本発明の実施の形態によると、複数の参照ピクチャ/参照フレームを用いる動画像符号化方法、複数の参照ピクチャを用いる動画像復号方法、およびそれらに対応する装置が提供される。
図3は、従来の技術によって構成される参照リストと比較して、本発明の実施の形態による参照リストの構成に関する2つの例(例#1および例#2)を示す。従来の技術では、参照リストの構成方法は対象ピクチャに対する時間的距離に基づいている。そのため、図示する例では、2つの同じ参照ピクチャリスト(図3における第1のリストおよび第2のリスト)が、従来の技術によって作成される。一方、本発明の実施の形態によると、少なくとも1つの参照リスト(たとえば、図3における第3のリスト)が作成され、このリストにおける参照ピクチャが、参照ピクチャの時間的レベルに基づき順序付けられる/並べ替えられる。図3に示すように、例#1では、参照ピクチャは、参照ピクチャ「0」、参照ピクチャ「2」、参照ピクチャ「3」、そして参照ピクチャ「1」、のように(参照リストの先頭から)順序付けされる。例#2では、参照ピクチャは、参照ピクチャ「8」、参照ピクチャ「10」、参照ピクチャ「9」、そして参照ピクチャ「7」、のように(参照リストの先頭から)順序付けされる。そして、ピクチャ間予測符号化が、少なくとも第3の参照リストを用いて行われる。たとえば、ピクチャ間予測符号化は、従来の技術に教示されているような第1および第2のリストを用いず、第3のリストのみまたは第3および第2のリストのみを用いて行われてもよい。
一貫性と明確性のため、他のものが特定されない限り、時間的レベルの最も低い値(例えば、値「0」)は最も低いフレームレートにおける主要ピクチャを示し、時間的レベルのその次に高い値(例えば、値「1」、「2」、及び「3」)は、低い時間的レベルの先頭に付加された場合、それぞれより高い(たとえば、2倍)フレームレートを提示する後続のピクチャのセットを示す、という慣例を用いて、本発明の実施の形態における時間的レベルを説明する。同様の慣習が、HEVC、拡張H.264MVC及び拡張H.264SVCなどの最近の動画像符号化方式に用いられるが、これら方式では、時間的レベルがシンタクスパラメータtemporal_idを用いて示される。しかし、他の慣習が本発明の範囲を逸脱せずに適用可能であることは当業者にとって明らかであるだろう。たとえば、時間的レベルのより大きな値がむしろより低いフレームレートを示してもなお同様の目的を果たせることなどがある。
図4は、本発明の第1の実施の形態における、複数の参照ピクチャを用いる動画像符号化プロセスを説明するフローチャートを示す。ステップ400では、参照ピクチャリスト構成用の複数の所定の技術または方法のうちから一つを選択する。たとえば、複数の所定の技術は参照ピクチャの対象ピクチャに対する時間的距離に基づき参照ピクチャリストを構成する第1の技術を備えていてもよい。この場合、参照ピクチャの時間的レベルは符号化動画像ビットストリームにおける時間的なスケーラビリティの特徴に対応するために用いられる。複数の所定の技術はさらに、参照ピクチャの時間的レベルに基づいて参照ピクチャリストを構成する第2の技術を備えていてもよい。一例として、第2の技術によると、参照ピクチャリストが作成されると、リスト内の参照ピクチャは時間的レベルを上げることにより並べ替えられる(言い換えれば、最も低い時間的レベルを有する(複数の)参照ピクチャが、リストの先頭に並べ替えられる)。
ステップ402では、参照ピクチャリストの構成の選択された技術を用いて、対象ピクチャが符号化される(たとえば、動き補償ピクチャ間符号化)。ステップ404では、参照ピクチャリストの構成の選択された技術を示すパラメータまたはフラグがピクチャ(符号化動画像ビットストリーム)の先頭に書き込まれる。たとえば、パラメータ値「0」および「1」はそれぞれ、第1および第2の技術を示す。
図5は、本発明の第1の実施の形態に基づく、複数の参照ピクチャを用いる動画像復号プロセスを説明するフローチャートを示す。ステップ500では、対象ピクチャ(符号化動画像ビットストリーム)の先頭が解析され、参照ピクチャリスト構成用の複数の所定の技術のうちの選択された技術を示すパラメータまたはフラグを取得する。ステップ502では、選択された技術を決定するパラメータを用いて、参照ピクチャリスト構成の選択された技術に基づき、対象ピクチャが復号される(たとえば動き補償ピクチャ間復号)。参照ピクチャリストの構成に関して同じ複数の所定の技術が、上述した第1の実施の形態における符号化プロセスと復号プロセスにおいて存在することが好ましい。
図6は、本発明の第1の実施の形態における動画像符号化装置を示すブロック図である。図6に示される装置を修正することにより、本明細書で開示される動画像符号化方法または他の方法のいずれか一つを、本発明の範囲を逸脱せずに実施可能であることは、当業者にとって明確であるだろう。すなわち、本発明における動画像符号化装置は、図6に示される部品/要素、およびそれらの相互接続に限られるものではなく、様々な目的のために当業者によって修正可能である。
典型的な動画像符号化装置は、選択部700、第1のスイッチ部702、第1の作成部704、第2の作成部706、第2のスイッチ部708、符号化部710、書き込み部712、およびメモリ部714を備える。
図6に示すように、選択部700は、参照ピクチャリスト構成用の2つ以上の所定の技術または方法から選択を行い、選択D701を示すパラメータまたはフラグを出力する。選択パラメータD701を用いて、第1のスイッチ部702は保存参照ピクチャD703をメモリ部714から第1の作成部704または第2の作成部706へ送信する。第1の作成部704または第2の作成部706は、選択された参照ピクチャリスト構成用の所定の技術に応じて、参照ピクチャリストを作成する。選択パラメータD701に基づき、第2のスイッチ部708は、第1の作成部704により作成された参照ピクチャリストD707または第2の作成部706により作成された参照ピクチャリストD711を符号化部710に送信する。符号化部710は、参照ピクチャリストD713、元の非圧縮画像D715、保存参照ピクチャD703を受信し、そして、例えば動き補償ピクチャ間予測を用いて符号化を行い、符号化ピクチャD717を出力する。書き込み部712は、符号化ピクチャD717および選択パラメータD701を符号化動画像ビットストリームD719に書き込む。
図7は、本発明の第1の実施の形態による動画像復号装置を示すブロック図である。図7に示される装置を修正することにより、本明細書で開示される動画像復号方法または他の方法のうちいずれか一つを、本発明の範囲を逸脱せずに実施可能であることは、当業者にとって明確であるだろう。すなわち、本発明の動画像復号装置は、図7に示される部品/要素、およびそれらの相互接続に限られるものではなく、様々な目的のために当業者によって修正可能である。
当該装置は、解析部800、第1のスイッチ部802、第1の作成部804、第2の作成部806、第2のスイッチ部808、および復号部810を備える。
図7に示すように、解析部800は、対象ピクチャ(符号化動画像ビットストリーム)D801の先頭を解析し、参照ピクチャリストの構成に関して選択された所定の技術を示すパラメータまたはフラグD803を取得する。解析パラメータD803に基づき、スイッチ部802は、参照ピクチャリストの構成に関して選択された所定の技術に応じて参照ピクチャリストを作成する、第1の作成部D804または第2の作成部D806に参照ピクチャD801を送信する。解析パラメータD803に基づき、第2のスイッチ部808は、第1の作成部D804からの参照ピクチャリストD807、または第2の作成部806からの参照ピクチャリストD811を、復号部810へ送信する。復号部は、参照ピクチャリストD813、符号化動画像ビットストリームD801、および保存された参照ピクチャD801を用いて、例えば、動き補償ピクチャ間予測により復号を行い、再構成されたピクチャD817を作成する。
図8は、参照ピクチャリストの構成に関して選択された所定の技術を示すパラメータまたはフラグの符号化動画像ビットストリームにおける位置の例を示す図である。たとえば、パラメータまたはフラグは、第1の所定の技術に対して値「0」を、第2の所定の技術に対して値「1」を有する。本発明の実施の形態に基づき、図8(a)は、圧縮動画像ビットストリームのシーケンスヘッダにおけるパラメータの位置を示し、図8(b)は、圧縮動画像ビットストリームのピクチャヘッダにおけるパラメータの位置を示し、図8(c)は、圧縮動画像ビットストリームのスライスヘッダにおけるパラメータの位置を示し、図8(d)は、パラメータはまた、圧縮動画像ビットストリームのシーケンスヘッダに位置するプロファイルパラメータ、レベルパラメータまたはプロファイルおよびレベルの両パラメータに基づき所定のルックアップテーブルから派生されることを示す。
図9は、本発明の第2の実施の形態における複数の参照ピクチャを用いる動画像符号化方法に関するフローチャートである。第1のステップ900として、当該方法は、複数の参照ピクチャの各々に関し、参照ピクチャの時間的レベル、または参照ピクチャの種別の周期を示すパラメータを参照ピクチャに書き込む書き込みステップを備える。例えば、図3に示すように、時間的レベルを示すパラメータは、「0」、「1」、「2」などのような値であってよく、時間的レベルの最も低い値は、前述したように最も低いフレームレートにおける参照ピクチャを示す。参照ピクチャの種別の周期を示すパラメータは、「1」、「2」などのような数字であってよく、この値は、参照ピクチャの特定の種別(たとえば、主要ピクチャ)が定期的に現れる間隔を示す。例として、参照ピクチャの種別の周期を示すパラメータが「4」である場合、これは、特定の種別の参照ピクチャが出力順に4フレームごとに定期的に現れることを示す。
動画像符号化方法にはさらに、パラメータに基づき並べ替えられる複数の参照ピクチャからなる第1の参照ピクチャリストを作成するステップ902が含まれる。たとえば、参照ピクチャの時間的レベルを示すパラメータの場合、ステップ902は、低い時間的レベルを有する低い参照ピクチャを第1のリストの先頭に置くよう順序付ける等、参照ピクチャの時間的レベルに基づいて並べ替えられる第1の参照ピクチャリストを作成する。
動画像符号化方法には、少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて動画像における対象ピクチャを符号化するステップ904が含まれる。たとえば、対象ピクチャの符号化には、対象ピクチャに対して、少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて動き検出および動き予測を行うことが含まれる。
図10は、第2の実施の形態における複数の参照ピクチャを用いる動画像復号方法を示すフローチャートである。第1のステップ1002として、当該方法には、参照ピクチャの時間的レベルまたは参照ピクチャの種別の周期を示すパラメータを、複数の参照ピクチャの各々から解析するステップが含まれる。前述したように、たとえば、時間的レベルを示すパラメータは、「0」、「1」、「2」などの値であってよく、時間的レベルの最も低い値は、前述したように最も低いフレームレートにおける参照ピクチャを示す。参照ピクチャの種別の周期を示すパラメータは、「1」、「2」などの値であってよく、この値は、参照ピクチャの特定の種別(たとえば主要なピクチャ)が再発生する期間(たとえば間隔)を示す。
動画像復号方法にはさらに、パラメータに基づき並べ替えられる複数の参照ピクチャを含む第1の参照ピクチャを作成するステップ1004と、少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて動画像における対象ピクチャを復号するステップ1006が含まれる。たとえば、対象ピクチャの符号化には、対象ピクチャに対して少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて動き予測を行うことが含まれる。
本発明の第2の実施の形態における複数の参照ピクチャを用いる動画像符号化装置は、書き込み部、第1のリスト作成部、および符号化セクションからなる。書き込み部は、複数の参照ピクチャの各々にパラメータを書き込み、第1のリスト作成部は、パラメータに基づき並べ替えられる複数の参照ピクチャからなる第1の参照ピクチャリストを作成し、符号化セクションは、少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて動画像における対象ピクチャを符号化する。たとえば、符号化セクションは、少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して動き検出を行い、動き予測部は、少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して動き予測を行ってもよい。
本発明の第2の実施の形態における複数の参照ピクチャを用いる動画像復号装置は、解析部、第1のリスト作成部、および復号セクションからなる。解析部は、複数の参照ピクチャの各々からパラメータを解析し、第1のリスト作成部は、パラメータに基づいて並べ替えられる複数の参照ピクチャからなる第1の参照ピクチャリストを作成し、復号セクションは、少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて動画像における対象ピクチャを復号する。たとえば、復号セクションは、少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して動き予測を行う動き予測部を備えてもよい。
