本実施形態の放射線治療システム及びその作動方法について、添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の放射線治療システムの一部を示す外観図である。図2は、第1実施形態の放射線治療システムの全体を示す構成図である。
図1及び図2は、第1実施形態の放射線治療システム(例えば、CTシミュレータ)1を示す。放射線治療システム1は、コンソール10、撮像装置20、寝台装置30、治療計画装置40、及び放射線治療装置(ライナック:治療計画データに基づいて放射線を照射して治療を行なう放射線治療装置)50によって構成される。
撮像装置20、寝台装置30、及び放射線治療装置50は、図1に示すように通常は検査室に設置される。一方、コンソール10は、通常は検査室に隣接する制御室に設置される。治療計画装置40は、検査室及び制御室の外側に設置される。なお、治療計画装置40は、制御室に設置されてもよいし、コンソール10と一体の装置であってもよい。また、撮像装置20の代表的な例としては、X線CT装置、MRI(magnetic resonance imaging)装置、X線装置等が挙げられる。以下、撮像装置20として、X線CT装置20aを用いる場合について説明する。
放射線治療システム1のコンソール10は、図2に示すように、コンピュータをベースとして構成されており、図示しない病院基幹のLAN(local area network)等のネットワークと相互通信可能である。コンソール10は、大きくは、CPU(central processing unit)11、メインメモリ12、画像メモリ13、HDD(hard disc drive)14、入力装置15、及び表示装置16等の基本的なハードウェアから構成される。CPU11は、共通信号伝送路としてのバスを介して、コンソール10を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、コンソール10は、記録媒体ドライブを具備してもよい。
CPU11は、半導体で構成された電子回路が複数の端子を持つパッケージに封入されている集積回路(LSI)の構成をもつ制御装置である。医師等の操作者によって入力装置15が操作等されることにより指令が入力されると、CPU11は、メインメモリ12に記憶しているプログラムを実行する。又は、CPU11は、HDD14に記憶しているプログラム、ネットワークから転送されてHDD14にインストールされたプログラム、又は記録媒体ドライブ(図示しない)に装着された記録媒体から読み出されてHDD14にインストールされたプログラムを、メインメモリ12にロードして実行する。
メインメモリ12は、ROM(read only memory)及びRAM(random access memory)等を含む記憶装置である。メインメモリ12は、IPL(initial program loading)、BIOS(basic input/output system)及びデータを記憶したり、CPU11のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いられたりする。
画像メモリ13は、2次元画像データとしてのスライス(スライスデータ)や、3次元画像データとしてのボリューム(ボリュームデータ)を記憶する記憶装置である。
HDD14は、磁性体を塗布又は蒸着した金属のディスクが着脱不能で内蔵されている構成をもつ記憶装置である。HDD14は、コンソール10にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(operating system)等も含まれる)や、データを記憶する記憶装置である。また、OSに、術者等の操作者に対する表示装置16への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力装置15によって行なうことができるGUI(graphical user interface)を提供させることもできる。
入力装置15は、操作者によって操作が可能なポインティングデバイスであり、操作に従った入力信号がCPU11に送られる。
表示装置16は、図示しない画像合成回路、VRAM(video random access memory)、及びディスプレイ等を含んでいる。画像合成回路は、画像データに種々のパラメータの文字データ等を合成した合成データを生成する。VRAMは、合成データを、ディスプレイに表示する表示画像データとして展開する。ディスプレイは、液晶ディスプレイやCRT(cathode ray tube)等によって構成され、表示画像データを表示画像として順次表示する。
コンソール10は、X線CT装置20a、寝台装置30、及び放射線治療装置50の動作を制御する。また、コンソール10は、X線CT装置20aのDAS24から入力された生データに対して対数変換処理や、感度補正等の補正処理(前処理)を行なって投影データを生成し、投影データを基に2次元画像データとしてのスライス(スライスデータ)や3次元画像データとしてのボリューム(ボリュームデータ)を生成する。
