[1.スロットマシンの全体構成]
以下、図面を参照して本発明の遊技機における好適な実施形態について、スロットマシン1を例に図面を参照して説明する。まず、図1乃至図11を参照して本実施形態のスロットマシン1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるスロットマシンにおいて透明部分を不透明として表した正面図であり、図2は図1の状態でスロットマシンを前から見た斜視図であり、図3はスロットマシンを後ろから見た斜視図である。また、図4は図1のスロットマシンにおいて透明部分の後方を表した正面図であり、図5は図4の状態でスロットマシンを前から見た斜視図である。更に、図6はスロットマシンを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図7はスロットマシンを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図8は、スロットマシンを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。また、図9〜図11はリール演出表示ユニット500を前から見た斜視図である。
本実施形態のスロットマシン1は、遊技ホールの島設備等に設置され前面が開口している箱状の筐体ユニット2と、筐体ユニット2内に収容されている遊技ユニット3と、遊技ユニット3が前方から視認可能となるように筐体ユニット2の前面の開口を開閉可能に閉鎖しているドアユニット4と、ドアユニット4の後側に取付けられている中ユニット5と、を主に備えている。
筐体ユニット2は、詳細は後述するが、箱状の筐体本体10と、遊技を制御するための主制御ユニット20と、遊技媒体としてのメダルの貯留及び払出しをするための払出ユニット30と、主制御ユニット20や払出ユニット30に加えてドアユニット4や中ユニット5等に備える各種電気部品に電源を供給するための電源ユニット50と、電源の入切や遊技内容に設定を行うためのスイッチユニット60と、を備えている。主制御ユニット20、払出ユニット30、電源ユニット50、及びスイッチユニット60は、筐体本体10内に取付けられている。
遊技ユニット3は、詳細は後述するが、外周面に複数の図柄から図柄列をそれぞれ有し左右に並んだ5つのリール70(図6参照)と、5つのリール70をそれぞれ独立して回転させるリール駆動機構80と、5つのリール70及びリール駆動機構80を筐体ユニット2内に取付けるためのユニットベース90と、を備えている。なお、左右に並んだ5つのリール70のうち中央の3つのリール70L〜70R(左リール70L、中リール70M、右リール70R)は図柄ゲームにおいて利益抽選の結果が表示されて遊技者の利益に直接的に影響を与えるメインリールである。一方、左右に並んだ5つのリール70のうち外側の2つのリール70L’,70R’(左サブリール70L’、右サブリール70R’)は図柄ゲームの結果に基づく遊技者の利益には影響を与えることのない演出用のサブリールである。また、上記5つのリール70のうちメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)は主制御基板21により回転及び停止の制御が実行されるが、サブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)は主制御基板21からの指示(制御コマンド)に基づいて周辺制御基板471により回転及び停止の制御が実行される。
ドアユニット4は、詳細は後述するが、筐体ユニット2の前面開口を開閉するドア本体ユニット100と、ドア本体ユニット100の上部に取付けられるトップカバーユニット200と、トップカバーユニット200の後側に取付けられる前可動演出ユニット300と、を備えている。ドア本体ユニット100は、遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)を回転させたり停止させたりして遊技を行うために遊技者が操作する操作ユニット120と、払出ユニット30から払出されたメダルを貯留するための受皿ユニット150と、を備えている。
中ユニット5は、詳細は後述するが、ドアユニット4に取付けられる中ユニットベース400と、演出画像を表示可能なメイン液晶表示装置450と、演出を制御するための周辺制御ユニット470と、演出画像を表示可能な表示領域の一部に後方に配置される遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)を視認可能な領域と、2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)を含めた5つのリール70の一部が視認可能となる領域と、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)と後方に配置される後述する下可動装飾体620とを視認可能な領域とに変化可能な図柄表示領域Aが形成されるリール演出表示ユニット500と、上部可動演出ユニット600と、遊技状態を表示するための図示しない状態表示器と、を備えている。通常の状態ではスロットマシン1の対面に着座する遊技者は、リール演出表示ユニット500に形成される図柄表示領域Aを通して、リール演出表示ユニット500の後方に配置される遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)を視認することができるようになっている。
この図柄表示領域Aは、通常の状態では3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のそれぞれに3段の図柄(合計9個の図柄)、つまり「3[1リールあたりに表示される図柄数]×3[リール数]」からなる図柄群を視認することができる正面視左右に長い長方形状の第1の領域として形成され(図9参照)、主制御基板21からの指示(制御コマンド)に基づいて周辺制御基板471により、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のそれぞれに3段の図柄(合計9個の図柄)からなる図柄群を視認することができる正面視左右に長い長方形状の領域に加えてこの長方形状の領域が上方に拡張されてその背部に位置する下可動装飾体620を視認可能な第2の領域と(図10参照)、2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)を含めた5つのリール70のそれぞれに上段の図柄からなる図柄群(合計5個の図柄)と下段の図柄からなる図柄群(合計5個の図柄)との合計10個の図柄群を視認することができる正面視左右に長い帯状の2つの領域からなる第3の領域と(図11参照)、に変化可能となっている。
このように図柄表示領域Aが第1の領域と第2の領域と第3の領域とに変化するのは、後述する導光板の面発光領域と非発光領域とによる発光態様の切り替えによるものである。なお、上記の第1の領域では、下可動装飾体620及び2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の視認が遮られているが、第2の領域では下可動装飾体620の視認が可能となり(2つのサブリールは視認が遮られている)、第3の領域では2つのサブリールの視認が可能となる(下可動装飾体620は視認が遮られている)。
ここで、リール演出表示ユニット500について、図12〜図16を参照して説明する。
リール演出表示ユニット500は、図12の前面分解斜視図及び図13の後面分解斜視図に示すように、フレーム500cと裏蓋500mとの間には、フレーム500cから裏蓋500mに向かって、タッチパネル500a、液晶パネル500e、スペーサ500s、第1の導光板500d、スペーサ500s、第2の導光板500f、スペーサ500s、及び第3の導光板500gという順番で平行となるように配列されて収容されている。なお、詳細は後述するが、これら各導光板500d、500f、500gは、例えば、上下面などの端面から入射された光をその内部で反射させて拡散することにより、その表面から均一な光を出射するパネルの一種である。
タッチパネル500aは、液晶パネル500eの前方を覆うように配置され、接触状態を検知することができる静電容量型の透明なタッチパネルである。
液晶パネル500eは、図12及び図13に示すように透明な矩形の平板状部材であり、その上端面及び下端面に各々2つの取付部500e1,500e2によってフレーム500c内に固定されている。液晶パネル500eは、その矩形の平板状部材の表面に沿って薄く広がる矩形の液晶パネル500e、及び、その矩形の周囲を包囲する形状の透明パネル500e4を備えている。
液晶パネル500eは、基本的な原理については後述するが、互いの偏光方向を所定の角度(例えば直角)とした2枚の偏光層を備えていると共に、これら2枚の偏光層の間に、多数の液晶分子が配列された液晶層を備えている。なお、配向膜などその他の構成については説明を省略する。液晶パネル500eは、例えば、後述する表示制御基板473による通電状態の制御に応じて、上記多数の液晶分子の配列状態を制御することにより光の透過量が制御される。この液晶パネル500eは、例えば、三原色に相当する透明な複数のドット毎に設けられた一対の透明電極への通電状態に応じてそれら各部分における各液晶分子の配列が変わり、それら複数のドット毎に、一方の偏光層を通過した光が他方の偏光層を通過する光量を調整することができる。
第1の導光板500dは、平板状の透明パネルであって、その透明パネルの上端面に導光板上装飾基板500d1(一方の光源)が設けられていると共に、その透明パネルの下端面に導光板下装飾基板500d2(他方の光源)が設けられている。
第1の導光板500dは、導光板上装飾基板500d1及び導光板下装飾基板500d2の光源の点灯により、内部に光が入射された際に正面から見た場合、第1の導光板500dの中央から下側へ向かって矩形状に形成される非発光領域500d3と、この非発光領域500d3を除いた形状となる凹字を上下にひっくり返した形状(以下、「逆凹字状」と記載する。)に形成される面発光源としての発光領域500d4と、を有している。第1の導光板500dでは、透明パネルの裏面(背面)であって発光領域500d4内に多数の反射部が加工形成されることで光源の点灯により発光領域500d4が面発光源となるのに対して、非発光領域500d3に発射部が全く形成されず、光源の点灯により非発光領域500d3が全く面発光源とならない。
第1の導光板500dにおいては、導光板上装飾基板500d1から出力された光(第1の光)がその上端面から入射されて透明パネルの内部を進みながら、上述のように透明パネルの裏面(背面)に形成した多数の反射部において反射し、主として正面から逆凹字状となって出力される。一方、導光板下装飾基板500d2から出力された光(第2の光)がその下端面から入射されて透明パネルの内部を進みながら多数の反射部で反射して逆凹字状となって主として正面から出力される。
つまり、第1の導光板500dは、発光領域500d4から正面方向(フレーム500cの方向)に面発光するのである。これにより、液晶パネル500eには、第1の導光板500dで面発光された逆凹字状の光が入射されることになり、正面から見た場合、液晶パネル500eの制御態様に応じて液晶パネル500eで逆凹字状の内側部分に画像を容易に視認することができるようになる。
第2の導光板500fは、平板状の透明パネルであって、その透明パネルの上端面に導光板上装飾基板500f1(一方の光源)が設けられていると共に、その透明パネルの下端面に導光板下装飾基板500f2(他方の光源)が設けられている。
第2の導光板500fは、導光板上装飾基板500f1及び導光板下装飾基板500f2の光源の点灯により、内部に光が入射された際に正面から見た場合、第2の導光板500fの下側に帯状に形成される非発光領域500f3と、この帯状を有する非発光領域500f3の上方に、帯状と同一の大きさを有する面発光源としての発光領域500f4と、この帯状を有する発光領域500f4の上方に、帯状と同一の大きさを有する帯状の非発光領域500f3と、この帯状を有する非発光領域500f3の上方であって第2の導光板500fの略中央から第2の導光板500fの上側までに亘って矩形状を有する面発光源としての発光領域500f4と、を有している。第2の導光板500fでは、透明パネルの裏面(背面)であって2つの発光領域500f4内に多数の反射部がそれぞれ加工形成されることで光源の点灯により2つの発光領域500f4が面発光源となるのに対して、2つの非発光領域500f3に発射部がそれぞれ全く形成されず、光源の点灯により2つの非発光領域500f3がそれぞれ全く面発光源とならない。
第2の導光板500fにおいては、導光板上装飾基板500f1から出力された光(第1の光)がその上端面から入射されて透明パネルの内部を進みながら、上述のように透明パネルの裏面(背面)に形成した多数の反射部において反射し、主として正面から帯状と矩形状とになって出力される。一方、導光板下装飾基板500f2から出力された光(第2の光)がその下端面から入射されて透明パネルの内部を進みながら多数の反射部で反射して帯状と矩形状とになって主として正面から出力される。
つまり、第2の導光板500fは、1つの帯状の発光領域500f4と1つの矩形状の発光領域500f4とによる2つの発光領域500f4から正面方向(フレーム500cの方向)に面発光するのである。これにより、液晶パネル500eには、第2の導光板500fで面発光された帯状の光と矩形状の光とが入射されることになり、正面から見た場合、液晶パネル500eの制御態様に応じて液晶パネル500eで帯状の内側部分と矩形状の内側部分とにそれぞれ画像を容易に視認することができるようになる。
第3の導光板500gは、平板状の透明パネルであって、その透明パネルの上端面に導光板上装飾基板500g1(一方の光源)が設けられていると共に、その透明パネルの下端面に導光板下装飾基板500g2(他方の光源)が設けられている。
第3の導光板500gは、導光板上装飾基板500g1及び導光板下装飾基板500g2の光源の点灯により、内部に光が入射された際に正面から見た場合、第3の導光板500gの下側から上側に向かって、この上側のみ山字状の曲線として矩形状に形成される非発光領域500g3と、この非発光領域500g3を除いた形状となる略門字状に形成される面発光源としての発光領域500g4と、を有している。第3の導光板500gでは、透明パネルの裏面(背面)であって発光領域500g4内に多数の反射部が加工形成されることで光源の点灯により発光領域500g4が面発光源となるのに対して、非発光領域500g3に発射部が全く形成されず、光源の点灯により非発光領域500g3が全く面発光源とならない。
第3の導光板500gにおいては、導光板上装飾基板500g1から出力された光(第1の光)がその上端面から入射されて透明パネルの内部を進みながら、上述のように透明パネルの裏面(背面)に形成した多数の反射部において反射し、主として正面から略門字状となって出力される。一方、導光板下装飾基板500g2から出力された光(第2の光)がその下端面から入射されて透明パネルの内部を進みながら多数の反射部で反射して略門字状となって主として正面から出力される。
つまり、第3の導光板500gは、発光領域500g4から正面方向(フレーム500cの方向)に面発光するのである。これにより、液晶パネル500eには、第3の導光板500gで面発光された略門字状の光が入射されることになり、正面から見た場合、液晶パネル500eの制御態様に応じて液晶パネル500eで略門字状の内側部分に画像を容易に視認することができるようになる。
以上のように、正面側から順に配列している第1の導光板500d、第2の導光板500f及び第3の導光板500gのいずれを面発光させるかに応じて、液晶パネル500eが矩形状を有しているにもかかわらず、物理的に他の形状を有する液晶パネル500eと全く別な存在として、画像が表示される表示部が現れる。
さらに詳しくリール演出表示ユニット500の構造について説明すると、リール演出表示ユニット500は、図218の部分断面斜視図に示すように、フレーム500cに裏蓋500mを装着することによって形成されるリール演出表示ユニット500の内部には、上述のように、タッチパネル500a、液晶パネル500e、スペーサ500S、第1の導光板500d、スペーサ500S、第2の導光板500f、スペーサ500S、及び第3の導光板500gが互いに平行となるように配置されて収容されている。なお、フレーム500cの前面に形成された開口部500caは、液晶パネル500eの矩形の液晶パネル500eの外周より小さい矩形状に形成されている。
第1の導光板500dには、図218の部分断面図に示すように、上端面に、基材500d5に多数のLED500d6(本実施形態では、LED500d6として白色LEDを採用している。)が実装された導光板上装飾基板500d1が設けられていると共に、図218においては図示を省略しているが、下端面に、同様に基材に多数のLEDが実装された導光板下装飾基板500d2が設けられている。これら導光板上装飾基板500d1及び導光板下装飾基板500d2は、後述する制御基板471と駆動基板477とによる制御による通電状態に応じて各LED500d6が光を出力する。これらの光は、第1の導光板500dの内部を通して反射され、前述のように逆凹字状の発光領域500d4から液晶パネル500eに向けて(上記正面方向に相当)に出力される。このように反射された光によって使用者の目には、液晶パネル500eの制御態様に応じて、この液晶パネル500eを通して、逆凹字状の内側部分に画像が視認されるようになる。
第1の導光板500dは、導光板上装飾基板500d1及び導光板下装飾基板500d2に設けられた各LED500d6が発光していない状態(通常の状態)では、第1の導光板500dが透明パネルとして構成されているため、使用者の目には、第1の導光板500dを介して、第1の導光板500dの後方が視認されるようになる。
第2の導光板500fは、2つの発光領域500f4と2つの非発光領域500f3との位置と形状を除き、第1の導光板500dとほぼ同様の構成であり、面発光する平板状の透明パネルであって、その透明パネルの上端面に、基材500f5に多数のLED500f6(本実施形態では、LED500f6として白色LEDを採用している。)が実装された導光板上装飾基板500f1(一方の光源)が設けられていると共に、図218においては図示を省略しているが、下端面に、同様に基材に多数のLEDが実装された導光板下装飾基板500f2(他方の光源)が設けられている。これら導光板上装飾基板500f1及び導光板下装飾基板500f2は、後述する制御基板471と駆動基板477とにより制御されている。
一方、第3の導光板500gも、発光領域500g4の位置と形状を除き、第1の導光板500dと第2の導光板500fとほぼ同様の構成であり、面発光する平板状の透明パネルであって、その透明パネルの上端面に、基材500g5に多数のLED500g6(本実施形態では、LED500g6として白色LEDを採用している。)が実装された導光板上装飾基板500g1(一方の光源)が設けられていると共に、図218においては図示を省略しているが、下端面に、同様に基材に多数のLEDが実装された導光板下装飾基板500g2(他方の光源)が設けられている。これら導光板上装飾基板500g1及び導光板下装飾基板500g2は、後述する制御基板471と駆動基板477とにより制御されている。
また、本実施形態では、透過型の液晶パネル500eの表示領域のうち、液晶パネル500eに何も画像などが表示されていない領域については、液晶パネル500eが透過型であり、裏蓋5001も透明であるため、使用者は、この領域と対応する透過型の液晶パネル500eの後方、つまりリール演出表示ユニット500の後方に存在するものを見ることができる。
なお、リール演出表示ユニット500に各導光板の後面に液晶シャッタをそれぞれ配置して収容するように構成してもよい。具体的には、フレーム500cと裏蓋500mとの間には、フレーム500cから裏蓋500mに向かって、タッチパネル500a、液晶パネル500e、スペーサ500s、第1の導光板500d、液晶シャッタA、スペーサ500s、第2の導光板500f、液晶シャッタB、スペーサ500s、第3の導光板500g、及び液晶シャッタCという順番で平行となるように配列されて収容される。液晶シャッタA〜Cは、シート状をなし、例えば、ネマティック液晶の小滴(カプセルと呼びます)が分散した透明なポリマー・フィルムを2枚の透明導電膜付きポリエステル・フィルムに挟んでなり、電圧が印加されていない状態では、棒状の分子として表される液晶はカプセルの内壁に沿って並ぶことで、入射した光は、ポリマーと液晶の屈折率の違いおよび液晶の複屈折性によってカプセルの表面や内部で屈折し、その結果、光は直進できず散乱し、液晶シャッタA〜Cは不透明に見える(拡散状態)。また、電圧が印加されると、液晶分子が電圧を印加した方向と平行に並ぼうとし、電極に対して垂直に配列することで、屈折率がポリマーのそれと一致する液晶であれば、カプセルの界面がないのに等しい状態となり、その結果、光は散乱せず直進し、液晶シャッタA〜Cは透明に見えることになる(非拡散状態)。液晶シャッタA〜Cの透明/不透明への切り替え制御は、例えば制御基板471により行われる。
液晶シャッタAは、第1の導光板500dの後面に沿うようにして第1の導光板500dの背後に配置され、第1の導光板500dの発光領域500d4の背後で大きさおよび形状に対応する逆凹字状のセグと、その他の領域に対応するその他セグと、の2つのセグメントで構成される。液晶シャッタAの場合、発光領域500d4を発光させるときには、逆凹字状のセグ部分に電圧を印加せずに拡散状態(乳白色)とする。この場合、乳白色のセグ部分に一部の光が反射して前方に向けられる。これによっても、液晶パネル500eの逆凹字状の内側部分が背後から照明されることになり、発光領域500d4と他の部分との境界が明確になる。そのため、液晶パネル500eにおける画像をより一層はっきり視認できるようになる。一方、発光領域500d4を発光させないときには、逆凹字状のセグ部分に電圧を印加して透過する光を拡散しない非拡散状態(透明)とする。なお、その他セグは、常に電圧が印加される状態に制御されており、非拡散状態(透明)とする。また、第2の導光板500f又は第3の導光板500gを面発光源として用いる場合には、逆凹字状のセグ部分とその他セグとが常に電圧がそれぞれ印加される状態に制御され、液晶シャッタAの全体を非拡散状態(透明)とする。
液晶シャッタBは、第2の導光板500fの後面に沿うようにして第2の導光板500fの背後に配置され、第2の導光板500fの2つ発光領域500d4の背後で大きさおよび形状に対応する帯状のセグと矩形状のセグと、その他の領域に対応するその他セグと、の2つのセグメントで構成される。液晶シャッタBの場合、2つの発光領域500f4を発光させるときには、帯状のセグ部分と矩形状のセグ部分とに電圧をそれぞれ印加せずに拡散状態(乳白色)とする。この場合、乳白色のセグ部分に一部の光が反射して前方に向けられる。これによっても、液晶パネル500eの帯状の内側部分と矩形状の内側部分とが背後から照明されることになり、2つの発光領域500f4と他の部分との境界が明確になる。そのため、液晶パネル500eにおける画像をより一層はっきり視認できるようになる。一方、2つの発光領域500f4を発光させないときには、帯状のセグ部分と矩形状のセグ部分とに電圧をそれぞれ印加して透過する光を拡散しない非拡散状態(透明)とする。なお、その他セグは、常に電圧が印加される状態に制御されており、非拡散状態(透明)とする。また、第1の導光板500f又は第3の導光板500gを面発光源として用いる場合には、帯状のセグ部分と矩形状のセグ部分と、その他セグと、が常に電圧がそれぞれ印加される状態に制御され、液晶シャッタBの全体を非拡散状態(透明)とする。
液晶シャッタCは、第3の導光板500gの後面に沿うようにして第3の導光板500gの背後に配置され、第3の導光板500gの発光領域500g4の背後で大きさおよび形状に対応する略門字状のセグと、その他の領域に対応するその他セグと、の2つのセグメントで構成される。液晶シャッタCの場合、発光領域500g4を発光させるときには、略門字状のセグ部分に電圧を印加せずに拡散状態(乳白色)とする。この場合、乳白色のセグ部分に一部の光が反射して前方に向けられる。これによっても、液晶パネル500eの略門字状の内側部分が背後から照明されることになり、発光領域500g4と他の部分との境界が明確になる。そのため、液晶パネル500eにおける画像をより一層はっきり視認できるようになる。一方、発光領域500g4を発光させないときには、略門字状のセグ部分に電圧を印加して透過する光を拡散しない非拡散状態(透明)とする。なお、その他セグは、常に電圧が印加される状態に制御されており、非拡散状態(透明)とする。また、第1の導光板500f又は第2の導光板500fを面発光源として用いる場合には、略門字状のセグ部分と、その他セグと、が常に電圧がそれぞれ印加される状態に制御され、液晶シャッタBの全体を非拡散状態(透明)とする。
[画像表示システム及びその電気系統]
次に、画像表示システム100及びその電気系統について、図15を参照して簡単に説明する。図15は、画像表示システムの電気系統を示す要部ブロック図である。画像表示システム100は、制御基板471、表示制御基板473、駆動基板477、及びリール演出表示ユニット500を備えて構成され、電源基板475からの各種電源が供給されている。制御基板471、表示制御基板473、及び駆動基板477等の各種基板は、リール演出表示ユニット500の各種制御を行うものであり、その詳細な説明を後述する。
まず、電源基板475が作成する各種電源は、制御基板471、表示制御基板473、駆動基板477、リール演出表示ユニット500におけるタッチパネル500a、及びリール演出表示ユニット500における液晶パネル500e等に対して、それぞれが必要とする電源が供給されている。また、電源基板475におけるグランド(GND)ラインは、制御基板471におけるグランド(GND)ラインと、表示制御基板473におけるグランド(GND)ラインと、駆動基板477におけるグランド(GND)ラインと、リール演出表示ユニット500におけるタッチパネル500aのグランド(GND)ラインと、リール演出表示ユニット500における液晶パネル500eのグランド(GND)ラインと、電気的に接続され、同一のグランド(GND)に接地されている。
制御基板471は、リール演出表示ユニット500を統括制御するものである。表示制御基板473は、制御基板471からの画像作成に関する各種信号に基づいて画像信号を作成してリール演出表示ユニット500における液晶パネル500eに出力すると共に、表示制御基板473の状態(例えば、1つの画像の作成完了した旨を伝える信号、画像作成に不具合が発生している旨を伝える信号、表示制御基板473に何らかの不具合が発生している旨を伝える信号等)を制御基板471に出力するものである。駆動基板477は、制御基板471からの導光板に関する各種信号に基づいてリール演出表示ユニット500における第1の導光板500d(導光板上装飾基板500d1及び導光板下装飾基板500d2の各LED500d6)、第2の導光板500f(導光板上装飾基板500f1及び導光板下装飾基板500f2の各LED500f6)、及び第3の導光板500g(導光板上装飾基板500g1及び導光板下装飾基板500g2の各LED500g6)のうち、いずれか1つの導光板を選択してLEDの輝度を調整すると共に、リール演出表示ユニット500におけるタッチパネル500aに対して操作された操作情報がタッチパネル500aから入力されると、その操作情報を制御基板471に出力するものである。
制御基板471は、画像作成に関する各種信号を表示制御基板473に出力することで画像による演出を進行する制御を行うことができる。制御基板471は、駆動基板477を介して、リール演出表示ユニット500におけるタッチパネル500aに対して操作された操作情報が入力されると、この入力された操作情報に基づいて、画像作成に関する各種信号を表示制御基板473に出力することで操作情報に基づく画像を液晶パネル500eに表示する制御を行うことができる。
なお、本実施形態では、制御基板471、表示制御基板473、及び駆動基板477等の各種基板は、リール演出表示ユニット500とすべて別体に設けるように構成しているが、各種基板のうち、いずれか1つ、2つ、若しくはすべての各種基板を、使用者がリール演出表示ユニット500の後方を視認する際に妨げとならないようにリール演出表示ユニット500の内部に収容するように構成することもできる。
