以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
本実施形態の非接触給電システムのブロック構成図を図1に示す。本実施形態の非接触給電システムは、1つの送電ユニットAと、複数の受電ユニットBとを備え、送電ユニットAから受電ユニットBに非接触で給電し、受電ユニットBの負荷を動作させるものである。
送電ユニットAは、整流部11,直流電源12,複数の交流電源131〜13n,複数の送電コイル141〜14n,制御部15,通信部16(第2の通信部),アンテナ17,記憶部18を備える。なお、交流電源131〜13n,送電コイル141〜14nを区別しないときは交流電源13,送電コイル14と称す。
整流部11は、商用電源10から供給される商用電力を入力として、商用電力を全波整流して出力する。直流電源12は、整流部11の整流出力を所定の直流電力に変換し、交流電源131〜13nのそれぞれへ出力する。交流電源131〜13nは、図示しない共振コンデンサを備えており、この共振コンデンサと送電コイル14とで共振回路を構成している。そして、交流電源131〜13nは、直流電源12から供給される直流電力を入力として、所定周波数(例えば10kHz〜1MHz)の交流電力に変換し、送電コイル141〜14nのそれぞれへ出力する。送電コイル141〜14nは、交流電源131〜13nから交流電力を供給されて、交流磁界を発生することで、送電コイル141〜14nのいずれかと対向するように設置された受電ユニットBに対して電力を非接触で給電する。制御部15は、マイクロコンピュータで構成されており、直流電源制御部151,送電制御部152を備える。直流電源制御部151は、直流電源12の動作を制御することで、交流電源131〜13nに出力する直流電力を制御する。送電制御部152は、交流電源131〜13nの動作を制御することで、送電コイル141〜14nが送電する電力(送電電力)を制御する。通信部16は、アンテナ17を介して受電ユニットBとの間で無線信号を送受信する。
受電ユニットBは、送電ユニットAから非接触給電されて動作する電気機器で構成されている。受電ユニットBを構成する電気機器の種類の例として、照明器具(光源を点灯させる点灯回路),充電器(バッテリーを充電する充電回路),テレビ等がある。また、受電ユニットBを構成する電気機器の種類の他の例として、DVDレコーダー,コンポーネントステレオ,ラジオカセットレコーダー等のオーディオ機器,電話機,調理家電,パソコン,ゲーム機等がある。なお、受電ユニットBを機器の種類で区別する場合、受電ユニットBa,Bb,・・・と示し、図1に示す2台の受電ユニットBa1,Ba2は照明器具で構成され、受電ユニットBbは充電器で構成されている。受電ユニットBの構成を説明するために、照明器具で構成された受電ユニットBa(Ba1,Ba2)を用いて以下説明する。
受電ユニットBaは、受電コイル21,整流部22,入力コンデンサC1,駆動回路K1,光源23(負荷),制御部24,通信部25(第1の通信部),アンテナ26,操作部27を備える。
受電コイル21は、送電コイル14が発生する交流磁界による電磁誘導を利用して送電ユニットAから非接触で受電する。整流部22は、受電コイル21の両端に発生する交流電圧(誘起電圧)を整流する。入力コンデンサC1は、整流部22の整流電圧を平滑する。光源23は、1乃至複数のLED素子で構成された照明負荷である。駆動回路K1は、入力コンデンサC1−光源23間の電力供給経路を導通または遮断するスイッチQ1で構成され、このスイッチQ1は制御部24の駆動制御部241によって制御される。駆動制御部241は、駆動回路K1のスイッチQ1をオンまたはオフすることで、光源23への電力供給をオンまたはオフする。通信部25は、アンテナ26を介して、送電ユニットAの通信部16との間で無線信号を送受信する。なお、通信部16−通信部25間の無線通信手段として、赤外線,電波,400MHz帯や900MHz帯の小電力無線,Bluetooth(登録商標),ZigBee(登録商標),無線LAN等が用いられる。操作部27は、ユーザーに操作されることで、光源23の点灯指示を示す指示データを制御部24の指示取得部242に出力する。また、受電ユニットBは、機器の種類ごとに異なる機器情報を有しており、指示取得部242は、取得した指示データに自端末の機器情報を付加し、通信部25を用いて送電ユニットAに送信する。
このように、受電ユニットBaは、送電ユニットAから非接触で受電し、受電した電力が負荷である光源23に供給される。そして、光源23には、受電コイル21が受電した電力の大きさに応じた電流が流れてLED素子が点灯する。すなわち、本実施形態の非接触給電システムでは、光源23の点灯制御は、送電ユニットA側で行われ、送電コイル14の送電電力を制御することで、光源23を点灯,消灯,調光することができる。また、複数色のLED素子を備える場合や異なる波長変換部材を有する複数のLED素子を備える場合、光源23を調色制御することもできる。