本発明の第2の実施の形態は、符号化/復号効率を向上するために見出された。背景技術で議論したように、従来技術の課題は、対象ピクチャに最も近い参照ピクチャが常に参照リストの先頭に並べ替えられることである。一方、本発明の第2の実施の形態によると、参照ピクチャの時間的レベルまたは、参照ピクチャの種別の周期を示すパラメータが参照ピクチャに書き込まれ、少なくとも1つの参照リストが、パラメータに基づき並べ替えられる参照ピクチャで作成される。たとえば、パラメータが参照ピクチャの時間的レベルを示す場合が図3に示される。図3を参照すると、従来技術の教示に基づいて、例#1におけるピクチャ/フレーム「4」に対応する参照リストは時間的距離にのみ基づき作成されるが、これはすなわち、ピクチャ「4」に最も近いピクチャ「3」がリストの先頭に配置され、ピクチャ「2」とピクチャ「1」がそのあとに続き、ピクチャ「0」は参照リストの最後に置かれるということである。しかし、ピクチャ「3」の時間的レベルが高いため、ピクチャ「3」は、ピクチャ「4」に関するピクチャ間予測用の最適な参照ピクチャ/参照フレームではなく、そのようなピクチャがリストの先頭に配置されるのは理想的ではない。一方、第2の実施の形態によれば、ピクチャ「0」から「3」のうちの最も低い時間的レベルを伴うパラメータに割り当てられたピクチャ「0」は、リストの先頭に配置され、ピクチャ「2」、ピクチャ「3」、およびピクチャ「1」がそれに続く。その結果、より適切なまたは適当な参照ピクチャがリストの先頭に配置されるため、このリストはピクチャ間予測に用いられる最も少ないビット数で表される。したがって、より適切な動画像符号化/復号が、本発明の第2の実施の形態に基づき達成される。
本発明のさらなる実施の形態が、本発明の第2の実施の形態のより詳細な例の下、図面を参照して説明される。以下の実施の形態は、単に例示であって、本発明の範囲を限定するものではないことが、当業者に認識されるであろう。
図11Aは、本発明の第3の実施の形態における多数の参照ピクチャを用いる動画像符号化プロセスまたは動画像符号化方法を示すフローチャートである。図11Aに示すように、ステップ1100では、参照ピクチャの時間的レベルを示す/分類するパラメータが参照ピクチャ(たとえば、参照ピクチャの符号化スライス)のヘッダに書き込まれる。時間的レベルを分類するパラメータの例には、HEVC動画像符号化方式におけるシンタックスパラメータtemporal_idがある。ステップ1102では、対象ピクチャに対する時間的距離に基づき並べ替えられる第1の参照ピクチャリストが作成される。ステップ1104では、対象ピクチャに対する時間的距離に同様に基づき第2の参照ピクチャリストが作成される。そして、ステップ1106では、比較が行われ、第1のリストが第2のリストに適合するか(たとえば、同一か)否かが決定または判定される。
第1のリストが第2のリストに適合する場合、少なくとも参照ピクチャの対象ピクチャに対する時間的レベルを用いて並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)が作成される。少なくとも参照ピクチャの時間的レベルによって第3の参照ピクチャリストを並べ替える/順序付ける実施の形態を、図13および図14を参照して説明する。次に、ステップ1110で、動き検出プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば画像サンプルのブロック)に対して行われ、ステップ1112で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。たとえば、動き検出プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
本発明の実施の形態では、第3のリストが、少なくとも参照ピクチャの対象ピクチャに対する時間的レベルを用いて第1のリストまたは第2のリストからの参照ピクチャを再度順序付けることにより作成される。そのような実施の形態では、第3の参照ピクチャリストが第1の参照ピクチャリストまたは第2の参照ピクチャリストの効果的な修正版となる。
ステップ1106で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、ステップ1114で、動き検出プロセスが第1および第2の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われ、ステップ1116で、動き予測プロセスが第1および第2のリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。
ある実施の形態において、ステップ1106のロジックは切り替えられてもよい。特に、第1のリストが第2のリストに適合する場合、ステップ1114で、動き検出プロセスが第1および第2のリストを用いて対象ピクチャに対して行われ、ステップ1116で、動き予測プロセスが第1および第2のリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。一方、ステップ1106で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、少なくとも参照ピクチャの時間的レベルによって並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(第2の実施の形態における第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ1108で作成される。次に、ステップ1108で動き検出プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば、画像サンプルのブロック)に対して行われ、ステップ1112で動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。たとえば、動き検出プロセスおよび/または動き予測プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
さらに他の実施の形態を図11Bに示す。具体的には、図11Aに示されるステップ1106、1114、および1116が省略される。したがって、ステップ1104の後、少なくとも参照ピクチャの対象ピクチャに対する時間的レベルを用いて並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ1158で作成される。次に、ステップ1160で、動き検出プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば画像サンプルのブロック)に対して行われ、ステップ1162で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。たとえば、動き検出プロセスおよび/または動き予測プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3の参照ピクチャリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
図12Aは、本発明の第3の実施の形態における多数の参照ピクチャを用いる動画像復号プロセスまたは動画像符号化方法を示すフローチャートである。図12Aに示すように、ステップ1200では、参照ピクチャの時間的レベルを示すパラメータが多数の参照ピクチャの各々の参照ピクチャのヘッダから解析されるかまたは決定される。次に、ステップ1202では、対象ピクチャに対する時間的距離に基づき並べ替えられる第1の参照ピクチャリストが作成される。ステップ1204では、対象ピクチャに対する時間的距離に同様に基づいて並べ替えられる第2の参照ピクチャリストが作成される。そして、ステップ1206では、比較が行われ、第1のリストが第2のリストに適合するか(たとえば、同一か)否かが決定または判定される。
第1のリストが第2のリストに適合する場合、少なくとも参照ピクチャの時間的レベルによって並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)が作成される。同様に、少なくとも参照ピクチャの時間的レベルによって第3の参照ピクチャリストを並べ替える/順序付ける実施の形態を、図13および図14を参照して後述する。次に、ステップ1210で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば画像サンプルのブロック)に対して行われる。たとえば、動き予測プロセスは、第2のおよび第3の参照ピクチャリストを用いて行われてもよく、また第1および第3の参照ピクチャリストを用いて行われてもよい。
ステップ1206で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、ステップ1212で、動き予測プロセスが第1および第2の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。
ある実施の形態において、ステップ1206のロジックは切り替えられてもよい。具体的には、第1のリストが第2のリストに適合する場合、ステップ1212で、動き予測ロセスが第1および第2の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。一方、ステップ1206で、第1のリストが第2のリストに適合しない場合、少なくとも参照ピクチャの時間的レベルに基づいて並べ替えられる第3の参照ピクチャ(第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ1208で作成される。次に、ステップ1210で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。たとえば、動き予測ロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
さらに他の実施の形態が図12Bに示される。具体的には、図12Aに示されるステップ1206およびステップ1212が省略される。したがって、ステップ1204の後、少なくとも参照ピクチャの時間的レベルによって並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ1258で作成される。次に、ステップ1260で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば画像サンプルのブロック)に対して行われる。たとえば、動き予測プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
図13は、少なくとも参照ピクチャの時間的レベルによって第3の参照ピクチャリストを並べ替える/順序付ける本発明の実施の形態を示すフローチャートである。ステップ1300では、リストにおける参照ピクチャが時間的レベルの小さい順に並べ替えられる。ステップ1302では、2つ以上の参照ピクチャが同じ時間的レベルである場合、その2つ以上の参照ピクチャは対象ピクチャに対するそれぞれの時間的距離に応じて順番に並べ替えられる。たとえば、ステップ1302では、対象ピクチャに対して長い時間的距離を有する参照ピクチャと比較して、対象ピクチャに対して短い時間的距離を有する参照ピクチャが第3のリストにおいて高い位置(より小さな参照インデックス値)に置かれるように、同じ時間的レベルを有する参照ピクチャが対象ピクチャに対する時間的距離の短い順に並べ替えられる。例として、図3に示される例#1では、ピクチャ「1」と「3」が同じ時間的レベル「2」を有する。したがって、ピクチャ「1」および「3」は、対象ピクチャ「4」に対するそれぞれの時間的距離に基づいて更に並べ替えられる。その結果、ピクチャ「3」は、リストのピクチャ「1」より上になるよう配置される。
図14は、少なくとも参照ピクチャの時間的レベルによって第3の参照ピクチャリストを並べ替える/順序付ける本発明の他の実施の形態を示すフローチャートである。ステップ1400では、所定の値に等しい時間的レベルを有する1つ以上の参照ピクチャからなる第1の参照ピクチャグループが選択される。所定値の例は、最も低い時間的レベル(最も低いフレームレート表示に対応する)を示す「0」であってよい。次に、ステップ1402で、第1の参照ピクチャグループに含まれない参照ピクチャからなる第2の参照ピクチャグループが選択される。ステップ1404では、第1の参照ピクチャグループは第3のリストの先頭に位置する/並べ替えられ、第1のグループ内の参照ピクチャは、それぞれの対象ピクチャに対する時間的距離に応じて並べ替えられる。次に、ステップ1406では、第2の参照ピクチャグループが、それぞれの対象ピクチャに対する時間的距離に応じて、第3のリストにおける第1の参照ピクチャグループより後/下に配置される/並べ替えられる。たとえば、第1のグループおよび/または第2のグループ内の参照ピクチャは、対象ピクチャに対する時間的距離の短い順に並べ替えられる。