[駆動基板477]
次に、駆動基板477について、図16を参照して説明する。図16は、駆動基板のブロック図である。
駆動基板477は、リール演出表示ユニット500に備える第1の導光板500dによる発光を調光点灯することができる第1の導光板制御回路480と、リール演出表示ユニット500に備える第2の導光板500fによる発光を調光点灯することができる第2の導光板制御回路482と、リール演出表示ユニット500に備える第1の導光板500dによる発光を調光点灯することができる第3の導光板制御回路484と、を主として備えている。
駆動基板477は、第1の導光板制御回路480に対する電源として第1の導光板用電源が電源基板475から供給され、第2の導光板制御回路482に対する電源として第2の導光板用電源が電源基板475から供給され、第3の導光板制御回路484に対する電源として第3の導光板用電源が電源基板475から供給されている。
駆動基板477は、第1の導光板500dによる発光を消灯、そして低輝度から高輝度までに亘る輝度範囲を調整して調光点灯することができる第1の導光板用PWM(Pulse Width Modulation)信号が制御基板471から入力され、第2の導光板500fによる発光を消灯、そして低輝度から高輝度までに亘る輝度範囲を調整して調光点灯することができる第2の導光板用PWM信号が制御基板471から入力され、第3の導光板500gによる発光を消灯、そして低輝度から高輝度までに亘る輝度範囲を調整して調光点灯することができる第3の導光板用PWM信号が制御基板471から入力されている。
制御基板471からの第1の導光板用PWM信号は、第1の導光板制御回路480に入力され、制御基板471からの第2の導光板用PWM信号は、第2の導光板制御回路482に入力され、制御基板471からの第3の導光板用PWM信号は、第3の導光板制御回路484に入力されている。
第1の導光板制御回路480は、第1の導光板500dの上端面に設けられる導光板上装飾基板500d1と、第1の導光板500dの下端面に設けられる導光板下装飾基板500d2と、にそれぞれ複数実装されるLED500d6に流れる電流を可変して輝度を調整することができるLEDドライバIC481を主として構成されている。第2の導光板制御回路482は、第2の導光板500fの上端面に設けられる導光板上装飾基板500f1と、第2の導光板500fの下端面に設けられる導光板下装飾基板500f2と、にそれぞれ複数実装されるLED500f6に流れる電流を可変して輝度を調整することができるLEDドライバIC483を主として構成されている。第3の導光板制御回路484は、第3の導光板500gの上端面に設けられる導光板上装飾基板500g1と、第3の導光板500gの下端面に設けられる導光板下装飾基板500g2と、にそれぞれ複数実装されるLED500g6に流れる電流を可変して輝度を調整することができるLEDドライバIC485を主として構成されている。
第1の導光板500dにおいて、導光板上装飾基板500d1は、6個のLED500d6が電気的に直列接続されるLED列を3列有し、計18個のLED500d6が実装されていると共に、導光板下装飾基板500d2は、6個のLED500d6が電気的に直列接続されるLED列を3列有し、計18個のLED500d6が実装されている。つまり、第1の導光板500dは、第1の導光板500dの上端面に18個のLED500d6が実装されていると共に、第1の導光板500dの下端面に18個のLED500d6が実装されていることにより、全体で36個のLED500d6により発光領域500d4が面発光することができるように構成されている。
第2の導光板500fにおいて、導光板上装飾基板500f1は、6個のLED500f6が電気的に直列接続されるLED列を3列有し、計18個のLED500f6が実装されていると共に、導光板下装飾基板500f2は、6個のLED500f6が電気的に直列接続されるLED列を3列有し、計18個のLED500f6が実装されている。つまり、第2の導光板500fは、第2の導光板500fの上端面に18個のLED500f6が実装されていると共に、第2の導光板500fの下端面に18個のLED500f6が実装されていることにより、全体で36個のLED500f6により発光領域500f4が面発光することができるように構成されている。
第3の導光板500gにおいて、導光板上装飾基板500g1は、6個のLED500g6が電気的に直列接続されるLED列を3列有し、計18個のLED500g6が実装されていると共に、導光板下装飾基板500g2は、6個のLED500g6が電気的に直列接続されるLED列を3列有し、計18個のLED500g6が実装されている。つまり、第3の導光板500gは、第3の導光板500gの上端面に18個のLED500g6が実装されていると共に、第3の導光板500gの下端面に18個のLED500g6が実装されていることにより、全体で36個のLED500g6により発光領域500g4が面発光することができるように構成されている。
LEDドライバIC481、LEDドライバIC483、及びLEDドライバIC485は、1つのLED列に対して最大で12個のLED(白色LED)を電気的に直列接続することができると共に、6つのLED列のLED(72個のLED(=12個のLED×6つのLED列))を駆動することができるものである。
また、LEDドライバIC481、LEDドライバIC483、及びLEDドライバIC485は、予め定めた上限電圧まで昇圧することができるPWM方式のDC/DCコンバータ部と、予め定めた上限電流まで一定の電流を流すことができるカレントドライバ部と、をそれぞれ備えるものであり、後述するパワーコントロール端子であるPOWCTL端子に入力されるそれぞれの第1の導光板用PWM信号、第2の導光板用PWM信号、及び第3の導光板用PWM信号に基づいてLEDの輝度点灯を高精度に行うことができるものである。
なお、本実施形態では、制御基板471は、第1の導光板500dにおける導光板上装飾基板500d1及び導光板下装飾基板500d2の各LED500d6を消灯するときには、第1の導光板用PWM信号の出力を停止する制御を行う一方、第1の導光板500dにおける導光板上装飾基板500d1及び導光板下装飾基板500d2の各LED500d6を点灯するときにはLEDの輝度を最大輝度(100%)とするように第1の導光板用PWM信号のデューティ比を設定して出力する制御を行う。また、制御基板471は、第2の導光板500fにおける導光板上装飾基板500f1及び導光板下装飾基板500f2の各LED500f6を消灯するときには、第2の導光板用PWM信号の出力を停止する制御を行う一方、第2の導光板500fにおける導光板上装飾基板500f1及び導光板下装飾基板500f2の各LED500f6を点灯するときにはLEDの輝度を最大輝度(100%)とするように第2の導光板用PWM信号のデューティ比を設定して出力する制御を行う。また、制御基板471は、第3の導光板500gにおける導光板上装飾基板500g1及び導光板下装飾基板500g2の各LED500g6を消灯するときには、第3の導光板用PWM信号の出力を停止する制御を行う一方、第3の導光板500gにおける導光板上装飾基板500g1及び導光板下装飾基板500g2の各LED500g6を点灯するときにはLEDの輝度を最大輝度(100%)とするように第3の導光板用PWM信号のデューティ比を設定して出力する制御を行う。
また、本実施形態では、第1の導光板制御回路480、第2の導光板制御回路482、及び第3の導光板制御回路484を同一の回路構成として採用した。ここでは、第1の導光板制御回路480について、以下詳細に説明し、第2の導光板制御回路482、及び第3の導光板制御回路484についての詳細な説明を省略する。
第1の導光板制御回路480は、LEDドライバIC481を主として構成されている。LEDドライバIC481は、レギュレータ部481a、エラーアンプ部481b、PWMコンパレータ部481c、カレント検出部481d、発振部(OSC)481e、制御部481f、SRフリップフロップ部481g、出力バッファ部481h、カレントドライバ部481i、入力バッファ部481kを主として回路構成されている。
LEDドライバIC481における上述した予め定めた上限電圧まで昇圧することができるPWM方式のDC/DCコンバータ部は、エラーアンプ部481b、PWMコンパレータ部481c、カレント検出部481d、発振部(OSC)481e、制御部481f、SRフリップフロップ部481g、及び出力バッファ部481hから構成される回路であり、LEDドライバIC481における上述した予め定めた上限電流まで一定の電流を流すことができるカレントドライバ部は、カレントドライバ部481iから構成される回路である。
レギュレータ部481aは、電源端子であるVin端子を介して電源が供給されると共に、パワーコントロール端子であるPOWCTL端子、そして入力バッファ部481kを介して、制御基板471からの第1の導光板用PWM信号が入力されている。レギュレータ部481aは、第1の導光板用PWM信号に基づいて、LEDドライバIC481内の各種回路部に供給するための内部電源Vregを作成したり、中止(停止)したりすることができるように構成されている。
エラーアンプ部481bは、6つの反転入力端子(図中、「−」と記載。)である第1の反転入力端子〜第6の反転入力端子と、1つの非反転入力端子(図中、「+」と記載。)と、を有している。導光板上装飾基板500d1は、上述したように、6個のLED500d6が電気的に直列接続されるLED列を3列有し、計18個のLED500d6が実装されていると共に、導光板下装飾基板500d2は、上述したように、6個のLED500d6が電気的に直列接続されるLED列を3列有し、計18個のLED500d6が実装されている。
本実施形態では、導光板上装飾基板500d1の3列のLED列のうち、第1のLED列の最終段のLED500d6(つまり、6つ目のLED500d6)のカソード端子がLED1端子を介して第1の非反転入力端子に電気的に接続され、導光板上装飾基板500d1の3列のLED列のうち、第2のLED列の最終段のLED500d6(つまり、6つ目のLED500d6)のカソード端子がLED2端子を介して第2の非反転入力端子に電気的に接続され、導光板上装飾基板500d1の3列のLED列のうち、第3のLED列の最終段のLED500d6(つまり、6つ目のLED500d6)のカソード端子がLED3端子を介して第3の非反転入力端子に電気的に接続されている。つまり、LED端子1〜LED端子3には、各LED列の最終段のLED500d6のカソード端子に印加される電圧が印加されることとなる。
また本実施形態では、導光板下装飾基板500d2の3列のLED列のうち、第1のLED列の最終段のLED500d6(つまり、6つ目のLED500d6)のカソード端子がLED4端子を介して第4の非反転入力端子に電気的に接続され、導光板下装飾基板500d2の3列のLED列のうち、第2のLED列の最終段のLED500d6(つまり、6つ目のLED500d6)のカソード端子がLED5端子を介して第5の非反転入力端子に電気的に接続され、導光板下装飾基板500d2の3列のLED列のうち、第3のLED列の最終段のLED500d6(つまり、6つ目のLED500d6)のカソード端子がLED6端子を介して第6の非反転入力端子に電気的に接続されている。つまり、LED端子4〜LED端子6には、各LED列の最終段のLED500d6のカソード端子に印加される電圧が印加されることとなる。
一方、非反転入力端子には、内部電源Vregから作成されるリファレンス電圧Vrefが印加されている。
エラーアンプ部481bは、第1の反転入力端子〜第6の反転入力端子に印加される電圧のうち、最も低い電圧と、非反転入力端子に印加されるリファレンス電圧Vrefと、を比較して比較結果を誤差電圧VerとしてPWMコンパレータ部481cに出力するように構成されている。エラーアンプ部481bは、導光板上装飾基板500d1の3列のLED列のうち、第1のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、導光板上装飾基板500d1の3列のLED列のうち、第2のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、導光板上装飾基板500d1の3列のLED列のうち、第3のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、導光板下装飾基板500d2の3列のLED列のうち、第1のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、導光板下装飾基板500d2の3列のLED列のうち、第2のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、及び導光板下装飾基板500d2の3列のLED列のうち、第3のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧と、後述する出力電圧Voutと、を比べてその差が大きくなればなるほど、誤差電圧Verが高くなるように構成されている。
このように、エラーアンプ部481bは、LED1端子〜LED6端子に印加される電圧(導光板上装飾基板500d1及び導光板下装飾基板500d2の各LED500d6の最終段のLED500d6のカソード端子に印加される電圧)をモニタリングしている。
PWMコンパレータ部481cは、1つの反転入力端子(図中、「−」と記載。)と、1つの非反転入力端子(図中、「+」と記載。)と、を有している。反転入力端子には、エラーアンプ部481bの比較結果である誤差電圧Verが印加されている一方、反転入力端子には、カレント検出部481dからの検出信号の電圧と、発振部(OSC)481eからの三角波信号の電圧と、が加算された電圧(以下、「加算電圧」と記載する。)Vadが印加されている。
PWMコンパレータ部481cは、反転入力端子に印加される誤差電圧Verと、非反転入力端子に印加される加算電圧Vadと、を比較して比較結果に従ってデューティ比の比較信号を作成して制御部481fに出力するように構成されている。
カレント検出部481dは、LEDドライバIC481と別体に(つまり、LEDドライバIC481の外付けとして)電気的に接続される後述する抵抗R1の端子間電圧を検出するための2つの端子(RP端子、RN端子)を介して印加される電圧に基づいて抵抗R1に流れる電流を検出して検出結果を検出信号としてPWMコンパレータ部481cに出力することができるように構成されている。
発振部(OSC)481eは、三角波電圧を作成して三角波信号としてPWMコンパレータ部481cに出力することができると共に、制御部481fに出力することができるように構成されている。
制御部481fは、PWMコンパレータ部481cからの比較信号に基づいて、セット信号とリセット信号とを作成してSRフリップフロップ部481gに出力することができるように構成されている。制御部481fは、スイッチング端子であるSW端子と電気的に接続される後述するNチャネル型電界効果トランジスタTr1をON/OFF制御するものであり、PWMコンパレータ部481cからの比較信号の論理がLOW(論理L)であるときにはNチャネル型電界効果トランジスタTr1をONに制御するために、セット信号とリセット信号とを作成してSRフリップフロップ部481gに出力することができる一方、PWMコンパレータ部481cからの比較信号の論理がHI(論理H)であるときにはNチャネル型電界効果トランジスタTr1をOFFに制御するために、セット信号とリセット信号とを作成してSRフリップフロップ部481gに出力することができるように構成されている。つまり制御部481fは、Nチャネル型電界効果トランジスタTr1をON/OFFすることができるスイッチング制御を、SRフリップフロップ部481gを介して、行うことができるように構成されている。
SRフリップフロップ部481gは、セット端子であるS端子、リセット端子であるR端子、出力端子であるQ端子等を有している。S端子には、制御部481fからのセット信号が入力され、R端子には、制御部481fからのリセット信号が入力されている。SRフリップフロップ部481gは、S端子に入力される制御部481fからのセット信号と、R端子に入力される制御部481fからのリセット信号と、に基づいて出力端子であるQ端子からスイッチング信号を出力バッファ部481hに出力する。スイッチング信号は、出力バッファ部481h、そしてスイッチング端子であるSW端子を介して、Nチャネル型電界効果トランジスタTr1に出力されることとなる。
カレントドライバ部481iは、エラーアンプ部481bの第1の反転入力端子〜第6の反転入力端子にそれぞれ印加される電圧が印加されている。つまり、カレントドライバ部481iは、導光板上装飾基板500d1の3列のLED列のうち、第1のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、導光板上装飾基板500d1の3列のLED列のうち、第2のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、導光板上装飾基板500d1の3列のLED列のうち、第3のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、導光板下装飾基板500d2の3列のLED列のうち、第1のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、導光板下装飾基板500d2の3列のLED列のうち、第2のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧、及び導光板下装飾基板500d2の3列のLED列のうち、第3のLED列の初段のLED500d6(つまり、1つ目のLED500d6)のアノード端子に印加される電圧がそれぞれ印加されている。
カレントドライバ部481iは、LEDドライバIC481と別体に外部に設けられる抵抗R2の一端と、電流設定端子であるIs端子を介して、電気的に接続されている。この抵抗R2の他端はグランド(GND)に接地されている。カレントドライバ部481iは、抵抗R2の抵抗値に従って、導光板上装飾基板500d1及び導光板下装飾基板500d2の各LED500d6に流れる電流を設定することができるものであり、本実施形態では、その電流を20ミリアンペア(mA)に設定する抵抗値が予め設定されている。
なお、LEDドライバIC481は、グランド(GND)の接地端子であるGND端子が駆動基板477のグランド(GND)に接地されている。駆動基板477のグランド(GND)は、電源基板475のグランド(GND)と電気的に接続されていると共に、制御基板471のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一のグランド(GND)となっている。
次に、LEDドライバIC481におけるPWM方式のDC/DCコンバータ部と共に動作するLEDドライバIC481と別体に設けられるDC/DCコンバータ部の周辺回路について説明する。第1の導光板制御回路480は、DC/DCコンバータ部の周辺回路として、LEDドライバIC481の外付けとして、コイルL1、ショットキーバリアダイオードD1(以下、「ダイオードD1」と記載する。)、Nチャネル型電界効果トランジスタTr1(以下、「トランジスタTr1」と記載する。)、抵抗R1、コンデンサC1、C2等の電気部品から構成されるチョッパ型昇圧回路を備えている。
このチョッパ型昇圧回路は、トランジスタTr1をON/OFFすることによりコイルL1を駆動して電源基板475からの第1の導光板用電源の電圧Vp1を昇圧して出力電圧Voutを作成するものである。
具体的には、電源基板475からの第1の導光板用電源(電圧Vp1)を供給する第1の導光板用電電供給ラインとコイルL1の一端とが電気的に接続され、コイルL1の他端がトランジスタTr1のドレインと電気的に接続されている。コイルL1の他端は、トランジスタTr1のドレインと電気的に接続されているほかに、ダイオードD1のアノード端子と電気的に接続されていると共に、一端がグランド(GND)に接地されているコンデンサC1の他端と電気的に接続されてLEDドライバIC481の電源端子であるVin端子と電気的に接続されている。
ダイオードD1のカソード端子は、一端がグランド(GND)に接地されているコンデンサC2の他端と電気的に接続されて、導光板上装飾基板500d1における3列のLED列のアノード端子(つまり、各LED列において、6個のLED500d6が電気的に直列接続された先頭のLED500d6のアノード端子)と、導光板下装飾基板500d2における3列のLED列のアノード端子(つまり、各LED列において、6個のLED500d6が電気的に直列接続された先頭のLED500d6のアノード端子)と、にそれぞれ電気的に接続されている。
トランジスタTr1のゲート端子は、LEDドライバIC481のスイッチング端子であるSW端子と電気的に接続され、トランジスタTr1のソース端子は、抵抗R1を介して、グランド(GND)に接地されている。
トランジスタTr1のソース端子と電気的に接続される抵抗R1の一端は、LEDドライバIC481のRP端子と電気的に接続されていると共に、抵抗R1の他端(つまり、グランド(GND)に接地される側)は、RN端子と電気的接続されている。
トランジスタTr1は、LEDドライバIC481のスイッチング端子であるSW端子からのON/OFF信号によりON/OFFする。トランジスタTr1がONする状態となると、電源基板475からの第1の導光板用電源によりスイッチ電流がコイルL1、トランジスタTr1、そして抵抗R1を介して、グランド(GND)へ向かって流れ、コイルL1に電気エネルギが蓄えられることとなる。これにより、ダイオードD1のアノード端子に印加される電圧は、トランジスタTr1によりグランド(GND)側へ引き下げられることとなる。このとき、トランジスタTr1がONする状態にコンデンサC2が充電されていると、ダイオードD1のカソード端子に印加される電圧がダイオードD1のアノード端子に印加される電圧(ここでは、ほぼグランド(GND)レベルとなっている)と比べて高い状態となることでダイオードD1に逆バイアスが印加される状態となり、コンデンサC2が放電された電流は、トランジスタTr1側へ向かって流れることを阻止されるのに対して、導光板上装飾基板500d1における3列のLED列と、導光板下装飾基板500d2における3列のLED列と、に向かって流れることとなる。
これに対して、トランジスタTr1がOFFする状態となると、コイルL1に蓄えた電気エネルギが放出されることでコイルL1に逆起電圧が発生する。これにより、コンデンサC2が放電されることで電圧が印加されるダイオードD1のカソード端子と比べてダイオードD1のアノード端子に印加される電圧が高い状態となることでダイオードD1に順バイアスが印加される状態となり、電源基板475からの第1の導光板用電源による電流は、導光板上装飾基板500d1における3列のLED列と、導光板下装飾基板500d2における3列のLED列と、に向かって流れることとなる。これにより、コンデンサC2を充電してコンデンサC2に印加される電圧を昇圧することができる。
このように、LEDドライバIC481がスイッチング端子であるSW端子からON/OFF信号をトランジスタTr1に出力することにより、トランジスタTr1のON/OFFをすることにより、コイルL1に電気的エネルギを蓄えて放出することでコイルL1に逆起電圧を発生させ、ダイオードD1とコンデンサC2とにより整流して、電源基板475からの第1の導光板用電源の電圧Vp1と比べて高い所定の電圧(直流電圧)を出力電圧Voutとして、導光板上装飾基板500d1における3列のLED列と、導光板下装飾基板500d2における3列のLED列と、にそれぞれ供給することができるようになっている。
抵抗R1は、トランジスタTr1に流れるスイッチ電流を検出ることができるため、LEDドライバIC481におけるカレント検出部481dは、トランジスタTr1に流れるスイッチ電流をモニタリングしている。
このように、第1の導光板制御回路480では、LEDドライバIC481において、上述したように、LED1端子〜LED6端子に印加される電圧(導光板上装飾基板500d1及び導光板下装飾基板500d2の各LED500d6の最終段のLED500d6のカソード端子に印加される電圧)をエラーアンプ部481bでモニタリングしていると共に、トランジスタTr1に流れるスイッチ電流をカレント検出部481dでモニタリングしていることにより、これらのモニタリングの結果によりトランジスタTr1のON/OFFするスイッチ制御を制御部481fで行うことができるようになっている。これにより、制御部481fは、仮にエラーアンプ部481bの反転入力端子に印加されるLED1端子〜LED6端子の電圧変動が急峻となったことにより上述した誤差電圧Verが追従することが困難となった場合において、カレント検出部481dによるトランジスタTr1に流れるスイッチ電流のモニタリングの結果に従ってトランジスタTr1のON/OFFすることができることで出力電圧Voutの変動を抑制することができる。このような出力電圧Voutの変動を抑制することができることにより、コンデンサC2として大容量を有する大型のコンデンサを採用する必要がなくなり、コスト削減に寄与することができると共に、コンデンサC2の駆動基板477における実装面積を小さく抑えることで駆動基板477に他の電子部品を配置するレイアウトに寄与することもできる。
このように、リール演出表示ユニット500の内部には、透過型の液晶パネルの背部に、当該液晶パネルのバックライトとして機能する複数(本例では3枚)の導光板が液晶パネルと略平行となるように配列して設けられている。また、各導光板の上側及び下側には、高輝度のLEDが一列に複数実装されたLED基板がそれぞれ配置されている。複数の導光板は図柄表示領域Aの第1の領域と第2の領域と第3の領域とにそれぞれ対応し、各導光板の間にはスペーサが設けられている。なお、これら各導光板は、例えば、上下面などの端面から入射された光をその内部で反射させて拡散することにより、その表面から均一な光を出射するパネルの一種である。
上記複数の導光板のうち図柄表示領域Aの第1の領域に対応する第1の導光板500dには、上側及び下側に設けられたLED基板に実装された高輝度のLED500d6を発光させて端面から入射された光をその内部で反射させ、後方に配置される遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の前方(第1の領域に対応する領域)を除く領域に面発光源としての発光領域が形成されるように、その透明パネルの裏側(背面)に多数の反射部が加工形成されている。
上記複数の導光板のうち図柄表示領域Aの第2の領域に対応する第2の導光板500fには、上側及び下側に設けられたLED基板に実装された高輝度のLED500f6を発光させて端面から入射された光をその内部で反射させ、後方に配置される遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)と2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の上段と下段との前方(第3の領域に対応する領域)を除く領域に面発光源としての発光領域が形成されるように、その透明パネルの裏側(背面)に多数の反射部が加工形成されている。
上記複数の導光板のうち図柄表示領域Aの第3の領域に対応する第3の導光板500gには、上側及び下側に設けられたLED基板に実装された高輝度のLED500g6を発光させて端面から入射された光をその内部で反射させ、後方に配置される遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)と下可動装飾体620との前方(第2の領域に対応する領域)を除く領域に面発光源としての発光領域が形成されるように、その透明パネルの裏側(背面)に多数の反射部が加工形成されている。