ここで、送電ユニットAが受電ユニットBの負荷を制御するためには、どの送電コイル14にどのような受電ユニットBが対向するように設置されているかを送電ユニットAが認識する必要がある。そこで、本実施形態の送電ユニットAは、制御部15に設置検出部153,機器情報取得部154,グループ設定部155を備えている。
設置検出部153は、複数の送電コイル14のうち、どの送電コイル14と対向するように受電ユニットBが設置されたかを検出する。具体的には、設置検出部153は、まず送電制御部152に対して送電コイル14を設置検出モードで動作させるように指示する。すると送電制御部152は、ある1つの送電コイル14に対して、所定の電力(以降、検出用電力とする)を送電させる設置検出モードで動作させる。この設置検出モードで動作中の送電コイル14に受電ユニットBの受電コイル21が近接すると、この送電コイル14の共振カーブが変化する。そこで、設置検出部153は、設置検出モードで動作する送電コイル14に発生するコイル電圧が所定範囲内であるか否かで、この送電コイル14に受電ユニットBが対向するように設置されているか否かを判断する。なお、設置検出部153は、送電コイル14に流れるコイル電流が所定範囲内であるか否かで、送電コイル14に受電ユニットBが対向するように設置されているか否かを判断してもよい。
また、送電制御部152は、設置検出モードで動作させる送電コイル14を1つずつ順に切り換え、設置検出部153は、受電ユニットBが対向するように設置されているか否かの判断を送電コイル14ごとに繰り返し行う。なお、既に受電ユニットBが対向するように設置されていると設置検出部153が判断した送電コイル14は、設置検出モードへの切り替え対象から除外される。
また、送電制御部152は、送電コイル14を設置検出モードで動作させる際に、交流電源13から送電コイル14に供給する電力を、絶対値が低くなるように制御する、または送電コイル14を含む共振回路の共振点から外れた周波数となるように制御する。これにより、送電コイル14が送電する検出用電力を小さくすることができるので、余分なロスやストレス,雑音を低減することができる。また、検出用電力を間欠的に出力するように制御することでも、余分なロスやストレス,雑音を低減することができる。
そして、設置検出部153が、受電ユニットBが対向するように設置された送電コイル14を検出した場合、送電制御部152は、この送電コイル14に対して、所定の電力(以降、登録用電力とする)を送電させる機器登録モードで動作させる。機器情報取得部154は、機器登録モードで動作する送電コイル14に対向するように設置された受電ユニットBから、受電ユニットBを識別する機器情報を取得する。ここで、受電ユニットBのインピーダンスは、機器の種類ごとに異なっている。そこで、機器情報取得部154は、機器登録モードで動作する送電コイル14から見た受電ユニットB側のインピーダンスを検出することで、受電ユニットBの機器情報を取得する。具体的には、機器情報取得部154は、機器登録モードで動作する送電コイル14に発生するコイル電圧を検出することで、送電コイル14から見た受電ユニットB側のインピーダンスを検出し、検出したインピーダンスに基づいて受電ユニットBの機器情報を取得する。なお、機器情報取得部154は、送電コイル14に流れるコイル電流を検出することで、受電ユニットBの機器情報を取得してもよい。
次に、グループ設定部155は、機器情報取得部154が機器情報を取得した受電ユニットBをグループ分けする。例えば、グループ設定部155は、機器情報に基づいて受電ユニットBを「照明器具グループ」「充電器グループ」などにグループ分けする。なお、本実施形態では、グループ設定部155は、照明器具からなる受電ユニットBa1,Ba2を、同一のグループ(照明器具グループ)に設定しているとする。
また、送電ユニットAは、記憶部18を備えている。この記憶部18には、設置検出部153が検出した送電コイル14と、この送電コイル14に対向するように設置された受電ユニットBの機器情報と、この機器情報を有する受電ユニットBが属するグループとをそれぞれ対応付けたデータが記憶される。
そして、送電制御部152は、機器情報取得部154が機器情報を取得したのち、送電コイル14を機器登録モードから待機モードまたは通常動作モードに切り替える。待機モードで動作する送電コイル14は、受電ユニットBaの負荷を動作させず(光源23を消灯)、制御部24,通信部25,操作部27を動作させる程度の電力を送電する。このとき、待機モードで動作する送電コイル14から受電する受電ユニットBaの駆動制御部241は、送電ユニットAからの無線信号に基づいて駆動回路K1のスイッチQ1をオフすることで、光源23への電力供給をオフし光源23を確実に消灯する。一方、通常動作モードで動作する送電コイル14は、受電ユニットBaの負荷を動作させ(光源23を点灯)、かつ制御部24,通信部25,操作部27を動作させる程度の電力を送電する。このとき、通常動作モードで動作する送電コイル14から受電する受電ユニットBaの駆動制御部241は、送電ユニットAからの無線信号に基づいて駆動回路K1のスイッチQ1をオンすることで、光源23への電力供給をオンする。このように、本実施形態では、送電コイル14のモードを「設置検出モード」「機器登録モード」「待機モード」「通常動作モード」に分けることで、送電コイル14の送電電力を切り替えている。これにより、送電コイル14から不必要な電力が送電されることがなく、余分なロスやストレス,雑音を低減することができる。
