以下、図面に従って本発明に係る撮像装置を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい実施形態に係るカメラは、デジタルカメラである。
このデジタルカメラは、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面等に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
また、カメラ本体の背面部等に設けられた表示部は画面を複数分割し、複数の画像からなる組み写真を再生表示可能である。組み写真は、複数の画像が統一感を有するように組み写真処理を施した後、表示する。また、このデジタルカメラは、電子ビューファインダ(EVF)を有しており、この電子ビューファインダには、現在撮像中のライブビュー画像を表示可能である。ライブビュー画像は、組み写真処理を施すことなく、基本画像処理を施した画像を表示する。このように、本発明の好ましい実施形態に係るカメラは、複数の画像を1枚の画像として組み込んだ写真を撮影可能であり、かつライブビュー表示可能である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。このカメラは、カメラ本体100と、これに脱着可能な交換式レンズ200とから構成される。なお、本実施形態においては、撮影レンズは交換レンズ式としたが、これに限らず、カメラ本体に撮影レンズが固定されるタイプのデジタルカメラであっても勿論かまわない。
交換式レンズ200は、撮影レンズ201、絞り203、ドライバ205、マイクロコンピュータ207、フラッシュメモリ209から構成され、後述するカメラ本体100との間にインターフェース(以後、I/Fと称す)199を有する。
撮影レンズ201は、被写体像を形成するための複数の光学レンズから構成され、単焦点レンズまたはズームレンズである。この撮影レンズ201の光軸の後方には、絞り203が配置されており、絞り203は口径が可変であり、撮影レンズ201を通過した被写体光束の光量を制限する。また、撮影レンズ201はドライバ205によって光軸方向に移動可能であり、マイクロコンピュータ207からの制御信号に基づいて、撮影レンズ201のピント位置が制御され、ズームレンズの場合には、焦点距離も制御される。また、ドライバ205は、絞り203の口径の制御も行う。
ドライバ205に接続されたマイクロコンピュータ207は、I/F199およびフラッシュメモリ209に接続されている。マイクロコンピュータ207は、フラッシュメモリ209に記憶されているプログラムに従って動作し、後述するカメラ本体100内のマイクロコンピュータ121と通信を行い、マイクロコンピュータ121からの制御信号に基づいて交換式レンズ200の制御を行う。
フラッシュメモリ209には、前述したプログラムの他、交換式レンズ200の光学的特性や調整値等の種々の情報が記憶されている。I/F199は、交換式レンズ200内のマイクロコンピュータ207とカメラ本体100内のマイクロコンピュータ121の相互間の通信を行うためのインターフェースである。
カメラ本体100内であって、撮影レンズ201の光軸上には、メカシャッタ101が配置されている。このメカシャッタ101は、被写体光束の通過時間を制御し、公知のフォーカルプレーンシャッタ等が採用される。このメカシャッタ101の後方であって、撮影レンズ201によって被写体像が形成される位置には、撮像素子103が配置されている。
撮像素子103は、撮像部としての機能を果たし、各画素を構成するフォトダイオードが二次元的にマトリックス状に配置されており、各フォトダイオードは受光量に応じた光電変換電流を発生し、この光電変換電流は各フォトダイオードに接続するキャパシタによって電荷蓄積される。各画素の前面には、ベイヤ―配列のRGBフィルタが配置されている。また、撮像素子103は電子シャッタを有している。電子シャッタは、撮像素子103の電荷蓄積から電荷読出までの時間を制御することにより露光時間の制御を行う。なお、撮像素子103はベイヤ配列に限定されず、例えばFoveon(登録商標)のような積層形式でも勿論かまわない。
撮像素子103はアナログ処理部105に接続されており、このアナログ処理部105は、撮像素子103から読み出した光電変換信号(アナログ画像信号)に対し、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに適切な輝度になるようにゲインアップを行う。
アナログ処理部105はA/D変換部107に接続されており、このA/D変換部107は、アナログ画像信号をアナログ―デジタル変換し、デジタル画像信号(以後、画像データという)をバス110に出力する。なお、本明細書においては、画像処理部109において画像処理される前の生の画像データをRAWデータと称する。
バス110は、カメラ本体100の内部で読み出され若しくは生成された各種データをカメラ本体100の内部に転送するための転送路である。バス110には、前述のA/D変換部107の他、画像処理部109、AE(Auto Exposure)処理部111、AF(Auto Focus)処理部113、画像圧縮伸張部115、組み写真処理部117、マイクロコンピュータ121、SDRAM(Synchronous DRAM)127、メモリインターフェース(以後、メモリI/Fという)129、表示ドライバ133、通信処理部145、EVFドライバ151が接続されている。
画像処理部109は、基本的な画像処理を行う基本画像処理部109aと、アートフィルタが設定された場合に特殊効果を施すための特殊画像処理部109bと、画像を解析し、被写体を検出する被写体検出部109cと、表示モードに応じて、マスク処理を行ないEVF153に表示する画像を生成するマスク処理部109dを有している(表示モードについては、図13を用いて後述する)。
基本画像処理部109aは、撮像部で撮像した画像データを画像処理する画像処理部としての機能を果たし、RAWデータに対して、オプティカルブラック(OB)減算処理、ホワイトバランス(WB)補正、ベイヤデータの場合に行う同時化処理、色再現処理、ガンマ補正処理、カラーマトリックス演算、ノイズリダクション(NR)処理、エッジ強調処理等を行う。1枚撮影で、かつアートフィルタが設定されていない場合には、この基本画像処理部109aによる処理のみで画像処理が完了する。
また、特殊画像処理部109bは、設定された特殊効果(アートフィルタ)に応じて、周辺の輝度を低下させるピンホール効果、画像をぼかして元画像と合成するソフトフォーカス処理、ノイズ画像と合成するノイズ効果、輝点にクロスパターンを描画するクロスフィルタ効果、周辺部をぼかすミニチュア効果等、基本画像処理部によって処理された画像に対して、種々の特殊効果を施す。
被写体検出部109cは、画像をパターンマッチング等によって解析し、人の顔やペット等の被写体を検出する。被写体を検出できた場合には、画像内における被写体の種類、大きさ、位置、信頼性等の情報を取得する。
マスク処理部109dは、表示モードに応じて、EVF153にライブビュー画像を表示する領域以外の表示領域に、マスクを行なう画像処理を行なう。「通常表示モード」では、ライブビュー画像以外の表示領域には、撮影された画像の表示領域や、未撮影領域があり、目立たなくするようにマスクを行なったり、撮影毎にマスクの濃度を異ならせたり、ライブビュー画像をカラー画像にし、それ以外をモノトーン画像にする。一方、「拡大表示モード」では、組み写真のスタイル(テンプレート)に応じたライブビュー画像の表示領域のアスペクト比を一定にして、EVF153にライブビュー画像を拡大表示を行なう際に、表示されない余分な領域にマスク設定を行なう。「通常表示モード」、「拡大表示モード」については、図13を用いて後述する。
AE処理部111は、バス110を介して入力した画像データに基づいて被写体輝度を測定し、この被写体輝度情報を、バス110を介してマイクロコンピュータ121に出力する。被写体輝度の測定のために専用の測光センサを設けても良いが、本実施形態においては、画像データに基づいて被写体輝度を算出する。
AF処理部113は、画像データから高周波成分の信号を抽出し、積算処理により合焦評価値を取得し、バス110を介してマイクロコンピュータ121に出力する。本実施形態においては、いわゆるコントラスト法によって撮影レンズ201のピント合わせを行う。この実施形態では、コントラスト法によるAF制御を例にとって説明したが、被写体光束を分割し、その光路上に位相差センサを設け、または撮像素子上に位相差センサを設け、位相差AFによるAF制御によりピント合わせを行ってもよい。
画像圧縮伸張部115は、画像データの記録媒体131への記録時に、SDRAM127から読み出した画像データを、静止画の場合にはJPEG圧縮方式等、また動画の場合にはMPEG等の各種圧縮方式に従って圧縮する。マイクロコンピュータ121は、JPEG画像データやMPEG画像データに対して、JPEGファイルやMPO(Multi Picture Object:3D立体視等で用いる画像フォーマット)ファイル、MPEGファイルを構成するために必要なヘッダを付加してJPEGファイルやMPOファイル、MPEGファイルを作成し、この作成したファイルをメモリI/F129を介して記録媒体131に記録する。
