JP5994528B2 - インプリント用マスターモールド及びレプリカモールドの製造方法 - Google Patents

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本発明は、インプリント用マスターモールド及びレプリカモールドを製造する方法に関する。
微細加工技術としてのナノインプリント技術は、基材の表面に微細凹凸パターンが形成されてなる型部材(インプリント用モールド、以下単に「モールド」という場合がある。)を用い、当該微細凹凸パターンを被加工物に転写することで微細凹凸パターンを等倍転写するパターン形成技術である(特許文献1参照)。
かかるナノインプリント技術において用いられる微細凹凸パターンを有するモールドは、例えば、電子線(EB)リソグラフィー等により製造することができる。このようにして製造されるモールドは、微細凹凸パターンの形状や寸法等が高精度のものである一方、製造コストが高くなってしまうとともに、所定回数の転写工程を経ると、被加工物(インプリント用樹脂等)に形成される転写パターンに欠陥が生じてしまったり、モールドの微細凹凸パターンが損傷してしまったりすることがある。
このようにして転写パターンの欠陥やモールドの微細凹凸パターンの損傷が生じてしまった場合に、新たなモールドに交換するとなると、ナノインプリントプロセスを経て製造される製品の製造コストアップにつながってしまう。そのため、産業規模でナノインプリントプロセスを行う際には、一般に、上述のようにして電子線(EB)リソグラフィー等により製造されたモールドをマスターモールド(以下「第1次モールド」という場合がある。)とし、当該第1次モールドを用いたナノインプリントリソグラフィーにより作製した多数のレプリカモールド(以下「第2次モールド」という場合がある。)や、当該第2次モールドを用いたナノインプリントリソグラフィーにより複製した多数のレプリカモールド(以下「第3次モールド」という場合がある。)等が、ナノインプリントプロセスにおけるインプリント用モールドとして用いられている(特許文献2参照)。
このようにして得られる多数の第2次モールドや第3次モールド等は、低コストでの大量生産が可能であるために、それらをナノインプリントプロセスにおけるインプリント用モールドとして用いることで、仮に当該インプリント用モールドが損傷してしまったとしても次々とモールドを交換しながらナノインプリントプロセスを行うことができ、微細凹凸パターンを有する製品を低コストで製造することができる。
米国特許第5,772,905号 特開2010−282995号公報
上記レプリカモールドは、上記マスターモールドを基にして、微細凹凸パターンを等倍転写するパターン形成技術であるナノインプリント技術を用いて得られるものである。そのため、マスターモールドにおける各微細凹凸パターンの配置(モールドのパターン形成面(微細凹凸パターンが形成されている面)上における各微細凹凸パターンの位置)は、マスターモールドからレプリカモールドを作製するまでのインプリント処理回数に応じ、レプリカモールドにおける各微細凹凸パターンの配置(設計パターンデータにおける各微細凹凸パターンの位置)と同一又はそれをミラー反転させてなる配置となるように設計されるのが通常である。例えば、上記インプリント処理回数が奇数であれば、マスターモールドにおける各微細凹凸パターンの配置は、レプリカモールドにおける各微細凹凸パターンの配置をミラー反転させてなる配置に設計される。一方、上記インプリント処理回数が偶数であれば、マスターモールドにおける各微細凹凸パターンの配置は、レプリカモールドにおける各微細凹凸パターンの配置と同一配置に設計される。
しかしながら、レプリカモールド(第2次モールド、第3次モールド等)に含まれる複数の微細凹凸パターンのうちの一部が、本来形成されるべき位置(レプリカモールドの設計パターンデータにおける各微細凹凸パターンの位置)からずれてしまうことがある。この微細凹凸パターンの位置ずれは、モールドのパターン形成面内における微細凹凸パターンの密度の相違、インプリント時におけるモールドや基材の変形、インプリント用樹脂からのモールドの離型時に当該インプリント用樹脂に生じる応力等に代表される様々な影響により生じると考えられるが、特に、レプリカモールドが複数段階のナノインプリントリソグラフィー工程を経て作製されるものである場合、各段階のナノインプリントリソグラフィー工程により生じる位置ずれ量が積算されることで、最終的に作製されるレプリカモールドにおける微細凹凸パターンの位置ずれ量が、許容範囲を超えて顕著に大きくなってしまうことがある。
このようにしてレプリカモールドにおける微細凹凸パターンの位置ずれが生じてしまうと、当該レプリカモールドを用いたナノインプリントプロセスにより形成されるべき微細凹凸パターンが、所望とする位置からずれてしまうという問題がある。
一方で、上記レプリカモールドが使用されるインプリント装置によっては、モールドを変形させて、モールドのパターン形成面内における各微細凹凸パターンの位置を変化させ得るパターン位置補正機構を有し、それにより微細凹凸パターンの位置を変化させた状態でナノインプリントプロセスを行うことができるものもある。
このようなインプリント装置を用いることで、微細凹凸パターンの多少の位置ずれが生じているレプリカモールドであっても、ナノインプリントプロセスに用いることが可能となる。しかしながら、レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの位置ずれ量が、当該インプリント装置のパターン位置補正機構により微細凹凸パターンの位置を変化させ得る量(微細凹凸パターンの位置を変化させ得る量はインプリント装置によって相違するものの、一般に1〜5ppm程度)を超えてしまっていると、依然として上述と同様の問題が生じることとなる。
また、上記のようなインプリント装置におけるパターン位置補正機構は、一般に、モールドの側面に圧力を印加可能なピエゾ素子等のアクチュエータにより構成されるものであり、モールドの側面に圧力を加えてモールドを収縮させることで、微細凹凸パターンの位置を補正するものである。すなわち、上記のようなインプリント装置におけるパターン位置補正機構を用いると、レプリカモールドにおける微細凹凸パターン全体を当該レプリカモールドの中央(パターン形成面を有する面の幾何学的中心)に向かって位置補正をすることができる。しかしながら、レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの位置ずれ方向は必ずしも一定方向であるとは限らず、各微細凹凸パターンの位置ずれ方向が不定方向である場合には、上記インプリント装置におけるパターン位置補正機構によりレプリカモールドにおける微細凹凸パターンを適切な位置に補正することができず、汎用性に欠けるという問題もある。
