記憶の保存領域(特別図柄用乱数記憶手段4515,2940(図202参照))に格納される乱数値の個数を示すものであるため、ステップS302において何れの保留数カウンタの値がともに「0」であれば(YES)、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に関する始動条件が成立していないと判別されてステップS317に移行する。
一方、ステップS302で何れかの保留数カウンタの値が「0」でなければ(NO)、始動記憶移行処理を実行する(ステップS303〜ステップS311)。図202(a)に示すように、第一特別図柄用乱数記憶手段4515には、四つの記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[4]4515d)が設けられており、第一始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。また、図202(b)に示すように、第二特別図柄用乱数記憶手段4532にも、四つの記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[4]4532d)が設けられており、第二始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。各記憶領域4515a〜4515d,4532a〜4532dは、大当り判定用乱数が記憶される大当り判定用乱数記憶領域4580と、大当り図柄用乱数が記憶される大当り図柄用乱数記憶領域4581とを有している。
そして、始動記憶移行処理では、まず、第二特別図柄表示器1186に対応する保留数カウンタの値(第二始動記憶数)が「0」であるか否か、すなわち第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていないかを判別し(ステップS303)、乱数が記憶されていれば(NO)、n番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4532b〜記憶領域[4]4532d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[3]4532c)に夫々シフトする処理(ステップS304)と、記憶領域[1]4532aに記憶されていた第二特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS305)とを実行する。また、特別図柄変動フラグに「1」をセットする(ステップS306)と共に、第二特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する処理(ステップS307)を実行する。
一方、第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていない場合、すなわち第二特別図柄表示器1186に対応する保留数カウンタの値が「0」の場合には(ステップS303にてYES)、第一特別図柄用乱数記憶手段4515のn番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4515b〜記憶領域[4]4515d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[3]4515c)に夫々シフトする処理(ステップS308)と、記憶領域[1]4515aに記憶されていた第一特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS309)とを実行する。また、第一特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する処理(ステップS311)を実行する。
つまり、第一特別図柄に関して言えば、保留する際には、第二特別図柄の場合と同様に、保留数カウンタの値(第一始動記憶数)を「1」増やすと共に、抽出した乱数を、第一始動記憶数の値に対応した記憶領域に格納するが、第一特別図柄の変動を開始する際には第二始動記憶数が「0」である場合のみ、すなわち第一特別図柄による第一処理が待機中であり且つ第二特別図柄による第二処理が待機中でない場合に限り、第一特別図柄用乱数記憶手段4515の1番目の記憶領域「1」4515aから各乱数を読み出すようにしている。そして、この制御により第二処理を第一処理よりも優先的に行わせることを可能にしている。
その後、確率変動機能作動中か否か、すなわち高確率である確率変動状態か否かを判別し(ステップS312)、確率変動状態でない場合には(ステップS312にてNO)、確率変動未作動時の大当り判定テーブル、すなわち大当りとなる確率が低く設定されたテーブルを選択し、一方、確率変動状態の場合には(ステップS312にてYES)、確率変動作動時のテーブル、すなわち大当りとなる確率が高く設定されたテーブルを選択する。なお、本例では、確率変動未作動時(すなわち通常時)には、大当りとなる確率が6/499に設定され、確率変動作動時(すなわち高確率時)には、大当りとなる確率が60/499に設定されている。ここでは、499個の値からランダムに選択された1つの値を表す乱数を用いて大当りとなるか否かの判定を行うことを想定しているが、乱数のとり得る値の総数は、499個とは異なる他の任意の数(例えば、499よりも大きい数、あるいは、499よりも少ない数)であってよい。また、大当りとなる確率は、これらに限らず、他の値に設定されてもよい。例えば、通常時の大当りとなる確率が1/300であり、高確率時の大当りとなる確率が10/300であってもよい。
ステップS313又はステップS314において、何れかのテーブルが選択された後、そのテーブルに基づき、ステップS305又はステップS309にて取得された、何れかの特別図柄に関する乱数(大当り判定用乱数)が、大当りに相当する乱数(大当り値)であるか否かを判別する(ステップS315(大当り抽選))。そして、大当り値である場合には(ステップS315にてYES)、大当りフラグを「ON」にし(ステップS316)、ステップS317に移行する。一方、取得した乱数が大当り値ではない場合には(ステップS315にてNO)、その乱数が小当りに相当する乱数(小当り値)であるか否かを判別する(ステップS318)。そして、小当り値である場合には(ステップS318にてYES)、小当りフラグを「ON」にして(ステップS319)、ステップS317に移行する。また、小当り値ではない場合には(ステップS318にてNO)、ステップS319を経由することなく、ステップS317に移行する。ステップS317では、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。なお、大当りフラグおよび小当りフラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM4100eに記憶される。また、大当りフラグおよび小当りフラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび小当りフラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
次に、変動パターン設定処理では、図196に示すように、処理フラグが「1」か否かを判別し、ステップS317によって「1」となっている場合(ステップS401にてYES)には、ステップS402以降の処理を実行し、「1」でない場合(ステップS401にてNO)には、変動パターン設定処理を終了する。ステップS402では、大当りフラグが「ON」か否かを判別し、ステップS316によって「ON」となっている場合(ステップS402にてYES)には、取得された乱数(大当り図柄用乱数)を基に、確率変動大当りまたは通常大当りの何れの大当りであるのかを判別する(ステップS403(確変抽選))。そして、確率変動大当りである場合(ステップS403にてYES)には、大当り図柄用乱数に基づいて特殊当りか否かを判別する(ステップS404)。なお、このように大当り図柄用乱数に基づく特殊当りか否かの判別を特殊当り抽選とも呼ぶ。詳しくは後述するが、何れの確率変動大当りも、「その後の抽選において、特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態とする」ことは、共通している。ただし、特殊当りを除いた他の確率変動大当りでは「何れかの特別図柄表示器1185,1186で変動する特別図柄の変動時間を短縮させる(通常時よりも相対的に短くする)と共に、第二始動口2102への入賞のし易さを通常よりも増加させるようにした時短遊技状態」を発生させるのに対して、特殊当りである確率変動大当りでは、そのような時短遊技状態が発生しないように設定されている。なお、特殊当りである確率変動大当りによる確率変動状態において、さらに、特殊当りである確率変動大当りに当選した場合には、時短遊技状態が発生するように設定されている。
つまり、一般の確率変動大当り(特殊当りを除いた他の確率変動大当り)では、大入賞口2103を開閉する開閉部材2106の一回当りの開放時間が、複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の時間に設定されていると共に、開閉部材2106の開閉動作を、多くの利益を付与する回数(例えば15回)行うように制御される。これに対し、特殊当りである確率変動大当りでは、開閉部材2106の一回当りの開放時間が、数個(例えば一または二個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の時間に設定されるように制御される(開閉部材2106の開閉動作の回数は、同じ(例えば15回)である)。
ステップS404において、特殊当りでないと判別された場合、すなわち一般の確率変動大当りであると判別された場合には(NO)、確変大当り時変動表示パターンテーブルを選択し(ステップS405)、一方、特殊当りであると判別された場合には(ステップS404にてYES)、確変特殊当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS406)。なお、ステップS403において、確率変動大当りでないと判別された場合、すなわち通常大当りであると判別された場合には(YES)、通常大当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS407)。
一方、ステップS402において、大当りフラグが「ON」ではないと判別された場合には(NO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS408(小当り抽選))、ステップS319によって「ON」となっている場合には(ステップS408にてYES)、小当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS409)。また、小当りフラグが「ON」となっていない場合には(ステップS408にてNO)、取得されたリーチ判定用乱数がリーチに相当する乱数(リーチ値)か否かを判別し(ステップS410)、リーチ値である場合には(ステップS410にてYES)、ハズレリーチ時変動表示パターンテーブルを選択し(ステップ411)、リーチ値でない場合には(ステップS410にてNO)、ハズレ時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS412)。
このように、何れかのステップにおいて、変動表示パターンテーブルが選択されると、その変動表示パターンテーブル、及びステップS305またはステップS309の何れかにおいて取得された変動表示パターン乱数に基づいて、変動表示パターンを決定する(ステップS413)。次いで、ステップS413で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして選択値をセットし(ステップS414)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主制御基板4100のRAM4100eに設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS415)。ステップS415では、ステップS413で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。
なお、ステップS414でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理にて周辺制御部4140に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理で周辺制御部4140に送信する時には、第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。その後、処理フラグを「2」に更新し(ステップS416)、変動パターン設定処理を終了する。
続いて、変動中処理では、図197に示すように、まず、処理フラグが「2」か否かを判別し(ステップS501)、ステップS416によって「2」となっている場合には(ステップS501にてYES)、ステップS502以降の処理を実行し、「2」でない場合(ステップS501にてNO)には、変動中処理を終了する。ステップS502では、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186にて第一特別図柄または第二特別図柄が変動中か否かを判別し、変動中の場合には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS503)。そして、変動時間がタイムアップした際、すなわち、変動時間が終了した場合には(ステップS503にてYES)、その変動を停止させる(ステップS504)。
なお、何れの特別図柄も変動していない場合(ステップS502にてNO)、または変動時間が終了していない場合(ステップS503にてNO)には、特別図柄の変動を停止させることなく変動中処理を終了する。
ステップS504によって特別図柄の変動を停止させた後、大当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS505)、大当りフラグが「ON」の場合には、処理フラグを「3」に更新する(ステップS506)。一方、大当りフラグが「ON」でない場合には(ステップS505にてNO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS507)、「ON」の場合には処理フラグを「4」に更新し(ステップS508)、「ON」でない場合には処理フラグを「0」に更新する(ステップS509)。このように、ステップS506、ステップS508、またはステップS509の何れかにおいて処理フラグを更新した後、変動中処理を終了する。
次に、大当り遊技開始処理では、図198に示すように、まず、処理フラグが「3」か否かを判別し、ステップS506によって「3」となっている場合には(ステップS601にてYES)、ステップS602以降の処理を実行し、「3」でない場合には(ステップS601にてNO)、大当り遊技開始処理を終了する。ステップS602では、確率変動機能作動中か否か、すなわち確率変動状態か否かを判別し、確率変動状態である場合には(YES)、確率変動機能の作動を一端停止し、ステップS604に移行する。なお、確率変動状態ではない場合、すなわち通常の低確率状態である場合には(ステップS602にてNO)、ステップS603の処理を実行することなくステップS604に移行する。ステップS604では、時短機能作動中か否か、すなわち時短遊技状態か否かを判別し、時短遊技状態になっている場合には(YES)、時短機能の作動を停止させ(ステップS605)、ステップS606に移行する。一方、時短遊技状態でない場合には(ステップS604にてNO)、ステップS605の処理を実行させることなくステップS606の処理に移行する。
ステップS606では、大当りの種類が、一般の大当りであるか特殊当りであるかを判別し、一般の大当りである場合には(ステップS606にてNO)、開閉部材2106による大入賞口2103の開放条件、すなわち、大当り用開放回数、一回当りの開放時間、及び大入賞口2103への入賞制限個数を設定する(ステップS607)。一方、大当りが特殊当りである場合には(ステップS606にてYES)、大入賞口2103における特殊当り用開放回数、入賞制限個数、及び一回当りの開放時間を設定する(ステップS608)。その後、処理フラグを「5」に更新し(ステップS609)、大当り遊技開始処理を終了する。
一方、小当り遊技開始処理では、図199に示すように、まず、処理フラグが「4」か否かを判別し、ステップS508によって「4」となっている場合には(ステップS701にてYES)、ステップS702及びステップS703の処理を実行し、処理フラグが「4」でない場合には(ステップS701にてNO)、ステップS702及びステップS703の処理を実行することなく小当り遊技開始処理を終了する。ステップS702では、小当りの場合における大入賞口2103の開放条件、すなわち、開閉部材2106による大入賞口2103の小当り用開放回数、及び一回当りの開放時間が夫々設定される。なお、小当りにおける開放回数、入賞制限個数、及び開放時間は、特殊当りの場合に設定される条件(ステップS608)と同一になるように設定されている。すなわち、特殊当りと小当りとを、視覚的に判別することができないように設定されている。その後、処理フラグが「6」に更新され(ステップS703)、小当り遊技開始処理を終了する。
次に、大当り遊技処理では、図200に示すように、まず、処理フラグが「5」か否かを判別し、ステップS609によって「5」となっている場合には(ステップS801にてYES)、ステップS802以降の処理を実行し、「5」でない場合には(ステップS801にてNO)、大当り遊技処理を終了する。ステップS802では、大入賞口2103が開放中か否かを判別し、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS803)、経過した場合には(ステップS803にてYES)、開閉部材2106を作動させて大入賞口2103を閉鎖する(ステップS805)。
なお、設定された開放時間まで経過していない場合でも(ステップS803にてNO)、大入賞口2103が開放された後に大入賞口2103に入賞した遊技球の個数が、ステップS607で設定された制限個数(例えば10個)を超えた場合には(ステップS804にてYES)、ステップS805に移行して大入賞口2103を閉鎖する。また、大入賞口2103の開放時間が設定時間に到達しておらず(ステップS803にてNO)、しかも遊技球の入賞個数が制限個数に達していない場合には(ステップS804にてNO)、大当り遊技処理を終了する。
一方、ステップS802において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO)、開閉部材2106による大入賞口2103の開放回数が、ステップS607で設定された大当り用開放回数、またはステップS608で設定された特殊当り用開放回数に、到達したか否かを判別する(ステップS806)。そして、到達していない場合には(ステップS806にてNO)、開閉部材2106を制御して大入賞口2103を開放し(ステップS807)、大当り遊技処理を終了する。これにより多量の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になる。
ステップS806において大入賞口2103の開放回数が設定された回数に達した場合(YES)、すなわち、大当り遊技状態が終了した場合には、ステップS808〜ステップS813の処理を実行し、その後の抽選に対しての遊技状態を設定する。具体的には、まず、大当りフラグを「OFF」とし(ステップS808)、今回の大当りが、確率変動機能を作動させる当選であるか否かを判別する(ステップS809)。つまり、特殊当りを含む確率変動大当りであるか、通常大当りであるかを判別する。確率変動大当りで当選した場合には(ステップS809にてYES)、確率変動機能の作動を開始し、高確率である確率変動状態とする(ステップS810)。すなわち、その後の抽選において大当りが当選する確率を通常時よりも高く設定する。
なお、大当りが特殊当りである場合には(ステップS811にてYES)、確率変動機能または時短機能の作動中の当りか否かを判別する(ステップS814)。そして、特殊当りでない場合、すなわち、一般の確率変動大当りである場合(ステップS811にてNO)、或いは、確率変動機能または時短機能が既に作動している場合に特殊当りが当選した場合には、時短機能の作動を開始し(ステップS812)、その後、処理フラグを「0」に更新する(ステップS813)。つまり、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186で変動する第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短縮させると共に、可動片2105の開放作動によって第二始動口2102への入賞のし易さを通常よりも高くする。一方、確率変動機能及び時短機能の作動中ではない場合、すなわち、確率変動状態も時短遊技状態も発生していない状態で、特殊当りが当選した場合には(ステップS814にてNO)、時短機能を作動させることなくステップS813に移行する。
一方、ステップS809において確率変動機能を作動させる当選ではない場合、すなわち、通常大当りの場合には(NO)、時短機能の作動を開始すると共に、時短機能における作動の規定回数を設定し(ステップS815)、その後、ステップS813に移行する。つまり、抽選による第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数(規定回数)になるまで時短機能を作動させる。
次に、小当り遊技処理では、図201に示すように、まず、処理フラグが「6」か否かを判別し、ステップS703によって「6」となっている場合には(ステップS901にてYES)、ステップS902以降の処理を実行し、「6」でない場合には(ステップS901にてNO)、小当り遊技処理を終了する。ステップS902では、大入賞口2103に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達したか否かを判別し(ステップS902)、まだ最大入賞数に達していない場合には(NO)、大入賞口2103が開放中か否かを判別する(ステップS903)。そして、ステップS903において、大入賞口2103が開放中であると判別された場合には(YES)、大入賞口2103の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS904)、経過した場合には(ステップS904にてYES)、開閉部材2106を作動させて大入賞口2103を閉鎖する(ステップS905)。その後、大入賞口2103の開放回数が予め定めた所定回数(例えば15回)に達したか否かを判別し(ステップS906)、その回数に達した場合には(YES)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS907)、小当り遊技処理を終了する。
なお、ステップS904において大入賞口2103の開放時間が所定時間に達していない場合(NO)、またはステップS906において開放回数が所定回数に達していない場合には(NO)、ステップS907の処理を実行することなく、小当り遊技処理を終了する。また、ステップS903において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO)、大入賞口2103を開放し、遊技球の入賞を可能とする(ステップS908)。また、ステップS902において、大入賞口2103に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達した場合には(YES)、大入賞口2103が開放中か否かを判別し(ステップS909)、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103を閉鎖し(ステップS910)、ステップS907に移行する。一方、大入賞口2103が開放中でない場合には(ステップS909にてNO)、ステップS910の処理を実行することなく、ステップS907に移行する。ステップS907では処理フラグを「0」に更新する。
[3−8.周辺制御部での制御処理]
次に、周辺制御部4140に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について、図203乃至図207を参照して説明する。図203はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図204は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。図205は、コマンド解析処理(ステップS1100)の一例を示すフローチャートである。図206は、演出制御処理(ステップS1200)の一例を示すフローチャートである。図207は、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。
サブメイン処理では、図203に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aによって初期設定処理を行う(ステップS1001)。この初期設定処理では、周辺制御部4140に搭載される周辺制御RAM4140eをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1002)。
本例では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になった時、すなわち、16ms経過した時に16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過監視カウンタをリセットする(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS1002で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)時には、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS1003)、16ms定常処理を行う(ステップS1004)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドに基づいて液晶表示装置1900、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432,3014等のLED、扉枠5や本体枠3のスピーカ130,222,262,821等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS1002に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS1003〜ステップS1004を繰返し行う。一方、ステップS1002で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)時には、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
次に、16ms定常処理では、サブ周辺制御MPU4140aが、図204に示すように、ステップS1100〜ステップS1600の処理を実行する。ステップS1100のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドを解析する。ステップS1200の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドに基づいて液晶表示装置1900に関わる制御処理を実行する。具体的には、予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS1300の音制御処理では、演出効果を促進させる効果音(例えばBGM)を発生させるための、スピーカ130,222,262,821に関わる制御処理を実行する。ステップS1400の発光装飾制御処理では、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432,3014による発光装飾に関わる制御処理を実行する。ステップS1500の情報出力処理では、ランプ駆動基板4160に演出コマンドを送信する。ステップS1600の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS1200)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS1100〜ステップS1600の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過した時に直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS1100のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過した時には、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS1002で16ms経過フラグがセットされていると判別された時に16ms定常処理を開始する。
また、本例では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1600)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理の何れか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
次に、コマンド解析処理は、図205に示すように、まず、主制御基板4100から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS1101)。この実施の形態では、主制御基板4100から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、周辺制御部4140の周辺制御RAM4140eにおける受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS1101では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS1102)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS1103)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS1103にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットすると共に、周辺制御部4140に搭載される周辺制御RAM4140eにおける変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS1104)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS1103にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS1105)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS1105にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS1106)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS1105にてNO)、受信した演出コマンドに対応したフラグをセットする(ステップS1107)。
続いて、演出制御処理は、図206に示すように、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS1210〜ステップS1230のうち何れかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」の時に実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定すると共に、予告演出等の設定を行う。
処理選択フラグが「1」の時に実行される装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、変動停止コマンドを受信した時に液晶制御部4150に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行う。
処理選択フラグが「2」の時に実行される大当り表示処理(ステップS1230)では、主制御基板4100から送信される大当り開始コマンドに応じて液晶表示装置1900に大当り遊技状態の開始を示す表示や大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
次に、装飾図柄変動開始処理は、図207に示すように、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS1221)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS1100)のステップS1104でセットされ、主制御基板4100から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。ステップS1221で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(NO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS1221にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS1222)、受信した変動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS1223a)。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS1223aにてNO)、ハズレ図柄の停止図柄を決定する(ステップS1224)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS1223aにてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別し(ステップS1223b)、確変大当りフラグがセットされていれば(YES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS1225)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS1223bにてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1226)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ステップS1230)にて大当り遊技状態を開始する時にリセットされる。なお、確変大当りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS1220)で装飾図柄の変動表示を停止させる時、具体的には、変動停止コマンドを受信した時にリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS1230)で大当り遊技状態を終了する時にリセットするようにしてもよい。
なお、本実施形態では、第一特別図柄と1:1で対応する第一装飾図柄と、第二特別図柄と1:1で対応する第二装飾図柄と、第一装飾図柄及び第二装飾図柄の両方に関連付けられ第一特別図柄及び第二特別図柄に対応する共通の装飾図柄列(以下、「共通装飾図柄列」と称す)とが表示されるようになっている。第一装飾図柄及び第二装飾図柄は、マル、バツ、サンカク等の図形の組合せで構成されており、確変大当り図柄である組合せ、非確変大当り(通常大当り)である組合せ、小当りである組合せ、及びハズレである組合せ等が予め設定されている。つまり、変動表示パターンが当りパターンであれば、第一装飾図柄の確変大当り図柄として設定された複数の組合せ、または非確変大当り図柄として設定された複数の組合せ、のうち何れかの組合せ図柄を停止図柄として決定する。
続いて、周辺制御MPU4140aは、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判別を行う予告選択処理を実行した後(ステップS1227)、変動表示パターンと、予告種類格納領域に記憶される予告パターンと、ステップS1225,S1226,S1227で決定した共通装飾図柄列の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS1228)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS1229)。なお、ステップS1228でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS1500)にて液晶制御部4150に送信され、液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aにより当該表示コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置1900にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。
また、ステップS1228で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出した時には、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始する時に決定した予告パターンにもとづく予告演出が実行されることを防止できる。
[4−1.主制御基板での遊技に関する機能的構成]
続いて、主制御基板によって制御される特別図柄等の遊技に関する機能的な構成について、図208乃至図211を参照して説明する。図208は主制御基板での第一大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。図209は主制御基板での第二大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。図210は第一大当り抽選及び第二大当り抽選における抽選結果に応じて発生する有利遊技状態に関する機能的構成を示すブロック図である。図211は主制御基板での普通抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。
図208に示すように、主制御基板4100には、第一大当り抽選に関する構成として、第一当り判定用テーブル4501、第一当り図柄用テーブル4502、第一当り時変動時間設定用テーブル4503、及び第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504が予め記憶されており、これらのテーブル4501〜4504を基に、第一大当り抽選における抽選の当否、第一特別図柄表示器1185における停止図柄、及び変動時間が決定される。第一当り判定用テーブル4501は、大当り判定用乱数値と大当りまたは小当りの当否との関係を示すものであり、通常時と高確率時とで当選となる割合が異なっている。また、第一当り図柄用テーブル4502は、大当り図柄用乱数値と第一特別図柄表示器1185における停止図柄との関係を示すものであり、大当り図柄用乱数値を複数のグループに区分した夫々の範囲と二つのLED(第一特別図柄)の点灯状態との対応付けがなされている。
また、第一当り時変動時間設定用テーブル4503は、第一大当り抽選における当否の結果が大当りまたは小当りの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器1185における第一特別図柄の変動時間との関係を示すものであり、第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504は、第一大当り抽選における当否の結果がハズレの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器1185における第一特別図柄の変動時間との関係を示すものである。なお、通常時のテーブル及び高確率時のテーブルのうち、何れか一方のテーブルを遊技状態に基づいて選択する処理が第一抽選用確率選択手段4505によって行われる。また、図示していないが、第一当り図柄用テーブル4502には、確率変動大当り用のテーブル、特殊当り用のテーブル、通常大当り用のテーブル、及び小当り用のテーブルが夫々備えられており、後述する第一当否決定手段4506によって決定された当選の種別に対応したテーブルが選択されるようになっている。
