JP6088140B2 - 反射系及びヘッドライト - Google Patents

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Description

本発明は、ランプの分野に関するものであり、とりわけ、自動車用のヘッドライトに利用され得る、フィラメントランプのようなハロゲンランプに関するものである。
国際公開WO2004/053924A2号より、H1、H7、H9またはH11規格に準拠するハロゲンランプが知られており、これは自動車用のヘッドライトに利用され得る。このハロゲンランプはフィルタ部材を含んでおり、それにより、予め規定された明/暗カットオフより下の道路に向けて、その道路を照明するべく主として黄色の光が発せられ、またその予め規定された明/暗カットオフより下の道路の路肩に向けて、交通標識を照明するべく主として青色の光が発せられる。
接近してくるドライバーの目を眩ませないというかかるランプの特性に加えて、そのヘッドライトにより、接近してくる自動車が良好に視認されるべきことが常に求められる。
本発明の目的は、接近してくるドライバーの目を著しく眩ませる危険性を伴わずに、接近してくるドライバーにより良好に視認可能な光を持つランプを提供することである。
上記の目的は、主として白色の光を発するための光源と、その光源を封入する主として透過性の管球容器と、その管球容器に設けられたフィルタ部材とを含み、予め規定された波長区間の可視光を偏向させて、明/暗カットオフより上に主として青色の光が付与されるようになすよう、上記のフィルタ部材が構成されていることを特徴とするランプ、とりわけ自動車用のヘッドライトのためのハロゲンランプによって達成される。
道路を照明するための意図する照明領域と、接近してくるドライバーの目眩まし防止のための意図する非照明領域とを、好ましくははっきりと分ける上記の明/暗カットオフは、通常、ランプとりわけハロゲンランプが使用されるべき自動車用ヘッドライトに対する要求によって、予め規定される。この明/暗カットオフに対する要求は、特定の国における技術標準から導かれるものであってもよい。明/暗カットオフより上に偏向させられた主として青色の光のため、光は、接近してくるドライバーにはより青味を帯びたものに見える。夜間において青色光は、接近してくるドライバーの光を検知する棹体視細胞によってより良好に吸収されるので、本発明に従うランプの光は、良好に視認可能なものである。偏向させられた青味を帯びた光は明/暗カットオフより上に行くので、接近してくるドライバーは、より早くその光に気付く。接近してくる自動車をより早く認識することもでき、交通安全性の向上に繋がる。同時に、明/暗カットオフより上には、発射された光のすべてではなくより狭い波長区間のみが向けられるので、接近してくるドライバーは、明/暗カットオフより上の青色光によって目を眩ませられることはない。自動車用ヘッドライトのための光学系は、ランプの光源、たとえばランプのフィラメントを起点とする、光線中心に対して調整されるという洞察が利用されている。発射された光のうち予め規定された波長区間が、管球容器のフィルタ部材によって偏向させられるので、少量の光線、すなわち偏向光ビームが、管球容器を起点として発せられることとなる。これは、これら少量の光線が、ランプの光源に対してシフトされることを意味する。この偏向光ビームのシフトされた起点のため、ヘッドライトの光学系は、光学系を変更する必要なしに、偏向光ビームの少なくとも一部を、明/暗カットオフより上に意図的に誘導する。フィルタ部材の形状および寸法に加えて、フィルタ特性を調整することにより、好きなように輝度および光束を調整することができる。たとえば、フィルタ部材の波長区間として十分狭い波長区間を選択すること、偏向光ビームを散光器によって散乱させること、および/または偏向させられた光の光束の一部をさらなるフィルタによってフィルタリングすることによって、接近してくる自動車のドライバーの目を眩ませないよう、明/暗カットオフより上に偏向させられる光の照度を十分低く保つことができる。接近してくるドライバーの目を著しく眩ませる危険性が顕著に高まらないように、あるいはかかる危険性が防止さえされるように、明/暗カットオフより上の光の照度を、十分低く調整することができる。明/暗カットオフより上では低い照度のみで十分なので、予め規定された波長区間内の波長を有する光ビームすべてを偏向させる必要はなく、一部のみを偏向させればよい。明/暗カットオフより下の領域を照明するのに意図的に利用される、偏向させられない光の色は、概ね変わらない色とすることができ、主として白色光のままとされ得る。さらに、この接近してくるドライバーに対する青味を帯びた見た目は、フィラメント等をより高い温度にしてランプを駆動させ、より青色寄りの光を発することで得られたものではなく、現行の光の波長選択的な偏向によって得られたものである。このことは、ランプの寿命にとって不利な影響をほとんど持たない。フィラメント等の電気部品の消耗が激しくなることも起こらない。
