JP5993968B2 - 睡眠段階推定装置、方法およびプログラム - Google Patents

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Description

この発明は、人の睡眠段階を推定するための睡眠段階推定装置、方法およびプログラムに関する。
睡眠段階とは、眠りの深さを表す指標であり、国際的基準では2〜6段階で定義されている。睡眠段階を時系列的に表した睡眠経過図は、医療やヘルスケアの分野において睡眠の状態を把握する上で、重要な情報である。睡眠段階は、ポリグラフ検査にて得られる脳波データまたは筋電データを利用して、専門の技師が視察判定ルールであるR&K法に基づいて時間区間(約30秒)ごとに判定される。しかし、このポリグラフ検査は、ユーザにとって身体的負荷が大きいため、近年では身体的負荷の少ない計測装置で取得可能な心拍データを用いた睡眠段階推定技術に関する研究が盛んに行われている。
心拍データを用いた従来の睡眠段階推定手法は、例えば心拍データから睡眠段階に関連する特徴量を複数生成し、機械学習(サポートベクターマシーンやランダムフォレスト等)を利用して推定するものとなっている(例えば非特許文献1を参照)。
Xiao,M et al., "Sleep stages classification based on heart rate variability and random forest" Biomedical Signal Processing and Control, p624-633, (2013).
ところが、心拍に反映される自律神経活動は、睡眠時の脳活動以外の影響、例えば血圧調整や体温調整、身体の動きや呼吸等の影響も受けて変化する。このため、非特許文献1に記載された技術では、脳活動から得られる睡眠段階に対して心拍から完全に一致して推定することは困難である。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、心拍が脳活動以外の影響を強く受けた場合でも、睡眠段階をより正確に推定できるようにした睡眠段階推定装置、方法およびプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の第1の観点は、睡眠心電図の集合から第1の単位時間ごとに算出された心拍変動特徴量を睡眠段階別に集計した心拍変動情報を記憶した心拍変動記憶部と、前記睡眠心電図の時間軸を前記第1の単位時間より長い第2の単位時間で分割した各時間帯ごとに、前記第1の単位時間ごとの睡眠段階の出現頻度を集計した出現頻度情報を記憶した出現頻度記憶部と、前記分割した各時間帯ごとに、前記第1の時間ごとの睡眠段階の遷移の頻度を集計した遷移頻度情報を記憶した遷移頻度記憶部とを、モデルデータベースとして備える。そして、推定対象の被験者から取得した睡眠心電図から、前記第2の単位時間で分割した各時間帯ごとに、前記第1の時間ごとの心拍変動の特徴量を算出し、この算出された心拍変動の特徴量の時間的な変化と、前記心拍変動記憶部、出現頻度記憶部および遷移頻度記憶部に記憶された情報とに基づいて、前記被験者の前記第1の単位時間ごとの睡眠段階の確率分布を推定するようにしたものである。
この発明の第1の観点には以下のような態様が考えられる。
その第1の態様は、前記被験者の睡眠心電図集合として与えられる、第1の単位時間ごとの睡眠段階の正解ラベルが付与された睡眠時の時間情報を含む睡眠心電図の集合を取得し、この取得された睡眠心電図の集合から、前記第1の単位時間ごとに心拍変動特徴量を算出し、当該算出された心拍変動特徴量を睡眠段階別に集計して心拍変動記憶部に格納する手段と、前記睡眠心電図集合の時間軸を前記第2の単位時間で分割した各時間帯ごとに、前記第1の単位時間ごとの睡眠段階の出現頻度を集計して出現頻度記憶部に格納する手段と、前記第2の単位時間で分割した各時間帯ごとに、前記第1の時間ごとの睡眠段階の遷移の頻度を集計して遷移頻度記憶部に格納する手段を、さらに備えるようにしたものである。
