無線通信デバイスには、そのデバイスの最大アップリンク送信電力能力を定める電力クラスを設定することができる。例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークにおいて電力クラス3のUEに分類されたUE(ユーザ機器)は、+23dBm(デシベル/ミリワット)という最大アップリンク送信電力能力を有し得る。ただし、連邦通信委員会(FCC)の規制などの要因により、デバイスの送信電力が、最大アップリンク送信電力能力未満に制限されることが少なくない。この状況により、アップリンク送信電力制限シナリオとなることがある。
無線通信デバイスがアップリンク送信電力制限シナリオに遭遇すると、サービングセルの実効カバレージ領域が狭まり得る。そのため、セルの実効カバレージ半径は、デバイスの電力クラスに基づいて設定され得る。こうして、アップリンク送信電力制限シナリオにおいて、無線通信デバイスが、そのデバイスに送られたダウンリンクメッセージを正常に受信し、復号できるだけ十分にサービング基地局の範囲内にあるのに、送信電力制限により、アップリンクメッセージをサービング基地局に正しく送れない場合がある。
ダウンリンク電力に基づいてトリガーされた測定レポートを使用して、サービング基地局によってハンドオーバー判定をトリガーすることができる。ただし、ダウンリンク電力がデバイスの電力クラスに基づいて設定された許容パラメータ内であるが、そのデバイスが、セルの実効カバレージ領域を制限するアップリンク電力制限状況にあるというリンクバジェットがアンバランスな場合には、サービング基地局がそのデバイスの送信電力制限状況を認識しない場合がある。そのため、サービング基地局は、無線通信デバイスがそのセルの有効カバレージ範囲外にあり、アップリンクメッセージをサービング基地局に正しく送信できなくても、その無線通信デバイスがそのセルのカバレージ領域内にあると仮定し得る。そのため、送信電力制限シナリオにおけるアップリンク無線リンクの失敗により、ハンドオーバーがトリガーされず、通話途絶が生じ得る。
[説明される実施形態の概要]
本明細書に開示されているいくつかの実施形態例は、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶の発生を低減することを提供する。例えば、いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイスは、アップリンク電力制限状況に遭遇した際に、その状況で、通話途絶が発生する前にハンドオーバーをより迅速にトリガーするためのイベントをデバイスがレポートできるように、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を自律的に定めるように構成され得る。加えて/あるいは、いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイスは、アップリンク電力制限状況に遭遇した際に、そのデバイスがその状況により良好に対処し、通話途絶事象を低減できるように、そのデバイスが、実際に観測された状況以外の状況に遭遇していることをレポートして、アップリンクグラント及び/又はデータレートの修正をトリガーするように構成することができる。更なる実施例として、いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイスを、そのデバイスの電力クラスと関連付けられた送信電力未満であり得るそのデバイスの明示的なアップリンク送信電力能力をサービングネットワークにシグナリングして、そのサービングネットワークがそのデバイスの明示的なアップリンク送信電力能力に基づいてそのデバイスの測定レポート閾値を専用に設定できるように追加的又は代替的に構成することができる。なおも更なる実施例として、いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイスは、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇していることをサービング基地局に示して、サービング基地局にその状況を知らせ、通話途絶が発生する前にサービング基地局がハンドオーバー判定を行えるようにする測定レポートを送るように追加的又は代替的に構成することができる。こうして通話途絶事象に遭遇することが減少することにより、ユーザは各種実施形態の恩恵を受け得る。
第1の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法が提供される。第1の実施形態に係る方法は、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力がその無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されているとその無線通信デバイスが判定することを含み得る。第1の実施形態に係る方法は、無線通信デバイスが、アップリンク電力制限状況に少なくとも部分的に基づいて、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を定めることを更に含み得る。このダウンリンク電力閾値は、サービング基地局によって設定された閾値を上回り得る。第1の実施形態に係る方法は、ダウンリンク電力測定値に少なくとも部分的に基づいて、ダウンリンク電力閾値が満たされていると無線通信デバイスが判定することを追加的に含み得る。第1の実施形態に係る方法は、ダウンリンク電力閾値が満たされていることを受けて、無線通信デバイスがハンドオーバーをトリガーするための測定レポートをサービング基地局に送ることも含み得る。
第2の実施形態において、無線通信デバイスが提供される。第2の実施形態に係る無線通信デバイスは、送受信機と、その送受信機に連結された処理回路と、を含み得る。送受信機は、セルラーネットワークのサービング基地局との間で信号を送受信するように構成することができる。処理回路は、第2の実施形態に係る無線通信デバイスを制御して、その無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力が、その無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると少なくとも判定するように構成することができる。処理回路は、第2の実施形態に係る無線通信デバイスを制御して、アップリンク電力制限状況に少なくとも部分的に基づいて、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を定めるように更に構成することができる。このダウンリンク電力閾値は、サービング基地局によって設定された閾値を上回り得る。処理回路は、第2の実施形態に係る無線通信デバイスを制御して、ダウンリンク電力測定値に少なくとも部分的に基づいて、ダウンリンク電力閾値が満たされていると判定し、ダウンリンク電力閾値が満たされていることを受けて、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートをサービング基地局に送るように追加的に構成することができる。
第3の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するためのコンピュータプログラム製品が提供される。第3の実施形態のコンピュータプログラム製品は、プログラムコードを記憶する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。第3の実施形態に係るプログラムコードは、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力がその無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されているとその無線通信デバイスが判定するためのプログラムコードを含み得る。第3の実施形態に係るプログラムコードは、アップリンク電力制限状況に少なくとも部分的に基づいて、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を定めるためのプログラムコードを更に含み得る。このダウンリンク電力閾値は、サービング基地局によって設定された閾値を上回り得る。第3の実施形態に係るプログラムコードは、ダウンリンク電力測定値に少なくとも部分的に基づいて、ダウンリンク電力閾値が満たされていると判定するためのプログラムコードを追加的に含み得る。第3の実施形態に係るプログラムコードは、ダウンリンク電力閾値が満たされていることを受けて、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートをサービング基地局に送るためのプログラムコードも含み得る。
第4の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法が提供される。第4の実施形態に係る方法は、無線通信デバイスが、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイスの送信電力が無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定することと、アップリンク電力制限状況を受けてサービング基地局にレポートを送ることと、を含み得る。このレポートは、無線通信デバイスが、無線通信デバイスによって実際に観測された状況以外の状況に遭遇していることを示し、サービング基地局が無線通信デバイスに対するグラントレベルを下げるようにトリガーし得る。
第5の実施形態においては、無線通信デバイスが提供される。第5の実施形態に係る無線通信デバイスは、送受信機と、その送受信機に連結された処理回路と、を含み得る。送受信機は、セルラーネットワークのサービング基地局との間で信号を送受信するように構成することができる。処理回路は、第5の実施形態に係る無線通信デバイスを制御して、少なくとも、その無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力がその無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定し、アップリンク電力制限状況を受けてサービング基地局にレポートを送るように構成することができる。このレポートは、無線通信デバイスが、無線通信デバイスによって実際に観測された状況以外の状況に遭遇していることを示し、サービング基地局が無線通信デバイスに対するグラントレベルを下げるようにトリガーし得る。
第6の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するためのコンピュータプログラム製品が提供される。第6の実施形態に係るコンピュータプログラム製品は、プログラムコードを記憶している少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。第6の実施形態に係るプログラムコードは、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力がその無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定するためのプログラムコードと、アップリンク電力制限状況を受けてサービング基地局にレポートを送るためのプログラムコードと、を含み得る。このレポートは、無線通信デバイスが、無線通信デバイスによって実際に観測された状況以外の状況に遭遇していることを示し、サービング基地局が無線通信デバイスに対するグラントレベルを下げるようにトリガーし得る。
第7の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法が提供される。第7の実施形態に係る方法は、無線通信デバイスが、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイスの送信電力が無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定することと、アップリンク電力制限状況を受けてアップリンク送信データの到着を遅くするために、アップリンク電力制限状況についての指示を無線通信デバイスのトランスポート層又はアプリケーション層のうちの1つ以上に内部的にシグナリングすることと、を含み得る。
