JP6017015B2 - 脳機能活動度評価装置及びそれを用いた評価システム - Google Patents

脳機能活動度評価装置及びそれを用いた評価システム Download PDF

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Description

本発明は、脳機能活動度を測定して脳機能活動度を評価する装置及びそれを用いた評価システムに関し、特に、老人性認知障害等の脳疾患を判定するために脳機能活動状態を評価する装置及びそれを用いたシステムに関するものである。
認知症の中でも、高齢化につれて増加するアルツハイマー型認知症(以下、AD)は原因が明らかでなく、治療法が確立していない一方、患者は増加している。したがって、日本のみならず世界各国で、その対策としての医療費と介護費の増大が国家予算に占める比率を徐々に増大させており、社会的に深刻な問題になってきている。この予防法としては早期発見と、脳機能を活性化するリハビリに頼らざるを得ない。例えば、日本では65歳以上の高齢者人口が3000万人に達している。そこで認知症を患っているか否かの診断法が益々重要となってきており、これらを対象にした予防診断のために、次の7条件を満たす新規な診断法の開発が期待されている。
A)低価格であること、
B)血液・脊髄液等の体液を採取しない非侵襲的であること、
C)放射線被曝を伴わないこと、
D)高感度を持つこと、
E)信頼度が高いこと、
F)認知症の専門医でなくても診断ができる程度の情報を提示する機能を持つこと、
G)操作するのに高度な技術を必要としないこと。
そのためには、これらの条件を満たす脳機能活動を測定する装置が必要となるが、頭皮上電位解析による脳機能活動測定装置としては、何れも本願発明者によるものであるが、特許文献1および特許文献2がある。これらの発明では、頭皮上電位(以下、脳電位と称する)を複数のセンサで記録し、2〜40ヘルツの脳電位成分を周波数ブロックにわけ、それぞれについて規格化パワーバリアンス(normalized power variance,以下NPV)を求めて、それらの変量の集合をマーカとして脳内のニューロンおよびグリア細胞等の活動(これらを総称して脳機能活動と称することにする)を特徴づけ、正常者集団の平均値と比較して活動状態の異常部位を求め、それぞれの疾患の特徴を表すテンプレートと、新たに測定した被験者のNPVとの比較から各種脳機能疾患との類似性を定量化している。
日本国特許第4145344号 日本国特許第5118230号
しかしながら上記従来技術では以下の点が不十分である。これらは大規模な臨床テストの結果、初めて得られた知見に基づく。
A)脳電位の規格化パワーバリアンスNPVという量は、脳機能活動を特徴づけるのに十分な情報を提供していないので、異なる疾患、例えば、「アルツハイマー型認知症」と「うつ病」との識別度が十分でないこと、
B)このマーカは不要なオフセットを持ち、これが感度を低下させるので、このようなオフセットを持たないマーカを導入する必要があること、
C)マーカで指定される状態を多次元空間のベクトルで表し、状態間の類似度をこれらのベクトルのなす角度の余弦または内積で表すが、これらの変量は類似度としての適性が十分でなく、またその意味が明確でないこと、
D)記録した電位信号にはアーティファクトが含まれており、これも疾病間の分離感度を低下させる要因となっていたため、解析対象となる周波数帯域およびセグメント長を決める根拠を持たなかったこと。
本発明の目的は、異なる疾患を高精度に識別し、それを表示可能な脳機能活動度評価装置および脳機能活動度評価システムを提供することにある。
以下の本願明細書中の説明においては、各種の値を示す記号に、NPV;j,m或いはsNAT;NLc,jm等として“;”の後に半角添字が付されて記載しているものがあるが、この添字が上付きか、下付きかについては、対応する数式或いは図を参照願いたい。また、本願明細書中においては、「脳機能活動」とは、脳機能による脳の活動をいい、「脳機能活動度」とは脳機能活動の度合いをいう。
上記課題を解決するために、本発明の脳機能活動度評価装置は、被験者の頭部に取り付けられ当該被験者の脳電位を測定する複数個のセンサを備えており、各センサから出力された脳電位を時間軸上で所定時間幅のセグメントに分割し、各セグメント毎に離散フーリエ変換を行い、所定周波数帯域内で前記所定時間幅の逆数である基本周波数の整数倍の周波数成分を持つ離散フーリエ係数を求め、全セグメントに亘って前記フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値を求め、当該求めたフーリエ係数の絶対値の二乗の平均値を規格化し、第1のパラメータである規格化パワースペクトル(NPS;j,m)を求め、隣接する周波数成分の前記フーリエ係数の絶対値の二乗の全セグメントに亘っての平均値の積を当該両周波数成分の平均値の和の二乗値で規格化し第2のパラメータである規格化パワー比(NPV;j,m)を求める演算手段を有し、前記第1のパラメータ及び第2のパラメータを用いて脳機能活動度を評価することを特徴とする。
