以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には、貯留供給部としての上皿19が設けられている。上皿19の上面側には、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する貯留凹部19aが形成されている。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19の貯留凹部19aの右方には、球貸しボタン121、返却ボタン122、及び、球抜きボタン123が設けられている。遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。さらに、球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット(始動口)33、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R、変動特定ランプ40等が配設されている。周知の通り一般入賞口31、可変入球手段としての可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が払出される。尚、遊技球の入球(入賞)に応じて所定数の遊技球が払い出される(賞球が付与される)こととなる各種入賞口が入賞手段に相当する。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、可変入賞装置32は、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉するシャッタと、シャッタを動作させるための大入賞口ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ223とを備え、大入賞口ソレノイドを駆動制御し、シャッタを開閉させることで、可変入賞装置32(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
始動入賞ユニット33は、上入賞口33a及び下入賞口33bと、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cとを備えている。開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、下入賞口33bの側方を流下する遊技球が下入賞口33bへと案内される開状態と、案内されない閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、始動入賞ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する第1始動入賞スイッチ224a、及び第2始動入賞スイッチ224bを備えており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かを決める当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する可変表示手段としての装飾図柄表示装置42)にて、当該当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合には、可変入賞装置32が開放される特別遊技状態としての大当たり状態が付与されることとなる。
また、本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する低確率状態と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する高確率状態とがある。さらに、開閉部材33cが比較的頻繁に開放され、遊技球を下入賞口33cへ入球させ易くなる高入球状態と、開閉部材33cがほとんど開状態とされず、遊技球を下入賞口33bへ入球させ難い低入球状態とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。
さらに、本実施形態では、通常モード及び確変モードは大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示が100回行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
また、本実施形態の大当たり種別は、16ラウンド確変大当たり(以下「16RS」と言う)と、7ラウンド確変大当たり(以下「7RS」と言う)と、7ラウンド通常大当たり(以下「7RN」)との3種類である。そして、可変入賞装置32が30秒間開放されること、又は、可変入賞装置32が開放されてから可変入賞装置32に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「16RS」に関しては、それが16回繰り返され、一方、「7RS」に関しては、それが7回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。また、「16RS」、「7RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「7RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」が付与される。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2文字(及びドット)を表示可能なタイプの7セグメント表示装置により構成され、遊技者から視認可能な位置(本例では可変入賞装置32の右方)に設置されている。そして、始動入賞ユニット33の上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」又は「外れ」であることが確定的に表示される。例えば、上入賞口33aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて点灯態様(点灯するセグメントの組合わせ)が高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、いずれかの点灯態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、対応する点灯態様が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
さらに、特別表示装置43L、43Rにおいては、「大当たり」に当選したことが教示されるだけでなく、大当たり状態の種別、すなわち、「16RS」、「7RS」、「7RN」のいずれであるかについても教示される。例えば、第1特別表示装置43L(又は第2特別表示装置43R)において最終的に「7.7.」が表示された(停止表示された)場合には「16RS」が付与され、「n.0.」が表示された場合には「7RN」が付与されるといった具合に対応付けられている。また、1つの大当たり種別を教示する特別表示装置43L、43Rの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上入賞口33aに入賞した遊技球、及び下入賞口33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。
さらに、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)の保留数は、青色に発光可能な第1保留ランプ46aにて点灯表示され、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)の保留数は、赤色に発光可能な第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。保留ランプ46a、46bは、第1変動表示及び第2変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている第1変動表示又は第2変動表示の数と同じ数だけ点灯する。当該保留ランプ46a、46bは、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262によって表示内容が制御される。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるようになっているが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合(保留ランプ46a、46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、上入賞口33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下入賞口33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
変動特定ランプ40は、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上入賞口33a及び下入賞口33bのうちどちらの入球に対応するものであるか(第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか)を示すためのものであり、遊技者から視認可能な位置(本例では特別表示装置43L、43Rの下方)に配置されている。変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において第1変動表示が行われている場合には青色に発光し、第2変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの入球アシスト抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球アシスト抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球アシスト抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に始動入賞ユニット33の下入賞口33b(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。さらに、可変表示装置ユニット35には、上記第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bと、保留ランプ44とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
本実施形態の装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置によって構成されており、識別情報としての装飾図柄を変動表示可能に構成されている。また、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示制御が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、大当たり状態終了後において確変モードが付与される「16RS」又は「7RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「16RS」、「7RS」、又は「7RN」のいずれかが付与される。また、ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものである。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、始動入賞ユニット33(上入賞口33a)の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で始動入賞ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、始動入賞ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、始動入賞スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。尚、払出機構部352及び払出制御装置311等によって払出手段が構成される。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及び、カードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
さて、図2、図35等に示すように、本実施形態では、貯留供給部としての上皿19の上面側において、演出ボタンユニット120が設けられている。特に、本実施形態では、演出ボタンユニット120は、貯留凹部19aよりも後方に配置されている。演出ボタンユニット120は、操作手段としての演出ボタン125と、演出ボタン125を操作するために演出ボタン125に近接した遊技者の手を検知可能なユニット側近接検知センサAE1とを備えている。
図36に示すように、上皿19には、上皿19の下面側に取付けられる演出ボタン125を上方に露出させる取付孔401が形成されている。また、演出ボタンユニット120は、取付孔401に対応する挿通開口部402が形成され、上皿19の上面側に取付けられる取付台403を備えるとともに、前記ユニット側近接検知センサAE1は、取付台403の上面側に取付けられている。
ユニット側近接検知センサAE1は、右手でハンドル18を操作する遊技者の左手による演出ボタン125への近接を検知することを主眼として、演出ボタン125の左手前側に配置されている(図35参照)。さらに、本実施形態では、図1等に示すように、前面枠セット14のうち、上下方向において上皿19と窓部101との間であって、左右方向においてユニット側近接検知センサAE1とほぼ同じ位置に対し、枠側近接検知センサAE2が設けられている。詳しくは後述するが、基本的に、本実施形態では、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両方で検知が行われた状態となることによって、遊技者の手が演出ボタン125に近接したと判別されることとなる。尚、本実施形態では、ユニット側近接検知センサAE1と、枠側近接検知センサAE2とによって、近接検知手段が構成されている。
図36に示すように、演出ボタン125は、上皿19の内部に固定されるハウジング404と、ハウジング404の内側に収容されるとともに、ハウジング404に対して上下に相対変位可能に設けられた略円筒状の本体部405と、本体部405の内側に挿入されるとともに、本体部405に対して上下に相対変位可能に設けられた操作部406とを備えている。
ハウジング404には、本体部405を上下に変位させるための駆動手段としてのステッピングモータ407と、ステッピングモータ407の駆動力を本体部405に伝達するためのピニオン408とが設けられている。これに対し、本体部405の外面には、上下に延び、前記ピニオン408に噛み合わされる一対のラック部409が設けられている。そして、ステッピングモータ407が駆動することで、ハウジング404(上皿19)に対して本体部405が上方又は下方に相対変位することとなる。尚、図示は省略するが、ラック部409とピニオン408との噛み合わせが外れないように、本体部405において上下に延びる一対のガイドレールが設けられるとともに、ハウジング404には、各ガイドレールを支持する各一対のガイド凸部が設けられている。
操作部406は、本体部405の内径よりも一回り小さい外径の略円筒状をなすとともに、上部が閉塞されている上構成部411と、上構成部411の下部に取付けられる略円筒状の下構成部412とを備えている。上構成部411は透明な樹脂製であり、その内側には、三色LED414が搭載されたLED基板413を係止可能な係止部415が設けられている。また、上構成部411の上面には「PUSH」の文字が付されており、当該上面によって演出ボタン125の操作面が構成されている。さらに、上構成部411には、LED基板413の配線416を通す配線孔417や放熱孔418が形成されている。尚、図示は省略するが、本体部405の内側で操作部406が回転することなくスムースに上下スライド可能に構成するべく、上構成部411の外面には上下に延びる3本のガイドレールが設けられるとともに、本体部405の内側には、各ガイドレールを支持する各一対のガイド凸部が設けられている。
下構成部412は、有色(例えば紺色や黒色)で、上構成部411と同じ外径を有するベース筒421と、ベース筒421の上部を閉塞する支持壁422と、上構成部411の内径とほぼ同じ外径を有し、支持壁422の上面から上方に突出する略円筒状の取付筒423とを備えている。取付筒423は、ベース筒421と同心円状に設けられており、取付筒423の外周面には雄ねじが形成されている。これに対し、上構成部411の内周面下部には雌ねじが形成されている。そして、上構成部411の内側にLED基板413を設置してから、上構成部411の雌ねじが形成された部位と、下構成部412の取付筒423とを螺着することにより、上構成部411と下構成部412とが一体化されて操作部406が形成されることとなる。
また、支持壁422には、その下面から下方に突出するとともに、操作部406を上方に付勢する付勢手段としてのコイルばね424の上部を支持するための上支持突起425が複数形成されている。一方、本体部405の底面のうち、上支持突起425との対向部位には、コイルばね424の下部を支持するための下支持突起426が複数設けられている。そして、上支持突起425と下支持突起426とにかけてコイルばね424を装着することで、本体部405に対して操作部406が上方に付勢されることとなる。加えて、図示は省略するが、本体部405には、操作部406が本体部405に装着された後に、本体部405の上縁部に対して、本体部405の内周側に突出するストッパーが取付けられ、これにより、操作部406が本体部405から脱落してしまうことを防止している。尚、本実施形態では、操作部406のガイドレールが上構成部411に設けられているが、下構成部412に設けることとし、上支持突起425と下支持突起426との位置合わせの確実性を向上させることとしてもよい。
さらに、本体部405の内周面の下部には、投光部427aと、該投光部427aと対向位置に設けられた受光部427bとを備える操作検知手段としての操作検知センサ427が設けられている。そして、図37に示すように、操作部406がコイルばね424の付勢力に抗して押し下げられた場合、操作部406の有色の下構成部412によって、投光部427aから発せられて受光部427bに入射する筈の光が遮られる。これにより、操作部406の操作が検知されることとなる。また、操作部406の操作を解除すると(操作部406から手を離すと)、コイルばね424が自身の弾性力によって伸長し、操作部406が本体部405から突出する方向(上方)に変位して元の状態(操作部406によって投光部427aの光が遮られていない状態)に戻ることとなる。尚、本実施形態では、操作部406によって投光部427aの光が遮られる状態の操作部406の位置が操作位置に相当し、遮られていない状態の操作部406の位置が非操作位置に相当する。また、操作検知手段をその他のセンサやスイッチにより構成することも可能である。
さらに、本体部405の底面には、操作部406をコイルばね424の付勢力に抗して最大限押下げた場合に、操作部406(下構成部412)の下辺部と当接するゴム製の緩衝材428が設けられている。本実施形態では、操作部406を最大限押下げた状態としても、コイルばね424を支持する上支持突起425と下支持突起426とは互いに接触しないように構成されている(上下方向において、上支持突起425と下支持突起426とを足した長さよりも、下構成部412のベース筒421の長さ(高さ)の方が長い)。
また、上記のように、本実施形態では、本体部405がハウジング404、ひいては、上皿19に対して上下に相対変位可能に構成されていることから、操作部406が操作されていない状態であっても、上皿19の取付孔401、及び、取付台403の挿通開口部402を介して、取付台403の上方に突出する操作部406の突出長は一定ではなく、各所状況に応じた本体部405の変位に伴って変化するようになっている。本実施形態の本体部405は、図36に示されるように操作部406が取付台403の上面(操作部406を外部に露出させる露出面)から所定長突出する基準位置と、図38に示されるように基準位置よりも上方に突出する突出位置と、図39に示されるように基準位置よりも下方に位置し、遊技者が操作部406を操作していないのにもかかわらず、操作部406(操作面)が取付台403よりも下方に没入する没入位置(収容状態)との間で変位するように構成されている。
さらに、下構成部412のベース筒421の外周面上部には、全周にわたり、外方に延出するゴム製或いは熱可塑性樹脂製(例えば、EPDMやTPO)のシールリップ429が設けられている。シールリップ429の先端は本体部405の内周面に接触しており、操作部406が上下に相対変位すると、シールリップ429の先端が本体部405の内周面に摺接することとなる。当該シールリップ429により、操作部406と本体部405との間から空気が漏れ難くなる。加えて、本体部405の底壁部略中央には上下に貫通する排気孔431が形成されている。そして、操作部406が押圧操作された場合、本体部405の内側の空気が、排気孔431から(基本的に排気孔431のみから)本体部405の外部に排出されることとなる。
また、本実施形態では、排気孔431から排出された空気をパチンコ機10の外部にまで案内する排気通路432を備えている。排気通路432は、排気孔431を囲むようにして、本体部405の下面に連結される略筒状の連結管433と、連結管433に連結され、本体部405の上下への相対変位に応じて追従的に変形するフレキシブルホース434と、フレキシブルホース434に連結されるY字管435と、Y字管435の一方の分岐に連結され、本体部405から排出された空気をパチンコ機10の背面側にまで案内する第1通路436と、Y字管435の他方の分岐に連結され、本体部405から排出された空気をハンドル18にまで案内する第2通路437とを備えている。さらに、第1通路436及び第2通路437には流量変更手段、対象切替手段としての第1バルブ438及び第2バルブ439が設けられ、第1通路436及び第2通路437における空気の流量を調節可能に構成されている。
尚、第1及び第2バルブ438、439としては、第1及び第2通路436、437を閉鎖可能なシャッタを第1及び第2通路436、437内で回動自在に設け、かかるシャッタの回動角度を調節することで、第1及び第2通路436、437を通行可能な空気の流量を調節する(第1及び第2バルブ438、439の開度を調節する)こととしてもよいし、第1及び第2通路436、437を閉鎖可能なシャッタを第1及び第2通路436、437内へ出没可能に設け、かかるシャッタの第1及び第2通路436、437内への突出量を調節することで、第1及び第2通路436、437を通行可能な空気の流量を調節する(第1及び第2バルブ438、439の開度を調節する)こととしてもよい。また、例えば、Y字管435の第1及び第2通路436、437に第1及び第2バルブ438、439を設けるのではなく、Y字管435の分岐点において比例制御弁を設けることとしてもよい。
また、図1に示すように、本実施形態では、ハンドル18の前面側に対して複数の小さな通気孔18b(吹き出し口)が形成されており、第2通路437の第2バルブ439が開状態であり、かつ、第1通路436の第1バルブ438が閉状態である時に、演出ボタン125の操作部406を操作すると、排気通路432及び通気孔18bを介して、操作部406を操作に起因する風が、ハンドル18を握った手(手のひら)に当たるようになっている。
加えて、第1通路436には、第1通路436を介して演出ボタン125側に空気を送るエアポンプ440(送風機)が設けられている。すなわち、第2バルブ439を閉状態として、エアポンプ440を駆動させることで、本体部405の内側の気圧を高めて、操作部406の操作に要する力を変化させたり、操作部406を振動させたり(空気を急ピッチで間欠的に送る)することができる。また、本実施形態では、連結管433、フレキシブルホース434、Y字管435、第1通路436及び、第2通路437によって、空気供給源(演出ボタン125及びエアポンプ440)と、吹き出し口(通気孔18b)とを連通させる連通管が構成されている。また、第1通路436の出口(通気孔18b)及び第2通路437の出口(排出口)が連動手段を構成する。
また、本実施形態では、前面枠セット14の前面側に対し、遊技者の動作を検知する複数の動作検知センサME1、ME2、ME3、ME4、ME5、ME6、ME7が設けられている。本実施形態では、図1に示すように、前面枠セット14の窓部101に沿って、窓部101の中央上方(ME1)、右上方(ME2)、左上方(ME3)、右下方(ME4)、左下方(ME5)に設けられるとともに、ハンドル18の右方(ME6)、上皿19と下皿15との間(ME7)にも設けられている。さらに、図4に示すように、遊技盤30にも動作検知センサME8、ME9、ME10が設けられており、本実施形態では、センターフレーム47の右下部(ME8)、左下部(ME9)、中央上部(ME10)に設けられている。動作検知センサME1〜ME10は、図示しない赤外線投光部と受光部とを備え、動作検知センサMEの前方に手がかざされる等すると、赤外線がかかる手等に反射して受光部に入射し、これによって検知が行われることとなる。本実施形態では、これらの動作検知センサME1〜ME10と、枠側近接検知センサAE2とによって、動作検知手段が構成されている(枠側近接検知センサAE2は上記のように近接検知手段を兼ねる)。以下、説明の便宜上、動作検知センサME1〜ME10、及び、枠側近接検知センサAE2のことを、まとめて、「動作検知ユニット451」(図7参照)とも称する。
また、動作検知センサME1〜ME10(及び枠側近接検知センサAE2)はいずれも前方を向いている。さらに、各動作検知センサME1〜ME5、ME8〜ME10、及び、枠側近接検知センサAE2には、それぞれ三色LED452(発光手段)が併設されている。尚、本実施形態では、各動作検知センサME1〜ME5、ME8〜ME10、及び、枠側近接検知センサAE2と三色LED452とがユニット化されている。また、詳しくは後述するが、例えば、操作検知センサ427の検知(動作検知ユニット451への入力動作)が有効な状態において、動作検知センサME1〜ME5、ME8〜ME10、及び、枠側近接検知センサAE2による検知が行われると、併設された三色LED452が点灯又は点滅するようになっている。また、動作検知ユニット451の三色LED452は、動作検知ユニット451に関する情報の教示に使用されるだけでなく、その他の演出における情報示唆や電飾としても使用可能である。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチ等の各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、保留ランプ46a、46b、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示(付随的な演出表示)が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、普通図柄表示装置41の抽選(入球アシスト抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43L、43Rの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、上入賞口33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、下入賞口33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
尚、通常モードにおいては、当否抽選にて大当たりに当選する確率(大当たり確率)が1/300であり、入球アシスト抽選の結果を教示するための普通図柄表示装置41における変動時間が6秒であり、また、入球アシスト抽選にて当選した場合に、下入賞口33b(開閉部材33c)が0.6秒間開放される。
確変モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、通常モードに比べて大当たりし易くなる。また、確変モードにおいては、入球アシスト抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が2秒であり、通常モードに比べて短くなる上、入球アシスト抽選にて当選した場合、下入賞口33bが3回開放されるとともに、各開放時間が2秒間となる。つまり、確変モードでは、通常モードに比べ、普通図柄表示装置41における変動時間が短くなる上、入球アシスト抽選の当選1回あたりの下入賞口33bの開放時間が長くなるとともに、開放回数が多くなる。これによって、下入賞口33bが開状態となっている時間帯が長くなるため、下入賞口33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり(高入球状態となり)、当否抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。尚、高入球状態においては、普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(入球アシスト抽選の当選確率)を通常モード時よりも高くすることとしてもよい。
時間短縮モードにおいては、大当たり確率が1/300である。また、時間短縮モードにおいては、入球アシスト抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が2秒であり、入球アシスト抽選にて当選した場合、下入賞口33bが3回開放されるとともに、各開放時間が2秒間となる。すなわち、時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率ではあるが、始動入賞ユニット33の動作だけを見ると、確変モードと同じである。本実施形態では、「7RN」の大当たり状態終了後に、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる合計100回の変動表示にわたって時間短縮モードが設定される。また、時間短縮モードは、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43L、43Rにて合計100回の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常モードに移行する。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される種別判定テーブルが設けられている。そして、当否抽選にて当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0〜238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに対応し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに対応し、C3=22〜238が完全外れに対応する構成となっている。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。例えば、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチパターンやその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本例では中図柄)が停止するまでの経過時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1、CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。当選となる乱数の値の数は6つあり、その範囲は「3〜8」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、下入賞口33b(開閉部材33c)がそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検出情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599、19、238、9)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。本実施形態では、当否乱数記憶エリアは、2バイトを使用して大当たり乱数カウンタC1の値を記憶している。また、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリアはそれぞれ1バイトを使用して、種別決定カウンタC2の値、変動選択カウンタC3の値を記憶している。加えて、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNa、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNbが設けられている。
先ず、ステップS501では、遊技球が下入賞口33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、下保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(大当たり乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
ステップS505では、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する大当たり判定処理を行う。尚、大当たり判定処理の詳細については後述する。
続くステップS506では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS505の大当たり判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、大当たり乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、大当たり乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設けているわけではなく、当否乱数記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当否乱数記憶エリアは2バイトを使用しており、当該ステップS5102では、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1010101010101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、当否乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、第1当否フラグをオンにすると称して説明する。
ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、確変モードでのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで第2当否フラグをオンにするとあるのは、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1100110011001100」が設定されることを意味する。一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
尚、上記のように、本実施形態では、当否に関わる情報が2バイトを使用して記憶されるため、例えば、ノイズが生じた場合に当否フラグ(当否乱数記憶エリアの記憶内容)が書き換えられ、当選ではないのに大当たり状態が発生したり、当選なのに大当たり状態が発生しなかったりするといった事態を防止することができる。また、大当たり判定処理において当否乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、大当たり乱数カウンタC1の値を当否乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