放射線治療システム1のX線CT装置20aは、患者(被検体)Oの癌・腫瘍等の治療部位を含む領域の画像データを表示するために、治療部位を含む領域を撮像する。X線CT装置20aは、放射線源としてのX線管21、絞り22、X線検出器23、DAS(data acquisition system)24、回転部25、高電圧供給装置26、絞り駆動装置27、回転駆動装置28、及び撮像コントローラ29を設ける。
X線管21は、高電圧供給装置26から供給された管電圧に応じて金属製のターゲットに電子線を衝突させることで制動X線を発生させ、X線をX線検出器23に向かって照射する。X線管21から照射されるX線によって、ファンビームX線やコーンビームX線が形成される。
絞り22は、絞り駆動装置27によって、X線管21から照射されるX線の照射範囲を調整する。すなわち、絞り駆動装置27によって絞り22の開口を調整することによって、X線照射範囲を変更できる。
X線検出器23は、マトリクス状、すなわち、チャンネル方向に複数チャンネル、スライス方向に複数列のX線検出素子を有する2次元アレイ型のX線検出器23(マルチスライス型検知器ともいう。)である。X線検出器23のX線検出素子は、X線管21から照射されたX線を検出する。
DAS24は、X線検出器23の各X線検出素子が検出する透過データの信号を増幅してデジタル信号に変換する。DAS24の出力データは、撮像コントローラ29を介してコンソール10に供給される。
回転部25は、X線管21、絞り22、X線検出器23、及びDAS24を一体として保持する。回転部25は、X線管21とX線検出器23とを対向させた状態で、X線管21、絞り22、X線検出器23、及びDAS24を一体として患者Oの周りに回転できるように構成されている。なお、回転部25の回転中心軸と平行な方向をz軸方向、そのz軸方向に直交する平面をx軸方向、y軸方向で定義する。
高電圧供給装置26は、撮像コントローラ29による制御によって、X線の照射に必要な電力をX線管21に供給する。
絞り駆動装置27は、撮像コントローラ29による制御によって、絞り22におけるX線のスライス方向の照射範囲を調整する機構を有する。
回転駆動装置28は、撮像コントローラ29による制御によって、回転部25がその位置関係を維持した状態で空洞部の周りを回転するように回転部25を回転させる機構を有する。
撮像コントローラ29は、CPU及びメモリによって構成される。撮像コントローラ29は、X線管21、X線検出器23、DAS24、高電圧供給装置26、絞り駆動装置27、及び回転駆動装置28等の制御を行なうことで、寝台装置30の動作を伴ってスキャンを実行させる。
放射線治療システム1の寝台装置30は、天板駆動装置32、天板33、及び寝台コントローラ39を備える。
天板33は、患者Oを載置可能である。天板駆動装置32は、寝台コントローラ39による制御によって、天板33をy軸方向に沿って昇降動させる機構と、天板33をz軸方向に沿って進退動させる機構と、天板33をy軸方向を軸として回転させる機構とを有する。
寝台コントローラ39は、CPU及びメモリによって構成される。寝台コントローラ39は、天板駆動装置32等の制御を行なうことで、X線CT装置20aの動作を伴ってスキャンを実行させる。また、寝台コントローラ39は、天板駆動装置32等の制御を行なうことで、放射線治療装置50の動作を伴って放射線治療を実行させる。
放射線治療システム1の治療計画装置40は、X線CT装置20aを用いて撮像されてコンソール10によって生成されたスライス及びボリュームを基に、放射線治療装置50によって放射線治療を行なうための治療計画データを生成する。治療計画装置40によって生成された治療計画データに基づくコンソール10の制御の下、放射線治療装置50によって患者Oの診療部位に放射線が照射される。治療計画装置40は、コンピュータをベースとして構成されており、図示しない病院基幹のLAN等のネットワークと相互通信可能である。治療計画装置40は、大きくは、CPU41、メインメモリ42、治療計画メモリ43、HDD44、入力装置45、及び表示装置46等の基本的なハードウェアから構成される。CPU41は、共通信号伝送路としてのバスを介して、治療計画装置40を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、治療計画装置40は、記録媒体ドライブを具備してもよい。
CPU41の構成は、コンソール10のCPU11の構成と同等である。操作者によって入力装置45が操作等されることにより指令が入力されると、CPU41は、メインメモリ42に記憶しているプログラムを実行する。又は、CPU41は、HDD44に記憶しているプログラム、ネットワークから転送されてHDD44にインストールされたプログラム、又は記録媒体ドライブ(図示しない)に装着された記録媒体から読み出されてHDD44にインストールされたプログラムを、メインメモリ42にロードして実行する。
