JP6150749B2 - 超音波観測装置 - Google Patents
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Description
また、被検体側に送信された超音波のエコー信号を受信して、エコー信号の振幅に応じた輝度値を画像化したBモードの超音波画像が検査等に広く用いられているが、超音波のドプラ現象を利用して血流速度やパワー値を検出し、血流情報をカラーの画像で表示するカラーフローモードが観察或いは表示するモード(観察モード)として用いられる場合もある。
また、カラーフローモードのように、Bモードに比較すると、画像を生成するために処理や時間を要する観察モードにおいては、Bモードの画像内において、ユーザが望む一部の領域を関心領域(Region of Interest、ROIと略記)に設定して、ROI内においてのみカラーフローモードの画像を表示することが一般的に行われる。
例えば、特開2001−204729号公報においては、Bモードからカラーフローモードに切り替えて、ユーザが望む位置にROIを設定した後、Bモードに切り替え、更にカラーフローモードに切り替えた場合には、最初に設定したROIの位置に自動的に移動させる超音波観測装置が開示されている。
このようにROIの設定が必要となる観察モードとして複数の観察モードが存在するために、上記従来例においては開示されていないROIの設定が必要となる異なる観察モード間の切替に対しても、ユーザに対する操作性を向上できる超音波観察装置が望まれる。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、関心領域の設定が必要となる複数の観察モードを備えた場合においても、観察モードを切り替えた場合に対して、操作性の良い状態での関心領域の設定ができる超音波観測装置を提供することを目的とする。
を備える。
(第1の実施形態)
図1に示すように本発明の第1の実施形態の超音波観測装置1は、超音波を送受信する超音波プローブ2と、この超音波プローブ2が着脱自在に接続され、超音波プローブ2に設けた超音波振動子5に対して超音波を送受信させる超音波観測装置本体(以下、単に装置本体と略記)3と、装置本体3により生成された超音波画像を表示する表示装置としてのカラーモニタ4とを有する。
超音波プローブ2は、体内に挿入される挿入部11と、挿入部11の後端(基端)に設けられ、ユーザが把持する把持部12とを有し、把持部12から延出されたケーブル13の端部のコネクタ14は、装置本体3に着脱自在に接続される。
挿入部11の先端部15には、例えば斜面を外側に凸となるように形成した凸面15aが設けられ、この凸面15aに沿って、複数の超音波振動素子5aを短冊状に配置した電子走査方式のコンベックス型の超音波振動子5が設けてある。
上記送信部21は、パルス状の送信信号を発生する送信信号発生回路21aを有し、送信信号発生回路21aが発生したパルス状の送信信号を(超音波振動子5を構成する)複数の超音波振動素子5aに対して配列された順序に従って1つ又は複数単位で順次印加し、印加された超音波振動素子5aは超音波を送信する。なお、複数の超音波振動素子5aに順次送信信号を印加する場合、マルチプレクサ23により送信信号を印加する超音波振動素子5aを切換える。マルチプレクサ23を超音波振動子5の近傍に配置すると、挿入部11内などを挿通する信号線16の本数を低減できるメリットがある。実際には、マルチプレクサ23を切り替えるための信号を伝送する信号線が必要になるが、図1では省略している。
受信部22は、超音波振動素子5aからの超音波の送信後、予め設定された受信期間、超音波信号を受信する。超音波は、生体内部を殆ど一定の速度で伝搬するので、受信期間は、超音波振動素子5aから、画像として表示する表示範囲(表示レンジ)に対応する。
受信部22は、超音波信号を増幅する増幅回路22aを有し、増幅された超音波信号はA/D変換回路22bによりアナログの超音波信号からデジタルの超音波信号データに変換された後、図示しない公知のSTC等の処理が行われてメモリ24に格納される。なお、メモリ24よりも後段側でSTC等の処理を行う構成にしても良い。メモリ24には、超音波振動子5を構成する超音波振動素子5aの総数Nに相当するN本の超音波信号データ(換言するとN本の音線データ)が1フレーム分の超音波信号データ(又は超音波画像データ)として格納される。