第2の態様は、心拍変動の特徴量を算出する際に、心拍変動特徴量として、心拍変動RRI(R-R Interval)の平均値、RRIの標準偏差、前後するRRI間の差の二乗平均値の平方根(RMSSD)、前後するRRI間の時間的差分が予め設定した時間値以上となった回数の発生割合(pNN50)、前後するRRIのローレンツプロットが描く形状の長辺の長さL、RRIのローレンツプロットが描く形状の短辺の長さT、LおよびTから求められる交感神経活動指標(CSI: Cardiac Sympathetic Index)、LおよびTから求められる副交感神経の活動指標(CVI: Cardiac Vagal Index)、RRIのパワースペクトル波形の高周波成分(HF)、または低周波成分(LF)のうちの少なくとも1つ、或いはこれらの特徴量から算出されるその他の特徴量を算出するようにしたものである。
この発明の第1の観点によれば、推定対象者の心電図データから算出した心拍変動特徴量と、モデルデータベースに予め記憶された心拍変動情報、出現頻度情報および遷移頻度情報とに基づいて、上記推定対象者の睡眠段階が推定される。このため、心拍が睡眠時の脳活動以外の影響、例えば血圧調整や体温調整、身体の動きや呼吸等の影響も受けて変化したとしても、睡眠段階を正確に推定することが可能となる。
この発明の第1の観点に係る第1の態様によれば、学習フェーズにおいて心拍変動情報、出現頻度情報および遷移頻度情報を生成してモデルデータベースに格納する手段を備えたことにより、睡眠段階推定装置において自立的に最適な心拍変動情報、出現頻度情報および遷移頻度情報を生成し格納することが可能となる。
この発明の第1の観点に係る第2の態様によれば、心拍変動の特徴量として多種類の特徴量の中から適当なものを選択することができる。
すなわちこの発明によれば、心拍が脳活動以外の影響を強く受けた場合でも、睡眠段階をより正確に推定することが可能な睡眠段階推定装置、方法およびプログラムを提供することができる。
睡眠段階の出現頻度の一例を時間帯別に示した図。 睡眠段階遷移パターンの出現確率の一例を示す図。 この発明の一実施形態に係る睡眠段階推定装置の機能構成を示すブロック図。 図3に示した睡眠段階推定装置の学習フェーズにおける処理手順と処理内容を示すフローチャート。 図3に示した睡眠段階推定装置の推定フェーズにおける処理手順と処理内容を示すフローチャート。 図3に示した睡眠段階推定装置が備える睡眠段階別心拍変動テーブルの一例を示す図。 図3に示した睡眠段階推定装置が備える時間別睡眠段階出現頻度テーブルの一例を示す図。 図3に示した睡眠段階推定装置が備える時間別睡眠段階遷移頻度テーブルの一例を示す図。 時系列心拍データの観測手法と睡眠段階推定値の出力手法の一例を示す図。 ローレンツプロットの一例を示す図。 心拍変動特徴量の種類を一覧表示した図。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
(原理)
この発明は、入眠後の経過時間に従い睡眠段階の出現頻度と遷移確率が変化することに着目し、心拍が脳活動以外の影響を強く受けた場合でも、より尤もらしい睡眠段階を推定できるようにしたものである。例えば、入眠後の深い眠りから、突然覚醒して再び深い眠りに落ちる可能性は低いが、心拍のみで推定すると0.52の確率でその状態が推定される場合がある。この発明では、このようなめったに起こらない遷移や推定の自信度が低い場合に対する推定確率を下げることで、推定精度を向上させる。
図1は、45名分の睡眠段階データを利用して、30分ごとの各睡眠段階の出現回数を算出した結果の一例を示している。この例から明らかなように、入眠開始から30分間におけるREM(レム睡眠)の出現回数(図1(a))は、図1(b),(c)にそれぞれ示す入眠から180分および360分経過後の30分間におけるREMの出現回数より少なくなる。
また、図2は同じく45名分の睡眠段階データを利用して、30分ごとの各睡眠段階の遷移パターンの出現確率を算出した結果の一例を示している。同図に示すように、入眠開始から30分間におけるREMからNREM(ノンレム睡眠)への遷移確率(図2(a))は、図2(b),(c)にそれぞれ示す入眠から150分経過後および300分経過後の30分間におけるREMからNREMへの遷移確率よりも高くなることが分かる。
