最初に図1を参照すると、本発明の一実施形態に従って構成された例示的DBSシステム10が、パーキンソン病、ジストニア、本態性振戦、発作性疾患、肥満、鬱病等の衰弱性疾病の治療のために患者内に埋込まれた状態で示されている。システム10は、刺激リード12を含み、刺激リード12は、刺激リードの遠位端部によって担持された電極14を患者の脳深部構造(例えば、腹外側視床、淡蒼球内節、黒質網様部、視床下核、又は淡蒼球外節)等のターゲット組織領域3に隣接して位置決めするために、患者1の脳2の柔組織内に埋込まれる。かくして、疾病を治療する電気刺激エネルギが、電極14からターゲット組織領域3に伝達される。分かるように、刺激リード12は、患者1の頭部4内に患者1の頭蓋骨6に形成されたバーホール5を通して導入される。変形実施形態では、後でより詳細に説明するように、多数の刺激リード(図示せず)が使用され、その全ては、患者1の頭部4内に同じバーホール5を通して配置されるのがよい。
バーホール5を覆い且つ刺激リード12(単数又は複数)をバーホール5に固着させるために、システム10は、患者1のバーホール5の周囲で頭蓋骨6に装着されるバーホール用のプラグ16を更に含む。刺激リード12は、脳の内側からバーホール用のプラグ16の中を通って頭蓋骨6の外部の箇所まで延びる。バーホール用のプラグ16の様々な実施形態の構造及び機能は、後でより詳細に解説される。
DBSシステム10は、更に、神経刺激器17を含み、神経刺激器17は、例えば、埋込み可能なパルス発生器(IPG)、無線周波数(RF)受信機−刺激器、又は電気刺激エネルギを刺激リード12に制御され且つ治療的な仕方で送出するように結合された任意その他のデバイスを含む。一般的に、神経刺激器17は、患者の胴体(例えば、胸部領域又は腹部領域)内に又は患者の身体の他の箇所の内部に外科的に製造されたポケット内に埋込まれる。DBSシステム10は、刺激リード12の近位端部に好ましくは接続され且つ患者1の頭皮7の下で神経刺激器埋込み部位まで皮下送線することができる延長リード19を更に含み、それによって刺激リード12の出口箇所(すなわち、バーホール5)から離れた神経刺激器17の設置を容易にする。変形実施形態では、特許文献4(米国特許第6,920,359号明細書)に記載されているように、神経刺激器17は、患者1の頭蓋骨6上又は内に直接に埋込まれてもよい。この場合、延長リード19は、不要である。埋込み後、神経刺激器17は、患者1の制御下で治療刺激を与えるために使用される。システム10は、患者手持ち式プログラミング器、臨床医プログラムステーション、及び外部充電器(全て示していない)等の外部構成要素を含むのがよく、これらの詳細に対しては、簡潔化の目的で本明細書では記載しない。
本発明は、DBS用途に非常に向いているが、本発明は、その最も広義の態様において、そのように限定されるべきではないことを理解しなければならない。例えば、単一の刺激リード12(又は複数のリード)は、脳深部構造以外の脳領域内、例えば、大脳皮質の面内又は上に送出してもよい。更に、刺激リード以外の電気リードを患者1の頭部4内に送出してもよい。例えば、脳信号を感知するために、電気記録リードを単独又は刺激リードとの併送のいずれかでバーホール5を通して患者1の頭部4内に送出することができる。更に、電気リード以外の細長い医療デバイス、例えば、薬剤送達カテーテル又は薬剤送達針を患者1の頭部4内にバーホール5を通して送出してもよい従って、本明細書に説明するバーホール用のプラグは、いずれかの治療目的及び/又は診断目的で患者1の頭蓋骨6内にバーホール5を通過して送出することが意図される任意の細長い医療デバイスと共に使用されてもよいことを理解すべきである。
ここで図2を参照して、バーホール用のプラグ16の一実施形態を以下に説明する。この実施形態において、バーホール用のプラグ16は、バーホール5の周りに固定可能に装着されるように構成されたプラグ基部(又はシェル)18と、プラグ基部18を患者1の頭蓋骨6に装着するためのこの場合は1対のタッピンネジである複数のファスナ21と、プラグ基部18に位置決めされ、且つバーホール5を通って延びる刺激リード12を固定して保持するように構成されたリテーナ20と、刺激リード12を永続的に固定し、同時にバーホール5を覆うために、リテーナ20を覆い、且つプラグ基部18に装着されるように構成されたキャップ22を含む。プラグ基部18、リテーナ20、及びキャップ22は、チタン、ステンレス鋼、合金、硬質ポリマー、これらの組合せ、又は内部にある構成要素の機能に適した他の材料等の適切な硬質生体適合性材料で製造されるのがよい。プラグ基部18、リテーナ20、及びキャップ22のうちの1つ又は2つ以上のうちの選択された面部分に、これらの面部分の間の把持相互作用改善のために、シリコーン等の剛性の低い材料を付加又は被覆するのがよい。
図3〜図5を参照すると、プラグ基部18は、閉リング形状本体24と、刺激リードが通る開口26を含む。上述したように、リング形状本体24は、チタン、ステンレス鋼、合金、又は硬質ポリマー等の適切な硬質生体適合性材料で構成されるのがよく、他の作動面との把持、及び/又は使用者による把持を容易にするために、本体24の選択された面部分上にシリコーン等の圧縮性材料を含むのがよい。リング形状本体24の輪郭は、好ましくは、プラグ基部18が患者の頭皮の下で頭蓋骨から目立って突出しないように可能な限り低く抑制される。図5に最も明快に示すように、患者の頭皮の下にあるバーホール用のプラグ16の明瞭度を更に低下させるために、リング形状本体24の上面28をテーパさせるのがよい。図示の実施形態において、一般的な頭蓋骨曲率に適合させるために、リング形状本体24の底面30も凹面である。他の実施形態において、底面30は、様々な平面幾何学形状、例えば、円錐形、部分球面形、又は他の壁形状を定める内壁によって形成された凹面を有することができる。後でより詳細に説明するように、底面30の凹面は、少なくとも2つの区別可能な面から形成されるのがよく、例えば、円形の又は環状の第1の接触底面に対する1つと、1つ又は2つ以上のウイング又はローブの底部によって定められ、ファスナ/ネジ孔を含む別の第2の接触面とである頭蓋骨との2つの接触面も与える。第1及び第2の接触面は、ウイング又はローブでの頭蓋骨に対する「リフト(持ち上がり)」を最低限に抑制するために、様々な異なる頭蓋骨、例えば、乳幼児の頭蓋骨又は成人の頭蓋骨の曲率に最適に適合するように慎重に選ばなければならない。
プラグ基部開口26の底部にある環状フランジ35(図4に示す)の外側円周は、バーホール5の円周よりも若干小さめでなければならない。例えば、開口26は、円形状を有することができ、その直径は、10mmから20mmまで、好ましくは、約8mmから15mmまでの範囲にあるとすることができる。従って、開口26がバーホール5に一致し、そのすぐ上に位置するように、リング形状本体24をバーホール5の上に配置することができることを理解すべきである。
プラグ基部18は、開口26の近くにリング形状本体24の底面30から突出する内側環状フランジ35を含むことができる。内側環状フランジ35は、バーホール5内に延び込んで着座し、バーホール5内にプラグ基部18を位置合わせして固着させるのに役立つ。好ましくは、環状フランジ35は、寸法がバーホール5の寸法に緊密に適合する連続的な円形フランジであり、フランジ35とバーホール5を形成する頭蓋骨6の面との間に締まり嵌めを生成する。変形実施形態では、内側環状フランジ35の代わりに、プラグ基部18は、リング形状本体24がバーホール5に対して中心に位置することを確実にするために、開口26の近くにリング形状本体24の底面30から突出する複数の自動調芯タブ(図示せず)を含む。この実施形態及び他の実施形態は、特許文献5(米国特許公開第2009/0112327号明細書)に解説されている。
図示の実施形態において、プラグ基部18は、患者の頭蓋骨に永続的に固定される。この目的のために、プラグ基部18は、内側環状領域32の形態にある内側領域と、内側環状領域32の周辺部に対置された1対のローブ34の形態にある外側領域とを含む。プラグ基部18は、内側環状領域32とローブ34の間のインタフェース領域37(図3に示す)を貫通して形成された1対のファスナ孔36を更に含み、これらのファスナ/ネジ孔は、例えば、ネジ、ピン、スパイク、タブ、又はボタン等の固定ファスナを受入れるのに使用される。代替的に、プラグ基部18を患者の頭蓋骨に固着させる他の手段、例えば、接着を使用することもできる。頭蓋骨6への永続的固定の前にプラグ基部18とバーホール5の間の回転移動を防止するために、リング形状本体24の底面30及び内側環状フランジ35の外面には、隆起部又は僅かな面突出部(図示せず)等の把持構造を追加することができる。他の凹凸構造は、例えば、粗目の紙やすり状面、切り欠き、水平又は垂直の稜部、又はネジ山などを含むことができる。
プラグ基部18は、その上面28上に位置決めされてバーホール5を出る刺激リード12の一部分を受入れるように構成された複数のリード出口チャネル56(この場合、均等に離間した4つのチャネル)も有する。バーホール用のプラグを出るリード12は、垂直方向に湾曲させて頭蓋骨6の面と平行にし、チャネルのうちの1つの内部に着座させることができる。下記でより詳細に説明するように、刺激リード12がチャネル56のうちの1つの内部に押し込められた後に、リードをプラグ基部に堅固に固着させるために、キャップ22をかぶせることができる。リード出口チャネル56の存在は、チャネルを通して挿入されたリテーナ保持ツールが、キャップ22をプラグ基部18上のその装着位置から取り外すことを可能にすることも許し、これに対しても下記でより詳細に以下に説明する。