本実施形態においては、モード処理部25は、受信した超音波エコー信号(超音波信号)の振幅を輝度に対応付けた超音波画像として表示する処理を行うBモード処理回路31と、超音波を照射した血流部分で反射された超音波が血流の速度に応じて受信した超音波信号の周波数が変化するドプラ効果(ドプラ現象)を利用して、血流情報をカラーで表示する処理を行うカラーフローモード処理回路32と、生体組織の弾性(硬さ)を画像化する処理を行うエラストグラフィーモード(ELSTモードと略記)処理回路33と、超音波造影剤からの高調波成分をカラー画像として表示するカラー造影モード処理回路34と、受信した超音波信号の周波数スペクトルから抽出した特徴量を画像化することで、組織性状を強調して表示する組織性状強調処理モード(組織性状モードと略記)処理回路35とを有する。
カラーフローモード処理回路(図1ではFLOWモード処理回路と略記)32は、超音波信号に対して直交検波する直交検波回路及び直交検波された信号に対する自己相関処理等を行ってドプラデータ(カラーフローデータ)を生成する演算用プロセッサ32aを有する。カラーフローモード処理回路32として、例えば特開2007−330472号公報に開示された演算用プロセッサ等を用いても良い。
カラー造影モード処理回路34は、被検体に投与した超音波造影剤からの高調波成分を抽出するフィルタを備えたフィルタ回路34aを有する。
組織性状モード処理回路35は、組織性状を強調して表示するために、例えば特許5054254号に開示されているように受信した超音波の周波数を解析する周波数解析部、周波数解析部が算出した周波数スペクトルに対して、超音波が伝搬する際に該超音波の受信深度及び周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正処理と近似処理とを行うことにより被検体(生体組織)の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、特徴量抽出部により抽出された特徴量を用いて被検体(生体組織)の所定の領域における組織性状を判定する組織性状判定部を備えた演算回路35aを有する。
また、ユーザがモード処理部25における実際に用いるモードを選択するモード選択スイッチ37aと、関心領域(ROIと略記)の設定操作を行うROI設定部37bと、カラーモニタ4に表示する超音波画像の表示レンジ(表示サイズ)を設定する表示レンジ設定部37cとを備えた操作部37を有する。操作部37は、スイッチ、キーボードやマウス等を用いて構成される。
なお、Bモード処理回路31は、総数Nの超音波振動素子5aを用いて、予め設定された受信期間(表示範囲)の通常の超音波画像を生成する処理を行う。Bモード処理回路31を経て生成されたBモードの超音波画像の表示範囲を図1においてRで示す。 これに対して、Bモード処理回路31以外のカラーフローモード処理回路32〜組織性状モード処理回路35は、Bモード処理に比較すると処理に時間がかかるために、実質的にROIの設定が必要となり、設定されたROI内に対して選択されたモードの処理による超音波画像を生成する処理を行う。図1においてBモードの超音波画像の表示範囲R内において点線で示すようにROIが設定される。
本実施形態においては、上記のように例えば操作部37内に、ROIを設定するROI設定部37bを設けているが、操作部37の外部にROI設定部37bを設けるようにしても良い。
また、装置本体3は、ROI設定部37bにより設定されたROIの設定情報(例えばROIの位置とROIのサイズ)を記憶(格納)する情報保持部(又は情報記憶部)としてのROIメモリ38を備える。なお、ROIの位置としては、ROIのサイズの中心位置又は重心位置等、ユーザが選択して設定できるようにしても良い。
次に本実施形態の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。図1に示すように超音波プローブ2を装置本体3に接続して超音波観測を行う場合、図2の最初のステップS1においてユーザは、観察モードの設定を行う。
上述したようにBモードのみがROIの設定が必要ない観察モードであり、Bモード以外の観察モード(つまり、カラーフローモード、ELSTモード、カラー造影モード、組織性状モードの観察モード)がROIの設定が必要となる観察モードである。ステップS2の判定処理においてROIの設定が必要となる観察モードであると判定した場合にはステップS5の処理に進み、ROIの設定が必要となる観察モードでないと判定した場合には、ステップS3の処理に移る。
また、Bモードに設定された状態においては、次のステップS4において制御部36は、観察モードの切替をモニタし、切替ありか否かを判定する。切替の操作が行われない判定結果の場合には、ステップS3の処理に戻る。切替の操作が行われた判定結果の場合には、ステップS5の処理に移る。
ステップS5においてROIの設定を必要とする観察モードであるために、この観察モードにおけるROIを設定する処理が行われる。ROIの設定は、ユーザがROI設定部37bからROIを設定する位置と、設定するROIのサイズを設定(指定)する。