さらに、本発明の脳機能活動度評価装置の実施形態としては、前記演算手段が、前記第1のパラメータである規格化パワースペクトル(NPS;j,m)及び第2のパラメータである規格化パワー比(NPV;j,m)のそれぞれに対し、前記各周波数成分の全てのセンサに亘る平均値を差し引いた第1のマーカsNAT;j,m及び第2のマーカvNAT;j,mを得ることを特徴とする。ここで各マーカは、センサの数および離散周波数の数から決まるサブマーカを表現する多次元のsNAT空間およびvNAT空間内の位置によって特徴づけられる。
本発明の脳機能活動度評価装置の他の実施形態としては、前記演算手段が、被験者xに関する前記第1のマーカ(sNAT;x,jm)と、予め所定の正常者集団について同様に求めた第1のマーカの平均値である正常者コントロールのテンプレート状態(sNAT;NLc,jm)及び標準偏差(sσ;NLc,jm)とからsZスコア(sZ;j,m;x:NLc)を算出し、さらに第2のマーカによって決まる被験者xの状態(vNAT;x,jm)と、予め所定の正常者集団について同様に求めた第2のマーカの平均値から決まるテンプレート状態(vNAT;NLc,jm)及び標準偏差(vσ;NLc,jm)とからvZスコア(vZ;j,m;x:NLc)を算出し、脳表面画像上で対応する位置に前記sZスコア(sZ;j,m;x:NLc)及び前記vZスコア(vZ;j,m;x:NLc)の値から脳の活動状態を可視化表示することを特徴とする。また各種の脳疾患を特徴づけるテンプレート状態(例えば、AD患者の多数集団の平均状態)と被験者の状態との間の規格化距離(例えばマハラノビス距離)の関数として、該被験者の該疾患に対する類似度を決める。この規格化距離の近さで類似度を表すことによって、類似度の意味づけが明確になり、異なる疾病間の分離が表示出来るようになった。
また、本発明の他の実施形態としての脳機能活動度評価システムは、少なくとも、被験者の頭部に取り付けられ当該被験者の脳電位を測定する複数個のセンサと、各センサから出力された脳電位を外部へ送信するインタフェースと、演算部を備えた脳機能活動計測端末と、前記脳機能活動計測端末と通信回線を介して接続される計算センターとを有する脳機能活動度評価システムであって、前記計算センターは、
(1)前記脳機能活動計測端末からの前記各センサから出力された脳電位を時間軸上で所定時間幅のセグメントに分割し、各セグメント毎に離散フーリエ変換を行い、所定周波数帯域内で前記所定時間幅の逆数である基本周波数の整数倍の周波数成分を持つフーリエ係数を求め、全セグメントに亘って前記フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値を求め、当該求めたフーリエ係数の絶対値の二乗の平均値を規格化し第1のパラメータである規格化パワースペクトル(NPS;j,m)を求め、隣接する離散化周波数成分の前記フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値の積を当該両周波数成分の平均値の和の二乗値で規格化し、第2のパラメータである規格化パワー比(NPV;j,m)を求める演算手段を有し、
(2)前記求めた第1のパラメータ(NPS;j,m)及び第2のパラメータ(NPV;j,m)を前記脳機能活動計測端末へ送信することを特徴とする。
さらに、本発明の他の実施形態としての脳機能活動度評価システムでは、前記計算センターの前記演算手段は、前記第1のパラメータである規格化パワースペクトル及び第2のパラメータである規格化パワー比のそれぞれに対し、前記各周波数成分の全てのセンサに亘る平均値を差し引いた第1のマーカと第2のマーカを得ることを特徴とする。
さらに、本発明の他の実施形態としての脳機能活動度評価システムでは、前記計算センターの前記演算手段は、被験者についての前記第1のマーカの値と、予め所定の正常者集団について同様に求めた前記第1のマーカの平均値としてのテンプレート状態及び標準偏差とからsZスコアを算出し、さらに、被験者についての前記第2のマーカの値と、予め所定の正常者集団についての前記第2のマーカの平均値としてのテンプレート状態及び標準偏差とからvZスコアを算出し、前記脳機能活動計測端末は、前記算出されたsZスコア及びvZスコアを前記通信回線を介して受信し、脳表面画像上で対応する位置に前記sZスコア及びvZスコアから脳機能活動度を可視化表示する装置を有することを特徴とする。
さらに、本発明の他の実施形態としての脳機能活動度評価システムでは、前記計算センターの前記演算手段は、前記算出されたsZスコア及びvZスコアから被験者と正常者集団のテンプレート状態との類似度を算出し、これにより得られた類似度から被験者が正常者集団のテンプレート状態とAD患者集団のテンプレート状態とのいずれにより類似するかを表す差分類似度を算出し、被験者の脳機能活動状態を可視化表示することを特徴とする。
