JP6080557B2 - 信号処理装置、その方法及びそのプログラム - Google Patents

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Description

本願発明は、所望の周波数振幅特性となるように、フィルタバンクを構成する各バンドパスフィルタのゲインを調整する信号処理装置、その方法及びそのプログラムに関する。
従来から、音声の強調、加工、情報圧縮、伝送等に供する分析合成、符号化などの際、周波数成分を抽出し、周波数帯域毎に処理が行われている。この周波数成分を抽出する方法として、聴覚の周波数分析能力を模擬して、中心周波数と帯域幅が異なるバンドパスフィルタ(以後、「フィルタ」)を並べたフィルタバンクが用いられる(非特許文献1)。
図5を参照し、従来の信号処理の一例について、説明する。
まず、従来手法では、フィルタ係数等を設定し(ステップS91)、外部から入力された音声信号(以後、「入力音声信号」)を分析フィルタバンクによって分割する(ステップS92)。続いて、従来手法では、周波数帯域毎に分割されたサブバンド信号に所望の信号処理を施す(ステップS93)。さらに、従来手法では、分割されたサブバンド信号の位相を調整する等の合成フィルタ処理を行って(ステップS94)、分割されたサブバンド信号を加算する(ステップS95)。
この従来手法において、放送に耐えうる高品質な音声信号を生成するには、ステップS92の分析フィルタバンクによる分割と、ステップS94,S95の合成フィルタバンクによる加算とで、外部に出力する音声信号(以後、「出力音声信号」)を所望の周波数振幅特性にする必要がある。
Hohmann,V.,"Frequency analysis and synthesis using a Gammatone filterbank",Acta Acustica united with Acustica,Volume 88,Number 3, May/June 2002 , pp. 433-442(10)
しかしながら、従来手法では、各フィルタの周波数振幅特性を加算した後の平均値により、周波数帯域全体で一律に調整するため、周波数帯域毎に最適な調整を行うことができない。このため、従来手法では、出力音声信号を所望の周波数振幅特性にできないという問題がある。
以下、図6を参照し、従来手法の問題点について、説明する。
図6には、出力音声信号が入力音声信号を忠実に復元する場合において、フィルタのゲインと周波数振幅特性との関係を図示した。図6では、横軸が対数周波数であり、縦軸がフィルタのゲインを対数表示したものである。また、図6では、破線が各フィルタの周波数振幅特性を示し(each filter)、実線が各フィルタの周波数振幅特性を線形軸上で加算して対数表示したものである(summation)。各フィルタは、対数周波数軸上で100Hzから4kHzまでを50個に等分割した点を中心周波数としており、対数周波数軸上で同じ帯域幅を持つ。
各バンドパスフィルタの周波数振幅特性を加算した実線が、全ての周波数帯域で平坦な特性(ゲイン0dB)になることが理想的である。だが現実的には、図6に示すように、実線が約ゲイン4.6dBを表し(つまり、出力音声が入力音声より約4.6dB大きい)、出力音声信号が入力音声信号を忠実に復元できていない。
そこで、本願発明は、前記した問題を解決し、放送に耐えうる高品質な出力信号を生成できる信号処理装置、その方法及びそのプログラムを提供することを課題とする。
前記した課題に鑑みて、本願第1発明に係る信号処理装置は、分析フィルタバンクによって入力信号を周波数帯域毎のサブバンド信号に分割し、サブバンド信号に所望の信号処理を施し、合成フィルタバンクによって、信号処理が施されたサブバンド信号から、所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成する信号処理装置であって、周波数振幅特性算出手段と、調整倍率算出手段と、を備え、合成フィルタバンクは、調整倍率乗算手段と、加算手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、信号処理装置は、周波数振幅特性算出手段によって、分析フィルタバンク及び合成フィルタバンクを構成するバンドパスフィルタの周波数振幅特性が統合された統合周波数振幅特性を算出する。また、信号処理装置は、調整倍率算出手段によって、バンドパスフィルタ毎に適切な調整倍率を、予め設定された所望の周波数振幅特性及び統合周波数振幅特性に基づいて算出する。
