JP6172779B2 - 液圧アクチュエータ及びロックシステムを有するカテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、患者の管腔系を治療する自己拡張ステントのような医療デバイスを送達するのに使用するカテーテルに関する。とくに、本発明は、液圧アクチュエータによって移動する後退可能シースを有する送達カテーテルに関する。
ステント又はフィルタのような医療デバイスを腔内送達するために、後退可能シースを使用する様々なシステムが知られている。しかし、このような既知の送達システムに対して改善を継続的に行う必要性が依然として存在する。
このようなシステムの例としては、ウィルソン氏らの特許文献1(米国特許第6,425,898号)があり、参照により本明細書に組込まれるものとするこの特許文献1には、内側部材を有し、この内側部材に止め部を取付けた送達システムが記載されている。展開の際、ステント展開のためのシース後退中に止め部はステントが基端方向に移動するのを阻止する。
米国特許第6,425,898号明細書
普通の自己拡張ステント送達システムは、概してハンドル部分及び細長シャフトを備え、ステントはシャフトの末端部における送達部分内に配置する。ステントを展開するため、外側シースは、ステントに対して後退してステントを送達形態から解放できるように設ける。このようなシステム内におけるシースはカテーテルの全長にわたって存在し、この結果、カテーテル長さ全体にわたり拡大輪郭及び剛性を帯びる。カテーテル末端部におけるこのような剛性及び拡大輪郭は、若干の用途、例えば、サイズに特別な限界がある神経系の又は他の病変部に対しては適応を禁止される。さらに、シースはカテーテルの全長にわたって存在するので、患者の曲がりくねった管腔系内を通過中にシースがカテーテルの他のコンポーネントと結合してステントの展開を阻害するリスクが増大する。
このような送達システムに関する他の問題は、概してシースがユーザー入力(力)に対して1対1の比率で引っ張られる点である。ステントは保管及び輸送中には外側シース内に埋め込まれ、またより大きな静摩擦力に起因して、一般的にステントを解放するのに大きな初期入力量を必要とするため、不正確な配置を生ずるおそれがある。初期的にステントを解放するとき、適正配置のためにシースをゆっくりと引き戻し、つぎにステントの不慮の移動を防止するようシースを容易に後退させるのが望ましい。
さらに、とくに、末梢病変部で必要とされるようなより長いステントのためのシースを後退させるのに必要な力の量は相当多い。この問題を解決するには、潤滑性内張りを使用してシースを後退させるのに必要な力の量を減少することができる。しかし、自己拡張型ステント等を送達する上で減少した力要件を有する改善した自己拡張型ステント送達システムに対する必要性は依然として存在する。
したがって、使用が容易であり、また正確な配置を行うことができる、効率的かつ経済的な医療デバイス送達システムに対する必要性は継続的に存在する。
本発明の目的及び利点は、以下の説明で記載し、また明らかになるであろうとともに、本発明を実施することによって学習されるであろう。本発明の他の利点は、とくに、本明細書に記載する説明及び特許請求の範囲、並びに添付図面で指摘するデバイスによって実現及び獲得されるであろう。
本明細書で実施形態として広範に説明した本発明の目的によるこれら及び他の利点を達成するため、本発明はカテーテルを含み、このカテーテルは、とくに、基端部分、末端部分及び外面を有する内側管状部材であって、さらに、内部に画定した流体ルーメンを有し、前記流体ルーメンは、前記内側管状部材の前記末端部分に沿って前記外面によって画定した流体フローポートを有する、該内側管状部材を備える。カテーテルは、さらに、前記内側管状部材に対して移動可能な外側管状部材であって、基端部、末端部及び前記内側管状部材の前記外面に向かって指向する内面を有する、該外側管状部材を備える。基端シールは、前記外側管状部材の前記内面から前記内側管状部材の前記外面に向かって突出する。基端シールは、前記流体フローポートの基端側に位置する。末端シールは、前記内側管状部材の前記外面から前記外側管状部材の前記内面に向かって突出する。末端シールは、前記流体フローポートの末端側に位置する。圧力チャンバは、前記基端シール、前記末端シール、前記内側管状部材の前記外面、及び前記外側管状部材の前記内面によって画定される。
アクチュエータ部材は、前記圧力チャンバ内に配置し、シール区域及びカム区域を有する。アクチュエータ部材は、第1位置と第2位置との間で移動可能である。前記流体フローポートから前記圧力チャンバ内に導入される流体が前記シール区域に力を加えて、前記アクチュエータ部材を前記第1位置から前記第2位置に向けて移動させる。さらに、ロック機構を、前記内側管状部材の前記外面と前記外側管状部材の前記内面との間に配置する。ロック機構はラッチを有し、前記ラッチは、前記外側管状部材の前記内側管状部材に対する移動を阻止する係合状態、及び前記外側管状部材の前記内側管状部材に対する移動を可能にする離脱状態をとることができる。前記ラッチが前記離脱状態にシフトするのは、前記アクチュエータ部材が前記第2位置に移動するとき、前記カム区域によって行われる。前記アクチュエータ部材が前記第2位置にあり、また前記ラッチが前記離脱位置にある状態で、前記流体フローポートから前記圧力チャンバ内に導入された流体が前記基端シールに力を加えて、前記外側管状部材を基端方向に押圧偏倚する。
本発明の他の態様によれば、カテーテルを展開する方法を提供し、この方法は、上述のカテーテルを準備するステップを有する。前記カテーテルは、基端部分、末端部分及び外面を有する内側管状部材を備える。内側管状部材は、内部に画定した流体ルーメンを有し、前記流体ルーメンは、前記内側管状部材の前記末端部分に沿って前記外面によって画定した流体フローポートを有する。前記内側管状部材に対して移動可能な外側管状部材を設け、この外側管状部材は、基端部、末端部及び前記内側管状部材の前記外面に向かって指向する内面を有する。カテーテルは、さらに、前記外側管状部材の前記内面から前記内側管状部材の前記外面に向かって突出する基端シールであって、前記流体フローポートの基端側に位置する、該基端シールを備える。前記内側管状部材の前記外面から前記外側管状部材の前記内面に向かって突出する末端シールを設け、この末端シールは、前記流体フローポートの末端側に位置する。これにより、前記基端シール、前記末端シール、前記内側管状部材の前記外面、及び前記外側管状部材の前記内面によって画定される圧力チャンバを生ずる。
この方法によれば、さらにカテーテルは、前記圧力チャンバ内に配置し、シール区域及びカム区域を有するアクチュエータ部材を備える。アクチュエータ部材は、第1位置と第2位置との間で移動可能である。前記流体フローポートから前記圧力チャンバ内に導入される流体が前記シール区域に力を加えて、前記アクチュエータ部材を前記第1位置から前記第2位置に向けて移動させる。ロック機構を、前記内側管状部材の前記外面と前記外側管状部材の前記内面との間に配置する。ロック機構はラッチを有し、前記ラッチは、前記外側管状部材の前記内側管状部材に対する移動を阻止する係合状態、及び前記外側管状部材の前記内側管状部材に対する移動を可能にする離脱状態をとることができる。前記ラッチが前記離脱状態にシフトするのは、前記アクチュエータ部材が前記第2位置に移動するとき、前記カム区域によって行われる。
上述のカテーテルを使用して、本発明方法は、さらに、前記内側管状部材の前記外面と前記外側管状部材の前記内面との間で前記末端シールよりも末端側位置にデバイスを配置するステップを有する。本発明方法は、さらに、前記流体フローポートから前記圧力チャンバ内に流体を導入して、前記アクチュエータ部材を前記第2位置に向けて移動させ、また前記ロック機構のラッチを前記離脱状態にシフトさせ、前記アクチュエータ部材が前記第2位置にあり、また前記ラッチが前記離脱位置にある状態で、前記流体フローポートから前記圧力チャンバ内に導入された流体が前記基端シールに力を加えて、前記外側管状部材を基端方向に押圧偏倚する、ステップを有する。
