本開示は、照明器具等の装置に給電する電力線を介して伝送される通信プロトコルを用いて照明器具を制御することに関する発明的方法及び装置を対象とする。一部の実施形態では、このような通信のために商用AC電力の振幅変調が使用される。例えば、一部の実施形態では、データは、三相電力システムに電気接続されたトランスの切り替えにより、三相電力システムを介して伝送される。任意で、単一のトランスを使用して、三相電力システムの第1の位相線に結合された少なくとも1つの装置に、三相電力システムの第2の位相線に結合された少なくとも1つの装置に、及び/又は三相電力システムの第3の位相線に結合された少なくとも1つの装置にデータを伝送してもよい。また、例えば一部の実施形態では、データは照明器具において、符号化電圧を受け取り、電圧の複数の部分的な又は完全な正弦サイクルの電圧レベルを比較して入力データパケットを決定することにより、受け取られる。照明器具の1つ以上の側面が受け取られたデータに基づき制御され得る。任意で、一部の実施形態では、通信プロトコルは一方向通信プロトコルであり得る。また、任意で、一部の実施形態では、通信プロトコルは追加で又は代替的に、照明器具ではないデバイスを制御するために使用され得る。
一般的に、一側面では、三相電力システムに結合された単一のトランスの操作により、三相電力システムを介して照明器具ネットワークにデータパケットを伝送する方法であって、照明器具ネットワークの1つ以上の照明器具の適切な照明器具設定を示すデータに基づく照明器具データパケットを特定するステップと、複数のサイクル期間の間、三相電力システムに電気接続された単一のトランスを切り替えるステップであって、三相電力システムは第1の位相線、第2の位相線、第3の位相線、及び中性線を含む、ステップとを含む方法が提供される。単一のトランスを切り替えるステップは、第1の位相線と中性線との間、第2の位相線と中性線との間、及び第3の位相線と中性線との間のそれぞれで測定可能な電圧降下及び電圧上昇のうちの1つを引き起こす。単一のトランスを切り替えるステップは、電圧降下及び電圧上昇のうちの少なくとも1つがデータパケットに対応するよう、データパケットに対応して実行される。
一部の実施形態では、トランスを切り替えるステップは、サイクル期間の第1のセットの間は第1の位相で起こり、サイクル期間の第2のセットの間は第2の位相で起こる。これらの実施形態の一部のバージョンでは、第1の位相及び第2の位相は、約120°の位相差を有する。一部の実施形態では、トランスを切り替えるステップは、サイクル期間の第3のセットの間は第3の位相で起こり、第2の位相及び第3の位相は、約120°の位相差を有する。
一部の実施形態では、トランスは、三相電力システムの中性線と直列接続する。
一部の実施形態では、トランスは、第1の位相線と直列接続する第1の二次巻線と、第2の位相線と直列接続する第2の二次巻線と、第3の位相線と直列接続する第3の二次巻線とを含む。
一部の実施形態では、トランスを流れる電流の和は実質的にゼロであり、三相電力システムは実質的に平衡する。
一部の実施形態では、適切な照明器具設定を示すデータは、メモリ内に記憶される。
一部の実施形態では、適切な照明器具設定を示すデータは、少なくとも1つのセンサから受け取られたデータに基づく。
一部の実施形態では、電圧降下及び電圧上昇のうちの少なくとも1つは4ボルト未満である。
一部の実施形態では、サイクル期間は半正弦サイクル期間からなる。
一般的に、他の側面において、三相電力システムを介して伝送されるデータパケット情報を決定し、データパケット情報に基づき照明器具を制御する方法であって、第1のコントローラにおいて、三相電力システムの第1の位相線及び中性線を介して第1の入力電力波形を受け取るステップと、第1のコントローラにおいて、第1の入力電力波形の複数の第1の正弦サイクル期間の電圧レベルを比較するステップと、第1のコントローラにおいて、第1の正弦サイクル期間のうちいずれが減少した電圧レベルを有し、いずれが減少していない電圧レベルを有するかに基づき、入力データパケットを決定するステップと、第1のコントローラにより、第1の入力電力波形を介して受け取られた入力データパケットに基づき第1の照明器具の少なくとも1つの側面を制御するステップであって、第1の照明器具は第1の入力電力波形によって給電される、ステップと、第2のコントローラにおいて、三相電力システムの第2の位相線及び中性線を介して第2の入力電力波形を受け取るステップと、第2のコントローラにおいて、第2の入力電力波形の複数の第2の正弦サイクル期間の電圧レベルを比較するステップであって、第2の入力電力波形の第2の正弦サイクル期間を受け取るステップは、第1の入力電力波形の第1の正弦サイクル期間を受け取るステップと時間において重なる、ステップとを含み、第2の正弦サイクル期間内の減少した電圧レベルと減少していない電圧レベルとの間の差は、第1の正弦サイクル期間内の減少した電圧レベルと減少していない電圧レベルとの間の差の約半分である、方法が提供される。
一部の実施形態では、第2の正弦サイクル期間内の減少した電圧レベルと減少していない電圧レベルとの間の差は、2ボルト未満である。
一部の実施形態では、第1の照明器具及び第2の照明器具の調光レベルが入力データパケットに基づいて制御される。
一部の実施形態では、正弦サイクル期間は半正弦サイクルを含む。
一部の実施形態では、方法は更に、第1のコントローラにおいて、第1の入力電力波形の複数の追加第1の正弦サイクル期間の電圧レベルを比較するステップと、第2のコントローラにおいて、第2の入力電力波形の複数の追加第2の正弦サイクル期間の電圧レベルを比較するステップであって、第2の入力電力波形の追加第2の正弦サイクル期間を受け取るステップは、時間において第1の入力電力波形の追加第1の正弦サイクル期間を受け取るステップと重なる、ステップと、第2のコントローラにおいて、追加第2の正弦サイクル期間のうちいずれが減少した電圧レベルを有し、いずれが減少していない電圧レベルを有するかに基づき、入力データパケットを決定するステップと、第2のコントローラにより、第2の入力電力波形を介して受け取られた入力データパケットに基づき第2の照明器具の少なくとも1つの側面を制御するステップであって、第2の照明器具は第2の入力電力波形によって給電される、ステップとを含み、追加第1の正弦サイクル期間内の減少した電圧レベルと減少していない電圧レベルとの間の差は、追加第2の正弦サイクル期間内の減少した電圧レベルと減少していない電圧レベルとの間の差の約半分である。
一部の実施形態では、方法は、第2のコントローラにおいて、第2の正弦サイクル期間のうちいずれが減少した電圧レベルを有し、いずれが減少していない電圧レベルを有するかに基づき入力データパケットを決定するステップと、第2のコントローラにより、第2の入力電力波形を介して受け取られた入力データパケットに基づき、第2の照明器具の少なくとも1つの側面を制御するステップとを更に含み、第2の照明器具は第2の入力電力波形によって給電される。
一般的に、他の側面において、単一のトランスを三相電力システムの少なくとも1つのラインに電気接続するステップを含む、三相電力システム内に通信システムを実装する方法であって、三相電力システムは中性線及び3本の位相線を含み、3本の位相線のうちの少なくとも1つの位相線は照明器具ネットワークに給電し、単一のトランスは、情報データパケットに対応して、複数の正弦サイクル期間の間、三相電力システムの3本の位相線のそれぞれに関して認識可能な電圧変化を選択的に引き起こす、方法が提供される。
