JP6103881B2 - 照明器具 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば、発光ダイオードを用いた照明器具の発光面における明るさの均一性を向上させることを主な目的とする。
光を反射する反射面と、
光を透過する透過面と、
反射面と透過面との間に配置され透過面に向けて光を発光する複数の発光ダイオード(LED)と
を備え、
複数のLEDは光の発光方向から見てマトリクス状に配列され、
行方向及び列方向の少なくともいずれかの方向に隣り合うLEDの反射面からの高さが異なっており、
隣り合うLEDの間隔を、LED間隔X(m)とし、
反射面と透過面との間隔を、器具厚さK(m)とし、
反射面から離れて取り付けられた発光ダイオードの反射面からの高さを、LED高さL(m)とし、
器具厚さKに対するLED高さLの割合を、高さ比Yとした場合、
高さ比Y=LED高さL÷器具厚さK
であり、高さ比Yが、
Y≦−2.3333X+0.8
Y≧−0.1667X+0.1
ただし、X>0.1
の範囲にあることを特徴とする。
(照明器具の構成)
図1は、照明器具の構成の例を示す図である。
照明器具100は、反射面50と側面55と透過面60とを備える。
なお、図1は、透過面60と、側面55のうちの前面とを透視して示している(以降で説明の図3も同様)。照明器具100の前後は、説明の便宜上、図1に示す矢印の方向とする。
反射面50と側面55と透過面60とは、ガラスや樹脂などである。また、反射面50と側面55とは金属であってもよい。
なお、照明器具100の側部(図1において側面55が有る部分)への光の漏れが不問である場合などは、反射面50と透過面60とは例えば柱のようなもので固定されていればよく、側面55は無くてもよい。
なお、器具厚さKは、反射面50と透過面60との間隔である。
照明器具100が看板である場合は、透過面60が看板面に対応し、透過面60の外側の面(以降、透過面60の外側の面を「透過面60の外側面」と称する)に絵柄や文字などが描かれる。
ここで、「外側」とは、照明器具100の外側を示し、内側とは照明器具100の内側を示す(以降の説明においても同様)。
LED70は、モジュール化された例えば看板用LEDモジュールであってもよい。
複数のLED70は光の発光方向から見て(透過面60側から反射面50を見て)マトリクス状に配列される。すなわち、複数のLED70は複数の行と複数の列とに配置される。
図1の例では、LED70が、4列×4行で配置されている。
照明器具100が看板である場合は、LED70から発光された光と、LED70から発光された光が反射面50で反射された光とが看板面である透過面60を照らす。
そして、透過面60の外側面が発光面(照射面)となり、透過した光により透過面60の外側面が明るくなる。
以降、透過面60の明るさ(透過面60の照度)とは、透過面60の外側面の明るさ(透過面60の外側面の照度)を示す。
図2は、LEDの指向特性を示す図である。
本実施の形態の照明器具100は、図2の指向特性を有するLED70を備える。
なお、相対照度が0.5になる角度を配向角と称するが、LED70は、図2に示すように、中心(0度)に対して片側60度、すなわち中心(0度)に対して両側で120度の配向角を有する。
LED70は、例えば日亜化学工業株式会社製のNS6W083である。
図3は、LEDの高さを変えた照明器具の第1の例の構成を示す図である。
照明器具100の第1の例は、図1と同様に4列×4行でLED70が配置されている。すなわち、LED70は16個配置されている。
そして、例えば、2列目と4列目(偶数列)のLED70を反射面50から離れて取り付ける。つまり、図示するように、偶数列のLED70の反射面50からの高さを、LED高さL(m)とする。
そして、1列目と3列目(奇数列)のLED70は反射面50に取り付ける。
例えば、LED70の筺体自体に高さが有り、LED70の実装面(取り付け面)の高さとLED70の発光面の高さとに高低差がある場合は、LED70の実装面に当該高低差を加えたものがLED高さとなる。
