JP6169983B2 - 懸架装置 - Google Patents

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Description

本発明は、懸架装置に関する。
車両において車体と車輪との間に介装される懸架装置の中には、車体を弾性支持して路面凹凸による衝撃を吸収する懸架ばねとして、エアばねを利用するものがある。
例えば、特許文献1に開示の懸架装置は、二輪車や三輪車等の鞍乗型車両において、前輪を懸架するフロントフォークであり、車体側チューブと車輪側チューブとからなるテレスコピック型のチューブ部材を備え、このチューブ部材内に気体を圧縮しながら封入して、エアばねからなる懸架ばねとして機能させている。
上記懸架装置において、エアばねのばね特性は、図4中実線a及び破線aに示すようになっており、エアばねは、懸架装置の最伸長時においても反力を発揮して懸架装置を伸長方向に附勢するようになっている。このため、上記エアばねをそのまま懸架ばねとして利用した場合、コイルばねからなる懸架ばねを利用する場合と比較して、ばね特性が大きく異なる。
そこで、特許文献1に開示の懸架装置では、最伸長時におけるエアばねによる反力を相殺する反力を発揮する弾性体を備え、エアばねのばね特性aと弾性体のばね特性eの合成の特性(図4(b)中実線a,e合成)を、コイルばねからなる懸架ばねのばね特性に近づけている。
特開2010−185571号公報
しかしながら、上記した懸架装置において、弾性体がバランスばねと称される一種類のコイルばねからなり、ばね定数が変化しないので、弾性体が伸び切るまでのストローク範囲(図4(b)中0〜E4)と伸び切った後のストローク範囲(図4(b)中E4よりも右側)とで、懸架装置のばね特性の変化が大きく搭乗者が違和感を覚える場合がある。
そこで、本発明の目的は、最伸長時におけるエアばねによる反力を相殺する反力を発揮する弾性体を備える懸架装置において、弾性体の伸び切りを境にする懸架装置のばね特性の変化を緩やかにし、車両の乗り心地を向上させることである。
上記課題を解決するための手段は、車体側チューブと車輪側チューブとからなるテレスコピック型の一対のチューブ部材と、これらチューブ部材内に気体を圧縮しながら封入して上記チューブ部材の圧縮量に応じた反力を発揮させるエアばねと、最伸長時における上記エアばねによる反力を相殺する反力を発揮する弾性体とを備えており、上記弾性体が、一方の上記チューブ部材に収容される第一バランスばねと、他方の上記チューブ部材に収容される第二バランスばねとを備えており、上記第一バランスばねと上記第二バランスばねの伸び切るタイミングをずらしたことである。
本発明によれば、最伸長時におけるエアばねによる反力を相殺する反力を発揮する弾性体を備える懸架装置において、弾性体の伸び切りを境にする懸架装置のばね特性の変化を緩やかにし、車両の乗り心地を向上させることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る懸架装置を簡略化して示した縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係る懸架装置の脚部の具体例であり、当該脚部を部分的に切欠いて示した正面図である。 (a)は、本発明の一実施の形態に係る懸架装置のエアばねと、第一バランスばねと、第二バランスばねと、伸切ばねそれぞれのばね特性を示した図である。(b)は、(a)のエアばねのばね特性と、第一バランスばねのばね特性と、第二バランスばねのばね特性と、エアばね、第一バランスばね及び第二バランスばねのばね特性の合成の特性を示した図である。(c)は、(a)のエアばねのばね特性と、第一バランスばねのばね特性と、第二バランスばねのばね特性と、伸切ばねのばね特性と、エアばね、第一バランスばね、第二バランスばね及び伸切ばねのばね特性の合成の特性を示した図である。 (a)は、従来の懸架装置のエアばねと、弾性体それぞれのばね特性を示した図である。(b)は、(a)のエアばねのばね特性と、弾性体のばね特性と、エアばね及び弾性体のばね特性の合成の特性を示した図である。