一部の実施形態では、方法は、照明器具ネットワークの少なくとも1つの照明器具内の安定器のコントローラ内にソフトウェアを実装するステップであって、安定器は1つの位相線及び中性線に結合される、ステップを更に含み、コントローラは、1つの位相線及び中性線を介して電圧を監視し、ソフトウェアは、正弦サイクル期間のうちいずれが電圧変化を有するかに基づき入力データパケットを決定し、コントローラは、入力データパケットに基づき、照明器具の1つ以上の側面を制御する。
一部の実施形態では、単一のトランスは、三相電力システムの中性線と直列接続する。
一部の実施形態では、単一のトランスは、第1の位相線と直列接続する第1の二次巻線と、第2の位相線と直列接続する第2の二次巻線と、第3の位相線と直列接続する第3の二次巻線とを含む。
本開示の目的で本明細書において使用される場合、「発光ダイオード」又は「LED」との用語は、任意のエレクトロルミネセンスダイオード、又は、電気信号に呼応して放射を発生できる、その他のタイプのキャリア注入/接合ベースシステム(carrier injection/junction-based system)を含むものと理解すべきである。
「光源」との用語は、次に限定されないが、LEDベース光源(上記に定義した1つ以上のLEDを含む)、白熱光源(例えばフィラメント電灯、ハロゲン電灯)、蛍光光源、りん光性光源、高輝度放電光源(例えばナトリウム蒸気ランプ、水銀蒸気ランプ及びメタルハライドランプ)、レーザー、その他のタイプのエレクトロルミネセンス源、パイロルミネセンス源(例えば火炎)、キャンドルルミネセンス源(例えばガスマントル光源、カーボンアーク放射光源)、フォトルミネセンス源(例えばガス状放電光源)、電子飽和(electronic satiation)を使用する陰極発光源(cathode luminescent source)、ガルバノルミネセンス源、結晶発光(crystallo-luminescent)源、キネルミネセンス(kine-luminescent)源、熱ルミネセンス源、摩擦ルミネセンス(triboluminescent)源、音ルミネセンス(sonoluminescent)源、放射ルミネセンス(radioluminescent)源、及び発光ポリマー(luminescent polymers)を含む、様々な放射源のうちの任意の1つ以上を指すと理解すべきである。
「照明器具」との用語は、本明細書では、特定の形状因子、アセンブリ又はパッケージの1つ以上の照明ユニットの実施態様又は配置を指すために使用される。「照明ユニット」との用語は、本明細書では、同じ又は異なるタイプの1つ以上の光源を含む装置を指して使用される。所与の照明ユニットは、様々な光源の取付け配置、筐体/ハウジング配置及び形状、並びに/又は、電気及び機械的接続構成の何れか1つを有してもよい。更に、所与の照明ユニットは、光源の動作に関連する様々な他の構成要素(例えば制御回路)に任意選択的に関連付けられてもよい(例えば含む、結合される、及び/又は一緒にパッケージされる)。
本明細書において、用語「コントローラ」は、概して、1つ以上の光源の動作に関連する様々な装置を表すために使用される。本明細書で論じられる様々な機能を実行するために、コントローラは多数の方法で実装され得る(例えば、専用ハードウェアによって等)。「プロセッサ」は、本明細書で論じられる様々な機能を実行するためにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラミンされ得る1つ以上のマイクロプロセッサを使用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを使用して又は使用せずに実装され、また、一部の機能を実行するための専用ハードウェアと他の機能を実行するためのプロセッサとの組み合わせ(例えば、1つ以上のプログラミングされたマイクロプロセッサ及び付随する回路)として実装されてもよい。本開示の多様な実施形態において使用され得るコントローラ部品の例は、限定はされないが、従来のマイクロプロセッサ、ASIC(application specific integrated circuit)、及びFPGA(field-programmable gate array)を含む。
多様な実装形態において、プロセッサ又はコントローラは1つ以上の記憶媒体(本明細書では通常「メモリ」と呼ばれ、例えばRAM、PROM、EPROM、EEPROM、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ等の揮発性及び非揮発性コンピュータメモリ)に関連付けられ得る。一部の実装形態において、記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で説明される機能のうちの少なくとも一部を実行する1つ以上のプログラムによって符号化され得る。様々な記憶媒体がプロセッサ若しくはコントローラ内に固定され、又は移動可能でもよく、記憶媒体上に記憶された1つ以上のプログラムがプロセッサ若しくはコントローラにロードされて、本明細書に説明される本発明の多様な側面を実行してもよい。本明細書において、用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は広義の意味で使用され、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラミングするために用いることができるあらゆる種類のコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指す。
「アドレス指定可能」という用語は、本明細書では、自身を含む複数の装置に宛てられた情報(例えばデータ)を受信し、自らを対象とする特定の情報に選択的に応答するように構成される装置(例えば全般的な光源、照明ユニットや照明器具、1つ又は複数の光源若しくは照明ユニットに関連するコントローラやプロセッサ、他の照明に関係しない装置等)を指すために使われる。「アドレス指定可能」という用語は、複数の装置が何らかの通信媒体によって共に結合されるネットワーク化された環境(又は以下で更に論じられる「ネットワーク」)に関してしばしば使われる。
あるネットワークの実装形態では、ネットワークに結合される1つ又は複数の装置が、そのネットワークに結合される1つ又は複数の他の装置用のコントローラの役割を(例えばマスタ/スレーブの関係で)果たし得る。別の実装形態では、ネットワーク化された環境が、ネットワークに結合される装置の1つ又は複数を制御するように構成される1つ又は複数の専用コントローラを含み得る。概して、ネットワークに結合される複数の装置は通信媒体上にあるデータにそれぞれアクセスすることができるが、例えば割り当てられる1つ又は複数の特定の識別子(例えば「アドレス」)に基づきネットワークと選択的にデータをやり取りする(すなわちデータを送受信する)ように構成されるという点で、所与の装置を「アドレス指定可能」としても良い。
本明細書で使用するとき、「ネットワーク」という用語は、ネットワークに結合される2台以上の任意の装置間及び/又は複数の装置間の(例えば装置制御、データ記憶、データ交換等のための)情報の搬送を助ける、2台以上の装置(コントローラやプロセッサを含む)の任意の相互接続を指す。容易に理解されるように、複数の装置を相互接続するのに適したネットワークの様々な実装形態は、多岐にわたるネットワークトポロジの何れかを含むことができ、多岐にわたる通信プロトコルの何れを使用しても良い。更に、本開示による様々なネットワークでは、2台の装置間の任意の1つの接続が2つのシステム間の専用接続、又は非専用接続に相当し得る。2台の装置を対象とした情報を運ぶことに加え、かかる非専用接続は必ずしも2台の装置の何れも対象としない情報を運ぶこともある(例えばオープンネットワーク接続)。
