以下、図面を参照して、一実施形態に係る管理方法について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、管理方法は実施形態の構成には限定されない。
以下、図1から図13の図面に基づいて、管理方法を説明する。
<比較例1>
図1に、クラウド環境を複数の企業に提供するサービス形態の説明図を例示する。図1に例示の形態では、例えば、資源貸出元は、ストレージ装置といった物理資源の記憶領域を仮想化し、仮想化された記憶領域を複数に分割した上で、分割されたそれぞれの記憶領域をクラウドコンピューティングで利用可能なリソースとして提供する。図1の形態で、仮想化されたそれぞれのリソースは、例えば、インターネット等で接続された複数の企業に提供される。
図1の説明例では、企業Aは、物理資源である、複数のストレージ装置U1、U2、U3、U4を有する。各ストレージ装置の記憶領域は仮想化され、例えば、記憶容量が異なる複数の仮想資源に分割される。各仮想資源は、例えば、インターネット等を介して利用可能なデータベース(DB:data base)として提供され、各DBはデータベースシステ
ムを構成する。例えば、DB1はインターネット等を介して企業B1に提供され、企業B1の業務処理が参照し、或いは管理するデータの格納先として利用される。同様にDB2は企業B2に、DB3は企業B3に提供され、それぞれの企業の業務処理が参照し、或いは管理するデータの格納先であるデータベースとして利用される。各DBへのデータの読み出し、データの書き込み等は、例えば、データベースを管理する管理システムのAPI
(Application Programming Interface)等を介して行われる。また、複数のDBがデー
タベースシステムを構成している場合では、各DBへのデータの読み出し、データの書き込み等は、データベースシステムを管理するDBMS(DataBase Management System)により行われるとしてもよい。
例えば、データベースの管理システムは、API等を通じた要求を受け、所定の記憶領域からデータの読み出しを行い、API等を通じて読み出されたデータの引渡しを行う。また、データの格納要求を受けた場合には、データベースを管理する管理システムは、API等を通じた要求を受け、所定の記憶領域へのデータの書き込みを行う。
企業Aは、例えば、上述した各リソースへの利用に応じて課金を行い、リソース提供の対価として課金額の徴収を行う。課金額の徴収は、それぞれのDBを利用した利用期間に基づいて、例えば、企業B1、B2、B3に対して行われる。
図1に例示の形態において、各リソースを管理する管理システム等は、各リソースへの利用状況を管理し、利用時間に応じた課金を算出する。このような利用状況の管理形態として、例えば、リソースと該リソースの利用期間を1つのデータとしてレポート情報に纏めて記録管理することが想定される。リソースの貸し出しを行う企業Aは、レポート情報に記録管理されたリソースの利用期間から課金額の算出を行うことができる。このような管理機能を、以下の説明では、例えば、レポーティング機能と称することとする。
図2Aに、比較例1のレポーティング機能の説明図を例示する。比較例1のレポーティング機能は、スナップショット方式により、レポート情報の取得・収集を行う。スナップショット方式では、所定の時期に(定期間隔としてもよい)、リソースである各DBに対する利用状況に係るレポート情報が取得される。スナップショット方式で取得・収集されたレポート情報は、スナップショットを実行したタイミング(時刻)で、時系列順に並ぶこととなる。リソースの貸し出しを行う企業Aは、時系列順に整列したレポート情報からリソースの利用期間を算出することができる。
図2Aの説明図において、例えば、“T1”、“T2”、“T3”、“T4”は、それぞれ、レポート情報を取得するためのスナップショットを実行したタイミングである。実行されたスナップショットにより、スナップショットを行った時点での各リソースの利用状況に係るレポート情報が取得される。
図2Aのスナップショットの結果に示すように、取得されたレポート情報は、少なくとも、リソースを一意に識別する識別情報(ID),貸出対象となる資源名(リソース名)を含む。ここで、取得されたレポート情報において、リソースの識別情報と貸出対象となる資源名とは対応付けがなされている。
例えば、“T1”のタイミングで実行されたスナップショットでは、“ID”が“1”,“資源名”が“V1”のリソース利用状況がレポート情報として取得されている。次の“T2”のタイミングで実行されたスナップショットでは、“T1”で取得されたレポート情報に“ID”が“2”,“資源名”が“V2”のリソース利用状況が追加されている。さらに、“T3”のタイミングで実行されたスナップショットでは、“ID”が“2”,“資源名”が“V2”のリソースと、“ID”が“3”,“資源名”が“V3”のリソースの利用状況がレポート情報として取得されている。そして、“T4”のタイミングで実行されたスナップショットでは、“ID”が“2”,“資源名”が“V2”のリソース利用状況がレポート情報として取得されている。
スナップショット方式は所定のタイミングでレポート情報の取得を行うため、各タイミ
ングで取得したレポート情報に基づいて、各リソースに対する使用期間が算出できる。例えば、図2Aの例では、“T1”,“T2”のスナップショットで取得されたレポート情報に含まれるリソース“V1”の使用期間Tv1は、T3−T1で算出される。また、“T2”,“T3”,“T4”のスナップショットで取得されたレポート情報に含まれるリソース“V2”の使用期間Tv2は、T4−T2で算出される。さらに、“T3”のスナッ
プショットで取得されたレポート情報に含まれるリソース“V3”の使用期間Tv3は、
T4−T3で算出される。
このように、比較例1のスナップショット方式では、スナップショットの実行タイミングが決められているため、取得・収集されたレポート情報から、各リソースに対する使用期間が算定できる。また、スナップショット方式は、スナップショットが行われた時点で利用中のリソースをレポート情報に含むことができる。しかし、比較例1のスナップショット方式では、スナップショットが行われた時点でのリソースに対する利用状況を管理できるが、リソースの利用に関し、正確な開始時期,終了時期等を特定するには至らない。つまり、所定のタイミングで実行されたスナップショットで取得したレポート情報は、リソースの使用開始時期、使用終了時期を含まない。このため、スナップショット方式に基づいた、課金対象となる使用期間の算出の結果は、正確性を欠くものとなってしまう。
また、図2Aの説明例で示したように、スナップショット方式による期間の算出は、少なくとも使用期間を算出するための始点(開始、作成)、及び、始点に対応する終点(終了、削除)を特定する。例えば、特定のリソースに対する使用期間を算出する場合、算出処理は、複数のレポート情報から、特定のリソースに係る始点を検索し、検索された始点に対応する終点を検索し、特定された始点と終点から期間を算出する。このため、スナップショット方式では、課金対象の使用期間に基づく課金レポートを作成するための処理負担が増大する虞がある。
また、スナップショット方式で取得されるレポート情報には、スナップショットを行った時点での利用中のリソースが複数に並ぶこととなる。図2Aの説明例では、例えば、リソース“V2”に係るリソース使用情報が“T2”,“T3”,“T4”で取得したレポート情報に重複されて記録されることとなる。このため、リソース数の増加に伴い、レポート情報の管理負担が増大する虞がある。
また、スナップショット方式では、管理対象となるリソースの管理漏れが発生する虞がある。図2Bに、スナップショット方式によるリソースの管理漏れの説明図を例示する。図2Bにおいて、“T1”,“T2”はスナップショットが実行されるタイミングを示す。図2Bにおいて、リソースV1では、“T1”以前からリソース使用が開始されている。同様に、リソースV2では、リソース使用の開始は、“T1”以降であり、“T2”以前である。図中、破線で示すリソースV0は、“T1”以降に使用を開始し、且つ、“T2”以前に使用を終了したリソースである。なお、以下の説明では、「時刻TX(Xは1,2,3,4)」で実行されたスナップショットを「スナップショットTX(Xは1,2,3,4)」とも称する。
図2Bに例示するように、スナップショットT1の時点では、リソースV1の利用状況に係るレポート情報が取得され、スナップショットT2の時点では、リソースV1,V2の利用状況に係るレポート情報が取得される。つまり、スナップショット方式のレポート情報は、リソースV1,V2の利用状況を管理できる。しかし、リソースV0は、スナップショットT1以降に使用が開始され、且つ、スナップショットT2以前に使用が終了されているため、レポート情報として取得することができない。このため、スナップショット方式のレポート情報では、リソースV0は、管理対象から漏れてしまうこととなる。
<比較例2>
比較例2では、操作ログテーブルを利用した管理方法について説明する。なお、比較例2では、比較例1で説明したスナップショットを用いる方法と対比して説明する。比較例の管理方法は、例えば、複数のDBによるリソースを管理する管理装置により実行される。
図3に、比較例2のレポーティング機能の説明図を例示する。図3のレポーティング機能では、管理装置は、レポート情報の取得・収集を行う際に、各リソースに対するログ情報を利用する。例えば、比較例2の管理装置は、既存のログに記録された各リソースへの操作情報等を参照し、レポート情報を取得・収集することにより、利用期間算出に係る処理精度を向上させる。なお、以下の説明では、ログ情報を利用したレポート情報の取得・収集をログ情報方式とも称する。
