JP6188465B2 - 筋緊張亢進改善薬 - Google Patents

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Description

本発明は、筋緊張亢進改善薬に関し、より詳細にはA型ボツリヌス毒素を含有する筋緊張亢進改善薬に関する。
嫌気性のグラム陽性菌であるクロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)が産生するボツリヌス毒素は地球上で最も致死性の高い神経毒素の一つであり、これまでに血清型A、B、C、D、E、FおよびGの7種のボツリヌス菌由来の神経毒素とその特性が明らかにされている。これらはそれぞれ血清型に特異的な中和抗体で識別される。ボツリヌス毒素の血清型の違いにより、それらが影響する動物類、誘発される麻痺の重症度および持続期間等が異なる。ボツリヌス毒素の活性中心蛋白質の分子量は、既知のボツリヌス毒素血清型の7つ全てにおいて約150kDa神経毒素(NTX)である。
全てのボツリヌス毒素はボツリヌス菌から産生される場合、関係する無毒蛋白質と結合した複合体の分子形態をとる。A型ボツリヌス毒素は、900kDa(LL毒素)、500kDa(L毒素)、または300kDa(M毒素)の分子形態として、ボツリヌス菌から産生される(図1;WO2008/050866の図より引用)。これらボツリヌス毒素は、アルカリ条件下(pH約7.2以上)でNTXとNTNHの部分(無毒非HAである蛋白質)が解離するため、この性質を利用することで、150kDaのNTX(神経毒素が活性を有する中心の蛋白質、S毒素とも呼ばれる。)のみを単離することができる。これら、LL毒素、L毒素、M毒素は、ボツリヌス毒素複合体、プロジェニター毒素などと呼ばれている。これらボツリヌス毒素は、小腸上部で吸収された場合には、リンパ管内で無毒蛋白質と神経毒素に解離する。解離した神経毒素は、その重鎖C末端側で神経終末の受容体に結合し、受容体を介して取り込まれる。その後、軽鎖のもつ亜鉛メタロエンドペプチダーゼ活性により神経シナプス前膜の蛋白質を特異的に切断し、カルシウム依存性のアセチルコリンの放出を阻害して、シナプスでの神経伝達を遮断する(非特許文献1)。
ボツリヌス毒素は、ボツリヌス中毒においては全身の神経伝達を遮断してヒトを死に至らしめる毒素ではあるが、逆にその活性を積極的に利用して、有用な神経筋伝達阻害剤として利用されている。特に、異常な筋緊張性亢進を来たす疾患、例えばジストニアの患者の筋肉内に直接投与することによって、局所の筋緊張を緩和する治療薬として用いられている(非特許文献2)。例えば、A型ボツリヌス毒素複合体(LL毒素)であるBOTOX(登録商標)(Allergan Inc.,)は、眼瞼痙攣、斜視および片側顔面痙攣、頚部ジストニアの治療用、並びに眉間のしわの治療用としてアメリカ食品薬品局(FDA)によって承認されている。また、B型ボツリヌス毒素であるMYOBLOC(登録商標)(Elan Pharmaceuticals,)も頚部ジストニア治療用薬としてFDAによって承認されている。非A型ボツリヌス毒素は、A型ボツリヌス毒素と比較して、やや低い効力およびやや短い活性期間を有するといわれている。
近年、ボツリヌス毒素の作用は、(1)神経筋接合部、(2)自律神経節、(3)神経節後の副交感神経末端、(4)神経節後の交感神経末端、(5)痛覚受容線維などの部位で確認されている。骨格筋の神経筋接合部では、ムスカリン性アセチルコリン作動性神経終末が主な作用部位である。自律神経節のうち、副交感神経節への直接作用は臨床作用と関連すると考えられている。また、末梢自律神経への作用には、ATP、VIP(vasoactive intestinal polypeptide)、substance Pの放出阻害やNO(nitric oxide)合成酵素の作用を阻害することが報告されている。また、ボツリヌス毒素が痛みの緩和に有用であることが知られるようになった。この作用において、ボツリヌス毒素は、グルタミン酸、substance P、CGRP(calcitonin gene−related peptide)の放出を阻害することが報告されている(非特許文献2)。このように、ボツリヌス毒素は様々な神経において、様々な神経伝達物質の放出を阻害する有用な神経筋伝達阻害剤である。