また、主制御基板4100には、第一始動口センサ3102によって第一始動口2101への入賞が検出された時、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、大当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段4507と、大当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段4508とが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段4509が設けられている。また、第一当り判定用乱数抽出手段4507によって大当り判定用乱数が抽出されると、第一当り判定用テーブル4501を用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段4506、及び第一当り図柄用乱数抽出手段4508によって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一当り図柄用テーブル4502を用いて第一特別図柄表示器1185における停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段4510が設けられている。
更に、第一変動時間用乱数抽出手段4509によって変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段4506によって大当りであることが決定されると、第一当り時変動時間設定用テーブル4503を用いて第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段4506によってハズレであることが決定されると、第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504を用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段4511が設けられている。
また、主制御基板4100には、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄の変動を開始すると共に、第一変動時間決定手段4511によって決定された変動時間の経過後、第一停止図柄決定手段4510によって決定された停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段4512と、第一特別図柄の変動開始前に、第一当否決定手段4506によって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び第一特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段4513が設けられている。
更に、主制御基板4100には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ3102によって第一始動口2101への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として第一始動記憶数をカウントし記憶すると共に、第一特別図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰返し行わせる第一保留消化手段4514が設けられている。換言すれば、第一始動口センサ3102による遊技球の検出に基づく第一処理の実行を待機させる第一保留消化手段4514が設けられている。第一保留消化手段4514について更に詳細に説明すると、第一保留消化手段4514には、第一保留制御手段4514a及び第一消化制御手段4514bが設けられており、第一保留制御手段4514aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ3102によって第一始動口2101への入賞が検出された場合、第一始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第一始動記憶数の値を「1」増やすと共に、第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、第一特別図柄用乱数記憶手段4515(図212を参照)の中の、一番上位の記憶領域に格納する。
一方、第一消化制御手段4514bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止し、新たな第一特別図柄の変動が可能になった場合、第一特別図柄に関する始動記憶数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を読み出すと共に、第一始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。
また、主制御基板4100には、図209に示すように、第二大当り抽選に関する構成として、第二当り判定用テーブル4521、第二当り図柄用テーブル4522、第二当り時変動時間設定用テーブル4523、及び第二ハズレ時変動時間設定用テーブル4524が予め記憶されており、これらのテーブル4521〜4524を基に、第二大当り抽選における抽選の当否、第二特別図柄表示器1186における停止図柄、及び変動時間が決定される。なお、各テーブルの構成は、第一大当り抽選における各テーブルの構成と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、主制御基板4100には、第二始動口センサ2127によって第二始動口2102への入賞が検出された時に第二大当り抽選に関する大当り判定用乱数を抽出する第二当り判定用乱数抽出手段4525と、第二大当り抽選に関する大当り図柄用乱数を抽出する第二当り図柄用乱数抽出手段4526と、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第二変動時間用乱数抽出手段4527とが設けられている。また、第二当り判定用乱数抽出手段4525によって大当り判定用乱数が抽出されると、第二当り判定用テーブル4521を用いて大当りの当否を決定する第二当否決定手段4528、及び第二当り図柄用乱数抽出手段4526によって大当り図柄用乱数が抽出されると、第二当り図柄用テーブル4522を用いて第二特別図柄表示器1186における停止図柄を決定する第二停止図柄決定手段4529が設けられている。
更に、第二変動時間用乱数抽出手段4527によって変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段4528によって大当りであることが決定されると、第二当り時変動時間設定用テーブル4523を用いて第二特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段4528によってハズレであることが決定されると、第二ハズレ時変動時間設定用テーブル4524を用いて第二特別図柄の変動時間を決定する第二変動時間決定手段4530が設けられている。なお、第二当否決定手段4528は、当選制限手段4528aを備えており、遊技者に特定の利益を付与しない大当りである「特殊大当り」については、発生しないように制限を加えている。
また、特別図柄変動制御手段4512は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄の変動を開始すると共に、第二変動時間決定手段4530によって決定された変動時間の経過後、第二停止図柄決定手段4529によって決定された停止図柄で変動停止させる。更に、主制御基板4100には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二始動口センサ2127によって第二始動口2102への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として第二始動記憶数をカウントし記憶すると共に、第二特別図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰返し行わせる第二保留消化手段4531が設けられている。換言すれば、第二始動口センサ2127による遊技球の検出に基づく第二処理の実行を待機させる第二保留消化手段4531が設けられている。
この第二保留消化手段4531について更に詳細に説明すると、第二保留消化手段4531には、第二保留制御手段4531a及び第二消化制御手段4531bが設けられており、第二保留制御手段4531aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二始動口センサ2127によって第二始動口2102への入賞が検出された場合、第二始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第二始動記憶数の値を「1」増やすと共に、第二大当り判定用乱数及び第二大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、第二特別図柄用乱数記憶手段4532(図212を参照)の中の、一番上位の記憶領域に格納する。一方、第二消化制御手段4531bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止し、新たな第二特別図柄の変動が可能になった場合、第二特別図柄に関する始動記憶数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第二大当り判定用乱数及び第二大当り図柄用乱数を読み出すと共に、第二始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。
また、主制御基板4100には、図210に示すように、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528による抽選結果を基に、遊技者に有利な遊技状態を付与する五つの有利遊技状態制御手段を備えている。ここで、有利な遊技状態には、開閉部材2106を開放し、大入賞口2103に対して遊技球の入賞を可能とすることが含まれており、特定利益付与手段4540または所定利益付与手段4541の何れか一方によってアタッカユニット2100のアタッカソレノイド2124によって開閉部材2106が開放制御されるようになっている。
更に詳しく説明すると、所定利益付与手段4541は、開閉部材2106の一回当りの開放時間を、数個(例えば1〜2個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とすると共に、開閉部材2106の開閉動作を少なくとも一回以上(本例では15回)行うことで、遊技者に所定の利益を付与するものである。これにより、所定数の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になるが、入賞可能な個数は極めて少ないため、遊技者が受ける利益は比較的少ないものとなる。一方、特定利益付与手段4540は、開閉部材2106の一回当りの開放時間を、複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とすることで、遊技者に特定の利益を付与するものである(開閉部材2106の開閉動作の回数は、所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数と同じ(本例では15回))。これにより、多数の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になり、遊技者は大きな利益を得ることができる。
そして、主制御基板4100には、特定利益付与手段4540によって特定の利益を付与させる手段として、第一有利遊技状態制御手段4542及び第二有利遊技状態制御手段4543が設けられ、所定利益付与手段4541によって所定の利益を付与させる手段として、第三有利遊技状態制御手段4544、第四有利遊技状態制御手段4545、及び第五有利遊技状態制御手段4546が設けられている。
第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一有利遊技状態は、所謂「確率変動大当り」であり、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528の抽選結果が第一結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段4540によって特定の利益を付与すると共に、高確率状態設定手段4547によって、その後の抽選で特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する。つまり、高確率である確率変動状態とする。なお、本例では、高確率時の大当り判定テーブルでは、0〜498までの499個の大当り判定用乱数のうち、大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が、60個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が60/499となっている。一方、通常時の大当り判定テーブルでは、0〜498までの499個の大当り判定用乱数のうち大当り判定値が6個設定され、大当り確率が6/499となっている。
また、第一有利遊技状態では、第一時短状態設定手段4548によって、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186で変動する第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短くすると共に、第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで、第二始動口2102の可動片2105が開閉動作される頻度(すなわち普通抽選において当選となる確率)を高くすることによって第二始動口2102への入賞のし易さを通常時よりも増加させる。つまり、時短遊技状態とする。
第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二有利遊技状態は、所謂「通常大当り」であり、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528の抽選結果が第二結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段4540によって特定の利益が付与される点は第一有利遊技状態と同様であるが、この当りの場合には、その後の抽選で特定の利益が付与される確率は低確率のままである。つまり、確率変動状態にはならず、通常時の確率が維持される。なお、この第二有利遊技状態においても、特定の利益を付与した後、第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数になるまでの間、第一時短状態設定手段4548によって時短遊技状態になり、第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短くすると共に、可動片2105が開閉動作される頻度(すなわち普通抽選において当選する確率)を高くすることによって遊技球の球持ちを抑制する。
第三有利遊技状態制御手段4544によって発生する第三有利遊技状態は、所謂「特殊大当り」であり、第一当否決定手段4506の抽選結果が第三結果の場合に発生する。この当りでは、まず、所定利益付与手段4541によって遊技者に所定の利益(特定の利益よりも有利性の低い利益)を付与する。そして、その後の抽選に対しては、特定の利益が付与される確率を高くする。すなわち、第一有利遊技状態と同様、確率変動状態とする。ただし、時短遊技状態については、この有利遊技状態を発生させる前の遊技状態が所定の条件を満足する場合に限って発生させるようにしている。つまり、確率変動状態ではなく、且つ時短遊技状態でもない場合に第三有利遊技状態が発生した場合には、時短遊技状態を発生させることなく、確率変動状態としている。一方、遊技状態が確率変動状態であるか、または時短遊技状態である場合に、第三有利遊技状態が発生すると、第二時短状態設定手段4549を作動させ、時短遊技状態を発生させるようにしている。
第四有利遊技状態制御手段4545によって発生する第四有利遊技状態は、第一当否決定手段4506の抽選結果が第四結果の場合に発生する。この当りでは、第三有利遊技状態と同様、所定利益付与手段4541によって遊技者に所定の利益を付与する。ただし、その後の抽選に対しては、新たに確率変動状態を発生させない。なお、時短遊技状態については、遊技状態に基づいて付加されるか否かが決定される。
第五有利遊技状態制御手段4546によって発生する第五有利遊技状態は、第一当否決定手段4506の抽選結果が第五結果の場合に発生する。この当りでは、所定利益付与手段4541によって遊技者に所定の利益を付与すること、及び高確率状態設定手段4547によって所定の利益を付与することは、第三有利遊技状態と同様であるが、この有利遊技状態では、時短遊技状態でない場合に第三有利遊技状態が発生した場合には、時短遊技状態を発生させることなく、確率変動状態としている。一方、遊技状態が時短遊技状態である場合に、第三有利遊技状態が発生すると、第二時短状態設定手段4549を作動させ、時短遊技状態を発生させるようにしている。
なお、本例では、夫々の大当りにおける当選の割合を、第一当否決定手段4506の場合と、第二当否決定手段4528とで、互いに異なるように振分けている。具体的には、第一当否決定手段4506の抽選結果では、第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当り、すなわち確率変動状態及び一定回数の時短遊技状態が何れも付与される確率変動大当りを、大当り全体の22%に設定し、第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二大当り、すなわち確率変動状態が付与されることなく一定回数の時短遊技状態が付与される通常大当りを45%に設定している。
また、第三有利遊技状態制御手段4544によって発生する第三大当り、すなわち確率変動状態と、条件付きの時短遊技状態が付与される特殊大当りを11%に設定し、第四有利遊技状態制御手段4545によって発生する第四大当り、すなわち確率変動状態が付与されることなく条件付きの時短遊技状態が付与される特殊大当りを11%に設定し、第五有利遊技状態制御手段4546によって発生する第五大当り、すなわち確率変動状態と、条件付きの時短遊技状態が付与される特殊大当りを11%に設定している。
一方、第二当否判定手段4528の抽選結果では、第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当りを、大当り全体の44%に設定し、第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二大当りを56%に設定している。そして、第二当否決定手段4528では、特殊大当り、すなわち第三大当り、第四大当り、及び第五大当りに関しては発生しないように設定されている。このため、特定の利益が付与されることなく確率変動状態が終了してしまうことを確実に防止でき、突然の降格によって遊技意欲が大幅に低下することを抑制できる。
また、第一大当り〜第五大当りのうち、特定の利益を付与する第一大当りまたは第二大当りとなる割合は、第二当否決定手段4528の方が高くなることから、主に通常時に行われる第一当否決定手段4506による大当り抽選では、アタッカユニット2100における開閉部材2106の開放を比較的頻繁に行わせながらも、特定の利益が付与される大当りの発生をある程度制限することが可能となる。一方、時短遊技状態の時に実質的に有効となる第二当否決定手段4528による大当り抽選では、特定の利益が付与される可能性が高くなるため、確率変動状態を有さない通常大当りであっても、遊技意欲の低下を抑制することができる。
ところで、主制御基板4100には、図211に示すように、普通抽選(第二始動口2102への入賞のし易さを高めるための抽選)に関する構成として、普通当り判定用乱数抽出手段4551、普通当り判定用テーブル4552、及び普通当否決定手段4553が設けられている。普通当り判定用乱数抽出手段4551は、ゲートセンサ2402によってゲート部2401への遊技球の通過が検出された時、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、普通当り判定用乱数を抽出するものである。また、普通当り判定用テーブル4552は、高確率時のテーブルと通常時のテーブルとに分かれており、高確率時の普通当り判定テーブルでは、0〜250までの251個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りとなる判定値が250個設定され、普通当りとなる確率が250/251となっている。
一方、通常時の普通当り判定テーブルでは、0〜250までの251個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りとなる判定値が1個設定され、普通当りとなる確率が1/251となっている。また、高確率時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が13.56秒に設定され、始動口ソレノイド2121による可動片2105の開放時間が1180ms、開放回数が3回、開放間のインターバルが512msに設定されている。一方、通常時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が平均13.6秒に設定され、可動片2105の開放時間が180ms、開放回数1回に設定されている。
また、普通当否決定手段4553は、普通当り判定用乱数抽出手段4551によって普通当り判定用の乱数が抽出されると、抽出された乱数と普通当り判定用テーブル4552に記憶された普通当り判定値とを比較して、一致している場合に普通当りであると決定する。なお、この際、遊技状態判定手段4554によって、遊技状態が特定の遊技状態、すなわち時短遊技状態か否かが判別され、時短遊技状態である場合には高確率時のテーブルが選択され、時短遊技状態でない場合には通常時のテーブルが選択される。このため、第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当りの場合であっても、一定回数の時短遊技状態が終了すると、高確率時のテーブルから通常時のテーブルに切替えられるようになっている。
また、主制御基板4100には、普通当否決定手段4553によって普通抽選の当否が決定されると、普通図柄表示器1189に普通図柄を変動表示させると共に、変動時間(約14秒または約1秒)の経過後、当否の結果を表示させる普通図柄変動制御手段4555が設けられている。また、普通当否決定手段4553による判別の結果、普通当りが確定した場合、普通図柄の変動停止後、可動片2105を開放させ、遊技球を第二始動口2102に入賞し易くする開放制御手段4556が設けられている。
[4−1A.主基板による遊技内容]
次に、主制御基板4100や払出制御基板4110等を備えた主基板4000による遊技内容について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置されたハンドル装置500を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、遊技パネル1150の前面に配置された遊技領域1100内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の上側の左側或いは右側の遊技領域1100内を流下するようになっている。
なお、遊技球の打込強さは、ハンドル装置500の回転量を回転位置検知センサ512で検知した上で、回転位置検知センサ512からの検知信号に基いて発射制御部4120により打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動強さが制御されるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域1100内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1150の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2500の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流下してセンター役物2500の上棚部2301へ到達すると、上棚部2301によってセンター役物2500の左側の領域へと誘導される。そして、センター役物2500の左側を流下する遊技球が、センター役物2500の左側に配置されたゲート部2401に進入してゲートセンサ2402により検出されると、普通抽選結果としての普通当り判定用乱数が抽出される。そして、その普通当り判定用乱数に基いて、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器1189が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出され普通当り判定用乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1189が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通当り判定用テーブル4552(普通図柄変動パターン選択テーブル)から選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定開放時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開する動作を所定回数(例えば、1〜3回)繰返し、第二始動口2102へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2102における可動片2105の拡開時間については、第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようになっており、特別抽選結果として、「時短当り(普通時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するために、普通当り判定用テーブル4552を普通時のテーブルから高確率時のテーブルに差替えられるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物2500の上側において、左右方向中央から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域1100の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球が進入するとゲート部2401やワープ入口2504へ遊技球が進入する機会を得ることなくセンター役物2500の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター役物2500の上側において左右方向中央から左側の領域を流下するように、ハンドル装置500の回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来のハンドル装置500の操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器1189において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2402で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2402からの検出信号に基いて抽出された普通当り判定用乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通当り判定用乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器1188で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器1188は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して保留数を表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2402の検出信号に基いて抽出された普通当り判定用乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれセンター役物2500の左側を流下した遊技球は、サイド誘導部材2300の棚部2301aやサイド入賞口部材2200の棚部2211aによってセンター役物2500の下側で遊技領域1100の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2500の下方に配置された一般入賞口2201に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3104に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板4110が賞球装置740の払出モータ744を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2201、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域1100の左右方向中央下端に設けられてアウト口1151から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2201、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域1100内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、センター役物2500の左側を流下する遊技球が、センター役物2500の左側側面に開口するワープ入口2504へ進入すると、センター役物2500のステージ2510における上側の第一ステージ2511へと供給されるようになっている。そして、第一ステージ2511上へ供給された遊技球は、第一ステージ2511上を左右方向へ転動して、落下孔2511cから落下して第二ステージ2512上へと供給される。この第二ステージ2512でも遊技球が左右方向へ転動してアタッカユニット2100の上方の遊技領域1100内へ放出される。このステージ2510へ供給された遊技球が、第一ステージ2511における中央後側のチャンス入口2513へ進入すると、アタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に配置されたチャンス出口2514から遊技領域1100内へ放出され、遊技球が高い確率で第一始動口2101へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2101に受入れられて第一始動口センサ3102に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ2510から放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2101等に受入れられるようになっており、第二始動口2102や大入賞口2103が受入可能な時に、遊技球がステージ2510やチャンス出口2514から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2101だけでなく第二始動口2102や大入賞口2103に対しても、遊技球の受入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部2401へ進入してゲートセンサ2402により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2102へ受入れられて第二始動口センサ2127に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2101、第二始動口2102に遊技球が入賞して、第一始動口センサ3102、第二始動口センサ2127に検出されると、第一始動口2101では所定の第一当り判定用乱数の抽出が、第二始動口2102では所定の第二当り判定用乱数の抽出が、夫々行われる。そして、抽出された当り判定用乱数に基いて、機能表示ユニット1180の対応する第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された当り判定用乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2100の開閉部材2106が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生し、その間に大入賞口2103へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口2103へ入賞すると、賞球装置740から所定数(例えば、13個)の遊技球が上皿301へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口2101、第二始動口2102においても、ゲート部2401への遊技球の進入による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当り遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口2101,2102へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3102、第二始動口センサ2127で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3102、第二始動口センサ2127からの検出信号に基いて抽出された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された当り判定用乱数の保留数を、第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、抽出された当り判定用乱数が破棄されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3102、第二始動口センサ2127の検出に基いてそれぞれ抽出された大当り判定用乱数である第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数を、予め決められた所定の当り判定用テーブル4501,4521(特別図柄変動パターンテーブルとも称す)と照合することで、「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の何れであるかが判別されるようになっている。また、当り図柄用テーブル4502、4522に基づいて、大当りの種類(例えば、「確変時短無し当り(特殊当り)」「確変当り」等)も判別されるようになっている。
そして、第一始動口2101、第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数が(特別抽選結果が)、「小当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106を、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、15回)繰返すようになっている。
一方、抽出された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数が、「大当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2103に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2106を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返すようになっており、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようになっている。なお、所定ラウンド数の終了後に、「大当り」については、抽出された当り判定用乱数に応じて当り判定用テーブルを高確率のテーブルに変更するようになっている。また、当り判定用乱数に応じて、時短状態としたり時短状態を解除したりするために、変動時間設定用テーブル4503,4504,4523,4524を適宜変更するようになっている。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、全ての当り(小当りを含む)のラウンド数が同じ回数(例えば、15回)に設定されている。従って、ラウンド数を表示するラウンド表示器1190を省略してもよい。
また、大当りの種類としては、上述した種類に限らず、他の種々の種類の大当りを実装してもよい。例えば、確率変動大当りであって、上述の「特殊当り」と同様に大当り遊技における大入賞口2103(開閉部材2106)の一回当りの開放時間が短い第一所定時間に設定されるものの、時短遊技状態が発生するような大当りを実装してもよい。また、大当り遊技において、大入賞口2103の開放時間が一旦は短い第一所定時間に設定されるものの、複数回の開放の途中で開放時間が長い第二所定時間に変更されるような大当りを実装してもよい。
[4−2.周辺制御基板での遊技に関する機能的構成]
続いて、周辺制御基板4010での第一装飾図柄、第二装飾図柄、及び共通装飾図柄列を含む遊技に関する機能的な構成について、図212を参照して説明する。図212は周辺制御基板(主に周辺制御部4140、液晶制御部4150)での演出に関する機能的な構成を示すブロック図である。
本例の周辺制御基板4010には、図212に示すように、主制御基板4100から送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段4560によって受信されると、これを基に液晶表示装置1900を制御するための各種機能が備えられている。すなわち、第一大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第一当り時演出態様テーブル4561と、第一ハズレ時演出態様テーブル4562とが予め記憶されており、これらのテーブル4561,4562を基に、ステップ演出及び発展演出等における演出態様が決定されるようになっている。
まず、演出態様テーブル4561,4562について詳細に説明する。第一当り時演出態様テーブル4561は、大当り(又は小当り)の場合に用いられ、演出決定用乱数(後述する)と、演出態様(ここではステップ演出や発展演出における演出パターン)との関係を示すものである。また、第一ハズレ時演出態様テーブル4562は、ハズレの場合に用いられるテーブルであり、演出決定用乱数と演出パターンとの関係を示すものである。
この周辺制御基板4010には、ランダムカウンタ(図示しない)から演出決定用乱数を抽出する第一演出用乱数抽出手段4563と、演出パターンを決定する第一演出態様決定手段4564とが設けられている。第一演出態様決定手段4564は、コマンド受信手段4560を介して制御コマンドを受信すると、第一演出用乱数抽出手段4563によって演出用乱数を抽出すると共に、制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当り(又は小当り)を示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段4563によって抽出された演出用乱数と、第一当り時演出態様テーブル4561とから演出パターンを決定し、一方、当否コマンドがハズレを示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段4563によって抽出された演出用乱数と、第一ハズレ時演出態様テーブル4562とから演出パターンを決定するものである。
この第一演出態様決定手段4564によって決定された演出パターンは、演出パターン記憶手段(図示しない)から抽出されると共に、第一演出表示制御手段4565に送られる。第一演出表示制御手段4565は、それらの演出の画像を画像記憶手段(キャラROM4150d)から読出し液晶表示装置1900に導出する。
一方、第一装飾図柄の演出に関する機能的な構成として、第一装飾図柄変動制御手段4566が設けられている。第一装飾図柄変動制御手段4566は、コマンド受信手段4560によって受信された制御コマンドを基に、停止図柄を第一装飾図柄記憶手段(図示しない)から読み出し変動させると共に、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄を停止させるものである。