かかる問題に鑑みて、本発明は、設計パターンデータに実質的に同一なレプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるマスターモールドを製造する方法及び当該方法を利用してレプリカモールドを製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の微細凹凸パターンを有するインプリント用レプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるマスターモールドを製造する方法であって、前記レプリカモールドの設計パターンデータから仮マスターパターンデータを生成する工程と、前記仮マスターパターンデータに基づいて仮マスターモールドを作製する工程と、前記仮マスターモールドを基に、ナノインプリントリソグラフィーにより仮レプリカモールドを作製する工程と、前記仮レプリカモールドの各微細凹凸パターンの位置と前記レプリカモールドの設計パターンデータにおける各微細凹凸パターンの位置とを対比することで、前記レプリカモールドにおいて微細凹凸パターン形成されるべき位置から位置ずれの生じてい前記仮レプリカモールドの微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを算出する工程と、前記仮レプリカモールドにおける前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルに基づいて、前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンに対応する前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正してなる補正マスターパターンデータを生成する工程と、前記補正マスターパターンデータに基づいて、前記マスターモールドを製造する工程とを含むことを特徴とするマスターモールド製造方法を提供する(発明1)。
また、本発明は、複数の微細凹凸パターンを有するインプリント用レプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるマスターモールドを製造する方法であって、前記レプリカモールドの設計パターンデータから仮マスターパターンデータを生成する工程と、前記仮マスターパターンデータに基づいて作製される仮マスターモールドを基に、ナノインプリントリソグラフィーにより作製される仮レプリカモールドにおける微細凹凸パターンのうち、前記レプリカモールドにおける各微細凹凸パターンの形成されるべき位置から位置ずれの生じる各微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを、シミュレーションにより算出する工程と、前記仮レプリカモールドにおける前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルに基づいて、前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンに対応する前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正してなる補正マスターパターンデータを生成する工程と、前記補正マスターパターンデータに基づいて、前記マスターモールドを製造する工程とを含むことを特徴とするマスターモールド製造方法を提供する(発明2)。
上記発明(発明1,2)においては、前記補正マスターパターンデータを生成する工程において、前記仮レプリカモールドにおける前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルの逆ベクトルを求め、当該逆ベクトルを補正値として前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正するのが好ましい(発明)。
上記発明(発明1〜3)においては、前記マスターモールドを第1次モールドとしたときに、前記レプリカモールドは、第n−1次モールドを用いたナノインプリントリソグラフィーにより作製される第n次モールド(nは2以上の整数である。)であり、前記仮マスターモールドを第1次仮モールドとしたときに、前記仮レプリカモールドは、第n−1次仮モールドを用いたナノインプリントリソグラフィーにより作製される第n次仮モールドであって、前記位置ずれベクトルを算出する工程において、前記レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの形成されるべき位置から、前記第n次仮モールドにおける位置ずれの生じる微細凹凸パターンまでの位置ずれベクトルを算出し、前記補正マスターパターンデータを生成する工程において、前記第n次仮モールドにおける前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルに基づいて、前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンに対応する前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正するのが好ましい(発明)。
上記発明(発明1〜)においては、前記レプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるインプリント装置が、当該インプリント装置にて用いられるナノインプリント用モールドを変形可能な変形機構を備えており、前記補正マスターパターンデータを生成する工程において、前記インプリント装置の変形機構によるナノインプリント用モールドの変形量及び前記位置ずれベクトルに基づいて、前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンに対応する前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正するのが好ましい(発明)。
また、本発明は、上記発明(発明1〜)に係るマスターモールド製造方法により製造されたマスターモールドを用い、ナノインプリントリソグラフィーにより前記レプリカモールドを作製することを特徴とするレプリカモールド作製方法を提供する(発明)。