図3Bにおける最も左側の図は、観察モードがカラーフローモード(であることをFLOWで示す)の場合を示し、(このカラーフローモードに対応してカラーフローモードに固有の)ROI(F)が設定された様子を示す。
なお、図3A以降においては、簡単化のためにBモードの超音波画像の範囲を図示しないが、実際には図1に示すようにBモードの超音波画像の表示範囲R内にROI(F)、ROI(E)等が設定される。
ステップS5においてROIの設定が行われると、次のステップS6において制御部36は、設定されたROIの情報をROIメモリ38に記憶させるように制御する。そしてROIメモリ38は、設定されたROIの設定情報(具体的にはROIの位置、ROIのサイズの情報)を記憶する。
次のステップS8において制御部36は、観察モードの切替をモニタし、切替ありか否かを判定する。切替の操作が行われない判定結果の場合には、ステップS7の処理に戻る。切替の操作が行われた判定結果の場合には、ステップS9の処理に移る。
ステップS9において制御部36は、ROIの設定が必要となる観察モードに切り替えられたか否かを判定する。ROIの設定が必要としない観察モードに切り替えられた場合には、ステップS3の処理に移る。図3Bにおける中央の図は、カラーフローモードからBモードに切り替えられた様子を示す。
本実施形態においては、ROIの設定が必要な複数の観察モード間で観察モードが切り替えられた場合、制御部36が切替前のROIの設定情報を利用して、切替前のROIの設定を引き継ぐようにROIの設定を行うために、ユーザが切替の際にROIの設定を行う作業を軽減し操作性を向上できるようにしている。
なお、図3Bに示すようにROIの設定が必要となる観察モード(例えばカラーフローモード)からBモードに切り替えられた後、再度ROIの設定が必要な観察モード(例えばELSTモード)に切り替えられた場合(換言するとBモードを介在させてROIの設定が必要となる観察モードの切替が行われた場合)には、図3Aに示すような切替の場合と同様に、Bモードから切り替えられた観察モードに固有のROIを設定する。
つまり、BモードからROIの設定が必要となる観察モードに切り替えられた場合には、切り替えられた観察モードに固有のROIを設定することができるようにしている。 このような動作を行う本実施形態によれば、関心領域(ROI)の設定が必要となる複数の観察モードを備えた場合においても、観察モードを切り替えた場合に対して、操作性の良い状態での関心領域(ROI)の設定ができる。そのために、ユーザに対する操作性を向上できる。
なお、図3A〜図3Cにおいては、ROIの設定が必要となる観察モードとして、カラーフローモードと、ELSTモードとを用いて説明しているが、他のカラー造影モード、組織性状モードモードの場合にも適用できる。なお、以下の第2の実施形態等においても同様である。
次に図4を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。図4は本発明の第2の実施形態の超音波観測装置1Bを示す。
図4に示す超音波観測装置1Bは、図1に示す超音波観測装置1において、相関値を算出するための2つの(超音波)画像情報としての超音波画像データ(又は超音波信号データ)を記憶するメモリ24b,24cを設けている。なお、図4においては、2つのメモリ24b,24cを設けた場合を示しているが、1つのメモリ内に2つの超音波画像データ(又は超音波信号データ)を記憶するようにしても良い。
制御部36は、Bモードを介在させてROIの設定が必要となる観察モード間の切替が行われる場合(換言するとROIの設定が必要となる第2の観察モードに属する1つの観察モードから、同じ第2の観察モードに属する1つの観察モードに切替が行われる場合)、ROIの設定が必要となる観察モードにおける切替前後のBモード相当の超音波画像(データ)をメモリ24b、24cに記憶するように制御する。メモリ24b、24cは、切替前の超音波画像データと、切替直後の超音波画像データとを記憶する画像記憶部を形成する。
なお、第2の観察モードに属する観察モードにおいての超音波画像(データ)は、種類が互いに異なる超音波画像情報となるために、そのような観察モードのままでの超音波画像の情報を用いて相互の(画像情報の)相関値を算出しても、超音波プローブ2の超音波振動子5による超音波の観察位置等の観察状態が変化しているか否かを適切に判定することは困難になる。