また、信号処理装置は、調整倍率乗算手段によって、信号処理が施されたサブバンド信号が入力され、入力されたサブバンド信号に、サブバンド信号に対応したバンドパスフィルタの調整倍率を乗算する。そして、信号処理装置は、加算手段によって、調整倍率が乗算されたサブバンド信号を加算することで、所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成する。
また、本願第2発明に係る信号処理装置は、周波数振幅特性算出手段が、バンドパスフィルタの中心周波数における振幅値を、統合周波数振幅特性として算出することを特徴とする。
かかる構成によれば、信号処理装置は、少ない演算負荷で高精度に、所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成することができる。
また、本願第3発明に係る信号処理装置は、周波数振幅特性算出手段が、バンドパスフィルタの周波数帯域内に予め設定されたサンプル点で高速フーリエ変換を行うことで、統合周波数振幅特性を算出することを特徴とする。
かかる構成によれば、信号処理装置は、より高精度に所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成することができる。
また、本願第4発明に係る信号処理装置は、調整倍率算出手段が、所望の周波数振幅特性を示すベクトルに対し、統合周波数振幅特性を示す行列の除算処理、又は、行列の逆行列の乗算処理を行って、調整倍率を算出することを特徴とする。
かかる構成によれば、信号処理装置は、より高精度に所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成することができる。
また、前記した課題に鑑みて、本願第5発明に係る信号処理方法は、分析フィルタバンクによって入力信号を周波数帯域毎のサブバンド信号に分割し、サブバンド信号に所望の信号処理を施し、合成フィルタバンクによって、信号処理が施されたサブバンド信号から、所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成する信号処理装置の信号処理方法であって、周波数振幅特性算出ステップと、調整倍率算出ステップと、調整倍率乗算ステップと、加算ステップと、を順に実行することを特徴とする。
かかる手順によれば、周波数振幅特性算出ステップでは、周波数振幅特性算出手段が、分析フィルタバンク及び合成フィルタバンクを構成するバンドパスフィルタの周波数振幅特性が統合された統合周波数振幅特性を算出する。また、調整倍率算出ステップでは、調整倍率算出手段が、バンドパスフィルタ毎に適切な調整倍率を、予め設定された所望の周波数振幅特性及び統合周波数振幅特性に基づいて算出する。
また、調整倍率乗算ステップでは、調整倍率乗算手段が、信号処理が施されたサブバンド信号が入力され、入力されたサブバンド信号に、サブバンド信号に対応したバンドパスフィルタの調整倍率を乗算する。そして、加算ステップでは、加算手段が、調整倍率が乗算されたサブバンド信号を加算することで、所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成する。
なお、本願第1発明に係る信号処理装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶手段(例えば、メモリ、ハードディスク)等のハードウェア資源を備えるコンピュータを、前記した各手段として協調動作させるための信号処理プログラムによって実現することもできる(本段第6発明)。このプログラムは、通信回線を介して配布してもよく、CD−ROMやフラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布してもよい。
本願発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本願第1,5,6発明によれば、適切な調整倍率をサブバンド信号に乗算するため、所望の周波数振幅特性を有し、放送に耐えうる高品質な出力信号を生成することができる。
本願第2発明によれば、少ない演算負荷で高精度に、所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成することができる。
本願第3,4発明によれば、より高精度に所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成することができる。
