JP6110994B2 - スラストリバーサロックアウト機構を有するエンジン - Google Patents

Description

本発明は、スラストリバーサロックアウト機構を有するエンジンに関する。

現代の航空機エンジンは、着陸の際に航空機の速度を低下させることを助けるスラストリバーサ作動システムを含むことができる。典型的なスラストリバーサは、アクティブ位置にある場合に、エンジンを通過する空気流の少なくとも一部を反転させる可動要素を含む。エンジンのこれらの領域のメンテナンス中には、可動部分の動きは安全のために禁止されるが、現行では、これは、可動要素への作動油流量を制御する機器の近くにいるユーザによって手動で行われる。

米国特許出願公開第２０１２／０１５１８９７号明細書

一実施形態では、本発明は、タービンエンジンと、タービンエンジンを囲むナセルであって、ナセルとタービンエンジンとの間に環状バイパスダクトを画定し、概して前方から後方へのバイパス空気流路を画定するようにターボファンエンジンを通って延在するナセルと、バイパス空気流の少なくとも一部が少なくとも部分的に反転される反転位置へおよび反転位置から移動可能な、少なくとも１つの可動制御表面を有するスラストリバーサと、複数のアクチュエータを有するスラストリバーサ作動システムであって、各アクチュエータは、少なくとも１つの可動制御表面を反転位置の中におよび反転位置の外に移動させるように少なくとも１つの可動制御表面に動作可能に結合された伸縮可能部分と、複数のアクチュエータを同期させる同期機構と、を有する、スラストリバーサ作動システムと、複数のアクチュエータの動きが阻止される禁止状態と複数のアクチュエータの動きが可能である許可状態との間で移動可能なロックアウト機構と、を備える、ターボファンエンジンに関する。

明確にするために外側ナセルの一部分を切り取ったターボファンジェットエンジンの概略図である。 例示的なスラストリバーサを有する図１のエンジンの概略図である。 図１のターボファンジェットエンジンで利用することができるスラストリバーサ作動システムの概略図である。 図３のシステムで利用することができるアクチュエータの側面図である。 ロックアウト機構が許可状態にある図４のアクチュエータの一部分の断面図である。 ロックアウト機構が中間位置にある図４のアクチュエータの一部分の断面図である。 ロックアウト機構が禁止状態にある図４のアクチュエータの一部分の断面図である。 図４のアクチュエータの一部分の断面図であって、エンジンサービスドアの位置を模式的に示す図である。

図１は、タービンエンジン１２と、ファン組立体１３と、ナセル１４と、を有するターボファンジェットエンジン組立体１０を示す。ナセル１４の部分は、明確にするために切り取られている。ナセル１４は、タービンエンジン１２を取り囲み、ジェットエンジン組立体１０を通る環状空気流路または環状バイパスダクト１６を画定して、矢印１８で模式的に示すように概して前方から後方へのバイパス空気流路を画定する。

反転位置へおよび反転位置から移動可能な少なくとも１つの可動要素を有するスラストリバーサは、バイパス空気流の方向を変更するために使用することができる。反転位置では、可動要素は、バイパス空気流の少なくとも一部を反転させるように構成することができる。ターボファンジェットエンジン組立体における反転推進力を得るためのいくつかの方法がある。図２は、ターボファンジェットエンジン組立体１０で使用することができるスラストリバーサ２０の一例を示す概略図である。スラストリバーサ２０は、少なくとも１つの可動制御表面または可動要素２２を含む。可動要素２２は、ナセル１４の前方部分に対して軸方向に移動可能な外側カウリングの摺動可能部分として示している。油圧アクチュエータ２４は、可動要素２２を反転位置の中におよび反転位置の外に移動させるように、可動要素２２に結合され得る。反転位置では、図示するように、可動要素２２は、可動要素２２とタービンエンジン１２との間の環状バイパス領域を制限し、また空気流路が矢印２８で示すように反転することができるように、可動要素２２とナセル１４の前方部分との間の部分２６を開放する。可動要素２２とナセル１４の前方部分との間の空気流路を導くのを助けるために、オプションの偏向板またはフラップを含むことができる。

