JP6115312B2 - 運動状態測定装置 - Google Patents

運動状態測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6115312B2
JP6115312B2 JP2013109858A JP2013109858A JP6115312B2 JP 6115312 B2 JP6115312 B2 JP 6115312B2 JP 2013109858 A JP2013109858 A JP 2013109858A JP 2013109858 A JP2013109858 A JP 2013109858A JP 6115312 B2 JP6115312 B2 JP 6115312B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
exercise
state
hemoglobin concentration
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013109858A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014226417A (ja
Inventor
良周 西村
良周 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2013109858A priority Critical patent/JP6115312B2/ja
Publication of JP2014226417A publication Critical patent/JP2014226417A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6115312B2 publication Critical patent/JP6115312B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、運動状態測定装置に関する。
従来、被測定者の運動状態と筋肉の酸素消費量とが相関することが知られている。筋肉が消費する酸素は、血中の酸素化ヘモグロビンにより運搬される。このため、筋肉の酸素消費量は、酸素化ヘモグロビン濃度が減少するほど大きくなる。また、筋肉の酸素消費量は、脱酸素化ヘモグロビン濃度が増加するほど大きくなる。したがって、酸素化ヘモグロビン濃度および脱酸素化ヘモグロビン濃度に基づいて運動状態を演算することができる。
特許文献1の運動状態測定装置は、測定部および演算部を有する。測定部は、発光部および受光部を有する。発光部は、近赤外光を被測定者の身体に照射する。受光部は、血中を通過した近赤外光を受光し、受光量に基づいた信号を演算部に出力する。演算部は、測定部の出力に基づいて血中の酸素化ヘモグロビン濃度および脱酸素化ヘモグロビン濃度を演算する。演算部は、酸素化ヘモグロビン濃度、脱酸素化ヘモグロビン濃度、および心拍数を用いて被測定者の運動状態を演算する。
特許第4210321号公報
特許文献1の運動状態測定装置は、酸素化ヘモグロビン濃度および脱酸素化ヘモグロビン濃度を用いて運動状態を演算する。ここで、酸素化ヘモグロビンは、血流量の増大にともなって多くなる。このため、酸素化ヘモグロビン濃度は、筋肉の酸素濃度に加えて血流量にも影響される。このため、特許文献1の運動状態測定装置は、血流量の変化に起因して運動状態の演算精度が低下する。
本発明は、以上の背景をもとに創作されたものであり、運動状態の演算精度を向上できる運動状態測定装置を提供することを目的とする。
発明に従う運動状態測定装置の一形態、被測定者に取り付けられ、近赤外光を照射する発光部と、血中を通過した前記近赤外光を受光する受光部とを有し、前記受光部が受光した近赤外光に応じた信号を出力する測定部と、前記測定部の出力に基づいて脱酸素化ヘモグロビン濃度を演算し、酸素化ヘモグロビン濃度は用いずに、かつ、前記被測定者の運動時の脱酸素化ヘモグロビン濃度と前記被測定者の安静時の脱酸素化ヘモグロビン濃度との差分に基づいて運動状態を演算する演算部とを備える。
上記運動状態測定装置は、脱酸素化ヘモグロビン濃度のみに基づいて運動状態を演算する。脱酸素化ヘモグロビン濃度は、酸素化ヘモグロビン濃度と比較して、血流量に影響され難い。このため、酸素化ヘモグロビン濃度を用いて運動状態を演算する構成と比較して、運動状態の演算精度が向上する。
本発明に従う運動状態測定装置の一形態は、被測定者に取り付けられ、近赤外光を照射する発光部と、血中を通過した前記近赤外光を受光する受光部とを有し、前記受光部が受光した近赤外光に応じた信号を出力する測定部と、前記測定部の出力に基づいて脱酸素化ヘモグロビン濃度を演算し、前記脱酸素化ヘモグロビン濃度を用い、かつ、酸素化ヘモグロビン濃度は用いずに運動状態を演算する演算部と、被測定者の運動レベルを検知する運動レベル検知部とを有し、前記演算部は、前記運動レベル検知部により検知される前記運動レベルが所定時間にわたり所定の範囲内の状態において前記脱酸素化ヘモグロビン濃度が低下するとき、低酸素状態である旨を判定する。
運動状態測定装置の一例によれば、前記運動状態測定装置は、警告部を有し、前記警告部は、前記演算部により低酸素状態である旨が判定されたとき、被測定者に警告する。