なお、上記では、第一大当り抽選に関する演出について説明したが、周辺制御基板4010には、第二大当り抽選に関する演出を行うための機能的構成も備えられている。具体的には、第二大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第二当り時演出態様テーブル4567と、第二ハズレ時演出態様テーブル4568とが予め記憶されており、これらのテーブル4567,4568を基に、ステップ演出や発展演出における演出態様が決定されるようになっている。演出態様テーブル4567,4568は、第一大当り抽選に対応する演出態様テーブル4561,4562と同様の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、周辺制御基板4010には、第二大当り抽選に対応して、第二演出用乱数抽出手段4569、第二演出態様決定手段4570、第二演出表示制御手段4571、及び第二装飾図柄変動制御手段4572が設けられているが、これらの構成も第一大当り抽選に対応する機能的構成と同様の機能を有することから、詳細な説明を省略する。
また、周辺制御基板4010には、装飾図柄列変動表示手段4573及び大当り表示手段4574が設けられている。装飾図柄列変動表示手段4573は、第一装飾図柄変動制御手段4566及び第二装飾図柄変動制御手段4572の出力を基に、或いは、コマンド受信手段4560によって受信された制御コマンドを基に、共通装飾図柄列を変動させると共に、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて共通装飾図柄列を順に停止させるものである。特に、複数の共通装飾図柄列のうち最後に停止される最終停止図柄列が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止している装飾図柄(停止図柄)の組合せが、特定の装飾図柄の組合せを充足する場合、既に停止している装飾図柄をリーチ形成図柄として、リーチ状態を成立させる。
また、大当り表示手段4574は、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が第一大当りまたは第二大当りの場合、すなわち、「確変大当り」または「通常大当り」の場合に、その抽選に係る共通装飾図柄列の変動を停止させた後、「大当り」であることを表示させるものである。なお、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が第三大当り、第四大当り、または第五大当りである場合には、「当り」であることを表示させることなく、共通装飾図柄列の変動停止後、その抽選に係る演出を終了する。
[4−2A.周辺制御基板による操作ユニットを用いた遊技演出]
次に、周辺制御基板4010による操作ユニット400を用いた遊技演出について、図213乃至図230を参照して説明する。図213は、回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサの位置関係を示す説明図である。図214は、回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサとの位置関係を示す説明図である。図215(A)は回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧表図であり、図215(B)はダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧表図である。
また、図216(A)〜(F)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表示装置(演出手段、図柄表示手段)の表示画面の一例を示す説明図であり、図217(A)〜(E)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表示装置の表示画面の一例を示す説明図であり、図218(A)〜(F)は、ダイヤル操作部による選択操作を代行させるか否かを決定する時の液晶表示装置の表示画面を示す説明図であり、図219は、演出制御処理による選択操作検出処理を示すフローチャートであり、図220は、演出制御処理における選択操作検出処理の変形例1を示すフローチャートであり、図221は、演出制御処理における選択操作検出処理の変形例2を示すフローチャートであり、図222(A)〜(D)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図223(A)〜(C)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図224(A)〜(C)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。
更に、図225(A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図226は演出制御処理における回転予告制御処理を示すフローチャートである。図227(A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図228(A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。図229(A)〜(C)は操作説明手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。図230(A)〜(C)は操作説明手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。
はじめに、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度の検出について説明する。なお、回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401と一体的に回転する従動ギア410の回転検知片410cを検出することで、ダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出するようになっている。また、図213乃至図215中には、回転検知センサ432aを「A」と記載すると共に、回転検知センサ432bを「B」と記載する。また、以下に示すステップ1〜4は、それぞれ回転検知センサ432a,432bを基準としたダイヤル操作部401の4種類の回転位置のことであり、ダイヤル操作部401が回転することで、ステップ1、ステップ2、ステップ3、ステップ4へと順次、回転位置が移行するものであり、ステップ4へ移行した後は、再度ステップ1へ戻る。
まず、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する場合は、図213に示すように、ステップ1として、両方の回転検知センサ432a,432bが従動ギア410の回転検知片410cを検出し、その後、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ2への移行により、回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出する一方、従動ギア410のスリット410dが回転検知センサ432bへ移動して回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。その後、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ3への移行により、従動ギア410のスリット410dが各回転検知センサ432a,432bへ移動して回転検知センサ432a,432bが共に回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。そして、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ4への移行により、従動ギア410のスリット410dが回転検知センサ432aへ移動して回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出しない一方、回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出するステップへ移行する。
一方、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する場合は、図214に示すように、ステップ1として、両方の回転検知センサ432a,432bが従動ギア410の回転検知片410cを検出し、その後、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ2への移行により、従動ギア410のスリット410dが回転検知センサ432aへ移動して回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出しない一方、回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出するステップへ移行する。その後、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ3への移行により、従動ギア410のスリット410dが各回転検知センサ432a,432bへ移動して回転検知センサ432a,432bが共に回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。そして、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ4への移行により、回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出する一方、従動ギア410のスリット410dが回転検知センサ432bへ移動して回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。
即ち、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する場合の回転検知センサ432a,432bのON(回転検知片410cの検出あり)/OFF(回転検知片410cの検出なし)動作は、図215(A)に示すように、ステップ1で回転検知センサ432a,432bが共に「ON」であり、ステップ2で回転検知センサ432aが「ON」を継続する一方、回転検知センサ432bが「OFF」となる。その後、ステップ3で回転検知センサ432a,432bが共に「OFF」となった後に、ステップ4で回転検知センサ432aが「OFF」を継続する一方、回転検知センサ432bが「ON」となる。その後は、再度、ステップ1に戻り、回転検知センサ432a,432bが共に「ON」となる。
一方、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する場合の回転検知センサ432a,432bのON/OFF動作は、図215(B)に示すように、ステップ1で回転検知センサ432a,432bが共に「ON」であり、ステップ2で回転検知センサ432bが「ON」を継続する一方、回転検知センサ432aが「OFF」となる。その後、ステップ3で回転検知センサ432a,432bが共に「OFF」となった後に、ステップ4で回転検知センサ432bが「OFF」を継続する一方、回転検知センサ432aが「ON」となる。その後は、再度、ステップ1に戻り、回転検知センサ432a,432bが共に「ON」となる。
このように、回転検知センサ432a,432bは、上記したような各ステップ1〜4でのON/OFFに基づいてダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出するようになっているので、操作ユニット400を構成するダイヤル操作部401が操作手段として機能する場合、換言すれば、遊技者の操作によってダイヤル操作部401が回転操作された場合には、回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態の切替りを検出することでダイヤル操作部401が回転操作されたことを検出する。また、この時、回転操作前の回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態と、回転操作中の回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態とから、ダイヤル操作部401が時計方向に回転操作されているのか、あるいは反時計方向に回転操作されているのかを検出するようになっている。なお、本例では、回転検知センサ432a,432bによってダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出する構成としているが、回転検知センサ432a,432bのパルスをカウントすることで、ダイヤル操作部401の回転位置も検出が可能である。
例えば、ステップ1、即ち回転検知センサ432a,432bが共に「ON」した状態を回転操作前の状態とした場合、回転操作中の回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態として回転検知センサ432aが「ON」である一方、回転検知センサ432bが「OFF」であると、時計方向のステップ2と一致することから、ダイヤル操作部401が時計方向に回転操作されたことを検出する。一方、回転操作中の回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態として回転検知センサ432aが「OFF」である一方、回転検知センサ432bが「ON」であると、反時計方向のステップ2と一致することから、ダイヤル操作部401が反時計方向に回転操作されたことを検出する。なお、回転検知センサ432a,432bによって検出されたダイヤル操作部401の時計方向又は反時計方向の操作信号は、周辺制御部4140に出力される。そして、周辺制御部4140(演出制御手段、操作演出制御手段、選択演出制御手段、表示制御手段)は、入力した操作信号に基づいて遊技者の操作意思を受け、これを液晶表示装置1900等での演出に反映するようになっている。
また、ダイヤル操作部401がダイヤル駆動モータ414の駆動に基づいて回転する可動演出手段として機能する場合は、ダイヤル駆動モータ414の駆動が駆動ギア412を介して従動ギア410の回転動作として伝達され、この従動ギア410の回転動作によって一体的に設けられたダイヤル操作部401が時計方向又は反時計方向に回転する。この時、回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検知片410cの検出の有無(ON/OFF)によってダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出する。そして、この回転検知センサ432a,432bによる検出信号が周辺制御部4140に出力され、これを受けた周辺制御部4140がダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を把握した状態でダイヤル操作部401の回転動作を制御するようになっている。
次に、操作ユニット400のダイヤル操作部401と押圧操作部405による操作手段としての機能、及び可動演出手段としての機能について複数の例を示しながら説明する。まず、一例目としては、図216に示すように、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900(演出手段、図柄表示手段)に変動表示される装飾図柄(図柄)において、図216(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、その後、中装飾図柄4602の変動継続に伴い、図216(B)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されてノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展する。
そして、図216(C)に示すように、スーパーリーチの変動態様として、左右の装飾図柄4601,4603とは異なる図柄でハズレを決定する中装飾図柄4602a(同図中には、「6」の中装飾図柄を例示)と、左右の装飾図柄4601,4603と同一の図柄で大当りを決定する中装飾図柄4602b(同図中には、「7」の中装飾図柄を例示)とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する画像4605と「ダイヤル操作部を回して下さい」の文字4611とが表示されることで、操作ユニット400(ダイヤル操作部401)の反時計方向への回転操作を遊技者に促す表示が行われる。
その後、図216(D)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602aが大当りを決定する中装飾図柄4602bを押し出す演出表示が行われる。そして、遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401を反時計方向へ回転操作すると、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出する(ダイヤル操作部401の反時計方向への検出信号を周辺制御部4140へ出力する)ことで、図216(E)に示すように、大当りを決定する中装飾図柄4602bがハズレを決定する中装飾図柄4602aを押し返す演出表示(操作演出)が行われ、最終的には、図216(F)に示すように、大当りを決定する中装飾図柄4602bとハズレを決定する中装飾図柄4602aとのうち、大当り判定に基づいた表示結果を構成する中装飾図柄が他方の中装飾図柄を完全に押し出して、装飾図柄の表示結果が液晶表示装置1900に導出される。図216(F)中には、大当りの判定結果に基づいて、「7」の中装飾図柄4602bが「6」の中装飾図柄4602aを完全に押し出し、「7・7・7」の大当り図柄(特定表示結果)が導出された場合を例示する。
二例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図217(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され、その後、中装飾図柄4602の変動継続に伴い、図217(B)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されてノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展すると、スーパーリーチの変動態様を選択する画像が液晶表示装置1900に表示される。変動態様の選択画像は、図217(C)に示すように、変動態様Aの選択肢画像4621(同図中には、「A」の文字を例示)と変動態様Bの選択肢画像4622(同図中には、「B」の文字を例示)とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向とに交互に回転すると共に選択決定用の操作ユニット400の押圧操作部405が押圧される画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、操作ユニット400(ダイヤル操作部401)の回転操作で変動態様の選択を遊技者に促す表示が行われる。
そして、変動態様Aを選択すべく遊技者がダイヤル操作部401を時計方向へ回転操作すると(なお、この時、選択決定用として操作ユニット400の押圧操作部405が遊技者によって押圧操作される)、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出する(ダイヤル操作部401の時計方向への検出信号を周辺制御部4140へ出力する)ことで、図217(D)に示すように、変動態様Aの選択肢画像4621が点滅表示される一方、変動態様Bの選択肢画像4622が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する画像4605と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作によって変動態様Aが選択された旨を遊技者に報知する表示が行われる。その後は、図217(E)に示すように、遊技者によって選択された変動態様Aでスーパーリーチ変動の演出画像4625(同図中には、便宜的に「A」と記載)が表示される(操作演出)。
即ち、操作ユニット400の操作ユニット400による操作手段としての機能は、液晶表示装置1900の演出表示に合わせて遊技者にダイヤル操作部401を回転操作させ、その回転操作を演出内容に反映させて遊技の興趣低下を抑制するものとなっている。
ところで、上記した二例目のように操作ユニット400が二者択一となる選択用の操作手段として機能する場合、遊技者は、操作ユニット400による選択操作をパチンコ機1側(具体的には、周辺制御部4140の制御)で自動的に代行させるか否かを事前に決定できるようになっている。選択操作を代行させるか否かの決定は、図218(A)に示すような液晶表示装置1900の操作代行決定用の表示画像で行われる。なお、この操作代行決定用の表示画像は、液晶表示装置1900のデモ表示中等、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞検出が所定時間以上ない状態で操作ユニット400の押圧操作部405が押圧操作されることにより、液晶表示装置1900に表示されるようになっている。
図218(A)に示す操作代行決定用の表示画像には、「選択操作を代行しない」の文字を記した選択肢画像4623と「選択操作を代行する」の文字を記した選択肢画像4624とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向とに交互に回転すると共に選択決定用の押圧操作部405が押圧される画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作で選択操作を代行させるか否かの決定を遊技者に促す表示が行われる。
そして、選択操作を代行させるべく遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401を反時計方向へ回転操作すると(なお、この時、選択決定用として操作ユニット400の押圧操作部405が遊技者によって押圧操作される)、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出する(ダイヤル操作部401の反時計方向への検出信号を周辺制御部4140へ出力する)ことで、図218(B)に示すように、「選択操作を代行する」の選択肢画像4624が点滅表示される一方、「選択操作を代行しない」の選択肢画像4623が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する画像4607と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作によって選択操作を代行させる決定がなされた旨を遊技者に報知する表示が行われる。
その後、操作代行決定用の表示画像で選択操作を代行することが決定され、図218(C)に示すように、選択演出の画像が液晶表示装置1900に表示されると、周辺制御部4140の制御に基づいて自動的に選択が代行されるようになっている。具体的に、図218(C)に示す選択演出の画像は、キャラクタAの選択肢画像4625とキャラクタBの選択肢画像4626とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向とに交互に回転すると共に選択決定用の押圧操作部405が押圧される画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作でキャラクタの選択を遊技者に促す表示が行われる。なお、この時、選択肢画像4626であるキャラクタBは、選択肢画像4625であるキャラクタAに比べて力強いキャラクタとして表示され、あたかもキャラクタB(選択肢画像4626)を選択した方が遊技者にとって有利な遊技内容(例えば、大当りになり易い等)となり得るような印象を与えるものとなっている。
そして、周辺制御部4140の制御により、図218(D)に示すように、操作ユニット400のダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転されると(なお、同図中には、反時計方向がデフォルト方向に設定され、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転された場合を例示)、キャラクタBの選択肢画像4626が点滅表示される一方、キャラクタAの選択肢画像4625が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する画像4607と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転によってキャラクタBが選択された旨を遊技者に報知する表示が行われる。
なお、図218(D)に示す構成では、デフォルト方向を反時計方向に設定しているが、この構成に限定するものではなく、デフォルト方向を時計方向に設定してもよい。この場合には、周辺制御部4140の制御により、操作ユニット400(ダイヤル操作部401)が時計方向へ回転されると、図218(E)に示すように、キャラクタAの選択肢画像4625が点滅表示される一方、キャラクタBの選択肢画像4626が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する画像4605と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転によってキャラクタAが選択された旨を遊技者に報知する表示が行われる。
また、デフォルト方向は、時計方向又は反時計方向の何れか一方に限定するものではなく、液晶表示装置1900に表示される選択肢の種類に応じた方向をデフォルト方向としてもよい。具体的には、あたかも遊技者にとって有利な遊技内容となり得るような方向をデフォルト方向としてもよい。例えば、選択演出の画像として、図218(C)と同様に、キャラクタAの選択肢画像4625が左側に表示され、キャラクタBの選択肢画像4626が右側に表示される時には、図218(D)と同様に、選択肢画像4626を選択すべくダイヤル操作部401を反時計方向に回転させる。一方、選択演出の画像として、キャラクタBの選択肢画像4626が左側に表示され、キャラクタAの選択肢画像4625が右側に表示される時には、図218(F)に示すように、選択肢画像4626を選択すべくダイヤル操作部401を時計方向に回転させる。また、逆に、あたかも遊技者にとって不利な遊技内容となり得るような方向をデフォルト方向としてもよい。
ここで、周辺制御部4140による操作ユニット400の選択操作検出処理について、図219を参照して説明する。この選択操作検出処理は、図217(C)のような液晶表示装置1900の選択演出時に行われる制御である。図219において、まず、操作代行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS2001)。操作代行フラグは、図218(A)の操作代行決定用の表示画像で「選択操作を代行する」の選択肢画像4624が選択決定された時にセットされるフラグである。ステップS2001で操作代行フラグがセットされていない時は、次に、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されたか否か、言い換えれば回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2002)。操作検出信号に変化がある時は、該操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットして(ステップS2003)、選択操作検出処理を終了する。
即ち、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されて操作検出信号に変化が生じると、そのダイヤル操作部401が回転操作された方向(時計方向又は反時計方向)の選択フラグをセットする。選択フラグは、液晶表示装置1900の選択演出において、遊技者が二者択一の選択肢の一方を選択決定した旨の表示(例えば、図217(D)の表示等)や、選択決定した選択肢に基づいた演出表示(例えば、図217(E)の演出表示等)を表示制御するためのフラグである。
一方、ステップS2002で操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変化がない時は、予め定めたダイヤル操作部401の検出有効時間が経過したか否かを判別する(ステップS2004)。そして、検出有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信号がONしていない時は、予め定めた選択方法となるデフォルトの回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2005)、デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転させて(ステップS2006:選択代行動作制御手段)、選択操作検出処理を終了する。ここで、デフォルトの回転方向(デフォルト方向)とは、前述した周辺制御部4140により予め設定されたダイヤル操作部401の回転方向のことであり、時計方向、反時計方向、遊技者にとってあたかも有利な遊技内容となり得るような方向、あるいは遊技者にとってあたかも不利な遊技内容となり得るような方向のことである。
また、ステップS2001で操作代行フラグがセットされている時は、デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転させる(ステップS2007:選択代行動作制御手段)。その後は、回転検知センサ432a,432bにより操作検出信号の変化を検出することで、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットして(ステップS2008)、選択操作検出処理を終了する。この時、ステップS2008の処理としては、ステップS2007で回転されたデフォルト方向の選択フラグをそのままセットするのではなく、デフォルト方向への回転直後に遊技者が反デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転操作すると、その反デフォルト方向の選択フラグをセットするようになっている。即ち、選択演出時の選択操作の代行が決定されている場合、及び、選択演出時の選択操作の代行が決定されていないにも拘わらずダイヤル操作部401が回転操作されなかった場合は、一旦、ダイヤル操作部401をデフォルト方向へ回転させる。そして、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者の操作がない時はそのままデフォルト方向の選択フラグをセットする。一方、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者による反デフォルト方向への操作がある時は、ダイヤル操作部401を回転させるダイヤル駆動モータ414の駆動を停止して遊技者によるダイヤル操作部401の回転操作を優先させ、反デフォルト方向の選択フラグをセットする。
このように本実施形態では、遊技者が操作ユニット400におけるダイヤル操作部401を反デフォルト方向へ回転操作する余地を残した状態、具体的には、遊技者がダイヤル操作部401の操作方向(デフォルトの回転方向)を気に入らない時は、その回転動作中に遊技者が介入して矯正できたり、予想外(遊技者にとって不意)にダイヤル操作部401が動いてしまった時にその回転動作を止めたりできるような余地を残した状態で、ダイヤル操作部401の回転操作が行えるようになっている。即ち、上記したステップS2007からステップS2008に移行する際の処理は、ダイヤル操作部401の動作中に遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作(手動操作)が操作検出手段によって検出されると、遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作を優先すべく、電気的駆動源の駆動を停止する操作優先制御手段を構成している。
ところで、操作ユニット400の選択操作検出処理は、図219に示す構成に限定するものではなく、以下に示す変形例1,2の構成であってもよい。変形例1の選択操作検出処理は、図220に示すように、まず、操作代行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS2011)。ステップS2011で操作代行フラグがセットされていない時は、図219の選択操作検出処理と同様に、ダイヤル操作部401が回転操作されて回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2012)。操作検出信号に変化がある時は、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2013)、操作検出信号が変化したことをカウントする操作検出カウンタに「1」を加算して(ステップS2014)、選択操作検出処理を終了する。即ち、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されて操作検出信号に変化があると、そのダイヤル操作部401が回転操作された方向(時計方向又は反時計方向)の選択フラグをセットし、更には、ダイヤル操作部401が回転操作されたことを記憶しておく。
一方、ステップS2012でダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変化がない時は、予め定めたダイヤル操作部401の検出有効時間が経過したか否かを判別する(ステップS2015)。そして、検出有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信号に変化がない時は、次に、過去10回の選択演出においてステップS2014でカウントされた操作検出カウンタの値が「5」以上であるか否かを判別する(ステップS2016:動作割合判定手段)。ステップS2016で操作検出カウンタの値が「5」以上の時、言い換えれば、過去10回の選択演出で遊技者が5回以上ダイヤル操作部401を回転操作した時は、比較的頻繁にダイヤル操作部401を回転操作する遊技者であると判断して、ダイヤル操作部401の検出有効時間を延長すべくステップS2017へ移行する。
なお、ステップS2016の処理は、周辺制御部4140の周辺制御RAM4140e内に設けられる操作記憶領域での記憶に基づいて行われるものであり、操作記憶領域に最新10回までの選択演出における操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の操作の有無を記憶しておくことで判別処理が行われるようになっている。即ち、選択演出が行われる毎に、過去10回の記憶データのうち最も古いデータを消去すると共に、選択演出での遊技者によるダイヤル操作部401の操作の有無を最も新しいデータとして記憶するようになっている。このため、パチンコ機1で遊技を行う遊技者が入れ替わった場合でも、選択演出を実行していく毎に徐々に遊技者に合わせた(ダイヤル操作部401を頻繁に回転操作する遊技者であるか否かに合わせた)判断基準でステップS2016の処理を行えるようになっている。
ステップS2017では、再度、ダイヤル操作部401が回転操作されて回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する。ステップS2017で操作検出信号に変化がある時は、ステップS2012からの移行と同様に、操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2013)、操作検出信号が変化したことをカウントする操作検出カウンタに「1」を加算して(ステップS2014)、選択操作検出処理を終了する。一方、ステップS2017でダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変化がない時は、延長されたダイヤル操作部401の検出有効時間(延長有効時間)が経過したか否かを判別する(ステップS2018:有効期間延長手段)。そして、延長有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信号に変化がない時は、予め定めた選択方法となるデフォルトの回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2019)、デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転させて(ステップS2020:選択代行動作制御手段)、選択操作検出処理を終了する。
また、ステップS2011で操作代行フラグがセットされている時、及び、ステップS2016で操作検出カウンタの値が「5」未満の時は、デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転させる(ステップS2021:選択代行動作制御手段)。その後は、回転検知センサ432a,432bにより操作検出信号の変化を検出することで、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットして(ステップS2022)、選択操作検出処理を終了する。この時、ステップS2022の処理としては、ステップS2021で回転されたデフォルト方向の選択フラグをそのままセットするのではなく、デフォルト方向への回転直後に遊技者が反デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転操作すると、その反デフォルト方向の選択フラグをセットするようになっている。
即ち、選択演出時の選択操作の代行が決定されている場合、及び、選択演出時の選択操作の代行が決定されていないにも拘わらずダイヤル操作部401が回転操作されず、しかも過去10回の選択演出で遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した回数が5回未満の場合は、一旦、ダイヤル操作部401をデフォルト方向へ回転させる。そして、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者の操作がない時はそのままデフォルト方向の選択フラグをセットする。一方、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者による反デフォルト方向への操作がある時は、ダイヤル操作部401を回転させるダイヤル駆動モータ414の駆動を停止して遊技者によるダイヤル操作部401の回転操作を優先させ、反デフォルト方向の選択フラグをセットする。
このように本実施形態では、遊技者が操作ユニット400におけるダイヤル操作部401を反デフォルト方向へ回転操作する余地を残した状態、具体的には、遊技者がダイヤル操作部401の操作方向(デフォルトの回転方向)を気に入らない時は、その回転動作中に遊技者が介入して矯正できたり、予想外(遊技者にとって不意)にダイヤル操作部401が動いてしまった時にその回転動作を止めたりできるような余地を残した状態で、ダイヤル操作部401の回転操作が行えるようになっている。即ち、上記したステップS2021からステップS2022に移行する際の処理は、操作部の動作中に遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作が操作検出手段によって検出されると、遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作を優先すべく、電気的駆動源の駆動を停止する操作優先制御手段を構成している。
変形例2の選択操作検出処理は、図221に示すように、まず、操作代行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS2031)。ステップS2031で操作代行フラグがセットされていない時は、図219の選択操作検出処理と同様に、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401が回転操作されて回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2032)。操作検出信号に変化がある時は、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2033)、操作検出信号に基づいた回転方向のカウンタに「1」を加算して(ステップS2034)、選択操作検出処理を終了する。
即ち、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されて操作検出信号に変化があると、そのダイヤル操作部401が回転操作された方向(時計方向又は反時計方向)の選択フラグをセットし、更には、回転操作されたダイヤル操作部401の回転方向を記憶しておく。なお、回転方向をカウントするカウンタは、時計方向と反時計方向との2種類が設けられ、操作検出信号に基づいた回転方向毎にカウンタの種類を異ならせることで、時計方向の回転数と反時計方向の回転数とが個々に記憶されるようになっている。