リール演出表示ユニット500は、図柄表示領域Aを第1の領域に設定する場合には、液晶パネルの表示領域のうち、図柄表示領域Aの第1の領域を除く領域に対応する表示領域に絵柄(画像)を表示制御するとともに、第1の導光板の上側及び下側に設けられたLED基板に実装された高輝度のLED500d6を発光させて第1の導光板500dの端面から内部に光を入射する。これにより、第1の導光板500dの内部に入射された光が第1の導光板500dの内部を進みながら裏面(背面)に形成した多数の反射部において反射し、正面(液晶パネル側)から図柄表示領域Aの第1の領域を除く領域に出力される。即ち、第1の導光板500dは液晶パネルの絵柄(画像)が表示制御される表示領域の背部から正面方向に面発光し、これにより液晶パネルには第1の導光板500dで面発光された光が入射されて、後述する液晶パネルの原理によって液晶パネルの表示領域のうち図柄表示領域Aの第1の領域を除く領域に対応する領域に絵柄(画像)を容易に視認することができるようになる。ただし、液晶パネルの表示領域のうち第1の領域を除く領域では、絵柄(画像)を容易に視認できる一方、この絵柄(画像)によって後方の視認が遮られる。したがって、下可動装飾体620及び2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の視認も遮られることとなる。
また、リール演出表示ユニット500は、図柄表示領域Aを第2の領域に設定する場合には、液晶パネルの表示領域のうち、図柄表示領域Aの第2の領域を除く領域に対応する表示領域に絵柄(画像)を表示制御するとともに、第2の導光板500fの上側及び下側に設けられたLED基板に実装された高輝度のLED500f6を発光させて第2の導光板の端面から内部に光を入射する。これにより、第2の導光板500fの内部に入射された光が第2の導光板500fの内部を進みながら裏面(背面)に形成した多数の反射部において反射し、正面(液晶パネル側)から図柄表示領域Aの第2の領域を除く領域に出力される。即ち、第2の導光板500fは液晶パネルの絵柄(画像)が表示制御される表示領域の背部から正面方向に面発光し、これにより液晶パネルには第2の導光板500fで面発光された光が入射されて、後述する液晶パネルの原理によって液晶パネルの表示領域のうち図柄表示領域Aの第2の領域を除く領域に対応する領域に絵柄(画像)を容易に視認することができるようになる。ただし、第1の領域と同様に、液晶パネルの表示領域のうち第2の領域を除く領域では、絵柄(画像)を容易に視認できる一方、この絵柄(画像)によって後方の視認が遮られる。
なお、本例では図柄表示領域Aを第2の領域に設定している場合に、液晶パネルにおけるリール70(左サブリール70L’、左リール70L、中リール70M、右リール70R、右サブリール70R’)の中段に対応する領域と、リール70(左サブリール70L’、左リール70L、中リール70M、右リール70R、右サブリール70R’)の上段のさらに一段上(最上段)に対応する拡張領域と、に絵柄(画像)としての図柄をスクロール表示して所定の図柄で停止表示することが可能になっている(図43参照)。
また、リール演出表示ユニット500は、図柄表示領域Aを第3の領域に設定する場合には、液晶パネルの表示領域のうち、図柄表示領域Aの第3の領域を除く領域に対応する表示領域に絵柄(画像)を表示制御するとともに、第3の導光板500gの上側及び下側に設けられたLED基板に実装された高輝度のLED500g6を発光させて第3の導光板500gの端面か内部に光を入射する。これにより、第3の導光板500gの内部に入射された光が第3の導光板の内部を進みながら裏面(背面)に形成した多数の反射部において反射し、正面(液晶パネル側)から図柄表示領域Aの第3の領域を除く領域に出力される。即ち、第3の導光板500gは液晶パネルの絵柄(画像)が表示制御される表示領域の背部から正面方向に面発光し、これにより液晶パネルには第3の導光板500gで面発光された光が入射されて、後述する液晶パネルの原理によって液晶パネルの表示領域のうち図柄表示領域Aの第3の領域を除く領域に対応する領域に絵柄(画像)を容易に視認することができるようになる。
なお、本例では図柄表示領域Aを第3の領域に設定している場合に、液晶パネルの表示領域のうち、下可動装飾体620の形状に対応する領域と、液晶パネルにおけるリール70(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の上段・中段・下段に対応する領域とを除く領域に、絵柄(画像)を表示することが可能になっている。とくに下可動装飾体620の形状に対応する領域は、下可動装飾体620の外縁に沿うかたちで非矩形状に仕切られている。これは、複数の導光板のうち一との導光板を、下可動装飾体620の形状に対応する領域を非発光領域とし、下可動装飾体620の形状に対応する領域を除く領域を発光領域とすることで実現できる。このように、絵柄(画像)が表示される領域と表示されない領域とを、下可動装飾体620の外縁に沿うかたちで非矩形状に仕切ることで、下可動装飾体620の作動による役物演出と液晶パネルに表示される表示演出とを近接した態様で行うことが可能となる。
また、図柄表示領域Aを第1の領域に設定する場合には、第1の導光板500dの上側及び下側に設けられたLED基板に実装された高輝度のLED500d6だけを発光させて第1の導光板500dに光を入射し、第2の導光板500f及び第3の導光板500gの内部には光を入射させないようにしている。同様に図柄表示領域Aを第2の領域に設定する場合には、第2の導光板の上側及び下側に設けられたLED基板に実装された高輝度のLED500f6だけを発光させて第2の導光板500fに光を入射し、第1の導光板500d及び第3の導光板500gの内部には光を入射させないようにし、図柄表示領域Aを第3の領域に設定する場合には、第3の導光板の上側及び下側に設けられたLED基板に実装された高輝度のLED500g6だけを発光させて第3の導光板500gに光を入射し、第1の導光板500d及び第2の導光板500fの内部には光を入射させないようにしている。これにより、複数の導光板それぞれに予め設定されている領域において面発光された光を液晶パネルに入射させることが可能になり、面発光される導光板を切り替えるだけの簡単な制御で、図柄表示領域Aを形状の異なる複数の領域に変化させることができる。
[2.筐体ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のスロットマシン1における筐体ユニット2の全体構成について、主に図6乃至図8を参照して詳細に説明する。筐体ユニット2は、前面が開口した箱状で、内部に遊技ユニット3が収容されると共に、前面の開口がドアユニット4により開閉可能に閉鎖されるものである。この筐体ユニット2は、前面が開口した箱状の筐体本体10と、筐体本体10内の上部に取付けられており遊技内容を制御する主制御ユニット20と、筐体本体10内の下部中央に取付けられており遊技媒体として投入されたメダルを受けると共に遊技結果に応じてメダルを払出す払出ユニット30と、筐体本体10内における払出ユニット30の正面視右側に取付けられており払出ユニット30から溢れたメダルを収納する収納箱40と、筐体本体10内における払出ユニット30の正面視左側に取付けられており島設備から供給される交流電源から各種の直流電源を作成する電源ユニット50と、筐体本体10内における電源ユニット50の前側に取付けられているスイッチユニット60と、を備えている。
[2−1.筐体本体]
筐体ユニット2の筐体本体10は、前面が開口し上下に延び箱状に形成されている。筐体本体10は、図示するように、底部を形成する平板状の底板11と、底板11の左右両端辺からそれぞれ上方に立上っている平板状の一対の側板12と、一対の側板12の上端辺同士を連結しており天部を形成している平板状の天板13と、天板13、一対の側板12、及び底板11により形成された正面視長方形状の後端開口を閉鎖している平板状の背板14と、内部を上下に仕切る仕切板15と、を備えており、前面が開口している箱状に形成されている。この筐体本体10は、左右両側に配置された一対の側板の前端辺が、下端よりも上端が後方に位置するように傾斜している。筐体本体10内における仕切板15上に、遊技ユニット3が取付けられる。
また、筐体本体10は、一対の側板12における上下方向の略中央に、前後方向に延びていると共に外側から内側に向かって窪んでいる取っ手16を備えている。また、筐体本体10は、正面視左側の側板12の前端に取付けられておりドアユニット4をヒンジ回転可能に取付けるためのヒンジ金具17と、正面視右側の側板12の前端内側に取付けられておりドアユニット4における施錠ユニット180の施錠フック182が係止される係止片(図示は省略)と、を備えている。
[2−2.主制御ユニット]
筐体ユニット2の主制御ユニット20は、図8に示すように、筐体本体10内において、背板14の前面上部に取付けられている。この主制御ユニット20は、遊技内容の制御と遊技媒体としてのメダルの払出しを制御するための主制御基板21と、主制御基板21を収容している主制御基板ボックス22と、主制御基板21での制御に用いられるプログラムやデータ等を予め記憶した制御ROMを備えているサブ主制御基板23と、サブ主制御基板23を収容しているサブ主制御基板ボックス24と、主制御基板ボックス22及びサブ主制御基板ボックス24が取付けられ、筐体本体10の背板14に取付けられる板状の取付ベース25と、主制御基板ボックス22とサブ主制御基板ボックス24とに跨って取付ベース25に取付けられるボックスカバー26と、を備えている。
詳細な図示は省略するが、主制御基板21は、正面視の形状が左右に延びた長方形に形成されており、前面の下端付近に入出力に用いられる複数のコネクタが取付けられている。主制御基板ボックス22は、主制御基板21の入出力用のコネクタが前方に臨むように、主制御基板21を収容している。また、主制御基板ボックス22は、前後に分割可能に形成されていると共に、分割(開閉)した痕跡が残るように形成されている。この主制御基板ボックス22は、取付ベース25の前面上部に、脱着可能に取付けられる。主制御基板ボックス22と取付ベース25とは、取付け取外しの痕跡が残るようにそれぞれが形成されている。
サブ主制御基板23は、正面視の形状が左右に延びた長方形に形成されており、前面の上端付近に入出力用に用いられる複数のコネクタが取付けられている。サブ主制御基板ボックス24は、サブ主制御基板23の入出力用のコネクタが前方に臨むように、サブ主制御基板23を収容している。また、サブ主制御基板ボックス24は、前後に分割可能に形成されていると共に、開閉した痕跡が残るように形成されている。このサブ主制御基板ボックス24は、主制御基板ボックス22の下側となる取付ベース25の前面下部に、脱着可能に取付けられる。サブ主制御基板ボックス24と取付ベース25とは、取付け取外しの痕跡が残るようにそれぞれが形成されている。
主制御基板ボックス22及びサブ主制御基板ボックス24は、取付ベース25の前面において、上下に並んで取付けられている。ボックスカバー26は、主制御基板ボックス22から前方に臨んでいる主制御基板21の複数のコネクタと、サブ主制御基板ボックス24から前方に臨んでいるサブ主制御基板23の複数のコネクタとを覆うように、取付ベース25に着脱可能に取付けられている。ボックスカバー26と取付ベース25とは、取付け取外しの痕跡が残るように形成されている。
[2−3.払出ユニット]
筐体ユニット2の払出ユニット30は、図6及び図8に示すように、筐体本体10内における左右方向の略中央で、底板11の上面に取付けられており、ドアユニット4の投入口123に投入されてメダルセレクタ170により振分けられた遊技媒体としてのメダルを貯留すると共に、貯留しているメダルをドアユニット4の受皿151に払出すものである。払出ユニット30は、底板11の上面に取付けられるユニット本体31と、ユニット本体31の上部に取付けられており、上方に開放されていると共に下部が下方に向かうに従って窄まっておりメダルを受けることが可能なホッパ32と、ホッパ32内の下端部でユニット本体31に回転可能に取付けられており、周方向に等間隔でメダルの外径よりも若干大きい直径で貫通している複数の収容部33aを有した円盤状の払出回転体33と、払出回転体33を回転駆動させユニット本体31に取付けられている払出モータ34と、払出モータ34の駆動により払出回転体33が回転させられることで収容部33aに収容されたメダルを払出しユニット本体31の前面に開口している払出口35と、を備えている。
払出ユニット30は、ドアユニット4の投入口に投入された後に、セレクタにより振分けられたメダルを、ホッパ32により受けると共に、ホッパ32内に貯留することができる。なお、ホッパ32内がメダルで一杯になった場合、溢れたメダルがホッパ32の排出口(図示は省略)から収納箱40内に排出される。また、払出ユニット30は、ホッパ32内に貯留されたメダルを、主制御基板21からの払出コマンドに応じて、払出モータ34により払出回転体33を回転させて、払出口35からメダルを払出す。払出口35から払出されたメダルは、ドアユニット4の放出口112を通って受皿151内に供給される(払出される)。この払出ユニット30は、払出モータ34の駆動によりメダルを1つずつ払出すことができる。
払出ユニット30のホッパ32から溢れたメダルが排出される収納箱40は、上方が開放された箱状に形成されている。この収納箱40内には、メダル満タンスイッチ40aとして上下に離間した一対の検知棒(図示は省略)が挿入されている。一対の検知棒は、それぞれ主制御基板21に接続されており、一対の検知棒の間を埋めるように収納箱40内にメダルが貯留されることで、一対の検知棒の間で接触している複数のメダルを通して、一対の検知棒の間で通電が可能となると、主制御基板21において収納箱40内がメダルで満杯になったと判断し、その旨を遊技者や遊技ホール側に報知する。
[2−4.電源ユニット]
筐体ユニット2の電源ユニット50は、島設備から供給される交流電源(AC24V)から各種の直流電源を作成して、主制御ユニット20、払出ユニット30、ドアユニット4や中ユニット5等のスロットマシン1内に備えられている各種電気部品に対して電源を供給するためのものである。この電源ユニット50は、筐体本体10内における正面視左側の側板12の下部に取付けられている。電源ユニット50は、島設備から供給される交流電源(AC24V)を後述する全波整流回路において整流して直流電源に変換して後述する電源作成回路において各種の直流電源(直流電源+5V、直流電源+12V、直流電源+24V)をそれぞれ作成して供給するための電源基板51と、電源基板51を覆い筐体本体10内の側板12に取付けられる電源基板ボックス52と、を備えている。電源基板51は、電源基板ボックス52によって全体が覆われている。
[2−6.スイッチユニット]
筐体ユニット2のスイッチユニット60は、筐体本体10内における電源ユニット50の前方で、正面視左側の側板12の内側下部に取付けられている。このスイッチユニット60は、スロットマシン1の電源スイッチ61と、遊技内容を設定するための設定スイッチ62と、を備えている。電源スイッチ61及び設定スイッチ62は、開閉可能なカバーにより覆われている。
スイッチユニット60の設定スイッチ62は、詳細な図示は省略するが、キースイッチとボタンスイッチとで構成されており、キースイッチに特定のキーを差し込んで回すことにより、OFFからONにすることで、ボタンスイッチの操作が受付可能となる。設定スイッチ62を操作することで、スロットマシン1をリセットしたり、遊技モードを変更したりすることができる。設定スイッチ62により設定された遊技モードは、中ユニット5の図示しない状態表示器の設定表示器に、アラビア数字で表示される。なお、この例では設定1から設定6の6段階のいずれかに遊技モードを設定可能とされ、設定に応じて出玉率(メダルの払い出し数/遊技に使用したメダルの枚数×100)が異なるようになっている。具体的には、設定1では出玉率が約97%とされ、設定が上がる毎に出玉率が増加し、設定6では約116%とされている。このように設定1では遊技に使用するメダルの枚数に対してメダルの払い出し数が少なくなるように設定されて遊技者にとって不利な状態となり、設定6では遊技に使用するメダルの枚数に対してメダルの払い出し数が多くなるように設定されて遊技者に有利な状態となる。
[3.遊技ユニット]
続いて、本実施形態のスロットマシン1における遊技ユニット3について、主に図6及び図11を参照して説明する。円筒状の5つのリール70と、各リール70を回転駆動可能に取付けているリール駆動機構80と、各リール70が同軸上となるように5つのリール駆動機構80を支持しており筐体本体10内における仕切板15の上面に取付けられるユニットベース90と、を備えている。遊技ユニット3は、左右方向に並んだ5つのリール70を備えており、正面視左から左サブリール70L’、左リール70L、中リール70M、右リール70R、右サブリール70R’、と称する。なお、ユニットベース90の前上側であって、中リール70Mの上方には、本実施形態のスロットマシン1が電源遮断時(停電や瞬停が発生した場合も含む。)において、電源遮断時から所定期間(本実施形態では、1分間に設定されている。)が経過するまでに亘って非常灯として発光するLEDが実装される図示しない非常灯基板が設けられている。このLEDが非常灯として発光することにより、筐体本体10内を明るくすることができる。この図示しない非常灯基板には、図示しない電解コンデンサが搭載されており、本実施形態のスロットマシン1が電源投入されると、電源ユニット50の電源基板51からの供給される直流電源(例えば、+5V)が図示しないダイオードを介して供給されることで充電されると共に、図示しない非常灯基板に設けられる図示しないリレー回路に直流電源が供給されることにより駆動されて、この直流電源がLEDに供給されないように回路接続する一方、本実施形態のスロットマシン1が電源遮断されると、図示しないリレー回路に直流電源が供給されず駆動できなくなることにより、図示しない電解コンデンサから放電される直流電源がLEDへ供給されるように回路接続してLEDが非常灯として発光するようになっている。
遊技ユニット3のリール70は、詳細な図示は省略するが、円盤状のハブから放射状に延びた複数(本例では5本)のスポークの先端同士を円環状のリムで連結しているリールメインフレーム71と、リールメインフレーム71から軸方向に離間していると共に同軸上に配置されておりリムと外径が同径の円環状のリールサブフレーム(図示は省略)と、リールサブフレームとリールメインフレーム71のリムとを連結しており透光性を有した円筒状のリールシリンダ73と、を備えている。リールメインフレーム71は、複数のスポークのうちの1つからリールサブフレーム側に突出している平板状の検知片を備えている。リール70におけるリールシリンダ73の外周面に、複数の図柄を列状に配列した図柄列(図37を参照)を印刷した透光性を有する図柄シート(図示は省略)が貼付けられている。
遊技ユニット3のリール駆動機構80は、ユニットベース90に取付けられる板状の駆動ベース81と、駆動ベース81の一方の面から直角に突出しておりリール70におけるリールメインフレーム71のハブを回転可能に支持する円柱状の軸部82と、駆動ベース81における軸部82が突出している側と同じ面側に回転軸が突出するように駆動ベース81に取付けられているリールモータ83と、リールモータ83の回転軸に取付けられている駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しておりリール70におけるリールメインフレーム71のハブに取付けられる従動ギア85と、駆動ベース81における軸部82が突出している側の面に取付けられておりリール70におけるリールメインフレーム71の検知片を検知可能なリール回転検知センサ86と、を備えている。
また、リール駆動機構80は、駆動ベース81における軸部82が突出している側の面に取付けられており組立てた状態で前面側が開放されている箱状のリフレクタ87と、リフレクタ87の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているリール装飾基板88と、を備えている。リフレクタ87は、開放されている前面側が、リール70における円筒状のリールシリンダ73の内周面に沿うように湾曲状に形成されている。また、リフレクタ87は、リールシリンダ73の内周面の周方向に対して3つに等分割されている。
リール装飾基板88は、主制御基板21により点灯制御(この点灯制御には、点灯する制御、点滅する制御、階調する制御、消灯する制御が含まれる。)される高輝度の白色LEDがリフレクタ87の3つに分割された部位のそれぞれに対するように実装されるリール装飾基板88Aと、中ユニット5の周辺制御ユニット470に備える後述する周辺制御基板により点灯制御(この点灯制御には、点灯する制御、点滅する制御、階調する制御、消灯する制御が含まれる。)される高輝度のフルカラーLEDがリフレクタ87の3つに分割された部位のそれぞれに対するように実装されるリール装飾基板88Bと、から構成されている(以下、リール装飾基板88Aに実装される高輝度の白色LEDと、リール装飾基板88Bに実装される高輝度のフルカラーLEDと、を単に「リール装飾基板88の高輝度のLED」と記載する場合がある)。
このリール駆動機構80は、駆動ベース81がリール70の軸方向におけるリールサブフレーム側の外方に位置するように組立てられる。また、組立てた状態では、リフレクタ87が、リール70におけるリールメインフレーム71とリールサブフレームとの間で、リールシリンダ73の内側に位置している。これにより、リール装飾基板88の高輝度のLEDを発光させると、リールシリンダ73(図柄シート)の一部を内側から高輝度で発光装飾させることができる。具体的には、主制御基板21は、リール装飾基板88Aに実装される高輝度の白色LEDを点灯制御することにより遊技者が後述する有効ラインの図柄に注視するためにリールシリンダ73(図柄シート)の内側から高輝度で発光装飾を行う。中ユニット5の周辺制御ユニット470に備える後述する周辺制御基板は、リール装飾基板88Bに実装される高輝度のフルカラーLEDを点灯制御することによりリールシリンダ73の内周面の周方向(上下方向)に並んだ3つ分の図柄を華やかに演出するためにリールシリンダ73(図柄シート)の内側から高輝度で発光装飾を行う。このように、リール装飾基板88Aに実装される高輝度の白色LEDが主制御基板21により点灯制御されると共に、リール装飾基板88Bに実装される高輝度のフルカラーLEDが中ユニット5の周辺制御ユニット470に備える後述する周辺制御基板により点灯制御されることにより、高輝度の白色LEDの発光態様と高輝度のフルカラーLEDの発光態様とによる協調によって、図柄の変動表示に、バリエーションを持たせた発光装飾を付加した演出を遊技者に提供することができる。
遊技ユニット3のユニットベース90は、前面が開放された箱状に形成されており、側面視における内周形状が、リール駆動機構80における駆動ベース81の外周形状と略一致している。このユニットベース90は、内部に、それぞれにリール70が回転駆動可能に取付けられている5つのリール駆動機構80を、各リール70が左右方向に延びた軸線に対して同軸上に取付けることができる。また、ユニットベース90は、内部にリール駆動機構80を介してリール70を取付けた状態で、リール70における外周面の約1/3が前方に露出するように形成されている。
遊技ユニット3における5つのリール70には、図柄の配列が異なった図柄シートがそれぞれ取付けられている(図37を参照)。それぞれの図柄シートには、周方向(つまりリール70の回転方向)に複数種別からなる多数の図柄が描かれている。遊技ユニット3は、リールモータ83がステッピングモータとされており、リールメインフレーム71の検知片をリール回転検知センサ86により検知することで、主制御基板21によりリール70の回転角度を正確に制御することができ、リール70(図柄シートに施された図柄)を所望の回転角度で回転停止させることができる。
遊技ユニット3は、左右に並んだ5つのリール70を、リール駆動機構80のリールモータ83により回転させることで、5つのリール70による5つの図柄列を変動表示させることができる。遊技ユニット3は、左右に並んだ5つのリール70を、それぞれリールモータ83により正面視において外周面に備えられた複数の図柄(図柄列)が上から下へ移動するように回転させることで、図柄を変動表示させる。また、遊技ユニット3は、各リール70内に配置されているリフレクタ87及びリール装飾基板88の高輝度のLEDの発光により、周方向(上下方向)に並んだ3つ分の図柄を高輝度で発光装飾させることができる。つまり、5つのリール装飾基板88にそれぞれ実装される高輝度のLEDが発光することにより、図柄表示領域Aが第1の領域及び第2の領域に設定されている場合には左右に3つ並んだ上下3段(上段・中段・下段)の合計9個の図柄を高輝度で発光装飾させることができ、図柄表示領域Aが第2の領域に設定されている場合には左右に5つ並んだ上段と下段との合計10個の図柄を高輝度で発光装飾させることができる。
スロットマシン1の対面に着座する遊技者は、上述したように、リール演出表示ユニット500に形成される図柄表示領域Aを通して、リール演出表示ユニット500の後方に配置される遊技ユニット3のリール70を視認することができるようになっている。具体的には、図柄表示領域Aが第1の領域及び第2の領域に設定されている場合には遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)を視認することができ(図9及び図10参照)、図柄表示領域Aが第3の領域に設定されている場合には遊技ユニット3のメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)とサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)とからなる5つのリール70全てを視認することができるようになっている(図11参照)。
ただし、上記したように、本例では図柄表示領域Aが第1の領域、第2の領域、及び第3の領域の間で変化可能に構成されているため、図柄表示領域Aが第1の領域及び第2の領域に設定されている場合には、図柄表示領域Aを通して視認することができる図柄群として、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のそれぞれに3段の図柄(合計9個の図柄)、つまり「3[1リールあたりに表示される図柄数]×3[リール数]」からなる図柄群を視認することができる一方(図9及び図10参照)、図柄表示領域Aが第3の領域に設定されている場合には、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)とサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)とからなる5つのリール70それぞれの上下3段の図柄のうち上段と下段の図柄だけ、つまり「2[1リールあたりに表示される図柄数]×5[リール数]」からなる図柄群だけを視認することができるようになっている(図11参照)。
[4.ドアユニットの全体構成]
次に、本実施形態のスロットマシン1におけるドアユニット4の全体構成について、主に図17乃至図20を参照して説明する。図17(a)はスロットマシンにおけるドアユニットを前から見た斜視図であり、(b)はドアユニットを後ろから見た斜視図である。また、図18はドアユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図19はドアユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
スロットマシン1のドアユニット4は、箱状に形成された筐体ユニット2の前面の開口を開閉可能に閉鎖するものである。ドアユニット4は、筐体ユニット2の前面に対して開閉可能に取付けられるドア本体ユニット100と、ドア本体ユニット100の上部前面に取付けられるトップカバーユニット200と、トップカバーユニット200とドア本体ユニット100との間に取付けられる前可動演出ユニット300と、を備えている。前可動演出ユニット300は、トップカバーユニット200を通して遊技者側(前側)から視認可能に取付けられている。
[4−1.ドア本体ユニット]
ドアユニット4におけるドア本体ユニット100について、主に図17乃至図18を参照して詳細に説明する。ドア本体ユニット100は、筐体ユニット2における筐体本体10の前面開口を閉鎖可能な大きさのドアベース110と、ドアベース110の前面に取付けられる操作ユニット120と、操作ユニット120の下側でドアベース110の前面に取付けられている前下装飾ユニット140と、前下装飾ユニット140の下側でドアベース110の前面に取付けられている受皿ユニット150と、を備えている。