メインメモリ42の構成は、コンソール10のメインメモリ12の構成と同等である。メインメモリ42は、IPL、BIOS及びデータを記憶したり、CPU41のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いられたりする。
治療計画メモリ43は、治療計画データを記憶する記憶装置である。
HDD44の構成は、コンソール10のHDD14の構成と同等である。
入力装置45は、コンソール10の入力装置15の構成と同等である。
表示装置46は、コンソール10の表示装置16の構成と同等である。
治療計画装置40は、X線CT装置20aによって生成された画像データを基に、患者Oの治療部位の位置及び治療部位の形状を求め、治療部位に照射すべき放射線(X線、電子線、中性子線、陽子線、又は重粒子線等)や、そのエネルギー、及び照射野を決定する。
放射線治療システム1の放射線治療装置50は、一般的にMV級の放射線を発生させることができる。放射線治療装置50は、放射線の発生口部分に絞り(コリメータ)を設置し、絞りによって治療計画に基づく照射形状及び線量分布を実現する。近年は、絞りとして複数の可動リーフにより複雑な腫瘍の形状に対応した線量分布を形成することができるマルチリーフコリメータ(MLC)が多く用いられる。放射線治療装置50は、絞りによって形成される照射野により放射線の照射量を調整し、患者Oの治療部位を消滅又は縮小させる。なお、X線CT装置20a、寝台装置30、及び放射線治療装置50の組み合わせは、「ライナック−CT」と呼ばれる。
放射線治療装置50は、放射線源としての放射線源51、絞り52、アーム部55、高電圧供給装置56、絞り駆動装置57、回転駆動装置58、及び治療コントローラ59を備える。
放射線源51は、高電圧供給装置56から供給された管電圧に応じて放射線を発生させる。
絞り52は、絞り駆動装置57によって、放射線源51から照射される放射線の照射範囲を調整する。すなわち、絞り駆動装置57によって絞り52の開口を調整することによって、放射線の照射範囲を変更できる。
アーム部55は、放射線源51及び絞り52を一体として保持する。アーム部55は、放射線源51及び絞り52を一体として患者Oの周りに回転できるように構成されている。
高電圧供給装置56は、治療コントローラ59による制御によって、放射線の照射に必要な電力を放射線源51に供給する。
絞り駆動装置57は、治療コントローラ59による制御によって、絞り52における放射線の照射範囲を調整する機構を有する。
回転駆動装置58は、治療コントローラ59による制御によって、アーム部55と支持部との接続部を中心として回転するようにアーム部55を回転させる機構を有する。
治療コントローラ59は、CPU及びメモリによって構成される。治療コントローラ59は、治療計画装置40によって生成される治療計画データに従って放射線源51、高電圧供給装置56、及び絞り駆動装置57等の制御を行なうことで、寝台装置30の動作を伴って治療のための放射線の照射を実行させる。
図3は、第1実施形態の放射線治療システム1の機能を示すブロック図である。
治療計画装置40のCPU41がプログラムを実行することによって、放射線治療システム1は、図3に示すように、腫瘍抽出部61、正常部位抽出部62、線量分布生成部63、観察部位設定部64、過剰照射領域抽出部65、位置合せパラメータ演算部66、観察部位位置合せ部67、観察部位抽出部68、観察部位差分演算部69、差分合成画像生成部70、過剰照射領域位置合せ部71、及び影響評価部72として機能する。なお、放射線治療システム1の構成要素61乃至72の全部又は一部は、放射線治療システム1にハードウェアとして備えられるものであってもよい。
画像メモリ13には、X線CT装置20a(図2に図示)が取得する透過データに画像再構成処理等の処理が施されたスライス(スライスデータ)や、複数スライスに基づくボリューム(ボリュームデータ)が記憶される。具体的には、画像メモリ13には、治療前の撮像による治療前ボリューム(例えば、治療前の治療計画用のボリューム)V1と、治療後の撮像による治療後ボリューム(例えば、今回治療前の治療計画用のボリューム)V2とがそれぞれ記憶される。
図4は、治療前ボリュームV1に基づく画像の一例を示す図である。また、図5は、治療後ボリュームV2に基づく画像の一例を示す図である。
図4は、治療前ボリュームV1をレンダリング処理した画像Iv1を示す。図5は、治療後ボリュームV2をレンダリング処理した画像Iv2を示す。
図3の説明に戻って、腫瘍抽出部61は、画像メモリ13に記憶された治療前ボリュームV1に基づいて、腫瘍を、治療前の腫瘍領域(腫瘍領域データ)G1として抽出する機能を有する。腫瘍抽出部61は、公知技術や、表示装置46に表示された、治療前ボリュームV1に基づく画像上で、入力装置45によって入力された領域に基づいて治療前の腫瘍領域G1を抽出する。