一方、ステップS2032でダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変化がない時は、予め定めたダイヤル操作部401の検出有効時間が経過したか否かを判別する(ステップS2035)。そして、検出有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信号に変化がない時は、予め定めた選択方法となる過去10回の選択操作でカウント値の大きい回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2036)、このカウント値の大きい方向にダイヤル操作部401を回転させて(ステップS2037:選択代行動作制御手段)、選択操作検出処理を終了する。
ここで、過去10回の選択操作でカウント値の大きい回転方向とは、ステップS2034でカウントされる時計方向と反時計方向との各カウンタにおいて、現時点から以前の10回の選択操作でカウントされた各カウント値を比較した上で、大きい値をとるカウンタの回転方向のことである。そして、このような比較を行うことで、遊技者が何れの方向にダイヤル操作部401を回転操作する傾向が高いかを判断して、その方向にダイヤル操作部401を回転させる。即ち、選択演出が行われる毎に、過去10回のカウントデータのうち最も古いデータを消去すると共に、選択演出での遊技者によるダイヤル操作部401の回転方向を最も新しいカウントデータとして記憶するようになっている。このため、パチンコ機1で遊技を行う遊技者が入れ替わった場合でも、選択演出を実行していく毎に徐々に遊技者に合わせた(遊技者がダイヤル操作部401を何れの方向に回転操作する傾向が高いかに合わせた)判断基準でステップS2036の処理を行えるようになっている。
また、ステップS2031で操作代行フラグがセットされている時は、ステップS2037と同様に、カウント値の大きい方向にダイヤル操作部401を回転させる(ステップS2038:選択代行動作制御手段)。その後は、回転検知センサ432a,432bにより操作検出信号の変化を検出することで、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットし(ステップS2039)、次いで、操作検出信号に基づいた回転方向のカウンタに「1」を加算して(ステップS2040)、選択操作検出処理を終了する。この時、ステップS2039の処理としては、ステップS2038で回転されたカウント値の大きい方向の選択フラグをそのままセットするのではなく、カウント値の大きい方向への回転直後に遊技者が反対方向にダイヤル操作部401を回転操作すると、その反対方向の選択フラグをセットするようになっている。
すなわち、変形例2の構成によれば、選択演出時の選択操作の代行が決定されている場合、及び、選択演出時の選択操作の代行が決定されていないにも拘わらずダイヤル操作部401が回転操作されなかった場合は、現時点から以前の10回の選択操作で何れの方向にダイヤル操作部401が回転操作されたかを比較判定して、回転操作数の多い回転方向(デフォルト方向)にダイヤル操作部401を回転させる。そして、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者の操作がない時はそのままデフォルト方向の選択フラグをセットする。一方、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者による反デフォルト方向への操作がある時は、ダイヤル操作部401を回転させるダイヤル駆動モータ414の駆動を停止して遊技者によるダイヤル操作部401の回転操作を優先させ、反デフォルト方向の選択フラグをセットする。
このように本実施形態では、遊技者が操作ユニット400におけるダイヤル操作部401を反デフォルト方向へ回転操作する余地を残した状態、具体的には、遊技者がダイヤル操作部401の操作方向(デフォルトの回転方向)を気に入らない時は、その回転動作中に遊技者が介入して矯正できたり、予想外(遊技者にとって不意)にダイヤル操作部401が動いてしまった時にその回転動作を止めたりできるような余地を残した状態で、ダイヤル操作部401の回転操作が行えるようになっている。即ち、上記したステップS2038からステップS2039に移行する際の処理は、操作部の動作中に遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作が操作検出手段によって検出されると、遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作を優先すべく、電気的駆動源の駆動を停止する操作優先制御手段を構成している。
次に、操作ユニット400が可動演出手段として機能する三例を説明する。一例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図222(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示されると共に(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、中装飾図柄4602がノーマルリーチの変動態様で表示される。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。即ち、操作ユニット400の押圧操作部405を発光装飾するフルカラーLED432d及び操作ユニット400のダイヤル操作部401を発光装飾するフルカラーLED430bは、それぞれ消灯状態にあり、また、操作ユニット400のダイヤル操作部401を回転駆動するダイヤル駆動モータ414は、駆動停止状態にある。
その後、図222(B)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602(同図中には、「6」の中装飾図柄4602が一旦停止表示された場合を例示)が一旦停止表示される。また、この時点でも、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。そして、図222(C)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。
その後は、このような操作ユニット400の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装置1900の表示は、図222(D)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されると共に中装飾図柄4602の変動が再開されて、スーパーリーチ変動に発展する。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動によって、液晶表示装置1900での装飾図柄のノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動への発展契機となる演出を行うようになっている。
二例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図223(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され、中装飾図柄4602がリーチ変動を行った後に一旦、ハズレ図柄が停止表示される(同図中には、「7・6・7」のハズレ図柄が一旦停止表示された場合を例示)。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。その後、図223(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。
そして、上記したような操作ユニット400の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装置1900の表示は、図223(C)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602から大当りを決定する中装飾図柄4602に切替り、最終的な表示結果として大当り図柄が液晶表示装置1900に導出される(同図中には、「7・7・7」の大当り図柄が導出された場合を例示)。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動によって、液晶表示装置1900での装飾図柄のハズレ図柄から大当り図柄への切替り契機となる演出を行うようになっている。
三例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図224(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され、中装飾図柄4602がリーチ変動を行った後に一旦、非確変大当り図柄が停止表示される(同図中には、「6・6・6」の非確変大当り図柄が一旦停止表示された場合を例示)。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。その後、図224(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示は非確変大当り図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。
そして、上記したような操作ユニット400の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装置1900の表示は、図224(C)に示すように、非確変大当り図柄から確変大当り図柄に切替り、最終的な表示結果として確変大当り図柄(特別表示結果)が液晶表示装置1900に導出される(同甲中には、「7・7・7」の確変大当り図柄が導出された場合を例示)。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動によって、液晶表示装置1900での装飾図柄の非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替り契機となる演出を行うようになっている。
なお、実例中に記載したように、選択操作を遊技者の代行で行う場合、操作検出手段で検出できる程度に必要最小限度、操作部を回転駆動するだけで事足りるが、演出の一端を担う操作部としては、遊技者が明らかに回転していることを認識できるように、回転し続けることが望ましい。
また、ダイヤル操作部401を動作させる電気的駆動源は、実施形態中に記載したステッピングモータからなるダイヤル駆動モータ414に限定するものではないが、ダイヤル操作部401を回転駆動する電気的駆動源とした場合には、以下に示す理由からステッピングモータを電気的駆動源として用いることが望ましい。
例えば、ダイヤル操作部401の回転駆動状態において遊技者の指触により停止させられることが頻繁にあると予想されるが、ダイヤル駆動モータ414がステッピングモータであれば、弱めに励磁して回転していれば簡単に脱調するため、安全性を確保できる。また、ダイヤル操作部401の停止後も、回転のための励磁を続ければ、その感触が遊技者の指に伝わるため遊技者にとっては新鮮な驚きが得られる。更には、逆に、ダイヤル操作部401が停止状態を維持する程度の弱い励磁をステッピングモータに与えれば、ダイヤル操作部401を回転させる際にクリック感を生じさせることができ、操作性が向上する。
また、ディテントトルク(無励磁保持トルク)が大きなモータを選定すれば、励磁さえも必要としない。また、例えば、電気的駆動源としてDCモータを使った場合、ダイヤル操作部401の回転駆動状態において強制的に停止させられると電機子電圧(逆起電力)が無くなるため大電流が流れてしまい、発熱や耐久性の点で好ましくない。それに比べステッピングモータではそのような心配が生じない。以上のような理由で電気的駆動源はステッピングモータであることが望ましい。
ところで、上述した操作ユニット400の可動演出手段としての機能において、ダイヤル操作部401の回転動作は、リーチ変動の発展、ハズレ図柄から大当り図柄への切替り、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替り、の各演出契機として行われることで、結果として、予告演出として機能するようになっている。そこで、このような操作ユニット400の予告演出として、リーチ変動の発展時に、ダイヤル操作部401の回転動作の態様によって発展するリーチ変動の大当り信頼度を遊技者に認識させるようにしても良く、その構成を図225及び図226を参照して説明する。
まず、図225(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示された後(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、中装飾図柄4602がノーマルリーチの変動態様で表示されてハズレを決定する中装飾図柄4602(同図中には、「6」の中装飾図柄4602が一旦停止表示された場合を例示)が一旦停止表示される。その後、図225(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及びダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によってダイヤル操作部401が回転する。なお、このような操作ユニット400の演出駆動が開始されると同時に、液晶表示装置1900には、「ダイヤル操作部の回転を停止させて下さい」の文字4614が表示されて、遊技者にダイヤル操作部401の回転動作を停止させることを促すようになっている。
そして、発展するリーチ変動が大当り信頼度の低い時、言い換えればノーマルリーチ変動からロングリーチ変動(第一の演出態様)に発展する時は、図225(C)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴み、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止されると、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出して、操作ユニット400の演出駆動を停止する(第一態様動作制御手段)。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動を停止することで押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光を停止し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動を停止することでダイヤル操作部401の回転を停止する。また、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へ移動することなく、中装飾図柄4602の変動が再開されて、大当り信頼度の低いロングリーチ変動に発展する。
一方、発展するリーチ変動が大当り信頼度の高い時、言い換えればノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動(第二の演出態様)に発展する時は、図225(D)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴むと、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止される。但し、この場合には、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出しても、操作ユニット400の演出駆動を継続する(第二態様動作制御手段)。これにより、押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光は継続して行われる。また、遊技者は、回転動作中のダイヤル操作部401を強制的に手Hで押し止めた状態が続くため、ダイヤル操作部401を駆動するダイヤル駆動モータ414から振動を受けることになる。なお、このようなダイヤル駆動モータ414の振動は、ダイヤル操作部401を指触した遊技者だけが実感できるものである。
そして、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されると共に中装飾図柄4602の変動が再開されて、大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動に発展する。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動(回転動作)によって、液晶表示装置1900での装飾図柄のノーマルリーチ変動からの発展を予告すると共に、遊技者がダイヤル操作部401を掴んだ状態で回転動作を継続するか否かによって発展するリーチ変動の大当り信頼度が高いか否かを予告するようになっている。また、この装飾図柄のノーマルリーチ変動からの発展予告は、遊技者がダイヤル操作部401を指触しなければ分からない。このため、遊技者は、ダイヤル操作部401を指触するかしないかで、予告を受けるか否かの選択が可能となり、結果として、遊技の楽しみ方の幅が広がるようになっている。
ここで、周辺制御部4140による操作ユニット400の回転予告制御処理について、図226を参照して説明する。図226において、周辺制御部4140は、まず、主制御基板4100側から回転予告コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS2051)。回転予告コマンドは、液晶表示装置1900での装飾図柄のリーチ変動に伴って操作ユニット400におけるダイヤル操作部401を回転動作させる予告演出を実行する際、主制御基板4100側から周辺制御部4140側に送られるコマンド信号である。ステップS2051で回転予告コマンドが受信されない時は、そのまま回転予告制御処理を終了する。一方、ステップS2051で回転予告コマンドが受信されると、周辺制御部4140は、ダイヤル駆動モータ414を駆動制御してダイヤル操作部401を回転動作させる(ステップS2052)。なお、この時、ダイヤル操作部401の回転予告として、フルカラーLED430bを点灯・点滅駆動してダイヤル操作部401を発光装飾する。
次に、ダイヤル操作部401が回転動作を継続しているか否か、言い換えれば回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2053)。ステップS2053で遊技者がダイヤル操作部401を掴むことなくダイヤル操作部401の回転動作が継続しいる時、即ち、操作検出信号に変化がある時は、リーチ変動に伴う予告演出として行われるダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判別する(ステップS2054)。そして、ダイヤル操作部401の回転制御時間が経過しても、遊技者によってダイヤル操作部401の回転動作が停止されない時は、そのままステップS2057へ移行してダイヤル操作部401の回転動作と発光装飾を停止させて、回転予告制御処理を終了する。
一方、ステップS2053で遊技者がダイヤル操作部401を掴んでダイヤル操作部401の回転動作が停止された時、即ち、操作検出信号に変化がなくなった時は、次に、ダイヤル操作部401の回転予告を伴うリーチ変動が大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動であるか否かを判別する(ステップS2055)。なお、ステップS2055の判別は、主制御基板4100側から周辺制御部4140側に送られる変動パターンコマンドが、ダイヤル操作部401の回転予告を伴う大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動のコマンドであるか否(ダイヤル操作部401の回転予告を伴う大当り信頼度の低いロングリーチ変動のコマンドである)かによって判別される。ステップS2055で変動パターンコマンドがスーパーリーチ変動のコマンドではなく大当り信頼度の低いロングリーチ変動のコマンドの時は、そのままステップS2057へ移行してダイヤル操作部401の回転動作と発光装飾を停止させて、回転予告制御処理を終了する。
即ち、大当り信頼度の低いロングリーチ変動に伴う予告演出として操作ユニット400の回転予告が行われた場合、遊技者がダイヤル操作部401を掴んでダイヤル操作部401の回転動作を停止させると、ダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)を待たずに遊技者がダイヤル操作部401の回転動作を停止させた時点で、ダイヤル駆動モータ414とフルカラーLED430bの駆動を停止して、ダイヤル操作部401による回転予告を終了するよになっている。
また、ステップS2055で変動パターンコマンドが大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動のコマンドの時は、ダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判別する(ステップS2056)。そして、ダイヤル操作部401の回転制御時間が経過すると、ステップS157へ移行してダイヤル操作部401の回転動作と発光装飾を停止させて、回転予告制御処理を終了する。即ち、大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動に伴う予告演出としてダイヤル操作部401の回転予告が行われた場合、遊技者がダイヤル操作部401を掴んでダイヤル操作部401の回転動作を停止させてもその時点ではダイヤル操作部401の回転予告を継続させて、ダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)が経過すると、ダイヤル駆動モータ414とフルカラーLED430bの駆動を停止して、ダイヤル操作部401による回転予告を終了するよになっている。
なお、上記したダイヤル操作部401の回転予告では、遊技者がダイヤル操作部401の回転動作を停止した後の態様で、発展するリーチ変動の大当り信頼度を遊技者に認識させる構成となっているが、このような構成を、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りの有無、あるいは非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りの有無を遊技者に認識させるものとしても良く、その構成について、図227及び図228を参照して説明する。
まず、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りの有無を遊技者に認識させる構成としては、図227(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示された後(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、中装飾図柄4602がノーマルリーチの変動態様で表示されてハズレを決定する中装飾図柄4602(同図中には、「6」の中装飾図柄4602が一旦停止表示された場合を例示)が一旦停止表示される。
その後、図227(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。なお、このような操作ユニット400の演出駆動が開始されると同時に、液晶表示装置1900には、「ダイヤル操作部の回転を停止させて下さい」の文字4614が表示されて、遊技者にダイヤル操作部401の回転動作を停止させることを促すようになっている。
そして、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りがない時(第一の演出態様)は、図227(C)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴み、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止されると、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出して、操作ユニット400の演出駆動を停止する(第一態様動作制御手段)。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動を停止することで押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光を停止し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動を停止することでダイヤル操作部401の回転を停止する。また、この場合、液晶表示装置1900の表示は、左・中・右の装飾図柄4601,4602,4603の停止結果が替わることなく、そのままハズレ図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「7・6・7」のハズレ図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。
一方、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りがある時(第二の演出態様)は、図227(D)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴むと、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止される。但し、この場合には、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出しても、操作ユニット400の演出駆動を継続する(第二態様動作制御手段)。これにより、押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光は継続して行われる。また、遊技者は、回転動作中のダイヤル操作部401を強制的に手Hで押し止めた状態が続くため、ダイヤル操作部401を駆動するダイヤル駆動モータ414から振動を受けることになる。なお、このようなダイヤル駆動モータ414の振動は、ダイヤル操作部401を指触した遊技者だけが実感できるものである。そして、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、中装飾図柄4602の停止結果が切替り、大当り図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「7・7・7」の大当り図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。また、この大当り図柄への切替り予告は、遊技者がダイヤル操作部401を指触しなければ分からない。このため、遊技者は、ダイヤル操作部401を指触するかしないかで、予告を受けるか否かの選択が可能となり、結果として、遊技の楽しみ方の幅が広がるようになっている。
次に、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りの有無を遊技者に認識させる構成としては、図228(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され、中装飾図柄4602がリーチ変動を行った後に一旦、非確変大当り図柄が停止表示される(同図中には、「6・6・6」の非確変大当り図柄が一旦停止表示された場合を例示)。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。その後、図228(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示は非確変大当り図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及びダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によってダイヤル操作部401が回転する。なお、このような操作ユニット400の演出駆動が開始されると同時に、液晶表示装置1900には、「ダイヤル操作部の回転を停止させて下さい」の文字4614が表示されて、遊技者にダイヤル操作部401の回転動作を停止することを促すようになっている。
そして、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りがない時(第一の演出態様)は、図228(C)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴み、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止されると、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出して、操作ユニット400の演出駆動を停止する(第一態様動作制御手段)。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動を停止することで押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光を停止し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動を停止することでダイヤル操作部401の回転を停止する。また、この場合、液晶表示装置1900の表示は、左・中・右の装飾図柄4601,4602,4603の停止結果が替わることなく、そのまま非確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「6・6・6」の非確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。
一方、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りがある時(第二の演出態様)は、図228(D)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴むと、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止される。但し、この場合には、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出しても、操作ユニット400の演出駆動を継続する(第二態様動作制御手段)。これにより、押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光は継続して行われる。また、遊技者は、回転動作中のダイヤル操作部401を強制的に手Hで押し止めた状態が続くため、ダイヤル操作部401を駆動するダイヤル駆動モータ414から振動を受けることになる。
なお、このようなダイヤル駆動モータ414の振動は、ダイヤル操作部401を指触した遊技者だけが実感できるものである。そして、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、左・中・右の装飾図柄4601,4602,4603の停止結果が切替り、確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「7・7・7」の確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。また、この確変大当り図柄への切替り予告は、遊技者がダイヤル操作部401を指触しなければ分からない。このため、遊技者は、ダイヤル操作部401を指触するかしないかで、予告を受けるか否かの選択が可能となり、結果として、遊技の楽しみ方の幅が広がるようになっている。
また、操作ユニット400が選択演出時に二者択一の操作手段として機能する場合、液晶表示装置1900の表示に合わせてダイヤル操作部401を回転動作させることで、選択演出時におけるダイヤル操作部401の操作方法を遊技者に分かり易く説明するようにしても良く、その構成について図229を参照して説明する。
まず、図229(A)に示すように、選択演出時における液晶表示装置1900の表示として、スーパーリーチの変動態様を選択する画像が液晶表示装置1900に表示される。具体的には、変動態様Aの選択肢画像4621(同図中には、「A」の文字を例示)と変動態様Bの選択肢画像4622(同図中には、「B」の文字を例示)とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向とに交互に回転すると共に選択決定用の押圧操作部405が押圧される画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作で変動態様の選択を遊技者に促す表示が行われる。
その後、図229(B)に示すように、変動態様A,Bの各選択肢画像4621,4622の下方には、ダイヤル操作部401が時計方向に回転すると共に選択決定用の操作ユニット400の押圧操作部405が押圧される画像4608と、「「A」を選択する時は」の文字4615とが表示されることで、変動態様Aを選択する時はダイヤル操作部401を時計方向に回転操作して押圧操作部405を押圧操作する旨が遊技者に説明される。また、この時、ダイヤル操作部401は、時計方向に回転するダイヤル操作部401の画像4608と同様に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって実際に時計方向に回転され、更には、このダイヤル駆動モータ414の回転動作を遊技者に認識させるべく、フルカラーLED430bの点灯・点滅駆動によってダイヤル操作部401が光装飾される(操作実演制御手段)。
その後は、変動態様A,Bの各選択肢画像4621,4622の下方には、図229(C)に示すように、ダイヤル操作部401が反時計方向に回転すると共に選択決定用の操作ユニット400の押圧操作部405が押圧される画像4609と、「「B」を選択する時は」の文字4616とが表示されることで、変動態様Bを選択する時はダイヤル操作部401を反時計方向に回転操作して押圧操作部405を押圧操作する旨が遊技者に説明される。また、この時、ダイヤル操作部401は、反時計方向に回転するダイヤル操作部401の画像4608と同様に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって実際に反時計方向に回転され、更には、このダイヤル駆動モータ414の回転動作を遊技者に認識させるべく、フルカラーLED430bの点灯・点滅駆動によってダイヤル操作部401が光装飾される(操作実演制御手段)。
即ち、上記した構成によれば、液晶表示装置1900によって選択演出が実行される時は、液晶表示装置1900の表示によって選択肢の選択方法を遊技者に説明すると共に、その選択方法となるダイヤル操作部401の回転操作を実際にダイヤル操作部401を回転動作させることで視覚的に分かり易く遊技者に説明するようになっている。
また、上記したような操作説明手段として機能する操作ユニット400の構成としては、選択演出時にのみ限定するものではなく、例えば、前述した図216のリーチ演出時の操作説明として機能するようにしても良く、その構成について図230を参照して説明する。
まず、図216(B)と同様に図230(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、その後、中装飾図柄4602の変動継続に伴い、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されてノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展する。この時、ダイヤル操作部401は、ダイヤル駆動モータ414の駆動停止によって回転動作が停止され、また、フルカラーLED430bの駆動停止によってダイヤル操作部401は消灯状態にある。
そして、図230(B)に示すように、スーパーリーチの変動態様として、左右の装飾図柄4601,4603とは異なる図柄でハズレを決定する中装飾図柄4602a(同図中には、「6」の中装飾図柄を例示)と、左右の装飾図柄4601,4603と同一の図柄で大当りを決定する中装飾図柄4602b(同図中には、「7」の中装飾図柄を例示)とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する画像4605と「ダイヤル操作部を回して下さい」の文字4611とが表示されることで、操作ユニット400(ダイヤル操作部401)の時計方向への回転操作を遊技者に促す表示が行われる。この時、ダイヤル操作部401は、時計方向に回転するダイヤル操作部401の画像4608と同様に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって実際に時計方向に回転され、更には、このダイヤル駆動モータ414の回転動作を遊技者に認識させるべく、フルカラーLED430bの点灯・点滅駆動によってダイヤル操作部401が発光装飾される(操作実演制御手段)。
その後、図230(C)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602aが大当りを決定する中装飾図柄4602bを押し出す演出表示が開始されると、これに伴って、ダイヤル操作部401の回転動作及び発光装飾は停止される。このように図230に示す構成では、液晶表示装置1900の表示に合わせてダイヤル操作部401を回転動作させることで、リーチ演出時におけるダイヤル操作部401の操作方法を遊技者に分かり易く説明することができるようになっている。
このように、本実施形態の操作ユニット400によると、演出制御手段(周辺制御部4140)で操作演出が実行される場合、操作演出が実行制御される以前に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって演出手段の演出内容に影響を与え得るダイヤル操作部401の動きを実演することで、ダイヤル操作部401の手動操作を遊技者に教示するようになっており、操作演出の実行時にダイヤル操作部401の操作方法を直接理解させることができるので、パチンコ機1での遊技に対してまだ不慣れな遊技者に操作ユニット400を設計者の想定通りに操作させることができる。また、演出手段の演出内容に影響を与え得るダイヤル操作部401の動きを実際に実演して遊技者に見せることができるので、単に液晶表示装置1900の説明画面等で遊技者にダイヤル操作部401の手動操作を促すような構成に比べて、分かり易く且つ遊技者にインパクトを与えてダイヤル操作部401の手動操作を遊技者に教えることができる。
また、選択演出が実行されると、ダイヤル操作部401を回転させることで、遊技者に対してダイヤル操作部401を手動操作して複数の選択肢のうち何れかを選択させることを教示するようにしているので、選択演出に応じて手動操作するためのダイヤル操作部401の動きを実際に実演して遊技者に見せることができ、分かり易く且つ遊技者にインパクトを与えてダイヤル操作部401の手動操作を遊技者に教えることができようになっている。
また、選択演出の実行時に遊技者がダイヤル操作部401の手動操作の代行を選択すると、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって自動的にダイヤル操作部401が回転して自動的に選択操作を行わせることができると共に、ダイヤル操作部401が回転中に遊技者がダイヤル操作部401を操作すると、ダイヤル駆動モータ414の駆動が停止して遊技者による操作が優先されるようになっているので、選択演出時にダイヤル操作部401を手動操作することが面倒な作業であると思うような遊技者に対して、そのような操作を強いることがなく、快適な遊技内容を提供することができるようになっている。
更に、選択演出の際に、押圧操作部405を押圧することで選択操作を代行させるか否かを決定することができるようになっているので、ダイヤル操作部401を操作する意思が遊技者にあるか否かを明確にした状態で遊技を進行させることができ、ひいては、ダイヤル操作部401の手動操作を楽しみに思う遊技者、及びダイヤル操作部401の手動操作を楽しみに思わない遊技者、全ての遊技者に対して快適な遊技内容を提供することができるようになっている。
また、選択演出の実行時に、所定時間内の間、遊技者によってダイヤル操作部401が操作されなかった時には、予め定めた選択方法で選択代行を行うようになっているので、選択演出をスムーズに進行させることができる。また、選択演出の実行時に、遊技者によるこれまでのダイヤル操作部401の回転操作の割合が高いと判定されると、遊技者によるダイヤル操作部401の操作の受付時間を延長するようにしているので、これにより、ダイヤル操作部401の操作を楽しみに思う遊技者に対して検出有効時間を長引かせることで、ユーザーニーズに応じた遊技内容とすることができるようになっている。
更に、選択演出の際に、遊技者が選択代行を行わせると、予め決められた選択方法でダイヤル操作部401が回転する選択代行を行うようにしているので、何れの遊技者に対しても平等な態様で選択代行を実行することができるようになっている。また、選択演出の際に、遊技者により操作されたダイヤル操作部401の操作を記憶するようにしているので、選択代行を実行させた際に、遊技者の選択傾向を反映させて選択代行を実行することができるようになっている。
[変動表示パターンテーブル選択の制御例]