現在、治療用ボツリヌス毒素製剤の生物学的力価は、マウスLD50単位によって通常表されている。1LD50は、マウスへの腹腔内投与に基づくLD50として定義されている。これは試験に供したマウスの半数が死亡する量であり、マウスの呼吸筋が弛緩される結果として、マウスが死亡するときの神経毒素の濃度または量から力価単位を定量している。現在市販されているA型ボツリヌス毒素複合体(Allergan Inc., BOTOX(登録商標)、100単位含有)のマウスにおける1LD50(つまり1単位)は、約50ピコグラム(pg)である。
治療用ボツリヌス毒素製剤は、Allergan Inc. (米国)、Ipsen Limited (英国)、Elan Pharmaceuticals(アイルランド)から入手可能である。これらの治療用ボツリヌス製剤は、関係する無毒蛋白質と結合した分子形態を取った神経毒素複合体(LL毒素)を精製した製剤である。近年では、2005年に無毒蛋白を含まないA型NTX製剤(Merz Pharma, Xeomin(登録商標)、ドイツ)が発売され、また米国でも同様な別製剤の臨床試験も実施されており、次世代製剤の開発も積極的に行われている。
現在市販されているA型ボツリヌス毒素製剤である、Allergan Inc.のBOTOX(登録商標)とIpsen LimitedのDysport(登録商標)は、その毒素複合体の成分として、HA17、HA34、およびHA70のHaemagglutinin(HA)蛋白を持つ神経毒素複合体(LL毒素)である(HA陽性体)。
また、1990年に乳児ボツリヌス症の患者から単離されたタイプのボツリヌス毒素はA型ではあるものの、HA蛋白を含まないM毒素のみを産生する(HA陰性体)。HA蛋白を含まないボツリヌス毒素を産生するA型ボツリヌス菌は、1986年に日本で最初に乳児ボツリヌス症に関する患者から同定されている(非特許文献3)。この臨床分離株としては、Kyoto−F、Chiba−H、Y−8036、7I03−H、7I05−H、KZl828が挙げられる。
従来のA型ボツリヌス毒素に代表される多くのボツリヌス毒素は、複合体の成分として、Haemagglutinin(HA)タンパク質を持つ神経毒素複合体として見出されている。HA17、HA34、およびHA70などのHAタンパク質をコードする遺伝子は、A、B、C、DおよびG型ボツリヌス菌の神経毒素遺伝子群に含まれているが、乳児ボツリヌス症由来ボツリヌス菌群の遺伝子では欠損している。また、乳児ボツリヌス症由来ボツリヌス菌群の遺伝子は、p47などの調節遺伝子を含んでいる(非特許文献4)。さらに、乳児ボツリヌス症由来ボツリヌス菌の産生するボツリヌス毒素のNTNHタンパク質の配列は、C型菌の無毒非HA蛋白質NTNH遺伝子とA型菌の無毒非HA蛋白質NTNH遺伝子の寄せ集め、すなわちモザイク型である(非特許文献5)。
従来のA型ボツリヌス毒素はNTNH蛋白質、および少なくとも3個のHA蛋白質(HA17、HA34、およびHA70)を含むが、乳児ボツリヌス症原因ボツリヌス菌由来のボツリヌス毒素はNTNH蛋白質だけを含んでいて、HA蛋白質を欠く(非特許文献6)。
市販のA型ボツリヌス毒素製剤の製造に使用されている菌株については、BOTOX(登録商標)およびXeomin(登録商標)はHALL株であり、Dysport(登録商標)はNCTC2916株であることが報告されており(非特許文献7、8)、これらはHA蛋白質を含むA型ボツリヌス毒素、つまりA1型ボツリヌス毒素に分類される。一方で、乳児ボツリヌス症原因ボツリヌス菌由来のボツリヌス毒素は、A2型ボツリヌス毒素に分類される。
