まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠(図示略)と、この外枠に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球(パチンコ玉)を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この上皿3の下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516(操作部)が設けられている。
プッシュボタン516は、図3に示すように、上下に可動可能とされて、遊技者により操作されていない非操作状態である非押下(高背)状態と、遊技者により操作されている操作状態である押下(低背)状態とを反復するようになっているとともに、プッシュボタン516の直下に設けられたバネ部材517により、常時、非押下(高背)状態に付勢されており、遊技者が操作したときにおいてのみ非押下(高背)状態から押下(低背)状態となる。
これらプッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を受付け可能に構成されていればよい。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(操作手段)が設けられている(図2参照)。
操作レバー600のパチンコ遊技機1内方側には、送風口が設けられていることで、操作レバー600を操作する遊技者の手に対し、演出に応じて送風するとともにバイブレータを動作させて振動させることにより臨場感を高めることができるようになっている。
図1に示すガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示(可変表示ともいう)する複数の変動表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられているとともに、該演出表示装置(飾り図柄表示装置)9の上部位置には、遊技者の眼を撮像するための近赤外線カメラ60及び遊技者の顔面に向かって近赤外線を照射する近赤外線LED61が設けられている。尚、これら近赤外線カメラ60及び近赤外線LED61は、前面枠101に対して着脱可能な遊技盤6に搭載されている。
また、この演出表示装置9よりも小型なサブ表示装置19が、演出表示装置9の下方位置に設けられている。つまりサブ表示装置19の表示領域(第2表示領域)は、後述するように、サブ表示装置19に使用される液晶パネルとして、演出表示装置9に使用される液晶パネルよりも表示面積が小さい小型液晶パネルが使用されており、サブ表示装置19の表示領域(第2表示領域)は、演出表示装置9の表示領域(第1表示領域)よりも狭い表示領域とされている。尚、本実施例では、演出表示装置9が後述する視線操作予告演出(特定演出)において遊技者が視線を向ける対象を表示する第1表示領域を構成し、サブ表示装置19が後述する視線操作予告演出において遊技者が視線を向けるべき対象の案内を表示する第2表示領域を構成している。
演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9及びサブ表示装置19は、演出制御基板80(特定演出実行手段,表示制御手段)に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される(図2参照)。
また、近赤外線カメラ60及び近赤外線LED61は演出制御基板80に接続されており、近赤外線LED61から照射される近赤外線光により遊技者の顔面が照らされるとともに、近赤外線カメラ60が撮像した遊技者の眼の画像を後述する信号処理回路132が解析することにより、遊技者がいずれの位置に視線を向けているかを検出することができる。尚、近赤外線カメラ60と近赤外線LED61と信号処理回路132とにより遊技者の視線を検出する視線検出手段を構成している。
尚、本実施例では、信号処理回路132が、左右の眼のうちいずれか一方の眼、例えば、右眼を対象としてその視線方向を検出する。また、信号処理回路132は、左右の眼のうちいずれの眼が遊技者の利き目なのかを判定して、該利き目である方の眼を対象としてその視線方向を検出するようにしてもよい。
更に、演出表示装置9の下方位置に設けられたサブ表示装置19は、その左右寸法が演出表示装置9の左右寸法の略半分程度の寸法となっており、かつサブ表示装置19の左右方向の中央部と演出表示装置9における左右方向の中央部とが一致するように上下に配置されている。尚、演出表示装置9には、後述するように、視線を向ける対象となる画像(例えば、図32の各キャラクタや図33の矢)が表示されるようになっているので、サブ表示装置19の表示領域(第2表示領域)は、演出表示装置9の表示領域(第1表示領域)に表示される複数の各対象(各キャラクタや矢の表示座標)を結ぶ線の直交2等分上に配置されていることになる。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bの検出結果及び第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば8セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部(図1参照)と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部(図1参照)とが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。この実施例では、第1始動入賞口13内で、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ13aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ13bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施例では、第2始動入賞口14内で、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ14aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施例では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23または第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ13aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ13bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
このように、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23は近接スイッチを用いて構成し、第1〜第3入賞確認スイッチ14b,15b,23aはフォトセンサを用いているが、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aの検出方式はこの実施例で示したものにかぎらず、例えば、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23と、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとで異なる検出方式であれば、逆に第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23としてフォトセンサを用い、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして近接スイッチを用いてもよい。この場合、フォトセンサである第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23の検出結果にもとづいて特別図柄の変動表示や賞球払出処理が実行され、近接スイッチである第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aの検出結果は、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口の異常入賞の判定のみに用いられることになる。また、例えば、電磁式のスイッチである近接スイッチや光学式のフォトセンサに代えて、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23または第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして、機械式のスイッチ(マイクロスイッチなど)を用いてもよい。
また、本実施例では、上記したように、異なる検出方式のスイッチを複数設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各入賞確認スイッチを設けない構成としても良い。
また、この実施例では、特別図柄の変動表示や賞球払出処理の実行の契機となる第1,2始動口スイッチ14a,15aカウントスイッチ23は、異常入賞の判定に用いられる第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aよりも上流側に設けられていたが、異常入賞の判定に用いられるスイッチの下流側に設けてもよい。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ13b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1始動口スイッチ13aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ13bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13への異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定する。また、カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、5以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ1560はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25a、25bを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図2参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図2参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図1では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている(図2参照)。なお、賞球LED51および球切れLED52は、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当りA」または「通常大当りC」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第1大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第2大当り状態(高速2ラウンド大当り状態)に移行する。第2大当り状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第2大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第2ラウンド数(例えば「2」)となる。
このような第2大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、第2大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、第2大当り状態は、本実施例のように、第1大当り状態に比べてラウンドの実行回数が少ないものではなく、同一のラウンド数であって、大入賞口の開放期間が非常に短い(例えば0.5秒間)としたものであってもよい。すなわち、第2大当り状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであってもよい。
また、非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば70回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このように非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基に対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当りA」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後や、確変状態において「確変大当りB」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや演出図柄の変動表示において、変動表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数が所定回数である78回となるまで継続する。尚、これら確変状態を特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に変動表示結果が「大当り」となるまで継続するようにしても良い。
こうした「確変大当りA」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「確変大当りB」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「突確大当り」ともいう)と称される。なお、これら大当り図柄は任意であり、例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号等にしてもよい。