また、設置検出部153は、送電コイル14と対向するように設置された受電ユニットBが、この送電コイル14と対向しないように移動されたか否かも検出している。具体的には、待機モードまたは通常動作モードで動作する送電コイル14のコイル電圧またはコイル電流が所定範囲内であるか否かで、受電ユニットBが移動されたか否かを判断する。そして、設置検出部153が、受電ユニットBが移動されたと判断すると、この受電ユニットBの機器情報が記憶部18から削除され、この受電ユニットBに対向していた送電コイル14は設置検出モードで動作する。
上記制御によって、送電ユニットAは、複数ある送電コイル14のうち、どの送電コイル14にどのような受電ユニットBが対向するように設置されているかを認識することができる。
次に、機器登録完了後における、本実施形態の非接触給電システムの動作について以下説明する。本実施形態の送電ユニットAは、1台の受電ユニットBを制御する単体制御と、同一のグループに属する複数の受電ユニットBを一括に制御するグループ制御とを行うことができる。
まず、1台の受電ユニットBを制御する単体制御について説明する。受電ユニットBaの操作部27がユーザーによって操作され、操作部27から例えば「自端末の光源23を全点灯させる」という内容の指示データが指示取得部242に出力されたとする。すると指示取得部242は、取得した指示データに機器情報を付加して通信部25に出力する。通信部25は、機器情報が付加された指示データを送電ユニットAに送信する。また、駆動制御部241は、駆動回路K1のスイッチQ1をターンオンする。
送電ユニットAの送電制御部152は、記憶部18を参照して、通信部16を介して受信した指示データに付加された機器情報に対応する送電コイル14を特定する。そして、送電制御部152は、特定した送電コイル14を待機モードから通常動作モードに切り替え、光源23を全点灯させる電力を送電させる。これにより、ユーザーによって操作された受電ユニットBaのみが制御され、光源23が全点灯する。また、上記では、光源23を全点灯させているが、光源23を消灯,調光,調色制御することもできる。なお、光源23を消灯させる場合、送電制御部152は、特定した送電コイル14を待機モードで動作させ、駆動制御部241は、スイッチQ1をオフする。
次に、同一のグループに属する複数の受電ユニットBを一括に制御するグループ制御について説明する。受電ユニットBaの操作部27がユーザーによって操作され、操作部27から例えば「同一グループに属する受電ユニットBaの光源23を全点灯させる」という内容の指示データが指示取得部242に出力されたとする。すると指示取得部242は、取得した指示データに機器情報を付加して通信部25に出力する。通信部25は、機器情報が付加された指示データを送電ユニットAに送信する。また、駆動制御部241は、駆動回路K1のスイッチQ1をターンオンする。
送電ユニットAの送電制御部152は、記憶部18を参照して、通信部16を介して受信した指示データに付加された機器情報に対応するグループを特定し、このグループに対応付けられた送電コイル14を特定する。すなわち、送電制御部152は、指示データを送信した受電ユニットBと同一のグループに属する受電ユニットBに対応する送電コイル14を特定する。送電ユニットAは、特定したすべての送電コイル14に対向する受電ユニットBaに無線信号を送信し、駆動回路K1のスイッチQ1をターンオンさせる。そして、送電制御部152は、特定したすべての送電コイル14を通常動作モードで動作させ、光源23を全点灯させる電力を送電させる。これにより、ユーザーによって操作された受電ユニットBaと同一のグループに属するすべての受電ユニットBaが制御され、光源23が全点灯する。また、上記では、光源23を全点灯させているが、光源23を消灯,調光,調色制御することもできる。
このように、グループ制御を行った場合、1台の受電ユニットBを操作するのみで、この受電ユニットBと同一のグループに属するすべての受電ユニットBを一括に制御することができる。したがって、ユーザーは、複数の受電ユニットBを個別に操作する必要がなく、いずれの受電ユニットBを操作した場合でも複数の受電ユニットBを一括に制御することができるので、利便性を向上させることができる。