以下に本発明の一実施の形態に係る懸架装置について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る懸架装置Fは、車体側チューブ10と車輪側チューブ11とからなるテレスコピック型の一対のチューブ部材1,1と、これらチューブ部材1,1内に気体を圧縮しながら封入して上記チューブ部材1,1の圧縮量に応じた反力を発揮させるエアばねと、最伸長時における上記エアばねによる反力を相殺する反力を発揮する弾性体2とを備えており、上記弾性体2が、一方の上記チューブ部材1に収容される第一バランスばね2Lと、他方の上記チューブ部材1に収容される第二バランスばね2Rとを備えており、上記第一バランスばね2Lと上記第二バランスばね2Rの伸び切るタイミングをずらしている。
以下、詳細に説明すると、上記懸架装置Fは、本実施の形態において、二輪車や三輪車等の鞍乗型車両の前輪を懸架するフロントフォークであり、前輪を両側から支える上記一対の脚部fL,fRと、これら脚部fL,fRを連結するとともに車体の骨格となる車体フレームに連結される車体側ブラケット18と、各脚部fL,fRと前輪の車軸とを連結する車輪側ブラケット12とを備えている。本実施の形態において、対となる脚部fL,fRは、一方の脚部fLが有する第一バランスばね2Lと、他方の脚部fRが有する第二バランスばね2Rの自然長が異なることのみにおいてのみ相違し、その他は共通であり、当該共通の構成については、同一符号を付している。
図1,2に示すように、脚部fL,FRは、共に、各脚部fL,fRの外殻となるテレスコピック型のチューブ部材1と、このチューブ部材1内に収容される緩衝器本体Dとを備えており、チューブ部材1と緩衝器本体Dとの間には、作動油を貯留するリザーバRが形成されている。本実施の形態において、減衰力発生用の流体として作動油を利用しているので、リザーバRに作動油を貯留しているが、他の液体を利用するとしてもよい。
各チューブ部材1,1の上記作動油の液面(図示せず)を介して上側には、それぞれ、気体が圧縮されながら封入されて気室Gが形成されている。これら気室Gの圧縮された気体は、チューブ部材1の圧縮量に応じた反力を発揮するエアばねとして機能し、このエアばねは、チューブ部材1を常に伸長方向に附勢して車体を弾性支持する懸架ばねとして機能する。チューブ部材1の圧縮量は、懸架装置Fの圧縮量に等しいので、エアばねは、懸架装置Fの圧縮量に応じた反力を発揮するとともに、懸架装置Fを伸長方向に附勢するともいえる。また、本実施の形態において、気室Gは、リザーバRから緩衝器本体D内にかけて形成されており、リザーバR内の気室を、以下、リザーバ内気室g1とする。
チューブ部材1は、車体側ブラケット18に連結される車体側チューブ10と、車輪側ブラケット12に連結されて車体側チューブ10に出入りする車輪側チューブ11とを備えてテレスコピック型となっており、路面凹凸による衝撃が車輪に入力されると、車輪側チューブ11が車体側チューブ10に出入りして伸縮するようになっている。本実施の形態において、懸架装置Fは、車体側チューブ10に車輪側チューブ11が出入りする倒立型のフロントフォークであるが、車輪側チューブ11に車体側チューブ10が出入りする正立型のフロントフォークであるとしてもよい。
チューブ部材1の上端開口は、キャップ部材13で塞がれており、チューブ部材1の下端開口は、車輪側ブラケット12で塞がれており、車体側チューブ10と車輪側チューブ11の重複部の間に形成される筒状隙間の下端開口は、車体側チューブ10の下部内周に保持されて車輪側チューブ11の外周面に摺接する環状のオイルシール14とダストシール15とで塞がれているので、チューブ部材1内に収容される作動油や気体がチューブ部材1外に漏れ出ないようになっている。
また、キャップ部材13には、エアバルブ16が設けられており、このエアバルブ16を介して気室Gに気体を給排できるようになっている。気室Gは、チューブ部材1の伸縮に伴い膨縮し、気室Gの圧縮比を、リザーバRに貯留される作動油の量により決定することができる。そして、気室Gが所定容積にあるときの圧力を気体の給排で調節することにより、エアばねによるばね特性を所望の特性に設定できる。
