JP6045576B2 - 解剖学的に適合した患者用アライメントブロック - Google Patents

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Description

本発明は、関節形成術中に基準となりかつ整列させる解剖学的に適合した患者用アライメントブロックを設計し製造するシステム及び方法に関するものである。より具体的には、本発明は、関節形成術に用いられる改良型の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック、患者の解剖学的構造に基づいてこれらの解剖学的に適合した患者用アライメントブロックを設計し製造する新規のシステムに関する。本発明はまた、関節形成術中に改良型の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックを位置決めする方法にも関する。
長い間繰り返し使用することにより少しずつ、骨及び関節は損傷したり摩耗したりする。例えば、骨及び関節における反復ストレス(例えば運動活動を通しての)、外傷性イベント、及び特定の病気(例えば変形性関節症)により、通常緩衝効果をもたらしている関節領域における軟骨は摩耗したり、損傷したりする。この状態は患者にとって疼痛、剛性及び動きやすさの低下につながる。
関節形成術は、関節を人工関節に代えるのに普通に用いられる。代表的な関節形成術中では、関節炎やさもなければ機能障害の関節は再整形及び/又は再整列され、そして損傷領域にインプラントシステムが正確に位置決めされる。関節形成術は、膝、腰、肩及び肘を含めた身体の異なる領域のいずれかの関節において行うことができる。
幾つかの関節形成術があり、そのうちの一つは、人工膝関節形成術(“TKA”)であり、損傷した膝関節は補綴インプラントシステムに代えられる。膝関節は、重度の変形性関節症又は退行性関節炎、外傷、或いはまれに起こる破壊的な関節疾患のような関節炎によって損傷され得る。TKAの術中は、大腿骨の遠位領域における損傷部分は除去され金属インプラントに代えることができ、また脛骨の近位領域における損傷部分は除去され金属ステムを備えたプラスチック製のチャネルピースに代えることができる。
損傷領域に植え込まれるインプラントは、損傷領域に対する支持及び構造体を提供し、損傷領域を復活させることを補助し、それにより関節の機能性を高めることができる。損傷領域にインプラントを植え込む前に、損傷領域はインプラントを受けるための準備がされる。例えば、膝関節形成術では、大腿骨及び/又は脛骨のような膝領域における一つ以上の骨が処置(例えば、カット、穿孔、孔の拡張及び/又は新しい表面形成)されて、インプラントコンポーネントと並べることができる一つ以上の表面を設け、それによりインプラントシステムを適応させる。
代表的には、関節形成術では、インプラントシステムを正確に配置するのに多数の手術ステップがある。患者におけるインプラントの寿命は、これらの手術ステップが実施される精度に依存している。例えば、TKAでは、インプラントのアライメント精度は、手術を成功させる際の重要なファクターである。数ミリメートルの変移によるアライメントエラーや僅か数度の回転によるアライメントエラーは、結果として不安定な関節となり、それによりTKA手術の結果に重大な影響をもたらし得る。例えば、インプラントのアライメントエラーは、耐えられない手術後の痛み、弱い足どり、インプラントのより早い磨耗に繋がり、手術の追加コスト及び痛みを患者に与える修復がしばしば必要となり得る。
カット処置、穿孔処置、孔の拡張処置及び/又は新しい表面形成処置のような手術ステップを用いて骨の任意の領域を処置しながら、インプラントの正確なアライメントを達成するために、処置が行われる部位を正確に決めて、患者に対してカット及び穿孔機器をどのように位置決めするかが重要である。何度もの文献の研究によると正確なアライメントのガイドとして複雑な機器のセットが用いられる。かかるシステムの精度は外科医の想定や経験に限定される。また、それぞれの患者は特有の共通問題を抱えている。
特許文献1:インド国特許出願4479/KOLNP/2009には、患者の特殊な手術用具、及び特に切除ガイド、並びに使用及び製造方法が記載されている。
特許文献2:インド国特許出願2317/KOLNP/2010には、骨形成関節の関節形成術対象部位の三次元サーフェスモデルをコンピュータで生成する方法が記載されている。かかる方法は、骨の少なくとも一部の二次元画像を生成すること、二次元画像の少なくとも幾分かにおける関節形成術対象部位に沿ってオープンループ輪郭線を生成すること、及びオープンループ輪郭線から関節形成術対象部位の三次元モデルを生成することを含み得る。
特許文献3:インド国特許出願2980/KOLNP/2010には、X線画像を用いて特定の患者のための特注の手術用具すなわち人工装具を制作する方法が記載されている。また、身体部の患者の特定モデルを生成するコンピュータ実装方法も記載されている。
特許文献4:米国特許第8,092,465号及び特許文献5:米国特許第8,070,752号には、患者における人工装具用の関節をつくる方法が記載されている。かかる方法は、患者の関節に関連したスキャンデータを得ること、スキャンデータに基づいて関節の三次元画像をつくること、スキャンデータに基づいて相互作用の初期手術プランをつくること、外科医に手術プランを送ること、外科医から最終手術プランを受けること、及び患者固有のアライメントガイドの画像をつくることを含む。しかし、この方法は、患者固有のアライメントガイドを制作する際に、軟骨、膝蓋腱のような軟組織を考慮していない。また、ガイドは、実際にカットを行うのに先立って、カットの基準となる基準面を外科医に提供せず、また種々の手術用具に適応するいかなる付加的な特徴も備えていない。
幾つかの方法では、患者の画像データ(CTスキャン、MRIスキャン)に基づいて設計した患者固有の位置決めブロックは、骨の領域におけるカット、穿孔、孔の拡張やリサーフェイシング機器のような仕上げ機器を正確に位置決めしかつ配向するのに用いられる。関節形成ジグは例えばかかる機器を受け入れるような一つ以上の開口及び/又はスロットを含むことができる。かかる関節形成ブロックは、術中の適応性が制限される。
さらに、現在利用できる関節形成ブロックは、外科医が行うことになるカットをダブルチェック(再照合)できる或いは外科医が必要に応じてカットの位置を変えることができるようにする平滑面を提供しない。また、従来のTKA手術では、髄内管の孔を穿孔する必要があり、その結果、患者の骨髄が損失されることになり、そして患者の回復時間が延びることになる。
さらに、既存のシナリオでは、患者固有の関節形成ブロックを製造する方法は、過度に長引き、退屈であり、コスト的にも問題である。さらに、患者固有の関節形成ジグが複雑な形状であるために、製造方法は、コストの相当な増加となるラピッドプロトタイピングとして知られた付加的な製造に限定されてきた。従って、一般大衆に受け入れられるように患者固有のブロックを製造するコスト的に有利な方法と共に、術中に適応性をもたせるように最適化した設計が必要である。
インド国特許出願4479/KOLNP/2009 インド国特許出願2317/KOLNP/2010 インド国特許出願2980/KOLNP/2010 米国特許第8,092,465号 米国特許第8,070,752号
本発明の一つの目的は、関節形成術に用いる解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、外科医によって行われる骨カットの外科的精度を高める、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供すること並びに骨棘(骨増殖)及び軟組織にやさしいシステムを提供することにある。