また、画像圧縮伸張部115は、画像再生表示用にJPEG画像データやMPEG画像データの伸張も行う。伸張にあたっては、記録媒体131に記録されているファイルを読み出し、画像圧縮伸張部115において伸張処理を施した上で、伸張した画像データをSDRAM127に一時記憶する。なお、本実施形態においては、画像圧縮方式としては、JPEG圧縮方式やMPEG圧縮方式を採用するが、圧縮方式はこれに限らずTIFF、H.264等、他の圧縮方式でも勿論かまわない。
組み写真処理部117は、複数の画像データを組んで1つの画像(組み写真)を生成するための処理を行う。画像の組合せにあたっては、フラッシュメモリ125からテンプレートを読み込み、画像の明るさが同様になるように基本画像処理部109a内のガンマ補正を使用して輝度変更を行う。また、全体のホワイトバランス(WB)を統一させるために基本画像処理部109a内の色再現処理を使用してWBを変更する。また、合成後に特殊画像処理部109bを使用してピンホール効果等の特殊効果を適用し、組み画像や置換画像の修正等を行う。
マイクロコンピュータ121は、このカメラ全体の制御部としての機能を果たし、カメラの各種シーケンスを総括的に制御する。マイクロコンピュータ121には、前述のI/F199以外に、操作部123およびフラッシュメモリ125が接続されている。
操作部123は、電源釦、レリーズ釦、動画釦、再生釦、メニュー釦、十字キー、OK釦、削除釦、拡大釦等、各種入力釦や各種入力キー等の操作部材を含み、これらの操作部材の操作状態を検知し、検知結果をマイクロコンピュータ121に出力する。マイクロコンピュータ121は、操作部123からの操作部材の検知結果に基づいて、ユーザの操作に応じた各種シーケンスを実行する。電源釦は、当該デジタルカメラの電源のオン/オフを指示するための操作部材である。電源釦が押されると当該デジタルカメラの電源はオンとなり、再度、電源釦が押されると当該デジタルカメラの電源はオフとなる。
レリーズ釦は、半押しでオンになるファーストレリーズスイッチと、半押しから更に押し込み全押しとなるとオンになるセカンドレリーズスイッチからなる。マイクロコンピュータ121は、ファーストレリーズスイッチがオンとなると、AE動作やAF動作等の撮影準備シーケンスを実行する。また、セカンドレリーズスイッチがオンとなると、メカシャッタ101等を制御し、撮像素子103等から被写体画像に基づく画像データを取得し、この画像データを記録媒体131に記録する一連の撮影シーケンスを実行して撮影を行う。
動画釦は、動画撮影の開始と終了を指示するための操作釦であり、最初に動画釦を操作すると動画撮影を開始し、再度、操作すると動画撮影を終了する。再生釦は、再生モードの設定と解除するための操作釦であり、再生モードが設定されると、記録媒体131から撮影画像の画像データを読み出し、表示パネル135に撮影画像を再生表示する。削除釦は、例えば、再生画像が一覧表示されている場合や組み写真が表示されている場合等に、画像を指定して削除するための操作釦である。拡大釦は、表示画像を拡大するための「拡大表示モード」や拡大した表示画像をを元の大きさに戻す「通常表示モード」に切り換える操作釦である。
メニュー釦は、メニュー画面を表示パネル135に表示させるための操作釦である。メニュー画面上では、各種のカメラ設定を行うことができる。カメラ設定としては、例えば、通常撮影モードや組み写真モード等の撮影モードの設定、ナチュラル、ビビッド、フラット、ポートレート、アートフィルタ等のピクチャーモードの設定がある。アートフィルタとしては、ポップアート、トイフォト、ファンタジックフォーカス、ラフモノクローム、ジオラマ、クリスタル等がある。また、予め準備された複数の種類の組み写真のスタイル(テンプレート)の選択、組み写真の置換画像の選択、組み写真編集時に編集前の画像を記録するか否か等、種々の設定も可能である。なお、組み写真の場合、スタイル(テンプレート)と組み画像選択状況に応じてライブビュー(LV)の表示を変更する(図3のS47参照)。
また、操作部123にはタッチ入力部123aが設けてある。表示パネル135は、タッチ操作可能であり、タッチ入力部123aは、ユーザがタッチした位置等を検出し、マイクロコンピュータ121に出力する。
フラッシュメモリ125は、マイクロコンピュータ121の各種シーケンスを実行するためのプログラムと、複数の種類の組み写真のスタイル(テンプレート)を記憶している。マイクロコンピュータ121はこのプログラムに基づいてカメラ全体の制御を行う。
SDRAM127は、画像データ等の一時記憶用の電気的書き換え可能な揮発性メモリである。このSDRAM127は、A/D変換部107から出力された画像データや、画像処理部109、画像圧縮伸張部115、組み写真処理部117等において処理された画像データを一時記憶する。
メモリI/F129は、記録媒体131に接続されており、画像データや画像データに添付されたヘッダ等のデータを、記録媒体131に書き込みおよび読出しの制御を行う。
記録媒体131は、例えば、カメラ本体100に着脱自在なメモリカード等の記録媒体であるが、これに限らず、カメラ本体100に内蔵されたハードディスク等であっても良い。
表示ドライバ133は、表示パネル135に接続されており、SDRAM127や記録媒体131から読み出され、画像圧縮伸張部115によって伸張された画像データに基づいて画像を表示パネル135において表示させる。表示パネル135は、カメラ本体100の背面等に配置され、画像表示を行う。表示パネル135は、背面等のカメラ本体の外装部に表示面が配置されることから、外光の影響を受け易い表示部であるが、大型の表示パネルを設定することが可能である。なお、表示部としては、液晶表示パネル(LCD、TFT)、有機EL等、種々の表示パネルを採用できる。
表示パネル135における画像表示としては、撮影直後、記録される画像データを短時間だけ表示するレックビュー表示、記録媒体131に記録された静止画や動画の画像ファイルの再生表示、およびライブビュー表示等の動画表示が含まれる。また、組み写真処理部117において組み写真処理が施された組み写真も表示可能である。
通信処理部145は無線有線通信部147に接続されている。通信処理部145および無線有線通信部147は、USB、LAN等による有線通信、無線通信(ワイヤレス通信)等によって外部と通信を行い、フラッシュメモリ125内に記憶された組み写真の分割用のテンプレートを更新したり、追加する。また、ライブビュー画像(1コマまたは組んだ画像)を、スマートフォンやテレビ等の外部の表示部に送信する。
EVFドライバ151は、EVF153に接続されており、SDRAM127や記録媒体131から読み出され、画像圧縮伸張部115によって伸張された画像データに基づいて画像をEVF153において表示させる。EVF153は、接眼部を介して小型の液晶パネル等に表示される画像を観察するファインダである。EVF153は、接眼部を介して観察することから、外光の影響を受け難い表示部である。画像表示としては、撮影時のライブビュー表示が可能であり、これ以外にも、レックビュー表示、静止画や動画の画像ファイルの再生表示等を行う。
本実施形態においては、表示部材として、表示パネルとEVFの2つを有している。説明を明確にするために、EVF153を第1の表示部、表示パネル135を第2の表示部として説明する。なお、第1の表示部としては、EVF153以外にもカメラ本体の前面側に設けた表示パネルや、開閉可能なパネルの内側に設けた表示パネル、有線または無線の伝送により通信可能なデバイス上、もしくは前記デバイスに接続されたの表示パネルでもよい。
EVF表示センサ155は、EVF153に表示を行うか否かを判定するためのセンサである。EVF表示センサ155としては、具体的には、撮影者の眼が接眼部に近づくと検知信号を出力するアイセンサ等を採用する。なお、第1の表示部としては、前述したように、EVF153に限らず、例えば、本体前面の表示パネル、開閉式の表示パネルでもよい(後述する図17参照)。本体前面の表示パネルの場合には、EVF表示センサ155としてはオン/オフスイッチ等を用いればよく、また開閉式の表示パネルの場合には、ホール素子等の開閉検出素子等を用いればよい。オン/オフスイッチの場合にはオンのとき、また開閉検出素子の場合には素子が開状態のときに、EVF153、カメラ本体の前面側に設けた表示パネルや、開閉可能なパネルの内側に設けた表示パネル等の第1の表示部に表示を行うようにすればよい。なお、EVF表示中は、表示パネル135は、表示しないようにしてもよい。
次に、図2よび図3に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラのメイン処理について説明する。なお、後述する図2〜図7、図9〜図12、図14に示すフローチャートはフラッシュメモリ125に記憶されているプログラムに従ってマイクロコンピュータ121が各部を制御し実行する。
操作部123の内の電源釦が操作され、電源オンとなると、図2に示すメインフローが動作を開始する。動作を開始すると、まず、初期化を実行する(S1)。初期化としては、機械的初期化や各種フラグ等の初期化等の電気的初期化を行う。各種フラグの1つとして、動画記録中か否かを示す記録中フラグをオフにリセットする(ステップS13、S15参照)。
初期化を行うと、次に、再生釦が押されたか否かを判定する(S3)。ここでは、操作部123内の再生釦の操作状態を検知し、判定する。この判定の結果、再生釦が押された場合には、再生を実行する(S5)。ここでは、記録媒体131から画像データを読み出し、LCD135に静止画と動画の一覧を表示する。ユーザは十字キーを操作することにより、一覧の中から画像を選択し、OK釦により画像を確定する。また、このステップにおいて、組み写真の編集も行うことができる。
