JP6092537B2 - 鉄道監視システムおよび鉄道監視方法 - Google Patents
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Description
〔鉄道監視システムAの制御構成〕
以下に、本発明の実施の形態1に係る鉄道監視システムAについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る鉄道監視システムAの構成を示すブロック図である。図1は、列車200がプラットホーム1に停車している状態を示している。列車200において、200aは運転室、200bは1号車両、そして200cは2号車両である。
また、1号車両200bの210a,210bおよび2号車両200cの210c,210dは、乗客が列車200に乗降するために、例えば運転手の指示により電動で開け閉めすることができる乗降用ドアである。当該乗降用ドアは、通常、列車の各車両の左右両側にそれぞれ2箇所以上備えられているが、説明を簡略化するため、左側は省略し、各車両のドアの個数も2つとしている。
鉄道監視システムAは、図1のように、駅のプラットホーム1から列車200が出発する際のプラットホーム1の安全確認のための監視システムである。鉄道監視システムAは、主にプラットホーム1に配置され、プラットホーム1に設置されたホーム柵20の開閉扉21の開閉状態を監視するように配置されたホーム映像伝送装置10と、列車200の車両内、例えば、運転室200aに備えられた映像表示装置100とから構成される。
まず、図1を参照して本発明の実施の形態1に係るプラットホーム1側の装置であるホーム映像伝送装置10について説明する。ホーム映像伝送装置10は、ホーム監視カメラ30と、ホーム柵20の開閉扉21の動作異常を検出する異物感知センサ22と、映像処理部40と、センサ制御部50と、送信部60とを含んで構成される。なお、映像処理部40とセンサ制御部50と送信部60は、ラック10a内に収容され運用される。
ホーム監視カメラ30は、プラットホーム1の上方に複数設置され、例えば、ホーム監視カメラ30aは、ホーム柵20の開閉扉21a,21b、並びに1号車両2bの乗降用ドア210a,210bの周辺が撮像できるように配置され、また、ホーム監視カメラ30bは、ホーム柵20の開閉扉21c,21d、並びに2号車両200cの乗降用ドア210c,210dの周辺が撮像できるように配置される。
異物感知センサ22(22a,22b,22c,22d)は、ホーム柵20の開閉扉21(21a,21b,21c,21d)のそれぞれ両側に設けられ、センサ制御部50に接続される。また、異物感知センサ22は、開閉扉21の開閉が正常に行われなかった場合や開閉扉21に所定値以上の負荷が作用した場合等に開閉扉21に異常があったことを検出し、異常が発生した開閉扉21の位置やその異常内容等の検出結果を、センサ検出情報としてセンサ制御部50に対して出力する。
センサ制御部50は、ホーム映像伝送装置10の各部を制御する。また、センサ制御部50は、ROMやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部を内蔵し、その記憶部のプログラムに従って各部を制御する。
なお、センサ制御部50は、映像処理部40に対して異物感知センサ22からのセンサ検出情報を入力する一方、ホーム柵20の開閉扉21に異常があった場合に、その情報を駅務員に報知するとともに、ホーム柵20に設置された表示灯(図示せず)を点灯動作させるよう制御する。
センサ制御部50は、映像処理部40から入力されたホーム監視映像情報や強調処理映像情報と、異物感知センサ22からのセンサ検出情報を、送信部60を介して車両200の映像表示装置100の受信部110に向けて送信する。
次に、図1を参照して本発明の実施の形態1に係る車両側の装置である映像表示装置100について説明する。映像表示装置100は、例えば、列車200の運転室200aに設置され、受信部110と、制御部120と、モニタ130とを含んで構成される。
また、列車200の乗降用ドア210のドア異物感知センサ220(220a,220b,220c,220d)からのセンサ検出情報を制御部120に出力するようにする。
なお、ドア異物感知センサ220は、列車200の乗降用ドア210のそれぞれ両側に設けられ、乗降用ドア210が正常に開閉されなかった場合や乗降用ドア210に所定値以上の負荷が作用した場合等に乗降用ドア210に異常があったことを検出し、異常が発生した乗降用ドア210の位置やその異常内容等の検出結果を、センサ検出情報として制御部120に対して出力する。