本願発明の実施形態に係る信号処理装置の構成を示すブロック図である。 図1の信号処理装置の動作を示すフローチャートである。 本願発明の実施例1において、フィルタのゲインと周波数振幅特性との関係を示すグラフである。 本願発明の実施例2において、フィルタのゲインと周波数振幅特性との関係を示すグラフである。 従来の信号処理のフローチャートである。 従来の信号処理において、フィルタのゲインと周波数振幅特性との関係を示すグラフである。
[信号処理装置の構成]
図1を参照し、本願発明の実施形態に係る信号処理装置1の構成について、説明する。
信号処理装置1は、分析フィルタバンク13により、入力音声信号をサブバンド信号に分割し、信号処理手段14により、サブバンド信号に所望の信号処理を施し、合成フィルタバンク15により、信号処理が施されたサブバンド信号から出力音声信号を生成するものである。
図1に示すように、信号処理装置1は、フィルタ設定手段10と、周波数振幅特性算出手段11と、ゲイン調整倍率算出手段(調整倍率算出手段)12と、分析フィルタバンク13と、信号処理手段14と、合成フィルタバンク15とを備える。
フィルタ設定手段10は、フィルタ係数(後記するa,b,c,d)を設定するものである。ここで、フィルタ設定手段10は、出力音声信号が所望の周波数振幅特性となるように、フィルタ係数が手動で設定される。このフィルタ係数は、後記する周波数振幅特性算出手段11と、分析フィルタバンク13と、合成フィルタバンク15とにより参照される。
本実施形態では、分析フィルタバンク13及び合成フィルタバンク15が、N個のフィルタで構成されることとする。
また、分析フィルタバンク13を構成するn番目(n=1,2,…,N)のフィルタ(不図示)のフィードフォワード係数をb=[bn1,bn2,…,bnP]とし、フィードバック係数をa=[an1,an2,…,anQ]とする。
また、合成フィルタバンク15を構成するn番目のフィルタのフィードフォワード係数をd=[dn1,dn2,…,dnP]とし、フィードバック係数をc=[cn1,cn2,…,cnQ]とする。
なお、Pをフィードフォワード係数の次数、Qをフィードバック係数の次数とする。また、分析フィルタバンク13及び合成フィルタバンク15の次数が異なってもよい。
ここで、各フィルタは、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタでもFIR(Finite Impulse Response)フィルタであってもよい。つまり、各フィルタは、フィルタ設定手段10に設定されたフィードバック係数a,cが全て1の場合、FIRフィルタとなる。
周波数振幅特性算出手段11は、フィルタ設定手段10に設定されたフィルタ係数を用いて、分析フィルタバンク13及び合成フィルタバンク15を構成するフィルタの周波数振幅特性が統合された統合周波数振幅特性を算出するものである。
ここで、分析フィルタバンク13及び合成フィルタバンク15を構成するn番目のフィルタにおいて、総合的な伝達関数H(z)は、分析フィルタバンク13と合成フィルタバンク15との縦続接続であり、下記の式(1)で表すことができる。
そして、各フィルタの周波数振幅特性は、式(1)の絶対値をとることで、下記の式(2)のように表すことができる。すなわち、周波数振幅特性算出手段11は、フィルタ設定手段10に設定されたフィルタ係数(a,b,c,d)から、式(2)によって、各フィルタの周波数振幅特性を算出できる。
<統合周波数振幅特性の演算手法の第1例:中心周波数の振幅値>
以下、式(2)による統合周波数振幅特性の演算手法について、2つの具体例を説明する。
第1例として、周波数振幅特性算出手段11が、各フィルタの中心周波数における振幅値を、統合周波数振幅特性として算出する手法があげられる。
前記した式(2)の演算には、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を用いることもできるが、主に低域を中心として、ゲイン調整に十分な解像度を得るには長いサンプル数での演算が必要であり、演算負荷が増すことがある。そこで、各フィルタの周波数振幅特性を加算することを考慮して、各フィルタの中心周波数位置の振幅値のみを求める手法を採用する。この手法により、周波数振幅特性算出手段11は、演算負荷を抑えて、必要な周波数位置での統合周波数振幅特性を高精度に算出することができる。
具体的には、虚数単位j、ネイピア数e、角周波数ω、時間t、周波数fにより、z=ejωt=e2πftと表せる。また、サンプリング周波数をfs、m番目のフィルタの中心周波数をfcとする(m=1,2,…,N)。この場合、m番目のフィルタの中心周波数位置におけるzは、下記の式(3)で表すことができる。
