以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)超音波診断システム
図1には、本発明に係る超音波診断システムの概略的構成が示されている。超音波診断システム10は、病院等の医療機関で使用される医療機器であり、被検者(生体)に対して超音波診断を行うためのものである。超音波診断システム10は、大別して、フロントエンド(FE)装置12、バックエンド(BE)装置14、及び、プローブ16により構成されている。FE装置12は生体から見て近い装置であり、BE装置14は生体から見て遠い装置である。FE装置12及びBE装置14は、別体化されており、それぞれが可搬型装置を構成している。FE装置12及びBE装置14は、それらが離れたセパレート状態において動作可能であり、また、それらが結合したドッキング状態で動作可能である。なお、図1はセパレート状態を示している。
プローブ16は、生体表面に当接された状態において超音波の送受波を行う送受波器である。プローブ16は、直線状又は円弧状に配列された複数の振動素子からなる1Dアレイ振動子を備えている。アレイ振動子によって超音波ビームが形成され、それが繰り返し電子走査される。電子走査ごとに生体内にビーム走査面が形成される。電子走査方式として、電子リニア走査方式、電子セクタ走査方式、等が知られている。1Dアレイ振動子に代えて三次元エコーデータ取込空間を形成可能な2Dアレイ振動子を設けることも可能である。図1に示す構成例では、プローブ16はケーブル28を介してFE装置12に接続されている。プローブ16が無線通信によってFE装置12に接続されてもよい。その場合にはワイヤレスプローブが利用される。複数のプローブがFE装置12に接続された状態において、それらの中から実際に使用するプローブ16が選択されてもよい。体腔内に挿入されるプローブ16がFE装置12に接続されてもよい。
FE装置12とBE装置14は、図1に示すセパレート状態において、無線通信方式により電気的に相互に接続される。本実施形態では、それらの装置は第1無線通信方式及び第2無線通信方式により相互に接続されている。図1においては、第1無線通信方式による無線通信経路18及び第2無線通信方式による無線通信経路20が明示されている。 第1無線通信方式は第2無線通信方式に比べて高速であり、本実施形態では、その方式を利用してFE装置12からBE装置14へ超音波受信データが伝送される。すなわち、第1無線通信方式がデータ伝送用として利用されている。第2無線通信方式は第1無線伝送方式よりも低速、簡易な通信方式であり、本実施形態では、その方式を利用してBE装置14からFE装置12へ制御信号が伝送される。すなわち、第2無線通信方式が制御用として利用されている。
FE装置12とBE装置14とが物理的に結合されたドッキング状態においては、FE装置12とBE装置14とが有線通信方式により電気的に接続される。上記2つの無線通信方式に比べて、有線通信方式はかなり高速である。図1においては、2つの装置間に有線通信経路22が示されている。電源ライン26は、ドッキング状態において、FE装置12からBE装置14内へ直流電力を供給するためのものである。その電力がBE装置14の稼働で用いられ、また、BE装置14内のバッテリの充電で用いられる。
符号24はACアダプタ(AC/DCコンバータ)から供給されるDC電源ラインを示している。ACアダプタは必要に応じてFE装置12に接続される。FE装置12もバッテリを内蔵しており、バッテリを電源としつつ稼働することが可能である。FE装置12は後に示すようにボックス状の形態を有している。FE装置12の構成及び動作については後に詳述する。
一方、BE装置14は、本実施形態においてタブレット形態あるいは平板状の形態を有している。それは基本的には一般的なタブレットコンピュータと同様の構成を備えている。もっとも、BE装置14には、超音波診断用の各種の専用ソフトウエアが搭載されている。それには、動作制御プログラム、画像処理プログラム、等が含まれる。BE装置14は、タッチセンサ付きの表示パネル30を有している。それは入力器及び表示器を兼ねたユーザーインターフェイスとして機能する。図1においては、表示パネル30上に超音波画像としてのBモード断層画像が表示されている。ユーザーは、表示パネル30上に表示されたアイコン群を利用して各種の入力を行う。表示パネル30上において、スライド操作や拡大操作等を行うことも可能である。
診断用途、検査者の嗜好等に応じて、セパレート状態及びドッキング状態の内で選択された使用態様で、超音波診断システム10を動作させることが可能である。よって、使い勝手の良好な超音波診断システムを提供できる。
状態変更に際して超音波診断システム10の動作が不安定あるいは不適正にならないように、本実施形態では、状態変更に際して超音波診断システム10を強制的にフリーズ状態とする制御が実行される。具体的には、セパレート状態からドッキング状態へ移行する過程で、両装置間の距離を指標する電波強度あるいは受信状態に基づいて、FE装置12及びBE装置14のそれぞれにおいてドッキング直前が判定され、その判定に従って個々の装置12,14において動作状態をフリーズ状態へ遷移させる制御が実行される。ドッキング状態の形成後かつ検査者によるフリーズ解除の操作後に、それらの装置12,14のフリーズ状態が解除される。ちなみに、ドッキング状態からセパレート状態へ移行する過程では、セパレート状態になったことが抜線検出その他の手法によりFE装置12及びBE装置14で個別的に検出され、それらがフリーズ状態となる。その後のフリーズ解除の操作後に、それらの装置12,14のフリーズ状態が解除される。