次に、ステップS506の種別判定処理について、図15を参照して説明する。
先ず、ステップS5201では、直前に行われた大当たり判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアの他に、別途16RSフラグ等を設けているわけではなく、当選種別乱数記憶エリアに「16RS」、「7RS」、「7RN」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当選種別乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5203では、当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。本実施形態では、便宜上、当選種別乱数記憶エリアに対して「16RS」等の大当たり種別を示すパターンが設定されることを、大当たり種別を示すフラグ(16RSフラグ等)をオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「7RN」に対応する値「12〜19」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、7RNフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00011111」を設定)にしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において7RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00010000」を設定)にしてから、本処理を終了する。
尚、種別判定処理において当選種別乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、種別決定カウンタC2の値を当選種別乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
次に、ステップS507のリーチ判定処理について、図16を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた大当たり判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアの他に、別途前後フラグを設けているわけではなく、リーチ乱数記憶エリアに「前後はずれリーチ」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、リーチ乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5303では、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、リーチ乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、前後フラグをオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで前後以外フラグをオンにするとあるのは、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「11001100」が設定されることを意味する。
また、ステップS5304で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。尚、リーチ判定処理においてリーチ乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、変動選択カウンタC3の値をリーチ乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
図13の説明に戻り、ステップS507に続くステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球を契機とするものかを示す情報とともに、大当たり判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理の結果を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS508の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が上入賞口33aに入賞したか否かを第1始動入賞ユニットスイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判別された場合には、ステップS511に進み、上保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS512では、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
ステップS513では、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する大当たり判定処理を行う。大当たり判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS514では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する種別判定処理を行う。種別判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS515では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理の詳細については既に上述している。
ステップS515の後、ステップS516において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、上入賞口33a、下入賞口33bに遊技球が入球すると、大当たり乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、大当たり判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、大当たり乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、大当たり判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図17のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43L、43Rや始動入賞ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。尚、変動パターンコマンド等についても本来2バイトの2進数(保留情報コマンドと同様の出力方法)であるが、便宜上4ビット毎の16進数で示す。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」、「FF11」、「FF12」、「FF13」、「FF14」、「FF15」、「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、確変モード時及び時間短縮モード時には、「FD10」、「FD11」、「FD12」、「FD13」、「FD14」、「FD15」、「FD16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF11」又は「FD11」が設定される。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は、通常モード時には「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「10秒」となっている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1、SR2、SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、スーパーリーチSR1ならば「FF12」又は「FD12」が変動パターンコマンドに設定され、スーパーリーチSR2ならば「FF13」又は「FD13」が設定され、スーパーリーチSR3ならば「FF14」又は「FD14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1、PR2の2種類が用意されており、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、プレミアムリーチPR1ならば「FF15」又は「FD15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば「FF16」又は「FD16」が設定される。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF10」又は「FD10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「AA11」、「AA12」、「AA13」、「AA14」、「AA15」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
以下、停止図柄の区分、及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。確変大当たり図柄の組合わせは、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる図柄の組合わせである。また、通常大当たり図柄の組合わせは、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる図柄の組合わせである。本実施形態では、確変大当たり(「16RS」又は「7RS」)の場合には、確変大当たり図柄又は通常大当たり図柄のどちらかの組合せで変動表示が停止表示され、通常大当たり(「7RN」)の場合には、通常大当たり図柄の組合わせで変動表示が停止表示されることとなる。
そして、確変大当たりの場合には図柄コマンドに「AA11」が設定され、通常大当たりの場合には図柄コマンドに「AA12」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに「AA11」が設定されている場合、1〜9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、「AA12」が設定されている場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA13」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA14」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA15」が設定される。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にて前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせが停止表示された場合、「外れ」となる。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1種類だけであって、サブ制御装置262で装飾図柄の組合わせを決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59、37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32に関する制御が行われる。これにより、大当たり状態となった場合には、可変入賞装置32(大入賞口)の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、始動入賞ユニット33に関する制御が行われる。この契機対応ユニット制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211、ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59、37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211、S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図18のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、詳しくは後述する大当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。尚、大当たり状態中には、特定表示装置43L、43Rにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから可変入賞装置32が開放されるまでの間のオープニング期間と、可変入賞装置32が開状態とされるラウンド期間と、可変入賞装置32が閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。本実施形態の大当たり状況記憶エリアは、大当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。すなわち、当該ステップS801では、大当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別する。
尚、大当たり状況記憶エリアに「0」〜「3」等の数値が記憶されているとあるのは便宜上のことで、実際には大当たり状況記憶エリアは2バイトを使用しており、以下の説明でも大当たり状況記憶エリアに例えば「1010101010101010」等が設定されていることを「0」等が記憶されていることとして説明する。
ステップS801で否定判別された場合、すなわち大当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で肯定判別された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、第1表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判別された場合、すなわち、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判別する。
ステップS803で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、下保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS803の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS808において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS808で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において、上保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS810の後、ステップS811において、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ここで、ステップS807の変動表示設定処理の詳細について、図19を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、「21」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の大当たり判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグ(図15の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。ステップS904で肯定判別された場合、すなわち「16RS」である場合には、ステップS905にて16RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。16RSパターン設定処理は、「16RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43L、43Rや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS905の後、後述するステップS914に移行する。
また、ステップS904で否定判別された場合には、ステップS906において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、7RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS906で肯定判別された場合、すなわち「7RS」である場合には、ステップS907にて7RSパターン設定処理を行う。ステップS907の後、ステップS914に移行する。
一方、ステップS906で否定判別された場合、すなわち「7RN」である場合には、ステップS908において7RNパターン設定処理を行う。ステップS908の後、ステップS914に移行する。
また、ステップS902又はステップS903で否定判別された場合、すなわち大当たりではないと判別された場合には、ステップS909において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後フラグ(図16のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS909で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS910にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS914へ移行する。
また、ステップS909で否定判別された場合には、ステップS911において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS911で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS912にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS914へ移行する。
また、ステップS911で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS913において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS914に移行する。
ステップS914では、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。
第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43L、43Rの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43L、43Rの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS914の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理のステップS504、S512の大当たり乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS505、513の大当たり判定処理と、変動表示設定処理の当否フラグに基づいて各種大当たりフラグを設定するステップS901〜S903の処理とによって当否抽選が構成される。
図18の説明に戻り、ステップS802で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS812に進み、第1表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS813に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS813が肯定判別される。
ステップS813で否定判別された場合には、ステップS817において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS813で肯定判別された場合には、ステップS814において第1表示中フラグをオフし、ステップS815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、各大当たり種別や外れに対応する停止態様で停止表示させる。また、サブ制御装置262にも装飾図柄表示装置42の停止表示を行う旨の制御信号が出力される。これにより、特別表示装置43L、42R及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、このような特別表示装置43L、43Rによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS816において判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、大当たり状態の発生を示す大当たりフラグ(16RSフラグ、7RSフラグ、7RNフラグ)がオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002以下の大当たり状態の初期設定を行うための処理に移行する。すなわち、ステップS1002では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、16RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1002で肯定判別された場合、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「16」を設定する。一方、ステップS1002で否定判別された場合、ステップS1004において、ラウンド数カウンタに「7」を設定する。ステップS1003、又はステップS1004の後、ステップS1005に移行する。
ステップS1005では、大当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1006では、大当たり状態中の制御(可変入賞装置32の開閉制御)に用いられる第1可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1007では、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検出情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1008では、サブ制御装置262に対して大当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、大当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも大当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。ステップS1008の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「7RS」又は「16RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「16RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
また、ステップS1001で否定判別された場合、すなわち「外れ」と判別された場合には、ステップS1009へ移行する。ステップS1009では、モード記憶エリアに設定されている値が時間短縮モードであることを示す「12」であるか否か、すなわち、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS1009で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1009で肯定判別された場合には、ステップS1010において、時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。後述するように、本実施形態では、「7RN」の大当たり状態終了時において変動回数カウンタに「100」が設定され、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1010において1減算される。
続くステップS1011では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1011で否定判別された場合、すなわち、時間短縮モードが開始されてから未だ特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)において変動表示が100回行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1011で肯定判別された場合には、ステップS1012において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が100回行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1012の後、本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図21のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、大当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて大当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中である場合(大当たり状況記憶エリアに「1」〜「3」のいずれかが設定されている場合)にはステップS1202に移行し、第1可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて第1可変タイマに「2000」が設定されている。
続くステップS1203では、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1203で肯定判別された場合には、ステップS1204において、大当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、大当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続く、ステップS1206では、第1可変タイマに対して可変入賞装置32の開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。
ステップS1206の後、ステップS1207では、可変入賞装置32を開状態とさせる処理を行い、ステップS1208では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合には、ステップS1209において大当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、大当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1209で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1210においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1211では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1211で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1212に移行し、大当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1213において、第1可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定し、ステップS1214において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1215において、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、ステップS1216において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1203で否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32の開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1217に移行し、可変入賞装置32への入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、可変入賞装置32に遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1217で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1217で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1210に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1211で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1218に移行し、大当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1218の後、ステップS1219において、第1可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。
続くステップS1220では、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1217で肯定判別された後の流れでステップS1218以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1217で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1220で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1220の後、ステップS1221では、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1222では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1209で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1223に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図22を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアに7RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1401で肯定判別された場合には、ステップS1402において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。
続くステップS1403では、変動回数カウンタに対して「100」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮モードの継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、上記モード記憶エリアの設定処理にてモード記憶エリアに「12」が設定される場合に、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定されることとなる。ステップS1403の後、本処理を終了する。
また、ステップS1401で否定判別された場合、すなわち、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアに「16RS」又は「7RS」が記憶されている場合には、ステップS1404において、モード記憶エリアに対して確変モードに対応する値「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。その後、本処理を終了する。
図21の説明に戻り、ステップS1223の後、ステップS1224において、大当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1225において、サブ制御装置262に対して大当たり状態を終了する旨の情報を伝える大当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、大当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された遊技モードや変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
図23において、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグがオンであるか否かを判別することで、普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、通常モードにおいては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間は6秒であるため、第2表示タイマには「1500」が設定される。また、確変モード、時間短縮モードにおいては普通図柄表示装置41の変動時間が2秒であるため、第2表示タイマに「500」が設定される。当該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜9のうち「3〜8」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、普通図柄判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、始動入賞ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、入球アシストフラグをオン設定し、第2可変フラグをオン設定し、第2可変タイマに開放時間を設定し、駆動回数カウンタに始動入賞ユニット33(開閉部材33c)の駆動回数(開放回数)を設定する。
入球アシストフラグとは、入球アシスト抽選の当選に基づく処理中であるか否かを判別するための判別情報である。第2可変フラグとは、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。第2可変タイマとは、始動入賞ユニット33の開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。駆動回数カウンタとは、開閉部材33cを開放させる回数(残り回数)を計測手段である。
また、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、始動入賞ユニット33に対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを開放する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを閉鎖する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が閉状態となる(開閉部材33cが閉状態とされ、下入賞口33bへの遊技球の入球が不可能となる)。