一方、本実施の形態のLED70は面実装部品であり、部品自体の高さは例えば0.001m程度である。そして、LED70自体の高さは、器具厚さK(例えば0.1m〜0.4m)やLED高さL(例えば0.02m〜0.08m)に比べ、非常に小さい。また、LED70の発光面は部品内部に有るため、LED70の実装面の高さとLED70の発光面の高さとの高低差は、部品自体の高さよりも更に小さくなる。
その為、LED70が面実装部品である場合は、LED70の実装面の高さをLED高さとしてもよい。
例えば、奇数列のLED70は、反射面50の上に取り付けられるが、奇数列のLED70の反射面50からの高さ(LED高さL)は、0m(ゼロメートル)としてよい。
図4は、反射面50を平面視した図である。
器具長さUと器具幅Wとは、1.0mである。すなわち、反射面50は正方形である。
そして、隣り合うLED70の間隔であるLED間隔Xは、0.3mである。
また、反射面50の辺と最外のLED70との距離Dは、0.05mである。
前述の通り、2列目と4列目(偶数列)のLED70を反射面50から離れて取り付ける(かさ上げする)。そして、1列目と3列目(奇数列)のLED70は反射面50に取り付ける。
すなわち、列方向の隣り合うLED70の反射面50からの高さを異ならせる。
すなわち、行方向の隣り合うLED70の反射面50からの高さを異ならせる。
更に、1行目および3行目(奇数行)のLED70を反射面50から離れて取り付け、2行目および4行目(偶数行)のLED70は反射面50に取り付けてもよい。
なお、前述の通り、奇数列もしくは偶数行もしくは奇数行のLED70がLED高さLで取り付けられてもよい。
このLED高さLの設定根拠となる実験結果を次に説明する。
前述の通り、照明器具100の第1の例は、LED間隔Xが0.3mである。
そして、側面55は光の反射がない開放状態である。照明器具100において、前述の通り実際に側面55は無くてもよいし、例えば側面55は光を反射しない材料や、光を反射しない加工(例えば、光を反射しない塗料の塗布など)がされていてもよい。
同じLED高さLで比較した場合(例えば、LED高さLが0mの場合)、器具厚さKが薄い方が、LED70が透過面60に近づく為、平均照度は上昇する。
ここで、LED高さLが0mの場合、すなわち、全てのLED70が反射面50に取り付けられている状態における平均照度を基準値としている。
そして、基準値よりも平均照度の値が上昇しているのが、図6(a)の太枠内である。
一方、器具厚さKが厚い方が、LED70が透過面60から遠くなる為、個々のLED70の光が個別に視認されにくくなり、標準偏差(光の均一性)が向上する。すなわち、器具厚さKによって、標準偏差(光の均一性)は変化する。
そして、基準値よりも照度の標準偏差が小さくなっている、すなわち光の均一性が向上しているのが、図6(b)の太枠内である。
図6(c)において、太枠内が「OK」である。
換言すると、LED間隔X=0.3m(照明器具100の第1の例)の場合は、照明器具100の器具厚さKは0.3mとし、LED高さLは0.02mとすればよい。
あるいは、LED間隔X=0.3m(照明器具100の第1の例)の場合は、照明器具100の器具厚さKは0.4mとし、LED高さLは0.02m≦LED高さL≦0.04mとすればよい。
一方、LED間隔X=0.3m(照明器具100の第1の例)の場合、光の均一性を向上させる為には、照明器具100の器具厚さKは0.4mとし、LED高さLは0.02m≦LED高さL≦0.04mとするのが好適である。更には、器具厚さK=0.4m、かつ、0.02m≦LED高さL≦0.04mの条件のうち、平均照度がより向上するLED高さL=0.04mがより望ましい。
図7は、図5のA−A断面を示している。すなわち図7には、行方向における光の照射状態が示されている。また、図7の透過面60に示す数字は、透過面60に照射されている光の発光源であるLED70の数を意味する。
そして、図7(a)は、LED70が反射面50に取り付けられている状態、すなわち、LED高さLが0mの状態(基準状態)である。この状態における平均照度が照明器具100の第1の例における平均照度の基準値となり、この状態における光の均一性が照明器具100の第1の例における光の均一性の基準値となる。