なお、BE装置14は、病院内LANに対して無線通信方式及び有線通信方式によって別途接続され得る。それらの通信経路については図示省略されている。BE装置14(又はFE装置12)が、超音波診断のために機能する他の専用装置(例えばリモートコントローラ)に無線通信方式又は有線通信方式により、別途接続されてもよい。
図2にはセパレート状態が示されている。FE装置12は、例えば机の上に載置されている。FE装置12は、差込口(スロット)を有するホルダ34を有している。ホルダ34はヒンジ機構を有しており、水平軸周りにおいて回転可能である。FE装置12の特定側面にはプローブケーブルの端部に設けられているコネクタが装着されている。FE装置12の内部にプローブ等を収容する部屋を形成してもよい。そのような構成によれば、超音波診断システムの運搬時において便利であり、またプローブを保護できる。図2において、BE装置14は、FE装置12から分離されており、無線通信を行える限りにおいて、BE装置14をFE装置12から更に大きく離すことが可能である。
図3にはドッキング状態が示されている。ホルダ34の差込口に対してBE装置14の下端部が差し込まれている。その差込状態において、FE装置12とBE装置14とが有線接続状態となる。つまり、両者が有線LANで接続され、また両者が有線電源ラインで接続される。ドッキング状態においては、BE装置14の角度を任意に可変して、その姿勢を変えることが可能である。BE装置14を完全にその背面側(FE装置12の上面側)に倒すことも可能である。
(2)フロントエンド装置
図4はFE装置12のブロック図である。図中の個々のブロックは、プロセッサ、電子回路等のハードウエアによって構成される。送信信号生成回路38は、プローブ接続回路40を介して、プローブ内の複数の振動素子に対して並列的に複数の送信信号を供給する回路である。この供給によりプローブにおいて送信ビームが形成される。生体内からの反射波が複数の振動素子で受波されると、それらから複数の受信信号が出力され、複数の受信信号がプローブ接続回路40を介して受信信号処理回路42に入力される。受信信号処理回路42は、複数のプリアンプ、複数のアンプ、複数のA/D変換器、等を備える。受信信号処理回路42から出力された複数のデジタル受信信号が受信ビームフォーマ46に送られる。受信ビームフォーマ46は、複数のデジタル受信信号に対して整相加算処理を適用し、整相加算後の信号としてビームデータを出力する。そのビームデータは受信ビームに対応する深さ方向に並ぶ複数のエコーデータからなるものである。なお、1つの電子走査で得られた複数のビームデータによって受信フレームデータが構成される。
送受信コントローラ44は、BE装置から送られてきた送受信制御データに基づいて、送信信号生成及び受信信号処理を制御するものである。ビームプロセッサ50は、時系列順で入力される個々のビームデータに対して、検波処理、対数変換処理、相関処理等の各種のデータ処理を施す回路である。制御部52は、FE装置12の全体動作を制御している。この他、ビームプロセッサ50から順次送られてくるビームデータをBE装置へ有線伝送又は無線伝送するための制御を実行している。本実施形態では、制御部52は、有線通信器としても機能している。無線通信器54は第1無線通信方式で通信を行うためのモジュールである。無線通信器56は第2無線通信方式で通信を行うためのモジュールである。符号18は第1無線通信方式に従う無線通信経路を示しており、符号20は第2無線通信方式に従う無線通信経路を示している。それぞれは双方向伝送経路であるが、本実施形態では、前者を利用してFE装置12からBE装置へ大量の受信データが伝送され、後者を利用してBE装置からFE装置12へ制御信号が伝送される。符号64は有線通信用端子を示しており、そこには有線通信経路22が接続される。符号66は電源用端子を示しており、そこには電源ライン26が接続される。電源ライン26は上記のようにFE装置12からBE装置へ直流電力を供給するためのラインである。
バッテリ60は例えばリチウムイオン型のバッテリであり、そこにおける充放電は電源コントローラ58によって制御される。バッテリ駆動時において、バッテリ60からの電力が電源コントローラ58を介して、FE装置12内の各回路へ供給される。符号62はACアダプタ接続時における電源ラインを示している。ACアダプタ接続時には電源コントローラ58の作用によって、外部電力がFE装置12内の各回路へ供給される。その際、バッテリ60の充電量が100%未満であれば、外部電力を用いてバッテリ60が充電される。
超音波診断動作時(送受信時)において、FE装置12は、BE装置側での制御に従い、プローブに対する複数の送信信号の供給と、その後に得られる複数の受信信号の処理と、を繰り返し実行する。これにより得られる時系列順のビームデータが、セパレート状態では無線通信により、ドッキング状態では有線通信により、BE装置へ順次伝送される。その際においては個々のビームデータが複数のパケットに変換され、いわゆるパケット伝送方式により、個々のビームデータが伝送される。