本発明の別の目的は、事後の参照技術に加えて関節形成術用の事前の参照技術をサポートする、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、関節形成術中に多数の骨カットを行うために使用できる、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、関節形成術中にピンを抜くことなしに外すことができる、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、関節形成術中に必要な手術ステップを減らす、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、関節形成術中に用いる手術用具の数を減らすことのできる、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、関節形成術中において骨棘を取り外す必要性がない、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、関節形成術中に患者の軟組織の損傷の危険を低減する軟組織にやさしいシステムをもたらす、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、術後の患者の回復時間を短くできる、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、様々な標準の手術用具で用いるようにされた容易に製造できる、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供することにある。
本発明の別の目的は、コスト的に有利でありしかも製造時間を短縮できる、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、小規模で再製作できる、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、関節形成術中に術中の柔軟性をもたらす、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックの位置決め方法を提供することにある。
本発明は、外科医の臨床入力と共に患者の解剖学的構造に基づいて、解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを設計し製造するシステム及び方法に関する。
患者の大腿骨及び脛骨の側面図。 患者の大腿骨及び脛骨の正面図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの患者固有のサーフェスを示す斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの断面図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの一実施形態を示す斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの基部側の斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態を示す斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態を示す図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態の遠位部を示す図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態を示す斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態を示す斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態を示す図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの一実施形態の遠位部を示す図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態を示す斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態を示す斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態を示す斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の実施形態を示す別の斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックのなお別の実施形態を示す斜視図。 本発明による大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックのなお別の実施形態を示す斜視図。 本発明による脛骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの斜視図。 本発明による脛骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの患者固有のサーフェスの斜視図。 本発明による脛骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの断面図。 本発明による脛骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの基端側の斜視図。 本方法の実施形態を示すフローチャート。
本発明は、上記の問題を解決しそして術中の比較的高い適応性をもって比較的低コストで関節置換術のために用いられることになる解剖学的に適合した患者用アライメントブロックを提供する。本発明はまた、解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの製造方法及び上記解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの位置決め方法を提供する。
患者の解剖学的情報は、解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの表面に伝達される。上記ブロックは、ブロックが一度取り出されると、基準ピンと共に保持ピンとして機能するピンホール/スロットを用いる。これらの基準ピンホール/スロットは、標準手術用具を使用するための正確な基準を提供する。これらのブロックはまた、骨をカットするための基準として用いることのできる平坦面を含み得る。ブロックはまた、手術成績を手術中に確認するリファレンス機能(溝、スロット、矢印、線などのような)を備え得る。ブロックのかかるリファレンス機能すなわち構成は、コンピュータ支援手術を介して容易に認識されるようにできる。ブロックはまた、コンピュータ支援手術システムの一部であることができ、アクティブ又はパッシブカメラシステムは、手術におけるこれらのブロックを動的に確認でき、そして手術を成功させるために動的な入力を手術中に提供できる。
解剖学的に適合した患者用アライメントブロックをつくるのに使用した原料のデザイン及びタイプも最適化され、それにより製造コストを相当に下げ、そして一般大衆に入手可能なブロックをつくることができる。種々の実施形態において、ブロックは、プラスチック、金属又は任意の他の生体適合性材料のシート、ロッドを用いて製造でき、そしてブロックは、必要なサイズにカットされる。これらの解剖学的に適合した患者用アライメントブロックは、本発明によれば、生体適合性樹脂を用いて予備成形した(例えば射出成形法により)ブロックから形成することができる。患者の解剖学的情報をこれらの原料ブロックに伝達するには、マシン加工が好ましい方法である。ブロックは、任意の材料(木材やプラスチックなどのような非生体適合性材料)を用いて製造することもでき、そして生体適合性コーティングを用いて後処理できる。このコーティングは、例えば性能を改善する抗菌性、低摩耗性のコーティングとして機能することができる。
本明細書で用いた用語“関節形成術”は整形外科の手術法に係るものであり、関節炎やさもなければ機能障害の関節は、整形及び/又は再調整(再建)され、また任意に、損傷領域内にインプラントシステムが位置決めされる。関節形成術は、膝、腰、足首、肩、肘などを含む身体の異なる領域における任意の関節において行われ得る。例えば、膝関節置換術に関して、本発明は、ピンを配置するホールを設けたブロックを提供する。解剖学的に適合した患者用アライメントブロックはツーピースのセットから形成され得るが、これに限定されない。例えば人工膝関節形成術(TKA)の場合に、本発明は、従来の手術用具を用いて遠位の大腿骨カットを行うためにピンの配置を特定するように遠位部に配置され得る大腿骨用の一つの解剖学的に適合した患者用アライメントブロック及び従来の手術用具を用いて基端の脛骨カットを行うために用いられ得るピンの配置を特定するように脛骨用の別の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックを設ける。解剖学的に適合した患者用アライメントブロックは、ピン止め及び/又はカット前にアライメントカットをダブルチェックする用意がなされ得る。