高度精製ボツリヌス毒素は、古くはTse CK., et al.らの文献(非特許文献9)に報告があり、さらに、WO1996/011699(特許文献2)で、精製方法の記載例(p6, line 9−p7, line 2)や薬剤組成(p11, Table 2)に関する報告がなされている。ボツリヌス毒素のうち、NTX(S毒素)のみを精製した高度精製ボツリヌス毒素を得ることも可能である。なお、例えばA型ボツリヌス毒素のNTXをA型NTXと記載することがある。また、例えばA1型ボツリヌス毒素のNTXをA1NTX、A2型ボツリヌス毒素のNTXをA2NTXと記載することがある。
WO2008/050866 WO1996/011699 WO2009/123174 WO2010/013494 WO2008/013495
Jankovic J. et al., Curr. Opin. Neurol., (7): p.358−366, 1994 梶龍兒ら、「ジストニアとボツリヌス治療」、診断と治療社、2005年 Sakaguchi G. et al., Int. J. Food Microbiol., 11: p.231−242, 1990 Kubota T. et al., FEMS Microbiology letters., 158: p.215−221, 1998 Kubota T. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 224(3): p.843−848, 1996 Sakaguchi G. et al., Int. J. Food Microbiol. 11: p.231−242, 1990 梶龍兒ら、「ジストニアとボツリヌス治療」、診断と治療社、:23,1996年 Dressler D. et al., Disabil Rehabil. 29(23): p.1761−1768, 2007 Tse CK. et al., Eur. J. Biochem., 122(3): p.493−500, 1982 梶龍兒ら、ボツリヌス治療総論―ボツリヌス毒素製剤の基礎知識―、診断と治療社、2009年
本発明は、効果的に筋緊張亢進を改善させることを課題とする。
本発明者らは、驚くべき事に、A型ボツリヌス毒素を筋緊張亢進部位に投与し、投与後3時間以内に当該筋緊張亢進部位を運動させることにより、当該部位の筋緊張亢進を著しく改善できることを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
A型ボツリヌス毒素が、筋緊張亢進部位に投与され、投与後3時間以内に前記筋緊張亢進部位を運動させるように用いられることを特徴とする、A型ボツリヌス毒素を含有する筋緊張亢進改善薬。
項2.
前記筋緊張亢進部位を少なくとも0.5〜3時間運動させるように用いられることを特徴とする、請求項1に記載の筋緊張亢進改善薬。
項3.
投与直後から0.5〜3時間前記筋緊張亢進部位を運動させるように用いられることを特徴とする、請求項1に記載の筋緊張亢進改善薬。
項4.
筋緊張亢進部位が、痙縮部位又は固縮部位である、項1〜3のいずれかに記載の筋緊張亢進改善薬。
項5.
A型ボツリヌス毒素がA2NTXである、項1〜4のいずれかに記載の筋緊張亢進改善薬。
項6.
(a)A型ボツリヌス毒素を筋緊張亢進部位に投与すること、及び
(b)投与後3時間以内に前記筋緊張亢進部位を運動させること
を含む、筋緊張亢進改善方法。
項7.
(b)が、
投与後3時間以内に前記筋緊張亢進部位を少なくとも0.5〜3時間運動させること
である、項6に記載の筋緊張亢進改善方法。
項8.
(b)が、
投与直後から0.5〜3時間前記筋緊張亢進部位を運動させること
である、項6に記載の筋緊張亢進改善方法。
項9.
筋緊張亢進部位が、痙縮部位又は固縮部位である、項6〜8のいずれかに記載の筋緊張亢進改善方法。
項10.
