JP6143087B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
本発明は、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、時計、電卓をはじめとして、家庭用各種電気機器、測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型、IPS(インプレーンスイッチング)型、OCB(光学補償複屈折)型、ECB(電圧制御複屈折)型、VA(垂直配向)型、CSH(カラースーパーホメオトロピック)型等を挙げることができる。また駆動方式としても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、単純マトリックス方式、最近ではTFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等により駆動されるアクティブマトリックス(AM)方式が主流となっている。
一般的なカラー液晶表示装置は、図1に示すように、それぞれ配向膜(4)を有する2枚の基板(1)の一方の配向膜と基板の間に、共通電極となる透明電極層(3a)及びカラーフィルタ層(2)を備え、もう一方の配向膜と基板の間に画素電極層(3b)備え、これらの基板を配向膜同士が対向するように配置し、その間に液晶層(5)を挟持して構成されている。
前記カラーフィルタ層は、ブラックマトリックスと赤色着色層(R)、緑色着色層(G)、青色着色層(B)、及び必要に応じて黄色着色層(Y)から構成されるカラーフィルタにより構成される。
前記カラーフィルタ層は、ブラックマトリックスと赤色着色層(R)、緑色着色層(G)、青色着色層(B)、及び必要に応じて黄色着色層(Y)から構成されるカラーフィルタにより構成される。
液晶層を構成する液晶材料は、材料中に不純物が残留すると表示装置の電気的特性に大きな影響を及ぼすことから不純物について高度な管理がなされてきた。又、配向膜を形成する材料に関しても配向膜は液晶層が直接接触し、配向膜中に残存した不純物が液晶層に移動することにより、液晶層の電気的特性に影響を及ぼすことは既に知られており、配向膜材料中の不純物に起因する液晶表示装置の特性についての検討がなされつつある。
一方、カラーフィルタ層に用いられる有機顔料等の材料についても、配向膜材料と同様に含有する不純物による、液晶層への影響が想定される。しかし、カラーフィルタ層と液晶層の間には、配向膜と透明電極が介在するため、液晶層への直接的な影響は配向膜材料と比較して大幅に少ないものと考えられていた。しかし、配向膜は通常0.1μm以下の膜厚に過ぎず、透明電極もカラーフィルタ層側に用いられる共通電極は導電率を上げるために膜厚を上げたものでも通常0.5μm以下である。従って、カラーフィルタ層と液晶層は完全に隔離された環境におかれているとは言えず、カラーフィルタ層が、配向膜及び透明電極を介してカラーフィルタ層に含まれる不純物により、液晶表示装置の場合は、液晶層の電圧保持率(VHR)の低下による白抜け、配向むら、焼き付きなどの表示不良を発現する可能性がある。カラーフィルタを構成する顔料に含まれる不純物に起因した表示不良を解決する方法として、顔料の蟻酸エチルによる抽出物の割合を特定値以下とした顔料を用いて、不純物の液晶への溶出を制御する方法(特許文献1)や青色着色層中の顔料を特定することで不純物の液晶への溶出を制御する方法(特許文献2)が検討されてきた。しかしながら、これらの方法では顔料中の不純物を単純に低減することと大きな差異はなく、近年、顔料の精製技術が進歩している現状においても表示不良を解決するための改良としては不十分なものであった。
一方、カラーフィルタ中に含まれる有機不純物と液晶組成物の関係に着目し、この有機不純物の液晶層への溶解しにくさを液晶層に含まれる液晶分子の疎水性パラメーターによって表し、この疎水性パラメーターの値を一定値以上とする方法やこの疎水性パラメーターと液晶分子末端の−OCF3基に相関関係があることから、液晶分子末端に−OCF3基を有する液晶化合物を一定割合以上含有する液晶組成物とする方法(特許文献3)が開示されている。
しかしながら、当該引用文献の開示においても顔料中の不純物による液晶層への影響を抑えることが発明の本質となっており、特にカラーフィルタに使用される染顔料等の色材の構造と液晶材料の構造との直接的な関係については検討が行われておらず、高度化する液晶表示装置の表示不良問題の解決には至っていなかった。
本発明は、キラル液晶含有材料と特定の顔料を使用したカラーフィルタを用いることで、液晶層の電圧保持率(VHR)の低下を防止し、白抜け、配向むら、焼き付けなどの表示不良の問題を解決する液晶表示装置を提供することにある。
本願発明者らは、上記課題を解決するためにカラーフィルタを構成するための染顔料等の色材及び液晶層を構成するキラル液晶含有材料の構造の組み合わせについて鋭意検討した結果、キラル液晶含有材料の構造及び特定の構造の顔料を使用したカラーフィルタを用いた液晶表示装置が、液晶層の電圧保持率(VHR)の低下を防止し、白抜け、配向むら、焼き付きなどの表示不良の問題を解決することを見出し本願発明の完成に至った。
即ち、本発明は、第一の基板と、第二の基板と、前記第一の基板と第二の基板間に挟持された液晶層と、ブラックマトリックス及び少なくともRGB三色画素部から構成されるカラーフィルタと、画素電極と共通電極とを備え、前記液晶層が少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含むネマチック液晶組成物と、少なくとも1種類のキラル化合物とを含むキラル液晶含有材料から構成され、
前記RGB三色画素部が、色材として、R画素部中に小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が5〜50nmのジケトピロロピロール系赤色顔料を含有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
前記RGB三色画素部が、色材として、R画素部中に小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が5〜50nmのジケトピロロピロール系赤色顔料を含有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明の液晶表示装置は、キラル液晶含有材料と特定の顔料を使用したカラーフィルタを用いることで、液晶層の電圧保持率(VHR)の低下を防止することができ、白抜け、配向むら、焼き付けなどの表示不良の発生を防止することができる。
1 基板
1a 基板
1b 基板
2 カラーフィルタ層
2a 特定の顔料を含有するカラーフィルタ層
3a 透明電極層(共通電極)
3b 透明電極層(画素電極)
4 配向膜
5 液晶層
5a キラル液晶含有材料を含有する液晶層
1a 基板
1b 基板
2 カラーフィルタ層
2a 特定の顔料を含有するカラーフィルタ層
3a 透明電極層(共通電極)
3b 透明電極層(画素電極)
4 配向膜
5 液晶層
5a キラル液晶含有材料を含有する液晶層
本発明の液晶表示装置の一例を図2に示す。第一の基板(1a)には特定の顔料を含有するカラーフィルタ層(2a)を備え、第二の基板(1b)には共通電極の役割をなす透明電極層(3a)および画素電極の役割をなす透明電極層(3b)を備え、これらの基板間において、一方には2a、もう一方には3aおよび3bが対向するように配置し、その間にキラル液晶含有材料を含有する液晶相(5a)を挟持して構成される。透明電極層3aおよび3bは、第二の基板(1b)上で略水平方向に一方の電極の櫛歯が他方の電極の櫛歯と噛み合うよう交互に配置される。
前記表示装置における2枚の基板は、周辺領域に配置されたシール材及び封止材によって貼り合わされていて、多くの場合その間には基板間距離を保持するために粒状スペーサーまたはフォトリソグラフィー法により形成された樹脂からなるスペーサー柱が配置されている。
前記表示装置における2枚の基板は、周辺領域に配置されたシール材及び封止材によって貼り合わされていて、多くの場合その間には基板間距離を保持するために粒状スペーサーまたはフォトリソグラフィー法により形成された樹脂からなるスペーサー柱が配置されている。
本願発明において、「アルキレン基」とは、特に断りのない場合、脂肪族直鎖炭化水素の両端の炭素原子から水素原子各1個を除いた二価の基「−(CH2)n−」(ただしnは1以上の整数)を意味するものとし、その水素原子からハロゲン原子若しくはアルキル基への置換、又はメチレン基(−CH2−)から酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−CO−、−COO−若しくは−OCO−等への置換がある場合は、その旨を特に断るものとする。また、「アルキレン基の炭素原子数」とは、「アルキレン基」の一般式「−(CH2)n−」におけるnをいう。
(液晶層)
本発明の液晶表示装置における液晶層は、少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含むネマチック液晶組成物と、少なくとも1種類のキラル化合物とを含むキラル液晶含有材料から構成される。
本発明の液晶表示装置における液晶層は、少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含むネマチック液晶組成物と、少なくとも1種類のキラル化合物とを含むキラル液晶含有材料から構成される。
[ネマチック液晶組成物]
本発明のキラル液晶含有材料に用いられるネマチック液晶組成物は、少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含む。当該液晶性化合物としては、アキラルであって、液晶性を示すメソゲン部位(メソゲン基)を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、公知の液晶性化合物や、それらを適宜改変したものを用いることができる。
本発明のキラル液晶含有材料に用いられるネマチック液晶組成物は、少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含む。当該液晶性化合物としては、アキラルであって、液晶性を示すメソゲン部位(メソゲン基)を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、公知の液晶性化合物や、それらを適宜改変したものを用いることができる。
<一般式(I)で表される化合物>
本発明のキラル液晶含有材料に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(I)で表される化合物を含むことが好ましい。一般式(I)で表される化合物は、Δεの絶対値が比較的小さい液晶性化合物である。
本発明のキラル液晶含有材料に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(I)で表される化合物を含むことが好ましい。一般式(I)で表される化合物は、Δεの絶対値が比較的小さい液晶性化合物である。
(一般式(I)中、R11及びR12はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表すが、R11又はR12中の1個又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよく、R11又はR12中の1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 、又は
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、
a11は0、1、2又は3を表し、
L11及びL12はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表す。)
A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 、又は
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、
a11は0、1、2又は3を表し、
L11及びL12はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表す。)
一般式(I)中、R11及びR12はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表す。これらのアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基は、1個又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基が、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよく、これらの基中の1個又は2個以上の水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。R11及びR12は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一分子中のR11及びR12は、異なっていることがより好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、R11及びR12はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数1〜15のアルコキシ基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、又は炭素原子数2〜15のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、又は炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基がさらに好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がよりさらに好ましい。R11及びR12は、それぞれ分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。
R11及びR12がアルケニル基である場合、特に下記に示すいずれかの基であることが好ましい。下記の基においては、右端において環構造と連結するものとする。中でも、ビニル基又は3−ブテニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
一般式(I)中、a11は0、1又は2を表す。一般式(I)で表される化合物としては、a11は0又は1であることが好ましい。
一般式(I)中、A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、下記(a)基、(b)基、又は(c)基である。a11が2であり、A13が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)。
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 。
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)。
一般式(I)中、A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、下記(a)基、(b)基、又は(c)基である。a11が2であり、A13が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)。
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 。
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)。
前記(a)基としては、無置換の、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されているトランス−1,4−シクロへキシレン基が好ましく、無置換の、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されている1,4−シクロへキシレン基がより好ましく、無置換のトランス−1,4−シクロへキシレン基がさらに好ましい。
前記(b)基としては、下記式(b)−1〜7で表されるいずれかの基であることが好ましい。これらの基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。特に、無置換の1,4−フェニレン基[式(b)−1]、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子で置換されている1,4−フェニレン基、又は無置換のピリミジン−2,5−ジイル基[式(b)−3]が好ましく、無置換の1,4−フェニレン基、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子で置換されている1,4−フェニレン基がより好ましい。
前記(c)基としては、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。これらの基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。特に、無置換のナフタレン−2,6−ジイル基、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されているナフタレン−2,6−ジイル基、無置換のデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、無置換の1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されている1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、前記(a)基又は前記(b)基が好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基がさらに好ましい。また、一分子中、A11、A12及びA13のうちの少なくとも1つは、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基であることが好ましい。
一般式(I)中、L11及びL12はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表す。a11が2であり、L12が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(I)で表される化合物としては、L11及びL12はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−がより好ましく、単結合、−CH2CH2−、−CH=CH−、−OCF2−、−CF2O−、又は−C≡C−がさらに好ましく、単結合又は−C≡C−がよりさらに好ましい。また、一分子中、L11及びL12のうちの少なくとも1つは、単結合であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(Ia)〜(Ih)で表される化合物が好ましい。
一般式(Ia)〜(Ih)中、R11及びR12は、それぞれ一般式(I)と同様である。R11及びR12は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一分子中のR11及びR12は、異なっていることがより好ましい。一般式(Ia)〜(Ih) で表される化合物としては、R11及びR12は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がより好ましい。R11及びR12は、それぞれ分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。また、R11及びR12がアルケニル基である場合、ビニル基又は3−ブテニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
一般式(Ia)〜(Ih)中、A14はそれぞれ独立して、1個若しくは2個以上の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、又は1個若しくは2個以上の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表す。一分子中に複数存在するA14は、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(Ia)〜(Ih) で表される化合物としては、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基が好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基がより好ましい。
一般式(Ia)〜(Ih)中、L13は−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表す。一般式(Ia)〜(Ih)で表される化合物としては、L13は、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、又は−C≡C−が好ましく、−CH2CH2−、−CH=CH−、又は−C≡C−がより好ましい。
一般式(Ia)で表される化合物としては、下記一般式(Ia−1)〜(Ia−3)で表される化合物が好ましい。一般式(Id) で表される化合物としては、下記一般式(Id−1)〜(Id−3)で表される化合物が好ましい。一般式(Ib)で表される化合物としては、下記一般式(Ib−1)〜(Ib−6)で表される化合物が好ましい。一般式(Ie)で表される化合物としては、下記一般式(Ie−1) で表される化合物が好ましく、一般式(If)で表される化合物としては、下記一般式(If−1) 〜(If−2)で表される化合物が好ましい。一般式(Ia−1)〜(Ia−3)、(Id−1)〜(Id−3)、(Ib−1)〜(Ib−6)、(Ie−1)、(If−1) 〜(If−2)中、R11及びR12は、それぞれ一般式(I)と同様であり、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がより好ましい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物が一般式(I)で表される化合物を含有する場合、1種類のみ含有していてもよく、2種類以上を組み合わせて含有していてもよい。本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(Ia)〜(Ih)で表される化合物の全8種類を全て含んでいることが好ましく、一般式(Ia)〜(Ih)のうち1〜6種類の化合物を含んでいることがより好ましく、一般式(Ia)〜(Ih)のうち1〜4種類の化合物を含んでいることがさらに好ましい。特に、1又は2種類以上の一般式(Ia)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Ib)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Id)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Ie)で表される化合物、及び1又は2種類以上の一般式(If)で表される化合物を含んでいることが好ましく、1又は2種類以上の一般式(Ia)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Id)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Ie)で表される化合物、及び1又は2種類以上の一般式(If)で表される化合物を含んでいることがより好ましい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物が一般式(I)で表される化合物を含有する場合、ネマチック液晶組成物中における一般式(I)で表される化合物の含有率は5〜95質量%の範囲内であることが好ましく、10〜90質量%の範囲内であることがより好ましいが、安定的にブルー相を発現させるためには15〜60質量%の範囲であることがさらに好ましく、応答速度を重視する場合には40〜85質量%の範囲であることがさらに好ましい。
<一般式(II)で表される化合物>
本発明のキラル液晶含有材料に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(II)で表される化合物を少なくとも1種以上含むことが好ましい。一般式(II)で表される化合物は、Δεが比較的大きい液晶性化合物である。
本発明のキラル液晶含有材料に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(II)で表される化合物を少なくとも1種以上含むことが好ましい。一般式(II)で表される化合物は、Δεが比較的大きい液晶性化合物である。
(一般式(II)中、A21、A22、A23、及びa21は、それぞれ一般式(I)中のR11、A11、A12、A13、及びa11と同じ意味を表し、
R21は炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表し、前記R21中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されてもよく、前記R21中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
L21及びL22はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表し(L21が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)、
X21は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(II)中のR21は、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表す。これらの基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されてもよい。また、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
R21は炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表し、前記R21中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されてもよく、前記R21中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
L21及びL22はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表し(L21が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)、
X21は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(II)中のR21は、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表す。これらの基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されてもよい。また、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
一般式(II)で表される化合物としては、R21は、メチレン基や水素原子が置換されていない基が好ましい。中でも、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数1〜15のアルコキシ基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、又は炭素原子数2〜15のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、又は炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基がさらに好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がよりさらに好ましい。R21は、分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。
一般式(II)中、a21は0、1、2又は3を表す。一般式(II)で表される化合物としては、a21は0又は1が好ましい。
一般式(II)中のA21、A22及びA23は、一般式(I)中のA11、A12及びA13と同様である。すなわち、A21、A22及びA23はそれぞれ独立して、前記(a)基、(b)基、又は(c)基である。a21が2であり、A22が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。
一般式(II)中のA21、A22及びA23は、一般式(I)中のA11、A12及びA13と同様である。すなわち、A21、A22及びA23はそれぞれ独立して、前記(a)基、(b)基、又は(c)基である。a21が2であり、A22が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。
一般式(II)中のA21、A22及びA23が前記(a)基である場合、無置換の、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されているトランス−1,4−シクロへキシレン基が好ましく、無置換の、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されている1,4−シクロへキシレン基がより好ましく、無置換のトランス−1,4−シクロへキシレン基がさらに好ましい。
一般式(II)中のA21、A22及びA23が前記(b)基である場合、前記式(b)−1〜7で表されるいずれかの基であることが好ましい。これらの基中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。特に、無置換の1,4−フェニレン基、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子で置換されている1,4−フェニレン基、又は無置換のピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
一般式(II)中のA21、A22及びA23が前記(c)基である場合、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。これらの基中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。特に、無置換のデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、無置換のナフタレン−2,6−ジイル基、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されているナフタレン−2,6−ジイル基、無置換の1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されている1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。
一般式(II)で表される化合物としては、A21、A22及びA23はそれぞれ独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロ−ナフタレン−2,6−ジイル基、5,7−ジフルオロ−ナフタレン−2,6−ジイル基、4,5−ジフルオロ−ナフタレン−2,6−ジイル基、4,5,7−トリフルオロ−ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、5,7−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
一般式(II)中、L21及びL22はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表す。a21が2であり、L21が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(II)で表される化合物としては、L21及びL22はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、又は−C≡C−がより好ましく、単結合、−CH2CH2−、−COO−、−OCF2−、−CF2O−、又は−C≡C−がさらに好ましく、単結合又は−COO−がよりさらに好ましい。また、一分子中、L21及びL22のうちの少なくとも1つは、単結合であることが好ましい。
一般式(II)中、X21は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。一般式(II)で表される化合物としては、X21は、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子又はシアノ基がより好ましい。
一般式(II)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(IIa)〜(IIc)で表される化合物が好ましい。一般式(IIa)〜(IIc)中、R21、A21、A22、a21、L21、L22、及びX21は、それぞれ一般式(II)と同様であり、X22、X23、X24、X25、X26、X27、及びX28は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。
一般式(IIa)で表される化合物としては、下記一般式(IIa−1)で表される化合物が好ましい。一般式(IIa−1)中、R21、X21、X22、及びX23は、それぞれ一般式(IIa)と同様であり、A24は、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子が、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、A25は、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、L23及びL24はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−を表し、a22は0、1又は2を表す。a22が2であり、L23及びA24が複数存在する場合は、それらは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(IIa−1)で表される化合物としては、以下の化合物が好ましい。
(1)一般式(IIa−1)中、a22が0であり、A25がトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L24が単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(2)一般式(IIa−1)中、a22が0であり、A25がデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)であり、L24が単結合である化合物。
(3)一般式(IIa−1)中、a22が1であり、A24及びA25がそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L23及びL24がそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(4)一般式(IIa−1)中、a22が1であり、A24がトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、A25がデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)であり、L23及びL24が単結合である化合物。
(5)一般式(IIa−1)中、a22が2であり、2個のA24及び1個のA25がそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L23が単結合であり、L24が単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(1)一般式(IIa−1)中、a22が0であり、A25がトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L24が単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(2)一般式(IIa−1)中、a22が0であり、A25がデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)であり、L24が単結合である化合物。
(3)一般式(IIa−1)中、a22が1であり、A24及びA25がそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L23及びL24がそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(4)一般式(IIa−1)中、a22が1であり、A24がトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、A25がデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)であり、L23及びL24が単結合である化合物。