また、本明細書で用いた用語“骨”は、関節形成術を予定される任意の骨又は皮質骨、軟骨、腱、靭帯、筋のような周囲の組織を包含する。
各患者は固有の表面形状をもち、本発明の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックは、患者の骨解剖生理学にこれらのブロックを正確に配置するため接触面でかかる形状を捕捉する。三次元(3D)情報は、任意の走査モダリティ(様式)、例えばコンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、多重X線或いは超音波などから得られる。好ましい実施形態では、CTスキャンは、3D情報を捕捉するのにコスト的に有利な方法であるので、患者の関節の画像を得るのに用いられる。スキャン画像を用いることにより、解剖学的に適合した患者用アライメントブロックは、患者の骨仕様に合致するように本発明に従って製造される。患者の解剖学的構造の3Dを採型しそして画像をブロックへ伝送するために種々の既存の画像分割、3D再構成及びマシン加工技術を用いることができる。かかるブロックを設計する前に、外科医は手術プランを検討して手術が成功するのに必要な入力を供給する。この3Dプランは、モバイルアプリケーション又はインターネットにおいて3Dモデルを示す容量をもつウエブページで観察でき、3Dモデルは変更、カット、回転、再位置決めを動的にでき、またデジタル表示スクリーンにリアルタイムで表示できる。
関節形成用のかかる解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの数は変更することができ、各ピンホールセットは一つの手術ステップに対する基準を成す。ブロックの形状は、製造性を容易にするため、できるだけシンプルに矩形や方形ブロックであることができる。ブロックのエッジは、手術において尖ったエッジに関連したいかなるリスクも軽減するために丸くすることができる。ブロックはカット/ピン止めのために外科医が特定し目で見ることができるように少なくとも一つの平坦面を備えている。ブロックは、完全な接触面又は部分的に骨と接触する面を備えることができ、軟骨、膝蓋腱、或いは走査モダリティに応じて特定できるその他の軟組織のような特有の領域に好ましくは接触しないように設計される。例えば、CTスキャンが用いられる場合、ブロックは単に、ブロックを正確に位置決めするために骨及び骨棘領域と接触し、そして軟骨の存在する領域から離れて留まることができる。これによって、ブロックの位置決め精度を高めることができる。
本発明のブロックには、一つ以上の保持ピン及び/又は一つ以上の基準ピンのためのスロットが設けられる。保持ピンはブロックを安定位置に保持するのに用いられ、一方、基準ピンは金属カットブロックの位置を画定する。保持ピンは、骨をブロックでしっかりと固定し、骨に対してブロックを丈夫で正確に位置決めするような位置とすることができる。例えば、保持ピンは、インターセプトしないように“X”字形に配置され得る。基準ピンに対するスロットの配置は、スキャン画像によって発生した3Dデータ、金属カットブロックから導出した位置情報及び手術の望ましい結果を得るため外科医による入力に基づいている。
ブロックは、ブロックがそれの位置からさらに下方へ摺動するのを避けると共に一層しっかりと固定/安定した位置となるようにリップのような付加的な拡張機構をもって構成され得る。本発明の患者固有のブロックは、ポリオキシメチレン(Celcon、Delrinとしても公知)、高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、ナイロン、ポリウレタンのような医療用プラスチックで構成され得る。ブロックはまた、ステンレス鋼、チタン合金又は金属とプラスチックとの組合せのような任意の医療用金属でも構成され得る。ブロックは、一つの材料から成るシングルピースとして或いは異なる材料又は組合せから成る多数のコンポーネントの組立体として構成され得る。
本発明の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックは、水洗、超音波洗浄などのような任意の洗浄技術によって洗浄され得る。バリや尖ったエッジを取り除くためブロックに対して仕上げ作業が行われ得る。これらのブロックは、名前や唯一の識別番号などのような患者特定情報を備えることができ、これらの情報はレーザエッチング法や任意の他のマシン加工技術を用いて彫刻され得る。
別の実施形態では、本発明はまた、解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの製造方法を提供し、外科医は、人口膝関節置換術を必要とする患者を識別し、患者は脚スキャン(腰、膝及び足首を含む)のためCTスキャンセンターへ送られ、CTスキャンによる情報に基づいて、骨解剖生理学情報、骨棘情報(分画プロセスを介して)を含む関節形成術を予定した領域の3Dモデルは、一般的なソフトウエアを用いてつくられ、患者の外科的な術前プランは上記3Dモデルを用いてつくられ、そして同意を求めて外科医に(3D PDF、ダイナミックグループ画像、ワード文書を介して)送られ、外科医はプランを評価して必要な変更/入力を行い、そして必要な変更/入力は解剖学的に適合した患者用アライメントブロックセットをつくるのに用いられる。大腿骨及び脛骨ブロックは、これらブロックが近くの軟組織と干渉しないようにして設計され、ブロックは、予備成形した医療用プラスチックブロック(代わりに高速プロトタイブ[試作])をマシン加工することで製造される。洗浄及びパッケージした後、ブロックは病院/販売業者に(滅菌状態で或いは非滅菌状態で)輸送される。代わりに、製造及び洗浄プロセスは病院で行うことができる。従って、本発明による改良型の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの製造方法は、小規模で再生することができる。
手術時に、外科医は、これらのブロックを患者の骨及び骨棘の解剖学的な面とフィットさせて配置する。そしてピンは骨内に差し込まれ、そしてブロックはピンを抜くことなしに(骨棘支持のために組み込んだアンダーカットリリースのため)取り外される。標準の切除ブロックはこれらのピンに配置され、外科医は、遠位大腿骨カット及び近位脛骨カットを行う。
従って、本発明は、シンプルなブロックを介して必要な患者の手術プランすなわちコスト的に効果的な方法で容易に製造できる解剖学的に適合した患者用アライメントブロックを提供する。本発明は、遠位大腿骨カット及び近位脛骨カットのピン位置決めを支持し、また外科医に大きな術中の柔軟性をもたらすことによって従来の人工膝関節形成術(TKA)に伴う高コスト及び複雑さを解消する。
本発明は、外科医が行う骨カットの手術精度を高めしかも骨棘及び軟組織にやさしいシステムをもたらす解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを提供する。本発明の改良型の解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックを用いることによって、手術ステップの総数が低減され、一方、手術の精度が高められる。さらに、人工膝関節形成術(TKA)中に、大腿部において髄内管をつくる必要性は、本発明のこれらのブロックを用いることによってなくなり、それにより感染リスクを低減し且つ迅速な手術を容易にして回復時間を促進する。
本発明の解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックは、手術中にカットを行う決定を外科医にさせる基準面を提供する。本発明の解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックは、骨棘及び軟組織にやさしいシステムを提供し、また従来のすなわち現在利用できる関節形成手術と違って患者の骨から骨棘を取り除く必要性がなくなる。本発明の解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックは、軟骨、膝蓋腱などのような軟組織に対してアンダーカットリリースを行うことによって軟組織にやさしいシステムを提供し、それによりユニークにフィットして、患者の軟組織に対する損傷のリスクを減少する。解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックは、容易に製造でき、そして様々な標準手術用具と共に用いられる。