また、ドア本体ユニット100は、ドアベース110の後面に取付けられている補強ユニット160と、ドアベース110の後面に取付けられているメダルセレクタ170と、ドアベース110の後面にて取付けられている施錠ユニット180と、ドアベース110の後面に取付けられている低音用スピーカ190と、を備えている。低音用スピーカ190は、ドアベース110の前面における前下装飾ユニット140と受皿ユニット150との間で前方に音を放射(出力)するように取付けられており、後述する周辺制御基板からの音信号により低音(重低音を含む)を出力することができる。
[4−1a.ドアベース]
ドア本体ユニット100のドアベース110は、筐体ユニット2における筐体本体10の前面開口を閉鎖可能な大きさに形成されており、正面視の外形形状が上下に延びた長方形に形成されている。ドアベース110は、上下方向中央よりもやや下寄りの位置から上側に、周縁が細く残るように四角形状で前後に貫通した開口部111を有している。また、ドアベース110は、開口部111よりも下方で正面視左右方向の略中央に、四角形状で前後に貫通している放出口112を更に有している。ドアベース110は、合成樹脂によって一体成型されている。
[4−1b.操作ユニット]
ドア本体ユニット100の操作ユニット120は、ドアベース110の前面における開口部111の下側に取付けられている。操作ユニット120は、ドアベース110の開口部111の下辺から前端側が僅かに低くなるように延出している棚部121と、棚部121の前端から下方に垂下している垂下部122と、を備えており、ドアベース110の前面から前方に膨出している。
また、操作ユニット120は、棚部121における正面視右端付近に遊技媒体としてのメダルを投入するための投入口123と、投入口123の左側で棚部121における正面視左右方向中央に配置されている演出ボタン124と、演出ボタン124の左側で棚部121の前端付近に配置されているMAXベットボタン125と、MAXベットボタン125の後方でやや左寄りに配置されている1ベットボタン126と、1ベットボタン126及びMAXベットボタン125の左側で棚部の左端付近に配置されている十字キー127と、を備えている。
更に、操作ユニット120は、垂下部122における正面視左右方向中央に左右に列設された3つの停止ボタン128と、停止ボタン128の正面視左側に配置され垂下部122から前方に突出している始動レバー129と、始動レバー129の左側で垂下部122の左端付近に配置されている清算ボタン130と、停止ボタン128の正面視右側に配置されている返却ボタン131と、を備えている。
操作ユニット120の投入口123は、円盤状のメダルを、裏表面を前後方向に向けた向きで1つずつ投入することができるように形成されている。投入口123に投入したメダルは、後述するメダルセレクタにより払出ユニット30側に振分けられてホッパ32内に貯留される。また、投入口123に投入されたメダルは、メダルセレクタ170内に設けられる投入センサ170aにおいて検知され、その検知信号が主制御基板21に送られることで、主制御基板21において投入されたメダルの数が計数されて記憶される。
演出ボタン124は、平面視の形状が横長の楕円形に形成されている。この演出ボタン124は、通常の状態では、上面が棚部121の上面から若干上方に突出しており、遊技状態に応じて棚部121の上面よりも高く突出して遊技者が押圧可能な状態となる。演出ボタン124は、遊技状態に応じて行われる演出の際に、遊技者が使用するためのものである。また、演出ボタン124は、図示は省略するが、内部に複数のLEDを備えており、LEDの発光により発光装飾させることができる。
MAXベットボタン125は、平面視の形状が円形で演出ボタン124よりは小さく形成されていると共に、常時押圧可能とされている。MAXベットボタン125は、投入口123に投入されたメダルがメダルセレクタ170内に設けられる投入センサ170aで検知されてその検出信号に基づいて主制御基板21において記憶されたメダルの数が3つ以上の時に、押圧操作が受付けられる。MAXベットボタン125の押圧操作が受付けられると、主制御基板21に記憶されている投入されたメダルの数から、1回の遊技に使用するメダルの数として最大である3枚を差し引いて遊技を開始できるようになる。MAXベットボタン125は、内部にLEDを備えており、LEDの発光により発光装飾させることができる。
1ベットボタン126は、平面視の形状が円形で、MAXベットボタン125よりも小さく形成されている。この1ベットボタン126は、受付可能な時に押圧操作をすると、主制御基板21において記憶されているメダルの数から、1回の遊技に使用するメダルの数として1枚を差し引いて遊技を開始できるようになる。
十字キー127は、詳細な図示は省略するが、中央に配置された円形の中ボタン、中ボタンの上側(後側)及び下側(前側)にそれぞれ配置された扇状の上ボタン及び下ボタン、中ボタンの左側及び右側に配置された扇状の左ボタン及び右ボタン、の合計5つのボタンを備えている。この十字キー127は、遊技状態に応じて行われる演出の際に、遊技者が使用するためのものである。
停止ボタン128は、左右に3つ並んでおり、左側から、左停止ボタン128L、中停止ボタン128M、右停止ボタン128Rとされている。これら3つの停止ボタン128は、遊技ユニット3における左右に並んだ3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)にそれぞれ対応しており、リール70が回転中に押圧操作を行うことで、対応しているリール70の回転を停止させることができる。各停止ボタン128は、それぞれLEDを備えており、LEDの発光により発光装飾させることができる。
始動レバー129は、投入口123にメダルを投入した後に、MAXベットボタン125又は1ベットボタン126を操作して遊技を開始することができる状態の時に操作すると、主制御基板21からの制御コマンドに基づいて、通常は遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)を回転させて遊技を開始させるものである。3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)が回転することで、各メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の外周面に施されている図柄が変動表示されることとなる。なお、図柄表示領域Aが上記第2の領域に設定されている場合には3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)だけでなく2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)も回転され、各サブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の外周面に施されている図柄も変動表示されることとなる。
清算ボタン130は、投入口123に投入して主制御基板21に記憶されているメダルの数と同じ数のメダルを、払出ユニット30から受皿151内に払出すと共に、主制御基板21に記憶されているメダルの数を「0」とするものである。返却ボタン131は、メダルセレクタ170内に貯留されているメダルを、受皿に返却するためのものである。
この操作ユニット120は、返却ボタン131の正面視右側に、施錠ユニット180の鍵穴185が臨んでいる。
[4−1c.前下装飾ユニット]
ドア本体ユニット100の前下装飾ユニット140は、操作ユニット120の下側で、操作ユニット120と同様にドアベース110の前面から前方に膨出している。前下装飾ユニット140は、操作ユニット120の垂下部122の下端から下方に延出した透光性を有する前下装飾部141と、前下装飾部141の左右両側にそれぞれ配置されているスピーカ142と、を備えている。
前下装飾ユニット140は、図示は省略するが、前下装飾部141の後側に配置されスロットマシン1のコンセプトに沿った装飾が印刷された透光性を有する装飾パネルと、装飾パネルの後側に配置されており前面に複数のLEDが実装された前下装飾基板と、を備えている。前下装飾基板のLEDを適宜発光させることで、前下装飾部141を発光装飾させることができる。
2つのスピーカ142は、後述する周辺制御基板からの音信号によりステレオでサウンドを出力することができる。また、スピーカ142は、前面にパンチングメタルからなるスピーカカバーにより覆われている。
[4−1d.受皿ユニット]
ドア本体ユニット100の受皿ユニット150は、前下装飾ユニット140の下面から下方に間隔を開けてドアベース110の前面下端に取付けられている。受皿ユニット150は、ドアベース110の前面から前方に膨出していると共に、上方に開放されている皿状の受皿151と、受皿151の正面視左側に配置されている灰皿152と、を備えている。ドアベース110における受皿151の後壁を形成している部位に、放出口112が配置されており、払出ユニット30から払出されたメダルが、放出口112を通って受皿151内に放出される。
[4−1e.補強ユニット]
ドア本体ユニット100の補強ユニット160は、金属板により形成されており、ドアベース110を後側から補強している。補強ユニット160は、ドアベース110の後面における正面視左辺に沿って取付けられており筐体ユニット2における筐体本体10のヒンジ金具17に対してヒンジ回転可能に取付けられる棒状の左補強金具161と、ドアベース110の後面において上辺に沿って取付けられる棒状の上補強金具162と、ドアベース110の後面において開口部111の下辺に沿って取付けられる棒状の中補強金具163と、ドアベース110の後面の前下装飾ユニット140よりも下側となる部位に取付けられる平板状の下部補強板164と、を備えている。
補強ユニット160における左補強金具161、上補強金具162、及び中補強金具163は、帯板状の金属板を屈曲して形成されている。補強ユニット160の上補強金具162及び中補強金具163に、後述する中ユニット5が取付けられる。
[4−1f.メダルセレクタ]
ドア本体ユニット100のメダルセレクタ170は、ドアベース110の後面における開口部111よりも下側で操作ユニット120の投入口123の後方に相当する部位に取付けられている。メダルセレクタ170内には、投入口123に投入されたメダルを検知することができる投入センサ170aが設けられている。メダルセレクタ170は、通常の状態では、操作ユニット120の投入口123にメダルが投入されると、投入されたメダルを払出ユニット30側に誘導して検知した上で、払出ユニット30のホッパ32に放出する。
メダルセレクタ170は、操作ユニット120の返却ボタン131を押圧している状態では、メダルセレクタ170内に貯留されているメダル、及び、新たに投入口123に投入されたメダルを、受皿151側に振分けて、ドアベース110放出口112から受皿151内に放出させる。つまり、メダルセレクタ170は、通常の状態では、投入口123に投入されたメダルを、払出ユニット30側に振分けている。
[4−1g.施錠ユニット]
ドア本体ユニット100の施錠ユニット180は、ドアベース110の後面における正面視右辺に沿って取付けられている。施錠ユニット180は、ドアベース110の正面視右辺の長さよりも若干短く形成されておりドアベース110の後面に取付けられる施錠本体181と、施錠本体181の上端と下端付近にそれぞれ左右方向に延びた軸周りに回動可能に取付けられており筐体本体10の係止片(図示は省略)に係止可能な一対の施錠フック182と、一対の施錠フック182をそれぞれ回動させ、施錠本体181にスライド可能に取付けられているスライド棹183と、前後に延びた軸周りに回動することでスライド棹183を施錠本体181に沿ってスライドさせる施錠カム184と、前端に開口している鍵穴185に鍵を差し込むことで施錠カム184を回動可能とすると共に、差し込んだ鍵を回動させることで施錠カム184が回動する施錠シリンダ(図示は省略)と、を備えている。
施錠ユニット180は、筐体ユニット2の開口している前面をドアユニット4により閉鎖すると、一対の施錠フック182が筐体ユニット2の図示しない係止片にそれぞれ係止され、筐体ユニット2に対してドアユニット4が開放不能な状態となる。この状態で、施錠ユニット180の鍵穴185に対応している鍵を差し込んで回動させると、一対の施錠フック182がそれぞれ回動して、係止片との係止が解除され、筐体ユニット2に対してドアユニット4を開放させることができる。
この施錠ユニット180は、施錠本体181等が金属板により形成されており、ドアベース110の後面に取付けることで、補強ユニット160と共にドアベース110を補強している。
[4−2.トップカバーユニット]
続いて、ドアユニット4のトップカバーユニット200について、主に図18乃至図20を参照して詳細に説明する。図20は、ドアユニットにおけるトップカバーユニットを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。トップカバーユニット200は、ドアベース110の開口部111を閉鎖するように、ドア本体ユニット100の上部前面に取付けられる。
トップカバーユニット200は、ドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111を閉鎖可能とされ、後方が開放された浅い箱状のトップカバー201を備えている。また、トップカバー201は、四隅を除いた略全体が透明に形成されている。このトップカバー201は、スロットマシン1に組立てた時に略垂直に立ち上がり、ドアベース110の開口部111と略同じ大きさの平面状の窓部201aを有している。
[4−3.前可動演出ユニット]
ドアユニット4における前可動演出ユニット300について、主に図18、図19、及び図21を参照して詳細に説明する。図21(a)はドアユニットにおける前可動演出ユニットの正面図であり、(b)は(a)の状態から前可動装飾体を下降させた状態で示す前可動演出ユニットの正面図である。前可動演出ユニット300は、トップカバーユニット200の後側で、ドア本体ユニット100のドアベース110における開口部111の形成されている前面に取付けられるものである。
前可動演出ユニット300は、正面視の形状が略四角形で枠状に形成されているユニットベース301と、ユニットベースの後側に配置されており、少なくとも前面に装飾が施された前可動装飾体310と、前可動装飾体310を遊技状態に応じて昇降させる昇降駆動機構320と、を備えている。
前可動演出ユニット300のユニットベース301は、ドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111が形成されている上部前面に取付けられる。このユニットベース301は、ドアベース110の開口部111の内周形状よりもやや大きく形成されている。枠状のユニットベース301は、上辺を形成している部位が、他の辺を形成している部位と比較して、幅(上下の寸法)が大きく形成されている。このユニットベース301は、透明に形成されている。
前可動装飾体310は、上下方向が略一定の寸法に形成されていると共に、左右方向がユニットベース301の左右の寸法よりも若干短く形成されており、左右に長く延びている。前可動装飾体310は、上下方向の寸法が、ユニットベース301における上辺を形成している部位の上下方向の寸法と、略同じである。前可動装飾体310は、正面視において、下辺における左端付近が下方に突出した外形形状に形成されている。この前可動装飾体310は、スロットマシン1のコンセプトに沿ったアイテムとして、正面視左側を先端側とするナタ(鉈鎌)を模した形状に形成されている。また、前可動装飾体310は、図示は省略するが、前面に複数のLEDが実装された前可動装飾体装飾基板を備えており、複数のLEDの発光により発光装飾させることができる。
昇降駆動機構320は、枠状のユニットベース301における左右両辺を形成している部位のそれぞれ後側に上下両端が取付けられていると共に、前可動装飾体310の左右両端部を昇降可能に取付けている円柱状のスライドシャフト321と、左右のスライドシャフト321のそれぞれの上下両端付近で前後に延びた軸周りに回転可能にそれぞれユニットベース301に取付けられている上下に離間した一対のプーリ322と、上下に離間している一対のプーリ322に巻き掛けられていると共に、一部が前可動装飾体310の左端部又は右端部にそれぞれ取付けられている駆動ベルト323と、左右のスライドシャフト321のそれぞれの上端部付近でユニットベース301に取付けられており上下に離間しているプーリ322のうちの上側のプーリ322をそれぞれ回転駆動させる前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325と、を備えている。
前可動演出ユニット300における前可動装飾体310の図示しない前可動装飾体装飾基板や、昇降駆動機構320の前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325等は、中ユニット5の周辺制御ユニット470に備える後述する周辺制御基板によって制御される。
また、前可動演出ユニット300は、枠状のユニットベース301の前面の左右両側に取付けられており、立体的な装飾を有した前サイド装飾部材330を備えている。前サイド装飾部材330は、ユニットベース301の略全高に亘って上下に延びている。また、前サイド装飾部材330は、表面に金属光沢を有するメッキ層が形成されている。左右の前サイド装飾部材330は、ドアユニット4に組立てた状態で、トップカバーユニット200におけるトップカバー201の窓部201aよりも左右両外側に位置しており、窓部201aの左右両側を装飾している。
この前可動演出ユニット300は、通常の状態では、図21(a)に示すように、前可動装飾体310が上昇端に位置している。この状態では、前可動装飾体310の下端が、ユニットベース301における上辺を形成している部位の下辺よりも若干下方に位置している。なお、図示は省略するが、前可動装飾体310は、この状態でも、透明なユニットベース301を通して前方(遊技者側)から視認することができる。
前可動演出ユニット300は、遊技状態に応じて昇降駆動機構320の前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325を回転駆動させることで、上昇端に位置している前可動装飾体310を下降端の位置まで下降させることができる(図21(b)を参照)。前可動装飾体310が下降端に位置している状態では、図示するように、前可動装飾体310の下辺における下方に延出した正面視左端付近の部位が、枠状のユニットベース301の下辺を形成している部位の位置まで下降していることから、前可動装飾体310における下辺の殆どの部位は、ユニットベース301の下辺よりも上方に離間している。つまり、前可動装飾体310を下降端に位置させた時に、前可動装飾体310の下辺の下側に、後方が視認可能な左右に延びた略四角形の後方視認可能領域302が形成される。
前可動演出ユニット300における前可動装飾体310の下降により形成される後方視認可能領域302は、上述した図柄表示領域Aが第1の領域及び第2の領域に設定されているときに左右に3つ並んだ下段の図柄と対応している。図柄表示領域Aは、上述したように、図柄表示領域Aが第1の領域及び第2の領域に設定されているときには、図柄表示領域Aを通して視認することができる図柄群として、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の上段・中段・下段から構成される3段の図柄(合計9個の図柄)となる。そして、第1の領域及び第2の領域に設定されているときに前可動装飾体310を下降端に位置させると、後方視認可能領域302を通して、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)により表示される上下3段(上段・中段・下段)の合計9個の図柄のうち、下段に位置する3つの図柄については遊技者側から良好に視認することができるように構成されている。
また、前可動演出ユニット300は、中ユニット5の周辺制御ユニット470に備える後述する周辺制御基板により前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325を適宜制御することで、前可動装飾体310を、上昇端と下降端との間の任意の位置で停止させることができる。従って、様々な昇降位置で前可動装飾体310を停止させたり、様々なパターンで前可動装飾体310を昇降させたりすることができるため、多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[5.中ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のスロットマシン1における中ユニット5の全体構成について、主に図22乃至図27を参照して説明する。図22(a)はスロットマシンらおける中ユニットの正面図であり、(b)は中ユニットの背面図である。また、図23は中ユニットを前から見た斜視図であり、図24は中ユニットを右後ろから見た斜視図であり、図25は中ユニットを左後ろから見た斜視図である。更に、図26は中ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図27は中ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。中ユニット5は、ドアユニット4のドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111が形成されている部位の後側に取付けられ、トップカバー201の窓部201aを通して遊技者に演出画像や可動演出等を提示するものである。
中ユニット5は、ドアベース110の後側に取付けられる枠状の中ユニットベース400と、中ユニットベース400の後面上部に着脱可能に取付けられており演出画像を表示可能なメイン液晶表示装置450と、メイン液晶表示装置450の後面に取付けられている周辺制御ユニット470と、中ユニットベース400からのメイン液晶表示装置450の取外しを阻止している防犯部材490と、中ユニットベース400の前面下部に取付けられており演出画像を表示可能な表示領域の一部に上述した遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)や2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)を視認可能であって背部が視認可能(視認可能とならない領域にあっては完全に視認不可能な状態であるものに限らず画像等を表示することによって背部の視認が困難な状態であるものであってもよい)となる領域が異なる第1の領域と第2の領域と第3の領域とに変化可能な図柄表示領域Aが形成されるリール演出表示ユニット500と、中ユニットベース400の後面上部でメイン液晶表示装置450の前側に取付けられる上部可動演出ユニット600と、中ユニットベース400の前面下端部に取付けられている図示しない状態表示器と図示しない払出表示器と、中ユニットベース400の後面にメイン液晶表示装置450を後側から覆うように着脱可能に取付けられている装飾駆動基板ユニット900と、を備えている。
[5−1.中ユニットベース]
中ユニット5の中ユニットベース400について、主に図22乃至図29を参照して詳細に説明する。図28は中ユニットにおける中ユニットベースを前から見た斜視図であり、図29は中ユニットにおける中ユニットベースを後ろから見た斜視図である。中ユニットベース400は、ドアユニット4のドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111の後方で、補強ユニット160の上補強金具162及び中補強金具163の後面に取付けられるものである。
中ユニットベース400は、左右に離間しており前後方向が略一定で上下方向に長く延びた平板状の一対の側部401と、一対の側部401の上端同士を連結している上連結部402と、一対の側部401の上下方向略中央同士を連結している中連結部403と、一対の側部401の下端同士を連結している下連結部404と、一対の側部401と中連結部403と下連結部404とにより囲まれる透明な矩形状に形成される仕切り板408と、を備えている。
上連結部402は、棒状に形成されており、一対の側部401の上端における後部同士を連結している。中連結部403は、一対の側部401の上下方向において、中央から下寄りで、前後方向の後部側の部位同士を連結している。この中連結部403は、一対の側部401の前後方向中央より前寄りの位置から後方へ水平に延びた上で、その後端から上方へ延びた形態に形成されており、中連結部403は、側面断面形状が、略L字状に形成されている。下連結部404は、一対の側部401の下端における前部同士を連結している。この中ユニットベース400は、正面視の形状が、略「日」の字形の枠状に形成されている。
仕切り板408は、略L字状に形成されている中連結部403の上辺と対応する一対の側部401の前後方向中央より前寄りの位置と、下連結部404の前後方向中央より前寄りの位置と、一対の側部401の前後方向中央より前寄りの位置と、を結ぶ矩形状の平面として配置され、仕切り板408に形成される図示しない取付部を、図示しないネジ(ビス)により一対の側部401に固定することにより一対の側部401に取付けられることにより、中ユニットベース400における左右一対の側部401、中連結部403、及び下連結部404により形成される正面視略矩形状の開口を閉鎖することができるようになっている。
下連結部404の前後方向のうち手前側(前辺)から仕切り板408が配置されるまでの距離寸法の略中央には、リール演出表示ユニット500を取付けるための貫通孔404aが所定間隔を開けて形成されており、リール演出表示ユニット500を中ユニットベース400の前方から仕切り板408の前面を覆うように、下連結部404に載置して、下連結部404の下方から図示しないネジ(ビス)を、貫通孔404aを通して、リール演出表示ユニット500に形成されるネジ孔に固定することでリール演出表示ユニット500を下連結部404に取付けることができるようになっている。
中ユニットベース400は、ドアユニット4に取付けられてドアユニット4が筐体ユニット2を閉鎖する状態において、筐体ユニット2内に収容される遊技ユニット3の5つのリール70が仕切り板408の後方に配置されるものの、仕切り板408と5つのリール70の外周面と干渉しないように所定の距離寸法だけ離れるように配置されている(図8を参照)。仮に、筐体ユニット2内に収容される何らかの構造部材の破片がリール70の回転によりリール演出表示ユニット500へ向かって飛ばされたとしても、その破片が仕切り板408によりはね返されてリール演出表示ユニット500が損傷しないようになっている。
中ユニットベース400は、上連結部402の左右両端部付近の上面から前方に突出している一対の係止片405と、下連結部404の左右両端の前端からそれぞれ下方に突出している一対の下取付部406と、を備えている。一対の係止片405は、ドアユニット4の補強ユニット160における上補強金具162の上面に係止されるものであり、上補強金具162に係止することで、ドアユニット4に中ユニット5を取付ける際に、ドアユニット4に対して中ユニット5の高さ方向の位置決めを行うことができると共に、中ユニット5を吊下げることができ、取付作業を容易にできるようにしている。この中ユニットベース400は、上連結部402と、一対の下取付部406とが、図示しないネジ(ビス)により補強ユニット160の上補強金具162と中補強金具163とに取付けられる。
また、中ユニットベース400は、図29に示すように、正面視左側の側部401の後側で、上連結部402と中連結部403との間の部位に、メイン液晶表示装置450及び装飾駆動基板ユニット900をヒンジ回転可能に取付けるための複数の軸受部407が上下に複数(ここでは4つ)列設されている。これら4つの軸受部407は、それぞれ上端が開口している。上下に並んだ4つの軸受部407のうち、上から1番目と3番目の軸受部407が装飾駆動基板ユニット900をヒンジ回転可能に取付けるためのものであり、上から2番目と4番面の軸受部407がメイン液晶表示装置450をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