そこでこの発明では、経過時間に応じた睡眠段階の出現頻度と遷移確率を学習フェーズにより睡眠段階の生成モデルに組み込み、推定フェーズにおいて、ユーザの心拍データの特徴量を求め、この心拍データの特徴量と上記睡眠段階の生成モデルに基づいて睡眠段階を推定するようにしている。このようにすることで、心拍が脳活動以外の影響を強く受けた場合でも、睡眠段階をより正確に推定することが可能となる。
[第1の実施形態]
(構成)
図3は、この発明の一実施形態に係る睡眠段階推定装置の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態における睡眠段階推定装置1は、例えばサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータからなり、制御ユニット10と、記憶ユニット20と、入出力インタフェースユニット30を備えている。このうち入出力インタフェースユニット30は、心電計2から出力された心電データを取り込むと共に、キーボードまたはタッチパネル等の入力部3および液晶デバイス等の表示部4との間でそれぞれ操作データおよび表示データの入出力を行う。
記憶ユニット20は、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の書き込みおよび読み出しが可能な不揮発性メモリを用いたもので、本実施形態を実施する上で必要な記憶部として、モデルデータベース21と、推定データ記憶部22を備えている。
モデルデータベース20は、心拍変動テーブル211、出現頻度テーブル212および遷移頻度テーブル213を有する。心拍変動テーブル211は、睡眠段階別に、心拍特徴ベクトルの識別情報(心拍特徴ベクトルID)に関連付けて心拍特徴量レベルと出現頻度を格納するために用いられる。図6にその一例を示す。出現頻度テーブル212は、時間帯別に当該時間帯に出現する睡眠段階と出現頻度を格納するために用いられる。図7にその一例を示す。遷移頻度テーブル213は、時間帯別に当該時間帯に発生する睡眠段階遷移パターンとその出現頻度を格納するために用いられる。図8はその一例を示すものである。推定データ記憶部22は、睡眠段階の推定結果を表すデータを格納するために用いられる。
制御ユニット10は、中央処理ユニット(CPU;Central Processing Unit)とメモリを備えたもので、本実施形態を実施する上で必要な制御処理機能として、心拍変動特徴量算出部11と、睡眠段階別心拍変動解析部12と、時間別睡眠段階出現頻度解析部13と、時間別睡眠段階遷移頻度解析部14と、睡眠段階確率推定部15と、推定データ出力制御部16を有している。なお、これらの制御処理機能はいずれも図示しないプログラムメモリに格納されたプログラムを上記CPUに実行させることにより実現される。
心拍変動特徴量算出部11は、心電計2から入出力インタフェースユニット30を介して取り込んだ心電図データをもとに、心拍変動の特徴量を算出する。具体的には、心電波形からピーク間隔を表すRRI(R-RInterval)を検出し、この検出されたRRIをn秒ごとに分割して、フレーム長N[sec]、スライド幅n[sec]で、心拍変動の特徴ベクトルht ={ht1,ht2,…,htk}を算出する。ここで、tは経過時間を示し、t={n,2*n、3*n,…}のようにn秒ずつカウントされる。
睡眠段階別心拍変動解析部12は、学習フェーズにおいて、上記心拍変動特徴量算出部11により算出されたht を、時刻情報tをもとに、入力部3において入力されたn秒ごとの睡眠段階の正解ラベルと対応付け、各睡眠段階の各心拍特徴量の分布を算出する。そして、この睡眠段階ごとに算出された各心拍特徴量の分布を、モデルデータベース21内の心拍変動テーブル211に格納する処理を行う。
時間別睡眠段階出現頻度解析部13は、学習フェーズにおいて、入力部3において入力されたn秒ごとの睡眠段階正解ラベルの時系列データをq分(例えば30分)ごとに分割し、この分割された各時間帯mにおける各睡眠段階iの出現回数を計算する。そして、この算出された各睡眠段階iの出現回数を、モデルデータベース21内の出現頻度テーブル212に格納する処理を行う。
時間別睡眠段階遷移頻度解析部14は、学習フェーズにおいて、上記時間別睡眠段階出現頻度解析部13と同様に、q分ごとに分割された各時間帯mにおいて、n秒ごとの各睡眠段階遷移の出現回数を算出する。そして、この算出された各睡眠段階遷移の出現回数を、モデルデータベース21内の上記遷移頻度テーブル213に格納する処理を行う。