チューブ部材1に収容される緩衝器本体Dは、キャップ部材13にシリンダ保持筒17を介して吊り下げた状態に保持される筒状のシリンダ3と、このシリンダ3内に軸方向に移動可能に挿入されるピストン4と、このピストン4に連結されて図1,2中下側に延びシリンダ3から突出して下端が車輪側ブラケット12に固定されるロッド5と、シリンダ3の図1,2中下端に固定されて上記ロッド5を軸方向に移動自在に軸支する環状のロッドガイド6と、キャップ部材13に吊り下げた状態に保持されてシリンダ3の反ロッド側の軸心部に起立するベースロッド7と、このベースロッド7の図1,2中下端に固定されるベース部材8と、ベースロッド7の外周に取り付けられてシリンダ3内を軸方向に移動可能なフリーピストン9とを備えている。
そして、シリンダ3内には、ピストン4で区画されて作動油が充填される図1,2中下側の伸側室L1及び図1,2中上側の圧側室L2と、ベース部材8で圧側室L2と区画されて作動油が充填される液溜室L3と、フリーピストン9で液溜室L3と区画されて気体が収容されるシリンダ内気室g2とが形成されている。図2に示すように、ロッドガイド6の内周には、ロッド5の外周面に摺接する環状のベアリング60とシール61が直列に設けられており、このシール61でシリンダ3内の作動油が漏れ出ることを防いでいる。また、フリーピストン9の内周には、ベースロッド7の外周面に摺接するOリング90が設けられ、フリーピストン9の外周には、シリンダ3の内周面に摺接するOリング91が設けられており、気体と作動油とを分離できるようになっている。
シリンダ3を保持するシリンダ保持筒17の図2中上部には、当該シリンダ保持筒17の内外を連通する孔17aが形成されており、シリンダ内気室g2はリザーバ内気室g1とともに気室Gを構成する。つまり、本実施の形態において、気室Gは、緩衝器本体Dの外側のリザーバRから、緩衝器本体Dの内側であるシリンダ3内のフリーピストン9の直上部まで延びている。
シリンダ内気室g2は、リザーバ内気室g1と圧力が等しく、当該圧力でフリーピストン9を図1中下側に附勢し、液溜室L3を介して圧側室L2及び伸側室L1を加圧できる。このため、減衰力発生応答性を向上させることができる。なお、シリンダ内気室g2とリザーバ内気室g1とを分離するとしてもよく、この場合には、リザーバ内気室g1に気体を給排するエアバルブ16の他に、シリンダ内気室g2に気体を給排するエアバルブを設けることが好ましい。また、フリーピストン9をコイルばねで附勢することにより、減衰力発生応答性を向上させるとしてもよい。
図2に示すように、ピストン4には、伸側室L1と圧側室L2とを連通する伸側ピストン通路4aと圧側ピストン通路4bとが形成されている。ピストン4の図2中上側には、伸側ピストン通路4aを開閉するリーフバルブ40が積層されており、このリーフバルブ40は、伸長作動時にのみ伸側ピストン通路4aを開く。また、ピストン4の図2中下側には、圧側ピストン通路4bを開閉するリーフバルブ41が積層されており、このリーフバルブ41は、圧縮作動時にのみ圧側ピストン通路4bを開く。
ベース部材8には、圧側室L2と液溜室L3とを連通する伸側ベース通路8aと圧側ベース通路8bとが形成されている。ベース部材8の図2中下側には、伸側ベース通路8aを開閉するリーフバルブ80が積層されており、このリーフバルブ80は、伸長作動時にのみ伸側ベース通路8aを開く。また、ベース部材8の図2中上側には、圧側ベース通路8bを開閉するリーフバルブ81が積層されており、このリーフバルブ81は、圧縮作動時にのみ圧側ベース通路8bを開く。
上記構成によれば、車輪側チューブ11が車体側チューブ10から退出し、ロッド5がシリンダ3から退出する懸架装置Fの伸長作動時において、縮小される伸側室L1の作動油がピストン4のリーフバルブ40を開き、伸側ピストン通路4aを通って拡大する圧側室L2に移動するとともに、シリンダ3から退出したロッド体積分の作動油がベース部材8のリーフバルブ80を開き、伸側ベース通路8aを通って液溜室L3から圧側室L2に移動する。このため、緩衝器本体Dは、上記作動油が伸側ピストン通路4a及び伸側ベース通路8aを移動する際の抵抗に起因する伸側減衰力を発揮する。また、液溜室L3から作動油が流出すると、フリーピストン9が図1,2中下側に移動して液溜室L3を縮小させるとともに、シリンダ内気室g2の容積を拡大させてロッド退出体積分のシリンダ内容積変化を補償できる。