図15は、本発明の第3の実施の形態における動画像符号化装置の例を示すブロック図である。図15に示される装置を修正することにより、本明細書で開示される動画像符号化方法(たとえば、図9に示される方法)または他の方法のいずれか一つを、本発明の範囲を逸脱せずに実施可能であることは、当業者にとって明確であるだろう。すなわち、本発明の動画像符号化装置は、図15に示される部品/要素、およびそれらの相互接続に限られるものではなく、様々な目的のために当業者によって修正可能である。
典型的な動画像符号化装置は、動き検出部1500、動き予測部1502、第1のリスト作成部1504、第2のリスト作成部1516、第3のリスト作成部1510、第1のスイッチ部1506、第2のスイッチ部1508、メモリ部1512、比較部または決定部1514、および書き込み部1518を備える。
図15に示すように、動き検出部1500は対象ピクチャD1501(たとえば、画像サンプルのブロック)、参照ピクチャの選択されたリストD1511,および第2の参照ピクチャリストD1519を読み取り、動きベクトルのセットD1503を出力する。動き予測部1502は、動きベクトルのセットD1503、参照ピクチャの選択されたリストD1511、および第2の参照ピクチャD1519を読み取り、予測サンプルのブロックD1505を出力する。第1のリスト作成部1504はメモリ部1512から参照ピクチャD1513を読み取り、第1の参照ピクチャリストD1515を出力する。第2のリスト作成部1516はメモリ部1512から参照ピクチャD1517を読み取り、第2の参照ピクチャリストD1519を出力する。比較部1514は、第1の参照ピクチャリストD1515および第2の参照ピクチャリストD1519の両方を読み取り、第1のスイッチ部1506および第2のスイッチ部1508を制御する制御信号D1521を出力する。第1のスイッチ部1504は、制御信号D1521に基づき、第2のスイッチ部1508または第3のリスト作成部1510に第1の参照ピクチャリストD1515を送信する。第3のリスト作成部1510は、第1の参照ピクチャリストD1509および、メモリ部1512に保存される参照ピクチャD1525の時間的レベルの識別子パラメータに基づき第3の参照ピクチャリストD1523を作成する。第2のスイッチ部1508は、制御信号D1521に基づき、第1の参照ピクチャリストD1507または第3の参照ピクチャリストD1523のいずれかを選択する。書き込み部1518は、対象ピクチャD1527の時間的レベルを読み取り、対象ピクチャD1529のヘッダに対応する時間的レベルの識別子パラメータを書き込む。
図16は、本発明の第3の実施の形態における動画像復号装置の例を示すブロック図である。同様に、図16に示される装置を修正することにより、本明細書で開示される動画像復号方法(たとえば、図10に示される方法)または他の方法のいずれか一つを、本発明の範囲を逸脱せずに実施可能であることは、当業者にとって明確であるだろう。すなわち、本発明の動画像復号装置は、図16に示される部品/要素、およびそれらの相互接続に限られるものではなく、様々な目的のために修正可能である。
動画像復号装置の例は、動き予測部1600、第1のリスト作成部1602、第2のリスト作成部1614、第3のリスト作成部1608、第1のスイッチ部1604、第2のスイッチ部1606、メモリ部1610、比較部または決定部1612、および解析部1616を備える。
図16に示すように、動き予測部1600は、動きベクトルの復号されたセットD1601、参照ピクチャの選択されたリストD1609、および第2の参照ピクチャリストD1617を読み取り、予測サンプルのブロックD1603を出力する。第1のリスト作成部1602はメモリ部1610から参照ピクチャD1611を読み取り、第1の参照ピクチャリストD1613を出力する。第2のリスト作成部1614はメモリ部1610から参照ピクチャD1615を読み取り、第2の参照ピクチャリストD1617を出力する。比較部1612は、第1の参照ピクチャリストD1613および第2の参照ピクチャリストD1617の両方を読み取り、第1のスイッチ部1604および第2のスイッチ部1606を制御する制御信号D1619を出力する。第1のスイッチ部1604は、制御信号D1619に基づき、第2のスイッチ部1606または第3のリスト作成部1608に第1の参照ピクチャリストD1613を送信する。第3のリスト作成部1608は、第1の参照ピクチャリストD1607および、メモリ部1610に保存される参照ピクチャの時間的レベルの識別子パラメータD1623に基づき第3の参照ピクチャリストD1621を作成する。第2のスイッチ部1606は、制御信号D1619に基づき、第1の参照ピクチャリストD1605または第3の参照ピクチャリストD1621のいずれかを選択する。解析部1616は、符号化ピクチャD1625のヘッダを解析し、解析された時間的レベルの識別子パラメータD1627をメモリ部1610に出力する。
図17は、ピクチャの時間的レベルを示すパラメータのピクチャのヘッダにおける位置の例を示す図である。符号化動画像ビットストリームでは、各ピクチャは1つ以上のスライスネットワーク抽出層単位(「NALU」)で表される。図12に示すように、ピクチャの時間的レベルを識別する/分類するパラメータは、スライスNALUのNALUヘッダに位置する。
図18Aは、本発明の第4の実施の形態による多数の参照ピクチャを用いる動画像符号化プロセスまたは動画像符号化方法を示すフローチャートである。図18Aに示すように、ステップ1800では、参照ピクチャの種別の周期を表すまたは示すパラメータがピクチャ(符号化動画像ビットストリーム)のヘッダに書き込まれる。参照ピクチャの種別の周期は、ある種別のピクチャが定期的に再出現する周期を参照するので、あるピクチャの種別の間隔と呼ばれてもよい。たとえば、パラメータ値が「4」であれば、特定のタイプのピクチャ(たとえば、主要なピクチャ)は出力順に4フレームごとに定期的に現れることを示す。次に、ステップ1802では、対象ピクチャに対する時間的距離に基づき並べ替えられる第1の参照ピクチャリストが作成される。ステップ1804では、対象ピクチャに対する時間的距離に同様に基づいて第2の参照ピクチャリストが作成される。ステップ1806では比較が行われ、第1のリストが第2のリストに適合するか(たとえば、同一か)否かが判定または決定される。
第1のリストが第2のリストに適合する場合、ステップ1808で、参照ピクチャの種別の周期に少なくとも基づいて並べ替えられる第3の参照ピクチャリストが作成される。少なくとも参照ピクチャの種別の周期に基づいて第3の参照ピクチャリストを並べ替える/順序付けることは、図13および図14を参照して前述したものと同様に行われるが、ピクチャの種別の周期または間隔を示すパラメータの代用になる参照ピクチャの時間的レベルを示すパラメータを用いることもできる。次に、ステップ1810で、動き検出プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば、画像サンプルのブロック)に対して行われ、ステップ1812で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。たとえば、動き検出プロセスおよび/または動き予測プロセスは、第3のリストのみを用いて対象ピクチャに対して行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
本発明の実施の形態では、少なくとも参照ピクチャの並べ替え用の参照ピクチャの種別の周期を用いて第1のリストまたは第2のリストの参照ピクチャを再度順序付けることにより第3のリストが作成される。そのような実施の形態では、第3の参照ピクチャリストが第1の参照ピクチャリストまたは第2の参照ピクチャリストの効果的な修正版となる。
ステップ1806で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、ステップ1814で、動き検出プロセスが第1および第2の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われ、ステップ1816で動き予測プロセスが第1および第2のリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。
ある実施の形態において、ステップ1806のロジックは切り替えられてもよい。具体的には、第1のリストが第2のリストに適合する場合、ステップ1814で、動き検出プロセスが第1および第2の参照ピクチャリストを用いてが対象ピクチャに対して行われ、ステップ1816で、動き予測プロセスが第1および第2の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。一方、ステップ1806で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、少なくとも参照ピクチャの種別の周期によって並べ替えられる第3の参照ピクチャ(たとえば、第2の実施の形態における第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ1808で作成される。次に、ステップ1810で、動き検出プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われ、ステップ1812で動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。たとえば、動き検出プロセスおよび/または動き予測プロセスは、第2および第3の参照ピクチャリストを用いて行われてもよく、または第1および第3の参照ピクチャリストを用いて行われてもよい。
さらに他の実施の形態が図18Bに示される。具体的には、図18Aに示されるステップ1806、1814、および1816が省略される。したがって、ステップ1804の後、少なくとも参照ピクチャの種別の周期によって並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ1858で作成される。次に、ステップ1860で、動き検出プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば画像サンプルのブロック)に対して行われ、ステップ1862で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。たとえば、動き検出プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
図19Aは、本発明の第4の実施の形態における多数の参照ピクチャを用いる動画像復号プロセスまたは動画像復号方法を示すフローチャートである。図19Aに示すように、ステップ1900では、ある種別のピクチャ(たとえば、主要なピクチャ)の周期を示すパラメータがピクチャ(符号化動画像ビットストリーム)のヘッダから解析される。次に、ステップ1902では、対象ピクチャに対する時間的距離に基づいて並べ替えられる第1の参照ピクチャリストが作成される。ステップ1904では、対象ピクチャに対する時間的距離に同様に基づいて並べ替えられる第2の参照ピクチャリストが作成される。ステップ1906では比較が行われ、第1のリストが第2のリストに適合するか否かが判定または決定される。
ステップ1908で第1のリストが第2のリストに適合する場合、参照ピクチャの種別の周期に少なくとも基づいて並べ替えられる第3の参照ピクチャリストが作成される。参照ピクチャの種別の周期に少なくとも基づき第3の参照ピクチャリストを並べ替える/順序付けることは、図13および図14を参照して前述したものと同様に行われるが、ピクチャの種別の周期を示すパラメータの代用になる参照ピクチャの時間的レベルを示すパラメータを用いることもできる。次に、ステップ1910で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。たとえば、動き予測プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
ステップ1906で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、ステップ1912で、動き予測プロセスが第1および第2の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。
ある実施の形態において、ステップ1906のロジックは切り替えられてもよい具体的には、第1のリストが第2のリストに適合する場合、ステップ1912で、動き予測プロセスが第1および第2の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。一方、ステップ1206で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、少なくとも参照ピクチャの種別の周期に基づき並べ替えられる第3の参照ピクチャ(たとえば、第2の実施の形態における第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ1908で作成される。次に、ステップ1910で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。同様に、動き予測プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