睡眠段階確率推定部15は、推定フェーズにおいて、心電計2から入力された心電図データをもとに上記心拍変動特徴量算出部11により算出された心拍変動特徴ベクトルと、上記モデルデータベース21の各テーブル211,212,213に記憶されている情報とを用いて、n秒ごとの睡眠段階St を推定する。そして、その推定結果を表すデータを推定データ記憶部22に格納する処理を行う。
推定データ出力制御部16は、入力部3において入力された出力指示に応じ、上記推定データ記憶部22から該当するユーザの該当する時間帯における睡眠段階推定結果を表すデータを読み出す。そして、この読み出された推定データを表示させるための表示データを生成し、当該生成された表示データを入出力インタフェースユニット30を介して表示部4へ出力し表示させる処理を行う。
(動作)
次に、以上のように構成された装置による睡眠段階推定動作を説明する。
(1)学習フェーズ
学習フェーズでは、被験者の心電波形を計測しながら、医療従事者等の測定者がn秒ごとに被験者の睡眠段階を目視観察してその観察結果を「睡眠段階の正解ラベル」として入力部3により入力する。そして、睡眠段階推定装置1が、上記心電波形から心拍変動の特徴量を算出して心拍変動テーブル21に格納すると共に、上記入力された睡眠段階の正解ラベルをもとに時間別の睡眠段階出現頻度と睡眠段階遷移頻度を算出してその算出値をそれぞれ出現頻度テーブル212および遷移頻度テーブル213に格納することにより、行われる。図4は、この学習フェーズにおける睡眠段階推定装置1の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
学習フェーズによる計測が開始されると、心拍変動特徴量算出部11の制御の下、先ずステップS11により心電計2から出力された被験者の心電図データが入出力インタフェースユニット30を介して取り込まれる。そして、ステップS12により上記取り込まれた心電図データをもとに心拍変動の特徴量が以下のように算出される。
すなわち、先ず心電図データから心電波形のピーク間隔を表すRRI(R-RInterval)が検出され、この検出されたRRIがn秒ごとに分割される。そして、フレーム長N[sec]、スライド幅n[sec]として、心拍変動の特徴ベクトルht ={ht1,ht2,…,htk}が算出される。ここで、tは経過時間を示し、t={n,2*n、3*n,…}のようにn秒ずつカウントされる。具体例を図9に示す。
心拍変動特徴量としては、例えば心拍変動RRI(RRInterval)の平均値、RRIの標準偏差、前後するRRI間の差の二乗平均値の平方根(RMSSD)、前後するRRI間の時間的差分が50ミリ秒以上となった回数の発生割合(pNN50)、前後するRRIのローレンツプロットが描く形状の長辺の長さL、RRIのローレンツプロットが描く形状の短辺の長さT、LおよびTから求められる交感神経活動指標(CSI: Cardiac Sympathetic Index)、LおよびTから求められる副交感神経の活動指標(CVI: Cardiac Vagal Index)、RRIのパワースペクトル波形の高周波成分(HF)、または低周波成分(LF)のうちの少なくとも1つ、或いはこれらの特徴量から算出されるその他の特徴量が用いられる。なお、RRIのローレンツブロットの一例を図10に、また上記した各心拍変動特徴量の定義を図11にそれぞれ示す。なお、心拍変動特徴量の詳細な算出方法については、例えば非特許文献1に記載されている。
上記心拍変動特徴ベクトルht の各特徴量の値は、例えば0〜1の範囲に正規化した上でLレベルで離散値化しておくとよい。例えば、t=n(最初のn秒区間)のときの特徴ベクトルの1要素目はhn1={0,1,…,L}のように表される。
続いて睡眠段階別心拍変動解析部12において、上記心拍変動特徴量算出部11により算出された心拍変動特徴ベクトルht をもとに、睡眠段階別の心拍変動が以下のように解析される。すなわち、上記算出された心拍変動特徴ベクトルht は、時刻情報tをもとに、入力部3で入力されるn秒ごとの睡眠段階の正解ラベルと対応付けられる。そして、各睡眠段階の各心拍特徴量の分布が算出される。