また、既に設置されている受電ユニットBと同一のグループに属するすべての受電ユニットBが新たに設置された場合、新たに設置された受電ユニットBは、既に設置されている受電ユニットBの指示データに基づいて制御される。例えば、既に設置されている受電ユニットBaから「同一グループに属する受電ユニットBaの光源23を全点灯させる」という内容の指示データが送信され、この受電ユニットBaと同一のグループに属する受電ユニットBaの光源23が全点灯しているとする。そこに、既に設置されている受電ユニットBaと同一のグループに属する受電ユニットBaが新たに設置されると、送電制御部152は、既に設置されている受電ユニットBaが送信した指示データに基づいて、新たに設置された受電ユニットBaを制御する。すなわち、送電制御部152は、新たに設置された受電ユニットBaに対応する送電コイル14を通常動作モードで動作させ、光源23を全点灯させる電力を送電させる。これにより、新たに設置された受電ユニットBaは、同一のグループに属する既に設置された他の受電ユニットBaと同様に光源23が全点灯するように自動的に制御される。したがって、利便性が向上し、操作の容易化を図ることができる。
上述したように、本実施形態の非接触給電システムは、送電ユニットAと、複数の受電ユニットBとを備える。
送電ユニットAは、交流が供給される複数の送電コイル141〜14nを有する。
受電ユニットBaは、受電コイル21,指示取得部242,通信部25(第1の通信部)を有する。受電コイル21は、送電コイル14が発生する交流磁界による電磁誘導を利用して送電ユニットAから非接触で受電し、受電した電力を光源23(負荷)に供給する。指示取得部242は、光源23の動作指示を示す指示データを取得する。通信部25は、自端末を識別する機器情報を指示データに付加して送電ユニットAに送信する。
さらに、送電ユニットAは、送電制御部152,設置検出部153,機器情報取得部154,グループ設定部155,記憶部18,通信部16(第2の通信部)を有する。設置検出部153は、複数の送電コイル141〜14nのうち、どの送電コイル14と対向するように受電ユニットBが設置されたかを検出する。機器情報取得部154は、設置検出部153が検出した送電コイル14に対向する受電ユニットBから機器情報を取得する。グループ設定部155は、機器情報取得部154が機器情報を取得した受電ユニットBをグループ分けする。記憶部18は、設置検出部153が検出した送電コイル14および、この送電コイル14に対向するように設置された受電ユニットBの機器情報および、この機器情報を有する受電ユニットBが属するグループを対応付けたデータが記憶される。通信部16は、受電ユニットBから送信される指示データを受信する。送電制御部152は、送電コイル141〜14nそれぞれが送電する電力を制御する。さらに送電制御部152は、通信部16が受信した指示データに付加された機器情報に基づいて、指示データを送信した受電ユニットBと同一のグループに属する受電ユニットBに対応する送電コイル14を特定する。そして、送電制御部152は、指示データに基づいて、特定した送電コイル14が送電する電力を制御することで負荷(光源23)への供給電力を制御する。
すなわち、本実施形態では、操作された受電ユニットBのみを制御する単体制御だけでなく、操作された受電ユニットBと同一のグループに属する受電ユニットBも一括に制御するグループ制御も行うことができる。このグループ制御によって、1台の受電ユニットBを操作するのみで、複数の受電ユニットBも一括制御することができるので、ユーザーは、複数の受電ユニットBを個別に操作する必要がなく、利便性を向上させることができる。
また、送電ユニットAには複数の受電ユニットBを自由に設置することができるが故に、送電ユニットAが負荷オーバーとなり故障,短寿命化を招くおそれがある。そこで、本実施形態の送電ユニットAは、同一のグループに属する受電ユニットBに対応する送電コイル14の送電電力の合計が、電力許容容量(閾値)を超えた場合、これらの送電コイル14の送電電力を低減させる。具体的には、送電制御部152は、各送電コイル14の送電電力を監視している。そして、送電制御部152は、同一のグループに属する受電ユニットBに対応する送電コイル14の送電電力の合計が閾値を超えた場合、これらの送電コイル14の送電電力を低減させる。例えば、受電ユニットBが照明器具で構成されている場合、光源23の調光度を低くするまたは、光源23を消灯することで送電コイル14の送電電力を低減させる。また、受電ユニットBが充電器で構成されている場合、充電電流を低減させて充電速度を遅くするまたは、充電動作を停止することで、送電コイル14の送電電力を低減させる。これにより、送電ユニットAが負荷オーバーとなり故障,短寿命化を招くことを防止することができる。
なお、送電コイル14の送電電力の監視方法として、送電コイル14のコイル電圧またはコイル電流を検出する方法、交流電源13の出力電力(出力電圧,出力電流)を検出する方法、直流電源12の出力電力(出力電圧,出力電流)を検出する方法、通常動作モードで動作する送電コイル14の個数を検出する方法などがある。また、他の例として、受電ユニットB側で受電した電力を検出し、検出結果を送電ユニットAに送信し、各受電ユニットBが受電した電力の合計を算出する方法などもある。