図3において、操作ログテーブルで例示されるデータがログ情報の一例である。図3に例示の操作ログテーブルでは、少なくとも、リソースに対する操作ログを一意に識別する識別情報(ID)、リソースに対する操作情報、貸出対象となる資源名(リソース名)、操作が行われた日時情報(時刻情報)が含まれる。比較例2のレポーティング機能では、管理装置は、操作ログの各リソースに対する作成操作及び削除操作で記録された時刻情報から、各リソースの使用期間を算出する。なお、図3に例示の操作ログテーブルでは、IDは、時間経過に従い昇順に連続して付与されている。
図3に例示の操作ログテーブルより、リソースV1の作成は時刻Ta、リソースV2の作成は時刻Tb、リソースV3の作成は時刻Tdに行われている。また、リソースV1の削除は時刻Tc、リソースV2の削除は時刻Tf、リソースV3の削除は時刻Teに行われている。なお、時刻T1,T2,T3,T4は、比較例1で説明したスナップショット方式によるレポート情報が取得された時刻であると想定する。
図3に例示するように、比較例1と比較例2との使用期間の算出精度を説明するため、時刻T1で実行されたスナップショットから時刻T4で実行されたスナップショットまでの期間を、レポート対象期間と想定する。
図3の例では、リソースV1は、時刻T1以前(時刻T0)に作成され、時刻T2以降,且つ,時刻T3以前(時刻Tc)に削除されている。ここで、比較例1のスナップショット方式により算出されるリソースV1の使用期間は「Tv1=T2−T1」となる。一方、比較例2のログ情報を利用する場合では、管理装置は、時刻T2と時刻T3との間で処理される削除操作のログ記録を利用できるため、使用期間を「Tv1=Tc−T1」として算出できる。
同様に、リソースV2に対しては、例えば、比較例1のスナップショット方式により算出されるリソースV2の使用期間は「Tv2=T4−T2」となる。ここで、リソースV2は、時刻T1以降、且つ、時刻T2以前(時刻Tb)に作成されている。比較例2のログ情報を利用する場合では、管理装置は、時刻T1と時刻T2との間で処理される作成操作のログ記録を利用できるため、使用期間を「Tv2=T4−Tb」として算出できる。
さらに、時刻T2以降、且つ、時刻T3以前(時刻Td)に作成され、時刻T4以前(時刻Te)に削除されたリソースV3に対しては、比較例1のスナップショット方式により算出されるリソースV2の使用期間は「Tv3=T4−T3」となる。一方、比較例2のログ情報を利用する場合では、管理装置は、時刻T2と時刻T3との間で処理される作成操作、時刻T3と時刻T4との間で処理される削除操作のログ記録を利用できるため、使用期間を「Tv3=Te−Td」として算出できる。
このように、ログ情報方式では、管理装置は、既存のログに記録された各リソースへの操作情報等を含む情報を利用し、レポート情報の取得・収集を行うため、課金対象となる使用期間の算出精度を向上させることができる。
しかしながら、ログ情報方式では、既存のログ情報を利用するため、例えば、課金管理の情報を新たに付加しようとする場合、図3に例示する操作ログテーブルへのカラム追加といった処理が発生する。そして、追加されたカラムへの付加情報の追加処理では、既存のAPIへの変更が発生する。このため、例えば、変更処理により、既存のAPIに対するソフトウェアの不具合(例えば、バグ等)を埋め込んでしまう虞がある。
また、ログ情報方式では、管理装置は、対象となるリソースの使用期間の始点(開始処理、作成操作等),終点(終了処理,削除操作等)を特定する。既存のログから対象となる資源名(リソース名),作成操作,削除操作といった情報を検索する場合、所定の操作とは無関係の操作情報も記録されているため、情報検索時の処理負担が増大する。
また、ログ情報方式では、レポート情報の取得・収集は、既存のログ記録処理と並行して行われる。このため、例えば、レポート情報の取得処理が動作している期間は、既存のログ記録処理は待ち状態となり、既存のDB管理処理の処理効率を低下させる虞がある。
また、ログ情報方式では、使用期間算出のため、対象となるリソースに対する使用期間の始点(開始処理、作成操作等)を特定した場合、該リソースに対する終点(終了処理,削除操作等)を特定することは既に説明した。ここで、対象となるリソースの終点が特定された場合には使用期間の算出処理を行うことができるが、リソース使用中の場合では、対象となるリソースの終点は検出されない。つまり、ログ情報方式では、使用期間の算出処理にあたり、対象となるリソースの終点を検索すると共に、対象となるリソースの使用中の判定処理を行うこととなる。このため、ログ情報方式では、対象となるリソースの終点検索処理負担が増大することとなる。
また、ログ情報方式では、例えば、操作ログテーブルに蓄積された蓄積データの管理負担の増大が懸念される。例えば、保存期間経過後の蓄積データ削除を行う場合、比較例2の管理装置は、次の蓄積データ削除処理を実行することとなる。
先ず、比較例2の管理装置は、図3に例示の操作ログテーブルから対象となるリソースのレコードを検索し、検索されたレコードに開始日時(作成日時)が記録されているか否かを判定する。さらに、管理装置は、開始日時が記録されているリソースに対して、終了日時(削除日時)が記録されているレコードの有無を判定する。ここで、管理装置は、開始日時が記録されているリソースに対して、終了日時(削除日時)が記録されているレコードがない場合(対象となるリソースは使用中)には、他のリソースを対象として検索処理を繰り返す。また、管理装置10は、開始日時が記録されているリソースに対して、終了日時(削除日時)が記録されているレコードがある場合には、開始日時が記録されているリソースのレコードと対となる、終了日時(削除日時)が記録されているレコードを取得する。そして、管理装置10は、取得したレコードの終了日時に基づいて蓄積データ削除判定を行い、削除対象となったリソースの開始日時が記録されたレコード及び終了日時が記録されたレコードの、操作ログテーブルからの削除を実行する。
このように、比較例2の管理装置では、上述の処理をレコード毎に、保存期間経過後の蓄積データ削除処理(対象となるリソースのレコード対)を行うため、蓄積されたレポート情報に対する管理負担が増大することとなる。
次に説明する実施例1の形態では、上述した比較例1,2の課題を解消できるレポーティング機能を提示する。
<実施例1>
〔システム構成〕
図4に、本実施形態の情報管理システムを例示する。図4に例示の、本実施形態の情報管理システム1は、例えば、ストレージ装置といった物理資源の記憶領域を仮想化し、仮想化された記憶領域を複数に分割する。そして、情報管理システム1は、分割されたそれぞれの記憶領域をクラウドコンピューティングで利用可能なリソースとして提供する。本実施形態の情報管理システム1では、情報管理装置10は、各リソースを管理する構成情報テーブルへの書き込みを契機としてレポート情報の取得を行う。情報管理装置10は、レポート情報取得の際の時刻情報を該レポート情報に付与し、管理を行う。本実施形態の情報管理装置10は、課金に係る情報の漏れがなく、対象となるリソースの使用期間算出において正確性を向上したレポーティング機能を実現する。
図4に例示の情報管理システム1において、管理装置10はネットワークNに接続する。ネットワークNは、インターネット等の公衆ネットワーク、携帯電話網等の無線ネットワーク、LAN(Local Area Network)等のネットワークを含む。ネットワークNには、例えば、複数のリソース及び、提供されたリソースをクラウド環境として利用する情報処理装置としてのサーバ等が複数に接続され得る。
図4に例示のストレージ装置30−1、30−2、30−nは、例えば、クラウド環境下で利用可能な物理資源である。なお、ストレージ装置30−1等を総称してストレージ装置30と言う。図4に例示の情報管理システム1では、各ストレージ装置30の記憶領域を仮想化し、仮想化された記憶領域をリソースとしてネットワークNに接続する複数の情報処理装置に提供する。ストレージ装置30のリソースは、例えば、インターネット等を介して利用可能なデータベース(以下、DBと称す)である。また、複数のストレージ装置30によるデータベースとしてのリソースは、例えば、複数のDB群からなるデータベースシステムを含むとしてもよい。
図4に例示のサーバ20−1、20−2、20−nは、例えば、ストレージ装置30で提供されるリソースを利用する情報処理装置である。なお、サーバ20−1等を総称してサーバ20と言う。サーバ20は、例えば、企業の業務処理を実行するコンピュータである。サーバ20は、ネットワークNを介してストレージ装置30のリソースとして割り当てられた領域を参照し、或いは管理するデータの格納先として、ストレージ装置30のリソースを利用する。
図4に例示の管理装置10は、ネットワークNを介してサーバ20、ストレージ装置30に接続する。管理装置10は、ネットワークNを介して接続された各サーバ等のリソース提供要求に応じて提供されるリソースの構成情報を管理する。リソースの構成情報には、例えば、ストレージ容量、ストレージ装置のI/O処理速度の高低等といった性能情報が含まれる。
各リソースの構成情報は、例えば、管理装置10の備えるデータベースに構成情報テーブルといった形態で蓄積され管理される。図5Aに、管理装置10により管理される構成情報テーブルを例示する。管理装置10は、例えば、リソースの提供要求が生じた場合には、要求に対応するリソースの構成情報を構成情報テーブルに格納する。構成情報テーブルへのリソース構成情報の書き込み処理は、管理装置10の備えるOS(Operating System)を介し、API(Application Programming Interface)により行われる。なお、構
成情報テーブルへのリソース構成情報の書き込み処理は、DBMS(DataBase Managemen