式(2)のzを式(3)のzで置き換えると、m番目のフィルタの中心周波数位置における、n番目のフィルタの振幅値を求めることができる。これをHnm=|H(z)|と表すと、各フィルタの中心周波数位置で求めた、各フィルタの周波数振幅特性を総合した統合周波数振幅特性行列Hは、下記の式(4)で表すことができる。この式(4)では、列ベクトルが各フィルタの周波数振幅特性を表し、行ベクトルが各フィルタの中心周波数位置での振幅値を表しており、N×Nの正方行列となっている。
<統合周波数振幅特性の演算手法の第2例:高速フーリエ変換>
第2例として、周波数振幅特性算出手段11が、各フィルタの周波数帯域内に予め設定されたサンプル点で高速フーリエ変換を行うことで、統合周波数振幅特性を算出する手法があげられる。
このサンプル点は、各フィルタの周波数帯域内に1つ又は2つ以上、任意の数設定することができる。
第1例又は第2例の手法で算出された統合周波数振幅特性は、ゲイン調整倍率算出手段12に出力される。
なお、周波数振幅特性算出手段11は、第1例又は第2例を用いるか、予め設定されることとする。
ゲイン調整倍率算出手段12は、周波数振幅特性算出手段11から入力された統合周波数振幅特性に基づいて、各フィルタのゲイン調整倍率(調整倍率)を算出するものである。
ここで、各フィルタの処理音声(サブバンド信号)に対するゲイン調整倍率を要素とする調整倍率ベクトルをX=[x,x,…,xとする(x≧0、Tは転置)。また、各フィルタの処理音声を加算したときに得られる、所望の周波数振幅特性を表すベクトルをY=[y,y,…,yとする(y≧0)。すると、統合周波数振幅特性行列Hと、調整倍率ベクトルXと、所望の周波数振幅特性ベクトルYとの関係は、下記の式(5)で表すことができる。
すなわち、各フィルタの中心周波数位置における各フィルタの振幅値に、各フィルタの処理音声に対するゲイン調整倍率を乗じて加算したものが、所望の周波数振幅特性となる。従って、ゲイン調整倍率算出手段12は、式(5)の両辺を統合周波数振幅特性行列Hで除算する処理又は逆行列H−1で乗算する処理によって、下記の式(6)のように、各フィルタの処理音声に対する調整倍率ベクトルXを算出することができる。
このゲイン調整倍率算出手段12で算出された調整倍率ベクトルXは、合成フィルタバンク15に出力される。
分析フィルタバンク13は、周波数帯域が異なるフィルタで構成され、入力された音声信号を周波数帯域毎のサブバンド信号に分割するものである。そして、分析フィルタバンク13は、分割したサブバンド信号を信号処理手段14に出力する。
なお、分析フィルタバンク13は、一般的な構成のため、詳細な説明を省略する。
信号処理手段14は、分析フィルタバンク13から入力されたサブバンド信号に対し、所望の信号処理を施すものである。例えば、信号処理手段14は、音声の強調、圧縮、分析合成、符号化等の一般的な信号処理を、サブバンド信号に施すことができる。そして、信号処理手段14は、信号処理が施されたサブバンド信号を、合成フィルタバンク15に出力する。
合成フィルタバンク15は、分析フィルタバンク13と同様のフィルタで構成され、信号処理手段14より入力されたサブバンド信号から音声信号を生成するものである。図1に示すように、合成フィルタバンク15は、合成フィルタ処理手段16と、ゲイン調整倍率乗算手段(調整倍率乗算手段)17と、処理音声加算手段(加算手段)18とを備える。
合成フィルタ処理手段16は、各サブバンド信号に対し、合成フィルタ処理を施すものである。この合成フィルタ処理は、例えば、各サブバンド信号の位相を合わせるといった一般的な処理のため、詳細な説明を省略する。
ゲイン調整倍率乗算手段17は、合成フィルタ処理手段16で合成フィルタ処理が施されたサブバンド信号に、調整倍率ベクトルXで表されるゲイン調整倍率を乗算するものである。つまり、ゲイン調整倍率乗算手段17は、周波数帯域全体で一律にゲインを調整するのではなく、出力音声信号が所望の周波数振幅特性となるように、周波数帯域毎にゲインを適切に調整する。
処理音声加算手段18は、ゲイン調整倍率乗算手段17でゲイン調整倍率が乗算されたサブバンド信号を加算して、出力音声信号を生成するものである。言い換えるなら、処理音声加算手段18は、周波数帯域毎に分割されたサブバンド信号を、周波数帯域全体での出力音声信号に統合する。そして、処理音声加算手段18は、この出力音声信号を外部に出力する。
[信号処理装置の動作]
図2を参照し、図1の信号処理装置1の動作について、説明する(適宜図1参照)。
信号処理装置1は、フィルタ設定手段10によって、フィルタ係数を設定する(ステップS1)。