さらに他の実施の形態が図19Bに示される。具体的には、図19Aに示されるステップ1906および1912が省略される。したがって、ステップ1904の後、少なくとも参照ピクチャのその種別の周期によって並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ1958で作成される。次に、ステップ1960で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば画像サンプルのブロック)に対して行われる。たとえば、動き予測プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
図20は、少なくとも参照ピクチャの種別の周期に基づき第3の参照ピクチャリストを並べ替える本発明の他の実施の形態を表すフローチャートである。ステップ2000では、ピクチャのある種別の周期(たとえば、主要なピクチャの周期)の整数倍に等しいピクチャ数を有する1以上のキー参照ピクチャからなる第1の参照ピクチャグループが選択される。たとえば、周期が4である場合、第1の参照ピクチャグループは、0、4、8、12、16などと等しいピクチャ数を有する1以上の参照ピクチャからなる。期間に関するピクチャ数は、符号化ピクチャの出力順を参照する。次に、ステップ2002で、第1の参照ピクチャグループに含まれない参照ピクチャからなる第2の参照ピクチャグループが選択される。ステップ2004では、第1の参照ピクチャグループが第3のリストの先頭に位置する/並べ替えられ、第3のリストにおける参照ピクチャは、対象ピクチャに対する時間的距離によって並べ替えられる。次に、ステップ2006では、第2の参照ピクチャグループが、第3のリストにおいて第1の参照ピクチャグループより後/下に配置され/並べ替えられ、第3のリスト内の参照ピクチャは対象ピクチャに対する時間的距離に応じて並べ替えられる。たとえば、第1のグループおよび/または第2のグループ内の参照ピクチャは、対象ピクチャに対する時間的距離の短い順に並べ替えられる。
図21は、本発明の第4の実施の形態における動画像符号化装置の例を示すブロック図である。図21に示される装置を修正することにより、本明細書で開示される動画像符号化方法または他の方法のいずれか一つが、本発明の範囲を逸脱せずに実施可能であることは、当業者にとって明確であるだろう。すなわち、本発明の動画像復号装置は、図21に示される部品/要素、およびそれらの相互接続に限られるものではなく、様々な目的のために修正可能である。
典型的な動画像符号化装置は、動き検出部2100、動き予測部2102、第1のリスト作成部2104、第2のリスト作成部2116、第3のリスト作成部2110、第1のスイッチ部2106、第2のスイッチ部2108、メモリ部2112、比較部2114、および書き込み部2118を備える。
図21に示すように、動き検出部2100は画像サンプルのブロックD2101、参照ピクチャの選択されたリストD2111および第2の参照ピクチャリストD2119を読み取り、動きベクトルのセットD2103を出力する。動き予測部2102は動きベクトルのセットD2103、参照ピクチャの選択されたリストD2111および第2の参照ピクチャリストD2119を読み取り、予測サンプルのブロックD2105を出力する。第1のリスト作成部2104は、メモリ部2112から参照ピクチャD2113を読み取り、第1の参照ピクチャリストD2115を出力する。第2のリスト作成部2116はメモリ部2112から参照ピクチャD2117を読み取り、第2の参照ピクチャリストD2119を出力する。比較部2114は、第1の参照ピクチャリストD2115および第2の参照ピクチャリストD2119の両方を読み取り、第1のスイッチ部2106および第2のスイッチ部2108を制御する制御信号D2121を出力する。第1のスイッチ部2104は、制御信号D2121に基づき、第2のスイッチ部2108または第3のリスト作成部2110に第1の参照ピクチャリストD2115を送信する。第3のリスト作成部2110は、第1の参照ピクチャリストD2109およびメモリ部2112に保存される参照ピクチャの種別の周期D2125に基づき第3の参照ピクチャリストD2123を作成する。第2のスイッチ部2108は、制御信号D2121に基づき、第1の参照ピクチャリストD2107または第3の参照ピクチャリストD2123のいずれかを選択する。書き込み部2118は、参照ピクチャD2125の種別の周期を読み取り、周期を表す対応パラメータを符号化ピクチャD2127のヘッダに書き込む。
図22は、本発明の第4の実施の形態による動画像復号装置の例を示すブロック図である。同様に、図22に示される装置を修正することにより、本明細書で開示される動画像復号方法または他の方法のうちからいずれか一つが、本発明の範囲を逸脱せずに実施可能であることは、当業者にとって明確であるだろう。すなわち、本発明の動画像復号装置は、図22に示される部品/要素、およびそれらの相互接続に限られるものではなく、様々な目的のために修正可能である。
典型的な動画像符号化装置は、動き予測部2200、第1のリスト作成部2202、第2のリスト作成部2214、第3のリスト作成部2208、第1のスイッチ部2204、第2のスイッチ部2206、メモリ部2210、比較部または決定部2212、および解析部2216を備える。
図22に示すように、動き予測部2200は、動きベクトルのセットD2201、参照ピクチャの選択されたリストD2209、および第2の参照ピクチャリストD2117を読み取り、予測サンプルのブロックD2203を出力する。第1のリスト作成部2202は、メモリ部2210から参照ピクチャD2211を読み取り、第1の参照ピクチャリストD2213を出力する。第2のリスト作成部2214はメモリ部2210から参照ピクチャD2215を読み取り、第2の参照ピクチャリストD2217を出力する。比較部2212は、第1の参照ピクチャリストD2213および第2の参照ピクチャリストD2217の両方を読み取り、第1のスイッチ部2204および第2のスイッチ部2206を制御する制御信号D2219を出力する。第1のスイッチ部2204は、制御信号D2219に基づき、第2のスイッチ部2206または第3のリスト作成部2208に第1の参照ピクチャリストD2213を送信する。第3のリスト作成部2208は、第1の参照ピクチャリストD2207および、主要なピクチャの解析された周期D2225に基づき第3の参照ピクチャリストD2221を作成する。第2のスイッチ部2206は、制御信号D2219に基づいて、第1の参照ピクチャリストD2205または第3の参照ピクチャリストD2221のいずれかを選択する。解析部2216は、符号化ピクチャD2223のヘッダを解析し、主要なピクチャの解析された周期D2225を出力する。
図23は、参照ピクチャの種別が主要な参照ピクチャである場合の、参照ピクチャの種別の周期を表す/示すパラメータのピクチャ(符号化動画像ビットストリーム)のヘッダにおける位置を示す図である。主要なピクチャの周期は、他の非主要ピクチャと比較すると高い品質で一般的に符号化される主要(キー)ピクチャが定期的に出現することを示すために用いられる。本発明の実施の形態によれば、図23(a)は、パラメータの圧縮動画像ビットストリームのシーケンスヘッダにおける位置を示し、図23(b)は、パラメータの圧縮動画像ビットストリームのピクチャヘッダにおける位置を示し、図23(c)は、パラメータの圧縮動画像ビットストリームのスライスヘッダにおける位置を示し、図23(d)は、パラメータはまた、圧縮動画像ビットストリームのシーケンスヘッダに位置するプロファイルパラメータ、レベルパラメータ、またはプロファイルおよびレベルの両パラメータに基づいて所定のルックアップテーブルからも派生され得ることを示す。
図24Aは、本発明の第5の実施の形態による動画像符号化プロセスまたは動画像符号化方法を示すフローチャートである。図24Aに示すように、ステップ2400では、フラグ(たとえば、再順序付技術選択フラグ)が、対象ピクチャのヘッダにまず書き込まれるかまたは埋め込まれる。たとえば、フラグは、参照ピクチャリストにおける参照ピクチャを順序付けするために用いられる2つ以上の異なる技術のうちの一つを示すか、または示唆する。
ステップ2402では、対象ピクチャに対する時間的距離に基づいて並べ替えられる第1の参照ピクチャリストが作成される。次に、ステップ2404では、対象ピクチャに対する時間的距離に基づいて並べ替えられる第2の参照ピクチャリストが作成される。そして、ステップ2406で比較が行われ、第1のリストが第2のリストに適合するか(たとえば、同一か)否かが決定または判定される。
第1のリストが第2のリストに適合する場合、比較が行われ、フラグの値が所定の値を有するかまたは所定の値であるかが決定される。フラグが所定の値である場合、参照ピクチャの時間的レベルに基づいて並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ2414で作成される。フラグが所定の値でない場合、参照ピクチャの予測依存度によって並べ替えられる第3の参照ピクチャリストがステップ2420で作成される。参照ピクチャの予測依存度は、参照フレームにおけるピクチャ間動き補償予測への依存度を参照する。次に、ステップ2416で、動き検出プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば、画像サンプルのブロック)に対して行われ、ステップ2418で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて画像サンプルのブロックに対して行われる。たとえば、動き検出プロセスおよび/または動き予測プロセスは第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
ステップ2406で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、ステップ2408で、動き検出プロセスが第1および第2の参照フレームリストを用いて対象ピクチャに対して行われ、ステップ2410で動き予測プロセスが第1および第2の参照フレームリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。
ある実施の形態において、ステップ2406のロジックは切り替えられてもよい。具体的には、第1のリストが第2のリストに適合する場合、ステップ2408で、動き検出プロセスが第1および第2の参照フレームリストを用いて対象ピクチャに対して行われ、ステップ2410で動き予測プロセスが第1および第2の参照フレームリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。一方、ステップ2406で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、比較が行われ、フラグの値が所定の値を有するかまたは所定の値であるか否かが決定されるまたは判定される。フラグが所定の値である場合、参照ピクチャの時間的レベルに基づき並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ2414で作成される。フラグが所定の値でない場合、参照ピクチャの予測依存度によって並べ替えられる第3の参照ピクチャリストがステップ2420で作成される。参照ピクチャの予測依存度は、参照フレームにおけるピクチャ間動き補償予測への依存度を参照する。次に、ステップ2416で動き検出プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば、画像サンプルのブロック)に対して行われ、ステップ1318で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて画像サンプルのブロックに対して行われる。たとえば、動き検出プロセスおよび/または動き予測プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
さらに他の実施の形態が図24Bに示される。具体的には、図24Aに示されるステップ2406、2408、および2410が省略される。したがって、ステップ2404の後に比較が行われ、ステップ2462でフラグの値が所定の値を有するかまたは所定の値であるか否かが決定または判定される。フラグが所定の値である場合、参照ピクチャの時間的レベルに基づいて並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ2464で作成される。フラグが所定の値でない場合、参照ピクチャの予測依存度によって並べ替えられる第3の参照ピクチャリストがステップ2470で作成される。参照ピクチャの予測依存度は、参照フレームにおけるピクチャ間動き補償予測への依存度を参照する。次に、ステップ2466で、動き検出プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば、画像サンプルのブロック)に対して行われ、ステップ2468で、動き予測プロセスが少なくとも第1の参照ピクチャリストを用いて画像サンプルのブロックに対して行われる。