t System)により行われるとしてもよい。実施例1では、管理装置10は、API等を通じた構成情報テーブル等への変更を検知することで、各リソースの使用開始日時及び終了日時を管理する。
図5Aは、管理装置10で管理される各リソースの構成情報が格納される構成情報テーブル例である。図5Aに例示の構成情報テーブルは、例えば、リソース毎のレコードを有する。図5Aに例示の構成情報テーブルは、「ID」,「資源名」,「容量(MB)」,「関連」のカラムを有する。「ID」カラムには、リソースを管理するために管理装置10で付与された、リソースを一意に識別する識別情報が格納される。「資源名」カラムには、リソースの名称が格納される。「容量(MB)」カラムには、リソースとして割り当てられた記憶容量が格納される。なお、図例ではMB単位での管理を例示するが、記憶容量の管理単位は任意である。「関連」カラムには、例えば、ストレージ装置のI/O処理速度、相対的なアクセス速度の高/低等といったリソースに付随する情報が格納される。
図4に戻り、本実施形態の管理装置10は、例えば、図5Aに例示する構成情報テーブルへのリソースの構成情報の書き込みを契機に、課金処理に係るレポート情報の取得・収集を行うレポーティング機能を実行する。本実施形態の管理装置10は、構成情報テーブルへのリソースの構成情報の書き込みを契機に、リソースの構成情報、構成情報の書き込みを行った時刻情報を取得し、課金処理に係るレポート情報の取得を行う。取得されたレポート情報には、リソースの構成情報と時刻情報が対応付けられて格納される。本実施形態の管理装置10は、構成情報テーブルへのリソースの構成情報の書き込みが行われる毎に、レポート情報の取得を行い、レポート情報テーブルに格納する。レポート情報テーブルには、取得されたレポート情報が収集され、蓄積される。本実施形態の管理装置10は、レポート情報に対応付けられた時刻情報から、課金処理に係るリソースの使用期間を算出する。
本実施形態の管理装置10は、レポーティング機能を実行することにより、構成情報テーブルへのリソースの構成情報の書き込みが行われる毎に、時刻情報を含むレポート情報を取得・収集することができる。
ここで、管理装置10は、例えば、PC(Personal Computer)、サーバといったコン
ピュータを使用して実現可能である。図6に、コンピュータとしての情報処理装置90のハードウェアの構成を例示する。図6に例示の情報処理装置90は、例えば、接続バスB1によって相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)91、主記憶部92、
補助記憶部93、通信部94を有している。
情報処理装置90は、CPU91が補助記憶部93に記憶されたプログラムを主記憶部92の作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行う。これにより、情報処理装置90は、所定の目的に合致した機能手段を実現することができる。主記憶部92及び補助記憶部93は、コンピュータである情報処理装置90が読み取り可能な記録媒体である。
CPU91は、情報処理装置90全体の制御を行う中央処理演算装置である。CPU91は、補助記憶部93に格納されたプログラムに従って処理を行う。主記憶部92は、CPU91がプログラムやデータをキャッシュしたり、作業領域を展開したりする記憶媒体である。主記憶部92は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。
補助記憶部93は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部93は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部93には、オペレーテ
ィングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部94を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、ネットワークN等で接続された、他の情報処理装置、外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部93は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドの一部であってもよい。通信部94は、例えば、ネットワークN等とのインターフェースである。
補助記憶部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ソリッドス
テートドライブ装置、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disc Drive)装置等であ
る。また、補助記憶部93としては、例えば、CDドライブ装置、DVDドライブ装置、BDドライブ装置等が提示できる。記録媒体としては、例えば、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ)を含むシリコンディスク、ハードディスク、CD、DVD、BD、USB(Universal Serial Bus)メモリ等がある。
図6に例示の情報処理装置90は、例えば、管理者等からの操作指示等を受け付ける入力部を備えるものとしてもよい。このような、入力部として、キーボード、ポインティングデバイス等といった入力デバイスを例示できる。また、情報処理装置90は、CPU91で処理されるデータや主記憶部92に記憶されるデータを出力する出力部を備えるものとしてもよい。このような、出力部として、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro luminescence)パネル、有機ELパネル、プリンタといった出力デバイスを例示できる。
管理装置10としての情報処理装置90は、CPU91が補助記憶部93に記憶されているOS、各種プログラムや各種データを主記憶部92に読み出して実行することにより、対象プログラムの実行と共に、各リソースの構成情報の管理機能及び課金に係るレポーティング機能を実現する。また、管理装置10としての情報処理装置90は、管理装置10が参照し、或いは管理するデータの格納先として、構成情報テーブル15、レポート情報テーブル16を有する。構成情報テーブル15、レポート情報テーブル16は、例えば、補助記憶部93に含まれる。管理装置10としての情報処理装置90は、各リソースの構成情報の管理機能により、リソース毎の構成情報を構成情報テーブル15に格納する。構成情報テーブル15ついては、図5Aで説明した。
〔レポート情報テーブル〕
図5Bに、レポート情報テーブル16を例示する。管理装置10としての情報処理装置90は、課金に係るレポーティング機能により、時刻情報と対応付けられたレポート情報をレポート情報テーブル16に格納する。
図5Bに例示のレポート情報テーブル16は、例えば、レポート情報毎のレコードを有する。図5Bに例示のレポート情報テーブルは、「ID」,「資源名」,「容量(MB)」,「関連」,「開始日時」,「終了日時」のカラムを有する。「ID」カラムには、レポート情報を管理するために管理装置10で付与された、レポート情報を一意に識別する識別情報が格納される。「資源名」,「容量(MB)」,「関連」カラムは、図5Aで説明した。
図5Bに例示の、「開始日時」カラムには、リソースの作成された日時情報が格納される。ただし、リソースが作成されたときにレポート情報も作成できる。そこで、「開始日時」カラムには、対象となるリソースに対するレポート情報が作成された日時情報が格納されるとしてもよい。例えば、図5Aに例示の構成情報テーブル15に対して、新たなリソースに関する構成情報の書き込みが行われた場合には、該書き込みが行われた日時情報が格納される。図5Bの例では、「開始日時」カラムに格納された「Ta」が、新たなリ
ソースに関する構成情報の書き込みによる日時情報である。
また、図5Aに例示の構成情報テーブル15に対して、既に登録されたリソースに関する構成情報の書き込みが行われた場合には、管理装置10は、該書き込みが行われた日時情報を格納するとしてもよい。
ここで、既に登録されたリソースに関する構成情報の書き込みが行われるケースとして、例えば、該リソースに対する使用終了による構成情報の削除書き込みが例示できる(ケース1)。また、既に登録されたリソースに関する構成情報の書き込みが行われるケースとして、例えば、該リソースの構成情報の変更等による書き込みが例示できる(ケース2)。なお、対象となるリソースが使用中の場合では、「終了日時」カラムの格納値は、所謂、NULL状態である。
ケース1の場合、例えば、図5Aに例示の構成情報テーブル15に対して、既に登録されたリソースの使用終了による構成情報の削除書き込みが発生する。ケース1の場合では、削除書き込みが行われた日時情報は、例えば、図5Bに例示の、「終了日時」カラムに格納される。図5Bの例では、「終了日時」カラムに格納された「Tc」が、既に登録されたリソースの使用終了による構成情報の削除書き込みの日時情報である。
ケース2の場合、例えば、リソースに割り当てられた記憶容量の増加や減縮,リソースのI/O処理速度の変更等が例示できる。こケース2の場合でも、例えば、図5Aに例示の構成情報テーブル15に対して、既に登録されたリソースの構成情報の変更による書き込みが発生する。ケース2の場合では、変更による書き込みが行われた日時情報は、例えば、図5Bに例示の、「終了日時」カラムに格納される。図5Bの例では、「終了日時」カラムに格納された「Tc」が、既に登録されたリソースの構成情報の変更による書き込みの日時情報である。
ケース2において、管理装置10は、変更が生じた時点の日時情報を格納することにより、構成情報に変更が生ずる前のリソースに対する使用終了の管理を行うことができる。