また、超音波観測装置1Bは、図1に示す超音波観測装置1Bにおいて、例えば制御部36内に、メモリ24b、24cに記憶された2つの超音波画像情報の相関値を算出する演算部を形成する演算回路36aと、演算回路36aにより算出された相関値が所定の値としての閾値よりも高いか否かを判定する判定部を形成する判定回路36bとを設けている。そして、制御部36は、判定回路36bによる判定結果に応じて、切替後の観察モードにおけるROIを設定する動作を制御する。
また、制御部36は、前記演算回路36aが相関値を算出する2つの超音波画像における表示サイズが異なるように設定されている場合においては、表示サイズを調整して相関値を算出するように画像サイズを調整するサイズ調整回路36cを有する。
図4においては、演算回路36a、判定回路36b、及びサイズ調整回路36cを制御部36の内部に設けた構成の場合を示しているが、これらの全て又は1つ又は2つを制御部36の外部に設けるようにしても良い。その他の構成は、図1と同様の構成である。
次に本実施形態の基本的な動作を図5のフローチャートを参照して説明する。図5のフローチャートは、図2のフローチャートの一部を変更した処理内容となっている。なお、図5の説明においては、簡単化のために相関値が算出される画像範囲は、切替前後において同じであり、拡大縮小等も行われていないとして基本的な説明する。換言すると、ROIの設定を必要とする観察モードにおけるROIのサイズ(大きさ)を変更する表示レンジの変更はされない場合で説明する。
これに対して、本実施形態においては、図3Bに示すようにBモードを間に介在させてROIの設定が必要となる観察モード間で切り替えられた場合に対しては、切り替える前後の超音波の観察状態の超音波画像を利用して判定し、超音波の観察状態が変化していない場合には切替前のROIを引き継ぎ、超音波の観察状態が変化している場合には切替前のROIをクリアして、切替後に固有のROIを設定するようにする。
このために、図5のフローチャートは、基本的には図2のフローチャートにおいて、図3Bに対応する処理の内容を変更している。
具体的には、図5のフローチャートは、図2のフローチャートにおいて、ステップS9からBモードに切り替えられてステップS3に移る部分を変更してステップS21からステップS28の処理を行うようにしている。このため、第1の実施形態の動作における図2と異なる部分のみを説明する。
つまり、メモリ24bは、Bモードに切り替えられる直前のROIの設定を必要とする第2の観察モードに属する観察モードにおいて、当該観察モードの例えば最終フレームにおけるBモード相当画像情報(画像データ)を記憶する。この場合の最終フレーム等のフレームは、(Bモードに切り替えられる前の)ROIの設定を必要とする観察モードにおける当該ROIの画像範囲でのBモードの画像データを用いることができし、ROIの範囲を含むBモードの画像範囲の場合で行うこともできる。以下では、まず後者の場合をメインにして説明する。
図6における最も左の図は、最初の観察モードとして図3Bに示した場合と同様にカラーフローモードに設定された状態において、その右側に示すBモードに切り替えられる場合においては、そのカラーフローモードにおける最終フレーム(ROIの画像範囲を含むBモードの画像範囲)におけるBモード相当画像情報がメモリ24bに記憶された様子を示す。
次のステップS23において制御部36は、Bモードの観察モードに設定された後、この観察モードの切替をモニタし、切替ありか否かを判定する。切替の操作が行われない判定結果の場合には、ステップS22の処理に戻る。切替の操作が行われた判定結果の場合には、次のステップS24の処理に進む。
ステップS24において制御部36は、切替直後の(ROIが決まっていない)第2の観察モードに属する観察モードにおけるROIを含むBモードの画像範囲におけるBモード相当画像情報を例えばメモリ24cに記憶する。図6においては、BモードからELSTモードに切り替えられた様子を示す。この場合、ELSTモードに切り替えられた場合の先頭フレームにおけるBモード相当画像情報が例えばメモリ24cに記憶される。なお、図6において、ELSTモードに切り替えられた場合の状態では、まだROIは設定されていないことを点線で示している。
但し、本実施形態においては、観察状態が変化しているか否かを判定するために、他方の画像中における相関値の算出に用いる画像範囲をテンプレート画像の位置から限定された画素範囲に設定するようにしても良い。また、テンプレート画像は、大きいサンズに設定すると、相関値を算出するための演算量が増大するため、十字形状パターン等に設定して演算量を低減できるようにしても良い。
ステップS26において相関値が閾値より大きくないと判定された判定結果の場合(相関値が小さい判定結果の場合)には、ステップS27において制御部36は、ROIメモリ38に記憶されている最初の観察モード(図6の図示例ではカラーフローモード)におけるROIの設定情報をクリアし、ステップS5の処理に戻る。
