JP6067847B2 - 航空機化粧室用非常時酸素装置 - Google Patents

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Description

本発明は広くは、客室与圧の減少時に作動する、通常民間航空機に搭載されるものなどの非常時酸素供給システムに関する。より具体的には、本発明は、航空機に搭載しなければならない酸素の総量を低減できる供給酸素の使用効率の向上に関する。
非常時酸素供給システムは通常、高度約10,000フィート以上における客室与圧の減少時に乗客に酸素を供給する目的で、航空機に装備される。こうしたシステムは典型的には、必要時にオーバヘッドストレージコンパートメントから解除され、口と鼻上にフィットするように作られたフェースマスクを備える。
マスクから供給される補助酸素によって、マスク使用者の血中酸素飽和度は、その時の客室与圧高度状態で外気を呼吸した時の飽和度を超えて上昇する。該システムで供給される酸素流は、客室与圧が回復するまで、あるいはより安全な低高度に達するまで、すべての乗客に十分供給できるように計算されている。
こうしたフェースマスクにはそれぞれ、システムが稼働し、ひもを引っ張ることによって個々のフェースマスクが作動した時に、一定の酸素流が流れ込む貯蔵バッグが取り付けられている。酸素は、最悪のシナリオに対応するように、すなわち、客室与圧が最高の巡航高度で減少し、平均より早い呼吸数で呼吸する平均よりはるかに大きな吸気量の乗客のニーズを満たすように計算された速度で連続的に供給される。マスクに付随する合計3つのバルブが、バッグとマスクの間およびマスクと周囲の間の流れを調整する。吸気弁は、乗客の呼気の間および呼気後の休止の間は酸素のバッグ内への流入を制限し、また、マスクからバッグへの流入は、いずれであっても常に防ぐ。乗客の吸気時は、吸気弁が開いてバッグに蓄積された酸素が吸入される。蓄積された酸素がなくなると、希釈弁が開いて客室空気がマスク内に吸引される。これにより、バッグ内に流入し開いた吸気弁を通ってマスク内に流入する酸素の連続流は、吸気相の平衡の間に、吸引された客室空気によって希釈される。呼気の間は、呼気弁が開いてマスクから周囲に自由に流れるが、吸気弁は閉じてマスクからバッグ内への逆流は防がれる。呼気後の休止の間、これら3つのバルブはすべて閉じているが、酸素は貯蔵バッグ内に流入し続ける。
非常時酸素供給システムが非効率であると、酸素貯蔵手段あるいは酸素生成手段が必要以上に大きく、従って重くなり得るが、これは勿論、航空機の最大積載量や燃費に悪影響を与える。従って、こうしたシステムの酸素の生成、貯蔵、分配または消費のいずれかの点に関する効率を上げることによって軽量化が図られる。逆に、相応の小型化なしにシステムの効率を上げれば、システム作動時の安全性が向上するであろう。従って、非常時酸素供給システムの効率を任意の可能な方法で上げることは非常に望ましい。
航空機の客室与圧減少時に使用される非常時酸素供給システムは、乗客の血流中へのこうした酸素の移動効率を最大化するように、各乗客に酸素割り当て分を供給し、この割り当て分の供給を調節するように構成されている。各割り当て分の供給は、酸素移動における肺領域への吸気に割り当て分全体が最も効率的に利用されるように選択され、割り当て分の量は、こうした肺領域の容積と実質的に一致するように選択される。
化学的酸素発生機での化学反応は発熱反応であり、該発生機から放出される熱は、航空機装置内で処理されなければならない。熱によって近くの航空機部品が損傷する恐れがあり、この熱処理によって、航空機装置のコストと重量はさらに上昇する。
2011年3月に、FAAから耐空性改善通報(AD)2011−04−09が出され、航空機化粧室から化学的酸素発生機を除去または稼働を停止することが要求されている(BEAFS−88039/86205の討議参照)。このADは、航空機化粧室で利用可能な補助的非常時酸素を要求するFAR25.1447と矛盾する。
作動時に実質的に熱を生成せず、航空機化粧室用の化学的酸素発生機の代替として貯蔵酸素源を設けることによって、FAAの耐空性改善と航空機化粧室で利用可能な補助的非常時酸素を要求する規則との矛盾を解決する、呼吸に適した補助酸素を分配する航空機非常時酸素分配装置を提供することが望ましいであろう。
また、酸素の貯蔵量が低減され、それによってシステムが軽量化されるこうした航空機非常時酸素分配装置の提供も望ましいであろう。また、既存の航空機酸素発生機の寸法枠内に適合するように構成された航空機非常時酸素分配装置であって、サイズ、重量および機能的に、既存の航空機化学的酸素発生機の直接の代替品として組み込まれて、航空機内の既存の装置の変更の必要性を低減または削減できるこうした酸素分配装置を提供することも望ましいであろう。また、航空機化学的酸素発生機と実質的に同じ方法で作動し、該発生機と同じ方法で航空機乗客や乗務員が使用でき、そのために、追加または新規のトレーニングや乗務員による説明の必要がないこうした航空機非常時酸素分配装置を提供することも望ましいであろう。本発明はこうしたニーズやその他のニーズを満たす。
簡潔にまた一般的に述べると、本発明によって、使用者の呼吸に適した少量の補助酸素を分配する航空機客室内で使用される航空機非常時酸素分配装置であって、航空機化粧室用の非化学的酸素源を提供し、作動時に実質的に熱を発生させず、化学的酸素発生機の熱処理の懸念を低減または削減し、必要とする酸素量が少なく、従って、貯蔵酸素量とシステム重量とを低減することによって、FAAの耐空性改善と航空機化粧室で利用可能な補助的非常時酸素を要求する規則との矛盾を解決する分配装置が提供される。酸素貯蔵容器およびハードウェアは、航空機化学的酸素発生機の寸法枠内に適合するように十分に小型であるため、該装置は、サイズ、重量および機能的に、該発生機の直接の代替品として使用できる。
