JP6176300B2 - ポリエステル樹脂組成物の積層体 - Google Patents
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Description
さらに、このようなバイオマス由来のポリエステルからなる層を有する積層体も、従来の化石燃料から得られる原料からなる積層体と、機械的特性等の物性面で遜色ないものが得られるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
第1の層が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50〜95質量%含んでなり、
第2の層が、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料からなることを特徴とするものである。
したがって、従来に比べて化石燃料の使用量を大幅に削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、本発明のポリエステル樹脂組成物の積層体は、従来の化石燃料から得られる原料から製造されたポリエステル樹脂組成物の積層体と比べて、機械的特性等の物性面で遜色がないポリエステル樹脂組成物を用いているため、従来のポリエステル樹脂組成物の積層体を代替することができる。
本発明による積層体は、第1の層が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50〜95質量%、好ましくは50〜90質量%含んでなることで、カーボンニュートラルなポリエステル樹脂からなる層を有する積層体を実現できる。また、バイオマス由来のエチレングリコールは、従来の化石燃料由来のエチレングリコールと化学構造が同じであるため、バイオマス由来のエチレングリコールを用いたポリエステルは、従来の化石燃料由来の原料から重合したポリエステルとなんら変わらず、従って、本発明の積層体の第1の層は、従来のポリエステルフィルムと機械的特性等の物性面で遜色がない。また、本発明の積層体の第2の層がバイオマス由来の原料を含む樹脂材料からなるため、第2の層もカーボンニュートラルな材料からなる層である。したがって、本発明の積層体は、カーボンニュートラルな材料からなる層を少なくとも2層有するため、従来の化石燃料から得られる原料から製造された積層体に比べて、化石燃料の使用量を大幅に削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、好ましい態様によれば、積層体は、無機物または無機酸化物からなる第3の層や従来の化石燃料から得られる原料からなる第4の層をさらに有してもよい。
本発明において、第1の層は、以下で説明するポリエステルを主成分として含む樹脂組成物からなるものである。なお、積層体は、第1の層を2層以上有してもよい。第1の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
第1の層を形成する樹脂組成物中に含まれるポリエステルは、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなり、ジオール単位としてバイオマス由来のエチレングリコールを用い、ジカルボン酸単位として化石燃料由来のジカルボン酸を用いて重縮合反応により得られるものである。
鎖延長剤は、重縮合終了後、均一な溶融状態で、無溶媒で反応系に添加し、重縮合により得られたポリエステルと反応させる。
Pbio(%)=PC14/105.5×100
積層体の第1の層は、上記した樹脂組成物からなるポリエステル樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂組成物をフィルムに加工するには、従来のポリエステル樹脂からフィルムを成形する方法を採用することができる。具体的には、上記した樹脂組成物を乾燥させた後、ポリエステルの融点以上の温度(Tm)〜Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融し、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することによりフィルムを成形することができる。溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
本発明において、第2の層は、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料からなるものである。第2の層をバイオマス由来の原料を含む樹脂材料から形成することで、カーボンニュートラルな樹脂層を形成することができる。したがって、化石燃料の使用量を大幅に削減することができ、環境負荷を減らすことができる。なお、積層体は、第2の層を2層以上有してもよい。第2の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
本発明において、第3の層は、無機物または無機酸化物からなるものであり、無機物もしくは無機酸化物の蒸着膜または金属箔からなるものが好ましい。蒸着膜は、従来公知の無機物または無機酸化物を用いて、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。積層体が、第3の層をさらに有することで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性を、付与ないし向上させることができる。なお、積層体は、第3の層を2層以上有してもよい。第3の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
更に具体的に説明すると、アルミニウムの蒸着膜の場合には、膜厚50〜600Å位、更に、好ましくは、100〜450Å位が望ましく、また、酸化アルミニウムあるいは酸化珪素の蒸着膜の場合には、膜厚50〜500Å位、更に、好ましくは、100〜300Å位が望ましいものである。
本発明において、第4の層は、従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層である。
