JP6116102B2 - クラスタシステム、および、負荷分散方法 - Google Patents
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Description
クラスタメンバに離脱があった場合には、その離脱したメンバに隣接するクラスタメンバが、新しくデータを担当するクラスタメンバとなる。
なお、負荷の集中は、単純に特定サーバの担当領域内に多くのデータが集中してしまうケースだけでなく、データ量が少なくても参照頻度が高いデータが、特定サーバに割り当てられるケースでも発生する。そのため、各サーバの担当領域の広さを単純に均等にしただけでは、負荷の集中を解消できないこともある。
さらに、負荷の小さいサーバが負荷の一部の割り当て先となることで、少ない手順で効率的なリバランシングを実施することができる。
分散処理システムは、負荷分散装置3、管理装置4、クラスタ100を構成する複数のサーバ5を備えている。負荷分散装置3は、インターネットなどのネットワーク2を介して、複数のクライアントマシン1と接続されている。
記憶部31は、情報を記憶する手段であり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などによって構成される。記憶部31には、管理装置4から受信したID空間管理情報411が、格納されている。なお、記憶部31には、処理部32の動作プログラムなども格納されている(図示を省略)。
処理部32は、記憶部31に格納された情報に基づいて演算処理を行う手段であり、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。
通信部33は、外部装置との通信に用いられる通信インタフェースである。なお、負荷分散装置3は、ほかに、負荷分散装置3のユーザが情報を入力する入力部や、情報を表示する表示部などを備えていてもよい。
記憶部41は、情報を記憶する手段であり、RAMやROMなどのメモリ、HDDなどによって構成される。記憶部41には、処理部42の動作プログラムと、その動作プログラムが参照する各データが格納されている。
処理部42は、記憶部41に格納された情報に基づいて演算処理を行う手段であり、例えばCPUによって構成される。
入力部43は、管理装置4のユーザが情報を入力する手段であり、例えば、キーボードやマウスによって実現される。
表示部44は、情報を表示する手段であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)によって実現される。
通信部45は、外部装置との通信に用いられる通信インタフェースである。
管理装置4は、コンシステント・ハッシュ法などのID管理方法に基づいて、クライアントマシン1からのリクエストを複数のサーバ5(クラスタ100のメンバ)のいずれに振り分けるかを決定するコンピュータ装置である。
管理装置4の記憶部41には、負荷測定部413と、負荷判定部414と、スケールアウト部415と、リバランシング部416とをそれぞれ処理部42によって動作させるためのプログラムが格納されている。さらに、記憶部41には、ID空間管理情報411と、設定情報412とがプログラムの参照データとして格納されている。
設定情報412は、各処理部(符号413〜416)の処理において参照される情報であり、入力部43を介して管理者などにより入力される。
負荷測定部413は、各サーバ5から負荷の情報(マシン負荷など)を収集する。
スケールアウト部415は、負荷判定部414が「スケールアウトをすべき」と判断したときに、クラスタ100のメンバに新たなサーバ5を追加(増設)する。
リバランシング部416は、負荷判定部414が「リバランシングをすべき」と判断したときに、クラスタ100内の既存メンバに対して、サーバ5の役割分担を変更する。
これらのスケールアウト部415およびリバランシング部416の処理結果は、各サーバ5に指示されるとともに、ID空間管理情報411へと反映される(詳細は、図3,図4)。
コンシステント・ハッシュ法では、環状のID空間に、管理対象の複数のデータ、および、データを管理しクラスタ100を構成する複数のサーバ5、が割り振られる。
ID空間内のデータは、低負荷データを示す白丸(○)と、高負荷データを示す黒丸(●)とでそれぞれ示される。ID空間内のサーバ5は、それぞれサーバIDを記載する矩形(M1〜M5)で示される。
そして、サーバ5とデータとの役割担当について、ID空間において自身の前のサーバ5から時計回り(所定方向回り)に自身のサーバ5までの間に位置するデータを管理(担当)する。例えば、M2のサーバ5は、自身の前であるM1のサーバ5の位置(360度の円における0度)から、M2の位置(70度)までのデータを担当する。