中ユニットベース400は、正面視右側の側部401の後側に、メイン液晶表示装置450の突出片452を着脱可能に取付けるためのロック機構410を備えている。ロック機構410は、上下にスライドし上部に後方へ向かって開口している開口部411aを有するロックレバー411を備えている。このロック機構410は、ロックレバー411を下方にスライドさせた状態で、正面視左端側を軸受部407によりヒンジ回転可能に取付けられたメイン液晶表示装置450を、その表示画面が正面を向くように(中ユニットベース400における上連結部402と中連結部403との間の開口を閉鎖するように)ヒンジ回転させると、メイン液晶表示装置450の正面視右辺から外方に突出している突出片452が、ロックレバー411の開口部411a内に挿入された状態となる。そして、この状態でロックレバー411を上方にスライドさせると、メイン液晶表示装置450の突出片452の後方への移動が規制された状態となり、中ユニットベース400に対してメイン液晶表示装置450がロックされた状態で取付けられることとなる。
また、中ユニットベース400は、正面視右側の側部401の後側でロック機構410の上側に、装飾駆動基板ユニット900を着脱可能に取付けるための係止溝415と、を備えている。この係止溝415は、後面から前方に向かって窪んだ溝状に形成されており、装飾駆動基板ユニット900の係止部が弾性係止される。
更に、中ユニットベース400は、正面視左側の側部401の後側で、上下に並んだ4つの軸受部407のうち、上から3番目の軸受部407の下側に、つまり、上から3番目の軸受部407と4番目の軸受部407との間に、後面から前方に向かって窪んだ取付凹部420を備えている。この取付凹部420には、防犯部材490が取付けられる。
また、中ユニットベース400のリール演出表示ユニット500の後方には、上記した下可動装飾体620が設けられている。この下可動装飾体620には偏心モータが内蔵され、周辺制御基板471からの制御コマンドに応じて装飾駆動基板901が偏心モータに制御信号を出力することにより下可動装飾体620を振動(揺動)可能になっている。
[5−2.メイン液晶表示装置]
中ユニット5のメイン液晶表示装置450について、主に図26及び図27を参照して説明する。メイン液晶表示装置450は、中ユニットベース400の後面上部に取付けられ、前面に演出画像を表示する表示画面が備えられている。メイン液晶表示装置450は、中ユニットベース400における左右一対の側部401、上連結部402、及び中連結部403により形成される正面視略矩形状の開口を閉鎖可能な、正面視左右に長い長方形状に形成されている。
メイン液晶表示装置450は、正面視左辺に、上下に離間しており、外方に突出した上で下方に向かって円柱状に延びた一対のヒンジ軸部451を備えている。一対のヒンジ軸部451は、中ユニットベース400における4つの軸受部407のうち、上から2番目と4番目の軸受部407に挿入されるものである。また、メイン液晶表示装置450は、正面視右辺に、上下方向略中央から外方に突出している平板状の突出片452を備えている。この突出片452は、中ユニットベース400のロック機構410により中ユニットベース400の後面に取付けられるものである。
メイン液晶表示装置450は、一対のヒンジ軸部451を、中ユニットベース400の軸受部407に挿入することで、中ユニットベース400に対して後方側へ開閉するようにヒンジ回転可能に取付けられる。
[5−3.周辺制御ユニット]
中ユニット5の周辺制御ユニット470について、主に図8、図22、図24、及び図27等を参照して説明する。周辺制御ユニット470は、メイン液晶表示装置450の後面に脱着可能に取付けられている。周辺制御ユニット470は、主制御ユニット20の主制御基板21からの制御コマンドに基づいて遊技内容や演出内容等を制御する周辺制御基板471と、周辺制御基板471の後側に取付けられており、制御プログラム、演出画像、演出サウンド、等が予め記憶されたROMを有しているROM基板472と、周辺制御基板471の後側に取付けられており、周辺制御基板471からの制御コマンドに基づいてメイン液晶表示装置450に表示される演出画像とリール演出表示ユニット500の液晶パネル500eに表示される演出画像とをそれぞれ制御する表示制御基板473と、周辺制御基板471、ROM基板472、及び表示制御基板473を収容している周辺制御基板ボックス474と、を備えている。
周辺制御基板471は、正面視の形状が左右に長い長方形に形成されており、後面における下部に、下辺に沿って複数の入出力用のコネクタが取付けられている。また、周辺制御基板471は、複数の入出力用のコネクタの間から後方に突出しており、音量を調節するためのボリューム471aを備えている(図22(b)を参照)。
周辺制御基板ボックス474は、周辺制御基板471の入出力用のコネクタ、及びボリューム471aが後方に臨むように形成されている。この周辺制御基板ボックス474は、前後に分割可能に形成されていると共に、分割(開閉)した痕跡が残るように形成されている。この周辺制御基板ボックス474は、メイン液晶表示装置450の後面に対して、詳細は後述する防犯部材490と同じ構成の部材によって取外しの痕跡が残るように取付けられている。
[5−4.防犯部材]
中ユニット5の防犯部材490について、主に図22、図25乃至図27を参照して説明する。防犯部材490は、中ユニットベース400の取付凹部420に取付けることで、中ユニットベース400に取付けられているメイン液晶表示装置450の取外しを防止するためのものである。防犯部材490は、有底角筒状の台座部491と、台座部491の開口している側を閉鎖するキャップ492と、を備えている。防犯部材490の台座部491は、詳細な図示は省略するが、底部にビスが通過可能な貫通孔と、内周面の互いに対面している部位に、窪んだ一対の凹部と、を備えている。
防犯部材490のキャップ492は、台座部491内に挿入可能な有底筒状に形成されている。このキャップ492は、詳細な図示は省略するが、開口している端部付近の外周面において、互いに背向している部位に、突出した一対の突起を備えている。このキャップ492は、開口している側を台座部491側に向けて台座部491内に挿入させると、一対の突起が、弾性変形した後に、台座部491の一対の凹部内にそれぞれ突出した状態となり、突起と凹部とが互いに係合することで、台座部491内にキャップ492を取付けることができる。
この防犯部材490は、中ユニットベース400の軸受部407に、メイン液晶表示装置450のヒンジ軸部451を挿入して、メイン液晶表示装置450を中ユニットベース400に対してヒンジ回転可能に取付けた状態で、防犯部材490の台座部491のみを、その有底側の端部を中ユニットベース400の取付凹部420に向けて、取付凹部420内に挿入し、台座部491の開口している側から挿入したビス(図示は省略)を底部の貫通孔を介して中ユニットベース400に捩じ込み、取付凹部420に台座部491を取付ける。これにより、上から4番目の軸受部407に上側から挿入されているヒンジ軸部451の上側において、角筒状の台座部491が取付凹部420から後方に突出した状態となるため、ヒンジ軸部451の上方への移動が台座部491により阻止された状態となる。これにより、ヒンジ軸部451が軸受部407から抜けなくなるため、中ユニットベース400からメイン液晶表示装置450を取外すことができなくなる。
その後、台座部491内にキャップ492を挿入し、台座部491の凹部にキャップ492の突起を係止させる。このキャップ492を台座部491に取付けることで、台座部491を取付凹部420に取付けているビスを覆うことができ、後側からビスを取外すことができなくなる。台座部491を取付けているビスを取外すためには、台座部491に挿入されているキャップ492を破壊して台座部491から抜く必要がある。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、中ユニットベース400にメイン液晶表示装置450を取付けた状態で、防犯部材490を取付凹部420に取付けることで、まずは中ユニットベース400からメイン液晶表示装置450を取外し難くすることができるため、メイン液晶表示装置450を取外すような不正行為を躊躇させることができ、不正行為を行い難くすることができる。
また、喩えメイン液晶表示装置450が取外された場合でも、メイン液晶表示装置450を取外すためには、防犯部材490のキャップ492を破壊して台座部491を取外す必要があることから、中ユニットベース400からのメイン液晶表示装置450の取外しの痕跡が残るため、メイン液晶表示装置450(周辺制御ユニット470)の交換と言う不正行為が行われたのを発見することができる。従って、不正行為に対する抑止力を高めることができ、不正行為が行われるのを可及的に防止することができる。
[5−5.上部可動演出ユニットの全体構成]
続いて、中ユニット5の上部可動演出ユニット600について、主に図30乃至図35を参照して詳細に説明する。図30は中ユニットにおける上部可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図31は上部可動演出ユニットを後ろから見た斜視図であり、図32は上部可動演出ユニットにおける上横可動演出ユニットの動きを示す上部可動演出ユニットの正面図である。また、図33は上部可動演出ユニットにおける上中可動演出ユニットを概略構成で示す正面図である。図34(a)は退避状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(b)は(a)の状態から途中まで出現した状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(c)は出現状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図である。また、図35は、上横可動演出ユニットの上横可動装飾体を中央側へ移動させると共に上中可動演出ユニットの上中可動装飾体を出現位置へ移動させた状態で示す上部可動演出ユニットの正面図である。
本実施形態の上部可動演出ユニット600は、中ユニットベース400における一対の側部401、上連結部402、及び中連結部403により囲まれた部位に、後側から取付けられる。上部可動演出ユニット600は、中ユニットベース400に取付けられる正面視枠状のユニットベース601と、ユニットベース601に取付けられている上横可動演出ユニット610と、上横可動演出ユニット610の上部前面に取付けられている上中可動演出ユニット650と、を備えている。
上横可動演出ユニット610は、正面視においてユニットベース601の枠内に配置され遊技者側から常時視認可能な一対の上横可動装飾体612を備えている。一対の上横可動装飾体612は、ユニットベース601の枠内の左右両端と、左右方向の中央付近との間でそれぞれ左右方向へ移動可能とされている。また、上中可動演出ユニット650は、通常の状態では正面視においてユニットベース601の枠外(枠内よりも上方)に配置されて遊技者側から視認不能な半円環状の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を備えている。一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671は、遊技状態に応じてユニットベース601の正面視枠内に移動して1つの大きな円環状に合体すると共に、遊技者側から視認可能となる。
上部可動演出ユニット600のユニットベース601は、正面視の形状が、左右に延びた四角い枠状に形成されている。このユニットベース601は、左右の両辺が前後方向に所定幅で上下に延びた帯板状に形成されており、上辺が左右両辺の後端よりも後方に延出した平板状に形成されていると共に、下辺が左右両辺の前端よりも前方に延出した平板状に形成されている。ユニットベース601は、下辺の上面における後端付近に、左右両端から中央へ向かってそれぞれ延びており上方に向かって開口している溝状の一対の下ガイド602が形成されている。この下ガイド602は、後述する上横可動演出ユニット610における一対の上横可動装飾体612の下ガイドピン612aを摺動可能に案内するものである。
[5−5a.上横可動演出ユニット]
上部可動演出ユニット600の上横可動演出ユニット610について、主に図30乃至図32を参照して説明する。上横可動演出ユニット610は、ユニットベース601の上辺の上面に取付けられる上横ベース611と、上横ベース611の前端付近でそれぞれ左右方向に離間していると共に左右方向に移動可能に吊下げられており上下に延びている一対の上横可動装飾体612と、一対の上横可動装飾体612の上端の一部をそれぞれ支持していると共に上横ベース611の上面おいて左右方向にスライド可能にそれぞれ取付けられている一対のスライダ(図示は省略)と、一対のスライダにそれぞれ取付けられておりスライダを左右方向に移動させる一対の上横駆動モータ(図示は省略)と、一対の上横駆動モータ及びスライダを上方から覆うように上横ベース611の上側に取付けられている上部カバー615と、を備えている。
上横ベース611は、図示は省略するが、前端付近で且つ左右両端付近に、上下に貫通していると共に左右に延びており上横可動装飾体612を上下に延びた軸周りに回転可能且つ左右方向へ移動可能に吊下げるための一対の誘導スリットと、一対の誘導スリットの後方でそれぞれ上下に貫通していると共に左右方向に真直ぐ延びている案内スリットと、案内スリットの後側にそれぞれ形成されており左右に延びた一対のラックギアと、を備えている。
誘導スリットは、上横ベース611の左右両端に近い側の端部が、その端部に近付くほど案内スリットから離れるように前方に曲がっており、上横ベース611の左右方向中央に近い側の端部が、案内スリットよりも中央から遠ざかっている。上横ベース611の案内スリットは、上横可動装飾体612から上方に延びている駆動ピンが上方へ突出するように挿通される。
一対の上横可動装飾体612は、枠状のユニットベース601の枠内の高さと略同じ高さで表面が立体的に形成されており、透光性を有している。この上横可動装飾体612は、図示は省略するが、内部に配置され複数のLEDが実装された上横装飾基板と、下端から下方に突出しておりユニットベース601の下ガイド602内に摺動可能に挿入される下ガイドピン612a(図32を参照)と、上端から上方に突出しており上横ベース611の誘導スリットに摺動可能且つ回転可能に吊下げられる吊下げ部と、吊下げ部とは異なる位置から上方に突出しており上横ベース611の案内スリットに挿通される駆動ピンと、を備えている。
図示は省略するが、上横可動装飾体612は、上横装飾基板のLEDを適宜発光させることで、発光装飾することができる。上横可動装飾体612の駆動ピンは、上横ベース611の上面に左右方向へスライド可能に取付けられるスライダに、回転可能な状態で取付けられる。
図示は省略するが、上横駆動モータは、スライダの上面に取付けられており、スライダを貫通している回転軸に上横ベース611のラックギアと噛合する駆動ギアが取付けられている。これにより、上横駆動モータによって駆動ギアを回転駆動させると、スライダが左右方向にスライドする。
次に、上横可動演出ユニット610の動作について説明する。この上横可動演出ユニット610は、通常の状態では、一対の上横可動装飾体612が、左右方向に最も離間した離遠位置に位置しており、ユニットベース601の左右両辺付近にそれぞれ位置している(図32等を参照)。この通常の状態では、中ユニット5に組立てた状態で、一対の上横可動装飾体612が正面視においてそれぞれメイン液晶表示装置450の左右両端に位置しており、メイン液晶表示装置450の左右両辺を装飾している。
この通常の状態では、上横可動装飾体612の吊下げ部と駆動ピンとが、上横ベース611の誘導スリットと案内スリットとによって前後に並ぶように位置した状態となることから、上横可動装飾体612の前面が、真正面に対して約63度傾いている。つまり、通常の状態では、左右の上横可動装飾体612が、その前面がそれぞれユニットベース601の枠内の中央を向くように傾斜している。
通常の状態で、図示しない一対の上横駆動モータの駆動により左右のスライダをそれぞれ上横ベース611の左右方向中央側へスライドさせると、それぞれのスライダに支持されている上横可動装飾体612の駆動ピンが、上横ベース611の案内スリットに沿って左右方向中央側へ移動することとなり、駆動ピンの移動に伴って上横可動装飾体612の吊下げ部も上横ベース611の誘導スリットに沿って左右方向中央側へ移動することとなる。この際に、上横ベース611の誘導スリットは、中央側へ向かうに従って案内スリットに接近するように後方へ円弧状に曲がった後に案内スリットと平行に延びるように形成されているため、上横可動装飾体612の吊下げ部と駆動ピンとが左右方向に相対的に離れると共に前後方向に接近することとなり、上横可動装飾体612が吊下げ部を中心に回動することとなる。これにより、上横可動装飾体612は、前面が正面を向くように回動しながら上横ベース611の中央側へ移動する。
そして、一対のスライダが左右方向中央側への移動端に到達すると、一対の上横駆動モータの駆動が停止して、一対のスライダの移動が停止する。この状態では、一対の上横可動装飾体612が、その前面を真正面に向けていると共に、ユニットベース601の枠内を左右方向へ3つに分割するように互いに離間した離近位置に位置している(図35を参照)。また、一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させた状態では、一対の上横可動装飾体612がメイン液晶表示装置450の前面に位置している。
[5−5b.上中可動演出ユニット]
次に、上部可動演出ユニット600の上中可動演出ユニット650について、主に図30乃至図34を参照して詳細に説明する。上中可動演出ユニット650は、上横可動演出ユニット610における一対の上横可動装飾体612よりも上側の前面に取付けられている。上中可動演出ユニット650は、上横可動演出ユニット610の前面上部に取付けられる上中ベース651と、上中ベース651の前面に取付けられており前面に装飾が施されている前カバー652と、を備えている。
また、上中可動演出ユニット650は、前カバー652と上中ベース651との間で上中ベース651に左右方向中央よりも右側に回動中心を有するように回動可能に取付けられている半環状の上中左可動装飾体ユニット660と、上中ベース651の後側に左右方向中央よりも左側に回動中心を有するように回動可能に取付けられている半環状の上中右可動装飾体ユニット670と、上中ベース651の左右方向中央で上下にスライド可能に取付けられており、上中左可動装飾体ユニット660の回動を伝達して上中右可動装飾体ユニット670を回動させる伝達スライダ680と、上中ベース651に取付けられており上中左可動装飾体ユニット660を回動させる回動駆動機構690と、を備えている。
上中可動演出ユニット650の上中ベース651は、正面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されている。上中ベース651は、全体が略平板状に形成されており、正面視左右方向中央より左側の部位に対して右側の部位が前方に位置し、左側の部位の右端と右側の部位の左端とが連結された平面視クランク状に形成されている。この上中ベース651の左右方向中央より左側の部位の前方に上中左可動装飾体ユニット660の上中左装飾体661が配置されると共に、中央より右側の部位の後方に上中右可動装飾体ユニット670の上中右装飾体671が配置される。また、上中ベース651により、上中左可動装飾体ユニット660の上中左装飾体661と上中右可動装飾体ユニット670の上中右装飾体671とが、前後方向に対して同じ位置に配置される。
この上中ベース651は、正面視左右方向中央より右側の部位の前面から前方に突出しており上中左可動装飾体ユニット660を回動可能に取付けるための左用軸部651aと、正面視左右方向中央より左側の部位の後面から後方に突出しており上中右可動装飾体ユニット670を回動可能に取付けるための右用軸部651bと、正面視左右方向中央より右側の部位の左端付近で上下に延びていると共に前後に貫通しており伝達スライダ680を上下にスライド可能に取付けるためのガイド溝(図示は省略)と、を備えている。上中ベース651の左用軸部651aと右用軸部651bは、上中ベース651の左右方向中央を境にして左右対称の位置に備えられている。
上中左可動装飾体ユニット660は、半円環状で前面に装飾が施されており透光性を有する上中左装飾体661と、上中左装飾体661を後側から取付けている左装飾体ベース662と、左装飾体ベース662と上中左装飾体661との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている上中左装飾基板(図示は省略)と、を備えている。上中左装飾体661は、半円環状に形成されており、上中左装飾基板のLEDを適宜発光させることで発光装飾することができる。
左装飾体ベース662は、前面に上中左装飾体661が取付けられる半円環状の装飾体取付部662aと、装飾体取付部662aの一方の端部から外方に延出している平板状の基板部662bと、基板部662bの先端において上中ベース651の左用軸部651aに回動可能に取付けられる回動軸受部662cと、基板部662bにおける回動軸受部662cと装飾体取付部662aとの間で前後に貫通している長孔状の左伝達スリット662dと、基板部662bにおける回動軸受部662cから左伝達スリット662dの方向に対して略直交する方向に離間した位置で前後に貫通している作用軸受部662eと、作用軸受部662eから回動軸受部662cとは反対方向に延出している平板状の検知片662fと、を備えている。
左装飾体ベース662は、半円環状の装飾体取付部662aの一方の端部において、円弧側とは反対側で半円環の中心から遠ざかる方向に基板部662bが延出している。左装飾体ベース662の基板部662bは、装飾体取付部662aから延出している部位が、一旦前方に延出してから装飾体取付部662aの前面と平行に延びており、平面視の形状がクランク状に形成されている。左装飾体ベース662の左伝達スリット662dには、伝達スライダ680の左伝達ピン681が摺動可能に挿入される。左装飾体ベース662の作用軸受部662eには、回動駆動機構690におけるリンクロッド694の作用ピン694bが回転可能に挿入される。更に、左装飾体ベース662の検知片662fは、上中ベース651に取付けられている回動検知センサ653により検知される。
この上中左可動装飾体ユニット660は、上中左装飾体661と左装飾体ベース662の装飾体取付部662aが、上中ベース651の左右方向中央より左側の部位の前方で右側の部位よりも後方に位置し、左装飾体ベース662の基板部662bが、上中ベース651の左右方向中央より右側の部位の前面に位置している。また、上中左可動装飾体ユニット660は、半円環状の上中左装飾体661の円弧側が、上中ベース651の左用軸部651aを中心に正面視において時計回りの方向に向くように取付けられる。
上中右可動装飾体ユニット670は、半円環状で前面に装飾が施されており透光性を有する上中右装飾体671と、上中右装飾体671を後側から取付けている右装飾体ベース672と、右装飾体ベース672と上中右装飾体671との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている上中右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。上中右装飾体671は、半円環状に形成されており、上中右装飾基板のLEDを適宜発光させることで発光装飾することができる。
右装飾体ベース672は、前面に上中右装飾体671が取付けられる半円環状の装飾体取付部672aと、装飾体取付部672aの一方の端部から外方に延出している平板状の基板部672bと、基板部672bの先端において上中ベース651の右用軸部651bに回動可能に取付けられる回動軸受部672cと、基板部672bにおける回動軸受部672cと装飾体取付部672aとの間で前後に貫通している長孔状の右伝達スリット672dと、を備えている。
右装飾体ベース672は、半円環状の装飾体取付部672aの一方の端部において、円弧側とは反対側で半円環の中心から遠ざかる方向に基板部672bが延出している。右装飾体ベース672の基板部672bは、装飾体取付部672aから延出している部位が、一旦前後方に延出してから装飾体取付部672aの前面と平行に延びており、平面視の形状がクランク状に形成されている。右装飾体ベース672の右伝達スリット672dには、伝達スライダ680の右伝達ピン682が摺動可能に挿入される。
この上中右可動装飾体ユニット670は、上中右装飾体671と右装飾体ベース672の装飾体取付部672aが、上中ベース651の左右方向中央より右側の部位の後方で左側の部位よりも前方に位置し、右装飾体ベース672の基板部672bが、上中ベース651の左右方向中央より左側の部位の後面に位置している。また、上中右可動装飾体ユニット670は、半円環状の上中右装飾体671の円弧側が、上中ベース651の右用軸部651bを中心に正面視において反時計回りの方向に向くように取付けられる。
上中可動演出ユニット650の伝達スライダ680は、上中ベース651の図示しないガイド溝により上下にスライド可能に取付けられている。この伝達スライダ680は、左装飾体ベース662の左伝達スリット662d内に摺動可能に挿入される左伝達ピン681と、左伝達ピン681の直下で右装飾体ベース672の右伝達スリット672d内に摺動可能に挿入される右伝達ピン682と、を備えている。
伝達スライダ680の左伝達ピン681及び右伝達ピン682は、伝達スライダ680を上中ベース651にスライド可能に取付けた状態で、左用軸部651aと右用軸部651bとの間の中央を通る軸線上に位置するように形成されている。
上中可動演出ユニット650の回動駆動機構690は、上中ベース651における正面視右上隅の後面に回転軸が貫通して前方に突出するように取付けられる上中駆動モータ691と、上中駆動モータ691の回転軸に取付けられる平歯車状の駆動ギア692と、駆動ギア692と噛合する平歯車状の従動ギア部693a、従動ギア部693aから外方へ延出している延出部693b、及び延出部693bの先端で前後方向に貫通している駆動軸受部693cを有しており、前カバー652の後面に回転可能に取付けられるカム部材693と、棒状で一方の端部にカム部材693の駆動軸受部693c内に回転可能に挿入される駆動ピン694aを有すると共に、他方の端部に左装飾体ベース662の作用軸受部662e内に回転可能に挿入される作用ピン694bを有するリンクロッド694と、を備えている。
回動駆動機構690のカム部材693は、従動ギア部693aと同芯上で回転可能に前カバー652に取付けられている。これにより、カム部材693を回転させると、延出部693bの先端の駆動軸受部693cが所定の半径で公転する。
次に、上中可動演出ユニット650の動作について説明する。この上中可動演出ユニット650は、通常の状態では、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の全体が前カバー652の真後ろに位置しており、遊技者側から視認不能な状態(退避位置の状態)となっている。この退避位置の状態では、図33に示すように、上中ベース651の左用軸部651aに回動可能に取付けられている上中左可動装飾体ユニット660が、左用軸部651a(回動軸受部662c)から正面視斜め左上に左装飾体ベース662の左伝達スリット662dが位置しており、半円環状の先端側(自由端側)が左用軸部651aよりもやや下方に位置している。また、左装飾体ベース662では、回動軸受部662cの正面視斜め右上でカム部材693の回転中心と略同じ高さに作用軸受部662eが位置している。また、左装飾体ベース662の検知片662fは、回動検知センサ653により検知されている。