第8の実施形態においては、無線通信デバイスが提供される。第8の実施形態に係る無線通信デバイスは、送受信機と、その送受信機に連結された処理回路と、を含み得る。送受信機は、セルラーネットワークとの間で信号を送受信するように構成することができる。処理回路は、第8の実施形態の無線通信デバイスを制御して、少なくとも、その無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力が、その無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定し、アップリンク電力制限状況を受けてアップリンク送信データの到着を遅くするために、アップリンク電力制限状況についての指示をその無線通信デバイスのトランスポート層又はアプリケーション層のうちの1つ以上に内部的にシグナリングするように構成することができる。
第9の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するためのコンピュータプログラム製品が提供される。第9の実施形態に係るコンピュータプログラム製品は、プログラムコードを記憶している少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。第9の実施形態に係るプログラムコードは、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力が、その無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定するためのプログラムコードと、アップリンク電力制限状況を受けてアップリンク送信データの到着を遅くするために、アップリンク電力制限状況についての指示をその無線通信デバイスのトランスポート層又はアプリケーション層のうちの1つ以上に内部的にシグナリングするためのプログラムコードと、を含み得る。
第10の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法が提供される。第10の実施形態に係る方法は、無線通信デバイスが無線通信デバイスの明示的なアップリンク送信電力能力を判定することを含み得る。明示的なアップリンク送信電力能力は、無線通信デバイスの電力クラスと関連付けられた送信電力未満であり得る。第10の実施形態に係る方法は、無線通信デバイスが、明示的なアップリンク送信電力能力をサービングネットワークにシグナリングすることを更に含み得る。
第11の実施形態においては、無線通信デバイスが提供される。第11の実施形態に係る無線通信デバイスは、送受信機と、その送受信機に連結された処理回路と、を含み得る。送受信機は、セルラーネットワークとの間で信号を送受信するように構成することができる。処理回路は、第11の実施形態に係る無線通信デバイスを制御して、少なくともその無線通信デバイスの明示的なアップリンク送信電力能力を判定するように構成することができる。明示的なアップリンク送信電力能力は、無線通信デバイスの電力クラスと関連付けられた送信電力未満であり得る。処理回路は、第11の実施形態に係る無線通信デバイスを制御して、明示的なアップリンク送信電力能力をサービングネットワークにシグナリングするように更に構成することができる。
第12の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するためのコンピュータプログラム製品が提供される。第12の実施形態のコンピュータプログラム製品は、プログラムコードを記憶する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。第12の実施形態に係るプログラムコードは、無線通信デバイスの明示的なアップリンク送信電力能力を判定するためのプログラムコードを含み得る。明示的なアップリンク送信電力能力は、無線通信デバイスの電力クラスと関連付けられた送信電力未満であり得る。第12の実施形態に係るプログラムコードは、明示的なアップリンク送信電力能力をサービングネットワークにシグナリングするためのプログラムコードを更に含み得る。
第13の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法が提供される。第13の実施形態に係る方法は、無線通信デバイスが、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイスの送信電力が無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定することと、アップリンク電力制限状況を示す測定レポートをサービング基地局に送ることと、を含み得る。この測定レポートは、サービング基地局がハンドオーバー判定を行うのに使用でき得る。
第14の実施形態においては、無線通信デバイスが提供される。第14の実施形態に係る無線通信デバイスは、送受信機と、その送受信機に連結された処理回路と、を含み得る。送受信機は、セルラーネットワークのサービング基地局との間で信号を送受信するように構成することができる。処理回路は、第14の実施形態に係る無線通信デバイスを制御して、少なくとも、その無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力がその無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定し、アップリンク電力制限状況を示す測定レポートをサービング基地局に送るように構成することができる。この測定レポートは、サービング基地局がハンドオーバー判定を行うのに使用でき得る。
第15の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するためのコンピュータプログラム製品が提供される。第15の実施形態に係るコンピュータプログラム製品は、プログラムコードを記憶している少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。第15の実施形態に係るプログラムコードは、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力が、その無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定するためのプログラムコードと、アップリンク電力制限状況を示す測定レポートをサービング基地局に送るためのプログラムコードと、を含み得る。この測定レポートは、サービング基地局がハンドオーバー判定を行うのに使用でき得る。
上記の概要は、単に、本発明のいくつかの態様の基本的な理解のために本発明のいくつかの実施形態例を要約することを目的とする。したがって、上記の実施形態例は単に実施例であって、本発明の趣旨の範囲をいかなる意味においても狭めると解釈されないことが理解されよう。本発明の他の実施形態、態様、及び利点は、例として、説明される実施形態の原理を例示する添付図と共に考慮される、下記の「発明を実施するための形態」から明らかとなるであろう。
説明される実施形態、及びその利点は、添付図面と併せて以下の説明を参照することによって、最も良好に理解することができる。これらの図面は、説明される実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって、説明される実施形態に実施することができる、形態及び詳細のいかなる変更も、決して限定するものではない。
本節には、本明細書に係る方法及び装置の代表的な応用形態が記載されている。これらの例は、更なる前後関係を提供し、説明する実施形態の理解を助けることのみを目的として提供される。したがって、説明される実施形態は、これらの具体的な詳細の一部又は全てを伴わずに実施され得るということは当業者には明白であろう。他の場合、説明される実施形態を不必要に不明瞭化することを回避するために、周知のプロセス工程は、詳細には説明されていない。他の適用が可能であり、以下の例は限定的なものと解釈されるべきでない。
以下の詳細な説明では、説明の一部を形成し、例示として説明される実施形態に係る具体的な実施形態が示される添付の図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が説明される実施形態を実施できるように十分詳細に説明されるが、これらの例は限定的なものでなく、他の実施形態が使用されてもよく、説明される実施形態の趣旨及び範囲から逸脱せずに変更が行われてもよいということが理解されよう。
いくつかの実施形態例は、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶の発生を低減する。図1は、いくつかの実施形態例によって対処され得るアップリンク送信電力制限シナリオの例を示す。図1では、サービング基地局102が無線通信デバイス104に、セルラーネットワークへのアクセスを提供し得る。基地局102は、例えば、各種実施形態における任意の基地局、送受信基地局(BTS)、ノードB、進化型ノードB(eNB)、又は他のセルラー基地局を含み得る。そのため、基地局102によって具現化される基地局の種類は、基地局102によって使用される無線アクセス技術(RAT)に応じて異なり得る。例えば、基地局102がLTE又はLTE−Advanced(LTE−A)などのロングタームエボリューション(LTE)RATを実装する各種実施形態において、基地局102はeNBであり得る。無線通信デバイス104は、例えば、スマートフォンデバイス、タブレットコンピューティングデバイス、ラップトップコンピュータ、又はセルラーネットワーク上で動作するように構成可能な他のコンピューティングデバイスであり得る。
サービング基地局102は、カバレージエリア106を有するセルとなり得る。カバレージエリア106は、例えば、無線通信デバイス104の電力クラスに相関し得る。その際、カバレージエリア106は、無線通信デバイス104が、サービング基地局102によって送ることのできるダウンリンクメッセージの受信及び復号の両方を正しく行うことができ、かつ、自身の電力クラスに準拠した自身の最大送信電力を使用した際に、サービング基地局102にアップリンクメッセージを正常に送信できる領域を定め得る。そのため、例えば、無線通信デバイス104が、23dBmの送信電力を有するLTE電力クラス3のUEである場合、カバレージエリア106は、無線通信デバイス104によって送られたアップリンク送信がサービング基地局102に正しく到達できる領域を定め得る。いくつかの実施形態例において、カバレージエリア106は、所与のデバイス電力クラスにおける少なくともある閾値のブロック誤り率(BLER)を満たせる領域として定めることができ、そのデバイス電力クラスと関連付けられた送信電力まではアップリンク送信が行われ得ると想定することができる。
様々な状況のために、無線通信デバイス104の電力は、自身の電力クラス未満の送信電力に制限され得る。例えば、無線通信デバイス104の電力は、15dBmの送信電力に制限され得る。無線通信デバイス104の送信電力制限により、サービングセルの有効範囲が、エリア106よりも狭い、エリア108に制限され得る。そのため、無線通信デバイス104は、電力制限シナリオにおいてエリア106全体でダウンリンクメッセージを正常に受信及び復号でき得るが、無線通信デバイス104がエリア108外に移動すると、無線通信デバイス104によって送られたアップリンクメッセージは、サービング基地局102に正常に到達しない場合がある。そのため、無線通信デバイス104が、参照符号110で示した方向に移動している場合には、リンクバジェットのバランスが悪い状況となり、通話が途絶し得る。そのため、無線通信デバイス104は、ダウンリンク電力測定値が満足され得るために従来のハンドオーバー測定がトリガーされないことから、このサービングセルに留まり得る。しかし、無線通信デバイス104は、自身のアップリンク電力制限状況ゆえに、サービング基地局102にアップリンクメッセージを正しく送れない場合があり、結果的にアップリンク無線リンク障害及び通話の途絶が生じ得る。本明細書に開示された、いくつかの実施形態例は、かかるシナリオにおける通話障害の発生を低減する。