A型ボツリヌス毒素がA2NTXである、項6〜9のいずれかに記載の筋緊張亢進改善方法。
本願発明によれば、筋緊張亢進を著しく改善させることができる。
ボツリヌス毒素蛋白質複合体の分子形態を表す図である。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明は、A型ボツリヌス毒素を含有する筋緊張亢進改善薬を包含する。当該筋緊張亢進改善薬は、筋緊張亢進部位に投与され、投与後3時間以内に前記筋緊張亢進部位を運動させるように用いられることを特徴とする。
また本発明は、(a)A型ボツリヌス毒素を筋緊張亢進部位に投与すること、及び(b)投与後3時間以内に前記筋緊張亢進部位を運動させることを含む、筋緊張亢進改善方法も包含する。
ボツリヌス毒素を筋緊張亢進の改善のために用いることは従来から行われていたが、その効果は必ずしも十分ではなかった。また、この場合にも、ボツリヌス毒素を筋緊張亢進部位に投与した後に筋緊張が弛緩するのを待って運動(リハビリ運動)を行うことが通常であり、むしろ、ボツリヌス毒素を投与した後に筋緊張亢進部位を急に運動させることは控えるべきであるとも考えられていた。実際、上肢痙縮・下肢痙縮等の筋緊張亢進の改善のために既に日本で承認されているA型ボツリヌス毒素製剤BOTOX(登録商標)の添付文書の「重要な基本注意」欄には「日常生活を制限されていた患者は、本剤投与後、過度の筋収縮を伴う労作を避け、活動を徐々に再開する」よう記載されている。
これに対して、本発明の筋緊張亢進改善薬は、A型ボツリヌス毒素を筋緊張亢進部位に投与した後、3時間以内に前記筋緊張亢進部位を運動させるように用いられることが特徴であり、また、本発明の筋緊張亢進改善方法は、(a)A型ボツリヌス毒素を筋緊張亢進部位に投与すること、及び(b)投与後3時間以内に前記筋緊張亢進部位を運動させることを含むことが特徴であって、このように投与から短時間のうちに運動を行うことにより、筋緊張亢進を大幅に改善することができる。
本発明において、A型ボツリヌス毒素としては、LL毒素、L毒素、M毒素、S毒素(NTX)のいずれを用いることもでき、中でもS毒素(NTX)が好ましい。また、これらの毒素分類に当てはまらずとも、NTX部を含むA型ボツリヌス毒素の一部分であれば、本発明に用い得る。
なお、NTXのような、高度精製ボツリヌス毒素は、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過、疎水クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて精製することができる。具体的にはボツリヌス菌の培養上清についてろ過による除菌を行い、得られるM毒素をUF膜等の方法により濃縮できる。M毒素をpH7以上の条件にすることで、神経毒素(NTX)と無毒蛋白質(NTNH)に分離することができる。その後、例えば陽イオン交換クロマトグラフィーにより粗精製し、毒素活性のある分画を集めて、更にゲルろ過で精製することができる。
また、A型ボツリヌス毒素には、A1型、A2型、A3型、A4型の4種類が存在するが、これらのいずれをも用いることができる。中でもA1型又はA2型であることが好ましく、A2型であることがより好ましい。筋緊張亢進部位にA型ボツリヌス毒素を投与した際、筋緊張亢進部位以外(通常部位)にまで当該毒素が広がると、その通常部位は麻痺等が起こるおそれもあるところ、A2型の方がA1型に比べて投与部位に留まり易い性質があることから、好ましい。
特に、A1NTX又はA2NTXが好ましく、A2NTXがより好ましい。
A型ボツリヌス毒素は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。最初に用いるのがA2型(特にA2NTX)であることが好ましい。
