JP6055756B2 - 開示度制御装置、開示度制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、外部機器により観測されるデータ提供者の行動に関わるデータの開示を制御する開示度制御装置、開示度制御方法及びプログラムに関する。
従来、ユーザがその個人の行動にかかわるセンサなどの外部機器から出力された値や信号などのデータ(以下、機器通信データ)を、サービス事業者や友人等の様々なデータ要求者に開示することが行われている。例えば、ユーザ(データ提供者)は、サービス事業者からサービスを受けるために、機器通信データをユーザの所有するネットワーク(宅内LAN(Local Area Network)や広域ネットワークなど)を通じて、サービス事業者に対して送信する。サービス事業者は、機器通信データを受信することにより、ユーザに対して機器通信データに基づくサービスを提供することができる。
従来、ユーザからサービス事業者等のデータ要求者に機器通信データを送信するために、以下のような手法を用いている。
例えば、ライフログを開示してサービスを享受できるシステムにおいては、一部の機器通信データを非開示としたい場合、特異なデータだけ非開示とする、またはあるデータと特異なデータとの組み合わせが発生したときだけ非開示とする、などを条件として、システムへ予めまたは対話的に設定可能としている(例えば、非特許文献1参照)。
例えば、ライフログを開示してサービスを享受できるシステムにおいては、一部の機器通信データを非開示としたい場合、特異なデータだけ非開示とする、またはあるデータと特異なデータとの組み合わせが発生したときだけ非開示とする、などを条件として、システムへ予めまたは対話的に設定可能としている(例えば、非特許文献1参照)。
山田智広ら:集合的なライフログの利用を可能とするシステムアーキテクチャの検討,電子情報通信学会技術研究報告, LOIS2009-8,No.109,Vol.39,pp.113-118.
データ提供者がサービス事業者からのサービスを享受するにあたって、機器通信データを一律に開示しないで、一定の開示範囲に制限したい場合がある。例えば、データ提供者について、一日の生活状態を外部機器によりセンシングしたデータの場合、食事の時間が毎日固定であるというデータが開示されれば、その時間に対応した情報提供サービス等を受けることが可能になるが、一方でその時間に確実に在宅していることが把握されてしまうため、その時間を狙った不要なセールス等の来訪者を招く可能性がある。また、例えば、部屋の照明の点灯・消灯の時刻を示すデータが開示されれば、安定的な電源管理に利用できるが、一方で消灯時間には不在であることが推測されるため、空き巣狙いに入られる可能性を高めることになる。
このような、データ提供者が望まないデータの開示に伴うリスクを低減するためには、サービスを享受できる範囲内でデータの開示範囲を制限してデータを送信することになる。この場合、従来技術の方法では、データ要求者やデータの内容に応じて、データ提供者が開示範囲を意識しながら、対話的に手作業によってデータの開示/非開示の設定を書き換える必要があり、その操作が煩わしいものであった。
本発明は前述した事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、データ提供者の操作負担を増大させることなく、データ要求者やデータの内容に応じた一定条件の開示範囲のデータを送信することが可能な開示度制御装置、開示度制御方法及びプログラムを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のような手段を講じている。
本発明の第1の態様は、データ提供者の状態を観測するための外部機器から機器通信データを受信するデータ受信手段と、対象とする機器通信データを特定するための第1情報と、前記第1情報により特定される機器通信データについての開示の条件を示す第2情報とを含むリストを管理する管理手段と、データ要求者に対して過去に送信した機器通信データについての送信ログを保持する送信ログ保持手段と、データ要求者からの要求に対して、要求された送信対象とする第1の機器通信データと前記送信ログが示す第2の機器通信データとをもとに、前記第1の機器通信データが前記第2情報の条件を満たしているか判断する送信判断手段と、前記第2情報の条件を満たしていないと判断された前記第1の機器通信データを、前記第2情報の条件を満たす第3の機器通信データに変換するデータ変換手段と、前記第2情報の条件を満たしていると判断された前記第1の機器通信データ及び前記第3の機器通信データを送信する送信手段とを具備する。
本発明によれば、データ提供者の操作負担を増大させることなく、データ要求者やデータの内容に応じた一定条件の開示範囲のデータを送信することが可能な開示度制御装置、開示度制御方法及びプログラムを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態における開示度制御装置の構成を示すブロック図である。
図1は、本実施形態における開示度制御装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態における開示度制御装置10は、データ提供者12の状態(行動)等を観測するための各種の外部機器14から、順次、機器通信データを受信し、この機器通信データについて、データ提供者12により予め設定されるリスト(以下、ブラックリストと称する)の設定内容に基づいて、データを変換してデータ要求者A,B,…に対して送信する。
本実施形態の開示度制御装置10は、予めデータ提供者12によってブラックリストが設定されると、このブラックリストに応じたデータ開示制御をする。ブラックリストには、対象とする機器通信データを特定するための情報と開示の条件を示す情報が設定されるもので、例えば、提供可能な機器通信データのうち、開示を制御したい対象データの値やその範囲、対象データを収集する時間帯、対象データの出現傾向を算出する際に利用する周期、収集対象期間、対象データについて開示を許容する上限値、開示を制御する対象である要求者、上限値を超過した場合のデータ処理方法が設定される。