図2は、いくつかの例示的実施形態に係る無線通信システム200を示す。システム200は、非制限的な例として、スマートフォンデバイスなどのセルラー電話、タブレットコンピューティングデバイス、ラップトップコンピューティングデバイス、又はセルラーネットワークに接続できるように構成可能な他のコンピューティングデバイスとして具現化できる無線通信デバイス202を含み得る。
無線通信デバイス202は、サービングセルラーネットワークのサービングセル204にキャンプオンされ得る。サービングセル204は、関連付けられたサービング基地局を有し得る。このサービング基地局は、サービングセルラーネットワークによって実装されるRATの種類に応じて、非制限的な例として、基地局、BTS、ノードB、eNBなど種々のセルラー基地局のいずれかとして具現化され得る。そのため、サービングセルラーネットワークは、非制限的な例として、LTE RAT、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)RAT、符号分割多重アクセス(CDMA)RAT、CDMA2000 RAT、時分割同期符号分割多元接続(TD−SCDMA)RAT、移動通信用のグローバルシステム(GSM(登録商標))RAT、高速パケットデータ(HRPD)RAT、1x/EV−DO、又は他の既存の若しくは将来開発されるセルラーRATなど、種々のセルラーRATのいずれかを実装することができる。
無線通信デバイス202は、代替セル206のカバレージ範囲内にもあり得るか、かつ/又は動作中に代替セル206のカバレージ範囲にも入り得る。代替セル206は、いくつかの実施形態例において、例えば、サービングセルラーネットワーク内のサービングセル204の近隣セルであり得る。別例として、いくつかの実施形態例では、代替セル206が、サービングセルラーネットワークによって使用されるRATと同時配置され得る、代替RATのセルであり得る。そのため、代替セル206は、非制限的な例として、LTE RAT、UMTS RAT、CDMA RAT、TD−SCDMA RAT、GSM RAT、HRPD RAT、1x/EV−DO、又は他の既存の若しくは将来開発されるセルラーRATを含む任意の種類のセルラーRATを使用できることが理解されよう。
サービングセル204のチャネル状況が悪化すると、無線通信デバイス202は代替セル206にハンドオーバーすることができる。かかるハンドオーバーは、例えば、サービングセル204及び代替セル206の両方が同じRATを利用する周波数間ハンドオーバーであり得る。別例として、サービングセル204から代替セル206へのハンドオーバーは、サービングセル204及び代替セル206が異なるRATを実装する各種実施形態における無線アクセス技術間(RAT間)ハンドオーバーであり得る。いくつかの実施形態例によれば、サービングセル204から代替セル206へのハンドオーバーは、無線通信デバイス202がサービングセル204にキャンプオンされている間にアップリンク送信電力制限シナリオに遭遇することを受けてトリガーされ得る。
サービングセル204及び代替セル206が異なるRATを利用し、アップリンク送信電力制限シナリオを受けてサービングセル204から代替セル206へのRAT間ハンドオーバーがトリガーされ得る各種実施形態においては、2つのRATを使用しているセルが、重畳するカバレージ領域をもって同時配置され得る。代替セル206は、例えば、サービングセル204及び代替セル206によって使用可能なそれぞれのRATのそれぞれのカバレージ領域に基づいて、サービングセル204よりも広いカバレージ領域を有し得る。そのため、いくつかの実施形態例では、無線通信デバイス202がアップリンク送信電力制限シナリオに遭遇している場合における代替セルへのハンドオーバーによって、無線通信デバイス202にとって良好なカバレージを提供することができ、通話途絶を防ぐことができる。非制限的な例として、サービングセル204は、UMTSセルや1x/EV−DOセルなど1つ以上のレガシーRATセルと重ねることのできるLTEセルであり得る。レガシーセルは、LTEセルよりも広いカバレージ領域を有し得る。そのため、いくつかの実施形態例によれば、無線通信デバイス104が、LTEセルにキャンプオンされている間にアップリンク送信電力制限シナリオに遭遇すると、レガシーRATへのRAT間ハンドオーバーがトリガーされ得る。
図3は、いくつかの実施形態例に係る、無線通信デバイス202上に実装可能な装置300のブロック図を示す。装置300は、メモリ306に連結され、無線送受信機304にも連結されたプロセッサ302を含み得る。プロセッサ302は、メモリ306に記憶されたプロセッサ命令を読み出し、書き込み、実行するように構成することができる。プロセッサ302は、無線送受信機304を制御するように構成することもできる。無線送受信機304は、アンテナ308に連結することができる。いくつかの実施形態において、無線送受信機304は、アンテナ308と組み合わせて、無線通信デバイス202が、サービングセル204及び/又は代替セル206を介するなどして、1つ以上の無線ネットワークに接続できるように構成することができる。プロセッサ302は、ハードウェア、ソフトウェア(例えば、メモリ306に記憶できるソフトウェア)、ファームウェア(例えば、メモリ306に記憶できるファームウェア)、及び/又はそれらの何らかの組み合わせにより、種々の例示的実施形態に係る無線通信デバイス202によって実施可能な1つ以上の処理を制御するように構成可能であることが理解されよう。
図4は、装置400のブロック図を示す。装置400は、いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイス202上で実装可能な別の装置例である。装置400は、無線通信デバイス202などのコンピューティングデバイス上で具体化されると、コンピューティングデバイスが1つ以上の各種実施形態例に係るシステム200内で動作することを可能にするように構成された装置を提供することができる。図4に図示され、同図に関して以下に記載されている構成要素、機器又は要素は、必須ではなく、したがって、一部は、特定の実施形態において省略できることが理解されよう。更に、いくつかの実施形態は、図4に図示されており、かつ同図に関して記載されている構成要素、機器又は要素以外の更なる又は異なるこれらのものを含み得る。
いくつかの実施形態例において、装置400は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態に係るアクションを実行するように構成できる処理回路410を含み得る。そのため、処理回路410は、各種実施形態例に係る装置400の1つ以上の機能を実行し、かつ/又はその機能の実行を制御するように構成することができるため、各種実施形態例に係る無線通信デバイス202の機能を実行するための手段を提供し得る。処理回路410は、1つ以上の実施形態例によるデータ処理、アプリケーション実行及び/又は他の処理、並びに管理サービスを実行するように構成できる。
いくつかの実施形態において、処理回路410などの、装置400又はその一部分若しくはその構成要素は、それぞれが1つ以上のチップを含み得る1つ以上のチップセットを含み得る。したがって、処理回路410及び/又は装置400の1つ以上の更なる構成要素は、場合によっては、チップセット上で一実施形態を具体化するように構成され得る。装置400の1つ以上の構成要素がチップセットとして具体化されているいくつかの実施形態例において、チップセットは、コンピューティングデバイス上に実装されると、又はそうでなければコンピューティングデバイスに操作可能に接続されると、コンピューティングデバイスがシステム200内で動作できるようにすることができる。そのため、例えば、装置400の1つ以上の構成要素が、セルラーベースバンドチップセットを提供することができ、それによってコンピューティングデバイスがセルラーネットワーク内で動作できるようになる。
いくつかの実施形態例において、処理回路410は、プロセッサ412を含み得、図4に示すようないくつかの実施形態において、メモリ414を更に含み得る。処理回路410は、送受信機416及び/又は管理モジュール418と通信可能であるか、又は別の方法でそれらを制御することができる。
プロセッサ412は、様々な形で具体化できる。例えば、プロセッサ412は、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、又は、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、それらのいくつかの組み合わせなどの集積回路を含む他の各種コンピューティング装置若しくは処理機器など、各種ハードウェアベースの処理手段として具体化することができる。単一プロセッサとして図示されるが、プロセッサ412は、複数のプロセッサで構成され得ることが理解されよう。複数のプロセッサが互いに動作通信可能で、本明細書に記載される装置400の1つ以上の機能を実行するよう一体に構成できる。いくつかの実施形態例に係るプロセッサ412は、プロセッサ302の一実施形態であり得る。いくつかの実施形態例において、プロセッサ412は、メモリ414に記憶され得る命令又はそうでなければプロセッサ412がアクセスできる命令を実行するように構成できる。そのため、プロセッサ412は、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせのどちらによって構成されていても、それに応じて、各種実施形態に係る処理を実行することができる。
いくつかの実施形態例において、メモリ414は、1つ以上のメモリデバイスを含み得る。メモリ414は、固定型及び/又は着脱式メモリデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、メモリ414は、プロセッサ412によって実行され得るコンピュータプログラム命令を記憶できる非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供できる。この点に関し、メモリ414は、装置400が1つ以上の実施形態例に係る様々な機能を実行できるようにする情報、データ、アプリケーション、命令等を記憶するように構成できる。いくつかの実施形態例に係るメモリ414は、メモリ306の一実施形態であり得る。いくつかの実施形態において、メモリ414は、装置400の構成要素間で情報を渡すためのバスを介して、プロセッサ412、送受信機416、又は管理モジュール418のうちの1つ以上と通信することができる。
装置400は、送受信機416を更に含み得る。送受信機416は、装置400が1つ以上のセルラーネットワークとの間で無線信号を送受信できるようにすることができる。そのため、送受信機416は、サービングセル204及び/又は代替セル206によって実装可能な任意の種類のセルラーRATをサポートするように構成することができる。いくつかの実施形態例において、送受信機416は、送受信機304の一実施形態であり得る。
装置400は、管理モジュール418を更に含み得る。管理モジュール418は、回路、ハードウェア、処理デバイス(例えばプロセッサ412)によって実行可能なコンピュータ可読プログラム命令を記憶しているコンピュータ可読媒体(例えばメモリ414)を備えるコンピュータプログラム製品、又はそれらの何からの組み合わせなど、種々の手段として具現化することができる。いくつかの実施形態において、プロセッサ412(又は処理回路410)は、管理モジュール418を含み得るか、又は他の方法で制御し得る。管理モジュール418は、いくつかの実施形態例において、無線通信デバイス202がアップリンク電力制限状況に遭遇する時期を判定し、及び/又は他の方法で、本明細書において以下で更に記載する1つ以上の各種実施形態例に係る、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶の低減をサポートするための処理を行うように構成され得る。