スラストリバーサ２０は、バイパス空気流の少なくとも一部を反転することによって推進力の方向を変化させる。可動要素を反転位置に移動させるために、任意の数の複数のアクチュエータが利用できることが理解されるであろう。図３は、ターボファンジェットエンジン組立体１０で使用することができ、複数のアクチュエータ５２を含むスラストリバーサ作動システム５０を概略的に示し、各アクチュエータ５２は、可動要素を反転位置の中におよびその外に移動させるように、可動要素５６に動作可能に結合され得る伸縮可能部分５４を有する。複数のアクチュエータ５２は、油圧供給ライン５８および戻りライン６０に流体接続することができる。複数のアクチュエータ５２を同期させるために、同期機構６２を含むことができる。スラストリバーサ作動システム５０には任意の数の複数のアクチュエータ５２が含まれてもよく、４個のアクチュエータ５２が図示されているが、スラストリバーサ作動システム５０は、わずか２個のアクチュエータ５２を含んでもよいことが理解されよう。

図４は、アクチュエータハウジング７４を有するシリンダ７２を備えるアクチュエータ７０を示し、それはスラストリバーサ作動システム５０で使用することができる。可動要素への連結を容易にするために端部組立体７６を設けることができ、縮んだ位置および部分的に伸びた位置（仮想線）で示してある。図５は、アクチュエータ７０の一部分の断面を示す。ピストン７８は、シリンダ７２内で軸方向に移動可能であり、リードスクリュー８０に結合することができる。リードスクリュー８０およびピストン７８は、アクチュエータ７０の伸縮可能部分を形成すると考えることができる。リードスクリュー８０の一方の端部８２は、アクチュエータハウジング７４内の好適なベアリング８４で保持することができる。ピストン７８がシリンダ７２内を往復運動すると、リードスクリュー８０は、ピストン７８の速度に比例した速さで回転する。ピストン７８が伸びると、端部組立体７６も伸びて、スラストリバーサの可動要素が移動する。ピストン７８は、可動要素に端部組立体７６を取り付けることによって反回転される。

同期機構９０は、リードスクリュー８０に動作可能に結合することができる。より具体的には、ウォームギヤシャフト９２が、ウォームホイール９４を介してリードスクリュー８０に結合することができ、複数のアクチュエータ７０間の同期機構９０を形成することができる。スラストリバーサ作動システム５０の各アクチュエータ７０は同様の構成要素を含むことができ、各アクチュエータ７０のウォームギヤシャフト９２は互いに結合することができる。ウォームギヤシャフト９２の速さもまたピストン７８の速度に比例するので、２つ以上のアクチュエータ７０のウォームギヤシャフト９２が互いに連結されている場合には、それらは機械的に同期する。

アクチュエータ７０は、ロックアウト機構１００によって所定の位置にロックすることができる。ロックアウト機構１００は、リードスクリュー８０に選択的に結合することができ、複数のアクチュエータ７０の動きが阻止される禁止状態（図７）と複数のアクチュエータ７０の動きが可能である許可状態（図５）との間で移動可能とすることができる。ロックアウト機構１００の一部分を形成するピストン１０２は、リードスクリュー８０の端部８２に向かっておよびそれから離れるようにアクチュエータハウジング７４内で軸方向に移動可能とすることができる。ピストン１０２は、油圧アクチュエータ７０の許可状態（図５）に対応する第１の位置と、ピストン１０２がリードスクリュー８０の端部８２に選択的に結合し、油圧アクチュエータ７０および同期機構９０の禁止状態（図７）に対応する第２の位置と、の間で移動可能とすることができる。ピストン１０２は、任意の好適な方法でリードスクリュー８０に選択的に結合することができる。図示した実施例では、ピストン１０２は、リードスクリュー８０の対応する歯１０６などのリードスクリュー８０の部分を係合する歯１０４を含む。

ハンドル１１０は、ピストン１０２に動作可能に結合され、第１の位置と第２の位置との間でピストン１０２を動かすことができる。ハンドル１１０は、任意の好適な方法で形成することができ、任意の好適な方法でピストン１０２と動作可能に結合することができる。図示した実施例では、ハンドル１１０は、回転可能リンク１１２を介してピストン１０２に動作可能に結合されている。ハンドル１１０は、ロックアウト機構１００が許可状態にある第１の位置（図５）とロックアウト機構１００が禁止状態にある第２の位置（図７）との間で移動可能である。ハンドル１１０が第１の位置にある場合に、ユーザが図６に示す中間位置に引っ張ることができる。図７に示すように、ハンドル１１０が第２の位置に移動した場合に回転可能リンク１１２がオーバーセンター位置に回転するまで、ハンドル１１０を引っ張り続けることができる。