この場合には、ROIの設定が必要となる最初の観察モードの場合と同様にELSTモードに固有のROI(E)が設定される。図6における最も右側で上段の図がこのような設定の様子を示している。そして、次のステップS6において、上述した場合と同様に、設定されたROIの情報がROIメモリ38に記憶される処理が行われる。
ステップS28の処理の後、ステップS7の処理に戻り、制御部36は、このROI(E)において超音波画像を表示するように制御する。
なお、ステップS28の処理後に、ステップS7でなくステップS6に戻り、ROI(F)をROI(E)に書き換えるようにしても良い。つまり、ROIの位置及びサイズの変更は無いが、カラーフローモードでなく、ELSTモードに変更された情報をROIメモリ38に記憶するようにしても良い。
そして、演算回路36aは、同じの種類の画像情報間の相関値を算出する演算を行い、判定回路36bは、相関値が高いか否かを判定し、制御部36は相関値が高い判定結果の場合には、以前のROIを引き継ぐようにROIの設定を行い、逆に相関値が低い判定結果の場合には、制御部36は以前のROIをクリアし、切り替えられた観察モードに固有のROIの設定を行うように制御する。
このように動作する本実施形態によれば、Bモードを介在させてROIの設定を必要とする観察モードを切り替えた場合、相関値が高い場合には切替前と殆ど同じROIにおいて観察していると考えられるために、以前のROIを引き継ぐようにROIの設定を行い、逆に相関値が低い場合には、切替前とは異なるROIにおいて観察していると考えられるために、以前のROIの設定情報をクリアし、切り替えられた観察モードに固有のROIを設定するように制御する。
従って、本実施形態によれば、ROIの設定を適切に行うことができ、ユーザに対する操作性を向上できる。
図7はこのような場合の代表的な動作の説明図を示す。図7は図6を若干変更した内容となっている。図6における下段の2つの超音波画像は、同じ画像範囲であったが、図7に示す2段目に示す2つの超音波画像は表示レンジが異なり、前者は例えば6cmの表示レンジ、後者は例えば9cmの表示レンジである。表示レンジが異なるために相関値を算出する場合の画像範囲が異なってしまう場合には、以下のように表示レンジを合わせて相関値の算出を行うようにする。
サイズ調整後における2つの画像情報に対して、図6において説明したように演算回路36aは相関値を算出する演算を行い、判定回路36bは、相関値が高いか否かの判定を行う。そして、制御部36は、図6を参照して説明した場合と同様に、相関値が高い判定結果の場合には、以前のROIを引き継ぐようにROIの設定を行い、逆に相関値が低い判定結果の場合には、制御部36は以前のROIをクリアし、切り替えられた観察モードに固有のROIの設定を行うように制御する。
このように処理すると、表示レンジが異なる場合においても、適切に相関値を算出して、ROIの設定を適切に行うことができる。
また、図8に示す第1変形例のように表示レンジが異なる設定の場合においても、サンプリングレートが同じRFデータを用いて、表示レンジ合わせの処理を行う際の画像の劣化を防止して、相関値を算出する演算を行うようにしても良い。
そして、図7の場合と同様に、一方の表示レンジを他方の表示レンジと同じに設定して相関値を算出する演算を行うようにしても良い。図8においては、後者の表示レンジを前者の表示レンジに合わせる設定を行うようにしている。
但し、この場合には、表示レンジを合わせる設定により、同じ表示レンジで取得されるRFデータを用いて相関値を算出する演算を行う。このようにすると、一方の表示レンジを他方の表示レンジに合わせた設定の際に取得したRFデータを用いて相関値を算出する演算を行うために、画像処理によって表示レンジを合わせた画像情報を生成する場合における画像処理の際に発生する画像の劣化を防止できる。従って、精度の高い相関値を算出することができる。なお、前者の表示レンジを後者の表示レンジに合わせるように設定しても良い。
装置本体3の構成において、メモリ24b、24cがRFデータを用いた画像情報を記憶できる構成になっている場合には、メモリ24b、24cは、相関値を算出する演算を行う場合のRFデータを記憶する。
一方、装置本体3の構成において、メモリ24b、24cがRFデータを用いた画像情報を記憶できない構成になっている場合には、メモリ24b、24cは、RFデータをさらに加工した画像情報を記憶する。そして、制御部36は、メモリ24b、24cがいずれに該当するかを判定する。いずれに該当するかの情報をROIメモリ38等のメモリに記憶し、制御部36はメモリに記憶された情報を参照することにより、メモリ24b、24cがRFデータを用いた画像情報を記憶できる構成になっているか否かを判定するようにしても良い。