従って、本発明によって、使用者の呼吸に適した少量の補助酸素を分配する、航空機客室で使用される航空機非常時酸素分配装置が提供される。該装置は、呼吸に適した純度のガス状酸素を貯蔵するように構成された酸素貯蔵容器と、マニホールドと、圧力調整器と、1つまたは複数の流量制御弁と、流量調整器と、を備える。現在好適な態様では、酸素貯蔵容器は、破壊できる圧力シールによってシールされ、圧力シールは、それが破壊するまで酸素貯蔵容器からの流出をシールするように構成されている。別の現在好適な態様では、圧力シールは、破壊されて酸素貯蔵容器を開き該容器から酸素を流出させ得る脆弱な材料で形成された破裂板である。
マニホールドは好適には、流体連結で酸素貯蔵容器に接続され、酸素貯蔵容器から第1の酸素圧の酸素流を受け入れるように構成されている。別の現在好適な態様では、圧力シールはマニホールド内に配置され、マニホールドは好適には、圧力シールを破壊して酸素貯蔵容器から酸素を流出させるように構成された開始部を備える。現在好適な態様では、開始部は、破裂板を機械的に破壊するように構成された槍を備える。別の現在好適な態様では、開始部は、手動で始動するように構成されている。別の現在好適な態様では、開始部は、手動で回転されて槍を前進させ、圧力シールを機械的に破壊するように構成されたレバーを備える。別の現在好適な態様では、開始部は、電子的に始動するように構成されている。
圧力調整器は、流体連結でマニホールドに接続されて酸素貯蔵容器からマニホールド経由で第1の酸素圧の酸素流を受け入れ、第1の酸素圧より低い第2の酸素圧で酸素流を供給するように構成されている。1つまたは複数の流量制御弁は、流体連結で圧力調整器に接続されて圧力調整器から1つまたは複数の呼吸マスクに供給される第2の酸素圧の酸素流を受け入れて計量し、流量調整器は、1つまたは複数の流量制御弁に接続されている。現在好適な態様では、流量調整器は、航空機内の客室周囲気圧を示す客室周囲気圧センサに接続されて、該センサから客室周囲気圧信号を受け取るようにも構成されており、流量調整器は、1つまたは複数の呼吸マスクに供給する酸素量を決定し、客室周囲気圧信号に応じて、1つまたは複数の流量制御弁の作動を制御するように構成されている。別の現在好適な態様では、流量調整器は、航空機の初期高度において、およびその後の降下の少なくとも一部の間、迅速に酸素を供給するように構成されている。
別の現在好適な態様では、航空機非常時酸素分配装置は、酸素貯蔵容器、マニホールド、圧力調整器、1つまたは複数の流量制御弁および流量調整器の少なくとも一部を被覆するコンテナ筐体を備える。別の現在好適な態様では、航空機非常時酸素分配装置は、流量調整器および1つまたは複数の流量制御弁に電力を供給するように構成された電源を備え、コンテナ筐体は、電源の少なくとも一部を被覆する。別の現在好適な態様では、航空機非常時酸素分配装置は、流量調整器に接続されて、航空機の客室周囲気圧を検知し該気圧を示す客室気圧信号を生成するように構成された客室周囲気圧センサを備え、コンテナ筐体は、客室周囲気圧センサの少なくとも一部を被覆する。
別の現在好適な態様では、流量調整器および1つまたは複数の流量制御弁は、化学的酸素発生機によって提供される量より少ない、1つまたは複数の呼吸マスクへの少量の酸素を計量し、一方、航空機が減圧状態の場合には、低酸素症防止に相当するレベルの酸素を供給するように構成されている。別の現在好適な態様では、1つまたは複数の流量制御弁は、1つまたは複数の呼吸マスクへの酸素流を、使用者の呼吸サイクルの間に予め選択された酸素量だけが該呼吸マスクに十分に流れる該呼吸サイクル間のある期間に制限するように構成されている。
別の現在好適な態様では、航空機非常時酸素分配装置は、1つまたは複数の呼吸マスク内の圧力を示す呼吸マスク気圧信号を生成するように構成された呼吸マスク気圧センサを備え、流量調整器は、呼吸マスク気圧信号を受け取るように接続され、呼吸マスク気圧信号に応じて、使用者の呼吸サイクルの間に予め選択された酸素量だけが1つまたは複数の呼吸マスクに十分に流れる該呼吸サイクル間のある期間、該呼吸マスクへ酸素流を切り替えるように1つまたは複数の流量制御弁を制御するように構成されている。
別の現在好適な態様では、流量調整器は、1つまたは複数の呼吸マスクに連続的に流れるように酸素流を調節するように、1つまたは複数の流量制御弁を制御するように構成されている。別の現在好適な態様では、流量調整器は、1つまたは複数の呼吸マスクに連続的に流れるように酸素流を調節するように、客室周囲気圧信号に基づいて1つまたは複数の流量制御弁を制御するように構成されている。
別の現在好適な態様では、航空機非常時酸素分配装置は、1つまたは複数の流量制御弁から第2の酸素圧の酸素流を受け入れるように接続された1つまたは複数の呼吸マスクを備え、該呼吸マスクは、流量調整器に接続されて使用者の呼吸を監視する少なくとも1つの対応する呼吸マスク気圧センサに接続され、1つまたは複数の流量制御弁は、少なくとも1つの呼吸マスク気圧センサに応じて流量調整器により制御される。別の現在好適な態様では、少なくとも1つの呼吸マスク気圧センサは、1つまたは複数の呼吸マスクを通して吸入する使用者によって生じた減圧差を検知して、減圧差信号を生成するように構成され、1つまたは複数の流量制御弁は、減圧差信号に応じて流量調整器により制御される。別の現在好適な態様では、少なくとも1つの呼吸マスク気圧センサは、1つまたは複数の呼吸マスク内に配置される。別の現在好適な態様では、呼吸マスク気圧センサは、電気空気圧センサであってもよい。