ステップS5における再生を実行すると、またはステップS3における判定の結果、再生釦が押されていなかった場合には、カメラ設定を行うか否かを判定する(S7)。操作部123の内のメニュー釦が操作された際に、メニュー画面においてカメラ設定を行う。
そこで、このステップでは、このカメラ設定が行われたか否かに基づいて判定する。
ステップS7における判定の結果、カメラ設定の場合には、カメラ設定を行う(S9)。前述したように、種々のカメラ設定をメニュー画面で行うことができる。カメラ設定としては、前述したように、例えば、通常撮影モードや組み写真モード等の撮影モードの設定、ナチュラル、ビビッド、フラット、ポートレート、アートフィルタ等のピクチャーモードの設定がある。アートフィルタとしては、ポップアート、トイフォト、ファンタジックフォーカス、ラフモノクローム、ジオラマ、クリスタル等がある。また、予め準備された複数の種類の組み写真のスタイル(テンプレート)の選択、組み写真の置換画像の選択、組み写真編集時に編集前の画像を記録するか否か、既に記録されている画像を組み写真の所定のコマに嵌め込むための画像を選択する等、種々の設定も可能である。
ステップS9においてカメラ設定を行うと、またはステップS7における判定の結果、カメラ設定でなかった場合には、次に、動画釦が押されたか否かの判定を行う(S11)。ここでは、マイクロコンピュータ121は操作部123から動画釦の操作状態を入力し、判定する。
ステップS11における判定の結果、動画釦が押された場合には、記録中フラグを判定する(S13)。記録中フラグは、動画撮影中にはオン(1)が設定され、動画を撮影していない場合にはオフ(0)にリセットされている。このステップにおいては、フラグを反転、すなわちオン(1)が設定されていた場合には、オフ(0)に反転させ、オフ(0)が設定されていた場合には、オン(1)に反転させる。
ステップS13において記録中フラグの反転を行うと、次に、動画記録中か否を判定する(S15)。ここでは、ステップS13において反転された記録中フラグがオンに設定されているか、オフに設定されているかに基づいて判定する。
ステップS15における判定の結果、動画記録中の場合には、動画ファイルを生成する(S19)。後述するステップS61において動画の記録を行うが、このステップでは、動画記録用の動画ファイルを生成し、動画の画像データを記録できるように準備する。
一方、判定の結果、動画記録中でない場合には、動画ファイルを閉じる(S17)。動画釦が操作され、動画撮影が終了したことから、このステップで動画ファイルを閉じる。動画ファイルを閉じるにあたって、動画ファイルのヘッダにフレーム数を記録する等により、動画ファイルとして再生可能な状態にし、ファイル書き込みを終了する。
ステップS17において動画ファイルを閉じると、またはステップS19において動画ファイルを生成すると、またはステップS11における判定の結果、動画釦が押されていない場合には、次に、組み写真モードで操作部が操作されたか否かを判定する(S21)。前述したように、ステップS9におけるカメラ設定において、組み写真モードの設定が可能である。このステップでは、この組み写真モードが設定されている状態で、操作部123の操作部が操作されたか否かを判定する。
ステップS21における判定の結果、組み写真モードで操作部が操作された場合には、組み写真操作を実行する(S23)。この組み写真操作では、組み写真の編集を行うための各種操作、例えば、撮影コマ変更、キャンセル操作、復元操作、一時保存操作、一時保存読み込み操作等の操作がなされると実行される。この組み写真操作の詳しい動作については、図10および図11を用いて後述する。
ステップS23において組み写真操作を実行すると、またはステップS21における判定の結果、組み写真モードで操作部が操作されていない場合には、レリーズ釦が半押しされたか否か、言い換えると、ファーストレリーズスイッチがオフからオンとなったか否かの判定を行う(S31)。この判定は、レリーズ釦に連動するファーストレリーズスイッチの状態を操作部123によって検知し、この検知結果に基づいて行う。検知の結果、ファーストレリーズスイッチがオフからオンに遷移した場合には判定結果はYesとなり、一方、オン状態またはオフ状態が維持されている場合には、判定結果はNoとなる。
ステップS31における判定の結果、レリーズ釦が半押しされ、オフからファーストレリーズに遷移した場合には、AE・AF動作を実行する(S33)。ここでは、AE処理部111が、撮像素子103によって取得された画像データに基づいて被写体輝度を検出し、この被写体輝度に基づいて、適正露出となるシャッタ速度、絞り値等を算出する。
また、ステップS33においては、AF動作を行う。ここでは、AF処理部113によって取得された合焦評価値がピーク値となるように、交換式レンズ200内のマイクロコンピュータ207を介してドライバ205が撮影レンズ201のピント位置を移動させる。したがって、動画撮影を行っていない場合に、レリーズ釦が半押しされると、その時点で、撮影レンズ201のピント合わせを行う。その後、ステップS35へ進む。
ステップS31における判定の結果、レリーズ釦がオフからファーストレリーズに遷移しなかった場合には、次に、レリーズ釦が全押しされ、セカンドレリーズスイッチがオンになったか否かの判定を行う(S37)。このステップでは、レリーズ釦に連動するセカンドレリーズスイッチの状態を操作部123によって検知し、この検知結果に基づいて判定を行う。
ステップS37における判定の結果、レリーズ釦が全押しされ、セカンドレリーズスイッチがオンになった場合には、メカシャッタによる静止画撮影を行う(S39)。ここでは、ステップS33において演算された絞り値で絞り203が制御され、また演算されたシャッタ速度でメカシャッタ101のシャッタ速度が制御される。そして、シャッタ速度に応じた露光時間が経過すると、撮像素子103から画像信号が読み出され、アナログ処理部105およびA/D変換部107によって処理されたRAWデータがバス110に出力される。
メカシャッタによる撮影を行うと、次に、画像処理を行う(S41)。ここでは、メカシャッタによる撮影によって撮像素子103で取得されたRAWデータを読出し、画像処理部109によって画像処理を行う。この画像処理の詳しい動作については、図4を用いて後述する。
画像処理を行うと、次に静止画記録を行う(S43)。ここでは、画像処理が施された静止画の画像データを記録媒体131に記録する。なお、組み写真で撮影された場合に、組み写真の内の一部の画像をキャンセル(削除)したい場合には、キャンセル操作によって削除可能である。この静止画記録の詳しい動作については、図9を用いて後述する。
静止画記録を行うと、次に、組み写真モードか否かの判定を行う(S45)。前述したように、組み写真モードはメニュー画面等において設定されており、このステップではこの組み写真モードが設定されているか否かを判定する。
ステップS45における判定の結果、組み写真モードが設定されていた場合には、ライブビュー(LV)表示の変更を行う(S47)。組み写真モードが設定されている場合には、スタイル(テンプレート)と画像の枚数に応じて、ライブビュー表示を変更する。常に全コマにライブビュー表示を行う場合には、撮影画像以外の部分にライブビュー表示を行うようにする。また1コマずつライブビュー表示する場合には、撮影したら次のコマに順次(例えば、図15の135aの様に4分割された表示領域のうち、左上→右上→左下→右下のような順)ライブビュー表示を切り換える。いずれの場合にも、撮影したコマは撮影画像を表示する。また、OSD(オンスクリーンディスプレイ)を使用し、撮影済みの画像なのかライブビュー表示なのかを分かるように表示してもよく、撮影済みの画像は、撮影順が分かるように表示してもよい。その後、ステ
ップS35へ進む。
ステップS37における判定の結果、レリーズ操作2ndでなかった場合には、次に、AEを行う(S51)。前述のステップS21からS27を経た場合は、レリーズ釦に対して何ら操作を行っていない場合であり、この場合には後述するステップS55においてライブビュー表示を行う。ステップS51においては、ライブビュー表示を行うための露出制御を行う。すなわち、適正露出でライブビュー表示を行うための撮像素子103の電子シャッタのシャッタ速度およびISO感度を算出する。
AEを行うと、次に、電子シャッタによる撮影を行う(S53)。ここでは、被写体像を画像データに変換する。すなわち、撮像素子103の電子シャッタによって決まる露光時間の間、電荷蓄積を行い、露光時間が経過すると蓄積電荷を読み出することにより画像データを取得する。
電子シャッタによる撮影を行うと、次に、取得した画像データに対して画像処理・ライブビュー表示を行う(S55)。ここでの画像処理は、ライブビュー表示用であり、基本画像処理部109aによって基本画像処理を行う。またアートフィルタ等の特殊効果が設定されている場合には、設定に応じた特殊画像処理も行ってもよい。また、表示パネル135に表示するための画像処理と、EVF153に表示するための画像処理は、異ならせている。詳しくは後述するが、表示パネル135に表示するための画像処理は基本画像処理のみ行い(図12のS233参照)、EVF153に表示するための画像処理は、基本画像処理に加えて、特殊画像処理、組み写真生成のための画像処理も行う(図12のS227、図4参照)。