プラグ基部18は、リング形状本体24上に位置決めされてリング形状本体24を通ってプラグ基部18の上面28と底面30の間で延びる複数のタブ凹部58を有することができる。図示の実施形態において、リング本体24の周りに等距離で位置決めされた4つの凹部58が存在する。プラグ基部内のタブ凹部58は、キャップ22上の対応するタブ114(図21)を受入れるようにサイズ決定され、かつそのように構成される。
プラグ基部18は、環状フランジ35によって定められる開口部よりも若干小さい開口部を生成する内側環状レッジ60を有する。内側環状レッジ60の上面は、壁又は内面64(図3)と共に、リテーナ20を収めるための座部を与える。この実施形態によって、内側環状レッジ60は、刺激リードが環状フランジ35の側壁面に接触するのを防止する。従って、環状レッジ60を有することにより、リードが、頭蓋骨内に製造されたバーホール5の内部で可能などこかに位置決めされることを設計によって防止することができる。環状レッジ60は、リテーナ20が開口26に位置決めされる時に、リテーナ20の外縁が環状レッジ60上に載るようにリテーナ20を支持し、それによってリテーナ20がバーホール5の中に更に沈み込むのを防止する。
プラグ基部18は、リテーナ20を所定位置にロックし、同時にリテーナ20がプラグ基部内に着座中のリテーナ20の回転を防ぐか又は少なくとも邪魔する複数の機構を有することができる。特に、プラグ基部18は、環状レッジ60のすぐ上のリング形状本体24の内面64上に配置された複数の基部歯62を有することができる。下記でより詳細に説明するように、基部歯62は、リテーナ20上の相補歯に係合し、従って、刺激リードの任意の不用意な移動を防止する。図4を更に参照すると、ローブ34の各々は、ローブ外底面42を有する。プラグ基部底部を1周する内側環状領域32は、環状底面44(図4、図8、及び図9に示す)を有する。2つの面44と42の間のファスナ孔36の周囲のローブの底部には、骨の粉末/飛散粒子を溜めるための一部の余地を与える空所が存在し、この特徴は、タッピンネジが頭蓋骨から骨を遊離させる時の頭蓋骨からのプラグ基部又はローブの望ましくないリフト(持ち上がり)を防止する。底面42、44の一方は、プラグ基部18が頭蓋骨6上に位置決めされる時に、頭蓋骨6のサイズに関わらず、頭蓋骨6に常時接触する。頭蓋骨が大きい曲率を有する場合、例えば、乳幼児に対して、頭蓋骨は、ローブ外底面42ではなく環状底面44に触れることを認めることができる。ローブ外底面42と頭蓋骨6の面との間には、恐らく僅かな空間が存在する。小さい曲率を有する頭蓋骨、例えば、成人サイズの頭蓋骨では、バーホール用のプラグ基部が頭蓋骨上に位置決めされた後に、恐らくローブ外底面42が頭蓋骨6の面に触れるが、環状底面44は持ち上げられる可能性がある。ファスナ/タッピンネジ21が頭蓋骨内にねじ込まれる時に、ローブ外底面42及び環状底面44が頭蓋骨面に触れるように、破損することなく湾曲又は屈曲することになる材料から製造されたローブ34は湾曲し、頭蓋骨の面に適合することを更に見ることができる。ローブの下のファスナの底部にある間隙も、タッピンネジが頭蓋骨内にねじ込まれる時に縮小されることになる。理想的な場合にのみ、頭蓋骨面は、ネジが頭蓋骨内に押し込まれる前に環状底面44とローブ底面42の両方に最初から触れる。2つのファスナ孔36を含む2つのローブ34を有する必要性から、バーホール用のプラグ基部は、2つの接触底面42及び44(図8及び図9)を必ず有するべきである。ローブ外底面42及び環状底面44という2つの別々の面、並びに僅かに可撓性を有するローブ34を有することにより、バーホール用のプラグ基部が、乳幼児から成人までの異なる人頭蓋骨曲率、並びに個人個人の曲率変化に適合することが可能になる。図6を参照すると、2つの別々の接触面の配置が、乳幼児及び成人という頭蓋骨曲率の2つの極端な場合のこれらの2つの接触面の適合性によって決定される。例示として、小さい方の球面(乳幼児の頭蓋骨を表す)が、成人の頭蓋骨の上に重ねられている。乳幼児の頭蓋骨(大きい曲率を有する)の場合には、ネジが頭蓋骨内に押し込まれる前に環状底面44(図8)が頭蓋骨に触れることになるが、ローブ接触面42は触れることにならない。成人の頭蓋骨の場合には、ネジが頭蓋骨内に押し込まれる前にローブ底面42(図9)が頭蓋骨に触れることになるが、環状底面44は触れることにはならない。ネジ/ファスナ孔の箇所は、図6に示す2つの球面の交点に位置付けなければならない。ネジが頭蓋骨内に押し込まれると、理想的には環状接触底面44とローブ接触面42の両方は、ネジによるローブ上での均等な応力分布に起因して頭蓋骨の面に触れることになる。
図示の実施形態において、ローブ34の底面42は、成人の頭蓋骨等の大きい頭蓋骨に適合するように構成され、約95〜140mmの範囲から選択された曲率半径を有する。内側環状領域32の環状底面44は、例えば、子供の頭蓋骨等の小さい頭蓋骨に適合するように構成され、約40〜95mmの範囲から選択された曲率半径を有する。例示的な実施形態において、ローブ34の底面42は、約120mmの曲率半径に対応し、内側環状領域32の環状底面44は、約70mmの曲率半径に対応する。
2つの別々の接触面設計により、プラグ基部18が頭蓋骨6に固定される時に、最初に接触底面42、44のうちで頭蓋骨6の曲率半径により緊密に対応する方が頭蓋骨6に接触することになり、それに対してビーム断面42、44のうちの他方は、頭蓋骨6から僅かに分離する(例えば、頭蓋骨6からの一般的な間隔は、0.040インチ又はそれ未満、好ましくは、約0.010インチとすることができる)。一例として、プラグ基部18が、70mmの曲率半径を有する頭蓋骨に固定される場合には、図8の取り囲み円の区域に示すように、内側環状領域32の環状接触底面44が頭蓋骨6に接触することになり、それに対してローブ34の底面42は、頭蓋骨6から若干離間する。別の例では、プラグ基部18が、120mmの曲率を有する頭蓋骨に固定される場合に、図9の取り囲み円の区域に示すように、ローブ34の底面42が頭蓋骨6に接触することになり、それに対して内側環状領域32の環状接触底面44は、頭蓋骨6から僅かに離間することになる。
プラグ基部18は、70mm及び120mmとは異なる曲率半径を有する頭蓋骨6、例えば、85mmの曲率半径を有する頭蓋骨又は110mmの曲率半径を有する頭蓋骨に固着させることができる。頭蓋骨6は、その面の大部分とは異なる曲率半径を各々が有する隆起部及び凹部を面上に有することができ、従って、そのような隆起部及び/又は凹部が存在する異なる曲率半径を有する頭蓋骨6の面に取り付けることができる。これらの場合には、プラグ基部18が頭蓋骨6上に配置される時に、接触底面42、44の両方が頭蓋骨6から離間する可能性がある。しかし、そのような間隔は、約0.040インチ又はそれ未満、好ましくは、約0.010インチでしかないので、この離間は、プラグ基部18を頭蓋骨6に固着させる有効性に対してそれ程の影響を持たない。同様に、頭蓋骨6の曲率半径と、プラグ基部18が頭蓋骨6に如何にして固定されるかとに基づいて、両方の接触底面42、44が頭蓋骨6に接触する可能性もある。しかし、その結果、接触底面42、44の一方が、他方よりもちょうど頭蓋骨6に対して押圧され、底面42、44のうちの他方の弱められた圧力が、いずれかの潜在的な歪曲又はプラグ基部18に関する他の問題を軽減するので、ここでもまた、プラグ基部18を頭蓋骨6に固着させることを妨げるとは予想されない。
上記に解説した例示的な実施形態は、大きい曲率半径に適合するようにサイズが決定されたローブ34の底面42と、小さい曲率半径に適合するようにサイズが決定された内側環状領域32の環状接触底面44とを特徴として有するが、変形実施形態では、これらの底面幾何学形状を逆転することができることにも注意しなければならない。しかし、そのような逆転は、頭蓋骨6に接触しない部分のより大きな「リフト(持ち上がり)」をもたらす場合があり、すなわち、ローブ34の底面42が、小さい曲率半径を有する頭蓋骨6に接触する場合には、内側環状領域32の環状接触底面44は、上述の構成の場合よりも大きく分離する可能性がある。従って、接触底面42、44が様々な頭蓋骨6の寸法に可能な限り緊密に適合するのを促進する面幾何学形状が好ましい。特に、頭蓋骨6へのプラグ基部18の確実な装着を最適化するのに役立つように、プラグ基部18の最外側底面、すなわち、ローブ34の底面42が頭蓋骨6の面に接触する面幾何学形状が好ましい。
図10に示すように、ローブ34の底面42の接平面46と、内側環状領域32の底面44の接平面48とが、ほぼ各ファスナ孔36の中心縦軸38、並びにそれぞれのファスナ孔36内に受入れられたファスナ21の中心縦軸50で交差することに注意することが重要である。このようにして、プラグ基部18を頭蓋骨6に固着させるためにファスナ21がファスナ孔36及び頭蓋骨6を通って進む時に、ファスナ21は、接平面46、48の交点に圧力を印加する。従って、ファスナ21によってプラグ基部18に対して与えられる圧力は、内側環状領域32とローブ34の間で実質的に均等に配分される。この実質的に均等な分布は、プラグ基部18の歪曲又はそれに対する損傷を防止するのに役立つ。