第4の層は、従来公知の原料を用いて形成することができ、その組成および形成方法は、特に限定されない。積層体が、第4の層をさらに有することで、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させることができる。なお、積層体は、第4の層を2層以上有してもよい。第4の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
本発明による積層体は、第1〜第4の層以外に、その他の層を少なくとも1層さらに有してもよい。その他の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。その他の層は、第1〜第4の層のいずれか1層または2層以上の上に、形成することができる。その他の層としては、例えば、印刷層や接着層を挙げることができる。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、その形成方法は特に限定されない。また、接着層は、いずれか2層をラミネートにより貼合するために形成される、接着剤層または接着樹脂層である。ラミネート用接着剤としては、例えば、1液あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネート用接着剤を使用することができる。上記の接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。その塗布量としては、0.1g/m2〜10g/m2(乾燥状態)位が好ましく、1g/m2〜5g/m2(乾燥状態)位がより好ましい。
本発明の積層体の層構成については、第1の層および第2の層をそれぞれ少なくとも1層有するものであれば、特に限定されず、従来の積層フィルムと同様の層構成であってもよい。例えば、PET/PE(PEF)、PET/CPP、PET/CNY、PET/PET/PE、PET/PET/CPP、PET/AL/PE、PET/AL/CPP、PET/ONY/PE、PET/ONY/CPP、ONY/PET/PE、ONY/PET/CPP、PET/PVA/PE、PET/PVA/CPP、PET/PVC/PE、PET/PVC/CPP、PET/AL/ONY/PE、PET/AL/ONY/CPP、PET/ONY/AL/PE、PET/ONY/AL/CPP、PET/紙/PE、PET/紙/CPP、紙/AL/PET/PE、紙/AL/PET/CPP、およびOPP/PET/AL/OPP等が挙げられる。また、バリアフィルムと積層してもよい。例えば、PET/AL蒸着PET/CPP、ONY/透明蒸着PET/CPP、およびPET/AL蒸着CPP等が挙げられる。なお、各略称の名称は、以下のとおりである。PET:ポリエチレンテレフタレート、PE:ポリエチレン、PEF:ポリエチレンフィルム、CNY:無延伸ナイロン、ONY:延伸ナイロン、AL:アルミニウム箔、CPP:未延伸ポリプロピレン、OPP:二軸延伸ポリプロピレン、PVA:ポリビニルアルコール、PVC:ポリ塩化ビニル。
本発明による積層体には、化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性等の表面機能等の付与を目的として、二次加工を施すことも可能である。二次加工の例としては、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等)、機械加工、表面処理(帯電防止処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング、等)等が挙げられる。また、本発明による積層体に、ラミネート加工(ドライラミネートや押し出しラミネート)、製袋加工、およびその他の後処理加工を施して、成型品を製造することもできる。
本発明による積層体は、包装製品、各種ラベル材料、蓋材、シート成型品、ラミネートチューブ等の用途に好適に使用することができ、特に、積層フィルムまたは包装用袋(例えば、ピロー袋、スタンディングパウチや4方パウチ等のパウチ)が好ましい。積層体の厚さは、その用途に応じて、適宜決定することができる。例えば、5〜500μm、好ましくは10〜300μm程度の厚みのフィルムないしシート状の形態で用いられる。
<バイオマス由来のポリエステルの合成>
テレフタル酸83質量部とバイオマスエチレングリコール(インディアグライコール社製)62質量部とをスラリーとして反応槽に供給し、常法の直重方法で、エステル化反応を240℃で5時間行った。その後、トリメチルフォスフェート(アルドリッチ社製)を0.013質量部添加(酸成分に対して15mmol%)してから高温真空条件下の重合反応に移行させた。まず、40分間で、真空度を4000Pa、重合温度280℃にまで昇温し、ついでその重合温度280℃のまま、真空度を200Paまで下げて溶融重合反応を行った。反応時間は3時間であった。合成したポリマーは、ストランドの形で流水中に吐出し、ペレタイザによってペレット化した。そのペレットを160℃において5時間乾燥後、窒素雰囲気下50Paの真空下205℃で固相重合して固有粘度0.8dl/gのポリマーを得た。なお、固有粘度はフェノール/テトラクロロエタン(成分比:3/2)溶媒を用い、35℃で測定した溶融粘度から算出した。得られたポリマーの示差熱分析(装置:島津製作所DSC−60、測定条件:ヘリウムガス中、6℃/分で昇温)を行ったところ、ガラス転移温度は69℃を示し、化石燃料由来の原料から得られる既知のポリエチレンテレフタレートと同等であった。また、得られたバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートの放射製炭素測定を行ったところ、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量は16%であった。