上述の説明では、変動パターン設定処理(図196)に示すような態様で、変動表示パターンを決定していたが、本実施形態のパチンコ遊技機1における変動表示パターン設定処理は上述の制御例に限られるものではなく、以下の変動表示パターンテーブル選択特別処理のごとく、変動表示パターンを決定することもできる。この制御例について、図231〜図236を用いて詳しく説明する。
図231および図232は、変動表示パターンテーブル選択特別処理を示すフローチャートである。図233は、変動表示パターンテーブル選択特別処理におけるテーブル変更処理を示すフローチャートである。図234は、上述した制御例における変動表示パターンテーブルとは異なる第1テーブルX1を説明するための図である。図235は、上述した制御例における変動表示パターンテーブルとは異なる第2テーブルX2を説明するための図である。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、小当りには、小当りA、B、Cの3種類ある。また、本実施形態のパチンコ遊技機1に、図231、図232の変動表示パターンテーブル選択特別処理を、以下の対応付けの下で適用することとして、説明を行う。すなわち、「当りA」が本実施形態の「小当りA」に対応し、「当りB」が本実施形態の「小当りB」に対応し、「当りC」が本実施形態の「小当りC」に対応し、「当りD」が本実施形態の「特殊当り」に対応し、「当りA時変動表示パターンテーブル」、「当りB時変動表示パターンテーブル」および「当りC時変動表示パターンテーブル」のぞれぞれが本実施形態の「小当り時変動表示パターンテーブル」に対応し、「当りD時変動表示パターンテーブル」が本実施形態の「特殊当り時変動表示パターンテーブル」に対応する。以下、本実施形態の用語を用いて、変動表示パターンテーブル選択特別処理について説明する。図231、図232の変動表示パターンテーブル選択特別処理において、数NA、NB、NC、ND、MA、MBは、それぞれ1以上の整数である。以下では、「数NA」を「2」とし、「数NB」を「3」とし、「数NC」を「4」とし、「数ND」を「4」とし、図233のテーブル変更処理において、「数MA」を「7」とし、「数MB」を「1」として説明する。
本制御例では、図柄が変動開始してから変動終了するまでの間を1変動とも呼ぶ。図柄の変動は、第一始動口2101または第二始動口2102に遊技球が受け入れられたことを契機として開始される。1変動では、1つの変動表示パターンが主制御MPU4100aに決定され、液晶表示装置1900において1回の表示演出が行われる。また、本制御例では、小当りフラグには、小当りAフラグ、小当りBフラグ、および、小当りCフラグの3つのフラグがある。これら3つの小当りフラグのいずれかがON状態の場合に行われる小当り遊技処理(図201参照)は、いずれも同じ処理である。これら3つの小当りフラグによって生じる制御の違いについては、変動表示パターンテーブル選択特別処理によって詳細を説明する。これらの3つの小当りフラグのON/OFF状態は、RAM4100eに記憶される。また、本制御例では、特殊当りのフラグ、および、特殊当り以外の大当りフラグがあり、これらのフラグのON/OFF状態も、RAM4100eに記憶される。
本制御例では、小当り抽選で小当りと判定されると、大当り図柄用乱数に基づいて、小当りA、小当りB、および、小当りCのフラグをONにするか否かが判別される。このように大当り図柄用乱数に基づく小当りの種別の判別を小当り判別抽選とも呼ぶ。
変動表示パターンテーブル選択特別処理は、主制御MPU4100aによって行われる。主制御MPU4100aは、この変動表示パターンテーブル選択特別処理を1変動が開始される直前に開始する。主制御MPU4100aは、変動表示パターンテーブル選択特別処理では、1変動のみならず、複数変動に亘って変動表示パターンを決定する場合がある。
なお、主制御MPU4100aは、遊技状態が時短機能および確率変動機能が作動している状態の場合には、変動表示パターンテーブル選択特別処理を開始せず、上述の変動パターン設定処理(図196)に従って変動表示パターンを決定する。また、主制御MPU4100aは、変動表示パターンテーブル選択特別処理が既に行われている状態の場合には、当該変動表示パターンテーブル選択特別処理が終了するまで、新たにこの処理を開始しない。
本制御例では、小当り(小当りA〜C)および特殊当りに当選した場合には、特殊モードに突入する。この特殊モードは、液晶表示装置1900において実現される複数変動に亘る表示演出である。この詳細については後述する。
図231に示すように、変動表示パターンテーブル選択特別処理では、主制御MPU4100aは、まず、大当たり判定用乱数および大当り図柄用乱数に基づいて特殊当りか否かを判断する(特殊当り抽選を行う)。主制御MPU4100aは、特殊当りである場合には、特殊当りのフラグをONにする。
主制御MPU4100aは、特殊当りのフラグがONであると判断した場合には(ステップS2010:Yes)、上述した確変特殊当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS2013)。そして、主制御MPU4100aは、当該テーブルに基づいて変動表示パターンを決定し、周辺制御MPU4140aに送信する。この場合、周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、特殊当り後に突入する特殊モードへの移行を表現するモード移行演出が実現される。
主制御MPU4100aは、1変動が終わったか否かを判断する(ステップS2015)。主制御MPU4100aは、1変動が終わっていない場合(ステップS2015:No)には、1変動が終わるまで変動表示パターンテーブル選択特別処理の進行を待機する。
主制御MPU4100aは、1変動が終わった場合(ステップS2015:Yes)には、続いて、テーブル変更処理を実行する(ステップS2020)。
主制御MPU4100aは、図233に示すテーブル変更処理では、まず、変動表示パターンを選択するための変動表示パターンテーブルとして第1テーブルX1を選択する(ステップS2200)。
第1テーブルX1は、図234に示すように、ハズレグループX1Aと、当りグループX1Bとを備える。そして、ハズレグループX1Aは、当り抽選にハズレた場合(落選した場合)に選択され得る5つの変動表示パターンを含んでいる。また、当りグループX1Bは、大当り抽選に当たった場合(当選した場合)に選択され得る2つの変動表示パターンを含んでいる。第1テーブルX1における数字は、左側の数字が選択率を示しており、右側の括弧内の数字が変動時間(秒)を示している。
主制御MPU4100aは、第1テーブルX1に基づいて変動表示パターンを決定し、周辺制御MPU4140aに送信する処理を7回(7変動に亘って)繰り返す。この場合、周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いてそれぞれの表示演出を順次実行する。図234に示すように、第1テーブルX1においてハズレグループX1Aの主な変動表示パターンは、変動時間が比較的短く設定されている。これにより、液晶表示装置1900において、例えば、特殊モードを煽るような演出(例えば、カウントダウン演出など)が実現される。
そして、主制御MPU4100aは、7変動が終わった場合(ステップS2210:Yes)には、続いて、変動表示パターンを選択するための変動表示パターンテーブルとして第2テーブルX2を選択する(ステップS2220)。
第2テーブルX2は、図235に示すように、ハズレ継続グループX2Aと、ハズレ終了グループX2Bと、当りグループX2Cとを備える。ハズレ継続グループX2Aは、当り抽選にハズレた場合に選択され得る変動表示パターンであって、特殊モードが継続することを示唆する継続示唆変動表示パターンを含んでいる。ハズレ終了グループX2Bは、当り抽選にハズレた場合に選択され得る変動表示パターンであって、特殊モードが終了することを示唆する終了示唆変動表示パターンを含んでいる。当りグループX2Cは、大当り抽選に当たった場合に選択され得る変動表示パターンであって、特殊モードが終了すると見せかけて当りを告知する終了示唆後当り変動表示パターンを含んでいる。第2テーブルX2における数字は、左側の数字が選択抽選率を示しており、右側の括弧内の数字が変動時間(秒)を示している。
なお、第2テーブルX2中の変動表示パターンの平均演出時間は、第1テーブルX1中の変動表示パターンの平均演出時間よりも長く設定されている。言い換えれば、第1テーブルX1中の変動表示パターンの平均演出時間は、第2テーブルX2中の変動表示パターンの平均演出時間よりも短く設定されている。また、第2テーブルX2(図235)の各変動表示パターンは、第1テーブルX1(図234)におけるハズレグループX1Aの最も選択率高い変動表示パターン(通常変動)よりも変動時間が長くなっている。従って、少なくとも当り抽選がハズレである場合には、液晶表示装置1900において、第2テーブルX2の変動表示パターンに基づく表示演出は、第1テーブルX1の変動表示パターンに基づく表示演出よりも長い場合が多くなる。
続いて、主制御MPU4100aは、第2テーブルX2に基づいて変動表示パターンを決定する。このテーブル変更処理(図231:ステップS2020)において、主制御MPU4100aは、当該変動における当り抽選がハズレの場合には、ハズレ終了グループX2B(終了示唆変動表示パターン)を選択せず、ハズレ継続グループX2Aから継続示唆変動表示パターンを選択し、周辺制御MPU4140aに送信する。周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、特殊モードが継続することを示唆する特殊モード継続示唆演出が実現される。
主制御MPU4100aは、1変動が終わった場合(ステップS2230:Yes)には、このテーブル変更処理(ステップS2020)を終了する。
続いて、主制御MPU4100aは、ステップS2020のテーブル変更処理を4回繰り返したか否かを判断する(ステップS2022)。
主制御MPU4100aは、ステップS2020のテーブル変更処理を4回繰り返していない場合(ステップS2022:No)には、再び、ステップS2020のテーブル変更処理を実行する。
主制御MPU4100aは、ステップS2020のテーブル変更処理を4回繰り返した場合(ステップS2022:Yes)には、後述のステップS2024の処理に移行する。なお、主制御MPU4100aは、1回目〜4回目のテーブル変更処理では、図233:ステップS2220の処理で第2テーブルX2を選択後、当該変動における当り抽選がハズレの場合には、ハズレ継続グループX2Aから継続示唆変動表示パターンを選択し、周辺制御MPU4140aに送信する。周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、特殊モード継続示唆演出が実現される。なお、主制御MPU4100aが、4回目のテーブル変更処理で、ハズレ継続グループX2Aから継続示唆変動表示パターンを選択し、周辺制御MPU4140aに送信した場合、周辺制御MPU4140aは、液晶表示装置1900において、特殊モード継続示唆演出とは異なる演出を行うようにしてもよい。
なお、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2020)において、小当りA、小当りB、および小当りCのいずれかとなった変動が生じた場合には、特殊当りのフラグをONに保持しつつ、図231:ステップS2013の処理に移行する。また、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2020)において、特殊当りとなった変動が生じた場合には、当該変動における変動表示パターンを、上述の確変特殊当り時変動表示パターン(図196)に従って決定し、この変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。この場合、図200:ステップS814の処理で「Yes」となり、ステップS812の処理で時短機能が作動する。従って、液晶表示装置1900では、周辺制御MPU4140aによって時短機能が作動することを示唆する演出が行われてよい。さらに、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2020)において、特殊当り以外の大当りとなった変動が生じた場合には、当該変動における変動表示パターンを、その時に選択されているテーブル(第1テーブルX1または第2テーブルX2)に従って決定し、特殊当りフラグをOFFにしてこの変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。
主制御MPU4100aは、ステップS2024の処理において、変動表示パターンを選択するための変動表示パターンテーブルとして第1テーブルX1を選択する。そして、主制御MPU4100aは、第1テーブルX1に基づいて、変動表示パターンを決定し、周辺制御MPU4140aに送信する処理を繰り返す。周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いてそれぞれの表示演出を順次実行する。この場合、周辺制御MPU4140aは、液晶表示装置1900において、上述した特殊モードを煽るような演出(例えば、カウントダウン演出など)を実現してもよく、その様な表示演出とは異なる表示演出を実現してもよい。
なお、主制御MPU4100aは、このステップS2024の処理において、小当りA、小当りB、および小当りCのいずれかとなった変動が生じた場合には、特殊当りのフラグをONに保持しつつ、図231:ステップS2013の処理に移行する。また、主制御MPU4100aは、このステップS2024の処理において、特殊当りとなった変動が生じた場合には、当該変動における変動表示パターンを、上述の確変特殊当り時変動表示パターン(図196)に従って決定し、この変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。この場合、図200:ステップS814の処理で「Yes」となり、ステップS812の処理で時短機能が作動する。従って、液晶表示装置1900では、周辺制御MPU4140aによって時短機能が作動することを示唆する演出が行われてよい。さらに、主制御MPU4100aは、このステップS2024の処理において、特殊当り以外の大当りとなった変動が生じた場合には、当該変動における変動表示パターンを、第1テーブルX1における当りグループX1Bに基づいて決定し、特殊当りフラグをOFFにしてこの変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、特殊当りのフラグがONでないと判断した場合には(図231:ステップS2010:No)、大当り図柄用乱数に基づいて小当りAか否かを判断する(小当り判別抽選を行う)。主制御MPU4100aは、小当りAである場合には、小当りAのフラグをONにする。
主制御MPU4100aは、小当りAフラグがONであると判断した場合には(ステップS2030:Yes)、上述した小当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS2033)。そして、主制御MPU4100aは、当該テーブルに基づいて変動表示パターンを決定し、周辺制御MPU4140aに送信する。この場合、周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、小当り後に突入する特殊モードへの移行を表現するモード移行演出が実現される。なお、このモード移行演出は、特殊当り時に行われるモード移行演出と同一の演出である。
主制御MPU4100aは、1変動が終わったか否かを判断する(ステップS2035)。主制御MPU4100aは、1変動が終わっていない場合(ステップS2035:No)には、1変動が終わるまで変動表示パターンテーブル選択特別処理の進行を待機する。
主制御MPU4100aは、1変動が終わった場合(ステップS2035:Yes)には、続いて、テーブル変更処理(図233)を実行する(ステップS2040)。この場合、主制御MPU4100aは、2回ほどテーブル変更処理を実行する。主制御MPU4100aは、1回目のテーブル変更処理では、図231のステップS2020のテーブル変更処理と同様の処理を実行する。すなわち、主制御MPU4100aは、1回目のテーブル変更処理において、図233:ステップS2220の処理で第2テーブルX2を選択後、当該変動における当り抽選がハズレの場合には、ハズレ継続グループX2Aから継続示唆変動表示パターンを選択し、周辺制御MPU4140aに送信する。周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、特殊モード継続示唆演出が実現される。続いて、主制御MPU4100aは、2回目のテーブル変更処理では、図233:ステップS2220の処理で第2テーブルX2を選択後、当該変動における当り抽選がハズレの場合には、ハズレグループX1Aから終了示唆変動表示パターンを選択し、周辺制御MPU4140aに送信する。周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、特殊モードが終了することを示唆する特殊モード終了示唆演出が実現される。
主制御MPU4100aは、2回目のテーブル変更処理が終了した場合(ステップS2042:Yes)、小当りAフラグをOFFにしてこの変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。
なお、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2040)において、小当りA、小当りB、および小当りCのいずれかとなった変動が生じた場合には、小当りAフラグをOFFにし当該小当りのフラグをONにして、図231:ステップS2030の処理に移行する。また、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2040)において、特殊当りとなった変動が生じた場合には、小当りAフラグをOFFにし特殊当りのフラグをONにして、図231:ステップS2013の処理に移行する。さらに、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2040)において、特殊当り以外の大当りとなった変動が生じた場合には、当該変動における変動表示パターンを、その時に選択されているテーブル(第1テーブルX1または第2テーブルX2)に従って決定し、小当りAフラグをOFFにしてこの変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、小当りAフラグがONでないと判断した場合には(図231:ステップS2030:No)、大当り図柄用乱数に基づいて小当りBか否かを判断する(小当り判別抽選を行う)。主制御MPU4100aは、小当りBである場合には、小当りBフラグをONにする。
主制御MPU4100aは、小当りBフラグがONであると判断した場合には(ステップS2050:Yes)、上述した小当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS2053)。そして、主制御MPU4100aは、当該テーブルに基づいて変動表示パターンを決定し、周辺制御MPU4140aに送信する。この場合、周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、上記モード移行演出が実現される。
主制御MPU4100aは、1変動が終わったか否かを判断する(ステップS2055)。主制御MPU4100aは、1変動が終わっていない場合(ステップS2055:No)には、1変動が終わるまで変動表示パターンテーブル選択特別処理の進行を待機する。
主制御MPU4100aは、1変動が終わった場合(ステップS2055:Yes)には、続いて、テーブル変更処理(図233)を実行する(ステップS2060)。この場合、主制御MPU4100aは、3回ほどテーブル変更処理を実行する。主制御MPU4100aは、1回目および2回目のテーブル変更処理では、図231のステップS2020のテーブル変更処理と同様の処理を実行する。すなわち、主制御MPU4100aは、1回目および2回目のテーブル変更処理において、図233:ステップS2220の処理で第2テーブルX2を選択後、当該変動における当り抽選がハズレの場合には、ハズレ継続グループX2Aから継続示唆変動表示パターンを選択し、周辺制御MPU4140aに送信する。周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、2回ほど特殊モード継続示唆演出が実現される。続いて、主制御MPU4100aは、3回目のテーブル変更処理では、図233:ステップS2220の処理で第2テーブルX2を選択後、当該変動における当り抽選がハズレの場合には、ハズレグループX1Aから終了示唆変動表示パターンを選択し、周辺制御MPU4140aに送信する。周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、特殊モードが終了することを示唆する特殊モード終了示唆演出が実現される。
主制御MPU4100aは、3回目のテーブル変更処理が終了した場合(ステップS2070:Yes)、小当りBフラグをOFFにしてこの変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。
なお、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(図231:ステップS2060)において、小当りA、小当りB、および小当りCのいずれかとなった変動が生じた場合には、小当りBフラグをOFFにし当該小当りのフラグをONにして、図231:ステップS2030の処理に移行する。。また、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2060)において、特殊当りとなった変動が生じた場合には、小当りBフラグをOFFにし特殊当りのフラグをONにして、図231:ステップS2013の処理に移行する。さらに、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2060)において、特殊当り以外の大当りとなった変動が生じた場合には、当該変動における変動表示パターンを、その時に選択されているテーブル(第1テーブルX1または第2テーブルX2)に従って決定し、小当りBフラグをOFFにしてこの変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、小当りBフラグがONでないと判断した場合には(図231:ステップS2050:No)、大当り図柄用乱数に基づいて小当りCか否かを判断する(小当り判別抽選を行う)。主制御MPU4100aは、小当りCである場合には、小当りCフラグをONにする。
主制御MPU4100aは、小当りCフラグがONであると判断した場合には(図232:ステップS2080:Yes)、上述した小当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS2083)。そして、主制御MPU4100aは、当該テーブルに基づいて変動表示パターンを決定し、周辺制御MPU4140aに送信する。この場合、周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、上記モード移行演出が実現される。
主制御MPU4100aは、1変動が終わったか否かを判断する(ステップS2085)。主制御MPU4100aは、1変動が終わっていない場合(ステップS2085:No)には、1変動が終わるまで変動表示パターンテーブル選択特別処理の進行を待機する。
主制御MPU4100aは、1変動が終わった場合(ステップS2085:Yes)には、続いて、テーブル変更処理(図233)を実行する(ステップS2090)。この場合、主制御MPU4100aは、4回ほどテーブル変更処理を実行する。主制御MPU4100aは、1回目〜3回目のテーブル変更処理では、図231のステップS2020のテーブル変更処理と同様の処理を実行する。すなわち、主制御MPU4100aは、1回目〜3回目のテーブル変更処理において、図233:ステップS2220の処理で第2テーブルX2を選択後、当該変動における当り抽選がハズレの場合には、ハズレ継続グループX2Aから継続示唆変動表示パターンを選択し、周辺制御MPU4140aに送信する。周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、3回ほど特殊モード継続示唆演出が実現される。続いて、主制御MPU4100aは、4回目のテーブル変更処理では、図231のステップS2040のテーブル変更処理と同様の処理を実行する。すなわち、主制御MPU4100aは、4回目のテーブル変更処理において、図233:ステップS2220の処理で第2テーブルX2を選択後、当該変動における当り抽選がハズレの場合には、ハズレグループX1Aから終了示唆変動表示パターンを選択し、周辺制御MPU4140aに送信する。周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aから送信されてくる変動表示パターンに基づいて液晶表示装置1900等を用いて1回(1変動分)の表示演出を実行する。これにより、液晶表示装置1900において、特殊モードが終了することを示唆する特殊モード終了示唆演出が実現される。
主制御MPU4100aは、4回目のテーブル変更処理が終了した場合(ステップS2100:Yes)、小当りCフラグをOFFにしてこの変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。
なお、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(図231:ステップS2090)において、小当りA、小当りB、および小当りCのいずれかとなった変動が生じた場合には、小当りCフラグをOFFにし当該小当りのフラグをONにして、図231:ステップS2030の処理に移行する。また、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2090)において、特殊当りとなった変動が生じた場合には、小当りCフラグをOFFにし特殊当りのフラグをONにして、図231:ステップS2013の処理に移行する。さらに、主制御MPU4100aは、このテーブル変更処理(ステップS2090)において、特殊当り以外の大当りとなった変動が生じた場合には、当該変動における変動表示パターンを、その時に選択されているテーブル(第1テーブルX1または第2テーブルX2)に従って決定し、小当りCフラグをOFFにしてこの変動表示パターンテーブル選択特別処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、小当りCフラグがONでないと判断した場合には(図232:ステップS2080:No)、特殊当り、小当りA、小当りB、および、小当りCのいずれでもないので、上述の変動パターン設定処理(図196)に従って変動表示パターンを決定する(ステップS2110)。具体的には、主制御MPU4100aは、特殊抽選の結果がハズレの場合(すなわち特殊当り以外の確変大当たりの場合)には、確変大当り時変動表示パターンテーブルを選択する。主制御MPU4100aは、確変抽選の結果がハズレの場合(すなわち確変ではない通常大当りの場合)には、通常大当り時変動表示パターンテーブルを選択する。主制御MPU4100aは、当り抽選がハズレの場合であってリーチ判定乱数がリーチ値である場合には、はずれリーチ時変動表示パターンテーブルを選択する。主制御MPU4100aは、当り抽選がハズレの場合であってリーチ判定乱数がリーチ値でない場合には、はずれ時変動表示パターンテーブルを選択する。
以下に、上述した変動表示パターンテーブル選択特別処理を実行した場合において、小当りまたは特殊当りに当選した場合の特殊モードにおけるテーブル選択の変遷について、図236を用いて説明する。図236は、小当りまたは特殊当りに当選したことを契機として、変動表示パターンテーブル選択特別処理を実行した場合におけるテーブル選択の変遷を示すタイミングチャートである。図236では、第1テーブルX1に基づいて変動表示パターンを決定した変動を、変動ZH1〜ZH7で表し、第2テーブルX2に基づいて変動表示パターンを決定した変動を、変動ZH8で表している。そして、変動ZH1〜変動ZH8で構成される8回の変動を1セット変動ZHsとも呼ぶ。
上述したように、少なくとも当り抽選がハズレである場合には、液晶表示装置1900における第2テーブルX2の変動表示パターンに基づく表示演出は、第1テーブルX1の変動表示パターンに基づく表示演出よりも長い場合が多くなる。その結果、1セット変動ZHsでは、図236に示すように、変動ZH1〜ZH7までは、液晶表示装置1900において1回の変動時間が比較的短い煽り演出(カウントダウン演出)が実現され、その後、変動ZH8では、液晶表示装置1900において1回の変動時間が比較的長い特殊モード継続示唆演出や特殊モード終了示唆演出が実現され得る。このように、1セット変動ZHsでは、複数変動に亘る一連の表示演出が実現され得る。
変動表示パターンテーブル選択特別処理が実行された場合において、実行開始の変動が小当りAに当選した場合には、図236(A)に示すように、特殊モードとして1セット変動ZHsが2回実行され終了する。実行開始の変動が小当りBに当選した場合には、図236(B)に示すように、特殊モードとして1セット変動ZHsが3回実行され終了する。実行開始の変動が小当りCに当選した場合には、図236(C)に示すように、特殊モードとして1セット変動ZHsが4回実行され終了する。実行開始の変動が特殊当りに当選した場合には、図236(D)に示すように、特殊モードとして1セット変動ZHsが4回実行され、その後、第1テーブルX1の変動表示パターンに基づく表示演出が繰り返される。ただし、図236の(A)〜(D)における1セット変動ZHs中、および、図236の(D)において1セット変動ZHsが4回実行された後の第1テーブルX1が選択された状態において、以下(1)および(2)の場合が生じると、変動表示パターンテーブル選択特別処理が終了する。
(1)小当たりA〜CのいずれかのフラグがONである状態で特殊当り以外の大当りとなった場合
(2)特殊当りのフラグがONである状態で大当り(特殊当り含む)となった場合
以上のように、本制御例によれば、主制御MPU4100aは、遊技状態が変わっていないにも関わらずに、参照する変動表示パターンテーブルを、第1テーブルX1に変更し、そして、第1テーブルX1から第2テーブルX2にさらに変更し得る(例えば、図236(D)において2回目の1セット変動ZHsを行う場合など)。従って、複数変動(複数回)に亘る一連の表示演出の全体を通して、第1テーブルX1に応じて決定された表示演出と、第2テーブルX2に応じて決定された表示演出とが実現され得る。このように、複数変動の表示演出に亘る各表示演出の時間を、変動表示パターンテーブルを切り替えることによってコントロールすることができる。その結果、表示演出が散漫に感じられる可能性を低減し、遊技者による遊技意欲の減退を抑制できる。
なお、「遊技状態が変わる」とは、遊技者に特典を付与する動作(例えば、大入賞口2103の開放)状態に移行すること、確率変動機能が作動すること、および、時短機能が作動すること、などの態様を含む。
また、本制御例によれば、主制御MPU4100aは、参照する変動表示パターンテーブルを第1テーブルX1に変更してから所定回数の変動(7変動)が終了すると、続く変動で参照する変動表示パターンテーブルを第2テーブルX2に変更する。このようにすれば、複数変動で、確実に、参照する変動表示パターンテーブルを、第1テーブルX1から第2テーブルX2に変更することができる。すなわち、第1テーブルX1に基づく表示演出を上記所定回数実行後、第2テーブルX2に基づく表示演出を実行することができる。この場合、例えば、上記制御例のように、第1テーブルX1中の変動表示パターンの平均演出時間が、第2テーブルX2中の変動表示パターンの平均演出時間よりも短く設定されていれば、第1テーブルX1に基づく表示演出を素早く所定回数実行した後、第2テーブルX2に基づく表示演出を実行することによって第2テーブルX2に基づく表示演出を強調することができる。その結果、複数回の表示演出に亘って、表示演出が散漫に感じられる可能性を適切に低減し、遊技者による遊技意欲の減退を抑制できる。
さらに、本制御例によれば、主制御MPU4100aは、参照する変動表示パターンテーブルを第1テーブルX1から第2テーブルX2に変更した後に、再び、参照する変動表示パターンテーブルを第2テーブルX2から第1テーブルX1に復帰する(例えば、図236(D)において1回目の1セット変動ZHsから2回目の1セット変動ZHsを行う場合など)。この結果、第1テーブルX1と第2テーブルX2とのうちの1つの変動表示パターンテーブルが過剰に長い期間に亘って連続して参照され続けることを抑制しつつ、第1テーブルX1と第2テーブルX2との間の変更によって、複数変動(複数回)の表示演出に亘る各演出の時間を、適切にコントロールすることができる。その結果、表示演出が散漫に感じられる可能性を低減し、遊技者による遊技意欲の減退を抑制できる。
なお、本制御例では、時短機能が作動していない状態において、上記変動表示パターンテーブル選択特別処理を行っていたが、時短機能が作動中に、上記変動表示パターンテーブル選択特別処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、変動表示パターンテーブルの変更が、時短機能が作動している状態で行われるので、当り抽選の契機が発生せずに表示演出と表示演出との間の待ち時間が過剰に長くなる可能性を低減できる。その結果、第1テーブルX1と第2テーブルX2とによって定められる変動時間(表示演出の時間)に従って連続的に複数変動(複数回)の表示演出が実現されるので、表示演出が散漫に感じられる可能性を低減し、遊技者による遊技意欲の減退を抑制できる。
また、本制御例の変動表示パターンテーブル選択特別処理におけるテーブル変更処理において、第一保留数カウンタ(第一始動記憶数)の値によって、変動表示パターンテーブルを変更するようにしてもよい。例えば、テーブル変更処理において、第一始動記憶数が2以下の場合には、第1テーブルX1および第2テーブルX2を用い、第一始動記憶数が3若しくは4の時には、第1テーブルX1に代えて第1テーブルX1よりも平均演出時間が短い変動表示パターンを備えるテーブル、および、第2テーブルX2に代えて第2テーブルX2よりも平均演出時間が短い変動表示パターンを備えるテーブルを用いるようにしてもよい。
さらに、本制御例の変動表示パターンテーブル選択特別処理において図231および図232のステップS2013、ステップS2033、ステップS2053、およびステップS2083の処理を実行する場合に、主制御MPU4100aは、選択された変動表示パターンに加えてモード移行演出を実現すべきことを表すコマンドを周辺制御MPU4140aに送信してもよい。このようにすれば、周辺制御MPU4140aは、液晶表示装置1900を用いて適切にモード移行演出を実行することができる。
[移行演出について]
次に、遊技演出の一種である「移行演出」について説明する。図237は、移行演出の概略を説明する概略図である。図中には、周辺制御MPU4140aによって実現され得る3つの演出E1、E2、E3のタイミングチャートが示されている。これら3つの演出E1、E2、E3のそれぞれの演出に要する時間(演出の開始から終了までの時間)は、同じである(以下「演出時間ZTe」とも呼ぶ)。第1演出E1と第2演出E2とは、互いに異なる演出である。第3演出E3は、第1演出E1と第2演出E2とを組み合わせた演出である(以下、第3演出E3を「組合せ演出E3」とも呼ぶ)。なお、これらの演出E1、E2、E3は、本明細書で説明されている変動表示パターンテーブルの少なくとも一部に基づいて実現されてよい。
図中には、第1演出E1の開始から終了までを表す第1シーケンスSE1と、第2演出E2の開始から終了までを表す第2シーケンスSE2と、が示されている。ここで、図示されたシーケンスSE1、SE2は、それぞれ、実現される演出の経時的な流れを示しており、例えば、上述したスケジュールデータ等の演出の流れを定めるデータによって、その内容が決まっている。第1シーケンスSE1によって表される第1演出E1は、液晶表示装置1900による画像の表示(例えば、動画像の表示)を少なくとも含み、同様に、第2シーケンスSE2によって表される第2演出E2も、液晶表示装置1900による画像の表示(例えば、動画像の表示)を少なくとも含む。図237では、液晶表示装置1900を模した小矩形を時系列に並べた列によって、各シーケンスSE1、SE2が表されている。
周辺制御MPU4140aは、主制御基板4100から受信した演出コマンド(変動表示パターンコマンド)に応じて、これらの3つの演出E1、E2、E3を含む複数の演出の中から1つの演出を選択して実現する。
まず、第1演出E1について説明する。周辺制御MPU4140aは、第1演出E1の開始に応じて、第1シーケンスSE1に沿って演出を進行する。周辺制御MPU4140aは、例えば、装飾図柄の変動を開始し、そして、いわゆるリーチ状態を形成する様子を液晶表示装置1900に表示させてもよい。
演出の開始からの経過時間Tが所定の時間(ここでは、第1時間ZT1)に到達したことに応じて、周辺制御MPU4140aは、操作促進演出を開始する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、操作促進演出は、押圧操作部405の操作を促す表示(以下、「操作促進表示Zdp」とも呼ぶ)を、液晶表示装置1900に行わせる演出である。操作促進表示Zdpは、例えば、ボタンを押す手を表す動画像であってよい。このような表示を観察した遊技者は、「押圧操作部405を操作すると何が起きるのだろうか」という期待感を持って、押圧操作部405を操作することができる。
周辺制御MPU4140aは、このような操作促進表示Zdpを、所定の期間(以下「示唆期間Zpp」とも呼ぶ)に亘って行う。示唆期間Zpp内に遊技者が押圧操作部405を操作した場合には、周辺制御MPU4140aは、操作促進表示Zdpを終了して、当りの期待度を示唆する表示(以下「示唆表示Zde」とも呼ぶ)を液晶表示装置1900に表示させる。この期待度を示唆する表示は、第1シーケンスSE1に沿った演出と並行に行われる。
示唆表示Zdeは、例えば、所定形状(例えば、ハート型)の画像が画面の上部から降り注ぐ様子を表す動画像であってよく、その所定形状の画像の色が期待度を表してよい。例えば、緑色は、比較的期待度が低いことを表し、赤色は、緑色よりも期待度が高いことを表してよい。なお、示唆表示Zdeは、期待度を示唆する他の任意の表示であってよい。
なお、図237に示す演出例では、当りの期待度は、特定の大当りに当選する期待度を表している。特定の当りは、複数種類の大当りのうちから予め選択された任意の当り(一部あるいは全部の大当り)であってよい。例えば、特定の当りは、大当り遊技状態が発生する任意の大当りであってよい。この代わりに、特定の当りは、大入賞口2103(開閉部材2106)の1回当りの開放時間が、第二所定時間(複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の長い時間)に設定される大当り遊技状態が発生する大当りであってよい。この代わりに、特定の大当りは、確変大当りであってもよい。いずれの場合も、高い期待度を示唆する表示が行われた場合には、低い期待度を示唆する表示が行われた場合と比べて、特定の当りに当選する確率が高くなるように、周辺制御MPU4140aは、示唆表示Zdeを実現する。以下、特定の大当りに当選する期待度を、単に「期待度」とも呼ぶ。なお、当りの期待度は、普通抽選結果が特定の当りになる期待度であってもよい。
遊技者が示唆期間Zpp内に押圧操作部405を操作しなかった場合には、周辺制御MPU4140aは、示唆表示Zdeを行わずに、第1シーケンスSE1に沿って第1演出E1を進行する。
示唆期間Zppの経過に続けて、周辺制御MPU4140aは、第1シーケンスSE1に沿って第1演出E1を進行する。周辺制御MPU4140aは、例えば、アニメーション動画像を表示する演出や、実写画像を用いた動画像を表示する演出を進行してよい。そして、周辺制御MPU4140aは、経過時間Tが演出時間ZTeに到達した時点で、第1演出E1を終了する。第1演出E1の終了の時点で、周辺制御MPU4140aは、抽選の結果(例えば、大当り抽選の結果)を報知する画像を液晶表示装置1900に表示させてよい。
次に、第2演出E2について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、第2演出E2は、第1演出E1と比べて、特定の大当りに当選する期待度が高いことを示唆する。すなわち、第2演出E2が実現された場合には、第1演出E1が実現された場合と比べて、特定の大当りに当選する確率が高くなるように、周辺制御MPU4140aは、第1演出E1および第2演出E2を実現する。
演出毎に、示唆される期待度に差を設けることは、例えば、以下のようにして実現可能である。すなわち、特定の大当りに当選した場合には、そうではない場合と比べて、第2演出E2が実現される確率が高く、さらに、特定の大当りに当選した場合には、そうではない場合と比べて、第1演出E1が実現される確率が低くなるように、周辺制御MPU4140a(あるいは、主制御基板4100)が演出を決定(選択)してもよい。以下、第1演出E1を「低期待演出E1」とも呼び、第2演出E2を「高期待演出E2」とも呼ぶ。