上述の概略的な説明及び以下の詳細な説明並びに図面は例示的であり、説明目的で、本発明の範囲を限定することを意図しないと理解すべきである。
本明細書に組み込み、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明デバイスをより理解するために図示また提示するものである。説明と一緒に、図面は本発明の原理を説明するのに供する。
本発明による代表的カテーテルの概略的側面図である。 図1のカテーテルにおける末端区域の斜視図である。 図2のカテーテルにおける3−3線上の断面を示す斜視図である。 他の実施形態による図2のカテーテルにおける3−3線上の断面を示す斜視図である。 本発明によるカテーテルの末端区域であって、シースが閉鎖した位置にある状態の断面を示す斜視図である。 図4のカテーテルの末端部であって、シースが完全に後退した位置にある状態の縦断面図である。 本発明によるカテーテルの他の実施形態における末端区域であって、シースが完全に後退した位置にある状態の縦断面図である。 図6のカテーテルにおける6a−6a線上の横断面図である。 図4のカテーテルにおける図7ラインに沿う拡大詳細斜視図である。 図7のカテーテルの断面を示す斜視図である。 アクチュエータ及び係合状態にあるロック機構を有する本発明によるカテーテルの他の実施形態における末端部分の縦断面図である。 アクチュエータ部材の斜視図である。 図10Aのアクチュエータ部材の側面図である。 図10Bのアクチュエータ部材の縦断面図である。 ロック機構の斜視図である。 図11Aのロック機構の側面図である。 図11Aのロック機構の正面図である。 図11Bのロック機構の11D−11D線上縦断面図である。 図11Dのロック機構の図11Eラインで示す部分の拡大詳細図である。 ロック機構が離脱状態にあるカテーテルの縦断面図である。
以下に本発明の実施形態を、添付図面に示した例として詳細に説明する。本発明は、システムの詳細な説明に関連して記載する。
本明細書に記載するように、本発明デバイスは患者の管腔系を治療するのに使用することができる。とくに、本発明は、患者の心臓血管系及び末梢系を治療するのに特別に適合する。
本発明によればカテーテルを提供し、このカテーテルは、とくに、基端部分、末端部分及び外面を有する内側管状部材であって、さらに、内部に画定した流体ルーメンを有し、前記流体ルーメンは、前記内側管状部材の前記末端部分に沿って前記外面によって画定した流体フローポートを有する、該内側管状部材を備える。カテーテルは、さらに、前記内側管状部材に対して移動可能な外側管状部材であって、基端部、末端部及び前記内側管状部材の前記外面に向かって指向する内面を有する、該外側管状部材を備える。基端シールは、前記外側管状部材の前記内面から前記内側管状部材の前記外面に向かって突出する。基端シールは、前記流体フローポートの基端側に位置する。末端シールは、前記内側管状部材の前記外面から前記外側管状部材の前記内面に向かって突出する。末端シールは、前記流体フローポートの末端側に位置する。圧力チャンバは、前記基端シール、前記末端シール、前記内側管状部材の前記外面、及び前記外側管状部材の前記内面によって画定される。
アクチュエータ部材は、前記圧力チャンバ内に配置し、シール区域及びカム区域を有する。アクチュエータ部材は、第1位置と第2位置との間で移動可能である。前記流体フローポートから前記圧力チャンバ内に導入される流体が前記シール区域に力を加えて、前記アクチュエータ部材を前記第1位置から前記第2位置に向けて移動させる。さらに、ロック機構を、前記内側管状部材の前記外面と前記外側管状部材の前記内面との間に配置する。ロック機構はラッチを有し、前記ラッチは、前記外側管状部材の前記内側管状部材に対する移動を阻止する係合状態、及び前記外側管状部材の前記内側管状部材に対する移動を可能にする離脱状態をとることができる。前記ラッチが前記離脱状態にシフトするのは、前記アクチュエータ部材が前記第2位置に移動するとき、前記カム区域によって行われる。前記アクチュエータ部材が前記第2位置にあり、また前記ラッチが前記離脱位置にある状態で、前記流体フローポートから前記圧力チャンバ内に導入された流体が前記基端シールに力を加えて、前記外側管状部材を基端方向に押圧偏倚する。
上述のカテーテルを展開する方法も記載する。展開方法の詳細は、カテーテルの特徴との関連で詳細に説明する。
単に説明目的として、自己拡張ステント等であって、その少なくとも一部分を脈管構造内に送達する液圧送達システムの例示的実施形態を図1及び2に概略的に示す。本明細書における実施例は、本発明の範囲を何ら制限することを意図しない。とくに、図示のように、実施形態としての液圧送達システムは、心臓血管治療介入のためのカテーテル100である。他の使用、及び病変部、例えば、末梢系及び膝下治療介入のためのカテーテルも考えられる。カテーテル100は、基端部分、末端部分、及び外面を持つ内側管状部材110を有する。カテーテル100は、さらに、内側管状部材110に対して相対移動でき、また基端部、末端部及び前記内側管状部材110の外面に指向する内面を持つ外側管状部材又はシース120を備える。図2に示すように、外側管状部材120は、この実施形態におけるカテーテルの末端部分にのみ配置する。他の実施形態においては、外側管状部材120は、カテーテルの基端部分及び/又は末端部分に配置することができる。本明細書でさらに説明するように、本発明カテーテルは、任意の適当な長さの医療デバイス、例えば、ステントを送達するよう構成することができる。すなわち、カテーテルは、外側管状部材を後退するに十分な力であって、外側管状部材に作用する医療デバイスによって生ずる抵抗力よりも大きい力を発生するよう構成することができる。
単に説明目的として図3Aにつき説明すると、図3Aは、図2の3−3線に沿う本発明による例示的内側管状部材110の代表的な断面図を示す。内側管状部材110は、さらに、内部に画定した流体ルーメン(管腔)310を有する。一実施形態において、内側管状部材は、さらに、その長さの少なくとも一部分に沿って画定したガイドワイヤルーメン320を有することができる。例えば、ガイドワイヤルーメン320は、設ける場合、内側管状部材110の長さ全体にわたる「オーバー・ザ・ワイヤ」形態として延在させる、又は末端長さに沿ってのみ「迅速交換(クイックチェンジ)」形態として延在させることができる。代案として、カテーテル100は単一ルーメン設計にし、ガイドワイヤ及び加圧流体を同一ルーメン(図示せず)を共有することができ、この場合、シール又はバルブを末端部及び基端部に設けることができる。
図3Bは、図2の3−3線に沿う例示的内側管状部材110の他の実施形態における代表的断面図を示す。この実施形態において、図3Bに単に説明目的として示すように、ガイドワイヤルーメン320は、流体ルーメン310内に配置し、例えば、マーカー(図示せず)によってどちらかの側を封止される別個のガイドワイヤチューブ321によって少なくとも部分的に画定することができる。このような同軸状形態によれば、内側管状部材110の直径を減少し、したがって、輪郭を縮小することができる。実際、ガイドワイヤルーメン320を画定するガイドワイヤチューブ321は、ガイドワイヤの刺入貫通するのを防止する適当な強度を有する薄膜によって形成することができる。こうして、流体を流体ルーメン310内で、しかしガイドワイヤルーメン320外部に流すことができる。