上記のようにして得られたポリエチレンテレフタレートペレット90質量部と、滑剤として平均粒子径0.9μmの多孔性シリカを200ppm含む化石燃料由来のポリエチレンテレフタレートマスターバッチ10質量部とを乾燥した後押出機に供給し、285℃で溶融し、Tダイよりシート状に押し出し、冷却ロールにて冷却固化させて未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを、低速側駆動ロールの速度を6.5m/min、高速側駆動ロールの速度を22m/minとして、縦方向に3.5倍の倍率で延伸し、さらに、テンターにて横方向に3.5倍の倍率で延伸して厚みが12.02μmである二軸延伸ポリエステルフィルム1を得た。
上記のようにして得られたポリエチレンテレフタレートペレット60質量部と、リサイクルPET(フィルム製膜時の耳ロス等の製造工程内ロス部分をリペレットしたもの)30質量部と、上記で使用したポリエチレンテレフタレートマスターバッチ10質量部とを乾燥した後押出機に供給し、285℃で溶融し、Tダイよりシート状に押し出し、冷却ロールにて冷却固化させて未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを、低速側駆動ロールの速度を6.5m/min、高速側駆動ロールの速度を22m/minとして、縦方向に3.5倍の倍率で延伸し、さらに、テンターにて横方向に3.5倍の倍率で延伸して厚みが12.13μmである二軸延伸ポリエステルフィルム2を得た。
従来の化石燃料由来の原料から製造されているポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.83dl/g)60質量部と、リサイクルPET(フィルム製膜時の耳ロス等の製造工程内ロス部分をリペレットしたもの)30質量部と、上記で使用したポリエチレンテレフタレートマスターバッチ10質量部とを乾燥した後押出機に供給し、285℃で溶融し、Tダイよりシート状に押し出し、冷却ロールにて冷却固化させて未延伸シートを得た。
次いでこの未延伸シートを、低速側駆動ロールの速度を6.5m/min、高速側駆動ロールの速度を22m/minとして、縦方向に3.5倍の倍率で延伸し、さらに、テンターにて横方向に3.5倍の倍率で延伸して厚みが12.06μmである二軸延伸ポリエステルフィルム3を得た。
得られたフィルム1の放射製炭素測定を行ったところ、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量は14%であった。また、フィルム2および3についても同様に放射製炭素測定を行ったところ、バイオマス由来の炭素の含有量はそれぞれ、10%および0%であった。
得られた各フィルムのMD方向(巻き取り方向)とTD方向(MD方向と90度の角度のなす方向)のそれぞれから、幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、引張試験機(テンシロンRTC−125A、オリエンテック社製)を用いて、温度23℃、湿度50RH%の環境下において、試験片の強伸度測定を行った。また、MD方向およびTD方向のF5値(フィルムが5%伸張したときの引張強度)を測定した。MD方向およびTD方向それぞれの引張強度(kg/mm2)および破断伸度(%)、ならびにF5値(kg/mm2)は、表1に示される通りであった。
<積層体の作製1>
上記のようにして得られたバイオマスPETフィルム1(厚さ12μm)の一方の面にコロナ処理を施した。そして、バイオマスPETフィルム1のコロナ処理面に、ポリエチレンイミンを含むアンカーコート剤を介してポリ乳酸(バイオマス由来、ユニチカ社製:テラマックTP−4000)と低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製:Z568)のブレンド膜(ブレンド比6:4、厚さ40μm)を240℃の樹脂温にて押し出して、積層フィルムを得た。この積層フィルムは、図1に示されるような層構成を有していた。この積層フィルムを使用して、外寸法100mm×150mm、背シール巾部10mmのピロー袋を作成した。
<積層体の作製2>
上記のようにして得られたバイオマスPETフィルム1(厚さ12μm)の一方の面にコロナ処理を施し、コロナ処理面にアルミ蒸着を施した(蒸着条件 … 蒸着源:アルミニウム、蒸着チャンバー内の真空度:2×10−3mbar、巻き取りチャンバー内の真空度:3×10−2mbar、フィルムの搬送速度:350m/min、膜厚:450Å)。また、ポリ乳酸フィルム(バイオマス由来、三井化学東セロ製:パルグリーン、厚さ15μm)を用意し、一方の面にコロナ処理を施し、コロナ処理面に印刷層(絵柄及び白押さえ)を形成した。そして、バイオマスPETフィルム1の蒸着面と、該ポリ乳酸フィルムの印刷面とをドライラミネートで貼合した。さらに、バイオマスPETフィルム1の他方の面(蒸着面と反対側の面)と、一般の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ社製:T.U.X FC−D、厚さ80μm)とをドライラミネートで貼合して、積層フィルムを得た。印刷インキは東洋インキ社製のNEW LP スーパーを使用した。
ドライラミネートによる貼合にはウレタン系接着剤(三井化学社製:タケラックA−515V/タケネートA−5)を使用し、乾燥時の塗布量が3.5g/m2になるよう調整した。貼合後、40℃×48時間のエージングを行った。この積層フィルムは、図2に示されるような層構成を有していた。この積層フィルムを使用して、外寸法100mm×140mm、折り込み巾30mm、外周部のシール巾5mmのスタンディングパウチを作成した。
<積層体の作製3>
上記で用意した一般のPETフィルム4(厚さ12μm)の一方の面にコロナ処理を施した。そして、PETフィルム4のコロナ処理面に、ポリエチレンイミンを含むアンカーコート剤を介してポリ乳酸(バイオマス由来、ユニチカ社製:テラマックTP−4000)と低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製:Z568)のブレンド膜(ブレンド比6:4、厚さ40μm)を240℃の樹脂温にて押し出して、積層フィルムを得た。