(5)一般式(IIa−1)中、a22が2であり、2個のA24及び1個のA25がそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L23が単結合であり、L24が単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
より具体的には、一般式(IIa−1)で表される化合物としては、以下の一般式(IIa−2a)〜(IIa−2v)、一般式(IIa−3a)〜(IIa−3x)、一般式(IIa−3’a)〜(IIa−3’z)、一般式(IIa−4a)〜一般式(IIa−4s)で表される化合物が挙げられる。一般式(IIa−2a)〜(IIa−4s)中、R21は、一般式(IIa)と同様であり、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がより好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がさらに好ましい。また、一般式(IIa−2a)〜(IIa−4s)中、X21は、一般式(IIa)と同様であり、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子又はシアノ基がより好ましく、シアノ基がさらに好ましい。一般式(IIa−2a)〜(IIa−4s)中、X22及びX23はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。
一般式(IIb)で表される化合物としては、具体的には、以下の一般式(IIb−2a)〜(IIb−2c)、一般式(IIb−3a)〜(IIb−3e)で表される化合物が挙げられる。また、一般式(IIc)で表される化合物としては、具体的には、以下の一般式(IIc−2a)〜(IIc−2c)、一般式(IIc−3a)〜(IIc−3e)で表される化合物が挙げられる。一般式(IIb−2a) 〜(IIc−3e)中、R21は、一般式(IIb)及び(IIc)と同様であり、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がより好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がさらに好ましい。また、一般式(IIb−2a) 〜(IIc−3e)中、X21は、一般式(IIb)及び(IIc)と同様であり、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子又はシアノ基がより好ましく、シアノ基がさらに好ましい。一般式(IIb−2a) 〜(IIc−3e)中、X22及びX23はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物が一般式(II)で表される化合物を含有する場合、1種類のみ含有していてもよく、2種類以上を組み合わせて含有していてもよい。本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(IIa)〜(IIc)で表される化合物からなる群より選択される1又は2種類以上の化合物を含有することが好ましく、少なくとも1又は2種類以上の一般式(IIa)で表される化合物を含有することがより好ましく、1又は2種類以上の一般式(IIa−1)で表される化合物を含有することがさらに好ましく、一般式(IIa−2a)〜(IIa−2v)、一般式(IIa−3a)〜(IIa−3x)、一般式(IIa−3’a)〜(IIa−3’z)、一般式(IIa−4a)〜一般式(IIa−4s)で表される化合物からなる群の中から1又は2種類以上の化合物を含有することがよりさらに好ましい。中でも、一般式(IIa−2a)〜(IIa−2v)で表される化合物群中の1種類又は2種類以上の化合物と、一般式(IIa−3a)〜(IIa−3x)、一般式(IIa−3’a)〜(IIa−3’p)で表される化合物群中の1種類又は2種類以上の化合物とを含んでいることが好ましい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物が一般式(II)で表される化合物を含有する場合、ネマチック液晶組成物中における一般式(II)で表される化合物の含有率は5〜95質量%の範囲内であることが好ましく、10〜90質量%の範囲内であることがより好ましいが、安定的にブルー相を発現させるためには60〜85質量%の範囲であることがさらに好ましく、応答速度を重視する場合には15〜60質量%の範囲であることがさらに好ましい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物の少なくとも一方を含む組成物が好ましく、両方を含む組成物がより好ましい。後者の場合、一般式(I)で表される化合物を10〜50質量%含有し、一般式(II)で表される化合物を50〜90質量%含有するものがより好ましい。
さらに、本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が、ネマチック液晶組成物中の液晶性化合物全体の50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。シクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有割合を高めることにより、キラル化合物を添加することによって光学的等方相、特にブルー相を発現する液晶組成物が得られやすい。中でも、ネマチック液晶組成物中の液晶性化合物全体に対して、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が50質量%以上であり、かつ分子内に存在するシクロヘキサン骨格の数がベンゼン骨格の数以上である液晶性化合物の含有量が1〜50質量%であるネマチック液晶組成物が好ましい。
ここで、「ベンゼン骨格」には、炭素原子と水素原子のみからなる環構造(フェニル基、1,4−フェニレン基)のみならず、当該環構造中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して他の基(例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等。)に置換されている環構造も含まれる。
また、「シクロヘキサン骨格」には、炭素原子と水素原子のみからなる環構造(シクロヘキシル基、トランス−1,4−シクロへキシレン基)のみならず、当該環構造中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基が酸素原子に置換されている環構造(例えば、4−テトラヒドロピラニル基、1,4−ジオキサニル基、1,3−ジオキサニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基等)、及びこれらの環構造中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して他の基(例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等。)に置換されている環構造も含まれる。
また、「シクロヘキサン骨格」には、炭素原子と水素原子のみからなる環構造(シクロヘキシル基、トランス−1,4−シクロへキシレン基)のみならず、当該環構造中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基が酸素原子に置換されている環構造(例えば、4−テトラヒドロピラニル基、1,4−ジオキサニル基、1,3−ジオキサニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基等)、及びこれらの環構造中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して他の基(例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等。)に置換されている環構造も含まれる。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、少なくとも−10℃〜50℃の温度範囲でネマチック液晶相を示すことが好ましい。比較的低く、かつ充分に広い温度範囲においてネマチック液晶相を示すネマチック液晶組成物を用いることにより、より低温かつ広い温度範囲でブルー相を発現するキラル液晶含有材料を得ることができる。また、後述するように、本発明のキラル液晶含有材料を、ネマチック液晶組成物とキラル化合物と少なくとも1種類の重合性化合物とを予め混合した組成物を調製し、当該組成物中の重合性基を有する化合物を重合させることにより製造する場合に、意図しない熱重合が誘起されないような低い温度で重合させることができ、かつハンドリング性にも優れている。
また、本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、誘電率異方性(Δε)が負であっても正であってもよい。誘電率異方性(Δε)が負である場合、分子の長軸方向に対して垂直方向にフッ素原子を導入するため、分子の長軸に対する対称性が悪くなり、結晶化しにくく、融点を下げることができることから、液晶温度範囲を広げることができる点で好ましい。また、誘電率異方性(Δε)が正である場合、電界の印加により屈折率が電界方向に沿って一方向に歪むため、屈折率の異方性が発現しやすい点で好ましい。この場合、誘電率異方性の絶対値は大きいほうが好ましい。負の誘電率異方性(Δε)を有するネマチック液晶組成物を用いることにより、負の誘電率異方性(Δε)を有するキラル液晶含有材料を得ることができる。同様に、正の誘電率異方性(Δε)を有するネマチック液晶組成物を用いることにより、正の誘電率異方性(Δε)を有するキラル液晶含有材料を得ることができる。また、誘電率異方性(Δε)の絶対値が大きいネマチック液晶組成物を用いることにより、誘電率異方性の絶対値が大きいキラル液晶含有材料を得ることができる。
[キラル化合物]
本発明のキラル液晶含有材料は、少なくとも1種類のキラル化合物を含む。キラル化合物を含ませることにより、ネマチック液晶組成物に対して捻れ配向を誘起させ、所望のピッチを有するコレステリック相やブルー相を発現する液晶組成物が得られる。
ここで、ピッチとは、液晶分子の螺旋構造における1周期分の長さを示す。ネマチック液晶組成物へのキラル化合物の添加量(質量%)が多くなるほど、ピッチ(μm)は小さくなる。特にキラル化合物の添加量が1〜数質量%程度までの低い濃度の時には、キラル化合物の添加量とピッチの積が一定という関係がよく成り立つことが知られており、これの逆数をとった螺旋誘起力(Helical Twisting Power:HTP)(1/μm)が光学活性化合物固有の捻れ配向を誘起する力の評価パラメータとして使用されている。下記数式中、「P」はピッチ(μm)であり、「C」はキラル化合物の添加量(質量%)である。
本発明のキラル液晶含有材料は、少なくとも1種類のキラル化合物を含む。キラル化合物を含ませることにより、ネマチック液晶組成物に対して捻れ配向を誘起させ、所望のピッチを有するコレステリック相やブルー相を発現する液晶組成物が得られる。
ここで、ピッチとは、液晶分子の螺旋構造における1周期分の長さを示す。ネマチック液晶組成物へのキラル化合物の添加量(質量%)が多くなるほど、ピッチ(μm)は小さくなる。特にキラル化合物の添加量が1〜数質量%程度までの低い濃度の時には、キラル化合物の添加量とピッチの積が一定という関係がよく成り立つことが知られており、これの逆数をとった螺旋誘起力(Helical Twisting Power:HTP)(1/μm)が光学活性化合物固有の捻れ配向を誘起する力の評価パラメータとして使用されている。下記数式中、「P」はピッチ(μm)であり、「C」はキラル化合物の添加量(質量%)である。
当該キラル化合物としては、不斉原子をもつ化合物、軸不斉をもつ化合物、面不斉をもつ化合物のいずれでもよい。また、当該キラル化合物は、重合性基を有していてもよく、重合性基を有していなくてもよい。
本発明のキラル液晶含有材料が含むキラル化合物としては、不斉原子をもつ化合物又は軸不斉をもつ化合物が好ましく、不斉原子をもつ化合物が特に好ましい。不斉原子をもつ化合物としては、側鎖部分に不斉炭素を持つ化合物、環構造部分に不斉炭素を持つ化合物及びその両方を持つ化合物が挙げられる。不斉原子をもつ化合物において、不斉原子は不斉炭素原子であると立体反転が起こり難いものが好ましいが、ヘテロ原子が不斉原子となっていてもよい。不斉原子は鎖状構造の一部に導入されていてもよく、環状構造の一部に導入されていてもよい。本発明のキラル液晶含有材料が含むキラル化合物として、螺旋誘起力が強いことを特に要求される場合には、軸不斉をもつ化合物が好ましい。
<不斉原子をもつ化合物>
不斉原子をもつ化合物としては、具体的には、一般式(Ch−I)で表される化合物が好ましい。
不斉原子をもつ化合物としては、具体的には、一般式(Ch−I)で表される化合物が好ましい。
(一般式(Ch−I)中、R100及びR101はそれぞれ独立して、水素原子、シアノ基、−NO2、ハロゲン原子、−OCN、−SCN、−SF5、炭素原子数1〜30個のキラル又はアキラルなアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又はC≡C−により置換されていてもよく、当該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。)、重合性基、又は環構造を含むキラルな基を表し、n11が0のとき、R100及びR101の少なくとも1つは、キラルなアルキル基であり、
Z100及びZ101はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−N(R105)−、−N(R105)−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表し、
A100及びA101はそれぞれ独立して、
(a’) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)、
(b’) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)、又は
(c’) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)を表し、
A100又はA101が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよく、
n11は0又は1を表し、n11が0を表すとき、m12は0を表し、かつm11は0、1、2、3、4又は5を表し、n11が1を表すとき、m11とm12はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5を表し、
Dは、下記式(D1)〜(D4)で表される2価の基(式(D1)〜(D4)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表し、黒丸を付した部位において、Z101(若しくは、R100)又はZ101(若しくは、R100)に、それぞれ結合する。)を表す。)
Z100及びZ101はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−N(R105)−、−N(R105)−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表し、
A100及びA101はそれぞれ独立して、
(a’) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)、
(b’) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)、又は
(c’) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)を表し、
A100又はA101が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよく、
n11は0又は1を表し、n11が0を表すとき、m12は0を表し、かつm11は0、1、2、3、4又は5を表し、n11が1を表すとき、m11とm12はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5を表し、
Dは、下記式(D1)〜(D4)で表される2価の基(式(D1)〜(D4)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表し、黒丸を付した部位において、Z101(若しくは、R100)又はZ101(若しくは、R100)に、それぞれ結合する。)を表す。)
一般式(Ch−I)中、R100及びR101はそれぞれ独立して、水素原子、シアノ基、−NO2、ハロゲン原子、−OCN、−SCN、−SF5、炭素原子数1〜30個のキラル又はアキラルなアルキル基、重合性基、又は環構造を含むキラルな基を表す。n11が0のとき、R100及びR101の少なくとも1つは、キラルなアルキル基である。
一般式(Ch−I)中のR100又はR101が炭素原子数1〜30個のキラル又はアキラルなアルキル基である場合、当該アルキル基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基(−CH2−)は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又はC≡C−により置換されていてもよく、当該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。また、当該アルキル基は、直鎖状の基であってもよく、分岐鎖状の基であってもよく、環構造を含んでいる基であってもよい。
キラルなアルキル基としては、以下の一般式(Ra)〜(Rk)で表される基が好ましい。一般式(Ra)〜(Rk)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表す。R100又はR101がこれらの基の場合、左端で、A100(若しくは、D、Z101)又はA101(若しくは、D、Z100)に、それぞれ結合する。
一般式(Ra)〜(Rk)中、R103及びR104は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、又は水素原子を表す。但し、一般式(Ra)、(Rb)、(Rd)、(Re)、(Rf)、(Rg)、(Ri)、(Rj)においては、R103が結合する炭素原子(*を付した位置)が不斉原子となるように、R103は炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基である。当該アルキル基の1個又は2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−O−SO2−、−SO2−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH3)2−で置換されていてもよく、さらにアルキル基の1個又はそれ以上の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)又はシアノ基で置換されていてもよい。また、当該アルキル基は、重合性基をもっていてもよい。当該重合性基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
一般式(Ra)〜(Rj)中のR103としては、メチレン基や水素原子が他の基等に置換されていない(すなわち、無置換の)炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であることが好ましく、無置換の炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であることがより好ましく、無置換の炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基であることがさらに好ましい。
一般式(Rd)又は(Ri)中のR104としては、水素原子又は無置換の炭素原子数1〜5の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は無置換の炭素原子数1〜3の直鎖状のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることがさらに好ましい。
一般式(Ra)〜(Rk)中、n12は0〜20の整数であり、0〜10の整数が好ましく、0〜5の整数がより好ましく、0がさらに好ましい。
一般式(Ra)〜(Rk)中、n13は0又は1である。
また、一般式(Rk)中、n14は0〜5の整数である。
一般式(Ra)〜(Rk)中、n12は0〜20の整数であり、0〜10の整数が好ましく、0〜5の整数がより好ましく、0がさらに好ましい。
一般式(Ra)〜(Rk)中、n13は0又は1である。
また、一般式(Rk)中、n14は0〜5の整数である。
一般式(Ra)〜(Rk)中、X101及びX102は、それぞれ独立して、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、ブロム原子、ヨウ素原子)、シアノ基、フェニル基(当該フェニル基の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基(−CF3)、トリフルオロメトキシ基(−OCF3)で置換されていてもよい。)、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基である。但し、一般式(Ra)、(Rb)、(Rc)、(Rf)、(Rg)、(Rh)においては、X101が結合する炭素原子(*を付した位置)が不斉原子となるように、X101とR103は互いに異なる基である。また、一般式(Rc)及び(Re)において、X101が結合する炭素原子(*を付した位置)が不斉原子となるように、X101とX102は、互いに異なる基である。
一般式(Ra)、(Rb)、(Rc)、(Rf)、(Rg)、(Rh)、(Rk)中のX101及びX102としては、それぞれ独立して、ハロゲン原子、フェニル基(当該フェニル基の1個又は2個以上の任意の水素原子はそれぞれ独立してハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基で置換されていてもよい。)、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基が好ましい。中でも、一般式(Ra)、(Rb)、(Rc)、(Rf)、(Rg)、(Rh)中のX101及びX102としては、それぞれ独立して、フェニル基(当該フェニル基の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基で置換されていてもよい。)がより好ましく、無置換のフェニル基がさらに好ましい。また、一般式(Rk)中のX101としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基がより好ましく、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基がさらに好ましい。
一般式(Re)及び(Rj)中、Qは二価の炭化水素基である。当該二価の炭化水素基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を有する基であってもよい。また、当該二価の炭化水素基の炭素原子数は、1〜16が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。当該二価の炭化水素基としては、1個の炭素原子において、一般式(Re)及び(Rj)中の2個の酸素原子とそれぞれ単結合する基が好ましい。この場合、一般式(Re)及び(Rj)において、アスタリスクが付された2個の炭素原子と、それらとそれぞれ結合する2個の酸素原子と、Q中の1の炭素原子が、5員環を形成している。具体的には、無置換の、又は1若しくは2個の水素原子が炭化水素基によって置換されたメチレン基、シクロプロピリデン基、シクロブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基等が挙げられ、メチレン基、イソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基がより好ましい。
一般式(Ra)〜(Rk)で表される基としては、一般式(Ra)又は一般式(Rf)で表される基が好ましい。一般式(Ra)で表される基としては、一般式(Ra)中、n12が0〜5の整数であり、X101がフェニル基(当該フェニル基の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基で置換されていてもよい。)であり、R103が無置換の炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基である基が好ましく、n12が0〜5の整数であり、X101が無置換のフェニル基であり、R103が無置換の炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基である基がより好ましい。一般式(Rf)で表される基としては、一般式(Rf)中、n12が0〜5の整数であり、n13が0又は1であり、X103がハロゲン原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基であり、R103が無置換の炭素原子数2〜12の直鎖状のアルキル基である基が好ましい。
一般式(Ch−I)で表される化合物のR100又はR101としては、特に、下記式(Ra−1)〜(Ra−3)又は一般式(Rf−1)〜(Rf−3)で表される基が好ましい。R100又はR101がこれらの基の場合、左端が、A100(若しくは、D、Z101)又はA101(若しくは、D、Z100)に、それぞれ結合する。また、アステリスクは、キラルな炭素原子を表す。
一般式(Rf−1)〜(Rf−6)中、n12は0〜10を表し、n13は0又は1を表す。また、一般式(Ra−1)〜(Ra−3)、(Rf−1)〜(Rf−3)中、nは2〜12の整数を表す。一般式(Ra−1)〜(Ra−3)、(Rf−1)〜(Rf−3)においては、nは3〜8の整数が好ましく、4、5又は6がより好ましい。
一般式(Ch−I)中のR100又はR101が重合性基である場合、当該重合性基としては、下記の式(R−1)〜(R−16)のいずれかで表される構造からなる基が好ましい。式(R−1)〜(R−14)、(R−16)で表される基は右端が、式(R−15)で表される基は左端が、A100(若しくは、D、Z101)又はA101(若しくは、D、Z100)に、それぞれ結合する。
これらの重合性基は、ラジカル重合、ラジカル付加重合、カチオン重合、又はアニオン重合により硬化する。特に重合方法として紫外線重合を行う場合には、式(R−1)、式(R−2)、式(R−4)、式(R−5)、式(R−7)、式(R−11)、式(R−13)、式(R−15)又は式(R−16)で表される基が好ましく、式(R−1)、式(R−2)、式(R−7)、式(R−11)、式(R−13)又は式(R−16)で表される基がより好ましく、式(R−1)、式(R−2)又は式(R−16)で表される基がさらに好ましい。
一般式(Ch−I)中のR100又はR101が環構造を含むキラルな基である場合、当該基が含む環構造は、芳香族であってもよく、脂肪族であってもよい。アルキル基が取り得る環構造としては、単環構造、縮合環構造又はスピロ(spirocyclic)環構造が挙げられ、また、1個又は2個以上のヘテロ原子を含むことができる。
一般式(Ch−I)中、Z100及びZ101はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−N(R105)−、−N(R105)−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、−CO−N(R105)−又は−N(R105)−CO−中のR105は、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を表し、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜4の直鎖状のアルキル基がより好ましい。m11が2以上の整数であり、一分子中にZ100が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。同様に、m12が2以上の整数であり、一分子中にZ101が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(Ch−I)で表される化合物としては、Z100及びZ101はそれぞれ独立して、−CF2O−、−OCF2−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−COO−、−OCO−、−CH2−CH2−、−C≡C−又は単結合が好ましい。
一般式(Ch−I)中、A100及びA101はそれぞれ独立して、下記(a’)基、(b’)基、又は(c’)基である。m11が2以上の整数であり、一分子中にA100が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。同様に、m12が2以上の整数であり、一分子中にA101が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。
(a’) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)。
(b’) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)。
(c’) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)。
(a’) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)。
(b’) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)。
(c’) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)。
前記(a’)基、(b’)基、及び(c’)基は、いずれも無置換であってもよく、当該基中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜7のアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子により置換されていてもよい。)、炭素原子数1〜7のアルコキシ基(当該アルコキシ基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子により置換されていてもよい。)、炭素原子数1〜7のアルキルカルボニル基(当該アルキルカルボニル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子により置換されていてもよい。)、又は炭素原子数1〜7のアルコキシカルボニル基(当該アルコキシカルボニル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子により置換されていてもよい。)によって置換されていてもよい。
一般式(Ch−I)で表される化合物のA100及びA101としては、前記(a’)基又は前記(b’)基が好ましく、無置換のトランス−1,4−シクロへキシレン基、無置換の1,4−フェニレン基、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4のアルキルカルボニル基、若しくは炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基によって置換されているトランス−1,4−シクロへキシレン基、又は、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4のアルキルカルボニル基、若しくは炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基によって置換されている1,4−フェニレン基がより好ましく、無置換のトランス−1,4−シクロへキシレン基又は無置換の1,4−フェニレン基がさらに好ましく、無置換の1,4−フェニレン基がよりさらに好ましい。
一般式(Ch−I)中、n11は0又は1を表す。
n11が0のとき、m12は0であり、かつm11は0、1、2、3、4又は5である。n11及びm12が0のとき、m11は、1、2、3、又は4が好ましく、1、2又は3がより好ましい。
n11が1のとき、m11とm12はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5、好ましくは1、2、3、又は4、より好ましくは1、2又は3である。n11が1のとき、m11とm12は、互いに異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
n11が0のとき、m12は0であり、かつm11は0、1、2、3、4又は5である。n11及びm12が0のとき、m11は、1、2、3、又は4が好ましく、1、2又は3がより好ましい。
n11が1のとき、m11とm12はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5、好ましくは1、2、3、又は4、より好ましくは1、2又は3である。n11が1のとき、m11とm12は、互いに異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
一般式(Ch−I)中、Dは、前記式(D1)〜(D4)で表される2価の基である。式(D1)〜(D4)中、黒丸を付した部位において、Z101(若しくは、R100)又はZ101(若しくは、R100)に、それぞれ結合する。
前記(D1)、(D3)又は(D4)で表される基中、ベンゼン環の任意の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜20のアルコキシ基で置換されていてもよい。ベンゼン環中の水素原子の置換基となる炭素原子数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基においては、当該基中の1個又は2個以上の水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよく、当該基中の1個又は2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又は−C≡C−により、酸素原子又は硫黄原子が互いに直接結合しないように置換されていてもよい。
一般式(Ch−I)で表される化合物のうち、n11が0である化合物としては、当該化合物の両端のR100及びR101を除いた残りの部分構造が、下記一般式(b1)〜(b13)で表される構造であることが好ましい。一般式(b1)〜(b13)で表される構造は、両端のいずれか一方がR100と結合し、残る他方がR101と結合する。但し、これらの構造を有する化合物では、R100及びR101の少なくとも一方は、キラルなアルキル基である。
一般式(b1)〜(b13)中、Z102は、一般式(Ch−I)中のZ100及びZ101と同様である。
また、一般式(b1)〜(b13)中、A102は、1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基によって置換されていてもよい。)である。1,4−フェニレン基中の−CH=や水素原子を置換することにより、当該化合物を含む液晶組成物について、結晶性の低下及び誘電異方性の向きや大きさを制御することができる。
また、一般式(b1)〜(b13)中、A102は、1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基によって置換されていてもよい。)である。1,4−フェニレン基中の−CH=や水素原子を置換することにより、当該化合物を含む液晶組成物について、結晶性の低下及び誘電異方性の向きや大きさを制御することができる。
信頼性の面では、A102中の環構造がピリジン環、ピリミジン環等の複素環である化合物(すなわち、1,4−フェニレン基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=が窒素原子に置換された基である化合物)よりも、ベンゼン環である化合物(すなわち、1,4−フェニレン基中に存在する−CH=が窒素原子に置換されていない基である化合物)のほうが好ましい。一方で、誘電率異方性を大きくするという面では、A102中の環構造がベンゼン環である化合物よりも、ピリジン環、ピリミジン環等の複素環である化合物のほうが好ましい。ベンゼン環やシクロヘキサン環等の炭化水素環を有する化合物は、当該化合物の持つ分極性が比較的小さいが、ピリジン環、ピリミジン環等の複素環を有する化合物は、当該化合物の持つ分極性が比較的大きく、結晶性を低下させ液晶性を安定化するために好ましい。
一般式(Ch−I)で表される化合物のうち、n11及びm12が0である化合物としては、下記一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)が好ましい。一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)中、R100、R101及びZ100は、一般式(Ch−I)におけるR100、R101及びZ100と同じ意味を表し、R100及びR101の少なくとも一つはキラルなアルキル基を表し、L100〜L105はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。