本発明のこれらおよび他の特長と利点は、以下の好適な実施形態の詳細な説明と添付図とからより明らかになるであろう。添付図は、本発明の作用を例示として示すものである。
本発明による航空機非常時酸素分配装置の第1の実施形態の概略図である。 図1の航空機非常時酸素分配装置の内部部品を示す第1の側面図である。 図1の航空機非常時酸素分配装置の内部部品を示す第2の側面図である。 図1の航空機非常時酸素分配装置の内部部品を示す第1の斜視図である。 図1の航空機非常時酸素分配装置の内部部品を示す第2の斜視図である。 コンテナ筐体、防護カバー部または組立体キャップを備える、図1の航空機非常時酸素分配装置の完全な組立体の側面図である。 本発明による航空機非常時酸素分配装置の第2の実施形態の概略図である。 図7の航空機非常時酸素分配装置の内部部品を示す第1の斜視図である。 図7の航空機非常時酸素分配装置の内部部品を示す第2の斜視図である。 図7の航空機非常時酸素分配装置の内部部品を示す第3の斜視図である。 コンテナ筐体、防護カバー部または組立体キャップを備える、図7の航空機非常時酸素分配装置の完全な組立体の側面図である。 本発明による航空機非常時酸素分配装置の第3の実施形態の概略図である。 図12の航空機非常時酸素分配装置の内部部品を示す側面図である。 コンテナ筐体、防護カバー部または組立体キャップを備える、図12の航空機非常時酸素分配装置の完全な組立体の側面図である。 本発明による航空機非常時酸素分配装置の第4の実施形態の概略図である。 図15の航空機非常時酸素分配装置の内部部品を示す斜視図である。 コンテナ筐体、防護カバー部または組立体キャップを備える、図15の航空機非常時酸素分配装置の完全な組立体の側面図である。
限定するものではなく例示として提示された図面を参照して、本発明は、使用者の呼吸に適した少量の補助酸素を供給するために、民間および軍用航空機で使用される航空機化粧室用非常時酸素装置を提供する。
本発明の航空機化粧室用非常時酸素装置は好適には、化学的酸素発生機に割り当てられた既存のスペース内に適合するように構成・寸法付けられて、既存の化学的酸素発生機システム内に組み込まれ得る、非化学的・自給式の酸素分配装置である。また、本発明には、少量のガス状酸素を分配するために、電子制御、電源およびハードウェアが組み込まれている。従来の化学的酸素発生機の取り換えのため、あるいは航空機の化粧室あるいは他の場所に補助酸素を供給するために、貯蔵容器と制御装置が単一のコンテナに組み込まれている。単一のパッケージ内での自己充足によって、デザイン改良が可能となる。
化学的酸素発生機に頼ることなく、また既存の装備を著しく変更することなく、航空機化粧室に酸素を供給することによって、航空機化粧室から化学的酸素発生機を除去または稼働を停止させることを要求する耐空性改善通報2011−04−09と、航空機化粧室で利用できる補助的非常時酸素を要求するFAR25.1447と、の間の矛盾を解決することが望ましいであろう。
図1〜6を参照して、第1の実施形態では、本発明は従って、呼吸に適した補助酸素を供給するために、民間および軍用航空機で使用される航空機化粧室用非常時酸素装置10を提供する。該装置は、好適には圧力シール14でシールされて該シールが破壊されるまで酸素の流出を防止する、高圧のガス状酸素を貯蔵する小型の高圧酸素貯蔵容器12を備える。また、該圧力シールによって、容器が過剰圧力から保護される。圧力シールは、例えば、破壊されて酸素貯蔵容器を開き酸素を流出させ得る脆弱な材料で形成された破裂板であってもよい。小型の高圧酸素貯蔵容器内の圧力は典型的には、例えば約3000psiであるが、他の同様な貯蔵圧力も適切であり得る。
マニホールド16は、流体連結で酸素貯蔵容器および圧力調整器18に接続されており、該調整器は、流体連結でマニホールドに接続されて、酸素貯蔵容器からマニホールド経由で高圧の第1の酸素圧の酸素流を受け入れる。圧力調整器は、第1の酸素圧より低い第2の酸素圧で酸素流を供給するように構成されている。現在好適な態様では、より低圧の第2の酸素圧は16psigであるが、同様の低酸素圧も適切であり得る。現在好適な態様では、酸素貯蔵容器の圧力シールは、以下にさらに説明するように、マニホールド内に配置される。
1つまたは複数の流量制御弁20は、流体連結で圧力調整器に接続され、流量調整器22は、1つまたは複数の流量制御弁に接続されて該制御弁の作動を制御する。流量調整器は典型的には、電子部品であることが好ましく、例えば、1つまたは複数のプリント回路基板(PCB)で構成されていてもよい。流量調整器は好適には、航空機の初期高度が例えば30,000フィート以上において、およびその後の降下の少なくとも一部の間(例えば10,000フィート以上で典型的には約12〜22分間など)、例えば一人または複数人に迅速に酸素を供給するように構成されている。
図1〜4に示すように、航空機化粧室用非常時酸素装置は好適には、コンテナ筐体内に配置され、流量調整器および1つまたは複数の流量制御弁に電力を供給するように構成された電源24を備える。電源は、1個または複数個のバッテリーを含む小型のバッテリーパックであってもよく、あるいは該装置は、例えば外部バッテリーなどの別のタイプの電源を使用して、あるいは航空機電源に接続されて、必要な電力を得てもよい。