なお、動作モードとしては、Bモードの他、CFMモード、Mモード、Dモード(PWモード、CWモード)等の各種のモードが知られている。高調波イメージングや弾性情報イメージング用の送受信処理が実行されてもよい。図1においては生体信号入力回路等の回路が図示省略されている。
(3)バックエンド装置
図5はBE装置14のブロック図である。図中、各ブロックはプロセッサ、回路、メモリ等のハードウエアを示している。CPUブロック68は、CPU70、内部メモリ72等を備えている。内部メモリ72はワーキングメモリ、あるいは、キャッシュメモリとして機能する。CPUブロック68に接続された外部メモリ80には、OS、各種の制御プログラム、各種の処理プログラム等が格納されている。後者にはスキャンコンバート処理プログラムが含まれる。その外部メモリ80は、リングバッファ構造を有するシネメモリとしても機能する。内部メモリ72上にシネメモリが構成されてもよい。
CPUブロック68は、複数のビームデータに基づくスキャンコンバート処理により表示フレームデータを生成する。それは超音波画像(例えば断層画像)を構成するものである。その処理が順次実行され、動画像が生成される。CPUブロック68は、超音波画像表示のための各種の処理をビームデータ又は画像に施す。その他、BE装置14の動作を制御し、また、超音波診断システム全体を制御している。
タッチパネルモニタ(表示パネル)78は、入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。具体的には、タッチパネルモニタ78は、液晶表示器及びタッチセンサを備え、ユーザーインターフェイスとして機能する。タッチパネルモニタ78には超音波画像を含む表示画像が表示され、また、操作用の各種ボタン(アイコン)が表示される。
無線通信器74は、第1無線通信方式に従って無線通信を行うためのモジュールである。その際の無線通信経路が符号18で示されている。無線通信器76は、第2無線通信方式に従って無線通信を行うためのモジュールである。その際の無線通信経路が符号20で示されている。CPUブロック68は有線通信方式に従って有線通信を行う機能も備えている。ドッキング状態においては、有線通信端子92に有線通信ラインが接続される。また、電源端子94に電源ライン26が接続される。
CPUブロック68には、I/F回路82を介して、複数の検出器84〜90が接続されている。それには照度センサ、近接センサ、温度センサ等が含まれてもよい。GPS等のモジュールが接続されてもよい。I/F回路82はセンサコントローラとして機能する。
バッテリ102はリチウムセラミック型のバッテリであり、その充放電は電源コントローラ100によって制御されている。電源コントローラ100は、バッテリ動作時においてバッテリ102からの電力をBE装置14内の各回路に供給する。非バッテリ動作時において、FE装置から供給された電力、又は、ACアダプタから供給された電力をBE装置14内の各回路に供給する。符号104はACアダプタを経由した電源ラインを示している。
BE装置14は、FE装置を制御しつつ、FE装置から送られてくるビームデータを順次処理して超音波画像を生成し、それをタッチパネルモニタ78に表示する。その際においては超音波画像と共に操作用グラフィック画像も表示される。通常のリアルタイム動作においては、BE装置14とFE装置とが無線又は有線で電気的に接続され、両者の同期が図られつつ、超音波診断動作が継続的に実行される。フリーズ状態においては、BE装置14において送信信号生成回路、受信信号生成回路の動作が停止され、電源コントローラ100における昇圧回路の動作も停止する。BE装置においては、フリーズ時点で静止画像表示となり、その内容が維持される。BE装置に外部表示器を接続できるように構成してもよい。
(4)設定値セットの生成及び復元
図6には制御部110及び記憶部112の構成が示されている。制御部110は、図5に示したCPU及び動作プログラムに相当する。記憶部112は図5に示した内部メモリ72及び外部メモリ80に相当する。もっとも、図6に示す構成は例示に過ぎない。
記憶部112には、標準セット群114が格納されている。個々の標準セットは、例えば数百からなる設定値(パラメータ値)からなる設定値セットであり、それはデフォルトセットとして用意された標準的又は汎用的なセットである。個々の標準セットは、1つのテーブルあるいは1つのファイルを構成する。例えば、標準セット群114は、64個の標準セットにより構成されている。
プローブ管理テーブル116は、プローブ種別ごとに、複数の周波数レベル(高、高中、中(普通)、低)に対応付けられる複数の送信周波数を管理するためのテーブルである。個々の標準セット中には、具体的な数値としての送信周波数が記述されてはおらず、それに代えて相対的な表現である特定の周波数レベル(ランク)が記述されている。使用プローブが選択されると、使用プローブの種別によって、複数の周波数レベルに対応する複数の送信周波数が特定される。その中から、設定値セット中に記述された特定の周波数レベルに対応する特定の送信周波数が選択される。その送信周波数は現在使用しようとしている設定値セット(現セット)中に数値として記述され、つまりそのような情報が埋め込まれる。