前記運動状態測定装置の一例によれば、前記演算部は、前記運動状態としての有酸素代謝と無酸素代謝との比率を演算する。
本運動状態測定装置は、運動状態の演算精度を向上できる。
実施形態の運動状態測定装置の全体的な構成を示す正面図。 実施形態の運動状態測定装置を大腿に巻き付けた状態を示す正面図。 実施形態の運動状態測定装置により演算される脱酸素化ヘモグロビン濃度と運動状態との関係を示すグラフ。 実施形態の運動状態測定装置により演算される脱酸素化ヘモグロビン濃度と酸素摂取量との関係を示すグラフ。
図1を参照して、運動状態測定装置1の構成について説明する。
運動状態測定装置1は、演算部10、測定部20、サポーター部材30、操作部40、表示部50、警告部60、および運動レベル検知部70を有する。運動状態測定装置1は、図示しない電源と接続されて、演算部10に電力を供給する。
演算部10は、測定部20の発光部21を制御する。演算部10は、測定部20の受光部22からの信号を受信する。演算部10は、受光部22からの信号に基づいて各種演算を行う。
操作部40は、ボタン(図示略)を有する。操作部40は、被測定者によるボタンの操作を介して、酸素濃度の測定を開始するための信号、および被測定者の体重、身長、および年齢の情報を含む信号を演算部10に出力する。表示部50は、測定結果としての運動状態を数値または経時的な変化を示すグラフにより表示する。警告部60は、警告音を発生させる。
運動レベル検知部70は、外部の運動装置としてのエルゴメーター(図示略)からの信号を受信する。エルゴメーターからの信号は、エルゴメーターの運動レベルとしての負荷強度の情報および回転数の情報を含んでいる。なお、エルゴメーターは、負荷強度を変更することができる。
運動状態測定装置1の構造について説明する。なお、以下では、サポーター部材30を人体に巻き付けたとき、人体側と対向する面を「裏側の面」とする。サポーター部材30の裏側の面と反対側の面を「表側の面」とする。
サポーター部材30は、長方形状を有する。サポーター部材30は、伸縮性を有する布状の部材により形成される。サポーター部材30は、窓部30Aおよび面ファスナー31を有する。
窓部30Aは、サポーター部材30の裏側の面から表側の面までを貫通する開口部として形成される。窓部30Aは、サポーター部材30の長手方向の中間部分に形成される。面ファスナー31は、サポーター部材30の長手方向の両端部に位置する。
測定部20は、発光部21および受光部22を有する。測定部20は、サポーター部材30の短手方向の端部に取り付けられる。測定部20は、窓部30Aと対向する。測定部20は、サポーター部材30の表側の面に取り付けられる。具体的には、サポーター部材30の窓部30Aに測定部20のうちの発光部21および受光部22の取り付け面が露出するように、サポーター部材30および測定部20が重ねられる。発光部21および受光部22は、直接的に人体に接触する。
発光部21は、近赤外光を発光する。発光部21としては、760nm、805nm、および840nmの3波長のマルチLEDが用いられる。受光部22としては、700〜900nmの範囲内およびこの付近の波長に最大感度波長を有するフォトダイオードが用いられる。
発光部21からの光は、体肢の内部を通過して、受光部22に到達する。発光部21から受光部22までの距離は、目的の透過深度の2倍程度に設定することが好ましい。例えば、透過深度を1.5cmとするとき、発光部21および受光部22までの距離は、3cmが設定される。
図2を参照して、運動状態測定装置1を用いた運動状態の測定手順について説明する。
(手順1)被測定者は、運動状態測定装置1を大腿に巻き付け、各面ファスナー31(図1参照)を互いに固定する。このとき、測定部20は、外側広筋の最も筋厚が厚い筋腹上に配置される。
(手順2)被測定者は、操作部40を操作して被測定者の体重、身長、年齢を入力する。
(手順3)被測定者は、操作部40を操作して運動状態の測定を開始する。
(手順4)被測定者は、エルゴメーターを用いて運動を行う。
(手順5)被測定者は、操作部40を操作して運動状態の測定を終了する。
運動状態の測定が開始されたとき、発光部21は、演算部10の出力に基づいて近赤外光の照射を開始する。また、受光部22は、近赤外光を受光する。演算部10は、受光部22の受光量に応じた信号を受光部22から受信する。演算部10は、受光部22からの信号に基づいて、脱酸素化ヘモグロビン濃度を演算する。演算部10は、脱酸素化ヘモグロビン濃度に基づいて、被測定者の運動状態を算出する。
脱酸素化ヘモグロビン濃度の算出方法について説明する。
血液は、赤血球中にヘモグロビンを含む。ヘモグロビンは、酸素化ヘモグロビンまたは脱酸素化ヘモグロビンの形態を有する。酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンは、互いに吸収波長が異なる。
760nmの波長における吸光度は、酸素化ヘモグロビンに依存する吸光度および脱酸素化ヘモグロビンに依存する吸光度を含む。760nmの波長においては、脱酸素化ヘモグロビンの吸光度が酸素化ヘモグロビンの吸光度よりも大きい。このため、760nmの波長における吸光度は、脱酸素化ヘモグロビンの量によく依存する。