図7(a)の場合、図6(b)に示すように、光の均一性(標準偏差)は、80ルクスである。
一方、同じ器具厚さKで比較した場合、LED高さLにより標準偏差(光の均一性)は変化する。
当然ながら、1個のLED70から光が照射されている部分が明るく、光が照射されていない部分が暗い。
そして、この明暗により、照度が不均一になる(照度の標準偏差が悪化する)。
そして、所定の放射角は、60度(LED70の中心に対して片側30度)とする(以降の説明においても同様)。
すなわち、器具厚さK=0.2mの場合は、LED高さLを変えても光の均一性は悪化する。器具厚さK=0.1mの場合も同様。
なお、図7においては、行方向(図5のA−A断面)のみを説明したが、次に、列方向、更には、マトリクス状の対角方向についても説明を行う。
図8は、光の発光方向(図7(a)に示す透過面60の外側)から透過面60を見た図である。なお、実線の円が、LED70の所定の放射角による照射部分を示し、点線の円が、透過面60の内側に設置されているLED70を示す(後述の図11、図12も同様)。
そして、図5に示すLED70a〜LED70dによる照射部分を例に説明を進める。
その為、例えば、図8(b)に示す通り、LED70bとLED70dとのLED高さL=0.08mとすると、LED70bとLED70dとの照射部分が小さくなり、光が照射されていない部分の範囲が広がる。なお、前述の通り、LED高さL=0.02m〜0.06mにおいても同様である。
すなわち、前述の通り、器具厚さK=0.2mの場合は、LED高さLを変えても光の均一性は悪化する。器具厚さK=0.1mの場合も同様。
そして、行方向に隣り合うLEDによる照射部分間の距離を「E」とすると、「距離E=LED間隔X−(A+B)」となる。
なお、行方向に隣り合うLEDの照射部分が重なる場合、距離Eはマイナスの値となる。一方、行方向に隣り合うLEDの照射部分間に光が照射されていない部分が有る場合、距離Eはプラスの値となる。
更には、マトリクス状の対角方向に隣り合うLEDによる照射部分間の距離を「G」とすると「距離G=(√2)×LED間隔X−(A+B)」となる。ここで「√2」は、2の平方根(ルート2)を意味する。距離E及び距離Fと同様に、対角方向に隣り合うLEDの照射部分が重なる場合、距離Gはマイナスの値となる。一方、対角方向に隣り合うLEDの照射部分間に光が照射されていない部分が有る場合、距離Gはプラスの値となる。
器具厚さK=0.2mにおいて、距離E、距離F、距離Gを計算した結果を説明する。
図9における太枠は、図6(c)において、「OK」を示す太枠と同じである。
そして、前述の通り、LED高さLを変えても(大きくしても)、距離E、距離F、距離Gは広がる。そして、図8(b)に示すLED高さL=0.08mの状態では、距離E=0.12m、距離F=0.16m、距離G=0.24mまで広がる為、光の均一性は悪化する。
図10は、照明器具の第1の例における器具厚さK=0.3mの場合の光の照射状態を示す図である。図10(a)は基準状態を示す図、図10(b)はLED70がLED高さL=0.02mに設置された状態を示す図、図10(c)は、LED70がLED高さL=0.08mに設置された状態を示す図である。
図10も図7と同様に、図5のA−A断面を示す。
1個のLED70から光が照射されている部分よりも2個のLED70から光が照射されている部分の方が明るく、この明るさの差により、光が不均一になる(照度の標準偏差が悪化する)。
ただし、図10(a)の例では、2個のLED70から光が照射されている部分の面積が微小である為、照度の標準偏差は顕著に悪化しておらず、図6(b)に示す通り、標準偏差は、72ルクスである。
この場合、偶数列のLED70が透過面60に近づくことに起因する光の均一性の悪化よりも、重複部分が少なくなることに起因する光の均一性の改善の効果の方が大きい。
なお、奇数列のLED70をLED高さLとした場合も同様である。この場合、偶数列のLED70のLED高さを0mとする。