変形実施形態では、曲率半径に加えて、底面42、44の他の可変幾何学形状を使用することができる。1つの変形実施形態では、底面42、44の各々は平坦であり、底面42、44の他方に対して異なる幾何学平面上に向けられる。例えば、ローブ34の底面43は、プラグ基部18の中心に対して15〜30度に傾斜させることができ、内側環状領域32の底面44は、プラグ基部18の中心に対して0〜15度に傾斜させることができる。別の変形実施形態では、底面42、44の各々は、平面と曲面の組合せを有する。例えば、各底面42、44の外側部分を平坦とし、底面42、44の他方に対して異なる幾何学平面上に向けることができ、各面42、44の中心部分は、異なるか又は同一の曲率半径を有する凹面とすることができる。別の変形実施形態では、各底面42、44は、円錐形部分を形成し、各それぞれの円錐形部分は、他方の円錐形部分に対して異なる平面上に位置する。別の実施形態において、底面42、44の各々の外側部分は平坦であり、互いに対して異なる幾何学平面上に向けられ、各面42、44の中心部分は、異なるか又は同一の角度幾何学形状を有する円錐形である。頭蓋骨接触面42、44を形成する底面は、プラグ基部18が頭蓋骨6上に配置されて固定される時の頭蓋骨6との干渉を最小にする類似の目的を実現する楕円形、三角形、凸面、及びこれらの組合せ等の他の幾何学形状を特徴として有することができる。
ファスナ/ネジによって印加される力は均等に配分されるので、プラグ基部のこの実施形態は、プラグ基部18の他の構成要素の歪み及び/又は不一致嵌合を防止する。単一の接触底面のみを有する(同じくネジのためのファスナ孔を有するローブも有する)バーホールデバイスは、様々な頭蓋骨曲率への適合を行うためにローブが過度に屈曲することを余儀なく必要とする。一方、そのような単一の接触面設計は、バーホール用のプラグデバイスの適正な作動を妨げる可能性がある基部板の破損又は歪曲をより受け易い可能性がある。本発明のデバイスでは、2つの別々の接触底面42、44は、様々な頭蓋骨曲率にプラグ基部の歪曲をもたらすことなくより良好に適合することができ、プラグ基部を頭蓋骨面に嵌合することができる。
図4を参照し直すと、頭蓋骨6上へのプラグ基部18の有効な配置を更に促進するために、各ファスナ孔36の端部52は、底面42、44から後退するファスナ孔凹部54(すなわち、皿ボア)によって囲まれる。凹部54は、ネジ21が頭蓋骨6内にねじ込まれ、頭蓋骨6の組織を解離させる時に累積する可能性がある頭蓋骨6からの微粒子の骨削屑又は骨粉末を含む予備空間を与える。好ましくは、ネジ21は、頭蓋骨内にパイロット孔を予備穿孔することなく頭蓋骨内に捩じ込むことができる「タッピン」ネジである。ネジは、タッピンであるので、ネジが頭蓋骨内に回し込まれる時に、極めて小さい微粒子骨削屑又は粉末化した骨が遊離する。この骨削屑物質は、ファスナ孔凹部54によって与えられた空間内に累積する。そのような凹部を持たない面一の底面を有する他のバーホールデバイスでは、骨漂積物の累積は、頭蓋骨上に高低差のある面を形成する可能性があり、その上では、プラグ基部が歪曲するか又は頭蓋骨から持ち上げられる場合があり、この場合、プラグ基部を頭蓋骨に一様に固着させることができないという望ましくない結果がもたらされる。
プラグ基部18の変形実施形態では、リング形状本体24は、刺激リード12を横方向に受入れるように構成された開放スロット(図示せず)を有する。このスロットは、刺激リード12をバーホール5を通過して脳組織内に挿入し終わった後にプラグ基部18が所定位置に移動される時に、単純に刺激リード12をこのスロットを通過して摺動させることにより、プラグ基部18をバーホール5の周辺部で頭蓋骨6に装着することを可能にする。別の代替実施形態は、嵌合及び嵌合解除されるように構成された第1及び第2の部分環状本体を有する分割プラグ基部を特徴として有し、これらの部分は、バーホールを通過して既に導入されている刺激リードを含むように嵌合解除され、その後に、プラグ基部を一体化させるために嵌合することができる。別の実施形態において、リング形状本体24は、耐久性のある生体適合性ポリマーであり、更に、MRI適合のものでもあるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料、又はナイロン材料、シリコーン材料、Utlem(登録商標)材料、Elasthane(登録商標)材料、Tecothane(登録商標)材料、及び/又はBionate(登録商標)材料から構成される。これら及び他の代替実施形態は、特許文献5(米国特許公開第2009/0112327号明細書)に記載されている。
次に、図11〜図20Eを参照して、リードを保持又は締付けるリテーナ20の詳細を以下に説明する。リテーナ20は、刺激リード12を受入れて固着させるためにプラグ基部開口26内に取外し可能に位置決めされるように構成される。この点に関して、リテーナ20は、プラグ基部開口26に位置決めされるように構成されたリテーナ支持体65と、リテーナ支持体65に装着され、かつ刺激リード12にクランプ力を印加するように構成されたクランプ機構76とを含むことができる。刺激リード12に印加されるクランプ力は、キャップがプラグ基部18に装着される前及び装着中に刺激リード12を固着させることができる。リテーナ20の構成要素は、硬質生体適合性材料等の上述のプラグ基部18と同じ材料で構成することができ、ユーザ及び/又は他の作動面による把持を容易にするためにリテーナ20の選択された面部分に付加されたシリコーン等の圧縮性材料を含むことができる。
図示の実施形態において、リテーナ支持体65は、リテーナ20の他の構成要素に対する基部として機能するディスク66と、ディスク66内に形成されて刺激リード12を受入れるための開放リテーナスロット79とを含み、それによって刺激リード12がバーホール5を通過して導入され終わった後に、リテーナ20をプラグ基部開口26に位置決めすることを可能にする。図11は、リテーナ20の底側を示している。ディスク66は、その円周を巡って配置された外側環状リップ68と、リテーナ支持体65の一部である肉厚中心部分74とを有し、肉厚中心部分は、リテーナ20がプラグ基部内に着座した後に付加的な安定性を与えるために、好ましくは、プラグ基部18の内側環状レッジ60の下に延びている。
リテーナ20は、図13〜図15に示すように、プラグ基部18の開口26に位置決めされた時に、プラグ基部18の内側環状レッジ60の上に載る。特に、リテーナ20の外側環状リップ68は、プラグ基部18の環状レッジ60上に載る。プラグ基部18の内側環状レッジ60は、リテーナ20がプラグ基部内に着座している時にリテーナがプラグ基部上面の上縁部よりも外に突出しないような距離又は厚みだけプラグ基部上面28の上縁部から変位している。従って、このプラグ基部設計は、バーホール用のプラグ16の外部輪郭を最低限に抑制する。同時に、内側環状レッジ60は、リテーナ20がバーホール5内に過度に深く沈み込むか又はプラグ基部18を通過して脳内に至るのを防止する。
バーホール用のプラグ基部の底部と、リテーナ20の底部と、クランプ機構76とを示す図15に示すように、リテーナ20は、クランプ機構76がリテーナ20と共に組み立てられた場合にリテーナ20の底部に位置決めされるようにプラグ基部18の開口26に位置決めされる。医療サービス従事者がリテーナ20を間違った逆さま配置で配置することができないことを確実にするために、リテーナ20は、開口26内に挿入される時にプラグ基部18の内側環状レッジ60の上で摺動する図16で直ぐに見ることができる複数のスナップレッジを有する。図17によって理解することができるように、スナップレッジ70は、環状レッジ60を通り過ぎたところまで進むと、環状レッジ60に係合する。スナップレッジ70は、内側環状レッジ60に係合すると、リテーナ20をプラグ基部18内に固着させるように機能する。スナップレッジ70の容易な摺動を可能にし、従って、リテーナ20がプラグ基部18内に滑り込むことを可能にするために、スナップレッジ70は、図16に示すように僅かにテーパつきである。この目的のために、開放リードスロット78の存在が周囲のディスク66の僅かな内向きの屈曲を可能にするので、リテーナ20も僅かに可撓性を有し、それによってスナップレッジ70が容易に摺動してリテーナ20をプラグ基部18内に着座させることが可能になる。各スナップレッジ70は、対応するスナップレッジ凹部72と対にされ、各スナップレッジ凹部72は、それぞれのスナップレッジ70の位置に対する視覚マーカとして機能する。特に、リテーナ20の底部は、プラグ基部18内に正しく位置決めされた場合に脳に対面するので、スナップレッジ凹部72は、そうでなければ視野から掩蔽される(リテーナの上部からは)スナップレッジ70の位置を示している。スナップレッジ70の位置を位置付けることは、必要に応じてリテーナ20をプラグ基部18から取り外す上でも有利とすることができる。