「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、確変大当りB(第2大当り状態)と同様に特別可変入賞球装置20において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数{第2ラウンド数に等しい実行回数(本例では2回)に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、第2大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置20を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、この実施例では、通常状態において「確変大当りB」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変制御(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、確変状態において「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていてもよい。また、例えば、特図ゲームにける変動表示結果が「確変大当り」となったことに基づく第1大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御され、その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば70回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(変動表示)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について簡単に説明する。パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御回路130および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケースに収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ1560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿3や下皿4に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160(図2参照)が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
パチンコ遊技機1の背面上部の貯留タンクに貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿(上皿)3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿(下皿)4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ1560(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ1560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ1560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路52が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御用マイクロコンピュータ1560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30a,30bからの信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ1560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ1560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。尚、中継基板77を使用せずに、演出制御基板80と主基板31とを直接接続するようにしても良い。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120(特定演出実行手段)およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100や、スピーカ27から出力される音声を制御する音声合成プロセッサ等の音声制御回路130や、演出表示装置9及びサブ表示装置19を制御するVDP(ビデオディスプレイプロセッサ等の表示制御回路131や、近赤外線カメラ60にて撮像した遊技者の眼の画像信号を処理することで、遊技者がいずれの位置に視線を向けているか等を判定する視線検出プログラムが搭載されたデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の信号処理回路132を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、表示制御回路131を構成するVDPに演出表示装置9の表示制御を行わせる。
ここで、前述した近赤外線カメラ60にて取得した画像に基づいて遊技者の視線の向き(方向)等を検出する信号処理回路132について詳述する。尚、本実施例では、眼球の角膜反射像(プルキンエ像)を検出することにより視線方向を検出する視線検出方法を用いている。
近赤外線カメラ60は、演出表示装置9及びサブ表示装置19を視認する遊技者の眼を含んだ顔面の少なくとも一方の目の部分を撮像する。尚、近赤外線LED61から近赤外線光が遊技者の顔面に向けて照射されることで、自台の各LEDや他のパチンコ遊技機1から出力された可視光に影響されることなく、近赤外線カメラ60により遊技者の顔画像を明瞭に撮像できる。更に、近赤外線カメラ60は、常時、撮像した画像を信号処理回路132へ出力することで、後述するように、信号処理回路132が所定の間隔である1割込毎(2m秒)に視線が向けられている座標データを演出制御用CPU120に対して出力できるようになっている。
信号処理回路132は、近赤外線カメラ60から入力された画像信号に含まれる顔画像を解析することで、顔領域内で眼に相当する領域を検出する。そして、眼の領域が検出されると、眼の領域内で瞳孔の領域を検出する。また、瞳孔の領域が検出されると、瞳孔の重心とサイズを求める。更に、信号処理回路132は、瞳孔の領域において光源(近赤外線LED61)の角膜反射像(プルキンエ像)の重心を求める。
ここで、角膜の表面は略球形であるので、遊技者の視線方向によらず光源のプルキンエ像の位置はほぼ一定となる。一方、瞳孔重心は、遊技者の視線方向に応じて移動する。そのため、信号処理回路132は、プルキンエ像の重心を基準とする瞳孔重心の相対的な位置を求めることにより、遊技者の視線方向を検出できる。
尚、信号処理回路132は、内部メモリ等を有しており、この信号処理回路132の内部メモリには、視線方向参照テーブル(図示略)が格納されており、光源のプルキンエ像の重心を基準とする瞳孔重心の相対的な位置座標に対応付けて、対応する視線方向が登録されている。この視線方向参照テーブルには、演出表示装置9の表示領域をX軸方向(横方向)及びY軸方向(縦方向)に規定した場合に、光源のプルキンエ像の重心を基準とする瞳孔重心の相対的な位置座標が、演出表示装置9の表示領域の各座標に対応付けて登録されている。
尚、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMには、タイマ割込毎に信号処理回路132から取得した視線座標を、時系列順に格納する視線軌跡記録テーブル(軌跡記憶手段)が設定されている(図22参照)。この視線軌跡記録テーブルには、視線軌跡の記録が開始されているときにおいて、タイマ割込がある度に、信号処理回路132から取得した新たな視線座標が最も上位に格納されるようになっている。そして、タイマ割込がある度に、既に格納されている視線座標が順次繰り下がって格納されることにより、最新のタイマ割込時に記録した視線座標が1回前(最上位)のデータとして格納される。また、視線軌跡記録テーブルには、直近の所定期間(例えば、1秒間;500割込)の視線座標が登録され、登録から所定期間が経過した視線座標は消去される。尚、本実施例における視線座標とは、演出表示装置9の表示領域を含む正面視における遊技領域7全体をX軸方向(横方向)及びY方向(縦方向)と規定した場合に、遊技者が視認している遊技領域7の位置座標に対応している。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータを表示制御回路131(VDP)に出力する。表示制御回路131(VDP)は、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ1560側)に入り込まない。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)や装飾LED25a、25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516aからの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ1560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23、24の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の変動表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の変動表示態様という。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施例では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2(ノーマルリーチC)、スペシャルPA3−1(ノーマルリーチD)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スペシャルPA3−1を用いる場合にも、再変動が3回行われる。
また、図6に示すように、この実施例では、特別図柄の変動表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スペシャルPA3−2(ノーマルリーチD)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−6、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図6に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スペシャルPA3−2を用いる場合にも、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施例では、図6に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのノーマルリーチDの場合には変動時間が35.00秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施例では、非リーチPA1−3が特殊PG1−2と、非リーチPA1−4が特殊PG1−3と同一の変動パターンを含むものとされており、はずれにおいても、確変大当りBや小当り時と同様の変動演出態様が実施される場合があるため、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者が認識し難くされている。
このように本実施例では、確変大当りBまたは小当りの当選時に選択される複数の変動パターン(特殊PG1−1〜3、2−1〜2)のうちの2つの変動パターン(特殊PG1−2,1−3)の演出態様および確変大当りB遊技状態/小当り遊技状態において実行される演出態様からなる一連の演出態様が、はずれの時に選択される複数の変動パターンのいずれか(非リーチPA1−3,4)の演出態様と同じとされているため、非リーチPA1−3,4または特殊PG1−2,3のいずれの変動パターンにもとづく演出態様であるかを特定することを困難とすることができる。言い換えると、非リーチPA1−3,4、特殊PG1−2,3にもとづく変動パターンは、確変大当りB、小当り、はずれのいずれの場合にも選択される変動パターンであるため、確変大当りBや小当りが発生した場合でも、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者に悟られ難くでき、その結果、確変大当りBや小当りのみを発生させる場合に比較して、確変大当りBが発生に伴って遊技状態が確変状態に移行していることを、より一層、遊技者に悟られ難くできるようになっている。
なお、この実施例では、非リーチPA1−3および特殊PG1−2、非リーチPA1−4および特殊PG1−3のみが変動演出態様が同じ変動パターンとされていたが、他の変動パターンにおいても、はずれ時と確変大当りBまたは小当り時とで同じ変動パターンを設定してもよい。