本発明の筋緊張亢進改善薬は、A型ボツリヌス毒素そのものであってもよく、A型ボツリヌス毒素及び薬理学的に許容されるその他成分を含む医薬組成物であってもよい。当該その他成分は、本発明の効果を損なわない範囲で用いられる。当該その他成分は、薬理学的に許容される担体、ビヒクル等であり得る。本発明の筋緊張亢進改善薬は好ましくは注射剤であるので、例えば水(注射用水)、緩衝剤、等張化剤、安定化剤、保存剤等が挙げられる。より具体的には、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、リン酸塩類等が挙げられる。また、ボツリヌス毒素の安定化のためにヒト血清アルブミンが有効であることが知られており、安定化剤としてヒト血清アルブミンを好ましく用い得る。これらの含有量は、適宜設定することができる。
また、本発明の筋緊張亢進改善薬は常法に従って製造することができる。本発明の筋緊張亢進改善薬の剤形としては、注射剤が好適である。注射剤として用いる場合は、例えばバイアル入り薬剤とすることができる。
例えば、ボツリヌス毒素とボツリヌス毒素安定化物質(ヒト血清アルブミンが好ましい)を溶媒に溶解後、無菌ろ過し、アンプル、バイアル等に充填して本発明の組成物を製造することができる。また、ボツリヌス毒素を予めボツリヌス毒素安定化物質を溶解した溶媒に溶解後、無菌ろ過しアンプル等に充填することもできる。溶媒は、注射用蒸留水、生理食塩水、0.01M〜0.1Mのリン酸緩衝液等を用いることができ、必要に応じて、エタノール、グリセリン等を混合することもできる。さらに、ボツリヌス毒素とボツリヌス毒素安定化物質を溶媒に溶解後、無菌ろ過し、バイアル等に充填後、凍結乾燥して、本発明の筋緊張亢進改善薬(凍結乾燥製剤)とすることもできる。また、ボツリヌス毒素とボツリヌス毒素安定化物質を混合後、バイアル等に無菌充填することもできる。例えば精製したボツリヌス毒素を(好ましくはボツリヌス毒素安定化物質とともに)、最終濃度が0.1〜5mg/ml、好ましくは0.5〜2mg/mlになるように加え、冷蔵保存、冷凍保存あるいは凍結乾燥することができる。溶解状態での本発明の筋緊張亢進改善薬のpHは、通常3〜8であり、好ましくは4〜7であり、より好ましくは5〜7である。
本発明を適用する筋緊張亢進としては、痙縮、固縮等が好ましく挙げられ、痙縮がより好ましい。痙縮は痙性・痙攣・攣縮・痙直などとも呼ばれる。また、ここでの固縮は強剛の意味を包含する。痙縮としては、上肢痙縮(例えば肩関節の内転・内旋、手関節の屈曲、肘関節の屈曲、にぎりこぶし状変形、前腕の回内、掌中への母指屈曲など)、下肢痙縮(例えば股間接の内転、膝関節の過伸展、股間接の屈曲、尖足・内反尖足、膝関節の屈曲、母趾過伸展など)、痙性斜頸等が例示できる。
本発明の筋緊張亢進改善薬の使用量は、投与部位に応じて適宜設定することができる。1回の総投与量がA型ボツリヌス毒素10〜400単位程度が好ましく、20〜300単位程度がより好ましい。投与は、1箇所に行ってもよいし、複数箇所(例えば2、3、4箇所)に行ってもよい。特に、筋緊張亢進部位に複数の緊張筋が存在する場合には、各緊張筋に分割して投与することが好ましい。このような場合、1箇所に投与する量はA型ボツリヌス毒素10〜200単位程度が好ましく、10〜150単位程度がより好ましく、20〜100単位程度がさらに好ましい。なお、本明細書におけるボツリヌス毒素の「単位」は、マウス腹腔内へ投与した際の1LD50を1単位としたものである。
本発明の筋緊張亢進改善薬は、筋緊張亢進部位に投与された後、投与後3時間以内に当該筋緊張亢進部位を運動させるように用いられる。従来、ボツリヌス毒素製剤投与後に急に運動を行うことは控えるべきとされていたところ、投与後3時間以内という投与から短時間のうちに、投与部位(すなわち筋緊張亢進部位)の運動を開始することにより、劇的に筋緊張が改善し得る。投与後1時間以内に筋緊張亢進部位を運動開始させることが好ましく、投与後30分以内がより好ましく、投与後15分以内がさらに好ましく、投与直後がよりさらに好ましい。