画像処理を行うと、表示パネル135またはEVF153にライブビュー表示を行う。ステップS53において画像データを取得し、画像処理を行ったことから、この処理された画像を用いて、ライブビュー表示の更新を行う。撮影者はこのライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタタイミングを決定することができる。
ライブビュー表示にあたって、EVF153には1コマのライブビュー表示を行う。すなわち、基本画像処理を施した1コマ分のライブビュー画像を表示する(この1コマ分のライブビュー表示を「1コマライブビュー表示」と略す。さらに「1コマライブビュー表示」には、「通常表示モード」と「拡大表示モード」の2種類がある。「通常表示モード」と「拡大表示モード」の詳しい動作については、図13を用いて、後述する)。
また表示パネル135には、組み写真モードが設定されている場合には、組み写真の画像を表示する。このとき、組み写真を構成する複数の画像の全てが確定していない場合には、その内の1コマ分をライブビュー画像で表示する(この組み写真モード設定時のライブビュー表示を「組み写真ライブビュー表示」と略す)。なお、組み写真モードが設定されていない場合には、表示パネル135には、EVF153と同様に1コマライブビュー画像を表示する。画像処理・ライブビュー表示の詳しい動作については、図12を用いて後述する。
ステップS55において画像処理・ライブビュー表示を行うと、動画記録中か否かの判定を行う(S59)。ここでは、記録中フラグがオンか否かを判定する。この判定の結果、動画記録中であった場合には、動画記録を行う(S61)。ここでは、撮像素子103から読み出される撮像データを動画用の画像データに画像処理を行い、動画ファイルとして記録媒体131に記録する。その後、ステップS35へ進む。
ステップS35では、電源オフか否かの判定を行う。このステップでは、操作部123の電源釦が再度、押されたか否かを判定する。この判定の結果、電源オフではなかった場合には、ステップS3に戻る。一方、判定の結果、電源オフであった場合には、メインのフローの終了動作を行ったのち、メインフローを終了する。
このように本発明の第1実施形態におけるメインフローにおいては、組み写真モードの設定が可能であり(S9)、組み写真モードが設定され、ライブビュー表示時には、EVF153には1コマライブビュー画像が表示され、表示パネル135には組み写真が表示される(S55)。
次に、ステップS41における画像処理について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。画像処理のフローに入ると、まず、基本画像処理を行う(S71)。ここでは、基本画像処理部109aが、撮像素子103から読み出され、A/D変換部107でAD変換された画像データに対して、オプティカルブラック(OB)減算、ホワイトバランス(WB)補正、同時化処理、色再現処理、輝度変更処理、エッジ強調処理、ノイズ除去(NR)処理等を施す。この基本画像処理の詳しい動作については、図5を用いて後述する。
基本画像処理を行うと、次に、アートフィルタが設定されているか否かを判定する(S73)。前述したカメラ設定(S9)において、アートフィルタが設定されるので、このステップでは、アートフィルタが設定されたか否かを判定する。
ステップS73における判定の結果、アートフィルタが設定されていた場合には、特殊画像処理を行う(S75)。ここでは、設定されたアートフィルタの種類に応じて、特殊画像処理を施す。この特殊画像処理の詳しい動作については、図6を用いて後述する。
特殊画像処理を行うと、またはステップS73における判定の結果、アートフィルタが設定されていなかった場合には、次に、組み写真か否かの判定を行う(S77)。前述したように、メニュー画面において、組み写真モードが設定される。
ステップS77における判定の結果、組み写真モードが設定されている場合には、組み写真生成を行う(S79)。この組み写真生成では、組み写真処理部117によって、リサイズや回転等の前処理を行い、色変更や輝度変更を行った後、スタイル(テンプレート)に応じて、画像の合成を行い、組み写真を生成する。動画撮影中には、組み写真機能をオフにするようにしてもよい。組み写真処理によって、複数の画像でありながら、全体的に統一感のある1枚の写真を生成することができる。この組み写真生成の詳しい動作については、図7を用いて後述する。
組み写真生成を行うと、またはステップS77における判定の結果、組み写真モードが設定されていない場合には、元のフローに戻る。
このように、本実施形態における画像処理では、基本画像処理を行い、また必要に応じて特殊画像処理を行った後に、組み写真モードが設定されている場合に、組み写真生成を行っている。
次に、ステップS71(図4)の基本画像処理の詳しい動作について、図5(a)に示すフローチャートを用いて説明する。基本画像処理のフローに入ると、まず、オプティカルブラック(OB)演算を行う(S81)。このステップでは、基本画像処理部109a内のOB演算部によって、画像データを構成する各画素の画素値から、撮像素子103の暗電流等に起因するオプティカルブラック値をそれぞれ減算する。
OB演算を行うと、次に、ホワイトバランス(WB)補正を行う(S83)。このステップでは、予め設定されているホワイトバランスモードに応じて、基本画像処理部109a内のWB補正部により画像データに対してWB補正を行う。具体的には、ベイヤ配列の画像データに対して、ユーザが設定したホワイトバランスモードに応じたRゲインとBゲインをカメラ本体のフラッシュメモリ125から読み出し、その値を乗じることで補正を行う。またはオートホワイトバランスの場合には、RAWデータ等からRゲインおよびBゲインを算出し、これらを用いて補正する。
続いて、同時化処理を行う(S85)。このステップでは、ホワイトバランス補正を行った画像データに対して、基本画像処理部109a内の同時化処理部によって、各画素がRGBデータで構成されるデータに変換する。具体的には、その画素にないデータを周辺から補間によって求め、RGBデータに変換する。しかし、例えば、RAWデータが既にRGBデータと同様の形式(Foveonセンサで得られたRAWデータなど)の場合には、同時化処理を行う必要がない。
同時化処理を行うと、次に、色再現処理を行う(S87)。このステップでは、基本画像処理部109a内の色再現処理部によって、画像データに対して設定されているホワイトバランスモードに応じたカラーマトリックス係数を乗じる線形変換を行って画像データの色を補正する。カラーマトリックス係数はフラッシュメモリ125に記憶されているので、読み出して使用する。
色再現処理を行うと、次に、輝度変更処理を行う(S89)。このステップでは、基本画像処理部109a内のガンマ処理部によって、フラッシュメモリ125に記憶されているガンマテーブルを読み出し、画像データに対してガンマ補正処理を行う。すなわち、RGBでガンマ変換し、YCbCrに色変換後、Yでさらにガンマ変換を行う。
図5(b)に、ステップS89の輝度変更処理におけるRGBガンマとYガンマの一例を示す。図5(b)において、γRGBは、RGBガンマの一例であり、ピクチャーモードに応じて変更してもよい。γY1は、アートフィルタとしてファンタジックフォーカスが設定されている場合のYガンマの一例である。γY2は、アートフィルタとしてポップアートまたはトイフォトが設定されている場合のYガンマの一例である。γY3は、その他の場合のYガンマの一例である。
γY3のガンマは略直線状であり、γY1は低入力値に対して立ち上がりを急にし、高入力値に対して変化を緩くしている。これに対して、γY2は低入力値に対して立ち上がりを緩くし高入力値に対して変化が大きくなるようにしている。このように、本実施形態においては、基本画像処理における輝度変更処理において、設定されているアートフィルタ(特殊効果処理)に応じて、最適なガンマとなるように、ガンマを異ならせている。
ステップS89においてガンマ変換を行うと、次に、エッジ強調を行う(S91)。このステップでは、ガンマ変換の行われた画像データに対して、基本画像処理部109a内のエッジ強調処理部が、バンドパスフィルタによりエッジ成分を抽出し、エッジ強調度に応じて係数を乗じて画像データに加算することにより、画像データのエッジを強調する。
次にNR(ノイズ除去)を行う(S93)。このステップでは、画像を周波数分解し、周波数に応じてノイズを低減する処理を行う。ノイズ除去処理を行うと、元のフローに戻る。
次に、ステップS75(図4)の特殊画像処理の詳しい動作について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
特殊画像処理のフローに入ると、まず、アートフィルタモードとして、トイフォトが設定されているか否かを判定する(S101)。この判定の結果、トイフォトが設定されていた場合には、シェーディング効果を付加する(S103)。ここでは、特殊画像処理部109bが、中心からの距離に応じて、徐々に輝度が低下するようなゲインマップ(ゲインの値は1以下)を生成し、画素ごとに画素に応じたゲインを乗ずることにより、画像の周辺にシェーディング効果を付与する。