好ましくは、明/暗カットオフより上に偏向させられた光が、CIE1931図に関し、x、y座標(0.380;0.335)、(0.380;0.392)、(0.430;0.425)、(0.410;0.357)の矩形の境界上または該矩形内に入る色、とりわけ(0.390;0.345)、(0.390;0.400)、(0.410;0.412)、(0.410;0.365)の矩形の境界上または該矩形内に入る色、好ましくは(0.392;0.361)、(0.392;0.372)、(0.408;0.392)、(0.408;0.388)の矩形の境界上または該矩形内に入る色を有するよう、フィルタ部材が構成される。この偏向光の色を用いると、接近してくるドライバーの光を検知する棹体視細胞により、光がより良好に吸収されるようになる。さらに、この色は、追加の手間を要することなく、フィルタ部材によって調整することができる。特に、典型的なハロゲンランプの光源によって発せられる光は、このx、y座標の範囲内に入る成分を含んでいるので、光源の発光スペクトルを変更する必要なしに、明/暗カットオフより上にかかる色を提供することができる。同時に、上記のx、y座標の範囲内に入る発射光の成分は、接近してくるドライバーの目を眩ませ得るほどのものではない。
上記のフィルタ部材はとりわけ、明/暗カットオフより上に偏向させられた光が、0.1ルクス≦E≦1.0ルクス、とりわけ0.2ルクス≦E≦0.8ルクス、好ましくは0.4ルクス≦E≦0.6ルクスの照度Eを有するように構成される。この照度は、接近してくるドライバーにより視認されるのに十分高い照度であるが、接近してくるドライバーの目を眩ませるほど高くはない。この照度は特に、ランプから25mの距離において計測される照度である。
ある好ましい実施形態では、明/暗カットオフより上に偏向させられた光が、3000K≦T≦4000K、とりわけ3200K≦T≦3800K、好ましくは3400K≦T≦3600Kの色温度Tを有するように、フィルタ部材が構成される。この色温度により、明/暗カットオフより上において、青味を帯びた偏向光の見た目が確保される。
ある好ましい実施形態では、フィルタ部材が、管球容器の内表面および/または外表面上に、全体的にまたは部分的にのみ配される。たとえば主としてSiOからなるガラス体とされ得る管球容器に、特殊な材料を使う必要性がなくなるように、フィルタ部材は、コーティングによって付与されてもよい。管球容器によって、たとえばスパッタリングによりフィルタ部材のフィルタ材料を施すための、頑丈な基板が提供される。管球容器は、主として不活性ガスによって充填されてもよく、また、臭素、ヨウ素または塩素といった少なくとも1つのハロゲン元素を含んでいてもよい。
特定の実施形態では、管球容器には部分的にのみフィルタ部材が付与される。とりわけ、発射される光の光束に対し、30%≦a≦98%、とりわけ50%≦a≦95%、好ましくは70%≦a≦90%、最も好ましくは75%≦a≦80%の割合aが、フィルタリングされずに管球容器から出ていくよう、フィルタ部材の形状および配置が構成される。このことは、発射された光のうちの相当量が、フィルタリングされることなくフィルタ部材を通過していくことを意味する。たとえば、ほとんどの光束が、フィルタ部材による影響を受けることなく、ランプから出て行ってもよい。ランプの照度は、フィルタ部材によって著しい影響を受けない。とりわけ、ランプの色は、フィルタ部材によって著しい影響を受けない。
フィルタ部材はとりわけ、干渉フィルタおよび/または吸収フィルタを含むものとされる。干渉フィルタは、種々の厚さおよび種々の屈折率の複数の層を含むものとされてもよく、それらの層は、特定の波長または特定の波長区間の光のみが透過または反射されるように選択される。反射光(これは偏向光を意味する)は、管球容器の異なる場所においては、異なる角度で干渉フィルタに当たり得るので、この反射光は、再度反射されることなく、干渉フィルタを通過することができる。ランプの輝度は、著しい影響を受けない。吸収フィルタによれば、顕著に異なる波長の光はほとんど変化させずに、特定の波長を有する光が吸収される。さらに、吸収フィルタは、特定の波長または波長区間の光を、散乱および/または発射するものとされてもよい。フィルタ部材の設計により、偏向される光の具体的な色を調整することができる。