周辺制御MPU4140aは、第2演出E2の開始に応じて、第2シーケンスSE2に沿って演出を進行する。周辺制御MPU4140aは、例えば、装飾図柄の変動を開始し、そして、リーチ状態を形成する様子を液晶表示装置1900に表示させてもよい。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第2演出E2の表示内容は、第1演出E1の表示内容とは異なっている(特に、第2演出E2では、演出の開始(経過時間T=0)から操作時間ZTpまでの演出として、第1演出E1では実現されない演出が実現されてよい。また、操作時間ZTpの後において、第2演出E2の表示内容は、第1演出E1の表示内容とは異なっていてよい)。従って、遊技者は、液晶表示装置1900を観察することによって、第1演出E1と第2演出E2とのどちらの演出が実現されているのかを、容易に認識することができる。例えば、第1演出E1と第2演出E2との間では、装飾図柄の装飾態様が異なっていても良い。このように、遊技者は、液晶表示装置1900に表示された画像を観察することによって、期待度が高いのか低いのかを、容易に認識することができる。
周辺制御MPU4140aは、続けて、第2シーケンスSE2に沿って第2演出E2を進行する。例えば、周辺制御MPU4140aは、経過時間Tが第1時間ZT1に到達した時点で、第1演出E1と同様に、操作促進表示Zdpを行っても良い。そして、示唆期間Zpp内に遊技者が押圧操作部405を操作した場合には、周辺制御MPU4140aは、操作促進表示Zdpを終了して、示唆表示Zdeを液晶表示装置1900に表示させてよい。ただし、第2演出E2における操作促進表示Zdpと示唆表示Zdeとを省略してもよい。
周辺制御MPU4140aは、続けて、第2シーケンスSE2に沿って第2演出E2を進行する。例えば、周辺制御MPU4140aは、アニメーション動画像を表示する演出や、実写画像を用いた動画像を表示する演出を進行してよい。なお、第2演出E2で実現される動画像は、第1演出E1で実現される動画像とは異なる動画像であることが好ましい。こうすれば、遊技者は、表示される動画像を観察することによって、第1演出E1と第2演出E2とのどちらが実現されているのか、すなわち、期待度が低いのか高いのかを、容易に認識することができる。
周辺制御MPU4140aは、経過時間Tが演出時間ZTeに到達した時点で、第2演出E2を終了する。第2演出E2の終了の時点で、周辺制御MPU4140aは、抽選の結果(例えば、大当り抽選の結果)を報知する画像を液晶表示装置1900に表示させてよい。
次に、第3演出E3について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、第3演出E3は、第2演出E2と同様に、第1演出E1と比べて、特定の大当りに当選する期待度が高いことを示唆する。すなわち、第3演出E3が実現された場合には、第1演出E1が実現された場合と比べて、特定の大当りに当選する確率が高くなるように、周辺制御MPU4140aは、第1演出E1および第3演出E3を実現する。なお、第3演出E3によって示唆される期待度は、第2演出E2によって示唆される期待度と同じであってよい。この代わりに、第3演出E3によって示唆される期待度が、第2演出E2によって示唆される期待度よりも高く(あるいは、低く)てもよい。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、第3演出E3は、第1演出E1の前部分と、第2演出E2の後ろ部分とを組み合わせた演出である。周辺制御MPU4140aは、第3演出E3の開始に応じて、第1シーケンスSE1に沿って演出を進行する。すなわち、第3演出E3の導入部分は、第1演出E1の導入部分と同じである。従って、遊技者は、演出の導入部分を観察しただけでは、第1演出E1と第3演出E3とのいずれが実現されているのかを識別することが困難である。
経過時間Tが第1時間ZT1に到達したことに応じて、周辺制御MPU4140aは、第1演出E1と同様に、操作促進演出(操作促進表示Zdp)を開始する。そして、遊技者が示唆期間Zpp内に押圧操作部405を操作した場合には、周辺制御MPU4140aは、操作促進表示Zdpを終了し、そして、示唆表示Zdeを行う代わりに、第1シーケンスSE1の演出から第2シーケンスSE2の演出に移行する。具体的には、周辺制御MPU4140aは、第1シーケンスSE1に従った演出を、押圧操作部405が操作された時点(経過時間Tが操作時間ZTpである時点)で終了する。そして、周辺制御MPU4140aは、第2シーケンスSE2に沿った演出を、第2シーケンスSE2における同じ時点(経過時間Tが操作時間ZTpである時点)から、開始する。この結果、遊技者からは、押圧操作部405を操作することによって、第1演出E1から第2演出E2に演出が移行したように、見える。
その後、周辺制御MPU4140aは、第2シーケンスSE2に沿って演出を進行する。すなわち、第3演出E3の後ろ部分は、第2演出E2の後ろ部分と同じである。従って、遊技者は、演出の導入部分を観察した段階では、期待度の低い第1演出E1が始まったと認識するが、その後に、期待度の高い第2演出E2に演出が切り替わったと認識する。この結果、期待度が低いと思っていた遊技者は、演出が移行した時点で、実は期待度が高かったと認識を改め、抽選結果に対する高い期待感を持って、続きの演出を楽しむことができる。また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、そのような遊技者の期待を裏切らないように、第3演出E3が実現された場合には、第1演出E1が実現された場合と比べて、特定の大当りに当選する確率が高い。
なお、第3演出E3が実現された場合において、示唆期間Zpp内に遊技者が押圧操作部405を操作しない場合もあり得る。この場合には、周辺制御MPU4140aは、演出を移行せずに、第1シーケンスSE1に沿って最後まで演出を継続してもよい(この場合には、第1演出E1と同じ内容の演出が実現される)。この代わりに、周辺制御MPU4140aは、示唆期間Zppよりも後の所定のタイミング(演出の途中のタイミング)で、自動的にに第1シーケンスSE1の演出から第2シーケンスSE2の演出に移行してもよい。
なお、周辺制御MPU4140aは、上述の入賞通知コマンド(先行判定結果)を受信した場合に、先行判定結果に応じた演出を実現してもよい。例えば、周辺制御MPU4140aは、先行判定結果が、特定の先行判定結果(例えば、第2演出E2が実現されることを表す判定結果)である場合に、予め決められた確率(例えば、100%よりも小さい確率(例えば、50%))で、第2演出E2が将来に実現されることを示唆する演出を実現してもよい。例えば、周辺制御MPU4140aは、第2演出E2で表示される特徴的なキャラクタ(例えば、特定のヒーローや特定のヒロイン)や特徴的なモチーフ(例えば、火や氷を模した装飾図柄)を、第2演出E2が実現されるよりも前の演出で、表示してもよい(このような演出は、「先読み演出」に対応する)。
周辺制御MPU4140aが、このような先読み演出を実現すれば、遊技者の期待感を盛り上げることができ、遊技者の演出に対する興味を向上できる。また、周辺制御MPU4140aは、このような先読み演出に続けて高期待演出E2を実現するので、遊技者の期待感を裏切らずに、演出を進行できる。
以上のように、周辺制御MPU4140aは、第1演出E1(低期待演出E1)に加えて、第2演出E2(高期待演出E2)を実現し得るので、演出の開始時に、遊技者は、どのような演出が始まるのか(例えば、低期待演出E1が始まるのか、それとも、高期待演出E2が始まるのか)という期待感を持って、演出を観察することができる。この結果、遊技者は、抽選の契機が発生する毎に、強い興味を持って演出を楽しむことができる。
さらに、周辺制御MPU4140aは、第1演出E1と第2演出E2と(すなわち、途中で移行しない演出)に加えて、第3演出E3を実現可能である。第3演出E3では、演出の開始から途中経過時間(操作時間ZTp)までは低期待演出E1と同じ内容の演出が実現され、続けて、高期待演出E2における途中経過時間(操作時間ZTp)から実現される演出部分と同じ内容の演出が実現される。第3演出E3が実現された場合には、低期待演出E1と同じ内容の演出の途中から、高期待演出E2と同じ内容の演出に移行するので、第1演出E1と第2演出E2とを観察したことがあるが第3演出E3を観察したことがない遊技者は、演出が移行するとは予想していない状態で、演出が移行する様子を観察することになる。このように、意図せずに演出が移行するので、遊技者は、演出の観察によって驚きを楽しむことができる。なお、遊技機で実現される演出としては、演出の途中で、複数の分岐先候補のうちの1つに分岐する分岐演出が知られている。しかし、このような分岐演出では、演出が分岐することが予め分かっているので、本実施形態のパチンコ遊技機1のような驚きを遊技者に提供することができない。さらに、本実施形態のパチンコ遊技機1では、移行先の演出は、低期待演出E1よりも期待度の高い高期待演出E2と同じ内容の演出である。このように、演出によって示唆される期待度が演出の移行によって高くなるので、遊技者は、分岐演出では味わうことのできない驚きと嬉しさとを味わうことができる。また、このように演出の途中で別の演出に移行するように見える演出(第3演出E3)を実現することによって、遊技者は、第3演出E3とは異なる演出(より具体的には、3つの演出E1、E2、E3のいずれとも異なる演出)が実現されている場合にも、「もしかしたら他の演出に移行するかもしれない」という期待感を抱きながら、演出を楽しむこともできる。分岐演出が実現された場合に演出が分岐するような遊技機では、分岐演出が実現された場合に限って期待感を向上できたのに対して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、様々な演出が実現された場合にも期待感を向上することが可能となる。例えば、演出の導入部分として低期待演出E1と同じ内容の演出が実現された場合であっても、その後に、演出が高期待演出E2と同じ内容の演出に移行して、高期待度が示唆される可能性がある。従って、低期待演出E1と同じ内容の演出が始まった場合であっても、遊技者は、「演出の途中で高期待演出E2と同じ内容の演出に移行するかもしれない」という期待感を持つことができる。また、演出の導入部分として、演出E1、E2、E3のいずれとも異なる内容の演出が実現された場合であっても、遊技者は、「演出の途中で、示唆される期待度のより高い演出に移行するかもしれない」という期待度を持つことができる。このように、遊技者の期待感が損なわれる可能性を低減できる。そして、遊技者の演出に対する興味を向上できる。
また、周辺制御MPU4140aは、受信した先行判定結果が、特定の先行判定結果(例えば、第2演出E2が実現されることを表す判定結果)である場合に、予め決められた確率で、第2演出E2が将来に実現されることを示唆する演出を実現する。周辺制御MPU4140aは、このような「先読み演出」に続けて第2演出E2を実現し得るので、第2演出E2に対する期待感をより一層高めることができる。この結果、このような「先読み演出」に続けて第2演出E2が実現されることを観察した経験を持つ遊技者にとっては、第3演出E3を初めて観察した場合に目の当たりにする演出の移行が、見覚えのある期待感の高い第2演出E2と同じ演出への移行であるので、そのような演出の移行から受ける驚きと嬉しさとが、より一層に大きなものとなる。この結果、遊技者の演出に対する興味を向上できる。ただし、このような先読み演出を省略してもよい。
特に、高期待演出E2では、演出の開始から途中経過時間(操作時間ZTp)までの演出として、低期待演出E1と第3演出E3とのいずれでも実現されない演出が実現される。従って、3つの演出E1、E2、E3を知っている遊技者は、演出の開始時には、「低期待演出E1と第3演出E3とに共通な演出(第1シーケンスSE1に沿った演出)と、高期待演出E2(第2シーケンスSE2に沿った演出)とのいずれの演出が実現されるのか」という強い期待感をもって演出を観察することができる。そして、高期待演出E2では、途中経過時間(操作時間ZTp)からは、第3演出E3が実現された場合(示唆期間Zpp内に遊技者が押圧操作部405を操作した場合)の途中経過時間(操作時間ZTp)から実現される演出部分と同じ内容の演出が実現される。すなわち、第3演出E3が実現された場合(示唆期間Zpp内に遊技者が押圧操作部405を操作した場合)の途中経過時間(操作時間ZTp)から実現される演出は、高期待演出E2で実現される演出と同じである。これらの結果、低期待演出E1と同じ内容の演出が始まった場合には、遊技者は、「演出の途中で高期待演出E2に移行して欲しい!」という強い期待感を持って演出を観察することができる。また、高期待演出E2と同じ内容の演出が始まった場合には、高期待演出E2によって示唆される高い期待度に期待しつつ、抽選結果を楽しみに演出を楽しむことができる。このように、演出によって示唆される期待度に差があるにも拘わらずに、低期待演出E1と同じ内容の演出が始まった場合であっても、遊技者の期待感を損なう可能性を低減することができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、周辺制御MPU4140aは、第3演出E3において、押圧操作部405の操作を促す演出(操作促進表示Zdp)を実現し、遊技者が押圧操作部405を操作したタイミングで、演出を移行させる。このように遊技者の操作に応じて演出が移行するので、遊技者の演出に対する参加意欲を向上することができる。この結果、遊技者の演出に対する興味を向上できる。
また、第3演出E3は、第1演出E1と第2演出E2とを流用することによって実装可能である。パチンコ遊技機1の設計者は、第1演出E1(第1シーケンスSE1)を表すデータ(例えば、スケジュールデータや動画像データ)と、第2演出E2(第2シーケンスSE2)を表すデータとを準備すれば、それらのデータを流用することによって、第3演出E3を表すデータを実装することができる。例えば、第3演出E3を表すスケジュールデータとして、第1シーケンスSE1を表すスケジュールデータSCD1と、第2シーケンスSE2を表すスケジュールデータSCD2とを組み合わせたスケジュールデータSCD3が、液晶制御ROM4150bに予め格納されてよい。示唆期間Zpp内の演出については、示唆期間Zpp内の任意のタイミングでの演出の移行を可能にするために、第3演出E3を表すスケジュールデータが、第1シーケンスSE1のデータと第2シーケンスSE2のデータとの両方を含んでもよい。また、このように第3演出E3を表すスケジュールデータを予め液晶制御ROM4150bに格納する代わりに、周辺制御基板4010は、操作時間ZTpまでは、第1演出E1を表すスケジュールデータを参照し、操作時間ZTp以降は第2演出E2を表すスケジュールデータを参照してもよい(この場合には、周辺制御基板4010は、第1演出E1を表すスケジュールデータと、第2演出E2を表すスケジュールデータとを利用して、第3演出E3を表すスケジュールデータを準備している、ということができる)。以上のように、設計者の負担増を抑制することができる。そして、設計者の負担を軽減しつつ、遊技者の期待感が損なわれる可能性を低減した3つの演出E1、E2、E3を実現することができる。
また、第1演出E1(第1シーケンスSE1)の演出時間と、第2演出E2(第2シーケンスSE2)の演出時間とは、同じ演出時間ZTeである。従って、第3演出E3を実現する場合には、周辺制御MPU4140aは、まず、第1シーケンスSE1に沿った演出を途中経過時間まで実現し、続けて、第2シーケンスSE2における、その途中経過時間から後ろに続く演出部分を実現すればよい。複雑なタイミング調整をせずに同じ途中経過時間での演出を切り替えることによって、第3演出E3の演出時間を演出時間ZTeと同じに維持しつつ演出の移行を実現できる。
また、3つの演出E1、E2、E3のそれぞれの演出時間が同じである。従って、主制御基板4100からの演出コマンド(変動表示パターンコマンド)によって定められた演出時間が上述の演出時間ZTeである場合に、周辺制御MPU4140aは、3つの演出E1、E2、E3のうちの任意の演出を実現することができる。すなわち、主制御基板4100からの同じ演出コマンドに応じて、周辺制御MPU4140aが、3つの演出E1、E2、E3のうちのいずれの演出を実現するのかを決定してもよい(例えば、周辺制御MPU4140aは、乱数を用いた抽選によって演出を選択してもよい)。このように、周辺制御MPU4140aが、主制御基板4100の代わりに、演出の詳細な制御を担うことができるので、主制御基板4100の負担を軽減することができる。この結果、主制御基板4100の誤動作(例えば、抽選の誤動作)の可能性を低減できる。ただし、3つの演出E1、E2、E3のうちのいずれの演出を実現するのかが、主制御基板4100からの演出コマンドによって決定されていてもよい。
なお、第3演出E3は、第1演出E1と比べて、実現される確率が低くてもよい。こうすれば、多くの遊技者は、第3演出E3よりも先に第1演出E1を観察する。そして、第1演出E1を観察した経験を持つ遊技者は、操作促進表示Zdpが行われた場合には、示唆表示Zdeが実現されることを予想して押圧操作部405を操作する。しかし、第3演出E3が実現されている場合には、示唆表示Zdeの代わりに演出の移行が行われる。このように、遊技者の予想に反して演出が切り替わるので、遊技者にサプライズを提供することができる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1において、周辺制御基板4010(周辺制御MPU4140a)は、3以上の演出と、それら3つの演出から選択された複数の演出を組み合わせた組合せ演出と、を実現し得ることとしてもよい。一般には、本実施形態のパチンコ遊技機1において、周辺制御基板4010(周辺制御MPU4140a)は、N個(Nは2以上の整数)の演出と、それらN個の演出から選択されたM個(Mは2以上N以下の整数)の演出を組み合わせた組合せ演出と、を実現可能であってよい。例えば、本実施形態のパチンコ遊技機1は、図238に示すような3つの演出E11、E12、E13と、組合せ演出E14、E15とを実現可能であってよい。なお、これらの演出E11〜E15は、本明細書で説明されている変動表示パターンテーブルの少なくとも一部に基づいて実現されてよい。
図238は、図237と同様のタイミングチャートを示している。図238の例では、第1演出E11の開始から終了までを表す第1シーケンスSE11と、第2演出E12の開始から終了までを表す第2シーケンスSE12と、第3演出E13の開始から終了までを表す第3シーケンスSE13と、が示されている。図示されたシーケンスSE11、SE12、SE13は、図237のシーケンスSE1、SE2と同様に、実現される演出の経時的な流れを示しており、スケジュールデータ等の演出の流れを定めるデータによって、その内容が決まっている。各シーケンスSE11、SE12、SE13は、それぞれ、液晶表示装置1900による画像の表示を少なくとも含んでいる。各シーケンスSE11、SE12、SE13の演出に要する時間は同じ演出時間ZTeaであるが、これらのシーケンスSE11、SE12、SE13は、互いに異なる演出を表している(特に、演出の開始(経過時間T=0)から、後述する操作時間ZTp1までの演出は、各シーケンスSE1、SE2、SE3の間で異なっていてよい。また、操作時間ZTp1の後において、演出は、各シーケンスSE1、SE2、SE3の間で異なっていてよい)。なお、第1演出E11は第1シーケンスSE11によって表され、第2演出E12は第2シーケンスSE12によって表され、第3演出E13は第3シーケンスSE13によって表される。
まず、第1演出E11について説明する。第1演出E11は、図237の第1演出E1と同様の演出である。第1演出E11では、周辺制御MPU4140aは、装飾図柄の変動を開始する。そして、演出の途中の所定の第1時間ZT11から始まる第1示唆期間Zpp1において、周辺制御MPU4140aは、操作促進表示Zdpを液晶表示装置1900に行わせる。遊技者が、第1示唆期間Zpp1内に押圧操作部405を操作した場合には、周辺制御MPU4140aは、示唆表示Zdeを液晶表示装置1900に行わせる。そして、周辺制御MPU4140aは、第1シーケンスSE11に沿って演出を進行し、演出の開始からの経過時間Tが演出時間ZTeaに到達した時点で、第1演出E11を終了する。演出の終了の時点で、周辺制御MPU4140aは、抽選の結果(例えば、大当り抽選の結果)を報知する画像を液晶表示装置1900に表示させてよい。第1示唆期間Zpp1内に遊技者が押圧操作部405を操作しなかった場合には、周辺制御MPU4140aは、示唆表示Zdeを行わずに、第1シーケンスSE11に沿って第1演出E11を進行する。
次に、第2演出E12について説明する。第2演出E12は、第1演出E11と比べて特定の大当りに当選する期待度が高いことを示唆する演出である。すなわち、第2演出E12が実現された場合には、第1演出E11が実現された場合と比べて、特定の大当りに当選する確率が高くなるように、周辺制御MPU4140aは、第1演出E11と第2演出E12とを実現する。
周辺制御MPU4140aは、第2演出E12の開始に応じて、第2シーケンスSE12に沿って演出を進行する。第2演出E12では、周辺制御MPU4140aは、装飾図柄の変動を開始する。そして、演出の途中の所定の第2時間ZT12(第1示唆期間Zpp1よりも後)から始まる第2示唆期間Zpp2において、周辺制御MPU4140aは、操作促進表示Zdpを液晶表示装置1900に行わせる。遊技者が第2示唆期間Zpp2内に押圧操作部405を操作した場合には、周辺制御MPU4140aは、示唆表示Zdeを液晶表示装置1900に行わせる。そして、周辺制御MPU4140aは、第2シーケンスSE12に沿って演出を進行し、経過時間Tが演出時間ZTeaに到達した時点で、第2演出E12を終了する。演出の終了の時点で、周辺制御MPU4140aは、抽選結果(例えば、大当り抽選の結果)を報知する画像を液晶表示装置1900に表示させてよい。第2示唆期間Zpp2内に遊技者が押圧操作部405を操作しなかった場合には、周辺制御MPU4140aは、示唆表示Zdeを行わずに、第2シーケンスSE12に沿って第2演出E12を進行する。
なお、周辺制御MPU4140aは、第2演出E12においても、第1演出E11と同様に、第1示唆期間Zpp1において操作促進表示Zdpを行ってもよい。そして、第1示唆期間Zpp1内に遊技者が押圧操作部405を操作した場合に、周辺制御MPU4140aは、示唆表示Zdeを行ってもよい。
次に、第3演出E13について説明する。第3演出E13は、第2演出E12と比べて特定の大当りに当選する期待度が高いことを示唆する演出である。すなわち、第3演出E13が実現された場合には、第2演出E12が実現された場合と比べて、特定の大当りに当選する確率が高くなるように、周辺制御MPU4140aは、第2演出E12と第3演出E13とを実現する。
周辺制御MPU4140aは、第3演出E13の開始に応じて、第3シーケンスSE13に沿って演出を進行する。第3演出E13では、周辺制御MPU4140aは、装飾図柄の変動を開始する。そして、経過時間Tが演出時間ZTeaに到達した時点で、第3演出E13を終了する。演出の終了の時点で、周辺制御MPU4140aは、抽選の結果(例えば、大当り抽選の結果)を報知する画像を液晶表示装置1900に表示させてよい。
なお、周辺制御MPU4140aは、第3演出E13においても、第2演出E12と同様に、第2示唆期間Zpp2において操作促進表示Zdpを行ってもよい。そして、第2示唆期間Zpp2内に遊技者が押圧操作部405を操作した場合に、周辺制御MPU4140aは、示唆表示Zdeを行ってもよい。
次に、組合せ演出E14(「第4演出E14」とも呼ぶ)について説明する。第4演出E14は、第3演出E13と同様に、第2演出E12と比べて、特定の大当りに当選する期待度が高いことを示唆する。すなわち、第4演出E14が実現された場合には、第2演出E12が実現された場合と比べて、特定の大当りに当選する確率が高くなるように、周辺制御MPU4140aは、第2演出E12と第4演出E14を実現する。
図238の演出例では、第4演出E14は、第1演出E11の前部分と、第2演出E12の中部分と、第3演出E13の後ろ部分とを組み合わせた演出である。具体的には、周辺制御MPU4140aは、第4演出E14の開始に応じて、第1シーケンスSE11に沿って演出を進行する。すなわち、第4演出E14の導入部分は、第1演出E11の導入部分と同じである。従って、遊技者は、演出の導入部分を観察しただけでは、第1演出E11と第4演出E14とのいずれが実現されているのかを識別することが困難である。
経過時間Tが第1時間ZT11に到達したことに応じて、周辺制御MPU4140aは、第1演出E11と同様に、操作促進表示Zdpを開始する。そして、遊技者が第1示唆期間Zpp1内に押圧操作部405を操作した場合には、周辺制御MPU4140aは、操作促進表示Zdpを終了し、そして、第1シーケンスSE11の演出から第2シーケンスSE12の演出に移行する。具体的には、周辺制御MPU4140aは、押圧操作部405が操作された時点(経過時間Tが操作時間ZTp1である時点)で、第1シーケンスSE11に沿った演出を終了し、そして、第2シーケンスSE12に沿った演出を、第2シーケンスSE12における同じ時点(経過時間Tが操作時間ZTp1である時点)から、開始する。この結果、遊技者からは、押圧操作部405を操作することによって、第1演出E11から第2演出E12に演出が移行したように、見える。
さらに、経過時間Tが第2時間ZT12に到達したことに応じて、周辺制御MPU4140aは、第2演出E12と同様に、操作促進表示Zdpを開始する。遊技者が第2示唆期間Zpp2内に押圧操作部405を操作した場合には、周辺制御MPU4140aは、操作促進表示Zdpを終了し、そして、第2シーケンスSE12の演出から第3シーケンスSE13の演出に移行する。演出のこの移行は、押圧操作部405が操作されたタイミング(経過時間Tが操作時間ZTp2である時点)を基準として、操作時間ZTp1での移行と同様に行われる。この結果、遊技者からは、押圧操作部405を操作することによって、第2演出E12から第3演出E13に演出が移行したように見える。
その後、周辺制御MPU4140aは、第3シーケンスSE13に沿って演出を進行し、経過時間Tが演出時間ZTeaに到達した時点で、第4演出E14を終了する。このように、第4演出E14の導入部分は、第1演出E11と同じであり、第4演出E14の中部分は第2演出E12と同じであり、第4演出E14の終わりの部分は第3演出E13と同じである。従って、遊技者は、演出の導入部分を観察した段階では、期待度の低い第1演出E11が始まったと認識するが、その後に、期待度の高い第2演出E12に演出が切り替わったと認識する。この結果、期待度が低いと思っていた遊技者は、演出が移行した時点で、実は期待度が高かったと認識を改め、抽選結果に対する高い期待感を持って、続きの演出を楽しむことができる。さらに、第4演出E14が進行すると、遊技者は、第2演出E12から、更に期待度の高い第3演出E13に演出が切り替わったと認識する。この結果、抽選結果に対する期待感が更に向上し、遊技者は、演出を益々楽しむことができる。
周辺制御MPU4140aは、第1演出E11と第2演出E12と第3演出E13と(すなわち、途中で移行しない演出)に加えて、第4演出E14を実現可能である。第4演出E14が実現された場合には、第1演出E11と同じ演出の途中から、第2演出E12と同じ演出に移行し、さらに、第2演出E12と同じ演出の途中から、第3演出E13と同じ演出に移行する。この結果、遊技者は、演出が移行するとは予想していない状態で、演出が移行する様子を観察することになる。このように、意図せずに演出が移行するので、遊技者は、演出の観察によって驚き(上述したように、分岐演出からは味わうことのできない驚き)を楽しむことができる。さらに、本実施形態のパチンコ遊技機1では、移行先の演出は、移行する前の演出よりも期待度の高い演出と同じ内容の演出である。このように、演出によって示唆される期待度が演出の移行によって高くなるので、遊技者は、分岐演出では味わうことのできない驚きと喜びとを味わうことができる。
なお、第4演出E14が実現された場合において、第1示唆期間Zpp1内に遊技者が押圧操作部405を操作しない場合もあり得る。この場合には、周辺制御MPU4140aは、演出を移行せずに、第1シーケンスSE11に沿って最後まで演出を実現してもよい(この場合には、第1演出E11と同じ内容の演出が実現される)。この代わりに、周辺制御MPU4140aは、第1示唆期間Zpp1よりも後の所定のタイミングで、自動的に第1シーケンスSE11の演出から第2シーケンスSE12の演出に移行してもよい。同様に、第2示唆期間Zpp2内に遊技者が押圧操作部405を操作しない場合もあり得る。この場合には、周辺制御MPU4140aは、演出を移行せずに、第2シーケンスSE12に沿って最後まで演出を実現してもよい(この場合には、第2演出E12と同じ内容の演出が、演出の終了まで行われる)。この代わりに、周辺制御MPU4140aは、第2示唆期間Zpp2よりも後の所定のタイミングで、強制的に第2シーケンスSE12の演出から第3シーケンスSE13の演出に移行してもよい。
次に、組合せ演出E15(以下「第5演出E15」とも呼ぶ)について説明する。第5演出E15は、第3演出E13および第4演出E14と比べて、特定の大当りに当選する期待度が高いことを示唆する。すなわち、5つの演出E11〜E15の中で、第5演出E15の期待度が最も高い。第5演出E15が実現された場合には、他の演出E11、E12、E13、E14が実現された場合と比べて、特定の大当りに当選する確率が高くなるように、周辺制御MPU4140aは、演出E13〜E15を実現する。
図238の演出例では、第5演出E15は、第2示唆期間Zpp2内の押圧操作部405の操作に応じて、演出が、第3シーケンスSE13ではなく第1シーケンスSE11の演出に戻る点を除いて、第4演出E14と同じである。周辺制御MPU4140aは、第4演出E14を実現する場合と同様に、開始から第2示唆期間Zpp2までの演出を行う。第2示唆期間Zpp2内で遊技者が押圧操作部405を操作した場合には、周辺制御MPU4140aは、操作促進表示Zdpを終了し、そして、第2シーケンスSE12の演出から第1シーケンスSE11の演出に移行する(戻る)。演出のこの移行は、押圧操作部405が操作されたタイミング(経過時間Tが操作時間ZTp2である時点)を基準として、第4演出E14での移行と同様に行われる。この結果、遊技者からは、押圧操作部405を操作することによって、第2演出E12から第1演出E11に移行(転落)したかのように見える。
その後、周辺制御MPU4140aは、第1シーケンスSE11に沿って演出を進行し、経過時間Tが演出時間ZTeaに到達した時点で、第5演出E15を終了する。このように、第5演出E15の導入部分は、第1演出E11と同じであり、第5演出E15の中部分は第2演出E12と同じであり、第5演出E15の終わりの部分は、第1演出E11と同じである。従って、遊技者は、演出の導入部分を観察した段階では、期待度の低い第1演出E11が始まったと認識するが、その後に、期待度の高い第2演出E12に演出が切り替わったと認識する。この結果、期待度が低いと思っていた遊技者は、演出が移行した時点で、実は期待度が高かったと認識を改め、抽選結果に対する高い期待感を持って、続きの演出を楽しむことができる。
さらに、第5演出E15が進行すると、遊技者は、第2演出E12から、期待度の低い第1演出E11に演出が切り替わったと認識する。演出によって示唆される期待度が低くなってしまったことに、遊技者は大いに驚き、そして、落胆し得る。ところが、そのような落胆を遊技者に与えてしまうことを避けるために、実際には、第5演出E15が実現された場合の期待度は、他の演出E11〜E14が実現された場合の期待度よりも高い。この結果、第5演出E15は、遊技者に驚きを提供するものの、遊技者を落胆させることを抑制することができる。
なお、第5演出E15が実現された場合にも、第4演出E14が実現された場合と同様に、遊技者は、分岐演出では味わうことのできない驚きと喜びとを味わうことができる。
なお、第5演出E15が実現された場合において、第1示唆期間Zpp1内に遊技者が押圧操作部405を操作しない場合もあり得る。この場合には、周辺制御MPU4140aは、演出を移行せずに、第1シーケンスSE11に沿って最後まで演出を実現してもよい(この場合には、第1演出E11と同じ内容の演出が実現される)。この代わりに、周辺制御MPU4140aは、第1示唆期間Zpp1よりも後の所定のタイミングで、自動的に第1シーケンスSE11の演出から第2シーケンスSE12の演出に移行してもよい。同様に、第2示唆期間Zpp2内に遊技者が押圧操作部405を操作しない場合もあり得る。この場合には、周辺制御MPU4140aは、演出を移行せずに、第2シーケンスSE12に沿って最後まで演出を実現してもよい(この場合には、第2演出E12と同じ内容の演出が、演出の終了まで行われる)。この代わりに、周辺制御MPU4140aは、第2示唆期間Zpp2よりも後の所定のタイミングで、自動的に第2シーケンスSE12の演出から第1シーケンスSE11の演出に移行してもよい。
また、演出毎に、示唆される期待度に差を設ける方法は、図237の演出例で説明した方法と同じ方法であってよい。
また、図238の演出例では、5つの演出E11〜E15のそれぞれの演出時間が同じ(演出時間ZTea)である。従って、主制御基板4100からの演出コマンド(変動表示パターンコマンド)によって定められた演出時間が上述の演出時間ZTeaである場合に、周辺制御MPU4140aは、5つの演出E11〜E15のうちの任意の演出を実現することができる。すなわち、主制御基板4100からの同じ演出コマンドに応じて、周辺制御MPU4140aが、5つの演出E11〜E15のうちのいずれの演出を実現するのかを決定してもよい(例えば、周辺制御MPU4140aは、乱数を用いた抽選によって演出を選択してもよい)。このように、周辺制御MPU4140aが、主制御基板4100の代わりに、演出の詳細な制御を担うことができるので、主制御基板4100の負担を軽減することができる。この結果、主制御基板4100の誤動作(例えば、抽選の誤動作)の可能性を低減できる。ただし、5つの演出E11〜E15のうちのいずれの演出を実現するのかが、主制御基板4100からの演出コマンドによって決定されていてもよい。
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、図238に示す演出例を実現可能であってもよい。この場合も、パチンコ遊技機1は、図237の演出例で説明した種々の利点を、得ることができる。
例えば、周辺制御MPU4140aは、3種類(シーケンスSE11、SE12、SE13)の演出のいずれかで演出を開始し得るので、遊技者は、演出の開始時に、どのような演出が始まるのかという期待感を持って、演出を観察することができる。
さらに、周辺制御MPU4140aは、第4演出E14と第5演出E15とを実現可能である。演出の導入部分として、期待度の低い第1演出E11と同じ内容の演出が実現された場合であっても、その後に、期待度の高い第2演出E12と同じ内容の演出に移行して高い期待度が示唆される可能性がある。従って、期待度の低い第1演出E11と同じ内容の演出が始まった場合であっても、第4演出E14と第5演出E15との少なくとも一方を知っている遊技者は、演出の途中で期待度の高い演出に移行するかもしれない、という期待感を持つことが出来る。このように、遊技者の期待感が損なわれる可能性を低減できる。
また、このような第4演出E14と第5演出E15とは、第1演出E11と第2演出E12と第3演出E13とを流用することによって、実現可能である。従って、図237の第3演出E3を実装する場合と同様に、設計者の負担増を抑制しつつ、演出のバリエーションを増やすことができる。
なお、液晶制御ROM4150bは、3つの演出E11、E12、E13のそれぞれを表すスケジュールデータを、予め格納してよい。液晶制御ROM4150bは、さらに、第4演出E14を表すスケジュールデータを、予め格納してよい(第4演出E14を表すスケジュールデータは、図237の第3演出E3を表すスケジュールデータと同様に、準備可能である)。この代わりに、周辺制御基板4010は、3つの演出E11、E12、E13のそれぞれを表すスケジュールデータを参照することによって、第4演出E14を実現してもよい(この場合には、周辺制御基板4010は、3つの演出E11、E12、E13のそれぞれを表すスケジュールデータを利用して、第4演出E14を表すスケジュールデータを準備している、ということができる)。第5演出E15を表すスケジュールデータに関しても、第4演出E14を表すスケジュールデータと同様である。
以上、図237、図238を参照して種々の演出について説明したが、本実施形態のパチンコ遊技機1は、図237、図238で説明した演出に限らず、本明細書で説明されている種々の演出を実現可能である。ここで、各演出が実現される確率(例えば、その演出に対応付けられた変動表示パターンの選択率)は、以下のように構成されている。すなわち、或る演出によって示唆される期待度が高いほど、その演出が実現される確率(例えば、その演出に対応する変動表示パターンの選択率)が低くなるように、主基板4000と周辺制御基板4010とが構成されていることが好ましい。例えば、図237に示す演出例においては、高期待演出E2が実現される確率が低期待演出E1が実現される確率よりも低く、さらに、組合せ演出E3が実現される確率が高期待演出E2が実現される確率よりも低くてよい。
[5.本実施形態から抽出される態様(技術思想)]
以下、本実施形態を種々の観点から見ることによって抽出される種々の技術思想について説明する。
[操作ユニットを用いた遊技演出に着目することによって抽出される技術思想]
本実施形態を「操作ユニットを用いた遊技演出(例えば、図213〜図230で説明された演出例)を実現する」という観点から見ることによって、以下のような態様(技術思想)を抽出することができる。
[態様1]
遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域の後端を区画し、前後方向へ貫通した開口部を有する板状の遊技パネルと、
該遊技パネルの後側に配置されると共に、前記開口部を通して遊技者側から視認可能に配置され、所定の画像を表示可能な演出表示手段と、
前記遊技パネルの前面で前記遊技領域内の所定位置に配置され、遊技媒体を受入可能とされた始動口と、
該始動口への遊技媒体の受入れに応じて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段によって抽選された前記抽選結果を所定時間かけて遊技者に示唆する抽選演出画像を前記演出表示手段に表示させる抽選結果示唆手段と、
該抽選結果示唆手段によって前記演出表示手段に特定の抽選結果が示唆されると、遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
該有利遊技状態発生手段による有利遊技状態の発生中、又は、前記抽選結果示唆手段による前記抽選結果の示唆中を含む前記抽選結果示唆手段で前記抽選結果の示唆を開始することができない時に、前記始動口への遊技媒体の受入れに応じて前記抽選手段で抽選された前記抽選結果の示唆を、前記抽選結果示唆手段で示唆の開始が可能となるまで所定数保留する保留手段と、
該保留手段によって保留された前記抽選結果の保留数を前記演出表示手段に表示させる保留数表示手段と、
前記遊技パネルと前記演出表示手段との間に配置され、前記抽選結果に応じて前記演出表示手段の前面の少なくとも一部を被覆可能とされた可動体と、
該可動体よりも前側に配置され、前記保留手段で保留された前記抽選結果の前記保留数を表示する保留数表示器と、
該保留数表示器の前面を遊技者側から視認不能に被覆し、透光性を有した装飾部材とを具備することを特徴とする遊技機。
本実施形態の遊技盤4の表ユニット2000における第一始動口2101及び第二始動口2102は上記態様1の始動口に、本実施形態におけるセンター役物2500のチャンス入口2513は上記態様1の進入口に、本実施形態のチャンス出口2514は上記態様1の放出口に、本実施形態のステージ背後装飾部材2600における背後飾り部材2602は上記態様1の装飾部材に、本実施形態の保留表示基板2603は上記態様1の保留数表示器に、本実施形態における保留表示基板2603のLED2603aは上記態様1の発光部に、夫々相当している。
また、本実施形態の裏ユニット3000における裏左可動演出ユニット3200の裏左可動装飾体3210、裏上中可動演出ユニット3300の裏上中可動装飾体3330、裏上サイド可動演出ユニット3400の裏上サイド可動装飾体3410、裏下可動演出ユニット3500の裏下可動装飾体3510は、上記態様1の可動体に相当している。また、本実施形態における第一当り判定用乱数抽出手段4507、第一当り図柄用乱数抽出手段4508、第一変動時間用乱数抽出手段4509、第二当り判定用乱数抽出手段4525、第二当り図柄用乱数抽出手段4526、第二変動時間用乱数抽出手段4527は、上記態様1の抽選手段に相当している。