一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)で表される化合物としては、R100及びR101の一方又は両方が一般式(Ra)〜(Rk)のいずれかで表される基である化合物が好ましく、R100及びR101の一方又は両方が、前記式(Ra−1)〜(Ra−3)又は一般式(Rf−1)〜(Rf−3)で表される基である化合物がより好ましい。R100及びR101のいずれか一方のみが一般式(Ra)〜(Rk)のいずれかで表される基である化合物としては、R100及びR101の残りの一方が、炭素原子数1〜30個のアキラルなアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又はC≡C−により置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。)である化合物が好ましく、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基である化合物より好ましい。
本発明のキラル液晶含有材料としては、一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)のいずれかで表される化合物を少なくとも1種類は含んでいることが好ましく、一般式(Ch−I−30)で表される化合物を含んでいることがより好ましい。一般式(Ch−I−30)で表される化合物としては、具体的には、下記一般式(Ch−I−30−1)〜(Ch−I−30−6)(式中、n13は0又は1を表し、nは2〜12の整数を表し、R102は炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表し、L100〜L105はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)で表される化合物が挙げられる。一般式(Ch−I−30−1)〜(Ch−I−30−6)中、R102は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基又は炭素原子数2〜6のアルケニルオキシ基が好ましい。
n11が1の場合、一般式(Ch−I)で表される化合物は、環構造部分に不斉炭素を持つ構造となる。この場合、一般式(Ch−I)で表される化合物としては、Dが前記式(D2)又は(D4)である化合物が好ましく、Dが式(D4)である化合物がより好ましい。Dが式(D2)である化合物としては、下記一般式(K2−1)〜(K2−8)で表される化合物が好ましく、Dが式(D4)である化合物としては、下記一般式(K3−1)〜(K3−6)で表される化合物が好ましい。一般式(K2−1)〜(K2−8)及び(K3−1)〜(K3−6)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表す。
一般式(K2−1)〜(K2−8)、(K3−1)〜(K3−6)中、RKはそれぞれ独立して、一般式(Ch−I)におけるR100及びR101と同じ意味を表す。本発明のキラル液晶含有材料に用いられるキラル化合物としては、一般式(K2−1)〜(K2−8)又は(K3−1)〜(K3−6)で表される化合物の中でも、RKがそれぞれ独立して、炭素原子数1〜30個のキラル又はアキラルなアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又はC≡C−により置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。)である化合物が好ましく、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基である化合物がより好ましく、炭素原子数3〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のアルコキシ基、炭素原子数3〜10のアルケニル基又は炭素原子数3〜10のアルケニルオキシ基である化合物がさらに好ましい。
<軸不斉をもつ化合物>
軸不斉化合物としては、具体的には、一般式(IV−1)、(IV−2)、(IV−3)又は(IV−4)で表される化合物が好ましい。
軸不斉化合物としては、具体的には、一般式(IV−1)、(IV−2)、(IV−3)又は(IV−4)で表される化合物が好ましい。
一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物においては、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、R71及びR72は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、イソシアネート基、イソチオシナネート基、又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。当該アルキル基中の任意の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、又は−C≡C−で置換されていてもよい。さらに、当該アルキル基中の任意の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、R71及びR72は、それぞれ独立して、無置換の、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜20の無置換のアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数1〜6の無置換のアルキル基であることがさらに好ましい。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、A71及びA72は、それぞれ独立して、芳香族性若しくは非芳香族性の3、6ないし8員環、又は、炭素原子数9以上の縮合環を表す。これらの環構造中の任意の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、又は炭素原子数1〜3のハロアルキル基で置換されていてもよい。また、当該環構造中の任意の1個又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して−O−、−S−、又は−NH−で置換されていてもよく、当該環構造中の任意の1個又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、−N=で置換されていてもよい。m71が2以上であり、一分子中にA71が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。同様に、m72が2以上であり、一分子中にA72が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、A71及びA72は、それぞれ独立して、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。これらの基中の1個若しくは2個以上の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、又は炭素原子数1〜3のハロアルキル基で置換された基も好ましい。中でも、1個若しくは2個以上の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基がより好ましく、無置換の1,4−フェニレン基又は無置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基がさらに好ましい。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、Z71及びZ72は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表す。当該アルキレン基中の任意の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−、又は−C≡C−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中の任意の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。m71が2以上であり、一分子中にZ71が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。同様に、m72が2以上であり、一分子中にZ72が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、Z71及びZ72はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜4の無置換のアルキレン基、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、又は−C≡C−がより好ましく、単結合、−COO−、又は−OCO−がさらに好ましい。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、X71及びX72は、それぞれ独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、又は−CH2CH2−を表す。一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、X71及びX72は、それぞれ独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、又は−CH2CH2−が好ましく、単結合、−COO−、又は−OCO−がより好ましい。
一般式(IV−2)中、R73は、水素原子、ハロゲン原子、又は−X71−(A71−Z71)m71−R71を表す。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、m71及びm72は、それぞれ独立して、1〜4の整数を表す。但し、一般式(IV−2)において、R73が−X71−(A71−Z71)m71−R71である場合には、2個のm71のうち、いずれか一方は0でもよい。一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、m71及びm72は、それぞれ独立して、2又は3が好ましく、2がより好ましい。
一般式(IV−2)中、R73は、水素原子、ハロゲン原子、又は−X71−(A71−Z71)m71−R71を表す。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、m71及びm72は、それぞれ独立して、1〜4の整数を表す。但し、一般式(IV−2)において、R73が−X71−(A71−Z71)m71−R71である場合には、2個のm71のうち、いずれか一方は0でもよい。一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、m71及びm72は、それぞれ独立して、2又は3が好ましく、2がより好ましい。
一般式(IV−3)で表される化合物においては、2つのベンゼン環を結ぶ単結合が軸不斉の軸であり、一般式(IV−4)で表される化合物においては、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
一般式(IV−3)中、R61及びR62はそれぞれ独立して、任意の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立してアルキル基、アルコキシル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基を表す。フェニル基中の水素原子と置換されるアルキル基又はアルコキシル基は、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状であることがより好ましい。
一般式(IV−3)中、R63、R64、R65、R66、R67及びR68は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、又はジアルキルアミノ基を表す。一般式(IV−3)中のR63、R64及びR65のうちの2つが、置換基を有していてもよいメチレン鎖、又は置換基を有していてもよいモノ若しくはポリメチレンジオキシ基を形成していてもよく、R66、R67及びR68のうちの2つが、置換基を有していてもよいメチレン鎖、又は置換基を有していてもよいモノ若しくはポリメチレンジオキシ基を形成していてもよい。但し、R65とR66が共に水素原子の場合は除く。
一般式(IV−4)中、X61とY61、X62とY62は、それぞれ、いずれか少なくとも一方が存在し、X61、X62、Y61、Y62は、それぞれ独立して、CH2、C=O、O、N、S、P、B、Siのいずれかを表す。X61、X62、Y61、又はY62がN、P、B、又はSiである場合は、所要の原子価を満足するように、アルキル基、アルコキシ基、アシル基等の置換基と結合していてもよい。
一般式(IV−4)中、E61及びE62は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、ベンジル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルケトン基、複素環基又はこれらの誘導体のいずれかを表す。
本発明のキラル液晶含有材料が含むキラル化合物として、螺旋誘起力が強いことが特に要求される場合には、一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(IV−1)で表される化合物としては、具体的には、下記の一般式(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物が好ましく、一般式(K4−1)〜(K4−6)で表される化合物がより好ましく、一般式(K4−3)〜(K4−6)で表される化合物がさらに好ましい。一般式(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物においては、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
一般式(K4−1)〜(K4−12)中、R71及びR72は、一般式(IV−1)におけるR71及びR72と同じ意味を表す。本発明のキラル液晶含有材料に用いられるキラル化合物としては、一般式(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物の中でも、R71及びR72がそれぞれ独立して、無置換又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基である化合物が好ましく、炭素原子数1〜20の無置換のアルキル基である化合物がより好ましく、炭素原子数1〜6の無置換のアルキル基である化合物がさらに好ましい。
一般式(IV−2)で表される化合物としては、具体的には、下記の一般式(K5−1)〜(K5−3)で表される化合物が好ましい。一般式(K5−1)〜(K5−3)で表される化合物においては、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
一般式(K5−1)〜(K5−3)中、R71は、一般式(IV−2)におけるR71と同じ意味を表す。本発明のキラル液晶含有材料に用いられるキラル化合物としては、一般式(K5−1)〜(K5−3)で表される化合物の中でも、R71が、任意の1個又は2個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、任意の1個又は2個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルケニル基、任意の1個又は2個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜19のアルコキシ基、又は任意の1個又は2個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜19のアルキル基である化合物が好ましく、炭素原子数1〜20の無置換のアルキル基である化合物がより好ましく、炭素原子数1〜6の無置換のアルキル基である化合物がさらに好ましい。
<面不斉をもつ化合物>
面不斉をもつ化合としては、例えば下記一般式(IV−5)で表されるヘリセン(Helicene)誘導体が挙げられる。このようなヘリセン誘導体においては、前後に重なり合う環の前後関係は自由に変換することができないため、環が右向きの螺旋構造をとる場合と左向きの螺旋構造をとる場合とが区別され、キラリティーを発現する。
面不斉をもつ化合としては、例えば下記一般式(IV−5)で表されるヘリセン(Helicene)誘導体が挙げられる。このようなヘリセン誘導体においては、前後に重なり合う環の前後関係は自由に変換することができないため、環が右向きの螺旋構造をとる場合と左向きの螺旋構造をとる場合とが区別され、キラリティーを発現する。
一般式(IV−5)中、X51とY51、X52とY52は、それぞれ、いずれか少なくとも一方が存在し、X51、X52、Y51、Y52は、それぞれ独立して、CH2、C=O、O、N、S、P、B、Siのいずれかを表す。X51、X52、Y51、Y52がN、P、B、Siである場合は、所要の原子価を満足するように、アルキル基、アルコキシ基、アシル基等の置換基と結合されていてもよい。
一般式(IV−5)中、E51及びE52は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、ベンジル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルケトン基、複素環基又はこれらの誘導体のいずれかを表す。
一般式(IV−5)中、E51及びE52は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、ベンジル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルケトン基、複素環基又はこれらの誘導体のいずれかを表す。
本発明のキラル液晶含有材料は、1種類のキラル化合物のみを含有していてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いるほうが好ましい。構造や物性の異なる複数種類のキラル化合物を組み合わせることにより、所望の物性を有するキラル液晶含有材料が得られやすい。
本発明のキラル液晶含有材料に用いられるキラル化合物としては、螺旋誘起力が比較的大きなものが好ましい。螺旋誘起力が大きい化合物は、当該キラル化合物が添加されるネマチック液晶組成物の螺旋構造を所望のピッチ(例えば、25℃におけるピッチが0.01〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.4μm)にするために必要な添加量を少なくすることができる。
本発明のキラル液晶含有材料が、ブルー相等の光学的等方相をより発現しやすくなるため、液晶組成物に添加した際の螺旋誘起力の温度依存性が負である(すなわち、温度上昇に従い、螺旋誘起力が大きくなる)キラル化合物を、少なくとも1種類は用いることが好ましい。特に、ブルー相I、ブルー相II、又は液体相のいずれとも共存していない状態のブルー相IIIを、従来になく非常に広い温度幅(例えば、2℃以上の温度幅)で発現できるキラル液晶含有材料を製造するためには、1種類又は2種類以上の螺旋誘起力の温度依存性が正であるキラル化合物と、1種類又は2種類以上の螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物とを組み合わせて用いることがより好ましい。
本発明のキラル液晶含有材料は、キラル化合物として、前記一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)で表される化合物、前記一般式(K2−1)〜(K2−8)で表される化合物、前記一般式(K3−1)〜(K3−6)で表される化合物、前記(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物、前記一般式(K5−1)〜(K5−3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含むことが好ましく、これらの化合物群より選択される2種類以上を組み合わせて含むことがより好ましく、これらの化合物群から、少なくとも1種類の螺旋誘起力の温度依存性が正であるキラル化合物と少なくとも1種類の螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物とを組み合わせて含むことがさらに好ましい。中でも、前記一般式(Ch−I−30)で表される化合物、前記一般式(K3−1)〜(K3−6)で表される化合物、及び前記(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物からなる群より選択される2種類以上を含むことが好ましく、一般式(Ch−I−30−1)〜(Ch−I−30−6)のいずれかで表される化合物と、前記(K4−3)〜(K4−6)のいずれかで表される化合物とを少なくとも含むことがより好ましい。
本発明のキラル液晶含有材料におけるキラル化合物の含有量は、用いるネマチック液晶組成物のピッチを所望の範囲内とすることができるために充分な量であれば、特に限定されるものではなく、ネマチック液晶組成物の種類、キラル化合物の種類(特に、分極性)やその組み合わせ等を考慮して、適宜調整される。本発明の液晶・高分子複合材料におけるキラル化合物の含有量は、例えば、ネマチック液晶組成物100質量部に対して、1〜45質量部、好ましくは3〜30質量部とすることができる。
[重合性化合物]
本発明のキラル液晶含有材料は、前記ネマチック液晶組成物とキラル化合物に加えて、さらに少なくとも1種類の重合性化合物が重合してなる高分子を含む液晶・高分子複合材料であるのも好ましい。ネマチック液晶組成物にキラル化合物を含有させることにより得られる光学的等方性相を発現させる液晶組成物が得られ、当該液晶組成物にさらに高分子を加えて安定化させることにより、光学的等方性相、特にブルー相をより広い温度幅で発現させることができる。
本発明のキラル液晶含有材料は、前記ネマチック液晶組成物とキラル化合物に加えて、さらに少なくとも1種類の重合性化合物が重合してなる高分子を含む液晶・高分子複合材料であるのも好ましい。ネマチック液晶組成物にキラル化合物を含有させることにより得られる光学的等方性相を発現させる液晶組成物が得られ、当該液晶組成物にさらに高分子を加えて安定化させることにより、光学的等方性相、特にブルー相をより広い温度幅で発現させることができる。
本発明の液晶・高分子複合材料は、前記ネマチック液晶組成物とキラル化合物と高分子を混合して調製してもよいが、後述するように、まず、ネマチック液晶組成物とキラル化合物と重合性化合物とを混合した重合性化合物含有液晶組成物を調製した後、当該重合性化合物含有液晶組成物中の重合性基を有する化合物を重合させることによって製造することが好ましい。
当該高分子の形成に用いられる重合性化合物は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。ここで、重合性化合物とは、重合性基を分子内に少なくとも1個有する化合物である。当該重合性基としては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましい。また、当該高分子の形成に用いられる重合性化合物は、光重合性化合物であってもよく、熱重合性化合物であってもよい。重合反応が比較的容易に行える点から、光重合反応により重合可能な重合性化合物であることが好ましい。
重合性化合物は、その構造により、シクロヘキサン骨格やベンゼン骨格等の環構造(メソゲン基)を有する重合性化合物(メソゲン性(液晶性)重合性化合物)と、メソゲン基を有しない重合性化合物(非メソゲン性(非液晶性)重合性化合物)に分類することができる。
重合性化合物は、その構造により、シクロヘキサン骨格やベンゼン骨格等の環構造(メソゲン基)を有する重合性化合物(メソゲン性(液晶性)重合性化合物)と、メソゲン基を有しない重合性化合物(非メソゲン性(非液晶性)重合性化合物)に分類することができる。
<メソゲン性重合性化合物>
メソゲン性重合性化合物としては、下記一般式(PC1)で表される化合物が好ましい。
メソゲン性重合性化合物としては、下記一般式(PC1)で表される化合物が好ましい。
一般式(PC1)中、P1は重合性基を表す。P1としては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましい。
一般式(PC1)中、Sp1は炭素原子数0〜20のスペーサー基を表す。当該スペーサー基としては、2価の基であって、炭素原子数が0〜20であれば、特に限定されるものではなく、炭素原子以外の原子を含む基であってもよい。また、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環構造を有していてもよい。当該スペーサー基としては、例えば、単結合、炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数1〜20のアルケニレン基、又は炭素原子数1〜20のアリーレン基が挙げられる。当該アルキレン基又はアルケニレン基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置換されていてもよい。また、当該アルキレン基又はアルケニレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。一般式(PC1)で表される化合物としては、Sp1は単結合、無置換の若しくは置換基を有する炭素原子数が1〜16のアルキレン基、又は、無置換の若しくは置換基を有する炭素原子数が1〜16のアルケニレン基が好ましく、単結合、無置換のアルキレン基、又は置換基のアルケニレン基がより好ましい。
一般式(PC1)中、Sp1は炭素原子数0〜20のスペーサー基を表す。当該スペーサー基としては、2価の基であって、炭素原子数が0〜20であれば、特に限定されるものではなく、炭素原子以外の原子を含む基であってもよい。また、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環構造を有していてもよい。当該スペーサー基としては、例えば、単結合、炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数1〜20のアルケニレン基、又は炭素原子数1〜20のアリーレン基が挙げられる。当該アルキレン基又はアルケニレン基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置換されていてもよい。また、当該アルキレン基又はアルケニレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。一般式(PC1)で表される化合物としては、Sp1は単結合、無置換の若しくは置換基を有する炭素原子数が1〜16のアルキレン基、又は、無置換の若しくは置換基を有する炭素原子数が1〜16のアルケニレン基が好ましく、単結合、無置換のアルキレン基、又は置換基のアルケニレン基がより好ましい。
一般式(PC1)中、Q1は単結合、−O−、−OCH2−、−OCH2−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CO−、−OCOO−、−NH−、−NHCOO−、−OCONH−、−OCOCH2−、−CH2OCO−、−COOCH2−、−CH2COO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−CH=CCH3−COO−、−COO−CCH3=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−C≡C−、−CF2O−又は−OCF2−を表す。一般式(PC1)で表される化合物としては、Q1は単結合、−O−、−OCH2−、−OCH2−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−OCOCH2−、−CH2OCO−、−COOCH2−、−CH2COO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−C≡C−、−CF2O−及び−OCF2−が好ましく、製造の容易性及び液晶配向性の観点から、−O−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−C2H4−、−C≡C−及び単結合がより好ましく、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−及び単結合が特に好ましい。
一般式(PC1)中、R3は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜25のアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置換されていてもよい。)、又はP2−Sp2−Q2−(式中、P2、Sp2、Q2はそれぞれ、P1、Sp1、Q1と同じ意味を表す。)を表す。但し、R3がP2−Sp2−Q2−の場合、一分子中のP1とP2、Sp1とSp2、Q1とQ2は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(PC1)中、n1及びn2は、それぞれ独立して1、2又は3を表す。n1が1であり、かつR3が重合性基を有さない場合には、一般式(PC1)で表される化合物は、単官能性の重合性化合物である。一方で、n1が2又は3の場合や、R3が重合性基を有する場合には、一般式(PC1)で表される化合物は、2以上の重合性基を有する多官能性の重合性化合物である。
一般式(PC1)中、MGは、メソゲン基を表す。メソゲン基は、液晶性を発現するための剛直性を有する官能基であり、一般的には、シクロヘキサン骨格やベンゼン骨格等の環構造を有する。当該メソゲン基としては、公知の液晶性分子が有するメソゲン部位を構成する基のいずれであってもよいが、下記一般式(MG−1)で表される基が好ましい。
一般式(PC1)中、MGは、メソゲン基を表す。メソゲン基は、液晶性を発現するための剛直性を有する官能基であり、一般的には、シクロヘキサン骨格やベンゼン骨格等の環構造を有する。当該メソゲン基としては、公知の液晶性分子が有するメソゲン部位を構成する基のいずれであってもよいが、下記一般式(MG−1)で表される基が好ましい。
一般式(MG−1)中、C1又はC3はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基、1,3,4−ベンゼントリイル基、1,2,4−ベンゼントリイル基、ベンゼン−1,2,4,5−テトライル基、ベンゼン−1,2,3,4−テトライル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3,4−シクロヘキサントリイル基、1,2,4−シクロヘキサントリイル基、シクロヘキサン−1,2,3,4−テトライル基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、2,6−ナフチレン基、ナフタレン−2,5,6−トリイル基、ナフタレン−2,3,6−トリイル基、ナフタレン−2,6,7−トリイル基、ナフタレン−2,5,6,7−テトライル基、ナフタレン−1,2,5,6−テトライル基、ナフタレン−2,3,6,7−テトライル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,5,6−トリイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6,7−トリイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,5,6−トリイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,5,6−トリイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン2,7−ジイル基、又はフルオレン2,7−ジイル基を表す。これらの基中の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルカノイル基、炭素原子数1〜8のアルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケノイル基又は炭素原子数2〜8のアルケノイルオキシ基によって置換されていてもよい。
一般式(MG−1)中、C2は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン2,7−ジイル基、又はフルオレン2,7−ジイル基を表す。これらの基中の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルカノイル基、炭素原子数1〜8のアルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケノイル基又は炭素原子数2〜8のアルケノイルオキシ基によって置換されていてもよい。一分子中に複数のC2がある場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(MG−1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−OCH2−、−OCH2−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CO−、−OCOO−、−NH−、−NHCOO−、−OCONH−、−OCOCH2−、−CH2OCO−、−COOCH2−、−CH2COO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−CH=CCH3−COO−、−COO−CCH3=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−C≡C−、−CF2O−又は−OCF2−を表す。一分子中に複数のY2がある場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(MG−1)中、n5は0〜5の整数を表す。一般式(PC1)で表される化合物としては、n5は0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましい。
一般式(MG−1)中、n5は0〜5の整数を表す。一般式(PC1)で表される化合物としては、n5は0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましい。
一般式(PC1)で表される化合物のうち、単官能性の重合性化合物としては、好ましくは下記一般式(V−a)で表される化合物が挙げられる。
一般式(V−a)中、R31は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(V−a)中、n31は0又は1の整数を表す。
一般式(V−a)中、T1、T2及びT3はそれぞれ独立して、下記の14種類の環構造を有する2価の基(但し、mは、1〜4の整数を表す。)のいずれかを表す。
一般式(V−a)中、n31は0又は1の整数を表す。
一般式(V−a)中、T1、T2及びT3はそれぞれ独立して、下記の14種類の環構造を有する2価の基(但し、mは、1〜4の整数を表す。)のいずれかを表す。
一般式(V−a)中、Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−OCH2−、−OCH2−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CO−、−OCOO−、−NH−、−NHCOO−、−OCONH−、−OCOCH2−、−CH2OCO−、−COOCH2−、−CH2COO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−CH=CCH3−COO−、−COO−CCH3=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−C≡C−、−CF2O−又は−OCF2−を表す。
一般式(V−a)中、Y6は単結合、−O−、−COO−、又は−OCO−を表す。
一般式(V−a)中、R32は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。当該炭化水素基としては、炭素原子数1〜20であって、炭素原子と水素原子からなる1価の基であれば特に限定されるものではなく、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルケニル基、炭素原子数1〜20のアルキニル基等が挙げられる。
一般式(V−a)中、R32は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。当該炭化水素基としては、炭素原子数1〜20であって、炭素原子と水素原子からなる1価の基であれば特に限定されるものではなく、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルケニル基、炭素原子数1〜20のアルキニル基等が挙げられる。
一般式(PC1)で表される化合物のうち、多官能性の重合性化合物としては、下記一般式(PC1−1)で表される化合物(式中、P1、P2、Sp1、Sp2、Q1、Q2、MG、n1及びn2は、一般式(PC1)と同じ意味を表す。)が挙げられる。一般式(PC1−1)で表される化合物としては、より具体的には、下記一般式(PC1−1)〜(PC1−13)で表される化合物が挙げられる。