シェーディング付加を行うと、またはステップS101における判定の結果、トイフォトでなかった場合には、次に、アートフィルタモードとして、ファンタジックフォーカスが設定されているか否かを判定する(S105)。この判定の結果、ファンタジックフォーカスが設定されていた場合には、ソフトフォーカス処理を行う(S107)。ここでは、特殊画像処理部109bが、元の画像をぼかし、このぼかした画像と、ぼかす前の画像を、所定の割合(例えば、ぼかし:前=2:3の割合)で合成する。
ソフトフォーカス処理を行うと、またはステップS105における判定の結果、ファンタジックフォーカスでなかった場合には、次に、アートフィルタモードとして、ラフモノクロームが設定されているか否かを判定する(S109)。この判定の結果、ラフモノクロームが設定されていた場合には、ノイズ重畳処理を行う(S111)。ここでは、特殊画像処理部109bが画像データに対してノイズ付加処理を施す。ノイズ付加処理は、予め作成したノイズパターン画像を被写体画像に加算する処理である。ノイズパターン画像は乱数等に基づいて生成してもよい。
ノイズ重畳処理を行うと、またはステップS109における判定の結果、ラフモノクロームでなかった場合には、次に、アートフィルタモードとしてジオラマが設定されているか否かを判定する(S113)。この判定の結果、ジオラマが設定されていた場合には、ぼかし処理を行う(S115)。ここでは、特殊画像処理部109bが、元の画像のAFターゲットを中心に上下、または左右、または距離に応じて徐々にぼかす処理を行う。
ぼかし処理を行うと、またはステップS113における判定の結果、ジオラマでなかった場合には、次に、アートフィルタモードとしてクリスタルが設定されているか否かを判定する(S117)。この判定の結果、クリスタルが設定されていた場合には、クロスフィルタ処理を行う(S119)。ここでは、特殊画像処理部109bが、画像の中から輝点を検出し、この輝点を中心として、十字状や、複数本の放射状の形状に輝きを演出する効果のあるクロスパターンを描画する。
クロスフィルタ処理を行うと、またはステップS117における判定の結果、クリスタルが設定されていなかった場合には、特殊画像処理のフローを終了し、元のフローに戻る。
次に、ステップS79(図4)の組み写真生成の詳しい動作について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。前述したように、図4に示した画像処理のフローでは、まず基本画像処理を行い、次に特殊画像処理を行い、最後に組み写真生成を行う。この組み写真生成では、予め設定しておいたスタイル(テンプレート)に、画像を合成する。スタイル(テンプレート)としては、例えば、画面を上下左右に4分割等があり、適宜、複数のスタイル(テンプレート)の中から撮影者の好みで設定すればよい。
組み写真生成のフローに入ると、まず、画像解析を行う(S121)。合成する元の画像(置換画像)を解析し、画像特徴(例えば、輝度分布と色分布等)を取得する。基本画像処理等の画像処理が完了した画像を用いて解析してもよく、また、その元となるRAWデータを解析してもよい。
画像解析を行うと、次に、色変更を行う(S123)。ここでは、組み写真処理部117が、合成する画像が略同様な色になるように、CbCrを補正する。このとき、各コマ画像領域のデータを用いて処理を行うが、SDRAM127のコマ画像領域R1内のデータは変更しないようにする。これは、後ほどMPO形式でデータを保存するためである。
色変更の補正方法としては、例えば、合成する全ての画像の色分布(CbCr平面での分布)のピークが、各ピークの平均値になるように画像のCbCrをオフセットさせる。
この補正方法を図8(b)(c)を用いて説明する。図8(b)の(b−1)は画像1および画像2の色差(Cb)を示し、図8(c)の(c−1)は、色差(Cr)を示す。画像1、2のそれぞれについて、色分布のピークが平均値となるように色差をオフセットさせると(図8の(b−2)、(c−2)参照)、両画像の色差は略同様になる(図8の(b−3)(c−3)参照)。
ステップS123において色変更を行うと、次に、輝度変更を行う(S125)。ここでは、組み写真処理部117が合成する画像の輝度が同様になるように補正する。補正方法としては、例えば、合成する全ての画像の輝度分布の平均値に、各画像の平均値が略一致するように補正する。このとき、輝度ガンマ(輝度成分のみのガンマ)で変換すると、大きく輝度を変更した場合に、色が不自然に見える。そこで、例えば、RGB変換してRGB色空間でガンマ補正するようにしてもよい。
輝度変更の例を、図8(a)を用いて説明する。図8(a)の(a−1)は、画像1と画像2の輝度を示す。両者をRGB色空間でテーブル変換する((a−2)参照)。画像2は(a−1)から分かるように、全体に低輝度成分が多いことから、テーブル変換によって低輝度側を持ち上げている。変換後は、(a−3)に示すように、画像1と画像2は、略同様な輝度分布となる。
ステップS125において輝度変更を行うと、次に、合成を行う(S127)。ここでは、組み写真処理部171が、背景画像上の各画像を合成する。すなわち、予め設定されたスタイル(テンプレート)の各位置に画像を嵌め込み合成することにより、組み写真を生成する。
ステップS127において合成を行うと、次に、特殊効果を付加する(S129)。ここでは、合成した画像に対して、シェーディングやぼかし等の特殊効果を付加する。なお、各画像に対しては、図4のステップ75において特殊効果を付加しており、このステップでは、合成画像に対する特殊効果を付加している。
ステップS129において、特殊効果を付加すると、画像記憶を行ってから、元のフローに戻る。
このように組み写真生成のフローにおいては、画像に対して色変更と輝度変更を行った後(S123、S125)、組み写真の画像を合成している(S127)ので、複数の画像に対して、色や輝度が同様になるように調整しているので、全体に統一感のある組み写真が生成される。
次に、ステップS43(図3)の静止画記録の詳しい動作について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。この静止画記録は、前述のメカシャッタによる撮影(S39)、画像処理(図3のS41)に引き続いて実行され、画像処理された画像データを記録媒体131に記録するための処理を行う。
静止画記録のフローに入ると、まず、組み写真モードか否かの判定を行う(S141)。この判定の結果、組み写真モードでない場合には、通常撮影モードであり、レックビュー表示を行う(S157)。このレックビュー表示は、撮影後に記録媒体131に記録する画像を、表示パネル135またはEVF153に一時的に所定時間の間、表示する機能のことである。これにより、ユーザは撮影画像を確認することができる。
レックビュー表示を行うと、次に静止画記録を行う(S159)。組み写真以外では、画像処理した画像をJPEG圧縮して記録媒体131に記録する。しかし、これに限らず、非圧縮形式(例えば、TIFF等)で記録するようにしてもよく、別の圧縮形式でもよい。また、RAW画像を記録するようにしても良い。
ステップS141における判定の結果、組み写真モードであった場合には、撮影画像を記録するか否かを判定する(S143)。組み写真モードでは、予め設定されたスタイル(テンプレート)に各画像を嵌め込むが、組み写真モードが設定されている場合であっても、スタイル(テンプレート)中に嵌め込まない画像を記録するようにしてもよい。より詳しく説明すると、組み写真モードで撮影中に組み写真のシナリオとは関係のないシャッターチャンスに遭遇した場合、撮影者はとにかくシャッターを切りたくて撮影を行なう。その後、撮影した画像が組み写真とは、関係なく通常の撮影と同様に記録媒体131に記録できるようにした機能である。このステップでは、図2のステップS9のカメラ設定において、ユーザが組み写真の各コマを記録するかどうかの設定をオンにしているか否かを判定する。
ステップS143における判定の結果、撮影画像記録の場合には、静止画記録を行う(S145)。ここでは、ステップS159と同様に、組み写真ではない、単独の撮影画像として撮影し、JPEG等によって圧縮等を行って記録媒体131に記録する。
ステップS145において静止画記録を行うと、またはステップS143における判定の結果、撮影画像記録でない場合には、次に、組み完了か否かの判定を行う(S147)。
ここでは、予め設定されているスタイル(テンプレート)を満たす数の画像が撮影され、合成されているか否かを判定する。例えば、4枚からなる組み写真では、4枚の写真が撮影され、合成されているかを判定する。また、4枚合成の場合であって、2枚を撮影し、2枚を記録画像から選択した場合も組み完了と判定される。
ステップS147における判定の結果、組み完了であった場合には、レックビュー表示を行う(S149)。ここでは、組み写真として全画像が揃ったことから、この組み写真を表示パネル135にレックビュー表示を行う。なお、レックビュー表示中には、後述する再生のフローと同様に、拡大表示ができるようにしてもよい。
レックビュー表示を行うと、次に、キャンセル操作がなされたか否かを判定する(S151)。ユーザがレックビュー表示を観察した際に、一部の写真を削除し、取り換えたいと思う場合がある。そこで、本実施形態においては、レックビュー表示を行い、所定時間(例えば、3秒)内にキャンセル操作を行った場合には、指定したコマをキャンセルして、再撮影を行うことができるようにしている。なお、キャンセル操作としては、タッチパネルで指定してもよく、また削除釦でキャンセルするようにしてもよい。
