JP6156804B2 - 老化評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒトの老化を評価する老化評価装置に関する。
老化を評価するための技術が従来知られている。例えば、特許文献1には、被験者から採取した生体由来試料における、E−cadherin遺伝子、T−cadherin(H−cadherin)遺伝子、Poliovirus receptor遺伝子、Integrin beta−1遺伝子、Laminin alpha 3遺伝子、Jagged 1遺伝子、Delta−like 1遺伝子及びKeratin 10遺伝子からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子の発現を測定するステップと、測定対象の遺伝子の発現レベルに基づいて、上記被験者における皮膚老化度を評価するステップとを含む肌評価方法が記載されている。
特開2010−115131号公報(2010年5月27日公開)
しかしながら、上述のような従来技術は、遺伝子解析といった煩雑なものであり、遺伝子解析を行う前に試料の調整などの前処理が必要である。また、遺伝子解析には、高額の解析装置が必要となる。このため、その場で老化度を測定、評価することが不可能である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、遺伝子解析などを用いることなくその場で簡易に老化を評価することが可能な老化評価装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る老化評価装置は、生物の加齢とともに体内に増加する蛍光物質に基づいて、老化の進行度合を評価する老化評価装置であって、指先を挿入するための指先挿入部と、前記挿入された指先を配置するための測定台と、励起光を照射する光源部と、前記指先に前記励起光が照射されることにより発せられる蛍光を検出する検出部と、前記光源部が発する前記励起光を伝搬する入射用光ファイバと、前記蛍光が入射され、前記検出部に接続する出射用光ファイバとを備え、前記入射用光ファイバと前記出射用光ファイバとは同軸に設けられ、前記測定台は、所定位置に穴を有し、前記入射用光ファイバと前記出射用光ファイバとは、前記穴に向けて配置されている。
本発明の一態様によれば、簡易に老化を評価することができるといった効果を奏する。
本実施形態における老化評価装置の構成の一例を示す図である。 老化モデル生物に励起光を照射したときにおける励起光の波長と蛍光スペクトルとの関係を示した図である。 老化モデル生物の加齢に伴う蛍光強度の増大を示すグラフである。 17日齢の構造解析結果を示す図である。 老化に伴って増加するタンパク質を糖化させることにより得られる蛍光スペクトルを示す図である。 7日齢の2匹の老化モデル生物それぞれに異なる餌を与えたときに得られた蛍光スペクトルを示す図である。 変形例1における老化評価装置の構成の一例を示す図である。 指尖測定装置の構成の一例を示す図である。 変形例3における老化評価装置の構成の一例を示す図である。 変形例4における老化評価装置が備える測定プローブを示す図である。 制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、本実施形態における老化評価装置の構成の一例を示す図である。図1に示されるように、老化評価装置100は、ヒトの老化を評価する装置であり、励起用光源101(光源部)と、検出器103(検出部)と、測定プローブ105と、制御装置1とを備える。
測定プローブ105は、入射用光ファイバ105aと出射用光ファイバ105bとの2種類が同軸に設けられている。入射用光ファイバ105aの一端には、励起用光源101が取付けられ、励起用光源101が発する励起光を伝搬し、入射用光ファイバ105aの他端に出射する。なお、励起用光源101は、325nmの波長の励起光を発する光源であり、例えばハロゲンやキセノン光源のような管球タイプ、LED(DOWAエレクトロニクス社製等)またはLDなどであればよい。
入射用光ファイバ105aの出射側の端部は、例えば生物の評価対象に向けられる。これにより、評価対象に、励起用光源101が発する励起光を照射することができる。本願出願人は、生物は老化が進むにつれ、励起光により蛍光を発する蛍光物質の体内における蓄積量が増加することに着目した。蛍光物質とは、特定の波長の光により励起して蛍光を発する物質である。蛍光を励起させる光は、励起光と称される。