本実施の形態において、伸側ベース通路8aを開閉するリーフバルブ80の開弁圧が低く設定されて、当該リーフバルブ80が逆止弁として機能するようになっているので、上記伸側減衰力は、主に、伸側ピストン通路4aを開閉するリーフバルブ40の抵抗に起因するものである。このようにすることで、拡大する圧側室L2で作動油が不足することを抑制できるが、上記各リーフバルブ40,80による抵抗は、所望の減衰力の特性に応じて適宜変更することが可能である。また、伸側ピストン通路4aや伸側ベース通路8aを開閉したり、これらを通過する作動油の流れに抵抗を与えたりするための構成として、リーフバルブ40,80以外を採用するとしてもよく、例えば、ポペット弁やオリフィスを代用してもよい。
反対に、車輪側チューブ11が車体側チューブ10に進入し、ロッド5がシリンダ3に進入する懸架装置Fの圧縮作動時において、縮小される圧側室L2の作動油がピストン4のリーフバルブ41を開き、圧側ピストン通路4bを通って拡大する伸側室L1に移動するとともに、シリンダ3に進入したロッド体積分の作動油がベース部材8のリーフバルブ81を開き、圧側ベース通路8bを通って圧側室L2から液溜室L3に移動する。このため、緩衝器本体Dは、上記作動油が圧側ピストン通路4b及び圧側ベース通路8bを移動する際の抵抗に起因する圧側減衰力を発揮する。また、液溜室L3に作動油が流入すると、フリーピストン9が図1,2中上側に移動して液溜室L3を拡大するとともに、シリンダ内気室g2の容積を縮小させてロッド進入体積分のシリンダ内容積変化を補償できる。
本実施の形態において、圧側ピストン通路4bを開閉するリーフバルブ41の開弁圧が低く設定されて、当該リーフバルブ41が逆止弁として機能するようになっているので、上記圧側減衰力は、主に、圧側ベース通路8bを開閉するリーフバルブ81の抵抗に起因するものである。このようにすることで、拡大する伸側室L1で作動油が不足することを抑制できるが、上記各リーフバルブ41,81による抵抗は、所望の減衰力の特性に応じて適宜変更することが可能である。また、圧側ピストン通路4bや圧側ベース通路8bを開閉したり、これらを通過する作動油の流れに抵抗を与えたりするための構成として、リーフバルブ41,81以外を採用するとしてもよく、例えば、ポペット弁やオリフィスを代用してもよい。
一方の脚部fLにおけるピストン4とロッドガイド6との間には、コイルばねからなる第一バランスばね2Lが設けられ、他方の脚部fRにおけるピストン4とロッドガイド6との間には、コイルばねからなる第二バランスばね2Rが設けられており、これら第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rとで、懸架装置Fの最伸長時におけるエアばねの反力を相殺する反力を発揮する弾性体2を構成している。
図2に示すように、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの軸方向の端部には、それぞれ、ロッド5の挿通を許容する中心孔を有した環状のホルダ20,21が嵌合されている。第一バランスばね2Lや第二バランスばね2Rの図2中下端部に嵌合するホルダ20は、ロッドガイド6に固定されている。他方、第一バランスばね2Lや第二バランスばね2Rの図2中上端部に嵌合するホルダ21は、シリンダ3内を軸方向に摺動できるようになっている。ロッド5の外周には、ピストン4の図1中下側に環状のストッパ50が固定されており、懸架装置Fがある程度伸長するとホルダ21がストッパ50に当接して第一バランスばね2Lや第二バランスばね2Rを圧縮できるようになっている。
このように、上下のホルダ21,20の間で第一バランスばね2L及び第二バランスばね2Rが圧縮されると、これら第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rとで構成される弾性体2は、圧縮量に応じた反力を発揮し、この弾性体2による反力は懸架装置Fを圧縮させる方向に作用する。図3中、実線b及び一点鎖線bは、第一バランスばね2Lのばね特性を示し、実線c及び二点鎖線cは、第二バランスばね2Rのばね特性を示しており、懸架装置Fに組み付けられた第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの圧縮量は、懸架装置Fの最伸長時において最も大きくなり、反力が最大となる。