スナップレッジ70がプラグ基部18の環状レッジ60に係合すると、レッジ70は可聴「スナップ音」を発生させ、それによって使用者に、リテーナ20が開口26内に正しく位置決めされたという可聴フィードバックを与える。リテーナ20が逆さまに配置された場合には、そのような可聴フィードバックはない。スナップレッジ70は、リテーナ20が逆さまに配置された場合は使用者から見えるが、リテーナ20がプラグ基部18内に正しく配置された場合は見えないので、スナップレッジ70は、可視フィードバックも与える。図示の実施形態は、3対の対応するスナップレッジ70とスナップレッジ凹部72とを特徴として有するが、代替実施形態は、2対又は4つ又はそれよりも多くの対の対応するスナップレッジ70とスナップレッジ凹部72とを含むことができる。他の変形実施形態では、スナップレッジ凹部は、リテーナ20上の硬質面内に形成された溝で置換することができる。
上述したように、リテーナ20は、プラグ基部開口26に配置されるように構成され、かつそこから取り外されるようにも構成される。この目的のために、リテーナ支持体65は、リテーナ20を操作及び位置決めするために保持ツールを使用することができるディスク66上に位置付けられた鍵孔凹部80を含むことができる。特に、リテーナ20をプラグ基部20から係合解除するために、保持ツールを鍵孔凹部80内に挿入して引っ張ることができ、すなわち、保持ツールは、スナップレッジ70と環状レッジ60の間の締まり嵌めに打ち勝つ。保持ツールを用いたリテーナの取り外しに対しては、下記でより詳細に以下に説明する。
リテーナ20がプラグ基部18に位置決めされた後のリテーナ20の不用意な回転を防止するために、ディスク66の外側環状リップ68は、図11及び図12で直ぐに見ることができる複数のリテーナ歯82を含むことができる。リテーナ歯は、基部歯62に対して相補的であるように構成及びサイズが決定され、図13及び図14に示すように、プラグ基部18の基部歯62の間に配置される。リテーナ歯82は、リテーナ20が開口26に位置決めされた時に、リテーナ歯82が基部歯62の間に配置されるように外側環状リップ68から半径方向に外向きに延びている。リテーナ歯82は、基部歯62に係合してリテーナ18を望ましい位置に保持し、プラグ基部に対するリテーナ20の不用意な回転を食止める。リテーナがプラグ基部内に取り付けられた後に、プラグ基部に対するリテーナ20の実質的な回転移動が制限されるように、リテーナ歯82と基部歯62の間の間隔は非常に小さく、例えば、約2mm又はそれ未満である。リテーナ20の移動を制限することにより、対応する歯62、82は、リード12が開口26内に挿入された時のリード12の適正配置を固定して維持するのに役立ち、そうでなければプラグ基部18内のリテーナ20の回転移動は、リード12をシフト、回転、又は更に遊離させる可能性がある。更に、対応する歯62、82は、リテーナ20がプラグ基部18から取り外されている時のリテーナ20の余分な回転移動を安定化及び制限するのに役立ち、それによってリテーナ20の制御された取り外しを促進する。
変形実施形態では、1つのリテーナ歯82及び2つの基部歯62しか存在せず、このリテーナ歯82がこれらの基部歯62に係合してリテーナ20を所定位置に保持する。別の変形実施形態では、1つの基部歯62及び2つのリテーナ歯82しか存在せず、これらのリテーナ歯82がこの基部歯62に係合してリテーナ20を所定位置に保持する。更に別の実施形態において、複数の基部歯62が、プラグ基部18の内面64の一部分のみを巡って配置され、別の実施形態においては、複数のリテーナ歯82が、外側環状リップ68の一部分のみから延びている。
リテーナ支持体65は、ディスク66上にリードスロット78の一方の側部に隣接して配置された固定クランプ棒を含む。固定クランプ棒84は、刺激リード12に接触してそれを固着させるためのクランプ面85(図20Aに示す)を有する。以下でより詳細に説明するように、可動クランプ機構76は、固定クランプ棒84と協働して作動し、これらの間に刺激リード12を固着させる。リテーナ支持体65(図11に示す)は、凹部86と、可動クランプ機構76の反対側に位置決めされた1対のガイドアーム88とを更に有する。ガイドアーム88の各々は、可動クランプ機構のいずれかの側に位置付けられた相補レール100を含むためのノッチチャネル又は溝90を有し、それによって可動クランプ機構76を図20Cに示す開放(解放位置)又は図20Bに示す閉鎖(クランプ位置)に移動可能に位置決めするようにレールが溝の内側を摺動する。
クランプ機構76は、ディスク66に対して横方向に摺動し、刺激リード12をリードスロット78内に締付けるためにディスク66と摺動可能に係合する。図18に示すように、可動クランプ機構76は、可動クランプ棒96を有する。可動クランプ棒96は、リードスロット78内に受入れられた刺激リード12を固定又は解放するために、刺激リード12を固定クランプ棒84のクランプ面85に対して締付けるように構成されたクランプ面106を有する。特に、クランプ機構76は、(a)開位置、すなわち、固定クランプ棒84から離れ、リード12をリードスロット78内で移動して調節するほど十分な空間を与える位置、又は(b)閉位置、すなわち、リード12が、選択された位置でリードスロット78の固定距離によって定められる力で締付けられる固定クランプ棒84に面する位置の間で移動することができる。一実施形態において、可動クランプ機構76のクランプ面85が、固定クランプ棒84のクランプ面85に物理的に到達して触れることができないように、可動クランプ機構76の最大移動が制限される。実際には、リードスロット78の幅は、過剰に締付けて刺激リードに損傷を生じることが可能ではなくなるように、締付けることが意図される刺激リード12の直径によって決定される。刺激リードが締付けられた状態で、リード12の断面は以後円形ではなくなり、図示のように、卵形に似たより平坦なものになる。
可動クランプ機構76は、クランプ棒96に結合されてクランプ棒96を開位置と閉位置の間で選択的に摺動させるために使用される作動要素98(図18に示す)を更に含む。図示の実施形態において、作動要素98は、リードスロット78から離れるように可動クランプ棒96から垂直方向に延びる1つ又は2つ以上の脚99と、脚99の外面に沿って延びる1つ又は2つ以上のレール100(又は舌金)とを含む。図示の実施形態において、2つの脚99と2つのレール100が存在する。レール100の間には、クランプ機構76とディスク66の間でガイドアーム88と協働して移動する摺動配置が設けられる。特に、作動要素98及びそれに結合された可動クランプ棒96を横方向に(すなわち、リードスロット78及び固定クランプ棒84に対して垂直方向に)前後に滑らかに移動することができるように、レール100は、ガイドアーム88のノッチチャネル内に緊密な許容誤差関係で摺動可能に受入れられる。図示の実施形態において、作動要素98は、脚99の間で延びるU字形フランジ101を含む。他の実施形態においては、一例として、作動要素98はT字形構造を含み、Tの中心部が、可動クランプ棒96から延び、Tの上部が脚99の間で延びるか、又は棒が脚99の間で延びるか、又は脚99の間に追加構造を存在させない場合がある。
ガイドアーム88の内側の平坦部分は、固定クランプ棒に向けて近づく時に内向きに僅かにテーパつきにされる。その結果、クランプ機構がクランプ位置に向けて摺動するときに、脚99(図18)の面は、楔に良く似たガイドアーム88(図11)の平面に接触し始める。この楔作用は、クランプ機構76がクランプ位置に近づく時に、クランプ機構76をきつく固定されたものにする。言い換えれば、2つのガイドアーム88の内向きテーパ形は、クランプ機構76が閉位置に向けて横方向に移動する際に通る空間の幅を縮小する。この減幅は、残留移動を制御するのに役立ち、クランプ位置におけるクランプ機構76の歪曲を防止する。
可動クランプ機構76の移動を更に制御するために、ディスク66は、更に、作動要素98の脚99のうちの1つの内面に各々が隣接する1対の平行な基部レール92(図20A)を有する。基部レール92は、作動要素98が実質的に真っ直ぐな経路で移動するのを案内するために脚99に接触する。更に、基部レール92a、92bは、そこからディスク66の外側環状リップ68に向けて垂直方向に延びる停止レッジ94a、94bをそれぞれ有する。停止レッジ94は、図20Aで最も良く見ることができるように、作動要素98の脚99から突出する停止タブ104a、104bに係合する。
クランプ機構76を閉位置に向けて進めるために、作動要素98がノッチチャネル90内で摺動すると、停止タブのうちの一方又は両方が、対応する停止レッジ94のうちの一方又は両方と接触する。それによって閉鎖クランプ位置に向うクランプ機構76の移動、すなわち、固定クランプ棒84に向う可動クランプ棒96の移動が制限される。更に、可動クランプ棒96の少なくとも一端が、固定クランプ棒84に向けて過度に遠くに移動することが防止されるので、停止タブ104a、104bは、可動クランプ棒96の過度の歪曲を防止する。この防止は、クランプ機構が進み過ぎて刺激リードを損傷する恐れがある前に、少なくとも一方又は一部の場合に両方の停止タブ104a、104bが、対応する停止レッジ94a又は94bに接触することに起因して達成される。多くの場合に、一方の停止タブは、対応する停止レッジに触れるが、他方の停止タブと対応する停止レッジとは、完全クランプ位置で触れることにはならない。これは、多くの場合に、刺激リードが、固定クランプ面85及び可動クランプ棒96の中心の近くで締付けられることにはならず、その代わりに可動クランプ棒の一端又は他端の近くで締付けられるからである。