尚、本実施形態では、高入球状態(確変モード及び時間短縮モード)と低入球状態(通常モード)とで始動入賞ユニット33の開放時間及び開放回数が異なる。本実施形態では、高入球状態においては、第2可変タイマに対して「500」が設定されるとともに、駆動回数カウンタに「3」が設定される。一方、低入球状態においては、第2可変タイマに対して「150」が設定されるとともに、駆動回数カウンタに「1」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、入球アシストフラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において第2可変タイマの値を1減算する。
続くステップS2203では、第2可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2203で肯定判別された場合、すなわち、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態である場合には、ステップS2204において、第2可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、予め規定された始動入賞ユニット33の開放時間が未だ経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2204で肯定判別された場合には、ステップS2205に移行し、第2可変フラグをオフする。続くステップS2206では、駆動回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS2207において、駆動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2207で肯定判別された場合には、ステップS2208において入球アシストフラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2208で否定判別された場合、すなわち、当選した入球アシスト抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて始動入賞ユニット33が3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2209で第2可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「100」)を設定する。ステップS2209のあと、本処理を終了する。
また、ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、始動入賞ユニット33が3回開放される間のインターバル期間(始動入賞ユニット33は閉状態)である場合には、ステップS2210に移行し、第2可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2210で否定判別された場合、すなわち、未だインターバル期間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2210で肯定判別された場合には、ステップS2211で第2可変フラグをオンし、ステップS2112で第2可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では「500」)を設定してから、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図25を参照して受信割込み処理を説明し、その後図26を参照してメイン処理を説明する。
図25は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図27に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図26を参照して説明する。図26は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図27のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図28を参照して以下に説明する。
図28は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図25参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図27のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図29を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、RAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報が含まれる。
保留情報格納エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1保留情報格納エリア及び第2保留情報格納エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1保留情報格納エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、及びリーチ種別等の変動情報が時系列的に格納される。また、第2保留情報格納エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、上入賞口33aへの入球を契機とする第1変動表示の情報(変動情報)、及び下入賞口33bへの入球を契機とする第2変動表示の情報をそれぞれ4つ保留記憶することができ、結果的に、主制御装置261の第1及び第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報を、サブ制御装置262においても把握することができる。
以下、保留情報格納処理について、図32を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において先発コマンドが下入賞口33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが上入賞口33aの入球(第1特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4103において、第1保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする上変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4104では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチ種別の情報等を、第1保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4105では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報格納エリアのうち上記ステップS4104にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報格納エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報格納エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4105の後、ステップS4106において、消灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、4つある第1保留ランプ46aのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第1保留ランプ46aは青色に発光する。続くステップS4107では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、その後、本処理を終了する。
尚、ステップS4107の連続予告抽選処理では、上変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
また、ステップS4102で否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが下入賞口33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4108に進み、第2保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする下変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチ種別の情報等を、第2保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。続くステップS4110では、連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第2保留情報格納エリアのうち上記ステップS4109にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
ステップS4110の後、ステップS4111において、消灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、4つある第2ランプ46bのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第2保留ランプ46bは赤色に発光する。続くステップS4112では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、本処理を終了する。尚、ステップS4112の連続予告抽選処理は、ステップS4107の連続予告抽選処理を下入賞口33bへの入球に対応させるだけであり、説明は省略する。
図29の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図30に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA11」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、図柄コマンドが通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA12」である場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図31に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を修了する。
図29の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図33を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、下変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が保留記憶されていない場合には、ステップS4203に進み、上変動保留カウンタNdの値を1減算する。
尚、上記のように、本実施形態では、第1変動表示よりも第2変動表示が優先的に消化され、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示が消化されることはない。すなわち、第2保留情報格納エリアに第2変動表示の変動情報が保留記憶されている場合には、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドは送られてこない。このため、本実施形態では、ステップS4202において、下変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別することで、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別している。もちろん、変動パターンコマンドに対して第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報に対応しているかの情報を持たせ、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別してもよい。
ステップS4203の後、ステップS4204において、第1保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4205では、点灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、点灯している第1保留ランプ46aのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4205の後、ステップS4209に移行する。
また、ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS4206において、下変動保留カウンタNeの値を1減算する。
続くステップS4207では、第2保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。尚、本実施形態では、保留情報格納エリアの実行エリアは1つであり、第1保留情報格納エリア及び第2保留情報格納エリアに格納されているデータは、当該データに対応する変動表示が行われる際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
続くステップS4208では、点灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、点灯している第2保留ランプ46bのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4208の後、ステップS4209に移行する。
ステップS4209では連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4209の予告設定処理では、保留情報格納エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4107の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチ種別は何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。ステップS4209の後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化される構成であるため、複数回の第1変動表示に関して連続予告が行われる場合には、かかる第1変動表示の変動表示中に下入賞口33bへの入球があると、第2変動表示が前記複数回の第1変動表示の間に割り込んで、連続予告が途切れる場合がある。これに対し、本実施形態では、連続予告として使用される演出は、連続予告が行われない場合の通常の変動表示に際しても導出され得る表示演出(単独の変動表示を対象として導出され得る演出)が用いられる。このため、連続予告が途切れても、何ら違和感は生じない。
図29の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4105の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(大当たり表示処理)についても行われるが、これについては後述する。
ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
ステップS3910では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3911では、上記ステップS3905〜3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に、ステップS3907の表示設定処理において行われる大当たり表示処理について、図34を参照して説明する。
先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「16RS」であれば「16」を設定し、「7RS」、「7RN」であれば「7」を設定する。
その後、ステップS4703において、8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブルが設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてインターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常遊技状態の態様とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
さて、本実施形態では、演出ボタンユニット120や動作検知ユニット451を使用して様々な演出が行われることとなる。以下、演出ボタンユニット120、及び、動作検知ユニット451に関する処理について説明する。
先ず、付加演出設定処理について、図40を参照して説明する。尚、当該付加演出設定処理は、サブ制御装置262の通常処理(図29)の表示設定処理(ステップS3907)において実行される。
先ず、ステップS7101では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS7101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7101で肯定判別された場合には、ステップS7102において、変動パターンコマンド等に基づいて、大当たり状態が発生するか否かを判別する。ステップS7102で肯定判別された場合、ステップS7103において、アクション演出カウンタの値が「0〜4」であるか否かを判別する。ここで、「アクション演出」とは、動作検知ユニット451を用いた演出のことであり、アクション演出カウンタとは、例えば「0〜9」の範囲で順に1ずつ加算され、上限値に達した後、下限値に戻るループカウンタである。また、アクション演出カウンタは定期的に更新されるとともに、更新の都度、対応するカウンタバッファ(アクション演出カウンタバッファ)にアクション演出カウンタの値が記憶される。本ステップS7103では、アクション演出カウンタバッファに記憶されているアクション演出カウンタバッファの値が「0〜4」であるか否かを判別する。
ステップS7103で肯定判別された場合、ステップS7104において、アクション選択カウンタの値を取得し、第1アクショングループ選択テーブルを参照して、アクション演出パターンのグループを決定する。ここで、アクション選択カウンタとは、例えば「0〜39」の範囲で順に1ずつ加算され、上限値に達した後、下限値に戻るループカウンタである。また、アクション選択カウンタは定期的に更新されるとともに、更新の都度、対応するカウンタバッファ(アクション選択カウンタバッファ)にアクション選択カウンタの値が記憶される。
また、第1アクショングループ選択テーブルとは、大当たり時、又は、確変モード時において、アクション演出を実行する場合に参照されるテーブルであって、図45(a)に示すように、アクション選択カウンタの値と、アクション演出パターンのグループとが対応付けされている。すなわち、アクション演出パターンは、動作検知ユニット451(動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2)の検知の組合わせによって決定されるものであって、当該ステップS7104では、アクション演出パターンそのものを決めるのではなく、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の検知をいくつ組み合わせたものをアクション演出に反映させるかを決める(アクション演出のパターンを決める要素として有効な検知の回数(検知入力上限回数)を決める)のである。そして、本ステップS7104では、アクション選択カウンタバッファに記憶されているアクション選択カウンタの値に基づいて、第1アクショングループ選択テーブルを参照して、アクション演出パターンのグループを決定する。
尚、第1アクショングループ選択テーブルを参照する場合、アクション選択カウンタの値が「38、39、0」であれば、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2による検知信号を2カウントまで受け付け、それ以上の検知は無効とされる(検知入力上限回数が2カウント)。また、詳しくは後述するが、本実施形態では、アクション演出に際して検知された2つの動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の組合わせに応じた演出が実行されるが、制御の簡素化等を図るべく、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の検知の組合わせを全て演出と対応付けして記憶しているわけではなく、検知信号として入力可能な動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2はある程度限定されている(例えば、窓部101に沿って配置される動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の全6つの中からの組合わせ)。
また、アクション選択カウンタの値が「32〜37」であれば検知入力上限回数が3カウントとされ、アクション選択カウンタの値が「12〜21」であれば検知入力上限回数が4カウントとされる。さらに、アクション選択カウンタの値が「22〜31」であれば検知入力上限回数が3カウントとされ、アクション選択カウンタの値が「2〜11」であれば検知入力上限回数が4カウントとされることとなるが、これらのパターンでは、さらに、演出ボタン125を操作するタイミングが到来した際に、演出ボタン125が突出する(本体部405が突出位置に変位する)ようになっている。加えて、アクション選択カウンタの値が「1」であれば検知入力上限回数が5カウントとされることとなるが、この場合は、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の検知の順番(組合わせ)が装飾図柄表示装置42及び動作検知ユニット451の三色LED452によってナビゲートされる。
尚、アクション演出において、検知入力上限回数が多いほど、大当たりへの期待度が高くなるように設定されている。また、アクション演出におけるナビゲートは、特別な演出を伴って最終的に大当たりが教示される場合にのみ行われるものであり、第1アクショングループ選択テーブルが参照される場合には、5カウント以外の場合にも発生し得る。
ステップS7104の後、ステップS7105において、アクション演出フラグをオン設定し、ステップS7106において、アクション入力カウンタの設定を行う。ここで、アクション演出フラグは、アクション演出を実行するか否かを示すフラグである。また、アクション入力カウンタは、検知入力上限回数までの残り回数を示すカウンタであり、ここでは第1アクショングループ選択テーブルを参照して決定された検知入力上限回数が設定される。
ちなみに、「アクション演出」が実行されると、装飾図柄表示装置42において、アクション演出の開始が教示されるとともに、遊技者にとって欲しいポーズと、より詳しい説明、すなわち、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2があるので、そこに手を近づけて欲しい旨のガイダンスとが表示される。このとき、三色LED452を発光させることで動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の場所を認識させ易くする。そして、設定された検知入力上限回数になるまで、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の検知が行われる毎に対応する表示(センサの検知に対応するポーズの表示)が行われるとともに、装飾図柄表示装置42にて次の動作に関する指示が表示される。動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の検知が検知入力上限回数に達すると、演出ボタン125への操作ガイダンスが表示され、遊技者により、演出ボタン125が操作されることで、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の検知の組合わせに対応する演出が実行される(例えば、所定の演出を交えて抽選の結果の教示が行われる)こととなる。
また、ステップS7103で否定判別された場合、ステップS7107において、ボタン演出カウンタの値が「0〜39」のいずれかであるか否かを判別する。ここで、ボタン演出カウンタとは、例えば「0〜59」の範囲で順に1ずつ加算され、上限値に達した後、下限値に戻るループカウンタであり、定期的に更新されるとともに、更新の都度、対応するカウンタバッファ(ボタン演出カウンタバッファ)にボタン演出カウンタの値が記憶される。
ステップS7107で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7107で肯定判別された場合、ステップS7108において、ボタン演出カウンタバッファに記憶されているボタン演出カウンタの値に基づいて、第1ボタン演出選択テーブルを参照して、ボタン演出のパターンを決定する。ここで、第1ボタン演出選択テーブルとは、大当たり時において、ボタン演出を実行する場合に参照されるテーブルであって、図47(a)に示すように、ボタン演出カウンタの値と、ボタン演出パターンとが対応付けされている。
より具体的には、ボタン演出カウンタの値が「2〜17」の場合、演出ボタン125の操作入力が有効となる有効期間の開始時に、演出ボタン125を突出させる(本体部405を突出位置に変位させる)とともに、演出ボタン125に内蔵された三色LED414を白色に発光させるための設定を行う。ボタン演出カウンタの値が「18〜25」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を突出させるとともに、演出ボタン125を赤色に発光させるための設定を行う。ボタン演出カウンタの値が「26〜31」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を白色に発光させるための設定を行う(演出ボタン125は突出させない)。ボタン演出カウンタの値が「32〜36」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を赤色に発光させるための設定を行う(演出ボタン125は突出させない)。
また、ボタン演出カウンタの値が「37、38」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を白色に発光させ、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両検知で、演出ボタン125を赤色に発光させる(発光色を変化させる)ための設定を行う。さらに、ボタン演出カウンタの値が「39」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を赤色に発光させ、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両検知で、演出ボタン125を虹色に発光させるための設定を行う。
また、ボタン演出カウンタの値が「0」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を白色に発光させ、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両検知で、演出ボタン125を没入させる(本体部405を没入位置に変位させる)ための設定を行う。ボタン演出カウンタの値が「1」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を白色に発光させるとともに、操作検知センサ427によって操作部406の操作が検知された後、遊技者が演出ボタン125から手を離し、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知が行われなくなった場合に、演出ボタン125を突出させ、かつ、虹色に発光させるための設定を行う。
続くステップS7109では、ボタン演出を実行することを示す第1〜第3ボタン演出フラグのうち対応するものをオン設定する。すなわち、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知によって演出ボタン125の態様変化を伴うパターン(演出ボタン125を変色させたり没入させたりする)の場合には第2ボタン演出フラグが設定され、遊技者の演出ボタン125の操作後に演出ボタン125を突出させるパターンの場合には第3ボタン演出フラグが設定され、それ以外のパターンの場合には第1ボタン演出フラグが設定される。
また、ステップS7106、又は、ステップS7109の後に移行するステップS7110では、有効準備フラグをオン設定する。ここで、有効準備フラグとは、動作検知ユニット451や演出ボタン125の検知(入力)を有効とする有効期間の前段階であることを示すフラグである。続くステップS7111では有効期間制御タイマの設定を行う。ここで、有効期間制御タイマとは、有効期間の時間制御に使用されるタイマであり、ステップS7111では、変動表示の開始から有効期間を開始させるまでの時間に相当する値が設定される。
また、ステップS7111の後のステップS7112では、エア演出カウンタの値が「0〜19」のいずれかであるか否かを判別する。ここで、エア演出カウンタとは、例えば「0〜49」の範囲で順に1ずつ加算され、上限値に達した後、下限値に戻るループカウンタである。また、エア演出カウンタは定期的に更新されるとともに、更新の都度、対応するカウンタバッファ(エア演出選択カウンタバッファ)にアクション選択カウンタの値が記憶される。当該ステップS7112では、エア演出選択カウンタバッファに記憶されているエア演出カウンタの値が「0〜19」であるか否かを判別する。
ステップS7112で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7112で肯定判別された場合には、ステップS7113において、エア演出選択カウンタバッファに記憶されているエア演出カウンタの値に基づいて、エア演出テーブルを参照してエア演出パターンを決定する。ここで、エア演出選択テーブルとは、エア演出を実行する場合に参照されるテーブルであって、図48に示すように、エア演出カウンタの値と、エア演出パターンとが対応付けされている。
より具体的には、エア演出カウンタの値が「4、5」の場合、排気通路432のY字管435のうち、演出ボタン125から排出された空気をパチンコ機10の背面側にまで案内する第1通路436に設けられた第1バルブ438の開度を0%(完全に閉鎖)とし、演出ボタン125から排出された空気をハンドル18にまで案内する第2通路437に設けられた第2バルブ439の開度を100%(完全に開放)とする。この場合、演出ボタン125の操作部406を操作すると、演出ボタン125から押し出された空気のほぼ100%がハンドル18に供給されるとともに、ハンドル18の前面側に形成された通気孔18bが形成から吹き出されることとなる。尚、本実施形態では、エア演出は、大当たりすることや確変モードであることを教示する場合にのみ実行される可能性があるようになっている。
また、エア演出カウンタの値が「6、7」の場合、第1バルブ438の開度を50%とし、第2バルブ439の開度を50%とする。エア演出カウンタの値が「8〜11」の場合、第1バルブ438の開度を70%とし、第2バルブ439の開度を30%とする。エア演出カウンタの値が「12〜19」の場合、第1バルブ438の開度を90%とし、第2バルブ439の開度を10%とする。当然、第2バルブ439の開度が小さければ、演出ボタン125の操作に基づいてハンドル18から吹き出す風量も小さく、気付き難くなる。
さらに、エア演出カウンタの値が「2、3」の場合、第1バルブ438の開度を100%とし、第2バルブ439の開度を0%とする上、エアポンプ440を「弱」の強さで連続的に駆動させる。このように、第2バルブ439を閉めてエアポンプ440を駆動させると、演出ボタン125(本体部405)の内側に空気が送り込まれて気圧が高められる。この状態で、操作部406を押圧操作すると、通常よりも本体部405内の気圧が高められていることから、操作部406を操作位置側に変位させるためにいつもよりも大きな力が必要となる。つまり、遊技者としては、演出ボタン125の操作がいつもよりも「硬い」と感じることとなり、かかる違和感から、普通ではないこと、ひいては、大当たり状態が発生することを人知れず連想することができる。
また、エア演出カウンタの値が「1」の場合、第1バルブ438の開度を100%とし、第2バルブ439の開度を0%とする上、エアポンプ440を「弱」の強さで間欠的に駆動させる。この場合、遊技者が操作部406を押圧操作すると、操作部406がぼこぼこと振動しているような感触を覚えることとなる。尚、演出ボタン125を触らずによく見ると操作部406が上下に振動しているのを認識できるように構成してもよい。
加えて、エア演出カウンタの値が「0」の場合、第1バルブ438の開度を100%とし、第2バルブ439の開度を100%とする上、エアポンプ440を「強」の強さで連続的に駆動させる。この場合、ハンドル18から勢いよく風が吹き出すとともに、演出ボタン125を操作した場合、操作部406が押し込み難いほど硬くなる。
ステップS7113の後、ステップS7114において、エア演出を実行することを示すエア演出フラグをオン設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS7102で否定判別された場合には、ステップS7115において、変動パターンコマンド等に基づいて、前後外れリーチが発生するか否かを判別する。ステップS7115で否定判別された場合、すなわち、大当たりでもなく、前後外れリーチでもない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7115で肯定判別された場合、ステップS7116において、アクション演出カウンタバッファに記憶されているアクション演出カウンタバッファの値が「0、1」であるか否かを判別する。
ステップS7116で肯定判別された場合、ステップS7117において、アクション選択カウンタバッファに記憶されているアクション選択カウンタの値に基づき、第2アクショングループ選択テーブルを参照して、アクション演出パターンのグループを決定する。ここで、第2アクショングループ選択テーブルとは、外れ時、又は、時間短縮モード時や通常モード時において、アクション演出を実行する場合に参照されるテーブルである。図45(b)に示すように、アクション選択カウンタの値が「25〜39」であれば検知入力上限回数が2カウントとされ、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2による検知信号を2カウントまで受け付けると、それ以上の検知は無効とされる。
また、アクション選択カウンタの値が「10〜24」であれば検知入力上限回数が3カウントとされ、アクション選択カウンタの値が「1〜5」であれば検知入力上限回数が4カウントとされる。さらに、アクション選択カウンタの値が「6〜9」であれば検知入力上限回数が3カウントとされ、アクション選択カウンタの値が「0」であれば検知入力上限回数が4カウントとされることとなるが、これらのパターンでは、さらに、動作検知ユニット451(動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2)による検知回数が検知入力上限回数に達し、演出ボタン125を操作するタイミングが到来した際に、演出ボタン125が突出する(本体部405が突出位置に変位する)ようになっている。