正常部位抽出部62は、画像メモリ13に記憶された治療前ボリュームV1に基づいて、心臓、肺、及び食道等の複数の部位のうちK(自然数)個の正常部位を、治療前の正常部位領域(正常部位領域データ)N1[k]として抽出する機能を有する。ただし、k=1,2,…,Kである。例えば、正常部位抽出部62は、公知技術や、表示装置46に表示された、治療前ボリュームV1に基づく画像上で、入力装置45によって入力された領域に基づいて治療前の正常部位領域N1[k]を抽出する。なお、正常部位抽出部62は、1時点の治療前ボリュームV1のみから治療前の正常部位領域N1[k]を抽出する場合に限定せず、複数の時点の治療前ボリュームV1から正常部位領域N1[k]を抽出する場合であってもよい。
図6は、治療前の正常部位領域N1[k]を含む治療前ボリュームV1に基づく画像を示す図である。
図6は、治療前ボリュームV1をレンダリング処理した画像Iv1を示す。図6に示すように、画像Iv1内に、抽出された治療前の正常部位領域N1[k]として、心臓領域、肺領域、及び食道領域が示される。
図3の説明に戻って、線量分布生成部63は、腫瘍抽出部61及び正常部位抽出部62によって治療前の腫瘍領域G1と治療前の正常部位領域N1[k]とが抽出されたボリュームに基づいて、公知技術に従って操作者による放射線治療計画を実行させ、放射線照射の線量分布(線量分布データ)P1を生成する機能を有する。
図7は、線量分布P1に基づく画像を模式的に示す図である。
図7は、線量分布P1をレンダリング処理した画像Ip1を示す。線量分布P1は、治療前ボリュームV1に標的体積及びリスク臓器の輪郭が入力され、標的体積の形状、位置、及びリスク臓器との位置関係によって治療ビームの線質、入射方向、及び照射野等が決定されることで生成される。
図3の説明に戻って、観察部位設定部64は、正常部位抽出部62によって抽出された治療前の正常部位領域N1[k]の中から、J(J≦K)個の観察対象の正常部位領域(以下、「観察部位領域」という。)N1[j]を設定する機能を有する。ただし、j=1,2,…,Jである。観察部位設定部64は、公知技術や、表示装置46に表示された、複数の正常部位領域の画像上で、入力装置45による入力に基づいて観察部位領域N1[j]を設定する。
過剰照射領域抽出部65は、線量分布生成部63によって生成された治療前の線量分布P1に基づいて、観察部位設定部64によって設定された観察部位領域N1[j]毎に、放射線治療計画における放射線照射の線量が許容照射線量(閾値)以上となる治療前の過剰照射領域(過剰照射領域データ)E1[j]を抽出する機能を有する。放射線照射の線量の閾値は、心臓、肺、及び食道等の部位毎に異なるのが一般的である。過剰照射領域抽出部65は、1回当たりの線量分布、治療完了までの累積の線量分布、又は、一定期間の累積の線量分布に基づいて、治療前の過剰照射領域E1[j]を抽出する。
位置合せパラメータ演算部66は、画像メモリ13に記憶された治療前ボリュームV1と、治療後ボリュームV2とに基づいて、治療前ボリュームV1を治療後ボリュームV2に位置合わせするための位置合わせパラメータfを算出する機能を有する。位置合せパラメータ演算部66は、位置合せ例として、以下の方法で位置合わせを行なう。なお、ここでの位置合せ方法は、この例に限定せずその他公知の手法を用いてもよい。(1)治療前ボリュームV1から骨領域を抽出する。骨領域の抽出方法は特に限定せず、公知の技術を用いる。(2)治療後ボリュームV2から骨領域を抽出する。(3)治療前ボリュームV1に基づく骨領域と、治療後ボリュームV2に基づく骨領域とを用いて、治療前ボリュームV1を治療後ボリュームV2に位置あわせするための位置合せパラメータfとしての線形変換パラメータを算出する。ここでは、観察対象の形状変化が位置合わせ処理によって歪むことを避けるため、変化の少ない骨領域に基づいて線形変換パラメータを算出するものとする。
観察部位位置合せ部67は、位置合せパラメータ演算部66によって算出された位置合せパラメータfに基づいて、観察部位抽出部66によって設定された治療前の観察部位領域N1[j]を変換し、位置変換後の治療前の観察部位領域fN1[j]を生成する機能を有する。
観察部位抽出部68は、画像メモリ13に記憶された治療後ボリュームV2から、観察部位設定部64によって設定された観察部位領域N1[j]に対応する治療後の観察部位領域N2[j]を抽出する機能を有する。観察部位抽出部68は、公知技術や、表示装置46に表示された、治療後ボリュームV2に基づく画像上で、入力装置45によって入力された領域に基づいて治療後の観察部位領域N2[j]を抽出する。
図8は、治療後の観察部位領域N2[j]を含む治療後ボリュームV2に基づく画像を示す図である。
図8は、治療後ボリュームV2をレンダリング処理した画像Iv2を示す。図8に示すように、画像Iv2内に、抽出された治療後の観察部位領域N2[j]として、心臓領域が示される。