これを示すために、図20Dは、一方の停止タブが停止レッジ94の一方と接触し、それに対して他方の停止タブ104aが他方の停止レッジ94から離間するところを示している。従って、停止レッジ94が停止タブ104bに接触することにより、傾斜構成においてクランプ機構76が固定クランプ棒84に向けて過度に遠くに移動することが防止される。更に、可動クランプ棒96を固定クランプ棒84に対してより緊密な平行状態に位置決めしてリード12をより均等に固着させるために、図20Eに示すように、作動要素98のうちで他方の停止タブ104aが位置決めされた部分は、リード12及び固定クランプ棒84に向けて更に移動することができる。
クランプ機構76は、図18、図20B、及び図20Cに示すように、作動要素98の脚99の間で可動クランプ棒96から垂直方向に延びる弾性のロッキング片持ちアーム103を更に有する。片持ちアーム103は、可動クランプ棒にしか取り付けられず、脚99及び作動要素98に対して押し下げることができる。クランプが完全に閉鎖されると、片持ちアームは、面113においてロック用レッジ107に接触する位置にスナップ係止される。この位置は、完全にロックされる完全クランプ位置である。図20Cは、クランプのアンロック位置又は開位置を示している。図20Bに示すように、1対のロック用レッジ107の各々は、リテーナ支持体65の基部レール92a、92b(図11及び図20C)の一方から垂直方向に延びている。変形実施形態では、片持ちアーム103は、ロック要素を特徴として持たず、その代わりにロック用レッジ107のような対応するロック要素に係合するテーパつきの面を有する。
ロック用レッジ107は、それぞれの基部レール92上の停止レッジ94の方向とは反対の方向に延びる第1及び第2のロック用レッジ面111、113を有し、これらのロック用レッジ面は、クランプ機構76の移動方向に対して垂直方向に向けられ、ロック用レッジ107上の反対側に位置付けられる。片持ちアームを作動凹部109において下向きに押し、同時にディスク66の中心から離れる向きに力を更に印加することにより、クランプ機構76は開位置に向けて移動し、片持ちアーム103は屈曲して上を通過し、図20Cに示すように第1の面111においてロック用レッジ107に係合し、その結果、クランプ機構76は開位置にロックされる。クランプ機構76は、作動凹部109を押し下げ、片持ちアーム103を屈曲させながらクランプ位置又は閉位置に押してアーム103をロック用レッジ107から係合解除することによってアンロックすることができる。
更に、図20Bを参照すると、クランプ機構76が閉位置に向けて移動すると、片持ちアーム103、特に、片持ちアーム103の片持ちアーム接触面115が、ロック用レッジ107の第2のロック用レッジ面113に係合し、それによってクランプ機構76は、リード12を固着させるのに役立つように閉位置に維持される。クランプ機構76は、ロック用レッジ107からの係合解除に向けて片持ちアーム103を屈曲させて、作動要素98、従って、可動クランプ棒96を固定クランプ棒84から離れて開位置に向うように摺動させることによってアンロックすることができる。
片持ちアーム103は、それ自体を屈曲させてロック用レッジ107から係合解除させるのに使用することができるツールを受入れるためにそれ自体の上に形成された作動凹部109を有する。このツールは、可動クランプ棒96を閉位置又は開位置に向けて摺動させるために凹部109内に受入れることができる。下記でより詳細に説明するように、特に、弾性アーム103を屈曲させて、可動クランプ棒96を摺動させるために、リテーナ保持ツールを使用することができる。
上述したように、可動クランプ棒96は、図20Aに見ることができるように、固定クランプ棒84の固定クランプ面85と対面してそれと平行に延びるクランプ面106を有し、それによってリード12が、図20Bに示すように、クランプ面106(図18)と固定クランプ面85の間で締付けられるようにする。この目的のために、可動クランプ棒96のクランプ面106は、図18に見ることができるように、可動クランプ棒96の全長にわたって上列及び底列で延びる1列又はそれよりも多いクランプ歯108を有する。変形実施形態では、クランプ面106は、可動クランプ棒96の全長又は部分長にわたって1列のクランプ歯108、又は2列よりも多いクランプ歯108を有する。クランプ歯108は、リード12の横方向移動、垂直移動、及び回転移動を防止することにより、リード12をリードスロット78内に堅固に把持及び保持し、こうしてリードスロット78内のリード12の望ましい向きを維持するのに役立つ。
図示の実施形態において、クランプ歯108は、リード12の改善された把持のために尖頭端部を有する。変形実施形態では、クランプ歯108は、歯108がリード12を損傷する危険性を低減するために鈍頭端部を有する。歯108とそれぞれの列に沿って隣接する歯108の各々の間の空間とは、リード12が、隣接する歯108の間に低下することができないようにサイズが決定される。このようにして、リード12は、把持がそれ程実質的でなく、従って、リード12が不用意な移動を起こしやすい可能性がある隣接歯108の間の空間内への滑り込みを起こすことなく、歯108によって把持された状態に留まる。
図示の実施形態において、クランプ歯108の高さは、各列の長に沿って実質的に同じである。別の実施形態において、歯108の高さは、列の各端部に向けて増加する。この高さの増加は、クランプ棒96が歪曲した場合に、クランプ棒96と固定クランプ板84の間の距離がそれぞれの端部で大きい可能性があるので、棒96がリード12を固着させる閉位置に向けて進む時にクランプ棒96のいずれの歪曲も補償するのに役立つことができる。別の変形実施形態では、固定クランプ棒84も、リード12を固着させるのに役立つ歯(図示せず)を有し、これらの歯は、クランプ歯108に対して上記に解説したものと同じ特徴を含むことができる。リブ等の歯以外の他の構成を任意的に適用することができる。
リテーナ20の変形実施形態では、リテーナ20は、非常に耐久性があり、MRI対応のものであるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料から構成される。別の実施形態において、リテーナ20は、刺激リード12がプラグ基部18に向けて半径方向に誘導されるように、刺激リード12をバーホール6の軸に対して90度の角度で湾曲させて着座させるように構成された出口溝を特徴として有する。更に別の変形実施形態では、リテーナ20は、2つの摺動可能又は移動可能なクランプ機構を含み、これらのクランプ機構の各々は、他方のクランプ機構に対して摺動して刺激リード12を固着させる。これらの実施形態及び他の実施形態は、特許文献5(米国特許公開第2009/0112327号明細書)に解説されている。
次に、図21及び図22を参照して、キャップ又はカバー22を以下に説明する。キャップ22は、プラグ基部18に装着されるように、特に、リテーナ20及びプラグ基部開口26の上に装着されるように構成され、それによって刺激リード12が固定され、バーホール6が閉鎖される。上述したように、キャップ22は、チタン又は硬質ポリマー等の適切な硬質生体適合性材料で構成することができ、又はシラスティック、エラストマー、又はこれらの任意の他の組合せ等の軟質ポリマーで構成することができる。更に、上述したように、使用者による把持、及び/又は他のバーホールデバイスの構成要素面との把持を容易にするために、キャップ22の選択された面部分にシリコーン等の圧縮性材料を付加することができる。キャップ22は、プラグ基部開口26に配置されてリテーナ20上に載るようにサイズが決定され、かつ成形された比較的円形の蓋タイプ本体110と外側リム112とを有する。キャップ22は、プラグ基部18内にキャップ22を固着させること及びプラグ基部18からキャップ22を解放することを選択的に行うために、プラグ基部18の4つのウイングタブ凹部54(図3)と協働する複数のウイング状タブ114を更に有する。図示の実施形態において、ウイングタブ114は、キャップ22の外側リム112を巡って等距離で離間し、ウイングタブ114の箇所は、プラグ基部18のウイングタブ凹部54の箇所に対応する。
一実施形態において、キャップ22のウイングタブ114は、キャップの中心に向けて湾曲することを可能にするために僅かに可撓性を有するように製造することができ、一方、タブは、それぞれの対応するタブ凹部54内に挿入される。特に、最初に、ウイングタブ114のうちの1つ又は2つは、そのそれぞれのウイングタブ凹部58内に挿入することができ、残りのウイングタブ114は、各ウイングタブ114をそのそれぞれのウイングタブ凹部58内に挿入するために、各々、内向き、例えば、キャップ22の中心に向けて屈曲させることができる。変形実施形態では、タブ114は、それぞれの凹部58内に挿入するために外向き、例えば、キャップ22の中心から離れるように屈曲するように構成される。例えば、1つのタブ114が凹部58内に挿入されると、残りのタブ114は、それぞれの凹部58内への挿入に向けて位置決めするために凹部58の上(又は下)で外向きに屈曲させることができる。
