[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す情報コード利用システム1は、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列した情報コード100を生成する情報コード生成装置2と、情報コード生成装置2によって生成された情報コード100を読み取る情報コード読取装置10とを備えた構成をなしている。
(情報コード生成装置)
図1等に示す情報コード生成装置2は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置として構成されており、CPUなどからなる制御部3と、キーボード、マウス、その他の入力装置からなる操作部4と、ROM、RAM、HDD、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部5と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部6と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部7と、公知のプリンタ等と同様のハードウェア構成をなし且つ制御部3からの印刷データに基づいて情報コード100等を印刷可能な印刷部8(印刷装置)とを備えている。
(情報コード読取装置)
次に、情報コード読取装置10の全体構成について説明する。図2に示すように、情報コード読取装置10は、ハードウェア的には二次元コードなどの情報コードを読取可能なコードリーダ、或いは携帯電話機やスマートフォンなどの携帯型情報処理端末などとして構成されており、図示しないケースによって外郭が構成され、このケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。
この情報コード読取装置10は、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース(図示略)内に内装されている。
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本構成では、例えば受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、ケースに形成された読取口(図示略)を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに例えば図1のような情報コード100(後述)が印刷、ダイレクトマーキングなどによって形成されている。
受光センサ23は、情報コード100(後述)を撮像可能な「撮像部」の一例に相当し、読取対象物Rや情報コード100に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光可能に図略のプリント配線板に実装されている。
フィルタ25は、例えば反射光Lrの波長相当以下の光が通過することを許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタとして構成され、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本構成では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コード100のコード画像を結像するように構成されている。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コード100の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることにより所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
メモリ35は、半導体メモリ装置などの記憶装置によって構成され、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM、その他の不揮発性メモリ等がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
制御回路40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本構成の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48は、読取装置10の外部に設けられた外部装置(図2では、ホストコンピュータHSTを例示)と公知の無線通信方式又は有線通信方式で通信を行うためのインタフェースである。
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
(情報コード)
次に、図1の情報コード利用システムで生成され、利用される情報コード100について図1、図5等を参照して説明する。なお、図1の例と図5右図の例では、セル配列や特定パターンのサイズ等が若干異なるが基本的な考えは同様であり、同様の特徴を有している。図1、図5等に示す情報コード100は、例えば上述の情報コード生成装置2によって生成されるものであり、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセル102を配列した構成となっている。なお、図1、図5等の情報コード100において、「コード領域」は、複数配列された暗色セルを全て含み得る矩形状の領域であり、具体的には、3つの位置検出パターン(切り出しシンボル)104を全て含む最小の正方形領域又は長方形領域となっている。図1、図5等の例では、複数のセル102が、矩形状(例えば外径が正方形状)の明色(白色)セル及び暗色(黒色)セルのいずれかによって構成されており、コード領域の内部において後述する空き領域110の周囲にこれらセル102がマトリックス状に配置されている。明色セル及び暗色セルは、それぞれ白色セル、黒色セルに限られるものではなく、暗色セルが所定の明度で構成される場合、明色セルはそれよりも明度が高ければよい。また、情報コード100において上記コード領域の周囲には、当該コード領域を取り囲むように明色又は暗色のマージン領域が構成されるようになっており、図1、図5等の例では、明色(例えば、白色或いは暗色セルよりも明度の大きい他色)のマージン領域がコード領域の周囲に隣接して配置されている。
この情報コード100は、矩形状(例えば、正方形状或いは長方形状等)のコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセル102によって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられている。図1、図5等のように、情報コード100の特定パターンは、例えば、QRコード(登録商標)の公知の所定型番(図5の例では、JIS等で規格化されたQRコードの所定型番)の特定パターンと同一の形状及び位置となっており、図1、図5等の例では、コード領域の3つの角部にそれぞれ、特定パターンとしての位置検出パターン(切り出しシンボル)104が配置されている。また、規格化されたQRコード(登録商標)と同様のタイミングパターンやアライメントパターンなどが特定パターンとして設けられていてもよい。このように、情報コード100では、予め定められた位置に決まった形状の特定パターン(図1の例では位置検出パターン104、アライメントパターン108)が配置されるようになっている。なお、コード領域の内部において、後述する空き領域110以外の位置は、このような特定パターンの領域、記録領域(データ記録領域及び誤り訂正符号記録領域のいずれかからなる領域)などによって構成されている。
情報コード100のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(コードワードの配置順序を特定するアドレス)等は読取装置10がどのような方法で把握してもよい。例えば、情報コード100の種別において複数の型番が予め定められていてもよく、この場合、型番毎にセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードを配置する候補位置(アドレス)が予め定められていればよい。そして、上記型番を特定する型番情報がコード領域内の決められた位置(予約領域)に配置されていれば、読取装置10はこの型番情報に基づいて情報コード100のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)を把握できるようになる。なお、この方法に限定されるものではなく、読取装置10が把握し得る方法であれば他の方法でもよい。
そして、コード領域の内部において、特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域以外の位置には、セル102によって解読対象データが記録されない領域であり且つ誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない領域である空き領域110が、単一のセル102のサイズよりも大きいサイズで設けられている。図1、図5等の例では、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域がコード領域の周縁に沿って環状且つ矩形状に配置されており、コード領域の中央部(コード領域の中心を含む所定領域)に空き領域110が円形状に構成されている。なお、「セル102によって解読対象データが記録されない領域」とは、データ記録領域に記録されたデータの中でデコード対象となるデータ(解読対象データ)が記録されていない領域を意味しており、空き領域110は、このような解読対象データが記録されない領域となっている。より具体的には、空き領域110は、後述するデータコードワードや誤り訂正コードワードなどのコードワードが記録されない領域となっており、且つフォーマット情報が記録されない領域となっている。また、空き領域110は、「誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない領域」となっており、即ち、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いた誤り訂正が行われない領域となっている。従って、空き領域110に何らかの情報が記録されていても、空き領域110の周囲に存在する誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号によってその情報に対する誤り訂正がなされることはない。
なお、以下の説明では、図5右図のような上記所定型番に対応する構成(所定型番のQRコード(登録商標)と行数及び列数が同じであり且つ位置検出パターンの配置及び形状が同じである構成)と、図5左図のような所定型番よりもサイズが小さい別の型番(Ver.番号)のQRコード(他種コード120)とが対応付けられ、図5右図における情報コード100の各コードワードの位置と、図5左図における他種コード120の各コードワードの位置とが図5下図のような配置変換表によって対応付けられている例を代表例として説明する。この例では、図5左図の他種コード120で格納し得るデータ量であれば、図5右図のような情報コード100により空き領域110を設けた上で表現できるようになっている。逆に、図5右図の情報コード100を読み取る場合には、情報コード100の各コードワードを、図5左図のような他種コード120のコードワードとして読み取ることができるようになっている。
また、図5右図では、空き領域110の周囲に配置される各コードワードの領域を一点鎖線枠や破線枠等によって概念的に示している。また、フォーマット情報を記録する領域(所定位置105)は、所定種類のハッチングにて概念的に示している。なお、図5右図では、フォーマット情報を記録する領域や、コードワードを記録する領域では、升目のみを示し、明色セルや暗色セルの具体的配列を省略して示している。また、図5右図の例では、セル配列と対応付けるべく空き領域110(コード領域の中央部分)の内部にも升目を付しているが、空き領域110の内部の構成は自由であり、図1のように構成してもよく、その他の構成であってもよい。
フォーマット情報(形式情報)は、例えば図6のように構成され、図5に示す情報コード100内の所定位置105(所定種類のハッチング位置)に特定のフォーマット構成で記録されている。このフォーマット情報は、誤り訂正レベルを特定する訂正レベル情報と、マスク番号を特定するマスク番号情報とを含んでいる。訂正レベル情報は、情報コード100で用いる誤り訂正レベルを特定する情報であり、例えば他種コード120に変換して読み取る場合の当該他種コード120で用いる誤り訂正レベルにも相当する。また、マスク番号は、情報コード100のコードワード領域(データコードワードや誤り訂正コードワードが記録されている領域)にかけられているマスクがどのマスク種別であるかを特定する情報である。
図6に示すようにフォーマット情報は、所定種類のマスクパターン(特定マスク)を反映した状態で記録されており、公知のQRコードと同様の方法でフォーマット情報のマスク種別を識別することで、図5右図に示すような特定のコード種別(空き領域110を設けた種別)であること検出できるようになっている。公知規格のQRコードでは、例えばモデル1として構成する場合には、図6のようなフォーマット情報を表すセル配列に対してモデル1用のマスクをかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置に記録し、モデル2として構成する場合には、図6のようなフォーマット情報を表すセル配列に対してモデル2用のマスクをかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置に記録するようになっている。一方、図5に示す本実施形態の情報コード100(空き領域110を有する特別種類のコード)では、図6のようなフォーマット情報を表すセル配列に対してモデル1、2とは異なる種類の特定マスク(図6では額縁QR用と例示)をかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置105に記録するようになっている。そして、公知規格のモデル1及びモデル2、情報コード100の種別のいずれの場合でも、記録する訂正レベル(訂正レベル情報)及びマスク番号(マスク番号情報)に対応するチェックデジット(BCH)が所定方式(訂正レベルとマスク番号とをパラメータとした所定演算式)で付された上でフォーマット情報が構成されており、このようなフォーマット情報を表すセル配列に対して各種別用のマスクがかけられるようになっている。具体的には、図6のようなフォーマット情報を表すセル配列(ビットパターン)に対して各種別用のマスクパターンを用いて公知の方法でマスク処理が行われ、マスク処理後のビットパターンを表すセル配列が所定位置105に記録されるようになっている。従って、図5右図等に示す情報コード100のようにフォーマット情報に対して特定マスク(図6では額縁QR用と例示)をかけた上で所定位置105に記録している場合、解読時には、このように所定位置105に記録された情報(セル配列)に対して上記特定マスクを解除するようにマスク解除処理を行い、その解除後のデータ(即ち、所定位置105のセル配列に対して特定マスクを解除するようにマスク解除処理を行った後のセル配列で特定されるビットパターン)を解読すれば、そのマスク解除後のデータではチェックデジットが合うことになるため(即ち、マスク解除後のデータに含まれる訂正レベルとマスク番号とをパラメータとした上記所定演算式でチェックデジットを算出した場合、マスク解除後のデータに含まれるチェックデジットと一致するため)、情報コード100の種別であること特定することができる。逆に、情報コード100の所定位置105のデータを、モデル1やモデル2のマスクに基づいてマスク処理を解除しても、チェックデジットが合わなくなるため、公知規格のモデル1やモデル2でないことを特定することができる。
このように構成される情報コード100では、特定パターン(位置検出パターン104等)を検出し、公知のQRコードと同様の方法でコード領域、コードの向き、各セル位置を特定した後、公知のQRコードと同様の方法でフォーマット情報が記録された所定位置105を解読することで、解読時に成功したマスクの種別(即ち、チェックデジットが合ったマスクの種別)により情報コード100の種別(空き領域110を有する特別種類)であることを特定することができる。そして、解読されたフォーマット情報により、情報コード100で用いる誤り訂正レベルを特定でき、且つ情報コード100のコードワード領域(セルによってデータコードワードや誤り訂正コードワードが記録されている領域)にかけられているマスク種別を特定できるようになっている。