840nmの波長における吸光度は、酸素化ヘモグロビンに依存する吸光度および脱酸素化ヘモグロビンに依存する吸光度を含む。840nmの波長においては、酸素化ヘモグロビンの吸光度が脱酸素化ヘモグロビンの吸光度よりも大きい。このため、840nmの波長における吸光度は、酸素化ヘモグロビンの量によく依存する。
805nmの波長における吸光度は、酸素化ヘモグロビンに依存する吸光度および脱酸素化ヘモグロビンに依存する吸光度を含む。805nmの波長においては、脱酸素化ヘモグロビンの吸光度と酸素化ヘモグロビンの吸光度とが等しい。
このため、演算部10は、760nmの波長における吸光度、840nmの波長における吸光度、および805nmの波長における吸光度を用いた連立方程式により脱酸素化ヘモグロビン濃度および酸素化ヘモグロビン濃度を演算する。
演算部10は、現在の脱酸素化ヘモグロビン濃度と安静時(エルゴメーターによる運動開始直前時)の脱酸素化ヘモグロビン濃度との差分(以下、「差分ΔDHb」)を演算する。演算部10は、差分ΔDHbに基づいて被測定者の運動状態としての運動強度Xを演算する。運動強度Xは、下記(1)式を用いて演算される。なお、発明者は、運動強度Xと呼気ガス分析による酸素摂取量との相関性を複数の被験者を対象とした実験により検証した。実験の結果、運動強度Xが大きい被験者ほど、酸素摂取量が大きいことが見出された。重回帰を用いた運動強度Xと呼気ガス分析による酸素摂取量との相関関数は「0.87」を示した。

X=(R1×ΔDHb)−(R2×W)+(R3×H)+(R4×A) …(1)

「R1」、「R2」、「R3」、および「R4」は、係数を示す。
「W」は、操作部40を介して入力された被測定者の体重を示す。
「H」は、操作部40を介して入力された被測定者の身長を示す。
「A」は、操作部40を介して入力された被測定者の年齢を示す。

図3を参照して、運動レベルと差分ΔDHbとの関係について説明する。
エルゴメーターにおいて、回転数が一定のとき、通常、差分ΔDHbは、負荷強度が高いほど大きくなる。すなわち、脱酸素化ヘモグロビン濃度は安静時と比較して増大する。すなわち、筋肉の酸素消費量が増大している。
図3(c)は、通常時の運動レベルと差分ΔDHbとの関係を示している。
時刻t11〜t12の期間、すなわち、エルゴメーターの回転数が一定(例えば、「60rpm」)の状態においてエルゴメーターの負荷強度が低レベル(例えば、「10ワット」)に維持されているとき、差分ΔDHbは一定範囲で推移する。
時刻t12、すなわち、エルゴメーターの回転数が一定(例えば、「60rpm」)の状態においてエルゴメーターの負荷強度が低レベル(例えば、「10ワット」)から高いレベル(例えば、「150ワット」)に移行したとき、差分ΔDHbは上昇を開始する。負荷強度が低レベルから高いレベルに移行してから所定期間が経過したとき、差分ΔDHbの上昇は停止し、脱酸素化ヘモグロビンは一定の濃度で推移する。差分ΔDHbは、運動筋中の酸素の供給と消費の差を示す指標である。このため、図3(c)の時刻t12以降の定常状態は、酸素の供給と消費が釣り合っていることを意味する。
図3(d)は、低酸素状態が発生するときの運動レベルと差分ΔDHbとの関係を示している。
時刻t11〜t12の期間、すなわち、エルゴメーターの回転数が一定(例えば、「60rpm」)の状態においてエルゴメーターの負荷強度が低レベル(例えば、「10ワット」)に維持されているとき、差分ΔDHbは一定の値で推移する。
時刻t12、すなわち、エルゴメーターの回転数が一定(例えば、「60rpm」)の状態においてエルゴメーターの負荷強度が低レベル(例えば、「10ワット」)から高いレベル(例えば、「150ワット」)に移行したとき、差分ΔDHbは上昇を開始する。
時刻t13、すなわち、負荷強度が低レベルから高いレベルに移行してから所定期間が経過したとき、差分ΔDHbが下降する。すなわち、酸素消費に対して酸素供給が足りなくなる低酸素状態への移行が開始される。
負荷強度が一定または上昇している状態において、差分ΔDHbが減少するとき、被測定者に対して負荷強度が高すぎる。この状態において、同じ負荷強度を維持して運動を継続した場合、低酸素状態が発生する旨が予測される。このため、演算部10は、差分ΔDHbおよび運動レベル検知部70の出力に基づいて、警告部60に警告音を出力する旨の信号を出力する。具体的には、運動レベル検知部70から得られる負荷強度が一定または上昇しているとき、差分ΔDHbが減少した旨判定したとき、警告部60に警告音を出力する旨の信号を出力する。警告部60は、演算部10からの信号に基づいて低酸素状態である旨を報知するための警告音を出力する。
図4を参照して、差分ΔDHbと負荷強度との関係について説明する。
回転数が「0」、すなわちエルゴメーターを運転しない待機状態のとき、脱酸素化ヘモグロビン濃度は一定の値を示す。
時刻t20、すなわちエルゴメーターの運転を開始したとき、差分ΔDHbは上昇を始める。なお、時刻t20以降においては、エルゴメーターは、負荷強度を一定速度で増加している。時刻t20以降において、差分ΔDHbは、エルゴメーターの負荷強度の増大にともなって増加する。
差分ΔDHbの増加グラフは、エルゴメーターの負荷強度の増大にともなう酸素摂取量の増加グラフと相関を示した。なお、酸素摂取量は、差分ΔDHbの測定とともに呼気ガス分析により測定した。すなわち、本実験の結果においても差分ΔDHbが、運動状態の指標となる酸素摂取量と相関している。