また、この実施例では、はずれ時において、確変大当りBまたは小当り時に選択される複数の変動パターンのうち、いずれかと同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしていたが、必ずしも同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしなくてもよい。すなわち、はずれ時において確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンと同じ演出態様の変動パターンが選択されなくても、特殊PG1−1〜3、2−1〜2を、確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンとしていることで、特殊PG1−1〜3、2−1〜2のいずれかの変動パターンが選択された場合、少なくとも遊技者が確変大当りBの発生を特定することは困難となるため、確変大当りBが発生してその後の遊技状態が確変状態に移行することを遊技者に悟られないようにすることができる。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB、通常大当りC)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、確変大当りAである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、ノーマルリーチとスペシャルリーチおよびスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「はずれ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチCおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチCおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、ノーマルリーチとスペシャルリーチおよびスーパーリーチC以外のスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、全てのスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−8とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ1560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図8(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図8(c)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図8(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には約70分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には約120分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
つまり、第1特別図柄表示器8aの変動表示が実行されるのは、遊技状態が通常状態または確変状態(高確低ベース状態)のときであり、確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにするために小当りの発生確率を高めているのに対し、第2特別図柄表示器8bの変動表示が実行されるのは、遊技状態が確変・時短状態(高確高ベース状態)のときであり、この場合は確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにする必要はないので、小当りの発生確率を抑えている。
また、本実施例では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されるようになっているが、第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されないようにしてもよい。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/70)は、確変大当りBに決定する割合(1/1064(低確時)、1/107(高確時))に比較して高く、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図8(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「通常大当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して5個の判定値が割り当てられ(40分の5の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して15個の判定値が割り当てられている(40分の15の割合で確変大当りBと決定される)、「通常大当りC」に対して20個の判定値が割り当てられている(40分の20の割合で通常大当りCと決定される)。従って、この実施例では、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りA」となる確率は「確変大当りB」となる確率よりも低いが、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りA」または「確変大当りB」または「確変大当りC」と決定される割合は同じである。なお、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施例では、図8(d)に示すように、第2特定遊技状態としての2ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、ラウンド数を多くした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態と比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とでラウンド数が同じ5ラウンドであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。尚、本実施例では、これら時短状態は始動回数70回で終了するとともに、確変状態は、始動回数78回で終了するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら時短状態と確変状態が大当り終了後、次の大当りが発生するまで継続するようにしても良い。
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短くかつラウンド数も少ない2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。確変状態(高確状態)は、変動表示を78回終了するまで継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、変動表示を78回終了するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長くラウンド数も15ラウンドと多いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と短いとともに、ラウンド数も2ラウンドと少なく、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.5秒間ずつ2回(2ラウンド)行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
「通常大当りC」とは、確変大当りAと同じく15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態とはならずに、変動表示を70回終了するまで、時短状態のみの低確高ベース状態に移行させる大当りである。つまり、大当り終了後、変動表示が70回となるまで時短状態が継続する。
図9(a)は、大当りA・C用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。大当りA・C用変動パターン種別判定テーブル132aは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当りA・C用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が、大当りの種別毎に設定されている。
これら判定値の数としては、図9(a)に示すように、大当りの種別が「確変大当りA」である場合には、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、「確変大当りA」となる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチ、プレミアムリーチ(スーパーリーチC)またはスペシャルリーチが多く決定されるように設定されている。
一方、大当りの種別が「通常大当りC」である場合には、スーパーCA3−3に比較してノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2の判定値の数が多くなるように設定されており、「通常大当りC」となる場合には、変動パターンとしてノーマルリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図9(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図9(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる。
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
図10(a),(b)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブルA,Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(a)〜(b)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(a)に示す通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
なお、図10に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bを用いる場合を示しているが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、さらに、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施例では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bとの2種類のテーブルを用いた例を示しているが、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施例では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
なお、この実施例では、図10に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(b)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図11(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(b)において、擬似連の演出の有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
尚、この実施例のはずれ変動パターン判定テーブル138aでは、スーパーCA2−7には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在しないのに対し、スーパーCA2−8には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在する。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、第1始動入賞口13への入賞時において、どの大当りとなるか或いは特定のリーチ状態であるプレミアムリーチ(スーパーリーチC)となるか否かの判定結果を指定(通知)する演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド1)である。尚、「XX」は、入賞時に判定される各種の判定結果に予め付与された数値(はずれがX1、確変大当りAがX2、確変大当りBがX3、通常大当りCがX4、小当りがX5、非リーチが0X、ノーマルリーチが1X、スーパーリーチが2X、プレミアリーチが3X等)である。
コマンド96XX(H)は、第2始動入賞口14への入賞時において、どの大当りとなるか或いは特定のリーチ状態であるプレミアムリーチ(スーパーリーチC)となるか否かの判定結果を指定(通知)する演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド2)である。尚、「XX」は、入賞時に判定される各種の判定結果に予め付与された数値(はずれがX1、確変大当りAがX2、確変大当りBがX3、通常大当りCがX4、小当りがX5、非リーチが0X、ノーマルリーチが1X、スーパーリーチが2X、プレミアリーチが3X等)である。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り開始画面(ファンファーレ画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(確変大当りA開始指定コマンド:ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、大当り遊技の開始を指定するものであるが、大当り遊技であることを特定しにくい大当り開始画面(図示略)を表示することを指定する演出制御コマンド(確変大当りB開始指定コマンド:ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、通常大当りCの開始を指定する演出制御コマンド(通常大当りC開始指定コマンド:ファンファーレ3指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、小当り遊技の開始を指定するものであるが、小当り遊技であることを特定しにくい小当り開始画面(図示略)を表示することを指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド:ファンファーレ4指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りAであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りBであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りCであったことを指定する演出制御コマンド(通常大当りC終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、小当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定するとともに、小当りであったことを指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング4指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するように構成してもよい。