開示度制御装置10は、当該対象データについて過去の送出データおよびこれから送出する蓄積データをもとに、ブラックリストに規定した収集対象期間について対象データの出現傾向(特異なデータの発生確率または類似度など)を求め、出現傾向がブラックリストに定義した開示の上限値を超過しなければ通常に対象データを送出し、超過した(特異なデータの)場合には蓄積データを加工(例えば、データ受信間隔またはデータ値の精度を改ざん)して、データ要求者A,B,…へ送出する。これにより、データ提供者12が対話的にデータの開示/非開示の設定を書き換えるといった操作を必要とすることなく、データ要求者やデータの内容に応じたデータ開示制御を実現することができる。
本実施形態における開示度制御装置10は、コンピュータ等の電子機器を備えており、メモリやハードディスク装置等の記憶媒体、メモリに記憶された各種プログラムを実行するプロセッサ(CPU(Central Processing Unit)等)の他、キーボードやマウス等の各種入力装置、ディスプレイ等の出力装置、外部の電子機器や各種ネットワーク等との通信を制御する通信装置などを有する。開示度制御装置10は、基本プログラム(OS(Operating System)等)や開示度制御プログラムをプロセッサにより実行することにより、図1に示す各機能モジュールを実現することができる。本実施形態における開示度制御装置10は、各機能部を動作させることによって、データ提供者12の状態(行動)等を観測するための各種の外部機器14から、順次、機器通信データを受信し、この機器通信データのうち、データ提供者12が予め設定したブラックリストの内容に応じたデータをデータ要求者A,B,…に提供することができる。
図1に示すように、開示度制御装置10は、データ受信部20、データ蓄積部22、機器情報管理部24、提供者設定管理部26、クエリ管理部30、送信ログ保持部32、送信判断部34、傾向検出部36、データ変換部38、及びデータ送信部40の各機能モジュールを有している。以下、各機能モジュールについて説明する。
データ受信部20は、データ提供者12自身やその周辺環境、及び物体に関する状態を観測する外部機器14から観測結果であるデータを含む機器通信データを受信して、機器通信データに含まれるネットワーク(NW)アドレスと機器情報管理部24により管理されている機器情報をもとに、機器通信データの種類を特定する。外部機器14は、生活状態センサ、温度センサ、照度センサなどの各種センサの他、スマートフォンなどの情報機器や同機器に設けられた位置情報センサ(GPS(Global Positioning System)センサ)などを含む。データ受信部20は、機器通信データを送信した外部機器14及び機器通信データの種類毎にテーブルを作成し、機器通信データとそれに含まれるタイムスタンプとをデータ蓄積部22(データベース)に蓄積する。タイムスタンプが付与されていない機器通信データの場合、データ受信部20は、現在時刻を示すタイムスタンプを機器通信データに付与してデータ蓄積部22に蓄積する。
データ蓄積部22は、データ受信部20から送信された機器通信データを蓄積し、傾向検出部36及びデータ変換部38からの要求に応じて、蓄積した機器通信データを出力する。
機器情報管理部24は、データ提供者12が所有する外部機器14に関する機器情報を入力して保持する。機器情報管理部24は、データ提供者12またはデータ要求者A,B,…が開示度制御装置10に対して機器情報を入力するためのインタフェース(例えば、GUI(Graphical User Interface))を持ち、このインタフェースを通じて外部機器14に関する機器情報を入力する。あるいは、機器情報管理部24は、外部通信機能を通じて、UPnP(Universal Plug and Play)のような設定情報自動取得手段を用いてネットワーク上から外部機器14に関する機器情報を取得する。機器情報は、例えば図2に示すように、機器ID、ネットワーク(NW)アドレス、機器名称、データ種類、観測値集合、観測値精度の各フィールドのデータで構成される。
例えば、図2において、機器ID「01」の外部機器14は、ネットワークアドレス「192.168.2.101」が割り当てられた機器名称「生活状態センサ」であり、機器通信データとしてデータ種類「生活状態」のデータを送信することを示す。また、データ種類「生活状態」のデータは、観測値集合「仕事中、食事中、休憩中、就寝中、娯楽中、移動中」の何れかの観測値を示すことを表している。また、機器ID「02」の外部機器14は、ネットワークアドレス「192.168.2.102」が割り当てられた機器名称「照度センサ」であり、機器通信データとしてデータ種類「照度」のデータを送信することを示す。また、データ種類「照度」のデータは、観測値集合「0〜500」の何れかの観測値を示し、観測値精度が「1.0」であることを示す。なお、機器情報は、必要であれば図2に示す以外のフィールドを定義して、データを追加してもよい。
提供者設定管理部26は、データ提供者12が開示度制御装置10に対して要求を入力するためのインタフェース(例えば、GUI)を持ち、このインタフェースを通じてデータ提供者12から機器通信データの送信を制御するためのブラックリストの設定用のデータを入力する。提供者設定管理部26は、データ提供者12により設定されたブラックリストを内部に保持する。データ提供者12は、自身の行動に関係する機器通信データについて、データ要求者A,B,…に知られたくない観測値の傾向に関する情報を、予めブラックリストとして設定することができる。
ブラックリストは、例えば図3に示すように、開示を制御したい対象データの値やその範囲(対象データ)、対象データを収集する時間帯(時間帯)、対象データの出現傾向を算出する際に利用する周期(周期)、対象データを収集する期間(対象期間)、対象データについて開示を許容する上限値(上限確率)、開示を制御する対象である要求者(対象)、上限値に抵触した場合のデータ処理方法(処理方法)が含まれる。なお、対象データについて開示を許容する上限値は、上限確率に限るものではなく、過去の送出データおよびこれから送出する蓄積データをもとにした対象データの出現傾向を判別するための類似度の上限値とすることもできる。