ところで、懸架装置Fの最伸長時においても両脚部fL,fRのチューブ部材1,1内の気体は、圧縮された状態となっており、当該圧縮された気体の反力、即ち、エアばねによる反力が懸架装置Fを伸長させる方向に作用する(図3中実線a、破線a)。そして、懸架装置Fの最伸長時において、伸長方向に作用するエアばねの反力を、圧縮方向に作用する弾性体2の反力で相殺して、懸架装置Fにかかる荷重が零、または、零に近い値となるように設定されている(図3(b)中実線a,b,c合成)。このようにすることで、弾性体2のばね特性とエアばねのばね特性の合成の特性を、コイルばねからなる懸架ばねのばね特性に近づけている。
本実施の形態において、第一バランスばね2Lの自然長は、第二バランスばね2Rの自然長よりも長く設定されるとともに、第一バランスばね2Lの下端を支持する下側のホルダ20と第二バランスばね2Rの下端を支持する下側のホルダ20が、一方の脚部fLと他方の脚部fRとで略同じ高さになるように配置されている。このため、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの伸び切るタイミングを、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの自然長の差分(図1中矢印z)ずらすことができる。また、本実施の形態において、自然長の短い第二バランスばね2Rは、懸架装置Fの全ストローク範囲の中央よりもやや伸長側で伸び切り、自然長の長い第一バランスばね2Lは、懸架装置Fの全ストローク範囲の中央よりもやや圧縮側で伸び切るように設定されている。
第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの内側には、それぞれ、第一バランスばね2L及び第二バランスばね2Rよりもコイル径が小さく、軸方向長さが短いコイルばねからなる伸切ばねSが設けられている。当該伸切ばねSは、両脚部fL,fRで共通であり、懸架装置Fが最伸長時近傍にあるときに、圧縮されて反力を発揮し、これら伸切ばねS,Sによる反力が懸架装置Fを圧縮させる方向に作用する(図3中実線d、細破線線d)。当該伸切ばねSを備えることにより、エアばね、第一バランスばね2L、第二バランスばね2R及び伸切ばねS,Sのばね特性を合成すると、最伸長時近傍の所定のストローク範囲で、懸架装置Fに圧縮方向に荷重をかけることができるので、懸架装置Fの伸長作動を抑制し、懸架装置Fの最伸長時の衝撃を緩和できる。
以下、本実施の形態に係る懸架装置Fの作動について説明する。
図3(c)中E1は、伸切ばねS,Sが伸び切り、自然長となるストロークを示しており、懸架装置Fの最伸長時0からE1までのストローク範囲において、懸架装置Fのばね特性は、図3(c)中実線a,b,c,d合成で示すように、エアばねのばね特性aと、第一バランスばね2Lのばね特性bと、第二バランスばね2Rのばね特性cと、伸切ばねS,Sのばね特性dの合成となり、上記したように、懸架装置Fに圧縮方向に荷重をかけて懸架装置Fの最伸長時の衝撃を緩和する。
図3(c)中E2は、第二バランスばね2Rが伸び切り、自然長となるストロークを示し、同E3は、第一バランスばね2Lが伸び切り、自然長となるストロークを示しており、上記E1からE2までのストローク範囲において、懸架装置Fのばね特性は、エアばねのばね特性aと、第一バランスばね2Lのばね特性bと、第二バランスばね2Rのばね特性cに依存するが、上記E2からE3のストローク範囲においては、エアばねのばね特性aと、第一バランスばね2Lのばね特性bに依存する。
つまり、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rとを備えて構成される弾性体2のばね定数は、自然長の短い第二バランスばね2Rが伸び切るまでのストローク範囲(0〜E2)では、並列配置される第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rのばね定数の合成となり、第二バランスばね2Rが伸び切った後のストローク範囲(E2〜E3)では、自然長の長い第一バランスばね2Lのばね定数となるので、弾性体2のばね定数が途中で変化し、懸架装置Fの圧縮過程で小さくなる。