運動状態測定装置1の作用について説明する。
筋肉は、収縮するときエネルギーを消費する。筋細胞は、血中に溶解した酸素を細胞内に取り込み、酸素を用いてエネルギーを産生する。このため、血中に溶解する酸素濃度が低下する。
酸素化ヘモグロビンは、血中に溶解する酸素濃度が低下したとき、酸素を放出して脱酸素化ヘモグロビンに変化する。
このため、酸素化ヘモグロビンの減少量および脱酸素化ヘモグロビンの増加量はそれぞれ筋肉の酸素消費量と相関している。
ここで、酸素化ヘモグロビンは、血流により運搬される。このため、近赤外光により測定される酸素化ヘモグロビンは、血流量の増加にともなって近赤外光の照射部位における血液量が増大することにより増大する。このため、酸素化ヘモグロビンを用いて筋肉の酸素消費量を演算する場合、血流量の変化により酸素消費量の演算精度が低下する。運動時においては、安静時よりも筋肉に供給される血流量が増大するため、演算精度が低下しやすくなる。
一方、脱酸素化ヘモグロビンは、筋肉の酸素消費量に応じて増加する。このため、照射部位の血流量の変化の影響を受けにくい。
運動状態測定装置1は、脱酸素化ヘモグロビンを用い、酸素化ヘモグロビンを用いずに運動状態を演算している。このため、酸素ヘモグロビンを用いて運動状態を演算する構成と比較して、血流量の影響を受けにくい。このため、血流量の変化により運動状態の演算結果が、実際の運動状態と乖離することを抑制できる。
運動状態測定装置1は、以下の効果を奏する。
(1)運動状態測定装置1は、脱酸素化ヘモグロビン濃度の差分ΔDHbのみに基づいて運動状態を演算する。脱酸素化ヘモグロビン濃度は、酸素化ヘモグロビン濃度と比較して、血流量に影響され難い。このため、酸素化ヘモグロビン濃度を用いて運動状態を演算する構成と比較して、運動状態の演算精度が向上する。
(2)運動状態測定装置1は、脱酸素化ヘモグロビン濃度に応じて低酸素状態である旨を判定し、被測定者に警告する。このため、被測定者は、低酸素状態である旨を把握することができる。このため、低酸素状態において運動が継続されることが抑制される。このため、被測定者の運動能力に対して過大な運動をすることを抑制できる。
(3)従来、運動状態の指標としての酸素摂取量は、運動中の呼気ガスを分析することにより測定されている。この従来の運動状態の測定は、呼気ガスを分析するためのマスクを使用するため、被測定者の負荷が大きい。運動状態測定装置1は、マスクを用いず運動状態を測定できる。このため、被測定者の負荷が小さい。
また、従来、運動状態の指標として、運動強度は個人の持久性の能力を示す最大酸素摂取量を100%とし、安静時酸素摂取量を0%として、心拍数を用いて運動中の酸素摂取量を0〜100%で示すものがある。この従来の方法は、呼気ガスにより測定された酸素摂取量と心拍数との間に相関があることを用いて、心拍数を運動強度に換算し、運動強度から消費カロリーや脂肪燃焼量を算出している。この従来の方法においては、心拍数によって全身にかかる負荷量を知ることができるが、運動時に酸素を用いて脂肪や糖と消費することでエネルギーを産生する運動筋の組織代謝状態を測定することはできない。運動状態測定装置1は、脱酸素化ヘモグロビン濃度を用いて運動状態を演算しているため、運動筋の組織代謝状態を測定することができる。
(その他の実施形態)
本運動状態測定装置は、上記実施形態以外の実施形態を含む。以下、本運動状態測定装置のその他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。
・実施形態の運動状態測定装置1は、運動レベル検知部70が外部の運動装置としてのエルゴメーターからの信号を受信する。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、運動レベル検知部70が外部の運動装置としてのトレッドミルからの信号を受信する。要するに、外部の運動装置は、負荷強度を測定でき、かつ負荷強度を運動状態測定装置1に送信できるものであれば、いずれの外部の運動装置を用いることもできる。また、運動強度に関する情報を、運動装置または被測定者に加速度センサーを取り付け、運動レベル検知部70に出力することもできる。
・実施形態の運動状態測定装置1は、運動レベル検知部70を有する。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、運動レベル検知部70を省略している。
・実施形態の運動状態測定装置1は、表示部50および操作部40を有する。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、表示部50および操作部40を省略している。この場合、演算部10とエルゴメーターとを無線通信により接続し、エルゴメーターの表示部および操作部を表示部50および操作部40として用いることもできる。
・実施形態の運動状態測定装置1は、警告部60を有する。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、警告部60を省略している。
・実施形態の運動状態測定装置1は、運動強度Xを演算した。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、有酸素代謝と無酸素代謝との比率を演算する。このため、被測定者は、有酸素代謝と無酸素代謝との比率に基づいて目的に応じた適切な運度を行うことができる。