また、本発明の他の実施形態であるプログラムは、被験者の頭部に取り付けられ当該被験者の脳電位を測定する複数個のセンサから出力された脳電位を時間軸上で所定時間幅のセグメントに分割し、各セグメント毎に離散フーリエ変換し、所定周波数帯域内で前記所定時間幅の逆数である基本周波数の整数倍の周波数成分を持つ離散フーリエ係数を求め、全セグメントに亘って前記フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値を求め、当該求めた離散フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値を規格化し第1のマーカである規格化パワースペクトル(NPS;j,m)を求め、隣接する周波数成分の前記離散フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値の積を当該両周波数成分の平均値の和の二乗値で規格化し第2のマーカである規格化パワー比(NPV;j,m)を求め、前記第1のパラメータである規格化パワースペクトル及び第2のパラメータである規格化パワー比のそれぞれに対し、前記各周波数成分から当該周波数成分値の全てのセンサに亘る平均値からの差分を求め、これらのオフセット量を除去した第1のマーカ(sNAT;j,m)と第2のマーカ(vNAT;j,m)を得る手順をコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
本発明においては、脳電位のパワースペクトルを所与の周波数帯域内でのパワースペクトルの平均値で規格化した規格化パワースペクトルNPSを求め、記録脳電位信号をセグメントに分割して、セグメント長の逆数を基本周波数とし、その正の整数倍の周波数に対するパワー分配を第1のパラメータの素材にする。第2のパラメータとしては、離散化したパワースペクトル成分比を、両成分の平均パワーで規格化した規格化パワー比NPVを用いる。これらのパラメータNPS及びNPVは、周波数軸上で規格されているが、それぞれについての各周波数成分から当該周波数成分値の全チャンネルに亘る平均値を差し引いてゼロレベルのリセットを行う。このようにして得られた2種のマーカをsNAT及びvNATとする。
これら2つのマーカのZスコアの周波数mについての平均値<sZ;j,m;x:NLc>mおよび<vZ;j,m;x:NLc>mが、正または負である状態をsNAT及びvNATについて該当する脳機能活動がhyperactive及びunder-synchronous状態と称し、より小である状態をhypo-active及びover-synchronous状態と称する。その結果として脳機能活動状態を4つの組み合わせ、hyperactiveでover-synchronous、hyperactiveでunder-synchronous、hypoactiveでover-synchronous、及びhypoactiveでunder-synchronous状態に分類でき、脳機能活動をより詳細に特徴づけることができるようになった。
それにより、ある疾病、例えばAD患者の多数集団の平均としてのテンプレートAD状態と被験者状態の距離をテンプレートAD状態の標準偏差で除した規格化距離で表し、その距離の近さからこれらの類似度を表すことによって、類似度の意味づけが明確になり、疾病間の分離が出来るようになった。
本発明によれば、新たに導入した2つのマーカにより脳機能活動の異常部位をより詳細に脳表面に表示できると共に、各種脳疾患を早期に検出し、各種の脳疾患を特徴づけるテンプレート状態に対する類似度を定量化し、異なる脳疾患を高精度に識別し、また正常コントロール状態から識別し、それらの状態を標準脳表面に画像化して表示できるので、脳疾患診断を安価・非侵襲・高感度・高信頼度で実現できる。そのために中小の医療機関に普及することが期待される。
本発明の一実施例である脳機能活動度評価装置の構成を示すブロック図である。 本発明の脳機能活動度評価装置の処理を説明するフローチャートである。 差分類似度に対する感度・特異度曲線図である。 状態分離の優位性を示すt検定におけるt値を表す図であり、sNAT;j,mの場合を示している。 状態分離の優位性を示すt検定におけるt値を表す図であり、vNAT;j,mの場合を示している。 一組の差分類似度による類似度グラフである。 NAT画像の表示例であり、vZ;j;x:ADを標準脳表面の対応位置に割り付けて表示している。 NAT画像の表示例であり、sZ;j;x:ADを標準脳表面の対応位置に割り付けて表示している。 SPECT画像の表示例である。 本発明の他の実施例である脳機能活動度評価システムのブロック図である。 本発明の脳機能活動度評価システムの処理を説明するフローチャートである。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
(1)脳機能活動度評価装置のハードウェア構成
図1は、本発明の一実施例である脳機能活動度評価装置の構成を示すブロック図である。本発明の一実施例としての脳機能活動度評価装置は、脳電位センサ又は脳磁センサ(電極とも称するが、以下、センサで総称することがある。)2と、センサ2で測定された脳電位を増幅する増幅器3と、マルチプレクサ4と、アナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)5と、コンピュータ10と、キーボード等の入力装置24と、プログラム等を格納した外部記憶装置25と、CRT等の表示装置31と、プリンタ32を有する。そしてコンピュータ10は、ディジタル化された測定脳電位データを入力するインタフェース(I/F)15と、CPU11、ROM13、RAM14、及び出力インタフェース(I/F)16と、これらを接続するバス12から構成される。