つづいて、自然長の長い第一バランスばね2Lが自然長となった後、すなわち、上記E3以降のストローク範囲において、懸架装置Fのばね特性は、エアばねのばね特性aに依存するが、上記したように、直前のストローク範囲(E2〜E3)での弾性体2のばね定数を小さくしているので、当該弾性体2の伸び切りを境にした懸架装置F全体としてのばね特性の変化を緩やかにし、車両の乗り心地を向上させることが可能となる。
以下、本実施の形態に係る懸架装置Fの作用効果について説明する。
本実施の形態において、第一バランスばね2Lの自然長は、第二バランスばね2Rの自然長よりも長い。
上記構成によれば、本実施の形態のように第一バランスばね2Lと第二バランスばね2R以外の構成を、両脚部fL,fRで共通にしたとしても、第一バランスばね2Lの伸び切るタイミングを、第二バランスばね2Rの伸び切るタイミングよりも遅くすることができ、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの伸び切るタイミングをずらすことが容易に可能となる。
なお、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの伸び切るタイミングをずらすための方法は、上記の限りではない。例えば、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの位置を軸方向にずらすことで、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの伸び切るタイミングをずらすとしてもよい。このようにした場合、共通のコイルばねで第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rを構成することができる。
また、本実施の形態において、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rは、自然長が異なるのみで、線径、コイル径及びピッチが共通であるが、第一バランスばね2Lと第二バランスばね2Rの伸び切るタイミングがずれていれば、第一バランスばね2Lや第二バランスばね2Rを構成するコイルばねの線径やコイル径、ピッチ等を適宜変更することが可能である。
また、本実施の形態において、懸架装置Fは、車体側チューブ10と車輪側チューブ11とからなるテレスコピック型の一対のチューブ部材1,1と、これらチューブ部材1,1内に気体を圧縮しながら封入して上記チューブ部材1,1の圧縮量に応じた反力を発揮させるエアばねと、最伸長時における上記エアばねによる反力を相殺する反力を発揮する弾性体2とを備えており、上記弾性体2が、一方の上記チューブ部材1に収容される第一バランスばね2Lと、他方の上記チューブ部材1に収容される第二バランスばね2Rとを備えており、上記第一バランスばね2Lと上記第二バランスばね2Rの伸び切るタイミングをずらしている。
上記構成によれば、弾性体2のばね定数を途中で変化させることができるので、弾性体2の伸び切りを境にする懸架装置Fのばね特性の変化を緩やかにし、車両の乗り心地を向上させることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
F 懸架装置
1 チューブ部材
2 弾性体
2L 第一バランスばね
2R 第二バランスばね
10 車体側チューブ
11 車輪側チューブ

Claims (2)

  1. 車体側チューブと車輪側チューブとからなるテレスコピック型の一対のチューブ部材と、これらチューブ部材内に気体を圧縮しながら封入して上記チューブ部材の圧縮量に応じた反力を発揮させるエアばねと、最伸長時における上記エアばねによる反力を相殺する反力を発揮する弾性体とを備えており、
    上記弾性体が、一方の上記チューブ部材に収容される第一バランスばねと、他方の上記チューブ部材に収容される第二バランスばねとを備えており、上記第一バランスばねと上記第二バランスばねの伸び切るタイミングをずらしたことを特徴とする懸架装置。
  2. 上記第一バランスばねの自然長は、上記第二バランスばねの自然長よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
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