本発明によれば、設計パターンデータに実質的に同一なレプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるマスターモールドを製造する方法及び当該方法を利用してレプリカモールドを製造する方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマスターモールド製造方法の工程を示すフローチャートである。 図2は、本発明の第1の実施形態において作製される仮レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの位置ずれを概略的に示す平面図である。 図3は、本発明の第1の実施形態における基準マークの位置ずれベクトルを概念的に示す平面図である。 図4(a)〜(b)は、本発明の第1の実施形態において補正マスターパターンデータを生成する際に用いられる補正値(位置ずれベクトルの逆ベクトル)を算出する方法を示す平面図である。 図5(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態において補正マスターパターンデータを生成する際に用いられる補正値(位置ずれベクトルの逆ベクトル)を算出する方法であって、図4(b)の後工程を示す平面図である。 図6は、本発明の第2の実施形態に係るマスターモールド製造方法の工程を示すフローチャートである。 図7は、本発明の他の実施形態における微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを求める方法を示す平面図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<マスターモールドの製造方法>
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態に係るマスターモールド製造方法の工程を示すフローチャートであり、図2は、第1の実施形態において作製される仮レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの位置ずれを概略的に示す平面図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係るマスターモールド製造方法においては、まず、当該マスターモールドを基に作製されるレプリカモールドの設計パターンデータ(レプリカパターンデータ)に基づいて、仮マスターモールドの設計パターンデータ(仮マスターパターンデータ)を生成する(S101)。
レプリカパターンデータ及び仮マスターパターンデータのそれぞれには、レプリカモールド及び仮マスターモールドのそれぞれのパターン形成面(微細凹凸パターンが形成される面(領域))上の図形情報(例えば、パターン形成面を示す座標データ;微細凹凸パターンの寸法、形状(平面視形状)、配置(パターン形成面上における各微細凹凸パターンの位置)等を示す座標データ等)、微細凹凸パターンの凹凸に関する情報(例えば、パターンが凹状であるのか凸状であるのかに関する情報、微細凸状(又は凹状)パターンの高さ(又は深さ)に関する情報等)等が含まれる。また、レプリカパターンデータ及び仮マスターパターンデータには、後述する微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを算出する工程(S104)にて基準マークとして用いられる凹凸パターンの寸法、形状、配置(パターン形成面における凹凸パターン(基準マーク)の位置)を示す座標データ等がさらに含まれる。なお、パターン形成面、微細凹凸パターン及び凹凸パターン(基準マーク)等を示す座標データとしては、例えば、レプリカモールド又は仮マスターモールドのパターン形成面の幾何学的中心を原点とした座標値とすることができる。
第1の実施形態において、レプリカモールド(仮レプリカモールド)及びマスターモールド(仮マスターモールド)は、寸法100nm以下程度の微細凹凸パターンを含むのが好ましく、寸法60nm以下程度の微細凹凸パターンを含むのがより好ましく、寸法30nm以下程度の微細凹凸パターンを含むのが特に好ましい。一般に、マスターモールドを基にナノインプリントリソグラフィー工程を経てレプリカモールドを作製する際に、当該レプリカモールドにおいて位置ずれの生じる微細凹凸パターンの当該位置ずれ量(レプリカモールドにおける微細凹凸パターンが形成されるべき位置と、レプリカモールドにおいて実際に微細凹凸パターンが形成される位置との間の距離)は、レプリカモールド作製条件(インプリント条件、エッチング条件、使用する基材やインプリント用樹脂の種類等)にも依るものの、1〜50nm程度であると考えられる。一方、レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの位置ずれ量の許容範囲は、一般に、微細凹凸パターンの寸法の10%程度以下である。したがって、上記寸法(100nm以下程度)の微細凹凸パターンを含むレプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるマスターモールドを製造する場合に、第1の実施形態に係る製造方法は特に有用となる。
基準マークとして用いられる凹凸パターンの寸法(凹部又は凸部の幅(短手方向の幅))は、後述する位置ずれベクトル算出工程(S104)にて基準マークの位置データを測定するために用いられる位置測定装置に応じて適宜設定され得るものであるが、例えば、0.8〜2μm程度である。なお、基準マークは、マスターモールドの微細凹凸パターンとは別個に設けられてなる凹凸パターンであってもよいし、マスターモールドの微細凹凸パターンの中に上記寸法(0.8〜2μm程度)のものが含まれている場合には当該微細凹凸パターンであってもよい。
仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの形状及び配置を示す座標データは、レプリカパターンデータにおける微細凹凸パターンの形状及び配置と同一の座標データ、又はレプリカパターンデータにおける微細凹凸パターンの形状及び配置の座標データを、レプリカモールドにおけるパターン形成面の幾何学的中心を通るY軸(又はX軸)に平行な線分を基準線としてミラー反転してなる座標データとして生成される。
一般に、マスターモールドを基にナノインプリントリソグラフィー工程を経てレプリカモールドを作製しようとする場合、当該マスターモールドを第1次モールドとすると、作製しようとするレプリカモールドは、第n−1次モールドを用いたナノインプリントリソグラフィー工程により得られる第n次モールド(nは2以上の整数である。)である。そのため、作製しようとする第n次モールド(レプリカモールド)におけるnが偶数である場合、第1次モールド(マスターモールド)における微細凹凸パターンは、第n次モールド(レプリカモールド)の微細凹凸パターンの凹凸を反転させたものとなる。一方、作製しようとする第n次モールド(レプリカモールド)におけるnが奇数である場合、第1次モールド(マスターモールド)における微細凹凸パターンは、第n次モールド(レプリカモールド)の微細凹凸パターンの凹凸と同一のものとなる。