更に、本構成では、情報コード100に形成された空き領域110が登録対象者の画像を表示する画像表示領域として構成されている。また、データ記録領域には、氏名情報、電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報などを含んだアドレス帳情報が記録されている。このアドレス帳情報は、「アドレス関連情報」の一例に相当する情報である。なお、登録対象者の画像やアドレス帳情報については後に詳述する。
情報コード100に記録する内容は、例えば、図3のような構成をなしており、データ配列の先頭部分にヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)が設定され、ヘッダデータの後に入力データ(解読対象データ)が続くようになっている。図3の例では、入力データ(解読対象データ)については、例えば公知の方法で圧縮し、データワード(データコードワード)に変換しているが、このような圧縮を行わなくてもよい。なお、情報コード100で用いるヘッダデータは、以降の説明では、「額縁QR用ヘッダー」とも称する。また、本明細書では、このようなヘッダデータ及び入力データ(解読対象データ)のデータワード(データコードワード)を記録する領域、及び上述のフォーマット情報を記録する領域が「データ記録領域」に相当する。また、図3の例では、ヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)として、後述する他種コード120(情報コード100を解読するために用いるコード種別であり、配置変換表(図5)によって情報コード100と対応付けられたコード)の種別(型番)を特定し得る情報(図3では、Ver.番号と例示)や、空き領域内の形式を特定し得る識別情報が記録されている。なお、図3の例では、ヘッダデータとして、他種コードの種類(Ver.番号)に加え、空き領域110の形式が図1、図5、図9等に示す画像形式(アドレス帳に用いる画像形式)あることを特定する情報(第1情報)と、空き領域110の位置(画像領域位置)を特定し得る情報(第2情報に相当する「画像領域位置情報」)とが記録されている。このうち、空き領域110の形式がアドレス帳に用いる画像形式であることを特定する情報(第1情報)は、「画像表示領域の存在を示す所定の識別情報」の一例に相当する。また、「画像表示領域の画像がアドレス帳への登録用に用いる情報であるか否かを判別する情報」の一例にも相当する。また、空き領域の位置(画像領域位置)を特定し得る情報(第2情報)は、コード領域内における画像表示領域の位置を示す「位置データ」の一例に相当する。なお、図3の例では、このような第1情報や第2情報がヘッダデータ(額縁QR用ヘッダ)に含まれた例を示しているが、このような第1情報や第2情報は、入力データの一部として含まれていてもよい。
図3、図5の例では、コード領域内での空き領域110(画像表示領域)の位置を特定し得る情報が画像領域位置情報(位置データ)として記録されている。例えば、図1、図5のように空き領域110が円形に構成される場合、図5に示すような矩形状に構成される情報コード100を複数行且つ複数列に格子状に分割したときの各分割領域(区分けされた各セル領域)のうちの、空き領域110の中心位置の座標(空き領域110の中心となるセル領域の位置)と、空き領域110の半径の情報(例えば、空き領域110の半径がセル領域何個分かを示す情報)とを特定する情報が上記位置データとして記録されていれば、このコード領域内での空き領域110の位置を特定できるようになる。なお、図5のように情報コード100を格子状に分割したときの各行及び各列の幅は、それぞれ単一のセルにおける行方向の幅及び列方向の幅に相当している。また、空き領域110の特定方法はこの例に限られるものではなく、例えば、空き領域が正方形状又は長方形状に構成される場合には、コード領域内での空き領域の対角となる2つの角部の位置、或いは4つの角部の位置を特定するような情報を位置データとして含ませておけばよい。また、これらの方法に限られるものではなく、コード領域内での空き領域の位置を特定し得る方法であれば他の方法(例えば、後述する図12のような方法)を用いてもよい。
図3に示すデータ構成では、入力データ(解読対象データであるデータワード)の後には誤り訂正符号となる誤り訂正コードワード(ECCワード)が続いている。情報コード100では、この誤り訂正符号を記録する領域が誤り訂正符号記録領域となる。なお、データワード(図3の例ではヘッダデータ及び入力データ(解読対象データ))に基づいて誤り訂正符号(誤り訂正コードワード)を生成する方法は、公知の二次元コード(QRコード等)の規格で定められた方法などを用いることができる。例えば、データワード(データコードワード)に基づいて誤り訂正コードワードを生成する方法として、JISX0510:2004に規定された誤り訂正コード語の生成方法(JISX0510:2004、8.5誤り訂正)などを用いることができる。なお、誤り訂正コードワードの生成方法はこれに限られず、公知の様々な方法を用いることができる。
また、情報コード100では、解読対象データを表現する各データワード(データコードワード)や誤り訂正コードワードが予め定められた配置位置情報に基づいてコード領域内に配置されている。本構成では、図5のように、情報コード100のコード領域内において予め各コードワードの配置候補位置が定められており、各配置候補位置にそれぞれ番号(アドレス)が割り当てられている。そして、配置位置情報は、図3に示す記録内容を構成する各コードワードをそれぞれどの配置候補位置に配置すべきかを特定する情報となっている。なお、図5右図の例では、1〜25番の配置候補位置を概略的に例示しており、各配置候補位置では、先頭と最後のビット部分に番号を付して明示している。また、図5右図では、26番以降の配置候補位置は省略している。
具体的には、他種コード120(公知のQRコード)の型番(図3に示すヘッダデータで特定される他種コード120の型番)では、各順番のコードワードを他種コード120内のどの位置に配置すべきかが公知規格等により予め定められており、他種コード120を解読する場合にはこのように定められた配置に基づいて各順番のコードワードを解読する。例えば、図5左図に示す他種コード120の例では、0番目のコードワードを右下に配置し、1番目のコードワードをその上に配置し、2番目のコードワードをその上に配置するといった具合に各コードワードの配置位置が予め決められている。従って、この他種コード120を解読する場合には、このように決められた配置に基づいて0番目のコードワード、1番目のコードワード、2番目のコードワード、3番目のコードワード・・・といった具合に順番に解読することになる。
一方、図5に示す配置位置情報(配置変換表)では、このように他種コード120で予め定められた各配置位置(各順番のコードワードの配置位置)の番号を、情報コード100において予め定められた候補位置(各コードワードの配置候補位置)の番号にそれぞれ対応付けている。具体的には、「他種コード120における1番目のコードワードの配置位置が情報コード100の1番目の配置候補位置に相当」、「他種コード120における2番目のコードワードの配置位置が情報コード100の2番目の配置候補位置に相当」、「他種コード120における3番目のコードワードの配置位置が情報コード100の3番目の配置候補位置に相当」といった情報が、例えばテーブルデータなどとしてそれぞれ記録されており、他種コード120における各番号のコードワードの配置位置を、情報コード100の各配置候補位置にそれぞれ対応付けている。このように構成されているため、情報コード100を解読する場合には、コード領域内の各配置候補位置のコードワード(各アドレスのコードワード)を配置位置情報(配置変換表)で対応付けられた他種コード120の各配置位置にそれぞれ配置し直し、このように配置し直された他種コード120を公知の方法で解読すれば良い。例えば、図5下図に示す配置変換表を用いて情報コード100の解読を行う場合、情報コード100の1番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120における1番目のコードワードの配置位置に配置し、情報コード100の2番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120における2番目のコードワードの配置位置に配置し、情報コード100におけるN番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120において当該N番目の配置候補位置に対応付けられているM番目のコードワードの配置位置に配置するといった具合にそれぞれ配置し直した上で、このように配置し直された他種コード120(QRコード)を公知の方法で解読すればよい。なお、上述の配置位置情報(配置変換表)については、情報コード100を生成する情報コード生成装置2及び情報コード100を読み取る情報コード読取装置10に共通のデータ(共通の配置変換表)がそれぞれ設けられていることが望ましい。
(情報コードの生成処理)
次に、図7等を参照して情報コード生成処理及び情報コード生成方法について説明する。以下では、図5のように他種コード120がQRコード(登録商標)であり、情報コード100がQRコードと同様の特定パターンを有する場合を例に挙げて説明する。なお、この例では、空き領域110を有する情報コード100を「額縁QR」とも称する。
図7の情報コード生成処理は、情報コード生成装置2によって行われる処理であり、例えば、操作部4での所定操作によって実行開始される。この処理では、まず、外部からコード化するデータ(解読対象データ)と、属性データと、コード種別データ(情報コード100を生成するか、一般的な二次元コード(例えば一般的なQRコード)を生成するかを特定するデータ)を取得する(S1)。なお、本構成では、制御部3、操作部4が「データ取得部」の一例に相当し、解読対象データ(外部からの入力データ)を取得するように機能する。また、このような例に限らず、例えば、制御部3と通信部7が「データ取得部」として構成され、外部から通信によって入力されるデータを解読対象データとして取得するように機能してもよい。
S1でデータを取得した後には、その取得したデータを圧縮する方法を公知の方法で定め(S2)、入力データを圧縮したデータ(解読対象データ)を複数のデータワード(データコードワード)で表現する(S3)。そして、S3の後には、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)であるか否かを判断する。S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)である場合には、S4にてYesに進み、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)で用いられる特有のヘッダデータ(上述)を生成し、図3のように複数のデータワードを含んだデータ配列の先頭にセットする(S5)。図3のヘッダデータには、上述したように、図5左図に示す他種コード120の種別(型番)を特定し得る情報(バージョン番号情報等)と、空き領域110の形式がアドレス帳に用いる画像表示形式であることを特定する情報(第1情報)と、空き領域110(画像表示領域)の位置を特定し得る情報(第2情報に相当する「画像領域位置情報」)とが記録されることになる。一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)でない場合(一般的な二次元コードを選択するデータ(例えば、モデル1又はモデル2を選択するデータ)である場合)には、S4にてNoに進む。
S4でNoに進む場合、S3で生成されたデータワード(データコードワード)の構成に基づいて公知の方法で誤り訂正符号を生成し、この誤り訂正符号を表現する複数の誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を生成する(S6)。一方、S4からS5に進む場合、S3、S5で生成された最終的なデータワード(ヘッダデータ及び入力データを表現する複数のデータコードワード)の構成に基づいて公知の方法で誤り訂正符号を生成し、この誤り訂正符号を表現する複数の誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を生成する(S6)。
S6の後には、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)であるか否かを判断し(S7)、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)でない場合には、S7にてNoに進み、公知の方法で二次元コード(例えばQRコード)を生成することになる。S7でNoに進む場合、S3で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を格納しうるサイズの二次元コードの型番(この例では、規格化された公知のQRコードの複数の型番において、S3で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを格納しうるサイズの型番)を決定し、当該型番で予め定められた配置パターンに従い、S3で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを配置する(S9)。
一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)である場合には、S7にてYesに進み、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)と、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)と、空き領域と、を格納しうる情報コード100の型番を決定する(S10)。なお、空き領域のサイズは、予め定められた一定サイズであってもよく、S10の前段階でユーザが入力などによって指定してもよい。また、空き領域のサイズは、行数及び列数で特定してもよく、何ワード分に相当するか、あるいは何セル分に相当するか等の情報によって特定してもよい。図5、図8の例では、例えば情報コード100の種別で予め定められた複数の型番(サイズ)において、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)、及び空き領域を格納しうるサイズの型番を決定することになる。なお、情報コード100の種別で複数の型番を使用可能とする場合、各型番毎に、行数及び列数、特定パターンの形状及び配置、フォーマットデータの配置、各コードワードの配置候補位置をそれぞれ定めておけばよい。また、いずれの型番でも、図5右図のように外周側から順番に各コードワードの配置候補位置を定めるようにし(例えば、外周側から内側に渦巻き状に配置候補位置を順番に設定し)、番号が若い配置候補位置ほど外側とするように各コードワードの配置候補位置を定め、用意された配置候補位置の内、コードワードが配置されない部分(即ち、使用されない部分)については、空き領域として用いるようにすれば、中央部により広い空き領域を確保し易くなる。また、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)、及び空き領域を格納しうるサイズの型番が複数存在する場合には、その中から一番小さい型番(サイズ)を決定するようにしてもよく、ユーザがその中からいずれかの型番(サイズ)を指定できるようにしてもよい。そして、情報コード100を生成する際には、このように決定された型番において予め定められたサイズ(行数及び列数)、特定パターンの配置、コードワードの各配置候補位置を用いると共に、具体的な各コードワードの配置位置は、上述の配置変換表に従って決定することになる。なお、以下では、S10において図5右図のような型番が決定された例について具体的に説明する。