他の管理テーブル群118は、1又は複数の管理テーブルによって構成される。個々の管理テーブルは、上記のプローブ管理テーブルのように、設定値セット中の一部の値を決める際に必要に応じて参照されるものである。
画像DB(データベース)128は、個々の診断画像(例えばBモード画像)ごとに、それに対して複数の情報を関連付けて管理するためのものである。記憶部112には、診断画像群120、保存セット群122、プレビュー画像群124、サムネイル画像群126が格納されている。それらの管理を行うために画像DB128が構成されている。個々の診断画像に関連付けられる情報として、保存セット(ストア命令時の設定値セット(現セット))、プレビュー画像(画像検索後において個々の画像を拡大表示する際に利用される画像であって、診断画像と同じ内容を有するものの、診断画像とは異なるフォーマットを有する)、サムネイル画像(診断画像を縮小・低解像度化することにより生成される画像)、等があげられる。
制御部110は、選択部130、最適化部132、動作制御部140、ストア処理部146、復元部148、変更部150等を有する。選択部130は、標準セット群114の中から、ユーザーによって入力された検査条件に適合する1つの標準セットを選択する。最適化部132は、選択された標準値セット中の一部を修正することにより、最適化された設定値セット(つまり最適化セット)を生成する。最適化は、例えば、選択された標準セット中の一部項目について、被検者に適合する具体的な設定値を与えるものである。最適化セットは動作制御部140における記憶領域142上に現セットとして書き込まれている。動作制御部140は、現セットの内容に基づいて超音波診断システム全体の動作条件を設定する。それには、例えば、動作モードの設定、送信周波数の設定、ゲイン値の設定値、コントラスト値の設定、フィルタの設定、等の多数の設定が含まれる。
ストア処理部146は、ストア命令が出されたタイミングで、表示されている画像及び現セットを記憶部112へ格納する。それに先だって現セット中に現プローブの識別子等の情報が書き込まれる(埋め込まれる)。保存された現セットを保存セットと称する。以上のような一連の処理がストア処理である。
復元部148は、特定の診断画像が選択された場合において、その特定の診断画像に対応付けられた保存セットを特定し、それを読み出して動作制御部140へ与える処理を実行する。このような再利用により、過去の検査時の動作条件をそのまま復元することが可能である。その復元に先だって、現プローブ(現在選択されているプローブ)と元プローブの異同が判定されており、異なる場合には元プローブの情報がユーザーに提供され、元プローブと同じプローブの接続が促される。その際、必要に応じて、接続プローブが交換される。プローブの異同判定に際しては、プローブ種別(プローブ種別ID)の一致/不一致が判定されている。それに代えて、大まかなプローブタイプの一致/不一致あるいはプローブシリアル番号の一致/不一致を判定することも可能である。
図示されていない回路によって、プローブが接続された時点で、プローブ内のROM等のメモリに記憶されたプローブ固有情報が自動的に読み出されている。プローブ接続の監視は常時行われている。プローブ固有情報は制御部110へ与えられており、その情報にはプローブ種別を識別する情報が含まれる。本実施形態では、一度に例えば3本のプローブを接続することが可能であり、その中から実際に使用する1本のプローブが選択される。但し、1本のプローブだけが接続可能な構成を採用してもよい。
変更部150は、現セットの内容をユーザーにおいて自由に修正するためのモジュールである。画面に対する入力操作等によって各種のパラメータ値が変更される。現セットの内容が随時更新されることになる。ちなみに、変更時点で古い値に対して新しい値を上書きしてもよいが、現セット内のどこかに古い値を履歴データとして保存しておいてもよい。
診断画像群120を構成する個々の診断画像は例えば静止画像である。つまり、個々の静止画像ごとに保存セット、プレビュー画像、サムネイル画像等が対応付けられつつ管理される。但し、動画像について同様の管理を行うようにしてもよい。動画像の場合、フレーム列の最後のフレームに対応する設定値セットを保存セットとして保存しておくようにしてもよいし、フレーム列に対して時間的に動的に変化する保存セットをそのまま保存しておくようにしてもよい。制御部110において実行されるプログラムは可搬型の記憶媒体又はネットワークを経由して本システム内にインストールされる。
図7には標準セットが例示されている。標準セット152は、例えば400個にも及ぶ多数の設定値からなる設定値セットである。図示の例では、設定値として、動作モード154、送信周波数レベル(標準)156、体型別レンジ(細用レンジ、中用レンジ、太用レンジ)158、体型別ゲイン(細用ゲイン、中用ゲイン、太用ゲイン)160、体型別フィルタ係数(細用係数、中用係数、太用係数)162等が示されている。ここでレンジは診断深さ範囲のことである。体型依存項目については、複数の体型に応じた複数の候補値が用意されている。被検者について体型が指定されると、その体型に応じた候補値が選択され、それが実際の設定値として採用される。送信周波数としては、具体的な絶対的な数値が記述されているのではなく、相対的表現あるいは相対的記述としての「標準」が特定されている。後に詳述するように、プローブ管理テーブル上において、認識されたプローブ種別と設定値セット中の送信周波数の記述「標準」とから、具体的な数値として送信周波数が特定される。設定値セット中では相対的な記述を採用することにより、新しいプローブが発生しても、プローブ管理テーブルの内容を追加するだけでよいという利点が得られる。