図5は、実施形態例に係る、サービングセル204と関連付けられるような基地局及び/又は、他のネットワークエンティティにおいて実装可能な装置500のブロック図を示す。図5に図示されており、かつ同図に関して記載されている構成要素、機器又は要素は必須ではなく、したがって、一部は、特定の実施形態において省略できることが理解されよう。更に、いくつかの実施形態は、図5に図示されており、かつ同図に関して記載されている構成要素、機器又は要素以外の更なる又は異なるこれらのものを含み得る。
いくつかの実施形態例において、装置500は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態に係るアクションを実行するように構成できる処理回路510を含み得る。そのため、処理回路510は、各種実施形態例に係る装置500の1つ以上の機能を実行し、かつ/又はその機能の実行を制御するように構成することができるため、各種実施形態例に係るサービングネットワークのサービング基地局及び/又は他のネットワークエンティティの機能を実行するための手段を提供し得る。処理回路510は、1つ以上の実施形態例によるデータ処理、アプリケーション実行及び/又は他の処理、並びに管理サービスを実行するように構成できる。
いくつかの実施形態において、処理回路510などの、装置500又はその一部分若しくはその構成要素は、それぞれが1つ以上のチップを含み得る1つ以上のチップセットを含み得る。したがって、処理回路510及び/又は装置500の1つ以上の更なる構成要素は、場合によっては、チップセット上で一実施形態を実装するように構成され得る。
いくつかの実施形態例において、処理回路510は、プロセッサ512を含み得、図5に示すようないくつかの実施形態において、メモリ514を更に含み得る。処理回路510は、送受信機516及び/又はハンドオーバー制御モジュール518と通信可能であるか、又は別の方法でそれらを制御することができる。
プロセッサ512は、様々な形で具体化できる。例えば、プロセッサ512は、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、又は、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、それらのいくつかの組み合わせなどの集積回路を含む他の各種コンピューティング装置若しくは処理機器など、各種ハードウェアベースの処理手段として具体化することができる。単一プロセッサとして図示されるが、プロセッサ512は、複数のプロセッサで構成され得ることが理解されよう。複数のプロセッサが互いに動作通信可能で、本明細書に記載される装置500の1つ以上の機能を実行するよう一体に構成できる。複数のプロセッサを含むいくつかの実施形態例において、これら複数のプロセッサは、複数の装置(例えば、複数のネットワークエンティティ)にまたがって分散し得る。これら複数の装置は、互いに動作通信して、1つ以上の各種実施形態例に係るサービングセルラーネットワークの機能を提供することができる。いくつかの実施形態例において、プロセッサ512は、メモリ514に記憶され得る命令又はそうでなければプロセッサ512がアクセスできる命令を実行するように構成できる。そのため、プロセッサ512は、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせのどちらによって構成されていても、それぞれの構成に応じて、各種実施形態に係る処理を実行することができる。
いくつかの実施形態例において、メモリ514は、1つ以上のメモリデバイスを含み得る。メモリ514は、固定型及び/又は着脱式メモリデバイスを含み得る。複数のメモリデバイスを含むいくつかの実施形態例において、これら複数のメモリデバイスは、複数の装置(例えば、複数のネットワークエンティティ)にまたがって分散し得る。これら複数の装置は、互いに動作通信して、1つ以上の各種実施形態例に係るサービングセルラーネットワークの機能を提供することができる。いくつかの実施形態において、メモリ514は、プロセッサ512によって実行され得るコンピュータプログラム命令を記憶できる非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供できる。この点に関し、メモリ514は、装置500が1つ以上の実施形態例に係る様々な機能を実行できるようにする情報、データ、アプリケーション、命令等を記憶するように構成できる。いくつかの実施形態において、メモリ514は、装置500の構成要素間で情報を渡すためのバスを介して、プロセッサ512、送受信機516、又はハンドオーバー制御モジュール518のうちの1つ以上と通信することができる。
装置500は、送受信機516を更に含み得る。送受信機516は、装置500が、無線通信デバイス202など、1つ以上の無線通信デバイスとの間で無線信号を送受信できるようにすることができる。そのため、送受信機516は、サービングセル204によって実装可能な任意の種類のセルラーRATに係る通信をサポートするように構成することができる。
装置500は、ハンドオーバー制御モジュール518を更に含み得る。ハンドオーバー制御モジュール518は、回路、ハードウェア、処理デバイス(例えばプロセッサ514)によって実行可能なコンピュータ可読プログラム命令を記憶するコンピュータ可読媒体(例えばメモリ512)を備えるコンピュータプログラム製品、又はそれらの何らかの組み合わせなど、種々の手段として具現化することができる。いくつかの実施形態において、プロセッサ512(又は処理回路510)は、ハンドオーバー制御モジュール518を含み得るか、又は他の方法で制御し得る。ハンドオーバー制御モジュール518は、いくつかの実施形態例において、無線通信デバイス202によって送信できる測定レポートに基づいて無線通信デバイス202を代替セル206にハンドオーバーする判定などのハンドオーバー判定を行うように構成することができる。いくつかの実施形態例において、ハンドオーバー制御モジュール518は、本明細書において以下で更に記載のとおり、無線通信デバイス202の測定レポートイベント用の設定パラメータを定めるように追加的又は代替的に構成することができる。
いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイス202は、アップリンク送信電力制限シナリオにおけるRAT間及び/又は周波数間ハンドオーバーなどのハンドオーバーをトリガーするための測定閾値を自律的に定めるように構成することができる。例えば、かかるいくつかの実施形態に係る無線通信デバイス202は、サービングセル204などのサービングセルのチャネル状況が閾値よりも悪化したことを示す測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を定めることができる。より具体的な例として、サービングセル204がLTE RATを実装するいくつかの実施形態などいくつかの実施形態において、無線通信デバイス202は、アップリンク電力制限状況に遭遇したときに使用する、サービング基地局によって設定可能なA2測定閾値とは異なり得るA2測定イベント閾値を自律的に定めるように構成することができる。
かかる各種実施形態例が適用できる非制限的なシナリオ例として、サービング基地局は、A2測定を送るための閾値を−110dBmのダウンリンク電力測定値として定めることができる。無線通信デバイス202は、例えば、23dBm電力クラスにありながら送信電力が15dBmに制限され得る。かかるシナリオにおいて、いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイス202は、8dBmの送信電力不均衡で動作していることを理由にA2測定を送るための閾値を−102dBmのダウンリンク電力測定値として自律的に定めることができる。そのため、いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイス202は、ネットワークで設定されたA2測定イベント閾値(例えば−110dBm)と送信電力不均衡(例えば8dBm)に相当するオフセットとの合計を算出することによって閾値を自律的に定めるように構成することができる。そのため、−102dBm以下のダウンリンク電力が測定された場合、無線通信デバイス202は、ダウンリンク電力が−110dBm以下に下がるのを待たなければならないのではなく、サービング基地局にA2測定レポートを送ってハンドオーバーをトリガーすることができる。その結果、電力クラスに基づいてネットワーク側で定められた閾値を使用するよりも早くハンドオーバーが行われ得る。そのため、通話途絶の発生を低減することができる。
いくつかの実施形態例では、A2測定を送るための閾値(例えば、いくつかの実施形態例に係る、ネットワークで定められた閾値及び/又はデバイスによって算出された閾値)が満たされると、無線通信デバイス202が直ちに測定レポートをトリガーすることができる。そのため、ハンドオーバーをより迅速にトリガーすることができる。
図6は、無線通信デバイス202が、アップリンク電力制限状況に遭遇したときに、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を自律的に定めることのできるいくつかの実施形態例に係る、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法例に係るフローチャートを示す。例えば、処理回路410、プロセッサ412、メモリ414、又は管理モジュール418のうちの1つ以上が、図6に図示されており、かつ同図に関して記載されている処理を実行するための手段を提供することができる。
動作600は、無線通信デバイス202がアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイス202の送信電力が無線通信デバイス202の電力クラスレベル未満のレベルに制限されていると、無線通信デバイス202が判定することを含み得る。アップリンク電力制限状況は、例えば、パワーヘッドルーム値の低さ、シグナリング無線ベアラ(SRB)送信用の未処理の無線リンク制御(RLC)パケットデータユニット(PDU)の多さ、それらの何らかの組み合わせなどの判定によって判定することができる。
例えば、いくつかの実施形態例において、動作600は、無線通信デバイス202が、無線通信デバイス202が送信しているアップリンク送信電力が、無線通信デバイス202が制限され得る明示的な最大アップリンク送信電力の閾値範囲内であると判定することを含み得る。明示的な最大アップリンク送信電力は、無線通信デバイス202の電力クラスレベルと関連付けられた送信電力未満であり得る。そのため、いくつかの実施形態例において、動作300は、利用できるパワーヘッドルーム値が閾値未満であると判定することを含み得る。
別例として、いくつかの実施形態例において、動作600は、無線通信デバイス202が、自身の電力クラスレベルと関連付けられた送信電力と自身が送信している送信電力(例えば、そのデバイスの明示的な最大アップリンク送信電力)との差を算出し、その差を最大閾値(Pmax)と比較することを含み得る。その差がPmaxを超える場合、無線通信デバイス202は、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することができる。
更なる例として、いくつかの実施形態例では、動作600が、SRB送信用の未処理PDUがある閾値よりも多いと無線通信デバイス202が判定することを含み得る。
動作610は、無線通信デバイス202が、アップリンク電力制限状況に少なくとも部分的に基づいて、RAT間ハンドオーバー及び/又は周波数間ハンドオーバーなどのハンドオーバーをトリガーするための測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を定めることを含み得る。定められたダウンリンク電力閾値は、サービング基地局によって設定された閾値を上回り得る。いくつかの実施形態例において、定められたダウンリンク電力閾値は、サービングセル204のチャネル状況(例えば、ダウンリンク電力測定値及び/又は他のチャネル品質指標)が閾値よりも悪化したことを示す測定レポートを送るための閾値であり得る。例えば、サービングセル204がLTE RATを実装する各種実施形態において、定められたダウンリンク電力閾値は、A2測定イベント閾値であり得る。