図25Aは、本発明の第5の実施の形態における動画像復号プロセスまたは動画像復号方法を示すフローチャートである。図25Aに示すように、ステップ2500では、フラグ(たとえば、再順序付技術選択フラグ)が、対象ピクチャのヘッダからまず解析されるかまたは取り込まれる。たとえば、フラグは、参照ピクチャの再順序付け用の選択された技術を示す。
ステップ2502では、対象ピクチャに対する時間的距離を用いる第1の方式によって並べ替えられる第1の参照ピクチャリストが作成される。ステップ2504では、対象ピクチャに対する時間的距離を同様に用いる第2の方式によって並べ替えられる第2の参照ピクチャリストが作成される。そして、ステップ2506では比較が行われ、第1のリストが第2のリストに適合するか(たとえば、同一か)否かが決定または判定される。
第1のリストが第2のリストに適合する場合、比較が行われ、ステップ2508でフラグの値が所定の値を有するかまたは所定の値であるかが決定される。フラグが所定の値である場合、参照ピクチャの時間的レベルに基づいて並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ2512で作成される。フラグが所定の値でない場合、参照ピクチャの予測依存度によって並べ替えられる第3の参照ピクチャリストがステップ2516で作成される。参照ピクチャの予測依存度は、参照ピクチャ/参照フレームにおけるピクチャ間動き補償予測への依存度を参照する。次に、ステップ2514で動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば、画像サンプルのブロック)に対して行われる。たとえば、動き予測プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストのみを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
ステップ2506で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、ステップ2510で、動き予測プロセスが第1および第2の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。
ある実施の形態において、ステップ2506のロジックは切り替えられてもよい。具体的には、第1のリストが第2のリストに適合する場合、ステップ2510で、動き予測プロセスが第1および第2の参照フレームリストを用いて対象ピクチャに対して行われる。一方、ステップ2506で第1のリストが第2のリストに適合しない場合、比較が行われ、フラグの値が所定の値を有するかまたは所定の値であるか否かが決定されるまたは判定される。フラグが所定の値である場合、参照ピクチャの時間的レベルに基づいて並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ2512で作成される。フラグが所定の値でない場合、参照ピクチャの予測依存度によって並べ替えられる第3の参照ピクチャリストがステップ2516で作成される。参照ピクチャの予測依存度は、参照フレームにおけるピクチャ間動き補償予測への依存度を参照する。次に、ステップ2514で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば、画像サンプルのブロック)に対して行われる。たとえば、動き予測プロセスが第3のリストのみを用いて行われてもよく、第2および第3のリストを用いて行われてもよく、または第1および第3のリストを用いて行われてもよい。
さらに他の実施の形態が図25Bに示される。具体的には、図25Aに示されるステップ2506、および2510が省略される。したがって、ステップ2504の後に比較が行われ、ステップ2558でフラグの値が所定の値を有するかまたは所定の値であるか否かが決定または判定される。フラグが所定の値である場合、参照ピクチャの時間的レベルに基づいて並べ替えられる第3の参照ピクチャリスト(たとえば、第2の実施の形態で述べた第1の参照ピクチャリストに対応する)がステップ2562で作成される。フラグが所定の値でない場合、参照ピクチャの予測依存度によって並べ替えられる第1の参照ピクチャリストがステップ2566で作成される。参照ピクチャの予測依存度は、参照フレームにおけるピクチャ間動き補償予測への依存度を参照する。次に、ステップ2564で、動き予測プロセスが少なくとも第3の参照ピクチャリストを用いて対象ピクチャ(たとえば、画像サンプルのブロック)に対して行われる。
(実施の形態6)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または動画像復号化方法の構成を実現するためのプログラムを記憶メディアに記録することにより、上記各実施の形態で示した処理を独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。記憶メディアは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、半導体メモリ等、プログラムを記録できるものであればよい。
さらにここで、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法や動画像復号化方法の応用例とそれを用いたシステムを説明する。
図26は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示す図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex106、ex107、ex108、ex109、ex110が設置されている。
このコンテンツ供給システムex100は、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex106からex110を介して、コンピュータex111、PDA(Personal Digital Assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115などの各機器が接続される。
しかし、コンテンツ供給システムex100は図26のような構成に限定されず、いずれかの要素を組合せて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex106からex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。また、各機器が近距離無線等を介して直接相互に接続されていてもよい。
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器であり、カメラex116はデジタルビデオカメラ等の静止画撮影、動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話ex114は、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式、若しくはLTE(Long Term Evolution)方式、HSPA(High Speed Packet Access)の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
コンテンツ供給システムex100では、カメラex113等が基地局ex109、電話網ex104を通じてストリーミングサーバex103に接続されることで、ライブ配信等が可能になる。ライブ配信では、ユーザがカメラex113を用いて撮影するコンテンツ(例えば、音楽ライブの映像等)に対して上記各実施の形態で説明したように符号化処理を行い(即ち、本発明の一態様に係る画像符号化装置として機能する)、ストリーミングサーバex103に送信する。一方、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して送信されたコンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115等がある。配信されたデータを受信した各機器では、受信したデータを復号化処理して再生する(即ち、本発明の一態様に係る画像復号装置として機能する)。
なお、撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。同様に配信されたデータの復号化処理はクライアントで行っても、ストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。また、カメラex113に限らず、カメラex116で撮影した静止画像および/または動画像データを、コンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信してもよい。この場合の符号化処理はカメラex116、コンピュータex111、ストリーミングサーバex103のいずれで行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。
また、これら符号化・復号化処理は、一般的にコンピュータex111や各機器が有するLSIex500において処理する。LSIex500は、ワンチップであっても複数チップからなる構成であってもよい。なお、動画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な何らかの記録メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込み、そのソフトウェアを用いて符号化・復号化処理を行ってもよい。さらに、携帯電話ex114がカメラ付きである場合には、そのカメラで取得した画像データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex114が有するLSIex500で符号化処理されたデータである。
また、ストリーミングサーバex103は複数のサーバや複数のコンピュータであって、データを分散して処理したり記録したり配信するものであってもよい。
以上のようにして、コンテンツ供給システムex100では、符号化されたデータをクライアントが受信して再生することができる。このようにコンテンツ供給システムex100では、ユーザが送信した情報をリアルタイムでクライアントが受信して復号化し、再生することができ、特別な権利や設備を有さないユーザでも個人放送を実現できる。
なお、コンテンツ供給システムex100の例に限らず、図27に示すように、デジタル放送用システムex200にも、上記各実施の形態の少なくとも動画像符号化装置または動画像復号化装置のいずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex201では映像データに音楽データなどが多重化された多重化データが電波を介して通信または衛星ex202に伝送される。この映像データは上記各実施の形態で説明した動画像符号化方法により符号化されたデータである(即ち、本発明の一態様に係る画像符号化装置によって符号化されたデータである)。これを受けた放送衛星ex202は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送の受信が可能な家庭のアンテナex204が受信する。
受信した多重化データを、テレビ(受信機)ex300またはセットトップボックス(STB)ex217等の装置が復号化して再生する(即ち、本発明の一態様に係る画像復号装置として機能する)。
また、DVD、BD等の記録メディアex215に記録した多重化データを読み取り復号化する、または記録メディアex215に映像信号を符号化し、さらに場合によっては音楽信号と多重化して書き込むリーダ/レコーダex218にも上記各実施の形態で示した動画像復号化装置または動画像符号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex219に表示され、多重化データが記録された記録メディアex215により他の装置やシステムにおいて映像信号を再生することができる。また、ケーブルテレビ用のケーブルex203または衛星/地上波放送のアンテナex204に接続されたセットトップボックスex217内に動画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex219で表示してもよい。このときセットトップボックスではなく、テレビex300内に動画像復号化装置を組み込んでもよい。
図28は、上記各実施の形態で説明した動画像復号化方法および動画像符号化方法を用いたテレビ(受信機)ex300を示す図である。テレビex300は、上記放送を受信するアンテナex204またはケーブルex203等を介して映像データに音声データが多重化された多重化データを取得、または出力するチューナex301と、受信した多重化データを復調する、または外部に送信する多重化データに変調する変調/復調部ex302と、復調した多重化データを映像データと、音声データとに分離する、または信号処理部ex306で符号化された映像データ、音声データを多重化する多重/分離部ex303を備える。