したがって、仮マスターパターンデータに含まれる微細凹凸パターンの形状(凹凸)に関するデータは、マスターモールドからレプリカモールドを作製するためのインプリント条件データ(実際に、マスターモールドを基にしてレプリカモールドを作製するまでに行われるナノインプリントリソグラフィー工程の段階数に関するデータ等)に基づいて生成される。例えば、レプリカモールドが第3次モールドである場合、第1次モールド(マスターモールド)を用いて第2次モールドを作製する第1段階目のナノインプリントリソグラフィー工程と、第2次モールドを用いて第3次モールドを作製する第2段階目のナノインプリントリソグラフィー工程との2段階のナノインプリントリソグラフィー工程を経てレプリカモールドが作製されるため、インプリント条件としてのナノインプリントリソグラフィー工程の段階数は2となる。
なお、マスターモールドを基にしてレプリカモールドを作製するまでに行われるナノインプリントリソグラフィー工程の段階数は、レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの形状、マスターモールドを電子線リソグラフィーにより製造する場合には、その際に用いられる電子線感応レジスト材料の種類(ネガ型又はポジ型)等に応じて適宜設定され得る。
次に、生成された仮マスターパターンデータに基づいて、複数の微細凹凸パターン及び基準マーク(凹凸パターン)を少なくとも有する仮マスターモールドを製造する(S102)。
仮マスターモールドは、仮マスターパターンデータに基づいて電子線リソグラフィー等により製造される。したがって、当該仮マスターモールドは、仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの寸法、形状、配置等と実質的に同一なもの、特に微細凹凸パターンの位置ずれが生じることなく製造される。なお、仮マスターモールドは、目的のマスターモールドを製造する際における製造条件(例えば、マスターモールドを構成する基材の材質;マスターモールドを電子線リソグラフィーにより製造する場合には、用いられる電子線感応レジスト材料、電子線照射条件等)と同一条件にて製造される。
続いて、上述のようにして製造された仮マスターモールドを基にして、1又は2段階以上のナノインプリントリソグラフィー工程を経て仮レプリカモールドを製造する(S103)。すなわち、仮マスターモールドを第1次モールドとしたときに、第n−1次モールドを用いたナノインプリントリソグラフィーにより、仮レプリカモールドである第n次モールド(nは2以上の整数である。)を製造する。
なお、仮レプリカモールドを製造する際のナノインプリントリソグラフィー工程は、従来公知の方法により行うことができ、インプリント用樹脂としても、従来公知のインプリント樹脂材料の中から好適なものを適宜選択され得るが、実際にレプリカモールドを製造する際に用いられるインプリント用樹脂と同一のものを用いる。また、各ナノインプリントリソグラフィー工程において微細凹凸パターンが形成される基材(第2次〜第n次モールドを構成する基材)としては、従来レプリカモールドを製造する際に一般的に用いられている基材(例えば、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム、シリコン基板等)を用いることができるが、実際にレプリカモールドを製造する際に用いられる基材と同一のものを用いる。さらに、各ナノインプリントリソグラフィー工程におけるエッチング条件(エッチャントの種類、エッチング時間等)も、実際にレプリカモールドを製造する際のエッチング条件と同一とする。
次に、上述のようにして製造された仮レプリカモールド(第n次モールド)における微細凹凸パターンの配置と、本来形成されるべき配置であるレプリカパターンデータにおける微細凹凸パターンの配置とを対比し、レプリカパターンデータにおける微細凹凸パターンの配置から位置ずれを生じている微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを算出する(S104)。
図2に示すように、仮マスターモールド(第1次モールド)を用いてナノインプリントリソグラフィーにより製造されたレプリカモールド(第2次モールド)Rpにおいて、インプリント工程時における第1次モールド及び/又は基材(第2次モールドRpを構成する基材)の変形、第1次モールドにおける微細凹凸パターンの粗密の程度、第1次モールドの剥離の際にインプリント用樹脂に生じる応力等に代表される様々な影響により、当該第2次モールドRpのパターン形成面PS上の少なくとも一部の微細凹凸パターンの位置(図2において実線の円にて示される位置)Pが、当該微細凹凸パターンの本来形成されるべき位置(レプリカパターンデータにおける各微細凹凸パターンの位置であって、第1次モールドのパターン形成面上の微細凹凸パターンの位置に対してミラー反転させた位置;図2において破線の円にて示される位置)P’からずれてしまうことがある。また、第2次モールドを用いてナノインプリントリソグラフィーにより第3次モールドを製造したときにも、同様にして微細凹凸パターンの位置ずれを生じることがある。
このように、仮レプリカモールドである第n次モールドを製造するまでの間には、n−1段階のナノインプリントリソグラフィー工程が行われることになるが、各段階のナノインプリントリソグラフィー工程における微細凹凸パターンの位置ずれ量が積算され、nが大きくなるほどにレプリカパターンデータとの対比において、第n次モールドの微細凹凸パターンの位置ずれ量が大きくなってしまう。そのため、ナノインプリントリソグラフィー工程を経てレプリカモールドを作製するために用いられるマスターモールドは、上記位置ずれ量を考慮して微細凹凸パターンの配置を補正した設計パターンデータ(補正マスターパターンデータ)に基づいて作製されている必要がある。
仮レプリカモールドが作製されるまでの間に複数段階のナノインプリントリソグラフィー工程を経る場合において、各段階のナノインプリントリソグラフィー工程における各微細凹凸パターンの位置ずれ量の積算値を考慮して補正マスターパターンデータを生成する必要があるが、各段階のナノインプリントリソグラフィー工程における各微細凹凸パターンの位置ずれ量の積算値は、レプリカパターンデータ(又は仮マスターパターンデータ)における各微細凹凸パターンの位置から、第n次モールドにおける各微細凹凸パターンの位置までのベクトル(位置ずれベクトル)により表されることになる。