出射用光ファイバ105bは、入射用光ファイバの出射側の端部を入射側の端部とし、該入射側の端部より評価対象から発せられた蛍光が入射される。出射用光ファイバ105bにおける蛍光の出射側の端部は検出器103に接続されている。
検出器103は、蛍光を検出する機器であり、例えば、CCD検出器ILX511B(SONY社製)やフォトディテクター;PD(Si PIN フォトダイオード 浜フォト製)CMOSイメージセンサ、光電子倍増管(PMT)、チャンネルトロン検出器などである。検出器103は、出射用光ファイバ105bを伝搬する蛍光を検出し、その結果を制御装置1に出力する。
制御装置1は、励起用光源101の輝度調整、照射または非照射の切換制御、データの記憶、データの表示およびデータの分析などが可能な装置であればよく、例えばパーソナルコンピュータである。制御装置1は、検出器103から入力された検出結果として、蛍光スペクトルをモニターに表示する。
図11は、制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図11に示されるように、制御装置1は、制御部300、操作部310、表示部320および記憶部330を備える。なお、制御装置1は例えばパーソナルコンピュータであり、そのハードウエア構成については周知であるので、ここでは詳細な説明は繰り返さない。制御装置1が備える制御部300は、老化評価値算出部(老化評価値算出手段)311と、老化判定部(老化判定手段)313とを含む。
老化評価値算出部311は、老化の進行度合いを示す老化評価値を算出し、算出した老化評価値を老化判定部313に出力する。具体的には、測定蛍光強度と、記憶部330に記憶された基準の蛍光強度とに基づいて、測定蛍光強度に対する基準の蛍光強度の大きさの程度を示す値を老化評価値として算出する。測定蛍光強度は、検出器103から入力される蛍光強度である。老化評価値は、基準の蛍光強度に対する測定蛍光強度の差または比であればよい。
老化判定部313は、老化評価値算出部311により算出された老化評価値と記憶部330に記憶された老化評価データに基づいて、老化の進行度合いを判定し、表示部320を制御して、判定結果を表示部320に表示させる。老化評価データは、老化の進行度合いを老化評価値で定めたデータであり、複数の老化評価値の範囲それぞれに対して老化の進行度合いが関連付けられている。
老化判定部313は、記憶部330に記憶された老化評価データを参照して、老化評価データで示される複数の範囲のうち老化評価値算出部311により算出された老化評価値が含まれる範囲を特定する。老化判定部313は、老化評価データにおいて特定された範囲に対応する老化の進行度合いを判定結果として表示部320に出力する。
<老化評価方法>
ここで、老化評価装置100を用いた老化評価方法について説明する。老化の評価に備えて、老化マーカーとなる蛍光スペクトルを特定した。具体的には、市販(日立製蛍光分光高度計 FL−4500)を用いて、励起用光源101が発する光を250〜400nmの範囲で調整し、老化モデル生物の老齢期と若齢期に照射した。これにより、特に老化モデル生物の老齢期において、特徴的な蛍光スペクトルを確認することができた。なお、用いた老化モデル生物は、線虫であり、線虫はヒトの老化モデルに適用できることが一般的に知られている。
図2は、老化モデル生物に励起光を照射したときにおける励起光の波長と蛍光スペクトルとの関係を示した図である。縦軸は250〜400nmまでの励起光の波長を示し、横軸は蛍光スペクトルを示す。図2には、励起光の波長に応じた蛍光スペクトルがプロットされている。図2において、鳥瞰図の密度が高いところが特定の励起光の波長に応じて蛍光を発したスペクトルを示しており、図2より、波長325nmの励起光(Ex)で励起した場合に420nmの蛍光スペクトル(Em)が存在することが確認された。このため、Ex:325nmで励起させることにより、Em:420nmを発する蛍光物質が加齢に伴い体内に蓄積される物質であると想定し、Ex:325nm、Em:420nmを老化マーカーとして用いた実験を行うこととした。
図3は、老化モデル生物の加齢に伴う蛍光強度の増大を示すグラフである。横軸が波長を示し、縦軸が蛍光強度を示す。図3に示されるように、複数の曲線(1)〜(9)それぞれは、老化モデル生物の異なる測定時期における蛍光強度を示す。具体的には、生後3日齢から2日ごとに、寿命を迎える17日齢までの各年齢時を測定時期として、蛍光強度を測定することにより得られた曲線である。