なお、有酸素代謝と無酸素代謝との比率は、予め準備された脱酸素化ヘモグロビン濃度と呼気ガス分析により得られた呼吸商との関係マップを用いて演算される。演算部10は、演算した脱酸素化ヘモグロビン濃度を関係マップにプロットし、対応する呼吸商を演算する。一般的に「0.71〜0.85」の呼吸商の値は、有酸素(脂質)代謝を示し、「0.85〜1.0」の呼吸商の値は無酸素(糖質)代謝を示している。このため、演算部10は、演算した呼吸商の値に応じて有酸素(脂質)代謝と無酸素(糖質)代謝の比率を計算することができる。この変形例によれば、有酸素代謝と無酸素代謝の比率がわかる。このため、ダイエットや運動能力向上のためのトレーニングなど、目的に応じた運動状態の設定をすることができる。
・各実施形態の運動状態測定装置1は、760nm、805nm、および840nmの3つの波長を用いて脱酸素化ヘモグロビン濃度を測定する。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、760nmおよび840nmの2つの波長を用いて酸素化ヘモグロビン濃度を演算する。この場合、発光部21は、760nmおよび840nmの2波長のマルチLEDが用いられる。また、760nm、805nm、および840nmとは異なる波長を用いて脱酸素化ヘモグロビン濃度を測定することもできる。要するに、脱酸素化ヘモグロビン濃度を測定できる運動状態測定装置1であれば、用いる波長および演算方法は適宜変更することができる。
・各実施形態の運動状態測定装置1は、酸素化ヘモグロビン濃度を演算している。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、酸素化ヘモグロビン濃度を演算しない。この場合、脱酸素化ヘモグロビン濃度の演算方法は適宜変更される。例えば、脱酸素化ヘモグロビン濃度と1または複数の波長の吸光度との関係を用いた演算式により脱酸素化ヘモグロビン濃度を演算することができる。
・各実施形態の測定部20は、LEDを用い、発光部21から照射する近赤外光を特定波長に制限している。ただし、測定部20の構成はこれに限られない。例えば、変形例の測定部20は、ハロゲン光源を用い、受光部22にフィルターまたは分光器を備えることにより、受光素子が受光する近赤外光を特定波長に制限している。
・実施形態の運動状態測定装置1は、下肢に装着される。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、上肢に装着される。要するに、測定部20を筋肉と対向する部位に配置できる構成であれば、いずれの構成を採用することもできる。
・実施形態の運動状態測定装置1は、サポーター部材30を有する。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、サポーター部材30を省略している。この場合、測定部20は、テープ等を用いて皮膚に貼り付けられる。
・実施形態の運動状態測定装置1は、測定部20を外側広筋と対向する部分に配置している。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、測定部20を直筋、内側広筋、または中間広筋と対向する部分に配置する。また、下腿の筋肉、上腕の筋肉、下腕の筋肉に配置することもできる。要するに、運動状態測定装置1は、目的に応じていずれの筋肉と対向する位置に測定部20を配置するように変更することができる。
・実施形態の運動状態測定装置1は、測定部20を筋腹と対向する部分に配置している。ただし、運動状態測定装置1の構成はれこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、測定部20を筋頭または筋尾と対向する部分に配置している。
・各実施形態の運動状態測定装置1は、表示部50に測定結果としての運動強度Xを表示する。ただし、運動状態測定装置1の構成はこれに限られない。例えば、変形例の運動状態測定装置1は、表示部50に測定結果としての差分ΔDHbを表示する。この場合、差分ΔDHbは、「運動状態」に相当する。
(実施形態の記載に基づく付記事項)
上記実施形態に記載の事項を上位概念化した事項を以下に記載する。
(付記1)被測定者に取り付けられ、近赤外光を照射する発光部と、血中を通過した前記近赤外光を受光する受光部とを有し、前記受光部が受光した近赤外光に応じた信号を出力する測定部と、前記測定部の出力に基づいて脱酸素化ヘモグロビン濃度を演算し、安静時の前記脱酸素化ヘモグロビン濃度との差分を運動状態として演算する演算部とを備える運動状態測定装置。
1…運動状態測定装置、10…演算部、20…測定部、21…発光部、22…受光部、60…警告部、70…運動レベル検知部。

Claims (4)

  1. 被測定者に取り付けられ、近赤外光を照射する発光部と、血中を通過した前記近赤外光を受光する受光部とを有し、前記受光部が受光した近赤外光に応じた信号を出力する測定部と、
    前記測定部の出力に基づいて脱酸素化ヘモグロビン濃度を演算し、酸素化ヘモグロビン濃度は用いずに、かつ、前記被測定者の運動時の脱酸素化ヘモグロビン濃度と前記被測定者の安静時の脱酸素化ヘモグロビン濃度との差分に基づいて運動状態を演算する演算部と
