JP6070103B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
タイヤに求められる性能は多岐に渡り、特に高速走行での操縦安定性、湿潤路面での安定性、自動車の低燃費化のための転がり抵抗の低減、耐摩耗性の向上などが挙げられる。
従来、特に転がり抵抗の低減と湿潤路面での安定性を両立させるために、補強性フィラーとしてシリカが幅広く使用されている。
ところが、シリカは粒子表面にシラノール基を有していることから、粒子同士が凝集しやすく、補強性フィラーとして用いた場合、タイヤの耐摩耗性や力学的特性を悪化させてしまうという問題があった。
これに対し、シリカと一緒にメルカプト基を有するシランカップリング剤を配合することで、シリカの分散性を向上させたジエン系ゴム組成物が開示されている(例えば特許文献1)。
国際公開第06/028254号
しかし、本発明者らが、シリカと一緒にメルカプト基を有するシランカップリング剤を配合したジエン系ゴム組成物について検討したところ、シリカの分散性は向上しているものの、スコーチタイムが短く、そのため加工性が必ずしも十分ではないことが分かった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、シリカの分散性を確保しながら、スコーチタイムの長い(スコーチ性が良好な)タイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特定の構造を有するシランカップリング剤を配合することで、シリカの分散性を確保しながら、スコーチタイムを延長することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ジエン系ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を含有し、
上記シランカップリング剤が、下記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンであり、
上記シリカの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜150質量部であり、
上記シランカップリング剤の含有量が、上記シリカの含有量に対して1〜20質量%であるタイヤトレッド用ゴム組成物。
(A)a(B)b(C)c(R11d(R12eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
(式(1)中、Aはメルカプト基を含有する有機基、BはS−Si結合を有する有機基、Cは加水分解性基、R11は炭素数4〜10の1価の炭化水素基、R12は炭素数1〜3の1価の炭化水素基を表す。a〜eは、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、0<a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。)
(2) 上記式(1)中、Aが下記式(2)で表される基であり、Bが下記式(3)で表される基であり、Cが下記式(4)で表される基である、上記(1)に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
−(CH2n−SH (2)
(式(2)中、nは1〜10の整数を表す。*は結合位置を表す。)
−(CH2m−S−]pSi(R3)4-p (3)
(式(3)中、mは1〜10の整数、pは1〜4の整数、R3は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。R3が複数ある場合、複数あるR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。*は結合位置を表す。)
−OR4 (4)
(式(4)中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を表す)
(3) 上記ジエン系ゴムの50質量%以上が、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体である、上記(1)または(2)に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(4) 上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体が、芳香族ビニル含有量が5〜50質量%であり、共役ジエン中のビニル結合量が5〜80%である、上記(3)に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(5) 上記シリカの窒素吸着比表面積が、100〜300m2/gである上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、シリカの分散性を確保しながら、スコーチタイムの長いタイヤトレッド用ゴム組成物およびそれをタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
以下に、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物、および本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤについて説明する。
〔タイヤトレッド用ゴム組成物〕
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を含有し、上記シランカップリング剤が後述する式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンであり、上記シリカの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜150質量部であり、上記シランカップリング剤の含有量が上記シリカの含有量に対して1〜20質量%であるタイヤトレッド用ゴム組成物である。
以下に、ジエン系ゴム、シリカおよびシランカップリング剤ならびに所望により含有してもよい他の成分について詳述する。
<ジエン系ゴム>
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に用いられるジエン系ゴムは特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記ジエン系ゴムは、1種のジエン系ゴムを単独で用いても、2種以上のジエン系ゴムを併用してもよい。