付勢要素１２０は、第２の位置へのハンドル１１０の動きに抵抗することができ、リードスクリュー８０から離れるようにピストン１０２を付勢することができる。付勢要素は、ばねを含む任意の好適な付勢要素を含むことができる。ハンドル１１０が第２の位置に移動すると、付勢要素１２０は、リンク１１２をオーバーセンター位置に付勢することができる。このように、付勢要素１２０は、ロック要素を形成する。

スラストリバーサの可動要素の動きを禁止したい場合には、ユーザがハンドル１１０を操作して、ロックアウト機構１００を禁止状態にすることができる。ロックアウト機構１００が禁止状態にある場合には、ピストン１０２がリードスクリュー８０と動作可能に結合して、リードスクリュー８０の回転を阻止する。より具体的には、ピストン１０２の歯１０４がリードスクリュー８０の歯１０６と係合し、リードスクリュー８０の回転を阻止する。リードスクリュー８０の回転が阻止されるので、ウォームギヤシャフト９２および他のアクチュエータ７０の動きも禁止される。

このようにして、ロックアウト機構が禁止状態にある場合には、複数のアクチュエータ７０の動きは同期機構９０により阻止される。ウォームギヤシャフト９２がリードスクリュー８０に結合されており、２つ以上のそのようなアクチュエータ７０のウォームギヤシャフト９２が互いに連結されているので、ロックアウト機構１００は他のアクチュエータ７０の動きを阻止することができる。このように、ロックアウト機構１００は、同期機構に動作可能に結合された複数のアクチュエータの各々をロックアウトする。

ロックアウト機構１００を解放するために、ユーザは付勢要素１２０によって生成された力に打ち勝つように単にハンドル１１０を押すことができる。付勢要素１２０は、リードスクリュー８０から離れるようにピストン１０２を押し続けることができ、そのようにして歯１０４および１０６を切り離して、ロック機構を解放することができる。ロックアウト機構１００が許可状態になると、アクチュエータ７０を移動可能にすることができる。

図８は、ハンドル１１０に隣接して位置することができ、閉位置（図示するように）と開位置（仮想線で示す）との間で移動可能とすることができるドア１３０を示す。開位置では、ドア１３０はハンドル１１０へのアクセスを提供することができる。ハンドル１１０がロックアウト機構１００の禁止状態に対応する第２の位置に置かれたままになっている場合には、ドア１３０を閉位置に動かすと、ドア１３０が付勢要素１２０に打ち勝つ十分な力でハンドル１１０に接触して、ハンドル１１０を第１の位置に戻すことができる。これによって、ロックアウト機構１００が許可状態に戻り、リードスクリュー８０が回転して、アクチュエータ７０が動作することができる。このように、ドア１３０が閉じられると、ロックアウト機構１００が自動的にアンロックされる。

以上説明した実施形態は、乗員の安全のためにスラストリバーサの可動要素の動きを禁止することができることを含む種々の利点を提供する。以上説明した実施形態は、取付けおよび重量に対する影響を最小にしながら、メンテナンス時の安全性を高めることができる。

この明細書は、本発明を開示するために実施例を用いており、最良の形態を含んでいる。また、いかなる当業者も本発明を実施することができるように実施例を用いており、任意のデバイスまたはシステムを製作し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到するその他の実施例を含むことができる。このような他の実施例が請求項の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、または、それらが請求項の文字通りの言葉と実質的な差異がなく等価な構造要素を含む場合には、このような他の実施例は特許請求の範囲内であることを意図している。

１０ ターボファンジェットエンジン組立体
１２ タービンエンジン
１３ ファン組立体
１４ ナセル
１６ 環状バイパスダクト
１８ 矢印
２０ スラストリバーサ
２２ 可動要素
２４ 油圧アクチュエータ
２６ 部分
２８ 矢印
５０ スラストリバーサ作動システム
５２ アクチュエータ
５４ 伸縮可能部分
５６ 可動要素
５８ 油圧供給ライン
６０ 戻りライン
６２ 同期機構
７０ アクチュエータ
７２ シリンダ
７４ アクチュエータハウジング
７６ 端部組立体
７８ ピストン
８０ リードスクリュー
８２ 端部
８４ ベアリング
９０ 同期機構
９２ ウォームギヤシャフト
９４ ウォームホイール
１００ ロックアウト機構
１０２ ピストン
１０４ 歯
１０６ 歯
１１０ ハンドル
１１２ 回転可能リンク
１２０ 付勢要素
１３０ ドア

Claims (12)