ステップS7117の後、ステップS7118では、アクション演出フラグをオン設定し、ステップS7119では、アクション入力カウンタに対して、第2アクショングループ選択テーブルを参照して決定された検知入力上限回数が入力される。
さらに、ステップS7120は有効準備フラグをオン設定し、ステップS7121で有効期間制御タイマに演出開始までの時間設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS7116において否定判別された場合、ステップS7122において、ボタン演出カウンタバッファに記憶されているボタン演出カウンタの値が「0〜19」のいずれかであるか否かを判別する。ステップS7122で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7122で肯定判別された場合、ステップS7123において、ボタン演出カウンタバッファに記憶されているボタン演出カウンタの値に基づいて、第2ボタン演出選択テーブルを参照して、ボタン演出のパターンを決定する。ここで、第2ボタン演出選択テーブルとは、外れ時において、ボタン演出を実行する場合に参照されるテーブルであって、図47(b)に示すように、ボタン演出カウンタの値と、ボタン演出パターンとが対応付けされている。
より具体的には、ボタン演出カウンタの値が「0〜4」の場合、演出ボタン125の操作入力が有効となる有効期間の開始時に、演出ボタン125を突出させる(本体部405を突出位置に変位させる)とともに、演出ボタン125に内蔵された三色LED414を白色に発光させるための設定を行う。ボタン演出カウンタの値が「5」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を突出させるとともに、演出ボタン125を赤色に発光させるための設定を行う。ボタン演出カウンタの値が「6〜12」の場合、演出ボタン125を赤色に発光させるための設定を行う(演出ボタン125は突出させない)。ボタン演出カウンタの値が「13〜18」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を白色に発光させるための設定を行う(演出ボタン125は突出させない)。また、ボタン演出カウンタの値が「19」の場合、有効期間の開始時に演出ボタン125を白色に発光させ、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両検知で、演出ボタン125を赤色に発光させる(発光色を変化させる)ための設定を行う。
その後、ステップS7124において、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知によって演出ボタン125の態様変化を伴うパターン(演出ボタン125を変色させる)の場合には第2ボタン演出フラグが設定され、それ以外のパターンの場合には第1ボタン演出フラグが設定される。続いて、ステップS7120(有効準備フラグをオン)、及び、ステップS7121(有効期間制御タイマの設定)を経て、本処理を終了する。
次に、有効期間準備処理について、図41を参照して説明する。尚、当該有効期間準備処理は、サブ制御装置262の通常処理において(例えば2msec毎に)実行される。ステップS7201では、有効準備フラグがオン設定されているか否かを判別する。ちなみに、有効準備フラグは付加演出設定処理においてアクション演出やボタン演出の実行が決定された場合にオン設定される。ステップS7201で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7201で肯定判別された場合、ステップS7202において、有効期間制御タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS7202で否定判別された場合、ステップS7203で有効期間制御タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。一方、ステップS7202で肯定判別された場合、ステップS7204において有効準備フラグをオフする。続くステップS7205では、アクション演出フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7205で否定判別された場合、すなわち、ボタン演出が行われる場合には、ステップS7206において、演出ボタン125の操作が有効な有効期間であることを示す有効期間フラグをオン設定し、ステップS7207において有効期間制御タイマに有効期間の長さに相当する値を設定する。その後、ステップS7208において、第1又は第2ボタン演出選択テーブル(図47参照)を参照して設定されたパターンのボタン演出を開始させるとともに、ステップS7209において、演出ボタン125の操作を促すボタン入力ガイダンス(例えば、装飾図柄表示装置42での表示や音声アナウンス等)の設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS7205で肯定判別された場合、すなわち、アクション演出が行われる場合には、ステップS7210において、動作検知ユニット451(動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2)の検知がアクション演出パターンを決定する要素として有効なアクション入力期間であることを示すアクション受付フラグをオン設定する。続くステップS7211では、有効期間制御タイマに対してアクション入力期間の長さに相当する値を設定する。
さらに、ステップS7212において、第1又は第2アクショングループ選択テーブル(図45参照)を参照して設定されたパターンのアクション演出を開始させるとともに、ステップS7213において、演出ボタン125の操作を促すアクション入力ガイダンス(例えば、装飾図柄表示装置42での表示、動作検知センサME1〜ME5や枠側近接検知センサAE2に対応する三色LED452の発光、及び、音声アナウンス等)の設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態におけるアクション演出では、動作検知ユニット451のうち、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接センサAE2が使用される。さらに、アクション演出に際して、これら動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接センサAE2の全てが、常時、検知入力を受け付けているのではなく、かかる動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接センサAE2のなかでも、状態に応じて、検知が行われる動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2が限定されている(制御の簡素化等を図るべく数が絞られている)。そして、アクション入力ガイダンスでは、検知入力が有効とされている動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接センサAE2の三色LED452を点灯(又は点滅)させ、その他の動作検知センサME1〜ME10、及び、枠側近接センサAE2の三色LED452を消灯させるのである。
次に、アクション入力処理について、図42を参照して説明する。尚、当該アクション入力処理は、サブ制御装置262の通常処理において(例えば2msec毎に)実行される。先ず、ステップS7301では、アクション受付フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7301で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7301で肯定判別された場合には、ステップS7302において有効期間フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS7302で否定判別された場合には、ステップS7303において、動作検知ユニット451(動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2)の検知情報があるか否かを判別する。ステップS7303で肯定判別された場合には、ステップS7304において、アクション入力カウンタの値を1減算する。
続くステップS7305では、サブ制御装置262のRAM553に設けられた動作記憶エリアとしてのアクション記憶エリアに対して、今回の動作検知ユニット451の検知情報を記憶する。アクション記憶エリアは第1記憶エリア、第2記憶エリア、第3記憶エリア、及び、第4記憶エリアの4つの記憶エリアを備えるとともに、動作検知ユニット451の検知情報が第1記憶エリア→第2記憶エリア→第3記憶エリア→第4記憶エリアの順に時系列的に記憶される。つまり、アクション記憶エリアを参照すれば、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の検知の組合わせ、及び、順番を把握することが可能である。尚、本実施形態では、アクション演出に際しての動作検知ユニット451への検知入力上限回数が5カウントの場合があるが、この場合の動作検知ユニット451の検知の組合わせ及び順番は1パターンであり、そのパターンがナビゲートされる。このため、検知入力上限回数が最大で4カウントの場合の動作検知ユニット451の検知の組合わせ及び順番を把握し得ればよく、アクション記憶エリアの記憶エリアは4つとなっている。
その後、ステップS7306において、動作検知ユニット451の検知に応じた演出処理を行ってから、ステップS7307において、アクション入力カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS7307で肯定判別された場合、すなわち、アクション入力期間において動作検知ユニット451によって検知された回数が、検知入力上限回数に達した場合には、ステップS7308において有効期間フラグをオン設定し、ステップS7309において有効期間制御タイマに対して有効期間の長さに相当する値を設定し、ステップS7310において演出ボタン125への操作を促すボタン入力ガイダンスの設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS7303、又は、ステップS7307で否定判別された場合、すなわち、動作検知ユニット451の検知情報がなかったり、動作検知ユニット451の検知情報が確認されても、検知回数が検知入力上限回数に達していなかったりする場合には、ステップS7311において有効期間制御タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS7311において否定判別された場合には、ステップS7312において、有効期間制御タイマの値を1減算するとともに、ステップS7313においてアクション入力ガイダンスの設定を行ってから、本処理を終了する。
一方、ステップS7311において肯定判別された場合、すなわち、動作検知ユニット451の検知回数が検知入力上限回数に達することなく、アクション演出のアクション入力期間が経過した場合には、ステップS7314においてアクション受付フラグをオフ設定し、ステップS7315においてアクション演出フラグをオフ設定し、ステップS7316においてアクション入力ガイダンスを終了させる。そして、ステップS7317において、アクション演出のアクション入力期間が終了したことを教示するタイムアップ表示の設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS7302で肯定判別された場合、すなわち、アクション演出中において演出ボタン125の入力操作が有効な有効期間となっている場合には、ステップS7318において、演出ボタン125の操作(操作検知センサ427の検知)があるか否かを判別する。ステップS7318で肯定判別された場合には、ステップS7319において、アクション記憶エリアに記憶されている検知情報と、大当たりか否かの情報とに基づいて、アクション演出の結末を教示するアクション結果演出を決定し、導出させる処理を行う。
本実施形態では、アクション記憶エリアに記憶されている検知情報である動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の検知の組合わせ、及び、順番と、アクション結果演出のパターンとの対応関係を示すアクションパターン決定テーブルが設けられている。例えば、検知入力上限回数が4カウントの場合、図46に示すようなアクションパターン決定テーブルを参照してアクション結果演出のパターンを決定することとなる。すなわち、アクション入力カウンタの値が「4」であって、未だアクション記憶エリアに検知情報が記憶されていない状態では、動作検知センサME1、ME2、ME3、及び枠側近接検知センサAE2の三色LED452を点灯させるとともに、装飾図柄表示装置42において、かかるセンサに手をかざすことを促すアクション入力ガイダンスが行われる(有効期間準備処理のステップS7213)。
そして、例えば、動作検知センサME1の検知が行われると、かかる検知情報がアクション記憶エリアの第1記憶エリアに記憶される(アクション入力処理のステップS7305)とともに、アクション入力カウンタの値が「3」に減算される(ステップS7304)。さらに、動作検知センサME2、AE2の三色LED452を点灯させるとともに、装飾図柄表示装置42においてかかるセンサに手をかざすことを促すアクション入力ガイダンスが行われる(ステップS7313)。これらの検知情報のアクション記憶エリアへの記憶処理と、アクション入力ガイダンスの設定処理とが、アクション入力カウンタの値が「0」になるまで繰り返される(ステップS7307で肯定判別)と、演出ボタン125の操作が有効(ステップS7308)となる。そして、演出ボタン125が操作される(ステップS7318で肯定判別)と、アクション記憶エリアの記憶内容と、アクションパターン決定テーブルとを照らし合わせて、アクション結果演出のパターンを決定する。
尚、アクションパターン決定テーブルは、検知入力上限回数が4カウント用のものの他に、検知入力上限回数が2カウント用のものと、検知入力上限回数が3カウント用のものとがある上、それぞれ大当たり用と外れ用とが用意され、ステップS7319において使用されるものが適宜選択される。また、アクション記憶エリアの記憶内容は、ステップS7319のアクション結果演出の設定終了時に消去されることとなる。加えて、アクションパターン決定テーブルのテーブル構成等については特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。
ステップS7319の後、ステップS7320においてアクション受付フラグをオフ設定し、ステップS7321において有効期間フラグをオフ設定し、ステップS7322においてアクション演出フラグをオフ設定する。そして、ステップS7323においてボタン入力ガイダンスを終了させてから、本処理を終了する。
また、ステップS7318で否定判別された場合には、ステップS7324において、有効期間制御タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS7325において有効期間制御タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。一方、ステップS7324において肯定判別された場合、すなわち、アクション演出における有効期間において演出ボタン125への操作がなく有効期間が経過してしまった場合には、ステップS7326において、アクション演出の有効期間が終了したことを教示するタイムアップ表示の設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では特に言及していないが、アクション演出に参加したくない遊技者の利便性を向上させるべく、アクション受付フラグがオン設定され、有効期間フラグがオフ設定されている状態において、演出ボタン125の操作が確認されることに応じて有効期間制御タイマの値が所定減算されるように構成したり、演出ボタン125の操作が確認された時点でのアクション記憶エリアの記憶情報に基づいてアクション結果演出設定(ステップS7319以下の処理)が行われたりするように構成してもよい。本実施形態では、アクション受付フラグをオンオフする機能(ステップS7210、ステップS7314、ステップS7320)が動作入力状態切替手段を構成する。
次に、ボタン演出実行処理について、図43を参照して説明する。尚、当該ボタン演出実行処理は、サブ制御装置262の通常処理において(例えば2msec毎に)実行される。
先ず、ステップS7401では、有効期間フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7401で肯定判別された場合には、ステップS7402において、第1〜第3のいずれかのボタン演出フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7401で否定判別された場合、又は、ステップS7402で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7402で肯定判別された場合、すなわち、ボタン演出中である場合には、ステップS7403において、第3ボタン演出フラグがオン設定された場合のボタン演出を実行するための離間監視フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7403で否定判別された場合、ステップS7404において、演出ボタン125の操作(操作検知センサ427の検知)があるか否かを判別する。ステップS7404で肯定判別された場合、ステップS7405において第3ボタン演出フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS7405で肯定判別された場合には、ステップS7406において離間監視フラグをオン設定してから、本処理を終了する。一方、ステップS7405において否定判別された場合には、ステップS7407において第1ボタン演出フラグをオフする。
その後、ステップS7408において、大当たりか否かの情報に基づいて、演出ボタン125の操作に応じた演出(結果演出)を決定し、導出させる処理を行う。尚、当該ステップS7408での結果演出の決定方法は特に限定されるものではなく、ボタン演出のパターンを加味してもよいし、加味しなくてもよい。例えば、所定のタイミングで更新されるループカウンタと、ループカウンタの値と演出パターンとの対応関係を記憶する大当たり用と外れ用のテーブルとを使用して、かかる結果演出を決定することとしてもよい。
続くステップS7409では有効期間フラグをオフ設定し、ステップS7410においてボタン入力ガイダンスを終了させてから、本処理を終了する。
また、ステップS7404で否定判別された場合、すなわち、演出ボタン125の疎さが確認されていない場合には、ステップS7411において第2ボタン演出フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7411において肯定判別された場合には、ステップS7412においてユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両方の検知が行われたか否かを判別する。
ステップS7412で肯定判別された場合、ステップS7413において、近接検知に対応する近接対応演出(図47参照)を実行する処理を行う。すなわち、演出ボタン125を没入させる場合、演出ボタン125のステッピングモータ407を駆動させ、図39に示すように、本体部405を没入位置へと下方に変位させる。これにより、遊技者が操作部406を未だ操作していないにもかかわらず、操作部406の操作面が取付台403の上面よりも下方に(本例では、略面一となるように)収容されることとなる。
また、演出ボタン125の発光色を変化させる場合、演出ボタン125のLED基板413に対応する信号を出力する。本実施形態では、ボタン演出等は装飾図柄表示装置42における表示演出と連動して行われるのであるが、特に、演出ボタン125の発光色を変化させるパターンが選択された場合、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両方の検知が行われたことを契機として、装飾図柄表示装置42における表示演出の結果を示唆する表示が導出される。例えば、装飾図柄表示装置42においてキャラクタが所定のチャレンジを行う演出において、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知があったタイミングで、キャラクタの周りにチャレンジの成功期待度を示唆するように色や大きさが対応付けられているオーラが表示されたり、キャラクタのカットイン画像が表示されたりするように構成してもよい。これにより、演出ボタン125を操作する直前にボタン操作の結果がどうなるかということが示唆されるため、ボタン操作の結果発表に際しての演出を2段階で堪能することができる。また、かかる演出は、パチンコ機10側で勝手にタイミングを決めているのではなく、遊技者の手の近接を検知したタイミングで導出されるため、かかる演出の発生タイミングが遊技者の高揚感とずれてしまうといった事態を抑制することができる。
その後、ステップS7414で第2ボタン演出フラグをオフ設定する。本実施形態では、近接対応演出が行われることで、操作検知センサ427の検知の有無にかかわらず、演出ボタン125の操作が行われたものとして処理が進行する。ステップS7414の後、ステップS7408において、結果演出を決定・導出させる処理を行い、ステップS7409において有効期間フラグをオフ設定し、ステップS7410においてボタン入力ガイダンスを終了させてから、本処理を終了する。
また、ステップS7411、又は、ステップS7412で否定判別された場合、ステップS7415において、有効期間制御タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS7415で否定判別された場合には、ステップS7416において有効期間制御タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。
一方、ステップS7415で肯定判別された場合には、ステップS7417において、オン設定されている第1〜第3ボタン演出フラグをオフ設定し、ステップS7418において、演出ボタン125の操作の有効期間が終了したことを示すタイムアップ表示の設定を行う。その後、ステップS7409において有効期間フラグをオフ設定し、ステップS7410においてボタン入力ガイダンスを終了させてから、本処理を終了する。
また、ステップS7403で肯定判別された場合、すなわち、第3ボタン演出フラグがオン設定された状態で演出ボタン125が操作された場合には、ステップS7419において、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2のどちらにも検知が行われていない状態であるか否かを判別する。すなわち、遊技者が演出ボタン125を操作した後、演出ボタン125を操作していた手が、演出ボタン125から、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知が行われなくなる程度まで離れたか否かを判別する。ステップS7319で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7419で肯定判別された場合には、ステップS7420において、演出ボタン125を突出させるボタン突出演出を実行させる処理を行う。すなわち、演出ボタン125のステッピングモータ407を駆動させ、図38に示すように、本体部405を突出位置へと上方に変位させる。これにより、遊技者が操作部406から手を離したら操作部406より大きく突出している、或いは、遊技者が操作部406から手を離したと思ったら操作部406が手にくっついてくるといった演出が導出されることとなる。
その後、ステップS7421で第3ボタン演出フラグをオフ設定する。本実施形態では、ボタン突出演出が行われることで、操作検知センサ427の検知の有無にかかわらず、演出ボタン125の操作が行われたものとして処理が進行する。ステップS7421の後、ステップS7408において、結果演出を決定・導出させる処理を行い、ステップS7409において有効期間フラグをオフ設定し、ステップS7410においてボタン入力ガイダンスを終了させてから、本処理を終了する。
尚、通常の演出ボタン125の操作を確認する処理は、アクション入力処理やボタン演出実行処理とは別に行われており、操作検知センサ427の検知があった場合、状況に応じて適宜対応する処理が実行されるが、アクション受付フラグやボタン演出フラグがオン設定されている場合には、かかる通常の操作確認処理では特に対応する処理を実行することはなく、アクション入力処理やボタン演出実行処理に任せることとなる。
また、本実施形態では、演出ボタン125の操作の仕方の統計をとるようになっている。すなわち、本実施形態では、有効期間において、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両方の検知があってから、操作検知センサ427の検知があるまでの時間を計測する操作スピード計測手段としての接近スピード計測タイマと、操作検知センサ427によって連続して検知され続けている時間を計測する操作時間計測タイマとが設けられている。また、操作趣向カウント手段として、接近スピード計測タイマの計測時間が、例えば、0.1秒未満であった場合に1加算される高速操作カウンタと、例えば、1秒以上であった場合に1加算される低速操作カウンタとが設けられている。さらに、有効期間において、操作時間計測タイマの計測時間が、例えば、0.5秒以上であった場合に1加算される長押し操作カウンタが設けられている。
そして、かかる高速操作カウンタ、低速操作カウンタ及び、長押し操作カウンタの値に応じて、演出ボタン125の操作に応じて行われる結果演出の決定方法(選択される結果演出のパターン)に変化が生じ得るように構成されている。例えば、結果演出の開始のタイミングは、通常、操作検知センサ427の検知があった時点とされるところ、長押し操作カウンタの値が規定値以上の場合、結果演出の開始のタイミングが操作検知センサ427の検知が行われなくなった時点となるように構成してもよい。また、低速操作カウンタの値が規定値以上の場合には、第1ボタン演出選択テーブル(図47(a)参照)が参照される場合(大当たりとなる場合)において、低速操作カウンタの値が1加算された時点で(演出ボタン125の直上方で遊技者の手が待機を始めてから所定時間が経過することで)、演出ボタン125の発光色が赤色や虹色に変化し易くなるように構成したり、低速操作カウンタの値が1加算されるタイミングで、演出ボタン125が突出して演出ボタン125側から遊技者の手に接触していくような変位動作を行ったり、低速操作カウンタの値が1加算されたにもかかわらず演出ボタン125が押されることなくユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知がなくなった場合に、対応する演出を導出したりしてもよい。さらに、例えば、演出ボタン125を操作した場合に失敗する演出が一旦生じされるが、その後成功に転じる復活演出が存在するような場合において、高速操作カウンタの値が規定値以上の場合には、復活演出の選択割合が低下する一方で、演出ボタン125の1回の操作で最終的な結果が表示され易くなるように構成してもよい。また、演出ボタン125の保護を図るべく、例えば、接近スピード計測タイマの計測時間が0,1秒未満の場合には、警告のアナウンス(優しく操作してくださいといった表示等)を行うこととしてもよい。さらに、高速操作カウンタの値(高速操作カウンタの値から低速操作カウンタの値を引いた値でもよい)が規定値を超えた場合、或いは、規定値を超えて以降数が増えるほど、所定の罰則(演出ボタン125を使用した演出自体の発生確率が低下する等)が実施されるように構成してもよい。
また、本実施形態では、遊技者が携帯する携帯通信端末(携帯電話やスマートフォン等)を介して、パチンコ機10と、遊技機メーカー等のサーバとの間で、大当たり回数や変動回数等の遊技データのやりとりが行えるようになっている。そして、遊技の終了に際し、パチンコ機10の装飾図柄表示装置42にて表示された2次元コードを携帯通信端末で読み取ってサーバにアクセスすることで、遊技データやサーバに蓄積されるようになっている。また、2次元コードには、高速操作カウンタ、低速操作カウンタ、及び、長押し操作カウンタの値を示す情報も含まれ、かかるカウンタの値がサーバにて蓄積されるようになっている。さらに、サーバで発行されるパスワードには、遊技情報に基づく情報だけでなく、高速操作カウンタ、低速操作カウンタ、及び、長押し操作カウンタの値の累計情報が含まれ、かかるパスワードをパチンコ機10に入力することで、カウンタの累計情報に応じた演出を行うことができる。
尚、本例のパチンコ機10は、電源がオフされることで、高速操作カウンタ、低速操作カウンタ、及び、長押し操作カウンタの値が消去されることとなるが、2次元コードを表示した時点で消去されるように構成してもよい。また、上記した各種演出は、高速操作カウンタ、低速操作カウンタ及び、長押し操作カウンタの値が所定条件を満たした場合以外にも行われ得るように構成してもよい。例えば、大当たり状態が発生する場合の一部において、装飾図柄表示装置42において、演出ボタンの操作を促すガイダンスが行われ、これに応じて演出ボタン125に近接した遊技者の手等がユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の少なくとも一方で検知されると、装飾図柄表示装置42において演出ボタン125の操作を待つ旨のガイダンスが行われ、演出ボタン125の上方(ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の少なくとも一方で検知される領域)で遊技者の手等が所定時間待機していると、操作部406が突出して発光するといった演出を実行可能に構成してもよい。
次に、エア演出実行処理について、図44を参照して説明する。尚、当該エア演出実行処理は、サブ制御装置262の通常処理において(例えば2msec毎に)実行される。
先ず、ステップS7501では、有効期間フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7501で肯定判別された場合には、ステップS7502においてエア演出フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7502で肯定判別された場合には、ステップS7503においてユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両方の検知が行われたか否かを判別する。ステップS7503で肯定判別された場合には、ステップS7504において、エア演出選択テーブル(図48)を参照して設定されたエア演出を開始し、本処理を終了する。
一方、ステップS7501、ステップS7502、ステップS7503で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、動作検知センサME8〜ME10に関する構成について説明する。本実施形態では、大当たり状態中、及び、確変モード中(リーチ状態は除く)において、遊技盤30に設けられた動作検知センサME8〜ME10への入力検知が有効な状態とされる。すなわち、本実施形態では、大当たり状態中及び確変モード中において、装飾図柄表示装置42にて表示されるキャラクタが、動作検知センサME8〜ME10による検知に応じた動作を行う(リアクションする)ようになっている。例えば、所定時間以内に動作検知センサME8→ME10→ME9の順に検知が行われた場合にキャラクタがぐるぐると回転したり、また、例えば、動作検知センサME9に所定時間以上検知され続けると画面左側にキャラクタが寄ってきたり、さらに、例えば、巨大迷路に遊びに来た演出で、動作検知センサME8が右の通路、動作検知センサME9が左の通路、動作検知センサME10が奥の通路の通路に対応し、3回選択した時点で、選択に応じた結果表示が行われたりするように構成してもよい。
次に、動作検知センサME6、ME7に関する構成について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の側方に配置される遊技補助装置としてのカードユニットにおいて残高のある遊技カードが挿入されたり、紙幣が挿入されたりした場合であって、かかる挿入分の遊技球がすべて貸し出されることなく、残高のある状態で返却ボタン122が操作されると、カードユニットから残高のある遊技カードが排出される。また、本実施形態では、サブ制御装置262において、カードユニットに残高のある遊技カードが挿入されていることを把握可能に構成されている。すなわち、サブ制御装置262のRAM553には、遊技カードの残高を記憶可能な残高記憶エリアが設けられ、遊技カード挿入時において外部端子板240等を介して残高記憶エリアに対し残高に対応する値が記憶され、球貸しボタン121の操作による貸し出しが行われた場合、残高記憶エリアから貸し出し分に相当する値が減算される。加えて、カードユニットから残高のあるカードユニットが排出されると、残高記憶エリアの値がクリアされる。
そして、本実施形態では、所定時間毎に、ハンドル18の右方に設けられた動作検知センサME6、及び、上皿19と下皿15との間に設けられた動作検知センサME7の検知があるか否かを判別し、両方の検知がなくなったと判別された場合、すなわち、遊技者が離席したと判断されるような場合には、残高記憶エリアを参照して遊技カードの残高があるか否かを確認し、肯定判別されると、装飾図柄表示装置42や音声によって遊技カードの取り忘れを報知するようになっている。本実施形態では、残高記憶エリアと、残高記憶エリアに残高を記憶させる機能と、遊技者の離席を検知した場合に残高記憶エリアを確認する機能とが忘れ物検知手段を構成する。
さらに、本実施形態では、動作検知センサME6、ME7によって遊技者の離席が確認された場合、変動表示中であるか否かを判別する。尚、変動表示の停止表示直後であり、次の変動表示が未だに開始されていない状態であっても、保留されている変動表示がある場合には、変動表示中であると見なされることとする。かかる判別において肯定判別された場合には、かかる遊技者の離席が確認された時点から変動表示の状態が現状維持とされる(変動表示が停止表示されない状態とする、又は/及び、変動表示に伴う演出を一時停止する)。一方、動作検知ユニット451の検知等(ハンドル18の操作でも可)によって遊技者の着席が確認された場合(例えば、動作検知センサME6、ME7による(所定時間以上の)検知情報が入力された場合、或いは、動作検知センサME6、ME7の検知後、さらに演出ボタン125等の操作で再開してもよいことが確認された場合)に変動表示が再開される(進行する状態となる)ように構成されている。