左装飾体ベース662の作用軸受部662eに作用ピン694bが回転可能に取付けられているリンクロッド694は、作用軸受部662eから正面視右方へカム部材693の後方でその回転中心を跨ぐように略水平に延びており、作用ピン694bとは反対側の端部の駆動ピン694aが、カム部材693の回転中心の正面視右方に位置してカム部材693の駆動軸受部693cに回転可能に取付けられている。これにより、カム部材693の延出部693bが、従動ギア部693aから正面視右方へ略水平に延びている。
また、退避位置の状態では、上中ベース651の右用軸部651bに回動可能に取付けられている上中右可動装飾体ユニット670が、右用軸部651b(回動軸受部672c)から正面視斜め右上に右装飾体ベース672の右伝達スリット672dが位置しており、半円環状の先端側(自由端側)が右用軸部651bよりもやや下方に位置している。右装飾体ベース672の右伝達スリット672dは、左装飾体ベース662の左伝達スリット662dの下側に位置している。左伝達スリット662d及び右伝達スリット672dには、伝達スライダ680における上下に配置された左伝達ピン681及び右伝達ピン682がそれぞれ摺動可能に挿入されている。
この退避位置の状態(通常の状態)で、遊技状態に応じて上中駆動モータ691によりカム部材693が正面視時計回りの方向に回転するように駆動させると、カム部材693の回転中心に対して偏芯している駆動軸受部693cが、正面視左方且つ下方へ移動するように公転する。この駆動軸受部693cが公転することで、駆動軸受部693cに取付けられているリンクロッド694の駆動ピン694aにより、リンクロッド694が全体的に左方へ移動しようとし、リンクロッド694の作用ピン694bを介して左装飾体ベース662の作用軸受部662eが正面視左方へ押圧される。
リンクロッド694により作用軸受部662eが正面視左方へ押圧されると、左装飾体ベース662が左用軸部651aを中心に正面視反時計回りの方向に回動することとなり、左装飾体ベース662の半円環状の装飾体取付部662aの先端側が下方へ移動することとなる。そして、左装飾体ベース662が左用軸部651aを中心にして反時計回りの方向に回動すると、基板部662bに形成されている左伝達スリット662dが下方へ移動するように公転することとなる。この左伝達スリット662dが正面視下方へ移動するように公転すると、左伝達スリット662d内に挿入されている左伝達ピン681が左伝達スリット662dの内周面により下方へ押圧され、左伝達ピン681を介して伝達スライダ680が下方へ真直ぐにスライドすることとなる。
伝達スライダ680が下方へスライドすると、左伝達ピン681の直下に配置されている右伝達ピン682も下方へ移動するため、左伝達ピン681の下方への移動により、右伝達ピン682が挿入されている右装飾体ベース672の右伝達スリット672dが下方へ押圧されることとなる。この右伝達スリット672dが右伝達ピン682により下方へ押圧されると、右装飾体ベース672が、右用軸部651bを中心にして正面視時計回りの方向へ回動することとなり、右装飾体ベース672における半円環状の装飾体取付部672aの先端側が下方へ移動することとなる。
このように、上中駆動モータ691によりカム部材693を正面視時計周りの方向に回動させると、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670が、反時計周りの方向及び時計回りの方向にそれぞれ回動し、半円環状の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が回動しながら下方へ移動することとなる(図34(b)を参照)。上中左装飾体661及び上中右装飾体671が回動しながら下方へ移動すると、上中左装飾体661及び上中右装飾体671がそれぞれ先端側から正面視において前カバー652よりも下方(正面視において枠状のユニットベース601の枠内)へ順次移動することとなり、前カバー652よりも下方に位置している部位が遊技者側から視認可能となる(出現する)。
そして、上中駆動モータ691によりカム部材693を更に正面視時計回りの方向に回動させると、半円環状の上中左装飾体661及び上中右装飾体671の先端同士が互いに当接し、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の回動が停止すると共に、上中駆動モータ691の回転駆動が停止する。これにより、上中左装飾体661及び上中右装飾体671の全体が前カバー652よりも下方に位置し、遊技者側から視認可能となると共に、前カバー652の下方で上中左装飾体661と上中右装飾体671とにより1つの大きな円環状の装飾体が形成された状態(出現位置の状態)となる(図33(c)を参照)。
[5−5c.上部可動演出ユニットの動作]
次に、上部可動演出ユニット600の動作について、主に図32及び図35を参照して詳細に説明する。上部可動演出ユニット600は、通常の状態では、上横可動演出ユニット610の一対の上横可動装飾体612がユニットベース601の枠内の左右両辺付近にそれぞれ位置していると共に、上中可動演出ユニット650の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671がユニットベース601の枠内よりも上方にそれぞれ位置している。この通常の状態では、遊技者側からは一対の上横可動装飾体612のみが視認可能となっており、正面視において一対の上横可動装飾体612によりメイン液晶表示装置450の左右両側を装飾している(図22(a)等を参照)。なお、通常の状態では、一対の上横可動装飾体612が、上下に延びた軸周りに対して所定角度回動しており、それぞれ前面がユニットベース601の枠内の中央側を向いている。
この通常の状態で、上横可動演出ユニット610の図示しない一対の上横駆動モータを駆動させることで、ユニットベース601の枠内の左右両端に位置している一対の上横可動装飾体612を、正面視左右方向中央寄りの位置へ移動させることができる。この際に、一対の上横可動装飾体612は、それぞれ上下に延びた軸周りに回動し、前面が真正面を向いた状態となる。一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させることで、メイン液晶表示装置450の表示画面を左右方向へ3つに分割することができる。なお、一対の上横可動装飾体612は、それぞれ独立して左右方向に移動させることができ、両方を同時に移動させたり、一方のみを移動させたりすることで多彩な可動演出を遊技者に提示することができる。
また、通常の状態で、上中可動演出ユニット650の上中駆動モータ691を駆動させることで、ユニットベース601の枠内よりも上方に位置している半円環状の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671をそれぞれ回動させつつ下降させて、それぞれの端部同士を当接させ合体させることができ、正面視においてユニットベース601の枠内に1つの大きな円環状の装飾体を遊技者側から視認可能に出現させることができる(図35を参照)。一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現させた状態では、上中左装飾体661及び上中右装飾体671により形成された円環状の装飾体が、ユニットベース601の枠内の中央に位置しており、遊技者側から目立った状態となる。
この上部可動演出ユニット600は、上横可動演出ユニット610の一対の上横可動装飾体612と、上中可動演出ユニット650の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とが、それぞれ前後方向の異なる位置に配置されているため、例えば、一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させた後に一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現位置に移動させたり、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現位置に移動させた後に一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させたり、一対の上横可動装飾体612と一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とを中央側へ移動させたりすることができ、多彩な可動パターンの演出を遊技者に提示して遊技者を飽きさせ難くすることができる。
[5−6.装飾駆動基板ユニット]
次に、中ユニット5における装飾駆動基板ユニット900について、主に図24乃至図27を参照して説明する。装飾駆動基板ユニット900は、中ユニットベース400の後面でメイン液晶表示装置450(周辺制御ユニット470)の後側を覆うように取付けられている。装飾駆動基板ユニット900は、左右に延びた長方形で平板状の装飾駆動基板901と、装飾駆動基板901の前面側が取付けられると共に中ユニットベース400の後面に取付けられる基板ベース902と、基板ベース902の後側に装飾駆動基板901の後面を覆うように取付けられる基板カバー903と、を備えている。
装飾駆動基板901は、周辺制御基板471からの制御コマンドに応じて、上部可動演出ユニット600の駆動モータや装飾基板等を制御する。
基板ベース902は、装飾駆動基板901よりもひとまわり大きい平板状の基板取付部902aと、基板取付部902aの正面視左辺から突出しており中ユニットベース400の後面にヒンジ回転可能に取付けられるヒンジ部902bと、基板取付部902aの正面視右辺の上部から左方に延出しており中ユニットベース400の後面に着脱可能に取付けられる係止部902cと、を備えている。
基板カバー903は、基板ベース902における基板取付部902aの後側に取付けられており、装飾駆動基板901後面に備えられている複数のコネクタが後方に臨むように、装飾駆動基板901の後側を被覆している。
[6.可動演出及び発光演出]
次に、本実施形態のスロットマシン1において、ドアユニット4のトップカバーユニット200、前可動演出ユニット300、及び上部可動演出ユニット600を用いた可動演出及び発光演出について、主に図4、図36を参照して詳細に説明する。図36は、前可動演出ユニットの前可動装飾体を下降端に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図である。
本実施形態のスロットマシン1は、通常の状態では、図4に示すように、前可動演出ユニット300の前可動装飾体310が上昇端に位置しており、正面視においてメイン液晶表示装置450よりも上側に位置している。
また、通常の状態では、中ユニット5における上部可動演出ユニット600の一対の上横可動装飾体612が、互いに最も離れた離遠位置に位置しており、正面視においてメイン液晶表示装置450の左右両側にそれぞれ位置している。また、通常の状態では、上部可動演出ユニット600の上中左装飾体661及び上中右装飾体671がそれぞれ退避位置に位置しており、正面視においてメイン液晶表示装置450の上方で前カバー652の後側に位置している。この通常の状態では、上部可動演出ユニット600の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が、遊技者側から視認不能となっている。
上記したようにこの通常の状態では、図柄表示領域Aは第1の領域に設定され、透明なトップカバー201の窓部201aを通して、後側に配置された遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)、メイン液晶表示装置450等を、遊技者側から良好に視認することができるようになっている。
本実施形態のスロットマシン1は、通常の状態では、正面視上下方向の略中央より上側を占める窓部201a内に、下から、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)を用いて図柄を視認することができる図柄表示領域A(図柄表示領域Aに加えて、上述したリール演出表示ユニット500における透過型の液晶パネル500eに表示される画像演出も含む。)、メイン液晶表示装置450を用いて演出画像を表示させるメイン演出表示領域B、前可動装飾体310を用いたロゴ表示領域C、の3つの領域を有している。なお、本例では通常の状態では、図柄表示領域Aを通して視認することができる3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)、リール演出表示ユニット500における透過型の液晶パネル500eに表示される画像演出、メイン演出表示領域Bのメイン液晶表示装置450に表示される演出画像、及びロゴ表示領域Cに表示される前可動装飾体310の全てが視認可能となっている。
この通常の状態で、遊技状態に応じて前可動演出ユニット300の前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325を回転駆動させると、上昇端に位置した前可動装飾体310が、リール演出表示ユニット500における透過型の液晶表示装置(透過型の液晶パネル500e)の表示領域の一部を隠すように3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の前側で下降端の位置まで一気に下降する。これにより、遊技者の目の前で左右に延びた大きな前可動装飾体310が落下するように下降することで、遊技者を驚かせることができる。前可動装飾体310を下降端に位置させたとしても、図柄表示領域Aにおける少なくとも有効ラインLの図柄については良好に視認できる。
この前可動装飾体310の下降端への移動を、図柄の変動中(3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の少なくとも1つが回転中)に行う場合、所望の図柄が停止表示されるように停止ボタン128を操作する「目押し」の難易度が高くなる。これにより、遊技者に対してチャレンジ精神を喚起させることが可能となり、「目押し」に集中させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、通常の状態で、リール演出表示ユニット500の後方に配置された遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)に描かれた図柄のうち、「3[1リールあたりに表示される図柄数]×3[リール数]」からなる図柄群のみが、上述したように、リール演出表示ユニット500に形成される図柄表示領域Aを通して遊技者から視認可能となっている。リール演出表示ユニット500における透過型の液晶パネル500eの表示領域には、上述したように、鮮明な演出画像(絵柄)を表示することができるため、透過型の液晶パネル500eの表示領域に鮮明な演出画像(絵柄)を表示する状態で各メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)に描かれた多数の図柄のうち、「3[1リールあたりに表示される図柄数]×3[リール数]」からなる図柄群のみを、図柄表示領域Aを通して遊技者に視認させることができる。
ここで、液晶パネル500eの原理について説明する。液晶シャッターは、配向膜、透明電極、偏光板などで形成された2枚のガラス基板の間に液晶が封入されて構成されており、液晶シャッターのガラス基板間には電圧をかけることができるようになっている。より詳しくは、液晶シャッターは、画素駆動側基板モジュールと、対向電極側基本モジュールと、液晶分子層(液晶層)とを備えている。画素駆動側基板モジュールは、外側(光の入射側すなわちバックライトとしての導光板が配置されている側)から順に、偏光板、ガラス基板、透明導電膜(画素電極、駆動トランジスタ)及び配向膜が積層されている。対向電極側基本モジュールは、外側(画素駆動側基板モジュールにおける外側と反対側)から順に、偏光板、ガラス基板、カラーフィルタ、透明電極膜(対向電極)及び配向膜が積層されている。液晶分子層は、画素駆動側基板モジュールと対向電極側基本モジュールとの間に配置されている。つまり、偏光板、ガラス基板、透明電極膜及び配向膜については一対となっている。
透明導電膜は、画素電極と対向電極との間(つまり2枚のガラス基板間)に電圧をかけるためのものであり、表示の妨げとならないように、ITOなどの透明電極材料で構成されている。
配向膜は、液晶分子を一定方向に配列するための膜であり、透明導電膜上にポリイミド樹脂などで生成されている。
偏光板は、バックライトとしての導光板などから発光される自然光から、透過軸と同一方向に振動している光だけを通過させる光学フィルムである。
駆動トランジスタは、画素駆動モジュールの各画素に1個ずつあるトランジスタで、液晶シャッターの明暗を制御するものである。
カラーフィルタは、画像カラー化のために、各画素に対して光の3原色である赤、緑及び青を配列したフィルタである。
液晶分子層内の液晶分子は、2枚のガラス基板間に電圧がかけられると並びを変える性質をもっている。このときかけられる電圧に応じて光の透過量が調整される。
なお、光の3原色である赤、緑及び青のそれぞれに対応して電圧をかけることができるように構成されており、赤に対して電圧がかけられるとこれに応じた液晶分子の並びが変化し、緑に対して電圧がかけられるとこれに応じた液晶分子の並びが変化し、青に対して電圧がかけられるとこれに応じた液晶分子の並びが変化する。液晶分子の並びは電圧の大きさに応じて変化の度合いが異なっており、電圧を調整することで、赤、緑及び青のいずれかの色の光について、液晶シャッターの透過量を変えることができる。このようにして、液晶シャッターは、3原色を使って、透過される光に任意の色をつけることができるようになっている。
なお、液晶分子の配列については、ノーマリーホワイトモードとノーマリーブラックモードとがあるが、本実施形態ではノーマリーブラックモードが採用されている。ノーマリーホワイトモードとは、偏光板により液晶が挟持された構造において、電圧が印加されていないときには光が通過して画面に白が表示されるのに対して、電圧が印加されているときには光が遮断されて画面に黒が表示されるモードをいう。ノーマリーブラックモードとは、偏光板により液晶分子層が挟持された構造において、電圧が印加されていないときには光が遮断されて画面に黒が表示されるのに対して、電圧が印加されているときには光が通過して画面に白が表示されるモードをいう。
液晶パネル500eは、液晶シャッターによって構成される画素が多数配列されたものである。画素は、色情報を持つ最小単位の点である。1画素で、赤、緑及び青の全ての色の光が同じ透過量で液晶シャッターを透過すると白(透明)となる。1画素で赤の色の光のみが液晶シャッターを透過すると赤となる。同様に、1画素で緑の色の光のみが液晶シャッターを透過すると緑となり、1画素で青の色の光のみが液晶シャッターを透過すると青となる。また、1画素で、赤、緑及び青のそれぞれの透過量を変えて混合させた色の光が液晶シャッターを透過すると、これらの混合色となる。そして、液晶パネル500eを構成するそれぞれの画素に色をつけることで所望の画像を液晶パネル500eに表示することができる。
ところで、上述したとおり、ROM基板472には、リール演出表示ユニット500に表示される演出画像に関するデータが記憶されている。そして、表示制御基板473は、ROM基板472に記憶された演出画像に関するデータに基づいて、リール演出表示ユニット500における透過型の液晶パネル500eに、遊技の進行に応じた動画像としての演出画像が表示されるように制御する。
そして、上述した液晶パネル500eの原理により、リール演出表示ユニット500における透過型の液晶パネル500eは、バックライトとしての導光板から発光された領域については、遊技の進行に応じた動画像としての演出画像が視認できるようになり、後方の視認が遮られる。一方、バックライトとしての導光板から発光されない非発光領域については、この領域に演出画像が表示されるように制御されているか否かにかかわらず演出画像を遊技者が視認することはできず(ただし、他からの光が液晶シャッターを透過すると視認できる可能性はある)、電圧がかけられていれば非発光領域をとおして遊技者は後方を視認することができる。
[7.リールの図柄]
次に、本実施形態のスロットマシン1における遊技ユニット3の3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)と2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)との外周面にそれぞれ備えられる図柄列について、図37を参照して説明する。図37は、スロットマシンにおける各リールの外周面に備えられている図柄列を展開して示す説明図である。遊技ユニット3における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)と2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)との外周面には、図37に示すように、それぞれ配列の異なった複数の図柄からなる図柄列が備えられている。また、本実施形態では、1つの図柄列が20個の図柄によって構成されている。
図柄列に用いられる図柄は、緑色で数字の7の字が描かれた「緑7」図柄、外形が横長長方形状に描かれた黒色の「BAR」図柄、さくらんぼ(チェリー)が描かれた「チェリー」図柄、外形が横長楕円形状に描かれた「リプレイ」図柄、ベル(鐘)が描かれた「ベル」図柄、スイカが描かれた「スイカ」図柄、及び外形がひし形形状に描かれた「ブランク」図柄、がある。各図柄列では、同じ図柄が上下に隣接しないように列設されている。
これらの図柄の中で、「緑7」図柄、「BAR」図柄は他の図柄に比べて目立ち易く、識別し易い図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リール70の回転中や、リール70が停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことを言う。「緑7」図柄は、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)及び2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)においてそれぞれ2つずつ備えられ(左リール70Lの配列番号9番及び11番、中リール70Mの配列番号8番及び21番、右リール70Rの配列番号10番及び15番、左サブリール70L’の配列番号2番及び21番、右サブリール70R’の配列番号2番及び21番)、この「緑7」図柄は、他の図柄に比べて視認し易くなっている。「BAR」図柄は、左リール70Lと右リール70Rと2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)とにおいてそれぞれ1つずつ備えられ(左リール70Lの配列番号1番、右リール70Rの配列番号2番、左サブリール70L’の配列番号1番、右サブリール70R’の配列番号1番)、中リール70Mにおいて2つ備えられている(配列番号12番及び16番)。
「チェリー」図柄は、左リール70Lと中リール70Mにそれぞれ2つずつ備えられ、右リール70Rに3つ備えられて、2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)にそれぞれ1つずつ備えられている。「リプレイ」図柄は、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)にそれぞれ5つずつ備えられており、2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)にそれぞれ4つずつ備えられている。「ベル」図柄は、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)にそれぞれ5つずつ備えられており、2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)にそれぞれ4つずつ備えられている。
「スイカ」図柄は、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)及び2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)においてそれぞれ2つずつ備えられている。「ブランク」図柄は、左リール70Lに4つ備えられ、右リール70Rと中リール70Mとにそれぞれ3つずつ備えられ、2つのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)にそれぞれ7つずつ備えられている。
スロットマシン1では、図柄表示領域A内における有効ラインL上にAT役図柄が停止した場合には、特典として後述するATゲームを付与する。本例では、図柄表示領域A内における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上にAT役図柄が停止した場合に、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLを含む5つのライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右傾斜ライン、左傾斜ライン)のいずれかに停止した図柄の組合せが、全て「緑7」図柄であるか、少なくとも「緑7」図柄を1つ含む特定の組合せであるようになっている。
また、図柄表示領域A内における有効ラインL上にPAT役図柄が停止した場合には、特典として後述するプレミアムATゲーム(PATゲーム)を付与する。そして、図柄表示領域A内における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上にPAT役図柄が停止した場合に、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLを含む5つのライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右傾斜ライン、左傾斜ライン)のいずれかに停止した図柄の組合せが、全て「BAR」図柄であるか、少なくとも「BAR」図柄を1つ含む特定の組合せであるようになっている。
また、有効ラインL上にリプレイ役図柄が停止した場合には、特典としてリプレイを付与する。本例では、図柄表示領域A内における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上にAT役図柄が停止した場合に、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLを含む5つのライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右傾斜ライン、左傾斜ライン)のうち中段ラインに停止した図柄の組合せが、全て「リプレイ」図柄であるか、「リプレイ」−「ANY」−「リプレイ」の図柄であるか、「ANY」−「ANY」−「リプレイ」の図柄であるか、上記したAT役図柄のうち3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLを含む5つのライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右傾斜ライン、左傾斜ライン)のいずれかに停止した図柄の組合せが全て「緑7」図柄であるようになっている。なお「ANY図柄」とはいずれの図柄でもよいことを示す。このように本例では、上記プレミアムATゲームとは異なる通常のATゲームを付与するAT役が成立する場合には同時にリプレイ役も成立するようになっている。即ち、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLを含む5つのライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右傾斜ライン、左傾斜ライン)のいずれかに停止した図柄の組合せが、全て「緑7」図柄である場合には、リプレイが付与されるとともに、ATゲームも付与される。