一般式(PC1−1)〜(PC1−13)中、P1、P2、Sp1、Sp2、Q1及びQ2は一般式(PC1)と同じ意味を表す。本発明においては、Sp1、Sp2、Q1、及びQ2は単結合が好ましい。また、P1及びP2は、それぞれ独立して前記の式(R−1)又は(R−2)が好ましい。
一般式(PC1−1)〜(PC1−13)中、W1はそれぞれ独立して、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、フェニル基、−COOW2、−OCOW2又は−OCOOW2を表す。−COOW2、−OCOW2、−OCOOW2中、W2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素原子数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。一分子中に複数のW1がある場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。本発明においては、W1はそれぞれ独立して、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、が好ましく、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチル基、又はメトキシ基がより好ましい。
一般式(PC1−1)〜(PC1−13)中、n3はそれぞれ独立して1、2又は3を表し、n4はそれぞれ独立して1、2又は3を表し、n6はそれぞれ独立して0、1、2、3又は4を表し、同一環上におけるn3+n6及びn4+n6は5以下である。本発明においては、n3+n4が2〜4が好ましく、2又は3がより好ましい。
本発明において用いられる重合性化合物としては、一般式(PC1−1)〜(PC1−13)で表される化合物の中でも、Sp1、Sp2、Q1、及びQ2が単結合であり、P1及びP2はそれぞれ独立して前記の式(R−1)又は(R−2)であり、W1はそれぞれ独立して、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチル基、又はメトキシ基であり、n3+n4が2又は3である化合物が特に好ましい。
一般式(PC1−3)で表される化合物としては、より具体的には、下記の式(PC1−3a)〜(PC1−3i)で表される化合物を挙げることができる。式(PC1−3a)〜(PC1−3i)中のベンゼン環上の1個又は2個以上の水素原子が、フッ素原子で置換された化合物であってもよい。本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子は、これらの化合物のうちの1種又は2種以上を重合性原料とし、必要に応じてその他の重合性化合物と共に重合させたものであることが好ましい。
一般式(PC1−1)〜(PC1−13)で表される化合物としては、下記一般式(V−b)で表される化合物も好ましい。本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の重合性原料として一般式(V−b)で表される化合物を用いることにより、機械的強度や耐熱性に優れた液晶・高分子複合材料が得られる。
一般式(V−b)中、m31は0又は1を表し、Y11及びY12はそれぞれ独立して単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y13及びY14はそれぞれ独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、又は−C2H4COO−を表し、r及びsはそれぞれ独立して2〜14の整数を表す。
一般式(V−b)中に存在する1,4−フェニレン基は、無置換であってもよく、1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又はフェニル基で置換されていてもよい。
一般式(V−b)中に存在する1,4−フェニレン基は、無置換であってもよく、1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又はフェニル基で置換されていてもよい。
一般式(V−b)で表される化合物としては、下記一般式(V−b1)〜(V−b20)で表される化合物が特に好ましい。一般式(V−b1)〜(V−b20)中、t及びuはそれぞれ独立して、2〜14の整数を表す。本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子は、これらの化合物のうちの1種又は2種以上を重合性原料とし、必要に応じてその他の重合性化合物と共に重合させたものであることが好ましい。
<非メソゲン性重合性化合物>
非メソゲン性重合性化合物としては、下記一般式(PC2)で表される化合物が好ましい。
非メソゲン性重合性化合物としては、下記一般式(PC2)で表される化合物が好ましい。
一般式(PC2)中、Pは重合性基を表す。Pとしては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましい。一般式(PC2)で表される化合物としては、Pは、式(R−1)、式(R−2)、式(R−4)、式(R−5)、式(R−7)、式(R−11)、式(R−13)、式(R−15)又は式(R−16)で表される基が好ましく、式(R−1)、式(R−2)、式(R−7)、式(R−11)、式(R−13)又は式(R−16)で表される基がより好ましく、式(R−1)、式(R−2)又は式(R−16)で表される基がさらに好ましい。
一般式(PC2)中、A31は単結合又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す。当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。
一般式(PC2)中、A32及びA34はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜17のアルキル基で置換されていてもよい。
一般式(PC2)中、A33及びA35はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよい。
一般式(PC2)中、vは1〜40の整数を表す。
一般式(PC2)中、vは1〜40の整数を表す。
一般式(PC2)中、B1、B2及びB3は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は−A36−P(式中、A36は単結合又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、Pは重合性基を表す。)で表される基を表す。B1、B2又はB3がアルキル基を表す場合、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。B1、B2又はB3が−A36−Pで表される基であり、当該A36が炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す場合、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。但し、一分子中、2v+1個あるB1、B2又はB3のうち、−A36−Pで表される基は0〜3個である。一分子中、Pが複数存在する場合には、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料となる重合性化合物としては、一般式(PC2)で表される化合物を1種類又は2種類以上を用いることが好ましく、一般式(PC2)で表される化合物のうち、主鎖長やアルキル側鎖長の異なるものを複数用いてもよい。
一般式(PC2)で表される化合物としては、具体的には、下記一般式(PC2−a)〜(PC2−h)で表される化合物が好ましく挙げられる。本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料となる重合性化合物としては、一般式(PC2−a)〜(PC2−h)で表される化合物からなる群から選ばれる1種類以上を用いることが好ましく、一般式(PC2−a)〜(PC2−d)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を少なくとも1種類以上用いることがより好ましい。
一般式(PC2−a)〜(PC2−h)中、Pは重合性基を表し、B4は水素原子又はメチル基を表す。Pとしては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましく、式(R−1)、式(R−2)又は式(R−16)で表される基がより好ましく、重合速度が速いことから式(R−1)で表される基がさらに好ましい。一般式(PC2−a)、(PC2−c)、(PC2−e)、(PC2−g)で表される化合物において、一分子中に含まれる2個のPは、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A37及びA42はそれぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す。当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてよい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A38及びA41はそれぞれ独立して、炭素原子数2〜20の直鎖状のアルキル基を表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A39及びA42はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A40は炭素原子数9〜16のアルキレン基を表す。当該アルキレン基中に存在する少なくとも1個以上5個以下のメチレン基において、当該メチレン基中の任意の1個の水素原子は、炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されている。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。
一般式(PC2−a)で表される化合物において、2個の重合性基間の距離(架橋点間の距離)は、A37とA40とA43とで独立的にそれぞれ炭素原子数の長さを変えて調整することができる。一般式(PC2−a)で表される化合物の特徴の1つは、重合性基間距離が長いことである。但し、当該距離があまりに長い場合には重合速度が極端に遅くなり、相分離に悪い影響を及すおそれがあるため、重合性基間距離には上限がある。一方、A38及びA41の2個の側鎖間距離も主鎖の運動性に影響を及ぼす。すなわち、A38及びA41の間の距離が短い場合には、側鎖A38及びA41がお互いに干渉するようになり、化合物全体の運動性の低下をきたす。そこで、重合性基間距離が同程度の場合には、A38及びA41の炭素原子数が長いものよりも、A40の炭素原子数が長いもののほうが好ましい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A40は、側鎖間距離(A38及びA41の距離、A39及びA42の距離)を調整する点からも、架橋点間距離を広げてガラス転移温度を下げる点からも、長い方が好ましい。しかしながらA40が長すぎる場合は、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)で表される化合物の分子量が大きくなりすぎ、液晶組成物との相溶性が低下する傾向にあること、及び重合速度が遅くなりすぎるために相分離に悪影響がでること等の理由から、自ずとA40の長さには上限が設定される。
よって、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)で表される化合物において、A40は、炭素原子数9〜16のアルキレン基(当該アルキレン基中に存在する少なくとも1個以上5個以下のメチレン基において、当該メチレン基中の任意の1個の水素原子は、炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されている。当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であることが好ましい。
よって、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)で表される化合物において、A40は、炭素原子数9〜16のアルキレン基(当該アルキレン基中に存在する少なくとも1個以上5個以下のメチレン基において、当該メチレン基中の任意の1個の水素原子は、炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されている。当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であることが好ましい。
A40は構造上の特徴として、アルキレン基中の水素原子が炭素原子数1〜10のアルキル基で置換された構造を有する。一のアルキレン基中のアルキル基で置換される水素原子の数は1個以上5個以下であるが、1個から3個が好ましく、2個又は3個がより好ましい。置換基であるアルキル基の炭素原子数は、1〜5個が好ましく、1〜3個がより好ましい。
一方、側鎖であるA38、A39、A41、A42においては、これらの側鎖の長さが次のような態様を有することが好ましい。なお、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)において、A38とA39は主鎖の同じ炭素原子に結合しているが、これらの長さが異なるとき、長いほうの側鎖をA38と呼ぶものとする(A38の長さとA39の長さが等しい場合は、いずれが一方をA38とする)。同様に、A41の長さとA42の長さが異なるとき、長いほうの側鎖をA41と呼ぶものとする(A41の長さとA42の長さが等しい場合は、いずれが一方をA41とする)。
側鎖は、主鎖に比べて運動性が高い。このため、側鎖の存在は、通常は低温での高分子鎖の運動性向上に寄与するが、側鎖間で空間的な干渉が起こる状況では、逆に運動性は低下する。このような側鎖間での空間的な干渉を防ぐために、側鎖長を必要な範囲内で短くすることが有効である。
そこで、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A38及びA41は、好ましくは、それぞれ独立して炭素原子数2〜18の直鎖状のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、より好ましくは、それぞれ独立して炭素原子数3〜15の直鎖状のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)である。
そこで、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A38及びA41は、好ましくは、それぞれ独立して炭素原子数2〜18の直鎖状のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、より好ましくは、それぞれ独立して炭素原子数3〜15の直鎖状のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)である。
また、A39及びA42についても、その長さが長すぎることは、側鎖間の空間的な干渉を誘起するため好ましくない。一方で、長さの短い側鎖は、高い運動性を有していることに加えて、隣接する主鎖同士の接近を阻害し、高分子主鎖間の干渉を防ぎ、主鎖の運動性を高める作用を有すると考えられる。このため、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)で表される化合物においては、A39及びA42の長さを短くすることにより、アンカリングエネルギーが低温で増加して行くことを抑制することができ、得られた液晶・高分子複合材料を用いた液晶光学素子の低温域における特性を改善する上で有効である。
そこで、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A39及びA42は、好ましくは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜7のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、より好ましくは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、さらに好ましくは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)である。
一般式(PC2−c)又は(PC2−d)中、aは6〜22の整数を表す。一般式(PC2−d)で表される化合物のうち、B4が水素原子である化合物としては、例えば、ドデシルアクリレート等のアルキルアクリレートが挙げられる。
一般式(PC2−e)又は(PC2−f)中、b及びcはそれぞれ独立して1〜10の整数を表し、dは1〜10の整数を表し、eは0〜6の整数を表す。側鎖間の空間的な干渉を抑制する点から、dとeの少なくとも一方は、1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。
一般式(PC2−g)又は(PC2−h)中、f、g、h及びiはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。側鎖間の空間的な干渉を抑制する点から、hとiの少なくとも一方は、1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。
一般式(PC2−a)〜(PC2−h)で表される化合物をはじめとする一般式(PC2)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。
例えば、一般式(PC2−a)において、A39及びA42が水素原子である化合物は、エポキシ基を複数有する化合物と、エポキシ基と反応し得る活性水素を有するアクリル酸やメタクリル酸等の重合性化合物とを反応させ、水酸基を有する重合性化合物を合成し、次に、飽和脂肪酸と反応させることにより得ることができる。
また、複数のエポキシ基を有する化合物と飽和脂肪酸とを反応させ、水酸基を有する化合物を合成し、次に水酸基と反応し得る基を有するアクリル酸塩化物等の重合性化合物とを反応させることによっても得ることができる。
例えば、一般式(PC2−a)において、A39及びA42が水素原子である化合物は、エポキシ基を複数有する化合物と、エポキシ基と反応し得る活性水素を有するアクリル酸やメタクリル酸等の重合性化合物とを反応させ、水酸基を有する重合性化合物を合成し、次に、飽和脂肪酸と反応させることにより得ることができる。
また、複数のエポキシ基を有する化合物と飽和脂肪酸とを反応させ、水酸基を有する化合物を合成し、次に水酸基と反応し得る基を有するアクリル酸塩化物等の重合性化合物とを反応させることによっても得ることができる。
また、一般式(PC2−a)のA39及びA42がアルキル基であり、A37及びA43がメチレン基である化合物は、例えば、オキセタン基を複数有する化合物と、オキセタン基と反応し得る脂肪酸塩化物や脂肪酸とを反応させ、さらに、アクリル酸などの活性水素を有する重合性化合物とを反応させる方法や、オキセタン基を一つ有する化合物と、オキセタン基と反応し得る多価の脂肪酸塩化物や脂肪酸とを反応させ、さらに、アクリル酸などの活性水素を有する重合性化合物とを反応させる方法等により得ることができる。
また、一般式(PC2−a)のA37及びA43が炭素原子数3のアルキレン基(プロピレン基;−CH2CH2CH2−)である化合物は、例えば、オキセタン基の代わりにフラン基を複数有する化合物を用いることにより、前記と同様にして得ることができる。さらに、一般式(PC2−a)のA37及びA43が炭素原子数4であるアルキレン基(ブチレン基;−CH2CH2CH2CH2−)である化合物は、例えば、オキセタン基の代わりにピラン基を複数有する化合物を用いることにより得ることができる。
<キラリティーを有する重合性化合物>
本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料となる重合性化合物としては、アキラルな化合物又は実質的にラセミ体であることが好ましいが、キラルな重合性化合物を用いてもよい。キラルな重合性化合物としては、例えば、下記の一般式(VI−a)又は(VI−b)で表される重合性化合物を用いることができる。
本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料となる重合性化合物としては、アキラルな化合物又は実質的にラセミ体であることが好ましいが、キラルな重合性化合物を用いてもよい。キラルな重合性化合物としては、例えば、下記の一般式(VI−a)又は(VI−b)で表される重合性化合物を用いることができる。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Pは重合性基を表す。Pとしては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましく、式(R−1)、式(R−2)又は式(R−16)で表される基がより好ましく、式(R−1)又は式(R−2)で表される基がさらに好ましく、重合速度が速いことから式(R−1)で表される基がより好ましい。
一般式(VI−a)中、n21は0又は1の整数を表す。また、一般式(VI−b)中、n22は、0、1又は2の整数を表す。n22が2であり、一分子中にT24及びY25が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(VI−a)中、n21は0又は1の整数を表す。また、一般式(VI−b)中、n22は、0、1又は2の整数を表す。n22が2であり、一分子中にT24及びY25が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、T21、T22、T23、T24は、それぞれ独立して、6員環構造を有する2価の基(6員環式2価基)を表す。当該6員環式2価基としては、下記の12種類の6員環式2価基が挙げられる。なお、下記一般式において、mは1〜4の整数を示す。一般式(VI−a)又は(VI−b)で表される化合物としては、T21、T22、T23、T24は、それぞれ独立して、前記12種類の6員環式2価基のいずれかであることが好ましく、1,4−フェニレン基、又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基がより好ましい。
一般式(VI−b)中、T25は、6員環構造を有する3価の基(6員環式3価基)を表す。当該6員環式3価基としては、ベンゼン−1,2,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,5−トリイル基、シクロヘキサン−1,2,4−トリイル基、シクロヘキサン−1,3,4−トリイル基又はシクロヘキサン−1,3,5−トリイル基等が挙げられる。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Y22、Y23、及びY25は、それぞれ独立して、単結合、又は炭素原子数が1〜10である直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキレン基を表す。当該アルキレン基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個のメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−O−又は−O−CO−により置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子に置換されていてもよい。さらに、当該アルキレン基は、不斉炭素原子を含んでいてもよく、含まなくてもよい。当該アルキレン基としては、例えば、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH2)4−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CHCH2CH2−、又は−CH2CH2CH=CH−が挙げられる。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Y21及びY24は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−OCO−、又は−COO−を表す。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Z21は、不斉炭素原子を有し、かつ分枝鎖構造を含む炭素原子数3〜20のアルキレン基を表す。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Z22は、炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。当該アルキレン基は、不斉炭素原子を含んでいてもよく、含まなくてもよい。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Z21は、不斉炭素原子を有し、かつ分枝鎖構造を含む炭素原子数3〜20のアルキレン基を表す。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Z22は、炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。当該アルキレン基は、不斉炭素原子を含んでいてもよく、含まなくてもよい。
本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料としては、少なくとも1種類の重合性化合物を用いればよいが、重合反応後に得られる重合物(高分子)の物性が所望の範囲となるように、複数種類の重合性化合物を適宜組み合わせて用いることが好ましい。複数種類の重合性化合物を用いる場合、少なくとも1種類の単官能性重合性化合物と少なくとも1種類の多官能性重合性化合物とを用いることが好ましい。多官能性重合性化合物を原料とすることにより、重合反応によって、架橋構造を有する高分子を含む液晶・高分子複合材料が得られる。
また、本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子のガラス転移温度は、−100℃〜25℃であることが好ましい。そこで、重合反応後の高分子のガラス転移温度が当該範囲内となるように、原料として用いる重合性化合物の種類や組成を適宜調整することが好ましい。
また、本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子のガラス転移温度は、−100℃〜25℃であることが好ましい。そこで、重合反応後の高分子のガラス転移温度が当該範囲内となるように、原料として用いる重合性化合物の種類や組成を適宜調整することが好ましい。
さらに、本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料としては、少なくとも1種類のメソゲン性重合性化合物と、少なくとも1種類の非メソゲン性重合性化合物とを用いることが好ましい。高分子の原料として、メソゲン性重合性化合物と非メソゲン性重合性化合物の両者を用いることにより、重合反応によって得られる液晶・高分子複合材料が光学的等方性相を発現する温度範囲をより広くすることができる。
ブルー相IIIの発現温度範囲を広げることを目的とする場合には、本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料には、少なくとも1種類の多官能のメソゲン性重合性化合物と、少なくとも1種類の単官能若しくは多官能の非メソゲン性重合性化合物とを含むことが好ましく、前記式(PC1−3a)〜(PC1−3i)で表される化合物及び前記一般式(V−b1)〜(V−b20)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物と、前記一般式(PC2−a)〜(PC2−h)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含むことがより好ましく、前記式(PC1−3a)〜(PC1−3i)で表される化合物及び前記一般式(V−b1)〜(V−b20)で表される化合物からなる群より選択される1種類以上の化合物と、前記一般式(PC2−a)〜(PC2−d)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物とを含むことがさらに好ましい。
[液晶・高分子複合材料の製造方法]
本発明の液晶・高分子複合材料は、例えば、ネマチック液晶組成物と、全てのキラル化合物と、高分子の原料とする全ての重合性化合物とを混合した重合性化合物含有液晶組成物を調製した後、当該重合性化合物含有液晶組成物中の重合性基を有する化合物を重合させることによって製造することができる。
本発明の液晶・高分子複合材料は、例えば、ネマチック液晶組成物と、全てのキラル化合物と、高分子の原料とする全ての重合性化合物とを混合した重合性化合物含有液晶組成物を調製した後、当該重合性化合物含有液晶組成物中の重合性基を有する化合物を重合させることによって製造することができる。
ネマチック液晶組成物とキラル化合物と重合性化合物を混合する順番は特に限定されるものではなく、全原料を実質的に同時に混合してもよく、予めネマチック液晶組成物とキラル化合物とが混合されている液晶組成物に、高分子の原料とする全ての重合性化合物を混合してもよい。当該重合性化合物含有液晶組成物中の全重合性化合物の総量は、用いる重合性化合物の種類、ネマチック液晶組成物の種類、キラル化合物の種類等を考慮して適宜決定することができるが、0.1〜40質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜25質量%がさらに好ましい。また、当該重合性化合物含有液晶組成物中のネマチック液晶組成物とキラル化合物との混合物の含有量は、60〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%がより好ましく、60〜80質量%がさらに好ましい。
当該重合性化合物含有液晶組成物は、必要に応じて、重合開始剤を含んでいてもよい。例えば、当該重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物をラジカル重合によって重合させる場合には、ラジカル重合開始剤として、熱重合開始剤、光重合開始剤を添加しておくことができる。具体的には以下の化合物が好ましく用いられる;
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;
ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等。
当該重合性化合物含有液晶組成物に含有させるラジカル重合開始剤としては、これらの化合物の中でも、ベンジルジメチルケタールが好ましい。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;
ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等。
当該重合性化合物含有液晶組成物に含有させるラジカル重合開始剤としては、これらの化合物の中でも、ベンジルジメチルケタールが好ましい。
当該重合性化合物含有液晶組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、液晶組成物に汎用されている各種添加剤を含んでいてもよい。例えば、その保存安定性を向上させるために、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤を添加することもできる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン類、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液晶組成物に対して0.005〜1質量%の範囲が好ましく、0.02〜0.5質量%がさらに好ましく、0.03〜0.1質量%が特に好ましい。
重合反応前の当該重合性化合物含有液晶組成物としては、光学的等方性相を発現し得ることが好ましく、ブルー相を発現し得ることがより好ましく、ブルー相IIIを発現し得ることがさらに好ましい。重合反応により形成された高分子によって、光学的等方性相が安定化する。つまり、重合反応により得られた液晶・高分子複合材料は、重合反応前の液晶組成物が光学的等方性相を発現する温度範囲よりもより広い温度幅で、光学的等方性相を発現できる。
当該重合性化合物含有液晶組成物の重合反応は、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する方法や熱重合法等の公知の方法の中から、用いた重合性化合物の種類に応じて適宜選択される。本発明においては、加熱を必要とせず、室温で反応が進行することから活性エネルギー線を照射する方法が好ましく、中でも、操作が簡便なことから、紫外線等の光を照射する方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いてもよく、非偏光光源を用いてもよい。
重合反応は、重合性化合物含有液晶組成物が光学的等方性相、特にブルー相を保持した状態で行うことが好ましい。例えば、重合性化合物含有液晶組成物がブルー相IIIを発現する場合、重合反応を、当該重合性化合物含有液晶組成物がブルー相IIIを示す温度範囲内で開始し、ブルー相IIIを保持した状態で継続し、重合反応により製造された液晶・高分子複合材料がブルー相IIIを示す温度範囲内で終了することにより、ブルー相IIIを示す温度範囲が、重合反応前の重合性化合物含有液晶組成物よりも広い液晶・高分子複合材料が得られる。
ブルー相IIIを示す温度範囲がより広い液晶・高分子複合材料を製造するためには、原料として、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が、ネマチック液晶組成物中の液晶性化合物全体の50質量%以上であるネマチック液晶組成物と、螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物を用いることが好ましく、ネマチック液晶組成物全体に対して、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が50質量%以上であり、かつ分子内に存在するシクロヘキサン骨格の数がベンゼン骨格の数以上である液晶性化合物の含有量が1〜50質量%であるネマチック液晶組成物と、螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物を用いることがより好ましい。特に、少なくとも−20℃〜60℃の温度範囲でブルー相IIIを発現する液晶・高分子複合材料を製造するためには、一般式(II)で表される化合物を10〜50質量%含有し、一般式(III)で表される化合物を50〜90質量%含有するネマチック液晶組成物であり、かつ、当該組成物中の液晶性化合物全体に対して、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が50質量%以上であり、分子内に存在するシクロヘキサン骨格の数がベンゼン骨格の数以上である液晶性化合物の含有量が1〜50質量%であるネマチック液晶組成物と、螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物を用いることが好ましい。
また、原料として、2種類以上のキラル化合物を用いることにより、1種類のキラル化合物を用いた場合よりも、他の相と共存していないブルー相IIIの発現温度範囲を広げることができる。中でも、螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物と螺旋誘起力の温度依存性が正であるキラル化合物とを組み合わせて用いることにより、ブルー相I、ブルー相II、又は液体相のいずれとも共存していない状態のブルー相IIIを従来になく非常に広い温度幅(例えば、2℃以上の温度幅)で発現できる液晶・高分子複合材料を得ることができる。
ブルー相、特にブルー相IIIを発現する重合性化合物含有液晶組成物を重合して得られた本発明の液晶・高分子複合材料は、ブルー相の持つ高速応答性を失うことなく、その発現温度範囲が従来になく拡張されているため、光学的等方性相で駆動される液晶光学素子の原料として好適である。
(カラーフィルタ)
本発明におけるカラーフィルタは、ブラックマトリックス及び少なくともRGB三色画素部から構成されるが、RGB三色画素部は、色材として、R画素部中に小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が5〜50nmのジケトピロロピロール系赤色顔料を含有する。
本発明におけるカラーフィルタは、ブラックマトリックス及び少なくともRGB三色画素部から構成されるが、RGB三色画素部は、色材として、R画素部中に小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が5〜50nmのジケトピロロピロール系赤色顔料を含有する。
(R画素部)
R画素部中には、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が5〜50nm、更に好ましくは10〜30nmのジケトピロロピロール系赤色顔料を含有する。ジケトピロロピロール顔料としては、具体的にはC.I.Pigment Red 254、同255、同264、同272、Orange 71及び同73から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、Red 254、同255、同264及び同272から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、C.I.Pigment Red 254が特に好ましい。