しかし、重複部分が消滅した状態から、更に、LED高さLを高くすると、光が照射されていない部分が生じ、光の均一性が悪化する。
このように、器具厚さKに応じてLED高さLを最適化することで、光の均一性に優れた照明器具100が得られる。
なお、図10においては、行方向(図5のA−A断面)のみを説明したが、次に、列方向、更には、マトリクス状の対角方向についても説明を行う。
更には、列方向に隣り合う2つのLED70aとLED70cとにより、重複部分が生じている。また、列方向に隣り合う2つのLED70bとLED70dとにより、重複部分が生じている。
一方、対角方向に隣り合うLEDの照射部分間には、光が照射されていない部分が有る。
その為、図9に示す通り、距離E=−0.05m、距離F=−0.05m、距離G=0.08mである。
すなわち、LED高さL=0.02mよりも大きく、LED高さL=0.04m未満のLED高さLにおいて、列方向に隣り合う2つのLEDによる重複部分が最初に消滅している。そして、LED高さL=0.04mにおいては、列方向に隣り合うLEDの照射部分間に光が照射されていない部分が生じている。
また、図11(b)の一点鎖線は、LED高さL=0.08mの場合を示すが、この場合、行方向に隣り合う2つのLEDによる重複部分も列方向に隣り合う2つのLEDによる重複部分の次に消滅している。
そして、図11(b)において、3つのLEDのうち2つのLED(LED70b及びLED70d)の高さが反射面50から高くなっている。そして、この2つのLED(LED70b及びLED70d)の高さがLED高さL=0.02mに設定される必要がある。
すなわち、3つのLEDのうちの2つのLEDの高さは、当該2つのLEDの高さを反射面50から高くすることにより重複部分のいずれかが最初に消滅する高さ以下に設定される。
図12は、照明器具の第1の例における器具厚さK=0.4mの場合の透過面における照射部分を示す図である。図12(a)は基準状態を示す図、図12(b)は偶数例のLED70が高く設置された状態を示す図である。
図12を用いて、器具厚さK=0.4mの場合の行方向、列方向、マトリクス状の対角方向の照射状態について説明を行う。
なお、図が分かりづらくなる為、LED70bの照射部分とLED70cの照射部分とを破線で示しているが、LED70aの照射部分もしくはLED70dの照射部分と特に区別されるものではない。
更には、列方向に隣り合う2つのLED70aとLED70cとにより、図11(a)と同様に、重複部分が生じている。また、列方向に隣り合う2つのLED70bとLED70dとにより、図11(a)と同様に、重複部分が生じている。
なお、図12(a)において、図が分かりづらくなる為、図11(a)と同様の重複部分については、引き出し線を用いての説明を省略している。
図9に示す通り、距離E=−0.16m、距離F=−0.16m、距離G=−0.04mと全てマイナスの値である。
その為、LED高さLは、重複部分のいずれかが最初に消滅する高さ以下に設定される必要がある。
ここで、3つの重複部分とは、LED70aとLED70cとによる重複部分、LED70cとLED70dとによる重複部分、LED70aとLED70dとによる重複部分である。
そして、図12(b)において、3つのLEDのうち1つのLED(LED70d)の高さが反射面50から高くなっている。そして、この1つのLED(LED70d)の高さがLED高さL=0.04mに設定される必要がある。
すなわち、3つのLEDのうちの1つのLEDの高さは、当該1つのLEDの高さを反射面50から高くすることにより重複部分のいずれかが最初に消滅する高さ以下に設定される。
次に、照明器具100の第2の例を説明する。なお、照明器具100の第1の例と同じ部分については説明を省略する。
照明器具100の第2の例は、5列×5行でLED70が配置されている。すなわち、LED70は25個配置されている。
そして、2列目および4列目(偶数列)のLED70を反射面50からの高さがLED高さL(m)になるように、反射面50から離れて取り付ける。