次にステップS13において、時間別睡眠段階出現頻度解析部13により時間帯(m分)ごとの各睡眠段階の出現頻度が以下のように集計される。すなわち、先ず入力部3において入力されたn秒ごとの睡眠段階正解ラベルの時系列データがq分(例えば30分)ごとに分割され、この分割された各時間帯mにおける各睡眠段階iの出現回数が計算される。このときm=1は0分〜(q×1)分の区間、m=2は(q×1)分〜(q×2)分の区間と表される。そして、この算出された各睡眠段階iの出現回数は、例えば図7に示すように、時間帯に対応付けられて睡眠段階を表す情報と共に出現頻度テーブル212に格納される。
続いてステップS14において、時間別睡眠段階遷移頻度解析部14により、時間帯(m分)ごとの各睡眠段階遷移パターンの出現頻度が以下のように集計される。すなわち、先ずq分ごとに分割された各時間帯mにおいて、n秒ごとの各睡眠段階遷移の出現回数が算出される。
例えば、ある時間帯mにおいて、最初の0〜n秒区間の睡眠段階が「覚醒(WAKE)」、n〜2n秒区間の睡眠段階が「レム睡眠(REM)」の場合、n〜2n秒区間の睡眠段階の遷移は「覚醒(WAKE)→レム睡眠(REM)」の遷移パターンとしてカウントされる。なお、最初の0〜n秒区間の睡眠段階の遷移パターンはカウントしなくてよいものとする。そして、以上のように算出された各睡眠段階遷移の出現回数が、例えば図8に示すように、時間帯に対応付けられて睡眠段階遷移パターンを表す情報と共に遷移頻度テーブル213に格納される。
最後にステップS15において、睡眠段階別心拍変動解析部12により、睡眠段階ごとの心拍変動特徴量が集計され、その算出結果である出現頻度が、例えば図6に示すように心拍特徴ベクトルIDおよび心拍特徴量レベルと共に、各睡眠段階に対応付けられて睡眠段階別心拍変動テーブル211に格納される。例えば、睡眠段階の正解ラベルが「覚醒(WAKE)」のときの全時刻をt_wake ={n,5*n,8*n}としたとき、全時刻に対してht_wake,1=lとなるカウントが記憶される。このとき、心拍変動特徴量の離散値は0≦l≦Lなので、各値についてカウントされる。
(2)推定フェーズ
推定フェーズでは、推定対象者の心電図データのみを計測し、この計測された心電図データから算出される心拍変動特徴量と、心拍変動テーブル211、出現頻度テーブル212および遷移頻度テーブル213に格納されたモデルデータに基づいて、上記推定対象者の睡眠段階St がn秒ごとに推定される。図5はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
先ずステップS21において、心拍変動特徴量算出部11により、心電計2から推定対象者の1回の睡眠における心電図データが取り込まれ、また睡眠段階別心拍変動解析部12により、入力部3により測定者が入力したn秒ごとの睡眠段階の正解ラベルが取り込まれる。そしてステップS22において、心拍変動特徴量算出部11により、上記取り込まれた心電図データからn秒ごとの心拍変動特徴量が算出される。その算出手法は、前記学習フェーズの場合と同じである。
次にステップS23において、睡眠段階確率推定部15の制御の下、推定対象者の睡眠段階の推定が以下のように行われる。すなわち、先ずステップS23によりn秒ごとの睡眠段階変数がランダムに初期化される。例えば、ギブスサンプリングカウンタgが1で初期化される。
次にステップS24において、n秒ごとの睡眠段階変数がギブスサンプリングにより更新され、ステップS25によりギブスサンプリングカウンタgがギブスサンプリング繰り返し数になったと判定されるまで、以下の処理が繰り返し実施される。
(A) 初期値として、時間t=0、睡眠段階S0 =”Wake”に設定する。
(B) 時間tが、睡眠時間Tよりも小さい間では以下の処理を実行する。
(1) 睡眠段階S_{t,g} を、時間t−1の睡眠段階St-1、時間帯Ct 、時間tにおける心拍変動特徴量ht を用いてP(St =i|ht ,St-1=j,Ct =m)の値に従ってサンプリングする。
(2) 時間t=t+1とする。
(C) ギブスサンプリングカウンタgをインクリメント(g=g+1)する。