よって、第1の実施形態においては、レプリカパターンデータと第n次モールドにおける各微細凹凸パターンの位置を対比し、第n次モールドにおいて位置ずれの生じた微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを算出することで、後述するように当該位置ずれベクトルに基づいて仮マスターパターンデータを補正することができる。
位置ずれの生じている微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを求める方法としては特に限定されるものではないが、例えば以下のようにして求めることができる。
まず、仮マスターモールドのパターン形成面上に、微細凹凸パターンとは別に縦横にそれぞれ略等間隔(例えば、0.5〜5mm間隔)で複数(4個以上)の基準マーク(凹凸パターン)を形成しておき、1又は2段階以上のナノインプリントリソグラフィー工程を経て仮レプリカモールドのパターン形成面に形成される基準マーク(凹凸パターン)M1〜MS(Sは4以上の整数である。)の位置データ(座標データ)を、位置測定装置(例えば、Mask Registration Metrology System IPRO Series,KLA-Tencor社製)を用いて測定する。なお、基準マークとしての凹凸パターンの寸法や形状等は、使用する位置測定装置に応じて適宜設定され得る。
そして、各基準マークM1〜MSのそれぞれの位置ずれベクトルVM1〜VMSを求める(図3参照。なお、図3においては隣り合う4つの基準マークM1〜M4のみが示されている。)。各基準マークM1〜MSの位置ずれベクトルVM1〜VMSは、仮マスターパターンデータにおける各基準マークM1〜MSの位置データ(座標データ,仮レプリカモールドにおいて各基準マークM1〜MSが形成されるべき箇所M1’〜MS’の座標データ)と、仮レプリカモールドにおける各基準マークM1〜MSの位置データ(座標データ)とから算出することができる。そして、各基準マークM1〜MSの位置ずれベクトルVM1〜VMSのうち、隣り合う4つの基準マークが形成されるべき箇所(図3に示す例においては当該箇所M1’〜M4’)により囲まれる略正方形状又は略長方形状の各領域(図3に示す例においては領域AR1)内に位置する微細凹凸パターンの形成されるべき箇所P’の座標データに基づく重み付けをした重み付け平均位置ずれベクトルを求める。このようにして求められた重み付け平均位置ずれベクトルを、当該領域内に位置する微細凹凸パターンの位置ずれベクトルとすることができる。
具体的には、上記微細凹凸パターンの位置ずれベクトルは、以下のようにして求めることができる。
まず、上記位置測定装置を用いて、仮レプリカモールドにおける各基準マークM1〜M4の位置データ(図4(a)において実線の円で示される箇所の座標データ)を測定する。
次に、図4(a)に示すように、隣り合う4つの基準マークM1〜M4が形成されるべき箇所M1’〜M4’により囲まれる略正方形状又は略長方形状の領域AR1内において微細凹凸パターンが形成されるべき箇所(図4(a)において破線の円で示される箇所)P’を通るY軸に平行な仮想線分L1を引き、当該箇所P’の当該領域AR1内におけるX軸上の位置(略正方形状又は略長方形状の領域AR1の対向する2辺(Y軸に略平行な2辺)のそれぞれまでの距離の比率,A1:B1)を求める。
続いて、図4(b)に示すように、上述のようにして求められた位置(距離の比率,A1:B1)を、位置ずれの生じた4つの基準マークM1〜M4により囲まれる四角形状の領域AR2における対向する2辺(X軸方向に延びる2辺)に適用し、それらの2辺上において上記比率(A1:B1)となる点X1,X2をそれぞれ求める。
同様にして、図5(a)及び図5(b)に示すように、領域AR1内に位置する微細凹凸パターンの形成されるべき箇所P’を通るX軸に平行な仮想線分L2を引き、当該箇所P’の当該領域AR1内におけるY軸状の位置(略正方形状又は略長方形状の領域AR1の対向する2辺(X軸に略平行な2辺)のそれぞれまでの距離の比率,A2:B2)を求め、当該位置(距離の比率,A2:B2)を、位置ずれの生じた4つの基準マークM1〜M4により囲まれる四角形状の領域AR2における対向する2辺(Y軸方向に延びる2辺)に適用し、それらの2辺上において上記比率(A2:B2)となる点Y1,Y2をそれぞれ求める。
そして、図5(c)に示すように、上述のようにして求められた、上記領域AR2における2組の対向する2辺上の点X1及び点X2,並びに点Y1及び点Y2をそれぞれ結ぶ2本の直線の交点IPの座標データを求め、当該交点IPの座標データと微細凹凸パターンの形成されるべき箇所P’の座標データ(レプリカパターンデータにおける微細凹凸パターンの座標データ)との差分を算出して微細凹凸パターンの形成されるべき箇所P’から交点IPまでのベクトルを求め、当該ベクトルを微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVPとする。
上述した方法により、仮レプリカモールドにおける各微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVPを求めるが、仮レプリカモールドの一部の微細凹凸パターンにおいて位置ずれが生じているのであれば、仮レプリカモールドに含まれるすべての微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVPを求める必要はなく、位置ずれの生じた微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVPのみを求めればよい。
具体的には、仮レプリカモールドのパターン形成面上の基準マークM1〜MSのうち、位置ずれが生じている基準マークMを特定し、隣り合う4つの基準マークMにより構成される領域ARのうち、当該特定された基準マークMを含む領域AR内に含まれる微細凹凸パターンのみについて、位置ずれベクトルVPを求めればよい。すなわち、各領域ARを構成する4つの基準マークMのいずれかにおいて位置ずれが生じている当該領域ARにおいては、当該領域AR内に含まれる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVPを求め、4つの基準マークMのすべてにおいて位置ずれが生じていない領域ARにおいて、当該領域AR内に含まれる微細凹凸パターンについての位置ずれベクトルVPを求める必要はない(その領域AR内に含まれる微細凹凸パターンにおいては、位置ずれが生じていないものと推定することができる)。