尚、アクション演出やボタン演出については、大当たり状態中や確変モード中、時間短縮モード中においても実行される場合がある。すなわち、実際には確変大当たりであるものの、装飾図柄表示装置42において、変動表示に際して通常大当たり又は確変大当たりのどちらで大当たりしたかの判別ができないような教示が行われた(偶数のゾロ目が表示された)場合であって、大当たり状態中に成功するパターンのボタン演出の導出が決定された場合には、ボタン演出に参加する(演出ボタン125を操作する)ことで、確変大当たりであることが教示される。また、実際には確変モードであるものの、装飾図柄表示装置42において大当たりが教示されることとなった変動表示や大当たり状態中において確変モードが付与されること(確変大当たりであること)が教示されなかった場合であって、見た目上、時間短縮モードにおいて成功するパターンのアクション演出の導出が決定された場合には、アクション演出に参加することで、確変モードであることが教示される。勿論、これらのボタン演出やアクション演出に参加しない場合には、ボタン演出やアクション演出によって確変大当たりや確変モードであることが教示される機会が失われることとなる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、演出ボタン125の近傍位置において、演出ボタン125を操作しようとして演出ボタン125に近接した遊技者の手を検知可能なユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2が設けられている。このため、演出ボタン125への操作があることを事前に検知することができ、その情報を利用した演出を行うことができる。例えば、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2による検知に基づいて、演出ボタン125の操作を行う前に、演出ボタン125の操作があった場合に行われる演出に関連する演出を行ったり、演出ボタン125自体の態様を変化させたりすることができる(ボタン演出実行処理のステップS7413、エア演出実行処理のステップS7504参照)。従って、演出ボタン125への操作に対して斬新な面白みを付与するとともに、演出や遊技性の多様化を図ることができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。
さらに、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2及び操作検知センサ427の検知情報に基づいて、演出ボタン125を操作してはいないが演出ボタン125の近くに遊技者の手が存在することを把握し、その情報を演出に反映させることができる。本例では、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の両方の検知があってから、操作検知センサ427の検知があるまでの時間を計測する接近スピード計測タイマの計測時間が0.1秒未満であった場合に1加算される高速操作カウンタと、1秒以上であった場合に1加算される低速操作カウンタとが設けられ、かかるカウント、すなわち、遊技者の趣味嗜好に応じた演出を導出可能である。
例えば、低速操作カウンタの値が規定値以上の場合であって、大当たり状態の発生が決まっている状態では、演出ボタン125の直上方で遊技者の手が待機を始めてから所定時間が経過することで、演出ボタン125の発光色が赤色や虹色に変化させたり、低速操作カウンタの値が1加算されるタイミングで、演出ボタン125が突出して演出ボタン125側から遊技者の手に接触に行くような演出が行ったり、低速操作カウンタの値が1加算されたにもかかわらず演出ボタン125が押されることなくユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知がなくなった場合に、対応する演出を導出したりすることが可能である。従って、遊技者は自分の操作があったからこそ、そのような報知演出が導出された(反映された)のだと実感することができ、より一層の充実感や達成感を得ることができる。結果として、演出や遊技性の多様化等を図るといった上記作用効果がより一層確実に奏される。
また、演出ボタン125を操作するボタン演出に際して、演出ボタン125の態様を変化させたり(発光色や、操作部406の突出長や、操作部406の押込みに必要な力の変化)、演出ボタン125の操作に応じた結果を示唆したりする事前演出を行おうとした場合、パチンコ機10がかかる事前演出の開始タイミングを勝手に決定してしまうと、かかるタイミングが演出ボタン125の操作のタイミングに対して早すぎたり、遅すぎたりするおそれがある。すなわち、事前演出のタイミングが早すぎると、遊技者に簡単に気付かれたり、演出ボタン125の操作との間隔が開きすぎて盛り上がらなかったりすることが懸念される。一方、事前演出のタイミングが遅すぎる(例えば、操作部406に少し触れたタイミングで事前演出が開始される)と、事前演出を行う時間的猶予が全くなくなってしまうことが懸念される。
これに対し、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知を契機として演出ボタン125への操作の少し前に態様変化を実行させることで、かかる不具合を払拭することができる。従って、事前演出とボタン演出とのタイミングをばっちりと合わせることができ、かかる一連の流れるような演出によって遊技者の気持ちをより確実に高めることができる。さらに、ボタン演出が導出されたが遊技者が演出ボタン125を操作しないような場合に、無駄に事前演出を行うことを回避することができる。特に、エア演出に関しては、排気通路432に設けられた第1バルブ438及び第2バルブ439を開閉制御する必要があるため、演出ボタン125の操作の事前に開閉制御を開始しておくことで演出ボタン125の操作に間に合わせることができるといった作用効果がより顕著なものとなる。
また、本実施形態では、上向きに取付けられているユニット側近接検知センサAE1と、前向きに取付けられている枠側近接検知センサAE2との両方の検知が確認された場合に、演出ボタン125への遊技者の手の近接したものとして検知されるようになっている。このため、演出ボタン125を操作しようと演出ボタン125に近付く遊技者の手等を3次元的に検知することができる。従って、演出ボタン125への操作に関係のない遊技者の動作を検知してしまうといった事態を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、演出ボタンユニット120が上皿19の上面側において貯留凹部19aの後方に設けられている。このため、遊技者が手で所謂ドル箱や下皿15から上皿19に遊技球を移したり、コーヒーサービス等を利用したりする場合に上皿19から遊技球を取出したりする場合に、かかる動作を行う遊技者の手等をユニット側近接検知センサAE1で検知してしまうといった事態を抑止することができる。従って、演出ボタン125の操作とは関係のない動作をユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2が検知して、演出ボタン125の操作に関する制御が余分に実行されてしまう等といった事態をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、前面枠セット14の窓部101に沿って設けられた動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2を使用して、アクション演出が行われるようになっている。すなわち、動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2に遊技者の動作を検知させることが、アクション演出(アクション演出の結末を示す結果演出)のパターンを決定するための入力操作となっており、遊技者の動作を検知した動作検知センサME1〜ME5、及び、枠側近接検知センサAE2の検知の組合わせ及び順番に応じた演出が実行されるようになっている。このため、遊技者による入力操作自体を一辺倒ではなく多彩なものとすることができるとともに、遊技者による操作入力に応じて行われる演出をより多彩なもの、ひいては、遊技者の動作に対応させた演出を導出させることができ、遊技者がより感情移入し易い演出を導出させることができる。従って、遊技者による入力操作に関して斬新な面白みを付与するとともに、遊技者により身近で、より多彩な演出を行うことができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。
また、動作検知センサME1〜ME5、枠側近接検知センサAE2は、遊技領域を前方から視認可能とさせる前面枠セット14の窓部101の周り配置されている。このため、従来は、装飾等で利用されるだけであった領域をも利用したパチンコ機10の前面をいっぱいに使ったダイナミックな演出を行うことができ、斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、アクション演出やボタン演出では、変動表示に際して当否抽選の結果の示唆を行うだけでなく、大当たりとなることを画定的に教示したり、或いは、大当たり状態中や確変モード中においてアクション演出やボタン演出が導出される場合には、実際には確変大当たりであったり、確変モードであったりするということを教示したりする場合もある。このように、アクション演出やボタン演出に参加することで、遊技者が知りたい情報を知る機会を(少しでも早く、多く)得ることができる。これにより、アクション演出やボタン演出への参加を促進することができる。さらに、アクション演出やボタン演出への参加の理由付けをすることができることから、遊技者が対外的にも対内的にもかかる演出に参加し易くなり、これをきっかけに、アクション演出やボタン演出自体の面白さを知ってもらうことができる。
加えて、アクション演出を行う動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2や、リアクション演出を行う動作検知センサME8〜ME9には、これらのセンサによる検知が有効状態になっていることに対応して点灯したり、検知されたことに対応して消灯したりする三色LED452が併設されている。このため、動作検知センサME1〜ME5、ME8〜ME9、及び枠側近接検知センサAE2の位置を示唆したり、遊技者に所定のアクションを行わせたり(検知の順序を示唆したり)、対象の動作検知センサME1〜ME5、ME8〜ME9、及び枠側近接検知センサAE2によって検知が確実に行われたかを教示したりすることが可能となる。従って、遊技者の動作検知ユニット451を使用する演出への理解を大いに助けることができる。
加えて、本実施形態では、遊技ホールにおいてパチンコ機10に併設されるカードユニットに残高のある遊技カードが挿入されている状態において、動作検知センサME6、ME7の検知情報により遊技者の離席が確認された場合、装飾図柄表示装置42や音声によって遊技カードの取り忘れが報知されるようになっている。このため、遊技者の遊技カードの取り忘れを防止することができる。さらに、遊技者がトイレ等で席を外した隙に遊技カードが奪い去られてしまうといった事態を抑止することができる。また、動作検知センサME6、ME7による検知情報を利用して、遊技者が席を離れるような場合にのみ、所定の報知が行われるようになっている。このため、遊技カードをカードユニットに挿入したままであったりすると、常時、報知状態になってしまうような鬱陶しい状況を回避することができる。
さらに、動作検知センサME6、ME7によって、変動表示中に遊技者の離席が確認された場合には、その変動表示の状態が現状維持とされるようになっている。このため、変動表示中にトイレや携帯電話の通話等に行きたくなった場合に、変動表示等のことを気にせずに離席することができる。従って、利便性の飛躍的な向上を図ることができる。
また、本実施形態では、演出ボタン125と、パチンコ機10の背面側外部と、ハンドル18との間を連通させる排気通路432が設けられている。そして、エア演出が行われることが決定された場合、演出ボタン125の操作部406を押し下げると、本体部405から押し出された空気がハンドル18に形成された通気孔18bから吹き出したり、パチンコ機10の背面側外部に通じる分岐通路である第1通路に設けられたエアポンプ440を駆動させて演出ボタン125の空気を供給して演出ボタン125を操作する感覚(押し込み難くなる等)を変えたりするようになっている。従って、演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができ、演出の多様化等を図るといった作用効果が一層確実に奏される。
ちなみに、エアポンプ440を演出ボタン125の供給して、操作部406を押し下げるために必要な力の大きさを大きくしたり、エアを断続的に供給することで操作部406を押し下げる際に振動するような間隔を与えたりするような場合、エアポンプ440の稼動のタイミングが早すぎると、演出ボタン125の変化を遊技者に気付かれてしまうことが懸念され、エアポンプ440の稼動のタイミングが遅すぎると、空気の供給が、遊技者の操作部406の操作に間に合わないことが懸念される。これに対し、本実施形態では、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知を契機として操作部406への操作の少し前の丁度良いタイミングでエアポンプ440を稼働させており、これによって、かかる不具合を払拭することができる。
さらに、エア演出の実行が決定された場合、図48に示すエア演出選択テーブルを参照して、エア演出カウンタの値が「4〜19」の場合は、操作部406が操作されることで演出ボタン125の本体部405から押し出された空気がハンドル18の通気孔18bから吹き出すこととなるが、エア演出カウンタの値が「0」の場合は、エアポンプ440から供給される空気が通気孔18bから吹き出すこととなる。そして、本実施形態では、エアポンプ440はユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2の検知を契機として駆動するため(図44のステップS7503、ステップS7504)、エアポンプ440から供給される空気が通気孔18bから吹き出すタイミングは、遊技者が演出ボタン125を操作する少し前のタイミングとなる。このため、演出ボタン125を操作することに応じてハンドル18から吹き出すことの多い本例の構成において、遊技者は演出ボタン125を操作していないのにもかかわらずハンドル18から空気が吹き出したことに対して嬉しい驚き(本例では大当たりする場合にしかハンドル18から風が出ない)を覚えることとなる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、近接検知手段としてのユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2を演出ボタン125の近傍に設置し、演出ボタン125に近接する遊技者の手を検知可能にする構成に具体化されているが、近接検知手段を近傍に設置する対象の操作手段は演出ボタン125に限定されるものではなく、操作手段の形態や設置場所は適宜変更可能である。例えば、ハンドル18の近傍に設けられた動作検知センサME6によって近接検知手段を構成することとし、動作検知センサME6の検知に基づいて、遊技者の手がハンドル18に触れる前に所定の演出(通気孔18bから風が吹き出る等)を行うこととしてもよい。さらに、例えば、遊技者の手等が装飾図柄表示装置42の前方(のガラスユニット137)に近接したことを検出するタッチセンサを設ける場合には、当該タッチセンサに近接する遊技者の手等を検出可能なように近接検知手段を設置してもよい。また、演出ボタン125に代えて、又は、加えてタッチパネルを設けてもよく、該タッチパネルに対応して近接検知手段を設けることとしてもよい。さらに、例えば、遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシンにおいては、スタートレバー、ストップボタン、ベットボタン、演出用のボタン(プッシュボタン、十字ボタン、ジョイスティック等)、タッチセンサ等に対して近接検知手段を近接配置してもよい。
尚、所定の操作手段を操作するためには、遊技者の手等がほぼ通過するといった場所を特定できる(所定の操作手段に接近する動作の軌道が特定できる)場合、近接検知手段は、該特定場所に設置されればよく、近接検知手段と所定の操作手段とが比較的大きく離間していても構わない。例えば、窓部101の左下方に設置された動作検知センサME5の感度を調節可能に構成するとともに、窓部101の上方中央に対して、タッチの対象とされる役物と、該役物へのタッチを検知するタッチセンサ(操作手段)とを設置する。すなわち、遊技者は、基本的に右手でハンドル18を操作しているため、役物へのタッチは概ね左手により行われると考えられ、左手を窓部101の上方中央部に振り上げる動作を行うのであれば、左手や左腕等の一部が動作検知センサME5の前方を通過する(前方において動作する)と考えられる。そして、役物へのタッチを契機として所定の演出を行うことが決定された場合、役物へのタッチを促すガイダンスを行うとともに、動作検知センサME5の感度を上げ、例えば、大当たり状態の発生が決定されている場合には、動作検知センサME5の検知が行われたことを契機として、動作検知ユニット451の三色LED452や環状電飾部102による専用の発光演出が導出されるように構成してもよい。
尚、操作手段への操作を事前に検知するための近接検知手段が対象の操作手段から離れるほど、「操作手段を操作しようとして操作手段に接近する動作を事前に検知する」といったことへの精度が下がる、すなわち、それ以外の動作も拾ってしまう可能性が高まる。この点、近接検知手段と、その時の状況とに基づいて、例えば、操作手段への操作が有効な操作有効状態であるか否かを判断して、肯定判別された場合には近接検知手段の検知状況を確認するとか、近接検知手段の検知があった場合に操作有効状態であるか否かを確認するとかすることで、操作手段を操作しようとして操作手段に接近する動作を検知したか否かの精度(正確さ)を向上させることができる。また、1つの近接検知手段よりも複数の近接検知手段による検知によって操作手段を操作しようとして操作手段に接近する動作を確認するといった構成を採用することでも、精度(正確さ)を向上させることができる。
さらに、上記実施形態では、近接検知手段が2つのセンサにより構成されているが、1つのセンサで構成されてもよいし、3つ以上のセンサで構成されてもよい。また、動作検知センサME1〜ME10の数や配置についても特に限定されるものではない。加えて、動作検知手段は、動作検知センサME1〜ME10等のようなセンサに限定されるものではなく、例えば、操作されても自動的に元の状態に戻るスイッチ(プッシュスイッチ)によって構成されることとしてもよい。
(b)上記実施形態において、演出ボタンユニット120の構成は特に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。例えば、本体部405が上下に変位しないように構成してもよい。また、例えば、演出ボタン125の上方を閉塞して接触不可能とする開閉手段としての扉部材を設けることとしてもよい。より具体的には、例えば、略扇状をなす前後一対の板状体と、一対の板状体の略円弧状の辺部同士を連結する断面略円弧状の閉塞パネルと、各板状体のうち閉塞パネルから離間したコーナー部において板状体の側面(前面又は後面)に突設されたピニオン部とを備える扉部材をハウジング404に対して一対で設け、かかる一対の扉部材をステッピングモータで動作させるように構成してもよい。この場合、使用しない状態の演出ボタン125の保護を図ったり、演出ボタン125の操作タイミング(有効期間)を分かり易く伝えたり、演出ボタン125が見え隠れしたりする等の変化が生じることで演出性の向上を図ったりすることができる。尚、扉部材を閉状態とする場合には、本体部405を没入位置に変位させることが望ましい。この場合、演出ボタンユニット120の大型化等を抑制することができる。
また、演出ボタンユニット120に扉部材が設けられる場合、扉部材を閉鎖する契機が訪れているとしても、枠側近接検知センサAE2の検知が行われている状態では、扉部材を閉状態とすることはなく、さらに、扉部材を閉状態へと状態変化させている最中に、枠側近接検知センサAE2の検知が行合われた場合には、閉動作を中断するように構成してもよい。このように、枠側近接検知センサAE2の検知と、扉部材の閉動作とを連動させることで、扉部材によって遊技者の手が挟まれる等の事態をより確実に回避することができる。
加えて、上記実施形態では、ステッピングモータ407によって本体部405を上下に変位させる構成となっているが、ステッピングモータ407によって、本体部405は上下動させずに、操作部406を上下動させることができるように構成してもよい。この場合、例えば、遊技者の操作に応じて操作部406及び本体部405が一体的に上下動するとともに、押圧操作されることで下降した操作部406又は本体部405の一部を検知可能なように操作検知センサ427が設けられることとしてもよい。また、例えば、ステッピングモータ407(ソレノイド等で代用することも可)によって本体部405ではなく操作部406を直接的に上下動させることができ、かつ、操作部406が押圧操作された場合には、追従してステッピングモータ407の軸が回転可能なように構成することとしてもよい。さらに、後者のように、ステッピングモータ407等の駆動手段によって操作部406が直接的に出没変位させられる場合において、操作部406を没入させることが決定され、かつ、近接検知センサAE1及びAE2の検知が行われた場合に、ステッピングモータ407は、操作部406を操作検知センサ427による検知が行われる位置まで下方に変位可能に構成されていることとしてもよい。この場合、操作部406を操作したこと(スイッチオンしたこと)を契機として行われる演出を確実に導出させることができる。従って、触れる前に引っ込んでしまうという操作部406の思いがけない動作に戸惑ってしまい、思わず操作部406の操作を遊技者が忘れてしまった場合でも、確実に演出ボタン125の操作に対応する演出を導出させることができる。また、かかる構成を採用する場合、ステッピングモータ407等の駆動手段が駆動することによって操作検知センサ427の検知が行われた場合と、遊技者が操作部406を操作することで操作検知センサ427の検知が行われた場合、すなわち、ステッピングモータ407が駆動しない状態で操作検知センサ427の検知が行われた場合とで、操作検知センサ427の検知の基づいて行われる対応制御(選択される演出)が異なることとしてもよい。この場合、演出の多様化や差別化(重み付け)をより一層図ることができる。さらに、ステッピングモータ407等の駆動手段によって操作部406が没入させられた場合、それ以上の没入位置側(操作位置側)への変位が規制される(底突きする)位置にまで変位させられていることとしてもよい。加えて、没入させられた状態の操作部406は、その全体が演出ボタンユニット120の表面(取付台403)の上面よりも没入していることとしてもよい。この場合、興奮した遊技者に操作部406が強打されて操作部406が破損するといった事態を抑制することができる。
(c)上記実施形態において、排気通路432のY字管435のうち、第1通路436と第2通路437とに分岐する前の通路に対しても空気流量を調節可能なバルブを設けることとしてもよい。この場合、第1通路436に設置されたエアポンプ440の圧縮空気を演出ボタン125側に供給することなく、ハンドル18側に供給することができる。この場合、ハンドル18に供給できる風量の調節をより細かく行うことができるとともに、エアポンプ440を使用したハンドル18における演出を、エアポンプ440を使用した演出ボタン125における演出と合わせて行うだけでなく、別々に行うことができ、演出の多様化等を図ることができる。
尚、上記実施形態において、操作部406を押し下げただけではハンドル18の通気孔18bから吹き出される空気の量が少なく、気付かれ難いことも懸念されるため、大小のピニオンやラック等を介在させて、操作部406の移動量に対する空気の通気孔18b側への押し出し量を増幅させるような構成を採用してもよい。
また、エアポンプ440の圧縮空気を利用して、演出ボタン125(操作部406)を突出可能に構成してもよい。例えば、操作部406への操作が行われていない状態において、操作部406は上方及び下方のどちらにも変位可能な位置でコイルばね424によって保持されるとともに、エアポンプ440から比較的強めに空気が供給されることで、操作部406が上方に持ち上がるように構成してもよい。この場合、ステッピングモータ407によって本体部405ごと操作部406を持ち上げて突出させるような場合に比べて、比較的素早く操作部406を突出させることができる。また、当該構成を採用する場合、操作部406の浮き上がり(遊技者の手にくっついて一緒に持ち上がってしまうこと)を防止するべく、操作部406を突出方向に付勢するコイルばね424だけではなく、操作部406を没入方向に付勢するコイルばね(コイルばね424よりも付勢力は弱い)を設けることとしてもよい。この場合、操作部406を没入方向に付勢するコイルばねの付勢力よりも強くエアポンプ440から演出ボタン125に空気を供給することで操作部406を突出させることができ、操作部406を没入方向に付勢するコイルばねの付勢力よりも強くならない程度にエアポンプ440から演出ボタン125に空気を供給することで、操作部406を突出させることなく、操作部406の操作した感触を変更することができる。
さらに、エアポンプ440を省略したり、ハンドル18から風が吹き出す構成を省略したり、排気通路432を省略したりすることも可能である。また、空気圧で動作可能な連動手段としての空気圧連動役物を設け、当該空気圧連動役物と排気通路432とを連通させてもよい。すなわち、ハンドル18に連通する第2通路437に代えて、又は、加えて、空気圧連動役物に連通する分岐(第3通路)、及び、第3バルブを設け、当該第3バルブ、並びに、第1及び第2バルブ438、439を適宜調節制御することで、操作部406を押下操作すると空気圧連動役物が連動する場合があったり、エアポンプ440の駆動によって空気圧連動役物が動いたりするように構成してもよい。また、エアポンプ440に対して防音対策(例えば、ハウジングを被せる)を施し、駆動音によってエアポンプ440の駆動が悟られ難いように構成してもよい。
加えて、上記実施形態では、第1及び第2バルブ438、439の開度調節を行うことで、ハンドル18の通気孔18bから吹き出す空気の勢い(風量)を調節することとしているが、風の吹き出す孔の総面積を変更する、より具体的には、例えば、ハンドル18の内部において、複数の通気孔18bのうち外部に開通している通気孔18bの数を変更可能な回転盤を設け、開通する通気孔18bの数を変更することで、通気孔18bから吹き出す風の強さを調節可能にしてもよい。
尚、分岐を備える管の使用例としては特に限定されるものではなく、例えば、所定の音源の直前方にY字管を設置するとともに、Y字管の各分岐にバルブを設けて、各分岐を通じて出力される音量調節が行えるように構成してもよい。また、例えば、管内に空気の通過で音が出る笛のような笛部材を設置し、操作部406を操作すると、演出ボタン125から押し出された空気が笛部材を通過して音が出るように構成してもよい。加えて、操作検知センサ427の配線を排気通路432を介して本体部405の外部に取出してもよい。この場合、かかる配線を通すための孔を本体部405に別途形成することを回避することができ、シール性の向上を図ることができる。
(d)上記実施形態では、アクション演出が行われない場合にボタン演出が行われる可能性があり、また、大当たり時や確変モード時においてアクション演出又はボタン演出のどちらかが行われる場合に、重複して、エア演出が行われる可能性があるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、適宜設定変更可能である。
さらに、ユニット側近接検知センサAE1、枠側近接検知センサAE2、動作検知センサME1〜ME10、演出ボタン125等を使用した演出内容等については特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、装飾図柄表示装置42において所定のロゴタイプが白黒表示され、演出ボタン125の操作を契機としてかかるロゴタイプが所定の色に塗り変えられた場合に大当たり状態が発生する構成において、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2による検知を契機として、ロゴタイプの周りにエフェクト表示(例えば、大当たり発生の期待度を示唆する)が行われる場合があるように構成してもよい。
尚、上記実施形態では、ボタン演出の開始時と、ユニット側近接検知センサAE1及び枠側近接検知センサAE2による検知が消えた状態となるタイミングで、演出ボタン125が突出する可能性がある。すなわち、演出ボタン125を突出させる演出を行う場合には、上記実施形態のように、比較的高速で演出ボタン125を操作しようとする遊技者の手と、本体部405が突出位置へと変位する演出ボタン125の操作部406とがかち合わないような(突き指しないような)タイミングに設定されることが望ましい。
また、演出ボタン125の動作等の態様変化のパターンは特に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、ボタン演出の開始時に演出ボタン125を突出させる場合がある(図41のステップS7208、図47参照)が、当該演出ボタン125を突出させる前の段階で近接検知センサAE1、及び、AE2の検知があるか否かを判別し、両近接検知センサAE1、AE2の検知があると判別された場合には、どちらか一方の近接検知センサAE1、AE2の検知がなくなるまで、演出ボタン125の突出を待機させるように構成してもよい。例えば、ステップS7208で専用のフラグを立て、所定時間毎に行われる確認処理でそのフラグが立っていることが確認された場合に、両近接検知センサAE1、AE2の検知があるか否かを判別し、ここで肯定判別された場合に、実際に演出ボタン125を突出させるコマンドを出力するように構成してもよい。この場合、演出ボタン125に接近する遊技者の手と、突出する演出ボタン125の操作部406とが思わぬ角度で衝突してしまうといった事態をより確実に回避することができる。但し、遊技者の手を演出ボタン125上方の両近接検知センサAE1、AE2(どちらか一方でも可)によって検知される位置において所定時間停留させることで、所定の演出を行う(例えば、大当たりや確変モード等の遊技者にとって有利なことを教示する場合には操作部406が突出、或いは、発光し、一方、外れ等の遊技者にとって好ましくないことを教示する場合、或いは、遊技者にとって有利なことをひとまず隠しておく場合には操作部406が没入、或いは、消灯する等)場合があってもよい。尚、演出ボタン125(操作部406)の上方で手を停留させるとあるのは、操作部406と手とが接触していてもしていなくてもよい。
さらに、上記実施形態では、ボタン演出において、両近接検知センサAE1、AE2の検知を契機に演出ボタン125の操作部406を没入させるといった演出があるが、没入させた操作部406を元の位置に戻す場合には、近接検知センサAE1、AE2の検知の検知があるか否かを確認し、どちらの検知もない状態であると判別された場合に、ステッピングモータ407を駆動させて本体部405を上方の基準位置に変位させるよう構成してもよい。この場合、突出変位する操作部406と遊技者の手とが接触してしまうといった事態を回避することができる。尚、上記実施形態では、演出ボタン125を動作させたり、演出ボタン125の発光色を変化させたり、各種センサME1〜ME5、AE1、AE2等の検知に対応付けされたり等しているため、上記実施形態などに例示したもの以外にも、演出ボタン125を様々に態様変化させることができる。例えば、操作部406を突出させる場合に、次第に突出速度が遅くなるようにしたり、青色発光で少量突出した後に一旦消灯で基準位置まで戻ってから再度赤色発光で大きく突出したり、演出ボタン125を連打しながら動作検知センサME1〜ME5のうち内部的に選択されたいずれかの検知が行われた場合に演出ボタン125の操作の感触が変わる等してもよい。
(e)また、上記実施形態において、所定条件が成立し、動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の検知入力が有効とされた場合において、動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の検知の組合わせ及び順番と、前記所定条件の成立を契機として、パチンコ機10側(サブ制御装置262等)で決定された動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の組合わせ及び順番とが一致した場合には、一致しない場合とは異なる遊技状態が付与されるように構成してもよい。例えば、確変モードや時間短縮モードにおいて、スルーゲート34に遊技球が通過すること(スルーゲートスイッチ225の検知があること)を契機として抽選が行われ、該抽選にて当選した場合、テーブルなどを参照して動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の検知の組合わせ及び順番を決定するとともに、かかる組合わせ及び順番を示すナビゲート処理(検知の順番が到来した動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の三色LED452を点灯させる等)を行い、検知入力が完了すると、始動入賞ユニット33の下入賞口33b(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされるように構成してもよい。勿論、遊技者が検知入力した動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の検知の組合わせ及び順番が、パチンコ機10側で決定されたものと一致しない場合には、開状態とされない。
本例では、動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の組合わせ及び順番を決定する機能が検知情報内部決定手段を構成し、当該動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の組合わせ及び順番と、実際に行われた動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2による検知の組合わせ及び順番とが一致するか否かの判別を行う機能が一致判別手段を構成する。
尚、動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の検知の組合わせ及び順番が完全にナビゲートされる場合だけではなく、一部をナビゲートしたり、又は、ナビゲートはなく、遊技者の感だけで組合わせ及び順番を当てさせるように構成してもよい。また、動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の組合わせ及び順番が一致した場合の特典についても特に限定されるものではなく、1)遊技球の獲得に関するもの(上記した始動入賞ユニット33の他にも、可変入賞装置32のような開状態と閉状態とに状態変化可能な開閉式入球手段を開状態とできる)であってもよいし、2)遊技者にとって有利な状態である期間(時間短縮モード、変動回数が規定回数に達した場合に終了するような確変モード等の期間)の延長の権利が付与されたりしてもよいし、3)遊技領域に設けられた可動役物が連動し、遊技球の流れが変化する(例えば、スルーゲート34やワープ流路152への入球口151に入球し易くなり、ひいては、対応する抽選の機会を得やすくなる)ように構成してもよいし、4)装飾図柄表示装置42等において専用の演出等が導出される等であってもよいし、5)携帯通信端末を介してサーバとの間で遊技データをやり取りすることで行われるモバイル連動遊技において所定のポイントが付与されるようにしたりしてもよいし、6)例えば、可変入賞装置32(下入賞口33b)等の開閉式入球手段が複数存在するとともに、複数の可変入賞装置32がランダムに開状態とされるような場合に、どの可変入賞装置32が開状態とされるのかのナビゲートが行われるようにしてもよいし、7)例えば、可変入賞装置32(下入賞口33b)等の開閉式入球手段の開放タイミングが複数あって、そのタイミングがナビゲートされるように構成してもよいし、8)滞在している遊技モードの示唆や、スロットマシンであれば設定の示唆が行われるように構成してもよい。