ある好ましい実施形態では、予め規定された波長区間内の発射された光の光束に対して、5%≦v≦80%、とりわけ10%≦v≦70%、好ましくは15%≦v≦60%、最も好ましくは20%≦v≦50%の割合vが、干渉フィルタによって反射される。予め規定された波長区間内の光束のうち、一部のみが反射されるので、残りの部分は、明/暗カットオフより下でランプの色が著しく変更されないように、反射されることなく干渉フィルタを通過することができる。明/暗カットオフより下に誘導される発射光は、色が主として白色に見えるように、可視光スペクトルの関連波長をすべて含むものとされ得る。さらに、たとえばコーティングにより、ランプの管球容器全体に干渉フィルタを付与し、それと同時に、明/暗カットオフより下の領域を照明するよう意図された光から、予め規定された波長区間が完全にはフィルタリングされないようになすことも可能である。
干渉フィルタは、とりわけ、上側境界未満であり下側境界よりも大きい反射率R(λ)を有するものとされ、その上側境界は、380nm≦λ≦525nmに対してR(λ)=70%、525nm≦λ≦600nmに対してR(λ)=70%−50%・(λ−525nm)/75nm、600nm≦λ≦780nmに対してR(λ)=20%とされ、下側境界は、380nm≦λ≦450nmに対してR(λ)=20%、450nm≦λ≦500nmに対してR(λ)=20%−20%・(λ−450nm)/50nm、500nm≦λ≦780nmに対してR(λ)=0%とされる。反射率R(λ)=0%では、特定波長λは一切反射されず、反射率R(λ)=100%では、特定波長λはすべて反射される。反射特性がこの上側境界と下側境界との間にある干渉フィルタは、照度を著しく低下させることなく、より青味を帯びた見た目をもたらす。
好ましくは、上記の吸収フィルタは、散乱粒子、とりわけCoAlからなる散乱粒子を含むものとされ、その散乱粒子が、500nm≦d≦6μm、とりわけ600nm≦d≦5μm、好ましくは750nm≦d≦3μm、最も好ましくは900nm≦d≦1μmの平均直径dを有するものとされ、吸収フィルタにおける散乱粒子の重量割合wが、とりわけ2%≦w≦40%、好ましくは3%≦w≦30%、より好ましくは5%≦w≦15%、最も好ましくは7%≦w≦10%とされる。吸収フィルタに使用される通常の吸収粒子と比較して、散乱粒子は、より大きくより多い。散乱粒子により、光は複数の方向に散乱される。最も好ましくは、CoAlのように、散乱粒子が同時に、特定波長を有する光を吸収および/または発射する吸収粒子として作用する。
ある好ましい実施形態では、フィルタ部材は、波長λにおいてとりわけ反射および/または吸収によるフィルタ効果を有するものとされ、その波長λは、300nm≦λ≦700nm、とりわけ350nm≦λ≦650nm、好ましくは380nm≦λ≦600nm、最も好ましくは400nm≦λ≦500nmとされる。これらの波長区間の外では、フィルタ部材のフィルタ効果はほとんどもたらされない。このほとんどもたらされないとは、特定波長の光束の1%未満しか、フィルタ部材によって偏向させられないことを意味する。これらの波長区間により、接近してくるドライバーに対して、明/暗カットオフより上で青味を帯びた光の見た目を提供するのに適した色の調整がなされる。
好ましくは、ハロゲンランプの先端に、ぎらつき防止のキャップが付与される。このぎらつき防止のキャップにより、ランプの光源からの直接の光ビームが、接近してくる自動車のドライバーに向かうことが防止される。