キャップ22は、例えば、キャップ22がプラグ基部上に配置された後に続くある時点で、使用者が、刺激リード12の位置を調節することが望ましい場合に、キャップ22をプラグ基部18から解放するのを助ける2つ、3つ、又は4つのキャップ解放溝116を更に有することができる。図示の実施形態は、4つのキャップ解放溝116を有する。解放溝116は、プラグ基部18上のチャネル56の位置に対応してキャップ22の周りに位置決めされる。従って、キャップ22がプラグ基部18に固定されると、各キャップ解放溝116と、対応するプラグ基部チャネル56とが合わさって、キャップ22をプラグ基部18から持ち上げて解放するツールを挿入することができる開口部を形成する。
有意な点として、タブ凹部58内の4つのウイングタブ114の存在は、キャップが図らずも変位又は突出しないように、キャップ22の取り外しを制御するのに役立つ。例えば、1つの対応するタブ及び凹部のみを有する他の関連デバイスでは、タブを凹部から解放することにより、キャップが「はじけ出す」場合があり、キャップは、殺菌されていない外科区域又は手術区域上又は接近不能区域上、又は患者の頭部の別の区域内に落ちる可能性がある。この実施形態において、タブ114のうちの1つが対応するタブ凹部58から係合解除される時に、キャップ22が、リテーナ18に対して実質的に適切な位置に留まるように、他のタブ114のうちの1つ又はそれよりも多くは、そのそれぞれの凹部58内に留まることができる。実際、一般的に、キャップ解放溝116の反対に位置決めされた2つの対向ウイングタブは、ツールがキャップをこの解放溝で持ち上げる時にヒンジ方式で所定位置に留まる。次に、依然としてヒンジ方式で接続された側部は、キャップの解放側部を保持しながら、この側部をツールを用いて持ち上げることによって解放される。このようにしては、使用者は、キャップ22をプラグ基部18から取り外すのに凹部58から1つよりも多いタブ114を解放する必要がある場合があるが、それによってより制御性の高いキャップ22の取り外しをもたらすことができる。任意的に、取り外し中及び挿入中のキャップ22の位置を更に安定化するために、キャップ22は、プラグ孔の開口26内に延びる位置決めタブ118を含む。図示の実施形態は、4つの対応するタブ凹部58及びタブ114を特徴として有するが、代替実施形態は、2つ、3つ、又はそれよりも多いタブ凹部58と、2つ、3つ、又はそれよりも多いウイングタブ114とを特徴として有することができる。更に、ウイングタブ114は一様に構成されるので、各タブ114は、凹部58のいかなる内部にも挿入可能であり、従って、装着問題を伴わずに、必要に応じてキャップ22を回転させる及び/又はプラグ基部18に係合させることができる。
同じく注意する点として、解放溝116とチャネル56との組合せの各々は、刺激リード12を含むことができる。上述したように、プラグ基部18のチャネル56は、刺激リード12の一部分を受入れることができる。キャップ22がプラグ基部18に固定される時に、チャネル56にそれぞれ対応する解放溝116もリード12を含む。従って、キャップ22がプラグ基部18に固定される時に、リード12を頭蓋骨6に向けて垂直方向に湾曲させてそのような位置を維持することができる。解放溝116と対応するチャネル56との組合せ寸法は、リード12が、例えば、選択された溝116及びチャネル56内での摩擦嵌めによって堅固に固定されるように構成することができる。合計で4つのチャネル56を使用すると、1つ、2つ、又は時に3つの刺激リード12を埋込み、ツールを挿入してキャップを持ち上げて外すことを可能にするために、少なくとも1つのチャネルを残すことを可能にすることができることに注意しなければならない。
次に、図23〜図25を参照して、プラグ基部保持ツール200の実施形態を以下に説明する。プラグ基部保持ツール200は、プラグ基部18を頭蓋骨6に装着するのを助けるために、プラグ基部18に係合するように構成される。プラグ基部保持ツール200は、プラグ基部を把持及び保持し、このプラグ基部をバーホール内に挿入するのに使用される。一般的に、プラグ基部保持ツール200は、位置合わせ要素202と、位置合わせ要素から延びる1対のアーム204と、位置合わせ要素202に装着されたハンドル206と、各々が1対のアーム204のうちの一方から遠位に延びる複数のファスナ受容カラー208とを含む。ツール200は、ステンレス鋼、又はポリプロピレン又はポリカーボネートなどの耐久性プラスチック等の適切な硬質で堅固な材料で構成することができる。
位置合わせ要素202は円筒形状を有し、プラグ基部開口26内に受入れられるように構成される。プラグ基部18の対向ウイングタブ凹部58の位置に対応する保持ツール端部212から、複数の対向屈曲保持ツールタブ214が延びている。タブ214は、屈曲してウイングタブ凹部58内に挿入され、プラグ基部18に係合し、それによってプラグ基部保持ツール200をプラグ基部18に対して適切な位置に保持する。取りわけ、プラグ基部保持ツール200の屈曲タブ214は、キャップ22のタブ114と類似の構成を有し、これは、タブ22、114の両方のセットが、プラグ基部18のウイングタブ凹部58内への挿入に向けて構成されるからである。変形実施形態では、位置合わせ要素202は、プラグ基部開口26内に他の機構、例えば、摩擦嵌め又は対応するレール及び凹部によって固着させることができる。更に、位置合わせ要素202を開口26内に挿入する代わりに、位置合わせ要素202は、スナップ式又は他の適切な機構によってプラグ基部18の上面に固着させることができる。
プラグ基部保持ツール200が、タブ214によってプラグ基部18に固定される間に、使用中にツール200を更に安定化させるために、使用者は、ツール200のハンドル206を把持することができる。ハンドル206は、プラグ基部18が患者の頭蓋骨6に固定されている時に、ツール200及びプラグ基部18が移動するのを防止するために医師が無駄なくハンドル206を把持することができるように成形される。ハンドル206は、様々な形状のうちのいずれか1つを有することができる。図示の実施形態において、ハンドル206は、蝶の形状を構成する2つの対向部分206aと206bを有し、それによって医師がプラグ基部18上に下向きの力を印加するか又はプラグ基部18を必要に応じて操作するためのより広い基部を与える。ハンドル206の対称性は、プラグ基部18の各側部に下向きの力を均等に印加することを可能にし、それによってツール206及びプラグ基部18が前後に揺動することが防止される。ハンドル206の蝶形状は、医師の手がプラグ基部18のファスナ孔36に対する障害物を生成することも防止し、ファスナ孔36及び周囲の手術区域のより確実な目視を可能にする。
取りわけ、図示の実施形態において、ファスナ受容カラー208がファスナ孔36に位置合わせするか、又はツール200の90度回転時にツールアラインメント溝228がファスナ孔36に位置合わせするかのいずれかであるように、タブ214は、プラグ基部18のタブ凹部58内に選択的に挿入することができる。一般的に、ツール200を作動させる場合に、以下に説明するようにファスナ(一般的にネジ)をファスナ孔36内に挿入するためにファスナ受容カラー208がファスナ孔36に位置合わせするように、最初にタブ214がタブ凹部58内に挿入される。更に、図示の実施形態において、リテーナ20及びキャップ22の不在時には、プラグ基部保持ツール200をプラグ基部18に係合することが意図される。変形実施形態では、ツール200がプラグ基部18に係合するときに、リテーナ20及び/又はキャップ22をプラグ基部18に対して適切な位置に存在させることができる。
ファスナ/ネジ21を受入れるために、ファスナ受容カラー208の各々は、第1の開口部216及び第2の開口部218という2つの開口部と、これらの開口部216、218の間で延びるボア220とを有する。それによって各カラー208は、ボア220及び第2の開口部218を通るように第1の開口部216内にファスナ21を受入れる。図示の実施形態において、カラー208は、ファスナ21を安定化させるために、かつタッピンツールをファスナ孔36を通過させて頭蓋骨内に締め込むために使用されるネジ回しを過度の屈曲なしにボア220内に挿入することを可能にするために硬質のものである。カラー208の長さ(図24に示す)は、好ましくは、約ファスナ/ネジ1個分の長さである。更に、図24に示すように、ボアの全長220は、好ましくは、約ネジ2個分の長さである。ネジを頭蓋骨内に締め込むためにネジ回しが回される間に、ボアがネジ回しの先端部を安定化するのに役立つようにネジ回しの先端部をボアに配置することを可能にするために、ボア220の長さは、ネジ1個分の長さよりも長くなければならないことを認めることができる。