ここで、物理計算機に対応付けられる仮想計算機の台数は、例えば、物理計算機の性能に比例した台数の仮想計算機を構築するものとする。つまり、管理装置4の処理部42は、ID空間管理情報411内の各サーバ(M1〜M5)について、物理計算機か、仮想計算機かを意識して区別することなく、ID空間の管理を行う。
もし、ID空間内の仮想計算機を示すサーバにアクセスする場合は、あらかじめ記憶部41に登録されている物理計算機と仮想計算機との対応情報を参照することで、アクセスする物理計算機を特定すればよい。このように、物理計算機を仮想的に分割することでID空間内のサーバ数(領域分割するノード数)を増やすことができ、特定のサーバへの負荷集中の発生確率を低くすることができる。
スケールアウト部415は、最高負荷であるサーバM4の担当を緩和するため、サーバM4の旧担当領域をID空間の中間で分割し、その分割位置に新たなサーバM6を増設する。
これにより、サーバM4の負荷の約半分が新たなサーバM6へと移行することにより、サーバM4の負荷が軽減される。
リバランシング部416は、最高負荷であるサーバM4の負荷を緩和するため、そのサーバM4に隣接するサーバM3の配置を、サーバM3の担当領域が多くなるように時計回りに移動する。
これにより、サーバM4の負荷の一部がサーバM3へと移行することにより、サーバM4の負荷が軽減される。
リバランシング部416は、最高負荷であるサーバM4の負荷を緩和するため、そのサーバM4の配置を、担当領域が少なくなるように反時計回りに移動する。
これにより、サーバM4の負荷の一部が隣接するサーバM5へと移行することにより、サーバM4の負荷が軽減される。
S101は、入力部43が設定情報412の入力を受け付ける処理である。
設定情報412は、例えば、負荷測定部413や負荷判定部414が処理する「負荷」を定義するための情報と、負荷測定部413によって測定される負荷と比較される各種閾値(スケールアウト閾値、リバランシング閾値)の情報を含む。
・各サーバ5のCPU使用率
・各サーバ5のメモリ使用率
・各サーバ5の担当するデータ(key)へのアクセス頻度
ここで、入力部43は、選択された各パラメータについて、現在の瞬間値を用いるか、所定期間の統計値(平均値や中央値など)を用いるかを、併せて指定させてもよい。例えば、平均値を用いることで、上下の変動が激しい負荷に対しても、適切な負荷値を取得することができる。
・複数のパラメータをそれぞれ独立に使用する。つまり、パラメータの個数分だけのID空間(ID空間管理情報411)を構築する。
・複数のパラメータを組み合わせて(統合させて)1つのパラメータ(負荷代表値)へと集約し、その負荷代表値に対応する1つのID空間(ID空間管理情報411)を構築する。なお、負荷代表値の計算方法としては、例えば、あらかじめ指定されるパラメータごとの重み値を用いた重みづけ加算により、負荷代表値を求める方法が挙げられる。
スケールアウトが必要な場合とは、クラスタ100のメンバである各サーバ5のリソースの合計値が不足している状況である。
リバランシングが必要な場合とは、クラスタ100のメンバである各サーバ5のリソースの合計値は充分だが、負荷が特定のサーバ5に集中することにより、アンバランスな状態である。
一方、リバランシング閾値よりもスケールアウト閾値を低く設定することにより、クラスタ100全体でのリソースの余裕が増える(増設の頻度を上げる)ことで、特定拠点が激甚災害でダウンした際にもサービスが継続可能なようになり、信頼性が向上する。
さらに、リバランシング閾値をサーバ5の能力に比べて低めに(例えば、「50%」)設定することで、リバランシングを行う頻度が上がり、特定のサーバ5への負荷集中を予防できる。
負荷測定部413は、分散処理システムの運用中に、S101で設定情報412として入力された負荷パラメータを各サーバ5から繰り返し(定期または不定期に)取得する。
そして、負荷測定部413は、各サーバ5から取得した各種の負荷パラメータを、負荷判定部414へと通知する。ここで、負荷測定部413は、設定情報412に従って、前記した負荷代表値への集約処理や、負荷統計値の計算処理を行い、その計算結果を負荷判定部414へと通知してもよい。
例えば、CPU性能が「100」のサーバ5(第1サーバ)からCPU使用率「20%」を取得し、CPU性能が「10」のサーバ5(第2サーバ)からCPU使用率「50%」を取得したときに、負荷測定部413は、以下のいずれかを負荷判定部414へと通知する。
・第1サーバの負荷=「20%」、第2サーバの負荷=「50%」(補正なし)