いくつかの実施形態例において、動作610は、無線通信デバイス202が、無線通信デバイス202の電力クラスレベルと関連付けられた送信電力と、アップリンク電力制限状況ゆえに無線通信デバイス202に適用され得る制限された送信電力との差を表す送信電力不均衡に少なくとも部分的に基づいてダウンリンク電力閾値を定めることを含み得る。例えば、いくつかの実施形態例において、このダウンリンク電力閾値は、送信電力不均衡に相当するオフセットをネットワーク側で設定された閾値に加えることによって算出することができる。
動作620は、無線通信デバイス202が、ダウンリンク電力測定値に少なくとも部分的に基づいて、動作610で定めることのできるダウンリンク電力閾値が満たされていると判定することを含み得る。動作630は、算出されたダウンリンク電力閾値が満たされていることを受けて、無線通信デバイス202がハンドオーバーをトリガーするための測定レポートをサービング基地局に送ることも含み得る。無線通信デバイス202は、測定レポートを受けて、サービング基地局から無線通信デバイス202を代替セル206にリダイレクトするコマンドなどのハンドオーバーコマンドを受信し得る。そのため、いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイス202は、アップリンク電力制限状況に遭遇したときにダウンリンク電力閾値を自律的に定めることにより、アップリンク電力制限状況によって通話途絶が発生する前にハンドオーバーが行われるようにトリガーし得る。
いくつかの実施形態例において、無線通信デバイス202は、無線通信デバイス202がアップリンク電力制限状況に遭遇している場合に、無線通信デバイス202によって実際に観測された状況以外の状況に遭遇していることをサービング基地局にシグナリングするように構成することができる。図7は、かかるいくつかの実施形態例に係る、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法例に係るフローチャートを示す。例えば、処理回路410、プロセッサ412、メモリ414、又は管理モジュール418のうちの1つ以上が、図7に例示されており、かつ同図に関して記載されている処理を実行するための手段を提供することができる。
動作700は、無線通信デバイス202がアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイス202の送信電力が無線通信デバイス202の電力クラスレベル未満のレベルに制限されていると無線通信デバイス202が判定することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態例において、動作700は、無線通信デバイス202が送信しているアップリンク送信電力が、無線通信デバイス202が制限され得る明示的な最大アップリンク送信電力の閾値範囲内であると、無線通信デバイス202が判定することを含み得る。明示的な最大アップリンク送信電力は、無線通信デバイス202の電力クラスレベルと関連付けられた送信電力未満であり得る。そのため、いくつかの実施形態例において、動作700は、利用できるパワーヘッドルーム値が閾値未満であると判定することを含み得る。
別例として、いくつかの実施形態例において、動作700は、無線通信デバイス202が、その無線通信デバイスの電力クラスレベルと関連付けられた送信電力とその無線通信デバイスが送信している送信電力(例えば、そのデバイスの明示的な最大アップリンク送信電力)との差を算出することと、その差を最大閾値(Pmax)と比較することと、を含み得る。その差がPmaxを超える場合、無線通信デバイス202は、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することができる。
更なる例として、いくつかの実施形態例においては、動作700が、SRB送信用の未処理PDUがある閾値よりも多いと無線通信デバイス202が判定することを含み得る。
動作710は、無線通信デバイス202が、アップリンク電力制限状況を受けて、自身によって実際に観測された状況以外の状況に遭遇していることを示すレポートをサービング基地局に送ることを含み得る。その変更された、つまり偽の状況を示すレポートは、その無線通信デバイスに対するグラントレベルをサービング基地局に下げさせる目的で送ることができる。例えば、無線通信デバイス202は、観測されたバッファステータスに比して控え目な(例えば過小な)バッファステータスレポート(BSR)をシグナリングするように構成することができる。別例として、無線通信デバイス202は、実際に観測されたパワーヘッドルーム値を過小にレポートし得る控え目なパワーヘッドルームレポート(PHR)を送るように追加的又は代替的に構成することができる。それによってサービング基地局が影響を受け、例えば、無線通信デバイス202に対するグラントレベルを下げ得る。その結果、無線通信デバイス202は、下げられたグラントを使用して、アップリンク電力制限状況を受けてアップリンクデータレートを低速化するように構成することができ、それにより、電力制限シナリオにおける通話途絶の発生を低減することができる。
そのため、無線通信デバイス202の送信電力レベルは、経路損失(PL)と、そのネットワークによってそのデバイスに割り当てられたリソースブロックの数との両方の組み合わせによる影響を受け得る。BSR及び/又はPHRを控え目にレポート(例えば過小にレポート)することにより、ネットワークが無線通信デバイス202に割り当てるリソースブロックを減らすようにトリガーすることができ、それにより、無線通信デバイス202のアップリンク送信電力能力を増やし、アップリンク電力制限状況において通話途絶が生じる可能性を下げることができる。
BSRが控え目にレポートされ得る各種実施形態において、無線通信デバイス202は、自身のデータレートを減速し、低いBSRを送るように構成することができる。そのため、無線通信デバイス202は、アップリンクバッファにおいて実際に保留中のデータよりも少ないデータが保留中であることを示すBSRを送ることができる。例えば、実際のBSR値は63であり得るが、無線通信デバイス202は、アップリンク送信電力制限シナリオを受けて、それよりも低い30などのBSRを送ることができる。その結果、ネットワークは、無線通信デバイス202に割り当てられるリソースブロックの数を減らすことができ、それによってサービング基地局がそのデバイスからの信号を検知できる可能性を高めることができる。
更なる例として、パワーヘッドルームを控え目にレポートできる各種実施形態においては、無線通信デバイス202が自身の実際のパワーヘッドルームを過小にレポートすることができる。実際のパワーヘッドルームは、例えば、定格送信電力(例えば、そのデバイスの電力クラスと関連付けられた送信電力)と、アップリンク送信電力制限シナリオにおいて制限され得る、そのデバイスが送信している実際の送信電力との差と定義することができる。かかるシナリオにおいてパワーヘッドルームを過小にレポートすることにより、サービング基地局は無線通信デバイス202に対するグラントを下げるか、又はことによると無線通信デバイス202にグラントを全く付与しないようにすることができ、それによってそのデバイスのデータレートを下げ、アップリンク送信電力制限シナリオにおいても通話を持続させることができる。かかるいくつかの実施形態においては、パワーヘッドルームの最大閾値(Pmax)を定めることができる。実際のパワーヘッドルーム測定値がPmaxを超えた場合、無線通信デバイス202は、自身がアップリンク送信電力制限シナリオにあると判定し、自身のパワーヘッドルームを過小にレポートすることができる。その電力シナリオが後に好転した場合、無線通信デバイス202は、自身のPHRを調整して、大きいパワーヘッドルーム値をレポートし、かつ/又は実際に測定されたパワーヘッドルームをレポートして、サービング基地局から大きなグラントをトリガーすることができる。
無線通信デバイス202が、自身が実際に測定した状況以外の状況に遭遇しているというレポートをサービング基地局に送るように構成されているいくつかの実施形態例では、アップリンク送信電力制限シナリオにおいて控え目なBSR及び/又はPHRをシグナリングするなどして、シグナリングを媒体アクセス制御(MAC)層(例えばベースバンド層)で開始し、かつ/又は他の方法で直接処理することができる。
いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイス202は、アップリンク電力制限状況を受けて上位層からのアップリンク送信データの到着を内部的に遅くするように構成することができる。図8は、このようないくつかの実施形態例に係る、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法例に係るフローチャートを示す。例えば、処理回路410、プロセッサ412、メモリ414、又は管理モジュール418のうちの1つ以上が、図8に例示されており、かつ同図に関して記載されている処理を実行するための手段を提供することができる。
動作800は、無線通信デバイス202がアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイス202の送信電力が無線通信デバイス202の電力クラスレベル未満のレベルに制限されていると無線通信デバイス202が判定することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態例において、動作800は、無線通信デバイス202が送信しているアップリンク送信電力が、無線通信デバイス202が制限され得る明示的な最大アップリンク送信電力の閾値範囲内であると、無線通信デバイス202が判定することを含み得る。明示的な最大アップリンク送信電力は、無線通信デバイス202の電力クラスレベルと関連付けられた送信電力未満であり得る。そのため、いくつかの実施形態例において、動作800は、利用できるパワーヘッドルーム値が閾値未満であると判定することを含み得る。
別例として、いくつかの実施形態例において、動作800は、無線通信デバイス202が、その無線通信デバイスの電力クラスレベルと関連付けられた送信電力と、その無線通信デバイスが送信している送信電力(例えば、そのデバイスの明示的な最大アップリンク送信電力)との差を算出することと、その差を最大閾値(Pmax)と比較することと、を含み得る。その差がPmaxを超える場合、無線通信デバイス202は、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することができる。
更なる例として、いくつかの実施形態例では、動作800が、SRB送信用の未処理PDUがある閾値よりも多いと無線通信デバイス202が判定することを含み得る。
動作810は、無線通信デバイス202が、アップリンク電力制限状況を受けてアップリンク送信データの到着を遅くするために、トランスポート層(例えば、伝送制御プロトコル(TCP)層及び/又は他のトランスポート層)あるいはアプリケーション層のうちの1つ以上などの上位層に対して、アップリンク電力制限状況についての指示を内部的にシグナリングすることを含み得る。いくつかの実施形態例では、ベースバンド層で動作800の判定を行うことができ、ベースバンド層は、動作810で上位層の内部シグナリングを行うことができる。
いくつかの実施形態例において、動作810のシグナリングは、そのデバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していることを上位層に明示的にシグナリングすることを含み得る。そのため、いくつかの実施形態例によれば、1つ以上の上位層を、無線通信デバイス202がアップリンク電力制限状況に遭遇していることを示すベースバンド層からの専用内部シグナリングを認識するように修正することができ、そのシグナリングを受けてベースバンド層及び/又は他の下位層にアップリンク送信データが提供される速度を下げるように構成することができる。