R画素部中には、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が5〜50nm、更に好ましくは10〜30nmのジケトピロロピロール系赤色顔料を含有する。ジケトピロロピロール顔料としては、具体的にはC.I.Pigment Red 254、同255、同264、同272、Orange 71及び同73から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、Red 254、同255、同264及び同272から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、C.I.Pigment Red 254が特に好ましい。
また、分散助剤として顔料誘導体を含有することが好ましい。顔料誘導体としては、キナクリドン系顔料誘導体、ジケトピロロピロール系顔料誘導体、アントラキノン系顔料誘導体、チアジン系顔料誘導体の少なくとも1種を含有することが好ましい。誘導体部としては、フタルイミドメチル基、スルホン酸基、同N−(ジアルキルアミノ)メチル基、同N−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド基、がある。これら誘導体は、異なる種類のものを二種以上併用することも出来る。
顔料誘導体の使用量は、ジケトピロロピロール系赤色顔料100部に対して、4部以上17以下が好ましく、6部以上13部以下がより好ましい。
顔料誘導体の使用量は、ジケトピロロピロール系赤色顔料100部に対して、4部以上17以下が好ましく、6部以上13部以下がより好ましい。
(G画素部)
G画素部中には、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料、フタロシアニン系緑色染料、フタロシアニン系青色染料とアゾ系黄色有機染料との混合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するのが好ましい。ハロゲン化金属フタロシニアン顔料としては、Al、Si、Sc、Ti、V、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn及びPbからなる群から選ばれる金属を中心金属として有するハロゲン化金属フタロシアニン顔料であり、その中心金属が三価の場合には、その中心金属には1つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているか、又はオキソ又はチオ架橋しており、その中心金属が四価金属の場合には、その中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているハロゲン化金属フタロシアニン顔料が好ましい。該ハロゲン化金属フタロシアニン顔料としては、次の2つの群のハロゲン化金属フタロシアニン顔料が挙げられる。
G画素部中には、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料、フタロシアニン系緑色染料、フタロシアニン系青色染料とアゾ系黄色有機染料との混合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するのが好ましい。ハロゲン化金属フタロシニアン顔料としては、Al、Si、Sc、Ti、V、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn及びPbからなる群から選ばれる金属を中心金属として有するハロゲン化金属フタロシアニン顔料であり、その中心金属が三価の場合には、その中心金属には1つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているか、又はオキソ又はチオ架橋しており、その中心金属が四価金属の場合には、その中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているハロゲン化金属フタロシアニン顔料が好ましい。該ハロゲン化金属フタロシアニン顔料としては、次の2つの群のハロゲン化金属フタロシアニン顔料が挙げられる。
(第一群)
Al、Si、Sc、Ti、V、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn及びPbからなる群から選ばれる金属を中心金属として有し、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料であり、その中心金属が三価の場合には、その中心金属には1つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基(−SO3H)のいずれかが結合しており、中心金属が四価金属の場合には、その中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
Al、Si、Sc、Ti、V、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn及びPbからなる群から選ばれる金属を中心金属として有し、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料であり、その中心金属が三価の場合には、その中心金属には1つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基(−SO3H)のいずれかが結合しており、中心金属が四価金属の場合には、その中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
(第二群)
Al、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を中心金属とし、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニンの2分子を構成単位とし、これら構成単位の各中心金属が酸素原子、硫黄原子、スルフィニル(−SO−)及びスルホニル(−SO2−)からなる群から選ばれる二価原子団を介して結合したハロゲン化金属フタロシアニン二量体からなる顔料。
Al、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を中心金属とし、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニンの2分子を構成単位とし、これら構成単位の各中心金属が酸素原子、硫黄原子、スルフィニル(−SO−)及びスルホニル(−SO2−)からなる群から選ばれる二価原子団を介して結合したハロゲン化金属フタロシアニン二量体からなる顔料。
該ハロゲン化金属フタロシアニン顔料において、ベンゼン環に結合するハロゲン原子は、全て同一であっても、それぞれ異なっていてもよい。また、ひとつのベンゼン環に異なるハロゲン原子が結合していてもよい。
ここで、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子のうち9〜15個の臭素原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、黄味を帯びた明るい緑色を呈し、カラーフィルタの緑色画素部への使用に最適である。該ハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、水や有機溶媒に不溶または難溶である。該ハロゲン化金属フタロシアニン顔料には、後述する仕上げ処理が行われていない顔料(粗顔料とも呼ばれる)も、仕上げ処理が行われた顔料も、いずれも包含される。
ここで、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子のうち9〜15個の臭素原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、黄味を帯びた明るい緑色を呈し、カラーフィルタの緑色画素部への使用に最適である。該ハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、水や有機溶媒に不溶または難溶である。該ハロゲン化金属フタロシアニン顔料には、後述する仕上げ処理が行われていない顔料(粗顔料とも呼ばれる)も、仕上げ処理が行われた顔料も、いずれも包含される。
前記第一群および第二群に属するハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、下記一般式(PIG−1)で表すことが出来る。
第一群に属するハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、前記一般式(PIG−1)において、次の通りである。
一般式(PIG−1)において、X1i〜X16iは、水素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。ひとつのベンゼン環に結合した4個のXの原子は同一でも異なっていても良い。4個のベンゼン環に結合したX1i〜X16iのうち、8〜16個は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。Mは中心金属を表す。後述するY及びそれの個数mが同一であるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の範囲において、16個のX1i〜X16iのうち塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の合計が8未満の顔料は青色であり、同様に16個のX1i〜X16iのうち塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の合計が8以上の顔料で前記合計値が大きいほど黄味が強くなる。中心金属Mに結合するYはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素のいずれかのハロゲン原子、酸素原子、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる一価原子団であり、mは中心金属Mに結合するYの数を表し、0〜2の整数である。
一般式(PIG−1)において、X1i〜X16iは、水素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。ひとつのベンゼン環に結合した4個のXの原子は同一でも異なっていても良い。4個のベンゼン環に結合したX1i〜X16iのうち、8〜16個は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。Mは中心金属を表す。後述するY及びそれの個数mが同一であるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の範囲において、16個のX1i〜X16iのうち塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の合計が8未満の顔料は青色であり、同様に16個のX1i〜X16iのうち塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の合計が8以上の顔料で前記合計値が大きいほど黄味が強くなる。中心金属Mに結合するYはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素のいずれかのハロゲン原子、酸素原子、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる一価原子団であり、mは中心金属Mに結合するYの数を表し、0〜2の整数である。
中心金属Mの原子価により、mの値が決定される。中心金属Mが、Al、Sc、Ga、Y、Inの様に原子価が3価の場合、m=1であり、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる基の一つが中心金属に結合する。中心金属Mが、Si、Ti、V、Ge、Zr、Snの様に原子価が4価の場合は、m=2であり、酸素の一つが中心金属に結合するか、またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる基の二つが中心金属に結合する。中心金属Mが、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、Zr、Sn、Pbの様に原子価が2価の場合は、Yは存在しない。
また、第二群に属するハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、前記一般式(PIG−1)において次の通りである。
前記一般式(PIG−1)において、X1i〜X16iについては、前記定義と同義であり、中心金属MはAl、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を表し、mは1を表す。Yは次の原子団を表す。
前記一般式(PIG−1)において、X1i〜X16iについては、前記定義と同義であり、中心金属MはAl、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を表し、mは1を表す。Yは次の原子団を表す。
なお、原子団Yの化学構造中、中心金属Mは前記した定義と同義であり、X17i〜X32iについては、一般式(PIG−1)において前記したX1i〜X16iの定義と同義である。Aは、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル(−SO−)及びスルホニル(−SO2−)からなる群から選ばれる二価原子団を表す。一般式(PIG−1)中のMと原子団YのMとは、二価原子団Aを介して結合していることを表す。
即ち、第二群に属するハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、ハロゲン化金属フタロシアニンの2分子を構成単位とし、これらが前記二価原子団を介して結合したハロゲン化金属フタロシアニン二量体である。
即ち、第二群に属するハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、ハロゲン化金属フタロシアニンの2分子を構成単位とし、これらが前記二価原子団を介して結合したハロゲン化金属フタロシアニン二量体である。
一般式(PIG−1)で表わされるハロゲン化金属フタロシアニン顔料としては、具体的には、次の(1)〜(4)が挙げられる。
(1) ハロゲン化銅フタロシアニン顔料、ハロゲン化錫フタロシアニン顔料、ハロゲン化ニッケルフタロシアニン顔料、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の様な、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、Zr、Sn及びPbからなる群から選ばれる二価金属を中心金属として有し、かつフタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料。なお、この中で、塩素化臭素化亜鉛フタロシアニン顔料は、C.I.Pigment Green 58であり、特に好ましい。
(2) ハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニンの様な、Al、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を中心金属として有し、中心金属には1つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかを有し、かつフタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
(3) ハロゲン化オキシチタニウムフタロシアニン、ハロゲン化オキシバナジウムフタロシアニンの様な、Si、Ti、V、Ge、Zr及びSnからなる群から選ばれる四価金属を中心金属として有し、中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかを有し、かつフタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
(4) ハロゲン化されたμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体、ハロゲン化されたμ−チオ−アルミニウムフタロシアニン二量体の様な、Al、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を中心金属とし、フタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニンの2分子を構成単位とし、これら構成単位の各中心金属が酸素原子、硫黄原子、スルフィニル及びスルホニルからなる群から選ばれる二価原子団を介して結合したハロゲン化金属フタロシアニン二量体からなる顔料。
(1) ハロゲン化銅フタロシアニン顔料、ハロゲン化錫フタロシアニン顔料、ハロゲン化ニッケルフタロシアニン顔料、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の様な、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、Zr、Sn及びPbからなる群から選ばれる二価金属を中心金属として有し、かつフタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料。なお、この中で、塩素化臭素化亜鉛フタロシアニン顔料は、C.I.Pigment Green 58であり、特に好ましい。
(2) ハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニンの様な、Al、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を中心金属として有し、中心金属には1つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかを有し、かつフタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
(3) ハロゲン化オキシチタニウムフタロシアニン、ハロゲン化オキシバナジウムフタロシアニンの様な、Si、Ti、V、Ge、Zr及びSnからなる群から選ばれる四価金属を中心金属として有し、中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかを有し、かつフタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
(4) ハロゲン化されたμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体、ハロゲン化されたμ−チオ−アルミニウムフタロシアニン二量体の様な、Al、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を中心金属とし、フタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニンの2分子を構成単位とし、これら構成単位の各中心金属が酸素原子、硫黄原子、スルフィニル及びスルホニルからなる群から選ばれる二価原子団を介して結合したハロゲン化金属フタロシアニン二量体からなる顔料。
ハロゲン化金属フタロシアニン顔料としては、具体的には、C.I.Pigment Green 7、同36及び同58から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、Green 36及び同58から選ばれる1種又は2種がより好ましい。フタロシアニン系緑色染料としては、具体的には、C.I.Solvent Green 4、同5、同7及び同28から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。フタロシアニン系青色染料としては、具体的には、C.I.Solvent Blue 4、同5、同25、同35、同36、同38、同58、同59、同67及び同70から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、Blue 25、同38、同67及び同70から選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。アゾ系黄色有機染料としては、具体的には、C.I.Solvent Yellow 2、同4、同14、同16、同18、同21、同56、同72、同124、同162及び同163から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、Yellow 82及び同162から選ばれる1種又は2種がより好ましい。
(B画素部)
B画素部中にε型銅フタロシニアン顔料、トリアリールメタン顔料、カチオン性青色有機染料からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。カチオン性青色有機染料としては、C.I.Solvent Blue 7を含有するのが好ましい。ε型銅フタロシニアン顔料としては、C.I.Pigment Blue 15:6が好ましい。
トリアリールメタン顔料としては、下記一般式(1)
B画素部中にε型銅フタロシニアン顔料、トリアリールメタン顔料、カチオン性青色有機染料からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。カチオン性青色有機染料としては、C.I.Solvent Blue 7を含有するのが好ましい。ε型銅フタロシニアン顔料としては、C.I.Pigment Blue 15:6が好ましい。
トリアリールメタン顔料としては、下記一般式(1)
(式中、R11j〜R16jは各々独立して水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表す。R11j〜R16jが置換基を有していてもよいアルキル基を表す場合、隣接するR11jとR12j、R13jとR14j、R15jとR16jが結合して環構造を形成してもよい。X11j及びX12jは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基を示す。Z−は(P2MoyW18−yO62)6−/6で表され、y=0、1、2または3の整数であるヘテロポリオキソメタレートアニオンか、(SiMoW11O40)4−/4であるヘテロポリオキソメタレートアニオンか、欠損ドーソン型リンタングステン酸ヘテロポリオキソメタレートアニオンから選ばれる少なくとも一種のアニオンである。1分子中に複数の式(1)が含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。)で表されるトリアリールメタン顔料が好ましい。
一般式(1)において、R11j〜R16jは同一でも異なるものであってもよい。従って、−NRR(RRは、R11jR12j、R13jR14j、及びR15jR16jのいずれかの組み合わせを表す。)基は対称であっても非対称であってもよい。
隣接するR(RはR11j〜R16jのいずれかを表す。)が結合して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよい。この環の具体例として、例えば以下のものが挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよい。
隣接するR(RはR11j〜R16jのいずれかを表す。)が結合して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよい。この環の具体例として、例えば以下のものが挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよい。
又、R11j〜R16jは、化学的安定性の点から、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましい。
中でも、R11j〜R16jは、各々独立して水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基のいずれかであることがより好ましい。
中でも、R11j〜R16jは、各々独立して水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基のいずれかであることがより好ましい。
R11j〜R16jは、アルキル基又はアリール基を示す場合、該アルキル基又はアリール基は更に任意の置換基を有していてもよい。そのアルキル基又はアリール基が更に有していてもよい任意の置換基としては、例えば、下記[置換基群Y]が挙げられる。
[置換基群Y]
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など炭素原子数1〜8のアルコキシ基;アミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アセチルアミノ基など置換基を有していてもよいアミノ基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;等が挙げられる。
[置換基群Y]
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など炭素原子数1〜8のアルコキシ基;アミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アセチルアミノ基など置換基を有していてもよいアミノ基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;等が挙げられる。
R11j〜R16jとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基が更に好ましく、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2‐エチルヘキシル基など無置換のアルキル基;2‐メトキシエチル基、2‐エトキシエチル基等のアルコキシアルキル基;2‐アセチルオキシエチル基等のアシルオキシ基;2‐シアノエチル基等のシアノアルキル基;2,2,2‐トリフルオロエチル基、4,4,4‐トリフルオロブチル基等のフルオロアルキル基、などが挙げられる。
X11j及びX12jは、上記アルキル基である場合、更に任意の置換基を有していてもよい。これらの置換基として、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、などが挙げられる。X11j及びX12jとして、具体的には、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等のハロアルキル基;メトキシメチル基等のアルコキシアルキル基、などが挙げられる。
X11j及びX12jとしては、水素原子、メチル基、塩素原子又はトリフルオロメチル基などねじれに影響を与えない程度の適度な立体障害を有する置換基であることが好ましい。X11j及びX12jは、色調および耐熱性の点から水素原子、メチル基又は塩素原子であることが最も好ましい。
Z−は、(P2MoyW18−yO62)6−/6で表され、y=0、1、2または3の整数であるヘテロポリオキソメタレートアニオンか、(SiMoW11O40)4−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートアニオンか、欠損ドーソン型リンタングステン酸ヘテロポリオキソメタレートアニオンから選ばれる少なくとも一種のアニオンのトリアリールメタン化合物である。欠損ドーソン型リンタングステン酸として具体的には、耐久性の観点から1欠損ドーソン型リンタングステン酸ヘテロポリオキソメタレートアニオン(P2W17O61)10−/10が好ましい。
Z−は、(P2MoyW18−yO62)6−/6で表され、y=0、1、2または3の整数であるヘテロポリオキソメタレートアニオンか、(SiMoW11O40)4−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートアニオンか、欠損ドーソン型リンタングステン酸ヘテロポリオキソメタレートアニオンから選ばれる少なくとも一種のアニオンのトリアリールメタン化合物である。欠損ドーソン型リンタングステン酸として具体的には、耐久性の観点から1欠損ドーソン型リンタングステン酸ヘテロポリオキソメタレートアニオン(P2W17O61)10−/10が好ましい。
前記一般式(1)で表されるトリアリールメタン顔料の具体例としては、例えば、以下の表1〜7に記載した化合物があげられるが、本発明はその主旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。
前記RGB三色画素部は、色材として、R画素部中に小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が5〜50nmのC.I.Pigment Red 254を、G画素部中に、C.I.Solvent Blue 67とC.I.Solvent Yellow 82及び/または同162との混合物を、B画素部中に前記一般式(1)で表されるトリアリールメタン顔料を含有するのが好ましい。
また、前記RGB三色画素部は、色材として、R画素部中に、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が5〜50nmのC.I.Pigment Red 254を、G画素部中に、C.I.Pigment Green 7、同36及び同58から選ばれる1種又は2種以上を、B画素部中に前記一般式(1)で表されるトリアリールメタン顔料を含有するのも好ましい。
前記RGB三色画素部は、色材として、R画素部中に更に、C.I.Pigment Red 177、同242、同166、同167、同179、C.I.Pigment Orange 38、同71、C.I.Pigment Yellow 150、同215、同185、同138、同139、C.I.Solvent Red 89、C.I.Solvent Orange 56、C.I.Solvent Yellow 21、同82、同83:1、同33及び同162からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機染顔料を含有するのが好ましい。
前記RGB三色画素部は、色材として、G画素部中に更に、C.I.Pigment Yellow 150、同215、同185、同138、C.I.Solvent Yellow 21、同82、同83:1及び同33からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機染顔料を含有するのが好ましい。
前記RGB三色画素部は、色材として、B画素部中に更に、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Violet 23、C.I.Basic Blue 7、C.I.Basic Violet 10、C.I.Acid Blue 1、同90、同83、C.I.Direct Blue 86、C.I.Pigment Blue 15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4及び同15:6からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機染顔料を含有するのが好ましい。
前記RGB三色画素部は、色材として、G画素部中に更に、C.I.Pigment Yellow 150、同215、同185、同138、C.I.Solvent Yellow 21、同82、同83:1及び同33からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機染顔料を含有するのが好ましい。
前記RGB三色画素部は、色材として、B画素部中に更に、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Violet 23、C.I.Basic Blue 7、C.I.Basic Violet 10、C.I.Acid Blue 1、同90、同83、C.I.Direct Blue 86、C.I.Pigment Blue 15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4及び同15:6からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機染顔料を含有するのが好ましい。
また、カラーフィルタが、ブラックマトリックスとRGB三色画素部とY画素部とから構成され、色材として、Y画素部に、C.I.Pigment Yellow 150、同215、同185、同138、同139、C.I.Solvent Yellow 21、82、同83:1、同33及び同162からなる群から選ばれる少なくとも1種の黄色有機染顔料を含有するのも好ましい。
本発明におけるカラーフィルタにおける各画素部のC光源下のXYZ表色系での色度x及び色度yは、液晶層の電圧保持率(VHR)の低下、イオン密度(ID)の増加を防止し、白抜け、配向むら、焼き付けなどの表示不良の問題発生を抑制する観点から、以下のようなものが好ましい。
R画素部のC光源下のXYZ表色系での色度xは0.58〜0.69であるのが好ましく、0.62〜0.68であるのがより好ましく、色度yは0.31〜0.36であるのが好ましく、0.32〜0.35であるのがより好ましく、色度xは0.58〜0.69であり、且つ色度yは0.31〜0.36であるのがより好ましく、色度xは0.62〜0.68であり、且つ色度yは0.32〜0.35であるのがより好ましい。
G画素部のC光源下のXYZ表色系での色度xは0.19〜0.35であるのが好ましく、0.20〜0.26であるのがより好ましく、色度yは0.54〜0.76であるのが好ましく、0.64〜0.73であるのがより好ましく、色度xは0.19〜0.35であり、且つ色度yは0.54〜0.76であるのがより好ましく、色度xは0.20〜0.26であり、且つ色度yは0.64〜0.73であるのがより好ましい。
B画素部のC光源下のXYZ表色系での色度xは0.12〜0.19であるのが好ましく、0.12〜0.17であるのがより好ましく、色度yは0.04〜0.14であるのが好ましく、0.05〜0.12であるのがより好ましく、色度xは0.11〜0.19であり、且つ色度yは0.04〜0.14であるのがより好ましく、色度xは0.12〜0.17であり、且つ色度yは0.05〜0.12であるのがより好ましい。
Y画素部のC光源下のXYZ表色系での色度xは0.46〜0.50であるのが好ましく、0.47〜0.48であるのがより好ましく、色度yは0.48〜0.53であるのが好ましく、0.50〜0.52であるのがより好ましく、色度xは0.46〜0.50であり、且つ色度yは0.48〜0.53であるのがより好ましく、色度xは0.47〜0.48であり、且つ色度yは0.50〜0.52であるのがより好ましい。
ここで、XYZ表色系とは、1931年にCIE(国際照明委員会)において標準表色系として承認された表色系をいう。
ここで、XYZ表色系とは、1931年にCIE(国際照明委員会)において標準表色系として承認された表色系をいう。
前記の各画素部における色度は、用いる染顔料の種類やそれらの混合比率を変えることで調整することができる。例えば、R画素の場合は赤色染顔料に黄色染顔料及び/又は橙色顔料を、G画素の場合は緑色染顔料に黄色染顔料を、B画素の場合は青色染顔料に紫色染顔料を適当量添加することによって調整することが可能である。また、顔料の粒径を適宜調整することによっても調整できる。
カラーフィルタは、従来公知の方法でカラーフィルタ画素部を形成することができる。画素部の形成方法の代表的な方法としては、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
R画素、G画素、B画素、必要に応じてY画素等の他の色の画素ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置にR画素、G画素、B画素、Y画素の着色画素部を有するカラーフィルタを製造することができる。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用できる。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用できる。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、90〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
本発明のカラーフィルタ用色材は、本発明の液晶組成物と用いることで、液晶層の電圧保持率(VHR)の低下、イオン密度(ID)の増加を防止し、白抜け、配向むら、焼き付けなどの表示不良の問題を解決する液晶表示装置を提供することが可能となる。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明のカラーフィルタ用染料及び/又は顔料組成物と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として使用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルタの画素部を形成するための顔料分散液を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明のカラーフィルタ用染料及び/又は顔料組成物と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として使用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルタの画素部を形成するための顔料分散液を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで用いられる有機溶媒としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸プロピルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。