本発明の解剖学的適合性が改良された患者用アライメントブロックは、外科医が行う骨カットの手術精度を高め、そして骨棘及び軟組織にやさしいシステムを提供する。本発明のアライメントブロックは、後部基準の術式(posterior referencing techniques)に加えて関節形成術に対する前部基準の術式(anterior referencing surgical techniques)を提供し、外科医に対して大きな術中の柔軟性をもたらす。さらに、本発明のアライメントブロックは、関節形成術中に多数の骨カットを行うために用いることができる。本発明のアライメントブロックは、従来の関節形成術に比較して、関節形成術中に必要な手術ステップの数を大幅に(約15〜20%まで)低減することができる。
解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの構造は、各ブロックが患者の骨のスキャンによって発生した患者の骨の3Dモデルから導出される患者の解剖学的情報を全体として又は部分的に表している湾曲した三次元(3D)面を備えるようにされる。スキャンは、CTスキャン、MRIスキャン、X線スキャン、又は超音波或いはこれらの組合せを包含する。解剖学的情報は、3D骨情報、骨棘情報、及びブロックの接触領域に存在する及び接触領域の周りに存在する軟組織の情報を包含する。例えば、人工膝関節形成術の場合、この情報は、患者の膝のCT又はMRIスキャンによって発生した3Dモデルから導出される。この湾曲した3D面の形状は、骨にぴったりとフィットして、そしてぴったりとフィットするただ一つのユニークな位置を備える。ブロックにおけるこの湾曲した3D面は、軟骨のような軟組織又はその他の軟組織を受け入れる付加的なギャップを備え得、かかる情報はスキャンからはより正確には測定されない。軟骨及びその他の軟組織の周りにこれらのギャップを設けることによって、本発明は、軟組織の正確な3D再構成のためにMRIのような高価なモダリティを用いる必要性をなくする。この3D曲面は、皮膚面におけるブロックの接触が正確であることを確かめるために、手術時にフィット状態を目視チェックするウインドウスロット開口部も備えることができる。このウインドウスロットはまた、外科医がブロックを正しい方向に正確に位置決めするのを助け、それによりブロックの迅速な位置決めを助けることができる。
患者固有の湾曲した3D面に隣接した面は、本発明のブロックを容易に挿入でき、また内側側副靭帯及び膝蓋腱を含むがこれらに限定されないこれらの軟組織に適応できさらには患者の膝領域の周りの軟組織に対するいかなるダメージも避けるように湾曲され又は面取りされ得る。
本発明による解剖学的に適合した患者用アライメントブロックは、ブロックがそれの位置からさらに摺動するのを避けると共に一層しっかりと固定/安定した位置となるようにリップのような付加的な特徴を備え得る。このリップ面の一側は、軟組織からの全ての剥離を含む患者の3Dモデルから発生される湾曲した3D面であり得る。解剖学的に適合した患者用アライメントブロックはまた更に、特に外科医の手に滑りやすい流体を帯びたグローブが臨床環境に保持される際に、ブロックを良好に把持できるように作られた一つ以上の粗面を付加的に備える。
図1A及び図1Bには、人工膝関節形成術中に遠位大腿骨カット及び近位脛骨カットを行うのに重要である患者の大腿骨及び脛骨の種々の特徴を示す。大腿骨1は、大腿骨遠位端2、大腿骨近位端3、大腿骨骨頭4、膝大腿骨中心部5、本発明の患者固有のブロックが配置される大腿骨遠位前面8、及び髄内管(intra medullary canal)9を備えている。大腿骨の機械軸6も示されている。従来の人工膝関節形成術中、これらの大腿骨及び脛骨軸線と整列してインプラントシステムを位置決めすることを介して患者の膝関節を正確に再構築するのに多数の機器セットを用いている。個々の骨の機械軸を正確に見つけるために、特に大腿骨にしばしば髄内管が設けられる。この付加的な手術ステップは、重大な骨の骨髄を取り出す必要があり、脂肪塞栓症のような副作用のリスクが高まり得る。本発明は、骨内に髄内管のような付加的な管を設ける必要がないという利点があり、その結果、回復が早くなり、手術のリスクが軽減しかつ副作用が軽減することになる。脛骨50は、脛骨近位端51、脛骨遠位端52、脛骨中心部53、脛骨の機械軸54及び人工膝関節形成術中に本発明の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの設けられる脛骨近位前面55を備えている。また、大腿骨遠位端2には骨棘16が示され、そして脛骨近位端52には骨棘56が示されている。
図2には、患者の大腿骨遠位前面8の解剖学的情報と部分的に整合する湾曲した3D面200を備えた大腿骨ブロック用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100を示す。解剖学的情報は、大腿骨の3D骨情報、骨棘情報及びブロック100の接触領域内及び接触領域の周りに存在する軟組織に関する情報を包含している。この情報は、患者の膝のCT又はMRIスキャンによって発生した3Dモデルから得られる。湾曲した3D面200は、大腿骨遠位前面8と接触することになる骨接触面201、骨棘16と接触することになる骨棘接触面202、かかるブロック100が大腿骨近位端3の周りに存在する軟骨と接触しないすなわち軟骨を破損させないような軟骨剥離部203、解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの正しい位置決めを確実にするため手術時に外科医が患者の骨面すなわち大腿骨遠位前面8とブロック100との接触を目視チェックできるようにしたウインドウ開口204、及びアンダーカット剥離部205から成っている。また、大腿骨のフラットな遠位基準カット面300、湾曲した3D面200の反対側に位置する前面400、前面400の右側に位置する側面600、及び前面400の左側に位置する第二の側面700も示されている。これらの側面600、700はフラットであるか又は面取りされ、そしてブロック100の保持を容易にする特徴も含み得る。
図3には、大腿骨機械軸6に対して大腿骨遠位端2に位置した大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100が横断面図で示されている。湾曲した3D面200は、大腿骨骨面と接触し、そしてそれぞれ大腿骨遠位前面8及び骨接触面201に対応した骨棘及び骨棘接触面202に対して部分的に整合する輪郭面を備えている。一対のヘッドレスピン950は、前面400からホール401又は402を通って大腿骨内へ押し込まれる。湾曲した3D面200におけるアンダーカット剥離部205により、ブロックは、ピンを抜き取る必要なしにいかなる組織もこのブロックの取り出しを妨げたり閉じ込めたりすることなく、ピン挿入の方向において容易に取り出すことができる。また大腿骨近位面500及び大腿骨のフラットな遠位基準カット面が示されている。
図4には、湾曲した3D面200の反対側に位置しかつ図1に示す大腿骨上顆軸(trans epicondyler axis)7に平行である前面400を備えた大腿骨に用いる典型的な解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの別の図が示される。この前面400は、TKA(人工膝関節形成術)に用いる標準機器に対応する対のホール401、402を備えている。また、前面において普通のアライメントロッドを整列する特徴部404が設けられ得る。特徴部404は、ブロックの前面におけるスロットやケガキ線やレーザーマーキングの形態であり得、骨の中心を通る髄内管に平行な機械軸又は解剖学的軸を備えている。また図4には、大腿骨のフラットな遠位基準カット面300が示されており、このカット面300は、遠位大腿骨カットを行う位置をダブルチェックするために手術中に外科医によって用いられ得る。図4にはまた、湾曲した3D面200、側面600、700及び大腿骨の近位ブロック面500に設けられたウインドウスロット開口204が示されている。