図3の説明に戻って、観察部位差分演算部69は、観察部位位置合せ部67によって生成された、位置変換後の治療前の観察部位領域fN1[j]と、観察部位抽出部68によって抽出された治療後の観察部位領域N2[j]とに基づいて、治療の前後における観察部位領域の差分領域(差分領域データ)D[j]を算出する機能を有する。例えば、観察部位差分演算部69は、位置変換後の治療前の観察部位領域fN1[j]と治療後の観察部位領域N2[j]とのNAND(否定論理積)を体積変化領域として差分領域D[j]を算出する。その体積が算出されてもよい。また、観察部位差分演算部69は、位置変換後の治療前の観察部位領域fN1[j]と治療後の観察部位領域N2[j]とのAND(論理積)内の信号差分画像を算出してもよい。
差分合成画像生成部70は、画像メモリ13に記憶された治療後ボリュームV2に、観察部位差分演算部69によって算出された観察部位領域の差分領域D[j]を合成(重畳)した差分合成ボリュームVcを生成する機能を有する。
図9は、差分合成ボリュームVcに基づく画像を示す図である。
図9は、差分合成ボリュームVcをレンダリング処理した画像Ivcを示す。図9に示すように、画像Ivcには、治療後ボリュームの観察部位領域N2[j](図8に図示)内に、観察部位領域の差分領域D[j]が示されている。
図3の説明に戻って、過剰照射領域位置合せ部71は、位置合せパラメータ演算部66によって算出された位置合せパラメータに基づいて、過剰照射領域抽出部65によって抽出された治療前の過剰照射領域E1[j]を変換し、位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]を生成する機能を有する。
影響評価部72は、線量分布生成部63によって生成された線量分布P1に基づく画像と、差分合成画像生成部70によって生成された差分合成ボリュームVcに、過剰照射領域位置合せ部71によって生成された位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]を合成した合成画像とによって構成される影響評価画面(影響評価画面データ)を生成する機能を有する。また、影響評価部72は、影響評価画面を表示装置46で表示させる機能を有する。
図10は、第1実施形態における影響評価画面の第1例を示す図である。
図10に示す影響評価画面の左列には、線量分布P1に基づく画像と、3(K=3)個の正常部位(心臓、肺、及び食道)の情報と、それらの中から抽出された1(J=1)個の観察部位(心臓)の情報とが示される。また、図10に示す影響評価画面の右列には、合成画像が示される。図10に示す合成画像には、心臓を観察部位とする場合における、治療前後の心臓領域の差分領域と、位置変換後の心臓の過剰照射領域とが示されている。
続いて、図3に示す画像メモリ13に、複数治療の前後の撮像による複数時相の治療前ボリュームV1n(例えば、6時相の治療前ボリュームV11乃至V16)が存在する場合の表示例について、図11乃至図14を用いて説明する。
図11は、第1実施形態における影響評価画面の第2例を示す図である。
図11に示す影響評価画面の左列には、図10に示す影響評価画面の左列と同様に、線量分布P1に基づく画像と、正常部位(心臓、肺、及び食道)の情報と、それらの中から抽出された観察部位(心臓)の情報とが示されている。また、図11に示す影響評価画面の最下段には、6時相の治療前ボリュームV11乃至V16に基づく画像と、治療後ボリュームV2に基づく画像とが示される。
図11に示す影響評価画面の右列には、合成画像が示される。図11に示す合成画像には、心臓を観察部位とする場合における、治療前後の心臓領域の差分領域と、位置変換後の心臓の過剰照射領域とが示されている。ここで、図11に示す合成画像における差分領域は、複数治療の前後の撮像による6時相の治療前ボリュームV11乃至V16のうち2以上の位置変換後の心臓領域と、治療後ボリュームV2の心臓領域とに基づく算出結果である。図11に示す例では、合成画像には、第1時相の治療前ボリュームV11の心臓領域と治療後ボリュームV2の心臓領域とに基づく差分領域と、第3時相の治療前ボリュームV13の心臓領域と治療後ボリュームV2の心臓領域とに基づく差分領域とが合成されている。
なお、図11に示す合成画像における位置変換後の心臓の過剰照射領域は、第1時相の治療前ボリュームV11の心臓領域に基づく算出結果であってもよいし、第3時相の治療前ボリュームV13の心臓領域に基づく算出結果であってもよい。
図12(a),(b)は、第1実施形態における影響評価画面の第3例を示す図である。
図12(a),(b)に示す影響評価画面の左列には、図10に示す影響評価画面の左列と同様に、線量分布P1に基づく画像と、正常部位(心臓、肺、及び食道)の情報と、それらの中から抽出された観察部位(心臓)の情報とが示されている。また、図12(a),(b)に示す影響評価画面の最下段には、6時相の治療前ボリュームV11乃至V16に基づく画像と、治療後ボリュームV2に基づく画像とが示される。