受信部110は、駅のプラットホーム1に配置されたホーム映像伝送装置10の送信部60から無線送信されたホーム監視映像情報や強調処理映像情報と、異物感知センサ22のセンサ検出情報を受信する。
ホーム映像伝送装置10の送信部60は、例えば、送信周波数44GHz、送信出力10mW定格のものであり、映像情報とセンサ検出情報をミリ波帯の電波に重畳させ送信する。また、映像表示装置100の受信部110は、例えば、受信周波数44GHzのものであり、送信部60から放射される電波を受信し、この受信された電波から元の映像情報とセンサ検出情報を復元し、制御部120に入力する。
制御部120は、受信部110で受信したホーム監視映像情報や強調処理映像情報に異物感知センサ22のセンサ検出情報を重畳(スーパーインポーズ)等して、モニタ130に出力する。
モニタ130は、制御部120から入力されたホーム監視映像情報や強調処理映像情報とセンサ検出情報を表示する。
次に、本発明の実施の形態1に係る鉄道監視システムAを用いた扉閉め監視処理について、図1〜図3を参照して詳しく説明する。
以下で、図2の本発明の実施の形態1に係る鉄道監視システムAの扉閉め監視処理のフローチャートを参照して、ホーム映像伝送装置10と、映像表示装置100とが実行する各ステップを詳細に説明する。
次に、ステップS102において、ホーム映像伝送装置10のセンサ制御部50は、扉開/閉判断処理を行う。
扉開閉スイッチ70の扉開/閉信号がセンサ制御部50に入力され、センサ制御部50は、ホーム柵20の開閉扉21が開/閉のどちらの動きをしようとしているのかを判断する。
ステップS102で扉開/閉信号が開閉扉21を閉める信号であった場合に、センサ制御部50は、異物感知センサ22を動作させる。これにより、異物感知センサ22は開閉扉21の扉閉め異常の検出を行う。
なお、異物感知センサ22が圧力センサ等を備えている場合には、隙間を締める際の圧力により、挟まっている物(オブジェクト)の硬さを計測することもでき、挟まっている物が人体のように柔らかい物なのか、荷物等の硬い物なのかについての圧力情報を得ることができる。
Yesの場合、センサ制御部50は、異常ありとして処理をステップS105に進める。
Noの場合、センサ制御部50は、異常なしでステップS106に進む。
具体的には、まず、センサ制御部50は、映像処理部40に異物感知センサ22からのセンサ検出情報を入力する。
映像処理部40は、センサ制御部50から入力された異物感知センサ22からのセンサ検出情報に基づき、ホーム監視カメラ30が撮像した映像データについて、映像処理を用いて異常が検出されたホーム柵20の開閉扉21周辺の映像データを拡大処理、もしくはピクチャinピクチャ等で強調処理し、当該強調処理映像情報をセンサ制御部50に対して出力する。
次に、ステップS106において、センサ制御部50は、映像処理部40から入力された強調処理映像情報と、異物感知センサ22からのセンサ検出情報を、送信部60を介して車両200の映像表示装置100の受信部110に向けて送信する。
なお、ステップS104において、扉閉め異常が検出されない場合には、ステップS106において、センサ制御部50は、映像処理部40から入力された通常のホーム監視映像情報と異物感知センサ22からのセンサ検出情報を、送信部60を介して車両200の映像表示装置100の受信部110に向けて送信する。
以上で、ホーム映像伝送装置10の処理を終了する。
受信部110は、制御部120に対して強調処理映像情報またはホーム監視映像情報と、異物感知センサ22のセンサ検出情報を入力する。
次に、ステップS202において、映像情報及びセンサ検出情報表示処理を実行する。
制御部120は、受信部110から入力された強調処理映像情報またはホーム監視映像情報に、異物感知センサ22のセンサ検出情報および列車200の乗降用ドア210のドア異常感知センサ220からのセンサ検出情報を重畳(スーパーインポーズ)等してモニタ130に出力する。
すなわち、異物感知センサ22が扉閉め異常を検知しない場合、モニタ130には、安全にホーム柵20の開閉扉21が閉まったホーム監視映像情報と、その映像上にホーム柵20の開閉扉21および列車200の乗降用ドア210の開閉状態情報131をインポーズ表示する。また、異物感知センサ22が扉閉め異常を検出した場合、異物感知センサ22が検出した開閉扉21周辺の拡大映像、もしくはピクチャinピクチャ等で強調させた強調処理映像情報と、その映像上にホーム柵20の開閉扉21および列車200の乗降用ドア210の開閉状態情報131を重畳表示する。