本発明において、上記ジエン系ゴムとしては、ウェット性能および転がり抵抗に優れたタイヤを作製することができるという観点から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを用いることが好ましく、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともにブタジエンゴム(BR)を併用することがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、ウェット性能および転がり抵抗により優れたタイヤを作製することができるという観点から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)であることが好ましい。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の芳香族ビニル含有量(例えば、スチレン含有量)は、ウェット性能および転がり抵抗のバランスの観点、並びに、ゴム組成物のスコーチ性がより良好になるという理由から、5〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましく、30〜45質量%であることがさらに好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量は、ウェット性能および転がり抵抗のバランスの観点、並びに、ゴム組成物のスコーチ性およびシリカ分散性がより良好になるという理由から、5〜80%であることが好ましく、10〜75%であることがより好ましく、30〜60%であることがさらに好ましい。ここで、ビニル結合量とは、共役ジエンの結合様式であるシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合および1,2−ビニル結合のうち、1,2−ビニル結合の割合をいう。
さらに、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の重量平均分子量は、ゴム組成物の粘度上昇を抑制する効果が高くなるという観点から、並びに、ゴム組成物のスコーチ性およびシリカ分散性がより良好になるという理由から、100,000〜2,000,000であることが好ましく、300,000〜1,500,000であることがより好ましく、700,000〜1,400,000であることがさらに好ましい。芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、その製造方法について特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を製造する際に使用される単量体としての、芳香族ビニル、共役ジエンは特に限定されない。
ここで、上記共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
一方、上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
本発明において、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を用いる場合の含有量は、ウェット性能に優れたタイヤを作製することができるという観点から、上記ジエン系ゴムの50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともに上記ブタジエンゴム(BR)を併用する場合、上記ブタジエンゴム(BR)の含有量は、ウェット性能に優れたタイヤを作製することができるという観点から、上記ジエン系ゴムの50質量%未満であることが好ましく、45質量%未満であることがより好ましく、40質量%未満であることがさらに好ましい。
<シリカ>
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に用いられるシリカは特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
上記シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
本発明において、上記シリカは、ウェット性能および転がり抵抗に優れたタイヤを作製することができるという観点から、湿式シリカを含むことが好ましい。
本発明において、上記シリカは、ゴム組成物のスコーチ性がより良好になり、また、ウェット性能および転がり抵抗に優れたタイヤを作製することができるという理由から、窒素吸着比表面積(N2SA)が100〜300m2/gであることが好ましく、150〜250m2/gであることがより好ましく、180〜230m2/gであることがさらに好ましい。
ここで、N2SAは、シリカがゴム分子との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜150質量部であり、ウェット性能および転がり抵抗に優れたタイヤを作製することができ、タイヤの耐摩耗性および力学的特性も向上するという観点から、20〜140質量部であることが好ましく、35〜140質量部であることがより好ましい。
<シランカップリング剤>
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に用いられるシランカップリング剤は、下記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンである。
(A)a(B)b(C)c(R11d(R12eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
本発明においては、このようなポリシロキサンをシランカップリング剤として配合することにより、シリカの分散性を確保しながら、スコーチ性を向上することができる。
これは、上記ポリシロキサンの側鎖に存在していたメルカプト基がケイ素を含有する特定の構造を有する官能基で保護されているため、メルカプト基とゴム成分との反応が抑制され、結果としてスコーチ性が向上したと考えられる。また、ケイ素を含有する特定の構造を有する官能基が、シリカと相互作用することでシリカの凝集を抑制し、分散性を向上させたと考えられる。さらに、ポリシロキサン構造とシリカとの親和性によりシランカップリング剤の周りにシリカが偏在することで、シランカップリング剤とゴム成分との反応が抑制され、結果としてシリカの分散を向上するとともに、スコーチ性も向上したと考えられる。
上記式(1)中、Aはメルカプト基を含有する有機基を表す。なかでも、下記式(2)で表される基であることが好ましい。
−(CH2n−SH (2)
上記式(2)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。
上記式(2)中、*は、結合位置を示す。
上記式(2)で表される基の具体例としては、−CH2SH、−C24SH、−C36SH、−C48SH、−C510SH、−C612SH、−C714SH、−C816SH、−C918SH、−C1020SHが挙げられる。
上記式(1)中、BはS−Si結合を有する有機基を表す。なかでも、下記式(3)で表される基であることが好ましい。
−(CH2m−S−]pSi(R3)4-p (3)
上記式(3)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。
上記式(3)中、pは1〜4の整数を表し、なかでも、1であることが好ましい。
上記式(3)中、R3は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。なかでも、ゴム組成物のスコーチ性がより良好になる理由から、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基がより好ましい。上記置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。上記置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。上記置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基などが挙げられる。R3が複数ある場合、複数あるR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(3)中、*は、結合位置を示す。