上記ROM13は読取専用の記憶媒体であり、RAM14は、キーボード等の入力装置24及びA/D変換器5からの脳電位データを演算時に記憶するメモリである。CPU11は、外部記憶装置25又はROM13からプログラムを読み出し、RAM14に格納されたA/D変換器5からの脳電位データに対し各種の演算を実行する演算部であり、演算結果は出力インタフェース16を介して表示装置31(CRT)に表示される。また、プリンタ32は、この表示装置31に表示されるデータや波形を印字出力する。なお、外部記憶装置25は用いずに、全てROM13にプログラム等を予め格納しておいてもよい。
上記センサ2は、例えば21個前後の複数の電極からなり、頭部1に装着されて脳機能活動に基づく脳電位を測定するか、或いは、予めこれらの21個前後の電極を配置したキャップ又はヘルメットを頭部1に装着して脳電位を測定するよう構成しても良い。勿論、キャップ又はヘルメット以外の手法であっても、脳機能活動に基づく脳電位を測定できるものであれば良い。なおこの場合のセンサ2は、国際10-20標準(International 10-20 standard)またはこれに準じて決められた位置に配置するとともに、基準電位として、例えば右耳朶にもセンサ(図示せず)を装着する。センサ2で測定された脳電位は増幅器3及びマルチプレクサ4を介してアナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)5に供給され、ディジタル化された測定脳電位データは入力インタフェース(I/F)15を介してコンピュータ10に供給されるが、入力インタフェース15では測定脳電位データをそのまま通過させてもよいし、或いは予め指定した周波数帯域(例えばアルファ波の周波数より広い所定の周波数帯域)を持つ成分のみをディジタル・フィルタリング処理を行ってから出力しても良い。
この脳機能活動度評価装置はスタンドアローンで構成することも可能であり、そのようにスタンドアローンで構成すれば、インターネット環境が得られない離島等の臨床現場にあっても、直ちに医師が診断支援情報を得ることができる。勿論、ネット環境が整うのであれば、外部記憶装置をサーバとしてインターネット経由で繋げば、より適切な診断支援が達成される。
(2)脳機能活動度評価装置の演算処理
図2は、本発明の実施例としての脳機能活動度評価装置の処理を説明するフローチャートである。本発明の実施例では、脳機能活動度評価装置の処理を、被験者、正常者集団、AD患者集団の3つの集団毎に処理を行っている。
先ず、正常者集団のデータベースの作成について説明する(S101cからスタート)。既存の認知機能を評価するためのミニ・メンタル・ステート検査(MMSE)法や画像検査によるMRI(Magnetic Resonance Imaging)やSPECT(Single Photon Emission Computing Tomography)測定等で予め所定人数の正常者集団を決めておき、一人ずつ21個(J個)のセンサ2から脳電位(頭皮上電位)の時系列を測定し記録する(ステップS102)。この場合、各センサ2の電位信号は5ms毎にサンプリングされ、周波数範囲は、バンドパスフィルタ処理により、特定周波数部分(例えば4〜20Hzの所定周波数)を抽出する。この最適周波帯域4〜20Hzについては後述する。
記録されたセンサj(電極,j=1〜21)の脳電位時系列を時間軸上でセグメント(セグメント長T)に分割する。各セグメント毎に脳電位を離散フーリエ変換し、各セグメントに関する基本周波数f0(=1/T)の整数m倍を持つ周波数成分mf0を持つフーリエ係数Xj,mを求める(ステップS103)。次に、全セグメントに亘ってこのフーリエ係数の絶対値の二乗の平均値<|Xj,m|2>segを算出する(ステップS104)。尚、この平均値<|Xj,m|2>segはその周波数成分のパワーと称される。
第1のパラメータである規格化パワースペクトルNPS;j,mを、上記平均値
<|Xj,m|2>segで規格化した値を式(1)にて算出する(ステップS105)。
Figure 0006017015
規格化パワースペクトルNPS;j,mは、チャネルj及び周波数成分mf0に対するパワーの平均的分配を表しており、算出されたNPS;j,mはRAM14に記憶される。
また、隣接する周波数成分間のパワー比率を特徴付けるため、無次元量として第2のパラメータである規格化パワー比NPV;j,mを式(2)にて算出する(ステップS106)。算出されたNPV;j,mはRAM14に記憶される。
Figure 0006017015
また、隣接する周波数成分のパワー比p;j,mは次式(3)で表される。
Figure 0006017015
従って、式(3)を式(2)に代入すると、次式(4)を得る。
Figure 0006017015