    を備える運動状態測定装置。
  2. 被測定者に取り付けられ、近赤外光を照射する発光部と、血中を通過した前記近赤外光を受光する受光部とを有し、前記受光部が受光した近赤外光に応じた信号を出力する測定部と、
    前記測定部の出力に基づいて脱酸素化ヘモグロビン濃度を演算し、前記脱酸素化ヘモグロビン濃度を用い、かつ酸素化ヘモグロビン濃度は用いずに運動状態を演算する演算部と
    被測定者の運動レベルを検知する運動レベル検知部とを有し、
    前記演算部は、前記運動レベル検知部により検知される前記運動レベルが所定時間にわたり所定の範囲内の状態において前記脱酸素化ヘモグロビン濃度が低下するとき、低酸素状態である旨を判定する
    運動状態測定装置。
  3. 前記運動状態測定装置は、警告部を有し、
    前記警告部は、前記演算部により低酸素状態である旨が判定されたとき、被測定者に警告する
    請求項1または2に記載の運動状態測定装置。
  4. 前記演算部は、前記運動状態としての有酸素代謝と無酸素代謝との比率を演算する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の運動状態測定装置。
JP2013109858A 2013-05-24 2013-05-24 運動状態測定装置 Active JP6115312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013109858A JP6115312B2 (ja) 2013-05-24 2013-05-24 運動状態測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013109858A JP6115312B2 (ja) 2013-05-24 2013-05-24 運動状態測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014226417A JP2014226417A (ja) 2014-12-08
JP6115312B2 true JP6115312B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=52126788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013109858A Active JP6115312B2 (ja) 2013-05-24 2013-05-24 運動状態測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6115312B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021199660A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 ソニーグループ株式会社 情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラム

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016103504A1 (ja) * 2014-12-26 2016-06-30 パイオニア株式会社 生体センサ
WO2017018114A1 (ja) * 2015-07-30 2017-02-02 アルプス電気株式会社 センサモジュールおよび生体関連情報表示システム
KR102599770B1 (ko) * 2018-04-02 2023-11-08 삼성전자주식회사 대사 산물 정보에 기반하여 운동 상태와 연관된 정보를 제공하기 위한 전자 장치 및 그에 관한 방법
CN110584678A (zh) * 2019-09-06 2019-12-20 广东宝莱特医用科技股份有限公司 一种血容量变化率的测量方法和装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1331483C (en) * 1988-11-02 1994-08-16 Britton Chance User-wearable hemoglobinometer for measuring the metabolic condition of a subject
DE69229554T2 (de) * 1991-05-16 2000-02-10 Non Invasive Technology Inc Hämoglobin-messung zur bestimmung von stoffwechselgrössen einer person
US5954053A (en) * 1995-06-06 1999-09-21 Non-Invasive Technology, Inc. Detection of brain hematoma
JPH0638948A (ja) * 1992-05-28 1994-02-15 Omron Corp 運動モニター
CA2475726C (en) * 2002-02-14 2010-02-09 Toshinori Kato Apparatus for evaluating biological function