更に、本実施形態における第一有利遊技状態制御手段4542、第二有利遊技状態制御手段4543、第三有利遊技状態制御手段4544、第四有利遊技状態制御手段4545、第五有利遊技状態制御手段4546は、上記態様1の有利遊技状態発生手段に相当している。また、本実施形態における第一演出表示制御手段4565、第二演出表示制御手段4571は、上記態様1の抽選結果示唆手段に相当している。更に、本実施形態における始動口入賞処理S20及び変動開始処理S30(図193乃至図195を参照)には、上記態様1の保留手段及び保留数表示手段が含まれている。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、裏ユニット3000の裏下可動装飾体3510よりも前側でセンター役物2500のチャンス入口2513の近傍(左右両側)に、保留された特別抽選結果の保留数を表示する保留表示基板2603と、保留表示基板2603の前面を被覆する背後飾り部材2602とを備えているので、ステージ2510上に遊技球が供給された際に、遊技者がチャンス入口2513を注目することで背後飾り部材2602を通して保留表示基板2603による保留数の表示の存在に気付かせることが可能となり、液晶表示装置1900の前面へ移動した裏下可動装飾体3510によって液晶表示装置1900に表示された保留数が遊技者側から見えなくなっても、透光性を有した背後飾り部材2602を通して保留表示基板2603に表示された保留数を認識させることができ、保留された次の特別抽選結果に対して期待感を抱かせることができると共に、前側に配置された背後飾り部材2602により保留表示基板2603を目立ち難くすることができ、遊技者を裏下可動装飾体3510の動き(可動演出)や演出画像等に専念させることができる。従って、遊技者に対して特別抽選結果の保留数を認識させると共に、演出画像や可動演出を充分に楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、液晶表示装置1900と保留表示基板2603の両方に特別抽選結果の保留数を表示させると共に、保留表示基板2603の前面に背後飾り部材2602を配置して隠すようにしているので、遊技者によっては液晶表示装置1900に表示された保留数と背後飾り部材2602を通して表示された保留表示基板2603による表示との関連性に気が付いて、液晶表示装置1900による表示とは別に保留数が表示されているのを認識することが可能となり、保留表示基板2603による保留数の表示が隠された裏技のようなものを知見したように思わせて得した気分にさせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、特別抽選結果に応じて液晶表示装置1900の前面の一部を裏下可動装飾体3510によって被覆するようにしている、つまり、特別抽選結果に応じて裏下可動装飾体3510を液晶表示装置1900の前面へ移動させるようにしているので、液晶表示装置1900に表示された演出画像や保留数等を遮ることで裏下可動装飾体3510を目立たせることができ、遊技者を驚かせて興趣が低下するのを抑制することができる。また、裏下可動装飾体3510を液晶表示装置1900の前面へ移動させることで遊技領域1100内の見た目の雰囲気を大きく変化させることができるので、遊技者の関心を強く引付けることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることができる。
更に、特別抽選結果に応じて裏下可動装飾体3510を液晶表示装置1900の前面へ移動させて液晶表示装置1900に表示された保留数が見えなくなっても、背後飾り部材2602を介して保留表示基板2603に表示された保留数を遊技者に認識させることができるので、液晶表示装置1900の前面へ移動する裏下可動装飾体3510の移動範囲を可及的に広くしたり、裏下可動装飾体3510を大型化したりすることができ、裏下可動装飾体3510による可動演出をより楽しませることが可能なパチンコ機1とすることができると共に、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上述したように、特別抽選結果に応じて裏下可動装飾体3510等を液晶表示装置1900の前面へ移動させるようにしており、裏下可動装飾体3510を目立たせて遊技者の関心を強く裏下可動装飾体3510に引付けることができるので、少なくとも裏下可動装飾体3510による可動演出中は遊技者の保留数に対する関心を低下させることができ、裏下可動装飾体3510によって液晶表示装置1900に表示された保留数が見えなくなっても遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、枠内を通して液晶表示装置1900が視認できるセンター役物2500のステージ2510におけるチャンス入口2513の近傍に保留表示基板2603及び背後飾り部材2602を備えるようにしており、蓋然的に、液晶表示装置1900と保留表示基板2603とを可及的に接近させることができるので、液晶表示装置1900に注目した遊技者の視野内に保留表示基板2603(背後飾り部材2602)を位置させることができ、遊技者が抽選された特別抽選結果に応じて液晶表示装置1900に表示された演出画像や、液晶表示装置1900の前面で移動する裏下可動装飾体3510等に注目しても保留表示基板2603に表示された保留数を認識させることができる。従って、無用な視線移動を可及的に少なくすることができ、早期に眼球疲労等が発生してしまうのを低減させることができると共に、演出画像や可動演出を確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、保留表示基板2603における点状に発光するLED2603aの発光数によって保留数を表示させるようにしているので、発光しているLED2603aの数により遊技者に対して保留数を容易に認識させることができると共に、保留表示基板2603による保留数の表示を目立ち難くすることができるので、遊技者を液晶表示装置1900による演出画像や裏下可動装飾体3510等による可動演出等に専念させ易くすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、LED2603aの発光する数によって保留数を表示しているので、保留表示基板2603の前面を被覆する背後飾り部材2602に任意の色を使用することができ、背後飾り部材2602による装飾効果を確実に発揮させることができる。
また、液晶表示装置1900と保留表示基板2603の両方に特別抽選結果の保留数を表示させると共に、保留表示基板2603の前面に背後飾り部材2602を配置して隠すようにしているので、保留表示基板2603による表示が目立ち難くなり遊技者に対して背後飾り部材2602が単に発光装飾しているように錯覚させることができ、保留表示基板2603及び背後飾り部材2602を一つの発光装飾体として遊技者を楽しませることができる。
また、液晶表示装置1900で特別抽選結果を表示中や大当り遊技等の有利遊技状態の発生中等に、始動口2101,2102へ遊技球が受入れられて新たな特別抽選結果が抽選されても、その特別抽選結果の示唆を開始することができない場合に、特別抽選結果の示唆が開始できるまで特別抽選結果の示唆の開始を保留するようにしているので、始動口2101,2102へ遊技球が受入れられたにも関わらず特別抽選結果が廃棄されて遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。また、保留された特別抽選結果の数(保留数)を液晶表示装置1900等に表示させるようにしているので、特別抽選結果の示唆中や有利遊技状態の発生中でも、始動口2101,2102への遊技球の受入れに基づく特別抽選結果が保留されているのを確認させて、保留された次の特別抽選結果に対する期待感を抱かせることができ、遊技者の興趣を維持させることができる。
以上、「操作ユニットを用いた遊技演出(例えば、図213〜図230で説明された演出例)を実現する」という観点から抽出された態様について説明したが、この観点からは、これらの態様に限らず、他の種々の態様を抽出可能である。また、上述の種々の態様あるいは態様の一部の構成を、本明細書で説明されている他の態様と組み合わせてもよい。また、抽出された態様あるいは態様の一部の構成は、他の種々の態様、演出例(あるいは、種々の演出例を実現するという観点から抽出される態様)に適用してもよい。
[変動表示パターンの候補に着目することによって抽出される技術思想]
本実施形態を「変動表示パターンの候補を変更する(例えば、図231〜図236の制御例)」という観点から見ることによって、以下のような態様(技術思想)を抽出することができる。
[態様2]
遊技機であって
遊技の進行によって抽選の契機が発生した場合に、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段による前記抽選の結果が当選である場合に、遊技状態を変更し得る遊技状態変更手段と、
画像を用いて表示演出を実行可能な表示手段と、
前記抽選のそれぞれに関して前記表示手段を利用して行われる表示演出の少なくとも演出時間を特定する変動表示パターンを、前記変動表示パターンの候補を定める変動表示パターン候補情報を参照して決定する変動表示パターン決定手段と、
前記変動表示パターン決定手段によって決定された変動表示パターンに従って、前記表示手段を利用した表示演出を実現する演出制御手段と、
第1変動表示パターン候補情報と、前記第1変動表示パターン候補情報とは異なる第2変動表示パターン候補情報と、を含む複数の変動表示パターン候補情報の中から、前記変動表示パターン決定手段によって参照される変動表示パターン候補情報を決定する候補情報決定手段と、
を備え、
前記候補情報決定手段は、
前記遊技状態変更手段によって前記遊技状態が変更されていないにも拘わらずに、前記変動表示パターン決定手段によって参照される変動表示パターン候補情報を、前記第1変動表示パターン候補情報とは異なる他の変動表示パターン候補情報から前記第1変動表示パターン候補情報に切り替える第1情報決定手段と、
前記遊技状態変更手段によって前記遊技状態が変更されていないにも拘わらずに、前記変動表示パターン決定手段によって参照される変動表示パターン候補情報を、前記第1変動表示パターン候補情報から前記第2変動表示パターン候補情報に切り替える第2情報決定手段と、
を含む、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、遊技状態が変わっていないにも関わらずに、変動表示パターン決定手段によって参照される変動表示パターン候補情報が、第1情報決定手段によって第1変動表示パターン候補情報に変更され、そして、第2情報決定手段によって第1変動表示パターン候補情報から第2変動表示パターン候補情報に変更される。従って、連続する複数回の表示演出の全体を通して、第1変動表示パターン候補情報に応じて決定された表示演出と、第2変動表示パターン候補情報に応じて決定された表示演出とが実現され得る。このように、複数回の表示演出に亘る各表示演出の時間を、変動表示パターン候補情報を切り替えることによってコントロールすることができる。その結果、表示演出が散漫に感じられる可能性を低減し、遊技者による遊技意欲の減退を抑制できる。
なお、「遊技状態が変わる」とは、遊技者に特典を付与する動作(例えば、大入賞口の開放)状態に移行すること、上記抽選の当選確率が変化すること、および、遊技媒体を受け入れることによって上記抽選の契機が発生する受入口を備えている場合に、受入口による遊技媒体の受け入れの容易さを変更させる制御がなされること、などの態様を含む。また、「第1変動表示パターン候補情報とは異なる第2変動表示パターン候補情報」とは、第2変動表示パターン候補情報が有する変動表示パターンと、第1変動表示パターン候補情報が有する変動表示パターンとを比較した場合に、少なくとも一部が異なっている態様をいう。
[態様3]
態様2に記載の遊技機であって、
前記第2情報決定手段は、参照される変動表示パターン候補情報が前記第1情報決定手段によって前記第1変動表示パターン候補情報に変更されてから所定回数の抽選の契機が発生したことに応じて、続く抽選の契機に応じて実現される演出のために参照される変動表示パターン候補情報を前記第2変動表示パターン候補情報に変更する、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、所定回数の抽選の契機の発生に応じて、確実に、参照される変動表示パターン候補情報を、第1変動表示パターン候補情報から第2変動表示パターン候補情報に変更することができる。すなわち、第1変動表示パターン候補情報に基づく表示演出を上記所定回数実行後、第2変動表示パターン候補情報に基づく表示演出を実行することができる。この場合、例えば、第1変動表示パターン候補情報中の変動表示パターンの平均演出時間が、第2変動表示パターン候補情報中の変動表示パターンの平均演出時間よりも短く設定されていれば、第1変動表示パターン候補情報に基づく表示演出を素早く所定回数実行した後、第2変動表示パターン候補情報に基づく表示演出を実行することによって第2変動表示パターン候補情報に基づく表示演出を強調することができる。このように、複数回の表示演出に亘って、表示演出が散漫に感じられる可能性を適切に低減し、遊技者による遊技意欲の減退を抑制できる。
[態様4]
態様2または態様3に記載の遊技機であって、
前記候補情報決定手段は、さらに、
前記遊技状態変更手段によって前記遊技状態が変更されていないにも関わらずに、前記変動表示パターン決定手段によって参照される変動表示パターン候補情報を、前記第2変動表示パターン候補情報から前記第1変動表示パターン候補情報に復帰させる情報復帰手段を含む、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、参照される変動表示パターン候補情報が第1変動表示パターン候補情報から第2変動表示パターン候補情報に変更された後に、再び、参照される変動表示パターン候補情報が第2変動表示パターン候補情報から第1変動表示パターン候補情報に復帰する。この結果、第1変動表示パターン候補情報と第2変動表示パターン候補情報とのうちの1つの変動表示パターン候補情報が過剰に長い期間に亘って連続して参照され続けることを抑制しつつ、第1変動表示パターン候補情報と第2変動表示パターン候補情報との間の変更によって、複数回の表示演出に亘る各演出の時間を、適切にコントロールすることができる。その結果、表示演出が散漫に感じられる可能性を低減し、遊技者による遊技意欲の減退を抑制できる。
[態様5]
態様2ないし態様4のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技媒体を受け入れることによって前記抽選の契機が発生する受入口と、
前記受入口による前記遊技媒体の受け入れの容易さを変更可能な可動部材であって、第1動作態様と、前記第1動作態様と比べて前記受入口による前記遊技媒体の受け入れが容易な第2動作態様と、で動作可能な可動部材と、
を備え、
前記第1情報決定手段と前記第2情報決定手段とは、前記可動部材が前記第2動作態様で動作している状態で、前記変動表示パターン候補情報の変更を行う、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、変動表示パターン候補情報の変更が、可動部材によって受入口への遊技媒体の受け入れが容易となっている状態で行われるので、抽選の契機が発生せずに表示演出と表示演出との間の待ち時間が過剰に長くなる可能性を低減できる。その結果、第1変動表示パターン候補情報と第2変動表示パターン候補情報とによって定められる演出時間に従って連続的に複数回の表示演出が実現されるので、表示演出が散漫に感じられる可能性を低減し、遊技者による遊技意欲の減退を抑制できる。
上述した変動表示パターンテーブル選択特別処理(図231〜図236)の制御例において制御を行う主制御MPU4100aは、上記態様2〜態様5における抽選手段、遊技状態変更手段、変動表示パターン決定手段、および、候補情報決定手段に対応する。上述した変動表示パターンテーブル選択特別処理(図231〜図236)の制御例において制御を行う周辺制御MPU4140aは、態様2〜態様5における演出制御手段に対応する。また、上述した変動表示パターンテーブル選択特別処理(図231〜図236)の制御例における液晶表示装置1900は、態様2〜態様5における表示手段に対応する。
以上、「変動表示パターンの候補を変更する(例えば、図231〜図236の制御例)」という観点から抽出された態様について説明したが、この観点からは、これらの態様に限らず、他の種々の態様を抽出可能である。また、上述の種々の態様あるいは態様の一部の構成を、本明細書で説明されている他の態様と組み合わせてもよい。また、抽出された態様あるいは態様の一部の構成は、他の種々の演出例(あるいは、種々の演出例を実現するという観点から抽出される態様)に適用してもよい。
[複数の演出と、それらの間を移行する演出とに着目することによって抽出される技術思想]
本実施形態を「複数の演出と、それらの間を移行する演出(例えば、図237の演出例や図238の演出例)を実現する」という観点から見ることによって、以下のような態様(技術思想)を抽出することができる。
[態様6]
遊技機であって、
遊技の進行によって抽選の契機が発生した場合に、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
画像を表示可能な表示手段と、
前記抽選のそれぞれに関して、前記表示手段を利用して演出を実現する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記特典が付与される可能性が比較的低いことを示唆する低期待演出と、
前記低期待演出とは異なるとともに、前記低期待演出が実現された場合と比べて前記特典が付与される可能性が比較的高いことを示唆する演出であって、前記低期待演出と演出時間が同じである同時間高期待演出と、
を実現可能であり、
前記演出制御手段は、さらに、
前記低期待演出が実現された場合と比べて、前記特典が付与される可能性が比較的高いことを示唆する演出であって、前記低期待演出および前記同時間高期待演出と演出時間が同じであり、さらに、演出の開始から途中経過時間までは前記低期待演出と同じ内容の演出が実現され、続けて、前記同時間高期待演出における前記途中経過時間から実現される演出部分と同じ内容の演出が実現される、途中移行演出を実現可能である、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、演出制御手段によって、低期待演出と同時間高期待演出(特典が付与される期待度は低期待演出よりも高く、演出時間は低期待演出と同じ)とが実現される。このように、低期待演出に加えて同時間高期待演出が実現され得るので、演出の開始時に、遊技者は、どのような演出が始まるのか(例えば、低期待演出あるいは同時間高期待演出)という期待感を持って、演出を観察することができる。この結果、遊技者は、抽選の契機が発生する毎に、強い興味を持って演出を楽しむことができる。
さらに、演出制御手段は、途中移行演出(特典が付与される期待度は低期待演出よりも高く、演出時間は低期待演出および同時間高期待演出と同じ)を実現可能である。途中移行演出では、演出の開始から途中経過時間までは低期待演出と同じ内容の演出が実現され、続けて、同時間高期待演出における途中経過時間から実現される演出部分と同じ内容の演出が実現される。このように、演出の導入部分として低期待演出と同じ内容の演出が実現された場合であっても、その後に、演出が同時間高期待演出と同じ内容の演出に移行して高期待度が示唆される可能性がある。その結果、遊技者の演出に対する興味を向上できる。
また、上記構成の遊技機では、低期待演出と同時間高期待演出との2つの演出、すなわち、途中で移行したりしない2つの演出が実装された上で、さらに、途中移行演出が実装されるので、途中移行演出を観察した遊技者は、演出が移行するとは予想していない状態で、演出が移行する様子を観察することになる。このように、意図せずに演出が移行するので、遊技者は、演出の観察によって驚きを楽しむことができる。なお、遊技機で実現される演出としては、演出の途中で、複数の分岐先候補のうちの1つに分岐する分岐演出が知られている。しかし、このような分岐演出では、演出が分岐することが予め分かっているので、上記構成の遊技機のような驚きを遊技者に提供することができない。さらに、上記構成の遊技機では、移行先の演出は、低期待演出よりも期待度の高い同時間高期待演出と同じ演出である。このように、演出によって示唆される期待度が演出の移行によって高くなるので、遊技者は、分岐演出では味わうことのできない驚きと嬉しさとを味わうことができる。また、このように演出の途中で別の演出に移行するように見える演出(同時間高期待演出)を実現することによって、遊技者は、同時間高期待演出とは異なる演出が実現されている場合にも、「もしかしたら他の演出に移行するかもしれない」という期待感を抱きながら、演出を楽しむこともできる。分岐演出が実現された場合に演出が分岐するような遊技機では、分岐演出が実現された場合に限って期待感を向上できたのに対して、上記構成の遊技機では、様々な演出が実現された場合にも期待感を向上することが可能となる。
また、上述したように、途中移行演出は、低期待演出と同時間高期待演出とを流用することによって実現可能である。その結果、演出の開始から終了までを新たに準備せずに、新しい演出(途中移行演出)を実現できるので、設計者の負担増を抑制することができる。
以上により、設計者の負担増を抑制しつつ、特典が付与される期待度の示唆を通じて遊技者の興味を向上できる。
[態様7]
態様6に記載の遊技機であって、
前記同時間高期待演出では、演出の開始から前記途中経過時間までの演出として、前記低期待演出と前記途中移行演出とのいずれでも実現されない演出が実現され、前記途中経過時間からは、前記途中移行演出における前記途中経過時間から実現される演出部分と同じ内容の演出が実現される、
遊技機。
同時間高期待演出は、低期待演出と途中移行演出とのいずれでも実現されない演出で始まるので、低期待演出と同時間高期待演出と途中移行演出とを知っている遊技者は、演出の開始時に、「低期待演出と途中移行演出とに共通な演出と、同時間高期待演出とのいずれの演出が実現されるのか」という強い期待感をもって演出を観察することができ、さらに、低期待演出と同じ内容の演出が始まった場合には、遊技者は、「低期待演出と途中移行演出のいずれの演出が実現されるのか」という強い期待感をもって演出を観察することができる。このように、設計者の負担増を抑制しつつ、特典が付与される期待度の示唆を通じて遊技者の興味を向上できる。
[態様8]
態様6または態様7に記載の遊技機であって、
さらに、遊技者によって操作され得る操作部材を含み、
前記演出制御手段は、前記途中移行演出において、前記操作部材の操作を促す演出を実現し、遊技者による前記操作部材の操作に応じて、前記低期待演出と同じ内容の演出から前記同時間高期待演出と同じ内容の演出に移行する、
遊技機。
この構成によれば、遊技者の操作に応じて演出が移行するので、遊技者の演出に対する参加意欲を向上することができる。この結果、遊技者の演出に対する興味を向上できる。
また、図237、図238に示す演出例では、周辺制御基板4010は、遊技者による押圧操作部405の操作に応じて演出を移行しているが、押圧操作部405が操作されなかった場合には、演出を移行させずに、実現中の演出(現行の演出)に沿って演出を最後まで進行させてよい。また、押圧操作部405が操作されなかった場合には、周辺制御基板4010は、後の所定の経過時間において、自動的に演出を移行してもよい。このような押圧操作部405の操作を受け付ける期間は、演出の途中の予め決められた期間であってよい。また、遊技者によって操作され得る操作部材は、押圧操作部405のようなボタンに限らず、レバーやダイヤル等の、遊技者によって操作され得る任意の操作部材であってよい。また、周辺制御基板4010は、押圧操作部405の操作の有無に拘わらずに自動的に演出を移行してもよい。自動的な演出の移行は、所定の経過時間Tで行われてよい。
また、図237に示す演出例を実現するパチンコ遊技機1を、上述の態様6〜8に照らしてみた場合には、以下のように、パチンコ遊技機1の要素を、態様6〜8の要素に対応付けることができる。すなわち、主制御基板4100における大当り判定用乱数と大当り図柄用乱数を取得して抽選を行う機能を実現する部分が「抽選手段」に対応し、液晶表示装置1900が「表示手段」に対応し、主基板4000と周辺制御基板4010とにおける液晶表示装置1900を利用して演出を実現する機能を実現する部分が「演出制御手段」に対応する。そして、第1演出E1(低期待演出E1)が「低期待演出」に対応し、第2演出E2(高期待演出E2)が「同時間高期待演出」に対応し、第3演出E3が「途中移行演出」に対応する。そして、押圧操作部405が「操作部材」に対応し、操作促進表示Zdpが「操作部材の操作を促す演出」に対応する。
さらに、図238に示す演出例を実現するパチンコ遊技機1を、上述の態様6〜8に照らしてみた場合には、以下のように、パチンコ遊技機1の要素を、態様6〜8の要素に対応付けることができる。すなわち、「抽選手段」と、「表示手段」と、「演出制御手段」と、「操作部材」と、「操作部材の操作を促す演出」とのそれぞれに対応する要素は、図237の演出例を実現するパチンコ遊技機1における対応する要素と同じである。そして、第1演出E11が「低期待演出」に対応し、第2演出E12が「同時間高期待演出」に対応する。また、第4演出E14と第5演出E15とのそれぞれは「途中移行演出」に対応する。なお、途中移行演出(例えば、図238の第4演出E14)が実現された場合には、同時間高期待演出(例えば、図238の第2演出E12)と同じ内容の演出の途中で、更に別の演出に移行してもよく、同時間高期待演出と同じ内容の演出が最後まで実現されてもよい。
また、同じ観点からは、以下のような態様(技術思想)を抽出することができる。
[態様9]
遊技機であって、
遊技の進行によって抽選の契機が発生した場合に、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
画像を表示可能な表示手段と、
前記抽選のそれぞれに関して前記表示手段を利用して実現される演出の時間を決定する演出時間決定手段と、
前記演出時間決定手段によって決定された前記演出の時間に従って、前記表示手段を利用して演出を実現する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出時間が同じ特定の時間であるN個(Nは2以上の整数)の演出であって、前記特典が付与される可能性が比較的低いことを示唆する低期待演出と、前記低期待演出が実現された場合と比べて前記特典が付与される可能性が比較的高いことを示唆する高期待演出と、を含む、N個の演出を実現可能であり、
前記演出時間決定手段によって前記演出時間が前記特定の時間に決定された場合には、前記N個の演出に限らず、前記N個の演出と、前記N個の演出のうちの前記低期待演出と前記高期待演出とを含むM個(Mは2以上、かつ、N以下の整数)の演出の間で演出が移り変わっていくように見せることで1つの演出を表現する第1転移演出と、の中から選択された演出を実現可能であり、
前記第1転移演出では、前記M個の演出から選択された1つの演出と同じ内容の演出の実現を開始し、演出の開始から終了までの経過時間の途中において、実現中の演出である現行演出から他の演出に転移するように見せる処理である転移処理をM−1回以上行うことによって、前記M個の演出を組み合わせた前記第1転移演出を実現し、
前記転移処理においては、前記他の演出の開始から終了までの経過時間における前記転移が行われる経過時間に続く演出部分と同じ内容の演出を実現することによって、前記現行演出から前記他の演出への前記転移を行う、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、演出制御手段は、N個の演出に加えて、M個の演出の間で演出が移り変わっていくように見せる演出である第1転移演出を実現する。従って、設計者は、N個分の演出を流用することによって、第1転移演出を実装することができるので、設計者の負担増を抑制することができる。また、N個の演出と第1転移演出との制御は、抽選手段および演出時間決定手段の代わりに、演出制御手段によって行われるので、抽選手段および演出時間決定手段の処理が過剰に複雑になる可能性を低減できる。その結果、抽選手段および演出時間決定手段の誤動作の可能性を低減できる。また、N個の演出は、特典が付与される可能性が比較的低いことを示唆する低期待演出と、低期待演出が実現された場合と比べて特典が付与される可能性が比較的高いことを示唆する高期待演出と、を含むので、遊技者は、どの演出が始まるのかという期待感を持って、演出を楽しむことができる。また、第1転移演出では、演出の開始から終了までの経過時間の途中で、実現中の現行演出から他の演出に転移するように見える。従って、特典付与の可能性の低い演出(例えば、低期待演出)が始まった場合であっても、演出が終了する前に、他の演出(例えば、高期待演出)に転移する可能性があるので、遊技者は、期待感を失わずに、演出を楽しむことができる。また、演出制御手段は、演出時間決定手段によって演出時間が特定の時間に決定された場合に、上述したようなM個の演出と第1転移演出とを実現し得る。従って、抽選手段および演出時間決定手段に大きな負担を掛けずに、種々の演出を実現することができる。以上により、設計者の負担増を抑制しつつ、演出に対する遊技者の興味を向上できる。また、抽選手段および演出時間決定手段の負担を軽減できるので、抽選手段および演出時間決定手段(例えば、主制御基板4100)の誤動作の可能性を低減できる。
[態様10]
態様9に記載の遊技機であって、
前記低期待演出の一部と同じ内容の演出に加えて前記高期待演出の一部と同じ内容の演出が実現される前記第1転移演出によって示唆される前記特典が付与される可能性は、前記低期待演出によって示唆される前記可能性と比べて、高い
遊技機。
この構成によれば、低期待演出と同じ内容の演出が始まった場合に、演出が終了する前に高期待演出に転移すれば、特典が付与される可能性が高まるので、低期待演出と同じ内容の演出が始まった場合であっても、遊技者は、期待感を失わずに、演出を楽しむことができる。
[態様11]
態様9または態様10に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、さらに、
前記N個の演出のうちのL個(Lは2以上、かつ、N以下の整数)の演出の間で演出が移り変わっていくように見せることで1つの演出を表現する第2転移演出を実現可能であり、
前記第2転移演出では、前記L個の演出から選択された1つの演出と同じ内容の演出の実現を開始し、演出の開始から終了までの経過時間の途中において、実現中の演出である現行演出から他の演出に転移するように見せる処理である前記転移処理をL−1回以上行うことによって、前記L個の演出を組み合わせた前記第2転移演出を実現する、
遊技機。
この構成によれば、N個の演出を流用することによって、複数の転移演出を実装することができるので、設計者の負担増を効果的に抑制することができる。そして、実現され得る演出のパターンの数を増やすことができるので、演出に対する遊技者の興味を向上させることができる。
[態様12]
態様9ないし態様11のいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記N個の演出を表すデータを格納するメモリと、
前記メモリに格納されたN個の演出を表すデータを利用して前記転移演出を表すデータを準備する転移演出データ準備部と、
を含む、
遊技機。
この構成によれば、転移演出を表すデータを予めメモリに格納しなくてもよいので、メモリの容量が過剰に大きくなる可能性を低減できる。特に、近年では、種々の動画像を表す演出が実現されるので、1つの演出を表すデータの容量が膨大となることが多い。上記構成によれば、転移演出を表すデータを予めメモリに格納しなくてもよいので、メモリ容量を節約する効果が顕著である。
なお、図237に示す演出例を実現するパチンコ遊技機1を、上述の態様9〜12に照らしてみた場合には、以下のように、パチンコ遊技機1の要素を、態様9〜12の要素に対応付けることができる。すなわち、主制御基板4100における大当り判定用乱数と大当り図柄用乱数を取得して抽選を行う機能を実現する部分が「抽選手段」に対応し、液晶表示装置1900が「表示手段」に対応し、主制御基板4100によって決定される変動時間が「演出の時間」に対応し、主制御基板4100における変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)を取得して変動時間を決定する部分が「演出時間決定手段」に対応し、周辺制御基板4010における、演出時間決定手段によって決定された演出の時間に従って、表示手段を利用して演出を実現する部分が「演出制御手段」に対応する。そして、第1演出E1と第2演出E2とがN個(ここでは、N=2)の演出に対応し、第1演出E1(低期待演出E1)が「低期待演出」に対応し、第2演出E2(高期待演出E2)が「高期待演出」に対応する。また、第3演出E3が「第1転移演出」に対応する。ここで、第1演出E1と第2演出E2とがM個(ここでは、M=2)の演出に対応する。また、スケジュールデータを格納する液晶制御ROM4150bが「N個の演出を表すデータを格納するメモリ」に対応し、周辺制御基板4010における、メモリに格納されたN個の演出を表すデータを利用して転移演出を表すデータを準備する機能を実現する部分が「転移演出データ準備部」に対応する。
さらに、図238に示す演出例を実現するパチンコ遊技機1を、上述の態様9に照らしてみた場合には、以下のように、パチンコ遊技機1の要素を、態様9の要素に対応付けることができる。すなわち、「抽選手段」と、「表示手段」と、「演出の時間」と、「演出時間決定手段」と、「演出制御手段」と、「N個の演出を表すデータを格納するメモリ」と、「転移演出データ準備部」と、のそれぞれに対応する要素は、図237の演出例を実現するパチンコ遊技機1における対応する要素と同じである。さらに、第1演出E11と第2演出E12と第3演出E13とがN個(ここでは、N=3)の演出に対応する。
また、「低期待演出」と「高期待演出」とについては、以下のように複数のケースが考えられる。
ケースA)第1演出E11が「低期待演出」に対応し、第2演出E12が「高期待演出」に対応すると考えることができる。
ケースB)第1演出E11が「低期待演出」に対応し、第3演出E13が「高期待演出」に対応すると考えることができる。
ケースC)第2演出E12が「低期待演出」に対応し、第3演出E13が「高期待演出」に対応すると考えることができる。
ケースAに着目すると、第4演出E14が「第1転移演出」に対応し(ここでは、M=3)、第5演出E15が「第2転移演出」に対応する(ここでは、L=2)と考えることができる。この代わりに、第5演出E15が「第1転移演出」に対応し(ここでは、M=2)、第4演出E14が「第2転移演出」に対応する(ここでは、L=3)と考えることもできる。
ケースBまたはケースCに着目すると、第4演出E14が「第1転移演出」に対応し(ここでは、M=3)、第5演出E15が「第2転移演出」に対応する(ここでは、L=2)と考えることができる。
なお、演出の数Nは、2または3に限らず、4以上であってよい。いずれの場合も、「低期待演出」と「高期待演出」との組み合わせの総数は、1であってよく、2以上の任意の複数であってもよい。また、「第1転移演出」は、N個の演出のうちの「低期待演出」と「高期待演出」とを含む任意のM個(Mは2以上N以下の整数)の演出を組み合わせた演出であってよい。「第2転移演出」は、N個の演出のうちのL個(Lは2以上N以下の整数)の演出を組み合わせた演出であってよい。ここで、「第2転移演出」に組み合わされる演出は、低期待演出を含んでもよく、含まなくてもよい。また、「第2転移演出」に組み合わされる演出は、「高期待演出」を含んでも良く、含まなくてもよい。ここで、周辺制御基板4010は、実現中の現行の演出から他の演出への移行を、移行時の経過時間Tを基準に、行ってよい。すなわち、周辺制御基板4010は、移行先の演出における経過時間Tからの部分を実現すればよい。また、第1転移演出において、M個の演出のうちの或る演出が、複数回に亘って実現されてもよい。第2転移演出においても、L個の演出のうちの或る演出が、複数回に亘って実現されてもよい。例えば、図238の演出例では、第5演出E15において、第1演出E11と同じ内容の演出が2回に亘って実現されている。
以上、「複数の演出と、それらの間を移行する演出(例えば、図237の演出例や図238の演出例)を実現する」という観点から抽出された態様について説明したが、この観点からは、これらの態様に限らず、他の種々の態様を抽出可能である。また、上述の種々の態様あるいは態様の一部の構成を、本明細書で説明されている他の態様と組み合わせてもよい。また、抽出された態様あるいは態様の一部の構成は、他の種々の演出例(あるいは、種々の演出例を実現するという観点から抽出される態様)に適用してもよい。
[本実施形態から抽出される他の技術思想]
本実施形態からは、以下のような態様(技術思想)を抽出することもできる。
態様13:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域の後端を区画し、前後方向へ貫通した開口部を有する板状の遊技パネルと、
該遊技パネルの後側に配置されると共に、前記開口部を通して遊技者側から視認可能に配置され、所定の画像を表示可能な演出表示手段と、
前記遊技パネルの前面で前記遊技領域内の所定位置に配置され、遊技媒体を受入可能とされた始動口と、
該始動口への遊技媒体の受入れに応じて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段によって抽選された前記抽選結果を所定時間かけて遊技者に示唆する抽選演出画像を前記演出表示手段に表示させる抽選結果示唆手段と、
該抽選結果示唆手段によって前記演出表示手段に特定の抽選結果が示唆されると、遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
該有利遊技状態発生手段による有利遊技状態の発生中、又は、前記抽選結果示唆手段による前記抽選結果の示唆中を含む前記抽選結果示唆手段で前記抽選結果の示唆を開始することができない時に、前記始動口への遊技媒体の受入れに応じて前記抽選手段で抽選された前記抽選結果の示唆を、前記抽選結果示唆手段で示唆の開始が可能となるまで所定数保留する保留手段と、
該保留手段によって保留された前記抽選結果の保留数を前記演出表示手段に表示させる保留数表示手段と、
前記遊技パネルと前記演出表示手段との間に配置され、前記抽選結果に応じて前記演出表示手段の前面の少なくとも一部を被覆可能とされた可動体と、
該可動体よりも前側に配置され、前記保留手段で保留された前記抽選結果の前記保留数を表示する保留数表示器と、
該保留数表示器の前面を遊技者側から視認不能に被覆し、透光性を有した装飾部材とを具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、板状の「遊技パネル」としては、「合板(例えば、ベニア板)」、「集成材」、「金属板」、等の不透明なもの、或いは、「アクリル樹脂板」、「ポリカーボネイト樹脂板」、「ABS樹脂板」、「ポリプロピレン板」、「ポリアリレート樹脂板」、「メタクリル樹脂板」、「ガラス板」、等の透明なもの、等が挙げられる。なお、実質的な遊技パネルの厚さとしては、遊技媒体の外形よりも大きい厚さとすることが望ましい。
また、「演出表示手段」としては、「液晶表示装置」、「EL表示装置」、「プラズマ表示装置」、「CRT」、「レーザーディスプレイ」、等が挙げられる。なお、液晶表示装置等のような薄型の表示手段を用いることが望ましく、遊技機の奥行方向を相対的に広く取ることが可能となり、遊技パネルと演出表示手段との間を相対的に広くすることができ、可動体等を配置し易くすることができる。
更に、「始動口」としては、「常時遊技媒体を受入可能とされたもの」、「遊技媒体の受入確率が変化するもの(可変始動口)」、「所定条件を充足(例えば、スルーチャッカー等の遊技領域内における特定領域を遊技媒体が通過)すると遊技媒体が受入可能となるもの」、「遊技領域内に配置されているもの」、「枠状のセンター役物における供給された遊技媒体が左右方向へ転動した後に遊技領域内へ放出されるステージ上に配置されているもの」、等が挙げられる。
また、抽選手段の「抽選結果」の具体的な構成としては、「抽出した乱数」、「抽出した乱数を用いて所定のテーブル(例えば、変動パターンテーブル、当落パターンテーブル、等)から選択されたもの」、等が挙げられる。なお、「抽選結果」として、「有利遊技状態が発生する抽選結果が抽選される抽選確率が通常の確率の抽選結果」、「有利遊技状態が発生する抽選結果が抽選される抽選確率が通常よりも高確率の抽選結果(特定抽選結果)」、「有利遊技状態が発生する抽選結果(特別抽選結果)」、等が挙げられる。