S10の後には、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を上述の配置位置情報(配置変換表)に基づいて配置することになる。情報コード生成装置2では、上述の配置位置情報(配置変換表)が記憶部5に記憶されており、この配置変換表では、上述したように他種コード120で定められた各配置位置(各順番のコードワードの配置位置)を、情報コード100において予め定められた候補位置(各コードワードの配置候補位置)にそれぞれ対応付けている。S11の処理では、記録すべきコードワード(S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード))を、図4、図5左図で示す他種コード120(情報コード100よりもサイズが小さく、且つS3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを格納し得るサイズの二次元コード)で表現するときの各コードワード(各順番のコードワード)の配置位置を特定した上で、それら各順番のコードワードを、配置位置情報(配置変換表)によって各順番のコードワードの配置位置に対応付けられている情報コード100内の各配置候補位置に配置する。例えば、図5の配置位置情報(配置変換表)では、他種コード120での1番目のコードワードの配置位置と、情報コード100の1番の配置候補位置とが対応付けられているため、記録すべきコードワード(S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワード)の内の1番目のコードワードについては情報コード100内の1番の配置候補位置に配置する。また、他種コード120での2番目のコードワードの配置位置と、情報コード100の2番の配置候補位置とが対応付けられているため、記録すべきコードワードの内の2番目のコードワードについては情報コード100内の2番の配置候補位置に配置する。このように、記録すべきコードワードにおいてN番目のコードワードを配置する他種コード120での配置位置(N番目のコードワードの配置位置)と、情報コード100のM番の配置候補位置とが対応付けられていれば、記録すべきコードワードの内のN番目のコードワードについては情報コード100内のM番の配置候補位置に配置することになる。
つまり、S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードだけなら、情報コード100よりも小サイズの他種コード120(公知のQRコードとして構成されたもの)で表現できるが、S3、S5で生成されたデータワード、S6で生成された誤り訂正ワード、及び空き領域110を格納する場合には、これよりも大きいサイズの情報コード100によって表現する必要がある。そこで、本実施形態では、S3、S5で生成されたデータワード、S6で生成された誤り訂正ワード、及び空き領域110を、他種コード120よりも大きいサイズの情報コード100によって表し、S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを他種コード120(公知のQRコード)で表現した場合のコードワードの各配置と、これよりも大きいサイズの情報コード100に格納する場合のコードワードの各配置との対応関係を、予め定められた配置変換表によって特定できるようにしている。
なお、本構成では、図5のような「配置変換表」が「解読対象データを表現する複数のデータワードをコード領域に配置する際の各配置位置を特定する配置位置情報」の一例に相当しており、この配置変換表(配置位置情報)は、解読対象データを複数のデータワードで表現したときの各順番のデータワードと、各順番のデータワードのコード領域内での各配置位置とを対応付けて定める情報として構成されている。また、記憶部5が「配置位置情報記録部」の一例に相当し、このような配置変換表のデータ(配置位置情報)を記録するように機能する。
S9又はS11の後には、S9又はS11で配置場所が決定されたコードワードに対してかけるべきマスクパターンを公知の所定方法(例えばQRコードで用いられる公知方法)で決定し、その決定されたマスクパターンをS9又はS11で配置場所が決定されたコードワードに反映するように公知のマスク処理方法でマスクをかける(S12)。そして、S12で設定したマスクパターンの情報(マスク番号)及び誤り訂正レベルの情報に基づいてチェックデジットを算出し、図6のように誤り訂正レベル、マスク番号、チェックデジットを含んだフォーマット情報を生成する(S13)。なお、フォーマット情報として記録するマスク番号や誤り訂正レベルなどのデータは、S1で入力できるようにしてもよい。
そして、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)である場合には、S14にてYesに進み、S13で生成されたフォーマット情報に、上述の特定マスク(額縁QRマスク)を反映するようにマスク処理を行う(図6参照)。一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)でない場合には、S14にてNoに進み、S16で設定するマスクパターンとは異なるマスクパターンのマスク(モデル1のマスク又はモデル2のマスク)をセットする。S15又はS16によりフォーマット情報に対してマスクをかけた後には、そのマスク処理後のフォーマット情報をコード領域内の所定位置105に配置する(S17)。
このようにして、特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正領域が構成された後には、空き領域110の構成要素を配置する(S18)。図3の例では、空き領域110(画像表示領域)の位置が、例えば中心位置座標(図5のように格子状に区分けされた複数のセル領域のうちの中心となるセル領域の位置)と半径サイズによって特定されるため、S18では、このように指定された空き領域110の位置に、図1、図9のような登録対象者の画像121を配置する。なお、登録対象者の画像121を表すための画像データ(電子データ)は、生成装置2に対する外部からのデータ入力などによって生成装置2の記憶部5内に予め記憶されていてもよく、S18での空き領域119の生成時に、生成装置2から所定の外部装置に対して登録対象者の画像121の送信を要求するようにしてもよい。なお、S14でNoに進む場合には、S18の処理を省略するようにすればよい。
このようにして情報コード100又は他の二次元コードが生成された後には、そのコードを印刷部8によって印刷する(S19)。なお、S19では、印刷に代えて、表示部6にて情報コード100等の表示を行ってもよく、S17までの処理によって生成された情報コード100のデータを外部装置(例えば、携帯端末やコンピュータ等の情報機器)に送信してもよい。
例えば、図7の処理によって図9のような情報コード100が生成され、S19で情報コード100の印刷を行う場合、例えば、図10のように、この情報コード100を、当該情報コード100で表示される登録対象者の画像121で特定される個人(登録対象者)の名刺に付すように印刷を行うようにしてもよい。図10の名刺の例では、情報コード100のデータ記録領域に、この名刺及び画像121で特定される個人の、「氏名情報、電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報」の少なくともいずれか複数又は全てが記載されている。なお、情報コード100のデータ記録領域に記録される氏名情報は、画像121で特定される個人の本名であってもよく、画像121で特定される個人の芸名、筆名、略称などであってもよい。また、情報コード100のデータ記録領域に記録される電話番号情報は、画像121で特定される個人への電話連絡先となる電話番号であればよく、例えば、当該個人が所属先で使用する電話番号であってもよく、当該個人が所持する携帯電話の電話番号などであってもよい。情報コード100のデータ記録領域に記録される住所情報は、画像121で特定される個人の住所情報などである。情報コード100のデータ記録領域に記録される所属情報は、画像121で特定される個人が所属する所属先の主体名(企業名などの団体名や機関名等)を特定する情報である。また、情報コード100のデータ記録領域に記録される所属所在地情報は、画像121で特定される個人が所属する所属先の所在地(本社所在地や、当該個人が在籍している部署の所在地など)を特定する情報である。情報コード100のデータ記録領域に記録される電子メールアドレス情報は、画像121で特定される個人への電子メールの送り先を特定する電子メールアドレスであり、当該個人が使用する個人メールアドレスであってもよく、当該個人とその他の者とが共用するメールアドレスであってもよい。情報コード100のデータ記録領域に記録されるインターネットアドレス情報は、当該個人又は当該個人が所属する所属先などが特定の者又は非特定の者に公開するサイトのURL(Uniform Resource Locator)などである。このような「氏名情報、電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報」の少なくともいずれか複数又は全てが、画像121で特定される個人と対応付けられた形で情報コード100のデータ記録領域に記録されている。そして、図10に示す名刺において、情報コード100の外部領域には、これら「氏名情報、電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報」のいずれか複数又は全てが、文字情報や図形情報などとして印刷されている。
本構成では、情報コード生成装置2の制御部3が「データ記録領域生成部」の一例に相当し、情報コード100のコード領域の内部に空き領域110を設ける場合、コード領域内の所定位置に特定のフォーマット構成でフォーマット情報を記録し、且つ、データ取得部で取得された解読対象データ(入力データ)を表現する各データワードを、配置位置情報記録部に記録された配置位置情報に基づいて配置するように、データ記録領域を生成している。また、制御部3によって構成される「データ記録領域生成部」では、コード領域の内部に空き領域110を設ける場合、所定種類のマスクパターン(特定マスク)を反映した状態で所定位置105のセル配列を構成している。また、制御部3によって構成される「データ記録領域生成部」では、氏名情報、電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報の少なくともいずれかを含むアドレス帳情報を解読対象データ(入力データ)として表現するように各データワードを生成している。
(情報コードの読取処理)
次に、図2の情報コード読取装置10によって図1、図5右図等に示す情報コード100を読み取る場合の処理について説明する。図8の読取処理は、例えばユーザによって所定操作(例えば、操作スイッチ42の操作等)がなされたときに実行されるものである。まず、図8のS40に示すように、受光センサ23の撮像エリアにある二次元コードを撮像して当該二次元コードの撮像画像を取得し、その撮像画像において二次元コードの形(コード外形)を検出する。具体的には、位置検出パターン104の認識やコード全体の外形検出を公知の方法で試みる。例えば、QRコード(登録商標)で行われる、1:1:3:1:1の波形を検出する公知の方法等により位置検出パターン104を検出し、撮像された二次元コードの外形をQRコード(登録商標)等で行われる公知の方法で検出する。例えば、図5、図9等に示す情報コード100がS40で撮像された場合、この情報コード100の外形が検出されることになる。なお、S40での処理方法は、特定パターンの形状や二次元コードの外形を検出し得る方法であれば他の方法であってもよい。
本構成では、受光センサ23が「撮像部」の一例に相当し、情報コード生成装置2によって生成された情報コード100を撮像するように機能する。
S40の後には、撮像されたコード画像を解析し、フォーマット情報を解読する(S41)。例えば、図5、図9等に示す情報コード100がS40で撮像された場合、この情報コード100の所定位置105の情報(フォーマット情報)を解読し、撮像された情報コードの種別及びマスク訂正レベルを取得する(S41)。具体的には、所定位置105に記録されたフォーマット情報のセル配列に対して上述の特定マスク(額縁QR用マスク)を解除するようにマスク解除処理を行い、このマスク解除後のフォーマット情報のセル配列で特定されるビットパターンでチェックデジットが合う場合(即ち、所定位置105を特定マスクによってマスク解除した後のセル配列で特定される訂正レベルのデータとマスク番号のデータとに基づいて特定方式で算出されたチェックデジットが、所定位置105に記録されたチェックデジットと合うような場合)には、図5、図9等に示すような情報コード100の種別(空き領域110を有する種別)であること特定することでき、所定位置105に記録されたフォーマット情報に含まれる誤り訂正レベル及びマスク番号も取得できることとなる。
このように、上述の特定マスクに基づいてマスク処理を解除できたとき(即ち、図5、図9等に示す情報コード100の種別(額縁QR)であることが認識できたとき)には、S42にてYesに進む。一方、図6に示すモデル1用のマスクやモデル2用のマスクなど、特定のマスク(額縁QR用マスク)以外の他のマスクによってマスク処理を解除できたときには、S42にてNoに進む。他のマスクによってマスク処理が解除できるときは、S40で撮像された二次元コードが公知のQRコードのケースであるため、S42でNoに進む場合は、公知の方法で当該QRコードを解読して解読結果を出力することになる。なお、図8では、S42でNoとなる場合の処理は省略して示している。
S42でYesに進む場合、まず、データ記録領域に記録されたデータを解読する(S43)。具体的には、S41で取得されたフォーマット情報に含まれるマスク番号に基づいてコード全体(具体的には、コードワードの領域)のマスクを解除する。即ち、フォーマット情報に含まれるマスク番号で特定されるマスクを解除するように、コード全体に対してマスク解除処理を行う。そして、解読対象データ(入力データ)の先頭をなすヘッダデータ(額縁QRヘッダー)に基づいて、元のコードサイズ(他種コード120の型番、形式)を特定し、図5と同様の配置変換表に従って、図5右図に示すような情報コード100から図5左図に示すような元のコード(他種コード120)の配置に戻す。なお、図5等に示す例では、ヘッダデータ(額縁QRヘッダー)は、例えば、情報コード100の生成時に、コード領域内の規定位置に記録されるようになっており、ヘッダデータ以外のコードワードが図5のような配置変換表に従って記録されるようになっている。従って、図8の読取処理では、マスク解除後の規定位置を解読することで、ヘッダデータの内容を把握できる。
情報コード100を構成する各コードワードを元のコード(他種コード120)の配置に戻す場合、具体的には、情報コード100の各配置候補位置のコードワード(データコードワード及び誤り訂正コードワード)を、配置変換表において各配置候補位置に対応付けられている他種コード120内での配置位置に配置し直す。このように配置変換することにより、情報コード100に配置されていたデータコードワードや誤り訂正コードワードを記録してなる他種コード120が得られることになる。そして、他種コード120は、公知のQRコードであるため、公知のQRコードと同様の方法でデータを解読する(即ち、誤り訂正コードワードに基づいて公知の方法で誤り訂正計算を実施すると共に、データコードワードを解読する)。
本構成では、制御回路40が「判別部」の一例に相当し、撮像部によって情報コード100が撮像された場合に、コード領域の所定位置105が特定のフォーマット構成であるか否かを判別するように機能する。具体的には、所定位置105に所定種類のマスクパターン(特定マスク)が反映されているか否かを判別するように機能する。
また、S43の処理を実行する制御回路40が「データ記録領域読取部」「解読部」の一例に相当し、撮像部によって情報コード100が撮像された場合に、その撮像された情報コード100のコード画像におけるデータ記録領域及び誤り訂正符号記録領域の内容に基づいてデータ記録領域に記録されたデータ(後述するアドレス関連情報等)を読み取るように機能する。具体的には、判別部によって所定位置105が特定のフォーマット構成であると判別された場合(より詳しくは、所定位置105に所定種類のマスクパターンが反映されている場合)に、対応情報記録部に記録された対応情報(配置変換表)に基づいてコード領域内の各データワードの位置を特定し、解読対象データを解読するように機能する。
なお、配置変換表は、「対応情報」の一例に相当し、コード領域において各配置位置で表される各順番のデータワードを、情報コード100とは異なる他種コード120において予め定められた方式(例えば公知規格等で定められた方式など)で表現する場合の当該他種コード120内での各対応位置を定める情報として構成されている。そして、解読部に相当する制御回路40は、判別部によって所定位置105が特定のフォーマット構成であると判別された場合、コード領域の各配置位置で表される各順番のデータワードを、対応情報で定められる他種コード120内での各対応位置に置換した構成で当該他種コード120を解読するように機能する。