本発明はさらに、前述のように設計され得るランプと、光源を起点とし直接ビーム光路に沿って反射器に到達する直接光ビームを、上記の明/暗カットオフより下に誘導するための反射器とを含み、上記の反射器が、フィルタ部材を起点とする偏向させられた光ビームの少なくとも一部を、明/暗カットオフより上に誘導するように構成されている、自動車用のヘッドライトのための反射系にも関する。反射器は、明/暗カットオフより下における照度を要求に応じて調整するように、特別に形作られてもよい。反射器はさらに、明/暗カットオフを与えることができる。たとえば、光源を起点とする直接光ビームを、意図する明/暗カットオフより上に導くような反射面が存在しないように、反射器が形作られてもよい。同時に、ランプの管球容器を起点とする偏向光ビームを、意図する明/暗カットオフより上に誘導できるように、反射器が形作られ得る。たとえば、反射器は、少なくとも一部が明/暗カットオフより上に延在する、主として青味を帯びたハローをもたらすものとされてもよい。このハローは、概ねマットまたはオパール様のものであるので、接近してくるドライバーの目を眩ませることはない。この反射系は、接近してくるドライバーの目を著しく眩ませる危険性なしに、接近してくるドライバーにより良好に視認される光をもたらす。
本発明はさらに、前述のように設計され得るランプ、および/または前述のように設計され得る反射系を含み、上記のフィルタ部材によって偏向させられた光ビームの少なくとも一部を明/暗カットオフより上に誘導する、光ビームチャネルが設けられていることを特徴とする、自動車用のヘッドライトにも関する。この光ビームチャネルには、シャッター、カバー部材、アパーチャ、ブラインド部材、またはすべての偏向光ビームを阻止し得る他の光学素子は設けられない。この光ビームチャネルの形状および設計により、偏向光ビームの少なくとも一部を、明/暗カットオフより上に誘導することができる。このヘッドライトは、接近してくるドライバーの目を著しく眩ませる危険性なしに、接近してくるドライバーにより良好に視認される光をもたらす。
本発明に従うランプの概略側面図 図1のランプにより照明される交通空間の概略図 干渉フィルタを伴う、本発明に従うランプを含む反射系の概略側面図 吸収フィルタを伴う、本発明に従うランプを含む反射系の概略側面図 本発明に従うランプにより偏向された光の、適切な色度座標の概略図 本発明に従うランプに適したあるフィルタ部材のフィルタ特性の概略図
本発明の上記およびその他の側面は、以下で説明する実施形態より明らかであり、それらの実施形態を参照して説明される。
図1に図解したランプ10は、H7規格のハロゲンランプである。ハロゲンランプ10は、光源としてフィラメント12を含んでおり、そのフィラメント12は、透明なガラス体の形式をした管球容器14によって保護されている。管球容器14の基部側端部に付与されたコネクタ16によって、フィラメント12に電流を印加することができる。管球容器14の先端には、ぎらつき防止のキャップ18が付与されている。管球容器14の外表面20には、フィルタ部材22が付与されている。このフィルタ部材22は、干渉フィルタおよび/または吸収フィルタとされ得る。図示の実施形態では、管球容器14はフィルタ部材22によって完全にコーティングされている。変更例では、フィルタ部材22は、発せられる光の一部のみがフィルタリングされるように、管球容器14上に部分的にのみ付与されていてもよい。フィルタ部材22によって、ランプ10を含むヘッドライトの予め規定された明/暗カットオフより上に、光が偏向させられる。
図2に図解するように、自動車前方の交通空間26は、明/暗カットオフ28によって、照明領域30と非照明領域32に分けられる。典型的な自動車用ヘッドライトは、道路および交通標識を照明するため、明/暗カットオフ28より下に、ビームパターン34をもたらす。図示の実施形態の明/暗カットオフ28は、交通標識が右側に配された右側通行の交通に対して選ばれたものである。通常、接近してくるドライバーの目を眩ませないために、明/暗カットオフ28より上の光は防止されるべきである。本発明に従うランプ10は、フィルタ部材22上での偏向により、主として青色光の波長を有する少量の発射光を偏向領域36に誘導し、この偏向領域36は、少なくとも一部が明/暗カットオフ28より上に位置している。この明/暗カットオフ28より上の主として青色の光のため、ランプ10の光は、接近してくるドライバーにより良好に視認される。偏向領域36に偏向させられた光の照度は、比較的低く調整することができるので、接近してくるドライバーの目を著しく眩ませる危険性は防止される。