また、同一のグループに属する受電ユニットBに対応するすべての送電コイル14の送電電力を均一に低減させる必要はなく、一部の送電コイル14の送電電力のみを低減させてもよい。例えば、受電ユニットBに優先順位を付け、優先順位が低い受電ユニットBに対応する送電コイル14の送電電力を低減するように構成してもよい。優先順位の付け方の例として、「操作された受電ユニットBの優先順位を高く設定する」または、「消費電力の大きい受電ユニットBや、動作を後回しにできる充電器等で構成された受電ユニットBbの優先順位を低く設定」などがある。また、バッテリーを内蔵した照明器具で構成された受電ユニットBの優先順位を低く設定し、この受電ユニットBaへの電力供給を停止して、バッテリーで動作させるように構成してもよい。
なお、本実施形態では、送電コイル14のコイル電圧またはコイル電流を検出することで、受電ユニットBが移動されたことを検出しているが、この検出方法に限定するものではない。例えば、待機モードまたは通常動作モードで動作する送電コイル14から電力を受電する受電ユニットBは、機器情報を付加した設置信号を通信部25を用いて送電ユニットAに定期的に送信する。送電ユニットAは、設置信号を受信することで、この設置信号に付加された機器情報を有する受電ユニットBが、送電コイル14と対向するように設置されている状態が継続していると判断する。そして、受電ユニットBが移動された場合、受電ユニットBへの電力供給が途絶えるので、受電ユニットBから送電ユニットAへの設置信号の送信も途絶える。送電ユニットAは、設置信号が途絶えた場合、受電ユニットBは移動されたと判断し、この受電ユニットBの機器情報を記憶部18から削除する。
また、受電ユニットBaの構成は、上記に限定するものではなく、図2に、受電ユニットBaの別構成の例を示す。
上記では、機器情報取得時において、送電コイル14を機器登録モードで動作させ、送電コイル14から見た受電ユニットB側のインピーダンスを検出することで、機器情報を判別して取得している。しかし、受電ユニットBのインピーダンスが、機器の種類ごとで差が小さい場合、機器情報の判別が困難となるおそれがある。そこで、機器情報取得時のみ受電ユニットBのインピーダンスを変動させることで、機器情報の判別が容易となるように構成することができる。図2に示すように、入力コンデンサC1と並列に、コンデンサC2とスイッチング素子Q2との直列回路を接続し、このスイッチング素子Q2を制御部24のインピーダンス制御部243が制御する。そして、機器登録モードで動作する送電コイル14から受電を開始すると、インピーダンス制御部243は、スイッチング素子Q2をオンすることで、受電ユニットBaのインピーダンスを所定値に変動させる。すなわち、受電ユニットBのインピーダンスが機器の種類ごとで差が大きくなるようにコンデンサC2の容量を設定することで、機器情報の判別が容易となる。そして、機器情報取得部154が機器情報を取得し、受電ユニットBaが待機モードまたは通常動作モードで動作する送電コイル14から受電を開始すると、インピーダンス制御部243は、スイッチング素子Q2をオフする。これにより、受電ユニットBaが動作するのに適したインピーダンスに設定することができる。なお、スイッチング素子Q2のオフ時に受電ユニットBaのインピーダンスが所定値となるように設定し、スイッチング素子Q2のオン時に受電ユニットBaが動作するのに適したインピーダンスとなるように設定してもよい。このように構成した場合、インピーダンス制御部は243は、機器情報取得時のみスイッチング素子Q2をオフし、機器情報取得完了後にスイッチング素子Q2をオンする。
また、機器情報取得方法の他の例として、インピーダンス制御部243は、機器情報取得時のみ、スイッチング素子Q2を所定パターンで間欠的にオン・オフすることで、インピーダンスを所定パターンで間欠的に変動させるように構成してもよい。この場合、スイッチング素子Q2のオンデューティ,スイッチング周期,オン・オフ回数などが機器情報を示しており、機器情報取得部154は、所定パターンで変動するインピーダンスを読み取ることで機器情報を判別して取得する。そして、インピーダンス制御部243は、機器情報の取得完了後、スイッチング素子Q2をオンまたはオフすることで、受電ユニットBaが動作するのに適したインピーダンスとなるように設定する。
また、機器情報取得方法の他の例として、受電ユニットBaは、機器登録モードで動作する送電コイル14から受電を開始すると、通信部25を用いて機器情報を送信ユニットAの通信部16に送信するように構成してもよい。機器情報取得部154は、通信部16を介して受電ユニットBaの機器情報を取得する。このように構成することで、より確実に受電ユニットBaの機器情報を取得することができる。