上述したように、本構成では、情報コード100のデータ記録領域に、その情報コード100の空き領域110(画像表示領域)に表される画像121で特定される個人の、「氏名情報、電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報」の少なくともいずれか複数又は全てが「アドレス帳情報」として記載されている。従って、S40で情報コード100の画像が撮像され、S43の処理によりこの情報コード100のデータ記録領域が解読された場合、読取装置10はこれらの情報を取得することになる。なお、本構成では、上述した氏名情報、電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報などのアドレス帳情報が「アドレス関連情報」の一例に相当する。
S43の後には、コード内にアドレス帳情報が存在するか否かを判断する(S44)。このS44の処理は、コード領域内のデータ記録領域にアドレス帳情報が記録されているか否かを判断する処理であり、例えば、データ記録領域のデータを全て解読し、氏名情報、電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報の少なくともいずれかを含むアドレス帳情報が記録されているか否かを判断する。そして、データ記録領域にアドレス帳情報が記録されている場合、S44にてYesに進み、記録されていない場合、S44にてNoに進む。
なお、図7の生成処理で情報コード100を生成する際に、データ記録領域に上述のアドレス帳情報を含める場合にはデータ記録領域内に所定のアドレス帳識別情報(例えば、特定の記号列)を含めるようにしてもよい。この場合、S44では、上述の具体例に代えて、データ記録領域内にアドレス帳識別情報が存在するか否かを判断してもよく、この例では、データ記録領域内にアドレス帳識別情報が存在する場合にはS44にてYesに進み、存在しない場合にはS44にてNoに進むことになる。
いずれにしても、S44でYesに進む場合(即ち、データ記録領域にアドレス帳情報が記録されている場合)には、ヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)に含まれる形式情報を読み取り、「アドレス帳に用いる画像」が含まれるか否かを判断する(S45)。本構成では、図3に示す「Ver.番号」が図11に示すQR種別に相当しており、図3に示す「形式」のデータが、図11に示す「アドレス登録用画像判定情報」に相当している。なお、図11では省略しているが、ヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)には、図3のような位置情報も含まれている。
例えば、図11の例では、ヘッダデータ(額縁用QRヘッダー)の先頭から所定文字数がQR種別(Ver.番号)を特定するデータであり、その後に続く1文字が、アドレス登録用画像判定情報となっている。このアドレス登録用画像判定情報が「0」である場合、この情報は、「空き領域110の形式が図1、図5、図9等に示す画像形式(アドレス帳に用いる画像形式)あることを特定する情報(第1情報)」に相当する。また、このアドレス登録用画像判定情報が「1」である場合、空き領域110の形式が、アドレス帳に用いる画像形式でないことを示す情報となっている。また、図3では省略しているが、図11に示すように、ヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)には、背景画像を特定する特定情報(背景画像情報)なども含まれるようになっている。即ち、情報コード生成装置2では、図7の処理によって情報コード100を生成する際に、データ記録領域に、背景画像(画像表示領域の周囲に組み合わせて利用する背景領域のデザイン)を特定する特定情報を記録した構成で情報コード100を生成しており、後述する「1」「2」などの背景画像情報が、特定情報に相当している。なお、図7の処理によって情報コード100を生成する際には、例えば、生成装置2に対してユーザが背景画像の種類を指定する入力を行い、その指定入力で特定される背景画像の種類に対応する特定情報をデータ記録領域に記録するように情報コード100を生成すればよい。
S45では、このようなヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)を参照し、S40で撮像された情報コード100のコード領域内にアドレス帳に用いる画像(アドレス登録用画像情報)が存在するか否かを判断する。即ち、「アドレス登録用画像判定情報」に相当する「形式」データが、「アドレス帳に用いる画像」であることを示しているか(図11の例では、アドレス登録用画像判定情報が「0」であるか)を判断し、空き領域110の画像が「アドレス帳に用いる画像」であることが特定される場合(即ち、アドレス登録用画像判定情報が「0」である場合)には、S45にてYesに進み、そうでない場合にはS45にてNoに進む。なお、S45でNoに進む場合には、データ記録領域に記録されたアドレス帳情報のみを登録することになる。
S45でYesに進む場合には、空き領域110(画像表示領域)の画像を抽出し、登録対象者の画像を取得する(S46)。S46の処理では、例えば、ヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)に含まれる画像領域位置情報(位置データ)を読み取り、情報コード100内における空き領域110(画像表示領域)の位置を特定する。そして、特定された空き領域110(画像表示領域)の位置の画像を切り出す。なお、S46で切り出された画像領域は、例えばビットマップファイル形式や、GIFファイル形式などの公知の画像ファイル形式で記憶する。
本構成では、S46の処理を行う制御回路40が画像抽出部の一例に相当し、情報コード100のコード画像から空き領域110(画像表示領域)に表された登録対象者の画像を抽出するように機能する。
そして、S46の後には、背景画像を特定する特定情報が存在するか否かを判断する。上述したように、本構成では、図11のように、情報コード100のデータ記録領域において、画像表示領域の周囲に組み合わせて利用する背景領域のデザインを特定する特定情報が記録可能となっている。図11の例では、例えば、ヘッダデータ(額縁用QRヘッダー)の先頭から所定文字数がQR種別(Ver.番号)を特定するデータであり、その後に続く1文字が、アドレス登録用画像判定情報となっており、アドレス登録用画像判定情報の後に続く1文字が「背景画像情報」となっている。そして、この背景画像情報が「0」の場合には、画像加工無し(背景画像の追加無し)であることを指定しており、背景画像情報が「1」の場合には、背景画像として登録画像1(例えば、図14の模様D1のような背景画像)を指定しており、背景画像情報が「2」の場合には、背景画像として登録画像2(図14の模様D1とは異なる模様の画像)を指定するようになっている。なお、背景画像としての登録画像の種類は、これら2種類以上であってもよい。また、読取装置10のメモリ35には、各登録画像1、2等を表すための画像データが記憶されており、いずれかの登録画像が指定された場合には、その指定された登録画像の画像データを読み出すことができるようになっている。背景画像としては、様々な種類の画像を登録することができ、例えば、様々な単一色(赤、青、緑、黄等の単一色)の背景画像であってもよく、花柄、チェック柄、リボン柄、文字等を散りばめた柄などの様々な模様の背景画像であってもよい。
このような特定方法で背景画像情報が含まれるようになっているため、アドレス登録用画像判定情報の後に続く1文字(背景画像情報)が、「0」でない場合には、S47にてYesに進み、その背景画像情報で指定された値に対応する背景画像(登録画像)をメモリ35から読み出して登録対象者の画像と合成する。例えば、背景画像情報が「1」である場合には、図14の模様D1のような模様を表す背景画像(登録画像)の画像データをメモリ35から読み出し、その画像データで表される背景画像を、S46で切り出された登録対象者の画像と合成する。S46で抽出された画像(登録対象者の画像)と、S48で読み出された画像(背景画像)の合成方法は様々であり、これらが共に表示可能な方法であればよい。例えば、図14のように、S46で抽出された画像を、最終的に合成画像が表されるべき所定領域(S14では矩形領域)の中心位置に配置し、その所定領域において、S46で抽出された画像の周囲を埋めるようにS48で読み出された画像(背景画像)を配置するようにしてもよい。なお、図14の例では、S46で抽出された画像(登録対象者の画像)の縦横比を一定にしつつ当該画像を拡大又は縮小させ、例えば、所定領域(合成領域)の縦方向の長さYに対して、S46で抽出された画像(登録対象者の画像)の合成後の縦方向の長さY1が所定比率(例えば、2/3)以下となり、且つ所定領域(合成領域)の横方向の長さXに対して、S46で抽出された画像(登録対象者の画像)の合成後の横方向の長さX1が所定比率(例えば、2/3)以下となる条件を満たすような組合せ方において、S46で抽出された画像(登録対象者の画像)の大きさが最も大きくなるようにS46で抽出された画像(登録対象者の画像)と、背景画像とを所定領域内で合成している。
S47でYesに進む場合(即ち、背景画像情報が「0」以外の場合)には、このようにして合成された合成画像(図14参照)を、読取装置10に設けられたアドレス帳に登録すべき画像とする(S49)。一方、S47でNoに進む場合(即ち、背景画像情報が「0」の場合)には、背景画像を合成せずにS46で抽出された画像(登録対象者の画像)のみをアドレス帳に登録すべき画像とする(S49)。
このように、S49にてアドレス帳に登録すべき画像が決定した後には、決定した画像と対応付けてS43で読み出されたアドレス帳情報(アドレス関連情報)を登録する(S50)。即ち、S43では、情報コード100の空き領域110(画像表示領域)に表される画像121で特定される個人の「氏名情報、電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報」の少なくともいずれか複数又は全てが読み出されているため、S43で読み出されたこれらのアドレス帳情報と、S49で決定した画像(登録対象者の画像)とを、当該個人に関連した一連の個人情報として互いに対応付けて登録する。本構成では、読取装置10のメモリ35において、個人毎のアドレス帳データが記憶可能となっており、各個人の氏名情報に紐付けて、各個人の画像(S49で決定した画像)と、各個人のその他のアドレス帳情報(電話番号情報、所属情報、住所情報、所属所在地情報、電子メールアドレス情報、インターネットアドレス情報など)とを登録できるようになっている。なお、S50で登録しようとする個人のアドレス帳情報が既にメモリ35に登録されている場合、S50では、当該個人のアドレス帳情報を更新するように再登録すればよい。
本構成では、メモリ35及び制御回路40が情報登録部の一例に相当し、データ記録領域読取部によって読み取られたアドレス帳情報(アドレス関連情報)と、画像抽出部によって抽出された登録対象者の画像とを対応付けて記憶するように機能する。具体的には、S45でYesに進むことを条件として(即ち、データ記録領域読取部によって空き領域110(画像表示領域)の存在を示す識別情報(「1」のアドレス登録用画像判定情報)が読み取られたことを条件として)、データ記録領域読取部によって読み取られたアドレス関連情報と、画像抽出部によって抽出された登録対象者の画像とを対応付けて記憶する。なお、この例では、「1」のアドレス登録用画像判定情報が空き領域110(画像表示領域)の存在を示す識別情報に相当しているが、この情報とは別の情報として、空き領域110(画像表示領域)の存在を示す識別情報(例えば、特定の文字列など)を含ませてもよい。この場合、この識別情報がデータ記録領域に含まれる場合に限って「空き領域110の抽出」及び「アドレス関連情報と登録対象者の画像とを対応付けた登録」を行うようにすればよい。また、「1」のアドレス登録用画像判定情報は、空き領域110(画像表示領域)の画像をアドレス帳への登録用に用いるか否かを判別する情報であり、情報登録部に相当するメモリ35及び制御回路40は、この情報に基づき、S45でYesと判定されることを条件として(即ち、空き領域110(画像表示領域)の画像をアドレス帳への登録用に用いることが判別されることを条件として)、データ記録領域読取部によって読み取られたアドレス関連情報と、画像抽出部によって抽出された登録対象者の画像とを対応付けて記憶する。
また、S47、S48の処理を行う制御回路40は、特定情報検出部の一例に相当し、データ記録領域に記録された特定情報(画像表示領域の周囲に組み合わせて利用する背景領域のデザインを特定する情報であり、具体的には、上述の背景画像情報)を検出するように機能する。また、S48の処理を行う制御回路40は、合成画像生成部の一例に相当し、特定情報検出部の特定情報によって特定される背景デザインと、画像抽出部によって抽出された登録対象者の画像とを組み合わせた合成画像を生成するように機能する。そして、情報登録部に相当するメモリ35及び制御回路40は、S48、S49、S50の流れで処理が行われる場合、データ記録領域読取部によって読み取られたアドレス関連情報と、合成画像生成部によって生成された合成画像とを対応付けて記憶するように機能する。
このように、本構成では、各個人を表す情報コード100毎に図8の処理を行うことができ、図8の処理を行う毎に、各個人のアドレス帳情報をメモリ35に蓄積することができる。そして、このように蓄積された個人毎のアドレス帳情報は、読取装置10に対して各個人を指定する所定操作を行うことで、図13のように、その指定された個人のアドレス帳情報として表示できるようになっている。例えば、図13の例では、図9のような情報コード100により、画像121で特定される個人のアドレス帳情報が登録された場合における当該個人のアドレス帳情報の表示例を示ししている。図13の例では、この情報コード100(図9)に基づいて生成・登録された画像(S49で決定、登録された画像)を、アドレス帳画像G1として液晶表示器46の表示画面における所定位置に表示しており、その画像と紐付けて登録された個人情報(図9の画像121で特定される個人の氏名情報、所属情報、電話番号情報、電子メールアドレス情報など)を、アドレス帳画像G1と共に液晶表示器46の表示画面に表示している。
[第1実施形態の変更例]
上述した第1実施形態の代表例では、ヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)に空き領域110内の位置(画像領域位置)を特定し得る情報(位置データ)が記録された例を示したが、空き領域110(画像表示領域)の特定方法及び空き領域110の切り出し方法は、このような方法に限られない。例えば、図5、図9等に示す例では、空き領域110(画像表示領域)に隣接する周囲領域にコードワードなどを構成するセル102の配置領域が構成され、空き領域110の境界に隣接して明色セルや暗色セルが配置されているため、このような配置構成を利用し、セルが配置される領域とセルが配置されない領域との境界を検出するようにして、空き領域110の境界を認識してもよい。なお、セルが配置される領域とセルが配置されない領域とを区別する方法は、公知の様々な方法を用いることができ、例えば、公知の二次元コードで用いられるコード外形検出方法と同様の方法を用いてもよい。或いは、以下のような方法を用いてもよい。例えば、S40で認識されたコード外形の外形線(矩形状の外形線)のいずれか一片の方向(縦方向又は横方向)を走査方向とし、S40で外形が特定されたコード画像に対し、上記走査方向と平行な複数方向の走査を行う。例えば、図9のようなコード画像が得られた場合、横方向を走査方向とし、縦方向の所定の短間隔毎(例えば、1セルの縦方向の長さよりも短い間隔毎)に明暗を判定する。なお、図9では、一部の走査線の方向を符号L1,L2で概念的に示しており、このような走査線上における各位置において、各位置が明色であるか暗色であるかの明暗判定を行う。明暗の判定は、例えば、縦方向各位置(図9に示す符号L1,L2の位置及びそれ以外の多数位置)での横走査において、走査線上にある各画素の輝度が所定閾値以上であれば明と判定し、所定閾値未満であれば暗と判定する。このようにして横方向の走査を縦方向の複数位置で行った場合、各横走査(縦方向各位置での横方向の走査)で得られた明暗波形(例えば、横軸を横方向の位置とし、縦軸を明暗判定結果(例えば、明を1、暗を0とした結果)において、所定サイズの明色領域と所定サイズの暗色領域が交互に繰り返される範囲を空き領域110の外側の領域とし、そうでない範囲を空き領域110の内側の領域と判定すればよい。なお、上述の所定サイズは、1セルの横方向の長さの整数倍とすればよい。図12(A)は、縦方向いずれかの位置での横走査で得られた明暗波形を例示しており、セル配置領域では、明色部分の画素の輝度を示す矩形波形(上に凸となる矩形波形)の幅が、1セルの幅の整数倍となっており、暗色部分の画素の輝度を示す矩形波形(下に凸となる矩形波形)の幅も、1セルの幅の整数倍となっている。一方、画像(空き領域110の画像)の領域では、確率的に、1セルの幅の整数倍の明色領域と1セルの幅の整数倍の暗色領域とが連続しにくくなっている。このように、走査線毎に、セル配置領域と画像(空き領域の画像)領域とを区別して認識することができるため、走査線毎に特定されるセル配置領域と空き領域との境界を、全ての走査線の分だけつなぎ合わせることで、空き領域110の境界を検出できるようになる。