続いてステップS26において、各時間tについて、g個の睡眠段階サンプリング履歴集合{S_{t,g} }から、各睡眠段階の出現分布を集計し、時間tにおける睡眠段階確率分布として出力する。睡眠段階を出力する場合は、サンプリング履歴集合{S_{t,g} }における最頻値となる睡眠段階を、推定結果として推定データ記憶部22に格納する。
P(St =i|ht ,St-1=j,Ct =m)は以下の式によって得られる。
ここで、θmiは時間帯mにおいて睡眠段階がiになる確率を表し、以下の式にて算出される。なお、Mmiは時間帯mにて睡眠段階iが出現する回数を表す。
また、λmjiは時間帯mにおいて、睡眠段階がjからiへ遷移する確率を表し、以下の式により算出される。なお、Mmjiは時間帯mにて睡眠段階がjからiへ遷移する状態が出現する回数を表す。
さらにφikhtkは、睡眠段階iにおける各心拍特徴量の出現確率を表すもので、以下のように算出される。
睡眠段階iであるときの時間tにて新たに得られる心拍変動特徴ベクトルk番目の要素htkがlであったとき、Miklはモデルデータベースを参照して、htkが値lを満たす時の出現頻度の回数を表している。
なお、上記推定データ記憶部22に記憶された推定対象者の睡眠段階の推定結果を表すデータは、推定データ出力制御部16の制御の下、推定データ記憶部22から読み出される。そして、この読み出された推定データをもとに表示データが生成され、この表示データは入出力インタフェースユニット30を介して表示部4に供給され表示される。図9の下段にその表示結果の一例を示す。
(実施形態の効果)
以上詳述したように一実施形態では、学習フェーズにおいて、被験者の心電図データから睡眠段階ごとの心拍変動特徴量を算出して心拍変動テーブル211に格納すると共に、時間経過に応じた睡眠段階の出現頻度と遷移頻度を求めてこれらをそれぞれ出現頻度テーブル212および遷移頻度テーブル213に格納する。そして推定フェーズにおいて、推定対象者の心電図データから算出した心拍変動特徴量と、上記各テーブル211,212,213に格納された睡眠段階のモデルデータとに基づいて、上記推定対象者の睡眠段階を推定するようにしている。
したがって、心拍が睡眠時の脳活動以外の影響、例えば血圧調整や体温調整、身体の動きや呼吸等の影響も受けて変化したとしても、睡眠段階を正確に推定することが可能となる。また、学習フェーズを備えることで、最適な心拍変動テーブル211、出現頻度テーブル212および遷移頻度テーブル213を構築することができる。
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では睡眠段階推定装置1内に記憶ユニット20を設けた場合を例にとって説明したが、記憶ユニット20をクラウドに設けられたデータベースサーバなどに備え、睡眠段階推定装置1とこのデータベースサーバとの間で通信を行うことによりデータの書き込みおよび読み出しを行うようにしてもよい。
また、前記実施形態では心電計により得られる心電図データをもとに心拍変動特徴量を算出するようにしたが、脈波を計測してその計測データをもとに心拍変動特徴量を算出するようにしてもよい。
さらに、推定結果を表すデータは、通信回線を介して他の端末またはサーバに送信するようにしてもよく、その他制御ユニットが備える制御機能、当該制御機能による処理手順と処理内容、推定結果の表示フォーマットなどについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…睡眠段階推定装置、2…心電計、3…入力部、4…表示部、10…制御ユニット、11…心拍変動特徴量算出部、12…睡眠段階別心拍変動解析部、13…時間別睡眠段階出現頻度解析部、14…時間別睡眠段階遷移頻度解析部、15…睡眠段階確率推定部、16…推定データ出力制御部、20…記憶ユニット、21…モデルデータベース、22…推定データ記憶部、211…心拍変動テーブル、212…出現頻度テーブル、213…遷移頻度テーブル、30…入出力インタフェースユニット。

Claims (5)

  1. 睡眠心電図の集合から第1の単位時間ごとに算出された心拍変動特徴量を睡眠段階別に集計した心拍変動情報を記憶した心拍変動記憶部と、