次に、送電コイル14と受電コイル21とで位置ずれが発生した場合、受電ユニットBaの受電電力が低減し、光源23を所望の調光度で点灯できないおそれがある。そこで、図2に示す受電ユニットBaは、光源23に供給される電流を高精度で制御するために、光源23に定電流を供給する駆動回路K2を備え、光源23に供給する電流を調整することで光源23を所望の調光度で点灯させることができる。駆動回路K2は、コンデンサC3,スイッチング素子Q3,インダクタL1,ダイオードD1,平滑コンデンサC4からなるバックブーストコンバータ回路で構成されている。具体的には、コンデンサC3は、入力コンデンサC1に並列接続されている。コンデンサC3と並列に、スイッチング素子Q3,インダクタL1の直列回路が接続されている。インダクタL1と並列に、平滑コンデンサC4,ダイオードD1の直列回路が接続されている。そして、駆動制御部241によって、スイッチング素子Q3が所定周波数(例えば40kHz〜10MHz)でオン・オフ駆動されることによって、光源23に所望の定電流を供給することができる。この駆動回路K2を備えることによって、送電コイル14と受電コイル21とで位置ずれが発生し受電電力が変動した場合でも、光源23が所望の調光度となるように光源23に供給される電流を調整することができる。なお、駆動回路K2の構成は、バックブーストコンバータ回路に限定するものではなく、バックコンバータ回路,ブーストコンバータ回路等で構成されていてもよい。
さらに、送電ユニットAが指示データを取得する方法は、通信部16,25を用いた無線通信に限定するものではなく、受電ユニットBのインピーダンスに基づいて指示データを取得する構成でもよい。例えば、受電ユニットBaの操作部27が操作され、光源23の目標調光度を示す指示データを送電ユニットAに送信する場合、インピーダンス制御部243は、操作部27の操作時または操作時以降常にスイッチング素子Q2をオンまたはオフすることで受電ユニットBaのインピーダンスが、光源23の目標調光度を示すように設定する。なお、コンデンサC2,スイッチング素子Q2の直列回路を複数備えることで、受電ユニットBaのインピーダンスを細かく設定することができる。送電ユニットAは、送電コイル14から見た受電ユニットBa側のインピーダンスを検出することで、指示データ(光源23の目標調光度)を取得する。また、インピーダンス制御部243は、スイッチング素子Q2を所定パターンで間欠的にオン・オフすることで、インピーダンスを所定パターンで間欠的に変動させるように構成してもよい。この場合、スイッチング素子Q2のオンデューティ,スイッチング周期,オン・オフ回数などが指示データを示しており、送電ユニットAは、所定パターンで変動するインピーダンスを読み取ることで指示データを取得する。なお、スイッチQ1がスイッチング制御されインピーダンスが変化した場合であっても、駆動回路K2の平滑コンデンサC4によって光源23に供給する電流を一定に保つことができ、光源23のチラツキを防止することができる。また、スイッチング素子Q2をスイッチング制御する際に、スイッチング素子Q2のスイッチング周波数を人の目で認識することができない周波数以上に設定することでも、光源23のチラツキを防止することができる。
また、受電ユニットBaが駆動回路K2を備える場合、操作された受電ユニットBaと同一のグループに属する受電ユニットBaに指示データを送信する必要がある。そこで、送電ユニットAは、指示データ(光源23の目標調光度)に基づいて、対応する送電コイル14のコイル電圧,コイル電流,発振周波数を変動させる。受電ユニットBaは、入力コンデンサC1に並列接続された抵抗R1,R2の直列回路を備えており、制御部24は、抵抗R1,R2による受電電圧の抵抗分圧値を検出することで指示データを取得する。そして、制御部24は、取得した指示データに基づいて駆動回路K2を制御することで光源23に供給する電流を調整する。なお、受電ユニットBaは、受電電流または受電電力の発振周波数を検出することで指示データを取得する構成であってもよい。
また、送電コイル14から、指示データを示す所定のパターンで間欠的に電力を送電するように構成してもよい。この場合、受電ユニットBaは、受電電力の間欠周期,オン期間,オフ期間,間欠回数等で示される指示データを取得する。なお、受電電力が間欠的に変動する期間においても、駆動回路K2の平滑コンデンサC4によって光源23に供給する電流を一定に保つことができ、光源23のチラツキを防止することができる。また、送電電力(受電電力)の間欠周波数を人の目で認識することができない周波数以上に設定することでも、光源23のチラツキを防止することができる。また、送電ユニットAから指示データを受電ユニットBaに送信する方法の他の例として、送電ユニットAは通信部16を用いた無線信号で指示データを受電ユニットBaに送信する構成であってもよい。