また、テレビex300は、音声データ、映像データそれぞれを復号化する、またはそれぞれの情報を符号化する音声信号処理部ex304、映像信号処理部ex305を有する信号処理部ex306と、復号化した音声信号を出力するスピーカex307、復号化した映像信号を表示するディスプレイ等の表示部ex308を有する出力部ex309とを有する。さらに、テレビex300は、ユーザ操作の入力を受け付ける操作入力部ex312等を有するインタフェース部ex317を有する。さらに、テレビex300は、各部を統括的に制御する制御部ex310、各部に電力を供給する電源回路部ex311を有する。インタフェース部ex317は、操作入力部ex312以外に、リーダ/レコーダex218等の外部機器と接続されるブリッジex313、SDカード等の記録メディアex216を装着可能とするためのスロット部ex314、ハードディスク等の外部記録メディアと接続するためのドライバex315、電話網と接続するモデムex316等を有していてもよい。なお記録メディアex216は、格納する不揮発性/揮発性の半導体メモリ素子により電気的に情報の記録を可能としたものである。テレビex300の各部は同期バスを介して互いに接続されている。
まず、テレビex300がアンテナex204等により外部から取得した多重化データを復号化し、再生する構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、CPU等を有する制御部ex310の制御に基づいて、変調/復調部ex302で復調した多重化データを多重/分離部ex303で分離する。さらにテレビex300は、分離した音声データを音声信号処理部ex304で復号化し、分離した映像データを映像信号処理部ex305で上記各実施の形態で説明した復号化方法を用いて復号化する。復号化した音声信号、映像信号は、それぞれ出力部ex309から外部に向けて出力される。出力する際には、音声信号と映像信号が同期して再生するよう、バッファex318、ex319等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。また、テレビex300は、放送等からではなく、磁気/光ディスク、SDカード等の記録メディアex215、ex216から多重化データを読み出してもよい。次に、テレビex300が音声信号や映像信号を符号化し、外部に送信または記録メディア等に書き込む構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、制御部ex310の制御に基づいて、音声信号処理部ex304で音声信号を符号化し、映像信号処理部ex305で映像信号を上記各実施の形態で説明した符号化方法を用いて符号化する。符号化した音声信号、映像信号は多重/分離部ex303で多重化され外部に出力される。多重化する際には、音声信号と映像信号が同期するように、バッファex320、ex321等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。なお、バッファex318、ex319、ex320、ex321は図示しているように複数備えていてもよいし、1つ以上のバッファを共有する構成であってもよい。さらに、図示している以外に、例えば変調/復調部ex302や多重/分離部ex303の間等でもシステムのオーバフロー、アンダーフローを避ける緩衝材としてバッファにデータを蓄積することとしてもよい。
また、テレビex300は、放送等や記録メディア等から音声データ、映像データを取得する以外に、マイクやカメラのAV入力を受け付ける構成を備え、それらから取得したデータに対して符号化処理を行ってもよい。なお、ここではテレビex300は上記の符号化処理、多重化、および外部出力ができる構成として説明したが、これらの処理を行うことはできず、上記受信、復号化処理、外部出力のみが可能な構成であってもよい。
また、リーダ/レコーダex218で記録メディアから多重化データを読み出す、または書き込む場合には、上記復号化処理または符号化処理はテレビex300、リーダ/レコーダex218のいずれで行ってもよいし、テレビex300とリーダ/レコーダex218が互いに分担して行ってもよい。
一例として、光ディスクからデータの読み込みまたは書き込みをする場合の情報再生/記録部ex400の構成を図29に示す。情報再生/記録部ex400は、以下に説明する要素ex401、ex402、ex403、ex404、ex405、ex406、ex407を備える。光ヘッドex401は、光ディスクである記録メディアex215の記録面にレーザスポットを照射して情報を書き込み、記録メディアex215の記録面からの反射光を検出して情報を読み込む。変調記録部ex402は、光ヘッドex401に内蔵された半導体レーザを電気的に駆動し記録データに応じてレーザ光の変調を行う。再生復調部ex403は、光ヘッドex401に内蔵されたフォトディテクタにより記録面からの反射光を電気的に検出した再生信号を増幅し、記録メディアex215に記録された信号成分を分離して復調し、必要な情報を再生する。バッファex404は、記録メディアex215に記録するための情報および記録メディアex215から再生した情報を一時的に保持する。ディスクモータex405は記録メディアex215を回転させる。サーボ制御部ex406は、ディスクモータex405の回転駆動を制御しながら光ヘッドex401を所定の情報トラックに移動させ、レーザスポットの追従処理を行う。システム制御部ex407は、情報再生/記録部ex400全体の制御を行う。上記の読み出しや書き込みの処理はシステム制御部ex407が、バッファex404に保持された各種情報を利用し、また必要に応じて新たな情報の生成・追加を行うと共に、変調記録部ex402、再生復調部ex403、サーボ制御部ex406を協調動作させながら、光ヘッドex401を通して、情報の記録再生を行うことにより実現される。システム制御部ex407は例えばマイクロプロセッサで構成され、読み出し書き込みのプログラムを実行することでそれらの処理を実行する。
以上では、光ヘッドex401はレーザスポットを照射するとして説明したが、近接場光を用いてより高密度な記録を行う構成であってもよい。
図30に光ディスクである記録メディアex215の模式図を示す。記録メディアex215の記録面には案内溝(グルーブ)がスパイラル状に形成され、情報トラックex230には、予めグルーブの形状の変化によってディスク上の絶対位置を示す番地情報が記録されている。この番地情報はデータを記録する単位である記録ブロックex231の位置を特定するための情報を含み、記録や再生を行う装置において情報トラックex230を再生し番地情報を読み取ることで記録ブロックを特定することができる。また、記録メディアex215は、データ記録領域ex233、内周領域ex232、外周領域ex234を含んでいる。ユーザデータを記録するために用いる領域がデータ記録領域ex233であり、データ記録領域ex233より内周または外周に配置されている内周領域ex232と外周領域ex234は、ユーザデータの記録以外の特定用途に用いられる。情報再生/記録部ex400は、このような記録メディアex215のデータ記録領域ex233に対して、符号化された音声データ、映像データまたはそれらのデータを多重化した多重化データの読み書きを行う。
以上では、1層のDVD、BD等の光ディスクを例に挙げ説明したが、これらに限ったものではなく、多層構造であって表面以外にも記録可能な光ディスクであってもよい。また、ディスクの同じ場所にさまざまな異なる波長の色の光を用いて情報を記録したり、さまざまな角度から異なる情報の層を記録したりなど、多次元的な記録/再生を行う構造の光ディスクであってもよい。
また、デジタル放送用システムex200において、アンテナex205を有する車ex210で衛星ex202等からデータを受信し、車ex210が有するカーナビゲーションex211等の表示装置に動画を再生することも可能である。なお、カーナビゲーションex211の構成は例えば図28に示す構成のうち、GPS受信部を加えた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111や携帯電話ex114等でも考えられる。
図31Aは、上記実施の形態で説明した動画像復号化方法および動画像符号化方法を用いた携帯電話ex114を示す図である。携帯電話ex114は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex350、映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex365、カメラ部ex365で撮像した映像、アンテナex350で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex358を備える。携帯電話ex114は、さらに、操作キー部ex366を有する本体部、音声を出力するためのスピーカ等である音声出力部ex357、音声を入力するためのマイク等である音声入力部ex356、撮影した映像、静止画、録音した音声、または受信した映像、静止画、メール等の符号化されたデータもしくは復号化されたデータを保存するメモリ部ex367、又は同様にデータを保存する記録メディアとのインタフェース部であるスロット部ex364を備える。
さらに、携帯電話ex114の構成例について、図31Bを用いて説明する。携帯電話ex114は、表示部ex358及び操作キー部ex366を備えた本体部の各部を統括的に制御する主制御部ex360に対して、電源回路部ex361、操作入力制御部ex362、映像信号処理部ex355、カメラインタフェース部ex363、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex359、変調/復調部ex352、多重/分離部ex353、音声信号処理部ex354、スロット部ex364、メモリ部ex367がバスex370を介して互いに接続されている。
電源回路部ex361は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することにより携帯電話ex114を動作可能な状態に起動する。
携帯電話ex114は、CPU、ROM、RAM等を有する主制御部ex360の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex356で収音した音声信号を音声信号処理部ex354でデジタル音声信号に変換し、これを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理し、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。
また携帯電話ex114は、音声通話モード時にアンテナex350を介して受信した受信データを増幅して周波数変換処理およびアナログデジタル変換処理を施し、変調/復調部ex352でスペクトラム逆拡散処理し、音声信号処理部ex354でアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex356から出力する。
さらにデータ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キー部ex366等の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex362を介して主制御部ex360に送出される。主制御部ex360は、テキストデータを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して基地局ex110へ送信する。電子メールを受信する場合は、受信したデータに対してこのほぼ逆の処理が行われ、表示部ex358に出力される。
データ通信モード時に映像、静止画、または映像と音声を送信する場合、映像信号処理部ex355は、カメラ部ex365から供給された映像信号を上記各実施の形態で示した動画像符号化方法によって圧縮符号化し(即ち、本発明の一態様に係る画像符号化装置として機能する)、符号化された映像データを多重/分離部ex353に送出する。また、音声信号処理部ex354は、映像、静止画等をカメラ部ex365で撮像中に音声入力部ex356で収音した音声信号を符号化し、符号化された音声データを多重/分離部ex353に送出する。
多重/分離部ex353は、映像信号処理部ex355から供給された符号化された映像データと音声信号処理部ex354から供給された符号化された音声データを所定の方式で多重化する。
その結果得られる多重化データを変調/復調部(変調/復調回路部)ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、または映像およびもしくは音声が添付された電子メールを受信する場合、アンテナex350を介して受信された多重化データを復号化するために、多重/分離部ex353は、多重化データを分離することにより映像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex370を介して符号化された映像データを映像信号処理部ex355に供給するとともに、符号化された音声データを音声信号処理部ex354に供給する。映像信号処理部ex355は、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法に対応した動画像復号化方法によって復号化することにより映像信号を復号し(即ち、本発明の一態様に係る画像復号装置として機能する)、LCD制御部ex359を介して表示部ex358から、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる映像、静止画が表示される。また音声信号処理部ex354は、音声信号を復号し、音声出力部ex357から音声が出力される。