ステップS151における判定の結果、キャンセル操作を行った場合には、組み写真操作を行う(S155)。組み写真操作のサブルーチン中において、キャンセル操作が実行される(後述する図10のS165〜S173参照)。
一方、ステップS151における判定の結果、キャンセル操作が行われない場合には、組み写真記録が行われる(S153)。ここでは、完成した組み写真の合成画像データを記録媒体131に記録する。
ステップS153において組み写真記録を行うと、またはステップS155において組み写真操作を行うと、またはステップS147における判定の結果、組み完了していない場合には、またはステップS159において静止画記録を行うと、元のフローに戻る。
このように、静止画記録フローにおいては、スタイル(テンプレート)によって決まる画像の枚数が揃うまでは組み写真の記録を行わず(S147→No)、枚数が揃うと組み写真の記録を行っている(S153)。また、組み写真が完成した後でも、キャンセル操作を行うことにより(S151)、組み写真の指定した画像の削除を行うことができる。
次に、ステップS23(図2)およびステップS155(図9)の組み写真操作の詳しい動作について、図10および図11に示すフローチャートを用いて説明する。この組み写真操作は、前述したように、組み写真の編集を行うための各種操作がなされた際に実行される。
組み写真操作のフローに入ると、まず、撮影コマ変更操作がなされたか否かの判定を行い(S161)、この判定の結果、撮影コマ変更操作が行われた場合には、撮影コマの変更を行う(S163)。組み写真のスタイル(テンプレート)の中でいずれかの枠内に撮影画像を嵌め込むかは適宜変更可能である。十字キーとOK釦の操作や、タッチパネル操作等により、撮影するコマを変更する操作がなされた場合に、撮影するコマを変更する。その際、どのコマを撮影するかを分かるようにするために、コマに枠を表示したり、アイコンを表示したり、撮影コマ以外のコマを暗く表示したり、撮影コマ以外のコマの彩度を低下するようにしてもよい。ライブビュー表示中のコマがタッチされた場合には、レリーズ操作(1stと2nd、または1stのみ)を実行して撮影をおこなう。複数のコマでライブビュー表示を行っている場合には、操作部123の十字キーと、レリーズ釦を使用して撮影するコマを選び、撮影を行なう。レリーズ釦を押すたびに順々に異なるタイミングで撮影を行なうこともできる。
ステップS163において撮影コマの変更を行うと、またはステップS161における判定の結果、撮影コマの変更操作がなかった場合には、次に、キャンセル操作がなされた否かを判定する(S165)。静止画記録のフローにおいて説明したように、完成した組み写真において、一部の画像を削除し、別の画像に置換したい場合がある。そこで、本実施形態においては、十字キーで撮影したコマを選択し、削除釦を押す操作や、タッチパネルで撮影したコマをゴミ箱アイコンにドラッグ&ドロップする操作により、撮影したコマをキャンセルすることができる。このステップS165においては、これらの操作がなされたか否かを判定する。
ステップS165における判定の結果、キャンセル操作がなされた場合には、次に、タッチ操作でコマサイズが小か否かの判定を行う(S167)。キャンセル操作が、タッチ操作で行われた場合、キャンセルしようとしているコマのサイズ(縦横サイズまたは面積)が小さいか(例えば、面積が1平方センチメートル以下)否かを判定する。コマサイズが小さいと指でタッチ操作を行なう際に誤操作となってしまうからである。
ステップS167における判定の結果、タッチ操作でコマサイズが所定値より大きい場合には、次に、画像退避し(S169)、ライブビュー表示の変更を行う(S171)。キャンセル操作によって画像を削除した場合でも、復元したい場合がある。そこで、復元を可能とするために(すなわち、キャンセル操作の取り消し)、削除の指定がなされた撮影画像(組み写真のコマの画像)を一旦メモリ内の別領域に退避し、そのコマを未撮影状態とみなしてライブビュー表示を変更している。
ライブビュー表示を行うと、組み写真生成を行う(S173)。この組み写真生成のサブルーチンは、図7を用いて説明した。キャンセル操作によって指定された画像が削除されたので、このステップでは、残りの画像を用いて組み写真を生成し直す。
ステップS173において組み写真生成を行うと、またはステップS167における判定の結果、タッチ操作でコマサイズが小さかった場合には、またはステップS165における判定の結果、キャンセル操作がなされていなかった場合には、次に、復元操作か否かの判定を行う(S175)。復元操作は、十字キーで復元したいコマを選択して削除釦を操作したり、またタッチ操作によりゴミ箱アイコンを復元したいコマへドロップ操作した場合等、操作部123やタッチパネル123aの操作によって行う。
ステップS175における判定の結果、復元操作がなされた場合には、次に、画像を復元し(S177)、ライブビュー表示の変更を行う(S179)。ここでは、退避させた画像を元の位置に戻し、そのコマを撮影したとみなして、ライブビュー表示を変更する。
ライブビュー表示の変更を行うと、組み写真生成を行う(S181)。この組み写真生成のサブルーチンは、図7を用いて説明した。復元操作によって指定された画像が復元されたので、このステップでは、復元された画像も含めて組み写真を生成し直す。
ステップS181において組み写真生成を行うと、またはステップS175における判定の結果、復元操作がなされなかった場合には、次に、一時保存操作か否かの判定を行う(図11のS183)。短時間の間に複数の撮影を行い、組み写真の作成を行う場合には、連続的に撮影を行える。しかし、朝、昼、夜等と時間間隔をおいて撮影した画像を用いて組み写真を作成する場合には、作成途中の画像を一時保存できると便利である。そこで、本実施形態においては、組み写真を構成する画像の一時保存を可能としている。復元操作としては、メニュー画面またはタッチパネル操作等によって、一時保存メニューの選択操作やアイコンの選択操作等で行う。
ステップS183における判定の結果、一時保存操作がなされた場合には、組みデータの記録を行う(S185)。ここでは、現在の組み写真の状態、すなわち、どのスタイル(テンプレート)でどの写真を撮影しているか等を、フラッシュメモリ125または記録媒体131に記録する。記録する組みデータとしては、少なくともスタイル(テンプレート)に関する情報、撮影した写真データ、写真データとテンプレート上の関連情報がある。
組みデータの記録を行うと、次に、組み写真のリセットを行う(S187)。記録後、撮影していた組み写真の情報をリセットし、1枚目撮影と同様の状態、すなわち、ライブビュー表示やSDRAM127のリセット等の状態にする。
ステップS187において組み写真のリセットを行うと、またはステップS183における判定の結果、一時保存操作がなされなかった場合には、次に、一時保存読み込み操作がなされたか否かを判定する(S189)。この操作は、ステップS183、S185において組み写真の組みデータを一時保存した場合に、この一時保存された組みデータの読み出しを行う。操作としては、例えば、メニュー画面またはタッチパネル等で、一時保存読み込みメニューやアイコンの選択操作を行う。
ステップS189における判定の結果、一時保存読み込み操作がなされた場合には、次に、撮影途中か否かの判定を行う(S191)。組み写真を撮影中に、一時保存読み込み操作がなされる場合がある。この場合には、現在、進行している組み写真撮影を一時中断しなければならないことから、ステップS191〜S195において対応する。このステップでは、組み写真モードであって、かつテンプレートに対して1枚以上撮影されているか否かを判定する。
ステップS191における判定の結果、組み写真の撮影中であった場合には、次に、一時保存するか否かを確認する(S193)。この場合には、撮影途中の現状の状態を一時保存するか否かの確認画面を表示パネル135表示し、ユーザに問い合わせる。この判定の結果、一時保存する場合には、組みデータの記録を行う(S195)。ここでは、現状の状態を一時保存するために、ステップS185と同様の組みデータを記録する。
ステップS195において組みデータ記録を行うと、またはステップS193における判定の結果、一時保存しない場合、またはステップS191における判定の結果、撮影途中でなかった場合には、次に、組みデータを読み込み(S197)、ライブビュー表示し(S199)、組み写真生成を行う(S201)。ここでは、ステップS185において一時保存した組みデータを読出し、ステップS171やS179と同様にライブビュー表示の変更を行い、ステップS173やS181と同様に組み写真の生成を行う。
ステップS201において組み写真の生成を行うと、またはステップS189における判定の結果、一時保存読み込み操作が行われなかった場合には、組み写真操作の動作を終了し、元のフローに戻る。
このように、組み写真操作のフローにおいては、スタイル(テンプレート)のコマの中で撮影するコマを変更することができ(S163)、またコマを削除し復元することもできる(S169、S177)。さらに、組み写真撮影中であっても、データを一時保存でき、この一時保存したデータを読出し、組み写真撮影を続行することもできる。
次に、ステップS55(図3)の画像処理・ライブビュー表示の詳しい動作について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。この画像処理・ライブビュー表示は、ライブビュー表示用に画像処理を行った後、EVF153に1コマライブビュー表示、または表示パネル135に組み写真ライブビュー表示を行う。