また、図3に示すブラックリストは一例であって、必要に応じて任意のフィールドを定義し、各フィールドについて設定できるようにしても良い。また、提供者設定管理部26は、GUIを通じて、データ提供者12に対してブラックリストに設定可能な図3に示す各フィールドの項目を提示し、任意に選択されたフィールドに対する設定データを入力してブラックリストを設定するようにしても良い。これにより、データ提供者12が外部機器14から送信される機器通信データの観測値や、その観測値の範囲などを知らない場合であっても、データ提供者12のブラックリストの設定作業を容易にすることが可能となる。さらに、本実施形態ではブラックリストの周期と対象期間について「なし」とすることもできる。この場合、周期について「なし」とすることで、過去の指定時刻のデータを使用せず最近のデータのみを使用することを設定でき、対象期間について「なし」とすることで、開示度制御装置10と該当する外部機器14の動作が開始されてから全てのデータを対象とすることを設定できる。
クエリ管理部30は、データ要求者A,B,…が開示度制御装置10に対して要求を入力するためのインタフェース(例えば、GUI)を持ち、各データ要求者A,B,…からの機器通信データの取得要求(データ要求クエリ)を受信する。クエリ管理部30は、データ要求者A,B,…から入力されたデータ要求クエリを内部に保持する。データ要求クエリは、例えば図4に示すように、データ要求者に対して個々に割り当てられた要求者IDと、データ種類、期間、及び観測間隔のそれぞれについての要求値という形で表現される。例えば、図4に示す要求者ID「01」が割り当てられたデータ要求者からのデータ要求クエリは、データ種類「生活状態」について、期間「最近1か月」の観測間隔「1時間」の機器通信データの取得要求であることを示している。なお、データ要求クエリは、必要であれば任意のフィールドを定義して、追加してもよい。
送信ログ保持部32は、データ送信部40によるデータ要求者A,B,…に対する機器通信データの送信ログ、すなわち過去に送信した機器通信データの情報を保持する。送信ログ保持部32は、データ要求者A,B,…毎に送信ログを保持するもので、データ送信部40から機器通信データが送信される時に、データ送信部40から送信データに関するログを受信して保持する。送信ログ保持部32は、例えば図5に示すように、送信時刻、送信先のデータ要求者を識別するID、データ種類、送信データのタイムスタンプ、送信データの観測値のそれぞれについての数値の形で送信ログを保持する。例えば、図5には、送信時刻「2013.2.5 12:00」に送信先「要求者ID=02」のデータ要求者に対して、データ種類「温度」についての観測値「25℃」(送信データのタイムスタンプ「2013.2.5 11:00」)を送信したことを示す送信ログを示している。なお、送信ログは、必要であれば任意のフィールドを定義して、追加してもよい。
送信判断部34は、機器情報管理部24、提供者設定管理部26、クエリ管理部30より取得された情報と、データ蓄積部22から取得した送信予定の機器通信データ、及び送信ログ保持部32から取得した送信ログ(過去に送信した機器通信データの情報)をもとに、ブラックリストに設定された条件を満たすデータの送信を判断する。送信判断部34は、送信予定の機器通信データ及び過去に送信済の機器通信データから判明しうる傾向(傾向の詳細については傾向検出部36についての説明を参照)がどの程度であり、それがブラックリストにおいて提供者が設定した条件を満たしているか否かを判定し、満たしていない場合、送信予定の機器通信データをどのように変換させればブラックリストに設定された条件を満たすかを探索し、決定する。
送信判断部34は、傾向に関する計算をブラックリストの条件に応じて、後述の傾向検出部36に対して要求する。傾向検出部36が傾向の計算をすることかできる機能を有していない場合、送信判断部34は、システム外部からネットワーク等を通じて必要とする傾向の計算をできる機能を探索し、ダウンロードとインストールにより利用可能としたり、またはその公開API(Application Programming Interface)を通じて当該機能に計算要求を出したりすることができる。送信判断部34は、システム外部の機能を探索・利用する場合には、例えば、予めプログラムの種類と配備場所、処理内容を含むレポジトリを持っているものとする。送信判断部34は、提供可能な機器通信データのうち、ブラックリストに設定された条件を満たすデータ、すなわち開示を制御したい対象データの値やその範囲、対象データを収集する時間帯、対象データの出現傾向を算出する際に利用する周期、収集対象期間に該当する機器通信データが、ブラックリストに設定された条件のもとで開示を許容する上限値を超過しない場合には、データ変換部38によるデータに対する変換処理を経ないで、開示を制御する対象であるデータ要求者に対してデータ送信部40を通じて送信させる。一方、送信判断部34は、提供可能な機器通信データが、ブラックリストに設定された対象データについて開示を許容する上限値を超過する場合には、ブラックリストに設定された上限値を超過した場合のデータ処理方法に応じて、データ変換部38によるデータ変換処理を実行させて、上限値を超過しないデータに変換した上でデータ送信部40を通じて送信させる。
傾向検出部36は、送信判断部34からの要求に応じて、観測対象(データ提供者自身、環境、物体等)について行動や特徴の傾向を分析し、分析結果とする数値を算出して送信判断部34に通知する。例えば、傾向検出部36は、複数日の観測された機器通信データに対する、ある時間帯における特定の状態である確率値の計算や、相関係数の算出、及びある期間内での位置情報の類似度などを分析する。また、傾向検出部36は、送信判断部34からの異なる要求に対応することができるように、異なる内容の傾向を算出することができる複数種類の機能を実装することができる。さらに、傾向検出部36は、予め実装された機能により送信判断部34から要求された傾向の検出ができない場合は、送信判断部34によりシステム外部から探索された機能をダウンロードとインストールにより実行可能としたり、または公開APIを通して利用したりすることができる。
データ変換部38は、データ蓄積部22より機器通信データを取得し、送信判断部34から受信した変換処理に関する決定情報に応じてデータ変換処理を行った上で、変換済みの機器通信データをデータ送信部40へ送信する。