なお、ケース2では、管理装置10は、構成情報等が変更された変更後のリソースを管理するために、変更後のリソースに対して新たな識別情報を付与するとしてもよい。変更後のリソースは、新たに付与された識別情報のレポート情報レコードとして管理されることとなる。
ここで、新たな識別情報が付与された変更後のリソースの、レポート情報レコードの「開始日時」カラムには、リソースの構成情報の変更等による書き込みが行われた日時情報が格納されるとしてもよい。管理装置10は、対象となるリソースの構成情報に変更が発生した時点で、変更前のリソースに対する使用終了の管理を行うと共に、変更後のリソースに対する使用開始の管理を行うことができる。但し、変更の場合には、使用終了とせず、使用継続として管理してもよい。
図5Bの例では、管理装置10は、例えば、新たな識別情報として「2」を付与し、「ID」カラムに格納すればよい。そして、管理装置10は、変更後の構成情報を「資源名」、「容量(MB)」、「関連」の各カラムに格納すればよい。そして、管理装置10は、変更後のリソースの開始日時を管理するために、リソースの構成情報の変更等による書き込みが行われた日時情報を「開始日時」カラムに格納する。つまり、変更後のリソースに対するレポート情報レコードの「開始日時」カラムに格納される日時情報は、変更前のリソースに対するレポート情報レコードの「終了日時」カラムに格納される日時情報と同一となる。
図5Bの例では、「ID」カラムに「1」が格納されたレポート情報レコードの「終了日時」カラムの日時情報Tcが、新たな識別情報として「2」が付与されたリソースに対するレポート情報レコードの「開始日時」カラムに格納されることとなる。
〔レポーティング機能〕
図7に、本実施形態のレポーティング機能の説明図を例示する。本実施形態のレポーティング機能は、例えば、管理装置10のCPU91が、主記憶部92に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行することにより提供される。なお、管理装置10は、レポーティング機能を実行するCPU91が参照し、或いは、取得したレポート情報の格納先としてレポート情報テーブル16を有する。
図7の説明図において、管理装置10は、管理対象のリソースに対して更新要求が生じた場合には、リソースの構成情報を管理する構成情報テーブル15に、更新対象となるリソースの構成情報の書き込み処理を行う。更新要求は、新規リソースの作成、作成されたリソースの削除、作成されたリソースの構成情報の変更等により発生する。構成情報テーブル15への更新対象リソースの構成情報の書き込み処理は、例えば、API、或いはDBMS等により実行される。
例えば、新規リソースの作成により更新要求が生じた場合では、管理装置10は、リソースに対するID、資源名を付与し、割り当てられるリソースの容量(MB),リソースに付随する関連情報等を付与されたID等に対応付けて新規リソースの構成情報とする。そして、管理装置10は、新規リソースの構成情報を、API、或いは、DBMS等を介して、図5Aに例示の構成情報テーブル15に格納する。
また、作成されたリソースの削除により更新要求が生じた場合では、例えば、管理装置10は、削除対象となるリソースのID等に基づいて構成情報テーブル15の検索を行い、構成情報テーブル15から該当するレコードの削除を行う。管理装置10は、削除対象となるリソースのID等に基づき、API或いは、DBMS等を介して該当するリソースのレコードの削除を行う。
また、作成されたリソースの変更等により更新要求が生じた場合では、例えば、管理装置10は、変更対象となるリソースのID等に基づいて構成情報テーブル15の検索を行い、該当するリソースのレコードに格納された各種情報の変更等を行う。管理装置10は、変更対象となるリソースのID等に基づき、API或いは、DBMS等を介して該当するリソースのレコードに格納された各種情報の変更を行う。
本実施形態の管理装置10のレポーティング機能では、上述した更新要求に応じて発生した構成情報テーブル15への書き込み処理、或いは削除処理を検出する。そして、管理装置10は、書き込み処理等を検出した時点での日時情報を取得し、書き込み処理等に含まれるリソースの構成情報等を取得する。取得した日時情報,リソースの構成情報は、対象リソースのレポート情報として、例えば、図5Bに例示のレポート情報テーブル16に格納される。
構成情報テーブル15への書き込み処理等の検出は、例えば、構成情報テーブル15への書き込み処理等を行うAPIで呼び出されるDBMSの処理の中に、コールバック関数としてレポーティング機能を実行する処理を設定するとしてもよい。管理装置10は、コールバック関数の呼び出し先であるAPIの書き込み処理等の実行中に、本実施形態のレポーティング機能を実行する処理(以下、レポーティング処理とも称す)を実行するように予め指定することができる。
また、APIによる検出に代えて、例えば、DBMSによる、構成情報テーブル15に対する更新が発生したことを通知する機能を使用し、構成情報テーブル15への書き込み処理等を検出するとしてもよい。管理装置10は、DBMSからの更新通知を契機としてレポーティング処理を実行するように設定できる。管理装置10は、例えば、構成情報テーブル15に対するイベント(新規作成、変更、削除)に応じてレポーティング処理を実行できる。
管理装置10は、構成情報テーブル15への書き込み処理等を検出し、検出した時点での日時情報を取得する。取得された日時情報は、例えば、管理装置10の主記憶部92の所定の領域に一時的に記憶される。
また、管理装置10は、構成情報15への書き込み処理等を検出し、書き込み処理等を行うAPIから対象となるリソースの構成情報を取得する。そして、管理装置10は、日時情報と対象となるリソースの構成情報との対応付けを行い、レポート情報とする。
例えば、新規リソースの作成による構成情報テーブル15への書き込み処理等を検出した場合では、管理装置10は、構成情報テーブル15の「ID」,「資源名」,「容量(MB)」,「関連」といったカラムに書き込まれる構成情報をAPIから取得する。取得した構成情報は、例えば、管理装置10の主記憶部92の所定の領域に一時的に記憶される。
管理装置10は、APIから取得した各情報を、レポート情報の「ID」,「資源名」,「容量(MB)」,「関連」といったカラムに格納する。そして、管理装置10は、新規リソースの作成による構成情報テーブル15への書き込み処理の検出時点で取得した日時情報をレポート情報の「開始日時」カラムに格納する。管理装置10は、作成されたレポート情報を、例えば、図5Bに例示するレポート情報テーブル16に格納する。
また、例えば、作成されたリソースの削除による構成情報テーブル15への書き込み処理を検出した場合では、管理装置10は、削除対象リソースのID等をAPIから取得し、主記憶部92の所定の領域に一時的に記憶する。なお、作成されたリソースの削除による構成情報テーブル15への書き込み処理では、例えば、該当するリソースの構成情報には空行を表すNULLが書き込まれるようにしてもよい。
管理装置10は、APIから取得した削除対象リソースのIDにより、レポート情報テーブル16を検索する。そして管理装置10は、例えば、検索された削除対象のリソースのレポート情報のレコードに、書き込み処理の検出時点で取得した日時情報を格納する。日時情報は、削除対象のリソースのレポート情報のレコードの「終了日時」カラムに格納される。
また、例えば、作成されたリソースの変更による構成情報テーブル15への書き込み処理を検出した場合では、管理装置10は、変更対象リソースの構成情報等をAPIから取得し、主記憶部92の所定の領域に一時的に記憶するようにしてもよい。
管理装置10は、例えば、APIから取得した変更対象リソースのIDにより、レポート情報テーブル16を検索し、変更対象リソースのレコードを取得する。管理装置10は、例えば、取得したレコードに格納された構成情報とAPIから取得した構成情報との比較を行うことでリソースの変更による書き込み処理と判断してもよい。
管理装置10は、例えば、変更対象リソースのレポート情報のレコードに、書き込み処
理の検出時点で取得した日時情報を格納する。日時情報は、変更対象リソースのレポート情報のレコードの「終了日時」カラムに格納される。
また、管理装置10は、変更後のリソースを管理するために、APIから取得したリソースの構成情報に新たな識別情報の付与を行い、変更後のリソースに対するレポート情報のレコードを作成するようにしてもよい。変更後のリソースに対するレポート情報のレコードの、「ID」カラムには、管理装置10で付与された識別情報が格納される。また、管理装置10は、APIから取得した各情報を、レコードの「資源名」,「容量(MB)」,「関連」といったカラムに格納する。そして、管理装置10は、変更後のリソースに対するレコードの「開始日時」カラムに、書き込み処理の検出時点で取得した日時情報を格納する。
このように、構成情報テーブル15で管理しているリソースの構成情報に変更が生じた場合であっても、本実施形態の管理装置10では、変更前の構成情報に終了日時を記録し、変更後の構成情報に開始日時を記録することができる。この手順により、課金処理の対象となるリソースの使用期間の管理精度を向上させることができる。但し、すでに説明したように、リソースの変更の場合には、管理装置10は、レポート情報レコードに書き込まないようにしてもよい。この場合、リソースの開始日時と終了日時がレポート情報に書き込まれる。そのため、レポート情報の作成に係る処理負担を軽減できる。
また、本実施形態のレポート情報のレコードには、開始日時及び終了日時が一対となり、対象となるリソースと対応付けられて記録される。このため、例えば、レポート情報テーブル16に蓄積されたレポート情報の単一のレコードを参照することにより、保存期間等を算出できるため、対象リソースの管理負担が軽減できる。