マニホールドは、圧力シールを破壊して酸素貯蔵容器から酸素を流出させるように構成された開始部26を備え、該貯蔵容器から第1の酸素圧の酸素流を受け入れる。開始部は好適には、破裂板を機械的に破壊するように構成された槍28を備える。現在好適な態様では、開始部は、電子的に始動し得るシールされた電気点火式アクチュエーター30であってもよい。あるいは、酸素貯蔵容器の下流側で適切な圧力シールが維持され、また要望通りに開かれる限り、破裂板を破壊する他の装置も適切であり得る。
図1〜5に示すように、航空機化粧室用非常時酸素装置は好適には、流量調整器に接続され、コンテナ筐体内に配置された客室周囲気圧センサ34を備える。客室周囲気圧センサは典型的には、流量調整器のPCBに接続されたトランスデューサであり、航空機の客室周囲気圧を検知し、該気圧を示す客室周囲気圧信号36を生成するように構成されている。1つまたは複数の流量制御弁は流量制御弁出口38をそれぞれ有し、それぞれ対応する流量制御弁出口に接続された1つまたは複数の呼吸マスク40への圧力調整器からの第2の酸素圧の酸素流を受け入れ、パルス酸素システムによって1つまたは複数の呼吸マスクへの少量の酸素を計量することにより第2の酸素圧の酸素流を計量する。ここで、流量調整器は、航空機内の客室周囲気圧センサから客室周囲気圧信号を受け取り、1つまたは複数の呼吸マスクに供給する酸素量を決定し、該信号に応じて、1つまたは複数の流量制御弁の作動を制御するように構成されている。現在好適な態様では、計量されて1つまたは複数の呼吸マスクに供給される酸素の少量は、化学的酸素発生機で典型的に供給される量よりは少なく、一方、航空機が減圧状態の場合には、低酸素症防止に相当するレベルの酸素がパルス酸素システムにより供給される。パルス酸素システムは典型的には、例えば、使用者の呼吸数に準じるなどの使用者の実際の酸素要求に対する関数として、それぞれ個々の使用者への酸素割り当て分を調節する。ここで、米国特許第7,588,032号(参照により本明細書に援用される)に記載されているように、使用者の呼吸が速ければ速いほど、酸素割り当て分の供給速度は速くなる。
1つまたは複数の呼吸マスクは典型的には、1つまたは複数の流量制御弁から第2の酸素圧の酸素流を受け入れるために接続され、電気空気圧センサなどの、典型的には呼吸マスクに接続されるか、例えばその中に配置される呼吸マスク気圧センサ46は、使用者の呼吸を監視するとともに流量調整器に接続され、これにより、1つまたは複数の流量制御弁は、呼吸マスク気圧センサに応じて、流量調整器により制御可能となる。パルス酸素システムでは、1つまたは複数の流量制御弁は、1つまたは複数の呼吸マスクへの酸素流を、使用者のそれぞれの呼吸サイクルの間に予め選択された酸素量だけが該呼吸マスクに十分に流れる該それぞれの呼吸サイクル間のある期間に制限するように構成されている。1つまたは複数の流量制御弁は、例えば、1つまたは複数の呼吸マスク内の圧力を検知するように構成された圧力センサからの呼吸マスク気圧信号に応じて、使用者のそれぞれの呼吸サイクルの間の該期間に該呼吸マスクへ酸素流を切り替える電磁弁であってもよい。現在好適な態様では、呼吸マスク気圧センサは、1つまたは複数の呼吸マスクを通して吸入する使用者によって生じた減圧差を検知し、流量調整器によって受け取られる減圧差信号48を生成する。これにより、1つまたは複数の流量制御弁は、減圧差信号に応じて、流量調整器により制御可能となる。
図6に示すように、航空機化粧室用非常時酸素装置は好適には、流量調整器、流量および圧力制御部品、および電源の組立体を被覆し、これらの部品をシール・保護するコンテナ筐体、保護カバー部、覆いまたは組立体キャプ50を備える。典型的には、コンテナ筐体、保護カバー部、覆いまたは組立体キャプは一般にチューブ状であり、その大きさは典型的には、例えば、径が約2.75インチ、長さが約8インチであってもよい。現在好適な態様では、コンテナ筐体部または組立体カプセルと貯蔵容器とを結合した組立体の大きさは、航空機内の化学的酸素発生機に割り当てられた既存のスペース枠内に組み込まれるように決定される。別の現在好適な態様では、酸素貯蔵容器は使い捨ての酸素貯蔵容器であるが、あるいは、再使用可能な酸素貯蔵容器であってもよい。
図7〜11を参照して、第2の実施形態では、本発明は、呼吸に適した補助酸素を供給するために、民間および軍用航空機で使用される航空機化粧室用非常時酸素装置110を提供する。該装置は、好適には圧力シール114でシールされて該シールが破壊されるまで酸素の流出を防止する、高圧のガス状酸素を貯蔵する小型の酸素貯蔵容器112を備える。圧力シールは、例えば、破壊されて酸素貯蔵容器を開き酸素を流出させ得る脆弱な材料で形成された破裂板であってもよい。
マニホールド116は、流体連結で酸素貯蔵容器および圧力調整器118に接続されており、該調整器は、流体連結でマニホールドに接続されて、酸素貯蔵容器からマニホールド経由で高圧の第1の酸素圧の酸素流を受け入れる。圧力調整器は、第1の酸素圧より低い第2の酸素圧で酸素流を供給するように構成されている。現在好適な態様では、第2の酸素圧は16psigである。現在好適な態様では、圧力シールはマニホールド内に配置される。
1つまたは複数の流量制御弁120は、流体連結で圧力調整器に接続され、流量調整器122は、1つまたは複数の流量制御弁に接続されて該制御弁の作動を制御する。流量調整器は典型的には、航空機の初期高度が例えば30,000フィート以上において、およびその後の降下の少なくとも一部の間(例えば10,000フィート以上で典型的には約12〜22分間など)、例えば一人または複数人に迅速に酸素を供給するように構成されている。