組み写真操作のフローに入ると、まず、EVF表示を行うか否かの判定を行う(S211)。ここでは、第1の表示部として機能するEVF153に表示するか否かを、EVF表示センサ155からの出力に応じて判定する。前述したように、EVF153の近傍には、アイセンサ等のEVF表示センサ155が設けられており、撮影者がEVF153の接眼部に近づくとEVF表示センサ155から検知信号が出力される。この検知信号を検出した場合には、EVF表示と判定する。なお、本実施形態においては、EVF表示センサ155からの検知出力に基づいてEVF153の表示/非表示を切り換えるが、EVF153を常時表示させるようにしてもよい。
ステップS211における判定の結果、EVF表示を行う場合には、次に、1コマ以上撮影していて、かつ撮影済みのコマ画像の確認を行うか否かの判定を行う(S213)。
ここでは、撮影済みコマ数が1コマ以上であり、しかも撮影者がコマ確認のための操作を行っているか否かを判定する。本実施形態においては、ライブビュー表示中に、組み写真に組み込む画像を変更することが可能である。撮影者がこの変更を行う場合には、操作部123中のダイヤルを回すか、または十字キー、OK釦等の操作部材を操作する。そこで、この実施形態においては、ダイヤルや十字キー等の操作部材を操作した場合には、一定時間、他の撮影済みのコマ画像を確認する機能を有している。
ステップS213における判定の結果、1コマ以上撮影しており、かつコマ確認操作があった場合には、次に、確認コマ変更操作か否かを判定する(S215)。ここでは、ダイヤルの操作方向・回転量、またいずれの十字キーを操作したか等を判定し、変更操作を判定する。
ステップS215における判定の結果、変更操作がなされていた場合には、コマ変更を行う(S217)。ここでは、操作部材による変更操作に応じて、コマの位置や撮影順に1コマ表示するコマを切り換える。なお、変更したコマ画像の表示はステップS223において行う。
ステップS217においてコマ変更を行うと、またはステップ215における判定の結果、変更操作がなされていなかった場合には、次に、コマ画像の基本画像の読み込みを行う(S219)。撮影された画像は、基本画像処理(図5参照)が施され、またアートフィルタ等が設定されている場合には特殊画像処理(図6参照)が施される。このステップでは、選択されているコマの撮影画像の画像データにおいて、基本画像処理のみを行った画像データをSDRAM127から読み込む。SDRAM127に撮影画像が格納されていない場合には、組み写真の組んでいる画像のそのコマ部分のみを読み込む。
ステップ213における判定の結果、1コマ以上撮影していない場合、つまり、組み写真モードで未撮影の場合、またはコマ確認を行わない場合には、基本画像処理を行う(S233)。ここでは、現在、撮像素子103によって撮像され、取得された画像データに対して、図5を用いて説明した基本画像処理を施す。基本画像処理を行った画像データは、SDRAM127に記憶しておくとよい。なお、本実施形態においては、基本画像処理としては、仕上がりとしてはナチュラルで行うが、他の処理を施すようにしてもよく、更に、特殊画像処理を施してもよい。
ステップS233において基本画像処理の実行後、またはステップS219においてコマ画像の基本画像を読み込む処理後、次に、マスク設定を行う(S221)。このステップでは、マスク処理部109dに組み写真のスタイル(テンプレート)、画像データ、画像位置情報、表示モードを入力し、マスク処理された画像データをEVFドライバ151に入力しEVF153で表示することでマスク処理された表示が実現される。
組み写真を生成する場合には、スタイル(テンプレート)の指定位置によっては、EVF153のアスペクト比と、スタイル(テンプレート)のアスペクト比が異なることが発生する。つまり、選択されたコマの画像は、EVF153の全ての部分に表示されず、上下、もしくは左右に切り取られる部分が発生する。そこで、EVF153で1コマの画像を表示する際に、組み写真で組み込まれない領域は、半透過グレーや、無彩色処理(モノトーン処理)、あるいはぼかし処理等、組むところと組まないところが明確になるように、マスクを設定する。
例えば、図13(a)に示すようなスタイル(テンプレート)は、4コマの縦長の画像(固1〜固3、LV)から構成されている。なお、図中、LVはライブビュー画像を示し、固1〜固3は、既に選択された組み込まれた画像を示す。これら画像は、撮影により得られた画像の他に、記録媒体131やフラッシュメモリ125等に予め記録された画像から読み込むことにより得られる画像である。撮影画像のアスペクト比は、4:3であるが、図13(a)に示す例では、その一部のみが組み込まれている。そこで、図13(b)に示すように、組まないところを黒色のマスク153aで覆うような画像処理を行う。
また、図13(c)に示す例では、組み込まれた画像(固1〜固3)とライブビュー画像LVからなるスタイル(テンプレート)の一例である。図13(d)に示す例では、ライブビュー画像LVのアスペクト比と、撮影画像のアスペクト比が異なっていることから、組まないところを撮影者認識できるようにしている。具体的には、組まないところをモノトーンまたはぼかしのマスク153bで覆うような画像処理を施し、組まれる部分のライブビュー画像をカラーで表示するようにしている。
また、図13(e)から(h)に示す例は、図13(a)のスタイル(テンプレート)に従って撮影を進める際のEVF153に表示される画像を示している。撮影者は、撮影に集中したいが為に周囲が見えないようなファインダーを覗いて撮影することを好む場合がある。その際にEVF153には撮影するごとに前に撮影した画像が表示されていると、意識がこれから撮影しようとするライブビュー画像に集中できない場合がある。EVF153はライブビュー画像のみを表示してそれ以外の画像にはマスク設定を行なうようにしている。図13(b)と異なる点は、ライブビュー画像をスタイル(テンプレート)のレイアウトに従って表示する点である。1コマ目の撮影が終了すると、図13(f)にあるように左端が固定され(固1)、左から2番目にライブビュー画像が表示される。撮影画像が固定されたら、図13(g)のようにライブビュー画像以外にマスク設定される。このようにして、図13(h)にあるように最後のライブビュー画像を表示する。この撮影が完了したら、図13(a)にあるように全ての画像を表示しても良い。
また、撮影画像が固定されたら、撮影者が確認するために、所定時間、撮影画像を表示した後に図13(g)のようにライブビュー画像以外にマスク設定されるようにしても良いし、EVF153に図13(e)のようなライブビューが表示されているときに撮影された場合、図13(f)のような表示を行うことなく、図13(g)や図13(i)の表示を行ってもよい。
また、図13(i)、(j)に示すようにマスクの濃さ(透過率または濃度)を撮影が進むにつれて異ならせても良い。具体的な例を示す。4コマで組み写真を生成する例では、1コマ目の撮影が終わり、所定時間、撮影画像を表示し、画像が固定(固1)されたら、透過率75%でマスク設定を行なう。一方、ライブビュー画像の表示範囲は透過率100%(マスク設定されていない状態)で表示される。次の撮影が終わり画像が固定(固2)されたら、固2は透過率75%、固1は透過率50%、ライブビュー画像の表示範囲は透過率100%で表示する。次の撮影が終わると、固1は透過率25%、固2は透過率50%、固3は透過率75%、ライブビュー画像の表示範囲は透過率100%となる。透過率は予め決めたスタイル(テンプレート)や表示領域の数に応じて適宜決めることになる。
このように直近の固定画像の透過率を高くし、最初の固定画像の透過率を低くするようにマスク設定をおこなうことで、視覚的に影響の少ないように工夫したことで、撮影者は、直近に撮影された画像を確認しながら、次の撮影に考えを思い巡らすことが可能となる。
また、図13(k)は、図13(c)のライブビュー画像を縦横比(アスペクト比)を一定に保ちながらEVF153の表示範囲一杯に拡大表示した例を示す。上下にマスク設定を行なっても良いし、図13(l)のように、マスク設定を片方に寄せても良い。
また、ファインダー内部の構造の設計上の都合で、ファインダ内に、EVF153とLEDランプ、液晶表示パネルを上下、もしくは左右に並べて配置する場合や、カメラ100を小型化するための構造上の制約や設計上のスペースの都合により、ファインダ中心と、EVF153の中心とが一致しない場合がある。そのような場合には、上下左右に均等にマスク設定を行なわずにEVF153中心がファインダ中心になるように上下左右のマスク設定の幅を調整することが考えられる。縦長の画像では左右にマスク設定を行なう。このように表示することにより、撮影者は、ファインダ中心に画像中心が位置するので、上下左右均等に視線を配れ、画像の細部にまで注意を払うことができ、ピント調節や、構図の確認シャッターチャンスのタイミング取りが行ないやすい。