・第1サーバの負荷=「100×20%=20」、第2サーバの負荷=「10×50%=5」(補正あり)
負荷判定部414は、S102で測定されたN台のサーバ5の負荷合計値が、(スケールアウト閾値×N)を超過したときに、スケールアウトが必要である(S103,Yes)と判定する。S103でYesならS104へ進み、NoならS111へ進む。
なお、(スケールアウト閾値×N)とは、スケールアウト閾値に基づくクラスタ100の負荷基準の一例であり、他の例として、入力された所定値をそのままクラスタ100の負荷基準として用いてもよい。
例えば、4台のサーバ5の負荷がそれぞれ「70%,65%,65%,65%」であり、かつ、スケールアウト閾値が「65%」であるときは、負荷合計値「70%+65%+65%+65%=265%」>負荷基準「65%×4=260%」なので、スケールアウトが必要であると判定される。
スケールアウト部415は、待機中のサーバ5をクラスタ100に増設する場合、その増設するサーバ5のID空間における挿入位置を、図3(b)で説明したように決定する。
そして、スケールアウト部415は、増設したサーバ5の挿入位置と、その挿入位置を元にした各サーバ5の新たな役割分担をID空間管理情報411に対して更新する。なお、S104の処理後は、S102へと戻って、再度負荷が測定される。
一方、1回のスケールアウト(S104)で1台ずつサーバ5を増設する場合には、増設のしすぎを予防できる。
スケールアウトは不要である(S103,No)状況下で、負荷判定部414は、クラスタ100の各サーバ5に対して、(サーバ5の負荷)>リバランシング閾値となる負荷超過サーバ、つまり、リバランシングを要するサーバであるか否かを判定する。リバランシングを要するサーバが1台でも存在する場合は(S111,Yes)、S112へ進み、存在しない場合は(S111,No)、処理を終了する。
例えば、4台のサーバ5の負荷がそれぞれ「80%,60%,50%,40%」であり、かつ、リバランシング閾値が「75%」であるときは、負荷「80%」のサーバ5だけが、リバランシングを要するサーバ5であると判定される。
このループの繰り返し回数は、あらかじめ設定情報412として登録されている。繰り返し回数を多くすることで、負荷のアンバランスが平滑化される。繰り返し回数を少なくすることで、負荷移動のオーバーヘッドを抑制する。
リバランシング部416は、負荷超過サーバのうちの負荷が最も高いサーバ5(図3(a)では「M4」)からみて、ID空間において両隣のサーバ5を特定する(図3(a)では「M3,M5」)。
そして、リバランシング部416は、両隣のサーバ5のうちの現在負荷が少ないほうのサーバ5に対して、今後負荷を増やすようにリバランシングする。
(M3の負荷)<(M5の負荷)なら、リバランシング部416は、図4(a)で説明したように、負荷の低いM3の負荷を増やす。
(M3の負荷)≧(M5の負荷)なら、リバランシング部416は、図4(b)で説明したように、負荷の低い(または同じ)M5の負荷を増やす。
このような、負荷の移動は、サーバ5の位置を一度に多く移動させてもよいし、少しずつ移動させて、(サーバ5「M4」の負荷)<リバランシング閾値となった時点で移動を終了させてもよい。
S115は、負荷判定部414がサーバ5の負荷が解消されたか否かを判定する処理である。S111と同様に、負荷判定部414は、(S114で測定されたサーバ5の負荷)>リバランシング閾値となる負荷超過サーバが存在するときには、サーバ負荷が解消されていない(S115,No)として、S116へ進む。一方、負荷超過サーバが存在しないときには(S115,Yes)、ループから脱出して処理を終了する。
なお、4台のサーバ5の負荷合計値が250%であり、スケールアウト閾値「75%」×4台=300%なので、S103ではスケールアウト不要(250%<300%)となる。
例えば、管理装置4と負荷分散装置3を同一のハードウェアに並存させる構成としてもよい。また、負荷分散装置3を使用せず、それぞれのクライアントマシン1が管理装置4から受信したID空間管理情報411を保持して、ネットワーク2経由で複数のサーバ5のいずれかに直接アクセスするようにしてもよい。
また、本実施形態ではコンシステント・ハッシュ法を前提としたが、他の手法を前提としてもよい。
また、本実施形態は、コンピュータを管理装置4として機能させるためのプログラムとしても具現化可能である。
2 ネットワーク
3 負荷分散装置
4 管理装置
5 サーバ
31 記憶部
32 処理部
33 通信部
41 記憶部
42 処理部
43 入力部
44 表示部
45 通信部
100 クラスタ
411 ID空間管理情報
412 設定情報