図5には、大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100を、大腿骨の遠位端2の大腿骨遠位前面8に適用した場合を示している。大腿骨のフラットな遠位基準カット面300は大腿骨の一側のみに設けられ、大腿骨のかかる側は、遠位大腿骨カットを行うため結局はカットされる。このフラットな遠位基準カット面300は、手術時に外科医がブレードランナー12又はその他のフラットルーラーのような機器を置き、外科医が最終的に行うカットが、カットを実際に行う前に外科医が想定しているものと一致するかどうかをダブルチェックし得るようにされる。
図6には、大腿骨のフラットな遠位基準カット面300を示す大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100の別の図が示され、面300はまた、コンピュータ支援手術をサポートする機構301を備え、手術中、外科医が、コンピュータ支援手術を用いて骨に対してこれらブロックの精度をダブルチェックできるようにしている。
図7Aには、大腿骨に用いる解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100のさらに別の図が示され、大腿骨の近位ブロック面500はまたホール302を備え、このホール302により外科医は、手術中に、図7Bに示すようにレーザーポインターまたはトーチ13を用いてホール302にレーザー/光ビームを通すことによって大腿骨の機械軸6とのアライメントを再確認することができる。
図8には、大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100を示し、大腿骨のフラットな遠位基準カット面300は付加的に、大腿骨回転基準用のリップ303を備えている。リップの長さは、患者の大腿骨上顆軸7を表す仮定基準線を形成するようにされている。大腿骨上顆軸7に相当するこの仮定基準線は、大腿骨回転に対する基準として用いることができる。リップの長さは、その患者のCT/MRIスキャンによって得られた3Dモデルにおいて観察される目印を用いて決められ得る。
図9Aには、ホール401、402のセットを有する大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100の前面400を示し、これらのホールは、骨内にヘッドレスピン950のセットを挿入できるように湾曲した3D面200を貫通している。ブロックにはホールの一つ以上のかかるセットを設けることができ、各セットは、用いることのできる標準機器を表している。多数の異なる機器が存在できるので、多数のホールセットは、手術時に利用できる機器に応じて手術中の柔軟性を提供できる。ブロック100はまた、図9Bに示すもののようなアライメントハンドル11のアライメントロッド10を受ける一つ以上のねじ穴403を備えもよく、外科医は、遠位大腿骨カットを実際に行う前に、標準機器を用いて遠位大腿骨カットのアライメントをダブルチェックすることができる。アライメントハンドルと共にブロック100の使用は図9Cに例示される。
図10には、大腿骨用の大腿骨上顆軸7及び大腿骨上顆軸7に平行である前面400を示す大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100の別の図が示されている。この前面400は、手術中に、この面に近接又は平行であるべきである大腿骨コンポーネントの回転角度を設定する基準となる。
図11Bには、人工膝関節形成術中に用いられる標準機器である大腿骨の遠位切除ガイド900を示す。図11Aは、大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100と組み合わせて大腿骨の遠位切除ガイド900を使用する例を示す。図11Cは、患者固有の大腿骨関節形成用ブロック100の別の実施形態を示し、前面400には大腿骨の遠位切除ガイド900の着座用のスロット405が設けられ、それで外科医は、解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100を外すことなしに切除ガイドによりカットを行うことができるようにしている。かかる場合に、面上のホールは、開口406に変えてもよく、この開口406は、大腿骨の遠位切除ガイド900を介してヘッドレスピン950を受け入れるように、円形又は矩形であってもよい。かかるスロット405は、関節形成術中に使用されるあらゆる普通の手術用具を受け入れるようにアライメントブロックの任意の面に設けられ得る。
図12は、付加的な特徴を備えた本発明の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100の別の実施形態を示す。図12に示す本発明の実施形態では、大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100は、ブロックを容易に把持できるようにする付加的な突起部及び又は島状部(islands)を備えている。凹部800はブロックに対するつまみの特徴を成し、一方、凹部801は解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100における親指グリップの特徴を成している。複数の面は、親指及び指が良好に掛かるような形状のものであり得る。これらの凹部/窪みは、ブロックの良好な取付け及びしっかりフィットさせるためにユニークな方向に押圧するようにブロックの任意の位置に設けられ得る。
図13Aは本発明の別の実施形態を示し、大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100には、前方切除ガイド14を装着する突出部407が形成され、前方切除ガイド14は大腿骨アライメントガイド15に接続され、大腿骨アライメントガイド15は図13Bに示すように前方切除ガイド14に接続される。これら突出部407の一つ又は多数の面は前方切除ガイド14と接触して、前方切除ガイド14におけるカットスロットが前方スキムカットを行うために正確に位置決めされる。この前方スキムカットは大腿骨を調製するための別の重要なカットであり、それで人工膝関節形成術(TKA)の大腿コンポーネントがフィットできるようにしている。これにより、本発明の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックは、後部基準の術式に加えて前部基準の術式をサポートすることができる。
上述のような大腿骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック100の他に、大腿骨の調製において使用できる付加的なかかるアライメントブロックを設けることができる。これらのブロックは、遠位カットの代わりに、人工膝関節形成術(TKA)の大腿骨コンポーネントがフィットできるように大腿骨を調製するのに必要である他のかかるカットの基準を提供し得る。
本発明のなお別の実施形態は、人工膝関節形成術中に脛骨を調製するための脛骨用の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックを提供する。
図14は、人工膝関節形成術中に脛骨において用いる解剖学的に適合した患者用アライメントブロック1000の一例を示し、このブロック1000は、脛骨のフラットな近位基準カット面3000から外方へ突出した二つの伸張リップ形状体3030、患者をスキャンして得られた患者の骨の解剖学的情報に部分的に適合する湾曲した3D面2000、脛骨粗面のウインドウ開口2040、側面6000、7000、ホール4010、4020のセットを含む湾曲した3D面2000の反対側に位置した前面4000、及び脛骨の遠位ブロック面5000を備えている。側面は、軟組織剥離用の面6010、7010を形成するように面取りすることができ、一方、前面4000には、アライメントロッドを位置決めするスロット4030が設けられている。伸張リップ形状体3030は、手術中にブロック1000がさらに動かないようにまた固有のぴったりとしたフィットを提供するために脛骨近位前面55(図1に示すように)において付加的な支持を行うように、ブロック1000の位置をロックする。脛骨粗面のウインドウ開口2040は、ブロックが脛骨粗面又はその領域の周りのあらゆる軟組織に当らないようにブロックの容易な剥離を行い、また外科医によるアライメントチェックのために脛骨の中間部に基準スロット4030を構成している。脛骨のフラットな近位基準カット面3000は、手術中にカットを行うための基準面を成し、外科医がブレードランナーを設置してもよくそしてカット前に係るカットをダブルチェックし得るようにしている。前面4000におけるホール4010、4020は、人工膝関節形成術中に用いられる標準機器に対応している。側面6000、7000は、ブロックを保持する良好なグリップを成し、そして骨にぴったりとフィットするのに適切な圧力を加える。