データ送信部40は、データ変換部38から受信した機器通信データを、データ送信先のデータ要求者へ送信すると共に、送信データに関するログを送信ログ保持部32へ送信して、保持させる。
次に、本実施形態における開示度制御装置10の動作について説明する。本実施形態における開示度制御装置10の動作は、外部機器14を接続した際に行われる初期化処理と、データ要求者A,B,…からのデータ要求クエリを受信した際に行われる変換・送信処理とに分類される。以下、初期化処理と変換・送信処理のそれぞれについて説明する。
まず、開示度制御装置10による初期化処理について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、機器情報管理部24は、開示度制御装置10に接続された外部機器14の機器情報を入力して保持する(ステップS1−1)。例えば、機器情報管理部24は、GUIなどのインタフェースを通じて、データ提供者12による手動設定により機器情報を入力したり、あるいはUPnPのような自動設定取得機能を用いてネットワークを通じて機器情報を入力したりすることができる。
機器情報管理部24は、例えば図2に示すように、複数の外部機器14が開示度制御装置10に接続された場合には、それぞれの外部機器14についての機器情報を入力して保持する。図2に示す機器情報では、3種類の外部機器14(機器名称「生活状態センサ」「照度センサ」「GPSセンサ」)の機器情報が保持されている状態を示している。機器情報管理部24は、機器情報として、それぞれの外部機器14が観測することができる観測値の集合である観測値集合を入力して、図2に示すような形式で保持する。
次に、提供者設定管理部26は、機器情報管理部24により保持された機器情報に基づいて、データ提供者12からの指示に応じてブラックリストを設定して保持する(ステップS1−2)。
例えば、提供者設定管理部26は、GUIなどのインタフェースを通じて、機器情報管理部24により保持された機器情報をデータ提供者12に提示して、データ提供者12から機器情報をもとにしたブラックリストの設定内容を入力する。例えば、データ提供者12は、図2に示す機器ID「01」の生活状態センサについての機器情報を参照しながら、データ種類の「生活状態」を指定し、「生活状態」に対応する観測値集合「仕事中、食事中、休憩中、就寝中、娯楽中、移動中」から「仕事中」を指定することにより、図3に示すブラックリストのように、対象データ「生活状態=食事中」について設定することができる。
この対象データ「生活状態=食事中」については、時間帯「毎時」、周期「1日」、対象期間「2か月」がデータ提供者12により設定されている。さらに、対象データ「生活状態=食事中」が1日を周期として1時間毎の各時間帯に表れる確率(「傾向」)に対する上限確率「0.8」が設定され、この上限確率「0.8」を超過した場合の機器通信データに対する処理方法として「データ自体の隠ぺい」が設定されている。これにより、データ提供者12は、対象データ「生活状態=食事中」についての機器通信データが上限確率「0.8」を超過して発生している場合には、「データ自体の隠ぺい」をするように、開示度制御装置10により制御させることができる。
なお、図3に示すブラックリストの例では、機器通信データの「傾向」が上限確率(上限値)を超過した場合の処理方法として「データ自体の隠ぺい」のみを示しているが、データ提供者12が要求する開示レベル以下に収まるように機器通信データを変換する処理方法を設定することができる。データの変換方法としては、例えば観測データの観測間隔を大きくする方法、観測データの観測値精度を低下させる方法、データ提供者12が指定した対象データをフィルタリングして、別のデータに書き替える方法などを設定することができる。なお、データの変換方法の具体的な例については、後述する図7のステップS2−8の処理として説明する。
また、図3に示すブラックリストの対象データ「生活状態=食事中」については、機器通信データを送信する対象として「全て」が設定されているが、特定のデータ要求者に対してのみを対象とする場合には、例えば「要求者ID=02」のように、データ要求者を特定する要求者IDをブラックリストに設定することが可能である。
こうして、データ提供者12は、開示度制御装置10に対して、一定条件の開示範囲を定義するブラックリストを予め設定しておくことで、機器通信データを要求するデータ要求者A,B,…やデータの内容に応じて、データの開示/非開示の設定を逐次書き換えるといった操作をすることなく、ブラックリストに設定されたデータ提供者12が意図する条件に沿ったデータをデータ要求者A,B,…に対して提供することができるようになる。
次に、開示度制御装置10による変換・送信処理について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。変換・送信処理は、データ要求者A,B,…からデータ要求クエリを受信した場合に実行される処理であって、各外部機器14から受信された機器通信データを、データ提供者12が設定したブラックリストの条件に従って送信するもので、必要に応じて機器通信データを変換して送信する。
まず、クエリ管理部30は、データ要求クエリをデータ要求者A,B,…の何れかより取得する(ステップS2−1)。データ要求クエリには、例えば図4に示すように、要求者IDと、データ種類、期間、及び観測間隔のそれぞれについての数値が含まれる。
次に、送信判断部34はクエリ管理部30よりデータ要求クエリを取得し(ステップS2−2)、そのデータ要求クエリの条件を満たす機器通信データをデータ蓄積部22より取得し、またデータ要求クエリに含まれる要求者ID及びデータ種類に合致する送信ログを送信ログ保持部32より取得する(ステップS2−3)。
次に、送信判断部34は、初期化処理により設定されたブラックリストを提供者設定管理部26より取得する(ステップS2−4)。その後、送信判断部34は、ステップS2−3,S2−4において取得した情報と、ブラックリストの情報を傾向検出部36へ送信し、当該機器通信データが持つ傾向について分析(「傾向」を表す数値の計算)を依頼し、傾向検出部36が検出した分析結果を受信する(ステップS2−5)。送信判断部34は、傾向検出部36から受信した分析結果をブラックリストと比較し、ブラックリストにおいて設定された開示の上限値を超過しているかを判定する(ステップS2−6)。