式(4)において、p;j,m=1で、NPV;j,mは最大値1となる。これは、周波数軸上で隣接する周波数成分間のパワー比を表し、脳機能活動によって脳内に送り出される信号強度変調のパワースペクトルの傾斜を表す。すなわちp;j,m=1であれば、平均的なパワー比は1で、脳機能活動はランダムになり信号伝送は行われていない状態である。
次にこれらのパラメータのゼロリセット処理をし、sNAT;j,m及びvNAT;j,mを算出する(ステップS107)。具体的には、規格化パワースペクトルNPS;j,mおよび規格化パワー比NPV;j,mのそれぞれの周波数mf0についての、チャンネルjに関する場所的な分布を強調するためには、この空間分布に表れるオフセット値は、場所に関する相対的な変化を弱めるため、このオフセット量を除去する必要がある。オフセット量を除去して得たマーカsNATおよびvNATを次式(5)(6)によって得る。これにより感度の向上が図られる。
Figure 0006017015
Figure 0006017015
上記のステップS102〜S107を全ての正常者に対して繰り返すことにより、正常者集団についての群平均<sNAT;NLc,jm>、<vNAT;NLc,jm>と、群の内部での標準偏差sσ;NLc,jm、vσ;NLc,jmを計算し、その結果をデータベースとしてRAM14に格納する(ステップS108a)。
次にAD患者集団のデータベースの作成について説明する(S101bからスタート)。上記正常者集団の場合と同様に、既存の認知機能を評価するためのミニ・メンタル・ステート検査(MMSE)法や画像検査によるMRI(Magnetic Resonance Imaging)やSPECT(Single Photon Emission Computing Tomography)測定等で予め所定人数のAD患者集団を決めておき、一人ずつ21個(J個)のセンサ2から脳電位(頭皮上電位)の時系列を測定し記録する(ステップS102)。
上記の正常者集団の場合と同様に、ステップS103〜ステップS105を実行してAD患者の第1のパラメータである規格化パワースペクトルNPS;j,mを算出し、RAM14に記憶する。次にステップS106を実行してAD患者の第2のパラメータである規格化パワー比NPV;j,mを算出し、RAM14に記憶する。ステップS107を実行してAD患者のsNAT;j,m及びvNAT;j,mを算出する。ステップS101〜S107を全てのAD患者に対して繰り返すことにより、AD患者集団についての群平均<sNAT;AD,jm>、<vNAT;AD,jm>と、群の内部での標準偏差sσ;AD,jm、vσ;AD,jmを計算し、その結果をデータベースとしてRAM14に格納する(ステップS108b)。
次に、被験者(x)の測定脳電位に対する処理を説明する(S101cからスタート)。上記正常者集団の場合と同様に、被験者(x)にセンサ2を装着し、センサ2から脳電位(頭皮上電位)の時系列を測定し記録する(ステップS102)。ステップS103〜ステップS105を実行して被験者(x)の第1のパラメータである規格化パワースペクトルNPS;j,mを算出し、ステップS106を実行して被験者(x)の第2のパラメータである規格化パワー比NPV;j,mを算出し、ステップS107を実行して被験者(x)の脳機能活動状態を特徴づける1組のカーカーであるsNAT;x,jm及びvNAT;x,jmを算出する。
次に、ステップS109の処理を説明する。
RAM14から正常者集団についての群平均<sNAT;NLc,jm>、<vNAT;NLc,jm>と、群の内部での標準偏差sσ;NLc,jm、vσ;NLc,jmを読み出し、ステップS107で得られた被験者(x)のsNAT;x,jm及びvNAT;x,jmとから次式(7)にてsZ;j,m;x:NLcを算出する。
Figure 0006017015
同様に、次式(8)にてvZ;j,m;x:NLcを算出する。
Figure 0006017015
ここで得られるsZ;j,m;x:NLc及びvZ;j,m;x:NLcは、被験者(x)の脳機能活動と正常者集団の脳機能活動の標準状態との隔たりを表す量であり、規格化距離またはマハラノビスの距離とも称される。
本発明では、それぞれをsZスコア、vZスコアと定義する。vZスコアは脳機能活動のコヒーレンシーに関係する指標であり、sZスコアは脳内の脳機能活動のレベルに関係する指標である。
ここで、vZ;j,m;x:NLc>0であれば電極j位置での脳電位発生に寄与している脳機能活動がNLcに比べて、アンダー同期状態(under-synchronous状態)にあり、逆にvZ;j,m;x:NLc<0であればオーバー同期状態(over-synchronous状態)にあり、sZ;j,m;x:NLc>0であればNLcに比べて脳機能活動レベルが大きいことから過大変動状態(hyperactive状態)であり、sZ;j,m;x:NLc<0であれば脳機能活動レベルがNLcに比べて小さいことから過小変動状態(hypoactive状態)を示すこととなる。従って、sZスコア、vZスコアを導入することにより、脳機能活動状態を、オーバー同期で過大変動状態、オーバー同期で過小変動状態、アンダー同期で過大変動状態、アンダー同期で過小変動状態の4種類に分類可能となり、脳機能活動をより詳細に特徴付けることができる。