患者に固有の脛骨ブロックの構造は、各ブロックが湾曲した3D面2000すなわちCT/MRIスキャンによって発生した患者の脛骨の3Dモデルから導出される全体として又は部分的に存在する患者の骨及び骨棘の解剖学的形状を持つように構成される。この3D曲面2000の形状は、骨にぴったりとフィットするようにかつまた唯一の固有のフィッティング位置をもつようにされる。
図15は、脛骨に用いるための解剖学的に適合した患者用アライメントブロック1000の別の図である。湾曲した3D面2000は、脛骨粗面を剥離するための脛骨粗面用のウインドウ開口2040、膝蓋腱の近くに受け入れるスペースを設けるように作られ、脛骨粗面に取付けられる膝蓋腱剥離面2030、患者の脛骨に存在する骨棘と整合する骨棘接触面2020、脛骨における患者の骨と整合する骨接触面2010、及びアンダーカット剥離面2050を備えている。脛骨のフラットな近位基準カット面3000は、外科医が確認するための最終カット面を成し、また脛骨の周りの軟組織のピンチング(挟持)を避けるため面取り部6010、7010が設けられる。また、ホール4010、4020のセットを含む前面4000及び脛骨の遠位ブロック面5000が示されている。
3D曲面2000における膝蓋腱剥離面2030は、膝蓋腱、外側側副靭帯、内側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯、又は任意の他の軟組織のような軟組織を収容するが、それらに限定されず、それの情報は、患者のCT/MRIスキャンによって発生した3Dモデルから測定される。脛骨粗面の周りのウインドウ開口2040は、患者の脛骨粗面及びその位置における膝蓋腱アタッチメントに当らないように剥離を行う。このウインドウ開口2040はまた、脛骨の機械軸54(図1Bに示すように)の方向及びアライメントを表す脛骨の中間部における基準開口として機能し得る。
脛骨のフラットな近位基準カット面3000は一側にのみ設けられ、骨のかかる側は近位脛骨カットを行うように最後には切除される。この脛骨のフラットな近位基準カット面3000は基準カット面を成し、手術時に外科医がブレードランナー又は任意の他のフラットルーラーのような機器を配置し、そして最終的になされる切除カットがカットを実際に行う前に予定したものと一致するかをダブルチェックできる。
図16は、人工膝関節形成術中に解剖学的に適合した患者用アライメント脛骨ブロック1000の適用例を示し、ヘッドレスピン950は、外科医による術前プランニングにより決めた脛骨の機械軸54に対してヘッドピン950が正確に位置決めされて留まるようにして脛骨の近位カットを行う前にブロック1000を通して脛骨の近位端に挿入される。
図17には、人工膝関節形成術中に患者の脛骨51に設けた解剖学的に適合した患者用アライメント脛骨ブロック1000の別の図を示す。
別の実施形態では、本発明はまた、本発明の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックの製造方法を提供する。図18は、本発明の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックを製造する一つの方法を示す。本方法は、この技術に適した患者を外科医が識別することで開始する。外科医は患者に対し予備検査スキャンセンターに行って必要なスキャンを受けたかを尋ねる。このようなスキャンには、患者の必要な軸線を正確に決めるために大腿骨骨頭の周りの腰領域、膝関節線の両側のほぼ100mmの膝関節の周りの完全な骨性ランドマーク、及び足関節を含まなければならないが、それらに限定されるものではない。これらのスキャンは好ましくは、CTスキャン又はMRIスキャンであってもよく、最も好ましくはCTスキャンであり得る。そしてこのスキャンデータは、DICOMフォーマット又はその他のロスレス圧縮フォーマットでメーカーに送られる。データは、プリアドレスエンベロープを通してCD/DVD又は任意の他の記憶装置媒体を介して伝送され、或いはインターネットを介してサーバーに直接アップロードすることができる。
患者の骨及び所望の軟組織領域の3Dモデルは、市場で利用できる標準の分画ツール又は3Dモデリングソフトウエアを用いて作られる。これらの3Dモデルは、適切なランドマークが選択される設計ソフトウエアに入れられる。そして大腿骨及び脛骨の暫定的な切除/カットすなわち遠位大腿骨カット及び近位脛骨カットを示すデフォルト手術プランが作られる。デフォルト値を示すこのプランは、確認のため外科医に送られる。このプランは、Eメール、Webベース、携帯電話アプリケーション、ファックスなどのような方法を介して伝送され得るが、これらに限定されない。このファイルを電子的に伝送する場合には、かかるプランニングファイルのフォーマットは、3Dファイルの特殊な図を示す2D画像を提供できるか、或いは3Dのように見える又は患者のジオメトリの実際の3D表示であり得るグループに示す多数の2D画像であり得る。外科医は、このプランに対するのであれば変更時にフィードバックを行い得る。このフィードバックは、メーカーによって受信され、それに従って、解剖学的に適合した患者用アライメントブロックが設計される。ブロックの設計は、検討した全ての必要な構造上の特徴を組み込んで任意の標準の設計コンピュータソフトウエアを用いて行われ得る。この設計が準備されると、設計情報をマシンコードに変換する特殊なコードが作られ得る。このブロックは、3軸、4軸、又は5軸マシンを用いて製造され得る。各ブロックの識別を容易にするために、各ブロックには、限定されないがレーザエッチング、レーザ彫刻、マーカーレーザプリンターなどを用いて固有の識別番号及び/バーコードマークが付され得る。このマーキング処理は、マシン加工の前後に行われ得る。マシン加工は、上記の全ての面において行われ、或いは単に患者特定の3D曲面の周りで行われ、後者の場合には、予備成形/予備マシン加工したブロックがバッチにおいて用意され、そして単に患者特定の面がマシン加工される。ブロックは、患者に用いられることになる前に、洗浄、輸送及び滅菌され得る。
上述の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックは、人工膝関節形成術において大腿骨の遠位カット及び脛骨の近位カットを行うために使用され得る。かかるブロックは、標準の金属カットブロック又は切除ガイドを位置決めするのに用いることができる。本発明の解剖学的に適合した患者用アライメントブロックはまた、一つ又は複数の外科的カットを行うのに用いることができる。関節形成術のための特定の領域の異なる面参照又はカットで一つ又は複数のかかる位置について一つのブロックを用いることができる。
図1〜図18を組み合わせて種々の図面を相互に参照してさらに説明する。
一実施形態において、本発明は、関節形成術中に参照し整列するための改良型の解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供し、上記アライメントブロックは、患者の骨の解剖学的構造と合致するようにされ、取り巻く軟組織又は骨或いは両方の周りに少なくとも剥離ギャップ及び上記アライメントブロックを容易に取り除くためのアンダーカット剥離部(205、2050)を備えて形成された曲面(200、2000)と、上記曲面の反対側に位置し、上記アライメントブロック(100、1000)を関節形成術中に患者の骨に固定するための少なくとも二つピン(950)を受ける少なくとも一つの開口(401、4010)を備え、上記ピンを抜き取ることなしに上記アライメントブロック(100、1000)を取り外せるようにした前面(400、4000)と、関節形成術中に行われることになるカットする部位をチェックするための基準面を提供する少なくとも平坦面(300、3000)とを有する。
