<<第1実施形態>>
以下、本発明の第1実施形態に係る遊技機であるパチスロについて、図1〜図23を参照しながら説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、本発明のすべての実施形態は、パチスロ機に限定して適用されるものではなく、パチスロ以外の他の遊技機(例えば、パチンコ機等)に適用することができる。また、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータまたはトークン等を対象とすることもできる。
遊技の開始時において、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msecまたは75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会または予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2〜図6を参照して、一実施形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、後述するホッパー装置51やメダル補助収納庫52等(図5参照)を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
外装体2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L、3C、3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L、3C、3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば20個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11とを備えている。
ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに取り付けられており、キャビネット2aの開口部を開閉する。ヒンジは、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられている。この液晶表示装置11は、表示部(表示画面)11aを備えており、液晶表示装置11を用いて映像の表示による演出が実行される。
フロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させるパネル開口10aを有する枠状に形成されている。フロントパネル10には、ランプ群18が設けられている。ランプ群18は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
フロントドア2bの中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
図柄表示領域4は、正面から見て3つのリール3L、3C、3Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール3L、3C、3Rに対応して設けられている。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L、3C、3Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転が停止されたとき、各リール3L、3C、3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。本実施の形態では、リール表示窓4の上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかを組み合わせて構成される擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓4は、台座部12に設けられた枠部材13により形成されている。この枠部材13は、リール表示窓4と、情報表示窓14と、ストップボタン取付部15を有している。
情報表示窓14は、リール表示窓4の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。すなわち、リール表示窓4と情報表示窓14は、連続する1つの開口部として形成されている。この情報表示窓14及びリール表示窓4は、透明の窓カバー16によって覆われている。
窓カバー16は、枠部材13の内面側に配置されており、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能になっている。また、枠部材13は、窓カバー16を挟んで情報表示窓14の開口に対向するシート載置部17を有している。そして、シート載置部17と窓カバー16との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー16により覆われている。
情報シートの取付部を構成する窓カバー16は、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能であり、凹凸や隙間の無い滑らかな表面であるため、情報シートの取付部を利用して、パチスロ1の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。
ストップボタン取付部15は、情報表示窓14の下方に設けられており、正面を向いた平面に形成されている。このストップボタン取付部15には、ストップボタン19L、19C、19Rが貫通する貫通孔が設けられている。ストップボタン19L、19C、19Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転整を停止するために設けられる。以下、ストップボタン19L、19C、19Rを、それぞれ左ストップボタン19L、中ストップボタン19C、右ストップボタン19Rという。
ストップボタン19L、19C、19Rは、遊技者による操作の対象となる各種装置の一例を示す。また、台座部12には、遊技者による操作の対象となる各種装置として、メダル投入口21、BETボタン22、スタートレバー23が設けられている。
メダル投入口21は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口21に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数(例えば、3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分はパチスロ1の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
BETボタン22は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。スタートレバー23は、全てのリール(3L、3C、3R)の回転を開始するために設けられる。
また、フロントドア2bを正面から見てリール表示窓4の左側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器24が設けられている。この7セグ表示器24は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア2bを正面から見て台座部12の左側には、精算ボタン27が設けられている。この精算ボタン27は、パチスロ1の内部に預けられている外部に引き出す(排出する)ために設けられる。台座部12の下方には、腰部パネルユニット31が設けられている。腰部パネルユニット31は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源を有している。
腰部パネルユニット31の下方には、メダル払出口32と、スピーカ用孔33L、33Rと、メダルトレイユニット34が設けられている。メダル払出口32は、後述のメダルセレクタ201から排出されるメダルや後述のホッパー装置51の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口32から排出されたメダルは、メダルトレイユニット34に貯められる。スピーカ用孔33L、33Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
[内部構造]
図3及び図4は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。この図3では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側に設けられたミドルドア41がフロントドア2bに対して閉じた状態を示している。また、図4では、フロントドア2bが開放され、ミドルドア41がフロントドア2bに対して開いた状態を示している。また、図5は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図6は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
キャビネット2aは、上面板20aと、底面板20bと、左右の側面板20c、20dと、背面板20eを有している(図5参照)。キャビネット2a内部の上側には、キャビネット側スピーカ42が配設されている。このキャビネット側スピーカ42は、取付ブラケット43L、43Rを介してキャビネット2aの背面板20eに取り付けられている。キャビネット側スピーカ42は、例えば、効果音を出力するためのスピーカである。
キャビネット2a内部を正面から見て、キャビネット側スピーカ42の左側方には、キャビネット側中継基板44が配設されている。このキャビネット側中継基板44は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。キャビネット側中継基板44は、ミドルドア41(図3及び図4参照)に取り付けられた後述する主制御基板71(図13参照)と、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ(不図示)、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
キャビネット2a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ42による音の出力を制御するアンプ基板45が配設されている。このアンプ基板45は、左右の側面板20c、20dに固定された取付棚46に取り付けられている。
また、キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の右側には、外部集中端子板47が配設されている(図5参照)。この外部集中端子板47は、キャビネット2aの右側面板20dに取り付けられている。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の左側には、サブ電源装置48が配設されている。このサブ電源装置48は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。サブ電源装置48は、交流電圧100Vの電力を後述する電源装置53に供給する。また、交流電圧100Vの電力を直流電圧の電力に変換して、アンプ基板45に供給する。
キャビネット2aの内部の下側には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置)51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53が配設されている。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板20bの中央部に取り付けられている。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能であり、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、例えば、精算ボタン27(図2参照)が押圧されてパチスロ内部に預けられているメダルの精算を行うときに、収容したメダルをクレジット枚数分排出する。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口32(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置されている。メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板20bに係合されており、底面板20bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板20cに取り付けられている。この電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53bを有している(図13参照)。電源装置53は、サブ電源装置48から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
図3、図4及び図6に示すように、ミドルドア41は、フロントドア2bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓4(図4参照)を裏側から開閉可能に構成されている。ミドルドア41の上部と下部には、ドアストッパ41a、41b、41cが設けられている。このドアストッパ41a、41b、41cは、リール表示窓4を裏側から閉じた状態のミドルドア41の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア41を開くには、ドアストッパ41a、41b、41cを回転させてミドルドア41の固定を解除する必要がある。
ミドルドア41には、主制御基板71(図13参照)を収納した主制御基板ケース55と、3つのリール3L、3C、3Rが取り付けられている。3つのリール3L、3C、3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
図6に示すように、主制御基板ケース55には、設定用鍵型スイッチ56が設けられている。この設定用鍵型スイッチ56は、パチスロ1の設定を変更もしくはパチスロ1の設定の確認を行うときに使用する。本実施の形態では、主制御基板ケース55と、この主制御基板ケース55に収納された主制御基板71により、主制御基板ユニットが構成されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述する主制御回路91(図14参照)を構成する。主制御回路91は、内部当籤役の決定、リール3L、3C、3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路91の具体的な構成は後述する。
ミドルドア41の上方には、副制御基板72(図13参照)を収容する副制御基板ケース57が配設されおり、副制御基板ケース57の上方には、センタースピーカ58が配設されている。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72は、副制御回路101(図15参照)を構成する。この副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路101の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース57の右側方には、副中継基板61が配設されている。この副中継基板61は、副制御基板72と主制御基板71とを接続する配線を中継する。また、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。なお、副制御基板72の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板62A、62B、62Cが挙げられる。
LED基板62A、62B、62Cは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース57の両側に配設されている。これらLED基板62A、62B、62Cは、副制御回路101(図15参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示す複数のLED(Light Emitting Diode)85(図13参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施の形態のパチスロ1には、LED基板62A、62B、62C以外に複数のLED基板を備えている。
副中継基板61の下方には、24hドア開閉監視ユニット63が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴を保存する。また、ミドルドア41を開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路101)に出力する。
ミドルドア41の下方には、ボードスピーカ64と、下部スピーカ65L、65Rが配設されている。ボードスピーカ64は、腰部パネルユニット31(図2参照)に対向しており、下部スピーカ65L、65Rは、それぞれスピーカ用孔33L、33R(図2参照)に対向している。
下部スピーカ65Lの上方には、メダルセレクタ201と、メダルシュート202と、ドア開閉監視スイッチ67と、が配設されている。メダルセレクタ201は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを判別する装置であり、メダル投入口21に投入されたメダルを、スロープ203を介してホッパー装置51へ案内し、またはメダルシュート202へ案内する。メダルセレクタ201の具体的な構成については後述する。
メダルシュート202は、略Y字状の筒状の部材であり、メダルセレクタ201によって案内されたメダルやホッパー装置51から排出されたメダルをメダル払出口32(図2参照)に案内する。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、メダルセレクタ201の左側方に配置されている。このドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方であってミドルドア41により開閉される領域には、ドア中継端子板68が配設されている(図4参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71(図13参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板72(図13参照)、メダルセレクタ201及び遊技動作表示基板81(図13参照)との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、BETボタン22、精算ボタン27、ドア開閉監視スイッチ67、後述するBETスイッチ77、スタートスイッチ79等を挙げることができる。
<メダルセレクタの構成>
次に、図7〜図12を参照して、メダルセレクタ201の具体的な構成について説明する。図7は、メダルセレクタ201をパチスロ1の斜め後方から見た斜視図である。図8は、メダルセレクタ201の分解図である。図9は、メダルセレクタ201をパチスロ1の斜め前方から見た斜視図である。図10は、メダルセレクタ201の後述するセレクトプレート207の斜視図である。図11は、メダルセレクタ201がメダルをホッパー装置51へ案内する場合のメダルの経路を示す図である。図12は、メダルセレクタ201がメダルをメダルシュート202に案内する場合のメダルの経路を示す図である。なお、図7〜図12に示す矢印Xはパチスロ1の左右方向を示し、矢印Yはパチスロ1の前後方向を示し、矢印Zは上下方向を示す。
図7〜図9に示すように、メダルセレクタ201は、ベース板部204と、サブプレート205と、キャンセルシュータ206と、セレクトプレート207と、メダルソレノイド208(図9参照)、カメラユニット209と、を備えている。
ベース板部204は、メダルセレクタ201の外枠筐体を構成する略板状の部材であり、パチスロ1の左右方向の両端部がパチスロ1の後方に折曲するように成型されている。ベース板部204は、パチスロ1の前後方向に直交する一方の平面である後面204bと他方の平面である前面204a(図9参照)を有している。後面204bには、メダルレール210が、パチスロ1の前方へ凹むように、且つ、略L字状に形成されている。メダルレール210の表面には、複数の突条部が形成されている。
ベース板部204の上端部には、メダル投入口21(図2参照)から投入されるメダルを受け入れるメダル入口部211が設けられている。メダル入口部211からメダルセレクタ201内に投入されたメダルは、メダルレール210に沿って上方から下方へ移動する。ベース板部204の下部には、メダル出口部204c(図8参照)が設けられている。メダルセレクタ201内を移動したメダルは、メダル出口部204cから排出され、スロープ203(図4参照)を介してホッパー装置51に収容される。
メダルレール210の略中間位置には前後方向に貫通する中央孔212が形成されており、この中央孔212からはメダルプレッシャ213(図8参照)の端部が露出している。図9に示すように、メダルプレッシャ213は、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部214に回動可能に支持されている。この軸部214には、コイルばね215が取り付けられており、メダルプレッシャ213は、コイルばね215により、メダルプレッシャ213が中央孔212から突出するように付勢されている。
図9に示すように、ベース板部204の前面204aには、磁石217が設けられている。磁石217は、メダルレール210上を移動するメダルの内、適正な材質でない不正メダルを吸着(着磁)する。
また、図8に示すように、メダルレール210の下流領域の略中央部には、前後方向に貫通し、後述するアフタメダルプレッシャ218の後端部が露出する上露出孔219が形成されている。また、メダルレール210の下流領域の下部には、前後方向に貫通し、セレクトプレート207の後述するメダルストッパ部227が露出する下露出孔220が形成されている。
図9に示すように、アフタメダルプレッシャ218は、ベース板部204の前面204aに回動可能に軸支されている。アフタメダルプレッシャ218の前端部がメダルソレノイド208によってパチスロ1の後方へ押圧されると、アフタメダルプレッシャ218は回動し、アフタメダルプレッシャ218の後端部が上露出孔219(図8参照)から露出する。
図7及び図8に示すように、キャンセルシュータ206は、略板状の部材であり、パチスロ1の左右方向の両端部がパチスロ1の前方に折曲するように成型されている。キャンセルシュータ206は、ベース板部204に着脱可能に固定され、ベース板部204の下部を後方から覆っている。キャンセルシュータ206は、メダル出口部204cを介することなく排出されるメダルをメダルシュート202(図4参照)に案内する。キャンセルシュータ206の左右方向の略中央部の上部には、下方に略矩形状に切り欠いた切欠き部206aが形成されている。
図7に示すように、サブプレート205は、メダルレール210を後方から覆う板状の部材である。サブプレート205は、平板状の本体部221と、この本体部221の上部に設けた軸部222と、を有している。本体部221の略中央部には、前後方向に貫通する貫通孔221aが設けられており、貫通孔221aからはメダルレール210の略中央部から下流領域が露出している。
軸部222は、ベース板部204に支持されており、サブプレート205は、軸部222を中心に回動可能にベース板部204に取り付けられている。軸部222には、コイルばね223が取り付けられている。通常時、サブプレート205は、コイルばね223の付勢力により、ベース板部204側に押し付けられている。このとき、サブプレート205と、サブプレート205に覆われたメダルレール210の上部との間には、メダルが通過可能な空間が形成されている。すなわち、サブプレート205は、メダルを通過させるガイド板として機能する。
ここで、例えば、メダルセレクタ201内にメダル詰まりが生じた場合、サブプレート205をコイルばね223の付勢力に抗して回動させて、メダル詰まりを解消することができる。
図8に示すように、セレクトプレート207は、サブプレート205に覆われていないメダルレール210の略中央部を移動するメダルをガイドする部材である。図10に示すように、セレクトプレート207は、略台形板状のプレート本体224と、プレート本体224の左右方向の両端部がパチスロ1の前方へ折曲することで形成されている一対の軸受部225と、を有している。また、プレート本体224の上部には、パチスロ1の前方へ折曲し、後端部が上方へ折曲することで形成されているフランジ部226が形成されている。また、一方の軸受部225には、下方へ延びるメダルストッパ部227が形成されている。
図8に示すように、プレート本体224は、サブプレート205に覆われていないメダルレール210の略中央部とパチスロ1の前後方向に対向している。
図9に示すように、セレクトプレート207は、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部228に回動可能に支持されている。軸部228にはコイルばね229が設けられており、フランジ部226をパチスロ1の前方へ付勢する。フランジ部226は、メダルソレノイド208の一端部と接触している。メダルソレノイド208がON状態にあるとき、フランジ部226はメダルソレノイド208の一端部に押圧され、コイルばね229の付勢力に抗してパチスロ1の後方へ移動する。このときの、セレクトプレート207の回動位置を「ガイド位置」と称する。ガイド位置にあるセレクトプレート207のプレート本体224とメダルレール210との距離は、メダルをキャンセルシュータ206側に排出することなくホッパー装置51へガイド可能な所定の距離に設定されている。また、このときメダルストッパ部227は、下露出孔220(図8参照)から突出しない。
また、メダルソレノイド208がOFF状態にあるとき、フランジ部226はメダルソレノイド208の押圧から解放され、コイルばね229の付勢力によってパチスロ1の前方へ移動する。このときの、セレクトプレート207の回動位置を「排出位置」と称する。排出位置にあるセレクトプレート207のプレート本体224とメダルレール210との距離は、所定の距離よりも長い距離に設定されている。このとき、パチスロ1の前方へ移動するフランジ部226に押圧され、メダルソレノイド208の一端部はパチスロ1の前方へ移動する。これに伴ってメダルソレノイド208の他端部がパチスロ1の後方へ移動し、アフタメダルプレッシャ218の前端部を押圧する。これによってアフタメダルプレッシャ218は回動し、アフタメダルプレッシャ218の後端部が上露出孔219(図8参照)から露出する。
メダルストッパ部227は、セレクトプレート207がガイド位置にあるときは下露出孔220(図8参照)から突出せず、排出位置にあるときは下露出孔220から突出する。
図11に示すように、ガイド位置にあるセレクトプレート207は、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合、移動するメダルの上部と接触し、メダルをメダル出口部204c(図8参照)へ案内する。メダルは、セレクトプレート207に案内されているとき、メダルプレッシャ213をパチスロ1の前方へ押圧する。なお、図11では、メダルセレクタ201のサブプレート205やキャンセルシュータ206の図示を省略している。
一方、図12に示すように、排出位置にあるセレクトプレート207は、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合であっても、プレート本体224とメダルレール210との距離が離れているため、メダルをメダル出口部204c(図8参照)へ案内することができない。また、メダルは、メダルプレッシャ213、上露出孔219から突出するアフタメダルプレッシャ218、または、下露出孔220から突出するメダルストッパ部227に押し出され、キャンセルシュータ206に向けて排出される。なお、図12では、図11と同様に、メダルセレクタ201のサブプレート205やキャンセルシュータ206の図示を省略している。