標準セットにはプローブ種別を特定するプローブIDを記述する欄が含まれている。現セット又は保存セットを構成する段階で、当該欄164に実際に使用されたプローブについてのプローブIDが記述される。体型とプローブ種別の組み合わせに応じて、設定値を最適化するようにしてもよい。本実施形態では、標準セット群の中から、被検者(及びその検査方法)に適合する1つの標準セットが選択された上で、その標準セットの一部を被検者の体型及び使用プローブに応じて修正(最適化)するようにしている。これにより、かなり多数の標準セットを用意しておく必要がなく、簡易かつ迅速に、最適化セットを生成できるという利点を得られる。なお、体型に代えて又はそれに加えて、脂肪率、BMI等の体質情報を利用してもよい。
次に図8を利用して検査条件の指定について説明する。図8の上段には検査条件中の基本事項の選択過程が示されている。その下段には体型選択過程及び使用プローブ選択過程が示されている。
基本事項の選択過程では階層的又は段階的な選択により基本事項が絞り込まれる。具体的には、まず性別リスト170中からいずれかの性別が選択される。性別リスト170は、図示の例において、男性項目と女性項目とからなり、ここでは男性項目が選択されている。
その選択により、人体を模擬した人体像172の種別が決定される。男性用人体像と女性用人体像とが用意されており、選択された性別に対応した人体像が表示される。人体像172は、複数の部分からなるものである。具体的には、頭部172a、頸部172b、胸部172c、上肢172d、腹部172e、下肢172fに区分されている。その中からいずれかの部分を選択することにより、例えば、タッチセンサ付き表示器の画面上で診断対象に相当する部分を触ることにより、大まかな診断部位(大分類)を選択することが可能である。
大分類が選択されると、1又は複数の選択項目リストが表示される。複数の選択項目リストが表示される場合、上位から下位へそれらが順次表示される。例えば、図8に示す例では、腹部が選択されると、腹部に含まれる複数の臓器を示す項目リスト174が表示される。その内で特定の臓器に相当する項目(中分類)176を選択すると、その臓器中における複数の診断部位を示す項目リスト178が表示される。その中から特定の診断部位に相当する項目(小分類)180を選択すると、複数の診断方法を示す項目リスト182が表示される。その中から特定の診断方法に相当する項目184が選択される。いずれかの項目リストが1又は複数の診断方法を含むものであってもよい。いずれにしても、階層的に管理された項目群を順次選択するだけで、基本事項186の選択を完遂できる。その際、ユーザーにおいて設定値セットの入力を行う意識はまったく不要であり、被検者に応じて個々の選択を行うだけでよい。この過程を後述する体型選択も含めて被検者プロファイリングと称することが可能である。
体型の指定においては、画面上に表示された体型選択欄188の中から検査者の判断により特定のボタンが選択される。図示の例ではボタン190が選択されている。個々のボタンは仮想的なボタンあるいはアイコンであって、ボタン枠の内部には体型を模式的に抽象的に表現した図形が描かれている。その図形はグラフィック要素である。図示の例では、直径の異なる3つの円筒が描かれている。「細、中、太」の文字が描かれた3つのボタンを用意しておくことも可能であるが、その場合に、被検者がそれを見た場合あるいはその選択結果を見た場合に抵抗感を覚えるおそれがある。本実施形態の表現方法であればそのような問題を回避又は低減できる。
使用プローブの指定においては、個々の接続プローブごとに自動的に検出されたプローブ識別情報に基づいて接続プローブリスト(プローブ選択欄)194が表示される。個々の項目にはプローブ識別子及びマークが含まれる。図示の例では使用プローブとして項目196で特定されるプローブが選択されている。
以上のような選択の結果として検査条件198の入力が完了する。その時点で標準セットが選択され、且つ、その内容が最適化される。これにより最適セットが生成される。検査者において標準セットの選択やその最適化を意識することは不要であり、検査条件入力画面上において選択を繰り返すだけで、結果として最適セットが生成されることになる。つまり、最適セットの生成はバックグラウンド処理として実行される。但し、所定の画面を表示することにより、最適セットの中身を具体的に参照することは可能である。
図9には画像データベース(DB)の一例が示されている。画像データベース128は、個々の診断画像ごとに各種の情報を対応付けて管理するためのものである。図示の例では、診断画像のID(イメージID)200ごとに、被検者情報202、検査情報204、プレビュー画像ポインタ206、サムネイル画像ポインタ208、設定値セットID210、等が対応付けられている。被検者情報202は、被検者ID、被検者名、等を含むものである。検査情報204は、検査日、検査番号等の情報を含むものである。