このように、図9の例では、空き領域110の周囲に隣接させて所定の色彩又は所定の模様(具体的には明色セルと暗色セルによる模様)の領域を配置した構成で情報コード100を生成しているため、上述したように、情報コード読取装置10により、情報コード100のコード画像から明色セル及び暗色セルが配置された領域(所定の色彩又は模様の領域)を特定し、且つその特定内容に基づいて周囲領域と画像表示領域との境界を設定すれば、情報コード100内に空き領域110を特定する位置データが存在しなくても、空き領域110の位置を特定できるようになる。
また、上述した例に限られるものではなく、例えば、空き領域110内において、登録対象者の画像を表示する領域と、その周囲に配置される余剰領域とを設け、余剰領域を所定の色彩又は所定の模様とするようにしてもよい。そして、余剰領域の色彩や模様を認識することで、登録対象者の画像を表示する領域(画像表示領域)の境界を特定し、図8のS46において、登録対象者の画像を表示する領域を抽出するようにしてもよい。
具体的には、例えば、図9の情報コード100において、空き領域の位置やデータ記録領域の位置を第1実施形態の代表例と異なるようにし、例えば、図9の情報コード100において一点鎖線Eで囲まれる領域を空き領域とし、この空き領域において、円形の外形線123で囲まれる領域を登録対象者の画像を表示する画像表示領域としてもよい。そして、一点鎖線Eで囲まれる領域(空き領域)内において、外形線123で囲まれる領域(画像表示領域)以外の領域(余剰領域)を所定の色彩又は所定の模様とすれば、読み取りの際に、この所定の色彩又は所定の模様の領域を認識することで、外形線123で囲まれる領域(画像表示領域)の境界を特定することができ、図8のS46において、外形線123で囲まれる領域(画像表示領域)を抽出できるようになる。なお、この例では、例えば、二点鎖線Fで囲まれる領域内に、上述のフォーマット情報や入力データなどを記録しておけばよい。
このような余剰領域を所定の色彩や所定の模様で表す例としては、例えば、白色や黄色などの所定の明色などであってもよく、黒色や青色などの所定の暗色であってもよい。或いは、ハッチングやクロスハッチングなどの模様であってもよく、市松模様などであってもよい。いずれの場合でも、公知の色彩検出方法や模様検出方法を用いて色彩検出や模様検出を行えば、余剰領域の位置を特定することができ、その余剰領域に隣接する画像表示領域の境界123も特定できる。
ここで、このような余剰領域を設けた場合の境界特定方法の一例について説明する。ここでは、一点鎖線Eで囲まれる空き領域内において、境界123の外側の余剰領域の模様が、縦方向の各セル列において、明色セルと暗色セルとが1セルずつ交互に配置され、横方向の各セル行において、明色セルと暗色セルとが1セルずつ交互に配置されるような市松模様(即ち、データを表さないダミーセルによる市松模様)である場合について説明する。余剰領域にこのような市松模様を配置した場合、読み取りの際には、外形線123で囲まれる領域(画像表示領域)と市松模様の領域とを区別することで、外形線123の位置を特定できる。例えば、コード画像において縦方向各位置(図9に示す符号L1,L2の位置及びそれ以外の多数位置)で横走査を行い、それら横走査において、走査線上にある各画素の輝度が所定閾値以上であれば明と判定し、所定閾値未満であれば暗と判定するように、縦方向各位置での明暗波形を取得する。このようにして横方向の走査を縦方向の複数位置で行った場合、各横走査(縦方向各位置での横方向の走査)で得られた明暗波形(例えば、横軸を横方向の位置とし、縦軸を明暗判定結果(例えば、明を1、暗を0とした結果)において、図12(B)にように、所定サイズ(1セル分の幅)の明色領域と所定サイズ(1セル分の幅)の暗色領域が交互に繰り返される範囲を余剰領域(データを表さないダミーセルによる市松模様が構成されるダミーコード領域)とし、そうでない範囲を外形線123で囲まれる領域(画像表示領域)とすればよい。このように、走査線毎に、ダミーコード領域と画像表示領域(登録対象者の画像を表示する領域)とを区別して認識することができるため、走査線毎に特定されるダミーコード領域と画像表示領域との境界を、全ての走査線の分だけつなぎ合わせることで、画像表示領域の境界123を検出できるようになる。
このように変更例では、いずれの例でも、情報コード生成装置2により、空き領域内の画像表示領域(登録対象者の画像を表示する領域)に隣接する周囲領域に、所定の色彩又は所定の模様の領域を配置した構成で情報コードを生成している。そして、いずれの例でも、制御回路40が境界設定部の一例に相当し、情報コードのコード画像から所定の色彩又は模様の領域を特定し、且つその特定内容に基づいて周囲領域(登録対象者の画像を表示する画像表示領域の周囲の領域)と画像表示領域との境界を設定するように機能する。なお、図8のS46の処理で、このように画像表示領域(登録対象者の画像を表示する領域)の境界を特定した場合、S46以降の処理では、このように特定された境界に沿って切り出された画像を登録対象者の画像として、第1実施形態と同様にアドレス帳への登録を行えばよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、図面を参照して説明する。
第2実施形態の情報コード利用システムは、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1、図2のような構成が用いられる。
第2実施形態の情報コード利用システムでは、情報コード生成装置2(図1等参照)により図15(B)のような情報コード200を生成する。この構成でも、複数のセル202がマトリックス状に配列されてなるコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターン204が配置される特定パターン領域と、複数種類のセルによってデータを記録するデータ記録領域と、画像表示領域(登録対象者の画像を表示する領域)とが設けられている。そして、データ記録領域には、第1実施形態と同様のアドレス帳情報が記録されている。
この構成では、空き領域210内の構成以外は、公知のQRコード(登録商標)として構成されており、まず、図15(A)のように、コード領域の内部に、特定パターン領域と、データ記録領域と、複数種類のセルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設けている。なお、データ記録領域でのデータコードワードの記録方法及び誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの記録方法は公知のQRコード(登録商標)と同様であり、例えば、JISX0510で規定される方式でコード領域内の位置検出パターン204の配置、データ記録領域におけるデータコードワードの配置、誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの配置が定められている。
但し、図15(A)のように、一部領域ARのコードワードを、白セルのみによって表現されるコードワードとして構成した情報コード200’を生成し、このように白セルのみによって表現される領域ARを空き領域210とした場合において、図15(B)のように、空き領域210内に、第1実施形態と同様の画像表示領域を設けた場合、図15(A)のような本来のデータ表示とは異なった構成になるが、この空き領域210でのデータの誤りは、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて公知の誤り訂正を行えばよい。なお、図15(B)の例では、空き領域210内の画像120として、第1実施形態で示した登録対象者の画像121と同様の画像を示しているが、それ以外の実施形態で示した空き領域内の画像と同様の画像であってもよい。第1実施形態で示した登録対象者の画像121と同様の画像を用いる場合、データ記録領域には、第1実施形態と同様のアドレス帳情報を記録しておけばよい。この場合、読取装置10は、情報コード200を公知のQRコードと同様の方法で読み取ることができ、これにより読取装置10はアドレス帳情報を取得することができる。また、空き領域210の位置を特定する情報がデータ記録領域に記録されていれば、この情報に基づいて空き領域210の位置を特定することができ、空き領域210の画像120を抽出することができる。そして、第1実施形態と同様の方法で、抽出された画像120(登録対象者の画像)と読み取られたアドレス帳情報とを対応付けてメモリ35に登録することができる。
また、図15(B)に示す情報コード200では、情報コード200を生成する際に空き領域210の位置が予め特定されるため、空き領域210内にデザインや情報を付加して表示する場合にはこの表示による誤り位置が予め分かっていることになる。従って、空き領域210の位置を誤り位置として消失訂正を行うように誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号を構成することもできる。この場合、空き領域210の位置を示す情報を予めデータ記録領域に記録しておいたり、或いは、予め読取装置10(図1)内に記憶しておくことで、読取時に読取装置10が空き領域210の位置(即ち、誤りが生じているデータコードワードの位置)を特定することができるようになり、読取装置10は、このように位置が特定された空き領域210に存在するデータコードワードの誤りを訂正するように、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて消失訂正を行うようにすればよい。
また、図15のように既存のQRコード(登録商標)の一部を空き領域210として構成する場合、データ記録領域に記録されるデータにおいて、図17(A)のような識別情報を含ませておけばよい。図17(A)は、データ記録領域に記録される解読対象データ構成を概念的に示しており、この例では、解読対象データの先頭部分に、所定構成(%%IMAGE%%)のデータが付されている。このように構成しておけば、読取装置10は、データ記録領域に記録される解読対象データの中からこの識別情報(%%IMAGE%%)を検出したときに、空き領域210(画像表示領域)の認識処理及び抽出処理(切り出し処理)を行うことができるようになり、逆に、識別情報(%%IMAGE%%)を検出できないときには通常のデコード処理を行うことになる。また、この例では、データ記録領域のデータとして、通常のデータ以外に、画像表示領域の位置を特定する位置データや、その他の付随情報が含まれていることが望ましい。また、図17(A)に示すデータは、データ記録領域に記録されるデータの内、終端子よりも前に配置される解読対象データを示しており、終端子よりも後に配置される埋め草コードは省略している。本構成では、例えば、この埋め草コードの領域を全て白セルのみで表示するようにし、この領域を空き領域210として扱うようにすることができる。
また、識別情報の例はこの例に限られるものではなく、例えばモード番号として専用のモード番号を用いるようにしてもよい。例えば、QRコードの規格では、1:数字モード、2:英数字モード、3:連結モード等が定められており、このようなモード番号の1つとして14:画像認識モードを設けるようにしてもよい。このような例では、モード番号「14」が設定されている場合に、画像表示領域の認識・抽出処理を行えばよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の情報コード利用システムも、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1、図2のような構成が用いられる。
第3実施形態の情報コード利用システムでは、情報コード生成装置2(図1等参照)により図16(B)のような情報コード300を生成する。この構成でも、複数のセル302がマトリックス状に配列されてなるコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターン(L字状のアライメントパターン304a及び明色セルと暗色セルが1セルずつ交互に配置され、コード領域の境界に沿ったL字状の領域を構成するタイミングセル304b)が配置される特定パターン領域と、複数種類のセルによってデータを記録するデータ記録領域とを設け、コード領域の内部において、特定パターン領域以外の位置に、データ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法で、データの記録又はデザインの表示の少なくともいずれかが可能となる空き領域310を、単一のセルのサイズよりも大きい所定サイズで設けている。
この構成では、空き領域310の構成以外は、公知のデータマトリックスコードとして構成されており、まず、図16(A)のように、コード領域の内部に、特定パターン領域と、データ記録領域と、複数種類のセルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設けている。なお、データ記録領域でのデータコードワードの記録方法及び誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの記録方法は公知のデータマトリックスコードと同様であり、コード領域内のアライメントパターン304aやタイミングセル304bの配置、データ記録領域におけるデータコードワードの配置、誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの配置は、例えばECC200バージョンに従って定められている。
但し、図16(A)のように、一部領域のコードワードを、白セルのみによって表現されるコードワードとして構成した情報コード300’を生成し、このように白セルのみによって表現される領域ARを空き領域310として、図16(B)のように、空き領域310内に、第1実施形態と同様の画像表示領域を設けた場合、図16(A)のような本来のデータ表示とは異なった構成になるが、この空き領域310でのデータの誤りは、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて公知の誤り訂正を行えばよい。なお、図16(B)の例では、空き領域310内の画像120として、第1実施形態で示した登録対象者の画像121と同様の画像を示しているが、それ以外の実施形態で示した空き領域内の画像と同様の画像であってもよい。第1実施形態で示した登録対象者の画像121と同様の画像を用いる場合、データ記録領域には、第1実施形態と同様のアドレス帳情報を記録しておけばよい。この場合、読取装置10は、情報コード300を公知のデータマトリックスコードと同様の方法で読み取ることができ、これにより読取装置10はアドレス帳情報を取得することができる。また、空き領域310の位置を特定する情報がデータ記録領域に記録されていれば、この情報に基づいて空き領域310の位置を特定することができ、空き領域310の画像120を抽出することができる。そして、第1実施形態と同様の方法で、抽出された画像120(登録対象者の画像)と読み取られたアドレス帳情報とを対応付けてメモリ35に登録することができる。
また、図16(B)に示す情報コード300では、情報コード300の生成の際に空き領域310の位置が予め特定されるため、空き領域310内にデザインや情報を付加して表示する場合にはこの表示による誤り位置が予め分かっていることになる。従って、空き領域310の位置を誤り位置として消失訂正を行うように誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号を構成することもできる。この場合、空き領域310の位置を示す情報を予めデータ記録領域に記録しておいたり、或いは、予め読取装置10(図1)内に記憶しておくことで、読取時に読取装置10が空き領域310の位置(即ち、誤りが生じているデータコードワードの位置)を特定することができるようになり、読取装置10は、このように位置が特定された空き領域310に存在するデータコードワードの誤りを訂正するように、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて消失訂正を行うようにすればよい。
