JP6149974B1 - 研磨ヘッド、研磨装置およびウェーハの研磨方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、下側からリテーナリングを貫通するボルトにより、リテーナリングを回転フレーム部に固定すること(以下、「下側固定構造」と言う)が考えられる。しかし、このような研磨ヘッドによりウェーハを研磨すると、ウェーハの外周面付近の平坦度がウェーハの周方向に沿って周期的に悪くなる(うねりが発生している)という問題が判明した。
また、他の固定方法として、特許文献2のような方法を用いて、上側から回転フレーム部を貫通するボルトにより、リテーナリングを回転フレーム部に固定する(以下、「上側固定構造」と言う)ことが考えられる。しかし、上側固定構造でも、下側固定構造での研磨時と同様に、ウェーハ外周部に周期的なうねりが発生しているという問題が判明した。
このようなことから、ウェーハ外周部のうねりの発生を抑制できる構成が望まれている。
一方、取付孔部923からリテーナリング92の周方向に離れた位置では、ボルト93の締め付け力が作用しないので、平坦面のままである。これらのことが原因で、リテーナリング92の下面921には、周方向で周期的に凹みが存在する(うねりが発生している)ことが分かった。
この理由は以下のように考えられる。
特許文献1に記載のように、リテーナパッド隙間寸法(リテーナリングと研磨パッドとの隙間の寸法)が大きくなると、流体潤滑の観点から、リテーナリングの下面に作用するリテーナ液圧(リテーナリング内外を移動するスラリーによる液圧)は、小さくなると考えられる。リテーナ液圧は、研磨ヘッドに付与されるヘッド加圧力(研磨パッドに近づく方向への圧力)と反対方向に作用する。このため、実際にウェーハに作用する研磨加圧力(研磨パッドに近づく方向への圧力)は、ヘッド加圧からリテーナ液圧を減じた値とほぼ等しくなる。
上述のように、リテーナリング92の下面921にうねりが発生していると、このうねりに対応して研磨加圧力も周方向で周期的に変化する。その結果、リテーナリング92の下面921のうねりの周期が、ウェーハのうねりの周期とほぼ一致したと考えられる。
本発明によれば、ボルトを用いることにより、リテーナリングを回転フレーム部に容易に固定できる上、リテーナリングを容易に交換できる。
本発明のウェーハの研磨方法は、上述の研磨装置を用いて、前記研磨ヘッドにより前記研磨パッドに押圧されたウェーハを前記リテーナリングの下面が前記研磨パッドに接触しないようにして研磨することを特徴とする。
[研磨装置の構成〕
図3に示す研磨装置1は、直径が300mmのウェーハWの表面(片面)を仕上げ研磨(鏡面研磨)する枚葉式の装置である。なお、研磨対象は、直径が300mm以外のウェーハWであってもよい。
この研磨装置1は、研磨部2と、4個の研磨ヘッド3(図5も参照)とを備えている。
定盤23の上面には、研磨パッド24が設けられている。仕上げ研磨スラリー供給部は、研磨パッド24の研磨面に、仕上げ研磨用のスラリーを適宜供給する。
回転軸部材31は、上下に延びる円筒状のシャフト部311と、このシャフト部311の下端に設けられた円板状の回転フレーム部312とを備えている。
回転フレーム部312の下面には、図4に示すように、リテーナリング33が嵌め込まれる嵌合溝312Aが設けられている。
嵌合溝312Aの外壁312Bには、この外壁312Bを水平方向に貫通する取付孔部312Cが設けられている。取付孔部312Cは、固定部材してのボルト34が挿通可能に構成され、図5に示すように、回転フレーム部312の周方向に沿って30°間隔で設けられている。
なお、ボルト34による固定位置は、ボルト34の雄ねじ部の軸からリテーナリング33の下面33Aまでの距離Hが5mm以上10mm以下であることが好ましい。5mm未満の場合、ボルト34の頭部のクリアランスを確保できなくなるという不具合があり、10mmを超える場合、ボルト34の固定剛性が低下し本来の機能である研磨中における研磨ヘッド3からウェーハWの飛び出し防止機能が低下するという不具合があるからである。
次に、上述の研磨装置1を使用したウェーハWの研磨方法について説明する。
研磨装置1は、まず、研磨ヘッド3のバッキングパッド32でウェーハWを水吸着した後、研磨ヘッド3を研磨ヘッド駆動手段4の駆動により回転させながら下降させ、仕上げ研磨用のスラリーPが供給され、かつ、定盤回転駆動手段21の駆動により回転している定盤23上の研磨パッド24にウェーハWを接触させる。そして、研磨装置1は、図6に示すように、研磨ヘッド3でウェーハWを研磨パッド24に押圧し、ウェーハWを研磨する。
この際、下面33Aのうねりの発生が抑制されたリテーナリング33を用いているため、ウェーハWに作用する研磨加圧力をリテーナリング33の周方向で均一化することができ、ウェーハW外周部のうねりを抑制できる。
なお、本発明は前記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の改良および設計の変更などが可能である。
研磨ヘッド5の回転フレーム部512の下面外周部には、リテーナリング53が嵌め込まれる切欠き512Aが設けられている。回転フレーム部512におけるリテーナリング53の内周面に当接する面には、水平方向に延びる雌ねじ部512Bが、回転フレーム部512の周方向に沿って所定間隔で設けられている。
リテーナリング53の外周面には、水平方向に貫通し、固定部材としてのボルト54が挿通可能な取付孔部53Bが設けられている。取付孔部53Bは、リテーナリング53が切欠き512Aの上面部に密接するように嵌め込まれたときに、取付孔部53Bに挿通されたボルト54が雌ねじ部512Bに螺合可能に構成されている。