ここで用いられる分散剤としては、例えば、ビックケミー社のディスパービック130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、ディスパービック171、ディスパービック174、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック185、ディスパービック2000、ディスパービック2001、ディスパービック2020、ディスパービック2050、ディスパービック2070、ディスパービック2096、ディスパービック2150、ディスパービックLPN21116、ディスパービックLPN6919エフカ社のエフカ46、エフカ47、エフカ452、エフカLP4008、エフカ4009、エフカLP4010、エフカLP4050、LP4055、エフカ400、エフカ401、エフカ402、エフカ403、エフカ450、エフカ451、エフカ453、エフカ4540、エフカ4550、エフカLP4560、エフカ120、エフカ150、エフカ1501、エフカ1502、エフカ1503、ルーブリゾール社のソルスパース3000、ソルスパース9000、ソルスパース13240、ソルスパース13650、ソルスパース13940、ソルスパース17000、18000、ソルスパース20000、ソルスパース21000、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース32000、ソルスパース36000、ソルスパース37000、ソルスパース38000、ソルスパース41000、ソルスパース42000、ソルスパース43000、ソルスパース46000、ソルスパース54000、ソルスパース71000、味の素株式会社のアジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB814、アジスパーPN411、アジスパーPA111等の分散剤や、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン等の天然ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、酸化ロジン、マレイン化ロジン等の変性ロジン、ロジンアミン、ライムロジン、ロジンアルキレンオキシド付加物、ロジンアルキド付加物、ロジン変性フェノール等のロジン誘導体等の、室温で液状かつ水不溶性の合成樹脂を含有させることが出来る。これら分散剤や、樹脂の添加は、フロッキュレーションの低減、顔料の分散安定性の向上、分散体の粘度特性を向上にも寄与する。
また、分散助剤として、有機顔料誘導体の、例えば、フタルイミドメチル誘導体、同スルホン酸誘導体、同N−(ジアルキルアミノ)メチル誘導体、同N−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体等も含有することも出来る。もちろん、これら誘導体は、異なる種類のものを二種以上併用することも出来る。
また、分散助剤として、有機顔料誘導体の、例えば、フタルイミドメチル誘導体、同スルホン酸誘導体、同N−(ジアルキルアミノ)メチル誘導体、同N−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体等も含有することも出来る。もちろん、これら誘導体は、異なる種類のものを二種以上併用することも出来る。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。市販の光重合開始剤としては、たとえば、BASF社製「イルガキュア(商標名)−184」、「イルガキュア(商標名)−369」、「ダロキュア(商標名)−1173」、BASF社製「ルシリン−TPO」、日本化薬社製「カヤキュアー(商標名)DETX」、「カヤキュアー(商標名)OA」、ストーファー社製「バイキュアー10」、「バイキュアー55」、アクゾー社製「トリゴナールPI」、サンド社製「サンドレー1000」、アップジョン社製「デープ」、黒金化成社製「ビイミダゾール」などがある。
また上記光重合開始剤に公知慣用の光増感剤を併用することもできる。光増感剤としては、たとえば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原子を有する化合物、塩素原子を有する化合物またはニトリル類もしくはその他の窒素原子を有する化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また上記光重合開始剤に公知慣用の光増感剤を併用することもできる。光増感剤としては、たとえば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原子を有する化合物、塩素原子を有する化合物またはニトリル類もしくはその他の窒素原子を有する化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
光重合開始剤の配合率は、特に限定されるものではないが、質量基準で、光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物に対して0.1〜30%の範囲が好ましい。0.1%未満では、光硬化時の感光度が低下する傾向にあり、30%を超えると、顔料分散レジストの塗膜を乾燥させたときに、光重合開始剤の結晶が析出して塗膜物性の劣化を引き起こすことがある。
前記した様な各材料を使用して、質量基準で、本発明のカラーフィルタ用染料及び/又は顔料組成物100部当たり、300〜1000部の有機溶剤と、1〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記染顔料液を得ることができる。次いでこの顔料分散液に、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることができる。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することができる。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルタ画素部の形成に効果的である。
フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ画素部の製造方法について詳記したが、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物を使用して調製されたカラーフィタ画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(PhotovoltaicElectrodeposition)法、インクジェット法、反転印刷法、熱硬化法等の方法で各色画素部を形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ画素部の製造方法について詳記したが、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物を使用して調製されたカラーフィタ画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(PhotovoltaicElectrodeposition)法、インクジェット法、反転印刷法、熱硬化法等の方法で各色画素部を形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
(配向膜)
本発明の液晶表示装置において、第一の基板と、第二の基板上の液晶組成物と接する面には液晶組成物を配向させるための配向膜を設けることができる。配向膜を必要とする液晶表示装置においてはカラーフィルタと液晶層間に配向膜を配置するものであるが、配向膜の膜厚が厚いものでも100nm以下と薄く、カラーフィルタを構成する顔料等の色素と液晶層を構成する液晶化合物との相互作用を完全に遮断するものでは無い。
又、配向膜を用いない液晶表示装置においては、カラーフィルタを構成する顔料等の色素と液晶層を構成する液晶化合物との相互作用はより大きくなる。
本発明の液晶表示装置において、第一の基板と、第二の基板上の液晶組成物と接する面には液晶組成物を配向させるための配向膜を設けることができる。配向膜を必要とする液晶表示装置においてはカラーフィルタと液晶層間に配向膜を配置するものであるが、配向膜の膜厚が厚いものでも100nm以下と薄く、カラーフィルタを構成する顔料等の色素と液晶層を構成する液晶化合物との相互作用を完全に遮断するものでは無い。
又、配向膜を用いない液晶表示装置においては、カラーフィルタを構成する顔料等の色素と液晶層を構成する液晶化合物との相互作用はより大きくなる。
配向膜材料としては、ポリイミド、ポリアミド、BCB(ペンゾシクロブテンポリマー)、ポリビニルアルコールなどの透明性有機材料を用いることができ、特に、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフエニルメタンなどの脂肪族または脂環族ジアミン等のジアミン及びブタンテトラカルボン酸無水物や2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物から合成されるポリアミック酸をイミド化した、ポリイミド配向膜が好ましい。この場合の配向付与方法は、ラビングを用いることが一般的であるが、垂直配向膜等に使用する場合は配向を付与しないで使用することもできる。
配向膜材料としては、カルコン、シンナメート、シンナモイル又はアゾ基等を化合物中に含む、材料を使用することができ、ポリイミド、ポリアミド等の材料と組み合わせて使用してもよく、この場合配向膜はラビングを用いてもよく光配向技術を用いてもよい。
配向膜は、基板上に前記配向膜材料をスピンコート法などの方法により塗布して樹脂膜を形成することが一般的であるが、一軸延伸法、ラングミュア・ブロジェット法等を用いることもできる。
配向膜は、基板上に前記配向膜材料をスピンコート法などの方法により塗布して樹脂膜を形成することが一般的であるが、一軸延伸法、ラングミュア・ブロジェット法等を用いることもできる。
(透明電極)
本発明の液晶表示装置において、透明電極の材料としては、導電性の金属酸化物を用いることができ、金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(In2O3―SnO2)、酸化インジウム亜鉛(In2O3―ZnO)、酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)、ニオブ添加二酸化チタン(Ti1-xNbxO2)、フッ素ドープ酸化スズ、グラフェン又は金属ナノワイヤー等が使用できるが、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(In2O3―SnO2)、酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)、又は酸化インジウム亜鉛(In2O3―ZnO)が好ましい。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法やマスクを用いる方法などを使用することができる。
液晶表示装置はフレキシブル表示素子でもよく、その場合の電極基板は、プラスチック基板や薄膜ガラス基板等のフレキシブル基板を使用することが好ましい。電極としては、グラフェン(炭素の単原子層からなるシート)や有機半導体など、フレキシブルな電極材料を用いることが好ましい。
本発明の液晶表示装置において、透明電極の材料としては、導電性の金属酸化物を用いることができ、金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(In2O3―SnO2)、酸化インジウム亜鉛(In2O3―ZnO)、酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)、ニオブ添加二酸化チタン(Ti1-xNbxO2)、フッ素ドープ酸化スズ、グラフェン又は金属ナノワイヤー等が使用できるが、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(In2O3―SnO2)、酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)、又は酸化インジウム亜鉛(In2O3―ZnO)が好ましい。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法やマスクを用いる方法などを使用することができる。
液晶表示装置はフレキシブル表示素子でもよく、その場合の電極基板は、プラスチック基板や薄膜ガラス基板等のフレキシブル基板を使用することが好ましい。電極としては、グラフェン(炭素の単原子層からなるシート)や有機半導体など、フレキシブルな電極材料を用いることが好ましい。
有機TFTの構造は、トップコンタクト、ボトムコンタクトが好ましく、より好ましくはボトムゲート・ボトムコンタクト型が好ましく、中核となる有機半導体は、金属(Cu,Pb,Ni)フタロシアニン誘導体、金属ポルフィリン誘導体、ペンタセン誘導体、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、アントラジチオフェン誘導体、ヘキサベンゾコロネン誘導体、ルブレン誘導体などの多環芳香族化合物や、テトラシアノジキメタンなどの低分子化合物、ポリアセチレンやポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリフルオレン、ポリピロールなどのポリマー、ポリチオフェン誘導体、ペリレンテトラカルボキシルジイミド誘導体(PTCDI)、ペリレンテトラカルボン酸二無水物誘導体(PTCDA)、フッ素置換フタロシアニン誘導体、カーボンナノチューブ、ポリアニリン誘導体、グラフェン、ナフタレンテトラカルボニル化合物、ペリレンテトラカルボニル化合物、クアテリレンテトラカルボニル化合物、フラーレン化合物、ヘテロ5員環化合物(オリゴチオフェン、TTF類縁体)などが好ましく、より好ましくはペンタセンが好ましい。またこれらの有機半導体にはドーピングすることが可能であり、ヨウ素をドーピングしたポリピロールや、ヨウ素をドープしたポリアセチレンなどが好ましい。有機半導体化合物の特性を向上させるためには、分子の配向性を高めることが好ましく、上記の化合物に液晶性を付与した有機半導体化合物を用いることが好ましい。これらの液晶性有機半導体化合物は、低分子系、高分子系、超分子系でもよく、電子やホールを輸送するためにはカラムナー構造やレイヤー構造をもつことが好ましい。
グラフェン材料の製造は、トップダウンでもボトムアップでもよく、トップダウンでは、スコッチテープ法、Modified Hummers法、超臨界法でもよく、ボトムアップでは、熱CVD法、SiC上グラフェン成長法でもよく、グラフェンを利用したトランジスタの作製は、剥離・転写法、CVD・転写法、SiC表面熱分解法が好ましく、低温で製造する場合には、650℃と低い温度で絶縁基板上にグラフェンをCVD形成し、グラフェントランジスタを基板全面に直接形成する技術が好ましい(富士通研究所)。単層であり,かつキャリアのモビリティの高い大面積のグラフェンシートを得るためには、薄いCuフィルム上にCVDによるグラフェン膜を作り、それを他の基板に転写する方法が好ましく、具体的には、直径8インチ以上の円筒形の石英チューブ内にCuフィルムを貼付け、その上でCVDを行い取り出し,ポリマーフィルムと密着させた後に剥がす(ロール・ツー・ロール方式)という手法が好ましい(X. Li et al.,Science,324, 1312−1314(2010))。
ゲート電極には金、ソースとドレイン電極には白金/金を、ゲート絶縁膜とパッシベーション膜にはポリマー材料が好ましく、パッシベーション膜を除いた全ての層を形成した後にペンタセン膜を蒸着によって形成することがより好ましい。有機TFTの性能向上にはペンタセンと有機ゲート絶縁膜および電極との界面を制御することが重要であり、有機絶縁膜中にシランカップリング剤を添加して撥水性とすることによって移動度を高めたり、ソース・ドレイン電極とペンタセンの間の接触抵抗を下げるために積層構造の電極とするなどの工夫を加えることが好ましい。有機TFTをトップエミッション構造の有機ELと高精細に集積化することが表示素子として好ましい。
さらに、有機半導体を用いた表示素子の作製方法は、印刷方式(プリンタブルエレクトロニクス)が好ましく、印刷方式によって作製されたグラフェンのトランジスタを用いることが好ましい。フレキシブル表示素子に用いる印刷配線には、ナノ銀粒子、ナノ銅粒子などの金属ナノ粒子材料を用いることも好ましい。また、アモルファスシリコンを超える有機半導体を得る印刷方式としては、有機半導体を溶かしたインクと、有機半導体の結晶化を促すインクの2種類を交互に滴下する「ダブルショット」印刷法も好ましく、この場合の半導体インクには、C8−BTBT(ジオクチルベンゾチエノベンゾチオフェン)が好ましい(Nature 475,364−367,21 July 2011)。
液晶表示装置は、偏光方式、視差バリア方式、インテグラルイメージング方式等のスペース分割、分光方式やアナグリフ等の波長分割、FPSモード等により、3D表示を行うことも可能である。
(表示方式)
表示方式としては、基板に対して略水平方向に電界を加えて屈折率楕円体を生じさせる複屈折モードとして利用することが可能で、IPS(In−Plaine Switching)モードとFFS(Fringe Field Switching)モードなどが代表的である。IPSモードとしては、S−IPS(Super IPS)、AS−IPS(Advanced Super IPS)、IPS−Pro(IPS−Provectus)など、櫛型電極の構造を屈曲させることによって、基板に対して略水平方向に印加する横電界の向きを制御することは、駆動電圧の低下、高画質化、高輝度化、超高輝度化などの観点から好ましい。櫛形電極は、金属電極を用いることが可能であるが、電極部分の光の利用効率を上げるためには、ITO、酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)、グラフェンなどの透明電極を用いることが好ましい。また、FFSモードとしては、AFFS(Advanced Fringe Field Switching)を用いることで、画素内のブラックマトリックスがなくなることで透過率を高め、広い視野角、高コントラスト比、低消費電力の点で好ましい。また、基板に対して垂直電界を印加し、プリズムで光路を斜めにすることにより表示を可能とするVFSモード(Vertical−Field−Switching)にも利用可能である。
表示方式としては、基板に対して略水平方向に電界を加えて屈折率楕円体を生じさせる複屈折モードとして利用することが可能で、IPS(In−Plaine Switching)モードとFFS(Fringe Field Switching)モードなどが代表的である。IPSモードとしては、S−IPS(Super IPS)、AS−IPS(Advanced Super IPS)、IPS−Pro(IPS−Provectus)など、櫛型電極の構造を屈曲させることによって、基板に対して略水平方向に印加する横電界の向きを制御することは、駆動電圧の低下、高画質化、高輝度化、超高輝度化などの観点から好ましい。櫛形電極は、金属電極を用いることが可能であるが、電極部分の光の利用効率を上げるためには、ITO、酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)、グラフェンなどの透明電極を用いることが好ましい。また、FFSモードとしては、AFFS(Advanced Fringe Field Switching)を用いることで、画素内のブラックマトリックスがなくなることで透過率を高め、広い視野角、高コントラスト比、低消費電力の点で好ましい。また、基板に対して垂直電界を印加し、プリズムで光路を斜めにすることにより表示を可能とするVFSモード(Vertical−Field−Switching)にも利用可能である。
表示素子内で電界強度の分布を少なくすることは、駆動電圧の低下、応答速度の向上、高コントラスト化、高画質化の観点から好ましい。電界強度の分布を少なくする方法として、一対の基板の両方に、一対の画素電極と共通電極を有する構成とすることもできる。具体的には次のような方法がある。一対の基板の両方にIPS、S−IPS、AS−IPS、IPS−Pro、FFS、AFFS、VFS電極を設けることが好ましく、電極は平滑であるよりもセル内部に突起した電極である方が、セル内部での電界強度分布が低下しにくい素子となり好ましい。基板上に樹脂で作った突起表面に電極を形成し、横電界を強めることで駆動電圧が低くできるProtruded Electrodeと呼ばれる電極を使った表示モードにも利用することが可能である。突起した電極構造としては、球状、半球状、立方状、直方状、三角状、台形状、円柱状、円錐状、3〜20角柱状、3〜20角錐状、非対称な形状でもよく、表面は平滑でも凹凸があってもよく、それぞれの電極の角は曲線からなる角部でも直線からなる角部でもよく、電界の集中を避けるためには電極の角は曲線が好ましく、突起の高さは、セルギャップの1/10000以上が好ましく、具体的には、1/10000、1/1000、1/100、1/10、1/9、1/8、1/7、1/6、1/5、1/4、1/2、3/4以上でもよく、あるいは突起部分が対向基板と接してもよく、突起した電極は基板に直接設置あるいは樹脂、絶縁物、誘電体、半導体あるいはこれらの複合体などの土台の上に設置されてもよく、画素電極は土台の上部、中部、下部の何れにあってもよい。さらに具体的な突起した電極構造としては、第1基板と、第1基板の板厚方向に突起した形状を有し、互いに離間して上記第1基板の一方面側に設けられる一対の電極と、一方面側が上記第1基板の一方面側と対向するように配置される第2基板を有する構造(特開2007−171938)、第1の基板と強誘電性液晶層との間に設けられる画素電極層(第1の電極層)及び共通電極層(第2の電極層)を重ならないように配置し、画素電極層は第1の基板の強誘電性液晶層側の面から液晶層に突出して設けられたリブ状の第1の構造体の上面側面を覆って形成され、共通電極層は第1の基板の強誘電性液晶層側の面から強誘電性液晶層に突出して設けられたリブ状の第2の構造体の上面側面を覆って形成する構造(特開2011−133876)、強誘電性液晶層を対向する開口パターン(スリット)を有する第1の共通電極層及び第2の共通電極層と、開口パターンを有する画素電極層とで挟持し、画素電極層は第1の基板の強誘電性液晶層側の面から強誘電性液晶層に突出して設けられた構造体の上部に形成され、強誘電性液晶層中において画素電極層は第1の共通電極層と第2の共通電極層との間に配置する構造(特開2011−133874)、少なくとも一対の電極は、最大電界領域が、上記基板界面から離間した位置に形成されるように設けられていることを特徴とする構造(特開2005−227760)、第1の電極層(画素電極層)上に第1の構造体、同様に第2の電極層(共通電極層)上に第2の構造体を設ける構成とする。第1の構造体及び第2の構造体は、液晶層に用いられる液晶材料の誘電率より高い誘電率を有する絶縁体であり、液晶層に突出するように設ける構造(特開2011−8241)、などが使用できる。また、基板に窪みを設けることで、結果として画素電極が突起することと同義となる構造も利用できる。例えば、Double−penetrating Fringe Field(Journal of Display Thecnology, 287−289, Vol. 6, 2010)などを利用できる。上記の他に駆動電圧を低下する方法としては、電極間にある液晶を小さな樹脂空間に封じ込めた形状となるConfined geometry(Lee,S.−D.、2009、IDW ’09−Proceeding of the 16th International Display Workshots 1、pp.111−112)を利用する方法や、periodic corrugated electrodes(Appl. Phys. Lett. 96, 011102 (2010))を利用できる。
液晶表示装置の部品削減(コスト削減)や外部回路との接続箇所が減少することによる耐振動性や耐衝撃性を向上させるためには、SOG(System on Glass)が好ましい。ガラス基板に載せる回路としては、ICやLSIとして供給されているDACやパワーアンプ、論理回路、マイクロプロセッサ、メモリを載せたもの、液晶制御回路や電源回路、入出力インターフェイス回路、信号処理回路、パワーアンプなどを、1つのガラス基板上に載せることでシステム化した周辺回路をガラス基板上に形成したものなどが好ましい。
液晶表示装置の光源は、特に限定されるものではないが、低消費電力であることからLEDが好ましい。LEDは液晶表示装置の長辺よりも短辺に設置することが好ましく、LEDの設置は2辺よりは1辺が好ましく、さらに液晶表示装置の角のみに設置することがより好ましい。さらに消費電力を抑制するため、点滅制御(暗い領域の光量を下げたり消灯したりする技術)や、マルチフィールド駆動技術(駆動周波数を、動画を表示する場合と静止画を表示する場合とで区別する技術)、屋内と屋外あるいは夜間と昼間で光量のモード切り替えを行う技術、液晶表示装置のメモリー性を利用して駆動を一時停止する技術等を用いることが好ましい。また、反射型表示素子では、機器に光源を備えなくとも外部の照明(日光や室内光など)を利用できるため、好ましい。光源の光のロスを防ぐためには、導光板やプリズムシートを用いることが好ましい。導光板やプリズムシートは同盟樹脂を用いることが好ましく、透明樹脂としては、例えばメタクリル樹脂(PMMA等)、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体樹脂)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂)、ポリスチレン樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂)、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、環状ポリオレフィンなどが挙げられる。
コントラストの向上に関しては、点滅制御(暗い領域の光量を下げたり消灯したりする技術)や、開口率が50%以上である素子、高配向性の配向膜やアンチグレア膜を用いたり、フィールドシーケンシャル方式(カラーフィルタを用いずにRGB3色のLEDを、人間の目の時間的分解能以下の短時間で順次点灯させ、色を認識させるカラー化方式)を用いることが好ましい。開口率を高くするためには能動素子を小さくすることが好ましく、600cm2/Vs以上の移動度の高い半導体を用いることで能動素子を小さくすることが好ましい。
高速応答性のためには、オーバードライブ機能(階調を表現する際の電圧を、立ち上がり時に高く、立ち下がり時は低くする)を用いることが好ましい。
高速応答性のためには、オーバードライブ機能(階調を表現する際の電圧を、立ち上がり時に高く、立ち下がり時は低くする)を用いることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、タブレットPC用途に用いるタッチパネル表示素子にも用いることが可能で、その場合には耐衝撃性、耐振動性、撥水・撥油性、防汚性、耐指紋性を有することが好ましく、ATM(自動預金支払機)、自動販売機、自動券売機、トイレ用モニター、コピー機、公衆電話など不特定多数の人が利用する用途や医療・介護・乳幼児用途ではインフルエンザウイルス、ノロウイルス、RSウイルスなどのウイルスに対する耐ウイルス性、サルモネラ菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌などに対する抗菌性を有することが好ましく、より好ましくは表示素子の殺菌などの洗浄で目的に対する耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性を有することが好ましく、倉庫、運輸・流通、製造、整備工場、工事現場、海洋調査、消防や警察、救命(レスキュー)、防災などの用途では防塵性、防水性、耐塩性、防爆性、耐放射線の性能を有することが好ましく、より好ましくは欧州防爆規格(ATEX Zone2 Category3)、防水防塵規格(IP65)、米軍用規格(MIL−STD−810F)を満たすことが好ましい。
耐衝撃性は、コンクリート上での3フィート落下をクリアする表示素子に用いることが好ましく、表示素子のケースには耐衝撃性マグネシウム合金またはマルチレイヤマグネシウム合金を用いることが好ましく、耐衝撃性・耐振動性の確保のため、ストレージにはSSDを用いることが好ましい。直射日光の屋外でも視認性を高めるためには、Dual−Mode AllVue(TM)Xtremeテクノロジーを用いることが好ましい。
汚れによる表示品質の低下を抑制するため、撥水・撥油性、防汚性、耐指紋性、消指紋性などを有するフィルムを使用することが好ましく、フィルムの基材材料としては透明基材フィルムが好ましく、透明基材フィルムを形成する樹脂材料として具体的には、ポリ(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)・ジアセチルセルロース・セロファン等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)・ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、6−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン・ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン・ポリ塩化ビニル・ポリイミド・ポリビニルアルコール・ポリカーボネート・エチレンビニルアルコール等の有機高分子、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体樹脂)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン等の共重合系樹脂等が挙げられる。それらの中でも、汎用性などの観点からトリアセテートセルロース(TAC)系樹脂及びポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂が好ましい。
耐擦傷性を高めるため、フィルムにハードコート性あるいは自己修復性塗膜を付与することが好ましい。ハードコート層形成用組成物に含まれる樹脂としては、公知の樹脂を用いることができるが、表面硬度を向上させることを考慮すると、電離放射線硬化型樹脂を含むことが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレート等が挙げられる。また、これらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も使用することができる。上記のうち、表面硬度を向上させることを考慮すると、多官能(メタ)アクリルモノマーを用いることが好ましい。ここで、多官能(メタ)アクリルモノマーとしては、1分子中に2個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、2個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物が好ましい。その他には、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものや、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートおよびポリエーテルアクリレートなどが挙げられる。また、メラミンやイソシアヌル酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いることができる。また、本発明の多官能(メタ)アクリルモノマーは、オリゴマーであっても構わない。市販されている多官能アクリル系モノマーとしては、三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、ナガセケムテックス株式会社;(商品名“デナコール”シリーズなど)、新中村化学工業株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、DIC株式会社;(商品名“UNIDIC”シリーズなど)、東亜合成株式会社;(商品名“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。
また、他の電離放射線硬化性樹脂としては、重合性基を有する含フッ素化合物が挙げられる。ハードコート層形成用組成物が重合性基を有する含フッ素化合物を含むことにより、そのハードコート層形成用組成物により形成されたハードコート層表面に防汚特性を付与することができる。重合性基を有しないフッ素系添加剤を用いる場合、添加剤がハードコート層表面に浮いて存在する状態となるため、布等で拭くことでハードコート表面から取り去られてしまうこととなる。このことから、一度布等で表面を拭取ってしまうと、防汚性が無くなるという欠点を有している。そこで、防汚特性を有するフッ素化合物に重合性基を持たせることで、ハードコート層形成時にフッ素系添加剤も合せて重合することとなり、布等で表面を拭いても防汚特性が維持されるという利点を有している重合性基を有する含フッ素化合物として、さらに好ましくは、この重合性基が(メタ)アクリレート基を有する化合物である。これは、多官能(メタ)アクリレートモノマーと共重合することも可能となり、電離放射線によるラジカル重合によって高硬度化が図れるためである。重合性基を有する含フッ素化合物として、さらに好ましくは、この重合性基が(メタ)アクリレート基を有する化合物である。これは、多官能(メタ)アクリレートモノマーと共重合することも可能となり、電離放射線によるラジカル重合によって高硬度化が図れるためである。このような重合性基を有する含フッ素化合物としては、オプツールDAC(ダイキン工業(株)製)、SUA1900L10、SUA1900L6(新中村化学(株)製)、UT3971(日本合成(株)製)、ディフェンサTF3001、ディフェンサTF3000、ディフェンサTF3028(大日本インキ(株)製)、ライトプロコートAFC3000(共栄社化学(株)製)、KNS5300(信越シリコーン(株)製)、UVHC1105、UVHC8550(GE東芝シリコーン(株)製)などが挙げられる。重合性基を有する含フッ素化合物の使用量は、ハードコート層形成用組成物の多官能(メタ)アクリルモノマーに対して、0.01重量%以上10重量%以下が適当である。0.01重量%よりも少ない場合は、十分な防汚特性を発現せず、表面エネルギーも20mN/mよりも大きい値を示し、10重量%を超える場合は、重合性モノマー、溶剤との相溶性が良くないために、塗液の白濁化、沈殿発生が起こってしまい、塗液・ハードコート層の欠陥発生などの不都合を招く場合がある。
ハードコート層形成用組成物は、上記電離放射線硬化型樹脂の重合反応を開始するための光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。光ラジカル重合開始剤は、電離放射線を照射することで、ラジカルを発生し、電離放射線硬化型樹脂の重合反応を開始する。光ラジカル重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。光ラジカル重合開始剤の使用量は、ハードコート層形成用組成物の上記電離放射線硬化型樹脂に対して、0.01重量%以上10重量%以下が適当である。0.01重量%よりも少ない場合は電離放射線を照射した際に十分な硬化反応が進行せず、10重量%を超える場合はハードコート層下部まで十分に電離放射線が届かなくなってしまう。
ハードコート層形成用組成物は、必要に応じて、上述した各成分の他にも、電離放射線による反応を損なわない範囲内で、ハードコート層の特性を改良するための改質剤や、ハードコートフィルムの製造時の熱重合や、ハードコート層形成用組成物の貯蔵時の暗反応を防止するための熱重合防止剤を含有してもよい。改質剤としては、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、無機系粒子、有機系粒子、有機系潤滑剤、有機高分子化合物、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料、安定剤などが挙げられる。これら改質剤の含有量は、ハードコート層形成用組成物の固形分100重量%中、0.01重量%以上5重量%以下が好ましい。熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,5−t−ブチルハイドロキノンなどが挙げられる。熱重合防止剤の含有量は、ハードコート層形成用組成物の固形分100重量%中、0.005重量%以上0.05重量%以下が好ましい。