この積層フィルムは、図1に示されるような層構成を有していた。この積層フィルムを使用して、外寸法100mm×150mm、背シール巾部10mmのピロー袋を作成した。
<積層体の作製4>
ポリ乳酸フィルム(バイオマス由来、三井化学東セロ製:パルグリーン、厚さ15μm)を用意し、一方の面にコロナ処理を施し、コロナ処理面に印刷層(絵柄及び白押さえ)を形成した。そして、上記で用意した一般のアルミ蒸着PETフィルム5(厚さ12μm)の蒸着面と、該ポリ乳酸フィルムの印刷面とをドライラミネートで貼合した。さらに、アルミ蒸着PETフィルム5の蒸着面と反対側の面と、一般直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ社製:T.U.X FC−D、厚さ80μm)とをドライラミネートで貼合して、積層フィルムを得た。印刷インキは東洋インキ社製のNEW LP スーパーを使用した。ドライラミネートによる貼合にはウレタン系接着剤(三井化学社製:タケラックA−515V/タケネートA−5)を使用し、乾燥時の塗布量が3.5g/m2になるよう調整した。貼合後、40℃×48時間のエージングを行った。この積層フィルムは、図2に示されるような層構成を有していた。この積層フィルムを使用して、外寸法100mm×140mm、折り込み巾30mm、外周部のシール巾5mmのスタンディングパウチを作成した。
実施例1および比較例1で得られた各積層フィルムを、幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とした。試験片のシール層面同士を、ヒートシールにより接着した。接着したサンプルを引張試験機(テンシロンRTC−125A、オリエンテック社製)を用いて、T時剥離強度の測定を行った。この測定におけるシール圧力は30N/cm2、シール時間は1秒、シール温度は170℃、引張速度は300mm/分であった。測定はJIS Z1707に準拠して行った。測定結果は、下記の表2に示される通りであった。
11 第1の層
12 第2の層
20 積層体
21 第1の層
22 第2の層
23 第3の層
24 接着層
25 印刷層
26 第4の層
Claims (19)
- 少なくとも2層を有する積層体であって、
第1の層が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルと、ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルとを含むブレンド樹脂からなり、
第2の層が、セロハン、でんぷん、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、およびセルロースからなる群から選択される1種または2種以上のバイオマス由来の樹脂材料からなることを特徴とする、積層体。 - 前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、前記樹脂組成物全体に対して50〜95質量%含んでなる、請求項1に記載の積層体。
- 前記樹脂組成物が、ジオール単位が化石燃料由来のジオールまたはバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルからなる樹脂製品をリサイクルして得られるポリエステルをさらに含んでなる、請求項1または2に記載の積層体。
- 前記樹脂組成物が、前記リサイクルして得られるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して5〜45質量%含んでなる、請求項2または3に記載の積層体。
- 前記化石燃料由来のジカルボン酸がテレフタル酸である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記樹脂組成物が添加剤をさらに含んでなる、請求項1〜5に記載の積層体。
- 前記樹脂組成物が、前記添加剤を、樹脂組成物全体に対して5〜50質量%含んでなる、請求項6に記載の積層体。
- 前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上である、請求項6または7に記載の積層体。
- 前記樹脂組成物中の全炭素に対して、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量が、10〜19%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体。
- 第1の層が2軸延伸樹脂フィルムである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記2軸延伸樹脂フィルムの破断強度が、MD方向で5〜40kg/mm2であり、TD方向で5〜35kg/mm2である、請求項10に記載の積層体。
- 前記2軸延伸樹脂フィルムの破断伸度が、MD方向で50〜350%、TD方向で50〜300%である、請求項10または11に記載の積層体。
- 前記2軸延伸樹脂フィルムの、150℃の温度環境下に30分放置した時の収縮率が0.1〜5%である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の積層体。
- 無機物または無機酸化物からなる第3の層をさらに有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の積層体からなる、積層フィルム。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の積層体からなる、包装用袋。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の積層体からなる、ラベル材料。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の積層体からなる、蓋材。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の積層体からなる、ラミネートチューブ。
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