そして、上述のようにして位置ずれの生じた各微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを求めた後、各位置ずれベクトルの逆ベクトルを補正値として、仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの配置を補正した補正マスターパターンデータを生成する(S105)。具体的には、仮マスターパターンデータにおける各微細凹凸パターンうち、仮レプリカモールドにおいて位置ずれの生じた微細凹凸パターンに対応する微細凹凸パターンの位置データ(座標データ)に対し、上述のようにして算出した逆ベクトル分の補正を行う。
最後に、生成した補正マスターパターンデータに基づいて、電子線リソグラフィー等によりマスターモールドを製造する(S106)。なお、マスターモールドは、上述の仮マスターモールド製造工程(S102)における製造条件と同一条件にて製造される。
なお、上記S106にてマスターモールドを製造した後、得られたマスターモールドを基にしてナノインプリントリソグラフィーによりレプリカモールドを作製し、当該レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの配置と、レプリカパターンデータにおける微細凹凸パターンの配置とを対比し、レプリカモールドにおける微細凹凸パターンに位置ずれの生じているものがあれば、当該微細凹凸パターンの位置ずれ量に基づいて上記補正マスターパターンデータをさらに補正した上で、マスターモールドを製造してもよい。
上述のようにして補正マスターパターンデータを生成し、当該補正マスターパターンデータに基づいてマスターモールドを製造すると、得られるマスターモールドにおける少なくとも一部の微細凹凸パターンの配置は、レプリカパターンデータにおける対応する微細凹凸パターンの配置と異なるものとなる。しかしながら、補正マスターパターンデータは、レプリカモールド製造過程におけるナノインプリントリソグラフィー工程にて生じる微細凹凸パターンの位置ずれ(複数段階のナノインプリントリソグラフィー工程を経てレプリカモールドが製造される場合においては、各段階のナノインプリントリソグラフィー工程にて生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルの積算値)を考慮して生成されてなるものであり、上記マスターモールドは、当該補正マスターパターンデータに基づいて製造されてなるものである。そのため、当該マスターモールドを基にナノインプリントリソグラフィー工程を経てレプリカモールドを作製すれば、微細凹凸パターンの位置ずれを生じさせることなく、レプリカパターンデータと実質的に同一なレプリカモールドを得ることができる。したがって、第1の実施形態によれば、レプリカモールドの設計パターンデータと実質的に同一なレプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるマスターモールドを製造することができる。
〔第2の実施形態〕
続いて、本発明の第2の実施形態に係るマスターモールド製造方法について説明する。図6は、第2の実施形態に係るマスターモールド製造方法の工程を示すフローチャートである。
図6に示すように、第2の実施形態に係るマスターモールド製造方法においては、まず、当該マスターモールドを基に作製されるレプリカモールドの設計パターンデータ(レプリカパターンデータ)に基づいて、仮マスターモールドの設計パターンデータ(仮マスターパターンデータ)を生成する(S201)。
第2の実施形態において、仮マスターパターンデータは、第1の実施形態における仮マスターパターンデータと同様にして生成される。
次に、当該仮マスターパターンデータに基づいて製造される仮マスターモールドを基にナノインプリントリソグラフィー工程を経て得られる仮レプリカモールドにおける微細凹凸パターンのうち、位置ずれの生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを、例えば汎用有限要素法解析ソフト(Abaqus,SIMULIA社製)を用い、上記第1の実施形態と同様にして測定した基準マークM1〜MS(Sは4以上の整数である。)の位置データ(座標データ)の測定結果に基づき、それを再現するモデル及び境界条件にてシミュレーションにより求める(S202)。
続いて、上述のようにしてシミュレーションにて求めた微細凹凸パターンの位置ずれベクトルの逆ベクトルを算出し、当該逆ベクトルを補正値として、仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの配置を補正した補正マスターパターンデータを生成する(S203)。具体的には、仮マスターパターンデータにおける各微細凹凸パターンうち、仮レプリカモールドにおいて位置ずれの生じる微細凹凸パターンに対応する微細凹凸パターンの位置データ(座標データ)に対し、上述のようにして算出した逆ベクトル分の補正を行う。
最後に、生成した補正マスターパターンデータに基づいて、電子線リソグラフィー等によりマスターモールドを製造する(S204)。
なお、上記S204にてマスターモールドを製造した後、得られたマスターモールドを基にしてナノインプリントリソグラフィーによりレプリカモールドを作製し、当該レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの配置と、レプリカパターンデータにおける微細凹凸パターンの配置とを対比し、レプリカモールドにおける微細凹凸パターンに位置ずれの生じているものがあれば、当該微細凹凸パターンの位置ずれ量に基づいて上記補正マスターパターンデータをさらに補正した上で、マスターモールドを製造してもよい。
上述のようにして補正マスターパターンデータを生成し、当該補正マスターパターンデータに基づいてマスターモールドを製造すると、得られるマスターモールドにおける少なくとも一部の微細凹凸パターンの配置は、レプリカパターンデータにおける対応する微細凹凸パターンの配置と異なるものとなる。しかしながら、補正マスターパターンデータは、レプリカモールド製造過程におけるナノインプリントリソグラフィー工程にて生じる微細凹凸パターンの位置ずれ(複数段階のナノインプリントリソグラフィー工程を経てレプリカモールドが製造される場合においては、各段階のナノインプリントリソグラフィー工程にて生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルの積算値)を考慮して生成されてなるものであり、上記マスターモールドは、当該補正マスターパターンデータに基づいて製造されてなるものである。そのため、当該マスターモールドを基にナノインプリントリソグラフィー工程を経てレプリカモールドを作製すれば、微細凹凸パターンの位置ずれを生じさせることなく、レプリカパターンデータと実質的に同一なレプリカモールドを得ることができる。