より具体的に上記S−Si結合を有する有機基は下記のものを例示することができる。
上記式(1)中、Cは加水分解性基を表し、その具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、下記式(4)で表される基であることが好ましい。
−OR4 (4)
上記式(4)中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(4)中、*は、結合位置を示す。
上記式(1)中、R11は炭素数4〜10の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。
上記式(1)中、R12は炭素数1〜3の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
上記式(1)中、a〜eは、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、0<a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ゴム組成物のスコーチ性がより良好になる理由から、aが0.10以下であることが好ましい。
上記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンは、ゴム組成物のスコーチ性およびシリカ分散性がより良好になる理由から、上記式(1)中、Aが上記式(2)で表される基であり、Bが上記式(3)で表される基であり、Cが上記式(4)で表される基であるポリシロキサンであることが好ましい。
(ポリシロキサンの製造方法:第1の好適な態様)
上記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサン(以下、特定ポリシロキサンとも称する)を製造する方法は特に限定されないが、第1の好適な態様としては、塩基存在下、下記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンとクロロシランとを反応させる方法が挙げられる。
(A)f(C)c(R11d(R12eSiO(4-c-d-e-f)/2 (5)
上記式(5)中、Aはメルカプト基を含有する有機基、Cは加水分解性基、R11は炭素数4〜10の1価の炭化水素基、R12は炭素数1〜3の1価の炭化水素基を表す。c〜fは、0<f<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、0<c+d+e+f<4の関係式を満たす。
上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンの製造方法としてはメルカプト基を有する有機ケイ素化合物とアルキル基を有する有機ケイ素化合物の加水分解縮合が挙げられる。
上記メルカプト基を有する有機ケイ素化合物としては、具体的にはα−メルカプトメチルトリメトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、α−メルカプトメチルトリエトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記アルキル基を有する有機ケイ素化合物としては、具体的にはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
公知の加水分解縮合の方法により上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンを得ることができる。例えば、有機ケイ素化合物を塩基触媒下に加水分解縮合する方法や、酸触媒で加水分解し、次いで系を塩基性とし縮合反応を行う方法がある。
上記第1の好適な態様において使用される塩基としては特に限定されないが、具体的には、ピリジン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、ジアザビシクロウンデセンなどのアミン系の塩基やナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキド、カリウムエトキシド、t−ブトキシカリウムなどの金属系の塩基が挙げられる。
上記第1の好適な態様において使用されるクロロシランとしては特に限定されないが、具体的には、トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、ジエチルメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ジメチル−n−オクチルクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、ドデシルジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、等が挙げられる。これらのクロロシラン類は、液状のクロロシラン類はそのまま用いることができ、またtert−ブチルジメチルクロロシランのように常温で固体のクロロシラン類は、固体のまま用いてもよく、トルエンやテトラヒドロフラン等の溶媒に溶解して、溶液として用いることもできる。
上記第1の好適な態様において、必要に応じて溶媒を使用してもよい。溶媒は原料である上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンや塩基、クロロシランと非反応性であれば特に限定されないが、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。
上記第1の好適な態様において、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンとクロロシランとの配合比は、反応性、生産性の点から、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、クロロシラン中のSi−Cl基を0.01〜1.5モル、特に0.4〜1.1モルの範囲で反応させることが望ましい。
上記第1の好適な態様において、クロロシランと塩基との配合比は、反応性、生産性の点から、クロロシラン中のSi−Cl基1モルに対し、塩基を0.1〜1.5モル、特に0.8〜1.1モルの範囲で反応させることが望ましい。
上記第1の好適な態様において、反応温度は30℃〜150℃、特に30℃〜120℃の範囲であることが望ましい。
(ポリシロキサンの製造方法:第2の好適な態様)
上記特定ポリシロキサンを製造する方法の第2の好適な態様としては、塩基触媒存在下、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンとシラザン化合物とを反応させる方法が挙げられる。
上記第2の好適な態様において使用される塩基触媒としては特に限定されないが、具体的には、ピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネンなどが挙げられる。
上記第2の好適な態様において使用されるシラザン化合物としては特に限定されないが、市販されていて入手容易なものとしてはヘキサメチルジシラザン、1,3-ビス(クロロメチル)テトラメチルジシラザン、1,3-ジフェニルテトラメチルジシラザン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザンなどが挙げられる。