また、図16のように既存のデータマトリックスコードの一部を空き領域310として構成する場合、データ記録領域に記録されるデータにおいて、図17(B)のような識別情報を含ませておけばよい。図17(B)は、データ記録領域に記録される解読対象データ構成を概念的に示しており、この例では、解読対象データの先頭部分に、所定構成(%%IMAGE%%)のデータが付されている。このように構成しておけば、読取装置10は、データ記録領域に記録される解読対象データの中からこの識別情報(%%IMAGE%%)を検出したときに画像表示領域(登録対象者の画像)の認識・抽出処理を行うことができるようになり、逆に、識別情報(%%IMAGE%%)を検出できないときには通常のデコード処理を行うことになる。また、この例では、データ記録領域のデータとして、通常のデータ以外に、画像表示領域(登録対象者の画像)の位置を特定する位置データや、その他の付随情報が含まれていることが望ましい。
また、識別情報の例はこの例に限られるものではなく、例えば専用のコードワードを用いるようにしてもよい。データマトリックスコードの仕様として、例えば、0〜128をASCII文字、233を連結モードなどとして定めている場合、「234」を画像表示領域認識用の特別なコードワードとして新たに定めるようにしてもよい。このような例では、データ記録領域のデータに「234」のコードワードが含まれている場合に、画像表示領域(登録対象者の画像)の認識・抽出処理を行えばよい。また、未使用のコードワードが存在する場合、未使用のコードワードを識別情報として含ませておき、データ記録領域のデータに未使用のコードワードが含まれている場合に、画像表示領域(登録対象者の画像)の認識・抽出処理を行うようにしてもよい。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態に係る情報コード利用システムも、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列した情報コードを生成する情報コード生成装置2と、情報コード生成装置2によって生成された情報コードを読み取る情報コード読取装置10とを備えている。なお、第4実施形態に係る情報コード利用システムは、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1、図2のような構成が用いられる。特に、生成装置2及び読取装置10のハードウェア構成は第1実施形態と同一であるため、適宜、図1、図2等を参照して説明することとする。
本構成で用いられる情報コード400は、空き領域410の内容が第1実施形態の情報コード100と異なるだけであり、それ以外の特定パターン領域やデータ記録領域の構成は、第1実施形態の情報コード100と同一である。なお、特定パターン領域やデータ記録領域の構成は、第1実施形態と全く同一であってもよく、若干配置が異なっていてもよい。また、空き領域410の位置については特に限定されず、第1実施形態の情報コード100の空き領域110と全く同じ位置に設けてもよく、空き領域110とは異なる位置であってもよい。
図19(A)に示すように、生成装置2によって生成される情報コード400は、矩形状(例えば、正方形状或いは長方形状等)のコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセル102によって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられている。本構成でも、第1実施形態と同様の特定パターンとなっており、例えば、QRコード(登録商標)の公知の所定型番の特定パターンと同一の形状及び位置となっており、図19(A)等の例では、コード領域の3つの角部にそれぞれ、特定パターンとしての位置検出パターン(切り出しシンボル)104が配置されている。
本システムでは、例えば生成装置2により、所定の形成対象媒体401に位置検出パターン104やその他のセルの図形を印刷する構成で情報コード400を形成している。形成対象媒体401は、紙材料、樹脂材料、金属材料、その他の公知材料によって構成されており、例えば、所定の厚さのシート状或いは板状に構成されている。また、情報コード400が形成される側の表面色は例えば白色、黄色等の明色となっている。なお、形成対象媒体401は、一方面側に情報コード400が形成可能な構成であればよく、具体的な形状は特に限定されない。例えば、複数の材料が積層された構成でなどであってもよい。また、情報コード400の形成方法は印刷に限られず、ダイレクトマーキングなどの公知の加工方法であってもよい。
生成装置2によって形成される情報コード400は、例えば、形成対象媒体401の表面401aの所定領域に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が印刷やダイレクトマーキングなどの公知の形成方法によって表されている。なお、形成対象媒体401に形成される特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域は、表面401a側から視認可能に形成されていればよく、その形成位置は表面401aに限定されるものではない。例えば、紙材料、樹脂材料、金属材料などからなる部材の表面に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域を形成し、その上から透明なシート状又は板状の部材を配置して覆うようにしてもよい。この構成では、透明な部材の表面が表面401aとなり、特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域などは、表面401aよりも奥側(裏面側)の位置に形成されることになる。いずれにしても、形成対象媒体401の表面401a側から特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が視認可能となる構成で形成対象媒体401に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が形成されればよい。
更に、情報コード400には、データ記録領域などを表現するセル102(明色セルや暗色セル)とは異なる登録対象画像を表示するための画像表示領域として機能する空き領域410が設けられる。本構成では、情報コード400においてセル102が配置されない内側領域(セル102の配置領域の内縁境界よりも内側の領域)が空き領域410になっている。この空き領域410は、例えばデータ記録領域によってデータが記録されず、且つ誤り訂正領域による誤り訂正の対象とならない領域となっており、図19(A)、図20(A)等に示す例では、この空き領域410の全体が登録対象画像を表すための画像表示領域となっている。本構成では、情報コード生成装置2によって図19(A)のような情報コード媒体(形成対象媒体401に情報コード400が形成されてなる媒体)を形成することで、この情報コード媒体の情報コード400には、登録対象画像を表示することが予定された領域(空き領域410)が構成される。そして、図19(A)のような空き領域410(登録対象画像を表示することが予定された領域)内に、図20(A)のように登録対象を配置することで、空き領域410内に登録対象が配置された情報コード400が構成されることになる。なお、ここでいう「空き領域410内に登録対象が配置された」とは、図20(A)のように平面視したときに空き領域410の外縁の境界よりも内側に登録対象が配置されている状態を意味し、セル102や位置検出パターン104(特定パターン)が形成されている形成対象媒体401と登録対象とが別物体として構成されていてもよく、形成対象媒体401と登録対象とが別物体として構成されていてもよい。
本構成では、図19(A)のように、登録対象が配置されていない段階では、空き領域410は、所定色の空白領域となっており、この空白領域に重ねるように写真や絵などが表された物体を配置したり、形成対象媒体401の当該空白領域に対して様々な筆記具によって文字、図形、記号などを手書きにて書き込んだりすることで、空き領域410にて登録対象を表示することが可能となっている。例えば、図20(A)には、図19(A)のように情報コード400が表された形成対象媒体401に対し、形成対象媒体401の空き領域410の位置に重ねるように写真420を配置した様子を示している。具体的には、空き領域410が空白とされた情報コード400が形成された形成対象媒体401上において、図20(A)のように平面視したときに(即ち、形成対象媒体401を、当該形成対象媒体401における情報コード400を表示する外面と直交する方向に見たときに)、写真420の全体が空き領域410内に収まるように写真420を配置している。このように配置することで、空き領域410内に登録対象が表示されることになる。
そして、図20(A)のように表された情報コード400を、図20(B)のように読取装置10によって撮像することで、図21(A)左側のような撮像画像が得られる。なお、図21(A)左側の画像は、読取装置10によって撮像された形成対象媒体401の画像(具体的には、形成対象媒体401の空き領域410の位置に登録対象となる写真420を重ねた状態で撮像された画像)から、コード領域内の画像のみを切り取って表したものである。このようにコード領域の画像が得られた場合、第1実施形態と同様の方法で情報コード400のデータ記録領域を読み取ることができ、第1実施形態と同様の方法で空き領域410の画像410’を抽出することができる。
本構成でも、図2に示す受光センサ23が撮像部の一例に相当し、形成対象媒体401の表面401a側から、特定パターン領域及びデータ記録領域と、画像表示領域(セル102とは異なる登録対象画像を表示するための領域)とを撮像するように機能し、具体的には、形成対象媒体401の空き領域410の位置に、登録対象となる物体を配置したり、登録対象となる図形や文字を書き込んだ入りすることで登録対象を表した状態で情報コード400を撮像するように機能する。また、図2の制御回路40は、データ記録領域読取部の一例に相当し、受光センサ23(撮像部)によって情報コード400が撮像された場合に、その撮像された情報コード400のコード画像におけるデータ記録領域の内容に基づいてデータ記録領域に記録されたデータを読み取るように機能する。また、図2の制御回路40は、画像抽出部の一例に相当し、情報コード400のコード画像から空き領域410の位置を特定し、空き領域410(画像表示領域)に表された登録対象の画像を抽出するように機能する。
なお、図20(A)のように情報コード400を撮像し、画像表示領域の画像(空き領域410の画像410’)を抽出した後の、当該画像に対する画像処理方法は、上述した実施形態のいずれの処理方法を用いてもよい。例えば、抽出した画像410’を所定のファイル形式(ビットマップ形式、GIF形式、JPEG形式などの公知のファイル形式)で保存したり送信したりしてもよく、抽出した画像410’に対して公知の文字認識処理を行い、手書き入力された文字や記号のデータを取得するようにしてもよい。
本構成では、生成装置2が、第1実施形態と同様の方法で、図19(A)のような空き領域を有する情報コード400(コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターン104が配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、セル102とは異なる登録対象画像を表示するための画像表示領域(図19(A)の段階では、空白領域とされた空き領域410)とが設けられた情報コード)を生成している。そして、生成装置2が図19(A)のような情報コード400を形成する際には、データ記録領域に、少なくとも画像表示領域の登録対象画像(図19(A)のような空き領域410(画像表示領域)に写真420のような登録対象を配置した状態で撮像して得られたコード画像における画像表示領域(空き領域410)の位置の画像)をインターネット上で表示するための送信先を特定するアドレス関連情報を記録した構成で情報コード400を形成している。具体的には、図19(A)のような情報コード400のデータ記録領域に、「アドレス関連情報」として、データ送信先を特定する送信先情報(特定のURLや特定のメールアドレスなど)を記録している。この送信先情報は、図20(A)のように登録対象が配置された状態で情報コード400を撮像したときの画像表示領域の画像(登録対象画像)をインターネット上で表示するための送信先を特定する情報である。
本構成では、図20(A)のような情報コード400を図20(B)のように撮像し、得られた情報コード400のコード画像400’から空き領域410の画像410’(登録対象画像)を抽出した後には、その画像データを、データ記録領域に記録された送信先情報(アドレス関連情報)で特定されるアドレスに送信する。具体的には、その送信先情報で特定される管理装置90に対して空き領域410の画像410’のデータを送信し、この管理装置90は、画像410’のデータを取得した場合、このデータを特定の保存領域に保存してインターネット上でアクセスできるようにする。このようにすることで、インターネットに接続できる環境であれば、空き領域410の画像410’が表示されるサイトにアクセスすることができるようになり、画像410’を、ブログやホームページなどにより、制限された特定の者に開示したり、第三者に広く開示することが可能となる。
例えば、図20等に示すような情報コード400のデータ記録領域にインターネット上で表示するサイト(例えば、個人のホームページやブログを表示するサイト、企業のホームページなどを表すサイトなど)のURLが送信先情報として記録されている場合、読取装置10は、図20(A)のような情報コード400を読み取ったときに、このURLで特定されるサイトを表示するための各種画像が保存されている管理装置90に対して空き領域410の画像410’を送信する。一方、管理装置90は、このような空き領域410の画像410’を受信した場合、当該管理装置90内の記憶装置において、そのURLで特定されるサイトを表示するための各種画像が保存されている領域(フォルダ等)に、受信した空き領域410の画像410’を保存する。例えば、管理装置90がインターネットに接続されている場合に、上記保存領域(空き領域410の画像410’等を保存する領域)の画像を上記URLで特定されるサイトに自動的に表示するようになっていれば、管理装置90に対して画像410’が送信され、保存領域に画像410’等が蓄積される毎に、そのサイトに画像がアップロードされることになる。
本構成では、制御回路40が情報登録部の一例に相当し、画像抽出部によって抽出された登録対象画像(図20(A)のような情報コード400を撮像して得られたコード画像から空き領域410の位置の画像を切り出した画像)を、データ記録領域読取部によって読み取られたアドレス関連情報で特定される送信先に送信するように機能する。
なお、上述した例では、アドレス関連情報として、管理装置90を特定可能なURLが記録され、読取装置10が情報コード400からアドレス関連情報(URL)を読み取った場合には、画像410’をそのアドレス関連情報(URL)に基づいて管理装置90に送信し、これに応じて、管理装置90がその画像410’を自動的に特定のサイトにアップロードする例を示したが、この例に限られない。例えば、アドレス関連情報として、管理装置90に送信可能なメールアドレスが記録されるようなケースでは、読取装置10が情報コード400からアドレス関連情報(メールアドレス)を読み取った場合に、画像410’をそのアドレス関連情報(メールアドレス)に基づいて管理装置90にメール送信し、これに応じて、管理装置90が、メール受信した画像410’を特定のサイトに自動的にアップロードするようにしてもよい。
なお、図20(A)の例では、空き領域410(画像表示領域)にて登録対象を表す例として、図19(A)のように構成された空き領域410に写真420を重ねて配置する例を示したが、図22(A)の例のように、予め形成された情報コード400の空き領域410に写真420を重ねた上で、この空き領域410内に手書きによって文字や図形などを書き込むようにしてもよい。図22(A)の例では、空き領域410内の写真420以外の位置に、手書き文字422が記入された例を示している。この場合、図22(A)のような状態で情報コード400を読み取り、得られたコード画像の中から画像表示領域(空き領域410)に表された画像410’(登録対象画像)を切り取ってアドレス関連情報(URL等)で特定される管理装置90に送信すれば、図22(B)のように、管理装置90によって自動的にその画像410’を特定のサイト(上記URLで特定されるサイト)にアップロードすることができ、インターネット上のサイトにおいて写真の画像420’と手書き文字の画像422’を同時に表示できるようになる。