運動の内容としては、筋緊張部分が健康である場合の通常の動きを行うことが挙げられる。例えばリハビリテーション(リハビリ)として行われる通常の運動療法での運動を行うことが好ましい。また、リハビリとして行われる運動に限らず、筋緊張部分が健康である場合の通常の動きを行うことでもよい。例えば歩行障害がある患者では、注射直後に歩くことにより、患部の筋を用いることでもよい。また例えば、筋緊張亢進部位が関節部位を含むのであれば、関節可動域(ROM)運動を行うことが好ましい。また、患者自身の意思で筋緊張亢進部位を動かすことが難しい場合には、運動のための補助を活用してもよい。ここでの補助は、患者の運動を補助するものであれば特に制限はされず、運動補助者や運動補助具等が含まれる。例えば、補助者が患者の運動の補助を行いながら、徐々に患者自身の意思で動かすようにすることができる。また、例えば、最初は一人での歩行が困難である患者が、歩行補助具等を用いて歩行を行うことができる。また、補助具として、昨今、パワードスーツ(ロボットスーツ)を医療・介護分野で活用しようという動きが盛んであり、本発明の運動の補助具として、パワードスーツを用いることも有用である。
運動の長さとしては、0.5〜3時間程度が好適であり、2〜3時間がより好適である。適度に休憩を入れてもよい。ある程度、筋緊張亢進部位が繰り返し動かされるように運動を行うことが望ましい。
最も好ましい形態の一つは、投与直後から2〜3時間、筋緊張亢進部位を運動させることである。
また、投与後3時間以内に前記筋緊張亢進部位を運動させた後は、定期的に同様の運動を行うことが好ましい。例えば、投与の翌日からは、一定期間(例えば少なくとも1〜2週間は)、同様に筋緊張亢進部位を運動させることが好ましい。一日1回又は2〜3回程度運動を行うことが好ましい。また、1回の運動時間は0.5〜2時間(好ましくは1〜1.5時間)程度とすることができる。このような投与の翌日からの一定期間の定期的運動は、本発明の効果をより一層好ましく発揮させ得るため好ましい。
なお、当該一定期間の定期的運動の後も、リハビリのため運動を継続していくことが好ましいことは、もちろんである。
また、上記(a)(b)を含む本発明の筋緊張亢進改善方法についても、投与部位、投与するA型ボツリヌス毒素の種類・投与量・投与方法、投与後に行う運動の時間・内容、投与後から運動を行うまでの時間等、筋緊張亢進改善薬について上で記載した内容が共通する。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
製造例1:A型ボツリヌス菌由来NTXの精製
乳児ボツリヌス症の患者から分離されたタイプのA型ボツリヌス菌であるChiba−H株を用い、Sakaguchi G., Biochemical aspects of botulism: Purification and oral toxicities of Clostridium botulinum progenitor toxins., 21−34, Lewis GE., 1981, Academic Press, New Yorkに記載された方法に従って、ボツリヌスA型M毒素を精製した。
そして、当該ボツリヌスM毒素を10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に対して透析した後、同緩衝液で平衡化したDEAEセファロースカラムに吸着させ、同緩衝液の0〜0.3mol/L NaCl濃度勾配で溶出し、神経毒素(NTX)と無毒蛋白質(NTNH)に分離した。得られた高度精製NTX(A2NTX)はYM−10メンブラン(アミコン社製)で1mg/mLまで濃縮し、50mMリン酸緩衝液(pH7.5)に対して透析した後、使用時まで−80℃に保存した。これを試験サンプル(注射剤)とした。