また、本実施形態においてセレクトプレート207は、通常、ガイド位置に位置付けされているが、所定の条件下(例えば、規定枚数のメダル投入時、エラー発生時、遊技開始時など)では、排出位置に位置付けされている。
また、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法よりも小径の場合、セレクトプレート207がガイド位置にあっても、メダルはセレクトプレート207に案内されず、メダルプレッシャ213に押し出され、キャンセルシュータ206に向けて排出される。
図7及び図8に示すように、カメラユニット209は、第1の基板230と第2の基板231で構成されており、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判別するユニットである。第1の基板230には、CMOSイメージセンサ232(図16参照)及びLED233(図16参照)が設けられている。第2の基板231には、CMOSイメージセンサ232及びLED233と通信可能、及び、制御可能に接続されている制御LSI234(図16参照)が設けられている。第1の基板230と第2の基板231は、BtoB(Board-to-Board)形式のコネクタ(不図示)で接続され、また、各基板230、231の角部に設けられた脚部235によって固定されている。なお、カメラユニット209の回路の具体的な構成については後述する。また、本実施形態では、カメラユニット209を2つの基板230、231で構成する態様を説明したが、これに代えて、CMOSイメージセンサ232、LED233及び制御LSI234を設けた1つの基板で、カメラユニットを構成してもよい。
カメラユニット209は、キャンセルシュータ206の上部の切欠き部206aの周囲に設けられたビス穴206bに、第1の基板230がビス止めされることで、固定されている。CMOSイメージセンサ232(図16参照)は、第1の基板230の略中央部分に設けられている。CMOSイメージセンサ232は、メダルレール210上を移動するメダルを撮像し、撮像したメダルの画像データを制御LSI234(図16参照)に出力する。LED233(図16参照)は、CMOSイメージセンサ232の周囲で面発光し、メダルレール210上を移動するメダルに光を照射する。制御LSI234(図16参照)は、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づいて、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判別し、判別結果を出力する。なお、本実施形態では、切欠き部206aの周囲に形成したビス穴206bにビス止めすることでカメラユニット209をキャンセルシュータ206に固定する態様を説明したが、カメラユニットの固定態様はこれに限定されない。例えば、第1の基板230と第2の基板231の間に取り付けレールを設け、また、キャンセルシュータ206の上部に凹部を設け、この凹部に取り付けレールを嵌めた上で、取り付けレールとキャンセルシュータ206をビス止めまたは接着剤で固定するようにしてもよい。
<パチスロの回路構成>
次に、パチスロ1が備える回路の構成について、図13〜図20を参照して説明する。まず、図13を参照してパチスロ1が備える回路全体の概要について説明する。図13は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に配設された主制御基板71と、フロントドア2bに配設された副制御基板72を有している。主制御基板71には、リール中継端子板74と、設定用鍵型スイッチ56と、外部集中端子板47と、ホッパー装置51と、メダル補助収納庫スイッチ75と、電源装置53の電源基板53bが接続されている。設定用鍵型スイッチ56、外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されている。外部集中端子板47及びホッパー装置51については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L、3C、3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板74は、各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52のスイッチ貫通孔(非表示)を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置53の電源基板53bには、電源スイッチ53aが接続されている。この電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板71には、ドア中継端子板68を介して、メダルセレクタ201、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81及び副中継基板61が接続されている。ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したため、説明を省略する。メダルセレクタ201の回路構成については後述する。
BETスイッチ77は、BETボタン22が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン27が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ79は、スタートレバー23が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板80には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン19L、19C、19Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L、3C、3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器24に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板81には、7セグ表示器24とLED82が接続されている。LED82は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68と副中継基板61を介して主制御基板71に接続されている。この副制御基板72には、副中継基板61を介して、サウンドI/O基板84、LED基板62A、62B、62C、24hドア開閉監視ユニット63が接続されている。これらLED基板62A、62B、62C及び24hドア開閉監視ユニット63については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板84は、センタースピーカ58、ボードスピーカ64、下部スピーカ65L、65R及びフロントドア2bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。
また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板86と、液晶中継基板87が接続されている。これらロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72と共に副制御基板ケース57に収納されている。ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板62A、62B及びその他のLED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
[主制御回路]
次に、主制御基板71により構成される主制御回路91について、図14を参照して説明する。図14は、パチスロ1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板71上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。メインCPU93と前述のホッパー装置51は、本発明の遊技媒体払出装置を構成している。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム(例えば、上述した内部抽籤処理の実行のためのプログラム)、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L、3C、3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L、3C、3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めた場合は、左ストップボタン19Lが押されたときにリール表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、リール表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
[副制御回路]
次に、副制御基板72により構成される副制御回路101について、図15を参照して説明する。図15は、パチスロ1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11(図2参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ58、64、65L、65R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ58、64、65L、65R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED85等の光源の点灯及び消灯を制御する。
<メダルセレクタの回路構成>
次に、メダルセレクタ201の回路構成について、図16を参照して説明する。図16は、メダルセレクタ201の回路構成例を示すブロック図である。
図16に示すように、メダルセレクタ201は、カメラユニット209とメダルソレノイド208を備えている。また、メダルセレクタ201は、ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続されている。すなわちメダルセレクタ201は、主制御回路91と電気的に接続されている。したがって、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をON状態またはOFF状態に設定することができる。
カメラユニット209は、制御LSI234、CMOSイメージセンサ232及びLED233で構成されている。カメラユニット209の制御LSI234は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-programmable Gate Array)等の、画像処理制御専用のLSIとして構成され、CMOSイメージセンサ232及びLED233と電気的に接続されている。制御LSI234は、LED233の発光を制御する。また、制御LSI234は、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づいて、投入が正規メダルか否かを判別し、判別結果を、ドア中継端子板68を介して主制御基板71に出力する。なお、本実施形態において、採用されているCMOSイメージセンサ232は、解像度が648×488ピクセルであり、フレームレートが240fps(Frames Per Second)のCMOSイメージセンサであるが、このようなイメージセンサに限定される必要はない(CMOS以外の撮像装置も用いられ得る)。また、LED以外の発光装置を用いることもできる。
[制御LSIの回路構成]
次に、制御LSI234の回路構成について、図17〜図20を参照して説明する。図17は、制御LSI234の回路構成例を示すブロック図である。図18は、制御LSI234を含むカメラユニット209の機能ブロック図であり、図19は、正規メダルを説明するための図であり、図19Aは正規メダルの一面を示し、図19Bは正規メダルの画像データを示している。また、図20は正規メダルに係る勾配平均画像データの生成(合成)を説明するための図である。なお、カメラユニット209は、LED等からなる発光部を備えるが、図18では図示を省略する。
制御LSI234は、ホストコントローラ241、画像認識DSP(digital signal processor)回路242、SRAM(Static Random Access Memory)243、フラッシュメモリ244、ISP(Image Signal Processing)回路245及びメダルカウント回路246を備えている。また、制御LSI234は、カラー認識回路247、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識アクセラレータ回路249、及びGPIO(General Purpose Input/Output)250を備えている。これら制御LSI234を構成するデバイスは、バスを介して相互に接続されおり、本実施形態の制御LSI234では、バスのプロトコルとしてAXI(Advanced eXtensible Interface)が採用されている。
また、制御LSI234は、ISI(Image Sensor Interface)回路251を備えている。ISI回路251は、CMOSイメージセンサ232とISP回路に電気的に接続されている。ISI回路251は、CMOSイメージセンサ232からLVDS(Low voltage differential signaling)方式で出力された画像データをRGBベイヤ画像に変換して、ISP回路245に出力する。
ここで、CMOSイメージセンサ232とISI回路251(及びISI回路251を制御するホストコントローラ241)は、図18に示す撮像部261に対応する。撮像部261から後述する変換部263に、撮像画像262が送出される(撮像画像262は、この例では、ISI回路251から出力されるRGBベイヤ画像である)。
ISP回路245は、ISI回路251からRGBベイヤ画像を受信すると、VSYNC(Vertical Synchronization)割込信号を、ホストコントローラ241に出力する。また、ISP回路245は、ISI回路251から出力されたRGBベイヤ画像を各種フォーマットに変換する変換処理を行う。変換処理において、ISP回路245は、RGBベイヤ画像をY(各ピクセルの輝度)に変換し、変換した画像データをSRAM243に記憶させる。また、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を、YUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換し、このYUV画像データにおける輝度に係るデータをメダルカウント回路246に出力する。また、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を、HSV色空間に対応する画像データ(HSV画像データ)に変換し、このHSV画像データにおける色相と彩度に係るデータをカラー認識回路247に出力する。
ここで、ISP回路245の一部(少なくとも、RGBベイヤ画像を、YUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換する処理機能部)、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18の変換部263に対応する。
メダルカウント回路246は、ISP回路245から出力された輝度に係るデータに基づいてカウント処理を行う。カウント処理において、メダルカウント回路246は、画像における所定の領域であるカウント領域の輝度に係るデータと、カウントしきい値とを比較し、背景差分法によってメダルが通過したか否かを判定する。カウントしきい値とは、正規メダルの画像におけるカウント領域の輝度に係るデータに基づいて予め定められているしきい値である。メダルカウント回路246は、差分が小さければメダルが通過したと判定し、差分が大きければメダルが通過していない(メダル以外のものが通過した)と判定する。そして、メダルカウント回路246は、判定結果をSRAM243に記憶させる。なお、カウント領域は、パチスロ1が正規メダルとして用いるメダルに応じて任意に設定可能であるが、メダルの回転角度が輝度の差分に大きな影響を与えないに領域に設定するのが好ましい。例えば、図19Aに示すような、両面に同じ刻印(模様)が施されている正規メダル280を用いる場合、この正規メダル280の画像データ282(図19B参照)では、領域内における正規メダルの一方の面に施された刻印(模様)がメダルの回転角度によって変化しない、すなわち、メダルの回転角度が輝度の差分に大きな影響を与えないに場所(図19Bの領域283)をカウント領域として設定するのが好ましい。また、カウント領域の範囲が狭いほど、カウント処理を高速化させることができる。
カラー認識回路247は、ISP回路245から出力された色相と彩度に係るデータに基づいて色判定処理を行う。色判定処理において、カラー認識回路247は、まず、画像データの中心付近の色相と彩度に係るデータの積算値をベクトルで表現し(ベクトル変換し)、3次元空間上でベクトルの角度を計算する。次に、カラー認識回路247は、計算したベクトルの角度と、所定の色しきい値とを比較して、正規メダルの色と一致するか否かを判定する。所定のしきい値は、正規メダルに係る画像データについて上述した処理と同様の方法で計算したベクトルの角度に基づいて予め定められているしきい値(例えば、比較対象となる正規メダルに係る3次元空間上のベクトルの個々の座標(XYZ)上の角度の±10度以内)である。そして、カラー認識回路247は、判定結果をSRAM243に記憶させる。
魚眼補正スケーラ回路248は、SRAM243からRGBベイヤ画像をY(各ピクセルの輝度)変換した画像データを取得し、魚眼補正処理を行う。魚眼補正処理において、魚眼補正スケーラ回路248は、取得した画像データを魚眼補正し、1/2、1/4、1/8に縮小した縮小画像データを作成する。そして、魚眼補正スケーラ回路248は、作成した縮小画像データをSRAM243に記憶させる。
魚眼補正スケーラ回路248、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18の変換部263に含まれる。
画像認識DSP回路242は、SRAM243から縮小画像データ(本実施形態では、1/4に縮小した縮小画像データ)を取得し、前処理を行う。前処理において、画像認識DSP回路242は、取得した縮小画像データを、非線形拡散フィルタを通してエッジ画像データに変換し、エッジ画像データをSRAM243に記憶させる。
ここで、画像認識DSP回路242の一部(上述の、取得した縮小画像データを、非線形拡散フィルタを通してエッジ画像データに変換する処理機能部)、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18の変換部263に含まれる。
画像認識アクセラレータ回路249は、勾配平均画像データを作成する回転積算処理を行う。回転積算処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243からエッジ画像データを取得し、取得したエッジ画像データ(例えば、図19Bに示す画像データ282)を、例えば、1度単位で回転させて生成した360度分の画像データを積算させて(重ね合わせて)勾配平均画像データを生成する。画像認識アクセラレータ回路249によって生成された勾配平均画像データは、SRAM243に記憶される。勾配平均画像データが生成(合成)される例として、図19Aに示す正規メダル280の勾配平均画像データ285を図20に示す。勾配平均画像データ285は、「A」の形状のエッジ画像データが、例えば360度回転しながら積算される(すなわち、360回積算される)画像データとなるが、ここではこれを、簡略化して示すものとする。なお、画像認識アクセラレータ回路249の、勾配平均画像データを生成する処理機能部、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18の特徴画像生成部264に対応する。
また、画像認識DSP回路242は、メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致するか否かを判定する刻印判定処理を行う。刻印判定処理において、画像認識DSP回路242は、画像認識アクセラレータ回路249が回転積算処理で作成した勾配平均画像データをSRAM243から取得する。次に、画像認識DSP回路242は、取得した勾配平均画像データと、刻印判定処理用のテンプレートデータ(例えば、予め用意したSRAM243またはフラッシュメモリ244に記憶されている正規メダルの勾配平均画像データ)との差分を算出する。そして、画像認識DSP回路242は、算出した差分値と刻印判定用のしきい値とに基づいてメダルの刻印が正規メダルの刻印と一致するか否かを判定し、判定結果をSRAM243に記憶させる。例えば、画像認識DSP回路242は、取得した勾配平均画像データとテンプレートデータとの各画素における輝度を比較し、一致するか否か(多諧調の場合は差分が所定の範囲以内か)を判定し、一致する(差分が所定範囲内)画素が一定数以上ある場合は、メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致すると判定し、一致する画素が一定数に満たない場合はメダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致しないと判定する。なお、このような、画像認識DSP回路242の、刻印判定処理に係る処理機能部、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18に示す判定部265に対応し、テンプレートデータは、テンプレートデータ267に対応する。
上述の刻印判定処理等を行う画像認識DSP回路242やホストコントローラ241は、プログラム(シーケンスプログラム)によって動作し、これらのプログラムは、例えば、SRAM243やフラッシュメモリ244に記憶される。また、テンプレートデータは、例えば、SRAM243に記憶される。
ホストコントローラ241は、各デバイスすなわちメダルカウント回路246、カラー認識回路247、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識DSP回路242、画像認識アクセラレータ回路249、GPIO250の制御を行う。また、ホストコントローラ241は、GPIO250を介して、LED233へ点灯指示や消灯指示に係る信号を出力する。また、ホストコントローラ241は、GPIO250を介して、SRAM243に記憶されているカウント処理に係る判定結果、色判定処理に係る判定結果、刻印判定処理に係る判定結果を出力する。なお、上述の、色判定処理または刻印判定処理に係る判定結果を出力するGPIO250とこれを制御するホストコントローラ241は、図18に示す入出力部266に対応し、判定結果は、図18の判定結果268に対応する。
フラッシュメモリ244には、ホストコントローラ241、画像認識DSP回路242、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識アクセラレータ回路249が各種処理に用いるパラメータやデータ(上述のテンプレートデータを含む)が記憶されている。
次に、図21を参照して、制御LSI234が行う、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判別するための処理(以下、「正規メダル判別処理」と称する場合がある)について説明する。
図21は、制御LSI234の正規メダル判別処理を説明するための図である。図21は、制御LSI234を構成する各デバイスにおける処理の関係を時系列的に示しており、各デバイス名の下方に延在する垂直線における比較的太線の部分は、そのデバイスが上述した各種処理を行っている状態であることを示している。また、各デバイスに対応する線からホストコントローラにおける「IN」の下方に延在する垂直線に向かって延びる破線矢印は、各デバイスからホストコントローラ241へ出力される割込信号を示している。また、ホストコントローラにおける「OUT」の下方に延在する垂直線から各デバイスに対応する線に向かって延びる破線矢印は、ホストコントローラ241から各デバイスに出力される信号を示している。また、ホストコントローラにおける「IN」の下方に延在する垂直線と「OUT」の下方に延在する垂直線との間の実線矢印は、ホストコントローラ241が検知した割込信号とホストコントローラ241から出力される信号との対応関係を示している。なお、図21は、メダル投入口21(図2参照)に6枚のメダルが連続して投入された場合の正規メダル判別処理を示している。また、何枚目のメダルに係る信号なのかが明確になるように、各信号に付した符号の先頭には、メダルの投入順を表す数字を付している。例えば、1枚目のメダルに係る後述するISP回路245からホストコントローラ241に出力されるVSYNC割込信号には、「1IH」という符号を付し、2枚目のメダルに係る同様のVSYNC割込信号には、「2IH」という符号を付した。
まず、CMOSイメージセンサ232(図17参照)がメダルレール210上を移動する物体(本例では1枚目のメダル)を撮像し、画像データを制御LSI234に出力すると、ISP回路245は、ISI回路251を介して画像データを取得(受信)し、VSYNC(Vertical Synchronization)割込信号を、ホストコントローラ241に出力する(1IH)。また、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を各種フォーマットに変換する変換処理を行う。そして、変換後の画像データ及び画像データに係る色相及び彩度や輝度のデータをSRAM243、メダルカウント回路246、カラー認識回路247に出力する。なお、変換処理の詳細な説明については上述したため省略する。
カラー認識回路247は、ISP回路245からデータを受信すると色判定処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶させ、また、ホストコントローラ241に色判定割込信号を出力する(1CH)。なお、色判定処理の詳細な説明については上述したため省略する。
メダルカウント回路246は、ISP回路245からデータを受信するとカウント処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶させ、また、ホストコントローラ241にメダルカウント割込信号を出力する(1MH)。なお、カウント処理の詳細な説明については上述したため省略する。
ホストコントローラ241は、色判定割込信号を検知すると、SRAM243から色判定処理の判定結果を取得し、GPIO250の割り付けPORTに出力する(1HG1)。すなわちホストコントローラ241は、色判定処理の判定結果を、GPIO250を介して主制御基板71(主制御回路91)に出力する。
ホストコントローラ241は、カウント割込信号を検知すると、SRAM243からカウント処理の判定結果を取得し、GPIO250の割り付けPORTに出力する(1HG2)。すなわちホストコントローラ241は、カウント処理の判定結果を、GPIO250を介して主制御基板71(主制御回路91)に出力する。なお、カウント処理の判定結果が「メダルが通過した」である場合、主制御回路91は、投入されたメダルの枚数をメインCPU93が計数するために設けられたカウンタである投入枚数カウンタの値に1加算する。なお、投入枚数カウンタの値が最大値(例えば、3)の場合は、クレジットされているメダルの枚数をメインCPU93が計数するために設けられたカウンタであるクレジットカウンタの値に1加算する。クレジットカウンタが最大値(例えば、50)の場合は、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定する。これによって、セレクトプレート207が「排出位置」に位置付けされ、クレジットカウンタが最大値となった後で投入されたメダルをメダルシュート202に案内してメダル払出口32からメダルトレイユニット34に排出する。本実施形態では、投入枚数カウンタの値が規定値(例えば、2または3)のときに、スタートレバーが操作されると、メインCPU93は上述の内部抽籤処理を行う。