(f)上記実施形態では、アクション演出において動作検知ユニット451への検知入力動作が完了した(動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の検知回数が検知入力上限回数に達した)後に、演出ボタン125を操作することで、アクション演出の結果が表示されるようになっているが、ボタン操作を行わなくても、検知入力動作が完了した時点でアクション演出発動としてもよい。また、上記実施形態において、アクション演出で動作検知ユニット451への検知入力動作が完了した際に、検知入力された動作検知センサME1〜ME5及び枠側近接検知センサAE2の組合わせを表示して、これでよいかの確認を行うこととしてもよい。
また、上記実施形態では、動作検知ユニット451による検知情報が、主として装飾図柄表示装置42における表示演出に反映されるように構成されているが、例えば、遊技領域等において遊技者に視認可能であるが接触はできないように可動役物を配置し、動作検知センサME1〜ME5、ME8〜ME10、枠側近接検知センサAE2等の検知の組合わせや順番に応じて、前記可動役物が動作するように構成してもよい。この場合、遊技者の動作に応じて役物が変位するといった斬新な演出を導出させることができる。また、例えば、複数の動作検知センサ等の組合わせに基づいて変位の具合を決定することで、より複雑な動作をさせることも可能となる。
(g)上記実施形態では、動作検知センサME6、ME7によって遊技者の離席を検知可能に構成されているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、パチンコ機10の前面側である前面枠セット14の前面のいずれかに対して、傘の手元(持ち手部分)を係止しておくことのできる手荷物預かり部としてのフック部を設けるとともに、当該フック部に掛けられた傘の手元を検知可能な忘れ物検知手段としての忘れ物検知センサが設けられることとしてもよい。そして、前記忘れ物検知センサの検知が行われている状態において、遊技者の遊技姿勢から起立姿勢への変化が動作検知センサMEで検知された場合には、所定の報知手段による報知(例えば、フック部近傍に専用に設けられたランプが発光する、装飾図柄表示装置42にて忘れ物のアナウンスをする、音声でアナウンスする等)が行われることとしてもよい。この場合、遊技ホールにおいて傘を掛けておく場所ができて便利である上、傘の置き忘れを防止することができる。また、動作検知センサMEによる検知情報を利用して、遊技者が席を離れるような場合にのみ、所定の報知手段による報知が行われるようになっている。このため、フック部を利用すると、常時、報知手段が報知状態になってしまうような鬱陶しい状況を回避することができる。尚、傘を掛けるフック部に代えて又は加えて、遊技者の携帯する別の小物を載置可能な手荷物預かり部としての棚部を設け、忘れ物検知センサが該棚部に載せられた小物を検知するように構成してもよい。
(h)上記実施形態において、動作検知センサME8〜ME10を利用した演出(装飾図柄表示装置42におけるキャラクタ等が動作検知センサME8〜ME10の検知に反応した動作をするリアクション演出)が行われる場合に、動作検知センサME8〜ME10のうち所定のセンサの検知があった時点から、別のセンサの検知があるまでの時間を計測する動作スピード計測手段としての動作スピード計測タイマを設けるとともに、動作スピード計測タイマの計測時間が予め定められた規定時間以上であるか否かの判別を行い(かかる判別を行う機能が動作スピード判別手段を構成する)、判別結果に応じて異なるテーブルを参照して導出される演出を決定することとしてもよい。この場合、演出や遊技性の多様化等を図るといった上記作用効果がより一層確実に奏される。尚、動作スピード計測タイマによる計測値の判別結果をカウントする動作趣向カウンタ(動作趣向カウント手段)を設け、カウント値に応じて、遊技者の動作傾向を反映させた演出を導出可能に構成してもよい。
(i)上記実施形態において、操作部406を操作位置側に操作することで、操作部406に圧接される位置に、圧電体を有する圧電手段を設けることとしてもよい。この場合、圧電手段に圧力が加えられることで発生する電圧によって、例えば、操作部406の操作が検出されるように構成することができる。従って、演出ボタン125を操作するエネルギーを無駄にすることなく、演出ボタン125への操作の検知に役立てることができる。また、例えば、所定周期で変化する電圧を圧電手段に印加して圧電手段を振動させることで音を発生させたり、操作部406を操作する感覚を変化させたりすることもできる。尚、圧電手段とランプ等の電気機器とを電気的に接続し、操作部406を何度も操作することで発電した電力をかかる電気機器に使用してもよい。加えて、所定期間連続して操作部406が操作されていることを把握したいような場合には、圧電手段ではなく、光センサや電気スイッチ等の別の検出手段を用いる、又は、併用することが望ましい。
(j)動作検知ユニット451の数や配置等は特に限定されるものではなく、適宜設置することが可能である。例えば、動作検知センサMEの数を増やす程、遊技者の動作と、対応する演出との間のずれを極力縮めることができる。すなわち、動作検知センサMEの設置場所として、A地点とB地点との間にC地点があれば、遊技者の手がA地点とC地点との間に位置するのか、B地点とC地点との間に位置するのかを把握することが可能となる。従って、(例えば、大当たり状態中に動作検知センサME8〜ME10を使用して行われるリアクション演出等に利用することで)対応する演出への感情移入を行い易くなり、結果的に興趣の向上を図ることができる。
また、例えば、動作検知ユニット451は、遊技者が振り返る動作、又は/及び、遊技者が伸びをする動作を認識可能に構成されていることとしてもよい。さらに、例えば、特別遊技状態の発生が決定されている状態(但し遊技者には未報知)において、遊技者が振り返ったり、遊技者が伸びをしたりした動作が動作検知手段によって検知される(、かつ、専用の抽選で当選する)と、その時点で特別遊技状態の発生を教示するように構成してもよい。この場合、遊技者が自身の動作と演出とが連動している面白さを体感できる機会を増やすことができ、より積極的に遊技に取り組むことができる。
その一方で、例えば、遊技者がよそ見をしている間に遊技者にとって歓喜の瞬間である特別遊技状態の教示や、遊技方法等を示すアナウンス等を見逃してしまわないように、特別遊技状態の発生が決定されている状態(但し遊技者には未報知)において、遊技者が振り返ったり、遊技者が伸びをしたりした場合に、その動作が動作検知手段によって検知されると、その時点では、特別遊技状態の発生の教示やアナウンスを導出しないように構成してもよい。
さらに、所定の抽選の結果を教示する変動表示中に、動作検知ユニット451によって遊技者の離席が確認された場合には、確認された時点から変動表示の状態が現状維持とされ(変動表示が停止表示されない状態とする、又は/及び、変動表示に伴う演出を一時停止する)、動作検知ユニット451の検知等(ハンドル18の操作でも可)によって遊技者の着席が確認された場合に変動表示が再開される(進行する状態となる)ように構成されていることとしてもよい。この場合、変動表示中にトイレや携帯電話の通話等に行きたくなった場合に、変動表示等のことを気にせずに離席することができる。従って、利便性の飛躍的な向上を図ることができる。
(k)上記実施形態において、アクション演出やボタン演出が行われる際に(例えば、アクション演出が開始されてから所定時間が経過しても動作検知センサME1〜ME5、枠側検知センサAE2による検知入力がない場合、或いは、アクション演出が開始されてから動作検知センサME1〜ME5、枠側検知センサAE2による検知が検知入力上限回数に達する前に演出ボタン125が操作されることでアクション演出をキャンセルすることが可能な構成において、当該キャンセル操作が行われた場合に)、アクション演出やボタン演出に参加することで付与される特典のラインナップを表示することとしてもよい。この場合、アクション演出やボタン演出を用いた演出への参加意欲の向上を図ることができる。
(l)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32の開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。さらに、上記実施形態では、確変モードとそれ以外のモードとで当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される時間短縮モードの期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。
また、上記実施形態において、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合と、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合とで、付与される大当たり種別の割合が異なるように構成してもよい。例えば、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合と、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合とで、「7RN」となる割合は同じであるが、「16RS」となる割合(換言すれば「7RS」となる割合)が異なるように構成してもよい。
(m)上記実施形態では、変動表示の保留を保留ランプ46a、46bによって遊技者に教示しているが、その他の表示手段で保留を教示してもよい。例えば、装飾図柄表示装置42において、保留を意味する画像オブジェクトを、保留された変動表示と1対1で対応して、第1変動表示の保留か第2変動表示の保留かが分かるように表示してもよい。
また、上記実施形態では、既に保留されている上入賞口33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(第1変動表示)よりも後に保留された下入賞口33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(第2変動表示)が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が優先的に消化されるよう構成されているが、第1変動表示であるか、第2変動表示であるかに関係なく、保留された順番通りに消化されるように構成してもよい。
(n)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS209〜ステップS218で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い(ステップS210は省略)、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS208で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(o)上記実施形態では、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生するか否かの情報が上書きされる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに対して当選乱数記憶エリアとは別に、大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、特別変動保留エリアとは別に、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに個別に対応する記憶エリアを設け、当該記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶することとしてもよい。尚、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアとは別に、大当たりの種別を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアとは別に、リーチ情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよい。
(p)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、始動入球手段に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、始動入球検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。この場合、可変入球手段が可変入賞装置に相当する。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
(q)また、メダルを遊技媒体として遊技を行うスロットマシンの各ストップボタンに個別に対応して近接検知手段としての近接センサを設けることとしてもよい。すなわち、近年では、特定の順番でストップボタンを操作することによって入賞する子役が成立した場合に、かかるストップボタンの操作する順番(押し順)をナビゲートする状態(所謂、アシストタイムやアシストリプレイタイム等)が設定されているものがある。この場合、ナビゲートされた順番通りにストップボタンを操作すれば所定数のメダルを獲得できるが、ナビゲートされた順番とは異なる順番でストップボタンを操作してしまうと、メダルを獲得できないだけでなく、機種によっては、押し順をナビゲートする状態が中断、又は、終了してしまう場合がある。また、このような機種においては、通常時においても、ストップボタンを押す順番が規定されているものがあり、この規定に反する順番でストップボタンが操作された場合には、ボーナスやアシストリプレイタイム等の抽選が行われない等といった遊技者にとって不利な状態に移行してしまう。
この点、各ストップボタンに個別に対応して近接センサを設けることで、間違った順番でストップボタンが操作されそうになった場合には事前に警告音や警告表示を導出させることもでき、操作ミスを回避させることができる。また、近接検知センサは、ストップボタンの直裏側に設けられていることとしてもよい。より具体的には、前後に出没するストップボタンの操作部と、近接センサとをユニット化し、近接センサが操作部の操作面越しにストップボタンを操作しようとして接近する遊技者の指などを検知するように構成してもよい。この場合、ストップボタンの周縁部に近接センサを設置するような場合に比べ、対応するストップボタンへの操作とは異なる動作を検知してしまうといった事態を低減させることができる。
(r)上記実施形態では、演出ボタン125の操作部406の変位に機械的に連動(連鎖)してハンドル18の通気孔18bから風が吹き出る場合があるが、操作部406の変位に機械的に連動させる構成としては特に限定されるものではなく、その他のものを機械的に連動させることとしてもよい。以下、演出ボタン125に連動する連動機構の態様例について、図49、図50を参照して説明する。
図49に示すように、パチンコ機10前面側の遊技者から視認可能な位置(かつ接触不可能な位置)に対して、連動手段としての第1可動役物(蟹)801、及び、第2可動役物(亀)802が設けられている。第1可動役物801と連動する第1連動部材としての第1役物連動ギア803と、第2可動役物802と連動する第2連動部材としての第2役物連動ギア804とが設けられている。また、演出ボタン125の操作部406に連動する従動ギア805が設けられるとともに、従動ギア805を介して伝わる操作部406の変位による動力を第1役物連動ギア803や第2役物連動ギア804に伝達可能な伝達部材806が設けられている。
伝達部材806は、従動ギア805と噛み合されるメインピニオン807と、第1役物連動ギア803と噛み合わされる第1伝達ピニオン808と、前記メインピニオン807を挟んで第1伝達ピニオン808とは反対側に配置され、第2役物連動ギア804と噛み合わされる第2伝達ピニオン809と、前記メインピニオン807と、第1伝達ピニオン808及び第2伝達ピニオン809との中央部(回転中心)の間を連結する円筒状の軸部810とを備えている。
また、図49、図50に示すように、伝達部材806の一対の軸部810を回転自在に軸支する一対の軸受部822を具備するアーム部材821が設けられるとともに、アーム部材821を前記伝達部材806ごと上下に動作させる第1モータ823と、前記アーム部材821を前記伝達部材806及び前記第1モータ823ごと左右に動作させる図示しない第2モータとが設けられている。
図49に示すように、本態様例では、第1役物連動ギア803と第2役物連動ギア804との間の距離が、第1伝達ピニオン808と第2伝達ピニオン809との間の距離より短く、従動ギア805の厚みがメインピニオン807の厚みよりも厚く構成されている。このような構成によって、伝達部材806は、従動ギア805とメインピニオン807とが噛み合うとともに、第1役物連動ギア803と第1伝達ピニオン808とが噛み合う(第2役物連動ギア804と第2伝達ピニオン809とは噛み合わない)第1伝達位置と、従動ギア805とメインピニオン807とが噛み合うとともに、第2役物連動ギア804と第2伝達ピニオン809とが噛み合う(第1役物連動ギア803と第1伝達ピニオン808とは噛み合わない)第2伝達位置とに変位可能に構成されている。そして、伝達部材806が第1伝達位置にある場合には、操作部406を押圧操作すると第1可動役物(蟹)801が連動し、伝達部材806が第2伝達位置にある場合には、操作部406を押圧操作すると第2可動役物(亀)802が連動することとなる。
また、本実施形態の伝達部材806は、第1伝達位置や第2伝達位置の下方に位置し、操作部406の変位による動力を第1役物連動ギア803及び第2役物連動ギア804のどちらにも伝達しない退避位置にも変位可能である。本例では、通常のボタン演出が行われない状態では、伝達部材806が退避位置にて保持されるとともに、第1伝達位置と第2伝達位置との間を行き来する場合にも、一旦退避位置を経由するようになっている。尚、伝達部材806が第1伝達位置にある状態が第1連動状態に相当し、第2伝達位置にある状態が第2連動状態に相当する。但し、伝達部材806が第1伝達位置又は第2伝達位置にある状態が第2連動状態に相当し、伝達部材806が退避位置にある状態が第1連動状態に相当することとしてもよい。また、アーム部材821、第1モータ823、第2モータ(及びこれらのモータを制御するサブ制御装置263)が伝達動作手段を構成し、これらと伝達部材806とにより対象切替手段が構成される。
さらに、本態様例では、伝達部材806を第1伝達位置や第2伝達位置に変位させることが決定された場合、ユニット側近接検知センサAE1による検知を契機として伝達部材806が第1伝達位置や第2伝達位置に変位するようになっている。また、第1可動役物801及び第2可動役物802が連動しない場合よりも連動する方が大当たり状態発生への期待度が高く、第1可動役物801が連動するよりも、第2可動役物802が連動する方が大当たり状態発生への期待度が高くなるように対応付けされている。尚、本例ではユニット側近接検知センサAE1の検知があっただけで伝達部材806の変位が始まるが、枠側近接検知センサAE2の検知があっただけで、或いは、近接検知センサAE1、AE2のどちらか一方の検知があっただけで伝達部材806の変位が始まる構成としてもよいし、噛み合わせのシフトをより迅速に実行可能な構成であれば、近接検知センサAE1、AE2の両方の検知が必要である構成としてもよい。
加えて、本例では、第1可動役物801及び第2可動役物802を、操作部402の操作に連動するのではなく、それぞれ独立して動作させることもできるように、第1独立モータ831及び第2独立モータ832が設けられている。そして、かかる第1独立モータ831及び第2独立モータ832を使用して、例えば、近接検知センサAE1、AE2の検知を契機として、遊技者が操作部406を操作する前の段階で第1独立モータ831又は第2独立モータ832を駆動させて遊技者を驚かせるといった演出等が行われる。
以上のように、本態様例によれば、遊技者は演出ボタン125の操作部406を同じように操作するだけで、操作に連動する対象(第1可動役物801、第2可動役物802)が切替わるといった態様の変化を堪能することができる。従って、遊技者の手を煩わせることなく、演出ボタン125への操作に対して斬新な面白みを付与するとともに、演出や遊技性の多様化を図ることができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。
また、遊技者が操作部406を操作するタイミングに対して、第1モータ823や第2モータの動作タイミングが早すぎる場合、第1モータ823や第2モータの駆動音が気付かれ易くなってしまったり、第1モータ823や第2モータを駆動させてアーム部材821及び伝達部材806を変位させたが、遊技者が操作部406を操作しなかったために、切替動作が無駄になってしまったりすることが懸念される。その一方で、第1モータ823や第2モータの動作開始タイミングが遅すぎる場合、遊技者による操作部406の操作のタイミングに間に合わないことが懸念される。これに対し、本例によれば、ユニット側近接検知センサAE1の検知を契機として、操作部406の操作が行われる少し前のタイミングで、第1モータ823や第2モータの駆動を開始させることができ、上記懸念を払拭することができる。
さらに、本例では、第1可動役物801、第2可動役物802を、操作部406の動作と連動させることなく動作させることのできる第1独立モータ831及び第2独立モータ832が設けられている上、第1独立モータ831及び第2独立モータ832は近接検知センサAE1、AE2の検知を契機として駆動開始するようになっている。これにより、第1可動役物801、第2可動役物802を操作部406への操作を契機とするタイミングだけでなく、操作部406を操作する少し前のタイミングでも動作開始させることができる。従って、操作部406を操作した場合のバリエーションを増やしてマンネリ化を打破することができるとともに、遊技者にとって有利な大当たり状態の発生への期待度と、第1可動役物801、第2可動役物802が動作するタイミングとを対応させて、遊技性を向上させることができる。
尚、伝達部材806が退避位置から第1伝達位置に変位した状態で、遊技者による操作部406への操作が行われた(操作検知センサ427の検知が行われた)場合に、伝達部材806が退避位置に戻してしまう場合と、第1伝達位置で待機する場合と、第2伝達位置へと変位する場合とがあるように構成してもよい。この場合、操作部406から手を離した後に、操作部406をもう一度操作した場合において、連動する第1可動役物801、第2可動役物802に違いが生じることとなる。従って、操作部406を操作した場合のバリエーションを増やすことができるとともに、大当たり状態の発生への期待度と、連動する第1可動役物801、第2可動役物802が変化するか否かとを対応させて、遊技性を向上させることができる。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
手段A−1.遊技者の操作可能な位置に設けられた操作手段と、
前記操作手段に対する操作を検知する操作検知手段と、
前記操作手段を操作しようとする動作を検知可能な近接検知手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段A−1によれば、操作手段への操作があることを事前に検知することができるため、その情報を利用した演出を行うことができる。例えば、近接検知手段による検知に基づいて、操作手段の操作を行う前に、操作手段の操作があった場合に行われる演出に関連する演出を行ったり、操作手段自体の態様を変化させたりすることができる。また、例えば、近接検知手段及び操作検知手段の検知情報に基づいて、操作手段を操作してはいないが操作手段の近くに遊技者の手が存在すること等を把握することができ、それに応じた演出を展開することができる。従って、操作手段への操作に対して斬新な面白みを付与するとともに、演出や遊技性の多様化を図ることができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。
また、操作手段を操作する操作演出に際して、操作手段の態様を変化させたり、操作手段の操作に応じた結果を示唆したりする事前演出を行おうとした場合、遊技機がかかる事前演出の開始タイミングを勝手に決定してしまうと、かかるタイミングが操作手段の操作のタイミングに対して早すぎたり、遅すぎたりするおそれがある。すなわち、事前演出のタイミングが早すぎると、遊技者に簡単に気付かれたり、操作手段の操作との間隔が開きすぎて盛り上がらなかったりすることが懸念される。一方、事前演出のタイミングが遅すぎる(例えば、操作手段に少し触れたタイミングで事前演出が開始される)と、事前演出を行う時間的猶予が全くなくなってしまうことが懸念される。これに対し、近接検知手段の検知を契機として操作手段への操作の少し前に態様変化を実行させることで、かかる不具合を払拭することができる。従って、事前演出と操作演出とのタイミングをばっちりと合わせることができ、かかる一連の流れるような演出によって遊技者の気持ちをより確実に高めることができる。さらに、操作手段を操作する操作演出は導出されたが、遊技者が操作手段を操作しなかった場合において、無駄に事前演出を行ってしまうといった事態を回避することができる。
尚、近接検知手段による検知に基づいて、操作手段の操作を行う前に、操作手段の操作があった場合に行われる演出に関連する演出として、例えば、所定の表示装置において所定のロゴタイプが白黒表示され、操作手段の操作を契機としてかかるロゴタイプが所定の色に塗り変えられた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生する構成において、近接検知手段による検知を契機として、ロゴタイプの周りにエフェクト表示が行われる場合があるように構成してもよい。また、操作手段の操作に応じて電気的な状態変化(画像の切替えなど)よりも比較的時間のかかり易い機械的な状態変化が行われる場合、近接検知手段の検知に基づいて、前記機械的な状態変化が先行して実行可能に構成されていることとしてもよい。この場合、操作手段の操作中に機械的状態変化を間に合わせることができ、操作手段の操作中に機械的状態変化を交えた演出を実行することができる。加えて、「前記近接検知手段の検知に基づいて、当該前記近接検知手段の検知が行われた後、前記操作検知手段の検知がない段階で、操作されていない状態にある前記操作手段の態様を変化可能に構成されていること」としてもよい。この場合、例えば、操作手段のうち遊技者が操作する操作部を操作がされていない状態で出没動作可能に構成し、近接検知手段の検知があると、遊技者が操作手段に触れる前に、操作手段が基準位置よりも突出したり、基準位置よりも引っ込んだりするように構成してもよい。さらに、例えば、操作手段に発光手段を内蔵させるとともに、操作手段の少なくとも一部を前記発光手段の光を透過可能とする透明または半透明な材料で構成し、近接検知手段の検知があると、遊技者が操作手段に触れる前に、発光手段が所定の態様で発光可能に構成してもよい。また、前記発光手段としても、複数の光源を備えていてもよいし、モータ等の駆動手段を備えて、回転する等、変位可能に構成されていてもよい。
尚、操作手段としては、パチンコ機で言えば、例えば、操作に応じて所定の表示装置の表示内容が変更されたり、所定の音声が流れたりする演出用のボタン、タッチセンサ、ハンドル等が挙げられ、スロットマシンで言えば、クレジットされているメダルをベットするためのベットボタン、ストップボタン、演出用のボタン、タッチセンサ、スタートレバー等が挙げられる。また、近接検知手段によって検知されるものとしては、概ね、操作手段を操作しようとして操作手段に接近する(近接した)遊技者の手であることが考えられるが、当然その他のもの(例えば、遊技者のひじや、遊技者が手に持っているペットボトル等)であることも考えられる。
手段A−2.前記近接検知手段は、互いに異なる向きで取付けられた少なくとも2つのセンサによって構成され、当該近接検知手段を構成する複数のセンサの検知が同時に行われた場合に、前記近接検知手段による検知があったとされることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、操作手段を操作しようと操作手段に近付く遊技者の手等を3次元的に検知することができる。従って、操作手段への操作に関係のない遊技者の動作を検知してしまうといった事態を抑制することができる。
手段A−3.前記近接検知手段による検知があった時点から、前記操作手段への操作が検知されるまでの時間を計測する操作スピード計測手段と、
前記操作スピード計測手段による計測時間が第1時間以上であるか否かを判別する操作スピード判別手段とを備えていることを特徴とする手段A−1又はA−2に記載の遊技機。
手段A−3によれば、操作スピード計測手段による計測時間が第1時間以上の場合と、第1時間未満の場合とで、異なる演出を導出させる(演出の種別決定に際して異なるテーブルを参照する)ように構成することができる。従って、演出や遊技性の多様化等を図るといった上記作用効果がより一層確実に奏される。
尚、操作検知手段の検知が継続して行われている時間を計測する操作時間計測手段を備え、操作手段の操作に基づいて行われる演出の決定に際し、操作時間計測手段による計測時間が予め定められた所定時間以上であるか否かを判別し、該判別結果に応じて演出が決定されることとしてもよい。
手段A−4.前記操作スピード計測手段による計測時間が前記第1時間以上であったことの回数、又は/及び、前記操作スピード計測手段による計測時間が前記第1時間未満であったことの回数をカウントする操作趣向カウント手段を備えていることを特徴とする手段A−3に記載の遊技機。
手段A−4によれば、操作趣向カウント手段のカウント値を確認することで、遊技者の操作手段への操作方法の傾向、すなわち、操作手段の操作に関する遊技者の趣味嗜好を把握することができ、かかる趣味嗜好を、操作手段の操作に関する演出等に反映させることができる。例えば、操作趣向カウント手段が第1回数以上の場合、すなわち、操作手段を操作する前に操作手段の近傍で手を所定時間待機させてから操作手段を操作するような遊技者に対しては、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、大当たり状態、確変モード、時間短縮モード、ボーナス、アシストリプレイタイム)の発生が決定されている状態(但し、未だ特別遊技状態は開始されていないし、教示もされていない状態)において、上記のように、操作手段を操作する前に操作手段の近傍で手を所定時間待機させてから操作手段を操作することで、特別遊技状態の発生がいち早く教示されるように構成することもできる。これにより、遊技者は自分の操作があったからこそ、そのような報知演出が導出された(反映された)のだと実感することができ、より一層の充実感や達成感を得ることができる。
手段A−5.遊技者の動作を検知可能な複数の動作検知手段と、
前記動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)を記憶可能な動作記憶エリアとを備え、
(前記動作検知手段には前記近接検知手段も含まれ、)
所定条件が成立した場合において、前記操作検知手段の検知に基づいて行われる演出の決定に際し、前記動作記憶エリアの記憶情報を参酌し、当該動作記憶エリアの記憶情報に応じて演出が決定されることを特徴とする手段A−1乃至A−4のいずれかに記載の遊技機。
手段A−5によれば、動作検知手段に遊技者の動作を検知させることが、所定条件が成立した場合に行われる演出のパターンを決定するための入力操作となっており、遊技者の動作を検知した動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)に応じた演出が実行されるようになっている。このため、遊技者による入力操作自体を一辺倒ではなく多彩なものとすることができるとともに、遊技者による操作入力に応じて行われる演出をより多彩なもの、ひいては、遊技者の動作に対応させた演出を導出させることができることから、遊技者がより感情移入し易い演出を導出させることができる。従って、遊技者による入力操作に関して斬新な面白みを付与するとともに、遊技者により身近で、より多彩な演出を行うことができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。尚、「遊技者の動作に対応させた演出」としては、例えば、表示装置において、キャラクタが遊技者と同じアクションをしたり、遊技者のアクションに対するリアクションをしたりする等が挙げられる。
また、動作検知手段の配置は比較的自由であり、動作検知手段を遊技機の前面に全体的に点在させることで、従来は、装飾等で利用されるだけであった領域をも利用した遊技機の前面をいっぱいに使ったダイナミックな演出を行うことができ、斬新な遊技性を提供することができる。
手段A−6.前記各動作検知手段に対応して発光手段が設けられていることを特徴とする手段A−5に記載の遊技機。
手段A−6によれば、動作検知手段の位置を示唆したり、所定のアクションを行わせたり(検知の順序を示唆したり)、対象の動作検知手段によって検知が確実に行われたかを教示したりすることが可能となる。従って、遊技者の動作検知手段を使用する演出への理解を大いに助けることができる。
手段A−7.前記動作検知手段による検知情報を前記動作記憶エリアに記憶可能とする条件が成立した場合に、前記動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)を決定する検知情報内部決定手段と、
前記動作記憶エリアに記憶された前記動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)と、前記検知情報内部決定手段によって決定された前記動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)とが一致するか否かを判別する一致判別手段とを備え、
前記一致判別手段により肯定判別された場合には、否定判別された場合とは異なる処理が実行されることを特徴とする手段A−5又はA−6に記載の遊技機。
手段A−7によれば、動作検知手段を用いた遊技性をより一層向上させることができる。
手段A−8.前記動作検知手段は遊技機の前方において着席して遊技を行う遊技者の離席を識別可能に配置され、
所定の抽選の結果を教示する教示演出(変動表示)中に、前記動作検知手段によって遊技者の離席が確認された場合には、確認された時点から教示演出の状態が現状維持とされ(変動表示が停止表示されない状態とする、又は/及び、変動表示に伴う演出を一時停止する)、
(前記動作検知手段の検知や遊技者の操作可能な操作手段の操作等によって)遊技者の着席が確認された場合に教示演出が再開される(進行する状態となる)ように構成されていることを特徴とする手段A−5乃至A−7のいずれかに記載の遊技機。
手段A−8によれば、教示演出(変動表示)中にトイレや携帯電話の通話等に行きたくなった場合に、教示演出等のことを気にせずに離席することができる。従って、利便性の飛躍的な向上を図ることができる。
尚、「前記動作検知手段は、遊技者が振り返る動作、又は/及び、遊技者が伸びをする動作を識別可能に配置され、所定の抽選の結果を教示する教示演出(変動表示)中に、前記動作検知手段によって遊技者が振り返る動作、又は、遊技者が伸びをする動作が確認された場合には、確認された時点から教示演出の状態が現状維持とされ、遊技者の姿勢が戻ったことが確認された場合に教示演出が再開されるように構成されていること」としてもよい。この場合、遊技者がよそ見をしている間に遊技者にとって歓喜の瞬間である特別遊技状態の教示や、遊技方法等を示す(見逃すと遊技者にとって不利になる)アナウンス等を見逃してしまうといった事態を回避することができる。
手段A−9.前記動作検知手段は、遊技者が振り返る動作、又は/及び、遊技者が伸びをする動作を識別可能に配置され、所定の抽選の結果を教示する教示演出(変動表示)中に、前記動作検知手段によって遊技者が振り返る動作、又は、遊技者が伸びをする動作が確認された場合には、教示演出中にもかかわらず教示演出の結果を示す確定示唆演出が行われる場合があることを特徴とする手段A−5乃至A−8のいずれかに記載の遊技機。
手段A−9によれば、遊技者が自身の動作と演出とが連動している面白さを体感できる機会を増やすことができ、より積極的に遊技に取り組むことができる。