別例として、いくつかの実施形態例では、動作810のシグナリングが、無線通信デバイス202がベースバンド層で実際に観測された状況以外の状況に遭遇しているという指示をシグナリングすることを含み得る。例えば、ベースバンド層は、図7に例示されており、かつ同図に関して記載されている方法の動作710のところで説明したような控え目なパワーヘッドルーム及び/又はBSRステータスについての指示を1つ以上の上位層にシグナリングすることができる。かかる過小なレポートにより、いくつかの実施形態例において、アップリンク送信データがベースバンド層及び/又は他の下位層に提供される速度を下げるように上位層にトリガーすることができる。
動作820は、動作810でシグナリングされた指示を受けて、アップリンク送信データが上位層からアップリンク送信用のベースバンド層に提供される速度を下げることを含み得る。例えば、動作820は、動作810のシグナリングを受けて、トランスポート層及び/又はアプリケーション層によって行うことができる。
いくつかの実施形態例において、アプリケーション層は、アップリンク電力制限状況についての指示を受信したことを受けて、ゼロTCPウィンドウサイズをアドバタイズするように構成することができる。そのため、送られるデータが少なくなるように、混雑した状況がシグナリングされ得る。
いくつかの実施形態においては、サービング基地局が、特定のイベントについてある閾値数の測定レポートを受信した後にハンドオーバーをトリガーするように構成可能であることから、いくつかの実施形態例では、無線通信デバイス202によって送られる2つの測定レポート間の間隔を、アップリンク送信電力制限状況において減らす(例えば最小化する)ことができる。
いくつかの実施形態例に係る無線通信デバイス202は、自身の電力クラスに加えて、又は代えて、自身の明示的な送信電力能力をネットワーク(例えばサービング基地局)にアドバタイズすることができる。そのため、かかる各種実施形態例に係る無線通信デバイス202は、自身のアップリンク送信電力制限を説明する測定レポート構成で以ってプロビジョニングすることができる。図9は、このようないくつかの実施形態例に係る、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法例に係るフローチャートを示す。そのため、図9は、無線通信デバイス202が自身の明示的な送信電力能力をアドバタイズするために実行できる処理を示す。例えば、処理回路410、プロセッサ412、メモリ414、又は管理モジュール418のうちの1つ以上が、図9に例示されており、かつ同図に関して記載されている処理を実行するための手段を提供することができる。
動作900は、無線通信デバイス202が自身の明示的なアップリンク送信電力能力を判定することを含み得る。動作910は、無線通信デバイス202が、サービングセル204と関連付けられたサービング基地局など、サービングネットワークに対して明示的なアップリンク送信電力能力をシグナリングすることを含み得る。無線通信デバイス202の明示的な送信電力能力は、例えば、クラスマークメッセージなどの能力情報メッセージでネットワークにシグナリングすることができる。
動作920は、無線通信デバイス202が、シグナリングされた明示的なアップリンク送信電力能力に少なくとも部分的に基づいて、サービングネットワークによってその無線通信デバイス専用に設定された測定レポート用の設定パラメータを受信することを含み得る。そのため、ネットワークは、デバイス固有の測定レポート用設定パラメータを提供する際に、その明示的な電力能力を使用することができる。この設定パラメータは、例えば、サービングセルのチャネル状況がその閾値よりも悪化したことを示す測定レポートを送るための閾値を定めることができる。例えば、サービングセル204がLTE RATを実装する各種実施形態において、設定パラメータは、A2測定イベント閾値を定めることができる。
そのため、無線通信デバイス202は、測定レポートイベントを評価する際に、受信した設定パラメータを適用することができる。設定された閾値は、そのデバイスの電力クラスではなく、そのデバイスの明示的なアップリンク送信電力能力に基づき得ることから、アップリンク電力制限状況においてハンドオーバーを速やかにトリガーすることができ、通話途絶事象を低減することができる。
図10は、いくつかの実施形態例に係る、無線通信デバイスが自身の明示的なアップリンク送信電力能力をシグナリングしたことに基づいてサービングネットワークによって(例えば、サービング基地局及び/又は他のサービングネットワークエンティティによって)実行可能な、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶の低減を促進するための方法例に係るフローチャートを示す。例えば、処理回路510、プロセッサ512、メモリ514、又はハンドオーバー制御モジュール518のうちの1つ以上が、図10に例示されており、かつ同図に関して記載されている処理を実行するための手段を提供することができる。
動作1000は、無線通信デバイス202によってシグナリングされた無線通信デバイス202の明示的なアップリンク送信電力能力についての指示を受信することを含み得る。そのため、動作1000は、上述の動作910において無線通信デバイス202によって送ることのできるシグナリングを受信することを含み得る。動作1010は、明示的なアップリンク送信電力能力に関するシグナリングされた指示に少なくとも部分的に基づいて、無線通信デバイス202専用に設定された測定レポート用設定パラメータを定めることを含み得る。動作1020は、その設定パラメータを無線通信デバイス202に送ることを含み得る。そのため、送られた設定パラメータは、動作920において無線通信デバイス202によって受信可能な設定パラメータに対応し得る。
いくつかの実施形態例においては、無線通信デバイス202の送信電力が最大能力値に達しているときに無線通信デバイス202が測定レポートを送るための明示的な測定レポートイベントを定めることができる。ネットワーク(例えばサービング基地局)は、ハンドオーバー判定を行うのにその測定レポートを使用することができる。例えば、無線通信デバイス202によって使用されたアップリンク送信電力がその無線通信デバイスの明示的な最大アップリンク送信電力の閾値範囲内であれば、アップリンク送信電力制限状況を示す測定レポートをネットワークにシグナリングすることができる。したがって、かかる各種実施形態例においては、アップリンク送信電力制限シナリオにおける測定レポートイベントを、そのネットワークがダウンリンク電力測定レポートに加えてアップリンク送信電力も考慮してハンドオーバー判定を行えるように定めることができる。
図11は、無線通信デバイス202がアップリンク電力制限状況に遭遇している場合に明示的な測定レポートイベントを定めることのできるいくつかの実施形態例に係る、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するために無線通信デバイス202によって行うことのできる方法例に係るフローチャートを示す。例えば、処理回路410、プロセッサ412、メモリ414、又は管理モジュール418のうちの1つ以上が、図11に例示されており、かつ同図に関して記載されている処理を実行するための手段を提供することができる。
動作1100は、無線通信デバイス202がアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイス202の送信電力が無線通信デバイス202の電力クラスレベル未満のレベルに制限されていると無線通信デバイス202が判定することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態例において、動作1100は、無線通信デバイス202が送信しているアップリンク送信電力が、無線通信デバイス202が制限され得る明示的な最大アップリンク送信電力の閾値範囲内であると無線通信デバイス202が判定することを含み得る。明示的な最大アップリンク送信電力は、無線通信デバイス202の電力クラスレベルと関連付けられた送信電力未満であり得る。そのため、いくつかの実施形態例において、動作1100は、利用できるパワーヘッドルーム値が閾値未満であると判定することを含み得る。
別例として、いくつかの実施形態例において、動作1100は、無線通信デバイス202が、その無線通信デバイスの電力クラスレベルと関連付けられた送信電力とその無線通信デバイスが送信している送信電力(例えば、そのデバイスの明示的な最大アップリンク送信電力)との差を算出することと、その差を最大閾値(Pmax)と比較することと、を含み得る。その差がPmaxを超える場合、無線通信デバイス202は、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することができる。
更なる例として、いくつかの実施形態例では、動作1100が、SRB送信用の未処理PDUがある閾値よりも多いと無線通信デバイス202が判定することを含み得る。
動作1110は、無線通信デバイス202が、アップリンク電力制限状況を示す測定レポートをサービング基地局に送ることを含み得る。その測定レポートは、例えば、アップリンク電力制限状況をレポートするための専用の測定レポートであり得る。
サービング基地局は、この測定レポートを、ハンドオーバー判定を行うためのベースとして使用することができる。サービング基地局が無線通信デバイス202を別のセルにハンドオーバーすることを決定した場合、この方法は、動作1120を更に含み得る。動作1120は、無線通信デバイス202がその測定レポートに応じたハンドオーバーコマンドを受信することを含み得る。ハンドオーバーコマンドは、例えば、代替セル206へのリダイレクトを含む。
図12は、いくつかの実施形態例に係る、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況を示す測定レポートを送信したことに基づいてサービングネットワークによって(例えば、サービング基地局及び/又は他のサービングネットワークエンティティによって)実行可能な、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶の低減を促進するための方法例に係るフローチャートを示す。例えば、処理回路510、プロセッサ512、メモリ514、又はハンドオーバー制御モジュール518のうちの1つ以上が、図12に例示されており、かつ同図に関して記載されている処理を実行するための手段を提供することができる。
動作1200は、無線通信デバイス202がアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイス202の送信電力が無線通信デバイス202の電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていることを示す測定レポートを無線通信デバイス202から受信することを含み得る。そのため、動作1200は、上述の動作1110において無線通信デバイス202によって送ることのできる測定レポートを受信することを含み得る。
動作1210は、その測定レポートに少なくとも部分的に基づいてハンドオーバー判定を行うことを含み得る。サービングネットワークが無線通信デバイス202を別のセルにハンドオーバーすることを決定した場合、この方法は、動作1220を更に含み得る。動作1220は、測定レポートを受けて無線通信デバイス1202にハンドオーバーコマンドを送ることを含み得る。ハンドオーバーコマンドは、例えば、代替セル206へのリダイレクトを含む。
代表的な各種実施形態は、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法及び装置を含む。一実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法が、無線通信デバイスが次のステップのうちの1つ以上を行うことを含む。あるステップにおいて、無線通信デバイスは、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイスの送信電力が無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定する。別のステップにおいて、無線通信デバイスは、サービング基地局によって設定された閾値よりも高く、アップリンク電力制限状況に少なくとも部分的に基づいて、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を定める。更なるステップにおいて、無線通信デバイスは、ダウンリンク電力測定値に少なくとも部分的に基づいて、そのダウンリンク電力閾値が満たされていると判定する。更に別のステップにおいて、無線通信デバイスは、そのダウンリンク電力閾値が満たされていることを受けて、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートをサービング基地局に送る。