なお、本実施例では、上記コマンドA002(H)にて指定する大当り開始画面とコマンドA004(H)にて指定する小当り開始画面とは同一の開始画面であり、また、コマンドA302(H)にて指定する大当り終了画面とコマンドA304(H)にて指定する小当り終了画面とは同一画面である。詳しくは、これら大当り/小当り開始画面および大当り/小当り終了画面は、前述した非リーチPA1−3,4の後半において表示される画面(図示略)と同じ態様の表示画面とされており、確変大当りBまたは小当りのいずれが発生したかの特定を困難とするとともに、確変大当りBが発生して遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行した可能性があることを示唆する画面とされている。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変(高確)状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、時短状態が終了したことを通知する演出制御コマンド(時短終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。
コマンドB2XX(H)は、確変状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで確変状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(確変回数指定コマンド)である。コマンドB2XX(H)における「XX」が、確変状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(例えば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生して保留記憶が実施されるごとに入賞時判定の処理(後述する第1始動口スイッチ通過処理または第2始動口スイッチ通過処理)が実行されて、該始動入賞に基づく変動表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、該判定結果に基づいて、図示しない図柄指定コマンドのEXTデータに、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板80に対して送信する制御を行う。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、事前に大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かを特定して、例えば、保留記憶の表示態様を変化させる等の先読み予告演出等を実行できるようになっている。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU120)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ1560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取り込みを指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用できるので、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ1560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図15および図16は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)の一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図17は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU120)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセット(1に更新)する。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリア(0に更新)し(ステップS704)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU120は、メインメニュー表示処理を行う(ステップS706)。メインメニュー表示処理では、演出表示装置9にキャラクタ選択画面(特定演出)を表示する処理を行う。また、演出制御用CPU120は、メインメニュー操作処理を行う(ステップS707)。メインメニュー操作処理では、遊技者の視線によりキャラクタ選択画面のキャラクタの選択操作の処理を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS708)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。その後、ステップS702に移行する。
図18は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図18に示すように、この実施例では、予告演出実施決定用乱数SR1、予告演出種別決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
予告演出実施決定用乱数SR1は、予告演出の対象となるスーパーリーチはずれとなるとき、或いは、変動表示結果が大当りとなるときに予告演出を実施するか否かを決定するための乱数である。尚、本実施例では、この乱数値の範囲として1〜10の範囲が設定されている。
予告演出種別決定用乱数SR2は、予告演出の種別(キャラクタ予告演出、操作予告演出、視線操作予告演出)を決定するために用いられる乱数である。尚、本実施例では、この乱数値の範囲として1〜60の範囲が設定されている。
尚、これらSR1〜SR2の各乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、図17に示す乱数更新処理(ステップS702)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図18に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図18に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
図19(a)は、予告演出決定用テーブルを示す説明図である。予告演出決定用テーブルには、予告演出実施決定用乱数SR1と比較される判定値が、予告演出実施決定用乱数SR1の乱数値範囲である1〜10の内、図19(a)に示す判定値数となるように、予告演出を実行する場合と実行しない場合のそれぞれに対応して個別に設定されている。
尚、本実施例では、スーパーリーチはずれ時に予告演出を実行する判定値として、3個の判定値が設定され、大当り時に予告演出を実行する判定値として、7個の判定値が設定されている。また、スーパーリーチはずれ時に予告演出を実行しない判定値として、7個の判定値が設定され、大当り時に予告演出を実行しない判定値として、3個の判定値が設定されている。
このように判定値が割合てられていることで、本実施例では、変動表示結果がはずれとなる場合(スーパーリーチはずれの場合)よりも、変動表示結果が大当りとなる場合において高い割合にて予告演出の実行が決定されるようになっている。よって、予告演出が実行された場合には、予告演出が実行されない場合よりも大当りとなる可能性(信頼度)が高まるので、大当りとなることへの遊技者の期待感を高めることができるようになっている。尚、図19(a)に示す判定値数は、一例であり、これら判定値数以外を設定しても良い。
図19(b)は、予告演出種別決定用テーブルを示す説明図である。予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値が、予告演出種別決定用乱数SR2の乱数値範囲である1〜60の内、図19(b)に示す判定値数となるように、キャラクタのアニメーションが演出表示装置9に表示されるキャラクタ予告演出、遊技者がプッシュボタン516を操作することに応じて予告対象が変化する予告である操作予告、遊技者が視線を向けることに基づいて判断される入力の成否に応じた予告がなされる視線操作予告(特定演出)のそれぞれに対応して、演出表示装置9の表示結果が、最終的に大当りとなる場合とはずれとなる場合とで個別に設定されている。
尚、本実施例では、スーパーリーチはずれ時にキャラクタ予告を実行する判定値として、30個の判定値が設定され、大当り時にキャラクタ予告を実行する判定値として、10個の判定値が設定されている。また、スーパーリーチはずれ時に操作予告を実行する判定値として、20個の判定値が設定され、大当り時に操作予告を実行する判定値として、20個の判定値が設定されている。また、スーパーリーチはずれ時に視線操作予告を実行する判定値として、10個の判定値が設定され、大当り時に視線操作予告を実行する判定値として、30個の判定値が設定されている。
このように判定値が割合てられていることで、本実施例では、変動表示結果がはずれとなる場合(スーパーリーチはずれの場合)には、キャラクタ予告が決定され易く、変動表示結果が大当りとなる場合には、視線操作予告が決定され易くなっている。つまり、予告演出の大当り信頼度としては、視線操作予告>操作予告>キャラクタ予告となるように設定されており、大当りとなる可能性(信頼度)が高い視線操作予告が実行された場合には、大当りとなることへの遊技者の期待感を高めることができるようになっている。尚、図19(b)に示す判定値数は、一例であり、これら判定値数以外を設定しても良い。
図20は、図17に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS708)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ1560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
これら本実施例の予告演出は、図21に示すように、変動表示が開始してから、予告演出の開始タイミングとなったときに開始され、リーチ状態となる前の予告演出の終了タイミングまでの期間において、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている各種別の予告演出における制御内容が時系列に記述された予告演出プロセステーブルに基づいて実行される。
尚、プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9やサブ表示装置19等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。
予告演出プロセステーブルは、図21に示すように、予告プロセスタイマ設定値と、予告演出制御実行データと、視線対象表示位置座標データとで構成されている。予告演出制御実行データには、予告プロセスタイマが対応する予告プロセスタイマ設定値となったときに実行すべき表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、および操作部制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。
表示制御実行データには演出表示装置9やサブ表示装置19の演出表示の態様を示すデータが記述され、ランプ制御実行データには装飾LED25a、25bや左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯を制御するデータが記述され、音制御実行データにはスピーカ27から出力する効果音を制御するデータが記述され、操作部制御実行データにはプッシュボタン516や操作レバー600の操作に関する制御データ(操作の有効・無効や、受付け開始や終了タイミング等のデータ)が記述されている。
また、視線対象表示位置座標データには、対応する予告プロセスタイマ設定値において、遊技者が視線を向ける対象、具体的には、視線操作予告における「矢」(図33参照)の画像の表示座標が含まれており、これら表示座標と遊技者の視線が向けられている座標とを比較することで、その時点で遊技者が視線を向ける対象に対して視線を向けているか否かを正確に判定できるようになっている。