そして、1列目および3列目および5列目(奇数列)のLED70は反射面50に取り付ける。
更に、奇数列のLED70を反射面50から離れて取り付け、偶数列のLED70は反射面50に取り付けてもよい。また、奇数行のLED70を反射面50から離れて取り付け、偶数行のLED70は反射面50に取り付けてもよい。
また、反射面50の辺と最外のLED70との距離Dは、0.1mである。
なお、前述の通り、奇数列もしくは偶数行もしくは奇数行のLED70がLED高さLで取り付けられてもよい。
このLED高さLの設定根拠となる実験結果を次に説明する。
換言すると、LED間隔X=0.2m(照明器具100の第2の例)の場合は、照明器具100の器具厚さKは0.2mとし、LED高さLは0.02m≦LED高さL≦0.04mとすればよい。
あるいは、LED間隔X=0.2m(照明器具100の第2の例)の場合は、照明器具100の器具厚さKは0.3mとし、LED高さLは0.02m≦LED高さL≦0.08mとすればよい。
一方、LED間隔X=0.2m(照明器具100の第2の例)の場合、光の均一性を向上させる為には、照明器具100の器具厚さKは0.3mとし、LED高さLは0.02m≦LED高さL≦0.08mとするのが好適である。更には、器具厚さK=0.3m、かつ、0.02m≦LED高さL≦0.08mの条件のうち、平均照度と光の均一性とがより向上するLED高さL=0.08mがより望ましい。
図15における太枠は、図14(c)において、「OK」を示す太枠と同じである。
ここで、図15(b)において、LED高さL=0.02mから0.04mの間で、重複部分が消滅しているが、判定結果は「OK」となっている。
器具厚さK=0.2mの場合、LED70と透過面60との距離が近く、透過面60におけるLED70の照度の絶対値が大きい。その為、放射角60度の光が照射されていない部分が小さい場合には、放射角60度以上の光(放射角60度以内の光よりも照度が弱い光)が当該放射角60度の光が照射されていない部分に照射されることで、光の均一性が保たれているものと考えられる。
なお、図14の実験結果では、LED高さL=0.08mで実験を打ち切っているが、図15(c)に示すように、LED高さL=0.10mまで対角方向の重複部分は存在する。
その為、器具厚さK=0.3mの場合、LED高さLは0.02m≦LED高さL≦0.08mとすればよい。
図16は、図13のA−A断面を示している。
当然ながら、1個のLED70から光が照射されている部分よりも2個のLED70から光が照射されている部分の方が明るく、2個のLED70から光が照射されている部分よりも3個のLED70から光が照射されている部分の方が明るい。そして、特に3個のLED70による重複部分が有ることにより、光が不均一になる(照度の標準偏差が悪化する)。
そして、基準状態(LED高さL=0m)において、反射面50に取り付けられるLED70eとLED70gとにより重複部分が生じている。その重複部分にLED70fの光が照射されることで、3個のLED70による重複部分が生じている。
そして、図16(b)に示すように、例えば偶数列のLED70fをLED高さL=0.02mとし、透過面60に近づけても、反射面50に取り付けられたLED70eとLED70gとによる重複部分は変わらない。更に、LED70eとLED70gとによる重複部分にLED70fの光が照射され、3個のLED70による重複部分が生じている状態は変わらない。むしろ、LED70fが透過面60に近づくことにより、3個のLED70による重複部分の照度が増して、光の均一性が悪化する。
すなわち、基準状態(LED高さL=0m)において、反射面50に取り付けられるLED(例えばLED70eとLED70g)による重複部分が存在し、その重複部分に反射面50から離れて取り付けられるLED(例えばLED70f)により光が照射され、3個のLED70による重複部分が生じている場合は、LED高さLを変えても、光の均一性が改善しない。
次に、照明器具100の第3の例を説明する。なお、照明器具100の第1の例と同じ部分については説明を省略する。