相関値を算出する演算を行う演算回路36aが、RFデータを用いる設定になっている場合には、ステップS21aの処理に進み、RFデータを用いる設定になっていない又はRFデータを用いる設定にできない場合には、ステップS21bの処理に移る。
RFデータを用いる設定がされている場合には、ステップS21aにおいて制御部36は、(Bモードへの観察モード)切替直前のRFデータを用いてBモード相当画像情報をメモリ24bに記憶する。また、切替前の観察モードにおける表示レンジの情報をROIメモリ38等のメモリに記憶する。
ステップS21aの処理の後に、図5の場合のステップS22,S23と同様にステップS22a、S23aの処理を行う。なお、ステップS23aにおいて観察モードの切替が無い場合には、ステップS22aの処理に戻る。一方、切替ありの場合には、ステップS32aの処理に移る。
ステップS32aにおいて制御部36は、切り替えられた観察モードにおける表示レンジが、Bモードの前の観察モードの場合の表示レンジ(この表示レンジの情報は、ステップS21aにおいて記憶されている)と同じであるか否かを判定する。
表示レンジが同じでない場合又は後の観察モードの表示レンジがまだ設定されていない場合には、次のステップS33aにおいて制御部36は、後の表示レンジの設定を前の表示レンジに合わせる(同じにする)ように表示レンジを設定する。この表示レンジの設定後において、ステップS34aに示すように制御部36は、観察モードの切替直後におけるRFデータを用いたBモード相当画像情報をメモリ24cに記憶するように制御する。
ステップS34aの処理の後、図5の場合と同様にステップS25において演算回路36aは、メモリ24b、24cに格納された2つの(RFデータとしての)画像情報の相関値を算出する演算を行う。
ステップS25の次のステップS26において判定回路36bは相関値が閾値より大きいか否かを判定する。その後の処理は図5と同様である。
一方、ステップS31の判定処理においてRFデータを用いる設定がされていない又は設定できない場合には、ステップS21bに示すように制御部36は、切替直前のRFデータでないBモード相当の画像情報をメモリ24bに記憶する。また、切替前の観察モードにおける表示レンジの情報をROIメモリ38等のメモリに記憶する。なお、ステップS21bよりも前のステップ(図5におけるステップS5からS9までの間のステップ)において表示レンジの情報をメモリに記憶しても良い。
表示レンジの調整後において、ステップS34bに示すように制御部36は、観察モードの切替直後におけるBモード相当画像データをメモリ24cに記憶するように制御する。
メモリ24cには、ステップS21bの場合と同じ表示レンジのBモード相当画像データが記憶される。一方、ステップS32bにおいて、同じ表示レンジの判定結果の場合には、ステップS33bの処理を行うことなく、ステップS34bの処理を行う。
本変形例によれば、Bモードを介在させてROIの設定が必要となる観察モードを切り替えた場合、表示レンジが同じ場合の図5又は図6の処理と、表示レンジが異なる場合の図7及び図8の説明図に相当する動作を行うことができる。そして、図6,図7,図8にそれぞれ対応した効果を得ることができる。
なお、図9において説明した処理を行う代わりに、図10に示すように一部の処理を変更しても良い。
図10は、図9におけるステップS21a,S21b、ステップS34a,34bの処理をステップS41a,S41b、ステップS42a,42bにそれぞれ変更した処理を行うようにしたものである。
具体的には、図9におけるステップS21aの処理を図10におけるステップS41aに示すようにBモードへの切替直後のRFデータを用いたBモードの超音波画像データを記憶するように変更できる。また、図9のステップS21aの場合と同様に表示レンジを記憶する。
図9におけるステップS21bの処理を図10におけるステップS41bに示すようにBモードへの切替直後の(RFデータを用いない)Bモードの超音波画像データを記憶するように変更できる。また、また、図9のステップS21bの場合と同様に表示レンジを記憶する。
具体的には、図9におけるステップS34aの処理を図10におけるステップS42aに示すようにBモードへの切替直前のRFデータを用いたBモードの超音波画像データを記憶するように変更できる。
図9におけるステップS34bの処理を図10におけるステップS42bに示すようにBモードへの切替直前の(RFデータを用いない)Bモードの超音波画像データを記憶するように変更できる。