別の実施形態では、本発明は、前面(400、4000)における上記開口(401、4010)がスロット、ホール、一対のホール及びそれらの組合せから成るグループから選択される解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、上記前面(400、4000)が関節形成術中に用いられる手術用具と共に用いられるようにされる解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。従来の関節形成術中に通常用いられる種々の手術用具は、切除ガイド(複数)、アライメントロッド(複数)、金属カットガイド(複数)などを含むか、これらに限定されない。
別の実施形態では、本発明は、上記前面がフラット、湾曲、ステップ状、或いは円形である解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、患者の骨の解剖学的構造が、関節形成術を予定した領域の少なくとも一つのスキャンから得た三次元モデルによって決められる解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、上記スキャンが、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴断層撮影(MRI)スキャン、X線スキャン、超音波、及びそれら組合せから成るグループから選択される解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、上記患者の骨の解剖学的構造に関する情報が骨の解剖学的情報、骨棘情報(16、56)、軟組織情報及びそれらの組み合わせを含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、上記平坦面(300、3000)が上記曲面(200、2000)に隣接して又は上記曲面(200、2000)の反対側に位置決めされる解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、上記アライメントブロックが矩形状又は方形状である解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、少なくとも関節形成術中に使用されることになる種々の機器の取扱い及び使用を容易にさせる特徴を持つ形態に構成される解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、上記特徴が、上記アライメントブロック(100、1000)の任意の面に設けられた伸張リップ(303、3030)、突起部、突出部(407)、凹部又はスロット(204、404、405、406、403、4030)の一つ以上を含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、上記特徴が、関節形成術中にアライメントをチェックするためのアライメントロッドを挿入できるスロット(403、4030)である解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、上記関節形成術が、膝関節形成術、腰関節形成術、肩関節形成術、手首関節形成術、足首関節形成術、脊髄手術及び骨切り術を含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、膝関節形成術中に大腿骨の遠位部(2)又は脛骨の近位部(51)に用いるようにされた解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、生体適合性材料、生体適合性材料でコーティングした非生体適合性材料、生体適合性材料と組み合わせた金属、外科的に承認された合金、外科的に承認された金属、及びそれらの組み合わせから成るグループから選択した材料で構成された解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、上記生体適合性材料が、ポリオキシメチレン、高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリウレタン及びそれらの組み合わせから成るグループから選択した材料で構成された解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を提供する。
本発明のなお別の実施形態では、患者における関節形成術を施すようにされた領域の少なくともスキャンを得るステップと、上記スキャンから患者の解剖学的情報及び骨を識別するステップと、上記スキャンからの情報に基づいて上記領域の三次元モデルをつくるステップと、三次元モデリングソフトウエアに外科的カットをプロット(描画)するステップと、上記三次元モデリングソフトウエアにおいて上記アライメントブロックの形状の設計をつくるステップと、三次元モデリングソフトウエアにおいて作った設計に基づいて患者の関節形成術に用いる上記アライメントブロック(100、1000)を製造するステップとを含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の製造方法が提供される。
本発明のなお別の実施形態では、さらに、上記アライメントブロックの設計をつくるステップに先立って、外科医と相談して指示を得るステップを含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の製造方法が提供される。
本発明のなお別の実施形態では、上記スキャンが、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴断層撮影(MRI)スキャン、X線スキャン、超音波、及びそれら組合せから成るグループから選択される解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の製造方法が提供される。
本発明のなお別の実施形態では、マシン加工、ラピッドプロトタイピング(高速原型作)、及びそれらの組み合わせを含んだ従来方法により製造される解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の製造方法が提供される。
本発明のなお別の実施形態では、病院におけるような小規模において方法が実行される解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の実施形態では、患者の骨に上記アライメントブロック(100、1000)を配置すること、患者の骨をカットする手術用具を位置決めすること、及び手術用具を用いて骨をカットすることを含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の位置決め方法が提供される。
本発明のさらに別の実施形態では、任意ではあるが、上記アライメントブロック(100、1000)を通して少なくとも二つのピン(950)を差し込むステップを含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の位置決め方法が提供される。
本発明のさらに別の実施形態では、任意ではあるが、手術用具を位置決めする前に、解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)を取り除くステップを含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の位置決め方法が提供される。
任意ではあるが、行うべきカットのアライメントをチェックするステップを含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の位置決め方法が提供される。
本発明のさらに別の実施形態では、任意ではあるが、患者の骨に一回以上アライメントブロック(100、1000)を配置すること、及び関節形成術中に用いる別の手術用具を整列させて位置決めすることを含む解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の位置決め方法が提供される。
本発明のさらに別の実施形態では、手術用具が切除ガイドである解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の位置決め方法が提供される。
本発明のさらに別の実施形態では、骨が、膝、肘、腰、肩、手首、足、または脊髄の一部である解剖学的に適合した患者用アライメントブロック(100、1000)の位置決め方法が提供される。