また、有効ラインL上にベル役図柄が停止した場合には、特典として7枚のメダルを払出す。本例では、図柄表示領域A内における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上にベル役図柄が停止した場合に、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLを含む5つのライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右傾斜ライン、左傾斜ライン)のうちいずれかに停止した図柄の組合せが、全て「ベル」図柄であるようになっている。ただし、ベル役に当選していても適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合にのみ図柄表示領域A内における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上にベル役図柄を停止させ、ベル役に当選していても適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されなかった場合には図柄表示領域A内における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上にベル役図柄を停止させない。即ち、ベル役に当選した場合に適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されるとメダルを獲得することができる一方、適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されなければメダルを獲得することができない。
また、有効ラインL上にスイカ役図柄が停止した場合には、特典として7枚のメダルを払出す。本例では、図柄表示領域A内における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上にスイカ役図柄が停止した場合に、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLを含む5つのライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右傾斜ライン、左傾斜ライン)のうちいずれかに停止した図柄の組合せが、全て「スイカ」図柄であるようになっている。
また、有効ラインL上にチェリー役図柄が停止した場合には、特典として7枚のメダルを払出す。本例では、図柄表示領域A内における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上にチェリー役図柄が停止した場合に、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のうち左リール70Lの上下3段(上段・中段・下段)のいずれかに「チェリー」図柄が停止するようになっている。なお、有効ラインL上に停止した図柄の組合せが、上記以外の組合せの時には、「ハズレ」として特典を付与しない。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、図柄表示領域A内の有効ラインL上で、特定の組合せで図柄を停止させると、停止した図柄の組合せに応じた特典が付与されるため、遊技者に対して所望の組合せで有効ラインL上に図柄が停止するように、3つの停止ボタン128を操作させることができ、所望の図柄の組合せで図柄を有効ラインL上に停止させることができるか否かによって遊技者を楽しませることができる。
なお、本例では同一種類の図柄として同一態様の図柄のみ設けられるように構成しているが(例えば「ベル」図柄として図37に示す一の態様の図柄だけが設けられている)、同一種類の図柄として複数種類の態様の図柄を設けるようにしてもよい。例えば、「ベル」図柄として図37に示す「ベル」図柄に加えて、この「ベル」図柄とは色彩や形状、ベルの個数等が異なる図柄を更に設けるようにしてもよい。この場合には同一種類の図柄(この例では「ベル」図柄)として複数種類の態様の図柄(図37の「ベル」図柄とこの「ベル」図柄とは色彩や形状、ベルの個数等が異なる図柄との2つの図柄)を含むことになるが、これらは同一種類の図柄として扱われるものであり、有効ラインL上に同一種類の図柄が停止した場合にはその態様が同一であるか否かに関わらず特典としてメダルが払い出される。具体的には3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ライン上にベル役図柄が停止した場合に、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLを含む5つのライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右傾斜ライン、左傾斜ライン)のうちいずれかに態様の異なる「ベル」図柄を含む組合せが停止し得るようにし、この場合にも同一種類の図柄が停止したものとして扱って特典として7枚のメダルが払い出されるようにしてもよい。
[8.当選役と図柄の組み合わせ]
次に、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせについて説明する。図38は、後述するフラグ処理にて当選役に該当するかの判定に用いる当たり値判定テーブルである。
前述したとおり、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)には、それぞれ多数の図柄が付されている。リールごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なっている。
そして、全てのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)を停止させた際に有効ラインLに表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示領域A内で前述の有効ラインLに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインL上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、図37を参照すると分かるように、「緑7図柄」、「BAR図柄」、「チェリー図柄」、「ベル図柄」、「リプレイ図柄」、「スイカ図柄」、さらには「ブランク図柄」がある。このうち、「緑7図柄」、「BAR図柄」、は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「緑7図柄」は、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のそれぞれに2つずつしかなく、加えて色彩(緑色)も他の図柄に比べて視認しやすい。また「BAR図柄」は左リール70Lと右リール70Rとにそれぞれ1つずつ、中リール70Mに2つずつしかなく、加えて色彩(黒色)も他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
これらの図柄のうち「チェリー」図柄以外の図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。つまり、所定の遊技特典が付与される。
[8−1.AT役・PAT役]
AT役とは、ATゲームが付与されるものであり、PAT役とは、PATゲームが付与されるものである。図38に示すように本例では65535分の95の確率でATゲームに当選し、65535分の1の確率でPATゲームに当選する。
そして、AT役に当選するとAT役に対応する図柄の組み合わせ態様(以下、AT役図柄という)が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上に表示されることが許容され、AT役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインLに揃うと、その後30ゲームに亘ってATゲームという遊技特典が付与される。このATゲームでは、ベル役に当選した場合に事前に遊技者に停止ボタン128L,128M,128Rの適正な押し順を通知(ナビゲート)することでメダルを100%の確率で獲得できる状態に制御され、通常状態(非ATゲーム中、且つ非PATゲーム中)に比べて多量のメダルを獲得可能(この例ではATゲームにおける1ゲーム当りのメダルの純増枚数は約2.7枚)な遊技者にとって有利な状態となる。
また、PAT役に当選するとPAT役に対応する図柄の組み合わせ態様(以下、PAT役図柄という)が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上に表示されることが許容され、PAT役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインLに揃うと、PATゲームという遊技特典が付与される。このPATゲームでは、300ゲームに亘ってATゲームと同様の遊技特典が付与される。即ち、ベル役に当選した場合に事前に遊技者に停止ボタン128L,128M,128Rの適正な押し順を通知(ナビゲート)することでメダルを100%の確率で獲得できる状態に制御する。これにより、PATゲームではATゲームよりもさらに多量のメダルを獲得可能になる。このように、PATゲームはATゲームよりも遊技者に有利な状態であるが、PATゲーム中にはATゲームと同様の制御が行われるものである。そのため、PATゲームとATゲームとをまとめてATゲームと記載する。
本例では、AT役図柄及びPAT図柄が揃った場合であっても、当該ゲームではメダルの付与はされず、ボーナスゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。
[8−2.リプレイ]
リプレイ役に対応する図柄(リプレイ役図柄)が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できる。
また、上記リプレイ役図柄が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを掛ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のそれぞれには、停止ボタン128L,128M,128Rが停止操作されてから実際に停止するまでのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の滑り範囲(例えば4図柄以内)でリプレイ役図柄の組み合わせ態様を表示し得るようにリプレイ役図柄の組み合わせ態様を構成する図柄がそれぞれ満遍なく配置されており(例えば、左リール70Lにおいてリプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄)が2個から最大でも5個までとされ、中リール70Mにおいてリプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄以外の図柄)が2個から最大でも4個とされ、右リール70Rにおいてリプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄以外の図柄)が2個から最大でも4個までとされ、これにより、リプレイ役図柄を目押しの必要なく揃えることができるようになっている。
[8−3.ベル]
ベル役に対応する図柄(ベル役図柄)が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃うと、規定枚数(例えば、7枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ベル図柄が揃うと7枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。従って、ベルはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、通常遊技状態におけるベルの当選確率は、リプレイに比べて低く抑えられている。ベル図柄についても、前述のリプレイ役図柄と同様、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のそれぞれに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるようになっている。
上記したようにベル役に当選した場合であっても適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されなければ図柄表示領域A内における3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上にベル役図柄は停止されず、メダルが払い出されない。本例ではベル役に当選した場合の適正な押し順が、「左リール70L→中リール70M→右リール70R」のベル役、「左リール70L→右リール70R→中リール70M」のベル役、「中リール70M→左リール70L→右リール70R」のベル役、「中リール70M→右リール70R→左リール70L」のベル役、「右リール70R→左リール70L→中リール70M」のベル役、「右リール70R→中リール70M→左リール70L」のベル役がある。そして、この適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合には、ベル役図柄が有効ラインLに揃うように制御され、これに基づいて7枚のメダルが払い出される。なお、ベル役図柄を構成するベル図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作される限り必ずベル役図柄が有効ラインLに揃うように制御される。
ベル役に当選した場合に不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されると、有効ラインLにベル役図柄は揃わないように制御され、ハズレとなる図柄の組み合わせが有効ラインLに揃うことを許容する。
即ち、ベル役のでは適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作される限り必ずベル役図柄が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃うように制御される。ただし、不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合には、ベル役図柄は3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃わないように制御され、ハズレとなる図柄の組み合わせが3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃うことを許容する。そのため、ベル役に当選した場合に適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rを操作することで7枚のメダルを獲得できるようになる一方、不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されるとメダルを獲得することはできないハズレとなる。
本例では高い確率(約3分の1の確率)でベル役に当選するように後述する当たり値判定テーブルが構成され、通常状態(非ATゲーム中、且つ非PATゲーム中)ではベル役に当選していてもメダルを獲得できる理論上の確率は6分の1であるのに対し、ATゲームではベル役に当選すると事前に遊技者に停止ボタン128L,128M,128Rの適正な押し順を通知(ナビゲート)することでメダルを100%の確率で獲得できるため、通常状態に比べて多量のメダルを獲得可能(この例ではATゲームにおける1ゲーム当りのメダルの純増枚数は約2.7枚)な遊技者にとって有利な状態となる。
なお、ベル役に当選したときに不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されたことによってハズレとなる場合であっても、適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合よりも少ない枚数のメダルを払い出すようにしてもよい。例えばベル役に当選した場合に不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されると、ハズレとして1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせが有効ラインLに揃うことを許容するようにしてもよい。また、この1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせは取りこぼしの可能性があるものであってもよく、1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせが3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃わなかった場合にはメダルの払い出しは行われないようにしてもよい。このようにベル役に当選した場合に不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されるとメダルの払い出し数に関わらずハズレとなる。なお本例においてハズレとは、メダルの払い出しが全く行われないもの(3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに停止表示された図柄の組み合わせ態様がいずれの当選役に対応する図柄組み合わせ態様にも該当しないハズレ、ベル役に当選した場合に不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されたもの)や、1枚のメダルしか払い出されないもの(ベル役に当選した場合に不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されたもの等)を示す。
また、上記したベル役とは別に、いかなる押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合であっても、ベル役図柄が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃うように制御して、これに基づいて7枚のメダルが払い出されるベル役を設けるようにしてもよい。上記したとおり、ベル役図柄を構成するベル図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、いかなる押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合であっても、必ずベル役図柄が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃うように制御することが可能である。
[8−4.スイカ]
スイカ役に対応する図柄(スイカ役図柄)が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃うと、規定枚数(例えば、7枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、スイカ図柄が揃うと7枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。従って、スイカはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。また、通常遊技状態におけるスイカの当選確率は、リプレイやベルに比べて低く抑えられている。なお、スイカ図柄については、前述のリプレイ役図柄やベル役図柄とは異なり、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のそれぞれにおいて停止ボタン128L,128M,128Rが停止操作されてから実際に停止するまでのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の滑り範囲(例えば4図柄以内)以外にも配置され、スイカ役図柄を揃えるためには目押しが必要であり、目押しが不十分である場合には取りこぼしの可能性がある。
[8−5.チェリー]
チェリー役に対応する図柄(チェリー図柄)が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに揃うと、当該ゲームにて規定枚数(この例では1枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、チェリー図柄が揃うと1枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。
従って、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリール(左リール70L)についてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、メダルの払い出しは全てのリール停止後に行われる。チェリー図柄については、左リール70Lには1つしか配置されていないため、チェリー図柄を引き込み可能な範囲で停止ボタン128Lが停止操作されなければ(目押ししなければ)揃えられないようになっている。
上記のベル、スイカ及びチェリーは、いずれもメダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「小役」と呼ぶ。
なお、上記ではベル、スイカ及びチェリーの3つを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けることもできる。例えば、ベル図柄、スイカ図柄及びチェリー図柄とは異なる種類の図柄(例えばプラム図柄)を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の小役と区別したり、あるいは各メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[8−6.ハズレ]
3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに停止表示された図柄の組み合わせ態様がいずれの当選役に対応する図柄組み合わせ態様にも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームではメダルの付与は行われない。なお、小役といったAT役及びPAT役以外の当選役については、当選した当該ゲームにおいて揃わなければ、ゲーム結果はハズレとなる。つまり、目押ししなければ揃えられない小役(例えばスイカ)に当選していたにもかかわらず、当該小役に対応する図柄組み合わせ態様が有効ラインLに表示されなかった場合にはハズレとなり、次ゲーム以降に当選結果が持ち越されることはない。ただし、AT役及びPAT役に当選した場合には、当選した当該ゲームにおいて揃わなくても、次ゲーム以降に当選結果が持ち越される(次ゲーム以降にAT役図柄及びPAT役図柄を揃えることができる)。
なお、図38に示すように本例ではハズレとして、通常のハズレ、及びハズレ(チャンス目)の2種類を備えている。この2種類のハズレのうちハズレ(チャンス目)では上記した当選役図柄の組み合わせ態様とは異なる特定の組み合わせ態様が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上に表示されることを許容するものである。例えば、ハズレ(チャンス目)では特定の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−チェリー図柄」の組み合わせ態様が3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLを含む5つのライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右傾斜ライン、左傾斜ライン)のうちいずれかに表示されることを許容するようになっている。
スロットマシン1の図柄のうち、「ブランク図柄」については、上記のいずれの当選役図柄の組み合わせ態様にも含まれない図柄である。従って、これらの図柄はハズレ図柄でということになる。また上記にいずれかの当選役図柄であっても、図柄の組み合わせ態様としてみた場合に当選役図柄が揃ったとみなされない場合には、ハズレ(ハズレとなる図柄の組み合わせ態様)ということになる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。なお、各当選役に対応する図柄組み合わせ態様を異種図柄組み合わせ態様とすることで、3つのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLには異種図柄組み合わせ態様(いわゆるバラケ目)が表示されるものの、有効ラインL以外のラインに同種図柄組み合わせ態様が表示されるようにして、当選役を外観で把握しやすいようになっている。
[9.主制御ユニット、及び周辺制御ユニット]
次に、主制御ユニット20、及び周辺制御ユニット470について説明する。
[9−1.主制御ユニット]
主制御ユニット20は、筐体ユニット2に設けられ、主制御基板21、サブ主制御基板23から構成されている。主制御基板21は、遊技内容の制御と遊技媒体としてのメダルの払出しを制御するものであり、主として図示しないCPUを備えている。サブ主制御基板23は、主制御基板21での制御に用いられるプログラムやデータ等を予め記憶した制御ROMを備えている。
主制御基板21は、ドアユニット4に備える、上述した、1ベットボタン126、MAXベットボタン125、清算ボタン130、始動レバー129、左停止ボタン128L、中停止ボタン128M、右停止ボタン128R、投入センサ170aからの検出信号が入力される。また主制御基板21は、スイッチユニット60に備える、上述した、電源スイッチ61、設定スイッチ62からの信号が入力される。また主制御基板21は、収納箱40に備える、メダル満タンスイッチ40aとしての上述した上下に離間した一対の検知棒からの信号が入力される。
主制御基板21は、遊技ユニット3に備える、リールモータ83に制御信号を出力し、リール装飾基板88のリール装飾基板88Aに制御信号を出力し、リール回転検知センサ86からの検出信号が入力される。また主制御基板21は、払出ユニット30に備える払出モータ34に制御信号を出力し、払出ユニット30からドアユニット4の受皿151に払出したメダルを検出する図示しない払出センサからの検出信号が入力される。
[9−2.演出制御ユニット]
周辺制御ユニット470は、中ユニット5に設けられ、周辺制御基板471、ROM基板472、表示制御基板473から構成されている。周辺制御基板471は、主制御ユニット20の主制御基板21からの制御コマンドに基づいて遊技内容や演出内容等を制御するものであり、主として図示しないCPUを備えている。ROM基板472は、制御プログラム、演出画像(メイン液晶表示装置450に表示される演出画像とリール演出表示ユニット500に表示される演出画像とを含む。)、演出サウンド、等が予め記憶されたROMを備えている。表示制御基板473は、周辺制御基板471からの制御コマンドに基づいてメイン液晶表示装置450に表示される演出画像とリール演出表示ユニット500に表示される演出画像とをそれぞれ制御するものである。
周辺制御基板471は、ドアユニット4に備える、上述した、トップカバーユニット200に備える各種基板や各種電気部品、前可動演出ユニット300に備える各種基板や各種電気部品、スピーカ142,190等に制御信号を出力し、前可動演出ユニット300に備える各種検知センサのほかに、演出ボタン124、十字キー127等からの検出信号が入力される。
周辺制御基板471は、中ユニット5に備える、上述した、装飾駆動基板ユニット900に備える装飾駆動基板901に制御信号を出力して上部可動演出ユニット600を制御し、上部可動演出ユニット600に備える各種検知センサからの検出信号が装飾駆動基板901を介して入力される。
周辺制御基板471は、遊技ユニット3に備えるリール装飾基板88のリール装飾基板88Bに制御信号を出力する。
表示制御基板473は、周辺制御基板471からの制御コマンドに基づいて、メイン液晶表示装置450に表示される演出画像を制御すると共に、リール演出表示ユニット500に備える、上述した、透過型の液晶パネル500eに表示される演出画像を制御する。
[10.ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、主制御基板21(主にCPU等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。なお、主制御基板21(CPU)は、電源遮断時(停電や瞬停が発生した場合も含む。)において、遊技の進行(ゲーム処理の進行)に関する情報をバックアップデータとして記憶保持する。