単に説明目的として、図4に示すような本明細書に記載のカテーテルの迅速交換形態を説明する。概して、このカテーテルは、基端部分、末端部分及び外面を持つ内側管状部材110を備える。内側管状部材110は、さらに、内側管状部材110の末端部分に沿って外面111によって画定される流体フローポート420を持つ流体ルーメン310を備える。カテーテルは、さらに、内側管状部材110に対して相対移動可能であり、また基端部、末端部、及び内側管状部材110の外面111に指向する内面121を持つ外側管状部材120を備える。以下により詳細に説明するように、流体フローポート420により、流体は流体ルーメン310内から内側管状部材110と外側管状部材120との間に画定される空間に流入し、外側管状部材120の動作及び後退を可能にする。マーカー422は流体フローポート420の末端部を画定することができる。本明細書に記載の実施形態のように、迅速交換カテーテルは、さらに、カテーテルの末端部分に沿って延在し、またガイドワイヤ基端ポート410及びガイドワイヤ末端ポート430を有するガイドワイヤルーメン320を備える。
図示のように、外側管状部材120は図4に示す進展位置と図5に示す後退位置に移動することができる。外側管状部材120は、進展した位置にあるとき、図示のような例えばステントである医療デバイスは圧縮された又は送達状態に留まる。末端側先端460も設け、送達中に医療デバイスをより一層包囲する。外側管状部材120が後退するとき(図5及び6に示すように)、医療デバイスは露出させられて展開状態に拡張することができる。
外側管状部材120は、さらに、外側管状部材の基端部及び/又は外側管状部材の末端部に連結した少なくとも1個の可動管状構体130を有する。可動管状構体の更なる詳細は、アボット・カーディオバスキュラー・システムズ社に譲渡されて「Catheter Having Movable Tubular Structure」と題する、また本出願と同日に出願された同時係属出願(参照により全体が本明細書に組み入れられるものとする)に記載されている。
流体ルーメン310は流体フローポート420を有する。流体フローポート420は、内側管状部材110に沿って内側管状部材110の外面で画定される。以下により詳細に説明するように、流体フローポート420によれば、流体は流体ルーメン310内から内側管状部材110及び外側管状部材120により画定され、また基端シール720と末端シール730との間に画定される空間に流入することができる。マーカー422は流体フローポート420の末端部を画定することができる。
単に説明目的として、図7及び8は、圧力チャンバ450、基端シール720、及び末端シール730を示す。説明及び図示の目的として、圧力チャンバ内の他のコンポーネントは示さないが、ミカエル・グリーン氏及びミカエル・ビアラス氏による「Catheter having Dual Balloon Hydraulic Actuator」と題し、アボット・カーディオバスキュラー・システムズ社が所有している米国特許出願第13/467,679号(米国特許出願公開第2013/0304180号)、並びにミカエル・グリーン氏及びミカエル・ビアラス氏による「Catheter having Hydraulic Actuator with Tandem Chambers」と題する米国特許出願第13/467,715号(米国特許出願公開第2013/0304181号)によるより詳細な説明から理解できるであろう(これら文献は参照によって全体が本明細書に組み入れられるものとする)。基端シール720は外側管状部材120の内面から内側管状部材110の外面に向かって突出し、また流体フローポートの基端側に配置する。基端シール720は外側管状部材120の内面に固着し、内側管状部材110に対して自由に相対移動する。
引き続き図7及び8につき説明すると、カテーテル100は、さらに、基端シール720から離間する末端シール730を有する。末端シール730は、内側管状部材110の外面から外側管状部材120の内面に向かって突出し、また流体フローポート420の末端側に配置する。末端シール730は内側管状部材110の外面に固着し、外側管状部材120に対して自由に相対移動する。このようにして、外側管状部材120は末端シール730に対して自由に相対移動する。図示の実施形態のように、また図7に示すように、基端シール及び末端シールのうち一方又は双方は、対応する表面にわたる掃拭シール740を形成することができる。
単に説明目的としての図7及び8に示すように、カテーテル100は、基端シール720、末端シール730、内側管状部材110の外面、及び外側管状部材120の内面によって画定される圧力チャンバ450を有する。圧力チャンバ450は流体フローポート420と流体連通する。
従来認識されているように、外側管状部材120は送達すべき医療デバイスを収納する。医療デバイス、例えば、自己拡張ステントは、外側管状部材120(カテーテルシース)を後退させることによって展開する。後退は、インデフレータ又はシリンジのような普通のデバイスを用いて加圧流体を流体ルーメン310に導入することによって行うことができる。インデフレータは、ねじ係合又は他のロック機構(図示せず)を有し、圧力チャンバの加圧及び減圧を制御することができる。さらに、圧力ゲージにインデフレータを設け、カテーテルの圧力系をモニタリングすることができる。インデフレータは、液圧の急速放出が可能となるよう構成し、ステントの展開を停止又は抑止できるようにする。インデフレータは、さらに、カテーテル内に負圧を生成及び/又は維持するよう構成することができる。インデフレータは、さらに、カテーテルの輪郭を縮小させる真空を生成できる。例えば、真空を生成することによって、本明細書に記載の外側管状部材120は、輪郭を縮小する及び/又は所定位置にロックするよう構成することができる。適当なインデフレータの例としては、アトリオン・メディカル社のアトリオン・インデフレータ55ATMがある。
流体ルーメンにアクセスするためのアダプタをカテーテルの基端部に設け、このアダプタは流体源(図示せず)に接続するよう構成する。図7につき説明すると、流体は流体ルーメン内に導入され、またフローポート420で流体ルーメンから流出し、また圧力チャンバ450を充填する。十分な流体が圧力チャンバ450内に導入された後、力が末端シール及び基端シールに加わる。末端シール730は内側管状部材に対して固着してあるため、基端シール720及びこの基端シールに取り付けた外側管状部材120のみが内側管状部材に対して基端方向Pに移動することができる。圧力チャンバ450に力を加えて基端シール720が移動することにより、外側管状部材120を内側管状部材に沿って基端方向Pに移動し、これにより医療デバイスを展開することができる。本明細書の実施形態のような末端シール730は、外側管状部材120の内面とともに掃拭シールとして構成する。このように、外側管状部材120は末端シール730に対して移動する。外側管状部材120の内面に取り付けた基端シール720は、内側管状部材110の外面とともに掃拭シールとして構成する。基端シール720は内側管状部材110に対して自由に相対移動する。
図7及び8で単一ピースのシール構造として示したが、本発明の各シールは、所要に応じて、多ピースシール組立体とすることができる。例えば、このシール組立体は、従来既知のように、シール部材と、このシール部材の裏打ちをなすブッシュとを有する。シール720及び730は、さらに、それぞれ基端ブッシュ及び末端ブッシュ(図示せず)によって支持することができる。本発明の態様によれば、ブッシュは任意の材料により構成し、この材料としては、限定しないが、PEEK,Pebax,HDPE,LDPE,HDPE及びLDPEの混合物、L75/L25のようなナイロン混合物等がある。さらに、ブッシュは、金属材料、組合せ低密度ポリエチレン、シリコーン、ニトリル、ソフトPebax30、又は適当な材料の他の混合物により構成することができ、また従来既知の適当な材料で被覆することができ、またコーティングを有することができる。