信号処理装置1は、周波数振幅特性算出手段11によって、フィルタ設定手段10に設定されたフィルタ係数を用いて、統合周波数振幅特性を算出する(ステップS2)。
信号処理装置1は、ゲイン調整倍率算出手段12によって、統合周波数振幅特性及び所望の周波数振幅特性に基づいて、各フィルタのゲイン調整倍率を算出する(ステップS3)。
信号処理装置1は、分析フィルタバンク13によって、入力された音声信号を、周波数帯域毎のサブバンド信号に分割する(ステップS4)。
信号処理装置1は、信号処理手段14によって、サブバンド信号に信号処理を施す(ステップS5)。
信号処理装置1は、合成フィルタ処理手段16によって、サブバンド信号に合成フィルタ処理を施す(ステップS6)。
信号処理装置1は、ゲイン調整倍率乗算手段17によって、合成フィルタ処理が施されたサブバンド信号にゲイン調整倍率を乗算する(ステップS7)。
信号処理装置1は、処理音声加算手段18によって、ゲイン調整倍率が乗算されたサブバンド信号を加算し、出力音声信号を生成する(ステップS8)。
以上のように、本願発明の実施形態に係る信号処理装置1は、サブバンド信号毎に適切なゲイン調整倍率を乗算するため、所望の周波数振幅特性を有し、放送に耐えうる高品質な出力音声信号を生成することができる。
なお、本実施形態では、入力信号及び出力信号として音声信号を例示して説明したが、本発明は、これに限定されず、他の信号(例えば、映像信号)にも適用できることは言うまでもない。
(実施例1)
以下、図3,図4を参照し、本願発明の実施例1,2について、説明する(適宜図1参照)。
実施例1として、信号処理装置1は、入力音声信号と出力音声信号とのゲインが一致するようにフィルタ係数を設定し、各フィルタの中心周波数における振幅値を周波数振幅特性として算出し、この周波数振幅特性に基づいてゲイン調整倍率を算出した。各フィルタは、対数周波数軸上で100Hzから4kHzまでを50等分した点を中心周波数としており、対数周波数軸上で同じ帯域幅を持つ。そして、信号処理装置1は、入力音声信号をサブバンド信号に分割し、このサブバンド信号に信号処理を施し、信号処理が施されたサブバンド信号を加算して、出力音声信号を生成した。
実施例1における、各フィルタのゲインと周波数振幅特性との関係を図3に図示した。
図3では、横軸が対数周波数であり、縦軸がフィルタのゲインを対数表示したものである。また、図3では、短破線αが各フィルタの周波数振幅特性を示し(each filter)、長破線βが各フィルタの周波数振幅特性を線形軸上で加算して対数表示したものである(summation)。また、図3では、実線γが、ゲイン調整倍率と各フィルタの周波数振幅特性とを線形軸上で乗算し、その乗算結果を加算して対数表示したものである(proposed)。ここで、実線γは、所望の周波数振幅特性(target、不図示)がゲイン0dBのため、この周波数振幅特性に一致する。
また、図3では、従来手法として、長破線β(各フィルタの周波数振幅特性を線形軸上で加算したもの)の平均値の逆数を各フィルタの周波数振幅特性に線形軸上で乗算し、その乗算結果を加算して対数表示したものを、一点鎖線δで示した(conventional)。
図3に示すように、信号処理装置1では、実線γがゲイン0dBを表しており、所望の周波数振幅特性が完全に再現されている。一方、従来手法では、一点鎖線δが所望の周波数振幅特性を再現しきれていない。このことから、信号処理装置1は、従来手法に比べて、放送に耐えうる高品質な出力音声信号を生成できると考えられる。
(実施例2)
実施例2として、信号処理装置1は、1〜10チャンネル(1〜10番目のフィルタ)が3dBダウン、41〜50チャンネル(41〜50番目のフィルタ)が3dBアップ、11〜40チャンネル(11〜40番目のフィルタ)が0dBという周波数振幅特性を示すようにフィルタ係数を設定した。そして、信号処理装置1は、実施例1と同様の手順で出力音声信号を生成した。
実施例2における、各フィルタのゲインと周波数振幅特性との関係を図4に図示した。
図4では、短破線αが各フィルタの周波数振幅特性を示し(each filter)、長破線βが各フィルタの周波数振幅特性を線形軸上で加算して対数表示したものである(summation)。また、図4では、実線γが、ゲイン調整倍率と各フィルタの周波数振幅特性とを線形軸上で乗算し、その乗算結果を加算して対数表示したものである(proposed)。ここで、実線γは、所望の周波数振幅特性(target、不図示)に一致する。