したがって、第2の実施形態によれば、レプリカモールドの設計パターンデータと実質的に同一なレプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるマスターモールドを製造することができる。特に、第2の実施形態においては、第1の実施形態とは異なり、補正マスターパターンデータの生成に際して仮マスターモールド及び仮レプリカモールドを実際に作製する必要がないため、第1の実施形態に比して、マスターモールド製造のスループットを向上させることができる。
<レプリカモールドの製造方法>
本実施形態におけるレプリカモールドの製造方法においては、上述した第1及び第2の実施形態に係るマスターモールドの製造方法により製造されたマスターモールドを用い、ナノインプリントリソグラフィー工程を経てレプリカモールドを製造する。
レプリカモールドを製造する際のナノインプリントリソグラフィー工程は、上述した第1及び第2の実施形態において補正マスターパターンデータを生成する際に用いられるインプリント条件と同一条件にて行われる。
上述したように、第1及び第2の実施形態において、1又は2段階以上のナノインプリントリソグラフィー工程にて生じ得る微細凹凸パターンの位置ずれを考慮して補正マスターパターンデータが生成され、当該補正マスターパターンデータに基づいてマスターモールドが製造される。一方、レプリカモールドを製造する過程におけるインプリント条件の相違により、レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの位置ずれ(レプリカパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置からのずれ)ベクトルは相違することになる。
したがって、補正マスターパターンデータを生成する際に用いられるインプリント条件と同一条件にてナノインプリントリソグラフィー工程を行うことで、微細凹凸パターンの位置ずれを生じさせることなく、レプリカパターンデータと実質的に同一なレプリカモールドを製造することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記第1及び第2の実施形態において、レプリカモールドを製造する際に用いられるインプリント装置がモールドを変形させることにより微細凹凸パターンの位置を補正する機構(パターン位置補正機構)を有する場合、当該パターン位置補正機構による微細凹凸パターンの位置補正量を考慮して補正マスターパターンデータを生成してもよい。
この場合においては、インプリント装置のパターン位置補正機構による微細凹凸パターンの位置補正ベクトルを求め、微細凹凸パターンの位置ずれベクトルの逆ベクトル及び当該位置補正ベクトルに基づいて補正マスターパターンデータを生成すればよい。また、このようにして生成された補正マスターパターンデータに基づいて製造されたマスターモールドを基に、ナノインプリントリソグラフィー工程によりレプリカモールドを作製する場合、補正マスターパターンデータを生成した際の、パターン位置補正機構により微細凹凸パターンの位置補正ベクトル(位置補正量)と同一の位置補正量となるように、インプリント装置におけるパターン位置補正機構を作用させてレプリカモールドを製造する。これにより、レプリカパターンデータに実質的に同一なレプリカモールドを作製することができる。
なお、レプリカモールドを製造するまでの間に複数段階のナノインプリントリソグラフィー工程を経る場合においては、そのうちの一部のナノインプリントリソグラフィー工程においてパターン位置補正機構による微細凹凸パターンの位置補正を行ってもよいし、すべてのナノインプリントリソグラフィー工程においてパターン位置補正機構による微細凹凸パターンの位置補正を行ってもよい。
上記第1の実施形態においては、位置ずれの生じている微細凹凸パターンのそれぞれについて、4つの基準マークM1〜M4により囲まれる領域AR1における位置(対向する2辺までの距離の比率;A1:B1,A2:B2)に基づいて位置ずれベクトルを求め、各微細凹凸パターンの位置ずれベクトルの逆ベクトルを補正値として、仮マスターパターンデータにおける各微細凹凸パターンの位置を補正した補正マスターパターンデータを生成している。すなわち、微細凹凸パターンごとに位置ずれベクトル及びその逆ベクトルの大きさ及び方向が異なり得る態様となっているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、隣り合う4つの基準マークにより構成される各領域のうち、位置ずれの生じた基準マークを含む領域内に位置するすべての微細凹凸パターンの位置ずれベクトル及びその逆ベクトルの大きさ及び向きを同一としてもよいし、位置ずれの生じた基準マークを含む領域を2以上の領域に分割し、各分割領域に位置するすべての微細凹凸パターンの位置ずれベクトル及びその逆ベクトルの大きさ及び向きを同一としてもよい。
前者の場合、例えば、図3を参照して説明すれば、4つの基準マークM1〜M4のそれぞれの位置ずれベクトルVM1〜VM4を求め、それらの位置ずれベクトルVM1〜VM4の算術平均値を当該4つの基準マークM1〜M4により囲まれる領域内に位置する微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVPとすることができる。一方、後者の場合、例えば、図7に示すように、4つの基準マークの形成されるべき位置M1’〜M4’により囲まれる領域AR1を4つの分割領域DA1〜DA4に分割した場合、各分割領域DA1〜DA4における幾何学的中心に微細凹凸パターンが形成されるべき箇所P1’’〜P4’’が存在すると仮定して、上記第1の実施形態と同様にして当該箇所P1’’〜P4’’に存在すると仮定された微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVP1〜VP4を求め、それらの位置ずれベクトルVP1〜VP4を各分割領域DA1〜DA4内に位置する微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVPとすることができる。
また、後者の場合において、分割領域(図7に示す例においては分割領域DA1〜DA4)ごとに4つの基準マーク(図7に示す例においては基準マークM1〜M4)の位置ずれベクトル(図7に示す例においてはVM1〜VM4)の重み付けを変えて、各分割領域において当該4つの基準マークの位置ずれベクトルに基づく重み付け平均位置ずれベクトルを求め、当該重み付け平均位置ずれベクトルを各分割領域内に位置する微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVPとしてもよい。