上記では、本発明はある特定の好ましい実施形態について説明してきたが、本明細書の記載から他の実施形態も当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施形態では人工膝関節形成術についてのみ説明してきたが、同様な解剖学的に適合した患者用アライメントブロックはまた、限定されないが腰関節形成術、膝関節形成術、肩関節形成術、脊髄手術、骨切り術、外傷の場合などを含む骨に関するあらゆる外科手術にも用いられ得る。さらに、本明細書記載の観点で他の組み合わせ、省略、置換、及び変更は当業者に明らかであろう。記載した本発明の種々の観点及び特徴は別個に実施でき、互いに組み合わせて、あるいは互いに置換できること、また特徴及び観点の種々の組み合わせ及び部分的組み合わせがなされ得、本発明の範囲内にあることが予期される。従って、本発明は列挙した好ましい実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定義されるべきである。
1:大腿骨
2:大腿骨遠位部
3:大腿骨近位部
4:大腿骨の骨頭
5:大腿骨中心部
6:大腿骨の機械軸
7:大腿骨上顆軸
8:大腿骨遠位前面
9:髄内管
10:アライメントロッド
11:アライメントハンドル
12:ブレードランナー
13:レーザーポインターまたはトーチ
14:前方切除ガイド
15:大腿アライメントガイド
16:骨棘
50:脛骨
51:脛骨近位部
52:脛骨遠位部
53:脛骨中心部
54:脛骨の機械軸
55:脛骨近位前面
56:骨棘
100:解剖学的に適合した患者用アライメントブロック
200:湾曲した3D面
201:骨接触面
202:骨棘接触面
203:軟骨剥離部
204:ウインドウ開口
205:アンダーカット剥離部
300:大腿骨のフラットな遠位基準カット面
301:機構
302:ホール
303:リップ
400:前面
401:ホール
402:ホール
403:ねじ付きホール
404:特徴
405:スロット
406:開口
407:突出部
500:大腿骨の近位ブロック面
600:前面400の右側に位置する側面
700:前面400の左側に位置する第二の側面
800:凹部
801:凹部
900:大腿骨の遠位切除ガイド
950:ヘッドレスピン
1000:アライメントブロック
2000:湾曲した3D面
2010:骨接触面
2020:骨棘接触面
2030:膝蓋腱剥離面
2040:ウインドウ開口
2050:アンダーカット剥離面
3000:脛骨のフラットな近位基準カット面
3030:伸張リップ形状体
4010:ホール
4020:ホール
4030:軟組織剥離用の面スロット
5000:脛骨の遠位ブロック面
6000:側面
6010:軟組織剥離用の面
7000:側面
7010:軟組織剥離用の面

Claims (19)

  1. 関節形成術中に参照し整列するための解剖学的適合性が改良された、患者用アライメントブロック(100、1000)であって、
    上記アライメントブロックが、
    患者の骨の解剖学的構造と合致するようにされ、取り巻く軟組織又は骨或いは両方の周りに少なくとも剥離ギャップ(203、2030、2040)及び上記アライメントブロック(100、1000)を容易に取り除くためのアンダーカット剥離部(205、2050)を備えて形成された曲面(200、2000)と、
    上記曲面の反対側に位置し、上記アライメントブロック(100、1000)を関節形成術中に患者の骨に固定するための少なくとも二つピン(950)を受ける少なくとも一つの開口(401、4010)を備え、上記ピンを抜き取ることなしに上記アライメントブロック(100、1000)を取り外せるようにした前面(400、4000)と、
    関節形成術中に行われることになるカットの部位をチェックするための基準面を提供する少なくとも一つの平坦面(300、3000)と
    を有する、アライメントブロック(100、1000)。
  2. 前面(400、4000)における上記開口(401、4010)がスロット、ホール、一対のホール及びそれらの組合せから成るグループから選択される請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  3. 上記前面(400、4000)が関節形成術中に用いられる手術用具と共に用いられるようにされる請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  4. 上記前面(400、4000)がフラット、湾曲、ステップ状、或いは円形である請求項3記載のアライメントブロック(100、1000)。
  5. 患者の骨の解剖学的構造が、関節形成術を予定した領域の少なくとも一つのスキャンから得た三次元モデルによって決められる請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  6. 上記スキャンが、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴断層撮影(MRI)スキャン、X線スキャン、超音波、及びそれらの組み合せから成るグループから選択される請求項5記載のアライメントブロック(100、1000)。
  7. 上記患者の骨の解剖学的構造に関する情報が骨の解剖学的情報、骨棘情報(16、56)、軟組織情報及びそれらの組み合わせを含む請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  8. 上記平坦面(300、3000)が上記曲面(200、2000)に隣接して又は上記曲面(200、2000)の反対側に位置決めされる請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  9. 上記アライメントブロック(100、1000)は、実質的に矩形状又は実質的に方形状である請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  10. 上記アライメントブロックが、関節形成術中に使用されることになる機器の取扱い及び使用を容易にさせる少なくとも一つの機構を備えて構成される請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  11. 上記機構が、上記アライメントブロック(100、1000)の任意の面に設けられた伸張リップ(303、3030)、突起部、突出部(407)、凹部又はスロット(204、404、405、406、403、4030)の一つ以上を含む請求項10記載のアライメントブロック(100、1000)。
  12. 上記機構が、関節形成術中にアライメントをチェックするためのアライメントロッド(10)を挿入できるスロット(403、4030)である請求項10記載のアライメントブロック(100、1000)。
  13. 上記関節形成術が、膝関節形成術、腰関節形成術、肩関節形成術、手首関節形成術、足首関節形成術、脊髄手術及び骨切り術を含む請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  14. 上記アライメントブロックが、膝関節形成術中に大腿骨遠位部(2)に用いるようにされた請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  15. 上記アライメントブロックが、膝関節形成術中に脛骨近位部(51)に用いるようにされた請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  16. 上記アライメントブロックが、生体適合性材料、生体適合性材料でコーティングした非生体適合性材料、生体適合性材料と組み合わせた金属、外科的に承認された合金、外科的に承認された金属及びそれらの組み合わせから成るグループから選択した材料で構成された請求項1記載のアライメントブロック(100、1000)。
  17. 上記生体適合性材料が、ポリオキシメチレン、高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリウレタン及びそれらの組み合わせから成るグループから選択される請求項16記載のアライメントブロック(100、1000)。
  18. 手術用具が切除ガイドである請求項記載のアライメントブロック(100、1000)
  19. 骨が、膝、肘、腰、肩、手首、足首、または脊髄の一部である請求項記載のアライメントブロック(100、1000)
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