また、図4では、従来手法として、所望の周波数振幅特性を各フィルタの周波数振幅特性に線形軸上で乗算し、その乗算結果を加算して対数表示したものを、一点鎖線δで示した(conventional)。
なお、図4では、長破線βと一点鎖線δの一部が重なっている。
図4に示すように、従来手法では、長破線βと同様、一点鎖線δが全体的に出力過大であることに加え、3dBダウン及び3dBアップする変化部分で周波数振幅特性が鈍っている。一方、信号処理装置1では、実線γが所望の周波数振幅特性に一致しており、この周波数振幅特性が完全に再現されている。このことから、信号処理装置1は、従来手法に比べて、放送に耐えうる高品質な出力音声信号を生成できると考えられる。
1 信号処理装置
10 フィルタ設定手段
11 周波数振幅特性算出手段
12 ゲイン調整倍率算出手段(調整倍率算出手段)
13 分析フィルタバンク
14 信号処理手段
15 合成フィルタバンク
16 合成フィルタ処理手段
17 ゲイン調整倍率乗算手段(調整倍率乗算手段)
18 処理音声加算手段(加算手段)

Claims (6)

  1. 分析フィルタバンクによって入力信号を周波数帯域毎のサブバンド信号に分割し、前記サブバンド信号に所望の信号処理を施し、合成フィルタバンクによって、前記信号処理が施されたサブバンド信号から、所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成する信号処理装置であって、
    前記分析フィルタバンク及び前記合成フィルタバンクを構成するバンドパスフィルタの周波数振幅特性が統合された統合周波数振幅特性を算出する周波数振幅特性算出手段と、
    前記バンドパスフィルタ毎の調整倍率を、予め設定された前記所望の周波数振幅特性及び前記統合周波数振幅特性に基づいて算出する調整倍率算出手段と、を備え、
    前記合成フィルタバンクは、
    前記信号処理が施されたサブバンド信号が入力され、入力された当該サブバンド信号に、当該サブバンド信号に対応したバンドパスフィルタの調整倍率を乗算する調整倍率乗算手段と、
    前記調整倍率が乗算されたサブバンド信号を加算することで、前記出力信号を生成する加算手段と、
    を備えることを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記周波数振幅特性算出手段は、前記バンドパスフィルタの中心周波数における振幅値を、前記統合周波数振幅特性として算出することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記周波数振幅特性算出手段は、前記バンドパスフィルタの周波数帯域内に予め設定されたサンプル点で高速フーリエ変換を行うことで、前記統合周波数振幅特性を算出することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 前記調整倍率算出手段は、前記所望の周波数振幅特性を示すベクトルに対し、前記統合周波数振幅特性を示す行列の除算処理、又は、当該行列の逆行列の乗算処理を行って、前記調整倍率を算出することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の信号処理装置。
  5. 分析フィルタバンクによって入力信号を周波数帯域毎のサブバンド信号に分割し、前記サブバンド信号に所望の信号処理を施し、合成フィルタバンクによって、前記信号処理が施されたサブバンド信号から、所望の周波数振幅特性を有する出力信号を生成する信号処理装置の信号処理方法であって、
    周波数振幅特性算出手段が、前記分析フィルタバンク及び前記合成フィルタバンクを構成するバンドパスフィルタの周波数振幅特性が統合された統合周波数振幅特性を算出する周波数振幅特性算出ステップと、
    調整倍率算出手段が、前記バンドパスフィルタ毎の調整倍率を、予め設定された前記所望の周波数振幅特性及び前記統合周波数振幅特性に基づいて算出する調整倍率算出ステップと、
    調整倍率乗算手段が、前記信号処理が施されたサブバンド信号が入力され、入力された当該サブバンド信号に、当該サブバンド信号に対応したバンドパスフィルタの調整倍率を乗算する調整倍率乗算ステップと、
    加算手段が、前記調整倍率が乗算されたサブバンド信号を加算することで、前記出力信号を生成すると加算ステップと、
    を順に実行することを特徴とする信号処理方法。
  6. コンピュータを、請求項1に記載の信号処理装置として機能させるためのプログラム。
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