また、同様に、ステップS109では、RAM14からAD患者集団についての群平均<sNAT;AD,jm>、<vNAT;AD,jm>と、群の内部での標準偏差sσ;AD,jm、vσ;NLc,jmを読み出し、ステップS107で得られた被験者(x)のsNAT;x,jm及びvNAT;x,jmとから次式(9)にてsZ;j,m;x:ADを算出する。
Figure 0006017015
同様に、次式(10)にてvZ;j,m;x:ADを算出する。
Figure 0006017015
ここで得られるsZ;j,m;x:AD及びvZ;j,m;x:ADは、被験者(x)の脳機能活動状態とAD患者集団の脳機能活動のテンプレ−ト状態との隔たりを表す量である。
次にステップS110の処理を説明する。
ステップS109で得られたsZ;j,m;x:NLc及びvZ;j,m;x:NLcから被験者(x)と正常者集団の標準状態との類似度(Likelihood)であるsL;x,NLcとvL;x,NLcをそれぞれ式(11)(12)で算出する。
Figure 0006017015
Figure 0006017015
また同様に、被験者(x)とAD患者集団の標準状態との類似度(Likelihood)であるsL;x,ADcとvL;x,ADcをそれぞれ式(13)(14)で算出する。
Figure 0006017015
Figure 0006017015
次にステップS111の処理を説明する。ステップS110で得られた類似度sL;x,NLc、vL;x,NLc、sL;x,ADcとvL;x,ADcとから次式(15)(16)にて、被験者(x)が、正常者集団の標準状態とAD患者集団の標準状態とのいずれに類似するかを表す差分類似度sL;x,ADc-NLc、vL;x,ADc-NLcを算出する。
Figure 0006017015
Figure 0006017015
上記差分類似度を導入することにより、AD患者集団の標準状態と正常者集団の標準状態との分離が可能となり、被験者(x)の脳機能活動度をより高精度に評価できる。
上記ステップS111までの処理の実行結果(演算結果)を画像化処理し、CRT等の表示装置31に表示する(ステップS112)。表示については後述する。
ここで、この最適周波数帯域4〜20Hzの設定について以下説明する。一般的に脳電位測定で生じる体動や瞬き等によって生じる筋電などの不要信号(アーティファクト)の自動除去は不可能に近い。そこで前処理は振幅が100マイクロボルト以上になるセグメントを除去するだけで、あとは試行錯誤的に最適、つまりAD患者と正常者の分離確率が最大になるような周波数帯域を実験で決定した。その結果を図4に示す。図4は、状態分離の有意性を示すt検定におけるt値を表す図であり、図4AはsNAT;j,m、図4BはvNAT;j,mの場合を示している。横軸は下限周波数を示し、縦軸は上限周波数を示す。2種のマーカsNAT;j,mとvNAT;j,mにとって大きいt値が共通に得られる周波数帯域は、4〜20Hzである。従って、本発明では、最適周波帯域を4〜20Hzに設定する。
図3は、差分類似度に対する感度・特異度曲線図である。被験者(x)が、正常者集団のテンプレート状態とAD患者集団のテンプレート状態とのいずれにより類似するかを表す差分類似度sL;x,ADc-NLcを横軸にとり、その関数として感度特異度曲線を描いている。図3から最高85%の感度・特異度が得られることがわかる。即ち、ADか無病かの誤判定確率が15%ということになる。本発明では放射線被曝を全く伴わないので、繰り返し診断をして正常状態が得られれば、それだけ誤診の可能性は減少するので、高感度のAD患者スクリーニングに利用できる。
図6は、NAT画像とSPECT画像の表示例である。
図6AはvZ;j;x:ADを標準脳表面の対応位置に割り付けて表示しており、図中右上に表示されるバーは、グラデーションバーであり、白くなればなるほどvZスコアのプラスの値が大きくなり、黒くなればなるほどvZスコアのマイナスの値が大きくなる。このグラデーションバーと対応付けて標準脳表面の左側面図、上面図及び右側面図を見ることで、脳機能活動状態を視認できる。上述のとおりvZスコア>0であれば過小変調状態(under-synchrony状態)、vZスコア<0であれば過大変調状態(over-synchrony状態)を示している。
また、図6BはsZ;j;x:ADを標準脳表面の対応位置に割り付けて表示しており、図中右上に表示されるバーは、グラデーションバーであり、白くなればなるほどsZスコアのプラスの値が大きくなり、黒くなればなるほどsZスコアのマイナスの値が大きくなる。このグラデーションバーと対応付けて標準脳表面の左側面図、上面図及び右側面図を見ることで、脳機能活動状態を視認できる。上述のとおりsZスコア>0であれば過大変動状態(hyperactivity状態)、sZスコア<0であれば過小変動状態(hypoactivity状態)を示している。