413 負荷測定部
414 負荷判定部
415 スケールアウト部
416 リバランシング部
Claims (4)
- スケールアウト閾値およびリバランシング閾値が格納されている記憶手段と、
クラスタを構成する各サーバの負荷値を取得する負荷測定部と、
前記取得された各サーバの負荷値の合計が前記スケールアウト閾値に基づく前記クラスタの負荷基準を超過しているときに、前記クラスタへのスケールアウトが必要と判定するとともに、前記取得された各サーバの負荷値が前記リバランシング閾値を超過しているときに、その超過したサーバについてリバランシングが必要と判定する負荷判定部と、
前記スケールアウトが必要と判定されたときに、前記クラスタを構成するサーバ群に対して新たなサーバを追加することにより、追加前のサーバ群が担当していた負荷の一部を前記新たなサーバに割り当てるスケールアウト処理を実施するスケールアウト部と、
前記リバランシングが必要と判定されたときに、前記クラスタを構成するサーバ群に対して、前記リバランシング閾値を超過したサーバが担当していた負荷の一部を、前記クラスタを構成する別のサーバに割り当てるリバランシング処理を実施するリバランシング部とを有する管理装置と、
前記クラスタを構成するサーバ群とがネットワークで接続されて構成され、
前記記憶手段には、各サーバと各サーバの担当データとを対応付けるデータ構造として、環状のID空間内に各サーバを示すIDと、各担当データを示すIDとが配置されているID空間管理情報が記憶されており、
前記リバランシング部は、前記リバランシング閾値を超過しているサーバに対して、前記環状のID空間において隣接する2つのサーバそれぞれの負荷を取得し、それらの取得した負荷の小さいサーバを、負荷の一部の割り当て先となる前記別のサーバとすることを特徴とする
クラスタシステム。 - 前記負荷判定部は、
前記負荷値の合計が前記クラスタの負荷基準を超過しているうちは、前記スケールアウト部にスケールアウト処理を実施させ、
前記負荷値の合計が前記クラスタの負荷基準を超過しなくなった後に、負荷値が前記リバランシング閾値を超過しているサーバについて、前記リバランシング部にリバランシング処理を実施させることを特徴とする
請求項1に記載のクラスタシステム。 - 前記負荷判定部は、負荷値が前記リバランシング閾値を超過しているサーバについて、前記リバランシング部にリバランシング処理を実施させる処理を所定回数実行した後でも、負荷値が前記リバランシング閾値を超過しているサーバが存在するときには、負荷値の合計が前記クラスタの負荷基準を超過していなくても、前記スケールアウト部にスケールアウト処理を実施させることを特徴とする
請求項2に記載のクラスタシステム。 - 記憶手段と、負荷測定部と、負荷判定部と、スケールアウト部と、リバランシング部とを有する管理装置、および、クラスタを構成するサーバ群がネットワークで接続されて構成されるクラスタシステムによって実行され、
前記記憶手段には、スケールアウト閾値およびリバランシング閾値が格納されており、
前記負荷測定部は、前記クラスタを構成する各サーバの負荷値を取得し、
前記負荷判定部は、前記取得された各サーバの負荷値の合計が前記スケールアウト閾値に基づく前記クラスタの負荷基準を超過しているときに、前記クラスタへのスケールアウトが必要と判定するとともに、前記取得された各サーバの負荷値が前記リバランシング閾値を超過しているときに、その超過したサーバについてリバランシングが必要と判定し、
前記スケールアウト部は、前記スケールアウトが必要と判定されたときに、前記クラスタを構成するサーバ群に対して新たなサーバを追加することにより、追加前のサーバ群が担当していた負荷の一部を前記新たなサーバに割り当てるスケールアウト処理を実施し、
前記リバランシング部は、前記リバランシングが必要と判定されたときに、前記クラスタを構成するサーバ群に対して、前記リバランシング閾値を超過したサーバが担当していた負荷の一部を、前記クラスタを構成する別のサーバに割り当てるリバランシング処理を実施し、
前記記憶手段には、各サーバと各サーバの担当データとを対応付けるデータ構造として、環状のID空間内に各サーバを示すIDと、各担当データを示すIDとが配置されているID空間管理情報が記憶されており、
前記リバランシング部は、前記リバランシング閾値を超過しているサーバに対して、前記環状のID空間において隣接する2つのサーバそれぞれの負荷を取得し、それらの取得した負荷の小さいサーバを、負荷の一部の割り当て先となる前記別のサーバとすることを特徴とする
負荷分散方法。
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