このような画像DB上において、例えば、いずれかのイメージIDを選択すると、それに対応付けられているプレビュー画像、サムネイル画像及び設定値セット(保存セット)を直ちに特定することが可能である。いずれかのサムネイル画像が選択された場合も同様である。画像DB128を利用して各種の検索を行うことができ、例えば、被検者IDをキーとして画像検索を行える。その場合には、望ましくは、検査日ごとに画像リストとして1又は複数のサムネイル画像が表示される。
図10には、標準セット中におけるレンジ列212の一例が示されている。3つの体型に対応して3つのレンジを特定する3つの数値が記述されている。図11には、標準セット中におけるフィルタ係数列214の一例が示されている。3つの体型に対応して3つのフィルタ係数を特定する3つの数値(数列)が記述されている。図12にはプローブ管理テーブルの一例が示されている。縦軸は複数の周波数レベル(ランク)を表しており、具体的には、高、中高、標準、低の4つのレベル(相対指定)が示されている。その中から標準セット中の記述によって1つのレベル218が選択される。例えば標準が選択される。横軸は本システムにおいて対応可能な複数のプローブ種別を表している。その中から、接続されたプローブであってユーザー選択された特定のプローブ220が選択される。以上のような縦軸及び横軸の選択により特定の送信周波数222が具体的に特定される。新しいプローブが登場した場合、プローブ管理テーブル216の項目を増やすだけで対応可能であり、個々の標準セットの内容をその都度修正する必要はない。
図13には動作例が示されている。その動作は図6に示した制御部によって実現されるものである。S10においては後に図14に示すメインメニューが表示される。メインメニューはトップページであり、起動時及びホームボタン入力時においては常にメインメニューが表示される。メインメニュー上において複数の項目の中から所望の項目を選択できる。複数の項目の中には、検査条件設定の項目、及び、履歴検索の項目が含まれる。
検査条件設定の項目が選択されると、S12において、後に図15に示す検査条件選択画面が表示される。その検査条件選択画面上において、被検者に応じて、あるいは、今回の検査の内容に応じて、複数の項目を選択することにより、検査条件が指定される。検査条件の内で基本的事項については階層的な項目選択によりその内容を定めることが可能である。基本的事項には検査部位が含まれ、望ましくは検査部位及び検査方法が含まれる。また、検査条件選択画面を利用して、被検者の体型、及び、使用プローブ、が選択される。これに関しても後に図15を用いて説明する。なお、検査部位の選択に際しては、人体像が表示され、その中の特定の部位を選択することにより、検査部位を含む区画(大分類)が指定される。人体像として、男性を表す人体像と女性を表す人体像とが用意されており、性別の選択結果に従っていずれかの人体像が表示される。性別の選択が行われない場合にはデフォルトとして例えば男性を表す人体像が表示される。
以上のように項目選択を繰り返すことにより結果として検査条件が指定される。これによりS14において、標準セット群の中から、指定された検査条件に適合する標準セットが選択される。また、その標準セットの内容の一部を検査条件に応じて修正することによりその標準セットの内容が最適化される。つまり、検査条件に適合する最適セットが生成される。S16においては、最適セット(初期の現セット)に基づいてシステム中の各回路の動作条件が設定され、これによって送受信が開始される。
診断中、S18において、動作条件のマニュアル修正が判定されると、例えば、ゲインつまみの操作が判定されると、S20において、新しく指定された値に従って動作条件が修正される。つまり、その値に従ってシステムが動作する。その時点において、現セットの内容が直ちに修正されてもよい。つまり、その時点で古い値が新しい値に書き換えられてもよい。あるいは、その新しい値の現セットへの反映が例えばストア時点で事後的に行われてもよい。また、古い値を履歴として残すようにしてもよい。
また、診断中、S22において、ストア命令の入力があったことが判定されると、S24においてストア処理が実行される。すなわち、その時点で表示されている診断画像及びその取得で用いた現セットが保存される。保存された現セットは保存セットとして診断画像に関連付けられつつ管理される。S26では診断を終了するか否かが判断され、終了しない場合には上記S18以降の各工程が繰り返し実行される。S28では送受信が停止される。
一方、メインメニューにおいて、履歴検索の項目が選択されると、S30において、ユーザーによって画像検索条件が入力される。例えば、今回検査対象となった被検者のIDが検索キーとして入力される。すると、S32において、DBを利用した画像検索が実行され、その検索結果が表示される。本実施形態では、検査日ごとの画像リストの形式で検索結果が表示される。つまり、同じ被検者について実行された過去の検査結果が表示される。その具体例については後に図17に示す。
S34において、検索結果の中で、特定の診断画像(実際にはそれを表すサムネイル画像)を指定すると、後に図18に示すように、指定された画像に対応するプレビュー画像が拡大表示される。プレビュー画像と共に、本実施形態では、プレビュー画像に対応付けられた保存セットを適用するか否かを選択するための選択欄も表示される。その選択欄を利用して適用実行を指示すると、S38において、その保存セット中に書き込まれている元プローブ情報が参照され、元プローブが特定される。そして、元プローブと同じプローブが、現在接続されている1又は複数のプローブ(現プローブ)中にあるか否かが判定される。元プローブと同じプローブが接続されていれば、処理がS14へ移行し、それが存在しない場合には、処理がS40へ移行する。