また、ハードコート層形成用組成物は、ハードコート層に防眩性の機能を付与するために、各種粒子を含んでもよい。粒子としては、例えば、アクリル粒子、アクリルスチレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリカーボネート粒子、メラミン粒子といった有機粒子や、シリカ粒子タルク、各種アルミノケイ酸塩、カオリンクレー、MgAlハイドロタルサイト、などの無機粒子から適宜選択される。上記粒子の平均粒子経としては、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、このときのハードコート層の平均膜厚は、2μm以上20μm以下であることが好ましい。粒子の平均粒子径が0.5μmに満たない場合、ハードコート層の表面に凹凸を形成することが困難となる。一方、粒子の平均粒子径が10μmを超えるような場合、得られるハードコートフィルムの質感が粗くなってしまい、高精細なディスプレイ表面に適さないハードコートフィルムとなってしまうことがある。また、ハードコート層の平均膜厚が2μmに満たない場合、ディスプレイ表面に設けられるだけの十分な耐擦傷性を得ることができなくなってしまうことがある。一方、ハードコート層の平均膜厚が20μmを超えるような場合、製造されるハードコートフィルムのカールの度合いが大きくなってしまい、取り扱いが困難となることがある。
耐擦傷性の点では、自己修復機能をもつフィルムなどを付与することも好ましく、傷をつけてもフィルムの弾性によって自己修復することが好ましく、例えば「マジックフィルム」(サンクレスト)などが付与できる。
抗ウイルス、抗菌性に対しては、光触媒やAg粒子を用いる手法が好ましく、光触媒は酸化チタンなどの無機粒子が好ましく、Ag粒子はナノ粒子であることがさらに好ましく、抗ウイルス性にはe+(アースプラス)などのセラミックス複合材料で光分解能力をもつものが好ましく、これらの抗ウイルス、抗菌性を示すコーティングまたはフィルムは透明でない場合には表示部以外に付与することが好ましく、透明である場合には表示素子全体に付与することが好ましい。
防指紋性に対しては、脂質をはじく性質をもった化合物をフィルム添加することが好ましく、パーフルオロポリエーテルアクリレート化合物などのフッ素置換あるいはパーフルオロ基をもつ化合物をフィルムに添加することが好ましい。あるいは「クリアタッチ」(日油化学)、消指紋(登録商標)Film(ツジデン)などの機能性フィルムを表示素子に付与することもできる。
抗ウイルス、抗菌性に対しては、光触媒やAg粒子を用いる手法が好ましく、光触媒は酸化チタンなどの無機粒子が好ましく、Ag粒子はナノ粒子であることがさらに好ましく、抗ウイルス性にはe+(アースプラス)などのセラミックス複合材料で光分解能力をもつものが好ましく、これらの抗ウイルス、抗菌性を示すコーティングまたはフィルムは透明でない場合には表示部以外に付与することが好ましく、透明である場合には表示素子全体に付与することが好ましい。
防指紋性に対しては、脂質をはじく性質をもった化合物をフィルム添加することが好ましく、パーフルオロポリエーテルアクリレート化合物などのフッ素置換あるいはパーフルオロ基をもつ化合物をフィルムに添加することが好ましい。あるいは「クリアタッチ」(日油化学)、消指紋(登録商標)Film(ツジデン)などの機能性フィルムを表示素子に付与することもできる。
本発明の表示素子が具備する機能としては、3軸ジャイロ、加速度センサー、環境光センサー、Wi−Fi、3Gなどの携帯電話通信、デジタルコンパス、GPS機能を有することが好ましい。
本発明の表示素子を用いたタブレットPCに用いるUPUとしては、低消費電力で発熱が少なく演算回数が多い方が好ましく、シングルコア、デュアルコアが好ましく、より好ましくは、クアッドコア、8−コア、16−コア、32−コア、64−コア、128−コア、256−コアが好ましい。
本発明の表示素子を用いたタブレットPCに用いるUPUとしては、低消費電力で発熱が少なく演算回数が多い方が好ましく、シングルコア、デュアルコアが好ましく、より好ましくは、クアッドコア、8−コア、16−コア、32−コア、64−コア、128−コア、256−コアが好ましい。
また、本発明の表示素子は、エアコン、テレビ、洗濯機のパネル・計器、炊飯器のパネル・計器、コンポのパネル・計器、携帯型音楽プレーヤーのパネル・計器などの家電製品のパネル・計器、太陽電池のパネル・計器、燃料電池のパネル・計器、水力発電、風力発電などのパネル・計器、反応装置・攪拌装置・分散装置・乾燥装置・加熱装置・加圧装置・圧縮装置・破砕装置・遠心装置・延伸装置・フィルム作製装置・ディスプレイ作製装置・真空装置・ロケット・船舶・航空機・旋盤・UV照射装置・貼り合わせ装置・吸引装置・注入装置・振動装置などに使われるパネル・計器、バイク・原動機付自動車・自動車・ハイブリッド自動車・電機自動車のパネル・計器、介護用ロボットのパネル・計器、介護用ボディースーツのパネル・計器、地震、火災、水害、土砂崩れ、噴火、火砕流、土石流、ゲリラ豪雨、原子炉事故、原子炉事象などの災害時に使われるロボットまたは機械のパネル・計器、あるいは物理、化学、天文学、医学、病理学、生物学、生物化学、免疫学、気象学など各種の分析機器・観測機器・測定機器のパネル・計器などの表示に使用されることが好ましく、また、これら表示素子には通信機能を有することが好ましく、通信はWi−Fi、3G、第四世代通信、第五世代通信、第六世代通信などの無線LAN、高速通信網、電話回線、インターネット、ブルートゥース、赤外線によって行うことが好ましく、スマートグリッド、スマートシティ、スマートタウンなど、火力・原子力発電などの「集中型発電」と需要地の近くに分散配置して発電を行う「分散型発電」を最新のIT技術を駆使し効率的に管理する次世代送電システムなどをコントロールする機能をもつことが好ましく、火力発電、水力発電、原子力発電、風力発電、地熱発電、太陽電池発電、地熱発電、燃料電池発電、海流発電、波浪発電、圧電発電、再生可能エネルギーなどによって発電された電気と、この電気を使用して稼働する自動車、電車、工場、住宅、病院、学校、役所、照明、空調、機械、装置、家電製品などをいつでもどこでもコントロールするための情報末端として利用できることが好ましい。また、タブレットPC、電子書籍、電子教科書、電子カルテ、電子ノートなどに利用することも好ましく、これらの用途では指やペン入力など押圧力が加わるタッチパネル方式であることが最も好ましい。また、3Dディスプレイに使用されることが好ましい。
本発明の表示素子は、デスクトップパソコンや、大中小型制御装置、自動販売装置など、据え置きタイプの表示素子に用いることができるが、この他にも、デジタルサイネージ(電子看板)、Point of purchase advertising(POP)、電子時刻表、電子掲示板、電子値札、電子黒板、計器表示などに利用することができ、表示面が片面、両面、sea−throughディスプレイでもよく、特に好ましくは指やペン入力など押圧力が加わるタッチパネル方式であることが最も好ましい。いつでもどこでも手軽に利用するためには、ノートパソコン、タブレットPCや携帯電話のような形態が好ましく、特に好ましくは、指やペン入力など押圧力が加わるタッチパネル方式である表示素子が最も好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明の最良の形態の一部を詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
液晶組成物の物性として、以下のように表す。
dgap:セルの第一基板と第二基板のギャップ(μm)
VHR :電圧保持率(%)
(セル厚5μmのセルに液晶組成物を注入し、5V印加、フレームタイム200ms、パルス幅1msの条件で測定した時の測定電圧と初期印加電圧との比を%で表した値。)
液晶表示装置の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを1000時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像のレベルを目視にて以下の4段階評価で行った。
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
dgap:セルの第一基板と第二基板のギャップ(μm)
VHR :電圧保持率(%)
(セル厚5μmのセルに液晶組成物を注入し、5V印加、フレームタイム200ms、パルス幅1msの条件で測定した時の測定電圧と初期印加電圧との比を%で表した値。)
液晶表示装置の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを1000時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像のレベルを目視にて以下の4段階評価で行った。
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
[カラーフィルタの作成]
[着色組成物の調製]
[赤色顔料着色組成物1]
小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が25nm、規格化分散40%の赤色顔料1(C.I.Pigment Red 254)10部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55部、ディスパービックLPN21116(ビックケミー株式会社製)7.0部、Saint−Gobain社製0.3−0.4mmφジルコニアビーズ「ER−120S」を加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散した後、1μmのフィルタで濾過し顔料分散液を得た。この顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリストールヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP13.5部を分散撹拌機で撹拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、赤色顔料着色組成物1を得た。
なお、有機顔料の平均一次粒子径及び粒径分布は、特開2006−113042公報の小角エックス線散乱法に基づく有機顔料分散体の小角エックス線散乱プロファイル(測定散乱プロファイル)から得られたものである。
[着色組成物の調製]
[赤色顔料着色組成物1]
小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が25nm、規格化分散40%の赤色顔料1(C.I.Pigment Red 254)10部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55部、ディスパービックLPN21116(ビックケミー株式会社製)7.0部、Saint−Gobain社製0.3−0.4mmφジルコニアビーズ「ER−120S」を加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散した後、1μmのフィルタで濾過し顔料分散液を得た。この顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリストールヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP13.5部を分散撹拌機で撹拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、赤色顔料着色組成物1を得た。
なお、有機顔料の平均一次粒子径及び粒径分布は、特開2006−113042公報の小角エックス線散乱法に基づく有機顔料分散体の小角エックス線散乱プロファイル(測定散乱プロファイル)から得られたものである。
[赤色顔料着色組成物2]
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が15nm、規格化分散55%の赤色顔料2(C.I.Pigment Red 254) 9.95部と、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体0.05部を用いて、上記と同様にして、赤色顔料着色組成物2を得た。
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が15nm、規格化分散55%の赤色顔料2(C.I.Pigment Red 254) 9.95部と、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体0.05部を用いて、上記と同様にして、赤色顔料着色組成物2を得た。
[赤色顔料着色組成物3]
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が20nm、規格化分散48%の赤色顔料3(C.I.Pigment Red 255)9.95部と、ジクロロキナクリドンのフタルイミドメチル誘導体0.04部、用いて、上記と同様にして、赤色顔料着色組成物3を得た。
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が20nm、規格化分散48%の赤色顔料3(C.I.Pigment Red 255)9.95部と、ジクロロキナクリドンのフタルイミドメチル誘導体0.04部、用いて、上記と同様にして、赤色顔料着色組成物3を得た。
[赤色顔料着色組成物4]
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が10nm、規格化分散60%の赤色顔料31 7.36部と、ジアミノアンスラキノニルのスルホン酸誘導体0.64部、黄色顔料2(C.I.Pigment Yellow 139)2部を用いて、上記と同様にして、赤色顔料着色組成物4を得た。
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が10nm、規格化分散60%の赤色顔料31 7.36部と、ジアミノアンスラキノニルのスルホン酸誘導体0.64部、黄色顔料2(C.I.Pigment Yellow 139)2部を用いて、上記と同様にして、赤色顔料着色組成物4を得た。
[緑色顔料着色組成物1]
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、緑色顔料1(C.I.Pigment Green 36、DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN 2YK−CF」)6部と黄色顔料1(C.I.Pigment Yellow 150、BAYER社製FANCHON FAST YELLOW E4GN)4部を用いて、上記と同様にして、緑色顔料着色組成物1を得た。
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、緑色顔料1(C.I.Pigment Green 36、DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN 2YK−CF」)6部と黄色顔料1(C.I.Pigment Yellow 150、BAYER社製FANCHON FAST YELLOW E4GN)4部を用いて、上記と同様にして、緑色顔料着色組成物1を得た。
[緑色顔料着色組成物2]
上記緑色顔料着色組成物1の緑色顔料1 6部、黄色顔料1 4部に代え、緑色顔料2(C.I.Pigment Green 58、DIC株式会社製FASTOGEN GREEN A110)4部と黄色顔料2(C.I.Pigment YELLOW 138)6部を用いて、上記と同様にして、緑色顔料着色組成物2を得た。
上記緑色顔料着色組成物1の緑色顔料1 6部、黄色顔料1 4部に代え、緑色顔料2(C.I.Pigment Green 58、DIC株式会社製FASTOGEN GREEN A110)4部と黄色顔料2(C.I.Pigment YELLOW 138)6部を用いて、上記と同様にして、緑色顔料着色組成物2を得た。
[青色顔料着色組成物1]
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、青色顔料1(C.I.Pigment Blue 15:6、DIC株式会社製「FASTOGEN BLUE EP−210」)9部と紫色顔料1(C.I.Pigment VIOLET 23)1部を用いて、上記と同様にして、青色顔料着色組成物1を得た。
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、青色顔料1(C.I.Pigment Blue 15:6、DIC株式会社製「FASTOGEN BLUE EP−210」)9部と紫色顔料1(C.I.Pigment VIOLET 23)1部を用いて、上記と同様にして、青色顔料着色組成物1を得た。
[青色顔料着色組成物2]
前記一般式(1)で表されるトリアリールメタン顔料(表1化合物No.2)1.80部、BYK―2164(ビックケミー社) 2.10部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 11.10部、 0.3−0.4mmφセプルビーズをポリビンに入れ、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散し、顔料分散液を得た。この顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP(ユニオンカーバイド社製)13.5部を分散撹拌機で撹拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、青色顔料着色組成物2を得た。
前記一般式(1)で表されるトリアリールメタン顔料(表1化合物No.2)1.80部、BYK―2164(ビックケミー社) 2.10部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 11.10部、 0.3−0.4mmφセプルビーズをポリビンに入れ、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散し、顔料分散液を得た。この顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP(ユニオンカーバイド社製)13.5部を分散撹拌機で撹拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、青色顔料着色組成物2を得た。
[青色顔料着色組成物3]
上記青色顔料着色組成物2のトリアリールメタン顔料に代え、前記一般式(1)で表されるトリアリールメタン顔料(表1化合物No.5)を用いて、上記と同様にして、青色顔料着色組成物3を得た。
上記青色顔料着色組成物2のトリアリールメタン顔料に代え、前記一般式(1)で表されるトリアリールメタン顔料(表1化合物No.5)を用いて、上記と同様にして、青色顔料着色組成物3を得た。
[黄色顔料着色組成物1]
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、黄色顔料1(C.I.Pigment Yellow 150、LANXESS社製FANCHON FAST YELLOW E4GN)10部を用いて、上記と同様にして、黄色顔料着色組成物1を得た。
上記赤色顔料着色組成物1の赤色顔料1 10部に代え、黄色顔料1(C.I.Pigment Yellow 150、LANXESS社製FANCHON FAST YELLOW E4GN)10部を用いて、上記と同様にして、黄色顔料着色組成物1を得た。
[赤色染料着色組成物1]
赤色染料1(C.I.Solvent Red 1)10部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55部、0.3−0.4mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し染料着色液を得た。 この染料着色液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリストールヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP13.5部を分散撹拌機で撹拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、赤色染料着色組成物1を得た。
赤色染料1(C.I.Solvent Red 1)10部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55部、0.3−0.4mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し染料着色液を得た。 この染料着色液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリストールヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP13.5部を分散撹拌機で撹拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、赤色染料着色組成物1を得た。
[緑色染料着色組成物1]
上記赤色染料着色組成物1の赤色染料1 10部に代え、青色染料1(C.I.Solvent Blue 67)3部と黄色染料1(C.I.Solvent Yellow 162)7部を用いて、上記と同様にして、緑色染料着色組成物1を得た。
上記赤色染料着色組成物1の赤色染料1 10部に代え、青色染料1(C.I.Solvent Blue 67)3部と黄色染料1(C.I.Solvent Yellow 162)7部を用いて、上記と同様にして、緑色染料着色組成物1を得た。
[緑色染料着色組成物2]
上記緑色染料着色組成物1の黄色染料1 7部を、黄色染料1(C.I.Solvent Yellow 162)4部と黄色染料3(C.I.Solvent Yellow 82)3部に代えて、上記と同様にして、緑色染料着色組成物2を得た。
上記緑色染料着色組成物1の黄色染料1 7部を、黄色染料1(C.I.Solvent Yellow 162)4部と黄色染料3(C.I.Solvent Yellow 82)3部に代えて、上記と同様にして、緑色染料着色組成物2を得た。
[緑色染料着色組成物3]
上記緑色染料着色組成物1の青色染料1 3部と黄色染料1 7部に代え、緑色染料1(C.I.Solvent Green 7)10部を用いて、上記と同様にして、緑色染料着色組成物3を得た。
上記緑色染料着色組成物1の青色染料1 3部と黄色染料1 7部に代え、緑色染料1(C.I.Solvent Green 7)10部を用いて、上記と同様にして、緑色染料着色組成物3を得た。
[黄色染料着色組成物1]
上記赤色染料着色組成物1の赤色染料1 10部に代え、黄色染料1(C.I.Solvent Yellow 21)10部を用いて、上記と同様にして、黄色染料着色組成物1を得た。
上記赤色染料着色組成物1の赤色染料1 10部に代え、黄色染料1(C.I.Solvent Yellow 21)10部を用いて、上記と同様にして、黄色染料着色組成物1を得た。
[黄色染料着色組成物2]
上記黄色染料着色組成物1の黄色染料1 10部に代え、黄色染料4(C.I.Solvent Yellow 2)10部を用いて、上記と同様にして、黄色染料着色組成物2を得た。
上記黄色染料着色組成物1の黄色染料1 10部に代え、黄色染料4(C.I.Solvent Yellow 2)10部を用いて、上記と同様にして、黄色染料着色組成物2を得た。
[青色染料着色組成物1]
上記赤色染料着色組成物1の赤色染料1に代え、青色染料1(C.I.Solvent Blue 7)10部を用いて、上記と同様にして、青色染料着色組成物1を得た。
上記赤色染料着色組成物1の赤色染料1に代え、青色染料1(C.I.Solvent Blue 7)10部を用いて、上記と同様にして、青色染料着色組成物1を得た。
[青色染料着色組成物2]
上記青色染料着色組成物1の青色染料1 10部に代え、青色染料2(C.I.Solvent Blue 12)10部を用いて、上記と同様にして、青色染料着色組成物2を得た。
上記青色染料着色組成物1の青色染料1 10部に代え、青色染料2(C.I.Solvent Blue 12)10部を用いて、上記と同様にして、青色染料着色組成物2を得た。
[カラーフィルタの作製]
予めブラックマトリックスが形成されてあるガラス基板に、赤色着色組成物1をスピンコートにより膜厚2μmとなるように塗布した。70℃で20分間乾燥の後、超高圧水銀ランプを備えた露光機にて紫外線をフォトマスクを介してストライプ状のパターン露光をした。アルカリ現像液にて90秒間スプレー現像、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、ストライプ状の着色層である赤色画素を透明基板上に形成した。
次に、緑色着色組成物1も同様にスピンコートにて膜厚が2μmとなるように塗布。乾燥後、露光機にてストライプ状の着色層を前述の赤色画素とはずらした場所に露光し現像することで、前述赤色画素と隣接した緑色画素を形成した。
次に、青色着色組成物1についても同様にスピンコートにて膜厚2μmで赤色画素、緑色画素と隣接した青色画素を形成した。これで、透明基板上に赤、緑、青の3色のストライプ状の画素を持つカラーフィルタが得られた。
表8に示す染料着色組成物又は顔料着色組成物を用い、カラーフィルタ1〜4及び比較カラーフィルタ1を作成した。
予めブラックマトリックスが形成されてあるガラス基板に、赤色着色組成物1をスピンコートにより膜厚2μmとなるように塗布した。70℃で20分間乾燥の後、超高圧水銀ランプを備えた露光機にて紫外線をフォトマスクを介してストライプ状のパターン露光をした。アルカリ現像液にて90秒間スプレー現像、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、ストライプ状の着色層である赤色画素を透明基板上に形成した。
次に、緑色着色組成物1も同様にスピンコートにて膜厚が2μmとなるように塗布。乾燥後、露光機にてストライプ状の着色層を前述の赤色画素とはずらした場所に露光し現像することで、前述赤色画素と隣接した緑色画素を形成した。
次に、青色着色組成物1についても同様にスピンコートにて膜厚2μmで赤色画素、緑色画素と隣接した青色画素を形成した。これで、透明基板上に赤、緑、青の3色のストライプ状の画素を持つカラーフィルタが得られた。
表8に示す染料着色組成物又は顔料着色組成物を用い、カラーフィルタ1〜4及び比較カラーフィルタ1を作成した。
当該カラーフィルタの各画素部について、オリンパス製顕微鏡MX−50と大塚電子製分光光度計MCPD−3000顕微分光測光装置を用いて、CIE1931 XYZ表色系のC光源におけるx値とy値を測定した。結果を下表9に示す。
(実施例1〜4)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料1を真空注入法で注入し、実施例1〜4の液晶表示装置を作製した。
キラル液晶含有材料1は、ネマチック液晶組成物LC−1(95.0%)とキラル化合物CH−1(5.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−1は、56.5℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.164(20℃、589nmで測定)であった。キラル液晶含有材料1は、加熱において36℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、43℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表10に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料1を真空注入法で注入し、実施例1〜4の液晶表示装置を作製した。
キラル液晶含有材料1は、ネマチック液晶組成物LC−1(95.0%)とキラル化合物CH−1(5.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−1は、56.5℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.164(20℃、589nmで測定)であった。キラル液晶含有材料1は、加熱において36℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、43℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表10に示す。
実施例1〜4の液晶表示装置は、高いVHR実現できた。また、焼き付き評価においても残像がなく、極めて良好な結果であった。
(実施例5〜8)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料2を真空注入法で注入し、実施例5〜8の液晶表示装置を作製した。
キラル液晶含有材料2は、ネマチック液晶組成物LC−2(95.7%)とキラル化合物CH−1(4.3%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−2は、66.6℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.148(20℃、589nmで測定)であった。キラル液晶含有材料2は、加熱において50℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、55℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表11に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料2を真空注入法で注入し、実施例5〜8の液晶表示装置を作製した。
キラル液晶含有材料2は、ネマチック液晶組成物LC−2(95.7%)とキラル化合物CH−1(4.3%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−2は、66.6℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.148(20℃、589nmで測定)であった。キラル液晶含有材料2は、加熱において50℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、55℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表11に示す。
実施例5〜8の液晶表示装置は、高いVHR実現できた。また、焼き付き評価においても残像がなく、極めて良好な結果であった。
(実施例9〜12)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料3を真空注入法で注入し、実施例9〜12の液晶表示装置を作成した。
キラル液晶含有材料3は、ネマチック液晶組成物LC−3(88.0%)とキラル化合物CH−2(12.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−3は、78.7℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.139(25℃、589nmで測定)、誘電率異方性(Δε)は16.4(25℃で測定)であった。液晶組成物3は、加熱において59℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、64.3℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表12に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料3を真空注入法で注入し、実施例9〜12の液晶表示装置を作成した。
キラル液晶含有材料3は、ネマチック液晶組成物LC−3(88.0%)とキラル化合物CH−2(12.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−3は、78.7℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.139(25℃、589nmで測定)、誘電率異方性(Δε)は16.4(25℃で測定)であった。液晶組成物3は、加熱において59℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、64.3℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表12に示す。
実施例9〜12の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がなく、極めて良好な結果であった。
(実施例13〜16)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料4を真空注入法で注入し、実施例13〜16の液晶表示装置を作成した。
キラル液晶含有材料4は、ネマチック液晶組成物LC−4(95.5%)とキラル化合物CH−3(4.5%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−4は、83.1℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。キラル液晶含有材料4は、加熱において75.1℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表13に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料4を真空注入法で注入し、実施例13〜16の液晶表示装置を作成した。
キラル液晶含有材料4は、ネマチック液晶組成物LC−4(95.5%)とキラル化合物CH−3(4.5%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−4は、83.1℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。キラル液晶含有材料4は、加熱において75.1℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表13に示す。
実施例13〜16の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がないか、又はあってもごく僅かであり許容できるレベルであった。
(実施例17〜20)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料5を真空注入法で注入し、実施例17〜20の液晶表示装置を作成した。
キラル液晶含有材料5は、ネマチック液晶組成物LC−5(94.0%)とキラル化合物CH−3(6.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−5は、82.8℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.180(25℃、589nmで測定)であった。キラル液晶含有材料5は、加熱において72.2℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表14に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料5を真空注入法で注入し、実施例17〜20の液晶表示装置を作成した。
キラル液晶含有材料5は、ネマチック液晶組成物LC−5(94.0%)とキラル化合物CH−3(6.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−5は、82.8℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.180(25℃、589nmで測定)であった。キラル液晶含有材料5は、加熱において72.2℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表14に示す。
実施例17〜20の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がなく、極めて良好な結果であった。
(実施例21〜24)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料6を真空注入法で注入し、実施例21〜24の液晶表示装置を作成した。
キラル液晶含有材料6は、ネマチック液晶組成物LC−6(88.0%)とキラル化合物CH−2(12.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−6は、73.0℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.128(25℃、589nmで測定)、誘電率異方性(Δε)は−4.0(25℃で測定)であった。キラル液晶含有材料6は、加熱において54℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、58.6℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表15に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料6を真空注入法で注入し、実施例21〜24の液晶表示装置を作成した。
キラル液晶含有材料6は、ネマチック液晶組成物LC−6(88.0%)とキラル化合物CH−2(12.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−6は、73.0℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.128(25℃、589nmで測定)、誘電率異方性(Δε)は−4.0(25℃で測定)であった。キラル液晶含有材料6は、加熱において54℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、58.6℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(キュービック)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表15に示す。