〔処理フロー〕
以下、図8から図10を参照し、本実施形態のレポーティング処理を説明する。図8Aは、APIを使用し構成情報テーブル15への書き込み処理を行う場合の検出処理のフローチャートである。図8Bは、DBMSを使用し構成情報テーブル15への書き込み処理を行う場合の検出処理のフローチャートである。
図8Aに例示するフローチャートにおいて、書き込み検出処理の開始は、例えば、補助記憶部93に格納されたコンピュータプログラムの起動が提示できる。管理装置10は、管理対象のリソースに対して更新要求が生じた場合、構成情報テーブル15への更新対象リソースの構成情報の書き込み処理を行うAPIを実行する(S101)。APIから呼び出される関数にはS103のレポート情報処理がコールバック関数として設定されている。S101のAPIの実行と共に、コールバック関数の呼び出し処理が行われ、レポート情報処理が実行される(S102−S103)。従って、図8Aでは、S102,S103はコールバック関数内の処理として例示できる。
図8Aに例示のS101−S103の処理により、管理装置10は、構成情報テーブル15へのAPIによる更新対象リソースの構成情報の書き込み処理を検知し、レポート情報に日時情報を記録できる。なお、管理装置10は、日時情報の記録とともに、リソースの使用開始から使用終了までの使用期間を算出するようにしてもよい。
次に、DBMSの場合の書き込み処理の検出を、図8Bに例示のフローチャートを参照して説明する。図8Bに例示するフローチャートにおいて、書き込み検出処理の開始は、例えば、補助記憶部93に格納されたコンピュータプログラムの起動が提示できる。管理装置10は、管理対象のリソースに対して更新要求が生じた場合、DBMSによる構成情報テーブル15への更新対象リソースの構成情報の書き込み処理を行う(S101a)。
DBMSは、構成情報テーブル15に対してデータ更新が生ずると、更新が行われたことを検知する。管理装置10は、DBMSの更新発生をトリガとして、レポート情報処理を実行する(S102a−S103)。
図8Bに例示のS101a−S103の処理により、管理装置10は、DBMSによる構成情報テーブル15への更新対象リソースの構成情報の書き込み処理を検知し、レポート情報に日時情報を記録できる。
ここで、管理装置10で実行されるS102の処理、及びS102aの処理は、リソースの使用を管理するための構成情報を記憶する構成情報記憶手段への書き込みを検出する手順、ステップの一例である。また、管理装置10のCPU91等は、リソースの使用を管理するための構成情報を記憶する構成情報記憶手段への書き込みを検出する手段の一例として、S102,S102aの処理を実行する。
次に、図9に例示のフローチャートを参照し、図8A,8Bに例示のS103のレポート情報処理を説明する。図9のフローチャートにおいて、管理装置10は、構成情報テーブル15への書き込み処理を検出した時点での日時情報、対象となるリソースの構成情報を取得する(S11)。対象となるリソースの構成情報は、例えば、書き込み処理を実行するAPI,DBMS等から取得する。取得された日時情報、対象となるリソースの構成情報は、例えば、管理装置10の主記憶部91の所定の領域に一時的に記憶される。
S12では、管理装置10は、対象となるリソースのレポート情報レコードが、レポート情報テーブル16に存在するかを判定する。例えば、管理装置10は、S11で取得した構成情報に含まれるID,リソース名等により、レポート情報テーブル16の検索を実行すればよい。検索の結果、対象となるリソースのレポート情報レコードが、レポート情報テーブル16に存在しない場合(S12,NO)には、管理装置10は、S13−14の処理を実行し、S20に移行する。
S13−14の処理では、管理装置10は、対象となるリソースに識別情報を付与し、レポート情報レコードを作成する。管理装置10は、S11で取得した対象となるリソースの構成情報をレポート情報レコードの,「資源名」,「容量(MB)」,「関連」といったカラムに格納する(S13)。そして、管理装置10は、S11で取得した日時情報を、S13で作成されたレポート情報レコードの「開始日時」カラムに格納する(S14)。なお、S11で取得した「ID」とS13で付与する識別情報が同一の場合には、S11で取得した「ID」を対象となるリソースのレポート情報レコードの「ID」カラムに格納するとしてもよい。
一方、対象となるリソースのレポート情報レコードが、レポート情報テーブル16に存在する場合(S12,YES)には、管理装置10は、対象となるリソースのレポート情報レコードをレポート情報テーブル16から取得する(S15)。取得された対象リソースのレポート情報レコードは、例えば、管理装置10の主記憶部92の所定の領域に一時的に記憶される。
S16では、管理装置10は、S11で取得した日時情報を、S15で取得した対象リソースのレポート情報レコードの「終了日時」カラムに格納し、S17に移行する。
S17では、管理装置10は、対象リソースの構成情報の書き込み処理が削除による書き込みかを判定する。例えば、管理装置10は、S11で取得した対象リソースの構成情報がNULLを含む場合には、削除による書き込みと判断できる。また、管理装置10は、S11で取得した構成情報とS15で取得したレコードの格納値との比較を行うことで
、判定するとしてもよい。
管理装置10は、S17の処理の結果、対象リソースの構成情報の書き込み処理が削除による書き込みの場合(S17、YES)にはS20に移行する。一方、管理装置10は、S17の処理の結果、対象リソースの構成情報の書き込み処理が削除による書き込みでない場合(S17、NO)にはS18に移行する。
S18−S19では、管理装置10は、対象リソースの変更後の構成情報に識別情報を付与し、レポート情報レコードの作成を行う。管理装置10は、S11で取得した対象となるリソースの構成情報をレポート情報レコードの,「資源名」,「容量(MB)」,「関連」といったカラムに格納する(S18)。そして、管理装置10は、S11で取得した日時情報を、S18で作成されたレポート情報レコードの「開始日時」カラムに格納(S19)する。なお、S11で取得した「ID」とS18で付与する識別情報との対応関係を例えば、S18で作成されたレポート情報レコードの「関連」カラムに格納するとしてもよい。
S20では、管理装置10は、S14,S16,S19で作成されたレポート情報レコードをレポート情報テーブル16に格納する。
このように、本実施形態のレポーティング処理では、管理装置10は、少なくとも対象となるリソースの構成情報と、対象となるリソースの開始日時情報及び終了日時情報とを同一のレコードに格納する形態で、レポート情報を作成することができる。レポート情報レコードに格納される日時情報は、対象となるリソースの構成情報の構成情報テーブル15への書き込み処理を検出した時点で取得された日時情報である。このため、管理装置10は、リソースの使用開始時期及び終了時期の時間精度を向上させたレポート情報を作成できる。本実施形態の情報処理システム1では、レポート情報に記録された開始日時及び終了日時から課金対象となるリソースの使用期間を算出すればよい。
なお、例えば、管理装置10は、リソースに対する構成情報の変更が生じてもリソースの使用を継続して行う場合には、図9に例示のS17−S20の処理を省略してもよい。本実施形態の管理装置10は、レポート情報処理に係る処理負担を軽減できる。
ここで、管理装置10で実行されるS12の処理は、構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を判定する手順、ステップの一例である。また、管理装置10のCPU91等は、構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を判定する手段の一例として、S12の処理を実行する。
また、管理装置10で実行されるS14、S16の処理は、判定結果に応じて、前記構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を記録する手順、ステップの一例である。また、管理装置10のCPU91等は、判定結果に応じて、前記構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を記録する手段の一例として、S14、S16の処理を実行する。
また、管理装置10で実行されるS17の処理は、構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を判定する手順、ステップの一例である。また、管理装置10のCPU91等は、構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を判定する手段の一例として、S17の処理を実行する。
また、管理装置10で実行されるS18−S19の処理は、書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更前のリソースの終了日時とするとともに、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更後のリソースの使用開始日時として記録する手順、ステップの一例である。また、管理装置10のCPU91等は、書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更前のリソースの終了日時とするとともに、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更後のリソースの使用開始日時として記録する手段の一例として、S18−S19の処理を実行する。