このような構成により、各取付孔部53Bに挿通したボルト54を雌ねじ部512Bに螺合して締め付けることにより、固定方向が水平方向となるように、リテーナリング53が回転フレーム部512に固定される。その結果、上記実施形態の研磨ヘッド3と同様に、リテーナリング53の下面53Aにうねりが発生することを抑制でき、研磨したウェーハW外周部のうねりを抑制できる。また、研磨ヘッド5の外径をリテーナリング53の外径と同じ大きさにすることができ、研磨ヘッド5の小型化を図れる。
リテーナリング33を回転フレーム部312に固定する固定部材は、30°以外の間隔で設けられてもよいし、等間隔で設けられなくてもよい。
リテーナリングを常時研磨パッドに接触させてウェーハを研磨する構成に、本発明の研磨パッドを適用してもよい。
ら限定されるものではない。
比較例の研磨ヘッドとして、図1(A)に示すものを準備した。回転フレーム部91の外径は340mmであり、リテーナリング92を嵌め込む切欠きの深さは6mmであった。リテーナリング92は、内径が301mm、外径が340mm、高さが7mmであった。
図1(A)に示すように、リテーナリング92の取付孔部923および回転フレーム部91の雌ねじ部911に、サイズがM4のボルト93を取り付け、リテーナリング92をその下面側から回転フレーム部91に固定した。また、ボルト93をリテーナリング92の周方向に沿って30°間隔で取り付けた。
実施例の研磨ヘッドとして、図4に示すものを準備した。回転フレーム部312の外径は340mmであり、嵌合溝312Aの内径、外径および深さはそれぞれ301mm、331mm、13mmであった。リテーナリング33の内径、外径および高さはそれぞれ301mm、331mm、14mmであった。
図4に示すように、回転フレーム部312の取付孔部312Cおよびリテーナリング33の雌ねじ部33Bに、サイズがM3のボルト34を取り付け、リテーナリング33をその側面側から回転フレーム部312に固定した。また、ボルト34をリテーナリング33の周方向に沿って30°間隔で取り付けた。ボルト34の取り付け位置は、距離Hが9.75mmとなる位置であった。
比較例、実施例の研磨ヘッドのそれぞれについて、リテーナリングの下面における外縁から径中心に向かって3mmの範囲をレーザー変位計で測定し、うねりの状態を評価した。測定結果を図8に示す。また、図8の測定結果をフーリエ変換して得られたパワースペクトル密度(PSD)を図9に示す。なお、図8は、測定結果の絶対値を表しているのではなく、測定結果の最小値と各測定位置の測定結果との差を表している。
図9に示すように、比較例では、角度周期が30°の位置にPSDのピークが存在し、リテーナリング下面に、その周方向に沿って周期的かつ大きなうねりが発生しているが、実施例では、PSDのピークが存在せず、リテーナリング下面に周期的なうねりが発生していないことが確認できた。
比較例、実施例の研磨ヘッドを用い、それぞれ1枚ずつのウェーハに対して片面鏡面研磨を行った。ウェーハの直径は、300mmであった。研磨条件は、比較例と実施例とで同じであり、例えば研磨の取代は1.0μmであり、通常、リテーナリングと研磨パッドとを接触させなかった。
一方、図11(B)に示すように、実施例では、PSDのピークが存在せず、リテーナリング下面のうねりと同様に、ウェーハ外周部のうねりが周期的に発生していないことが確認できた。なお、図11(B)に示す結果から、図10(B)には、研磨前から存在していたウェーハのうねりが測定結果として反映されていると考えられる。
上述のウェーハ外周部のうねり評価に用いたウェーハのSFQRを測定した。この測定には、KLA−Tecor社製平坦度測定器(Wafer Sight 1)を用い、ウェーハ外周縁から3mm内側に入った26mm×8mmの324個のサイトを測定した。SFQRの最大値を表1に示す。
Claims (4)
- 円板状の回転フレーム部と、前記回転フレーム部の一面側に配置されたウェーハを囲むリテーナリングとを備え、前記ウェーハを研磨パッドに押圧する研磨ヘッドであって、
前記リテーナリングは、固定方向が前記ウェーハの面と平行になるように取り付けられる固定部材によって、当該リテーナリングの下面が前記ウェーハの研磨時に前記研磨パッドに接触しないように前記回転フレーム部に固定されていることを特徴とする研磨ヘッド。 - 請求項1に記載の研磨ヘッドにおいて、
前記固定部材は、ボルトであることを特徴とする研磨ヘッド。 - 請求項1または請求項2に記載の研磨ヘッドと、
研磨パッドが設けられた定盤と、
前記研磨ヘッドと前記定盤とを相対的に回転させる回転駆動手段と備えていることを特徴とするウェーハの研磨装置。 - 請求項3に記載の研磨装置を用いて、前記研磨ヘッドにより前記研磨パッドに押圧されたウェーハを前記リテーナリングの下面が前記研磨パッドに接触しないようにして研磨することを特徴とするウェーハの研磨方法。
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CN109623631A (zh) * | 2018-11-27 | 2019-04-16 | 西安碳星半导体科技有限公司 | 一种用于超薄单晶金刚石衬底研磨的夹具结构及制作方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003289057A (ja) * | 1995-10-27 | 2003-10-10 | Applied Materials Inc | ケミカルメカニカルポリシング装置のキャリアヘッドのデザイン |
JP2009131946A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-06-18 | Ebara Corp | 研磨装置 |
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