なお、試験サンプルの投与にあたっては、マウス腹腔内へ投与した際のボツリヌス毒素の1LD50を1単位とした。
実施例1
<被験者1>
主訴:痙縮に対する治療希望。歩行障害の改善目的。
現病歴:1988年、37歳時に右被殻出血を発症した。その後、左片麻痺が後遺症となり、徐々に痙縮が出現した。
治療前神経学的所見:顔面を含む左片麻痺、
左半身の触覚低下,両下肢振動覚高度低下
Modified Ashworth Scale足関節4
握力測定(3回) 右のみ 25−25−25(kg)
平行棒内の歩行訓練はしているが、自宅では立位保持が何とか可能であった。
内反尖足で、つま先しか接地していない。
Brs(Brunnstrom Stage) 左上肢:III 左下肢:IV
BI(Barthel Index):65点(歩行−10、階段−10、更衣−10、入浴−5)
<治療方法及び結果>
試験サンプル(A2NTX:300単位)を被験者の筋緊張亢進部位へ注射(右腓腹筋内側頭150単位、右後脛骨筋150単位)した。直後に3時間足関節のROM運動を行った。この時に一部パワードスーツ(ロボットスーツ)を下肢に装着しROM運動を効率的に行った。翌日からは同様のROM運動を1時間ずつ、1週間行った。
1週間後の被験者の状態は次の通りであった。
・Modified Ashworth Scale足関節3
・握力測定(3回) 右のみ 23.8−29.2−29.2(kg)
・BIとBrsは変化無し
・足関節の可動域制限改善し、足底部の接地面積が拡大した。そのため、短下肢装具と4脚杖を使用し、25年ぶりに歩行訓練(10m×2)が可能となった。
・脱力や自覚的副作用、血液検査での副作用は見られなかった。
実施例2
<被験者2>
40歳 男性、脳性麻痺
主訴:痙縮に対する治療希望。歩行障害の改善目的。
現病歴:
小児期より両下肢の痙縮による筋緊張の亢進があり、通常は車いすにより移動しており、歩行は介助なしには不可能であった。握力は右20kg・左21kgであった。Modified Ashworth Scaleは股関節で2膝関節で3、足関節で3であった。
<治療方法及び結果>
試験サンプルを、被験者の両側下腿筋(後脛骨筋)と大腿内転筋に注射し(A2NTX:計400単位)、直後から3時間連続して介助により歩行を行わせ、罹患筋を収縮させた。同様の下肢罹患筋のROM運動や歩行を含むリハビリを1日2時間、毎日行った。
約1週間後から、生まれて初めて、自力で歩行可能となり、1か月後には毎日1kmを自力で歩行可能になった。Modified Ashworth Scaleは股関節で2、膝関節で2、足関節で2となり、著明に改善した。 握力は右20kg・左21kgであり、全身の筋力の低下など副作用は見られなかった。
実施例3
<被験者3>
55歳男性 脳卒中後の下肢痙縮
主訴:痙縮に対する治療希望。歩行障害の改善目的。
現病歴:
2年前に右脳出血により左片麻痺となり下肢は膝関節で90度屈曲した形の筋緊張の亢進により、起立歩行が不可能であった。握力は右40kg・左4kgであった。Modified Ashworth Scaleは左股関節で3、膝関節で4、足関節で3であった。
<治療方法及び結果>
両側大腿後面筋(ハムストリング筋)に試験サンプル(A2NTX:計400単位)を注射し、入院させて直後から3時間、理学療法士による膝関節を進展する受動的なROM運動を受けた。患者の両上肢で屈曲した膝関節を進展させるなどのリハビリも併用し、罹患筋を収縮させた。膝関節の進展はその後毎日1時間入院中に続けて行った。
約1週間後から2年ぶりに自力で歩行可能になった。握力は右40kg・左4kgであり、全身の筋力の低下など副作用は見られなかった。Modified Ashworth Scaleは左股関節で2、膝関節で3、足関節で3であり、著明に改善した。