実施例21〜24の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がないか、又はあってもごく僅かであり許容できるレベルであった。
(実施例25〜28)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料7を真空注入法で注入し、実施例25〜28の液晶表示装置を作製した。
キラル液晶含有材料7は、ネマチック液晶組成物LC−7(80.0%)とキラル化合物CH−4(20.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−7は、−29℃からネマチック相を示し、101.3℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.239(25℃、589nmで測定)、誘電率異方性(Δε)は27.75(25℃で測定)であった。キラル液晶含有材料7は、加熱において61.3℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)に転移し、64.9℃でブルー相(キュービック)からブルー相(アモルファス)に転移し、69.6℃でブルー相(アモルファス)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(アモルファス)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(アモルファス)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表16に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料7を真空注入法で注入し、実施例25〜28の液晶表示装置を作製した。
キラル液晶含有材料7は、ネマチック液晶組成物LC−7(80.0%)とキラル化合物CH−4(20.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−7は、−29℃からネマチック相を示し、101.3℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.239(25℃、589nmで測定)、誘電率異方性(Δε)は27.75(25℃で測定)であった。キラル液晶含有材料7は、加熱において61.3℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)に転移し、64.9℃でブルー相(キュービック)からブルー相(アモルファス)に転移し、69.6℃でブルー相(アモルファス)からアイソトロピック相へ転移した。
偏光顕微鏡で観察したところ、ブルー相(アモルファス)を示す温度でセルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(アモルファス)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表16に示す。
実施例25〜28の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がないか、又はあってもごく僅かであり許容できるレベルであった。
(比較例1〜7)
表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例1〜4と同様にして比較例1の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例5〜8と同様にして比較例2の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例9〜12と同様にして比較例3の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例13〜16と同様にして比較例4の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例17〜20と同様にして比較例5の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例21〜24と同様にして比較例6の液晶表示装置を作製した。さらに表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例25〜28と同様にして比較例7の液晶表示装置を作製した。
偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表17及び表18に示す。
表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例1〜4と同様にして比較例1の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例5〜8と同様にして比較例2の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例9〜12と同様にして比較例3の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例13〜16と同様にして比較例4の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例17〜20と同様にして比較例5の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例21〜24と同様にして比較例6の液晶表示装置を作製した。さらに表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例25〜28と同様にして比較例7の液晶表示装置を作製した。
偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されなかった。
得られた液晶表示装置のVHRを測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表17及び表18に示す。
比較例1〜7の液晶表示装置は、本願発明の液晶表示装置と比較して、VHRは低く、焼き付き評価においても残像の発生が認められ許容できるレベルではなかった。
(比較例8〜11)
比較キラル液晶含有材料1を用いた以外は、実施例1〜4と同様にして比較例8〜11の液晶表示装置を作製した。
比較キラル液晶含有材料1は、ネマチック液晶組成物LC−8(95.0%)とキラル化合物CH−5(5.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−8は、35℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.184(20℃、589nmで測定)、誘電率異方性(Δε)は11.0(26℃で測定)であった。比較キラル液晶含有材料1は、加熱において30℃でコレステリック相からブルー相を示すことなくアイソトロピック相へ転移した。
得られた液晶表示装置のVHRを、コレステリック相を示す温度である25℃で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表19に示す。
比較キラル液晶含有材料1を用いた以外は、実施例1〜4と同様にして比較例8〜11の液晶表示装置を作製した。
比較キラル液晶含有材料1は、ネマチック液晶組成物LC−8(95.0%)とキラル化合物CH−5(5.0%)とを配合して調製した。ネマチック液晶組成物LC−8は、35℃でネマチック相からアイソトロピック相へ転移した。また、複屈折(Δn)は0.184(20℃、589nmで測定)、誘電率異方性(Δε)は11.0(26℃で測定)であった。比較キラル液晶含有材料1は、加熱において30℃でコレステリック相からブルー相を示すことなくアイソトロピック相へ転移した。
得られた液晶表示装置のVHRを、コレステリック相を示す温度である25℃で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表19に示す。
比較例8〜11の液晶表示装置は、本願発明の液晶表示装置と比較して、VHRは低く、焼き付き評価においても残像の発生が認められ許容できるレベルではなかった。
(実施例29〜32)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料8を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有組成物8は、キラル液晶含有材料1 88.8%と下記モノマー混合物1 11.2%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料8は、加熱において14℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、20.6℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料8を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、ブルー相(キュービック)を示す温度で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例29〜32の液晶・高分子複合材料1からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表20に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料8を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有組成物8は、キラル液晶含有材料1 88.8%と下記モノマー混合物1 11.2%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料8は、加熱において14℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、20.6℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料8を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、ブルー相(キュービック)を示す温度で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例29〜32の液晶・高分子複合材料1からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表20に示す。
実施例29〜32の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がなく、極めて良好な結果であった。
(実施例33〜36)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料9を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料9は、キラル液晶含有材料2 88.8%と上記モノマー混合物1 11.2%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料9は、加熱において28℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、32.6℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料9を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、ブルー相(キュービック)を示す温度で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例33〜36の液晶・高分子複合材料2からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無く等方アイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表21に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料9を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料9は、キラル液晶含有材料2 88.8%と上記モノマー混合物1 11.2%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料9は、加熱において28℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、32.6℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料9を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、ブルー相(キュービック)を示す温度で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例33〜36の液晶・高分子複合材料2からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無く等方アイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表21に示す。
実施例33〜36の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がないか、又はあってもごく僅かであり許容できるレベルであった。
(実施例37〜40)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料10を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料10は、キラル液晶含有材料3 87.1%と下記モノマー混合物2 12.9%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料10は、加熱において44℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、49.6℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料10を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、透明点の直上である49.7℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例37〜40の液晶・高分子複合材料3からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表22に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料10を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料10は、キラル液晶含有材料3 87.1%と下記モノマー混合物2 12.9%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料10は、加熱において44℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、49.6℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料10を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、透明点の直上である49.7℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例37〜40の液晶・高分子複合材料3からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表22に示す。
実施例37〜40の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がなく、極めて良好な結果であった。
(実施例41〜44)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料11を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料11は、キラル液晶含有材料4 79.4%と下記モノマー混合物3 20.6%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料11は、加熱において62.9℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料11を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、透明点直上である63.0℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例41〜44の液晶・高分子複合材料4からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表23に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料11を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料11は、キラル液晶含有材料4 79.4%と下記モノマー混合物3 20.6%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料11は、加熱において62.9℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料11を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、透明点直上である63.0℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例41〜44の液晶・高分子複合材料4からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表23に示す。
実施例41〜44の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がないか、又はあってもごく僅かであり許容できるレベルであった。
(実施例45〜48)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料12を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料12は、キラル液晶含有材料5 79.4%と上記モノマー混合物3 20.6%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料12は、加熱において67.9℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料12を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、透明点直上である68.0℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例45〜48の液晶・高分子複合材料5からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表24に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料12を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料12は、キラル液晶含有材料5 79.4%と上記モノマー混合物3 20.6%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料12は、加熱において67.9℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料12を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、透明点直上である68.0℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例45〜48の液晶・高分子複合材料5からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表24に示す。
実施例45〜48の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がなく、極めて良好な結果であった。
(実施例49〜52)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料13を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料13は、キラル液晶含有材料6 87.1%と上記モノマー混合物2 12.9%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料13は、加熱において38℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、43.9℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料13を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、透明点の直上である44.0℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例49〜52の液晶・高分子複合材料6からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表25に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料13を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料13は、キラル液晶含有材料6 87.1%と上記モノマー混合物2 12.9%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料13は、加熱において38℃でコレステリック相からブルー相(キュービック)へ転移し、43.9℃でブルー相(キュービック)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶含有材料13を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、透明点の直上である44.0℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例49〜52の液晶・高分子複合材料6からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表25に示す。
実施例49〜52の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がなく、極めて良好な結果であった。
(実施例53〜56)
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料14を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料14は、キラル液晶含有材料7 89.1%と下記モノマー混合物4 10.9%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料14は、加熱において42.7℃でコレステリック相からブルー相(アモルファス)へ転移し、51.8℃でブルー相(アモルファス)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶組成物14を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、ブルー相(アモルファス)を示す44℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例49〜52の液晶・高分子複合材料7からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(アモルファス)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(アモルファス)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表26に示す。
第一の基板上(電極は非付与)へ、表8に示すカラーフィルタ1〜4を用いて、ストライプ状の画素を持つカラーフィルタを形成した。第二の基板上へ、二つの電極が交互に配置された櫛型電極構造(電極間距離=5μm)を形成した。配向処理が施されていない第一及び第二の基板を各々用いて、dgap=5μmを保持したセルを構成した。この基板間にキラル液晶含有材料14を真空注入法で注入した。
キラル液晶含有材料14は、キラル液晶含有材料7 89.1%と下記モノマー混合物4 10.9%とを配合して調製した。キラル液晶含有材料14は、加熱において42.7℃でコレステリック相からブルー相(アモルファス)へ転移し、51.8℃でブルー相(アモルファス)からアイソトロピック相へ転移した。
メタルハライドランプを光源とし、紫外線カットフィルターL−37(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を介して、紫外光(中心波長365nmでの照度は5mW/cm2)を、キラル液晶組成物14を挟持した液晶表示装置のカラーフィルタの形成していない第二の基板側から、ブルー相(アモルファス)を示す44℃で300秒間照射した。重合性化合物を重合させることにより、実施例49〜52の液晶・高分子複合材料7からなる液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(アモルファス)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(アモルファス)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表26に示す。
実施例53〜56の液晶表示装置は、高いVHRを実現できた。また、焼き付き評価においても残像がないか、又はあってもごく僅かであり許容できるレベルであった。
(比較例12〜18)
表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例29〜32と同様にして比較例12の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例33〜36と同様にして比較例13の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例36〜40と同様にして比較例14の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例41〜44と同様にして比較例15の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例45〜48と同様にして比較例16の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例49〜52と同様にして比較例17の液晶表示装置を作製した。さらに表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例53〜56と同様にして比較例18の液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)あるいはブルー相(アモルファス)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)あるいはブルー相(アモルファス)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表27に示す。
表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例29〜32と同様にして比較例12の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例33〜36と同様にして比較例13の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例36〜40と同様にして比較例14の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例41〜44と同様にして比較例15の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例45〜48と同様にして比較例16の液晶表示装置を作製した。また表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例49〜52と同様にして比較例17の液晶表示装置を作製した。さらに表8に示す比較カラーフィルタ1を用いた以外は、実施例53〜56と同様にして比較例18の液晶表示装置を作製した。
室温において偏光顕微鏡で観察したところ、セルを回転させても完全な暗視野を維持し、変化が無くアイソトロピック相と同等の黒さが得られており、配向欠陥による光抜けは観察されず、ブルー相(キュービック)あるいはブルー相(アモルファス)であることを確認した。
得られた液晶表示装置のVHRを、ブルー相(キュービック)あるいはブルー相(アモルファス)を示す温度で測定した。また、得られた液晶表示装置の焼き付き評価を行った。その結果を表27に示す。
比較例12〜18の液晶表示装置は、本願発明の液晶表示装置と比較して、VHRは低く、焼き付き評価においても残像の発生が認められ許容できるレベルではなかった。
なお、LC−1〜8、CH−1〜5、モノマー混合物1〜4の式中で、CH3、C2H5、C3H7、C4H9、C5H11及びC6H13は、いずれも直鎖状のアルキル基を表す。
なお、LC−1〜8、CH−1〜5、モノマー混合物1〜4の式中で、CH3、C2H5、C3H7、C4H9、C5H11及びC6H13は、いずれも直鎖状のアルキル基を表す。
Claims (19)
- 第一の基板と、第二の基板と、前記第一の基板と第二の基板間に挟持された液晶層と、ブラックマトリックス及び少なくともRGB三色画素部から構成されるカラーフィルタと、画素電極と共通電極とを備え、
前記液晶層が少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含むネマチック液晶組成物と、少なくとも1種類のキラル化合物とを含むキラル液晶含有材料から構成され、
前記RGB三色画素部が、色材として、R画素部中に小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が5〜50nmのジケトピロロピロール系赤色顔料を含有する液晶表示装置。 - 前記RGB三色画素部が、色材として、G画素部中にハロゲン化金属フタロシアニン顔料、フタロシアニン系緑色染料、フタロシアニン系青色染料とアゾ系黄色有機染料との混合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を、B画素部中にε型銅フタロシニアン顔料、トリアリールメタン顔料、カチオン性青色有機染料からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1に記載の液晶表示装置。
- R画素部中に顔料誘導体を含有する請求項1又は2記載の液晶表示装置。
- R画素部中にキナクリドン系顔料誘導体、ジケトピロロピロール系顔料誘導体、アントラキノン系顔料誘導体、チアジン系顔料誘導体の少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記RGB三色画素部が、色材として、G画素部中にAl、Si、Sc、Ti、V、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn及びPbからなる群から選ばれる金属を中心金属として有するハロゲン化金属フタロシアニン顔料であり、その中心金属が三価の場合には、その中心金属には1つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているか、又はオキソ又はチオ架橋しており、その中心金属が四価金属の場合には、その中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記RGB三色画素部が、色材として、B画素部中に下記一般式(1)
- 前記RGB三色画素部が、色材として、G画素部中にC.I.Solvent Blue 67とC.I.Solvent Yellow 162との混合物を、B画素部中にC.I.Solvent Blue 7を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記RGB三色画素部が、色材として、G画素部中にC.I.Pigment Green 7、同36及び同58から選ばれる1種又は2種以上を、B画素部中にC.I.Pigment Blue 15:6及び/又はトリアリールメタン顔料を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- カラーフィルタが、ブラックマトリックスとRGB三色画素部とY画素部とから構成され、色材として、Y画素部に、C.I.Pigment Yellow 150、同215、同185、同138、同139、C.I.Solvent Yellow 21、82、同83:1、同33及び同162からなる群から選ばれる少なくとも1種の黄色有機染顔料を含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記ネマチック液晶組成物が、少なくとも−10℃〜50℃の温度範囲でネマチック液晶相を示す請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記ネマチック液晶組成物の誘電率異方性(Δε)が正である請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記キラル液晶含有材料が少なくとも2種類のキラル化合物を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記キラル液晶含有材料がコレステリック相を示す請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記キラル液晶含有材料がブルー相を示す請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記ネマチック液晶組成物が一般式(I)
A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 、又は
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、
a11は0、1、2又は3を表し、
L11及びL12はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表す。)で表される化合物を含有する請求項1〜14のいずれか一項に記載の液晶表示装置。 - 前記ネマチック液晶組成物が一般式(II)
R21は炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表し、前記R21中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されてもよく、前記R21中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
L21及びL22はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表し(L21が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)、
X21は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)で表される化合物を含有する請求項1〜15のいずれか一項に記載の液晶表示装置。 - 前記キラル液晶含有材料が、少なくとも1種類の重合性化合物が重合してなる高分子を含む液晶・高分子複合材料であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記重合性化合物として、少なくとも1種類の非液晶性重合性化合物を含む請求項17に記載の液晶表示装置。
- 前記重合性化合物として、少なくとも1種類の単官能性重合性化合物と少なくとも1種類の多官能性重合性化合物とを含む請求項17又は18に記載の液晶表示装置。
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