魚眼補正スケーラ回路248は、ISP回路245が変換した画像データがSRAM243に記憶されると魚眼補正処理を行い、作成した縮小画像データをSRAM243に記憶させ、また、ホストコントローラ241に縮小終了割込信号を送信する(1SH)。なお、魚眼補正処理の詳細な説明については上述したため省略する。
ホストコントローラ241によるカウント処理の判定結果のGPIO250への出(1HG2)と、魚眼補正スケーラ回路248による縮小終了割込信号を送信(1SH)との間には、ISP回路245による2枚目のメダルに係るVSYNC割込信号の出力(2IH)が発生している。しかし、各メダルに係る各種処理(カウント処理、色判定処理、刻印判定処理など)の判定結果などを記憶するためSRAM243の記憶領域は個別に設定されているため、データの上書きなどは発生しない。
ホストコントローラ241は、縮小終了信号を検知すると、SRAM243を参照し、カウント処理の判定結果が「メダルが通過した」であり、また、色判定処理の判定結果が「正規メダルの色と一致する」であることを条件に、画像認識DSP回路242に前処理の開始を指示する(1HD)。
画像認識DSP回路242は、ホストコントローラ241からの指示に応じて前処理を行い、エッジ画像データをSRAM243に記憶させ、ホストコントローラ241に前処理終了割込信号を出力する(1DH1)。なお、前処理の詳細な説明については上述したため省略する。
ホストコントローラ241は、前処理完了割込信号を検知すると、画像認識アクセラレータ回路249に、回転積算処理の開始を指示する(1HA)。
画像認識アクセラレータ回路249は、ホストコントローラ241の指示に応じて回転積算処理を行い、勾配平均画像データをSRAM243に記憶させ、画像認識DSP回路242に積算終了割込信号を出力する(1AD)。なお、回転積算処理の詳細な説明については上述したため省略する。
画像認識DSP回路242は、積算終了割込信号を検知すると、SRAM243に記憶されている勾配平均画像データを取得し、刻印判定処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶させる。そして、画像認識DSP回路242は、刻印判定終了割込信号をホストコントローラ241に出力する(1DH2)。
ホストコントローラ241は、刻印判定終了割込信号を検知すると、SRAM243に記憶されている刻印判定処理の判定結果を取得し、GPIOの割り付けPORTに出力する(1HG3)。すなわちホストコントローラ241は、刻印判定処理の判定結果を、GPIO250を介して主制御基板71(主制御回路91)に出力する。
図21に示すように、本実施形態においては、画像認識DSP回路242による前処理及び刻印判定処理、並びに画像認識アクセラレータ回路249による回転積算処理は、比較的時間がかかる。このため、メダルが連続して投入された場合、ホストコントローラ241は、縮小終了信号を検知すると、画像認識DSP回路242または画像認識アクセラレータ回路249が処理中(ビジー状態)か否かを確認し、いずれも処理中でない場合に、画像認識DSP回路242による前処理及び刻印判定処理並びに画像認識アクセラレータ回路249による回転積算処理の開始の指示を行う。
したがって、本実施形態では、図21に示すように、2枚目及び3枚目のメダルに係る縮小終了信号(2SH及び3SH)をホストコントローラ241が検知する時、画像認識DSP回路242または画像認識アクセラレータ回路249が処理中(ビジー状態)であるため、ホストコントローラ241は、上記開始の指示を行わない。したがって、2枚目及び3枚目のメダルについては、カウント処理及び色判定処理は行われるが、刻印判定処理は、行われない。一方、4枚目のメダルに係る縮小信号(4SH)をホストコントローラ241が検知する時、画像認識DSP回路242及び画像認識アクセラレータ回路249は処理中(ビジー状態)ではない。したがって、4枚目のメダルについては、カウント処理、色判定処理及び刻印判定処理が行われる。
なお、画像認識DSP回路242による前処理及び刻印判定処理並びに画像認識アクセラレータ回路249による回転積算処理を高速化することで、投入される全てのメダルについて、カウント処理、色判定処理及び刻印判定処理が行われるようにしてもよい。
図21に示す2枚目、3枚目、4枚目、5枚目及び6枚目のメダルに係る各種信号(符号の先頭が「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の各信号)については、先頭の数字のみが異なる上述した1枚目のメダルに係る各種信号(符号の先頭が「1」)と同様のため、詳細な説明を省略する。なお、図21に示した、制御LSI234の正規メダル判別処理における各デバイスの処理タイミングは、例示に過ぎない。各デバイスの処理能力や処理内容・処理手順に応じて、様々な処理タイミングで正規メダル判別処理が行われうる。
<作用>
本実施形態のパチスロ1では、メダルセレクタ201の制御LSI234が色判定処理、カウント処理及び刻印判定処理を含む正規メダル判別処理を行う。メダルレール210上をメダルでない不正器具が移動した場合、色判定処理において「正規メダルの色と一致しない」と判定され、また、カウント処理において「メダルが通過していない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、図22Aに示す不正メダル290(正規メダル280(図19A参照)と同径及び同色で、メダルの表面に施されている刻印(模様)のみ異なるメダル)が移動した場合、色判定処理においては、「正規メダルの色と一致する」と判定される。しかし、カウント処理においては、図22Bに示す不正メダルの画像データ292のカウント領域(点線で囲まれている領域293)における刻印(模様)と正規メダルの画像データのカウント領域(図19Bにおいて点線で囲まれている領域283)における刻印(模様)とが著しく異なることから、「メダルが通過していない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、図23Aに示す不正メダル295(正規メダル280(図19A参照)と同径及び同色で、メダルの表面に施されている刻印(模様)のみ異なる他のメダル)が移動した場合、色判定処理においては、「正規メダルの色と一致する」と判定される。また、カウント処理においては、図23Bに示す不正メダルの画像データ297のカウント領域(点線で囲まれている領域298)における刻印(模様)と正規メダルの画像データのカウント領域(図19Bにおいて点線で囲まれている領域283)における刻印(模様)との差分が小さいことから「メダルが通過した」と判定される。しかし、刻印判定処理において、図23Cに示すこの不正メダルの勾配平均画像データ299と正規メダル280の勾配平均画像データ285(図20参照)とは大きく異なるので、「メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致しない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、正規メダル280(図19A参照)と異径(正規メダルの径よりもわずかに小さくまたは大きく、且つ、セレクトプレート207によって案内可能な径)及び同色のメダルが移動した場合、色判定処理においては、「正規メダルの色と一致する」と判定される。しかし、このメダルの画像データにおいて、このメダルが正規メダルの径よりもわずかに小さく、カウント領域にメダルの外縁と背景の境界があるような場合はカウント処理において、「メダルが通過していない」と判定される。また、たとえカウント処理において「メダルが通過した」と判定されたとしても、このメダルと正規メダル280の径の差から、このメダルの勾配平均画像データと正規メダル280の勾配平均画像データ285(図20参照)とは大きく異なることになる。このため、刻印判定処理では、「メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致しない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、正規メダル280(図19A参照)と同径及び異色のメダルが移動した場合、色判定処理において、「正規メダルの色と一致しない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、制御LSI234は、色判定処理、カウント処理及び刻印判定処理の判定結果にGPIOを介して主制御基板71からなる主制御回路91に出力する。したがって、主制御回路91に不正行為があった場合の種々の処理を行わせることができる。ここで、不正行為があった場合の種々の処理とは、例えば、主制御回路91が遊技を強制的に中断させ、副制御回路101を介して、不正行為があった旨を報知する(例えば、液晶表示装置11に不正行為が発生した旨を表示する)処理である。
また、色判定処理及びカウント処理の判定結果によって不正行為を検知した場合、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定してもよい。これによって、セレクトプレート207が「排出位置」に位置付けされるので、この不正メダルをメダルシュート202に案内してメダル払出口32から排出することができる。なお、主制御回路91は、色判定処理及びカウント処理による不正行為の検知によってOFF状態に設定したメダルソレノイド208を、この不正行為に係る不正メダルをメダルシュート202に案内後に、ON状態に設定してもよい。
また、刻印判定処理によって不正行為を検知した場合も、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定してもよい。本実施形態では、図21に示すように、ISP回路245から主制御回路91へ4枚目のメダルに係るVSYNC割込信号(4IH)が出力されてから5枚目のメダルに係るVSYNC割込信号(5IH)が出力されるまでの間に1枚目のメダルに係る刻印判定処理の判定結果が主制御回路へ出力される(1HG3)。したがって、不正なメダルが連続して投入される場合は、5枚目以降に投入された不正メダルをメダルシュート202に案内してメダル払出口32から排出することができる。これによって、不正行為による被害の拡大を抑えることができる。なお、刻印判定処理を高速化することで、カメラユニット209で撮像されたメダルがアフタメダルプレッシャ218またはメダルストッパ部227上を通過するまでに、刻印判定処理によって不正行為を検知可能な場合は、主制御回路91が即座にメダルソレノイド208をOFF状態に設定することで、不正行為による被害の発生を防止できる。また、主制御回路91は、刻印判定処理による不正行為の検知によってOFF状態に設定したメダルソレノイド208を、次の刻印判定処理の判定結果が「メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致する」である場合、ON状態に設定してもよい。これによって、不正メダルが偶然に混入していたため、遊技者が不正行為を意図せずに不正メダルを投入し、メダルソレノイド208がOFF状態に設定され遊技不能になった場合、遊技者は、正規メダルを投入すれば、遊技を再開することができる。
<第1実施形態の変形例>
以上、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明の遊技機は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形実施が可能である。
例えば、上記説明においては、遊技媒体として両面に同一の刻印(模様)が施されているメダルを用いる例を説明したが、これに代えて、メダルの一方の面と他方の面で異なる刻印が施されているメダルを用いてもよい。この場合、カウント処理、色判定処理、刻印判定処理におけるしきい値に係るデータとして、メダルのそれぞれの面に係るデータを予め用意すればよい。
また、しきい値に係るデータの設定方法としては、一定の単位遊技期間(例えば、100ゲーム)の間をしきい値に係るデータの収集期間とし、この単位遊技期間中にカメラユニット209で撮像したメダルの画像データに基づいて設定する方法を採用してもよい。
上述した第1実施形態に係る遊技機は、CMOSイメージセンサ232等を含む撮像部261によって取得された撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、カメラユニット209の制御LSI234は、ASIC等として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、制御LSI234が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。
<<第2実施形態>>
以下、本発明の第2実施形態に係る遊技機であるパチスロについて、図24〜図39を参照しながら説明する。なお、本発明の第2実施形態に係る遊技機であるパチスロ300は、機能フロー、パチスロの構造、メダルセレクタの構成、パチスロの回路構成、及びメダルセレクタの回路構成に関して、上述した第1実施形態に係る遊技機であるパチスロ1と同様である。以下では、第1実施形態に係る遊技機であるパチスロ1で実行される正規メダル判別処理をさらに具体的に説明するとともに、新たな正規メダル判別処理の方法について説明する。
上述のように、第2実施形態に係る遊技機であるパチスロ300は、第1実施形態に係る遊技機と同様に、制御LSI334(第1実施形態に係る遊技機の制御LSI234に対応)を含むカメラユニット309(第1実施形態に係る遊技機のカメラユニット209に対応)を備え、さらに、カメラユニット309を含むメダルセレクタ301(第1実施形態に係る遊技機のメダルセレクタ201に対応)を備える。図24は、このようなカメラユニット309の機能ブロック図であり、実質的には、図18に示した第1実施形態に係る遊技機に関する機能ブロック図に示したものと同様の構成である。
図24に示されるように、本実施形態に係るカメラユニット309は、撮像部361、変換部363、特徴画像生成部364、判定部365、及び入出力部366を備えている。なお、カメラユニット309は、LED等からなる発光部を備えるが、図24では図示を省略する。
撮像部361は、CMOSイメージセンサ332(例えば、第1実施形態に係る遊技機のCMOSイメージセンサ232に対応)を含み、このCMOSイメージセンサ332により撮像された画像データを(必要に応じて所定の変換を行って)、撮像画像362Aとして出力する。
変換部363(例えば、第1実施形態に係る遊技機のISP回路245に対応)は、撮像部361から入力される撮像画像362Aをカラー画像からグレースケール画像に変換し、変換後の撮像画像を撮像画像362Bとして出力する。
特徴画像生成部364(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識アクセラレータ回路249等に対応)は、メダル310が撮像されている撮像画像362Bに基づいて、メダル310の特徴を示す特徴画像362Cを生成する。判定部365は、特徴画像生成部364で生成された特徴画像362Cに基づいて、撮像画像362Bに映るメダル310(すなわち、撮像画像362Cに含まれるメダル310の画像に対応するメダル310)が正規のものか否かを判定し、その判定結果368を、入出力部366(例えば、第1実施形態に係る遊技機のGPIO250に対応)を介して出力する。
判定部365(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識DSP回路242等に対応)は、特徴画像生成部364が撮像画像362Bから生成した特徴画像362Cと、正規メダルの特徴を示すテンプレートデータ(テンプレート特徴画像)367とを比較し、その比較結果に基づいて、撮像画像362Bに係るメダル310が正規のものか否かを判定する。
図25は、撮像部361で得られる撮像画像362Aの一例を模式的に示す図である。図25に示される撮像画像362Aには、撮像されたメダル310の画像が含まれている。また、背景であるメダルレール311が撮像され、その画像が撮像画像362Aに含まれている。なお、メダルレール311は、上述の第1実施形態のメダルレール210に対応するものであるが、ここでは、レールの形状を簡略化して示している。
メダル310の一方主面310aには、例えばアルファベット「A」の模様が示されている。これは、正規メダルの模様を示すものであるが、これ以外の模様であってもよい。また、正規メダルの両主面に模様が付されていてもよい。
本実施形態では、メダル310は、その両主面の中心を通る、厚み方向に沿った回転軸の周りに回転しながらメダルレール311上を移動する。そして、撮像部361は、メダル310の一方主面310a側からメダル310を撮像する。したがって、撮像画像362Aには、メダル310の一方主面310aの画像が含まれることになる。また、本実施形態では、撮像部361で生成される撮像画像362Aはカラー画像であるが、グレースケール画像であってもよい。
図26は、特徴画像生成部364の構成を示す図である。図26に示されるように、特徴画像生成部364は、第1画像生成部370、及び第2画像生成部380を備えている。第1画像生成部370は、撮像画像362Bに基づいて、メダル310を示す第1画像374を生成する。第2画像生成部380は、第1画像生成部370で生成された第1画像374を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像の少なくとも一部を特徴画像362C(第2画像)として生成する。
第1画像生成部370は、抽出部371、及びエッジ画像生成部372を備えている。抽出部371は、撮像画像362Bからメダル310が示されるメダル領域373を抽出する。エッジ画像生成部372は、抽出部371で抽出されたメダル領域373に対してエッジ検出を行って、エッジ画像(第1画像374)を生成する。
<正規メダル判別処理のフロー>
次に、本実施形態におけるカメラユニット309で実施される正規メダル判別処理の一連の動作について説明する。
最初に、撮像部361から撮像画像362Aが入力されると、変換部363において撮像画像362Aをカラー画像からグレースケール画像に変換し、それよって得られた撮像画像362Bを処理対象とする。
次に、抽出部371は、処理対象である撮像画像362Bから、メダル310が映るメダル領域373を抽出する。その後、エッジ画像生成部372は、抽出部371で抽出されたメダル領域373に対してエッジ検出を行って、メダル310を示す第1画像374としてのエッジ画像を生成する。次に、第2画像生成部380は、エッジ画像生成部372で生成されたエッジ画像(第1画像374)を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像の少なくとも一部を特徴画像362Cとして生成する。
次に、判定部365は、第2画像生成部380で生成された特徴画像362Cと、テンプレートデータ367に含まれる特徴画像とを比較し、その比較結果に基づいて、処理対象の撮像画像362Bに示されるメダル310が正規のものであるか否かを判定する。言い換えれば、判定部365は、特徴画像362Cとテンプレートデータ367に含まれる特徴画像との比較結果に基づいて、撮像部261で生成された撮像画像362Aに示されるメダル310が正規のものであるか否かを判定する。そして、判定部365は、判定結果368を、入出力部366(第1実施形態のGPIO250に対応)を介して、主制御回路(第1実施形態の遊技機における主制御回路91に対応)に出力する。このようにして、主制御回路は、撮像画像362Aに示されるメダル310が正規のものでない場合、第1実施形態の遊技機と同様に、遊技を強制的に中断させ、副制御回路(第1実施形態の遊技機における副制御回路101に対応)を介して、不正行為があった旨を報知することができる。例えば、スピーカから警告音を出力したり、液晶表示装置であるディプレイに警告情報を表示したりするなどして、外部に警告を発することができる。
その後、判定部365は、新たな撮像画像362Aが入力されると、その撮像画像362Aから得られる撮像画像362Bを新たな処理対象として、上述した正規メダル判別処理を実行する。以後、判定部365は、撮像画像362Aが入力されるたびに、同様の動作を行う。
<各構成要素の詳細説明>
次に、第1画像生成部370の抽出部371とエッジ画像生成部372、第2画像生成部380、及び判定部365の動作についてさらに詳細に説明する。
[抽出部]
図27は、抽出部371が撮像画像362Bから抽出するメダル領域373の一例を模式的に示す図である。撮像画像362Bからメダル領域373を抽出する方法としては様々な方法がある。
例えば、メダル310の外形が円形であることを利用した第1の抽出方法がある。この第1の抽出方法では、まず、撮像画像362Bに対してエッジ検出が行われてエッジ画像が生成される。エッジ画像の生成方法としては、例えば、Sobel法、Laplacian法、Canny法などが使用される。次に、生成されたエッジ画像から円形領域が抽出される。円形領域の抽出方法としては、例えばハフ変換が使用される。そして、エッジ画像における当該円形領域の位置と同じ位置に存在する撮像画像362Bでの円形領域が、メダル領域373とされる。
別の方法としては、背景差分法とラベリングを用いて撮像画像362Bからメダル領域373を抽出する第2の抽出方法がある。この第2の抽出方法では、まず、撮像画像362Bと背景画像(撮像画像362Bの背景だけが映る画像)との差分を示す背景差分画像が生成され、生成された背景差分画像が2値化される。そして、2値の背景差分画像に対して4連結等のラベリングが行われる。そして、2値の背景差分画像における、ラベリングの結果得られた連結領域(独立領域)の位置と同じ位置に存在する撮像画像362Bでの部分領域が、メダル領域373とされる。
本実施形態では、抽出部371は、上記の2つの方法とは異なる方法で、撮像画像362Bからメダル領域373を抽出する。以下に本実施形態に係る抽出部371の動作について説明する。なお、抽出部371は、上記の2つの方法のどちらか一方を用いて撮像画像362Bからメダル領域373を抽出してもよい。
まず、抽出部371は、撮像画像362Bと背景画像375(撮像画像362Bの背景だけが映る画像)との差分を示す背景差分画像を生成し、生成した背景差分画像を2値化する。図28は、背景画像375を模式的に示す図であって、図29は、2値の背景差分画像376を模式的に示す図である。なお、図29、及び本実施形態における後述の図において模式的に示される2値の画像では、画素値が「1」の領域(高輝度領域)は黒色で示され、画素値が「0」の領域(低輝度領域)は白色で示される。また、背景画像375は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
次に、抽出部371は、2値の背景差分画像376に対して、メダル310の外形を示す2値の外形テンプレート377を用いたテンプレートマッチングを行う。つまり、抽出部371は、背景差分画像376において、外形テンプレート377と類似する領域がどこに存在するかを特定する。言い換えると、抽出部371は、背景差分画像376において、外形テンプレート377が示すメダル310の外形と一致する領域がどこに存在するかを特定する。図30は、外形テンプレート377を模式的に示す図である。外形テンプレート377は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
テンプレートマッチングでは、抽出部371は、図31に示されるように、背景差分画像376上で外形テンプレート377をラスタスキャン方向に少しずつ(例えば、1画素(ピクセル)ずつ)移動させる。言い換えれば、抽出部371は、背景差分画像376上で外形テンプレート377をラスタスキャンさせる。このとき、抽出部371は、外形テンプレート377の各位置において、外形テンプレート377と、それに重なる、背景差分画像376の部分領域とのAND画像を生成する。これにより、複数の2値のAND画像が生成される。そして、抽出部371は、生成した複数のAND画像のうち、画素値が「1」の画素(高輝度画素)の数が最も多いAND画像の生成で使用された外形テンプレート377の背景差分画像376上の位置を特定する。この位置は、背景差分画像376において、外形テンプレート377と類似した領域が存在する位置である。
そして、抽出部371は、図32に示されるように、特定した位置と同じ位置に存在する撮像画像362Bでの部分領域378を、メダル領域373として抽出する。言い換えれば、抽出部371は、特定した位置と同じ位置に外形テンプレート377を撮像画像362Bに配置した際に、外形テンプレート377と重なる、撮像画像362Bでの部分領域378を、メダル領域373として抽出する。このとき、部分領域378において、その上の外形テンプレート377が示す円形よりも外側の各画素の画素値を零としたものをメダル領域373としてもよい。抽出部371で抽出されるメダル領域373はグレースケール画像である。本実施形態では、メダル領域373の外形は四角形であるが、円形等の他の形状であってもよい。
[エッジ画像生成部]
エッジ画像生成部372は、例えば、Sobel法、Laplacian法、Canny法などを使用して、抽出部371で抽出されたメダル領域373に対してエッジ検出を行ってエッジ画像(第1画像374)を生成する。本実施形態では、エッジ画像生成部372は、例えば、処理が軽いSobel法を使用する。エッジ画像は2値の画像である。図33は、エッジ画像を模式的に示す図である。
[第2画像生成部]
第2画像生成部380は、エッジ画像生成部372で生成された第1画像(エッジ画像)374を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像の少なくとも一部を特徴画像362Cとして生成する。本実施形態では、第2画像生成部380は、例えば、第1画像(エッジ画像)374を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像を特徴画像362Cとして生成する。ここで、第1画像(エッジ画像)374の回転には、回転角度が0°の場合も含むものとする。以下に、当該回転合成画像の生成方法について説明する。
図34は、第2画像生成部380が回転合成画像379を生成する方法を説明するための図である。第2画像生成部380は、第1画像(エッジ画像)374を所定の角度αずつ回転させて、図34に示されるように、複数個の回転画像374aを生成する。ここで、第2画像生成部380は、トータルの回転角度が(360°−α)となるまで第1画像(エッジ画像)374を所定の角度αずつ回転させる。本実施形態では、第2画像生成部380は、第1画像(エッジ画像)374を例えば2°ずつ回転させて(α=2°)、180個の回転画像374aを生成する。なお、上述の角度αは、例えば、1°や4°など、様々な角度に調整することができる。
そして、第2画像生成部380は、生成した複数個の回転画像374aを合成して回転合成画像381を生成する。具体的には、第2画像生成部380は、複数個の回転画像374aを、それらの中心を一致させて加算平均し、それによって得られる加算平均画像を回転合成画像381とする。第2画像生成部380は、生成した回転合成画像381を、撮像画像362Bに示されるメダル310の特徴を示す特徴画像362Cとして使用する。
なお、第2画像生成部380は、複数個の回転画像374aを合成する際に、各回転画像374aにおいて、トータルの回転角度が0°の回転画像374a(つまり、回転していない第1画像(エッジ画像)374)の外形からはみ出る領域を使用しない。したがって、回転合成画像381は、第1画像(エッジ画像)374と同じ大きさのグレースケール画像となる。