上記概念、及び下記において詳細に説明される他の概念の組み合わせの全てが(かかる概念が互いに矛盾しないことを前提として)、本明細書が開示する発明的主題の一部として考えられることを理解されたい。特に、本開示の末尾に示す特許請求の主題のあらゆる組み合わせが、本開示の主題の一部として考えられる。また、本明細書で明確に使用され、また参照によって組み込まれる開示内にも現れ得る用語は、本開示が開示する特定の概念と最も調和する意味を与えられるべきであると理解されたい。
照明器具の1つ以上の特徴を制御するための制御信号を使用する照明器具制御システムが設計されている。例えば、一部の照明器具は、コントローラから照明器具に延びる1つ以上のスタンドアローン制御線を介して伝送される生成されたデータパケットを受信可能である。この場合、照明器具を制御するためにデータパケットは制御線を介して送信される。データパケット及び通信は、DMX又はDALI等の通信プロトコルに従い得る。しかし、このようなソリューションは別々の導線の設置を要求し、街灯等の特定の用途には適さないおそれがある配線構成に関する制限を伴う。他の既存のソリューションは、新たな導線を設置することなくかかる制御信号の伝送を可能にする。しかし、このようなソリューションは1つ以上の欠点を有し、例えば、各照明器具に特定のハードウェアモデム及び/又は無線機が設けられることを要求する等し、これはしばしばあまりに高コストで、且つ/又は、既存の照明器具に適さない可能性がある。
したがって、出願人は、照明器具に給電し、任意で複数のトランスを設けることを要さない三相電力システムを介して伝送される通信プロトコルを用いて三相電力システムに接続された装置を制御するための方法及び装置を提供するニーズを認識した。
より一般的には、出願人は、照明器具等の装置に給電する三相電力システムを介して伝送される通信プロトコルを用いて装置を制御するための方法及び装置を提供することが有益であろうことを認識及び理解した。
上記に照らして、本発明の様々な実施形態及び実装形態は、三相電力システムに接続される照明器具及び/又は他の装置の制御を対象とする。
以下の詳細な説明では、限定ではなく説明を目的として、特許請求の発明の完全な理解を提供するために、具体的な詳細を開示する代表的な実施形態が記載される。しかし、本開示の利益を享受した当業者にとって、本明細書に開示される具体的な詳細から逸脱する本教示に係る他の実施形態も、特許請求の範囲内に留まることは明らかであろう。更に、代表的な実施形態の説明を不明瞭にしないために、良く知られた装置及び方法の説明は省かれ得る。このような方法及び装置は、明らかに特許請求の発明の範囲内に含まれる。例えば、本明細書が開示するアプローチの様々な実施形態は、街灯ネットワーク内の街灯照明器具の調光レベルを調整するのに特に適する。したがって、説明のために、特許請求の発明は、かかる街灯ネットワークに関して論じられ得る。しかし、特許請求の発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、このアプローチの他の構成及びアプリケーションが考慮される。例えば、一部のアプリケーションでは、アプローチは例えばオフィス環境内の複数の室内照明器具の制御等、室内照明環境において実施され得る。
図1を参照して、一実施形態では、通信トランス20が三相商用電源1の中性線に直列に配置されている。三相商用電源1は、更に、第1の位相線6、第2の位相線7、及び第3の位相線8を含む。通信トランス20は、配電盤に給電する商用電源1のトランスの下流にあり得る。提供される任意の商用電源トランス及び配電盤は、位相線6、7、8、及び中性線5を介して各照明器具グループ46、47、48に供給される出力の保護、ルーティング、及び/又はスイッチングを提供し得る。
通信トランス20は、中性線5に直列接続する二次巻線24と、第1の位相線6に結合し、二次巻線24に誘導結合する一次巻線22とを含む。一部の実施形態では、一次巻線22は代替的に、第2の位相線7又は第3の位相線8に結合され得る。一次巻線22は、通信トランス20の状態を変更するために選択的に作動され得る複数の電子的に作動可能なスイッチ25a、25bを含む。スイッチ25bが閉じられ、スイッチ25aが開いているとき、トランス20はONになり、中性線5に電圧が加えられる。一部の実施形態では、加えられる電圧は約1ボルトであり得る。中性線5に電圧が加えられると、各位相線6、7、8と中性線5との間の電位差が減少するため、中性線5への電圧の印加は、各照明器具グループ46、47、48に供給される電圧を低下させる。一部の実施形態では、トランス20は、追加で又は代替的に、中性線5上の電圧を低下させるよう構成され得る(例えば、一次巻線及び二次巻線の巻線比を変更することにより、トランス20の接続の極性を変更することにより)。スイッチ25aも閉じている場合、トランス20はショートし、中性線には電圧は加えられず、スイッチ25bが閉じている場合、電圧が加えられる。一部の実施形態では、スイッチ25aは省かれ得る。このような実施形態では、スイッチ25bが開いているとき、中性線5には電圧が加えられない。また、スイッチ25aが省かれる実施形態の一部では、スイッチ25bが開いているとき、トランス20は飽和し、非線形直列インピーダンスを形成し得る。
図1には、更に、スイッチ25a、25bに電気接続し、また第1の位相線6及び中性線5に電気接続するコントローラ28が示されている。図1では、コントローラ28のスイッチ25a及び25bへの電気接続は点線によって示されている。一部の実施形態では、コントローラ28は代替的に中性線5及び第2の位相線7又は第3の位相線8に結合され得る。コントローラ28は、本明細書に記載されるようにスイッチ25a、25bの少なくとも1つを選択的に作動させ、各照明器具グループ46、47、48に供給される出力電圧内に通信データパケットを符号化する。例えば、バイナリデータパケットを伝送するために、コントローラ28は位相線6、7、8のうちの1つの特定の半正弦サイクルの間、スイッチ25aを選択的に作動させ、これらの半正弦サイクル中に照明器具グループ46、47、48の電圧低下を生じさせ(これによりバイナリ「ロー」を成す)、特定の他の半正弦サイクル中はスイッチ25aを作動させなくてもよい(これによりバイナリ「ハイ」を成す)。また、例えば、他の実施形態では、トランス20の切り替えが電圧降下を生じる場合、バイナリデータパケットを伝送するために、コントローラ28は特定の半正弦サイクル中に1つ以上のスイッチを選択的に作動させてこれらの半正弦サイクル中に照明器具グループ46、47、48の電圧上昇を引き起こし(これによりバイナリ「ハイ」を成す)、他方の半正弦サイクル中に当該スイッチを作動させなくてもよい(これによりバイナリ「ロー」を成す)。(1つ以上の)スイッチは、オプションで、位相線6、7、8のうちの選択されたものの直接連続するゼロ交差の間に作動されてもよい。一部の実施形態では、トランス20内に追加のスイッチが提供され得る。例えば、一部の実施形態では、二次巻線24を中性線5に直列に保つ一方、トランス120のスイッチ構成をトランス20内に使用してもよい。