外側管状部材120を後退させるのに比較的高い流体圧力を必要とするとき、圧力チャンバは漏れを最小にしてこのような圧力に耐えるよう形成する。様々な適用可能なシール構造及び材料を使用することができ、例えば、限定しないが、摺動シール、リング、カップシール、リップシール、及び圧縮ブッシュを使用することができる。例えば、各シールは、別個の部材として形成し、対応する管状部材に取り付けることができ、又は管状部材の一部として形成することができる。単に説明目的として、親水性材料、例えば、限定しないが、HydroMed(商標名)、Hydrothane(商標名)、Hydak(登録商標)をシールに使用することができる。このような材料で形成したシールは、水性環境に曝されるとき膨張し、これにより潤滑性を維持しつつより緊密な封止を行うよう構成することができる。したがって、シールは、拡大可能な材料又は外側管状部材の寸法に適合するよう増大する材料の複合体を有することができる。すなわち、シールは外側管状部材とともに拡大して適切な封止を維持するよう構成することができる。
圧力チャンバが拡大するとき、シールの曝露表面積も増大し、結果として所定流体圧力で後退力に比例的な増加を生ずる。このように、所定圧力で拡大する圧力チャンバはより大きな後退力を生ずる。このような材料で形成したシールは、水性環境に曝されるとき膨張し、これにより潤滑性を維持しつつより緊密な封止を行うよう構成することができる。代案として、基端シール及び末端シールは、オイル若しくはワックスのような疎水性層で被覆する、又はフッ化炭素若しくはオレフィンに類似するポリプロピレンのような疎水性材料で形成して、シールの膨張を防止する適当な加圧流体に使用できるようにする。単に例として、シリコーンシールに比重計2314−172コーティングを設けることができる。他の実施形態において、Oリングをシール構造に使用でき、このシール構造は、シリコーン、ブナ又は他の適当なエラストマーを有することができる。さらに、単に例として、シールは柔らかい管材、例えば、低デュロメータPebaxを有することができる。付加的又は代替的に、高粘性液圧流体を使用して漏れを抑止することができる。
本発明の実施形態によれば、圧力チャンバは様々な異なる圧力で動作することができる。単に例示目的として、一実施形態において、圧力チャンバは51.03標準気圧(750psi)にも達する陽圧、及び約0.95標準気圧(約14psi)の陰圧を扱うことができる。心臓血管カテーテル適用の例示的な動作パラメータは、約40〜50標準気圧(約588〜735psi)の範囲にわたる動作圧力を有する。
他の態様によれば、カテーテルは、さらに、チャンバ内にベローズ又はブラダ構成部材(図示せず)を有し、漏れを防止できるようにする。ベローズ又はブラダ構成部材は、内側管状部材の外面に取り付け、また流体フローポートに流体連通させ、流体フローポートから導入される流体が、ベローズ構成部材を伸展させ、外側管状部材を一層後退させる。
本発明のさらに他の態様において、スペーサ素子(図示せず)を圧力チャンバ内に設けることができる。スペーサ素子は、外側管状部材、基端シール及び末端シールがカテーテルの送達中及び保管中に圧潰するのを防止する。スペーサ素子は、さらに、外側管状部材を後退させるのに必要な流体量を減少する。スペーサ素子は種々の適当な形状及び材料のうち任意なもので形成することができ、例えば、内側管状部材及び外側管状部材それぞれの内径及び外径に対応する直径を有するリング部材とすることができる。
所要に応じ、末端シールは、医療デバイスのためのバンパー又は止め部材をなすことができる。代案として、本発明の他の態様によれば、カテーテルは、図7及び8に示すように、内側管状部材110に固定した止め部710を有することができる。この止め部は、圧力チャンバ450の末端側かつ送達すべき医療デバイス、例えば、ステントの基端側に配置する。このようにして、止め部710は、液圧流体ルーメン310を封止するが、ガイドワイヤチューブ321及び/又はガイドワイヤ(図示せず)を挿通できる。止め部710は、放射線不透過性材料で形成する、又は含むことができ、これにより処置を行う医師に対してカテーテルを配置することに関する可視性を与え、したがって、医療デバイスを治療部位に正確に位置決めすることができる。したがって、止め部710は放射線不透過性マーカーである。例えば、マーカーは、放射線不透過金属性リングとする、又は柔軟性及び可撓性を増すためにタングステンを充填したポリマーで形成することができる。他の適当な既知のマーカーを使用することができる。他の実施形態において、圧力チャンバ450は、本明細書で詳述するように送達すべき医療デバイスから離間させる。
本発明の他の態様によれば、ばねのような他の特徴を設け、外側管状部材120を基端方向Pに押圧偏倚できるようにする。ばね、及び本発明の実施形態で考えられる他の特徴部の例としては、ミカエル・ビアラス氏及びミカエル・グリーン氏による「Catheter having Hydraulic Actuator」と題し、アボット・カーディオバスキュラー・システムズ社が所有している米国特許出願第13/467,660号(米国特許出願公開第2013/0304179号)、ミカエル・グリーン氏及びミカエル・ビアラス氏による「Catheter having Dual Balloon Hydraulic Actuator」と題し、アボット・カーディオバスキュラー・システムズ社が所有している米国特許出願第13/467,679号(米国特許出願公開第2013/0304180号)、並びにミカエル・グリーン氏及びミカエル・ビアラス氏による「Catheter having Hydraulic Actuator with Tandem Chambers」と題する米国特許出願第13/467,715号(米国特許出願公開第2013/0304181号)に見ることができる(これら文献は参照によって全体が本明細書に組み入れられるものとする)。
つぎに図6につき説明すると、これは単に説明目的として、本発明のオーバー・ザ・ワイヤの変更例を示す。この実施形態において、カテーテル100は、内側管状部材110、外側管状部材120(後退位置にある状態を示す)、ガイドワイヤルーメン320、及び流体フローポート420を有する流体ルーメン310を備える。カテーテル100は、さらに、拡張状態で示すステント440のような医療デバイス、ステント着座部510、及びガイドワイヤ末端ポート430を備える。
単に説明目的として図6Aに示すように、カテーテルの内側管状部材110、又は細長いカテーテルシャフトは、互いに同軸状の関係にした第1管状部材110及び第2管状部材610を有し、それぞれ第1管状部材110内における中心ガイドワイヤルーメン320、及び内側管状部材又はシャフトにおける第1管状部材と第2管状部材610との間に位置する環状流体ルーメン310を画定する。流体ルーメン310は、液圧媒体を陽圧の下で供給することができ、また所要に応じて液圧媒体を抜き出す、すなわち、陰圧を生ずることができる。カテーテルのサイズ及び構成は、血管介入のため血管のような意図した病変部に対応する身体ルーメン(体腔)内に送達できるものとする。カテーテルは、図6Aに示すようなガイドワイヤ620上で送達できるガイドワイヤルーメンを有する。例えば、神経系病変部に関する一実施形態において、カテーテルは、0.012又は0.010ガイドワイヤ適合性を有するものにすることができる。チャンバの末端方向に延在する内側管状部材の部分は、第1管状部材110の延長部、又は第2管状部材610の延長部、又は所要に応じ個別の管状部材によって画定することができる。同軸状シャフト及びオーバー・ザ・ワイヤ(OTW)カテーテル形態を図6に示すが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、他の構造及び既知の構成材料は、上述したように、迅速交換及び/又はデュアルルーメン形態を使用できることは理解できるであろう。