図示の実施形態において、ツール200は、2つのファスナ受容カラー208それぞれを覆う2つのファスナ保持レセプタクル210を更に有し、各レセプタクル210は、各々がカラー208を含むか又は覆い、かつファスナ/ネジ21をボア220の底部224に受入れることができる。ファスナ保持レセプタクル210は、レセプタクル210内のファスナ/ネジ21の箇所の目視を可能にする埋込み可能品質のシリコーンゴム又は半硬質ポリマー等の透明又は半透明の材料から製造される。各レセプタクル210は、カラー208のうちの1つを受入れるように構成された第1のボア222と、ファスナ/ネジ21を受入れるように構成された第2のボア224とを有する。図示の実施形態において、第1のボア222は、カラー208を覆って摺動する。レセプタクル210は、カラー208の実質長又は全長にわたって摺動し、カラー208の上にちょうど適合することができる。レセプタクル210は、選択的にカラー208との接触状態及び離間状態で摺動させることができる。変形実施形態では、レセプタクル210をカラー208の長さに沿ったある点で又はカラー208の遠位端部でカラー208に永続的に固着させることができる。
各レセプタクル210は、プラグ基部18の上面28の構成に対応する幾何学形状を有する1つ又は2つ以上の面を有する端部226を有する。ネジが第2のボア224とプラグ基部18内のファスナ孔36との間を進むための継ぎ目のない進行経路を与えるために、レセプタクル210をプラグ基部18に接触させることができる。各レセプタクル210は、各レセプタクル210の端部226をプラグ基部18の上面28の対応する構成と正しく位置合わせするための視覚マーカとして機能する鍵229を有する。図示の実施形態において、各鍵229は、レセプタクル208が、プラグ基部18の上に正しく位置合わせされた時に位置合わせ要素202に直面するように位置決めされる。一般的に、鍵229は、製造及び組立て中に視覚マーカとして使用されるが、使用者によって実施されるレセプタクル210のいずれの調節においても必要に応じて参照することができる。
上述したように、レセプタクル210のボア224は、ファスナ受容カラー208の開口部218を通って出ているファスナ21/ネジを受入れる。図示の実施形態において、第2のボア224の長さは、約ファスナ/ネジ21の長さの前後又はそれよりも若干長い。更に、第2のボア224の直径は、好ましくは、ネジが回されて頭蓋骨内に押し込まれる間に、ファスナ/ネジ21が、第2のボア224の若干圧縮性の壁面によって所定位置に保持されるように、ファスナ21の最大直径、たとえはネジ頭よりも若干小さい。レセプタクル210の材料の圧縮性は、変位させる力が印加される時に、例えば、ネジ回しを用いてボア224を通してネジ/ファスナを締める時に、遠位ボア224を通るファスナ21の制御された移動を可能にする。図示の実施形態において、遠位ボア224は、ファスナ21の移動を更に制御するためにテーパつきにされる。
レセプタクル210とファスナ孔36のアラインメント、及びレセプタクル210によってファスナ/ネジ21に対して与えられる制御された移動は、ファスナ/ネジ21がファスナ孔36内に正しく挿入されることを確実にするのに役立つ。この設計は、ファスナ/ネジ21がファスナ孔36から外れる可能性を制限し、ファスナ/ネジが歪曲することなく頭蓋骨に配置されることを確実にする。
取りわけ、ファスナ受容カラー208及びファスナ保持レセプタクル210の各々は、一体成形された構成要素から形成される。これらの構成要素が別々の部分から形成された場合には、これらの構成要素は、ネジ回しがボア220及び224の内部に配置されている間に不適切にシフト、分離、又は変形する可能性がある。変形実施形態では、ファスナ/ネジ受容カラー208とファスナ保持レセプタクル210とが個別の構成要素として成形される代わりに、ファスナ受容カラー208とファスナ保持レセプタクル210とを単一の構成要素として一緒に成形することができる。
ファスナ/ネジ21をファスナ孔36に位置合わせするのに加えて、プラグ基部保持ツール200は、ファスナ21をファスナ保持レセプタクル210内に予備位置決めすることも可能にする。特に、製造中に、各ファスナ/ネジ21は、ファスナ受容カラー208を通過してファスナ保持レセプタクル210の遠位ボア224内に挿入され、搬送を経て使用に至るまでの間、遠位ボア224内に留めることができる。レセプタクル210内、特に、圧縮性材料内でのファスナ/ネジ21の確実な装着は、搬送及び保存中にファスナ/ネジ21が所定位置に留まることを確実にするのに役立つ。更に、レセプタクル210の圧縮性材料は、搬送中の振動を減衰させてファスナ21の移動を更に防止し、レセプタクル210の透明性は、ファスナ21が正しく位置決めされていることを視認することを可能にする。従って、使用者は、ファスナ/ネジ21を頭蓋骨6内に締める準備が整うと、レセプタクル210内のファスナ/ネジ21に到達するようにファスナ受容カラー208を通してネジ回しを挿入するだけでよい。次に、使用者は、ファスナ/ネジ21をレセプタクル210から直接ファスナ孔36内に、かつ頭蓋骨6に進めることができる。
ファスナ/ネジ21がファスナ孔36を通して頭蓋骨6内に挿入された後に、ファスナ21が頭蓋骨6内に完全に固定されることを確実にするために、プラグ基部保持ツール200のハンドル206を使用することができる。特に、ハンドル206の各ウイングは、ファスナツール(例えばねじ回し)を支持し、ファスナツールをファスナ21に位置合わせするためのツールアラインメント溝228を有する。この目的のために、例えば、下記で更に説明するリテーナ保持ツールを用いて、プラグ基部保持ツール200をプラグ基部18から解放することにより、屈曲タブ214が、プラグ基部18のタブ凹部58から係合解除される。解放されると、図25に示すように、プラグ基部保持ツール200は、90度だけ回転され、タブ214を対応する凹部58内に挿入し、プラグ基部保持ツール200をプラグ基部18と再係合させる。この構成では、ファスナ21を頭蓋骨6内に更に締め込むためにネジ回しシャフトを溝228に配置することができるように、ハンドル206のウイング、特に、ツール適合溝228が、ファスナ孔36と垂直に位置合わせされる。溝228は、ファスナ/ネジ21の歪曲及びプラグ基部18の剥離を防止するために、ネジ回しがファスナ/ネジ21と正しく位置合わせすることを確実にするのに役立つ。
注意する点として、図示の実施形態において、ハンドル206は、位置合わせ要素202の上端部から延びている。変形実施形態では、ハンドル206は、位置合わせ要素202の底部又は中心区画から延びることができる。別の変形実施形態では、ハンドル206は、開放ウイング以外の楕円形構成等の他の構成を有することができる。これらの実施形態及び他の実施形態は、特許文献5(米国特許公開第2009/0112327号明細書)を参照されたい。
次に、図26〜図33を参照して、リテーナ保持ツール300を以下に説明する。リテーナ保持ツール300は、プラグ基部18の開口26内にリテーナ20を位置決めすること、及びプラグ基部18からキャップ22を取り外すことを含む複数の作動を実施する。特に、リテーナ保持ツール300は、ハンドル302と、把持端部304と、挿入端部306とを含み、把持端部304と挿入端部306は、ハンドル302の対向する端部にある。把持端部304は、リテーナ20をプラグ基部18の開口26に位置決めするのに使用され、それに対して挿入端部306は、バーホール用のプラグ16の様々な構成要素内への挿入において、挿入端部306を用いてリテーナ20の可動部分を移動すること又は各部分を別の部分から解放することを含むそのような構成要素を操作するのに使用される。
リテーナ保持ツール300の把持端部304は、ハンドル302を通して延びる金属ピン308を含み、ピン308上にはカラー310が装着される。カラー310上には、C字形形フランジ312が装着され、C字形形フランジ312は、一方がその一端に位置付けられ、他方がその中心の近くに位置付けられた2つのペグ314、316を有する。任意的に、C字形形フランジ312の他端に第3のペグ(図示せず)を設けることができる。ハンドル302は、C字形形フランジ312をリテーナ20上に位置決めし、次に、リテーナ20をプラグ基部18の凹部26に配置するように把持端部304を操作するのに使用される。更に、フランジ312のC字形形構成は、リテーナ20がプラグ基部18に位置決めされている間にバーホール5を出る刺激リード12を含む。特に、C字形形フランジ312は、リードスロット76及びリード12を阻害することなく、リテーナ20の周りに延びている。
C字形形フランジ312及び/又はカラー310は、一般的に、ステンレス鋼又はポリプロピレン又はポリカーボネート等の耐久性プラスチック等の硬質材料から構成される。C字形形フランジ312と他の構成要素との間の把持相互作用を改善するために、C字形形フランジ312の選択された面をシリコーンで被覆することができる。シリコーンの圧縮性及び追加された幅は、そうでなければC字形形フランジ312を含むには小さすぎるか又は大きすぎる可能性がある区域内の面の把持を可能にするので、シリコーンコーティングは、C字形形フランジ312をより広範囲の寸法に使用することも可能にする。