一部の実施形態では、トランス20は、街灯照明器具グループに関連付けられたフィーダーピラー又はストリートキャビネット内に設置され得る。一部の実施形態では、トランス20はDINレール上に取り付けられる程度に十分小さくてもよい。通信トランス20は、自身が接続される第1の位相線6の電圧を低下させるのに必要な電力を供給するだけでよい。例えば、通信トランス20が1ボルト変調を実施し、第1の位相線6が230ボルトの場合、通信トランス20の電力定格は、230ボルトラインのための電源トランスの定格のわずか1/230でよい。したがって、特定の実施形態では、通信トランス20は任意で比較的小さいサイズを有し得る。
三相システムが実質的に平衡するような一部の実施形態では、中性線5を流れる電流はゼロ又は近ゼロになる。このような平衡構成では、トランス20は磁心の少しの磁化〜ゼロの磁化を有する。したがって、比較的小さいトランス20を使用して、中性線5と位相線6、7、8との間に接続された非常に大きい電気負荷に通信を提供することができる。例えば、各照明器具グループ46、47、48内の10kVAの一列の街灯、及び半正弦サイクル(又は他の正弦サイクル期間)上の1〜2Vの電圧降下/上昇を仮定すると、本明細書に記載されるようにデータパケットを伝送するために、トランス20は平衡構成において40W以下を扱うよう構成され得る。
一部の実施形態では、一次巻線及び二次巻線を含む通信トランスが提供され得る。1つ以上の標準以上(above normal)タップ及び/又は標準以下(below normal)タップを含め、1つ以上のタップが提供され、これにより、通信トランスが作動されるときのタップの電子切替を介する巻線の巻数比の増加及び減少、そして対応する中性線5と位相線6、7、8との間の電位差の減少及び/又は増加を可能にする。
図2を参照して、三相商用電源1に結合される通信トランス120の他の実施形態が示されている。一部の実施形態では、図2の構成は、図1のトランス20の設置位置の前後の両方に中性線5がアースへの複数の接続を含む場合に使用され得る。通信トランス120は、配電盤に給電する三相商用電源1のトランスの下流にあり得る。通信トランス120は、単一のトランスコアを含み、第1の位相線6に直列接続する第1の二次巻線124aと、第2の位相線7に直列接続する第2の二次巻線124bと、第3の位相線8に直列接続する第3の二次巻線124cとを備える。通信トランス120は、更に、スイッチ125a、125b、125c、125dを介して中性線5及び位相線6に選択的に結合する一次巻線122を含む。一次巻線122は更に、二次巻線124a、124b、124cに誘導結合する。
一次巻線には、通信トランス120の状態を変更するために選択的に作動され得る電子的に作動可能なスイッチ125a、125b、125c、125dが結合される。スイッチ125b及び125dが閉じ、スイッチ125a及び125cが開いているとき、トランス120はONであり、位相線6、7、8に電圧が加えられる。一部の実施形態では、加えられる電圧は約1ボルトであり得る。位相線6、7、8に電圧が加えられると、位相線6、7、8と中性線5との間の電位差が増加するので、位相線6、7、8への電圧の印加は、各照明器具グループ46、47、48に供給される電圧を上昇させる。一部の実施形態では、トランス120は、追加で又は代替的に、位相線6、7、8上の電圧を低下させるよう構成され得る。例えば、スイッチ125a及び125cが閉じており、スイッチ125b及び125dが開いているとき、位相線6、7、8への電圧は低下する。スイッチ125b及び125cが閉じており、スイッチ125a及び125dが開いているとき、位相線6、7、8には電圧は加えられない。
図2には更に、スイッチ125a、125b、125c、125dに電気接続するコントローラ128が示されている。図2において、コントローラ128とスイッチ125a、125b、125c、125dとの間の電気接続は破線で示されている。コントローラ128は更に、第1の位相線6及び中性線5に電気接続する。一部の実施形態では、コントローラ128は代替的に中性線及び第2の位相線7又は第3の位相線8に結合され得る。コントローラ128は本明細書に記載されるようにスイッチ125a、125bの1つ以上を選択的に作動させ、各照明器具グループ46、47、48に供給される出力電圧内に通信データパケットを符号化する。
一部の実施形態では、トランス120は、街灯照明器具グループに関連付けられたフィーダーピラー又はストリートキャビネット内に設置され得る。一部の実施形態では、トランス120はDINレール上に取り付けられる程度に十分小さくてもよい。通信トランス120は、自身が接続される第1の位相線6、7、8の電圧を増減させるのに必要な電力を供給するだけでよい。例えば、通信トランス120が1ボルト変調を実施し、各位相線6、7、8が230ボルトの場合、通信トランス120の電力定格は、230ボルトラインのための電源トランスの定格のわずか1/230でよい。したがって、特定の実施形態では、通信トランス120は任意で比較的小さいサイズを有し得る。
一部の実施形態では、一次巻線及び二次巻線を含む通信トランスが提供され得る。1つ以上の標準以上(above normal)タップ及び/又は標準以下(below normal)タップを含め、1つ以上のタップが提供され、これにより、通信トランスが作動されるときのタップの電子切替を介する巻線の巻数比の増加及び減少、そして対応する中性線5と位相線6、7、8との間の電位差の減少及び/又は増加を可能にする。
図3を参照すると、三相電力システムの1つのサイクルの電圧(又は電流)対時間が示されている。図示のサイクルは360°又は2πラジアンであり、左から右に移動する軸沿いに示され、90°、180°、270°、及び360°の表示がされている。図示の波形Aは、三相電力システムの第1の位相線の瞬間的な電圧又は電流変化に対応する。図示の波形Bは、三相電力システムの第2の位相線の瞬間的な電圧又は電流変化に対応する。図示の波形Cは、三相電力システムの第3の位相線の瞬間的な電圧又は電流変化に対応する。図示されるように、波形A、B、Cは1/3サイクル(120°又は(2π)/3ラジアン)の位相間隔を有する。
図4を参照すると、2つの完全な正弦サイクルにわたり、第1の正弦波形Y及び第2の正弦波形Zが示されている。正弦波形Yは、位相線又は中性線を介して符号化データパケットが伝送されていないときの三相電力システムの1つの位相線と三相電力システムの中性線との間の測定される電位差を表す。例えば、これは、トランス20、120によって符号化データパケットが伝送されていないときの図1又は図2の位相線6、7、8のうちの1つと中性線5との間の電位差を表し得る。正弦波形Zは、位相線又は中性線を介して符号化データパケットが伝送されているときの三相電力システムの1つの位相線と三相電力システムの中性線との間の測定される電位差を表す。例えば、これは、トランス20、120によって符号化データパケットが伝送されているときの図1又は図2の位相線6、7、8の1つと中性線5との間の電位差を表し得る。
(鉛直破線によって示される)波形Zの最初の2つのゼロ交差間では、波形Yに対して電圧降下ΔV1が発生する。一部の実施形態では、電圧降下ΔV1は約1ボルトであり、単一のスイッチの切り替えによって引き起こされ得る。他の実施形態では他の電圧降下が生じ、任意で2つ以上のスイッチを使用し得る(例えば、トランスの一方又は両方の巻線に関連付けられたマルチタップを使用し得る)。波形Y及び波形Zが互いに実質的に一致することから分かるように、第2及び第3のゼロ交差間、並びに第3及び第4のゼロ交差間では電圧降下は起こらない。第4及び第5のゼロ交差間では、波形Yに対して電圧降下ΔV2が生じる。一部の実施形態では、電圧降下ΔV2は約1ボルトであり、トランスの単一のスイッチを切り替えることにより引き起こされ得る。したがって、伝送される波形Bは、「ロー」半正弦サイクル、後続の2つの「ハイ」半正弦サイクル、そしてもう1つの「ロー」半正弦サイクルを含む。必要に応じて、追加の符号化半正弦サイクルが続けて伝送され得る。