別の現在好適な態様では、航空機化粧室用非常時酸素装置は、流量調整器および1つまたは複数の流量制御弁に電力を供給するように構成された電源124を備え、電源は、以下にさらに説明するように、例えばコンテナ筐体内に配置されても、あるいは該筐体によって保護されていてもよい。電源は、1個または複数個のバッテリーを含む小型のバッテリーパックであってもよく、あるいは該装置は、例えば外部バッテリーなどの別のタイプの電源を使用して、あるいは航空機電源に接続されて、必要な電力を得てもよい。
マニホールドは、圧力シールを破壊して酸素貯蔵容器から酸素を流出させるように構成された開始部126を備え、該貯蔵容器から第1の酸素圧の酸素流を受け入れる。開始部は好適には、破裂板を機械的に破壊するように構成された槍128を備える。図8〜11に示すように、開始部は、レバー132またはホイールを回転させて槍を前進させ圧力シールを機械的に破壊するなどの、手動で始動するように構成されていてもよい。あるいは、酸素貯蔵容器の下流側で適切な圧力シールが維持され、また要望通りに開かれる限り、破裂板を破壊する他の装置も適切であり得る。
図7〜10に示すように、航空機化粧室用非常時酸素装置は好適には、流量調整器に接続され、コンテナ筐体内に配置された客室周囲気圧センサ134を備える。客室周囲気圧センサは典型的には、流量調整器のPCBに接続されたトランスデューサであり、航空機の客室周囲気圧を検知し、該気圧を示す客室周囲気圧信号136を生成するように構成されている。1つまたは複数の流量制御弁は流量制御弁出口138をそれぞれ有し、それぞれ対応する流量制御弁出口に接続された1つまたは複数の呼吸マスク140への圧力調整器からの第2の酸素圧の酸素流を受け入れ、パルス酸素システムによって1つまたは複数の呼吸マスクへの少量の酸素を計量することにより第2の酸素圧の酸素流を計量する。ここで、流量調整器は、航空機内の客室周囲気圧センサから客室周囲気圧信号を受け取り、1つまたは複数の呼吸マスクに供給する酸素量を決定し、該信号に応じて1つまたは複数の流量制御弁の作動を制御する。現在好適な態様では、計量されて1つまたは複数の呼吸マスクに供給される酸素の少量は、化学的酸素発生機で典型的に供給される量よりは少なく、一方、航空機が減圧状態の場合には、低酸素症防止に相当するレベルの酸素がパルス酸素システムにより供給される。パルス酸素システムは典型的には、例えば、使用者の呼吸数に準じるなどの使用者の実際の酸素要求に対する関数として、それぞれ個々の使用者への酸素割り当て分を調節する。ここで、米国特許第7,588,032号(参照により本明細書に援用される)に記載されているように、使用者の呼吸が速ければ速いほど、酸素割り当て分の供給速度は速くなる。
パルス酸素システムでは、1つまたは複数の流量制御弁は、1つまたは複数の呼吸マスクへの酸素流を、使用者のそれぞれの呼吸サイクルの間に予め選択された酸素量だけが該呼吸マスクに十分に流れる該それぞれの呼吸サイクル間のある期間に制限するように構成されている。1つまたは複数の流量制御弁は、例えば、1つまたは複数の呼吸マスク内の圧力を検知するように構成された圧力センサからの呼吸マスク気圧信号に応じて、使用者のそれぞれの呼吸サイクルの間の該期間に該呼吸マスクへ酸素流を切り替える電磁弁であってもよい。1つまたは複数の呼吸マスクは典型的には、1つまたは複数の流量制御弁から第2の酸素圧の酸素流を受け入れるために接続され、電気空気圧センサなどの、典型的には呼吸マスクに接続されるか、例えばその中に配置されて使用者の呼吸を監視する呼吸マスク気圧センサ146は、流量調整器に接続されており、これにより、1つまたは複数の流量制御弁は、呼吸マスク気圧センサに応じて、流量調整器により制御可能となる。現在好適な態様では、呼吸マスク気圧センサは、1つまたは複数の呼吸マスクを通して吸入する使用者によって生じた減圧差を検知し、流量調整器によって受け取られる減圧差信号148を生成する。これにより、1つまたは複数の流量制御弁は、減圧差信号に応じて、流量調整器により制御可能となる。
コンテナ筐体、保護カバー部、覆いまたは組立体キャプ150は、酸素貯蔵容器、流量調整器、流量および圧力制御部品、および電源を被覆してこれらの部品をシール・保護し、その大きさは典型的には、例えば、径が約2.75インチ、長さが約8インチであってもよい。現在好適な態様では、コンテナ筐体部または組立体カプセルと貯蔵容器とを結合した組立体の大きさは、航空機内の化学的酸素発生機に割り当てられた既存のスペース枠内に組み込まれるように決定される。別の現在好適な態様では、酸素貯蔵容器は使い捨ての酸素貯蔵容器であるが、あるいは、再使用可能な酸素貯蔵容器であってもよい。
図12〜14に示す第3の現在好適な実施形態では、1つまたは複数の流量制御弁は、調節された酸素システム(MOS)などによって、1つまたは複数の呼吸マスクに連続的に流れるように酸素流を調節するように構成されている。航空機化粧室用非常時酸素装置210は、好適には圧力シール214でシールされて該シールが破壊されるまで酸素の流出を防止する、高圧のガス状酸素を貯蔵する小型の酸素貯蔵容器212を備える。圧力シールは、例えば、破壊されて酸素貯蔵容器を開き酸素を流出させ得る脆弱な材料で形成された破裂板であってもよい。
マニホールド216は、流体連結で酸素貯蔵容器に接続されており、圧力調整器218は、流体連結でマニホールドに接続されて、マニホールド経由で第1の酸素圧の酸素流を受け入れる。圧力調整器は、第1の酸素圧より低い第2の酸素圧で酸素流を供給するように構成されている。現在好適な態様では、第2の酸素圧は16psigである。