照明器具100の第3の例は、10列×10行でLED70が配置されている。すなわち、LED70は100個配置されている。
そして、2列目および4列目および6列目および8列目および10列目(偶数列)のLED70を反射面50からの高さがLED高さL(m)になるように、反射面50から離れて取り付ける。
そして、1列目および3列目および5列目および7列目および9列目(奇数列)のLED70は反射面50に取り付ける。
更に、奇数列のLED70を反射面50から離れて取り付け、偶数列のLED70は反射面50に取り付けてもよい。また、奇数行のLED70を反射面50から離れて取り付け、偶数行のLED70は反射面50に取り付けてもよい。
また、反射面50の辺と最外のLED70との距離Dは、0.05mである。
また、照明器具の第3の例において、器具厚さK=0.2m〜0.4mの場合は、照明器具の第2の例の器具厚さK=0.4mの場合と同様に反射面50に取り付けられたLEDによる重複部分が存在し、その重複部分に反射面50から離れて取り付けられるLEDにより光が照射され、3個のLEDによる重複部分が生じているので、LED高さLを変えても光の均一性は改善しない。
図20は、高さ比Yを示す図である。
図20(a)は、照明器具100の第1の例において、「OK」の範囲を示す図である。図20(a)の太枠内が照明器具100の第1の例において「OK」の範囲である。
図20(b)は、照明器具100の第2の例において、「OK」の範囲を示す図である。図20(b)の太枠内が照明器具100の第2の例において「OK」の範囲である。
なお、図20(a)と図20(b)との表内の数値は、同じである。
すなわち、「高さ比Y=LED高さL÷器具厚さK」である。
例えば、図20(a)の「a」は、器具厚さK=0.4m、かつ、LED高さL=0.02mである。そして、図6(a)において、平均照度578ルクスを示し、図6(b)において、光の均一性66ルクスを示す箇所に対応する。
照明器具100の第1の例は、LED間隔X=0.3mであり、この場合、高さ比Yの最小値は「0.050」(図20(a)の「a」)、高さ比Yの最大値は「0.100」(図20(a)の「b」)となる。
照明器具100の第2の例は、LED間隔X=0.2mであり、この場合、実験結果(太枠の範囲)において、高さ比Yの最小値は「0.067」(図20(b)の「c」)、高さ比Yの最大値は「0.267」(図20(b)の「d」)となる。また、計算による「OK」の範囲(破線太枠の範囲)も含めると、高さ比Yの最小値は「0.067」(図20(b)の「c」)、高さ比Yの最大値は「0.333」(図20(b)の「e」)となる。
まず、照明器具100の第1の例は、LED間隔X=0.3mであり、この場合、高さ比Yの最小値「0.050」を示すプロットが「a」である。また、照明器具100の第1の例は、LED間隔X=0.3mであり、この場合、高さ比Yの最大値「0.100」を示すプロットが「b」である。
すなわち、直線Aは、「OK」となる高さ比Yの最小値を示している。
すなわち、直線Bは、実験結果において「OK」となる高さ比Yの最大値を示している。
また、直線Bにおいて、LED間隔X=0.1mの場合、高さ比Y=0.433となる。すなわち、図21に示す(X,Y)=(0.100,0.433)のプロットとなる。
更に、直線Aと直線Bとの交点は、図21に示す(X,Y)=(0.333,0.044)のプロットとなる。
ただし、LED間隔X=0.1mの場合は、「OK」となる条件が無いため、(0.100,0.083)と(0.100,0.433)とで結ばれる線上は除外される。
すなわち、直線Cは、計算において「OK」となる高さ比Yの最大値を示している。
更に、直線Aと直線Cとの交点は、図21に示す(X,Y)=(0.323,0.046)のプロットとなる。
ただし、LED間隔X=0.1mの場合は、「OK」となる条件が無いため、(0.100,0.083)と(0.100,0.567)とで結ばれる線上は除外される。
すなわち、照明器具100は、高さ比Yが、
Y≦−2.3333X+0.8
Y≧−0.1667X+0.1
ただし、X>0.1