また、上記携帯電話ex114等の端末は、テレビex300と同様に、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末という3通りの実装形式が考えられる。さらに、デジタル放送用システムex200において、映像データに音楽データなどが多重化された多重化データを受信、送信するとして説明したが、音声データ以外に映像に関連する文字データなどが多重化されたデータであってもよいし、多重化データではなく映像データ自体であってもよい。
このように、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法あるいは動画像復号化方法を上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、そうすることで、上記各実施の形態で説明した効果を得ることができる。
また、本発明はかかる上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形または修正が可能である。
(実施の形態7)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置と、MPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1など異なる規格に準拠した動画像符号化方法または装置とを、必要に応じて適宜切替えることにより、映像データを生成することも可能である。
ここで、それぞれ異なる規格に準拠する複数の映像データを生成した場合、復号する際に、それぞれの規格に対応した復号方法を選択する必要がある。しかしながら、復号する映像データが、どの規格に準拠するものであるか識別できないため、適切な復号方法を選択することができないという課題を生じる。
この課題を解決するために、映像データに音声データなどを多重化した多重化データは、映像データがどの規格に準拠するものであるかを示す識別情報を含む構成とする。上記各実施の形態で示す動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを含む多重化データの具体的な構成を以下説明する。多重化データは、MPEG−2トランスポートストリーム形式のデジタルストリームである。
図32は、多重化データの構成を示す図である。図32に示すように多重化データは、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム(PG)、インタラクティブグラフィックスストリームのうち、1つ以上を多重化することで得られる。ビデオストリームは映画の主映像および副映像を、オーディオストリーム(IG)は映画の主音声部分とその主音声とミキシングする副音声を、プレゼンテーショングラフィックスストリームは、映画の字幕をそれぞれ示している。ここで主映像とは画面に表示される通常の映像を示し、副映像とは主映像の中に小さな画面で表示する映像のことである。また、インタラクティブグラフィックスストリームは、画面上にGUI部品を配置することにより作成される対話画面を示している。ビデオストリームは、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠した動画像符号化方法または装置によって符号化されている。オーディオストリームは、ドルビーAC−3、Dolby Digital Plus、MLP、DTS、DTS−HD、または、リニアPCMのなどの方式で符号化されている。
多重化データに含まれる各ストリームはPIDによって識別される。例えば、映画の映像に利用するビデオストリームには0x1011が、オーディオストリームには0x1100から0x111Fまでが、プレゼンテーショングラフィックスには0x1200から0x121Fまでが、インタラクティブグラフィックスストリームには0x1400から0x141Fまでが、映画の副映像に利用するビデオストリームには0x1B00から0x1B1Fまで、主音声とミキシングする副音声に利用するオーディオストリームには0x1A00から0x1A1Fが、それぞれ割り当てられている。
図33は、多重化データがどのように多重化されるかを模式的に示す図である。まず、複数のビデオフレームからなるビデオストリームex235、複数のオーディオフレームからなるオーディオストリームex238を、それぞれPESパケット列ex236およびex239に変換し、TSパケットex237およびex240に変換する。同じくプレゼンテーショングラフィックスストリームex241およびインタラクティブグラフィックスex244のデータをそれぞれPESパケット列ex242およびex245に変換し、さらにTSパケットex243およびex246に変換する。多重化データex247はこれらのTSパケットを1本のストリームに多重化することで構成される。
図34は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかをさらに詳しく示している。図34における第1段目はビデオストリームのビデオフレーム列を示す。第2段目は、PESパケット列を示す。図34の矢印yy1,yy2,yy3,yy4に示すように、ビデオストリームにおける複数のVideo Presentation UnitであるIピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャは、ピクチャ毎に分割され、PESパケットのペイロードに格納される。各PESパケットはPESヘッダを持ち、PESヘッダには、ピクチャの表示時刻であるPTS(Presentation Time−Stamp)やピクチャの復号時刻であるDTS(Decoding Time−Stamp)が格納される。
図35は、多重化データに最終的に書き込まれるTSパケットの形式を示している。TSパケットは、ストリームを識別するPIDなどの情報を持つ4ByteのTSヘッダとデータを格納する184ByteのTSペイロードから構成される188Byte固定長のパケットであり、上記PESパケットは分割されTSペイロードに格納される。BD−ROMの場合、TSパケットには、4ByteのTP_Extra_Headerが付与され、192Byteのソースパケットを構成し、多重化データに書き込まれる。TP_Extra_HeaderにはATS(Arrival_Time_Stamp)などの情報が記載される。ATSは当該TSパケットのデコーダのPIDフィルタへの転送開始時刻を示す。多重化データには図35下段に示すようにソースパケットが並ぶこととなり、多重化データの先頭からインクリメントする番号はSPN(ソースパケットナンバー)と呼ばれる。
また、多重化データに含まれるTSパケットには、映像・音声・字幕などの各ストリーム以外にもPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、PCR(Program Clock Reference)などがある。PATは多重化データ中に利用されるPMTのPIDが何であるかを示し、PAT自身のPIDは0で登録される。PMTは、多重化データ中に含まれる映像・音声・字幕などの各ストリームのPIDと各PIDに対応するストリームの属性情報を持ち、また多重化データに関する各種ディスクリプタを持つ。ディスクリプタには多重化データのコピーを許可・不許可を指示するコピーコントロール情報などがある。PCRは、ATSの時間軸であるATC(Arrival Time Clock)とPTS・DTSの時間軸であるSTC(System Time Clock)の同期を取るために、そのPCRパケットがデコーダに転送されるATSに対応するSTC時間の情報を持つ。
図36はPMTのデータ構造を詳しく説明する図である。PMTの先頭には、そのPMTに含まれるデータの長さなどを記したPMTヘッダが配置される。その後ろには、多重化データに関するディスクリプタが複数配置される。上記コピーコントロール情報などが、ディスクリプタとして記載される。ディスクリプタの後には、多重化データに含まれる各ストリームに関するストリーム情報が複数配置される。ストリーム情報は、ストリームの圧縮コーデックなどを識別するためストリームタイプ、ストリームのPID、ストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)が記載されたストリームディスクリプタから構成される。ストリームディスクリプタは多重化データに存在するストリームの数だけ存在する。
記録媒体などに記録する場合には、上記多重化データは、多重化データ情報ファイルと共に記録される。
多重化データ情報ファイルは、図37に示すように多重化データの管理情報であり、多重化データと1対1に対応し、多重化データ情報、ストリーム属性情報とエントリマップから構成される。
多重化データは図37に示すようにシステムレート、再生開始時刻、再生終了時刻から構成されている。システムレートは多重化データの、後述するシステムターゲットデコーダのPIDフィルタへの最大転送レートを示す。多重化データ中に含まれるATSの間隔はシステムレート以下になるように設定されている。再生開始時刻は多重化データの先頭のビデオフレームのPTSであり、再生終了時刻は多重化データの終端のビデオフレームのPTSに1フレーム分の再生間隔を足したものが設定される。
ストリーム属性情報は図38に示すように、多重化データに含まれる各ストリームについての属性情報が、PID毎に登録される。属性情報はビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム、インタラクティブグラフィックスストリーム毎に異なる情報を持つ。ビデオストリーム属性情報は、そのビデオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、ビデオストリームを構成する個々のピクチャデータの解像度がどれだけであるか、アスペクト比はどれだけであるか、フレームレートはどれだけであるかなどの情報を持つ。オーディオストリーム属性情報は、そのオーディオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、そのオーディオストリームに含まれるチャンネル数は何であるか、何の言語に対応するか、サンプリング周波数がどれだけであるかなどの情報を持つ。これらの情報は、プレーヤが再生する前のデコーダの初期化などに利用される。
実施の形態7においては、上記多重化データのうち、PMTに含まれるストリームタイプを利用する。また、記録媒体に多重化データが記録されている場合には、多重化データ情報に含まれる、ビデオストリーム属性情報を利用する。具体的には、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置において、PMTに含まれるストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に対し、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示す固有の情報を設定するステップまたは手段を設ける。この構成により、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成した映像データと、他の規格に準拠する映像データとを識別することが可能になる。
また、実施の形態7における動画像復号化方法のステップを図39に示す。ステップexS100において、多重化データからPMTに含まれるストリームタイプ、または、多重化データ情報に含まれるビデオストリーム属性情報を取得する。次に、ステップexS101において、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された多重化データであることを示しているか否かを判断する。そして、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものであると判断された場合には、ステップexS102において、上記各実施の形態で示した動画像復号方法により復号を行う。また、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠するものであることを示している場合には、ステップexS103において、従来の規格に準拠した動画像復号方法により復号を行う。
このように、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に新たな固有値を設定することにより、復号する際に、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法または装置で復号可能であるかを判断することができる。従って、異なる規格に準拠する多重化データが入力された場合であっても、適切な復号化方法または装置を選択することができるため、エラーを生じることなく復号することが可能となる。また、実施の形態7で示した動画像符号化方法または装置、または、動画像復号方法または装置を、上述したいずれの機器・システムに用いることも可能である。