図6A及び図6Bを画面上で見比べることにより、脳機能活動状態を、オーバー同期で過大変動状態、オーバー同期で過小変動状態、アンダー同期で過大変動状態、アンダー同期で過小変動状態の4種類に分類できる。
図6CはSPECT画像であり、画像上黒い領域は脳血流量が低下している領域を示している。つまり、脳機能活動が過小活動で、過小同期状態にある部位は脳血流低下部位に一致している。
次に、類似度グラフを画面上に表示する例を説明する。図5は、一組の差分類似度による類似度グラフである。横軸に差分類似度sL;x:ADc−NLcをとり、縦軸にvL;x:ADc−NLcをとってある。これら差分類似度は、図2のステップS111により得られる。この座標を時計方向に45度回転した軸で見ると、新座標系の第1,第2象限の右上方向は、ADの重篤度を表し、左下方向は正常域である。右下は脳機能活動の同期性異常と活動レベル異常の内の後者の影響が前者よりも大であり、左上方は前者の影響が後者より大であることを表している。矢印のついた点線は、あるAD患者の治療経過を示している。このように類似度グラフ上に治療経過を併せて表示することで、正常状態からADに向けて状態が進行する状態から、ADの早期発見あるいは、治療効果の確認ができる。
尚、図5において、MCI−ADもプロットしているが、これは軽度の認知障害を有しADに進行する可能性のある患者集団(Mild Cognitive Impairment)を表している。
(1)脳機能活動度評価システムのハードウェア構成
図7は、本発明の他の実施例である脳機能活動度評価システムのブロック図である。
図1と比較し、本実施例では、コンピュータ10は各臨床現場に設置されたデータ転送端末装置として機能する。測定脳電位データは、コンピュータ10の通信インタフェース17から、インターネット等の通信回線41を経由して演算装置としての計算センター42に送信され、計算センター42で測定脳電位データに対し各種の演算を実行し、演算結果又は解析結果を通信回線41を経由して該当するコンピュータ10に送信し、データ転送端末としてのコンピュータ10は、受信した演算結果又は解析結果に対し画像処理を実行しCRT31に表示又はプリンタ32などの出力装置に印字出力させる点が異なる。計算センター42は、図示しないサーバ装置で、プログラムと記録媒体を備え、サーバ装置等で脳電位、すなわち脳電位に関するデータを収集・蓄積し、特定の脳疾患に関するデータを蓄積すると共に、蓄積された脳電位に関するデータに各種の演算を実行し演算結果又は解析結果を蓄積する。このように脳機能活動度評価システムを構成することで、計算センターにて集中的にデータ演算と演算結果の管理を行い、各臨床現場に設置されたデータ転送端末であるコンピュータ10は、測定脳電位データの送信と計算センター42から受信される演算結果又は解析結果に対する画像処理のみを行えばよく、実施例1の効果に加え、負荷分散が図られる。
図8は、本発明の脳機能活動度評価システムの処理を説明するフローチャートである。計算センター42は、被験者(x)、正常者集団、AD患者集団の計測脳電位時系列をコンピュータ10から受信する(ステップS201a、S201b、S201c、S202)。計算センター42は、サーバ装置からプログラムを読み出し、受信された脳電位時系列に対し演算を実行する(ステップS203〜S211)。実行する処理内容は図2のステップS103〜S111と同様であるため、ここでは説明を省略する。演算結果又は解析結果である算出値をデータ転送端末へ送信する(ステップS212)。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1 被験者の頭部
2 脳電位(脳磁)センサ
3 増幅器
4 マルチプレクサ
5 A/D変換器
10 コンピュータ
11 CPU
13 ROM
14 RAM
15 入力インタフェース
16 出力インタフェース
24 入力装置
25 外部記憶装置
31 CRT
32 プリンタ
41 通信回線
42 計算センター

Claims (10)

  1. 被験者の頭部に取り付けられ当該被験者の脳電位を測定する複数個のセンサを備えており、
    各センサから出力された脳電位を時間軸上で所定時間幅のセグメントに分割し、各セグメント毎に離散フーリエ変換を行い、所定周波数帯域内で前記所定時間幅の逆数である基本周波数の整数倍の周波数成分を持つ離散フーリエ係数を求め、全セグメントに亘って前記フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値を求め、当該求めたフーリエ係数の絶対値の二乗の平均値で規格化し、第1のパラメータである規格化パワースペクトルを求め、隣接する周波数成分の前記フーリエ係数の絶対値の二乗の全セグメントに亘っての平均値の積を当該両周波数成分の平均値の和の二乗値で規格化し第2のパラメ−タである規格化パワー比を求める演算手段を有し、
    前記第1のパラメータ及び第2のパラメータを用いて脳機能活動度を評価することを特徴とする被験者の脳機能活動度評価装置。
  2. 請求項1において、前記演算手段は、前記第1のパラメータである規格化パワースペクトル及び第2のパラメータである規格化パワー比のそれぞれに対し、前記各周波数成分から当該周波数成分の全てのセンサに亘る平均値を差し引いた第1のマーカと第2のマーカを得ることを特徴とする被験者の脳機能活動度評価装置。