蛍光マーカーは上述のEx:325nm、Em:420nmとした。また、タンパク質濃度を規格化するため、Bradford法によりタンパク質濃度の定量を行い、0.2mg/ml相当量として測定時期に蛍光強度を測定した。その結果、図示のように蛍光強度は生後3日齢から5日齢になると増加する蛍光を示した。また、7日齢から13日齢にかけては、非常に類似した蛍光強度となることが観察された。この老化モデル生物は5日齢から産卵期を迎えるため、この時期に徐々に体内で生成される成長因子の変化に伴って、蛍光物質の生産が体内で起こっていることが示唆される。また、17日齢では、老化モデル生物が寿命を向かえ、15日齢までの曲線に比べて高い蛍光強度を示している。このことから、17日齢では、酸化ストレスを受けている可能性が高いと予想される。
図3の結果から、3日齢と17日齢とを比べて、17日齢で蛍光強度が高くなる蛍光物質が体内で生産されていると予想できたため、この蛍光物質を同定した。具体的には、LC−MALDIという分析装置(ABSciex社 LC−MALDI QSTAR 5800)を利用して蛍光物質の構造を解析した。液体クロマトグラフィにより、3日齢と17日齢の構造解析結果を比較することで、明らかに17日齢で増加が認められる蛍光強度の蛍光物質について、カラムを用いて分取を行い、その蛍光物質の構造を解析した。
タンパク質データベース(公開データベース Swiss Prot)により同定されたピークより、17日齢ではElongation factorとVitellogenin−2,5,6が確認された(図4参照)。Elongation factorは加齢に伴い酸化することが知られており、vitellogeninは卵黄ホルモンの前駆体タンパク質であり、腸管に蓄積することが報告されている。どちらのタンパク質も加齢に伴ってAGE化した物質が蛍光を発している。
図5は、老化に伴って増加するタンパク質を糖化させることにより得られる蛍光スペクトルを示す図である。励起光(Ex)の波長は325nmである。ここでは、老化に伴って増加するタンパク質として、Riboflavin、Elongation factor、vitellogeninを対象とした。これらタンパク質をグルコース溶液と混合し、35℃で10日間インキュベートさせることにより、糖化させた。図5に示される複数の曲線は、これらタンパク質の糖化物質の蛍光スペクトルを示す。
図5に示されるように、Elongation factorの糖化物質の蛍光スペクトル(Em)は420nmにおいて蛍光強度が高いことがわかる。すなわち、Elongation factorの糖化物質はEx:325nm、Em:420nmの蛍光マーカーと高い相関性があることが確認された。この結果により、Ex:325nm、Em:420nmの蛍光マーカーは、Elongation factorの糖化物質を主成分とする蛍光物質であることが明らかとなった。
なお、vitellogeninは、構造解析において老化マーカーとしての可能性があったが、Ex:325nmの励起条件で蛍光強度が低いことや、分子構造として蛍光を発しないことを確認したため、Ex:325nm、Em:420nmの蛍光マーカーの対象から除外した。
次に、上述のような老化評価方法を用いて、同一日齢の2匹の老化モデル生物それぞれに異なる餌を与えたときに得られた蛍光スペクトルを測定した。図6は、7日齢の2匹の老化モデル生物それぞれに異なる餌を与えたときに得られた蛍光スペクトルを示す図である。励起光(Ex)の波長は325nmである。一方の老化モデル生物Aには、通常の餌を与え、もう一方の老化モデル生物Bには長寿命化物質を含んだ餌を与えた。長寿命化物質は、ビタミンCとした。
図6に示されるように、老化モデル生物Aに比べて、老化モデル生物Bについての蛍光
強度が低下した。これより、老化モデル生物Bにおいて、老化に伴って増加するElongation factorの糖化物を低下させることができたことがわかる。そして、このことから、長寿命化物質を投与したことが、Elongation factorの糖化物の増加を抑える効果として適していたと判断することができ、老化評価方法が正しいことが立証された。さらに、老化評価方法は、長寿命化効果についての指針を得ることができた。