図2に図示したような交通空間26の照明は、図3に図示するような反射系38によってもたらされ得る。この反射系は本発明に従うランプ10を含んでおり、このランプ10は、図示の実施形態では干渉フィルタをフィルタ部材22として含んでいる。フィラメント12は、発射ビーム40を発する。発射ビーム40のほとんどは、干渉フィルタ22によって反射されない直接光ビーム42である。この直接光ビーム42は、明/暗カットオフ28より下のビームパターン34に、反射器44によって反射される。発射ビーム40のうちの少量は、干渉フィルタ22によって反射される。これらの偏向光ビーム46は、管球容器14の干渉フィルタ22を起点とする。この直接光ビーム42に対して異なる起点のため、偏向光ビーム46は、反射器44によって偏向領域36に反射され、したがって少なくとも一部は明/暗カットオフ28より上に反射される。
概ね同一の効果が、図4に図示するような反射系38によっても得られる。この反射系38では、フィルタ部材22は干渉フィルタではなく、吸収フィルタとなっている。吸収フィルタ22は、特定の波長区間において光を散乱および/または吸収して発射する、粒子を含んでいる。これは、管球容器14の吸収フィルタ22を起点とする複数の偏向光ビーム46をもたらす。フィルタリングされない直接光ビーム42は、光ビームパターン34に誘導され、一方、偏向光ビーム46は、たとえばさらなる反射器によって、偏向領域36に誘導される。
明/暗カットオフ28より上に偏向させられる光は、図5において境界線48で規定された矩形上または矩形内に入る色を有する。この図5では、CIE1931図に従って、適切な色度座標x、yの領域が規定されている。この図では、x座標が0.36から0.44の範囲内であり、y座標が0.30から0.44の範囲内である一部のみが示されている。丸印によって示された第1の色度座標50は、以下の層を含む干渉フィルタ22によりもたらされる。
Figure 0006088140
主としてSiOとSiを含む種々の層が、熱CVD(chemical vapor deposition)により付与される。この干渉フィルタは、概ね3550Kの色温度を有している。四角印によって示された第2の色度座標52は、吸収フィルタによってもたらされるものであり、この吸収フィルタは、概ね3450Kの色温度を有する光をもたらす。
上記で述べたCVD干渉フィルタ22の第1の例の組成によると、図6に図示するような反射率曲線54がもたらされる。図6では、波長λに依存する反射率が示されている。反射率R=0%では、特定波長λの光は全く反射されず、反射率R=100%では、特定波長λの光のすべてが反射される。反射率曲線54から導けるように、主として青色の光が反射され、したがって明/暗カットオフ28より上に偏向させられ、一方、主として黄色および赤色の光はフィルタ部材22によっては反射されず、意図したように、道路等を照明するべく明/暗カットオフ28より下のビームパターン34に導かれる。フィルタ部材22の反射率曲線54は、とりわけ、上側境界56よりも下、下側境界58よりも上となっている。
図面および以上の説明において本発明を図解および説明してきたが、かかる図解および説明は、図解および説明を目的とするものであって、本発明を限定するものではないと捉えるべきである。すなわち、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではない。たとえば、フィルタ部材22の形状が変更された実施形態によって、本発明を動作させることも可能である。たとえば、フィルタ部材22は、任意の形状ならびにサイズの部分コーティングであってもよいし、かつ/または、互いに離間して配された複数の個々の部分コーティングであってもよい。さらに、ハロゲンランプ10は、H1、H7、H9またはH11といった、種々のランプ規格に見合うように適合化されてもよい。特許請求の範囲に記載された発明を実施する分野における当業者であれば、図面、開示内容および特許請求の範囲を熟読することにより、開示した実施形態に対する他のバリエーションも理解し、実現することができる。特許請求の範囲において、「含む」または「備える」との語は、他の要素または工程の存在を排除するものではない。「ある」または「1つの」という不定冠詞は、複数の存在を排除するものではない。特定の施策が単に互いに異なる従属請求項に記載されているということは、それらの施策の組合せは有利に利用できないことを意味するものではない。請求項中の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして捉えられるべきではない。

Claims (13)

  1. 自動車用のヘッドライトのための反射系であって、
    反射器と、
    明/暗カットオフより下に意図した照明領域を持つランプと
    を有し、
    前記ランプは、
    主として白色の光を発するための光源と、