図4では、図示の符号化データパケットは、三相電力システムの図示の1つの位相線の位相と同相でのトランスの切り替えにより実現される。符号化データパケットは更に、三相システムの他の2つの位相線にも伝送されるが、これらの2つの位相線は図示のデータパケットに対して1/3サイクルの位相間隔を有するため、これらの位相線とは同相ではない。したがって、トランスの切り替えは、他の2つの位相線の位相に対して120°位相が外れる。他の2つの位相線の位相に対して120°位相が外れたトランスの切り替えは、依然として2つの位相線の電圧上昇又は降下を実現するが、電圧上昇又は降下の大きさは、同相のラインの電圧上昇又は降下に対して約1/2になり得る。一部の実施形態では、位相が外れている位相線における電圧上昇又は降下の減少を補償するために、トランスの切り替えによって引き起こされる電圧降下/上昇の量が増加され得る。例えば、一部の実施形態では、電圧降下/上昇の量が2倍にされ得る。一部の実施形態では、位相が外れている位相線でのデータパケットの適切な解釈の可能性を高めるために、同じデータパケットが複数回伝送され、並びに/又は冗長及び/若しくはエラー検査と共に符号化され得る。
図5を参照すると、トランスの操作によるデータパケット伝送の一実施形態が示されている。他の実装形態はステップを他の順番で実行し、特定のステップを省き、且つ/又は図5に示されるものとは異なるステップ及び/若しくは追加のステップを実行し得る。便宜上、方法を実行し得る1つ以上のコンポーネントに言及しながら図5の側面を説明する。コンポーネントは例えば、図1のコントローラ28及び/又は図2のコントローラ128を含み得る。したがって、便宜上、図5に関連して図1及び図2の側面を説明する。
ステップ500において、照明器具データパケットが特定される。一部の実施形態では、照明器具データパケットは、1つ以上の照明器具のある調光レベルを実現するためのデータパケットであり得る。例えば、所望の調光レベルが中間調光レベルの場合、その調光レベル情報は複数のバイトを含む照明器具データパケット内に組み込まれ得る。例えば、照明器具データパケットは、8ビットのスタートコード、8ビットの調光コード(中間調光命令を含む)、及び8ビットのエンドコードの24ビットを含み得る。照明器具データパケットは、オプションで、ロバストネスを向上させる1つ以上の技術を使用し得る。例えば、一部の実施形態では、半正弦サイクルの符号化が規則的に変更されるよう、EFM(eight-to-fourteen modulation)符号化が使用され得る。言い換えれば、符号化は少数より多くの連続する半サインが同じ電圧レベルを有さないことを保証し、これにより、照明器具のコントローラが電圧レベルを検出するために連続する半正弦サイクルを比較することを容易にしてもよい。また、例えば、一部の実施形態では、ロバストネスを向上させるために、データパケット内にオプションでリード・ソロモン冗長パディング、CRC検査、チェックサム、及び/又は他の符号化が使用され得る。例えば、データパケットの送受信におけるビットエラーに対応するためにデータパケットに冗長情報を追加することが望ましい場合、リード・ソロモンが使用され得る。
また、例えば、一部の実施形態では、NビットのデータフレームがMビットのフレームを伝送するためにマッピングされる(M>N)データパケットの符号化方法が使用され得る。このような符号化方法は、データパケットをいずれも0及び1の短いシーケンスしか有さないコードにマッピングすることによってデータパケットに冗長ビットを追加し得る。このような符号化方法は1つ以上の利益を提供し得る。例えば、このような符号化方法は、0及び1の短いシーケンスを有する送信フレームのみを使用することにより、低頻度(low frequency)回避を可能にし得る。また、例えば、このような符号化方法は、データフレームの数(2N)よりも多くの送信フレームコード(2M)が存在するため、使用されていない送信コードが受信される場合を特定することにより、誤り検出を可能にし得る。また、例えば、このような符号化方法は、ビットエラーを補正するために最も近いマッチング送信コードを選択することにより、一時エラー補正を可能にし得る。また、例えば、このような符号化方法は、受信側で複数の(例えば3つ以上の)連続ビットが0又は1として解釈される場合に商用電源の振幅変化を特定することを可能にすることにより、バーストエラー回復を可能にし得る。受信機は、かかるバーストエラー状況から迅速に回復するために、複数の連続ビットが0又は1として解釈されることに応じて、電圧平均を検出するために使用される装置の時定数を調整し得る。また、例えば、このような符号化方法は、受信されるデータのM個の可能アラインメント全てのエラーカウントを検査し、最も低いエラーカウントを有するアラインメントを正しいアラインメントとして特定することにより、同期を可能にし得る。
使用され得る符号化方法の一例として、4データビットに6冗長ビットが追加され、10ビットコードのセットが生成され得る。4データビットの16の可能な値は、符号化方式を使用して10ビットコードのセットにマッピングされ得る。例えば、当該符号化方式では、10ビットコードは3つ以上の連続する0又は1を含んではならない。したがって、このようなコードを伝送するデータパケットは、接続されたデバイスへの給電に望ましくない妨害を引き起こさない。また、最も近いマッチング送信コードを選択することによる2ビット補正を提供するために、10ビットコードは互いに十分異なってもよい。また、10ビットコードは同期を提供し得る。任意の2つの連続して送信された10ビットコードは、デコーダが正しく同期されている場合にのみエラーなく復号される。例えば、コントローラが受信された一連のビットから10ビットを復号しようとするが、当該10ビットがある10ビットコードからの後半の5ビットと次の10ビットコードからの前半の5ビットとを含む場合、これらのビットはセット内の10ビットコードのうちの1つに対応しないので、コントローラはエラーを検出する。このような場合、コントローラは、当該10ビットがセット内の10ビットコードのうちの1つに対応することが認められるまで、1ビットずつ、受信された一連のビットに沿って「移動」し続ける。コントローラはその後、受信されたビットストリームに同期される。
符号化方式を用いて10ビットコードのセットにマッピングされ得る4データビットの16の可能な値の一例を以下に示す。
0 → 155 (0010011011)
1 → 173 (0010101101)
2 → 182 (0010110110)
3 → 213 (0011010101)
4 → 299 (0100101011)
5 → 309 (0100110101)
6 → 333 (0101001101)
7 → 339 (0101010011)
8 → 358 (0101100110)
9 → 587 (1001001011)
10→ 598 (1001010110)