S40においては、プローブ選択画面が表示される。プローブ選択画面には、後に図19で示すように、プレビュー画像ストア時の使用プローブを特定する元プローブ情報、及び、現プローブリスト、が含まれる。現プローブリストは、現在接続されている個々のプローブを表すアイコン(あるいは仮想的なボタン)として構成されており、それにはプローブの模式図及び型名が含まれる。動作条件を完全に又はできるだけ復元するためには、元プローブと同じプローブを使用すべきであり、上記のような元プローブ情報の提供により、同じプローブの接続が促されている。
S42は、必要に応じて行われるユーザーの行為を示しており、つまり、プローブ交換を示している。空いているコネクタがあればそのコネクタに新たなプローブが接続され、空いているコネクタがなければいずれかのプローブを取り外してその代わりに新たなプローブが接続される。プローブの接続状態は常時監視されており、接続状態が変化すると、その変化が直ちにプローブリストに反映される。なお、元プローブと同じプローブが存在していない場合であっても、元プローブの仕様に近い仕様を有するプローブが接続されることもある。元プローブ情報と現プローブリストとを同時に表示することにより、ユーザーが総合的に判断するために必要となる情報を提供できる。
S44においては、現プローブリスト中から特定のプローブが選択される。これによりS16において、保存セットが現セットとして利用され、つまり超音波診断が開始される。S18以降の工程については既に説明したとおりである。
上記の動作例は、少なくとも2つの特徴事項を備えている。第1の特徴事項は、検査条件選択画面の利用による体型を含む検査条件の選択である。被検者の体型を選択させることによって、使用する設定値セットの内容を体型面から最適化することができる。検査条件の選択に関しては、人体像を利用した大項目選択及び階層的選択も特徴事項と言いうる。第2の特徴事項は、保存セットの再利用時におけるプローブ判定である。つまり、元プローブと同じプローブを利用して元セットができるだけ再利用されるようにしている点である。これに関しては、元プローブ情報と現プローブ情報とを同時に提供する点も特徴事項と言いうる。また、保存セット内に元プローブ情報を埋め込んでおく点も特徴事項と言いうる。
図14には、メインメニューが例示されている。これはタッチセンサ付き表示器の画面上に表示されるものである。メインメニュー224内には複数の項目(複数の仮想的なボタン)が含まれている。項目226は検査条件を指定する際に操作されるものである。その操作により図13におけるS12以降の各工程が実行される。項目228は、画像検索を行う際に操作されるものである。その操作により図13におけるS30以降の各工程が実行される。欄230には3つの項目が含まれ、それはプローブリストを構成している。例えば、3つのプローブが接続されている場合、図示されるように、それらを示す3つの仮想的なボタンが表示される。個々のボタン内にはプローブを模擬したマーク、及び、プローブの型名が表示される。より詳細な情報が提供されてもよい。プローブコネクタを1つしか有していないシステムにおいては1つの仮想的なボタンのみが表示される。ホームボタンを押すことにより上記のメインメニューを直ちに再表示させることが可能である。なお、メインメニューは被検体登録を行う際に操作されるボタン等も含まれる。
図15には検査条件選択画面232が例示されている。検査条件選択画面232は、基本事項選択欄234、体型選択欄236、及び、プローブ選択欄238を有している。
基本事項選択欄234は、模式的な人体像172を含む選択欄、及び、1又は複数の項目リスト240、242、244が含まれる。人体像172としては男性を表す人体像と女性を表す人体像とがあり、別途選択された性別に従って、被検者の性別に対応した人体像が表示される。個々の人体像は図8を用いて説明したように複数の部分に区画されている。その中から検査部位を含む特定の部分が選択される。例えば腹部が選択される。すると、腹部に関連付けた項目リスト240が表示される。項目リスト240は、腹部内の部位や検査方法を表す複数の項目からなるものである。項目リスト240の中の特定の項目を選択すると、その項目に関連する項目リスト242が表示される。項目リスト242も複数の項目からなり、その中から特定の項目を選択すると、その項目に関連する項目リスト244が表示される。その中から特定の項目が選択される。人体像172上での選択後、項目リスト表示数(階層数)は実際の検査部位及び検査方法による。1つの項目リスト240だけ表示されてもよい。いずれにしても、ユーザーに対して階層的な段階的な選択を求めることにより、簡単に検査条件を指定することが可能となる。その場合において設定値セットや装置動作条件を意識する必要はない。なお、図示の例では、中分類に相当する項目リスト240は、消化器、血管、泌尿器、手術、腹腔鏡(術)の項目を含んでおり、小分類に相当する項目リスト242は、一般、小児、造影、腸管の項目を含んでおり、細分類に相当する項目リスト244は、高音圧、中音圧、低音圧の項目を含んでいる。いずれの内容も例示に過ぎないものである。画面上の個々の要素(例えば人体像、ボタン)は、いずれもグラフィック要素である。