つまり、予告演出においては、予告演出プロセステーブルにおける予告演出制御実行データに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御回路131や音声制御回路130などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御回路131では、例えばVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御回路130では、例えば音声合成プロセッサがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図23は、図20に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。受信した表示結果指定コマンドが通常大当りCに該当する表示結果4指定コマンドである場合においては、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、はずれに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、はずれ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とはずれの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
次に、演出制御用CPU120は、予告演出決定用テーブル及び予告演出種別決定用テーブルを参照し(図19(a)(b)参照)、予告演出を実行するか否かを決定する予告決定処理を実施する(ステップS823)。この実施例の予告決定処理において、演出制御用CPU120は、図柄変動について予告演出を実施するか否かや、どの種類の予告演出を実施するのかを決定する。
具体的に、本実施例の予告決定処理において演出制御用CPU120は、まず、ステップS821にて読み出した変動パターンコマンドが、大当りとなる変動パターンコマンドであるか否か、つまり、最終的に大当りとなるか否かを特定する。
そして、大当りとなる場合には、予告演出実施決定用乱数SR1を抽出し、予告演出決定用テーブルに登録された大当り時の判定値に基づいて、予告演出を実行するか実行しないかを決定する。本実施例では、最終的に当りとなる場合には、70%の確率で予告演出が実施されるようになっている。尚、判定値が実行する値である場合には、予告実行決定フラグをセットする一方、実行しない値である場合には、当該予告決定処理を終了する。
また、スーパーリーチはずれとなる場合には、予告演出実施決定用乱数SR1を抽出し、予告演出決定用テーブルに登録されたスーパーリーチはずれ時の判定値に基づいて、予告演出を実行するか実行しないかを決定する。本実施例では、最終的にはずれとなる場合には、30%の確率で予告演出が実施されるようになっている。尚、判定値が実行する値である場合には、予告実行決定フラグをセットする一方、実行しない値である場合には、当該予告決定処理を終了する。
これら予告実行決定フラグをセットした後、演出制御用CPU120は、予告演出種別決定用乱数SR2を抽出するとともに、該抽出した予告演出種別決定用乱数SR2と対比する予告演出決定用テーブルにおいて抽出した予告演出種別決定用乱数SR2の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する予告演出の種別として決定し、該決定した予告種別(予告演出1(キャラクタ予告)、予告演出2(操作予告)、予告演出3(視線操作予告))を記憶する。
そして、ステップS823の予告選択処理の後に演出制御用CPU120は、予告演出があるか否か、具体的には、予告実行決定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS824)。
そして、演出制御用CPU120は、予告実行決定フラグがセットされている場合には、記憶されている予告種別(予告演出1〜3)に対応する予告演出制御パターン(予告制御プロセステーブル)に基づいて、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後(ステップS825+)、ステップS825に進む。
一方、予告実行決定フラグがセットされていない場合には、ステップS825+を経由することなくステップS825に進み、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
そして演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、サブ表示装置19演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516、操作レバー600)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、演出表示装置9やサブ表示装置19において変動パターンに応じた演出画像を表示させるために、表示制御回路131に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行う。また、スピーカ27からの音声出力を行うために、音声制御回路130に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS828+)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDPがVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9やサブ表示装置19に出力し、演出表示装置9やサブ表示装置19が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
図24は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU120は、予告演出を行うことに決定されているか、または予告演出の実行中である場合には(ステップS841でYes)、図25に示す予告演出処理を実行する(ステップS842)。予告演出を行うことに決定されているか否かは、予告実行決定フラグがセットされているか否かによって判定される。予告演出の実行中であるか否かは、予告演出を開始するときにセットされる予告実行中フラグによって判定される。予告実行決定フラグも予告実行中フラグもセットされていない場合にはステップS842の予告演出処理を実施することなく、ステップS843に進む。
また、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847でYes)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、演出表示装置9やサブ表示装置19において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP等から構成される表示制御回路131は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9やサブ表示装置19に出力する。そのようにして、演出表示装置9やサブ表示装置19において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。演出図柄の変動制御(演出図柄の変動に関連するキャラクタ画像や背景を表示させる制御を含む。)は、あくまでも変動期間経過時(最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトした時点に相当)に終了するのであるが、予告演出の制御は、図26に示されたステップS532,S533の処理によって終了する。尚、この実施例では、ステップS532,S533の処理が終了する時点(予告期間タイマがタイムアウトする時点)は演出図柄の変動期間が経過する時点よりも前である。
図25〜図26は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU120は、予告演出が開始されている場合には(ステップS501でYes)、ステップS521(図26)に移行する。予告演出が開始されているか否かは、予告演出の開始時にセットされる予告実行中フラグによって確認される。
予告演出が開始されていない場合には、予告演出開始待ちタイマの値を−1する(ステップS502)。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる(図23におけるステップS825+参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS503)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、予告実行決定フラグをリセットして(ステップS504)、ステップS511に移行する。
ステップS511では、演出制御用CPU120は、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。また、記憶されている予告演出の種類を特定し(ステップS512)、特定した種類の予告演出の予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(ステップS513)。
次いで、演出制御用CPU120は、ステップS512で特定した実行する種類の予告演出に対応する予告演出制御パターン(予告制御プロセステーブル)を、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択した後(ステップS515)、選択した予告演出制御パターン(予告制御プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(ステップS517)。
そして演出制御用CPU120は、選択した予告演出制御パターン(予告制御プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1、視線対象表示位置座標データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、サブ表示装置19、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516、操作レバー600)の制御を開始する(ステップS518)。尚、これら制御の内容には、近赤外線カメラ60、近赤外線LED61、信号処理回路132の制御内容が含まれる場合がある。
これら予告プロセスデータに基づいて操作予告が開始された後において実施されるステップS525〜S528では、ステップS823の予告選択処理において記憶された予告種別を判定して、予告種別に応じた処理が実施される。
具体的には、ステップS525においては、予告選択処理において記憶された予告種別が視線による入力系予告である視線操作予告であるか否かを判定し、視線操作予告演出である場合には、ステップS526に進んで、図27に示す視線操作予告処理を実施した後、予告演出処理を終了する。
ステップS525において視線操作予告演出でない場合には、操作予告であるか否かを判定し、操作予告であればステップS528に進んで、操作予告処理を実施した後、ステップS530に進む。尚、記憶されている予告演出がキャラクタ予告である場合には、ステップS525並びにステップS527において、いずれもNoと判定されてステップS530に進む。
このステップS530において演出制御用CPU120は、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS531でYes)、演出表示装置9やサブ表示装置19に表示されている予告演出に関する画像を消去する制御を行い(ステップS532)、予告実行中フラグをリセットし(ステップS533)、処理を終了する。
予告期間タイマがタイムアウトしていない場合に演出制御用CPU120は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS535)。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告プロセスデータの切り替えを行う(ステップS536)。すなわち、予告制御プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS537)。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(ステップS538)。
予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS536〜ステップS538を経由することなく処理を終了する。
ステップS528において実施される操作予告処理は、例えば、変動パターンにおける所定タイミング等においてプッシュボタン516や操作レバー600の操作を受付け、該受付けた操作の履歴に基づいて、受付け次数(1次、2次)とともに、演出表示装置9やサブ表示装置19に表示する選択内容(選択肢の項目)を特定して表示し、選択された選択肢の組合せに基づいて最終的に予告する対象(例えば、大当りとなる期待度、確変となる期待度、ラウンド回数の期待度、スーパーリーチとなる期待度等)を決定することで、遊技者が操作によって選択した選択技により、最終的に実施される予告の対象が異なるようになっている。
ここで、ステップS526において実施される視線操作予告処理について、図27、図28を用いて説明する。尚、視線操作予告処理では、後述する画面例に示すように(図33及び図34参照)、演出表示装置9に、遊技者が図32に示す選択画面において選択したキャラクタが「矢」を放つ演出がなされるようになっており、遊技者は、この飛んでくる「矢」を視認して、その視認したタイミングと同時に遊技者がプッシュボタン516を操作することで、飛んでくる「矢」を撃ち落とすことができる演出がなされ、所定回数(本実施例では5回)の「矢」の撃ち落としに成功した場合に、例えば、大当りとなる期待度等が表示される。尚、大当りとなる期待度以外に、操作予告と同様に、確変となる期待度、ラウンド回数の期待度、スーパーリーチとなる期待度等を表示するようにしても良い。
この視線操作予告処理においては、まず、後述するステップS555でセットされる操作異常フラグがセットされているか否か、つまり、該視線操作予告演出におけるプッシュボタン516の操作受付け開始タイミングにおいて、既にプッシュボタン516の操作がされていることで操作異常と判定されているか否かを判定する(ステップS540)。