照明器具データパケットは、オプションで、1つ以上のセンサ、ネットワーク接続、メモリ、及び/又は他のソースから受信された入力に基づいて決定され得る。例えば、一部の実施形態では、照明器具グループ46、47、48の調光レベルが、コントローラ28又は128に関連付けられたメモリ内に記憶されたスケジュールから読み出され得る。また、例えば、一部の実施形態では、調光レベルは完全に又は部分的に、光センサ(例えば、周囲光レベルを検出)、近接センサ(例えば、車又は歩行者の存在を検出)、及び/又はRFセンサ(例えば、近傍の照明器具ネットワークから送られた信号、中央制御システムからの信号、及び/又は乗り物からの信号を検出)等の1つ以上のセンサからの入力を介して決定され得る。図5の方法の記載のいくつかの側面では調光レベルについて述べられているが、本開示の利益を享受した当業者は、他の実施形態では照明器具の追加の又は代替的な側面が制御され得ることを認識及び理解するであろう。例えば、一部の実施形態では、照明器具のLEDベース光源の色出力が制御され、且つ/又は、照明器具の複数の光源のうちのどれが作動されるべきかが制御され得る。制御情報はアドレスデータをその中に符号化することにより1つ以上のアドレス指定可能な照明器具にあてられ、及び/又は、グループ内の全ての照明器具にあてられ得る。
ステップ505において、三相電力システムに電気接続された単一のトランスが、データパケットに対応して複数のサイクル期間中に切り替えられる。例えば、トランス20はデータパケットに対応して複数の半正弦サイクル中に切り替えられ得る。一部の実施形態では、トランスは1つ以上のスイッチの作動を介して切り替えられ得る。例えば、一部の実施形態では、トランス120のスイッチ125a、125b、125c、125dのうちの適切なものがデータ「ハイ」に対応する半正弦サイクル中に作動され、データ「ロー」に対応する半正弦サイクル中に作動されなくてもよい。オプションで、データパケットは複数の連続するサイクル上に符号化され得る。他の実施形態では、データパケット内に1つ以上の非符号化サイクルが挿入され得る。
一部の実施形態では、三相電力システムによって供給される電圧はある期間符号化されない状態で伝送され、その後再び、データパケットに対応して複数のサイクルの間切り替えられてもよい。特定の実施形態では、データパケットは連続して(任意である期間の経過後に)伝送され、データパケットが再伝送されない限り、照明器具は以前の又はデフォルトの状態に戻る。例えば、一部の実施形態では、調光レベルは約5分毎に伝送される。照明器具が直近の調光レベル命令の6分以内に更新された調光レベル命令を受信しない場合、照明器具は別の調光レベル命令が受信されるまで、(例えばプリロードされたスケジュールを使用して)以前の又はデフォルトの状態に戻り得る。
一部の実施形態では、データパケットは複数の正の半サイクル又は複数の負の半サイクルのいずれかの上にのみ符号化され得る。例えば、一部の実施形態では、トランス20、120のスイッチのうちの1つがデータ「ハイ」に対する正の半正弦サイクル中に作動され、データ「ロー」に対応する正の半正弦サイクル中には作動されなくてもよい。このような実施形態では、負の半正弦サイクル中、スイッチはデータパケットに従って作動されない。このような実施形態では、負の半正弦サイクルは一切のデータを有さないか、又は代わりに別のデータパケットを有し得る。例えば、一部の実施形態では、データパケットは正の半正弦サイクル上にのみ符号化され、第2のデータパケットが負の半正弦サイクル上にのみ符号化され得る。
負の半正弦サイクル及び正の半正弦サイクルは、2つの完全に独立した通信チャネルとして見られ得る。同期、パケット復号、冗長コーディング及びコマンドコーディング(チャネルのタイミング及び/又は状態)、並びに/又はデータペイロードは、独立した通信チャネル間で別々に取り扱われ得る。また、2つの独立した通信チャネルは任意で2つの異なる状態にあり得る。例えば、正の半サイクルチャネルが同期されてコマンドの復号及び実行のために使用される一方、負のチャネルは偽及び真の振幅レベルを特定するために未だ使用されていない状態にあり得る。一部の実施形態では、データパケットを複数の正の半サイクル又は複数の負の半サイクルのうちの一方の上にのみ符号化することは、データ通信を非対称負荷に起因するノイズに対してよりロバストにし得る。例えば、電力を低減するためにダイオードを使用するDC負荷は、正又は負の半サイクルの一方でのみ(ダイオードの極性に依存)電流を運び、これはDC負荷が低減された電力状態にある場合、非対称な振幅変化を生じ得る。このような負荷が(抵抗損失により)正の半サイクルを5V、負の半サイクルを0ボルト低減させる場合、このような非対称振幅変化により、データ伝送に2ボルトの電圧降下を使用する正の半サイクル及び負の半サイクルの両方で送信されるデータパケットは不正になる。しかし、データパケットが正の半サイクルのみ又は負の半サイクルでのみ送られ、2ボルトの電圧降下を使用する場合、データパケットは不正ではない。
図6を参照すると、三相電力システムに電気接続される単一のトランスの切り替えの位相シフトの一実施形態が示されている。他の実装形態はステップを他の順番で実行し、特定のステップを省き、且つ/又は図6に示されるものとは異なるステップ及び/若しくは追加のステップを実行し得る。便宜上、方法を実行し得る1つ以上のコンポーネントに言及しながら図6の側面を説明する。コンポーネントは例えば、図1のコントローラ28及び/又は図2のコントローラ128を含み得る。したがって、便宜上、図6に関連して図1及び図2の側面を説明する。
一部の実施形態では、ステップ506〜508は図5のステップ505が実行されるときに実行され得る。概して言えば、ステップ506〜508は、トランスの3つの異なる切り替え位相の各々の間に少なくとも一度所与のデータパケットを再送信するためにトランスの切り替えを使用する。一部の実施形態では、各3つの異なる位相間の位相差は約120°であり得る。一部の実施形態では、各3つの異なる位相は、三相電力システムの3つの位相線のうちの1つの位相に対応する。したがって、このような実施形態では、データパケットは少なくとも一度第1の位相線と同相で送信され、少なくとも一度第2の位相線と同相で送信され、少なくとも一度第3の位相線と同相で送信され得る。
一部の実施形態では、特定のデータパケットのみが図6のステップを使用して送信され得る。一部の実施形態では、三相システムの複数のラインを介してデータパケットを供給するための単一のトランスの切り替えにおいて図6のステップは実行されない。上述されるように、所与の位相線の位相から外れたトランスの切り替えは依然として所与の位相線の電圧上昇又は降下を実現するが、所与の位相線の電圧上昇又は降下の大きさは、同相の位相線の電圧上昇又は降下に対して小さくなる。一部の実施形態では、位相が外れている位相線の電圧上昇又は降下の減少を補償するために、トランスの切り替えによる電圧降下/上昇の量が増加され得る。一部の実施形態では、位相が外れている位相線でのデータパケットの解釈の可能性を高めるために、同じデータパケットが複数回伝送され、並びに/又は、冗長及び/若しくはエラー検査と共に符号化され得る。
ステップ506において、データパケットに対応して、複数のサイクル期間の第1のセットの間、単一のトランスが第1の位相で切り替えられる。一部の実施形態では、第1の位相は、三相電力システムの第1の位相線6の位相に実質的に対応し得る。例えば、第1の位相は第1の位相線6の位相に実質的に対応し得る。第1の位相線6の位相に対応する第1の位相での単一のトランスの切り替えは、データパケットに対応し、且つ、単一のトランスによって作成される電圧上昇/降下に実質的に等しい第1の照明器具グループ46の電圧上昇/降下を引き起こす。