3か月後に、下肢筋の緊張が再度亢進したため、BOTOX(登録商標)300単位を同様に注射し、直後の3時間外来でROM運動を患者本人が健側の上下肢を用いて行ったところ、A2NTX使用時と同様、著明な筋緊張の改善が見られ、歩行はさらに改善した。
比較例1
<被験者>
39歳男性、遺伝性痙性対麻痺
職歴:事務
主訴:歩行障害
現病歴:小学生の時より、座位で踵をあげると両足の痙攣を自覚していた。23ー4歳頃から歩行中に足が引っかかるような感じが出現視、緩徐に増悪した。
家族歴:父40歳頃から同様の歩行障害+、血族結婚(−)
治療前神経学的所見:はさみ足歩行、内反尖足であり、踵を接地せずに歩行。
握力測定(座位で3回)43/32, 40/35, 41/35
<治療方法及び結果>
外来にて試験サンプル(A2NTX400単位)を筋緊張亢進部位へ投与(両側後脛骨筋100単位ずつ、腓腹筋内側頭100単位ずつ)した。ただ、特に直後のリハビリは行わなかったが、1日後から自力でつかまりながら歩行練習を1日3時間おこなった。。
1ヶ月後外来受診した際の被験者の状態は次の通りであった。Modified Ashworth Scaleは両側股関節で3、膝関節で4、足関節で3であり、治療前と比べて不変であった。
・歩行様式変化なし
・握力測定(座位で3回)47/38, 42/43, 40/36 〔優位な握力低下無し〕
・自覚的な副作用や血液検査上の副作用なし。
比較例2
<被験者>
57歳男性、脳出血後右片麻痺
主訴:歩行障害
現病歴:8年前に左脳出血により、右の上下肢が麻痺、その後筋緊張が亢進し(痙縮)、右足関節が内反伸展し、歩行が不可能になった。
<治療方法及び結果>
右後脛骨筋と腓腹筋にBOTOX(登録商標)を400単位を注射したが、遠方から自動車で受診していたため、直後の3時間にはリハビリや罹患筋を収縮させることはできなかった。翌日から1日3時間の歩行訓練を理学療法士の指導のもと行ったが、1か月後でも右の足関節の緊張は変化なく、自力での歩行も不可能なままであった。
Modified Ashworth Scaleは右股関節で3、膝関節で3、足関節で4であり、不変であった。
また、歩行障害のある痙縮患者に対して、(I)試験サンプル投与直後に3時間運動を行ったケース、及び(II)試験サンプル投与直後に運動を行わなかったケース、の結果を集計したところ(上記各例の結果も含む)、(I)のケースでは6例中4例で歩行が可能となるまで歩行障害が改善した一方、(II)のケースでは7例中歩行可能となった例は1例も無かった。
なお、上記各例において評価に用いたModified Ashworth Scaleは、関節の抵抗感や可動性を評価するスケールであり、次の基準により判断がなされる。
0:筋緊張の亢進はみられない。
1:軽度の筋緊張亢進がある。引っ掛かりとその消失、または屈曲・伸展の最終域でわずかな抵抗がある。
1+:軽度の筋緊張亢進がある。明らかな引っ掛かりがあり、それに続くわずかな抵抗を可動域の1/2以下で認める。
2:よりはっきりとした筋緊張亢進を全可動域で認める。しかし、運動は可能である。
3:かなりの筋緊張亢進がある。他動運動は困難である。
4:患部は硬直し、屈曲・伸展は困難である。

Claims (4)

  1. A型ボツリヌス毒素が、筋緊張亢進部位に投与され、投与後3時間以内に前記筋緊張亢進部位を少なくとも0.5〜3時間運動させるように用いられることを特徴とし、A型ボツリヌス毒素がS毒素(NTX)である、
    A型ボツリヌス毒素を含有する筋緊張亢進改善薬。
  2. 投与直後から0.5〜3時間前記筋緊張亢進部位を運動させるように用いられることを特徴とする、請求項1に記載の筋緊張亢進改善薬。
  3. 筋緊張亢進部位が、痙縮部位又は固縮部位である、請求項1又は2に記載の筋緊張亢進改善薬。
  4. A型ボツリヌス毒素がA2NTXである、請求項1〜3のいずれかに記載の筋緊張亢進改善薬。
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