次に、図10に例示のフローチャートを参照し、本実施形態のレポーティング処理における、保存期間経過後の蓄積データ削除判定処理を説明する。レポート情報テーブル16に蓄積されたレポート情報は、管理装置10の管理負担軽減のために、リソースの使用終了後、一定期間(保存期間)経過後にデータ削除を行うことが望ましい。
例えば、既に説明したように、図3の比較例2のログ情報方式では、保存期間経過後の蓄積データ削除(対象となるリソースのレコード対)を行うため、蓄積されたレポート情報に対する管理負担の増大を招いていた。図10に例示の、本実施形態の蓄積データ削除判定処理では、管理装置10は、レポート情報レコードに格納された終了日時の日時情報を検索することで、所定の条件を満たす蓄積データの一括削除判定及び削除を行うことができる。
図10に例示のフローチャートにおいて、管理装置10は、レポート情報テーブル16を参照し、終了日時カラムに格納値を有するレポート情報レコードを特定する(S104)。例えば、管理装置10は、NULLを検索値としてレポート情報テーブル16の終了日時カラムを検索し、検索されたリソース以外の他のリソースを終了日時カラムに格納値を有するレコードとして特定してもよい。図5Bで説明したように、使用中のリソースに対するレポート情報レコードでは、終了日時カラムの格納値はNULL状態となっているからである。
管理装置10は、S104で特定されたレポート情報レコードに対して削除判定を行い、所定の条件を満たす蓄積レコードの削除を行う(S105)。レポート情報テーブル16に蓄積されたレコードの削除条件として、例えば、閾値を設定し、レコードの終了日時カラムの格納値が閾値を超えることを提示できる。例えば、保存期間をTzとし、蓄積データの削除を行う日時(現在日時)をTxとすれば、閾値Tyは、Ty=Tx−Tzとすることができる。管理装置10は、S104で特定されたレポート情報レコードの終了日時カラムの格納値が閾値Tyを超えていることを条件としてレポート情報テーブル16に蓄積されたレコードの削除判定を行えばよい。削除判定の結果、管理装置10は、閾値Tyを超える、レポート情報テーブル16に蓄積されたレコードを一括して削除できる。このように、本実施形態の蓄積データ削除判定処理では、管理装置10は、所定の条件を満たすレポート情報テーブル16に蓄積されたレコードを簡易に判定して削除することができる。
以上に説明したように、本実施形態のレポーティング処理では、リソースの構成情報を管理する構成情報テーブル15への、レコード作成,変更,削除といったイベントに応じたデータ更新処理を契機として日時情報が取得できる。このため、本実施形態の管理装置10は、例えば、提供するサービスの利用開始に至るまでのリソースに対するユーザ設定に伴う開始時期を正確に特定できる。
また、本実施形態のレポーティング処理では、対象となるリソースのレポート情報レコードに、開始日時及び終了日時を記録できる。このため、本実施形態の管理装置10は、課金処理に係る情報を最小限のデータ量で管理できる。本実施形態の管理装置10は、比
較例1のスナップショット方式や比較例2のログ情報方式で生じる不要な情報を採取しないため、例えば、レポート情報テーブル16が格納される補助記憶部93の使用容量を抑えることができる。
また、本実施形態のレポーティング処理では、APIを介し,DBMSで実行される構成情報テーブル15への書き込み処理とは独立して、課金対象となるリソースのレポート情報を作成することができる。このため、本実施形態の管理装置10では、比較例2のログ情報方式で生じ得る、複数の処理による補助記憶部93へのアクセス競合を抑制できる。本実施形態の管理装置10では、複数の処理による処理待ち時間を抑制できるため、レポーティング処理の高速化が期待できる。
また、本実施形態のレポーティング処理では、単一のレコードに、対象となるリソースの構成情報,リソースの利用開始日時情報,リソースの利用終了日時情報を対応付けて管理することができる。このため、本実施形態の管理装置10では、レポート情報作成,蓄積されたレポート情報削除の処理の高速化が期待できる。本実施形態の管理装置10は、比較例1のスナップショット方式や比較例2のログ情報方式で生じるレポート情報作成,蓄積されたレポート情報削除の処理負担を軽減できる。
本実施形態のレポーティング処理では、対象となるリソースの課金に係る情報収集や課金額集計処理の高速化が期待できる。
<変形例>
本実施形態のレポーティング処理の変形例として、管理対象となるリソースの使用期間を無効とするレポーティングOFF機能を含めるとしてもよい。変形例の管理装置10は、レポーティングOFF機能により、例えば、テストやメンテナンス等のリソースの構成情報を頻繁に変更する事態が生じても、対象リソースの課金算出に係る使用期間の正確性を確保できる。
以下、図11から図13を参照し、変形例(以下、本実施形態と称す)のレポーティング処理を説明する。なお、以下の説明では、実施例1に例示のレポーティング処理と相違する処理を主に説明する。
図11、12は、本実施形態のレポーティングOFF機能の説明図の例示である。図11の説明図において、管理対象のリソースV1は、日時T1に使用を開始し、日時T4に使用を終了する。そして、管理対象のリソースV1では、例えば、テストやメンテナンス等により、日時T2にリソースの使用が中断され、日時T3に中断されたリソースの使用が再開されている。図11に例示のケースでは、リソースが使用された期間は、使用開始から中断が発生するまでの期間aと、中断されたリソースの使用が再開されてから終了するまでの期間cを足し合わせた期間となり、中断が発生してから再開が開始されるまでの期間bは含まれない。
例えば、比較例2に例示のログ情報方式では、対象となるリソースのログ操作テーブルは図11(1)に示すように、使用開始に伴う作成操作が行われた日時T1と終了操作に伴う削除操作が行われた日時T4が記録される。そして、ログ情報方式により算出される対象リソースV1の使用期間Tv1は、Tv1=T4−T1となり、中断が発生してから再開が開始されるまでの期間bを含むこととなる。
本実施形態のレポーティング処理では、管理装置10は、レポーティングOFF機能により、図11(2)に例示するように、対象となるリソースの開始日時であるT1に対応付けて、中断が発生した日時T2を終了日時カラムに格納する。また、管理装置10は、
中断後に再開された日時情報を開始日時カラムに格納し、再開後のリソースの構成情報レポートを管理する。中断後に使用が開始されたリソースの構成情報レポートでは、使用終了時の日時情報は、終了日時カラムに格納される。したがって、管理装置は、対象リソースV1の使用期間を日時T1から日時T2までの時間a+日時T3から日時T4まで時間cのように、レポーティングOFFの期間を除外してリソースの使用期間を算出でき、使用期間の計算精度を向上できる。
図12に、本実施形態のレポーティングOFF機能による日時情報管理の説明図を例示する。図12の説明図において、リソースV1は、日時Taに使用を開始し、日時Tcに使用を終了する。リソースV2は、日時Tbに使用を開始し、日時Tfに使用を終了する。リソースV3は、日時Tdに使用を開始し、日時Teに使用を終了する。そして、各リソースへの使用中断は日時Toffで発生し、中断された各リソースの使用は日時Tonで再開される。各リソースの使用開始日時及び終了日時と、各リソースへの使用中断日時及び再開日時との相対的な時間関係は、Ta<Tb<Toff<Tc<Td<Ton<Te<Tfとなる。
図12に例示のケースでは、リソースV1の使用終了日時Tcは、中断日時Toff後に発生する。リソースV3の使用開始日時Tdは、再開日時Ton以前に発生する。リソースV2は、中断日時Toff及び再開日時Tonを跨ぎ、継続して使用される。なお、以下の説明では、中断日時Toffから再開日時Tonまでの期間をレポーティングOFF期間とし、レポーティング処理が行われるレポーティングOFF期間以外の期間をレポーティングON期間として説明する。本実施形態では、レポーティングOFF期間は、リソースの使用期間から除外される。
本実施形態のレポーティング処理の、レポーティングON期間からレポーティングOFF期間への切替え時では、図12(1)に例示のように、管理装置10は、中断日時Toffを対象リソースのレポート情報レコードの終了日時カラムに格納する。例えば、図12(1)の例では、中断日時Toff以前に使用を開始しているリソースV1及び,V2のレポート情報レコードには、中断日時Toffが終了日時カラムに格納される。
また、本実施形態の管理装置10は、レポーティングON期間からレポーティングOFF期間への切替え時では、図12(2)に例示のように、再開日時Tonを対象リソースのレポート情報レコードの開始日時カラムに格納する。例えば、図12(2)の例では、再開日時Ton以前に使用を開始したリソースV3のレポート情報レコードには、再開日時Tonが開始日時カラムに格納される。また、レポーティングOFF期間を跨いで使用されるリソースV2では、再開日時Tonがレポート情報レコードの開始日時カラムに格納される。本実施形態の管理装置10は、レポーティングOFF期間を跨いで使用されるリソースV2に対して新たな識別情報(ID)を付与し、再開日時Tonで使用を開始したレポート情報として管理を行う。
〔処理フロー〕
本実施形態のレポーティング処理では、管理装置10は、図11、12に例示の中断日時Toff及び再開日時Tonから、メンテナンス等で発生したリソースの不使用期間を特定する。特定された不使用期間は、例えば、使用中断フラグ等により管理される。そして、管理装置10は、次の条件(1)〜(3)でリソースの開始日時,終了日時として記録される日時情報を管理し、図12に例示の、リソースV1,リソースV2,リソースV3の使用期間を管理する。
(1)不使用期間に発生したリソースの使用終了に関し、中断日時Toffを対象リソースの終了日時として管理する。