操作異常フラグがセットされている場合には、ステップS541に進むことなくステップS570に進むことで、予告演出期間においてサブ表示装置19に入力操作エラー表示が継続されるとともに、視線とプッシュボタン516の操作が無効とされることで、撃ち落とされることのない「矢」をキャラクタが放つ演出が実行されることになる。つまり、遊技者が、たまたま、視線操作予告演出の開始時において、意識することなくプッシュボタン516を押している場合には、遊技者の意図しない演出が実行されてしまうことが防止されるようになっている。
一方、操作異常フラグがセットされていない場合には、ステップS541に進んで、視線操作予告演出の予告演出制御パターンから特定される入力操作受付けを開始する開始タイミングであるか否かを判定し、入力操作受付け開始タイミングでない場合にはステップS546に進む。
入力操作受付け開始タイミングである場合には、その時点においてプッシュボタン516が既に操作されているか否か、つまり、プッシュボタン516の上に物や遊技者の手等が無意識に置かれていることで、プッシュボタン516による遊技者の操作を良好に受付け不能な状態であるかを判定する。
プッシュボタン516が既に操作されている場合には、ステップS555に進み、操作異常と判断して操作異常フラグをセットする。尚、該操作異常フラグは、視線操作予告演出の終了時においてリセットされる。
そして、サブ表示装置19に、プッシュボタン516の操作異常があった旨のメッセージを含む入力操作エラー表示をサブ表示装置19において開始して当該視線操作予告処理を終了する。
一方、ステップS542においてプッシュボタン516の操作がない場合には、ステップS543に進む。このステップS543において、入力操作可能フラグをセットするとともに、入力操作が可能であることを遊技者に報知するための入力操作可能表示をサブ表示装置19において開始する。尚、このステップS543においては、プッシュボタン516の操作が有効とされるが、演出表示装置9には、キャラクタの表示が開始されるのみであり、「矢」を放つ演出は、これらプッシュボタン516の操作が有効とされた後、表示されたキャラクタが、弓を引いた画像が表示された以降において表示される(図33参照)。
ステップS544において演出制御用CPU120は、演出に応じて発光が制御される発光部としての複数の装飾LED25a、25b、左枠LED28b、右枠LED28c等(以下、これらを総称して「装飾用LED」という)の輝度を低く制限する制限レベルに変更する。すなわち装飾用LEDの輝度を低くすることで、演出表示装置9を視認する遊技者が、装飾用LEDの発光により眩しく感じて目を細めてしまい、視線を良好に検出できなくなってしまうことを防止するとともに、近赤外線LED61から照射される近赤外線光が遊技者の眼を照らした際に、近赤外線LED61以外の光が遊技者の眼に反射されることを防止でき、後述する近赤外線カメラ60による遊技者の眼の画像を明確に取得できるようになる。尚、本実施例では、ステップS544において装飾用LEDの輝度を制限レベルに変更しているが、ステップS544において装飾用LEDを消灯するようにしてもよい。
更に、ステップS545においては、サブ表示装置19に表示されている演出表示画面を切り替えて、視線により操作が行える旨を案内する「矢を見てボタンを押せ!」等の案内画面の表示をサブ表示装置19において開始する(図33参照)。すなわち、これら案内画面をサブ表示装置19に表示することで、サブ表示装置19における演出表示を制限することができるため、これらサブ表示装置19の演出表示に無意識に視線を移すことを防止できるので、遊技者は、サブ表示装置19に表示される案内画面を一読した後は、演出表示装置9の演出表示に視線を集中できるようになる。
ステップS546においては、入力操作可能フラグがセットされているか否か、つまり、入力操作の開始タイミングから入力操作の終了タイミングまでの入力可能期間であるか否かを判定し、入力操作可能フラグがセットされていない場合には、当該視線操作予告処理を終了する。つまり、入力操作受付けを開始する開始タイミングの前においては、入力操作可能フラグがセットされていないので、ステップS546においては必ずNoと判定され、入力操作受付けを開始する開始タイミングとなって入力操作可能フラグがセットされている場合にのみ、ステップS547以降の処理に進むことになる。
入力操作可能フラグがセットされている場合には、遊技者によるプッシュボタン516の操作が有るかをステップS547において判定する。
ステップS547において、遊技者によるプッシュボタン516の操作が有る場合には、ステップS560に進み、遊技者によるプッシュボタン516の操作が無い場合には、ステップS548に進む。
プッシュボタン516の操作が有る場合には、ステップS560において、演出制御用CPU120は、近赤外線カメラ60にて取得した遊技者の眼の画像を解析することで得られた遊技者の視線座標を信号処理回路132から取得してステップS561に進む。
ステップS561において、演出制御用CPU120は、信号処理回路132から取得した視線座標が、後述する比較対象として良好な視線座標であるか否かを判定する。尚、比較対象として良好な視線座標とは、X軸及びY軸が演出表示装置9の表示領域内に収まっている視線座標であり、遊技者が演出表示装置9の表示領域を視認している状態の視線座標である。ここで、比較対象として良好な視線座標を取得できた場合、つまり遊技者が演出表示装置9の表示領域を視認している場合には、ステップS563に進む。一方、比較対象として良好な視線座標を取得できない場合、つまり遊技者がよそ見等をしていて演出表示装置9の表示領域を視認していない場合には、ステップS562に進む。尚、これら演出表示装置9の表示領域を遊技者が視認していない場合を示すデータは、例えば、遊技者がサングラスやメガネ等を使用していることにより、遊技者の視線を検出できなかった場合にも信号処理回路132から出力される。
比較対象として良好な視線座標を取得できない場合には、ステップS562において、視線座標としてデフォルトの座標を特定する。本実施例では、演出表示装置9において、下方中央領域がデフォルトの座標となっている。尚、後述するように、視線操作予告において視線操作の対象となる「矢」が飛んでくる方向が演出表示装置9の左下または右下の2箇所になっており、これら左下または右下の2箇所の領域が「矢」が選択されたものとみなされる領域であり、これら左下または右下の2箇所の間の中央領域が、左右いずれの「矢」も選択できない領域となっている。つまり、デフォルトの座標である下方中央領域が特定されることで、左下または右下のいずれの方向に飛んでくる「矢」も撃ち落せないことになる。
ステップS563において、演出制御用CPU120は、その時点の予告プロセスタイマに対応する視線対象表示位置座標データを参照し(図21参照)、その時点において演出表示装置9に表示される「矢」の表示座標を特定し、ステップS564に進む。ステップS564において、「矢」の表示座標と、ステップS560にて信号処理回路132から取得した遊技者の視線座標とを比較して、互いの座標が所定範囲内にあるか否かを判定する。そして、互いの座標が所定範囲内にある場合には、ステップS565に進む。一方、互いの座標が所定範囲内にない場合には、ステップS570に進む。
尚、本実施例では、遊技者が正確に「矢」を視認している必要はなく、例えば、「矢」が左下に向かって飛んでくる場合には、遊技者の視線座標が演出表示装置9の左下の領域にあれば、遊技者が「矢」を視認しているとみなし、「矢」が右下に向かって飛んでくる場合には、遊技者の視線座標が演出表示装置9の右下の領域にあれば、遊技者が「矢」を視認しているとみなし、「矢」の表示座標と遊技者の視認座標が所定範囲内にあると判定する。
「矢」の表示座標と遊技者の視認座標が所定範囲内にある場合には、ステップS565において、「矢」を撃ち落としたと判定して撃ち落しフラグをセットする。そして、ステップS567に進んで、撃ち落しカウンタ(図示略)の撃ち落し数に1を加算してステップS570に進む。尚、撃ち落しカウンタは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMに予め設定されている。
また、前述したステップS547において、プッシュボタン516の操作が無い場合に進むステップS548では、入力操作受付けを終了する終了タイミングであるか否かを判定し、入力操作受付け終了タイミングでない場合にはステップS570に進む。
入力操作受付け終了タイミングである場合には、入力操作可能フラグをリセットするとともに、ステップS543にて表示を開始した入力操作可能表示終了する(ステップS549)。
そして、ステップS549+に進み、前述したステップS544において変更した装飾用LEDの輝度を低く制限する制限レベルの設定を解除するとともに、前述したステップS545においてサブ表示装置19に表示した案内画面を終了し、ステップS550に進む。
ステップS550において、前述した撃ち落しカウンタ(図示略)に記録された撃ち落し数が所定値以上か否かを判定する。尚、本実施例では、所定値が5以上か否かを判定している。この撃ち落し数が所定値以上であれば、ステップS551に進み、成功演出フラグをセットしてステップS570に進む。一方、撃ち落し数が所定値未満であれば、ステップS552に進み、不成功演出フラグをセットしてステップS570に進む。
図28に示すステップS570において、演出制御用CPU120は、予告プロセスタイマの値を−1する。そして、ステップS571において、演出制御用CPU120は、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS572でYes)、演出表示装置9やサブ表示装置19に表示されている予告演出に関する画像を消去する制御を行い、予告実行中フラグをリセットし(ステップS580)、処理を終了する。
予告期間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用CPU120は、ステップS573に進んで、撃ち落しフラグがセットされているか否かを判定する。ここで、撃ち落しフラグがセットされている場合には、ステップS581に進む。一方、撃ち落しフラグがセットされていない場合には、ステップS574に進む。
撃ち落しフラグがセットされている場合には、ステップS581において撃ち落しフラグをリセットし、ステップS582において予告プロセスデータを撃ち落し演出のプロセスデータに切り替えてステップS578に進む。
撃ち落しフラグがセットされていない場合には、ステップS574において、演出制御用CPU120は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。ここで、予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS578に進む。一方、予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、ステップS575に進む。
ステップS575において、演出制御用CPU120は、不成功演出フラグがセットされているか否かを判定し、不成功演出フラグがセットされている場合には、ステップS583に進む。一方、不成功演出フラグがセットされていない場合には、ステップS576に進む。
ステップS583において、演出制御用CPU120は、不成功演出フラグをリセットするとともに、ステップS584に進んで、予告プロセスデータを不成功演出のプロセスデータに切り替えてステップS578に進む。
ステップS576において、演出制御用CPU120は、成功演出フラグがセットされているか否かを判定し、成功演出フラグがセットされている場合には、ステップS585に進む。一方、成功演出フラグがセットされていない場合には、ステップS577に進む。
ステップS585において、演出制御用CPU120は、成功演出フラグをリセットするとともに、ステップS586に進んで、予告プロセスデータを成功演出のプロセスデータに切り替えてステップS578に進む。
ステップS583において成功演出フラグがセットされていない場合に進む、ステップS577では、演出制御用CPU120は、予告プロセスデータの切り替えを行う。
つまり、矢は撃たれる演出が開始された後、撃ち落しフラグがセットされている場合には、予告プロセスデータが切り替えられて別の矢が撃たれる演出が開始される前に、矢が爆発して撃ち落される演出の予告プロセスデータへの切り替えが実行されることで、次の矢が撃たれるタイミングまで矢が爆発して撃ち落される演出が実行される一方、撃ち落しフラグがセットされていない場合には、撃ち落される演出の予告プロセスデータへの切り替えが実行されずに、キャラクタが放った矢が遊技者に向けて飛翔して通り過ぎていく演出が、ステップS577において予告プロセスデータが切り替えられて、次の矢をキャラクタが放つまでにおいて実行さえる。
ステップS578において、演出制御用CPU120は、予告制御プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる。また、スタートさせた予告プロセスタイマ設定値に対応付けられている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、視線対象表示位置座標データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(ステップS579)。
ここで、これら視線操作予告処理に基づく視線操作予告演出の演出状況を、図33及び図34に基づいて説明する。
図33及び図34は、視線操作予告演出の流れを示す図である。視線操作予告演出において、図33(A)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。その後、変動表示が開始してから、予告演出の開始タイミングとなったときに視線操作予告演出が開始されて、サブ表示装置19に飛翔するキャラクタが表示されることで予告が開始されることを示唆する演出がなされる。