また、本実施形態では、設置検出部153は、設置検出モードで動作する送電コイル14のコイル電圧またはコイル電流を検出することで、受電ユニットBが対向するように設置されているか否かを判断しているが、この方法に限定するものではない。例えば、送電コイル14が送電する検出用電力の発振周波数を、送電コイル14の識別情報を示す値に設定する。そして、そして、設置検出モードで動作する送電コイル14と対向するように設置された受電ユニットBaは、受電電力の発振周波数から送電コイル14の識別情報を取得し、通信部25を用いて取得した送電コイル14の識別情報を送信する。設置検出部153は、送電コイル14の識別情報を通信部16を介して受信することで、設置検出モードで動作中の送電コイル14に受電ユニットが対向するように設置されていると判断することができる。なお、送電コイル14から、送電コイル14の識別情報を示す所定のパターンで間欠的に電力を送電するように構成してもよい。この場合、受電ユニットBaは、受電電力の間欠周期,オン期間,オフ期間,間欠回数等で示される送電コイル14の識別情報を取得する。
次に、本実施形態の非接触給電システムの外観図を図3に示す。
本実施形態の送電ユニットAは、上側から見た形状がL字状に形成された間仕切り型の収納家具で構成されている。そして、天板101内に整流部11,直流電源12,交流電源131〜13n,送電コイル141〜14n,制御部15,通信部16,アンテナ17,記憶部18が収納されている。送電コイル141〜14nは、天板101の上面である載置面101aと対向するように、例えば格子状に敷き詰められている。すなわち、送電ユニットAは、複数の送電コイル141〜14nを載置面101aに対向するように配列したコイルアレイ方式を採用している。コイルアレイ方式を用いることによって、受電ユニットBが載置面101a上のどの位置にあっても非接触給電可能なフリーレイアウトを実現することができ、高い利便性,安全性を得ることができる。
また、図3では、載置面101aに様々な種類の受電ユニットB(受電ユニットBa〜Bd)が設置されており、送電コイル14から非接触給電されている。なお、図3におけるBa1〜Ba3はスタンド型の照明器具、Ba4は壁面を照射する有機EL照明器具、Bcはスマートフォン、Bdはオーディオプレイヤー、Beはテレビ、BfはDVDレコーダーである。スマートフォンBc,オーディプレイヤーBdは、送電コイル14から非接触給電されることで、内蔵された充電式の単3,単4等の電池やリチウムイオン電池等のバッテリーを充電することができる。スマートフォンBeやオーディプレイヤーBf以外にも、バッテリーを内蔵した受電ユニットBの例として、外部電源がない場合でも点灯可能なバッテリー内蔵式の照明器具がある。
本実施形態では、図3に示すように送電ユニットAに様々な種類の受電ユニットBが設置されている場合であっても、受電ユニットBをグループ分けすることによって、負荷を動作させるグループと、負荷を動作させないグループとに分けることができる。例えば、照明器具のみでグループを構成することによって、照明器具のみを消灯し、他の機器の動作を継続(例えば、充電器の充電動作を継続)させることができる。これにより、利便性を向上させることができる。なお、照明器具のみでグループを構成する場合、部屋の照度を最低限保つために必要な照明器具はグループから除くことが好ましい。
また、受電ユニットBのグループ分けは、ユーザーが任意に設定することができ、異なる種類同士の受電ユニットBを同一のグループに設定することができる。例えば、照明器具とテレビとを同一のグループに設定してもよい。これにより、テレビをオンした場合に、健康を害しない最適な明るさとなるように照明器具の光源23を自動的に調光することができる。他の例として、パソコンと照明器具とを同一のグループに設定し、パソコンをオンした場合に、作業しやすい明るさとなるように照明器具の光源23を自動的に調光することができる。さらには、テレビの場面やオーディオ機器の曲に合わせて、照明器具の光源23を調光,調色制御するように構成してもよい。
図4に、スタンド型の照明器具で構成された受電ユニットBaの外観図を示す。
受電ユニットBaは、基部201,アーム202,灯具203が外郭を形成して、照明器具を構成している。基部201は、平板状に形成され、受電コイル21が基部201に収納される。アーム202は、基部201の上面に立設され、アーム202の先端には灯具203が取り付けられる。灯具203は椀形に形成されて、光源23と受電回路Yとが収納され、光源23−受電回路Y間は、配線W1を介して電気的に接続している。受電回路Yは、整流部22,入力コンデンサC1,駆動回路K1(駆動回路K2),制御部24,通信部25,アンテナ26で構成される。基部201内の受電コイル21は、アーム202内を通る配線W2を介して、受電回路Yと電気的に接続している。なお、光源23にLED素子を用いているが、有機EL素子や無機EL素子を用いることでも、LED素子と同様に高効率でより少ない電力で点灯することができ、非接触給電においても電圧・電流ストレスおよび発生する雑音を小さく抑えることができる。また、光源23を、LED素子とLED素子の出射光を導いて面発光する導光板とを組み合わせて面状光源を構成してもよい。これにより、灯具203を薄くすることができる。