(2)不使用期間に発生したリソースの使用開始に関し、再開日時Tonを対象リソース
の開始日時として管理する。
(3)不使用期間を跨ぎ、継続して使用されるリソースに関し、中断日時Toffを対象リソースの終了日時と管理すると共に、対象リソースの構成情報の複製を作成し、新たな識別番号を付与する。新たな識別番号を付与された対象リソースの使用開始に関し、再開日時Tonを対象リソースの開始日時として管理する。
以下、図13Aから図13Cに例示のフローチャートを参照し、本実施形態のレポーティング処理を説明する。図13Aは、管理条件(1)を含む、中断日時Toff検出時のレポート情報に対する処理のフローチャート例である。図13Bは、管理条件(2)を含む、再開日時Ton検出時のレポート情報に対するフローチャート例である。図13Cは、管理条件(3)を含む、レポート情報処理のフローチャート例である。
図13Aに例示のフローチャートにおいて、本実施形態の管理装置10は、例えば、メンテナンス等で生じた管理対象リソースに対する中断指示に基づいてレポーティングOFFの設定を受ける。管理装置10は、レポーティングOFFの設定を受けた日時を日時情報Toffとして取得する。そして、管理装置10は、レポート情報テーブル16を参照し、使用中のリソースに係るレポート情報レコードを取得する(S31−S32)。取得された日時情報Toff及び使用中のリソースのレポート情報レコードは、例えば、管理装置10の主記憶部92に所定の領域に一時的に記憶される。なお、リソースの対する中断指示等は、例えば、管理者等により、管理装置10の備えるキーボード等の入力デバイスを介して行われるとしてもよい。また、管理装置10は、例えば、「終了日時」カラムに日時情報が格納されていないレポート情報レコードを抽出することにより、使用中のリソースを取得するとしてもよい。
次に、管理装置10は、例えば、S32で取得したレコードの「関連」カラムに対象リソースの使用中断を示す情報を設定する(S33)。使用中断を示す情報の設定として、例えば、「関連」カラムに使用中断フラグといった2値のビット状態による情報設定が例示できる。例えば、使用中断フラグとして、「1」値が設定された場合には使用中断状態を示し、「0」値が設定された場合には使用状態を示すことができる。
そして、管理装置10は、S32で取得したレコードの「終了日時」カラムに日時情報Toffを格納する(S34)。「終了日時」カラムに中断日時情報、「関連」カラムに使用中断フラグ等が設定された、使用中のリソースに対するレポート情報レコードは、例えば、レポート情報テーブル16に格納される。
ここで、管理装置10で実行されるS31の処理は、使用開始日時または使用終了日時に基づく管理の中断を受け付ける手順、ステップの一例である。また、管理装置10のCPU91等は、使用開始日時または使用終了日時に基づく管理の中断を受け付ける手段の一例として、S31の処理を実行する。
また、管理装置10で実行されるS34の処理は、管理の中断日時を前記リソースの使用終了日時とする手順、ステップの一例である。また、管理装置10のCPU91等は、管理の中断日時を前記リソースの使用終了日時とする手段の一例として、S34の処理を実行する。
次に、図13Bに例示のフローチャートにより、再開日時Ton検出時のレポート情報の処理を説明する。図13Bに例示のフローチャートにおいて、本実施形態の管理装置10は、例えば、メンテナンス等で生じた管理対象リソースに対する再開指示に基づいてレポーティングONの設定を受ける。管理装置10は、レポーティングONの設定を受けた日時を日時情報Tonとして取得する(S41)。
リソースの対する再開指示等は、例えば、管理者等により、管理装置10の備えるキーボード等の入力デバイスを介して行われる。S41で取得された再開日時情報Tonは、例えば、管理装置10の主記憶部92の所定の領域に一時的に記憶される。
次に、管理装置10は、レポート情報テーブル16を参照し、使用中のリソースに係るレポート情報レコード、及び、「関連」カラムに中断を示す情報が格納されたレポート情報レコードを取得する(S42−S43)。S42の処理は、例えば、図13AのS32で説明した。S43の処理は、例えば、使用中断フラグといった使用中断状態を示すビット値が「関連」カラム所定の領域に格納されているレポート情報レコードを抽出することにより行われる。S42−S43で取得されたレポート情報レコードは、例えば、管理装置10の主記憶部92の所定の領域に一時的に記憶される。
なお、S42の処理で取得対象となるリソースは、例えば、図12に例示のリソースV3のように、使用開始日時が再開日時Ton以前に発生したリソースである。このため、レポート情報レコードの「開始日時」カラムには、例えば、図9のS14の処理で格納された日時情報が既に格納されている。
S44では、管理装置10は、S42で取得した使用中のリソースに対するレポート情報レコードの「開始日時」カラムにS41で取得した日時情報Tonを格納する。つまり、本実施形態の管理装置10は、使用開始日時が再開日時Ton以前に発生したリソースの場合には、既に格納された日時情報をS41で取得した再開日時Tonで上書きすることとなる。
本実施形態の管理装置10は、S44の処理を実行することにより、使用開始日時が再開日時Ton以前に発生したリソースの場合であっても、再開日時Tonを使用開始日時として対象となるリポート情報を管理できる。
S45では、管理装置10は、S43で取得したレコードの、「資源名」,「容量(MB)」,「関連」といったリソース構成情報を複製し、新たなレポート情報レコードを作成する。S45の処理で作成されたレポート情報レコードには、新たな識別番号が付与され、「ID」カラムに格納される。そして、管理装置10は、S41で取得した再開日時Tonを、作成されたレポート情報レコードの「開始日時」カラムに日時情報として格納する。
S45の処理により、作成されたレポート情報レコードのリソースは、再開日時Tonに対応付けることができる。例えば、図12に例示のリソースV2のように、中断日時Toff及び再開日時Tonを跨ぎ、継続して使用される場合であっても、管理装置10は、中断後の再開日時Tonを使用開始日時として継続使用のリソースを新たに管理できることとなる。
S46では、管理装置10は、S45の処理で作成されたレポート情報レコードの「関連」カラムに設定された中断設定を解除する。なお、「関連」カラムの中断設定は、例えば、図13Aに例示するS33の処理で設定される。S41−S46の処理により、「開始日時」カラムに再開日時情報が格納されたリソースのレポート情報レコードは、例えば、付与された識別情報と共にレポート情報テーブル16に格納される。
ここで、管理装置10で実行されるS41の処理は、中断した管理の再開を受け付ける手順、ステップの一例である。また、管理装置10のCPU91等は、中断した管理の再開を受け付ける手段の一例として、S41の処理を実行する。
また、管理装置10で実行されるS44−S45の処理は、管理の再開日時を前記リソースの使用開始日時として記録する手順、ステップの一例である。また、管理装置10のCPU91等は、管理の再開日時を前記リソースの使用開始日時として記録する手段の一例として、S444−S45の処理を実行する。
次に、図13Cに例示のフローチャートにより、レポーティングOFF機能を有するレポート情報処理を説明する。図13Cに例示の処理は、図9に例示の処理と同様に、例えば、構成情報テーブル15への書き込み検出時に実行される。
図13Cに例示のフローチャートは、例えば、図9に例示するレポート情報処理のフローチャートと、S21−S22の処理を行うことで相違する。図13Cに例示のフローチャートでは、管理装置10は、S21−S22の処理を行うことにより、中断日時Toff以降にリソースの使用終了が生じた場合であっても、中断日時Toffを終了日時情報としてレポート情報を管理することができる。
先ず、S21の処理では、管理装置10は、S15で取得したレコードの「終了日時」カラムに日時情報が設定されているかを判定する。S15の処理で取得したレコードに終了日時が設定されているリソースは、例えば、図12に例示のリソースV1のように、中断日時Toff以降に使用終了が発生したリソースである。このため、レポート情報レコードの「終了日時」カラムには、例えば、図13AのS34の処理で格納された中断日時情報(Toff)が既に格納されている。
本実施形態の管理装置10は、使用終了日時が中断日時Toff以降に発生したリソースの場合には(S21,YES)、「関連」カラムの中断設定を解除し(S22)、S20の処理に移行する。つまり、使用終了日時が中断日時Toff以降に発生したリソースの「終了日時」カラムに、S11で取得した削除に伴う日時情報が上書きされることはない。このため、管理装置10は、使用終了日時が中断日時Toff以降に発生したリソースの「終了日時」カラムに格納された中断日時Toffを確定できることとなる。例えば、図12に例示のリソースV1は、図13Aに例示のS34の処理で、「終了日時」カラムに格納された中断日時情報(Toff)を終了日時情報として確定できる。
なお、本実施形態の管理装置10は、S21の否定判定処理の分岐(S21、NO)により、図9に例示のレポート情報処理と同一の処理(レポーティングON時の処理)を実行する(S16−S20)。
(動作例、中断前)
図12に例示のリソースV1〜V3を用いて、図13A〜図13Cに例示の処理を説明する。本実施形態の管理装置10は、中断日時Toff以前に使用開始されたリソースV1,V2に対し、構成情報テーブル15への書き込み処理を契機としてレポート情報の作成を行う(図13C、S11−S15,S21,NO、S16−S20)。リソースV1に対するレポート情報レコードの「開始日時」カラムにはS11で取得した日時情報Taが格納される(図13C、S14)。また、リソースV2に対するレポート情報レコードの「開始日時」カラムにはS11で取得した日時情報Tbが格納される(図13C、S14)。管理装置10は、作成したそれぞれのリソースに対するレポート情報レコードをレポート情報テーブル16に格納する(図13C、S20)。