手段A−10.所定の前記動作検知手段の検知があった時点から、別の前記動作検知手段の検知があるまでの時間を計測する動作スピード計測手段と、
前記動作スピード計測手段による計測時間が第2時間以上であるか否かを判別する動作スピード判別手段とを備えていることを特徴とする手段A−5乃至A−9のいずれかに記載の遊技機。
手段A−10によれば、動作スピード計測手段による計測時間が第2時間以上の場合と、第2時間未満の場合とで、異なる演出を導出させる(演出の種別決定に際して異なるテーブルを参照する)ように構成することができる。従って、演出や遊技性の多様化等を図るといった上記作用効果がより一層確実に奏される。
尚、「前記動作スピード計測手段による計測時間が前記第2時間以上であったことの回数、又は/及び、前記動作スピード計測手段による計測時間が前記第2時間未満であったことの回数をカウントする動作趣向カウント手段を備えていること」としてもよい。この場合、動作趣向カウント手段のカウント値を確認することで、遊技者の動作傾向を把握することができ、かかる傾向を演出等に反映させることができる。
手段A−11.遊技者が携帯する手荷物を載置又は係止しておくことのできる手荷物預かり部において遊技者の手荷物が残されていること、又は/及び、遊技機や遊技機に隣接する遊技補助装置(カードユニット等)において、遊技者の所有する遊技価値の数を記憶するとともに、遊技者が携帯可能な記憶媒体が残されていることを検知する忘れ物検知手段を備え、
前記忘れ物検知手段の検知が行われている状態において、遊技者の離席動作(例えば、遊技姿勢から起立姿勢への変化や遊技機の前方からいなくなったこと)が前記動作検知手段で検知された場合には、所定の報知手段による報知が行われることを特徴とする手段A−5乃至A−10のいずれかに記載の遊技機。
手段A−11によれば、遊技者の手荷物の置き忘れを防止することができる。さらに、遊技者がトイレ等で席を外した隙に記憶媒体が奪い去られてしまうといった事態を抑止することができる。また、本手段では、動作検知手段による検知情報を利用して、遊技者が席を離れるような場合にのみ、所定の報知手段による報知が行われるようになっている。このため、手荷物預かり部を利用したり、記憶媒体を遊技補助装置に挿入したままであったりすると、常時、報知手段が報知状態になってしまうような鬱陶しい状況を回避することができる。尚、手荷物預かり部があれば、遊技機において傘を掛けたり、タバコを置いたり等しておく場所ができて便利である。
手段A−12.所定条件が成立して、所定の処理が実行されることが決定された場合において、前記動作検知手段の検知に基づいて行われる演出に遊技者が参加した場合には、参加していない場合に比べ、当該所定の処理が実行されることがより早いタイミングで遊技者に教示される場合があることを特徴とする手段A−5乃至A−11のいずれかに記載の遊技機。
手段A−12によれば、動作検知手段の検知に基づいて行われる演出への参加を促進することができる。さらに、動作検知手段の検知に基づいて行われる演出への参加の理由付けをすることができることから、遊技者が対外的にも対内的にもかかる演出に参加し易くなり、これをきっかけに、動作検知手段の検知に基づいて行われる演出の面白さを知ってもらうことができる。
尚、「前記動作検知手段を用いた演出に参加することで所定の特典や付与される構成であって、前記動作検知手段を用いた演出が行われる際に、当該演出に参加した場合に付与される特典のラインナップを表示すること」としてもよい。この場合においても、動作検知手段を用いた演出への参加意欲の向上を図ることができる。
手段A−13.発射手段によって発射された遊技球が案内される遊技領域に設けられた入賞手段に対して遊技球が入賞した場合に、払出手段によって所定数の遊技球が払い出される構成において、
前記払出手段から払い出される遊技球を貯留するとともに、当該貯留されている遊技球を発射手段側へと案内する貯留凹部が形成された貯留供給部を備え、
前記操作手段、及び、前記近接検知手段は、前記貯留凹部よりも後方に配置されていることを特徴とする手段A−1乃至A−12のいずれかに記載の遊技機。
手段A−13によれば、遊技者が手で貯留供給部に遊技球を供給したり(所謂ドル箱や下皿から貯留供給部としての上皿に遊技球を移す)、貯留供給部から遊技球を取出したり(コーヒーサービス等を利用したりする場合に貯留供給部としての上皿から遊技球を取出す)する場合に、かかる動作を行う遊技者の手等を近接検知手段で検知してしまうといった事態を抑止することができる。従って、操作手段とは関係のない動作を近接検知手段が検知して、操作手段の操作に関する制御が実行されてしまう等といった事態を抑制することができる。
手段A−14.前記操作手段は、
遊技機の前面部に対して相対変位可能に設けられ、操作されたときの操作位置と、操作されていないときの非操作位置との間を変位する操作部と、
前記操作部を前記非操作位置側に付勢する付勢手段とを備え、
前記操作検知手段は、前記操作部が前記操作位置に変位したことを検知することを特徴とする手段A−1乃至A−13のいずれかに記載の遊技機。
尚、前記操作手段には発光手段が内蔵されるとともに、前記操作部の少なくとも一部は、前記発光手段の光を前記操作手段の外部に透過可能とするべく透光性を有していることとしてもよい。
手段A−15.前記操作手段は、前記非操作位置にある前記操作部を操作して前記操作部を前記操作位置側に変位させる際に前記操作部に作用する応力の大きさを変化させる(前記非操作位置にある前記操作部を操作して前記操作部を前記操作位置側に変位させるために要する力の大きさを変化させる)ことのできる操作力調節手段を備えていることを特徴とする手段A−14に記載の遊技機。
手段A−15によれば、操作力調節手段により、操作部の操作位置側への変位に際して操作部に作用する応力を変化させることができる。このため、遊技者が操作部を操作した際の感触が変化するといった斬新な操作手段を得ることができる。従って、当該操作手段を遊技機に搭載することにより、演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
また、従来、遊技者の関心が低かった操作手段において上記のような斬新な現象(操作部を操作した際の感触の変化)が起こり得ることから、遊技者は、新鮮な驚きを覚えるとともに、操作手段自体に興味を抱くことができる。結果として、飛躍的な興趣の向上を図ることができる。さらに、操作部を操作した際の感触の変化を利用した演出(各種遊技状態の示唆や教示等)を行うこともでき、遊技機で行い得る演出の可能性を広げることができる。
手段A−16.前記操作部を操作して前記操作位置へと変位させた場合に、当該操作部によって押し出された空気を遊技機の背面側に排出する第1通路と、
前記操作部によって押し出された空気を遊技機の前面側に排出する第2通路と、
前記操作部によって押し出された空気のうち、前記第1通路に案内される空気量と、前記第2通路に案内される空気量との比率を変更可能な流量変更手段とを備えていることを特徴とする手段A−14又はA−15に記載の遊技機。
手段A−16によれば、遊技者が操作部を操作することで、遊技者のいる遊技機の前面側に空気が吹き出るといった演出を行うことができる。また、吹き出し量の調節も可能であり、演出性を向上させることもできる。尚、空気が吹き出したことをより確実に遊技者に体感してもらうことができるように、「前記第2案内通路は、排出された空気を遊技者に吹き掛けることのできるように構成されていること」としてもよい。例えば、操作手段、又は、その周縁部に第2案内通路が連通しており、操作手段を操作する手に操作手段の操作による空気が吹きかかるように構成してもよい。
尚、手段A−15に関しては、「前記第1通路を介して前記操作手段側に空気を送るエアポンプが設けられていること」としてもよい。当該構成を採用することで、操作部の操作に要する力を変化させたり、操作部を振動させたり(空気を急ピッチで間欠的に送る)することができる。さらに、「前記エアポンプは、前記近接検知手段の検知を契機とするタイミングで稼動すること」としてもよい。すなわち、エアポンプの稼動のタイミングが早すぎると、操作手段の変化を遊技者に気付かれてしまうことが懸念され、エアポンプの稼動のタイミングが遅すぎると、空気の供給が、遊技者の操作部の操作に間に合わないことが懸念される。これに対し、近接検知手段の検知を契機として操作部への操作の少し前にエアポンプを稼働させることで、かかる不具合を払拭することができる。
手段A−17.前記操作手段は、
遊技機の前面部に対して相対変位可能に設けられるとともに、前記操作部を相対変位可能に支持する本体部と、
前記本体部を前記操作部の変位方向に沿って前記操作位置側及び前記非操作位置側の双方向に駆動可能な駆動手段とを備え、
所定条件が成立した場合、前記近接検知手段及び前記操作検知手段の検知情報に基づいて、前記駆動手段が前記本体部を駆動させることを特徴とする手段A−14乃至A−16のいずれかに記載の遊技機。
手段A−17によれば、近接検知手段及び操作検知手段の検知情報に基づいて、操作部が変位するといった斬新な態様が導出される操作手段を得ることができる。例えば、近接検知手段の検知を契機として、駆動手段が本体部を非操作位置側に駆動させ、遊技者が操作部を操作しようとしても操作部が逃げてしまうような操作手段による演出を行うことができる。さらに、例えば、近接検知手段及び操作検知手段の検知が行われている状態から、操作検知手段の検知が行われている状態へと状態変化した場合に、駆動手段が本体部を操作位置側に駆動させ、遊技者が操作部から手を放したはずが離れていなかったといった操作手段による演出を行うことができる。
手段A−18.前記駆動手段によって前記本体部が駆動されることで、前記非操作位置にある前記操作部の操作面が遊技機の前面部よりも外方に突出する突出状態と、前記操作部の操作面が遊技機の前面部の内側に収容される収容状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段A−17に記載の遊技機。
手段A−18によれば、本体部が変位することを利用した操作手段の演出をよりダイナミックに行うことができる。また、操作部を収容状態とすることで、操作部を操作し難くすることができ、例えば、掌や握った手で操作部を強打するといった行為が行い難くなる。従って、遊技者による操作部への度を超した操作を抑制する(操作部を強打するといった行為を控えさせる)ことができ、操作手段が早期に劣化したり、破損したりしてしまうといった事態を抑制することができる。
一方、操作部を突出状態とすることで、操作部の操作面が遊技機の前面部から外方に突出するため、操作部を操作し易くすることができる。さらに、操作手段が、収容状態から突出状態へと状態変化することで、遊技者に対し、操作手段を操作できることによる優越感や満足感を覚えさせることができる。
手段A−19.前記操作部の操作面の少なくとも一部を覆う閉状態と、前記操作面を覆わない開状態とに状態変化可能な開閉手段を備え、
前記開状態にある前記開閉手段を前記閉状態へと状態変化させる場合には、前記操作検知手段の検知がなく、かつ、前記近接検知手段の検知がないことが確認されてから前記閉状態への状態変化が開始されることを特徴とする手段A−14乃至A−18のいずれかに記載の遊技機。
手段A−19によれば、遊技者の手等が操作部に近接していないことが確認されてから開閉手段が閉状態とされるように構成されている。このため、遊技者の手に閉状態へと状態変化する開閉部材が接触してしまうといった事態をより確実に回避することができる。また、開閉手段で操作部を覆うことで、操作部への操作自体を控えさせることができ、操作手段の操作頻度(操作部の操作回数)を低減させることができる。結果として、操作手段の耐久性を向上させる(操作手段の劣化を遅延させる)ことができ、操作手段が劣化・損傷することに起因して、遊技に支障をきたしてしまうといった事態を抑止することができる。
手段A−20.前記操作検知手段は、圧電体を有する圧電手段を備え、
前記操作部を操作位置側に操作することで、前記圧電手段に圧力を加えることができるように構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−19のいずれかに記載の遊技機。
手段A−20によれば、圧電手段に圧力が加えられることで発生する電圧によって、例えば、操作部の操作が検出されるように構成することができる。従って、操作手段を操作するエネルギーを無駄にすることなく、操作手段への操作の検知に役立てることができる。また、例えば、所定周期で変化する電圧を圧電手段に印加して圧電手段を振動させることで音を発生させたり、操作部を操作する感覚を変化させたりすることができる。
尚、圧電手段とランプ等の電気機器とを電気的に接続し、操作部を何度も操作することで発電した電力をかかる電気機器に使用してもよい。加えて、所定期間連続して操作部が操作されていることを把握したいような場合には、圧電手段ではなく、光センサや電気スイッチ等の別の検出手段を用いる、又は、併用することが望ましい。
手段A−21.スタートレバーへの操作に基づいて回転する複数のリールと、
前記各リールに個別に対応して設けられたストップボタンとを備え、
前記リールが回転している状態で、前記ストップボタンの操作が行われた場合に、前記スタートレバーへの操作を契機として行われた抽選の結果に応じた態様で前記リールが停止され、
(前記リールが回転している状態で、)前記ストップボタンが操作された順番に応じて、異なる制御が実行され得る構成であって、
前記各ストップボタンに個別に対応して、前記ストップボタンを操作しようとする動作を事前に検知可能な近接検知手段が設けられていることを特徴とする手段A−1乃至A−20のいずれかに記載の遊技機。
従来、メダルを遊技媒体として遊技を行うスロットマシンは、スタートレバーへの操作に基づいて複数のリールが回転するとともに、各リールに対応して設けられた複数のストップボタンを操作することで、対応するリールが停止されるようになっている。ところで、近年、複数あるストップボタンを決められた順番で操作しなければ入賞しない子役が設定され、遊技者にとって有利な状態の一種として、かかる子役が成立した場合に、ストップボタンの操作する順番(押し順)をナビゲートするといった所謂アシストタイム(AT)と呼ばれる遊技性を備えたものがある。かかる遊技性の導入により、操作ミス等によってナビゲートされた順番通りに操作が行われなかった場合には、遊技者が獲得できるメダル枚数が少なくなってしまったり、遊技者に有利な状態(例えば、押し順のナビゲートが行われる上、リプレイの成立確率が高くなるアシストリプレイタイム;ART)が中断又は終了してしまったりする等の遊技者にとって好ましくない状況が発生するおそれがある。
また、通常時メダルの獲得枚数を増やさずに、AT、ARTにおけるメダルの獲得枚数を増やすといったことをするために、通常時にもストップボタンを押す順番を規定し(例えば、最初に操作するストップボタンを限定する等)、規定に反する操作が行われた場合には、遊技者に不利な状態(例えば、ペナルティーと称されているボーナス等の抽選が行われない無抽選状態等)に移行してしまうものもある。
当然、注意しながら遊技を行っていれば問題なく遊技を進行させて行けるのであるが、注意力が散漫になる等すると、思わずミスをする場合もある。さらに、間違えてストップボタンを操作した場合に警告音が発生するものもあるが、間違えてストップボタンを押した時点で既に遊技者にとって好ましくない状態に移行してしまうおそれがある。
この点、本手段A−21によれば、近接検知手段が各ストップボタンに対応して設けられており、ストップボタンの操作する順番(押し順)がナビゲートされた状況において、ナビゲートされた順番とは異なるストップボタンへ近接する遊技者の指などが検知された場合には、警告音を発生させることも可能である。これにより、間違ったストップボタンを操作することを回避することが可能となり、間違ったボタンを操作してしまうことに起因する遊技者の不利益を防止することができる。
手段A−22.前記ストップボタンを操作する順番には、第1の操作順と、前記第1の操作順よりも遊技者にとって好ましくない第2の操作順とがあり、前記第2の操作順となる前記ストップボタンを操作しようとする動作が、該ストップボタンに対応する前記近接検知手段によって検知された場合には、警告のアナウンスが導出されることを特徴とする手段A−21に記載の遊技機。
手段A−22によれば、ストップボタンが間違った順番で操作されてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
手段A−23.前記近接検知手段は前記ストップボタンの直裏側に設置されていることを特徴とする手段A−21又はA−22に記載の遊技機。
手段A−23によれば、対応するストップボタンへの操作とは異なる動作を検知してしまうといった事態を低減させることができる。尚、近接検知手段はストップボタンとユニット化されている(内蔵されている)こととしてもよい。この場合、製造に際しての取付作業性の向上等を図ることができる。
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射装置によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、大当たり状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、可変表示装置にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
また、近年では、遊技者が操作することで、演出等の内容が変更されたり、選択肢の決定を行ったりする操作手段が設けられている。
しかしながら、操作手段が一般的に設けられ、かつ、どこの遊技機メーカーも同じような操作手段の操作に応じた演出を行っている昨今では、操作手段への操作に興味を引くことができなくなっているおそれがある。なお、上述した課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、入力操作に対して斬新な面白みを付与することのできる遊技機を提供することにある。
手段B−1.遊技者の動作を検知可能な複数の動作検知手段と、
前記動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)を記憶可能な動作記憶エリアとを備え、
所定条件が成立した場合に行われる演出の決定に際し、前記動作記憶エリアの記憶情報を参酌し、当該動作記憶エリアの記憶情報に応じて演出が決定されることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、動作検知手段に遊技者の動作を検知させることが、所定条件が成立した場合に行われる演出のパターンを決定するための入力操作となっており、遊技者の動作を検知した動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)に応じた演出が実行されるようになっている。このため、遊技者による入力操作自体を一辺倒ではなく多彩なものとすることができるとともに、遊技者による操作入力に応じて行われる演出をより多彩なもの、ひいては、遊技者の動作に対応させた演出を導出させることができることから、遊技者がより感情移入し易い演出を導出させることができる。従って、遊技者による入力操作に関して斬新な面白みを付与するとともに、遊技者により身近で、より多彩な演出を行うことができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。尚、「遊技者の動作に対応させた演出」としては、例えば、表示装置において、キャラクタが遊技者と同じアクションをしたり、遊技者のアクションに対するリアクションをしたりする等が挙げられる。
また、動作検知手段の配置は比較的自由であり、動作検知手段を遊技機の前面に全体的に点在させることで、従来は、装飾等で利用されるだけであった領域をも利用した遊技機の前面をいっぱいに使ったダイナミックな演出を行うことができ、斬新な遊技性を提供することができる。
手段B−2.前記各動作検知手段に対応して発光手段が設けられていることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、動作検知手段の位置を示唆したり、所定のアクションを行わせたり(検知の順序を示唆したり)、対象の動作検知手段によって検知が確実に行われたかを教示したりすることが可能となる。従って、遊技者の動作検知手段を使用する演出への理解を大いに助けることができる。
手段B−3.前記動作検知手段による検知情報を前記動作記憶エリアに記憶可能とする条件が成立した場合に、前記動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)を決定する検知情報内部決定手段と、
前記動作記憶エリアに記憶された前記動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)と、前記検知情報内部決定手段によって決定された前記動作検知手段の検知の組合わせ(及び順番)とが一致するか否かを判別する一致判別手段とを備え、
前記一致判別手段により肯定判別された場合には、否定判別された場合とは異なる処理が実行されることを特徴とする手段B−1又はB−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、動作検知手段を用いた遊技性をより一層向上させることができる。
手段B−4.前記動作検知手段は遊技機の前方において着席して遊技を行う遊技者の離席を識別可能に配置され、
所定の抽選の結果を教示する教示演出(変動表示)中に、前記動作検知手段によって遊技者の離席が確認された場合には、確認された時点から教示演出の状態が現状維持とされ(変動表示が停止表示されない状態とする、又は/及び、変動表示に伴う演出を一時停止する)、
(前記動作検知手段の検知や遊技者の操作可能な操作手段の操作等によって)遊技者の着席が確認された場合に教示演出が再開される(進行する状態となる)ように構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−4によれば、教示演出(変動表示)中にトイレや携帯電話の通話等に行きたくなった場合に、教示演出等のことを気にせずに離席することができる。従って、利便性の飛躍的な向上を図ることができる。
尚、「前記動作検知手段は、遊技者が振り返る動作、又は/及び、遊技者が伸びをする動作を識別可能に配置され、所定の抽選の結果を教示する教示演出(変動表示)中に、前記動作検知手段によって遊技者が振り返る動作、又は、遊技者が伸びをする動作が確認された場合には、確認された時点から教示演出の状態が現状維持とされ、遊技者の着席が確認された場合に教示演出が再開されるように構成されていること」としてもよい。この場合、遊技者がよそ見をしている間に遊技者にとって歓喜の瞬間である特別遊技状態の教示や、遊技方法等を示す(見逃すと遊技者にとって不利になる)アナウンス等を見逃してしまうといった事態を回避することができる。
手段B−5.前記動作検知手段は、遊技者が振り返る動作、又は/及び、遊技者が伸びをする動作を識別可能に配置され、所定の抽選の結果を教示する教示演出(変動表示)中に、前記動作検知手段によって遊技者が振り返る動作、又は、遊技者が伸びをする動作が確認された場合には、教示演出中にもかかわらず教示演出の結果を示す確定示唆演出が行われる場合があることを特徴とする手段B−1乃至B−4のいずれかに記載の遊技機。
手段B−5によれば、遊技者が自身の動作と演出とが連動している面白さを体感できる機会を増やすことができ、より積極的に遊技に取り組むことができる。
手段B−6.所定の前記動作検知手段の検知があった時点から、別の前記動作検知手段の検知があるまでの時間を計測する動作スピード計測手段と、
前記動作スピード計測手段による計測時間が予め定められた第1規定時間以上であるか否かを判別する動作スピード判別手段とを備えていることを特徴とする手段B−1乃至B−5のいずれかに記載の遊技機。
手段B−6によれば、動作スピード計測手段による計測時間が第1規定時間以上の場合と、第1規定時間未満の場合とで、異なる演出を導出させる(演出の種別決定に際して異なるテーブルを参照する)ように構成することができる。従って、演出や遊技性の多様化等を図るといった上記作用効果がより一層確実に奏される。
尚、「前記動作スピード計測手段による計測時間が前記第1規定時間以上であったことの回数、又は/及び、前記動作スピード計測手段による計測時間が前記第1規定時間未満であったことの回数をカウントする動作趣向カウント手段を備えていること」としてもよい。この場合、動作趣向カウント手段のカウント値を確認することで、遊技者の動作傾向を把握することができ、かかる傾向を演出等に反映させることができる。
手段B−7.遊技者が携帯する手荷物を載置又は係止しておくことのできる手荷物預かり部において遊技者の手荷物が残されていること、又は/及び、遊技機や遊技機に隣接する遊技補助装置(カードユニット等)において、遊技者の所有する遊技価値の数を記憶するとともに、遊技者が携帯可能な記憶媒体が残されていることを検知する忘れ物検知手段を備え、
前記忘れ物検知手段の検知が行われている状態において、遊技者の離席動作(例えば、遊技姿勢から起立姿勢への変化や遊技機の前方からいなくなったこと)が前記動作検知手段で検知された場合には、所定の報知手段による報知が行われることを特徴とする手段B−1乃至B−6のいずれかに記載の遊技機。
手段B−7によれば、遊技者の手荷物の置き忘れを防止することができる。さらに、遊技者がトイレ等で席を外した隙に記憶媒体が奪い去られてしまうといった事態を抑止することができる。また、本手段では、動作検知手段による検知情報を利用して、遊技者が席を離れるような場合にのみ、所定の報知手段による報知が行われるようになっている。このため、手荷物預かり部を利用したり、記憶媒体を遊技補助装置に挿入したままであったりすると、常時、報知手段が報知状態になってしまうような鬱陶しい状況を回避することができる。尚、手荷物預かり部があれば、遊技機において傘を掛けたり、タバコを置いたり等しておく場所ができて便利である。
手段B−8.所定条件が成立して、所定の処理が実行されることが決定された場合において、前記動作検知手段の検知に基づいて行われる演出に遊技者が参加した場合には、参加していない場合に比べ、当該所定の処理が実行されることがより早いタイミングで遊技者に教示される場合があることを特徴とする手段B−1乃至B−7のいずれかに記載の遊技機。
手段B−8によれば、動作検知手段の検知に基づいて行われる演出への参加を促進することができる。さらに、動作検知手段の検知に基づいて行われる演出への参加の理由付けをすることができることから、遊技者が対外的にも対内的にもかかる演出に参加し易くなり、これをきっかけに、動作検知手段の検知に基づいて行われる演出の面白さを知ってもらうことができる。
尚、「前記動作検知手段を用いた演出に参加することで所定の特典や付与される構成であって、前記動作検知手段を用いた演出が行われる際に、当該演出に参加した場合に付与される特典のラインナップを表示すること」としてもよい。この場合においても、動作検知手段を用いた演出への参加意欲の向上を図ることができる。
手段B−9.遊技者の操作可能な位置に設けられた操作手段と、
前記操作手段に対する操作を検知する操作検知手段とを備えるとともに、
前記動作検知手段は、前記操作手段を操作しようする動作を検知可能な近接検知手段を備えていることを特徴とする手段B−1乃至B−8のいずれかに記載の遊技機。
手段B−9によれば、操作手段への操作があることを事前に検知することができるため、その情報を利用した演出を行うことができる。例えば、近接検知手段による検知に基づいて、操作手段の操作を行う前に、操作手段の操作があった場合に行われる演出に関連する演出を行ったり、操作手段自体の態様を変化させたりすることができる。また、例えば、近接検知手段及び操作検知手段の検知情報に基づいて、操作手段を操作してはいないが操作手段の近くに遊技者の手が存在すること等を把握することができ、それに応じた演出を展開することができる。従って、操作手段への操作に対して斬新な面白みを付与するとともに、演出や遊技性の多様化を図ることができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。
また、操作手段を操作する操作演出に際して、操作手段の態様を変化させたり、操作手段の操作に応じた結果を示唆したりする事前演出を行おうとした場合、遊技機がかかる事前演出の開始タイミングを勝手に決定してしまうと、かかるタイミングが操作手段の操作のタイミングに対して早すぎたり、遅すぎたりするおそれがある。すなわち、事前演出のタイミングが早すぎると、遊技者に簡単に気付かれたり、操作手段の操作との間隔が開きすぎて盛り上がらなかったりすることが懸念される。一方、事前演出のタイミングが遅すぎる(例えば、操作手段に少し触れたタイミングで事前演出が開始される)と、事前演出を行う時間的猶予が全くなくなってしまうことが懸念される。これに対し、近接検知手段の検知を契機として操作手段への操作の少し前に態様変化を実行させることで、かかる不具合を払拭することができる。従って、事前演出と操作演出とのタイミングをばっちりと合わせることができ、かかる一連の流れるような演出によって遊技者の気持ちをより確実に高めることができる。さらに、操作手段を操作する操作演出は導出されたが、遊技者が操作手段を操作しなかった場合において、無駄に事前演出を行ってしまうといった事態を回避することができる。
尚、近接検知手段による検知に基づいて、操作手段の操作を行う前に、操作手段の操作があった場合に行われる演出に関連する演出として、例えば、所定の表示装置において所定のロゴタイプが白黒表示され、操作手段の操作を契機としてかかるロゴタイプが所定の色に塗り変えられた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生する構成において、近接検知手段による検知を契機として、ロゴタイプの周りにエフェクト表示が行われる場合があるように構成してもよい。また、「前記近接検知手段の検知に基づいて、当該前記近接検知手段の検知が行われた後、前記操作検知手段の検知がない段階で、操作されていない状態にある前記操作手段の態様を変化可能に構成されていること」としてもよい。この場合、例えば、操作手段のうち遊技者が操作する操作部を操作がされていない状態で出没動作可能に構成し、近接検知手段の検知があると、遊技者が操作手段に触れる前に、操作手段が基準位置よりも突出したり、基準位置よりも引っ込んだりするように構成してもよい。さらに、例えば、操作手段に発光手段を内蔵させるとともに、操作手段の少なくとも一部を前記発光手段の光を透過可能とする透明または半透明な材料で構成し、近接検知手段の検知があると、遊技者が操作手段に触れる前に、発光手段が所定の態様で発光可能に構成してもよい。また、前記発光手段としても、複数の光源を備えていてもよいし、モータ等の駆動手段を備えて、回転する等、変位可能に構成されていてもよい。
尚、操作手段としては、パチンコ機で言えば、例えば、操作に応じて所定の表示装置の表示内容が変更されたり、所定の音声が流れたりする演出用のボタンやハンドル等が挙げられ、スロットマシンで言えば、クレジットされているメダルをベットするためのベットボタンやストップボタンやスタートレバー等が挙げられる。また、近接検知手段によって検知されるものとしては、概ね、操作手段を操作しようとして操作手段に接近する(近接した)遊技者の手であることが考えられるが、当然その他のもの(例えば、遊技者のひじや、遊技者が手に持っているペットボトル等)であることも考えられる。
手段B−10.前記近接検知手段による検知があった時点から、前記操作手段への操作が検知されるまでの時間を計測する操作スピード計測手段と、
前記操作スピード計測手段による計測時間が予め定められた第2規定時間以上であるか否かを判別する操作スピード判別手段とを備えていることを特徴とする手段B−9に記載の遊技機。
手段B−10によれば、操作スピード計測手段による計測時間が第2規定時間以上の場合と、第2規定時間未満の場合とで、異なる演出を導出させる(演出の種別決定に際して異なるテーブルを参照する)ように構成することができる。従って、演出や遊技性の多様化等を図るといった上記作用効果がより一層確実に奏される。
尚、操作検知手段の検知が継続して行われている時間を計測する操作時間計測手段を備え、操作手段の操作に基づいて行われる演出の決定に際し、操作時間計測手段による計測時間が予め定められた所定時間以上であるか否かを判別し、該判別結果に応じて演出が決定されることとしてもよい。
手段B−11.前記操作スピード計測手段による計測時間が前記第2規定時間以上であったことの回数、又は/及び、前記操作スピード計測手段による計測時間が前記第2規定時間未満であったことの回数をカウントする操作趣向カウント手段を備えていることを特徴とする手段B−10に記載の遊技機。
手段B−11によれば、操作趣向カウント手段のカウント値を確認することで、遊技者の操作手段への操作方法の傾向、すなわち、操作手段の操作に関する遊技者の趣味嗜好を把握することができ、かかる趣味嗜好を、操作手段の操作に関する演出等に反映させることができる。例えば、操作趣向カウント手段が第1回数以上の場合、すなわち、操作手段を操作する前に操作手段の近傍で手を所定時間待機させてから操作手段を操作するような遊技者に対しては、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、大当たり状態、確変モード、時間短縮モード、ボーナス、アシストリプレイタイム)の発生が決定されている状態(但し、未だ特別遊技状態は開始されていないし、教示もされていない状態)において、上記のように、操作手段を操作する前に操作手段の近傍で手を所定時間待機させてから操作手段を操作することで、特別遊技状態の発生がいち早く教示されるように構成することもできる。これにより、遊技者は自分の操作があったからこそ、そのような報知演出が導出された(反映された)のだと実感することができ、より一層の充実感や達成感を得ることができる。
手段B−12.前記近接検知手段は、互いに異なる向きで取付けられた少なくとも2つのセンサによって構成され、当該近接検知手段を構成する複数のセンサの検知が同時に行われた場合に、前記近接検知手段による検知があったとされることを特徴とする手段B−9乃至B−11のいずれかに記載の遊技機。
手段B−12によれば、操作手段を操作しようと操作手段に近付く遊技者の手等を3次元的に検知することができる。従って、操作手段への操作に関係のない遊技者の動作を検知してしまうといった事態を抑制することができる。
手段B−13.発射手段によって発射された遊技球が案内される遊技領域に設けられた入賞手段に対して遊技球が入賞した場合に、払出手段によって所定数の遊技球が払い出される構成において、
前記払出手段から払い出される遊技球を貯留するとともに、当該貯留されている遊技球を発射手段側へと案内する貯留凹部が形成された貯留供給部を備え、
前記操作手段、及び、前記近接検知手段は、前記貯留凹部よりも後方に配置されていることを特徴とする手段B−9乃至B−12のいずれかに記載の遊技機。
手段B−13によれば、遊技者が手で貯留供給部に遊技球を供給したり(所謂ドル箱や下皿から貯留供給部としての上皿に遊技球を移す)、貯留供給部から遊技球を取出したり(コーヒーサービス等を利用したりする場合に貯留供給部としての上皿から遊技球を取出す)する場合に、かかる動作を行う遊技者の手等を近接検知手段で検知してしまうといった事態を抑止することができる。従って、操作手段とは関係のない動作を近接検知手段が検知して、操作手段の操作に関する制御が実行されてしまう等といった事態を抑制することができる。
手段B−14.前記操作手段は、
遊技機の前面部に対して相対変位可能に設けられ、操作されたときの操作位置と、操作されていないときの非操作位置との間を変位する操作部と、
前記操作部を前記非操作位置側に付勢する付勢手段とを備え、
前記操作検知手段は、前記操作部が前記操作位置に変位したことを検知することを特徴とする手段B−9乃至B−13のいずれかに記載の遊技機。
尚、前記操作手段には発光手段が内蔵されるとともに、前記操作部の少なくとも一部は、前記発光手段の光を前記操作手段の外部に透過可能とするべく透光性を有していることとしてもよい。