さらに本発明によれば、アクチュエータ部材及びロック機構を設け、カテーテルの外側管状部材が時期尚早に基端方向へ移動するのを防止できるようにする。説明目的であって、限定するものではないが、上述の1個又は複数個の圧力チャンバを有するカテーテルについて言及する。アクチュエータ部材は、圧力チャンバ内に第1位置と第2位置との間で移動するよう配置する。さらに、ロック機構は圧力チャンバ内に配置する。ロック機構は、外側管状部材が内側管状部材に対して移動するのを阻止する係合状態と、及び外側管状部材の移動を可能にする離脱状態とを有する。ロック機構は、アクチュエータが第2位置に移動するとき離脱状態にシフトする。
本発明の一実施形態によるロックシステムを示す図9の代表的カテーテルの実施形態につき説明する。このロックシステムは、図示のように、圧力チャンバ450内に配置したアクチュエータ部材801を有する。アクチュエータ部材801は第1位置と第2位置との間で移動可能である。アクチュエータ部材801は、シール区域801A及びカム区域801Bを有する。
図10A〜10Cにつき説明すると、本発明のアクチュエータ部材801の例示的実施形態を示す。概して図10Aの斜視図で示すように、アクチュエータ部材801は、円筒形の形状であり、また内側管状部材の外面に沿って移動することができる。図10Bに示すように、図示のシール区域801Aは半径方向外方に突出するフランジとして形成するが、他の形態を使用することができる。カム区域801Bは、アクチュエータ部材の基端部に配置した角度付き表面として形成する。カム面は、例えば、長手方向軸線に対して約10゜〜45゜の角度を有するよう形成することができる。代案として、カムは連続的表面等とすることができる。代案として、アクチュエータ部材には、一方の端部又は双方の端部に沿って内側管状部材の外面に対するシールを形成するよう減少した内径を有する掃拭シール又は同様の形態を設けることができる。アクチュエータ部材は、所要の動作ができる任意の適当な材料で形成することができる。例えば、約50〜約90の範囲にわたるデュロメータを有する6等級医療材料を心臓血管病変部に使用することができる。
図9に戻って説明すると、止め部材810を、外側管状部材120と内側管状部材110との間に配置することができる。例えば、本明細書の実施形態のように、止め部材810は、外側管状部材120に対して移動可能なスリーブのような自由浮動部材とすることができる。止め部材810はアクチュエータ部材801の末端側に配置することができ、アクチュエータ部材801の流体フローポート420に対する第1位置を画定する。図9に示すように、止め部材810は、アクチュエータ部材801を末端シール730から分離させ、また配置したアクチュエータ部材801が初期的に流体フローポート420の基端側で第1位置をとるようにする。止め部材810は、図9に示すように、基端方向に内径が増大する1つ又は複数の棚部又は段差を画定する。任意の適当な部材を止め部材810に使用することができ、例えば、ブッシュを使用することができる。アクチュエータ部材801が第1位置にあるとき、アクチュエータ部材のシール区域801Aは棚部又は止め部材810に衝合し、外側管状部材120及び内側管状部材110に対するシールを形成する。アクチュエータ部材801のシール区域801Aによって生ずるシールは、圧力チャンバ450内でチャンバ末端部分450A及びチャンバ基端部分450Bを画定する。アクチュエータが第1位置にあるとき、止め部材810はチャンバ末端部分450Aに配置される。
流体を流体フローポート420から圧力チャンバ450のチャンバ末端部分450A内に導入するとき、力がシール区域801Aに加わり、アクチュエータ部材801を第1位置から第2位置に向けて基端方向Pに移動する。アクチュエータ部材801が第2位置に向かって移動するとき、アクチュエータ部材801は止め部材810から離間し、シール区域801Aによって生ずる封止が途絶える。したがって、アクチュエータ部材801の基端方向移動により、チャンバ末端部分450A及びチャンバ基端部分450B相互の流体連通を生ぜしめ、チャンバ末端部分450Aに導入される流体がチャンバ基端部分450B内に流入する。アクチュエータ部材801が第2位置にあるとき、流体フローポート420から圧力チャンバ450内に導入される流体は、基端シール720に力を加えることができる。
上述したように、また図9に示すように、本明細書の実施形態によるロックシステムは、内側管状部材110の外面と外側管状部材120の内面との間に配置したロック機構850を有する。この実施形態におけるロック機構850はアクチュエータ部材801の基端側に位置する。概してロック機構850は、以下に詳細に説明するように、外側管状部材120に連結した、又は他の方法で固定した本体部材851を有することができる。ロック機構は、さらに、図9に示す係合状態と、及び図12に実質的に示し、また以下に説明する離脱状態とをとるラッチ862を有する。
説明目的であって、限定するものではないが、本発明のロック機構の例示的実施形態を示す図11A〜11Eにつき説明する。概して図11Aの斜視図で示すように、ロック機構850は、窪み852を設けた円筒形の本体部材851と、本体部材851から突出する少なくとも1個のラッチ863とを有する。図11Bは図11Aのロック機構850の側面図を示し、また図11Cは図11Aのロック機構の正面図を示す。例えば、図11A及び11Cに明示するように、ロック機構850は、本体部材851の周囲に互いに離間し、また本体部材851から末端方向に突出する、3個のラッチ863を有する。図11Dは図11Bの11D−11Dラインに沿うロック機構の縦断面図であり、図11Eは図11Dの図11Eラインにおける拡大詳細図である。図11B及び図11Dに示すように、各ラッチ863は、フック状突起863Aを設けた片持ちアーム等によって少なくとも部分的に形成することができる。図11Eで示すように、各フック状突起863Aの末端部は、アクチュエータ部材のカム区域が係合し得る角度付き表面を有することができる。角度付き表面は、例えば、0゜〜60゜の範囲における好適な角度αとすることができる。
図9に再び言及すると、本体部材851は、本体部材851の外面に画定した窪み852を有し、ロック機構850を外側管状部材120に取り付けるのを支援する。組立て中、ロック機構は、外側管状部材120に連結する、又は固定することができる。例えば、外側管状部材120は、外側管状部材120の外面の一部に沿う溝854を形成する窪み852内に収容することができる。充填材855を窪み852内で外側管状部材120の溝854に配置し、外側管状部材120をロック機構850の本体部材851に連結する。さらに、充填材には付加的なフープ強度を付与し、外側管状部材の一部分をロック機構の窪み内に固定するようにし、このことは、「Catheter having Movable Tubular Structure」と題し、アボット・カーディオバスキュラー・システムズ社に譲渡された同時係属特許出願に記載されており、この出願の文献は参照により全体が本明細書に組み込まれるものとする。この充填材は、ロック機構に衝合し、充填材とロック機構との間に外側管状部材を挟み込んでグリップ及びロックを生ずる。