次に、図33(B)に示すように、サブ表示装置19に表示されたキャラクタが演出表示装置9に表示されるとともに、演出図柄の変動表示は、演出表示装置9の右上に小さく表示される。また、サブ表示装置19には、視線により選択入力が行える旨を案内する案内画面(例えば、「矢を見てボタンを押せ!」)が表示されることで、演出表示が制限される。
そして、図33(C)に示すように、演出表示装置9においてキャラクタが「矢」を放つ演出が開始される。また、「矢」が飛んでくる方向は、演出表示装置9の左下または右下の2箇所になっている。図33(D)に示すように、遊技者は「矢」に失線を向け、かつプッシュボタン516を操作することで、「矢」が撃ち落される演出がなされる。尚、図33(E)に示すように、「矢」を撃ち落す度に、演出表示装置9に撃ち落し回数が表示される(例えば、2HIT!等の表示)。
図34(A)に示すように、キャラクタが「矢」を放つ演出が終了した際に、所定回数(本実施例では5回)の「矢」の撃ち落としに成功した場合には(図34(B)参照)、演出表示装置9に「今回の変動の大当り期待度は・・・XX%」が表示され(図34(C)参照)、視線操作予告演出が終了し、演出表示装置9及びサブ表示装置19がリーチ演出に戻る。尚、これら大当り期待度は、変動表示結果が大当りとなる場合には、例えば、予め設定されている90%が表示され、変動表示結果がスーパーリーチはずれとなる場合には、えば、予め設定されている50%が表示される。
また、所定回数の「矢」の撃ち落としに成功しなかった場合には(図34(D)参照)、演出表示装置9に予告が表示されずに「残念・・・」等の表示がなされ(図34(E)参照)、視線操作予告演出が終了し、演出表示装置9及びサブ表示装置19においてリーチ演出が開始される。
図29は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS863)。
そして、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS867)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、この実施例では、演出図柄表示結果格納領域に格納されている停止図柄のデータによっても、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS868)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS870)。
なお、この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄の変動表示を終了させる(ステップS861,S863参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、変動表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
ここで、前述した演出制御メイン処理(図17参照)のステップS706及びステップS707において実施されるメインメニュー表示処理及びメインメニュー操作処理について、図30及び図31を用いて説明する。尚、図32の画面例に示すように、キャラクタ選択画面が表示される前の状態においては、演出表示装置9及びサブ表示装置19の双方にデモ演出画面が表示されている。
図30は、図17に示されたメイン処理におけるメインメニュー表示処理(ステップS706)を示すフローチャートである。メインメニュー表示処理では、演出制御用CPU120は、ステップS732において、保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。ここで、保留記憶数が「0」である場合には、ステップS732に進む。一方、保留記憶数が「0」でない場合には、ステップS737に進む。
ステップS732において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグが変動パターンコマンド受信待ち処理の値であるか否かを判定する。ここで、変動パターンコマンド受信待ち処理の値である場合には、ステップS733に進む。一方、変動パターンコマンド受信待ち処理の値でない場合には、ステップS737に進む。
ステップS733において、演出制御用CPU120は、キャラクタ選択画面表示中フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、キャラクタ選択画面表示中フラグがセットされている場合には、メインメニュー表示処理を終了する。一方、キャラクタ選択画面表示中フラグがセットされていない場合には、ステップS734に進む。
ステップS734において、演出制御用CPU120は、遊技者によるプッシュボタン516の長押し操作が有るか否かを判定する。ここで、プッシュボタン516の長押し操作が有る場合には、ステップS735aに進む。一方、プッシュボタン516の長押し操作が無い場合は、メインメニュー表示処理を終了する。
ステップS735aにおいて、演出制御用CPU120は、演出表示装置9にキャラクタ選択画面を表示する。次に、ステップS735bにおいて、演出制御用CPU120は、サブ表示装置19に案内画面の表示を開始することでデモ演出を制限する。
つまりデモ演出表示中において遊技者がプッシュボタン516を長押しすることで、演出表示装置9に予告演出時に表示される各キャラクタが表示される。より詳しくは、演出表示装置9の上下左右の各領域には、それぞれ異なるキャラクタが配置され、これら4つのキャラクタの中央にメインメニューを終了する入力操作が行える「終了」の文字が表示される(図32参照)。また、サブ表示装置19には、「視線でキャラクタを選択できます。」等の視線により選択入力が行える旨を案内する案内画面が表示される(図32参照)。すなわちサブ表示装置19におけるデモ演出表示を制限することで、遊技者は、サブ表示装置19に表示される案内画面を一読した後は、演出表示装置9の表示に視線を集中できるようになる。
更に、ステップS735cにおいて、演出制御用CPU120は、装飾用LEDの輝度を低く制限する制限レベルに変更する。すなわち装飾用LEDの輝度を低くすることで、演出表示装置9を視認する遊技者が、装飾用LEDの発光により眩しく感じて目を細めてしまい、視線を良好に検出できなくなってしまうことを防止するとともに、近赤外線LED61から照射される近赤外線光が遊技者の眼を照らした際に、近赤外線LED61以外の光が遊技者の眼に反射されることを防止でき、後述する近赤外線カメラ60による遊技者の眼の画像を明確に取得できるようになる。尚、本実施例では、ステップS735cにおいて装飾用LEDの輝度を制限レベルに変更しているが、ステップS735cにおいて装飾用LEDを消灯するようにしてもよい。
次に、ステップS736において、演出制御用CPU120は、キャラクタ選択画面表示中フラグをセットする。そして、ステップS736+において、演出制御用CPU120は、近赤外線カメラ60の照射を開始するとともに、近赤外線カメラ60による遊技者の眼の画像を取得し、信号処理回路132にて取得した眼の画像を解析することにより、遊技者の視線が向けられている方向を検出し、この視線記録を開始してメインメニュー表示処理を終了する。
また、ステップS737において、演出制御用CPU120は、キャラクタ選択画面表示中フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、キャラクタ選択画面表示中フラグがセットされていない場合には、メインメニュー表示処理を終了する。一方、キャラクタ選択画面表示中フラグがセットされている場合には、ステップS738aに進む。
ステップS738aにおいて、演出制御用CPU120は、キャラクタ選択画面表示を終了する。そして、ステップS738bにおいて、演出制御用CPU120は、前述したステップS735cにおいて変更した装飾用LEDの輝度を低く制限する制限レベルの設定を解除する。次に、ステップS739において、演出制御用CPU120は、キャラクタ選択画面表示中フラグをリセットする。更に、ステップS739+において、演出制御用CPU120は、前述したステップS736+にて開始された視線記録を終了し、メインメニュー表示処理を終了する。
図31は、図17に示されたメイン処理におけるメインメニュー操作処理(ステップS707)を示すフローチャートである。メインメニュー操作処理では、演出制御用CPU120は、ステップS740において、キャラクタ選択画面表示中フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、キャラクタ選択画面表示中フラグがセットされている場合には、ステップS741に進む。一方、キャラクタ選択画面表示中フラグがセットされていない場合には、メインメニュー操作処理を終了する。
ステップS741において、演出制御用CPU120は、前述した信号処理回路132から遊技者の視線座標を取得して視線記録、すなわち前述した信号処理回路132の視線軌跡記録テーブル(図22)を更新する。そして、ステップS742において、ステップS741にて取得した視線座標に基づいて、遊技者が視線を向けたキャラクタの画像を反転表示した状態の画像にキャラクタ選択画像を更新してステップS743に進む。
ステップS743において、演出制御用CPU120は、遊技者によるプッシュボタン516の操作が有るか否かを判定する。ここで、プッシュボタン516の操作が有る場合には、ステップS744に進む。一方、プッシュボタン516の操作が無い場合は、メインメニュー操作処理を終了する。
ステップS744において、演出制御用CPU120は、遊技者の視線座標を取得できたか否かを判定する。ここで、遊技者の視線座標を取得できた場合、つまり遊技者が演出表示装置9の表示領域を視認している場合には、ステップS745に進む。一方、遊技者の視線座標を取得できない場合、つまり遊技者がよそ見等をしていて演出表示装置9の表示領域を視認していない場合には、ステップS751に進む。
遊技者の視線座標を取得できた場合には、ステップS745において、演出制御用CPU120は、取得した視線座標が演出表示装置9に表示された選択肢のうち、いずれかの選択枝の座標と一致しているか否かを判定する。ここで、選択枝の座標と一致している場合には、ステップS746に進む。一方、選択枝の座標と一致していない場合には、ステップS752に進む。
ステップS746において、演出制御用CPU120は、一致した座標の選択枝が「終了」であるか否かを判定する。ここで、一致した座標の選択枝が「終了」である場合には、ステップS747に進む。一方、一致した座標の選択枝が「終了」でない場合には、ステップS753に進む。
ステップS752において、演出制御用CPU120は、信号処理回路132の視線軌跡記録テーブル(図22)を参照し、直近の所定期間(例えば、1秒間)において遊技者が演出表示装置9の表示領域を視認した軌跡である視線記録を直近のものから随時参照し、演出表示装置9に表示された選択肢のうち、いずれかの選択枝の座標と一致しているか否かを判定する。ここで、選択枝の座標と一致している場合には、ステップS753に進む。一方、選択枝の座標と一致していない場合には、ステップS751に進む。
ステップS751において、演出制御用CPU120は、デフォルトのキャラクタを特定する。尚、本実施例では、演出表示装置9に表示される4つのキャラクタのうち、左上のキャラクタがデフォルトのキャラクタとして特定される。
ステップS753において、演出制御用CPU120は、一致した座標のキャラクタを特定する。そして、ステップS754において、演出制御用CPU120は、特定したキャラクタの種類を記憶してステップS747に進む。
ステップS747において、演出制御用CPU120は、キャラクタ選択画面表示を終了する。そして、ステップS748に進み、前述したメインメニュー表示処理において変更した装飾用LEDの輝度を低く制限する制限レベルの設定を解除する。更に、ステップS749に進み、キャラクタ選択画面表示中フラグをリセットする。また、ステップS750において、演出制御用CPU120は、視線記録をリセット、つまり視線軌跡記録テーブルの登録情報を消去する。
以上、本実施例によれば、視線操作予告処理やメインメニュー操作処理において、遊技者の視線が検知され、かつ、プッシュボタン516(操作部)の操作が検知されたことに基づいて、特定演出である「矢」の撃ち落しや、キャラクタの選択を実行することで、プッシュボタン516への操作と視線の双方に応じた特定演出である視線操作予告演出やキャラクタ選択画面の表示が実行されるので、遊技機の興趣を向上できる。
また、前記実施例では、演出画像を表示可能な演出表示装置9を備え、プッシュボタン519(操作部)の操作が検知されたときに、近赤外線カメラ60及び信号処理回路132(視線検出手段)にて検出される遊技者の視線が演出表示装置9の所定の表示領域に向けられているときには、遊技者の視線が表示領域に向けられていないときとは異なる態様にて特定演出を実行することで、プッシュボタン519の操作をした際に、視線に応じて異なる態様の特定演出が実施されるので、遊技機の興趣をさらに向上できる。
また、前記実施例では、近赤外線カメラ60及び信号処理回路132(視線検出手段)にて検出される遊技者の視線の所定期間における軌跡を記憶する視線軌跡記録テーブル(軌跡記憶手段)を備え、視線軌跡記録テーブルに記憶されている該時点から所定期間前(例えば、1秒前)までの軌跡により特定される視線が、プッシュボタン519にて操作を検知したときに及び信号処理回路132にて検出される遊技者の視線よりも特定演出を実行に適した視線であったときには、視線軌跡記録テーブルに記憶されている軌跡により特定される視線に基づいて特定演出を実行することで、所定期間前までの軌跡により特定される視線に基づいて特定演出が実行されるので、例えば、プッシュボタン519の操作時に視線を外してしまっても、操作前の所定期間において適切に視線を向けている場合には、該操作前の適切な視線に基づいた特定演出が実行されるので、特定演出が実行されないことによって興趣を向上できなくなってしまうことを回避できる。