手段B−15.前記操作手段は、前記非操作位置にある前記操作部を操作して前記操作部を前記操作位置側に変位させる際に前記操作部に作用する応力の大きさを変化させる(前記非操作位置にある前記操作部を操作して前記操作部を前記操作位置側に変位させるために要する力の大きさを変化させる)ことのできる操作力調節手段を備えていることを特徴とする手段B−14に記載の遊技機。
手段B−15によれば、操作力調節手段により、操作部の操作位置側への変位に際して操作部に作用する応力を変化させることができる。このため、遊技者が操作部を操作した際の感触が変化するといった斬新な操作手段を得ることができる。従って、当該操作手段を遊技機に搭載することにより、演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
また、従来、遊技者の関心が低かった操作手段において上記のような斬新な現象(操作部を操作した際の感触の変化)が起こり得ることから、遊技者は、新鮮な驚きを覚えるとともに、操作手段自体に興味を抱くことができる。結果として、飛躍的な興趣の向上を図ることができる。さらに、操作部を操作した際の感触の変化を利用した演出(各種遊技状態の示唆や教示等)を行うこともでき、遊技機で行い得る演出の可能性を広げることができる。
手段B−16.前記操作部を操作して前記操作位置へと変位させた場合に、当該操作部によって押し出された空気を遊技機の背面側に排出する第1通路と、
前記操作部によって押し出された空気を遊技機の前面側に排出する第2通路と、
前記操作部によって押し出された空気のうち、前記第1通路に案内される空気量と、前記第2通路に案内される空気量との比率を変更可能な流量変更手段とを備えていることを特徴とする手段A−14又はA−15に記載の遊技機。
手段B−16によれば、遊技者が操作部を操作することで、遊技者のいる遊技機の前面側に空気が吹き出るといった演出を行うことができる。また、吹き出し量の調節も可能であり、演出性を向上させることもできる。尚、空気が吹き出したことをより確実に遊技者に体感してもらうことができるように、「前記第2案内通路は、排出された空気を遊技者に吹き掛けることのできるように構成されていること」としてもよい。例えば、操作手段、又は、その周縁部に第2案内通路が連通しており、操作手段を操作する手に操作手段の操作による空気が吹きかかるように構成してもよい。
尚、手段B−15に関しては、「前記第1通路を介して前記操作手段側に空気を送るエアポンプが設けられていること」としてもよい。当該構成を採用することで、操作部の操作に要する力を変化させたり、操作部を振動させたり(空気を急ピッチで間欠的に送る)することができる。さらに、「前記エアポンプは、前記近接検知手段の検知を契機とするタイミングで稼動すること」としてもよい。すなわち、エアポンプの稼動のタイミングが早すぎると、操作手段の変化を遊技者に気付かれてしまうことが懸念され、エアポンプの稼動のタイミングが遅すぎると、空気の供給が、遊技者の操作部の操作に間に合わないことが懸念される。これに対し、近接検知手段の検知を契機として操作部への操作の少し前にエアポンプを稼働させることで、かかる不具合を払拭することができる。
手段B−17.前記操作手段は、
遊技機の前面部に対して相対変位可能に設けられるとともに、前記操作部を相対変位可能に支持する本体部と、
前記本体部を前記操作部の変位方向に沿って前記操作位置側及び前記非操作位置側の双方向に駆動可能な駆動手段とを備え、
所定条件が成立した場合、前記近接検知手段及び前記操作検知手段の検知情報に基づいて、前記駆動手段が前記本体部を駆動させることを特徴とする手段B−14乃至B−16のいずれかに記載の遊技機。
手段B−17によれば、近接検知手段及び操作検知手段の検知情報に基づいて、操作部が変位するといった斬新な態様が導出される操作手段を得ることができる。例えば、近接検知手段の検知を契機として、駆動手段が本体部を非操作位置側に駆動させ、遊技者が操作部を操作しようとしても操作部が逃げてしまうような操作手段による演出を行うことができる。さらに、例えば、近接検知手段及び操作検知手段の検知が行われている状態から、操作検知手段の検知が行われている状態へと状態変化した場合に、駆動手段が本体部を操作位置側に駆動させ、遊技者が操作部から手を放したはずが離れていなかったといった操作手段による演出を行うことができる。
手段B−18.前記駆動手段によって前記本体部が駆動されることで、前記非操作位置にある前記操作部の操作面が遊技機の前面部よりも外方に突出する突出状態と、前記操作部の操作面が遊技機の前面部の内側に収容される収容状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段A−17に記載の遊技機。
手段B−18によれば、本体部が変位することを利用した操作手段の演出をよりダイナミックに行うことができる。また、操作部を収容状態とすることで、操作部を操作し難くすることができ、例えば、掌や握った手で操作部を強打するといった行為が行い難くなる。従って、遊技者による操作部への度を超した操作を抑制する(操作部を強打するといった行為を控えさせる)ことができ、操作手段が早期に劣化したり、破損したりしてしまうといった事態を抑制することができる。
一方、操作部を突出状態とすることで、操作部の操作面が遊技機の前面部から外方に突出するため、操作部を操作し易くすることができる。さらに、操作手段が、収容状態から突出状態へと状態変化することで、遊技者に対し、操作手段を操作できることによる優越感や満足感を覚えさせることができる。
手段B−19.前記操作部の操作面の少なくとも一部を覆う閉状態と、前記操作面を覆わない開状態とに状態変化可能な開閉手段を備え、
前記開状態にある前記開閉手段を前記閉状態へと状態変化させる場合には、前記操作検知手段の検知がなく、かつ、前記近接検知手段の検知がないことが確認されてから前記閉状態への状態変化が開始されることを特徴とする手段B−14乃至B−18のいずれかに記載の遊技機。
手段B−19によれば、遊技者の手等が操作部に近接していないことが確認されてから開閉手段が閉状態とされるように構成されている。このため、遊技者の手に閉状態へと状態変化する開閉部材が接触してしまうといった事態をより確実に回避することができる。また、開閉手段で操作部を覆うことで、操作部への操作自体を控えさせることができ、操作手段の操作頻度(操作部の操作回数)を低減させることができる。結果として、操作手段の耐久性を向上させる(操作手段の劣化を遅延させる)ことができ、操作手段が劣化・損傷することに起因して、遊技に支障をきたしてしまうといった事態を抑止することができる。
手段B−20.前記操作検知手段は、圧電体を有する圧電手段を備え、
前記操作部を操作位置側に操作することで、前記圧電手段に圧力を加えることができるように構成されていることを特徴とする手段B−9乃至B−19のいずれかに記載の遊技機。
手段B−20によれば、圧電手段に圧力が加えられることで発生する電圧によって、例えば、操作部の操作が検出されるように構成することができる。従って、操作手段を操作するエネルギーを無駄にすることなく、操作手段への操作の検知に役立てることができる。また、例えば、所定周期で変化する電圧を圧電手段に印加して圧電手段を振動させることで音を発生させたり、操作部を操作する感覚を変化させたりすることができる。
尚、圧電手段とランプ等の電気機器とを電気的に接続し、操作部を何度も操作することで発電した電力をかかる電気機器に使用してもよい。加えて、所定期間連続して操作部が操作されていることを把握したいような場合には、圧電手段ではなく、光センサや電気スイッチ等の別の検出手段を用いる、又は、併用することが望ましい。
手段B−21前記動作検知手段の検知が所定の状態変化の契機とされる動作有効状態と、前記操作検知手段の検知が状態変化の契機とされない動作無効状態とに切替える動作入力状態切替手段を備え、
前記動作有効状態でのみ前記動作検知手段の検知が行われたか否かの確認が行われることを特徴とする手段B−1乃至B−20に記載の遊技機。
例えば、常時、動作有効状態にあるか否かを判別すると処理が大変であり、特に動作検知手段の数が多い場合には、かかる懸念が一層顕著なものとなる。この点、本手段によれば、動作有効状態にあるときにのみ、動作検知手段の検知の確認が行われる。これによって、処理の簡素化等を図ることができる。
手段B−22.遊技者から視認可能、かつ、接触不可能な位置に設けられた役物を備え、
前記動作検知手段の検知の組合わせに応じて、前記役物を態様変化可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−21のいずれかに記載の遊技機。
手段B−22によれば、遊技者の動作に応じて役物が変位するといった斬新な演出を導出させることができる。また、例えば、左右一対の動作検知手段が配置された前方において、遊技者が、手を左から右に動かすことで役物が右側に傾倒するといった具合に、複数の動作検知手段の組合わせに基づいて変位の具合を決定することで、より複雑な(あたかも遊技者の動作によって役物が遠隔操作されているような)動作をさせることも可能となる。
手段C−1.遊技機の前面側に設けられた操作手段と、
前記操作手段に対する操作を検知する操作検知手段とを備え、
前記操作手段は、
操作されたときの操作位置と、操作されていないときの非操作位置との間を変位する操作部を備え、
前記操作検知手段は、前記操作部が前記操作位置に変位したことを検知する構成であって、
前記操作手段は、前記非操作位置にある前記操作部を変位可能な駆動手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段C−1によれば、遊技者が操作部を操作しなくても、操作部が変位する場合がある。これによって、操作手段の態様の多様化を図り、ひいては、操作手段自体を用いた斬新な演出を行うことができるようになる。従って、操作手段への操作に対して斬新な面白みを付与するとともに、演出や遊技性の多様化を図ることができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。
手段C−2.遊技者の動作を検知可能な動作検知手段を備え、
前記駆動手段は、前記操作検知手段の検知に基づいて所定の処理(例えば、所定の演出を実行する処理)が実行される状態である操作有効状態において、前記動作検知手段による検知に基づいて駆動制御されることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
手段C−2によれば、操作手段の態様を遊技者の動作に応じた(反映させた)態様とすることができる。従って、遊技者自身の動作と、操作手段とが関連付けられていることに興味を抱かせることができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
手段C−3.前記動作検知手段は、前記操作手段を操作しようとする動作を検知可能に配置され、
前記駆動手段は、前記動作検知手段による検知を契機として、当該前記近接検知手段の検知が行われた後、前記操作検知手段の検知がない段階で、駆動開始されることを特徴とする手段C−2に記載の遊技機。
手段C−3によれば、遊技者が操作手段を操作しようとしていることを事前に把握することができる。これにより、遊技者が操作手段を操作しようとして手を伸ばしている途中で、操作手段の態様を変化させたり、操作手段を操作する動作を検知した場合に、操作手段を操作した結果を示唆する演出が導出されるように構成したりすることができる。従って、演出の多様化等を図ることができ、興趣の向上を図ることができる。また、操作手段を操作有効状態としたことを契機として、或いは、タイマーを使用して所定時間後に操作手段の態様を変化させる場合、遊技機側で勝手に決められたタイミングとなるため、遊技者の気持ちの盛り上がりと上手く一致しない場合がある。この点、本手段では、操作手段を操作しようとする遊技者の動作の検知を契機として、操作手段の態様を変化させる構成のため、かかる不具合を払拭することができ、遊技者の気持ちと演出とを上手く一致させることができる。
手段C−4.前記操作手段は、前記操作部を相対変位可能に支持するとともに、遊技機の前面部に対し、前記操作部の変位方向に沿った方向において相対変位可能に設けられた本体部を備え、
前記駆動手段は、前記本体部を変位可能に構成され、
前記動作検知手段の検知が行われた場合、前記操作検知手段の検知がない段階で、前記本体部を前記操作位置側に変位させるための駆動を開始可能に構成されていることを特徴とする手段C−3に記載の遊技機。
手段C−4によれば、遊技者が操作手段を操作しようとして操作手段に手等を近接させると、操作部が、操作されていないにもかかわらず、遊技者の手から逃げるようにして、操作位置側に変位してしまうといった演出を実行することができる。このように操作部が斬新な動作を行うことによって、遊技に刺激を付与することができ、操作手段への興味を向上させ、結果的に、興趣の向上を図ることができる。また、本体部を操作位置側に変位させることで、非操作位置にある操作部を操作位置側に変位させることなく、操作部を操作位置側に変位させることができる。このため、遊技者が操作部を直接操作していないにもかかわらず、操作検知手段の検知が行われてしまうといった事態を回避することができる。
尚、「所定条件が成立した場合であって、かつ、前記動作検知手段の検知が行われた場合、前記駆動手段は、前記操作部を前記操作検知手段による検知が行われる位置まで前記操作位置側に変位可能に構成されていること」としてもよい。この場合、操作部を操作したこと(スイッチオンしたこと)を契機として行われる演出を確実に導出させることができる。従って、触れる前に引っ込んでしまうという操作部の思いがけない動作に戸惑ってしまい、思わず操作部の操作を遊技者が忘れてしまった場合でも、確実に操作手段の操作に対応する演出を導出させることができる。また、かかる構成を採用する場合、「前記駆動手段が駆動することによって前記操作検知手段の検知が行われた場合と、遊技者が前記操作部を操作することで前記操作検知手段の検知が行われた場合、すなわち、前記駆動手段が駆動しない状態で前記操作検知手段の検知が行われた場合とで、前記操作検知手段の検知の基づいて行われる対応制御(選択される演出)が異なること」としてもよい。この場合、演出の多様化や差別化(重み付け)をより一層図ることができる。さらに、「所定条件が成立した場合であって、かつ、前記動作検知手段の検知が行われた場合、前記操作部は、前記駆動手段により、それ以上の前記操作位置側への変位が規制される(底突きする)位置にまで前記操作位置側に変位させられること」としてもよい。加えて、その状態の操作部は、その全体が前記操作手段の表面よりも没入していることとしてもよい。この場合、興奮した遊技者に操作部が強打されて操作部が破損するといった事態を抑制することができる。
手段C−5.前記動作検知手段は、前記操作手段に近接する物体を検知可能に配置され、
前記本体部が前記駆動手段によって前記操作位置側に変位させられている状態において、前記操作手段に近接する物体を検知可能に配置された前記動作検知手段による検知が行われなくなった場合に、前記駆動手段は前記本体部を前記非操作位置側に変位させる(元の基準位置へと戻す)ことを特徴とする手段C−4に記載の遊技機。
手段C−5によれば、突出変位する操作部と遊技者の手等とが接触してしまうといった事態を回避することができる。
手段C−6.前記操作検知手段の検知が行われた後、前記動作検知手段の検知が行われなくなった場合に、前記駆動手段を駆動させることで、前記操作部の変位方向に沿った方向において、前記操作部を遊技機前面からより大きく突出可能に構成されていることを特徴とする手段C−3乃至C−5のいずれかに記載の遊技機。
手段C−6によれば、遊技者が操作手段の操作部を操作した後に、操作部から手を離そうとすると、操作部が遊技者の手にくっついてくるような演出を実行することができる。このように操作部が斬新な動作を行うことによって、遊技に刺激を付与することができ、操作手段への興味を向上させ、結果的に、興趣の向上を図ることができる。また、操作部は遊技者の手が操作部から離間したことを契機に突出する場合があるように構成されている。すなわち、動作検知手段によって操作部に接近する遊技者の手を検知することを契機として操作部を突出する場合のように、遊技者の操作部に接近する手と、突出変位する操作部とが思わぬ角度で衝突してしまうといった事態を回避することができる。
手段C−7.前記動作検知手段による検知が所定時間継続して行われることを契機として、前記操作部の変位による遊技状態を示唆する示唆演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段C−3乃至C−6のいずれかに記載の遊技機。
手段C−7によれば、遊技者の動作に反映して操作手段の態様が変化するといったパターンを増やすことができる。また、遊技者が自身の動作によって対応する動作手段の態様変化を生じさせたといった気分を出すことができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
手段C−8.前記操作手段の内部に空気を供給可能な前記駆動手段としての送風機を備え、
前記非操作位置にある前記操作部は、前記操作位置側に変位可能に構成されるとともに、前記操作位置側とは反対側にも変位可能に構成され、
前記送風機によって前記操作手段の内部に空気を供給することによって、前記非操作位置にある前記操作部を前記操作位置側とは反対側に変位可能に構成されていることを特徴とする手段C−1乃至C−7のいずれかに記載の遊技機。
手段C−8によれば、送風機を使用して、操作部を比較的大きく突出させたり、操作部を振動させたりする等、操作手段の態様を変化させることができる。特に、送風機を利用することにより、操作部をモータ等によって突出させるような場合に比べて、操作部をより早く迅速に突出させることができる。従って、送風機により操作部を迅速に突出させて、よりインパクトを与えることのできる演出を行うことができる。尚、駆動手段として、モータやソレノイド等を併設してもよい。すなわち、操作部を細かく動作させる(少し突出した後に戻るとか、次第に突出速度をゆっくりさせる等)場合にはモータ等の方が適している場合があり、併設することで、操作手段の態様のより一層の多様化を図ることができる。
手段D−1.遊技者の操作可能な位置に設けられた操作手段と、
前記操作手段に対する操作を検知する操作検知手段と、
遊技機の前面側から遊技機外方に向けて空気を吹き出すことのできる送風手段とを備え、
前記操作手段への操作に基づいて、前記送風手段によって空気を吹き出し可能に構成されることを特徴とする遊技機。
手段D−1によれば、操作手段の操作に関連する演出の一環として、風を吹き出す演出を導出させることができる。これにより、操作手段を操作した場合の演出バリエーションを増やすことができるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生への期待度等と、送風があるか否かとを対応させて、遊技性を向上させることもできる。従って、操作手段への操作に対して斬新な面白みを付与するとともに、演出や遊技性の多様化を図ることができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。
手段D−2.前記操作手段は、
操作されたときの操作位置と、操作されていないときの非操作位置との間を変位する操作部(と、
前記操作部を前記非操作位置側に付勢する付勢手段と)を備え、
前記送風手段は、遊技機の前面側に設けられ、遊技機外方に向けて空気が吹き出される吹き出し口と、前記吹き出し口に空気を供給可能な空気供給源と、前記空気供給源と前記吹き出し口とを連通させる連通管とを備え、
前記操作手段によって前記空気供給源が構成され、前記操作部を操作した場合に当該操作部によって押し退けられた空気が前記吹き出し孔から噴出されることを特徴とする手段D−1に記載の遊技機。
手段D−2によれば、遊技者が操作部を操作することに応じて遊技者のいる遊技機の前面側に空気が吹き出る状態と、吹き出ない状態とに切替わるといった演出を行うことができる。従って、遊技者は、自身の操作部への操作によって風が出たことに驚きを覚えるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生等への期待感を高めることができる。
手段D−3.前記送風手段は、遊技機の前面側に設けられ、遊技機外方に向けて空気が吹き出される吹き出し口と、電気的に駆動制御され、前記吹き出し口に空気を供給可能な空気供給源としての送風機と、前記送風機と前記吹き出し口とを連通させる連通管とを備えていることを特徴とする手段D−1又はD−2に記載の遊技機。
手段D−3によれば、送風機によって吹き出し口から確実に、かつ、風量(風圧)調整可能に空気を吹き出させることができる。尚、送風機としては、エアポンプやファン等が挙げられる。また、送風機に対して防音対策を施し、駆動音によって送風機が駆動したことを悟られ難いようにしてもよい。
手段D−4.前記送風機から前記操作手段に空気を供給可能に構成され、
前記送風機によって前記操作手段に空気を供給することによって、前記操作部を操作した際の感触が変化することを特徴とする手段D−3に記載の遊技機。
手段D−4によれば、送風機を使用して、操作手段を操作した感触を変化させることができる。すなわち、操作手段内部の空気圧が高められることによって、操作部を押し込み難くなったり、間欠的に空気を送ることで振動したりすることとなる。従って、操作手段及び送風手段を使用して、より一層の演出の多様化を図ることができる。
手段D−5.前記送風機から前記操作手段へ空気を供給可能に構成され、
前記非操作位置にある前記操作部は、前記操作位置側に変位可能に構成されるとともに、前記操作位置側とは反対側に変位可能に構成され、
前記送風機によって前記操作手段に空気を供給することによって、前記非操作位置にある前記操作部を前記操作位置側とは反対側に変位可能に構成されていることを特徴とする手段D−3又はD−4に記載の遊技機。
手段D−5によれば、送風機を使用して、操作部を比較的大きく突出させたり、操作部を振動させたりする等、操作手段の態様を変化させることができる。特に、送風機を利用することにより、操作部をモータ等によって突出させるような場合に比べて、操作部をより早く迅速に突出させることができる。従って、送風機により操作部を迅速に突出させて、よりインパクトを与えることのできる演出を行うことができる。
手段D−6.前記操作手段を操作しようとする動作を検知可能な近接検知手段を備え、
前記近接検知手段の検知を契機として、前記送風機が駆動開始可能に構成されていることを特徴とする手段D−3乃至D−5のいずれかに記載の遊技機。
手段D−6によれば、遊技者が操作手段を操作する前の段階で空気を吹き出すことによる演出を行うことができる。このため、操作手段を操作した場合の結果等を示唆する示唆演出等を行うことができ、演出の多様化を図ることができる。
また、例えば、上記手段D−4等のように、送風手段を使用して、操作手段自体の態様を変化させる演出を行う場合、操作検知手段の検知が行われた後に送風機を駆動させたのでは遅く、演出として成り立たない。その一方で、作手段自体の態様を変化させる演出が決定された時点で送風機を駆動させた場合、操作手段の態様変化が操作手段を操作する前の段階で露見し易くなってしまうことが懸念される。この点、近接検知手段の検知を契機に送風機の駆動が開始されることで、送風手段を使った演出が十分に間に合う上、かかる演出が操作手段への操作の前に察知されてしまうといった事態を低減させることができる。従って、送風手段を使用した操作手段の態様を変化させる演出を確実に堪能させることができる。
さらに、例えば、通常は、操作手段の操作に基づいて、吹き出し口から空気が吹き出るところ、本手段のように、近接検知手段の検知を契機として、遊技者が操作手段を操作する少し前のタイミングで、送風機の駆動によって吹き出し口から空気が吹き出される場合、通常とは異なるタイミングでの空気の吹き出しに対して遊技者は驚きを覚えるとともに期待感を抱くことができる。従って、吹き出し口から空気が吹き出るタイミングを操作手段への操作よりも前にすることができ、送風手段を用いた演出効果をより高めることができる。
手段D−7.前記吹き出し口は、遊技者による所定の操作が行われる部位又はその近傍において形成されていることを特徴とする手段D−2乃至D−6のいずれかに記載の遊技機。
手段D−7によれば、吹き出し口から空気が吹き出されていることを遊技者により気付かれ易くすることができる。尚、遊技者が操作可能な部位とは、パチンコ機の場合には、ハンドル、球貸しボタン、球抜きのための操作部(上皿や下皿からの遊技球の排出を止めているシャッタを開放して、遊技球を上皿から下皿に移したり、下皿から下方に排出したりするためのもの)、演出用のボタン等が挙げられる。また、スロットマシンの場合には、ストップボタン、ベットボタン、スタートレバー、クレジット清算ボタン、演出用のボタン、メダル投入口等が挙げられる。
手段D−8.前記連通管は、前記空気供給源と前記吹き出し口とを連通させる第1通路と、前記空気供給源と遊技機の背面側の外方とを連通させる第2通路と、前記第1通路において通過可能な空気の量を調節可能な第1バルブと、前記第2通路において通過可能な空気の量を調節可能な第2バルブとを備えていることを特徴とする手段D−2乃至D−7のいずれかに記載の遊技機。
手段D−8によれば、吹き出し孔から空気が吹き出される状態と、吹き出されない状態とに切替えたり、吹き出し口から吹き出される空気の量(風圧等)を変化させたりすることができる。
手段D−9.遊技機前方から視認可能かつ接触不可能な位置に設けられた可動役物を備え、
前記連通管は、前記空気供給源と前記可動役物とを連通させる第3通路と、前記第3バルブにおいて通過可能な空気の量を調節可能な第3バルブとを備え、
前記空気供給源から前記第3通路を介して前記可動役物に空気が供給されることで、前記可動役物が変位することを特徴とする手段D−8に記載の遊技機。
手段D−9によれば、遊技者による操作手段への操作に基づいて、可動役物を変位させることができる。さらには、吹き出し口から風が吹き出す状態と、可動役物が変位する状態と、これら両方が同時に行われる状態と、これら両方が行われない状態とに切替えることも可能となる。従って、演出の多様化等を図ることができる。
手段D−10.前記吹き出し口の開口面積を変化させることのできるシャッタが設けられていることを特徴とする手段D−2乃至D−9のいずれかに記載の遊技機。
手段D−10によれば、吹き出し口の面積を変化させることで、吹き出し口から噴出される空気の勢いを変化させることができる。また、吹き出し口のうち空気が吹き出される部位を変更することもできる。従って、吹き出し口から噴出される空気の態様に変化を与えることができ、より多彩な演出を実行することができる。
手段E−1.遊技者の操作可能な位置に設けられた操作手段と、
前記操作手段に対する操作を検知する操作検知手段とを備える遊技機において、
前記操作部の変位に機械的に連動する複数の連動手段と、
複数の前記連動手段のうち前記操作部の変位に連動する連動手段を切替える対象切替手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段E−1によれば、遊技者は同じ操作手段を操作するだけで、操作に連動する連動部材が切替わるといった態様の変化を堪能することができる。従って、遊技者の手を煩わせることなく、操作手段への操作に対して斬新な面白みを付与するとともに、演出や遊技性の多様化を図ることができる。結果として、遊技の単調感等を抑制することができ、ひいては、興趣の向上を図ることができる。尚、「連動」とは、変位する場合だけでなく、作動する(機能状態に変化する)等の状態変化する場合も含まれる。
手段E−2.前記対象切替手段は、前記操作手段の操作が行われた場合に第1連動手段が連動する第1連動状態と、前記操作手段の操作が行われた場合に第2連動手段が連動する第2連動状態とに切替可能に構成され、
前記操作手段を操作しようとする動作を検知可能な近接検知手段を備え、
所定条件の成立に基づいて、前記第1連動状態から前記第2連動状態に切替えることが決定された場合、前記対象切替手段は、前記近接検知手段による検知を契機として、前記第1連動状態から前記第2連動状態に切替えることを特徴とする手段E−1に記載の遊技機。
遊技者が操作手段を操作するタイミングに対して、対象切替手段による切替えのタイミングが早すぎる場合、対象切替手段による切替えの音が気付かれ易くなってしまったり、対象切替手段による切替えが行われたが、遊技者が操作手段を操作しなかったために、切替動作が無駄になってしまったりすることが懸念される。その一方で、対象切替手段による切替えのタイミングが遅すぎる場合、遊技者による操作手段の操作のタイミングに間に合わないことが懸念される。これに対し、本手段E−2によれば、操作手段の操作が行われる少し前のタイミングで、対象切替手段による切替えを実行することができ、上記懸念を払拭することができる。
尚、「前記近接検知手段によって連続して検知が行われている時間を計測する計測タイマを設け、かかる計測タイマの計測値が予め定められた規定値以上になったことが、第1連動状態から第2連動状態に切替える契機となる場合もあること」としてもよい。
手段E−3.前記対象切替手段により、前記操作手段の操作が、いずれの前記連動手段にも連動しない非連動状態に切替可能に構成されていることを特徴とする手段E−1又はE−2に記載の遊技機。
手段E−3によれば、操作手段を操作した場合のバリエーションを増やすことができるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生への期待度と、連動手段が連動するか否かとを対応させて、遊技性を向上させることができる。
手段E−4.前記連動手段を稼働可能な駆動手段と、
前記操作手段を操作しようとする動作を検知可能な近接検知手段とを備え、
前記近接検知手段の検知を契機として、前記駆動手段が駆動開始可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−3のいずれかに記載の遊技機。
手段E−4によれば、連動手段を操作手段への操作を契機とするタイミングだけでなく、操作手段を操作する少し前のタイミングでも動作開始させることができる。従って、操作手段を操作した場合のバリエーションを増やしてマンネリ化を打破することができるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生への期待度と、連動手段が動作するタイミングとを対応させて、遊技性を向上させることができる。
手段E−5.前記対象切替手段は、前記操作手段の操作が行われた場合に第1連動手段が連動する第1連動状態と、前記操作手段の操作が行われた場合に第2連動手段が連動する第2連動状態とに切替可能に構成され、
前記操作手段を操作しようとする動作を検知可能な近接検知手段を備え、
所定条件の成立に基づいて、前記第1連動状態から前記第2連動状態に切替えられた状態において、前記操作手段への操作が行われた場合には、
前記近接検知手段による検知が行われなくなったことを契機として、前記第2連動状態から前記第1連動状態に切り替わる場合と、
前記第1連動状態から前記第2連動状態に切替えられた時点から所定時間が経過したことを契機として、前記第2連動状態から前記第1連動状態に切り替わる場合とがあることを特徴とする手段E−1乃至E−4のいずれかに記載の遊技機。
手段E−5によれば、第2連動状態において、近接検知手段による検知が行われなくなったらすぐに第1連動状態に戻る場合と、すぐには戻らない場合とがある。これにより、操作手段から手を離した後に、操作手段をもう一度操作した場合において、連動する連動手段に違いが生じることとなる。従って、操作手段を操作した場合のバリエーションを増やすことができるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生への期待度と、連動する連動手段が変化するか否かとを対応させて、遊技性を向上させることができる。
手段E−6.前記操作手段は、
遊技機の前面部に対して相対変位可能に設けられ、操作されたときの操作位置と、操作されていないときの非操作位置との間を変位する操作部と、
前記操作部を前記非操作位置側に付勢する付勢手段とを備え、
前記操作検知手段は、前記操作部が前記操作位置に変位したことを検知する構成において、
前記操作部を操作して前記操作位置へと変位させた場合に、当該操作部によって押し出された空気を遊技機の背面側に排出する第1通路と、
前記操作部によって押し出された空気を遊技機の前面側に排出する第2通路と、
前記操作部によって押し出された空気のうち、前記第1通路に案内される空気量と、前記第2通路に案内される空気量との比率を変更可能な流量変更手段とを備え、
前記第1通路及び前記第2通路により前記連動手段が構成され、前記流量変更手段により前記対象切替手段が構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−5のいずれかに記載の遊技機。
手段E−6によれば、遊技者が操作部を操作することで、遊技者のいる遊技機の前面側に空気が吹き出る状態と、吹き出ない状態とに切替わるといった演出を行うことができる。また、吹き出し量の調節も可能であり、演出性を向上させることもできる。
尚、空気が吹き出したことをより確実に遊技者に体感してもらうことができるように、「前記第2案内通路は、排出された空気を遊技者に吹き掛けることのできるように構成されていること」としてもよい。例えば、操作手段、又は、その周縁部に第2案内通路が連通しており、操作手段を操作する手に操作手段の操作による空気が吹きかかるように構成してもよい。また、手段E−4に対応しては、「前記第1通路を介して前記第2通路側に空気を送るエアポンプが設けられていること」としてもよい。
手段E−7.前記操作手段は、
遊技機の前面部に対して相対変位可能に設けられ、操作されたときの操作位置と、操作されていないときの非操作位置との間を変位する操作部と、
前記操作部を前記非操作位置側に付勢する付勢手段とを備え、
前記操作検知手段は、前記操作部が前記操作位置に変位したことを検知する構成において、
前記連動手段としての第1可動役物及び第2可動役物と、
前記第1可動役物と連動する第1連動部材と、
前記第2可動役物と連動する第2連動部材と、
前記操作部の変位による動力を前記第1連動部材に伝達可能な第1伝達位置と、前記操作部の操作による動力を前記第2連動部材に伝達可能な第2伝達位置とに変位可能な伝達部材と、
前記伝達部材を前記第1伝達位置と前記第2伝達位置とに変位させる伝達動作手段とを備え、
前記伝達部材と、前記伝達動作手段とにより前記対象切替手段が構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−6のいずれかに記載の遊技機。
手段E−7によれば、遊技者が操作部を操作することで、第1連動部材が連動する状態と、連動しない状態とに切替わるといった演出を行うことができる。
手段F−1.上記手段A−1乃至A−23のいずれかにおいて、上記手段B−1乃至B−22、上記手段C−1乃至C−8、上記手段D−1乃至D−10、上記手段E−1乃至E−7のいずれかを備えていることを特徴とする遊技機。
手段F−2.上記手段B−1乃至B−22のいずれかにおいて、上記手段A−1乃至A−23、上記手段C−1乃至C−8、上記手段D−1乃至D−10、上記手段E−1乃至E−7のいずれかを備えていることを特徴とする遊技機。
手段F−3.上記手段C−1乃至C−8のいずれかにおいて、上記手段A−1乃至A−23、上記手段B−1乃至B−22、上記手段D−1乃至D−10、上記手段E−1乃至E−7のいずれかを備えていることを特徴とする遊技機。
手段F−4.上記手段D−1乃至D−10のいずれかにおいて、上記手段A−1乃至A−23、上記手段B−1乃至B−22、上記手段C−1乃至C−8、上記手段E−1乃至E−7のいずれかを備えていることを特徴とする遊技機。
手段F−5.上記手段E−1乃至E−7のいずれかにおいて、上記手段A−1乃至A−23、上記手段B−1乃至B−22、上記手段C−1乃至C−8、上記手段D−1乃至D−10のいずれかを備えていることを特徴とする遊技機。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。