1. タービンエンジン（１２）と、
   前記タービンエンジン（１２）を囲むナセル（１４）であって、前記ナセル（１４）と前記タービンエンジン（１２）との間に環状バイパスダクト（１６）を画定し、概して前方から後方へのバイパス空気流路を画定するようにターボファンエンジン（１０）を通って延在するナセル（１４）と、
   前記バイパス空気流の少なくとも一部が少なくとも部分的に反転される反転位置へおよび前記反転位置から移動可能な、少なくとも１つの可動制御表面（２２、５６）を有するスラストリバーサ（２０）と、
   複数のアクチュエータ（５２）を有するスラストリバーサ作動システム（５０）であって、各アクチュエータ（５２）は、前記少なくとも１つの可動制御表面（２２、５６）を前記反転位置の中におよび前記反転位置の外に移動させるように前記少なくとも１つの可動制御表面（２２、５６）に動作可能に結合された伸縮可能部分（５４）と、前記複数のアクチュエータ（５２）を同期させる同期機構（６２）と、を有する、スラストリバーサ作動システム（５０）と、
   前記複数のアクチュエータ（５２）のうちの１つの前記伸縮可能部分（５４）に選択的に結合され、前記複数のアクチュエータ（５２）の動きが阻止される禁止状態と前記複数のアクチュエータ（５２）の動きが可能である許可状態との間で移動可能なロックアウト機構（１００）と、
   ドア（１３０）と、
   を備え、
   前記ロックアウト機構（１００）は、前記禁止状態と前記許可状態との間で前記ロックアウト機構（１００）を動かすためのハンドル（１１０）を備え、
   前記ドア（１３０）は、前記ハンドル（１１０）に隣接して位置し、閉位置と開位置との間で移動可能であり、
   前記ドア（１３０）が前記閉位置へ移動する場合に、前記ドア（１３０）は前記ロックアウト機構（１００）を前記許可状態に移動させるように前記ハンドル（１１０）に接触する、
   ターボファンエンジン（１０）。
2. 前記ロックアウト機構（１００）は、第１の位置と第２の位置との間で軸方向に移動可能なピストン（１０２）をさらに備え、前記ピストン（１０２）は前記伸縮可能部分（５４）と選択的に結合する、請求項１に記載のターボファンエンジン（１０）。
3. 前記ハンドル（１１０）は、前記ピストン（１０２）に動作可能に結合され、前記ハンドル（１１０）は、前記ロックアウト機構（１００）が前記許可状態にある第１の位置と、前記ロックアウト機構（１００）が前記禁止状態にある第２の位置と、の間で移動可能である、請求項２に記載のターボファンエンジン（１０）。
4. 前記伸縮可能部分（５４）は、リードスクリュー（８０）をさらに備える、請求項２または３に記載のターボファンエンジン（１０）。
5. 前記ロックアウト機構（１００）が前記禁止状態にある場合には、前記ピストン（１０２）は前記リードスクリュー（８０）と動作可能に結合し、前記リードスクリュー（８０）の回転を阻止する、請求項４に記載のターボファンエンジン（１０）。
6. 前記ピストン（１０２）は、前記ピストン（１０２）が前記禁止状態に対応する前記第２の位置にある場合に、前記リードスクリュー（８０）の部分と係合して前記リードスクリュー（８０）の回転を阻止する歯（１０４）を備える、請求項５に記載のターボファンエンジン（１０）。
7. 前記ロックアウト機構（１００）は、前記第２の位置への前記ハンドル（１１０）の動きに抵抗する付勢要素（１２０）をさらに備える、請求項１から６のいずれかに記載のターボファンエンジン（１０）。
8. 前記ハンドル（１１０）は、回転可能リンク（１１２）を介して前記ピストン（１０２）に動作可能に結合される、請求項２から７のいずれかに記載のターボファンエンジン（１０）。
9. 前記ハンドル（１１０）が前記第２の位置へ移動する場合に、前記リンク（１１２）はオーバーセンター位置に回転可能である、請求項８に記載のターボファンエンジン（１０）。
10. 前記ロックアウト機構（１００）は、前記ピストン（１０２）を前記オーバーセンター位置に付勢する付勢要素（１２０）をさらに備える、請求項９に記載のターボファンエンジン（１０）。
11. 前記同期機構（６２）は、前記リードスクリュー（８０）に動作可能に結合される、請求項４に記載のターボファンエンジン（１０）。
12. 前記ロックアウト機構（１００）は、前記同期機構（６２）に動作可能に結合された前記複数のアクチュエータ（５２）の各々をロックアウトする、請求項１から１１のいずれかに記載のターボファンエンジン（１０）。