また、前記実施例では、近赤外線カメラ60及び信号処理回路132(視線検出手段)にて遊技者の視線が検出されずにプッシュボタン519(操作手段)による遊技者の操作を検知したときには、該操作のみに応じた態様にて特定演出を実行することで、視線が検出されなかった場合にも、操作のみに応じた態様の特定演出が実行されるので、たまたま視線が検出されなかったことによって興趣を向上できなくなってしまうことを回避できる。
また、前記実施例では、遊技機に設けられた装飾用LED(発光部)の発光を制御する手段であって、特定演出が実行されるときには、装飾用LEDの発光を制限する演出制御用CPU120(発光制御手段)を備えることで、装飾用LEDの発光が制限さえるので、特定演出において遊技機に視線を向けているときに眩しくなってしまうことを防止できる。
また、前記実施例では、特定演出において遊技者が視線を向ける対象を演出表示装置9の表示領域(第1表示領域)に表示し、特定演出において遊技者が視線を向けるべき対象の案内を演出表示装置9の表示領域とは異なるサブ表示装置19の表示表域(第2表示領域)に表示することで、遊技者が視線を向ける対象と、視線を向けるべき対象の案内とが異なる表示領域に表示されるので、対象と案内とが同じ表示領域に表示されている場合に比較して、対象に視線を向ける際に、案内に視線がとらわれて視線がぶれてしまうことを抑止できるので、遊技者が希望する演出を良好に実行することができる。
また、前記実施例では、演出表示装置9の表示領域(第1表示領域)にて特定演出を実行し、サブ表示装置19の表示領域(第2表示領域)は、演出表示装置9の表示領域よりも狭い表示領域として設定されていることで、サブ表示装置19の表示領域に表示される案内画面が、演出表示装置9の表示領域に比較して小さく表示されるので、これら案内画面が、演出表示装置9の表示領域において実行される特定演出の妨げになることを抑止できる。
また、前記実施例では、サブ表示装置19の表示領域(第2表示領域)は、演出表示装置9の表示領域(第1表示領域)に表示される複数の各対象を結ぶ線の直交2等分上に設定されていることで、サブ表示装置19の表示領域に表示される案内画面から各対象(各キャラクタや矢の表示座標)への方向が一方に偏ってしまうことを防止できるともに、案内画面から各対象へ視線を移動させる距離が、ほぼ等しくできるので、視線の移動に伴う遊技者の疲労を低減できる。
また、前記実施例では、特定演出を実行しているときには、サブ表示装置19の表示領域(第2表示領域)における演出の実行を制限することで、特定演出を実施しているときにサブ表示装置19の表示領域における演出が気になって視線がぶれてしまうことを防止できるので、正しく特定演出を実行できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行うスロットマシンに演出用ボタン、近赤外線カメラ60、近赤外線LED61、信号処理回路132、等を搭載し、遊技者の視線を検出して、該検出した視線に基づいた演出を実行するようにしてもよい。尚、遊技機をスロットマシンとする場合にあっては、例えば、内部抽選にてボーナスフラグがセットされている場合において、前記実施例のパチンコ遊技機1の予告演出と同様に、内部当選をしていることを示唆する示唆演出をスロットマシンが備える演出用表示装置にて実施して、該示唆演出において、遊技者の視線並びに演出用ボタンの操作に応じた演出を実行すれば良い。
また、前記実施例では、近赤外線カメラ60が、前面枠101に対して着脱可能な遊技盤6に搭載されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図35に示すように、近赤外線カメラ60を、前面枠101の左枠近傍に設けても良く、このようにすることで、近赤外線カメラ60が前面枠101に隠蔽されて、遊技者は近赤外線カメラ60を直接視認できないようになっている。
尚、この近赤外線カメラ60は、そのレンズが側方、つまり演出表示装置9側に向いている。そして、演出表示装置9の上部位置には、近赤外線カメラ60に対応する位置に小型ミラーMが設けられており、このミラーMを介して近赤外線カメラ60が遊技者の眼を撮像することができる。
また、近赤外線カメラ60は、遊技盤6の背面と演出表示装置9等が設けられたユニットの前面との間の隙間からミラーMを介して入射される像を取得できるようになっている。このように、近赤外線カメラ60が、前面枠101の左枠近傍に設けられることで、遊技盤6を前面枠101から取り外して新しい遊技盤6に交換も、近赤外線カメラ60を再利用することができる。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1を例示したが、これら以外の遊技機、例えば、遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU86に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU86に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU86は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU86の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われるパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、前記実施例では、演出表示装置9よりも小型なサブ表示装置19が用いられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置9とサブ表示装置19が同一の大きさであってもよいし、サブ表示装置19を複数として、これら複数のサブ表示装置19の表示面積の合計が演出表示装置9の表示面積よりも大きなものであっても良い。
また、前記実施例では、眼球の角膜反射像(プルキンエ像)を検出することにより遊技者の視線方向を検出する視線検出方法を用いているが、その他の視線検出方法を用いてもよい。例えば、近赤外光を照射せずに受動的に光学式カメラで遊技者の顔面を撮像し、テンプレートマッチングにより顔の各部を求め、顔の位置及び方向を推定し、眼近傍の画像から虹彩を円のハフ変換により求めて視線方向を算出する視線検出方法や、眼の虹彩を円として検出し、反射像の位置から視線方向の検出する方法や、虹彩を楕円として検出し、この楕円のパラメータから視線方向を算出する視線検出方法や、眼の画像から虹彩輪郭候補点を求め、この候補点に楕円を当てはめて、この楕円の長軸、短軸、軸の傾きから視線方向を算出する視線検出方法を用いてもよい。
また、前記実施例では、光源のプルキンエ像の重心を基準とする瞳孔重心の相対的な位置座標が、演出表示装置9の表示領域の各座標に対応付けて視線方向参照テーブル(図示略)に登録されているが、演出表示装置9の表示領域の各座標の全てを登録しておく必要はなく、例えば、前記実施例では、視線操作選択画面(図32参照)では、演出表示装置9を上下左右に4分割した4つの領域のいずれの領域に視認対象となるキャラクタが表示されるとともに中央の領域に「終了」の文字が表示されており、または視線操作予告画面(図33参照)では、演出表示装置9の左右の各領域に視認対象となる「矢」が表示されるようにしているため、遊技者が演出表示装置9を視認した際に、少なくとも演出表示装置9を上下左右に4分割した4つの領域と中央の領域を含む5つの領域のうち、いずれの領域を視認しているかを判別できるものであればよく、その場合には、視線方向参照テーブルに演出表示装置9を上下左右に4分割した4つの領域及び中央の領域に対応する視線方向の5つ座標を登録しておき、光源のプルキンエ像の重心を基準とする瞳孔重心の相対的な位置座標が、5つの座標のいずれに近似しているかを求めるようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出表示装置9及びサブ表示装置19が遊技盤6に固定されているが、演出表示装置9及びサブ表示装置19を移動可能に遊技盤6に設けてもよい。例えば、サブ表示装置19に移動モータ等を取り付けて、演出の態様に応じてサブ表示装置19が上下左右にスライド移動するものであってもよい。
また、前記実施例では、視線操作予告処理において、入力操作受付け開始タイミングである場合に、その時点においてプッシュボタン516が既に操作されているか否かを判定し、プッシュボタン516が既に操作されている場合には、操作異常と判断して操作異常フラグをセットし、該操作異常フラグが視線操作予告演出の終了時においてリセットされるようになっているが、例えば、入力操作受付け開始タイミングのときにプッシュボタン516が既に操作されている場合には、サブ表示装置19に「ボタンから手を放して下さい」等の警告を表示するようにして、プッシュボタン516の操作が解除された場合には、予告実行中フラグをセットするともに入力操作可能フラグをセットして、通常の視線操作予告を実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、近赤外線カメラ60と近赤外線LED61と信号処理回路132とにより遊技者の視線を検出する視線検出手段を構成しており、この視線検出手段により遊技者の視線を検出することで、キャラクタ選択画面において選択入力できるようになっているが、その他の態様として、演出表示装置9にキーボードの画像やテンキーの画像を表示して、視線検出手段により遊技者が視線を向けてキーの座標を特定し、該特定されたキーの選択を行えるようにし、プッシュボタン516の操作により選択されたキーの入力を行えるようにしてもよい。
また、前記実施例では、視線操作予告処理やメインメニュー操作処理において、遊技者の視線座標を取得できない場合として、遊技者がよそ見等をしていて演出表示装置9の表示領域を視認していない場合を例示しているが、遊技者の視線座標を取得できない場合とは、遊技者がサングラスやメガネ等を使用していて明確な眼の画像を取得できなかった場合も含む。
また、前記実施例では、演出表示装置9の上部位置に近赤外線カメラ60が設けられているが、この近赤外線カメラ60が設置される位置をハーフミラー等で覆うことで、遊技者から近赤外線カメラ60を直接視認できないようにしてもよい。
また、前記実施例では、視線操作予告処理にて実施される視線操作予告において、演出表示装置9に表示されるキャラクタが「矢」を放つ演出がなされるようになっており、遊技者は、この飛んでくる「矢」を視認して、その視認したタイミングと同時に遊技者がプッシュボタン516を操作することで、飛んでくる「矢」を撃ち落とすことができる演出がなされるが、視線操作予告はその他の態様であってもよく、例えば、演出表示装置9に戦闘機等を表示して、これらの敵機をミサイルやビーム等で撃ち落すための狙いを定めるときに、遊技者の視線を取得するようにして、プッシュボタン516の操作により撃墜するような態様であってもよい。
また、前記実施例では、図32に示すキャラクタの選択演出の場合において、近赤外線カメラ60にて取得した遊技者の眼の画像を解析することで得られた遊技者の視線座標を所定時間(例えば、1秒間)視線軌跡記録テーブルに記憶しておき、遊技者の視線が表示された選択肢(視線を向ける対象)に向けられていない場合には、該視線軌跡記録テーブルに記憶されている直近の視線の向きが選択肢(視線を向ける対象)に向けられている場合には、該直近の視線の向きに対応する選択肢(キャラクタ等)を選択する一方、視線操作予告処理においては、これら視線軌跡記録テーブルに記憶されている直近の視線の向きを利用しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、視線軌跡記録テーブルに記憶される所定時間を、キャラクタの選択演出の場合である1秒間よりも短い時間(例えば、0.2秒)とし、該時間内の遊技者の視線座標が「矢」の座標の所定範囲内にある場合には、撃ち落としと判定して撃ち落としフラグをセットするようにしても良い。
また、前記実施例では、演出表示装置9が視線操作予告演出において遊技者が視線を向ける対象を表示する第1表示領域を構成し、サブ表示装置19が視線操作予告演出において遊技者が視線を向けるべき対象の案内を表示する第2表示領域を構成しているが、第1表示領域及び第2表示領域を1つの表示装置に設けるようにしてもよい。例えば、サブ表示装置19を設けずに、大型の演出表示装置9を設けるようにし、この演出表示装置9を上下に2つの領域に仕切るようにし、上方の表示領域を第1表示領域とし、下方の表示領域を第2表示領域としてもよい。
また、前記実施例では、演出表示装置9の下方位置に設けられたサブ表示装置19が、その左右寸法が演出表示装置9の左右寸法の略半分程度の寸法となっており、かつサブ表示装置19の左右方向の中央部と演出表示装置9における左右方向の中央部とが合うように上下に配置されることで、サブ表示装置19の表示領域(第2表示領域)が、演出表示装置9の表示領域(第1表示領域)に表示される複数の各対象(各キャラクタや矢の表示座標)を結ぶ線の直交2等分上に配置されているが、サブ表示装置19を演出表示装置9の左側または右側に配置して、サブ表示装置19の上下方向の中央部と演出表示装置9における上下方向の中央部とが合うように左右に配置されることで、サブ表示装置19の表示領域(第2表示領域)が、演出表示装置9の表示領域(第1表示領域)に表示される複数の各対象(各キャラクタや矢の表示座標)を結ぶ線の直交2等分上に配置されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、視線操作予告処理やメインメニュー操作処理において、サブ表示装置19に案内画面を表示することで、サブ表示装置19における演出表示を制限しているが、このサブ表示装置19における演出表示を制限する態様としては、サブ表示装置19の輝度を低くしたり、サブ表示装置19を消灯することも演出表示の制限に含まれる。