充填材は、外側管状部材をロック機構の窪みに結合するのに十分なフープ強度を与えることができる任意の適当な材料とすることができる。例えば、充填材は、ナイロン、Kynar(登録商標)のようなフッ素重合体、PEEK、エポキシ、プラチナ・イリジウム、金属帯のようなセラミック又は金属等のうち少なくとも1つを含むことができる。本発明の特別な態様によれば、充填材は、外側管状部材の材料と結合するのに適合可能な材料を含むことができる。例えば、充填材の材料は、外側管状部材と同一の材料を含むことができる。充填材と外側管状部材との適合可能性によれば、外側管状部材とロック機構との間のより確実なロックは、たとえ外側管状部材がロック機構に温度的に両立しない場合であっても、可能となる。さらに、外側管状部材及び充填材が窪みで互いに結合して厚さが増すことにより、単一層材料では本来有することがない強度をもたらす。さらに、充填材に隣接する外側管状部材のほぼ連続する表面は、熱結合によって得られ、システムが血管に対して進入又は引き抜く間に潜在的に引っかかりを生ずるおそれのある領域又は端縁を排除する。さらに、充填材によって生ずるロックはカテーテルにおけるコンポーネントの一体性を維持する強度を与える。このようにして、充填材は、熱結合、熱接合、接着結合等のうち少なくとも1つによって、並びに適当な材料のボンドの捲縮又はかしめによって、外側管状部材に結合することができる。
再度図9につき説明すると、ロックシステムは、さらに、内側管状部材110に連結したスリーブ865を有する。スリーブ865は、内側管状部材110とロック機構850との間に配置し、また末端部における棚部又は係合端縁を画定する。図9に示すように、ラッチ863のフック状突起863Aは、係合状態にあるときスリーブ865の端縁に係合するよう構成する。代替的な構成を設けて、内側管状部材におけるラッチによる係合のための係合端縁を形成することができる。例えば、内側管状部材はリング又は突起内に設けることができる、又は溝孔を内側管状部材の外面に画定することができる。任意の適当な材料をスリーブに使用することができる。
図12は、ラッチ863が離脱状態にある本発明の実施形態を示す。アクチュエータ部材801が上述したように第2位置に移動するとき、アクチュエータ部材801のカム区域801Bがラッチ863に係合する。アクチュエータ部材801のシール区域に作用する液圧により、カム区域801Bの力が基端方向Pに移動する際に、ラッチ863はカム区域801Bによって離脱状態にシフトし、これにより、これに続く外側管状部材の基端方向への移動がある場合に、スリーブ又は他の係合端縁から解放する。
図12の実施形態において、スリーブは、説明目的であるが、内側管状部材110の外面に画定した溝孔117にとって替えられる。この実施形態において、ラッチ863は係合状態にあるとき溝孔117に係合する。図12の実施形態で示すように、アクチュエータ部材801のカム区域801Bは、アクチュエータ部材801が第2位置に向かって移動するとき、ラッチ863から離脱して、外側管状部材を解放して、基端シールに作用する流体圧力による基端方向へのその後の移動を可能にする。
ロック機構は、任意の適当な生体適合性材料、例えば、PEEKで形成する、又はPEEKを含むことができる。外側管状部材は必ずしも直接ロック機構に結合する必要はないため、ロック機構、及びより具体的にはロック機構の本体部材は、外側管状部材の材料と熱接合するのに適さない材料を含むことができる。したがって、ロック機構は、外側管状部材及び/又は充填材よりも高い溶融温度を有する適当な材料で形成するのが有利である。このようにして、ロック機構の領域に熱エネルギー又は熱が加わっても、ロック機構はその構造一体性を維持することができる。個機構は、さらに、PTFEライナー又は他の低摩擦若しくは潤滑性層を所要に応じて有することができる。
本発明の他の態様によれば、カテーテルを展開する方法は、とくに、上述したようなカテーテルを準備するステップを有する。本発明方法は、さらに、ステントのようなデバイスを内側管状部材の外面と外側管状部材の内面との間で末端シールの末端側位置に配置するステップを有する。ステントのようなデバイスのカテーテルに沿う位置は、心臓血管介入又は末梢系介入のような所望病変部に基づく。流体を流体フローポートから圧力チャンバ内に導入して、アクチュエータ部材を第2位置に向けて移動させ、またロック機構のラッチを離脱状態にシフトさせる。アクチュエータ部材が第2位置にあり、ラッチが離脱状態にあるとき、流体フローポートから圧力チャンバ内に導入された流体は力を圧力チャンバの基端シールに加えて、外側管状部材を基端方向に押圧偏倚する。外側管状部材が基端方向に押圧偏倚されるとき、ステントは患者の管腔系内に露出し、また展開する。ステントの展開の際に、カテーテルは管腔系から引き抜く。本発明方法に関する付加的な詳細及び特徴は、上述の説明に記載され、及び/又は参照によって本明細書に組み入れられた記載から理解されるであろう。
上述した本発明の実施形態によれば、カテーテルのコンポーネントは、複数の適当な材料から形成することができる。例えば、伸展可能チャンバ形態の基端シール及び末端シールは任意の適当な材料により形成することができる。単に例示として、シールはゴム又はシリコーンとすることができる。伸展可能圧力チャンバを有する実施形態において、シールは、圧縮状態及び拡張状態を有する低デュロメータゴムで形成することができる。シールは、初期送達形態において大きく圧縮され、また変形し、圧力チャンバが加圧さえるとき、拡張状態に遷移する。代案として、シールは、圧力チャンバ内の流体を吸収し、外側管状部材に沿って拡張する親水性ポリマーで形成することができる。代案として、基端シール及び末端シールは疎水性材料で形成することができる。
内側管状部材及び外側管状部材それぞれは、単一ピース構造、又はコンポーネントの組立体とすることができ、また任意の適当な材料で形成することができる。例えば、適当な材料としては、限定しないが、ナイロンのようなポリマー材料、ウレタン、ポリウレタン、PEEK、PTFE、PVDF、Kynarのようなフッ素重合体、PE、HDPE、L25を含む3層材料、Plexar、PEBAX、又は種々の適当な密度のポリエチレンがある。一実施形態において、外側管状部材はPTFEライナーを有するナイロン編組チューブとすることができる。PTFEのような潤滑性ライナーを外側管状部材又はシースの内径に設けることによって、ステントは少ない力で展開でき、また外側管状部材がステント又は他のカテーテルコンポーネントに結合するのを防止することができる。他の実施形態において、外側管状部材は、潤滑性ライナーを有するフッ素重合体編組チューブを含む。さらに、内側管状部材及び/又は外側管状部材の少なくとも一部分は、合金又は金属材、例えば、ステンレス鋼皮下注射チューブ材等で構成することができる。
他の代案として、内側管状部材及び/又は外側管状部材それぞれは多重外側管状部材により構成することができる。止め部は2つの隣接する管状部材のための継手をなす。さらに、外側管状部材は、幾つかの異なる材料から製造した複合材、例えば、異なるポリマーの同時押出成形体、又は繊維強化樹脂材料若しくは編組材料のような繊維強化複合材により構成することができる。単に例として、例示的実施形態には、PTFEライナー、編組によるポリイミド中間層、及びPebax72D外側層を有する編組チューブがある。さらに、可撓性を向上するため、ヘリカル又はスパイラル部材の形態を内側管状部材及び外側管状部材の構造に使用できる。
外側管状部材の例示的構造としては、ポリイミド又はPEEKによる単一層;L25、Plexar、HDPEによる3層材料;PTFEライナー、編組によるポリイミド中間層、及びPebax72D外側層を有する編組チューブがある。内側管状部材及び/又は外側管状部材は、さらに、強化部材、例えば、ワイヤコイルを付加することによって補強することができる。一実施形態において、内側管状部材は、圧力チャンバに対応する長さに沿って補強部材を追加することによって補強する。