ここで、傾向検出部36による分析結果が上限値を超過している場合(ステップS2−7のYES)、データ変換部38は、ブラックリストにおいて設定された処理方法に従って、当該機器通信データに対して変換処理を行う(ステップS2−8)。その後、ステップS2−5の処理に戻る。なお、機器通信データに対する変換処理の詳細については後述する。
一方、傾向検出部36による分析結果が上限値を超過していない場合(ステップS2−7のNO)、データ変換部38は、機器通信データに対して変換処理を実行せずに、データ送信部40を通じて要求者へ送信する(ステップS2−9)。
ここで、ステップS2−8におけるデータ変換部38による変換処理の詳細について説明する。
ステップS2−8における変換処理は、例えば以下のような処理の種類と例がある。データ変換部38は、これらの処理のうちどれを選択されるかはブラックリストに含まれる「処理方法」情報によって決定され、データ変換部38において処理される。
ステップS2−8における変換処理は、例えば以下のような処理の種類と例がある。データ変換部38は、これらの処理のうちどれを選択されるかはブラックリストに含まれる「処理方法」情報によって決定され、データ変換部38において処理される。
時系列の曖昧化(観測データの観測間隔を大きくする方法):例えば1分間隔のデータを、1時間間隔のデータとする。
データ自体の曖昧化(観測データの観測値精度を低下させる方法):例えば有効数字0.01のデータを、0.1とする。
データ自体の隠ぺい(別のデータに書き替える方法):ブラックリストで設定された上限値に抵触するデータである0.25を、別のデータ(例えば前時刻での観測データや、ランダムに選ばれたデータである)1.5で置き換える。
データ自体の曖昧化(観測データの観測値精度を低下させる方法):例えば有効数字0.01のデータを、0.1とする。
データ自体の隠ぺい(別のデータに書き替える方法):ブラックリストで設定された上限値に抵触するデータである0.25を、別のデータ(例えば前時刻での観測データや、ランダムに選ばれたデータである)1.5で置き換える。
次に、本実施形態における具体的な処理例(1)(2)(3)(4)について説明する。
(1)複数回送信される生活状態データから判明する生活習慣をフィルタする場合。
データ提供者12の外部機器14であるスマートフォンから開示度制御装置10に入力される機器通信データが、スマートフォン内で取得されたデータから解析された結果である、生活状態を表す定性的データ(図2に示す、データ種類「生活状態」に対応する観測値集合が示す値)である場合を例としてあげる。図8は、外部機器14(スマートフォン)からの入力される機器通信データの一例を示している。
(1)複数回送信される生活状態データから判明する生活習慣をフィルタする場合。
データ提供者12の外部機器14であるスマートフォンから開示度制御装置10に入力される機器通信データが、スマートフォン内で取得されたデータから解析された結果である、生活状態を表す定性的データ(図2に示す、データ種類「生活状態」に対応する観測値集合が示す値)である場合を例としてあげる。図8は、外部機器14(スマートフォン)からの入力される機器通信データの一例を示している。
ここでは、2013年3月1日0:00に外部機器14が開示度制御装置10に接続されたと仮定し、その際に初期化処理が行われることとする。まず、機器情報管理部24は、データ提供者12の操作により外部機器14の機器情報を入力して保持する(ステップS1−1)。この時に入力された機器情報は、図2に示す機器ID=01に対応するデータとする。
次に、提供者設定管理部26は、機器情報に基づくデータ提供者12の操作によりブラックリストを設定する(ステップS1−2)。ここでし、図3に示すように、対象データ「生活状態=食事中」について、(時間帯、周期、対象期間、上限確率、対象、処理方法)として(毎時、1日、1か月、0.8、全て、データ自体の隠ぺい)が設定されているものとする。
次に、開示度制御装置10は、クエリ管理部30によりデータ要求者からデータ要求クエリを受信すると、変換・送信処理を実行する。
クエリ管理部30は、要求者ID=01のデータ要求者から、図4に示すデータ要求クエリを受信したとする(ステップS2−1)。送信判断部34は、クエリ管理部30からデータ要求クエリを取得した後(ステップS2−2)、データ要求クエリに含まれる情報をもとに、データ蓄積部22から該当する機器通信データを取得し、送信ログ保持部32から該当する送信ログを取得する(ステップS2−3)。
例えば、送信ログ保持部32に保持された送信ログが、図5に示す内容である場合、要求者ID=01への送信ログはない。一方、データ蓄積部22からデータ要求クエリのデータ種類と一致する機器通信データとして、図8に示す生活状態に関するデータを取得する。
次に、送信判断部34は、ブラックリストとして、図3に示す対象データ「生活状態=食事中」に対して設定された(食事中、毎時、1日、2か月、0.8、全て,データ自体の隠ぺい)の各情報を提供者設定管理部26より取得する(ステップS2−4)。送信判断部34は、これらの情報を傾向検出部36へ送信し、傾向検出部36が検出した機器通信データの傾向についての分析結果を取得する(ステップS2−5)。
例えば、傾向検出部36は、対象データとする機器通信データの中で、ブラックリストが指定した対象期間である当該データを保持していた期間について、1日を周期として1時間毎の各時間帯において、どの種類の機器通信データがどの程度の確率で表れているかを「傾向」として算出する。もし、ある時間帯における特定の行動に関する機器通信データが多く出ているならば、その時間帯におけるその行動の発生確率が高い、すなわちその時間帯におけるその行動は習慣的であるといえる。
図9は、傾向検出部36により検出される傾向検出結果の一例を示している。図9に示す例では、ブラックリストにあった「毎時」の期間と「1日」の周期に従って1日の中での毎時の行動において、最も頻度が高かった「生活状態」とその確率(または類似度とすることもできる)が計算されている。