1つまたは複数の流量制御弁220は、流体連結で圧力調整器に接続され、流量調整器222は、1つまたは複数の流量制御弁に接続されて該制御弁の作動を制御する。流量調整器は典型的には、航空機の初期高度が例えば30,000フィート以上において、およびその後の降下の少なくとも一部の間(例えば10,000フィート以上で典型的には約12〜22分間など)、例えば一人または複数人に迅速に酸素を供給するように構成されている。
図12に示すように、圧力シールはマニホールド内に配置される。別の現在好適な態様では、航空機化粧室用非常時酸素装置は、流量調整器および1つまたは複数の流量制御弁に電力を供給するように構成された電源224を備え、電源は、以下にさらに説明するように、例えばコンテナ筐体内に配置されても、あるいは該筐体によって保護されていてもよい。電源は、1個または複数個のバッテリーを含む小型のバッテリーパックであってもよく、あるいは該装置は、例えば外部バッテリーなどの別のタイプの電源を使用して、あるいは航空機電源に接続されて、必要な電力を得てもよい。
マニホールドは、圧力シールを破壊して酸素貯蔵容器から酸素を流出させるように構成された開始部226を備え、該貯蔵容器から第1の酸素圧の酸素流を受け入れる。開始部は好適には、破裂板を機械的に破壊するように構成された槍228を備える。現在好適な態様では、開始部は、電子的に始動し得るシールされた電気点火式アクチュエーター230であってもよい。あるいは、酸素貯蔵容器の下流側で適切な圧力シールが維持され、また要望通りに開かれる限り、破裂板を破壊する他の装置も適切であり得る。
図12と13を参照して、航空機化粧室用非常時酸素装置は好適には、流量調整器に接続され、コンテナ筐体内に配置された客室周囲気圧センサ234を備える。客室周囲気圧センサは典型的には、流量調整器のPCBに接続されたトランスデューサであり、航空機の客室周囲気圧を検知し、該気圧を示す客室周囲気圧信号236を生成するように構成されている。1つまたは複数の流量制御弁は流量制御弁出口238をそれぞれ有し、それぞれ対応する流量制御弁出口に接続された1つまたは複数の呼吸マスク240への圧力調整器からの第2の酸素圧の酸素流を受け入れ、パルス酸素システムによって1つまたは複数の呼吸マスクへの少量の酸素を計量することにより第2の酸素圧の酸素流を計量する。ここで、流量調整器は、航空機内の客室周囲気圧センサから客室周囲気圧信号を受け取り、1つまたは複数の呼吸マスクに供給する酸素量を決定し、該信号に応じて、1つまたは複数の流量制御弁の作動を制御する。
調節された酸素システムでは、1つまたは複数の流量制御弁は、航空機内の客室周囲気圧に基づいて、1つまたは複数の呼吸マスクに連続的に流れるように酸素流を調節するように構成されている。調節された酸素システムでは、1つまたは複数の吸気弁は、例えば、全開と全閉状態間で複数の状態を設定でき、適切なセンサや適切な制御ロジックと組み合わされて、航空機の高度範囲で効率的に作動できる二位置電磁弁などの開閉吸気弁、あるいは1つまたは複数の電動弁であってもよい。これらの技術では、航空機が減圧状態の場合に供給する低酸素症防止に相当するレベルの酸素量は、化学的酸素発生機より少ない。
図14に示すように、コンテナ筐体、保護カバー部、覆いまたは組立体キャプ250は、流量調整器、流量および圧力制御部品、および電源を被覆してこれらの部品をシール・保護し、典型的には、その形状は一般にチューブ状であり、大きさは典型的には、例えば、径が約2.75インチ、長さが約8インチであってもよい。現在好適な態様では、コンテナ筐体部または組立体カプセルと貯蔵容器とを結合した組立体の大きさは、航空機内の化学的酸素発生機に割り当てられた既存のスペース枠内に組み込まれるように決定される。別の現在好適な態様では、酸素貯蔵容器は使い捨ての酸素貯蔵容器であるが、あるいは、再使用可能な酸素貯蔵容器であってもよい。
図15〜17に示す第4の現在好適な実施形態では、本発明は、高圧のガス状酸素を貯蔵する小型の酸素貯蔵容器312を備える航空機化粧室用非常時酸素装置310を提供する。該貯蔵容器は好適には、破壊されるまで酸素の流出を防止する圧力シール314によってシールされている。圧力シールは、例えば、破壊されて酸素貯蔵容器を開き酸素を流出させ得る脆弱な材料で形成された破裂板であってもよい。
図15と16に示すように、航空機化粧室用非常時酸素装置は、流体連結で酸素貯蔵容器に接続されたマニホールド316を備え、圧力調整器318は、流体連結でマニホールドに接続されて、マニホールド経由で第1の酸素圧の酸素流を受け入れる。圧力調整器は、第1の酸素圧より低い第2の酸素圧で酸素流を供給するように構成されている。現在好適な態様では、第2の酸素圧は16psigである。現在好適な態様では、圧力シールはマニホールド内に配置される。
航空機化粧室用非常時酸素装置は、流体連結で圧力調整器に接続された1つまたは複数の流量制御弁320を備え、流量調整器322が該流量制御弁に接続されている。流量調整器は典型的には、航空機の初期高度が例えば30,000フィート以上において、およびその後の降下の少なくとも一部の間(例えば10,000フィート以上で典型的には約12〜22分間など)、例えば一人または複数人に迅速に酸素を供給するように構成されている。