以上のように、本構成では、生成された情報コード400を登録対象となる他の物体(写真420等)と組み合わせて情報コード読取装置10によって読み取ることで、空き領域410(画像表示領域)の位置の画像(登録対象画像)を当該空き領域410の位置(画像表示領域)から抽出し、その登録対象画像を、アドレス関連情報で特定される送信先(インターネット上で表示するための送信先)に送信することができるようになる。これにより、ユーザは、面倒且つ複雑なアドレス入力操作等を極力行わずとも、希望する画像(登録対象画像)を迅速かつ簡単に特定の送信先に送信し易くなり、ひいては、インターネット上での表示をより迅速かつ円滑に行い易くなる。
また、ユーザが、情報コード400の空き領域410(所定領域)に手書き文字や手書き図形を記入した場合には、情報コード400の読み取りの際に、この情報コード400のコード画像から空き領域410の画像を切り出すことで、手書き文字や手書き図形を抽出することができる。そして、このような画像をアドレス関連情報で特定される送信先に自動的に送信することができるため、手書き内容をインターネット上に迅速かつ円滑に表示しやすくなる。
また、本構成では、図20(A)のように、データ記録領域及び特定パターン領域が表された所定の媒体(図19)にインターネット表示を希望する物体(図20(A)の写真420等)を組み合わせ、図20(B)のように撮像することで、その組み合わされた物体の画像を登録対象画像として容易に利用できるようになる。従って、希望する物体の画像をインターネット上に迅速かつ円滑に表示しやすくなる。なお、図20の例では、組み合わせる物体として写真420を例示しているが、雑誌の切り抜きや立体的な物体など、様々な物体を登録対象として組み合わせることができる。
[第4実施形態の変更例1]
次に、第4実施形態の変更例1について説明する。
図23では、第4実施形態の上述の代表例で用いた情報コード形成媒体(図19(A))を用い、この情報コード400の空き領域410に手書き文字のみを記入している。このように、手書き文字が記入された情報コード400の場合でも、情報コード400の読取時には、図24(A)左側に図示されるようなコード画像から空き領域410の画像410’を抽出し、データ記録領域に記録されたアドレス関連情報(URLやメールアドレス等)によって特定される管理装置90に対して空き領域410の画像410’のデータを送信するように処理を行うことができる。そして、その管理装置90では、手書き文字の画像410’のデータを取得した場合、このデータを保存してインターネット上の特定のサイト(ブログやホームページなど)に自動的にアップロードする。このようにすることで、インターネットに接続できる環境であれば、手書き文字の画像410’が表示されるサイトにアクセスすることができ、手書き文字の画像410’をブログやホームページなどで表示し、制限された特定の者に開示したり、第三者に広く開示したりすることが可能となる。
また、このような手書き文字の画像410’は、読取装置10からアドレス関連情報で特定される管理装置90に送信する度に、メモ帳として管理装置90に蓄積するようにしてもよい。例えば、読取装置10が図24(A)左側のような画像を取得し、空き領域410の画像410’をアドレス関連情報で特定される管理装置90に送信する度に、その管理装置90では、その送信日時と送信内容(送信されてきた画像410’そのもの又はその画像410’を解析(例えばOCR解析)したデータによって特定されるメモデータ)とを対応付けて登録しておくことができ、これにより、外部装置90では、図24(B)のようにメモデータを登録した登録データベースが構築されることになる。このように登録されたメモデータは、インターネット上の特定のサイトにおいて特定の者のみに公開してもよく、広く第三者に公開するようにしてもよい。
本構成では、情報コード生成装置2により、形成対象媒体401に対し、特定パターン領域、データ記録領域、及び空き領域410(手書き入力可能領域)が設けられた特徴的な情報コード400を形成することができる。そして、情報コード読取装置10がこの形成対象媒体401を撮像して情報コード400を読み取る際には、手書き入力可能領域(空き領域410)に手書き入力された内容を事後的に利用できるようになる。特に、予め位置が明確に規定された領域を手書き入力領域として利用できるため、単に手書き文字等を写真で撮影するような方法と比較して、必要範囲の手書き情報のみを正確に抽出することができ、その抽出に際し複雑な作業を省略しやすくなる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。
第5実施形態の情報コード利用システムは、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1、図2のような構成が用いられる。特に、生成装置2及び読取装置10のハードウェア構成は第1実施形態と同一であるため、適宜、図1、図2等を参照して説明することとする。
第5実施形態で用いられる情報コード500は、空き領域510の内容が第1実施形態の情報コード100と異なるだけであり、それ以外の特定パターン領域やデータ記録領域の構成は、第1実施形態の情報コードと同一である。なお、特定パターン配置領域やデータ記録領域の構成は、第1実施形態と全く同一であってもよく、若干配置が異なっていてもよい。また、空き領域510の位置については特に限定されず、第1実施形態の情報コード100の空き領域110と全く同じ位置に設けてもよく、空き領域110とは異なる位置であってもよい。
図25(A)(B)に示すように、生成装置2によって生成される情報コード500は、矩形状(例えば、正方形状或いは長方形状等)のコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセル102によって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられている。本構成でも、第1実施形態と同様の特定パターンとなっており、例えば、QRコード(登録商標)の公知の所定型番の特定パターンと同一の形状及び位置となっており、図25(A)等の例では、コード領域の3つの角部にそれぞれ、特定パターンとしての位置検出パターン(切り出しシンボル)104が配置されている。
本システムでは、例えば生成装置2により、所定の形成対象媒体501に位置検出パターン104やその他のセルの図形を印刷する構成で情報コード500を形成している。形成対象媒体501は、紙材料、樹脂材料、金属材料、その他の公知材料によって構成されており、例えば、所定の厚さのシート状或いは板状に構成されている。なお、形成対象媒体501は、一方面側に情報コード500が形成可能な構成であり、且つ窓部が形成可能な構成であればよく、具体的な形状は特に限定されない。例えば、複数の材料が積層された構成などであってもよい。
生成装置2によって形成される情報コード500は、例えば、形成対象媒体501の表面501aの所定領域に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が印刷やダイレクトマーキングなどの公知の形成方法によって表されている。なお、形成対象媒体501に形成される特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域は、表面501a側から視認可能に形成されていればよく、その形成位置は表面501aに限定されるものではない。例えば、紙材料、樹脂材料、金属材料などからなる部材の表面に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域を形成し、その上から透明なシート状又は板状の部材を配置して覆うようにしてもよい。この構成では、透明な部材の表面が表面501aとなり、特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域などは、表面501aよりも奥側(裏面側)の位置に形成されることになる。いずれにしても、形成対象媒体501の表面501a側から特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が視認可能となる構成で形成対象媒体501に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が形成されればよい。
そして、形成対象媒体501において、コード領域の外縁部よりも内側には、表面501a側から裏面501b側を視認させる窓部503が設けられている。図25等に示す例では、窓部503が四角形状の貫通孔として形成されており、この貫通孔が表面501aと裏面501bとの間に続く構成となっている。なお、図25のような情報コード500が付された情報コード媒体を形成する場合、生成装置2によって窓部503を形成する前の形成対象媒体(紙材料、樹脂材料、金属材料、その他の材料によるシート状或いは板状の部材)に対して特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域を形成し、その後、形成対象媒体から窓部503内の部分を切り取って図25のような情報コード500を得るようにしてもよい。或いは、紙材料、樹脂材料、金属材料、その他の材料によるシート状或いは板状の部材に対して窓部503を形成して予め形成対象媒体501を作成しておき、この形成対象媒体501に生成装置2によって特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域を形成して図25のような情報コード500を得るようにしてもよい。
このように構成された情報コード500は、情報コード読取装置10によって所定の画像認識処理、登録処理を行う対象となる画像表示領域がコード領域内に表されるようになっている。例えば、図26のように、キャラクター532の絵が描かれた被写体530の所定領域を撮像して画像として利用したい場合、画像として利用したい領域が窓部503内に収まるように形成対象媒体501をその被写体の上に配置することで、図27(A)のように、画像認識処理、登録処理を行う対象となる画像表示領域(被写体530において窓部503内に配置される領域、即ち、表面501a側から窓部503を介して視認される領域)が情報コード500のコード領域内に表されることになる。なお、この例では、情報コード500において窓部503の内側が空き領域になっており、例えばデータ記録領域によってデータが記録されず、且つ誤り訂正領域による誤り訂正の対象とならない領域となっている。また、図26では、被写体の例として被写体530を例示しているが、被写体の例はこれに限定されず、上述した実施形態で示される画像領域の画像など、様々な画像を被写体にすることができる。
そして、図27(A)のように表された情報コード500と被写体530(即ち、形成対象媒体501を表面501a側から見たときに、空き領域510の内容が、窓部503を介して見える被写体530の内容となっている状態での情報コード500及び被写体530)を、図27(B)のように読取装置10によって撮像することで、図28(A)のような撮像画像が得られる。なお、図28(A)の画像は、図27(B)のようにして読取装置10によって撮像された画像から、コード領域内の画像のみを切り取って表したものである。このようにコード領域の画像500’が得られた場合、第1実施形態と同様の方法で情報コード500のデータ記録領域を読み取ることができ、第1実施形態と同様の方法で空き領域510の画像510’を切り取って抽出することができる。
本構成でも、図2に示す受光センサ23が撮像部の一例に相当し、形成対象媒体501の表面501a側から、特定パターン領域及びデータ記録領域と、画像表示領域(具体的には、空き領域510に構成された窓部503を介して見える物体)とを撮像するように機能する。また、図2の制御回路40は、データ記録領域読取部の一例に相当し、受光センサ23(撮像部)によって情報コード500が撮像された場合に、その撮像された情報コード500のコード画像におけるデータ記録領域の内容に基づいてデータ記録領域に記録されたデータを読み取るように機能する。また、図2の制御回路40は、画像抽出部の一例に相当し、情報コード500のコード画像から空き領域510の位置を特定し、空き領域510(画像表示領域)に表された登録対象画像(窓部503を介して表面501a側で見えるように表された登録対象の画像)を抽出するように機能する。
なお、画像領域の画像(空き領域510の画像510’)を抽出した後の、当該画像に対する画像処理方法は、上述した実施形態のいずれの処理方法を用いてもよい。例えば、抽出した画像510’を所定のファイル形式(ビットマップ形式、GIF形式、JPEG形式などの公知のファイル形式)で保存したり送信したりしてもよく、抽出した画像510’に対して公知の文字認識処理を行い、手書き入力された文字や記号のデータを取得するようにしてもよい。
本構成でも、第4実施形態と同様、生成装置2が情報コード500を生成する際に、データ記録領域に、データ送信先を特定する送信先情報(URLやメールアドレスなど)を記録している。この送信先情報は、「アドレス関連情報」に相当し、画像表示領域の登録対象画像をインターネット上で表示するための送信先を特定する情報である。
このように構成される情報コード500を読取装置10が読み取る場合、読取装置10が図27(B)のように情報コード500を撮像し、コード画像500’に基づいてデータ記録領域のデータを第1実施形態と同様の方法で解読すると共に、その撮像で得られるコード画像500’(図28(A)参照)から空き領域510の画像510’を抽出する。そして、このような解読及び抽出を行った後には、その抽出された画像510’のデータを、データ記録領域に記録された送信先情報(アドレス関連情報)で特定されるアドレスに送信する。具体的な送信方法及びインターネットでの表示方法は第4実施形態と同様であり、その送信先情報で特定される管理装置90に対して空き領域510の画像510’のデータを送信し、この管理装置90は、画像510’のデータを取得した場合、このデータを特定の保存領域に保存してインターネット上でアクセスできるようにする。このようにすることで、インターネットに接続できる環境であれば、空き領域510の画像510’が表示されるサイトにアクセスすることができるようになり、画像510’を、ブログやホームページなどにより、制限された特定の者に開示したり、第三者に広く開示することが可能となる。
例えば、図27等に示すような情報コード500のデータ記録領域にインターネット上で表示するサイト(例えば、個人のホームページやブログを表示するサイト、企業のホームページなどを表すサイトなど)のURLが送信先情報として記録されている場合、読取装置10は、図27(A)のような情報コード500を読み取ったときに、このURLで特定されるサイトを表示するための各種画像が保存されている管理装置90に対して空き領域510の画像510’を送信する。一方、管理装置90は、このような空き領域510の画像510’を受信した場合、当該管理装置90内の記憶装置において、そのURLで特定されるサイトを表示するための各種画像が保存されている領域(フォルダ等)に、受信した空き領域510の画像510’を保存する。例えば、管理装置90がインターネットに接続されている場合に、上記保存領域(空き領域510の画像510’等を保存する領域)の画像を上記URLで特定されるサイトに自動的に表示するようになっていれば、管理装置90に対して画像510’が送信され、保存領域に画像510’等が蓄積される毎に、そのサイトに画像がアップロードされることになる。
本構成でも、制御回路40が情報登録部の一例に相当し、画像抽出部によって抽出された登録対象画像(コード画像から空き領域の位置の画像を切り出した画像)を、データ記録領域読取部によって読み取られたアドレス関連情報で特定される送信先に送信するように機能する。
本構成によれば、第4実施形態と同様の効果が得られる。