この結果を基に、送信判断部34は、検出結果がブラックリストに示した上限値を超過(抵触)しているかを判定する(ステップS2−6)。この例では、図9に示す傾向検出結果を示すデータのうち(1:00、食事中、0.857)が、ブラックリストの条件と合致し、なおかつ上限確率を超えている。この場合、データ変換部38は、該当する機器通信データについてデータ変換を実行する。
本例の場合、データ変換部38は、前述した変換処理の方法のうち、ブラックリスト中の「処理方法」に指定された「データ自体の隠ぺい」を行う。例えば、1:00に食事中である確率がブラックリストに設定された上限確率0.8を超過しないよう、28日分ある1:00に観測されたデータの内、ランダムに選択された1つのデータの値を、その前の時間帯(時刻)の値に置き換える。
例えば、図8に示す「2013.2.1 1:00」のデータについて値「食事中」の置き換えをする場合には、その前の時間帯(時刻)の値「仕事中」に置き換えられる。実際には、傾向検出結果として確率0.857となる状況は、28日分の時刻1:00のデータ中、24日分のデータが食事中であることを示すため、確率0.8以下にするために、確率が0.786まで下がる22日分のデータを「食事中」と置き換えれば良い。つまり、ランダムに選択した1日分のデータの値を置き換える処理を行った後、再度、ステップS2−5を経て、ステップS2−6,S2−7で判定され、さらに1日分の置き換えがされればよい(ステップS2−8)。
その結果、ステップS2−8の処理を2回実行した後のステップS2−5では、図10に示すような、変換後の傾向検出結果が得られる。すなわち、1:00に食事中である確率がブラックリストに設定された上限確率0.8を超過しない値(0.786)に変換されているため、このデータがデータ送信部40を通じてデータ要求クエリ発行元の要求者へ送信される(ステップS2−9)。また、この時の送信ログは、図11に示す送信時刻「2013.3.1 0:00」以降のデータのように保存される。
次に、2013年4月1日0:00に、同じデータ要求者(要求者ID=01)からデータ要求クエリを受信した場合を考える。この場合、ステップS2−1〜S2−4の動作は前述と同様にして実行される。
ステップS2−5では、図3に示すように、ブラックリストの対象データ「生活状態=食事中」に対して「対象期間=2か月」と設定されているため、傾向検出部36は、今回送信予定の2013年3月1日0:00〜3月31日23:59までの機器通信データのみでなく、図11に示すような、送信ログ保持部32に保持されている2013年2月1日0:00〜2月28日23:59までの送信ログも用いて、ブラックリストが指定した対象期間中について、1日を周期として1時間毎の各時間帯において、どの種類のデータがどの程度の確率で表れているかを算出する。
その後の動作は前述と同様にして実行される。もし2か月分のデータから計算した結果がブラックリストに抵触する場合、過去に送信したデータは改変できないため、データ変換部38は、今から送信予定の3月分のデータの書き換えを行い、ブラックリストに抵触しないデータに変換した後、送信する。
(2)環境データの変化傾向の一部を、複数ある傾向検出部36から選んだ手段を用いてフィルタする場合。
環境データとして、照度センサから取得される機器通信データを対象とし、その一部をフィルタする場合を例にあげる。外部機器14から開示度制御装置10が取得するデータを図12に示す。
環境データとして、照度センサから取得される機器通信データを対象とし、その一部をフィルタする場合を例にあげる。外部機器14から開示度制御装置10が取得するデータを図12に示す。
まず、機器情報管理部24は、照度センサが接続された際、初期化処理において「照度センサ」についての機器情報を入力して保持する(ステップS1−1)。ここでは、図2に示す「機器ID=02」に対応する機器情報が入力されたものとする。次に、提供者設定管理部26は、ステップ1−2において、データ提供者12によりブラックリストが設定される。ここで、図3に示す対象データ「照度の分散≧50」に対応する各情報が設定されたとする。
初期化処理の後、開示度制御装置10は、2013年3月3日13:00に、図4に示す「要求者ID=02」からのデータ要求クエリを受信すると変換・送信処理を実行する。
送信判断部34は、クエリ管理部30を通じてデータ要求クエリを取得した後(ステップS2−2)、データ要求クエリに含まれる情報をもとに、データ蓄積部22から該当する機器通信データを取得し、送信ログ保持部32から該当する送信ログを取得する(ステップS2−3)。すなわち、送信判断部34は、送信予定のデータとして、データ要求クエリと合致する図12に示すような照度データをデータ蓄積部22より取得する。また、送信判断部34は、ブラックリストとして、データ要求クエリ中のデータ種類に応じて、図3に示す対象データ「照度の分散≧50」に対して設定された(夜19時〜朝6時の毎時、1日、1か月、0.75、要求者ID=2、データ自体の隠ぺい)の各情報を提供者設定管理部26より取得する(ステップS2−4)。
次に、送信判断部34は、傾向検出部36に対して機器通信データの傾向についての分析結果を要求するが、ブラックリストにおいて対象データとして設定された「分散」を算出する機能が傾向検出部36において予め用意されていなかったとする。この場合、送信判断部34は、開示度制御装置10の外部(インターネット等のネットワーク上にある外部装置など)に存在する、「分散」が算出できる機能を探索し、この外部の機能を利用して、送信判断部34から要求された分析結果を検出する。
例えば、傾向検出部36は、予め設定された図13に示すような、各種処理を実行可能な機能を提供することができる外部装置やネットワーク上の場所を示すレポジトリを参照し、「分散」を計算できる機能を探索して、決定する。複数候補がある場合、送信判断部34は、予め設定された複数のレポジトリについて、順次、HTTP(HyperText Transfer Protocol)等でアクセスし、応答があったものを選択する。