ステップ507において、データパケットに対応して、複数のサイクル期間の第2のセットの間、第2の位相で単一のトランスが切り替えられる。一部の実施形態では、第2の位相は、三相電力システムの第2の位相線の位相に実質的に対応し得る。例えば、第2の位相は第2の位相線7の位相に実質的に対応し得る。第2の位相線7の位相に対応する第2の位相での単一のトランスの切り替えは、データパケットに対応し、且つ、単一のトランスによって作成される電圧上昇/降下に実質的に等しい第2の照明器具グループ47の電圧上昇/降下を引き起こす。
ステップ508において、データパケットに対応して、複数のサイクル期間の第3のセットの間、第3の位相で単一のトランスが切り替えられる。一部の実施形態では、第3の位相は、三相電力システムの第3の位相線の位相に実質的に対応し得る。例えば、第3の位相は第3の位相線8の位相に実質的に対応し得る。第3の位相線8の位相に対応する第3の位相での単一のトランスの切り替えは、データパケットに対応し、且つ、単一のトランスによって作成される電圧上昇/降下に実質的に等しい第3の照明器具グループ48の電圧上昇/降下を引き起こす。一部の実施形態では、ステップ506、507、及び508のうちの1つが省かれ、トランスの2つの異なる切り替え位相のそれぞれの間に、所与のデータパケットが少なくとも一度提供されてもよい。
同じデータパケットがスイッチの3つの切り替え位相で伝送されると述べたが、一部の実施系形態では、異なる切り替え位相中に異なるデータパケットが伝送されてもよい。これは、単一のトランスによるマルチ通信チャネルを可能にし得る。例えば、対応する位相線と同相で伝送されるデータパケットは、その位相線内の装置によってのみ従われ得る。例えば、照明器具のコントローラは、自身に接続する三相照明システムの対応する位相線と同相のデータパケットにのみ従い得る。
図7を参照すると、入力電力波形を分析し、入力電力波形の分析に基づいてデータパケット情報を決定する方法の一実施形態が示されている。他の実装形態はステップを他の順番で実行し、特定のステップを省き、且つ/又は図7に示されるものとは異なるステップ及び/若しくは追加のステップを実行し得る。便宜上、方法を実行し得る1つ以上のコンポーネントに言及しながら図7の側面を説明する。コンポーネントは例えば、図8のコントローラ54を含み得る。したがって、便宜上、図7に関連して図8の側面を説明する。
方法は、入力電力波形を受信するステップ700を含む。一部の実施形態では、入力電力波形はオーバーサンプリングされ得る。一部の実施形態では、コントローラ54は入力電力波形を受信し得る。入力電力波形は三相電力システムの単一の位相線及び中性線を介して受信され得る。一部の実施形態では、入力電力波形はオプションで、受信ステップの前にまずA/Dコンバータによって変更され得る。
ステップ705において、どのサイクルが電圧降下を有しどれが有さないかを決定するために、電力波形の複数のサイクルが比較される。例えば、一部の実施形態では、各連続する半正弦サイクルが分析され、それが電圧降下を有するか否かが決定される。また、例えば、一部の実施形態では、4つの半正弦サイクル毎に分析が行われ、電圧降下を有するか否かが決定される。他の実施形態では、複数の半正弦サイクルが比較され、どのサイクルが電圧上昇を有し、どれが有さないかが決定される。一部の実施形態では、コントローラ54は電力波形の複数のサイクルを比較し、これらのサイクルのいずれが電圧降下を有し、いずれが有さないかを決定し得る。
また、例えば一部の実施形態では、各正の半正弦サイクルのみが分析されて電圧降下を有するか否かが決定され、又は、各負の半正弦サイクルのみが分析されて電圧降下を有するか否かが決定される。例えば、一部の実施形態では、データパケットは正の半正弦サイクル上にのみ符号化され、正の半正弦サイクルのみがデータパケットを決定するために分析され得る。また、例えば、一部の実施形態では、第1のデータパケットは正の半正弦サイクル上にのみ符号化され、正の半正弦サイクルのみが第1のデータパケットを決定するために分析され得る。第2のデータパケットは負の半正弦サイクル上にのみ符号化され、負の半正弦サイクルのみが第2のデータパケットを決定するために分析され得る。負の半正弦サイクル及び正の半正弦サイクルは、2つの完全に独立した通信チャネルとして見ることができる。同期、パケットデコーディング、冗長コーディング及びコマンドコーディング(チャネルのタイミング及び/又は状態)、並びに/又はデータペイロードは、独立した通信チャネル間で完全に別々に取り扱われ得る。また、2つの独立した通信チャネルは、任意で2つの完全に異なる状態にあり得る。
一部の実施形態では、受信された入力電力波形を平均化するためにローパスフィルタ及び/又は他の装置が使用され、半サイクルが電圧降下又は上昇を有するか否かの決定にその平均が使用され得る。AC商用電圧の振幅の望ましくない突然の変化はこの平均をゆっくりと増加又は減少させ、これは半サイクルが電圧降下又は上昇を有するか否かの決定に一時的なエラーを引き起こし得る。このようなエラーは、ローパスフィルタが新しい標準平均値に調整されるまで持続する。一部の実装形態では、AC商用電圧の振幅の突然の変化の検出に応じて、ローパスフィルタが標準平均値の加速調整に調整され得る。データパケットをいずれも0及び1の短いシーケンスしか有さないコードにマッピングする符号化方法が使用された場合、受信側で複数の連続するビットが0又は1として解釈されたとき、このようなAC商用電源の振幅の突然の変化を特定することができる。このようなバーストエラーから迅速に回復するために、複数の連続するビットを0又は1として解釈することに応じて、受信側は電圧平均を検出するのに使用される装置の時定数を調整し得る。
ステップ710において、どのサイクルが電圧降下を有しどれが有さなかったかに基づき、伝送されたデータパケットが決定される。例えば、電圧降下パケットはデジタルローパケットとして解釈され、非電圧降下パケットはデジタルハイとして解釈され得る。オプションで、リード・ソロモン、CRC検査、チェックサム、及び/又は前方誤り訂正等の1つ以上のアルゴリズムを使用して、受信されたパケットが復号及び/又は補正され得る。例えば、データパケットがリード・ソロモン符号化を使用して伝送された場合、リード・ソロモンアルゴリズムを使用して復号され得る。
ステップ715において、必要であれば、ステップ710において決定されたデータパケットに基づき、少なくとも1つの光源の照明特性が調整され得る。例えば、データパケットは、調光レベルを示す1つ以上のビットを含み得る。このような調光レベルが現在の調光レベルとは異なる場合、安定器52を介して光源56の調光レベルが調整され得る。
ステップ720において、コントローラ54はオプションで、半正弦サイクルを運ぶ追加データが伝送されるのをある期間待ち得る。例えば、特定の実施形態ではデータパケットは連続的に伝送され(オプションである期間の経過後)、特定の期間内にデータパケットが受信されない場合、照明器具は以前の又はデフォルトの状態に戻る。例えば、一部の実施形態では、調光レベルは約毎分伝送される。照明器具が直近の調光レベル命令の1分以内に更新された調光レベル命令を受信しない場合、コントローラ54は、光源56をフル出力パワーで駆動することに安定器52を徐々に戻し得る。オプションで、一部の実施形態では、データパケットにより調光信号が検出されない場合、フル出力パワーがデフォルトであり得る。日中の商用電力のオプションのキャビネットレベルの切り替えと相まって、このようなソリューションはデータパケット伝送に関するエラー状況に対して非常にロバストであり得る。また、他の一部の実施形態では、照明器具が特定の時間内に更新された調光レベル命令を受信しない又は他の態様でトランスからの出力との適切な通信を失う場合、他の照明制御が追加で又は代替的に照明器具を動作させ得る。例えば、照明器具はデフォルトで、特に照明器具の昼光センサの出力に応じて制御され得る。