体型選択欄236は、図示の例において、3つの項目(ボタン)246、248、250からなる。3つの項目は、体型として、細、中、太を表している。それらを表すために3つのボタン内には3つの図形が描かれている。個々の図形は円筒であり、それらの間においては直径が相違している。よって、ユーザーにおいて直感的に体型の違いを認識できる。仮に被検者が画面を覗き込んでも体型入力欄として気付き難い。図示の例によれば、直接的に体型を文字で特定するよりも、被検者に対して親切である。上記以外の図形を利用してもよい。例えば、球や楕円などが考えられる。あるいは記号が考えられる。
プローブ選択欄238は、図示の例において、3つの項目(ボタン)252、254、256で構成されている。それは現在接続されているプローブを示すものであり、プローブリストである。個々の項目内にはプローブを示すマーク及び型名が表示されている。
基本事項の選択、体型の選択、及び、プローブの選択は、任意の順番で行えばよい。それらの全部が実行された時点で、今回の検査に適合する標準セットが選択され、その内容が最適化される。図15に示した検査条件選択画面のレイアウトは一例である。もっとも、人体像172と体型選択欄236は近付けておくのが望ましい。なお、項目リスト上において特定項目にカーソルがおかれた場合、その項目が実際に選択される前であっても、その特定項目に関連する下位の項目リストが仮表示されてもよい。
図16には、検査中の画面258が示されている。上記のように生成された最適化セットを実際に利用してシステム動作条件を設定することより超音波診断が実行される。これにより図16に示すような画面258が表示される。そこには超音波画像(診断画像)260と操作画像262が含まれる。超音波画像が含まれる診断エリアにはボディマーク263及びプローブマーク264が含まれている。操作画像262には複数のボタン(操作要素)が含まれている。それには例えばフリーズボタンが含まれる。
図17には、画像検索結果が例示されている。例えば、被検者IDを検索キーとして画像検索を行うと、図17に示すような画像266が表示される。画像266内には、検査日ごとの画像リスト268,270が含まれる。それらの画像の中から特定の画像(関心画像)272が選択されると、図18に示すように、プレビュー表示が実行される。画面内にはプレビュー画像274が表示されている。それはサムネイル画像を拡大した画像に相当するものである。画面内にはボディマーク276、プローブマーク278が含まれる。また、代表的な複数の設定値280,282,284が含まれる。それらは設定値セット中の一部に相当するものであり、画像取得条件を示すものである。表示される数値として、送信周波数、ゲイン、診断レンジ、等があげられる。
プレビュー画面内には項目286が含まれる。それはプレビュー表示されている画像のストア時における設定値セットを再現する場合に操作されるものである。例えば、ある被検者について前回の検査で採用された設定値セットを今回の検査で再利用すれば2つの検査間でシステム動作条件を揃えることが可能である。符号288はプローブ情報表示欄を示している。その欄には例えば元プローブを特定するマーク及び型名等が表示される。元プローブと同じプローブが接続されていない場合、不存在を示す記号を表示するようにしてもよい。
項目286の操作時において、元プローブと同じプローブが接続されていれば、以下に説明するプローブ選択画像が表示されることなく、そのまま設定値セットが再利用され、診断が開始される。
一方、項目286の操作時において、元プローブと同じプローブが接続されていない場合、図19に示すプローブ選択画像が表示される。具体的には、図18に示したプレビュー画像の中央部分に重なるようにプローブ選択画像290がポップアップ表示される。プローブ選択画像290には、元プローブ情報を含む表示欄294、及び、プローブリスト292が含まれる。表示欄294には、元プローブを示すマーク及び型名が含まれている。プローブリスト292は、図示の例では、3つの項目(ボタン)296,298,300からなり、それぞれは接続中のプローブを表している。各項目にはプローブを示すマーク及び型名が含まれる。
表示欄294とプローブリスト292の内容を観察することにより、プローブ交換を行うべきか否か、プローブ交換を行わない場合にはどのプローブを使用するか、等を総合的に判断できる。プローブ接続状況がリアルタイムで監視されており、プローブの交換等があった場合、最新の状況がプローブ選択画像290上に反映される。その場合においても、元プローブの情報は表示され続けるので、使用プローブの選択時に元プローブ情報を考慮に入れることが可能である。いずれかの項目つまりプローブが選択された場合、超音波診断が開始される。
図19に示されるように、プレビュー画面内において、プローブ選択画像290の周囲エリアには、代表的な設定値の表示280,282,284が露出しており、プローブ選択に際してそれらを参考にすることが可能である。ボディマーク276についてもそのほぼ全体が現れている。
上記実施形態においては複数のユニットからなる超音波診断システムについて説明したが、上記の各構成をカート式超音波診断システム等に適用してもよい。