また、本実施形態では、送電ユニットAの通信部16と受電ユニットBaの通信部25との通信に無線信号を用いているため、通信部16と通信部25とを必ずしも近づけて配置する必要はない。このため、余分な配線を削除および、器具設計の自由度が広げることができるという利点が得られる。したがって、器具デザインを優先して、受電ユニットBaの通信部25をスペースの確保できる任意の場所に配置することができる。図4に示す例では、灯具203にスペースがあり、この灯具203に通信部25を設けることで、通信部25のサイズを気にすることなく器具設計を行うことができる。もし、通信部16と通信部25を近接させる必要がある場合、受電ユニットBaの通信部25を基部201に収納された受電コイル21付近まで移動させる必要があり、基部201のサイズが大きくなる。さらに、アーム202内に配線を設ける必要がある。しかし、本実施形態では、器具デザインを犠牲にして通信部25の収納スペースを大きくする必要や、小さなスペースでも通信部25を収納できるよう回路部品に高価な小型・薄型部品を使用する必要がない。また、送電ユニットAにおいても、通信部16を任意の位置に配置することができ、ここでも省配線化および、器具設計自由度の向上を図ることができる。
そして、上記構成の受電ユニットBaの基部201を送電ユニットAの載置面101aの表面に設置することによって、受電コイル21は、コイルアレイ方式を採用した複数の送電コイル141〜14nのいずれかと対向し非接触で受電する。
また、操作部27はタッチセンサで構成されており、基部201,アーム202,灯具203などの表面に広範囲にわたって設けられている。そして、ユーザーは、操作部27に触れる時間,回数によって、光源23の点灯状態および、単体制御またはグループ制御を示す指示データが出力可能なように構成されている。例えば、操作部27を長押しした場合にグループ制御、短押しした場合に単体制御に切り替える。さらに、操作部27を押すごとに全点灯→浅調光→深調光→消灯や、調色制御を行うことができるように構成されている。これにより、操作の容易化が図れる。なお、これらは一例であって、上記に限定するものではない。また、操作部27はタッチセンサに限定するものではなく、機械的なボタン,近接センサ等でもよいし、リモコンやスマートフォン等の遠隔操作機器からの無線信号を受信する受信部で構成されていてもよい。
また、受電ユニットBaは、明るさを検知する照度センサを備えた照明器具で構成されてもよい。送電ユニットAは、通信部16,25を介して照度センサの検知結果を取得し、受電ユニットBaが設置された位置に応じて、光源23を自動的に調光,調色制御することができる。明るい場所では、光源23の調光度が低く設定されるので、消費電力を低減させることができる。
また、受電ユニットBaは、温度を検知する温度センサを備えた構成であってもよい。送電ユニットAは、通信部16,25を介して温度センサの検知結果を取得し、受電ユニットBaが設置されている位置の温度が高い場合、この受電ユニットBaへの送電電力を低減させる(例えば光源23を調光させる)。これにより、温度による受電ユニットBaの劣化を防止することができる。
また、受電ユニットBaは、人感センサや音センサ等を操作部27として備えた構成であってもよい。これにより、受電ユニットBaに人が近づいて人感センサまたは音センサが反応し、光源23を点灯させる場合、離れた位置にある受電ユニットBaの光源23も自動的に点灯させることができ、利便性を向上させることができる。
さらに、送電コイル14の相対的な位置情報を記憶部18に記憶するように構成してもよい。送電コイル14の位置情報を記憶することで、例えば人感センサが反応した受電ユニットBa近傍に位置する受電ユニットBaの光源23を全点灯させ、人感センサが反応した受電ユニットBaから遠い位置にある受電ユニットBaの光源23を調光点灯させることができる。このように構成することで、人が存在する場所のみ照度を高くすることができるので、作業性,利便性を向上させるとともに、全体的な消費電力を低減させることができる。また、他の例として、テレビに近いほど照明器具の明るさを暗くなるように制御し、テレビを見やすくすることもできる。
また、送電ユニットAが複数ある場合、異なる送電ユニットAに設置されている受電ユニットBもグループ制御の対象となるように構成してもよい。この場合、受電ユニットBは、各送電ユニットAに機器情報を付加した指示データを送信する。送電ユニットAは、自端末に設置されていない受電ユニットBからの指示データを受信した場合であっても、この指示データに付加された機器情報に対応するグループと同一のグループに属する受電ユニットBの負荷を制御する。例えば、「照明器具グループ」に属する受電ユニットBaが操作され「光源23を全点灯させる」という内容の指示データが送信されたとする。操作された受電ユニットBaが設置されている送電ユニットAとは異なる送電ユニットAは、指示データを受信し、自端末に設置され「照明器具グループ」に属する受電ユニットBaの光源23を全点灯させる。これにより、異なる送電ユニットAに設置された受電ユニットBaもグループ制御の対象とすることができ、利便性を向上させることができる。