上述のように、撮像部361は、回転するメダル310を撮像し、メダル310が映る撮像画像362Aを生成する。したがって、変換部363が生成する撮像画像362Bのメダル310の回転角度(メダル310に付された模様の回転角度)が常に同じであるとは限らない。一方で、回転合成画像381は、撮像画像362Bのメダル310を示す第1画像(エッジ画像)374を回転して得られる複数の回転画像374aを合成したものであることから、撮像画像362Bのメダル310の回転角度にばらつきがあるとしても、メダル310が正規のものであれば、撮像画像362Bから得られる回転合成画像381はほとんど変化しない。よって、回転合成画像381は、撮像画像362Bのメダル310の回転角度の影響を受けにくい、メダル310の特徴を示す特徴画像362Cであると言える。
[判定部]
判定部365は、第2画像生成部380で生成された回転合成画像381(特徴画像362C)と、正規のメダル310の特徴を示すテンプレートデータ267の特徴画像とを比較し、その比較結果に基づいて、当該撮像画像362Bに含まれるメダル310が正規のものか否かを判定する。テンプレートデータ267の特徴画像としては、正規のメダル310の画像が含まれる撮像画像362Bから上記と同様にして特徴画像生成部364で生成された、正規のメダル310の特徴を示す特徴画像362C(回転合成画像381)が使用される。
遊技機にメダル310を投入して、テンプレートデータ367の特徴画像を得るようにすることができる。例えば、投入された正規のメダル310が撮像された撮像画像362Bが生成され、この撮像画像362Bを「標準画像391」と呼ぶ。次に、特徴画像生成部364が、標準画像391に基づいて、標準画像391に含まれる正規のメダル310の特徴を示す特徴画像362C(回転合成画像381)を生成する。この特徴画像362Cを「標準特徴画像392」と呼ぶ。本実施形態では、標準特徴画像392がテンプレートデータ367の特徴画像となる。このようなテンプレートデータ367は、上述のように、カメラユニット309のSRAM等に記憶される。以後、遊技機が実稼働中に生成する特徴画像362C(正規メダルを判別するために生成された特徴画像362C)を、標準特徴画像392と区別するために、「対象特徴画像362C」と呼ぶことがある。
判定部365は、例えば、回転合成画像381(対象特徴画像362C)とテンプレートデータ367の特徴画像との間の類似度(相違度)を求めることによって、両者を比較する。本実施形態では、判定部365は、例えば、類似度を示す値として、SAD(Sum of Absolute Difference)を使用する。SADが大きいことは類似度が低いことを意味し、SADが小さいことは類似度が高いことを意味する。類似度を示す値として、SSD(Sum of Squared Difference)あるいはNCC(Normalized Correlation Coffiecient)などの他の値を使用してもよい。
判定部365は、回転合成画像381とテンプレートデータ367の特徴画像との間の類似度が高い場合には、撮像画像362Bに含まれるメダル310が正規のものであると判定し、当該類似度が低い場合には、撮像画像362Bに含まれるメダル310が正規のものではないと判定する。具体的には、判定部365は、回転合成画像381とテンプレートデータ367の特徴画像との間のSADがしきい値以下の場合には、撮像画像362Bのメダル310が正規のものであると判定し、当該SADが当該しきい値よりも大きい場合には、撮像画像362Bのメダル310が正規のものではないと判定する。そして、判定部365は判定結果368を出力する。
判定部365で使用されるしきい値は、例えば、複数のメダル310が使用されて決定される。具体的には、遊技機が実稼働していないときに、遊技機に対して複数の正規メダルが順次投入される。そして、投入された複数の正規メダルがそれぞれ撮像された複数の撮像画像362Bが生成される。判定部365は、生成された複数の撮像画像362Bのそれぞれについて、撮像画像362Bから特徴画像生成部364で生成された回転合成画像381と、テンプレートデータ367の特徴画像との間のSADを求める。そして、判定部365が求めた複数のSADのうちの最大値がしきい値に決定される。決定されたしきい値は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶される。
なお、このような遊技機によるしきい値の決定は、遊技機において所定のモードが選択された場合に行うようにすることができる。また、遊技機または他の装置によって事前にしきい値を決定し、各遊技機のSRAM等に記憶させるようにしてもよい。
判定部365で使用されるしきい値がこのように決定されることにより、正規のメダル310の種類が変更された場合には、変更後のメダル310が、実稼働していない遊技機に投入されることによって、変更後のメダル310に応じたしきい値が決定される。よって、メダル310の種類が変更された場合であっても、遊技機に投入されたメダル310が正規のものであるか否かを適切に判定することができる。
なお、上記の例では、2値の第1画像(エッジ画像)374が、撮像画像362Bのメダル310を示す第1画像374として第2画像生成部380に入力されたが、グレースケール画像のメダル領域373を示す画像が第1画像として第2画像生成部380に入力されるようにしてもよい。この場合には、メダル領域373を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像が特徴画像362Cとされる。
以上のように、第2実施形態に係る遊技機であるパチスロ300では、メダル310を示す第1画像(エッジ画像)374を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像381の少なくとも一部を第2画像(特徴画像362C)として生成している。この特徴画像362Cは、撮像画像362Bに含まれるメダル310の回転角度の影響を受けにくい。したがって、撮像画像362Bに含まれるメダル310の回転角度(回転姿勢)がばらつく場合であっても、特徴画像362C(対象特徴画像362C、標準特徴画像392)を用いて撮像画像362Bに含まれるメダル310が正規のものであるか否かをより正確に判定することができ、判定精度が向上する。
また、本実施形態では、2値のエッジ画像を第1画像374としているため、グレースケール画像のメダル領域373を第1画像374とする場合と比較して、撮像部361での撮像領域の明るさの変化の影響を第1画像374が受けることを抑制することができる。よって、特徴画像362Cが、メダル310が撮像される撮像領域の明るさの変化の影響を受けることを抑制することができ、その結果、正規メダルの判別精度が向上する。
また、本実施形態では、抽出部371は、テンプレートマッチングを用いて、撮像画像362Bからメダル領域373を抽出しているため、ハフ変換が使用される上述の第1の抽出方法や、ラベリングが使用される第2の抽出方法と比較して、抽出処理が簡素化される。
また、本実施形態では、判定部365は、撮像画像362Bから生成された特徴画像362Cと、テンプレートデータ367の特徴画像とをSAD等を用いて比較し、その比較結果に基づいて当該撮像画像362Bに係るメダル310が正規のものか否かを判定しているため、判定処理が簡素化される。
<第2実施形態の変形例>
以下に各種変形例について説明する。
[変形例1]
上記の例では、対象特徴画像362Cと比較されるテンプレートデータ367の特徴画像として標準特徴画像392が採用されているが、互いに異なる複数の正規のメダル310がそれぞれ撮像された複数の撮像画像362Aからそれぞれ生成される複数の標準特徴画像392を合成して得られる合成画像をテンプレートデータ367の特徴画像としてもよい。
図35は、本変形例に係るテンプレートデータ367の特徴画像の生成方法を説明するための図である。図35の例では、テンプレートデータ367の生成に、互いに異なる4つの正規のメダル310がそれぞれ撮像された撮像画像362Bからそれぞれ生成された4つの標準特徴画像392が使用されている。なお、ここでは、1つのメダル310の両主面のそれぞれが互いに異なる模様を有する場合、これらは個別に、標準特徴画像392として、テンプレートデータ367の生成に用いられうる。
本変形例では、テンプレートデータ367が生成される際には、遊技機が実稼働していないときに、遊技機に対して複数の正規のメダル310が順次投入される。そして、遊技機に投入された複数の正規のメダル310がそれぞれ撮像された複数の撮像画像362Aが生成される。特徴画像生成部364は、生成された複数の撮像画像362Aのそれぞれについて、撮像画像362Aに基づいた標準特徴画像392を生成する。次に、特徴画像生成部364は、生成した複数の標準特徴画像392を合成し、それによって得られた合成画像382(図35参照)をテンプレートデータ367の特徴画像とする。例えば、特徴画像生成部364は、複数の標準特徴画像392を加算平均し、それよって得られた加算平均画像(合成画像382)をテンプレートデータ367の特徴画像とする。
なお、このような遊技機によるテンプレートデータ367の生成は、遊技機において所定のモードが選択された場合に行うようにすることができる。また、遊技機または他の装置によって事前にテンプレートデータ367を生成し、各遊技機のSRAM等に記憶させるようにしてもよい。
このように、互いに異なる正規のメダル310の特徴をそれぞれ示す複数の標準特徴画像392を合成した合成画像382をテンプレートデータ367の特徴画像とすることによって、標準特徴画像392をそのままテンプレートデータ367とする場合と比較して、正規のメダル310の個体差が、正規メダル判別処理に与える影響を抑制することができる。また、撮像部361がメダル310を撮像する際に、メダル310と撮像部361の撮像装置(例えば、CMOSイメージセンサ)との距離がばらつく場合であっても、これが正規メダル判別処理に与える影響を抑制することができ、正規メダル判別処理の精度が向上する。
また、本例とは異なり、正規のメダル310を示す第1画像374をそのまま標準特徴画像392として使用した場合には、複数の標準特徴画像392を合成する際に、当該複数の標準特徴画像392にそれぞれ含まれる複数の正規のメダル310の回転角度(回転姿勢)が一致するように、当該複数の標準特徴画像392の向きを合わせる必要がある。
これに対して、本変形例では、標準特徴画像392として、正規のメダル310を示す第1画像374を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像381を使用しているため、複数の標準特徴画像392を合成する際に、当該複数の標準特徴画像392の向きを合わせる必要がない。よって、テンプレートデータ367の特徴画像の生成処理が簡素化される。
なお、テンプレートデータ367の特徴画像の生成で使用される正規のメダル310に大きな傷がある場合には、複数の標準特徴画像392を合成してテンプレートデータ367を生成したとしても、その傷の影響がテンプレートデータ367に現れ、正規メダル判別処理の精度が劣化する可能がある。
そこで、複数の正規のメダル310の特徴をそれぞれ示す複数の標準特徴画像392にそれぞれ含まれる、互いに同じ位置の複数の画素の画素値において、他の画素値と極端に異なる画素値が存在する場合には、その極端に異なる画素値を有する画素を含む標準特徴画像392を使用せずにテンプレートデータ367の特徴画像を生成してもよい。これにより、大きな傷を有する正規のメダル310に関する特徴を示す標準特徴画像392が、テンプレートデータ367の特徴画像の生成に使用されることを抑制することができる。よって、正規メダル判別処理の精度が劣化することを抑制できる。
[変形例2]
上記の例では、第2画像生成部380は、メダル310を示す第1画像374を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像381を特徴画像362Cとしていたが、回転合成画像381の一部を特徴画像362Cとしてもよい。以後、特徴画像362Cとなる、回転合成画像381の一部を「特徴部分領域383」と呼ぶ。
図36は、回転合成画像381の一部である特徴部分領域383を特徴画像362Cとした例を示す図である。図36に示される例では、四角形の回転合成画像381において、中心381cから上側の一辺381Bまで達する長方形の部分領域が特徴部分領域383とされている。図36に示される特徴部分領域383の例では、縦方向及び横方向のそれぞれにおいて複数の画素が含まれている。特徴部分領域383の形状は長方形以外であってもよい。
第2画像生成部380は、例えば、メダル310を示す第1画像374に基づいて回転合成画像381を生成し、その後、回転合成画像381から特徴部分領域383を抽出することによって、特徴画像362Cを生成する。
また、第2画像生成部380は、回転合成画像381を生成せずに特徴画像362Cを生成することも可能である。図37は、その方法を説明するための図である。図37に示されるように、第2画像生成部380は、第1画像生成部370で生成された第1画像374に対して抽出窓384を設定し、抽出窓384内の部分領域385(第1画像374の部分領域)を抽出する。抽出窓384は、例えば、図36に示した特徴部分領域383と同じ大きさである。また、抽出窓384は、第1画像374において、生成する特徴部分領域383の回転合成画像381での位置(図36参照)と同じ位置に設定される。ここで抽出された部分領域385を「基準部分領域385A」と呼ぶ。
次に、第2画像生成部380は、第1画像374の中心374cを中心に抽出窓384を所定の角度βずつ回転させ、各回転角度において抽出窓384内の部分領域385を抽出する。ここで、第2画像生成部380は、トータルの回転角度が(360°−β)になるまで、第1画像374の中心374cを中心に抽出窓384を所定の角度βずつ回転させる。βは、様々な角度に設定されうるが、この例では、2°である。そして、第2画像生成部380は、得られた複数の部分領域385を合成して合成画像を生成する。このとき、第2画像生成部380は、得られた複数の部分領域385において、基準部分領域385A以外の部分領域385を、基準部分領域385Aの外形と一致するように回転させた上で、当該複数の部分領域385を合成する。第2画像生成部380は、例えば、得られた複数の部分領域385を加算平均して加算平均画像を生成することによって、当該複数の部分領域385の合成画像を生成する。この加算平均画像(合成画像)が、図36に示す特徴部分領域383に対応するものとなる。
このように、回転合成画像381の一部を特徴画像362Cとすることによって、特徴画像362Cの画素数が低減する。したがって、特徴画像362Cを使用する判定部365での処理が簡素化される。
また、第2画像生成部380が、抽出窓384を所定の角度ずつ回転させ、各回転角度において抽出窓384内の部分領域385を抽出し、得られた複数の部分領域385を合成することによって特徴画像362Cを生成する場合には、特徴画像362Cを生成する際に取り扱う画像の画素数が低減するため、特徴画像362Cの生成処理が簡素化される。
なお、回転合成画像381のどの部分を特徴部分領域383とするかについては、正規のメダル310に示される模様の位置等に基づいて決定される。つまり、特徴部分領域383においてメダル310の特徴が十分に表れるように、回転合成画像381の一部を特徴部分領域383に設定することが好ましい。
例えば、図25に示されるように、正規のメダル310の模様がメダル310の一方主面310aのほぼ全面に亘って存在する場合には、本例のように、回転合成画像381において、中心381cから一辺381B(図36参照)まで達するように特徴部分領域383が設定されることが望ましい。
また、メダル310の模様がメダル310の一方主面310aの周端部だけにしか存在しない場合には、図38に示されるように、回転合成画像381の端部だけを特徴部分領域383としてもよい。
また、メダル310の模様がメダル310の一方主面310aのほぼ全面に渡って存在する場合には、図39に示されるように線状の特徴部分領域383としてもよい。図39に示される特徴部分領域383においては、縦方向では複数の画素が含まれているが、横方向では1つの画素だけしか含まれていない。
<<第3実施形態>>
以下、本発明の第3実施形態に係る遊技機であるパチスロについて、図40〜図60を参照しながら説明する。なお、本発明の第3実施形態に係る遊技機であるパチスロ400は、機能フロー、パチスロの構造、メダルセレクタの構成、パチスロの回路構成、及びメダルセレクタの回路構成に関して、上述した第1実施形態に係る遊技機であるパチスロ1と同様である。以下では、第3実施形態に係る遊技機であるパチスロ400で実行される正規メダル判別処理について説明する。
上述のように、第3実施形態に係る遊技機であるパチスロ400は、第1実施形態に係る遊技機と同様に、制御LSI434(第1実施形態に係る遊技機の制御LSI234に対応)を含むカメラユニット409(第1実施形態に係る遊技機のカメラユニット209に対応)を備え、さらに、カメラユニット409を含むメダルセレクタ401(第1実施形態に係る遊技機のメダルセレクタ201に対応)を備える。図40は、このようなカメラユニット409の機能ブロック図である。
図40に示されるように、本実施形態に係るカメラユニット409は、撮像部461、変換部463、抽出部464、特定部465、フィッティング部466、判定部467、及び入出力部468を備えている。なお、カメラユニット409は、LED等からなる発光部を備えるが、図40では図示を省略する。
撮像部461は、CMOSイメージセンサ432(例えば、第1実施形態に係る遊技機のCMOSイメージセンサ232に対応)を含み、このCMOSイメージセンサ432により撮像された画像データを(必要に応じて所定の変換を行って)、撮像画像462Aとして出力する。
変換部463(例えば、第1実施形態に係る遊技機のISP回路245に対応)は、撮像部461から入力される撮像画像462Aをカラー画像からグレースケール画像に変換し、変換後の撮像画像を撮像画像462Bとして出力する。
抽出部464(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識アクセラレータ回路249等に対応)は、撮像画像462Bから、メダル410が撮像されているメダル領域(対象物領域)473を抽出する。
特定部465(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識DSP回路242等に対応)は、メダル領域473において特徴的な局所領域(部分領域)を特定する。言い換えれば、特定部465は、メダル領域473において意味のある局所領域を特定する。この特定部465での処理は「セグメンテーション」と呼ばれる。以後、単に「局所領域」と言えば、特定部465がメダル領域473において特定する特徴的な局所領域を意味する。
フィッティング部466(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識DSP回路242等に対応)は、特定部465で特定された局所領域に対して楕円をフィッティングする。なお、本明細書において「楕円」とは、円(真円)を含む概念である。
判定部467(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識DSP回路242等に対応)は、フィッティング部466で得られた楕円に関する楕円情報を、撮像画像462Bに含まれるメダル410の特徴を示す特徴量とする。本実施形態では、楕円に関する楕円情報として、例えば、当該楕円の位置情報と形状情報が採用される。ただし、このような楕円情報は一例に過ぎず、このような情報に限定されるものではない。そして、判定部467は、このような特徴量に基づいて、撮像画像462Bに含まれるメダル410が正規のものであるか否かを判定し、その判定結果469を、入出力部468(例えば、第1実施形態に係る遊技機のGPIO250に対応)を介して出力する。本実施形態では、判定部467は、撮像画像462Bから求められた特徴量と、正規のメダル410の特徴を示す標準特徴量(基準特徴量)467Aとを比較し、その比較結果に基づいて、撮像画像462Bに係るメダル410が正規のものであるか否かを判定する。標準特徴量467Aは、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
図41は、撮像部461で得られる撮像画像462Aの一例を模式的に示す図である。図41に示される撮像画像462Aには、撮像されたメダル410の画像が含まれている。また、撮像画像462Aには、背景であるメダルレール411が撮像されている。なお、メダルレール411は、上述の第1実施形態のメダルレール210に対応するものであるが、ここでは、レールの形状を簡略化して示している。
メダル410の一方主面410aには、例えば、アルファベット「A」の模様とアルファベット「B」の模様が示されている。これは、正規メダルの模様を示すものであるが、これ以外の模様であってもよい。また、正規メダルの両主面に模様が付されていてもよい。
本実施形態では、メダル410は、その両主面の中心を通る、厚み方向に沿った回転軸の周りに回転しながらメダルレール411上を移動する。そして、撮像部461は、メダル410の一方主面410a側からメダル410を撮像する。したがって、撮像画像462Aには、メダル410の一方主面410aの画像が含まれることになる。また、本実施形態では、撮像部461で生成される撮像画像462Aはカラー画像であるが、グレースケール画像であってもよい。
<正規メダル判別処理のフロー>
次に、本実施形態におけるカメラユニット409で実施される正規メダル判別処理の一連の動作について説明する。
最初に、撮像部461から撮像画像462Aが入力されると、変換部463において撮像画像462Aをカラー画像からグレースケール画像に変換し、それよって得られた撮像画像462Bを処理対象とする。
次に、抽出部471は、処理対象である撮像画像462Bから、メダル410が映るメダル領域473を抽出する。その後、特定部465において、抽出部471で抽出されたメダル領域473において局所領域が特定される。次に、フィッティング部466において、特定部465で特定された局所領域に対して楕円がフィッティングされる。
次に、判定部467は、フィッティング部466で得られた楕円に関する楕円情報を特徴量とする。そして判定部467は、当該特徴量と標準特徴量467Aとを比較し、その比較結果に基づいて、撮像画像462Bのメダル410が正規のものであるか否かを判定する。そして、判定部467は、判定結果469を、入出力部468(第1実施形態のGPIO250に対応)を介して、主制御回路(第1実施形態の遊技機における主制御回路91に対応)に出力する。このようにして、主制御回路は、撮像画像462Aに示されるメダル410が正規のものでない場合、第1実施形態の遊技機と同様に、遊技を強制的に中断させ、副制御回路(第1実施形態の遊技機における副制御回路101に対応)を介して、不正行為があった旨を報知することができる。例えば、スピーカから警告音を出力したり、液晶表示装置であるディプレイに警告情報を表示したりするなどして、外部に警告を発することができる。
その後、判定部467は、新たな撮像画像462Aが入力されると、その撮像画像462Aから得られる撮像画像462Bを新たな処理対象として、上述した正規メダル判別処理を実行する。以後、判定部467は、撮像画像462Aが入力されるたびに、同様の動作を行う。
<各構成要素の詳細説明>
以下に、抽出部464、特定部465、フィッティング部466、及び判定部467の動作についてさらに詳細に説明する。
[抽出部]
図42は、抽出部464が撮像画像462Bから抽出するメダル領域473の一例を模式的に示す図である。撮像画像462Bからメダル領域473を抽出する方法としては様々な方法がある。
例えば、メダル410の外形が円形であることを利用した第1の抽出方法がある。この第1の抽出方法では、まず、撮像画像462Bに対してエッジ検出が行われてエッジ画像が生成される。エッジ画像の生成方法としては、例えば、Sobel法、Laplacian法、Canny法などが使用される。次に、生成されたエッジ画像から円形領域が抽出される。円形領域の抽出方法としては、例えばハフ変換が使用される。そして、エッジ画像における当該円形領域の位置と同じ位置に存在する撮像画像462Bでの円形領域が、メダル領域473とされる。
別の方法としては、背景差分法とラベリングを用いて撮像画像462Bからメダル領域473を抽出する第2の抽出方法がある。この第2の抽出方法では、まず、撮像画像462Bと背景画像(撮像画像462Bの背景だけが映る画像)との差分を示す背景差分画像が生成され、生成された背景差分画像が2値化される。そして、2値の背景差分画像に対して4連結等のラベリングが行われる。そして、2値の背景差分画像における、ラベリングの結果得られた連結領域(独立領域)の位置と同じ位置に存在する撮像画像462Bでの部分領域が、メダル領域473とされる。
本実施形態では、抽出部464は、上記の2つの方法とは異なる方法で、撮像画像462Bからメダル領域473を抽出する。以下に本実施形態に係る抽出部464の動作について説明する。なお、抽出部464は、上記の2つの方法のどちらか一方を用いて撮像画像462Bからメダル領域473を抽出してもよい。
まず、抽出部464は、撮像画像462Bと背景画像475(撮像画像462Bの背景だけが映る画像)との差分を示す背景差分画像を生成し、生成した背景差分画像を2値化する。図43は、背景画像475を模式的に示す図であって、図44は、2値の背景差分画像476を模式的に示す図である。なお、図44、及び本実施形態における後述の図において模式的に示される2値の画像では、画素値が「1」の領域(高輝度領域)は黒色で示され、画素値が「0」の領域(低輝度領域)は白色で示される。また、背景画像475は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
次に、抽出部464は、2値の背景差分画像476に対して、メダル410の外形を示す2値の外形テンプレート477を用いたテンプレートマッチングを行う。つまり、抽出部464は、背景差分画像476において、外形テンプレート477と類似する領域がどこに存在するかを特定する。言い換えると、抽出部464は、背景差分画像476において、外形テンプレート477が示すメダル410の外形と一致する領域がどこに存在するかを特定する。図45は、外形テンプレート477を模式的に示す図である。外形テンプレート477は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
テンプレートマッチングでは、抽出部464は、図46に示されるように、背景差分画像476上で外形テンプレート477をラスタスキャン方向に少しずつ(例えば、1画素(ピクセル)ずつ)移動させる。言い換えれば、抽出部464は、背景差分画像476上で外形テンプレート477をラスタスキャンさせる。このとき、抽出部464は、外形テンプレート477の各位置において、外形テンプレート477と、それに重なる、背景差分画像476の部分領域とのAND画像を生成する。これにより、複数の2値のAND画像が生成される。そして、抽出部464は、生成した複数のAND画像のうち、画素値が「1」の画素(高輝度画素)の数が最も多いAND画像の生成で使用された外形テンプレート477の背景差分画像476上の位置を特定する。この位置は、背景差分画像476において、外形テンプレート477と類似した領域が存在する位置である。
そして、抽出部464は、図47に示されるように、特定した位置と同じ位置に存在する撮像画像462Bでの部分領域478を、メダル領域473として抽出する。言い換えれば、抽出部464は、特定した位置と同じ位置に外形テンプレート477を撮像画像462Bに配置した際に、外形テンプレート477と重なる、撮像画像462Bでの部分領域478を、メダル領域473として抽出する。このとき、部分領域478において、その上の外形テンプレート477が示す円形よりも外側の各画素の画素値を零としたものをメダル領域473としてもよい。抽出部464で抽出されるメダル領域473はグレースケール画像である。本実施形態では、メダル領域473の外形は四角形であるが、円形等の他の形状であってもよい。