上記第1の実施形態において、4つの基準マークMにより囲まれる領域が複数存在する場合、各基準マークMの位置ずれベクトルVMを平滑化する処理を行ってもよい。位置ずれベクトルVMの平滑化処理を行うことで、位置ずれベクトルVMの計測誤差、仮レプリカモールド(第n次モールド)を作成するまでの間における異常(例えば、仮レプリカモールドを作成するまでの間に、異物の存在によってインプリント樹脂の硬化が不十分であったことなどによる基準マークMの突発的な位置ずれ等)が生じたとしても、各基準マークMの位置ずれベクトルVM及び微細凹凸パターンの位置ずれベクトルVPを正確に求めることができる。
本発明は、半導体装置の製造過程において微細な凹凸パターンを形成するためのナノインプリント工程にて用いられるインプリント用モールドの製造に有用である。

Claims (6)

  1. 複数の微細凹凸パターンを有するインプリント用レプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるマスターモールドを製造する方法であって、
    前記レプリカモールドの設計パターンデータから仮マスターパターンデータを生成する工程と、
    前記仮マスターパターンデータに基づいて仮マスターモールドを作製する工程と、
    前記仮マスターモールドを基に、ナノインプリントリソグラフィーにより仮レプリカモールドを作製する工程と、
    前記仮レプリカモールドの各微細凹凸パターンの位置と前記レプリカモールドの設計パターンデータにおける各微細凹凸パターンの位置とを対比することで、前記レプリカモールドにおいて微細凹凸パターン形成されるべき位置から位置ずれの生じてい前記仮レプリカモールドの微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを算出する工程と、
    前記仮レプリカモールドにおける前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルに基づいて、前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンに対応する前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正してなる補正マスターパターンデータを生成する工程と、
    前記補正マスターパターンデータに基づいて、前記マスターモールドを製造する工程と
    を含むことを特徴とするマスターモールド製造方法。
  2. 複数の微細凹凸パターンを有するインプリント用レプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるマスターモールドを製造する方法であって、
    前記レプリカモールドの設計パターンデータから仮マスターパターンデータを生成する工程と、
    前記仮マスターパターンデータに基づいて作製される仮マスターモールドを基に、ナノインプリントリソグラフィーにより作製される仮レプリカモールドにおける微細凹凸パターンのうち、前記レプリカモールドにおける各微細凹凸パターンの形成されるべき位置から位置ずれの生じる各微細凹凸パターンの位置ずれベクトルを、シミュレーションにより算出する工程と、
    前記仮レプリカモールドにおける前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルに基づいて、前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンに対応する前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正してなる補正マスターパターンデータを生成する工程と、
    前記補正マスターパターンデータに基づいて、前記マスターモールドを製造する工程とを含むことを特徴とするマスターモールド製造方法。
  3. 前記補正マスターパターンデータを生成する工程において、前記仮レプリカモールドにおける前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルの逆ベクトルを求め、当該逆ベクトルを補正値として前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載のマスターモールド製造方法。
  4. 前記マスターモールドを第1次モールドとしたときに、前記レプリカモールドは、第n−1次モールドを用いたナノインプリントリソグラフィーにより作製される第n次モールド(nは2以上の整数である。)であり、前記仮マスターモールドを第1次仮モールドとしたときに、前記仮レプリカモールドは、第n−1次仮モールドを用いたナノインプリントリソグラフィーにより作製される第n次仮モールドであって、
    前記位置ずれベクトルを算出する工程において、前記レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの形成されるべき位置から、前記第n次仮モールドにおける位置ずれの生じる微細凹凸パターンまでの位置ずれベクトルを算出し、
    前記補正マスターパターンデータを生成する工程において、前記第n次仮モールドにおける前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンの位置ずれベクトルに基づいて、前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンに対応する前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマスターモールド製造方法。
  5. 前記レプリカモールドをナノインプリントリソグラフィーにより作製するために用いられるインプリント装置が、当該インプリント装置にて用いられるナノインプリント用モールドを変形可能な変形機構を備えており、
    前記補正マスターパターンデータを生成する工程において、前記インプリント装置の変形機構によるナノインプリント用モールドの変形量及び前記位置ずれベクトルに基づいて、前記位置ずれの生じる微細凹凸パターンに対応する前記仮マスターパターンデータにおける微細凹凸パターンの位置を補正することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のマスターモールド製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のマスターモールド製造方法により製造されたマスターモールドを用い、ナノインプリントリソグラフィーにより前記レプリカモールドを作製することを特徴とするレプリカモールド作製方法。
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