図12(a),(b)に示す影響評価画面の右列には、合成画像が示される。図12(a),(b)に示す合成画像には、心臓を観察部位とする場合における、治療前後の心臓領域の差分領域と、位置変換後の心臓の過剰照射領域とが示されている。ここで、図12(a)に示す合成画像における差分領域は、第1乃至第6時相の治療前ボリュームV11乃至V16の位置変換後の心臓領域と治療後ボリュームV2の心臓領域とに基づく算出結果である。図12(a)に示す合成画像には、第1時相の治療前ボリュームV11の心臓領域と治療後ボリュームV2の心臓領域とに基づく差分領域が合成され、図12(b)に示す合成画像には、第3時相の治療前ボリュームV13の心臓領域と治療後ボリュームV2の心臓領域とに基づく差分領域とが合成されている。
合成画像の中の観察部位領域に注目して観察するためにその周辺部位の情報を排除し、合成画像の中の観察部位領域内のみの表示を順に切り替える。ここでは、観察部位領域内のみを画像の信号値に置き換え、観察部位領域の画像のみを時系列に従って切り替えながら表示させる。この表示により、観察部位領域内の差分領域の変化が視認し易くなる。
なお、図12(a),(b)を用いて説明した合成画像の位置変換後の心臓の過剰照射領域は、第1乃至第6時相の治療前ボリュームV11乃至V16のいずれかの心臓領域に基づく算出結果であればよい。
図13は、第1実施形態における影響評価画面の第4例を示す図である。
図13に示す影響評価画面の左列には、図10に示す影響評価画面の左列と同様に、線量分布P1に基づく画像と、正常部位(心臓、肺、及び食道)の情報と、それらの中から抽出された観察部位(心臓)の情報とが示されている。また、図13に示す影響評価画面の最下段には、6時相の治療前ボリュームV11乃至V16に基づく画像と、治療後ボリュームV2に基づく画像とが示される。
図13に示す影響評価画面の中列及び右列には、合成画像がそれぞれ示される。図13に示す各合成画像には、心臓を観察部位とする場合における、治療前後の心臓領域の差分領域と、位置変換後の心臓の過剰照射領域とが示されている。ここで、図13に示す合成画像における差分領域は、複数治療の前後の撮像による6時相の治療前ボリュームV11乃至V16と、治療後ボリュームV2とのうち任意のボリュームの位置変換後の心臓領域とその他のボリュームの位置変換後の心臓領域とに基づく算出結果である。図13に示す例では、中列の合成画像には、第1時相の治療前ボリュームV11の心臓領域と第3時相の治療前ボリュームV13の心臓領域とに基づく差分領域が合成されている。一方、右列の合成画像には、第3時相の治療前ボリュームV13の心臓領域と治療後ボリュームV2の心臓領域とに基づく差分領域が合成されている。
図14は、第1実施形態における影響評価画面の第5例を示す図である。
図14に示す影響評価画面の左列には、図10に示す影響評価画面の左列と同様に、線量分布P1に基づく画像と、正常部位(心臓、肺、及び食道)の情報と、それらの中から抽出された観察部位(心臓)の情報とが示されている。また、図14に示す影響評価画面の最下段には、6時相の治療前ボリュームV11乃至V16に基づく画像と、治療後ボリュームV2に基づく画像とが示される。
図14に示す影響評価画面の右列には、合成画像が示される。図14に示す合成画像には、心臓を観察部位とする場合における、治療前後の心臓領域の差分領域と、位置変換後の心臓の過剰照射領域とが示されている。ここで、図14に示す合成画像における差分領域は、第3時相の治療前ボリュームV13の位置変換後の心臓領域と治療後ボリュームV2の心臓領域とに基づく算出結果である。
また、図14に示す影響評価画面の中列には、線量体積ヒストグラム(DVH:dose−volume histogram)が示されている。図14では、差分領域に対しても線量体積ヒストグラムが算出される。差分領域に対する放射線照射の程度を数値化して表示することができ、その変化が放射線によるものか判断するための情報として有用である。
なお、第1実施形態の放射線治療システム1では、図3に示す正常部位抽出部62によって抽出された正常部位に基づいて差分領域を算出する例を示したがその場合に限定されるものではない。例えば、腫瘍抽出部61によって抽出された腫瘍領域に基づいて差分領域を算出してもよい。
続いて、第1実施形態の放射線治療システム1の動作について説明する。
図15は、第1実施形態の放射線治療システム1の動作を示すフローチャートである。
放射線治療システム1の治療計画装置40(図2,図3に図示)は、治療前の撮像による治療前ボリュームV1(図4に図示)を画像メモリ13から取得する(ステップST1)。治療計画装置40は、ステップST1によって取得された治療前ボリュームV1に基づいて、治療前の腫瘍領域G1を抽出する(ステップST2)。また、治療計画装置40は、ステップST1によって取得された治療前ボリュームV1に基づいて、心臓、肺、及び食道等の複数の部位のうちK個の治療前の正常部位領域N1[k](図6に図示)を抽出する(ステップST3)。