    前記光源を封入する主として透過性の管球容器と、
    前記管球容器に設けられたフィルタ部材と
    を含み、
    前記フィルタ部材は、前記光源により発せられる光よりも青みを帯びた光が前記反射器によって前記明/暗カットオフより上に提供されるように、予め規定された波長区間の可視光を偏向させるように構成され、前記明/暗カットオフより上に提供される前記偏向させられた光は、接近してくるドライバーによって視認可能である一方で、その照度は前記接近してくるドライバーの目を眩ませないほど十分に低く保たれ、
    前記反射器は、
    前記光源を起点とし前記フィルタ部材によって偏向されずに前記反射器に到達する直接光ビームを、前記明/暗カットオフより下に誘導し、且つ
    記フィルタ部材を起点とする偏向させられた光ビームの少なくとも一部を、前記明/暗カットオフより上に誘導する
    ように構成されている
    反射系。
  2. 前記明/暗カットオフより上に提供される前記偏向させられた光が、CIE1931図に関し、x、y座標(0.380;0.335)、(0.380;0.392)、(0.430;0.425)、(0.410;0.357)の矩形の境界上または該矩形内に入る色を有するよう、前記フィルタ部材が構成されていることを特徴とする請求項1記載の反射系
  3. 前記明/暗カットオフより上に提供される前記偏向させられた光が、0.1ルクス≦Ev≦1.0ルクスの照度Evを有するように、前記フィルタ部材が構成されていることを特徴とする請求項1記載の反射系
  4. 前記明/暗カットオフより上に提供される前記偏向させられた光が、3000K≦T≦4000Kの色温度Tを有するように、前記フィルタ部材が構成されていることを特徴とする請求項1記載の反射系
  5. 前記フィルタ部材が、前記管球容器の内表面および/または外表面上に、全体的にまたは部分的にのみ配されていることを特徴とする請求項1記載の反射系
  6. 発射される光の光束に対し、30%≦a≦98%の割合aが、フィルタリングされずに前記管球容器から出ていくよう、前記フィルタ部材の形状および配置が構成されていることを特徴とする請求項1記載の反射系
  7. 前記フィルタ部材が、干渉フィルタおよび/または吸収フィルタを含んでいることを特徴とする請求項1記載の反射系
  8. 前記予め規定された波長区間内の発射された光の光束に対して、5%≦v≦80%の割合vが、前記干渉フィルタによって反射されることを特徴とする請求項7記載の反射系
  9. 前記干渉フィルタが、上側境界未満であり下側境界よりも大きい反射率R(λ)を有しており、
    前記上側境界が、380nm≦λ≦525nmに対してR(λ)=70%、525nm≦λ≦600nmに対してR(λ)=70%−50%・(λ−525nm)/75nm、600nm≦λ≦780nmに対してR(λ)=20%であり、
    前記下側境界が、380nm≦λ≦450nmに対してR(λ)=20%、450nm≦λ≦500nmに対してR(λ)=20%−20%・(λ−450nm)/50nm、500nm≦λ≦780nmに対してR(λ)=0%であることを特徴とする請求項7記載の反射系
  10. 前記吸収フィルタが、散乱粒子を含んでおり、
    前記散乱粒子が、500nm≦d≦6μmの平均直径dを有しており、
    前記吸収フィルタにおける前記散乱粒子の重量割合wが、2%≦w≦40%であることを特徴とする請求項7記載の反射系
  11. 前記フィルタ部材が、波長λにおいて反射および/または吸収によるフィルタ効果を有し、該波長λが、300nm≦λ≦700nmであることを特徴とする請求項1記載の反射系
  12. 前記管球容器の先端に、ぎらつき防止のキャップが付与されていることを特徴とする請求項1記載の反射系
  13. 自動車用のヘッドライトであって、当該ヘッドライトは、請求項1乃至12の何れか一項に記載の反射系を含み、
    前記フィルタ部材によって偏向させられた光ビームの少なくとも一部を前記明/暗カットオフより上に誘導する、光ビームチャネルが設けられていることを特徴とする自動車用のヘッドライト。
JP2011543863A 2008-11-14 2009-11-09 反射系及びヘッドライト Expired - Fee Related JP6088140B2 (ja)

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