図7の方法の側面は調光レベルに関して述べられているが、本開示の利益を享受した当業者は、他の実施形態では照明器具の追加の又は代替的な側面が制御され得ることを認識及び理解するであろう。例えば、一部の実施形態では、照明器具のLEDベース光源の色出力が制御され、且つ/又は、照明器具のどの光源が作動されるかが制御され得る。
本明細書に記載される方法及び装置の側面は、複数の半正弦サイクル中の電圧の操作について論じるが、本開示の利益を享受した当業者は、他の実施形態では追加の又は代替的な正弦サイクルの期間が使用され得ることを認識及び理解するであろう。例えば、一部の実施形態では、操作は1/4正弦サイクル、3/4正弦サイクル、及び/又は1より大きい正弦サイクル(例えば、1と1/2正弦サイクル)にわたり生じ得る。例えば、一部の実施形態では、操作は交互に半正弦サイクル及び3/4正弦サイクルにわたり生じ得る。コントローラ28及び/又は128は、任意のかかる選択可能な正弦サイクル期間を伝送するよう適切に構成され、コントローラ54は、任意のかかる選択可能な正弦サイクル期間を受信及び分析するよう適切に構成され得る。更に、任意のかかる選択可能な正弦サイクル期間に対して、(例えば図6に関して)本明細書に記載されるようなトランスの切り替え位相の任意の位相シフトがオプションで構成され得る。
図8は、図1及び図2の第1の位相線6と中性線5との間に電気接続される照明器具グループ46の照明器具46Aの一実施形態を示す。照明器具グループ47及び/又は48、オプションで1つ以上の同様な照明器具を含み得る。照明器具46Aは、第1の位相線6及び中性線5を受ける安定器52を含む。安定器52は、第1の位相線6と中性線5との間の電位差を監視するコントローラ54を含む。一部の実施形態では、コントローラと第1の位相線6及び中性線5との間にA/Dコンバータが挿入され得る。A/Dコンバータのみによって得られる分解能より高い精度又は正確さを得るために、コントローラ54はオプションで、A/Dコンバータを介して受信された入力をオーバーサンプリングし得る。コントローラ54はその後サイクル(例えば、半正弦サイクル)を比較し、どのサイクルが電圧降下又は上昇による影響を受け、どれが受けていないかを検出し得る。例えば、図3の波形Zが第1の位相線6及び中性線5によって伝送された場合、コントローラ54は、「ロー」半正弦サイクル、後続する2つの「ハイ」半正弦サイクル、そしてもう1つの「ロー」半正弦サイクルが受信された入力内に存在したことを決定し得る。コントローラ54は受信された符号化電力に基づき、照明器具46Aの1つ以上の側面を制御し得る。例えば、調光レベル符号化データが受信される場合、コントローラ54は、安定器52に光源56を伝送された調光レベルで動作させ得る。
一部の実施形態では、コントローラ54及びA/Dコンバータは、現在、(例えば安定器で受ける電圧を測定するために)照明安定器内で使用されているハードウェアと同様であり得る。これらの実施形態の一部のバージョンでは、既存のコントローラ54上に更新されたソフトウェアがインストールされ得る。これらの実施形態の他のバージョンでは、コントローラ54及び/又は安定器は新しくてもよい。照明ドライバ内で現在使用されているハードウェアと類似する改変されたハードウェアの使用は、改変されたハードウェアの既存の照明器具への容易な組み込みを可能にし得る。
いくつかの発明的実施形態を記載及び図示したが、当業者は、開示の機能を実行するための、並びに/又は開示の結果及び/若しくは1つ以上の利益を得るための様々な他の手段及び/又は構造に容易に想到するであろう。また、かかる変形例及び/又は改変例は開示の発明的実施形態の範囲に含まれるとみなされる。より一般的には、開示される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示的であり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、発明的な教示が適用される特定の用途に依存することを当業者は容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験以上を要することなく、開示の特定の発明的実施形態の多数の均等物を認識又は確認できるであろう。したがって、上記実施形態はあくまで例として提示されており、特許請求の範囲及び均等物の範囲内において、発明的実施形態は明確に記載及び請求された態様以外の態様で実施され得る。本開示の発明的実施形態は、本明細書に開示される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。また、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が互いに矛盾しない場合、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の2つ以上の任意の組み合わせは本開示の発明的範囲に含まれる。
本明細書で定義及び使用される全ての定義が、辞書の定義、参照によって組み込まれる文献内の定義、及び/又は定義される用語の通常の意味を支配すると理解されたい。
本明細書及び特許請求の範囲において、明らかに反して示されていない限り、要素は「少なくとも1つの」要素を意味すると理解すべきである。
本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「及び/又は」との表現は、等位結合された要素の「いずれか又は両方」を意味すると理解すべきである。すなわち、要素は、ある場合は接続的に存在し、その他の場合は離接的に存在する。「及び/又は」を用いて列挙される複数の要素も同様に解釈されるべきであり、すなわち、要素のうちの「1つ以上」が等位結合される。「及び/又は」節によって具体的に特定された要素以外の他の要素も、それが具体的に特定された要素に関連していても関連していなくても、任意選択的に存在してよい。
本明細書及び特許請求の範囲において、1つ以上の要素の列挙に関連する節「少なくとも1つ」は、要素の列挙内の任意の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであり、必ずしも要素の列挙内に具体的に列挙される全ての要素を少なくとも1つ含まず、要素の列挙内の要素のあらゆる組み合わせを除外しない。また、この定義は、節「少なくとも1つ」が指す要素の列挙内に具体的に特定される要素以外の要素が任意で存在し得ることを許容し、具体的に特定される要素に関係しても無関係でもよい。
また、明らかに反するよう示されない限り、1つ以上のステップ又は動作を含むあらゆる特許請求の方法において、方法のステップ又は動作の順番は必ずしも方法のステップ又は動作が列挙されている順番に限定されないことを理解されたい。請求項において括弧内に参照符号がある場合、それらは単に便宜上設けられたものであり、特許請求の範囲を決して限定しないと解されるべきである。
特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「〜から構成される」等といったあらゆる移行句は、非制限的、すなわち、限定ではなく含むを意味すると理解すべきである。「〜からなる」及び「本質的に〜からなる」といった移行句のみが、制限又は半制限移行句である。