治療計画装置40は、ステップST2,ST3によって治療前の腫瘍領域G1と治療前の正常部位領域N1[k]とが抽出されたボリュームに基づいて、公知技術に従って操作者による放射線治療計画を実行させ、放射線照射の線量分布P1(図7に図示)を生成する(ステップST4)。治療計画装置40は、ステップST3によって抽出された治療前の正常部位領域N1[k]の中から、J個の観察部位領域N1[j]を設定する(ステップST5)。治療計画装置40は、ステップST4によって生成された治療前の線量分布P1に基づいて、ステップST5によって設定された観察部位領域N1[j]毎に、放射線治療計画における放射線照射の線量が閾値以上となる治療前の過剰照射領域E1[j]を抽出する(ステップST6)。
治療計画装置40は、治療後の撮像による治療後ボリュームV2(図5に図示)を画像メモリ13から取得する(ステップST7)。治療計画装置40は、ステップST1によって取得された治療前ボリュームV1と、ステップST7によって取得された治療後ボリュームV2とに基づいて、治療前ボリュームV1を治療後ボリュームV2に位置合わせするための位置合わせパラメータfを算出する(ステップST8)。治療計画装置40は、ステップST8によって算出された位置合せパラメータfに基づいて、ステップST5によって設定された治療前の観察部位領域N1[j]を変換し、位置変換後の治療前の観察部位領域fN1[j]を生成する(ステップST9)。治療計画装置40は、ステップST7によって取得された治療後ボリュームV2から、ステップST5によって設定された観察部位領域N1jに対応する治療後の観察部位領域N2[j](図8に図示)を抽出する(ステップST10)。
治療計画装置40は、ステップST9によって生成された、位置変換後の治療前の観察部位領域fN1[j]と、ステップST10によって抽出された治療後の観察部位領域N2[j]とに基づいて、治療の前後における観察部位領域の差分領域D[j]を算出する(ステップST11)。治療計画装置40は、ステップST7によって取得された治療後ボリュームV2に、ステップST11によって算出された観察部位領域の差分領域D[j]を合成した差分合成ボリュームVc(図9に図示)を生成する(ステップST12)。
治療計画装置40は、ステップST8によって算出された位置合せパラメータに基づいて、ステップST6によって抽出された治療前の過剰照射領域E1[j]を変換し、位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]を生成する(ステップST13)。治療計画装置40は、ステップST4によって生成された線量分布P1に基づく画像と、ステップST12によって生成された差分合成ボリュームVcに、ステップST13によって生成された位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]を合成した合成画像とによって構成される影響評価画面を生成する(ステップST14)。治療計画装置40は、ステップST14によって生成された影響評価画面を、表示装置46で表示させる(ステップST15)。
第1実施形態の放射線治療システム1によると、過剰照射領域と、治療の前後における観察部位領域の差分領域とを観察部位毎に対応付けて表示することができるので、過剰照射領域と差分領域との関係性を含んだ評価が容易になる。すなわち、第1実施形態の放射線治療システム1によると、過去の放射線治療により正常部位に生じた副作用、又は、放射線照射にリスクが伴う症状が発生した場合、これらの情報を影響評価画面として表示させることで、被曝による正常部位の状態悪化を評価することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の放射線治療システム1Aの外観図は、図1に示す第1実施形態の放射線治療システムの一部を示す外観図と同様であり、第2実施形態の放射線治療システム1Aの全体の構成図は、図2に示す第1実施形態の放射線治療システムの全体を示す構成図と同様であるので説明を省略する。
図16は、第2実施形態の放射線治療システム1Aの機能を示すブロック図である。
治療計画装置40のCPU41がプログラムを実行することによって、放射線治療システム1Aは、図16に示すように、腫瘍抽出部61、正常部位抽出部62、線量分布生成部63、観察部位設定部64、過剰照射領域抽出部65、位置合せパラメータ演算部66、観察部位位置合せ部67、観察部位抽出部68、観察部位差分演算部69、差分合成画像生成部70、過剰照射領域位置合せ部71、及び影響評価部72A、過剰照射領域更新部73、及び線量分布更新部74として機能する。なお、放射線治療システム1Aの構成要素61乃至74の全部又は一部は、放射線治療システム1Aにハードウェアとして備えられるものであってもよい。
なお、図16に示す第2実施形態の放射線治療システム1Aにおいて、図3に示す第1実施形態の放射線治療システム1と同一機能には同一符号を付して説明を省略する。