  3. 請求項2において、前記演算手段は、
    被験者についての前記第1のマーカの値と、予め所定の正常者集団について同様に求めた前記第1のマーカの平均値及び標準偏差とからsZスコアを算出し、
    さらに、被験者についての前記第2のマーカの値と、予め所定の正常者集団について同様に求めた前記第2のマーカの平均値及び標準偏差とからvZスコアを算出し、
    脳表面画像上で対応する位置に前記sZスコア及びvZスコアから脳の活動状態を可視化表示することを特徴とする被験者の脳機能活動度評価装置。
  4. 請求項1から3のいずれかにおいて、前記所定周波数帯域は4〜20Hzであることを特徴とする被験者の脳機能活動度評価装置。
  5. 少なくとも、被験者の頭部に取り付けられ当該被験者の脳電位を測定する複数個のセンサと、各センサから出力された脳電位を外部へ送信するインタフェースと、演算部を備えた脳機能活動計測端末と、前記脳機能活動計測端末と通信回線を介して接続される計算センターとを有する脳機能活動度評価システムであって、
    前記計算センターは、
    前記脳機能活動計測端末からの前記各センサから出力された脳電位を時間軸上で所定時間幅のセグメントに分割し、各セグメント毎に離散フーリエ変換を行い、所定周波数帯域内で前記所定時間幅の逆数である基本周波数の整数倍の周波数成分を持つフーリエ係数を求め、全セグメントに亘って前記フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値を求め、これらを当該求めたフーリエ係数の絶対値の二乗の平均値で規格化し第1のマーカである規格化パワースペクトルを求め、隣接する離散化周波数成分の前記フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値の積を当該両周波数成分の平均値の和の二乗値で規格化し、第2のマーカである規格化パワー比を求める演算手段を有し、
    前記求めた第1のマーカ及び第2のマーカを前記脳機能活動計測端末へ送信することを特徴とする被験者の脳機能活動度評価システム。
  6. 請求項5において、前記計算センターの前記演算手段は、
    前記第1パラメータである規格化パワースペクトル及び第2パラメータである規格化パワー比のそれぞれに対し、前記各周波数成分の全てのセンサに亘る平均値を差し引いた第1のマーカと第2のマーカを得ることを特徴とする被験者の脳機能活動度評価システム。
  7. 請求項6において、前記計算センターの前記演算手段は、
    被験者についての前記第1のマーカと、予め所定の正常者集団について同様に求めた前記第1のマーカの平均値であるテンプレート及び標準偏差とからsZスコアを算出し、
    さらに、被験者についての前記第2のマーカと、予め所定の正常者集団についての前記第2のマーカの平均値であるテンプレート及び標準偏差とからvZスコアを算出し、
    前記脳機能活動計測端末は、前記算出されたsZスコア及びvZスコアを前記通信回線を介して受信し、脳表面画像上で対応する位置に前記sZスコア及びvZスコアから被験者の脳の活動状態を可視化表示する装置を有することを特徴とする脳機能活動度評価システム。
  8. 請求項7において、前記演算手段は、
    前記算出されたsZスコア及びvZスコアから、被験者と正常者集団のテンプレートとの類似度を算出し、これにより得られた類似度から被験者が正常者集団のテンプレートとAD患者集団のテンプレートとのいずれにより類似するかを表す差分類似度を算出し、被験者の脳の活動状態を可視化表示することを特徴とする被験者の脳機能活動度評価システム。
  9. 被験者の頭部に取り付けられ当該被験者の脳電位を測定する複数個のセンサから出力された脳電位を時間軸上で所定時間幅のセグメントに分割し、各セグメント毎に離散フーリエ変換し、所定周波数帯域内で前記所定時間幅の逆数である基本周波数の整数倍の周波数成分を持つ離散フーリエ係数を求め、全セグメントに亘って前記フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値を求め、当該求めた離散フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値で規格化し第1パラメータである規格化パワースペクトルを求め、隣接する周波数成分の前記離散フーリエ係数の絶対値の二乗の平均値の積を当該両周波数成分の平均値の和の二乗値で規格化し第2パラメータである規格化パワー比を求め、前記第1パラメータである規格化パワースペクトル及び第2パラメータである規格化パワー比のそれぞれに対し、前記各周波数成分から当該周波数成分値の全てのセンサに亘る平均値の差分を求め、オフセット量を除去した第1マーカと第2マーカを得る手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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