図3は、モニタ130の画面例を示す図であり、異物感知センサ22が扉閉め異常を検知しない場合を示す。図3において、モニタ130の監視映像の妨げにならない一角に、ホーム柵20の開閉扉21および列車200の乗降用ドア210の開閉状態情報131を表示する。例えば、開閉扉21や乗降用ドア210で、扉閉め異常が検出されない場合には“緑丸”表示とし、扉閉め異常を検出した場合には“赤丸”表示とする。
以上により、扉閉め監視処理の映像表示装置100の処理を終了する。
本発明の実施の形態1によれば、列車内の乗務員または運転士は、列車出発時に、列車内のモニタを目視するだけで、プラットホーム上の安全確認とホーム柵の開閉扉および列車の乗降用ドアの動作確認とを同時に行うことができるので、視線を移動させることなく安全確認が容易に行える。
また、ホーム柵の開閉扉の異物感知センサが扉閉め異常を検出した場合、詳細なホーム監視映像情報が運転士に提供されるので、緊急時に迅速且つ適切な対応を取ることが可能となる。
〔鉄道監視システムBの制御構成〕
以下に、本発明の実施の形態2に係る鉄道監視システムBについて、図面を参照して説明する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る鉄道監視システムBの構成を示すブロック図である。図4に示すように、本発明の実施の形態2に係る鉄道監視システムBは、運転室200aに備えられた映像表示装置300の構成が異なる以外は、鉄道監視システムAと同様の構成である。
図4を参照して本発明の実施の形態2に係る車両側の装置である映像表示装置300について説明する。映像表示装置300は、列車200の運転室200aに設置され、受信部310と、制御部320と、監視映像を表示する映像モニタ330と、列車およびホーム柵の見取り図を表示する車両情報モニタ340を含んで構成される。
また、従来から列車200内に備えられ、列車200の乗降用ドア210のドア異物感知センサ220(220a,220b,220c,220d)からのセンサ検出情報を制御部320に出力するようにする。
なお、ドア異物感知センサ220は、列車200の乗降用ドア210のそれぞれ両側に設けられ、乗降用ドア210の開閉が正常に行われなかった場合や乗降用ドア210に所定値以上の負荷が作用した場合等に乗降用ドア210に異常があったことを検出し、異常が発生した乗降用ドア210の位置やその異常内容等の検出結果を、センサ検出情報として制御部320に対して出力する。
ホーム映像伝送装置10の送信部60は、例えば、送信周波数44GHz、送信出力10mW定格のものであり、映像情報とセンサ検出情報をミリ波帯の電波に重畳させ送信する。また、映像表示装置300の受信部310は、例えば、受信周波数44GHzのものであり、送信部60から放射されている電波を受信し、この受信された電波から元の映像情報とセンサ検出情報を復元し、制御部320に入力する。
また、制御部320は、各乗降用ドアを含む車両と各開閉扉を含むホーム柵の見取り図(列車200とプラットホーム1の配置データ)を図示しない記憶部等に保持しており、異常があった場合、入力された異物感知センサ22からのセンサ検出情報と、列車200の乗降用ドア210のドア異物感知センサ220からのセンサ検出情報を基に、保持する列車とホーム柵の見取り図に異常のあったホーム柵の開閉扉および車両の乗降用ドアを強調表示したり文字や映像を描画したりして、車両情報モニタ340に出力する。
なお、この見取り図データは、事前に記憶部等に保持していてもよいし、各駅や管理センタとの通信により受信したホーム柵情報に基づいて逐次描画されてもよい。
あらかじめ、ホーム柵20の各開閉扉21と列車200の各乗降用ドア210の位置が示され、異物感知センサ22またはドア異物感知センサ220から扉閉め異常信号を受けた位置の開閉扉21または乗降用ドア210に対して他の開閉扉または他の乗降用ドアと識別できる色表示、あるいは輝度表示させることにより、運転士が、どの位置の開閉扉または乗降用ドアに異常があるかを視覚的にすぐに認識できるようにする。
次に、本発明の実施の形態2に係る鉄道監視システムBを用いた扉閉め監視処理について、図4〜図6を参照して詳しく説明する。
以下で、図5のフローチャートを参照して、ホーム映像伝送装置10と、映像表示装置300とが実行する各ステップを詳細に説明する。