一方、図13(m)は、図13(c)のライブビュー画像を位置とサイズを変更しないでマスク設定を行ない表示した例である。この例では、スタイル(テンプレート)のレイアウトに従い組み写真として使用されない部分にマスク設定している。そのため、撮影者は組み写真のどの位置の撮影を行なっているかが良くわかる。図13(k)、(l)、(m)の表示の切換は、拡大釦により行い、ファインダを覗きながら簡単に切り換えられるように、ファインダを覗くようにしてカメラ本体100を構えたときにカメラ本体100の人差し指や、親指で操作しやすい箇所に配置された操作釦に割り付けることも可能である。カメラ本体100には、図13(m)のようにスタイル(テンプレート)に従った表示を「通常表示モード」、図13(k)、(l)のようにライブビュー表示部分を拡大する表示を「拡大表示モード」として操作により切り換えることが可能な機能を有する。
操作釦で切り換える方法には、拡大釦以外に、レリーズ釦で切り換える方法も有効である。レリーズ釦を判押し操作していない場合には、「通常表示モード」で表示を行い、レリーズ釦を判押し操作したら、「拡大表示モード」に切り換える。この方法では、レリーズ釦に機能を割り付けた為、拡大釦を必要とせず、釦の配置にもスペースを必要とするため、カメラの小型化にも有効である。また、撮影者がファインダーを覗いたことをEVF表示センサ155で検知したら、所定時間、上記「通常表示モード」を行い、その後「拡大表示モード」に切り換える方法も有効である。この方法では、撮影者は、操作釦を操作せずとも表示モードを切り換えることができる。
このように、ライブビュー画像の表示にあたって、組み写真のスタイル(テンプレート)に応じて決まるアスペクト比に従って、マスク153a、153bで覆うような画像処理を施している。このため、撮影者は、直感的に、組み写真で組まれる部分と組まれない部分が分かり、組み写真に適したフレーミングを簡単に行うことができる。また、モノトーン、またはぼかしのマスク153bで覆うようにすると、組まれる部分の周囲の状況を撮影に邪魔にならい程度で把握できるという利点がある。
ステップS221においてマスク設定を行うと、次に、EVF表示を行う(S223)。ここでは、ステップS217において変更されたコマ画像、またはステップS233において基本画像処理されたライブビュー画像に対して、ステップS221においてマスク設定された画像をEVF153に表示する。ライブビュー画像であるか、既に読み込んだ画像であるかが分かるように、画像にアイコン表示を行う。また、撮影コマを確認する場合、基本画像処理のみ行った画像がSDRAM127に記憶されている場合と、記憶されていない場合で区別されるように表示してもよい。
ステップS223におけるEVF表示を行うと、またはステップS211における判定の結果、EVF表示でない場合には、動画記録中か、表示パネル表示中かの判定を行う(S225)。ここで、動画記録中であるか否かは、記録中フラグ(図2のS13〜S19参照)に基づいて判定する。また、表示パネル135に表示するか否かは、例えば、EVF153に表示しないときはYesと判定する。なお、常に表示パネル135に表示するようにしてもよい。
ステップS225における判定の結果、動画記録中であった場合、または表示パネル135に表示する場合には、画像処理を行う(S227)。ここでは、図4に示した画像処理を行う。この画像処理において、基本画像処理、特殊画像処理、組み写真処理が施される。組み写真モードが選択されている場合には、組み込まれている画像およびライブビュー画像に対して組み写真処理が施される。
また、EVF153に1コマライブビュー表示するために基本画像処理を行っており(S233)、表示パネル135に組み写真ライブビュー表示する場合も基本画像処理を行う(S227、図4のS71)。しかし、1コマライブビュー表示用の基本画像処理と、組み写真ライブビュー表示用の基本画像処理では、異なるパラメータで行う。例えば、1コマライブビュー表示用はナチュラルのパラメータとし、一方、組み写真ライブビュー表示用では複数の画像で統一感を得られるようなパラメータとする。
ステップS227において画像処理を施すと、次に、表示パネル表示か否かを判定する(S229)。ここでは、ステップS225における判定結果を用いて、表示パネル135に表示するか否かを判定する。
ステップS229における判定の結果、表示パネルに表示の場合には、表示パネル135に表示する(SS231)。ここでは、ステップS227において画像処理された画像を表示パネル135に表示する。組み写真モードが設定されている場合には、読み込んだ画像とライブビュー画像に対して組み写真処理を行い、この画像が表示される。
ステップS231において表示パネルに表示すると、またはステップS225における判定の結果、動画記録中でないか、または表示パネル表示でない場合、またはステップS229における判定の結果、表示パネル表示でない場合には、画像処理・ライブビュー表示のフローを終了し、元のフローに戻る。
このように、本実施形態における画像処理・ライブビュー表示においては、EVF153では1コマのライブビュー画像を表示し(S223)、一方、表示パネル135には、組み写真を表示する(S227、S231)。また、組み写真の表示にあたっては、撮像素子103によって取得したライブビュー用の画像も用いて組み写真処理を施した画像を表示する。
また、1コマのライブビュー画像は、組み写真の一部拡大ではなく、組み写真とは異なる画像処理(組み写真で行う画像処理の一部の画像処理)を施している。また、1コマのライブビュー画像は、組み写真で組む場所以外はマスク表示を行っている(S221、図13参照)。また、一旦、撮影したコマであっても、簡易な操作で1コマ表示して確認することができる(S215、S217参照)。
上述したような制御を行うことにより、本実施形態においては、EVF153において、1コマライブビュー表示を観察することができ、また表示パネル135には、組み写真ライブビュー表示によって組んだ画像イメージを観察できるため、撮影者は好みの撮影スタイル(テンプレート)で撮影することができる。
また、組み写真において組まれる位置が表示されるため、予想外の位置に撮影画像が組み込まれることも防止することができる。
さらに、1コマライブビュー表示では、基本画像処理した画像をEVF153に表示するため、余分な効果がかからず、より撮影に集中することができる。
次に、図14を用いて、画像処理・ライブビュー表示の動作の変形例を説明する。前述の図12に示した画像処理・ライブビュー表示では、1コマ以上撮影し、かつコマ確認でない場合を除いて、基本画像処理(S233)を行っていた。これに対して、本変形例においては、基本画像処理だけでなく、画像解析、色変更、輝度変更等を行うようにしている。
図14に示す画像処理・ライブビュー表示のフローチャートの変形例は、図12に示すフローチャートにおいて、ステップS235〜S239を追加した点で相違し、その他のステップは、図12と同様である。
また、ステップS235の画像解析、ステップS237の色変更、およびステップS239の輝度変更は、それぞれ図7のステップS121、S123、S125と同様な処理を行うことから、詳しい説明を省略する。
このように、本変形例における画像処理・ライブビュー表示においては、基本画像処理に加えて、色変更および輝度変更を行っている。ここでの処理は、1コマのライブビュー表示を行うための画像処理であることから、特殊効果処理は施していない。特殊効果は、撮影に集中するに妨げになるため、行っていない。色変更および輝度変更等の色再現に関する処理は、最終的な仕上がりに影響することから行っている。
次に、図15、図16を用いて、本発明の第1の実施形態におけるカメラの外観の変形例を説明する。
図15に示す変形例では、表示パネル135aは、カメラ本体100に固定され、外付けEVF300を装着可能としている。この例では、外付けEVF300に1コマのライブビュー表示を行い、表示パネル135aに組み写真の表示を行うようにしている。図15の右下の画像は、EVF300にライブビューが表示されているために、この部分にはライブビューを表示しない。そのことを撮影者や撮影者以外に知らせるために、黒い画像を表示するとともに、「LV」という表示と、「EVF」の識別表示がされている。
外付けEVF300の表示は、ライブビュー表示位置にライブビュー表示画像を表示し、ライブビュー表示画像以外の表示領域は黒くマスクされて表示されている。
図16は外付けEVF300をカメラ本体100から外した状態を示す図で、外付けEVFとの通信接点159により、カメラ本体100と外付けEVF300は電源供給と、通信を行なう。
EVF300は通信接点159を介してカメラ1に挿抜可能にしても良く、EVF300との通信の結果により装着を検出して、本発明のようにEVF300の表示を行っても良い。外付けEVF300を外した場合には、表示パネル135aにライブビュー画像の表示を行なう。
以上説明したように、本発明の各実施形態や各変形例においては、表示部(EVF153等)は外光の影響を受けない表示部である。このため、表示部を観察することにより組み写真の撮影中にひとコマ、ひとコマのトリミング状態と組み写真中の配置を確認できるため撮影に集中することが可能となる。
また、本発明の各実施形態や各変形例においては、撮像装置として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ、コンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォンや携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、組み写真を撮影可能な撮像装置であれば、本発明を適用することができる。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。