また、この老化モデル生物は、ヒトの老化モデルにも適用できることから、ヒトの長寿命化効果についての指針を得ることができる。なお、ヒトの長寿命化を促進する方法として、長寿命化物質を投与する方法以外に、抗酸化物質して、ポリフェノール類、ビタミン類、カロテノイド類、グルタチオン、ユビキノールなどの補酵素類、尿酸またはリポ酸などを投与してタンパク質の酸化を抑える方法による長寿命化、運動による長寿命化、ストレスを抑えることによる長寿命化などのスクリーニングを可能とすることは自明である。
<変形例1>
変形例1における老化評価装置は、評価対象が溶液状のものであるときに、蛍光を検出する構成である。図7は、変形例1における老化評価装置の構成の一例を示す図である。図7に示されるように、老化評価装置100Aは、制御装置1と測定ユニット110とを備える。測定ユニット110は、その筐体内に励起用光源101と、検出器103と、セルホルダー111とが配置される。励起用光源101は、励起光をセルホルダー111に向けて照射する。セルホルダー111には、溶液状の評価対象が入った透明な容器が配置され、励起用光源101から発せられた励起光が溶液状の評価対象を透過し、検出器103に入射される。
<変形例2>
変形例2においては、本実施形態における老化評価装置100に指尖測定装置を備える構成である。その他の構成および機能は、老化評価装置100と同じであるので、ここでは説明を繰り返さない。
図8は、指尖測定装置の構成の一例を示す図である。図8に示されるように、指尖測定装置200は、指先挿入部210と測定部材配置部220とを有する。測定部材配置部220は、指先挿入部210と連通する部分に、指先を接触させる測定台211を有している。測定台211は、後述する測定プローブ105からの励起光を取り出すために5〜10mmφの穴が設けられ、その穴に石英のカバーガラス(図示せず)が設置されている。指先挿入部210は、指先を挿入するための挿入孔215と空間を有している。
また、測定部材配置部220には、測定プローブ105における入射用光ファイバ105aの出射側であると共に出射用光ファイバ105bの入射側となる端部が、測定台211のカバーガラスに向けられた状態で配置される。これにより、指先挿入部210より挿入され、測定台211に載せられる指先に励起光を照射することができると共に、照射された励起光によって指先から発せられた光を検出器103に導くことができるので、その蛍光を検出することができる。
また、ユーザが指先挿入部210に指を挿入したとき、測定台211の存在により、指が測定プローブ105の先端を押し込むことを防ぐので、出射用光ファイバ105bの入射側となる端部と対象物(指先)との距離関係を一定に保つことができる。なお、測定台211は、出射用光ファイバ105bの入射側となる端部の径より大きく設定している。これにより、赤外線カメラを使用して、指先の血管の位置を測定することも可能としている。
指先は、AGE化した物質が溜まりやすい場所である。したがって、AGE化した物質が発する蛍光を測定する場所を指先とすることで、測定精度を上げることができる。加えて、指先にはメラニンが存在しない為、経皮蛍光測定の際にメラニンによる励起光の吸収について、留意する必要が無い。すなわち、日焼けの影響や人種の違いによる影響(有色人種でも白色人種でも測定できるなど)を排除して、老化の進行度合いを評価することができる。
<変形例3>
変形例3における老化評価装置は、測定プローブ105を用いずに、指先挿入部210に向けて励起光を照射し、蛍光を検出する構成である。変形例2における指尖測定装置200と異なる点について主に説明する。図9は、変形例3における老化評価装置の構成の一例を示す図である。図9に示されるように、老化評価装置100Bが備える励起用光源101と検出器103は、測定部材配置部220内に配置され、指先挿入部210の下方に、反射鏡213が水平方向に対して所定の角度で配置される。
反射鏡213は、励起用光源101から発せられた励起光を反射し、指先挿入部210の空間に向けて出射する。このため、指先挿入部210に指先が挿入されることにより、指先に励起光を照射することができる。また、指先に励起光が照射されることにより発せられた蛍光は、測定部材配置部220の空間に向けて出射され、反射鏡213に反射され、検出器103に入射される。
<変形例4>