上記第2の好適な態様において、必要に応じて溶媒を使用してもよい。溶媒は原料である上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンや塩基触媒、シラザン化合物と非反応性であれば特に限定されないが、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。
上記第2の好適な態様において、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンと塩基触媒との配合比は、反応性、生産性の点から、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、塩基触媒を0.00001〜0.50モル、特に0.001〜0.1モルの範囲で反応させることが望ましい。
上記第2の好適な態様において、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンとシラザン化合物との配合比は、反応性、生産性の点から、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、シラザン化合物を0.1〜10モル、特に1.5〜4.0モルの範囲で反応させることが望ましい。
上記第2の好適な態様において、反応温度は30℃〜180℃、特に80℃〜150℃の範囲であることが望ましい。
(ポリシロキサンの製造方法:第3の好適な態様)
上記特定ポリシロキサンを製造する方法の第3の好適な態様としては、遷移金属触媒もしくはルイス酸触媒存在下、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンと1個以上のSi−H基を有するケイ素化合物を反応させる方法が挙げられる。本製造方法は副生成物が水素であり濾過物を伴わないため生産性が非常に高い製造方法である。
上記第3の好適な態様において使用されるSi−H基を有するケイ素化合物としては特に限定されないが、具体的には、トリメチルシラン、エチルジメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシラン、tert−ブチルジメチルシラン、tert−ブチルジフェニルシラン、トリイソプロピルシラン、トリ−n−ブチルシラン、トリイソブチルシラン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、ジメチル−n−オクチルシラン、デシルジメチルシラン、ドデシルジメチルシラン、ジメチルビニルシラン、トリフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリブトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルブトキシシラン、ジメチルオクトキシシラン、ジメチルドデコキシシラン等が挙げられる。
上記第3の好適な態様において使用される触媒としては遷移金属触媒やルイス酸触媒が挙げられ、遷移金属触媒としては、ルテニウム触媒、ロジウム触媒、パラジウム触媒、イリジウム触媒、白金触媒、金触媒等が挙げられ、特にロジウム触媒が好ましく、さらにはRhCl(PPh33触媒が好ましい。また、ルイス酸触媒としては塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第二スズ、硫酸塩化第二スズ、塩化第二鉄、三フッ化ホウ素、ペンタフルオロフェニルホウ素等が挙げられ、特にペンタフルオロフェニルホウ素が好ましい。
上記第3の好適な態様において、必要に応じて溶媒を使用してもよい。溶媒は原料である上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンや触媒、Si−H基を有する有機ケイ素化合物と非反応性であれば特に限定されないが、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。
上記第3の好適な態様において、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンと触媒との配合比は、反応性、生産性の点から、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、触媒を0.000001〜0.1モル、特に0.000001〜0.01モルの範囲で反応させることが望ましい。
上記第3の好適な態様において、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンとSi−H基を有する有機ケイ素化合物との配合比は、反応性、生産性の点から、上記式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、有機ケイ素化合物中のSi−H基を0.01〜1.5モル、特に0.4〜1.1モルの範囲で反応させることが望ましい。
上記第3の好適な態様において、反応温度は30℃〜150℃、特に60℃〜120℃の範囲であることが望ましい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、上記シランカップリング剤の含有量は、上記シリカの含有量に対して1〜20質量%であり、ゴム組成物のスコーチ性がより良好になるという理由から、1〜18質量%であることが好ましく、2〜16質量%であることがより好ましく、5〜14質量%であることがさらに好ましい。
<任意成分>
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に含有されるシランカップリング剤以外のシランカップリング剤、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、アロマオイル、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤、加硫促進剤などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
<タイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法>
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
〔空気入りタイヤ〕
本発明の空気入りタイヤは(以下、単に「本発明タイヤ」ともいう。)、上述した本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物をタイヤトレッドに使用した空気入りタイヤである。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明のタイヤは、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を空気入りタイヤのトレッドに用いる以外は特に制限はなく、例えば従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1:比較ポリシロキサン1)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン238.4g(1.0mol)、オクチルトリエトキシシラン553.0g(2.0mol)、エタノール1413gを納めた後、攪拌しながら室温で0.5N−HCl水溶液41.5g(2.3mol)を滴下した。80℃で2時間攪拌した後、5%KOH/EtOH溶液20.0gを滴下し、80℃で2時間攪拌した。その後減圧留去、濾過することにより無色透明液体を652.5g得た。得られたポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は850であり、平均重合度は4.1(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、630g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、得られたポリシロキサンは下記平均組成式で示される。