図15と16を参照して、航空機化粧室用非常時酸素装置は、流量調整器および1つまたは複数の流量制御弁に電力を供給するように構成された電源324を備え、電源は、以下にさらに説明するように、例えばコンテナ筐体内に配置されても、あるいは該筐体によって保護されていてもよい。電源は、1個または複数個のバッテリーを含む小型のバッテリーパックであってもよく、あるいは該装置は、例えば外部バッテリーなどの別のタイプの電源を使用して、あるいは航空機電源に接続されて、必要な電力を得てもよい。
図15に示すように、マニホールドは、圧力シールを破壊して酸素貯蔵容器から酸素を流出させるように構成された開始部326を備え、該貯蔵容器から第1の酸素圧の酸素流を受け入れる。開始部は好適には、破裂板を機械的に破壊するように構成された槍328を備える。現在好適な態様では、開始部は、レバー332またはホイールを回転させて槍を前進させ圧力シールを機械的に破壊するなどの、手動で始動するように構成されていてもよい。あるいは、酸素貯蔵容器の下流側で適切な圧力シールが維持され、また要望通りに開かれる限り、破裂板を破壊する他の装置も適切であり得る。
図15と16を参照して、航空機化粧室用非常時酸素装置は好適には、流量調整器に接続され、コンテナ筐体内に配置された客室周囲気圧センサ334を備える。客室周囲気圧センサは典型的には、流量調整器のPCBに接続されたトランスデューサであり、航空機の客室周囲気圧を検知し、該気圧を示す客室周囲気圧信号336を生成するように構成されている。1つまたは複数の流量制御弁は流量制御弁出口338をそれぞれ有し、1つまたは複数の呼吸マスク340への圧力調整器からの第2の酸素圧の酸素流を受け入れ、計量する。
1つまたは複数の流量制御弁は、調節された酸素システム(MOS)などにより、1つまたは複数の呼吸マスクに連続的に流れるように酸素流を調節するように構成されている。調節された酸素システムでは、1つまたは複数の流量制御弁は、航空機内の客室周囲気圧に基づいて、1つまたは複数の呼吸マスクに連続的に流れるように酸素流を調節するように構成されている。1つまたは複数の吸気弁は、例えば、全開と全閉状態間で複数の状態を設定でき、適切なセンサや適切な制御ロジックと組み合わされて、航空機の高度範囲で効率的に作動できる二位置電磁弁などの開閉吸気弁、あるいは1つまたは複数の電動弁であってもよい。これらの技術では、航空機が減圧状態の場合に供給する低酸素症防止に相当するレベルの酸素量は、化学的酸素発生機より少ない。
図17に示すように、航空機化粧室用非常時酸素装置は好適には、酸素貯蔵容器、流量調整器、流量および圧力制御部品、および電源を被覆し、これらの部品をシール・保護し、大きさが典型的には、例えば、径が約2.75インチ、長さが約8インチであり得るコンテナ筐体、保護カバー部、覆いまたは組立体キャプ350を備える。現在好適な態様では、コンテナ筐体部または組立体カプセルと貯蔵容器とを結合した組立体の大きさは、航空機内の化学的酸素発生機に割り当てられた既存のスペース枠内に組み込まれるように決定される。別の現在好適な態様では、酸素貯蔵容器は使い捨ての酸素貯蔵容器であるが、あるいは、再使用可能な酸素貯蔵容器であってもよい。
本発明の航空機化粧室用非常時酸素装置は、該装置に取り付けられた呼吸マスクが、化学的酸素発生機に取り付けられたそれと同じように、乗客の顔面に引き出されて着用され、そのために、使用者にとっては、該酸素マスクは、既存の酸素装置におけるものと同じに見え同じように作動するという意味で、化学的酸素発生機と同じように作動する。本発明の直近の用途は、航空機化粧室に導入されている化学的酸素発生機の置換である。しかしながら、本発明の航空機化粧室用非常時酸素装置は、客室座席上の乗客サービスユニット(PSU)パネル内や、例えば、客室乗務員座席上および乗組員の休憩所内などの他の航空機内場所の化学的酸素発生機の置換にも使用できる。
本発明の特定の形態を例示し説明した上記の記載から、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、種々の変更が可能であることは明らかであろう。従って、添付の請求項によるものを除いて、本発明が限定されるとは意図されない。

Claims (16)

  1. 使用者による呼吸に適した少量の補助酸素を分配するために航空機客室で使用される、航空機内で化学的酸素発生機に割り当てられる既存の化学的酸素発生機のスペース枠内に組み込まれるように構成された航空機非常時酸素分配装置であって、
    呼吸に適した純度のガス状酸素を貯蔵するように構成された酸素貯蔵容器であって、破壊されるまで前記酸素貯蔵容器からの流出をシールするように構成された破壊可能な圧力シールでシールされた容器と;
    流体連結で前記酸素貯蔵容器に接続されて前記酸素貯蔵容器から第1の酸素圧の酸素流を受け入れるように構成され、前記圧力シールを破壊して前記酸素貯蔵容器から酸素を流出させるように構成された開始部を備えるマニホールドと;
    流体連結で前記マニホールドに接続されて、前記酸素貯蔵容器から前記マニホールド経由で第1の酸素圧の酸素流を受け入れ、前記第1の酸素圧より低い第2の酸素圧で酸素流を供給するように構成された圧力調整器と;
    流体連結で前記圧力調整器に接続されて、前記圧力調整器から少なくとも1つの呼吸マスクに供給される前記第2の酸素圧の前記酸素流を受け入れて計量する少なくとも1つの流量制御弁と;
    流量調整器に接続されて、航空機内の客室周囲気圧を検知し、前記航空機内の客室周囲気圧を示す客室周囲気圧信号を生成するように構成された客室周囲気圧センサと;