いくつかの実施形態においては、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートを送ることが、無線アクセス技術間(RAT間)ハンドオーバー又は周波数間ハンドオーバーのうちの一方をトリガーするための測定レポートを送ることを含む。いくつかの実施形態においては、ダウンリンク電力閾値を定めることが、サービングセルのチャネル状況が閾値よりも悪化したことを示す測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を定めることを含む。いくつかの実施形態において、サービング基地局は、ロングタームエボリューション(LTE)無線アクセス技術を実装するネットワークの基地局を含み、ダウンリンク電力閾値を定めることは、A2測定イベント閾値を定めることを含む。いくつかの実施形態においては、そのダウンリンク電力閾値を定めることが、無線通信デバイスの電力クラスレベルと関連付けられた送信電力と、アップリンク電力制限状況により無線通信デバイスが制限される送信電力との差を表す送信電力不均衡を求めることと、その送信電力不均衡に相当するオフセットをサービング基地局によって設定された閾値に加えることによってダウンリンク電力閾値を算出することと、を含む。いくつかの実施形態においては、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することが、利用できるパワーヘッドルーム値が閾値未満であると判定することを含む。いくつかの実施形態においては、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することが、シグナリング無線ベアラ(SRB)送信用の未処理パケットデータユニット(PDU)が閾値数より多く存在すると判定することを含む。
一実施形態においては、無線通信デバイスが、送受信機と、その送受信機に連結された処理回路と、を含む。いくつかの実施形態において、送受信機は、セルラーネットワークのサービング基地局との間で信号を送受信するように構成されている。いくつかの実施形態において、送受信機に連結された処理回路は、無線通信デバイスを制御していくつかの処理を行うように構成されている。いくつかの実施形態において、送受信機は、無線通信デバイスを制御して、その無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力がその無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定するように構成されている。いくつかの実施形態において、送受信機は、無線通信デバイスを制御して、アップリンク電力制限状況に少なくとも部分的に基づいて、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値であって、サービング基地局によって設定された閾値を上回るダウンリンク電力閾値を定めるように構成されている。いくつかの実施形態において、送受信機は、無線通信デバイスを制御して、ダウンリンク電力測定値に少なくとも部分的に基づいて、ダウンリンク電力閾値が満たされていると無線通信デバイスが判定するように構成されている。いくつかの実施形態において、送受信機は、無線通信デバイスを制御して、そのダウンリンク電力閾値が満たされていることを受けて、ハンドオーバーをトリガーするための測定レポートをサービング基地局に送るように構成されている。
いくつかの実施形態において、ダウンリンク電力閾値は、サービングセルのチャネル状況が閾値よりも悪化したことを示す測定レポートを送るためのダウンリンク電力閾値を含む。いくつかの実施形態において、サービング基地局は、ロングタームエボリューション(LTE)無線アクセス技術を実装するネットワークの基地局を含み、ダウンリンク電力閾値は、A2測定イベント閾値を含む。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスの処理回路は、その無線通信デバイスを制御して、少なくとも部分的には、無線通信デバイスの電力クラスレベルと関連付けられた送信電力と、アップリンク電力制限状況により無線通信デバイスが制限される送信電力との差を表す送信電力不均衡を求めることにより、かつその送信電力不均衡に相当するオフセットをサービング基地局によって設定された閾値に加えてそのダウンリンク電力閾値を算出することにより、ダウンリンク電力閾値を定めるように構成されている。
別の実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法が、無線通信デバイスがいくつかのステップを行うことを含む。あるステップにおいて、無線通信デバイスは、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイスの送信電力が無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定する。別のステップにおいて、無線通信デバイスは、アップリンク電力制限状況を受けてサービング基地局にレポートを送る。そのレポートは、サービング基地局がその無線通信デバイスに対するグラントレベルを下げるようにトリガーするために、無線通信デバイスによって実際に観測された状況以外の状況に無線通信デバイスが遭遇していることを示す。
いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、自身が観測したパワーヘッドルーム値を過小にレポートするパワーヘッドルームレポート(PHR)を送ることによってそのレポートを送る。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、無線通信デバイスのアップリンクバッファにおいてそのアップリンクバッファにおいて実際に保留中のデータよりも少ないデータが保留中であることを示すバッファステータスレポート(BSR)を送ることによってそのレポートを送る。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、アップリンク電力制限状況を受けてアップリンクデータレートを下げる。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、媒体アクセス制御(MAC)層でそのレポートを送り始めることによってそのレポートを送る。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、サービング基地局がその無線通信デバイスに割り当てるリソースブロックを減らすようにトリガーするレポートを送ることによって、そのレポートを送る。いくつかの実施形態において、そのサービング基地局は、ロングタームエボリューション(LTE)無線アクセス技術を実装するネットワークの基地局を含む。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、利用できるパワーヘッドルーム値が閾値未満であると判定することにより、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定する。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、シグナリング無線ベアラ(SRB)送信用の未処理パケットデータユニット(PDU)が閾値数より多く存在すると判定することにより、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定する。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、無線通信デバイスが(1)無線通信デバイスの電力クラスレベルと関連付けられた送信電力と、無線通信デバイスの現在の送信電力との差を算出することにより、(2)その差を最大閾値(Pmax)と比較することにより、そして(3)その差が最大閾値を上回る場合には、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することにより、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定する。
いくつかの実施形態においては、無線通信デバイスが、送受信機と、その送受信機に連結された処理回路と、を含む。いくつかの実施形態において、送受信機は、セルラーネットワークのサービング基地局との間で信号を送受信するように構成されている。いくつかの実施形態において、送受信機に連結された処理回路は、無線通信デバイスを制御して、少なくとも、その無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力が、その無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定し、アップリンク電力制限状況を受けて、サービング基地局がその無線通信デバイスに対するグラントレベルを下げるようにトリガーするために、その無線通信デバイスが、自身によって実際に観測された状況以外の状況に遭遇していることを示すレポートを、サービング基地局に送信するように構成されている。いくつかの実施形態において、このレポートは、無線通信デバイスが観測したパワーヘッドルーム値を過小にレポートするパワーヘッドルームレポート(PHR)を含む。いくつかの実施形態において、このレポートは、無線通信デバイスのアップリンクバッファにおいてそのアップリンクバッファにおいて実際に保留中のデータよりも少ないデータが保留中であることを示すバッファステータスレポート(BSR)を含む。いくつかの実施形態において、処理回路は、無線通信デバイスを制御して、アップリンク電力制限状況を受けてアップリンクデータレートを減速するように更に構成されている。いくつかの実施形態において、処理回路は、無線通信デバイスを制御して、媒体アクセス制御(MAC)層でそのレポートを送り始めるように更に構成されている。
別の実施形態において、無線通信デバイスによって行われる、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法が、次のステップのうちの1つ以上を含む。あるステップにおいて、無線通信デバイスは、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイスの送信電力が無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定する。別のステップにおいて、無線通信デバイスは、アップリンク電力制限状況を受けてアップリンク送信データの到着を遅くするために、アップリンク電力制限状況についての指示を自身のトランスポート層又はアプリケーション層のうちの1つ以上に内部的にシグナリングする。
いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、その指示を受けて、アップリンク送信データがアップリンク送信のために上位層からベースバンド層に提供される速度を下げる。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、自身のベースバンド層で、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定する。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、ベースバンド層から、自身のトランスポート層又はアプリケーション層のうちの1つ以上にその指示をシグナリングすることによって内部的にシグナリングする。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスのアプリケーション層は、その指示を受けて、ゼロ伝送制御プロトコル(TCP)ウィンドウサイズをアドバタイズする。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、ロングタームエボリューション(LTE)無線アクセス技術を実装するネットワークに接続されている。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、利用できるパワーヘッドルーム値が閾値未満であると判定することにより、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定する。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、シグナリング無線ベアラ(SRB)送信用の未処理パケットデータユニット(PDU)が閾値数より多く存在すると判定することにより、自身がアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定する。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、(1)無線通信デバイスの電力クラスレベルと関連付けられた送信電力と、無線通信デバイスの現在の送信電力との差を算出し、(2)その差を最大閾値(Pmax)と比較し、そして(3)その差が最大閾値を上回る場合には、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することにより、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定する。
一実施形態においては、無線通信デバイスが、セルラーネットワークとの間で信号を送受信するように構成された送受信機と、その送受信機に連結された処理回路と、を含む。処理回路は、その無線通信デバイスを制御して、その無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力がその無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定し、アップリンク電力制限状況を受けてアップリンク送信データの到着を遅くするために、アップリンク電力制限状況についての指示をその無線通信デバイスのトランスポート層又はアプリケーション層のうちの1つ以上に内部的にシグナリングするように構成されている。
いくつかの実施形態において、無線通信デバイスの処理回路は、その無線通信デバイスを制御して、その指示を受けてアップリンク送信データがアップリンク送信のために上位層からベースバンド層に提供される速度を下げるように更に構成されている。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスの処理回路は、その無線通信デバイスを制御して、その無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しているとベースバンド層で判定し、その指示を、ベースバンド層からトランスポート層又はアプリケーション層のうちの1つ以上に内部的にシグナリングするように更に構成されている。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスの処理回路は、その無線通信デバイスを制御して、その指示を受けてアプリケーション層にゼロ伝送制御プロトコル(TCP)ウィンドウサイズをアドバタイズさせるように更に構成されている。
一実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法は、無線通信デバイスが1つ以上のステップを行うことを含む。あるステップにおいて、無線通信デバイスは、無線通信デバイスの明示的なアップリンク送信電力能力を判定する。この明示的なアップリンク送信電力能力は、無線通信デバイスの電力クラスと関連付けられた送信電力未満である。別のステップにおいて、無線通信デバイスは、明示的なアップリンク送信電力能力をサービングネットワークにシグナリングする。
いくつかの実施形態において、明示的なアップリンク送信電力能力をサービングネットワークにシグナリングすることは、その明示的なアップリンク送信電力能力についての指示を含む能力情報メッセージをサービングネットワークに送ることを含む。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、サービングネットワークにシグナリングされた明示的なアップリンク送信電力能力に少なくとも部分的に基づいて、そのサービングネットワークによって無線通信デバイス専用に設定された測定レポート用の設定パラメータを受信する。いくつかの実施形態において、設定パラメータは、サービングセルのチャネル状況が閾値よりも悪化したことを示す測定レポートを送るための閾値を定める設定パラメータを含む。いくつかの実施形態において、サービングネットワークは、ロングタームエボリューション(LTE)無線アクセス技術を実装するネットワークを含み、設定パラメータはA2測定イベント閾値を定める。いくつかの実施形態において、サービングネットワークは、ロングタームエボリューション(LTE)無線アクセス技術を実装するネットワークを含む。
一実施形態においては、無線通信デバイスが、サービングネットワークとの間で信号を送受信するように構成された送受信機と、その送受信機に連結された処理回路であって、その無線通信デバイスを制御して、少なくとも、その無線通信デバイスの明示的なアップリンク送信電力能力を判定し、その明示的なアップリンク送信電力能力はその無線通信デバイスの電力クラスと関連付けられた送信電力未満であり、その明示的なアップリンク送信電力能力をサービングネットワークにシグナリングするように構成された処理回路と、を含む。
いくつかの実施形態において、無線通信デバイスの処理回路は、明示的なアップリンク送信電力能力についての指示を含む能力情報メッセージをサービングネットワークに送ることにより、その無線通信デバイスを制御して、その明示的なアップリンク送信電力能力をサービングネットワークにシグナリングするように更に構成されている。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスの処理回路は、その無線通信デバイスを制御して、サービングネットワークにシグナリングされた明示的なアップリンク送信電力能力に少なくとも部分的に基づいてそのサービングネットワークによってその無線通信デバイス専用に設定された測定レポート用の設定パラメータを受信するように更に構成されている。いくつかの実施形態において、設定パラメータは、サービングセルのチャネル状況が閾値よりも悪化したことを示す測定レポートを送るための閾値を定める設定パラメータを含む。いくつかの実施形態において、サービングネットワークは、ロングタームエボリューション(LTE)無線アクセス技術を実装するネットワークを含み、設定パラメータはA2測定イベント閾値を定める。
一実施形態においては、アップリンク電力制限シナリオにおける通話途絶を低減するための方法が、無線通信デバイスが、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、無線通信デバイスの送信電力が無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定することと、アップリンク電力制限状況を示す測定レポートであって、ハンドオーバー判定を行うためにサービング基地局によって使用可能な測定レポートをサービング基地局に送ることと、を含む。いくつかの実施形態において、この測定レポートは、アップリンク電力制限状況をレポートするための専用の測定レポートを含む。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、その測定レポートに応じたハンドオーバーコマンドを受信する。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することは、無線通信デバイスが送信しているアップリンク送信電力が、無線通信デバイスの明示的な最大アップリンク送信電力の閾値範囲内であると判定することを含み、その明示的な最大アップリンク送信電力は無線通信デバイスの電力クラスレベルと関連付けられた送信電力未満である。いくつかの実施形態においては、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することが、シグナリング無線ベアラ(SRB)送信用の未処理パケットデータユニット(PDU)が閾値数より多く存在すると判定することを含む。いくつかの実施形態において、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することは、無線通信デバイスが、(1)無線通信デバイスの電力クラスレベルと関連付けられた送信電力と、無線通信デバイスが送信している送信電力との差を算出することと、(2)その差を最大閾値(Pmax)と比較することと、(3)その差が最大閾値を上回る場合には、無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇していると判定することと、を含む。
一実施形態においては、無線通信デバイスが、セルラーネットワークのサービング基地局との間で信号を送受信するように構成された送受信機と、その送受信機に連結された処理回路であって、その無線通信デバイスを制御して、少なくとも、その無線通信デバイスがアップリンク電力制限状況に遭遇しており、その無線通信デバイスの送信電力がその無線通信デバイスの電力クラスレベルを下回るレベルに制限されていると判定し、かつ、ハンドオーバー判定を行うためにサービング基地局によって使用可能である、アップリンク電力制限状況を示す測定レポートをサービング基地局に送るように構成された処理回路と、を含む。
いくつかの実施形態において、この測定レポートは、アップリンク電力制限状況をレポートするための専用の測定レポートを含む。いくつかの実施形態において、この処理回路は、無線通信デバイスを制御して、測定レポートに応じたハンドオーバーコマンドを受信するように更に構成されている。
説明される実施形態の様々な態様、実施形態、実装、又は機構は、個別に若しくは任意の組み合わせで使用できる。説明される実施形態の様々な態様は、ソフトウェア、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装できる。説明される実施形態はまた、製造作業を制御するためのコンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして、又は製造ラインを制御するためのコンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして具体化することもできる。コンピュータ可読媒体は、後にコンピュータシステムによって読み出すことが可能なデータを記憶することができる、任意のデータ記憶装置である。コンピュータ可読媒体の例としては、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、HDD、DVD、磁気テープ、及び光学的データ記憶装置が挙げられる。コンピュータ可読媒体はまた、ネットワーク結合されたコンピュータシステム上に分散させることもでき、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶及び実行される。
上述の説明は、説明の目的上、具体的な専門用語を使用することにより、説明される実施形態の完全な理解を提供するものであった。しかしながら、それらの具体的詳細は、説明される実施形態を実践するために必須のものではないことが、当業者には明らかとなるであろう。それゆえ、上述の具体的な実施形態の説明は、例示及び説明の目的のために提示される。それらの説明は、網羅的であることも、又は説明される実施形態を開示される厳密な形態に限定することも意図してはいない。上記の教示を考慮して、多くの修正形態及び変形形態が可能であることが、当業者には明らかとなるであろう。