(HS−C36−)0.33(C25O−)1.50(C817−)0.67SiO0.75
得られたポリシロキサンを比較ポリシロキサン1とする。
(合成例2:比較ポリシロキサン2)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン238.4g(1.0mol)、オクチルトリエトキシシラン553.0g(2.0mol)、エタノール1413gを納めた後、攪拌しながら室温で0.5N−HCl水溶液45.0g(2.5mol)を滴下した。80℃で2時間攪拌した後、5%KOH/EtOH溶液21.4gを滴下し、80℃で2時間攪拌した。その後減圧留去、濾過することにより無色透明液体を614.6g得た。得られたポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は1230であり、平均重合度は6.1(設定重合度6.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、610g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、得られたポリシロキサンは下記平均組成式で示される。
(HS−C36−)0.33(C25O−)1.33(C817−)0.67SiO0.84
得られたポリシロキサンを比較ポリシロキサン2とする。
(合成例3:ポリシロキサン3)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、比較ポリシロキサン1を630g、THF600g、イミダゾール34.1g(0.5mol)を納めた後、室温にてジメチルフェニルクロロシラン(信越化学工業株式会社製 LS−2000)77.3g(0.5mol)を滴下した。その後、室温にて5時間攪拌した。その後、濾過、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮、濾過することで無色透明液体682.7gを得た。得られたポリシロキサンは下記平均組成式で示される。また、得られたポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は860であり、ほぼ設定通りの分子量であることが確認された。得られたポリシロキサンをポリシロキサン3とする。
(HS−C36−)0.17(PhMe2Si−S−C36−)0.17(C25O−)1.50(C817−)0.67SiO0.75
(合成例4:ポリシロキサン4)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、比較ポリシロキサン1を630g、RhCl(PPh330.035g(0.000038mol)を納めた後、90℃にてトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBE−03)82.2g(0.5mol)を滴下した。その後、90℃にて5時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮、濾過することで黄色透明液体704.9gを得た。得られたポリシロキサンは下記平均組成式で示される。また、得られたポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は880であり、ほぼ設定通りの分子量であることが確認された。得られたポリシロキサンをポリシロキサン4とする。
(HS−C36−)0.17((EtO)3Si−S−C36−)0.17(C25O−)1.50(C817−)0.67SiO0.75
(合成例5:ポリシロキサン5)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、比較ポリシロキサン1を630g、THF600g、イミダゾール68.1g(1mol)を納めた後、室温にてジメチルフェニルクロロシラン(信越化学工業株式会社製 LS−2000)154.6g(1mol)を滴下した。その後、室温にて5時間攪拌した。その後、濾過、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮、濾過することで無色透明液体730.1gを得た。得られたポリシロキサンは下記平均組成式で示される。また、得られたポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は950であり、ほぼ設定通りの分子量であることが確認された。得られたポリシロキサンをポリシロキサン5とする。
(PhMe2Si−S−C36−)0.33(C25O−)1.50(C817−)0.67SiO0.75
(実施例1〜14および比較例1〜6)
下記第1表に示す成分(加硫促進剤、硫黄以外)を同表に示す量(質量部)で、1.7L密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却させた後、同バンバリーミキサーにてこれに、加硫促進剤、硫黄を配合し混合してタイヤトレッド用ゴム組成物を製造した。
第1表中、SBR1の量について、上段の値はSBR1(油展品)の量(単位:質量部)であり、下段の値は、SBR1に含まれるSBRの正味の量(単位:質量部)である。
(ムーニースコーチ)
調製したゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じて、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムを測定した。測定した値は、比較例3の値を100とする指数で表し、下記第1表に示した。指数が大きいほどスコーチ性が良好であることを示す。
(ペイン効果)
調製したゴム組成物(未加硫)について、歪せん断応力測定機(RPA2000、α−テクノロジー社製)を用い、160℃で20分間加硫した後、歪0.28%の歪せん断応力G′と歪30.0%の歪せん断応力G′とを測定し、その差G′0.28(MPa)−G′30.0(MPa)をペイン効果として算出した。
算出した結果は、比較例3を100とする指数として表し、下記第1表に示した。この指数が小さいほどペイン効果が小さくシリカの分散性が優れることを意味する。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・SBR1:E581(油展品(SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を含む。SBR1中のSBRの正味は72.7質量%)、スチレン含有量:40質量%、ビニル結合量:44%、重量平均分子量:1,260,000、旭化成社製)
・SBR2:Nipol Ns460(油展品(SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を含む。SBR2中のSBRの正味は72.7質量%)、スチレン含有量:27質量%、ビニル結合量:69%、重量平均分子量:850,000、日本ゼオン社製)
・BR:Nipol BR1220(日本ゼオン社製)