変形例4における老化評価装置は、図10に示されるように先端が90度湾曲した測定プローブ105Aを備える構成であり、その他の構成は本実施形態における老化評価装置100と同じであるので、ここでは説明を繰り返さない。測定プローブ105Aは、その支柱を固定軸に固定されているため、励起光は基本的に下方へ発生する。このため、老化モデル生物培養容器での測定を簡便にすることが可能である。また、90°の曲がりがあることで、測定者の目に直接光が入る懸念が著しく低減させる。
〔まとめ〕
以上のように、本発明の一態様に係る老化評価方法は、生物の加齢とともに体内に増加する蛍光物質に基づいて、老化の進行度合を評価する。
上記の方法によれば、老化の評価対象を蛍光物質としているので、遺伝子解析のような高額な装置および煩雑な処理は不要である。そして、加齢とともに体内に増加する蛍光物質を特定するだけで良いので、老化の評価が簡単であり、その場で評価することも可能である。したがって、遺伝子解析などを用いることなくその場で簡易に老化を評価することができる。また、糖化による肌の老化を測定する装置が開発され、抗加齢化粧品、抗加齢サプリメントの効果を見せる化できるといった応用が考えられる。
また、本発明の一態様に係る老化評価方法は、所定範囲の波長の励起光を前記生物に照射することによって、若齢期に比べて老齢期に特徴的な前記蛍光物質が発する蛍光スペクトルの蛍光強度を測定することで、老化の進行度合を評価する。
また、本発明の一態様に係る老化評価方法において、前記励起光の波長は、305〜365nmの範囲であることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る老化評価方法において、前記蛍光物質が最大の蛍光強度となる蛍光スペクトルは、400〜470nm±半値幅の範囲に含まれることが好ましい。
なお、本実施形態、変形例1〜4において、測定条件を一定にする為、励起光の出力を常に一定にするような制御回路を追加しても良い。市販の蛍光分光光度計は、装置が大掛かりで汎用性がないため、測定にスペース的、コスト的な制約が発生してしまうからである。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、老化評価装置は、以下のように構成されていてもよい。
<A>
上記のいずれかの態様に係る老化評価方法を用いることにより老化を評価する、老化評価装置。
<B>
所定範囲の波長の励起光を生物に照射して、若齢期に比べて老齢期に特徴的な蛍光物質が発する蛍光スペクトルの蛍光強度を用いて所定の演算を行うことにより、老化の進行度合いを示す判定結果を出力する老化判定手段と、
上記老化判定手段が出力した判定結果を表示装置に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする、<A>に記載の老化評価装置。
<C>
指先を挿入するための指先挿入部と、
前記指先挿入部に挿入された指先に対して前記励起光を照射する光源部と、
前記励起光を照射することにより生じた前記蛍光スペクトルを検出する検出部とをさらに備えることを特徴とする、<A>または<B>に記載の老化評価装置。
また、老化評価装置および老化評価方法は、以下のように構成されていてもよい。
<1>
生物の加齢とともに体内に増加する蛍光物質に基づいて、老化の進行度合を評価する老化評価装置であって、指先を挿入するための指先挿入部と、
指先を配置するための測定台と、励起光を照射する光源部と、蛍光スペクトルを検出する検出部と、を備え、前記測定台は、所定位置に透光性領域を有し、前記光源部により照射される励起光は、前記透光性領域に導かれ、前記検出部は、前記透光性領域を介して、前記測定台に配置された指先に励起光が照射されることにより発せられる前記蛍光スペクトルを検出することを特徴とする、老化評価装置。
<2>
所定範囲の波長の励起光を前記生物に照射することによって、若齢期に比べて老齢期に特徴的な前記蛍光物質が発する蛍光スペクトルの蛍光強度を測定することを特徴とする、<1>に記載の老化評価装置。
<3>
前記励起光の波長は、305〜365nmの範囲であることを特徴とする、<2>に記載の老化評価装置。
<4>
前記蛍光物質が最大の蛍光強度となる蛍光スペクトルは、400〜470nm±半値幅の範囲に含まれることを特徴とする、<3>に記載の老化評価装置。
<5>
所定範囲の波長の励起光を生物に照射して、若齢期に比べて老齢期に特徴的な蛍光物質が発する蛍光スペクトルの蛍光強度を用いて所定の演算を行うことにより、老化の進行度合いを示す判定結果を出力する老化判定手段と、