の範囲となる。
すなわち、照明器具100は、高さ比Yが、
Y≦−1.6667X+0.6
Y≧−0.1667X+0.1
ただし、X>0.1
の範囲となる。
その場合、器具厚さKを、0.2m≦K≦0.4mとし、LED高さLを、0.02m≦L≦0.08mとすることが好ましい。
一方、本実施の形態の照明器具100は、LED70の一部を他と比べて高く設置することにより、光の均一性は良くなり、透過面60の明るさ(平均照度)も向上する。
すなわち、本実施の形態の照明器具100は、LED70の設置高さ調整により光の均一性と明るさが向上している。
例えば、図5の例において、LED70aとLED70dとを反射面50に取り付け、LED70bとLED70cとを反射面50から離して取り付けてもよい。
すなわち、奇数行でかつ奇数列のLED及び偶数行でかつ偶数列のLEDを反射面50に取り付け、偶数行でかつ奇数列のLED及び奇数行でかつ偶数列のLEDを反射面50から離して取り付けてもよい。逆に、奇数行でかつ奇数列のLED及び偶数行でかつ偶数列のLEDを反射面50から離して取り付け、偶数行でかつ奇数列のLED及び奇数行でかつ偶数列のLEDを反射面50に取り付けてもよい。
また、配置されたLED70の行数もしくは列数は、本実施の形態で説明した例に限定されない。
Claims (6)
- 光を反射する反射面と、
光を透過する透過面と、
反射面と透過面との間に配置され透過面に向けて光を発光する複数の発光ダイオード(LED)と
を備え、
複数のLEDは光の発光方向から見てマトリクス状に配列され、
行方向及び列方向の少なくともいずれかの方向に隣り合うLEDの反射面からの高さが異なっており、
隣り合うLEDの間隔を、LED間隔X(m)とし、
反射面と透過面との間隔を、器具厚さK(m)とし、
反射面から離れて取り付けられた発光ダイオードの反射面からの高さを、LED高さL(m)とし、
器具厚さKに対するLED高さLの割合を、高さ比Yとした場合、
高さ比Y=LED高さL÷器具厚さK
であり、高さ比Yが、
Y≦−2.3333X+0.8
Y≧−0.1667X+0.1
ただし、X>0.1
の範囲にあることを特徴とする照明器具。 - 光を反射する反射面と、
光を透過する透過面と、
反射面と透過面との間に配置され透過面に向けて光を発光する複数の発光ダイオード(LED)と
を備え、
複数のLEDは光の発光方向から見てマトリクス状に配列され、
行方向及び列方向の少なくともいずれかの方向に隣り合うLEDの反射面からの高さが異なっており、
隣り合うLEDの間隔を、LED間隔X(m)とし、
反射面と透過面との間隔を、器具厚さK(m)とし、
偶数列の発光ダイオードの反射面からの高さを、LED高さL(m)とし、
器具厚さKに対するLED高さLの割合を、高さ比Yとした場合、
高さ比Y=LED高さL÷器具厚さK
であり、高さ比Yが、
Y≦−1.6667X+0.6
Y≧−0.1667X+0.1
ただし、X>0.1
の範囲にあることを特徴とする照明器具。 - LED間隔Xを、0.2≦X≦0.3としたことを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
- 反射面の反射率を80%とし、
透過面の反射率を20%とし、
側面を光の反射がない開放状態とし、
LEDの配光角を120度とし、
器具厚さKを、0.2≦K≦0.4とし、
LED高さLを、0.02≦L≦0.08としたことを特徴とする請求項3記載の照明器具。 - LED間隔X=0.2、
器具厚さK=0.2、
0.02≦LED高さL≦0.04
としたこと、
又は、
LED間隔X=0.2、
器具厚さK=0.3、
0.02≦LED高さL≦0.08
としたことを特徴とする請求項4記載の照明器具。 - LED間隔X=0.3、
器具厚さK=0.3、
LED高さL=0.02
としたこと、
又は、
LED間隔X=0.3、
器具厚さK=0.4、
0.02≦LED高さL≦0.04
としたことを特徴とする請求項4記載の照明器具。
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