更に、情報コード読取装置10が形成対象媒体501を撮像して情報コード500を読み取る際には、その形成対象媒体501の表面側から窓部503を通して把握される内容を画像として認識できるようになる。特に、情報コード500の読み取りに伴い、データ記録領域に記録されたデータの利用に加え、形成対象媒体501に予め表示されていなかった被写体(窓部を通して把握される被写体)の画像を利用するという新規な画像利用方法が可能となり、利用者の利便性を高めることができる。また、情報コード500の読み取りの際には、形成対象媒体501の後方に位置する被写体のうち、必要な範囲のみが窓部を通して写るように位置を調整すれば、必要な領域の画像を選択的に利用できるようになり、画像を利用する上での利便性が一層高まる。
なお、上述した例では、貫通孔として構成される窓部503を例示したが、窓部503は裏側が視認できる構成であればよい。例えば、上述した四角形状の貫通孔を塞ぐように透明部材(透明な樹脂シートなど)が配置され、この透明部材を介して裏側が視認できるような構成であってもよい。また、窓部503の形状は四角形状に限られず、円形状、楕円形状、三角形状、他の多角形状などであってもよい。
[第5実施形態の変更例1]
次に、第5実施形態の変更例1について説明する。なお、変更例1は、窓部503を通して撮像する対象(被写体)のみが上述の代表例(図25〜図28の例)と異なり、それ以外は代表例と同一である。
この変更例1では、図25のように構成された情報コード500を、図29のように撮像対象となる風景又は景色の前に配置し、情報コード500内に風景又は景色の一部を表すようにしている。この図29の例でも、情報コード読取装置10によって所定の画像認識処理、登録処理を行う対象となる画像表示領域(風景又は景色の画像を示す領域)がコード領域内に表されるようになっている。例えば、風景又は景色を登録対象として撮像してその一部を画像として利用したい場合、図29のように、撮像対象となる風景又は景色のうち、画像として利用したい領域が窓部503内に収まるように形成対象媒体501と風景又は景色の位置関係を調整すればよい。これにより、画像認識処理、登録処理を行う対象となる画像表示領域(撮像対象となる風景又は景色において窓部503を通して視認される領域)が情報コード500のコード領域内に表されることになる。なお、この例でも、情報コード500において窓部503の内側(窓部内の開口領域)が空き領域510になっており、例えばデータ記録領域によってデータが記録されず、且つ誤り訂正領域による誤り訂正の対象とならない領域となっている。
そして、図29のように位置調整された情報コード500と被写体(風景又は景色)を読取装置10によって撮像することで、図30(A)のような撮像画像が得られる。なお、図30(A)の画像は、読取装置10によって撮像された画像から、コード領域の画像500’のみを切り取って表したものである。このように得られたコード領域の画像500’により、第1実施形態と同様の方法で情報コード500を読み取ることができ、第1実施形態と同様の方法で空き領域510の画像510’を抽出することができる。この抽出される画像510’は、形成対象媒体501の後ろの風景又は景色が窓部503を介して受光センサ23に映り込んだ画像であり、風景又は景色の一部の画像である。そして、このように抽出された画像510’は、第4実施形態と同様の方法で登録対象として利用することができる。なお、第4実施形態の利用方法に限られず、例えば、形成対象媒体501の裏側に位置する登録対象者を、窓部503を介して撮像するようにし、得られたコード領域の画像を第1実施形態と同様の方法で利用するようにしてもよい。
この例でも、情報コード500の読取時には、図30(A)に図示されるようなコード画像500’から空き領域510の画像510’を抽出し、データ記録領域に記録されたアドレス関連情報(URLやメールアドレス等)によって特定される管理装置90(サーバ)に対して空き領域510の画像510’のデータを送信するように処理を行うことができる。そして、その管理装置90(サーバ)では、画像510’のデータを取得した場合、このデータを所定の保存領域に保存してインターネット上でアクセスできるようにする。このようにすることで、インターネットに接続できる環境であれば、画像510’が表示されるサイトにアクセスすることができるようになり、画像510’をブログやホームページなどで表示し、制限された特定の者に開示したり、第三者に広く開示したりすることが可能となる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
第1実施形態等では、情報コード100内に、空き領域110の位置を示す位置データ(例えば、図3に示す位置情報など)を含ませるようにしていたが、このような例に限られない。例えば、情報コード生成装置2が、予め定められた所定位置に空き領域110を配置するように情報コードを生成する構成であってもよい。この場合、所定位置を特定する情報(図3に示す位置情報などの情報)が記憶部5に記憶されていればよい。また、この場合、情報コード読取装置10には、情報コード生成装置2と同様、所定位置を特定する特定情報(図3に示す位置情報などの情報)をメモリ35に記憶しておけばよい。そして、情報コード読取装置10では、図8のS46において、メモリ35からこのような特定情報を読み出して空き領域(画像表示領域)を特定した上で、それ以降の処理を行えばよい。また、この場合、図3に示す位置情報は、ヘッダデータに含めなくてもよい。
本発明は、上述したいずれか1又は複数若しくは全ての情報コードを表示し得る表示装置として構成することもできる。また、上述したいずれか1又は複数若しくは全ての情報コードを印刷し得る印刷装置として構成することもできる。更に、上述したいずれか1又は複数若しくは全ての情報コードを生成するためのコンピュータ読取可能なプログラムとして構成することもできる。また、上述した1又は複数若しくは全ての情報コードを生成するためのプログラムを記録した記録媒体として構成することもできる。更に、上述した1又は複数若しくは全ての情報コードが付された情報コード媒体(印刷物、ダイレクトマーキング等によって構成された形成物など)として把握することもできる。また、上述した1又は複数若しくは全ての情報コードが表示された表示画像として把握することもできる。
図1等の構成では、情報コード生成装置2と情報コード読取装置10が別々の装置として構成された例を示しているが、情報コード生成装置2が情報コード読取装置10として構成されていてもよい。また、情報コード生成装置2が、複数の装置によって構成されていてもよく、情報コード読取装置10が複数の装置によって構成されていてもよい。
第1実施形態等では、他種コード120としてQRコードを例に挙げ、情報コード100で用いる特定パターンとしてQRコードの特定パターンを例に挙げたが、これ以外の種類の二次元コードを用いてもよい。例えば、他種コードとしてデータマトリックスコードを用い、情報コード100で用いる特定パターンをデータマトリックスコードの特定パターンとしてもよい。
図5のように設定した配置変換表における対応関係は、図18のように任意に変更することができる。例えば、情報コード生成装置2、情報コード読取装置10において図5のように設定されていた配置変換表を図18のように変更した場合、生成される情報コード100では、22〜23番目のコードワードの配置が、図5右図のような配置(22〜23番の配置候補位置に記録する配置)から図18右図のような配置(42〜43番の配置候補位置に記録する配置)に変更され、これにより空き領域110の位置や形状も変化することになる。この場合、22〜23番の配置候補位置は空き領域としてもよく、他のコードワードの配置位置としてもよい。つまり、この構成では、配置変換表を調整することで空き領域110の位置や形状を調整することができ、空き領域を構成する上での自由度をより高めることができる。
上記実施形態では、コード領域の中央部に空き領域110を設けた例を示したが、空き領域110の配置はこの例に限られない。例えば、コード領域の周縁付近に空き領域を設けてもよい。また、上記実施形態では、「コード領域」の一例を示したが、「コード領域」は、情報コードを構成する複数種類のセルを全て含む最小の正方形領域又は長方形領域であればよく、コード領域の内縁部の一部にセルが配列されていなくてもよい。例えば、図31の情報コード600ように、空き領域610がコード領域の周縁部に隣接して形成されていてもよい。この場合、情報コード600を構成する複数種類のセルを全て含む最小の正方形領域又は長方形領域は、一点鎖線ARのようになり、空き領域610の外縁は、例えば二点鎖線AR2のようになる。なお、図31の例は、空き領域610の内容を第4実施形態で示した空き領域410の内容と同様の内容とした例であるが、空き領域610の内容をこれ以外の実施形態で示した内容にしてもよい。また、認識対象となる画像表示領域はコード領域内に少なくとも一部が存在すればよく、図32の画像表示領域AR3ように、残余の部分がコード領域外に存在するような構成であってもよい。図32のような例では、予め画像表示領域AR3がどのような範囲になるかを特定する情報をデータ記録領域に記録しておけばよい。
上記実施形態では、コード領域内を構成する複数種類のセルとして、白色セルなどの明セルと黒色セルなどの暗セルを例示したが、コード領域内の特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域が、所定の濃度、輝度、色彩の第1種セルと、この第1種セルとは濃度、輝度、色彩のいずれかが異なる第2種セルに構成されていてもよい。或いは、コード領域内の特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域が、濃度、輝度、色彩のいずれかがそれぞれ異なる三種類以上のセルによって構成されていてもよい。
上記実施形態では、コード領域内の特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域において、外形が正方形状のセルを複数配列した例を示したが、各セルの外形は正方形以外の四角形であってもよく、四角形以外の多角形や、円形、楕円形などの図形であってもよい。
上記実施形態では、特定パターンの例として位置検出パターン104、タイミングパターン106、アライメントパターン108などを例示したが、データ記録領域及び誤り訂正符号記録領域の内容に関係なく固定のパターンとして構成される領域であれば、特定パターンを構成する図形は他の固有図形であってもよい。
上記実施形態では、空き領域の一例を示したが、空き領域は、セルによって解読対象データが記録されない領域であり、データ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法で情報の表示又は画像の表示がなされる領域であればよい。例えば、第1実施形態のように、コードワードが全く配置されない領域として空き領域が構成されていてもよく、公知のQRコードなどにおいて、誤り訂正符号を表現する誤り訂正コードワードや解読対象データを表現するデータコードワードが配置されず、埋め草コードワードが配置される領域を空き領域としてもよい。また、いずれの空き領域の場合でも、「セルによってデータ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法で情報の表示」を行うこともでき、この情報の表示は、上記実施形態で例示される情報のほか、例えば、文字、数字、その他の記号などによるその他の情報であってもよく、商標などによって特定の商品やサービスを表すような情報の表示方法であってもよい。また、空き領域では、「セルによってデータ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法では画像の表示」を行うことができ、この画像の表示は、上記実施形態で例示される画像のほか、様々な形状、模様、色彩、それらの結合などを表すことができる。
また、図33の情報コード700のように構成してもよい。この例は、第1実施形態と同様の空き領域を設ける構成であるが、空き領域の特定のみが第1実施形態と異なっている。なお、図33の例では、一部の特定パターン以外の領域の具体的内容は省略して示しており、実際は、空き領域710外の外部領域に明色セルや暗色セルが配置されることになる。また、空き領域710内は、例えば第1実施形態の空き領域110と同様の画像、或いは他の実施形態の空き領域と同様の画像が表示される。
本構成でも、情報コード700の種別において複数の型番が用意されており、型番毎にセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)が予め定められている。そして、生成装置2が情報コード700を生成する際には、型番情報をコード領域内の決められた位置(図33の例では予約領域107)に配置するようになっている。従って、読取装置10が情報コード700を読み取る際には、情報コード700のコード画像を解析し、所定位置に配置された型番情報を読み取ることで、情報コード700のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)を把握できることになる。
情報コード700を生成する際には、予め用意された複数の型番の中からいずれかの型番を選択する。これにより、コード領域内の基本構成(特定パターン104の位置、セルの行数及び列数、コードワードの候補位置)が決定する。例えば、図33に示す構成の型番では、29行29列のセル配列となっており、予め定められた3つの角部に、QRコード(登録商標)の切り出しシンボルと同一の構造の特定パターン104が配置されるようになっている。そして、特定パターン104の近くの所定位置に、フォーマット情報を記録する領域(所定位置105)が設けられている。また、29行29列のマトリックス領域において、特定パターン104及び所定位置105以外の位置に、予めコードワードの候補位置が定められており、各候補位置に0〜67までのアドレスが割り当てられている。このように、型番に対応する構成で予めコード領域内の構成が規定されているため、型番が特定されれば、どの順番のコードワードがどの位置に配置されるかを特定することが可能となる。なお、決定した型番の情報は、その型番の配列において予め定められた固定位置に記録される。例えば図33の例では、所定種類のハッチングで特定される領域107に型番の情報が記録されるようになっている。
そして、型番が決定し、コード領域内の基本構成が決定した後には、空き領域の形状及び位置を決定する。空き領域の形状の決定方法は、例えば、予め用意された複数の候補形状の中から選定する方式で決定してもよく、或いは、情報コード生成装置2に対して外部から入力された形状指定情報に従った形状に設定する方式で決定してもよい。或いは、決められた固定形状のみに決定してもよい。また、空き領域の位置については、予め決められた固定位置に決定してもよく、ユーザが位置を指定する情報を入力することで、その位置に決定するようにしてもよい。
そして、空き領域が決定した後には、決定された空き領域の位置から外れるコードワードの候補位置に、データ記録領域のコードワード及び誤り訂正符号記録領域のコードワードをそれぞれ配置する構成で情報コード700を生成する。例えば、図33のような構成の型番では、3つの角部に特定パターン104が配置され、これら特定パターン104の位置を基準として、0〜67の番号が付された68個のコードワードの候補位置が予め規定されている。このようなレイアウトにおいて、図33のように空き領域710が決定した場合、少なくとも一部が空き領域710内に入るコードワードの候補位置を配置対象位置から除外し、その除外されたコードワードの位置を飛ばすようにして、順番にコードワードを配置する。例えば、図33の例では、50、51番、53、54番、60〜67番のコードワードの候補位置に入り込むように空き領域710が設定されているため、これら50、51番、53、54番、60〜67番のコードワードの候補位置にはコードワードを配置しないようにする。即ち、0〜49番の位置に順番にコードワードを配置した後、50、51番を飛ばして52番の位置にコードワードを配置し、その後、53、54番を飛ばして55〜59番の位置にコードワードを順番に配置することになる。このようにすれば、解読対象データを符号化したデータコードワードと、誤り訂正符号を表す誤り訂正コードワードとを、空き領域710から外れた候補位置に確実に配置することができる。
このように特定パターン領域(特定パターン104やその他の特定パターンの領域)、フォーマット領域(所定位置105)、型番領域107、各コードワード領域などを決定した後には、空き領域710の具体的な内容を決定する。この情報コード700でも、空き領域710に、第1実施形態の空き領域110やその他の実施形態の空き領域と同様の画像を表すことで、第1実施形態等で示した情報コード100や、その他の実施形態で示した情報コードと同様の機能を有する情報コード700を構成することができる。なお、情報コード700の利用方法は第1実施形態やその他の実施形態と同様である。