[特定部]
特定部465は、例えばMSER(Maximally Stable Extremal Regions)を使用して、抽出部464で抽出されたメダル領域473において局所領域を特定する。特定部465は、MSER以外の方法で局所領域を特定してもよい。
特定部465は、MSERを使用して局所領域を特定する場合には、まずメダル領域473を2値化する。このとき、特定部465は、2値化に使用するしきい値を変化させながらメダル領域473を2値化する。これにより、互いに異なるしきい値が使用されて2値化された複数の2値化画像が得られる。次に、特定部465は、得られた複数の2値化画像において、当該複数の2値化画像の間で画素値が変化しない部分領域(複数の画素の塊)を特定する。言い換えれば、特定部465は、得られた複数の2値化画像において、当該複数の2値化画像の間で画素値が安定している部分領域を特定する。そして、特定部465は、特定した部分領域の2値化画像での位置と同じ位置に存在するメダル領域473での部分領域を局所領域とする。これにより、特定部465では、メダル領域473における、画素値が一様な部分領域が、意味のある領域として特定される。
本実施形態では、メダル410が含まれるメダル領域473において、メダル410に付された模様が映る領域が局所領域として特定される。図48は、メダル410が含まれるメダル領域473において特定される局所領域473a、473bを模式的に示す図である。局所領域473aは、メダル領域473において、正規のメダル410に付された「A」の模様が映る領域である。局所領域473bは、メダル領域473において、正規のメダル410に付された「B」の模様が映る領域である。正規のメダル410が映るメダル領域473では、正規のメダル410に付された「A」の模様が映る領域と、正規のメダル410に付された「B」の模様が映る領域とが、別々に局所領域として特定される。
このように、メダル領域473において、互いに独立した複数の特徴的部分が存在する場合には、当該複数の特徴的部分はそれぞれ別の局所領域として特定される。
[フィッティング部]
フィッティング部466は、特定部465で特定された局所領域に対して楕円をフィッティングする。特定部465で複数の局所領域が特定された場合、フィッティング部466は、当該複数の局所領域に対して複数の楕円をそれぞれフィッティングする。図49は、図48に示される局所領域473a、473bに対して楕円481a、481bがそれぞれフィッティングされた様子を示す図である。以下に、局所領域に対して楕円をフィッティングする方法の一例について説明する。
フィッティング部466は、メダル領域473に含まれる局所領域を構成する複数の画素の位置に基づいて、当該局所領域にフィッティングする楕円の位置情報及び形状情報を生成する。本実施形態では、フィッティング部466は、局所領域にフィッティングする楕円の中心位置を、当該楕円の位置情報として求める。またフィッティング部466は、当該楕円の長軸及び短軸の長さを、当該楕円の形状情報として求める。
フィッティング部466は、局所領域を構成する複数の画素の位置の平均値を算出し、当該平均値を、当該局所領域にフィッティングする楕円の中心位置とする。つまり、フィッティング部466は、局所領域を構成する複数の画素のx座標、及びy座標の平均値を算出し、当該平均値を、当該局所領域にフィッティングする楕円の中心のx座標、及びy座標とする。またフィッティング部466は、局所領域を構成する複数の画素のx座標、及びy座標を使用して、当該局所領域での画素のx座標、及びy座標についての共分散行列を求める。そして、フィッティング部466は、求めた共分散行列についての2つの固有値を求める。フィッティング部466は、局所領域にフィッティングする楕円の長軸及び短軸の長さを、この2つの固有値から求める。これにより、局所領域にフィッティングする楕円の位置及び形状が定まり、局所領域に対して楕円がフィッティングされる。なお、フィッティング部466が求める2つの固有値が同じ値である場合には、局所領域にフィッティングする楕円は真円となる。
[判定部]
判定部467は、フィッティング部466で求められた楕円の位置情報及び形状情報を特徴量とし、当該特徴量と標準特徴量567Aとを比較する。具体的には、判定部467は、フィッティング部466で求められた楕円の中心位置、長軸の長さ及び短軸の長さを特徴量とし、当該特徴量と標準特徴量467Aとを比較する。そして、判定部467は、その比較結果に基づいて、撮像画像462Bに含まれるメダル410が正規のものであるか否かを判定する。
標準特徴量467Aには標準楕円情報が含まれている。標準特徴量467Aの生成には、正規のメダル410が撮像されている撮像画像462Bが使用される。以下に標準特徴量467Aの生成方法について説明する。
遊技機(パチスロ400)が実稼働していないときには、標準特徴量467Aを得るために、遊技機に対して正規のメダル410が投入される。本実施形態に係る遊技機のカメラユニット409における撮像部461、及び変換部463により、投入された正規のメダル410が撮像された撮像画像462Bが生成される。そして、抽出部464が、上記と同様にして、撮像画像462Bからメダル領域473を抽出し、特定部465が、当該メダル領域473において局所領域を特定する。本実施形態では、上述の図49に示されるように、正規のメダル410が映るメダル領域473において2つの局所領域473a、473bが特定される。フィッティング部466は、特定部465で特定された複数の局所領域473a、473bに対して複数の楕円をそれぞれフィッティングする。このように、正規のメダル410が映る撮像画像462Bから得られた楕円を「標準楕円」と呼ぶ。本実施形態では、標準楕円に関する楕円情報が標準楕円情報となる。標準楕円情報には、標準楕円の位置情報及び形状情報が含まれている。具体的には、標準楕円情報には、標準楕円の中心位置、長軸の長さ及び短軸の長さが含まれている。本実施形態では、正規のメダル410の撮像画像が含まれる撮像画像462Bから複数の標準楕円が得られることから、標準特徴量467Aには、当該複数の標準楕円にそれぞれ対応する複数の標準楕円情報が含まれる。遊技機が実稼働していないときに生成された標準特徴量467Aは、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
なお、このような遊技機による標準特徴量467Aの取得は、遊技機において所定のモードが選択された場合に行うようにすることができる。また、遊技機または他の装置によって事前に標準特徴量467Aを取得し、各遊技機のSRAM等に記憶させるようにしてもよい。
以後、遊技機が実稼働している場合にフィッティング部466で得られる楕円(判別処理の対象となるメダル410が撮像されている撮像画像462Bから得られる楕円)を、標準楕円と区別するために「対象楕円」と呼ぶことがある。
ここで、対象楕円に関する楕円情報から成る特徴量と標準特徴量467Aとが類似する場合には、撮像画像462Bに映るメダル410の特徴と、正規のメダル410の特徴とが類似すると考えることができる。したがって、この場合には、撮像画像462Bに係るメダル410が正規のものであると判定することができる。
一方で、対象楕円に関する楕円情報から成る特徴量と標準特徴量467Aとが類似しない場合には、撮像画像462Bに映るメダル410の特徴と、正規のメダル410の特徴とが類似しないと考えることができることから、この場合に、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものではないと判定しても問題が無いように思える。しかしながら、対象楕円に関する楕円情報から成る特徴量と標準特徴量467Aとが類似しない場合に、この条件だけで、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものではないと判定する場合には、撮像画像462Bに映る正規のメダル410を、正規のものではないと誤って判定する可能性がある。以下にこの点について説明する。
本実施形態では、撮像部461は、回転するメダル410を撮像し、メダル410が映る撮像画像462Aを生成する。そのため、変換部463が生成する撮像画像462Bに映るメダル410の回転角度(メダル410に付された模様の回転角度)が常に同じであるとは限らない。したがって、正規のメダル410が映る撮像画像462Bから得られた対象楕円に関する楕円情報が常に同じであるとは限らない。これにより、撮像画像462Bに正規のメダル410が映っていたとしても、当該撮像画像462Bから得られた対象楕円に関する楕円情報から成る特徴量が標準特徴量467Aと類似しないことがある。よって、対象楕円に関する楕円情報から成る特徴量と標準特徴量467Aとが類似しない場合に、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものではないと判定した場合には、撮像画像462Bに映る正規のメダル410を、正規のものではないと誤って判定する可能性がある。
そこで、本実施形態において、判定部467は、メダル領域473に含まれる局所領域にフィッティングされた対象楕円が、当該メダル領域473の中心の周りに回転させられることによって得られる複数の回転楕円に関する複数の回転楕円情報を取得する。そして、判定部467は、取得した複数の回転楕円情報を特徴量とし、当該特徴量と標準特徴量とを比較する。メダル領域473において複数の局所領域が特定される場合には、当該複数の局所領域のそれぞれについて複数の回転楕円情報が生成され、各回転楕円情報が特徴量とされる。
ここで、複数の回転楕円には、回転角度が0°の対象楕円も含むものとする。つまり、複数の回転楕円には、局所領域にフィッティングされた楕円そのものも含むものとする。したがって、複数の回転楕円情報には対象楕円に関する楕円情報が含まれる。回転角度が0°の対象楕円は、回転角度が360°の対象楕円であるとも言える。
図50は、対象楕円482がメダル領域473の中心473cの周りに回転させられることによって得られる複数の回転楕円483の一部を例示する図である。図50には、対象楕円482を含む3つの回転楕円483が示されている(この例では、対象楕円482も、回転楕円483の1つとして示されている)。図50には、対象楕円482の中心482cと、各回転楕円483の中心483cとが示されている。
このように、対象楕円がメダル領域473の中心473cの周りに回転させられることによって得られる、対象楕円を含む複数の回転楕円に関する複数の回転楕円情報が特徴量とされることによって、回転するメダル410が撮像される場合であっても、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであるか否かを適切に判定することができる。以下に判定部467の動作について詳細に説明する。以後、遊技機が実稼働している場合に判定部467で使用される特徴量を、標準特徴量と区別するために「対象特徴量」と呼ぶことがある。
図51は、判定部467の動作を示すフローチャートである。フィッティング部466がメダル領域473に含まれる局所領域に対して楕円をフィッティングすると、図51に示されるように、ステップS21において、判定部467は回転楕円情報を取得する。ここで取得される回転楕円情報は、回転角度が0°の対象楕円に関する楕円情報、つまり、フィッティング部466で取得された楕円そのものの楕円情報である。フィッティング部466において複数の対象楕円が得られる場合には、当該複数の対象楕円にそれぞれ対応する複数の回転楕円情報が取得される。ステップS21では、少なくとも1つの回転楕円情報が取得される。なお、この例では、正規のメダル410が映る撮像画像462Bからは2つの楕円が得られることから、ステップS21では2つの回転楕円情報が得られる。
次にステップS22において、判定部467は、ステップS21で取得した少なくとも1つの回転楕円情報を対象特徴量とし、対象特徴量と標準特徴量とが類似する度合いを示す評価値を求める。具体的には、判定部467は、対象特徴量を構成する少なくとも1つの回転楕円情報と類似する標準楕円情報が、標準特徴量に含まれているか否かを判定する。そして、判定部467は、類似する情報が標準特徴量に含まれると判定した回転楕円情報の数に応じた評価値を求める。具体的には判定部467は以下の式1を用いて評価値αを求める。
α=N1/N2・・・(式1)
ここで、N1は、類似する情報が標準特徴量に含まれると判定された、対象特徴量に含まれる回転楕円情報の数を示す。N2は、標準特徴量に含まれる標準楕円情報の総数を示す。本実施形態では、N2=2となる。
本実施形態では、対象特徴量に含まれる回転楕円情報には、回転楕円の中心位置、長軸の長さ及び短軸の長さが含まれている。判定部467は、例えば、回転楕円情報に含まれる回転楕円の中心位置と、標準楕円情報に含まれる標準楕円の中心位置との距離が所定値以下であり、かつ当該回転楕円の長軸の長さと、当該標準楕円の長軸の長さとの差の絶対値が所定値以下であり、かつ当該回転楕円の短軸の長さと、当該標準楕円の短軸の長さとの差の絶対値が所定値以下である場合に、当該回転楕円情報と当該標準楕円情報とが類似すると判定する。回転楕円情報と標準楕円情報とが類似する場合には、図52に示されるように、当該回転楕円情報に対応する回転楕円483と、当該標準楕円情報に対応する標準楕円484とが位置及び形状において類似する。
判定部467は、式1を用いて評価値αを求めると、ステップS23において、直近のステップS21での回転楕円(ステップS21で取得した回転楕円情報に対応する回転楕円)が、(360°−β)回転した対象楕円であるか否かを判定する。判定部467は、ステップS21での回転楕円が(360°−β)回転した対象楕円ではないと判定すると、再度ステップS21を実行して回転楕円情報を取得する。ここでは、判定部467は、前回のステップS21において取得した回転楕円情報に対応する回転楕円が、メダル領域473の中心473cの周りに所定の角度βだけ回転させられることによって得られる回転楕円に関する回転楕円情報を取得する。前回のステップS21での回転楕円が、例えば、βだけ回転した対象楕円である場合には、今回のステップS21では、対象楕円がメダル領域473の中心473cの周りに2βだけ回転させられることによって得られる回転楕円に関する回転楕円情報が取得される。βは、例えば1°あるいは2°である。
なお、前回のステップS21において複数の回転楕円情報が取得された場合には、判定部467は、当該複数の回転楕円情報にそれぞれ対応する複数の回転楕円が、メダル領域473の中心473cの周りに所定の角度βだけ回転させられることによって得られる複数の回転楕円に関する複数の回転楕円情報を取得する。
ステップS22において少なくとも1つの回転楕円情報が取得されると、判定部467は、再度ステップS23を実行して、当該少なくとも1つの回転楕円情報から成る対象特徴量と標準特徴量とが類似する度合いを示す評価値αを式1を用いて求める。その後、ステップS23が再度実行される。
判定部467は、ステップS23において、直近のステップS21での回転楕円が(360°−β)回転した対象楕円であると判定すると、ステップS24を実行する。ステップS24において、判定部467は、求めた複数の評価値αのうちの最大値がしきい値以上か否かを判定する。判定部467は、当該最大値がしきい値以上である場合には、つまり、当該最大値を求める際に使用した対象特徴量及び標準特徴量が互いに類似する場合には、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであると判定する。一方で、判定部467は、当該最大値がしきい値未満である場合には、つまり、複数の評価値αを求める際にそれぞれ使用した複数の対象特徴量のすべてが標準特徴量に類似しない場合には、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものではないと判定する。ステップS24で使用されるしきい値は、例えば「1」に設定される。
なお上記の例では、判定部467は、求めた複数の評価値αのうちの最大値がしきい値以上である場合に、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであると判定しているが、しきい値以上の評価値αが所定数以上存在する場合に、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであると判定してもよい。しきい値以上の評価値αが所定数以上存在しないときには、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものではないと判定される。
また、評価値α=N1としてもよい。この場合には、ステップS24で使用されるしきい値は、例えば「2」に設定される。
<回転楕円情報の取得方法>
ステップS21での回転楕円情報の取得方法としては例えば2つの方法が考えられる。第1の方法では、判定部467は、上述の図50に示されるように、メダル領域473において、対象楕円482をメダル領域473の中心473cの周りに所定の角度だけ実際に回転させて回転楕円483を生成する。そして、判定部467は、生成した回転楕円483の中心483cの位置、長軸の長さ及び短軸の長さを求めて、それらを回転楕円483に関する回転楕円情報とする。判定部467は、所定の角度を変化させることによって、複数の回転楕円情報を生成する。
第2の方法では、判定部467は、対象楕円を実際に回転させずに回転楕円情報を取得する。具体的には、判定部467は、対象楕円482が所定の角度(β、2β、3β等)だけメダル領域473の中心473cの周りに回転させられることによって得られる回転楕円の回転楕円情報を求める際には、図53に示されるように、対象楕円482に関する楕円情報に含まれる、対象楕円482の中心482cの位置に存在する仮想点Pを、メダル領域473の中心473cの周りに当該所定の角度だけ回転させる。そして、判定部467は、回転後の仮想点P’の位置を、当該回転楕円情報に含まれる、回転楕円の中心の位置とする。判定部467は、当該所定の角度を変化させることによって、対象楕円がメダル領域473の中心473cの周りに回転させられることによって得られる複数の回転楕円の中心の位置を求める。
また、第2の方法では、判定部467は、対象楕円に関する楕円情報に含まれる対象楕円の長軸及び短軸の長さを、対象楕円がメダル領域473の中心473cの周りに回転させられることによって得られる複数の回転楕円のそれぞれの長軸及び短軸の長さとする。
このように、第2の方法では、対象楕円482の位置情報が示す位置に存在する仮想点Pがメダル領域473の中心473cの周りに回転させられる。そして、それによって得られる、回転後の仮想点P’についての複数の位置が、それぞれ、複数の回転楕円の位置とされることによって、複数の回転楕円の位置情報が取得される。また、対象楕円の長軸及び短軸の長さがそのまま複数の回転楕円のそれぞれの長軸及び短軸の長さとされることによって、当該複数の回転楕円の形状情報が取得される。したがって、対象楕円を実際に回転させることによって複数の回転楕円情報を取得する第1の方法と比較して、第2の方法では、複数の回転楕円情報を簡単に取得することができる。
なお、上記の例では、特徴量となる楕円情報に含まれる楕円の形状情報として、当該楕円の長軸の長さ及び短軸の長さが採用されているが、これらの代わりに、当該楕円の長短軸比が採用されてもよい。
以上のように、本実施形態では、メダル領域473における特徴的な局所領域に対してフィッティングされた楕円に関する楕円情報が、撮像画像462Bに映るメダル410の特徴を示す特徴量とされている。したがって、メダル領域473における、楕円内の部分画像から、SIFT(Scale Invariant Feature Transformation)、SURF(Speeded Up Robust Features)等の特徴量が取得される場合と比較して、特徴量を簡単に取得することができる。よって、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであるか否かを簡単に判定することができる。
また、本実施形態では、対象楕円482がメダル領域473の中心473cの周りに回転させられることによって得られる、対象楕円を含む複数の回転楕円に関する複数の回転楕円情報が特徴量とされている。したがって、回転するメダル410が撮像される場合であっても、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであるか否かを適切に判定することができる。
<第3実施形態の変形例>
以下に本実施形態の各種変形例について説明する。
[変形例1]
正規のメダル410と正規でないメダル410のそれぞれに対して、大柄な連続する模様が1つだけ付されている場合、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであるのか否かを正しく判定できない可能性がある。以下、この点について説明する。
図54は、正規のメダル410が映る撮像画像462Bから得られたメダル領域473Aにおいて特定された局所領域491Aに対して設定された標準楕円482Aの一例を示す図である。図55は、正規でないメダル410が映る撮像画像462Bから得られたメダル領域473Bおいて特定された局所領域491Bに対して設定された対象楕円482Bの一例を示す図である。
図54、図55の例では、正規のメダル410と正規でないメダル410のそれぞれに対して、大柄な連続する模様が1つだけ付されている。具体的には、正規のメダル410には、大柄なアルファベット「A」の模様が付されており、正規でないメダル410には、大柄なアルファベット「S」の模様が付されている。
図54に示されるように、大柄な連続する模様が1つだけ付された正しいメダル410が映る撮像画像462Bからは1つの標準楕円482Aが得られる。また、図55に示されるように、大柄な連続する模様が1つだけ付された、正規でないメダル410が映る撮像画像462Bからは1つの対象楕円482Bが得られる。
図54に示されるように、正規のメダル410に対して、大柄な連続する模様が1つだけ付されている場合には、標準楕円482Aの中心位置はメダル領域473Aの中心位置に近くなり、標準楕円482Aの形は真円に近くなる。また、図55に示されるように、大柄な連続する模様が1つだけ付された正規でないメダル410が映る撮像画像462Bから取得された対象楕円482Bについては、その中心位置はメダル領域473Aの中心位置に近くなり、その形は真円に近くなる。したがって、正規でないメダル410が映る撮像画像462Bから取得された対象楕円482Bが、メダル領域473Bの中心の周りに回転させられることによって得られる、対象楕円482Bを含む複数の回転楕円に関する複数の回転楕円情報には、標準楕円482Aに関する標準楕円情報と類似する情報が含まれる可能性が高くなる。よって、判定部467は、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであるのか否かを正しく判定できない可能性が高くなる。
そこで、本変形例では、正規のメダル410と正規でないメダル410のそれぞれに対して、大柄な連続する模様が1つだけ付されている場合であっても、メダル410の真偽判定の精度を向上させることを可能とする。
本変形例に係るフィッティング部466は、メダル領域473を同心円状に分割することによって、メダル領域473に含まれる局所領域を互いに独立した複数の分割領域に分割する。そして、フィッティング部466は、得られた複数の分割領域に対して複数の楕円をそれぞれフィッティングする。なお、メダル領域473において複数の局所領域が特定された場合には、当該複数の局所領域のそれぞれが複数の分割領域に分割され、各分割領域に対して楕円がフィッティングされる。
図56は、メダル領域473がフィッティング部466によって同心円状に分割される様子を示す図である。図56に示されるメダル領域473では、説明の便宜上、メダル410の外形だけが示されている。
図56に示される例では、メダル領域473が、同心円492を構成する、互いに半径が異なる2つの円492a、492bによって、同心円状に分割される。これにより、メダル領域473は、3つの部分領域493a〜493cに分割される。部分領域493aは、メダル領域473における、円492aの内側の領域である。部分領域493bは、メダル領域473における、円492aの外側、かつ円492bの内側の領域である。そして、部分領域493cは、メダル領域473における、円492bの外側、かつ円492cの内側の領域である。
ここで、メダル領域473に映るメダル410の外形を円492cとすると、円492a、492b、492cの半径は、この順で大きくなっている。そして、円492a、492b、492cの半径の比は、1:2:3となっている。本実施形態では、フィッティング部466は、複数の円492a、492b、492cの半径の比が常に1:2:3となるようにメダル領域473を同心円状に分割する。つまり、本実施形態では、フィッティング部466は、抽出部464が複数の撮像画像462Bからそれぞれ抽出した複数のメダル領域473の間で、メダル領域473に映るメダル410の外形を含む複数の円492a、492b、492cの半径の比が一定(1:2:3)となるように、当該複数のメダル領域473のそれぞれを同心円状に分割する。なお、複数の円492a、492b、492cの半径の比は、1:2:3以外であってもよい。また、上述の第1の抽出方法あるいは第2の抽出方法でメダル領域473が抽出される場合には、メダル領域473の外形が、メダル領域473に映るメダル410の外形となる。
図57は、図54に示されるメダル領域473Aが、同心円状に分割される様子を示す図である。図58は、図55に示されるメダル領域473Bが、同心円状に分割される様子を示す図である。図57に示されるように、メダル領域473Aが同心円状に分割されることによって、メダル領域473Aに含まれる局所領域491Aが、互いに独立した複数の分割領域491A1、491A2、491A3、491A4に分割される。また、図58に示されるように、メダル領域473Bが同心円状に分割されることによって、メダル領域473Bに含まれる局所領域491Bが、互いに独立した複数の分割領域491B1、491B2、491B3に分割される。
なお、図57では、局所領域491Aが複数の分割領域491A1、491A2、491A3、491A4に分割される様子が理解され易いように、便宜上、分割領域491A1、491A2、491A3、491A4内には斜線ハッチングが示されている。同様に、図58では、局所領域491Bが複数の分割領域491B1、491B2、491B3に分割される様子が理解され易いように、便宜上、分割領域491B1、491B2、491B3内には斜線ハッチングが示されている。
フィッティング部466は、メダル領域473に含まれる局所領域を複数の分割領域に分割すると、当該複数の分割領域に対して複数の楕円をそれぞれフィッティングする。図59は、図57に示される複数の分割領域491A1、491A2、491A3、491A4に対して、複数の楕円494A1、494A2、494A3、494A4がそれぞれフィッティングされる様子を示す図である。図60は、図58に示される複数の分割領域491B1、491B2、491B3に対して、複数の楕円494B1、494B2、494B3がそれぞれフィッティングされる様子を示す図である。複数の楕円494A1、494A2、494A3、494A4のそれぞれは標準楕円である。
図59、図60に示されるように、正規のメダル410が映るメダル領域473Aから得られる複数の楕円494A1〜494A4から成る楕円群と、正規でないメダル410が映るメダル領域473Bから得られた複数の楕円494B1〜494B3から成る楕円群とは、楕円の数、位置及び形において、大きく異なる。したがって、撮像画像462Bから抽出されたメダル領域473から、本変形例にようにして得られた複数の対象楕円に関する複数の楕円情報を特徴量とすることによって、当該撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであるか否かをより正確に判定することができる。