(動作例、不使用期間)
管理装置10は、レポーティングOFFの設定を受け付けたタイミングで日時情報Toffを取得する(図13A、S31)。そして、管理装置10は、レポート情報テーブル
16を参照し、使用中のリソースV1,V2のレポート情報レコードを取得する(図13A、S32)。管理装置10は、取得したリソースV1,V2のレポート情報レコードの「関連」カラムに中断を示す情報を設定し、「終了日時」カラムに日時情報Toffを格納する(図13A、S33−34)。管理装置10は、所定の情報が格納されたそれぞれのリソースに対するレポート情報レコードをレポート情報テーブル16に格納する。
この結果、図12(1)に例示する、「終了日時」カラムに中断時点の日時情報Toffが格納されたレポート情報レコードが取得される。
管理装置10は、中断日時Toff以降であり、且つ、再開日時Ton以前に使用終了されたリソースV1に対し、構成情報テーブル15への書き込み処理を契機としてレポート情報の作成を行う(図13C、S11−S15,S21,YES、S22−S20)。
管理装置10は、リソースV1のレポート情報レコードを取得し、「終了日時」カラムに日時情報が設定されているかを判定する(図13C、S12,YES−S21)。リソースV1のレポート情報レコードの「終了日時」カラムには、中断日時Toffが既に格納されている(図13A、S34)。このため、管理装置10は、リソースV1のレポート情報レコードの「終了日時」カラムには日時情報が設定されていると判定(図13C、S21,YES)し、該レコードの「関連」カラムの中断設定を解除する(図13C、S22)。リソースV1では、管理装置10は、構成情報テーブル15への書き込み処理を契機として取得した日時情報Tc(図13C、S11)の、「終了日時」カラムへの格納処理(図13C、S16)を行わない。このため、例えば、図12(2)に例示するように、リソースV1の終了日時カラムに格納された日時情報は、中断日時Toffで確定する。
管理装置10は、中断日時Toff以降であり、且つ、再開日時Ton以前に使用開始されたリソースV3に対し、構成情報テーブル15への書き込み処理を契機としてレポート情報の作成を行う(図13C、S11−S15,S21,NO、S16−S20)。リソースV3に対するレポート情報レコードの「開始日時」カラムには構成情報テーブル15への書き込み処理を契機として取得(図13C、S11)した日時情報Tdが格納される(図13C、S14)。管理装置10は、リソースV3に対するレポート情報レコードをレポート情報テーブル16に格納する(図13C、S20)。
(動作例、再開後)
管理装置10は、レポーティングONの設定を受け付けたタイミングで日時情報Tonを取得する(図13B、S41)。そして、管理装置10は、レポート情報テーブル16を参照し、「終了日時」カラムに日時情報が格納されていないリソースV3のレポート情報レコードを取得する(図13B、S42)。また、管理装置10は、レポート情報テーブル16を参照し、「関連」カラムに中断を示す情報が格納されたリソースV2のレポート情報レコードを取得する(図13B、S43)。
管理装置10は、取得したリソースV3のレポート情報レコードの「開始日時」カラムに、レポーティングONの設定を受け付けたタイミングで取得した日時情報Tonを格納する(図13B、S44)。リソースV3のレポート情報レコードの「開始日時」カラムには、レポート情報作成時の日時情報Tdが既に格納されている。管理装置10は、リソースV3のレポート情報レコードの「開始日時」カラムに格納された日時情報Tdを、レポーティングONの設定を受け付けたタイミングで取得した日時情報Tonで上書きする。この結果、例えば、図12(2)のID番号4で例示するように、不使用期間中に作成されたリソースであっても、管理装置10は、レポーティングONの設定を受け付けたタイミングで取得した日時情報Tonを開始日時として管理できる。
また、管理装置10は、取得したリソースV2のレポート情報レコードの、「資源名」,「容量(MB)」,「関連」といったリソース構成情報を複製し、複製した構成情報を含むレコードに新たな識別情報を付与する。管理装置10は、新たな識別情報が付与されたリソースV2のレポート情報レコードの「開始日時」カラムに、レポーティングONの設定を受け付けたタイミングで取得した日時情報Tonを格納する(図13B、S45)。
新たな識別情報が付与されたリソースV2のレポート情報レコードの「関連」カラムには、中断を示す情報が設定されている。管理装置10は、新たな識別情報が付与されたリソースV2のレポート情報レコードの「関連」カラムに設定された、中断を示す情報を解除(図13B、S46)する。そして、管理装置10は、新たな識別情報が付与されたリソースV2のレポート情報レコードをレポート情報テーブル16に格納する。この結果、例えば、図12(2)のID番号3で例示するように、不使用期間を跨いで使用されるリソースであっても、管理装置10は、レポーティングONの設定を受け付けたタイミングで取得した日時情報Tonを開始日時として管理できる。
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
《その他》
以上の実施形態は、さらに以下の付記と呼ぶ態様を含む。以下の各付記に含まれる構成要素は、他の付記に含まれる構成と組み合わせることができる。
(付記1)
コンピュータが、
構成情報を記憶する構成情報記憶手段への書き込みを検出する手順と、
前記構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を判定する手順と、
前記判定結果に応じて、前記構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を記録する手順と、
を実行する管理方法。
(付記2)
前記構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を判定する手順と、
前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更前のリソースの終了日時とするとともに、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更後のリソースの使用開始日時として記録する手順と、
をさらに実行する付記1に記載の管理方法。
(付記3)
前記使用開始日時または使用終了日時に基づく管理の中断を受け付ける手順と、
前記中断した管理の再開を受け付ける手順と、をさらに実行し、
前記記録する手順では、前記コンピュータは、前記管理の中断日時を前記リソースの使用終了日時とし、前記管理の再開日時を前記リソースの使用開始日時として記録する、付記1または2に記載の管理方法。
(付記4)
コンピュータに、
構成情報を記憶する構成情報記憶手段への書き込みを検出するステップと、
前記構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を判定するステップと、
前記判定結果に応じて、前記構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を記録するステップと、
を実行させるための管理プログラム。
(付記5)
前記構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を判定するステップと、
前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更前のリソースの終了日時とするとともに、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更後のリソースの使用開始日時として記録するステップと、
をさらに実行させる付記4に記載の管理プログラム。
(付記6)
前記使用開始日時または使用終了日時に基づく管理の中断を受け付けるステップと、
前記中断した管理の再開を受け付けるステップと、をさらに実行させ、
前記記録するステップでは、前記コンピュータは、前記管理の中断日時を前記リソースの使用終了日時とし、前記管理の再開日時を前記リソースの使用開始日時として記録する、付記4または5に記載の管理プログラム。
(付記7)
構成情報を記憶する構成情報記憶手段への書き込みを検出する手段と、
前記構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を判定する手段と、
前記判定結果に応じて、前記構成情報に対応するリソースの使用開始日時または使用終了日時を記録する手段と、
を備える情報処理装置。
(付記8)
前記構成情報記憶手段への書き込みを基に、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を判定する手段と、
前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更前のリソースの終了日時とするとともに、前記書き込まれた構成情報に対応するリソースの変更日時を変更後のリソースの使用開始日時として記録する手段と、
をさらに実行する付記7に記載の情報処理装置。
(付記9)
前記使用開始日時または使用終了日時に基づく管理の中断を受け付ける手段と、
前記中断した管理の再開を受け付ける手段と、をさらに実行し、
前記記録する手段では、前記管理の中断日時を前記リソースの使用終了日時とし、前記管理の再開日時を前記リソースの使用開始日時として記録する、付記7または8に記載の情報処理装置。