・シリカ1:Zeosil 1165MP(N2SA=165m2/g、ローディア社製)
・シリカ2:Zeosil Premium 200MP(N2SA=200m2/g、ローディア社製)
・カーボンブラック:シースト6(N2SA=119m2/g、東海カーボン社製)
・シランカップリング剤1:Si69(エボニックデグッサ社製)
・シランカップリング剤2:Si363(エボニックデグッサ社製)
・比較ポリシロキサン1、2:上述のとおり合成された比較ポリシロキサン1、2
・ポリシロキサン3〜5:上述のとおり合成されたポリシロキサン3〜5
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:サントフレックス6PPD(フレキシス社製)
・アロマオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤1:ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:ソクシノールD−G(住友化学社製)
第1表から明らかなように、上記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンをシランカップリング剤として配合した実施例1〜14のゴム組成物は、シリカの分散性を維持しながら、良好なスコーチ性を有することが分かる。
具体的には、実施例1〜14のゴム組成物は、メルカプト基を有する従来公知のシランカップリング剤2を配合した系(比較例3、5)と比較して、いずれも、シリカの分散性は同等以上であり、かつ、スコーチ性は良好であった。なお、メルカプト基を有しないシランカップリング剤1を配合した比較例4については、スコーチ性は良好であるもののシリカの分散性に劣っていた。
また、比較例1、2はいずれもシランカップリング剤としてポリシロキサンを配合した系であるが、上記ポリシロキサンは上記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンとは異なるものである。このような比較例1、2のスコーチ性は、ポリシロキサン骨格を有さない硫黄含有カップリング剤2を配合した系(比較例3、5)と比較すると良好であったが、実施例1〜14よりは低く、要求レベルを満たすものではなかった。
実施例1と2と3との比較、実施例4と5と8との比較、実施例10と11と9との比較、および、実施例12と13との比較から、上記式(1)中のaが0.10超である実施例1、2、4、5、10、11よりも、上記式(1)中のaが0.10以下である実施例3、8、9、13の方がスコーチ性は良好であった。
また、実施例1と2との比較、実施例4と5との比較、および、実施例10と11との比較から、上記式(3)中のR3がアリール基である実施例1、4、10よりも、上記式(3)中のR3がアルコキシである実施例2、5、11の方がスコーチ性は良好であった。
また、実施例1と4との比較、実施例2と5との比較、実施例3と8との比較、実施例9と13との比較、および、実施例10と12との比較から、シランカップリング剤の含有量が、シリカの含有量に対して14質量%超である実施例4、5、8、13、12よりも、シリカの含有量に対して14質量%以下である実施例1、2、3、9、10の方がスコーチ性は良好であった。
実施例1と7との比較、および、実施例9と14との比較から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体のスチレン含有量が30質量%未満であり、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量が60%超である実施例7、14よりも、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体のスチレン含有量が30質量%以上であり、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量が60%以下である実施例1、9の方がスコーチ性およびシリカ分散性ともに良好であった。
実施例1と10との比較、実施例2と11との比較、実施例3と9との比較、実施例4と12との比較、および、実施例8と13との比較から、シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)が180〜230m2/gである実施例10、11、9、12、13の方が、スコーチ性が良好であった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を含有し、
    前記シランカップリング剤が、下記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンであり、
    前記シリカの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜150質量部であり、
    前記シランカップリング剤の含有量が、前記シリカの含有量に対して1〜20質量%であり、
    前記ジエン系ゴムの50質量%以上が、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体であり、
    前記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体が、芳香族ビニル含有量が30〜45質量%であり、共役ジエン中のビニル結合量が30〜60%である、タイヤトレッド用ゴム組成物。
    (A)a(B)b(C)c(R11d(R12eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
    (式(1)中、Aは下記式(2)で表される基、Bは下記式(3)で表される基、Cは加水分解性基、R11は炭素数4〜10の1価の炭化水素基、R12は炭素数1〜3の1価の炭化水素基を表す。a〜eは、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、0<a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。)
    −(CH 2 n −SH (2)
    (式(2)中、nは1〜10の整数を表す。*は結合位置を表す。)
    −(CH 2 m −S−] p Si(R 3 ) 4-p (3)
    (式(3)中、mは1〜10の整数、pは1〜4の整数、R 3 は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。R 3 が複数ある場合、複数あるR 3 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。*は結合位置を表す。)
  2. 前記式(1)中、Cが下記式(4)で表される基である、請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
    −OR4 (4)
    (式(4)中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を表す)
  3. 前記シリカの窒素吸着比表面積が、100〜300m2/gである請求項1または2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
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