例えば、図13に示すレポジトリ「133.9.33.31」が示す場所(ネットワーク上の外部装置)において「任意区分の分散を計算後、区間ごとの傾向検出」の処理を実行可能であるので、送信判断部34は、ステップS2−3で取得したデータを、このレポジトリをもとに探索した外部装置の機能に送信することで分析結果を取得する。すなわち、送信判断部34は、ブラックリストに設定された時間帯及び周期に基づく、19時から朝6時の毎時データ(15分毎のデータのため4個ずつ)の分散と、各時間帯で分散が50以上となる確率を計算結果として受信する。
ここでは、例えば図14に示すような傾向検出結果が得られたとする。図14に示す傾向検出結果の例では、「1:01−2:00」の1時間で、分散が50以上の確率が0.857であり、ブラックリストに設定された上限値0.75を超えていることが分かる。
これは、1時台に照度の変動が大きい、すなわちデータ提供者12に電灯を消して寝る、あるいは電灯を点けて起きるといった行動が多いという情報を与えうることを意味している。この場合、変換・送信処理のステップS2−8において、データ変換部38は、機器通信データに対する変換処理を実行する。ここでは、データ要求クエリにより指定されたデータ観測間隔が1時間であるのに対して、機器通信データが15分間隔で観測されたデータであるため、データ数を減らす余裕がある。この場合、データ変換部38は、変換処理によって、28日分ある1時台(1:00,1:15,1:30,1:45)の4つのデータについて、分散が50を超えている日のうちランダムで選ばれた1日を4データの平均値に置き換えることで、その日の1時台の照度データの分散を減らす処理を行う。この例の場合、確率0.857は28日中24日で分散が50を超えていることを意味しており、確率0.75にまで落とすにはあと3日の1時台の機器通信データについて分散を小さくする必要がある。データ変換部38は、変換処理によって1日分ずつ機器通信データを平均値に置き換え、分散を減らすので、繰り返し処理によってステップS2−8の変換処理を3回実行することにより、ブラックリストに設定された上限値を超過しないようにすることができる。この変換処理をした結果、ステップS2−9の処理へ遷移し、データ送信部40は、変換済みデータを要求者ID=02のデータ要求者に対して送信し、その送信ログを送信ログ保持部32に保存させる。
(3)同時刻の複数種類データを異なるタイミングで同じデータ要求者へ送信しようとする場合。
前述した処理例(1)では、初回のデータ要求クエリによってデータ種類「生活状態」の機器通信データが要求されているが、次のデータ要求クエリによって、同じデータ要求者より、前回送信したデータ種類「生活状態」の機器通信データと同じ時刻に観測された照度データが要求されたとする。
前述した処理例(1)では、初回のデータ要求クエリによってデータ種類「生活状態」の機器通信データが要求されているが、次のデータ要求クエリによって、同じデータ要求者より、前回送信したデータ種類「生活状態」の機器通信データと同じ時刻に観測された照度データが要求されたとする。
この場合、ブラックリストに、例えば図15に示すような情報が含まれていれば、過去に送信したデータ種類「生活状態」についての機器通信データの送信ログと、送信予定のデータ種類「照度」の機器通信データとを組み合わせた、複数種類のデータ種類にそれぞれ対応する機器通信データについての「傾向」を、傾向検出部36によって検出させることができる。この場合、ブラックリストに設定された上限値を超過するデータがあった場合、送信予定の照度データについて、処理例(1)のように変換処理を実行して、ブラックリストの設定に抵触しないデータとして送信することになる。
(4)リアルタイムデータの判定を行う場合。
処理例(4)は、長期的なデータではなく、最近のデータに対してブラックリストに抵触するかをチェックし、フィルタする例である。
まず、開示度制御装置10は、機器情報管理部24により図2に示す機器情報を入力し、提供者設定管理部26により図3に示すブラックリストを入力したものとする(ステップS1−1、1−2)。
処理例(4)は、長期的なデータではなく、最近のデータに対してブラックリストに抵触するかをチェックし、フィルタする例である。
まず、開示度制御装置10は、機器情報管理部24により図2に示す機器情報を入力し、提供者設定管理部26により図3に示すブラックリストを入力したものとする(ステップS1−1、1−2)。
次に、クエリ管理部30は、2013年2月1日0:01の時点で、図4に示すように、要求者ID=3のデータ要求者より、最近5分間の位置情報データを5分毎に要求するデータ要求クエリを受信したとする(ステップS2−1、S2−2)。
次に、送信判断部34は、データ受信部20により外部機器14から受信され、データ蓄積部22に蓄積された機器通信データから、データ要求クエリの条件を満たすデータを取得する。この場合、送信判断部34は、時刻0:05の時点で、その時点で持っている最近5分間の機器通信データを送信するものと判断する。ここで、機器通信データは、外部機器14によって、時刻0:00を基準として5分毎にGPS座標の幅を持ったデータとして観測され、データ受信部20により受信されることを前提とする。従って、送信判断部34は、時刻0:05に観測された機器通信データを選択して、図3に示すブラックリストに設定された位置情報に対する設定内容に該当するか否かを判断する。図3に示すブラックリストに設定された位置情報については周期「なし」と設定されているため、観測データ(機器通信データ)と、ブラックリストにおいて設定された対象データとをもとに以下の計算をして、設定内容に該当するか否かを判断する。
外部機器14である温度センサが、1分単位のタイムスタンプ付で温度データを1.0℃の精度で1分間隔に観測する場合、たとえば(0:00,23℃),(0:01,24℃)という観測値が観測される.このうち(0:01,24℃)は「0:00:00.00…1〜0:01:00の間で、23.5℃〜24.49…9℃」の間のいずれかの値を示していると考えられる。そのため、この観測値は以下のように表される。
処理例(4)における類似度は、時刻、緯度、経度の3次元上において、ブラックリストに設定された対象範囲と最近30分のデータが重なった体積と、ブラックリストの対象範囲により設定された体積との比を表しており、値が大きいほど、送信予定の機器通信データはブラックリストに設定された対象データに近いといえる。
最初の送信である0:06時点では、0:05の観測データのみが代入され、Similarity=0となる。これはブラックリストに抵触していないため、送信される。