なお、メダル領域473において複数の局所領域が特定される場合には、当該複数の局所領域のそれぞれが複数の分割領域に分割される。したがって、当該複数の局所領域のそれぞれについて、複数の楕円が求められる。本変形例では、メダル領域473において特定される局所領域の数にかかわらず、フィッティング部466では複数の楕円が得られる。
本変形例に係る判定部467は、上記と同様にして、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであるか否かを判定する。以下に図51のフローチャートを再度参照して、本変形例に係る判定部467の動作について説明する。
フィッティング部466において複数の対象楕円が得られると、図51に示されるように、ステップS21において、判定部467は当該複数の対象楕円にそれぞれ対応する複数の回転楕円情報を取得する。ここで取得される複数の回転楕円情報は、回転角度が0°の複数の対象楕円に関する複数の楕円情報、つまり、フィッティング部466で取得された複数の対象楕円そのものに関する複数の楕円情報である。なお、図59に示されるように、正規のメダル410が映るメダル領域473(図59に示されるメダル領域473A)からは4つの楕円が得られることから、この場合にはステップS21では4つの回転楕円情報が得られる。
次にステップS22において、判定部467は、ステップS21で取得した複数の回転楕円情報を対象特徴量とし、対象特徴量と標準特徴量とが類似する度合いを示す評価値αを、上記の式1を使用して求める。本変形例では、式1におけるN2は「4」となる。
判定部467は、式1を用いて評価値αを求めると、ステップS23において、直近のステップS21での複数の回転楕円がそれぞれ(360°−β)回転した複数の対象楕円であるか否かを判定する。判定部467は、ステップS23での判定がNoであれば、再度ステップS21を実行して複数の回転楕円情報を取得する。ここでは、判定部467は、前回のステップS21において取得した複数の回転楕円情報に対応する複数の回転楕円が、メダル領域473の中心473cの周りに所定の角度βだけ回転させられることによって得られる複数の回転楕円に関する複数の回転楕円情報を取得する。前回のステップS21での複数の回転楕円が、例えば、βだけ回転した複数の対象楕円である場合には、今回のステップS21では、複数の対象楕円がメダル領域473の中心473cの周りに2βだけ回転させられることによって得られる複数の回転楕円に関する複数の回転楕円情報が取得される。
ステップS22において複数の回転楕円情報が取得されると、判定部467は、再度ステップS23を実行して、当該複数の回転楕円情報から成る対象特徴量と標準特徴量とが類似する度合いを示す評価値αを、式1を用いて求める。その後、ステップS23が再度実行される。
判定部467は、ステップS23での判定がYesであれば、ステップS24において、求めた複数の評価値のうちの最大値がしきい値以上か否かを判定する。判定部467は、当該最大値がしきい値以上である場合には、つまり、当該最大値を求める際に使用した対象特徴量及び標準特徴量が互いに類似する場合には、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであると判定する。一方で、判定部467は、当該最大値がしきい値未満である場合には、つまり、複数の評価値αを求める際にそれぞれ使用した複数の対象特徴量のすべてが標準特徴量に類似しない場合には、撮像画像462Bに映るメダル410が正しいものではないと判定する。本変形例では、ステップS24で使用されるしきい値は、例えば、「0.75」あるいは「1」に設定される。
以上のように、本変形例では、メダル領域473が同心円状に分割されることによって、メダル領域473に含まれる局所領域が複数の分割領域に分割され、当該複数の分割領域に対して複数の楕円がそれぞれフィッティングされる。そして、当該複数の楕円に関する複数の楕円情報が特徴量とされる。したがって上述の図54、図55等に示されるように、正規のメダル410と正規でないメダル410のそれぞれに対して、大柄な連続する模様が1つだけ付されている場合であっても、正規でないメダル410が映る撮像画像462Bから取得された特徴量と標準特徴量とが類似することを抑制することができる。よって、メダル410の真偽判定の精度を向上させることができる。
また、撮像部461が、メダル410を撮像する際に、メダル410とCMOSイメージセンサ(第1実施形態のカメラユニット209のCMOSイメージセンサ232に対応)との距離がばらつく場合等には、撮像画像462Bにおいてメダル410が大きく映ったり、小さく映ったりして、撮像画像462Bに映るメダル410の大きさがばらつく。その結果、正規のメダル410が映るメダル領域473での局所領域の大きさがばらつく。このような場合に、メダル領域473に映るメダル410の外形の大きさにかかわらず、メダル領域473に設定される円492a、492b(図56参照)の半径が一定とされると、メダル領域473に映る正規のメダル410の外形の大きさに応じて(正規のメダル410が映るメダル領域473での局所領域の大きさに応じて)、メダル領域473に含まれる局所領域の分割態様がばらつく。したがって、正規のメダル410が映るメダル領域473から取得される複数の楕円の位置及び形がばらつき、その結果、正規のメダル410が映るメダル領域473から取得される特徴量がばらつき、撮像画像462Bに映るメダル410の真偽判定を正しく行えないことがある。
これに対して、本変形例では、抽出部464が、複数の撮像画像462Bからそれぞれ抽出した複数のメダル領域473の間で、メダル領域473が示すメダル410の外形を含む複数の円492a、492b、492cの半径の比が一定となるように、当該複数のメダル領域473のそれぞれが同心円状に分割される。したがって、撮像画像462Bに含まれるメダル410の外形の大きさがばらつく場合であっても(メダル410が映るメダル領域473での局所領域の大きさがばらつく場合であっても)、メダル410が映るメダル領域473に含まれる局所領域の分割態様がばらつくことを抑制することができる。よって、メダル410が映るメダル領域473から取得される複数の楕円の位置及び形がばらつくことを抑制することができる。その結果、メダル410が映るメダル領域473から取得される特徴量がばらつくことが抑制され、撮像画像462Bに映るメダル410の真偽判定の精度がさらに向上する。
[変形例2]
本変形例は、上述の変形例1と比較して、評価値αの求め方が異なっている。つまり、本変形例では、上述のステップS22での動作が変形例1と異なっている。本変形例における判定部467は、評価値αを求める際に、類似する標準楕円情報が標準特徴量に含まれると判定した(対象特徴量に含まれる)回転楕円情報に対応する回転楕円の位置に応じて重み付けを行う。以下に本変形例について詳細に説明する。
本変形例では、判定部467は、変形例1と同様に、上述のステップS22において、対象特徴量を構成する複数の回転楕円情報のそれぞれについて、当該回転楕円情報と類似する標準楕円情報が、標準特徴量に含まれているか否かを判定する。そして、判定部467は、類似する標準楕円情報が標準特徴量に含まれると判定した回転楕円情報(以後、「類似回転楕円情報」と呼ぶことがある)に対して部分評価値を与える。ここで、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の位置に応じて、当該類似回転楕円情報に与える部分評価値を重み付けする。
類似回転楕円情報に対応する回転楕円の位置に応じて部分評価値を具体的にどのように重み付けするかについては、正規のメダル410での模様の特徴的部分の位置に応じて決定される。上述の図54に示されるように、アルファベット「A」の模様の中心が、正規のメダル410の一方主面410aの中心付近に位置するように、当該模様が当該一方主面410aに付されている場合には、当該一方主面410aの中心付近に、当該模様の特徴的部分が位置する。このような場合には、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の位置がメダル領域473の中心473cに近いほど、当該類似回転楕円情報に与える部分評価値を大きくする。例えば、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の中心位置がメダル領域473の最も内側の部分領域493a(図56参照)に存在する場合には、その類似回転楕円情報には部分評価値「1.5」を付与する。また、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の中心位置がメダル領域473の部分領域493bに存在する場合には、その類似回転楕円情報には部分評価値「1」を付与する。そして、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の中心位置がメダル領域473の最も外側の部分領域493cに存在する場合には、その類似回転楕円情報には部分評価値「0.5」を付与する。
判定部467は、対象特徴量に含まれる各類似回転楕円情報に対して部分評価値を与えると、与えた部分評価値の総和N11を求める。そして、判定部467は、以下の式2を使用して評価値αを求める。
α=N11/N12 ・・・(式2)
ここで、N12は、標準特徴量を構成する複数の標準楕円情報のそれぞれに対して、上記と同様にして部分評価値を与えた際の、それらの部分評価値の総和を示している。例えば、図59の例では、N12=1.5+3×1=4.5となる。
なお、正規のメダル410の一方主面410aの周端部に、当該一方主面410aに付された模様の特徴的部分が位置する場合には、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の位置がメダル領域473の中心473cから遠いほど、当該類似回転楕円情報に与える部分評価値を大きくしてもよい。例えば、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の中心位置がメダル領域473の最も外側の部分領域493cに存在する場合には、その類似回転楕円情報には部分評価値「1.5」を付与する。また、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の中心位置がメダル領域473の部分領域493bに存在する場合には、その類似回転楕円情報には部分評価値「1」を付与する。そして、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の中心位置がメダル領域473の最も内側の部分領域493aに存在する場合には、その類似回転楕円情報には部分評価値「0.5」を付与する。部分評価値の重み付け方法についてはこの限りではない。
このように、判定部467が、評価値αを求める際に、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の位置に応じて重み付けを行うことによって、撮像画像462Bに映るメダル410の真偽判定の精度がさらに向上する。例えば、上記のように、正規のメダル410での模様の特徴的部分の位置に基づいて、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の位置に応じた重み付けを行う場合には、メダル領域473において、正規のメダル410での模様の特徴的部分の位置に対応する位置に存在する回転楕円に関する回転楕円情報が標準楕円情報と類似する際に、評価値αを大きくすることができる。つまり、メダル領域473の局所領域において、正規のメダル410での模様の特徴的部分と類似する部分が含まれている場合には、評価値αを大きくすることができる。メダル領域473の局所領域において、正規のメダル410での模様の特徴的部分と類似する部分が含まれている場合には、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものである可能性が高いことから、この場合に評価値αを大きくすることによって、撮像画像462Bに映るメダル410が正しいものであることをより正確に判定することができる。よって、撮像画像462Bに映るメダル410の真偽判定の精度がさらに向上する。
なお判定部467は、評価値αを求める際に、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の大きさに応じて重み付けを行ってもよい。例えば、図59に示されるように、正規のメダル410が映るメダル領域473Aの局所領域491Aに設定された複数の標準楕円494A1〜494A4のうち、正規のメダル410での模様の特徴的部分の位置に対応する位置に存在する標準楕円494A1が他の標準楕円494A2〜494A4よりも大きい場合には、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円が大きいほど、当該類似回転楕円情報に与える部分評価値を大きくする。一例としては、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の大きさが基準サイズよりも大きければ、その類似回転楕円情報には部分評価値「1.5」を付与する。そして、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の大きさが基準サイズ以下であれば、その類似回転楕円情報には部分評価値「0.5」を付与する。
なお、回転楕円の大きさが基準サイズより大きいか否かについては、当該回転楕円の長軸及び短軸の長さに基づいて判定することができる。例えば、回転楕円の長軸及び短軸の長さを掛け合わせて得られる値が基準値よりも大きければ、当該回転楕円の大きさが基準サイズより大きいと判定される。一方で、回転楕円の長軸及び短軸の長さを掛け合わせて得られる値が基準値以下であれば、当該回転楕円の大きさが基準サイズ以下であると判定される。
このように、判定部467が、評価値αを求める際に、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の大きさに応じて重み付けを行う場合にも、撮像画像462Bに映るメダル410の真偽判定の精度がさらに向上する。例えば、上記のように、正規のメダル410が映るメダル領域473から得られた複数の標準楕円のうち、正規のメダル410での模様の特徴的部分の位置に対応する位置に存在する標準楕円の大きさに基づいて、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の大きさに応じた重み付けを行う場合には、メダル領域473の局所領域において、正規のメダル410での模様の特徴的部分と類似する部分が含まれている際には、評価値αを大きくすることができる。したがって、撮像画像462Bに映るメダル410が正規のものであることをより正確に判定することができる。よって、撮像画像462Bに映るメダル410の真偽判定の精度がさらに向上する。
また、部分評価値を具体的にどのように重み付けするかについては、学習によって決定してもよい。つまり、正規のメダル410が映るメダル領域473の局所領域を構成する複数の分割領域に対する楕円のフィッティングの結果(正規のメダル410についての楕円フィッティング結果)と、正規でないメダル410が映るメダル領域473の局所領域を構成する複数の分割領域に対する楕円のフィッティングの結果(正規でないメダル410についての楕円フィッティング結果)とに基づいて、重み付けの方法を決定してもよい。
例えば、正規でないメダル410についての楕円フィッティング結果では、メダル領域473の周端部に位置する楕円が得られたものの、正規のメダル410についての楕円フィッティング結果では、メダル領域473の周端部に位置する楕円が得られなかった場合を考える。この場合には、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の位置がメダル領域473の周端部に存在する場合には、他の部分に存在する場合と比較して、当該類似回転楕円情報に与える部分評価値を小さくする。
また、例えば、正規でないメダル410についての楕円フィッティング結果では、大きな楕円が得られたものの、正規のメダル410についての楕円フィッティング結果では、大きな楕円が得られなかった場合を考える。この場合には、判定部467は、類似回転楕円情報に対応する回転楕円の大きさが基準サイズよりも大きい場合には、基準サイズ以下の場合と比較して、当該類似回転楕円情報に与える部分評価値を小さくする。
このように、学習によって重み付け方法が決定されることによって、撮像画像462Bに映るメダル410の真偽判定の精度がさらに向上する。
[変形例3]
上記の例では、判定部467が使用する楕円情報(回転楕円情報)には、楕円(回転楕円)の位置情報及び形状情報が含まれていたが、楕円の位置情報及び形状情報のどちらか一方だけが含まれていてもよい。また楕円情報には、楕円の傾き情報が含まれていてもよい。つまり、判定部467が使用する楕円情報には、楕円の位置情報、形状情報及び傾き情報の少なくとも1つが含まれていてもよい。
フィッティング部466は、メダル領域473に含まれる局所領域を構成する複数の画素の位置に基づいて、当該局所領域にフィッティングする楕円の傾き情報を生成することができる。具体的には、フィッティング部466は、局所領域を構成する複数の画素のx座標、及びy座標を使用して、当該局所領域での画素のx座標、及びy座標についての共分散行列を求める。そして、フィッティング部466は、求めた共分散行列についての2つの固有ベクトルを求める。この2つの固有ベクトルの一方は、楕円の長軸が延びる方向を示し、当該2つの固有ベクトルの他方は、楕円の短軸が延びる方向を示す。したがって、当該2つの固有ベクトルのそれぞれは、楕円の傾きを示していると言える。フィッティング部466は、共分散行列についての2つの固有ベクトルのうちの一方を、局所領域にフィッティングする楕円の傾き情報とする。
判定部467は、回転楕円情報に回転楕円の中心位置だけが含まれている場合には、上述のステップS22において、回転楕円情報に含まれる回転楕円の中心位置と、標準楕円情報に含まれる標準楕円の中心位置との距離が所定値以下である場合に、当該回転楕円情報と当該標準楕円情報とが類似すると判定する。
判定部467は、回転楕円情報に回転楕円の長軸の長さ及び短軸の長さだけが含まれている場合には、上述のステップS22において、回転楕円情報に含まれる回転楕円の長軸の長さと、標準楕円情報に含まれる標準楕円の長軸の長さとの差の絶対値が所定値以下であり、かつ当該回転楕円の短軸の長さと、当該標準楕円の短軸の長さとの差の絶対値が所定値以下である場合に、当該回転楕円情報と当該標準楕円情報とが類似すると判定する。
判定部467は、回転楕円情報に回転楕円の中心位置と固有ベクトルだけが含まれている場合には、上述のステップS22において、回転楕円情報に含まれる回転楕円の中心位置と、標準楕円情報に含まれる標準楕円の中心位置との距離が所定値以下であり、かつ当該回転楕円情報に含まれる固有ベクトルと、当該標準楕円情報に含まれる固有ベクトルとが成す角度が所定値以下である場合に、当該回転楕円情報と当該標準楕円情報とが類似すると判定する。
判定部467は、回転楕円情報に回転楕円の長軸の長さ、短軸の長さ及び固有ベクトルだけが含まれている場合には、上述のステップS22において、回転楕円情報に含まれる回転楕円の長軸の長さと、標準楕円情報に含まれる標準楕円の長軸の長さとの差の絶対値が所定値以下であり、かつ当該回転楕円の短軸の長さと、当該標準楕円の短軸の長さとの差の絶対値が所定値以下であり、かつ当該回転楕円情報に含まれる固有ベクトルと、当該標準楕円情報に含まれる固有ベクトルとが成す角度が所定値以下である場合に、当該回転楕円情報と当該標準楕円情報とが類似すると判定する。
そして、判定部467は、回転楕円情報に回転楕円の中心位置、長軸の長さ、短軸の長さ及び固有ベクトルが含まれている場合には、上述のステップS22において、回転楕円情報に含まれる回転楕円の中心位置と、標準楕円情報に含まれる標準楕円の中心位置との距離が所定値以下であり、かつ当該回転楕円の長軸の長さと、当該標準楕円の長軸の長さとの差の絶対値が所定値以下であり、かつ当該回転楕円の短軸の長さと、当該標準楕円の短軸の長さとの差の絶対値が所定値以下であり、かつ当該回転楕円情報に含まれる固有ベクトルと、当該標準楕円情報に含まれる固有ベクトルが成す角度が所定値以下である場合に、当該回転楕円情報と当該標準楕円情報とが類似すると判定する。
<<第4実施形態>>
以下、本発明の第4実施形態に係る遊技機であるパチスロについて、図61〜図79を参照しながら説明する。なお、本発明の第4実施形態に係る遊技機であるパチスロ500は、機能フロー、パチスロの構造、メダルセレクタの構成、パチスロの回路構成、及びメダルセレクタの回路構成に関して、上述した第1実施形態に係る遊技機であるパチスロ1と同様である。以下では、第4実施形態に係る遊技機であるパチスロ500で実行される正規メダル判別処理について説明する。
上述のように、第4実施形態に係る遊技機であるパチスロ500は、第1実施形態に係る遊技機と同様に、制御LSI534(第1実施形態に係る遊技機の制御LSI234に対応)を含むカメラユニット509(第1実施形態に係る遊技機のカメラユニット209に対応)を備え、さらに、カメラユニット509を含むメダルセレクタ501(第1実施形態に係る遊技機のメダルセレクタ201に対応)を備える。図61は、このようなカメラユニット509の機能ブロック図である。
図61に示されるように、本実施形態に係るカメラユニット509は、撮像部561、変換部563、抽出部564、領域分割部565、特徴量取得部566、判定部567、及び入出力部568を備えている。なお、カメラユニット509は、LED等からなる発光部を備えるが、図61では図示を省略する。
撮像部561は、CMOSイメージセンサ532(例えば、第1実施形態に係る遊技機のCMOSイメージセンサ232に対応)を含み、このCMOSイメージセンサ532により撮像された画像データを(必要に応じて所定の変換を行って)、撮像画像562Aとして出力する。
変換部563(例えば、第1実施形態に係る遊技機のISP回路245に対応)は、撮像部561から入力される撮像画像562Aをカラー画像からグレースケール画像に変換し、変換後の撮像画像を撮像画像562Bとして出力する。
抽出部564(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識アクセラレータ回路249等に対応)は、撮像画像562Bから、メダル510が撮像されているメダル領域(対象物領域)573を抽出する。
領域分割部565(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識DSP回路242等に対応)は、抽出部564で抽出されたメダル領域573に対して領域分割を行う。ここで、領域分割とは、メダル領域573を、それぞれにおいて輝度が一様な複数の分割領域に分割する処理である。言い換えれば、領域分割とは、メダル領域573を、それぞれにおいて特徴が一様な複数の分割領域に分割する処理である。
特徴量取得部566(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識DSP回路242等に対応)は、領域分割部565で生成された複数の分割領域に基づいて、撮像画像562Bに含まれるメダル510の画像の特徴を示す特徴量を取得する。
判定部567(例えば、第1実施形態に係る遊技機の画像認識DSP回路242等に対応)は、特徴量取得部566で取得された特徴量に基づいて、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものか否かを判定し、その判定結果569を、入出力部568(例えば、第1実施形態に係る遊技機のGPIO250に対応)を介して出力する。言い換えれば、判定部567は、特徴量取得部566で取得された特徴量に基づいて、撮像画像562Aに映るメダル510が正規のものか否かを判定し、その判定結果569を出力する。本実施形態では、判定部567は、撮像画像562Bから求められた特徴量と、正規のメダル510の特徴を示す標準特徴量(基準特徴量)567Aとを比較し、その比較結果に基づいて、当該撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものか否かを判定する。標準特徴量567Aは、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
図62は、撮像部561で得られる撮像画像562Aの一例を模式的に示す図である。図62に示される撮像画像562Aには、撮像されたメダル510の画像が含まれている。また、撮像画像562Aには、背景であるメダルレール511が撮像されている。なお、メダルレール511は、上述の第1実施形態のメダルレール210に対応するものであるが、ここでは、レールの形状を簡略化して示している。
メダル510の一方主面510aには、例えば、アルファベット「A」の模様が示されている。これは、正規メダルの模様を示すものであるが、これ以外の模様であってもよい。また、正規メダルの両主面に模様が付されていてもよい。
本実施形態では、メダル510は、その両主面の中心を通る、厚み方向に沿った回転軸の周りに回転しながらメダルレール511上を移動する。そして、撮像部561は、メダル510の一方主面510a側からメダル510を撮像する。したがって、撮像画像562Aには、メダル510の一方主面510aの画像が含まれることになる。また、本実施形態では、撮像部561で生成される撮像画像562Aはカラー画像であるが、グレースケール画像であってもよい。
<正規メダル判別処理のフロー>
次に、本実施形態におけるカメラユニット509で実施される正規メダル判別処理の一連の動作について説明する。
最初に、撮像部561から撮像画像562Aが入力されると、変換部563において撮像画像562Aをカラー画像からグレースケール画像に変換し、それよって得られた撮像画像562Bを処理対象とする。
次に、抽出部564は、処理対象である撮像画像562Bから、メダル510が映るメダル領域573を抽出する。その後、領域分割部565において、抽出部564で抽出されたメダル領域573に対して領域分割が行われる。次に、特徴量取得部566は、領域分割部565で生成された複数の分割領域に基づいて、撮像画像562Bに映るメダル510の特徴を示す特徴量を取得する。
次に、判定部567は、特徴量取得部566で取得された特徴量に基づいて、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものか否かを判定する。そして、判定部567は、判定結果569を、入出力部568(第1実施形態のGPIO250に対応)を介して、主制御回路(第1実施形態の遊技機における主制御回路91に対応)に出力する。このようにして、主制御回路は、撮像画像462Aに示されるメダル410が正規のものでない場合、第1実施形態の遊技機と同様に、遊技を強制的に中断させ、副制御回路(第1実施形態の遊技機における副制御回路101に対応)を介して、不正行為があった旨を報知することができる。例えば、スピーカから警告音を出力したり、液晶表示装置であるディプレイに警告情報を表示したりするなどして、外部に警告を発することができる。
その後、判定部567は、新たな撮像画像562Aが入力されると、その撮像画像562Aから得られる撮像画像562Bを新たな処理対象として、上述した正規メダル藩閥処理を実行する。以後、判定部567は、撮像画像562Aが入力されるたびに、同様の動作を行う。
<各構成要素の詳細説明>
以下に、抽出部564、領域分割部565、特徴量取得部566、及び判定部567の動作についてさらに詳細に説明する。
[抽出部]
図63は、抽出部564が撮像画像562Bから抽出するメダル領域573の一例を模式的に示す図である。撮像画像562Bからメダル領域573を抽出する方法としては様々な方法がある。