図39は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。主制御基板21は、例えば、バックアップデータが存在しない場合には、上述した図柄表示領域Aを第1の領域に指定する制御コマンドを周辺制御ユニット470の周辺制御基板471に送信する一方、バックアップデータが存在する場合には、バックアップデータに基づいて制御コマンド(バックアップデータの内容に図柄表示領域Aが第1の領域である情報が含まれているときには図柄表示領域Aの第1の領域を指定する制御コマンド、バックアップデータの内容に図柄表示領域Aが第2の領域である情報が含まれているときには図柄表示領域Aの第2の領域を指定する制御コマンド、バックアップデータの内容に図柄表示領域Aが第3の領域である情報が含まれているときには図柄表示領域Aの第3の領域を指定する制御コマンド)を周辺制御ユニット470の周辺制御基板471に送信する。周辺制御基板471は、主制御基板21から制御コマンドを受信すると、この受信した制御コマンドに基づいて、周辺制御ユニット470の表示制御基板473にリール演出表示ユニット500における透過型の液晶表示装置(液晶パネル500e)を表示制御させると共に、リール演出表示ユニット500における第1〜第3の導光板のそれぞれに設けられたLED基板に駆動信号を出力する。
次のステップS2では、投入口123から投入されたメダルの枚数により、又はすでに貯留されているメダルがある場合にはMAXベットボタン125又は1ベットボタン126の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー129の操作待ちの状態となる。つまり、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー129の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、このステップS2は解決手段に記載の掛け数決定手段の一例に相当する。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー129の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール70(左サブリール70L’、左リール70L、中リール70M、右リール70R、右サブリール70R’)が停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。つまり、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴いメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)やサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、少なくとも全てのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の回転が開始された時点で停止ボタン128L,128M,128Rの操作を有効とし、停止ボタン128L,128M,128Rの操作が有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)に対応する停止ボタン128L,128M,128Rにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者による停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が受け付けられた場合に、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに対応するメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の回転を停止させる制御や、サブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の回転を停止させる制御が実行されるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の回転が停止状態になったと判定した時点で、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップS6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がAT役(PAT役を含む)やリプレイ役の場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典の付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[10−1.始動処理]
図40は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入またはベットボタン125,126の操作が待ち受けられる。ベットボタン操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー129の操作を有効化する。始動レバー129の操作が有効化されると、この始動レバー129の操作が受け6付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー129の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー129の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー129の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー129の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー129の操作を受けて、始動レバー129の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー129の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー129の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、上記RBゲーム中であることを示すRBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。つまり、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、RBゲーム中フラグのほか、通常ゲーム中フラグがある。そして、RBゲーム中フラグがOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図39のステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の回転を開始させる。そして全てのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の回転の速さが一定となると、それぞれの停止ボタン128L,128M,128Rの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者は停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
また、本例では特別な演出条件が成立した場合には全てのメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の回転を開始させると同時に全てのサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の回転を開始させるようになっている。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[10−2.リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまり停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作)待ちの状態となる。図41では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板21での制御に用いられるプログラムやデータ等を予め記憶した制御ROMに格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール70L、中リール70M、右リール70Rの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、あわせて停止ボタン128L,128M,128Rのいずれかが押下されたかについても判定する。全ての停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール70Lを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左停止ボタン128Lを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール70Rを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右停止ボタン128Rを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール70Mを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中停止ボタン128Mを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール70Lが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左停止ボタン128Lの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左停止ボタン128Lが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール70Lの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール70Lについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール70M、右リール70Rのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインLは1ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール70M、右リール70R)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール70L)における有効ライン上の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、有効ラインL上に残りのリール(中リール70M、右リール70R)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。これにより、BB図柄、RB図柄以外の当選役図柄については目押しの必要なく揃えることができることになる(詳細はリール停止制御にて説明する)。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール70L,70M,70Rが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール70M及び右リール70Rはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール70Lは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール70Mが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中停止ボタン128Mの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中停止ボタン128Mの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール70Mは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール70L及び中リール70Mが停止状態となっただけであり、まだ右リール70Rは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右停止ボタン128Rの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)が全て停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。つまり、「逆押し」の停止操作手順では、右リール70Rのみが停止状態となる。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、1ゲームの抽選結果として複数の条件装置が作動した場合には、これら複数の条件装置のうち、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様(停止操作されたタイミング及び停止操作された順序)毎に予め定められた条件装置にかかる図柄組み合わせが有効ラインに引き込まれるようにリール停止制御が行われる。つまり、成立した条件装置が同じであれば、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様が同じである限り、同じ図柄組み合わせが有効ラインに停止されることとなる。また、1ゲームの抽選結果がハズレの場合には、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様毎に予め定められたハズレ図柄の組み合わせが有効ラインに引き込まれるようにリール停止制御が行われる。つまり、抽選結果がハズレであれば、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様が同じである限り、同じハズレ図柄組み合わせが有効ラインに停止されることとなる。
[10−3.リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、有効ラインLに停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これをメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLに引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を有効ラインLにまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を有効ラインLに引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
そして、リール停止処理が終了すると、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインL上に当選役図柄が揃っている場合には、払出ユニット30より規定枚数のメダルが払い出されるとともに、メダルの払出枚数が中ユニット5の図示しない払出表示器に表示される。
[11.本実施形態の適用例]
上述したとおり、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の回転停止制御は主制御基板21により行われるのに対して、サブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の回転停止制御と図柄表示領域Aを変形する制御(導光板の高輝度LEDに駆動信号を出力して第1の領域、第2の領域、及び第3の領域のいずれかに変形させる制御)は、主制御基板21からの指示(制御コマンド)に基づいて周辺制御基板471が行う。つまり、主制御基板21によるメインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の停止制御は、周辺制御基板471によるサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の回転停止制御と図柄表示領域Aを変形する制御とに影響を受けることなく行われる。しかも、周辺制御基板471によるサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)の回転停止制御と図柄表示領域Aを変形する制御とを実行しても、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の有効ラインLの視認を妨げないため、遊技者に不利益を与えない。このような図柄表示領域Aを変形する制御は、以下に説明するゲーム性に適用することができる。
例えば、各当選役に対応する図柄組み合わせ態様を異種図柄組み合わせ態様とすることで、有効ラインLに停止表示された図柄組み合わせ態様を見ただけでは当選役を把握し難くした場合に、図柄表示領域Aを変形する前は他のライン(非有効ライン)を見ても当選役を把握し難いものの、図柄表示領域Aを変形したのちにあらわれるラインを見ると当選役を把握し易い構成にすることが可能となる。
具体的には、図42に示すように図柄表示領域Aが第1の領域に設定されているときには、有効ラインLにAT役図柄に対応する異種図柄組み合わせ態様(左リール70Lに「緑7」図柄、中リール70Mに「BAR」図柄、右リール70Rに「リプレイ」図柄)が停止表示されており、他のライン(非有効ライン)にも同種図柄組み合わせ態様が停止表示されていないものの、図43に示すように図柄表示領域Aが第3の領域に変形されたときには、新たにあらわれたサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)や、液晶パネル500eにおけるリール70(左サブリール70L’、左リール70L、中リール70M、右リール70R、右サブリール70R’)の中段に対応する領域と、リール70(左サブリール70L’、左リール70L、中リール70M、右リール70R、右サブリール70R’)の上段のさらに一段上(最上段)に対応する拡張領域と、に図柄が停止表示されることによって、メインリール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)とサブリール(左サブリール70L’、右サブリール70R’)と液晶パネル500eにおけるリール70(左サブリール70L’、左リール70L、中リール70M、右リール70R、右サブリール70R’)の中段に対応する領域と、リール70(左サブリール70L’、左リール70L、中リール70M、右リール70R、右サブリール70R’)の上段のさらに一段上(最上段)に対応する拡張領域と、から構成される15個のラインのいずれかのライン(上段左ライン、上段中ライン、上段右ライン、中段左ライン、中段中ライン、中段右ライン、下段左ライン、下段中ライン、下段右ライン、第1右傾斜ライン、第2右傾斜ライン、第3右傾斜ライン、第1左傾斜ライン、第2左傾斜ライン、第3左傾斜ライン)に同種図柄組み合わせ態様(図43に示す例では第2左傾斜ラインに「緑7」図柄の3つ揃い態様)が停止表示されるようにすることで、ゲーム結果を外観で把握できるようにすることができる。つまり、図柄表示領域Aを変形することで、変形前は把握し難かったゲーム結果を、変形後は容易に把握することができるといったゲーム性に適用できる。
また、上述したように、液晶パネル500eは、導光板d6、導光板f6及び導光板g6のうちいずれかによって面発光されることで、当該面発光される発光領域における演出画像の視認が容易化されて、後方の視認が遮られる。非発光領域(液晶パネル500eの表示領域のうち導光板によって面発光されない領域)については、後方の視認が可能となる。そして、少なくとも演出画像の視認が容易化される発光領域には、所定の演出画像が表示されるように表示制御基板473によって制御される。このようにして、液晶パネル500eの表示領域のうち、導光板によって面発光される発光領域においては演出画像を視認することができ、導光板によって面発光されない非発光領域については、この非発光領域をとおして後方に配置される遊技役物(例えば、第2の領域であればサブリール70L’,70R’、第3の領域であれば下可動装飾体620)の視認が可能となる。すなわち、液晶パネル500eでは全域において演出画像を表示可能であるにもかかわらず、この液晶パネル500eの一の面において、演出画像と遊技役物との両方を遊技者によって視認することができる。
また、面発光によりバックライトとして機能する導光板は、第1の導光板500d、第2の導光板500f及び第3の導光板500gのうちいずれかが選択的に周辺制御基板471の制御によって面発光されるが、面発光される導光板を偏光することができる。例えば、面発光される導光板を、周辺制御基板471の制御により第1の導光板500dから第3の導光板500gに切り替えることによって(図柄表示領域Aを第1の領域から第3の領域に切り替えることによって)、第1の領域では演出画像によって視認が遮られていた下可動装飾体620が、第3の領域に切り替えられることによって視認できるようになる。これは、液晶パネル500eの表示領域のうち、面発光されていた発光領域では演出画像が表示が表示されていたものの、この領域が非発光領域に切り替えられることで演出画像の視認が困難となり、この領域の後方に配置されている役物(下可動装飾体620)を視認することができるようになるからである。
なお、液晶パネル500eのバックライトとして面発光可能な透過型の導光板を用いているため、液晶パネル500eの表示領域のうち導光板によって面発光される領域を、演出画像の視認が容易となる表示部として機能させることができる。すなわち、液晶パネル500eは一般的には矩形状であるが、導光板において面発光される発光領域は溝加工によって自在の形状とすることができるので、矩形状といった液晶パネル500の形状にとらわれない形状での領域を表示部として機能させることができる。
また、液晶パネル500eのバックライトとして面発光可能な透過型の導光板を用いているため、遊技役物(例えば下可動装飾体620)の形状に対応する領域を非発光領域とし、それ以外の領域を面発光される領域とする導光板を用いることで、遊技役物と演出画像が表示される領域との間のスペースを小さくすることができる。例えば、第3の導光板500gは、面発光される領域と非発光領域との境界が下可動装飾体620の外縁に沿っているため、下可動装飾体620の外縁の際まで演出画像を表示することができる。
また、例えば第1の領域では、液晶パネル500eが下可動装飾体620の前方に配置されるとともに導光板500dの発光領域の後方に下可動装飾体620が位置しているため、下可動装飾体620の視認が遮られている。しかし、第3の領域では、液晶パネル500eの表示領域のうち下可動装飾体620の前方に位置する領域が導光板によって面発光されない非発光領域となっているため、液晶パネル500eをとおして下可動装飾体620の視認が可能となる。そこで、例えば、液晶パネル500eの表示領域のうち後方に下可動装飾体620(遊技役物)が配置される特定領域が、常には面発光される領域(演出画像の視認が容易とされる領域)であることによって遊技役物の視認が遮られているものの、例えば抽選の結果が特定の結果である場合など、所定条件が成立したことに基づいて上記の特定領域を非発光領域となるように導光板を切り替えることによって、かかる遊技役物の視認が可能となる。そして、このように視認可能となった遊技役物を用いた役物演出と、液晶パネル500eのうち導光板によって面発光される領域にて行われる表示演出とによる相合演出を行うことが可能となる。しかも、上記の表示演出と役物演出は、いずれも液晶パネル500eの表示領域といった一の領域(面)で行うことができる。
なお、常には面発光される領域(演出画像の視認が容易とされる領域)であることによって視認が遮られるかたちで配置される遊技役物は、遊技機の性質上、液晶パネル500eの後方といった光量の少ない位置に配置されることが多いため、たとえ視認可能になったとしても、液晶パネル500eをとおして視認しにくい場合がある。そこで、遊技役物の視認が可能となったときにかかる遊技役物の視認性をより向上させるために遊技役物を照明することで、液晶パネル500eを通してみた場合であっても、遊技者から遊技役物を鮮明に視認することが可能となる。
また、本実施形態では、リール70を変動させることで、これらのリール70に描かれた図柄が変動表示されるようにしているが、所定の配列で並ぶ図柄が所定方向に順に変動(移動)する図柄列であれば、必ずしもリールに限られない。つまり、図柄表示領域Aにランダムに図柄が表示されるようなものは含まないが、所定の配列で並ぶ図柄が所定方向に順に変動(移動)して表示されるものであれば、液晶表示器に表示される図柄列も含む趣旨である。
なお、上記の実施形態で示したスロットマシン1は、以下の技術思想であらわすことができる。
技術思想1の遊技機によれば、所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、前記抽選の結果に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、所定の画像を表示可能な画像表示手段と、前記画像表示手段の後方に配置される遊技役物と、を備える遊技機であって、前記画像表示手段は、面発光されると画像が表示されて後方の視認がさえぎられる表示パネルを有し、前記遊技役物は、前記画像の視認が容易化された発光領域の後方に配置されることで視認がさえぎられており、さらに前記遊技機は、前記発光領域にて行われる表示演出と、前記所定条件の成立に基づいて前記遊技役物の視認を可能にするとともに該遊技役物を用いて行われる役物演出とによる相合演出を、前記表示パネルとしての一の表示領域において実行可能ならしめる遊技演出実行手段を有することを特徴とするものである。
技術思想2に記載の遊技機によれば、所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、遊技の進行に応じた遊技演出を実行する遊技演出実行手段と、前記抽選の結果に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、所定の画像を表示可能な画像表示手段と、前記画像表示手段の後方に配置される遊技役物と、を備える遊技機であって、前記画像表示手段は、面発光されることで当該面発光される発光領域における画像の視認が容易化されるとともに、非発光領域については後方を視認可能となるように構成される表示パネルと、前記表示パネルに向けて面発光可能な発光手段と、前記発光手段による面発光の発光態様を切り替え制御可能な発光制御手段と、を有し、前記遊技役物は、前記画像の視認が容易化された発光領域の後方に配置されることで視認がさえぎられており、前記発光制御手段は、所定条件の成立に基づいて、後方に前記遊技役物が配置される発光領域が非発光領域となるよう発光態様を切り替える特定発光制御手段を有し、前記遊技演出実行手段は、前記表示パネルにおける全領域のうち少なくとも前記発光領域にて表示演出を実行する表示演出実行手段と、前記所定条件の成立に基づいて、前記特定発光制御手段により前記発光領域から前記非発光領域とされた領域の後方に配置される前記遊技役物を用いた役物演出を実行する役物演出実行手段と、を有し、前記表示パネルの一の表示領域内において前記表示演出と前記役物演出とによる相合演出の実行を可能ならしめたことを特徴とするものである。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、遊技機としてスロットマシン1(パチスロ機)に適用したものを示したが、これに限定するものではない。つまり、パチンコ機、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機、液晶スロット、さらにはカジノに設置されるスロットマシンやゲーム機などに適用した場合であっても、上記と同様の作用効果を奏することができる。