更に、「抽選結果示唆手段」としては、「複数の図柄からなる複数の図柄列を変動表示させた後に順次停止表示させ、停止表示された複数の各図柄列における図柄の組合せによって抽選結果を示唆するもの」、「所定配列された複数の発光手段を夫々点滅させた上で、各発光手段を所定のパターンで点灯又は消灯し、点灯する発光手段の配列によって抽選結果を示唆するもの」、「当りやハズレ等の抽選結果を示唆する文字を有した複数の絵柄を変動表示させ、抽選結果に応じて該当する文字を有した絵柄で停止表示させることで抽選結果を示唆するもの」、等が挙げられる。
また、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味するものであり、以下のような種々の状態を例示できる。「(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される受入口(入賞口)を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させたりして、遊技媒体(遊技球)が多量に受入口に進入し易くした状態(所謂「大当り」遊技状態)」。」、「(2)パチンコ等の遊技機において、大当りに関する抽選の当選確率を通常よりも高確率として、大当り遊技状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。」、「(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体の受入れ(入賞)や通過により大当り遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の抽選始動装置を、通常よりも遊技媒体が進入し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。」、「(4)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う態様にてリールが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。」、「(5)パチスロ機等の遊技機において、次回以降のゲーム状態をボーナスゲーム状態にさせるための条件であるボーナス図柄にてリールを停止可能とした状態、所謂「ボーナス成立状態」。」、「(6)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲーム数の間、役を成立させるためのリールの停止順序や図柄を案内する等して、役の成立を手助けする状態、所謂「アシストゲーム状態」。」、「(7)パチスロ機等の遊技機において、ボーナスゲーム状態、ボーナス成立状態、アシストゲーム状態等の特典状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。」、等が挙げられる。
また、「抽選結果の示唆を開始することができない状態」としては、「抽選結果の示唆中」、「有利遊技状態の発生中」、「演出表示手段に特別の演出画像を表示中」、等が挙げられる。
更に、「可動体」としては、「遊技機のコンセプトに沿った所定のアイテムを立体的に造形したもの」、「遊技機のコンセプトに沿った所定のキャラクタを立体的に造形したもの」、等が挙げられる。また、可動体を一つのみとしても良いし、可動体を複数としても良い。更に、可動体に発光手段を備えて発光装飾可能としても良い。更に、可動体の動きとしては、「直線的に移動可能とされたもの」、「回動可能とされたもの」、等が挙げられる。
また、「保留数表示器」としては、「点状に発光可能な複数の発光部を有し、発光部の発光数によって保留数を表示するもの」、「7セグメントLEDを備え、保留数を数字や文字で表示するもの」、「任意の色に発光可能な発光部を備え、発光部の発光する色によって保留数を表示するもの」、等が挙げられる。また、「装飾部材」としては、「遊技機のコンセプトに沿った所定のアイテムを造形したもの」、「遊技機のコンセプトに沿った所定のキャラクタを造形したもの」、「所定の模様を造形したもの」、等が挙げられる。
態様13の構成によると、遊技機に、遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、遊技領域の後端を区画し、前後方向へ貫通した開口部を有する板状の遊技パネルと、遊技パネルの後側に配置されると共に開口部を通して遊技者側から視認可能に配置され、所定の画像を表示可能な演出表示手段と、遊技パネルの前面で遊技領域内の所定位置に配置され遊技媒体を受入可能とされた始動口と、始動口への遊技媒体の受入れに応じて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、抽選手段によって抽選された抽選結果を所定時間かけて遊技者に示唆する抽選演出画像を演出表示手段に表示させる抽選結果示唆手段と、抽選結果示唆手段によって演出表示手段に特定の抽選結果が示唆されると、遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、有利遊技状態発生手段による有利遊技状態の発生中、又は、抽選結果示唆手段による抽選結果の示唆中を含む抽選結果示唆手段で抽選結果の示唆を開始することができない時に、始動口への遊技媒体の受入れに応じて抽選手段で抽選された抽選結果の示唆を、抽選結果示唆手段で示唆の開始が可能となるまで所定数保留する保留手段と、保留手段によって保留された抽選結果の保留数を演出表示手段に表示させる保留数表示手段と、遊技パネルと演出表示手段との間に配置され、抽選結果に応じて演出表示手段の前面の少なくとも一部を被覆可能とされた可動体と、可動体よりも前側に配置され保留手段で保留された抽選結果の保留数を表示する保留数表示器と、保留数表示器の前面を遊技者側から視認不能に被覆し透光性を有した装飾部材と、を具備させるようにしたものである。
これにより、遊技者の操作によって遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が始動口に受入れられると、抽選手段によって所定の抽選結果が抽選された後に、演出表示手段に抽選演出画像を表示させて遊技者に対して抽選された抽選結果を所定時間かけて示唆し、特定の抽選結果が示唆されると、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、役物入賞口や大入賞口等の入賞口への受入機会が多くなる「大当り」遊技、等)が発生し、遊技者をより楽しませることができると共に、始動口を狙った遊技媒体の打込操作をさせて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、抽選結果示唆手段で抽選結果を示唆中や有利遊技状態の発生中等に、始動口へ遊技媒体が受入れられて新たな抽選結果が抽選されても、その抽選結果の示唆を開始することができないので、抽選結果保留手段によって抽選結果の示唆が開始できるまで抽選結果の示唆を各始動口に応じて夫々所定保留数まで保留することができ、始動口へ遊技媒体が受入れられたにも関わらず抽選結果が廃棄されて遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。更に、抽選結果保留手段で保留された抽選結果の数(保留数)を保留数表示手段により演出表示手段に表示させるようにしているので、抽選結果の示唆中や有利遊技状態の発生中でも、始動口への遊技媒体の受入れに基づく抽選結果が保留されているのを確認させて、保留された次の抽選結果に対する期待感を抱かせることができ、遊技者の興趣を維持させることができる。また、遊技パネルと演出表示手段との間に配置された可動体が、抽選結果に応じて(抽選結果の示唆の途中で)演出表示手段の少なくとも一部を被覆するように演出表示手段の前面へ移動(出現)するので、可動体の動きによって遊技者を楽しませることができると共に、可動体の出現により遊技者に対して良い抽選結果が抽選されたのではないかと思わせることができ、抽選結果に対する期待感を高めることができる。また、可動体よりも前側に保留された抽選結果の保留数を表示する保留数表示器と、保留数表示器を被覆する装飾部材とを備えているので、演出表示手段の前面へ移動した可動体によって演出表示手段に表示された保留数が遊技者側から見えなくなっても、透光性を有した装飾部材を通して保留数表示器に表示された保留数を認識させることができ、保留された次の抽選結果に対して期待感を抱かせることができると共に、前側に配置された装飾部材により保留数表示器を目立ち難くすることができ、遊技者を可動体の動き(可動演出)や演出画像等に専念させることができる。従って、遊技者に対して抽選結果の保留数を認識させると共に、演出画像や可動演出を充分に楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能な遊技機とすることができる。
また、演出表示手段と保留数表示器の両方に抽選結果の保留数を表示させると共に、保留数表示器の前面に装飾部材を配置して隠すようにしているので、遊技者によっては演出表示手段に表示された保留数と装飾部材を通して表示された保留数表示器による表示との関連性に気が付いて、演出表示手段による表示とは別に保留数が表示されているのを認識することが可能となり、保留数表示器による保留数の表示が隠された裏技のようなものを知見したように思わせて得した気分にさせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出表示手段と保留数表示器の両方に抽選結果の保留数を表示させると共に、保留数表示器の前面に装飾部材を配置して隠すようにしているので、保留数表示器による表示が目立ち難くなり遊技者に対して装飾部材が単に発光装飾しているように錯覚させることができ、保留数表示器及び装飾部材を一つの発光装飾体として遊技者を楽しませることができる。
また、抽選結果に応じて演出表示手段の前面の少なくとも一部を可動体によって被覆するようにしている、つまり、抽選結果に応じて可動体を演出表示手段の前面へ移動させるようにしているので、演出表示手段に表示された演出画像や保留数等を遮ることで可動体を目立たせることができ、遊技者を驚かせて興趣が低下するのを抑制することができる。また、可動体を演出表示手段の前面へ移動させることで遊技領域内の見た目の雰囲気を大きく変化させることができるので、遊技者の関心を強く引付けることができ、他の遊技機との差別化を図ることができる。
更に、抽選結果に応じて可動体を演出表示手段の前面へ移動させて演出表示手段に表示された保留数が見えなくなっても、装飾部材を介して保留数表示器に表示された保留数を遊技者に認識させることができるので、演出表示手段の前面へ移動する可動体の移動範囲を可及的に広くしたり、可動体を大型化したりすることができ、可動体による可動演出をより楽しませることが可能な遊技機とすることができると共に、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上述したように、抽選結果に応じて可動体を演出表示装置の前面へ移動させるようにしており、可動体を目立たせて遊技者の関心を強く可動体に引付けることができるので、少なくとも可動体による可動演出中は遊技者の保留数に対する関心を低下させることができ、可動体によって演出表示手段に表示された保留数が見えなくなっても遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、始動口への遊技媒体の受入れに応じて所定数の遊技媒体を払出すようにすると共に、始動口の他に遊技領域内に遊技媒体の受入れによって遊技媒体を払出す各種の入賞口を備えるようにすることが望ましく、これにより、遊技者に対して始動口や入賞口等を狙った遊技媒体の打込操作を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、枠内を通して演出表示手段が視認することができるセンター役物を備えると共に、センター役物に保留数表示器及び装飾部材を備えるようにしても良く、これにより、蓋然的に、演出表示手段と保留数表示器とを可及的に接近させることができるので、演出表示手段に注目した遊技者の視野内に保留数表示器(装飾部材)を位置させることができ、遊技者が抽選された抽選結果に応じて演出表示手段に表示された演出画像(抽選演出画像)や、演出表示手段の前面で移動する可動体に注目しても保留数表示器に表示された保留数を認識させることができる。従って、無用な視線移動を可及的に少なくすることができ、早期に眼球疲労等が発生してしまうのを低減させることができると共に、演出画像や可動演出を確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、保留数表示器に点状に発光する発光部を備えた上で、発光部の発光数によって保留数を表示させるようにしても良く、これにより、発光している発光部の数により遊技者に対して保留数を容易に認識させることができる他に、保留数表示器による保留数の表示を目立ち難くすることができるので、遊技者を演出表示手段による演出画像や可動体による可動演出等に専念させ易くすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができると共に、保留数表示器の前面を被覆する装飾部材に任意の色を使用することができ、装飾部材による装飾効果を確実に発揮させることができる。
また、遊技領域内の所定位置から供給された遊技媒体を左右方向へ転動させた後に始動口の上側に還流(放出)させるステージを備えると共に、ステージの近傍に保留数表示器を配置するようにしても良く、これにより、ステージ上から遊技領域内に還流された遊技媒体を高い確率で始動口へ受入れさせることができるので、ステージ上を転動する遊技媒体に対して遊技者を注目させて装飾部材を通して保留数表示器に表示された保留数を認識させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機とすることができると共に、始動口へ受入れられる可能性の高いステージ上の位置から遊技媒体が遊技領域内へ還流されるか否かで遊技者をワクワクさせることができ、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
態様14:態様13の構成において、
「前記遊技パネルの前記開口部に前側から挿入されると共に枠状に形成され、枠内を通して後側に配置された前記演出表示手段が視認可能とされたセンター役物を更に具備し、
該センター役物に前記保留数表示器及び前記装飾部材が備えられている」ものであることを特徴とする。
ここで、「センター役物」としては、「遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が供給可能とされ、供給された遊技媒体を左右方向へ転動させた後に始動口の上側へ放出するステージを備えたもの」、「遊技状態に応じて開閉可能とされた進入口(例えば、役物入賞口)と、進入口から進入した遊技媒体が受入可能とされ遊技媒体の受入れにより有利遊技状態を発生させる特別受入口(例えば、V入賞口)と、を備えたもの」、等が挙げられる。
ところで、始動口への遊技媒体の受入れにより抽選された抽選結果の保留数を表示する保留数表示器を、抽選結果を示唆するための抽選演出画像を表示する演出表示手段から離れた位置に配置した場合、遊技者が抽選演出画像に注目すると、保留表示器に表示された保留数が視野に入り難くなるので、遊技者によっては保留数が気になることで演出表示手段(抽選演出画像)と保留数表示器(保留数)との間で交互に視線を移動させるようになり、早期に眼球疲労等が発生したり、抽選演出画像を充分に楽しめなくなったりして興趣を低下させてしまう虞がある。
態様14の構成によると、遊技機に、遊技パネルの開口部に前側から挿入されると共に枠状に形成され、枠内を通して後側に配置された演出表示手段が視認可能とされたセンター役物を更に備えた上で、センター役物に保留数表示器及び装飾部材を備えるようにしたものである。
これにより、演出表示手段が枠内を通して視認することができるセンター役物に上述した保留数表示器及び装飾部材を備えるようにしており、蓋然的に、演出表示手段と保留数表示器とを可及的に接近させることができるので、演出表示手段に注目した遊技者の視野内に保留数表示器(装飾部材)を位置させることができ、遊技者が抽選された抽選結果に応じて演出表示手段に表示された演出画像(抽選演出画像)や、演出表示手段の前面で移動する可動体に注目しても保留数表示器に表示された保留数を認識させることができる。従って、無用な視線移動を可及的に少なくすることができ、早期に眼球疲労等が発生してしまうのを低減させることができると共に、演出画像や可動演出を確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技領域内に枠内を通して演出表示手段が視認可能とされたセンター役物を備えるようにしているので、抽選結果に応じて可動体を演出表示手段の前面の少なくとも一部を被覆するように移動させると、可動体がセンター役物の枠内に出現するような動きをすることとなり、可動体の出現によって遊技者を驚かせて可動体へ注目させることができ、可動体の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、枠状のセンター役物を備えているので、従来のセンター役物を備えた遊技機と似たような雰囲気の遊技機とすることができ、従来の遊技機を見慣れた遊技者に違和感を与えて敬遠されてしまうのを抑制することができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。
態様15:態様13又は態様14の構成において、
「前記保留数表示器は、
点状に発光可能な複数の発光部を有し、
前記保留数と同じ数の前記発光部を発光させることで前記保留数を表示する」ものであることを特徴とする。
また、「発光部」としては、「LED」、「白熱電球」、「蛍光灯」、「ネオン管」、「冷陰極管」、「有機EL」、等が挙げられる。
ところで、保留数表示器として、数字や文字等で保留数を表示するようにした場合、表示された数字や文字等によって遊技者が直接的に保留数を認識することができるので、透光性を有した装飾部材を通して見ても保留数表示器による表示が目立ち易くなり、遊技者によっては保留数の表示が気になって演出画像や可動演出を充分に楽しむことができなくなってしまう虞があった。
また、保留数表示器として発光する色によって保留数を表示させるようにした場合、発光する色と対応した保留数を遊技者が覚える必要があり、遊技者によっては覚えるのが煩わしくなり、保留数表示器の表示による保留数を把握することができずに遊技に対する興趣を低下させてしまう虞がある。また、保留数表示器の発光色によって保留数を表示するようにした場合、保留数表示器を被覆する装飾部材を任意の色に着色すると、装飾部材を通して遊技者側から見える保留数表示器の発光色が実際の発光色とは異なった色に見えてしまう問題が発生するので、遊技者に対して正確に保留数を認識させることができなくなったり、装飾部材の色に制約が発生して装飾部材の装飾効果を充分に発揮させることができなくなったりする虞がある。
態様15の構成によると、保留数表示器に、点状に発光可能な複数の発光部を備えた上で、保留数と同じ数の発光部を発光させることで保留数を表示させるようにしたものである。
これにより、保留数表示器における点状に発光する発光部の発光数によって保留数を表示させるようにしているので、発光している発光部の数により遊技者に対して保留数を容易に認識させることができると共に、保留数表示器による保留数の表示を目立ち難くすることができるので、遊技者を演出表示手段による演出画像や可動体による可動演出等に専念させ易くすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、発光部の発光する数によって保留数を表示しているので、保留数表示器の前面を被覆する装飾部材に任意の色を使用することができ、装飾部材による装飾効果を確実に発揮させることができる。
また、保留数表示器による保留数の表示を発光する発光部の数によって表示するようにしているので、例えば、保留している抽選結果の内容の違い(例えば、有利遊技状態の発生する可能性の違い、有利遊技状態が発生する特定の抽選結果が抽選される確率を高くするか否かの違い、抽選結果を示唆する所定時間を短くするか否かの違い、等)に応じて発光色を異ならせるようにしても良く、これにより、保留数表示器の表示によって遊技者に認識させることができる情報量を多くすることができ、保留された抽選結果に対する期待感を高めて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
態様16:態様13から態様15までの何れか一つの構成において、
「前記遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が供給可能とされ、供給された遊技媒体を左右方向へ転動させた後に前記始動口の上側の前記遊技領域内へ還流可能とされたステージを更に具備し、
該ステージの近傍に前記保留数表示器が備えられている」ものであることを特徴とする。
態様16の構成によると、遊技機に、遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が供給可能とされ、供給された遊技媒体を左右方向へ転動させた後に始動口の上側の遊技領域内へ還流可能とされたステージを更に具備させた上で、ステージの近傍に保留数表示器を備えるようにしたものである。
これにより、供給された遊技媒体を左右方向へ転動させた後に始動口の上側に還流(放出)させるステージを備えるようにしており、ステージ上から遊技領域内に還流された遊技媒体を高い確率で始動口へ受入れさせることができるので、ステージ上を転動する遊技媒体に対して遊技者を注目させることができ、遊技媒体の動きを楽しませることができると共に、始動口へ受入れられる可能性の高い位置から遊技媒体が遊技領域内へ還流されるか否かで遊技者をワクワクさせることができ、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ステージの近傍に保留数表示器を備えるようにしているので、ステージ上に遊技媒体が供給されると、上述したように、遊技者がステージ上の遊技媒体を注目することとなり、装飾部材を通して保留数表示器に表示された保留数を認識させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機とすることができる。
更に、ステージ上から遊技媒体が遊技領域内へ還流されると始動口へ受入れられる可能性が高いので、遊技者に対してステージ上へ遊技媒体が供給されるように遊技媒体の打込操作を行わせることができ、遊技媒体の打込操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技媒体を左右方向へ転動可能とされたステージを備えているので、ステージを備えた従来の遊技機と似たような感じの遊技機とすることができ、従来の遊技機を見慣れた遊技者に対して違和感を与えて敬遠してしまうのを抑制することができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くして本遊技機で遊技させることができる。
態様17:態様16の構成において、
「前記ステージの所定位置から遊技媒体が進入可能とされた進入口と、
該進入口へ進入した遊技媒体を前記遊技領域内へ放出し、前記ステージよりも下側で且つ前記始動口の直上に開口した放出口とを更に具備し、
前記進入口の近傍に前記保留数表示器が備えられている」ものであることを特徴とする。
ここで、「進入口」としては、「ステージの後端に配置され前方へ向かって開口したもの」、「ステージの後端に配置され上方へ向かって開口したもの」、「ステージ上に配置された上方へ向かって開口したもの」、等が挙げられる。
態様17の構成によると、遊技機に、ステージの所定位置から遊技媒体が進入可能とされた進入口と、進入口へ進入した遊技媒体を遊技領域内へ放出しステージよりも下側で且つ始動口の直上に開口した放出口と、を更に具備させた上で、進入口の近傍に保留数表示器を備えるようにしたものである。
これにより、ステージ上に供給された遊技媒体がステージ上の所定位置から進入口へ進入すると、始動口の直上に開口した放出口から遊技領域内へ放出されるので、遊技媒体を極めて高い確率で始動口へ受入れさせることができ、ステージ上を転動する遊技媒体が進入口へ進入するか否かで遊技者をワクワクさせて遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、遊技媒体がステージ上を転動すると遊技者が進入口を注目することとなり、進入口の近傍に配置された保留数表示器による保留数の表示に気付かせ易くすることができるので、抽選結果に応じて可動体が移動して演出表示手段に表示された保留数が見えなくなっても保留数を認識させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
態様18:態様16又は態様17の構成において、
「前記ステージが、前記センター役物に備えられていると共に、
前記始動口が、前記センター役物よりも下側の前記遊技領域内に配置されている」ものであることを特徴とする。
態様18の構成によると、ステージをセンター役物に備えと共に、始動口をセンター役物よりも下側の遊技領域内に配置したものである。
これにより、センター役物にステージを備えると共にセンター役物(ステージ)の下側に始動口を配置しているので、センター役物にステージを備えた従来の遊技機と似たような感じの遊技となり、従来の遊技機を見慣れた遊技者に対して違和感を与えてしまうのを抑制することができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができると共に、センター役物の枠内を通して視認可能とされた演出表示手段に対して正面視で可及的に近い位置に保留数表示器が配置されることとなり、可動体によって演出表示手段表示された保留数が見えなくなっても保留数表示器による保留数の表示を認識させることができ、上記の作用効果を奏することが可能な遊技機を確実に具現化することができる。
態様19:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域の後端を区画し、前後方向へ貫通した開口部を有する板状の遊技パネルと、
該遊技パネルの前記開口部に前側から挿入されると共に枠状に形成されたセンター役物と、
該センター役物の枠内を通して遊技者側から視認可能に配置されると共に、前記遊技パネルの後側に配置され、所定の画像を表示可能な演出表示手段と、
前記遊技パネルの前面且つ前記センター役物よりも下側の前記遊技領域内の所定位置に配置され、遊技媒体を受入可能とされた始動口と、
該始動口への遊技媒体の受入れに応じて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段によって抽選された前記抽選結果を所定時間かけて遊技者に示唆する抽選演出画像を前記演出表示手段に表示させる抽選結果示唆手段と、
該抽選結果示唆手段によって前記演出表示手段に特定の抽選結果が示唆されると、遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
該有利遊技状態発生手段による有利遊技状態の発生中、又は、前記抽選結果示唆手段による前記抽選結果の示唆中を含む前記抽選結果示唆手段で前記抽選結果の示唆を開始することができない時に、前記始動口への遊技媒体の受入れに応じて前記抽選手段で抽選された前記抽選結果の示唆を、前記抽選結果示唆手段で示唆の開始が可能となるまで所定数保留する保留手段と、
該保留手段によって保留された前記抽選結果の保留数を前記演出表示手段に表示させる保留数表示手段と、
前記センター役物に備えられ、前記遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が供給可能とされると共に、供給された遊技媒体を左右方向へ転動させた後に前記始動口の上側の前記遊技領域内へ還流可能とされたステージと、
該ステージの所定位置から遊技媒体が進入可能とされた進入口と、
該進入口へ進入した遊技媒体を前記遊技領域内へ放出し、前記ステージよりも下側で且つ前記始動口の直上に開口した放出口と、
該放出口、前記進入口、及び前記ステージよりも後側で前記遊技パネルと前記演出表示手段との間に配置され、前記抽選結果に応じて前記演出表示手段の前面の少なくとも一部を被覆可能とされた可動体と、
該可動体よりも前側で前記進入口の近傍に配置され、点状に発光可能な複数の発光部を有し、前記保留手段で保留された前記抽選結果の前記保留数と同じ数の前記発光部を発光させることで前記保留数を表示する保留数表示器と、
該保留数表示器の前面を遊技者側から視認不能に被覆すると共に前記センター役物に備えられ、透光性を有した装飾部材とを具備する」ものであることを特徴とする。
態様19の構成によると、遊技機に、遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、遊技領域の後端を区画し前後方向へ貫通した開口部を有する板状の遊技パネルと、遊技パネルの開口部に前側から挿入されると共に枠状に形成されたセンター役物と、センター役物の枠内を通して遊技者側から視認可能に配置されると共に遊技パネルの後側に配置され、所定の画像を表示可能な演出表示手段と、遊技パネルの前面且つセンター役物よりも下側の遊技領域内の所定位置に配置され遊技媒体を受入可能とされた始動口と、始動口への遊技媒体の受入れに応じて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、抽選手段によって抽選された抽選結果を所定時間かけて遊技者に示唆する抽選演出画像を演出表示手段に表示させる抽選結果示唆手段と、抽選結果示唆手段によって演出表示手段に特定の抽選結果が示唆されると、遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、有利遊技状態発生手段による有利遊技状態の発生中、又は、抽選結果示唆手段による抽選結果の示唆中を含む抽選結果示唆手段で抽選結果の示唆を開始することができない時に、始動口への遊技媒体の受入れに応じて抽選手段で抽選された抽選結果の示唆を、抽選結果示唆手段で示唆の開始が可能となるまで所定数保留する保留手段と、保留手段によって保留された抽選結果の保留数を演出表示手段に表示させる保留数表示手段と、センター役物に備えられ、遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が供給可能とされると共に供給された遊技媒体を左右方向へ転動させた後に始動口の上側の前記遊技領域内へ還流可能とされたステージと、ステージの所定位置から遊技媒体が進入可能とされた進入口と、進入口へ進入した遊技媒体を遊技領域内へ放出しステージよりも下側で且つ始動口の直上に開口した放出口と、放出口、進入口、及びステージよりも後側で遊技パネルと演出表示手段との間に配置され、抽選結果に応じて演出表示手段の前面の少なくとも一部を被覆可能とされた可動体と、可動体よりも前側で進入口の近傍に配置され、点状に発光可能な複数の発光部を有し保留手段で保留された抽選結果の保留数と同じ数の発光部を発光させることで保留数を表示する保留数表示器と、保留数表示器の前面を遊技者側から視認不能に被覆すると共にセンター役物に備えられ透光性を有した装飾部材と、を具備させるようにしたものである。
これにより、遊技者の操作によって遊技領域内へ打ち込まれた遊技媒体が、センター役物におけるステージ上へ供給されると供給された遊技媒体がステージ上を左右方向へ転動することとなり、ステージ上の所定位置から遊技媒体が進入口へ進入すると、始動口の直上に開口した放出口から遊技領域内へ放出されるので、遊技媒体を極めて高い確率で始動口へ受入れさせることができ、ステージ上を転動する遊技媒体が進入口へ進入するか否かで遊技者をワクワクさせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。一方、ステージ上の遊技媒体が進入口へ進入しなかった場合でも、ステージ上に供給された遊技媒体が始動口の上側へ還流されるので、始動口へ受入れられる可能性の高いステージ上の位置から遊技媒体が遊技領域内へ還流されるか否かで遊技者をワクワクさせることができる。また、遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体がセンター役物のステージ上へ供給されなかった場合でも、センター役物の下側へ流下することで始動口へ受入れられる可能性があり、遊技者に期待感を抱かせて興趣が低下するのを抑制することができる。そして、遊技媒体が始動口に受入れられると、抽選手段によって所定の抽選結果が抽選された後に、演出表示手段に抽選演出画像を表示させて遊技者に対して抽選された抽選結果を所定時間かけて示唆し、特定の抽選結果が示唆された場合、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、役物入賞口や大入賞口等の入賞口への受入機会が多くなる「大当り」遊技、等)が発生し、遊技者をより楽しませることができると共に、始動口を狙った遊技媒体の打込操作をさせて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、抽選結果示唆手段で抽選結果を示唆中や有利遊技状態の発生中等に、始動口へ遊技媒体が受入れられて新たな抽選結果が抽選されても、その抽選結果の示唆を開始することができないので、抽選結果保留手段によって抽選結果の示唆が開始できるまで抽選結果の示唆を各始動口に応じて夫々所定保留数まで保留することができ、始動口へ遊技媒体が受入れられたにも関わらず抽選結果が廃棄されて遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。更に、抽選結果保留手段で保留された抽選結果の数(保留数)を保留数表示手段により演出表示手段に表示させるようにしているので、抽選結果の示唆中や有利遊技状態の発生中でも、始動口への遊技媒体の受入れに基づく抽選結果が保留されているのを確認させて、保留された次の抽選結果に対する期待感を抱かせることができ、遊技者の興趣を維持させることができる。また、遊技パネルと演出表示手段との間に配置された可動体が、抽選結果に応じて(抽選結果の示唆の途中で)演出表示手段の少なくとも一部を被覆するように演出表示手段の前面へ移動(出現)するので、可動体の動きによって遊技者を楽しませることができると共に、可動体の出現により遊技者に対して良い抽選結果が抽選されたのではないかと思わせることができ、抽選結果に対する期待感を高めることができる。なお、可動体よりも前側で進入口の近傍に、保留された抽選結果の保留数を表示する保留数表示器と、保留数表示器を被覆する装飾部材とを備えているので、ステージ上に遊技媒体が供給された際に、遊技者が進入口を注目することで装飾部材を通して保留数表示器による保留数の表示の存在に気付かせることが可能となり、演出表示手段の前面へ移動した可動体によって演出表示手段に表示された保留数が遊技者側から見えなくなっても、透光性を有した装飾部材を通して保留数表示器に表示された保留数を認識させることができ、保留された次の抽選結果に対して期待感を抱かせることができると共に、前側に配置された装飾部材により保留数表示器を目立ち難くすることができ、遊技者を可動体の動き(可動演出)や演出画像等に専念させることができる。従って、遊技者に対して抽選結果の保留数を認識させると共に、演出画像や可動演出を充分に楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能な遊技機とすることができる。
また、演出表示手段と保留数表示器の両方に抽選結果の保留数を表示させると共に、保留数表示器の前面に装飾部材を配置して隠すようにしているので、遊技者によっては演出表示手段に表示された保留数と装飾部材を通して表示された保留数表示器による表示との関連性に気が付いて、演出表示手段による表示とは別に保留数が表示されているのを認識することが可能となり、保留数表示器による保留数の表示が隠された裏技のようなものを知見したように思わせて得した気分にさせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、抽選結果に応じて演出表示手段の前面の少なくとも一部を可動体によって被覆するようにしている、つまり、抽選結果に応じて可動体を演出表示手段の前面へ移動させるようにしているので、演出表示手段に表示された演出画像や保留数等を遮ることで可動体を目立たせることができ、遊技者を驚かせて興趣が低下するのを抑制することができる。また、可動体を演出表示手段の前面へ移動させることで遊技領域内の見た目の雰囲気を大きく変化させることができるので、遊技者の関心を強く引付けることができ、他の遊技機との差別化を図ることができる。
更に、抽選結果に応じて可動体を演出表示手段の前面へ移動させて演出表示手段に表示された保留数が見えなくなっても、装飾部材を介して保留数表示器に表示された保留数を遊技者に認識させることができるので、演出表示手段の前面へ移動する可動体の移動範囲を可及的に広くしたり、可動体を大型化したりすることができ、可動体による可動演出をより楽しませることが可能な遊技機とすることができると共に、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上述したように、抽選結果に応じて可動体を演出表示装置の前面へ移動させるようにしており、可動体を目立たせて遊技者の関心を強く可動体に引付けることができるので、少なくとも可動体による可動演出中は遊技者の保留数に対する関心を低下させることができ、可動体によって演出表示手段に表示された保留数が見えなくなっても遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、枠内を通して演出表示手段が視認できるセンター役物のステージにおける進入口の近傍に保留数表示器及び装飾部材を備えるようにしており、蓋然的に、演出表示手段と保留数表示器とを可及的に接近させることができるので、演出表示手段に注目した遊技者の視野内に保留数表示器(装飾部材)を位置させることができ、遊技者が抽選された抽選結果に応じて演出表示手段に表示された演出画像(抽選演出画像)や、演出表示手段の前面で移動する可動体に注目しても保留数表示器に表示された保留数を認識させることができる。従って、無用な視線移動を可及的に少なくすることができ、早期に眼球疲労等が発生してしまうのを低減させることができると共に、演出画像や可動演出を確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、保留数表示器における点状に発光する発光部の発光数によって保留数を表示させるようにしているので、発光している発光部の数により遊技者に対して保留数を容易に認識させることができると共に、保留数表示器による保留数の表示を目立ち難くすることができるので、遊技者を演出表示手段による演出画像や可動体による可動演出等に専念させ易くすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、発光部の発光する数によって保留数を表示しているので、保留数表示器の前面を被覆する装飾部材に任意の色を使用することができ、装飾部材による装飾効果を確実に発揮させることができる。
また、演出表示手段と保留数表示器の両方に抽選結果の保留数を表示させると共に、保留数表示器の前面に装飾部材を配置して隠すようにしているので、保留数表示器による表示が目立ち難くなり遊技者に対して装飾部材が単に発光装飾しているように錯覚させることができ、保留数表示器及び装飾部材を一つの発光装飾体として遊技者を楽しませることができる。
態様20:態様13から態様19の何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
態様20の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
態様21:態様13から態様19までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合せが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
態様21の構成によると、パチスロ機において、上述した態様のいずれかの作用効果を奏することができる。
態様22:態様13から態様19までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合せが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
態様22の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した態様のいずれかの作用効果を奏することができる。
以上、本実施形態から抽出される種々の態様について説明したが、それらの態様あるいは態様の一部の構成を、本明細書で説明されている他の態様と組み合わせてもよい。また、抽出された態様あるいは態様の一部の構成は、他の種々の態様、演出例(あるいは、種々の演出例を実現するという観点から抽出される態様)に適用してもよい。
以上、種々の観点から抽出される種々の態様(技術思想)について説明したが、上述の種々の態様あるいは態様の一部の構成を、本明細書で説明されている他の態様と組み合わせてもよい。また、上述の種々の態様で説明されている構成や変形を、本明細書で説明されている他の態様に適用してもよい。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。