例えば、メダル510の外形が円形であることを利用した第1の抽出方法がある。この第1の抽出方法では、まず、撮像画像562Bに対してエッジ検出が行われてエッジ画像が生成される。エッジ画像の生成方法としては、例えば、Sobel法、Laplacian法、Canny法などが使用される。次に、生成されたエッジ画像から円形領域が抽出される。円形領域の抽出方法としては、例えばハフ変換が使用される。そして、エッジ画像における当該円形領域の位置と同じ位置に存在する撮像画像562Bでの円形領域が、メダル領域573とされる。
別の方法としては、背景差分法とラベリングを用いて撮像画像562Bからメダル領域573を抽出する第2の抽出方法がある。この第2の抽出方法では、まず、撮像画像562Bと背景画像(撮像画像562Bの背景だけが映る画像)との差分を示す背景差分画像が生成され、生成された背景差分画像が2値化される。そして、2値の背景差分画像に対して4連結等のラベリングが行われる。そして、2値の背景差分画像における、ラベリングの結果得られた連結領域(独立領域)の位置と同じ位置に存在する撮像画像562Bでの部分領域が、メダル領域573とされる。
本実施形態では、抽出部564は、上記の2つの方法とは異なる方法で、撮像画像562Bからメダル領域573を抽出する。以下に本実施形態に係る抽出部564の動作について説明する。なお、抽出部564は、上記の2つの方法のどちらか一方を用いて撮像画像562Bからメダル領域573を抽出してもよい。
まず、抽出部564は、撮像画像562Bと背景画像575(撮像画像562Bの背景だけが映る画像)との差分を示す背景差分画像を生成し、生成した背景差分画像を2値化する。図64は、背景画像575を模式的に示す図であって、図65は、2値の背景差分画像576を模式的に示す図である。なお、図65、及び本実施形態における後述の図において模式的に示される2値の画像では、画素値が「1」の領域(高輝度領域)は黒色で示され、画素値が「0」の領域(低輝度領域)は白色で示される。また、背景画像575は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
次に、抽出部564は、2値の背景差分画像576に対して、メダル510の外形を示す2値の外形テンプレート577を用いたテンプレートマッチングを行う。つまり、抽出部564は、背景差分画像576において、外形テンプレート577と類似する領域がどこに存在するかを特定する。言い換えると、抽出部564は、背景差分画像576において、外形テンプレート577が示すメダル510の外形と一致する領域がどこに存在するかを特定する。図66は、外形テンプレート577を模式的に示す図である。外形テンプレート577は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。外形テンプレート577の外形は、例えば正方形である。
テンプレートマッチングでは、抽出部564は、図67に示されるように、背景差分画像576上で外形テンプレート577をラスタスキャン方向に少しずつ(例えば、1画素(ピクセル)ずつ)移動させる。言い換えれば、抽出部564は、背景差分画像576上で外形テンプレート577をラスタスキャンさせる。このとき、抽出部564は、外形テンプレート577の各位置において、外形テンプレート577と、それに重なる、背景差分画像576の部分領域とのAND画像を生成する。これにより、複数の2値のAND画像が生成される。そして、抽出部564は、生成した複数のAND画像のうち、画素値が「1」の画素(高輝度画素)の数が最も多いAND画像の生成で使用された外形テンプレート577の背景差分画像576上の位置を特定する。この位置は、背景差分画像576において、外形テンプレート577と類似した領域が存在する位置である。
そして、抽出部564は、図68に示されるように、特定した位置と同じ位置に存在する撮像画像562Bでの部分領域578を、メダル領域573として抽出する。言い換えれば、抽出部564は、特定した位置と同じ位置に外形テンプレート577を撮像画像562Bに配置した際に、外形テンプレート577と重なる、撮像画像562Bでの部分領域578を、メダル領域573として抽出する。このとき、部分領域578において、その上の外形テンプレート577が示す円形よりも外側の各画素の画素値を零としたものをメダル領域573としてもよい。抽出部564で抽出されるメダル領域573はグレースケール画像である。本実施形態では、メダル領域573の外形は四角形であるが、円形等の他の形状であってもよい。
[領域分割部]
本実施形態では、領域分割部565は、輝度ヒストグラムのエントロピーを用いて、メダル領域573に対する領域分割を行う。領域分割部565は、メダル領域573の分割領域での輝度ヒストグラムのエントロピーがしきい値以上の場合に、当該分割領域を複数の分割領域にさらに分割する処理を繰り返し行う。
図69は、領域分割部565の動作を示すフローチャートである。図69に示されるように、ステップS31において、領域分割部565は、領域分割で使用するしきい値を決定する。具体的には、領域分割部565は、メダル領域573全体での輝度ヒストグラムを求める。そして、領域分割部565は、求めた輝度ヒストグラムのエントロピーを求める。そして、領域分割部565は、求めたエントロピーに基づいてしきい値を決定する。
図70Aは、メダル領域573全体での輝度ヒストグラム590の一例を示す図である。輝度ヒストグラム590は、メダル領域573を構成する複数の画素の輝度の分布を示している。図70Aの横軸は輝度を示している。図70Aの縦軸は、メダル領域573において、横軸に示される輝度を有する画素の数、つまり頻度を示している。本実施形態では、画素の輝度は、例えば8ビットで表現されており、十進数表現で「0」から「255」の値をとる。
領域分割部565は、図70Bに示す式3を使用して、輝度ヒストグラム590のエントロピーEAを求める。
ここで、式3中のPAiは、メダル領域573での輝度「i」の出現確率を示している。出現確率PAiは、メダル領域573において輝度が「i」である画素の数KAiと、メダル領域573の画素の総数KAtotalを用いて、以下の式4で表される。
PAi=KAi/KAtotal ・・・(式4)
例えば、KAtotal=1000とし、メダル領域573において、輝度が「255」である画素の数KA255=10であるとすると、PA255=10/1000となる。
エントロピーEAは、輝度ヒストグラム590の分布のばらつきの度合いを示している。エントロピーEAが大きい場合には、輝度ヒストグラム590の分布がばらついていると言える。つまり、メダル領域573での輝度のばらつきが大きいと言える。一方で、エントロピーEAが小さい場合には、輝度ヒストグラム590の分布が偏っていると言える。つまり、メダル領域573での輝度のばらつきが小さいと言える。
領域分割部565は、エントロピーEAを求めると、以下の式5を使用して、領域分割で使用するしきい値Tを求める。
T=EA×α ・・・(式5)
ここで、式5のαは、メダル領域573の分割態様を調整するための調整パラメータであって、0<α<1である。αが小さくなると、しきい値Tが小さくなることから、領域分割においてメダル領域573は分割され易くなる。また、αの値は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。本実施形態では、αの値は、メダル510の真偽判定を適切に行えるように、実験等によって前もって決定されている。
領域分割部565は、ステップS31においてしきい値Tを決定すると、ステップS32においてメダル領域573を初期分割する。ここでは、メダル領域573は、例えば、図71に示されるように4分割される。本実施形態では、図71に示されるように、メダル領域573は、行列状に正方形の4つの分割領域580に均等に分割される。領域分割部565は、メダル領域573を初期分割する場合には、輝度ヒストグラムのエントロピーを使用しない。
次にステップS33において、領域分割部565は、処理対象の分割領域580を決定する。ステップS32の直後のステップS33では、ステップS32で得られたそれぞれの分割領域580が処理対象とされる。
次に、ステップS34において、領域分割部565は、ステップS33で決定した処理対象の分割領域580のそれぞれについて、輝度ヒストグラムのエントロピーを求める。具体的には、領域分割部565は、まず、処理対象の分割領域580の輝度ヒストグラムを求める。分割領域580の輝度ヒストグラムは、例えば、図72Aに示す分割領域580を構成する複数の画素の輝度の分布を示している。そして、領域分割部565は、処理対象の分割領域580の輝度ヒストグラムのエントロピーEBを、図72Bに示す式6を用いて求める。
ここで、式6のPBiは、分割領域580での輝度「i」の出現確率を示している。出現確率PBiは、分割領域580において輝度が「i」である画素の数KBiと、その分割領域580の画素の総数KBtotalを用いて、以下の式7で表される。
PBi=KBi/KBtotal ・・・(式7)
分割領域580についてのエントロピーEBが大きい場合には、分割領域580での輝度のばらつきが大きいと言える。一方で、分割領域580についてのエントロピーEBが小さい場合には、分割領域580での輝度のばらつきが小さいと言える。
ステップS34が実行されると、領域分割部565は、ステップS35において、ステップS33で決定された処理対象の分割領域580において、エントロピーEBがしきい値T以上の処理対象の分割領域580が存在するか否かを判定する。領域分割部565は、ステップS35において、エントロピーEBがしきい値T以上の処理対象の分割領域580が存在すると判定すると、ステップS36において、エントロピーEBがしきい値T以上の処理対象の分割領域580をさらに分割する。上記のように、分割領域580についてのエントロピーEBが大きい場合には、その分割領域580での輝度のばらつきが大きいと言えることから、領域分割部565は、輝度のばらつきが大きい処理対象の分割領域580をさらに分割すると言える。言い換えれば、領域分割部565は、特徴が一様でない処理対象の分割領域580をさらに分割する。ステップS36では、ステップS32と同様に、エントロピーEBがしきい値T以上の処理対象の分割領域580は、行列状に正方形の4つの分割領域581にさらに均等に分割される。図72Aは、ステップS32での初期分割によって得られた4つの分割領域580のうちの左上の分割領域580が、さらに4つの分割領域581に分割される様子を示す図である。
ステップS36が実行されると、領域分割部565は再度ステップS33を実行して、処理対象の分割領域581をあらたに決定する。ステップS36の直後のステップS33では、ステップS36で得られた新たな分割領域581であって、所定の大きさよりも大きい分割領域581が処理対象とされる。その後、領域分割部565は、同様にステップS34以降を実行する。
ステップS35において、領域分割部565は、エントロピーEBがしきい値T以上の処理対象の分割領域581が存在しないと判定すると、メダル領域573に対する領域分割を終了する。
このように、本実施形態では、領域分割部565は、分割領域(例えば、分割領域580や分割領域581)での輝度ヒストグラムのエントロピーEBがしきい値以上の場合に、分割領域をさらに複数の分割領域に分割する処理を繰り返し行うため、メダル領域573が、それぞれにおいてエントロピーEBが小さい複数の分割領域に分割される(例えば、図71の例では、メダル領域573が4つの分割領域580に分割され、図72Aの例では、分割領域580が4つの分割領域581に分割される)。つまり、メダル領域573は、それぞれにおいて輝度が一様な複数の分割領域に分割される。
図73は、メダル領域573に対して領域分割が行われて、メダル領域573が、それぞれにおいて輝度が一様な複数の分割領域582に分割された様子の概要を示す図である。なお、図73では、分割された領域を、その大きさに関わらず(すなわち、何回領域分割が行われたものであるかに関わらず)、分割領域582として示すものとする。メダル領域573において、メダル510の模様の輪郭を含む領域では、輝度がばらつくことから、図73に示されるように、メダル領域573では、メダル510の模様の輪郭付近が細かく分割される。同様に、メダル領域573において、メダル510の外形を含む領域では、輝度がばらつくことから、図73に示されるように、メダル領域573では、メダル510の外形付近が細かく分割される。
このように、分割領域での輝度ヒストグラムのエントロピーEBがしきい値以上の場合に、当該分割領域が複数の分割領域にさらに分割される処理が繰り返し行われることによって、メダル領域573では、メダル510の模様の輪郭付近が細かく分割される。したがって、メダル領域573に対して領域分割が行われることによって生成される複数の分割領域582はメダル510の特徴を示していると言える。以後、分割領域582を「一様分割領域582」と呼ぶことがある。
なお、上記の例では、分割領域での輝度ヒストグラムのエントロピーEBがしきい値以上の場合に、当該分割領域が複数の分割領域にさらに分割されていたが、分割領域での輝度ヒストグラムのエントロピーEBがしきい値よりも大きい場合に、当該分割領域が、さらに複数の分割領域に分割されてもよい。また上記の例では、分割領域が4分割されていたが、分割領域の分割数はこれ以外であってもよい。
[特徴量取得部]
本実施形態では、特徴量取得部566は、領域分割部565で生成された複数の一様分割領域582のそれぞれについて、一様分割領域582の大きさを示す大きさ情報と、メダル領域573の中心から一様分割領域582までの距離を示す距離情報とを取得する。そして、特徴量取得部566は、それぞれの一様分割領域582についての大きさ情報及び距離情報に基づいてメダル特徴量を取得する。本実施形態では、特徴量取得部566は、一様分割領域582についての大きさ情報及び距離情報の2次元ヒストグラムを生成し、当該2次元ヒストグラムをメダル特徴量とする。
一様分割領域582の大きさ情報としては、例えば、一様分割領域582の横方向あるいは縦方向の長さが採用される。本実施形態では、一様分割領域582は正方形であることから、一様分割領域582の横方向、及び縦方向の長さは同じである。また、一様分割領域582についての距離情報としては、例えば、メダル領域573の中心から一様分割領域582の中心までの距離が採用される。なお、一様分割領域582の大きさ情報として、一様分割領域582の対角線の長さが採用されてもよい。
特徴量取得部566は、それぞれの一様分割領域582について、その一様分割領域582の大きさ情報と距離情報とを一組の情報ペアとして、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶する。そして、特徴量取得部566は、領域分割部565で生成された複数の一様分割領域582にそれぞれ対応する複数組の情報ペアに基づいて、大きさ情報と距離情報との組み合わせについての頻度分布を示す2次元ヒストグラムを生成する。以後、当該2次元ヒストグラムを「2次元評価値ヒストグラム591」と呼ぶことがある。
図74は、2次元評価値ヒストグラム591の一例を示す図である。図74のx軸方向に沿った第1軸は大きさ情報を示し、図74のy軸方向に沿った第2軸は距離情報を示している。そして、図74のz軸方向に沿った第3軸は、複数組の情報ペアにおける、第1軸に示された値を有する大きさ情報と、第2軸に示された値を有する距離情報との組み合わせの頻度を示している。つまり、図74の第3軸は、複数組の情報ペアにおいて、第1軸に示された値を有する大きさ情報と、第2軸に示された値を有する距離情報との組み合わせが何組存在しているかを示している。
例えば、複数組の情報ペアにおいて、大きさ情報a1と距離情報b1との組み合わせが8個存在する場合には、第1軸に示される大きさ情報a1及び第2軸に示される距離情報b1に対応するビンでの頻度が「8」となる。また、複数組の情報ペアにおいて、大きさ情報a5と距離情報b3との組み合わせが3個存在する場合には、第1軸に示される大きさ情報a5及び第2軸に示される距離情報b3に対応するビンでの頻度が「3」となる。
このように、本実施形態では、メダル領域573での、一様分割領域582の大きさ情報及び距離情報の2次元評価値ヒストグラム591がメダル特徴量とされる。
[判定部]
判定部567は、特徴量取得部566で取得されたメダル特徴量と、正規のメダル510の特徴を示す標準特徴量とを比較し、その比較結果に基づいて、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものか否かを判定する。標準特徴量として、正規のメダル510が映る撮像画像562Bから上記と同様にして2次元評価値ヒストグラム591が使用される。以後、正規のメダル510が映る撮像画像562Bから生成された2次元評価値ヒストグラム591を「標準2次元評価値ヒストグラム591A」と呼ぶ。
遊技機が実稼働していないときには、標準2次元評価値ヒストグラム591A(標準特徴量)を得るために、遊技機に対して正規のメダル510が投入される。変換部563では、投入された正規のメダル510が映る撮像画像562Bが生成される。この撮像画像562Bを「標準撮像画像562C」と呼ぶ。抽出部564は、この標準撮像画像562Cから、正規のメダル510が映るメダル領域573を生成し、領域分割部565がメダル領域573に対して領域分割を行う。そして、特徴量取得部566が、領域分割部565で生成された複数の一様分割領域582に基づいて標準2次元評価値ヒストグラム591A(標準特徴量)を生成する。このように生成された標準2次元評価値ヒストグラム591Aは、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
なお、このような遊技機による標準2次元評価値ヒストグラム591Aの取得は、遊技機において所定のモードが選択された場合に行うようにすることができる。また、遊技機または他の装置によって事前に標準2次元評価値ヒストグラム591Aを取得し、各遊技機のSRAM等に記憶させるようにしてもよい。
一方、実稼働中の遊技機では、判定部567が、特徴量取得部566で生成された2次元評価値ヒストグラム591と、SRAM等に記憶された標準2次元評価値ヒストグラム591Aとを比較し、その比較結果に基づいて、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものか否かを判定する。本実施形態では、判定部567は、特徴量取得部566で生成される2次元評価値ヒストグラム591と、標準2次元評価値ヒストグラム591Aとの間の類似度を求めることによって、両者を比較する。当該類似度を示す値としては、例えば、Bhattacharyya距離が使用される。Bhattacharyya距離が大きいことは類似度が低いことを意味し、Bhattacharyya距離が小さいことは類似度が高いことを意味する。類似度を示す値として他の値を使用してもよい。
ここで、撮像画像562Bから生成された2次元評価値ヒストグラム591と、標準2次元評価値ヒストグラム591Aとの間の類似度が高い場合には、撮像画像562Bに映るメダル510は正規のメダルである可能性が高い。したがって、Bhattacharyya距離のように、撮像画像562Bから生成された2次元評価値ヒストグラム591と、標準2次元評価値ヒストグラム591Aとの間の類似度を示す値は、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものである確からしさを示す評価値であると言える。言い換えれば、当該類似度を示す値は、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものである可能性を示す評価値であると言える。以後、当該評価値を「判定評価値」と呼ぶ。
本実施形態では、判定部567は、特徴量取得部566で生成された2次元評価値ヒストグラム591と、標準2次元評価値ヒストグラム591Aとの間の類似度が高い場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであると判定し、当該類似度が低い場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものではないと判定する。具体的には、判定部567は、特徴量取得部566で生成された2次元評価値ヒストグラム591と、標準2次元評価値ヒストグラム591Aとの間のBhattacharyya距離が、しきい値以下の場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであると判定し、当該しきい値よりも大きい場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものではないと判定する。言い換えれば、判定部567は、撮像画像562Bから得られた2次元評価値ヒストグラム591と、標準2次元評価値ヒストグラム591Aとに基づいて生成された判定評価値が、しきい値以下の場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであると判定し、当該しきい値よりも大きい場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものではないと判定する。そして、判定部567は、判定結果569を出力する。
以上のように、本実施形態では、メダル領域573に対する領域分割の際に使用されるしきい値Tが、そのメダル領域573に基づいて決定される。したがって、メダル510が映るメダル領域573を、そのメダル510に応じて適切に複数の一様分割領域582に分割することができる。よって、しきい値Tが予め決定されている場合と比較して、メダル領域573に映るメダル510の特徴を適切に示すメダル特徴量を取得することができる。その結果、メダル510が正規のものか否かを判定する際の判定精度が向上する。
また、本実施形態では、複数の一様分割領域582に基づいてメダル特徴量が取得される際には、一様分割領域582についての大きさ情報、及び距離情報が使用される。したがって、一様分割領域582の各画素の画素値が使用されてメダル特徴量が取得される場合と比較して、メダル特徴量を簡単に取得することができる。よって、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであるか否かを簡単に判定することができる。
また、本実施形態では、撮像画像562Bは、回転するメダル510が撮像されることによって得られた撮像画像であることから、撮像画像562Bに映るメダル510の回転姿勢(回転角度)が常に同じであるとは限らない。したがって、メダル領域573に映るメダル510の回転姿勢も常に同じであるとは限らない。一方で、メダル領域573から得られる一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報は、一様分割領域582がメダル領域573の中心の周りに回転したとしても変化しない情報である。したがって、メダル領域573に映るメダル510の回転姿勢にばらつきがあるとしても、メダル510が正規のものであれば、メダル領域573から得られる一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報はばらつきにくい。よって、一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報のそれぞれは、撮像画像562Bに映るメダル510の回転姿勢の影響を受けにくい情報であると言える。本実施形態では、撮像画像562Bに映るメダル510の回転姿勢の影響を受けにくい情報に基づいてメダル特徴量が取得されることから、撮像画像562Bが、回転するメダル510が撮像されることによって得られた撮像画像である場合であっても、撮像画像562Bに映る正規のメダル510が、正規のものではないと誤って判定されることを抑制することができる。
<第4実施形態の変形例>
以下に本実施形態の各種変形例について説明する。
[変形例1(メダル特徴量取得方法)]
上記の例では、特徴量取得部566は、一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報の両方に基づいてメダル特徴量を取得していたが、一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報のどちらか一方に基づいてメダル特徴量を取得してもよい。例えば、特徴量取得部566は、領域分割部565で生成された複数の一様分割領域582の大きさ情報に基づいてメダル特徴量を取得してもよい。この場合、特徴量取得部566は、例えば、領域分割部565で生成された複数の一様分割領域582の大きさ情報の分布を示す1次元ヒストグラム592を生成し、この1次元ヒストグラム592をメダル特徴量とする。図75は、一様分割領域582の大きさ情報の分布を示す1次元ヒストグラム592の一例を示す図である。図75の横軸は大きさ情報を示している。図75の縦軸は、領域分割部565で生成された複数の一様分割領域582において、横軸に示される大きさ情報を有する一様分割領域582の数、つまり頻度を示している。
一様分割領域582の大きさ情報の分布を示す1次元ヒストグラム592がメダル特徴量とされる場合には、遊技機が実稼働していないときに、特徴量取得部566が、正規のメダル510が映る撮像画像562Bから同様にして生成する、一様分割領域582の大きさ情報の1次元ヒストグラム(標準1次元ヒストグラム592A)が標準特徴量とされる。そして、判定部567は、2次元評価値ヒストグラム591が使用される場合と同様に、特徴量取得部566で生成された1次元ヒストグラム592と、標準1次元ヒストグラム592Aとを比較し、その比較結果に基づいて、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであるか否かを判定する。
なお、このような遊技機による標準1次元ヒストグラム592Aの生成は、遊技機において所定のモードが選択された場合に行うようにすることができる。また、遊技機または他の装置によって事前に標準1次元ヒストグラム592Aを生成し、各遊技機のSRAM等に記憶させるようにしてもよい。
また、特徴量取得部566は、領域分割部565で生成された複数の一様分割領域582の距離情報に基づいてメダル特徴量を取得する場合には、当該複数の一様分割領域582の距離情報の分布を示す1次元ヒストグラム592を生成し、1次元ヒストグラム592をメダル特徴量とする。
このように、一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報のうち、どちらか一方に基づいてメダル特徴量が取得される場合であっても、一様分割領域582の各画素の画素値に基づいてメダル特徴量が取得される場合と比較して、メダル特徴量を簡単に取得することができる。よって、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであるか否かを簡単に判定することができる。
また、一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報のそれぞれは、撮像画像562Bに映るメダル510の回転姿勢の影響を受けにくい情報であることから、本変形例においても、撮像画像562Bに映る正規のメダル510が正規のものではないと誤って判定されることを抑制することができる。
[変形例2(複数種類の標準特徴量を使用した真偽判定)]
上記のように、一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報は、メダル領域573に映るメダル510の回転姿勢の影響を受けにくい情報であるものの、メダル領域573に映るメダル510の回転姿勢の影響を受けて多少ばらつく。以下にこの点について詳細に説明する。
例えば、図76に示されるような、正規のメダル510が映る4つのメダル領域573A〜573Dを考える。以下の説明では、メダル領域573Aから得られたメダル特徴量が標準特徴量としてSRAM等に記憶されているものとする。以後、メダル領域573Aから得られた複数の一様分割領域582を「複数の標準一様分割領域582A」と呼ぶことがある。