これを繰り返すことで、図16に示すように送信時毎の各時間内の機器通信データをもとに類似度が計算される。時刻0:11以降でのデータ送信では、図17に示すような送信ログも用いて計算される。
これを繰り返すことで、図16に示すように送信時毎の各時間内の機器通信データをもとに類似度が計算される。時刻0:11以降でのデータ送信では、図17に示すような送信ログも用いて計算される。
ここで、時刻0:46時点でのデータ送信を考える。この場合、時刻0:20から時刻0:45までの時間の観測値を利用して類似度を計算する。この計算により得られる類似度は、図16に示すように1.1875となるが、これは図3に示すブラックリストの位置情報に対して設定された許容値(上限確率0.75)を超過する。このため、ブラックリストに設定された処理方法が示す「データ自体の隠ぺい」のために、例えば図18に示すようにデータを改ざんしてデータ要求者に送信する。
このようにして、本実施形態における開示度制御装置10では、データ提供者12の状態(行動)等を観測するための外部機器14から出力される各種の機器通信データを、データ要求者A,B,…に送信する場合、あるいは断続的に機器通信データを長期間送信する場合において、複数の機器通信データから判明するデータ提供者12にとって一定の許容範囲で開示したい情報(データ提供者12の傾向など)を予めブラックリストとして設定されていれば、データ提供者12に意識させることなく、常時、自動的に機器通信データを管理して、データ送信を制御することができる。従って、データ提供者の操作負担を増大させることなく、データ要求者やデータの内容に応じた一定条件の開示範囲のデータを送信することが可能となる。
開示度制御装置10は、データ提供者12が個人行動にかかわる機器通信データを開示することでデータ要求者A,B,…のサービスを受ける場合に、データ提供者12が予めブラックリストに設定した開示レベルを超過する機器通信データが送出対象となる場合には、開示レベル以下に収まるように機器通信データを加工(データ受信間隔またはデータ値の精度を改ざん)してデータ要求者A,B,…へ送信する。
ブラックリストには、提供可能な機器通信データのうち、開示を制御したい対象データの値やその範囲、対象データを収集する時間帯、対象データを収集する周期、収集対象期間、対象データについて開示を許容する上限値、開示を制御する対象である要求者、上限値を超過した場合のデータ処理方法を設定することができる。
開示度制御装置10は、ブラックリストの設定内容に従い、対象データについて過去に送出した機器通信データ(送信ログ)及びこれから送出する機器通信データをもとに、ブラックリストに規定した収集対象期間について対象データの出現傾向(特異なデータの発生確率または類似度など)を求め、傾向がブラックリストに定義した開示の上限値を超過しなければ通常に対象データを送出し、超過した場合には機器通信データを加工(データ受信間隔またはデータ値の精度を改ざん)した上でデータ要求者A,B,…へ送出することで、データ要求者A,B,…やデータの内容に応じた開示制御を実現することができる。
なお、前述した実施形態に記載した方法は、コンピュータに実行させることができる開示度制御プログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10…開示度制御装置、12…データ提供者、14…外部機器、20…データ受信部、22…データ蓄積部、24…機器情報管理部、26…提供者設定管理部、30…クエリ管理部、32…送信ログ保持部、34…送信判断部、36…傾向検出部、38…データ変換部、40…データ送信部、A,B…データ要求者。
Claims (4)
- データ提供者の状態を観測するための外部機器から機器通信データを受信するデータ受信手段と、
対象とする機器通信データを特定するための第1情報と、前記第1情報により特定される機器通信データについての開示の条件を示す第2情報とを含むリストを管理する管理手段と、
データ要求者に対して過去に送信した機器通信データについての送信ログを保持する送信ログ保持手段と、
データ要求者からの要求に対して、要求された送信対象とする第1の機器通信データと前記送信ログが示す第2の機器通信データとをもとに、前記第1の機器通信データが前記第2情報の条件を満たしているか判断する送信判断手段と、
前記第2情報の条件を満たしていないと判断された前記第1の機器通信データを、前記第2情報の条件を満たす第3の機器通信データに変換するデータ変換手段と、
前記第2情報の条件を満たしていると判断された前記第1の機器通信データ及び前記第3の機器通信データを送信する送信手段と
を具備したことを特徴とする開示度制御装置。 - 前記第2情報が示す条件は、所定期間における特異なデータの発生確率またはデータの類似度の上限値により定義されることを特徴とする請求項1記載の開示度制御装置。
- 開示度制御装置が実行する開示度制御方法であって、
データ提供者の状態を観測するための外部機器から機器通信データを受信するデータ受信ステップと、
対象とする機器通信データを特定するための第1情報と、前記第1情報により特定される機器通信データについての開示の条件を示す第2情報とを含むリストを管理する管理ステップと、
データ要求者に対して過去に送信した機器通信データについての送信ログを保持する送信ログ保持ステップと、
データ要求者からの要求に対して、要求された送信対象とする第1の機器通信データと前記送信ログが示す第2の機器通信データとをもとに、前記第1の機器通信データが前記第2情報の条件を満たしているか判断する送信判断ステップと、
前記第2情報の条件を満たしていないと判断された前記第1の機器通信データを、前記第2情報の条件を満たす第3の機器通信データに変換するデータ変換ステップと、
前記第2情報の条件を満たしていると判断された前記第1の機器通信データ及び前記第3の機器通信データを送信する送信ステップと
を具備したことを特徴とする開示度制御方法。 - 請求項1に記載の開示度制御装置が具備する各手段が行う処理を、当該開示度制御装置が備えるコンピュータに実行させるプログラム。
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