さらに、内側管状部材及び外側管状部材は、他の生体適合性材料により構成することができる。したがって、カテーテルの内側管状部材及び外側管状部材は、上述のポリマー、これらポリマーの組合せ又は混合物から構成することができ、単独で又は他の材料若しくは他の生体吸収性材料と組合せて構成することができる。
内側管状部材及び外側管状部材は、様々な既知の技術、例えば、限定しないが、金属編組、コイル、ガラス繊維、炭素繊維及び他の種類の有機若しくは無機の繊維、液晶のような上述した補強要素とともに任意な組合せに対する、押出成形、射出成形、空気ブロー成形、延伸、深絞り、重合化、架橋、溶液浸漬、粉体堆積、焼結、電子スピニング加工、溶融スピニング、加温変形、延伸ブロー、化学グラフティング、並びにミリング、ドリリング、グラインディング等の伝統的機械加工技術を使用して製造することができる。ハイポチューブのような金属要素を組み込む場合、種々の金属製造技術を使用することができ、例えば、限定しないが、とくに、機械加工、チューブ引き抜きプロセス、ドリリング、ミリング、EDM、他の変形方法、メッキ、スパッタリング、電気グラフティング、焼結、及び堆積e−ポリッシングすることができる。本発明の一実施形態において、内側管状部材は、少なくとも基端部にステンレス鋼製のハイポチューブを有する。
さらに、内側管状部材及び外側管状部材は、PE、ポリプロピレン、Kynar、又はウレタンから、多数の既知のサプライヤから入手可能な押出し成形機を用いる押出しプロセスによって形成することができる。材料は多数の方法で後処理することができ、例えば例として、限定しないが、押出し、射出又は浸漬による成形、織成若しくは編組のような繊維加工、及びフォーミングを行う。適当なフォーミング処理としては、単に数例を挙げるだけであるが、シート材料の圧延及び溶接又は管状形状への真空フォーミングがある。
内側管状部材及び外側管状部材は、さらに、様々な材料及び技術のうちいずれかで被覆し、所望の性能を向上させることができ、米国特許第6,541,116号、同第6,287,285号及び同第6,541,116号(これら文献は参照により全体が本明細書に組み入れられるものとする)のようなアボット・ラボラトリーズ社が所有している特許マターの影響の下にある多数の適当なコーティング材及びコーティング技術がある。例えば、可能なコーティング材料としては、テフロン(登録商標)、シリコーン潤滑剤分散液PN4097のような疎水性材料、又はヒドロゲル若しくは潤滑性コーティング材のような親水性材料がある。
内側管状部材及び外側管状部材は、楕円形、多角形、又は角柱形状を含む任意の適当な断面形状を有することができるが、円形断面が概して好ましい。内側管状部材及び外側管状部材は、さらに、所望用途に応じて任意の適当なサイズ及び直径を有することができる。カテーテルは、意図する病変部に対する対応の身体ルーメン、例えば、血管介入のための血管内に送達するのに適したサイズ及び構成とする。
本明細書における実施形態のように、外側管状部材は外側層及び内側層を有することができる。外側管状部材には、外側層に取り付けた又は形成した内側層を設けることができる。内側層又はライナーは、外側管状部材を後退させるとき、外側管状部材が基端方向に摺動するのを容易にする潤滑性材料を含むことができる。例えば、異なるタイプのポリマー、例えば、PTFE又は任意のフッ素重合体と、高密度ポリエチレン(HDPE)とを内側層に使用する、又は交互に被覆することができる。さらに、他の潤滑性ポリマーを使用することができる。外側層は、本明細書における実施形態のように、内部に医療デバイスを捕捉するに十分な強度を与えるとともに、第1位置と第2位置との間の移動を可能にする。多重層は個別に形成してともに接着若しくは結合する、又は単一部材として同時押出し成形することができる。
さらに、本発明によれば、外側管状部材は、外側層と内側層との間に配置した補強層、例えば、編組材料を有することができる。例えば、補強層は、編組ステンレス鋼チューブ又はシート等の形式として設けることができる。編組は、丸い断面を有するフィラメントを設けるのとは対照的に、平坦化したフィラメントを含むことができる。代案として、補強は、織地、又はポリマー母材に適切に配向させて埋設した炭素繊維のようなフィラメントを含むチューブの形式とすることができる。同様に、このような補強繊維は、付加的又は代替的に製造プロセス中に内側層及び/又は外側層内に組み入れることができる。
外側管状部材に内側層、外側層及び補強層を設けるとき、外側管状部材は以下のようにして形成することができる。第1に、内側層を管状押出しプロセスで形成し、また整形マンドレル(図示せず)の周りに配置する。整形マンドレルは、本明細書の実施形態のように、外側管状部材の内側の所望形状に対応する形状を有する。次に、ステンレス鋼編組材料の形式で設けることができる補強層を内側層の所定長さ上に配置する。次に、外側層を補強層上に押出し成形して配置する。外側層は、2つの個別の管状部材であり、これら管状部材の端部相互が補強層上で僅かにオーバーラップする形態として設けることができる。外側層の各部分は上述の異なるデュロメータを付与するよう選択した異なる材料とすることができる。外側層の2つの部分は、例えば、約2.54mm(約0.1インチ)のような量だけオーバーラップすることができる。次に、熱収縮可能材料のスリーブを外側管状部材アセンブリ全体上に配置する。最後に、熱をそのアセンブリに加える。熱が加わるとき、熱収縮可能な管材は収縮し、また内側層と外側層との間に補強層を捕捉した状態で内側層を外側層に融着させる。さらに、加熱プロセスは内側層を整形マンドレルの形状に一致させる。アセンブリが冷却した後、熱収縮可能管材を切除し、外側管状部材が残るようにする。
若干の好適な実施形態として本発明を本明細書に記載するが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び改善を本発明に加えることができると理解するであろう。従来既知の付加的特徴、例えば、パッパス(Pappas)氏の米国特許第7,799,065号(参照によって全体が本明細書に組み入れられるものとする)に記載のような特徴を組み込むことができる。さらに、本発明の一実施形態における個別の特徴を本明細書に記載し、また他の実施形態にではない一実施形態の図面に示したが、一実施形態の個別の特徴は、他の実施形態における1つ若しくは複数の特徴、又は複数の実施形態からの特徴と組み合わせることができる。
図示し、また特許請求する様々な実施形態に加えて、本発明は、さらに、本明細書に記載し、特許請求した特徴のうち任意な他の可能な組合せを有する他の実施形態をも企図する。したがって、本明細書に提示した特別な特徴は、本発明の範囲内で他の様態で互いに組み合わせることができ、これにより本発明は本明細書に記載した特徴の任意の適当な組合せを有する。さらに、本明細書全体にわたりステントに言及したが、他の適当な同様のデバイス及びインプラントを本明細書に記載したカテーテル及びシステムを用いて送達することができる。したがって、本発明の特別な実施形態に関する上述した説明は、説明及び記載目的のため提示したものである。それは網羅的でありかつこれら記載の実施形態に本発明を限定することを意図しない。
当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、上述の変更及び改変を本発明の方法及びシステムに加えることができるのは明らかであろう。したがって、本発明は、特許請求の範囲及び均等物内にある変更及び改変を含むことを意図する。

Claims (22)

  1. カテーテルにおいて、
    基端部分、末端部分及び外面を有する内側管状部材であって、さらに、内部に画定した流体ルーメンを有し、前記流体ルーメンは、前記内側管状部材の前記末端部分に沿って前記外面によって画定した流体フローポートを有する、該内側管状部材と、