JP3914480B2 (ja) * 2002-07-30 2007-05-16 浜松ホトニクス株式会社 咀嚼モニタ装置
JP5607525B2 (ja) * 2007-07-13 2014-10-15 ユニバーシティ オブ マサチューセッツ 身体的能力のモニタリングおよびモニタ
JP4210321B1 (ja) * 2008-05-26 2009-01-14 株式会社アステム 運動負荷量監視トレーニングマシン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021199660A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 ソニーグループ株式会社 情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014226417A (ja) 2014-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100951676B1 (ko) 운동부하량 측정장치
JP6115312B2 (ja) 運動状態測定装置
US7108659B2 (en) Respiratory analyzer for exercise use
EP0441791B1 (en) Portable hemoglobinometer
Bellotti et al. Determination of maximal lactate steady state in healthy adults: can NIRS help
US20150196238A1 (en) Apparatus and method for improving training threshold
KR20100043074A (ko) 운동 성능 모니터링 및 모니터
Fabre et al. A novel approach for lactate threshold assessment based on rating of perceived exertion
US11172852B2 (en) Method for measuring physiological parameters of physical activity
US20130096401A1 (en) Wireless disposable shock trauma monitoring device
JP2014523777A5 (ja)
JP2005040608A (ja) スポーツにおけるトレーニング調整方法および装置
JP2020120910A (ja) 心臓リハビリテーション支援装置及び心臓リハビリテーション支援方法
Wang et al. Stretchable optical sensing patch system integrated heart rate, pulse oxygen saturation, and sweat pH detection
EP2818105B1 (en) Apparatus and method for the mobile determination of a physiological stress threshold value
JP2016195661A (ja) 運動効果判定方法、および運動効果判定システム
JP4210321B1 (ja) 運動負荷量監視トレーニングマシン
EP2497423A1 (en) Biometric apparatus
Montes Validation and reliability of the Hexoskin and Fitbit Flex wearable BIO collection devices
CN113854980A (zh) 腹式呼吸降压治疗仪及治疗系统
JP2014090903A (ja) 酸素濃度測定装置
Łuszczyk et al. A measurement system for children endurance tests
KR20190095034A (ko) 손목 휴대용 웨어러블 체지방 연소 테스트 기기
ES2640832B1 (es) Sensor, dispositivo, sistema y método no invasivo para determinar parámetros de entrenamiento durante la realización de un ejercicio físico
Jatobá et al. Obtaining energy expenditure and physical activity from acceleration signals for context-aware evaluation of cardiovascular parameters

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151208

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170306

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6115312

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151