    前記睡眠心電図の時間軸を前記第1の単位時間より長い第2の単位時間で分割した各時間帯ごとに、前記第1の単位時間ごとの睡眠段階の出現頻度を集計した出現頻度情報を記憶した出現頻度記憶部と、
    前記分割した各時間帯ごとに、前記第1の時間ごとの睡眠段階の遷移の頻度を集計した遷移頻度情報を記憶した遷移頻度記憶部と、
    推定対象の被験者から取得した睡眠心電図から、前記第2の単位時間で分割した各時間帯ごとに、前記第1の時間ごとの心拍変動の特徴量を算出する心拍変動特徴量算出手段と、
    前記算出された心拍変動の特徴量の時間的な変化と、前記心拍変動記憶部、出現頻度記憶部および遷移頻度記憶部に記憶された情報とに基づいて、前記被験者の前記第1の単位時間ごとの睡眠段階の確率分布を推定する推定手段と
    を具備することを特徴とする睡眠段階推定装置。
  2. 前記被験者の睡眠心電図集合として与えられる、前記第1の単位時間ごとの睡眠段階の正解ラベルが付与された睡眠時の時間情報を含む睡眠心電図の集合を取得する手段と、
    前記取得された睡眠心電図の集合から、前記第1の単位時間ごとに心拍変動特徴量を算出し、当該算出された心拍変動特徴量を睡眠段階別に集計して前記心拍変動記憶部に格納する手段と、
    前記睡眠心電図集合の時間軸を前記第2の単位時間で分割した各時間帯ごとに、前記第1の単位時間ごとの睡眠段階の出現頻度を集計して、集計された出現頻度情報を前記出現頻度記憶部に格納する手段と、
    前記分割した各時間帯ごとに、前記第1の時間ごとの睡眠段階の遷移の頻度を集計して、集計された遷移頻度情報を前記遷移頻度記憶部に格納する手段と
    を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の睡眠段階推定装置。
  3. 前記心拍変動特徴量算出手段は、心拍変動特徴量として、心拍変動RRI(R-R Interval)の平均値、RRIの標準偏差、前後するRRI間の差の二乗平均値の平方根(RMSSD)、前後するRRI間の時間的差分が予め設定した時間値以上となった回数の発生割合(pNN50)、前後するRRIのローレンツプロットが描く形状の長辺の長さL、RRIのローレンツプロットが描く形状の短辺の長さT、LおよびTから求められる交感神経活動指標(CSI: Cardiac Sympathetic Index)、LおよびTから求められる副交感神経の活動指標(CVI: Cardiac Vagal Index)、RRIのパワースペクトル波形の高周波成分(HF)、または低周波成分(LF)のうちの少なくとも1つ、或いはこれらの特徴量から算出されるその他の特徴量を算出することを特徴とする請求項1または2記載の睡眠段階推定装置。
  4. 睡眠心電図の集合から第1の単位時間ごとに算出された心拍変動特徴量を睡眠段階別に集計した心拍変動情報を記憶した心拍変動記憶部と、前記睡眠心電図の時間軸を前記第1の単位時間より長い第2の単位時間で分割した各時間帯ごとに、前記第1の単位時間ごとの睡眠段階の出現頻度を集計した出現頻度情報を記憶した出現頻度記憶部と、前記分割した各時間帯ごとに、前記第1の時間ごとの睡眠段階の遷移の頻度を集計した遷移頻度情報を記憶した遷移頻度記憶部とを有するモデルデータベースを備えた睡眠段階推定装置が実行する睡眠方法推定動作方法であって、
    前記睡眠段階推定装置が、推定対象の被験者から取得した睡眠心電図から、前記第2の単位時間で分割した各時間帯ごとに、前記第1の時間ごとの心拍変動の特徴量を算出する過程と、
    前記睡眠段階推定装置が、前記算出された心拍変動の特徴量の時間的な変化と、前記心拍変動記憶部、出現頻度記憶部および遷移頻度記憶部に記憶された情報とに基づいて、前記被験者の前記第1の単位時間ごとの睡眠段階の確率分布を推定する過程と
    を具備することを特徴とする睡眠段階推定動作方法。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の睡眠段階推定装置が具備する各手段が行う処理を、前記睡眠段階推定装置が備えるコンピュータに実行させるプログラム。
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