    前記内側管状部材に対して移動可能な外側管状部材であって、基端部、末端部及び前記内側管状部材の前記外面に向かって指向する内面を有する、該外側管状部材と、
    前記外側管状部材の前記内面から前記内側管状部材の前記外面に向かって突出する基端シールであって、前記流体フローポートの基端側に位置する、該基端シールと、
    前記内側管状部材の前記外面から前記外側管状部材の前記内面に向かって突出する末端シールであって、前記流体フローポートの末端側に位置する、該末端シールと、
    前記基端シール、前記末端シール、前記内側管状部材の前記外面、及び前記外側管状部材の前記内面によって画定される圧力チャンバと、
    前記圧力チャンバ内に配置し、シール区域及びカム区域を有するアクチュエータ部材であって、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、前記流体フローポートから前記圧力チャンバ内に導入される流体が前記シール区域に力を加えて、前記アクチュエータ部材を前記第1位置から前記第2位置に向けて移動させる、該アクチュエータ部材と、及び
    前記内側管状部材の前記外面と前記外側管状部材の前記内面との間に配置し、ラッチを有するロック機構であって、前記ラッチは、前記外側管状部材の前記内側管状部材に対する移動を阻止する係合状態、及び前記外側管状部材の前記内側管状部材に対する移動を可能にする離脱状態をとることができ、前記ラッチが前記離脱状態にシフトするのは、前記アクチュエータ部材が前記第2位置に移動するとき、前記カム区域によって行われる、該ロック機構と
    を備え、
    前記アクチュエータ部材が前記第2位置にあり、また前記ラッチが前記離脱位置にある状態で、前記流体フローポートから前記圧力チャンバ内に導入された流体が前記基端シールに力を加えて、前記外側管状部材を基端方向に押圧偏倚する、
    カテーテル。
  2. 請求項1記載のカテーテルにおいて、前記ロック機構は本体部材を有し、前記ラッチは、少なくとも一部を前記本体部材から突出するアームによって画定する、カテーテル。
  3. 請求項1又は2記載のカテーテルにおいて、前記ロック機構は、前記内側管状部材に連結したスリーブを有し、前記ラッチは、前記係合状態にあるとき前記スリーブに係合する、カテーテル。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記アクチュエータ部材のカム区域は、前記アクチュエータ部材が前記第2位置に向かって移動するとき、前記ラッチを前記スリーブから離脱させる、カテーテル。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記内側管状部材の前記外面に溝孔を画定し、前記ラッチは、前記係合状態にあるとき、前記ラッチは前記溝孔に係合する、カテーテル。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、さらに、前記外側管状部材と前記内側管状部材との間に配置して、前記アクチュエータ部材における前記流体フローポートに対する前記第1位置を画定する止め部材を備える、カテーテル。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記止め部材は、前記外側管状部材に対して移動可能なスリーブを有する、カテーテル。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記アクチュエータ部材は、前記第1位置から前記第2位置に向かって基端方向に移動する、カテーテル。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記アクチュエータ部材の前記シール区域は、前記アクチュエータ部材が第1位置にあるとき、前記止め部材による封止を形成して、前記圧力チャンバ内にチャンバ末端部分及びチャンバ基端部分を画定する、カテーテル。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記アクチュエータ部材が前記止め部材から前記基端方向に移動して前記アクチュエータ部材と前記止め部材との間の前記封止を分断するとき、前記チャンバ末端部分及び前記チャンバ基端部分は互いに流体連通する、カテーテル。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記ロック機構は、前記外側管状部材に取り付けた本体部材を有する、カテーテル。
  12. 請求項1〜11のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記本体部材の外面に窪みを画定し、前記窪み内に収容される前記外側管状部材の外面部分に沿って溝を形成し、前記溝には充填材を配置し、前記外側管状部材を前記ロック機構の本体部材に連結する、カテーテル。
  13. 請求項1〜12のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記充填材は、ナイロン、フッ素重合体、PEEK、エポキシ、プラチナ・イリジウム、セラミック、及び金属のうち少なくとも1つを含む、カテーテル。
  14. 請求項1〜13のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記充填材は、前記外側管状部材の材料と熱結合するのに適した材料を含む、カテーテル。
  15. 請求項1〜14のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記充填材は、前記外側管状部材を前記本体部材の前記窪み内で連結する適当なフープ強度を有する、カテーテル。
  16. 請求項1〜15のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記本体部材は、前記外側管状部材の材料と熱結合するのに適さない材料を含む、カテーテル。
  17. 請求項1〜16のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記ロック機構は、前記充填材より高い溶融温度を有する生体適合性材料を含む、カテーテル。
  18. 請求項1〜17のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記外側管状部材は、PTFEライナーを有するナイロン編組チューブ、又はPTFEのような潤滑性ライナーを有するフッ素重合体編組チューブを有する、カテーテル。
  19. 請求項1〜18のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記内側管状部材は、内部に画定したガイドワイヤルーメンを有する、カテーテル。
  20. 請求項1〜19のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、さらに、前記内側管状部材に沿って前記圧力チャンバの末端側に配置したステント着座部と、前記ステント着座部に配置したステントとを備える、カテーテル。
  21. 請求項1〜20のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、前記内側管状部材の末端部は、さらに前記ステント着座部の末端側に位置する末端側先端部を有する、カテーテル。
  22. 請求項1〜21のうちいずれか一項記載のカテーテルにおいて、さらに、前記外側管状部材に連結し、かつ前記外側管状部材の前記基端部又は前記外側管状部材の前記末端部の少なくとも一方に配置した少なくとも1個の可動管状構体を備える、カテーテル。
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