    前記少なくとも1つの流量制御弁に接続され、前記客室周囲気圧センサから航空機内の客室周囲気圧を示す前記客室周囲気圧信号を受け取るように構成され、前記少なくとも1つの呼吸マスクに供給される酸素量を決定し、前記客室周囲気圧信号に応じて、前記少なくとも1つの流量制御弁を制御するように構成され、前記少なくとも1つの流量制御弁が、前記少なくとも1つの呼吸マスクへの酸素流を、使用者の呼吸サイクルの間に予め選択された酸素量だけが前記少なくとも1つの呼吸マスクに十分に流れる前記呼吸サイクル間のある期間に制限するように構成された流量調整器と
    前記流量調整器および前記少なくとも1つの流量制御弁に電力を供給するように構成された電源と;
    前記マニホールド、前記圧力調整器、前記少なくとも1つの流量制御弁、前記電源、前記流量調整器および前記客室周囲気圧センサの少なくとも一部を被覆するが前記酸素貯蔵容器を被覆しないコンテナ筐体であって、前記コンテナ筐体、前記マニホールド、前記圧力調整器、前記少なくとも1つの流量制御弁、前記電源、前記流量調整器および酸素貯蔵容器を結合した組立体が、前記航空機内の既存の化学的酸素発生機のスペース枠内に組み込まれるように構成されるコンテナ筐体と;
    を備えることを特徴とする航空機非常時酸素分配装置。
  2. 前記圧力シールは、破壊されて前記酸素貯蔵容器を開き前記酸素貯蔵容器から酸素を流出させ得る脆弱な材料で形成された破裂板を備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  3. 前記開始部は、破裂板を機械的に破壊するように構成された槍を備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  4. 前記開始部は、手動で始動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  5. 前記開始部は、手動で回転されて槍を前進させ、前記圧力シールを機械的に破壊するレバーをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  6. 前記開始部は、電子的に始動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  7. 前記圧力シールは、前記マニホールド内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  8. 前記流量調整器と前記少なくとも1つの流量制御弁は、前記使用者の酸素要求に応じて前記少なくとも1つの呼吸マスクへの少量の酸素を計量するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  9. 前記少なくとも1つの呼吸マスク内の圧力を示す呼吸マスク気圧信号を生成するように構成され、前記呼吸マスク気圧信号を受け取るために前記流量調整器が接続された少なくとも1つの呼吸マスク気圧センサをさらに備え、前記流量調整器は、前記呼吸マスク気圧信号に応じて、使用者の呼吸サイクルの間に予め選択された酸素量だけが前記少なくとも1つの呼吸マスクに十分に流れる前記呼吸サイクル間のある期間、前記少なくとも1つの呼吸マスクへ酸素流を切り替えるように前記少なくとも1つの流量制御弁を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  10. 前記流量調整器は、前記少なくとも1つの呼吸マスクに連続的に流れるように酸素流を調節するように、前記少なくとも1つの流量制御弁を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  11. 前記流量調整器は、前記少なくとも1つの呼吸マスクに連続的に流れるように酸素流を調節するように、前記客室周囲気圧信号に基づいて前記少なくとも1つの流量制御弁を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  12. 前記流量調整器は、航空機の初期高度において、およびその後の降下の少なくとも一部の間、迅速に酸素を供給するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  13. 前記少なくとも1つの流量制御弁から第2の酸素圧の酸素流を受け入れるために接続され、使用者の呼吸を監視し前記流量調整器に接続された少なくとも1つの呼吸マスク気圧センサに接続された少なくとも1つの呼吸マスクをさらに備え、前記少なくとも1つの流量制御弁は、前記少なくとも1つの呼吸マスク気圧センサに応じて、前記流量調整器により制御されることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  14. 前記少なくとも1つの呼吸マスク気圧センサは、前記少なくとも1つの呼吸マスクを通して吸入する使用者によって生じた減圧差を検知して、減圧差信号を生成するように構成され、前記少なくとも1つの流量制御弁は、前記減圧差信号に応じて前記流量調整器により制御されることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  15. 前記少なくとも1つの呼吸マスク気圧センサは、前記少なくとも1つの呼吸マスク内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
  16. 前記少なくとも1つの呼吸マスク気圧センサは、電気空気圧センサを備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機非常時酸素分配装置。
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