(実施の形態8)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法および装置、動画像復号化方法および装置は、典型的には集積回路であるLSIで実現される。一例として、図40に1チップ化されたLSIex500の構成を示す。LSIex500は、以下に説明する要素ex501、ex502、ex503、ex504、ex505、ex506、ex507、ex508、ex509を備え、各要素はバスex510を介して接続している。電源回路部ex505は電源がオン状態の場合に各部に対して電力を供給することで動作可能な状態に起動する。
例えば符号化処理を行う場合には、LSIex500は、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有する制御部ex501の制御に基づいて、AV I/Oex509によりマイクex117やカメラex113等からAV信号を入力する。入力されたAV信号は、一旦SDRAM等の外部のメモリex511に蓄積される。制御部ex501の制御に基づいて、蓄積したデータは処理量や処理速度に応じて適宜複数回に分けるなどされ信号処理部ex507に送られ、信号処理部ex507において音声信号の符号化および/または映像信号の符号化が行われる。ここで映像信号の符号化処理は上記各実施の形態で説明した符号化処理である。信号処理部ex507ではさらに、場合により符号化された音声データと符号化された映像データを多重化するなどの処理を行い、ストリームI/Oex506から外部に出力する。この出力された多重化データは、基地局ex107に向けて送信されたり、または記録メディアex215に書き込まれたりする。なお、多重化する際には同期するよう、一旦バッファex508にデータを蓄積するとよい。
なお、上記では、メモリex511がLSIex500の外部の構成として説明したが、LSIex500の内部に含まれる構成であってもよい。バッファex508も1つに限ったものではなく、複数のバッファを備えていてもよい。また、LSIex500は1チップ化されてもよいし、複数チップ化されてもよい。
また、上記では、制御部ex510が、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有するとしているが、制御部ex510の構成は、この構成に限らない。例えば、信号処理部ex507がさらにCPUを備える構成であってもよい。信号処理部ex507の内部にもCPUを設けることにより、処理速度をより向上させることが可能になる。また、他の例として、CPUex502が信号処理部ex507、または信号処理部ex507の一部である例えば音声信号処理部を備える構成であってもよい。このような場合には、制御部ex501は、信号処理部ex507、またはその一部を有するCPUex502を備える構成となる。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(実施の形態9)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを復号する場合、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データを復号する場合に比べ、処理量が増加することが考えられる。そのため、LSIex500において、従来の規格に準拠する映像データを復号する際のCPUex502の駆動周波数よりも高い駆動周波数に設定する必要がある。しかし、駆動周波数を高くすると、消費電力が高くなるという課題が生じる。
この課題を解決するために、テレビex300、LSIex500などの動画像復号化装置は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別し、規格に応じて駆動周波数を切替える構成とする。図41は、実施の形態9における構成ex800を示している。駆動周波数切替え部ex803は、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、駆動周波数を高く設定する。そして、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801に対し、映像データを復号するよう指示する。一方、映像データが、従来の規格に準拠する映像データである場合には、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、駆動周波数を低く設定する。そして、従来の規格に準拠する復号処理部ex802に対し、映像データを復号するよう指示する。
より具体的には、駆動周波数切替え部ex803は、図40のCPUex502と駆動周波数制御部ex512から構成される。また、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801、および、従来の規格に準拠する復号処理部ex802は、図38の信号処理部ex507に該当する。CPUex502は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別する。そして、CPUex502からの信号に基づいて、駆動周波数制御部ex512は、駆動周波数を設定する。また、CPUex502からの信号に基づいて、信号処理部ex507は、映像データの復号を行う。ここで、映像データの識別には、例えば、実施の形態7で記載した識別情報を利用することが考えられる。識別情報に関しては、実施の形態7で記載したものに限られず、映像データがどの規格に準拠するか識別できる情報であればよい。例えば、映像データがテレビに利用されるものであるか、ディスクに利用されるものであるかなどを識別する外部信号に基づいて、映像データがどの規格に準拠するものであるか識別可能である場合には、このような外部信号に基づいて識別してもよい。また、CPUex502における駆動周波数の選択は、例えば、図43のような映像データの規格と、駆動周波数とを対応付けたルックアップテーブルに基づいて行うことが考えられる。ルックアップテーブルを、バッファex508や、LSIの内部メモリに格納しておき、CPUex502がこのルックアップテーブルを参照することにより、駆動周波数を選択することが可能である。
図42は、実施の形態9の方法を実施するステップを示している。まず、ステップexS200では、信号処理部ex507において、多重化データから識別情報を取得する。次に、ステップexS201では、CPUex502において、識別情報に基づいて映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものであるか否かを識別する。映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、ステップexS202において、駆動周波数を高く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、高い駆動周波数に設定される。一方、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、ステップexS203において、駆動周波数を低く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、低い駆動周波数に設定される。
さらに、駆動周波数の切替えに連動して、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を変更することにより、省電力効果をより高めることが可能である。例えば、駆動周波数を低く設定する場合には、これに伴い、駆動周波数を高く設定している場合に比べ、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することが考えられる。
また、駆動周波数の設定方法は、復号する際の処理量が大きい場合に、駆動周波数を高く設定し、復号する際の処理量が小さい場合に、駆動周波数を低く設定すればよく、上述した設定方法に限らない。例えば、MPEG4−AVC規格に準拠する映像データを復号する処理量の方が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置により生成された映像データを復号する処理量よりも大きい場合には、駆動周波数の設定を上述した場合の逆にすることが考えられる。
さらに、駆動周波数の設定方法は、駆動周波数を低くする構成に限らない。例えば、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を高く設定し、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することも考えられる。また、他の例としては、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、CPUex502の駆動を停止させることなく、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、処理に余裕があるため、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合であっても、処理に余裕があれば、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。この場合は、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合に比べて、停止時間を短く設定することが考えられる。
このように、映像データが準拠する規格に応じて、駆動周波数を切替えることにより、省電力化を図ることが可能になる。また、電池を用いてLSIex500またはLSIex500を含む装置を駆動している場合には、省電力化に伴い、電池の寿命を長くすることが可能である。
(実施の形態10)
テレビや、携帯電話など、上述した機器・システムには、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力される場合がある。このように、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力された場合にも復号できるようにするために、LSIex500の信号処理部ex507が複数の規格に対応している必要がある。しかし、それぞれの規格に対応する信号処理部ex507を個別に用いると、LSIex500の回路規模が大きくなり、また、コストが増加するという課題が生じる。
この課題を解決するために、上記各実施の形態で示した動画像復号方法を実行するための復号処理部と、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する復号処理部とを一部共有化する構成とする。この構成例を図44Aのex900に示す。例えば、上記各実施の形態で示した動画像復号方法と、MPEG4−AVC規格に準拠する動画像復号方法とは、エントロピー符号化、逆量子化、デブロッキング・フィルタ、動き補償などの処理において処理内容が一部共通する。共通する処理内容については、MPEG4−AVC規格に対応する復号処理部ex902を共有し、MPEG4−AVC規格に対応しない、本発明の一態様に特有の他の処理内容については、専用の復号処理部ex901を用いるという構成が考えられる。特に、本発明の一態様は、変換部に特徴を有していることから、例えば、逆変換については専用の復号処理部ex901を用い、それ以外のエントロピー符号化、逆量子化、デブロッキング・フィルタ、動き補償予測のいずれか、または、全ての処理については、復号処理部を共有することが考えられる。復号処理部の共有化に関しては、共通する処理内容については、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行するための復号処理部を共有し、MPEG4−AVC規格に特有の処理内容については、専用の復号処理部を用いる構成であってもよい。
また、処理を一部共有化する他の例を図44Bのex1000に示す。この例では、本発明の一態様に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1001と、他の従来規格に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1002と、本発明の一態様に係る動画像復号方法と他の従来規格の動画像復号方法とに共通する処理内容に対応した共用の復号処理部ex1003とを用いる構成としている。ここで、専用の復号処理部ex1001、ex1002は、必ずしも本発明の一態様、または、他の従来規格に特有の処理内容に特化したものではなく、他の汎用処理を実行できるものであってもよい。また、実施の形態10の構成を、LSIex500で実装することも可能である。
このように、本発明の一態様に係る動画像復号方法と、従来の規格の動画像復号方法とで共通する処理内容について、復号処理部を共有することにより、LSIの回路規模を小さくし、かつ、コストを低減することが可能である。