メダル領域573Bに映るメダル510Bの回転角度は、メダル領域573Aに映るメダル510Aをその中心の周りに90°反時計周りに回転させた際のメダル510Aの回転角度と同じである。メダル領域573Cに映るメダル510Cの回転角度は、メダル領域573Aに映るメダル510Aをその中心の周りに180°反時計周りに回転させた際のメダル510Aの回転角度と同じである。メダル領域573Dに映るメダル510Dの回転角度は、メダル領域573Aに映るメダル510Aをその中心の周りに270°反時計周りに回転させた際のメダル510Aの回転角度と同じである。
上記の例では、メダル領域573の分割領域がさらに分割される際には、行列状に正方形の4つの分割領域に均等に分割される。そのため、メダル領域573Bから得られる複数の一様分割領域582は、メダル領域573Aから得られる複数の標準一様分割領域582Aを、メダル領域573Aの中心の周りに90°反時計りに回転させたものと一致する。同様に、メダル領域573Cから得られる複数の一様分割領域582は、複数の標準一様分割領域582Aを、メダル領域573Aの中心の周りに180°反時計周りに回転させたものと一致する。そして、メダル領域573Dから得られる複数の一様分割領域582は、複数の標準一様分割領域582Aを、メダル領域573Aの中心の周りに270°反時計周りに回転させたものと一致する。したがって、複数の標準一様分割領域582Aの大きさ情報、及び距離情報と、メダル領域573Bから得られる複数の一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報と、メダル領域573Cから得られる複数の一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報と、メダル領域573Dから得られる複数の一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報とは互いに一致する。よって、メダル領域573Bから得られたメダル特徴量と、メダル領域573Cから得られたメダル特徴量と、メダル領域573Dから得られたメダル特徴量とは、メダル領域573Aから得られたメダル特徴量、つまり標準特徴量と一致する。
このように、あるメダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度が、標準特徴量が取得されたメダル領域573Aに映る正規のメダル510Aをその中心の周りに(90×N)°(Nは0以上の整数)反時計回りに回転させた際の正規のメダル510Aの回転角度と一致する場合には、そのメダル領域573Xから得られる複数の一様分割領域582は、複数の標準一様分割領域582Aをメダル領域573Aの中心の周りに(90×N)°反時計回りに回転させたものと一致する。したがって、メダル領域573Xから得られるメダル特徴量は、メダル領域573Aから得られるメダル特徴量に一致する。つまり、メダル領域573Xから得られるメダル特徴量は、SRAM等に記憶された標準特徴量と一致する。よって、そのメダル領域573Xに映るメダル510が、正規のものであると適切に判定することができる。
一方で、あるメダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度が、メダル領域573Aに映る正規のメダル510Aをその中心の周りに(90×N)°反時計周りに回転させた際の正規のメダル510の回転角度と一致しない場合には、そのメダル領域573Xから得られる複数の一様分割領域582は、複数の標準一様分割領域582Aをメダル領域573Aの中心の周りにどのような回転角度で回転させたとしても、当該複数の標準一様分割領域582Aと一致しないことがある。言い換えれば、正規のメダル510Aをその中心の周りにγ°(γ≠90×N、つまりγは「90」の倍数以外の値)反時計周りに回転させた際の正規のメダル510Aの回転角度と一致する場合には、メダル領域573Xから得られる複数の一様分割領域582は、複数の標準一様分割領域582Aをメダル領域573Aの中心の周りにどのような回転角度で回転させたとしても、当該複数の標準一様分割領域582Aと一致しないことがある。したがって、メダル領域573Xから得られる複数の一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報は、複数の標準一様分割領域582Aの大きさ情報、及び距離情報と一致しないことがある。よって、メダル領域573Xから得られるメダル特徴量は、メダル領域573Aから得られるメダル特徴量に一致しないことがある。つまり、メダル領域573Xから得られるメダル特徴量は、SRAM等に記憶された標準特徴量に一致しないことがある。その結果、そのメダル領域573Xに映るメダル510が正規のものであると適切に判定されないことがある。特に、メダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度が、メダル領域573Aに映る正規のメダル510Aをその中心の周りに(90×N+45)°反時計周りに回転させた際の正規のメダル510Aの回転角度と一致する場合には、メダル領域573Xから得られるメダル特徴量が、標準特徴量と大きく異なることがある。そのため、この場合には、そのメダル領域573に映るメダル510が正規のものであると適切に判定されない可能性が高い。
なお、あるメダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度が、メダル領域573Aに映る正規のメダル510Aをその中心の周りに(90×N)°反時計周りに回転させた際の正規のメダル510Aの回転角度と一致しない場合に、そのメダル領域573Xから得られるメダル特徴量が、メダル領域573Aから得られるメダル特徴量に対してどの程度ずれるかについては、メダル領域573Xに対する領域分割においてどれだけ細かくメダル領域573Xが分割されるかに依存する。領域分割においてメダル領域573Xが細かく分割される場合には、そのメダル領域573Xから得られるメダル特徴量は、メダル領域573Aから得られるメダル特徴量に対して大きくずれることになる。
このように、あるメダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度が、標準特徴量が取得されたメダル領域573Aに映る正規のメダル510をその中心の周りに(90×N)°反時計周りに回転させた際の当該正規のメダル510の回転角度と一致しない場合には、そのメダル領域573Xから得られるメダル特徴量が標準特徴量と異なる可能性がある。そのため、メダル領域573Xに映るメダル510が正規のものであると適切に判定されないことがある。したがって、メダル判定処理の際には、正規のメダル510が映るメダル領域573Xから取得された1種類の標準特徴量だけではなく、そのメダル領域573Xに映る正規のメダル510をその中心の周りに(90×N)°反時計周りに回転させた際の当該正規のメダル510の回転角度と一致しない回転角度を有する正規のメダル510が映るメダル領域573から取得された標準特徴量も使用されることが望ましい。
また、図76を用いたこれまでの説明は、メダル領域573の中心と、メダル領域573に映る正規のメダル510の中心とが一致することが前提の説明である。しかしながら、抽出部564でのメダル領域573の抽出精度によっては、メダル領域573の中心と、メダル領域573に映る正規のメダル510の中心とが一致しない可能性がある。図77は、メダル領域573の中心573cと、メダル領域573に映る正規のメダル510の中心510cとが一致しない様子の一例を示す図である。
抽出部564で抽出されたメダル領域573の中心573cと、メダル領域573に映る正規のメダル510の中心510cとが一致しない場合には、あるメダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度が、標準特徴量が取得されたメダル領域573Aに映る正規のメダル510の回転角度と異なれば、メダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度がどのような回転角度であっても、メダル領域573Xから得られる複数の一様分割領域582は、複数の標準一様分割領域582Aをメダル領域573Aの中心の周りにどのような回転角度で回転させたとしても、当該複数の標準一様分割領域582Aと一致しないことがある。したがって、この場合には、メダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度が、メダル領域573Aに映る正規のメダル510をその中心の周りに(90×N)°反時計回り回転させた際の当該正規のメダル510の回転角度と一致する場合であっても、メダル領域573Xから得られる複数の一様分割領域582が、複数の標準一様分割領域582Aをメダル領域573Aの中心の周りに(90×N)°反時計回り回転させたものと一致しない可能性がある。したがって、メダル領域573Xから得られる複数の一様分割領域582の大きさ情報、及び距離情報は、複数の標準一様分割領域582Aの大きさ情報、及び距離情報と一致しないことがある。よって、メダル領域573Xから得られるメダル特徴量は、メダル領域573Aから得られるメダル特徴量、つまり標準特徴量と一致しないことがある。
このように、抽出部564で抽出されたメダル領域573の中心573cと、メダル領域573Xに映る正規のメダル510の中心510cとが一致しない場合には、メダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度が、標準特徴量が取得されたメダル領域573Aに映る正規のメダル510の回転角度と異なれば、メダル領域573Xに映る正規のメダル510の回転角度がどのような回転角度であっても、メダル領域573Xから得られるメダル特徴量が標準特徴量と異なる可能性がある。そのため、メダル領域573Xに映るメダル510が正規のものであると適切に判定されないことがある。したがって、メダル判定処理の際には、正規のメダル510が映るメダル領域573から取得された1種類の標準特徴量だけではなく、メダル領域573に映る正規のメダル510の回転角度とは異なる回転角度を有する正規のメダル510が映るメダル領域573から取得された標準特徴量も使用されることが望ましい。
以上の点に鑑みて、本変形例では、メダル判定処理の際に、一種類の標準特徴量を使用するのではなく、それらに映る正規のメダル510の回転角度が互いに異なる複数のメダル領域573に基づいてそれぞれ生成された複数種類の標準特徴量を使用する。判定部567は、撮像画像562Bから得られたメダル特徴量と、SRAM等に記憶された複数種類の標準特徴量のそれぞれと比較し、その比較結果に基づいて、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであるか否かを判定する。
本変形例では、4種類の標準特徴量が使用される。4種類の標準特徴量は、それらに映る正規のメダル510の回転角度が互いに異なる4つメダル領域573R、573α、573β、573γに基づいてそれぞれ生成される。図78は、メダル領域573R、573α、573β、573γの一例を示す図である。メダル領域573αに映る正規のメダル510の回転角度は、メダル領域573Rに映る正規のメダル510がその中心の周りに45°反時計周り回転した際のメダル領域573Rに映る正規のメダル510の回転角度と一致する。メダル領域573βに映る正規のメダル510の回転角度は、メダル領域573Rに映る正規のメダル510がその中心の周りに90°反時計周り回転した際のメダル領域573Rに映る正規のメダル510の回転角度と一致する。そして、メダル領域573γに映る正規のメダル510の回転角度は、メダル領域573Rに映る正規のメダル510がその中心の周りに135°反時計周り回転した際のメダル領域573Rに映る正規のメダル510の回転角度と一致する。
本変形例では、メダル領域573α、573β、573γは、メダル領域573Rに基づいて生成される。以後、メダル領域573Rを「基準メダル領域573R」と呼ぶ。メダル領域573αは、基準メダル領域573Rにおいて、それに映る正規のメダル510の画像584Rが、基準メダル領域573Rの中心573Rcの周りに45°反時計周り回転させられた画像である。メダル領域573βは、基準メダル領域573Rにおいて、それに映る正規のメダル510の画像584Rが、基準メダル領域573Rの中心573Rcの周りに90°反時計周り回転させられた画像である。そして、メダル領域573γは、基準メダル領域573Rにおいて、それに映る正規のメダル510の画像584Rが、基準メダル領域573Rの中心573Rcの周りに135°反時計周り回転させられた画像である。
複数種類の標準特徴量を生成するため、遊技機が実稼働していないときに、遊技機に対して正規のメダル510が投入される。変換部563によって、投入された正規のメダル510が映る標準撮像画像562Cが生成される。抽出部564は、標準撮像画像562Cから、正規のメダル510が映る基準メダル領域573Rを抽出し、領域分割部565が基準メダル領域573Rに対して領域分割を行う。そして、特徴量取得部566が領域分割部565で生成された複数の一様分割領域582に基づいて標準2次元評価値ヒストグラム591Aを生成する。これにより、基準メダル領域573Rに基づいて、1種類の標準特徴量、つまり1種類の標準2次元評価値ヒストグラム591Aが生成される。
なお、このような遊技機による標準特徴量の生成は、遊技機において所定のモードが選択された場合に行うようにすることができる。また、遊技機または他の装置によって事前に標準特徴量を生成し、各遊技機のSRAM等に記憶させるようにしてもよい。
抽出部564では、基準メダル領域573Rに基づいてメダル領域573α、23β、23γが生成される。抽出部564は、基準メダル領域573Rにおいて、正規のメダル510の画像584Rを基準メダル領域573Rの中心573Rcの周りに45°反時計周りに回転させることによって得られる画像を、メダル領域573αとする。また、抽出部564は、基準メダル領域573Rにおいて、正規のメダル510の画像584Rを基準メダル領域573Rの中心573Rcの周りに90°反時計周りに回転させることによって得られる画像を、メダル領域573βとする。そして、抽出部564は、基準メダル領域573Rにおいて、正規のメダル510の画像584Rを基準メダル領域573Rの中心573Rcの周りに135°反時計周りに回転させることによって得られる画像を、メダル領域573γとする。
抽出部564において、メダル領域573α、573β、573γが生成されると、領域分割部565は、メダル領域573α、573β、573γに対して領域分割を行う。特徴量取得部566は、領域分割部565においてメダル領域573αに対する領域分割によって生成された複数の一様分割領域582に基づいて標準2次元評価値ヒストグラム591Aを生成する。また特徴量取得部566は、領域分割部565においてメダル領域573βに対する領域分割によって生成された複数の一様分割領域582に基づいて標準2次元評価値ヒストグラム591Aを生成する。そして特徴量取得部566は、領域分割部565においてメダル領域573γに対する領域分割によって生成された複数の一様分割領域582に基づいて標準2次元評価値ヒストグラム591Aを生成する。これにより、メダル領域573α、573β、573γに基づいて、3種類の標準特徴量、つまり3種類の標準2次元評価値ヒストグラム591Aが生成される。
以上のようにして生成された複数種類の標準特徴量(標準2次元評価値ヒストグラム591A)は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
実稼働中の遊技機では、判定部567が、撮像画像562Bから生成された2次元評価値ヒストグラム591と、SRAM等に記憶された複数種類の標準2次元評価値ヒストグラム591Aのそれぞれとを比較する。具体的には、判定部567は、SRAM等に記憶された複数種類の標準2次元評価値ヒストグラム591Aのそれぞれについて、その標準2次元評価値ヒストグラム591Aと、撮像画像562Bから生成された2次元評価値ヒストグラム591との間のBhattacharyya距離を求める。そして、判定部567は、得られた複数のBhattacharyya距離のうちの最小値を判定評価値とする。そして、判定部567は、判定評価値が、しきい値以下の場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであると判定し、当該しきい値よりも大きい場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものではないと判定する。
このように、本変形例に係るメダル判定処理では、それらに映る正規のメダル510の回転角度が互いに異なる複数の画像に基づいて、それぞれ生成された複数種類の標準特徴量が使用されることから、撮像画像562Bに映るメダル510の回転角度にかかわらず、そのメダル510が正規のものであるか否かを適切に判定することができる。よって、判定精度が向上する。
なお、上記の例では、4種類の標準特徴量が使用されたが、標準特徴量の種類の数はこの限りではない。また、複数種類の標準特徴量が生成される複数の画像(複数のメダル領域573)のそれぞれに映る正規のメダル510の回転角度は上記の回転角度には限られない。
[変形例3(複数種類の判定方法を使用した真偽判定)]
メダル判定処理においては、上述した判定方法と、それ以外の判定方法とが併用されて、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものである否かが判定されてもよい。撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであるか否かの別の判定方法としては、例えば、正規のメダルの画像をテンプレート画像として使用するテンプレートマッチング法が考えられる。このテンプレートマッチング法では、撮像画像562Bにおいてテンプレート画像と類似する画像が存在するか否かを特定することによって、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであるか否かが判定される。以下では、メダル判定処理において、上述の判定方法と、テンプレートマッチング法とが併用される場合について説明する。なお、テンプレートマッチング法以外のマッチング方法が用いられてもよい。
テンプレートマッチング法においても、上述した判定方法と同様に、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものである確からしさを示す判定評価値(「出力値」とも呼ばれる)が生成される。テンプレートマッチング法では、メダル510が映る撮像画像562Bにおいて、テンプレート画像と最も類似する領域が特定され、当該領域とテンプレート画像との間の類似度を示す値が判定評価値として使用される。以後、図61の機能ブロック図に関連して説明した処理で得られる判定評価値を「第1判定評価値EV1」と呼び、テンプレートマッチング方法で得られる判定評価値を「第2判定評価値EV2」と呼ぶ。ここでは、第2判定評価値EV2の値が小さいほど、撮像画像562Bに映るメダル510が正しいものである可能性が高いものする。
撮像画像562Bについて、第1判定評価値EV1が求められ、さらに(テンプレートマッチング法を用いて)第2判定評価値EV2が求められると、判定部567が、以下の式8を用いて総合評価値EV0を求める。
EV0=z1×EV1+z2×EV2 ・・・(式8)
式8のz1及びz2は定数である。式8に示されるように、総合評価値EV0は、第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2の両方が小さいときに小さい値となる。
判定部567は、総合評価値EV0がしきい値th0以下であるときには、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであると判定する。一方で、判定部567は、総合評価値EV0がしきい値th0よりも大きい場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものではないと判定する。しきい値th0及び定数z1、z2は、例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)等に記憶しておくことができる。
ここで、正規のメダル510が映る撮像画像562Bを「ポジティブ撮像画像562B1」と呼び、偽のメダル510(正規でないメダル510)が映る撮像画像562B「ネガティブ撮像画像562B2」と呼ぶ。しきい値th0及び定数z1、z2は、複数のポジティブ撮像画像562B1についての第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2と、複数のネガティブ撮像画像562B2についての第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2とに基づいて決定することができる。以下に、しきい値th0及び定数z1、z2の決定方法について説明する。
図79は、複数のポジティブ撮像画像562B1、及び複数のネガティブ撮像画像562B2のそれぞれについて求められた第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2の関係を例示する図である。図79に示されるx軸は第2判定評価値EV2を示している。図79に示されるy軸は、x軸に示される第2判定評価値EV2が求められた撮像画像562Bの第1判定評価値EV1を示している。また、図79の黒三角は、ポジティブ撮像画像562B1についての第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2を示し、図79の白丸は、ネガティブ撮像画像562B2についての第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2を示している。以後、撮像画像562Bについて求められた第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2のペアを「評価値ペア」と呼ぶことがある。図79には、複数の撮像画像562Bの評価値ペアの分布を示す評価値散布図593が示されている。
本例では、第1判定評価値EV1が小さい場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものである可能性が高い。そして、第2判定評価値EV2が小さい場合には、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものである可能性が高い。したがって、図79に示される評価値散布図593では、ポジティブ撮像画像562B1の評価値ペアを示す黒三角は、第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2がともに小さい領域、つまり左下隅に集中する。
上記の例のように、第1判定評価値EV1がしきい値th1以下か否かを判定するだけでメダル510の真偽判定が行われる場合には、第1判定評価値EV1は小さくなるものの第2判定評価値EV2が大きくなるようなネガティブ撮像画像562B2については、それに映るメダル510が正規のものであると誤って判定されてしまう。図79に示される評価値散布図593においては、しきい値th1を示す、x軸に沿った直線595の線上、及びそれよりも下側の白丸が示す評価値ペアが求められたネガティブ撮像画像562B2に映るメダル510が、正規のものであると誤って判定される。評価値散布図593において、x軸方向に沿った直線594では、ポジティブ撮像画像562B1の評価値ペア(黒三角)の分布と、ネガティブ撮像画像562B2の評価値ペア(白丸)の分布とを適切に分離することが難しい。
また、第2判定評価値EV2がしきい値th2以下か否かを判定するだけでメダル510の真偽判定が行われる場合には、第2判定評価値EV2は小さくなるものの第1判定評価値EV1が大きくなるようなネガティブ撮像画像562B2については、それに映るメダル510が正規のものであると誤って判定されてしまう。図79に示される評価値散布図593においては、しきい値th2を示す、y軸に沿った直線595の線上、及びそれよりも左側の白丸が示す評価値ペアが求められたネガティブ撮像画像562B2に映るメダル510が正規のものであると誤って判定される。評価値散布図593において、y軸方向に沿った直線595では、ポジティブ撮像画像562B1の評価値ペアの分布と、ネガティブ撮像画像562B2の評価値ペアの分布とを適切に分離することが難しい。
本変形例では、遊技機が実稼働していないときに、複数の正規のメダル510及び複数の不正メダルであるメダル510が遊技機に投入され、複数のポジティブ撮像画像562B1、及び複数のネガティブ撮像画像562B2のそれぞれについての評価値ペアが求められる。そして、複数の評価値ペアが示される評価値散布図593において、ポジティブ撮像画像562B1の評価値ペアの分布とネガティブ撮像画像562B2の評価値ペアの分布とが分離される分離直線596(図79参照)を表す式が求められる。分離直線596は、以下の式9で表すことができる。なお、式9のA1、A2、Bは定数である。
y=−(A1/A2)x+B ・・・(式9)
なお、このような遊技機による評価値ペアの取得は、遊技機において所定のモードが選択された場合に行うようにすることができる。また、遊技機または他の装置によって事前に評価値ペアを取得し、各遊技機のSRAM等に記憶させるようにしてもよい。
評価値散布図593において、分離直線596の線上、及びそれよりも下側の領域は、第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2ともに小さい領域である。したがって、撮像画像562Bについて求めた評価値ペアが評価値散布図593に示された場合において、当該評価値ペアの位置が、分離直線596の線上、あるいはそれよりも下側に存在するときには、撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであると考えることができる。
評価値散布図593において、分離直線596の線上、及びそれよりも下側の領域は、以下の式10で表される。
y≦−(A1/A2)x+B ・・・(式10)
また、式10は、以下の式11に変形できる。
A1x+A2y≦A2×B ・・・(式11)
撮像画像562Bについて求められた第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2が式11のx及びyにそれぞれ代入された場合に、式11が満足される場合には、撮像画像562Bに映るメダル510は正規のものであると考えることができる。
例えば、SRAM(第1実施形態に係るカメラユニット209のSRAM243に対応)には、式9の定数A1、A2、式8の定数z1、z2が記憶される。式9の定数A1、A2を、式8の定数z1、z2としてそれぞれ記憶するようにしてもよい。また、「A2×B」がしきい値th0として記憶されうる。
判定部567は、撮像画像562Bについての第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2と、SRAM等に記憶された定数z1、z2とを用いて、撮像画像562Bについての総合評価値EV0を求める。そして、判定部567は、求めた総合評価値EV0が、しきい値th0以下であれば、撮像画像562Bに映るメダル510は正規のものであると判定し、しきい値th0よりも大きければ、撮像画像562Bに映るメダル510は正規のものではないと判定する。これにより、メダル510の真偽判定をより正しく行うことができる。
なお、式9については、評価値散布図593を見た人が手計算で求めてもよいし、所定のコンピュータ装置により、第1判定評価値EV1及び第2判定評価値EV2に基づいてサポートベクターマシン等の機械学習機能を用いて求めてもよい。後者の場合には、機械学習機能が実装された遊技機が、式9を求めるようにしてもよい。
このように、本変形例では、互いに異なる判定方式で求められた複数の判定評価値に基づいて撮像画像562Bに映るメダル510が正規のものであるか否かが判定されるため、判定精度を向上することができる。