過剰照射領域更新部73は、観察部位差分演算部69によって算出された差分領域D[j]と、過剰照射領域位置合せ部71によって生成された位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]とに基づいて、観察部位領域毎に、位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]を、差分領域D[j]を考慮した過剰照射領域fE1´[j]に更新する機能を有する。例えば、過剰照射領域更新部73は、公知技術や、入力装置45による入力に基づいて放射線照射による副作用、又は、何らかの外因によって観察部位領域に変化が生じたと判断する場合、観察部位領域を差分領域とその他領域に分類する。そして、過剰照射領域更新部73は、差分領域についてその他領域より厳しい許容照射線量を設定することで過剰照射領域fE1[j]を過剰照射領域fE1´[j]に更新する。
線量分布更新部74は、線量分布生成部63によって生成された線量分布P1と、観察部位抽出部68によって抽出された観察部位領域N2[j]と、過剰照射領域更新部73による更新後の過剰照射領域fE1´[j]とに基づいて、線量分布P1を、差分領域D[j]を含まないような線量分布P1´に更新する機能を有する。
影響評価部72Aは、線量分布生成部63によって生成された線量分布P1に基づく画像と、差分合成画像生成部70によって生成された差分合成ボリュームVcに、過剰照射領域位置合せ部71によって生成された位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]、及び、線量分布更新部74による更新後の線量分布P1´を合成した合成画像とによって構成される影響評価画面(影響評価画面データ)を生成する機能を有する。また、影響評価部72Aは、影響評価画面を表示装置46で表示させる機能を有する。
図17は、第2実施形態における影響評価画面の一例を示す図である。
図17に示す影響評価画面の左列には、線量分布P1に基づく画像と、3個の正常部位(心臓、肺、及び食道)の情報と、それらの中から抽出された1個の観察部位(心臓)の情報とが示される。また、図17に示す影響評価画面の右列には、合成画像が示される。図17に示す合成画像には、心臓を観察部位とする場合における、治療前後の心臓領域の差分領域と、位置変換後の心臓の過剰照射領域とが示されている。また、図17に示す合成画像には、位置合せされた更新後の線量分布が示されている。
続いて、第2実施形態の放射線治療システム1Aの動作について説明する。
図18は、第2実施形態の放射線治療システム1Aの動作を示すフローチャートである。
なお、図18に示す第2実施形態の放射線治療システム1Aにおいて、図15に示す第1実施形態の放射線治療システム1と同一ステップには同一符号を付して説明を省略する。
ステップST13の後、放射線治療システム1の治療計画装置40(図2,図3に図示)は、ステップST11によって算出された差分領域D[j]と、ステップST13によって生成された位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]とに基づいて、観察部位領域毎に、位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]を、差分領域D[j]を考慮した過剰照射領域fE1´[j]に更新する(ステップST21)。治療計画装置40は、ステップST4によって生成された線量分布P1と、ステップST10によって抽出された観察部位領域N2[j]と、ステップST21による更新後の過剰照射領域fE1´[j]とに基づいて、線量分布P1を、差分領域D[j]を含まないような線量分布P1´に更新する(ステップST22)。
治療計画装置40は、ステップST4によって生成された線量分布P1に基づく画像と、ステップST12によって生成された差分合成ボリュームVcに、ステップST13によって生成された位置変換後の治療前の過剰照射領域fE1[j]、及び、ステップST22による更新後の線量分布P1´を合成した合成画像とによって構成される影響評価画面を生成する(ステップST23)。治療計画装置40は、ステップST23によって生成された影響評価画面を、表示装置46で表示させる(ステップST24)。
第2実施形態の放射線治療システム1Aによると、過剰照射領域と、治療の前後における観察部位領域の差分領域とを観察部位毎に対応付けて表示することができるので、過剰照射領域と差分領域との関係性を含んだ評価が容易になる。すなわち、第2実施形態の放射線治療システム1Aによると、過去の放射線治療により正常部位に生じた副作用、又は、放射線照射にリスクが伴う症状が発生した場合、これらの情報を影響評価画面として表示させることで、被曝による正常部位の状態悪化を評価することができる。
また、第2実施形態の放射線治療システム1Aによると、観察部位領域内に現れた変化(差分領域)によって、観察部位領域内の差分領域の許容照射線量を部分的に変更することで、差分領域に対しては許容照射線量が、観察部位領域内のその他領域よりも厳しく設定される。第2実施形態の放射線治療システム1Aによると、差分領域における部分的な許容照射線量が適用された影響評価画面を表示することができるので、被曝による正常部位の状態悪化を計画段階で予期することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。