前記老化判定手段が出力した判定結果を表示装置に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする、<1>〜<4>のいずれかに記載の老化評価装置。
<6>
生物の老化を評価する老化評価装置において実行される老化評価方法であって、
前記老化評価装置は、老化評価値算出部および老化判定部を備え、
生物の加齢とともに体内に増加する蛍光物質に基づいて、老化の進行度合いを示す老化評価値を前記老化評価算出部が算出するステップと、
老化評価値と老化の進行度合いとを関連付けた老化評価データに基づいて、前記算出された老化評価値に対応する老化の進行度合いを特定することにより老化の進行度合を前記老化判定部が評価するステップとを含み、
前記蛍光物質は、RiboflavinまたはElongation factorの糖化物であることを特徴とする、老化評価方法。
<7>
所定範囲の波長の励起光を前記生物に照射することによって、若齢期に比べて老齢期に特徴的な前記蛍光物質が発する蛍光スペクトルの蛍光強度を測定することを特徴とする、<6>に記載の老化評価方法。
<8>
前記励起光の波長は、305〜365nmの範囲であることを特徴とする、<7>に記載の老化評価方法。
<9>
前記蛍光物質が最大の蛍光強度となる蛍光スペクトルは、400〜470nm±半値幅の範囲に含まれることを特徴とする、<8>に記載の老化評価方法。
1 制御装置
100,100A,100B 老化評価装置
101 励起用光源(光源部)
103 検出器(検出部)
105,105A 測定プローブ
105a 入射用光ファイバ
105b 出射用光ファイバ
110 測定ユニット
111 セルホルダー
200 指尖測定装置
210 指先挿入部
211 測定台
213 反射鏡
215 挿入孔
220 測定部材配置部
300 制御部
311 老化評価値算出部(老化評価値算出手段)
313 老化判定部(老化判定手段)

Claims (3)

  1. 生物の加齢とともに体内に増加する蛍光物質に基づいて、老化の進行度合を評価する老化評価装置であって、
    指先を挿入するための挿入部と、
    前記挿入部に挿入された前記指先を配置するための測定台と、
    励起光を前記指先に照射する光源部と、
    前記指先に前記励起光が照射されることにより発せられる蛍光を検出する検出部と、
    前記光源部が発する前記励起光を伝搬する入射用光ファイバと、
    前記蛍光が入射され、前記検出部に接続する出射用光ファイバとを備え、
    前記入射用光ファイバと前記出射用光ファイバとは同軸に設けられ、
    前記測定台は、所定位置に穴を有し、
    前記入射用光ファイバと前記出射用光ファイバとは、前記穴に向けて配置されており、
    前記入射用光ファイバの前記蛍光が入射する側の入射端部と、前記出射用光ファイバの前記励起光が出射する側の出射端部とは湾曲しており、前記入射端部と前記出射端部とが前指先に向くように前記入射用光ファイバと前記出射用光ファイバは固定されており、
    前記励起光は、所定範囲の波長であり、
    前記老化評価装置は、前記励起光を前記生物に照射することによって、若齢期に比べて老齢期に特徴的な前記蛍光物質が発する蛍光スペクトルの蛍光強度を測定し、
    前記蛍光物質は、Elongation factorの糖化物質であり、
    前記励起光の波長は、305〜365nmの範囲であり、
    前記蛍光物質が最大の蛍光強度となる蛍光スペクトルは、400〜470nm±半値幅の範囲に含まれており、
    前記老化評価装置は、老化の進行度合を示す老化評価値を算出し、
    前記老化評価装置は、前記検出部が検出した前記蛍光の強度である測定蛍光強度と、基準の蛍光強度とに基づいて、
    前記測定蛍光強度に対する前記基準の蛍光強度の大きさの程度を示す値を、前記老化評価値として算出し、
    前記老化評価値は、前記基準の蛍光強度に対する前記測定蛍光強度の差または比であることを特徴とする、老化評価装置。
  2. 前記穴には、カバーガラスが設けられていることを特徴とする請求項に記載の老化評価装置。
  3. 前記穴の直径は、5〜10mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の老化評価装置。
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