図10におけるその他の処理は、図9の場合と同様である。図9又は図10の処理のいずれを用いるかは、ユーザなどが例えば操作部37から選択することができるようにしても良い。本変形例は、第3変形例と殆ど同じ効果を有する。
なお、上述した変形例を含む実施形態を部分的に組み合わせて構成される実施形態も本発明に属する。また、体内で使用される超音波プローブ2の代わりに、体外で使用する体外式の超音波プローブを使用することにより、体外においても使用可能になる。
Claims (8)
- 関心領域の設定が必要ない第1の観察モードと、前記関心領域の設定が必要となる複数からなる第2の観察モードとを含む複数の観察モードを有し、前記複数の観察モード中の観察モードから他の観察モードへ切り替えて観察可能な超音波観測装置において、
前記第2の観察モードに属する観察モードにおける少なくとも切替前の関心領域の設定情報を記憶する情報保持部と、
前記第2の観察モードに属する観察モードから、前記第2の観察モードに属する他の観察モードへの切替が行われた場合、前記情報保持部が記憶している前記関心領域の情報に基づいて、切替後の前記他の観察モードの関心領域を設定する制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする超音波観測装置。 - 前記第2の観察モードに属する観察モードから前記第1の観察モードへの切替としての第1の切替を行う場合における前記第1の切替直前の超音波画像又は前記第1の切替直後の超音波画像の情報である第1の画像情報と、前記第1の切替後において、前記第1の観察モードから、前記第2の観察モードに属する観察モードへの切替としての第2の切替を行った場合における前記第2の切替直後の超音波画像又は前記第2の切替直前の超音波画像の情報である第2の画像情報とを記憶する画像記憶部と、
前記画像記憶部に記憶された前記第1の画像情報と前記第2の画像情報との相関値を算出する演算を行う演算部と、
を備え、
前記制御部は、前記演算部が算出した前記相関値に基づいて前記第2の切替後の前記第2の観察モードに属する前記観察モードの関心領域を設定する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。 - 前記制御部は、前記切替後の前記他の観察モードの関心領域として、前記情報保持部が記憶している前記関心領域を引き継ぐように制御し、
前記第2の観察モードに属する観察モードから前記第1の観察モードへの第1の切替の後に、更に前記第1の観察モードから、前記2の観察モードに属する観察モードへの切替としての第2の切替が行われた場合には、前記制御部は、前記第2の切替後の観察モードの関心領域として、当該第2の切替後の観察モードに固有の関心領域に設定するように制御することを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。 - 前記制御部は、前記第2の切替が行われた場合、
前記相関値が所定の値よりも高い場合には、前記情報保持部が記憶している前記第1の切替前の観察モードにおける前記関心領域の設定情報を前記第2の切替後の観察モードの関心領域の設定情報として引き継ぐように設定する制御を行い、
前記相関値が所定の値よりも低い場合には、前記情報保持部が記憶している前記第1の切替前の観察モードにおける関心領域の設定情報をクリアし、前記第2の切替後の観察モードの関心領域として、当該第2の切替後の観察モードに固有の関心領域に設定するように制御することを特徴とする請求項2に記載の超音波観測装置。 - 前記第1の画像情報と前記第2の画像情報は、Bモード用の高周波データであることを特徴とする請求項2又は4に記載の超音波観測装置。
- 更に、前記演算部により前記相関値を算出する演算を行う場合において、前記第1の画像情報と前記第2の画像情報の間の画像サイズが異なる場合に、同一の画像サイズになるように少なくとも一方の画像情報を調整する画像サイズ調整部を備えることを特徴とする請求項2又は4に記載の超音波観測装置。
- 前記演算部は、前記第1の切替直前の前記第1の画像情報としての前記第1の切替直前の観察モードの最終フレームにおいて取得したBモードの超音波画像情報と、前記第2の切替直後の前記第2の超音波画像としての前記第2の切替直後の観察モードの先頭フレームにおいて取得したBモードの超音波画像情報との相関値を算出する演算を行うことを特徴とする請求項2又は4に記載の超音波観測装置。
- 前記情報保持部は、前記設定情報として、前記関心領域の位置と前記関心領域の大きさの情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
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