ペグ314、316は、平坦なリテーナディスク66上の接触点、特に、対応する凹部又は孔に係合するように互いに離間する。ペグ314,316は、リテーナ20を保持してプラグ基部18上に位置決めするために、締まり配置、例えば、摩擦嵌めでリテーナ20のディスク66上の対応する特徴部内に挿入可能であるように位置決めされる。特に、1つのペグ314は、リテーナ20の鍵孔凹部80を通して挿入可能であり、別のペグ316は、リテーナ20の摺動凹部86を通して挿入可能である。注意する点として、ペグ314、316は、クランプ機構76が位置決めされたところと反対の側で基部ディスク66と係合する。それによってリテーナ20がプラグ基部18内に逆さまに挿入されないことを確実にする。
リテーナがプラグ基部内に挿入された後に、ツール300が引っ張られた時にそれがプラグ基部18内に挿入されたままリテーナ20から容易に分離するように、ペグ314、316とリテーナ20の間に作用される保持力は、リテーナ20とプラグ基部18の間に作用される保持力よりも小さくなければならない。これを与えるために、ペグが凹部内に挿入される時にペグの間に僅かな内向きのバネ圧縮力を与えるように、ペグ314、316の間の間隔を凹部80、86の間の間隔よりも若干小さくすることができる。更に、C字形形フランジ312を内向きに付勢することができる(すなわち、「C字形」の端部が、「C字形」の中心に向けて付勢される)。変形実施形態では、ペグ314、316は、C字形形フランジのアームが中心から外向きに押し、それによってリテーナ20を保持するように、2つの凹部80、86の間の距離よりも若干大きい分離距離を有するように構成される。別の変形実施形態では、締まり嵌めを強化するために、ペグ314、316は、顎部(図示せず)を含むことができる。
一実施形態において、ツール300は、ペグ314と反対のC字形形フランジ312の端部に位置付けられた支持タブ(図示せず)を含み、それによってツール300がリテーナ20をプラグ基部開口26に位置決めするときのディスク基部66に対する一様な圧力の印加を容易にする。
カラー310は、それ自体と、その上に装着されたC字形形フランジ312とがピン308の回りに回転可能であるように金属ピン308上に装着される。C字形形フランジ312の回転特徴は、リード12の位置と干渉しないように、必要に応じてリード12をフランジ312の開いた中心で受入れるようにフランジ312を位置決めすることを可能にする。カラー310は、それ自体とフランジ312とが自由に回転することを可能にするのではなく、力の印加(例えば、使用者からの)がある場合にしか回転することができないように、ピン308との摩擦嵌めを更に有する。
金属ピン308は、カラー310内に受入れられて、カラー310内で締まり嵌めを形成してC字形形フランジ312が使用中にツール300から分離するのを防止するように構成された顎部320を有する小さい直径のボス318を含む。しかし、C字形形フランジ312は、ボス318とカラー310の間の締まり嵌めに打ち勝つ十分な力の印加により、ピン803から分離することができる。一実施形態において、カラー310の側壁内に可動ピン(図示せず)が配置され、ボス318は、この可動ピンを受入れる環状凹部(図示せず)を有する。可動ピンは、環状凹部と共に摺動し、それによってカラー310、従って、C字形形フランジ312がハンドル302の軸の回りに回転することを可能にする。
金属ピン308は、ハンドル302内の所定位置に固定され、好ましくは、図30で最も良く見ることができるように、ハンドル302の長さを通過して延びている。そうではなく短い長さの金属ピンでは、ピンがハンドルから外れ落ちる高い危険性がある可能性がある。金属ピン308は、ハンドル302内に接着剤を用いて、摩擦嵌めにより、機械ファスナにより、又は他の適切な機構によって固着させることができる。別の実施形態において、ピン308は、ハンドル302に固定された別々の構成要素である代わりに、ハンドル302とモールド成形され、ハンドルと同じ材料、例えば、プラスチックで形成することができる。
ハンドル302は、窮屈な空間内及び他の部分の周りでのリテーナ20の操作を容易にするために、C字形形フランジ312がハンドル302に対して角度が付けられるように把持端部304において湾曲される。従って、ハンドル302は、ツール300が使用されている間にC字形形フランジ及びバーホールの視野を阻害しない。一実施形態において、ハンドル302は、医師が、望ましい角度を得るためにハンドル302を選択的に湾曲させることを可能にする比較的展性のある材料で製造することができる。
別の実施形態において、リテーナ20をプラグ基部18の開口26に位置決めするために、ハンドルと複数のフィンガとを含むリテーナ保持ツール(図示せず)が使用される。フィンガは、好ましくは、湾曲したものであり、リテーナの面に係合するためにハンドル432から延びている。この実施形態及び他の実施形態は、特許文献5(米国特許公開第2009/0112327号明細書)を参照されたい。
ここで、ツール300の挿入端部306を説明すると、挿入端部306は、金属ピン322を含み、金属ピン322は、ノッチ324と、環状固定リング326と、テーパつき端部328とを更に含む。把持端部304の金属ピン308と同様に、挿入端部306の金属ピン322もハンドル302内の所定位置に固定され、図28に最も良く見ることができるように、ハンドル302の実質長を通過して延びている。ツール300の挿入端部にある金属ピン322は、接着剤を用いて、摩擦嵌めにより、機械ファスナにより、又は他の適切な機構によってハンドル302内に固着させることができる。別の実施形態において、ピン322は、ハンドル302に固定された別々の構成要素である代わりに、ハンドル302とモールド成形され、ハンドルと同じ材料、例えば、プラスチックで形成することができる。更に、把持端部304と同様に、任意的に、窮屈な空間内及び他の部分の周りでのピン322の操作を容易にするために、ハンドル302を挿入端部306において湾曲することを可能にする展性材料で製造することができる。ピン322の端部は、バーホール用のプラグ16の構成要素、外科手袋、及び/又は使用者を損傷する危険性を最小にするために丸められる。
挿入端部306は、リテーナ20をプラグ基部18に対して操作するのに使用される。特に、片持ちアーム103を屈曲させて、クランプ機構76を例えば開位置と閉位置の間で移動するために、挿入端部306の金属ピン322を作動凹部109内に挿入することができる。金属ピン322は、リテーナ20を取り付け、それをプラグ基部18から取り外すことを可能にするために、図32に示すように、リテーナ20の鍵孔凹部80内に挿入することができる。特に、ノッチ324及び環状固定リング326が鍵孔凹部80を通して挿入され、固定リング326は、鍵孔凹部80の直径よりも若干大きい直径を有し、従って、固定リング326が鍵孔凹部80内に挿入されると、リテーナは、スナップ式に金属ピンに取り付けられる。更に、ノッチ324は、鍵孔凹部80内に金属ピン322を望み通りに位置決めするために、金属ピン322が鍵孔凹部80内で摺動することを可能にする。金属ピンをリテーナから解放するために、ハンドルは、金属をリテーナからはじき出すレバーとして使用される。更に、リテーナを取り外すために、金属ピンを鍵孔凹部80内に挿入することができ、リテーナをプラグ基部からはじき出すためにレバーとしてハンドルを使用することができる。
ツール300の挿入端部306は、キャップ22をプラグ基部18に配置し、かつそこから取り外すために使用することができる。キャップ22をプラグ基部上に配置するには、プラグ基部18のタブ凹部58内への挿入に向けてキャップ22のタブ114を内向きに押すために、すなわち、屈曲させるためにピン322を使用することができる。キャップ22をプラグ基部18から取り外すには、図33に示すように、金属ピン322をキャップ22の解放溝116のうちのいずれか1つの内部に挿入し、それと共にそれに隣接するリテーナ20のそれぞれのチャネル56内に挿入することができる。ハンドル302を用いて、選択された対応するチャネル56及び解放溝116内のピン322でこの力を印加すると、ピン322は、キャップ22のタブ114のうちの1つ又はそれよりも多くを係合解除し、プラグ基部18のそれぞれのタブ凹部58から解放する。キャップのタブ114がプラグ基部18のタブ凹部58から解放されると、キャップ22をプラグ基部18から取り外すことができる。
変形実施形態では、テーパつきのピン322の代わりに、挿入端部306は、ハンドル302から延びてボール構成で終端する直線シャフトを特徴として有する。
上述のバーホール用のプラグ16をバーホール5内に装着する方法は、特許文献5(米国特許公開第2009/0112327号明細書)に一般的に記載されている。バーホール用のプラグ16と共に上述のツールを使用する方法も、組み込まれた引用の文献に記載されている。
本発明の特定の実施形態を図示して説明したが、本発明をこれらの好ましい実施形態に限定することは意図していないことは理解され、当業者には、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変形及び修正を加えることができることは明らかであろう。従って、本発明は、特許請求の範囲によって定められる本発明の精神及び範囲に含めることができる代替物、修正物、及び均等物を含めるように意図している。