なお、ホーム映像伝送装置10での処理は、図2のフローチャート(S101〜S106)と同様なので省略する。
受信部310は、制御部320に対して強調処理映像情報またはホーム監視映像情報と、異物感知センサ22のセンサ検出情報を出力する。
次に、ステップS303において、制御部320は、列車200の乗降用ドア210のドア異物感知センサ220からセンサ検出情報を取得する。
次に、ステップS305において、映像モニタ330は、制御部320から入力された強調処理映像情報またはホーム監視映像情報を表示する。
また、車両情報モニタ340は、異物感知センサ22によるセンサ検出情報と、列車200の乗降用ドア210のドア異物感知センサ220によるセンサ検出情報を画面にグラフィック表示する。
図6は、車両情報モニタ340の画面例を示す図である。例えば、図6のように、車両情報モニタ340に異物感知センサ22とドア異物感知センサ220の扉閉め異常検出情報表示例として、2号車両の前方右側のホーム柵の開閉扉と3号車両の後方右側の乗降用ドアに異物が挟まり、ドア閉め異常を検出した状態を示す。
以上により、扉閉め監視処理の映像表示装置300の処理を終了する。
本発明の実施の形態2によれば、ホーム柵の開閉扉および車両の乗降用ドアの異物感知センサが開閉異常を検出した場合、乗務員または運転士は、列車内のモニタを目視するだけで、ホーム柵の開閉扉および列車の乗降用ドアの動作状態を一目で確認することができるので、効率的かつ効果的に安全確認することができる。
また、さらに、列車内の乗務員または運転士は、列車出発時に、列車内の映像モニタと車両情報モニタを目視するだけで、プラットホーム上の安全確認と、ホーム柵の開閉扉および列車の乗降用ドアの動作確認および異常発生場所の位置確認までを含め同時に行うことができるので、視線を大きく移動させることなく安全確認が容易に行える。
Claims (4)
- カメラ映像とホーム柵の開閉扉の状態情報を受信する受信部と、
車両ドアの状態を検出するドア状態検出部と、
列車およびホーム柵の見取り図を描画し、ホーム柵の開閉扉の状態および車両ドアの状態に基づいて、前記カメラ映像および前記見取り図に映像処理を実施する制御部と、
前記カメラ映像を表示するカメラ映像表示部と、
前記見取り図を表示する見取り図表示部と、を備え、
前記制御部は、前記ホーム柵の開閉扉の状態および前記車両ドアの状態の内で少なくとも一方が異常を示している場合に、前記カメラ映像および前記見取り図の対応箇所の表示を視覚的に判別可能に映像処理することを特徴とする鉄道監視システム。 - ホーム柵の開閉扉の状態情報を受信する受信部と、
車両ドアの状態を検出するドア状態検出部と、
列車およびホーム柵の見取り図を描画し、ホーム柵の開閉扉の状態および車両ドアの状態に基づいて、前記見取り図に映像処理を実施する制御部と、
前記見取り図を表示する見取り図表示部と、を備え、
前記制御部は、前記ホーム柵の開閉扉の状態および前記車両ドアの状態の内で少なくとも一方が異常を示している場合に、前記見取り図の対応箇所の表示を視覚的に判別可能に映像処理することを特徴とする鉄道監視システム。 - カメラ映像とホーム柵の開閉扉の状態情報を受信するステップと、
車両ドアの状態を検出するステップと、
列車およびホーム柵の見取り図を描画するステップと、
ホーム柵の開閉扉の状態および車両ドアの状態に基づいて、前記カメラ映像および前記見取り図に映像処理を実施するステップと、
前記カメラ映像および前記見取り図を表示するステップと、を備え、
前記映像処理を実施するステップでは、前記ホーム柵の開閉扉の状態および前記車両ドアの状態の内で少なくとも一方が異常を示している場合に、前記カメラ映像および前記見取り図の対応箇所の表示を視覚的に判別可能に映像処理することを特徴とする鉄道監視方法。 - ホーム柵の開閉扉の状態情報を受信するステップと、
車両ドアの状態を検出するステップと、
列車およびホーム柵の見取り図を描画するステップと、
ホーム柵の開閉扉の状態および車両ドアの状態に基づいて、前記見取り図に映像処理を実施するステップと、
前記見取り図を表示するステップと、を備え、
前記映像処理を実施するステップでは、前記ホーム柵の開閉扉の状態および前記車両ドアの状態の内で少なくとも一方が異常を示している場合に、前記見取り図の対応箇所の表示を視覚的に判別可能に映像処理することを特徴とする鉄道監視方法。
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